商工委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1960/07/23
会議録
○理事(古池信三君) ただいまより商工委員会を開会いたします。 本日は、委員長が所要のために出席されませんので、私が委員長の職務を行ないます。どうかよろしくお願いいたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、上原正吉君が辞任せられ、その補欠として谷村貞治君が委員に選任されました。
○理事(古池信三君) 本日は、経済の自立と発展に関する調査を議題とし、貿易自由化問題に関する件について、調査を進めたいと思います。 まず、自由化の大綱について政府当局より説明を聴取いたします。
○説明員(中野正一君) 私、今度異動で、大堀前局長のあとを受けまして調整局長を命ぜられました中野でございます。どうぞよろしく御指導をお願いいたします。 今、委員長からお話のありました貿易・為替自由化の計画大綱というものを最近政府において決定いたしましたので、そのあら筋につきまして、私から説明さしていただきたいと思います。 お手元に、「貿易・為替自由化計画大綱」というものがお配りしてあると思いますので、これをごらんいただきたいと思います。目次のところにありますように、本年の六月二十四日のこの計画大綱は、貿易・為替自由化促進閣僚会議におきまして決定を見たわけでございまして、この大綱に従いまして今後関係各省でそれぞれ具体策を立てまして、貿易・為替の自由化を進めていく、その音頭とりは企画庁でする、こういうことになっておるわけでございます。 これが決定に至りましたいきさつにつきまして、ごく簡単に申し上げますと、一昨年の暮に、御承知のように西欧諸国が通貨の交換性を回復いたしまして、自由化の問題につきまして大きく一歩踏み出したわけでありまして、これに伴いまして、わが国におきましても、昨年の三月に一度関係の閣僚が集まられまして、三月の五日でございますが、国際経済の新段階に対応すべきわが国の為替及び貿易政策の新しい方向につきまして論議がかわされたわけであります。その後御承知のように、また秋にはガットの総会等におきまして、世界的に貿易・為替の自由化を推し進めるという空気が強まって参りまして、それに伴いまして、わが国におきましても、わが国の経済発展のためには、この際世界の大勢に応じて自由化に大きく踏み出すべきであるということが、政府において方針として打ち出されたわけでございました。そういう関係で、本年に入りまして一月の五日に、為替・貿易の自由化促進につきまして閣議了解ができまして、その際、この貿易・為替の自由化を総合的かつ円滑に推進するために、内閣に新しく貿易・為替自由化促進閣僚会議というものを設けるということになりました。実はこの連絡会議は、経済企画庁長官が議長になって、これは関係の大臣だけでなしに、党の方の政調会長、それから日銀総裁等も加えまして、企画庁の長官を議長としてこの連絡会議を推進するということに——もちろん、この閣僚会議自身は内閣総理大臣が議長でございますが、その下部の連絡会議というものがありまして、これは企画庁長官が議長になりまして、関係官庁の事務次官、内閣官房副長官、日本銀行の副総裁等をもちまして連絡会議ができて、この連絡会議が関係のところと十分連絡をとりましてこの推進をするということで、その事務的なことは経済企画庁でやる、その取りまとめを調整局でやるということになっておるわけでございます。その後一月の十二日に「貿易及び為替の自由化の促進について」という、これは今申し上げました為替・貿易の自由化促進閣僚会議の決定を見まして、貿易及び為替の自由化につきましては、年次目標を定めつつ、内外諸対策の整備と相待って急速に推進するものとする、これがため五月末を目途として自由化計画を策定する、ということが決定を見ました。同時に、当面措置すべき事項といたしまして、対ドル輸入制限を続けておりました六品目につきまして、これをできるだけ早い機会に完全AA化する。そのほか、貿易面につきましては、相当の品目を四月からだんだんAAに移していく。また、為替面につきましては、非居住者の自由円勘定を創設する。また、為替集中制の緩和、海外渡航、海外送金の緩和等の方針をきめたわけであります。その後、企画庁がその方針に従いまして、関係各省が自由化の順序、時期、これに伴う必要な対策というようなものを非常に熱心に検討をされまして、一応五月の末に取りまとめをするということになっておりましたが、御承知のように、自由化のこの問題は非常に影響するところが大きく、相当調査にも日時を要しまして、先ほど申し上げましたように、少し時期はずれましたが、六月の二十四日にこの大綱が決定をしたわけであります。 この作業の結論は、企画庁において総合調整に努めて以上のようなものができ上がったわけでございまして、この中身につきましては、ここにお手元にお配りしてございますので、それをお読みいただければ十分御理解いただけるかと思いますが、大体のあら筋を申し上げますというと、これは四つの章に分かれておりまして、目次のところにありますように、第一が自由化の基本方針、それから第二が自由化に伴う経済政策の基本的方向と対策、第三が商品別の自由化の順序、対策をきめました自由化計画、商品別の自由化計画、第四が為替面の自由化計画となっておるのでございます。 第一の基本方針のところにおきましては、わが国の内外の情勢からの自由化の必要性、また、これが今後のわが国経済の発展と国民生活の向上に資するという点に大いに力を入れて強調しておるわけであります。と同時に、自由化をわが国に進めていく場合には、非常にわが国経済の持っておる特殊性といいますか、問題点が多々あるのであります。また、わが国を取り巻く国際経済環境につきましても、非常な特殊性がありますので、そういう点も十分考慮を払いつつ、自由化を進めなければならぬ。従って、今後、内外にわたりまする経済政策の展開と相待ちまして自由化を強力に推進するということを基本政策にうたっておるわけでございます。 次に、自由化に伴いまする経済政策の基本的方向と対策でございますが、ここの目次をお読みいただければわかるかと思いますが、第一には、経済の安定成長、特に成長政策を積極的に展開していかなければいけないということを第一に強調しておるわけでありまして、どちらかというと、安定をした高度成長がこのねらいになっておるわけであります。 次に、雇用面につきましては、長期的には明るい見通しがあるが、当面、自由化に伴って雇用面にいろいろな摩擦が起こることが考えられますので、そういう雇用面の対策の強化拡充の必要性を説いておるわけであります。 第三には、輸出の拡大、特に市場対策と経済協力の推進をうたっておるわけであります。特に先進諸国に対しましては、いろいろわが国が輸入面で差別待遇を受けておりますので、そういう差別待遇の撤廃、また、中小企業等につきまして、安値輸出というようなことをできるだけしないようにするという市場対策が今後必要である。同時に、後進国に対しては経済協力を進めまして、これによりましてやはり輸出を拡大していくということの必要性を強調しておるわけでございます。特に企画庁といたしましては、今度の国会に継続審議になっておりますが、政府の、海外経済協力基金法案をこの次の臨時国会で御審議願いたいと考えておるわけであります。 第四番目には、構造政策として重化学工業を大いに進めなければならぬ、その進め方の問題、同時に資源産業の対策、技術の振興の必要性をうたっておるわけでございます。 第五番目には、日本の特殊性として農林漁業の生産性が非常に低い、また、中小企業が非常に数が多くて、これも大企業との間に非常な格差がある、これが近代化を、農林漁業の体質改善と中小企業の近代化ということに大いに力を入れなければ自由化の問題は円滑にいかないということを五番目に強調しておるわけでございます。 六番目には、税制、償却制度、金利等、企業の体質改善のための環境整備、これはもちろん企業自身が大いに自分で努力しなければならぬことでございますが、同時に、企業の体質改善のために政府として環境整備の対策に大いに力を入れたいということを言っておるわけであります。 七番目には、産業秩序の整備、これも自由化をやりまする場合に過渡的にいろいろな産業界の秩序に摩擦が起こるといけないので、これを整備する。 同時に八番目には、関税率及び関税制度の改正ということをうたっておるのでありまして、これは現在関税率審議会におきまして、慎重に調査が進められておりまして、成案を得次第、次期国会に関税定率法の改正という形で御審議を願うことになると思うわけでございます。 以上、当面必要な対策とあわせまして、今後自由化に伴う経済政策の基本的対策について、これを強力に推進することといたしておるわけでございます。 それからその次に、第三の商品別の自由化計画でございますが、これも中に相当詳細に、各部門別に書いてございますが、大ざっぱに申しますと、これは四つのグループに分けて——これは十九ページでございます。十九ページのところに「商品別の自由化計画」というところに書いてございますが、四つのグループに分けまして、まず早期に自由化するもの——早期に自由化するものというのは、大体一年ぐらいというふうに考えておるわけでございます。 それから第二番目は、三年を限度として、その間にできるだけ早く自由化するものというものと、近い将来に自由化するものというグループに分かれております。 それから第三番目には、現状からの判断では、三年以内の自由化には問題があるが、できるだけ三年に近い時期に自由化するというのが、印刷物では(ハ)のグループになっておるわけでございます。 それから第四は、相当期間自由化の困難なもの——これは農林漁業関係等には、相当これがあるわけでございますが、第四に、相当期間自由化の困難なもの。この四つに分かれておるわけであります。 それからまた、二十ページのところに書いてございますが、自由化実施の順序でございます。これは原材料部面を極力早期に自由化するということを建前といたしますほか、競争力の程度、消費者の利益の増進、現に進行中の合理化計画の成果等を総合的に勘案して順序時期等をきめておるわけでございます。 鉱工業関係の商品、これは相当こまかくなっておりますが、大体のことを申し上げますと、鉱工業の関係の商品では、石油、石炭につきましては三年後極力早い時期に自由化を進めるということにいたしております。それから鉄鉱石及びベンゾール等の重化学部門の基礎原材料——原材料等については早期に——早期にということは、一年ぐらいを考えておるわけでございますが、早期に、自由化を進めることといたしております。 それからまた、機械類につきましては、今後大いに育成をしなければいかぬ日本の産業の中核になるべき産業でございますが、一部、育成過程にあるこれにつきましては、非常に問題がございますが、そういうものを除きまして、大部分三年以内に自由化することになっております。そのほか非鉄金属、繊維及び軽工業部門等につきましては、特殊なものを除きましては、三年以内に自由化できることといたしておるのであります。もちろん、こうした自由化の推進に当たりましては、それぞれの物資につきまして合理化対策を、各般にわたる諸対策とあわせて推進していかなければならないことは、その中に詳細に書いてございます。 それから農林漁業関係でございますが、三十二ページのところにございますが、農林漁業関係のものにつきましては、わが国農林漁業の特殊性から、一般的にいいまして、三年以内の自由化は相当困難であろう。また米、麦など一部のものにつきましては、将来とも自由化が困難なものもございますので、これらのものにつきましては、今後長期的な基本対策を着実に推進をいたしまして自由化に備えることとしておるわけでございます。当面国際競争力のあるもの、あるいは関税を引き上げる関税措置等によりまして自由化できる範囲のものは、できるだけ自由化を進めることはもちろんでございますが、たとえば砂糖、菜種、近海水産物等につきましては、なお自由化には、対策の整備と相待ちまして慎重な配慮が必要とされておるのでございます。 以上、総合いたしまして物資面の自由化率は、政府輸入物資を除きまして、三十四年の通関実績比率でいいますと、三十四年が四〇%で、自由化されている。それをこの計画によりますというと、大体三年後には、おおむね八〇%——石油、石炭を含めますと九〇%の自由化率になる計画になっております。この自由化率はことしから、今申し上げましたように、三十四年の通関実績をとりまして、今後自由化される品目が、三十四年度の通関実績で、どの程度のウエートを持っているかということを計算をいたしまして、この率を出すことになっておりまして、今まで自由化率——自由化率といいますのは、外貨予算の上で、AA物資がどの程度になっておるかというようなことで自由化率といっておりましたが、これは本年からやり方を変えまして、大体西欧では御承知のように、一九四八年の政府輸入物資を除いた輸入実績を基準にしまして、自由化率を算定しておりますが、わが国では、まあそれと似たようなやり方をやりまして、ことしから三十四年の通関実績で見ております。 それから第四番目にありますことは、これは三十九ページにございますが、為替面の自由化計画でございますが、二年以内に渡航、映画、商社の送金など、経営取引の規制をできるだけ緩和していくと、そういたしまして、来年の末までには、為替は原則は自由であると、それで特定のものについてだけ許可を要するという、今は全面禁止で特別な事項だけを許すと、こういう建前になっております。原則自由、これはネガテイブ・リストによる方式といっておりすまが、原則を自由にしまして、工合の悪いことだけを列挙するやり方ということにいたしまして、二年以内には経営取引の規制は、全部撤廃をするということになっております。資本取引につきましては、なお重要な問題がございますので、経営取引面での規制緩和とあわせまして、逐次事実上の自由化を進めるということになっておるわけでございまして、大体こういうような方針に従いまして、企画庁で各省と連絡をとりながら、必要な対策の実施とにらみ合わせまして、自由化を強力に推進していくということになっておるわけでございます。 ごく簡単でございましたが、私の説明を終わらしていただきます。
○理事(古池信三君) 続いて小室通商産業省通商局長から説明をお願いいたします。
○説明員(小室恒夫君) ただいま企画庁側から貿易、為替自由化計画の実施状況について概括的なお話がありましたので、私ども、あまりつけ加えることはないのでありますが、また、商品別のこまかいことにつきましては、日をあらためて御説明申し上げた方が適当かと考えまするけれども、二、三補足して、私どもの立場を申し上げたいと思います。 まず物資別の自由化につきましては、所要の対策と相待って、ここれを実施するということが大綱の中にもうたわれております。 所要の対策ということは、非常に広範でありまして、ただいま企画庁から、何項目にもわたって示されたところでありまして私どもとしては、特に貿易が自由化されますると、従来貿易・為替の管理制度のもとにおいて、輸出促進のためにとられておった輸出入のリンク制であるとか、あるいは、貿易業者に対する特別外貨の割当であるとか、そういうものがなくなってしまう。あるいはまた貿易・為替の管理制度を利用して、後進国等から割高の物資を多少無理をして買い付けてそれによってわが国の輸出のマーケットを確保するというようなことも困難になります。そういう面については、特に重点的に配慮を加えて参りたいというふうに考えておるわけであります。まあ所要の対策と申す中に、結局、そのほか輸入面では、関税の問題もありまするし、早期に自由化を実施して参りますものについては、特に早期に対策を実施してしまわなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。 それからまた、この大綱におきましては、自由化の実施については、内外情勢の推移に対応して弾力的な運用をすると、こういうことになっておりますが、まあ一つは、国際的に自由化のテンポが、どういうふうに進んでいくかということも、無論考慮していかなければならぬ問題であります。国際社会から、日本だけが取り除かれているという状態は、大局的に見て不利でありますので、そういう国際的な推移ということも十分考えていかなければなりません。先般来日しておりましたIMFの代表団なども、自由化計画を日本政府がまじめに取り組んでいるということについては聞いているのでありますが、もう少しスピード・アップができないだろうかというような批評もあったわけであります。そういうふうな国際情勢の推移も考慮に入れて、またさりとて、自由化ということを、私どもとしてはある程度武器にして、通商交渉をやって参る。たとえば対英関係貿易の取りきめができまして、相当程度向こうの対日輸入制限に緩和をもたらすことができたわけであります。これは、わが国における、最近における大幅な自由化というものと関連して、初めて協定を取りつけることができたのであります。そういう意味からいいましても、弾力的にこれを運用していくということが必要な場合があります。また国内的にも物資別に申しますと、いろいろ各種の問題があります。これを一々申し上げる時間がございませんが、そういう国内の事情も、むろん考慮して参らなければならん。まあしかし全体としてはこの貿易・為替自由化計画大綱に盛られた線をぜひ確保して参りたい。また私どもとしましては、情勢の許す限りできるだけ早い機会に、これを実現して参りたいと、こういうふうに考えておるわけであります。 先ほど企画庁側から御説明申し上げましたように、早期に自由化計画を実現するもの、おおむね一年以内に自由化を実現するものというものから、対策を整備して、これから手をつけて参りたい。そして近い将来に自由化するもの、つまり三年以内に大体自由化するというものについては、それだけのやはり期間というものを考慮に入れまして、できるだけ万全の体制を整えていきたい。また、その先に自由化が問題になるものにつきましては、これは長期の合理化対策というようなものを今日から着手して参りまして、できるだけ早い機会に自由化を実現するということをしたいというふうに考えております。 農業、漁業というふうなものに関連しまして、なかなかさらにむずかしい問題もありますし、また全体として中小企業に対する配慮というようなものも、特段に考えていかなければならないという面もあると思います。これらの点についても、貿易・為替自由化計画大綱の線に即して、具体的な取り扱いを考えて参りたいというふうに考える次第でございます。 昨年の当初に、いわゆる自由化率というものが三割くらいであったのでありますが、現在四割ちょっとこえるような程度に、自由化が進んでおります。 また対ドル差別というようなものも、差別的に扱っておったのでありますが、当初は、二百三十品目もドル地域からの輸入というものが差別があったのであります。今日は、問題になっております対米十品目というもの——重要なものも含めまして——結局三品目しか差別が残っておらないということであります。 相当この一年余の間に実効をあげて参ったのでありますが、今後も、この大勢に即して、できるだけ早い機会に、しかしながら慎重に実施を進めて参りたい。こう考える次第でございます。はなはだ簡単でございますが。
○理事(古池信三君) 本件に関する質疑は、次回に譲りたいと存じますが、この際、何か御発言があれば、お伺いをいたします。——別に御発言がありませんでしたら、本日の調査は、この程度にとどめることにいたします。 なお、次回のことについて申し上げますが、昨日の理事会の打合会によりまして、一応八月の三十一日、水曜日です。及び引き続いて九月の一日、木曜日、この両日に開会することといたしたいと存じますので、さよう御了承をお願いいたします。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十四分散会