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35回国会衆議院1960/08/10

文教委員会 第3号

発言数
21
登壇者
4
会派数
2
開催日
1960/08/10

会議録

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 これより会議を開きます。  まず理事の辞任についてお諮りいたします。理事稻葉修君より理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお理事でありました簡牛凡夫君が委員をすでに辞任をされておりますので、あわせて理事二名の欠員となります。つきましては、その補欠選挙を行なわなければなりませんが、先例により委員長において指名することとし、理事に高橋英吉君及び加藤精三君を指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 次に教育の問題、名城大学問題に関し調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 本問題は今や全国的な問題であると同時に、単に学内の問題でなくして、地元におきましては社会問題であるという評価をされておるわけでありまして、先日七月十九日地元におきます私ども国会議員、衆議院側加藤鐐五郎、春日一幸、辻寛一、不肖横山利秋、参議院側は草葉、大谷、青山、栗山、杉浦、成瀬等約十人の者が集まりまして、またその後名古屋におきましても代表者が集まりまして、このような状態はもはや看過するわけにはいかない、まさに私学に重大な影響を与え、最悪の事態も予想されるから、この際文部省も国会の意向に従い、三あっせん委員の御意思に沿って、名城大学問題解決のためにすみやかに断固たる決意をもって役員を一新し、一日も早く教職員、学生が安心して研究と勉学とに専心し得る大学たらしめるよう努力すべきであるということを満場一致確認をいたしまして、与野党衆参両院をあげてその目的に邁進するように決意をいたしたところであります。  その代表が先般大臣にお目にかかりまして趣旨を申し上げたところではございますが、もはや大臣もよく引き継ぎを受けられたとは思うのでありますが、念のために今日までの経過をきわめて簡単に申し上げますと、参議院では昨年十月に本委員会を開きまして、また十一月にも本委員会を開きまして、委員会としていろいろ審議を重ねまして、問題の中心が田中寿一理事長の違法、脱法、不当な経営にあることが、大体皆さんの意見の一致したところでありまして、本委員会からは文部省に善処を要望いたし、衆議院も同じく十月の委員会及び十一月の委員会におきまして参考人を喚問いたしまして、やはり同様の結論に達し、文部省はこの国会の意向を体して三委員にあっせんを一任、三委員は第一次勧告、第二次勧告等いろいろ努力をいたしましたけれども、この努力の目標もほぼ国会の意向に沿ってなされたのでありますが、これについては効果をもたらすことがなく、学内は刻々深刻の度を加えて参りまして、その後衆議院におきましてもさらに本年の五月委員会を開催いたしまして、委員側から真剣な質疑がありまして、文部省に一そうの善処が要望され、文部省は調査団を本年五月名城大学に派遣をして現地調査をいたしました。それはもう文部省としても熟知の通りであろうと思うのであります。本年六月二十二日松田文部大臣の名をもって田中寿一氏を初め七名に対して理由を付した退職勧告が発せられたにかかわらず、それが成果を見るに至らず、こういうような状況を受けて、一方大学が借りております土地、建物につきましても、財務局及び民間の地主からはその退去を要望されるというような事態まで発生いたしまして、来年度の学生を募集するということ自体につきましても、文部省として多少の御意見があるやに承り、全く学内の問題は重大な状況に立ち至って参ったわけであります。  重ねて私は申しますが、国会が私学の問題に介入いたしますことは、また政府が介入をいたしますことは、本来原則的にこれは好ましいことではございません。しかし冒頭申しましたように、まさに今や学内の問題にあらず、地元並びに全国にまで喧伝いたしましたこの問題は、東海地方最大の六千の学生の今後の問題、教職員の生活の問題にも発展をいたしまして、全く社会問題として取り扱われておるわけであります。こういうときにあたりまして、非常に関心を持ち努力をされました前大臣がおかわりになりまして、新たに新大臣が教育行政の担当者とおなりになりました。新しい大臣が、この重大な危局にあります名城大学の問題をどういうふうにお考えになり、どういうふうに根本的解決を所期せられておるかということは、非常に重大な関心が寄せられておるわけであります。  きょう私どもの席上に名城大学の分厚い報告書と、それから田中寿一氏から大臣あての簡単な文書と両方提出をされております。この田中寿一氏の文書につきましては、私もいろいろと地元でございますから意見のあるところでありますが、一番最後に田中寿一氏の言っておりますことは、「名城の問題は理くつではない、私が三十数年間築いて来た名城には名城の特殊事情があり、人のうわさや、中傷だけでどうしても根本になる金の問題の実際まではわからぬ。新任いくらもたたない管理側長や振興課長が十分調査せずに、河野勝斉のような名うてのボスの言う通りになるのは、文部省の欠陥です。」こういうことをやや結論的に言っておるわけであります。私は田中先生のもとに、かつてこの前身であります高等理工学校の教官をいたしておりましただけに、氏に対しては非常につらい点があるのでございます。しかしそれだけに田中先生の性格なり、今日までの経歴についてはよく熟知をいたしておるわけであります。この文書の中に全く田中寿一氏のものの考え方、それから処生観というものがやどっておるように私は思うわけでありまして、今や新しい大臣の本問題に関する根本的な解決が切に要望をされるところであります。  いろいろとお伺いしたいのでありますが、時間がございませんから、以下数点にわたって大臣の所見をお伺いしたいのであります。  第一は、今申しましたように、新しい大臣の名城大学問題に関する根本的解決の心がまえをお伺いをいたしたいりであります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○荒木国務大臣 お答え申し上げます。お話の名城大学の問題が、単にその学園内の問題となっておるばかりではく、むしろ社会問題的な様相までも呈しておる、このままに放置すべきではない、何とか円満な解決の道を見出すべきである、こういうことからいたしまして、前大臣当時に、国会の御意向等もむろんくみ、さらにまた三人の調停委員までも御依頼になって、現地について十分の御調査の上、それぞれ辞職勧告等の措置をおとりになった、そういうことでこの問題の解決に乗り出しておられました。その線はもちろん私も踏襲して参るべきもの、さように心得ております。さらにいまだに解決に至りませんので、これに対して今後文部省としてどういう具体的なきめ手と申しますか、なすべきことがあるかということにつきましては、十分に実態を私自身も認識さしていただいて、また国会の御意向ないしは現地の関係の方々の御意向等も十分考慮の上に善処をいたさねばなるまい、かように考えておる次第でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 おそらくは大臣も今までお伺いをされた事情から、これは大へん解決がむずかしいものだ、要するに田中寿一氏が辞表を出さなければ解決をしない。しかし田中寿一氏は一ぺん出したものを、あれは脅迫されたから出したのだということで引っ込めた人であります。このことにつきましては、私は事情をよく承知しておりますし、この田中寿一氏からの手紙の中にも載っておるのでありますが、いわゆる県の学事課長が学生と一緒に脅迫したということは考えられないことでありまして、これはもう何人といえどもこのような事実についてはお認めにならないだろうと思うのであります。しかしそういう話をする人でありますから、何といいますか、これがええわ、ええわで話が解決するものでないということは、今や何人もほぞをかむように知っておるわけであります。従いまして、大臣が円満に解決をなさるというお気持であるならば、まさに大臣の全努力をあげていただく決意が必要でございます。それから、そういうことではだめだとお考えになるならば、これはもう思い切った法律的措置をしなければだめであります。私どもも何とか円満な解決をしようとして参りましたが、要するにこの二つしかございません。ただ何とか説得をしてとかいうことでなくして、円満な解決のためには思い切った説得力と努力が集中的になされなければならない。その意味では、私は監理局長を前にして恐縮ではありますけれども、今日までの文部省は、私学に依頼し、国会議員の行動に依頼し、自分のところは、文部省はどろをかぶらないように、責任がかぶってこないように、そうしてやることはまあまあこういうことをやりました、ああいうことをやりましたという弁解ができる措置だけをやってきたと私は言わざるを得ないのであります。法律的な論争になりますれば、これはいわゆるけんかでありますから、どちらにも言いわけはされようと思えばできます。根本は、どちらが悪い、どちらがいい、どちらかはっきりきめましたならば、思い切った措置をしなければ、努力を集中的にしなければ、本問題は絶対に解決をしないのであります。従いまして、円満に解決をしようとするならば、まさに新大臣の新しい決意を集中的になさっていただきたいし、そういうことがだめだとお考えになるならば、法律的な立場で、断固たる措置をなさるか、どちらかに御判断をおきめ願いたいと思います。いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○荒木国務大臣 問題は、なるべく円満に解決するということが要諦だろうと心得ます、それにつきましては、そういう方向に持っていくのに、具体的にどういう方法手段が残されておるかということにつきましては、さらに検討いたしませんと、今即座に申し上げかねるのでございます。願わくば、地元御関係の国会議員の方々を初め、地元におけるこの解決の方向へ推進できる態勢をこの上とも御協力をいただきまして、それといわば相呼応してこの問題の処理にあたるという心がまえでなければなるまいかと心得ております。  なお、その努力を極力いたしましても、お説のように容易に解決するものでないという深刻なものらしくも承知をいたしておりますので、そうでありました場合にどうするか。法律制度の上に立って、形式的になすべきこともあろうとは思いますが、いきなりそこに突入すべきかいなか、また突入してはたして最終的な結論に直ちに到達し得るやいなや、そこら辺もいささか心もとない気持もせないではございませんので、いずれにしましても、もう少し検討を加えてこの問題の解決に当たる決意だけはございます。いろいろとお教えをいただいて善処したいと思っております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大臣の御要望になっております、地元の受け入れ態勢について御協力を願いたいとおっしゃいましたが、これはもう完全にできております。与野党衆参両院議員及びその政治的背景、すべて責任が持てると私は思っています。うぬぼれではございません。これは報告書の中にも出ておりますけれども、加藤鐐五郎さんを初め、地元の国会議員は全員一致の見解に達しておりますし、財界にしろ、それから労働界にいたしましても、今日の状態としましては、大臣の決意とその実行をさえぎるものはないと私は確信をしています。新内閣が成立いたしましてから、たとえば三池に対して労働大臣が乗り出した、それから富士の演習場の問題については防衛庁長官が乗り出した、そうしてその帰趨はどうなるか、非常に注目をされておるのでありますけれども、この名城の問題、六千の生徒並びに千になんなんとする教職員及び関係者、それを取り巻く父兄等を考えますと、ここ数年来ほんとうにじくじくして、何回も何回も社会問題を提起をいたしましたそのものが、爆発的瞬間にはなるまいから、まあまあという気持が文部省にあるような気がして私はならないのであります。そういうような爆発的な雰囲気であるならば一生懸命になる。まあまあもう少しもう少しということで済むならば、いつまでたってもずるずるといくというようなことであるならば、これは私はゆゆしき問題だと思う。今夏休みでございますから、六千の学生は家庭にあります。けれども、一たん夏休みが終わりますれば——もうすでに御存じのように、学校が開校中には数千の学生が大会を開いて問題を起こしたのでありますから、もし夏休みが過ぎるようなことがありましたならば、六千の学生はどういうような動向を示しますことか、その間に文部省なり私どもの手の打ち方が悪かったといたしますならば、これはゆゆしい問題である。このときについての文部省の責任はどうお考えになるか、私はお伺いをしたいくらいであります。  そこで今大臣がおっしゃるように、地元のという点については、私どもが責任を持ってよろしゅうございますから、どうぞやって下さいということを申し上げる。そうすると大臣としてはもう少し様子を見てやろうとおっしゃるのですが、今直接問題になりますのは、今月の十二日、大体そうだと思われるのでありますが、田中理事長の職務執行停止の仮処分の申請が大体判決があろうと思います。これは仮定の問題でありますが、もし十二日なりあるいは不日田中理事長の職務執行停止ということになりますれば、代行者をまた置くことに当然なろうかと思います。裁判所のきめることでございますから、これはまかしておけばいいようなものでありましょう。しかしどういうお方が代行者におなりになるかということは今後の解決にきわめて重要な問題と言わざるを得ないのであります。裁判所が独自の見解でおやりになることについて、私ども何らの異議も差しはさむ余地はないのでありますが、これは単なる裁判問題ばかりでなくて、名城大学の解決の方途に通ずる重要な問題でありますから、おそらく私は、文部省としては、文部省の立場、文部省の考え方、代行者についての一つの参考意見というようなものもおありになろうかと思います。これらの点につきましては、裁判所に対してあなた方は御連絡をきちんとなさっておられるかどうか、この点をお伺いをいたします。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田説明員 ただいま田中理事長の職務執行停止仮処分申請に対する裁判問題が出たのでありますが、この問題につきましては、今おっしゃるように、私ども聞いておりますのは、今月の中旬に大体結論が出るであろう、こういうようなことを伺っております。しかしながら、その結論がどのように出るかということは、まだ私どもとしては現段階において予測し得ませんので、それに対する職務代行者を裁判所がどういう形で選ぶのか、そういった点についてはまだ具体的な情報は持っておりません。しかしながら、裁判所として代行者を任命する場合に所轄庁の意見を聞かれるというようなことであれば、これは今後の解決の上に、おっしゃる通りに重要な影響を与えるものでございますから、十分連絡をとって意見を申し上げたいと思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 お話を聞けば、向こうから連絡があれば十分意見を申し上げたいとおっしゃっておられるのでありますが、そういうことでは、あなた方が本問題解決の熱意を実際に持っておられるかどうか疑わしいと思う。むしろ積極的にこちら側の参考意見を言われて、そうして採用するかいなかは裁判所独自の判断でありますけれども、積極的にあなた方の方から、名城大学問題解決の重要なことであるから、こういう点についてはこういうふうに思うというような意見の開陳があってしかるべきだと思うのであります。  あらためて伺いますが、監理局長、一体この名城大学の問題で今どういう手をあなた方は打っておられるのか、具体的に一つ聞かしていただきたい。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田説明員 これはたびたび申し上げたところでございますが、先ほど経過の御説明の中にもございましたように、われわれとしては法律的な手続をとりましたのは、文部大臣が六月二十二日に七人の役員に対して解職の勧告を出した、それが法的な措置の最後でございます。しかしながら、おっしゃいましたように、一ぺん県の学事課長を通じて辞表を提出いたしておりますが、直ちにこれを脅迫によるものだということで撤回をいたしました。従って私どもとしましてはいかなる事情によって撤回したのか、そういった心境の変化等について十分調査をする必要がありますので、田中寿一氏あてに照会をいたしました。そのときの事情は事こまかに書いて報告しております。それからまた県に対しましても同様な照会をいたしております。  要するに私どもといたしましては、根本方針としては、三人の調停委員がかねてから結論を出しておりますように、現在の役員は一応辞任してもらいまして、新しい理事会を構成し、そうして地元の各界の方々が再建に協力し得るような態勢を作っていく、これが基本の線でございます。それに到達するような方法をいろいろと講じておるわけであります。しかしながら、法律的な措置としては、ただいま申し上げましたような解職の勧告をしたというのが最終でございます。従って、先ほども思い切った措置をとれというようなお話のようでございましたが、これはどういう措置を意味されておるか存じませんけれども、われわれとして法律的にとり得る措置としては、これは解散以外にないということを前々から申し上げておるわけであります。そこにいきますにはやはり大学の学生あるいは大学の今後の存置という問題をどう考えていくかということが非常に重要であります。地元の関係者のいろいろな御意向も聞きながら、そうして協力してもらえるような態勢を作っていくということが私どもの第一の考え方であります。現在の状況は、非常に遺憾でありますけれども、そういう方向にあまり近寄ってないということは御承知の通りでございます。私どもに対していろいろ鞭撻していただきますことはいろいろお願い申し上げたいと思いますけれども、今後この名城大学の再建をどういう方針で、あるいはどういう内容ではかっていくかということは、やはりこれはあくまで文部省が具体案を示していくということでなくて、自主的に新しい地元の協力を得てやっていくということが適当であろうと私どもは考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 おっしゃることに私は必ずしも反対しようとは思いません。今名城大学の将来について文部省が具体案を出すよりも、地元の人たちの盛り上がるものを期待する、こうおっしゃっておられる。これは私が申し上げるまでもないけれども、私を含めて地元の衆参両院議員、財界すべてこの報告書にございますように、名城大学の前途についてほんとうに心配をいたしまして、一刻も早く解決をしなければならぬ、この解決の方途は、田中先生を初め理事の人は退陣をしてもらって、そうして新しいハイ・レベルの一新された理事会を構成するということで意見が一致いたしておるところであります。  問題は、それではその方法が、先ほどからるる申しておりますように二つしかない。一つは、原則的に解散をもってし、しかも学生や、教職員が職を失わない新しい方途をもって新しい学校法人を設立するというのが一つであります。もう一つは、私が申しますように、それこそ大臣の全力をあげた説得をしていただいて、このためには私どもはあらゆる努力を惜しまないのでありますけれども、単なる説得でなくて、全力をあげた政治的な説得をして、田中理事長をして辞表を出さしめるという二つであります。この二つのいずれかで解決せざるを得ないということは、何人もそうだと言っておられるのでありますから、私は、もしそういう解散をして新しい学校法人を急遽設立して、教職員並びに学生を救うという道が法律的にむずかしいとか、研究が足らぬとかおっしゃるならば、もう一つの方途である大臣の全力をあげた政治力に待つということでなければならぬのであります。今の文部省はどっちともつかず、そうして文部省が責任をかぶるのをおそれて、この手は早い、この手はむずかしい、この手は問題があるという弁解ばかり並べてちっとも解決しようとしない。それでおって、一方では学生を募集することは控えたらどうだとか、あるいは大蔵省は大蔵省で土地返せ、うち返せということにするとか、そういうことではあなた方が手をつかねておるうちに、逆のもう一つの手で大学をみずから破滅に陥れるのをじっと待っておるということしか結果はないのです。そこのところを十分に認識をしてもらわなければ困る。私の言う意味はよくわかりましょう。手をつかねて、あれはいかぬ、これはいかぬ、あるいは問題があると言っておりながら、片一方では来年の学生は遠慮したらどうかとか、あるいは大蔵省は大蔵省でうちを返せ、土地を返せということでやられるとかいうことは、そのまま大学全体を壊滅状態に陥れるという結果をみずから招来するだけだ。あなたが予期してもしなくてもそういう結果になるということを私は言いたい。従って私はくどく言いますが、私の言う二つのどちらかを選んで全力をあげてそれに邁進する、もちろん片一方全部を捨てよというわけではありませんよ。しかし腹の中ではどっちかをきっちりきめて、もう一つ勇猛果敢にそれをやってもらわなければ解決はしない。私がそう言うことは、一般的にいえば、この私学の問題に文部省が強く介入するということはいかがか、それは私ども社会党自身がくどく言っておる通りである。ですけれども、本問題に関しては万人とも認めるように例外中の例外です。このような事例というものは天下国家にまだ一回もないと確信をいたします。全く個人田中寿一氏の性格なり人生観から生じておることでありまして、地元におきましてはすべての人が今日この大学の教授連なりあるいは学生諸君なりに対して声援を送っておる状況でありますから、地元の零囲気を云々とおっしゃる大臣の気持が私はまだはかり知れない気持がいたすのであります。いかがでありましようか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○荒木国務大臣 横山委員のおっしゃるお気持は十分にわかりますが、断固どうしろということをおっしゃいましても、今所管局長からお話し申し上げた通り、私立学校法に基づいて解散させるという権限はあるように承知しておりますが、それをただ単純にやることだけで問題が本質的に解決し、円満な姿がそこに再現してくるということの保証は簡単に見出せないように思いますので、何としましても先ほど来申し上げるように——地元の受け入れ態勢というか、そういうものは十分にあるのだから心配するなとおっしゃっていただくことは非常にありがたいと思います。それと加えまして、でき得れば前大臣当時にやっていただきました調停委員の方々に再度御苦労をわずらわす、さらにはまた調停委員をもっと追加するなり何なりということが必要ならば、そういうことも考え合わせつつ、ただ解散権限を振りかざしてやる以前になすべきことがあるのじゃなかろうか、それに何がしかの期待をかけて努力をするという意味合いがあるのじゃなかろうか、そういうふうに私考えますので、先ほど来申し上げておるわけでございます。もとより制度上、法律上文部省のなし得る範囲はきわめて消極的であり、それだけが問題の解決であるとはむろん思いませんので、今申し上げるようなことをともかくやってみて、極力円満な解決の方途への努力を積み重ねてみたい、かように存じておる次第でごいます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 きわめて私は失望をいたします。大臣の誠意はわからないではありませんし、初めて就任なさいまして今日までの経緯についてよく御存じない点もおそらくあるであろう、従ってきわめて常識的な今のお答えについては、そのこと自身には納得をいたしますけれども、今日までの経緯をよく知っております私どもといたしましては、少し残念であります。田中寿一氏が何と言っておるか大臣は御存じでありましょうか。大臣はたしか九州のお方でありまして、田中寿一氏と同じ郷里の辺だと田中寿一氏は言っておるのであります。そういうことから彼が何を言っておるか、大体想像がおつきになると思います。私はあえてそういうことはまことにけしからぬ言い方であるから歯牙にもかけませんけれども、どうぞ一つその点については御留意を願いたいと思うのであります。前の大臣は事の経緯を十分にあれでありますが、新しい大臣になられてから田中寿  一氏が言っておりますことと思い比べて、ぜひ一つ大臣も積極的な御協力をお願いしたいと思います。  そこで私は提案を少しいたしたいのでありますが、今の大臣の、様子をもう少し見てチャンスさえあればという意味を監理局長もおっしゃったのであります。もしそのチャンスがくるとすれば、今度の田中寿一氏の理事長の執行停止の仮処分の判決がある時期であります。かつて文部省は田中寿一氏が辞表を出した、その瞬間のチャンスをのがしました。これは地元では非常に遺憾だという意見であります。その瞬間のチャンスをのがしたために時期を失したといわれておる。この仮処分の判決がありましたらそのときが私はチャンスであろうと思う。それ以外には監理局長はどういうふうにお考えか知りませんけれども、このままずるずるいったのでは大臣のお考えになるような情勢は出てこないような気がする。一ぺんはわしらもやることはしたといって三人の調停委員が仕事をあなた方に返上をされた。その三人の調停委員にもう一ぺんやって下さらぬかと言うにはそれだけの理由がなくてはなりませんが、その理由が現在生まれるとお考えでありましょうか。何かそういう特殊な理由があれば私はけっこうだと思いますが、私にはそういう理由が判断できません。ですから、もしあるとすれば、裁判所の判決があった直後だと思う。その時期を失することなく、私の言う二つの方途を両方とも十分に考えつつ善処されることが一番必要だと思うのであります。いささか技術的になりますから、局長の御返事をお伺いします。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田説明員 おっしゃる意味のことはよくわかりますが、判決のあったときがチャンスになるのか、これはいろいろ考え方があると思います。三人の調停委員も決してまだ仕事を返上しておしまいになったというようなことではないのでありまして、再度いろいろやって下すっております。従って、ある時期にまた三人の調停委員が出る幕が出て参りますれば、直ちにその方々はまたいろいろあっせんをして下さると思います。そういう話し合いも内々ではいたしております。従っていつチャンスかということはこれは具体的に申し上げられません。いろいろなお考えもあると思います。従って適当な時期にはその三人の方々に再び一つ御迷惑でも御出馬を願いまして、これは調停委員だけにまかしておくという意味ではなく、文部省も一緒になって一つ解決に当たろう、こういうふうな決意をいたしております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 もう一つ技術的に局長にお伺いしますが、私のいう解散即新学校法人の設立論ということについて技術的な研究をしておって下さいますか。その結果はいかがですか。

福田繁文部事務官(管理局長)

○福田説明員 その点につきましては、われわれあらゆる場合を想定いたしまして研究いたしておりますが、現行法におきましては、非常に私立学校法の規定に不備な点がありますので、そういった点については、この春、文部大臣の諮問機関として置かれました学校法人の運営調査会におきまして、この名城問題に限定いたしておりませんが、一般的に将来起こることが予想されておるような学校法人の紛争問題について、あるいは調停機関を置くかどうかという問題、あるいは調停機関を置くとすればどういう権限を持って調停に当たらせるかというような問題、それから現在の私立学校法の規定の不備な点等をいろいろ研究いたしております。従ってそういう調査会の空気としては、現在の私立学校法が不備であれば、その点はすみやかに改正してでも将来の紛争の防止をやらなければならないし、また現在起こっている紛争につきましても、有効適切な解決ができるならばそういう改正も考えるべきじゃないかというのが現在の段階でありまして、いろいろ研究はなされております。従ってこの結論はそう遠からず出るのじゃないかというふうに考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 最後に、大臣に要望を含めて質問をいたしておきます。  先ほどからの質疑応答で、大臣も私ども地元の者が考えておることはおわかりになられたと思います。少なくとも本名城問題は、愛知県下はもとよりでありますが、遠く九州等からたくさんの学生が名城大学には来ておりまして、その数は今まさに六千になんなんといたしております。この学生諸君が勉学にいそしみながら常に絶えざる不安にさいなまれている。そして父兄からもいろいろと心配を寄せられ、地元県下におきましては、もう朝夕の新聞やラジオやテレビを見ながら、どうしてこういうことが早く解決できないものかと痛嘆をいたしておるのであります。重ねて申しますが、三池やあるいは東富士のような爆発的な問題が惹起されたら解決が早いということがかりにでもありますならば、そういう雰囲気が伝わりますならば、まずおそらく六千の学生は一斉に行動を起こそうかと思います。それをわずかにささえておりますのは、私ども国会議員が超党派で全力をあげて善処をするからという一つの動きに期待をかけ、財界並びに新聞界等におきましても、私どもの努力に対して協力を憎まないというような雰囲気にあるわけであります。私は新任早々の大臣が慎重に問題を扱われようとする気持はよくわかりますけれども、どうぞ一つ従来の経緯、本問題の特質等を十分にお考え下さって、チャンスを失わないようにしていただきたいと思うのであります。大臣は今までの経緯にとらわれず、白紙で問題を考え、とらわれない直接的なすみやかな行動をとる条件に今恵まれておるのであります。地元においてはそれを受け入れる態勢があるのであります。でありますから、この時期を失って、大臣が大臣のお仕事になれられて、そしてこの清新な現在の零囲気を失なってしまう、見のがしてしまった場合においては、またずるずると同じような問題が惹起されるだろうと私は心配をいたします。しかも仮処分の判決も近いときでありますから、地元ではそれが一つのチャンスだという考えがあるわけであります。私の意見も、多少そういう判断については独断的なところがあるかもしれませんけれども、よくお考えを下さって、今や重大な社会問題になっております名城大学に、新大臣就任早々の手腕をふるわれんことを私は切に要望をいたしたいと思う。  重ねて最後に大臣の御意見を伺いまして私の質問を終わります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○荒木国務大臣 この問題が非常に長年にわたって解決をしないむずかしい問題であり、しかも重大な課題である。なかんずく数千名の学生の学び屋に関することでございますから、特にその点は重要性を感ずるわけでございす。  ただ今もおっしゃる三池の問題、あるいは富士のすそ野の問題とは、おのずから質を異にする意味が多分にあるであろうと存じます。つきましては、通常こんな場合けんかみたいなことは、どっちもどっちだということを思いがちではありますものの、すでにして何度も御指摘のように、私も承知しておりますように、この問題解決について超党派的な立場で地元国会議員の方々が中心となって問題の解決をはかろうとの受け入れ態勢的なお気持での行動、このことに信頼を寄せまして、それだけにおっかぶせるのではなく、文部当局といたしましても、そういう態勢を十分にらみ合わせ、御協力をいただきまして、結果として、ただ法律に規定する解散というようなことで終わるものではございませんので、先ほど申し上げました通り、学園としてのまともな姿に立ち返らせることが結論づけられなければ解決とは言えないと存じますから、そのことを目標に誠意を尽くして事の解決に当たりたい、かように存じております。  なおついでながら、先ほど横山委員のお話の中に、田中理事長と同郷だということがありましたが、その通りでございます。昔の立花藩の地域内に本籍を持っておる者でありまして、私も一、二回面識はございますが、そういう私情というか、同郷のよしみでこれは解決すべきものじゃないということは、もう厳に私自身も戒めておりますし、常識的に当然そういう態度でなければならぬ、客観的に妥当性のある考え方を持って皆さん方と御相談しながらやっていく、これが心がまえであろう、かように存じておりますことを申し添えまして、お答えといたします。

秋田大助自由民主党

○秋田委員長 本日はこの程度とし、次会は来たる九月十日午前十時より開会いたします。これにて散会いたします。     午前十一時十七分散会

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