農林水産委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/10/25
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 ブドウ糖工業に関する件を議題といたします。 農林省は去る十月十一日「ぶどう糖工業育成要領」を決定したようでありますが、本日はこの要領、さらにこの機会にブドウ糖工業の現状及び今後の見通し等について、食糧庁当局の御説明を聞くことにいたします。
○説明員(村田豊三君) お手元に「ぶどう糖工業育成要領」がございますので、これに基づきまして概要の御説明を申し上げたいと存じます。 まず方針でございますが、 「でん粉の新規用途の開拓をはかり、いも作農家経済の安定に資するとともに国内甘味料の自給度の向上及び国際収支の改善に寄与することを目的として、国内産いもでん粉を原料とする結晶ぶどう糖及び精製ぶどう糖(以下ぶどう糖という。)工業の育成をはかるものとする。 なお育成に当っては最近の製造技術の進歩に伴い従来の酸糖化法による結晶ぶどう糖に代り酵素糖化法による結晶ぶどう糖及び精製ぶどう糖に重点をおくものとしその生産については「甘味資源の総合対策」に沿いぶどう糖の生産がおおむね二一万屯(砂糖換算一五万屯)に達するよう育成措置を講ずるものとする。 これが基本的な考え方でございまして、これはもう御承知のように、従来から澱粉の新規用途開拓の方法といたしましては、ブドウ糖の育成ということが当面最大の方策であるということで、かねがね政府といたしましては、ブドウ糖の育成措置を講じて参っておったわけでございますが、たまたま、これまた御承知のように、最近になりまして、ブドウ糖の製法に一つの画期的な進歩改善の方途が見出されました。それは御承知の通り従来の酸糖化方式による方式でなくて、酵素菌によって澱粉を糖化するという新しい製法でございます。その製法ができましたために、従来の政府の育成の方針も、その新しい製法を育成するという方向に切りかえる必要が出て参りましたので、この方針でもそのことを強調をしておる次第でございます。むしろ、今後の政府の育成方針といたしましては、従来の酸糖化法による結晶ブドウ糖にかわりまして、新しい製法でありますところの酵素糖化法による結晶ブドウ糖ないし精製ブドウ糖、これはどちらでもよいのでございますが、要するに酵素糖化法によるブドウ糖の生産を育成して参るという考え方でおるわけでございまして、この考え方の線に沿いまして、今後十年間にはブドウ糖で生産がおおむね二十一万トン、これは砂糖に換算いたしますると十五万トンになるわけでございますが、この生産を達成いたしまして、単にイモ作農家の安定だけでなく、国内資源の需給度の向上並びに国際収支の改善にも寄与して参るという方針をきめた次第でございます。 そこで、具体的な措置として、どのような措置をとって参るかということでございますが、まず第一は、融資のあっせんでございます。これにつきましては、従来も融資のあっせん措置はとって参っておるのでございますが、従来と異なりますのは、ただいま申しましたような酵素糖化法、なかんずく酵素糖化法によりましても精製ブドウ糖が新規の対象に入ってきておりますので、それも融資の対象に加えてあります。一応朗読してみますと、「措置」 一 融資斡旋 設備資金については農林漁業金融公庫の融資によることとし、その選定基準を次の通り定め、この選定基準の各項目をみたすものより融資対象工場を選定し、資金の斡旋を行う。 融資対象工場選定基準 (一) 酸糖化法による結晶ぶどう糖製造設備を酵素糖化法に転換するか又は新に酵素糖化法による結晶ぶどう糖、精製ぶどう糖設備を建設するものであって新増設により工場当り日産三十製品屯(精製ぶどう糖製造ース)以上の設備を建設目標とするもの (二) 当該企業を経営するものの払込済資本金が五千万円以上であって当該工場の建設資金として適正な自己資金量を投入することが確実であると認められるもの (三) 当該工場経営に要する運転資金については取引金融機関から確実に融資されるとの保証を有するもの (四) 相当期間の工業化試験の実績を有し、ぶどう糖の日本農林規格品の工業的生産が確実であると認められるもの (五) ぶどう糖用酵素の調達に関する計画が確実であると認められるもの (六) 当該製品の生産に適用し得る技術について相当の経験及び研究を積んだ幹部技術者若干名以上を有するもの (七) 製造費が比較的低廉となる見込のもの (八) 製品の販売に関し確実な販売計画、販路の見透を有するもの 以上が融資あっせんの融資対象工場選定基準でございます。特に御説明するまでもないのでございますが、第一で強調いたしておりますのは、従来の酸糖化方式はもう陳腐なものとして、これは政府としては積極的に助長する意図がないということがこの文面の中から現われておりまして、酸糖化方式を新たに酵素糖化方式に変えるものに融資を優先いたしますということと、並びに製造設備を、従来は十トン以上のものであれば融資の対象にいたしておったのでございますが、だんだん製造の能力が今日ふえてきております、またふえなければブドウ糖のコストが下がらないのであります。その意味から今回は日産三十トン以上でなければならないというふうに、能力の基準をふやした点が従来と変わっております。 第二の、払込済資本金五千万円以上につきましては、これは従前と同様でございます。 第三以降は、大体これは特に申し上げる点はないのでございますが、一つだけ私ども気になりまするのは、今回のこの新しい融資基準にのっとりまして、相当融資の希望、申請が出て参っております。現にわれわれの手元に十六社すでに申請が出て参っておるのでございます。その中で非常に気になりますことは、はたして三十トン以上の規模で製造いたします場合に、予定通り酵素の入手が見込まれるかどうか、この点に多少の疑問を現在私ども持っております。さような疑問もございまするので、(五)に「ぶどう糖用酵素の調達に関する計画が確実であると認められるもの」という条件を作った次第であります。なお、この機会に、融資の関係につきましては、お手元にもう一つ別の資料がお配りしてございますので、あわせて御説明を申し上げたいと思います。 この「ぶどう糖工業の現況」と申します資料の三のところに、「ぶどう糖工業に対する農林漁業金融公庫資金融資状況」という資料がございまして、従来融資しました実績並びに三十五年度の予算額がそこに計上されておるわけでありますが、三十三年度は御承知のように四億円の融資を見たわけでございますが、これは会社の数にいたしまして四社です、四社で四億円。それから三十四年度は三億九千二百七十万円、これは会社の数にしまして五社でございます。これだけの合計七億九千二百七十万円の融資の実績があるわけでございますが、それに対しまして三十五年度は五億三千百万円、これは予算額でございます。額という字が消えかかっておるようでございますが、予算額といたしましては五億三千一百万円の予算を計上いたしておるのでございますが、現在われわれのところに申請として出て参っておりますのは、十六社で、金額にいたしますと二十六億という金額に上っております。従って明らかに予算に対しまして各社の希望が圧倒的に多いわけでございます。これにつきましては、何らかの調整を今後とって参らなければならないかと思います。たまたま農林経済局長も御出席でございまするが、この点につきましては、とても五億三千一百万円の予算では十分に育成の効果を上げて参るわけに参りませんので、目下この予算を公庫の予算の実行の面でさらに大幅に増額を食糧庁といたしては期待しておりまして、農林経済局長の方にもさように希望の申し入れをいたしておりまして、経済局長の方でも積極的にこれについては考慮していただいて、目下検討をしていただいておる段階でございます。これには若干なお時間を要するかと思われるのであります。 それから次に、育成要領の方に戻りまして、二は課税の特別措置でございます。「ぶどう糖工業の伸長及び合理化を図るためその重要機械等について課税上の特別措置を講ずるものとする。」これも従来もこの措置はとって参っておりまして、三年間五割増しの償却を認めるという方式をとって参っております。これらについても、さらにもっとよりいい課税上の措置が講ぜられるようにただいま大蔵省とも折衝中でございます。 次に3は、原料澱粉の特別払い下げの措置でございまするが、 原料でん粉については次により政府所有のでん粉の払下げを行うものとする。 (1) 払下げ対象 日本農林規格に合格するぶどう糖を製造するものであって食糧庁長官の認めたものとする。 (2) 払下げ期間 原料でん粉の払下げについては当分の間検査合格数量に基き払下げを行うものとする。 (3) 払下げ価格 払下げ価格についてはぶどう糖の消費拡大を考慮し適正な製品価格となるよう砂糖価格等を勘案し別に定める価格とする。 (4) 払下げ方法 別に定める「ぶどう糖用原料売却要領」による。 以上が原料澱粉の特別払い下げの措置でございまするが、これも御承知のように、ただいま政府の買い入れ基準価格は千五百五十円でございまするけれども、その基準価格よりも百円引きの千四百五十円で現に払い下げを実施して参っております。この現在、従来やっておりまする千四百五十円の特別価格による払い下げ措置を今後どういうふうにしていくべきかという点は、目下私どものところで検討中でございます。と申しますのは、これにはいろいろ派生的な問題も出て参りまして、ブドウ糖のコストを安くするというだけの立場から参りまするならば、政府の澱粉払い下げ価格は安ければ安いほど、それだけブドウ糖のコストが安くなる。これはもう当然でございまするが、たまたま現に澱粉の出回り期に遭遇いたしておりまして、あまり政府の払い下げ価格が時期をかまわないで安くなりますことは、市中の澱粉価格に対する悪影響も及ぼすということになりかねないのであります。まあそれらの点もいろいろ彼此勘案をいたしまして、今後どのような価格が妥当であるという点については、さらにわれわれといたしましては慎重に検討をいたして参る必要があるかと存じます。なお、今後ブドウ糖工業が先ほど申し上げましたような融資等の措置に、また、生産規模が拡大いたしますにつれて、相当コストが安くなるという見通し、これは当然出てくるわけでございますので、それらの今後のブドウ糖工業のコスト・ダウンの見通しなどとこれは相関連する問題でございますが、それらについてさらに検討を続けて参りたいと思っております。さしあたりといたしましては、この要綱の実行段階では、従来の千四百五十円という特別価格による払い下げを実行して参ることにいたしており、現にこれを実行中でございます。 次に、「ぶどう糖の消費拡大のための措置」でございますが、「ぶどう糖の急速な消費の拡大を図るため当分の間毎年一定量の粗糖を別枠で計上し、これを砂糖メーカー及び商社のぶどう糖取扱実績に応じて割当てる措置を講ずるものとする。」これはいわゆるブドウ糖と輸入粗糖とのリンク制度と言われておるものでございまして、昨年からこれを実施して参っておったのでございますが、ことしからこの方式をやや改めたのでございます。どのように改めたかと申しますと、従来のリンクのやり方は、砂糖のメーカーのほかに菓子屋であるとかパン屋でありますとか、いわゆるブドウ糖を実際に消費する実需者、この両方をリンクの対象にいたしておりました。これらの両方のものがブドウ糖メーカーから引き取りますと、ほうびとしてブドウ糖一トンに対して粗糖一トンをリンクするというやり方をとっておったのでございまするが、この方式は必ずしもわれわれが期待しておるような効果を上げ得なかったのであります。そこで今回やりました方式は、従来の砂糖メーカーに協力を求めることは、これは従前と変わりございませんけれども、実需者との結びつきをやめまして、ここに書いてありまするように、商社、取引商社でございますが、商社にブドウ糖を引き取ってもらう、しかも、引き取りまするのには、これはもう買い切りで引き取ってもらう、ブドウ糖メーカーの手を一たん離れて商社の手に渡りますと、それは再び買い戻し条件とか、従来は買い戻し条件というものがあったわけでございますが、そういう条件付き取引ではなくて、商社が引き取りますると、商社みずからの責任において、みずからのリスクにおいてブドウ糖を処理してもらう、従って、極端に申しまするならば、ブドウ糖メーカーの方では、ただ自分たちは作ることに専念すればよろしい、作ったものは商社が責任を持って引き取ってくれる、引き取ったものは商社の責任において、商社のリスクにおいてそれが処理されるという方式に改めたわけであります。これはやはり、もちはもち屋でございまして、商社は従来の砂糖取引については経験も、また資本力も持っておるわけでありまして、これらの経験と力をフルに活用するという方法を今回とりまして、従来の砂糖業者のほかに商社の協力を求めるという形をとった点が従来と違う第一点でございます。 これから、ややこまかくなりまして恐縮でございまするが、従来はブドウ糖一トンに対しまして粗糖を一トンという、一対一の比率でリンクをいたしておりましたけれども、今回は新たに精製ブドウ糖というものがリンクの対象に加わりましたので、従来通り結晶ブドウ糖につきましては、ブドウ糖一トンに対して粗糖一トンの比率、それから精製ブドウ糖につきましては、ブドウ糖一トンに対しまして六百七十キロの割合でリンクするという新しい措置を追加をいたしたような次第でございます。 この点がブドウ糖の消費拡大のための措置でございまするが、なお一点ここで追加をして申し上げたい点があるのでございまするが、いずれあとで申し上げようと思いますが、最近ブドウ糖の生産はかような育成措置に即応いたしまして相当実は伸びて参っております。これは相当まだ伸びるであろうと思うのでございますが、しかし、その生産に即応したほど消費が一体伴うかどうか、この点については、われわれが率直に申し上げまして、一まつの危惧を持っておるのでございます。さような意味からも、ただいま申しましたように、リンク制度に改めたのでございまするけれども、なお、これらにつきまして学識経験者の意見を率直に徴してみようということになりまして、先般、農林大臣の諮問機関といたしまして、ブドウ糖消費促進協議会というものが設置されまして、去る十月の十二日に第一回の審議を見たような次第でございます。審議会の委員は、ブドウ糖に関して学識経験豊富な方々を御委嘱申し上げて、その論議が緒についたばかりでございまするが、われわれといたしましては、ブドウ糖消費促進協議会の審議にも多大の期待をいたしておるような次第でございます。 次に、「製品規格及び検査」でございまするが、 政府育成のぶどう糖については粗悪品と区分して品質の向上を図ること並びに原料でん粉払下げの基準を明確にするため製品の規格に従い検査を行うものとする。 (1) 製品規格 農林物資規格法に基き別に定めた日本農林規格とする。 (2) 検査機関 検査機関は「社団法人日本ぶどう糖工業会」とする。 (3) 検査 検査の詳細については別に定める「ぶどう糖の検査実施要領」によることとし原料でん粉の政府払下げの有無にかかわらず全量受検するよう指導するものとする。 特に、御説明を申し上げる点はないのでございますが、日本農林規格には従来の以外に新たに精製ブドウ糖の規格も設けましてすでに実施に入っているような次第でございます。 最後にもう一点簡単に最近におけるブドウ糖の生産状況をお手元の資料で申し添えておきたいと思います。最近におけるブドウ糖の生産の数量がそこに上がっておりますが、昭和三十三年は結晶ブドウ糖だけでございましたが、年間に六千二百トン、それから三十四年は九千五百トン、これも精製ブドウ糖は当時いわゆる農林規格に合格したものとしては出回っておりません。三十五年度、本年度でございますが、本年度は四月から九月までの実績がわかっております。それによりますと、結晶ブドウ糖として八千六百九十一トン、精製ブドウ糖が五千五百七十四トン、合計一万四千二百六十五トンになっております。そこで今後、今年、本年一年間でどういうふうにこの生産が推移するであろうかということでございますが、これはその次の表をごらんいただきたいのでございますが、「ぶどう糖の生産目標及び所要原料でん粉」という資料がございます。これに昭和三十五年度の見込みといたしまして五万トンを見込んでおります。従って、本年は四月から九月までがわずか一万四千トンあまりでございまするので、本年中に五万トンを期待するということは、あと十月以降来年の三月までに三万六千トンの生産が見込まれているわけでございますが、この点われわれといたしましては、この五万トン程度の生産は達成できると考えております。と申しまするのは、三十五年度の一万四千トン余りのものは、四月から九月まででございますけれども、このうちの大部分はごく最近になって生産が順調に伸びている、なかんずく八月、九月になって急速に伸びているわけでございます。この伸びはさらに十月、十一月とさらに伸びてくるというふうな見通しを持っているわけであります。従いまして、さらに三十六年度以降にはどういうふうに伸びるだろうかという、これはわれわれの推定でございまするけれども、三十六年度は八万トン、三十七年度には十万トンに達するのではなかろうか、さようにいたしまして、先ほど冒頭に申し上げましたように、四十四年度におきましては二十一万トンという生産が見込まれるのではないか、また、これを御参考までに、かりにでございますが、かりに二十一万トンもブドウ糖が生産されるようになりましたならば、原料澱粉はどのくらい処理されるか、これはトン数にして二十四万七千トン、貫数にしますと、約六千六百万貫がブドウ糖のために処理される。御参考までに申し上げます。現在政府が持っております、手持ちしておりまするカンショ澱粉が五千七百万貫、約二十一万トン、バレイショ澱粉が千九百万貫、約七万トン、合計七千六百万貫の手持ちを現に政府が持っておりますけれども、まあ、二十一万トンもブドウ糖ができるようになりますれば、それほどの心配はないというふうな明るい実は見通しを持っているような次第であります。ただ重ねて最後に申し添えたいと思いまするけれども、はたしてこれら生産につきましては順調な見通しをわれわれ持ちまするけれども、これらが順調に、消費の面において順調になるか、これらについては今後さらにいろいろわれわれといたしましても検討を重ねて参りたいと思います。 以上、概略でございまするけれども、澱粉の方の御報告を申し上げました。
○委員長(藤野繁雄君) ただいまの説明に対して、御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
○岡村文四郎君 部長にちょっとお伺いしますが、主としてお考えになっているのはカンショ澱粉のことだろうと思うので、それでバレイショは価格の関係で非常に困難だと存じておりますが、これをどうお考えになっているか。
○説明員(村田豊三君) 御指摘の通りでございまして、われわれはバレイショ澱粉で、今の段階では、現在の段階では価格の関係等でなかなかバレイショ澱粉まで使ってブドウ糖を作るということは、コストの面で容易ではなかろうと思います。しかし、品質的に申しましても、バレイショ澱粉がブドウ糖の原料として向かないわけではない、非常にいいわけでございます。要は価格の面だけでございます。ですから将来の方向といたしましては、やはりブドウ糖の製造コストを極力下げまして、バレイショ澱粉でも十分太刀打ちできるということが、われわれの理想としてはそこまで考えていかなければならぬと、かように考えております。
○千田正君 これは貿易の自由化等に影響されるのではないかという点です。それから国内におけるいろいろな製造分野の間に今後において摩擦を生じないかという、その点はどうですか。
○説明員(村田豊三君) ブドウ糖工業と貿易自由化との関係でございますが、まあ絶えず論議の対象になっておりまする砂糖の自由化がいつになるかという問題と関連する問題かと存じますが、砂糖につきましては、当委員会でも御報告申し上げた機会があるのでございまするが、現在のわが国の国内の甘味資源の需給の状況から申しましても、また先ほど御説明いたしましたようなイモ澱粉の処理対策から考えてみましても、これにつきましては十分慎重に政府といたしましても対処する必要がある、かように考えておりまして、まだそう早い期間に砂糖が自由化されるというふうには、われわれといたしましては考えておらないのであります。従いまして、もし砂糖なりあるいは澱粉なりの貿易が自由化されるという前提に立ちますると、ただいま御説明をいたしましたような事項はなかなかこれは容易じゃない事態になると思います。現にこのブドウ糖といたしましても、少なくとも砂糖の七割ぐらい、七割以下の価格でなければとても消費が伸びないであろう、こういう見通しをしているわけであります。現在の標準糖価百二十二円でございまするから、それの七割と申しますと、ブドウ糖がやはり八十五円以下でなければ砂糖と同じように流通するという見通しが立たないわけでございますから、さような面からも、貿易の自由化に対しましては、ブドウ糖の育成という見地だけからも慎重な配慮をして参らなければならない、かように私ども考えております。
○千田正君 私もそういう点をおそれるのでありまして、そういう場合においても、このブドウ糖の育成強化、そういう意味において保護政策を断行するという御趣旨でございますか、どうでございますか。
○説明員(村田豊三君) われわれの気持を率直に申し上げまするならば、さような事態でもブドウ糖の育成は今後も強力に進めて参るべきだ、かように考えております。と申しまするのは、砂糖につながります一連の甘味対策、各日の例などもいろいろ参考にわれわれしているのでありまするが、大ていの国が砂糖、国内の甘味対策につきましては、相当それぞれ徹底した保護措置をとって参っておるようでございます。そのような国際的な各国の例に徴してみましても、必ずしも一がいに貿易自由化という線にだけ沿いまして、国内甘味資源の保護助長ということを怠るということは、各国ともしておらないのであります。これは一例にすぎませんけれども、そういう外国の例をも参考にしてみましても、われわれの今後とるべき措置といたしましては、相当思い切ったブドウ糖保護育成措置をとって参ってよいのではないか、かように考えております。
○櫻井志郎君 一、二点伺います。農林省が酵素糖化育成に踏み切られたことは、大へんけっこうなことだと思うのですが、その前に酸糖化法による企業の育成に相当努力をした、それが日ならずして酵素糖化という新しいいわば技術革新が出てきた、生産費が酸糖化法と酵素糖化法とどの程度違うかということが第一点。それから酸糖化法に対して農林漁業金融公庫の融資をしたそのものがごく短期間でまた酵素糖化法に設備転換をした、その融資の償還ということについて、前の融資ですね、何か現実的に支障がありそうであるかどうか、その点まず……。
○説明員(村田豊三君) 酸糖化法のコストでございますが、これは会社の生産規模によりましてコストも実はまちまちでございまするが、一般的に申し上げさしていただきますると、大体酸糖化法がキロ百円前後かように私ども見ております。キロ百円前後でございまするので、酵素糖化法、これも一般論で恐縮でありますが、工場の規模によってコストはもちろん違いますが、一般的にわれわれが標準的に考えておりますコストは、精製ブドウ糖であれば八十円以下、それから結晶ブドウ糖でも九十円内、かように考えております。従って明らかにキロ当たり十円前後コストが酸糖化が高いという、これは一般論で恐縮でございまするけれども、標準的にそういう考えておる次第でございます。 御質問の第二点の、従来酸糖化法による酸糖化法への設備融資がただいまも申し上げましたような、われわれの方針の変更によりまして、逐次ただいま酵素糖化法に切りかわりつつあるわけであります。その際に過去の融資の償却に対して支障がありはしないかという御配慮でございます。まことにごもっともでございます。私どもとしましても、その点については非常に気にいたしておる点でございます。これにつきましては、さしあたりわれわれの考え方は、従来の酸糖化方式が酵素糖化に切りかえることを容易ならしめるために、酸糖化から酵素糖化に切りかえまするための融資の申請につきましては、まず優先的に公庫融資を配慮してもらいたいという点を公庫にも申し入れをしておるわけであります。それから先ほど申しました粗糖のリンクにつきましても、酸糖化方式は政府としては積極的に推奨しないからということで、これをリンクの対象から落とすというふうなことはいたさない。従前の通り一対一の比率をもってこれも継続いたしてきております。まあさような消極的ではございましょうけれども、一連の保護措置によって、できるだけ早く酸糖化方式が酵素糖化法に切りかわることをわれわれとしては希望いたしておるような状況でございます。
○櫻井志郎君 村田部長から説明があったのですが、この表でいくと三十五年度の下半期に三万六千トンぐらいできるんだということになるわけですね。上半期の二倍半ぐらいできる。上半期が一万四千トンですから。下半期では三万六千トンぐらいできる。私は上半期、下半期でどう違うかは知らぬけれども、簡単に算術で二倍すると、三十五年度の下半期の生産能力を二倍していけば、三十六年度には設備拡充をやらんでも七万二千トンできる。理屈としてはそういうことになりますね。ところが三十六年度はこれで見ると八万トン、新しい増加分は八千トンしかない。なぜ三十六年度新しい生産設備拡充あるいは新設というのは八千トン程度の小さくしか出てこないのか。それから三十七年度から四十四年度までに十万トンというものが二十一万トンになる。十一万トンふえる。毎年一万五千トンは平均してもふえる。三十六年度だけぽかっと横ばいみたいな形がこれでは出てくる。これは何か理由があるのかどうかという点です。
○説明員(村田豊三君) 大へんごもっともな御指摘でございまして、これは私どもも推定の作業をいたします際に非常に苦慮いたしたのでございますが、この今後前提になっておりますものに二つ実はございまして、一つは現在の、先ほどもしばしば申し上げましたように、酸糖化方式から新たに酵素糖化方式に切りかえる。ちょうどまだ三十五年度の下半期並びに三十六年度まではその切りかえに若干の時間を要する。従って融資に出て参りますような設備能力だけで生産の伸びをそのままフルに見ることが危険であるという見方をしているのが第一点でございます。 それから第二点は、先ほどもちょっと触れたのでございますが、各社の製造設備の増強計画に比較をいたしまして、酵素の確保と申しますか、生産確保、入手、これの計画が必ずしも設備の増強計画とマッチいたさないのであります。酵素の方はやや立ちおくれておる。これはわれわれといたしまては、最近は酵素だけを作る会社も一、二ございまするが、それらの酵素だけの融資について開発銀行の融資その他をただいま私ども計画いたしております。農林漁業金融公庫の融資というわけにはちょっと参らないようでございますから、せめて開発銀行の融資の対象にでもなるようにただいま私どもの方で検討いたしております。いずれにいたしましても、酵素の入手にまだ三十五年、三十六年の間においては十分設備には見合って参らない、かように思いましてこの点を幾分生産の伸びを低目に見ております。
○櫻井志郎君 その要領ですね、要領の措置の「融資斡旋」というところに何か「農林漁業金融公庫の融資によることとし」といかにも融資をせねばならぬものと義務づけているという感じを受けるのですが、こういうなんですか、通牒でも出されたのですか、融資をすることができるものとするということではなしに、「融資によることとし」という……。
○説明員(村田豊三君) もっとも融資による、必ずいやでも融資をして上げますというふうに、実はそのつもりで書いたのではございませんで、融資をします場合につきましても、二以下にございまするように、それぞれの条件があるわけであります。これらの諸条件に適合したものが融資の対象になりますことは当然でございますが、融資によることとしというやや力が入り過ぎておりますのは、従来すでに過去二年間融資をやってきておりましたので、さような今後これが新しく融資の対象になった業種でないというような意味で多少筆が入り過ぎた格好ではないかと存じます。
○仲原善一君 ただいま「融資斡旋」の条項の問題でございますね、これは多少将来のことにわたりますが、条件の中に農業基本法なんかで考えておられるような競業会社ですね、そういうものを優先的にやるというような構想を将来持ってもらいたいというようなそういう希望もあるわけですけれども、農業の構造改善でやかましい折りから、こういう特に農産加工に関連するような事業のことは優先的に農業競業会社というものでやらせるそういうような構想はいかがでしょうか。
○説明員(村田豊三君) 融資するという対象といたしまして、このブドウ糖につきましては一般的に会社経営であろうと、農協経営であろうと、その差別をつけておりませんから、従って今後の基本法の構想に出ます新しい組織に対する融資、われわれとしては別段いけないというふうなことは毛頭考えておりません。
○仲原善一君 ただいまのはいけないということでなしに、かえってそういうものを優先的に扱って、ほかの方、たくさん申請する場合にはそういう形態のものを優先するというような構想はないかという意味でございます。押える意味ではないですね。
○説明員(村田豊三君) 優先的にするかどうか、これはまあ新しくできますそういう新組織の内容等にもよりますけれども、特に農協が片足を突込む組織でございますから、他を排除して優先させる必要もございませんけれども、できたものを積極的にそういう新組織を育成して参るということは当然じゃないかと考えております。
○堀本宜実君 ちょっと伺いますが、酵素糖化に将来切りかわっていくだろうと思いますが、その場合酵素の規格といいますか、酵素に対する権威といいますか、力価といいますか、その力の価というものを、何かの基準によって、でき得る限り低廉な価格で供給されるように指導をする必要があろうかと思うが、その点についてはどう考えられますか。
○説明員(村田豊三君) まことにごもっともな御指摘でございまして、われわれといたしましても先ほど来、酵素というものが、酵素菌そのものがブドウ糖の生産の一つのネックになるのではないかという危惧すら持っているわけでございます。それらの点につきまして、さらに今後積極的な検討を進めて参りたいと、かように思っております。 一例として申し上げまするならば、今回コンプロ社の外国の技術導入が正式に認可になりまして、新しくコンプロ社が国内に入って参ります。そのコンプロ社のブドウ糖の技術導入認可の条件の中にも、コンプロ社が作ります酵素につきましては、農林省が指示します一定の価格で、国内の既存のブドウ糖工業者にもそれを分け与えるようにという条件をつけているくらいでございます。いわんや今後酵素の、ただいま御指摘にあった力価、あるいは価格、こういう問題につきまして、多分にまだ問題がございます。われわれとしても積極的な、これについては検討を重ねて参るつもりでございます。
○堀本宜実君 経済局長にお尋ねをいたしたいと思いますが、ここに資金計画が出ておりまして、三十五年度には五億三千万程度のようにございます。それに対しまする希望が二十六億に達している。こういうことでございますが、われわれは当初からこれらの融資原資が大へん低いということで、少なくとも三十億くらいの手配をするがよかろうというようなことを要望をいたしておったのでございますが、これらに対しまする金庫方面の融資の見通しについて見解をお述べいただきたいのでございます。
○説明員(坂村吉正君) ブドウ糖工業に対しまする資金の融資の原資、あるいはワクの問題でございますが、一応当初の予算が五億三千百万円ということでございまして、きわめて率直に申し上げますと、食糧庁の実際のこの仕事をやっております当局でも、何といいますか、見込み違いがあったというような印象を、私どもも受けているのでございまして、先ほど食糧庁の方からもお話がありましたように、このままではどうにもしようがないものですから、一応増ワクをしようということで、現在大蔵省といろいろ話しをいたしております。まあそれにいたしましても、二十六億というような巨額のものを、ほんとうにこのままの姿でことし融資ができますとはなかなか考えられませんので、ほかの事業もございまするし、できるだけ最小限ぎりぎりのところでとどめまして、どうしてもまたやむを得ないようなものにつきましては、あるいは農林中金の協調融資をやるとか、そういうようないろいろな方法を考えまして、大体この計画に沿うように一つやっていきたいというつもりで努力をいたしております。
○堀本宜実君 最後に私要望申し上げておきたいと思うのでありますが、もうこれは申し上げる必要はないかとも思うのでございますが、米はすでに需給関係が円滑に参り、なお将来は相当の過剰米が出てくるという見通しの上に立って、麦にいたしましてもすでにこれらの管理機構にまで改善を加えなければならないほどの滞貨が政府に残っている。これらの作付の転換等も、将来重大な問題が起こってくると私は思うのであります。そこで、ただいま村田部長のお話に対します政府の見解をお述べになりました。将来、政府の強力な指導を一そう強化をしていただきたいと存じまするとともに、これらを育成いたしまためには、中小企業によりまするものがかなりこのブドウ糖製造業を希望いたしております向きがあり、なお将来、さような方向に向いてくると私は思う。そういう立場から考えましても、これらの特殊産業でありますカンショの生産というものは、他の農作物に切りかえることのできない宿命的なものがございますので、将来、積極的に、なお強力に財政処置を講じて育成をはかられまするよう、特に要望、希望を申し上げておきたいと思います。
○東隆君 このブドウ糖の消費の面、これは心配ないのですか、国内の。
○説明員(村田豊三君) 先ほど来申し述べましたように、今後ブドウ糖の生産が急激に伸びて参りますと、はたしてその生産に即応して消費が順調にいくかどうか、多少の疑問はございまするけれども、現在の段階では、作ったものは一応曲がりなりにも消費されているという現況でございます。
○東隆君 政府の買い上げの澱粉を主として原料に振り向ける考え方ですか、その点はどうなんですか。
○説明員(村田豊三君) 原料の澱粉をブドウ糖工業がどう処理しているかということでございまするけれども、これは時期によって違っておりまして、ちょうど、ただいま内地では生粉の出回り最盛期でございます。生粉の出回り最盛期には、生粉で取引がおそらくこの十二月一ぱいくらいまでは処理されるだろうと思います。その期間中は、大体これらのブドウ糖工場も生粉澱粉を処理いたしているのが実情である、そういうのが現状でございます。で、生粉の時期を過ぎますと、干粉になるわけでございますが、昨年の例などを申し上げますると、なるほど、政府は基準価格の千五百五十円で澱粉を買い上げて、千四百五十円の特別価格で澱粉をブドウ糖業者には払い下げるわけでございますけれども、その当時の実際の市況はどうであったかと申し上げますと、大体千二百円前後であったわけであります。従って、千二百円ないし千三百円という市中相場が立っております限りにおいては、政府手持ちの澱粉を払い下げてくれという要望はブドウ糖業界からは出てこない。これは当然でございますが、昨年はさように一応推移して参ったのでありまするが、たまたま本年の八月、九月ごろは、政府が本年八月に市中の澱粉の買い上げをいたしましたことも影響いたしまして、市中相場が非常に上がったわけでございます。市中相場が大体千七百円前後になりました。さような時期には、むしろ政府の手持ち澱粉の払い下げをブドウ糖工業が希望いたしまして、かなりの量のものを政府が特別価格で払い下げているような状況でございまして、従って、市中の生粉の出回り時期、並びに生粉でなくて、干粉の出回りの際にも、その出回り価格いかんによりまして、政府に依存するかしないかが左右されるような状況でございます。
○東隆君 今の政府のおやりになっているようなやり方でやりますと、安いときには市場のものを使う、それから高くなったときには政府のものを使うのだ、こういうやり方であって、私は、イモを生産しておる農家に対する影響は、どっちかというと、マイナスの影響ばかりであって、ブドウ糖精製工業者には非常に利益かもしれませんけれども、どうもその辺非常に疑問があると思うのです。そこで、私はやはりイモを生産する農家の利益になるような考え方をとりたいと思うのですが、それは、結晶ブドウ糖その他のブドウ糖の消費というものは、そんなにたくさん必要でないというならば、今政府が手持ちのものを相当早く海外にでもどこでもいいから出してしまって、年々生産されるものを結晶ブドウ糖その他の原料に使うのだ、こういう態勢を作れば、政府が手持ちしておるところのものの無言の圧力で価格が下がるなんということはなくなって、イモ作農家はそれだけやはり利益になる。そういう点何かお考え下さいませんか。
○説明員(村田豊三君) 澱粉の海外輸出への見通しでございまするが、実は、率直に申し上げまして、日本の国内の澱粉は相当コスト高で、価格が高うございます。昨年ないし一昨年、わが国の澱粉が、ごく少量でございまするけれども、輸出された例もございますけれども、これらは国内価格に比べますと、非常な割安の価格で出ておるような状況でございます。従って、国内の澱粉を海外に輸出することにより、間接的に国内のイモ価格を高値に安定させるということは、われわれも実は考え方としてはそういう考え方がないことはないと思っておりまするけれども、今の現実の問題といたしましては、なかなか容易でない状況でございます。 なお、東委員のただいま御指摘になりました点、われわれ実は非常に気にいたしておる点でございまして、特にイモの出盛り期に澱粉業者が生産農家のイモを買いたたくという現象が毎年実はあるのでございます。農産物価格安定法の建前からも、そういう原料イモを買いたたいて澱粉を作ったその澱粉は、政府の買い上げの対象にはしないという規定もございまして、昨年来これにつきましては、澱粉の生産業者に対して強い警告を発しておる状況でございます。農協系統では無条件委託販売の制度が比較的徹底いたしておりまして、さような心配も少ないのでありますけれども、澱粉は、御承知のように、一般企業家による製造も相当量ございます。これらの点については、さらにわれわれといたしましては、趣旨の徹底をはかって参りたいと考えております。
○東隆君 今政府手持ちのものがどの程度になっておるかわかりませんけれども、どうせこれは含水炭素ですから、おてんとうさんと葉緑素でこれはでき上がるものですから、従って、こういうものを海外に出せば、安くてもまるまる金が入ってくるわけです。決して損失になるものじゃない。国力を消粍するものじゃないと思うのです。同じ含水炭素で入ってくるものに砂糖が非常に多いのですから、そこで、砂糖の輸入の割合によって、澱粉の海外に出す量をある程度割当をするというような態勢をとって、マイナスの分だけ砂糖につける。マイナスのプレミアム。そういうようなことをして、政府が持っておるものを、同じ含水炭素の系統ですから、従って広義の甘味対策の一環としてそれをやっていただく。その政府の手持ちのものを片づけてしまわなければ、私はどうしてもこの国内におけるイモの生産の態勢というものは確立しないと思うのです。それをやるべきときでないかと思うのですが、政府手持ちにしても、毎年の相当の金額の金利、倉敷を考えると、これは相当の量を出しておるわけです。私どもはこの前計算したときに十四、五億になった。そういうようなものを考えてくれば、相当な私は広義の甘味資源対策というもので考うべき筋合いのものではないかと思います。砂糖はさしずめ対象にしていいのじゃないか。そうすると輸入価格その他でもってたくさん輸入をするのにたくさんマイナスのものが入ってくる。こういうようになれば別の面で出してもいいわけです、澱粉は。輸出するものはどうせ損をするのですから、輸入するものはもうかっていくのですから、それの間の調節をする、私はこの前の福田農林大臣のときにもこの話を申し上げたのですが、何とか食糧庁で考えなければ、毎年イモの買い上げその他のときにこの問題がぶつかってきて、政府が手持ちのものでもって、いつも無言の圧力を持ってイモ作農家はいつもいじめられておる。これを一つ何とか考えていただきたい。恒久的な対策というよりか私は一度倉をからにして、そして毎年々々の生産によって結晶ブドウ糖を作っていく、こういう態勢を作っていただけば、国内で生産する澱粉はそんなにその需要供給のバランスをくずす必要はない、こう考えるわけです。これは一つ今お答えが無理だろうと思いますけれども、御一考を願いたいと思います。
○植垣弥一郎君 先刻の堀本委員の御質問に関連した事柄でもありますが、お尋ねいたしたい点は酵素の質の問題ですが、コンプロが利用せんとする酵素と現在日本で最近使用して効果を上げつつある酵素との品質の比較をいたしたかどうか、その結果ですね。製品の歩どまりの関係、製品の質の関係等比較した結果があれば、お示しをいただきたい。 その次は酵素の需給計画なんですが、コンプロを使用のものが格別の優秀性がない、あるいは何かの事情でこれを利用することができないといったような場合に必要とする量を国産でまかなえる計画がありますかどうか。この計画はさしずめここに示されておる四十四年度に二十一万トンを作るということを見通しての需給計画の用意があるのですかどうですかということです。 次に聞きたいのは、御承知の通りに今ペニシリン菌をやはり育成といいますか、作る設備が非常に大きなものがあって、三分の二くらいは遊休でないかと私は考えております。これは御承知の通りに日本で初めてペニシリンを作ったときには、ビールびんだとかサイダーびんのあきびんを利用して培養したものであります。その後数年ならずして十トンないし五十トンくらいのタンクでペニシリン菌を培養しつつあるわけでありまして、これはブドウ糖を作る場合の酵素の培養にも参考とすべき点がありはしないかと思いますが、その辺のことについて御研究になったことがありますか。 次は四点ですが、理想としては生粉を年中使用するということにあるわけですが、あるいはそこまでいかないかもわかりませんが、大部分の原料は生粉でまかなうということについての御研究の結果、それがどの程度までの可能性を見込んでいらっしゃるかという点についてお伺いいたしたいと思います。
○説明員(黒河内修君) ただいまの植垣先生の御質問につきまして、お答えいたします。まず第一点のこのたび許可いたしましたコンプロ社の技術導入による酵素とそれから国内の業者の酵素の種類その他の関係はどうであるかというお尋ねが一点であったと思います。これは結論を申し上げますと、酵素というのは、御承知のように菌が分泌いたしますものでございますので、その菌の種類によりまして、その糖化作用が強い、あるいは弱い、それから強いけれども安定しておらないとかといういろいろ一長一短があるわけでございます。コンプロのものは私どもは聞いておりますと、リゾープスと称する菌から出る酵素でありまして、いうなればくもの巣菌による一種の分泌、こういうものについては、国内で同様なものがございまして、それを現に使っております。それからそのほかにいろいろな、たとえばアスペルギルスという黒カビ系統の酵素でございます。こういうものもございます。おのおの私どもが聞いておりますところによれば、一長一短がありまして、酵素自体の比較を申しますのは、これはなかなか一がいに言えないと思います。ただ、コンプロが非常にすぐれております点は、向こうの話を聞きますと、力価が強くてしかも安定しておるという点、しかもそれがオートメーション式に企業的に装置として相当合理的に持っていける、こういう点がコンプロのすぐれた点であろうと思います。そういう意味合いにおきまして、私どもは先般正式にコンプロの技術導入を認めたわけでございます。従いまして、今後の問題といたしましては、国内の既存業者とコンプロがどういうふうに優劣があるかという点は、これは来年あたりから実績として現われてくると思います。先ほど第二部長が申し上げましたように、コンプロの技術導入につきましては、私どもは条件の一つとしてもし国内の業者でその酵素を希望すればそれは一つ分けてやるという、こういう条件が入っております。従いまして将来の問題として、それぞれ役所も非常に検討いたしております。私どもは酵素の問題では、必ずしもコンプロに国内業者が劣っているとは思いません。コンプロは量産態勢をするための機械装置の点が非常にすぐれている、こういう点についてわれわれは今後ブドウ糖のコスト・ダウンの面におきまして相当学ぶべき点があるのではないかと、かように考えておるわけであります。 次に、酵素の需給の問題でございますが、これは先生御指摘の通り、ただいま非常に不足しております。現在国内のメーカーとして酵素を商品として売り出しておりますのは二、三社でございます。何分新しい分野でございますので、しかもブドウ糖が急速に伸びておる関係で、酵素の需給が非常にアンバランスである。こういう点が、物が少ないという点が一つ。しかしこの点につきましては、私どもといたしましては、今後メーカーも拡張計画を持っておりますので、開発銀行等の融資等を考えて、量産してもらって、なるべく安い酵素を安定して供給する、こういうことも一つの方法として考えております。それからもう一つは、各社の中で、相当大きなブドウ糖メーカーは自家培養を考えております。これらの点につきましても、現にやっておるものも二、三ございます。そういう方向と両方かね考えまして、われわれとしては、力価の高い、しかも品質的に安定した酵素を安定して供給するように、今後方策を考えていきたいと思います。なお、酵素はただいまのところ非常に売手市場でございまして、しかも非常に供給量が少ないという関係で、相当高いわけでございます。私ども伺っておりますところによりますと、キロ千五百円から二千円ですか、これはブドウ糖のメーカーの側からいいますと、少なくとも千五百円以下になれば、さらに酵素糖化によるブドウ糖の価格というものが相当コスト・ダウンする。もちろん、そこには力価が強くて安定するという条件がございますけれども、そういうようなことで、これも漸次急速に改善をされていくように私どもは考えておる。 それから最後の点は、ちょっと私はっきり聞き漏らしましたが、製糖メーカーの設備の遊休の問題でございますか。
○植垣弥一郎君 製糖メーカーではなくて、ペニシリン菌培養の設備が現在相当大量に遊休になっているはずなんです。これをこの酵素の培養に活用するということについて御研究になったことがあるかどうか。
○説明員(黒河内修君) それは実はまだ私どもきょう初めてお伺いしたことで、検討はいたしておりませんが、私の感じといたしましては、ペニシリン培養と酵素培養というものは、大体似かよったことなのです。従いまして、一応設備を使えるということはある程度言えるのじゃないかと思いますけれども、ただ従来のそういう例はございませんので、十分お話しの点、今後私どもとしては検討して参りたい、かように考えております。 それからもう一点、原料澱粉を消費に使う場合に、年間を通じて生粉でまかなえるように研究しておるか、こういうような御質問だと思いますが、これについては、非常にブドウ糖メーカーも各社よく研究しております。現在私ども承知いたしておりまするところでは、十二月ごろから、生粉は先ほど申しましたように、二、三月ごろまでであとおしまいになりますが、それを買いまして、一種のプールを作りまして、そこに生粉として貯蔵するということを各社非常にやっております。最近の私ども聞いておりますのは、六月ぐらいまでの生粉をプールに貯蔵し、しかもそれが腐敗しないように貯蔵するということは各社やっておる。これをもう少し、先生がおっしゃるように、年間生粉でいけるかどうかという点は、あるいは各社とも非常に関心をもって検討いたしておるようでございますが、そこまでいけるかどうかという点は、今日のところ断定できませんが、少なくとも五、六月ごろまでは生粉としてブドウ糖原料として使えるということが現状でございます。
○岡村文四郎君 これは御答弁は要りませんが、食糧庁の部長のお話がございまして、そうであろうと思っておりますが、きょうのお話は主としてカンショ澱粉が主体でございますが、御承知のように、バレイショ澱粉は数は少ないのでございますが、品質の関係で価格の関係があってなかなか思うようにいかぬのが現状でございます。そこで何とか製造コストを引き下げて、バレイショ澱粉でもできるようにしたいという御意見はけっこうでございます。そうありたいと考えますが、なかなかこの通りいかぬと思います。そこで、食糖庁も経済局長も御迷惑でございますが、あの日本の食糧として私に言わせますると、バレイショ澱粉ほど大事な食糧はないと思う。私十年持っておりますが、十年貯蔵しておいても、ちょっと色が変わるだけで変化はございません。こんな食糧はございません。でございますから、一つあれは、だんだん技術と併行して生産がふえます。ですからふえるたびごとにどうも国が損する損するということは、ほんとうに聞きたくないのです。一つ研究して、相当高度な使い道があると思いますから、一つ研究方面に委託を願うなり、研究してもらってバレイショ澱粉というもののりっぱな用途を作っていただきたいことをお願い申し上げておきます。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御質疑もなければ、本件については、本日はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 次に、硫安価格に関する件を議題といたします。 本年八月ないし十二月までの間の硫安価格について、その決定が急がれておるのでありますが、いまだ決定を見るに至っておりませんので、この機会に、この問題に関する従来の経緯並びに今後の措置及び見通し等について、当局から説明を聞くことにいたします。
○説明員(坂村吉正君) 昭和三十五肥料年度におきますところの硫安の価格の決定が非常におくれまして、いろいろ御心配を賜りましたことはまことに申しわけないと思っておるのでございまするが、その経過等を御報告申し上げたいと思います。 実は本年の七月二十日でございまするが、八月から始まりまするところの昭和三十五肥料年度におきまする需給計画の決定のための肥料審議会を招集をいたしまして、三十五肥料年度の需給計画が決定を見たのでございまするが、その際におきまして、前々からの問題でございまするけれども、硫安の価格につきましては、今まで硫安メーカーが非常に輸出の赤字に困っておるというような状況もございまして、その点は三十五年度、ことしの七月末では、輸出会社に対しまするところの売掛金の赤字が百十五億にもなり、昨年末におきましては、昨年の七月末におきましては六十五億でございましたが、一年間で五十億以上もふえまして百十五億になるというような状況でございまして、これらの処置につきまして、あるいは今後の硫安工業の合理化の推進につきまして、政府といたしましても何とか根本的な対策を講じてほしい、こういう御要望が、大体肥料審議会の決議となりまして要望をいたされたのでございまして、そういう問題を至急に政府としても対策を考えて、そうしてこの次に価格を決定する審議会を招集する場合には、それらの根本対策も一緒に示してもらいたい、こういう御要望がありましたわけでございます。で、その後政府におきましてもいろいろ検討をいたしまして、その検討につきまして時間が非常にかかりまして、中途の過程におきましては政変等もございました関係がございまして、時間がだいぶかかりまして、ようやく今月の十七日に肥料審議会を開催いたしまして、また引き続きまして去る二十二日に肥料審議会を開催いたしたわけでございます。その際におきまして、政府といたしましては今までの、従来のといいまするか、現行法によりますところの硫安の価格の決定方法、いわゆる輸出赤字は国内価格に転嫁をしないということ、それからいわゆる生産費につきましては、内需バルク・ライン方式というものを堅持して参るといいますること、それから合理化につきましては、硫安工業の合理化を強力に推進しまして、そうして値段が将来下がっていく、そうして輸出の競争をいたしましても赤字が出ないように、そういうようなところまで合理化を推進していこう、こういう基本的な問題につきましては従来とちっとも考え方は変わらないのでありまするが、今までたまっておりますところの輸出の赤字の問題につきまして、何とかこれが処理をしなければならぬというふうなことで、これらの問題につきましては税法上の措置を講じて、そうしてこの今まで売掛金として輸出会社にたまっておりまする百十五億のその問題を何とか処理をしていこう、こういうようなことで大体考えているのでございまするが、そういう考え方を肥料審議会にも申し上げまして、そうして本年度の価格につきましては従来通りの算式によって一つまあきめていこう、こういうようなことで肥料審議会に、本年度の価格といたしましては一俵当たり七百五十七円五十四銭という価格、これは昨年の価格に比べますと三十一円七十一銭の値下がりでございまするけれども、そういう価格を諮問いたしましたわけでございます。 二十二日の肥料審議会におきましては、どうも政府の硫安工業に対する対策が十分でない、不十分である、こういうような御意見が非常に強うございまして、もう少し硫安工業の合理化のために積極的な対策を政府としては考えるべきである。その主たる御要望は、結局合理化された場合に値段は下がってくる。これは現在の肥料二法によって値段を下げていくのであるから、その場合に硫安工業に対しては輸出の競争によって必ず赤字が出るという状況があるので、それらについての財政的な援助をも一つ考えてもらいたい、こういうことが大体要望の中心の問題でございまするけれども、そういう問題につきましては、政府としてまだ結論が出ていないというようなことでございまするので、そういう状況ではこの三十五肥料年度の価格を決定するというわけには参りませんということで、実は可否の判定を下すわけには参りませんという答申をいただきましたわけでございます。そこで政府といたしましては、この硫安工業の合理化についての基本対策については、 〔委員長退席、理事秋山俊一郎君着席〕 できるだけ早く政府の部内でも検討を進めまして、そうしてあらためてまた案を考えて、肥料審議会を招集し、そこであらためて政府の案を一つ示そうと、こういうようなことでございまするが、硫安の価格の問題につきましては、これは今の状態で値段がきまらないでほうっておくといいますることは、消費者に対する不安をだんだん醸成するというようなことにもなりまするので、政府の責任において硫安の価格はきめると、こういうことで現在作業をいたしておるのでございまして、一、二日のうちに政府の責任において取りあえず十二月までの硫安の価格をきめたい、こういうようなことで進んでおりますわけでございます。その間まあ流通の面におきましては、これは実際問題といたしましては、流通の半分以上の部分を担当しておりまする全購連、それからその他の商人系統、そういうようなところでいろいろメーカーとも話し合いを進めて、現物は大体順調に農民の方にも届けられておるというような状況でございまして、秋肥の大体流通はほとんど完了をいたしておるという状況でございまして、今後大きく動いて参りますのは、春肥の問題でありまするが、そういうような状況で、一応流通面においては今までのところ、それほど混乱が起こっているというような事態はございませんが、価格がきまらぬといいますることについての不安が、消費者側におきましてもだいぶ強くなってきておりますような状況でございまするので、できるだけ早く一つ安心させなければいかぬというようなつもりで、一両日中のうちに政府としての価格をきめたいと考えております。その場合の政府がきめます価格は、この間肥料審議会に諮問をいたしました原案の、昨年に比べまして三十一円七十一銭の値下がりによりまするところの現実の価格をきめていきたい、こういうつもりで考えておりますわけでございます。
○理事(秋山俊一郎君) ただいまの説明に対しまして御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
○岡村文四郎君 本年の硫安価格には非常な御努力を願っておりますが、非常に残念なことでございます。そこで、肥料メーカーをつぶすわけには参りません。でございますが、そうかといって農家にその負担を負わすわけにも参りませんし、なかなか大蔵、通産、農林と、こういう方で御迷惑をかけておりますが、私に言わせますると、大臣もかわり、係の人もかわっているというので、これはどうも人のことを言ってもだめでございましょうが、最初からこれこれの工場を作ればこれだけの生産ができるということは、何も不思議じゃないので、その日からもうわかっておると、業者もわかっておって作ったものですから、こういうことがあることを予想したことと思いますが、輸出をいたしましても、これも当然日本の価格と外国の価格は引き合わないことはもうわかっておる。でございまするから、こうなっておるのはやむを得ませんから、その工場のいろいろな操作はもうやるわけには参りますまいし、政府も一つぜひ本腰になってやってもらっておるようでございますが、大蔵省の言うように、その負担を国民に負わすわけにはいかない、これはその通りでございましょうが、そうは参りません。ですから、一つ一番肝心なことは、今打ち出しておりまする価格をわれわれこれから、こうきまったと言いたいのです。ですから、そう言っても間違いない、これから下げないと、こう言っておられる。まあ局長もそうお考えになっておるのか。私が聞くところによると、大臣はこう言っておられる。ところが、ほんとうにきまっていないものを知っておって言うたのじゃちょっと工合が悪いのですから、実際にそれが変らない、今の価格は間違いないので、それを維持できるということがまあきょう、あすにきまればいいのですが、どうなんでしょうか。
○説明員(坂村吉正君) いつまでほうっておくというわけにも参りませんので、先ほど申しましたように、一両日中には政府の責任において価格をきめると、こういうようなことで仕事を進めておりまするので、御了承いただきたいと思います。
○岡村文四郎君 今打ち出しておりまするその価格を一歩も引かないできまりますか、そこの問題は。
○説明員(坂村吉正君) この間、審議会に原案として諮問いたしました価格は基準価格でございますので、あの基準価格に基づいて限月の価格をきめたい、こういうことに相なっております。
○仲原善一君 今のお話で大体わかりました。ところで十二月まで暫定的にやるというお話ですが、それ以後のことは、どういう措置に今後なるのですか、この価格についてもまた動いてくるということになるのですか。
○説明員(坂村吉正君) 一応十二月までの価格をきめるということで進んでおりまして、その裏には十二月にはもう一度肥料審議会をやりたい、こういうつもりで考えておるのでございます。ですから、従いまして、その肥料審議会におきまして、硫安工業に対する合理化の根本対策ももう一度一つ検討しよう、こういうようなことで考えております。 〔理事秋山俊一郎君退席、委員長着席〕
○仲原善一君 肥料審議会との関係ですけれども、これは肥料審議会に諮問した結果が出ない場合は、政府がこう勝手にきめていくことには、法律的な解釈が成り立つかどうか。その答申はなくても、一応諮問しておきさえすれば形式的にはどういう答申があろうと、政府の意思通りにきめていけるという、そういう解釈になるのですか。
○説明員(坂村吉正君) 法律論を申し上げますと、肥料審議会の意見を聞いて政府がきめると、こういうことでございまするので、法律論といたしましては何も問題はないわけでございまするが、今までそういう例はございません。これは審議会を設けております以上は、できる限り審議会の意向に沿うて政府もきめなければいかぬというようなことは当然でございまするので、今後政府の責任においてきめようと、こういうことをぜひ考えておりまするのも、審議会におきまするいろいろの審議会の過程の事情を考慮におきましてそういう措置をとりたい、こういうことで進むつもりでございます。
○仲原善一君 今後の十二月から先の問題についても、この原案がくずれないように、その点うまくこの通り一つきめていただくように、要望だけを申し上げておきます。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本件については、本日はこの程度にいたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後零時三分散会