大蔵委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/11/30
会議録
○委員長(杉山昌作君) ただいまから委員会を開きます。 年末金融に関する件を議題といたしまして、まず、大蔵省当局から、年末金融の情勢及びこれに対する措置等についての御報告を願うことにいたします。
○説明員(石野信一君) 年末金融の情勢の見通しと、これについての政府のとります措置につきまして、御説明を申し上げます。年末金融の情勢の見通しにつきましては、これはまあまだ先のことでございますので、そう具体的な数字等で的確な見通しを申し上げるわけには参りませんので、ある程度抽象的な見通しになります点を、あらかじめ御了承願っておきたいと存じます。 年末の話に入ります前に、上半期の金融情勢から簡単に申し上げますが、銀行券が、上半期四月から九月までに、期中四百四十四億円の増加で、これが前年同期は三百九十億の増でございましたが、従って、資金需要と申しますか、経済の拡大に伴って通貨の量かかなりふえて参っておるわけでございます。一方、景気の好況にも基づきまして、財政収支の方は揚げが大きくなって参りまして、前年同期上期中は四百十八億の払いが百十億の揚げというふうになったわけでございます。こういう関係で、八月にはかなり金融が引き締まるという見通しに立ったものでございまするから、 〔委員長退席、理事山本米治君着席〕 八月中に日本銀行で政府保証債の買オペを四百九十億、約五百億実施をいたしまして、それによってその見通しを実際においてある程度緩和をいたして、まあ大体に順調に推移したと思うのでございます。 十月に入りまして、十月末の通貨は九月末に対しまして四百二十六億の増、前年同期が二百六十億で、これはちょっと増勢が強いように見えたのでございますが、これは月末の一時的現象がございまして、十一月に入っての通貨の還流の状況は良好でございまして、先ほどのは月末でございますが、平均残高ではさほどではございません。基調に特に変化が認められるわけではございません。むしろ、十月に引き続きまして、財政の払い超期に入る関係から、十一月になりましても、引き続き金融はどちらかというとゆるんだ態勢でございまして、コールも例の申し合わせの二銭三厘を下向って、十一月の中ごろまでは二銭とかそういったところも出るような状態で、金融としては情勢はゆるんで参った、こういうことでございます。 十一月中ごろからだんだん繁忙期に入るわけでございます。これからは年末に向かいますので、資金需要は旺盛な時期に相なるわけでございます。数字その他、先ほど申しましたように、具体的に財政の払いが今後どうなるというようなことは、補正予算等の関係もございますし、まだ具体的な、的確な見通しを持っておりませんけれども、まあ大体今まで推移して参りましん情勢から判断いたしまして、そう特に昨年に比して本年問題があるというような情勢ではないと、私ども考えておるのでございます。 まあ物価の状況も、卸売で、十月の欧字でございますが、前年同期に比べて〇・九%の上昇と申しますか、〇・九%プラスであるというような程度でのりまして、物価の推移、それから国体収支の状況等も、大体順調に推移いたしておりますので、日本銀行の窓口指導といたしましても、今経済が行き過ぎる心配があるから、そうむちゃくちゃに、とにかく締める一方で、無理して締めなければならぬ、あるいは三十二年のときのように行き過ぎてしまったので、これを引き戻すために非常に締めなければいけない、そういう情勢にもございませんので、そういう点は実情に応じた措置もとっていくというような考え方をいたしておるようでございます。 それから、中小金融のために、庶民金融公庫、それから中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、この三機関に対しまして合計二百億の年末金融対策としての資金の追加をいたしました。内訳は、国民公庫が五十五億、中小公庫が四十四億、商工中金が、これは補正予算の出資を一応二十億と見込みまして、それを含めて百億でございます。合計二百億。これは、昨年は年末金融対策といたしましては、この三機関に対して九十五億円をいたしております。この二百億の数字が十分かどうかというようないろいろの御議論もあるかもしれませんが、大体、政府といたしましては、昨年の倍の二百億というものを、これは財政投融資の原資の関係等から、相当従来に比して思い切った増額をいたした次第でございます。 市中銀行におきましても、全国銀行協会で、第三四半期の資金の、中小企業向け資金の増額を、昨年目標を千億と定めましたものを、本年は千四百億以上ということにいたしました。これは「以上」ということでございますが、もちろんそれ以上に努力するという含みで、千四百億以上ということを申し合わせまして、できるだけ中小企業金融には努力をするように申し合わせをいたしておる次第でございます、 こういうような措置と相待ちまして、また一般的な経済情勢、金融情勢から判断いたしまして年末の金融の見通しにつきましては、もちろん資金需要は全般として強いのでございますが、しかし、特に年末として越年関係の金融に問題があるというようなことはなく、大体順調に推移するものと私どもは見通しておる次第でございます。 以上でございます。
○理事(山本米治君) 以上の説明に対し御質疑のある方は、順次、御発言を願います。
○木村禧八郎君 ただいま銀行局長から、これまでの金融情勢及び年末金融の状況について御説明があったのですが、大体において順調であるというお話があったのですが、しかし、この三十五年度の予算を編成する当時に政府が予想した金融情勢、特に財政資金の対民間収支を中心として考えた場合、非常に大きな狂いが出てきているのじゃないかと思うのです。それは、租税の自然増収の見積もりに大きな誤算があったということが、その一つの大きい原因になっていると思います。それで、お伺いしたいのは、第三四半期における政府資金の対民間収支をどの程度に当初予想しておったのか、それと、それから最後に、年度末ですが、来年三月までの財政資金の対民間収支をどのくらいに見積もっておったのか、その点、まずお伺いしたいのです。
○説明員(石野信一君) 一番最初の年度当初の見通しでございますが、それがどういうふうに狂ってきたかという数字は、まだちょっと見通しが的確に数字が立ちませんので、確かにおっしゃる通り、最初の見通しよりも、租税の増収等の関係もございまして、引き揚げの部分が多くなっている、これは確かでございます。ただ、それがゆえに金融がそのまま全部詰まるということではございませんことは、これは御承知の通りで、結局、国庫の引き揚げの部分を日本銀行の貸し出しで調整をいたしているわけでございます。日本銀行の貸し出しだけで調整するのがいいか、あるいはさらに通貨の供給方式を多様化した方がいいかというような関係で、八月から政府保証債の買い上げというような形で措置をするというようなことで、埋め合わせというようなこともやったわけであります。これは一時的な措置として、十一月のゆるんだ時期にまた売り戻しておりますから、一応相殺されましたが、そういう関係で、金融全体として、国庫が揚げたがゆえに、それがそのまま金融がそれだけ詰まったということではございませんで、それを見ながら日本銀行で調整をいたしてきたわけです。従って、国事の揚げが大きかっただけ日本銀行の貸し出しが減るものが減らないとか、あるいはふえるとか、そういう形で、金融全体としてはバランスがとれている。確かに揚げの大きいときには金融は詰まる、そういう傾向はもちろんございます。 〔理事山本米治君退席、委員長着席〕 ただ、御質問が、年度全体として、当初の見積もりに対してどういうふうになるかということになりますと、まだちょっと数字で、私どもの方でも手元にそういう数字を囲めておりませんので、申し上げる段階ではございませんので、おっしゃる通り、御指摘の通り、全体として資金の、国庫収支の関係は、見通しよりも国庫の揚げの方が大きいという点は御指摘の通りでございます。
○木村禧八郎君 私がお伺いいたしたかったのは、大体、当初予算を組むときに、特別会計、それから外為会計を通じて年度末に千八百億の散超になるという前提であったわけです。それがかなり狂ってくる。それで、その過程において、日銀においていろいろ債券を買ったりしてそうして調整をやった。だから、一応順調に推移したといいますけれども、しかし、これが少しばかりの見通しの狂いじゃないのです。これが当初すでに予想されたことなんです。この、当初予算を審議する過程においても問題になったのです。あまりにも税収の見積もりについて大きな誤算を犯して、それが結局政府財政資金の対民間収支の見通しに大きな誤りを来たしているわけです。ですから、どの程度にそごしたかということをまず具体的にお伺いをして——今後の問題もあるわけです。今後しょっちゅうこういうような、多少ぐらいなら、それは百億とか二百億ぐらいでしたら、これはまた別でありますが、とにかく千何百億、千八百億散超のはずだったのですよ。そして大体自然増収は最初二千億ぐらいといったのです。ところが、三千五百億くらいになるわけです、今度千五百億を加えますと。当初の見通しに対して三千五百億の自然増収、これに対して最初二千億くらい、それが対民間収支に大きな狂いを生ずるわけですわね。こういうような大きな、これはまたあした租税の収入見積もりについてのときに御質問いたしますが、きょうは金融問題ですから、その財政資金の対民間収支のこれまでの見通しの誤り、そご、それが具体的にいろんな影響を及ぼしてきているわけなんですよ。こんなに大きく狂って、一体いいのか。今後そういう点をどういうふうにお考えになっていくのか。日銀を通じて、オペレーション等を通じて調整すればいいのだ。——それで済まされないと思うんです、それだけでは。やはりもっと、ですから、なぜ減税をしなかったかということも問題になってくるわけです。減税の問題も、振り返ってみれば、そういうこともやらなかったために対民間収支が非常に大きなそごを来たした。それがひいて、やはり当初予想したより金融の逼迫を来たしているわけです。それを日銀を中心にして調整をしたということはお伺いしましたけれども、それだけでよかったというふうには済まされないと思うんです。
○説明員(石野信一君) 税収の見込み等につきましては、お話ございましたように、まあ明日主税当局も出て参りますから、そのときに御質問いただくというお話でございますが、まあ私どもそういう意味で、具体的な数字の話でなく、一般的な考え方の問題でございますが、確かに国庫の収支の見込みが的確に把握できますと、金融としては非常にやりいいといいますか、円滑に参る面は御指摘の通りでございます。ただ、まあこれは財政全体の見通しを立てるときと、その後の経済情勢の変化とか、そういったことで、まあ最初から見通しが誤っておったかどうかという点については、これは議論の分かれるところかと思いますけれども、まあそういう意味で実際問題として必ずこれが見通しの通り参るということは、従来からもなかなかむずかしい問題だったのです。その場合に国庫の揚げ下げが全然金融に響かないような制度にしてしまう。国庫が揚げても、それが金融市場から引き揚がらないようにすぐに還元するような制度にするというような考え方も、理論的にはあるわけでございますけれども、まあしかし、景気が非常に出て参って、従って税収等が上がるということが、まあある意味では自然的に金融が締まって経済が調節されるというような作用を持つ面もあるわけでございます。まあそういう点、その他いろいろそういう制度の改正となりますと、国庫制度の根本的な問題でもございます。から、従って、なかなか一長一短、いろいろと問題がございまして、簡単に結論も出ない問題でございます。 まあそういう意味におきましてできるだけこれを日本銀行の金融調整によって国庫が揚げた場合、全体の経済情勢なんかを見ながら、ある程度これを相殺する、こういうような考え方、あるいは全然全部これを相殺してもいいという時期には相殺していく、貸し出しをゆるやかにやっていく、こういうような考え方、さらにそれを貸し出し一本でなくて有価証券の買い上げという形で、いわゆるオペレーションというような形でやるという方が、より円滑にいくんじゃないかというような点で、ただいまのところは、金融の側だけから申しますと、やはり日本銀行の金融調整ということで、全体を見ながらやっていく。見通しがなるべく誤らないような見通しが立ちましてそういう面からやりよくなることを私どもも希望いたしますけれども、現在の私どもの考え方といたしましては、そういう考え方をいたしておる次第でございます。
○木村禧八郎君 それは、見通しがむずかしいことは言うまでもないんですか、しかし、すでに三月十五日、この予算が参議院の予算委員会で審議される過程で、三月十五日に慶応大学の高木寿一氏が公述しておりましたが、その高木さんがすでにちゃんと指摘しておるんですよ、租税の見積もり収入は過小であると。あの当時ずいぶん問題になりましたね。高木さんは千八百億ということを言って、過大じゃないか。それと同時に、高木さんは、従って租税の見積もりについて、政府は過小評価しているから、それはひいて財政資金の対民間収支に大きく響いてくるということも、あわせて指摘しているんですよ。それで、千八百億の政府は年度末散超になると言っておるけれども、それは非常に大きく狂って、むしろ逆に三百億ぐらいの散超にすぎないんじゃないか、そこに千億以上の開きが出てくるということをちゃんと指摘しているんですよ。見通しが困難というよりも、そういう専門家がちゃんと指摘しているそういう点を、一体どういうふうに参考にされて運用されたかですよ。見通し困難々々といいますけれども、ちゃんとそういう指摘があるんですよ。ですから、私どもは当初の予想と民間収支は狂いました、それを日銀を中心としていろいろオペレーションやって順調に推移しました。——それだけで済ましてはいけないんですよ。これまでのやっぱり全体としての財政のあり方と、それから財政資金の対民間収支、それと金融との関係、そういうものについての今までの見通しが誤ったんだと、どういう点に欠陥があったかということをやっぱり反省される必要があると思うんですよ。そうして今後なるべくそういう大きなギャップの生じないように、やっぱり予算全体を金融ともにらみ合わせて考えていきたい、こうおっしゃるならば、それでいいんですけれども、どうもそうでないようで、これまで順誌に推移したというようなお話だけですから、私は御質問いたしたわけなんです。
○説明員(石野信一君) まあ、その今後の見通し等についてできるだけ的確につかんで参るという点につきましては、これはもうおっしゃる通りそういうふうに努力をいたさなければならないというふうに考えておるわけでございます。ただ実際問題として、なかなかそれがその通りになりません場合が多いものでございますから。 ただ、それが決定的に金融にそのままに影響があるというふうに誤解されますと、これは先生はそういう誤解はないと思いますけれども、そういうふうに一般的に誤解されますと、その点は、日本銀行が今の金融政策をやっておりますのは、結局国庫もある意味では一つの金融でございますから、そういうもの全体を見ながら、結局経済全体の基調が安定成長に資するようにということをにらみながらやっておりますので、そういう意味で、国庫の引き揚げがふえた分が直ちにそっくりそのまま金融に影響を与えるというわけではございません点を申し上げたいと思ったわけでございます。従いまして、金融につきましても、財政の見通しについてできるだけ的確に把握して、そういう意味でなるべく円滑にやるというようにしろという御意見につきましては、これはそういう考え方を私どもも持っておる点を申し上げておきたいと思います。
○木村禧八郎君 最後に、希望ですが、やっぱり大蔵省で案を立てる場合、総合的に省議で検討すると思うんですがね、そういうときはやはり。今度の場合は、この当初予算が、この予算が、出てきた結果を今日まで振り返ってみると、全体として見通しについて、少しばかりじゃないですよ、ものすごい大きな狂いが生じておるんですよね。その点を再検討する必要があると思うのですよ。今後の租税の見積もりの地固め等についても、最初われわれは見通しでありましたから、その点については半信半疑で、どうも過小じゃないかというような見積もりで——実際現実にわれわれも非常に不見識であったわけですよ。千何百億も見積もりについて大きな狂いが生じ、それから今後補正にものすごい大きな補正が出てくるというようなことも問題でしょうけれどもね。全体として何か今までの財政あるいは金融に対する総合的な見方に、何か欠陥があったんじゃないか。確かにあったはずでありますよ。そういう点はやはりここで再検討してみる必要があるんじゃないかと思うのですよね。反省してみる。その点だけを一つ希望しておきます。 あまりにも、われわれとしても、そういう指摘があったんですから。現にあった。そうしてその高木さんの言っておる通りになってきたんですよね、実際は。その点は、もっとわれわれとしても反省してみなければなりませんけれども、財政当局としてももっと謙虚にそういう点御検討される必要があるんじゃないかということを、最後に申し上げておきたいんです。
○野溝勝君 私は具体的の問題で二、三お伺いいたします。 ここに示されておる資料に基づいてですが、国民金融公庫の年末金融五十五億、これが長期、短期合わせてということになっております。私の聞くところでは、国民金融公庫なり中小企業金融公庫は、金利の点におきましても、また期間の点におきましても、一般は非常に歓迎しておるのでございます。しかるに、この要求額が相当あったにかかわらず五十五億、中小企業の方が四十五億では、要求額よりは半分以下の額に落とされたのでございますが、この間の事情につきましてお伺いしたいと思います。
○説明員(石野信一君) 確かに国民公庫、中小公庫と政府関係機関は、金利も安い関係もございまして、これに対する需要が多いことは御指摘の通りでございます。ただ、これもある程度財政投融資の原資の関係に縛られまして、常に要求の通りというわけにも参りません。と同時に、国民公庫、中小公庫等の政府関係機関は、これは一般金融の補完ということでございますので、資金需要の全部をまかなうということも、できればけっこうでございますが、必ずしもそういうふうにも考えられないという面がございまして、従いまして、常に需要の通りには参りませんけれども、しかし、本年二百億というのは大体去年の倍でございまして、当局といたしましてはできる限りこの中小金融につきまして努力するという気持の表われで、倍額にいたした次第でございます。需要の通りではないという点は御指摘の通りでございますが、できるだけ努力した点を御了承いただきたいと思います。
○野溝勝君 局長のお話の通り、努力された点は私どもわかるのでございますが、公庫側の要求は、国民金融公庫が多分百億以上です。中小企業公庫の方も百四十億以上の要求があったということを聞いておりますので、それから見ると、半分にもいかない。なるほど前年度よりは確かに相当上回った金額でございますけれども、この要求額から見るとあまり違っておりますので、私はその点をお伺いしたのですが、ただ努力をされたというだけでなく、これである程度庶民階級の年末金融は支障ないものと見られるんですか、その点に対する御見解を一つ。
○説明員(石野信一君) この追加資金によりまして、貸し出しの見通しでございますが、大体国民公庫、中小公庫、商工中金、貸し出しの見込みが、去年の、災害の関係がございますからちょっと数字は取りにくい次第ですが、その災害関係は除きまして第三四半期の一般の金融につきましては、大体二割程度増加することに相なります。そういう点から見まして、もちろん、こういうもので完全だとか、十分だというふうなことではございませんけれども、その程度確保できましたことは、私どもとしては中小金融に非常に努力をしたつもりでございまして、こういう資金の獲得につきましても、なかなか財政投融資の方もいろいろ窮屈なことでございますけれども、これだけ確保できましたことは、例年から見ましても、むしろ非常によく取れたというふうに考えている次第でございます。また、今申しましたような関係からも、まずまず平穏にと申しますか、特に問題もなく越年するということにつきましては、先ほども申しましたように、中小企業金融につきましても同様に考えている次第でございます。
○野溝勝君 努力はされたと思うんですが、財政投融資の関係等もあってというお話で、非常にその点は御満足にはいかなかったという話なんですが、従来、医療金融公庫というものができる前には、あれでございますか、大体金融の道は一般銀行ないしは特殊銀行、あるいは国民金融公庫、中小企業公庫あたりを利用されておったと思うのでございますが、その関係はどうでありましたか。
○説明員(石野信一君) 今のお尋ねは医療関係の金融でございますか。
○野溝勝君 医療金融公庫ができる前の医療関係に対する金融関係は、どんなふうでございましたか。
○説明員(石野信一君) 医療公庫以外で、一般の普通の金融機関もやっておりましたし、それから中小の相互銀行、そういうものもやっておりましたし、それから中小公庫も、国民公庫もやっておった。それも、医療公庫ができましてからも、医療公庫の方はすぐに働き出しておりませんから、従って、なお中小公庫、国民公庫からも貸し出しを行なっている、そういう状態でございます。
○野溝勝君 そこで、私は局長にお聞きするんですがね。どうも私は政府のやっていることがわからないんですが、庶民階級より医師及び医療のそれぞれの関係者は、金融事情につきましても大した支障がなかったはずだと思う。また、金融機関の方も努めておるということを私は調査の結果得ているわけなんです。全部とは言いませんが……。しかるに、今度は医療金融公庫ができたのですが、私はできることはけっこうだと思うんですが、庶民の唯一の代表金融機関である国公が財政投融資の関係でこれ以上増額困難だったと財源関係で御論議の際に、この医公の方だけは簡単にできた。しかも、財源は公募借入金である。これは何か理由があるのか。庶民の要求する要求額は半分にもいかない。国民金融公庫金融量には努力されたけれど、片方医療公庫は短時間に十億、ぽろっとできてしまった。むしろ国民金融公庫、中小公庫のワクを増して、そちらから融資するようにしてはどうですか。そういうことは一度でも検討されたことはありますか、ちょっとお伺いをしたい。
○説明員(石野信一君) 医療金融公庫ができますにつきましては、これは前々国会でいろいろ論議のあったところでございますが、とにかく医療関係で公庫がぜひ必要だということで、あれができましたにつきまして、国民公庫、中小公庫からのお医者さんに対する金融をどうするかという問題が御指摘の通りあったわけでございます。これにつきましては、実はまだ今後の問題としてどうするかということを検討して参ると申しますか、決定していく必要がある問題でございますが、今までのところはまだ、医療公庫の方ができ上がってもすぐ活動を開始しませんので、従って、従来の通りという建前をとっておりますけれども、医療公庫ができます前は、中小公庫につきましては、医療というものはサービス業でございますが、サービス業は普通従業員三十人までという制限があります。中小企業という一つの定義といたしまして、資本金千万円以下または従業員三百人以内、ただしサービス業については三十人以内ということになっておりますが、中小企業公庫について、医療についてはこれを三百人までいいということに相なっております。これを医療公庫のときの法律で、公庫成立の目から一年以内に三百人まで医療について認めるという特例につきましては、これを一年以内に廃止するという規定がございまして、従って、その規定が廃止されますと、三十人以上で三百人以内の、比較的大きな病院のようなものでございますが、そういうものにつきましては中小公庫から貸し出さないわけです。なお、その下の小さなものにつきましてどういうふうにいたしますかにつきましては、これは今のところまだ、すぐに移しかえてしまうか、そうでなくて、ある程度全体の資金の需要供給の関係の様子を見るかということにつきまして、ただいまの段階ではまだはっきり申し上げかねる状態でございますが、とにかく御指摘の通り、そういう意味で、中小、国民も従来通りそのままやり、その分だけふくらますという形にはならないように、移しかえの考え方は私ども基本的には持っております。いつから実施するか、まだ私どもわかりませんので、御了解を願いたいと思います。
○野溝勝君 大体、局長のお話でわかりましたが、私は、だんだん質問をそういう方向に向けていこうと思いますが、あなたのお話の通りに、医療金融公庫の例は、特典を与えておいてまた一般銀行の方からも融資するとなれば、満点というか、それでは金融が不公平になると思いますが、そういう点については矛盾の起こらないようにやっていくという考えだということで、この点については私はこれ以上の質問はいたしません。
○説明員(石野信一君) ちょっと補足させていただきたいのですが、医療公庫の運営の方法といいますか、性格の問題につきまして、当初、お医者様であればだれでも借りられるようにというような考え方もあったわけでございますけれども、まあ私どもとしては、ああいう公庫を作りますには、やはりできるだけお医者さんの足りないようなところに優先的に借りられるようにというような考え方を織り込んで、そういう考え方の公庫にすべきだということを主張いたしまして、そういう性格を持っているわけでございます。従いまして、一般の金融を受け得る、普通の企業として一般の金融機関から借りられるというのは、これは借りてもいいわけですが、特に医療公庫から借りられるような人が中小公庫からも国民公庫からも借りられるというのはおかしいので、従って、そっくりそのまま全体を移す方がいいかどうかということにつきましては、その辺に問題があるかと思います。しかし、要するに、そこが重複するのはおかしいじゃないかという御指摘につきましては、確かにそういう問題もございますから、お話のようなことで今後研究していきたいとは思っております。
○野溝勝君 まあ公団とか、公庫とか、いかにも公益性の名に隠れて、税金の点でうまいことをしたり、あるいは政府の特典でも得たいということで、このごろこういうものがばかに流行し始めたのでございますが、いずれ私は問題になると思う。こういう大きな政治問題については、後刻あらためてまた質問することにいたしまして、この程度でこの問題は打ち切ります。 次に、もう一点、私お伺いしておきたいことは、ドル信用低下による国内金融の影響などの問題、これも大きな政治問題でございますが、ここで十分やそこらで片づくような簡単な問題ではございませんから、後刻あらためて質問いたしますが、最後にお聞きしておきたいのは、年末金融の問題の中で、一般銀行、市中銀行、もちろんその他の銀行等の年末金融に対する態度の点について、当局は一体どういう考え方を持っているか、その点について一つお伺いしておきたいと思うのです。
○説明員(石野信一君) 年末の全般的な金融の見通しと申しますか、それについての考え方を申し述べろというお話だと了解いたしましたが、これにつきましては、先ほども大体申し上げたところでございますが、経済の情勢も、今確かに資金需要は強いことは強いのですが、物価の状況とか、国際収支の状況等が非常に、危険と申しますか、金融の引き締めによって経済のバランスを回復しなければいけないとか、そういうような態勢にはないというふうに一般的にも了解されておりまして、従ってこの年末で、特に越年資金等につきまして、これを一般の金融政策として非常に引き締めて、無理なことをやって経済のバランスを回復しなければいかぬというような情勢ではございません。そういう関係から申しましても、日本銀行の金融政策にも弾力的な考え方が入ると思います。それから全国銀行協会等でもできる限り中小金融にも努力をしようという申し合わせをいたしておりまして、昨年の目標千億以上というのを、ことしは千四百億以上、第三四半期の増加額をそういうふうに見ております。これを事実上もっと上回るように当然指導して参るつもりでございます。中小企業金融につきましても、先ほど来お話しのように、まあ公庫の要求通りではございませんけれども、ある程度確保いたしまして、全般の経済情勢、金融情勢から見て、特に金融について年末に問題があるというふうには私ども考えておらないわけでございます。
○野溝勝君 これは質問ではなく、先般委員長の了解を得まして保留になっておるものですが、本委員会で、特に地方銀行の金融問題について、私は、長野県下の八十二銀行に対する金融政策について、ことに県下の小企業に対する融資の点に不明朗等あり、その事情等に対する資料を出してもらいたいということを本委員会に申し込んでいたわけです。しかるに、その後当局も努力をされたのか、警告を発せられた関係もありましょうが、前林知事並びに信濃毎日新聞の小坂社長の協力善処により、銀行も反省したため、問題になっておるような金融上に対する誤解を起こすようなことは十分注意するという点と、それから今後の運営についてもなるべく県下の中小企業初め商工業者に、あるいは一般県民に融資の努力を払うという点を明確にされましたので、私は問題点が明確になって参りましたので、この際本委員会に以上の点を御報告申し上げて、さらに、その際私が申しました資料の点については即時この委員会に出していただきたいということを申し上げまして、委員長に保留になっておる質問事項は私としては打ち切りたいと思います。資料を一つ出していただくことを……。
○説明員(石野信一君) 御心配いただきました、あれは前々国会でありましたが、心配いただきました八十二銀行の内紛と申しますか、そういった一連の問題も、おかげさまで、銀行当局に、その銀行当事者に、当委員会におきましても御質問等がありました点もよく伝えまして、おかげさまで無事と申しますか、とにかく解消いたしました。その点は野溝委員から御報告の通りでございます。 資料につきましては、一応手元に一、二部だけ持って参ったのですが、皆さんにお配りするのはあとにしていただきたいと思いますので、お許しいただきたいと思います。
○委員長(杉山昌作君) ほかにどなたか…… ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(杉山昌作君) 速記つけて。 本日はこの程度で散会いたします。 午前十一時十五分散会