農林水産委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/09/22
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日小笠原二三男君が辞任、その補欠として岡三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 旱害に関する件を議題といたします。本件については、質疑の要求がございますのでこれを許します。
○櫻井志郎君 九州及び山口各県に発生いたしました旱害については、去る九月七日の当委員会においても問題となったのでありますが、私らが九月九日から同十五日まで国政調査のため佐賀、長崎両県へ出向きました際に、たまたま両県の旱害被害状況を見る機会を得、さらに農林省熊本農地事務局、県当局、農業団体等から詳細な説明と要望がありましたので、事緊急を要するのでありますから、本日緊急に委員会において政府の所見をお伺いしたいのであります。 当時の九州方面の気象事情につきましては、熊本気象台の専門的な意見として通常の年は西日本土空一帯は偏西風に覆われて、七、八月に適度な雨量をもたらしているが、本年は偏西風の位置が北緯三十五度付近に北上したため、九州上空は晴天が続き、雨雲はおろか毎年七、八月に来る台風もよりつけず、全くの異常気圧配置になったのであるとのことであります。そのため十一号ないし十二号、十四号ないし十六号の各台風は、いずれも九州を避けて期待した雨は全く望めない状況となったのであります。このような状況下にあって、八月三十一日現在における佐賀及び長崎両県の被害は最も被害金額の大きい水稲を例にとってみますと、佐賀においては作付面積五万五千四百ヘクタールのうち、用水不足のため枯死及び枯死寸前その他による被害面積は一万八千三百八十八ヘクタールで、減収量は約二万一千トン約十四億七千万円の被害見込金額であり、長崎においては作付面積三万二千五百四十二ヘクタールのうち被害面積は一万六千六百七十二ヘクタールで、減収量は約一万四千トン約九億一千万円の被害見込金額であって、このほか陸稲、カンショ、果樹、蔬菜の被害合計額は、佐賀においては約四億七千万円、長崎においては約十二億九千万円といわれておりますから、両県の農作物の受けた被害金額の見込は莫大なものに上り、さらに今回の旱害応急対策費を加えますと、佐賀の約二十億六千万円、長崎の約二十三億という多額に達するのであります。 このような現状において両県の関係者一同、過ぐる三十三年の苦しい経験にかんがみ、さらに今回の旱害に際会して国の応急並びに恒久対策の確立とこれが助成に対してすみやかに実現されることを心から願うておるのであります。 すなわち両県関係者が応急並びに恒久対策として要望している事項を要約いたしますと、 一、用水確保のための揚水機等諸機械の購入、借り入れ、燃料、電気代等について十分の助成措置を講ずること。 二、一団地五万円となっている用水確保対策補助の三十三年の基準を三万円以上とするよう取り計らわれたいこと。 三、さく井、仮締切、送水並びに枯死田畑に対する代作用種苗等につき助成をすること。 四、自作農創設維持資金枠の拡大、被害農家に天災法を適用し、さらにすでに借り入れ済みの災害資金の償還期間を延長すること。 五、開拓者について開拓営農振興臨時措置法による資金を融通し、開拓地については同法による灌漑計画を優先的に着行できるようにすること。 六、農業災害補償法による水陸稲の概算払を早急に行なうこと。 七、被害農家に対する所得税の減免を行なうこと。 八、救農土木事業を早急に実施し、特に農道の改修、溜池に関する諸般の土木事業は、あらゆる点から見て特に有効と考えられるから、これが早急なる実現を期すること。 九、旱魃対策に要した調査指導費を助成すること。 十、人工降雨の実施について自衛隊の出動並びに設備負担は国の責任において適時に措置すること。 十一、三十三年以降の引き続く旱魃にかんがみ、水源の開発及び水利調査、ダム建設等、灌漑に対する基本的な水利対策を強力に実施するとともに、旱害対策事業としての溜池、水路の新設等、灌漑施設の整備に必要な事業の助成措置を可急的すみやかに実施すること。等であります。このほか、長崎県高木郡愛野村付近における実情についても若干申し上げ、あわせて農林当局の所見及び今後の対策についてお伺いいたします。 九月上旬に降雨があり、私が十三日愛野村に到着したときも降雨がありまして、被災地の水稲の葉の色、形状は外形上正常発育のものとあまり異なるところはなかったのでありますが、実際は幼穂形成期を過ぎたものには、この降雨はおそきに過ぎ、結実は不可能というのが実情ではなかろうかと存じます。カンショについても根の発育は悪く、今後正常の発育に復しても正常のときに比してイモの数は少なく、当然減収が予想されるのであります。愛野村は、秋バレイショの名産地として知られております。ここでは植付適期は九月上旬でありますが、今回の旱害のためようやく十三日に植付を開始したところでありましてこのことからも今回の旱害の激甚であったことは推察できるのであります。本年夏の気象事情は、さきに申しました通りでありますが、島原半島地域の地質は火山灰土であるため、降雨時の増水被害、晴天旬日にして旱害を招来し、毎年農業用水の不足は農業生産の一大阻害要因となっております。近時、農家は畑地灌漑による近代畑作農業の振興に目覚めておりますが、農業用水は地下水の開発利用以外にあまりこの地域では方法がないのであります。しかし幸いにもこの付近の深層地下水の開発が可能ではないかと思われるのであります。これについて、島原市長及び南高来郡町村会会長等から、本地方を三十六年度からぜひ深層地下水実態調査地域に指定することの実現方に強い要望がありました。 以上今回の旱害に対する国の根本方針、旱害に対する応急及び恒久対策として今日まで政府のとった措置並びに今後の見通しについて、また島原地方を深層地下水調査地域に指定することその他今後の見通し等につき、政府の所見をお伺いしたいのであります。新聞で承知をいたしますと、きょう閣議で政府におかれては旱害対策についての決定をなさるということも見ておるのでありますが、以上私の質問を簡単に終わりました。政府の所信をお伺いいたします。
○説明員(宇田國榮君) ただいま櫻井先生の御指摘、御質問の通り、昭和三十三年度には御承知の通り、非常に植付が不可能で、そうして代作などもできたのでありますけれども、今回の旱害は、植え付ができましてから成長時期に入って非常に日照りが多く、三十三年度を上回るとも下回らない非常な被害があると私は考えておる次第であります。全国的には農作々々という声に、なるほど八千六百万石というような発表がありますけれども、地域的には非常に被害が大きかったということが察せられますので、われわれ農林省といたしましては、第一班と第二班に分かれまして、そうして現地を調査して参った次第であります。 ただいま御指摘の通り、本日の閣議というような新聞でありますが、それは誤りでございまして、私の知っている範囲といたしましては、二十七日の閣議になるのじゃなかろうかと思いますが、三十三年度と同じような天災融資法を適用いたしたいという心がまえでございます。これは決定と申し上げても差しつかえないと思います。 それから今後政府として了承してやっていかなければならぬということに対しまして内定している問題を申し上げますと、旱害を防止するために実施する掲水機、揚水専用動力機及び堀井戸の設置、水路の堀さくその他用水確保のための事業の実施について所要の助成を行なう。 被害激甚地における資金融通のため天災による被害農林漁業者に対する資金の融通に関する暫定措置法に基づく経営資金の融資、自作農維持創設資金の追加割当及び農林漁業金融公庫資金よりの掲水機等の購入資金の融通を行なう。なお、被害の実情に応じ既往借入災害資金等の償還延期等の措置を講ずる。 それから三番目といたしまして、被害地における代作種子の確保及び技術指導に万全を期し、これがため所要の助成を行なう。 四、水陸稲について収穫皆無等被害激甚地域の農家に対し農業災害補償法に基づく再保険金の概算払いまたは共済金保険金の仮払いを迅速に行ない得るよう処置をする。 それから五番目に、被害地方公共団体の旱害による税収入の減少と支出の増加が著しい地域については、地方交付税中特別交付税において所要の措置を講ずるよう配慮する。 上記のほか用水確保のための事業については、被害地域の実情に応じ適切な行政措置を講ずる。ということが内定している次第でありますが、なお詳しいことは農地局長より説明いたさせます。
○説明員(伊東正義君) 今政務次官から御答弁ありましたことを若干補足させていただきます。 今、政務次官お述べになりましたことは、大体来週の閣議の了解事項として決定をしてもらうということで、今関係各省おのおの準備をいたしているような次第でございます。先ほど櫻井先生、数点あげられましていろいろ御質問がありましたことに対しまして、今の政務次官の御答弁で大体尽きているのでございますが、今まで交渉いたしました経緯あるいは決定いたしましたものについて、農地関係について御報告申し上げます。 今、政務次官から自作農資金について追加割当を行なうという御答弁がございましたが、これはすでに決定いたしまして、先週中に実は事務局までおろしております。事務局が県の実情に応じまして割当を行なうということになります。三十三年におきまして自作農資金は旱魃対策として九億の追加割当をいたしましたが、本年度は約十億の割当をすでにいたしまして、この点は手配をいたしております。 それから揚水機とか動力機の購入等につきましては、これも御質問の第一点にございましたが、これは三十三年にやりましたと同じ補助率で、たとえば都道府県でありますれば六割五分、市町村組合土地改良区等でありますれば五割、共同施行の場合はその六割五分の三割というような三十三年と同じ補助率でやることになっております。それから水路とか、さく井というものにつきましては、これは六割五分というような、補助率は三十三年のままでございます。それから要望の中にございました一団地五万円というものを下げるという要望でございましたが、この点につきましては、実は五万ということはそのままにいたしております。 ただ、もう一つ、実は一つペンディングになっておりますものは、共同施行等の場合に、あまりにわずかな補助金、いわゆる零細補助金にならないように、あまり少額のところについては、これは考えなくてもいいのではないかというようなことが今大蔵省との交渉で残っております一つの問題でございまして、これが片づきますれば、もう全部片づいて、閣議決定を見て通達を出すという段取りに実は相なっておるわけであります。 期限の問題は御質問がございませんでしたが、三十三年度は八月十五日までにやりました措置について助成をとっておるのでありますが、今年度は実情に応じまして八月一ぱいあるいは今の交渉の段階では九月のどの辺までにしようかということで実は交渉をいたしておりまして、これも実情に合ったような措置をいたして参りたいというふうに考えております。 それから救農土木の点でございますが、これは昭和三十三年度には、実は一部行なったのでございますが、本年度といたしましては、この点につきましては現在手持ちいたしております老朽溜池の予算でありますとか、あるいは団体の予算というものを旱魃地帯に優先的に使っていったらどうだろうか、そういうことで考えたらどうかというようなことで、特別に救農土木という銘を打ちまして工事をやるということでなくて、その地帯に適した仕事をやっていくという考えでおるわけでございます。また、開拓者につきましては、三十三年度も人間の飲みます水でありますとか、家畜の飲用水でございますとか、こういうものにつきまして、新して井戸を掘ったとか、水路を設けたものについては、六割五分の補助をいたしておりますので、これにつきましても三十三年同様の補助をやって参りたいと思っております。また、開拓者の資金につきましても、これは今の自作農資金天災融資法も出ますので、その様子を見て、どういうふうにするかということは考えたい、今のところは天災融資法、自作農資金でまかなえるのではないかというふうに実は考えております。そのほか、御質問のありました所得税の減免等につきましては、これは所管が違いますが、経済局長から国税庁の長官あてに減免の問題あるいは徴収猶予等の問題について依頼を公文をもって実はいたしている次第でございます。 また、保険金の概算払いの問題もこれはおのおの関係の方に通牒を出して通知を出している次第でございます。 また、天災融資法につきましては、これは今大蔵省と交渉の段階でございまして、これも近日中に発動をするというようなところにきております。従来貸しましたものの償還延期とかいうことは、開拓者あるいは公庫の問題についてでございますが、これも従来通り考えたらどうだろうというふうに思っております。 それから、最後に御質問のございました島原地区の深層地下水の問題でございますが、これは全国的に火山の山ろくでございますとか、あるいは洪積台地等でいろいろ要望が非常に多いのでございますが、来年度は実は九州では鹿児島県の薩南台地というところを対象にあげまして、実は要求をいたしております。深層地下水は相当ございますが、そのほかに浅層の地下水の調査というものもございますので、もし、そういうことでもいいというようなことでありますれば、島原も来年から浅層地下水ということで手がけていこうと思っておりますが、現在のところは薩南台地が候補に上がって大蔵省に予算の要求をしておるような次第でございます。
○櫻井志郎君 政府の方では大へん御努力になっておられる点は感謝をいたします。私聞き落としたかと思いますが、恒久対策について御答弁がなかったやに思います。三十三年度は恒久対策は政府はやったとも言えるし、やらなかったとも言える。実際、行政上の運営としてある程度団体の土地改良等の手厚い配当によって実際にはやったのだと、こういうふうに政府としてはお考えかと思いますが、一方においては農林省の所管の予算の中に旱害恒久対策費というものは現在でも上っておるはずだと思います。これは最初滋賀県、三重県の重粘土地帯を対象にして予算項目を起こしたのでございますが、こうした予算はいまだに残っておるはずでありますし、この予算ワクを拡大して、新しく本年度特別にひどい干害を受けた地方であり、かつ将来も受ける危険性が十分あると思われる地域に対しては、旱害恒久対策をやるということは、私は政府としてある意味での当然の義務ではないか、そういう点についての政府のお考えを承わりたい。 それから、もう一つは、人工降雨の問題でありますが、きょう私は実はうっかりしておりましてほんとうは気象庁かどっかに来てもらいたかったのを、手続き申し上げるのを忘れたのであります。農林省に伺うのは少し筋違いになるかと思いますけれども、人工降雨に対して、今度ある程度旱害各県が措置をとったようでございます。それは主として自衛隊に依頼した、どういう方法をとったのか聞いたのでありますが、どうも聞いた相手が知事とか副知事あるいは部長という段階で、技術者でないために、あまり技術的な回答を得られなかったのでございますが、方法としては水を積み込んで上空から雨雲が出てきたときに水をまく措置だけをとった、私はなぜ現在人工降雨の方法としてやっておる沃化銀、ドライアイス等の使用をやらなかったのかということを尋ねた。ところが何か福岡大学の先生はそういう必要がないのだと言ったという答えをされる方もありましたが、そうでない答えとしては、自衛隊の飛行機はただで使わせてもらえるために、自衛隊に依頼した、ところが、自衛隊の飛行機には沃化銀やドライアイスを装置してこれを人工降雨に使う装置がないということが第一点と、もう一つは、それを使うと、何か飛行機を痛める、だから自衛隊は非常にいやがる、仕方がないから次善の策として水をまく方法をとらざるを得なかったのだ、こういうような答えをしておる県もございました。そのいずれが真実であるか私は知りませんが、しかし、人工降雨という方法は、電力会社でさえがすでにある程度とっておるやに反聞もいたしておりますし、先進諸国ではある程度実用化しておる方法でもあるのに、日本ではこれだけ旱魃騒ぎをしておって、政府自体が積極的に人工降雨の方法に対して極端な言い方をすればあまり手を下さなかった。ただ県からの依頼で、ようやく自衛隊がこれに消極的に対応した。もちろん自衛隊の活動に対しては、私は敬意を表しますけれども、もっと気象庁なり科学技術庁なり、農林省がそういう問題について積極的に協議をして、積極的な対策をとられるくらいのことはあたりまえではなかろうか。本来とらなかったにしても、来年度以降そうしたことを当然積極的にやっていくくらいの意欲があっていいのではなかろうかと思うのでありますが、それに対するお考えを伺いたい。
○説明員(伊東正義君) 恒久対策のことを申し落としまして相済みませんでしたが、三十三年度の旱魃のときには、いわゆる恒久対策と銘を打ちまして、特に施設をやりましたということはないのでございますが、先ほど申し上げましたように、一応救農土木というような形で灌排でありますとか、あるいは小規模の土地改良というようなことを実はやったわけでございますが、その後先生のおっしゃいました旱害恒久対策という予算がございまして、特に三重県、滋賀県の重粘土地帯でやっておりましたが、これを本年度は実は九州にまで伸ばしまして、大分、熊本両県にはそのために溜池を作るということを三十五年度にはやったわけでございますが、これは来年度もこの問題は、ことしの旱魃にかんがみまして、九州に重点的に新規なものをやりたいということで、実は要求を大蔵省にいたしております。また、今度の老朽溜池の予算でありますとか、団体の予算につきましても、できますればそういう団体でありましても、溜池を作っていくということで重点的に作ったらどうだろうかというふうに考えております。 それから人工降雨の問題でございますが、これはどうも櫻井先生を満足いたさせるような答弁は、私知識を持ち合わせませんではなはだ恐縮でございますが、これに対する態度としまして農林省としてあまり熱はなかったのじゃないかという御指摘、これはまことにその通りでございまして、私どももたとえばこの川の水をどう持ってくるかというようなことにつきましては、かなり注意も払い、何かいたすのでございますが、人工降雨の問題につきましていささか力が抜けているということは、御指摘の通りでございます。一つこれは今後私どもも十分に気をつけまして、ほかの関係の役所と連絡をとりまして、河川の引水、井戸掘りということにつけ加えましてこの問題にも、真剣に将来の問題として取り組みたいと思います。
○田中茂穂君 実は早期米の等外米の買い上げにつきまして、これは委員長よろしゅうございますか。
○委員長(藤野繁雄君) はい。
○田中茂穂君 この問題で食糧庁の業務第一課長でも来られたら……だれか食糧庁から来ておりますか。
○説明員(伊東正義君) 今きておりません。すぐ来ると思います。
○田中茂穂君 では政務次官が来ておられますので、政務次官から責任のある御答弁を願いたいと思います。実はこれは旱害に関連のある問題なのですが、南九州では御案内の通り、もうすでに早くから早期稲作の栽培を奨励いたしておりまして、早期米の反別も相当ふえておるのです。ところが、今年の旱害によりまして非常に粒の小さいまた干割れた米が相当できまして、これが等外にはずされておるわけです。等外にはずされておる結果、相当数量というものが今のところ政府の買い上げ対象になるかならないか、それもまだはっきりいたしてないというようなことも聞き及んでおりまするし、もちろん、こういった措置をおとりにならない以上は、せっかくの食管をくずす一つのきっかけにもなろうかと思いますので、たとい等外米であろうとも、あくまでも政府は買い上げるのだ、価格の問題につきましてはまだそれは慎重に御検討願って差しつかえないと思いますけれども、等外米といえども、やはり米が管理下に置かれておる今日、適正な価格によって政府の買い上げを実施してもらいたい。これは鹿児島県だけではなくして九州全体の早期米の実情というものがさような状態になっておりますので、これについて政務次官の責任のある御答弁をお願い申し上げたい。
○説明員(宇田國榮君) 田中議員の御発言はごもっともでございますが、食糧庁によく検討させて、そうして御趣旨の通り努力いたしますから、きょうはこれでごかんべん願います。
○田中茂穂君 ただいまの政務次官の御答弁では、食糧庁に十分検討をさして、そうして私が申し上げたような措置をとるということをやはりはっきり言っていただきませんと、努力を政務次官がされるということで大体いいと思いまするけれども、もっとこう確約を一つお願い申し上げたい。これがほかの作物であれば私はかようなことは申し上げません。米は御案内の通り管理下におかれている重要な農作物でございまするので、これは管理下におかれているということからしても、政務次官の責任上、これは買い上げるんだということは、私は言えないはずはないと思う。ですから努力をするというのじゃなくして買い上げるという一つ御言明をお願い申し上げたい。
○説明員(宇田國榮君) まあ御趣旨に沿うように努力いたしますから、一つ御了承願います。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言はございませんか。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。 ただいま委員各位において御協議いただきましたところにより、この際、本件についての決議案を便宜私から御提案申し上げ、各位の御賛同をお願いいたします。まず案文を朗読いたします。 決議案 干害及び水害対策に関する件 昭和三十五年七月以降九州各県及び山口県等に起った干害並びに八月以降各地を襲った豪雨はその被害甚大であってまことに遺憾とするところである。 政府は、速かに、干害については、昭和三十三年度の例を下廻らない応急的措置を採るとともに強力な恒久的対策を実施し、また、水害については、伊勢湾台風の場合に準ずる対策を講じ、もって災害の復旧及び防止並びに被害者の救済に遺漏なきと期すべきである。 右決議する。 昭和三十五年九月二十二日 参議院農林水産委員会 以上でございます。別に御発言もなければ、本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 この際、ただいまの決議に対し農林省当局から発言を求められております。
○説明員(宇田國榮君) ただいま決議になりました旱害及び水害対策に関する決議に対しましては、政府といたしましては、極力御趣旨に沿うよう最善の努力を傾けたいと思う次第でございます。右御了承お願い申し上げます。
○委員長(藤野繁雄君) なお、本決議の関係当局に対する送付は、内閣総理大臣、大蔵大臣及び農林大臣を予定しておりますが、これらのことにつきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じます。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。
○中田吉雄君 局長にお尋ねしますがね。櫻井さんが質問されて、いろいろ灌漑対策を聞いたのですけれども、主として水田に対するように承わりましたが、深層地下水は、開拓地と畑地もあるんでしょうが、やはり農業問題基本調査会等を見ても、日本農業の大きな転換期に来ているのです。むしろ、水田の旱魃対策等は、かなり施設は進みましたが、私はやはり畑地の灌漑というものが、今後一番大きなウェイトを持つ問題じゃないかと思うのですが、これはまあ旱魃にはならぬが、営林署の問題が解決しないために三割も五割も生産が落ちている。これはやはり三百万町歩あるいはもっとある畑地にどう水の問題を十分供給するかということが、やはり灌漑施設として日本農業の転換と並んで非常に重要だと思うのですが、それについてはどうなんでしょうか。畑地灌漑をもっと積極的にやるべきだと思う。
○櫻井志郎君 関連。私の質問はこれは両方包含して、それで特に深層地下水等の問題を取り上げて言っておりますから、私は水田に限定して質問はいたしておりません。畑地灌漑という言葉も途中で入れて、それで深層地下水開発の問題も畑地灌漑を想定して質問いたしております。ですから伊東局長が答弁なさるのは、そういう意味でどうぞ。
○説明員(伊東正義君) 今の御質問の点でございますが、ことしやります応急対策につきまして、どちらかというと水田関係の施策が多いことは、これは確かでございます。従来も畑地といいますのは、要するに水はけが悪いというようなことで残っているところが多うございますので、なかなか井戸を掘る、水路を作るといいましても、金もかかり、また自然的な条件も悪いというところが多うございますので、施策が水田に傾くということは、過去においてはこれはまた当然のことであったと思います。で、しかし対策の中には、水田でやりましょうとも、畑でやった施策に対しましても、これは同等に考えていくということは当然でございまして、将来の問題としてことしの旱魃の応急対策というようなことを離れて考えます場合には、今後の農業から考えまして、残されております畑地の問題をどうするかということにつきましては、今田中先生おっしゃいましたように、畑地の灌漑ということを当然これは重要視しなければならない。その一番大きな例が愛知用水でございますが、これは半分以上一万数千町が畑地でございますし、実は最近やっております大きな、国営で群馬の鏑川でございますとか、あるいは茨木の鹿島南部、鹿児島の笠の原宮崎の綾川というようなところは、これは実はほとんどが畑地灌漑でございます。ところが、従来の畑地灌漑の技術面あるいは経済効果等に、まだ全然新しい問題がございますので、実は畑地灌漑の今あげました国営地区はほとんど全部問題になっております。といいますのは、水田でありますと、大体の場合は水路がございますとか、水源の施設がある程度ありますところに用水の補強をするというようなことで、反当事業費が安いのでございますが、大規模な畑灌というようなことになりますと、全然新しい水源施設を作る、また、水路を新しく引っぱるというようなことで、反当事業費もなかなかかかる、経済効果が水田のようにはっきりしない問題がある、どういう作物を植えるかという問題があるというようなことで、実はいろいろ畑灌につきましては、まだ検討しなければならぬ問題が残っております。残っておりますが、われわれとしましては、基本問題の線も出ておりますので、畑灌というものについては、今後とも十分力を入れていきたいと今年から初めて果樹に対しまして補助金を出す。従来は食糧増産というような考えで出しておりませんが、三十五年度からは新しく補助金を果樹園地帯に出すことにしましたので、施策の方法と措置につきましては、従来以上に重点を置いていきたいというふうに思っております。
○中田吉雄君 灌漑施設をするのは、まあコストは畑の方は高いと思うのです。生産力が飛躍的高まるという点では、私は牧草だの果樹だのその他けたはずれだと思いますので、案外経済効果が高いのじゃないかと思うのですけれども、その辺がはっきりしないのです。
○説明員(伊東正義君) あと畑地に何を植えていくかということが非常に問題になるわけです。たとえば鹿児島の笠の原というようなところでは、まあ陸稲とかあるいはカンショというようなことが考えられておりますが、そこへ一挙に、たとえば野菜なり何なり持っていくというような場合に、市場の問題がどうだろうかというような問題も実は出ております。鹿島南部の灌漑地帯でも、あとへ何を植えるかというような問題が実は経済効果の問題が問題になっております。先生のおっしゃいましたようなすぐに果樹に適するとか、牧草で集約酪農ができるというようなことがはっきりし、そこがまた市場の近くで相当見込みがあるというようなところと、地域によりまして、いろいろこれは地域別に考えていきませんと、一律に畑灌といいましても、あとの周囲の経済情勢、市場の問題を考えますと、なかなか実は問題がございまして、今例をあげました笠の原とか鹿島南部等におきましては、農民自身が畑灌をやっても効果がないのじゃないかというようなことで、なかなかごたごたしておるというような実情でございまして、今後の問題としてどういう作物を植えていくかということは、農林省といたしましても、これは慎重に検討し、指導していくということが、水田以上に重要であると考えております。
○中田吉雄君 開拓地におきましては水の問題が非常に大切なんで、深層を爆破して地下水の探索をやるというような希望が多いのです。来年度は一そうたくさんやっていただきたいと思うのです。もう予算要求のシーズンにだんだん入ってくると思うのですが、どうなんですか。
○説明員(伊東正義君) 深層地下水の希望は、実はだいぶ多うございます。大体新しいところ三カ所ずつ手をつけてやっておりますが、来年は先ほどお話がございましたこの鹿児島でありますとか、福島の果樹地帯、もう一カ所地点は今忘れましたが三カ所に新規の要請を実はいたしております。先生の大山等はことしもやっております。今年は一本くらい追加して開拓地についてやってみたらどうかということでやっております。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。 午前十一時二十八分散会