決算委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/09/03
会議録
○委員長(佐藤芳男君) これより決算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和三十三年度決算を審査するため、愛知川水公団総裁浜口雄彦君、同理事伊藤佐君、日本道路公団副総裁上村健太郎君、同理事浅村清君、同理事佐藤寛政君、総務部長宮内潤一君、経理部長山田樹三郎君を本日の委員会に参考人として出席を求めることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(佐藤芳男君) それでは昭和三十三年度決算並びに昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書外二件を一括して議題といたします。 昨日に引き続き総括質疑を行ないます。質疑の通告がございます、順次発言を許します。北村君。
○北村暢君 私は主として補助金の問題について関係各省にお尋ねいたしたいと思いますが、まず、御提出いた、だきました資料によっても明らかなように、一般会計の所管別の補助金等の調べによりますと、その予算額並びに月数にいたしましても年々その額が増大いたしておる。しかも三十五年度においては一般会計並びに特別会計の補助金を合わせますと、約五千億に上るのでありまして、一般会計予算の約三分の一を占める状態になっておるようであります。従って、補助金の運用というものは、きわめて財政の運営の上においても、行政上においても重大であるだろうと思うのです。従って、この補助金問題については何年決算委員会においてきびしい批判が行なわれております。特にその整理合理化等が問題になっているのでありますけれども、一体政府としてのこの補助金というものに対する考え方、これについてまず大蔵大臣の所見を承りたいのであります。
○説明員(秋山利恭君) ただいまの補助金の問題につきましては、前々からこの委員会でいろいろ問題になっているのであります。補助金の整理統合ということも、いろいろ論議されている点はそれぞれ御意見の通りであります、これの使い方等にもいろいろございますが、補助金適正化法の施行以後に、閣議決定による補助金等の適正化の中央協議会の決定によりまして、それぞれ交付決定の促進をはかっておりまして、八月末までに交付決定通知するように申し合わせているのでございまして、適正化施行以前に比べますと非常に促進されているというふうに考えるのであります。しかし、各省の事務連絡の関係等もございましておくれるものもあるのでございますが、今後とも交付の促進につきましてはできるだけ努力を払って参りたい、というふうに考えているような次第でございます。
○北村暢君 私は、今政務次官が答弁されたような、交付の促進の点も問題ですけれども、そういうことをお伺いしているのじゃなくして、年々歳々項目、予算額が増加して、いただきました資料によりましても、零細補助金というものの整理というものを従来やってきたにもかかわらず、零細化の方向にいっている。これは大蔵省からいただいた資料によって明らかな点であります。従って、この、零細補助金の整理というような問題については、一体どういう努力がなされたのか。私は補助金そのものを否定するわけでもないし、また補助金行政がいかぬといっておるわけでもない。ただ効率からいって効率の上がらない補助金というものは整理さるべきだ。こういう点からいって整理される努力がなされたのかどうなのか。この表によりましてもその点がうかがえませんので、どういう理由で零細化が叫ばれながらなおかつ零細の方向をたどっているのか。このことをお伺いしておるわけでございますので、一つ的をはずさないでお答えを願いたい。
○説明員(秋山利恭君) ただいまの整理すべき補助金は整理していったらどうかという御意見でございますが、大体整理すべき問題につきましては、十億円程度の補助金の整理はいたしておるのでございますが、どうしても必要欠くべからざるものとして残されており、また新しくつけるというふうなものもあるわけでございます。大蔵省といたしましてはただいま申し上げましたように、大体十億円程度の整理はやりまして、努めて御趣旨に沿うような線で運営をいたしておる次第であります。
○北村暢君 特に零細補助金を所管別に見ますると、厚生省、農林省等に多いのでありますが、厚生省の場合には社会保障あるいは保健所等のこういう性質からいってやむを得ないと思うのであります。しかし農林省の場合は公共事業関係、あるいは産業補助関係の補助金が非常に多いわけでございます。そこでたとえば新農村建設の補助金関係を見ますと、大体特別助成で一地区百二十三万円平均、一般助成で小団地開発整備費一地区二十四万円程度。集団地農地集団化事業費一町歩五百円。それから農作物の病虫害防除一カ所当たり二万三千円、防除の器具購入費それが一カ所当たり二万三千円、一台当たり九千出品。それから養蚕経営改善促進費、これは桑園緑肥混播試作費一組合当たり四千円、かくのごとく補助金が交付せられるようなことになっておるようでございます。新農村の新しい総合的な村作りはこういうことで発足いたしました。この新農村建設等の補助金を見ましてもきわめて零細な補助金が多いのであります。従って行政管理庁はこれに対しまして行政監査を行いました結果、末端の実態を十分つかんでいないために、事業の運営上また事業効果の面で改善すべき問題点が多いということを勧告しているようでございます。この点について私は補助金の効率、効果の問題からいって、非常に疑問を持たざるを得ないのであります。従ってここで一つお答えを願いたいのは、行政管理庁見えておりますか、見えていなければあと回しにいたしまして、農林大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、この補助金の行政管理庁の指摘に対して一体どういう所見を持っておられるのか、また、その改善せられたことというのはどういうような方向に持っていっておられるのかお伺いいたしたいと思います。 さらに会計検査院長にお伺いしたいのですが、補助金に関する指摘事項は関係当局の指導監督の強化と、事業主体の自覚の高揚などで三十三年度は従来に比較して非常に改善のあとが認められる、こういうことを言っておられるのでありますけれども、一体こういうような零細補助金の会計検査はどんな方法で、また、この新農村の関係の会計検査というものは実地検査をしたのかしないのか、こういう点について会計検査院から御答弁をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) お答えいたしますが、今日まで御指摘のような補助金の、零細なものについての整理統合、あるいは効率的な運用をしろという御指摘でございまして、この点については農林省といたしましても、十分留意をいたして今日までその措置を取っておる次第でございますが、何といたしましても農林省の行政というものは零細経営が非常に農林水産業等には多いのでありますために、ついどうも小さな補助金が多くなるのでございます。しかし御指摘もありましたので、現行の補助金の整理、適正運営ということにつきましては十分考えまして、たとえば、できるだけ可能なものにつきましては個人補助金というものを、なるべく団体の共同事業補助に振りかえる、あるいは制度金融への移行等を考えて実施したいと思うのであります。また、補助金の典型と見られておりました主要農産物種子加工対策について、従来の農家に対する採取圃設置補助金を廃止いたしまして、市町村等の団体に対する採取管理補助金に切りかえるような措置を取りました。また、予算編成にあたりましても極力補助金の合理化、効率化をはかることに留意して、都道府県市町村に対する補助金の交付も、原則としては一都道府県当たり五万円、一市町村当たり一万円以下のものは制限することといたし、また、さらに特に予算科目の統合によって零細補助金の弊害の是正をはかるために、継続補助金を統合整理して弾力的な運用にさせることにいたしておるような次第であります。 また補助金のいわゆる慢性化というような点につきましても十分考慮いたしまして、目的を達成しました補助金等はすみやかにこれを廃止する方針をとっている。三十五年度におきましては三十一件を廃止することになっております。 以上は予算上の措置でございますが、補助事業の指導等の運用におきましても、効率化をはかることに意を払って事後の監査指導に努め、その効率化と適正化に努めておるような次第でございます。 以上が、今日までとって参りました措置でございますが、今後といえどもこういう線に従って、十分この方針を進めたいと思っております。
○会計検査院長(山田義見君) 零細補助金の検査につきましては、あまりに数が多うございますために、一々そのために実地調査に参るということはほとんど不可能であります。それでその他の検査等と一緒にいたしまして、とにかく毎年何かの検査のために各府県へは出張いたします。また各市町村等にも出かけますからして、そのついでにその、零細補助のものでも点々として検査いたしております。ことに検査いたしました結果、あまりにひどいものがありますために、零細補助がどういうふうになっているかということを特に検査いたしたこともございます。 われわれとしましては、皆さんもとうに御承知の通り、予算というものを前提としてやっておりますからして、政府がきめ議会が協賛をいたしましたこの予算に対しての批判というものは、差し控えましてそれに対して意見がましいことは申すことはできるだけ控えておるのでありますが、状況があまりにひどい。調べましたところによりますと配賦先が百円未満のものがある。しかし、百円未満でありましても議会がそれを適当として協賛といいますか、決定なすった以上は、これはわれわれとして言うべき筋合いではございませんが、われわれが調べましたところでは、あまりに零細なるがために実際配賦をしていない。それをそのまま府県なり何なりが留保している。これは予算の趣旨に反するのじゃないか。これに対して批判をすることはわれわれとしても適当であると思いまして、まあ本省とかまた末端の方にも、文書でやりますことは差しさわりがある点もありますからして、口頭をもちまして強く意見を申し述べております。また検査報告におきましても、皆さんのお叱りを受けない範囲において非常に注意いたしまして、そういう点を御考慮願えないかということを申し述べておる。 今申しました通り、あまり零細なるがめに配賦ができないというようなことは、これは私は予算の目的を果していない、今会計法上もこれも誤りであると思います。われわれとしては、そういうことがないように、政府当局においてもお考え願うように、幸いその後大蔵省におきまして、いろいろその方面の努力をなしておられるようでありますが、しかし、われわれの見たところではまだ非常に足りないではないか。よけいのことを言うなと言われると引き下がるわけでありますが、われわれとしまして率直に意見を申し上げることができますならば、その点の努力が非常に足りない。と同時に、議会においてもというか、皆さんにおいてもそういう予算はどうかもう少し慎重にお考え願ったらいかがであろうか。はなはだ失礼でありますけれどもそういう感じが特にいたすのであります。それだけ申し上げます。
○北村暢君 ただいまの農林大臣の答弁については、農林省の一般的な補助金に対する考え方、今後の方針等については、説明としてはわかるわけでございますが、しかし、現実の問題として、現在の三十三年度の決算でありますけれども、三十四年度、三十五年度を見ましても相当私どもは疑問を持たざるを得ないような補助金が次々と実は出ているわけです。それは三十五年度の予算等において見ましても、農業会議等の部落団体長研修費補助、これが七百四十万、部落の団体長の研究、研修費の補助とかあるいは共済連絡員手当国庫負担、これは三千三百万円、全国二十万人であります。一人百六十五円、こういう計算になる。それから農業労働力の就業動向調査、これは今後の農林行政の体質改善のために必要なものだろうと思いますけれども、そのための農業委員会等の行なうところの調査費、しかも、これが二千二百五十地区で三千二百七十万、一地区一万四千五百円程度であります。それから職業あっせん機能の充実、こういうことで一般職業訓練所の十四個所の増設一億七百万、訓練所の職業のあっせん機能充実、こういうような考え方で二千人に二百万円、一人二千円の補助金、こういうものが出ているのです。従って、これは大臣のおっしゃる零細化の補助金を整理する、終了したものについてはこれを整理していくというけれども、実際の問題として件数は毎年々々ふえていっているのであります。特に今申しました四点のこれらの補助金というものは、今申したようにきわめて零細であると同時に、この効果たるや非常に疑問を持たざるを得ない。たとえばこれはもう自民党の農村の組織の強化だと、こういう悪口すら言われているような補助金であります。官費で党勢拡大をやる、党の組織を作るといって悪口を言われてもやむを得ないような補助金というものがあるわけなんです。従って、こういう問題については、私どもは非常にこれは遺憾だと思いまするので、その行政効果等についても十分考えなければならないし、またこういう問題については、末端の部落団体長の研修費だとか、あるいは職業あっせんの機能というものですか、これはまあおそらく町村のボス、顔役が青少年の職業あっせんというようなことでこういうことに当らざるを得ない、こういうような、しかも一人二千円ぐらいの金でやらせるということについては、これはもう了承できないことだろうと思うのです。ところがこれは三十五年度予算としてすでにもう決定されて、実行されておるわけであります。今、会計検査院長が言われるように、そういう予算を作る国会が悪い、こういうふうに言われますればまことにこれはその通りなんでありますけれども、しかし、この農林省の従来の実績からいって、私どもは今の大臣の答弁では実は満足できないのであります。信用しきれないのであります。従って、こういう点について私は厳重に警告をしておきたいと思いますし、さらに大臣の所見を承りたい。 それからもう一つ、会計検査院長には、零細補助金については検査の方法がない、こういうふうに言われているわけでございます。従って、これは検査しないものに対して意見が出るわけはないのでありますが、それほどの零細補助金がある。これはまあ会計検査院長が告白している通りで、零細補助金というものに対する処理というものは、これは当然会計検査の立場からいっても整理する方向に向こうべきである、整理統合すべきである、こういう点は考えられるのであります。従って、これについて大蔵当局としてはどういうような御方針でおられるのか。最初答弁がありましたけれども、会計検査院長は検査のできないような零細補助金があると、こういうふうに言っておる。そういうような点について大蔵当局は一体今後どういう方針で臨むのか、この点を一つ明確にお答えを願いたい。
○国務大臣(南條徳男君) ただいま御指摘の点についてお答えいたしますが、零細な今のおっしゃったようなものは個人には渡っておらぬことで、団体へのこれは補助金でございますから、決して党の組織活動のためにするとか云々というような誤解のないようにお願いしたいのであります。 それから就労あっせんのための協力費というものがございましたが、これは農林省でなくして労働省の方での予算として使っておるわけでございます。農林省は関係ございません。その点をお答えいたしておきます。
○会計検査院長(山田義見君) さっきの私の言葉が足りなかったために誤解があったようでありますけれども、そういう零細補助金の調査はできないと言ったわけではありません。そのために特別に人を派遣してやるということはありませんで、府県市町村等にほかの用務で行くことがあるから、その際にそれをついでに調査をしているということを申しました。実際そういう零細な補助というようなものでもある程度の調査はいたしております。もし実数等お求めでありますれば次長の方から御説明申し上げてもよろしいです。
○北村暢君 ただいまの農林大臣の答弁で、事が非常にこまかいことですから論争することは避けたいと思いますけれども、これは労働省の予算に組んだ、関係ないということのようでございますけれども、そうでなしに、やはり農林省の意思でこれは労働省に予算を組んでいるわけです。農林省が要求している。ですからこれは関係ないことはない。ただそこで私どもちょっと疑問に思うのは、この補助金というものの配賦の仕方でありますけれども、それは今大臣の言われましたように、関係団体に交付するのであって個人に交付するのではない、こういうふうに言われているのであります。そういう見解もとれるものもありましょう。しかしながら、この職業あっせんの機能なんというのは、これはやはり職業あっせん所というものがありますし、また地方の自治——まあ町村、あるいは都道府県、こういう地方の自治団体、こういうところは行政機能というものを持っておるのでありますから、そういうところにこの補助金というものが出されるべきだ、またそういうことは行政指導として自治団体がやりは持つべきではないか、こういう考え方を持っているのです。従ってこういう補助金がむやみやたらに民間等に出されるということになると、これは行政的にいっても混乱を起こすのではないか、こういうふうに考えられる。これはひとり農林省の職業あっせんの問題ばかりじゃない。通産関係の商工会に対する補助金、これの経営指導、そういうものに対してもこの補助金が商工会に出るように、これは私どもは、中小企業庁が地方自治体に対して、それぞれの行政機構というものを持っておるのでありますから、そういうところに補助金というものが流されるべきである、こういうような考え方を持っておるのであります。従いまして個人にはいかないかもしれないけれども、私どもとしては、やはり行政というものを乱さない上からいってそういう配慮がなされてしかるべきじゃないか、予算上からいってそういうような方向に補助金というものが交付せらるべきじゃないか、こういう考え方を持っておるのであります。従ってこの点については、一つ農林大臣と大蔵当局からどういう方針なのか、この点をさらに御答弁を願いたいと思います。
○説明員(秋山利恭君) ただいまの補助金の交付対象の問題につきまして、行政機関に交付した方がよかろうという御意見でございます。そういうふうな一つの意見もあるかと思いますし、またそれぞれ団体は団体の使命を持って生まれてきて、その目的に向かっていろいろな事業をやっておるのでございます。行政機関に交付すべき補助金は行政機関に交付する、また団体に交付していいものと認められるものは団体に交付するというふうなのが大体の考えで、従来からやっておるように考えられます。細部にわたりましては政府委員からお答えいたさせます。
○説明員(石原周夫君) 大体の趣旨につきましは政務次官からお答えをいただいたのでございまするが、大蔵省といたしましても、従来から零細補助金の整理という点につきましては力をいたしまして、毎年閣議で補助金の整理ということをいたしていただいておりまして、それに伴いまする整理の補助金につきましては、奨励の目的を達したもの、あるいは他の行政管理庁、あるいは会計検査院等から指摘を受付けました補助金、あるいは効果が疑わしい、あるいは効果が終わったというような補助金を選びまして、毎年これの整理をいたす建前でやっておるわけでございます。先ほど大蔵政務次官から……この三、四年間少なくとも十五億円、多いときには十六億円程度の補助金を整理いたしておりますが、それはその中の一つの項目でございまして、ただいま三十三年度におきましては三億三千万円ほどの零細補助金を整理いたしております。なおその後におきましても引き続き毎年洗ってみまして、先ほど農林大臣からお答えがございましたように、三十四年度までは一府県当たりで大体五万円、町村で一万円というようなところに目安をおきまして、三十五年度あたりにおきましてはさらに追加をいたしまして、府県十万円、市町村二万円というようなところに目標をおきまして整理をいたしておるわけであります。ただ最近の補助金は、先ほど農林大臣からお答えがございましたように、各個人に渡りまする建前を避けまして、団体に対しまして補助をいたすという建前にいたしておるわけでございます。あるいはそれを各個の補助の事業対象になりますもので割ってみますると、一人当たり相当低い金額になるわけでございますが、今各省が補助をいたしまするときの段階で考えてみますると、非常に零細になっておりますものは大体跡を絶っておるかと思います。ただ繰り返して申し上げますように、目のまた細分、またそれを目的によりまして細分をいたしますと、一人当たりたとえば研修員一人についてみれば幾らになるという計算が出るわけであります。そういうような各人一人々々に零細な金がいくというような方法を避けまして、そういうような積算をもちまして、一つの団体に、あるいは一つの地方団体に特定の機能につきましての補助をいたしていく、御指摘の点はそういうような仕事を一々中央から金を流さないで、地方団体にみずからやらしたらいいのじゃないかという点もある。この点にも着意をいたしまして、地方団体に対しまする補助は、相当地方本来の仕事に属するものにつきましては逐年整備をはかっておるわけであります。現在の地方団体が、中央の各省で考えまするような行政でどの程度動くかという点もございまして、新らしい、たとえば三十五年度について申し上げますと、農林省の畜産関係あるいは果樹関係というようなことにつきましては、やはり最初少なくともある期間補助をいたしましてやるというようなこともやむを得ないのでございまするから、できるだけ市町村あるいは府県に財源を与えまして、それが自分の判断あるいは自分の財源で必要な活動をいたすということが趣旨だと思いますが、そういきかねる面もございますので、毎年ある程度の補助金が出ておるというように考えております。
○北村暢君 ただいまの大蔵本省の答弁で、私は商工会の補助金の問題等については、これは今後の中小企業の体質改善、こういうようなことからいくと、非常に重大な意義を持っておるのじゃないかと思うのです。しかも経営改善の専門員というような人は、これは専門指導員ですからごくわずかな人であります。それが商工会というものにまかせっきりで補助金でやってしまう、こういうことになるとそれは団体等においていろいろな問題も、やり方によって補助金の効果という点についてどっちがいいかということについて、問題はあると思うのでありますけれども、あまりにも補助金のやり方というものについて端的に現われた事例が、商工会には私は出ていると思う。従ってやはりそういう経営の専門指導員というようなものは相当権威のある、しかも政府の中小企業の体質改善という一つの施策に従った、地方自治を通じての行政上の秩序というものを守られていかれるべきではないか、こういうふうな考え方を持っておるわけです。そういう点については私の考え方がこれは誤りなのか、そういうことが望ましいのか、これは補助金の今後の交付の対象に対しても一つの大きな問題だろうと思いますので、この点について一つ私の考えが誤りであれば誤りだと指摘していただきたい、私はそうあるべきだとこう思っておるので、大蔵省に重ねて御意見を伺いたいと思います。
○説明員(石原周夫君) ただいまの御指摘の商工会の経営指導の点でございますが、これは商工会の人間にいたすのが適当であるか、あるいは地方団体の職員と申しますか、地方団体の人間にやらすのが適当であるか、私どもも実は北村委員御指摘のように、いろいろ議論いたしたわけであります。それで現実の問題といたしましては、全国一斉にというわけにも参りかねますので、人を得ます上からいきまして、一定地区を限りましてまずやったわけでございます。その場合に人を得やすいかどうかという観点からいたしますと、これはむしろある程度そういうようなことをやっております向きもございます。ただいま御指摘のように、人を得なければ経営指導というものはできないわけでございますからして、人を得やすいのはどちらが適当であるかという点の議論をいたしまして、これはやはり商工会の方がそういう点においてスムーズに、うまくいくのではないかというようなところから、現在のような形になりましたわけでありまして、私ども頭からどちらに人間を動かすことが適当であるかということを、独断的にきめてやっておるわけではございませんので、やはりどういうような動かし方をするのが指導の目的を達するゆえんであるか、どちらの方がいいかということにつきましてもいろいろ議論をいたし、検討をいたしました上で、そういう結論に到達した次第でございます。
○北村暢君 それからもう一つ農林大臣にお伺いしたいのですが、先ほど一般的なことはお伺いしたのですけれども、新農村の農山漁村対策の問題については行政監察が行なわれているのです。これに対して農林省として、指摘事項についていかなる回答をしたのか、いかなる対処をしたのか、その点を一つお伺いしたいのです。それを申し上げるのは、いろいろ新農村については、農林当局としても苦労はされておる、そのことは私ども十分わかる。わかるのですが、補助金が零細であるために、適正化法によってその補助金を正しく使うために、非常に手続上からいっても、まあ末端の農山村においては、農林省の要求するような振興計画なり、いろいろな計画というものを作る能力を持っておらぬ。私どもが実際にいってみて非常にやかましく注文が来る。従ってそういうようなことを計画を立てること自体非常に苦労をしている、そういう実態です。そうして農林省のいうような形でないと補助金は来ない。補助金のために非常に苦労をする、こういう形があるということを実態的に私どもあちこちで聞くわけです。従って零細な補助金をもらうために、末端の行政官なり農業団体が非常に苦労をするという点と、それからその計画なりというものを、会計検査の手前からいっても整えなければならないので、農林省が非常に押しつけ的にやる、それが下部の実情に合わない、こういう事例が多々あるように思っておるのです。そのことは行政管理庁でも指摘している、こういうふうに思うのです。従ってそれについては顧問団、協議会、いろいろ施策は講じているようでございます。そういう点について苦労の点はわかるのでありますけれども、予算の方針等を見ると、非常に成果が上がったような予算の方針書になっている。そういうような点からいって、実態と行管の指摘しているゆえんは、もっともな点があるように思うのでありますけれども、それに対する改善策というものがどういうふうにとられているか、お伺いしたい。それから大体新農村の計画も地域指定その他についてほぼまあ完了の段階に来ている。こういうふうに思うのでございますけれども、今後の一体新農村建設に対する方針はどのようにとられようとするのか、この点もあわせてお伺いしておきたい。
○国務大臣(南條徳男君) 御指摘の点ごもっともでございます。それぞれ十分監査もいたしておるのでございますが、詳細事務的なことでございますから振興局長の方から答弁させます。
○説明員(増田盛君) お尋ねの行政管理庁の監査によります指摘に関しまして申し上げますが、これはきわめて多方面にわたっておりますが、私どもの行なっております新農村建設総合対策に関しましていろいろ機構上の欠点、たとえば協議会の活動が不十分である、あるいは県段階におきます顧問団の活動というものが不活発な点が見受けられる、こういう点に要約されるようであります。さらにそれに敷衍しまして機構の問題からいたしますと、たとえば農村におきましてこの事業がとかく押しつけられる、いわゆる要綱でうたっておりますような自主性なり積極創意を欠く。こういう点が指摘されておるわけでありまして、私ども個々の事例にかんがみますと、遺憾ながらこの指摘をある程度肯定せざるを得ないと思うわけであります。しかし全般的に考えますと、私は農村の新しい動きに対応したこの新農村、新しい村作りを標標した新農村建設総合対策というものが相当の成果をおさめ、しかも今後発展する土台を作っておるということに対しては確信を持っておるものであります。しかし指摘にありますような点でまだまだ不十分であります。せっかく自主的な創意工夫というものを私ども考え、そしてあらゆる機会に私どももその点を強調してきたのでありますけれども、なかなか思うようにいかないわけであります。まず村の実態を見ますと、数多くの中には、補助金が来るのだから一つ何か事業をしようじゃないか、こういう向きも確かに初期の段階におきましては見受けられたわけであります。従ってそういう団体におきまして作られた施設というものが、とかく完成後も十分な働きをしていない点も見受けられたのであります。そういう点は昭和三十一年度事業開始以来逐次改めつつあるわけでありまして、その点は当決算委員会におきまして御審議いただきました、累年にわたります会計検査院の検査の結果に徴しましても、初期の段階におきましてはいろいろな補助金等の交付事務に関しまして行き届かなかった点がありまして、御指摘を受けた点が多かったのでありますが、逐年顕著な改善のあとを見ているわけであります。 私どもこういう点に対する指導の方針といたしましては、たとえば協議会をできるだけ実態に即してひんぱんに開催して、真剣な討議をするように指導しております。それから県顧問団に関しましては人選等の充実、それから活動等に関しましても、単に会議じゃなしに現地に出張して具体的な指導をするようにしむけてきておるわけであります。それからとかく不活発な活動状況であった青少年、たとえば婦人層のこれに対する協力、自主的な活動という点に関しましても心がけまして、この点に関しましてもいろいろと指導してきた点であります。従いまして私は村におきます諸施設に関しましても、年を追いまして改善の実が上がり、村の実態に即した新しい村作りの基礎を築きつつあるように見受けられるわけでありまして、この点に関しましては実は本年度で、五カ年計画の最終年に当たりまして指定が完了いたすわけでありますけれども、ますます留意いたしまして指導に努めたい、かように考えるわけでございます。 なおお尋ねの第二点でございますところの、今後の新農村建設運動の方向をどこに持っていくかという点でございますこれは事業といたしましては、先ほど申し上げました通り、昭和三十一年に開始されまして五年目で指定を完了するわけであります。これをもちまして全国の全体の農林漁業の地域というものの指定が完成いたしまして、あとは自動的に仕事が続けられてやがては終わるわけでございます。従いましてちょうど切れ目に当たるわけでございまして、今後の方策というものがきわめて大事な時期でありまして、私はこれまでの考え方に基づきますところの新農村建設総合対策というものは、予算的には一応この辺で締めくくりをつけて、あとは残った仕事をやっていくということで考えておるわけであります。しかし新農村建設のねらいとする新しい村作りというものは、農業におきますいろいろな状況の変化によりまして、やはり新しく考え直される必要があると思うわけであります。過去におきましても、農業の転換期におきましては、必ず新しい村作り運動というものが並行して進められてきたことは御承知の通りであります。今回におきましては戦後あるいは戦前を通じましても、最大の農業転換の方向が向けられておる段階におきまして、一応従来の新農村建設総合対策というものは区切りをつけますけれども、新しい意味の村作り計画というものが考えられるのではないか、しかもそれは従来行ってきた基礎の上に、新しい転換の方向を取り入れた、より根本的なものを見出す必要があるのではないか、こういうように考えられるのであります。たとえば新しい村作りの方向の基底になりますのは、ただいま私どもで考えております、農業におきます基本問題並びに基本対策の方向として、自立経営の育成並びに協業の組織化、こういうものを基本にして考えていきますと、どうしてもそこに日本農業構造の改変ということを考えざるを得ないわけであります。構造改善の問題をやはり十分に基本的に取り入れまして、それを土台にして村作りをするという方向に再出発するのが、妥当じゃないかと思われるわけであります。しかしこの問題に関しましては、現行諸制度、特に農地法等の諸制度に関しまして、根本的に考えてみる必要もあるわけであります。私どもこの点などもあわせまして、従来の新農村建設総合対策とは相当趣の異なりました幅広い、しかもより根本的な方向におきまして問題の解決をし、そしてそういう意味におきます、新時代の方向に沿いました村作り運動というものを、基本的に打ち出したらどうかという方向で、ただいまいろいろと検討中でございます。なかなか結論を得ないわけでございますけれども、もう少し時間をちょうだいしますと、具体的な形で出てくるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 ただいまの五カ年計画で一応新農村の計画は終わる、これについて今大臣の答弁では補助金の目的の終わったものについては、これはすみやかに整理する、こういう方針であったのであります。だから従って補助金というのは一度つきますと何だかんだ理屈づいて、新農村にしてもあれは何十億かあるわけですね。そうしますとその補助金というものをめぐってこれはなかなかなくならないのです。実は補助金の性格からいって、事務担当者あるいは行政機構の中にあってなかなかなくならない形を持っておる、みな大体継続をしていく、こういう性格を持っておるのです。従って私はこの際新農村の問題と切り離して、農業の体質改善なら体質改善でよろしい、そういう面で一つ新たな形でせっかくやっていただきたいと思います。何かこの新農村の幅を広げたようなものでごまかしてしまう、こういうのはやはり計画は計画として終わったのですから、ピリオドを打って、今度は画期的な新農村なので、あれは河野大臣の思いつき行政なのですから、それで皆さん苦労された。それで思いつきの行政でやられたのじゃ迷惑する者が出てくる。従って今度はまあ根本的に基本問題からやろうというのですから、そういう本格的なあり方に切りかえていただきたい、これは要望として申し上げておきたいと思います。 それから次にお伺いいたしたいのは、補助金は公平に交付されなければならない、こういう立場に立って御質問申し上げるのでありますけれども……。
○委員長(佐藤芳男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤芳男君) 速記を始めて下さい。
○北村暢君 それでは質問を変えましてお伺いいたしますが、文部大臣には非常にたくさんあとから質問したかったわけなのですが、青少年教育の問題で、青年学級の運営費の補助というのがございますけれども、これは一学級あたり一万円のようでございますが、一体この青年学級の運営でございますが、青年学級というのは一体どういう教育をされるのか。私は教育関係についてはずぶのしろうとでございまするので非常に唐突な質問でございますけれども、一つお伺いをいたしたいと思うのです。というのは、これは新農村関係で、これも農林省関係に青年の農事研修費、農業講習費、こういうようなものがあるわけでございます。さらには労働省関係には職業補導の関係からいたしまして、これが職業訓練所ということに三十三年からなったようでございますが、この職業訓練所における職業の教育、こういうものとの関連において、一体、この文部省所所管の青年学級というのはどういうことをやられるのか、ということをまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私も実はなりたてのほやほやでございまして申しわけないことですが、一言お答え申し上げます。まあ農林省ないしは労働省御所管のことで、一種の職業訓練ないしは職業指導等をなされておりますと同時に、文部省所管といたしましても職業教育という意味合いから、まあいわば人間形成という立場からの社会教育をやるという建前が、青年学級のそもそもの考え方だと存じますが、もっと具体的なことは私直接お答えいたしかねますので、政府委員から御答弁申し上げることをお許しいただきたいと思います。
○説明員(斎藤正君) 青年学級は昭和二十八年に制定されました青年学級振興法に基くものでございます。青年学級振興法にございますように、勤労青少年を対象といたしまして、実際生活に必要な職業または家事に関する知識、技能、それから一般教養、これらを与えるための機関でございまして、現在大体全国に一万五千、学級生にいたしまして八十四万程度の者がおるわけでございます。
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、相当多数の人を対象にしているようでございます。しかも勤労青年ということでございまして、従ってこれはごく程度の低い職業教育的なものも含んでいるのじゃないか、こういうふうに思われる。それで一般教養ということになりますと、社会教育特別助成というのがあるようでございまして、これについては巡回文庫の問題、あるいは青年野外活動、青少年の音楽、演劇、こういう一般教養の、婦人関係についてもあるようでございます。従ってこの青年学級というのは、やはり農村あるいは中小都市における青年団を主体としたところの簡単な職業教育、こういうことになるのじゃないか。従って農村等における青年学級の講師というものについては、やはり農村の経験のある農協の役員であるとか、そういう人を講師として委嘱するということもあり得るのじゃないかと思うのですが、一体どういうような…今申したような形で理解をしていいのかどうか。一つお答えを願いたい。
○説明員(斎藤正君) 青年学級は、学校教育に恵まれない勤労青少年がその余暇を積極的に利用する、という教育制度の一つでございます。従いましてただいまのお話のありましたその地城なり対象なり学習内容というものは、それぞれの青年の生活の実態と課題に即して形成されることが目的でございます。従いまして農村におきましては相当農事に関する課程というものが多うございます。これは非常に大規模なものになりますと、三年制くらいの学年制を布きまして、独立の校舎を持ちまして、そして一週のうちの一日は在村の青年が全部そこに入ってくるというような大きな学級もございますし、東京のような非常に中小企業のあります所では、余暇にたとえば魚河岸の青年たちが集って必要な珠算簿記その他を習う、あるいは一般教養をおさめるというようなものもございます。その講師でございますが、これは専任の青年学級主事、あるいは市町村におきます公民館主事、あるいは社会教育主事等か当たることもございますけれども、その課目によりましてそれぞれ講師を委嘱いたしまして、その場合に学校の先生もございますし、農業関係の技術の関係もございますけれども、それはそれぞれの学級の課題に即応して編成していく。従いまして運営費の補助はそれぞれの職員の給与、給与と申しますか講師の謝礼、それから必要な教材というものが運営費の補助でございます。先ほどお話のありましたように一万円程度で非常に零細だという点につきましては、行政管理庁等からも勧告をいただいております。昭和三十五年度におきましては、標準的な経費というものの三分の一に当たる額を補助するように、重点的に直したわけでございます。で、その内容につきましては、一般学級、比較的職業教育の色彩の少ないところにつきましては額は少なくて済みます。職業学級のようなところは農業、商業、工業、いろいろございます。それはむしろ単価を厚くして配分しているようなことでございます。
○北村暢君 それでは文部大臣にお伺いしたいのですがね。最近における科学技術の振興並びに産業構造が非常な勢いで変わってくるわけです。従って、労働省関係の職業訓練所等においては、これは産業構造の変化から離職をする者に対しての応急の職援訓練をやる、これがまあ趣旨だろうと思うのです。ところが実際問題として職業訓練所に入っている人というのは、実はその離職者ではなくして新規の学卒者、新制中学、新制高校を卒業した者すら引き続き職業訓練所へ入っているという実態であるわけです。それが非常に圧倒的に多いわけです。離職者は非常に少ない、こういう状態であるわけです。そういうことからいきますと、この職業訓練所というものと青年学級というものは同じような性格を持つんじゃないかというふうに私どもには思われる。しかもこの産業構造の変革からいって、今後鉱工業の地方分散配置というようなことも考えられる。しかもここで非常に大きな問題になるのは、先ほど来言われている農業の体質改善の問題でありまして、今日農業就業人口というものが、飛躍的に地すぺり的に鉱工業に行く傾向というものは非常に強いわけです。おそらく農村の次三男の七五%から八〇%というものは、製造業あるいは第三次産業の方向へ流れていくのであって、そういう状態からいくと、この職業教育の配置というものについて相当検討が加えられるべきであろうし、今閣議等で問題になっておる科学技術の養成をする、これはまあ高度の方でありますからいいのでありますけれども、それももちろんやらなければならないんだが、実際の圧倒的多数を占める新制中学、新制高校を出た人の職業訓練的な職業教育、こういうものはやはり非常に大切だと思うのです。ところが従来の工業高校あるいは商業高校、こういうものは都市に偏在をしておる。従って、まあ農村では比較的農業都市に農業高校がある、こういう状態である。今日農業高校はもちろん必要ですけれども、この産業構造の変革からいってこれは職業教育の建前からいって、ぜひ鉱工業あるいは第一次産業としての製造業、あるいは第二次産業、いわゆるサービス業その他ですね、こういうものに対する教育というものが、これは農村の次三男を対象にして飛躍的に配置というものを考え直さなければならないのじゃないか、こういうような感じをしているわけです。従って、この点についてどのような考え方を青年学級との関連で私は考えられておるのか、この点をひとつ御意見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまのお話は、まさしく、今の教育界ないしは産業全般との関連における就労問題等をめぐっての悩みであり、まさしくそれを解決せねばならぬ課題が幾多あることを御指摘いただいたと思います。大体のお考え方は、私もことごとく同感でございます。 そこで本来、小中学校の義務教育課程を終えまして直ちに社会に出る子供たちもおりましょうが、高等学校に入って社会生活に入る——上級学校に行く人は一応別といたしまして、そういうことでございましても、本来ならば学校教育を受けて社会人になる場合には、それぞれ職業能力といいますか就労能力を持って社会に送り出すということが、本来の教育の目的の一つでもなければならんと思うわけですが、ともすれば従来はそれが成り行きにまかせられておったのじゃなかろうか。それでまたよかった時代でもあったろうかと想像しますが、御指摘のごとく科学技術の進歩が非常に急テンポである。そのことは世界的な傾向だともいわれますが、そういう科学技術の急テンポの発展そのものが、日本の産業構造にもいきおい影響を与えまして、お話のような就労関係からいきましても失業者が出たりなんかいたしておる。労働省のお話によりますると、現在失業者が相当数いるけれどもそれは職場がないのでなくて、現在雇用しようと思っておる場に適しないがゆえに、やむを得ず失業者となっておると見るべきだと。その数がたまたまほぼ相一致しているぐらいのことで、雇用量がないわけじゃないということを先般石田労働大臣が閣議の席上で披露しておりましたが、もしそうだとすれば今申し上げたように、教育のやり方が今の社会の求めに応じていない、質的に能力的に。その点の欠陥を示唆されたような気持がするわけでございます。 そこで、今お話のございました青年学級のことは、所管局長が御説明申しましたような趣旨でやっており、労働省は労働省として、腕に職業能力がないから、出てきた人に就労させる立場から教育しておる。これまた今としてはやむを得ないことだと思いますが、行く行くはそういう必要がないようにすることを目標に私どもは考えなければならぬじゃなかろうかと、こう思うのであります。それからさらに高等学校におきましては、御指摘のようなことをいち早く考えられたことと存じますが、昭和二十七年度以降産業教育振興法というものが制定されまして、その線に沿ってだんだん変わっていきます日本の産業構造に即応するように、高等学校教育を順応させていこう、そういう建前で動き始めておりますが、今年度もそういう試みがなされておるようですけれども、むろん三十六年度以降の予算面におきましても産業教育振興法の趣旨に沿って、高等学校の新増設を考える。ことに数年後には中学児童の急増ピークが来ると承知しておりますが、これに対しましても高等学校を相当数増設しなければならぬ。この増設もただ一般の高等学校の増設を漫然とすることはむろん許されませんので、できるだけ今後の産業の変化に応じましたその要請に即応するような比率で、工業学校その他の特に要請される職業能力を与えるような趣旨からの高等学校を考えていきたいと、まあこういうふうに思うわけでございます。 なお、農業の面がだんだんと変化していくことも御指摘の通りであり、先刻農林省からお話があった通りだと思いますが、科学技術方面、鉱工業方面に非常に人手が足りない。それに応ずる技能を持った者が要請される。それは結局、農村青少年にその給源を求めざるを得ない。そうすると、農業面では農業人口が相対的に足りないという考えにもなろうかとは思いますが、これはまた一方営農規模を大きくするとか、あるいは営農技術が進歩するとか、そういうことも承っておりますが、かれこれ照応して考えまして、今までの農業高等学校等につきましては、特に近代化されていくであろうその農業に即応するような科目を取り入れて、農業プロパーの要請にも応ずるようにしますと同時に、商業高校ないしは工業高校等も都会に集中するだけが能じゃありませんから、地方にもこれを配置するような考慮を払っていくべきであろう、大体こういうような構想でただいまのところいる次第でございます。
○北村暢君 どうも答弁が長いものだから時間を食っちゃって困るのだけれども、まあ文部大臣はお急ぎのようでございますからその程度にしておきます。 そこでお伺いしたいのは、農林大臣に、今申しました文部省関係の青年学級の運営費、青年学級の関係と、それから農業講習所の補助費あるいは青年農事研修費の補助、これはまあいろいろあるようでございますが、似通ったような経費であります。農林省が農村の青少年に対する教育に力を人れることは、これは当然でありますからいいのですけれども、ここでやはり考え方を変えてもらわなけれぱならないことは、農業の近代化のために、農業に携わる青少年について教育することも大事でありますけれども、今申したように、農山村の二、三男のほとんどというものは、最近の事情からいくと都市に就職を求める、こういう実態にあるわけであります。従って、これは農村における教育というものが、特に職業教育というものに重点が置かれて、これは農林大臣として文部大臣に相当強力に要請をして、農村青年に対する職業教育をやらないと、実は農村の青少年は都市の青少年に比べて、就職時において圧倒的に百名以下の零細企業に就職しているのであります。しかも、その零細企業に就職している農村の青少年というものは、都市の青少年との間に非常に大きな格差が出てきている、しかも、その農山村の都市に出た勤労者は、大体一カ月半くらいで相当多数の者が離職しているのであります。そうして都市の零細企業を足場として都市において職業を探す。これはまず若い間はいいのでありますけれども、職業訓練等を受けて職の変われる間はいいのでありますけれども、これがもう若干の期間を経まして妻帯をするころになって中小企業をやめたという場合には、自由業に転換するか、低賃金でありますから、これはどうしても食っていけないという形になって、これがいわゆる固定した失業者に転落をしていく、こういう実態であるわけであります。従ってこれは農村における農業教育ということは、農林大臣としての立場でありますから当然のことでありますけれども、そういう実態にある農山村の青少年というものに対する教育というものについては、これはやはり十分に考えていく必要がある。これは農業で解決できない問題でありますから、農業が農業人口をひっ抱えてやっていけない問題であります。どうしても都市の産業にたよらざるを得ない。しかも経済の成長率からいって企業も相当なところへ行くようであります。農業の成長率はもう三%、これもぎりぎりというところでありますから、どうしたってこれは産業労働人口というものは都市に流れていく。これはもうはっきりいたしております。従ってそういう意味から一つ努力をしていただきたい。 それから労働省にお伺いいたしたいのでありますけれども、労働省関係では現在の、先ほども申しましたように、職業訓練所の構成人員というものか、訓練所の設立をした趣旨に治うておらぬ。これは相当補助金を出してやっているわけですが、実際の構成員からいくと先ほど申しましたように新規の学卒者が圧倒的多数を占めておる。年令二十七、八才以上ですか、いわゆる産業構造の変化による離職者、これに対する職業教育というものについてはもうほんのわずか一〇%足らず、こういう状態で、職業訓練所を設立した目的に合致していない、というのが実態であるわけであります。従って、こういうような職業訓練所の実態からしても、先ほど私が言いましたように、そういう実態にあるということが、事実中小都市あるいは農山村における青少年というものがいかに就職の際苦労するかという実態が出ておると思うのです。先ほど文部大臣も言いましたように求職者はふえているのです、また職もあるのです。しかしながら実際に適した職がない、こういう実態であることは文部大臣認めたところである。従ってこの職業訓練所の運営というものは、これは職業訓練の上からいってその本来の目的に帰るべきだ、こういうふうに思うのであります。そしてまた職業あっせんの方からいっても、全く新規学卒者に対する職業あっせんということがもう大部分であって、それを終わってしまうというともっとも固定したマンネリ的な失業者、これに対するあっせんというものは非常に困難な状態にある。こういうことから考え合わせても、職業訓練所運営というものを相当趣旨にあった形における運営に改めるべきである、こういうふうに思うのでございますけれども、所感を承りたい。
○説明員(三治重信君) まず最初に職業訓練所の入所生の新規学卒の関係についてお答え申し上げますが、先生のおっしゃるような訓練所も一部あるかと思いますけれども、日本全体として、今私どもが毎年調査しております最近の資料によりましても、一般訓練所で一番多いので六一%、定時制の訓練では三三%、駐留軍、炭鉱離職者のための訓練所では、ほとんど全員そのために入所者が入っている。従って、全体のわれわれの所管の一般職業訓練では四〇%くらいが新規学卒というふうに承知しております。まあ所によって若干そういう所もあるかと思いますが、しかしこのわれわれの方の職業訓練所という制度、また職業訓練法を最近制定した趣旨からいきましても、転職者だけに限るということではないのでありまして、これは義務教育を終わった以上の人に対して、それぞれ転職者あるいは新規学卒者でも、さらに技術を受けて技能者になろうという者を拒むわけにはいかないわけでありまして、特別に駐留軍離職者とか炭鉱離職者として応急的にその目的のために設立しておりますのは、それを最優先しておりますけれども、一般の訓練所で離職者だけを優先するというのは現行の建前からできません。従って、われわれの方として特に転職するために職業訓練施設を特別の目的で作るということになれば別ですが、一般的な需要に応ずるための職業訓練施設に対して、それが転職者だけの、また労働省でやるのは転職者訓練が本来の筋だというふうにはわれわれとしてはしておりません。 それから第二番目の就職の関係でございますが、新規学卒のうちでもことに一般の中学卒につきましては先生のおっしゃる通りでざいますが、高等学校につきましても、われわれの方として七、八割の就職希望者に対して職業あっせんして全国調整をとっているところでございます。しかし、一般の安定所でやりますのは一定の期日を設けてやっております。これは集団的な総合的な配置計画に基づいて人員調整をしておるのですが、そのほか一般職業安定所では失業保険の受給者を通じて、また一般の求職を通じて相当の職業紹介をやっておるようでありまして、さらにそれがおっしゃるように、中年層以上の求職者につきまして就職が非常に困難であるということにつきましては、われわれの方も同感でございまして、これに対する処置といたしまして、現在のところ転職に伴うのは、やはりそこの土地で失業した、そこで再就職するというのはなかなかその状況ではむずかしい、従って、ほんとうに就職するためには移住を伴う場合がより容易である、しかし現実の問題としてはなかなか住宅がないということで、移住資金とか住宅施設をもう少し確保したらどうかというふうな点。それからさらにそういう高齢者のために、特別に高齢者でも利用する業種について再検討すべきだ。それから農村二、三男につきましては先ほどから御議論がありますように、昨年農林省からの御注文に応じて十四カ所一般職業訓練所が開所されましたけれども、来年以降におきましてもその産業構造の変化に伴いまして、農村の二、三男につきましても、都市移住への転換のための職業訓練施設を拡充していきたというふうに考えております。
○北村暢君 私のお尋ねしたいのは、先ほど来農林省、文部省、労働省等においてこの職業訓練の職業教育の補助金がそれぞれ出ているようでありますが、これはいわゆる産業構造に合った職業教育をすればいいというけれども、何かもう少し統合していけば効果が上がる、そういうような感じがするのです。それぞれのところでそれぞれの教育をやっているということで、何か各省のなわ張り争い的な感じがするので、それで行政効果を上げるということになればもっと方法があるのじゃないか、こういうような感じがいたしますので、この点は農林大臣おられますから、文部大臣、労働大臣と御相談の上、一つ方針を出していただくことが適当ではないか、このように思うのであります。これは一つ要望として申し上げておきます。 それから、もう時間でございますから、最後に一つお伺いいたしたいのは、先ほど質問しかかったのでありますが、この補助金を公平に配分するという点からいって、国の補助並びに委託職員の給与に対する国庫補助方式の是正方について、これは関係の各省に北海道の道庁から要請書が出ていると思います。農林大臣は北海道出身でございますからよく御存じだろうと思うのでありますけれども、どういうことかというと、国庫の補助事業に対する超過負担をしてくれということなんであります。国庫の補助による委託職員は北海道庁の場合相当多数いるのです。そのうち半分以上は農林省関係でございます。従ってこれは大きいのは職業訓練所の職員の補助と保健所と農林省関係が圧倒的に多いのですが、それに対してそれぞれの補助率で補助しているのでありますけれども、全国の補助率と同一でありまして、石炭手当、寒冷地手当の場合は、東北各県のこういう国庫補助の委託職員に共通するわけでありますけれども、この委託職員の方々の石炭手当、寒冷地給というものがこの補助の対象になっておらないのであります。そのために相当な道自身の、まあほかの県と比較して超過負担になる、こういう問題であるわけであります。従って、これはもう三、四年前から要請されておるのでありまするが、いまだに解決していないのであります。従って、これについては農林省は大蔵省にそういう予算要求をしておるのか。大蔵省はわかっておって今まで補助の対象にしなかったのか。当然給与の公平の原則からいえばこれは補助の対象にすべきだと思うのですけれども、これについての所見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) ただいま御指摘の点は北海道庁からの要請に基づいた御議論でございますが、従来さような補助の対象にならないで、非常に地方庁として超過支出をするという面が多々あることは聞いておるのでございますけれども、何さま石炭手当、寒冷地手当のごときは、公務員というようなことが対象になっておりまして、それは今の標準からはずれるというようなことでその恩典に浴しないのでございますが、大蔵省などには常にそのことは折衝いたしているのでございますけれども、これはひとり農林省ばかりではございません、各省にまたがっているのでございますから、大蔵省側からも一つ御答弁をお願いいたしたい。
○説明員(石原周夫君) ただいま御指摘の点につきましては、職員の設置費の補助をいたしまする際に、従来からその基幹的な経費につきましての補助をいたす建前になっておりまして、基本給でありますとか期末手当でありますとか、そういった基幹的なものが補助の対象になっているようなわけでございます。それによりまして補助の目的を達し得ると考えているわけであります。ただいま申し上げたのは全国的な場合でありますが、北海道開発庁の所管に計上しておりますような、北海道のみのものにつきましては、これは石炭、寒冷地の手当に当たります分を見まして積算しているわけであります。なお、交付金の配分におきましては、いわゆる寒冷地補正ということをやっておりまして、そういうような地域に対しまする、今申し上げました補助職員も含めまして、財源の増加配分をやっている次第であります。両者を合わせまして財源の調達ができておるものと思っておりますが、補助金といたしましては今お話のように、全国的な配置の場合におきましては、基幹的なものを見るという建前におきましてやっているわけであります。
○北村暢君 ちょっと私が耳が悪いのかわからんが、はっきりわからないのですが、補助の対象になっているものが、同じ道庁の中に十ばかりあるのです。この大きなものは失業対策事業費、あるいは渉外労務費、あるいは麻薬の取り締まり、いろいろこういうので対象になっているものもあるわけなんです。でありますから同じ地方庁の国庫補助の職員でありまして、給与の公平の原則からいえば、当然法的にも支給されるべきであるし、また支給しないわけにいかないので、従来道の超過負担、ほかのこういうもののついてないところから言えば、超過負担になる、こういう結果になっているのでありますから、ぜひ一つ、しかもこれが相当の額に上っておって、道の財政の赤字になるか、黒字になるかきわどいところで、こういう零細なものでも地方財政としては非常に重要になってくるのでございます。そういうような点から考えまして、ぜひ一つ来年度の予算の場合、一つ補助金の適正の、公平の原則からいって、補助の対象になるように強く要望をいたしまして私の質問を終ります。
○小柳勇君 私は公団組織のあり方についてまず質問申し上げ、あと道路公団と愛知用水公団につきまして質問いたしたいと思います。時間が経過いたしておりまするので簡単明瞭にお答え願いたいと思います。私も要点のみ個条書き的に質問していきたいと思います。 まず第一の問題でありまする公団組織のあり方でございます。現在公団が七つございますが、住宅公団、道路公団、首都高速道路公団、愛知用水公団、農地開発機械公団、森林開発公団、及び国内旅客船公団、以上七つの公団がございまするが、さらに政府は新聞紙などの発表によりますると十三公団を新設したい、こういうような意向をもらしておるのであります。そういたしますと既設公団と合わせますと二十公団くらいになるのでございまするが、新設公団についてはいろいろ予算上の都合上、できたりできなかったり今後の問題でございますが、いずれにいたしましても、政府がやるべき、あるいは各省がやるべきような仕事を、公団に譲って着々と仕事をしていきたいというその意思には若干賛意を表しまするが、そこで問題となりまする点を今から質問して参りまするが、第一は会計検査院長に御質問いたします。 このような既設公団にいたしましても、すでに七百億に近い財政投融資がなされておる。ところがこのような公団の経理状況について、会計検査院が検査されて決算委員会に報告されるものについてはごくまれであり、今回の三十三年度の決算ではほとんど不正事項あるいは不当事項の指摘がない、けっこうなことでございまするが、一般政府予算に比して公団経理に対する会計検査がおろそかにされているのではないかという危惧を持つのであります。従いまして、将来の公団のあり方については、あとで申し上げることといたしまするが、この公団経理なり運営についての会計検査のあり方が、一般の政府予算に対するよりもおろそかにやるのではないかという点について、会計検査院長の御答弁を求めたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) 公団会計経理の検査につきましては、その公団──まあ一つの事業でありまするから、一般会計等とは多少違っております。特に提出を求めておりまするところの計算書であるとか、証明書類等につきましては、幾らかの差別をいたしております。しかし、提出されましたところの書類に対する書面検査、それからまた実地調査等については、一般官庁と公団とは何ら区別をいたしておりません。同じように厳重な検査をいたしております。検査いたしました結果、検査報告に載る事項が非常にないのでありまするが、ということは端的に言いまして、公団の会計経理がわれわれの目から見まして間違いが少ない、経埋の紊乱というようなことはもちろんありませんし、個々の点を検査いたしましても、不当事項としてあげるものはほとんどないのであります。今まで私の記憶にありまするところは、これは愛知公団の方が見えておりまするが、愛知公団が発足しましたときですか、これはいろいろの事情がありましてやむを得ないことであったと思いまするけれども、事業の着手が相当おくれた、一方資金の調達の方は予定通り行きましたために、公団がいたずらに多額の資金を流用しているというようなことがありまして、その点に対して注意を喚起したような事実がございます。しかしその後、愛知用水公団も着々として事業を進展いたしまして、御承知の通りの結果を出しておるということになっております。その後、会計経理の検査、毎年厳重になっておるのでありまするが、不当事項というようなことは一つも発見いたしておりません。
○小柳勇君 不当事項、不正事項については指摘がないことはわかりましたが、たとえば道路公団などについては、その事業内容を見ますと赤字が累積されておるのであります。あるいはその他の公団の建設事業などについても、若干計画と違うような場面が出ていますが、そういうような計画の変更や、あるいは予定よりも収益が上がらなくて赤字になるようなその経営面について、会計検査院としては全然発言権はないと、自分たちの見る範囲外だという見解をもって検査されておるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○会計検査院長(山田義見君) 先ほども申しましたことでありまするが、会計検査院といたしましては、会計経理、そういう形式的な面に主として着目して検査いたしております。内容の面はできるだけ十分調査はいたしまするけれども、それに対する意思表示はなるべく差し控えたいと考えております。 で、公団の事業計画等、及びその事業計画が十分に達成されておるかどうかというようなことも、よく調査はいたしておりますけれども、しかし、それに対してはいろいろの事情がありまして、これをすぐに不当であるとかどうであるというようなことは言いかねる問題でありまするからして、調査はいたしておりまするけれどもそういう結果の発表は差し控えております。
○小柳勇君 そうしますと、検査院長の手元までは検査官の検査報告は出ておるけれども、検査院として国会に報告するまでにはなっていない、こういうことでございますか。
○会計検査院長(山田義見君) 書面検査の報告及び実地に調査に参りますと、その実地調査の報告というものが参りまして、その点私の手元まで参っております。これは十分目を通しますが、私が見ましたところでも、その内容についてかれこれ言うべきことはないように考えております。
○小柳勇君 将来との関連もございますが、たとえば水資源開発公団などもできまして事業計画をいたすようであります。その場合に計画担当者のミスその他によりまして、国家に損害を与えるというような場面に立ち至ったといたしまして、そういう場合に、会計検査院としては、なおそのことも検査院が政府なりその他の者に注意を喚起し、あるいは報告するという権限はないという見解でございましょうか。
○会計検査院長(山田義見君) 先ほど申しました通り、主として会計経理の実際について検査いたしますけれども、 〔委員長退席、理事矢嶋三義君着席〕 その内容におきまして、著しくその目的をはずれているとか、目的を達していないとかという面がありまする場合は、一般会計の場合におきましても、各官庁の事業はもちろんのこと、一般の官庁事務につきましても、書面なりあるいは口頭なりで注意を喚起いたしております。従いまして、公団等におきましてもその結果が著しく所期の目的に反している、その結果といたしまして国家に重大な損害を与えているというようなことがありますれば、それはもちろんわれわれの検査の範囲でありまして、その点につきましては国会にも報告いたしますし、また公団当事者に対しても厳重な警告を発することになっております。現在においてもわれわれのふに落ちないところは、その内容にわたりますことでも一々公団当事者の説明を求めておりまして、今日までのところ、公団当局者の説明によりまして検査院といたしましては十分了承をし得ております。
○小柳勇君 官房副長官に質問いたしますが……
○理事(矢嶋三義君) すぐ来ますから、あとで。
○小柳勇君 それでは官房副長官への質問は保留いたしまして、次に道路公団の質問に入ります。 道路公団に対しましては三点に分けて質問いたしたいと思いまするが、第一は道路管理についてであります。第二は有料道路の建設工事についてであります。第三は、昨日建設大臣もちょっと触れられましたけれども、今後の建設方針についてであります。以上三点に分けて質問いたします。 まず道路管理について質問いたしまするが、これから道路整備五力年計画あるいは一兆円道路計画がございまして、相当の道路建設をして管理運営されるわけでありますが、 〔理事矢嶋三義君退席、委員長着席〕 三十四年度末におきまして、既設線の四十一路線の中で九路線だけが黒字であります。そうして今日まで、三十四年度末で赤字がすでに十二億円に累増いたしております。このように赤字の累増しておる現状において、将来のこともありまするが、この三十四年度末における赤字の解消については、一体どういうような方策を持っておられるか、まず道路公団副総裁、次に建設省の──建設省のどなたがいらっしゃいますか。
○委員長(佐藤芳男君) 道路局長。
○小柳勇君 道路局長、それから大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○参考人(上村健太郎君) お話の通り、道路公団の路線は現在黒字の路線と赤字の路線とございますが、赤字になっておりまする路線は当初から計画的の赤字でございまして、供用開始後間もない道路が多いためでございます。道路の料金収入は、大体二十年ないし三十年で路線ごとの採算によりまして償還をいたすわけでございますが、従いまして、最後の二十年後あるいは三十年後には採算がとれるという計画でございます。三十四事業年度の見込みでは、黒字の道路が十ニカ所、赤字の道路が二十九カ所、年度末におきまする欠損の見込みが約十四億程度になると思っております。しかし、今申し上げましたような状況でございまして、結局は路線ごとの採算は二十年後には完了する、赤字は毎年事業がふえて参るにつれて累積いたしますけれども、現在のところ、予定をいたしておりまする収入に比べて、むしろ、計画よりも収入が上回っておるという状況でございます。
○説明員(高野務君) お答えいたします。ただいま御指摘の通り、三十四年度事業の決算見込みでは、赤字の道路が二十九カ所あるわけでございますが、これはただいま公団からも御説明がありましたように、供用開始後間もない道路が多いためでございまして、国民経済の成長に伴いまして、交通量も増大して参るわけでございますし、現に予想より相当交通がふえて参っておりますので、従いまして、収益も漸次好転するものと考えております。従いまして、供用開始後二十年ないし三十年後におきましては、ほとんどの道路が償還可能であると考えます。
○小柳勇君 総括的なものについての概括的な答弁がございましたけれども、たとえば関門トンネルなどについてどのような見解を持っておられますか。
○参考人(上村健太郎君) 関門トンネルにおきましては、三十四年度の実績を見ますると、大体一日平均の交通量が千七百六十七台でございまして、前年に比べまして三割の増加を来たしております。なお、トラックについて見ますると、三十四年度は前年に比較いたしますと六〇%増加いたしております。しかしながら、当初の計画に比べますると、料金収入は六〇ないし七〇%ぐらいにとどまっております。従って、計画通りの収入を上げておらないのでありますが、今後は今申し上げましたように毎年台数がふえまするので、最後の三十年後には採算がとれて償還ができると信じております。
○小柳勇君 ただいまの答弁を聞いておりますると、漸次通行量が少なくなっておるが、三十年後にはこれで収支ゼロになるというようなことでございますが、もう少し詳しく見通しを御説明願います。
○参考人(上村健太郎君) 漸次ふえておると申し上げたつもりでございますが……。三十四年度には前年に比べまして三〇%増でございます。トラックにつきましては六〇%増加をいたしております。
○小柳勇君 小さい問題から先に片づけて参りますが、関門トンネルの通過料金が非常に高いというようなことで、再三再四にわたって地元から陳情を受けておりまするが、その高い理由の中に、政府投資が、投資の割合が非常に少ないので、それがみな大衆の通行料金に転嫁されておる。従って政府の方の負担金をもう少し増加することが、ほかの有料道路の政府出資の比率と比べて妥当ではないか、そういうような意見が出ているのであります。そういうような政府出資の比率の少ないのを大衆の通行料金に転嫁して、それで収支をまかなっていこうとすることは少し片手落ちではないか、こういうようなことでございますが、ここに数字も相当ありまするが、時間の都合上、私の方は数字は省略いたしますが、その点いかがでございますか。
○参考人(上村健太郎君) 関門トンネルは総工費五十一億でございますが、これには出資金としての政府の出資はございません。しかし公団が引き継ぎました当時に、すでに約二十億ばかりの工事を公共事業でやっていただいておりますので、パーセンテージといたしましては、非常に大きな歩合でございます。
○小柳勇君 パーセンテージとして幾らですか。
○参考人(上村健太郎君) 五十一億のうち、約二十億でございます。
○参考人(浅村廉君) ただいま副総裁の申しました点に少しく補足いたしまして御説明申し上げたいと思いますが、関門トンネルはずいぶん昔から着工いたしておりましたのでありますが、最初は公共事業で建設省におかれて実施をされておったものであります。その間相当の公共事業費が支出いたされましたが、昭和二十七年ごろの貨幣価値に換算いたしますと、ちょっとまるい数字で恐縮でございますが、二、三十億円、ざっと三十億に近い金が出ておったと思います。その後、昭和二十七年になりまして、これを有料制によって整備をするという法律が通りまして、有料道路の法律ができましたので、その一環といたしまして関門トンネルも資金部資金の借り入れによってこれを整備する、そのかわりできたら料金でこれを返すという制度に切りかえられたのであります。その後、昭和二十七年以来、建設省において直轄事業として建設を進めておられましたが、昭和三十一年に道路公団ができまして、この事業を道路公団が引き継いで、昭和三十三年に完成をしたわけでございます。従いまして、昭和二十七年以後は借入金によってこれを建設費を調達いたして参りまして、そしてただいま有料でこれを償還をしておるわけでございます。この借入金の総額が、建設省が昭和二十七年に始められまして以来、私どもで引き継いで借りておりました金もございますが、全部合計いたしますと五十一億円になったと思います。その金をただいま通行料金によって償還をいたしておるのでありまして、昭和二十七年以後は政府の出資金というものはこれには入っておりません。
○小柳勇君 まあ小さい問題を前に知らしておりませんので、数字的に非常に食い違いがあるようでありますが、私どもの方の調査によりまして少し数字をあげて、そうしてその上での答弁を願っておきたいと思います。 では、現在金利負担が三億八千万くらいになっておりまして、これがまず一つの大きな負担のようであります。そのような金利は、今言われたような国庫支出を見積っていきまして、総工費の割合といたしますと、総工費を大体七十五億に値上げ換算してみまして、その中で約二十三億が政府負担だと見積りをしましても約三〇%、ほかの方のトンネルの国庫負担の割合を考えてみますると、笹子トンネルが四二%、武生トンネルが四〇%、それから越路橋が七三%、このようにほかの方のトンネルの国庫補助の割合と、関門トンネルの国庫補助の割合とが少ない。そういう意味で金利負担が大衆の通過料金となって負担されておる、こういうような見解を私どももとっておるわけであります。そういうようなことで一つの例を見ますると、普通タクシーに乗りますと通行料金が七百円であります。ところが門司から下関まで乗りますと、往復料金払いますから千四百円、タクシーの料金だけだと七百円で済むところが、千四百円プラスいたしまして、二千百円払わなければならない。タクシーに乗りまして往復代をちゃんと払わなければならぬ。これは一つの例でございますが、かようなことで一日の通行量をとりましても、今現在五十二回平均ないというような情勢でございます。このようなこのタクシーの料金の例をとりましても高過ぎはしないか、こういうことで非常に不評を買っておりまして、そういうことで今言いました金利負担など三億八千万もありますので、こういうものを少し政府の方で利子補給なり、あるいはほかの方のトンネルに比べた国庫捕助の割合は少ないので、この際政府の方で少しめんどうを見て、大衆の負担を減少することが、もっと通過をふやして、関門トンネルを有効に使うゆえんではないか、こう思いますのでその点について公団側と、大蔵省の方も見えておりますか、大蔵省の方から御答弁を願いたいと思います。
○参考人(浅村廉君) 関門トンネルの料金につきましては、かねて私どもも現地の各方面から高いのではないかというお話を伺っております。ただこれにつきましてそのつど申し上げておりますことは、私は別に高くとりたいわけでやっているわけではございませんので、できるだけ安くしたいのはこれはやまやまでありますけれども、ただいまのお答えにちょっと申しましたが私どもはこれを借入金によってやっておりますので、道路公団といたしましては、これを三十年計画で償還をするという建前ではじきますと、どうしてもこの程度の料金をいただかなければならないことになったのでございます。ただ、最初に実はきめました料金を開通直後適用しようと考えておりましたところが、それはちょっと高過ぎるから、もう少し下げたらどうかという要望がございまして、私どもといたしましては、どのくらいの台数が、どのくらいの車が、どのくらいな量を通るかということを一応調査の上で計画をいたしておったのでありますが、これはもう少し時間をかけて調べないとわからないという当時の考え方もございましたので、それでは一応暫定的に二割から三割引き下げてやってみましょうということで始めておったのであります。当時これを開通に伴う記念料金というような気持で私どもやらしていただいたわけでありますが、その後年があらたまりまして、なおもうしばらくこれを続けた方がよかろうという現地の要望もございましたので、それに従って続けておりまして、今年度もまだもう少し交通量なども調べた上でということでさらにもう一年延ばしまして、二、三割ダウンした料金でただいま運営をいたしているわけでございます。現地からは料金が高いからかえって車が通らない。もっと下げればトラックなどふえて、収支がむしろよくなるのではないかというお話もございますが、私どもの調査によりますと、先ほど副総裁が申し上げましたように、トラックの類は相当に増加の傾向を示しております。ただいま道路公団といたしましては、この料金でやる以外にないと考えております。もちろん交通状況その他は絶えず調査をいたしておりまして、今後十分その資料に基づきまして検討はいたしたいと思いますけれども、ただいまのところはこの料金で運営する以外にないと私どもは考えている次第であります。
○説明員(石原周夫君) 道路公団の関門トンネルの料金の現状につきましては、ただいま道路公団側から御説明がありました通りでございまして、先ほど数字をもってある程度申し上げましたように、たしか昭和十四年であったかと思いまするが、旧内務省の時代に公共事業で着手をいたしました。その当時にやりました工事がございまして、小柳委員の仰せによりますと、これを換算されて二十三億という数字かと思いますが、私も正確な数字を手元に持っておらないのでありますが、私の記憶では、従来道路公団が新たに着手をいたしました有料道路、その中にもいろいろ収支のさまざまなものがございますが、それと大体比重がとれたところに相なっておったかと思います。それから収入の点でありますが、ただいま浅村理事からお話がございましたように、現在特別に低い料金でもってやっておるわけでありますので、三十三年度に二億五千万円程度でありましたものが、三十四年度には二億九千万円程度の収入になっておる。御承知のように両側の福岡側並びに山口側、両方の道路のアプローチの改修が続いておるわけであります。そういうところも収支の状況に応じて相当大きな影響があるかと思います。今のような収入もある程度あがってきておるような状況でもございますので、当初に私どもいろいろ議論いたしたわけでありますが、今のところこういうような状況で、引き続き交通量がふえて参るという状況をながめて参ったらどうかというふうに事務当局としても考えておる次第であります。
○小柳勇君 道路の使用量の決定の基準でございますが、道路整備特別措置法の中にも書いてあるのでございますけれども、ただいまの発言を聞いておりますると、トンネルの建築費用をまかなう、それを主体として通行料金を決定されたというような印象を受けまするが、道路整備法の精神はそうばかりでもないように見受けますが、その点いかがですか。
○参考人(上村健太郎君) 関門トンネルの料金算定につきましては、大体比較する路線がございませんので、フェリー・ボートを利用した場合との便益の差額を計算いたしておるのでございます。トラックにつきましては、なお鉄道輸送の料金も比較いたしまして、そうして算定をしたわけでございます。ただその後、それよりも二割ないし三割減額をいたしておりますので、正確には便益の何%になっておりますか、ちょっと今計算ができませんけれども、さような状況でございます。
○小柳勇君 三割下げたとおっしゃいますけれども、私の今言っておる料金は現在の料金です。普通乗用車が七百円、普通貨物車が七百円、小型乗用車が三百五十円、小型貨物車が三百五十円、バスの定期千円、バス貸し切り千五百円、軽自動車の大型が六十円、それから原動機付自転車が三十円、これは現在下げましたときの通行料金ですが、ここで利用いたしますと、トラックもタクシーも往復料金を乗客が払わなければならない、利用者が払う。従いまして今言われたような渡し舟の料金、受益者の料金と同等のものといたさなければならないならば、往復料金を払うなんということはもってのほかでございましょう。しかし自動車を雇う以上は、やはり自分で帰りの道を払ってやらなければならない。そういたしますとトンネルの建設料金を大衆が負担するという建前と、それからそういうような受益者の当然受くべき利益分を払うということを考えましても、関門トンネルの料金は高過ぎはしないかということを申し上げておるわけでございます。あとにも一つ例がありますが、この点を一つ答弁を願いたいと思います。
○参考人(浅村廉君) 関門トンネルの料金につきましては、ただいま副総裁がお答えいたしましたように、相当にこまかい受益計算をいたしまして、比較の対象はフェリー・ボートであるとか、あるいは鉄道輸送であるとか、機帆船の輸送であるとか、いろいろありますが、要するにトンネルを通行することによってどれだけ利益が計算上生まれるかということをつかみまして計算いたしたものでございます。割引前の当初決定いたしました料金が、この受益の範囲内になっておりまして、一一こまかいデータはちょっとここにも持って参りませんでしたが、全部受益の範囲内でございます。この原則は私ども他の道路につきましてもすべて用いているわけでございまして、特に関門だけ何かやったわけではございません。すべての道路、トンネル、橋梁につきまして、法律に従いましてこの受益の計算をいたしまして、その範囲内で料金をきめると、こういう方針をとっておりますので、現在の割引料金につきましてはもとよりのこと、当初の料金につきましてもその限度内であるわけでございます。
○小柳勇君 関門トンネルについてもう一言言っておきますが、このトンネルの建設については、初め国の軍事的なあるいは経済的な要請によって発足いたしたものでありましょう。竣工まぎわになりまして公団が引き継ぎました。今度は国の方のそういうような経費をずっと換算して参りまして、建設費とイコールするために大衆の料金をきめると、そのようなことはあまりに官僚的であり形式的ではないか。で、今申し上げましたように、しかも往復の料金まで払わなければならぬということは、この道路整備特別措置法の十一条の料金の額の基準の法的精神からいいましても、これは該当しないのではないか。従って、そのペイするための料金の基準については、政府が補助あるいは利子補給をするなりする。それからこちらの方の渡し船で渡るときの受益者の利便については、それと同じような、同額に見合うならば、おそらくこれよりも半分くらいに料金は私どもは下がるのではないかと考えるのでありますが、そういうことが考慮できないものであるか、その点をもう一つ大蔵省と公団側にお伺いしたいと思います。
○説明員(石原周夫君) 先ほどお答えをいたしましたように、今の計算は、従来一般会計で負担をいたしておりました当時の方針がございまして、それが大体相当採算のむずかしい有料道路の場合におきます目安とにらみ合いがついておるという点が一点と、先ほど来道路公団側で申し上げておりますように、受益の範囲において料金をきめると、こういうことでやっておるわけでございまするから、それと先ほど申し上げましたように、最近の状況を見ましても、逐次道路整備計画の進行とも関連をいたしまして、交通量、従いまして収入量がふえておるというような状況から見ますると、現在のままでもってやっていっていただいてけっこうではないかというような感じを持っておる次第でございます。
○小柳勇君 それではもう一つ例を出して運輸省にも聞いておきますが、自動車局長見えておりますか。佐賀県から福岡県に参ります二級国道がございますが、そこに大川橋という橋がかかっておりますが、これも公団の有料道路でございます。この有料道路が昭和三十年九月三十日に完成いたしまして、現在有料道路として県民に利用されておりますが、この料金を決定いたしますのもやはり今のように賠償建設料金を全部支払うために払っておるようでありまするが、三十三年に若干下がっておるようです。おりまするが、問題が一つあります。それは、バスに乗りました者が、一人当たり十円ずつバスの中で通行料金を払っておるというわけであります。で、そういうことでバスの料金は幾らかといいますと、片道二百五十円です。そうしますというと、たとえば五十人乗りますというと、バス会社は五百円とりまして、道路料金を二百五十円払うのです。そういうようなのがバス会社の乗客の料金としてとっていいものであろうかどうか。道路公団側としても、こういうものは、これはバス会社がとるのだから仕方がございませんと、こういうのでございましょうかどうか。一つ自動車局長の方からと道路公団の方からお聞きしておきたいと思います。
○説明員(国友弘康君) バスが有料道路を通ります場合に、やはりその有料道路の使用料金を払っておりますので、それだけ支出がふえております。従いまして、その支出いたしまする使用料金を何らかの形でとらなければいけないのでございまして、この大川橋の場合には新設の橋梁でありますので、普通の場合でございますと、すでにありました道路との比較で利益の計算をいたしまして、たとえば距離が短くなった場合にはむしろ運賃が安くなりますから、これは旅客の方が利益がある。しかし道路が改良されることによってガソリンの消費が少なくなるとか、あるいは車体、タイヤの損耗が少ないというような場合には、これは会社の利益であるということで、会社の利益は会社の利益として会社が負担すべきであるということで、旅客の利益部分だけ旅客に負担させるという方法をとっておりまして、この場合通行料金がバスで二百五十円といたしますと、その二百五十円に対しまして、私どもの調べました乗車密度、すなわち全部平均いたしまして、一台当たりで乗客が何人乗っているかという実績を調査いたしまして、この場合は二〇・八人一台に乗っておる計算になりますので、二百五十円を二〇・八で割りますと、これに割引がちょっとありますので、その計算を加味いたしまして割りますと十一円六十三銭になるので、個々のお客さんからは十円とるという形にいたしておるのでありまして、あるバスにおきましては、確かに四十人なり乗る場合もございますが、また閑散時期のバスにおきましては五人とか三人とか乗っておる場合もあるわけでございまして、全部の平均が二〇・八人になっておるので、この程度をとるという計算になっておりまして、これは今申し上げましたように、有料道路に関しまして、全部そういう会社側の受益と旅客側の受益と両方計算して付加してとる。すなわち有料道路利用料として旅客からとるという形をとっておるのでございます。
○小柳勇君 道路が短くなりまして自動車会社の方はタイヤの損傷が少なくなるのですから、われわれの考えとしては、まあ人が自動車に乗っておる場合については、自動車会社が二百五十円払うのだから、個人の通行料金を十円プラスするということはおかしいのではないか。橋の手前から歩きまして向こうへ行きますと十円もうかるわけです。トラックやバスだったら料金をとられるが、そういうことをやっておるそうです。自転車へ乗りますと、以前は十円だったが、今はただになりましたから、自転車に乗っていくと十円もうかる。だから自転車で一つ運搬業やろうかという話も出ているようであります。そういうことでありますが、一つ自動車局長、前の話もさかのぼりまして、関門トンネルを通る場合に一人で七百円払うことは、これは法律できまっております。ところが帰りの料金まで払うということは法律ではきまっておらぬようでありますが、そういうのを自動車会社がとろうとする場合に拒否することが許されるかどうか、法的にどういう拘束力をもって会社はそれをとっているのであろうか、そういう点をお教え願いたいと思います。
○説明員(国友弘康君) タクシーの場合でございますと、たとえば門司側から下関側に参りまして、お客さんを拾ってまた門司へ帰って参ります場合にはもちろん料金――収入があるのでございますが、片道だけ行って、門司へ空車で帰って参ります場合には全然収入がないわけでして、ところが現実に支払う金額としては七百円なり何なりを、これは確かにまあ七百円なり何なりを往復支払うわけでございまして、この支払いにつきましてはタクシー会社は全然通り抜けになって、自分の方の受益というものは何もないわけでありまして、その乗車運賃の七百円の中からそれだけの金額をとても払うことはできませんので、場合によりましては、ほかの地域におきまして、特に会社側の受益を計算いたしまして、その運賃収入の中から幾分か支払わしておるところもあるのでございますが、しかしまあこういう空車で帰りますような場合には、その料金はやはり旅客から徴収しなければ、会社としてはただ単に支出するだけということになりますので、やはりとるということをわれわれの方では認めておる状況でございます。
○小柳勇君 そうしますと、出ましたタクシーが帰りにお客さんを乗せてまた送ると、そうすると往復千四百円になる、もうかることになりますが、そういう点は違法じゃございませんか。
○説明員(国友弘康君) この場合は、それはもう確かにとり過ぎでありまして、現実に支払った額をタクシー会社としてはとるべきであると思います。ですから道路公団に対してそれだけ、片道払ったら片道だけとるべきであると思います。
○小柳勇君 関門トンネルの通行料金については、まだ私少し資料もございますから、もう少しお聞きしておきたいと思いますけれども、近い将来にそういうものがもう少し、大衆収奪の形式になりませんように、負担金をもってそういうものがペイされることだけを中心に考えられないような方向に検討されるという気持はございませんか、公団側にも、あるいは建設省にも……。
○矢嶋三義君 今の小柳委員に答弁する前に関連して――私はあわせて伺いたいと思うのですが、道路公団がずいぶん支出なさっているのですが、確かに黒字線もあります。特に観光地帯における観光道路なんかが非常に黒字になるのはけっこうだと思う。しかし関門トンネルみたいな――これは法律上、ペイすることはむずかしいかもしれませんが、実際問題として、関門トンネルみたいな、日本の四つの島の大動脈ですね、こういうトンネル、しかもこれは莫大な事業予算がいっていると、長期間にわたっていると、これを同じように一つの方式で算出するというのはやはり間違いであると思うのですがね。しかし甲の道路、乙の道路、丙の道路と分けることはむずかしい。しかしながらあの関門トンネルみたいな国家の大幹線、そして非常に莫大な経費と期間を要した。こういうのは若干配慮をしなければ、他の道路と同じ形式で計算すれば、小柳委員が指摘したようなことが出るのは当然だと思うのですね。事務当局としては、そういうふうに計算すれば数字は出てくるのでしょうが、これは開通以来問題になっているわけで、若干そういう点、僕は検討を要する問題だと思うんですね。この点は建設大臣あたりからお答え願わなけりゃ答弁にならぬと思うんだが、きょうは建設大臣お見えになっていないわけですね。だれが適当かな。
○相澤重明君 いや、山崎さんと南條さんはその道のべテランだから、答弁させればいいよ。
○矢嶋三義君 いや、それは所管大臣じゃないから答弁しないでしょう。僕は、小柳委員の答弁のときにあわせて前建設大臣で国務大臣としての南條さんに答弁してもらいたい。国務大臣としての南條さんと、それから道路公団の副総裁にあわせて答弁願いたい。
○参考人(上村健太郎君) 関門の料金につきましては、なるほど高いとは思いますけれども、私どもの、道路債――借金を持っておりますので、今のところ、ちょっと私ども限りで変更をするわけには参らないと存じます。
○委員長(佐藤芳男君) 南條国務大臣、御答弁ありますか。
○国務大臣(南條徳男君) 所管外ですからね。これは一つごかんべん願いたいんだが。
○相澤重明君 ちょっと閨連で。これは南條さんも、それから山崎さんも、ともにやっぱりこれは答えてもらわなければいかぬですよ。なぜかというと、関門トンネルの料金が高いということは、特に農林関係の生産物を輸送する場合にすぐ響くことだよ、あなた。それから自治庁の長官は、九州開発についてあなた一番関心を持たなきゃならぬはずなんだ。そこで高くすればそれだけ九州の人が受益が少ないわけだ。だから、これは国務大臣であり、しかもそういう生産物を扱い、地方自治を監督する立場にあるあなた方二人は、当然それは答弁なくちゃならぬですよ。 それから私はさらに、国友自動車局長が、まあ会社側の立場も考慮されてありますが、これは運輸省はこの料金の問題については当然やっぱり乗客の立場を考えるべきですよ、乗客の立場を。そこで八つ当たりになるけれども、大蔵省も大蔵省だと思う。大体戦争中に仕事を始めたものを、それを戦後道路公団に移譲するのに――戦争前の使った金というものは国民全体のものなんだよ、これは。だから、戦時債券を大蔵省がそれじゃ全部返してくれますか。昔われわれが、戦時債券十年、十五年というものをみんな国民は買わされたんだよ。それを国民にバック・ペイしてくれますか、それはしないでしょう。だから、戦争中に使った金というのはこれはもうしようがない。そこである程度の換算は要るにしても、新しくつぎ込んだ金を、これを基礎にやはり受益者に対する負担というものをきめるべきですよ。だから、そういう議論からいけば、私は、さっき小柳委員の言うことは最も適切なことである。道路公団としては、建設大臣から言われたことや、あるいは政府からきめられたことについては、なるほどこれは守らなきゃならぬ。それが忠実な道だと思う。しかし、意見としては具申ができる。そこで、私は先ほどのお話を聞いておって、三十四年がまあ五千万とか六千万黒字になった。つまり今までよりはよくなった、一年前よりか。そういうことでいけば、三十年の償還期間というものは短縮する見通しがあるのではないか。私は、現在ワンマン道路といわれる戸塚のあの道路の問題が、当初の計画よりはずいぶんあれは短縮されていると思うんですね。で、少しこの京浜間の問題と九州の隧道の問題では違うかもしれませんが、しかし、かなり私は短縮すると思う。短縮する上にさらに通行が多くなったらなお短縮できるじゃないですか。こういうことからいけば、さっきも言う、七百円の乗車・料金に対して通行料金を千四百円とるなんというのは、まことにもうばかばかしい話だ。これは九州の人たちにどんなに恩恵にならない反対の立場を、政府なりあるいは道路公団がとっておるかという一つの証明ですよ、これは。やっぱり役人のやることというのはこんなものかという、いわゆる国民の生存権に対するほんとうの思いやりのない仕事をやっているということなんだ。 そこでまあこれは一つ僕の――今そういう八つ当たりをするわけじゃないが、さらに検討してもらいたいのは、そういう、農林なり、あるいは地方開発のために重要な役目を持つという海底隧道でありますから、せめてこの帰り車――往復をするということがはっきりしておれば、帰り車は半分ぐらいにしたらどうですか。これは名案ですよ。そこでですね、まあ一つ大蔵省も、きょうは大臣が出席していないから、局長は帰ったら大蔵大臣に話をして、こういうきょうは決算委員会で話があった。そこで関係した農林大臣や、自治省大臣にも一つ閣議の中で、これはもう名案だから、それをやろう、こういうことに一つ相談をされて、道路公団の方に適切な指示をしてほしい。まあ一つ大へん恐縮だけれども、お二人の大臣に一つ御答弁いただきたい。
○国務大臣(南條徳男君) 私の方の所管でございませんけれども、前任建設行政に関係したことでございます。多少私もこの道路についての知識がありますので、申し上げますが、お説のように、この関門トンネルの料金については、開業当時から問題もあり、私どもも大いに逓減値引ということについても、私どもが強く主張した一人でございまして、できればもっと安い料金にしてやったらということでございましたが、ただいま公団の方の答弁のような事情もあって、こういうことになったと思うのであります。で、農林省の立場から見ますれば、農産物の輸送その他の関係があって、もちろん安いに越したことはないのでございますけれども、国の財政投融資等の面もあって、いろいろ大蔵省側にも事情があることと思いますが、できるだけただいま御意見のように、閣議等においても大蔵大臣にも話しまして、何とか合理的な方法を考えていくということを十分注意いたします。
○国務大臣(山崎巖君) 道路公団の交通料の問題につきましては、私どもも実は非常に平素関心を持っております。先ほど小柳先生が御指摘になりました大川橋は、実は私の郷里でございまして、あれの通行料の値下げについてはずいぶん努力しました。幸いに二割ほど下げてもらい、自転車の交通料金を廃止――そういう関係の問題もございまして、平素から非常な関心を持っておるのであります。関門トンネルの間題につきましては、矢嶋委員、小柳委員、皆関係者でありまして、私も関係者の一人であります。
○矢嶋三義君 僕は関係者だから聞いているのじゃないですよ。
○国務大臣(山崎巖君) いや、九州開発の立場から、これについても多大の関心を持っているわけであります。で、従いまして、この通行料金につきましても、これが逓減について平素から努力を続けておるわけであります。先ほど矢嶋委員の仰せになりました、ああいうふうな幹線道路であり、しかも九州と中国をつなぐ道路と観光道路とを同列に扱うのはおかしいじゃないか、これは確かに私は一つの御意見だと思います。ただ道路公団は、先ほどからだんだん御説明もございましたように、独立採算制といいますか、公団自体で経理をやっておるわけでございまするが、急にただいまの構想ができるかどうかは、非常な問題があると思いますけれども、確かに一つの構想として十分に検討する価値のある問題だ、かように考えます。従いまして、閣議等におきましてもただいまの御意見は十分に発表をいたしておきたいと思います。
○小柳勇君 そういう点を要望いたしまして、次に入りますが、今、有料道路に対する考え方というものが、そういう面も含んで、非常に国民が変わって参っております。建設するときは、自分の金でも出して一つ作ってくれという請願も出しますけれども、できてしまって、五年たち十年たちますと、時勢の進運と、それから交通量の変化あるいは車両の変化等によりまして、もう金を出すのがばかばかしくて、非常に感覚がずれるというような現象もございます。そういう問題についてはあとでもう少し具体的に質問を続けて参りますが、次に、新線を建設する場合、まず第一に用地買収であります。 あとでそれで建設工事に入りまするが、用地買収のために、山間僻地にこの公団の道路が、有料道路なり、あるいは国道が入ります。特に有料道路の場合に、その土地の値段をぐっとつり上げてしまうという傾向が方々に起こっている。従ってまあ宅地とか畑地とか、あるいはその辺の山林の中の――山の値段というようないろいろ基準もございますけれども、公団の道路ができるという話がすらっと流れますと、その辺の土地がぐっと上がってしまうという現象が起こっているわけです。そういう用地買収に対してどういうような基準をもってどういうような心がまえで仕事をされておるのか。これからも一兆円道路の問題がありますが、非常にこれは重要な問題でありまして、今宅地の値段が上がりまして、ほとんど国民の手が届かぬというような情勢もある。従ってそういうような心がまえについて一つ道路局長と、それから公団側から聞いておきたいと思います。
○説明員(高野務君) お答えいたします。道路公団が用地買収を行ないます場合の土地買収価格、その他損失補償の評価方法は、他の公共事業と同様、昭和二十九年建設省が制定いたしました建設省直轄の公共事業の施行に伴なう損失補償基準に準拠して作成いたしました日本道路公団用地補償内規に定めるところによって行なっておるわけでございまして、一般の公共事業と同様な基準によって適正な価格によって買収をする建前となっているわけでございます。不当に高い買収費を支払っているとは考えておりません。
○小柳勇君 公団の方からの答弁も同じだろうと思いますから、時間の節約上次の質問に入りますが、それは役員としてはそうでしょう。私はその法律はわかっておりますから、そのことは質問をしているのじゃありません。今宅地の値段が上がってしまってしようがない。従って宅地の頭を押えるようなことも考えなきゃならないというような政治情勢にあります。そういうような政治情勢の中で今後一体……。ただこういう建前でございますから、こういう施行細則によってやりますというだけでなくて、たとえば法の改正についても考えなきゃならぬとか、いろいろやっぱり当事者としては苦心がなきゃならぬと思うわけです。きょう建設大臣がおられませんから、大臣にかわってあなたの御意見を聞いておるのであるが、公団の方どうでしょう。そういう意味において御答弁願いたいと思います。
○参考人(上村健太郎君) ただいま道路局長からお答え申し上げた通りでございまして、現実に名神あたりの土地を買っております状況を見ましても、他の関係よりも高いとは思っておりません。また今俊もなるべく一つそう高い土地を買わないように、値段をつり上げないようにという努力はいたすつもりでおります。
○小柳勇君 公団の副総裁の御答弁もまことに不満であります。まあ建設大臣きょうおられませんので、あらためてその問題については質問いたすことにいたしまして、次にこれは自治大臣にも直接関連がございまするが、道路公団の工事をやります場合に国道、県道、市町村道を自由自在に使うわけです。その場合の損失補償について基準がないようであります。長ければ数年、短くても三年ぐらい建設にはかかりまするが、雨の降る日も、あるいは雪が降りましょうとも、あるいは干天の中にありましょうとも、とにかく十トンぐらいの大型のトラックなり、あるいはブルドーザーが自由自在に動いております。そうしますと、雨が降る場合は、その周辺の人たちは自転車をかついで長ぐつをはいて通勤しなきゃならぬという現象があるわけです。先日来その実情も十分出先機関といろいろと一緒に見て歩いておりますが、その損失補償についてわずかの予算しかとっていないわけです。そうしますと、たとえばバラスを数回まくぐらいの予算しか予算に組まないという現状である。それでは地方自治体としてはやり切れないわけです。従ってそういうような損失補償に対する基準、これは公団側あるいは道路局長に質問いたしまするが、そういう基準についてどうしておられるか。それから自治大臣については、これに対して今後どう対処するか、聞いておきたいと思います。
○説明員(高野務君) 道路公団が工事をいたします場合に、国道、県道、市町村道を損傷いたします場合はございましょう。これは御説の通りでございます。 国道、県道、市町村道などを砂利運搬のための大型トラックの通行等によりまして支障を与える場合には、工事の期間中原状を低下しないように公団が整備するということになっておるわけでございますが、基準、考え方につきましては公団から……。
○参考人(上村健太郎君) 公団といたしましては、設計の当初から工事請負人に道路補修の義務を負わしておりまして、たとえばその個所に補修の人夫を置きますとか、あるいは水をまきますとか、あるいは砂利をまきますとかいう費用を組んでおります。ただ何分にも工事には一日に約百台以上自動車が通りますので、地元の方に非常に御迷惑をかけておると思いますけれども、工事前の原状に回復するという措置を工事請負人にとらしておる次第であります。
○国務大臣(山崎巖君〉 ただいまの御質問でございますが、現行の道路法では御承知のように受益者負担と原因者負担の二つの補修の道があるわけです。ところが道路公団でやります場合は、県道、市町村道の一般的な使用になりまして、いずれの道路法によりまする補修の道、どうも現在のところ法律的にはないようでございます。先ほど御指摘になりました実例も私よく承知しておりまするが、実は取りつけ道路が非常に建設がおくれましたために、県道を使っておりまして、その県道を非常にいためた、そこで道路公団にいろいろ相談を持ちかけてみましたけれども、どうも現在法制上は道路公団としては補修の道がないということで、結局は、これは実を結ばなかった、そういうことも府県の側あるいは市町村の側から申しますと非常に実は困る問題であります。将来に一つ十分道路公団とも連絡いたしまして検討をいたしておきたいと思います。
○小柳勇君 さっき道路公団副総裁が答弁されましたが、その基準については法的にあるいは施行細則などの基準がございましょうか。
○参考人(上村健太郎君) これにつきましては別段に基準はございません。事実上の予算に組んでやっておるだけでございます。
○小柳勇君 その予算は全体の工事予算のどのくらいの比率ですか。
○参考人(浅村廉君) ただいま副総栽が申しましたように、私ども工事をやります場合には、工事用の道路というものを請負業者が当然用いなければならないわけでございます。既存の府県道なり市道なりを使います場合は、先ほども御説明申し上げましたように、私ども実際の取り扱いといたしましては、その道路を使用することによって、その道路を原状よりも低下さしてしまっては申しわけないわけでございますので、工事が済みました後に、これを前と同じ程度に保って、これをお返ししなきゃならぬという考え方を一つ持っております。また工事中にいろいろ御迷惑をかけることは当然でございます。ふだん通らなかった車も通りますし、またほこりを立てる場合もございますので、それらに対しましては砂利を入れましたり、水をまいたり、まあできる限りのことはいたしておるのでございますが、各道路につきまして若干の予算を組みまして、これを業者の請負価格の中に見ておるわけでございます。ちょっと今道路公団全体の事業についてどれだけかという御質問に対しましてはお答えいたしかねますが、この北九州の道路につきましても私どもは若干の金額を、私どもといたしましてはできる限りの金額を組みまして、業者にその責任を負わせて、私どもといたしましてはこれを監督するという立場で、おしかりを受けることのないようにいたして参ったつもりでございます。今後もかような問題について御迷惑をかけることのないように十分注意をして参りたいと思っております。
○小柳勇君 基準はまあ法的にもないようでございますので、私は早急にそういうものを御検討なさるように要請したいと思います。そうしませんと、でき上がったあとでは、たとえば三号線なら三号線ができ上がりましたあとでは、前の程度を補充するかもしれませんが、その間に三年なり五年の間、工事中には自由自在わがままに動いているわけです。夏なんか水をまいてくれと言っても一回も散水車は通りません。また散水車も通れないような工事をやっておるのですよ。それは工事を急がすためにブルドーザーなど自由自在に動きましょうけれども、地元民としては、私どものようにどうでも言える立場にある者はいいのでありますけれども、泣き寝入りの状態です。そういうものに対しては早急に一つ基準なり工事細則を作られて、確たる基準をもって工事を進められるように要請をしておきたいと思います。 それから次に御質問さしていただきますが、一般道路と有料道路の比率でございますが、一兆円道路の中で一般道路六千億としますと、有料道路二千億という比率で工事が進められているようでございます。諸外国のいろいろ例を見てみますというと、有料道路についても相当の成績をあげているようでございますし、世界の趨勢もそのようでございますから、今すぐ有料道路についてこれを廃止せよといってもこれは無理でしょう。しかし私どもが感ずるところ、その道路ができ上がったあとで、料金を払ってなどということは、ほんとうに国の繁栄の上からいって時代錯誤ではないかと、そういうふうな気がするわけです。特に具体的な例を言いますと、りっぱな道路ができますと、それは料金を払った大型のバスだけどんどん走ります。ところが周辺の人はそのあぜ道を自転車を押して通らなければいけないという状況がある。周囲の人にとってはほとんど利用価値がない。やっぱり悪いでこぼこの道を自転車でがたがたゆられながら通っているのが現状であります。そういうものを見ますと、その有料道路というものは、公団道路がきれいな道路を作ってそびえておりますけれども、これはほんとうに雲の上の道路としかとれんわけです。そういうような有料道路を今後なお推し進めていくのかどうか、建設省の方針を聞いておきたいと思います。
○説明員(高野務君) 道路整備五カ年計画におきましては、一般公共事業費における道路工事費六千百億、それに対しまして有料道路が二千億でございます。二千億円の有料道路のうち、高速道路が約千四百億でございます。これは内訳は、名神が約八百億円、有料首都高速道路が約六百億円でございます。そのほかに一般有料道路が約三百五十億円あるわけでございます。高速道路は現在の財政状況では有料として建設せざるを得ない状況でございますし、また一般有料道路、公共事業と相待って、道路整備を促進するために現在のところ必要であると考えております。従いまして、有料道路の二千億円と申しますのは、現在の事情のもとにおきましては一般道路とのバランスの上から見て妥当なものだと考えておるわけであります。有料道路は建設費を償還いたしましたときは無料公開するものでございますことは申し上げるまでもないわけでございます。これによりまして道路整備を促進して参りたいと思います。有料道路と無料道路とのバランスにつきましては今後さらに検討はしなければならないと考えております。
○小柳勇君 この問題について最後に自治大臣にお伺いしておきますが、たとえばさっきの関門トンネルの例もございますが、今若松-戸畑間で橋を架橋中であります。これが将来若松から芦屋を通って博多に行く幹線道路の重要な路線になるわけでございます。こういうものが二十年あるいは三十年有料道路、有料橋としてあるということについては、相当これは問題ではないかと思います。従ってぜひ必要な国道なり県道における有料道路と、それからたとえば縦貫高速の道路というものは、おのずから性質が違うと思うのです。そういうようなものについては早急に国が財政投資をするなり、負担をしまして、有料道路を無料にするということ、それが一つです。 いま一つは、今でもあるようでありますが、近所の人には無料のパスを出して、自由にその道路を使用させるというような便宜をはかっておるようでありますが、たとえばそういう有料道路ができましても、周囲の人には何らかの便宜をはかって、それが無縁の道路になりませんような措置が地方自治体としてぜひ必要ではないかと思いますが、その二点について自治大臣の将来に対する考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(山崎巖君) ただいま御指摘の点は、先ほども申し上げました通りでございますが、幹線道路と一般の観光道路、こういうものは区別をするということは、私は確かに一つの考えだろうと思います。従いまして、こういう点につきましては、将来建設大臣にもよく相談をいたしてみたいと思います。 なおまた付近の住民について特別の利益を与えるかどうか、この間題も確かに一つの御意見だと思いまするけれども、私は所管外のことでもありまして、ここではっきりそういうことをやりますと言うだけの確信もございません。従いまして、これもまた建設省とよく連絡をいたしていきたいと思います。
○小柳勇君 道路公団関係の質問を終わりまして、次に愛知用水関係の問題で質問をいたします。 愛知用水公団につきましては、去る三十三年十二月二十三日のこの委員会で次のような警告を決議をいたしました。 愛知用水公団は当初の事業計画による本工事の着手が国際復興開発銀行との間における借款契約の延引その他事務処理の渋滞のため約二カ年遅延を来し、其の間多額の管理費を使用し、又当初の本工事期間約四箇年半を約三箇年に短縮実施するの止むなきに至ったのは遺憾である。又本工事着手の遅延に伴い牧尾ダム仮締切の施行時期が適切でなかったなどのため台風洪水により流失し、工事の遅延を重ねたばかりでなく、地元民にダム建設についての不安を与えた。 本公団においては今後の事業遂行について特段の留意を払い、本来の目的達成に万全を期すべきである。 こういう決議をいたしたところてございます。その後一年八カ月を見ますので、その後の工事の進捗状況と、それからこの決議に対してとられました措置についてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) 愛知公団に対する当委員会の三十三年の御決議につきましては、全く当時の事情として遺憾な面がたくさんありましたので、その後鋭意これが対策に腐心いたしまして、おかげさまで今日のところではこの御決議の趣旨に沿うように全面的に訂正ができたと信ずるのでございまして、たとえば牧尾ダムの仮締め切りにつきましても、その後順調に進み、全面的に用水路につきましても、むろん計画通り三十五年度内、すなわち三十五年度末、明年三月までには全牧尾ダム以下の用水は全部完成、また他の貯水池についても完成する予定でございまして、従って来年の六月、水田の灌漑用水を必要とする時期までには全部通水する見通しがついたのでございまして、この点は確信を持って御報告申し上げます。
○参考人(浜口雄彦君) ただいま農林大臣から御答弁があった通りでございますが、公団といたしましては、警告の趣旨を体しまして、一そう全役職員が一体となりまして工事を進めました結果、工事の遅延を取りかえしまして、予定通り昭和三十五年末までに工事を完了し、来年の灌漑期に通水するという確信を得ております。
○小柳勇君 概括的には報告が一応愛知用水公団から出ておりますから、これを読ましていただきましたので、大体の事情はわかっておりますから、細部の点についての質問は省略いたしまして、二、三点これに書いてないことを質問しておきたいと思うのですが、愛知用水の水を使おうとしておられた農民の方で、この用水を使うことを拒否しておるというような方もある、そう聞いておりますがいかがでございますか。
○国務大臣(南條徳男君) 詳細なことは担当の公団の理事から申し上げますが、私は実は就任早々でございましたが、この愛知用水のその後の進捗ぶり、また地方の状況というものは、どうであるかということが心配でございましたので、先月初めでしたか現地に参りまして全線視察いたしたのでございます。なお現地の土地改良区の代表者の方々の意見も聞いたのでございますが、その結果が今申し上げたように、明年の完成期というものが自信をもって言えるということを私申し上げたのであります。 ただいまの御指摘の農民がこの用水を必要としないというような声が一部にあるやのことを申しますが、土地改良区の代表者の話では、決してさようなことは申しておりません。むしろ明年に完成の時期を見て、この沿線の農民、ことに知多半島等の今まで上水道が全然ない地区におきましては、今、水がくるというので非常に喜び、一日も早くくることを歓迎しておるというようなことでございまして、お説のことは、あるいは負担金の問題等について多少希望があるために、さようなことが伝えられておるのじゃないかと思うのですが、全体の地元の農民の空気といたしましては、ことに畑地などに対する畑作の農家などは、非常にこの用水が一日も早く通水することを歓迎しております。 要は負担金に関する問題等から、そういうことも二、三あるように思いますが、なお詳細なことは公団からも御説明申し上げます。
○参考人(伊藤佐君) ただいま農林大臣からお話のあった通りでございますが、一部では、そういったような声もございますけれども、それにはいろいろな原因があると存じます。なおこの地区から除斥するかどうかという問題は、土地改良区で直接きめる問題でございまして、もう少したちまして、いよいよ水がくるということがはっきりいたしましたときにおきまして、土地改良区の方で実情に即して、これは取り扱われることと存じております。
○小柳勇君 それからもう一つ、愛知用水公団が任務を終わりましたあと、愛知用水公団を別の機構に改善しようというようなことが、ちらちらうわさされておりますが、そういうことについて具体的に討論されたことがあるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) その点につきましては、農林省といたしましても、まことに今後の運営に重大なことでございますのて、公団は御承知の通り約八百人の技術員その他の機構を持っております。この技術と、ことに機械等がございますが、四百二十億も総工費かかるような事情でございますので、技術の面においても、日本ではなかなか得がたいような技術を持っておるわけでございます。また機械におきましても、相当な金額のものもあるわけでございますが、また三十何里と申しますから非常に長い区間の水路を持っておる。この水路の将来の管理維持等についても、とうてい地方の地元の土地改良区などで、これを維持管理できるものではございません。従って、ぜひともこれは国でやってほしいという希望も多いわけでございまますから、これらのことを考えますと、何とかこれらの維持管理をするような一つ機関がなければならない、こういうようなことでございますが、一方御承知のように、水利用の管理ということについて、ことに大河川、関東で利根川あるいは木曾川その他揖斐川等々の大きな河川の水利を、有効にこれを利用しなければならぬということが、ひとり建設省ばかりではありませんで、厚生省あるいは通産省では工業用水、あるいは厚生省では飲用水、農林省においては農業用水というようなわけでございますから、これを各省別々な公団を作ることも、閣内の方にはございますけれども、農林省といたしましては、できれば一括した大きな水の管理の公団のようなものをこしらえて、そうしてそこで各省からおのおのの責任者を出しまして、そうしてこれらのおのおのの責任において水を利用し、有効な措置をとったらどうかということを考えて、今内閣にも、このことを申して検討中でございます。
○小柳勇君 それでは愛知用水公団については最後になりますが、事業を完了いたしまして、あと資金を国庫へ償還しなければなりませんが、この償還計画について具体的に聞いておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) この償還計画は、当初の計画よりも九十数億増額いたしまして、結局四百二十億になったのでございますが、この計画も十分立っておるわけでございますが、詳細は農地局長からも説明をいたしてもらいますが、発電あるいは上水道あるいは農業用水その他最近、当初にはあまり考えられなかったこの地区域の工業用水として相当利用されることに相当な希望もございますので、十分この償還については、自信が持てるということの最近見通しがついたようなことでございます。詳細はまた御質問があれば、局長から御答弁いたします。
○小柳勇君 農林大臣に特に御質問しておきまするが、全線通水いたしました場合に、あと十分これを活用し、効用を発揮するためには、県の営農指導などが万全でなければならぬと思いますが、農林省としてそういう面に、どのような措置をとっておられるか、具体的に営農指導の要綱などが出されておるとするならば、それを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) 専門的なことでございますから、農地局長から一つ御説明いたします。
○説明員(伊東正義君) 今、御質問の点でございますが、あの地帯の営農指導につきまして、実は愛知用水といいますのは、全国初めてといっていいほどの大規模な畑灌でございます。農林省の指導の中で実は畑灌技術等につきましては、水田と違いまして若干おくれておったことがございます。そういう関係で、実は昭和三十二年度でございますか、東海、近畿の試験場に、栽倍第二部というのを作りまして、今、愛知用水公団が工事をやっております東郷池のそばに、新しい畑地灌漑だけの研究をする実は栽倍第二部を作りました。公団は公団でまた畑地灌漑関係の試験研究も実はやっております。そのほか実は振興局の方で特に三十五年度から畑地灌漑の施設につきまして、これを指導する施設を全国に十カ所作ったのでございますが、特に集中的に愛知用水の受益地区につきましては、七カ所設置いたしまして、今、現地で実際に畑地に水をかけまして、どういう効果が出るかというようなことを目で見てもらうということを実は今やっております。 これとあわせまして、農林省と県でこの畑地灌漑――愛知用水関係の中の受益者との関係で協議会を作りまして、このできましたあとの営農の指導について遣憾のないようにというようなことで、県の普及員というものを中心にいたしまして、これをやっていこうというようなことで準備をいたしておるような次第であります。
○小柳勇君 愛知用水公団については、工期予定通りに完成いたすことに御努力されんことを希望いたしまして質問を終わりますが、最後に、国務大臣として一言聞いておきたい。それは、総理大臣が出席ありませんし、官房長官も出ておりませんので、閣僚の一人として山崎大臣あるいは南條大臣、どちらでもよろしゅうございますが、今、冒頭に私、言いましたように、公団を十三公団も新設しようというふうなことが新聞紙上で言われております。たとえば通産省が工業地帯開発公団云々、あるいは建設省、運輸省、農林省、労働省、科学技術庁、厚生省など、各省庁が十三公団ぐらいの新設を新聞紙上で報じられておる。 ところが、その中ではいろいろ似たような公団もあるようでありまするが、こういうものがすでに閣議で話題になっておるのかどうか、新設公団について、もうほとんど本ぎまりになりつつあるのかどうか、また、これはそういうものではない、海とも山ともまだ見通しはつかないものだ、各省で考えておるんだと、こういうことであるかどうか、それによって、答弁によって質問いたしますが、それはただ、一つの構想であって、まだ具体的な話し合いがないといたしまするならば、それが具体的になるころ、またあらためて質問いたしたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) ただいまの公団についての御質問でございますが、先ほど私が、愛知公団の発展的解消ということと関連して、一言その点に触れたわけでございまするが、各省でいろいろこれに対する公団を作りたいというようなことは、各省別々に意見のあることも私聞いておりますけれども、政府としては、先般も閣議の席でも総理も話しておりましたが、各省で別々な公団というようなことは考えられない。 そこで、しからばさようなものが全然不必要かと申しますと、今日の時代におきましては、全然この構想を見のがすというわけにも参らないことでございますので、今、与党といたしましても、政調会の方でこれに対する特別委員会を設け、そして今、政府側と折衝いたしまして、どういう方向にいくかということも検討中でございます。従いまして、さような過程にあるということを申し上げて、お答えといたします。
○矢嶋三義君 昨日、自治省大臣が知事会に行って質問が残っていますので、その点と、総括質問を終わるにあたって、ぜひとも伺っておく必要のある数字を、関係大臣並びに局長に伺いますから、時間が迫っていますから簡単明瞭にお答え願いたい。 自治省の大臣に対しては、かつて本委員会で問題になりました三池関係と安保関係の警備のための警官の出動人員並びに旅費、諸手当等、経費支出についてでありますが、最終的な数字の調整ができたかどうか、もしできてなかったならば、中間的数字でよろしいですが、次の項目についてお答え願いたい。出動人員が三池関係と安保関係で、おのおの何名であり、それから旅費関係と諸手当関係を合わせて、三池関係、安保関係、それぞれ金額幾らであるとなっているか。それから、これらについては国で責任を持つということであるが、いつ予備金支出を決定するのか。特に、最も関係の深い東京都、福岡、熊本、三県の経費というものは幾らとはじき出されておられるか、お答え願います。
○国務大臣(山崎巖君) 詳細な数字を実はここに持って参っておりませんので、あとで資料として提出したいと思います。
○矢嶋三義君 要求しておいたのだから、ちゃんと準備しておかなければいけませんよ。政府委員に通知しておいたら……。
○国務大臣(山崎巖君) 私のところに、それがきていなかったものですから、概略の数字だけをちょっとここに申し上げます。あとは詳細な資料として差し上げたいと思います。 前に申し上げましたように、国費といたしましては、二回にわたりまして予備金を第一回が二億、第二回が一億七千だけ、すでに決定をいたしました。さらにこれは六月末までの経費でありますので、七月以降の経費につきましては、今、大蔵省と折衝中でありまして、金額はまだ決定はいたしておりません。そのほかに東京都並びに福岡、熊本県自体で、今までに使いました概略の数字でありますが、警視庁関係で約二億、福岡関係で一億四千、熊本関係で五千万余り、大体そういう数字であります。出動の人員につきましては、御承知のようにそのつど非常に人員が移動しておりますので、一番多い七月の十八、九日ごろは、大体八千名に上りましたが、現在は約二千名、そういう数字でございます。さらに時期によります警備出動の人員につきまして、なお先ほどお尋ねの旅費並びに手当等の内訳につきましては、数日中に必ず提出いたしますので、御了承いただきたいと思います。
○矢嶋三義君 そのために要請しておいたのだから、確たる数字を持ってこなければ委員会にならないと思う。総額幾らと見通しを立てておられるのか、予備金の支出は、いつ決定するのか、お答え願います。
○国務大臣(山崎巖君) 警察庁としましては、さらに国費として約四億、今、大蔵省と折衝中で、まだ具体的に決定をいたしておりませんので、どの程度できまりますか、そこは今のところ明瞭ではございません。それから都費と、それから府県費につきましては、大体、この数字が最終の数字と心得てよろしいかと存じます。
○矢嶋三義君 そうすれば、あなたの数字で、総額幾らになっているのですか、金額は。
○国務大臣(山崎巖君) ただいままで使いましたのが、国費、地方費合わせまして約七億、さらに予備金で今四億を要求しているわけであります。
○矢嶋三義君 そうすると合計十一億要したわけですね。この七億は、予備金でなくて警察庁部内の予算でまかなうつもりですか。
○国務大臣(山崎巖君) 御承知のように府県費につきましては、出動の際の超勤等につきまして交付金でこれをまかなうというふうに相なっております。それから一般の警察につきましては、御承知のような警察法の負担事項によって国が負担する、かようになるわけであります。今後の要求につきましては、国費でございますから、当然全額丸々国の負担になる、かようにお考えいただいて差しつかえないと恩います。
○矢嶋三義君 私の方は予備金の方の支出の関係があるから伺ったわけなんですが、自治省大臣の見解としては、これは国が責任を持ち、普通交付金にしても、特別交付金にしても、それから取れば他の自治体に影響するわけですからね。普通交付金あるいは特別交付金から出すときは、特別交付金のワクは幾らときまっているのですから、他の自治体に影響を及ぼすでしょう。だからそういうところに影響しないで、百パーセント予備金から出すものと私は了承しておったのですが、そうじゃないですか。
○国務大臣(山崎巖君) そうではございません。
○矢嶋三義君 その内訳をお答え願います。
○国務大臣(山崎巖君) そうではございませんのでありまして、警視庁のごときは、東京都の経費になりますから――これは東京都の経費になりますから、これは東京都は不交付団体で、東京都自体は、交付金には関係ないわけであります。それから福岡県、熊本県は不交付団体ではございませんので、約二億のうちで交付金でまかなうもの、たとえば超勤手当のごときは、全部まかなうのでありますが、その他の旅費等は大体警備費でありますから、国費で支出できると思います。
○矢嶋三義君 それでは確認しておきますが、交付金は、予備費から支出することによって、関係都道府県には迷惑かけないで、国でそのめんどうを見る、こういうことを確認しておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(山崎巖君) 交付金にもおのずから限度がございまして、交付金で持てますものについては、むろん全部持つわけでありますが、その他府県自体の負担も多少あるかと思います。その点については御承知のように、本年は幸いにして地方でも自然増収があることでありまするし、その方でまかなって、他の地方団体に、そのために大きい影響を与えない、かように措置をいたしたいと存じます。
○矢嶋三義君 前回並びに本日の答弁を間違いなく履行していただくことを要請しておきます。 次に、会計検査院長に対して念のため伺っておきますが、報告によりますと、国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院の未確認が約百十一億九千万円ある。そのうちで一番多いのは防衛庁で約五十九億八千万円と、こうありますが、これはいつごろ確認が終わる予定でありますか。なお、報告によりますと、文書回答を求めても、なかなか回答がこないので、ついに報告をする前に、これだけの未確認ができたと書いてありますが、回答をすみやかによこさない不成績な省庁はどこか、お答え願います。
○会計検査院長(山田義見君) 便宜事務次長よりお答えいたします。
○説明員(上村照昌君) 三十三年度の未確認につきまして確認いたしますのは、このうち調査いたしまして、確認できない部分があるいは起こるかもしれませんが、時期につきましては、三十四年度の決算を確認するとき、大体やっていくわけでございます。その間照会をいたしましたものにつきましては、回答を督促いたしまして、検討をいたしておるわけでございまして、現在手元の資料で、何件きまして、どういうふうになっておるということは、ちょっとお答えできかねます。何件照会して何件が回答がきたのだという資料を、ちょっと持っておりませんので、成績の悪いところは、それはちょっと現在のところわかりません。
○矢嶋三義君 報告書に、回答を催促しても回答がこなかったために、未確認がこう出たと書いてある以上は、どういうところが回答をよこさないということは、やっぱり持っていなければ、決算審議に臨むには不十分だと思います。後日文書で出して下さい。 それから次に、大蔵省に伺っておきますが、それはこの収納未済の点です。一般会計収納未済歳入額が三十三年度七十四億円、既往年度分が七十六億円、それから租税等の収納未済が三十三年度に二百二十三億円、既往年度分が三百四十億円、こういう膨大な数字が出ておりますが、この大きな理由はどこにあるのかということと、現在収納未済の金額は幾らとなっているか、またこれはこの収納については、どういう見通しを持っておられるか、お答えおき願います。
○説明員(江守堅太郎君) お話がございましたように、収納未済額は相当多額でございまして、三十三年度の決算で申しますと、五百六十億二千八百万ございます。今お話の通りであります。二十九年ごろからの数字を申し上げますと、二十九年度には千三十七億五千三百万、一千億をこえておったのですが、その後だんだんよくなって参りまして、今申し上げました五百六十億二千八百方円ということになっているわけであります。なおこの五百六十億二千八百万円の中には、所在がわかりませんとか、あるいは資力がないとかいうことで、執行停止をいたしておりますのが、百四十二億ございます。それから災害その他によりまして、一時に納付することが困難であるということで、分割納付などを認めておりますものが、九十二億ございます。従いまして、これから大いに納税を勧奨したりあるいは滞納処分を執行しなければならないものは、三百三十六億ということになっております。 このように徴税額に対しまして未納になっております額の率は、現在五%程度でございまして、二十九年度ごろに一四、五%であったという時代に比べますと、非常によくなってきたと私ども思っております。でございますが、戦前をみてみますと、昭和十年ごろには、これが約二%を切った状態でございます。従いまして、この五年間非常によくなって参りましたが、今後なお大いに努力をしなければならないと思っております。 なお、なぜこのように多額の収納未済が残るかということでございますが、私ども一番困っておりますことは、何と申しましても、納税人員が非常にふえていることでございます。しかも滞納になって残ります率は、その非常にふえました納税人員の中で、比較的所得の少ない方々が多いのであります。この方々に対しましては、納税をおすすめしたり、あるいはまた滞納処分を行ないます上におきまして、いろいろ困難な問題があるわけでございます。それからまた経済のいろいろな事情によりまして、こういった層におきましては、所得はあったけれども、納税資金に非常に困るというような向きも非常にありまして、このような面から、このような収納未済を残していると私ども考えております。 いずれにいたしましても、戦前の状態に比べますと、いまだ正常な状態にはないと思っているのであります。今後におきましては、今申し上げましたように、こういった滞納を残しております非常に大きな原因が、小さな所得の方々の滞納の件数が多いというようなことであるのでありますが、その方方にとりましては、たとえば納税貯蓄組合を作るというようなことが盛んに行なわれているのであります。またそういった納税貯蓄組合の納税の成績は、そうでない方々に比べますと、非常にいい成績を示しておりますので、こういった納税貯蓄組合運動を通じまして、収納の向上をはかる、そのほかいろいろ考えて参りたいと思っている次第でございます。
○矢嶋三義君 戦争の直後と現在と、その情勢が変わってきているわけですから、この収納未済については適宜に処理すべき必要があると思うのです。どうしても収納できないものは、そういう処分、取り扱いがあるでしょうし、このまま数字は下がりつつありますけれども、この額が、五百六十何億という収納未済があるということは、内容的に検討すれば、やはり問題があるようであります。この点については、格段の努力をしてもらう、それで本会計の審議調査が終わるまでに、やはり前進するように要望しておきます。 それから昨日国有財産のことを伺ったのですが、これについて、きのう答弁のなかった点、さらに伺っておきます。この無償貸付現在額は八十六億円と非常にふえているわけなんですね。この理由について、昨日十分な答弁をしていません。その無償貸付は八十六億円三十三年度ふえておるのですが、そのうちの大部分は、土地の七十五億円というように報告はなされております。 そこでこの国有財産の無償貸付の場合は適正を期さなくちゃならぬのですが、この士地等を無償で貸し付けた場合には、その土地を、これはまあ公園が非常に多いということを報告書に書いてありますが、たとえば人工公園等に使う場合に、その人工公園の設備を充実するために、半永久的でなくて、一年とか二年とか年限を限って入場料を取るというようなことが許されるのかどうか。そういう場合も僕はあり得るのじゃないかと思うのですね。全くその無償貸付の場合には、入場料というものを認めないという立場なのかどうかということと、それから前からずっと問題になったことなんですが、国有財産の中の公舎の扱い方ですね。これは有料にすべきか無料にすべきかという基準もあって、ずいぶん問題になったのですが、私は具体的な問題になったやつをちょっと伺っておきたい。それは農林省所管のああいう農業試験場が末端にあります。そういうところの公舎というのは、生きものと一緒に暮らしているのだから、従来は国有財産の公舎であるが無償貸与しておったわけですね。 ところがその後、宿舎法の改正によって、若干便利なところは有料にするというようなことで、農林省と大蔵省の間でごたごたしたことがあるわけなんでありますが、私は、ああいう農林省関係の生きものと一緒に住んでおる地域の公舎等は、これは無償で、従来通り無償でやるべきものだと、かように考えるのですが、どういうふうに取り扱っておられるか、また取り扱おうとされておられるのか、お答えおき願います。
○説明員(山下武利君) ただいまお尋ねのありました点の中で、国有財産の無償貸付がふえておるという点でございますが、国有財産法の第二十二条の規定に基づきまして、昭和三十三年度末において無償貸付を行なっております国有財産は、説明書にございますように約八十七億円、前年度末に比較いたしまして二十三億円の増加をいたしております。その内訳は公園として貸し付けましたものが大部分でありまして、二十三億円の中で公園が約二十一億五千万円、それから生活困窮者の収容施設といたしまして約一億五千万円、その他でございます。 このように増加いたしましたおもな理由でございますが、これは公園について申し上げますというと、昭和三十一年に都市公園法というのが施行になりました。この法律に基づきまして、従来建設省の公共用財産として整理されておりましたところの公園敷地を大蔵省が建設省から引き継ぎを受けまして、あらためて公園の管理者であるところの地方公共団体に対して、無償で貸し付けるということをいたしておるわけでございます。これは実測の済みましたところから、逐次引き継ぎを受けて貸付をする、こういうふうな事由に基づきまして、二十一億五千万円というものが増加をいたしたのでございます。なお生活困窮者の収容施設につきましては、新規の貸付によったものでございます。 それから公園管理者であるところの地方公共団体が、この国有財産の無償貸付を受けて入場料を微収しておるということについての御指摘がございましたが、現行法上では、この地方公共団体に対しまして、国有財産の無償貸付を行なう場合におきましては、当該地方公共団体におけるところの、この公園の経営が営利を目的とし、または利益をあげてはならないということが法律上の条件になっておりますので、この趣旨に反しない限りにおきましては、地方公共団体が公園の管理を全うしようという面から、管理費用の一部に充てるために入場料を微収するというようなことは、これはさしつかえないものというふうな解釈をとっておる次第でございます。 それから最後の公舎の無料貸付の点でございます。無料の公舎貸付につきましては、法律の規定は国家公務員宿舎法の第十二条というのでございまして、そこに「無料宿舎は、次に掲げる職員のうち政令で定める者のために予算の範囲内で設置し、無料で貸与する。」ということで、その貸与の条件が列記されておるのでございます。どういうものが条件に当たるかということにつきましては、いろいろ具体的な例につきまして、大蔵省と各省が協議をしてやっておる次第でございますが、多少大蔵省と各省との間に意見の一致しないという点があることは事実でございます。 大蔵省といたしましては、できるだけ実情に即して適正な措置をとりたいということで、目下協議をいたしておるところでございます。
○矢嶋三義君 もう一点で終わります。 国有財産については、私は次の疑問を持っておる点を申し上げて、今後この調査をする間に疑問に答えていただきたい。 それは三十三年度末の国有財産現在高は二兆三千百二十九億円と報告されている。二兆三千百二十九億円、そうしてこの三十三会計年度中における国有財産の増が千六百七十八億円と報告されておるわけですね。予算規模からいって千六百七十八億の増というのは、私は少ないのじゃないかと思うのですね。ことに防衛庁関係において感ずるわけなんです。たとえば物品年度末現在高が防衛庁の予算、あれだけの予算を組んで、この三十三年度あたりは、防衛三力年計画がスタートした年ですよ。そうしてこの国有財産がこの一年間に五十億円ぐらいしかふえていないという報告をなされているのですが、何か評価に問題があるのではないか。これはもちろん人件費もありますけれども、年々歳々国民の税金で国有財産というのは積み重ねて参るわけですから、これは大事に、法律的に維持管理していかなくちゃならぬと思いますので、この点は御要望申し上げておきます。 最後の質問というのは、総埋府総務長官、お見えになっているでしょう。それは今度選挙も近づきましたから、私は予算の使用の点について、ぜひ注意を喚起するとともに、伺っておきたい点がある。それは内閣官房の調査室の情報収集調査費、これがどのように使われているか。三十四年度は約二億二千万円、三十五年度が三億九百万円、この現在対象になっている三十三年度は約一億四千万円、こうなっております。ずっと上がってきておる。来年度は約六億要求するということなのですが、その点と、それから総理府の広報、世論調査をするということになっているわけですね。この予算も、ずるっと上がってきている、機構まで拡充されているわけですが、問題は、この内閣の広報というものは、正しく国民に施策を知らせるということでなくちゃならぬと思うのですね。自由民主党という政党がその政策を宣伝するのに使うべきものじゃないと思うのです。 それでこの点については、従来政府の窓というのを出しておったのですが、今度は「政府の窓」で、グラフ版を出して、これは「解説」とグラフとの両方を出されるのかどうか。私には両方送ってくれるのですが、一体何部ぐらい印刷して配っておるのかどうか。それでこの編集方針に問題があるわけですが、たとえば八月十五日付の「解説政府の窓」の中に、唐島基智三さんと大平官房長官が対談した中に、本年度から減税をするということが書いてある。これは町中で売る何かに、座談会なんかやっているんならいいですよ。しかし政府の広報予算を使って、政府から国民に出すのに、本年度から減税をやると書いたら、これは、やらなければなりませんよ。ただ思いつきを、あるいはただ与党の政策を宣伝する、そういうものであってはならぬと思う。国民の税金である広報費を使ってやる広報というのは、国民年金制度ができた、それはこういうものだということを知らせるものでなくちゃならぬと思うのです。 それから警告を発したい点は、「政府の窓」の八月一日号を見ましても、たとえば法を守ろうとかという点で、デモなんかを非常に批判してある、それもけっこうでしょうが、もっと真相を伝えなくちゃならぬと思う。デモというものは、どうして起こってきたか、こういう見方もあるということを書かなければ、非常に一方的な報道になる。それから暴力について、ずうっと出ている点についても、たとえば河上さんと岸さんがやられたというので、民主主義の敵というのがずうっと出ている。ところが、岸さんをやった犯人の荒牧という人、これは自由民主党の大会に行って、マークまでもらって、堂々と自由民主党の大会場にも、あるいは総埋官邸の祝賀パーティにも出た人物です。そういうことは一言も出ていない。そうして非常に一方的な報道が伝えられている。これは私は、国費をもって――政府はあの広報費を非常にふやしつつあるわけですが、やる場合には、政府の施策を、正しい真実を国民に徹底させるというのでなくちゃならぬと思う。自由民主党の、党の宣伝機関誌とはおのずと違わなければならぬと思うのです。そういう立場から見るならば、私は、こういう編集については、しろうとだけれども、最近のを調べてみると、非常にへたであると同時に、非常に一方的なものである。これは選挙を前にしていますから、私は重大な警告を発しておきます。この八月一日号なんかは、池田さんの写真が出ている。これはけっこうでしょう、総埋だから。しかし、中の編集というものは、一方的なものですよ。 そこで私承わりたい点は、先ほども申し上げました情報収集調査費というものは、三十三年から最近、どういうふうに使っているか。それから総理府の広報室が最近できたが、広報世論調査費、これは数字にどういうふうにこの予算が動いてきて、いかように使っているか。たとえば世論調査というならば、安保問題が起こったとき、なぜ世論調査しない。あんな問題が起こったときに、世論調査しないような世論調査室は、私要らぬと思うのです。そうして一方的な宣伝をされている。こういう予算の使い方については納得できません。 それで、警告を発しながら答弁を求めます。
○説明員(佐藤朝生君) ただいま内閣官房調査室の関係と広報室の関係と、両方につきまして御質問がございましたが、私総理府の関係だけ御答弁申し上げます。 総理府の広報室は、去る七月一日にできたわけでございますが、広報室におきましては、ただいまお話がございましたが、世論調査はやっておりません。広報関係だけやっておりまして、世論調査は、従来通り審議室において行なっております。広報室におきましては、従来審議室で行なっておりました広報関係の仕事だけを独立いたしまして、七月一日から行なっておる次第でございまして、その予算につきましては、三十三年におきましては約八千万円、三十四年におきましては九千九百万円、三十五年におきまして一億七千九百円、来年度におきましては、十九億の金を要求しておるところでございます。写真公報と「政府の窓」の関係で御質問がございましたが、従来写真公報と旬刊公報というものを作っておりまして、この広報室発足と同時に、今お示しの「政府の窓」と「写真政府の窓」というふうに対照をしまして、七月一日から発足した次第でございまして、もちろん政府の施策を国民一般に知らせるというのが目的で、これを行なっておる次第でございます。
○矢嶋三義君 何部出しているのですか。
○説明員(佐藤朝生君) グラフの方が二万部でございます。それから「解説政府の窓」が八千部でございます。
○矢嶋三義君 それでこの「解説」の中に、本年度から減税が行なえるという意味のことを官房長官が発言されたのを印刷にしてあれば、今年度減税をやられなければならぬものでしょう。私はそうだと思う。どうですか。
○説明員(佐藤朝生君) 内容につきまして、いろいろお話がございましたけれども、われわれといたしましては、政府の各大臣あるいは官房長官、総務長官等のいろいろのお話を承って、それを政府の施策として普及宣伝するという方法をとっているわけでございます。
○矢嶋三義君 広報費を使ってやった以上は、やらなくちゃならぬですよ。これは与党でも野党でも、政党の宣伝とは違うと思うのです。どういう政治、行政が行われるのだというその真相を、真実を国民にどこまでも徹底させるためにやるのでしょう。そういうものでなくちゃならぬと思う。できもしないことを宣伝するのだったら、それは与党の宣伝機関誌でやるべきものです。あなた、そう思いませんか。私は、それについて注意を喚起します。
○説明員(佐藤朝生君) 申し上げるまでもなく、政府として、これを公報に伝えておるわけでございます。
○矢嶋三義君 政府として……。
○説明員(佐藤朝生君) 政府の出版物でございますから、政府の立場からやっておるわけでございます。
○矢嶋三義君 政府の立場からやっているのは当然ですが、しかしこれに書いてあることについては、国民に対して責任を持つのでしょう。そういうものでしょう。国民の税金によって内閣が広報したもの、国民に徹底させたものは、やるべきものでしょう。普通新聞に出たものとそれとは、責任のとり方が違うでしょう。責任を感じなくちゃならぬでしょう。道義上の責任が出てくるでしょう。どう思いますか。
○説明員(佐藤朝生君) そこで官房長官と評論家との対談でございますから、官房長官の責任においてやっておるわけだと思います。
○矢嶋三義君 あなたを相手にしてもしょうがないですが、官房長官の責任でやるというのは当然です。内閣で出すのだから、内閣は、この広報に対してどういう責任を持つかとお問いしている。矢嶋からこういう質問があったということを長官にお伝えいただいて、次の機会に答弁をいただくとともに、この編集については、さらに慎重を期するように私は注意を喚起いたします。この点よろしゅうございますか。お答えいただきたい。
○説明員(佐藤朝生君) 官房長官によくお伝えしておきます。
○矢嶋三義君 先ほどの内閣官房調査室の点を御答弁願いたい。
○説明員(佐藤朝生君) 内閣官房調査室の関係の者は、きょう来ておりませんので、ちょっとお答えしかねるのであります。
○矢嶋三義君 官房長官がいないから、また他日にいたしましょう。これも先ほど申し上げました三十五年度は三億九百万円、三十六年度は約六億円概算要求しておりますが、倍になっているわけです。しかもこれは情報収集調査費ということになっているわけですね。で、こういう予算の執行の仕方には、かなり問題があると思いますから調査したいと思いましたけれでも、時間も参りましたから、他日に譲りたいと思います。
○委員長(佐藤芳男君) 官房副長官は三十分だけ待ってくれ、必ず参りますという返事があったにかかわらず、来られないことは、きわめて遺憾に存じます。
○矢嶋三義君 済みませんが、せっかくお見えになっているから、最後にもう一点、昨日伺ったときに、運輸大臣から的確な答えがなかったのですが、海上保安庁の長官がお見えになっているから、簡単にお答えおき願いたいと思うのです。 私は、海上保安庁の使命というものをよく知っております。また、努力されていることもよく知っております。ところが、政府側から出された資料によると、海上保安庁の巡視船は九十一隻、その中で、旧海軍から譲り受けたのが三十九隻、それから巡視艇が二百十五隻、その中で旧海軍から譲り受けたものが六十七隻、これは大蔵省の国有財産の方にも出ておる、そうして海軍から譲り受けたものは全部老朽で、海上保安庁の使命達成上困る、もう少し性能のよい巡視船及び巡視艇も持たなくちゃならぬということは言われておりますが、私はそうだと思うのですね、この点について長官はどういう見解を持っておられるのか、最近海上自衛隊は、MSA援助で受けた警備艦その他が全部老朽化して、これを作りかえなければならぬというのが、今問題になってきている。私は、海上自衛隊の老朽船を作りかえる前に、海上保安庁としては、こういう半数ばかりは旧海軍から譲り受けて、十分性能を発揮しない、こういうものを改装あるいは新造する必要があると思うのです。それで、この国有財産とも関連して、数字を上げてお伺いいたしておきます。
○説明員(林坦君) ただいま海上保安庁の持っております巡視船、あるいは巡視艇についての御質問でございますが、巡視船の現状を申しますと、これを押えた時期によって多少の数字が違っておりますけれども、本年度末を標準にして考えました場合に、巡視船は八十九隻ということになるわけで、このうちには先ほどお示しのございましたように、海軍から引き継ぎましたものといいますか、在来船と称するのが三十数隻ございます。ただその中で老朽にして、これはどうしても代替建造しなければならないというものが、すでに二十四隻を含んでおる、その他のものにつきましては、修理その他改装等によって、どうにか使っていくことができよう、こういう状況でございます。これらの代替建造は、私どもといたしましては、実は民間の船につきましても、戦標船の代替建造ということが非常にやかましくいわれているおりからでもおり、また、私どもの方の責務から申しましても、あえてあらしの中に突入して仕事をしなければならないという実情から申しまして、すみやかにこれを代替建造する必要があるというつもりでございます。 従いまして、先般も海上保安審議会においても、この点は非常にやかましく論ぜられたところでございまして、私どもはこの二十四隻の在来船につきましては、すみやかに、これをできるだけ早い機会に代替建造をしたいというふうに考えて、来年度以降、ここ三年ないし四年ぐらいのうちに、あるいは全部とまではいかないでも、代替建造を促進したいと、かように考えております。また、巡視艇も二百十五隻という御指摘の中に、もちろんすでに代替を要するものが六十五隻ほどはございます。これらも今お示しのございましたように、早くこれを代替して直さなければならないのでございまして、私どもとしましても、これも長期計画の中に入れまして、代替建造を促進していきたいと、かように考えております。 特に私どもとしましては、大型の定点観測などに従事しております船も、できるだけ早い機会に代替建造をすべきである、かように考えまして、現在大蔵当局と折衝を進めているような次第でございます。
○矢嶋三義君 主計局長にちょっと承っておきますが、国有財産の方としては、海上自衛隊、海上保安庁のこういう数字が出ているわけです。これから予算を組んでいくにあたっては、海上自衛隊の老杆艦船の更新と、この海上保安庁のこれとは、十分彼此勘案して予算編成されるべきものだと思いますが、主計局長の御見解を承っておきます。
○説明員(石原周夫君) 従来海上保安庁に在来船と申しまするか、旧海軍から引き継ぎましたものが相当多数ございまして、毎年度予算をもちまして逐次代替をいたして参るわけでございますが、何分にも相当隻数も多いものでありますから、ただいま海上保安庁長官から申し述べられましたような船は残っているわけであります。 海上保安庁の警備救難の業務の方から申しますと、飛行機の関係、あるいはヘリコプターの関係などもございまして、その間の優先順位の関係もございます。それから今矢嶋委員の御指摘に相なりましたように、海上保安庁の方に新しく船を作るという問題もございます。その間には、直接の関係と申しまするか、両方の関係も、ある程度にらみ合わす必要があると思います。 おのおの業務の目的も異にいたしておりまするから、これがある一定の関係だというわけには必ずしも参りませんけれども、両者のあれをよく眺めまして、ことに今申し上げました航空機、ヘリコプター、そういうものと、にらみ合わして見ました上で、十分考えて参りたいと考えております。
○委員長(佐藤芳男君) 以上で、通告者の質疑は全部終了いたしました。 これをもって、昭和三十三年度決算並びに昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書外二件に対する総括質疑は、本日欠席の内閣官房長官等に対する質疑を後日に譲ることとして、一応終了することに、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。委員諸君並びに政府の方々ありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十八分散会