運輸委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/10/25
会議録
○委員長(三木與吉郎君) これより委員会を開会いたします。 本日は運輸事情等に関する調査を議題とし質疑を行ないます。 順次御発言を願います。
○相澤重明君 運輸省の観光行政について一つお尋ねをいたしたいと思うのです。 まず第一に、観光関係の三十六年度の要求の予算の内容について、いま一度説明をしていただきたいと思います。
○説明員(津上毅一君) 私観光局長でございます。観光関係の予算要求につきまして概略を御説明申し上げたいと存じます。 大きな項目といたしましてあげられておりますのは、日本観光協会に対する補助と、それから観光施設整備、これは財政投融資の方でございますが、それとユース・ホステルの整備、この三つになっております。 第一番目の日本観光協会の補助でございますが、これは三十五年度の予算として二億一千三百四十万円でございますが、三十六年度の要求といたしましては三億二千三十三万八千円、ざっと五割増の要求をいたしておる次第でございます。日本観光協会は、御承知のごとく、日本観光協会法による特殊法人でございまして、これを政府といたしましては補助金交付をいたしまして、海外宣伝、あるいは国内の受け入れ態勢の強化をはかる使命を持たせておるわけでございますが、三十五年度は、この二億一千三百四十万円の補助金を根幹といたしまして、これに各種の機関の拠出を加えまして三億三千万円の規模で運営することになっておりますが、三十六年度は補助金の増額を待ちまして、四億四千万円の規模で運営する計画でございます。 来年度の計画として著しいことを一、二申し上げてみますと、第一は海外宣伝事務所の増設であります。現在は海外宣伝事務所は、ニューヨークほか六カ所にございまして、具体的に申しますと、ニューヨーク、サンフランンスコ、ホノルル、トロント、パリ、バンコックでございまして、本年度末にシカゴに開設されることになっております。来年度はこれにロンドンを加えたい、こういう計画でございます。 もう一つの計画として著しいことは、総合観光案内及び国際会議連絡事務所の設置であります。これにつきましては、去る九月の十五日に内閣の観光事業審議会の答申によりまして、国際会議等の誘致調整のための機構の整備が要望されておるのでありますが、この機運に対応いたしまして、日本観光協会をして国際会議連絡事務所を設置せしめんとするものであります。この機関は、まず国際会議等を積極的にわが国に誘致するとともに、これに伴う便宜供与を行なう。他方、会議が時期的にあるいは場所的に競合いたしまして、それによる接遇の低下が行なわれないように相互の調整をも行なわんとするものであります。なお、この機関は、同時に外客に対する総合観光案内をも行なわしめる予定でありまして、これは、たとえば乗車券の発売とか、あるいはホテルの予約というようなもの、そういう営利的な内容を——営利的と申しますか、収益を伴わないような、たとえば産業見学あるいは文化的行事の案内、社会施設の見学、そういった各般の分野の案内を無料で行なう機関であります。この総合観光案内と国際会議連絡事務、両者を行なうような使命を持たせたいと、かように考えておるものでありまして、かような機関は、主要各国においてもほとんどできておって、機能を発揮しておるわけでございまして、わが国においてもこれが機関の設置をはかりたい。ヴィジタース・エンド・コンヴェンション・ビューローという名前で外国では呼ばれておるようでございますが、そういう施設でございます。そのほかに外客誘致のために必要な広告宣伝あるいは印刷物の増加、あるいは外客受け入れ態勢のための調査等がありますけれども、その点は詳細を省略させていただきたいと思います。 第二番目は財政融資でございますが、これは観光施設の整備でございます。観光局は、従来民間事業の融資希望に対しまして、内容を審査いたしまして、開発銀行その他の特殊金融機関に対しまして融資の推薦を行なっております。その結果といたしまして、昭和三十五年度におきましては、約二十億を上回る程度の開銀融資がホテル事業に対して行なわれておるのでございますが、昭和三十六年度におきましては、七十億円の財政融資の要求をしているわけでございます。その内容といたしましては、第一に外客向けの宿泊施設の整備でございまして、六十億円のワクを要求しているわけでございます。外客の来訪状況は、本年度二十一万人という推定でございますが、内閣観光事業審議会の努力目標といたしまして、三年後の三十八年度には三十五万人を達成させたい、外貨収入といたしまして二億ドルを目標といたしておりますので、これに対しまして、全国で約一万九千室を必要とする、こういう前提のもとにおきまして、本年八月現在がざっと九千室でございますから、約一万室の増備を三カ年間にしたい、 〔委員長退席、理事天埜良吉君着席〕 こういうことを前提といたしまして、宿泊施設の整備をはかるために、長期低利の建設資金の確保をはかり、あわせて東京オリンピック大会を前後とする来訪客の宿泊にも備えんとするものでございます。この七十億のうち六十億は開銀の融資でございまするが、残余の十億円は、観光事業が地方開発のためにももたらす効用を考えまして、地方開発振興の一環として、観光諸施設の整備のために、開発銀行の地方開発資金五億円、北海道東北開発公庫五億円の長期低利の建設資金の確保をはからんとするものであります。以上合わせて七十億円のワクを要求しておる次第でございます。 第三番目がユース・ホステルの整備でございます。ユース・ホステルの性質につきましては、申し上げるまでもないことでございますが、昭和三十三年度から、地方公共団体のホステル整備につきまして補助金交付が認められることになりまして、毎年度八カ所ないし十カ所の設置がなされておるわけでございます。昭和三十五年度におきましては、公営ホステル予算といたしまして四千七百六十二万円、そのほかに国立のユース・ホステル、いわばユース・ホステルのセンターともいうべきものの予算として二千万円を認められたわけでございますが、三十六年度には、この公営ホステルの整備のために七千百二十一万円、国立ユース・ホステルの内容充実のために三千八百五万四千円の要求をしております。これは、国内及び国際ユース・ホステル大会の開催でありますとか、内外青少年の交歓あるいはホステルの主任の研修などのために、従来の規模では国立ユース・ホステルとして不十分でありますので、これを補充いたしまして規模を拡大しよう、かような考えでございます。合わせて一億九百二十六万八千円、これがユース・ホステル整備のための費用でございます。 以上が観光関係といたしまして提出いたしました予算関係の御説明でございます。
○相澤重明君 そこで、大体の御説明を伺えたわけでありますが、特に海外普及宣伝ですね、この事務所を三十六年度にはロンドンを一カ所開設したいと、こういうことでありますが、これでいくと、結局八カ所になるということですか。
○説明員(津上毅一君) さようでございます。八カ所になります。
○相澤重明君 政府が、もちろん外貨獲得の目的として、この海外普及宣伝事務所の増というものはけっこうなんですが、特に東南アジアに力を入れることは政府としても考えておったことだと思うのですが、東南アジア関係としてはバンコックだけが、昨年開設をするということで予算的に措置をされたことで、その一カ所だけで、ほかには考えておらないのかどうか。それともシンガポールなり、あるいはインドなり、そういう点もお考えになっておるのかどうか。そういう点について一つ御説明をいただきたいと思います。
○説明員(津上毅一君) 現在の予算規模から申しますときには、まだ作りたいところはたくさんございますけれども、なかなかそこまで回らないような次第でございます。実は来年度として要求しようと思いましたのは、ロンドンのほかに、東南アジアとは申せないのでございますが、オーストラリアのシドニーを要求しようと思ったわけでございます。最近オーストラリアからの来訪状況が非常に活発になって参りまして、そういう点から、二カ所要求したかったのでございますが、予算要求の制限がございまして、制限といいますか、予算要求といたしまして、一カ所にしぼりたいということになりまして、かようになったわけでございます。東南アジアにつきましては、もちろん必要性を認めまして、バンコック等も、単に来訪客の数字だけで申しまするならば、順位としてはもっとあとでいいんじゃないかという意見もあるわけでございますけれども、大きな観点から設置を認めたわけでございますが、今後東南アジア方面について、具体的にどういうところを、いつ取り上げるかというようなところまで計画は立っておらないようなことでございますが、十分その点は研究いたしまして、世界の情勢をにらみ合わして考えていきたい、かように考えております。
○相澤重明君 それから宣伝の資料関係ですが、私どもは海外を回ってみると、案外に日本の紹介というものは宣伝資料が少ない、こういうことをいわれるわけです。特に、この中で、映画関係について政府はどういう考え方を持っておるか。これは単に運輸省ばかりでなくて、文部省等の協力もなくてはいかぬと思うのですが、一般に映画の輸出をされておるものは、ちょんまげ時代の腹切りさむらいが出ておるようなことでは、ほんとうの今の民主日本の姿というものは私は紹介されないと、こういうことを実はフィリピンに行ったときに、私どもは話を現実に聞いたわけです。そういうことで、映画等の問題、これは単に運輸省だけではないんですが、特に観光宣伝をあずかる運輸省として、そういう点について、政府の中でどういう話をされたか、担当局長として、あなたの方では政府にまた申請をしたのか、そういう経緯があったら一つお話し願いたいと思います。
○説明員(津上毅一君) 大へん観光事業につきましていろいろ御意見を拝聴さしていただきまして、ありがたいと存じておるわけでございます。映画の関係でございますが、実は私どもといたしましても、優秀な映画を、単に観光協会で作るというだけでなくして、もっといろんな機関を通じて国内事情が紹介でき、あるいは観光事業がわかるようなものを作るべきだと、かように考えております。外国では、御承知のように一般映画館で上映される商業映画でありまして、しかも観光に非常に役に立つものが相当たくさん出回っておりまして、これが観光誘致宣伝に役立っているわけでございますが、わが国では遺憾ながら、そこまで予算の規模がいっておりません。小規模のものに終わっているわけでございます。それから日本の国情が海外に誤って伝えられるような内容のものがあるということにつきましても、私どもとして十分考えなければならない点でございまして、そういう点については、私どもの仕事は、単に運輸省の中だけに閉じこまらずに、各省との間に十分連絡をとってやらなければならぬと、かように考えているわけでございます。
○相澤重明君 そこでですね。そういうことをやるのが、総合観光案内とか、国際会議連絡事務所というものを政府で作ろうという大きなねらいにもなるわけですね。海外ばかりでなくて、国内にお呼びする場合にもそういうことになる。そこで政府の中に、内閣官房に、そういう観光問題についての会議を持つ場合にはどういうメンバーが一体集まるのか、そういうことについて積極的な運輸省としての意見を出したことがあるのかどうか、そういう点についてもお答えを一ついただきたいのです。どういうふうになっておりますか。
○説明員(津上毅一君) 内閣におきましては観光事業審議会を構成いたしまして、各省間の——各省間といいますか、各種の事情につきまして、総合的な見地で人選をいたしまして、結論を出しているというようなわけでございまして、私どもといたしましては、意見は申し上げるわけでございますけれども、この構成につきましては、審議会自身がこれを決定するという建前になっているわけでございますので、さように御了承いただきたいと思います。
○相澤重明君 私は局長を別にいじめるわけでもないが、特にこれは私が日本社会党だから政府を追及するというだけではなくて、一緒においでになった野本さんも、団長で一緒に行ったわけです。加賀山さんもそうだし、西田さんもそうだ、一緒に行ってみて、いわゆる教科書を一つ海外で発行しているのを見ても、全く明治時代的な文章が書かれている。これはもう野本さん自身が、フィリピンなり、あるいはインドに行って、そういう外国の日本紹介の本をもらってきて、そうして国会図書館にこれは出されているわけです。そういうような海外に行ったときに、われわれとしては、国会議員としては、できるだけ日本のことを正確にお伝えをし、また理解をしてもらう、こういう考えでいるけれども、そういう発行をする文書等が依然として古いものばかりでは、やはり適切にこの日本というものは紹介できない。また認識もできない。だからこの間の淺沼委員長の刺殺事件でも起きれば、日本は全く明治時代と変わらぬじゃないかと、こういうことになってしまうと思う。ですから、これはまあ局長にはぜひ運輸省の担当局として、今後一つ運輸大臣にはいいものを作ってもらって、民主日本の、明るい日本を紹介をするように、一つ各省にこの審議会のメンバーになる人に要望してもらう。いわゆる文書についても、特に映画みたいに、直接目で見て、すぐ、ああ日本の代表的なものはこうだというような誤解をされないようなものを私は紹介すべきである、こういうふうに思うので、この点は一つ要望をしておきたいと思うのです。 それから、続いてお尋ねしておきたいのは、観光施設の整備について非常に御努力をされておることはわかります。特にオリンピックを前にして一万室からの客室を設備しよう、こういうようなことも非常にけっこうなことだと思うのです。そこで一体そういうのは、外国向き的なものだけが中心なのか、先ほどの御説明のように、地方開発も若干含んでということを言われておりますが、これはユース・ホステルの問題だろうと思うのですが、オリンピックに対して、一体東京を中心にどの程度のものを考える。それから今度は、終わってあとの観光として北海道なり関西なりというものを一応構想に描いておかなきゃならぬと思うのですね。これはもう来年オリンピックだということで、その前の年になったってできるものじゃない。従って、今からそういう計画性を持たなければ、実際にせっかく外人の方が多く来ても、私はやはり十分なサービスができないのじゃないか、こう心配するわけです。そういう点について、六十億の外客向けの財政投融資の中心は、一体東京を中心と——関西、北海道というようなものについてはどういう計画であるのか、計画性を一つお答えいただきたい。もしわからなかったらあとでもけっこうですがね。
○説明員(津上毅一君) オリンピック対策の宿泊施設ということにつきましては、私ども非常に実は心配しておるわけでございまして、オリンピック対策として私ども考えなければならないことは、宿泊施設だけの問題じゃなくて、あるいはガイドとか、あるいは案内施設とか、環境の整備とか、いろいろございますけれども、何しろ宿泊ということは最も基本的な要件になるのであり、非常に心配しておるわけでございます。と申しますのは、何と申しましても、外国から来ます来訪客は、生活様式が違うというようなことから、日本人向きそのままの施設では十分にいかないということでございます。それではホテルだけで大丈夫かと申しますと、オリンピックのときのような臨時に宿泊客がふくらむ場合には、なかなかそれでもいかないんではないか、かようなことでございまして、現在も旅館につきまして、かなりの程度に外客向けの施設をいたしまして、その需要に適合するような指導をいたしておりますし、あるいは国際観光ホテル整備法によりまして、そういうための保護助成もやっておるようなわけでございますが、オリンピック対策というのは非常にむずかしい問題がいろいろございまして具対的な数字その他を今御説明申し上げるまでの段階に至っておらないわけでございます。先ほど申し上げました一万室整備の問題も、当然オリンピック対策の一環として含まれておるわけでございます。どういう点がむずかしいかと申しますと、たとえば季節がいつになるかということによりましてもずいぶん規模が違うということでございます。それから臨時施設としてどの程度考え得るか、たとえば公団のアパートの転用というようなことがどの程度できるかというようなことにも左右されるわけでございますが、この点、時期も迫っておることでございますので、急いで計画を進めまして、支障がないようにしたいと、かように考えております。
○相澤重明君 最後に観光関係では、ユース・ホステルの問題ですが、これは泊まり料は幾らぐらいを今後は考えていくのですか。利用料は。
○説明員(津上毅一君) ユース・ホステルの利用料につきましては、運輸省告示によりましてユース・ホステル整備費補助金交付規則第三条第五号の規定に準拠いたしまして、次のように大体きめられております。宿泊料が一泊百円、食事料が朝食百円、夕食百五十円、そのほか自炊料その他の使用料、暖房料というようなものがあがっておりますが、大体そういう基準で現在運営しておるようなわけでございます。
○相澤重明君 ですから、ざつくばらんに言って一泊どのくらいになるのですか。百円とか百五十円、百円とか言ってもわからない。一泊どのくらいになる。
○説明員(津上毅一君) 二食付で三百五十円でございます。
○相澤重明君 はい、けっこうでございます。 観光関係終わりまして、自動車関係でごく簡単にお答え願いたいと思います。 自動車関係の予算については御説明いただきましたので、私は、個人タクシーが認可になった後に、東京都内における個人タクシーのその後の組織状況について御報告をいただきたいと思う。この前、区単位とかあるいは警察署単位に組織をすると、こういう指導方針を自動車局長は明らかにされたと思うのですが、その後一体現在はどうなっておるのか、御報告いただきたいと思う。
○説明員(国友弘康君) 個人タクシーの組織の問題に関しましては、詳細は実は私本日持って参りませんでしたので、後刻申し上げたいと思うのでありますが、大体区単位で組織のできて参っておるところはございます。足立区だったかと思います。区単位でできて参っておりますし、警察署単位でできておるところがございますが、全体的に申しまして、まだ具体的なこういう組織というところまで固っていなかったように思いますが、しかし個人タクシーの営業者としての同一行動をとるような場合には、それらの人たちが集まりまして、幹事役がございまして、いろいろな当局との折衝その他をやっておる状況でございます。後刻よく取り調べまして、また御報告申し上げたいと思います。
○相澤重明君 それからですね、道交法が十二月二十日ですか、実施をされるというんですが、これは特に年末にかけて法の施行を行なうということは、混乱をしはしないかという心配があるわけなんですが、そういう指導面というものはどういうふうに現在進まれておるのか、指導方針を少し明らかにしてもらいたいと思う。
○説明員(国友弘康君) 道路交通法は十月に施行する予定でありましたのが、いろいろな関係で警察庁当局としては実施をおくらせたわけでございますが、法律の施行期日の関係もありまして、本年中には実施しなければならないので、十二月二十日という期日を予定しておるところと思いますが、まあ私どもの方といたしましては、むしろ警察庁の方の周知宣伝に主点を置いていただいておるんでございますが、事業者等に対しては、道路交通法についての注意すべき点等も連絡をとっておるのでございます。今度の改正は相当広範な改正でありますので、一般の自動車者所有者、使用者あるいは利用者に対しまして、また一般の歩行者に対しても周知徹底させなければならないのでありますが、今警察庁当局としては、十二月の実施までにはできるだけ宣伝及び周知方法を徹底させて、遺憾のないようにしたいと申しておりますので、私どもの方でも警察庁とよく連絡をとって、事業者その他へは十分な連絡措置を今後もとっていきたいと、こう思っております。
○相澤重明君 それからその際、個人のいわゆる白タクの問題ですが、非常にたくさんの事件があちこち全国的に起きておると思うのですね。それで十二月になるというと一挙に一綱打尽にこれらの違法行為のものについては取り締まるのだと、こういうことを言っておるわけですが、もちろんわれわれも、違法のものを適法とは言っていない。しかし現実に年末から年始に生活苦になる人たちをどう一体政府は対処するのか、これはもちろん運輸省だけの問題ではないけれども、少なくともそういう自分で車を買って営業をしたいと、こういうような者があれば、その人に申請をさせて、適切な指導のもとに営業をさせるというのが、本来、個人の生活を安定させることになりはしないか、こういうことと関連をするのですが、やみタクシーといわれる、あるいは白ナンバーといわれるものについて、政府としてはもう一網打尽に何でもかんでもどんぴしゃりやると、こういう考えなのか、それともそういう法で守られていかないものについては、守られるように一つ申請をしなさいと、こういうことを言うのか、その点はいかがですか。
○説明員(国友弘康君) いわゆる白ナンバー・タクシーにつきましては、これは道路運送法の方で取り締まっておるわけでありますが、違法であるということについては、この委員会におきましてもるる申し上げたところでございまして、さきの国会で改正されました道路運送法は九月から施行されておるわけでありますが、これによりまして白タク及びもぐりトラックにつきましては取り締まりを強行していくという方針で私どもは進めておるわけであります。で、最近の状況としましては、たとえば相当今までしょうけつをきわめておりました名古屋等におきましても、また東京等におきましても、漸減の傾向にあるわけであります。で、現姓白タクをやっております人たちに対しまして私はこう申しておるのでありますが、個人タクシーの審査標準の中にも順法精神ということをうたっておるわけでありますが、やはり法律を守るという精神を持ってもらわなければ、タクシーの事業者としてはふさわしくないのでありまして、その違法行為であるといわれる白タクを続けてやっておるということは、われわれとしては望ましくないので、そういうものには、個人タクシーの申請があっても、ずっと続行しておりますものには認められない。しかし現在、過去に白タク行為をやっても、その白タク行為をやめて、今後順法精神にのっとって十分事業者として営業がやっていけるという見通しが陸運当局に立ちますれば、あえて白タク行為を過去にやったからといって全然許さないというわけではない。でありますから、現在白タク行為をやっているあなた方はもう直ちにやめなさい、そして別の仕事についてでもして免許申請をしなさい、そういう場合に、われわれとしては全然それを排除するというものではない、まあこういうふうに申しておるわけでありまして、私どもは、今まで白タク行為をやっておりました人たちが個人タクシーの免許申請をすることを排除するものではございませんが、しかし、白タク行為はやめてもらいたい、そうした上で免許の申請に臨んでもらいたいと、こう思っておるわけでありまして、この方針は今後とも続けて参りますと同時に、警察庁当局とも連絡をとりまして、白タク行為の取り締まりということについては積極的に進めるつもりでおります。それはあえて年末年始の問題とは関連なしに、道路運送法の改正もすでに実施しておるのでありまして、現在それを取り進めつつあるわけでありまして、ことに年末年始のタクシー事業についての対策につきましては、また別途営業車の面において考慮したいと思いまするし、さらに現在二千八百両増車及び新免いたしました車両がもうだんだん動き出しております。これらの状況をも見ました上で、年末年始の輸送対策につきましてはまた計画を樹立いたしまして万全を期したいと、こう思っております。
○相澤重明君 すでに業界で年末年始の輸送対策というものをそれぞれ検討して、増車申請を出す準備をしておると思うのです。従って、今の局長のお話ですと、全般をにらんでそういうこともきめたいという御説明があったわけですが、やはり何といっても白タクが駅前でもってたくさん車を並べておるというのは、やはり需要が間に合わぬ、需要供給のバランスがとれておらぬ、こういうことに私は大きな理由もあろうかと思う。ですから、そういう点についてもよく一つ検討してもらいたいことと、それからいま一つは、神奈川県の場合の個人タクシーについてはいつごろ一体免許ができるのか。横浜駅前、鶴見、桜木町、川崎等の駅前を見るというと、実に白タクで一ぱいになっておって、営業ナンバーの車を見受けるのが少ない。こういうことは私はまことに遺憾だと思う。従って、すみやかに、今まで審査をされておると思うのですが、この個人タクシーの大幅な認可を私はしてもらいたい。そうすれば白タクというものがなくなるのじゃないかという、一面に心配をしておるわけです。そういう点について、現在の神奈川のような場合に、どういう作業進行状態であるのか、いつごろ認可ができるのか、その見通しを一つお答えいただきたいと思います。
○説明員(国友弘康君) 年末年始の輸送対策につきましては、先ほど申し上げたように、万全を期して措置をしたいと思っておりますが、要しまするに、確かに先生のおっしゃいますように、まだタクシーは足りないという状況を呈しておると思いますので、これは東京の特別区におきましても、東京陸運局の自動車運送協議会に現在さらに需給についての諮問をいたしております。これを現在、自動車運送協議会で検討をされる段階に参っておるわけでありますが、これはしかし、この年末に直ちに間に合うとは思われませんので、それで先ほど申し上げましたように、二千八百両のいよいよ全部が動き出しました結果も見まして、措置に万全を期したいと思っております。 それから神奈川県のタクシーにつきましては、これはいわゆる調整区域に入っておりませんので、現在まで審査が終わりましたものについて、随時免許あるいは却下をして参ったわけでありますが、個人申請につきましては、昨年中に申請を受けたものが現在横浜、川崎、横須賀、その他の地区で千二百件ほどございますが、これらにつきましては十月中ぐらいに処分をいたしたいということで、東京陸運局として審査を進めて参ったのでありますが、あるいはいささかおくれるかもしれませんけれども、この目標で進めておる次第でございます。 それから、ことしになりましてから申請を受け付けた個人申請あるいは法人申請等につきましては、十二月末までには処分をいたしたいということで現在努力をいたしておる状況でございます。
○大倉精一君 関連しまして。個人タクシーの免許についてお尋ねしたいんですけれども、個人タクシーの免許の仕方、これがまたタクシー界の混乱を起こしておるような気がするのですが、個人タクシーの免許の基準、資格要件というものはどういうことになっておるか、一つ明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(国友弘康君) 個人タクシーも、道路運送法の第六条の免許基準に基づきまして審査を受けることは、これは当然でありまして、やはり事業免許としての性格を整えていなければなりませんので、それら事業計画とか、あるいは資力、信用とか、そういう面も審査するわけでございますが、個人タクシーについては、そのほかに個人に随伴する諸問題がございますので、それらの問題に関しましてもやはり審査をいたしております。従いまして、たとえば車庫の施設とか、自動車その他の施設の入手状況とか、そういうものも当然よく審査をいたしますが、そのほかに、個人として個人タクシーを営業するについてふさわしいかどうかという資格要件を審査するわけでありまして、先ほど申し上げましたように、順法精神というようなのも一つの基準に入っておりますが、大体私どもが考えておりますのは、相当社会的にも経験を積んだ、年令におきましても相当高い年令の人であって、運転についての事故等も今まであまり起こしておらないような優秀なタクシー運転者及びタクシー事業者として経営ができていくような人を選定して、免許をしておる状況でございます。
○大倉精一君 優秀な経営ができる人というふうにおっしゃるのですけれども、これはたった一台ですよ。たった一台を持って、そうして一日に百八十キロ走ってこいというだけのことなんですが、これは一体どうなんですか。優秀な経営とか優秀でないとかいうような基準になるというと、どういうことでわかるのですか。
○説明員(国友弘康君) タクシー事業を経営していきます上においては、やはり整理はしてございますが、経営についての報告等も陸運局に出してもらわなければいけませんし、そういう面において報告をする能力もなければならない、あるいは、たとえば一日に二百キロメーター以内で、二日間で最高三百六十キロまで走ってよろしいというような、最高走行キロの制限があるわけでございますが、それらの制限等についても、やはり守ってもらわなければいけまんので、そういうことの守れる人物、そして、やはり事故防止ということは根本的な要件でありますので、事故も起こさないような人、そういう人を選んで許している次第でございます。
○大倉精一君 横浜周辺に今行くと、千二百件ぐらい申請があるそうですけれども、このうちで、かりに適格者が一千人ぐらいおったとする場合に、どういう基準で、どういう順序でこれは免許するのですか。
○説明員(国友弘康君) これは、この中に今何人適格者がいるかということについては、私まだわかっておりませんのですが、これは全体的なにらみ合わせももちろんございますけれども、しかし個人々々についての審査をした上で、適格と認められます者がありますれば、相当数免許するということになると思います。まだその数字、あるいは適格者が何人いるかということについては私はわかっておりません。
○大倉精一君 たとえば、今相澤君の質問に対する答弁に明らかになったのですけれども、白タクをやっておる人というのは、これは順法精神に欠けておるんだ、しかしやめればいいんだ、やめれば免許してもいいんだ、こういうお話なんですけれども、ところが、前にはそうじやなかった。前のいつか、この時期は覚えておりませんけれども、白タクというものは、これは違法行為であるから、こういう者には免許する資格はありませんという答弁があったように思うのですけれども、最近はそういうふうなことに方針が変わったのですか。
○説明員(国友弘康君) 方針が変わったわけではございません。ただ、まあ言葉のあるいはニュアンスはちょっと変わっておるかもしれませんけれども、しかし、白タクをやった者については許さないということを申し上げたことはないと思うのでございます。と申しますのは、たとえば道路運送法の免許をいたします場合にも、刑罰法規に触れた人でも、二年たちますれば免許の資格が発生するわけでありまして、従いまして、白タク行為を過去にやったからというだけで、これに永久にタクシー事業を免許しないということは、これはもうできないことだと思いますので、でありますから、われわれとしては、永久に許さないということは言えないのですが、しかし、その白タク行為をやっている者を許すことはできないのでありまして、まあそれらの点は、十分その人の事情とか、あるいは過去の問題とかいうものをよく検討しました上で、個人々々についてこれを許すべきか、許すべきでないかということをいろいろきめるべきだと思っております。
○大倉精一君 そうしますと、白タクをやっておって、そうして今度はこの免許の時期になって免許を受けるために白タクをやめる、こういう人も、やはり免許の資格があるということに見ていいわけですか。
○説明員(国友弘康君) たとえば、まあ過去に白タク行為をやって、現在はもうやめておって、そして過去に白タク行為によって処罰せられたこともない、こういうような人は、その際に考慮の余地があると思います。ただ、その過去にやり、あるいは免許申請をするまでやっておって、まあ今はやめておるというようなことでありまと、それは事情をもっとよく調べなければいけない。それからさらに、近い過去において、その白タク行為によって処罰せられたというような人については、私どもとしては免許するわけにはいかない、そういうふうに考えております。
○大倉精一君 まあ今の答弁は、どうもちょっとつかみどころがないのですが、白タクをやっておっても、見つからなくて捕まらなきゃいいということらしいのですがね。そういうことはどうも変だと思うのですよ。まあ具体的にですよ、大阪で今度、白タクをやっておって、免許を受けるためにやめて免許をしてもらったのが二、三あるようですけれども——具体的に、大阪でですよ、白タクをやっておって、免許を受けるためにやめて免許申請した人が一体何人おって、その中で免許を受けた人は何人おるのですか。
○説明員(国友弘康君) その数字についてはまだ私よく存じておりません。確かに白タク行為を過去にやっておっ免許された者があることは知っております。で、その点詳細にわかりますかどうか、ちょっと疑問でありまするが、大阪陸運局の方へよく問い合わせて、またお答え申し上げたいと思います。
○大倉精一君 これは局長が御存じないということは、私はどうも変だと思うのですが、大阪のこの白タク免許の事例は、非常に画期的なことだと思って、私注目しておったわけですよ。ですから、おそらくこれは何人ぐらいやめて、どれだけ免許した、その前歴はどうだということは御存じだと思うのです。しかもこの場合、この白タクの連中が陸運局まで押しかけて、すわり込みをやったというようなこともあったようですが、そういうことがあって、局長が全然知らぬということは変だと思うのです。かりにまあわからぬとしまして、おそらく五十人か百人かやめたのです。あるいは二百人かもしれません。そのうちで五人か六人か十人免許になったのでしょう。あとの人はどうしていますか。仕方がないから、また白タクをやるよりしようがないでしょう、これは。それからその経験ということもあると思うのですけれども、たとえば東京の場合におきましても、魚屋さんが免許されてみたり、あるいは八百屋さんが免許されてみたりして、一体経験という基準はどこにあるのだといって憤慨している運転手さんがたくさんあるのです。だから仕方がないから白タクをやるのだという人がたくさんあるのです。だから白タクをやるならやる、やらぬならやらぬ、資格要件をはっきりすればいい。白タクの監督ということについてはそこにおのずから混乱の起こる悪循環があるのじゃないか、どうですか、局長。
○説明員(国友弘康君) まあ適格者であるかどうかということについては、十分陸運局として審査をいたしておるわけでありまして、その中には先生のおっしゃいますように八百屋その他の人が免許になった例は確かにございますが、これらもそれが審査した結果、適格であると認めまして免許したわけでありますが、白タクにつきましては、たとえば白タクをやっております者について全部あるいは相当大部分の者を免許するというようなことは、私どもとしてどうしても方針としてとれない、そう思っております。ただ、まあ白タク行為は悪いことだといって認識してやめて、そうして正式な、われわれから言いますれば、白タクをやめてほかの職業について個人申請をしたような者については、それを白タク行為をやっておったということを理由にして全然免許しないというようなことはなく、ほかの諸条件を十分に審査した上で免許するにふさわしいと思う者は免許するという方向でやっておりますのでありますが、それらの免許が受けられなかったから、おれはさらに白タク行為をやるんだというような考え方を持たれるような人に対しては、私どもとしてはとても免許をすることはできない、こういうふうに考えております。
○大倉精一君 まあきょうは時間がないからあまり深くやりませんが、ただ最後に二点だけお伺いしておきたいと思います。一つは、この二十七日にも何かタクシー運転者総決起大会があって、白タク追放の大会決議を行なうそうですが、それからまた、白タクは白タクの方で、いろいろな別の会合があるそうですが、これをこのまま放置しておいたらそれこそ収拾のつかない状態になると思うのです。これをどうするかということ。これをその考え方を一つ聞きたいということ。それからこの前の委員会で私は申し上げたのですが、この際、白タクはやはりなくして、正当な営業行為にしなけりゃならぬが、しかしながら、全国に何万人か白タクのハンドルを握って生存をしている人たちがたくさんある。これは今までの陸運行政の怠慢、欠陥からきているという工合に考えるので、当局に責任があるから、当局としてはその白タクの取り締まりと同時に、こういう人の救済策を具体的に考慮すべきである、こういうふうに私は意見を申し上げておいたはずなのです。そういう対策をどういうふうにお考えになっておるか、こういうことです。
○説明員(国友弘康君) 私どもとしては、白タクが発生しましたのは、やはり各地域における需給の状況にまあ適切でなかった点があると思うのです。ですからタクシーについては、もっと各地域において増車をさせるということは前々から申し上げておるように措置をしておるわけであります。それに伴いまして免許、まあ個人タクシーの免許ということも当然行なわれることになると思います。ただまあその白タク行為をやっております者の団体、あるいはその白タク行為をやっております人たちに対してどういう救済方法をとるか、あるいは免許をするかどうかというような問題に関しましては、これは現在白タク行為をやっておりまして、法を守っていないというような人に対してはとても免許することはできないと思いますので、それらの人に対しましては、私どもとして救済方法なり何なりを考えるということはできないと思っております。
○大倉精一君 きょうの答弁をずっと聞いておりますと、そういうような考え方あるいは行政措置では、ますますかえって混乱が起こりますよ。個人タクシーにしても、あるいは個人タクシーの免許の仕方によってどんなに運転手諸君が不満を持っておるか、私は白タクに乗ってみたのです。そうしていろいろ聞いてみたのです。あるいは営業車の運転手にも聞いてみたのです。そうしますと、個人タクシーの免許の仕方です。免許された者はまあいいでしょうが、免許の仕方そのものに非常に不満があって、ますます混乱が起こっております。そうしてこれは白タクもますます収拾がつかぬようになる。あなたは今、需給関係であって、増車さえすれば白タクは減るとおっしゃいますが、そんなことはありません。幾ら増車をしても、白タクがハンドルさえ一本持っていけば商売できるのですから、これは黄ナンバーより安いということになれば、幾ら増車しても白タクはどんどん出て商売できますよ。ですから白タクを追放する問題というものは、やはり運転手諸君の労働条件あるいは賃金、将来の保障、こういうものがあってこそ、初めて運転手はハンドルを握って安心してこの職業につくことができる。何も希望がないから白タクでもやろうということになる。さらに免許申請しても八百屋、魚屋が免許されてしまって、おれの方はさっぱりされておらぬ、こんなばかなことがあるか、こういうことになって、ますます悪循環になってくる。ですからこの際、やはり自助車行政については、何といいますか、きぜんたる一つの方針をもって臨まないと、ますます私は混乱が起こると思います。そういう点について、きょうは時間がありませんから私は言いませんが、特に一つ御考慮願いたいと思います。 それから最後に参考のために聞きたいと思いますけれども、東京、大阪の個人タクシーの申請者、それから免許者、その前歴ですね、そういう簡単なものでいいですから、参考にしたいと思いますから、資料を出してもらいたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(国友弘康君) 現在タクシーの運転に従事しております運転者諸君等の処遇に関しましては、労務管理の面におきましても私どもとしては積極的に考慮し、いろいろな給与その他の面におきましても現在妥当な線を出すように指導しておるわけでありまして、これらの点については神風タクシー以来、国会の諸先生方も非常に御尽力願ったわけでございますが、改善されてきております。そういう方向は今後ますます私どもとしても妥当な線を出すようにやっていきたいと思っております。 それから今おっしゃいました資料につきましては、相当な数がございますので、どういうふうな出し方をしたらいいか、ちょっとわかりませんが、大体できるだけの資料を取りまとめまして提出いたしたいと思います。
○大倉精一君 その資料は別にむずかしいのは要らぬですよ。何の誰兵衛、前歴は運転手、八百屋だけでけっこうですよ。それで免許されたのはこれこれだという工合に一つ。特にこういう理由で免許ということをつけ加えられればけっこうだと思う。 —————————————
○理事(天埜良吉君) それではこの際委員の変更について報告をいたします。 本日、重盛壽治君が辞任されまして、小柳勇君が選任されました。 —————————————
○理事(天埜良吉君) どうぞ。
○白木義一郎君 関連して。局長にお話したいのですが、今お話を伺っていますと、非常に大衆の立場に立つと大倉先生のようになりますし、また行政面の責任者としては、今答弁されたような、非常に苦心、苦衷の苦しみが伺われるわけでございますが、そこで私が春ころ、白タクの問題で当委員会で失言をいたしまして、当時は非常に白タクを冷視したような空気が強かったのですが、本日の委員会におきましては、日の当たらない立場にある白タク運転手に対して非常に暖かい気持の発言がありまして、私も心、穏やかに聞いていたわけでございます。 そこで、これは全国的に考えますと、ちょっと不公平な料金制度であった関西の深夜メーター料金のことでございますが、自動車局長も非常に苦労されて、この料金改正に努力を払われた結果だろうと私は考えておりますが、おかげで非常に一面、関西のタクシー問題については、明るい面が出てきました。というのは、もちろせ需要者は、深夜メーター料金がなくなって非常に喜んでおります。それから、心配しておった既存業者のタクシー運転手も、一時非常に心配をしておったのですが、その後引き続き営業をしてみましたところが、非常に精神的に楽になった。というのは、深夜料金の時間に入りますと、みな大阪の人間はがめついというのですか、非常にそういう点ははっきりしているので、話し合いで乗っていこうというか、かけ合いの気苦労がなくなっただけでも非常に楽になった。で、現在のところでは、平均月収は二千円から三千円収入減である。しかし、ぼつぼつと白タクの方へとられたお客さんが現在タクシーへまた戻ってきてくれるような状態だから、いずれもとの収入にかえることは間違いないと、私が乗って話をしました運転手は、ほとんどそういうようなことを言うております。 これは局長に現状を御報告して、そうしてタクシー行政というものは、大勢の利用者が直接利害関係のある運転手と接しているということから、非常に大衆の間に浸透していく問題であるので、今後も大衆のための政治ということで、ますます一つ当局の責任者に深い研究と努力を払っていただくことをお願いし、あわせて今日までの自動車行政についての報告かたがた、努力に対する私の気持を本日申し上げておきたいと思います。 それから、今後の問題ですが、大倉先生からお話があったのですが、免許基準というものは、あくまでも最後になりますと主観的な、審査官の主観が強く反映するだろうと思うのです。たとえば、千台を免許するというときに、それを上回るような基準に該当する申請者があった場合の処置をどうするかというような御発言がありましたけれども、こういう場合に、その基準に近い人たちを、どう審査官が審査するか、免許の基準をどこに置くかということも、これは非常にむずかしい問題で、良心的に考えると、おそらく審査官が苦しむのじゃないか。一人の人の生活権を左右する問題ですから、こういう点は、ウェットにいきますと非常に苦しむし、ドライにいきますと、またこれもいろいろな問題が出てくるという点で、非常にむずかしい問題だろうと思います。 それで、まあ私は前に申し上げたこともあるのですが、ここで極端なドライな審査方法としては、一定の基準のワクを広げて、そうして機械的に抽せんで免許を与えていく。許可していく。営業権を与えるというよりも働いてもらうというような考え方でやっていただく。その後なお順法精神という立場から、それに違反する人は、きびしく取り締まっていくということも考えていきながらも、その中に、同じ白タクの中にも、いわゆるやみタク、悪徳業者、黒幕のあるもうろう白タクがあるわけです。こういうのをえり分けるのも、これも容易なことじゃないのです。そういうことも考えていかなければならない。 それからもう一つは、免許基準の中に適正な経営条件ですね、そういうことからいいますと、現在車庫を持たなくちゃならない。その車庫も、たとえば、大阪でいいますと、大阪で営業する車は、市内に車庫を持たなければならない、こういうようなことになりますと、非常に都市計画からいいましても、また資本の構成からいい、それから、経済的な計算からいっても、非常に無理がくるのじゃないか。流しのタクシーであれば、府下の方へ車庫を置いて、そうして走ってきて商売ができるような実情にもあるわけですから、そういう点も考えなければならないと思います。 そういういろいろなことも申し上げますけれども、とにかく、まあ深夜メーター料金制度というのは、安くなったような市民が感情を持っております。これは決して安くなったのではなくて、東京等と比べて適正になったのですけれども、民衆の心理というものは、運輸省の適切な指導によって料金が安くなった。おかげで、私が、これは冗談ですけれども、今衆議院の選挙に立候補すれば、最高当選間違いないというようなくらいに、タクシーのことについては、一応そういう段階になっておりますから、一応局長さんに御報告し、今後の指導監督の資料にしていただきたい、こう思う次第です。
○相澤重明君 次に、鉄道関係について、ちょっとお尋ねしておきたい。 最初に、今踏み切り安全運動の週間ですから、ひとつ総務課長に踏み切り保安施設整備の予算について、今年度、これはどのくらいの個所をやるおつもりなのか、それを一つ御説明いただきたい。 それから、いま一つは、簡単でけっこうですから、地方鉄道軌道の整備というのがあるのですが、これは昭和二十八年の中小私鉄に対する助成の問題とも関連があるのですが、今年度はどこを一体対象に、また、どういう点を整備をしたいというのか、その内容をちょっと御説明いただきたい。 第三点は、国鉄問題に入りますから、今の二点の問題については、ごく簡単に御説明いただきたい。踏み切り関係と地方軌道鉄道……。
○説明員(坂本祐一君) 踏み切り保安施設整備の四千四百万の内訳でございますが、来年度要求いたします個所といたしましては、国鉄を除きまして私鉄だけにつきまして千三百六十五カ所。この考え方は、ちょっと昨年予算をいただきまして実態調査をいたしました。その結果、格上げをすべき踏切が、国鉄につきましては三千二百ほどございまして、私鉄につきましては千三百ほどございますので、そのうちの私鉄の分につきましてのみ補助するとこういうことで、これを五年間においてやる、こういう考え方で予算を要求したわけであります。 それから地方鉄道軌道整備でございまするが、会社名は、新線の補助が天塩、岩手開発、江名、筑豊電気でございまして、筑豊電気につきましては、若干の延長線がございますので、増額になっております。それから赤字補助につきましては、寿都と南部と北丹、これでございます。
○相澤重明君 地方鉄道軌道の整備のところは今わかりました。 それからいま一つだけお聞きしておきたいのは、都市高速鉄道建設助成と大都市私鉄の整備、これは特に前回私どもが運輸委員会の現地調査で関西に参ったときに、そういう強い利子補給といいますか、助成の問題についての要請があったわけですが、一体今の公債、債券を発行する場合に、利子が非常に高過ぎる、地方の自治体としても、非常なまあ負債がかさんでくる、こういうことで、何とかその利子を安くしてもらいたいという要望があったんですが、政府としては、この際、この運輸省のこういう助成という中で、どのくらいの利子を安くするようにお考えになっておるのかどうか。それから、あわせて固定資産税の問題も関係してくると思うのですが、これはいずれ機会を見て、私いま一度質問したいと思うのですが、一応この利子補給の問題をお考えになっておるのかどうか。単に助成金だけなのかどうか。 こういう点について、簡単に御説明いただきたいと思う。
○説明員(坂本祐一君) 実はこの鉄道関係の、地方鉄道、六番目に書きました都市高速鉄道建設助成一億九千三百万、これは実は利子補給でございます。今度初めてこれを三十六年度に要求したい、こういうことになっております。
○相澤重明君 でこれは、この利子補給は、どのくらいのあれですか。都市ですか。幾つぐらいに該当するのですか。利子補給。
○説明員(坂本祐一君) 実は私どもといたしましては、モデルの地下鉄を作りまして、かなりシビアな計算をいたしますと、大体まあ五分程度の利子なら何とか合うということで、まあ五分までの利子を、五分をこえる分については利子補給してもらいたい、こういうように考えておるわけでございますが、予算事情その他の関係上、今回の要求といたしましては六分五厘、つまり一番安い金利をこえる部分につきましてのみ補助を要求する、こういうことにいたしております。
○相澤重明君 それでは次に、国鉄関係について、各委員から御質問がありますが、私は特に要員対策の問題について非常に重要な段階を迎えているので、一つ国鉄当局並びに運輸省から御説明いただきたいんですが、要員対策委員会の答申なるものが九月二十日付で出ておるのですが、これを政府並びに国鉄当局としては具体化するつもりでおるのか、それともいろいろそういう答申があったけれども、今検討を進めるというつもりなのか。心がまえ、考え方、そういうようなものを一つ御説明をいただきたいと思う。
○説明員(中村卓君) ただいま相澤先生からお話がございました要員対策委員会の答申の件でございますけれども、なぜこういう答申が出たかといういきさつにつきましては、くどくどしい説明を省略さしていただきまして、先生の御質問のわれわれの心がまえということだけについて申し上げてみますと、何せ非常にむずかしい問題でございまして、斯界の権威にお集まり願って、ようやく出た答申でございますが、相当いろいろの事務的にもまだまだ検討をしなくてはいけない、答申の中にも、そういう問題がたくさんございますので、われわれといたしましては、ただいま慎重に検討中の段階でございます。
○中村順造君 今相澤委員から話のあった点について、私はもう少し質問してみたいと思うのですけれども、質問する前に、今、きょうは中村理事がここに出ておられるのですが、あなたの場合は、質問するというと、これは要員対策委員会のメンバーですね。それからまあ私が言わんとするのは、やはり総裁の諮問機関として設けられたもので、委員長の今井さんは、総裁にその答申をしておられるわけです。だからまあ一番、答申を受けたものの考え方とすれば、総裁に開くことが一番望ましいのですよ。あなたは国鉄の理事者であり、かつ要員対策委の委員であるということになれば、非常に質問もしにくいわわけなんだけれどもね。そういうことは一つ答弁の中で考えてやってみて下さい。 そこで私はお尋ねしますが、こういう国鉄の要員対策というような問題は、いわば国鉄が自主的に判断できるものであると私は思うのですよ。 これのよって来たるこういう答申の内容は、私は今さら申し上げませんが、なぜこういうことになるのか、すなわち原因、それからこういう状態で推移をすれば、どういうことになるのか、結果、これはわかっているのですよ、国鉄部内では。それからそれに対して調査だとか、検討だとか、そういうことはやろうと思えば、幾らでもできることである。それをどうして外部の諮問委員会というようなものを設けて外部の意見をこの種の問題に限って……、限ったということじゃないのだが、こういう問題を、どうして外部に委嘱してやらしたのか、その点を一つ先に言って下さい。
○説明員(中村卓君) この問題は、先生も御承知のように、いろいろなまあ国鉄の経営調査会とか、あるいは監査委員会の報告とか、あるいはまたこの間出ました総裁の諮問委員会の報告とか、そういう中にも取り上げられておりますが、いずれの報告なり、勧告なり見ましても、的確な対策というものが、まあはっきり書いてなかったわけです。 われわれ事務当局といたしましても、もちろんいろいろ研究はいたしましたけれども、なかなかどうもいい知恵がない。で、民間の方々にも一回専門家に集まっていただいて、どういう対策が考えられるだろうかお知恵を拝借したい。伺ってみますと、民間の大企業でも大なり小なり同じような、やはりちょうちん型の年令構成という問題はあるようでございまして、それぞれいろいろ苦労されておるというお話も伺ったわけですが、そういう一つお知恵を拝借して、われわれの知恵の足りないところ、研究の足りないところを補っていきたいというような気持で大企業の、主としてまあ大企業の労務担当関係の責任者、それに今井先生のような専門家の方も集まっていただいて伺おうということになったわけでございます。
○中村順造君 僕は、今のお答えじゃ了解できないのですが、言葉じりをとらえるわけじゃないが、あなたは事務的に云々といわれるけれども、少なくとも今、私は冒頭申し上げた、あなたの立場は一事務官じゃないと思うのですよ、僕は。やはり国鉄の理事者側として、経営の責任があるわけです、これはね。そうすると、これは事務的に判断をするとか、事務的に取り扱うとかいう問題じゃなしに、やはり経営全体の中で、あなたがやろうという方針を出してくれば、ある程度そのことは可能なんです。だけれども、それはまあさておいて、そのことはあなたの考え方と私の考え方と違うと言われれば、それまでだが、事実はそういうことで、決して国鉄の今の理事会とか、そういうものは、事務的に物事を処理すると、こういう性格じゃないと思う。その点はまあ冒頭言ったが。 それから私の今の初めの問いに対して、外部のそれぞれの産業の労務担当だと、こういうことを言われるが、それは、その中のメンバーを見ても、飛行機株式会社、それから三菱化成株式会社、東京電力、富士製鉄、富士重工業、また東武鉄道はいいとしても、同種の産業として、こういうあり方だとか、戦後大体こういうような形になったという判断で、少くともその範囲にたくさんあるのだから、同種の産業、私鉄なら私鉄であるのだから、そういう性格の中から、労務担当なら労務担当の意見を徴する。たとえば政府はどうしておるか、当局はどうしておるか、こういうふうならいいけれども、飛行機の会社だとか、洋服を作る会社とかというもの、そういうところに対象を求めるところに問題がある。それは結論もおのずから出てくるから、それはわかることだけれども、そこからだんだん判断の狂いというものも考えられる。だからそのことを言っておる。その要員対策委員会のメンバーはあなたの言われるように決して妥当なものでない。 それから今の相澤委員の質問で、いろいろ事務的にむずかしい面があると、あなたは言われておるが、これは諮問機関のいわゆる総裁が諮問をして、それに答申をしたのでしょう。総裁の考え方は、どういう考え方ですか、その答申に対する考え方は。
○説明員(中村卓君) 大体御趣旨としては尊重していきたいという考え考でございます。 しかし今申し上げましたように、答申の実現いたしまするには、たとえば退職金制度とか、あるいは年金の制度についても、今の現行のままでは、まずいんじゃないかというふうな答申になっておりますので、その点につきましては相当——国鉄だけの問題ではありません。それに関連するところも非常に大きくなりますので、その点につきましては、十分検討していかなくてはいけないのではないかと、そういうふうに考えております。
○中村順造君 僕は、そういう言い回しでなしに、そのものずばり、結論が二つも三つも出ているわけでない。一つしかない。このやり方は一つしか書いてないわけだ。いろいろな問題はあるけれども、それはできない、しかしこの問題を考えるようほかないと、こういう言い方になっているでしょう。もう少し端的に言えば、五年先、昭和四十年から四十才以上のものを毎年一万五千人自然淘汰をして入れかえる、これよりほかに方法がない。 尊重するということになれば、そのことをやるということですか、それは。
○説明員(中村卓君) 必ずしも、その書いてある通りにやるということではないと思いますが、趣旨は尊重するということであります。
○中村順造君 もう少し、それは——それはいいです。あとでまた話が出ますからいいですが、僕らは、やれないと思っているのだけれども、あなたはやれるという判断のもとに——そういうことはやれるかどうかしらぬけれども、今言うように、結論は一つしかない、そのことをやりなさい、やるについては、これこれの条件を整えなさいと、こういうことなんですね。整える条件のよしあしは僕もまだ言っていない。やることは一つしかない。そのことを尊重するといえば、やるという考えになる。 これはなぜこういうことを言うかといえば、九月の二十日に答申が出され、私は私なりに、国鉄の現場の職場をある程度出入りをしてみた。非常に大きな不安を感じているわけです。これは大切なことなんです。だから、あなた、こういう委員会の席上で、その原則をやる、尊重してやると、そのものずばり昭和四十年から四十才以上のものを一万五千人か——それは一万人かどうかわからぬけれども、そういう形で出された結論に基づいて尊重するということは、やるかどうか明確に、もう少しお答えを願いたいと思うのですが。
○説明員(中村卓君) 尊重すると申し上げましたのは、原則的な考え方から言えば、この通りやりたいのでありますが、先ほど申し上げましたように、いろいろなむずかしい前提条件と申しますか、そういう条件が整う、整い方によります。そういう意味で尊重すると申し上げたのであります。
○中村順造君 そうするど内容については、答申として出された気持としては尊重する、だけれども、実際に実施するについては、まだまだ多くの検討する余地がある、こういうことですね。
○説明員(中村卓君) おっしゃる通りでございます。
○小柳勇君 あとまだ、中村委員の質問が続きますけれども、やるかやらぬかの前に、この答申の基礎を少し聞いておきたいと思いますが、四十年から一万五千名ずつ定員を減らすということは経費の面で一体何%削減しようと考えておるか、年令は、たとえば五十才になって転轍手をやるということはけしからぬということは言えないと思うわけです。結局は経費の問題が一番大きな問題だと思うが、どのくらいずつ人件費を節減しようと考えておるのですが。
○説明員(中村卓君) 御承知だと思いますが、四十才以上の人を一万五千人ずつやめてもらって、そのかわりに新しく若い人をとっていくというようなのが答申の趣旨でありますので、結局その差額が、人件費として節約になるという計算になるわけであります。 大体のことを申し上げてみますと、ただいま大体給与総額としまして千四百九十二億ばかりあります。これは三十四年度の予算でございます。それがそのまま推移いたしますと、たとえば四十九年度には二千四百十四億になるのが、この答申の通りに一応実施するといたしますと二千百七十九億ということでございまして、三百億近い、そのくらいの差が出てくるというわけであります。
○小柳勇君 そうしますと一〇%の減ということです。それで年間昇給資金として約四%ですね、そうしますと、それがこれから五年算術計算しまして約二〇%、それから池田内閣の経済成長が年大体九%と見ております。平均しまして算術平均しましても四五%。そうですね。生産の増加によって輸送量の増加など相当見込まなければなりませんが、そういう問題については、どのくらいの概数を考えておられますか。
○説明員(中村卓君) ただいま策定中の第二次五カ年計画におきましては、三十四年度に対しまして、貨物輸送量は二一%でございます。
○小柳勇君 旅客は。
○説明員(中村卓君) 旅客は三一%。
○小柳勇君 そうしますと、算術計算から——これは詳しく少し計算しなければなりませんけれども、現在毎年毎年、自然減がございますが、その自然減というものを、五年から先整理しようというのを、どのぐらいに考えておるか。
○説明員(中村卓君) 自然減につきましては、大体ただいまのところ二千人前後と考えております。
○小柳勇君 そうしますと一万五千人というと、普通でいけば二千人から三千人毎年減るが、それを一万五千人減るというのが、大体答申の要旨ですね。
○説明員(中村卓君) ただいま申し上げました二千というのは、いわゆる任意退職と申しますか、死亡退職、いわゆる自然減粍的なものが二千人ございます。特別退職が八千人ございますので、合計いたしますと年々一万人くらいやめていくわけでございます。従いまして一万五千と一万の差、現状を基礎にして比較いたしますれば、五千人よけいやめていただくという計算になるわけであります。
○小柳勇君 そうしますと、答申は四十才以上の者を一万五千人といっているけれども、実質的に被害を受けるのは約五千人ということでございますか。こういう理解ですか。
○説明員(中村卓君) さようでございます。
○小柳勇君 そのような、今ずっと経済の成長率から、それから普通国鉄におけるいわゆる自然減を考えて、それから貨物輸送、旅客輸送の増加などを考えますと、この答申で出ておる、世間を騒がしておるほど実質的な大きな画期的な答申だと、実質的にはそういうふうに受けとらなければなりませんが、あなた方、どういうふうに考えておられますか。
○説明員(中村卓君) そこら辺の考え方は、それぞれ皆さんお感じになる方によって、受け取り方が違うと思うのでございますけれども、私たちといたしましては、相当大きな問題ではございますが、たとえば考え方によりますと四十五万人おりまして、平均勤続年数三十年と考えますと、年々一万五千人ずつやめていくという計算になるわけでございまして、そういう点から考えますと、それほど考え方によっては、大きな問題ではないのじゃないかという見方もできないことはないと思いますが、何と申しましても国鉄の経営といたしましては、問題自体としては非常に大きな問題で、なかなか解決も大へんだというふうに考えます。
○中村順造君 今の、受け取り方については、それはいろいろあると思うのですが、従来ずっと国鉄の経営の、いわゆる人件費と物件費の関係で、こういうことは大体、あなたの方でも予測されておったかどうか。いわゆるこの状態でいけば、十年先には、どうなるということは、予測されておったかどうか。
○説明員(中村卓君) この問題につきましては、もう数年前から、ある程度予測をし、事務的な計算もいたしまして、大へんなことになるということは考え、従いまして、それについての対策につきましても、いろいろ部内で議論をしておりました。
○中村順造君 これは冒頭私が申し上げたように、わかりきったことなんですよ、国鉄部内の中で判断しても。あえてそれを部外者に頼んで誇大に——私の言葉で言えば、誇大にそれを宣伝している意図がどこにあるかということが、問題になってくると思うのです。 今、小柳委員の発言からみても、算術計算でいっても、一万人と一万五千人、問題になるのは五千人だ。それから五年先国鉄の経営の、いわゆる好転の状況とか、池田内閣の経済の成長率とか、いろろのものを加味すれば、それほどに心配する面はないじゃないかという考え方も生まれてくる、今の議論を聞いておると。にもかかわらず、これだけのわかりきった問題を外部に委嘱して、しかもそれを非常に必要以上にマスコミにかけて、そして総裁も何か部内に、そういう訓示か通達か出しておるという。 なぜそういうことをやるのか。この点は、どうですか。
○説明員(中村卓君) マスコミの問題につきましては、実は私たちも少し、うかつだったかもしれませんが、あれほど大きく取り扱われるということは、実は正直に申し上げて、考えていなかったのであります。 たまたまいろいろの状況——そのあとから判断してみますと、ちょうど記事がなかったというようなことで、各新聞社とも大きく扱ったということは、出入りの新聞記者も言っているようでございまして、当時私は、新聞発表には行かなかったので、河村職員局長が行ったわけでございます。河村君も、彼自身の判断としても、あれほど大きく取り扱われるとは思わなかったと、当時漏らしておりましたし、決してわれわれが意図して、積極的に、あれほど大きく取り扱ってもらったということではございません。その点は一応釈明しておきたいと思います。 それから、前からわかっていた問題ではございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろ中で議論いたしたのでございますが、どうも中に、はっきりしたいい解決方法がないということで、外部のお知恵を拝借しようということになりまして、外部の方にお願いしたといういきさつでございます。
○中村順造君 そのマスコミの取り扱い方は、これは、あなたはそう言われるけれども、総裁がいわゆる全職員に何か発したというこの問題については、そういうことはあるのですか。
○説明員(中村卓君) 私は聞いておりません。
○中村順造君 広報で何か出しておるという。
○説明員(中村卓君) ございません。
○中村順造君 そのマスコミの取り扱いについては、これは向こうがやることだから、仕方がないといえばそれまでだろうけれども、そこで言えば、とにかくあなた方のセンスを僕は疑いたくなるのだ。 どういうわけかというと、しかく、たとい五年先の話にしても、これは、こういう性質の問題は、必然的にだれにもくる問題なんです。この職場によって、どうだとか、この職種によって、どうだとかいう問題じゃない。現在三十五才の者が、五年先になれば四十才になることはわかりきっている。これが対象になるといえば、職員に及ぼす影響が、いかに大きなものかということがわからぬという——それはうかつだったといえば、それまでかもしらぬけれども、あなた方、現場に入られたかどうかわからぬけれども、現場の中に入っていった場合、職員が、どれだけの感じを持っているか。それはうかつでありました、マスコミが、新聞の記事がなかったといって、笑いごとで済む問題じゃない。しかもそれが一回だけじゃない。何回も、この問題について論じられている。 その点は、どうなんです、考え方は。何だ、こんなものは簡単なものだというふうに考えられたか。
○説明員(中村卓君) 決して先ほど申し上げたように、簡単な問題だとは考えておりません。部内に対するPRにつきましても、これからいろいろと慎重に検討いたしまして、大いに職員に安心して働いてもらうような方向で、考えて参りたいというふうに準備中でございます。
○中村順造君 そういうふうにあなた、言われるが、私の聞いた範囲では、こういう考え方が国鉄の職員の中に出ているという、これは今言ったようないきさつをたどるなら、やはりそこにあなた方の意図しているものが疑いたくなる。これは不必要な心配だとあなた方言われれば、それまでかもしれないけれども、こういう取り扱い方をして、こういう内容のものをアッピールするということは、一つには国鉄の部外——政府を含めて、部外に対して、国鉄の内容はこうだ、いずれ五年先、十年先、国鉄の経営は行き詰まります、こういう問題を取り上げて、それから、一つには労働組合に対しては、お前たちは安閑としているが、いずれこういう運命をになわなければならぬという、組合運動に対する一つの圧迫になる。それからもう一つは、経営の実態に基づくところの、これは早晩問題になる運賃の値上げの一つの口実にするために、あらかじめ、そういう事前工作をやる、こういう疑いたくなるような考え方が出てくる。しかもその対象になるのは国鉄の職員だ、こういう考え方が、職員の中に起きてくる。 その点は明確に、そうであるならばある、なけらにゃないで、一つはっきり、あなたがここで返事をしてもらいたい、今私が言ったようなことがあるのか。
○説明員(中村卓君) 国鉄の経営が、だんだん苦しくなるということにつきましては、監査委員会のことしの報告、あるいは昨年の報告にも、はっきり書いてあります。 その主たる理由は、人件費あるいは維持費、いわゆる固定費的なものがどんどんふえてくるというところに、経営が苦しくなる問題があるのじゃないかというふうに指摘されております。これに対しまして、諮問委員会の方でも、そういう根本的な病源はあるけれども、諮問委員会といたしまして、これに対する的確な対策がないということで、この間の勧告もはっきり言っているわけでありますが、そういう問題が、そういう監査委員会の中から指摘されておりますので、われわれといたしましては、これに対してどう具体的な対策を考えたらいいかということで、この要員対策委員会を作っていただいて、そこで答申をいただいたというようなことでございますので、国鉄の経営が、このままで推移すれば、非常に苦しくなるということにつきましては、何もこの要員対策委員会の答申をいただかなくても、ある意味では、相当世の中にアッピールと申しますか、PRされているのじゃないかというふうに考えます。私たちは何も国鉄の経営が苦しくなるからということをPRするために、要員対策委員会を持ったのではありません。 それから職員の中に、ある程度不安、動揺があるということは、私たちももちろんよく考えているわけでございまして、これに対しましては、先ほど申し上げましたように、いろいろとこれから慎重にPRをしていきたいというように考えております。 それから運賃改正の問題につきましては、国鉄の経営全体の問題といたしまして、今後政府にお願いいたしまして、十分慎重に、いろいろその対策を考えて立てていきたいというふうに考えているわけでございまして、たとえばこの問題の諮問委員会の答申なり勧告なりによりますれば、まず第一に公共負担の問題を取り上げております。それから新線建設の問題、そういうようないろいろ問題がございまして、経営全体といたしましては、いろいろな対策も考えられておりまして、この点につきましては、これも対策委員会の答申もその一環ではございますけれども、これをもって全部の経営改善の方策というように考えておるわけでももちろんございませんし、また必ずしも運賃値上げだけが国鉄の経営を救う唯一の道というふうに考えておるわけでもございません。
○中村順造君 運賃の問題はそれはどちらでもいいのですけれどもね。さっき私が尋ねた人件費の問題が、五年か十年かすればこうなるということがわかっておって、それに対する具体的な対策というものは今までどういう検討をされていたのかどうか、事実があるのかどうか、その点はどうなんですか。
○説明員(中村卓君) それはたとえばこの答申の中にも一部書いてございますが、かつての国鉄が行なったような、ああいう一挙に十万人かの人の首を切るというようなことは今の世の中では絶対にできないだろう……。それからいわゆる系列企業を整理して、私鉄やなんかでやっているような格好に持っていくというようなこともいろいろ議論してみました。しかし、これはやはり答申案の中に書いてございますように、現行法制下においてはなかなか困難ではないか。従って、事務的にはどうもいい知恵がないというふうになった。そういう程度の議論は中で十分検討しております。
○中村順造君 その点私の方がちょっと詳しいと思うのだが、その努力の中で賃金が、人件費が上がってくる——昇給があるから、いわゆる高齢者になれば自動的に定期昇給があるから賃金が上がってくる。従って、そのことから退職資金もふくらんでくる。こういうことからこの議論が出発している。だから、そういうことはもうわかり切ったことだから、あなたの方はそれを検討したという事実があるはずだ。そうでしょう。ただ年令が多くても、五十歳になっても月三万円、二十歳でも月三万円ならこういう問題は出てこない。だからその点を考えた場合に、あなたの方で何か、これは賃金の問題、労働条件の問題だから、労働組合とそういう面で具体的に折衝された問題があるでしょう。
○説明員(中村卓君) その問題につきましては、いわゆる職務給制度の確立というような方向で、職務評価委員会というものをまず作ることになりまして、最近やっと各関係の組合と話がつきまして二回ばかりもう開いております。二カ年くらいの目標で科学的な職務評価をやりまして、それに基づいて科学的な人員体系というものを確立していきたい、という方向で努力しておる最中でございます。
○中村順造君 だから私があなたに尋ねたのは、五年先でまあ五千人の開きか一万人の開きかわからないけれども、そういう職場からまだ働く能力のある人を去らせると、そういう手段でなくてもほかの手段が考えられるじゃないか、ということを僕はあなたに言いたいのですよ。それは従来そういう実績もあるだろうし、たとえば労働組合はいろいろの賃金の問題については建設的な意見を出しておると思う。僕の聞いた範囲では職種別個別賃金とか、これは同一労働同一賃金の原則に立って、機関士なら機関士が幾ら、それから駅長さんは幾ら、こういうふうに同じ労働については同じ賃金でよろしいと、今言ったように三十歳であろうが四十歳であろうが年令によって賃金をきめるべきでない、こういう賃金の原則に立って当局に提案をしたことがある。それから、当局もまた——私もこれは向いたんだからうそかほんとかあなたにもわからぬかもしれないけれども、何か基準賃金とかいう名前をつけて、そうして大体そういうふうな考え方に基づいたところの賃金、それは賃金の額については問題があったからまとまらなかったけれども、ものの考え方、いわゆる定期昇給、いわゆる高齢者になれば自動的にふくらんでいくとかいう制度でなしに、一人の同職について幾らという職種別とか、あるいはそういう個別的な賃金というものが、これは仮定の話かもしれないけれども、今あなたが、たまたま何か職務評価委員会ですか、二カ年間の計画で実施をして結論を出したいとこういう話だが、そういうことをやって、もし話がまとまるとしたら駅長の職務評価、車掌の職務評価、機関士の職務評価とか全部職務評価をして、これについて賃金が幾らだというきめつけ方ができればこういうことをやる必要はない。この答申の通りでね、やる必要はないと思う。そういう点はどうなんですか。そういう考え方についてはほかに方法があるにもかかわらず、それをまとめるための努力を今後するのかしないのか。
○説明員(中村卓君) そういう職務給制度の確立につきましては、この答申の中ではやはりそれは必要なことだというふうに書いてございますので、われわれといたしましては今申しましたように、せっかく組合とも話がつきましたので職務給制度の確立については、大いに今後努力していきたいというふうに考えております。ただそれだけでこの問題は必ずしも解決しないのではないかというふうに考えておりますので、こういう答申をいただきましたので、と申しますことは、一つは先ほど先生もちょっとおっしゃいましたが、やはり国鉄の仕事というものは、特に現場の仕事は、先生もよく御存じの通り、やはり相当肉体的、精神的にある程度適性年令があるというふうにわれわれとしては考えておるわけであります。適性年令を著しく超過した方方に、そういう必ずしも適職でないところへついていただかなくてはならないという問題は、やはり労務管理上からも大きな問題じゃないかということが一つと、それからもう一つ、やはり下級職に相当長くとどまっていなければならないという状態が発生してくるのじゃないか。上の方が相当つまって参りますのでそういう問題も、人事運用上と申しますかそういう点からやはり相当みんな、人間の精神的ないわゆるくさるというようなことも防止しなくてはいけない。そういう面から考えまして、この問題は必ずしも人件費の問題だけじゃなくて、そういう人事運用上あるいは労務管理上の問題からも相当重要な問題だろう……、そういう面につきましては、職務給制度が確立されましても、必ずしも十分な解決にはならないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○中村順造君 それは議論が飛躍するのだけれども、僕はそこまで発展させたくないのだけれども、かつてこれは——戦争を境にしましょう、戦前の状態と今の国鉄の年令層の状態を見て、それでは当時のやはり五十五になればやめていった戦前の状態、それから仕事の内容については、それはなかなかきびしくなった面もあるでしょう。しかし一方ではやはり法律的に労働が保護されるという立場で基準法なんかできていくその状態で、年令層を五十五歳から四十歳までというふうな飛躍的な考え方は私はこの際したくない。またする必要もない。 それから内容について、これはあなた方国鉄の幹部が外国に行っておられるから見ておられるけれども、日本の国鉄は五十五歳が停年で、機関士に一例をとれば五十五歳でやめていくわけです。ところがアメリカあたりは七十歳です。七十歳になればそれもやめるわけじゃなしに、本線乗務からおりて構内の運転をする、こういうことです。それではアメリカの運転の労働条件がそれほどの差があるかというとそれほどの差はむしろない。それは設備なんかはいいかもしらぬけれども、労働条件において、個人の肉体的労働については同じ列車を運転するのでそう変わりはない。それを極端に今ここで何か余分なものを取りつけたような考え方で、年令によって職務の内容が、能率が低下するとかこういう議論は全く取ってつけたような議論で、別にこれは今この席でする必要はない。問題は賃金から出てきている。国鉄は老齢者をたくさん持っているから運転事故が起きて仕方がない、非常に能率が上らないという点、それが主で指摘されたわけではない。 それからもう一つ、下級職とか上級職とかいうことは、職階的に物事を考えるからそういうことになる。たとえばあなた方はどういうものを下級職と見ておられるか知らないけれども、それはそれぞれの年代に応じた仕事をさしておると思う。何もそれは下級職じゃない、それに対するちゃんと賃金の裏づけがしてある限りはね。それは掃除夫であろうが便所を掃除しようが、それだけのものをちゃんと裏づけしてあれば、それを別に下級とか上級とかいうそういう議論をここでする必要はないと思う。ただ問題は今盛んに言われておるように、不自然な状態で首切りをしなくても、それに対する対応策があるのだ、こういうことがあると思うからこそあなた方も提案をされておるし、労働組合もまたそれを提案しておる。そうしてここで具体的に職務評価委員会か何か作った、こういうことなら、さっき一番初めに申し上げたけれども、必ずしもこの答申を尊重するということでなしに、こういう答申が出たんだから角度をかえてそういうことを避けるために一つの努力をしようじゃないか、という一つの僕はポイントにもなると思うんですが、こういう点はどうなんです。そういうものの考え方。
○説明員(中村卓君) できるだけ答申案に沿うと同時に、ただいま申し上げました職務評価委員会による職務給制度の確立というようなことは、答申の中にも必要だというふうにうたわれてございますので、結局そういう意味ではこの答申に沿うことになるのでございますけれども、本来の答申のいわば骨と申しますか、いわゆる一万五千人の整理退職というようなこともできるだけ避ける方向で努力したいということは、もちろん並行的に考えております。
○中村順造君 それは当然私から言うまでもなく、あなた方国鉄の経営をまかされた者としては、そういう不自然な形はなるべく避けたい。それは答申の内容については、その通りだから尊重しなければならぬけれども、実施の段階についてはまだまだたくさんの問題があるから、われわれはなるべくこういう不自然な形は避けたいという気持が起きてこなければならぬ。しかも、それは全然これにかわる代案がないかといえばあるわけです。あるからこそあなた方は発足してやっておるわけです。これはこれから先組合とおやりになることだから、僕はとやかく言わないけれども、考え方の基本になるものは、そういう不自然な形は避けたいというあなた方の気持が、すなおに職員の中にそのことが表明されない限りにおいては、僕は非常に心配が多い。特に運転に携わっておる者の家族にまで非常に——僕らはこういう仕事をしているから、いろいろ家族とも会う機会が多いけれども、家族まで非常に、うちの主人は三十五だが、もう五年すればちょうどその対象になりますが、どうでしょう、こういう質問が非常に出ておるわけです。そのことが家族にまでそれだけの不安感を与えておるということは、そういう人が実際にハンドルを持って日常の運転をしておるとするならば、この結果がもし間違いがなければいいけれども、間違いがあったとすれば、これは事前にあなた方に今も私が言ったように、そういうことを避けたいというなら避けたいという方針をはっきり、職員の中に十分あなた方の実のあるところを尽くしてそのことをやらなけりゃ、重大な結果になるということをおそれるわけです。その点はどうなんです。やられる気持がありますか。
○説明員(中村卓君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、具体的な方策につきましては、ただいま慎重に検討中でございまして、これは、先ほども先生もおっしゃられましたように、組合とも十分話し合いの上で納得ずくでやっていきたいと、全般の問題といたしまして、そういうふうに考えております。従いまして、とりあえずは、やはり職員にそれほど、まあ考えようによってはむずかしいと思いますが、シリアスな問題でそう一々心配しないでも済むようなPR、そういうことで職員の中に十分PRしていきたい、それを第一段階に考えております。
○中村順造君 それじゃ、長くなりますからやめますが、私は端的に言ってこれはできないと思います。五年先で毎年一万五千人、四十才以上の者を対象にしてというようなことは、これは仕事の内容からみても、それだけ高度な熟練度のある者を四十才以上になったからといって対象にすることは。それからまた、この点は労働組合もあることだから労働組合も考えるだろうが、そのままやすやすとそれをそうですかというわけにもいくまいと思うし、事実問題としても僕は不可能だと思う。その不可能なことを可能にするような考え方を持って、しかも国鉄の中に不必要な不安感を与えるということになれば、これは経営者としては愚の骨頂だと思う。これは私は明らかに不可能だと思う、こういう線で進めていくということは。不可能なものを、しかも来年やらなければならぬ問題じゃない。ことわざにも来年のことを言えば鬼が笑うということがある。それを五年先のことを、しかもできるかできないかわけもわからぬことをあれだけに誇大に宣伝して、そうして得るところが何がある。あなたは全体の問題を含めてそれは職員の中に徹底すると言われるから、それは何らかの措置がとられると思う。だから僕は、やらないという前提で、それをやりたくないからもう少し建設的にどうだ、こういう方向でなければ、応じなきゃやるぞ、こういう考え方じゃこれは話がうまくいかんと思うんです。その点は私が言ったように、僕は不可能だ、こういうきめつけ方をしておるのだけれども、あなたはせっかく今井さんが出した答申だから、できませんとは言えないかもわかりませんけれども、私が言うような趣旨でこの問題を取り扱う用意があるか。それはどうですか。その点、部内の問題ですよ。
○説明員(中村卓君) 非常にむずかしい問題でございますけれども、われわれの立場、考え方は、さきほど申し上げました通り、一応これを尊重しつつこの線でなるたけ摩擦や抵抗——抵抗という言葉は取り消さしていただきますが、摩擦の少ない納得づくの上でというふうに考えております。
○中村順造君 最後だからやめたいのだけれども、あなたはっきりしないからいくらでも言わなきゃならぬが、とにかくやれないといってだれもが考えておることを強行するという考え方でなしに、こういう答申が出たから、これを尊重してこれに代わるそういう、いわゆる物件費と人件費の大きなバランスがくずれるような状態を避けるための努力をする、こういうことなんでしょう。
○説明員(中村卓君) あるいはそういうふうに表現していいかもしれませんけれども、要するに、尊重はいたします。しかし、絶対にただいまのところこの考え方をとらないということを申し上げるわけにはいかないわけでございまして……。
○中村順造君 僕はそんなことは聞いていない。聞いたことだけ言えばいい。 それじゃやめますが、老齢者の賃金が非常に高いということが問題になっておるのだね。これは私も今後勉強していきたいと思うのだが、私今資料を一つほしいのだが、対象になっておる四十才以上の当局の幹部の中のいわゆる人員構成それから俸給、そういうようなものを出して下さい。老齢という、四十才じゃ老齢にならぬが、四十五才でもいいですが、四十五才以上の、あなた方の、かつていわゆる戦争前までは、だいたい大学を出て鉄道に入ってそうしてやめていった年は四十五才くらいだったと思うが、それ以降今日は五十五才までの幹部もおられる。最近はこれも一つの社会的の実態だ。かつては大学を出て国鉄に入られて何年かやって四十五才くらいになったらどこかの会社に出ていかれるとか、やめられるとかいうようなのが普通の状態だったと思う。最近はそういうことでやめておられない。これはいろいろ笑い話になっておるが、七十才過ぎた総裁が四十才の職員にやめていけというのはおかしいじゃないかというそういう話も出ておる。そういうことも職員の話題としては出ておるのだが、だから今の私の資料としていただきたいというのは、あなた方四十五才以上の国鉄の幹部の人員構成と俸給を出して下さい。これは大したものじゃないでしょう。委員長、それを一つ……。
○理事(天埜良吉君) よろしゅうございますか。
○説明員(中村卓君) はい。
○相澤重明君 時間がありませんから、いずれ引き続いて質疑しますが、ちょっと私からやはり今の中村君の質問に続いてPRの問題で一つお聞きしておきたいし、要望もしておきたいと思うんです。どうもやはりPRについて若干手ぬかりの点があるのじゃないかと思う。それから、今までの国鉄白書を出されておった場合に、全国で取りかえなきゃならん橋梁であるとか車両であるとか、こういうことを出しておりましたが、どうもそういう点もまだまだなかなか認識が不十分だと私思う。そこで、まず東海道新幹線をつくるということは非常な画期的な事業でありますが、この東海道新幹線が二千億の巨額を投資して一体何年ぐらいでこれは独立採算制になるのか。そういう計数的なものをはじいておられると思うんですが、これだけかけても実は輸送力の増強と、そうしてしかも独採制に基づけば何年ぐらいでだいたいできるのだ、こういうことも一つ検討した数字を出してもらいたい、資料として。 それから十一路線の新線建設については答申の中で、十一路線を建設すれば四十億の赤字が出る、こういうことを言っているわけです。その四十億の赤字についての条件としてこうしたらいいのではないかといういろいろな条件がついている。そういうようなものについて国鉄としての答申案について一体どういう態度をとるのか。また赤字克服についてはどうするのか、こういうものも一つ資料的に作成をしてもらいたい。 それから、現在の全国の不採算線区というのがあります。黒字線はごく一部ですが、不採算線区の問題については、第一次五カ年計画の今年度は四年目でありますが、来年修正五カ年計画を立てたとすれば、一体修正五カ年計画の中でどのようになるのか、それがつまり先ほどの旅客なり貨物なりで二一%とか三一%とかいっておりましたが、第二次修正五カ年計画を来年初年度としてやった場合に、第二次修正五カ年計画の一番しまいの完成の年は一体どうなるか、そういうことも一つ正確に把握しておかないと私はむしろこの職員のことだけに頭を突っ込んでしまって、また国民もなるほど国鉄の職員は数が多いとか、年寄りは給料が高いとか、そんなことで本質的なものを忘れてしまう。輸送という国の根幹の大方針というものはくずれてしまうおそれがある。こういう点についてむしろこの前の産業会議で国鉄分割論というものを出すような結果になってくる。ですからそういうことがないように、やはり管理運営をまかされている国鉄自身が、そういう計画性のあるものを出さなければいかんのじゃないか。そういうことが世間にアッピールされないから、今中村委員が質問したように、国鉄職員も動揺するし世間の人もなるほどこれはたいへんなんだということを言ってくると思う。そういう確固不動の経営陣が計画性を持ったものをやらんと、これはいつまでたっても国鉄の問題は、国会の中でも議論が百出すると思う。私はそういう点で、やはり国鉄経営についての長期展望といいますか、そういうものについてもっと一つ真剣に取り組んだ資料というものを作成してもらいたい。これは今すぐといってもできないだろうから、いずれ衆議院選挙が終わって特別国会がありますから、それまでに十分一つ御検討願って、そういうものを運輸委員会にこういうふうに赤字解消というのはやるのだ、国鉄はこういうふうにいくのだから国民の皆さんには御心配しなくてもいいということにしなければ、私はやはり国鉄問題というのはなかなか運輸省としても頭の痛い問題だと思う。そういう点の資料を作成してもらいたい、こういう要望をしておきたいと思いますが、いかがでしよう。
○説明員(中村卓君) われわれの方でもいろいろ研究も勉強もいたしておりますので、それくらいの日時をいただければできると思います。提出いたします。
○理事(天埜良吉君) ほかに御発言がなければ、本日はこれをもって散会いたします。 次回は十一月三十日午前十時、委員会を開会いたします。 午後零時三十三分散会