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35回国会参議院1960/09/06

法務委員会 閉会後第3号

発言数
124
登壇者
16
会派数
3
開催日
1960/09/06

会議録

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  八月十一日付、坂本昭君、小柳勇君辞任。千葉信君、江田三郎君、選任。  八月二十二日付、植竹春彦君、辞任。野田俊作君選任。  八月三十一日付、野田俊作君、辞任。近藤鶴代君選任。  九月三日付、近藤鶴代君辞任、野田俊作君選任。  以上であります。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  検察及び裁判の運営等に関する調査の一環といたしまして、売春対策に関する問題について調査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 御異議なしと認めます。  参考人の人選その他の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたします。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査の一環といたしまして、まず派遣委員から報告を聴取することといたします。  去る八月に、東北班と四国班の二班に分かれて、最近における非行少年対策、売春取り締まり、泥酔者の規制、法廷等の秩序維持、法務関係矯正施設の整備等の諸問題について委員派遣が行なわれたのであります。  まず、第一班の御報告を願います。

大川光三自由民主党

○大川光三君 それでは私より東北班の現地報告をいたします。  東北班は辻委員と私の二名が派遣委員となり、伊墻調査員、大関参事を随行して、去る八月十日より同月十六日まで約一週間にわたり、秋田、青森の二県においては少年犯罪対策、めいてい犯罪取り締まり対策、売春関係事犯取り締まり対策、法廷等の秩序維持等に関する諸問題の調査と、刑務所、少年鑑別所の視察を、岩手県におきましては少年犯罪対策の問題と少年院、少年刑務所の視察をして参りました。  調査にあたり、最高裁より長井総務局第一課長が同行され、また現地関係諸機関より貴重な資料が提出される等、各方面から多大の御協力にあずかり、深甚の謝意を表する次第であります。  以下、調査事項につき順次説明をいたしますが、時間の関係上なるべく簡単にとどめ、詳細は資料に譲りたいと存じます。  第一、少年犯罪対策に関する事項  少年犯罪に関する三県における共通の意見として、少年犯罪の後進性があげられました。すなわち大都市並びにその周辺における少年犯罪の趨勢が、半年ないし一年の後に同様の形態を伴って地方に現われて参り、特に少年犯罪につきましては、文化とともに犯罪が表裏の関係となって併進していることが顕著であること。従って当地方におきましては、最近に至り、ようやく少年犯罪対策の重点が年長少年より年少少年に移行し、年少少年による犯罪の増加とその集団化、暴力化が問題視されてきたこと。道路交通違反事件の激増、家庭環境良好の少年の不良化等の問題が目下の少年犯罪対策の一つの焦点となって参ってきたこと。農漁村地帯における性犯罪、なかんずく輪姦事件が他の一般刑法犯に比して著しく多いこと等が特に注目されました。  次に本問題に関し各項目別に説明をいたします。  その一、少年犯罪の地方的特色  少年犯罪の地方的特色といたしまして、三県下とも性犯罪が顕著であることは右に述べたところでありますが、そのほかに秋田、青森両県におきましては、いわゆる若勢制度、あるいは借子制度と少年犯罪との関係でありましてこの制度は、いずれも農村の労働力を補うため、年少少年を三年ないし五年間他家の農耕に従事させる一種の年期奉公の制度であり、旧幕藩当時より行なわれている地方的社会風習でありまするが、これによると、少年の労賃——一年間当たり玄米では五俵、現金では二万円ないし五万円——というものは、全くその親が収受し、少年には手渡さないこととなっているのであります。従いまして小づかい銭に窮した農耕少年が、環境の刺激の増大と関連して、金ほしさの非行に陥る事例が少なくなく、またこれら少年の更生改善と保護指導の面にも多大の支障が生じているとのことでありました。地方農村における少年の労働問題とも関連して、将来解決を必要とする重要な社会問題と考えられました。  次に注目された点は、飲酒の慣習と犯罪との関係であります。御承知の通り東北地方はその気候風土とも関連して、飲酒の慣行が蔓延しており、事あるごとに酒宴供応の機会が多く、年少より酒に親しむことをむしろ誇りとしており、その結果は集団的暴力犯または殺傷犯の原因ともなり、他方めいてい運転に対する不感症的態度の増加となって現われてきているのであります。また、飲酒の慣習と並んで注目をひかれますることは、農山村地帯においては性犯罪に対する犯罪意識がきわめて薄いということであります。盗犯で逮捕されるより性犯罪で逮捕される方が世間態が悪くないということが考えられているほどであると極言する人もあり、また一度性犯罪で検挙され、処罰されると、再度同種犯罪を犯す者がほとんどないということも、この間の事情を物語るものであってこの種事犯の防止には活発な広報活動による農村の啓発とともに、犯罪者に対しては厳罰主義をもって臨み、一罰百戒の実をあげることが必要である旨が強調されておりました。  その二、少年法、少年院法等に関し改変を要する点  この点に関し現地で問題とされた事項を申し上げます。  まず法改正の問題でありますが、裁判所と法務省におきましては、御承知の通り少年の年令引き下げ、少年事件に対する検察官の先議制、家裁決定に対する検察官の異議申立権等の諸点につき鋭く対立しているところであり、現地におきましてもまたしかりの感を深ういたしたのでありますが、一般に警察、検察当局の態度は、現行制度は少年に対する取り扱いが寛大に過ぎ、保護偏重のきらいがあるのではないか。二十才までは何をしても大した処罰を受けないで済むとの考えが非行少年の間に支配的となっておるとの強い意見が表明されたのに対して、裁判所側におきましては、現行法の基本的態度をくずすことは早計に失し、法運用の面で妥当な解決を見出すべきであるとの意見が強く、また秋田家裁の裁判官で、検察官に異議申立権を認めることは差しつかえないとの見解を述べられた向きもございました。  その他、(イ)罰金刑に当たる罪の事件でも検察官送致ができるようにすること。(口)、年長少年に対しては罰金の換刑処分をなし得るようにすること。(ハ)、家裁において少年院等保護処分の執行機関の意見により保護処分の変更、取り消しをなし得るようにすること。等の意見が述べられました。  次に、法運用の面では、非行少年調査機構の統合の必要性については、各庁とも一致して希望されたところでありまするが、そのほかに、裁判所からは少年法第二十四条の教護院送致の規定は、教護院が不足のため、現状では空文化しておる。教護院——特に女子教護院の拡充を要望する旨、また青森県の各関係機関からは、同管内の非行少年は、仙台、米沢、盛岡等、遠隔地の少年院に送致されるために、家庭あるいは保護司等との連結も円滑を欠き、退院時における保護の適確を期する上からも不便であるから、県内に少年院を設置されたい旨の要望がなされました。  第二、めいてい犯罪取り締まり対策に関する事項  秋田、青森両県下におきましては、いずれも飲酒の風が盛んであり、これに起因する犯罪に注目すべきことは前に述べたところでございまするが、めいてい犯罪の処罰に関連して、立法上考慮すべき点として、主として法曹側の人々から  (一)、いわゆる「原因において自由なる行為」の理論を採用し、めいていを理由に不当に処罰を免れることのないよう考慮すべきことには議論の余地がないところであるが、この理論をとるとしても、せいぜい過失犯としての刑事責任を追及し得るにすぎない。めいてい犯罪者に対しては刑法第三十九条の心神喪失ないし耗弱の規定の適用を排除する措置を講ずることが必要である。  (二)、めいてい犯罪者の矯正策として、改正刑法準備草案の予定している禁断処分、保安処分等の制度を設ける。  (三)、めいていによる交通事犯に対しては、刑の上限及び下限を引き上げる。  (四)、めいていを原因とする犯罪者につき執行猶予を言い渡す場合には、初度目から必要的保護監察に付する。  (五)、未成年者飲酒禁止法の罰則を、現行の科料より罰金に強化する。等の意見が述べられ、一般にめいてい事犯に対しては現行法のもとにおいても厳罰主義をもって臨むべき旨の意見が大勢を占めておりましたが、青森地裁の意見として、めいてい犯に対する処罰に関しては、立法措置として種々の意見もあろうけれども、刑事責任の基本原則(責任には犯意を不可欠の条件とする)を破ることは許されないし、また処罰以外の方法により犯罪防遏に適切な方法がないかを同時に検討されるべきではないかとの傾聴すべき意見が述べられました。  次に、最近問題になっておりまする酔っぱらいによる危害等の防止に関する法案の骨子を説明して意見を求めましたるところ、趣旨には賛成ではあるが、飲酒に起因する家庭内の紛議に警察の介入することについては消極的空気が支配的でありました。  第三、売春関係事犯取り締まり対策に関する事項  本問題に関しましては、秋田、青森の両県とも売春事犯の検挙件数がきわめて少なく、防止法実施以来、秋田に、おきましては三十九人、青森におきましては三十五人にすぎない。これらの事件は、主として周旋行為、対償収受、場所提供、売春業等の事案であり、五条違反の勧誘事件は皆無でありました。  以上によって見まするときに、右の両県におきましては、売春取り締まりの問題は特筆すべきものが少ないのではないかとの感もあるのでありまするが、売春防止法の究極の目的である売春行為自体の防遏については、両県とも潜存的売春婦の問題とも関連して検討を要する点が残されており、幾多の温泉郷に稼働する接客婦、各地のキャバレー、料理店、旅館等の従業員で潜在売春婦に転落しているものも相当数見込まれ、単純売春処罰の可否の問題とともに、将来、売春対策に困難な問題が予想されるのでありまするが、一方におきましては、少年性犯罪の増加は、不良文化財、性道徳の頽廃にも基因するが、売春防止法の施行等もその一因をなしていると言えようとの秋田地検のごとき見解のあることも付言されなければならないところと存じます。  売春防止法運用上の問題点といたしましては、売春婦に対する適切な処遇に資するに必要な調査機構を整備する必要のあることにつきましては、関係諸機関の一致するところでありますが、これを裁判所に付置して公判審理の一環とするか、あるいは検察庁に付置して起訴前の調査に資するかの点につきましては、現地におきましても、裁判所側と検察庁の意見が全く対立いたしておりますが、問題が売春婦の処遇の適正に関するものであるため、早急に調整されるべきものと思量されました。  また、補導期間を延長すべしとの意見は、各関係機関とも圧倒的多数でありました。  以上、少年犯罪、めいてい犯罪、売春事犯の三種の犯罪の対策につき現地の意見を通じて看取されましたことは、地方における犯罪が都会における犯罪に対し、後進的、模倣的性格を有するとともに、各種の地方的因習に強く影響されていることでありまして、地方における犯罪防止対策にはこの点についての配慮の肝要であることを痛感いたした次第であります。  第四、法廷等の秩序維持に関する事項  秋田、青森両県ともこの問題に関し特に注目すべき事例はなく、ただ、青森地裁管内において昭和三十一年中に民事事件の法廷で証人が暴言を吐き、裁判官の訴訟指揮に従わなかったため、法廷等の秩序維持に関する法律が適用された例が一件あるのみでありました。しかしながら、検察庁側の意見として裁判の現状は、同法を発動してしかるべきものと考えられる事例が相当散見されるので、裁判所の適確なる措置を要望する旨が述べられ、これに対し裁判所側からは、法廷警備員の配置がないため、事実上訴訟指揮権の発動を牽制されるとの意見が述べられました。この点に関し、同席されました長井総務局第一課長から、現在法廷警備員の配置は、大都市の裁判所に重点的に配置されているが、将来は高等裁判所にも相当数を配置し、管内各裁判所の間を機動的に行動し得るよう、目下最高裁において検討中である旨の説明がなされました。  その他、本問題に関して秋田地裁から、裁判所周辺におけるデモ規制法律の制定、裁判官忌避申し立てが乱用に当たるとして却下された場合には、当該訴訟関係人に対し制裁その他の処置を講じ得るものとすること等の意見が述べられました。  第五、その他要望事項と参考となるべき事項といたしましては  (一)、刑務所、少年刑務所の過剰拘禁について。  秋田刑務所においては収容定員五百四十八名に対し現在員八百九名、盛岡少年刑務所は三百四十四名の定員に対し五百五十四名の現在員と、いずれも一・五ないし一・六倍の過剰収容が見られ、ことに盛岡少年刑務所においては三名の定員の舎房に八名を収容しているのが相当数見受けられ、収容者の保健衛生の見地からも問題であるのみならず、職員定数は依然として収容定員によって算定されているため、収容者数に比し負担過重となり、戒護上からも支障を来たすおそれがあるのではないかと考えられるのでありますが、過剰収容の解消には、各刑務所に課せられる調定目標額(作業収入目標額)との関係も考慮する必要があり、収容施設の拡充とともに適正な認定目標額の策定の要あることが感じられました。(二)、冬期の長い地方における共通の要望として、秋田刑務所、盛岡少年刑務所においては、室内運動場、室内物干し場の設置を希望され、(三)、盛岡少年院、同少年刑務所においては、地下水による自家水道を使用しているが、水質がきわめて不良であるから早急に上水道を引き入れるよう予算上の措置を講じられたい旨の要望があり、(四)、盛岡少年院においては、職員の超過勤務手当が同種の勤務に従事する刑務所、少年鑑別所の職員に比し低額であるから、これを同程度に引き上げられたい。また同院の医官の俸給は現在月額二万三千円であるが、一般社会的に見て低額に過ぎるのではないか、俸給表改正の際には、医官の待遇につきぜひ改善されたい等の意見が述べられました。  以上をもって東北班の報告を終わります。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 次に第二班の報告を願います。大森君。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私から派遣委員を代表いたしまして、第二班の調査報告をいたします。  第二班は私と赤松委員の二名が派遣委員となり、天久調査員を随行として、去る八月十三日から一週間にわたり、高知、徳島、香川の三県において少年犯罪対策、めいてい犯罪、売春関係事犯の取り締まり対策、法廷等の秩序維持に関する諸問題について調査をいたして参りました。今回の調査にあたりましては、最高裁判所事務総局より今江事務官が同行され、まだ、現地の関係当局からも貴重な資料が提出される等、各方面から甚大な御協力にあずかりました。ここに深甚なる謝意を表する次第であります。  以下、調査事項について順次説明いたしますが、時間の関係上なるべく簡単にとどめ、詳細は報告書に譲りたいと存じます。  まず少年犯罪の地方的特色についてでありますが、近年の少年犯罪の特徴として、性犯罪、凶悪犯、粗暴犯罪の増加、非行の累犯傾向、集団現象、非行年令の低下等が一般的に認められるところであります。地方における少年犯罪についても全くこれと同じ傾向がうかがわれたのであります。ちなみに各県におけるおもな少年犯罪の増加を指数をもって説明いたしますと、昭和三十二年度を一〇〇として昭和三十四年度の指数は、高知県において凶悪犯が一四〇、粗暴犯は一九九、性犯が四九〇で、徳島県において凶悪犯七、粗暴犯一七一、性犯一五九で、香川県におけるそれは、凶悪犯一一七、粗暴犯が一四二、性犯一四〇と年次を追って増加しております。しかるに、高知、香川両県においては、粗暴犯、性犯が全国比のそれと比較しますと、やや高い比率を示しておりますが、これを直ちに両県の少年犯罪の地方的特色として取り上げることには賛成できないのであります。従って、地方における少年犯罪の傾向も全国の少年犯罪の一般的傾向と軌を一にするものであると思考されます。  次に、少年法、少年院法の運用に関し、当面改善を必要とすべき点につきましては、少年法の適用年令の引き下げ、検察官先議権の確立、検察官の審判立ち会いの確保、家庭裁判所の決定に対する不服申立権の確立等の改正意見があり、また要望事項として、少年院職員の増員、施設の増設、家庭裁判所の少年院視察費の増額、少年保護観察所の充実強化なかんずく職員の増員、少年鑑別所の充実強化、徳島県に医療少年院と特別少年院の新設等を強く要望いたしております。  これらの点につきましてはすでに論究されておるものも多々あると思考されますが、念のため申し添えておきます。  次に、めいてい犯罪の処罰とこれに関連して立法上考慮すべき点につきましては、めいてい犯罪者に対しては判例の集積を待たず、すみやかに刑法第三十九条の適用を排除する立法措置を講ずべきであるとする意見が圧倒的でありました。ただ、刑法改正準備草案第十六条に規定してある「原因における自由な行為」だけではまかなえない部分が出てくるから、これをさらに一歩前進して、米国やイタリア刑法における「めいていは抗弁となし得ず」の法理論を推し進めて、二本立にした方がよいのではないかとの見解もありましたが、これは捜査に重大な関心を有する当路者の間に主張されたものであることを付言しておきます。また、常習めいてい者に対しては保安処分の必要性がある旨強調されました。  次に、酔っぱらいによる危害等の防止上、これが規制に関して考慮すべき地方的実情につきましては、香川県においては、観光地等の事情から常時観光客が多数往来し、公開の施設、場所または道路上に、めいてい者が他に危害を加えない程度で、しかも軽犯罪法第一条第二十八号には触れないが、大声で放歌し、または婦女子に、軽度のいたずらをする等の行為が多々あるため、軽犯罪法第一条を改正して、これを規制すべきであるとの意見と、高知県は飲酒家の多い県であるため、酒に基因する事件も相当数あるから、司法的保安処分を拡大して行政処分としての保安、保護措置を講ずベきであるとの強い意見も開陳されました。  次に、売春防止法の運用上、将来改正を要すべき点につきましては、判決前調査官制度の確立、起訴前調査制度を設けること、単純売春及びヒモの処罰の問題も提出されましたが、一部では同法第五条ないし第十三条の今後の運用の実績を見て、なおその必要性があった場合に考慮すべきであるとする見解もありました。  また、婦人補導院の補導期間を六カ月にしたのは、刑罰との権衡を考慮したのであろうが、この補導教育の実を上げるという観点から見ると短きに失するから、これを延長し、補導教育を徹底的に行なうべきであるとの考え方が強いようでございました。  次に、法廷等の秩序維持に関する法律の運用状況は、当地方は公安事件にからむ法廷闘争が低調のためか、本法を適用した事例は一件もないのでありますが、裁判所法第七十一条第二項の適用を見た事例は十数件に及んでいる実情でありました。  そのほか徳島刑務所、高松刑務所、四国少年院、少女の家等を視察いたしました。その際、徳島刑務所では、同刑務所が終戦後の建物で老朽化し、しかも徳島市の中心に位置し、市の発展のために同市では同刑務所の移転を強く要望しておるとのことでありました。また、高知刑務所も徳島刑務所と同一事情のもとにあるから、早急に移転改築の実現を希望しております。さらに少女の家におきましては、少年院退院者中、身柄引受人等のない者が相当数あるので、かかる気の毒な少年のために、ある一定期間収容保護する施設が必要欠くべからざるものとして、三原院長の指導のもとに和光園を設立し、その実現に努力しておりますが、その実現には政府当局及び当委員会の特段の御協力を得たい旨の強い要望がありましたから申し添えておきます。  以上、簡単でありますが報告を終わります。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 委員の変更について御報告いたします。  泉山三六君辞任、堀木鎌三君選任。  以上であります。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ただいまの各班の報告について御質疑を願います。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 私もたくさん聞きたいことがありますが、きょうは先がつかえておりますので、緊急を要するような重要な問題から二、三質問したいと思います。  盛岡の少年院と少年刑務所へ行ったんですが、あそこでは地下水による自家水道を使用しております。非常に鉄分が多くてきたない。水道法にも違反しているわけなんですね。水道法では「銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量をこえて含まないこと。」とありますが、水道の濁度と鉄分の許容量というものはどれぐらいになっておるか、法務省の方わかりますか。

近藤忠雄法務大臣官房経理部長

○説明員(近藤忠雄君) 資料の点につきまして、その許容量の問題を十分に検討する余裕もございませんので、ただいま手元に持っておりませんので、詳細申し上げることができませんことを残念に思います。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 洗たくするとあとで赤くなってしまう。それで、これは直接生命に関係あるものですから、私もほうっておけないと思うのですが、少年院でも少年刑務所の方でも、何度もこれを上水道に変えてくれということを上申している。けれどもなかなかやって下さらない。チリの地震で津波が来て、その方に回さなければならないからだめだとか何とか言って、なかなかやってくれない。ところが、幾ら刑務所の中にいても、生命に直接影響があることならばほうっておけない。罪人は赤水を飲めというわけにいかないのですから、即刻これは何とか手を打つべきじゃないかと思うのですが、濁度は、私の調べたところによれば、水道法は二度以下であるべきだ。それが蛇口からとったのは一七・八度だ。原水からくみ上げたのが五・二度だ。で、鉄分は〇・三PPM以下でなければならない。それが許容量だそうですが、浄水が〇・七八、原水が一・二PPMだ。それで、保健所と衛生試験所の方で検査したところが、少年院の方は、保健所はまあまあと、衛生試験所の方は不適である。それから刑務所の方は保健所も衛生試験所もこれは不適である。こういう判定を下しているわけです。ですから、所長も一生懸命お願いしているらしいのですが、法務省の方で動いてくれない。こういう実情を御存じであればおそらく手を打たれると思うのですが、知らないでおられるのか、知らないとしても、向こうの方から所長が上申しているのですから、知らないということもおかしいと思うのですがね。これに対する対策をどういうふうにお考えになるか、お答え願います。

近藤忠雄法務大臣官房経理部長

○説明員(近藤忠雄君) ただいまの御指摘の点につきましては、率直に申しまして私の方も十分の費用がございませんために、いろいろ各全国の施設の方に手を回しておりまして、十分な手当が現在はできておらない現状でございますのをはなはだ遺憾と存ずる次第でございます。  盛岡少年院の水道の装置につきましては、飲料水の滅菌装置は、三十年度におきまして十七万七千四百円ばかりの金をかけまして滅菌装置をいたしましたけれども、ただいま御指摘のような点において、まだ遺憾な点があるわけでございます。その点につきまして、本省といたしましても十分承知いたしておるわけでございますが、今年度の予算におきまして何とか手当をしなければならないことと考えておりまして、近く具体的な御指摘の点につきまして十分な手当をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 これは、きょう飲んだからすぐあした死ぬとか、そういうように具体的に現われてくればすぐにやると思うのですが、なかなかすぐにわかりません。何の原因で下痢したのかわからない。原水爆では十数年たってから出てくるのがあるのですから、それをほうっておいて、鉄分が何しろ多いのですから、人命に影響してこないとは限らないのです。ですから率直に法務省の方で手を打っていただくように私はお願いするわけです。  次に、刑務所並びに少年院の過剰拘禁ですが、秋田は五百四十八人に対して八百九人、盛岡でも三百四十四人に対して五百五十四人、いずれも一・五、ないし一・六倍の過剰になっておる。で、三名の定員舎房に八名も入れておるという、そういう所も相当あったのです。これは少し窮屈過ぎるから、たびたびこういう問題は今まで法務委員会でも出ているのですけれども、いつでもこれが繰り返されるということは、私はいけないと思うのですよ。職員はといえば、依然として定員内でやっておる。非常に負担が過重になるわけです。こういうような定員過剰に対してほんとうに法務省の方で真剣に考えておられるかどうか、どういう対策を考えておられるか、それを御説明願いたいと思います。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) 御指摘のように刑務所、少年院におきましては、収容定員を上回って実際に少年を収容しておるわけであります。特に少年につきましてかような状況に置きますことは、現在青少年犯罪の対策を強く要望される際に、問題の点が非常に多いのでございまして、この点にかんがみまして、また少年院の在院者の数が、一般の受刑者がやや減少の経過をたどっておりますのに反しまして、少年は昨年度約一割の増加を来たしておる次第でありまして、さような現状にかんがみまして、来年度におきまして、東北、四国及び北海道の三カ所に少年院をそれぞれ新設いたすべく三十六年度におきまして予算を要求いたしておる次第でございます。極力予算獲得に努力いたしまして、かような過剰拘禁が一刻も早くなくなりまして、適正な浄化教育が行われるよう努力いたす所存であります。  なお刑務所におきましては、やはり同様な問題があるわけでございまして、刑務所一つ建てまするのに非常に多額の経費を要します。特に法務省所管におきまして、官署の関係におきましても、まだ庁舎のないような官署もございまして、さような予算の制約もございますので、また、刑務所につきましては移転問題も起こっておるような際でございます、さような点に便乗と申しますと、きわめて不穏当でございますが、その機会を利用いたしまして、順次過剰拘禁の緩和をはかっていきたい、まずわれわれといたしましては、来年度は少年院の増設に重点を注ぎまして、その実現を期したい、かように考えておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 次に、秋田でも盛岡でもそうですけれども、室内運動場というものがないのですね。特に九州や四国の暖かい方なら雪も降りませんけれども、東北地方は冬になると半年は運動できないわけです。それで室内運動場をぜひほしいというような声が切実でありました。室内運動場と室内物ほし場ですね、それを設置すべきではないか、こういうふうに考えておりますが、これに対してはどの程度にお考えになっておられますか。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) ただいま御指摘の屋内運動場並びに乾燥場の問題でございますが、これまた現地からわれわれの方は強く要望を受けておるのであります。少年院、刑務所を通じまして、それぞれ講堂がございますので、今後設置の際、あるいはまた改築の際には、それらが講堂兼雨天体操場になるよう改築、改造をしていく所存でありまして、すでに二、三の県におきましてその実現を見ているわけでございます。また、物ほし場の件でございますが、これまた順次乾燥場を設置していきたい。そうして今詳細の資料を持ち合わせませんが、順次その実現を期したいと考えておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 具体的な予算措置ですね、そういうことは今ここでは言えないわけですか。

近藤忠雄法務大臣官房経理部長

○説明員(近藤忠雄君) 場所的には今資料を持ち合わせておりませんので、正確に申し上げることができないのは残念でございますが、御指摘の所は全部一応手当をするように来年度の予算において要求をいたしていくつもりでございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 次に、盛岡の少年院、これは一般に通ずる問題ですが、医者の問題ですね、数百人を取り扱っているお医者さんが、非常に見ていても痛々しいくらい忙しい思いをしているのに、月額が二万三千円だというのですよ。これは一般に刑務所や少年院にはなかなかいいお医者さんが来たがらない。それは俸給が少ないからです。それで、刑務所の所長さんが言っていましたけれども、私たちは、お医者さんに対しては幾ら出してもいいから、いい医者に来てほしい、こういうふうな気持でいるわけです。夜中に患者が出る場合もあるわけですから、そういう点に対しても医者の待遇改善ということは、大勢の人命にも影響することであるし、大事なことじゃないかと思っているのですが、これは落としているのじゃないか。こういうことに対していかがですか。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) ただいま御指摘のございましたいわゆる矯正関係の医務技官の現況でございますが、医務技官の俸給の点につきましては、ひとり法務省のみならず、厚生省所管等につきましても同じ問題かと存ずるのでございますが、いわゆる医療職の給与が非常に民間その他の研究所等のお医者さんと格段の差があるのでございまして、この点につきましては、われわれとしましても常に人事院その他にお願いしているわけでございます。近く勧告もございましたようでございますので、順次改善はされるだろうと、かように存じておる次第でございます。また、われわれといたしましても、できるだけ早急に適正な給与の支払えますよう努力いたしておる次第でございます。なおまた矯正関係の医務技官が全国的に待遇の関係、あるいはまた少年院、刑務所というものが都会地から離れた辺陬の地にございますので、お医者さんといたしましても、他にいい職場がございますし、給与も低いというような意味で、現在相当数の欠員があるのでございます。われわれといたしましては、かねがねこの矯正関係の医務技官の獲得に格段の努力を払っている次第でございますが、ただいまの御指摘のような給与の関係あるいはまた地理的な条件等のために、いいお医者さんが得られない実情でございます。なおまたお医者さんといたしましても、特殊の施設の中で、それも昼夜を分かたず勤務願うというような点で、いわゆる魅力がないと申しますか、希望者がなかなか得にくい状況でございます。特にわれわれといたしましては、過去数年来いわゆる矯正医官の修学資金の貸与ということを考えておりまして、この点につきましても予算要求を毎年続けておる次第でございますが、いまだに実現を見ないような状況でございます。三十六年度におきましても、給与の改善並びに医官の貸費制、かような特殊の方途を講じまして医官の充実に努めていきたい、かように考えておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 次に職員の待遇ですが、本俸、寒冷地手当、薪炭手当というようなものが出て、非常にこれはよさそうだと思ったのですが、実際に聞いてみると、広島におったとき本俸、暫定手当をもらったときの方がはるかに給与が高いことの結果になっておる。それから薪炭手当なんかは九月、十月に行った者は一文もももらえない。八月三十一日で切られてしまう。寒冷地手当や薪炭手当というものは八月三十一日で切られてしまって、あとから来た者はもらえないというのは、私は非常に不合理じゃないかと思う。そういう点についてもっと考えてやるべきじゃないかと思うのですが、どういうものですか。

近藤忠雄法務大臣官房経理部長

○説明員(近藤忠雄君) まことに御指摘の通りで、技術的にそういうことをやらなくてはならないということから、実際問題といたしまして非常に不合理な面も出てくるわけでございます。一応法律の建前が八月三十一日現在に勤務している者に支給するということになっておりますために、やむを得ずそういうようなことに相なっておるわけでございます。御指摘になりましたように、実際問題といたしましては、具体的にときどき問題になるような場合があると考えられるわけでございますが、法律の建前が一応八月三十一日現在の職員に支給するという建前になっておりますために、そういうことをやっておる次第であります。御指摘の通りだと一応は考えております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 実際現地に行ってみると、勤めている人を見て、ああなるほどこれでは是正しなければかわいそうだと、こう思うわけですが、法律だから、法律の建前でそうせざるを得ない気持もわかりますが、それならそれを是正するように、何とかそういう張りり合いのないようなことのないように、そこのところを工夫して努力している形跡があればいいですけれども、そういうことは、これは今始まったわけじゃないでしょう。今始まったことでなければ、かつて今までにそういうことを是正するように努力しているのかどうか。法律だからしようがないでほうっておいたのでは、いつまでたってもケリがつかない。

近藤忠雄法務大臣官房経理部長

○説明員(近藤忠雄君) そういうような具体的に非常に不つり合いな場合を考えますというと、そういうものを是正する一つの方策といたしましては、今まででも、ある程度考慮はいたしておりましたが、一つの方法といたしましては、職員の転任の時期を考慮していただくというようなことが一つ、それから事務上転任の手続をやらなければならないというような場合ができましても、そういう場合には、後任者に前任者が事実上引き継いでいくというような方法さえとれば、ある程度解決する問題ではなかろうかというふうに考えております。研究いたしたいと考えております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 それは研究して、現地が張り合いを持ってやれるようにしてあげてもらいたいと思いますから、よろしくお願い申し上げます。  次に青森県の少年犯罪ですが、青森県には少年院がありませんですね。それで仙台とか米沢とか盛岡とか遠隔の地に送致されておる。これは家庭または保護司等の連絡の上からもまずいし、退院時における保護の適確を期する上からも、どうしても青森県内に少年院が必要ではないかという声が非常に盛んであった。私もそういうふうに思うけれども、法務省の方でそういう点が問題になっておるかどうか、お伺いいたします。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) 東北地方の少年院の数がきわめて少ない上に、南部の方に偏在しておることは、ただいま御指摘の通りでございます。特に少年院は特別少年院、中等少年院、初等少年院というふうに各罪質あるいは年令に応じてその少年を別個の施設に収容することになっております。ところが東北地方は、ただいま御意見のございましたように、非常に偏在しております上に数が少のうございますので、われわれとしましては少年の数、またその地域的状況、あるいはまたただいまの分類の上から、ぜひ青森に来年度は少年院を一カ所新設いたしたいと、かように存じておりましてその点を三十六年度予算に重点事項として要求しておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 ちょっと前へ戻るような形になりますが、雨天運動場とか、あるいは室内の物ほし場を設置するような場合、刑務所の調定目標額というのがあるのですね、作業収入の目標ですよ。何か設備をすると、それに対してすぐに調定目標額をふやせ、これだけ作業をやれ、こういうふうに言ってこられるので、なかなかおっかなびっくりで設備の申請も二の足を踏むような、そういう感情があるように私は見受けてきたのですが、そういうことはありますか。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) 刑務作業の充実振興ということは、常にわれわれの考えておるところでございますが、御指摘の、屋内運動場を新設するとか、あるいはまた洗濯場、乾燥場を作るというような際に、直ちに作業収入を増せというようなことは考えておりません。さような設備なり諸備品の設置と作業収入との関連は全然考えておりませんし、また、さような関連はないのであります。ただわれわれといたしましては、刑務作業がいわゆる手内職程度のものでありますれば、この者が将来社会に出ました場合に、職を得ることがきわめて困難である。従いまして、刑務所の作業そのものが社会に出て役に立つ技能を与え得る、刑務所作業において覚えました技術が直ちに社会に役に立つようにすべきであると考えますので、さような設備をいたします場合、必然的に作業収入が伸びてくるということは考えられるところでございます。ただいまのように、何か文化的と申しますか、あるいは必要最低限度の設備の実施をした場合に、直ちに収入を増せ、作業収入とさようなことをからみ合わせるというようなことは、全然いたしておりませんし、また、さようなことは考えておらない次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 そうですか。それならいいですけれども、設備をするとすぐ調定目標額がおっかぶさってくるというような共通のお話だと私思ったのですが、調定目標額をもっとふやせというような場合はどういう場合ですか。人間がふえたような場合とかあるわけでしょうね、何か条件が……。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) 先ほど申し上げましたように刑務作業の内容を、いわゆる近代化と申しますか、社会のいわゆる経済ベースに乗ったような作業形態に当てはめます、さような場合に、機械とかあるいは原材料が入りました場合には、それに見合った収入を指示することはございます。さような意味でいわゆる設備投資と申しますか、刑務所の中なのでそう大きなものではございませんが、いわゆる作業関係の設備等をふやします場合に、あるいはそれに対する就業人員をふやしました場合に、それに伴う作業収入の増額ということは指示いたしております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 大臣がお見えになっておりますから、一言お伺いいたしますが、少年犯罪が非常にふえつつある。特に性犯罪がふえつつあってその性犯罪も集団暴行が非常に多くなってきている。年令的にはハイ・ティーンからロー・ティーンにずっと犯罪がふえつつある。こういう情勢に対する対策として、法務大臣は、根本的にどのような精神で、どういう対策でやったら一番いいのかという根本方針がありましたら、お伺いいたしたいと思います。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 少年犯罪の増加ということにつきまして、ことにその犯罪がだんだん性的のものになり、また凶悪犯罪になってくるということにつきましては、非常に私たちも心配しておるところでございますが、この傾向は、実は日本だけであるかということも一つの研究課題でございまして、世界のいろいろの傾向を見ておりますると、社会保障の制度が非常に発達したスエーデンあたりでも非常に多い傾向がございまするし、あるいはまた社会制度の異なっておる共産主義とか、あるいは自由主義国家において何か相違があるのかと思って研究してみましても、そういう点で共産主義国家、ロシア等におきましても少年犯罪の増加については非常に苦慮をしておる。アメリカももちろん相当程度あるというような状態でございまして、必ずしも日本だけの傾向ではないのでございまして、そういう点からいたしまして、この少年犯罪の起きる原因については相当研究してみる必要もある、かように思いまして、現在総合研究所におきまして、この点につきまして真剣に検討いたしておる次第でございます。その対策をどうするかということにつきましては、まだここで確定した対策というものは持っておりませんが、その研究を待ちまして適当な対策を立てたい、かように思っておる次第でございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 法務大臣が大御所ですから、一つ確定した対策を立ててもらいたい。  それから今度東北へ参りまして、若勢制度、借子制度というものを、さっき大川委員がちょっと報告しましたけれども、これは年期奉公みたいなものです。そして親がその金を前借りみたいに取ってしまって、その子供たちには実際金はいかない。そこで小づかいに窮して窃盗をやる、犯罪を行なう。秋田、青森あたりには、この若勢制度、借子制度、そういう風習みたいなものがあるのですね。これは非常に窮屈にするし、また犯罪も行いたくなるような、習慣といえば習慣ですが、こういう制度に対して、制度とはっきりしたものがあるわけじゃないんですけれども、何かPRするような方法を考えるべきだと思うけれども、どうですか。  もう一つは性犯罪に関して、東北の方では、いわゆる夜ばいというような風習があるわけです。平気で性犯罪をやって、悪いことをしたと思っていない。こういうことに対しても、犯罪意識をはっきりさせるために、法務省としてもはっきりしたPRを行なうべきじゃないかと思うけれども、大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) まことに御意見ごもっともでございまして、それらの点につきましても、これを含めて研究所において十分な対策を講じてみたい、かように考えております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 裁判所の方にお伺いいたしますが、裁判における傍聴人というものは静粛でなければならぬと思うんです。国会においては、傍聴席ではしゃべることができない、ヤジることもできない。三権分立の建前からいっても、立法府では傍聴席はきちんとしているけれども、司法行政では、裁判所ではヤジってもいい、それに対して発言を制止させて、静粛にやらせるだけの力が足りない、ですから少々のことは放任しているようであります、やむを得ないと……。これも国会の傍聴同様に、きちんとすべきじゃないかと思うが、御意見いかがですか。

長井澄最高裁判所事務総局総務局総務第一課長

○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 御指摘のように、裁判所におきましても、国会と同様に静粛に、厳粛に審理が行なわれなければならないものと存じておりますが、その手当といたしましては、裁判所法に定められておりますところの、御承知のごとく、警察官が、法廷警備に従事せよという要求がございました場合、法廷警備に従事いたすことになっておりますほかに、法廷警備員という職員が裁判所に配せられておりまして、法廷の警備につきまして、裁判長の指揮を受けて、法廷の傍聴人の態度その他法廷における秩序の維持の任に当たっております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 警察官を呼んだり、法廷を警備させているということは、弾圧するというような世論の反響をおそれて、裁判官が遠慮しているような話もありましたので、そういうことのないように、やはり傍聴席だけはきちんとやらせるように推進していただきたいと思いますね。

長井澄最高裁判所事務総局総務局総務第一課長

○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 審理にあたりましては、法の命ずるところに従いまして、ちゅうちょなく定められたように審理を遂行いたすべきものと考えますけれども、もしそのような事態がありますれば、これはゆゆしい問題でございますので、さようなことのないように、事務当局としてでき得る限りの手当をいたしたいと思っております。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 青森の法廷を見たんですがね、証人台と、それから被告のすわる席とは非常に近いし、証人に立っているすぐうしろに被告が腰かけている。こういうような形式になっているんです。あれじゃ安心して証人に立てない、うしろの方からけ飛ばされるかもわからない、なぐられてもわからない。びくびくしながら、不安で証言できないんじゃないか、こういうふうに思ったんですが、前にもこれはたしか法務委員会で問題になったことがあるんですが、いまだにそういうことが平気で行なわれているのはおかしいんですが、こういう点に関しては、裁判所ではどういうふうに考えているのか。

栗本一夫最高裁判所長官代理者最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(栗本一夫君)  現在裁判所の庁舎で新しく作りますような場合には、大体合議法廷は四十坪、単独法廷は二十五坪というような単位で予算が認められております。かような通りになりますと、大体証人は、御承知の通り裁判長の前に、法廷の真中に据えられている実情でございますが、そういうような位置として考えますと、今の法廷の広さから申しますと、証人と被告人は合議法廷では五メートル、単独法廷では約二メートルぐらいの距離になると考えられるのでございますが、この点は二、三年前にも問題にいたしまして、最高裁の刑事局から証人の保護について格段の注意を払うように通達されておるわけでございます。ただ、通常はさようなことはめったに起きないのでございますが、まま証人が被告人に多少なことをするというような事例も絶無では今までございませんでしたので、さような通達に従いまして、現地の裁判所におきまして十分注意しておるはずだと思いますが、なお、証人の位置は必ずあの位置に置けというふうには法律上なっておりませんので、適宜案件のいかんによりまして、裁判長の訴訟指揮によりまして、証人と被告人の距離を離すように、あるいは被告人の前に机等を置き、急激な行動ができないようにするというような処置は、われわれ実務の経験からいたしましてもとってきておったのでございますが、たまたま青森がさようにお感じになりましたようでございますが、各裁判所におきまして、十分裁判長としては訴訟指揮上、証人の法廷における保護はしていただくように通達等では配慮しておるわけでございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 五メートル、二メートルというお話がありましたけれども、うしろというのは目がないのだから、うしろに被告人がおるような場合は非常に不安だと思うのです。十メートルあったって不安なんですよ。ですから、証人から見えるような横の位置とか何とか、そういうことを考えた方がいいんじゃないか。特に新庁舎が建ちつつあるというようなお話も聞きましたけれども、そういうような点も研究してもらえると思うのですがね、はっきりした方針はないのですか。

栗本一夫最高裁判所長官代理者最高裁判所事務総局経理局長

○最高裁判所長官代理者(栗本一夫君)  被告人の法廷におきまして占めます位置が、どういう位置、結局、今御指摘のように、証人のすぐうしろに被告人がすわります場合と、それから弁護人席のすく前に被告人を置きます形と、実際の慣行上はまちまちでございまして、東京あたりにおきましては、大体弁護人のすぐ前に被告人が位置を占めておりますが、こうなりますと、証人から十分被告人が見えますものでございますから、実際は、私たちの感じといたしましては、弁護人のすぐ前に被告人を置いた方が当事者意識もはっきりできまして、その方がいいと考えております。われわれは、実際裁判をやっておりますときに、さようなやり方でやっておったのでございますが、ただ、これは法規その他ではっきりきまっておりませんので、青森のような、証人のうしろに被告人が位置しておるというような実例もあるかと思いますが、この点は刑事局あたりともよく連格をいたしまして、さような心配がないように、何らかの手を打ちたいと考えておるわけでございます。

辻武寿無所属クラブ

○辻武寿君 そういう点はよく研究して、これから新庁舎が建つというのですから、万全を期していただきたいと思うのです。  私は、売春防止法にも、めいてい犯のことについても、少年犯罪についてもたくさん聞きたいことがありますが、きょうはこれだけにしておいてこの次の機会にお願いしたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 ちょっとこの機会に一問だけ伺わしていただきたいと思います。  法務大臣にお尋ねいたしますが、今刑務所の過剰拘禁の問題が辻さんから出されましたが、これはしばしばわれわれ視察に行って痛感するところで、各大臣に私は伺ったことがあるのですが、監獄法は明治四十一年に制定されてから、ほとんどその内容が躍進的な改革が遂げられていない。従って、監獄法の改正については研究しているのだということを言っておられますが、新大臣になられまして、監獄法の改正というものはどの程度進められていくものか、特に過剰拘禁の問題は、法に何も規定がないものですから、三人のところへ八人入れておくという野蛮きわまることがやられておりますから、こういうような点について御研究いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) ただいま御質疑の通り、刑務所では過剰収容しているという事実もございますが、終戦後の刑事犯罪人の急激な増加に伴いまして、刑務所がとてもこれに追いつくことができませんし、予算の関係から申しまして、刑務所はなかなかそう建つわけに参りませんので、御承知のように、最近になりまして、ようやく債務負担行為によって刑務所の新設、移転というようなことも認められるようになりましたので、その機会をとらえまして——決して刑事犯罪人がたくさんになることをわれわれ希望しているわけでもございませんけれども——刑務所もそれに順応するように大きくしていこうということも考えておりますし、監獄法の改正につきましては、目下慎重に検討を進めております。次の通常国会というわけにも参らぬかと思いますけれども、いずれ近いうちに改正したいと考えております。

大川光三自由民主党

○大川光三君 ただいまの高田委員の御質疑にも関連いたしますし、先ほど私の報告の中で詳しくこの数字を申し述べましたから、特に私の報告をあとでごらん下さいまして御善処いただきたいと思います。ただ一点だけ申し上げますならば、秋田刑務所においては、収容定員五百四十八人、それに対して現在員が八百九名、盛岡少年刑務所では、三百四十四名の定員に対して五百五十四名の現在員であります。そうして率から申しますと、いずれも一・五ないし一・六倍の過剰収容であるという実情でございましてこれは単に秋田、盛岡に限らず、全国的にこういうような趨勢にあるということを考えまするときに、非常に一つの人権じゅうりんと申しますか、非常にひどいという感を受けますので、特にこの点について、将来御検討をわずらわして御善処をいただきたいと存じます。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 御趣旨はよくわかりましたから、善処したいと思っております。先ほども申しました通り、今後刑務所の移転とか増築ということにつきましても、格段の注意を払っていきたいと、かように考えております。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 議員派遣の報告は、これをもって結了いたします。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 委員の変更について御報告申し上げます。  本日付をもって千葉信君が辞任され、藤原道子君が選任されました。  以上であります。   —————————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 次に、売春対策に関する件について調査を行ないたいと存じます。  参考人として菅原通済君が出席されております。また当局としては、総理府から佐藤総務副長官、宮田参事官、法務省から小島法務大臣、大澤矯正局長、神谷総務課長、長島青少年課長が出席されております。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 売春対策について法務大臣並びに関係当局の方からお伺いしたいと思いますが、参考人として御出席下さいまして菅原先生がお急ぎのようでございますから、先に一つお伺いしたいと思います。  この売春関係で重要な役割を持っていると私ども考えております売春対策審議会の件でありますが、先生はその会長でおいでになりますが、その会長に御就任になったときには、たしか牧野法務大臣のときであったと思います。牧野法務大臣から特別に御依頼をお受けになって御就任になったと思いますが、そのときの一つ事情を伺いたい。  それからその次に、昨年でありましか、政府の方で審議会を整理をしようというので、行政管理庁の方の委員会で審議が行なわれておりましたが、その際、売春対策審議会はもうすでに売春防止法が成立をして、その任務を終わったのだ、こういう意味でその廃止をする意向があったようでありまするが、その件について御存じでいらっしゃることを一つお伺いしたい。  それから最近の委員会については、またあとでお伺いいたしますが、まずその二つをお伺いしたい。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) ただいまの、牧野君から特別に依頼があったかどうかははっきり記憶しませんが、ちょうどここにおいでになる勝尾さんがおいでになって、委員にならぬかという程度のことです。事情も何も知りませんし、また大した事情もなかったようです。それから委員長になりましたのは、たしかあれは互選だろうと思いましたが、そこにおられる藤原さんなんかが、かげの方でごちょごちょ何かやっておったようですが、いつの間にか私がなっただけのことで、大した事情もなかったようです。なりました、私は、何でも引き受け組みですから安直に引き受けただけで、あれほどむずかしい問題とも思わなかった。しかし、なりました以上、一生懸命やったつもりです。その程度です、別に事情とか何とかというものは何もないようでした。  それから今の廃止でしたかな、廃止の問題は耳にいたしました。しかし、これはおそらく審議会というものはあまり多過ぎるので、何か整理しようということをされておった。ちょうどその仲間にこれが入ったのじゃないかくらいに簡単に考えておったことが一つと、それからもう一つは、これは勘ぐりですけれども、非常にこの売春委員会というものはきらわれているのです。特に自由党の諸君から一番きらわれているらしい、どうもああいうものはもう要らないのだという声も相当高かったようです。それからそれに対して、ぜひ必要なんだというような意見もあったやに聞いておりますが、私自身としては、ああいう大切なものだから、かりにやめるような意見が出てもやめられるものじゃないというふうに考えておった次第です。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 「売春対策審議会は、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ」ということになっている。もう一つは、「売春対策に関する重要事項を調査審議する。」。それからもう一つは、「審議会は、前項の諮問に関連する事項について、内閣総理大臣又は関係各大臣に意見を述べることができる。」と、二つあるようでありますが、ここ一年あるいは二年の間に内閣総理大臣または関係各大臣から委員会に対する諮問がございましたでしょうか。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) 大してまとまった諮問はありませんように記憶します。まあどちらかと申せば、こっちから進んで諮問されないことまで申し上げたようなことが多いんじゃないか、大体まあああいうふうな問題ですから、総理から御諮問その他は、大してございませんと記憶します。あるといえば、一番最後の何かのときに、麻薬のことで、院内で岸さんにお目にかかりましたが、そのときに性病のことを非常に心配されて、諮問じゃないでしょう、個人的にお聞きになったんでしょうが、性病が売春防止法を作ったために非常にふえたということを聞くんだが、非常に心配だというふうなことをおっしゃっていたことがありました。それに対して御説明しておきましたが、まあどっちかというと、そういうふうな間違ったことをお考えになっておる方がかなり多いんじゃないかということを心配いたしておりました。かえっていわゆる売春禁止その後のことについてのいろいろな御質問がもっとあってほしいくらいに考えております。まあ私の性質ですから、待ち切れませんから、こっちから勝手にいろいろ答弁のような形を作りまして申し上げているような次第です。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 さっき私も売春対策審議会の会長菅原先生と申し上げたんですけれども、ほんとうは今は会長もないし委員もないということになっているんじゃなかったんですか。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) これは詳しい法律のことは知りませんが、何かそこらにあるんだろうと思いますが、三月で任期は切れておる。三月以後は前任者がそのままやることのように、私は何か一般民間と同じことのように考えてそう考えておりましたが、実際においては委員が任命されてないということが事実のようです。ことにその当時のいきさつから申し上げますと、審議会の方々といろいろ御協議申し上げたんですが、御承知の議会のああいうふうな状態で、いつまでも議員の方の委員を任命することができない。自然民間の委員も一緒にした方がいいんじゃないかといって今日に及んでいるんじゃないか、あとの委員の次官その他は、これは官制による委員ではないかしらんと思いますが、民間の委員は、まあそのままの職をやっているつもりではやっておったんです。自然そういうような関係で、それ以上委員会というものはあまり開かれない。開かれないから一般からは、ああいうものが、もう非常に不熱心だとか、あるいはもうやめになるのかというような憶測が非常に多いんです。非常に遺憾に思っておりますが、現に市川女史が、この間、内閣においで下さったそうですが、ああいうふうな状態で、今度は八日、明後日、委員会というよりはむしろ懇談会とでもいいますか、前任者の方、それからわれわれが集まりましていろいろの問題を討議したい、こう考えております。まあ希望を一つ申し上げれば、こういうほかの問題と違いまして、売春禁止のようなのは一番いやな役なんです。これは委員になっておる諸君は実にお気の毒にたえない。たとえば雨が降ったとき、みな長ぐつはいて、かささして委員会においでになるという方が非常に多い、委員の中で。官庁の方々は車でお帰りになるだろうが、委員の諸君は電車にぶら下がってくるというような方が多い。非常にお気の毒なんです。その方々にやっていただいているんです。ですからもう少し、あまり官制その他にとらわれずに、まあ早くいえばおだてながらでもやっていただきたいというふうに考えております。現に私は会長といたしまして、そういう態度をとって諸君に臨んでおるつもりです。もう少し何といいますか、あたたかい会合にしたいと、こう考えております。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 内閣並びに関係官庁からも審議会に対する諮問がないと、それから委員の任命も、任期が切れておるのに、切れてから半年以上たっておるんですけれども、そのままに放置して置くというような状態は、結局どこに責任があるといいますか、これは会長としてはどういうふうにお考えになっておりますか。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) 今の諮問がないということを、誤解ないようにお願いしたいんですが、諮問なんか待ち切れぬから、こっちで具申をしたというふうに御解釈願いたいのです。どうも政府が非常に怠慢だから、あるいは何が怠慢だから諮問をしなかったというふうに御解釈にならぬでいただきたい、こう考えております。それから今の審議会のあり方なんかについては、これはどうも売春禁止法ということについて 一般国民も政党も政府も、かなり冷淡なんじゃないかという気がしてなりません。何かりっぱな批評家ですら、よそごとのようなことを言って、せっかくあれだけ全会一致でできた法律を、ややひやかし半分に見ておられる方が非常に多いんじゃないかということは、非常に遺憾にたえないのです。実際にあすこにおいでになっておる審議会の方は、かなり真剣にやっておられるんですが、それがなかなかよく世の中にPRされていないということも——少し逸脱いたしますが、審議会の予算がわずかに四十万円、わずかに四十万円で、あすこの何十人の者が、審議会をやれといっても、とうてい行なわれることじゃない。こういうことをたびたび申しましてもなかなか受けつけてくれない。これも少し御質問にそれますが、それを実施いたしております厚生省に、推進委員室というのがありまして、われわれも推進委員になっておりますが、そこの予算がわずかに二十万円、二十万円でお茶の代にもならぬようなもので、これだけの大問題を推進するなんということはとうていできない。それほど冷淡なんじゃないか。松原一彦先生のようなもう八十をこえた御老体が、暮れの三十日になっても、田辺さんや私たちと一緒に大蔵省へ出かけ、わずか二十万円のお金におじぎをしに行かなければならぬ。こういう情けない状態、これはどうもはなはだ失敬な言い分でしたかもしれませんが、議員諸君が少しこういう問題について不熱心過ぎるんじゃないか、こう考えております。ちょっと逸脱いたしまして申しわけありません。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 売春対策審議会といいますか、菅原会長が政府の諮問がなくても、自分たちの方で問題を取り上げてやっておるんだというふうなお話で、その御態度は、私ども大へんありがたいと思うのですが、その諮問がない場合にといいますか、売春対策審議会の会合を開く招集は、やっぱり会長にありますか。事務をやっておられるのは、内閣の審議会でありますが、名目上と実際上とあるでしょうけれども、それはどうなんですか。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) その辺、私はどうもああいうものを読むのはめんどうでありますから読まないんですが、何かありませんでしたかね、ありますか。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 そのことは、売春対策審議会令をここに持っておりますが、それには、はっきり書いてないんですが「会長は、会務を総理する。」とだけありますし、おしまいに「議事の手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかって定める。」とあるだけでして……。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) 招集は……。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 招集のことは出ていないんです。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) 慣例上は、今までいついつごろに開きたいから開こうじゃないかということを大よそ打ち合わせしまして、先ほど申し上げました厚生省の推進委員室で大体諮って、それからおいでの方、議題によって専門家の方などに前もって打ち合わせして、内閣の方の事務官と打ち合わせして大体開いております。そういう官制上のことは知りませんが、慣例上はそういうふうにいたしております。今まで開かれなかったので、大へん御不満な点もあり、私自身も不満に思っておりましたのは、今言う議員の諸君の任命がどうしてもできない、議会の承認が要るんでしょう。それができないから前任者が集まって、懇談会でもしておればいいんじゃないかというふうに、われわれは安易に考えておるんですが、なかなかそうばかりにもいかない点があるようで、今日まで開いておりませんでしたが、しかし、こうなると臨時何とかだとか解散だとかいうことで、来年になってしまいますが、至急に開いていただくように内閣の方にお願いしてあるわけです。八日に開くことにしてあるわけです。それは形は懇談会かもしれません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 市川先生の今の御質問に関連して伺いたいんですが、菅原さんからこの審議会のいろいろの発言権というものについて、大へんいかがわしいと思っている点があるんです。それは、せっかく審議会がありながら、売春関係予算というものは毎年だんだん減りまして、昨年度の減り方なんというものは、ひどく大へんなものです。厚生省の予算を見ましても、婦人相談所長の訓練講習会費とか、婦人相談員とか婦人保護施設とか、婦人相談所の設置費とか、婦人相談事業費、婦人相談所一時収容保護費、性病予防に必要な経費、健康診断の補助金、性病病院診療所の補助金、性病予防対策に必要な経費、こういうものが全部削られている。それから労働省の方でも今度は売春防止特別啓蒙活動費というのが削られている。法務省の方でも保護関係、人権関係、婦人補導院関係、これも法務省の方で削っている。それから最高裁判所の方にいくと、今度は刑事局関係の中では、売春関係裁判官会同、婦人補導員巡視旅費、印刷物刊行、それから家庭局関係では少年係の裁判官の会同、それから印刷物刊行というふうに、一連の売春対策費というものは、各省にわたって全面的に削られている。こういうようなやり方は、せっかく審議会があっても、審議会の意向というものが何もくまれていないように私思いますけれども、一体、審議会の発言権というものは、予算編成時にいかなる作用を今までしてきているものか。またいかなる作用をさせなければならないとお考えになっているのか、この点一つお願いいたします。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) ただいまの御質問全く同感でありまして、はなはだ遺憾にたえないのです。これを要するに、審議会会長の力の足りないところと、私お恥ずかしいのですが、同時に、こういう大問題を議員諸君も、今まであまりお取り上げにならなかったこともずいぶん残念にたえないのです。今私ここで承っていると、いろいろ御質問がこちらであったようですが、いろいろ重大問題もありますが、そんな問題よりもっと重大問題、もっとたくさん売春問題には問題が山積していると思います。たとえばこのごろ発足した麻薬の問題、いろいろこういうふうな関連問題がたくさんあります。しかし、いまだかつてこういう問題について、今日のようなお呼び出しを受けて、われわれの意見も具申する機会すらなかった。どうか一つ会長の不徳と力のないことをお責め下さるのはけっこうですが、議員諸君も反省願いたいと、こう考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 いやこれは会長を責める責めないの問題でない。もちろん国会でも軽視されているだろうと思うから、まあ菅原さんには一々御通知いたしませんけれども、私ども法務委員会では、かなり売春問題というものは一生懸命やってきているつもりなんです。しかしその審議会というものは、やはり予算編成等についても相当政府にいろいろお小言を言われた方がいいのじゃないかしらというような気もする。これは国会と審議会と、それぞれ機構は違いますけれども、あまりにも減らし方がひど過ぎる。だから一つこれは審議会の方でも十分予算関係等については、それぞれの立場で一つ発言権をうんと重くされて、がんばっていただきたいという意味で質問をしたわけです。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) 今の私の方も他意あって申し上げたのじゃないのですが、それは非常にやっているのです。審議会では、もう口を酢くして各省にも出ますし、それから政府当局にもそれを申し上げております。それでも足りず、私は自分が幾らかくだらない雑文を書いておりますから、あっちにもこっちにも当たり散らして書いているつもりでございます。しきりにやっておりますが、今申し上げている通り、まあなかなか早く——いわば人気がないのですね。ですからこれはどうぞもう少しお取り上げ願います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それで、重要な事項を審議なさるのですが、今御発言によると、わずか四十万円だと、こうおっしゃる。これだけの問題に四十万円なんというのは全くナンセンスに近いと思います。会長としてこの金額というのは、スタートしてから間もないことでありますから、ずいぶん問題が多いだろうと思います。そこで、四十万円という予算は、これは私ども実際おやりになってみて、どういうようなくらいの額まで引き上げなければ審議会としての仕事というものはでき得ないものか。これはこういう席でどうかと思いますけれども、概略御意見を承らしていただきたい。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) どうも私は特に数字に暗いですから、はっきりしたことは申し上げないし、またきりがないことと思います。しかし、できないことを言ってもしょうがないのですから、どうか皆さんでよく御勘考下さいまして、何とか少し上げていただかぬと、おそらくは何もやれないのではないか。今まで、きたない話ですが、委員の諸君はみな手弁当でやっておられるのです。しかし、それにも限度がありますし、ことに事後措置ということが一番大切ではないか。だんだん事後措置の一番大切な今頂点に達しておるときだろうと思いますから、どうか一つその点、御助力を願いたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もう一点お伺いしたいのですが、今いろいろな重要事項について御審議になっておることを承ったわけですが、緊急に審議会で売春問題に対する法改正の問題等についていろいろの御腹案がおありのように伺っておりますが、もしお差しつかえなければお漏らしいただきたいと思います。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) なかなか法律のことはむずかしい問題でしょうから、あそこでは第一、第二委員会を作りまして、それと麻薬対策特別委員会と、こう三つに分かれております。第一委員会の方においては、大体案がまとまっておりまして、これはおもに法律関係で、松原一彦先生の方でやっております。今のところ、われわれの至急に実施していただきたいものは、補導院が六カ月ということになっておる、これをぜひ二年にしていただきたい。それからヒモの問題です。いわゆるヒモに対する刑罰、いろいろこれもむずかしい問題があるようで、今刑事局長が向こうに行っておられることと思いますが、これを一つもっと厳罰主義をお願いしたい。まあ俗な言葉で言えば、亭主が家内に売春させる、親が娘に売春させる、こういうものは刑罰の対象におそらくなっておらぬのだろうと思いますが、こういうものこそ人類の中に入れておくことができないやつなんです。親が娘に売春させる、亭主がかかあに売春させる、それでもって左うちわで、薬を買うなんといって朝酒を飲んでいる、こういうものは厳罰に処していただきたい、こういうふうに考えております。それからもう一つは、麻薬の問題をお願いしたいのですが、麻薬の刑罰、これが軽きに失するのではないか。これについてはいろいろもうすでにお調べがあることと思いますが、要するに、これの改正であります。あまり軽きに失するのではないか。これも俗な言葉で言えば、相手が廃人になってしまう、死んでしまうのだという毒薬を相手に注射する、利益のために売るのだ、こわいから自分だけは注射しないのだというやつに対して刑罰が軽きに失する。見ようによっては殺人行為だというふうに私は考えております。もう一つは治療方法、麻薬の漸減方法、つまり麻薬の中毒患者を治療いたしますのに、漸次麻薬を減らしてやっていくことが今できない。いろいろその他の、電気をかけるとか、長く眠らすというような方法は用いておりますが、みんなあれは自費でやることなんでして、拘束力もないし何もないんですが、これに対していろいろな各国の法令もございましょうし、何かそういう治療法を改正していただきたい。これは法律を改正しないとできないのだそうでして、これをぜひお願いいたしたい。この三つだけはぜひお願いいたしたい。  その他、単純売春の問題も出ておりますが、これはまだ委員会でどの程度までこれを取り上げるかということはきまっておりません。八日の日にこれを討議したいと、こう考えております。  以上でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今お話を伺っただけでも、補導員の問題、それからヒモの問題、麻薬の問題、売春防止法の単純売春等を含めての法改正というような、多岐にわたる法律の御研究をなさったり、非常な御苦心で、会長の御苦心、私もよく御同感申し上げているのですが、そういうのであるのにかかわらず、ちょっと伺うところによると、厚生省の中に置いてある部屋がありますね、売春対策推進委員室というあの室を、このごろ取り上げてしまうというようなお話を聞きますけれども、それはどういうわけで取り上げるものなんでしょうか、どういう経過なんでしょうか、いかがなものでしょう。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) これは、今申し上げた二十万円しか予算がありませんので、たびたびあすこで会合を開くということも、かえってわれわれが遠慮しなくちゃならない。あれはたしか生活課と思いましたが、生活課のやっておる事務員が、いかにもやりくり算段しておるのを見ていられない。集まるたびにお茶ぐらいは出さなければならない。出しておる弁当は、百円の弁当を食っておるようですが、百円弁当を遠慮して、せめて月一回くらいはやろうじゃないかと言っているのですが、月一回ぐらい寄るのにあすこは必要ないじゃないかという議が出るのは当然なんです。それで、四、五日前だと記憶いたしますが、御婦人の方の委員が全部と、それから社会団体に関係のある御婦人たちが全部厚生省に集まって、中山女史に陳情したような次第です。非常に快くお聞き入れて下さっておるのですが、実現はどこまでいきますか、ぜひ努力したい。これも、審議会がある以上、実施面が、あすこがなくちゃとてもやれないのですから、努力したいと思っておりますが、一つ格段の御声援を願います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 最後にもう一つ御意見を承りたいのですが、厚生省とか、警察庁とか、法務省とか、労働省とか、最高裁とか、あっちこっちに仕事がまたがっておりますでしょう、売春対策というものが。そういう各省にまたがっておる仕事というのは、何か責任の所在がはっきりしないような形で、いわば結果としてはごまかしてしまうような傾向になってしまうのですね。そういうような場合の審議会というものの使命というものは、非常に私は大切なように思いますけれども、会長として、こういう各省にまたがる一つの仕事の総合的な対策を強化するという場合には、どういうふうにしたならば最も強化できるかということについてもし御意見をお持ちでしたら伺っておきたいのです。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) これは、初めて禁止法が施行されます当時、あれは鳩山内閣だと記憶しますが、非常に閣議でも苦心をされたらしく、どこに所管省をきめようかというのでやったが、だれも引き受け手がないのです。どこもここも引き受け手がない。ついに、あのときは、神田さんだと思いますが、どっちかというと、無理々々に押しつけられて引き受けた。引き受けたから、やむを得ず厚生省でも、当時安田さんという方が社会局長をしておられましたが、この方もあまりこの問題をあすこに持ってこられることをきらっておられたのですが、さて引き受けてみると、非常に大事だということを認識されて、安田さんも、歴代の大臣も、熱心になられたのです。そうして、安田さんが次官になられて、なおわれわれはよいと思いましたが、すぐおやめになってしまったので、はなはだ困るのです。どこもいやがる問題だろうと思います。初めわれわれが希望したのは、内閣でやっていただく以外に道はないのだということ、これは審議会で何回討議したかしれないのです。ついにそのときは、内閣の方も毛ぎらいして引き受けてくれなかったというような実情です。やはりわれわれが今希望しているのは、内閣でなければならぬ、あすこで取り上げていただくのが一番よいかと思います。各省にまたがるので、一省では非常にお困りではないかというのです。それでなければ法務省、むしろそうなるのかもしれない、あの当時は保護更生の面が非常に多かったので厚生省となりました。保護更生の方も大切ではありますが、今度はいろいろ取り締まりとか法の改正でだんだん変わってきたような気もいたすばかりでなく、麻薬の問題も付随して参りましたので、それは見ようによっては売春禁止法よりももっと重大問題だと思います。性病の問題と麻薬の問題は、こちらあたりでも麻薬の問題を一ぺん取りあげていただきたいと考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は大臣にちょっと今まで聞いていて下すっただろうと思うのでお伺いしたい。  売春防止法を制定するときに、今の案にはわれわれは反対であったのです、ところが審議会を作って、そこの案で、そこにたえず諮問しながら漸次欠陥を補っていく、こういうことで審議会は生まれたわけなんです、私、最初からタッチしておりますが、そういうことで、私たちもなきにまさるというので、今の案を賛成したわけなんです。ところが、そのときにすでに一部からは、どうせ三年ぐらいでまたもとへ戻るのだから、売春は今婦人たちがうるさいから一応これをやるのだというようなことで業者を説得したというようなうわさが当時流れたわけです。業者が女をいなかへ帰すときにも、なに半年か一年たてばまた呼んでやるのだからというようなことで帰したというような具体的な例もわれわれは握っておるわけなんです。そういうことのないようにと思って、私たちは、ばかでございますから審議委員にもなり、一生懸命きょうまで苦労してきたのですが、現在は御承知の通りどうもそういう方向へきておるのです。売春問題はこれは大衆をペテンにかけたような形になるので、非常に残念でたまらないわけでございます。でありますから、予算の獲得については会長も松原さんもずいぶん苦労し、われわれも大蔵省へ再三足を運びますけれども、木で鼻をくくったような状態で、審議会がたった四十万円、そういうふうな待遇に置かれていることについて、大臣は一体どうお考えでございましょうか、売春問題について。売春と麻薬というものは切り離すことはできない、このことを一つ伺いたいことと、さらに委員の任期が切れているのです三年で。ところが言を左右にして、議会がああいう状態だから運営ができなかったなんというのは逃げ口上でございます。三月にはまだ議会はそんなに紛糾しちゃおりませんでした。市川さんなんかは審議委員に選任されて一回出ただけですね。それきりで任期は切れた、それで私たち再々催促しております。ところが催促しても言を左右にしてきょうまで任命がないのです。それから国会が延長になる直前だか、臨時国会が終わる直前だったか、どこへ行ったらいいんだろう、このまま委員が任命されなければ困るというので、私は会長からも御相談がございまして、私はあっちこっち山下春江さんと御相談をして、それで内閣の審議室へ電話しました。そうしたら佐藤さんでしたか、総務副長官がお出になって、委員のことをおっしゃったから、しかし今までの例とすれば、任期が切れてもあとが決定するまでは前任者によって運営されてしかるべきじゃないかと思う、常識から判断してと、こういうふうに申し上げたら、いろいろやりとりのあった末に、近くさような運びにいたしますということのお答えだったのです。私は会長のところに電話してきょうのお答えでは、近く審議会が開かれそうでございますからという電話で御連絡申し上げた、ところが待てど暮らせどいまだにお開きにならない。つい最近市川さんからだいぶ強い御要望をおっしゃいまして、それでやっと八日に懇談会を開くというようなことなんです。一体こういうやり方は、やる気があるのかないのか、売春防止法をやめるならやめる、やるならもう少し本気にならなければ、私ごまかしていられるような気がして残念でたまらないのですが、大臣はどういうふうにお考えですか。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 私も売春防止法ができたとき法務委員の一人で、心から賛成したものでございまして、御承知の通り夕方おそくなって委員会を通過させたような状態でございまして、私はこの売春防止法の効果が現われることを期待するものでございます。ただ、いろいろとこれにつきましては御承知の通り法律の改正の御希望もたくさんございます。それらにつきまして一々私の方でもできるだけ効力があるようにしたいということで目下検討いたしております。たとえば先ほど会長が言われましたようなヒモの問題につきましても、具体的にこれをどういうふうにしたら押えることができるか、検挙することができるかということを真剣に考えております。それからまた補導処分につきましても、これをどうしたらいいか、六カ月間では短か過ぎるというお説がございます。しかし、それについてもまたいろいろな疑点がございますから、いっそこの際これを保安処分に切りかえていったらどうかというように考えておる次第でございまして、これは刑法の改正の一環をなすものでございますので、簡単にはいかないと思いますけれども、その点も十分考えております。ことに最近におきます売春と麻薬の関係というものは、見のがすことのできない重大な段階にきておりますので、これにつきましても私たちはこれを一環のものとして適当な処置をとりたいということで、いろいろ今検討いたしております。たとえば売春防止法の五条に違反する者に対する身上調査であるとか、あるいはまた売春婦の知能であるとかその素質であるとか、環境等の研究調査また売春と暴力、麻薬との関係というようなことにつきまして、総合的にこれを研究して、そうして徹底した対策をとりたい、こういうことで、来年度の予算につきましても研究室の充実のために予算を要求しておるような次第でございます。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 ちょっと関連して。  さっきお話のようにいろいろな官庁が売春問題と関連を持っておるけれども、しかし売春防止法の立案並びに国会提案は法務省がやったわけですね。ですからほかの省と比べて、私はやはり法務省が相当責任があるのであって、その実際の現在の売春の状態がどうか、それをどういうふうにしたらいいかということについての研究を、今、大臣御研究のようなお話もありましたけれども、中心になってこの問題を解決するという立場に法務省が立っていただくべきだということを私考えるのですが、それに対する御意見、それからこの委員会で前の国会のときでありましたが、高田さんも私も売春問題についていろいろ質問したのですが、そのときに竹内刑事局長から、さっき菅原会長のおっしゃいましたヒモの処罰の問題で、現在の売春防止法ではヒモの処罰ができない、それからまたヒモが非常に多いという調査が、警察あるいはその施設の方の調査で出てきております。そのヒモの処罰をするように売春防止法を改正したい、法務省の事務当局としては、その改正案を次の通常国会に出したいと思っている、こうはっきり言明されました。きょうは外国に行っておいでになっていなようですけれども、事務当局はこうおっしゃったのですが、ここに私もちょっとひっかかっておるのですが、そこで、事務当局のそういう御意思を、それこそ法務省の大臣の方で取り上げて、ぜひ次の国会に売春防止法の改正を出していただきたい。もしそうでないと、これは大臣の方が政治的な反対があったんだというようなことにもなってしまいますけれども、その点いかがでございましょうか。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 前段の御質問の法務省が中心になってやったらどうかという御意見ごもっともでございますが、保護観察についてはもちろん法務省としては現在でも責任をとっております、けれども運営につきましては全般的に他の省にも関連しておりますので、それを全部引きあげて法務省が全部責任を負ってしまうということは、あれでございますけれども……

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 いやそうじゃない。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 言い過ぎだと思いますけれども、責任は決して回避するつもりではございません。この問題について実効のあるように法務省としては責任を持ってやっていきたいと、かように考えております。  それからヒモの問題でございますが、これは事務当局がということを竹内局長が言ったそうでございますが、私個人といたしましては、個人と申しますか、法務大臣としてでもよろしゅうございますが、私は従来とも管理売春とか、ヒモというものに対しては徹底的に十分処置しなければならない、処罰すべきだと、むしろ売春する女自身よりもこの方を処罰する方に重点を置くべきだということを、私は常々考えておりますから、事務当局の方で十分なる準備ができましたら、私は通常国会にもちろん出すつもりでございます。ただ問題は、ヒモという言葉では非常に簡単でございますけれども、これを立法措置する場合にどういうふうに書いたら一網打尽にこれを取っつかまえることができるかということで、なかなかむずかしい点がありまして、その点で立法の構成要件のことについて相当困難性があるということと、御承知のように立証という点がなかなかむずかしいのでありまして、そういう点に難点があるので、相当事務当局としては困難しておるようでございますけれども、できるだけその困難を解決いたしまして、できるだけ早い機会に適当な立法措置をいたしたいと、かように考えております。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 事務当局がおいでになりましたら、そのヒモの方の調査はどの辺まで進んでおりますか、その点をちょっと知らせていただきたいと思います。

長島敦法務省刑事局青少年課長

○説明員(長島敦君) 私どもの方といたしましてただいまやっておりますことは、このヒモの実態の調査ということを行なっております。御承知のように警察庁——警視庁でありますか、ヒモの実態調査を一カ月間にわたってされた実績が出ております。厚生省関係でお調べになったものもございます。補導院の収容者についてのヒモの実態調査もございますが、いずれもまだ部分的なものでございまして、完全な調査ができておらないわけでございます。特に私どもが知りたい部分は、俗にヒモと申しておりますけれども、どういう形のヒモがあるか、中には非常に積極的に売春を助長しておりますあるいはぽん引きのようなことをやっておりますヒモもございますが、中にはうすうす事情を知っているようなヒモ、中には全然気がつかなくて同居しているような各種のヒモというものがあるようでございます。八月一日から全国検察庁から詳細な調査票を集めております。ことにその調査票の中では、ヒモとの関係それから麻薬との関係、暴力団とのつながり、そういうような点に重点を置きまして今カードを集積しておるわけでございます。これが実態調査という面でございます。  立法の技術面について申し上げますと、御承知のように売春白書にも出ておりますが、各国の立法例を研究いたしております。その各国の立法例を見て参りますと、いろいろな形の実はヒモの処罰の方式があるわけでございまして、その単なる形だけではなくて、さような方式の立法をいたしますと、どのように効果があがるか、あるいはあまり効果はあがらないかという運用の実際を、できるだけ各国の例につきまして調べておるわけでありまして先ほどお話がございましたように、ただいま刑事局長がヨーロッパに行っておりまして、ちょうど廃娼会議に出席するわけでございます。その結果を私どもは非常に期待しております。その議題の中にヒモとかこういった管理売春の処罰をいかに適正に、刑罰といいますか、法的にいかに規制するかということも一つの重要議題になっております。そういう会議の結果によりまして、各国における運用の実際あるいはその法的な難点というものも一そう明らかになるというように考えております。そういったのを参酌いたしたいと考えております。  もう一つ、ただいままで各方面で売春防止法の改正意見が出されております。私どももそれを十分に拝見いたして、検討いたしておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、ほんとうに適正な、しかも効果の上がる法律ということを考えました場合に、いろいろな御意見がございますが、どれが一番適当か、またそれをどのように直したらいいかということで、実は非常に苦慮しておるわけでございます。まあ局長が帰って来られまして各種の資料も集まることと思いますから、その機会にさらに作業を進めたいと、かように考えておる次第でございます。

市川房枝無所属クラブ

○市川房枝君 ぜひ早く進めていただいて、その案をちゃんと次の国会に間に合うように一つ出していただきたいと思います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私、さっき大臣の答弁、大臣から答弁が得られなければ関係の方から御答弁いただかなければならないのは、審議会の委員の問題です。それはどういうふうになるのですか。委員の任期が切れたらもうやれないのですか。私は、前任者でやはり後任がきまるまではできるという解釈をしていたのです。それができなくても、私がお聞き合わせしたときはさようなことに計らいますということで、それで二カ月も三カ月もうっちゃられたわけですが、そういう場合は審議会そのものをどういうふうにお考えになっておるか。あまりに軽視しておると考えるのですが……。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 審議会の委員の任命は、実は私の方の関係じゃないのだと思います。内閣の方だと思います。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) ただいまの御質問でございますが、委員会は、三月に民間委員並びに国会議員の任期が切れましたことはおっしゃる通りでございまして、その後その委員の人選につきましていろいろと会長とも御相談して、早くまた人選いたしまして、この審議会を活撥に運営されることを望んでおりましたが、いろいろな事情で今日までおくれまして、はなはだ遺憾でございます。ただいま御質問のございました、委員が、その委員でなくなったときに、前の委員であった方が同じように職務をとれるかという問題につきましては、今の規則では、委員としての権限を持っておやりになることはできないわけになっております。なるべく早く委員を人選いたしましてやっていただくようになると思います。それで、先ほど会長からお話しになりました通り、法律上はそうでございますけれども、事実上、前に委員であった皆様方にお集まりいただきまして、いろいろ売春問題につきまして御協議願いたいと存じておる次第でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私、もし前任者でできないという法の建前ならば、五カ月うっちゃっておいたのですね、今月九月になるのですが、まる五カ月、それもやいやいこちらが騒いでやっと懇談会をお開きになるんだから、内閣審議会ではこの売春審議会は必要でないというお考えがあるんじゃないんですか。いろいろな事情でやれない、議会がありながら任命ができなかった、そのところを聞かして下さい。納得いかないんですよ、例がないことですから。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) ただいまいろいろな事情と申し上げましたが、実は衆議院側の委員の方が六人いらっしゃいまして、参議院側が三人いらっしゃるわけでございますが、従来の委員のメンバー、自民党四人、社会党二人でございます。民主社会党ができまして、民主社会党からも一人出していただきたいというお話がございました。そういたしますと、全部の委員が限られておりますから、民間委員の方を減らさなければならないと思います。その問題でいろいろ私どもの方でも考えまして、会長とも御相談いたしまして、それの大体の目安がつきそうになりましたときに、国会の混乱状態にちょうどなりまして、それからあと臨時国会がちょっと四日ばかりございましたけれども、その間にもまだ人選ができなかったような事情でございます。御了承願います。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 了承と言ったって、済んだものは仕方がございませんけれども、ほかの委員はあのときもう任命があったんですよ。売春の方はやいやい言っているにもかかわらず、売春だけが取り残されたんです。それで、一人くらいの問題がそんなに半年も調整がつかないなんということは、私納得できませんので、今後はそういうことのございませんように、この売春問題はあらゆる方面に影響しておりますので、今後は一つ迅速にお運びを願いたい。お願いいたします。  それから先ほどの調査報告の中にも、売春防止法による検挙は、ほとんど第五条によるものはなかったというようなことですが、私は、なかったのではなくて、やらないという傾向が強い。中央がこういう売春に対して冷淡なような態度でございますから、地方の警察官はばかばかしいといって、あまりやらないのです。このごろ大臣も少し今度はお取り締まりのお立場ですから、あなたの権限で各地の実態調査をさしてほしい。ある所によると、もとにそっくり戻っております。表に女こそ立っておりませんけれども、ちゃんと客引きがおりまして、やり手ばあさんがおりまして、ちゃんと中には女を置いて前と同じような営業状態である。それからもぐりのいろんな格好で客席にはべっている。いろんなことがある。やればすぐ取り締まりはできるけれども、まさかなれ合っているとは、私は毒舌は言いたくありませんけれども、あれでやらないのは、やれないのじゃなくて、やらないのだ。それは審議会を軽視したり、中央の方であまり熱意がないというようなことが、すぐ下部に反映するということを私は申し上げまして、重大な問題でございますから真剣にお取り組みを願いたい。  それから今度の予算編成のもう時期だと思いますが、こういう場合にも大臣には相当の御決意を持って、一つ仕事ができるように、実効が上がるように御処置を願いたいと思います。防止法のときには小島さんも御一緒に苦労されたことは私もよく覚えておりますので、大臣、あのときの気持になって、大臣になったらさらに推進していただけますか、その点を一つお伺いしておきたいと思います。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 私は、昨年でしたか一昨年でしたか、九州方面を視察いたしましたときには、相当程度この売春防止法に基づく検挙があったようでございます。今度の皆さんの秋田県の方の御調査のときには、あるいは実際においてなかったのかもしれません。しかし、おそらくそういうことを手心をしたりして、中央の空気が影響してわざわざ検挙しないようなことではないだろうと思います。しかし、いずれにいたしましても私といたしましては、管理売春であるとかあるいはその背後にあるところの大きな組織、暴力団と結びついた組織、麻薬団と結びついた組織、こういうようなものに対して徹底したメスを入れなければ、私はこの問題は解決しないと考えておりますので、これに対しては相当決意を持って臨んでいきたいと思います。そのときに実は先ほど申し上げました資料調査のための予算を請求しているという状態でございまして、私は御期待に添うようにいたしたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 政府側にお尋ねいたしますが、まず佐藤総理府副長官にちょっとお伺いしますが、審議会のいろいろの決定事項というものがございますが、その決定事項というものは、どういうふうに行政面に反映するように手続がとられているのか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 総理府にあります審議会、委員会等で、たとえば意見提出があり、また答申がございますれば、次官会議、閣議等に報告いたしまして、それから総理府から各省に対しましてそれを通知するというような手続をとっております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 その手続をとった結果、何にもならないというような場合だってあるわけですね。先ほどからお話があったように、三十五年度の売春対策費というのは総額で七千五十一万削られている。せっかく先ほどから会長からのお話によると、予算方面についても足をすり減らして各省を歩かれているが、その結果、現状と反対に七千五十一万も削られている。こういうような場合に、飯田内閣官房審議室長というのは責任を感じませんか。室長に御答弁願います。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 私から御答弁いたします。ただいま申し上げましたのは、意見提出あるいは諮問の答申という場合でございまして、ただいまお話のありましたようないろいろな審議会におきまして、予算問題につきましていろいろお話がございまして、そういう場合には、今のような手続をとっておらないものもございます。私ども審議会に関係しております者としまして、予算等につきましていろいろ議論が出ましたならば、その審議会に大蔵省当局も出席しておりますこともありますし、また出席することが望ましいので、なるべく出席さしておりますが、そういうことによりましても大蔵省当局に審議会の意見をよく徹底するように努めておるつもりでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 売春対策の審議会の審議事項については、最大漏らさず今あなたがおっしゃったような手続がとられておるわけですか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 答申、勧告等につきましては、その手続を全部とっております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 手続をとったあとどうなったかということを監視する責任はあなた方にはないのですか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 監視すると申しますか、そういう責任は、まあ法文上はございませんが、また審議会の席上におきましてその予算がどういうふうになっていくかということをいろいろ各省から経過等を聞きまして、意見書を出しておるような状況でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 答申があった場合、その答申を行政官庁に伝えた場合に、その答申に対する何らかの回答等については、答申があった機関に対して回答を今日までしたということはございますか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 今お話のようなことは、正式に文書をもって回答してくることはないように記憶しております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 やはりそこらも仕事のやりっぱなし、それから引き継ぎっぱなしというやり方で、これには若干私も意見があります。もう少し、答申というのは今言うように、たとえ四十万円でも手弁当で長靴はいてがんばってこられた人の貴重な答申というものが何にもならないというのではなくて少なくともその答申について行政官庁はこういう見解を持っているというくらいの、そういうことくらの回答の、何と申しましょうか、お手伝いぐらいはしてしかるべきものじゃないかというふうに考えますが、あなたはそういうふうにはお考えになりませんか。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 売春対策審議会の予算につきましての今のお話でございますが、お話の通り売春対策審議会の予算は約四十万円でございますが、われわれといたしましても、この四十万円で決して十分であるとは思っておりませんし、この四十万円よりもっと多額の金が必要であることは申すまでもないことでございますが、幸いにして私ども総理府の審議会審議室にいろいろな審議会がございますので、売春対策審議会におきまして、どうしても金が足りないときには、ほかの費用を流用してでも金を使う道も開けておりますので、そういう点も今後気をつけたいと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 他の費目を流用して使うということについては、私若干疑義があります。便宜的にそういうことをやり得ることがあるかもしれませんけれども、こういう席上で初めからそういうことをおっしゃるということについては、私は疑問があります。さらにこの四十万円というこの審議会の使い道というものは、具体的にどういうふうにして四十万円という積算の基礎を立てられたものか、一応ここで承っておきたいと思います。

宮田千秋内閣総理大臣官房参事官

○説明員(宮田千秋君) 私は参事官としてこの問題に関係いたしておりますので、私から便宜申し上げます。審議会の予算は四十万五千円でございますが、これは普通の同種の審議会の組み方と大体同じような組み方でできております。ちょっとこまかくなりますが申し上げますと、委員の手当として、御出席いただいた方に手当をお払いするというのが一つと、それから委員に御出席をいただくときの御出席の旅費、調査費、参考人召喚費等の関係が一つと、それから三番目には一般の庁費と申しますか、印刷をいたしましたりお茶を出したりするというようなそういうような庁費、三種目からなっておりますが、普通の審議会が大体さようになっておりますが、そういうようなことと同じ組み方になっております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 まことにお役所の答弁を伺っているような模範的な答弁だと思いますが、売春防止法は、もうこれはスタートしたものなんですよ。全くスタートしたてのもので、今後の実施についてはいろいろな面からわれわれは付帯決議を出して、その実施面については政府側としては責任を持ってもらいたいということで、条文をあげて決議をしたわけです。そういうようなことに対して、四十万円の使い道を、手当、旅費、参考人召喚、印刷費というふうにお答えになっておりますが、どうもそれは、御答弁は御答弁として承りますけれども、やはりこれをやるかやらないかという点について、また審議会の性格、そういうものについて、もう少し慎重な考慮と親切な配慮というものが必要なのではないか、私はそう思います。一体手当というものはどのくらい審議委員に差し上げておるのですか。

宮田千秋内閣総理大臣官房参事官

○説明員(宮田千秋君) これは政府の予算の積算上、統一的に単価が定められておりまして、委員の場合に、一回御出席いただきましたときの手当は、非常に僅少でございますが、八百円、委員長の場合が千二百円だったかと思いますが、これは大蔵省において各種審議会、調査会、協議会等の委員につきまして統一的にきめておりますいわゆる予算単価というものでありますが、それを踏襲いたしております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 売春審議会の場合は、重要事項を審議するということで参考人の召喚ということは、これはぜひ必要なことだと思う。それを一律に、ただそろばんではじいて四十万円というようなことを出したのでは、重要事項の審議というものはできない、不可能に近い。こういう点も一つ十分に今度予算の編成期ですから、しんしゃくをせられて、四十万円というような、人に聞かれても恥しいような予算をお組みにならないように、印刷なんか何を出しているかわかりませんが、私は、印刷費がないから国会議員にもいただけないのかもしれませんが、お目にかかったこともない。せっかくの審議会のいろいろの重要な案件等について、国会議員にすら渡らないような印刷費で一体どうするか。あまりに実情を無視したことじゃないか。せっかくきょうは佐藤副長官もお見えになっておりますから、これは私は決して皆さんをいじめるというわけじゃなくて、どうかこういうふうにあってもらいたいという熱願からの言葉でありますから、予算編成期でありますから、十分にこの点を御考慮いただいて、足りなくなったらよそから回すというような消極的な態度でないように、この点をお願いしたいと思っておりますが、一つ副長官にこの点御答弁を伺っておきたい。

佐藤朝生総理府総務副長官

○説明員(佐藤朝生君) 先ほど流用するということを申し上げましたが、これは予算がきまりましたあとに、どうしてもお金が足りないときのことを申し上げましたので、前もって流用を予期しているわけではございません。  ただいま審議会の予算につきましていろいろ御意見がございましたが、審議会の予算につきましては、もう一度検討いたしまして善処いたします。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大臣にさらにあと一点ばかり伺っておきたいのですが、売春対策については積極的にやるつもりであると藤原委員の質問に対して答弁をせられました。私はこれは非常に了としたいと思います。けれども、一番問題になっている売春婦の勧誘等で懲役刑が言い渡された者の中から補導処分を受ける者はわずかに三四%にしかすぎない。あとの六六%は野放しである。その原因は何かということが、法務総合研究所から犯罪白書が出されましたが、この中に出ておりますが、その原因は婦人補導院が少ないのではないかという問題点があげられている。これは法務省で研究した結論です。しかるにもかかわらず、三十四年と三十五年度の予算を見ると、婦人補導院関係費は法務省の関係費では二百七十万円削っている。つまり婦人補導院関係費が削られている、三十四年と三十五年と比べてみると。この点でいくと、三十六年ではまた削られるおそれもなきにしもあらずです。従って婦人補導院の必要性というものは、すでにこの法律を実施してからの調査にも現われ、また民間団体から強い政府に対する要望がしばしばあったはずです。また、本日審議会長の菅原さんからも、婦人補導院の増設の問題についてもその言葉があった。こういう状態であるにもかかわらず、何がゆえに予算を削ってくるのか。たぶん御答弁は、計画がないというにきまっている。婦人補導院の増設は計画がないというにきまっているように思う。これは本委員会でも、婦人補導院は当分増設しないということを伺った。それでは世論にこたえるという大臣の御答弁とは、はなはだ食い違う結果になってしまう。従って大臣は、この婦人補導院が少ないという世論にこたえて、今年度の予算でどういう構想を一体お持ちになっているのか。もし計画があるならば事務当局から計画を聞き、また婦人補導院の拡充計画について、法務大臣がどういう見解をお持ちになっていらっしゃるか、きわめてこれは売春防止法の根本的な問題でございますから、伺わさせていただきます。

大澤一郎法務省矯正局長

○説明員(大澤一郎君) まず予算の点でございますが、初年度から三十四年度三十五年度と、順次減って参っているわけでございますが、予算の減りましたのは、初度設備費、最初の婦人補導院の建設費が当初予算に入っておりましたが、それが落ちましたために減少という結果になったわけであります。三十三、四、五年度は同額入っているわけでございます。なお三十六年度におきましては、収容人員の増を見込みまして、現在二百名の予定を二百四十名として要求いたしました。それに伴います予算の増額を要求いたしているわけでございます。  なお犯罪白書の中に、設備がないために収容者が少ないという意見が書かれているわけでございます。婦人補導院の建築が、御承知のように各地でその敷地の選定にあたりまして地元のいろいろの御意見もございまして、その敷地の選定がおくれまして、三十三年度建設が三十四年中にできるのがおくれまして、本年の春まで延びましたような関係もありまして、一時婦人刑務所の一部を補導院に充てておりましたような関係で、収容者が少なかったというような点が指摘されたのではないかと思いますが、三十四年度の末までに東京、福岡、大阪、いずれも完備いたしまして、現在収容定員が二百八十名に相なったわけでございます。現在、本年の六月末現在で百八十四名、まだ百名の余裕がありまして、来年度におきましては一日二百四十名の予定に予算を積算いたしているわけでございます。従いまして来年度、今までの趨勢から見まして、大体昭和三十六年度は現在の三婦人補導院で一応収容し得るという考え方で事務を進めているわけでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もう時間がないので、私は今の御答弁についてもちょっと疑問がありますので、もう五分ばかり……。それでは大臣に御答弁願う前に、予算が取れていると言いますけれども、三十四年度の婦人補導院予算が四千二百六十五万四千円でしょう。それから三十五年度は三千九百九十八万六千円、だから差し引き二百七十万円の減なんです。減っているのです、数字は。四千二百六十五万円というこの予算だって少ないのです。ジェット機一台の燃料費です、四千万円というのは。ジェット機一台の燃料費が四千何百万円ですから、ジェット機一台の燃料費がわが国の婦人補導院の法務省関係の予算なんです。それをまた削っている。そうしてこれで十分だとあなたはおっしゃる。しかし、おっしゃるが、あなたの法務省が出された総合研究所の犯罪白書によれば、売春婦の勧誘などによって実刑を言い渡された、その言い渡された者を全部補導処分することができない。補導処分を受ける者は全体の三四%と、ここにちゃんと書いてある。それは婦人補導院が少ないからだと、こう書いてある。そうだとしたならば、これで十分だというようなおっしゃり方については、どうも白書とはちょっと食い違うように私は思う。これはまた後刻委員会でもって議論いたしますけれども、あなたが十分だと言う論拠について 一つ、せっかくの犯罪白書があるわけですから、これも一つもう少し詳しくお互いに研究して議論してみようじゃありませんか。きょうは時間がないから、お答えも要りません。  それから法務大臣に一つ今のことを伺いたい。もう一つ法務大臣についでに伺いますが管理売春は実刑を受ける者が、管理売春をした者の中の二五%にしかすぎない。あとの七五%は皆どこかへ行ってしまう。それから周旋、場所提供、これもせっかくつかまえても、実刑を言い渡される者は二五%で、あとの七五%はどこかヘ行ってしまうというような犯罪白書の統計が出ている。これは法務省で出したのですから間違いないと思います。何でこんなにするする抜けていくのか。これを考慮中だと言われますけれども、すでにこのようなりっぱな調査ができているのですから、考慮中などと言わず、もっとしっかりがんばってもらいたいと、私は法務大臣に申し上げたい。法務大臣、これは非常にりっぱな資料ですよ。一つこれをおひまなときに、よく大臣もごらんになって御研究になってみて下さい。非常にりっぱなものです。

菅原通済

○参考人(菅原通済君) もうおしまいでしょうが、ちょっと一分ばかりしゃべらしていただきたい。  先ほど、ここに参りまして、私の方のあれじゃございませんでしたが、少年犯罪のわいせつ犯罪が非常にふえたとかいうようなお話、いろいろございまして、痛切に感ずるのですが、大臣のお話のごとく、日本ばかりじゃない。ところがそれに関連して、少し私は法務委員会の方にお願いしておきたいのですが、売春禁止法のことに関して、昼間はそうでもないのでしょうが、一部、酒でも入ると、かなり有力者、ことに議員の方その他が、地方でもって放言されることが非常に多いのです。あれは悪法だったとか、あれはもう必要悪だというような声が非常に多いのです。のみならず、みんな、少年犯罪がかくのごとくなったのは、売春禁止法のおかげだ、性のはけ口がないとか、あるいは、中には、全学連がああいうふうに暴走したのは、全くその性のはけ口が閉ざされたからなのだというようなことを放言されて、さらに恥じられぬ方が多いのです。中には、ある演説会場で、自由党一番の失策は、売春禁止法を通過させたことだと……。別にやぼも言いませんが、選挙のあれですから、その場所々々によって何をおっしゃってもけっこうですが、しかしこれだけは一つ厳に慎しんでいただかないと……。ことに、観光地の地方長官なんかが多いのです。どうも困ったものだと、僕の顔を見て言うのだから確かなんで、これは影響するところが大きいのです。さっき藤原議員もおっしゃるごとく、かなり地方に行くと元に戻りつつあるのが実情です。必要悪であるかないか。今の若い青年が性のはけ口に困っているか困っていないか。少し冷静に考えればすぐわかることなんで、ことに全学連に至っては、彼らのあれとして、男女共有なんか一部の人ですよ。これを売春禁止法にみんなおっかぶされるのは、迷惑千万なんです。またそういうことは実際にありません。性病のあれしましたのも、禁止法のお陰でなくて、また別のあれがあるのです。青少年の性犯罪が非常にふえたのも、これこそ今の映画とか雑誌とか取り締まることがたくさんあるので、みんなこれにおっかぶせる政治家は、少し卑怯じゃないかと、こう考える。こういうことを一つ——座談ですが、これは別に速記をとらぬでもいいことなんでしょうが、一つ皆さんで御協力願って、そういうことをかりにも言わないようにしていただかないと、なかなか一片の法律でこういうものは片づくものじゃありません。みんなが寄ってたかって十年、二十年、五十年かからなければできないのですから、御協力をぜひお願いいたします。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 先ほど高田委員からおっしゃいました管理売春の場合の、起訴の割合に釈放されると申しますか、無罪になって逃げていくものが多い、実にそれはけしからんじゃないか、どういう理由だというような御質問がございましたが、検察庁としては、もちろんこれは有罪であるという確信のもとに起訴したものだと思いますが、裁判の結果、そういうことになっておるのでありまして、おそらくそのケース、ケースによって裁判所の御判断が違っておるのだろうと思いまして、検察庁との考え方が違うのでございまして、検察庁としては、これをただ放任しておるというようなわけのものではございませんので、その点御了承願いたいと思います。  婦人補導院の問題につきましては、先ほども事務当局から申し上げておりましたが、おそらく予算が減ったということについては、最初のうちは補導院の建設のために相当大きな予算が出ていた。そうして一応とりあえずのところはできたということで、そういう関係から、たぶん少し予算の上では減ってきたのじゃないかと思いまするけれども、しかし実際において補導院の必要性ということは十分考えられまするので、今後よくすべてを調査いたしました結果、どうしても補導院が少な過ぎるということになりますならば、また予算要求をして、補導院をふやしていくというようにしたいと思いますが、今のところでは、先ほど事務当局の申しましたような状態でありますので、さしあたりはそれで間に合うのではないかという考え方に立っておるのではないかと、かように考えております。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ほかに御質問ございませんか。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もうやめたいのですが、さしあたりということと計画ということは別問題だと思うのですよ。これは少し大臣研究して下さい。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 実は、これは、おかしな話でございますけれども、刑務所も、先ほど申しました通りに実際において狭くなっておる。しかしそうかといって、ふえるということであまり刑務所を大きなものを作っておくということもできませんし、補導院におきましても必要に迫られて作るという状態でなければ、なかなか予算も取れませんし、そういうあれやこれやで、そういうふうになっておりますから、この点御了承願いたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 了承したいのですが、一つ少し自治省大臣ともお話になって、婦人補導院の施設等についての地方自治団体との配分、こういったような問題もからんでいるように思いますから、一つこの点も御連絡をおとりになって御研究いただけるようにお願いいたします。

小島徹三自由民主党法務大臣

○国務大臣(小島徹三君) 御意見通りに一つ自治省大臣とよく連絡をとりたいと思います。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ほかに御質疑はございませんか。——質疑は尽きたものと認めます。  ほかに御発言もなければ、本件に関する本日の調査はこの程度にとどめたいと存じます。  菅原参考人に対しましては、御多忙のところ御出席下さいまして、大へん有益な御意見を拝聴することができましたことにつき、委員会を代表いたしまして委員長から厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。  速記をとめて。    〔速記中止〕

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 速記を始めて。  以上をもって本日の調査は終了いたしました。  次回の委員会の期日は臨時国会の前日を予定いたしております。追って御通知いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時九分散会

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