社会労働委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/10/14
会議録
○委員長(吉武恵市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動を報告いたします。 九月八日付をもって大谷贇雄君が辞任し、その補欠として紅露みつ君が選任されました。
○委員長(吉武恵市君) 社会保障制度に関する調査及び労働情勢に関する調査を議題といたします。 まず、派遣委員から報告を願います。第一班鹿島委員にお願いをいたします。
○鹿島俊雄君 北海道班の報告を申し上げます。 去る九月八日より九月十四日までの七日間、厚生及び労働行政の実情調査のため、藤田、谷口、竹中委員及び私鹿島の四委員が北海道の視察を行ないました。 次に調査の概要を御報告いたします。まず道庁、北海道労働基準局及び札幌鉱山保安監督部の所管事項について、関係部局長より説明を聴取し、要望事項等の説明を求め、次いで管内の関係施設、札幌医科大学、同付属精神病院、札幌後保護指導所、釧路及び岩見沢労災病院、赤平明豊鉱業所の水圧砕鉱装置、住友赤平鉱業所の採炭施設及び洞爺、大雪山、阿寒国立公園の整備状況等を視察いたしました。 なお、道中において胆振支庁、上川支庁、釧路支庁より、それぞれ管内の厚生労働事情の説明を聴取いたし、各支庁を初め、釧路市及び阿寒町当局からも地元としての陳情を受けた次第であります。 厚生及び労働行政の全般はきわめて多岐にわたっておりまするが、今回の調査において比較的重点を置きましたのは次の諸点であります。 すなわち、厚生関係におきましては、結核対策及び精神衛生対策の状況、医療機関の整備普及状況、児童福祉対策及び母子福祉対策の状況、身体障害者福祉対策の状況、国民健康保険事業の状況、福祉年金の支給状況及び拠出制国民年金の準備態勢の状況及び国立公園の実情等でありますが、特に小児麻痺防疫対策の状況については詳細な資料に基づいて調査を行ないました。 労働関係につきましては、失業対策等職業安定行政の状況、身体障害者の雇用促進の状況、労働基準行政及び鉱山における保安の状況等であります。 以下調査の概要を申し上げます。 まず、結核対策の状況についてみると、昭和三十三年に実施せられた実態調査によれば、結核のため何らかの指導を要するものは、全通推計二十一万七千人で、二十八年度の調査に比較すると、総数において二割増加しているが、重症型には著しい変化はなく、一般に軽症型の増加が目立っている。年令的には青少年層の要指導者が二割減となり、高年令層、ことに壮年層は逆に著しい増加が見られ、一方、患者の自覚状況は依然として低く、また、受診率も低く、家族内感染も全国平均に比べ、高率なので、患者管理の徹底が痛感せられるのであります。 また、精神衛生対策については、本道における精神障害音は、推計によると、要入院患者数は一万六千八百十人に達し、このうち、病院に入院している者四千七百人で、在宅によって専門医の治療指導を要する者一万二千百十人に及んでいる、精神病院の病床数は、三十五年三月末現在で四十六病院、四千六百十七床に対し、四千七百人を収容するという満床を呈しており、かつ、地域的にも偏在しており、この調整が望まれておるのであります。 次に、医療機関の整備については、北海道基幹病院整備計画に基づいて、逐年この整備のため、病院起債、厚生年金還元融資並びに各種国庫補助金等の導入により整備拡充に努め、三十四年十二月末現在、各種病院の公的私的を合わせて四百五病院で、この病床規模別は一般二万三千四百八十五床、結核一万三千四百八十六床、精神四千六百十九床となっており、一万人当たり病床数は、他府県同様、都市に厚く、郡部にはきわめて薄い実情である。また、無医地区対策としては、現在本道の無医地区は三百三十八カ所、対象人口二十四万人余に及んでいるが、昭和四十年を目標として、僻地出張診療所、開拓診療所、国保直営診療所並びに保健婦相談所等をおのおのの地域の実情に即して設置し、その解消をはかろうとしているものであります。 次に、児童福祉対策についてみると、本道には二百万余の児童と、約十六万と推定せられる要保護児童があるが、児童福祉施設の設置現状は、公私施設数三百十四カ所、収容定員一万九千百七十九人で、その収容力はきわめて低く施設の整備拡充と、里親制度の促進に努めているが、本道の里親登録数は三十五年三月現在千百三人で、その委託児童数は四百四十七人にすぎない。この原因はいろいろあるが、その一つとして、養子縁組を前提とする里親が多いこと、従って、希望児童の年令、性格その他里親側の希望条件がむずかしくなることによるものであると見られております。 母子福祉対策については、道内の二万九千二十六母子世帯の経済的自立の助成と、生活意欲の助長をはかるため、母子家庭に対する応急生活資金として小口資金、これは一口五千円、無利子、六ヵ月償還であります。貸付の母子金庫事業、母子福祉資金貸付事業、本年度予算五千二百五十万円を初め、三十一の母子寮、二百十三の保育所、九百カ所の季節保育所と、四十四名の母子相談員を各道内福祉事務所に配置しております。 次に、身体障害者の福祉対策についてみると、本道における身体障害者は約五万一千人で、そのうち成人は約四万人、就労を希望する者は一万人を数えている。身体障害者の生活程度は低く、無収入四六・六%、五千円以下二二・七%、五千円以上二一%で、約一〇%は生活保護を受けている現状であります。三十五年三月末における手帳所持者数は四万五百四十七人で、人口比〇・八%、推定数に対する交付率は八〇%であります。 次に、国民健康保険事業については、未実施十九ヵ町村、被保険者数見込み数約十五万人は、本年十月一日には事業開始予定であるので、これをもって道民皆保険の運びとなりまするが、国保施設の医師充足状況は、本年四月現在で病院七八・九%、有床診療所八二二%、無床診療所七五%となっております。 次に、福祉年金の支給状況については、本法施行当時における受給資格者は老齢八万一千六百九十二人、障害六千五百四十二人、母子一万三百十八人と推定されたが、七月末現在までに裁定請求された数字は、老齢八万四千六百八十五件、障害六千五百九十八件、母子七千八百四十六件となっている。老齢及び障害年金に比較して母子年金の低調な原因としては、全道母子世帯数より夫の戦死、海外在住等の非該当者を除き、さらに生別、所得制限、公的年金等の該当者数を二三%と推定し、これを控除した数を支給権者と推計したことが、統計に現われた以上に、生別、準母子世帯数等が多く、かつ、公的年金及び本人の所得が制限をこえるものが多かったことが考えられるのであります。 また、拠出制国民年金の準備態勢については、まず、その広域にわたる地理的特殊事情と、道民の約三割に当たる百五十五万人に及ぶ膨大な適用対象者数を前提として、行政の効率化の見地から、道内十二ヵ所の社会保険出張所をさらに増設整備する必要があり、本行政の本質上、その趣旨普及を中心とする諸施策については、国の交付金のほかに、市町村自体においても若干の自主財源を組まざるを得ないが、若干の市町村を除き、財源上きわめてこの措置が困難であるのが現状であるので、今後の問題として残されている部分も多いのであります。 次に、国立公園について見ると、本道には阿寒、大雪山、支笏洞爺の三大公園があり、総面積は四十一万八千ヘクタール、本道総面積の七%に当たり、山岳、湖沼を中心とした原始的自然景観がその特色であります。内外人の利用も年々増加し、三十四年度は四百五十六万余の利用者があり、交通機関、宿泊施設等も比較的完備しているが、その輸送力は飽和状態に達しているので、さらに一段の努力が望ましく、特に道路及び駐車場の整備が必要であります。 次に、小児麻痺防疫対策の状況については、北海道における小児麻痺は、昭和二十四年に五百人の患者発生を見て以来漸次減少し、ここ数年間は百人ないし二百人前後の発生を隔年ごとに繰り返していたが、今年は三、四月ごろから前年同期を相当上回る発生を示し、六月以降急速に患者発生が増大し、夕張市初め十四保健所、十九地区において集団発生が見られ、調査当日の九月九日現在で、全患者数は一千六十五人、うち死亡六十九人に達していた。七月七日、道庁に対策本部を、集団発生地保健所に地区本部を設置し、擬似症に対しても伝染病予防法を適用し、検病、疫学調査の強化、集団発生地区における清掃、消毒、ハエの駆除徹底を行なった。六月以降、集団発生地区周辺を重点として予防接種を行ない、八月三十日現在、四万五千四百八十九名が受けたが、今後少なくとも十五万ないし二十万の接種が必要であり、ワクチンの入手に苦慮している。患者の三〇%は高度の永久麻痺で、一〇ないし一%は軽度の永久麻痺を残すものと目され、今後の育成医療費の増額が望まれる。また、患者の多発に伴って呼吸麻痺を併発する者が次第に増加(患者百人につき三%)し、「鉄の肺」等の人工呼吸器の整備が緊急必要となり、「鉄の肺」十一台、レスピレーター十四台が活動していた。すでに本対策に要した費用は三千九百六十五万円に上っており、本年度における概算補助の措置が必要であります。次に、本道における失業対策について見ると、昭和三十四年度の失業情勢は、経済の好況期にあったにもかかわらず依然緩和せず、日雇い失業者数は前年度に比し漸増の傾向を示した。すなわち年間の推移を三十三年度に比較すると、日雇い登録者は八%、失対適格者は七%とそれぞれ増加を示しております。 三十四年度一般失対事業は、前記情勢に伴い、三十三年度実績に対して、それぞれ所要の規模を拡大し、事業主体も七土木現業所及び八十三市町村によって、年間延べ三百七十六万八千七百五十人を就労せしめ、失業情勢の緩和をはかったほか、第四四半期においては、十四、十五号台風による災害対策として、四町村に対し、高率補助が適用され、延べ一万四千六百二十二人を吸収し、罹災者に対する賃金収入の措置が講ぜられたのであります。三十五年度第一四半期及び第二四半期においては、新規事業主体としてさらに二町村が認証せられ、割当規模は前年度同期とほぼ同数であります。 三十四年度における応急失業対策事業の実施規模は、十四、十五台風による災害対策として、一般失業事業の実施が認められなかった道南地域を主とした十八市町に対し、道費補助による本事業を高率補助適用の上実施して、賃金収入の措置を講じたのであります。 次に、身体障害者の職業補導及び雇用促進の状況については、本道における身体障害者の総数は約五万人と推定され、手帳の交付を受けている者は約四万人で全国平均より高い。障害者の就職率は、三十五年の七月を例に見ると、一般の四三・四%に対し二・三%ときわめて低い。しかも、新たに求職登録を行なう者は、年間約四百人であり、これから年間就職者数百五十人を差し引いた二百五十人のうち、約半数は身体的条件その他により紹介を保留されて直接有効求職者としては現われないとしても、年間約百三十人前後が新たな有効求職者数として安定所窓口に累積されていくことになる。有効求職者の障害部位は、上下肢不自由者が全体の七三%を占め、障害程度では、身体障害者福祉法にいう三級及び四級の者が全体の六割を占めている。身体障害者雇用促進法の制定に伴い、これらの収容人員の大きい国立の身体障害者職業訓練所の早急な設置が強く要望されております。 次に、労働基準行政について見ると、本道の労働人口は約二百万人で、二十七市、百二十四町、七十五村を十六監督署に区画して行政を実施している。労働基準法適用事業場は、三十五年一月現在で六万七千二百六十六であるが、総数の七八%を占める五万二千四百四十七が、十人未満の労働者を使用する零細企業である。本道の産業労働事業で特筆される点は、ニシン労働者と冬山造材の労働者が毎年大量に出荷渡道して来ているが、最近の打ち続く不漁のため、出かせぎの重点は、奥地の農耕労働と電源開発工事に転じつつあり、これら労働者をめぐる労働問題、とりわけ未熟練労働からくる災害の続発、賃金不払い、労働補償等の問題は、今後も留意せらるべきであります。 昨年中における賃金不払いの処理状況は、三十五年七月末現在で合計件数四百九、金額二億二千万円、労働者数一万六千人、うち未解決の分が件数三百十九、金額一億三千万円、労働者数一万五千人で、件数では建設業、労働者数及び金額では鉱業が多数を占めている。産業災害の発生は、三十四年度では件数二万四千七百八十八、死亡四百六十七で、前年に比べてわずかの増加であるが、建設業、林業においては少ないながらも災害件数は減少したのであります。 労災補償関係については、三十四年度は安定傾向をたどり、円満な事業運営が行なわれた。この間、石炭鉱業の伸び悩みがあって、収納において約三億円の減となったが、各種土木建築事業の活発な動きによって、保険料収入面においても前年度と大差はなかった。支出面では、災害者の増加により、補償費の支払額は二十七億九千万円となり、前年度に比較して約六千万円の増加となったが、保険収支は約二億六千万円の黒字を示したのであります。 次に、鉱山における保安の状況について見ると、昭和三十二、三十三、三十四年の過去三カ年の災害推移は、石炭鉱山においては災害回数がわずかに増加、罹災死亡者も百五十人前後で、稼働延べ百万人当たり災害死亡率は六・二二、五・五八、六・〇一、出炭百万トン当たり災害率は九・四一、一〇・七七、一〇・六一である。また、金属鉱山では、災害回数も減少、罹災死亡者も著しく減少の傾向にあり、稼働延べ百万人当たり災害死亡率は一一・一七、四・二七、二・七九、出鉱一万当たり災害率は一・九五、一・九四、一・二四となっておる。災害事由としては、石炭鉱山では、落盤事由が多く、二〇・九四%、二一・五三%、二一・六%で、本年一月ないし六月に至る間においては二二・七%という数字を示しておる。また、金属鉱山では、浮石の落下、飛石、転石事由が多く、九%前後となっておるのであります。 以上をもって報告を終わります。 なお、お手元に配付いたしました通り、地方からの要望がございまするので、これらの要望事項については種々重要な点もありまするので、適当な機会に御審議を煩わしたいと思う次第であります。以上であります。
○委員長(吉武恵市君) 次に、第二班について坂本委員より御報告を願います。
○坂本昭君 第二班は、当委員会の決定に基づきまして、厚生及び労働行政の実情調査のため、吉武委員長、坂本理事、田畑委員の三名が、九月二十六日から十月二日まで熊本県、鹿児島県の両県下へ派遣せられたのでありますが、この間日程の一部を変更いたしまして、福岡県下に発生いたしました炭鉱の災害状況を調査して参ったのであります。熊本及び鹿児島県下の一般行政について、各県庁及び労働基準局において詳細な説明及び要望等を聴取いたしました後、管内の施設を視察いたしたのであります。また、炭鉱の災害については、福岡県庁において、県、労働基準局、地方通産局鉱山保安監督部等関係当局から説明を聴取いたしました後、現地の視察を行なったのであります。 各地において視察いたしました施設を申し上げますと、熊本県下においては聖心育児園、同養老園、人吉市立養老園延寿荘等でありまして、鹿児島県下においては、鹿児島市役所を訪問した後、児童養護施設、仁風寮、新川保育所、身体障害者更生指導所、鹿児島市中央保健所、鹿児島県衛生研究所、国立療養所鹿児島病院、鹿児島県労働福祉館——これは保育施設であります——等を視察したほか、霧島町に建築中の国民宿舎、労災病院予定地等を含めた霧島国立公園の施設を視察いたしました。福岡県下においては、炭鉱災害地において、水没被害地たる豊州炭鉱及びガス爆発による被害を受けた嘉穂炭鉱等の現地を視察いたして参った次第であります。今回の調査のうち、おもな点を順次申し上げることにいたしますが、熊本、鹿児島両県下における要望事項についてはお手元に配付いたしてございます。また、福岡県からの炭鉱離職者についての要望事項は本日追加いたしまして、お手元に配付いたした通りでございますので、朗読は省略さしていただきたいと存じます。 一、水俣病の問題について。本病については、さきに当委員会においてもこれを取り上げ、調査せられたのでありますが、その原因追求とこれが対策については、長い間各方面から検討を加えられて参ったのでありまして、派遣委員といたしましても、ぜひ現地視察を行ないたいと存じましたが、日程の関係上、その意を果たし得ず、次の機会にこれを譲り、今回は寺本熊本県知事から、現況について説明を願うことにとどめた次第であります。寺本知事の説明した要点を申し上げますと、次の通りであります。 第一、水俣病の原因については、大体熊本医大説の有機水銀によるものと見て、これが発生原因である新日本窒素株式会社より流出する汚水が源をなしていると認め、会社においても一億円を投じて浄化槽を作り、今後の海水汚染防止に努めているが、さらに汚水の水質検査及び原因究明の調査は今後もこれを続行する方針とのことであります。 第二、地方漁民と会社との損害賠償問題については、昨年末知事があっせんを行ない、会社から一億円を貸付金として貸し出しすることとし、その返還については別途協議を行なうこととして協議成立しましたが、漁民組合は補償金三億円を要求し、会社側はこれに対しゼロ回答をいたしましたが、今までの就労者に対しては、会社において全部雇用するとの線を出しており、漁民はこの際さらに新規事業を計画してプラス・アルファを要求する必要があるとして、現在いまだ協議が成立していない状況にあるとのことであります。将来に対しては、当分の間、毎年二百万円を支払い、前記貸付金一億円のほか、死者一人三十万円、患者六十数人に対しては最後まで補償を行なうことになっているとのことであります。 以上、寺本知事の説明要点は以上の通りでありますが、本件はひとり水俣病発生区域の問題でなく、他地方における工場の汚水処理問題を調査研究してこれが対策を急速に樹立し、公衆衛生上、万遺憾なきを期すべきものと推せられる次第であります。 一、福岡県下に発生した炭鉱の災害について。九月下旬相次いで発生した福岡県下における炭鉱の災害について、その実情を緊急に調査するため、今回の派遣日程を一部変更して、地元から小柳委員も同行され、十月一日、現地について調査を行なったのでありますが、まず、福岡県庁において県当局及び福岡通産局鉱山保安部、福岡労働基準局等から、事件発生後の状況について詳細な説明を聴取した後、田川市役所に到着し、市当局及び川崎町当局から事情を聞き、現地に赴き、実情を視察するとともに、関係会社側、労働組合側及び付近住民等の意見を聴取し、遺族に対して深甚の弔意を表して参ったのでありますが、水没による災害並びにガス爆発による災害の状況は次の通りであります。 第一、豊州炭鉱の水没による災害事件。今回坑道水没による災害の起きた豊州炭鉱は上田尊之助氏経営にかかる従業員八百名、月産約一万二千トンを出炭している炭鉱でありまして、関係者の報告を総合いたしますと、九月二十日出水当時の作業員は二百二十名であって、そのうち六十七名が今回の遭難にあったのであります。 事件の発見は、九月二十日午前零時ごろ、鉱夫の一人が抗日から百メートルの付近において、坑道に水が吹き出ているのを認め、これを報告し、係員がこれを見て事態の急を知り、坑内計所に退避の連絡を行なったが、作業場は芳の谷区域と大焼区域の二つに分かれ、坑口から約二千メートル以上、地表から約三百メートルの深さの位置にありまして、芳の谷区域は連絡はどれたのでありますが、大焼区域の方は落盤のため電話線が切断されたもののごとく連絡がとれず、ついに大焼区域において四十二名、芳の谷区域において二十五名、計六十七名の行方不明者を出すに至ったとのことであります。また、坑内へ流入の水は坑口から約二百五十メートル離れた中元寺川の川底が陥没し、古洞を伝わって坑道へ流入したものであり、災害当日午前三時には坑口から十五メートルくらいの位置まで水が上昇していたとのことであります。災害発生前日は北九州一帯に豪雨があり、中元寺川の水量は増大していたため、防水作業も困難をきわめ、炭鉱にては消防団の協力を求めたほか、自衛隊の応援をも求めて防水に努め、二十一日十二時過ぎ、ようやく川底の陥没孔の締め切りに成功し、坑口近くまで上昇中の坑内の水位は漸次低下したが、坑口から百八十メートル付近には坑道を閉塞した大落盤がありまして、現在もなおその先の様子を確認することができない状態におかれておりまして、罹災者の救出作業は労使一体となってこれに当たり、排水ポンプも用意したのでありますが、坑道崩落個所の取り除き困難をきわめ、別に切羽坑道を掘さくして奥に通ずる作業を進めつつあるのでありますが、他にも崩落個所も予想され、救出の見通しは長期に及ぶものと認められ、まことに遺憾にたえない次第と存ずるのであります。中元寺川の陥没孔は川幅三十メートルくらいあるところに堤防下から川底の三分の二前後に拡大しており、周囲に土のうが積まれ、かりの防水工事が施されておりましたが、この陥没孔の本格的復旧の急速な完成を強力に望まれているのであります。この孔には川底から三メートル程度のところに炭層があり、孔の底から古洞が川底に広がり、この古洞がいつごろに採掘されたものかは不明でありまして、付近の人々の話にては明治から大正時代のものかとのことであります。なお、この地点の周辺におきましては、昨年ごろから地下に異変が起きているもののごとく、四十メートルくらい離れた民家ででは、土間及び庭先に大きな穴があいて家がつぶれており、付近十数戸の井戸からは温水が湧出し、今回の事件後の現在もなお住民が不安を訴えておりまして、おそらく古洞内で火災が起こっているのが原因ではないかと考えられますが、いまだにその対策が講ぜられていませんので、関係住民はもちろん、地方関係当局からも急速にその対策を講ぜられるよう強い要望があったのであります。私たちは水没による災害について、事務所において会社側から説明を聴取した後、組合事務所において労働組合側の意見を聞き、さらに遭難者家族に対して弔意を申し述べて参ったのであります。 なお、右の家族に対しては、とりあえず会社側から見舞金を出したとのことでありますが、労災補償費は大体四千二百六十一万円の見込みであります。 本災害による罹災者六十七名の救出は最も急を要することであり、一日も早くその実現を望むものでありますが、今後再び起こるであろうこの種の災害防止には関係各省協力して、急速な対策を立て、その実現を要望してやまない次第であります。 二、嘉穂鉱山におけるガス爆発事件。九月二十六日午前九時三十分ごろ、嘉穂鉱山における芳の谷層において、坑口から一千メートル付近にて坑内におけるガス爆発による災害が発生し、十三名の死亡者と四名のガス中毒患者を出したのでありますが、この炭鉱は籾井甚三郎氏の経営にかかる従業員三百四十名、出炭月産四千五百トンの小炭鉱でありまして、本災害についての関係者の報告を総合いたしますと、当日は、午後七時に九十名が入坑したのであるが、午前九時半ごろ、現場で働いていた仕繰夫二名が爆風に吹き飛ばされ、急いで本線を伝わって坑内詰所に急報したので、作業中の全員に退避を指令するととも、に幹部は風管の継手を破壊してガスの排除に努力しようとしましたが、ガスマスクがないため、急ぎ全員を坑外に退避させるとともに、救護隊の応援を他の鉱山に依頼したのであります。急を聞いて三井鉱山及び共同石炭等から医療班を伴った救護隊約二十五名がかけつけ、救出に努力をしたのでありましたが、うち十三名は死体となって九月二十七日午前一時ごろ、坑外に搬出されたのであります。原因については目下調査中とのことでありますが、コンベヤーのエンジン修理後スイッチを入れると同時に爆発したとのことであり、現場付近には相当のガスが充満していたと推ぜられるのと相待って、調査は進められているものと思われるが、当日午前八時過ぎに現場にて測定した場合、異常なかったことにより、その測定が非常に不完全のものか、あるいはその後のガス噴出によるものかどちらかは現在のところ不明でありますが、扇風機三台による送風量が不十分とも考えられ、記録による九月二十三日のガス検知の濃度は一・三%となっており、最高を示している模様であります。なお、今回の被害者に対する災害補償費の額は九百八十四万六千円となっております。 本鉱山においては、昭和三十四年七月においてもガス爆発による事故のために被災者死亡一名、重傷者一名を出しているが、この種中小炭鉱に対しては労働者の安全保護のため、ガス対策をも含めて安全設備の強化について格段の対策を立て、万遺憾なきを期する必要ありと痛感する次第であります。私たちは、事務所において会社側の説明を聴取した後、死亡者に弔意を表し、入院中の患者にも慰問をいたして参ったのであります。一、奄美大島におけるハブ対策の状況。奄美大島におけるハブによる被害者は、年間平均昭和二十四年から三十三年まで三一三・五人でありまして、これによる不具者三・三人、死亡者九・〇人であります。これが対策としては、一、ハブの買上げ——本年度七千匹の予定——を行ない、これから毒素を採取して抗毒素の原料または研究材料に充当すること。二、毎年ジャ毒抗毒素を配付して応急処置を行なう、本年五百本〇三、ハブの生態研究については、昭和三十一年以来熊本大学に委託して一応の目的は達成されたので、本年はハブ毒素の研究を鹿児島大学に委託している。なお、昭和三十四年から名瀬保健所にハブ研究所が設置され、各種の研究が行なわれている。四、ハブ狩りを各地区ごとに実施し、相当の成果をおさめているほか、イタチの放し飼いを昭和二十九年から五年間に二千百三十二匹行ない、ヘビの飼料となっているネズミの増加を防いでヘビの減少をはかろうとしているが、現在いまだその目的達成の域には達していない実情にあります。 一、自然公園の管理、利用並びに施設の状況。熊本県下には、阿蘇、雲仙天草国立公園、耶馬、日田、英彦山国定公園があり、ほかに県立公園六カ所と多数の公園を有しているが、国立公園における昭和三十四年度利用した観光客は六百万人をこえ、そのうち県外からの客二百九十万人と、年々増加の一途を辿りつつあるのでありますが、施設不足のため不便を来たしつつあるので、早急にこれが整備を必要としている状態であります。昭和三十五年度においては、国立公園整備補助工事費八百七十万円、半額補助及び道路その他の整備費二百十万円をもってこれを行なうこととなっておりますが、特に未開発の状態にある阿蘇、天草の観光施設をいかにすべきかは、今後の課題として重要なものであり、これが対策と強力な推進を望まれている状態にあります。なお、国民温泉の指定については、阿蘇温泉を筆頭に幾多の適地があり、その早急な指定を要望されております。 次に、鹿児島県下に関係を持つ霧島国立公園は、昭和九年指定後、利用者は次第に増加し、年間百三十万人のうち八十万人は鹿児島県下からの利用者でありますが、ここもその施設が不足を来たしつつあります。昭和三十五年度においては、駐車場二、野営場、宿泊設備の改善により四千人を収容することができるようにするほか、高千穂河原その他を整備する計画となっているが、有料道路三線の完成を見た現在、さらに昭和三十六年度には、エビノから新潟に至る温泉有料道路も開通することとなっているので、将来利用者はますます増加を来たすものと予想され、施設の整備はさらに一段と力を注ぐ必要あるものと思われます。錦江国定公園は昭和三十年九月一日の指定になるものでありますが、桜島を含めたこの公園の利用者は年々一〇%から一五%ずつ増加し、年間利用者百五十万人、うち桜島を利用する者百二十万人に達しております。施設整備については国庫補助事業として休憩所その他の施設整備を行なったほか、桜島村営の水族館、村営観光バスその他の整備が行なわれ、桜島登山道、桜島一周道路の開通及び鹿児島——指宿間の道路舗装による指宿観光地開発も民間事業の協力を得て進行中とのことでありまして、その整備に一段と力を注ぎ、真の国定公園としての面目を発揮すべく努力の要あるものと思われます。 一、医療機関の整備及び結核対策、精神衛生対策の状況。病院における一般病床数は、熊本県三千八百六十八床、鹿児島県二千七百九十二床、精神病床、熊本県千四百三十五床、鹿児島県二千四百十五床、結核病床、熊本県五千三百七十五床、鹿児島県五千五十九床でありますが、熊本県においては、結核病床中一般へ振り向け得ると考えられる数を千百六十六床と見ても、なお四千五百三十床の不足を来たし、これが増床計画を公立二千三百八十一床、私立二千百四十九床の増床計画を立てて進行しつつあります。 僻地及び無医地区対策については、熊本県は無医地区十三ヵ所あり、これに対しては僻地七ヵ所に僻地出張診療所を設置しているが、残りの地域に対してもその対策が必要とされつつあります。また、鹿児島県においては離島多く、無医村一、無医地区十九の多きに達し、全国下位第二位に属するほどのところでありまして、これに対して国民健康保険の直営診療所、公的機関による僻地出張診療所、奄美復興予算による診療所の建設によってこれが対策を講じているが、地域的に勤務医師の確保がむずかしく、今のところ、無医村、無医地区の解消は望めない状態にあり、憂慮すべきものと思われます。 次に、労災病院は、鹿児島県においては霧島町に敷地を選定し、目下建築準備中にありまして、熊本労災病院は病床二百八十五床を持ち、内科、外科、整形外科、放射線科に分かれ、昭和三十四年度の取り扱い件数は、入院患者三万九千三百六十二件、うち労災関係者一万九千六百二十四件、外来患者九千六百件、うち労災関係者五百七十件となっております。 次に、結核対策については、熊本県は、人口百九十万人中定期検診受検者、三十四年度は七十八万人でありまして、人口比四三%でありますが、高年令者を対象とした検診に力を注いでいる状況にあります。また、鹿児島県は、人口百八十六万人中、定期検診を受けた者百十八万人、人口比六三%であり、各県ともその管理には保健所を中心に推進地区等を指定して、登録患者の訪問指導と管理検診に努力しつつあります。また、医療公費負担については、一件当たり単価を引き上げ、入所命令による入院隔離は従来よりその数を増加して収容しつつある状態であります。 一、児童福祉法の実施状況及び母子福祉対策の状況。熊本県下における児童収容施設は二百五十五、収容児童一万七千二百五十二人でありまして、保育所二百十三、季節保育所二百五十であります。母子福祉相談員は十六名でありまして、その取り扱い件数は八千七百二十一件、母子福祉貸付金は現在まで一万七百十七件、貸付金総額二億七百四十一万二千三百九十円でありますが、償還の状況は良好であります。また、鹿児島県における収容施設は百九十九、保育所百五十、季節保育所百九十八でありまして、母子福祉相談員十二名、取り扱い件数四千二十一件、貸付金は現在まで九千百十六件、貸付金額一億六千七百二十五万九千六百円となっておりまして、償還の状況は七四%を示しております。 なお、身体障害者には補装具を熊本県は八十二件、鹿児島県は五十三件交付しております。 一、身体障害者対策の状況。身体障害者手帳交付数は、熊本県において二万一千三百人、全身体障害者の九二%、鹿児島県二万六千五百四十七人、八三%となっております。身体障害者の数は、熊本県二万三千人、鹿児島県三万六千人であります。 これに対して県立身体障害者更生相談所において相談に応じておりますが、昭和三十四年度の取り扱い件数は、熊本県五千八百七十六件、鹿児島県七百八十二件と、鹿児島県における巡回相談によるもの四千五十七件となっております。 医療費の給付状況は、昭和三十四年度において、熊本県六十六件百七十七万円、鹿児島県四十一件二百十二万円でありまして、義手足の補装具を熊本県においては三千点の交付または修理を行なっており、鹿児島県においては四百四件を交付いたしております。 巡回審査については医大、日赤、国立病院、済生会病院等の協力を得て、山間僻地の障害者の審査を行なっている状況にあります。なお、鹿児島県における身体障害者職業補導の状況は、職業安定所の登録者の数一千五百三名、就職者七百三十三名でありまして、その率は四九%であります。また、熊本県における職安の登録者は千四百九十五人でありまして、就職者は七百十三人であります。更生指導所に収容してプリント、刻印及び義肢製作の補導を行なっているが、その就職率は百パーセントとのことであり、その雇用の状況は、第一次産業五五・七%、第二次産業二二・八%、第三次産業三〇・五%となっておりまして、各県とも身体障害者雇用促進法の施行に伴い、身体障害者の雇用の増大をはかりつつあります。 一、国民健康保険及び国民年金の状況。昭和三十六年の国民健康保険の全面実施を控えて、各地の市町村における実施状況は、いまだ完全を期し得るかどうかとさえ思われますが、その状況について見るに、熊本県下の市町村百四のうち、実施中のもの九十一、未実施のもの十三でありまして、被保険者の数は百十六万七千人であり、普及率八七%であります。未実施の十三町村は、三十六年四月までには全部実施の見込みとのことであります。また、鹿児島県下においては市町村九十八のうち、実施中のもの五十六、未実施のもの四十二、被保険者の数九十一万一千四百三十八人、普及事六四%という低率を示しており、昭和三十六年四月までには、未実施の町村が残るのではないかとさえ思われますが、県は目下実施方を促進中とのことであります。 次に、国民年金の拠出年金準備については、各県とも全力をあげて宣伝普及に努め、各種のパンフレットあるいは宣伝文入りの手ぬぐい、マッチ、うちわなどを交付するほか、各種会合を開いて趣旨の徹底化をはかっている状態にあります。また、福祉年金の支給状況は、熊本県においては受給推定六万五千名、証書交付者六万二千名、支給件数六万七百八件、金額約七億二千七百余万円でありまして、鹿児島県下においては支給件数七万八千二百四十三件、金額約九億五千七百余万円ということになっております。 一、労働基準行政及び鉱山保安の状況。熊本労働基準局管内における適用事業場は二万四千百六十八、労働者の数二十万二千四百六十七名でありまして、労災保険適用事業場は一万二千六百十八、労働者の数は十八万九千二百二名であります。監督署七、定員百五十四名、うち監督官四十五名となっており、従業員三百人以上使用の事業場は四十四あります。労働基準局においては、主として中小企業の労働者の労働条件の改善及び福祉増進と経営者の啓蒙指導に努めつつあるとのことでございました。また、鹿児島労働基準局においては、安全行政の上から、建築業、製材及び木製品工業、貨物取扱業、林業の順序により業種を指定し、さらに特別安全管理指導工場を指定して、安全監督を指導しつつあるが、現在までのところ、大きな災害を見ていない状態にあります。なお、無災害月間運動を行なって、安全操業の指導に努めているほか、衛生関係にてはベンジン塗装の調査を行なったが、印刷業のほかは有害と認め得られませんでした。印刷業に対しては目下健康診断を行なわしめていますが、その結果が判明するまで工場の窓、戸などを開いて作業するよう指導しているとのことで参あります。災害による死傷者の数は、本年一月から七月までで死傷者千八百十名でございます。うち死亡二十四名、休業八日以上千七百三十六名となっております。 鉱山保安について、鹿児島労働基準局管内の適用事業場は二千六百二でありますが、その大部分は小事業場であり、内訳は金属三十四、砂鉱業二十七、硫黄二となっております。災害は、三十四年度においては負傷三十四人、三十五年度において二十三人、うち死亡二人となっております。 一、じん肺法及び改正労災法の実施状況。じん肺法の適用を受けたけい肺罹災患者の数は、熊本県下では事業場六百八十二、労働者数四千三百八十七名、検診者四千三百八十七名、うち、けい肺罹患者の数は七百四十一名でありまして、鹿児島県内の事業場は二百四十二、検診実施労働者数千九百二十二名、うち、けい肺罹患者数は三百十二名となっております。 次に、労災法の長期給付受給者について申し上げます。熊本県内の労災長期給付受給者は、本年四月切りかえによる長期患者百十四名でありまして、その内訳は、脊髄関係十八名、けい肺関係九十六名となっており、本年八月末の支払い済み傷病給付件数は五百四十三件、一五百九十三万一千七百二十五円であります。また、鹿児島県内の長期給付受給者は、本年四月切りかえの者三十一名、三年を経過しても全快しない者三十七名、うち、けい肺関係二十四名、脊髄関係十二名、障害給付一名となっており、本年八月末の支払い済み傷病給付は年金八十一万一千九百二十円、療養費六十二万九千五円ということになっているのであります。 次に、失業対策事業の状況。失業対策事業は、各県及び市町村においてこれを実施しているが、熊本県においては十九市町において、一日平均吸収人員三千九百名を、主として道路、土地、河川整備等に雇い入れ、年間約六億円の工事を行なっており、鹿児島県においては、県及び全市町村において一日平均一万一千五百三名を吸収して、主として道路、河川整備等の事業に使用いたしておるのであります。 特別失業対策事業について、熊本県の臨時就労事業は、予算三億円をもって、一日平均五百九十名を使用しているが、石炭離職者については、未実施の状態にあるとのことでございました。失業対策事業に従事する労働者は、老齢者及び婦女子の定着化、さらに資材費、機械費の不足などで能率低下があり、今後就労意欲の向上、職場秩序の確立指導等を十分に行ない、能率の向上に資する必要があると存ぜられるのであります。 なお、鹿児島市内において、日雇い労務者のための特殊な保育施設を視察いたしたのでありますが、この種の保育施設は、必要に迫られて建設されたものと推せられるも、一般の児童福祉法に基づく養護施設との関係をさらに検討して、適切な施設とする必要ありと存ずる次第であります。 以上、第二班における視察の概況を申し述べて、報告といたします。
○委員長(吉武恵市君) 御苦労でございました。 —————・—————
○委員長(吉武恵市君) この際、まず委員の異動を御報告いたします。十月十四日付をもって、藤原道子君及び久保等君が辞任をされ、その補欠として占部秀男君及び椿繁夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(吉武恵市君) ただいまの報告に対しまして、他の派遣委員からつけ加えて御説明がございましたら、この際お願いをいたします。ございませんですか。院別にないようでございまするから、それでは、派遣委員に対しての御質疑がございましたら、お願いをいたします。政府に対する御質疑は、あとで一般の際に御質疑を願いたいと思います。ございませんか。——それでは派遣委員に対する御質問は別にないようでございます。 —————————————
○委員長(吉武恵市君) それでは、一般労働行政に関する件を問題といたします。 これから御質問をお願いするのでありますが、先ほどの派遣委員の報告中にございました点をもあわせて御質疑をお願いしたいと思います。
○坂本昭君 豊州炭鉱の水没の問題と古洞の地図の点についてお尋ねいたしたいと思います。 私たちが現地に参りました場合に、鉱外図としてこの中に中元寺川の南側の古洞の一部を書きました地図をいただいたのであります。これを見ましても、かなり古洞についての状況がしるされておりますが、実はこれはごく一部であって、もっとこまかい古洞の調査地図があるのではないかと思いますが、その点について現地では戦災で焼いてしまってないということであります。はたしてほんとうにないのかどうか。最近、新聞、雑誌の報ずるところによると、名前をあげて、永井渡という方がすでに昭和二十八年一月に相当こまかい古洞の地図を提出したことがあるということを指摘しておりますが、この間の事情について当局に説明をしていただきたい。
○説明員(今井博君) 御指摘になりました古洞の問題は、現在三十三年から全国的に古洞の今調査を進めております。あの地区は昨年度古洞の調査を実施いたしましたその場合に、古洞の調査の方法としましては、おっしゃるように、福岡とかあるいは名古屋であるとか、そういうところは全部戦災を受けまして古い鉱区の地図が全部焼けておりますので、現在は鉱業権者を中心にいたしまして、いわゆる照合調査という方法で実施いたしております。従って、施業案にございましたときのいろいろの地図とか、鉱内実測図とかを参考にして昨年度当該地区の古洞の調査を実施いたしましたが、鉱内のあの辺の古洞の一部についてはそのときに判明をいたしましたけれども、川底にございました——ことに浅いところにございました古洞については、全然そのときに実は調査に漏れておりまして詳細な地図というものは全然われわれは知らなかったのであります。 それから永井渡さんが来られましたのは、二十八年に盗掘をやられたという事実がございました。この際は鉱業権者との間に一応示談で解決が済みまして、そのときに役所の方でその地図を詳細にとりまして、従って、そのあとは全部埋め戻しをさせましたその地図でございます。その地図は、永井渡さんの家の近くの下から掘られましたものでございました。ごく小範囲の地図でございます。その地図では川底まで達していないということであります。きわめて小範囲であります。この古洞につきましてはそういう状況にございます。
○坂本昭君 現地に行ってみますというと、だいぶ前から自然発火の事実もあるようですし、特に田川の助役の説明では、昭和三十四年九月十九日に爆発の事故があって、今の中元寺川から近いところの三戸十五名の人が避難をさせられております。また、ことしの六月十二日には通産局に対して、市当局から原因調査の要望を出しておりますし、市長自身が九月十四日には上京して当局に陳情しております。私たちも現地に行きますと、中元寺川の堤防の上にはコンクリートの小さい防水のかきみたいなものができておる。つまり中元寺川の水があふれたときにはそこに水を食いとめるような措置が現に行なわれております。そしてまた、傾いた家、これは去年爆発があった家だそうですが、そこらあたりからは湯気がどんどん出て、その下には自然発火が見られる。こういう状況から、川底に近いところにも何らかの変化があるということは当然考えられておったのではないかと思う。現に田川の市では決議書を作っております。市議会で。この一部を読みますと、「古洞の管理並びに採掘の厳重なる監督がなされず、事故防止の事前対策が軽視されていた結果である。」「今災害地と隣接する当市猪位金地区内においては、本年春頃より古洞陥没の為の鉱害により、家屋は倒潰寸前となり、空洞内にはガスが充満し、地表に噴煙をあげ、井戸の水温は四〇度を越す等、さながら生地獄の観を呈し一触即発の危険状態に至ったため、市議会挙げて監督官庁に対し充分なる保安対策を早急に講ずるよう再三再四に亘り要請し、その危険性について警告を発しつづけて来たにも拘らず、適切な措置が遂に講ぜられなかった。」そこで「市は、去る六月附近三世帯を強制避難の緊急措置を講じ、」「更に八世帯を緊急待避せしめ生命の保全を図った。これがため避難世帯においては生命の保全は期し得たが、生業閉鎖の止むなきに至り、収入の道を全く欠く情況に立ち至った、」「依って国は、今災禍の全責任を負うと共に、国の責任において早急に避難民の生活補償を実施すべきである。」こういうふうな田川市議会の決議を九月二十六日に行なっている。私は、こうした事情からいって、古洞の調査には当局が怠慢であったのではないか。あるいは知っておってそれを放置しておったのではないか。今のような御説明ではなかなか納得いたしかねます。
○説明員(今井博君) おっしゃるように、昨年の九月にガスの爆発があったということは事実であります。それは実は現地の通産局としましてはそのことは知らなかったようであります。ところが、ことしの六月になりまして、通産局に対しまして、ガス漏れがある、どうも炭層が燃えておるという意味の通知が書類でございまして、直ちに保安監督部の方に連絡をいたしまして、保安監督部から現地を見てもらいまして、それの調査をしていただいのであります。それによりまして、鉱山保安部の方では、鉱業権者の方と連絡をとりまして、これはどういう原因だということをいろいろ調べたのでありますが、どうも盗掘によるものらしい。長年、これはおそらくこの古洞は、先ほども報告にございましたように、明治年間から大正にかけての非常に古いものでございまして、これが今日まで何の事故もなくきておるということは、一応それでおさまり、固まっておった。それが盗掘あるいは何らかの原因による自然発火であろう、こういうふうに推察をいたしたのであります。それで直ちに鉱業権者の方にこれはお前の方の鉱区の中であるから、この消火についてお前の方で考えろということを再三交渉したのでありますが、現在の鉱業権者がやっておるところは、御承知のように、非常に川から離れているところでありまして、むしろその古洞は盗掘によったもので鉱業権者としてはあまり関知しない。従って、これは責任があるから責任をもってそれの消火をやれということについては、なかなか鉱業権者との間に話し合いがつきませんので、これは御承知のように、盗掘によるものはこれは鉱山保安法上による命令によって消火しろ、こういうことが法律的には困難でございますので、とにかくこれは一つお前の方の鉱区に近いんだから、危険があっちゃいかぬということで鉱業権者に協力させまして、いろいろ自衛手段という観点からも、あの付近の穴に泥を詰めるということで、一応できるだけの消火の方法をとって参ったのであります。ただ、ここで炭層の燃えている消火ということが、地下の炭層の燃えているのを消火させるということは、実は非常に技術的にむずかしい問題でございまして、現在もこの火をどうして消したらいいかということで苦慮いたしております。と申し上げますのは、水をまずこれにつぎ込む、これで簡単に消えると思いますが、水の問題は、やはり現在のこの豊州炭鉱そのものの水没の関係もございまして、死体救助その他に決定的な影響を与えると思いますので、これに水をさすということはこれは非常にむずかしい問題でございます。 それから第二には、結局地表全部を掘らなければならぬということでございまして、そうしますと家そのものを全部立ちのかせなければいかぬし、大へんな大作業になる。従って、現在のところでは、結局周囲にざんごうを掘りまして、それでもって一応遮断して、そのあとは漸次その中をボーリングして埋めていくという方法によらざるを得ないんじゃないかとわれわれは考えておりますが、この消火方法が非常にむずかしいということで、あの当時としましては、一応いろいろな穴をあけて、それに泥をつぎ込むということで、一応応急作業をやって参ったわけでございます。 それからいま一つこれは非常に弁解がましいことになりますが、これは純法律的に見ますと、この炭層の燃えておる場合に、一体消火の責任というのはどこにあるんだという問題が一つございます。これは常識的に見ますと、もちろんこれは広い意味の鉱山保安の概念に入るかしれませんが——従って、鉱山保安部としては、その線でいろいろ鉱業権者とも話し合って努力して参ったのでありますが、純法律的に考えますと、地下の炭層が燃えておる、しかも浅いところの炭層が燃えておるという場合には、この消火の当該の付近は別でありますが、消火の問題につきましては、やはり市町村が現在の消防法の範疇で、消防法の線に沿ってこれを消火するのがやっぱり現在の法律制度としては、一番妥当なんじゃないかという実は問題がございまして、現在もこの消火の方法について田川市当局とずいぶん議論をしまして、田川市としては、大体そういうことだといって納得して帰られたのでありますが、そういう問題等もこれに関連をいたしまして、実は今日も消火の問題については、なかなか徹底的な方法が取り得なかった、そういう事情もございますので、この辺も一つお察しを願いたいと思います。
○小柳勇君 石炭局長のさっきの答弁の中には、坂本委員が質問された昭和二十八年に盗掘があって、その人が古洞のことについて詳細に報告を出していると証言しているわけです。その報告の図面はあるのかないのか、こういう質問がありましたが、それについての答弁を願いたいと思います。
○説明員(今井博君) その盗掘の図面はございます。それは盗掘の当時に問題が起こりまして、役所も立ち会ってその穴を埋め戻さしておりました。その古洞図は現在ございます。
○小柳勇君 その古洞で、永井渡氏が言っているのは古洞もわかっておった。しかも自分の盗掘については、そういうようなあとの穴埋めをやったけれども、なおそのほかの古洞についても地図があったはずだと。従って、あの火がついて噴出した場合に、古洞に火がついたから危険だということは、地元の人は前もって市にも届けて、それから通産省の方にも届けた。それにもかかわらず、その対策をしなかったので、今度の事故が起こったのだ、こういう証言をしているが、この点について、石炭局長どのような見解をもっておられるか。
○説明員(今井博君) 永井渡さんの届けられました地図は、あの家の下のごく小範囲の盗掘という地図でございまして、その以外に今おっしゃいましたように、役所に届けられた古洞の図面は全然ございません。それから鉱業権者からも毎年坑内の実測図を取っております。それから古洞調査も昨年度あの辺を実施いたしましたときの、これは結局鉱業権者あるいはその関係者から、このように古洞があったということで、いろいろ証拠調査をやったわけであります。そのときに調べました調査にも、あの中元寺川の浅いところの、今度陥没しましたところの地図というものは残念ながら獲得できませんでした。
○小柳勇君 今、陥没した中元寺川付近の古洞については詳細なる図面がなかったし、また調査もできていなかった、こういうことですか。
○説明員(今井博君) 一応の調査はこれはできておりまして、もちろんあの中元寺川の陥没したところの付近については、実は全然知らなかったわけであります。しかし、それ以外の古洞につきましては、あの辺にだいぶございまして、これについては施業案のときにも、あるいは鉱内実測図の調査のときにも、昨年度調査実施しましたときにも、古洞については一部存じております。ただ、残念ながらあの浅いところの、あるいは陥没したところの古洞というものについては全然知らなかったわけであります。
○小柳勇君 次は、地元から昨年の九月に紛糾が出て、爆発の危険があるので届け出たから、それについて鉱業権者に処置をしてもらった。しかも今年の六月に保安監督部から現地を調査しておられるようだが、その調査に基づいた対策というものを徹底的にやっておけば、今度のような事故が起こらなかったのではないかと考えるし、地元の人たちもそういうことをしきりに訴えているが、その点について石炭局長はどのような見解をもっておられるか。
○説明員(小岩井康朔君) 先ほど石炭局長から説明がありましたように、実はこの六月に通産局の方に、もう井戸の水が非常に熱くなったといって、困るからという陳情がございまして、その関係の書類は通産局の判断としては井戸水が熱くなるには、坑内で何か火災をしているか、当時は自然発火と考えておったようでありますが、そういう関係で監督部の方でやってもらった方がよかろう、こういう通産局の認定で、書類が監督部の方に回っております。そこで監督部長としましては、直ちに、ちょうど監督官があの近辺を監督しておりましたので、その豊州炭鉱近くの井戸の厚くなっている実情を調べてこいと、こういうことで、直ちに監督官が調査をいたしております。その調査の結果、今になってみますと、新庄地区なんでありますが、現場を見ますと、かなりたくさんの亀裂がありまして、蒸気が出ておったり、あるいはガスが多少ふき出しておったり、非常に珍しいいろいろな現象があったようであります。そこでつぶさにその亀裂を見ますと、蒸気をふき出しておったり、ガスをふき出したり、そういうものもあるのですが、逆に、亀裂の中に吸い込んでいる個所もあったと、そこで、監督官が非常に不思議に思いまして、中に吸い込むのは一体どこへ吸い込むのだろう、あるいはそれは旧坑を伝わって近辺の炭鉱の坑内に流入しておるのじゃないかという観点から、さっそく一番近い豊州二坑の坑内に下がりまして、いろいろガスの点をはかりましたところが、今度出水事故を起こしました豊州二坑の坑口から百数十メートル、かなり範囲が広いようでありますが、その近辺のいわゆる旧坑と関連を持っておると思われる個所の亀裂から、特に一酸化炭素の検出がかなり明瞭に出たようであります。そこで、監督部長としましては、これはもちろん注意することが必要であるという観点から、坑内の旧坑と関連を持っておる個所の密閉を一そう強化するように、それから新庄地区の地表に現われております亀裂については、十分な充填の方法を講ずると、こういう趣旨の実は通達を出しておりまして、その趣旨に従って、坑内についてはもちろん炭鉱側で責任を持って対処したようでありますが、先ほどのお話のように、坑外の盗掘近辺の亀裂の個所については、かなり炭鉱側でやることについては、相当異議を持っておったようでありますが、しかし、自分の坑内にも関連を持っておるので、不本意ながらその充填を施行したと、こんなふうな状態になっておるわけであります。
○坂本昭君 両局長のお話、どうもまだはっきりわかりませんがね、現地でもらった地図には、古洞の地図があって、さらに噴気個所として六カ所しるしがついておる。その噴気個所の中で、これは永井渡さんの宅地の中だと思います。川に近いところは、おそらく川の堤防から数メ—トルだと思います。数メートルのところから噴気しておる。こういう事実があって、しかも今度陥落したあと川底へ入ってみますと、古洞は、もうタコの足どころではない、もっとたくさん縦横無尽に張りめぐらされておって、特に陥没したところは、大きな、何といいますか、広間になっています。だからこれは、その永井さんの古洞の図面は、盗掘した場合に、家の下だけの図面だというけれども、その図面の写しを一つ当委員会に出して下さい。そして、これは永井さん自身としても、いろいろと非難も受けておるようですし、われわれとしても、一体事実を知っておって、それを処置を誤ったのかどうか、それを明らかにするために、委員会に永井渡氏の出した二十八年一月の古洞の図面をまず出していただきたい。よろしゅうございますか。
○説明員(今井博君) はい。
○坂本昭君 さらに保安局長に伺いたいのですが、こういうふうな危険な状態で、現地へ行ってみたら、みんな戦々きょうきょうとしている。そうして、すでに去年もそうですし、ことしの六月にも陳情にも行っている。そうしてまた、あなたの方では一酸化炭素の噴出が第二坑で多いということまで調べておられる。そうして、そうした状態で、私はもう当然これは水が入ってくることはわかっておったのじゃないかと思う。結局、会社が一体どの程度措置をしたか、もう少し具体的に説明していただきたい。
○説明員(小岩井康朔君) 普通に考えますと、当然わかっておったじゃないか、世間一般の方も大体そういうふうに考える方が非常に多いのであります。これは、考えようによっては当然かとも思いまするけれども、実は、昨年の爆発をやりましたことも、監督部におきましては全然承知をしていないのであります。六月四日に通産局の方に出ました陳情に従って、その書類も通産局から監督部に回って、初めて監督官が現地を調査しましたときに、そういった実情を承知したわけであります。そのときに、炭鉱側に通達書を出しましたのは、もちろん川底は掘ってあるはずがない。坑内の状況は、一番信頼するに足るものは通産局で鉱業法に基づいてやっておりまする鉱内実測図であります。この図面にももちろん載っておりませんし、また、最近局の方で実施しました古洞の調査でも、やはりあそこは掘っているということが発見できておりません。そういうようは関係で、監督部長としましては、亀裂から豊州二坑の方にガスが漏れているということはもちろん承知したのでわかったのでありますけれども、川底のところはまあ採掘してない。従って、古洞からずっと川底を離れた旧坑と伝わって豊州の二坑に出ている、当然そういうふうに考えておったので、そのガスの点につきましては、かなり厳重に通達を出しております。そのときに、私も監督部長に、水の点は考えてなかったのかということをただしたのでありますけれども、水の点は、当然鉱業法で禁示してある区域であるし、ただ、掘るということ自身が非常に危険ですから、まさかそんな無謀なことはやっておるまい、図面にも載ってないし、通産局の古洞調査でも発見されてない、あらゆる環境がそろっておりました関係で、全然水のことについては考えてない。特に、私の方の監督の方針としましては、爆発のおそれのある坑口、出水のおそれのある坑口、みんなこれらは坑口別に格差をつけてレッテルをはってあります。最も危険なものから順次一種、二種、三種というふうに格づけがされているわけです。豊州炭鉱の出水の点につきましては、一種にも二種にも三種にも載ってない。これは裏から見ますと、出水の危険は全然ないという見方を現地としてはいたしておったわけであります。それは、豊州炭鉱の坑内は、先ほどの話のように、川からは非常に離れ、深くなって、ほとんど現状の坑内の作業個所というものは川とはほとんど関連がない、こういうような状態になっている関係で、かなりその点は安心し過ぎておったのじゃないかという気はいたしております。
○坂本昭君 今の噴気の個所は、川の南側になりますか、それから豊州炭鉱の坑口のあるのは北側になります。川をはさんで南側の方で炭層が焼けている。焼けて、そうして一酸化炭素が川のこちら側の豊州炭鉱の方へ漏れているという事実は知っておったわけだから、だから川の上の方か下の方かわからぬが、向こうからこっちへ何らかの連絡があるということはあなたの方では当然承知しておったわけでしょう。これはもう明らかですね。それからもう一つは、鉱山保安監督官は何していると、地元の人はどう言っているか知りませんが、私たちはそういう印象を受けるのです。あそこへ行けば、堤防の上にセメントの、七十センチか八十センチぐらいの高さの堤防の上にセメントのまた防水壁があります。これは何のために作ってあるかということぐらいは、専門家の保安監督官見られたら私はわかると思います。水があふれて出ていったら、盗掘で割に浅く掘っているところへ水が流れ込んで何か事故を起こすというので、水をなるべくあふれさせないように、おそらく数年前からしておったと思うのです。あれが何も建設関係の洪水防止のための措置でないということくらいは私は当然知っておられたと思う。しかもその永井渡氏の古洞図を見れば非常に浅い所にあったということは、これは洞窟ですからわかっておるはずです。ですから、実際私たちは行って見て、川底から二メートルないし三メートル下はもう全部掘ってあるのですから、ちょっとびっくりしたのですね。もうわざわざ、金を出すから雇われて掘れ、高い金を出すからと言われても、ちょつとあんな川の底を掘る気になれませんが、そういうようなことは私は当然推測されておったんではないか。 早い話が、私はお伺いしますが、この中元寺川のこの地点以外に再びこういうような事故の起こる可能性というものは全然もうないのですか。私はまだ幾らもあるのではないかと思うのです。あなたの方ではもう絶対にこれ以外には起こりません、だから今後またこういうふうな出水事故というものはないと、保安監督上そういう責任を持てますか。その点をお伺いしたい。
○説明員(小岩井康朔君) もちろん今後再度ああいう事故を絶対に起こさぬという確信はございません。従いまして、旧坑の調査につきましては、毎年、まあ予算をもらいまして、鉱内実測図の関係から通産局で、まあ現地の機関は通産局でこの調査を毎年やっておるわけであります。で、この調査によって何らか一つ危険な古洞を発見してもらって、そうして私の方はその調査の結果に基づいて対処をしたい、かようにまあ考えておるわけであります。
○小柳勇君 まだほかの問題も坂本委員続けられるでしょうけれども、局長の答弁に関連して私は一、二質問しておきますが、一つは、山に火がついた場合ですね、消火の責任については法律上はどうも疑問であるということでは、今後、これは非常に危険なんですね。再び山に火がつかぬとは存じませんが、それは市町村の消防隊で消火するんだ、それが法的には正しい解釈だということではわれわれとしては安心できませんが、そういうことについて十分に討議されたことがあるのかどうか。もし討議するとすれば、近いうちにやってもらわなければならぬが、石炭局長はどういうお考えであるか。もう一回はっきり聞いておきたいと思う。
○説明員(今井博君) これは私も常識的に見まして、まあ鉱区の中の火事でありますから、これは当然鉱業権者がやるべきではないかと思いまして、これはいろいろ純法律的にその問題を調べてみた。これは現在の消火をどうするかという問題に非常にからみますので……。ところが、やはりいろいろ現在の法律制度あるいは学者の意見等を徴しますと、現在の炭層が燃えておるという場合にはこの火を消すということは、現在の鉱山保安法あるいは鉱害という概念にはどうしても入りませんで、これはやはり消防法の適用になるのではないかという説が有力でありまして、この点は今自治省でもその線で打ち合わせをいたしております。それから田川市の市当局者も、先日来大勢出て来られまして、この問題を中心に一応ずいぶん討議をいたしました。この結果、田川市の方も、現在の制度ではそういう解釈になるのではないかというふうにほぼ了解されてお帰りになりました。しかし、現在、ただ消火すると言いましても、これはこの消火の技術的な方法が非常にむずかしいわけでありまして、この技術的な方法についてはさっそく専門家を集めまして、どういう方法でやったら一番早くて効果があるかということは通産局で委員会を作って、今、現地を調査しております。 それからさらに、今御指摘のあった問題に関連するのでありますが、どうも現在の制度ではこういう場合にそういう疑問が出てきますのと、いま一つは、鉱害を認定する場合におきましても、今度のような複雑なケースには非常に時間がかかります。やはりこういう場合には、私はどうも応急措置をとにかくやれることをやつて、そういうあとの問題はあとでいろいろ関係づければいい。分担はどうするかあとでやるというような制度がどうしても必要じゃないか、こう考えます。
○小柳勇君 保安局長に質問いたしますが、さっきの豊州の方に災害予防法を厳重に指定して、いやいやながらやった。壁にセメントを張るなり、いろいろ対策をやったとおっしゃるが、あの山がすでに早くからもう整備事業団に売りに出ておって、ことしの九月にはもうすでに政府が買い上げることが決定したのでありますが、昨年ごろからもうこの山は買い上げられるのだということで、社長としてもそういうものに対策を渋ったのではないか、それがあの大災害の原因ではないかと考えますが、保安局長、そういう点についてどういうふうな見解を持っておられるかお聞きしておきたい。 それからなお詳細に、もう少し詳しく、会社がやった処置ですね、保安監督官の命令が行ったからいやいやながらではあるが上尊鉱業があれに対して処置をした、それについて、もう少し詳しく説明を願いたいと思います。
○説明員(小岩井康朔君) 私の方から通達を出しまして、会社側が旧坑との関連の個所の強化、それから川の付近の亀裂の充填、これはまあ実施したようでありますが、特に坑内の旧坑との関連の密閉強化、この点は大へん恐縮なんでありますけれども、坑内に水が流入しまして非常に大きい崩落をいたしております。従って、旧坑との関連の近辺が非常に大きく破壊されてしまっておりまして、もちろん現在調査はいたしておりまするけれども、炭鉱側が通達に対してどう具体的に実施をしたかという詳細な点についてはいまだ報告を受けておりません。それから亀裂の充填も私、現場を見たのでありまするけれども、どういうふうに充填したか、もうほとんど充填のあともわからぬような状態になっておりますので、くぼんだ陥没のあとのような大きい所もありますし、またさらに、できた亀裂もたくさんございまして私、現地を拝見しましたときも、だんだんふえているような亀裂がたくさんございまして、当時どういうような所にどういう方法でどういうふうにやったかという点については詳細な報告を受けておりません。
○藤田藤太郎君 私も関連して一言、今の問題を。第一点は、二年前に九州の、名前は忘れましたが、籾井炭鉱であったか、名前は忘れましたが、古洞から出水事故があった。この古洞からの出水事故について、いろいろその当時のいきさつがありましたからそれには触れませんが、ただ、そういう工合に九州の筑豊炭田地帯には古洞がたくさんある一つの理由は、戦時中に戦災で焼けたという理由。早く調査しなければならぬというので、今の石炭局長は二年前からおやりになって——私ちょっと失礼ですが、記憶がないのですが、そのときに、この委員会だったと記憶しますが、年々相当な、あの当時は最低五千万円という発言があったと記憶するのです。二年ぐらいで古洞の徹底的調査をして、再び二年後にはこの古洞から来る出水の問題やそういう事故が起きないように政府はいたしますと約束をいたされたことを私は記憶いたします。議事録をお調べになったらわかる。ところが、今のお話を聞いていると、何かそういうことはどっかに行ってしまったような気がする。だから、年々どういう工合にして古洞の調査を、どれくらいの予算でやっておられるか、その後の私は実態を一つ聞かしてもらいたい。これが一点です。 それから第二点は、今、小柳委員が質問され、坂本委員も言われた、ガスが、河川のすぐそばから爆発してガスが出ている。これは坑内で古洞か何か知らないけれども、石炭を掘ったその中でガスが燃えているとか、そういう現象というものは普通の一般の所にはないわけですから、だからこのガスの原因というものは、石炭を掘った穴、そこで石炭を燃焼してガスが高まっている、そういう以外にこれを想像することができないわけです。ですから一つの方法としては水を入れて消す。水を入れたら消せる。けれども水を入れるわけにいかぬと言うたから、どういうわけで水を入れて消したらいかぬか、これが一つ。 もう一つは、純法律的に消防法云々というようなこと、今の法律ではできないと、そういうことをここでおっしゃって、上の人は土地所有権があって住んでいるんだと私は思う。だから、租鉱権が下にあってやっているのですから、地上権そのものはやっぱり住んでいる人が土地権を持って住んでいる。だからそこへ土地権の上に出てきたものは消防法でやると、私はそんなことは考えられぬと思うのだ。これは常識とか何とかいうことじゃなしに、石炭を、下を掘って、そこが燃えて、そこから原因が明らかに——百パーセントとは私はここで専門家じゃありませんから言いませんけれども、だれが見たって、技術専門家が見ても百パーセントに近いほどそこの下にガスが充満していて、そうして出口がないので穴から地上に噴出しているということはわかる問題であります。わかる問題だけれども、今の法律ではいけぬから云々と言うような、これこそ私は行政上の怠慢だと思う。これほど保安上の怠慢はないと思う。だから、そんなんなら通産省がその鉱山保安の立場からもっと早く法改正をしてこういうものを処理するという、何で処置をとられなかったか、私はその方が重大だと思います。今の法律だからできぬと言うなら、鉱山保安の関係を担当されている方々——通産省がなぜ法改正をしてそういうものを処置するということをおやりにならないか。今の法律では田川の市会にも了解してもらいましたと、そんなことで私は行政上済まされぬと思います。だからそういうおつもりが……、どういうお考えを持っておられるのか。技術上たとえば百パーセント、そういうことがだれでも技術者として判断できるか、できるなら、なぜ今の法律云々というような、そういうやり方じゃなしに、法改正をして処置するというお考えを鉱山保安の立場からなぜお立てにならないかということ、第一点と関連して御質問したい。どちらの局長からでもけっこうです。
○説明員(今井博君) 古洞の調査につきましては、今藤田先生からおっしゃいました昔の、この前の委員会でどういう決議があったか私も大体拝承いたしますが、その後約五ヶ計画を立てまして、三十三年から始めまして三十七年までに完了するという予定で現在古洞の調査を実施いたしております。毎年の予算が大体八百万円、そういうことで現在約半分完了いたしております。そのやり方は第一類から第四類に分けまして、最も緊要な急ぐものを第一類といたしまして順次調査をいたしております。その場合に、古洞につきましては、やはり非常に近い場所の採掘をしていきますと、結局水がたまっておる古洞にぶち当たる、これがたびたび事故を起こしておりますので、この採掘の場所に近いところの古洞に重点を置きまして、それから逐次調査をいたしております。これを第一類にいたしております。ところが、この豊州炭鉱の中元寺川のそばにあるこの古洞は、実は先ほどからもお話がございましたように、採掘しております場所とはまず非常にかけ離れておりまして現在豊州炭鉱は非常に深い所を掘っておりますので、調査の対象としては第四類くらいの格づけになるのじゃないかと思います。しかも非常に古い時代に掘られた古洞でございますので、さしむきの緊要な調査の対象としての古洞に入り得なかったと、この点非常に私残念に存じますが、従来からこの川底とかあるいは沼があるとかというふうな場合に、その辺を掘っておる場合には採掘の認可とかあるいは施業案の認可にあたってはずいぶん厳重にやっておりまして施業案を変更させる、そういうことをたびたびやっております。それからその下を掘ることはすでに禁止をしておりまするし、相当深いところを掘る場合にも相当な制限を案は設けておったわけでございますが、今回こういう事故が起きまして、非常に私は従来のこの古洞調査のやり方につきましても、採掘の場所に近いもののみならず、とにかく付近に沼がある、あるいは川があるという所におきましては、こういう事故にかんがみまして私はこの古洞をもう一度再調査をしなきゃならぬ、こう思います。それからいま一つは、ボーリングをどうしてもこれは実施しないと、ほんとうの正確な古洞の調査ができませんので、来年からはボーリングをもっと予算を取ってやらなきゃならぬということを痛感いたしております。
○説明員(小岩井康朔君) 保安法、保安規則が不備じゃないか、こういうお話でありまするけれども、実は豊州炭鉱のケースで見ますと、いずれもまあ盗掘の関係、それからまあ川底は、鉱業法で掘ってはいかぬという区域も掘ってしまっておる、結果的には掘ってしまっておる。従って、私どもは従来は、保安法以前の問題だ、当然鉱業法で解決し得る範囲のもの、こういうふうに考えてきておったのであります。しかし、まあ盗掘などを例にとってみますと、盗掘は鉱業法で押えることになっておりまするけれども、もう実際問題としてはとても押えられない。どんな法律がありましても盗掘は現実的には必ず、少し景気がよくなれば起こっております。そこで、まあ私どもも一歩も二歩も譲りまして、どうしても盗掘が現在防ぎ得ないと、現状では防ぎ得ないということの断定をいたしまして、その盗掘によってどんな影響が起こるかということを今後保安においても扱わざるを得ないではないかというような気がいたしております。しかし、これらはまあ法律的に考えていく場合においていろいろの問題が出てくると思います。かなりむずかしい問題が残ると思いまするけれども、まあ今後盗掘に限りません、どうしても法でうたっても防ぎ得ないで、しかもなお保安上非常に問題になるというような場合には、やはりこれを改正に持っていかざるを得ないのではないかというような気がいたしております。今ちょうどたまたま鉱業法は根本的な改正を検針いたしております。今年度内に、大体完了の予定でありますので、鉱業法の改正に伴いまして、保安法、保安規則も相当広範囲に変えるつもりでおりますので、その際にはかような観点から十二分に考慮いたしてみたい、かように考えております。
○藤田藤太郎君 小岩井さんね、私があなたにお尋ねしたのは、盗掘の問題を聞いているわけじゃない。これはもう当然保安法でおきめになる。私の言っているのは、火事がね、その下からガスがきて火を吹いているというのは消防法なんだ、今の法律からいえば消防法だと言うから、だれが見たって百パーセントそれは石炭の古洞が、そこから石炭が燃えてガスが出ているということはわかることなんだから、今の法律でできなければ鉱山保安法の立場から、建前から、そういう消火をするという建前を、法律不備でであったらなぜ変えられないか。もう一つは、そういう工合に出ているなら、水を入れてなぜ消せないかということを聞いている。それを答えてもらいたい。 それから石炭局長ね、三十三年から八百万円で五ヵ年計画でやると、こういうことになっています。今度はボーリングをやらなきゃならぬということに気がつきましたとこうおっしゃる。しかし、この前最低五千万円で、二、三年で完成しなければこういう古洞の事故が起こるからそういたします、ということを、私は議事録を持ってきておりませんから何ですが、通産委員会かこの委員会で石炭局長が、明確に、このような保安措置をやります、と言っておられる。ここでまたこういう話が出るけれども、また今度事故が起こるまではこのままの状態ということでは話にならぬと思うのですから、知はそこは責任を持ってもらわなければならぬと思う。それで今の八百万円じゃどのくらいの調査がされているかしれませんけれども、今の坂本さんの地図を見せてもらったけれども、まだもって古洞の下はクモの巣のようになってる。ですからそこはボーリングをやるなら早くやる。そのとき約束しておって今日になって八百万円、年間やってますということではどういうことになるというのです。お二人の答弁を聞いて私はそういうふうに思ってる。この二つの点を明確にして下さい。
○説明員(小岩井康朔君) 新庄地区の坑内火災は自然発火という表現をいたしておりますけれども、炭層そのものから自然的に発火したものであるというふうには見てないのであります。もちろん古い旧採掘跡でありますし、明治大正時代に掘ったものがそのままの状態であればもう当然に自然発火を起こしたものと思っております。それをあの近辺で盗掘をいたした関係でそこに大きい変化がきておるものと、こういうふうに認定いたしておるわけであります。大体炭層の炭質その他から坑内の自然発火を起こし得る条件というものは大体わかるのであります。あそこのすみがああいう採掘跡でほんとうの長期間かかって自然発火を起こすということはどうしても普通考えられない。従いまして、私どもは盗掘によって新しい地表との連絡ができて、そこから空気が流入してそして自然発火を促進した、あるいは自然発火というよりもむしろ坑外から火気を持ち込んで炭層に火がついたのじゃないか。かように考えておるわけであります。そこは私は盗掘の例を出したのでありますが、そういうふうな、むしろ私どもが通常申しております自然発火というのは坑外とは全然関係がない。坑内の炭層の自然的な普通の状態から採掘の途次発火をしていく。これが自然発火と、こういうふうに呼んでおるのでありまして、あそこの場合は簡単に自然発火という表現をいたしておりますけれども、私は厳密に言えば坑内火災ではないか。こういうふうに考えております。 それから注水してなぜ消さないか。これは先ほど石炭局長からもちょっと話がありましたが、現在豊州二坑の方では排水作業によって死体の収容と罹災者の収容とをやっておるわけであります。そして旧坑と関連いたしておりますので、旧坑に水をつぎますと、この死体の収容ができなくなってくるわけであります。従って、死体の収容を断念するならともかく、私どもは今死体の収容作業につきまして絶対に断念をいたしませんという方向をとつておるわけであります。従って、あそこにすぐそのまま注水すれば非常に簡単でありますけれども、その方法がとれない。こういうような説明のつもりであります。
○藤田藤太郎君 私はそんなことを聞いてないです。ガスが出て自然発火しているのは今起きたのじゃないでしょう。前から火がふいてるわけでしょう。豊州炭鉱の今度の事故の前から火をふいてるから、なぜそれを消さないか。坑内から出てる火を、今の法律からいったら消防が責任になるというようなことを言わずに、なぜ火災保安の立場からそのガスが出てるその下の燃焼している火を消さないか。盗掘とかいうことはありましょう。そこから出たという原因が説明されて、そうかもしれませんが、私はしろうとであるからわかりませんけれども、ずっと前から火がふいてるのを今の法律で消防団というようなことを言わず、なぜ、鉱山保安の方でいけなければ、法律を早く変えてなぜそれをお消しにならないか。今の場合水を入れたらいかぬ、豊州炭鉱の死体をあげるために。それはわかりますよ。それぐらいのことは。今までずっと火をふいてたと、それをなんでそういう措置をしなかったかということを聞いてるわけです。
○説明員(小岩井康朔君) この点は先ほどちょっと触れましたように、六月四日に井戸水が熱くなるという陳情を通産当局が受けまして、すぐ監督官が現地調査をして山に通達を出した、その通達に従いまして豊州二坑の坑内では、旧坑の関連坑の密閉を強化しておりますし、それから亀裂の個所は、炭鉱側に不本意ながら充填をさせた。その前にもちろん火を消しております。火を消したあとさらに充填を強化したと、こういう報告を受けておるのであります。従いまして、六月後の、調査後の処置につきましては、特に火気の点は一応完全消火をやって、そうして亀裂の完全密閉をやった、こういうふうに聞いておるわけであります。要するに、地表の連絡、亀裂を通した連絡坑、それから坑内の旧坑との連絡を強化していく両方の線をふさいだならば完全に火が消える、こういうような建前で一応消火の処置をとったものである、こういうように聞いております。
○藤田藤太郎君 そうすると、さっきの石炭局長の話と小岩井さんと少し違うですね。火事の問題について私が質問したら、その処置は消防署の責任だと言われた、あなたは消したと言われるが、私は現地を見ないから、消したか消さないか、そこらあたりは一つ明らかにしてもらいたいのですが、どうなんですか。消したんですか。
○説明員(今井博君) 私の発言にちょっと疑義があったかと思いますが、これは私が特に申しましたのは、現在、今の燃えている火をとにかく消さなければならぬということで、どういう方法でやったらいいか、あるいはどこが主体になってやるかということを田川市当局と現実にやっておるわけであります。そのときに実はいろいろ現在の法律制度を調べてみたらどうもそういうことが判明したということを重点に申し上げました。それから最初に私はこの問題が起こったときに鉱山監督局の方に連絡をいたしまして、鉱山保安部が出かけて参ったときにはまだそういう法律関係がはっきりいたしませんで、とにかくこれは鉱山保安の関係であるだろうからというので、われわれの方は鉱山保安部の方に連絡した、保安部の方ではもちろん広い意味では鉱山保安法の問題だからといって出かけていっていろいろ講じられた、こういうことを申し上げたのです。それでその場合に鉱山保安部としましては、結局応急の措置としてはやはりその土地に水を入れたり、あるいは何かするということは、非常にこれはいろいろな意外の事故を招いたりする問題もあるでしょうし、一番いい方法は充填するという方法を考えられて、今鉱山保安局長が言われたように充填をして、充填を一つやろうとそれに大いに協力させる。その当時はこれはどこが責任の主体であるかどうかということは、実はまだはっきりいたしておりません。われわれもこういう事故は初めてでございまして、実は最近になりまして田川市といろいろ議論した結果、どうもそうらしいというところに落ちついた、こういうわけでございます。
○小柳勇君 さっきの保安局長の私の質問に対する答弁についても不満でありまして、もう一回質問いたしたいと思います。 それは今石炭局長が言われたように、その原因が一体どこにあるかということを究明しなければ、国家が補償するにいたしましても、市が補償するにいたしましても、あるいは山の事業主が補償するにいたしましても、いずれにしろその補償はやらなければならぬ、その原因を調査するということが一番今のところでは大事ではないかと思うわけです。もちろん死体をあげることは急を要します。六十七名の死体を上げなければならない。今作業にかかっておりますと言われますけれども、しかし、あれから二十五日たっておるわけであります。そうしますと、当然一体この原因はどういうところにあるだろうか、その原因を究明してその対策を立てると同時に、その生活の保障なり、あるいはその後の対策を立てなければならぬので、私はあなたのたとえば壁にセメントを塗りましたと言われるから、セメントには、一体どういうことが詳細にやられたであろうか。あるいは私どもが現地で聞くところによると、扇風機をかけて湯気を若干吹き払ったから井戸の温度が下がったということを聞いてきている。一昨日浅沼さんが凶漢に倒されて、きのうは山崎公安委員長もやめられた。その辞任については非常に敬意を持っておりますが、少なくとも六十七名が死んでおる。浅沼さんの一人の死に山崎公安委員長がやめられた。六十七名の死がしかもまだ死体も上がらぬ事態をほんとうに自分の責任だと感ずるならば、自分の監督の不行き届きだということを感ずるならば、直ちに現地に行ってその原因を追及し、その復旧対策をみずから陣頭に立ってやる。そのぐらいの決意が必要であろうと思う。しかも私が調査についてはどうでしょうかと聞きましたところが、まだ詳細な報告は受けておりません。しかも事故が発生しまして二十五日になって、その監督の総元締めである鉱山局長が、そういう詳細な報告を今もって受けておらないということは、私は通産相の責任であるし、あなたの責任であろうと思う。ほんとうを言うならば、みずからやはりその責任をとるぐらいの決意をもって、この復旧対策なり今後の措置をやられるのが当然であろうと思うが、そういうようなことで二十五日になって、今この委員会でその対策をどうしたでしょうか、私どもは若干聞いてきております。それでなお釈然としないから、あなたはその元締めであるから十分調査されておるだろうと思って保安局長に聞いておる。保安局長が十分でないならば、石炭局長がそれを補足して説明して、こうでありますから責任はここにある、将来はこうしますと、もっと親切にわれわれが納得するような、国民が納得するような答弁をされるのが至当でありまして、私どもは今から資料を要求いたしますが、坂本委員もそういう要求でありますから、六月の調査されたときの報告、それからそれに対する監督部局からこうしなさいと上尊鉱業に指令されたようですから、その指令の内容、それからそれに対して当然こうしましたという処置の報告があろうから、その報告、これを一つ委員会に出していただいて、それは資料提出をお願いすると同時に、私が今言いました一体原因はどこにあるのでありましょうか。そういうことについて一つ保安局長なりあるいは石炭局長の見解を聞いて、そのあと私はその対策について質問を展開していきたいと思います。
○説明員(小岩井康朔君) 私責任をもっと痛感すべきじゃないかというお話であります。私もおっしゃる通り非常に責任を強く感じておるわけであります。私さっそく現地に飛びまして、現状をつぶさに調査して参りました。しかしまた、ただいまの六月の四日に連絡を受けて調査をいたしました通達の内容につきましてももちろんあら方の報告は聞いております。ガス量もたしか週に一回でしたか、報告をするようになっておりますし、その報告の資料もございます。山に課しましたいろいろな指示もございますので、それらを一括いたしまして、委員会にさっそく提出いたしたいとかように考えております。
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) 速記を始めて。
○小柳勇君 今の問題に関連いたしまして大臣に質問いたしておきますが、御存じのように、豊州炭鉱六十七名まだ死体が上がりません。それからお隣りの籾井炭鉱は十三名のガス爆発がありました。こういう労働災害というものが、私どもが調査し、かつ考えるところでは、どうも使用者の方でもう少し金をかけて対策を立てれば、そういう事故も未然に防がれたのではないか、両方の炭鉱ともそういう気がするわけです。そういうことについて、今後こういうことが起こってはなりませんが、閣議なり大臣として、池田内閣の政府として一体どういう御決心を持っておられるか、大臣から聞いておきたいと思います。
○藤田藤太郎君 ちょっとその答弁の前に……。今の小柳委員の質問、私の質問とあわせて一つお答え願いたいと思いますというのは、鉱山の災害については通産省に委託をしたような格好になっている。本来言えば、私は労働大臣が労働者——働く者の一切の問題を労働行政としておやりになるのが私はいいことだと思っている。それが、鉱山の問題だけ鉱山保安局に委託したような格好になっている。そうして今論議をされており、まだなかなか明らかになりませんが、今私たちが論議している。今大臣はお見えになったのだから実情をよく御承知ないと思いますけれども、これは私たちはこのままにほっておくわけにいかぬ。いろいろな問題を残している。大臣もこの問題については関心を持って調査されていると思う。だからそういう大きい意味で、鉱山保安局の関係で、このままの災害対策ということでいいのかどうか、私は大臣の意見を一つ聞いておきたいと思います。小柳委員の質問とあわせて……。
○国務大臣(石田博英君) 今回の鉱山の事故、災害は、所管がどこであるとかないとかという問題は全く別個のことといたしまして、労働者の労働条件のほか、安全を管掌いたしております労働省といたしましては、当初より深い関心を持っておる次第でございます。そこで、これに対してどういう具体的な対策を労働省としてこれからとろうとしているかという小柳委員の御質問と、それからもう一つは、鉱山保安の問題を通産省の所管にしておいていいのかという行政機構の問題と、二つの御質問でございますが、前者につきましては、ただ単に鉱山災害だけではなく、最近雇用の増大に伴いまして、災害による負傷者、あるいは死者というものが非常にふえて参ってきているわけであります。これはまあ産業規模の拡大と、雇用の増大ということと見合いますと、率としてどうだこうだという議論がございましょうけれども、私はやはり絶対数がふえているという事実は、これはどうしても見のがすことができないと思います。それからその事故は、その多くが中小企業に多い、比較的企業規模の小さいところに多い。そういう点から考えますと、小柳委員御指摘の通り、経営者の方がその管理、防止に万全を期すれば防げる性質のものが多いという御見解は、私は当然起こってくると存じます。そこで、これに対して鉱山関係の、私どもの直接所管に属さないものにつきましても、これは御承知の勧告権というものがございますし、それを背景として通産省と密接な連絡をとって、でき得る限りその防止に努めて参りたいと思いますが、その他の一般産業の災害につきましても、各地基準局、基準監督署等を督励いたしますとともに、現在中小企業が経済的、金融的事情から災害防止に万全の措置を講ぜられないことに対しましては、そういう欠点を補うべき処置を目下検討いたさせております。でき得る限り早くそれについての具体的措置を公表できるようにいたしたいと存じております。公表だけでなく、取り得るようにいたしたいと存じております。 それから所管の問題でございますか、私は個人として、ただいまの藤田委員の御発言はきわめて傾聴すべき問題だと考えておる次第でございます。ただ、列国の事情を見てみますると、フランスだけが労働省の所管で、あとはそうでないようになっておる模様であります。そこで、鉱山関係の保安監督権を通産省が持っておるという現在の段階には、それ相応の歴史的背景も当然あることでございますから、それをあわせて十分慎重に研究いたしたいと考えておる次第であります。
○坂本昭君 大臣の御見解はごもっともですが、しかし、事故は必ずしも中小企業が多いのではないのですね。むしろ統計の数字を見ますというと、大企業、大手の方の災害の事故はむしろ多い、これは多分合理化による配置転換、その他保安にふなれのためにこういうことが起こるのではないかとも言われているんですね。いずれにしても、大手も多いし中小企業も多いという事実、そこで先ほど通産局の各局長と議論して参ってなかなかけりがつかないことがあるのですが、それと今、藤田委員からも指摘し、大臣もその監督権のことについて触れられましたが、労働基準監督署の監督官が、実際炭鉱の現場をどの程度監督しているかという実態であります。これがどうも非常にあやふやなんですね。つまり率直に申し上げると、監督できないような職場というものが相当多いのじゃないか、まあ大手の場合はそれは監督される側が歓迎する場合もあるでしょうが、中小企業の場合だと、違反をしているために監督を拒否する、その監督を拒否された場合に、それを無理に入れない場合がある、場合によると暴力によって拒否される場合がある。私はそういうところにこの政治の実体があるのじゃないか、それはなるほど法律に違反しているから見られたくない、それに監督に入っていくと、お前ら入ってくるな、しかし、私はそういう違反させるようなことをさせる政治も悪いと思うのです。たとえば、先ほどからの鉱山保安についても、地下の炭層が燃えている、この燃えているのを消せばいい、これは消防法によって、田川市の市の消防法で消せと言っているんですね。そんなばかなことを言って消せるものですか。これについては石炭局も保安局も一緒になって、場合によれば立法化してでも、とにかく日本の国土が、たとえ今ある一企業家が所有しているとはいいながら、つまり四つの島にある日本の国土なんですから、そういう日本の国土がいたずらに焼けるのを傍観するわけにはいかない。そのためには緊急立法化してでもこれをとめなければならない、これは鉱山の労働者の保安についても同じなんです。先ほど来通産省の意見を聞いてみると、まさに出炭第一、保安第二なんです。六十七名死ぬまでほっておいた。今までこういうことはありませんでしたからいろいろ検討しておりました。本十七名死んだら、それであわてた、そんなものの言い方はないと思います。私はむしろ労働大臣は非常に御熱心でありますから、これは監督権だけでなくて、あげて、なんならば通産省から取ってしまって、労働省で徹底してやっていただいてもいいと思うのです。特に今の基準監督の面の実態は、これは多分大臣は知っておられると思うのですね。これは私たちが今回出張していろいろ視察しますと、表向きにはなかなか言いにくいことです。しかし、そういう事実はあるのです。しかし、これを解決しなかったら、ほんとうの鉱山保安、労働者の安全は期しがたいと思います。この点についての大臣の御見解を承りたいと思います。
○小柳勇君 坂本委員の質問と関連してまとめて御答弁願いたいと思います。豊州炭鉱も籾井炭鉱も災害と直接関係ございませんが、非常に低賃金、しかも賃金欠配である。豊州炭鉱の方では、あれだけの経営をいたしておりまして、一万二千円しかもらっていないといって四十才くらいの人がおろおろ言っている。籾井炭鉱の方では、三カ月も賃金をもらっておらぬ。あしたはもらえると楽んでおったところが、百五十万円の金が労災保険の方にやられたから、また一カ月待たなければなりませんと言っている。しかも、やめて生活保護を受ければ月に九千円くらい毎月くる。ところが、われわれ働いているために、三カ月もたっても一銭ももらっておりませんとわれわれのところに来て訴えるわけです。そういうものは、直接災害には関係ございませんので、そういうものは最低賃金を——業者間協定の最低賃金どころじゃないのです。賃金をもらえない、そういうものを監督署なり監督官は見過ごして、そのまま作業をやれということを私は要求できないと思うわけです。そういうものは、単に二つの炭鉱だけじゃございません。あの山に入って行きますと、そういう炭鉱が非常に多いわけです。そういうものについて大臣はどうしようとされるか、まとめて御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 災害の発生率の問題は、私は実は全産業についての発生率を申し上げたので、鉱山だけを取り上げてみますと、御指摘のような数字になるかもしれないと思います。しかし、それは率がどうであるとかないとかという問題じゃなくて、やはり労働者に対する愛情の問題、責任感の問題だろうと私は思いますので、これは当然そういう見地からやはり厳重にその実態を監督し、そうして事前に問題が起こらないようにするよう努力しなければならぬことは当然であると思います。ただ私の申したのは、現在経営の基礎が弱いところには、経営の基礎が弱いために保安上あるいは災害防止上の措置がなかなかとりにくいということが往々にしてあります。それよりは逆に経営者が基礎を弱いのを理由にして万全の措置をとらないという例も見られるわけでありますから、そういう場合における金融上の特別措置について目下検討を加えております。それをでき得る限り早く立案を終了いたしまして、御審議を得たいということを考えておるということを申し上げる次第でございます。 それから出先の基準監督官の調査実態につきましては、基準局長が詳細にお答え申し上げたいと存じます。 それから小柳委員御指摘の特に石炭関係の中小鉱山におきまして、ただいま御発言のような基準法違反の事例が数多く生じておることも私も耳にしておるところでございまして、特にそういう中小鉱山に対する監督の強化、これを重点的に行なわしめて、でき得る限り監督権を行使いたしまして、その事例の摘発、是正に従事いたしておるのでございますが、なお不完全なために、あるいは不十分なために御指摘のような事態が現在残っておりますので、そのことにつきましては、私も十分責任を感じ、さらに部下を督励いたして御期待に沿いたいと考えておる次第であります。
○説明員(大島靖君) 石炭鉱山における労働基準の監督について、ただいま労働大臣から御説明申し上げた通りでありますが、私どもといたしましても、特に重点を置きまして監督を実施して参っておるわけであります。数字で申し上げますと、石炭鉱業につきまして基準別の適用事業所総数一千五百三十三事業所につきまして昨年度実施いたしました。監督実施事業所総数は一千五百八十三事業所になっております。なお、今問題になっております福岡県につきましては二百七十三事業所につきまして、二百十一件の監督を実施いたしております。監督の内容につきましては、定期監督が百十七件、申告に基づく監督が六十一件、さらに監督いたしました結果を再監督いたします再監督が三十三件、二百十一件の監督を実施いたしております。他の一般製造工業における監督の実施率と比べてみまして約四倍ないし五倍の頻度をもって石炭鉱業の監督に重点を置いて参っておるわけであります。 なお、石炭鉱業における賃金遅払いの現況は、先ほど小柳先生のおっしゃる通りでありまして、私どもも非常に大きな問題として注意を払っているとろでありますが、全国的に見まして、現在、遅払い金額総金額約八億円に上っております。この中で特に目立ちますのが石炭鉱業の遅払い、ことに福岡県等におきましては、大体五千五百万円程度の中で石炭鉱業の遅払いが約五千万円、金額にいたしまして約九割がこの事業であります。さらに労働者数にいたしましてもこれまた九割近く、八八%程度がこの事業でありまして、私ともも非常に痛心いたしているところあります。もちろん、石炭鉱業の経営自体の問題と非常にからむむずかしい問題でありますが、さらに先生の御仰せの通り、今後ともこの方面における監督の実施に力を注いで参りたいと、かように考えております。
○委員長(吉武恵市君) それでは午前中の質疑はこの程度といたしまして、午後一時半から続行いたします。 暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 —————・————— 午後一時四十一分開会
○委員長(吉武恵市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前中に引き続き、一般労働行政問題についての質疑を続行いたします。順次御質疑をお願いいたします。
○小柳勇君 中元寺川は現在堤防を築いて雨水の入ることを防いでおりますが、この復旧についての計画、見通し、それからそういうあれに類似した事故が再び発生はしないかと考えますが、それに対する予防措置、そういうものについての担当官からの答弁を求めます。
○説明員(畑谷正実君) 現地の災害復旧の工法につきましては、先月の二十九日に私の方から専門官を派遣いたしまして、現地でそれぞれの関係の省と打ち合わせをしまして、一応工法を決定したのであります。それをお話し申し上げますと、現在坑道の中にあいておる穴、これが十二ヵ所ございます。この十二ヵ所の穴をそれぞれのところでコンクリートでいわゆるせんをいたしまして、それからその上にボタを詰めまして、大体現在の穴のあいているところまでボタを詰める、と同時に、それが済みますと、現在のあいている穴に壁のようなコンクリートをずっと二重に巻きましてその上の穴をコンクリートでずっと巻きますと、それがたらいのようになりますから、その中に砂利を詰めまして、その上を穿掘されないように私どもジャかごと申しておりますけれども、ジャかごを載せまして穿掘を防ぐ、こういうような工法で、一応今わかっておる穴からの水は完全に防げるということでそれを進めております。きのう現在の報告でございますると、今の十二ヵ所の穴のうち三ヵ所が一応コンクリートが仕上がっております。現在の予定ですと、来月の十日までには一応コンクリートの全部のせんを詰めるのと、それからボタをその上に載せまして、今の穴のあいている川底の周囲をずっとコンクリートで巻くという動作が来月の十日までに一応完了する予定でございます。一応それが終わりますると、今の穴からは完全に漏水防止ができる、こういうふうな見通しを持っております。 それからその次には、堤防の復旧とかということになりまするけれども、これを全部合わせまして約二ヵ月かかったら完全に動作が完了する、こういうふうに考えております。 それから現在さしあたりわかっておりまする今の穴からの漏水その他これからの災害の未然防止は、一応それで災害防止は済むのでございまするが、それじゃその付近にまだいろいろ穴があるかもしらないというお話だと思いまするけれども、これはまあ私の方では一応やはり鉱山保安の問題関係から、その他のもし未調査のところがあるとすれば十分調査をしてもらいまして、そういう点の調査の結果河川にいろいろ関係があるという分については、私の方も同時に河川管理上からいろいろな処置をしていきたい。それによってまあ完全な処置をとりたい、こう考えております。
○小柳勇君 将来また川底で、どこかで発生するかどうかについては、古洞などの調査を待たなければなりませんが、今の河川関係の、建設省の関係のものについては、大体の見通しはわかりましたので、われわれ現地を見ておりますけれども、非常に雨が降りますと危険な情勢でありますので、工事の完工が早いことを希望いたしておきたいと思います。 それから保安局長に質問を続行いたしますが、原因については、まだわれわれは十分詳細な報告を聞いておりませんが、保安局なり石炭局の方で原因の究明についてどのような対策が立てられているか、それから結果が出たかどうか、それからそれについて田川市などは決議をもって政府の責任において、国の費用をもって避難民の生活保障をやってもらいたいという要請がある。これには、当然鉱害として処理するにはあまりにも問題が大きいという見解もあろうが、鉱害とみるのか、あるいは不可抗力とみるのか、そういう点についての見解と、それから生活保障を、今後避難民の生活保障をどうするかという具体的なことについて、今後の対策を御説明願いたいと思います。
○説明員(小岩井康朔君) 原因につきましては、ごらんの通り中元寺川の川底が、旧採掘跡の古洞に抜けて、そこから大量な水が入った。そういうことで比較的はっきりいたしておるのでありますが、なぜ抜けたかという点につきましては、非常に私どもの方も慎重に今調査を進めております。現在私どもの考えておりますのは、いかんせん古い採掘跡でありますから、そのままであったのなら、長い間に漸次弱められて、そうしてそのものだけで落ちたということも当然考えられますけれども、相当長期間もっているのですから、現在までもってきたわけでありますから、そのままならば、もっともっておったのじゃないか、たまたまその近辺で盗掘をやったという関係で、しかも盗掘によって火気が入って、そうして坑内に火災を起こしておる。従って、そういう面から爆発をやったということも、現在わかっているわけであります。これはいずれも変災を起こしましたあと、私どもの聞き及んだ内容でありまして、当時からわかっておったわけではないわけであります。そこで原因は、川底が抜けたということは非常に明瞭でありますが、なぜ川底が抜けたかという点につきましては、もう少し調査を待っていただきたい。かように考えております。非常に微妙な点もありますが、どういう程度に盗掘が行なわれ、その結果どういうふうに火が入って、どうなったという点は、なかなか現在調査も困難でありまするし、いろいろな面から推定も入ることでありましようし、その面を、目下検討を進めておりますので、暫時お待ちを願いたい、かように考えております。 それから出水についての保安上の対策、これは私どもさっそくこの七日に九州の全部の中小炭鉱を福岡に集めまして、約三百炭鉱近く集まったのでございますが、さっそくこの豊州炭鉱と籾井の炭鉱についての同様な警告、今後もうこういうことのないように具体的な説明をいたしまして、警告を発するとともに、まあ一般の保安、災害防止につきまして、特にまあ中小の責任者に強く説明とともに警告を発しました。それから実はきょうは全国の監督部長を集めて、午前中まあ委員会がありますので午後開催の予定にいたしておりますが、ちょっと時間が延びまして今待機をさしているようなわけで、全国の監督部長にも、その点詳細にまあ検討いたしまして、今後至急に具体的な対策を一つ立てたい。特に私どもの考えておりますのは、何と申しましても古洞の存在がはっきりわかっておりませんと対策が立ちません。大体ありそうだなということがわかっておるところには全部ボーリングを今やらしておりまして、先進さく孔によって作業をさせるということは非常に今厳重にやっております。実は先ほどもちょっとお話がありましたように、昭和三十二年から三十三年にかけまして、東中鶴炭鉱、江口炭鉱、非常に大きな出水災害をやったわけであります。従いまして、私どももその後わずか三十五の指定坑口であった坑口を、現在、今年の八月までには二百二十四坑口の指定をいたしておるわけであります。この坑口の出水指定というのは、坑口に指定を受けますと、まあ古洞なら古洞に対して必ず先進さく孔をやっていく、もうやらなければいかぬということを指定するために坑口に出水の指定というレッテルを張るわけであります。これがまあ当時の三十五坑口を現在二百二十四、さらにこれを一そう強化していきたい、こういうような気持でおります。従って、私どもはちょっとあぶないなと思うようなものは指定をしていく、反面から見ますとかなりそこには無理がいっているわけなんでありますか、しかし、これはある程度はっきりしなければやらぬといっておったのではとても間に合いませんので、多少の危惧があればもう指定をしてしまっていく、相当まあ強硬な方法をとっておるわけであります。今後もこの指定の強化をやっていきますと同時に、各炭鉱に、河川とか、あるいはため池だとか、そういうふうに水量を多量に持っている、近くに露頭を持っている、そういうような近辺で作業をしている炭鉱にはすべて炭鉱側において今後自衛上調査をしていただきます、その調査をした結果、保安上に必要な措置をとる問題が出て参りました場合には、私どもの方で保安法の建前から一つ厳重にやって参りたい。さらに中小の指導員制度というものをしいておりますので、特に中小炭鉱で十分な調査もやりかねるというような炭鉱につきましては、私の方のそういった関係の詳しいものを調査員として出して実情を十分調査いたしまして対処ができるように指導員制度の活用をあわせてやって参りたい。さらにまあこれの根本的な問題といたしましては、やはりまあ今後二重設定とか三重設定とか、あるいはまあ租鉱権の制度、そういったものにも多少の関連がございますので、そういった点につきまして、後日十分に検討いたしまして、石炭局長の方とも御相談をしてみたい、かように考えております。
○説明員(今井博君) 今回の被害のおもなものは、大体三つに分かれますが、第一は川崎町の家屋の被害、それから第二番目は中元寺川の川底が陥落した、それから第三番目は田川市の新庄地区の家屋の被害、この三つに分かれると思います。第一番目の川崎町の被害につきましては、これは明らかに鉱害でございまして、豊州炭鉱の鉱害ということに相なると思います。これはまだ認定はいたしておりませんが、まだ、もう少し鉱害がはっきりするまで何しましてこれは鉱害の認定をいたします。それから川底の方の陥落した方、これは非常に急ぎますので、通産局において、事件後間もなく鉱害と認定いたしました。現在建設省の方で見積もっていただいてその作業を進めていただいております。それから第三番目の田川市の新庄地区の問題、これは午前中も議論がございましたように、消火の問題とそれから被害を復旧する、この二つに相分かれておるのです。そこで消火の問題につきましては、田川市と今いろいろ話し合いをいたしまして、それから自治庁、大蔵省とも今折衝中でございますが、一応田川市の方に施行者の主体になっていただいて、技術的な、どうして火を消すかという問題は、通産局にさっそく委員会を設けまして、山の専門家を集めまして、その消火の方法を今検討いたしておりますが、これは午前中も申し上げましたように、結局、周囲にざんごうを掘りまして、それで一応古洞の連絡を断って、しかる後、逐次穴を埋めていくという方法によらざるを得ないのじゃないかと考えておりますが、やはりこれは非常にむずかしい問題でございますので、委員会の検討を早く促進したいと思っております。それから田川市が施行者になる場合には、これは特別交付金というものを自治省で考えていただいて、あとで穴埋めする、こういうことになると思いますが、この点は今自治省と大蔵省と折衝をいたしておりまして、間もなくその辺の見通しははっきりつくと思いますが、ただここで問題は、やはり家を避難をさせる、あるいは家を立ちのかせるというふうな問題になりますと、おっしゃるように、生活保障の問題が起こるわけでありまして、こういう問題も含めまして、それから田川市のそういう消火の費用等も考えまして、やはり鉱業権者の協力をこの際やはりぜひともあっせんしたいと考えております。何分にも自分が全然掘っていない古洞ではございますけれども、やはり自分の鉱区内の問題でございまするので、これはやはり鉱業権者にそれ相応の協力を当然させなければならぬと思い、それのあっせんをいたすつもりでございます。それからこの消火の問題に引き続きまして、さらに家屋の傾いておるのをさらに復旧する、この問題は、これは当然鉱害の問題であると考えます。ただ、この鉱区につきまして、この古洞でございますが、この古洞につきましては、その後、鋭意古洞の性質と申しますか、いつまでにだれが掘ったかということを実は調査をして参ったのでありまするが、何分、全部戦災でやられておりましてはっきりしたことはわかりませんが、やっとこれは大正年間に豊州炭鉱の以前の鉱業権者が、これは鉱業法では掘進増区と申しまして、よその鉱区の中に自分の方から掘っていくという掘進増区の古洞であるということが実ははっきり判明いたしました。掘進増区ということになりますと、これは隣の方の鉱業権者の責任ということに法律上なりますので、その点を、今前の鉱業権者がだれで、今ほんとうに実在しているかどうかということを調べております。現在までのところの状況では、そういう古洞の性質上、これは無資力認定ということで、臨鉱法の六十六条によりまして国の負担において解決いたすつもりでおります。現在のところ、そういう次第になっております。
○小柳勇君 生活保障の問題については、私はっきりしなかったのですが、臨鉱法六十六条ですか、それで政府が鉱害と認定して生活保障をやる、しかも急いでいるわけですね。この間吉武委員長にも陳情がございましたけれども、非常に急いでおりますが、そういうことについての解決の見通し、いつごろになりましょう。
○説明員(今井博君) ちょっと誤解があると思いますが、鉱害の復旧は家屋の傾いておるのをもとに復するという問題でございまして、その場合には臨鉱法の六十六条によって解決するつもりでおります。その生活の保障、ことに消火をいたす場合には一時立ちのきを現在やっておりますが、それが長引くとかいうふうな場合の生活の保障の問題はこれは臨鉱法のちょっと関係外でございます。従って、まあ先ほど申しましたように、消火を田川市が施行者になっていただく場合に、これは国の特別交付金という問題と、それからさらに鉱業権者の協力と——これは善隣友好の原則で当然これは協力させなければいかぬと思います。そういう問題を含めて、そういう生活保障の問題もできるなら解決したい、こう考えておりますが、ただいつごろかと、こう申されますと、実は午前中にも議論になりましたように、消火の方法が実は非常にむずかしいわけであります。相当これはざんごうを掘って穴を埋めるといたしますと若干の時日がかかるんじゃないか。従って、今いつごろと申されるとちょっとはっきりした返答できませんが、現在もうすでに特別交付金については自治省の方にも連絡いたしておりますので、現地の方から、こういう方法でやることが適当であり、金額はこのぐらいだということが連絡がございますれば、さっそくこれを具体的な措置に移したいと考えております。
○小柳勇君 金額について、田川市の方も一応の見通しを立てていると現地で言っておりましたが、金額がきまするというと早急に解決するということですが、現在もう年末を控えまして、避難した人たちはもうすでに生活におびえておるわけですが、そういう暫定的な措置でも早急にとれないものでしょうか。
○説明員(今井博君) これは、現在の制度といたしますと、鉱害復旧の問題につきましても応急的な措置が実はとりにくい状況になっております。特にこの生活保障の問題につきましては、これはやはり現在の制度では早急に目鼻をつけるということは困難かと思います。ただやはり自分の鉱区内の問題でございまして、私はやはり鉱区内の問題として、鉱業権者がその面についても協力させるように一つこれから至急努力を続けたいと思います。そういう状態でございます。
○小柳勇君 石炭局長も御存じと思いますが、上田鉱業の古い鉱区がございましたね、川の方にずっとわたってですね。あの辺全体は上田鉱業の鉱業区にあるわけです。そうしますと、まああっせんとかいうことですけれども、鉱害と認定されるならば、当然それはそこの鉱区を持った者が負担すべきであって、今から石炭局長があっせんに入って話がつくかどうかわかりませんが、まあ努力いたしますということでなくて、当然これは鉱業権を持った者の義務だと思っておるのですが、しかもそれであるから政府としてもそういうものを早急に出すようにあっせんされるべきだと思ったのですが、そういう見解じゃなくて、まだその判定がはっきりしないから、これから一つ上田鉱業が協力するようにあっせんするんだという意味ですか、どちらですか。
○説明員(今井博君) 田川市の位登地区でございます。つまり中元寺側の左岸の方でございます。これについてはまだ鉱害という認定をしておりません。一応川底の陥落したところは鉱害と認定いたしましたが、田川市の方は鉱害と認定いたしておりません。というのは、鉱害という認定をいたすのには非常にまだいろいろな点を調べなければなりませんし、現に鉱業権者は、これは自分の掘った古洞じゃないんだ、全然関係のない古洞から発したものであるから、自分の方は、むしろ被害者である、こういうことを強く主張しております。それでこれは臨鉱法にかける場合には、現在の建前では鉱業権者の同意を得ないと実は適用がむずかしいわけでありますので、従って、現在のところはまだ鉱害という認定はいたしておりませんが、その後いろいろ調べましたところが、これはむしろ臨鉱法の六十六条によって国が無資力認定をやって国の負担でこの鉱害の復旧ができるのじゃないかということがだいぶ判明して参りました。それは古い所の何を全部調べました結果ようやく判明したわけでございますので、その線に沿っていきますと、鉱害の復旧は臨鉱法第六十六条によって国の負担においてやれると思いますが、まあこの問題もさらにもうちょっと法律的に煮詰めなければなりません。しかし、家屋を立ちのがしたりする場合の生活保障の問題については、どうも現在のところ実は適当な方法がつかめません。従って、先ほど申し上げましたように、やはり鉱業権者に直接の責任はないかもしれぬが、やはり自分の鉱区内の問題でもあるので、やはり何らかの協力をその面においてさせなければならぬ、こういうふうにお答え申し上げたわけであります。
○小柳勇君 具体的には、何らかの協力でなくて、その生活、今公民館みたいなところに合宿しながら避難しているわけですが、そういう人に何らかの措置でなくて具体的にその人たちの生活ができるように、見通しをもってやりませんと、まあ、あっせんをいたしましたけれどもついに不可能でしたでは、その人たちの生活は守れないわけですね。もう少し具体的に何か復案があれば一つ御答弁願いたいと思います。
○説明員(今井博君) 非常に残念でございますが今復案は持ち合わせておりません。しかし、私はやはり先ほども申し上げましたような、自分の鉱区内の問題でもありまするし、これはぜひともあっせんをいたしまして、そういう問題も含めて何らかの解決方法をはっりきりしたいと思います。
○小柳勇君 あと坂本委員が質問されると思いますけれども、水が入りまして、壁から豊州炭鉱の方の坑道に入りました水が、私どもしろうとで十分の知識がございませんけれども、前にガスが出てそれをセメントで押えたのですが、水が出ると予測したらもう少し強くセメント工事をやったらあの悲惨な事故は防げたのではないかと思いますけれども、その点についての検討はされたのかどうかお聞きしておきたいと思います。
○説明員(小岩井康朔君) 先ほど来御説明いたしておりますように、水の点についてはもう全然と言ってもいいくらい考えの対象に入れてなかったわけであります。従って、先ほどちょっと具体的に御説明ができませんでしたが、大体ガス、蒸気、そういったものを防ぐ程度に、大体八十センチくらいのコンクリートで腰を百メートル前後旧坑側の方に構築した。大体まあこんなことになっております。なお詳細は後ほどよく調べたいと思っておりますが、要するに、ガスが漏れてきておるということを発見いたしましたので、そのガスが漏れないようにというための方法を講じたわけでございます。その構築をいたしました後、監督官が現地でガスをはかってみまして、やはりガス量の点ではもうほとんどかかっていない、従来多少漏れておったのが完全にとめられた、こういうような報告がきているようでございます。従って、ガスの点については一応の目的を達したものとかように考えられますが、水の点についてはもう先ほど来の説明のように全くまあ対象とはいたしておらなかった、こういうような状態なのでございます。
○小柳勇君 最後に、私どもが調査した意見と、それから要望だけいたしまして質問を終わりますが、第一は私どもが調査したのによりますと、古洞があって、そこには向こうの方で去年から爆発しておった。従って、もう少し積極的に対策を立てればあのような事故は防ぎ得たのではないかという点が一つ。 それから、現在上尊社長に会いますと、自分の方は実は迷惑しておるのだ、古洞が原因で、水が入ったのだから、われわれの方は被害者であるということで、たとえば六十七名の遺族補償については成規のものはもちろん保険なども出ましょうけれども、会社がかえって私の方が被害者だという感情にあるようですが、従って、前から監督部として会社にもっと積極的な対策を立てるように指示されたならば、あるいはもっと事故が防げたと同時に、私は事故が発生したあとで、もっと会社は責任感が強いと思いましたけれども、会ってみましてもそれほどの責任感をわれわれは感じなかった。それからあと、死体が現在なお出ていない。今度はその死体が上がりますと、あの山は整備事業団へ売ってしまうというようなことが決定しているようでありますけれども、そういう遺族に対する会社の責任的な、責任感による補償なり、あるいは政府などが将来遺族に対してもっと積極的なあたたかい補償なり、そういうものを私どもとしては要望したいと思います。従って、原因の究明については、いろいろ微妙な点がございましょうから、非常に慎重に検討されているようでありますけれども、早急に、しかも、徹底的に原因を追及してもらって、そういう事故が二度と起こらないと同時に、あの周囲の人にはやはり不安がありますので、そういう不安を一番早く除去していただきたい。 それから最後に、傾いております家、これは両岸ともありますけれども、鉱害が続々発生しつつある。そういうものは一つできるだけ早急に鉱害の復旧なりあるいは補償なりをやっていただきたい。なお、あとでまた適当な時期に質問申し上げて徹底的にこの問題を追及していきたいと思いますが、他の炭鉱にこういう不祥事故が二度と起こりませんように、保安局の方も石炭局の方も一つ努力していただくように要請をいたしまして私の質問を終わります。
○藤田藤太郎君 私は、今の小柳委員の質疑の中で大体対策はわかりました。私はどうも根本的な問題は小新井局長がおっしゃったように、私も午前中に申し上げたのですけれども、古洞の地図ですね、古洞の認定調査、この問題についてはこの前のお約束とはだいぶ違っているようです。それで午前中、失念しておりましたが、東中鶴の炭鉱が三十二年、三十三年にあった、そのほかにもあったと思います。そのときにお約束をした、通産省としてその古洞の調査をして、今後古洞からくる災害を防止すると約束されたのが、五ヵ年計画でおやりになっているようですが、その過程なんですけれども、やはり積極度が足らない、そのためにこういう事故が起きる。で、それを積極的にやってもらわなければ、事故は今度の豊州炭鉱ばかりではないと思われる。これは九州炭田一帯にはこういう危険が各所にあると思います。だから盗掘の問題からくる災害だというだけでは済まされない。やっぱり事故が起きたら人が死ぬわけですから、これは取り返しがつかない。ガスの保安についても規定があって〇・何パーセン以上は作業をしてはいかぬというけれども、事故が起きてしまってここで議論をするときに五%あったとか、その隅っこには七%あったとかいう議論をここでしなければならぬと思う一人が死んでしまってからそういろ議論をするということは私は非常に残念なことだと思う。しかし、いつもガス爆発のときにはそういう議論をここで繰り返しておるわけです。だからそういう面から見て私は小岩井さんにお尋ねをして明確に努力してもらいたいのでありますけれども、十月七日に九州の中小炭鉱業者を集めて災害対策で話し合った。その事後、鉱山部長会議をお開きになって、事後処置として、危険と思われるところは早急に指定して作業をやめさせるということを言われた。これはまことにけっこうだと思う。ところが、そのあとが問題だ。古洞の調査は炭鉱側に利害関係があるからやらす、炭鉱側にやらすということが根本的に問題だ。皆さんここで長い議論をしてきて、鉱山保安局長、私はいつもこれはわかり過ぎるほどわかっていると思う。鉱山側にやらしてみて、今まで防げたかどうかということは、もう私はここで議論する余地がないと思う。私は鉱山がみな悪いとは言いませんよ。しかし、その鉱山側にこの古洞の調査をさしたところで、私は信用せぬとは言わないけれども、ほんとうにわれわれがびんとくるような実態になるかどうかというと、私はそういうものとは考えられない。であるから、この三十三年のときだと記憶しておりますけれども、石炭局長が最低一年五千万円くらいの金を入れて二、三年で大がかりに監督行政の立場からこれをやって、災害を政府の手でやって防ぐのだということをここで言われておる。そこで私は安心しておったら今のような現状だ。またまた今度の豊州炭鉱の問題をやっているわけです。古洞の調査について、炭鉱側に調査さすなんということをお考えになるのがどうも私はふに落ちないのです。何で通産省がおやりにならないのです。技術員を派遣すると言われますけれども、実際問題として、小岩井さんも長いことおやりになっているのだから、同じような議論を何年もやっているのだ、よくわかっているはずだと思う。なぜ通産省がこの調査をおやりにならないのか。これは結局ここのこの会議の答弁用に終わるのではないか。私はそういう気がするのです。私ばかりじゃないと私は思う。もっと徹底的に通産省がこの調査をおやりになって、そしてぴしゃんと古洞がここからこういうところを、ここから先は掘ったらいかぬとか、むしろ通産省が、監督局がきちっとしたやつを業者に、それを目標に監督するということでなければ、私は再びこれは繰り返すと思う。どういうお気持で炭鉱側に古洞の調査をさすというようなことになったのか。そこのところを私は聞かしてもらいたい。それだけ炭鉱側を、各炭鉱を御信用なさるなら、私はここで再びこういう事故は起こしませんということを……。石炭のほんの損害やなんかで済むなら私は言いません。そこで働いている人が出水事故で死ぬのですよ。死んでしまってからああでもない、こうでもないというような議論は、私たちはそれはできません。だからどういうお気持でこういうお考えになったか、それを聞かせてほしいと思う。
○説明員(小岩井康朔君) 私の説明が少し足りなかったかと思いますが、そういう意味で私は申し上げたわけではないのであります。通産省はもちろん予算をとって、現在もとって調査をやっておるわけであります。ただ、豊州炭鉱の例を見ますと、あの豊州炭鉱はこの古洞調査においても発見できなかった。それはなぜできなかったかと申しますと、現在豊州炭鉱で作業しておりますどころは川からずっと離れたずっと深いところをやっておる。その現在の作業個所を対象に私どもは考えておりますので、これから先掘り進んでそこを掘っていく場合に、その近辺に古洞があっては大へんだ、こういうところで調査をしておるわけです。従って、豊州炭鉱のように、全く現在の作業個所と関係のないような、普通のところとは想像がつかないような個所は抜けてしまうわけであります。従って、普通の作業個所に直接関連を持っておるところは予算において積極的にやってもらう。そのほかに、私どもの方では、現在の作業個所とは関係がないけれども、これは山の方に多少無理があっても、危険だなと、あるいは、関連があるなと思われるようなところを炭鉱側に調べさして、そしてその結果、必要な事項が出てくれば鉱山保安上の措置としてやってみたい。こういう意味で御説明申し上げたわけでありまして、もちろん先般のいわゆる古洞は当然積極的に予算も増額してもらい、早くこの古洞の状況を、私は、調査をして連絡をしてほしいわけなんであります。ところが、豊州炭鉱を見ますと、繰り返すようでありますけれども、もう古洞調査は調査済みになっておる。一年も前に調査が済んでおるけれども、ついに発見ができなかった。こういう実例を見まして、私どもの方としては、現在の作業とは関係のない、無関係なようなところでも、その鉱区内にあやしそうなところがあれば、これは炭鉱側に自衛上調査をしてもらう。そこまでの予算はもうとうてい十分にとれない。そういう見地から重ねて私の方で調査をさせたい、そういう気持で御説明申し上げたわけであります。
○藤田藤太郎君 午前中のここの委員会で、実際の古洞調査をするのは、石炭局長がいわれたように、掘進作業をしてみなければわからぬところがある。そういう調査も今後考えなければいかぬということをおっしゃっている。私はごもっともだと思うのです。それくらい徹底して調査をしなければわからぬと思う。だから、それを通産省で……、私は専門家じゃないからわからぬけれども、通産省の石炭局長が言われたときとは違って、五千万円のうちの八百万円を一年におやりになるというのだから、どれくらいの作業で、今、鉱山局長が言われるような調査ができるのか、私は知りませんけれども、実際に、この前の東中鶴だったかと思いますけれども、その石炭の掘進をやって、前日に水が出ているということを先山の人が知っていて、それをまた掘らして、あくる日、ばしゃっといって、そして死んだということをまざまざとここで聞かされているのですよ。実際にそういうことが行なわれるのです。それはやっぱり収益本位の経営どいうことからこういうことが行なわれるのです。私はやはりこの八百万円の予算をうんと増額してもらって、皆さん方が、ほんとうに通産省が古洞の調査を徹底的にやる。それに対して積極的にその業者に協力をさす。こういう立場でなければいけないのじゃないか。そうでなければ、この災害は防げないのじゃないか。私はもう何回も同じことを繰り返したくありませんから、私はこれ以上言いませんけれども、そういう立場をぜひ貫いてもらいたいと思うのですよ。そうでなければ、毎年同じようなことを繰り返しますよ。だから、ぜひ一つ通産省の方でその古洞の調査を——古洞の図面が前に焼けたから非常にお困りになっておるようですから、これをぜひ大がかりに早くやって、むしろ鉱山業者に、ここに、こういう図面でこういう古洞があるから、ここを掘ってはいけないという命令をして、鉱山業者を守ってやる。それ自身がそこに働いている人を守ってやるということになるから、私はそういう立場を貫いてもらいたいということを重ねて申し上げておきます。
○坂本昭君 小岩井局長に伺いたいのですが、先ほど来の説明を聞いておってまだなかなか合点のいかない点がたくさんある。たとえば、六月に措置をすべき命令を出した。これはあとで書類がこちらに提出されますから拝見いたしますが、その後火は消えていると聞いているというふうなことを言っておられましたが、実際火は消えたのですか、どうなんですか。
○説明員(小岩井康朔君) 六月四日に連絡を受けまして、六月九日に現地調査をいたしておりまして、たしかそれから十日ぐらいあとに通達を出しております。その通達書に従いまして、新庄区内は一応火を消した。火を消して亀裂もともどもに充填をしておる、こういう報告を受けております。坑内の方は、先ほどもちょっと触れましたように、コンクリートの腰を厚さ七十センチ前後で百メートルぐらいを古洞関係のある方向にずっと打ちまして、そうしてガスの流出してくるやつは完全にとめた、こういうような報告を受けておるわけでありまして、新庄地区の火災は、もちろん一たんは、そのときは消した、こういう報告を受けております。しかし、私が災害のすぐ翌日現地を拝見しましたときには、もちろん亀裂から蒸気がなおかつ吹いておりました。もちろん私は坑内に現在でも火気があるのじゃないかということは明らかに考えておりますが、処置をしましたときには消したという連絡を受けておるわけであります。
○坂本昭君 その点の処置の今の通達を出して、それからあとどう実施されたかということは、監督官が現地ではおそらく全部監督をして実地検証しておられるはずなんで、当然私その間のいきさつについてはもっと詳しい事情がわかるはずだと思う。あなたが行かれたときは、とにかく火の気はあった。一体それじゃ消えたはずだというのは六月、あなたが行かれたのは、あれは九月。一体どこで火が燃え上がってきたか、その辺はどうなんですか。
○説明員(小岩井康朔君) これは私からこういうことを申し上げるのは大へん恐縮に思いますけれども、炭鉱の自然発火と申しますのは、燃え出しますと、現在でも三十年も四十年も燃えておる坑内がちょいちょいあるのであります。特に大野浦の関係の自然発火の激しいところは、数十年燃えて、消してあるのですが、密閉しておりますけれども、消してはあるのだけれども、完全に消えないでくすぶっているという状態が続きまして、おそらくあれはそういう区域ではありましょうけれども、炭に火がついておるものですから、もちろんそのときには消したという認定で一応済ましておりましても、完全消火というものはなかなかできませんので、少し火の気が残っておりますと、少しばかりの空気の流入でも徐々に燃えてくるわけであります。従って、数カ月後にまた蒸気を吹き出したという点も私どもは考えられないことはないわけなんであります。これはどうしても完全に消火しますには、先ほどのお話のように、私どもも技術的には水を流し込んでおるわけであります。これは新入の災害のときに、ごく最近——昨年の暮に爆発を起こしまして、大へん御迷惑をかけた、あの新入でも、死体が中にありましたけれども、どうしても消えない。従って、水を流し込みまして、あとまたくみ上げたわけであります。ほんとうは坑内の自然発火と申しますか、坑内火災と申しますか、そういういわゆる坑内の火災を消火する最後の方法はもう注水であります。しかし、これをやりますと、非常に坑内も荒れるし、跡始末が方法として私どもは使っておるのであります。できますれば直接消火とか密閉とか、そういうような方法をとっておるわけであります。
○坂本昭君 私がなぜそんなにこまかくお尋ねするかというと、別にあげ足をとるつもりでなくて、結局今の一酸化炭素がこっちに流れてくる、あるいはまた、現場の状況によると、あの豊州炭鉱に煙が現場に流れ込んで、そのガスのために倒れる者もおったというふうに聞いておるのです。従って、そのためにあなたの方では密閉の措置をとってセメントを詰めた。そのことがかえって爆発を誘発して、中元寺川のあの川底を落っことしてしまつたのじゃないか。だからあなたの方で保安措置としてやったことが、今度の事故を誘発さしたのじゃないか、そういうことはどうですか。
○説明員(小岩井康朔君) それは私どもとしては考えられないのでありまして、私どもは先ほども触れましたように、まあ坑内に火気があり、ガスが流れるという場合には、できるだけ連絡のある口を完全に密閉してそして押えてしまう、この方法が一番いい方法だ。普通にとるには一番簡単ないい方法なんであります。従って、密閉を強化して、それがためにやつたというふうには考えていないのでありまするけれども、坑内で盛んに採掘しておりますようなところで火災を起こしたというような場合には、密閉を完成するまでの間に事故を起こす場合はたくさんございます。この密閉が非常に危険作業でありまして、密閉が完全にできればとまるのでありますけれども、一ぺんにぱっとできませんから、徐々に密閉をして参りますから、その途中で再度爆発を起こしたり、事故を起こす場合は、これはたくさんございます。しかし、豊州のように一応密閉が完了して、そしてガスも出ないようになった、そういうような状態で、その後にああいうふうに爆発が起こったということは、私どもはもう全然考えられないのであります。
○坂本昭君 それは局長のような専門家とは違いますからね。私たちいろいろと間違った考えを持っておるかもしれませんがね。しろうとながらも現地に行って、あなたの方の監督関係の方から聞くと、中元寿川の水が増水をした、その水の重さに耐えかねて、ぽかんと下へ抜けたというのであって、去年から爆発があったり、家が傾いたり、あるいは水蒸気が上がったり、井戸の水が四十度ぐらいになったり、そういうふうなことが続いて、そしてそれに適切なる処置をしなかったために中で大きな爆発が起こって、中元寺川の川底を吹き貫いてぽかんと落とした。その二つの考えが私たちしろうとには考えられる。あなたの方では、むしろ何か、川の水の水量で下に抜けたようなことを言っておられるのですが、これは防災課長にお伺いしたいのですが、あなた方見られて、あれだけの岩盤、あれに水が増してきた場合に、下にあれだけの空洞があると川底へ抜ける物理的な可能性というのはあると思われますか。
○説明員(畑谷正実君) 私、実は現地をまだ見ておりませんのでよくわかりませんが、私の方の専門官が行っていろいろ調査したのですが、私の方はそれの原因というものを突発するために行ったものではないものですから、はっきりしたことはわかりませんけれども、出水の状態から底が抜けたといいましても、出水するまでに底にどういう現象があったということを突きとめないと、はっきりしたことが言えない。たとえば聞くところによりますと、岩盤が相当固い岩のようでございますが、そこに自然のうちにある程度の穴があいておったという状態を考えますれば、それが弱点になるということも考えられます。それが完全にそういう状態でないということになると、やはり五メートルくらいの岩盤の層があれば、これはなかなか少しぐらいの出水では抜けないというふうに考えております。実際問題として、どういう状況で抜けたかということは、ちょっと私の方としては、詳細にそういうような報告を聞いたわけではございませんのでわかりかねます。
○坂本昭君 今の点について小岩井局長からもう一度しろうとにわかるような説明をしていただきたい。
○説明員(小岩井康朔君) 私どもの考えておりますのは、先生のお考えとは全く逆なんでありまして、実は私がこの変災の報告を受けましたときに、川底に抜けた、それで径は二メートルないし三メートルの径で抜けておる、こういう報告が現地からきておったのとあります。従いまして、あの跡を見よすと、すぐ直下が掘られておりまし私も実はあぜんとしたわけでありまします。抜けてみて初めてわかったのですが、あの中に坑道を入れさしたのは実は私が入れさしたのでありまして、当然これは充填しなければ救出作業もできない、従って、非常に危険ではあるけれども放置もできないというので、あの陥没しましたのを、中へ人を入れまして仕繰りを三方向にさして、初めて非常な空洞があるということがわかったのであります。そのように私への初めの報告では、二、三メートルで水が流れ込んだというようなところを見ますと、ぽんときてあれが吹き上げたというのではあまり、二、三メートルのわずか小さい穴で吹いたということはなかなか考えられない、あの辺がすっかり掘り跡になっていますから、ぽんと相当大きなショックで抜けるのならもっと初めから大きく抜けてしまったのじゃないか、もちろんこのこまかい点は私どもでもわかりません。先に抜けてそれが広がったものなのか、あるいは小さく吹上げられてやったものかというものは、いかんせんごく近くに、ほんの数十メートルもないくらい近いところに火を持った個所があって、そうして私どもは全然知りませんでしたが、話によると、一年前から爆発をやったとか、事故が起きてからそういうことが盛んに流布されるのであります。私どもの方法は全然わかっていない。そういうような点から見ますと、そちらの方の影響がもちろん、その何がしかの影響がいっておるのだろうということはもう私どもも当然考えますけれども、その火気の影響、爆発の影響であの穴が抜けたにしては、爆発の影響で抜けたにしては——当初の報告は間違いなく私どもに、径は二、三メートルの穴で抜けておると、当初はもっと小さかったかもわかりません。私どもに報告が参りましたときに、陥没した穴は二メートルないし三メートルであるという、こういう報告は間違いなく現地から受けております。ところが、私が翌日行きましたときには、もう先ほども言うように、径が二十メートルくらいになって、川幅の約三分の二くらいも大きく口があいてしまって、非常に大きい破壊であります。そういうような点を見ますと、爆発によってやったのではないのじゃないかということは現地の監督部長もそう見ておるわけであります。穴が漸次抜けてそれが水流によって大きくなった、こういうような見方を、現地も私どももいたしておるような実情であります。
○坂本昭君 今の点は、しかしこれは建設省の人があまりよく調べておられないようですけれども、あなた方の方のむしろ所管ですよ、今のような説明でくると。これは一つ専門的に調べてもらいたいと思うのですね。これは私は非常に疑問があると思うのです。そうしてわれわれとしては、しろうとではなかなかこれは探求できないので、むしろ河川の物理的な状況から、今局長は最初二、三メートルと言われたのだが、その最初二、三メートルから逐次川水が中へ入っていって二十メートルに、こういうふうに大きくなったのか。また、そうなる前に水の水圧で抜けるというようなことがあるのか、その辺は一つ私はもう少し検討していただきたいと思うのです。 それはそれとして、次に伺いたいのは、今までの出水防止作業、これにどれくらいの額がかかって、それからその負担は一体だれがしているか、これは通産省のをまず説明して下さい。今まで自衛隊が出動したりいろいろしていますが、それらに要した費用は一体だれが払ったのか、どの程度の費用を要したのか。
○説明員(小岩井康朔君) 災害が起こりまして現在までの一連の救出作業、これらの費用はもちろん現在のところは山側がやっておるわけでありますが、自衛隊が参りました経費、これはどうしているかという点については、詳細わかっておりません。いろいろのケースがありますけれども、自衛隊としても実際にはおとりにならないのじゃないかと思いますけれども、もちろん私もごく近いうちにお礼にも上がらなければなりませんし、今対策もまだ十分にできてはおりませんので、そこまで手が回っておりませんけれども、現地に行きましてもおそらく詳細にわからぬと思いますけれども、現地の監督部長も見えておりますから、さっそくその点伝えまして、できる限り調査さしてみたいと思います。
○坂本昭君 そうしますと、今度河川局が行って現地を見られて、そしてもう工事を始めておられると聞きましたが、大体どの程度の予算を見ておられるか。その金額と、その負担区分はどういうふうに、国がどれくらい、県がどれくらい、あるいは地元がどれくらい、その大略、それからまた今までにやった工事は、これは国が持つつもりかどうか、その辺の説明をしていただきたい。
○説明員(畑谷正実君) 私の方で今水の出のために計画をしておる全体事業費が千六百九十六万八千円となっております。この中には、今までにすでに締め切りをやりまして、水のその穴から入るのを防ぐ締め切り工事、これもこの中に入っております。それと先ほど申し上げました各穴をコンクリートで埋めまして、さらにボタを詰めまとて壁を作る、それからその上を砂利を埋めまして防ぐ、それから堤防の復旧工事、これを全部含めまして千六百九十六万八千円、こういうことになっております。現在この工事をどんどん進めておるわけでございますが、これは通産省の認定によりまして、負担区分は七割を国が負担をしまして、それの七割に相当するものを予備費で要求する、あとの三割を地方自治体で負担する……。
○坂本昭君 県ですか、市ですか。
○説明員(畑谷正実君) 県です。
○坂本昭君 そうしますと、今の話を聞くと、最初からの出水防止作業の分が全部今度の災害復旧という形で払われることで、小岩井局長は山側が負担すると言ったけれども、山側の負担というのはなくなってくるのじゃないですか。
○説明員(小岩井康朔君) 実は災害後の救出作業その他たくさん作業はございますから、川底はそのうちの一部でございますから、大体の災害が起こりましてからの山側が行なっております仕事の大半は、現在山で出しておるわけでございます。しかし、川底の金の支払い方を、今説明がありますように、国で持つと、こういうふうにお話になったと思います。
○坂本昭君 建設省としては、こういう中元寺川のような事故、こういうものが将来まだ頻発するように見ておられますか、どうですか。
○説明員(畑谷正実君) 実は私の方は、河川管理上、そういう問題について十分に検討しなければならないのですが、私の方も河川管理上と言いますと、一般の治水上から見て、治水が流水を阻害するとか停滞するとか、あるいは堤防に危害を加えるとか加えないとか、そういう観点から検討しておるわけでございます。その面から見ると、そうそういう事故があるということは考えられないのでございますが、やはりこういう事故が一度でもあったということになれば、必ずしも今後ないとは言えないことでございまして、先ほどからいろいろなお話がある通りに、今後鉱山保安上から、十分にそういう点を調査していただきまして、その結果、河川上問題があるところにつきましては、十分協議の上、河川の管理上必要な処置をしていきたい、こういうふうに思っております。
○坂本昭君 たしかあそこの抜けたところは、あれは建設省が直接見ているところに入っているのじゃなかったですか。それから、あそこで事故が起こってから、下の堰堤を爆破して、そうして水の滞留をなくするような工事をしているのです。そのときには、たしか建設省に問い合わせをして、建設省の許可を得て堰堤を爆破して、そうして水を早く下へ流させたとちょっと聞いているのですが、その辺の事情はどうなんですか。
○説明員(畑谷正実君) あの問題、被害を受けました地区は、おそらく直轄区域というお話ではないかと思いますけれども、建設省が直接やっている直轄工事区域ではないのでございまして、県が工事をやっている区域になっております。ただし、直轄の工事にいろいろな支障がある面につきましては、たとえ直轄工事区域外であっても、影響のある範囲内においていろいろそういう許認可の事項を取り扱うということになっております。
○藤田藤太郎君 準用河川だね。
○説明員(畑谷正実君) 準用河川です。
○坂本昭君 それでは建設省の方は私は用事ありません。あと、もう少し通産省に伺いたいのですが、先ほど局長の答弁によると、なかなか田川の事故を、去年からずっと繰り返して、爆発あるいは家が傾いたりしたことがありながら、全然知っておられないということですが、たとえば嘉穂の爆発事件、これも、あれは乙のCにたしかなっておったと思うのです。乙のCになっておって、そうして去年一度爆発して、昨年の九月の爆発で死傷者を二人、ガス中毒を二人出して、こうしたことがありながら乙種のCの指定を受けている。今度はこういう事故によって、あなたの方ではいろいろな考えを変えられるように現地で聞きましたが、事故が起こってから変える、そういういつも手おくれのことばかりしておられる、これでは保安の監督ではなくて、こんなことならだれでもできるのです。私でもできるのです。一体これは今の指定の問題並びに今のような、私から、しろうとから言われるような保安監督行政をやっている実態について、人が足りないとか、予算が足りないとか、何とか実情があろうと思います。その辺の説明を一つ聞かして下さい。
○説明員(小岩井康朔君) ガスに対します私の方の格づけと申しているのですが、危険の度合いに応じましてグループを作っているのですが、この認定は、もう完全に現地におまかせしているわけであります。東京におりましてとてもそんな状況わかるものではありませんので、この炭鉱の格づけにつきましては、当初、期に一回ずつ変更さしておったのであります。しかし、それでは非常に手数がかかって大へんですから、現在では半年に一回しかとっておりませんが、現地の監督部に全部完全に委任いたしまして、現地におきまして、この炭鉱はあぶない、ガスにおいては非常に危険だというような場合は、自然条件、管理上からいろいろな面から総合しまして、現状において相当な危険性があるというものが一種に入れてあるわけであります。どの程度、完全には一種、二種、三種の区別はつきかねますけれども、要するに三段階に分けてこれは監督上の一つの方便としまして、予算が非常に限られておりますので、どの山も同じような回数で回るわけに参りません。従って、格づけをいたしまして、最も危険と思われる炭鉱によけい回る、要するに予算を重点的に使いたい、こういうような面から格づけを実施しているわけであります。そこで、籾井の場合でありますけれども、まだ詳細な原因調査は私どもの方は受けておりませんけれども、もちろん原因はコンベアによるスイッチであるということはわかっておりますが、これがなぜ爆発したかという点につきましては、非常にむちゃなことを実はやっておりまして、私どもの方に連絡がきておりますのは、生産を上げるために、いわゆる風洞、通気をとっております大きい通気の坑道の一部をふさいでしまって、そうして上の方の切羽だけに風を回して、そうしてその炭を出す、これはそれだけの説明ではちょっとおわかりにくいと思いますが、坑内は坑口から千数百メートルに及ぶかなり深い坑内でありますけれども、出炭をしておりますのは——まあ上部の方に払がついておるわけであります。非常に深いところはただ掘進だけをやってこれから切羽をつけようという段階のところであります。そこで上部の方の切羽にかなりのガスがついてきたので、このまま採炭すると非常に無理がくる。そこで出炭を続けるにはどうしても払に風をよけいやらなければならぬというので、下の方にいく風をとめてそうして上の方の払に風を回して炭を出した。従って、生産が保安に先行した、まさしくそういうような事態であったのであります。従って、当然風を送らなければいかぬところをとめて、そうして切羽の方にその分を回して炭を出した、出炭を強行したということになるわけであります。籾井の場合は非常にむちゃくちゃでありまして、明らかにこういう姿が出たのでありますが、もちろんこんな山はどこにでもあるというわけではございません。ごく少数の山なのでありますが、たまたま籾井炭鉱におきましては、非常に無謀な方法をとって出炭をしたために事故が起こった。ここまではかなりはっきりわかっております。なお詳細につきましては、詳しく後ほど送ってくることと思いますが、私どもの考えております保安の問題以前の非常に無謀な方法をとったために事故を起こした、こういうような実情になっておるわけであります。
○坂本昭君 現地の監督官に聞きますと、大体あの辺は二、三カ月に一ぺんはたしか回っているはずなんです。もちろんその籾井のような場合、中に入れさせなかったかもしれませんよ。だからそういうような実情を事故が起こってから初めて知ったかもしれない。が、先ほどの田川の実情のような場合に、半年に一ぺんでも回っておったならば私はすぐわかることだと思う。そういう点で監督官が、どうも数少ない人がやっているのを批判してまことに気の毒かもしれませんけれども、何か私たち見ておりますと、われわれは事故が起こってから行くものですから、かえってそういう印象が強いかもしれないが、何か監督官というものはなまけてばかりおって何しているのかという気がするので、何かそういう点明らかにしていただくと、今のように、局長が籾井の場合は実にひどいのだということを率直に言われたので、これは私は原因がかなり明確になったと思う。これはむしろ監督官もたびたび忠告もしたが、なかなか現場には行かせないというようなことであれば、なお原因がはっきりしてくる。さらに、あのとき私たちが聞くと、メタンガスを測定したところがメタンガスはなかった、そういうのです。その測定した機械はどこに持っていったかというと、あの近所の何か研究所がありますね、そこに持っていったということでした。そうすると、嘉穂の場合のメタンガスの測定はこれはうそだったか、あるいは機械がいたんでおったかということがはっきりしてくるわけですね。
○説明員(小岩井康朔君) もちろん当然送るべき風をとめて作業をやっておったというような関係もございますので、まあ今私がここでガスをはからなかったというわけには参りませんけれども、おそらくはかっていなかったのではないか。しかし、現地から一応ちょっと簡単に聞いておりますのは、採鉱課長が現場におきましてなくなっております。採鉱課長が現場で罹災しておりますから、おそらくガスははかったのじゃないか。しかし、風管が行っておりますので、風管先のガスを簡単にとってはかりますと、割合ガスが少ないですから、普通ならばそんなことはないと思いますけれども、簡単に風管付近をはかってガスがないということでやらせた。あるいはまた採鉱課長ですから、その辺の実情は十分知っておりますし、通気をとめておりますからガスはたまるということは当然わかっておるわけなんです。ですから、労務者に、あるいはたくさんのガスがいったんではこわがって働かなくなる、従って、実際風のいっている風管先からとって、まあ大したガスがないというので作業をさせたのかもわかりません。御本人が罹災しているので私からとやかく言う筋ではないと思いますが、おそらくもちろん十分ガスの検定はやっていなかったのではないかというように考えております。
○坂本昭君 最後に私は現地へ行ってそれぞれ採鉱課長のような専門の人が犠牲になったり、あるいは働いておられる労働者自身が何物にもかえがたい命を捨ててしまっておられる中で申し上げるのは、われわれしろうととしてまことにおこがましいような感じもするのですが、非常に何といいますか、保安教育という一番基本になることが欠けているような感じがする。たとえば嘉穗の場合あたり、爆発が起こったといって中へ飛び込んでいく。飛び込んでいく場合に、報告に書いてある通り、ガスマスクの設備がないのです。ないからそのまま入っていく。入っていってそのままぶっ倒れてしまう。何といいますか、それだけの設備がない零細企業ということになるかもしれませんが、といって皆さん方の方では設備がないからもうしょうがないと、いざというときには素手で入っていって死んでしまえ、そのような保安行政をするのはこれは当たらないと思うのです。いずれにしたって国の要求で掘っている石炭、零細なら零細な企業に対して保安のいくように私はお互いに考えるべきだと思う。こういう点と、また、たとえば豊州の水没の場合、あの場合、上から電話をかけている。大焼と、芳の谷と両方かけている。一方の方はおそらく水が入って落盤したために切れたのでしょう。これは連絡がついていない。しかし、一方は完全に連絡がつきながら、しかも二十何名かの犠牲が現にある。これなど私は現地では、こういうことを根掘り葉掘りは、よう聞きませんでした。あまりなまなましい事実ですから。しかし、その後、新聞記者の書いたものとかいろいろのものを読んでみるというと、水異常の連絡がなかった。ただ坑内が事故だから上がれという連絡だけだった。私はこういうことは、保安教育もさることながら、実際災害が起こったときに一体どうっやてこれを助けるか、その助け方さえもやっていない。これは一体だれの責任なんですかにそれからまた、局長としては、いつも、ことしの春以来、ここへ来てわれわれしろうとからしぼられながら、しろうとに説明するもどかしさを非常に不満に思われるかもしれない。しかし、われわれも実際何だってこんな同じことを繰り返すのだと、それから先ほど労働大臣は中小企業に事故が多いと言っていましたけれども、必ずしもそうじゃないのですよ。大手にも多い。ことにILOの労働統計年鑑などを見ると、死亡率は千人についてイギリスが〇・五、西ドイツ〇・九八、日本は一・七一、非常に高い。出炭百万トン当たりの死亡率というものは日本は非常に高い。私はこういうことでいつまでも同じことを繰り返して、毎年、局長がおやめになるか、われわれが落選するまで同じことを繰り返しているのはかなわないですよ。今の保安教育の問題、水異常の連絡さえもつけてない。一体これはだれが責任をとる、一体どうしてくれる、これは大臣に聞かなくちゃいかぬことですけれども、局長のお考えをぜひ伺って私の質問はこれで終わりにします。
○説明員(小岩井康朔君) まことに核心に触れまして、私どもも常に坑内外の連絡、これは非常に今後も私は大切な問題だと思っております。しかし、従来出水の危険の多い炭鉱、特に海底炭鉱、そういうようなどころは規則にきちっと書いてあるのでございます。しかし、一般の炭鉱につきましては、坑内にもちろん事務所がございまして、事務所までは電話がいっております。しかし、最前線が事務所で、それから先に作業としておりますところは、もう人間が行って連絡する以外にないわけであります。坑内の作業個所は御承知のように、みなばらばらになっておりますので、作業個所相互の連絡も相当必要なんであります。特に豊州の場合は、片方の方には連絡が完全についたけれども、片側にはつかない。作業個所の相互の連絡がとれるようになっておれば、片方は故障でありましても、片方が通ずれば片側から連絡がいくわけであります。さらにおそらく豊州の場合連絡がすみやかにいっておったら全員無事でおるのじゃないかということが当然考えられるケースであります。従いまして、私ども何年も前から相互に連絡のできるような簡単な連絡方法、これはもう考えてもらっておるのですが、担当者にはたえずこれは考えてもらっておるのですが、従って、適当なメーカーには研究を続けてもらっておるのですが、いかんせん非常に高いものですと、それを全員にすぐ使わせるわけにはいかない。そこでとりあえずは坑内の事務所までは電話できちっといきますが、それから先は、現在大手におきましては、電灯の点滅方法、あるいは臭気を出しまして、そしてたえず坑内には片方から風が行って、片方から出ておりますから、非常にくさいものを出しますと、必ずそれがそれから先に流れていきますから、今大手では非常に新しい方法をとっておりますが、しかし、これも全炭鉱にたえずこれを備えつけさせるというところまでにはいっておりません。私はこの作業個所の相互連絡、坑内の伝達方法、こういうようなものにつきましては、私はこの点はどうしても次期の規則改正の場合には、ぜひもう少しこれを強化してみたいということは強く考えております。今そう長いことではないと思いまするけれども、非常に簡単な何か方法で、相互が非常に簡単に連絡がつくというようなものも必ずできると考えておりますが、現在では少し幼稚な方法ではありまするけれども、電灯の点滅方法、これも電灯が消えて、停電のときには役に立ちませんから、完全なものとはいえません。従って、電灯の点滅だの、臭気を流出させる、そういうようなかなりこそくな方法でやっておりまするけれども、いずれはりっぱな連絡の方法もとれるのではないかと、かように考えております。
○藤田藤太郎君 保安の問題は、まだまだ予防措置についてはこれから努力をしていかなければならぬと思います。いずれまた、その後の全体の経過について御意見を聞かしてもらったり、処置をお願いすることになると思います。ただ、ここで一つこれに関係してお尋ねしておきたいのです。というのは、北海道の明豊炭鉱が、水圧で石炭を掘っている。私たちも現地へ行って見てきました。しかし、私らのあの入っていって現地を見た感じでは、あれが保安上もつかどうかという心配をしながら帰ってきた。だから、今研究期で、あれが全体の作業に移されるとは考えられないと思いますけれども、しかし、ああいうことを、ものすごい水圧でやるのですから、非常に山全体について影響があるのではないかという心配をするわけで、これは一つ今後全体の山に、人件費が十五分の一で済むという説明を聞きました。それは人が少なくても石炭が掘れるというならけっこうと思うけれども、ああいうものについては、私は、どうも幾つも山に入って見てきましたけれどもああいう水圧のために、山の横っちょが、両面や何かがくずれるような、非常に不安感で、現地の先まで行って私は見てきましたが、しろうとですけれども、あれは保安上相当問題があるように思いますが、ああいうものを全般に施行するまでには十分な一つ研究をして、そして完全無敵といいましょうか、そういう立場からああいう方法を私は実施していただかなければ、私も幾つもの山に入ってみて、一番不安に感じましたので、この際一つ発言をして、十二分に研究して、安全度が確実だというときに、ほかの山にやられるように十分研究してもらいたいということをお願いしておきます。時間が長くなりますからやめます。
○説明員(小岩井康朔君) ただいまのお話、私どもも痛感いたしておりまして、実は保安の問題がたくさん含まれておるわけであります。従って、来年度の予算にも、もちろんこれは予算が通る通らぬは別にいたしまして、いわゆる合理化の一端としまして、ひな形ではありまするけれども、水力採炭のほかにたくさんございます。石炭が燃料革命で、いろいろな面で体質改善をやっておりますので、私どもも保安上おもしろくないからというので、まだ試験期にすぐとめてしまうというわけにももちろん参りません。試験期間でありますから、現在どういうふうにして掘れるか、どういう保安の問題が出てくるか、これらを私の方としましては、来年度の予算に、水力採炭の委員会を組織しまして、この委員会で、水力採炭に伴う、いろいろな実際に出てくる保安の問題を討議して——もっともこれでないと、とても私の方も安心してやれませんので、特別な委員会を作りまして、そこで水力採炭を実際に行なう場合に出てきますいろいろな保安問題を、専門にその委員会でやってもらいまして、法規の改正をしなければならぬ場合には、もちろん法規の改正に入っていく、かように考えておりまして、もちろん保安の問題も、あの中かちたくさん未解決の問題が出てくるということを考えております。慎重に善処したいと思っております。
○委員長(吉武恵市君) 労働行政に対する質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(吉武恵市君) 次に、一般厚生等行政に関する件を問題といたします。なお、午前中派遣委員の報告中にありました点も含めて、御質疑を願いたいと思います。 —————————————
○委員長(吉武恵市君) なお、この際、委員の異動を報告いたします。 十月十四日付をもって秋山長造君が辞任し、その補欠として、小林孝平君が選任されました。 —————————————
○坂本昭君 けさの厚生調査にも関連がありますし、また、特にこの夏非常に深刻に問題を起こした点もありまして、小児麻痺の対策のことについて四つほど伺いたいと思います。 第一は、小児麻痺に対する対策、特に来年の一月から九十万人のワクチンをやりたい、そういうふうな御意見が出ていますが、そういう対策をどういうふうに具体的にされていくかということ。 二番目は、それに応じて国内生産を具体的に来年度はどういうふうに立てておられるか。 それから三番目に、一番の問題は価格の問題であります。もうすでにこれはわれわれも非常に疑問に思っておりましたが、流行がしょうけつをきわめると、非常に社会問題になってきて、五十四円の原価が千円をこえるという問題、これに対してどういうふうに対策を講じておられるか。これは薬務局の所管になりますが、これはもうやはり小児麻痺対策として、公衆衛生局長としてはやはりお考えの点があると思いますので、あとで薬務局長が来ましたら、この点についてまた薬務局長から説明をいただきます。 それから四番目に、これらのことをめぐって日本における小児麻痺の問題は、何も突然出てきたことではなくて、優秀な衛生研究所のあるところではどの地域がポリオに対しての免疫の地域であるか、一たん流行がしょうけつした場合にはどこにはやるかということはある程度の見当が私はついておるはずだと思う。従って、この点についてこの春にも一度局長に要求した衛生研究所の問題、衛生研究所法というようなものの立法化の問題については、今春一応、約束ではないけれども、一応言明があったので、こういうポリオの流行に備えてどういう考えを持っておられるか。 以上の点を伺って、あとで五番目に結核対策を伺いますから、以上まず四点についての局長の御見解を簡明に一つ御説明いただきたい。
○説明員(尾村偉久君) 第一点の対策でございますが、要するに本年のああいう大流行にかんがみ、また、日本が過去二、三年間大流行ではございませんが、逐次増加しておる。この傾向からやはり今後一そう増大するという基礎の上に立ちまして、そのために幸い最近有効とされて、また実績上も諸外国で優秀な成績をあげておりますポリオに対するワクチンの接種、これはもちろん将来は注射のほかに経口の問題も入ってくると思いますが、要するに、接種を強化する、こういう形でございます。しかもそれは来年の夏に間に合わすために、来年度の予算あるいは来年度の方策ではおそきに失しますので、本年度の一月から予備費をもってこの接種対策を強力にする、こういうことにいたしました。この点につきましては八月の三十日に閣議了解を、この対策要綱の承認を得まして進めておるわけでございます。ただいま坂本委員からお話のございました通り、九十六万人が一月から三月までの間に一回。第二回まで受けられると言いますのが、これは第一回と第二回の間に一カ月の期間で、第三回目は七カ月の余裕期間がございますので、この間一回分と二回分に当たるわけでございますが、しかもこの一回と二回でも相当な効力ありと、こういうようなことでございまして、さような見地でやることにいたします。これの所要の三十五年度の予備費、これをすでに一億二千万円、この接種費だけでも国費の予備費をとっております。これによりまして定期接種的に生後半年後から一年半までの間の子供にやった場合に、国が三分の一、それから府県が三分の一、町村が三分の一と、そういうことにいたしまして町村長の責任でやらせる、こういう形にいたしておるわけでございます。従いまして、ワクチンの所要量にいたしますと、二回分でございますので、この約二倍になるわけで、二百万CCということにほぼなるわけでございます。これに対する所要のワクチンの供給につきましては、国産を現在進めておりますのと、不足分につきましては輸入を同時に並行して入れる。これをいずれも完全な検定をする、国家検定をするということになっておりますので、従って、輸入並びに生産の手当はもうできておりまして、すべて計画も進んでおりますが、この検定が従来のままの計画でございますと間に合わなかったので、やはりこの閣議了解の中に入れまして、三十五年の四月から九月までは実は一コースの検定能力だったのを、三十五年度の既定予算で三コースにするようになっておりましたのを、急遽、これを四コースに現在いたすことにこれは予備費でいたしております。なお四月からは六コースができる。大体日本の需要量の検定の進行を見ますと六コースあると満足いたすわけであります。これも予備費であとの二コース、すなわち四コースからあと六コースのうち二コースも予備費で設備だけは四月から使えるようにする、まあこういうふうな対策が立ったわけであります。これによりましてワクチン接種はできるわけでございますが、これもやる場合には昨年指定伝染病にいたしましたが、これが予防接種法の中でまだ対象になっておりませんので、これを予防接種法の改正によりまして、この通常国会で改正をいたしましてジフテリア等と同様な扱いにするということ、ただし一月からのにはおそらく間に合わないということでございますので、法律改正に準じまして、形は勧奨になりますが、やり方は全く同じことでやるということにいたしております。 それから一の問題は費用負担の問題でございますが、そのためにはやはり一定の、経済上苦しい方々にはこれは公費でみるという形にいたしまして、現在見込みを立てておりますところの約九十六万人のうち約半数は公費で減免をする。その半数のうちの約三分の二の方々は四分の三の減額をいたしまして、四分の一だけの負担にする。それから残りの方、これは大体一番低所得になりますが、生保階層を含めました一番低い方にはゼロでいく、すなわち負担価額ゼロ、全部公費でいく。こういうような形でいっております。その予備費が今言いました一億二千万円、これが国費でございます。 それからいま一つの大事な問題、予研の検定整備の問題もさることながら、第四番目のものとも関連がございますが、早く予知して、来年度の流行を発見する、これがもう一つ大事でございますので、そのためにビールスの検査機関を、予研はもとより全国の地研に強化する、これが一挙にはいろいろな能力の問題でできませんので、三年計画で来年度はそのうちで一番重要な所十七カ所の地研にビールスの、ことに実質的にはポリオに対するものでございますが、これを強化する、こういうような形で総合的に立てましてやることにいたしております。もちろん三十六年度予算には、これが大部分と言いますより、もっぱら国産でいけるようにいたしまして、法律も改正するし、全部が行き渡って確実にいくように計算をいたしております。 それから今の九十六万人というふうな数でございますが、実はちょうど生後半年から一年半まででございますから、一年分の出生者ということでございます。わが国では最近年間百六十万人生まれるわけでございますが、これを全部に直ちにやりたいところでございますが、冬の時期ということと、それから夏以降いろいろPRして手をつけておりますので、実施率はうまくいって六〇%と——いろいろなデーターから見まして、これは査定したわけでないのでありますが、ここまでぜひいってほしいというのが六〇%、従って、今のような数字になるわけでございます。従って、一応対象は全部できるような形で、実施率で、実は見込んでいるわけでございます。 それから第二の国内生産は、今、薬務局長も見えましたので、国内生産の詳細なことでございましたら薬務局長から価格とあわせまして御答弁していただいた方が適当かと思いますが、われわれの方といたしましては、このワクチンというものがいつまでも外国の輸入品依存じゃいかぬ、といいますのが、本年の夏も一時不都合が起こりまして、それは輸入を予定しておりましたのが、輸入先の国でも急激に需要が起こりまして、二ヵ月ほど輸入を延期されたのでございます。しかし、これはほかの商品でございましたらいろいろな文句が言えるのでございますが、向こうは向こうで急に日本と同じ事情になりまして要る地区がございまして、国内へ流したためにこういうことが起こった。実にお手上げだったのでございます。こういうふうに国民の命にかかるといいますか、将来命にかかる予防品計画がそごしましたらこれは大へんなことでございますので、何にしましても日本の医学技術の推進で十分できることでございますので、早く国産で十分に供給ができるよう、これを防疫の立場から要望いたしまして、これとあわして薬務生産の方もお考え願う、これは基本になっております。 それから第三番目でございますが、価格の問題といたしまして、これももちろん防疫の立場では実費に近い、その上に正当な技術料を入れました形でやっていただくと、公費負担もございますことでございますから、これが貧富の差なしに、みんなが要望していることでございますので、安い方がいいと思います。従いまして、これが今の国産も近い将来に完全に確保ができる。それから今の国民のふところ工合にも、国のこれにかけ得る費用にも合うという線にしてもらうとかいうことは、強く省内でも話し合い、薬務局のいろいろな操作にも強い要望を出しておる、これは十分協力しておるわけであります。 それから免疫地域の問題は確かにことし突如として起こったわけではなくて、私どもの方も三十四年度以降、伝染病予防調査会の決定に基づきまして日本じゅうの免疫中和抗体を適当にサンプル調査を全国地域に分けてやる、これによってある程度のポリオの推測ができるということで、われわれも確かにその通りと思いまして、昨年からその審査基準も全国に流しましてやっておるわけでございます。ただ、これが何分血清をしかも乳幼児についてとらなければいかぬ問題でございますので、結核の沈降反応のごとき簡単なものでなくて、しかもとりましたものをあくまで中和抗体で反応を見るわけでございますので、どこでもできない。実は昨年全国の地研にやってもらうつもりでやりましたら、直ちに能力上できるのは十カ所しかなかった、それの方の整備を実は急ぎまして、ことしは昨年にましましてかなりの地区ができるようになっております。来年は先ほど言いました十七カ所、三年計画でございますが、ここに入れまして、で、まだ未実施のところは実は講習をしなければいけません。これも予研で十人ぐらいずつしかできないのでございますが、重点的に能力のある地研にも頼みまして講習をする、それによって今の発生予測の免疫検査を全国的に来年は強力に広げる、こういう三年計画の実は来年が——ほんとうの意味では来年から始まるようなものであります。昨年から始めて三年計画の終わりであるというのが地方の実態、一番中心は能力のある専門家を得るということが一番困難であります。おくれましたのはこれは残念に思っております。これがうまくいっておれば、ことしある程度予測ももう少しできたかと思います。全然予測が、ほとんどことしのあの大爆発の予測ができなかったのは残念でございます。以上の通りでございます。
○坂本昭君 薬務局長に、今のポリオ・ワクチンの価格の問題を続いて説明して下さい。
○説明員(牛丸義留君) おくれて参りましてちょっと質問の要旨がよくわかりかねますが、将来の価格の見通しでございましょうか。
○坂本昭君 まあ大体そういうことですね。
○説明員(牛丸義留君) その前に生産の見通しも御質問がありましたようでございますから、この二つについてお答えいたします。 国内生産はことしから五社が大体生産の施設をいたしまして、生産に入ったわけでございますが、現在チバの血清が十月一ロット分が生産できます。予研の十月新しく増設しました検定施設で検定に近くかける予定でございます。そのほか、武田それから阪大の微生物研究所、熊本の化血研、それから北里研究所の五カ所が現在生産をしているわけでございまして、来年もう一つ東芝で生産に入るわけでございますので、来年になりますと六カ所で生産をする見込みでございます。で、現在各施設は二百リッター生産の一ロットを年六回ということで、大体一施設が平均千二百リッターぐらいの生産見込みでございますので、六カ所フルに動きますと、大体この生産が来年は七千リッターまでいくかわかりませんけれども、フルに二百リッターの施設が生産に入りましたら、七千二百リッターくらいの生産ができる、そういうふうな見通しでございます。 それから価格でございますが、これは詳細な価格の決定は、現在チバがようやく生産品ができて、検定に入る段階に入っておりますので、チバ血清の生産その他もよくデーターとして検討した上で適正な価格がきまっていくのじゃないかと思っておりますが、現在私どもが見込みを立てておりますのは、これは全く予想でございますが、大体一CC四百円見当ということで見込みを立てております。これはただいま申し上げましたようにこれから生産が出てきますそれぞれの施設の生産者についてよく検討して、どの程度が最も適正な価格であるかということが、もうちょっとしましたらはっきりとするのじゃないか。私どもが今日予想をいたしておりますのは、国内の生産の売り渡し価格は大体医療機関等に手渡しされる価格として四百円見当というふうに現在予想しておるわけでございます。
○坂本昭君 公衆衛生局長の御説明の中でちょっとお尋ねしておきたいのは、来年からの計画は注射接種ですね。ところがこれは経口、つまりセービンのワクチンですが、これはソ連ではむしろ経口の方がいいというような意見がかなり強いようなんですが、その切りかえですね、切りかえの問題はどういうふうにしてやっていくか。たとえば相当な設備投資をやって六社が仕事を始めている。そうした場合にこれを注射から今度経口に切りかえていく場合に、相当なロスが出てきはしないか、その辺の調節をどうするかということが一番目のお尋ねです。 その次には、公費負担の条件です。これはどういうふうにしておきめになっておられるか、半数は減免をしたい、十六万人が大体全部負担なしにする、その条件はどういうふうにきめていかれるおつもりか。それからこの公費負担というのは注射料じゃなくてワクチン代の意味だと思うのです。そのワクチン代を今の予備費でとっておられるが、その場合において公衆衛生局は一体一本幾らの値段で予算を組んでおられるか。それからまた、一回、二回、三回とする場合に、一回目はたしか一CC、二回目も一CC、三回目にちょっと減量するのじゃないですか。その辺の説明も一緒にしていただきたい。 それから三番目に、地方衛生研究所に対するビールスの研究機関を来年から十七カ所作られる。これはけっこうですが、この場合一番問題は、地方の衛生研究所の運営の問題で、どういう形で補助金がいくか、機械設備でいくのか、あるいは人件費でいくのか、どういう形でいくのか、この辺をもう少し具体的に説明していただきたい。衛生研究所法の立法とはどういう関係があるか、その説明をしていただきたい。
○説明員(尾村偉久君) 経口ワクチンヘの切りかえの問題は、具体的な製薬そのものは薬務局長から答えてもらいますが、私は防疫としての方針をお答え申し上げます。現在経口ワクチンとして発明されておりますのは三種類ございまして、セービンのものとコックスのものとコプロスキーのものと三つございまして、このうちアメリカで発明いたしましたセービンのものをソ連がこの発明に従いまして大量に生産して、数千万人の人にされた、これが実績です。それからあとの二種類につきましては三年ほど前からアメリカがいずれも発明したのでございますが、これを自分の国外の方である程度実験をした。その結果本年の五月からフロリダ州で発明者であるアメリカ自身が七十万人にやりまして、その結果といたしまして、コックスとコプロスキーのものは実施者の中からある数、やはり防止ができなかったのかあるいは誘発したのかわかりませんが、患者が出たという実績に基づきまして、これは当分対象にしないということが決定いたしました。それからセービンの方は一番よけいにやったわけでございますから、これからは今までのところ副作用的な実績が今までの調査ではない。従って、これは将来ものになると、自分の発明に対して自分の国民をやったわけでございますから、自信が持てそうであるということでこの製造基準と実施基準を近く国で制定する、それができてからいよいよいよほんとうに国民に注射に変えてやるかどうかをその上できめるということまでが決定した報告をわれわれの方も文書で受けております。それからソ連の方につきましても、これは非常に大量にされましたので、同じ人間同士でございますので、ほんとうにこれが学問的に日本の学者も納得するものならば全く同様なことでございますが、今までのところまだ遺憾ながら数千万ということであって、その中の他の余病あるいは併発症その他の詳細な文献がまだわれわれの方にわかっておりませんので、これの実績に対して日本が直ちにどういうふうにするかという態度は実は学問的に決定ができぬわけであります。しかしながら、今の両国の大勢的なこと、それからその他の幾つかの小国が若干やっておりますが、それらを総合的に考えますと、近い将来経口ワクチンというものが必ず実施できるものになるであろうということは一般的に考えておりますし、予防調査会の方でもさような意見を持っております。しかし、それを具体的に日本人が絶対安全で、しかもこれに対する安全施設、すなわち検定もやり、それからやり方の基準もきめるというには、それは慎重にそれを作り上げた上でないとまだ軽々にいつ切りかえるかということはできぬということで、実は本年から三年計画で、今のところでは日本自体でこれの確実な実験をやりまして基準も作っていく、そういうことでありまして、もちろん途中で諸外国のことでも、しいて日本が三年計画のことをやらぬでも、ある程度置きかえができるような文献が入手でき、実績も確実性があればこれは早まるかと思います。一応は三年計画でやることにいたしました。とりあえず本年度は一そう急いで着手するというためにこれの研究費が要るものでございますから、厚生科学研究費の予備費がありましたものをあげてこれに入れまして、先般二十五万円とりあえずことしのセービンの入手分——ワクチンそのものはただで入るのでございますが、しかし、やはり人間に頼んで一定の基準のコントロールをやってやらなければならぬものですから、それの費用でございますから少ないようでございますが、研究費としては相当のもので、しかもこれは十月以降の分でございます。来年は来年でまた別個に多額な要求をするということにいたしおります。かような形の結果で切りかえをやると、こういうことであります。 それから薬務と、もし公衆衛生がある程度の基準もでき、日本人の体質にも経口ワクチンで十分いけるという確実性がついた場合にいろいろの交渉が起こるかどうかという点は協議しておりますが、これは、生産そのものはただ最後のフォルマリン消毒の点が違う点と、それからこれに使うサルが非常に厳重でないといかぬ。生きたまま——殺すチャンスがないのでありますから、サルの心臓にほかのビールスが入っていると生きたやつがそのまま入ってしまうから、そういうような点の厳重さであってそれほど大きな変化は現在なさそうでございます。それから検定の方はサルの数がよけいに要ることと、それから検定が一匹でも——生きたビールスでございますから、有毒ビールスが入っては大へんでございますから、慎重度が何倍かに要するという差でございます。設備そのものはそれほどの差ではないと、こういうことでございます。 それからの第二のポリオの公費負担の減額免除の条件でございますが、これはあまりこまかいことをやりますと、かえってそれが障害になってさっきの六〇%の実施さえできなくなる。むしろ一人でもよけいやることがねらいでございますので、減額免除の基準は簡単にするということで、大体児童局が昨年からやっております保育費の減額免除のやり方、あれをもう一つ簡単にいたしまして、所得税を納めておる者は一応有料、それから地方税だけを納めている者がさっき言いました四分の三の減額で四分の一だけの負担、それからそれ以下、何も納めてない者、税を納めてない者はただと、こういうことで、実は予備費を取る場合には大蔵省とそういう話し合いで整理したわけでございまして、従って、これはかなり簡単にできると、こういう形にいたしております。 それから、ワクチン代としては幾らで積算しておるかといいますと、これは先ほどの業務局長の説明のように、大体の見込みを聞きまして、動くかもわからぬけれども、予備費の積算単価は四百円の原価と、それに大体町村が施行でございますから、お医者さんは雇い上げてやるという形で、人数から割り出しました技術料を、一人頭七円ほどかかることになりますが、平均いたしまして。それで予算を積算いたしておりますので、四百円以下で原価が下がってくればそれだけ人数はよけいに楽になるわけでございます。 それから先ほどの注射の分量でございますが、一応は三回とも一CCということで全部計画いたしております。ただ、まあお話のように、三回目は少なくてもいいんじゃないかという説もございます。〇・七か〇・五でもいいと、それならそれだけこちらも楽になる。まあすべての計画は三回とも一CCというので計画しております。これはむしろ心配なくて余裕が出てくると、こう思っております。 それから地研の今度のビールスの運営費でございます。これは人件費等ではなくてさしあたりはビールス検査に要する物件費を国が補助するという形での十七カ所の強化、さしあたり来年は。お話のように、確かに地研法ができますと、保健所のように一切がっさいの補助というものは確定いたすわけでございます、現在ありませんので、そういう形であります。地研法につきましては、現在もうだいぶわれわれの方としてはぜひ必要であろうという、原局としては意見がもう確定はいたしております。ただ、それに対しましては、地方自治法との関係とかそういうようなものとの関連をもう少し当たりまして、どうしてもこの独立の地研法を作らにゃいかぬかどうかということを、まあこれは相手さんがたくさんあるものでございますので、地方自治体とも、自治省とも、地方自治の中にこういう法律によって拘束するわけでございますから、それらの折衝がまだまだある。そういうことでわれわれの方としてはぜひ出す必要があるという方針で今進めておるわけでございます。
○坂本昭君 今の価格の点が大体四百円よりも下がるかもしれねということは、これは非常な朗報でありますが、その朗報に比べて今までずいぶんひどくむさぼっておったということですね。これは薬務局長としてどうしてこういうようなむさぼりを許しておったか、こういうことはおそらくほかの、ポリオ・ワクチン以外にもあるのじゃないか。非常にわれわれとしては薬務行政の中で非常に大きな盲点だと思う。特にこういう人命に必要な予防のことについて、七十円が千円になるぼろいもうけといっていろいろな輸入業者のことが書いてある。私はこういう、今までなぜこういうことを等閑視して放置してあったか。そうしてまた今後ですね、今後これの問題について、まあ一応国内製品は四百円程度でできると、そうした場合に、外から入るものをなぜ安い値段で——実際言うと関税合わせて六十五円程度だというのですね——なぜこの安い値段で一般国民に使えるようにしないか。そうしてむしろ国内業者を育てるために、そちらの方にいろいろと補助金を出して見てやる。国民の方はできるだけ安く見てやる。もちろん国産品だって、アメリカのものでも、ソ連のものでも効力においてはおそらく変わりないと思うのですね。そういう指導するのが正しいのじゃないか。それについての薬務局長の意見を聞かして下さい。
○説明員(牛丸義留君) 国産品の価格が大体四百円見当だということで、今回来年の一月から定期の予防接種を実施するわけでありますが、それに対しまずワクチンの供給というものは、現在の国産品の生産だけでは間に合わないわけでありまして、二千百リッターほどのものを海外から輸入する計画で、第一回八百リッターを現在発注しておるわけでありますが、この価格は国産品の価格に比べて非常に安いわけであります。それで問題は、第一に過去において非常に高く売っていたのじゃないか、それに対して厚生省は何をやっていたかという御質問であります。これは最初、ワクチン類の輸入ということは日本の小児麻痺の発生状況等から見まして、国内で生産をするかどうかということがまだきまらない前に、何かそういう、アメリカでソーク・ワクチンが製造、発売されるようになったから、それを実験的に輸入してみたらどうかという動きが一昨年ほどからございましてそれで業者を通じて輸入を慫慂しましたわけでありますが、御存じのように、このワクチンは非常に取り扱いが慎重を要するわけでございます。一定の温度で保存し、輸送その他に対しても特別の考慮をしなければならない。それから製品が大体六カ月しか有効期間がないというような、ワクチン自体に対して非常にそういう特殊な薬の性格を持っておるわけであります。それに当時の日本国内のポリオの発生状況から見て、はたしてこういうふうなワクチン類、治療薬ならばともかくとして、有効期間が非常に短期間に限定されております予防薬を輸入をして、はたして売れるかどうかということが非常に危惧されておりまして、当時輸入業者なりそういう販売に対しては非常にちゅうちょされました。それを二、三の業者が危険を冒して輸入をしたわけでございます。それでその当時の価格の形成でございまして、これは一般輸入品の価格として私どもの方では別にこれに対しては現在の経済機構から統制を加えるというような性質のものでもございませんし、まあ業者のそういう価格の形成に一任しておったわけでございます。で、それに対して、最近の新聞によりますと、五十円か六十円のものが四百五十円に売られておるというような書き方がされております。これは実は多少説明が足りないわけでございまして、その当時、昨年なり、ことしの初めに輸入されました当時は、一番最初の輸入価格というものは九CC一本として大体四ドル四セント、日本の円に換算いたしまして百六十一円ぐらいするわけでございます。これは向こうで売り値でございまして、これに対して関税その他の経費、それから国内における諸経費、それに適正な利潤というものを加えて四百五十円というものが形成されたわけでございまして、これはそれ自体に対しても問題はあろうかと思いますけれども、当時の一般医薬品の輸入という観点から私どもが見てきたわけでございまして、そのままで一回、二回の輸入がなされた。そうして今年の夏を迎えたわけでございます。そうしますと、ことしの夏は、私どもの予想以上の北海道その他の地区における小児麻痺の暴発的な流行がございまして、そういうことでは困る。それで国内生産はまだ緒についたばかしでなかなか間に合わない。早急に輸入をすればよかったわけでございますが、これは御存じのように、検定施設が当時ワン・ロットの検定しかできないということで、輸入しても検定が間に合わないというようないろんな手違いがございまして、結局今日に至ったわけでございます。それで私どもとしては、八月に閣議了解を得まして、小児麻痺についても予防接種法の改正をやっていただきまして、とにかく強制の予防接種をするように、そうすることによって一定の年令層に対しては必ず予防接種をやるようにする。そうしますと、今までの考え方と非常にワクチンに対する考え方が八月以降違ってきて、ほんとうの伝染病予防対策の一環としてのワクチンの供給ということに切りかえられたわけでございます。そうしますと、これに対しては自由価格にまかせるということも供給をする以上はどうかと思いますので、今回の輸入を契機といたしまして輸入品と国内品との価格の調整を行なった方がいいのではないか。従いまして、国内の生産費だけでは一CC当たりが四百円見当でございますけれども、今度二千百リッターを国外から輸入をいたしますと、それと国内で生産されるワクチンとの価格操作をしまして、これをさらに五十円相当の幅の価格が下げられるのじゃないか。これは輸入品の安いものを安く売って国産品は四百円という、そういう考え方もございます。しかし、私どもとしましては、全体のワクチンを特に強制予防接種の体制にするわけでございますので、全体のワクチンをこの際総合的に値段を下げていった方がいいのではないか。そうすると、結局国内の四百円とそれから輸入するそれ以下の安い品物とをプール計算して、そうして四百円見当で売られる国内品も三百五十円見当まで下げられるというふうな見通しも立てておりますので、これは具体的にまだ詳細な計算ができませんので、輸入は今発注した段階でございますので、まだ具体的にどの程度ということは言えませんけれども、少なくとも三百五十円見当までは国内品全体も下げられるのじゃないか。そうすることによって輸入品を高く売る、利ざやを非常に多くするというような、そういう弊害をこれからはなくしていきまして、適正な価格に全体のワクチンを下げていきたい、そういう考えでこれからやっていきたいと思うわけでございます。
○坂本昭君 今の七十万人分のアメリカとソ連のこれの内訳わかりませんですか。それからまた、アメリカの場合とソ連の場合の価格わかりませんですか。
○説明員(牛丸義留君) 検定能力からいいまして大体三回に輸入をいたしたい。それで第一回を十月、第二回を十二月、第三回を二月というように考えております。そうして最初は非常によけい必要でございますので、第一回をアメリカの製品で八百リッター、それから第二回と第三回は、これはどちらを先にするかまだはっきりしませんが、とにかくもう一つアメリカの製品とそれからソ連の製品、その内訳はアメリカの方からあと五百リッター、それからソ連から六百リッター、それだけの輸入を考えております。それで輸入のCIFの価格でございますね、向こうの売り値の価格は大体いずれも一ドル五十セント程度でございますので、大体値段は、ソ連は最初一ドル八十セントぐらいの値段でございましたけれども、これはまだはっきりとしませんけれども、大体同じぐらいで輸入できるのじゃないかというように見通しを立てております。第一回の輸入価格は一ドル五十セントで。
○坂本昭君 私たちもこのポリオの問題が非常に社会的に取り上げられるようになって、特に身体障害者雇用促進法だとか、あるいは身体障害者の職業補導だかとそういう問題も相当国費を投入するようになってきたのですが、しかし、それらの身体障害者のかなりの多い部分を小児麻痺の子供やおとなが占めている。そういうことから見ましても、私たちとしては十分な実験的な根拠に立つならば、これを新しい予防接種法の中に取り入れて、全面的に実施して、日本の身体障害者をずっと減らしていく。そういう点については大いに協力していきたいと思いますし、ただまあ、どうも歴史が浅かったので、私は数年前から入っておったような気がしたのですが、どうも最初の輸入が昨年であるということ、そういう点でいろいろと混乱があり、一般の人に何か誤解を与えているような点なきにしもあらずだと思います。しかし、いずれにしてもBCGによって日本の青少年の結核がほとんどなくなってきた。同じようにまたこのワクチンを、国内生産によってこの小児麻痺というものが日本からなくなってしまう。そういう点については、おそらく委員会として協力することについてどなたも反対するものではないと思います。ですから、来年度の予算についてまた衛生研究所の、こうした面の研究について十分な計画を練っていただいて、われわれとしては超党派的に推進いたします。しっかりやっていただきたいと思います。 それではあと結核の対策のことについて公衆衛生局長に続いてお尋ねいたします。
○説明員(牛丸義留君) 先ほどワクチンの量を少し間違えましたが、ソ連から六百リッター、アメリカから八百リッターと七百リッター。それで合計二千百リッターになります。それだけちょっと訂正いたします。
○坂本昭君 実は先般九州に当委員会で調査に参りましたときに、鹿児島の保健所並びに鹿児島にある国立の結核療養所、そういったところを見まして、実はこういう数に接したのであります。それはどこの療養所も結核の空床がある。ところが、鹿児島市の衛生部の統計、特にこれは実際にあたった保健所を中心とした統計ですが、在宅の要入院患者が人口二十九万五千人の鹿児島市について七百四十九名おる。これは去年以来、公衆衛生局長と結核の空床対策について議論をしてきたことについてだいぶ違った事実であると思う。やはり在宅の要入院患者が相当数おる。そしてこれらの人が主として入院ができない理由には経済の問題及び無知、知らないための無知の問題、こういう二つの点がある。実はこれについて局長の、去年と同じ考えを持っているかどうかを一つ伺いたい それからなお、各熊本県、鹿児島県、これらの地区においていろいろ要望事項をいただいたのですが、その要望事項の中には共通してこの結核の問題が入って、その結核の問題については、特に結核医療費の公費負担の国庫補助率を十分の五を十分の八にしてもらいたいということと、保健所の補助率を三分の一を二分の一にしてもらいたい。この二つのことは保健所活動を進める上と、結核対策を進める上において共通の数年来通じての念願であろうと思います。従って、これらを関連さして、結核対策、特に空床対策並びに居宅の要入院患者対策について、この際来年度の予算要求もありますので、局長としての見解を伺っておきたい。
○説明員(尾村偉久君) 空床に対する見解といたしまして、昨年と今のような実績から見て変わったかというお言葉でございますが、昨年も三十三年度の実態調査の結果について当委員会で御説明いたしましたのは、八十四万人の要入院患者があると、これは実際の、だれとだれが悪いかというのはサンプル調査でやりましたので、これは推定いたすならば確かに八十四万人いるということは、これは確実なことである。しかし、これを現実に入院させるということにつきましては、本人の無自覚の者が大部分であるし、それから行政機関としても現在の健康診断の約三分の一しかできないという状況、届出の数から漏れているもの、これから考えると、とにかく手のつけようがない部分が相当含まれているので、八十四万の要入院患者の数があるにきまっているけれども、これを現に余っている五万ベットに直ちに右かち左に入るということにはどうしても結びつかぬ問題があると、こういうようなことが基本で御説明したのでございますが、現在でもその点はずっと好転してきたとは思いまするけれども、その絶対数との差の問題について、やはりその因子が相当に占めていると思う。従って、これからの要入院患者をできるだけ入院治療させるには今の把握——本人にも自覚させ、行政機関の方もそれをつかむ、これをとにかく前提として強力に進めるということが第一に必要です。そこで三十四年度から始めました管理検診というものの強化、登録制の強化はこの点のねらいがございます。少しでも入院させてあげたい、こういうことでございます。それから現に鹿児島の今のは要入院患者の数かと思います。要入院患者の在宅の数であります。七百四十九名おるのに一方でおそらく鹿児島県内でも室床がある。ということは、これは確かにつかんでおられる数だと思いますので、そうとすれば、これは入れないのは本人も自覚しており、行政機関がつかんでおるのに入れない人がある。私どもの方で三十三年度の実態調査の次に、三十四年度に要入院患者と判定されたものがなぜ一年間入れぬかという実態調査をやったわけであります。その結果によって、要入院患者に関する限り三分一のが経済的、家庭的な事情等が第一番目の理由を占めておりますので、従って要入院患者に関しては、入院させるには経済的理由も相当解決しなければならぬ、これは確実でございます。従って、三十四年から始めております、ことに開放性で低所得で重症で要入院というものに対しては特別対策で、最初の年は四分の一、それから本年の三十五年度は全国の四分の二という計画を建てまして、特別に高率の国家補助のもとで進めておって、この部分だけは相当好転したと、しかし、これではどうしても片づきませんので、来年度以降、今度の政府としての基本対策の重要な部分に入れていただきまして、命令入床による対策を大拡充する、すなわち三十五年度の一万一千人分の特別対策——入院対策でございますが、これを一挙に七万八千人分来年度にやるというような形で、予算を今大蔵省に要求済みでございまして、あと年末の決定を待っている、ぜひこれを通していきたいとこう思っておりますので、これによりまして今の要入院であって経済的な理由等でだめな者で、全部とは言いませんけれども、画期的にこれが救済されて適正な治療を受けるようになる、この予算が通れば、こう思って努力しておるわけであります。従って、それをやるためには、これだけふやしますと、現在三分の二の国庫補助でやっておるわけであります。三分の一が県の負担でやっておるのでありますが、これではとても県費を組んでくれるまい、これだけの率は、ということで、八割の国庫補助とそれから二割の地方費負担ということで生保と同じ率、最高率であります、これにやることを条件として、さらにこれを、法律改正をどうせいたしますが、これによって義務費にする。でき得るよう、ですとまた組まぬおそれがあるので、義務費にする。こういうような人数の増加と国庫補助率の改訂と、義務費づけると、こういう三本立てでこれをやりますので、また三十六年度がそういうのが実施できましてさらに欠陥が見つかればまたさらにそれ以降いろいろと修正することはあるかと思います。さしあたりはこれを大目的に努力中であります。 それから保健所費の三分の一の国庫補助を二分の一という問題、これは何年前からやってもいつも沈没しておる改訂案なんでありますが、これは保健所全部結核というわけじゃございませんで、結核の業務はそのうちの三割から二割五分くらい、保健所費は現在三分の一の補助になっておりますが、その前提としての保健単価がかなり低いのでございます。従って、結果においては三五分の一とか四分の一しかいかないということで、妥当な補助単価をまず引き上げることが第一だ。いかに二分の一にしたところが補助単価がまたある程度下がれば現実に県にいく金はちっともふえない。見かけだけの補助率だけになる。へたをすると事業量そのものが減ってしまうおそれがある。そこへ一挙に率の引き上げ、単価の引き上げがなかなか骨なので、今年もある程度医者は全面的に上げるということをいたしましたが、来年度は全面的に保健所の補助単価を妥当な実施値段に引き上げる、相当な巨額になります。これに集中いたしましたので、決してこの率を上げることに反対でも何でもないのでございますが、予算の実際に確実性を持たせる技術上、来年は単価の引き上げでほんとうの意味の三分の一、現在の四分の一の実績を三分の一に直す、単価を直した上で補助率を上げればこれは確実でございます。さような順序を追うということにいたしております。
○坂本昭君 それでは、今問題になっている北朝鮮帰還問題、これについて国民も、また帰還する予定になっている人たちもこの問題の成り行きを非常に注意深く見守っております。来月の十二日に期限切れになる、こうした点について厚生省ではどういうお考えをもってこれを促進していくおつもりであるか。その点についての方針と、現状見通しを御説明いただきたい。
○説明員(畠中順一君) 北鮮帰還の協定延長問題につきましては、御承知のように、新潟会談が不幸にして決裂いたしまして大へん残念に思っておりますが、ただいま仰せられましたように、このままで推移しますと十一月の十二日で協定が失効することになりまして、そうなりますと帰還を希望する多くの在日朝鮮人が帰れなくなるということになるのでございまして、私たちはこの問題を何とか人道的見地から十一月の十二日までの間にはぜひ延長できるようにいたしたいと考えております。特に新潟会談決裂になりましてから帰還希望者の陳情が非常に激しくなり、最近では都道府県や市町村の窓口にも相当陳情デモがございますので、このままほっておきますと、十一月十二日に切れた場合にはなお申告したものだけでも一万人余りのものが具体的に帰れなくなるこういうことに相なりますので、これはどうしても今までの新潟会談の経緯も経緯でございますけれども、ここに至りましたならば何としてもこの十一月十二日で協定が切れてしまわないように最後の努力をしなければならぬと、かように考えておるものであります。 今後の見通しでございますが、御承知のように、新潟会談が決裂になったままで両者歩み寄りがなく今日まできておりますので、これをつなぐ機会が、糸口がなかなか見当たらないのでございますが、十一月十二日協定が一応終了いたします次の船が十一月の十八日に出るわけでございますそれで協定がおそらくそれまでに延長になると思いますけれども、もしならなかった場合にも積み残される人について北鮮側の配船を要求しなければなりませんので、近くこの問題について北鮮側と十一月十二日以降の配船について電報なりで交渉を持たなければならないという事態になっております。こういうきっかけを利用いたしまして何としても人道的な立場から十一月十二日までに協定が続きますように努力いたしたいと考えております。
○坂本昭君 この問題については赤十字の国際委員会、それから日本赤十字、それから朝鮮民主主義人民共和国の赤十字、この三者がずっと協定を進めていると思いますが、特に日本の場合、日赤のそうした業務推進について厚生省は何を今までやってこられたか、また、これから一体どういう役割を果たしてくれて私たちの期待に沿っていただけるか。また、外務省は一体どういう態度をとっておられるか、政府としての見解を、これは後ほど大臣来られたら伺いますが、一応局長から伺っておきたい。
○説明員(畠中順一君) 厚生省といたしましては、帰還問題につきましては、帰還希望者を新潟のセンターにまで送って参りまして、そしてそこで宿泊をせしめ、出港のいろんな手続を終えまして乗船さすまでの仕事をしておるわけでございます。それから日赤は外務省、厚生省から委託を受けまして帰還希望者の意思の確認の問題を、ほんとうに自由意思で帰るかどうかということについて日赤の方で担当しておるわけでございます。外務省といたしましては、これは帰還問題を国際外交問題として、帰還をどの程度どういう方向に進めていくかという基本の問題について役割を持っているわけでございますが、今回の帰還協定延長の問題につきましては、そういった外務省、厚生省の仕事につきまして現在では外交交渉が北鮮との間に開けておりませんので、協定の延長の問題につきましてもその委託を受けて日本赤十字社が北鮮の赤十字社とやっておる。こういう状態になっております。従いまして、厚生省としても帰還問題については相当大きな役割を持っておるわけでございますので、今の延長問題につきましても、外務省、日赤とよく相談をいたしましてできるだけ円満に持っていきたいと考えております。
○坂本昭君 そうしますと、北朝鮮帰還問題の現在における主導権といいますか、一番大事な役割は外務省が持っておるということで、私は先般来この引き揚げ問題については李承晩政権の場合は非常に困難であったが、その後韓国の政治の民主化に伴って、そういう点は若干はあるいは若干以上好転をしたと思う。その中で外務省がもちろん外交的には折衝をするはずだが、一番帰ることを切望している人たちの気持やあるいはそういう条件というものも一番厚生省がつかんでおるはずなので、これを推進する一番大きな力ということで厚生省当局はもちろん厚生大臣、外務大臣一緒になってもっと熱心に推進していただきたい。ことに一万二千名というもう予定された人がおる。さらに私もあちらこちらで聞くところによると、帰りたい希望者の人はまだ私はおると思う。従って、今の局長の話を聞くというと、何だか厚生省は何もしないが、たぶん外務省が何とかしてくれるだろうと、そんな印象を受けたんですが、どうもこれでは北朝鮮帰還問題については厚生省に聞いてもしようがないので、赤十字の当事者でも呼ばなくちゃならぬことになりますので、もう少し明確なあなた方の考えをこの際明らかにしておいていただいて、この引き揚げ問題についての厚生省としての熱意を披瀝しておいていただきたい。
○説明員(畠中順一君) お説のように、厚生省は帰還問題の実際の業務を担当いたしておりまして、それは市町村、府県を通じて行なっておりますので、最近先ほど申し上げましたように、期間延長の問題につきましては、市町村、府県等でいろいろな要望決議が行なわれておる現状でございますので、その実際の内容、帰還を希望する朝鮮人の実態というものは、厚生省が、お説のように、一番身近に把握しておるものでございます。ただ、協定延長の問題は、主として外務省の所管の点もございますが、先ほどお説の通り、厚生省がそういう実際の業務を担当いたしております上から、今後この問題についても特に外務省にも国内情勢を伝えまして、この協定が延長されるように鋭意努力いたしたいと考えます。
○坂本昭君 それでは次に水俣病。先般の当委員会の国政調査で熊本県に参りまして、水俣病について寺本知事から御説明いただき、地区の漁業協同組合あるいは鹿児島県、そういった方々に対する漁業補償、さらになくなった人及び患者さんに対する補償の問題などのあらましを聞いたのであります。そこで私たちがつかんだことは、熊本大学の発表にあるように、有機水銀が原因であるということに大体問題は落ちついた。そしてそのために会社も濾過槽を一億を出して作った。そういうことで、これでまあ今後こうした問題はおそらくもう起こらなくなるであろうという一つの安心感を持つことができまして、その点は非常に長い間の懸案が一応解決を見たと喜んでおりますが、まずその点について、厚生省としては有機水銀問題という点で一応学問的解決を見たかどうか、その点が第一点。それから次のお話では、大体補償関係は終わってあと新しい会社を作って、その中に今まで漁業をやっておった人たちをこれの中に吸収をしていく、そういう形で生活権を保障する。そういう話が出ておりましたやさきに、私たちが九月の終わりに熊本県を訪れまして、それに相前後して、水俣地区の漁民たちが再び漁業を始めた。しかも、その漁業を始めたところは依然として有機水銀が沈澱していると思われる地域で漁業を始めている。それについて新聞の報ずるところによると、いろいろと意見があるようです。とにかく病気になっても、死んでも、とにかく魚をとらなくちゃ生きていけないという深刻な生活苦がある、そのためだという意見。あるいはもう一ぺんいやがらせで有機水銀を持った魚をみんなに食わすぞといって、若干のいやがらせでこういうことをやって、さらに補償金を要求しているのだといういろいろの説があって、とにかく再び漁業を始めたということだけは事実のようにわれわれは判断するのです。従って、せっかく現地の話を聞いて安心をしたやさき、またそういう魚をとり始めているということはゆゆしき問題だと思いますが、この際、責任ある厚生省としての御見解、また、これらの問題についての大局的な御意見を聞かせていただきたい。
○説明員(聖成稔君) 前段の問題でございますが、この水俣病が発生いたしまして以来、いろいろ熊本大学を中心に原因究明に当たっていただきまして、結局この病気が水俣湾で漁獲される魚介類を大量に摂取されることによって起こるところの一種の食中毒であるということが明確になりました。次にいかなる物質がその原因であるかということにつきまして、病理学的に、あるいはまた、生化学的に、あるいは臨床方面も全面的な医学関係を総動員いたしまして、熊本大学を中心に研究を進められました結果、昨年の秋に至りまして、これはある種の有機水銀化合物によるものであるという結論が出ました。厚生省としましては、食品衛生調査会の下部組織としまして、水俣病特別部会を設けて、そうして中央のいろいろ学者の方々も加わりまして、熊本大学の研究をいろいろ検討されたわけであります。 最終的に、昨年十一月に厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会において、ある種の有機水銀化合物に間違いないという結論が出たされたわけでございます。従いまして、私どもは原因物質はある種の有機水銀化合物であるということを確信いたしているわけであります。問題は、それじゃどうしてこの魚介類がかような通常には持っていない物質を多量に持っているかという、その点が問題点でありまして、この問題の究明について、何しろ大海に棲息している魚介類が、生きている状態においてこういうものを持つに至りますので、これは単に医学、あるいは厚生省の分野だけでこの究明は困難である、かように判断をいたしまして、役所の方の立場からいきますと、水産庁、あるいは通産省、あるいは経済企画庁等もこれに加わってもらいまして、現在では経済企画庁を中心にいたしまして、各省庁の関係者並びにいろいろ専門の学者を加えまして、水俣病総合調査研究連絡協議会というものが設置されまして、ここでそれぞれの立場、たとえば通産省におきましては工場廃水に関する調査、経済企画庁では海底の泥土の調査、あるいは水産庁におきましては魚の有毒化の駆除といったようなことを、あるいは厚生省の関係では原因物質を純粋にとり出して、それが化学的にどういう組成を持っているかというようなことを究明するといったように、それぞれ分担をいたしまして、その後の研究を続行しているわけであります。それでありますから、原因物質は有機水銀に間違いない。しかし、どうしてそれが生きている魚介類の体内に侵入するか、特に現場の新日窒水俣工場の廃液中に大量の無機水銀を含んでおったという事実から、両者の関連性を最終的に究明しなければならないと、かように考えてやっておるわけであります。 そこで、第二段の問題でございますが、私どもは、この事件発生以来、何とか水俣における魚介類の漁獲禁止という措置がとれないものかということにつきましても、ずいぶん検討いたしたのでありますが、現行の食品衛生法では、さようなことはできない。それで、水産庁ともいろいろ話したのでありますが、水産庁の方でもどうもできないし、かつまた、実際に実行が非常に困難である。というのは、食品衛生の立場からいきますと、魚をとっても、魚は必ずしも食用に供するだけでなくて、肥料に使ったり、いろいろな用途がありますから、そういう点から全面的に魚をとってはいかぬということをやってしまうわけにはいかないというところに非常に問題があったわけであります。そこで、熊本県衛生部並びに関係の保健所等が、事件発生以来今日に至るまで、水俣湾の魚は危険だからとってはいけない、食べてはいけない、あるいは売ってはいけないという指導を一生懸命やってきておると、こういう状態なんであります。それで、いろいろ水産庁とも相談いたしまして、漁民の、特に零細の漁民が相当におられますので、何とかかわるべき方法はないかというようなことで、水産庁もいろいろ研究いたしまして、本年度は約二千万円の漁業転換資金を水俣の漁民のために出しまして、そして、長崎県の五島沖とか、あるいは島根県の沖合いに参りまして、イカ釣り漁業をやらせるとか、あるいはその他の外洋漁業に転換する。また、最近では、真珠貝の養殖をやらせるとかといったような、漁業転換指導を水産庁の方でも一生懸命にやっておると、そういうことによりまして、水俣湾の漁業が再開するというようなことのないように、という措置を一方にとりながら、衛生部の方で強力な指導をやっておると、こういう現状でございます。
○坂本昭君 いや、そこで大体補償金問題が済んで、もう魚はとらない、それから新しい会社や工場に働きに出て生活は保障ができると、まあ大体そういうふうな、知事としては一応終わったような説明があったのですよ。ところが、九月の終わりごろから再びとにかく魚をとり始めた、そのために、水俣の人たちは、また有機水銀の入った魚を食って発病するのじゃないかというふうな不安が再び現われてきている。しかし、今の説明によるとその魚をとっちゃいかぬということはできぬ。そうすると、一体また再びこういう患者が出てくるのじゃないか。それに対してどういうふうな処置をとったらいいか、どういう考えを持っておられるか。知事の話では、大体片がついたように印象を受けたのですが、受けたあとの新聞記事が、引き続いて、たとえば週刊雑誌だって二つほどがこの問題を取り上げている。だから、未解決だという印象をわれわれとしては帰ってきてから受けているのです。だから、これについて、今後は一体どういうふうにやっていくか、そのことを伺っているわけです。
○説明員(聖成稔君) 実際に漁民が漁業を再開して、水俣湾でとれる魚介を販売しようという意図でやっておるかどうかですね。と申しますのは、最近、この間私も熊本に行ってきたのですけれども、昨年十二月の末に日窒工場が、先ほどのお話しにあったようにほぼ完全な除害施設を作って最近では非常にまあきれいな廃液を放流しておるという関係であろうと言われておるのですけれども、採取する魚介類、特に海底にいるような魚、あるいは従来一番毒物を多量に持っておったと言われるイガイと称する貝、この貝のある種の有機水銀物つまり毒物の含有量がどんどん低下してきておると、こういう事実がはっきりしてきているようでございます。そこで、さっき私がちょっと申し上げた原因物質を化学構造式等を解明するためには、相当大量の毒物を含んでおる魚介類から抽出をして早くやらないと、もうそのうち無毒化してしまうかもとれないというような心配もある。その原因究明の立場からですね。だから、あそこの漁民に頼んで採取してそうして今の原因物質を——何か熊本大学の話では、相当多量の魚介類から今まで得られた結晶はほんとうに小さなわずかな結晶しか得られないというような話でした、医学部長の話は。そういう点から、事実何といいますか漁獲をやっておるわけです。今まででもその原因究明のために。大学側はそういう態度ですし、それから会社側もまあ会社側はいまだに必死になっているわけです。必ずしも自分の方が被害者でないかもしれない。会社側も一生懸命研究をやっている。そういうようなことで、双方があそこにある魚介類を買いあさると言つちやおかしいですが、買わなきゃならぬそういう問題もあるわけであります。それを見て、再びまた漁獲を再開してそれを販売するのじゃないかというようなそういうあるいは懸念が出ているかもしれませんけれども、しかし、先般もそういう問題をその後聞きまして、熊本県の衛生部長にどうなんだと。それはもう地元の保健所を動員して、あそこの魚介類が毒物が稀薄になったとはいいながら、それが販売されたりあるいは多量に摂取されて水俣病が起こるということがないように全面的に厳重な警戒をやっておると、そういうことなんであります。今後そういう方針で、この水俣病の、せっかく最近発生はとまっているわけですから、発生を防止したいというふうに考えております。
○坂本昭君 今の部長の説明だと、ひどく楽観的なんですが、まあもうしばらく新しい患者の発生それからその後の水銀の蓄積の状態、そういったものはわれわれとしても見なくちゃいけませんが、どうも報道関係に出た特集を読むというと、あまり楽観的ではないという印象を受けていますから、今後とも——この委員会ではもう五年以上たびたび問題になってきて、やっとこれで大体終わったのじゃないか。まあわれわれとしては残念ながら今回は現地まで行くひままがなかったので、で、きょうの報告としてはまたあらためてこの問題については聞きたい。ですから、今部長の指摘された通り、きわめて楽観的に経過が進んで、もう毒物が消えてなくなって、ついに原因究明の毒物が行方不明になるというところになったときには、われわれも行って安んじて水俣の魚で一つごちそうになってもよろしいと、まあそういうつもりを持っておりますから、どうかそれまで気をゆるめないで十分御検討いただきたいと思います。
○委員長(吉武恵市君) ちょっと速記をやめてください。 〔速記中止〕
○委員長(吉武恵市君) それじゃ速記を始めて。
○鹿島俊雄君 社会保険医療に関しまして二、三御質問をいたします。 第一に、従来より問題となっておりました中央社会保険医療協議会の構成につきまして、その後どういう経過をたどっておるか。この点についてお尋ねをいたします。
○説明員(森本潔君) 中央医療協議会の状況でございますが、昨年の七月以降委員の半数が充たされないままできょうに至っております。現状を申しますと、二十四名の定員の中で十一名がおりまして、十三名が欠員であると、こういう状態になっております。これは御存じのように、社会保険診療報酬についての重要事項を審議する機関でございますので、なるべく早く常時これを設置しておかねばならぬのでありますが、委員の依頼をいたしまして推薦がないというような事情がございまして、今日まで、遷延いたしておるわけでございます。その後ここ数ヵ月の間におきましても、委員の推薦をしないところに対しましては、依頼をお願いし、この開催の運びに至るようにということを努めております。最近そういう見通しがあるのかどうかということになってくると思いますが、これは私たちただいま接触いたしております感じから申しますと、若干の点を調整し、よく話し合いをするならば、必ずしも委員の推薦がない、こういうことも言いきれないのでありまして、遠からず開催の運びに至るのじゃないか、こういう気持で、なおせっかく今後もうしばらく努力をして参りたいと考えております。
○鹿島俊雄君 ただまの御答弁で、努力をされておる点につきましては了承するのでありますが、御承知の通り、関係団体も相当この問題につきまして強い開催要望を出しておるのでありますし、またこの構成問題については、非常に長い経過をたどってここに至っておりますかるら、これ以上放置いたしますことは皆保険執行の上におきましても、また一面厚生省当局におかれましても、その行政執行の上におけるかなえの軽重を問われるものとなると思います。しかしまた、不成立の原因に微妙なものがあることも承知しておりますが、この際、なおこのよっくる原因を率直に究明いたすとともに、また反省する点は反省いたされてやっていただかなければならぬと思うのであります。大体この不成立の原因が率直に申し上げると、単に医師団体と厚生省との争いであるというような誤解すら生じておりますし、また、将来の厚生省の行政運営の面から見ましても、非常に重大だと思います。これは厚生行政執行上のガンであるとまで言われておりますので、この点格段の努力を払っていただきたい。これには大臣みずからその掌に当たられるような意気込みでやりませんと、とうてい解決はつかぬと思います。この点強く要望する次第であります。 第二点は、医療費の改訂問題すなわち単価引上げについてでありますが、すでに厚生大臣はこの医療費の改訂につきましては談話を発表せられ、また、前回の本委員会におきましても善処すべき旨の答弁がございました。しかしながら、その後どのような経過をたどっておるか、また、これに関連いたしまして全国の医療担当者から重ねて相当の強い要望、意思表示が行なわれておりますので、この際重ねてその状況につきまして御質問したいと思うのであります。なお、その他の要望の中で事務の簡素化であるとか、地域差の撤廃であるとかいうような問題につきましては比較的事務的な配慮でこれは行なわれると思うのでありますが、問題の単価の引き上げ、あるいは点数表の合理化等につきますると相当の作業が伴わなければならないと思うのであります。これにつきましてはすでに大臣も改訂を行なう方向に向かって進むのだと言っておる以上は、すでに一定の作業が行なかれておると思うのでありまするから、この状況についてお答えいただきたいと思います。
○説明員(森本潔君) ただいまお話しがございましたように、診療報酬の改訂につきましては、九月の初めごろでございましたが、大臣より事務当局に対しまして、医療費の改訂についてさっそくに検討の作業を始めよという指示を受けたのでありますが、その指示に従いまして目下作業を開始いたしております。この作業につきまして、実は非常に困難な点もございまして、たとえば医療経済実態調査というような的確な、すぐにそれをもって医療費の改訂に用い得る資料があれば問題がないのでございます。その資料も欠いておりますし、各種の資料を集めまして、適正な結論が出るような作業をいたさなければなりません。相当困難かと思いますけれども、大臣の指示もありますので、目下作業を進めているわけでございます。
○鹿島俊雄君 大体その作業の完結をいつごろの時期を予定されておりますか。
○説明員(森本潔君) およその見通しでございますが、実は先ほど申しましたように、的確な直ちに使い得るような資料を持っておりませんので、はっきり申し上げることは実はできないわけであります。ただ、こういう事情を一つ御了承願いたいと思います。前回の、昭和三十三年に医療費の改訂を行ないましたが、そのときは、たしか昭和二十七年の医業経済実態調査を元にして作業をしたわけでありますが、それを中心に作業いたしまして、実際、案ができ上りますまでに約四ヵ月ぐらいかかった実績があるのでございます。当時そういう実績がございます。それと、今回は、たまたまそういう資料はございませんので、どういう方法でやるかという方法論から検討していかなければならぬ。それからその方法論によりまして、各種の資料を集めるという困難さがあるように思います。しかしながら、この問題につきましては、これは早急に一応の結論を出すべき必要がございますので、過去においてそういう日子を要した例もございますが、できるだけすみやかにやりたい、いつごろという——そういう状態でございますので、目下方法論等を研究している段階でございます、資料を集める段階でございますので、的確にお答えできませんが、ただいま申し上げましたような過去の実情と、それからできるだけ早くやりたいという私たちの気持と、同時に一方作業にいろいろ困難が前以上にあるという事情を総合して、一つ大体の実情を御了承願いたいと思います。的確に申し上げることはちょっと……。
○鹿島俊雄君 ただいまの答弁で、過去の実績から見まして、私の判断によりますと、一月か二月ころ、明年の二月ころには作業が終わるのではないかと、かように解してよろしゅうございますか。
○説明員(森本潔君) ちょっとその辺がはっきりしたことを申し上げにくいのでございますが、先ほど申しました三つの事情を一つ組み合わしていただきまして、そんな方向でやっているという程度にただいまのところでは一つ御了承願いたいと思います。
○鹿島俊雄君 非常に努力されているという点については了承しますが、しかし、医療費の改訂はその時期的関係もございます。従いまして、できれば明年一月、おそくとも二月ころまでに完成するよう努力を払われたい、そうお願いしておきます。 次に、念のため点数表の問題でありますが、現在、医師会からは現在行なっております甲乙両表の一本化という問題が鋭く要求されております。これは当然でありまして、医療費の報酬の中で、一物二価という形がこの甲乙両表の現実の姿であります。従って、これを一本化することは当然であります。これを早急に一本化する作業の方は頻度調査等の資料も容易に得られると思いますので、できるだけ早く作業をやっていただきたい。ただ、その際に、新しい点数表に移りますと、医療担当者の収入の面におきましては若干の山と谷ができてくることが考えられます。従って、こういった面も十分考慮されることが必要であろうと考えるのであります。なおまた、現在歯科医療に関しましては、甲表一本を採用しております。この歯科点数表におきましても、歯科医療団体から陳情を受けておりますが、歯科はこの甲表を採用し、二年間これを実施した結果、この点数表の中で欠陥とせられる点が相当指摘されております。その中で特に要望されておるものが歯科補綴の点数是正でありまして、この点についてはすでに局長も直接陳情を受けておられると思うのでありますが、この歯科補綴の点数は、妥当にこれは改定をしなければならぬと私も思います。とにかくこの甲表を歯科医療担当者が過去約二年間採用いたしましたその結果を聞いてみますと、ある者はこの点数表によりまして八・五%プラス・アルファの上昇を見たものもあるようでありますが、また、地域的に歯科補綴の給付の多い地区等になりますると必ずしも八・五%の線にいかぬというような実績も、実態も出ておりまするので、こういった面から考えますると、やはりこの甲表単表を採用いたしました歯科医療担当者に対しましても、この点数表の合理化、すなわち補綴の点数改定ということが必要である、かように考えるのであります。ただいま申し上げましたように一般医療におきましては甲乙一本化、歯科点数表におきましては歯科補綴の点数表の改訂ということをあわせてできるだけ早く行なうことが必要であると思うのでありまして、この点につきまして率直な御所見を聞いておきたいと思います。
○説明員(森本潔君) ただいま御指摘のように、この一般診療については甲乙二表あり、歯科診療においては甲表でございます。点数表の一本化につきましては、これは一般診療についての甲乙を一木化するということを中心に考えております。これはやはり診療担当者の一般と歯科とは異なりましても、同様の診療報酬を含めた点数表でございまするのでその基礎に流れますところを一本化する場合に、やり方としましては、これは両者同じ考えでいかねばいかぬと思います。一本化されました一般診療の点数表において、ある程度の補正なり是正がされるといいますときには、それと同様の考え方で、それぞれの特殊性はあろうかと思いますけれども、基本的には同じ考え方で歯科の甲表も改訂するということは当然であろうと思います。まだ具体的な作業をいたしておりませんが、気持としては同様な扱いで処理して参りたい。それから特に御指摘になりました歯科補綴の点でございますが、これは関係の方から詳細な資料等をいただきまして、実情も把握いたしておりますから、当然考慮さるべきものと考えます。
○鹿島俊雄君 ただいまの御答弁で大体事務当局の考えもわかりました。なおこの際にこの医療費の改訂とともに、保険医の切望しておりまする事務の簡素化の問題であるとか、あるいは甲乙両地域差の撤廃であるとか、あるいは医療給付の上におきまする差額徴収というような点につきましても、相当の要望が行なわれておりまするので、あわせて御検討いただき、できるだけ医療担当者側の妥当な要求についてはこれを受け入れ、もって皆保険対策の根本を確立していただきたい、そういうことでありませんと、今後の社会保険医療の確立というものが、財政負担の面で非常な苦しい面もございまするし、従って、医療担当者側においてもある程度の犠牲的な気持がなければうまくいかない要素もございますので、妥当な要望の向きは進んで厚生当局はこれを善処し、今後の対策の確立をはかられたい、かように考えております。これは私の意見として申し上げる次第であります。
○説明員(森本潔君) ただいま御指摘になりました保険事務の簡素化である日とか、あるいは地域差の撤廃、それから差額徴収の問題、これらの問題は従来からも要望されておりましたし、特に最近に至りまして、診療担当者側から一斉に強く要請されておるのでございます。先ほど申しました甲乙一本化の問題、あるいは点数表の改訂というような作業は、当然こういう問題も含めまして解決しなければいかぬと思っております。こういう問題を扱います機会は、そうたびたびあるわけではございませんので、できるだけこれらの問題もあわせて処理いたしたい、かように考えております。
○坂本昭君 保険局長に伺いますが、カナマイシンの使用は一体いつから一般患者に使われるようになりますか。
○説明員(森本潔君) カナマイシンの保険採用でございますが、これは一つ参手続が残っております。と申しますのは、カナマイシンを使用するには、結核の治療指針というのがございます。それの改正が必要なわけでありますこれを改正するにつきましては、中央医療協議会に諮問するという扱いでございます。結局先ほど申しました中央医療協議会の開催ということと、これの採用ということとが同時というわけでございます。その時期いかんということでございまして、先ほど申し上げましたように、早急に開催できるように大臣以下せっかく努めておりますので、いつという時期を今ちょっと申し上げますことはできかねますが、御了承願いたいと思います。
○坂本昭君 一体厚生省は病人を助けるのが目的ですか、それとも会を作るのが目的なんですか。こんなこっちゃ困りますよ。もう手続は初めからわかっている。手続はわかっておって、そのためにもう去年からずっと延々としてこの春に及び、六月にはやると言い、七月にはやると言い、八月にはやると言い、もう十月ですよ。体いつになったらカナマイシン使うんですか。こんなばかげたことはありやしないですよ。これが今日の厚生省の姿です。厚生省の行政のシンボルですよ。カナマイシンたった一つ使えない。もう今日アメリカではどんどん使われておりますよ。作った梅沢君がアメリカにまで招かれて、アメリカではどんどん使われておる。日本では厚生省があるために使われない、こんなばかなことないですよ。だから私は一体いつから使うか、こんなばかなことありゃしません。厚生省が一体患者のためにあるんだか、委員会のためにあるんだか、あとでこれは一つ大臣に伺いますから返答要りません。
○加藤武徳君 助産を保険で扱うかどうか、この問題についての何かお考えありますか。健康保険のワク内で処理するかどうか。
○説明員(森本潔君) 助産を健康保険で扱うかという問題でございますが、現在の扱いを申しますと、健康保険、それから船員保険、日雇健康保険というものがございますが、これらにつきましては、いずれも分娩費の支給という形でやっております。それから国保におきましてはこれも同様の分娩費の支給、これは任意給付でございますから、所によりましては現物の給付をやっているところは若干あるかもしれませんが、大部分はやはり分娩費支給、こういうことをやっておりまして、そういう意味から申しますと、現金給付という形でございますが、定額給付という形において、すでに保険に取り入れられておるという実情でございます。今後の問題といたしましては、その定額が適当であるかどうか。それからあるいはこれを現物給付するかどうかという問題、こういう問題が残されておりますが、一応現在におきましても、保険には給付の対象として取り入れているということでございます。
○坂本昭君 もう一つ保険局長さんに伺いたい。先般の出張のときに、これはもうどこででも言われたことは、国民健康保険の掛金がだんだん上ってきておる、ことに来年の四月一日から年金と一緒に実施しなくちゃいかぬ、そうしますと、これはあとで年金局長にも伺おうと思っているのですが、両方の負担でかれこれ一万円近くなってくるのですよ。この国保の負担金を軽減させるためにも、また一般会計の繰り入れをどこの自治団体もやっている、そのためにどうしてもこれは今の調整交付金を含んだ二割五分の国庫負担率、この率を上げていかないというと、とうてい来年から強制実施やる場合に私は追っつかないと思う。もちろんまたあとで無医地区のことをもう一ぺん聞きますが、無医地区のこともさることながら、今の掛金の問題、それから地方財政の問題非常に困っていますよ。この点はもう全国的に共通であります。来年度の予算編成について保険局としてどういう方針をもっておられるか、今までどういうことで折衝しできているか、その点を一つ説明していただきたい。
○説明員(森本潔君) 国民健康保険のこの財政につきましては、ただいま仰せになりましたような事情がございます。これも傾向として申しますと、国保の財政は過去におきましては非常な赤字があって困っておりましたが、傾向といたしましては、まあ最近大部分のところは決算の黒字が出ておるというので、帳面づらを見ますと、決算を見ますと、数年前に比べれば非常にいい結果になっておりますが、しかし今お話にありましたように、そういう黒字を維持していくというためには、あるいは赤字を出さぬためには保険料の額を上げるというような問題、あるいは一般会計の繰り入れ、こういう点に非常に努力してやっておるわけでありますが、それに対して今御質問のように、現在のこの五割給付の状態において、国庫負担の総額、二割五分の国庫負担率を上げるか上げないかという問題でございますが、これはただいまのところ、先ほど申されましたように、保険料の徴収あるいは一般会計の繰り入れ等が困難な点は認めますけれども、現在の五割の給付率の段階におきましては、これを半額の、五割に対して二割五分見ているわけでありますから、これ以上今の段階で負担率を上げることはどうであろうか、むしろ将来あるいは来年度等におきまして、五割給付を六割あるいは七割に引き上げると、そういう際にはこれはどうしても保険料の増徴に見合うところの国庫負担率の増率ということは考えなければなりませんが、現在の給付率のままにおきましては国庫負担の増額ということは具体的にはまだ考えておりません。むしろ将来給付率の引き上げと、その際に合せて考えるべきじゃないだろうかという考えでございます。
○坂本昭君 今の保険財政が黒字だというのは、これは非常な問題ですよ。私は今月の初めに高知県の非常な山の中の村に行ってきました。そこは黒字なんですよ。保険財政黒字、受診率は六十八、ほかのところは大体三百に近いです。たとえば高知市をとるというと、高知市は三百に近い。これは大赤字で特別交付税など去年もたくさん分けてもらったのでだいぶ息をついていますが、それに反して今私の例をあげたのは、物部村という県境に近いところです。これは黒字です。これは黒字なので、私が聞いてみたところ、受診率六八、そうして山の中の村です。物部川という川が途中で二つに分かれている。その根元のところに医者が二人おるのです。それからその根元からちょっと離れたところに一つ、三軒あります。奥地は一つもないのですよ。だから保険料は取られても、医者に行こうといっても医者がおらぬのですよ。だからそれは保険料は余る一方です。こういうような黒字というものは、ことに皆さん方が来年から皆保険をやろうというとかなり無理を言ってきているのですよ。ここをやったらここもやろうとか、何とか無理をやっているから、黒字というけれども、その黒字は受診率といろいろなものと比較してみていただかないと、ほんとうに使うものがあって黒字かどうか、非常に疑問を持っている。私の知っている限りは、一生懸命やっている地方団体はみんな一般会計の繰り入れをやって苦しんでいますよ。それをもって黒字だというようなことを委員会で言われるとすれば、これは重大な問題ですよ。黒字だから二割五分以上しばらく増さぬというようなこともこれは私は非常な問題だと思う。これは今議論しておったら切りがないので、一応とにかくそういう見解であるということだけはここで確認をしておいて、それでは次の問題についてお尋ねいたします。 まだ少し質問がありますので、まず保育所のことについて伺います。去年と今年と当委員会で保育所を視察したところが、厚生省所管でない、保育所でなかなかおもしろい形の保育所を見たのであります。去年は栃木県で見ましたそれは十円保育所です、日雇いのお母さんに対する十円保育所。ところが今度は鹿児島に行きましたら、鹿児島に労働省の関係のある労働福祉事業団が労働福祉館というりっぱなものを作った。その中に保育所、それから売店、食堂——これは大人に対する食堂ですね、そういったものをやりながら、やはりこれも十円保育をやっている。対象は日雇いのおばさんたち、非常におもしろいのですが、一日十円というとかりに二十二日とすると二百二十円になります。これはまあ日雇いのお母さんたちに対する保育所として生まれてきたもので、いわば日雇い労働者の実情から出てきた一つの要求なんですね。中を見るとやはり保母さんの保育に対する計画や内容は厚生省所管の保育所に私は劣ると思います。率直に申し上げて。しかし、こうした要求があるものを厚生省がほったらかすものだから、日雇いのおばさんたち、やむを得ず栃木県の場合はきたないところに十円保育所を作って、子供を連れて行って預ける。弁当はみんな持って行く。預け賃十円、その十円で午前と午後キャラメルを半箱ずつ食べさせております。このようなことをして鹿児島市の場合は非常にりっぱな建物です。私はこういう施設を知っているかどうかということと、そういう要求に厚生省の保育所はちっともこたえていない。そういう点で所管の局長の見解を承りたい。
○説明員(大山正君) 現在厚生省で所管し、措置費を出しております公立、私立の保育所のほかに、無認可の類似の保育所というものが相当数あるということは私どもの方でも承知をいたしておりますし、また、その実情等もできるだけ調査いたしております。その中にはむしろ非常にりっぱで、財政的に他に負担してもらうところがあるために、特に厚生省から措置費をもらうというような必要はないというところ、あるいはまた、私の方で示しております最低基準に合致しないために特に認可の手続をとらずにやっておるというところもございます。いずれにいたしましても、お話しのように、そのような地域における要望が非常に高いために、それに応ずるためにできておるというものでございまして、私どももできるだけそういうものを指導いたしまして認可施設にし、厚生省の所管の保育所にするようには努力いたしておるのでございますが、実際問題としてそういうものは相当残っておるということは事実でございます。来年度におきましては、特に僻地等におきまして、必ずしも現在のいわゆる認可保育所と同等程度のものを要求はできませんが、しかし、実際問題としてそういう僻地に人数は少ないけれども、保育の必要があるという場所がございますので、そのような場所に対しての特別な僻地保育所というような制度を考えることにいたしまして、目下、予算を要求中でございます。
○坂本昭君 私は、その僻地保育所のことを聞いたのじゃなくて、もっとそれよりも大都会、中都会で働いている日雇いのお母さんたちがやむにやまれぬ要求のもとに、十円保育所というものを作っている。その作っているのが、大体見るところ労働省の方で作っている。こういうことを知っていますか、知っているならば、これに対してどう対策を、手を打つか。私の見るところ、内容的には厚生省の方がいいのです。いいのだけれども、実際的には労働福祉事業団が経営したり、あるいは労働省が指導したりしてそういうものを作っている。これは一体どうやって今後こういう形の保育所というものは、もう無認可でわしゃ知らぬ、おれは認可しないんだけれども、勝手にやるならやれといって放置するのか、それとも、そういう日雇いのお母さんたちに対して積極的に考えていくか。これは大臣からも一つ御説明いただきたいと思う、非常に大事な点でありますから……。
○国務大臣(中山マサ君) 私、うろ覚えでございまするけれども、ともかく、ずっと前に、何年か前に労働省関係で季節保育所を百六十ほど作るとか、作りたいとかいうような案が出とったことは今記憶しておりますけれども、その十円保育所のお話は初めて伺いましたのでございまするが……、それはきょう初めて今、坂本先生のお話で……。
○坂本昭君 これは吉竹委員長も私も確認して、これは非常に大事なことだと。そして、その十円保育所はいい役割を果たしているのです。特に、労働福祉事業団がこれを建てて、六、七百万円で建てて経営しているのです。で、これはいかにも現場の要求に合っているのですが、内容的に見ると私はいろいろ疑問を持つのです。十円だというと、日雇いの人が今、二十丁五日、かりに二十二日として、二百二十円払うんですね。二百二十円払うならば、もっと措置費をもらってりっぱなものにした方がいいじゃないか。これは私も鹿児島市で一例見ただけでなくて、栃木県でも見ましたし、どうか、この点は労働省とも連絡をとって保育所としてほんとうに厚生省が今までやってきたんですから、その児童福祉法に従ったことをやっていただきたいので、きょうは局長も十分まだ事情を知っておられないようですから、御検討いただきたいと思うのです。労働省とも御連絡をとっていただきたいと思います。
○国務大臣(中山マサ君) 私もそういうふうな過去の百六十という数をうろ覚えに覚えているだけでございまして、その当時は、これはやはり厚生省関係に入るべきじゃないかと私はかつて考えたことがございました。それで、忘れるともなくそのことを忘れてしまっておるのでございますが、きょうのお話によりまして、そういう、ほんとうに必要によって生まれた施設ということでございまするので、私も局長とともに労働省の方とも一つ問い合わせましていかなる事情にそれがなっておるか、労働省もこれを知っているかどうか、そして、どういう企画でやっていらっしゃるかということも一つ伺ってみまして善処いたしたいと思います
○坂本昭君 あと二、三点お伺いしたいと思います。 第一は、無医地区の問題が至るところに行ってやはり非常な要求を受けるのであります。この際、無医地区問題について当面する医療金融公庫がすでに発足してある程度進んでいます。一体、この医療金融公庫が何らかの点でこの無医地区問題に役割を果たしているかどうか、その後の状況を簡単に説明していただきたい。 それからもう一つは、辺地医療振興法というものを政府として考えられて、来年度無医地区の解消ということを考えているようだが、一体どういう内容であるか、これも簡単に説明していただきたい。要は国民皆保険を控えて、鹿児島県に行くと、奄美大島には無医村が一村と無医地区が全部合わせて十数カ所は確かにあるのです。そしてほんとうに困っておりますよ。たとえば鹿児島県の衛生部長は、これは暴論だと思うのですが、診療所もない、医者もおらぬ。医者の方は国家試験を落第した人が毎年三千名おる。あの三千名を奄美大島やああいう離島の無医地区に持って行って、三年ほど働いてもらったら医者の資格をやる、こういう手段を講じてでも医者を連れて来てもらいたい。だから診療所の問題と医者の問題と二つある。この無医地区対策として今の医療金融公庫はどうなっているか、また、辺地医療振興法をどういうふうにしておられるか、その辺、無医地区対策についてこの際御説明をいただきたい。
○説明員(黒木利克君) 数字にわたることでございますので、私から御答弁申し上げます。本日現在の医療金融公庫に対する借入の申込の件数が千二百件ほどございます。そのうち一般診療所の関係が四百五十件ほどございます。なお、病院関係は二百件ほどございますが、この一般診療のうち無医地区に該当する診療所かどうかまだ確認はいたしておりませんが、しかし、従来医療機関、診療所の少ない県の申請の件数が多いのでございます。たとえば九州で申しますと、宮崎、長崎というところがむしろ福岡とか熊本よりも申請の件数においてオーバーいたしております。この傾向から見ますと、直接無医地区の診療所とは確認はいたしておりませんが、今まで診療所の必要なところで診療所のないところに、こういうようなものの新設の申し込みがあるという傾向がうかがわれると思います。
○説明員(川上六馬君) 僻地医療の問題についてお答え申し上げます。御承知のように、特に医務局で取り扱っております僻地の医療機関は二百三十七ございまして、その中で今年度の計画を完遂いたしますと、全部で百六十の僻地診療所を設置できるわけでございます。残りの七十七を明年度からやつて参る計画をいたしております。今年の分も相当の地元負担になるものですから、こちらで進めても地元で渋っているような事情もあるわけでございます。従って、明年度は町村や県が診療所を作る場合、建設費につきましては、従来の二分の一の補助を三分の二に引き上げる。また、経常費の赤字が相当ございますが、これに対して従来二分の一の補助をいたしておったわけでありますが、これを十分の八くらいまでできれば引き上げたいと思います。また、巡回診療車や診療船につきましても補助を考えています。それから医師の確保対策でありますが、それには待遇の改善をしなくてはならないので、俸給を上げるほか、親元病院から派遣する場合は出向手当を出すとか、また、ときどき帰って勉強できるように帰院手当なども考えています。そしてこれらの手当につきましても補助を考慮しています。以上申し上げましたことを的確に行ないますためには、制度化する必要があるのではないかと考え、目下僻地医療振興法ともいうべき法案を検討中であります。
○坂本昭君 この際、大臣に伺っておきたいのですが、今の無医地区対策の問題は、ことしの春の通常国会から当委員会では非常に議論をしたのです。ところが、あのような不正常な状態になったために、しり切れトンボに終っておるんです。でここでは非常に真剣に議論されまして、どういうふうにして来年からの国民皆保険に応ずる体制をとるかというところで、やはり問題は診療所の設置とその運営と、それから医師と、結局この三つの問題になってくるわけです。特に国民皆保険の国保はこれは市町村できめた条例ではなくて国できめた法律であって、国が皆保険を実施せよといって強制するわけでありますから、私は国が責任を負うべきだ。今日村立の診療所を建てるにしても、あるいは国保の診療所を建てるにしても、村の財政というものではなかなか建てられないのです。ですから大都市もようやらない、あるいは県立の中央病院から人を派遣するといっても、中央病院自体の運営が赤字なんですよ。従って、私は皆保険を実施する際に、国がこれに対して、国の法律をもって実施する以上は、国が責任をもってやるべきじゃないか。従って、当面は私は国が持っている医療機関というのは、国立病院というものがある。この国立病院は何をしているかというと、開業のお医者さんと競争をしているんですよ、金をもうけよう、金をもうけようというのは、特別会計制の中に入れられてかせがぬといろんなものをよくしてくれないのです。で結局開業のお医者さんとけんかをして、それでちっとも国立病院本来の使命を果たしていないのです。たとえば国立の一番代表的な東京第一病院ですね、あそこあたりを調査しましても、あそこへ来る患者は日本全国の患者が来るんじゃなくてあの国立東京第一病院の、牛込の、あの地区の患者さんだけしか——だけしかというと悪いのですが、一番たくさん来るんですよ。結局国立としての用はなしていない。いたずらに開業医のお医者さんと競争ばかりしている。私はそういう点で、大臣は一体無医地区を解消していく、そういう場合に一体市町村に責任を負わせるのか、県に責任を負わせるのか、国が責任をとるのか、一体どれを選ばれるのか。それから今度はかりにそれぞれがどれかが責任をとる場合にどういう形で責任をとるか、その点を一つまず御意見を聞かしていただきたい。
○国務大臣(中山マサ君) 私も政務次官当時に、北海道に視察に参りまして、北海道にも無医村が非常に多いことを憂えまして、そしてぜひに必要だ、これは何とかしなくちゃならぬ、二十八、九年だったと記憶いたしておりますが。そうして、いまだにあちらこちらのお話を聞きますと、まだこの問題もそう前進していないということは、まことに残念なことに思うのでございまするが、まあ責任の所在、国保によりまして皆保険ということになりますると、やはりまあ国がやり出すことでございますから、国が、県があるいは市町村に十分な補助を出しまして、そうして何とかして今の十分の八でございますか、そこで出すというのは……。それでそういうふうなことも決定いたしまして、何とかやっていかなければなるまい。この間私が、神戸のお医者様でお名前は忘れましたけれど、も、奄美大島の方にも御自分で、自費で行って、そうしてずっと御自分で巡回して、一年に一度ぐらい行くのだ、そうして向こうの子供を、社会に出てしまったらどうにもならないといって、御親切にも東京見物にお連れになったという先生に私はお目にかかりまして、お医者様の御人格の高潔さに打たれたわけでございます。
○坂本昭君 選挙運動じゃありませんか。
○国務大臣(中山マサ君) 選挙区かどうか、そこまでは存じませんけれども、そういうわけでございまして、そういうお考えによって年に一度というのでは、どうも気の毒になってしまうのでございますが、やはり、大都市には、今おっしゃいましたように、お医者様がひしめいていらっしゃるところもあるのでございますから、私も当時の厚生省の方を呼びまして、一体厚生省は、分布図を持って医療の仕事をしていらっしゃるのだろうかといってお尋ねしたことも、今思い起こすのでございますが、まことに不徹底な行政につきまして、お恥かしいことに私も思うのでございますが、これからいよいよ来年の四月一日から、国保の実施にあたりましては、もう一そう私どもが真剣になって、何とか考えなければ申しわけないということでございまして、国、県、市町村、おのおのの立場におきまして責任をとるべきであろうと、私思います。
○坂本昭君 それはおのおのの立場において、責任がとれない財政状態だから、これはどうしますか、そう伺っているわけです。そこで私はヒントとして国立病院というものを厚生省は持っておられるのじゃないか、これを一体どうお使いになるか、開業医と競争するために使うのであれば、これは無用の長物じゃないか、言いかえれば、一体大臣は国立病院というものを、一体何のためにお使いになっているのですか、何のために国が経営しておられるのですか、そ辺の目的を一つ明らかにしていただきたい。これは局長の説明を聞くよりもすなおな、大臣の率直な意見の方がずっと正しい方向になりますから、聞かないで答えて下さい。国立病院はいかにあるべきか。
○国務大臣(中山マサ君) 国立病院というものは、私のしろうと考えでございますけれども……。
○坂本昭君 しろうとじゃないでしよう。
○国務大臣(中山マサ君) 医者じゃないのですからしろうとでございます。大臣ではございますけれども、何と申しましょうか、技術者というようなことではないので、その意味におけるしろうとという意味でございますが、やはり普通の町のお医者様方のお世話になっている人が、これは体験話でお笑いになるかもしれませんけれども、どうしてもそれではいけないという場合に、やはりいろいろなりっぱな設備を持ち、そうしてそこで十分な道をきわめていらっしゃる、やはりその道の大家のいらっしゃるところで、大体大病院というのは大病人の死に場所だと俗に申しておりますが、そういうふうにむずかしい病気に対する、やはり一つの研究の場所ということに、私は受け取っております。
○坂本昭君 大臣のお考えは半面正しいのです。最近の医療に関する法律を見ますというと、医療の内容の向上と普及とこの二つの言葉でいつも表わされているのです。そこで今大臣の言われたのは、医療内容の向上ですね。特に国立病院は医療内容の向上として特別にガンの研究、高血圧の研究、これは非常にけっこうでございます。そして大家を養成している。ところが、もう一つ向上と一緒に普及任務がある。そして今まで厚生省も普及のために努力してきて、来年から皆保険をやろうとしている。そうするというと、実は無医地区がたくさん残っている。そこで私は国立病院という、大臣が直接見ておられるこの病院の任務はそういう大家を養成して、いざというときに研究し、検討していただく機関、そういう立場であると同時に、もう一つはこういう普及のために——もう商売したってもうからぬ、開業ではやっていけないようなところへいってそういう無医地区の状態を解消する役目、医療普及の任務、この二つがあるんじゃないかと思うのです。大臣はその前半については正しく御指摘されましたが、後半については一体これは市町村、県におまかせしようと言われるのですか。それとも国民健康保険法という国の法律によってこれを強制しようとするならば、やはり今持っておられるせっかくのこの国立病院の機関を通じて無医地区をみんなみてやると、私はそうすることが国立病院としての一つの任務ではないか、これからいくべき道ではないかと思うのです。その点についての大臣の御見解を一つ承ります。これは局長はもういいです、わかっているんですから。やっぱり大臣のしろうとの考えの方が正しい意見を言うのです。一つその辺を……。これはもう局長の返事はわかっているから……。
○国務大臣(中山マサ君) 今坂本委員のおっしゃいました通りに、普及の点に努力が足らないということが先生の御指摘になっている点であろうかと思いまするが、やはり各地方に普及に行っている場面もあるんじゃないかと私思うのでございますが、その点は今後私もよく研究をいたしまして、指導して、もっと活発にこの普及の面が行なわれますように私は考えたいと思っております。
○坂本昭君 国立病院が僻地に診療所を持っているのは数カ所です。六カ所か七カ所ぐらいです。そういうことでは今の普及にはとうてい私は大きな力とならぬと思うのです。これはむしろ本腰を入れてやっていただきたいのですよ。そうしないと、奄美大島あたり、あるいは四国の山の中あたり、これは医者の行き手がないんですよ。そういうこともやっぱり、日本人が住んでいるのですから——山ザルが住んでいるんじゃないんです、日本人が住んでいるんですから、やはり公平に見ていただくわれわれとして、国民としての権利があるのです。それを果たすのは、今日の財政能力では県や市町村は困難だと思うのです。できるだけ国がやるべきで特に今度の僻地医療振興法で十分の八の負担、三分の二の負担ということはこれはけっこうです。けっこうでございますが、やはりこれは県や市に押しつけてあるわけです。それよりも現在ある国立病院を開業医と競争させないで、これ本来の任務のもとに一つ使命を果していただきたい。これが私の考えなんです。国立病院を従来の開業医と同じような仕事をさせようとされるのかどうか。その辺について何か新しい御見解ございませんか。
○説明員(川上六馬君) 国立病院が開業医と競争しているというお話ですが、私は国立病院に対しましては、病院と診療所というものはおのおののその機能が本来違ってしかるべきものであると考えますので、国立病院としては開業医に便宜を与えていきたいと存じます。たとえば検査施設を整備しまして、開業医の依頼検査に応じていくとか、その他開業医で扱える患者は開業医に返すというような指導もいたしておるわけであります。決して開業医と競争させる考えは持っておりません。 それから先ほど国立病院がもう少し積極的に僻地医療に乗り出すべきだという御意見がありましたが、御承知のように全国に公的医療機関がたくさんございまして、そして僻地に近いところの公的医療機関がなるべく親元病院になって、そこから医師を派遣してもらう方が交通や医療の面から適当だろうと考えておるわけでございます。決して国立病院が僻地医療に努力を惜むわけではございません。公的医療機関に親元病院になってもらう場合、その親元病院に迷惑をかけては協力も得がたいので、そのための親元病院の負担も今度は含めて、補助の対象といたしたいと考えています。たとえばある県、ある町村が僻地の診療所を設置しその経営を親元病院に委託する場合におきましては、親元病院の負担もくるめてそれに対して国庫補助をやっていく。つまり親元病院にそのために負担をかけないようにやっていきたいと存じます。
○坂本昭君 どうも医務局長の説明で、私は国立病院の本来の使命は果されていないと思います。これは大臣にとっては少し専門的なように見受けられますが、実はそんな専門的な問題では決してありません。今度厚生省では医療法の一部改正をやって、全国にあるいわゆる公的医療機関というものを適宜にあんばいして、そうして国民全体が安んじて医療を受けられるような、そういう医療法の一部改正を考えておられる。おられるんだけれども、ほんとうにそれを考えるならば、国立病院でなければできないような仕事を私はやってもらわなければ、厚生省の考えに私は納得できません。厚生省が自分の行政上の都合のいいことだけ考えて、それだけでこの医療法の一部改正をするなら私はこれは承知しない。やはり日本全体の医療を考えるときには、厚生省が率先して人のいやがる、人のうるさがる仕事を見ていかなければならない。たとえば、らいなららいについては大きな仕事をしてきました。また、結核についても国立結核療養所が大きな仕事をしてきたのです。そういう点はもう国以外にやるものがないのです。ですから厚生省としてはそういう点についての明確な考えをもって、これは強硬にやはりやらないというとなかなかうまくいきません。どうかその点は私はもう一ぺんまた皆さんと省内で御検討していただいて、私は国立病院はそれ本来の使命に戻れ、そうしてそれを果たしていただかないと、来年からの国民皆保険については国民全体がなかなか恩典を受けることはできない。そういう点で特に御配慮願いたいと思います。 時間の関係もありますので、今の問題に関連して、実はきょう公衆衛生局長さんに結核の問題を少しお伺いしました。二の結核の問題は、無医地区の対策と同じように所管が非常に各局にわたるのです。無医地区でも医務局、それから保険局にもつまり国保の診療所の問題がありますね。こういうふうに幾つかにわたります。ところが、さらに結核対策は全部の局にわたるのですよ。たとえば結核予防法は公衆衞生局、それから生活保護の大半を占める医療扶助、この大半を占めるものは結核、これは社会局、それから先ほどのカナマイシンの問題は保険局にもあれば、まあこれは薬務局にはあまり関係ありませんが、保険局の方はこれはもう当然です。カナマイシンだけではありません。保険医療の大体三割程度は結核をみておった。従って、私は従来から結核対策についてばらばらになった各局をまとめていただくのが厚生大臣の任務であるということで、それぞれヴァイオリンもあるいは太鼓たたきも、みんな各厚生省の局長さんは上手なんです。だけどコンダクターがまずいのです。コンダクターがうまくタクトを振らないと結核行政あたりが一つも一本にまとまらない。私はこれは掘木大臣のときから申し上げてきた。そしてきょうも各局長さんがここへ来られたのがばらばらに来られたものですから、まだ実は一人々々伺っておりませんが、公衆衛生局長さんは、来年は命令入所を従来よりも非常に大幅にふやして、ことしはたしか一万二千くらいだったのを、今度は七万とおっしゃっていましたかね、七万でしたが、非常に大幅に命令入所の数を予算にもふやしておられる。が、この問題は社会局では、たとえば生活保護をどんどんふやして、その中で医療扶助の大半を占める結核をふやして、つまり医療扶助で社会局で見ていくという方法もあるのです。医療扶助で見る見方、つまり生活保護法で見る見方、結核予防法で見る見方、それからまた、国民健康保険の保険で見る見方がある。さらに私はここで国立の結核療養所の任務はやはり人のいやがることをしていただきたい。全国で今結核の患者さんで入院しなければいけない人で、実は入院していない人が約八十五万人いるわけです。そうして一方、結核のベッドというのは約四万くらいあいているのです。すいているのです。そうして国立の結核療養所もすいているのです。ずいぶんあいている。だからそこにどんどん患者さんを入れてやれば日本から結核菌の感染というものはなくなっていく。だからその中でも今のように公衆衛生局でも、保険局でも、社会局でも仕事をしておるが、少なくとも国立の療養所を大臣は直接持っておられるのだから、これについては全力をあげて今のような予防法でもない生活保護法でもない、別の面から国立の結核療養所に患者さんを入れて、感染菌を地域社会から除いてやる。そのためには今日許されているのは減免の規定なんです。国立療養所では二割引きなんです。二割引きで、なおかつ所長は所長の権限で生活保護がどうとかいろいろのことを言って、この入所料を割り引きずる権限が与えられておる。私は何もかも全部ただにしてしまって、当然負担能力のある人もだにしろとは決して申しませんが、国立結核療養所こそそういう面で法律の盲点を補なって、そうしてフル満床して、そうしていつでも国立の結核療養所は一ぱいで結核対策をやっておる、こういう姿勢を見せる。私はこのことは大蔵省との折衝において、結核対策の予算を獲得する一つの方途にもなると思う。国立の療養所でさえもがらがらにあいているのじゃないか、だから結核はもう峠を越したのだということを言われないためにも、私はぜひそういうことをやっていただきたい。実は結核のことについて私は国立療養所に十年おって、この問題で今まで苦しんできた、悩んできた人間なんです。これはもう結核は峠を越したと大蔵省は言うのですが、峠を越したのでも何でもないわけです。今村先生が今度文化勲章をもらいましたが、これは大臣もよく御存じのことだと思うのですが結核が済んだから文化勲章をもらったのではないと思う。これから結核対策が必要だから文化勲章をもらったわけです。どうかこの結核対策について、この結核予防法を十分に使って命令入所をやる。これが一つ。われわれも応援します。それからまた、社会局の生活保護法を通じて医療扶助の面ででもこれをやる。これも必要です。それからまた、医務局では国立結核療養所の空床を全部なくしてしまう。そのための具体的なことを講じていただきたい。私は率直に言うと、減免の問題ですね。費用の減免の問題、これを巧みに利用することによって、現在ある結核対策の法律の盲点を補っていく。私はそういう考えを持っているのです。一つこれはかなり専門的になりますが、大臣のお気持だけでけっこうです。お気持だけでけっこうですから一つ一言だけ申していただきたい。
○国務大臣(中山マサ君) 場所によりましては、この結核の病床の非常にあいているところもあると聞いておりますが、また、地区によりましてはそうでないところもあるやに聞いております。いわゆる亡国病と言われるこの病気を絶対に駆逐しなければならないという考え方から、今度感染濃度のきつい者はいわゆる措置命令入院と申しますか、これでやっていきたいという計画を立てておりますので、これを逐次徹底的に調査いたしまして、やって参りまするならば、そういう空床のところには、今先生がおっしゃいまするように、そういう方に入っていただきまして、その人自身のためにもそれが幸いなことであるし、また、その方が生活している周辺の方々にそのいわゆる難病をうつさないということがこれはやはり公衆衛生という点から当然とらるべき方法ではなかろうかと私も存じております。
○坂本昭君 一つ大臣には名コンダクターとなって、厚生省のそれぞれ有能なる各局長さんを結核対策という面において集大成していただきたい。そうして一つの法律で私は結核医療法という法律を目下継続審議中なんです。これは、結核という名のつくものは全部ただで見てやるという一つの法律を出しております。現在厚生省の中でも、生活保護法で行くか、結核予防法で行くか、そういった点について一つ衆知を集めて御検討をいただきたい。今までのところ、結核対策本部を省内に作るというようないろいろな意見があるのですが、やっていないのですよ。これは大臣のタクトの振り方がまずいのです。一つりっぱに振っていただきたい。 もう時間がありませんので、あと、一番大事な年金の問題について、衆議院でも相当議論されたと思いますから、私は要点だけ一つ伺っておきます。 各地で非常に熱心にやっておられまして、これは鹿児島県のうちわです。うちわやら、それから風船やら、いろいろな方法で非常に努力しておられますよ。努力しておられる。ところが、どこでもここでもみんな宣伝にピーピーなんですね。宣伝にピーピーで、たとえば、解説に行くための旅費がない。それからこうしたことをやるのにも年金課は持っていない。それで県の広報課あたりがこれを出したりしている。非常に苦情が多いのです。今度私が皆さんにかわって各地区のこうした苦情を聞いてきまして、それで、一つ、これは局長から答弁していただいてもいいのですが、一体、事務費、ことに出張旅費ですね、これは一体ことしは非常に少なかったのですが、私は、まだこれからでも予備費を出してでも、もっと知らせるために努力していただきたい。そういうことについての御見解を、これは局長からでけっこうですから、伺いたい。
○説明員(小山進次郎君) 坂本先生仰せのように、事務費のうち特に旅費が非常に少ないという訴えが私どもの方にも絶えず参っております。これは昨年もそういう声が非常に強くて、昨年度に比べれば本年度は相当増額はしたつもりでございますけれども、遺憾ながらどうも私どもの思うようにとれていないのでございます。それでこれは一般に一般会計で組まれる旅費というものに一つのおのずからワクみたいなものがございまして、私どもが新しい制度だから何とかこれをもっとふやすようにというような折衝をいたしましても、なかなか思うように参らない。それから、この種の費用は、とかく給付費とか何とかに対する費用とは違いまして、先生のように実情をよくつかんでいただける方には、実はこういう費用こそが非常に大切だということがわかっていただけるわけなんでありますが、とかく一般的には、役人に関する費用なんかはどんなに削ってもよろしい。一番肝心なのは直接国民に渡る費用が大切なんだから……こういうような感じが強くて、なかなか思うように取れない、こういうようなことで、私どもも明年度から、いよいよ特別会計が作れるわけでございますから、特別会計が作れる際には、少し一つこれを飛躍的にふやすようにいたしたい。正直のところ、実はいかにしてこの旅費をふやしていくか、そういうことに非常に悩んでおるという実情でございます。
○坂本昭君 まあ国民年金については皆さんと私たちとは意見が違いまして、皆さんの方の年金法をあまり周知徹底していただくことにわれわれとしてそう賛意は表しないのですけれども、しかし、これはそういうこととは別に、社会福祉を進めるためにあまりにも新しい仕事に対する理解の徹底が欠けておるという点で、これは皆さんと協力したいと思います。ただ、そういう旅費が少ないためか、どうもPRに無理があります。一、二点申し上げますと、私はPRに虚偽がある。たとえば各市町村の年金の係長あたりが出ていって部落会をやります。そこでこう言うのです。これには付帯決議がついております。付帯決議では、御承知の通り、たとえば積立金の使い方とか、いろいろこうなっておりますから、皆さんの心配なさるようなことはありません、付帯決議のようになりますというふうな説明をする人があるわけです。私はとんでもない、付帯決議というものは法律じゃないんだ、付帯決議というのは大よそ私たち知っている者から言えば、場合によれば意味のないこともある。ところが、それを付帯決議がついているといって、ごまかしている向きが若干あります。それからまた、あの掛け捨ての問題などについては、いやもう死亡一時金というものは差し上げることになっていますというふうに説明をする人があります。私はあなたはいつの間に厚生大臣になったんだ、まだそういう法律改正が行なわれていない。ところが、もう先走ってそういう説明をする人がある。私はこれは非常な行き過ぎだと思う。 それから特に場所については申し上げませんが、非常に遺憾の点は、説明会をやるときに、年金法九十五条を最初から引き合いに出す向きがあるんです。九十五条には徴収金は「国税徴収の例によって徴収する。」と書いてある。執達吏が行って差し押えすると、第九十五条を一番先にぽんと出して、ですから皆さん来年の四月になったら、払わないというと処罰を受けますよとくるのです。これは実に私はひどいやり方だと思うのです。もし言うならば、これは全部所も人も言ってもいいんですよ、そういうふうなことをあなた方がさせているのじゃないかと、これはもってのほかなんですね。実際言うと国民は罰則があったり、あるいは執達吏が来て取られるからもうしようがない、四月一日から払おうかということを考えているような人がたくさんあるのです。私たちはそういうことじゃないんだと、法律というのは皆さんが作るんだと、それは国民が主人となる民主主義なんだから、悪かったらあなたたちこう直してくれと言ったらいいじゃないか、そう言ってきておるんです。今の点についてはPRのやり方については非常に問題がありますので、局長並びに大臣から、また今後もあります、一つ明確に御答弁いただきたい。
○国務大臣(中山マサ君) 一応法律には、ほかのいろんな法律にもございますように罰則というものがついているわけでございまするけれども、それがこういうたちのものにつきましては、実行されたことはないようでございまするが、何と申しましょうか、効果を上げるためにか、あるいはそういう宣伝をしている人の知識が十分でないためか、そういうふうな、何と申しましょうか、一つのおどかしみたいなことで宣伝してもらいましては、本省の私どもとしてはまことに不本意なことでございまして、すなおにこれはこうなるものだということを受け取ってもらって、そうしてやはりゆくゆくは人世というものはいかなる変動があるかわからないんだから、これだけでもやっておいたら先でこれだけの金は入るという、一つの何と申しましょうか、人生計画の意味で、納得づくで私は納めていただきたいと考えております。
○説明員(小山進次郎君) ただいま大臣が申し上げたような考え方でございますが、おあげになった点を直接申し上げたいと思います。一番大切なことでございますが、保険料の徴収についていきなり九十五条を持ち出してというようなこと、ただいま承りましてこの点私大へん残念に思います。これは直ちに訂正さしたいと思います。先生も御存じのように、この法律の成り立ちから考えまして、これはまあもちろん強制適用の制度でございますから、最終的には強制徴収で担保するということはこれはいたし方ないこととして、少なくとも企業体から保険料を取るという一般の被用者保険と違いまして、国民から直接納めてもらう制度でございますから、この種のものについて初めから強制徴収をもって臨むというようなことは実は制度として適当でないという考え方が、これはもう私どもの基本的な考え方でございます。そういう意味で初めに持ち出すなんということは、もうおよそ私ども考えてもおりませんし、制度の成り立ちから見ましても、これはそういうことではなかったわけでございますので、この点は御注意十分徹底させます。 それからなお、積立金の運用とか、あるいは掛け捨ての問題について、これはやや行き過ぎがあるというようなお話であろうと思いますが、この点やはり施行の任に当たる者としては常に正確なPRをすることが必要だと思いますので、十分気をつけたいと思います。おそらく想像してみますと、積立金の運用については、これは再軍備に使うんだといったような批判があったもので、つい行き過ぎて、いやそんなことはないということを言うときに、つい言葉が走って言うといったようなことだと思いますが、十分そういう点注意して参りたいと思います。
○坂本昭君 それではあと簡単に数点年金についての御見解を御説明いただきたいと思います。 まずこの四十五年後三千五百円の点について少額だという意見と、それから第四条の「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動を生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるための調整が加えられるべきものとする。」という点、これはやはり非常に問題になっております。皆さんが一番、どうも三千五百円は少ないということと、四十五年後になって物価にスライドして年金も変わってもらったらいいのだが、こういうことではどうも保証ができないという点、この点について法律改正をされる御用意があるか、また、内容的にはどういうお考えであるか、その点一つ御説明いただきたい。
○国務大臣(中山マサ君) 先生も御存じの通り、これは五年ごとにまた一応見直すということになっておりますので、貨幣価値の変化から来る不安もございますので、そういう取りきめになっておるということ、それで三千五百円というお金は大した金でもないのでございまするが、しかし、いわゆる農民だとか、漁民だとか、中小企業の人だとか、今までいろいろな保険に入っていない、まあ零細な人と言えばあるいは失礼かもしれませんけれども、そういうことになっていない方々を対象としておりまするので、徴収額が少のうございますしいたしますので、むろん国庫からも補助金がでているのでございますけれども、そういうわけで、今のところこれで十分な生活ができるとはむろん申しかねるのでございます。しかし、一人なら生きにくいけれども、二人ならという世間の言葉もございますように、何人かの老人が寄りましたりいたしましたら、何とかそこで生活の基本が見られるのじゃなかろうかというようなことが、初めに考えられておると思うのでございます。
○坂本昭君 簡単に、法律改正の意思があるかないか、あるとすればどうするという点でけっこうです。
○説明員(小山進次郎君) 先生の仰せになっているのは、四条の規定をもう少しいろいろ要望がでておるようにもっと縛るような形に規定する考えがあるかどうかと、こういう御趣旨だと思いますが、この点については、先生も御存じの通り、この規定はILOの百二号条約のあの表現の形式をとっておるわけでございます。もちろん、これをもっと非常に具体的な形に規定するやり方があり得ることは、私どもも承知しておりますけれども、いろいろほかの予見が加わって参りますので、なかなかそれはむずかしい。従って、あの規定の精神をもとにして常に誠実に施行していく、こういう態度で臨みたいと、こういうことでございます。
○坂本昭君 その次は、言われております掛け捨ての問題、これについて新聞にはいろいろと出ております。それについて一つ明確な御返事をこの際していただきたい。
○国務大臣(中山マサ君) 掛け捨てということは、だれもがきらうことでございまするので、この問題は、掛け捨てがないようにしようという私どもは方針をきめておるような次第でございます。
○坂本昭君 局長から具体的に。
○説明員(小山進次郎君) 具体的な内容については、今調査中でございますが、今までに固まっておりますことは、保険料を三年以上納めた人について、それらの人々がこの制度による拠出制の年金を受けない場合には、死亡一時金を出すということにいたしたいと、こういう考えでございます。三年といたしましたのは、国家公務員その他における退職一時金が三年になっておりますので、少なくともその程度までは行かせたいと、こういう考えでございます。それから死亡一時金の規模をどうするかということがいろいろ今検討されておりますが、これもなるべく納めた額にほぼ近い額が行きわたるようにしたい。ただし、単純に、自分は幾ら納めたから幾ら返すという形式じゃなく、これはやはり年金における給付でございますから、納めた保険料に必ずしも比例するような形式はとらず、従って、場合によっては、人によって納めた保険料よりも若干多くなる場合があっても、とにかくやや形のすっきりしたものとしてやりたいと、こういうことで、今中身をいろいろ整理しております。
○坂本昭君 それでは新聞に伝えられておった内容の金額は、まだ固まったものではないのですね。
○説明員(小山進次郎君) 大体そこに落ちつけようという寸前まできておるという状態でございます。
○坂本昭君 次は、拠出制年金の開始時期の六十五才、これについては、与党でも六十才に下げなくちゃいかぬというふうな意見のあることを聞いていますが、これも市町村の役人の場合五十五才ですし、それから年金局長などは五十才で減額年金をもらえますし、五十五才であったら全額もらえますし、そういう点で、これは非常に農山村の人たちから苦情が多いのです。おれたちは長生きしないぞ、おれたちだって役人と同じだ、もっと早くからくれなければいかぬと、この六十五才開始の時期をもっと繰り上げること、これについての法律改正はいかがですか。
○国務大臣(中山マサ君) そういう声が聞えてまいりますので、六十一才から始めまして、減額ではございますけれども、希望によりましては支給しようとしております。
○坂本昭君 確定ですね。
○国務大臣(中山マサ君) それは、私どもの方ではきまっております。
○坂本昭君 次は百円、百五十円、二十才から百円、三十五才から百五十円、これがやはり農村へいきますと非常に苦情が多いのです。たとえば国民健康保険の方は所得比例制であるが、この場合はフラットに百円、百五十円、これは掛け捨ての考えも一緒にあってどうもえらい、えらいなら幾らぐらいがいいかというので、私はずいぶんいろいろ意見聞きました。そうしますと、五十円ぐらいならばという声もあるのです。五十円ぐらいならば掛け捨てでもいいという意見と、それからやはり掛け捨てはいかぬ、しかし、五十円という考えは比較的あちこちで私は何といいますか、納得された数なんですが、これは五十円のことは別としても、もう少しその辺に徴収金に対する減額制、免除の規定は皆さんの方でもだいぶ講じられておりますが、減額の問題、これはいかがでしょうか。
○説明員(小山進次郎君) これは、先ほど先生がほかの場合にもおっしゃった国民健康保険税との競合の問題もあるわけでございますので、免除は非常に大幅に弾力的に考えたい、ただし、これはもちろん全国的な制度でございますから、一定の基準を設けてやるという考え方でございます。その場合に、全額はちょっと納めにくい、しかし、半分なら納められる、こういうような方に対しては、一が年間のうち半年分免除して、いつからいつまでというふうに期限を指定しない免除という措置を講ずることにいたしております。それから一戸のうちで三人被保険者があって、三人分は困るけれども、二人分なら納められる、あるいは納めたい、あるいは、一人分なら納めたいという場合は、もちろんそれに応じた免除をする、これは従来とも決定していることでございますが、特に、一定の基準をこえる場合でありましても、人によっては、国民健康保険税と競合するために納めにくい、一つ一つとれば納められるけれども、二つ同時にというのは納めにくい、これがどうも仰せのように現実の問題として出てくることは考えておかなければいかぬと思っております。その場合の態度といたしましては、私ども常に国民健康保険税なりあるいは国民健康保険料を優先させるという考えをとっております。従いまして、それを納めたためにこれは納められないという場合であれば、基準をこえておっても免除の取り扱いをする、かようにすることによってまず無理のない実施をしていきたい、こういうことでございます。
○坂本昭君 そうしますと、今のあれは省令か何かできめられると思いますが、何できめられるか。それからいつでき上がるか、それを説明して下さい。
○説明員(小山進次郎君) ただいまのは実施上の次官通達になるわけでありますが、実は六月に大まかな次官通達を出しているわけであります。ところが、その次官通達では、ただいま申し上げましたような、いわばかゆいところへ手が届くといいますか、その点が必ずしもはっきりいわれていないわけであります。従って、先生御存じの通り、この種のものがとかく中央で考えたよりも末端にいくと少しまたきつめに運用されるというような傾向がでて参って、これがまあ現地で思いのほかきついのだという印象を与えているようでありますので、ただいま申し上げましたようなことを、もう一回具体的にはっきりいたしまして、次官通達の形でさらに出すようにいたしたい、こういうことで今整備をいたしております。内容はもうそういうことに確定をしております。
○坂本昭君 時期……。
○説明員(小山進次郎君) これは大体今月の末か来月の上旬くらいまでにはそれを出したい、かように考えております。
○坂本昭君 例の積立金の問題は、これは国民年金審議会、それから資金運用部資金運用審議会の小委員会で意見が出ました。出まして、おそらくまだ大蔵省、厚生省折衝の最中かもしれませんが、これは選挙にあたっても重要なことです。一つこの際、大臣、明らかにしていただきたい。どういうふうな方針か。
○国務大臣(中山マサ君) 大蔵省の審議会は御承知の通り、二五%しか使わせないといって答申をしていられるのでございますけれども、大内兵衛先生が主宰されます審議会……。
○坂本昭君 私も社会保障制度審議会の委員ですから。
○国務大臣(中山マサ君) どうも……がんばっていただきたいと思います。その御答申、それからまた、国民年金の方の審議会の御答申、これは三つどもえでございますけれども、二つが私どもの支持者でございますので、何とか私は大蔵省の審議会の答申に負けてはならないという考えをもって、付帯決議もございますし、決議といえば先ほどおっしゃいましたように、地方に行きますとそれが何だか法律みたいに考えられますけれども、たよりないものといえばそういうたよりないときもございますけれども、この決議はそういうたよりないものにしたくないというのが私どもの希望でございます。必死にやって参るつもりでございます。
○坂本昭君 必死ということだけではどうもこれは…。それでは今度は選挙のときにどうも大臣は必死といっても、たよりないと大蔵省に押し切られそうだということでいかざるを得ないことになりますね。 それであとは一つ、二つ、北鮮帰還の問題、これは来月の十二日で切れるというので、非常にわれわれは心配しています。先ほど局長にある程度聞きましたが、大臣としてのこれは決意といいますか、熱意を一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(中山マサ君) この帰還というような問題は、これはイデオロギーを離れて、結局何と申しましょうか、人道上の問題であるという私は考えを持っております。そういうわけでございますので、住居の選択の自由というようなことも私ども知っておるわけでございますので、できることでございますれば外務省も言っておりますし、また、日赤さんを通じて言ってもらいました、せめてまず半年でも延長することを向こうが承知していただいたら非常によかったろう、また、その残りの人があればあとはお話に応ずるというすべもあると思いますけれども、それではどうも向こうが御承諾いただけなかったということは私どもとしては非常にちょっと了解しかねる問題であります。半年進めておいて、その間にまたあとに希望者が出てみえるならば、また、その後においても私は考える道はあったろうにと思いまして、ああして席をけって帰っておしまいになったことに非常に残り惜しさを感じておるのでございまして、まあまだ日もあることでございますから、何とか一つ考え直していただいて、向こうも六カ月の間なりとも、またそれじゃこちらも帰ってほしいのだというお気持でやっていただければ、これはこの上もないことだと私も思い、向こうもまた、人道的立場から自分の同胞を呼び帰すというところにもう少しゆとりを持っていただけないものかと私は思っておるのでございます。
○坂本昭君 最後に一つ。先ほど保険局長にカナマイシンの使用の時期を伺ったのです。ほかのことはもう何にも言いません。厚生行政上のどうのこうのと言いませんけれども、これこそ人道上の問題ですが、カナマイシンをいつから患者に使わせんのですか。日を言って下さい、何月何日。
○国務大臣(中山マサ君) それは御無理と思います。それは先生御無理でございます。私は全国遊説に出まして各地方におきまして、お医者様方に迎えられていろいろと四項目に関しての御陳情をいただきましたときに、私も快く伺いまして、そうして事はもうお互いに信用の問題である、一点単価を上げますと明言をしておるのですから、これは御信用いただきたい。極言いたしますれば——私のせがれも医者でございますので、何といいますか、やはり少し血が続いておるような感じもいたしますから、どうぞ御信用いただきたい。まあ向こう様にすれば、また御不安なところもありましょうけれども、せっかく基金の方の委員はああして解決をさせていただいたのでございますから、中央医療審議会にもお医者様方の代表をお出し下すって、土俵の上に乗って、一つカナマイシンの問題をいたしませんことにはやはり……。以前医師会の方の方々のお話を、厚生省の方から聞きますと、いろいろな指針の問題、そういうものもやっぱりここで審議をする、いろいろな薬もここでかけようというお話があったやに聞いておりますので、一つここはもうお互いに紳士的と申しましょうか、淑女的と申しましょうか、ぜひ一つ男女同権の建前でお互いにこれは信用の問題だと私は思います。ですからここへお出しいただいて、そうすればあとの問題も私は解決ができると思います。それでどうか一つここへお出まし願って、そうして厚生省も無理をしようと思えばできる方法もあるやに聞いておりますけれども、そういうことはしたくない。だからお互いにまあ笑って一つ解決ができるように、患者さんがお待ちになっていることは私もよく知っております。私もかつて肺浸潤をやった人間ですから、その当時の、カナマイシンはございませんけれども、あれは当時は何とかいう薬がございまして、その当時二万円もいたしましたのを、なかなか手に入らないで探し歩いて、それが手に入って打ってもらったらなおるという気持、私は自分が味わったその気持は、よく患者の気持も同じだろうと思いますので、どうか一ついわゆる患者をなおすというのがお医者様方の御本職、そうしてその患者の要望を入れてやるためにどうか一つここへお出し願えたら、ほんとうに私どもも、患者並びに向こうの御要望にもこたえたいと、こういう気持でおるわけでございます。
○委員長(吉武恵市君) 本件に関する質疑はこの程度にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉武恵市君) 御異議ないと認めまして散会をいたします。 午後六時五分散会