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36回国会参議院1960/12/01

農林水産委員会 閉会後第3号

発言数
10
登壇者
4
会派数
3
開催日
1960/12/01

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  酪農に関する件を議題といたします。  初めに、先般欧米の酪農事情を調査して最近帰朝されました農林省の安田畜産局長から欧米の酪農事情について説明を聞くことにいたします。  なお、本日は、昨日申し上げましたように、正午正面玄関を出発いたしまして、神奈川県中央養鶏農業協同組合を視察する予定でございますので、委員会はおそくとも十一時二十分ごろには終わりたいと存じますから御了承願います。

安田善一郎農林省畜産局長

○説明員(安田善一郎君) 委員長から欧米の酪農事情を視察したから報告したらというお話しでございますが、実は私はアメリカ政府、特に農務省と全米の飼料穀物協議会とでも、日本語で言えば約します団体の招待をもちまして、大臣の御指示に従いまして団長としまして、一行六名でアメリカに三十五日行ってきたのがおもであります。その後アメリカにおきます飼料穀物につきまして、ヨーロッパのかなりの国が日本とかなり事情を同じくしまして、アメリカの飼料穀物の輸入をいたして主要畜産国となっておるところがございますので、その関係をもちまして、イギリス、オランダ、ドイツ、デンマークそれだけを約十五日間、できる限りのまあ努力もしたつもりでありますが、時間が少ない関係上、あまり十分には研究できませんでした。従いまして、畜産そのものあるいは畜産経営、畜産物の生産から取引、消費、輸出というようなことにつきましては、その飼料穀物のアメリカにおきましては国内消費なり、ヨーロッパにおきましては輸入飼料穀物によりまする消費という面から見ざるを得ない状況にあったことを御了承願いたいと思います。  まあ、しかし話をしぼりまして、出張期間中調査をしました小部分でございますが、また観点が以上のように違いますが、委員長の御指図に従いました範囲で見ました限りのことを申し上げたいと思います。  まず第一がアメリカでございますが、アメリカの乳牛は頭数からいいまして約二千万頭、最近では千九百万頭台になっておるようでございまして、あとでも多少補足して申し上げたい気がいたしておりますが、肉畜の増産、食肉の増産等、あるいは消費自身もそうでございますが、相当増加する気配に対しまして、アメリカにおきましては、牛乳の方は人口の増加に伴いまする消費のような傾向はございますが、生産も消費もやや安定をしておる。乳牛の頭数からいいますと幾分ずつ減少気味であるように受け取って参りました。牛乳の生産量は、農業統計によりますれば、まあ二年前の統計ですが、五千七百万頭、イギリスにつきまして申し上げますと、イギリスは割合本国につきましては日本に似ておるような点も多いのでありますが、国土狭小でございまするけれども、農業地は日本におきまする山林と耕地との逆くらいの農業的需要があるわけでございまして、個々の乳牛頭数は、最近、イギリス政府、官民ともに力を入れておりますので、五百万頭は若干切れる、四百数十万頭という話でございます。生産量もそれに照応したものでございます。そのほか、オランダについて見ますと、これは日本の倍くらいの乳牛がおるようでございまして、約百五十万頭。牛乳生産量もそれに照応した程度でありまして、ドイツについて見ますと、相当乳牛が多いようでございまして五百六、七十万頭おるようでございます。有名なオランダを酪農国の一つと思って参りましたが、御承知であろうと思いますが、オランダはデンマークにはかなわない、酪農と養豚はデンマークにはかなわないと向こうの畜産局長も言っておりましたが、かなりデンマークは頭数も多く、また優秀な乳牛もおりまして、酪農製品の生産も盛んなようでございましたが、詳細な全国的統計はあとで送ってもらうことにしまして、手持ちを持っておりません。  いずれの国を通じましても、私の通りました国は、かりに共通性があるといたしますと、かなりの文明国家でございまして、低所得階層もかなり高い水準に生活を持っておりますし、また農業としましては、畜産が相当盛んな国でございまして、調査の主要目的でありました米国の飼料作物についてこの国を見まするというと、アメリカは飼料穀物、言いかえますと、主要なものはトウモロコシ、年産約四十億ブッシェル、小麦が、これは食用がおもでございますが、約十三億ブッシェル、マイロと言っておりますが、改良されたコウリャンでございますが、これが六億弱ブッシェルでございます。その国内消費は大体六割ないし七割、国内消費は農家が自分で使うもの、自分の生産農品の地場消費に充てておるようでございまして、その他工業用を除きますと、たとえばトウモロコシは五%の輸出であり、マイロでいいますと約二割を輸出に充てられまして、総生産の中で輸出量は比較的少ないものでございましたが、何しろ御承知の通り農業生産でも工業生産に劣らず生産力を発揮しておりまして、かつ、大きな大生産国でございますので、例をトウモロコシでいいますと、最近丁年に反当収入に当たります面積当たりの収入が、トウモロコシでは五割増ぐらいになっておりますと同時に、新興の農業とでもいうべきマイロという部分がございましたのですが、年間生産約五億八、九千ブッシェル、約六億ブッシェルでございますが、どんどんと改良もされ、どんどんと生産も上がりまして、反収に当たります面積当たりは、この十年、特にこの五カ年は非常な改良進歩があって反収が約倍に伸びるほどの様相を示しておりました。アメリカのこの方面におきます生産様式は、御承知の狭い州でも二百エーカーぐらい、テキサスあるいはアイオワ等のコーン・ベルト、マイロのベルトでは平均が三百ないし四百エーカーぐらいでございます。フルシチョフが訪れましたガースト農場というのもアイオワ州で行ってみましたが、子供二人の分を合わせると家族労働で五千エーカーぐらいやっておったわけでございます。  そのアメリカの総生産の飼料用穀物の輸出向け割合が多いもの二〇%、少ないものはさっき申しましたように五%ぐらいでありましても、量が何しろ大へんでございますので、ヨーロッパの先進畜産国は、かなりの分をアメリカから輸入をしておったわけでございます。日本に飼料穀物の輸入問題が種々の点においてあります際に、ぜひ調査しなければいかぬ輸入関係のことだと思って参ったわけであります。イギリスなどは特に世界第一の食糧、飼料の輸入国であります。ドイツ、オランダ、デンマークにしましても、例を新興農産物のマイロというものにとりましても、ドイツで四十四万トン、オランダで七十万トン、デンマークで五十五、六万トンを年間に輸入しておるような状況でございまして、そのヨーロッパの私が参りました輸入国の濃厚飼料につきましては、むしろ輸入原料穀物をもって濃厚飼料をやっておる方が多い。有名な酪農国デンマークもごく最近はそうなっている。しかもその中で配合飼料が非常に多くございまして、配合飼料もその形式がビレットといいまして弾丸のような、鉄砲のたまのような形のもの、あるいはせいぜいそれを荒割りしましたクランブルといっておりましたが、そういうものの形としていろんなものを配合して、調和がとれて、経済能率を上げるような飼料がどんどんとふえておるようでございます。もちろん、粗飼料はアルファ・アルファですとか、ビートでありますとか、その他の日本よりは優秀なホーレージ、粗飼料というよりは牧草といいますか、牧草を作っておりましたし、国によりまして、ドイツで申しますと、大麦でありますとか、デンマークでも大麦でありますとか、その他のその国の農地に適切な飼料作物もかなり作っておりました。御承知の大麦とか、オーツとか、ライとか、そういう穀物も相当使っておりましたが、全般的の傾向からいいますと、輸入穀物によりまする配合飼料、しかも、その配合飼料も日本のような粉でございませんで、鶏でもアヒルでも豚でも肉牛でも、だんだんと固形飼料化する、そういう中にときどきは薬剤を入れたり、抗ヒスタミン剤を入れましたり、あるいは栄養の増加添加物を入れましたり、スチミュレートといっておりますが、多少の刺激で、成長、産卵、出乳の刺激物を特別に入れて使っておりましたりする状況が特に目立ったのでございます。この関係の飼料の原料の確保の点と配合その他の調整をいたして与えるという点と、そういう点から見まするというと、日本は乱雑に、一定の家畜別にどういう成長度合い、肉を太らせ、卵を作る、牛乳を生産するという場合に、飼料効率を上手に考えてやっている度合いが、日本の方が相当劣るような感じもいたしまして、各種の資料を集めて参った状況でございます。  牛乳について申しますれば、これはもうすでに御承知の通りでございますが、アメリカは大体は自給的のものですが、これも乳製品の一部の輸出があるわけでございますが、牛乳の方はございませんが、乳製品についてあるわけでございます。イギリスは大量の輸入国でございます。ドイツは輸出入が少しずつでありましてこれも自給国でございます。輸入国と自給国が英独にあるわけでございます。酪農品を輸出する国としてオランダとデンマークを対比的にまた選んだのでございます。特にデンマーク等は御承知の通り、全体の輸出を商品別に類別いたしますと、酪農品が第三番目になっておるような状況でございます。  また次に、乳牛から生産をいたしました牛乳の加工の点でございますが、日本とかなり事情が違うような点も見受けられました。また、生乳から生産する各種の牛乳処理品についての消費の点についても、政府あるいは団体等の力の入れ方につきましても、かなりの差が日本とはあるように感ぜられたのでございます。しかしいずれを通じましても、大ざっぱに言いますと、乳牛から生産した生乳を、国内で生産したものに関する限りは、飲用牛乳で処理することに非常に重点を置いておる。また飲用牛乳についての需給調整とか、それと関連した場合における乳製品の輸出入の問題です。あるいは価格の安定措置、品質の確保の措置等についても、飲用牛乳についてかなりの重点が置かれておったように思うのでございます。生乳の利用割合を外国公館と、各国ごとの農務省について一九五八年くらいの農業統計と、一部に五九年のもののラフなものがありましたのでございますが、なるべく比較できるようなものでそろえますと、イギリスは国産の牛乳のうち七割以上、約七割を飲用牛乳に回しているそうでございまして、アメリカは四割五分をこえる四六・二前後でございますが、四割五分をこえる分を飲用牛乳にあてているようでございます。オランダの例で言いますと、二割五分弱、西ドイツで三割四分ばかりでございました。日本もその点においては、もちろん非常にたくさんのものが飲用に回されるわけでございますが、半分弱になろうかと思うのでありますが、あとは必ずしも何もかも自給をしようとする方針でないこと、同時にまた、国内の酪農を相当しっかりやって、飲用牛乳は、消費不足国でありましてもしっかりやろうとしております。それからさっきの輸出国は、輸出を国際市場に出して、日本に輸出したいくらいの希望を持っているという特徴がございましたが、かりに一つの私の調査事項にいたしましたが、一つの見方、たとえば、価格関係のことはどうであるか、物の流れていく径路のことはどうだろうか、需給関係はどうやっているんだろうか、輸出入のことはどうであるか、貿易の自由化とか、共同市場とか、そういうような点についてはどうであろうかということを肉畜と牛乳、牛乳と乳製品のことに関連して先ほど触れましたが、その点は別にして、私の行きました限り、たとえばアメリカでございますが、アメリカには連邦の大統領府命令とでもいうんでしょうが、ヘデラル・オーダーというものができておりまして、そのヘデラル・オーダーを適用いたしますのは、州別あるいは州の中の地域別にばらばらでございまして、御承知の通り、各州、各地で非常な農業条件、産業、生活の条件も違いますアメリカの中では、アメリカはどうだということが発見できませんでした。そこで、飼料作物の事情と肉畜とあるいはブロイラーとの関係を中心にアメリカには行きましたのですが、特に注意をしまして、ミネソタ州のミネアポリス、これは小麦の生産地帯と同時に飼料穀物の相当の生産があって、酪農の非常な盛んな一つである、その取引きもかなりわかりやすいというので行ってみましたら、酪農家が七五%のメンバー、地域を予定をいたしまして、酪農のどれだけの範囲を、このテーブルならテーブルの中の範囲の地域について、そこにおきまする酪農家が七五%でもちまして決議をいたしますと、これは一人が大規模な生産者でありますが、それの農業協同組合ということになるだろうと思いますが、酪農協同組合——そうすると州を通り、連邦に要請がいきまして、そうすると連邦政府、アメリカ政府が公聴会を開きまして、公聴会で、消費者も関係業界もそこで納得がせられる場合に、統制法規のもとであるフェデラル・オーダーが適用になるようにできておりまして、その適用の仕方も、カリフォルニアの場合とミネアポリス周辺のミネソタ州と、いわんやその他の連邦のオーダーは出ておるけれども実際には適用しておらぬところ、市乳がかなり多いところで原料乳処理といいますか原料乳の少ないところとその多いところと、各地によって違うようでございましたが、まあ一つの例を、全米なかなかわかりませんので見てきたところを申し上げますと、そういうように、酪農業協同組合で、組合員の七割五分でまあ一種の調整、統制が始まりますと、そこに牛乳調整官という役目をする人ができまして、地場消費だけではいけない場合は、外へどういうふうに出せということを組合員とよく相談して調整権を持つような一つの機構ができるようにできておりました。いわば酪農乳を基礎にして統制をするかどうかをきめましてきめると官庁の統制のようになるわけでございます。その場合におきましても、飲用牛乳の処理工場、処理業者のわけですが、その生産の様式は最近の発達した日本と大差はございませんで、びんの大きさが違う、あるいは輸送をする場合に、農家から買う場合も、三日に一度消費者に飲用牛乳を売る場合も、その間は、ガスの冷蔵庫が非常に発達して、輸送を受け持ちますと同時に、農家でも処理工場でも、冷蔵施設が非常に発達をいたしておりまして、毎日々々小びんで、小さい運搬機関で温度調節ができなくて売られ、処理せられまた売られ、その間に輸送貯蔵があるというふうではございません。牛乳屋さんのその処理工場に販売員がおりまして販売員が何世帯を受け持ちまして直接配達をやる。まあいわば小売商がない。そこで勢い生産者と消費者価格との間のことも、輸送その他の点と合わせまして独立の小売店がない、小売業者がない。小売店舗はありますが、小売業者がない。まあそういうような地域でございました。そしてこの場合は、小売価格というよりは消費者価格のわけでございます、小売業はほとんど独立しておりませんので、消費者価格は一本の値段のマル公でございます。大体その他の地域でも、あと端折って簡単に申し上げますが、小売価格をセトルズして最高とか最低とかいうことでなしにしておるのが、飲用牛乳では非常に多うございます。  そこで、その地方はアメリカにおいて特異なところかどうかということが問題でございますが、そう特異なところでもないように、まあいわば日本の酪農乳業の中に大きな乳業会社が発展しておるというような状況は、まあ日本の規模とアメリカの規模と違いまするので簡単に比較できませんし、それぞれ理由もありましょうが、アメリカの方が大小乳業会社のウエートが少ないのじゃないか、また力もないのじゃないかと見受けられたのであります。また、飲用牛乳に売る場合の農家の手取りと、原料乳に回ります場合の、乳製品の方へ回ります場合の乳価の農家の手取りについて見ますると、連邦のオーダーが発動されて適用されまするような場合の基本の考えは、見ましたところの地域は市乳用と原料乳で値段が違っておりませんでした。農家が売る場合は、どの用途でも同じ値段だということが原則である。しかし、実際はその原則はそう簡単に実現もできませんし、そういう仕組みに当然なっておりまして、また牛乳の性質上からもそういうようになってはいないのが総市販価格、相場であるようでございました。それはまず飲用牛乳の方へ、市乳処理業者の方へ売るわけで、これは取引は自由でございますが、あまり片寄ると、調整官に調整されるわけでございます。それは原料乳価の農家の手取りよりは大ていいつでも高目にあり、低目にある原料乳価の方はどうかといいますと、連邦政府がやっておりまするCCCを使いました、乳製品に対するCCCの、いわば政府の金を貸すこととか、あるいは買い取ることとか、貯蔵することとかいう場合に考えられる乳製品内部の原料乳生産者価格、そういうものになるように考えてあるようでありました。これは少しこまかいことを申し上げましたのは、他の国につきましても私の申し上げることは思想的には同じような考えで、多少国の違いで具体的措置が違っておるかに思われたから申し上げるのであります。そしてその七割五分の農民が連邦のオーダーを適用したい、こういうようにいいますと、公聴会等の制度があることはさきに申し上げたのですが、そうすればその適用したあと、農民はどういうふうに牛乳を売るかということであります。一応それは自由でありますが、その地域内におきまする飲用牛乳の処理工場とか、飲用牛乳の処理と乳製品とを一緒に作る工場、一緒に作るところが大部分のようでございましたが、それが地域内で登録をされたような、任意登録でございますが、それに売らねばならぬというふうになり、そういうこまかい細則の法律、法令がございました。で、幾つかその売り先があるわけでございますから、どれを選ぶかは調整、統制的なその制度が適用になる際に、牛乳の処理加工をするものと酪農家とが結びついてそこにむしろ登録、契約がございまして、一ぺんきめるとそこに売るということになるようでございましたが、しかしミネソタ州におきまするその分の牛乳処理工場は、生産者団体の経営のものが相当多くございまして、自分がメンバーになっておる生産者団体の工場へ持ち運ぶのがほとんど全部、値段は同じでございますから、当然そこへ行くということのようでございますが、そこへ売らない場合に、企業会社の経営の乳製品工場はないかといいましたら、やっぱり三割か何かはある、そしてやっぱりそこへ売っても同じようにするのだ、そういうふうになっておりまして、乳製品の需給事情その他については、今度は全米的な価格支持政策のもとに乳製品をCCCの制度に乗っけるようになっておったのでございます。ただし私が申し上げました通り、こういう形がアメリカ全部であるかどうかはよくわかりませんでした。  次に、イギリスでございますが、イギリスは最近食糧全般につきましても酪農、特にブロイラー、すなわち食用鶏におきまする肉生産に非常な力を尽くしておりまして約十年前に五百万羽しかおりませんでした鶏が、卵の方でない鶏でございますが、今では一億万羽おるようでございます。数年間にその程度、卵などは政府は輸入許可をしておりませんので、密輸でふえた部分も相当多いと言っておりました。そういうものとの関係ではアメリカにおいてもそうでございましたが、牛乳よりも肉生産、肉消費の増加を来たしておるという面がありましたが、その半面は、牛乳の消費は相当もう頭打ちで、従って生産も消費も横ばいである。需給調整や、価格のきめ方もきめやすい、そういう歴史的に古い、日本でいえば米のような歴史的環境があると向こうの人も言っておったのであります。  イギリスにおきまして取引価格等の関係について見聞しましたところを申し上げますと、ユナイテッド・キングダムという連合王国は、一口にイギリスといえないのでございまして、イングランドとか、ウェールズ、それはやはり一体をなしておりますので、かような法律制度が同じでございましたが、アイルランドなどはまた違った法的な体系になっておるようでございました。私は全部をよく見たり、聞いたりできませんでしたが、イングランドとウエールズと少しづつ違ったことを他でやっておる。そこでイングランド及びウエールズについての部分について研究することにいたします。そこにおきましても、かなり古い歴史的な、イギリス固有の、イギリス人でなければちょっとわからないような制度になっておるかと判断をいたしましたが、中央政府が相当力を入れておるということも事実であります。しかし、古くから長い歴史を持ちましたミルク・マーケッティング・ボードというものがございまして、それは一体何だといってその事務所に行きますと、農業団体だというわけであります。農業団体ならばメンバーがあるのかというと、これはやはり酪農家がメンバーになっておるのでありますが、それが理事機構を持っておりましてその理事機構の中で、政府任命の役人が二名入る、婦人代表が一人入りまして、これは異分子のわけでございますが、そういう農務省の役人二人と婦人代表を加えた十二名が牛乳の調整をしておるわけであります。どんな調整をいたしておるかと申しますと、すべてその地域において生産をされた牛乳で販売をされるものは、みんなミルク・マーケッティング・ボードを通じて売らなければならぬということになっておるようでございましてそれは実際の現物の取引、受け渡しは売り手と買い手の了解でございますが、はやりの言葉て言いますと瞬間タッチ、帳面づけのようでございますが、およそこの販売をされ、あるいは購売をされるなま牛乳は全部ボードを通ずる。従いまして、農家はボードから金を払っている。牛乳処理場は、加工工場はボードへ金を払う。ずいぶんむずかしいことで、腐敗しやすいものをよくやるもんだなと思いまして、いろいろ現場にも行き、その仕事の仕方についても見ますると、電気集計機をもちまして、農林省の統計調査部におきまするIBMの機械のようなものですが、カードに各取引が報告があるものを売り主、買い主、数量、それを全部記帳いたしまして、何月、何月と月に一回支払いをするということでありますから、農家に払いまする証憑になる部分と、牛乳処理工場からボードに支払われる切符の分と、それからもう一つ残って保存集計される分とが電車の切符のようなはさみで穴をあけましてつながっておりまして、そこのカードに集計するまでは、個々の大へんな量のものをその事務所で本部でありましたが、そこでも婦人ばかり四十名ぐらいで集計をしておりました。それがイングランド及びウエールズの地域は、ちょっと記憶を正確さを失ないましたが、四千五百名ぐらいの職員がおるといっております。その経費は牛乳を売買する値段の中から僅少なもので酪農家が不平を言わない程度に取引量に応じて取って経費を出しておるようでございまして、政府からそれほど補助金は出ておらないということでございます。この場合もイングランドとウエールズにおいては、やはり牛乳の処理工場は生産者団体の経営にかかるものが半分以上のようでございまして、その他がありましてもやはり大したことはないようでございます。ここでは小売価格もきまっておりまして日本よりちょっと安いぐらいのように思いますが、飲用乳の処理工場でございますが、それから中間のマージンもそのボードが目安を立ててありまして、自然に酪農家の手取りが想定をされたような程度に入手されるようにできておりまして、そうならば牛乳処理工場が牛乳製品の需給事情によって受乳を拒否するということはないのか、乳製品の方へ回る場合はどうなのか、その制度はどうかということを聞きましたところ、イギリスは食糧の自給が非常にできないところでございますので、ほかの穀物とか肉とか、同じように乳製品も重要な食糧ですが、輸入しなくちゃならぬから、国内産の乳製品は生産が少ないが、国際市場での価格で取引をして需給の均衡が自然に保たれるように自由にしてあるということでありました。そうすると農家の手取りが、期待された小売価格をきめるときに、消費者価格をきめる場合に、想定した農家の手取りが取れないことが国際市場の関係からくるわけでございます、あり得るわけでございますが、それは仕方がない、ひどい場合は政府がそのボードを通じて、ボードは農業団体の性質も持っておるのでございます、需給調整価格をきめる役目も持っておるようでございますが、それを通じて生産を確保するような牛乳の手取価格が実現するようにやるのだ、まあそういうことを言っておりました。  アメリカの飼料穀物について見ますると、いつか御報告もいたさなければならぬかと思いますが、マイロという重要な飼料用穀物が増産され、輸出され、輸入国はこれを輸入して使っておりますが、イギリスにおきましてはマイロに一割の税をかけてコーンとパアにするようにして使っております。  次はオランダでございますが、オランダにつきましては、農業経済研究所が生産調査をしまして政府にこれを出す、私が行きました前日にその乳価がきまっておりましたが、それに基づいて需給状況とかいろいろなことを考えまして、やはり政府がこれはその経済研究所の資料をもとにし、農業団体に協議して値段をきめておりました。輸出国でございますから、乳製品は、輸出国である性質から需給調整、自然に放ったらかしといいますか、何かその関係から生産者の手取りが惑い場合は政府が補給をする。しかし、オランダには法律が明確にございません。なぜかと申しますると、すべて予算措置によってこれをやっておるのでありますが、予算はあそこでは法律の形で法律をもって国会で議決をされますので、そこで国会から御批判も出るようでございますが、合わせて無数の法律があることになる、そこで一々私に短時間には説明できぬとか、資料がすぐそろわぬとかということを言っておりました。  次に、ドイツでございますが、ドイツは欧州共同市場のリーダーでもありますし、いろいろな関係で進んだことをやっておりまして、経済大臣の貿易自由化思想と、飼料関係の農林大臣、あるいはそのグレープとは貿易自由化の問題、農業法の問題について論争をしておるくらいであります。これは全部で十一州ありますが、首府の近くを二地区に分けまして、十二地区の酪農地域がありまして、モルケライといっておりましたが、モルケライ、すなわち牛乳処理施設にみんな売らなくちゃならぬ、このモルケライも大部分は生産者団体のものです。乳製品は輸出入ともにありますが、輸入する場合は貯蔵、買い入れ公団とでもいうべきものがあります。国内の乳製品の値段は、生産費主義にできており、政府がきめますが、輸入品との間の価格差は政府で調整金を取りまして、輸入したらブック・キーピングによってすぐまた調整金を取ったものを輸入業者に渡してそうして国内で乳製品を売る、その調整金はやはり国内マル公と、農家が受け取るためと予定されます標準価格との間の価格差を別に使っております。デンマークもやや似たようでございますが、以上で私がその点について見てきましたところの概略をはしょって申し上げました。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまの説明及び酪農の問題について御質疑のある方は、順次御発言をお願いします。ただ時間がないのでできるだけ簡単にお願いします。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今のお話にありましたマイロというのですね、これはどういうあれですか。価格はどんなものですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○説明員(安田善一郎君) マイロというのは、コーリャンが大粒になって質がよくなりまして、ハイブリットといって改良品種だということですが、収量も多く機械農業に適したようにそろって生えてできる改良されたコーリャンの一種ということだと思うのです。一般にはそれはソルガムといっておりますが、そのうち改良されたマイロで、内容は満州のコーリャンよりはタンニンが少ないように改良されまして、栄養分はトウモロコシに比較しますとビタミンA、カロチンがトウモロコシには黄色いところにあるわけですが、それが少ない以外は小麦や大麦やオーツとかライよりもいいようなものです。これはこの数カ年に反収も三倍になるし、六億ブッシェル弱も生産になりまして、テキサス州その他で大生産をあげまして輸出産業になってきております。アメリカの用途、あるいは私の見ましたところの用途は、肉を作る場合ですね、卵を作る場合、だから採卵養鶏、ブロイラー、豚、肉牛、乳牛でも一部を入れましてコーンと競争の立場にあります。アメリカの国内価格は約二割ぐらい違います。農産物価格政策上もパリティ指数に対してコーンよりは低くなっておりますが、生産の制限等が多少ゆるやかでございますので、どんどんふえておるわけであります。輸入国は、アメリカの国内価格が、それに相応いたしまして、輸入しましてもロンドンでもハンブルグでもやはり輸入価格が約一割違いまして、他の条件が同じだとそれだけ飼料費が安くなりますから、特にアルファー・アルファーとかその他緑飼の草をたくさん食いますと、ビタミンAのちょっと足りないことぐらいはすぐなおってしまいます。改良飼料でなおってしまいます。あるいは草を食わせますとなおってしまいます。輸入各国のヨーロッパでは、私が通りましたところではあまり不平がありませんでした。先ほど申しましたようにイギリスでは逆にマイロに一〇%の輸入関税をかけておるくらいです。日本の木原均という農学博士がおりますが、あの人の理論をそしゃくしまして、三人の学者が作り上げたのであります。そういうことでございます。その種は大会社が作って、ほかの作物もアメリカは大部分そうでしたが、大農業会社が作りまして農家に売るのでございますね。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 日本でもフィッシュ・ミールというのが使われるのですが、それを使っておるかということと、添加剤の利用状況を少し……。

安田善一郎農林省畜産局長

○説明員(安田善一郎君) フィッシュ・ミールは、アメリカは日本に対して、お前の国はフィッシュ・ミールがたくさんあるからうらやましいといったことがある。アメリカのあの広い所で使い方は微量です。大豆かすは相当使いますけれども、ドイツ、イギリスは大量を輸入いたしまして、日本からも輸出いたしております。最近はペルーのものが大量に安くできますのでそれがたくさん行っておりますが、配合飼料とか、二つの穀物につけ加えたある種の飼料原料にはかなり入れております。それというのは大豆かすと並びまして魚かすはどこの国でも、この家畜には総量何ポンドとか何キロのえさを与えると牛乳とか肉がどのくらいふえるとか、一日の給与量はどのくらいやるとこの牛や豚はいいのだ、しかしそのうちプロテインは幾らなんだということ、蛋白は幾らなんだということが非常に厳格で、試験場から国、県、州、大農業会社、種会社ですが、それから生産者、農家に徹底してそれがよく実行されておるように思います。まあその間に処して蛋白ということは非常に重要視されておりまして、しかしごく最近のおもしろい話は、蛋白飼料というものはどこでも高いですから、しかも自給ができない所が多いですから、糖密とユリア、モラセスとユリア、尿素ですか、糖密と尿素を上手に使いまして、動植物の蛋白のえさをほとんど使わないようにするという実行者もあり、学説もあります。これはまだ広がっておりません。フルシチョフが行って非常に感心したというガースト農場なんかは、それだけで七万三千トン使って、ほかの所よりも値もいいと言っておりましたが、学者の論文と実際をもらってきましたから、試験場で試験するつもりです。  その次は何でございましたか。

中田吉雄日本社会党

○中田吉雄君 添加剤、強化飼料です。

安田善一郎農林省畜産局長

○説明員(安田善一郎君) 添加剤はアメリカでは非常に進んでおりまして、農家が農業生産をやるのは六、七割ぐらいの自給の飼料穀物を作るのがおもな農業で、まあ地帯によりましょうが、そういう所を歩いて参りましたが、畜産農家も大部分は穀物の飼料を自給する。それでは片寄るわけですね。飼料原料の輸入国で、その飼料の配合は飼料工場や全購連の工場で調和のとれた配合飼料になるのです。そこでつまり添加剤というのが発達しておりますことと、大学とか試験場、改良普及員、国立試験場を通じまして家畜栄養学者というのは事実たくさんおりますが、御承知の通り家畜栄養学を簡単に応用することが、農家の農業経営の中に入っておりまして、添加剤というのは相当進んでおります。これは知識も技術も輸入すべきかと思うのです。刺激的に機能を上げることを問題にする。病気にならぬことも、えさの中に入れる。鶏の育つ盛りの最初は、日光にちっとも当てずに、ライト・コントロールといって、一日に六時間ずつ電燈に当てる方が能率がいいのだということを実は言っております。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 時間の都合上、本日はこの程度にして、本日はこれをもって散会いたします。    午前十一時二十一分散会

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