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35回国会参議院1960/10/15

農林水産委員会 閉会後第5号

発言数
21
登壇者
7
会派数
1
開催日
1960/10/15

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。十月四日岡三郎君が辞任、その補欠として小笠原二三男君が選任されました。十月十二日大河原一次君が辞任、その補欠として永岡光治君が選任されました。十月十四日永岡光治君が辞任、その補欠として大河原一次君が選任されました。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 理事補欠互選についてお諮りいたします。委員の異動に伴い、理事が欠員となっておりますので、この際補欠互選を行ないたいと存じます。互選の方法は、成規の手続を省略して便宜委員長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって理事に大河原一次君を指名いたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 委員派遣の報告を議題といたします。  先般第一班長野及び愛知、第二班広島及び愛媛、第三班佐賀及び長崎の各県に委員派遣が行なわれたのでありまして、派遣委員各位におかれましては、御多忙中をお差し繰りお出向きいただき、まことにありがとうございました。これから順次御報告をお願いいたします。なお、御報告及びこれに関連する御質疑等は、報告が一通り終わったあとで行なうことにいたしたいと存じます。御了承を願います。それでは第一班からお願いいたします。

高橋衛自由民主党

○高橋衛君 第一班の報告を申し上げます。第一班は、森理事、小笠原委員と私の三人で九月の八日から十二日まで五日間、主として愛知県における伊勢湾台風被害の復旧状況及び愛知用水公団の事業実施状況及び木曾国有林の現況について、関係難局から説明を聞くとともに、時間の許す限り現地を視察して参りました。次にその概要について順次申し上げます。  まず、伊勢湾台風による被害の復旧状況について申し上げます。昨年九月伊勢湾台風により、約三千二百億余円に及ぶ未曾有の被害を受けました愛知県は、その後愛知県災害復興計画委員会を設けて、各部門の復興計画を決定し、それに基づいて作業を進めておりますが、これら復旧の諸事業は、全体にきわめて順調に進行している模様であります。その基本方針としては、人命の安全を最重要点として、いわゆるゼロメートル地域に対する措置として、海岸及び河川堤防の破損個所の応急措置と、これが本復旧については改良復旧を原則とすること、その他諸対策については自然的、経済的、地域的な面から総合的に計画し、特に資金関係においては、国の査定をもととして、県独自のものを加え、具体性あるものとしております。昭和三十四年度及び同三十五年度における工事費は千百八十一億円でありまして、堤防等の復旧につきましては、本年度は台風期までに後方地帯の安全確保のため、これが早期復旧に努め、その目的を達しましたが、これに伴い、これらの事業費は本年度は使い果たすこととなりますので、さらに事業の促進と強化をはかるため補正予算及び来年度予算の編成に際しては、特段の配慮を強く要望されました。  次に、農地及び農林水産関係の復興状況のうち、おもなものについて申し上げます。農地及び農業用施設については、昨年度三一億七千四百万円をもって復興計画の二〇%を完了し、本年度四億三千五百万円をもって全体計画の五〇%を完了する予定であります。除塩につきましては、農地の除塩面積一万一千六百ヘクタールの復旧事業費三億四千四百万円のうち、二百四十八ヘクタールを残し事業を完了いたしております。残事業は、堤防工事等の未完成のために残ったものであります。また、湛水排除につきましては、一万八千六百ヘクタール余の長期湛水地域の排水を完了いたしております。干拓地堤防並びに海岸樋門については、県関係の堤防復旧、延長二方五千七百メートルの総工事費四十億二千万円のうち、現在までに七億四千三百万円を実施し、約一九%の進捗率で、本年度末には九億五千六百万円をもって二四%まで進捗する見込みであります。  次に、開拓関係につきましては、開拓地住宅復旧事業は、全半壊千五百三十戸中、昨年度に三百九十九戸を復旧し、さらに本年度は八百八十六戸の復旧を計画しているので、八二%の進捗率となります。なお、干拓地の復旧予定数は鍋田百四十四戸中七十五戸を、碧南百戸中六十一戸を、平坂二十五戸全部を本年度中に復旧し、残余は明年度に復旧の計画であります。復旧建物は原則としてブロック建築を予定しております。また、開拓地営農施設復旧事業は、昨年度は二百九十六棟の復旧を終わり、本年度は六百八十五棟の復旧計画で、合わせて四七%の進捗率となる予定であります。なお、干拓地における農畜舎の復旧は、住宅建設に引き続き行なうため明年度に建設の予定であります。開拓地営農事業については、一般開墾地はすでにその大半が復旧したが、全耕地流失の干拓地については極力除塩等を行ない、鍋田干拓地十三ヘクタール、碧南干拓地五十ヘクタール、平坂干拓地八十二ヘクタールの作付を実施いたしました。これらのうち、平坂はすでに全部復旧しておりますが、碧南は全耕地面積百三十五ヘクタールのうち、本年さらに約七十ヘクタールを整地の上、明春より作付けし、鍋田は全耕地面積四百七十八ヘクタールのうち、本年さらに約六十五ヘクタールを整地開墾の上、明春より作付けする予定であります。  農作物の被害は、水稲がおもなので、水田の生産再開に特に力を注ぎ、県内外より種もみ千二百トンを調達し、三万四千四百ヘクタール分の種もみを確保するとともに、長期湛水地域では、稲苗育が困難のため、苗代二百四十六ヘクタールを委託苗代として、七千三百八十ヘクタールの稲苗を確保し、六月二十五日までに植付を完了しました。また冠水田については、塩素濃度の検定、土壌調査等も行なっており、被害地における作期別面積の割合は、早生稲二〇%、中生稲五〇%、晩生稲二五%で、用水不足等を除き生育はおおむね順調で、平年作に近い作柄を見せ、早生稲は八月末現在四千ヘクタールの収穫を終わっております。畜産については、浸冠水畜舎の消毒に全力をあげ、被害家畜の補充、飼料の導入については、それぞれ県内外及び国の援助により配付を行ない、県南の養鶏数については、台風前の三倍に上っているとのことであります。  共同利用施設復旧事業については、農業協同組合等の所有するものに対し、昨年度及び本年度にわたり八百三十五件、事業費三億百五千六百五十余万円、査定補助額一億四千三百二十余万円をもって復旧事業を実施中でありますが、八月末で約七〇%を終わり、本年度中に完了の予定であります。また、部落生産組合等任意団体の所有するものに対し、復旧事業費三億二千七百十余万円であったが、県単独事業として、昨年度及び本年度において、二百二十三件、査定事業費約六千六百七十万円を実施し、八月末で九〇%を完了しております。農作業等共同化のための施設は、激甚被害部落二百十九に設置し、営農の回復再建をはかるため、昨年度及び本年度において事業費三億三千七百万円、補助金一億五千七百八十万円をもって、百九十一事業主体が自主的に農業共同作業施設、農事総合施設、鶏共同管理施設、豚共同管理施設及び稚蚕共同飼育施設等百六十六棟を完了しております。  林業については、風倒木の被害が最も多く、県平均一年分の量で、本年度中に八〇%の処理を終わる予定であります。造林についても、四千ヘクタールに対し事業費一億六千万円をもって本年度より三カ年計画で行なう予定で、現在まで約一千ヘクタール余実施いたしております。  水産関係につきましては、共同利用小型漁船の建造計画は、昨年度及び本年度にわたり、修理不能漁船の復旧に重点を置き、動力、無動力船五百五十六隻の完成を見込み、現在までその七三%を完了しております。またノリ、カキ、ウナギの養殖施設につきましては、昨年度及び本年度にわたり、事業費一億三千三百三十万円、補助金六千八十六万円をもって九月末日までに完了の見込みであります。  被害農林漁業者等の経営、事業及び施設等に対する復興資金として、昨年度及び本年度計二十九億六千万を融資し、二千四百七十万円の利子補給を行なっております。また、自作農維持創設資金一億二千七百万円に対し、七千七百件の貸付認定を行なっております。  農地農業川施設及び堤防等の復旧並びに自作農維持創設資金の増額については、補正予算と来年度予算で措置されたい。尾張川南部の内水面干拓及び区画整理は来年度六〇%完了するようされたい。開拓地の住宅等について来年度は格別の措置を講ずるとともに、干拓地入植者の借入金の負債たな上げ等考慮されたい。治山事業の推進と風倒木処理後の造林及び林道の復旧について予算措置をされたい。米穀売り渡し代金の延納措置と、建物共済の再保険について配慮されたい。堤防等未完成のため作付不能農家に対する補償を考慮されたい旨の要望がありました。  次に、昨年四月発足しました岐阜、愛知、三重の三県を管轄する名古屋農地事務局から災害復旧事業の概要の説明がありましたが、そのおもなものは、一般災害復旧は五五%、除塩興業及び応急排水作業は一〇〇%進捗し、高潮対策事業は、鍋田で四〇%、碧南で二〇%、衣浦で三六%進捗し、自作農資金及び耕地災害復旧資金の触通状況は三県に二十一億円の触通を受けたが、今回さらに二億七千余万円の配分を受け、貸付事務を進めている。土地改良資金についても一県で約七十一億円の融資の折衝中である旨、また干拓地入植営農関係の復旧について、すでに宅地造成に着手するとともに、住宅はブロックをもって作り、鍋田を例とすれば十二ないし十五坪で、一戸当たり七十五万円を要し、補助額十七万八千円、融資額五十七万二千円で、目下設計協議中の旨、旧債に対する措置として、四干拓地の旧債は四千二百十二万六千円で返済不能に近いので、減免、条件緩和とともにいわゆる開拓三法の線で不安ないよう処理したいが、処理の困難なものについては別途研究を願いたい旨要望がありました。また、農地の工場用地への松川は三百五十万坪に上り、工場の集中を避けるとともに、農家の労働力をも考慮しているとのことでありました。  名古屋港管理組合より、昨年台風のおり、百万石の木材が流失したが、現在は全部貯木場に収容するとともに、収容し切れぬものは陸上に積み、ワイヤーをかけてあり、また、貯木場は堤防を設け流失を防いでいる、民有貯木場も県木連の指示により堤防は設け得ないが、木柵を打ち、流失を防ぎ、昨年程度の台風には大丈夫である旨説明がありました。  次に、視察いたしました順に申し上げます。南陽町は田畑計八百十町歩が長期湛水したところでありますが、水田には稲が青々と成育しておりましたが、農協組合長の説明では、当初危んだ稲も成育はよく見えたが、極早生を刈ったところ三反七畝で七俵という収穫で、中晩生種も期待は持てぬとのことでありました。上手のところでは反収七、八俵もあるとか、やはり塩分の残っているためと思われるとのことでした。決潰地の土砂と堤防工事のため植付不能の五十町歩について、また戸田川、福田川樋門の復旧に対し費用の増額と、新規計上につき配慮されたい旨要望がありました。なお、当農協所有の共同農機具管理所を見ましたが、鉄筋コンクリートで、二千七百万円のうち、国庫半額補助により設けられ、耕転機、動力機、もみすり機等、計百三十台が格納され、りっぱなものであります。農業倉庫も九割国庫補助により復旧しておりました。また、庄内川下流堤防工事を見ましたが、そのため作付のできぬ相当数の田畑を見ることができました。十四山村農協所有鍋平農業倉庫も被害を受けたのでありますが、九割国庫補助により復旧いたしておりました。同組合所有の鶏共同管理所は、今回の災害を契機として共同化に踏み切ったもので、半額国庫補助による近代的設備で約五千羽の鶏が女二人、男一人により管理されており、農家の機械化による労働力を利用するとともに、被害激甚地の復興と、現金収入の一助として、産卵前の鶏を一羽五百円で農家に配分し、産卵一カ年で肉鶏とするとのことでありました。飼料も自動的に与えるよう装置され、郡内に六カ所同様の設備を有するとのことでありますが、共同管理所にも農家にも専門の普及指導員の必要が痛感されているようでありました。鍋田干拓地は十三ヘクタールの植付を行ないましたが、五ヘクタール程度収穫を予想されますが、塩害により成育は不良で収穫量は期待できないようであります。独身者の仮設住宅が設けられ、共同管理により五ヘクタールの経営と付近の土木工事及び名古屋の事業所に仕事を求めており、世帯家族は弥富町における住宅より各種の仕事に従事しているようであります。将来第二線堤内六十ヘクタールのうちにブロック建の住宅を予定いたしております。  干拓地の海岸堤防は堤高五・二五メートルで、本年台風期までの施工量はできております。今回の堤防は波の力を減殺するため基部の幅八十二メートル、堤頂幅五メートルの傾斜のわが国最初のアスファルト仕上げの黒い堤防で、三十七年七月完成時は堤高七・五メートルを予定しておりますが、高潮防波堤の計画が実施される場合は、それより一メートル余は低くても支障はないとのことでありました。  弥富町平島生産組合所有のもみ共同乾燥処理所は、国の補助により今回設けられた共同作業所で、四台の乾燥機で一回五十俵の処理が可能で、その費用は石当たり三百五十円で、個々の区別なく混合して処理するため、従って種類、質等について将来ますます相互に緊密な連絡が必要で、共同作業、共同管理への一歩前進とも考えられます。付近千三百ヘクタールの河川池の干拓について陳情がありました。  次に、愛知用水事業の実施状況について申し上げます。本年三月、その総工事費を四百二十三億円に増額されております。具体的な工事のおもなものは、最上流点の牧尾貯水池ダム工事から兼山の取入口の工事、それに続く水路工事、すなわち幹線水路百十一キロ、うち開水路は約六十六キロで約六〇%、トンネル区間は延長五千百三十七メートルの兼見トンネルを初め総数七十四カ所、総延長約二十八・五キロで約二六%、またサイフォンは延長千八百三十九メートルの上野サイフォンを初め総数五十カ所、総延長十二・五キロに達し、支線水路に至っては実に千二百キロに及び、これにも開水路、トンネル・サイフォンその他の諸構造物が付属し、他に調整池及び貯水池の工事等多種多様な工事が目下進められておりますが、その事業の現状について公団当局の説明によりますと、現有ダム、水路等を含めて大体六〇%の進行度を示しており、今後毎月平均六ないし七%の進捗率で来年三月末までの七カ月間に四〇%以上の進行を予定し、ほぼ事業の完了を見るとのことであります。ただし、東郷調整池ダムについては工事の着手がおくれたため来年の十月までかかる見込みで、他の部分はほとんど三月には完成し、六月の田植時には通水できるとのことであります。  なお、これが完成を間近に控えての公団職員に関することでありますが、約七百九十人のうち、職員六百二十六人、嘱託三十六人、常備百二十人で、このうち約四百人が技術者で、各府県から来た七十四人及び地元愛知県からの八十人が含まれております。公団として事業の維持管理のため将来百人前後の要員は必要とされますが、この事業を完成した組織と構成員及び機材を有効適切に活用するため何らかの方途を講じられたいとの要望が、公団からも、また職員の代表からもありましたことを申し上げます。事業完成に伴う機構の解散は別途法律をもってなされることと思いますが、一応来年三月工事の完成を控えて政府当局の善処を切望いたします。  次に、視察いたしましたおもなものについて申し上げます。東郷貯水池ダムは昨年十一月着工、来年未完成の予定が本年の好天候に恵まれ工事の進行が早く、来年十月ころ完成の目途であります。調整池は、幹線水路のほぼ中間に位し、木曾川の余剰水及び牧尾ダムよりの水を有効に調整するもので、九百万トンの貯水が可能であり、導水可能量は一日二百六十万トンであります。また、ダムは基礎岩盤のない粘土と砂礫互層の上にアース式のものを築造するというわが国では初めてのもので、傾斜式コアタイプで、工事中及び完成後における地盤及びダム内部の変化を測定するため各種の計器や装置を多数設置いたしております。七十台に及ぶ建設重機械を使用する工事は今年の好天に恵まれ、十一月ごろに予定されている計画量を現在進められており、来年四月の貯水開始にも何ら支障はないようであります。  三好池ダムは、昨年二月にわずか十五カ月の工事期間で完成したものであり、着工、完工ともに第一号で、工事中も六百ヘクタールの受益地に用水の補給を欠かさず、すでに灌漑水を供給しており、付近の支線水路もほぼ完成しており、付近一帯は地元による遊園地としての計画も進められているとのことであります。総貯水量二百万トンのこの池は、好天続きのため現在貯水は僅少なものでありました。  競馬場サイフォン、暗渠、大高サイフォン等、各現場を見ましたが、いずれも機械化された工事は進行度が早く、国道等は一時道をつけかえ、鉄道はその区間鉄橋を架して、サイフォンの工事は進められ、交通に支障なく行なわれておりました。  上野浄水場は愛知用水に設けられる浄水場の中の一つで、幹線水路より導水し、刈谷市のほか付近の町村に上水道として給水するほか、工業用水としても名古屋市等臨海工業地帯に給水するもので、公団と県との協定に基づいて工事を県で施行いたしております。すでに浄水設備のための工事はそのコンクリート固めができつつあり、来年三月末が完成予定となっております。将来臨海工業地帯の拡張、工場の増設に伴い、下流部の貯水池を拡張築造し、用水の通水余裕時に利用貯水して工業用として利用する県としての計画も予定しているようであります。  高蔵寺サイフォンは、庄内川の右岸の国鉄中央線と県道の下を通り庄内川を横断して左岸中腹よりトンネルに入るもので、川は鉄橋をもって横断するもので、河中に橋脚を二個設備し、鋼管で通水するものであります。目下国鉄の下及び橋脚の工事が進行いたしておりました。富士トンネルは二千メートルの直線水路で、すでに完成いたしておりました。前原付近の開水路において上端の土砂くずれを防ぐため、米国の牧草の種子と肥料及びアスファルトを混入して吹きつけ、牧草が成長し、効果を上げているのを見ました。兼山取入口は木曾川の水を毎秒三十トン取り入れることのできる電動巻上式スルースゲートで、取入口も湖底と土砂の堆積量を考慮した位置に設けられ、水の量も自動的に調節できる設備も行なわれるようで、来年三月までには工事は完成するようであります。  牧尾ダムは、愛知用水の重要な水源で、水曾川は発電、農業、上水道及び工業用に利用されており、水利権が非常に複雑であるため、その支流の王滝川にダムを作り、発電を行ないながら、必要な水量を貯水し必要に応じ放水し、木曾川兼山取入口から愛知用水に取水しようとするものであります。ダムは基礎地盤、建設費、土質工学上よりする安全性及び工期の短いこと等により、中央遮水壁型のロックフィル・ダム式をとり、わが国第二の規模のものであります。ダムの高さは河床より八十一メーター、堤敷の長さ約四百三十メーター、堤頂の長さ二百六十四メーター、同幅十メーター、ダムの体積三百五十六万立米に達し、現在百九十万立米の築堤が行なわれ、約七〇%の進捗率となっております。工事に従う人員は約千五十人で、一般労務者六百人、技術者約四百人、二十四時間休みなく進められており、建設重機械は七十五台が使用され、計画通り進捗し、事業費の八〇%進行しております。また、総貯水量七千五百万トンをこえる水量を流す余水吐は、毎秒四千トンの異常洪水量を排除できるよう設計されており、その工事は現在九九%の進捗率を示しております。ダムは来年四月一日から貯水を始める予定で、六月一日の通水期には十分利用できるとのことでありました。なお、ダム下流に建設される発電所は事業主体の関西電力が昭和三十七年十二月完成すべく工事にかかる予定であります。他に補償工事の森林鉄道及び県道等のつけかえは全部完成いたしております。  次に、木曾国有林の現況について申し上げます。木曾谷の東西二十八キロ、南北九十二キロにわたる広大な地域は九〇%以上が森林で、ここに所在する国有林は十万四千ヘクタールに及んでおります。木曾谷国有林の特色としては、ヒノキ、サワラの多いことで、国の直営生産事業が行なわれ、これに関連して搬出設備と機械化作業が発達していることであります。長野営林局の管轄する国有林の三分の一がここにあり、蓄積では二分の一に相当する約二千六百万立米を占めており、このうちヒノキ、サワラが約五〇%の蓄積を有し、特にヒノキの天然林は三〇%に当たる約八百万立方メートルに上り、王滝、上松、野尻の営林署の国有林には、樹令三百五十年ないし三百年のヒノキ純木があり、その面積は約七千ヘクタールに及んでおります。サワラもヒノキに次いで二八%の蓄積を有し、国内生産量の四〇%以上がここから生産されており、アスナロ、コウヤマキ、ネズコの蓄積は合わせて五%であります。現在ここは、年間約三十二万立方メートルの立木伐採量の大部分が国の直営による素材生産に向けられており、その量も年産約十九万立方メートルで、長野営林局全体のその六五%を占めているのであります。昨年の伊勢湾台風等による風倒木は、木曾谷においてその総量四百三十六万七千石に上り、処理可能の量は四百二十五万二千石で残量は処理不可能となっております。昭和三十四年度より七カ年計画でこれが処理を行なうことといたしておりますが、本年度は立木処分六十万一千石、製品生産四十五万四千石、計百五万五千石となっております。  王滝営林署において管内事情を聴取し、森林鉄道にて三浦ダムに至り、風倒木の実情及び森林状況を視察、森林鉄道にて再び赤沢事業所に参りました。途中上松営林署管内事情を聴取するとともに、国有林の状況について説明を聴取いたしました。翌日は雨天のため集材機及び作業能率化の状況を見ることができませんでしたが、典型的な木曾ヒノキの二、三百年を経た天然林を視察し上松に至り、上松運輸営林署において管内事情の説明を聴取した次第であります。王滝及び上松営林署の業務の内容は、いずれも国有林の生産事業を主体として造林、治山、林道事業等を行なっているのでありますが、上松運輸営林署の業務内容の特徴は、運輸事業、販売事業、各種修理工場の経営であります。運輸事業は、上松、王滝、福島の三営林署の生産素材の保管転換を受け、森林鉄道輸送を行なっているもので、昭和三十四年度における運材は三十二万石で、そのうち上松が三八%、王滝が六五%、福島が七%に当たり、民間貨物も事業の繁閑を考慮して行ない、かつ近時客車の運転も行ない、便をはかっております。機関車はすべてジーゼルエンジンを使い、木材運搬車はエア・ブレーキ付に切りかえられつつあります。販売事業は、三営林署よりの受け入れ量を本年度は三十二万六千石を予定しております。このうち約半分は風倒木でありますが、輸送販売計画は二十一万五千石で、名古屋、東京、大阪に送られるのであります。その他地元製材、木工工場に対する販売、指名及び公売によるもの約十万石を予定しております。各種修理工場経営は、当初車輌の修理から今日のごとき大工場となり、長野営林局管内の林業機械の大半の修理を引き受けているのであります。当署は通年雇用約五百八十人のうち、約二百三十人が定員でありますが、比較的業務の量の減る一月━三月においても解雇せずにいるとのことであります。  以上第一班の報告を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ありがとうございました。  次に、第二班をお願いいたします。秋山君。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 第二班の報告を申し上げます。  第三班は、棚橋委員が都合で参加できませんでしたので、藤田委員と私の二名でございました。九月八日から十四日までの七日間にわたり、広島県及び愛媛県の農林水産業、特に果樹農業、農業法人、酪農、沿岸漁業等を中心に調査をいたして参りました。  九月九日、広島県庁に参り、県下の農林水産事情の概要について説明を聞きました。本県の耕地面積は九万四千ヘクタールで、その利用は、七二%が水田、三八%が畑であります。農家戸数は十八万四千二百余で、昭和二十五年以来漸次減少しておりますが、兼業農家は増加しておりまして、特に第三種兼業農家の増加が目立っております。経営規模はいわゆる零細農家が五五・六%も存在し、一戸当たり平均耕地面積は〇・五一ヘクタールでありまして、全国平均の〇・八ヘクタールに比しきわめて零細であります。生産所得は、二十五年から三十一年に至る八年間に一六四%まで伸びたのでありますが、他面、県内全体の生産所得は三九九%に達し、農業生産所得はこれを大幅に下回っており、その割合は二二%から一二%に低下しております。しかも、全就業人吉の三八%を占める農業は、県民所得では一四%にすぎないなど、農業の地位の低下が著しいことがうかがわれるのであります。近年食糧事情が漸次緩和されるにつれて、適地適産を基本方針として水田裏作の導入、畑地の高度利用、さらには農地の造成等により、蔬菜、果樹、畜産等の換金部門が伸展を見せております。県としましては、農業所得のより一そうの増大の方途として、本県が自然的、社会経済的諸条件の異なる多数の地域よりなっておりますので、各地域の実情に即した地帯、地域別農業振興対策を立て、県域を北部、中部、南部の地帯に分け、さらにそれぞれの地帯を地域に分けて、地帯農業の確立を基調とした諸施策を強力に推進することに努めております。  林業については、林野面積は六十四万ヘクタールで、近時従来の粗放な林業から育成林業に転換し、資源を増強することが要請されていますので、今後は林業各般にわたる施策を拡大造林事業の実施を中心とした森林生産性の向上に重点を置き、需要に応ずる生産体制を整備し、毎年一万ヘクタールの造林計画を実施することにしており、また森林組合の整備統合を積極的に行なっているとのことであります。  水産業につきましては、本県は瀬戸内海に面し屈曲した海岸線と数多くの島嶼があるため沿岸漁業に最適の条件を備えてはおりますが、漁場自体はきわめて狭隘でありまして、しかも近時水質汚濁、漁場の埋め立て等のため、資源の洞渇を来たしているのでございます。昭和三十三年の総漁獲量は三万九千トンでありまして経営体数は七千五百、漁民は三万三千人をこえてはおりますが、釣、はえなわ漁業が四〇%を占め、従事者数三人以下のものが八五・五%で、個人経営が九五・七%を占め、一般的に規模がきわめて零細で、生産性は低いことがうかがわれるのであります、しかし、漁場が浅海、干潟に富んでおりますことや、漁撈の不振等の事情から近年急激にカキ、ノリ、真珠等の養殖業が発展してきております。  また、地元関係者から次の要望がなされました。果樹関係では、果樹農業振興特別措置法案の早期成立、価格統制など国内流通対策の確立、外国市場の積極的な開拓、農林省の園芸課の予算の増額等でありました。林業関係では、公有村造林事業における融資造林のワクの拡大、山村振興林道の開さく事業の早急実現等について強い要望がなされました。  県庁を辞し、市内草津南町にある水産試験場を訪れ、県内の漁業事情及び試験場の事業内容等について詳細な説明を聞き、実情を視察いたしました。本場の事業のおもなものは、本県の立地条件から考え浅海増養殖の発展によりまして、漁村を振興するのが水産の上からは最も近道であろうとの観点に立って、水産資源の維持増殖及び淡海養殖技術の基礎的調査研究並びに技術の応用試験と改善された技術の指導普及の二つに大別して事業を実施しており、特に冬期の漁閑期における漁業が当面する最大の問題でありますので、これが対策として漁撈と養殖との多角経営によって漁家経営の向上をはかることが先決でありますので、それらの養殖試験を重点的に実施するとともに、本場の専門技術員と各地区の改良普及員との連絡のもとに緊密な実地指導に努めておりまして、実績はかなり顕著に現われているとのことでありました。  次に、佐伯郡湯来町砂谷の久保農場を訪れ、酪農経営の状況を視察いたしました。砂谷は、広島県の西南部山間地帯にありまして、東西七キロ、南北十キロ、面積四十四・五平方キロの小村で、平均標高はほぼ四百メートルで中国山脈に連なる山々に囲まれ、起伏が多く、人家や耕地の多くは谷間の各所に散在しておりまして、人口は三千七百八十五人、農業を正業または副業とするものが六百七十五戸で八二%を占めております。この地区は林野率がきわめて高く八五%を占め、耕地が僅少でありますため、農家の経営規模はきわめて小さく、耕地面積一ヘクタール以上の農家は二・八%、〇・五ヘクタール以下のものが全農家の五一%を占めており、耕地面積のうち、水田が八二%、水田の利用率は以前ははなはだ悪く、一毛作田が七〇%を占め、米の反当り収穫も二石弱という状態でありましたが、酪農の進展に伴って今日における土地利用は以前のものとは質的に違った発展の様相を示しており、水田での飼料作物の栽培の普及が迅速に行なわれるようになり、水田裏作の積極的利用や青刈麦類の栽培のみでなく、さらに牧草や飼料作物を取り入れた田畑輪換利用ないしは水田の飼料専用圃への転換も見られるようになってきております。今日の家畜飼養頭数は乳牛四百六十四頭、役肉牛二百三十二頭等で、昭和十五年当時、乳牛はわずか二頭しかいなかったのを思えば、注目すべき発展を遂げたものと思われます。この砂谷地区の酪農が昭和十六年を転機として急速な進展を示しましたのは、同年五月、当地出身で八丈島で農業をしておりました久保政夫氏が二十三頭の乳牛を連れて帰郷し、新しい村作りを目ざして村民に働きかけたからでありまして、翌十七年には十七名の組合員で酪農組合を組織するに至り、二十四年には組合員百二十三名、乳牛二百二十頭となり、二十五年には百六十名の組合員の力で広島市に広島ミルク・プラントを開設し、市乳の処理から家庭販売にまで事業を拡大したのであります。この間にあって久保氏は、組合長として常に指導的立場に立って酪農を育成してきたのでありまして、久保農場を教育の場として月例研究会を開催し、理論と実地による村民の教育を始め、組合指導部による地区内巡回指導を行なう組織を作り、また、育英施設として酪農民の子弟を広島ミルク・プラントの宿舎に合宿させ、牛乳配達のアルバイトをさせながら高校に行かせ、成績のよいものは、経費を組合で負担して大学に進学させるなど、実際砂谷の酪農は、実践的理論的指導者としての久保氏個人の力に依存するところが大きいのであります。  翌十日、竹原市忠の海町にある青旗カン詰株式会社の果実加工事業を視察いたしました。当工場は、昭和二十三年に果実類カン詰及びジャム類カン詰の製造を目的として設立されたもので、付近瀬戸内海沿岸で生産される果実を主要原料として、ミカン、桃、ブドウ、オレンジ・ママレード、ジャム等のカン詰を生産いたしております。本年の生産量は約十万二千箱で、その売上高は約二億三千万円とのことでありました。工場は、敷地は分工場を含めて約一万三千平方メートルで、新工場は昨年末に完成を見たもので、近代的装備が施されておりまして、従業員数は、職員を含めて八十一名でありますが、季節的臨時工員が年間三百ないし四百名程度働いております。われわれが視察いたしましたときは、マスカット及びイチジクのカン詰並びにジャムの製造が行なわれておりました。  次いで、船で豊田郡瀬戸田町を訪れ、高根島の柑橘園を視察した後、本町の農林水産業の実情を聴取いたしました。瀬戸田町は広島県の東南部にあり、生口島と高根島から成っておりまして、標高は、それぞれ四百七十三メートル、三百十四メートルで、地域の大部分は急傾斜地帯をなしておりまして、面積は三十三平方キロで、山林が約五〇%、耕地が三〇%で、耕地の八〇%が畑地となっておりまして、人口は一万三千人で、農業が五一%、果樹生産世帯は千二百六十戸で、農家の八七・三%を占め、柑橘類の生産額は約三億五千万円であります。本町は気候風土に恵まれ、適地適産の見地から、柑橘の振興に重点を置き、新農山漁村建設計画及び新市町村建設計画に基づいて、原野開墾による果樹の新植、農道の新設、果樹共同防除施設の完備等が実施され、また、柑橘振興応急施設として、共同育苗圃の設置、専門技術員の増員、動力機具の購入に要する融資、共販体制の確立等の措置が計画されております。なお、地元の関係者から、果樹農業振興特別措置法案の早急成立と自作農維持創設資金のワクの拡大等について強い要望がありました。  翌十一日、今治市を経て松山市に至り、愛媛県下の調査に入りました。  十二日、松山市内の東野町にある果樹試験場を視察いたしました。本試験場は、大正十一年農事試験場の果樹園として設置され、三十三年に独立して果樹試験場となったもので、圃場面積は九・四四ヘクタールで、職員は二十六名であります。主要試験は五十項目に及んでおりますが、そのおもなものは、柑橘部では、ミカンの早成栽培、ミカンの隔年結果防止、灌水、貯蔵などの試験、落葉果樹部では、カキ、ナシ等の品種地方適否試験、育種部では、桃、ミカン等の新品種育成の研究などが行なわれておりまして、ここでの試験研究は今日、果樹農業振興の観点から、きわめて重要な役割を果たしておりまして、今日まで相当な成果をおさめているようであります。  次に、市内中須賀町にある愛媛県青果販売農業協同組合連合会並びに温泉青果農業協同組合を訪れ、運営状況及び果実加工事業の実情を視察いたしました。  まず、青果連は、県内果樹産地の九つの単位青果農協及び青果農協連を統合して昭和二十三年に設立されたもので、出資金総額七千七百万円で、事業のおもなものは、本県果樹産業の振興、経営の強化推進、加工事業、特にポンジュースの積極的運営、生産指導、販売計画の樹立等でありまして、会の運営にあたっては、生産、資材、販売の三つの委員会を設けて、諸般の問題について研究検討が行なわれ、また、外部民間企業との調整も完全にとれて相当の成果をおさめているようであります。三十四年におけるポンジュース等の生産量は二十六万ケースで、三十五年度は三十万ケースの生産が予定されておりました。  なお、関係者から、果実加工事業が急速に発展しているが、これを指導する官庁は通産省と食糧庁で扱っており、生産指導は農林省振興局でやっている、これでは問題がスムーズにいかないので、振興局園芸課の中に加工班を設けて、生産から加工まで一貫した体制を確立してほしい、また、出荷調整に要する費用の一部を国庫が負担してほしいとの要望がありました。  次に、温泉青果農協について申し上げます。この組合は、松山市、北条市並びに温泉郡一帯を管轄区域としておりまして、組合員数八千二百十三名、出資金額三千五百万円であります。この地帯は、果樹、園芸が古くより盛んな所で、県下でも屈指の生産地として認められておりまして、果樹の作付面積は千二百ヘクタール、主産物は温州ミカンで、その産額は一万八千トン以上に及んでおり、傘下に三十の共撰場を有し、専任技術者二十名を配置して生産指導に当たり、果実の加工については、カン詰工場においてジュースの原料を製造して青果連に送るとともに、約十万ケースのカン詰の生産が行なわれております。また、果樹の栽培に必要な有機質肥料の自給確保を目的として乳牛を導入し、その牛乳の処理、販売が直営で行なわれておりまして、牛乳の集荷量は日に三十ないし三十五石であります。その他製材業、トラック運送業等、多方面にわたる施設運営を行ない、組合員の福利増進に努力が払われております。  続いて、双海町上灘漁業協同組合を訪れ、沿岸漁業の実情を聴取いたしました。この組合は瀬戸内海の伊予灘に面し、組合員総数三百八十九名の小組合でありましておもな漁業は、イワシきんちゃく網、エビこぎ網、流し網、釣等でありまして、五トン以下の動力漁船八十五隻、無動力漁船四十三隻が主で、五トン以上の動力漁船はわずか四隻という零細な漁業を営んでおりまして、三十四年における漁獲高は四百五十トンで、金額にいたしまして、鮮魚三千万円、エビ七百八十万円、イワシ一千七百万円などで、総計五千七百万円程度であります。この付近は、昭和二十七年から八年ごろまではイワシ漁の盛んな所で、当時一千百ないし一千三百トンの漁獲があったのでありますが、最近は半分以下に減少しているとのことであります。その原因について地元漁業者は、農薬による被害が原因であると述べておりましたが、これには疑問があるようで、イワシの不漁はここばかりではなく、全国的な問題でもありますので、今後の調査を要望したのであります。とにかくこの付近沿岸漁業が近年不漁に見舞われ、漁村は疲弊し、深刻な問題となっていることは事実でありまして、地元漁業者は、漁業転換、漁場の改良等、これが救済については特段の措置を講じてほしいとの強い要望があったのであります。  翌十三日、県の南部、吉田町の立間農協に参り、組合の運営状況、特に農業法人の問題について現状を聴取いたしたのであります。時間の関係で現地を詳細に見る時間がなかったのでありますが、車の中から見えるこの付近は、中央部にわずかの水田が目につく程度で、ほとんどの耕地は周囲の山はだを切り開いた段々畑が連なっており、この畑の大部分が温州ミカンでおおわれております。道路と山の畑との間には索道が縦横に交錯しておりまして、この索道の延長は百キロにも及び、また薬剤散布に利用されるビニール・パイプは延長二百キロにも達しているとのことでありました。立間の耕地面積は三百四十四ヘクタール、農家戸数は三百二十八戸で、一戸当たり耕地面積は一ヘクタールとなっております。耕地の八六%が畑地で、その大部分が山を切り開いた段々畑となっており、畑地の九二%を占める果樹園の面積は、二百七十八ヘクタールであります。果樹の種類は、温州ミカンが七五%、夏ミカンが二〇%で、文字通りミカン専業に近い農業が営まれております。水田はわずかに四十六ヘクタール、普通畑は二十ヘクタールにすぎないのでありまして、主食の村内自治はまかなうにも足りない状態であります。  立間農協は、組合員六百五十名、出資金二千五百万円、事業のおもなものは、一般的な事業のほかに、運輸、加工、農機具修理工場、肥料配合、育苗等の事業を営み、四支所を設けて、ミカンの集荷、荷作りなどを行ない、事業の推進に当たっております。貯金高は平均一億五千万円、購買取り扱い高は約一億円、販売事業は約二億五千万円となっており、これらの事業は、農家と専属利用契約を結んでおるなど、すぐれた事業成績を上げておるのでありまして、これらは農協を中心とした共同化の推進が重要な役目を果たしたものと思われ、これがまた今日の農業法人の発足を容易ならしめたようであります。  立間における農業法人化の問題が農家の間で問題にされ出したのは、去る昭和三十三年、ミカンの生産費調査を実施いたしましたところ、従来貫当たり五十円程度と思っていた生産費が、実際には、上層農家で七十四円、中層農家で八十九円、零細農家で百十二円という数字が出たことに驚くと同時に、その内容を詳細に検討してみると、上層農家では生産性の高い固定資本を導入し、一方不足する労働力は雇用することによって経営の合理化をはかっており、中層農家では生産性の高い固定資本を導入しても、経営規模が狭小である等のためこれらの装備を完全に消化できず、かえって生産費が高くつく結果となり、資本装備への過剰投資となっており、零細農家では労働費が過剰となっていたのであります。  このような実態が明らかになるに及んで、農家の人々は経営の再検討をする機運を作り、共同化法人を推進することにより、資本装備と労働力の適正な配置により経営の合理化と生産の増強をはかり、農家の経済を潤していこうという考え方のもとに今日の農業法人が生まれたようであります。  この法人は有限会社法に基づく有限会社で、現在四十一社でございまして、すべて現金出資制をとっており、社員一人当たりの出資口数は、最高は七百七十口、最低一口、平均百四十七百と、大小さまざまで、一口の金額は千円、持ち分は出資口数によることになっております。この現金出資の内容は、農家の所有する一切の大農具、貯蔵庫等の農用建物、家畜などの資本装備を評価し、法人に売却し、これを法人の資金とし、一方農家の負債の一部を法人の負債として計上し、これを前者より差し引いた残額が各農家の法人への出資金となっているのであります。  法人に参加する農家の組み合わせは、原則として居住地単位の組み合わせがなされ、同じ小字に住む農家八戸前後が一法人に参加している場合が多いのであります。従って経営規模から見ると、おおむね大、中、小規模の農家がむらなく参加しておりまして、平均経営規模は八町四反となっております。このような農家の組み合わせは農協の指導のもとに行なわれたものであります。法人の人的組織は、各法人は参加農家からの各一名の出資社員により構成され、出資社員は原則として各農家の経営主がなっており、また法人は各農家から一名ないし二名の従業員と、一名ないし二名の臨時雇を雇用しており、従業員等は必ずしも自家の耕地において労働するとは限らないのであります。  法人の運営状況は、この法人は農地の耕作権の出資は行なっていないため、各農家に個別経営を残した形のまま組織されておりまして、法人の営む事業は、一、生産物を農家から仕入れて農協に販売する、二、生産資材を農協などから仕入れて農家に販売する、三、資金の借り入れと貸付並びに運用、四、資本装備の計画的貸付、五、労働力の計画的供給、六、法人単位の総合的経営管理であります。これに対して個人経営は、法人から資本、装備を借り入れ、労働力を購入して生産活動を行ない、法人との間に生産物と生産資材の取引を行なうわけであります。  法人は、各個別経営との間に米及び蔬菜を除くすべての農産物について、一作ごとに売買契約を結び、農産物の生産に要する費用は一切法人が立てかえ払いをし、農産物の仕入れの際仕入れ代金との相殺の形で売掛金の回収を行なう仕組みとなっております。また、資金の融資については、法人みずからが投資資金として運用することができるようになっておりまして、これは家畜の導入、共同畜舎の建設、または共有地の払い下げを受けて共同開園をしようとする動きや、将来農業法人の法制化により農地の耕作権を所有し得るようになった場合に、村外の果樹園適地を法人で開園していくなど、この投資に大きな期待がかけられているのであります。  また、法人の収支勘定はどうかと申しますと、まだ未知数でありますが、現在までのところでは法人はその経営目的において利潤の追求を行なうより、個別経営に対するサービスを実費主義で行なうとしておるようでありますが、法人が制度化し、耕作権出資が認められるようになれば法人は利潤の追求を行ない、営利会社の性格を有するようになると思われるのであります。地元関係者といたしましては、農業法人関係法律案の成立の一日も早きを望んでおり、また、果樹農業振興特別措置法案につきましても早期成立を期しておりました。その他果実加工事業並びに果実の輸出振興のための施策を強く要望しておりました。  以上をもって調査を完了し、十四日帰京いたしました。  右報告を終ります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ありがとうございました。  次に第三班にお願いいたします。櫻井君。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 第三班の調査の結果を簡単に御報告いたします。  まず、最初に御了承いただきたいと存じますのは、第三班は当初藤野委員長、大河原委員及び私の三名をもって編成されたのでありましたが、出発まぎわに大河原委員がやむを得ない事情のため参加不可能となり、その結果藤野委員長と私の両名に星野調査員を同行し、九月九日から同十五日まで七日間にわたり、佐賀、長崎の両県へ左記の調査目的をもって行って参りました。すなわち、本夏北九州を襲った干害被害調査並びに畑作農業、干拓事業、治山事業及び沿岸漁業等の状況等についてであります。干害関係については去る九月二十二日の本委員会で私から詳細報告し、かつその対策に関して政府と質疑を重ねましたので、今回はこれを省略いたします。  最初に、佐賀県の畑作農業の状況についてでありますが、佐賀の耕地面積約六万七千ヘクタール、うち水田約五万五千ヘクタール、畑約一万二千ヘクタールでありますが、果樹については三十一年に約千七百ヘクタールであったものが、三十三年には約二千五百ヘクタールと増加し、なかんずく温州ミカンについては三十三年に約三千ヘクタールと三十一年の約二倍という急激な伸びを示しております。このような伸びは県当局の施策のよろしきと相待って、県一体の共販体制が確立されたこと、新農村建設事業の推進に伴う生産施設の共同化が促進され、特に昭和三十二年に東松浦郡厳木町に四十ヘクタールの面積に可能な共同防除施設が設備されたこと等からであろうと言われております。果実の共販体制によるあっせん実績は昭和三十二年約七千六百トン、金額約三億二千万円であったが、三十四年は約一万六千三百トン、金額約六億円と約二倍に近い扱い量となっております。また厳木町の共同防除施設は西日本一とも称され、その建設費は約七百万円であって、このうち町からの補助はわずかに三十万円で、残りの六百七十万円は関係農家の自己資金によるものであり、関係者の共同化へのなみなみならぬ努力がうかがわれるのであります。この結果、この組合から出荷されるミカンの品質は向上し、生産費は低下する等、農家経済の安定に資するところが大きく、今後の発展が期待されるのであります。  普通畑関係については、畑作不振地域に対する対策の一つとして東松浦郡鎮西町にある佐賀県畑地営農指導所の事業について申し上げます。この指導所の事業目的は、畑地営農の総合的な指導とそれに必要な試験研究調査を行なうものであります。さらに県の畑地営農改善の基本方針を、有畜と園芸とを組み合わせることによって農業経営の合理化と立体化をはかることに置いているのでありまして、畑地地帯に基づいた指導を行なっているのであります。この指導所の特異な事業の一つを申し上げますと、それはニンニクの低温処理による栽培法を考え出したことであります。この処理法によると、八月、摂氏三ないし四度の低温に一カ月入れておき、九月になってこれを植え付けて、その翌年三月に収穫できる方法であります。この方法によって普通六、七月の梅雨期育成時期を避けて、多少の減収はあっても早期出荷の優れた利点があるというのであります。富山その他の県からもこの栽培法について照会、またはこれが指導を申し込んでくる実情であります。  次は干拓についてであります。佐賀県側における有明海海面はわが国で最も有数の干拓地域地帯であり、また歴史的に見ても大小の干拓が続けられ、耕地の拡張に著しい貢献をなし、佐賀県農業の根幹が形成せられたのであります。また反面、干拓事業が施行せられてきた原因は、農業基盤の育盛、国土造成をはかるほかに、年々おびただしい浮泥土の堆積による河川河口閉塞や背後地の排水不良化を防止することにもあります。佐賀県における干拓事業は有明、福富、廻里江の三工区を含む総面積約千七百ヘクタールの国営有明干拓建設事業と県代行並びに県営干拓事業区計十二区とであります。この国営事業は今日のところ海面干拓ではわが国第一位の規模広大なものであります。なお、有明工区においては、昨年末に増反分を含め五百五十ヘクタールに三百十九戸の入植を終了しており、その成績は米反収平均七俵が予想されるといわれております。代行干拓事業については、すでに久保田及び大福の両工区は約五〇%完成し、すでに入植を完了して、残り十工区は昭和四十年度までに逐次完了の予定であります。この現状において、県当局及び関係者一同は、同県の干拓事業は農業上はもちろんのこと、社会的経済的必然性のみならず、国土保全の総合的見地からも重要性を持っているから、今後この事業を強力に推進するよう要望しております。すなわち、現行制度では地元負担関係から、入植、増反者が決定したあとでなければ付帯工事の着工ができず、また入植者の負担能力から工事量の制約を受け付帯工事が遅延し、入植者の営農確立に大きな障害となっているから、建設工事に並行して一括代行事業として施工できる措置をとってもらいたいというのであります。  次は、治山事業についてであります。私らは松浦川の上流地域にある東松浦郡相知町佐里における地すべりの実情を見て参りましたが、詳細については省略いたします。  終わりに沿岸漁業の現況についてであります。佐賀県の水産業は玄海、有明海の両海区における沿岸漁業と、これに付随する水産加工業が主でありますが、玄海においては、マイワシの激減を見、また、有明海での漁獲は横ばい状態でありますが、貝藻類養殖業は全体として発展の方向にあるといわれております。漁業所得の増大を期待することは漁業制度上の問題、水産資源の推移等から見て、兼業所得を含む総合的な所得の増大に期待せざるを得ない状態であります。このような現状から県当局等の説明によりますと、漁業者は沿岸に施工中の干拓事業に相当の関心を持ち、干拓農地の取得に強い希望を持っているとのことであります。  沿岸漁業について特に申し上げたいことは、県水産試験場ノリ人工採苗事業についてであります。同県のノリ養殖事業は昭和三十年までノリ種はすべて県外から購入していたが、たまたま国から補助を受け、三十一年七月、藤津郡多良町に県水産試験場人工採苗場を設け、三十二年度に人工採苗の事業化に成功し、このため県下養殖業者間に全面的に人工採苗に切りかえる機運が馬まったためと、さらに沿岸漁業の振興対策の一つとして人口採苗場の拡充が強く要望されるに至り、県は沿岸漁業振興総合対策事業の一環として国から補助を受け、三十四年七月にノリ人口採苗場を増設して今日に至ったのであります。この結果、県下の養殖事業の生産性を高め、さらに漁業不振にあえぐ玄海区にノリ養殖事業が普及したのでありまして、この人口採苗事業の成功は、同県沿岸漁業の振興のため、大なる意義を持つものと確信し、同時に国においてもこの種の事業の拡大強化のためできる限りの措置をとることを要望するものでありますが、また地元から次の要望がありました。すなわち人口種付ヒビを一時仮置する、いわゆる中間育苗場の設置、耐病性がありかつ良質で生産性の高い品種の育成並びに成育促進剤を含めて肥料購入等に要する経費の補助と、さらに二月ごろこの地域に飛来して養殖中の赤貝等を食い荒らすカモの駆除について特段の措置をとってもらいたいとのことであります。  また佐賀県玄海漁業協同組合連合会長から次の陳情がありました。  近年沿岸漁業の不振のため、漁家経済は窮迫しておるから、この打開策として現在その償還に困却し延滞している短期借入金を長期融資に乗りかえ、さらに二、三年の据置期間を設定し、あわせて国からの利子補給を願いたいこと。  玄海漁場の不振は漁場の拡張にまたねばならないから、漁業法の早期改正により大海区制にすること。  以上の実情に照らし、連合会は漁業整備基金への増資要請に対処する負担能力がないから、政府資金によりますもって基金の拡充をはかってもらいたい、以上であります。  続いて長野県における調査の結果について申し上げます。  まず県当局から農政一般についての説明があったのでありますが、この報告の中で、去る九月二十二日の委員会で、私が申し上げました干害関係についても若干触れることをお許しいただきたいのであります。以下県の説明の順に従い申し上げます。  長崎大干拓事業についてでありますが、この事業は現在計画調査中のものであって諌早市の東方に展開する諌早湾水面積約一万一千ヘクタールとその関係流域約三万ヘクタールが対象地域であります。同湾は潮差が大であり、平坦な潟が発達し、その地味の肥沃なることと相待って干拓最適地の一つになっており、古くから小規模干拓が実施されておったのであります。この事業の目的とするところは、国土開発の要望にこたえ、湾口を締め切り、湾内全水域を一気に干拓せんとするものであって、海面干拓といたしましては、わが田干拓史にエポツクを画するものであって、調査費総額約一億六千万円の予定で、昭和二十八年度に調査に着手し、本年度をもって実質的調査を終わり、三十六年度には計画書を作成し提出する方針であるといわれております。県当局においては、将来この干拓地区を水稲一期作と酪農を中心とした機械化、共同化による理想的近代農業センターたらしめんとしておるのでありまして、有明海大規模締め切り計画の試金石として、また背後地の国土保全及び既成の干拓堤防保護の上から早期着工を望んでおるのであります。すなわち、この大干拓事業に関係ある人々はもちろんでありますが、諫早市長並びに長崎大干拓事業期成同盟の代表から同地域の関係者一同にかわり、本事業の早期着工について熱心なる要望があったのであります。  以上のことに関連いたしまして、私らは諌早干拓事業の現況を見て参ったのでありますが、この事業の開始年度は昭和二十二年度、完成予定は三十七年度で、現在提防はほぼ完成し、今後地区内造成を待つのみとなっております。造成面積は約三百二十ヘクタールでありまして、現在、造成地の一部において県農業試験場が水稲二期作の試作田を作り、三十四年の成績は、一期作三石四斗、二期作二石四斗計五石八斗という良好な記録が出ております。  第二に、彼杵半島総合開発についてであります。この半島の総合開発については、昭和三十四年度から国営事業として引き継がれてきているのであれまして、事業の対象地域は半島の三重村、琴海村以北の三万六千ヘクタールの面積であります。この地域内に平床モデル地区を設ける等その事業が施行されているのであります。本地域の開発の促進については多年にわたり地元民が熱望しておったところであり、従いまして、県の重要施策として県民こぞって早期完成を願っておるところであるといわれておりまして、私らも現地に参りまして、まず開拓道路の現実に触れて、第一にこれが早期完成を願わずにおられなかったのであります。  なお、この地域内に設けられております平床モデル地区は、三十三年に国から指定され、現在県は機械開発公団の契約に基づき、能率的な機械開墾を行なっております。今後、この地域に入植する者は、この平床モデル地区方式により営農設計を立てることになるのであります。営農体系は生産性の高い柑橘類あるいは緑茶と、これに酪農方式を組み合わせて傾斜地における新しい営農を計画中であります。  第三に、島原半島地域深層地下水調査と県営灌漑排水事業雲仙地区の早期着工についてであります。前段の深層地下水調査については、去る九月二十二日の委員会において申し上げましたので、ここでは省略いたしますが、後段の雲仙地区の排水事業の早期着工については地元から熱心なる要望がありました。  この地域の愛野村に県農業試験場の馬鈴薯試験地がありまして、ここでは新品種の育成、病害虫防除試験等に力を尽くしておるのでありますが、こうした事業と表裏一体としての畑作振興をはかるためにも、畑地灌漑等畑地生産条件の整備が先決でなかろうかと思うのであります。  第四は、国有林と民有林関連事業の拡大についてであります。国有林、民有林関連林道の実施は、現行制度のもとにおいて、利用対象面積千ヘクタール以上に限定されているが、同県は地形的に小規模な区域が多く、十分なる制度の利用ができないうらみがあるから、農山村の地域開発の立場から、関連林道事業拡大の特別措置を早急に実現してもらいたいというのであります。  第五は、農業協同組合の合併促進のための立法措置についてであります。最近における農業協同組合の現状並びに客観情勢の推移にかんがみ、組合はその本来の使命を達成するためには、現在の組織規模の上で、農家の金融、経済、さらに生産部面の積極的指導を期待することは問題があり、弱小零細規模組合を多数擁する長崎県においては特に強く指摘されるから、同県においては、これら組合の合併を強く推進するための準備を進めつつあるが、国においてもこれが抜本的対策として農業協同組合の合併促進のための立法措置をとってもらいたいとの要望であります。  第六は、飼料輸入港指定に伴う陸揚げの促進についてであります。政府輸入飼料陸揚げ指定港たる長崎、佐世保両港は、現在までソ連産ふすま約三千トンの陸揚げ決定をみておるだけであるから、今後さらにこれが促進を願いたいとの要望であります。  終わりに水産関係の要望事項についてであります。  第一は、日韓会談の再開による漁業協定を早期に締結すること、第三は、拿捕漁船の代船建造に対する融資については、拿捕船主の大半は、資金的に余裕がなく、通常の金融措置ではとうてい代船建造は不可能な状態であるから、特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法を復活またはこれに準じたその措置を講ずることと、さらに拿捕漁船船主の利子負担を軽減するため、今までの貸付利率年五分五厘を三分五厘に低減してもらいたい、第三は漁業取り締まりその他についてであります。同県海域に他県の中型機船底曳網漁業の違反操業が多い状況であるから、政府において当然これが取り締まりを行なうべきものと考える。同県では、この結果、純県費二千万円を投じてこれが取り締まりに当たっているから、国において次の事項について考慮を願いたいというのであります。すなわち、取り締まりのための補助金の交付、水産庁監視船の常時配置等であります。  最後に、私らが長崎市の魚市場へ参りました際、漁業関係者から生鮮水産物の輸送について左のような陳情を受けました。すなわち、鮮度の保持を生命とする生鮮食料品の輸送には冷蔵車を使用することは原則であるが、冷蔵車の配車にむらがあり、秋冬の繁忙期においては冷蔵車の不足は顕著であって輸送に大きな支障を来たしておるから、冷蔵市の増備とともに地理的関係も考慮して冷蔵車の増配方を願いたい。長崎市は持に東支那海における漁場の開拓により漁獲量は逐年増加しておるから、円滑なる輸送を期するには現行の鮮魚列車を、二ヵ列車では不足であります。従って、かねて要望している長崎—諌早間の平坦線を建設するか、もし早急に困難ならば、輸送力不足を補なうため鮮魚列車を一ヵ列車設定するとともに、機関車のジーゼル化を促進願いたい。公共政策割引についても陳情がありましたが、これは皆さん御承知のように、現在進行しておることをつけ加えまして第三班の調査報告を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ありがとうございました。  以上で御報告を終りましたが、これについて御質疑のおありの方は順次御発言を願います。なお、政府出席者は官房総務課長東辻正夫君、農地局長伊東正義君、企業市場課長鈴木一美君、振興局園芸課長石井一夫君、農業協同組合部長酒折武弘君であります。——別に御発言もなければ本日はこの程度にいたします。     —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、果樹農業振興特別措置法案(第三十四回国会閣法第四五号)、農地法の一部を改正する法律案(第三十四回国会閣法第一二五号)及び農業協同組合法の一部を改正する法律案(第三十四回国会閣法第一二六号)のいずれも予備審査の継続案件の三件を議題といたします。  三案に対し御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 ただいま議題になりました三法律案は、前回の三十四国会に提案されたものでございますが、今回の臨時国会に継続審議になっておりますが、これに対しまして、政府から本日、直接御答弁をいただきますることは無理かとも存じまするが、まず農地法の一部を改正する法律案、農業協同組合法の一部を改正する法律案、これら二つは、いわゆる農業法人と称せられまする多くの農民が期待をいたしておりました法律案でありますが、これがもし来たるべき国会に提案されない、あるいは時間がないというようなことで、廃案の運命をたどることになりますると、将来の取り扱いについてどういうふうにされますか、それを伺いたいと存じますが、その中で特に法案に規定されておった内容のものを、省令等で取り扱いが緩和といいますか、大幅な解釈によって、農業委員会、あるいはその他の、これに関係を持ちまする団体の取り扱いが、簡便になるような暫定処置が講ぜられるとか、あるいは重ねて法律として提出をしなければならないとか、あるいは農業構造の問題に関して、農業基本法の中で、これらの問題を取り扱う計画があるように聞くのでありますが、それらについて当局のただいまのお考えを御説明願いたいと思います。

伊東正義農林省農地局長

○説明員(伊東正義君) 今日の段階までのところでお答えいたしますが、今御質問になりました農地法の一部を改正する法律案が本国会に継続審議になって出ているわけであります。それと先生のおっしゃいましたように、基本問題調査会の答申に基づきまして、今農林省では農業基本法の内容につきまして検討いたしております。内容には御承知のように農業生産法人に関しまして、やはり現在国会に出ておりますような考え方を、もう少し要件等においてはゆるめましたような、法人農業協同組合有限会社等につきましては、現在の法律よりも要件をゆるめましたような内容で、農業基本法の中に実は盛っております。それを受けまして、農地法でそういう農業生産法人につきましては、創設地の問題でございますとか、あるい保有限度の問題でございますとか、いろんな特例を開こうというような実は考え方で、基本法は今内部で検討いたしております。  それで先生の御質問のありました、たとえばでございますが、今お願いいたしております法案が通らぬ場合にはどうなるかという御質問でございましたが、その場合には事務当局といたしましては、次の通常国会には関係方面と了解がつきますれば、基本法はこれはどうしても出したい。その中でやはり農業生産法人に関する関係のものを盛り込んだものを出したい。またそれと合わせまして、農地法のそういう生産法人には、農地法の特例を認めるというような、農地法の改正も合わせまして出したいというようなことで、今内部で検討いたしているわけでございます。  そういう前提に立ちますと、たとえばその間はどうなるかということでございますが、これにつきましては私どもの方では現在出しております法案の趣旨に沿ったような法人については、ある程度農業委員会が許可するということを認めていくというような態度をとったらどうだろうか。ただし法律改正ができておりませんので、たとえば創設地を貸し付けますとか、あるいは小作地の転貸でございますとか、あるいは法人に貸します場合に、一町以上になります場合には、今の法律ではやはり禁止になっておりますので、そういう現在の法律の範囲で許された中で、今出しておりますような考え方に沿うたもの、あるいは賃借権でやっていく、そういうようなものについては、ある程度この期間は認めていくというようなことで、実情にあったような措置をしていきたい。そのあとでもしも基本法というものが出まして、その内容でまた新しい生産法人になりますれば、いつでもそれに乗りかえられるというようなことにいたしますのが一番実情に沿うのではなかろうかというふうに実は考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 ただいま局長のお話でよくわかりました。私は、全国の農家の人が、特にこの法人というものがいろいろな形において組織されますることを要望をいたしておりましたのでありますから、その間、この基本法の中で、来たるべき国会にいずれ御提出になるでありましょうが、その間の空白がございます。また、すでに法人を奨励して届出を終わったものもあるようでございますので、その間の空白の時代を混乱せしめないような行政指導の処置を、ただいま御決意を伺いましたので了承をいたしましたが、すみやかに何らかの方法で徹底をされますように要望をいたしておきたいと存じます。  次に、果樹農業振興特別措置法案の取り扱いについてお伺いをいたしたいと存じます。この問題も同様に、すでに当委員会におきましては、数回にわたって予備審査を行ないましたのでありますが、いろいろの関係で衆議院の方から法案が回って参りません。従って、果樹農業者にとりましては、一日もすみやかにこれが通過をすることを念願いたしておったと思うのであります。そういう関係で、これは法律が通過いたしません結果、大へん失望いたしておりますが、もし廃案の運命をたどるようなことに相なりますれば、なお一そう研究の上、適切な法案を再提出をされる意思があるかどうか。なお重ねて、当時予算を少なくとも一億数千万円盛っておったと思うのであります。それで、その予算の中でこの法案が通過をしなかったということにおいて、使用のできない予算があるのか。あるいは何らかの方法で、奨奨指導の意味でこれらの予算を消化することが可能なのか。そういう面についての今後の取り扱い、予算の処理等についてお答えを願いたいと思います。

石井一雄農林省振興局園芸課長

○説明員(石井一雄君) ただいまの御質問に御説明申し上げます。果樹農業振興特別措置法案でございますが、これがただいま御質問のようなことになりますれば、当然次の通常国会ということになるわけでございますが、その際には、ただいま御指摘のありましたような、さらに内容を整備するものがありますればそれを加えまして、次の機会に提出するように目下検討いたしております。  それから御質問の第三点でございますが、これが成立しませんというと執行できない予算があるのではなかろうかということであろうかと存じますが、このために執行できなくなりますものは、一つには植栽資金の貸付に準備しておりました融資のワクがございますが、これが三十五年度は五億円になっております。これが使えなくなるのであります。それからもう一つ、果樹園の経営計画の樹立、実施促進、これを行ないますための県に交付いたします予定の補助金がございます。金額は六百十万六千円でございますが、これの執行がこのままではできなくなると私どもは判断いたします。従いまして、これをどういう工合に活用するかにつきましては、目下内部で検討いたしております。この直接の経営計画の樹立には、これはおそらく使えないかとも思いまするけれども、こういう経営計画を樹立して、計画的に果樹園の集団化なり、あるいは生産手段の共同化なり、こういうものを進める、これが趣旨徹底をはかることが一つの目的でもございますので、こういった方面の何らかの使い方、あるいはさらに果樹農業の振興に役立ちまするような特定の調査、こういったようなことが可能であるかどうか。この辺が焦点になろうかと思いますが、その辺を目下検討いたしております。必要によりますれば、大蔵省と相談いたしまして、できるだけこれが果樹農業の振興に役立ちまするように活用をはかって参りたい、かように考えております。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 当然なことで、法律についております貸付金等は、法律が施行にならなければこれは不可能だと思います。これはやむを得ないと存じますが、一般の奨励指導の経費は、私は話し合いによれば十分使い得るものだと想像もいたします。また、努力すれば可能だというふうに考えますので、十分に御努力を願いたい。こういうことを申し上げておきたいと思いますが、なお、今の日本農業の立場から考えてみますと、需給の増大を予測される産業部門といわれますものは、畜産、園芸でございます。畜産と果樹園芸というものを大幅に、これは基本調査の面からも、あるいは白書の面からも、今回行なわれようとされておりまする基本法の草案の中からもくみ取れるのでありますが、これは今までの案が大へん消極的であったと思う。私は、来たるべき予算編成にあたりましても、あるいはその他基本法制定にあたりましても、当然積極的に盛っていかなければならぬ重要な問題だと考えますので、その点につきましても、十分に御配慮をいただきますよう要望いたしておきたいと存じます。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 農地局長に伺いますが、今の堀本委員のお話しの通り、成長部門、私は特に畜産部門で少し伺いたいのですけれども、畜産局の施策の問題については、これはいずれこの次か、次の次くらいの委員会ででも伺いたいと思いますが、畜産局でやっておる草地造成、ことしは約八千町歩でありましたか、それに牧野改良が三千町歩余りであったかと思うのでありますが、牧野改良の方はやや粗放的なものだからこれは別として、草地造成で農地局がやっておるいわゆる開墾と似たようなことをやっておられる草地造成によってできた土地というものは、農地法による農地として考えておるのか、考えていないのか、まずそれを一つ伺いたい。農地局長から。

伊東正義農林省農地局長

○説明員(伊東正義君) 畜産局と農地局でやっております関係でございますが、高度集約牧野等につきましては、これは農地法の適用になるものが多い。そういう農地だというふうにわれわれは考えております。実は、今畜産局とわれわれの方の間で、草地の問題等につきましては、どういう制度でやったが一番いいかということについていろいろ協議をいたしておりまして、草地についての法制化の問題も審議会等でやっております。これによりまして今後の草地の問題と農地法の関連、あるいは耕地その他の関連で、どうしたら一番いいかということで、いろいろ調整する問題があるだろうというふうに考えております。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 草地造成でやった土地の管理について、私はごく一部しか知らないのですが、どうも管理がまずい。いわゆる永年性牧草の捨て作りみたいなことをやっておるところを実は私は見た。それから畜産局の人にせっかく土地を開いて牧草栽培をやろうというなら、なぜ肥培管理を積極的に奨励しないのだ。最初畜産局が酪農等を奨励したころには、一頭でも二頭でもいいという奨励の仕方をした。私の県なんかに行ってみると、一、二頭飼育ではもう完全な赤字で、労賃計算してもせいぜいで百円程度、百円台くらいにしかならない。畜産局もようやく最近そういう点では多頭飼育奨励をやってきておる。まあそうした問題から関連していきましても、どうしても草地の経営というものは、肥培管理をやって反当り五千貫とか、六千貫とかいうふうに草が取れるようなことが、現実にやり方によって幾らでもできるのだ、そういうことが事実上なかなか奨励されておらない。畜産局の人に、某君に聞いてみると、どうして奨励しないのだ、なぜもっと積極的にやらないのかと言うと、どうも農地法の関係等もございましてね、とこう言う。まあ肥培管理をやれば農地だ。農地という判定を受けると、一方においては農地法の頭打ちで法律的にはひっかかってくる。そういうようなことからして、私はこれは畜産局に申し上げなければならぬことだけれども、畜産局から突き破って、ほんとうに多頭飼育酪農経営という問題を法律的に、まず法律が作っておるじゃまなかきねというものを排除していくのがほんとうじゃないか、そういう感じが私はするのです。これはあらためてまた伺いたいと思うのですが、農地法の改正を検討される段階において、そういう問題も合わせて一つ農地局長あるいは省議でか、どういうことか知りませんが、御検討願った方がいいのじゃなかろうかということです。

伊東正義農林省農地局長

○説明員(伊東正義君) 今御質問のありました点で、大体お答えしますと、農地法に触れて所有面積とか経営面積のそういう制限が出てくるというような見地から、まあ一つの理由でございますが、なるべくそういうことをしたくないのだということが、あるいは場合によってはあるかもしれません。私どもは実は農地法を今検討いたしておりますが、今、先生がおっしゃいました、たとえば経営面積の制限等につきましては、現在三町歩とか、まあ平均三町歩でございますが、こういうもので制限いたしておりますが、この制限等につきましては、経営の実態とその後の経済情勢の変化等を見まして、これは相愛程度思い切った改革をした方がいいのじゃないかというような実は考え方で、今の経営がこれから伸びていくのだということを前提にしました改正ということを実は基本法と関連してやっておるような次第でございます。先生がおっしゃいました草地等の関係は、農地法とのデリケートな関係が実はございますが、そのようなことからして畜産が伸びないのだというようなことの制約要件にならぬように考えて参りたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 他に御質疑もなければ、三案については本日はこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時五分散会

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