運輸委員会 第2号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/12/16
会議録
○三池委員長 これより会議を開きます。 最初に政府当局より運輸省関係の所管について説明を聴取いたします。辻政府委員。
○辻政府委員 私より簡単に運輸省の各局の現在当面しております問題を申し上げてみたいと思います。 まず官制順に参りまして海運局関係になりますが、海運局におきましては、従来より引き続きまして外航船舶の整備、日本商船隊の国際競争力の増強についてまず第一に問題を取り上げております。なお最近の太平洋におきます各国の客船の状況にかんがみまして、日本といたしましてぜひ新しく外航客船の配船を考慮したいということで、この建造を考慮いたしております。 第二の問題といたしまして、戦時標準型船舶の処理の問題がございます。これは戦争中に作りました劣悪な船がようやく耐用命数に達しようといたしまして、非常に材質その他が劣っていますので、これを解撤することが望ましいのでございますが、これらの所有者の大部分が中小船主でございますので、これらの船主の救済をあわせ考えまして、いかにしてこれを処理するかについて非常に苦慮しておる次第でありますが、この問題はぜひとも本年度予算におきまして解決をしなければならない問題だというふうに考えております。 それから第三番目に、国内旅客船公団法ができまして、国内旅客船の整備は着々と進んでおりますが、なお全体から見ますれば不十分でございます。また金利負担等におきましても十分でないものがございますので、国内旅客船を整備いたしますと同時に、例年やっております離島航路につきまして助成をいたしまして、離島航路網の確保と整備をはかっていきたい、かように考えております。 以上が大体海運局関係で当面しております大きな問題でございます。 次に船舶局関係でございますが、船舶局関係では、まず第一に、日本の造船は世界的に非常にすぐれておるのでございますが、最近の世界の海運の不況に関連いたしまして、非常に船舶の輸出の隻数、トン数が減って参っておりますので、これらの輸出の振興に力をいたしたいというのが第一の問題でございます。 第二の問題といたしまして、船舶の建造技術の進歩によりまして検査の内容が複雑化し、また対象船舶もふえて参っておるのでございますが、これらの検査体制がこれに伴いませず、非常に御迷惑を一般の関係者にかけているような次第でございますので、これの強化をぜひはかりたいというのが第二の問題でございます。 第三の問題といたしまして、造船関連工業及び中小型の造船業の振興、これらはいずれも中小企業に属するものが多いのでございますが、これらの産業の振興をはかっていきたいというのがおもな点でございます。 次に船員局関係でございますが、船員局の関係といたしましては、船員の雇用、厚生対策の強化を推進したいというのがまず第一点でございます。特に先ほど申し上げましたように、戦時標準船の解撤ということが始まりますと、ある期間でございますが、相当数の船員が下船し、ある期間失業状態になるという結果が招来されますので、これらに対する雇用についても万全の策をとっていきたいというのがまず第一の問題でございます。 それから船員の労働条件の改善あるいは船員教育の充実について、例年の通りでございますが、引き続きやっていきたいということでございます。 次に港湾局関係でございますが、まず港湾局の関係といたしましては、いわゆる国民の所得倍増計画に対応します港湾整備事業を促進する方策といたしまして、新長期港湾整備計画を推進していきたいというのがまず第一点でございます。 なお、それに関連いたしまして、臨海工業地帯の開発の促進のために、臨海工業地開発のための特殊な公団等を作りましてこの事業を促進したいということを考えております。 それからまた港湾の荷役作業の能率化、近代化のために港湾の施設の改善を行なっていきたいということを考えております。 それから最後に港湾及び海岸防災事業推進についても、特に伊勢湾の復旧を初め、東京湾、大阪湾、新潟地区等においてこれらの事業を推進していきたいと考えております。 次に鉄道監督局関係でございますが、まず第一に国鉄輸送力の増強、これも所得倍増の計画と関連いたしまして、戦後非常に国有鉄道の復旧は経済の伸展とバランスがとれませず、おくれがちでございますが、ここで所得倍増計画によりまして飛躍的に日本の経済が発展しますれば、この国鉄の能力の不足というものが非常な隘路になるのじゃないかということを懸念いたしております。この五カ年計画のおもな点を申し上げますと、東海道新幹線の早期完成、幹線輸送力の増強、電化及びディーゼル化の促進、それから通勤通学輸送難の緩和、貨物輸送力の増強等を内容としました強力な計画を推進していきたいというのが、まず第一の問題でございます。 それから第二の問題といたしまして、現在各主要都市におきましては、都市の交通が麻痺的な状況を呈しつつあるのでございますが、まず鉄道監督局の所管といたしまして、都市交通の改善をはかるには、何と申しましても地下鉄による打開策が、各国ともにそういう傾向にありますので、まず大都市におきまする地下鉄の促進をはかっていきたいということを大きな問題に取り上げております。 それからその次に、最近まことに遺憾ながらしばしば新聞紙上をにぎわしておるのでございますが、非常に踏み切り事故が多うございますので、この際踏み切りの安全対策を閣係各省と話し合いまして、強力に推進して参りたいということを考えておる次第でございます。 次に自動車局関係でありますが、自動車局関係の第一の問題といたしましては、陸運事務所を初めとします自動車行政機構の整備をぜひともこの際進めたいということを第一に考えております。 それからそれに伴いまして輸送態勢の確立でございますとか、輸送秩序の確立と事故の防止等にも力をいたしたいと考えております。 また自動車の検査につきましては、年々激増いたしまする車両に応じて遺憾ながら適切な予算が伴わぬような状態がございますので、この際抜本的な機構の改善をしまして、関係者の要望に応じ、検査の充実をはかっていきたいという構想を持っております。 なお自動車損害賠償保障制度を拡充いたしまして、交通事故の関係者に対する保障の充実をはかっていきたいということを考えております。 次に航空局の関係でございますが、航空局の関係といたしましては、まず第一に日本航空の海外路線の拡充を取り上げております。おそらく来年には欧州へ北極回り及び南回りの航路が開設されるめどがほぼつくような状態でございます。 その次に国内航空に対しましては、乗員の養成に対する負担が非常に重いものでございますので、これらについて何らかの助成の措置を講じたいということを考えております。 それから本年の一月に起こしました不幸な名古屋の事故にかんがみまして、航空交通管制業務の整備強化をぜひともはかるべきであると考えております。 なお東京国際空港を初めとしまして国内の空港の整備も、航空の発展に対応して整備していきたい、かように考えております。 それからまた乗員の養成の問題については、民間から乗員の非常な不足の声もございますので、航空機乗員養成規模の拡大もやらなければならぬのじゃないかというふうに考えております。 次に観光局関係でございますが、まず日本観光協会に対しまして引き続き助成をいたしまして、海外の宣伝事務所の増設をやりますと同時に、また国内の受け入れ態勢といたしましては、オリンピックの対策も考えまして、外客向け宿泊施設の整備、あわせて地方産業の開発振興にも資するような観光施設の地方的な整備をやっていきたいというのがまず第一点でございます。 次にユース・ホステルの整備の問題でございまして、これは公営ユース・ホステル及び国立ユース・ホステルの整備を引き続きやっていきたいというのが第二の点でございます。 次に海上保安庁関係でございますが、海上保安庁の関係といたしましては、これも例年のことでございますが、海難救助体制と海上治安体制の強化ということをまず第一に主眼に置いております。これの内容といたしましては、巡視船艇の整備、航空機及び航空基地の整備並びに通信施設の整備等をおもな内容とするものでございますが、これらによりまして海上の救助体制と治安体制の強化をはかりたいというのが一つの主眼点でございます。 第二の問題といたしましては、船舶航行の安全確保に関する体制の強化でございます。これは手段といたしましては、まず航路標識、いわゆる灯台の整備が第一でございまして、水路業務の整備を行ないたいというのが第二の点でございます。 それから次に気象庁の関係でございますが、気象庁の問題といたしましては、これも例年考えておることでございますが、防災気象業務の整備強化を第一に取り上げたいと考えております。防災の中で台風の対策の問題といたしましては、レーダー観測網の整備でございますとか、海岸防災の問題でありますとか、また防災気象官の増強、台風研究の強化というようなことを主眼に置いて考えたいと考えております。 第二に地震津波の対策といたしましては、観測施設の整備、それから津波の予報組織の強化及び津波の研究等を主眼に考えたいと考えております。 その他、農業の災害防止、水害対策等につきましても、引き続き強化をはかっていきたいと考えております。 それから気象庁関係の基礎的な気象業務の整備の問題といたしましては、海上保安庁関係で申し上げましたと同じように、やはり通信施設の整備、近代化ということが、この防災気象につきましても非常に関連がございますので、ぜひともこういう点に重点を置きたい、かように考えております。 それから運輸技術研究所の研究の問題につきましては、特に原子力船の開発研究、それから電子航法の技術の研究及び防災技術の研究、これらに重点を置いて考えていきたい、かように考えております。 最後に航海訓練所の問題でございます。この航海訓練所の訓練は非常に活発に行なわれておるのでございますが、長年使っておりました船が老朽化したものがございますので、相当な金がかかるのでございますが、ぜひともこれを新造いたしまして、新しい訓練に資したい、かように考えております。 以上、簡単でございますが、運輸省の所管事項の説明を終わらせていただきます。 ————◇—————
○三池委員長 次に、陸運に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。井岡君。
○井岡委員 今、辻官房長から、最近踏み切りの事故が非常に多いので、関係省と十分打ち合わせをして何らかの処置を講じたい、こういう御説明がありましたが、たまたまきょうの新聞に、踏切法の法案について立ち往生という見出しで運輸省と建設省が対立をしておる、そのために今度の通常国会には出せないのではないか、こういう予想の記事が載っております。事故が非常に多くて、世間から踏み切りの整備についてはかなりきびしい批判を受けておる際に、なお今日どのような理由かは知らないけれども、政府の中において対立をして今度の通常国会に出せないということは私はまことに不都合だと思うわけです。そういう意味から、その問題になっておる点、この点をまず、建設省がおいでになっておりませんから、運輸省の方からお伺いをいたしたいと思います。
○岡本説明員 踏み切りの問題につきましては、ここ三年ぐらいの問にいろいろ研究いたしておりまして、まず鉄道と道路との交差に関する法律案というふうな法律案を作りまして、それによって交差の施設の整備をはかっていこう、こういうふうな考え方で関係各省と折衝を進めて参りましたけれども、主として建設省との間における食い違いというものは平面交差におきまして当然保安設備をいたすわけでございますけれども、この保安設備の経費分担につきまして運輸省側のわれわれの主張は、道路の交通量がだんだん増加して参りまして、そのために保安設備をしなければならぬということから申しますと、経費の分担につきましては単に鉄道事業者だけに負担させるというのは不公平ではないか、保安設備をしなければならぬ原因というものがやはり道路交通量が激増していくということにもあるのだから、その道路交通の整備に任じております道路管理者側におきましても当然負担すべきだ、こういう考え方を述べておるわけでございますが、建設省といたしましてはこれは当然鉄道事業者の負担であるべきだということで話し合いがつかない。いろいろございますけれども、最大の食い違いというものはここにあるのじゃないかと思います。
○井岡委員 建設省の方がお見えになっておらないから、その最大の原因のところでお聞きをしたいわけです。先ほど辻官房長が言われた、今度は何とかの措置を講じたい、こういうことですが、その講じられる見通しがあるのかないのか、この点を一つお聞きしたい。
○岡本説明員 見通しがあるかどうかというお尋ねでございますが、一応予算としてはわれわれは計上いたしておりますけれども、まずその前提として建設省との間に根本的な話し合いがつかなければ、第一、法律案が出せません。鋭意折衝いたしておりますけれども、今のところではなかなか解決の見通しは困難じゃないかと考えております。でき得れば、自民党の方の交通部会あたりでも取り上げていただきまして、建設省との話し合いにつきまして側面的な御援助をいただきたい、かようにも考えておりますが、何と申しましても向こうも今まで出しておらなかった経費というものを新たに出すことになるのでございますから、なかなかむずかしいのではないかと考えております。
○井岡委員 党の交通部会で取り上げて何とか調整してもらいたい、こういうことでございますが、なるほど私はそれも一つの方法かと思うわけです。しかし行政をあずかる側としては、困ったら党の方におまかせをするのだということでは、これはあまりにも責任を回避した言葉ではないかと思うわけです。単に今日の踏み切りが道路交通上における混雑をしておるというのではなくて、毎日のようにたくさんの人がその事故のためになくなっておる。いわゆる人命を尊重するという立場からいたしますと、これは私はそういう形でなくて、もっと積極的におやりになる必要があるのじゃないかと思う。単に経費の問題だけでなく、もし経費の問題だけであるとするならば、同じ政府間の問題でありますから一致するものがあるのじゃないか、私はこう思うのです。この点をもう一度聞かしておいていただきたい。
○岡本説明員 ただいま私が申し上げました法律案の問題につきましては話し合いはついておりませんけれども、しかしそうかといって踏み切りの整備を鉄道事業者が全然やっておらぬかと申し上げますと、そうではないのでありまして、やはり年々相当経費をかけまして整備に努めておるわけであります。最近の実績を申し上げますと、国鉄にありましては立体交差のために三十四年度二十カ所、三十五年度は四十五カ所、計十三億三千万円をかけまして立体交差をいたしております。それからそのほかに平面交差の踏み切りにつきましていろいろ保安設備を整備するというふうなことで、三十四年度に約六億近い金を使っておるわけでございます。私鉄につきましては立体交差のために三十年度以降三十三年度までに百十二カ所、三億二千万円を負担いたしております。もちろんこれは道路管理者側も負担するわけでございます。そのほか平面交差の踏み切り保安設備の整備につきまして六百二十三カ所、計五億六千万円を使って整備に努めておるわけでございます。なお国鉄におきましては三十六年度以降五カ年間に二百億円を投じまして、約三百カ所の踏み切りを立体交差にする、こういうふうな計画を立てております。
○井岡委員 それでは今早急に立体交差をしなければならない踏み切りは何カ所ありますか。
○岡本説明員 われわれが立てております踏み切りの改善計画でございますが、今の平面交差を立体交差にする分ですか。——この数字は今持ち合わせておりませんから、後ほど至急調べまして御答弁申し上げます。
○井岡委員 そうすると自治省の管理者の方で直接公共団体が平面交差から立体交差に要する経費を負担されているのは大体なんぼかわかりますか。
○松島説明員 道路費全体としては何でございますけれども、その部分というのでは資料を別に持っておりません。
○井岡委員 自治省の方も最近の交通事情をごらんになればおわかりになると思うのですが、都市内における平面交差のために輻湊をして事故が最近非常に多くなっておる。これらの問題について何とか解決しなければならない、こういうようにお考えがあるだろうと思うのです。これらのことについて自治省はどうお考えになっておるか。全く最近の道路交通は行き詰まってしまって動かない。この間も私は東京と大阪とで同じ経験を二回踏んだのであります。わずか歩いて五分か十分のところですが、雨が降っておったために車に乗ったら、一時間から多いところで三時間。歩いて五分間か十分間のところを三時間自動車の中でじっとしておらなければならない。これは一つにはいわゆる最近の交通事情の輻湊にもよりますが、いわゆる平面交差のために、踏み切りのために、一そうこれを困難にしておる。これらのことを自治省はどうお考えになっておるか、これを一応聞かしていただきたい。
○松島説明員 最近の交通事情が非常に悪くなっていますことは、仰せの通りであります。特に都市内におきます交通は、しばしば麻痺状態になっておることも御指摘の通りであります。そこでただいま御指摘の平面交差を立体交差にするという問題が、緊急に特に都市においては取り上げなければならないということは、私ども常々考えておるところであります。ただ御承知の通り、現在の道路法によりますと——道路法と申しますか、現在の道路事業の実態を申し上げますと、国において立てました道路整備五カ年計画がございまして、一級国道、二級国道あるいは主要府県道というものにつきましては、それぞれ建設省がお立てになりました計画に従って、補助事業ないしは直轄事業としてこれを実施いたしておるわけであります。そこで地方の側としましても、緊急差しおきがたい個所につきましては、もちろん建設省と折衝し、優先的に事業計画の中に繰り入れるように努力をいたしております。私どももそれに側面的に努力をしておるつもりでございますけれども、事業を計画し、またそれについて必要な負担金等を交付いたしましす主体は建設省でございますので、私どもとしては、建設省におかれまして、地方団体の要望に従って、ただいま御指摘のような問題が一日も早く解決するように、側面的にいろいろと努力をしておる次第であります。
○井岡委員 建前はそうであろうと思いますけれども、最近の自治省が所管をしておる道路計画の中で、単に建設省におまかせをしてその指図を待ってやっているというようなことでは、私は道路問題は解決しないと思う。やはりもっとあなたの方で積極的に建設省なりあるいは関係方面に当たって、最近の輻湊した事情からどうしても解決するんだという意欲を燃やさなければ、一級国道、二級国道といってそういうところだけをやっておったのではどうにもならなくなってくる。しかもそれ自体が今行き詰まっておる。それを通ろうと思ってほかに逃げると、また逃げたところで行き詰まっておる、全く動かない、こういう状態。これはあなた経験なさっておると思う。それを指図通りにやるんだということでは、私は少し意欲がなさ過ぎるんじゃないかと思うのですが、この点もう一度教えて下さい。
○松島説明員 指図通りにやって参っているのでは必らずしもないのでございまして、要するにそういう実態から申しまして、一日も早く解決すべきところにつきましては、地方においても建設省に強くその解決を要望しておるところでございますし、私どももまたその地方の要望等を受けまして、建設省に、地方とともにこの問題の解決を一日も早く、計画をその部分については少なくとも優先的に進めるように努力をしておるということを申し上げたわけでございます。
○井岡委員 私は不敏にして、あなた方がおやりになったと言われるのですが、承知しないのです。東京でもあるいは横浜でもずっと歩いてみましたが、ここ四、五年の間に立体交差をされたのは、都内においてされた、市内においてされたのはわずかに数えるだけです。三つか四つです。ほとんどはやっておいでになりません。あなたどういうようにおやりになったか、具体的に説明して下さい。どことどことどういうようにしたか。
○松島説明員 実は私どもそういう方の専門家でもございませんので、どこの個所をどういうふうにというようなことは、具体的には存じておりません。しかし、たとえばオリンピックを控えましての東京の道路計画をどうするというような問題のときには常に参画をいたしまして、その工事の促進並びに資金のあっせん等については努力をいたしておるつもりであります。
○井岡委員 だから資金を幾らお使いになったのですか、こう聞いている。あなたはそれはわからない、こう言う。わからないというのはやってないということなんです。やっておったとするならば、それくらいの資金はおわかりになっているはずです。五千万や一億円と違うわけです。一つこしらえれば何億という金がかかるわけです。従ってあなたの方ではそれは十分おわかりになるはずです。それがわからないというのは、結局はやってないということと同じじゃないですか。
○松島説明員 踏み切りというような具体的な問題につきまして、どこにどういう踏み切りがあって、それを工事するのにどの程度かかるかというようなことは、私どもの方も専門家でございませんので、要するに都市の麻痺している交通事情を全体として、たとえば拡幅等も含めまして促進をするように関係各省に呼びかけをしているということを申し上げたわけであります。
○井岡委員 先ほどから運輸省と自治省の方にお聞きしておるのですが、ちょうど建設省の道路局次長さんがお見えになったから、次長さんにお伺いをいたしたいと思います。 最近の道路交通が非常に輻湊をして全く行き詰まりを来たしている。その結果踏み切り等における事故というものが非常に続発をしてきた。毎日のように起こっている。こういうことで、本委員会は前々から何とか踏み切りの完全整備を行なって事故をなくする、交通輻湊を緩和するということに当局に要望をして参ったわけです。先ほども運輸省の辻官房長が、本年は踏み切りの整備を行ないたい、こういうように御説明がありました。たまたまきょうの新聞には、運輸省と建設省が対立をして、今度の通常国会には出せないのじゃないかという悲観の記事が載っております。運輸省に伺いますと、保安設備の経費の分担について意見が折り合わないのだ、こういうお話でございます。私はその折り合わない理由、これを一つ詳細にわれわれが納得できるように御説明をいただきたい、こう思うのです。
○前田説明員 最近交通が相当混雑をしてきまして、交通事故が特に踏み切り等の付近におきまして多いことは、われわれも十分承知をしております。このために、これに対する対策といたしましてはもちろんたくさんあると思いますけれども、道路の整備ということがやはり最も大事なものであると考えまして、特に道路整備の拡充ということにつきまして、来年度から画期的な整備を行ないたいと思って、目下道路費の拡充ということにつきまして努力をいたしておる次第でございます。その道路整備費の拡充、道路事業の強化ということと並行いたしまして、ただいまお話の踏み切りの除去あるいは立体交差の促進ということにつきましても、ただいま御指摘のようにわれわれにおきましても特にこれは重要であると考えまして、その整備には力を入れております。新しい五カ年計画の改定におきましても、できるだけ踏み切りの除却、立体交差の促進ということにつきましては努力をしたいと思っております。 ただいまお話の鉄道と道路との交差に関する法律案の問題につきまして、運輸省と相談をいたしておりますが、まだ若干最終的な調整に至ってない点もございますが、その中の一つが、今お話にございました保安設備に関する費用の負担の問題であります。保安設備につきましては、従来はこれは鉄道側の設置すべきものとされまして、鉄道の側の全面的な指導監督によって仕事を進めていたようにわれわれは承知をいたしております。それに関する規定なども国有鉄道の建設規程とかあるいは地方鉄道の建設規程にございまして、踏み切り保安設備については、道路側の施設というよりはむしろ鉄道側の施設であるというふうに従来から承知をいたしておったところでございます。それを今回運輸省の側におかれましては、道路側で費用を持ってはどうかという御提案のように聞いておりますが、しかし道路側におきましては道路側といたしまして、ただいまお話いたしましたように全国の個所に道路事業をする必要がございまして、なかなかゆとりがないということと同時に、この踏み切り保安施設は社会通念と申しますか、一般的に、鉄道が道路を横切って優先通行をする、それが通行者に危険を及ぼすおそれがあるので、それを警戒せしめるという意味におきまして、鉄道側が一般通行者に対して警戒を与えるという意味において設けた施設でありますので、当然これは鉄道側が持った方がいいじゃないか、こういうふうに考えておりまして、この点につきましてはまだ実は運輸省と最終的な話がついてないということでございます。
○井岡委員 鉄道が道路を横切ってと、こういうことでございますが、私はそれはそういうところもあろうかと思いますけれども、道路計画上から考えて、道路が鉄道を横切っておるところもあるわけですね。しかもそれらのところの方が、いわゆる道路としては大きな役目を果たしている、私はそういうように思うのです。ですからそういう観念でなくて、お互いが話し合いをして、そうして出し合って、何とかこれを整備するということにしなければ、自分たちの観念だけでものを処理しようとすることは私は間違いじゃないかと思う。前代的な解釈だと思うのです。今の解釈は、いわゆる道路を抜くために、できるだけ道路のないところ、そうしてその行く先には必ず鉄道があるが、その場合にはやはりこれを抜いていかなければならぬ、こういうことであろうと思うのです。それでないとほんとうの道路整備というものはできない。現在ある道路を広げようたってなかなか広げられない。だからそういう考え方が私はやはり間違っているのじゃないかと思うのですが、その点もう一度御説明をいただきたい。
○前田説明員 どちらが横切っておるかという点につきましては、その考え方いかんによりまして異なると思いますが、問題は踏み切り保安設備であります。私の方はたとえば踏切道とか立体交差とか、こういうものにつきましてはこれは道路と共通の施設であると考えて、それに対する費用の負担、あるいは設置の促進ということにつきましては、大部分ほとんど運輸省と話はついておるわけであります。保安設備という特殊な設備につきましては、これは道路の通行者に対する注意を与える施設でありましょうけれども、これは道路の施設と見てよいかどうか。むしろこれは鉄道が走るについて一般の通行者に注意を与える施設であって、これは鉄道側が負担していいじゃないか。従来もそういうように取り扱っておる。これをこの際特に性格を変えて、道路側が負担すべきものである、道路の施設の一部であるというように、この際考えを変えるというのは納得できないということを申し上げるわけであります。
○山口(丈)委員 この件に対して関連質問をしたいと思うのですが、鉄道を横切って新しく道路が敷設される場合、あるいはその道路を拡張して、踏み切り道路の拡張工事を行なう場合。そして踏み切りには等級がついておりますから、その等級を引き上げるというような場合の新設工事については、これは従来から私企業の場合においても、あるいは公営の場合においても、その負担は変わっておるわけです。それで全然踏み切りのないところに新しく道路を設けて、それがしかも保安設備を要するような場合におきましては、これは新しく道路を建設した側においてその経費を負担される。あるいはまた既設の踏み切りを拡張いたしまして、新しくその踏み切りの等級が上がり、保安施設について新しい施設を要求されるような場合においては、これはやはりその拡張側においてある程度の経費を負担し、鉄道の方がその経費を補助的に分担をする、こういうような行為も行なわれて参ったわけでありますから、従って今日の踏み切りの保安施設に対する経費というものと、それをさらに安全なものにするために時代の要請として要請されておる、いわゆる立体交差の場合の新しい施設の改良の場合とは、全然違った意味において経費を分担すべきものではないか。特に最近の交通量の増大に伴いまして立体交差を要請せられておるのは、これは単なる施設の改良とかなんとかいうことよりも、むしろこれは社会的に見ましても時代の要請として考えられている次第であります。そこに踏み切りの根本的な解決を要する問題があるのだ。従ってその場合には当然道路工事の一環として、建設省において考えらるべき問題ではないか。それを今日行なわれておる状態を見まするというと、ややともすると自治体、それから事業者等におのおの負担がかかって参るわけであります。鉄道の今日の状態から見ますというと、運賃行政、その他いろいろ行政上の問題もありますけれども、少なくとも立体交差などの場合における膨大な経費の負担ということについて、強くこれが負担にたえ得ないという声を聞き、そのために踏み切りの立体交差というものが非常に遅延を来たしておる。従ってこれは運輸省とかあるいは建設省、自治省、おのおの官庁の所管はありましょうけれども、その所管の、俗にいうなわ張り争いと申しますか、私はそういうものはないと信じておりますけれども、そういうような所管の問題でなく、今日解決せられなければならぬ最大急務の問題であるように考えるわけでありますから、従ってその辺のいわゆる施設の問題と立体交差の問題とは区別をして考えて、これを促進させるという方向をとらなければならぬと思うのでありますけれども、そういう点について運輸省、建設省、自治省、それぞれどういう見解に基づいてなされておるかをお聞きいたしたい、かように考えます。
○岡本説明員 踏み切りの事故を防止する一番いい方法は、御指摘のように平面交差をなくしまして、立体交差にすることでございますが、この立体交差につきましては相当膨大な経費を必要といたします。現在これも御案内のように道路管理者と鉄道事業者がそれぞれいろいろな分担割合で負担し合いまして、立体交差を進めて参っております。これにつきまして運輸省といたしましては、できれば立体交差の場合に国庫で補助をしてもらえばもっと促進できるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。大都市付近におきましては一カ所の立体交差ということはほとんど意味がないのでありまして、ある地点までは全面的に高架にしていく必要がある、こういうことになりますと、東京、大阪あるいは名古屋付近で最小限度の高架にするということを考えてみましても、おそらく六百億、七百億は要るだろうと思います。そういう膨大な経費を必要といたしますので、できれば私は立体交差のために国から補助いたしましてこれを促進するということがいい方法ではないかというふうに考えておりますが、これもなかなか予算の関係でございますので、そう簡単には参らないと思います。しかし鉄道事業者におきましても立体交差にしなければならぬという熱意は持っておりますので、年々、先ほど申し上げましたように、道路管理者と話し合いがついたところはどんどん立体交差が進んでおるような次第でございます。現在踏み切りの交通量を基礎といたしまして推算しますと、全国で至急立体交差にしなければならぬ個所は三百五十カ所もあるわけでございます。国鉄が大体三百、私鉄が約五十カ所でございます。まず立体交差にすることが一番いい方法である。その次には平面交差の場合におきましては極力保安設備を整備していく、こういうことが大事なことであろうかと存じますが、この踏み切り保安設備を整備いたしますにつきましては、運輸省におきまして大体立てております計画は、今後五カ年間くらいに国鉄におきましては三千二百五十四カ所、大体三十五億から四十億かかります。それから私鉄関係におきましては千三百六十五カ所で、大体十三億から十五億かかると思いますが、これはたとえば第四種と申しまして、御承知のように全然踏切警手もおりませんし、従って遮断機もないし、あるいは警報機もついてない、こういう、全然だれもいない、あるいは保安設備もない第四種というものを第一種に格上げする——第一種と申しますのは踏切警手がついておりますとか、あるいは遮断機がついておるというふうな設備でございます。第四種から第一種に上げていくとか、あるいは第三種——現在警報機がつきまして、赤ランプがついておる設備、これではやはり事故が絶えないというので、この第三種からやはり踏切警手をつけました第一種に格上げするとか、それから第二種というものがございまして、踏切警手はついておりますけれども、勤務時間が、たとえば朝五時から夕方の七時までであるとか、そういうふうに限定されておりまして、一日じゅうついてないというふうなところにおきましてはやはりその踏切警手のついてない時間に間違いが起こりやすいのでございまして、これを第一種に格上げしていく、こういうふうなことを、どんどん交通量によりまして進めて参らなければならぬと思いますが、その場合に運輸省が申し上げておりますのは、もちろん鉄道事業者としてもこの保安設備については責任があるし、従ってまたその経費も負担すべきではあるけれども、しかしこの保安設備をしなければならぬという原因が交通量の増大にある。従って全面的に鉄道事業者のみに負担させるということは酷ではないか。そこでせめてこの保安設備の経費につきまして道路管理者側も半分は持ってもらいたい。全般的な考え方で建設省といろいろ話し合いをしておるわけでございますが、とにかく第二次的にはこの保安設備をどんどんふやしていく、いわゆる無人踏み切りをできるだけなくしていく、こういうことが緊急に解決すべき問題であろう、かように考えております。そこで踏切保安法というふうな法律を作りまして、保安設備の経費につきましては道路管理者と折半して、そうして緊急整備していきたい、こういうことでせっかく努力しておるような次第でございますが、先ほど建設省の方からお話がありましたように、従来の歴史的、沿革的な事情から見まして、やはり鉄道事業者の方の責任であるというふうに解釈されますと、なかなか折り合いがつかない、こういう状態であります。
○前田説明員 交通事故を少なくするために立体交差を促進するということにつきましては、ただいま運輸省御当局から話があったと同じでございまして、建設省におきましても特に重点を置いて立体交差の促進ということをやっております。それから踏切道につきましても特に留意いたしまして、ただいま触れられました保安設備につきましては従来から運輸省と話し合いはしておりますけれども、費用の負担につきましては、たとえば踏切道を作る場合におきましても、実は鉄道側が三分の一、それから道路側が三分の二というふうに、道路側が費用を多く持っておるわけでございます。そういう関係で、道路側として費用を持ってしかるべきものにつきましては必ずしもすべてに折半ということではなくて、たとえば立体交差にいたしましても道路側の方が多く持っております。こういうふうな考えでおりますので、最近の道路交通がふえたのは道路側の責任であるから道路側も費用を出すべきであるというふうな御意見に対しましては、やはりもう少し御検討願いまして、保安設備の本来の性格その他から考えまして、もちろん費用がかかることは十分承知でありますけれども、保安設備の新設あるいは改築につきましては鉄道側が持つべきではないかと思っております。ただし先ほどお話がございましたように、道路と一体となって工事をいたします場合には、便宜上道路側で一緒に工事をして、道路の新設だけを一緒にしておる場合もあるわけでございます。
○松島説明員 保安施設の道路管理者側の負担の問題につきましては、御承知の通り二級国道あるいは府県道、市町村道につきましては管理者がそれぞれ都道府県知事、市町村長ということになっております。管理者の費用負担という問題が出て参りますと、結局県財政あるいは市町村財政にも大きな影響を及ぼすことになるわけでございます。私どもといたしましては、道路交通がふえたということによって保安施設をしなければならないという必要が生じてくるということは運輸省のおっしゃられる通りであろうと思いますけれども、しかし事業を経営して参りますためには、やはり社会の進歩に従っていろいろな設備をしていかなければならないという面も企業経営の責任者としてはあるわけでございますので、道路交通がふえたからそれで道路管理者が負担すべきであるというふうに直ちになるかどうかという点につきましては、なお相当疑問を持っておるものでございます。なおこの点は建設省あるいは運輸省と今後ともよく相談して参りたいと思います。
○山口(丈)委員 関連質問でありますから、また私はあとでこれに続きまして今伺いました見解に基づいて御質問を申し上げたいと思いますが、ただ、今の保安設備改善の問題あるいは立体交差の問題については、地方の実情を見ておりますと、その必要度に応じて管理者の方から先に言い出せばその道路管理者の方が負担をする、鉄道の方が先に言い出すと鉄道の方が負担をする、こういうようなことでお互いに角突き合わせをやっていて、それで改良工事が進まない、あるいは保安施設を設けることが遅延するというようなことが多々見られるわけです。一方からいいますと、もちろん今自治省の言われますように、社会的要請としてその鉄道を経営しておる経営責任者にも経営上保安施設についての責任があることはもちろんであります。一方考えますと、根本的にはその経営主体をなす運賃問題その他については、政府の公定料金によってこれが運営されておるわけであります。そういたしますと、おのずからそこに大きな経営上の制約が加えられることは当然であります。でありますから、根本的にこれらの問題と総合的に考えるべき問題であって、ひとり社会的要請がそういう要請であり、しかも経営責任上からしても安全経営をなす上においてはその施設は当然経営者の責任である、こういう公式論だけでこの問題を解決することは困難であります。そこに行政官庁としての行政上の措置が講ぜられてしかるべきである。そのための、いわゆる国家行政上の措置を強く要請せられておるわけであります。これらの点について十分研究をされて、そして次会に私が質問する際にはお互い三者よく御協議の上、まとまった御答弁を願いますことを要望しておきます。
○田口(誠)委員 踏み切り事故防止の対策でございますが、これについては踏み切りの保安設備を五カ年計画で三千五百以上の件数の計画を発表されたわけでございますが、そこでお伺いをいたしたいのは、いまだに設備をされておらない踏み切りがどのくらいあるのか。
○岡本説明員 第四種踏切道が六万二千三百三十七でございます。これは三十四年十月一日現在でとっておる数字でございますので、ただいまでは第四種踏切道の交通量の特に増加したところにおきましてはあるいは第三種にし、あるいは第一種に格上げしたものもございましょうから、これより若干数は減ると思います。三十四年十月では六万二千三百三十七でございます。
○田口(誠)委員 そこで、今までに質問者から指摘もありましたし、答弁もあったのですが、自治省と国鉄との予算の関係でわれわれが答弁を聞いておりますると、こういう計画を立てても実際的に実施に入れるか、設備が建設に入れるかという点について危惧をいたすわけなんですが、この点についてはどうですか。両方の省とも話し合いをまとめて、次の通常国会には必ず計画に基づいた予算化がされるという一つの良心的な自信があるかどうか。抽象的な質問ですけれども、そういう点についてはどうなんですか。
○岡本説明員 先ほど来申し上げておりますように、法律案につきまして話し合いがつくかどうかは別といたしましても、現在国有鉄道におきましてもあるいは地方鉄道におきましても、踏み切りの保安設備の整備につきましてはできるだけのことはやっておるとわれわれ考えております。特に国有鉄道におきましては、立体交差は大きな事業計画の一つとして取り上げておりまして、先ほど申し上げましたように、第二次五カ年計画では二百億投資しまして立体交差を大幅に進めていきたい、こういうふうに言っておりますので、別途お願いいたしております財源措置の見通しがつきますれば、そのように進んで参るかと存じております。もちろん建設省の方におきましても、この立体交差につきましては十分予算を計上されまして、道路管理者の方と鉄道事業者が協力いたしまして作るわけでございますが、両方ともその必要性は十分認識しておりますので、相当程度進展していくものと考えております。私鉄につきましても年々、これも先ほど申しましたように踏み切りの保安設備をどんどん新設いたしておりますし、あるいは改良いたしております。つまり現在無人の踏み切りをあるいは第一種にいたしましたり、あるいは第三種のものを第一種にするとか、そういうふうにいわゆる格上げでございますが、格上げをいたして参っておるのでございまして、これにつきましては政府といたしまして十分督励していきたい、かように考えております。
○田口(誠)委員 自治省の方、どうですか。
○松島説明員 立体交差等の問題は、結局道路事業の一部としてどういうふうに取り扱っていくかという問題でございますので、道路関係を直接主管いたしておられます建設省において、道路整備五カ年計画等の中にどういうふうに事業計画を織り込んでいくかという問題の一環として考えらるべきものではないかというふうに考えておりますので、今後建設省あるいは運輸省とも相談をして参りたいと思います。
○田口(誠)委員 これから考えていくということですか。今の実態について、こういう計画があることは、こう考えておるということでなしに、今のような質問もあったりしたために今後考えていくという、そういう程度のものですか。
○松島説明員 実は、第四種踏み切りが、今運輸省の局長さんがおっしゃられましたような数があるという、私どもはなはだ不勉強でただいままで実態を詳細に承知しておらぬような次第でございますが、今後十分研究して参りたいと思います。
○井岡委員 先ほど皆さんからかなり質問をされておるわけですが、問題は、端的にいうと、踏み切りが道路か踏み切りかということなんですね。道路であるならば、われわれの方は金を出してやる、踏み切りは、それは鉄道がおやりなさい、こういう解釈だと思うのです。間違いありませんか、お伺いしておきます。
○前田説明員 踏み切りは、これは兼用工作物とわれわれは称しまして、道路側から見れば道路であり、鉄道側から見れば鉄道であるということで、費用につきましては、両方が出し合うという形をとって仕事を進めております。
○井岡委員 それなら、最近の交通事情によって、立体交差をしなければならないという要請に基づいたならば、当然その費用負担については、お互いが話し合いをすれば解決する問題じゃないですか。
○前田説明員 立体交差につきましては、道路局におきましても、道路整備の重要な項目と考えまして促進をいたしておりますし、費用の負担につきましては、国鉄との関係につきましては国鉄との協定がございますし、私鉄につきましてもそれに準じて、整備促進について当事者で話し合って促進をするということでございます。
○井岡委員 きょうは時間がありませんから、私は文句を言うために聞いているのじゃないのですから、簡単に聞きます。今問題になっている立体交差の問題、踏み切りの問題、これらの問題で、きょうの新聞では非常に悲観的な記事が載っているわけなんです。このまま放置しておったのでは、道路交通上の問題、あるいは保安上の問題からゆゆしき問題が起こってくる。もう現に起こっている。放置できない。従って早くこれらを整備しなければいけない。こういう観点に立っている。ところが先ほどから聞いておると、なかなか費用の問題で折り合いがつかないようなお話でありましたが、今お聞きすると、これは両方話し合ったらできるような御答弁です。それではこれを出しますか。この法案を出して、そうして積極的に踏み切りを立体交差とし、道路の拡充をはかって、現在の交通輻湊というものを緩和しますか。この点だけを端的にお伺いします。
○前田説明員 私はきょうの新聞をまだ見ておりませんが、踏み切りの問題及び立体交差の問題につきましては、運輸省とはほとんど意見が一致しております。ただ一点、保安設備の費用の負担という点につきまして見解が分かれておるだけであります。その点が両省で話し合いがつけば、もちろん事業費あるいは法律につきましても適当だと思います。
○岡本説明員 ただいま井岡先生の御指摘の点は、大へん失礼でございますが、若干誤解されている点があるのじゃないかと思います。と申しますのは、今建設省の方からお答えがありましたように、立体交差につきましても、たとえば国有鉄道につきましては、建設省と国有鉄道の間におきまして協定ができておりまして、大体建設省が、つまり道路管理者側の方が三分の二、それから国有鉄道の方が三分の一負担する、こういう取りきめがございまして、どんどん立体交差は進んでおるわけです。 それから平面交差につきましては、踏切道の管理の経費につきましては、これは国有鉄道が全面的に負担いたしておりますが、新しく道路が鉄道を横断する場合には、これは原因者負担と称しまして、道路側が踏み切りの経費を負担しておるわけなんです。そういうわけで、話し合いは一応できておりまして、どんどんそれに基づいて踏み切りの保安設備の問題なり、あるいは立体交差は進めておるわけなんです。ただ、むしろ運輸省側の方が問題を提起したようなかっこうになっておりまして、もっと緊急に整備する必要があるから、大いに鉄道事業者側にもやらせたいが、ついては保安設備を設置しなければならぬ原因というものが、急激に道路交通量が増大してきたのであるから、道路交通側にも負担してもらいたい、こういうことでございまして、その点についてはまだ話し合いが済んでおりませんけれども、それはそれとして、現に、先ほど来申し上げておりますように、立体交差も進んでおりますし、あるいは平面交差につきましても、保安設備の改善についてずいぶん努力さしておるわけでございますから、この法案ができないからといって、今の踏み切り問題を全然放置しておくということにはならないのでございまして、もしこの法案ができれば、もっとこの整備が促進されるであろうということでございまして、この法案が成立しないからといって、そう御心配になる必要はないのじゃないかというふうに考えておるのでございます。
○井岡委員 私は誤解というより、初めからそのことを聞いておりましたから、あえてそのことを知って聞いたのですが、それでもなお建設省の方は話し合いをしてやる、こういうことなんです。ですから私は、あなたの方は建設省と話し合いをして、さらに急速におやりになるのかどうか、そうしてお出しになるのかと、こう言っておるのです。
○岡本説明員 先ほど建設省の方から話がございましたように、その点の話し合いがつけば法案を出せるわけでございます。ですから今後鋭意折衝してみたいと考えております。
○井岡委員 もう一度建設省の方にお伺いしますが、今言われたようなことも含めて私は先ほど、おやりになりますかと、こう端的に聞いたんです。そうしたら、おやりになると言った。この点間違いありませんか。
○前田説明員 おやりになるという意味は、私の解釈では、さらにこの問題について折衝を進めるというふうに解釈してよろしければ……。
○井岡委員 折衝を進めると同時に、われわれは法案を出しなさい、そうして急速に整備しなさいと言っているのですから、前提は法案を出して急速に整備するということなんです。だから折衝をするということは同時に出すということに続かなければ、これは折衝だけしておったのでは何にもならない。
○前田説明員 われわれの希望といたしましては、両省で円満に話がついて、しかるべき結論を出して、法案をまとめたいと思っております。
○井岡委員 従って次の国会に出すという執意を持っている、こういうことですね。
○前田説明員 ただその内容につきましては、今後の折衝に待ちたいと思います。
○井岡委員 内容のことを話し合いをあなた方はすると言っておる。そうした中において、どういうような話し合いか、その点については法案が出てこなければわれわれとしては審議ができない。話し合いをして出す、こういうのですかと聞いておる。その熱意を持っておるか、これを聞いておる。
○前田説明員 話し合いを進めまして、話し合いをまとめて出すように努力したいと思っております。
○井岡委員 運輸省いいですね。
○岡本説明員 はあ。
○川野委員 関連質問を一つ。ただいま鉄監局長の御答弁を聞いておりますと、非常に熱のない答弁であるかのように私には聞き取れたのであります。この踏切法案がなくても踏み切りの整備はできるかのような印象を与える御答弁がございましたが、この踏切法案は三年にわたって検討されている法案であると私は存じております。三年もかかって検討して、さらに次の国会において通過させよう、こういう法案でございますから、さだめし私は必要な法案であろうと考えて、熱心に推進申し上げておったのでありますが、ただいまのような熱のない答弁でございますならば、あえて踏切法を推進せぬでもいいような感じを与えたのでございますが、その点について一つ御答弁を願いたいと思います。 なお、実はこの踏切法ができないために、私をして言わしむるならば、国民に非常な被害を与えていると存じます。そこでその責任者なのでございます。運輸省、建設省あるいは自治省、こういうなわ張り争いのために今まで法案提出がおくれておったと私は存じております。それのために先般来毎日、新聞をにぎわしておりますが、非常な損害を国民に与えておる。これはただいま申しました官庁のなわ張り根性の結果が、この法案の成立をおくらかしておるということになりますと、関係者はそういう自己の責任を負うてもらわなければならない、かように私は考えるわけであります。そこでどうか一つ今回はなわ張り根性を捨てて、そうして国家、国民のためにこの法案は絶対必要である、こういう観点に立って次の国会に法案を出すという決意を一つ新たにしていただきたいと思いますが、これについて関係省の御意見をもう一回伺ってみたいと思います。
○岡本説明員 私の御答弁がそういうふうな御印象をお与えいたしましたとしますならば大へん残念でございまして、もちろん私はこの踏み切り問題につきましては非常な熱意を傾けましてやっておるつもりでございます。あらためておわび申し上げたいと存じます。ただ私が申し上げたかったのは、この法案ができないために踏み切りの整備とか改善が全然できないのかというふうな印象を一般に与えることをおそれたのでございますので、片一方で折衝は鋭意進めておるけれども、そうかといって現状を放置しておるのではない。年々やはり相当の経費を出しまして、道路管理者と協力して踏み切りの施設の改善はやり、あるいは立体交差を進めておるんだということを申し上げたにすぎないのでございまして、今後も熱意を持ちましてこの法案をぜひとも次の国会に出したい、かように考えております。
○前田説明員 先ほど申し上げましたように、鋭意努力いたしたいと思います。
○松島説明員 実は、今まで運輸省と建設省との間においてこの法案の問題が論議されていたようでございまして、私どもまことに不勉強で、その話を最近まで承っておらなかったような事情でございます。さっそく勉強いたしまして各省と緊密に連絡をとりまして努力いたしたいと考えております。
○久保委員 関連して。ただいま踏み切りの問題は皆さんからお話がありましたので、結論としてやるということらしいのでありますが、端的にお伺いしますが、保安施設の費用分担の問題で難航しておるのが真実なのか、それともただいま御指摘があったように各省間のなわ張りと言っては大へん語弊がありますが、そういうことからいって難航しているのか、こういう点をはっきりしておくのが一つだと思うのです。これはもし各省間のなわ張り争いというか、そういうことだとするならば、どうも政党が主体性を持って政治をやる日本の政治にはふさわしくないのであって、これは委員長、できますれば総理大臣をお呼びになって決着をつけるのがやはり先決かと私は思うのです。それからそういう点でもちろん御答弁はそんなことはございませんということでありましょうが、そこでお尋ねしたいのは、保安施設の負担区分について運輸省はどういう提案を建設省にされているのか、若干お伺いしたいと思います。どういう点で難航しているのか、今までの御説明の中では、保安施設の費用分担で難航しているということだけでははっきりしませんから簡単に一つ御説明を願いたい。
○岡本説明員 現在保安設備につきましては鉄道事業者が一方的に負担いたしておるわけでございます。つまり第四種の踏み切りに警報機をつける、こういうふうな場合に、国鉄であるならば国鉄が負担し、私鉄であるならば私鉄が負担しておるわけでございます。それを新しく作ろうとしております法律案におきましては、保安設備をしなければならぬ原因は、むしろ道路交通側にあるのだ、道路交通量というものが非常にふえて参りますので、それによって保安設備というものを作らなければならぬのじゃないか。ですから、その新設の経費につきましても道路交通側も負担をしてもらいたい。それは結局腰だめ的な考え方になりますけれども、お互いに折半でいこうじゃないか、こういうことなんでございます。
○久保委員 これは踏切道の発生原因といいますか、発生の過程もございますからいろいろありましょうが、たとえば道路交通の方の輻湊によって格上げする。それに伴う保安施設というのも一つの例でありましょう。もう一つは、逆に道路交通の方はさほどでもない、あまり変化はないが、いわゆる鉄道側の輸送量の輻湊ということとからくる保安施設の問題もあると思います。こういう問題は事こまかに規制することは不可能だと思います。そういうところからいって、大体鉄監局長おっしゃるような折半というふうなところ、あるいは二つの方法としてもう一つは、原則として折半、それでない他の原因によるものは三分の一ないし三分の二というような方法もあると思います。これは道路局次長にお尋ねするのでありますが、そういう煮詰めた話に持っていくつもりは今ないのですか。大体予算折衝だけが今重点であって、どうも各省にまたがるような、そういう法律などは二の次ということになっておるのではなかろうかと思いますが、この点はどうですか。
○前田説明員 法案を二の次に考えているということはございませんが、考え方といたしまして踏切道そのものにつきましては、これは道路の一部として道路管理者が当然費用を出しているのでございますが、保安施設は従来から鉄道の施設であるというふうになっておりますし、交通がふえたのは道路側の責任だから道路側がこの際費用を持つべきであるというふうなことをお考えになるとしたら、この問題は、従来から国鉄と道路管理者の協定におきましても普通の一般の踏切道なり、あるいは立体交差につきましては、負担すべきものにつきましては道路側が鉄道側よりも多い三分の二を負担しております。しかし負担を鉄道側が持ったらいいと考えられる踏切道及び踏み切りの管理、保安施設につきましては鉄道側が負担する、こうなっておりまして、むしろ鉄道側がこの踏切道に対して所要の施設、設備をするということが鉄道側の義務であるというふうにわれわれは考えておりまして、この点につきましてまだ考え方が双方一致していないという点がございまして、両方さらに話を進めることによって何らかの結論を出したいとわれわれは考えているところでございます。
○久保委員 もう時間がありませんから簡単に言いますが、大体見通しとして予算折衝の段階に入っているわけでありますから、来年度からこれを実施するというのに、今から煮詰めた話をしようという考えだけであって、どうも心もとないと思う。一つの提案でありますが、両省に対して保安施設の負担区分についてはそれを除いて、その他の大半の部分についての法案を出してみたらどうです。その結末は国会でやる。大体あなた方にまかせておいたら百年河清を待つがごときで、そんなことじゃできませんよ。それともほんとうに煮詰めてこれからやるつもりであるかどうか、この点は鉄監局長どうでしょう。
○岡本説明員 仰せの通り熱意を持ってやりたいと考えております。
○三池委員長 鈴木仙八君。
○鈴木(仙)委員 蛇足を加えるようでございますが、今立体交差の問題等について大へん御熱意のある御質問とまた御答弁と、非常に満足はしておりますけれども、大体が立体交差ばかりでなく、道路ができましても、運輸省関係というか、国鉄の関係というか、線路にはばまれてその道路が完全に使用ができないというような事例もたくさんあります。私は十三、四年前からこうした問題を申し上げた。あるいは記録にあると思いますが、一向にどうも話し合いがつかないような状態で、今もってそのままに放置されているような状態もかなりある。また踏み切りの問題もかなり前から委員会等に申し上げたが、さらに進捗しないのですが、一つ今度は一生懸命、現実の問題をとらえられて両省で御折衝になって、少しでも早く解決していただきたいことをお願いする次第ですから、どうぞよろしくお願いします。御答弁はいいですよ。 ————◇—————
○三池委員長 次に、海運に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 時間がありませんから簡単にお尋ねをします。 御承知のように米国のドル防衛措置、こういうものに関連して、わが国の海運あるいは造船といいますか、そういうものに対してどういう影響があるのか、この点をお伺いしたいわけであります。特にICA資金による域外調達が中心になる。こういうことになりますれば、当然極東における、たとえば韓国あるいはサイゴンあるいはインド、こういう航路は大半の積荷が減ってくるではないか、こういうふうに思うのであります。これに対して、特に極東区域におけるところの海運というものは、今までも輸入は多くて輸出の方面は少ないという形が出ていると思うのです。そういうところへもってきて今のような形が出てくれば、海運界としても一つの大きな問題になってくる、これが一つであります。 もう一つは、御承知のようにICAの資金による物資は一〇〇%米船に積み取る、こういうようなことを言っておられるようでありますが、そうしますと、特にニューヨーク航路が打撃を受ける。そうでなくても、ニューヨーク航路はすでに盟外船等の問題がありまして、日本の海運界にも多大な影響を今日まで及ぼしているわけです。そういうことを考えますと、これは単に池田さんの安心したような、ドル防衛によるところの問題は大したことはない、何とか努力して解決するんだということだけでは、どうも事海運界は解決つかないのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。さらにアメリカはこの海運政策の強化を今日やって参っておるわけです。こうしますと、特に今申し上げた対米航路というものは大へんな打撃を受けてくるではないか、こういうふうに考えます。これに伴いまして、今度は造船界にも響いてくることは必然だと思うのです。域外調達の問題が中心になれば、今度は特に米船が日本の港に寄港しないということになってくるわけです。そうしますと、修繕そのものを一つとりましても、やはりこれは造船工業界に一つの打撃があると考えられる。そうしますと、当初所得倍増計画と見合って立てつつあるところの造船計画というようなもの、あるいは海運計画というものは一応修正せねばならぬではないだろうか、こういう見方をわれわれはするわけであります。ついては、さしあたり一番問題になるニューヨーク航路に対していかなる措置をとるつもりなのか。最近発表になりました第十六次計画造船にしても、何かニューヨーク航路に入っている九社にはそれぞれ割当がなされた、こういうのですが、そうでなくても、どうも海運会社が多くてうまくいかないというところに、これに割当をするというのは、造船計画が傾向として方針とは逆行するではないか、こういう矛盾がたくさんあるわけなんです。この際概括的でけっこうでありますが、海運局長から、アメリカのドル防衛措置並びに海運政策強化という問題にからんで、日本の海運はどうあるべきか、あるいはどういう打撃を受けつつあるのか、受けようとするのか、こういう点をかいつまんで御説明をいただきたいと思います。
○朝田説明員 ただいまアメリカのドル防衛措置につきまして、海運に対する影響並びに対策について御質問並びに一部御意見を伺ったのでございますが、まことに核心を突かれた御質問であり御意見であると思うのでございます。 概観的に申し上げますと、十一月の六日にアイゼンハワー大統領の声明が出まして以後、第二次、第三次のドル防衛措置が注目されておるのでございますが、すべての内容がただいまのところでは明らかではございません。ことに海運に対する影響の範囲につきましては的確な測定をすることは困難でございますが、一応ただいまお述べになりましたような最近の情勢をもとにいたしまして、お答えを申し上げたいと思うのでございます。 ICA物資の域外調達の禁止の問題でございますが、十二月五日のハーター長官の指令の影響については、これもまた未確定要素がございますけれども、一応こういったICA物資の買付が全面的に停止した場合の影響を考えてみますと、数量的に多いのは、御指摘になりましたように韓国と南ベトナムであります。韓国につきましては、セメント、肥料というものが多いのでございます。ベトナムも同様にセメント、肥料が大部分でございますが、ほかに四千トンばかりの人絹がございます。その他のところでは、たとえばカンボジアとか台湾とかあるいはパキスタン、イラン、インド、タイあるいはインドネシアというところに、今までICA物資を日本海運で輸送をしておりましたのがございますけれども、そのICA物資の船積みの比率は非常に少ないのでございます。総括して申し上げますと、こういった関係航路の日本船で輸送いたしました中で、ICA物資を日本船で輸送いたしました実績は、邦船輸送量の中で大体二五%ぐらいを占めているだろうということがわれわれの推定でございます。そういうことでありまして、大体運賃収入がどの程度の影響があるかということも勉強いたしてみたのでございますが、正確には申し上げられませんけれども、私どもの推定では、これらのICA物資の日本船の運んでおりました輸送量がもし全部停止されるということになれば約六億円程度と推定をいたしておるのでございます。従いまして大体五億ドル近くの運賃収入を全日本海運で上げております中の六億円程度でございますから〇・四%程度であるということで、この分につきましてはそう大きな影響はないと思うのでございます。ただ御指摘の通り対米航路が一体どうなるかということでございますが、これはお説の通り最近のアメリカの国際収支の悪化に伴いまして、商務省あるいは連邦海事委員会と財界あるいは海運界ともしばしば会合をいたしておりまして、アメリカの国際収支改善のためにアメリカ船を使うべきだ、そしてわれわれの積み取り率が向上すれば国際収支の改善に寄与し得るのだということでもって、最近におきましてはシップ・アメリカン運動というものが官民の大きな推進によって展開されておるというようなことを情報としてわれわれは得ておるのであります。対米航路は御指摘の通りその航路の性格上きわめてオープン・カンファレンスでございますので、アウトサイダーの跳梁に直ちに弱みを暴露するということでありますし、今後アメリカの積み取り比率が向上するような各種の運動を展開されますと、対米航路に関する限りは国際競争が熾烈になっていくというふうに考えるのであります。そういったことは一体どういう対策をもってやるのかという御質問でございますが政府関係物資あるいは援助物資あるいは米国輸出入銀行による借款の物資についての輸送については全部一〇〇%アメリカ船で積むべきだという趣旨の政策を、一九〇四年からすでにアメリカとしては海運政策の重要な項目として取り上げておるのでありまして、最近におきましては一九三六年のマーチャント・マリーン・アクトという商船法では、国内法でこういった物資については五〇%以上はアメリカ船で積むべきであるということを規定いたしておりますので、私どもは、こういった海運政策は世界海運の慣行からいたしましても通商貿易の自由の上からいいましても、ことに海運自由の原則からいたしましても、強くアメリカの海運政策を批判いたしておる者の一人でございます。昨年の夏は欧州共同体の九カ国がワシントンに参りまして、こういった一連のアメリカの海運政策を強く批判をいたしておることも御承知の通りであります。私どももこの点に関する限りは同じ態度でもって参りたいということでありますが、最近のドル防衛措置に関連いたしまして、こういった面がますます強化される。一〇〇%まで行くか八〇%までとるかはわかりませんが、国内法のそういった規定からいいまして、少なくとも五〇%はとるということは今までの実績でもありますし、今後五〇%分は権利放棄をするかどうかという問題にかかっておるわけであります。従って外船のためにアメリカの積み取りを五〇%権利放棄するかどうか、これを放棄しないで一〇〇%あるいは八〇%あるいは七五%はアメリカ船で積むべきだというような動きが確かに看取されるのであります。これにつきましては、根本的なそういったアメリカの海運政策についての私どもの態度につきましては、今申し上げた通りであります。ただそのほかのコマーシャル・カーゴ、こういった援助物資とか輸出入銀行によりますところの借款で調達される物資以外のいわゆる自由なドルの買い付けによりますところの輸送物資についても、先ほど来お触れになりましたようにシップ・アメリカン運動というものが強力に展開されておりますので、これについても注目をいたしておるわけであります。こういう問題につきましてはあるいは外交機関を通じてアメリカに申し入れる等、その他の所要の措置をとって参りたいと思うのであります。 次の所得倍増計画との関連でおっしゃいました問題につきましては、全く御意見の通りでありまして、私どもも所得倍増計画、日本の国際収支のバランスの上からいってこの際広く海運を再認識していただきたいという気持を個人的にも持っているわけてございます。所得倍増計画におきましては、御承知の通り千三百三十五万トンの船腹の保有量を目標といたしております。低性能あるいは戦標船、劣悪船の代替建造も含めまして大体九百五十万トンばかり作っていかなければならぬ。そうしますと十年間にそうでありますから、毎年平均いたしますと九十万トン以上からの新造をして参らなければならぬわけでございます。しかしながら御承知のような日本海運企業の状態は、まことに最近における軒並み好況を謳歌いたしております産業に比してきわめて劣悪な状態で、ひとり不況産業として残された部類になっておりますので、こういった企業の強化の面と船腹拡充の課題とをいかにして調和して参るかということが今一つの御指摘の通りの大きな問題でございますので、私どもといたしましては企業の基盤を強化するという方向をたどりつつ、そういった国民経済の要請にこたえて参らなければならぬと思うのであります。従いまして外国船との競争にスタートから劣っておりますような海運政策の是正をお願いいたしているようなわけであります。外国船の受注、新造船の受注によりまして、それが日本海運を圧迫しておりますことは、石炭専用船、あるいは最近起こって参っておりますような種々のオア・キャリアということによっても証明されるところでございますので、私どもは来年の予算におきましても利子補給をさらに船主負担五分になるまでしてもらいたい、開発銀行の金利の引き下げ、こういうことによりまして少なくとも外国船とイコール・ベースに立ち得るような政策の実現を熱望いたしておりますので、この点も一つ御高配を願いたいと思うのでございます。 その次の十六次の新造船の問題でございますが、こういったドル防衛措置と関連いたしまして、種々混乱なりあるいは脆弱性を包蔵いたしておりますようなニューヨーク航路について、海運会社が多過ぎるのでもう少し集中化すべきであるにもかかわらず、今の担当海運会社に全部割り当てた、こういうことでありますが、私どもはその点につきまして、お説の通りニューヨーク航路は九社の海運会社が経営いたしておりますけれども、昨年以来この問題に取っ組みまして、国内体制を整備する、少なくともニューヨーク航路につきまして九社の海運会社を三つのグループに集約いたしまして、運賃の共同計算もやらせる、業務の提携も推進していくということで、目下これによって実施いたしているわけであります。過当競争の防止なりあるいは日本海運のそういった意味におきます業務提携で合理化された形でニューヨーク航路を運営していくということにつきましてはすでに手を打ったつもりでありまして、その間におきまするプール計算その他においてびっこの船、アップ・ツー・デートでないような船を現在持っておりますことはニューヨーク航路経営の全体の上から見て好ましくないというようなことで対米航路に重点を置きますとともに、低船価の際に高速船の整備に力を入れた結果、十六次造船の船主決定はああいう形になったのでございます。 御質問の要点で、あるいは落としておるところもあるかと思いますが、概括的にお答えを申し上げましたのは以上の通りでございます。
○久保委員 そうしますと、従来の海運政策には大筋としてあまり変更を加える必要はない、むしろそれを強化していくことが今日の問題である、こういうふうにとっていいのですか。
○朝田説明員 大した影響はないということを申し上げるわけではありませんが、ICA物資の域外調達が全面停止になりました場合の影響の範囲だけで申し上げますと、そういう数字が出ておるということでございます。ただいま申し上げましたように、コマーシャル・カーゴについても出て参りましょうし、あるいは今後ICA物資以外のたとえば綿花借款のような問題もありますし、最近報道されておりますトヨタ自動車の機械の購入の問題につきましても、そういったアメリカ船に積み取らせるような一つの力が加わって参りますことを私どもは軽視しておるわけでは決してございません。ICA物資に関する限りの数字であるいは少しそういう感じをお持ちになったかと思いますけれども、その他のものの方が御指摘の通り非常に大きい影響を将来与えるのではないかということで私は憂慮いたしておるわけでございます。従ってわれわれの対策といたしましては、コマTシャル・ベースで買うようなものにつきましてはこれは強硬に外交機関を通じて申し入れをすべきである、こう思います。 それから国内法でそういった援助物資なり米国の輸出入銀行の借金によって調達する物資についての権利放棄をしなくなるというような事態に対しましてもできるだけの手を打っていくべきだ、こういうふうに考えるのでございます。従来の行き方で安易に考えるべきではないと思うのであります。従いまして、私どもは外交機関を通じて申し入れをするなりあるいは国内体制として日本の海運企業を激化して参ります国際競争に対処してイコール・ベースに置くという海運政策の是正を一つこの際強力に実施すべきだ、こういうふうに考えるのでございます。
○久保委員 コマーシャル・カーゴの問題ですが、これは御指摘の通り最近の事例でもあるわけです。こういうのは条約面からいっても外交機関を通じてこれの不当性を是正することが必要だと思うのですが、これはやっておられるのですか。
○朝田説明員 明らかに最近現われましたケースは、今申し上げましたようにトヨタ自動車の場合でございまして、これは在米大使館を通じて先方の政府に申し入れ、交渉中でございます。
○久保委員 いずれにしてもアメリカの海運政策は非常にきつくなりつつあると思う。そういう際に既定方針通りの計画造船というのは言葉の上ではございませんが、実質的に計画造船もあります。 それから積み取り比率の向上ということで六〇%内外に今後持っていくという申し入れもあるわけでありますが、大体そういうものもこの際もう一ぺん検討し直してやるべきではないだろうかと私らは考えております。もちろん外交交渉によって打開するものもあると思うのですが、非常な決意でもってアメリカはやってきていると思う。こういう際にアメリカの決意のほどをあまり度外視といっては語弊がありますが、軽く見てまあまあ船腹増強である、あるいは体質改善である、この二つから日本の海運界を興隆していけばいいのだ、積み取り比率もそのうちには何とか六〇%をこえるだろう、こういうことではないだろうと思うが、そういうことでは大へん失礼な話だが、日本の海運界というのはどろぼうに追い銭といっては大へん言葉がまずいのでありますが、どうも効果が上がらぬではないかと思います。最近産業計画会議からも何か計画が政府の方に出されたそうでありますが、これしもやはり検討を要する事態が相当あると思う。だからこの際抜本的に、日本の海運界というのは何かアメリカにたよるという——海運界のみならずみなそうでありますが、大まかにいってそういうことからもう少し展望を広めて、海運界の将来というものを考えながら、計画といいますか、根本的に方針を練り直していったらどうかと私は思うのです。そうでないと単に今までの戦時補償の打ち切りとか、それによって金利がかさむとかいうようなことだけに追われていって、日本の海運界を処理しようというのは私は誤りだろうと思う。だからこの辺で大きいメスを入れて、今までの問題もさりながら、新しい展望に立って一つ立ち直しを考えてみたらどうかと思う。産業計画会議の詳細もよくわかりませんが、新聞の報ずるところによれば、従来船主側が唱えておったようなものが大筋でありまして、今後千五百億の開銀資金はたな上げしろとか、利息はどうしろとかいうようなことに重点が置かれておるのではなかろうかと思う。それだけでは体質改善には当面なるかもしれませんが、将来の日本の海運の立て直しにはちょっとどうかと私は思う。非常に見方が甘いかもしれませんが、いずれにしてもこれはこの際一つアメリカ依存の立場から脱却する方向をこの辺で打ち出して計画を練り直して、大筋を練り直すということの方が正当な筋ではないかと思うのですが、どうですか。
○朝田説明員 海運の問題につきまして、アメリカとの関係におきましては、これはアメリカに依存しておるというような形では決してないのであります。貿易がまず先行をいたしておりまして、それを輸送する海運の役割を果たさなければならぬものでありますから、日本の貿易全体の対米の比率が約三割を占めておると思いますが、そういうことに対して海運が自国の輸出物資を運び、原材料の物資を輸入するために日本船を使うということでありまして、アメリカに日本の海運が依存しておることでは決してないのであります。従いましてむしろ日本船に積み取られて、日本船の活躍が旺盛なために、アメリカの海運がやられて国際収支が悪くなった、こういうことさえ言っておるのであります。アメリカの海運に依存するとか、あるいはアメリカの海運政策というものに引きずられておるということばかりでは決してないのであります。しかしわれわれとしては、そういうことでアメリカの海運政策というものについては批判的な態度を持っておることは申し上げた通りであります。 産業計画会議のお話がございましたが、私どもはあの通りの案を予算に要求しておるわけでも決してありません。現実の問題を直視いたしまして、ここ数年来の私どもの行政の実績からかくあるべきだという確信のもとに予算を要求いたしておりますので、産業計画会議と同一の趣旨ではございません。従いまして私どもは日夜ここ数年間、ニューヨーク航路の問題につきましてもグループ化を促進し、共同計算制を促進し、かつ各般の航路調整もやる。企業強化計画等の関連においてものを見ていく。決して無批判に、過去の戦時補償の打ち切りであるからというような海運政策の立場はとっておらないのであります。この点につきましては、外国海運の競争のベースにおいて、むしろ日本で作られる外国船の方が有利である。一体どこの海運を助成しておるのかというような、さか立ちしたような海運政策というものをこの際是正してもらいたい、こういう熱望に燃えておるわけであります。 以上、まことに失礼な言葉であったかもしれませんが、私の気持を一つおくみ取り願いたいと思うのであります。
○久保委員 海運局長とここで論争をするつもりはありませんが、米国依存というのは、もちろん貿易の三分の一は対米貿易でありますから、これに伴っての船ということでありましょうが、これも変貌を来たしつつあるのじゃないか、将来の展望から見れば。そうなれば、そういう展望に立った海運政策というものを考えていかなければならぬではないか、こう思うのです。そういう意味で私は申し上げているわけです。それからもう一つ。どうも海運界というのは国際的なものでありますから、一様にとらえることは困難だと思うのでありますが、少なくとも日本の、先ほど言ったような貿易構造の変化、そういうものを見通してやはり立ててほしいとわれわれは考えているわけです。そうでないと、今のありさまだけで立てていくと、ニューヨーク航路に盟外船が出てきて波乱を起こす。これに対応するにはどうしたらいいかということだけでてんやわんやの騒ぎになってくる。極東地域についてもそうだ。三国間輸送についても今度減ってきたが、どうしたのかということになると、つかみどころがないというか、どれをやっていいのかわからぬというのがほんとうではないか。もう少し大筋を立ててはっきりした線でこうあるべきだというように政府も指導するのが当然ではあるまいか。もっとも産業計画会議の方に金は出すがあとは自由にやらせろというような考え方もありましょうが、私はそうではないと思う。やはりしっかりした指導方針のもとに助成措置なら助成措置が裏づけとしてあるべきものだと思う。だから、単に混乱が起きたからどうする、三国間が不振だから助成するということではなしに、どこで起きてもやることが海運機関の大骨として私は必要だと思うのです。事ドル防衛に関連してばかりではありませんが、全体として、早く言えばこの辺が転換期だから、この転換期をとらえて日本海運のあり方、こういうものを一つ方針として考えてその線を推し進めるということで、予算措置が必要ならやる、こういうことも考えてみるべき時期ではないか、こういう意味であります。時間もありませんから次の機会にまた詳細お伺いすることにしますが、いずれにしても手放しでドル防衛に協力するということでやっていくわけにはいかぬ事態だと思うのです。この辺は池田さんにもよくあなたからもお話しいただいて、もう少し真剣に考えてもらうようにしたらどうか、こういうように要望しておきます。
○三池委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会