大蔵委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/09/01
会議録
○理事(山本米治君) ただいまから委員会を開きます。 まず、関税政策に関する件を議題といたします。 関税率審議会の審議の経過について、大蔵省当局から説明を聴取することといたします。
○説明員(稲益繁君) 私、税関部長の稲益でございます。お手元に配付してございます「関税改正について」、並びに若干の資料がございますが、「関税改正について」という題目の刷りもので、ごく簡単に従来の経過を御説明申し上げたいと思います。 第一番に、今回の関税率の改正のいろいろ作業を進めておりますその根本の何と申しますか、改正の必要性でありますが、御承知のように、現在の関税率体系が昭和二十六年の全面改正にかかるものでありまして、以来若干の手直しはございますが、大体そのままの形で今日に至っておるわけであります。その間におきまして約十年を経過しておるわけでありますが、今日の現状から見ますると、そこに書いてございますように、現在の輸入税表はその分類がまず非常に古くなっておる、従って現状にそぐわないということがまず第一点でございます。それから、第二の問題は、二十六年から約十年間たっておりまして、いろいろわが国の産業構造も変わって参っておるわけであります。そういう産業構造の大幅な変化に対応いたしまして、関税率をこの際、再検討する必要があるのではないかという点が第二点でございます。それから、第三には、最近の貿易自由化、これに対応いたしまして、関税率を検討する必要はないか。以上三つの観点から、今回関税の全面的な再検討という問題を取り上げたのでございます。 で、従いまして、本問題を審議いたしますにつきまして、今年四月に関税率審議会というものを設けまして、現在その審議会で調査部会を設けて審議をお願いいたしているようなわけであります。大体の私どもの目途といたしましては、四月十九日に、この関税率審議会に正式に諮問が大蔵大臣からあったわけであります。諮問の要旨につきましては、お手元の資料の第一にございます。ただいま申し上げましたような点をかいつまんで、産業構造の変化と、またあわせて貿易自由化に対処して関税率をどうしたらいいか、またこれとあわせまして、関税制度についても検討の必要はないかというような点を、諮問の中心の問題としているわけであります。 で、大体四月の十九日に正式に審議会に諮問をいたしまして、調査部会を設けて審議中でありますが、現在までのところ、お手元の配付資料の中で第八の、二十七ページでございますが、既検討品目暫定税率案というのがございます。現在までに、ほぼ検討の済んでおりますのが、この資料にございますような煉乳以下の、これは重要物資でございますが、品目でございます。 大体の進め方として私どものやっておりますのを申し上げますと、御承知のように、現在の税目が大体九百四十三に分かれておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、これが現在の事態から非常にそぐわない分類になっておる。従いまして、まず分類をいかがするかという点につきましては、ブラッセルの関税分類表というものが、幸いに国際的にすでに十数カ国に採用されておる分類表があるわけでございます。大体これを採用いたしまして、わが国の実情に合うように若干の補正をするということで、分類はまず一応のめどが立っております。従いまして、これによって分類をいたしますると、現在の九百四十三の分類が大体二千百ないし三百くらいに分かれて参るかと思います。その中で重要物資と思われるものを、これは関税上あるいは産業政策上重要だと思われまする品目六十九品目だけピック・アップいたしまして、まずこの重要品目についての税率の検討をいたしたわけであります。 で、この重要品目につきましては、一応の第一読会的な審議が終了いたしまして、その資料の二十七ページにございまするように、未定のものは若干ございまするが、ここにMとございますのは据え置きであります。それから、Aとございますのは、若干の引き上げ、カッコして(10)という数字が上がっております。それから、二十八ページのあたりに塩化ビニールという欄がございますが、こういうところでXという欄がございます。これは逆に二〇程度引き下げるというような、まあ大まかな一応の記号で現在のところ作業を進めておるわけであります。この部会の作業の現在の段階におきましては、まだこれは公表する段階に至っておりませんので、税率をどの程度と決定したという点は公表しないという建前で進んでおります。お含みまでにお願いをいたしたいと思います。 従いまして、この六十九の重要品目につきまして大体審議を終了いたしまして、残りの二千数百の品目につきまして目下部会でもって御審議をお願いしておるわけでありますが、現在までのところ、約千三百程度の品目について、若干の未定はございますが、審議を終えたわけであります。あと七、八百の品目が残っておりますが、ここ二、三回の間で大体その審議の一応のめどをつけたい、かように考えております。従いまして、大体の荒ごなしの作業が一段落いたしました場合に、審議会の総会に中間報告をいたしまして、さらに、その後未定のものの検討と総体のバランスと申しますか、相互間の再調整をいたしたいというような予定で、作業を進めておるようなわけであります。 以上が大体関税の分類と率についての問題でございますが、今回の作業でいま一つ、先ほど申し上げましたように、関税制度自体について再検討の必要はないかという諮問を出しておるわけであります。この関税制度の検討につきましては、「関税改正について」の二ページの三にありますように、これまた調査部会でいろいろ検討をお願いいたしております。検討の対象となりますものは、緊急関税、弾力関税、関税割当制度、それから保税、戻税制度といったようなものでございます。 このうちで、まだ部会におきまして一応の結論を出すところまで制度の問題は至っておらないのでありますが、一応の考えとして問題点を申し上げますると、緊急関税、弾力関税、これはいずれも問題の中心は、憲法で租税の法定主義ということが明示されてあるわけでありますが、緊急関税、弾力関税、いずれも行政府にある程度の関税率の設定についてあるいは変更について委任を受けるという問題を含むわけであります。従いまして、憲法の規定との関係上、どの程度にそれが許されるか、認められるかという法制上の問題がまず第一の問題としてあるわけであります。この点につきましては、目下、私どもとしまして法制局と種々具体的な例をあげまして検討中であります。現在の段階では、緊急関税につきましては、各国でもかなり例が多いわけであります。やはり現在のような国際経済の変動が激しい場合に、場合によって国会で御審議を願ういとまがないというような場合があるわけであります。現にガットの規定におきましても、十九条でそういう趣旨の緊急の場合の措置というものを認めておるようなわけでありまして、ただ、そうはいたしましても、緊急関税を発動する場合には、やはり一定の要件が必要であるし、またその範囲につきましてもある程度制約を受けるというような問題があるわけであります。そういう点につきまして現在検討中でございます。 それから、弾力関税の方に参りますと、これはあるいは農産物、あるいは鉱産物といったものにつきまして、国際市価がかなり変動が予想される、そういう品物につきましては、ある程度、国内産業の安定という観点から、機に応じた関税率の上げ下げといったことを考える必要が起こって参るのではないか。これは主として産業官庁であります通産省、あるいは農林省方面からもそういう要望がかなり強くあるわけであります。また一面、業界の方からもそういう要望が出て参っております。ただ、何と申しましても、弾力関税となりますると、緊急の必要、緊急性という問題がなくなって参るわけであります。従いまして、現在の憲法の規定から見まして非常に問題が多いというような性質の問題でございます。従いまして、かなり、実施するといたしましても、非常に特殊な場合ということに限定されようかと、この点につきましても今回具体的な例をあげまして法制局と折衝するという段階になっております。 それから、関税割当制度、これは御承知だと思いますが、ある一定の割当量までは低い関税率を適用いたしまして、もっぱら消費者を保護すると申しますか、需要者の立場から低い税率を適用して参るわけであります。その一定の割当量をこえますると、輸入制限的な意味合いにおきまして高い関税率を適用するといった、いわば二つの関税率を一つの品物につきまして考えて参るわけでありまして、その実体は現在の外貨割当制度によりますいわゆる輸入割当制度とさほど違いがないことになりまして、輸入の自由化と申しながら、関税の面でさような制度をとることはいかがであろうか、この点につきましては、部会におきましてもかなり批判的でありまして、原則的にはよろしくない制度だというような結論が出ております。ただ、物によりましては、これはアメリカ、あるいはフランス、西独あたりでも採用されておりまして、場合によりまして、わが国におきましても、どうしてもそういう制度が必要であるというようなものがありました場合には、個々のものにつきまして具体的に取り上げよう、一般的な制度としては好ましくないというような結論が出ておるわけであります。 それから、最後に、保税、戻税制度でありますが、これはいわゆる加工貿易振興と申しますか、そういうつまりわが国の貿易上の立場、現在置かれておりますようなそういう加工貿易というものを振興いたします場合の関税上の制度であります。現に保税、戻税制度、いずれも制度としては現在の関税法の中で規定されておるわけであります。また、それがかなり広く利用されておるわけであります。ただ、この問題につきましては、より一そうそうした加工貿易振興の見地から、あるいは適用する品目を拡張し、あるいは手続を簡素化して、もっとこれを活用できるように工夫ができないかということが部会でいろいろ論議されまして、私どもの方で目下具体的ないろいろ手続の点あるいは品目の点につきまして検討をいたしておるわけであります。ただ、この問題につきまして一言申し上げておきたいと思います点は、戻税制度というような形で加工貿易振興ということを考えます場合に、要するに、輸出製品の中に含まれております輸入原材料につきまして、輸出をする際にその輸入原料部分についての関税を戻していくわけであります。その間に物の同一性と申しますか、輸入原料と輸出製品との結びつきというものをはっきりさしておきませんと、場合によっては外国から輸出奨励金といったような見方をされるおそれがあるわけであります。かえって輸出振興の目的に反するというようなことも考えられます。従いまして、制度としていろいろ、手続の緩和は私どもとしてできるだけ考えて参りたいと思っておりますが、そういう逆の面が出る場合があるという一つの制約があるということを御説明申し上げたいわけであります。 大体、関税率並びに関税制度につきましての現在までの関税率審議会の、特に調査部会におきます審議の模様は以上の通りでございます。大へん簡単でございますが、以上をもって関税率審議会関係の中間と申しますか、現段階までの審議の樺様を御説明を終わらしていただきます。 なお、最後に、ここに掲げておりませんが、関税の問題で当面いたしております問題として、ガットの交渉がございます。最近、新聞にも三、三出ておるようでありますが、このガットの交渉の問題につきましては、現在、結論の方から先に申し上げますると、政府として約十四の品目につきまして関税交渉をやるということで、ガット事務局の方に通報済みであります。 ガットの交渉のことで一言御説明申し上げますと、今回、この九月から来年の秋にかけまして、約一年間にわたって関税交渉が行なわれるわけでありますが、大きく分けまして、再交渉の問題と新規交渉の問題と二つに分かれるわけであります。再交渉と申しますのは、従来ガット関係に入っておりまして、ガットの協定税率がある、それを何らかの意味で一方の国が引き上げました場合に、それに対して他方の国がほかの代償品目を要求するといったような、つまり、すでに協定税率があります問題につきまして再交渉をするという意味の交渉でございます。 これがこの九月から始まります関税交渉でありまして、その中に、一つは欧州共同市場との再交渉があります。これは、御承知のように、欧州共同市場が共通関税を設けて参っておるわけであります。その共通関税を設けます段階におきまして、関税率がわが国との場合で引き上げられるようなものが出て参るわけであります。それに対して、日本として、欧州共同市場の加盟国中、例の二十五条を援用いたしておりませんドイツ、イタリーといった二国との間で関税交渉が行なわれるわけであります。それから、いま一つの再交渉は、これは一般的な再交渉でありまして、ガットの規定によりまして、三年に一回従来協定を結んでおります税率を再検討するということが規定上あるわけであります。ちょうど今年がその三年目に当たりまして——今年と申しますか、一九六一年の一月からそういう新しい税率が行なわれるということになるわけであります。従いまして、この九月から十二月までの間に、そういう意味の一般的な再交渉というものが行なわれます。その機会に、日本といたしましても、若干従来の協定をこの際改めたいというような品目がございまして、そういうものをガット事務局に提案いたしまして、この九月から再交渉を相手方とやって参りたいというような考えでおります。それから、再交渉以外の新規の交渉でありますが、これは例のアメリカが、互恵通商協定法の延長に伴いまして、大統領が関税の引き下げ権限を持った。これに伴いまして、関係国に向かって関税引き下げについての交渉をしたいという申し出がありました。わが国の場合も、それに応じて新たな関税条件についての交渉をしようということになっておるのでありまして、これが来年一月以降に行なわれる予定になっております。それから、いま一つの新規交渉は、新たにガットに加盟して参る国が二、三あるわけであります。そういう国を相手に新しいガットの関税交渉をいたして参る、これが第二の新規の関税交渉に属するわけであります。 以上申し上げましたように、この九月から来年の秋まで約一カ年にわたりまして、ガットの関税交渉が行なわれるわけでありますが、大体わが国といたしましては、先ほど申し上げましたような関税率全般の再検討を目下いたしておるわけでありまして、そういう観点から、若干関税交渉につきましても、交渉品目を選定いたしまして、交渉を始めるということになっております。ただ、問題は、その際に、こちらで関税率を上げたい、いろいろ国内産業保護の観点から引き上げの要望がかなり一般に強いわけであります。ただ、すでに協定をいたしております税率につきまして引き上げるということになりますと、必ずその代償を要求されるわけであります。代償としてこちらが関税を引き下げるものがはたしてあるかどうかという、その代償の点に縛られまして、いろいろむずかしい問題が起こって参ります。従いまして、各方面から関税引き上げの要望はかなり強いのでありますが、一面では、こういうガットの協定ができておりますものにつきましては、代償の関係から非常にそれが困難であるという事情にあるわけであります。 以上をもちまして、大体の今日までの関税率審議会の審議の経過並びにその取り運ぼうといたしておりますガットの関税交渉につきましての御説明を終えたいと思います。
○理事(山本米治君) ただいまの説明に対して質疑のある方は、御発言を願います。
○平林剛君 ただいまのお話で、ちょっとお尋ねしておきたいことは、政府は、貿易の自由化の計画について、一定の期間を設け、計画的にこれを進めようとしているわけですね。今お話しの、関税率についてのいろいろな検討は、それに対処するための目的があるわけでありますが、貿易自由化のテンポと関税率全般の検討とが、どちらかと言うと、関税率の検討の方がおくれるということが予想されるのじゃないか。今お話にあったように、日本としては、いろいろ今後の事情を考えて、関税率を上げたいと希望しても、その代償に困るというような工合に、具体的な問題に入っていくと、そこでいろいろな時期的な食い違いが出てくるのではないかということが考えられるのであります。この貿易自由化のテンポと関税率の検討との調整、関係についてはどういう工合に進められているのですか。
○説明員(稲益繁君) お説のように、私、先ほど御説明申し上げましたが、今年は、十年間経過いたしておりまするので、産業構造の変化に対応するというのが、一番の今回の改正の大きな眼目でありますが、あわせて、何と申しましても、無視できないのが、現実の問題としての自由化でございますので、この貿易自由化に対応して関税をどう考えるかということも、あわせて検討するという立場で臨んでおるわけであります。 で、従いまして、自由化との関連だけについて申し上げますると、一応私どもの考えといたしましては——私どもと申し上げても、部会で一応採用されております審議の態度といたしましては、自由化は、御承知のように、自由化計画大綱では、即時と申しますか、非常に近い機会にやるものとか、四つほどの段階があるわけでありますが、そういうこまかい分類をいたしませんで、一応の基本的な考えとしては、自由化を前提として関税率を検討して参る。従いまして、来年の四月から自由化されるものにつきましても、あるいはまた三年後に自由化されるもの、あるいは五年くらいを要するものというようなものにつきましても、一応、作業といたしましては、自由化というものを前提としての関税率を考えてみる。御承知のように、関税率は、そう毎年改正するというわけにも参らぬものであります。ある程度将来の数年にわたる産業構造といったもの、あるいは貿易構造といったものを一応見ながら設定をして参るわけであります。そういたしますと、ある程度やはり自由化というものを前提として織り込んで、この際関税率を考えるべきではないかということで進めております。従いまして、たとえば若干自由化がおくれますようなものにつきましても、この際、関税率を、必要とあれば、引き上げていく。ただ、その間におきまして、自由化が五年以上も先だとか、そういう非常に将来にわたるものにつきまして、関税を今変えて、直ちにそれを実施する、引き上げた税率を実施するということが、需要者あるいは消費者に非常な迷惑をかけるというような物資につきましては、場合によっては、その実施の時期だけを若干ずらすというようなことを考えて参ったらどうかというようなことで、現在、調査部会では審議が進んでおるような次第であります。
○平林剛君 きょう九月一日から約一カ年間にわたってガットの会議がジュネーブで開かれるわけで、ただいまそれぞれ再交渉、新交渉についてのお話がありましたけれども、この中には貿易の自由化に対応する交渉というものが含まれているのですか。具体的にどういうものがあるのか、御説明をいただきたい。
○説明員(稲益繁君) ただいま、御参考までに、一応交渉を予定しております品目を、まずその前に御説明申し上げたいと思うのでございますが、先ほど十四ばかりの品目につきまして交渉を予定しておるということを申し上げましたが、ちょっと品目だけを並べてみますると、アズキ、それからいわゆる雑豆のうちでアズキ以外の豆類というのがございます。それから、大豆につきましても交渉を予定いたしております。それから、マヨネーズ類、粉乳、ラード、脱脂ミルク、ポリエチレン、ポリスチレン、小さな品目でございますが、LPのレコード、それから純トルオール、それから乗用車、工作機械。工作機械は全部というわけじゃございませんが、その中の幾つかの品目をあげまして交渉をしたいということであります。それから、エキス線フィルム、大体以上のような品目をあげまして交渉をする予定でありますが、この中で、先ほど御説明申し上げましたように、自由化の段階ではどうしても保護の必要が起こって参りまして、関税引き上げの要望が非常に強いわけであります。これは一般的な傾向であります。先ほどこれも申し上げましたように、ところが、一面で代償が非常にむずかしいというような点で、代償の点から非常にしぼられて参ったのが、ここに掲げたような、ただいま申し上げましたような品目でございます。 特にこの中で、おわかりいただけると思いますが、大豆のようなものにつきましては自由化が非常に急がれておるわけであります。こういうものにつきましても、若干の関税の引き上げということを考慮せざるを得ないわけであります。代償が非常にむずかしいにもかかわらず、こういうものを、自由化が急がれますそういうものと対応いたしまして、引き上げを交渉したい。それぞれ自由化につきましては若干の、ものによりまして時期の相違はございますが、やはりどうしても自由化を急ぐものにつきまして切実な問題として、こういう交渉をやって参るということになろうかと思います。
○平林剛君 この関税会議に政府としてはどういう人が交渉に当たられるのですか、その点を、よく知りませんものですから、御説明いただけませんか
○説明員(稲益繁君) これは従来とも何回かやってきておるのでありますが、例のガットの事務局がございますジュネーブで行なわれるわけであります。日本側からといたしましては、関係各省、つまり外務、大蔵、通産、農林といったところが大体主体でありまして、そういうところから関係のそれぞれ専門の人が出向きまして、これは各国ともやはりそういった関税の専門家ないしは交渉しようとする物資についての相当詳しい知識を持った方、そういう方面の人がジュネーブに出て参るわけであります。私どもとしても、大体従来通りの考えで、そういう代表の人たちを選定しておるわけであります。
○平林剛君 大蔵大臣が関税率の審議会に対して諮問を行なったのが、三十五年四月十九日であります。今御説明がありましたように、関税制度についてはかなり大幅な改正が検討されておるわけでありますけれども、実際問題としては、国会にこれが法律案として提出される時期の見通しについてはどうなんですか。
○説明員(稲益繁君) ただいま審議会でいろいろ審議をお願いいたしておる次第でありますが、大体、私どもの予定といたしましては、十一月一ぱいくらいには審議会の結論がお出し願えるのではなかろうか。若干のズレがあろうかとは思いますが、そういたしますると、年明け、一月末かあるいは二月早々くらいには、順調に参りますると、国会に提案ができるのじゃなかろうか、かような考えでおります。
○理事(山本米治君) 私から一点お尋ねしたいと思いますが、先ほどの御説明の最後にあった分の、関税を引き上げる場合の代償という問題ですが、今問題になっておる大豆の関税一〇%をたとえば一五%に引き上げよう、こういう問題がある。何か代償を認めなければならぬようですが、たとえば甲なら甲、AならAという商品を、大豆を一〇%を一五%にする代償として、一〇%を五%にする、こういうことなんでしょうが、その手続といいましょうか、これはガットの協定があると思うのですが、かりに、大豆は相当重要な商品であって、それを一〇%を一五%に引き上げる代償として求めたAならAの商品を、一〇%から五%に引き下げる、それが大して重要な商品じゃないということになりますと、各国個々に利害が非常に違うと思うのですが、そういう点はどういうふうになるのですか。ちょっと手続的に教えていただきたい。
○説明員(稲益繁君) これは相手のあります交渉でありまして、私どもとしまして、交渉に臨みます際に、今仰せのような、たとえば大豆なら大豆というものの関税引き上げを要求いたしますると、関係国としてはやはり一番大きいのはアメリカであります。ほかの国からといいましても、わずかな量がブラジルから入っておるというような程度でありまして、アメリカが主たるこれの交渉相手になるわけであります。そういたしますると、具体的に大豆の関税なら大豆の関税を上げますと、私どもといたしましては、向こうさんがそれの代償として要求しそうなもの、つまり向こうにつきましてもある程度、大豆の輸入量が年間約九千万ドル程度あります。そういたしますると、大豆の場合にはなかなかむずかしいのでありますが、一般論といたしましては、こちらが関税を引き上げたいと思いますものの年間の輸入量、輸入金額、それに見合う程度のものをいろいろな品目であげまして、そしてそれについての若干の関税の引き下げというものを予定して、それで相手との交渉に臨むわけであります。交渉の過程におきましては、もちろん、ただいま御指摘がありましたように、日本としては極力重要な物資についての引き上げを要求しまして、どちらかといえば、こちらに被害と申しますかが少ないものの引き下げということで交渉に臨むわけであります。交渉の過程におきましては、なかなか相手がそれでは承知しないというようなことがありまして、たとえば具体的に、日本から今のガットの事務局にこういうものについての関税の引き上げを要求したいという提案をいたしまして、そういうものが関係国に伝わっていくわけであります。関係国としましては、日本からそういう提案があるとすれば、自分の国とすれば逆にどういうものの引き下げを要求したいというようなことを、向こうとして準備して参るわけであります。こちらで代償として予定しましたものが、必ずしもその場において相手と一致しない。そこで、いろいろ交渉上のやりとりがあるわけであります。結局は、交渉の過程におきまして、そういう代償の品目の選定、あるいはその引き下げの率なりというようなものが決定される。全く交渉にかかるということになるわけであります。
○理事(山本米治君) 続いてお尋ねしますが、そうすると、ただいまのような大豆という、そのような利害関係がほとんどアメリカ一国に限られておる場合は、主としてアメリカを対象に交渉がまとまれば、ほかのも自然まとまるだろう。それが数カ国にまたがるというような場合、今の大豆のような場合でも、アメリカ以外の、引き下げ率によって利害がいろいろ違ってくるだろう、アメリカは承知してもほかの国は承知しないということもあり得ると思うんですが、その辺はどうでしょうか。
○説明員(稲益繁君) そういう交渉の場合には、物によりまして、たとえば今の大豆の場合でありますと、一応原交渉国——当初の交渉国ですね、原交渉国という国と、それからその同じような品物を相当量その国に輸出しておるというような意味で、非常に利害関係の深い主要供給国というものがあるわけであります。そういたしますると、今の大豆の場合でありますと、アメリカが原交渉国であり、かつまた主要供給国であるということになりまして、大体アメリカ一国を相手にすればいいということになるわけでありますか、物によりましては、原交渉国と主要供給国というものが何カ国かに分かれる場合があります。で、そういう場合の交渉は原交渉国とだけやるということには参りませんで、主要供給国の承認を得てやる。主要供給国というのは非常に大きな利害関係を持っておりますので、その承認を得てやるというようなことになっております。
○平林剛君 今の大豆の関税の問題について、主としてアメリカ側との交渉か行なわれる、その代償についていろいろ検討しなければならぬ、こういうお話があったわけです。同時に、最近アメリカ側が日本から輸入の多いゴム底靴とか体温計や金属洋食器の関税の引き上げを一方的に行なってきておるわけです。これについても、政府としては折衝をしなければならない。いろいろ関税の範囲内においても入り乱れまして、かなり複雑な状態になり、どれが代償でどれが代償でないかという区分は、一般的にはなかなか理解されかたいのではないか。そこで、これからかなり、貿易の自由化に対処するために、政府としては複雑な関税交渉に臨むわけでありますが、特に日米関係の場合、この代償となるべきものがその貿易一般協定の中の品目とか、税率だけが対象になるんでしょうか。要するに、その代償はこれ以外に他に求めるというようなことがあり得るんでしょうか、この点はどうでしょう。きわめて政治的に、いわゆる日米経済協力新時代とか何とか言葉がありますね、そういう広い範囲内において他に代償を求めるということがあり得るんでしょうか。関税のやつは関税の中だけで議論されていく性質のものですか。従来の例はどうでしょうか。
○説明員(稲益繁君) 今お話しのほかの面でという意味でございますが、大体こういうガットの交渉の場合には、関税の問題は関税の問題として解決していく。従いまして、先ほど申し上げましたように、物についてはいろいろ行き違いがございますが、非常に錯綜して参ります。利害がなかなかうまく合致いたしません。そういう点では錯綜した関係になりますが、物としては、どこまでもこういう関税の問題として解決して参るというのが原則でございます。
○平林剛君 それでは、たとえば今金属洋食器とか体温計とか、いろいろアメリカ側が一方的に引き上げたものがあり、これからもいろいろの複雑な折衝がある場合、あとで私らが聞いたら、このときの品目について日本側として非常に不利になった点は、これで話し合った結果取り返しましたという、比較対照ができるようになるんでしょうか。それとも、他の力関係でそれがなかなかうまくいかないというようなことを想定しなければならないでしょうか。
○説明員(稲益繁君) 他の力関係という点は問題でございますが、今仰せられるように、体温計だとか、最近アメリカが引き上げましたが、これにつきましては、私どもとして当然代償を要求しておるわけです。そういういろいろな、向こうさんの一方的な引き上げから起こって参りましたこちらの代償要求、そこで、たまたま今度は一般的な再交渉の場面が出て参りまして、日本が大臣の問題を持ち出すというようなことになりますると、いろいろな点で考慮のどこかにいろいろなものが錯綜して入るということは、それはあり得ることだと思います、交渉でございますから。ただ、どこまでもそういう場合に、関税の譲許の程度の問題として一定のバランスがとれたところで妥結ができるというようなことになって参るわけであります。従いまして、こちらでこれの代償としてはこういうものを予定したいと思いましても、交渉の過程で逆に、いろいろこちらが向こうに対して要求しておるようなものがそれとからんできて解決されたり、そういう場合は交渉の場面としてあり得る。ただ、原則は、どこまでも関税は関税の問題として解決するということには違いないのです。
○上林忠次君 ちょっと関連して。大臣の問題でございますけれども、相手国は、主要な輸出国はアメリカだということで、主としてアメリカを相手としての話になると思います。ソ連とか中共とか、大豆の生産国、これらとの貿易はないというような状態ですけれども、こういうようなことについては、どういう工合に処理されるのですか。中共に対する大豆等の関係、ソ連との関係、また、大豆の問題だけでなしに、ほかにこういう問題は農作物であるのじゃないか。たとえば菜種のような問題などはどうなのか——というような問題はどう考えておられますか。これらをつけ加えて一つお話を聞きたいと思います。
○説明員(稲益繁君) 今の大豆の問題は、御指摘のように、現在は入って参っておりませんが、過去において中共からかなり入って参っております。ただ、現在、私どもはこういう交渉をします場合には、日本とガット関係に入っておる国だけが交渉の相手になるわけでございます。利害関係国と申します場合も、ガット関係のある国であるということが前提になるわけでございます。従いまして、今度のような場合に、大豆の問題を交渉するといたしますると、中共とは現在ガット関係が全然ないわけでございます。従いまして、交渉上のそういった問題は全然起こって参らないわけでございます。
○上林忠次君 菜種は——大豆以外の農作物は。
○説明員(稲益繁君) 今、菜種とおっしゃいます意味は……。
○上林忠次君 菜種が相当アメリカから入るのではないかと思いますがね。日本の農作物を保護するために、大豆と同じような処置をとらなければいかぬのじゃないか。
○説明員(稲益繁君) これは、私ども現在考えておりますのは、大豆についての関税だけでありまして、菜種その他の問題は、これは関税の問題としては現在考慮しておりません。ただ、国内のいろいろな対策としては、別途考慮がいろいろされておるようでございます。それはもっぱら国内対策の問題であります。関税交渉の問題としては、別に菜種の問題は取り上げておりません。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、祖税制度に関する件を議題といたします。 昨日、大蔵省から提出されました税制審議会の審議の経過に関する資料並びに村山主税局長の説明に対し、質疑のある方は御発言を願います。
○永末英一君 きのう出ました税制調査会の各部会の審議経過の中で、特に祖税特別措置に関する審議については、プリントでは相当詳しく御報告をいただいておるのでございますが、それぞれの問題について、一体、どういうことをやればどのくらい税が上がってくるか、逆にいえば、今どれだけ、これこれの措置について減免額が上がっておるかということを見通しながら審議されたと思います。従って、プリントを繰り返していただく必要はございませんが、特に今申しましたような、大蔵省主税当局は税額としてはどういう動きがあるかということについて、その数字を入れながら一つ簡単に御報告を願います。
○説明員(村山達雄君) 現在の祖税特別措置による減収額につきましては、再々国会に提出しておりますので、もし、あらためて御質問があればお答えいたしたいと思いますが、その点は省略させていただきまして、今までこの問題について論議いたしましたのは、国税の特別措置について三回やっておるわけであります。今までのところ、何といいますか、一般論として検討を進めており、三つの範疇に分類してものを考えておるわけであります。 一つは、特別措置の中に準備金制度という形の特別措置がいろいろございます。たとえば退職給与引当金であるとか、価格変動準備金であるとか、あるいは貸し倒れ準備金であるとか、その他各種の準備金、こういう系統の特別措置、それから産業政策上とられた特別措置、輸出所得控除、重要外国技術の所得に対する軽減、こういった一連の関係、特別償却というようなものであります。それから貯蓄奨励措置としてとられております特別措置の問題。それから形でいきますと、租税特別措置法の中に盛られておるものと、あるいは所得税法、法人税法の中に盛られておっても、その精神において特別措置的なもの、これらを広範に取り上げておるわけであります。それぞれの現在の減税の運用の状況なり、あるいはそれが盛られたときの精神なり、それから現在どういう点に問題点があるか、こういう一般論を三回やっておるわけでございます。 先般中間答申が出まして、この租税特別措置につきましては、相当政策的必要性のあるものについては弾力的考慮を払うことはもちろんであるけれども、原則としては、この減税の機会に一そう整理合理化を進めて、それで負担の公平の実現を期する、こういう答申が出たわけでございます。 この個々の細目についてどんな措置を講じておるかということは、今後の検討にかかっておる次第でございまして、それで、問題点は今までの調査会におきましていろいろ論議したわけでございますが、必ずしも一定の方向が出ていない。ただ、調査会の空気といたしまして、先ほど申しました中間答申の線は出ておる。具体的な問題については、今後の審議を通じて具体的に解決したい、かような段階でございます。
○永末英一君 それぞれの今申されたような種別が、租税特別措置について起こってくる税の減免、税の免税あるいは減税になっておる額があるわけでありますが、それは国会に報告されたものはときどきやっておられますけれども、特に昨年後半以来景気が非常に変わっておる。そのことについて動かないものも、もちろんございます。動いておるものもあろうと思うので、もし動いておるものがあれば、その辺の数字をお伺いいたしたい。
○説明員(村山達雄君) 多分、国会にお出ししましたのは、三十五年度ベースにおけるものを出したと……。
○永末英一君 見込みで出したのですか。簡単なものが出てきたですね。
○説明員(村山達雄君) 現在、大体千二百二十七億という数字が出ておると思いますが……。そのほかに、特別措置的なものとして考えられるのは、現在の有価証券に対する譲渡所得の非課税、あるいは国民貯蓄組合のあっせんによる預金の利子の引き上げ、これらのものが実質的な意味で特別措置ではなかろうかというので、それらのものをあわせて検討したいということでございます。
○平林剛君 ちょっと関連して。三十五年度予算を編成した当時の租税特別措置による減免額は千二百二十七億円。ところが、好況を反映してその金額は、きのうの自然増収の議論ではないけれども、やっぱり租税特別措置の減免額についても増大をしているように思われるのです。政府は当初千二百二十七億と見たけれども、千二百億をこえていたという場合があり得るので、非常にこれはむじゅんでないかと思うのです。これらについては、どういうふうに考えられますか。
○説明員(村山達雄君) もちろん、この減収見込額につきましては、当時想定されるいろいろな指標に基づきまして計算しております。おっしゃる通り、国民の経済の規模が拡大いたしますと、それに伴って若干の異動はもちろんあるわけでございます。そうしておっしゃるように、非常な、どのくらいの規模になるかというやつは相当精密に計算を立てないと、なかなかわかりにくい。ただ、動き得るということは確かでございます。
○大矢正君 局長、あなたの方から出されている資料、数字が合わないんですがね。この後、資料が出ているのかどうか。減収額の予想が九百九十億という以降に、新しい千二百二十七億という資料出ていますか。分類した表は九百九十億というのは出ているのだが、千二百二十七億というのは出ていないんですよ。
○説明員(村山達雄君) 今九百九十億とおっしゃったのは、それはいつの分であるか——そのときどきの段階で推計を加えておいて出しておりますが、たしか千二百二十七億の前にお出しした数字は千五億の数字を出して、その後見積もり額として千二百二十七億というものを出したと思います。もし何でございましたら、後ほど一ぺん突き合わしてみたいと思います。
○理事(山本米治君) ほかにございませんか。
○大矢正君 局長、この今のあなたの言われた突き合わせもけっこうだけれども、千二百二十七億ということになると、二百三十億、二百四十億に近いから、どこでそのくらい違ってくるのか。ぼくらもちょっと資料としてもらいたいと思うので、あとで資料で出して下さいませんか。
○説明員(村山達雄君) 三十四年の予算べースで出しました数字は千五億、それから三十五年の当初予算ペースで出しましたのは千二百二十七億という数字を出しているわけであります。九百九十億という数字がどんなことになるか……。
○平林剛君 大蔵委員会にはそれが出ていないのだよ。予算委員会で出したんだろう。
○大矢正君 あなたはどこで出したか知らぬけれども。
○説明員(村山達雄君) 後ほど一ぺん調べてみましょう。
○理事(山本米治君) 主税局長、今の資料要求は了承されたのですか。
○説明員(村山達雄君) もし千二百二十七億が出ていないようでございましたら、あらためて提出いたします。
○理事(山本米治君) 他に御質問ありませんか。 —————————————
○理事(山本米治君) 次に、専売事業に関する件を議題といたします。 まず、本年三月の専売制度調査会の答申に対し公社当局としてとられた措置について、説明を聴取することにいたします。
○説明員(石田吉男君) 調査会の答申がかなり広範にわたっておりますので、おもな点だけにつきまして、ごく簡単に申し上げたいと思います。 最初に、経営管理組織を強化しなさいという答申がございますが、その中で常務会制を採用したらどうかという御提案がありました。この問題は現在の制度のままですぐ実現できるものではございませんので、その必要性、それからやるとすればどういう点に問題があろうかというふうなことを検討中でございます。それから次に、監事制度をもっと活用しろという答申がございましたが、これにつきましては、現在専売公社に大蔵大臣の任命されました監事が二人おられますので、これに五月一日に監事の監査要領というものを改正いたしまして、監事室というものを設けて、現在公社の内部機構として内部監査をやっておりますが、それと重複する事項がございますので、その仕事の分野を明確にして、すでに積極的な活動を始めております。それから専売事業審議会、これをもっと活用しなさいという御答申があったのでありますが、これにつきましては、これは専売公社の機関ではございませんので、むしろ大蔵省の問題であるということで、私の方では手をつけておりません。それから、公社の内部組織をもっと企業経営本位にやれるように工夫をして、企業能率の増進をするように再編成をしなさいという趣旨の御答申がありましたが、これはなかなか大問題でございますので、部内でいろいろ検討をしておりますが、まだ結論を得るに至っておりません。 それから、第二番目としまして、業績判定ルールを確立するようにということで、これは公社のやっております仕事の効果が何らかの基準によって判定できるような基準を作って、それに向かって努力するように、こういう趣旨のものでございますが、これもいろいろむずかしい点がありまして、具体案を練っておりますが、まだ成案を得るに至っておりません。 それから、販売業務の改善につきまして、現在の小売店の指定基準を改めるように、あるいは販売業務の配達業務、これについてもっと販売の仕事が能率化し、かつ採算が合うように考えなさいというふうな問題があります。小売店の指定基準の問題につきましては、現在改正するつもりで検討をしております。それから、その次の今申し上げました販売業務の能率化と配達業務の改善という点につきましても、これも目下検討中であります。それから、消費者の嗜好に合うようにたばこの銘柄を増加すること、これにつきましては、本年度すでに二つ新しい銘柄を出しておりますが、下期につきましては、葉巻につきましても新しい製品を作るように現在準備中であります。なお、来年度以降につきましても、できるだけこの趣旨に沿ってやるように、いろいろ計画を始めているところでございます。 それから、四番目といたしまして、公社の仕事の一部を民間事業に切りかえた方がもっと能率的でいいのではないかという御提案があるのでありますが、この中で、機械の製作であるとか、あるいはたばこの包装の印刷を外注にするとかいうような問題につきましては、これはいずれも公社の中に工場があるのでありますが、これらにつきましては、まだ具体案を得るところまで考えがまとまっておりません。それから、たばこの、普通ライスペーパーといっておりますが、巻き紙が専売制になっておりますが、これはもう専売制の必要がないので、それを許可制にしたらどうかという御提案がありますが、これにつきましては、現在の状態では別に支障ないと思いますので、いずれ法律の改正を要する問題でありますから、その時期を待って適当な措置をとりたい、かように考えております。 それから、五番目といたしまして、公社に対する監督が、国会、大蔵省、会計検査院、行政管理庁、各方面からの監督が行なわれておるので、その監督が公社運営の細部に立ち入り過ぎるので、むしろそういう監督は大綱的なものだけにとどめて、企業運営に自主性を与えるようにという御提案がありますが、これは私どもの方でどうこうするという問題ではございません。ただ、その中におきまして、たとえば会計検査院の検査証明のやり方が非常にこまかいというふうな事務的な問題につきましては、検査院の方とお話し合いをいたしまして、ある程度必要な範囲の改善は行なうようにお話をしております。 六番目といたしまして、その他の主要な改善策。一つは、長期計画を確立しなさい。これにつきましては、現在さしあたり五カ年、今後五カ年の国民経済の伸びを考えまして、総合的な長期計画を作るように準備中でございます。その次に、生産及び製造の技術向上に関するもの、これはいろいろな内容があるわけでありますが、この趣旨に沿いまして、できるだけ公社限りで実行できる面は大いにやっていきたい。で、具体的なものから着手いたしております。それから次に、葉タバコの輸出の増進をはかること、工場能率の増進に努力すること、まあいろいろな障害もあるわけでありますが、私どもとしてやるべきことは当然なことであります。従来からやっておることもありますが、新しくまたいろいろのことも考えております。 それから、以上はたばこの事業でございますが、塩事業につきましては、現在すぐ専売制度をはずすというのは考えられないが、塩専売に関する、専売の機能というものを、塩のいろいろな関係の産業、事業があるわけでありますが、そういう事業が自由企業として自立するような方向に持っていく、そのために専売制というものを活用するといいますが、そういう主要産業が自立化するために、専売制度というものはその橋渡しとしての仕事をするようにという、ごく簡単に申し上げますと、そういう趣旨の御答申があるのでありますが、これにつきましては、塩業審議会というのが従来から置かれておりますが、その塩業審議会に今後の塩業政策をどうするかということをお諮りいたしまして、その審議会の結論を得た上でその方策を具体化して参りたい、かように考えております。 それから、ショウノウ事業につきましては、ショウノウ事業というのは、すでにその意義を失ってしまったのだから、廃止した方が適当である。ただし、廃止するにつきましては、ショウノウの現在の取引機構をさらに健全なものに育成していく、あるいは山元の製脳業者の転廃業対策を十分に考慮してやるようにという御答申でありますが、これにつきましては、現在専売公社がやっておりますことは、ショウノウの専売法がありまして、それに基づいてやっておりますので、公社自体がきめるということよりも、一般政策の問題としてきめていただけばいいことだというふうに理解をいたしております。私どもとしては、昨年ごろまでショウノウ事業が赤字になっておりましたのを、できるだけ赤字を出さない、黒字にしてやっていくということで、事業自体の合理化について努力しております。 簡単でありますが、以上。
○理事(山本米治君) ただいまの説明に対して質疑のある方は御発言願います。
○平林剛君 専売制度の調査会が、長い間諸般の問題を検討した結果、専売制度における現行制度とその運営に所要の改善を加えて、これを存続せしめることが適当であるという方針を答申いたしましたのは、私は大綱において当然の妥当な結論であったと思っておるのであります。もちろん、答申の内容全般について賛成しがたい点、答申案中に含まれる所要の改善においても、問題によっては軽重、あるいは優先的事業とそうでないもの、これについては若干の見解はありますけれども、大綱において妥当な結論だと考えております。ただ、私は、本日注意を喚起したい点は、この答申案の中に、「経営当事者、職員及びその他の関係者が、公社制度改善について熱意を持ち、その育成に努力するのでなければ」「民営待望の声が上がることは避けられない。」という点であります。「公社の運営よろしきを得れば、民営論も起こり得ないわけであって、公社制度存廃の鍵は、経営当事者の努力にある。」ということで、これは私の言葉でありません。答申案の中に述べられている一章であります。 専売制度調査会の答申が出されたのは、御承知のように、昭和三十五年の三月二十五日であります。今日まで相当の期間が経過をいたしまして、それが今日までにおける専売公社、特に経営当事者の努力について見るに、必ずしも満足しておらないのであります。むしろ、この際、答申案の検討と実施に関して遺憾とする面があるのであります。私は、関係者の一人として、この間も答申案の実施状況についてその報告を求めたのに対し、きょうも公社から提出された資料は、ごく簡単な状況の資料だけであります。副総裁も、あるいは公社の関係者も、ただいま大蔵委員会に出席をされて、ついこの前まで審議をされておった関税制度の改正の問題、あるいは税制調査会における調査の概要などの報告書に目を触れたこともあると思う。私は、きのうから大蔵委員会における所管事項として問題を審査するにあたって、それぞれの関係者はかなり精密なこまかい調査結論や、あるいは問題点の指摘を提出されて、われわれの審議の便に供しておる。簡単でなかなかけっこうではあるけれども、私は、本日提出された質料についてもきわめて不満足に感じておる。こういう時期こそ、専売公社の幹部の人たちが公社制度の改善について熱意を持ち、その育成に努めるという努力が必要なときはないのじゃないか、その点について私は疑問を感じておるのであります。答申案の全般について、その内容は専売公社としても十分慎重に検討して、優先的事項や軽重、問題によっては独自の見解のあることは認めるわけであります。しかし、指摘事項あるいは事業部門ごとの提案についても、今日までの期間において検討した経過において、いろいろ問題点や今後の見通しはあったはずである。専売公社の見解があったはずだと思うのであります。私は、本日は大綱について質問をいたしたいと考えておりますけれども、最初に、そういう熱意のある資料をあらためて私どもに提出するお考えがあるかどうか、私はそれを要望するのでありますが、まず、副総裁から、その点の見解を承りたいと思います。
○説明員(石田吉男君) 三月の末に答申が出まして、その後、ほとんど連日のように、いろいろな面につきまして公社の内部で検討を続けております。従いまして、この全部について非常にこまかい資料がいっそろうかというふうなことになりますと、事項によりましていろいろございますが、逐次具体化して参るものがございますので、そういうものにつきましてははっきりお示しできる案としてまとまったものは、いつでも資料として提出いたしたいと思います。
○平林剛君 私は、公社が積極的にこの際、企業の育成やあるいは改善について熱意がある資料を提出するようにお願いをいたしておきたいと思います。私もまた、関係者の一人として、あらためて具体的な問題について資料の作成をお願いすることがありますから、どうか、その点について十分御配慮をお願いしておきたいと思うのであります。 そこで、専売制度における公社の現状、経営上において改善すべき点のある中で、特に、公社に十分な企業性を発揮させるために第一に重視すべき点として答申案があげておりますのは、「経営者に事業の発展向上に対する意欲と責任を十分に感ぜしめる仕組みを考えること」という点であります。このため、「政府も極力経営者の自主性を尊重し、経営者に政府まかせの観念を捨てさせる」、こういうことが指摘をされています。答申案の指摘事項の第一に掲げられているものです。この、第一に掲げられた重要な公社としての欠陥、改善すべき重要な事項について、私どもとしては、政府に基本的な考え方を明確にさせることは緊急問題だと思いますが、しかし、公社側としてもこれに対する積極的な努力が必要だと思うのであります。この点について、ただいまお話しになった点、詳しく触れておりませんが、具体的折衝があったかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○説明員(石田吉男君) その点につきましては、先ほどもごく簡単に申し上げましたが、調査会の提案として、一つは常務会の設置、それから一つは監事制度の活用、それから一つは専売事業審議会の活用、それから一つは内部組織の再編成、これでございます。そのうち、監事制度の活用につきましては、民間の有識者を監事として入れたらどうかという点がございますが、この点を除きましては、すでに実行に入っているわけでございます。それから、常務会の設置という問題につきましては、これは現在の公社法を、かりにこの案をそのままとるといたしましても、直さなければいけませんが、はたして調査会の言われるように常務会というようなものが必要であるかどうか。現在、公社の内部で重要な事項は役員会を開いていろいろやっておりますが、公社の仕事が割合に単純でありますので、そういう役員会の上にさらに各部門を担当していない常務理事というふうなものを置くことが、屋上屋を架すようなことにならないか。あるいは、これに民間の人を持ってきたらどうかという御意見も入っていたのでございますが、現在の給与の現状からいきまして、そういう民間の人が入れるかどうか、いろいろな問題もございます。従いまして、常務会を置いたらどうかという御意見に対しては、公社の態度がまだきまっておりません。それから、専売事業審議会の活用の問題、これは大蔵大臣の諮問機関でありますので、先ほど申し上げましたように、公社の方の問題ではございません。それから、内部組織の再編成、これは結局、仕事のやり方をどうするかという、仕事のやり方について一応の軌道を作りまして、その仕事が最もやりいいように組織を変えるという問題でありますので、まず、現在の仕事のやり方をどういうふうに変えていくか、それにははっきりした長期の計画というものが必要であるということから、長期計画を最初に作ることをやっております。なかなか複雑な仕事でありますので、近くまとまると思いますが、これがまとまって、こういう計画のものをこういうやり方でやっていくんだということがきまりましたら、その上で組織の再編成ということを検討していきたい、かように思っているわけであります。
○平林剛君 現在まで、経営管理組織の強化について指摘をされ、提案をされた事項について、公社側が実行しておることは暫定的なものだ、本格的なものはこれからやる、こう理解してよろしいですか。私どもは、この中にかなり今後の公社の経営あるいは運営問題について重要な示唆を与えた点があるように思われるのであります。でありますから、今後の国民全般が公社の業務の運営その他についての理解の仕方についても、かなり変わった点が現われてくるのではないかという点で、ある点私は共鳴し、同時に、これが具体的に実施されることを期待をしておるのであります。また、先ほどお話の中にありましたように、専売事業審議会の活用についても、かねて私どもが希望しておりますように、それぞれ公社に関係をしておる団体の人たちが網羅されて民主的な構成で公社自体の運営が円滑にいくことを希望しておりまして、こういう点についてもまだ実現がされておらない。その点から、今日までの措置は暫定的なものであって、今後これから専売公社が本格的にその問題について取り組んでくれるということを期待しておるのでありますが、そういう理解でよろしゅうございましょうか。
○説明員(石田吉男君) 別に、今すぐやっておるから暫定的だということはございませんで、私ども、この調査会の答申にあります事項全部を調査会の言う通り実行すべきものだというふうにも考えておりません。一つ一つその内容を十分私どもの立場からまた検討いたしまして、その趣旨においてはけっこうだけれども、調査会の言っておられるような案でなしに、別な案もあり得ると思います。しかし、全般といたしましては、調査会の言っておられる趣旨ないし考え方というものは、しごく私どもももっともなことだと思っておりますので、その趣旨においてはこの答申を生かしてやりますけれども、具体化の問題につきましては、現実に公社の仕事に合うようなやり方ということが必要だと思います。そういう意味合いにおきまして、調査会の御提案になっております各項目をそれぞれそしゃくをして実行に移したい、かように考えておりますが、なお、現在、たとえば先ほど申し上げました監事制度を活用するというふうなことも、これは暫定的な意味というよりも、こういうことでずっとやっていけるのだという本格的な改正というつもりでやっております。従いまして、今やるから暫定的だ、あとからやるから本格的だ、そういうふうには考えておらないのであります。
○平林剛君 ただ、私の希望しておきたいことは、専売公社は今日、事業全般が一つの転換期に立っておるという自党を持っていただきたいということです。この機会に改善すべき点は改善をしていかなかったならば、やはり将来においてまた新しい国民の声や世論が起きてくるのではないか。だから、答申案が出たからその答申案についてこれを実行に移せばいいんだという考え方だけで、今日の事態に対処してもらいたくないのだ。国民的な立場に立って、専売事業というものがどうあるかということを真剣に考えて、たとえ答申案に触れられているのでないものについても、いいものはこれを実行するという態度で臨むことが、専売事業を民営にしたらどうかとか、あるいは他に切りかえたらどうかというような議論をなくしていくことだと私は考える。そういう心がまえで今日の事態に立ってやってもらいたい。そこで、現在の専売公社の経営管理組織の強化につきましても、公社の事態に合わせていろいろな問題を考えるのでなくて、新しい目でもって専売公社を見るという態度でこれからの問題を処理していったらどうか。だから、私は一つの例として、答申案があげておるのでしょうけれども、民間の有能者を任用するということもそういう意味では軽視してはならないのじゃないか。また、公社の中にはかなり有能な官吏の人もおるわけですから、そういう人が抜擢されて、そうして新しい事態に対処するということも考えていいのだし、私はそういう意味で、積極的な態度で問題の解決に臨んでもらいたいということを、この機会に要望いたしておきます。 次に、答申案の中にあまり深い分析はなくて、この解決のための適切な具体的な提案はありませんけれども、一点だけ取り上げておるのは、現在の公社制度における重要な欠陥として予算制度の問題があると思います。予算制度が企業経営にふさわしくない点、経営者としては企業採算に鈍感となり、全般には企業意欲を振起させない、この点が予算制度の欠陥として現われておることが指摘をされておるのであります。この問題について、公社側の権討した結論、もしくは公社として積極的に要望する点は何か、この機会に一つ公社のふだん考えておる基本的な考え方を明らかに述べていただきたい。
○説明員(石田吉男君) ただいま平林委員から、公社の仕事に対する根本的な心がまえということについてお話がございましたが、その点につきましては、私ども、ただいまお話のあったような考え方、全幅的にそういう考え方で業務の改善に邁進したいと、かように考えております。それにつきましては、ただいま御質問のありましたことと非常に関連があると思うのでありますが、これは調査会の答申にもありますように、現在専売公社が仕事の業績が上がったかどうかということは、一応専売納付金が多かったか少なかったかということによって判定される建前になっております。しかし、これではその企業努力による部分がどの程度現われているかということがわからない。従って、企業を経営する者あるいは企業の中で働く者、それを刺激する仕組みには欠けているのじゃないか。その点、勤労意欲を大いに振い起こすような、何らか効果の上がるような方法を講じたらどうかということで、この調査会の中に一つの提案がございます。それは公社の業績を、専売納付金という形でなくして、別な形で判定する方式を定める、その方式に従って業績が向上したと認められた場合には、その職員の努力にその一部をもって報いるような方法をとることが妥当である、こういうふうに言われております。これにつきましては、私ども年来さように考えておりますので、もちろん、政府の事業であり、また国民が負担しておりますその資金によって仕事をしておるのでありますから、民間の私企業のような工合にはとうてい参らないことは当然でありますが、何らかこの点を具体化して参りたいということで、今いろいろな方式を検討しております。しかし、御承知のように、たばこ事業のようにもうかる仕事もあり、また塩の事業のように現在のところはまだ赤字になっておる、たとえばショウノウ事業でありますと赤字はなくなったが、かろうじて黒字に転じつつある、いろいろ業態も違います。そういうことで、公社全般としてそういうものをまとめていくのにはどうすればいいか、簡単にいかない部面もございますので、せっかく検討を続けておりますが、何とかしてこの点は具体化して参りたい、かように考えております。
○平林剛君 大蔵省の人はおりますか。
○説明員(福田勝君) 監理官がおります。
○平林剛君 ただいまの点について、私は特に大蔵省の見解を聞いておきたいと思います。今、副総裁が言われたように、いろいろ予算制度には欠陥がありまして、答申案でも具体的な提案がされておるのでありますが、具体的な折衝はどこまでやっておるか、私は寡聞にしてまだ知らないのであります。それがどの点まで軌道に乗ったかは、まだ明らかでありません。 ただ一つ言えることは、公社の業績判定のルールの確立について、先般私は予算案の審議のときに、予算総則に掲げられておる条項の具体的実施がどうなっておるか、ただしたことがある。ところが、御承知のように、予算総則の中には、あらかじめ定める基準があって、従来においても業績賞与の支給が行なわれているにもかかわらず、その基準すらまだはっきりしないという状態である。何年間も、業績賞与制度が予算総則に掲げられておりながら、具体的なルールというものがない。今回せっかくこういう答申案がなされましても、今までのような大蔵省の態度でありますと、はっきりした結論というものがついに現われてこないことになりまして、本来の目的を達することができないように思う。 そこで、私は、今日まで大蔵省側は専売公社との間にどういう程度まで話し合いを進めておるか、それから大蔵省側として公社の業績判定のルールの確立についてどの程度の考えをもって臨んでおるか。先般予算委員会で私は要求いたしまして、具体的な基準を示してもらいたいということに対し、主計局長は早急にこれを提出すると言われましたけれども、まだ私の手元には簡単な要綱だけ提出されただけで、何のことかわからない文書が提出されたにすぎません。それでは、これからのこの事業の問題を解釈することはできませんから、いつごろになったらそういうはっきりした態度が明らかにできるのか。 この三点について一つ政府側を代表して答弁していただきたいと思います。
○説明員(福田勝君) ただいま平林委員から御指摘になりました、従来から非常に重大な問題であった業績賞与の点に関するところの、答申がありました後における大蔵省の態度、もしくは公社と大蔵省の間の協議がどういうふうに進んでいるかというような点についてでございますが、ただいまの平林委員の言及せられました、昭和三十四年の三月ごろの参議院予算委員会の第四分科会におきまして、平林委員と主計局長との間に、この点に関してはかなり突っ込んだ応答が行なわれた点につきまして、私もその記録を拝読いたしましております。そのときにも、大蔵省側から主計局長から申し上げてございますように、理想なり目標といたしましては、ねらいは今度の答申の中に書いてございますような、一定のルールと申しますか、基準的な考え方、これは当時の石原局長も望ましいと、そういう方向に沿って努力するという答弁をしておりますので、おわかりであると存じます。 ただ、平林委員は、この問題につきましては、五七年の仲裁裁定で指摘されてから以来の本件の経過につきましては、まことによく精通せられておる権威であられますので、こまかく申し上げる必要は全然ないと存じますが、大蔵省側のいろいろな考慮しなければならない点につきましても、きわめて善意にわれわれが公社の企業性を尊重した上で考える方向においても、技術的にかなりの困難な点が多い問題であるという点は、つとに平林委員のよく御承知の通りであると思います。しかしながら、そういう言い方の陰に、あたかも後退するような形でいつまでも現状までのような状況で推移するという点はこの調査会の答申によって、やはり明らかに公社の企業性の前進という点については十分でないという御指摘を受けているわけであります。本質的に非常にむずかしい問題であるという点を御納得いただいた上で、公社と緊密なる協議を遂げた上で、今後も大蔵省としても、この目標は、こういう一定の基準というようなそういう方向に向かいまして、いろいろな具体案を努力して参りたいと思います。こういうふうに考えております。 しからば、今までにどれだけ進捗したかというお尋ねでございますが、いろいろわれわれとしても考えておりますし、公社の方におかれても、管理部その他においてはある程度の案を考えておられるようでございますが、しかし、いずれもまだ、それをお互いに突き詰めて協議をするというようなところまで、なかなかうまい成案というものをつかまえていないのが現状なのでございまして、この点は、あるいは先ほどのように、前の第四分科会のときに石原主計局長からも提出するというような話があったから、もうできていなければいけないという御批判を受けることになるかもしれませんが、善意をもって努力した結果が、そういう問題の困難性のために、そういう状態にあるという点を申し上げておきたいと存じます。
○平林剛君 私は、この問題については、すぐに提出してもらいたいというほどがんこでありませんけれども、少なくとも来年度の予算提出のときまでには、大蔵省の結論を得てもらいたい。そうでなければ、私はもう一度この問題については言及をして、今度は怠慢だということで追及いたしますから、さよう御承知を願いたいと思います。政務次官も、この点は今日の専売公社と大蔵省との間における一つの難点である。私ども常に考えておるのは、国民大衆にサービスするところの専売事業であってもらいたい。ところが、どうしても専売益金という税金を中心に専売事業を行なうというところから、いろいろな批判が生まれてくるのであります。これらを克服するための一つのかぎになっておる点でありますから、一つ政務次官におきましても十分御検討いただいて、私の要望する時期までに何らかの結論が得られるように、御配慮を賜わりたいとお願いしておきます。
○説明員(福田勝君) ただいまの平林委員の、今度の予算の時期までにはその案を出せとおっしゃっている点につきまして、御趣旨は私はよくわかるのでございますが、ただ念のために、ちょっと簡単な事柄についてだけお願いしておきたいと思います。 それは、この考え方の骨子というようなものについては、十分御批判を受けるような形で、対外的にもある程度は御提出申し上げるということになるのかもしれませんが、どの程度の具体性を持った形でそういう問題を外部にお出しするかということになりますと、この答申案自体におきましても、これは一つの示唆をしていると思いますけれども、まあ適当な審議機関の意見を徴してきめろというようなことを言われておるのでありますが、こういった具体的なところまで、はっきりこういう方向に行ったらいいかどうかということについては、なお十分検討する余地があると思っておりまするし、それから、なるべく平林先生の言っておられる御趣旨には即応するように努力をいたしまするけれども、しかし、はっきりした一つの形、具体性を持った形のものを予算提出時期までには大蔵省がお出しするというところまでは、事柄の性格上行きかねる場合もあるのじゃないかという点を、お願いしておきたいと思うのであります。
○平林剛君 そんな消極的なことではだめですよ。私の方もこの問題については積極的な考えを示しますから、あなたの方もこれについて積極的に解決するという態度が今日の段階で必要なんです。政務次官に一つ大いに期待しておりますから、お願いいたします。 それから、時間もありませんから……。先ほど副総裁がお話しになったように、私はまだこの答申案の中で、販売業務の改善点あるいはその他について、お尋ねしたい点がたくさんある。特に、現在の販売方法、配達組織等について、この答申案自体に若干の異論がある点がありまして、なお時間を必要といたしますから、先ほどお話しのように、あらためて資料の御提出をいただけるならば、きょうはこの程度で私の質問を留保しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(石田吉男君) 私も、時間の関係もありまして、非常に簡単なお答えだけしかしておりませんが、各項目一つ一つにつきまして、かなり複雑な問題があるのでございます。それから、いろいろな計数を必要とするものもございます。いずれ別の機会におきまして、御要求もあり、また私の方で整えます資料はいつでも御提出申し上げたいと、かように考えます。
○理事(山本米治君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十九分散会