農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/09/01
会議録
○小山委員長 これより会議を開きます。 この際参考人招致に関する件についてお諮りいたします。 明二日、ビール麦問題について、当委員会に参考人を招致し、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 御異議なしと認め、そのように決定をいたします。 なお参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。よろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ————◇—————
○小山委員長 農林漁業災害に関する件について調査を進めます。 まず、去る七月の新潟県下の集中豪雨による災害問題について、質疑の通告がありますのでこれを許します。大野市郎君。
○大野(市)委員 七月の十三日のころに集中豪雨で東北地帯に被害があったのは御承知の通りでありまするが、その問題にからみまして、南條農林大臣に若干の御質疑をいたしたいのであります。 かねて伊勢湾台風では、衆議院の名災害特別委員長として十二分に被災民を安心させて下さった御経歴の持ち主であられるので、今回の災害に対しても、大いにわれわれは、農林行政の面から大きな期待を持っているものであります。従って災害の実態についてはここでくどくどと申し上げようと思いません。ただ前回来その着想がいまだ実現には至らぬが、次第に作業は進んでおると思われます。災害の恒久立法に対して、大臣の御所信並びにもし可能であれば作業の進行状況について、それをお聞きいたしたい。
○南條国務大臣 お答えいたします。昨年の伊勢湾台風は未曽有の災害であったので、特別災害委員会を設けましてその処理をいたしたことは御承知のことであります。そのときにも、今後かような災害というものは日本では絶無じゃないのだ、いわゆる台風常習地帯として置かれておる日本の国土から考えて、これに対応するところの恒久的対策を樹立しなければならない、昨年のようなたまたまああいう大きな災害があったことを契機として、国民に将来の安心を与えるための恒久的な対策をしなければならないという意見が政府にも与党にもありまして、その方向に向かって当時は進めておったことは御承知だと思うのであります。何さまそういう問題になりますと、恒久的な常置した委員会、各省を連絡したものを作りまして、そうしてこれに対応しなければなりませんので、とりあえず昨年の場合におきましては海岸堤防決壊に対しましては従来やりました農林省、建設省等の別々の考えの工事のしきたりを変えまして、総合的に、連絡のある統一した規格による工法を用いることにしまして、これは大体今、昨年度の原形復旧ができておりますが、その結果から見ましても、将来この方面における高潮あるいは台風等の場合に、従来のような被害のない方向にできたと、自信を持ってお答えができるようになったと思っております。たとえば日本の大きな河川に対する堤防あるいは上流に対する多目的ダム等によって、水量を常に調整するような措置を恒久対策とすべきだ。長良川、揖斐川あるいは木曽川のようなああいう大河川は特にそうでありまして、今回におきましても岐阜県その他が長良川のはんらんによって非常な災害を受けておるような状況でありますので、これらはどうしてもさような方向に向かわなければならないのであります。ただこれは多少計画、設計に時日を要するので、十分その点、頭に置きながら農林省といたしましても協力しながら技術の面その他においても十分大蔵省と予算の上で折衝しながら恒久対策を立てたい、こう思っております。
○大野(市)委員 作業の過程の中でありまして、またいろいろ御相談の機会がこれからもたくさんあると思いますから、われわれも委員会あるいは党においてもいろいろと論議をしたいと思います。そこで前回の災害今回の災害を通じましての形を見ますと、今の原形復旧から改良復旧にしてもらわなければならぬという気持が相当強く流れておるはずでございますが、この点に対する御見解、それからもう一つは、治山対策なども十カ年計画で樹立されておりますから、次第に進むと思いますが、いずれも昨年、今年の形を見ますと、水害の実態が山奥の小河川のはんらん、渓流程度のもののはんらんで農地が非常に多く埋没、流失するような形がございまして、これが中小河川を経過して大きな長良川などの堤防欠壊というふうなことをそこで起こしておるようであります。従って国土の保全のための大きな対策はみな一生懸命になるのでありますけれども、今のほんとの奥地の、しかも毎年同じ貧弱町村が被害を受ける、これに対して現実に国としてめんどうの見方が現行法では少ないようでございまして、この点が毎回論議しながらも自治省の起債関係あるいは大蔵省の起債関係、補助金関係などでほうむられてしまっております。このたびの状況から見ましても、そういう問題が残ります。私どもは補助金の形でできないものは、非補助のいわゆる起債の拡充ができるならば、災害は末端の町村においては金さえあればもう命にかかわることであるから、すっかりきれいにしたい、そういう考えを持っておるわけであります。これに対しての融資というふうな問題で、先ほどの陳情にもございました通りに、五分と三分五厘というふうなへんぱな形で今日災害の救い方に段階がありますので、こういうような恒久立法においては具体的な問題で救っていただかねば、ほんとうに災害はなおらぬと思います。小災害から中小河川を経過して川口で大災害になっている姿を見ましても、抜本的に金のない村をどうやって救うかという事柄に一つぜひ御着眼を願いまして、農林省自体のことでなくて、大蔵省関係がおもになると思いますが、ぜひ一つそういう関係を御勘案になっていただいて御推進をいただきたい、かようにわれわれは望むものでございます。改良事業並びに金融の問題に対しての御見解を承りたいと思います。
○南條国務大臣 昨年の災害の場合においても委員会で問題になりましたが、原形復旧から進んでさらに改良復旧までしなければならぬという委員会の空気でございましたので、昨年の伊勢湾台風のとき以来その方針で、先ほど申した海岸堤防のごときは原形の高さよりも約二メートルくらい高くいたしておるわけであります。各地の河川の堤防につきましても、この改良復旧という方向で進んでおるわけでございます。さような精神でございますから、その他の災害の場合においても、できるだけ今日は改良復旧を目途として災害の復旧に当たるという方針には変わりございません。 それからただいま小河川などのはんらんが大河川のはんらんにまで影響するのじゃないだろうか、そのもとをなおせというお説、もっともなことでございます。これは町村に対する補助金、融資金利の格差等のこともございましょうが、これは大蔵省とも十分折衝する面もございますが、この中小河川の災害については、私たちはさらに根本にさかのぼれば奥地の山の治山ということが肝心ではないかという面がございまして、その治山がおくれるために小河川のはんらんなども相当に影響するのでございます。そこで御承知のように昨年は治山については特別会計を設けました。来年度の予算においては相当治山関係を強化して、そして御希望のような方向でやろうという考えを農林省としては持っております。なお具体的にいろいろ御指摘の点があれば、どうぞ事務当局に御質問願いたいと思います。
○大野(市)委員 詳細な問題につきましては、関係局長もおられますので、また伺う機会があると思います。しかし根本的に、金がないために不安にその日を送らさせられるような末端行政が存在することは遺憾でございます。この点、特に念を押してお願いをいたしまして、私は質問を終わります。
○南條国務大臣 御趣旨のことは十分了承いたしまして善処いたしたいと思います。 ————◇—————
○小山委員長 次に、台風十一号、十二号による災害問題について質疑の通告がありますので、これを許します。三田村武夫君。
○三田村委員 南條農林大臣は、御承知の通り昨年の伊勢湾台風の中心であった愛知、三重、岐阜が大へんな災害をこうむった当時、衆議院の災害対策特別委員長として、非常に御苦心をされた災害対策のベテラン、ナンバー・ワンの経験者ではないかと思います。私も昨年の災害以来、災害対策に頭を突っ込んできたのでありますが、今回もまた岐阜県は同様の災害を受けたのでありまして、非常に深刻であります。これだけの表現で農林大臣よく御理解願えると思いますが、実際被災者の立場になりますと、昨年深刻な被害を受けて、まだその痛手も消えないうちにさらに深刻な災害を受ける。これはまたかという言葉では済まされないのであります。文字通りぼう然自失、どうしたらいいかという言葉以外に表現がないのでございます。これは今後いろいろ具体的な対策は政府においてもお考え願わなければなりませんし、また党においても真剣に考えなければならぬ問題であります。昨年の災害対策についても、恒久立法ないしはまた臨時特例措置についても十分検討したのでございますが、災害の場合一番必要なことは、できるだけ迅速に、より効果的に被災者の気持をくんだ処置をとるということであります。これは政府の責任であり行政の責任であることは申し上げるまでもありません。ことに毎年々々重ねて災害を受けておる者の立場からいたしますと、端的な言い方をいたしますと、どこにもたよるところがない。先ほど県議会の方から代表してここに陳情いたしておりましたが、政府にもたよれない、県にもたよれない。じゃどこにたよったらいいのだ、こういう偽りのない気持があるのです。失望から生まれてくる政治への不信を、われわれは国会を構成する議員の一人として一番心配いたしております。そういう立場から私は簡潔に岐阜県の事情を申し上げて、特に農林災害についての大臣のお考えなり、今後の対策、当面の措置についての御方針を伺いたいと思います。 岐阜県は御承知のように全く連年災害でありまして、私は昨日岐阜県を調べてきました。昭和三十二年以来、三十三年、三十四年、三十五年四カ年連続災害を受けている。個人の家屋とか家財とかいう被害を除きまして、三十二年の災害が三十七億八千数百万円、三十三年が五十二億八千数百万円、三十四年、すなわち昨年度の災害が五百五十三億六千数百万円、それから今回の災害、十一号、十二号台風、それから二十八日、二十九日の十六号台風、これに関連した災害、昨日まで私が見てきただけの災害の集計が五十九億、こういうことであります。毎年心々こういう深刻な災害を受けておる。三十五年度の県の県税収入を調べてみますと、相当いい状態でありますが、三十四億九千万円、毎年四カ年連続して県税収入以上の災害を受けている。これは県で手当をするか町村で手当をするか、どこかで手当をしなければならぬ。しかもこれは公共災害だけだ。そのほかに個人災害、どこからも救いの手も伸びてこない。せいぜい手当があっても、お金を貸してくれる融資がない、こういう手当だけしかない災害が莫大になる。これは大臣御案内の通りであります。こういう場合にどうするかということは、私は何よりも重要な、何よりも大きな政治の問題だ、こう考えるのであります。 そこで私は農林当局にお伺いし、かつお願いいたしたいのでございますが、農林関係の災害を見ましても、まだ全部の被害計数は整理されておりませんが、今申しました十一号、十二号台風関係、八月の十、十一、十二、十三日、それから今度の十六号台風、二十八、二十九日、この両日にわたる災害関係でありますが、農林関係だけで農地、農業施設、それから畜産、蚕糸、水産農協、こういう関係の被害が十一億八千九百五十二万余円、それから山林の方が五億七千四百万円、両者合わせて十七億六千四百余万円になっております。昨年度の災害の際に、農林関係で査定を受けた査定額が十四億数千万円だといわれております。今年の災害は査定を受けなければ正確な災害計数は出て参りませんが、昨年と同等か、多少は下回るか、あるいは上回るかわかりませんが、とにかくこういう災害を受けておる。昨年の災害で農地、農業用施設で激甚地として高率補助の適用を受けた町村が五十四ヵ町村あります。その五十四ヵ町村の中で、今度また再災害を受けた町村が二十八ヵ町村ある。昨年度激甚地で高率補助を受けたその痛手もなおまだいえないうちに、さらにまた今回やられた。そういうところは先ほど大野委員からも話がありましたが、よほど真剣に考えてやりませんと、立ち上がる意欲を失うのです。現在のところは昨年度の特別立法は消えてなくなっております。だから、今農林省に特別立法のあの趣旨によって高率補助をやれといったって、これはできないとおっしゃることはその通りであります。党の方でも政府でもあらためて考えなければならぬ問題でありますが、現実に災害の現地に行きますと、昨年度高率補助の適用を受けて、しかもことし重ねてやられた、去年の災害の痛手も消えていない、またやられた。しかも昨年は高率補助だったが、ことしは補助率が少ないというのは何としても納得しない、どう説明して納得しろと言っても、これは法律の根拠がないと言ったって、そんなことは理屈にも理由にもなりはしない。これは一つぜひお考え願いたいと思うのであります。この点に対する御所見を伺いたいのが第一点。 もう一つは、とりあえずの処置は融資ですね。これは天災融資法もありますし、自作農創設維持資金の融資法もありますし、いろいろな何本も何本も融資の道があります。ところが融資の場合の利息が違いますし、いろいろ系統が違う。農民の立場に立ってみますと、法律の系列がどういうように分れているか、これは問題ではないのです。災害を受けて困っているのだから、天災融資法による融資か、援護資金による融資か、どの法律に根拠を置く融資かわからぬ、それはどうでもいい。できるだけ早く、できるだけ利率の安い、しかも安全度の高い、そういった措置を講じてほしいのです。どうですか。一体県の方の陳情書を見ますと、やっぱり県庁も役所ですから官房の関係とか、農地局の関係とか、振興局の関係とか、畜産局関係とか、蚕糸局の関係とか、分けて書いてある。これは農林省もそうですし、県庁もそうですが、現場に行きますと、これは農林省の畜産局の関係か、蚕糸局の関係か、あるいは農地局の関係か、振興局の関係か、そんなことは関係ない。被災者の立場からすれば、受けた被災者は単一なんだ。だから融資の関係でも何でもこれはもっと筋の通ったドンピシャッと現場の者がわかるような道はないものですかね。極端な言い方をすると官庁内部のセクショナリズム、こういうことは私は言いたくないのですが、それではこういう急場の現実の問題には非常に適用性、効率が低い、こういったものをぜひ真剣にお考え願いたいと思います。 災害基本法については、昨年の大災害以来われわれ討議を重ねて参りました。政府の方でもお考えになってきたと思いますが、これはまだ不徹底だと思います。南條農林大臣は建設大臣の経験を持っておられるが、これは建設大臣と農林大臣と別々では困る。特に今度の災害で大臣は御報告を受けて御承知だと思いますが、岐阜県は揖斐川と長良川がうんと荒れている。長良川の水位は昨年の水位より一・五メートルも高い。従来の計画降水位ではもう処置なくなっている。どこに原因があるかというと、山の中に原因がある。昨年も私はるるこの問題を述べたのですが、山の中の手当が全くできていない。私、昨日帰ってきたのですが、まだ揖斐川の上流では警察電話がようやく通じるだけで、災害の実情のわからない村がたしか五ヵ村あります。どうなっておるかわからぬ。同じ揖斐川水系の根尾川の上流では道路が決壊いたしまして、たしか三部落、百四十何戸、人口にして六百何十人、これは食糧もなくなってしまいまして、警察電話の連絡によりますと、イモを掘って食っている。昨年はヘリコプターで運んだのですが、その発着所であった学校の庭がこわれてしまって、ヘリコプターも使われない、こういう惨状を呈しております。これは被災者の数が三部落、四部落で少ないかもわかりませんが、数の問題ではない、やはり政府の責任です。そういう点も考えて、揖斐川にしろ、長良川にしろ、木曽川にしろ、降雨のたびごとに鉄砲水のごとくどっと水が出ている原因はどこにあるのだ、この手当をしなければどうにもなりません。今木を植えるといっても、二十年、三十年で簡単にできるものではございませんから、それなら緊急治山、砂防の処置を徹底的に講じて、山の中で荒れる水をどっかにコントロールしていくことを考えませんと、年々同じことを繰り返すことになる。さっき大野委員も言っておりましたが、災害対策で三、五、二というのは財政上やむを得ないかわかりませんが、三年間災害がない、台風もこないし、洪水もこないという前提でないと三、五、二はおかしいのです。せっかく半分やりかけたと思うと、だっときて元も子もなくなってしまっている。大蔵省も非常にやかましくて、大臣は委員長で御苦心されましたが、今度の長良川の切れた地点へ行ってみましても、改良復旧でその部分だけやりましたけれども、前後の関連工事をやっていないから、がさっといってしまって、何にもならぬ。コンクリートもむだ使いですよ。そうして現場の者は政治に対する失望、不信、それだけしか得るものはありません。どうぞ年々災害を繰り返さないように、岐阜県でも県の税収は三十四億五千万円、四カ年連続で毎年県税収入の何倍かの災害手当をしなければならぬということはたまったものではありません。 私この間行ってみましたら、揖斐川の上流のある村長がきておりました。その村は小さな村ですが、その村の経費が一千万円だという。ところが昨年の災害で使った費用が四千五百万円だ、みんな借金だと言っております。現場の村長になると何としても食わせる道を講じなければならぬ、家がこわれたら住むところも考えなければならない。そうしてことしまた災害だ。何とも処置がない。これは農林省の所管でありません。あるいは大蔵省であり、自治省でありますから、別な角度からそれぞれの省の責任者に私は要請し、要望するところでありますが、今私が申し述べました農林関係の被災者は加害者がどこにおるかわからぬところの被害ですから、われわれの政治責任で手当するしかないのですよ。一つ昨年来の経験の上に立って、まず第一に大臣の御所見と御方針をお伺いいたしたいと思います。
○南條国務大臣 三田村委員の岐阜県付近を中心とした長良川、揖斐川の災害についてのお話でありますが、その被害状況というのは全く御同情にたえない次第であります。昨年の伊勢湾に今年度またあの大きな被害で、県民の被災者に対しては全く御同情にたえない次第でございます。特に昨年の伊勢湾台風のときの政策等について私ども事情を知っておりますために、この連年災害を受けた被災者に対しましては、政府としても国民としてもこれを何とか救済してやらなければならぬ責任は十分あると思う。それに対して今の法律の建前がなかなか三田村委員の言われるように思う通りいかない面が多々あることは、政府として遺憾にたえません。何とかこの方法は考えて、昨年のときも申したのでありますが、日本のようなこういう台風地帯にある国としては、やはり基本的対策というものを考究樹立しなければならぬということは十分考えるのでありますが、これは農林省としての立場よりも建設省の面が多いと思いますが、農林省に関する限りにおいては十分この点の応急対策をいたしまして、被災者に安心を与える方法を考えたい。それには天災融資法も近く発動するようなことをして、そうして高額補助したい、目下検討中で、近くこれもその方向に持っていきたい、こう考えております。連年災害のことについてこの不平等と申しますか、納得のつかない面については、これは党の方でも十分今後委員会等を開いてもらって、恒久対策していただくということにして政府を鞭撻してもらわないと、今の法律では政府は何ともいたし方がないということは、十分事情御承知と思いますが、御意見につきましては私どもも十分了解いたしておりますので、御意見に沿うた善処をしたいと思います。
○三田村委員 簡単に終わりますが、私は与党議員です。与党議員で政治の責任を負っておるのですから、特に強く申し上げるのですが、その点は一つ一十分御理解の上お聞き取り願いたいと思います。 昨年の災害のときも岸総理大臣に申し上げた。今の日本の政治で何が重要であるかといえば、災害対策が一番重要ではないですか。これはぜひとも一つ考えていただきたい。ことに今度の災害でひどい目にあっておる者は、新聞やラジオを見て所得倍増論、三倍にする、貿易を盛んにする、一体どこの国のことだと言っておりますよ。特に農村あたりでは所得三倍、賃金倍増などということは一体どこの国のことだと言っております。そういうことでなくて、やはり自然の脅威から日本の国民を守るのだ、民衆を守るのだというところに私は政治の大きな柱がなければいけないと思う。公共投資もけっこうですが、やはり災害をなからしむることが私は政治の最高の責任だと思う。台風をつぶすことはできませんし、雨もとめることはできませんが、少なくともこれだけ政府が手当をしてくれたんだからやむを得ないという気持だけは持たせないと、私は政治にならないと思う。農林大臣であると同時に政府の閣僚の一員として十分考えて御発言願いたいと思う。われわれは毎年々々台風常襲地帯として九州の皆さんに対してはまことにお気の毒だと思っておった。ことしはこの九州の方々からそろって旱魃、旱害を訴えておられます。今度は台風の被害に苦しんでおる。自然のいたずらと申して笑いごとでは済まない。この狭い日本でこういう皮肉な現象の中にわれわれは政治をやらなければならぬということは、国家にもう一つ考えるべきものがありはしないかという気がする。一つ政府もこの点は十分御検討願いたいと思います。 それから官房長、農地局長、どちらからでも簡単に御意見を伺いたいのですが、暫定措置法ですね。法律の規定があるのですが、初めに八万円、十五万円という制約があります。これには非常にうまく書いてある。あるいは九〇%あるいは一〇〇%の補助をすると書いてある。けれども八万円、十五万円という制約があるので法律があったって何ともしょうがない。これは何とかなりませんか。せめて連年災害の場合でも一ヵ条くらい加えて何とか補助する道はありませんか。昭和三十二年、三十二年、三十四年、三十五年、数えてきますと八万や十五万ではない。ところがその年度々々で切ってしまいますから、せっかく暫定措置法の規定があっても、特別措置法の規定があっても、何にもならない。何とかこれを現実に即するような解釈か、あるいは一ヵ条、二ヵ条手入れをして、もっと有効に、特別立法ができなければ暫定措置法を生かしていく道はありませんか。これをお考えになっておることはありませんか、お伺いいたします。
○伊東説明員 御質問の点でございますが、八万、十五万というように累進して補助率が上がっていくという制度は御指摘の通りでございます。たとえば、昨年あたりでございますと、それを適用しまして九割以上という補助を受けているところもございます。昨年でなくても小さい激甚地が集中しましたようなところは、現実に九割以上というような補助になっているところもございます。その制度につきましてわれわれはそういう累進的な考え方でいいのではないかという考え方を持っております。今先生がおっしゃいました連年災害につきましてその法律の解釈なり何なりでどうだという御質問でございますが、これは法律の改正をいたしませんと、どうも手直しはできない、解釈だけで参るというわけには参りません。立法論としましては、先生がおっしゃいましたように、連年災害について何か特別に考える必要があるのではないかということにつきましては、われわれもそれだけ取り出して考えますと、やはり研究に値する問題だと思っております。ただ一つ問題になりますのは、実は今の体系でも、一町村の関係者で被害を割りまして八万なり十五万になれば被害が少ない人でも実は高率になるような形になっております。そういう形でやっておりますので、連年災害を考えます場合に、連年災害としてとる場合にそういう市町村全部をとるのか、その中でほんとうに連年災害を受けた個人をとっていくのかというようなことで、実はいろいろこれは内部でも議論のあるところでありまして、三十年に一度大蔵省と折衝をしたことがあるそうでございます。そのときには累進的なものの高率ということだけで、連年災害につきましては個人に返ってきますと、いろいろ査定の技術的な問題で話がつかなかったということを聞いております。これは将来の研究すべき問題として、われわれとしても検討したいと思っておりますが、今直ちに法律の体系を変えるというところの結論までは持っておりません。
○三田村委員 もう一点、これは念押しですけれども、今農地局長のおっしゃる通りですよ。これは行政上の技術問題ではないのです。これは政治なんです。それを毎年々々切っていけば、それは大蔵省も聞かぬでしょうけれども、先ほど山の中の村の例を引いたように、基準財政一千万円に昨年の災害では四千五百万円支出したというのです。これが三十二年、三十三年、三十四年、三十五年と連続している。ですから災害者の立場を考えてごらんなさい。八万や十五万じゃないのですよ。行政上、技術上の問題、役所の立場からいうとそうかもしれませんが、役所の立場じゃないのです。災害者の立場、国民の立場、政治をするという立場から考えていただきたい。こういう今の法律解釈上からいえばそれに違いないでしょう。それではいけないと私は言う。それでは納得しませんよ。国民が納得することが政治なんです。その納得する政治の基本方針を打ち出して、その基本方針のもとに円滑にそれを実施するのが行政なんです。大蔵省と農林省との話し合いでそれがいいとか悪いとかいうことは行政の面です。私は被災者の立場になって被災者が納得するようなことを考えていただきたい。われわれも考えるが、農林省としても——個人の立場もありますが、個人よりも集団、集団よりも部落、部落よりも町村、自治体というふうにして健全な農地、農業施設というものを育てていくという立場からするならば、その農地、農業施設の上に生存している農民が理解し、納得する立場をとりませんと、これは健全な農政にならぬ。行政でなくて政治にならぬということを私は申し上げる。これはここで議論するのではないのですから、一つ大きな懸案として考えていただいて、きょうはこの程度でやめます。
○南條国務大臣 三田村委員のお説は、先ほど来申し上げるように全くごもっともな点でありまして、かように連年災害が起こる場所、その被災者に対する特別な考慮というものはほんとうに考えなければならぬ問題だと思うのでございますから、政府ばかりではございませんが、国会においても十分一つこれは検討していただいて、そして早く実現するような方向に進みたい。政府としては決してこの御意見に反対のものではございません。十分研究したい、こう思っております。 ————◇—————
○小山委員長 次に九州及び山口県下の旱魃問題について質疑の通告がありますので、これを許します。倉成正君。
○倉成委員 私は九州、山口各県の旱魃対策につきまして農林大臣にお伺いをいたしたいと思います。このたびの九州、山口県の旱害は御承知のように大正二年以来の四十七年ぶりの旱魃というまことに深刻なものでございます。先ほど同僚三田村委員から水害のお話がございましたが、これと全く対象的なものでありまして、私もたまたま福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、この四県の旱魃の実情を見る機会がございまして、つぶさに現地を見て参りました。この状況は、稲作のみならず陸稲はほとんど全滅、畑作の果樹、イモその他の蔬菜類も相当甚大な被害を受けておるわけでございます。しかもこれが単に農作物だけの問題ではなく、学校給食も新学期からやめる、あるいはため池の残った水がほしいためにこの水を入札する。福岡県の行橋あるいは山口県において水の入札というような前古未曽有の水の争いが行なわれているのが実情であります。従いましてまず大臣にお尋ね申し上げたいことは、この旱魃の実情について事務当局からいろいろ御報告があろうかと思いますけれども、どの程度この実態を認識しておられるか、農林省の責任者がこの五十年ぶりの旱魃に対して現地をごらんになったことがあるかどうか、これをまずお尋ね申し上げたいと思います。
○南條国務大臣 北九州及び山口県の旱魃については、全く他に類例のない被害だということは、本省にも通報がございます。従って統計局からもまた振興局からもそれぞれ現地に派遣をいたしましてその調査をしている次第でございます。
○倉成委員 ただいま大臣の御答弁では、事務的な御調査をされているということはよくわかったわけでありますけれども、しかしこのようなほとんど例年に見ないような大旱魃にあたりましては、単に事務官が現地を見るというのではこれは政治にならないと思うのです。どうしても相当な責任者が行って、できれば大臣みずからごく一部でもけっこうですからごらんになって、これをどうしたらよいか。法律の悪いところは直す。また行政の運営でやりにくい点は大臣がその政治力をもってためるというようなことをしなければ、この旱魃の基本的な対策にならないと私は思うのですがこの点についてどういう御所見を持っておられるか。大臣みずからでもおいでになるおつもりがあるかどうか承りたいと思います。
○南條国務大臣 いつも、三十三年のときもそうでございますが、相当大規模な旱害の場合におきましては、それぞれ農林省においても十分な手配をし、また予算措置もしておるわけでございます。今年の旱害については、全国的に見ますと、三十三年の総額から いってごく何分の一という程度、三十三年度の二百二、三十億に対して今度は百十億というようなことでございまして、部分的には北九州、山口県に非常に大きいところがあったということなんでございます。従いまして今までの一般的な措置を講じたい。それから方々の陳情等も聞きますと、三十三年度並みに今回もしてほしいというようなむしろ陳情が多かったわけですから、農林省としましては、できるだけその方向に施策をすれば被災者も満足するのではなかろうかと考えておったわけでありまして、今の説明を聞くと、それ以上ひどかったのだ、だから農林大臣が出かけていって特別な対策をせよということでございますが、これはいずれ時期を見て、私も向こうに出張するときがありましたらよく調査したいと思いますが、とりあえず事務当局に実情を調査させましてこの対策をしておるような現状でありますから、御了承願います。
○倉成委員 ただいま大臣は数字を申されましたけれども、大体農林省から今出ております数字は八月十五日現在です。それからだんだんひどくなりまして、現状ではほんとうに言語に絶するような状態で、もちろん部分的には水の便のいいところもありますけれども、私は農林の事務当局を回わりまして、少し認識が足らぬのじゃないかという感じがしますので、特に注意を御喚起申し上げたいと思います。ですから大臣がおいでにならなくとも、少なくとも局長級以上の方がおいでになって、この実情を認識していただきたいと思います。 それから次にお尋ねしたいのは、先ほども同僚委員から御意見の開陳があったように、やはり災害対策は迅速適切でなければならない。本委員会の大臣の御答弁は、九州、山口県の農民にとって、その片言隻句が非常な安心感を与えるかどうかという問題でありますから、そういうつもりで、決して大臣のあげ足をとったり、あるいは何かしようというような意味ではございませんので、そういう意味でお答えをいただきたいと思います。 まず恒久対策につきましては、同僚の石坂委員からお尋ねがございますから省くといたしまして、当面の対策として、三十三年は井戸を掘ったり、あるいはこれに油が要る、電気が要るというのに対して、相当高率の補助をいたしておったわけであります。私も当時衆議院から派遣されて参りまして、その結果とりました措置のために、かなり今年の旱魃が助かっておるのですが、それでは足りないで、相当現地でポンプを使ったりして一生懸命になって、夜も寝ないで農民が稲を枯らさないように、畑作を守るためにやっておるのであります。そうなりますと、一番心配しているのは、経済ベースではそろばんが合わないということです。一年に一度の稲の収穫でありますから、これは単にこうすればそろばんに合うとかいう問題は別として、少なくとも枯らさないようにという気持で一ぱいにやっておるわけでありますから、どうしてもそろばんをはじくとちょっとおかしいような費用がかかるわけです。そういった費用を、一体三十三年同様の措置で見ていただけるかどうかということは、非常に大きな関心事でございますが、それらの点について、一つはっきり三十三年並みの措置をとるという御言明をいただきたいと思います。
○南條国務大臣 ただいまの意見に対しましては十分その点を考慮して、できるだけ三十三年度の高率補助ということで考えようということで、今予備金の請求をその線に沿うていたしておるわけであります。
○倉成委員 今できるだけということでなくて、予備金の請求等も、私が仄聞するところによりますと、八月十五日前後の資料をもとにして、非常に金額の小さい御要求をなされているのじゃないかと思うのですが、私はやはりこれは三十三年並みの措置をとる、そして経費は別として、とにかくこういうことでやるのだと大臣に言明していただきますと、現地の農民も非常に良心的に仕事をしておるわけでありますから、決して政府御当局に御迷惑かけることはないと思いますし、非常に安心感がございますから、一つさような言明をいただきたいのです。
○南條国務大臣 ごもっともなことでございまして、その措置をいたしております事務的な問題は、今局長から答弁をいたさせます。
○伊東説明員 旱魃につきまして、今先生、揚水機の問題でございますとかあるいは井戸を掘りますとか、そういうことをやったことについて、三十三年度と同様の措置をしてくれというお話しでございました。私ども実は大蔵省に対しまして予備金の要求をいたしまして、金額で申し上げますと二億四千八百万という金額でございますが、そういうことを実はいたしておりまして、まだ話し合いはついておりません。しかしこれから努力したいというふうに考えています。金額が少なくなっております一つの大きな理由は、実は三十三年度にはほとんで揚水機を新しく購入したというのが五万一千くらいでございますが、本年度の購入は、今わかっておるのは六千七百くらいの新規の購入でございまして、三十三年度に買いましたものを使っておりますのは約一万六千くらいでございます。そういうような関係で揚水機の経費でだいぶ金額が違っております。燃料費等については、これは大体三十三年度の半分くらいの金額になっておりますが、揚水機の関係が、本年度は特殊な事情があったということが一点と、三十三年度と違いまして、水稲につきましての被害が三十三年度においては非常に膨大でございましたが、今度は畑作が多いという関係がありまして、そういうような関係で実は予備金の要求の金額は減っておりますが、これは事務局を通じましてとりました資料でございまして、また新しいものが出ればそれに応じてやりたいというふうに考えております。
○倉成委員 今、大臣並びに農地局長から御答弁がありましたが、こまかい数は別といたしまして、三十三年度並みの措置をとるというふうに了解してよろしゅうございますか。
○南條国務大臣 さように努力するつもりでございます。
○倉成委員 大臣の御答弁で、大体三十三年度並みの措置をとるという、また金額につきましても、実情に応じてこれを追加するということでありますから、その御言明を信頼いたしまして、次に問題になりますのは、やはり三十三年度の場合にはちょうど稲の植付期でございます。そこでこれを植えかえしたり代作をするということはきいたわけでありますが、今度は御承知のように水稲で例をとりますと、穂の形成期、一番水稲にとっては大事な時期であります。ですから、かりに今後雨が降りましても、ごく一部は助かりますけれども、大部分はもう枯死してしまう、ほとんど助からないというような状況になって参りますし、これから当分雨が降らないということになりますと代作がきかない。稲のかわりに何か植えるということが全然できないので、秋作まで待たなければならないということでありますから、農民といたしましては一年に一度のこの収入がなくなりますし、さしずめの生活資金に非常に困って参ります。そこでお尋ね申し上げたいのは、まずいろいろ代作をやったり今後の営農をやることのできる農民に対しては、天災資金をどうしても融通してやらなければならない。天災法の発動についてどういうふうにお考えになっておるか、伺いたいと思います。
○南條国務大臣 このたびの災害につきまして、天災融資法を施行すべきではなかろうか——その価値ありと農林省は考えまして大蔵省とも折衝いたし、さような両省の考え方で目下検討中でございますから、近くさような方向へいくと思います。
○倉成委員 天災法の発動につきましては、非常に迅速な措置をとっていただいて感謝申し上げます。そこで問題は、天災法の発動によりまして融通を受けますのは、種子であるとか肥料であるとか農薬であるとか、いわゆる営農資金が主体になります。そういうことがどうしてもやれなくて、稲作がほとんど全滅であるとか、畑作が半分やられたとかというような状況、これはほんとうにひどいんでございますよ。私最近対馬に参りましたが、山の木が枯れている。それから中馬先生に伺いますと、甑島等でも木が枯れている。全く想像もできないような地域がかなりあるわけであります。そうするとこれらの人々に対しては、やはり生活資金を見てやらなければならぬ。そこで、私から申し上げるのはおかしいのですが、現在の法律で最大限に活用できるものといたしましては、自作農創設維持資金があるわけであります。生活資金に自作農維持資金を充てるのは本来の筋道ではございませんけれども、しかし諌早水害その他それから起こりました一連の災害において、一番効果的な低利、長期の資金というのは、現在の法律体系では自作農維持資金だけでございます。従ってこれをどうしても大幅に農民に貸してやるということが必要と思いますが、どの程度の準備をしておられますか、この際お答えいただきたいと思います。
○南條国務大臣 ただいまの被災者に対する融資の道として、自作農創設資金を融資できるかということでございますが、農林省といたしましては、さような措置をしようという考えで目下検討中でございます。
○倉成委員 自作農維持資金についていろいろ御検討中ということでございますから、農民も非常に安心することができると思います。ただし問題は、いつも大御答弁になるのですが、その金額が問題です。現在の自作農資金でただ残ったものを少し災害地に配るという程度では、二階から目薬になるわけです。ですから八月十五日現在で農林省の調べで百十七億、現在私どもの考えではもうこれが百六、七十億、二百億になんなんとする旱魃の被害がございます。そういたしますと相当量の自作農維持資金をこれに充てなければ、困窮した農民の生活を守ることができないわけであります。ですからどの程度の御要求と準備をしておられるか、こういうことを一つ承りたいと思います。
○南條国務大臣 ただいまの点については局長から答弁させます。
○伊東説明員 自作農資金につきましては、御承知のように百三十億のうち二十三億を災害用としてとっておりましたが、チリ津波それからひょう害等に出しましたので、現在約二十億のものが災害用としてございます。これは旱害だけではなくて、今後起こるかもしれない災害全部のための保留でございます。御参考までに三十三年の旱害には、約九億の自作農資金を出しました。そういうことを頭に置きまして、今後の被害の状況、天災融資法で幾らぐらい出るかということも見合いとしまして、その範囲内で考えていこうというふうに思っております。
○倉成委員 自作農維持資金につきましては大臣並びに農地局長から非常に誠意ある御答弁がございました。金額についてはあえて申し上げませんけれども、単なる事務的な配分ということではなくして、実情に即した思い切った資金のワクをこの旱害対策に充てていただきたいと思います。でなければ、あとの災害にこれだけとっておくというような非常に事務的な、大蔵省に気がねしたようなやり方では、被災農民というものは農林大臣を恨むと思います。いろいろな災害があったと思いますけれども、大臣としてこの災害対策をいかに誠意を持って実施されるかということが、九州の農民が農林大臣に対する信頼を持つかどうかという一つの試金石と思いますので、あえて失礼な申し分でございますけれども、この点特に今後積極的なワクの拡大あるいは予備費をもって自作農維持資金に充てるとかという大臣の政治力を大いに発揮して、遺憾のないようにしていただきたいと思います。 次にお願い申し上げたいのは、今度の災害についてのお米の共済、農業共済であります。これはどうしても共済金というのが一番最初農民に入ってくる大きな金になります。そこでこれを早く概算払いしまして、——共済保険の金はその時期でなくても、大体とれないところはわかるのですから、それを早く一つやっていただきたいと思いますが、これについてのお考えを伺いたいと思います。
○坂村説明員 旱害に対しまする共済金の支払いにつきましては、実は数日前に、異常災害にあたりまして国が支払わなければならぬものがあります場合におきまして、概算払いをすることができますような、そういう条件にあります県に対しましては、一日も早く概算払いの措置をとってやるように、そういう手続をやるように通達いたしておりますし、それから一般に国として災害保険金を払うという事態にまでならないところにつきましても、その組合なり連合会におきまして仮払いをいたしまして、至急に農民に対して金が届くようにする、こういうような措置も当然とれるわけでございますので、この点につきましても周知させるために、念のための通牒を出しております。その場合にあるいは組合とかあるいは連合会に資金が足りないというような地帯には、農業共済資金で融資をする、こういうことも念のために通知を出しております。こういうようなことに従いまして措置をとっておる次第でございます。
○倉成委員 事務的なお尋ねはあとでするといたしまして、大臣に特にお尋ねなり御要望を申し上げたいのは、先ほど御答弁のありました自作農維持資金にしましても、共済資金にいたしましても、これが出るのが迅速でなければならないということであります。いつもこれは災害のあるごとに繰り返し繰り返し、私どもがここでそのことを強調して、大臣並びに事務当局ではなるべく早くやるというけれども、現実には非常におくれるわけです。ですから災害地の農民もその間のつなぎということが、机の上では非常にりっぱな対策はできましても、現実は非常に困るわけです。大体何月を目途として、現実に自作農維持資金が末端の農民に届くか、そうすべしと大臣が命令されるつもりか、一つ伺いたいと思います。
○南條国務大臣 被災者に対する融資その他の手厚い政府としての措置をやるべしということは、早急にこれを迅速にしなければならぬということについては、私は倉成委員と全く意見が一致しておりまして、私は平素個人の私としても、常にその方向で今日までもやってきておるわけでございます。従って今日の災害におきましても特に事務当局を督励いたしまして、至急に、迅速果敢にやる方向へ私は持っていきたいと思っております。
○倉成委員 大臣の誠意はよくわかるのですが、大体大臣が十月なら十月を目途とするというふうに、事務当局に期限を切って、末端の農民にこれまでに渡せというくらいにやらなければ、幾らここで言われましても今まで守られたことがないのです。速記録をお調べになっていただくとわかりますが、私が末端のを調べますと、歴代の農林大臣は全部うそを言っておる。それでは困るので、少なくとも南條農林大臣は何月までには渡せるのだとここで言われるくらいの政治力を発揮していいんじゃないかと思います。
○南條国務大臣 ごもっともなことでございますからこの点は、今までがどうであったか知りませんが、私に限っては絶対にさようなことはしないつもりです。どうぞ御信用願います。
○赤路委員 関連して。今大臣から答弁があったのですが、わかりますよ。今までの答弁をずっと聞いてみますと、倉成君の言う補助の問題でも、ポンプその他の要求にしても、まだ大蔵省と折衝中でしょう。それから天災関係の措置法の適用についても大蔵省と折衝中でしょう。自作農創設維持資金についても、これは何ぼになるか、三十三年度は約十億ですが、これも折衝中でしょう。みな折衝中なのです。そこで大臣にお尋ねしますが、大蔵省にも関係がある。大蔵大臣をここに呼び出してここでやるか、それとも大臣が責任を持ってその点をはっきりやっていただけるか、どうでしょう。都合によっては大蔵大臣を呼び出しますよ。大臣が責任持ってくれるなら、大蔵大臣はこの際忙しいだろうから呼ばなくたっていいと思うけれども、大臣が責任を持てないようだったら大蔵大臣を呼んできてやらなければならぬ。大いにバック・アップしますよ。どうですか。
○南條国務大臣 ただいまのことについて委員会の皆さんがご心配の向きはまことにごもっともです。従って大蔵大臣を呼んで大蔵省を鞭撻することもけっこうですけれども、私が責任を持ってやるならば呼ばぬでもいいとおっしゃる。私は責任を持って大蔵省と折衝して善処いたします。
○倉成委員 農林大臣の非常に力強い御言明がございましたので、これを信頼申し上げます。これは特に大臣もお忘れないように一つお願いしたいと思います。 次は、災害がありますと、今まで借りておった金を十分返すことができないというような、いわゆる償還延期の問題も、特に開拓地あたりで起こるわけです。当然これらの措置も講じていただくことと思うのですが、私も開拓地の実情をよく見ておりませんけれども、現地の模様を見ますと、山の上の開拓地というのは相当ひどいのじゃないか。それから離島が非常にひどいようであります。対馬であるとか、平戸であるとか、あるいは先ほど中馬先生のお話の甑島であるとか、こういうふうに非常に人里離れたところの地域の人々がこの災害対策をいつもなおざりにされるわけです。これらの点について深い御関心を持っていただきたいと思いますが、大臣何か御所見がありましたら一言伺いたいと思います。
○南條国務大臣 開拓地について、ことに不振地区の災害などは一そう同情すべき点があると思うのです。また離島などもごもっともでございますので、この点については決して差別なく十分その手当をしたい、こう考えております。
○倉成委員 開拓地、離島等について差別なく特に配慮していきたいというお話でありますが、私はやはり一般の地域よりもよりあたたかい気持で今後の対策を講じていただきたいと思います。 〔委員長退席、大野(市)委員長代 理着席〕 そこで最後にお願い申し上げたのは、災害がありますと、目に見えない金が県や市町村で非常に要るわけでございます。何にということであげて参りますと種々雑多でございますけれども、非常に多くの支出が出て参りまして、県や特に貧弱な市町村におきましてはこの負担にたえきれない。農林省がいろいろな助成策をやりましても、地元負担というような点でせっかくの恩恵を受けられないという点がございますので、この点は一つ自治大臣とよくお話し合いいただきまして、今後の災害対策で地元負担のために十分実施できないというようなことのないように特に御配慮いただきたいと思いますが、この点についてちょっと御意見を伺いたいと思います。
○南條国務大臣 まことにごもっともでございまして、この地方の自治体の負担の関係でいろいろな施設がおくれるとかできないとかいう面は、ひとり災害ばかりではございません。その他の建設省関係等にもございまして、これは自治省ともこれらの点を十分お互いに話し合いながら進めていきたいと思います。災害につきましてはふだんのしゃくし定木のことも言ってもいられないと思いますので、何とか特別な配慮をするように考慮したいと思います。
○倉成委員 まだいろいろお尋ね申し上げたい点はございますけれども、同僚議員からもまだお尋ねがあるかと思いますが、九州、山口のこの旱魃というのは、先ほど申しましたように、単なる農作物だけではなくして、工業用水の関係——工場が操業をストップするとか、時間給水のために飲料水にも困るというような問題が出ておるわけでありますから、一つ特別な配慮をもって今後遺憾のないようにお進めいただきたいと思います。これで私の質問を終わります。
○大野(市)委員長代理 次に石坂繁君。
○石坂委員 大臣の時間の御都合もあるようでありますから、私は主として恒久対策について簡潔に伺いたいと思います。 その前に、先ほど大臣の答弁で言葉が足りなかったと思うのですけれども、今回の旱魃は北九州、山口という御理解のようでありましたが、北九州だけではなく、中部九州、南九州、すなわち熊本県、鹿児島県、宮崎県等も旱魃はひどい、この御認識の上に立って、なお大臣を含めました農林省首脳部が適当なときに親しく現地を御視察せられますように、まず要望いたしておきます。 ところで恒久対策を伺います前に、一応応急対策について倉成君の質疑応答のうちで伺っておきたいことは、今回の旱魃に対する施策も三十三年度の措置と同様の措置を講ずるというふうな御答弁でございまして、その点は私ども了承いたしました。ところで昭和三十二年度の旱魃の状況と今回の状況は、地域的にもあるいは被害の状況についてもだいぶ違っております。昭和三十三年度の旱魃の状況は、主として作付が大へんおくれた。本年度の今回の旱魃は、作付はできましたが、その後結実の時期あるいはその後の旱魃のために実が入らない。カンショのごときでさえも、活着はいたしておりますけれども、今日では葉が枯れてほとんど根が張らない、こういう状況にある。ところが昭和三十三年度の対策といたしましては、当時八月十五日までに設置した機械なり設備等に対する補助をするということでありましたのが、地方の実情と、また強い地方の要望がありましたために、たしか一カ月期間を延ばした、こういうふうに了解いたしております。そこで昭和三十三年の措置と同様の措置を講ぜられるようにしましても、きょうここで農林省からいただきました資料は八月十五日の現在となっておる。そこで八月十五日現在までの被害に対して三十三年度と同様の措置を講ずる、あるいはこれに似たような措置を講ずるということでありましては、被害対策としては十分でないのでありますから、この点につきましてはお考えをまず伺っておきたいと思います。
○伊東説明員 三十三年度の当初は七月十五日でやっております。それを先生御指摘の八月十五日というところまで延ばしてやりました。今度の要求は、実は最初から八月十五日ということを目標にいたしまして、その時点に立ちまして実は要求をしておるようなわけであります。
○石坂委員 ところで八月十五日までの対象にいたしましても、今代作等をやりましても、もう時期がすでにおくれておる、こういうケースがだんだん出て参る。従いまして、せっかく旱害対策をおやりになるならば、八月十五日以降の状況もその対策のうちに入れて補助事業を拡大するとか、あるいは対策の拡大をするというようなことが望ましいということで、それがほんとうの旱害対策に対する親切な措置だと思うのでありますが、それについてなお八月十五日現在ということで動きのつかないことであるか、それはゆとりを持ったお考えを持っていただくのがほんとうだと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○伊東説明員 三十三年の旱魃の形と今度の形が若干違うということもわれわれ承知いたしております。今おっしゃいました十五日で切るか、もう少し月末までにするかというような問題につきましては、実は大蔵省当局とはっきりきめまして何日までということを今しておりませんので、今後交渉します過程におきまして、そういうことを考えていきたいというふうに考えております。
○石坂委員 先ほど熊本県の農林部長が九州地区を代表しての陳情のうちにも、被害の実情はなお累増する傾向にある、こういうことを申しておるのでありまして、まさにその通りであります。従いまして今後大蔵当局との折衝におきましてはこの実情を十分に念頭に置いて折衝されることを希望いたしておきます。 そこで恒久対策でありますが、恒久対策につきましてはいろいろ要望もございまして、大臣初め当局は御承知になっておると思います。そこで現在のように旱害によって深刻な被害を受けておるこの時期に、この際恒久対策をほんとうに真剣に進めていくということが私はきわめて必要だと思う。それに対しましては老朽ため池の改修であるとか、あるいは水路の設置、灌漑施設の改善等、この際思い切った措置を講ぜられ、かたがた救農土木事業を起こしてもらいたいというような要望もございますので、これらと関連を持たせて対策を推進していただくことが必要だと思いますが、大臣のこれに対するお考えはいかがでございましょう。
○南條国務大臣 旱害に対する恒久対策のことで、いろいろ石坂委員から御発言がございました。ごもっともなことでございますから、今おあげになりましたようなことについては十分検討いたしてみたいと思いますが、救農土木をこの際取り入れるかどうかということは多少考えさしてもらいたい、こう考えております。そのような点についても十分検討してみたいと思っております。
○石坂委員 今日の被害地区のうちには、すでに飯米も購入しなければならないような状況のところがありますが、現金収入がない、こういうふうな状況はかなり深刻であります。従いまして救農土木事業を起こすことによって、かたがた旱害に対する恒久施策をやるということが必要だと思いますので、その点につきましては、十分に一つ御検討、推進をお願いいたしたいと思います。ことに今度の旱魃の状況からいたしましてわれわれが痛感いたしますことは畑作地帯であります。今日の状況におきましては畑作地帯は全然処置なしであります。従いまして畑作振興対策については、今日この際農林当局は思い切って積極的に推進する必要があると考えるのであります。過去の農林行政を大観いたしますと、農業振興の方法というものが水田、稲作農業に偏向した傾向はいなめないのであります。大臣は北海道の寒冷地畑作振興等につきまして従来相当努力をしてこられたのでありまするが、この畑作振興につきまして従来の農林行政というものが十分でなかったことはこれは否定できません。農林省といたされましても昭和三十四年農林省の畑作振興対策委員会が結論を得まして、一応の畑作改善対策というものができておるようでありますが、立地的条件の悪い畑作地帯、気象条件に支配されやすい畑作地帯、そうして病虫害の被害のひどい畑作地帯のこの宿命的な悪条件をいかに克服していくかという点につきまして、今日まで遺憾ながら施策が十分でなかったと思うのであります。この際畑作振興に対する南條農林大臣の基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○南條国務大臣 将来の畑作振興に対する農林省の考えでございますが、来年度の新政策を樹立するにあたりまして目下与党と折衝中でございますが、農林省といたしましては今までの農林行政、食糧増産の考え方を酪農あるいは有畜農業を加味した畑作振興ということに最も重点を置いて、それらの予算の増強をして施策をしたいという考えでおります。お説のような在来畑作振興にはあまり力を入れなかったではないかということに対しましては、今後は十分力を入れまして、予算措置等も十分したいと考えておりますので御了承願いたいと思います。
○石坂委員 ただいまの大臣のお考えは十分に私ども了承いたします。農林省におきましても畑作改善対策といたしましては現行の国庫補助率の引き上げ、保護対策事業の拡大、利子補給を伴う融資制度の拡充、財政融資の充実等の援助を効率的にかつ広範に行なわなければならないという一応の結論は出しておられるようであります。従いましてこれらの線について積極的に十分なる御推進をお願いいたしたいのであります。 ところで畑作振興の最も必要なことは私は畑地灌漑だと思います。ことに今回のような旱魃の状況をまのあたり見ますと、農民もそれを痛感いたします。われわれもどうしてもこれは畑地灌漑をやる以外に日本の畑作の振興は期し得られない、こういうふうにさえ考えておるのでありまするが、さて畑地灌漑をいかなる方法でやるかということになりますと、河川の水利権が複雑いたしておる今日、河川の水で畑地灌漑をするということは容易でありません。そこでどうしてもこれは地下水による畑地灌漑、ことに深層地下水による畑地灌漑ということになるのでありまして、農林省もこの点におきましてはたしか昭和三十三年でありましたか、テスト・ボーリングを始めて、この深層地下水の開発に仕事を始めておられるようであります。ところがいよいよ深層地下水によって畑地灌漑をやろうということになりますと、地元負担と申しましょうか、地主の負担があまりに大きいものですから、やろうと思っても、またやればいいことはわかっておりましても、経済力の弱い畑作の農民としてはやれない実情であります。従って畑地灌漑が必要である、畑作振興のためにはこれが最大の必要条件であるという考えがあるならば、畑作振興のための畑地灌漑に対しまして、政府は思い切った補助、助成の方法を講ずべきだと思いますが、大臣のこの問題に対する構想を伺っておきたい。
○南條国務大臣 先ほど申しました通り今後畑作振興については大いに重点的に力を入れるという方針でございますので、補助あるいは他の融資の方法によりましても財政的措置についても十分考慮するつもりであります。従いましてただいまお説のような具体的なことにつきましてはその他にも数々ございますが、いろいろ目下事務当局で検討中でございますから追って発表いたしまして、皆さんの御批判をいただきたいと思います。
○石坂委員 畑地灌漑に対する大臣の御心がまえは了承いたしました。この後、水資源の利用につきましては、根本的にかつ総合的の計画を立てて、これを推進する必要があると思うのであります。これらの点につきましては、当局とも御相談し、われわれはまた党で十分な検討をいたしていきたいと考えております。それらの方策なり具体的の方法等の問題につきましては、他の適当な機会に伺うことにいたしまして、きょうはこれで終わります。
○倉成委員 一言関連して。ちょっと簡単にお尋ねしたいのですが、救農土木事業について、石坂委員の御質問に対して大臣は、研究するということでございましたが、実は救農土木事業をいろいろやります場合には、事業の種類で、いろいろな点で、その地域とマッチしないという点で比較的消極的な考え方が政府部内に多いようでありますけれども、今度の旱害と関連して見ますと、老朽ため池が非常に多いわけであります。もう少しうまくこのため池を浚渫しておったり、あるいはかさ上げしておれば、今度の旱害を非常に救うことができたのではないかという地域が非常に多いわけであります。従って、もしこの旱害を受けた地域に救農土木事業を起こしまして、これらの老朽ため池の俊深やかさ上げをやるということになりますと、この地域の住民が毎年受ける旱害を受けなくて済むようになるし、地域的にも遠いところに働きに行かなくてもいいわけであります。ですから、これらの老朽ため池とは限りませんけれども、近くの仕事があるわけでありますから、これらの点を一つ御研究いただきたいということが一点と、それからその場合に、やはり地元負担が大きくなると、いいことでもなかなかやれないわけであります。そこでその地元負担を軽減する、この二点を御研究いただいて、救農土木事業を積極的にお進めいただきたいと思うのであります。この点について御所見をちょっと伺いたいと思います。
○伊東説明員 かわりまして私からお答えいたします。一般的な救農土木事業ということでなくて、やはり私ども考えておりますのは、今先生御指摘のありました老朽ため池につきましては、大体予算額の一割くらいを今保留いたしております。そのほか団体営の灌配事業等でも保留を実は持っております。こういうものにつきまして、ある程度旱魃地帯で労賃が落ちるというふうにマッチすれば、そういうため池等がございますれば、優先的に使っていくということを考えたらどうかというふうに今事務的には思っております。負担の問題等につきましては、いろいろな問題もありますので、今さしあたり補助率を上げるというところまでは考えておりませんが補助なりに伴います融資その他で、その点はまかなっていったらどうかというのがわれわれの考えであります。
○倉成委員 今大臣にお尋ねいたしましたが、今の農地局長の御答弁非常にごもっともなんです。これは非常に事務的な御答弁であります。ということは、従来レザーブした事業を旱害地帯に少しずつやるということでございますので、そういうことでなくて、やはり旱害地の人々を働かせるために積極的に事業を起こしていく、それから地元負担も、従来の負担でなくて、もう少し軽減した形でやる。これは地元の人が働く意欲も非常に出て参りますし、適切な施策だということを特に大臣に申し上げているわけであります。これを十分御検討いただいて実施していただきたい、こういう要望でありましたので、事務的な御答弁を求めてないわけです。これについて大臣どうお考えになりますか。
○南條国務大臣 ごもっともな御要望でございますので、十分研究いたしまして考慮いたしたいと思います。
○角屋委員 災害関係の問題については、与党の方の同僚委員の方々から、それぞれ現地の実情に基づいて、旱害関係の問題についても、風水害災害の問題についても、いろいろ熱心な御質疑があったわけでありますが、この機会に集約をして二、三お伺いをいたしたいと思います。 御承知のように、十月の中旬ごろに臨時国会が開催される、一応そういう判断がされるわけでありますけれども、まず第一は、今日までの旱害あるいは風水害等については、既定経費なりあるいは予備費の流用等で十分まかないがつくという判断であったか、あるいはある程度の予算補正を必要とするという判断に農林省は立ったのか、まずその点をお伺いいたします。
○南條国務大臣 その点はただいまのところは予備金の流用でまかなえるという判定に立っておるのであります。
○角屋委員 この点は同僚委員からもすでに御質疑等も出ておったと思いますが、来たるべき臨時国会の際に、災害に関連をして、伊勢湾台風のときに問題になった災害基本法の問題等ももちろんありますが、農林省として当面臨時国会に災害に関連をして提案したいもの、そういう災害立法関係はどういう構想でおられるのか、この点を集約をしてお伺いしたいと思います。
○南條国務大臣 ただいまの御質疑の点については、農林省としては別に今手持ちの法案を出すという考えはございませんが、災害の恒久立法等については、内閣の方でいろいろ先ほど申したように昨年来の問題がありますから研究中でありますので、その方でもし出すものがあれば出るのじゃないかと思います。
○角屋委員 しかし、例年の例からいっても、たとえば天災融資法その他の問題については、当然来たるべき臨時国会に出さなければならないということは考えの中に含んでのお話だと思いますが、これは単に農林省だけに限りませんで、この機会に、やはり前々から問題になっておりました災害基本法等の恒久立法の問題も含めて、臨時国会には政府としては一つ提案し、そうして与野党の意見の調整の上に立って、りっぱな災害復旧立法を立てる、こういうふうに私どもとしても希望したいと思います。 本年度の災害問題については、いろいろ同僚委員からお話がありましたが、私ども去年の伊勢湾台風の大災害を受けた関係県の一人として、三重県なら三重県の関係地区をずっと最近しげく回ってみますと、本年度の災害復旧状況というふうなものをいろいろ現地側で視察をして感ずることは、災害の際には非常に災害復旧の緊急完成ということが叫ばれるわけでありますが、さて災害の直後の状況からだんだん時日がたつに従って、ことに本年度の累次にわたる災害を前にして災害復旧状況はどうか、こういうことになると、特に農林省関係で申しますならば、漁港等の災害復旧状況というものは必ずしも進展しておらない。こういうことで、たとえば三重県で申しますと、特に志摩から熊野灘沿岸にかけての漁港関係の災害復旧が非常におくれておる、こういうことをしばしば切実に現地側の要望としても聞きますし、現実に現地等を視察すると、そういう状況が相当程度現われております。これらの点は、災害発生直後においては私ども真剣に災害復旧問題を論ずるのですが、次年度になり、三年度になってくると、あれだけ騒がれた伊勢湾台風等の災害復旧が一体具体的にどういうふうに進捗しておるかということは、ややもすると等閑視されるきらいがある。この点については、特に農林省といたしましても、農林省関係の水産の漁港関係ばかりでありませんで、農地復旧等の問題も含んで、やはり当委員会に、昨年の災害復旧の今年度進捗状況、こういうふうなものは適時適切に資料等を出し、そしてまた、問題点については委員会で審議を尽して災害地の要請にこたえ、重要なものについての三、五、二の三カ年完成というふうなものの万全を期さなければならぬと思いますが、その辺のところについて、一つ大臣の御所見を承りたいと思います。
○南條国務大臣 まことにごもっともなことでございます。私は、漁港は別でございますが、先般伊勢参宮の途次、昨年の跡始末はどうかと心配になったものですから、県知事の案内を受けまして、三重県及び愛知県の海岸堤防及び河川堤防などのその後の進捗状況を視察いたしました。大体原形復旧については、国の工事については予定通り三、五、二の割合でいっておるようでございます。ただ県工事の分につきましては、多少おくれておる県がありますので、これに対して国の負担分を一日も早く回すようにということを、県の方からも要請がありましたので、直ちにこれを予備金から支出するようにということで、ただいま大蔵省と折衝中でございます。近くこれは決定するはずでございます。さようなわけで、漁港については、地元の知事から別段今の委員のお尋ねのような要請がありませんでしたから、私はうっかりいたしておりましたが、ただいまのようなことがございますれば、直ちに十分調査いたしまして、さような善処方を講じたい、こう考えております。
○角屋委員 災害復旧が予定通り進まない原因の中に、たとえば、これは農林省関係の災害復旧ばかりでなしに、建設関係の災害復旧等も含めて、一つの問題は、あれだけの大災害がありますと、工事の請負をやる請負の建設業者の中で、たくさん仕事があるものですから、比較的遠隔の土地あるいは小さな工事等については、入札等についてもあまり競争にならない。実際にあれだけの大災害ですから、たくさんの仕事がある、人手が足りない、こういうことで、入札その他の問題で、やはりよほど建設と運輸と農林との三省が建設関係のこの方面に携わる建設業者の適切な指導をやらないと、遠隔地とかあるいは比較的交通条件の悪いところの災害復旧工事というものは、予算その他の問題の制約よりも、むしろそういう災害復旧に従事すべき建設業者の関係で仕事がおくれたりする、こういう実態があるようです。 〔大野委員長代理退席、委員長着 席〕 それらの問題も、十分地域の実情等を精査しながら、災害復旧に遺憾のないように一つ努力してもらいたい。このことを要望として申し上げて終わりたいと思います。 ————◇—————
○小山委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 養鶏振興問題について質疑の通告がありますので、これを許します。茜ケ久保重光君。
○茜ケ久保委員 農林大臣に二、三点お伺いします。 先国会は非常に変則でありまして、当委員会もあまり法案を上げなかったのですが、開拓三法と養鶏振興法が上がったわけであります。そこで全国四百万に達する養鶏農家は非常に喜んでおります。ところが、通りました養鶏振興法も、いわゆる名の通り、ただ養鶏というものがどういう形でも盛んになればいいのか、あるいは非常な零細農家が現金収入の道としてしし営々として行なう、いわゆる副業的な農家の養鶏を振興させるのか、この点がどうも現段階においては養鶏農家の諸君にぴんとこない。そこで、この養鶏振興方というものは、どういう点を着眼点として作られたものであるか、この点を一つ農林大臣からお示し願いたいと思います。
○南條国務大臣 詳細は畜産局長からあとで答弁をしてもらう点があるかもしれませんが、農林省といたしましては、明年度施策として、先ほどもちょっと申し上げましたように、酪農、畜産、有畜農業を主体とした畑地振興対策とか、また農家の副業をもう少し高めて農家の所得を向上させたいというような考え方から、いろいろな畑地振興というような施策をとるわけでございますので、その一部分であります養鶏事業につきましても、これは農家の経営規模にもよりましょうけれども、今まで小さい農家が自分だけの副業としてやっておった養鶏を大きな事業としてやるためには、共同経営というような形にする人もあるかもしれませんから、一様には考えられないのじゃないかと思うのでございますが、要は、今の低所得の零細農家が米作一本だけでの低所得では容易じゃなかろう、そこで、これに対していろいろな施策を講じて、そして農家の所得を高めようという考えでございますから、養鶏ばかりじゃなく、あるいはその屋敷の中に植樹するのもいいことでございましょうし、あるいは果樹を植えるのもいいことでございましょうし、ともかくも、農家が副業としていろいろさようなことをするのが、いわゆる副業でごさいましょうし、また養鶏だけを主として大きくやるということになれば、それは養鶏事業ということになるだろうと思うのでありまして、その形式によっては、おのおの解釈が違うだろうと思うのでございます。
○茜ケ久保委員 大体大臣のお考えは私もそう思うのですが、ただそこで、大臣にぜひここで政治力を大きく発揮していただきたい点があるのであります。と申しますのは、こまかいことは局長にお伺いしますが、大臣も御承知かと思いますけれども、最近水産関係の会社が大量進出を計画しております。日魯漁業、日本水産その他の遠洋漁業を中心とした大水産会社が、鶏、豚に対して、いわゆるカッパが丘に上がったという言葉が適用するのですが、相当大きな資本を持って大量進出しつつある傾向があります。例をあげるとたくさんございますが、もうあげません。このことは、私どもの立場から必ずしもこれを否定することはできませんけれども、先ほど農林大臣もおっしゃるように、いわゆる割合少ない資本で、しかも宅地を利用して、またその保有材等を利用して、割合簡単にできる養鶏、しかもこの養鶏が、最近は非常に率がいいと申しますか、農家が長い間苦しい経営を続けてきて、今日やっとその緒について、少ない者は五十羽、六十羽、大体四、五百羽程度にまでやって参りまして、ようやく養鶏によって農家経済の一端を負担する状況になって参りましたとたんに、今度は、そういった何億、何十億という資本をかけて、水産会社等がえらい大規模でこういう事業を始めますと、これはやはり大影響を与える。現在は産卵ではなくて食肉を主にするのであるから、大して影響はなかろうと言う向きもあります。しかし、やはり養鶏の妙味は、ただ単に産卵だけではなくて、産卵を終わった鶏を食肉に転換するという形を通じて成り立つのでありまして、この日魯、日水等の大量進出が産卵を主としないという理由では、養鶏農家に対して決して安心を与えない。そこで、現在の大量進出をしようとする水産会社等の養鶏、養豚の実情に対して、農林省当局はどういう御見解をお持ちになっておられるか、また何かこれに対して対策をお考えになっておるか、この点を一つお伺いいたします。
○南條国務大臣 明年の政策で、先ほども申したように、酪農、有畜農業を盛んにするということは、現在需給関係が非常に不足しておるのです。ことに鶏卵、鶏等も不足いたしておりますから、かような点を大いに増強したいという方針でございます。そこで、それにはいろいろな施策をする必要がございましょうが、農村にいろいろな他産業が入っていって、共同会社の形式でやるような面に資本を導入するということもできてくると思うのでありまして、今までの小さな零細農家だけでもって家庭的な家畜を飼っている程度では、現在の日本の酪農の需要を満たすことはとうていできないような状況でございまして、国際的な貿易自由化などになりまして、日本のかような製品がとても耐えられないようなことになりますと、日本の畑地振興と申しますか、酪農振興と申しますか、なかなか目的が達せられないと思うのであります。だからといって、農村にこういう大きな資本の他産業が入っていって、農家が副業でやっている経済を破壊するようなことは、農林省としてはこれを保護しなければならぬ立場でございますから、十分これらは注意をして、さような影響のない方向に——これを要すれば、農家の人々がお互いに共同し合って、そうして他産業の資本が入ってきても、それには破壊をされないというふうに、みずからの力をつけるような方向に指導してみたいとも考えておるのでありまして、まだこれから起こるケースでございまして、今現実にそれほどないことでありますから、今十分考慮中でございます。
○茜ケ久保委員 酪農等は非常に微力でありまして、現在でも、どこの農村を回りましても、まだ乳牛を五、六頭飼っておる農家はほとんどございません。一頭とか二頭、多いのは三頭、しかし、今言われますように、酪農もどうしても五頭以上飼わなければ採算が合わないといわれておりますから、大臣のおっしゃるように、日本の酪農業が他国の酪農に匹敵するためにはいろいろな施策が必要ではないか。しかし、といって、いわゆる零細農民のせっかく緒についた酪農その他の事業を見殺しにはできない。従って、私がきょう指摘したのは養鶏に一応限ったわけでありますが、私の群馬県では、たしか今農林省の畜産局の畜産経営課長をしておる安藤氏が前の群馬県の農政部長をしておったのでありますが、安藤君が群馬県の農政部長時代に経営の団地というのを考えまして、大体規模で申しますと一万羽から二万羽程度の団地を作って、そして共同経営ではありませんが、共同経営のような形における集団経営をしておる。しかも非常に成績を上げまして、産卵率の向上、死亡率の低下ということで効果を上げております。今大臣が御指摘になりましたように集団化ということがありましたが、せっかくこういういいことがあるのですから、ぜひそういうふうに集団化、共同経営化を奨励し、しかもこれに対する助成金その他の処置も講じていただきたい。私は、もちろん自由経済でありますから、水産会社が進出をしてはいけないとは申しません。けれども、先ほど指摘したように、せっかく農家の諸君が営々として長い間苦労をして築き上げた最も手近な現金収入の副業をむざむざ大資本の進出で踏みにじったのでは、日本の今後の農家経済は容易に立ち直らぬと思う。そういう観点から、ほかのいろいろな産業も重要でありましょうけれども、私どもの検討した結果によりますと、そういう点が出る。そこで、大臣はまだ大資本が進出していないとおっしゃるけれども、例をあげればたくさんございます。そして養鶏農家の中にはかなり大きな精神的な打撃を与えておる。これがもしも今後どんどんふえるなら、われわれははたしてこの養鶏をこのまま続けていいのかどうか、こういう不安がある。 そこで、質問の要点はたくさん持っておりますが、時間を急ぎますので、あとは畜産局長にお尋ねしますが、大臣、一つぜひ御言明願いたいのは、そういった事業が進出してはいかぬとは答弁できないでしょう。できないでしょうが、よしそういうことが起こり得ても、零細養鶏養豚農家といったものに対して、必ず農林省としては立ち行くだけの、今の経営がそのまま成立して、いわゆる不安のない状態を確保する施策を講じ得るという御言明はできると思う。たとえば集団化、共同経営化、それに対する助成あるいは補助金等の点もございましょう。そういったところで、今不安に思っておる全国四百万の養鶏曲屋家あるいは養豚農家に対する不安の除去のために、大臣の政治的な強い発言を要求いたします。
○南條国務大臣 ごもっともでありまして、先ほど申した通り、決して農家の副業である養鶏事業、養豚事業を破壊するような産業の進出を農林省として奨励するわけはございません。ただ現在農家経済が零細でございますから、これをもっと強化する意味において集団化させて、共同会社のようなことで経営をさせておる例が、ただいま御説のような群馬県にもその例として一つのパイロット式な形でやっております。今実例として相模原に農家が共同経営して十二万羽の養鶏事業をやっております。かようなことによってだんだんと農民が自覚して、そしてこの方がよろしいということになれば、各地でそういう形態でもってみずから体質改善して強い農家経済というものが成り立つと思うのでありまして、近く法律で養鶏審議会を設置しまして、この審議会等でも十分これらの点を諮りまして、農家の経済を保護し、また他産業の不当な進出のできないようにも一考えて参りたいと思うわけであります。 —————————————
○小山委員長 次に、甘味資源問題及び大豆価格の問題について質疑の通告がありますので、これを許します。松浦定義君。
○松浦(定)委員 私は、去る八月十二日の当委員会で、時間の関係がございましたので、大臣に対する質問をそれぞれ留保いたしておいたのであります。でありますから、その点につきましてただいまから質問をして、大臣の見解を明らかにしておきたいと思います。 甘味資源の十カ年計画については、もう長い間それぞれ論議をして参りました。先般の十二日の当委員会においては、農林省は、北海道におけるテンサイ振興計画及びテンサイ工場の新設についてという題のもとに、今までいろいろ努力をしてきたけれども、各会社はそれぞれいろいろな力が均等しておる、従ってどの会社に新設をするということはなかなかむずかしい、こういうことで、共同会社でやらせるように目下会社に対して意見を聞いておるんだ、こういう話であったのであります。そのことについて今日どういうふうになっておるか、その点を一つ聞かしていただきたいと思います。
○南條国務大臣 いまだ正式には何らの回答はございません。従ってそのままでございます。
○松浦(定)委員 あのときに、私どもの質問に対しては、大臣は、これは相当検討せなければならない、しかも、三十六年度の操業は当然時期的に見てもむずかしいから、三十七年度に、あるいは三十六年度分を含めて二工場建てることもあり得るかもしれぬ、だから決定についてはそうあわてなくてもいい、まあ来年の三、四月ごろまでに決定すればいいということを、私が質問いたしましたら、大体それを肯定しておられたように私は聞き取ったのでありますけれども、今のお話でありますと、会社に対してそういう相談をしたけれども何ら回答がない、こういう話であります。しかし回答がないというだけでは私はどうかと思うのですが、どういう事由でこれが延びておるのか。あの場合のわれわれに対する計画の説明等については、前の福田農林大臣が相当長期間にわたって検討し、ようやくこれについて八カ年計画を出してきた。それらについて、われわれは全部認める、だから早急にきめたいという話のあった中に、突然その共同会社案が出たから、私どもとしては、これは延びておると、こう思うのですが、今のお話では、あまりにも当時の緊迫せる中に出した案と——今日の大臣の考えていらっしゃる何ら回答がないからというだけでは、この問題は私は決して解決の糸口が見出せると思わぬのであります。これからいろいろ御質問いたしますが、そうしますと、大体会社としては何らないが、その内容については、農林省当局として全然そのことについては知っておられないのですか。あるいはまた、別な意味で、そういう点については何らか農林省の案を認めるような空気であるのか、全然認めないというような空気であるのか。そういう点についてはどのように考えておられますか、お聞きしたいと思います。
○南條国務大臣 ただいま申し上げた通り、一カ月ほど前に、農林省としては九社に対してビートの増産計画についてのこちらの方針を示して、御協議を願っておったのでございます。それは、早急に決定するにいたしましても、この九つの会社が、おのおの同じ地域に申請をしたりしておりまして、甲乙きめるのがなかなか容易でないということから、この前申し上げた理由によって、各社でお互いに話し合いをつけて、円満にいくならばいってほしいという意味で、あの案を出したわけであります。それに対していろいろ会議はしておるようですが、まだ正式な回答を持ってきておらぬのであります。政府といたしましては、だからといって、回答がないのに——しからば勝手な処置をすればよさそうなものだという御説でしょうけれども、昭和三十七年度二工場を作るということでありますと、今年中には、どうせ三十六年度は間に合わない工場の建設ですから、三十六年度になって、来年の春になって決定してもおくれるわけではございませんから、そこで農林省としては、今これを円満にいかないのに、摩擦を起こしてまでも早急にきめるということはいかがなものだというので、回答を待っているようなわけでございます。
○松浦(定)委員 私は決して、だから急げという意味で申し上げておるのでなくて、やはり北海道の三十万トン達成のためには容易でないというところで、最善の方法ということで、まあ一つの案としてお考えになっておるなら別でありますけれども、当時の提案の理由は、前の七工場というのは、そういう意味でやったわけではない。それぞれ基準があってやってきたのだ。しかし、七工場以外に今度の八工場ないし九工場に対しては、この方法よりないからというので、共同会社を出してこられた。それで行き詰まったような形なんです。だからといって、私はそれを今早くやれと言うのでなしに、どういうわけでできないかということについて、もしできないとすれば、これは農林省が出した案が適当でないというふうに私どもには考えられるわけです。私どもしろうと目に見ましても、前の七工場がないなら別でありますけれども、前の七工場よりも別な基準でもってやらなければならぬ。その理由については、それは言えない点もありましょうが、しかし、実際やるとすれば、だれが見ても納得できるのはどういうことかということになると、そういうことをやっていれば、共同でやれ、最後にはくじ引きで分ける、これは子供でもわかることだけれども、そういうわけにはいかないから、こういうことになっておる。今の大臣のお考えは、だから来年度はできないから延ばしてもいいのだ、あわてることはないのだ、あまり問題を起こしてまでもやることはないというお考えならば、会社が適当な案なりそのことについて回答をするまでは、農林省から積極的にこうせい、ああせいという案を出すというところまで考えていないと解釈してよろしいのですか。
○南條国務大臣 さようでございます。ただいま農林省としては先般の一応の案を出しておるわけでございます。この案に対して何らの回答のないうちに、こちらから別の案を出そうということは今考えておりません。
○松浦(定)委員 これにも時期と限度といろいろなことがあると思うのですが、先ほどのお話で、三十七年度の操業に間に合うということでありますから、従来の時期の決定の仕方というものは、大体前年度の五月、六月まででよろしい。七、八月をこえればちょっとめんどうだということになっているのですから、おそらく来年の三、四月ごろまででいい、こういうふうに解釈してもよろしゅうございますか。
○南條国務大臣 まあお考えは自由ですけれども、その前に決定しても何ら差しつかえないことです。これは行政権のことでございますから、こちらにおまかせを願いたい。
○松浦(定)委員 むろん行政権の問題だと思うのですが、そうしますと、先ほどのお話では、十分検討した結果無理をしない、こう言っておるのですが、今のお話ですと、行政権のことだからいつまでもぐずぐずしていたらこっちできめるのだ、そういうこともあり得る、こういうふうなので、どうも初めと終わりと一致しないと思うのですが、ほんとうの腹は、私どもは、前にも申し上げましたように、少なくとも福田農林大臣が十分検討されて、もう当時も私どもは事務当局がそのくらいの程度のことをお考えになっておったことは知っておるのです。ところが、岸内閣がああいう形で退陣をせざるを得なくなったから、今退陣をする岸内閣の中の農林大臣としては決定することは不穏当である、不適当である、だから私はきめられないのだということを一つの理由として引いておられる。ところが、私どもの申し上げたいのは、今度は、もうだれが何と言っても十月は解散であります。十一月は総選挙です。そうしますと、これから指を数えても、大体一カ月半しか今の農林大臣あるいはまた池田内閣のそういう決定権はないと思うのです。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)これから一カ月半しかそういうことがないということになりますと、やはりこれは、私は今そんなにあわてて——別にいい方法があるとは考えられない。今そんなことはないという話がありましたけれども、解散をするということは、私が申し上げるまでもなく議員の職がなくなるわけです。岸内閣がやめても、あるいは福田さんがやめましても、これはこういうふうに保守党の池 田さんが出るのですから、一向に差し つかえないのですけれども、今度は解 散ということになれば、議員がなくな るのです。後任ができるまで、議員で はないけれども、政府の代表として、南 條さんが農林大臣として選挙が終わる までいらっしゃるということになるの で、そういう点は今度は明らかにしてもらわなければならぬ。解散というこ ととただ内閣がかわるということ——内閣がかわるからこの問題は私の立場ではやれないといって、あの非常に円満な福田さんがこの問題については慎重審議をされたが、今十月の十五日か二十日ごろで解散をするということがわかっている。議員としての資格をお互いに失うのです。にもかかわらず、今やれ、会社が出さなければこちらでやる——時期が全然違うのですから、こういう問題については、明らかに先ほど申し上げましたように来年の三月、四月で決定すればいいのですから、十分次の内閣あるいは次の農林大臣で私はきめるべきであるというふうにおっしゃった方が、これは会社としてもいいし、これからの甘味資源十カ年計画を遂行する場合にも、会社はむろんのこと、私はかえって農民の方がおかしな言葉にあやされないで、一生懸命に増産に励むと思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○南條国務大臣 永井さんは少し本質から離れたことにこだわっていられるように私には思われる。お互いに北海道のビートの増産ということを国策としてやらねばならぬということはよくわかると思うのです。そこで最もいい方法で早く解決したいということなんです。そこで、先ほど申した通り、会社側の方はまだ回答がないから、摩擦を起こしてまでもこちらが行政権があるから勝手にやろうなんていうことを何も考えておるのではない。ただ、あなたが先ほど、それならば来年の五月からでも間に合うのだからそうしないかとおっしゃるから、それは少し行き過ぎたことじゃなかろうか、前にやったって差しつかえないかもしらぬけれども、そこは行政権の自由にまかしてほしいと言ったので、私が農林大臣でなくてほかの農林大臣にかわっても、それはまかせられてもいいことじゃないですか。あなたが来年の五月まで絶対やらないかと言うから、やらないと言うことはできませんと言っているのです。もう少し本質的のことを御質問願いたい。
○松浦(定)委員 しろうと大臣と言いながら本質のところをつけとおっしゃるのは名言だと思うのですが、私は松浦です。少なくとも北海道の同じところで松浦がわからぬようなことでは、実際問題として農林大臣は勤まらぬと思うのです。これは訂正してもらいたいと思うのです。
○南條国務大臣 失礼いたしました。松浦君でした。訂正いたします。
○松浦(定)委員 そこで、私は一つ、大臣がそういうふうにおっしゃいますから、そういう点についてお聞きします。先般農林大臣は北海道へいろいろ実情調査にいらっしゃっているのですが、われわれ当委員会の委員としては遺憾な点があるわけです。と申しますのは、歴代の農林大臣が北海道へ参ります場合には、少なくとも農林関係におる者くらいには、いつ幾日どこを回ってどこへ行く、しかし、お互いに選挙区等の関係もあるから、その選挙区に行ったら、都合がよかったら出るようにということくらいはあるわけなんです。しかし、今度の場合は全然そういうことがないばかりでなく、私は第五区でありますから、あの日程の根室、釧路あるいは帯広といったように、大臣の調査の根本的な問題に触れるような地帯にあるわけなんです。でありますから、いろいろ時期的にいっても私ども非常に忙しいからだですが、少なくともこの日程には都合をつけるべきであるというので、準備をしておった。ところが新聞で見ると今度は行かなくなった。行かなくなったからもうお帰りになるかと思うと、その日程だけはずして、あとの分については、極端なことを申し上げますと、第四区の関係は空知、日高、胆振という地帯だけをお回りになった。そこで、私は、農林省のこういう日程を作る人はどういうところで作るのか、これはあとからまた別に聞きたいと思うのですが、そういう形で今度大臣が北海道へいらっしゃった。札幌に始まってから日程の最後までいずれの地帯に行かれても、それぞれいろいろの問題について発表しておられるわけです。先ほど私が聞きました、たとえば会社合同案で出しておるけれども、会社は拒否しておるらしい。もし会社が拒否すれば、先ほどおっしゃったように、これは白紙委任状を取って農林省の考えておるようにきめることもあるというようなことを、現地では新聞で発表していらっしゃるのです。そうすると、私が先ほどお聞きしたように、全然まだ何もないのだというようなことでなしに、何らかの形で、これは新聞や何かを信用されれば別でありますが、新聞や何か以外の情報でもってそういうことを聞いておられるのか、あるいはそういう情報を聞かないで、われわれと同じように新聞やラジオを聞いただけでそのことをお取り上げになって、そして農林大臣としてりっぱに各町村や関係のところへ行って、堂々とそういうことを言われるということになりますと、迷惑するのはわれわれ農林委員会で、こうしてお聞きしていることの方が何だか矛盾しておるような結果になる。そこで、札幌からおいでになりました調査の目的、その場合における農林大臣として特にこの問題についてお触れになった点について、妥当と考えていらっしゃるのかどうか、その点をお聞きいたします。
○南條国務大臣 松浦君の御質問は、私の北海道の視察が何か妥当でないかのごとき御質問のようですけれども、私はさように考えておりません。妥当な視察をしたと思っております。 それから、日程を変更したとおっしゃるが、実は根室まで行くつもりでおったのでございますけれども、新政策の関係で与党の政調との折衝がありますので、急に二日繰り上げて帰ってきたわけでございますから、根室の方面、あなた方の選挙区の方には、十九日池田総理と札幌に参ります後にそちらに伸ばして行きたい、こういうように今考えておるわけでございまして、決して私ども日程が妥当でないとか不当だとは考えておりません。
○松浦(定)委員 私は調査に行かれたことが妥当性を欠くと申し上げたのではないのです。先ほどおっしゃいましたビート合同会社案に対して、こういうふうに自分の方から話をしておるけれども、何ら話がないということを先ほども私の質問に対しておっしゃっておるのです。ところが、現地に行かれますと、この合同会社案を会社が返上したから、今度は白紙委任状を取ってわれわれの考え方でやるのだと言っていらっしゃるから、そういうことは妥当を欠くのではないかということを言っているのです。ただ新聞や何かだけで聞いたのではなしに、何か情報があって言われたのなら、先ほどの私の質問は全然間違いである。そうでなしに、私どもと同じように新聞やラジオを聞いただけでそういう発言を次々とやられるのなら、それは妥当を欠く、こういうことを言っているのです。
○南條国務大臣 松浦さんの御質問に対しては、正式に会社側から回答がないから、私は今委員会に正式にないということを申し上げておる。会社側が何か拒否するというようなことがあったことは、現地で新聞その他を見たからわかったことなんです。このことは新聞側の報道であって、私どもは、会社側から直接役所として回答を得てない以上においては、この委員会で拒否の回答があったと言えないのです。そのことを申し上げておるのです。そういうことにこだわってどうのこうの言われることは、いたずらに本質を離れた御質疑でなかろうかと私は思うので、もう少し本質的な御質疑を願いたい。
○松浦(定)委員 どうも私は、自分の言ったことは間違いないので、人の言ったことは間違いだ、こういうふうに聞き取れてしようがないのです。大臣だからといって、食糧庁長官から次官まで連れて回って歩かれるときは、新聞や何かで聞かれたら、今言われたように言ってもらえばいいと思うのです。自分の選挙区で都合のいいことばかり言われるということは、かえって選挙民が間違いを起こすもとだと思うのです。たとえば由仁に行かれた場合には、由仁には三十七年には必ず作る、自分の在任中に作るのだ、こういうふうに言ったということで、ずいぶん喜んでおるということをわれわれは聞いておる。そういうことは非常に誤解されやすい。今のようなお考えで、私の質問に対するような高姿勢で言われるから、おそらく現地では相当に印象づけられるような言葉を使われるのではないかということを心配する。ですから、私は、その点について、もし私の言うことが本質でないというなら、私はこのことについては言おうといたしませんが、少なくとも北海道を毎日回っておられるときの新聞を見ますと、各新聞社のどれを見ても誤解されやすい表現をずいぶん使っていらっしゃる。そういう点についてはもう少し大臣として——前回の委員会にも、北海道の農林大臣ではないかと言われたら、おれはそうでない、日本の農林大臣だ、こう言っていらっしゃったが、そういう形で言われますと、もっともっと縮小されて、あるいは第四区の農林大臣ではないか、空知の農林大臣ではないかとすら他の人は言っているのです。たとえば由仁で、来年度はだめだけれども三十七年度には必ず作る、こう言うと、それだったら八社作るそれぞれの町村に来たときに、そこにも作る、あそこにも作るのかと言うと、そうでない。たとえばこの由仁に作る努力をしようということすら、合同会社案を認めない後における問題になると思うのです。合同会社だったら、何も由仁だとかなんとか言わなくても——それは十分に検討して決定するのであろうと言っているけれども、一つの町村に行ったときに、そこのところに強く印象づけるようにすれば、合同会社案がつぶれた後において、従来と何ら変わらないような形で決定するという印象を私は受けるのではないか、こう思うのです。そういう点については、今きめたわけではありませんから、先ほどの言明によれば、大臣もまだ会社から何ら言ってこない、十分検討した後において、三十七年度の決定でいいから、そういうふうにしたいという考えであるということで私は了承しようと思っておりますが、そういうような考え方で十分今後の検討もしていただきたいと思います。 さらにまた、この問題につきましては、すでに発表されておりまするように、いずれあとから芳賀委員からの御質問があろうかと思いますが、現在のような案でおきめになりますと、ここにも資料が出て参りましたが、たとえば各地区の原料集荷区域の試案でありますが、行政区域をまたがってこのビート工場のためにこういう割当をしておるわけなんです。たとえば十勝と北見、あるいは十勝と上川といったような形で、行政区域をまたがってこの案が出ておるわけなんです。これは少なくとも昨年起こった北見における三町村と同じような形が出てくると思うのです。そうでなしに、八カ年なら八カ年後におけるその地域をきめておいて、その間における問題については原料でもって調整するという案が一番いいと思う。にもかかわらず、こうやったら——これをこちらから押しつける場合は別でありましょうけれども、現地でこういう指導をしながら、八カ年計画に対する、今限られた予算の中で増産奨励をしようといっても、町村では非常にむずかしい問題が出てくると思う。こういう点については自信があっておやりになっておると思うのですが、少なくとも、私は、共同会社であっても、共同会社でなくとも、地域の割り方は行政区域にまたがってやらなくても、原料調整で幾らでもできると思うのです。そういう点は、これは試案ということでありますけれども、私としては十分検討していかなければならぬと思うのです。こういう点については、この案が一番正しいとしてお出しになっておるのではないかと思いますが、いかがでありますか。
○須賀説明員 ただいま私どもが試案としてお示しをいたしております四十二年の段階においての原料集荷区域についての問題でございますが、この点は資料にもお断わりいたしておりますように、一つの試案でございます。従いまして、今後実際にテンサイが増産をされて参ります姿等に応じまして、最終の姿はある程度さらに調整を加える必要もありましょうし、また実現する姿がこの試案と変わって参るということも十分考えられるわけであります。しかしながら、われわれといたしましては、今後八工場の新設を予定することにつきまして、一応の原料集荷区域というものを一つの構図として描いてみなければならない。それで道庁当局ともこまかく打ち合わせをいたしまして、現地当局の意見も十分に聞きながら一つの試案を出しておるわけでございます。考え方といたしましては、原料調整をする事態を考えませんで、一応きめました原料集荷区域の原料はそれぞれ当該工場の引き当て原料になるという考え方でやっておりますが、その場合も最末端の姿として町村を分割するという事態は考えないで、少なくとも一町村は一町村として、まとまって一つの工場に入るという姿で考えておるわけであります。繰り返して申し上げますけれども、一つの試案でございますから、なお実際には事態の推移によりまして検討する必要があると思います。そういう考え方で、私どもといたしましては、十分現地当局の意見も聞きまして検討いたしました一つの考え方でございます。
○松浦(定)委員 長官の説明ですから私は黙って聞いておるのですけれども、私どもはこういう形では問題が起こるもとだと思うのです。町村だけは離したくないといっても、町村よりもっと上が大事なんです。そういう点については、また後刻生産計画全体についての質問のときにいたしたいと思います。 そこで、私は大臣にちょっとお尋ねいたしますが、私、前に生産計画の点について申し上げましたときに、北海道の畑作農耕地面積の調査が道と国の統調との間に十万町歩の差があるということを申し上げておいたのです。この点について、北海道の十万町歩少ない数字を国の方でそのままお認めになっておるのですが、これは何か理由がございますか。大臣から話して下さい。すでに今までに私は話しておりますから、もし関係者でお話があったら、そのことくらいちゃんと御調査になっておると思うのです。
○南條国務大臣 この前そういうお話があったかち、北海道に参りましたときに、道庁の方には、こういうことを委員会で言っておるが一体どうなんだということを尋ねておきましたが、その後私の方に回答がございませんので、関係局長から答弁させます。
○松浦(定)委員 それで、私は、少なくとも道はいろいろ事情があってそういう落とし方をしていると思う。道がたといどういう落とし方をやろうといたしましても、府県がやっても、国の統調の数字というものは動かすべきじゃないと思う。国の方で七十四万四千町歩のものを、道の方で六十四万四千町歩といったような、そういう形で落としたのでは、国の統調の権威にかかわると思うが、そのことを言っておる。理由をつければ理由がつくでしょう。理由がついても、われわれがいろいろ統計の本を見れば、どれを見ても、前に申し上げましたように、そういう点が出る。その点を私は言っている。だから、何かそこに数字でこの北海道の八カ年計画をしぼり出し、あるいはまた年次でこれを調整し、場所でもってこれを入れることを操作する、そういうことになれば、できないところにもビートはできるようになるし、できないところに会社を作らなければならぬことになる。あるいはもう一つひどいところになりますと、土地改良の——これは振興局長といろいろ質問するときにしたいと思うのですが、土地改良の問題の中に入りますと、もうすでに今まで土地改良してしまったところに土地改良をしなければならないような予算の割当がくるわけです。あるいは予算はきてもやるところはないといったような、そういう矛盾のところも出てくる。そういう点、八カ年計画をずっと見まして、こまかくここに四月も前にいろいろ問題としてあるのです。これはあとから生産計画の質問を私はいたしますが、ただそういう考え方で発足したこの八カ年計画を立てる基礎になったりなんかするところにおいて、この問題がどうかということの問題があるから、私はお聞きしておる。
○南條国務大臣 今の問題は少し誤解があるようでございまして、振興局長の方でその点は十分御答弁ができることになっておりますから、かわって局長から答弁をいたさせます。
○増田説明員 ただいま御質問の北海道の耕地統計に関する二つの資料に関します差異についてでございますが、御存じの通り、農林省の統計調査部の数字の方が道の統計よりは上回っているわけであります。これは、根本的に見ますと、統計調査の方法に関して本質的な相違があるわけでありまして、いわば道統計は属人的な農家の個々から聞いた統計でございます。従って、それは農家の聞き取りによる数字がそのまま出ているわけであります。統計調査部の数字に関しましては、そういう農家の調べを基礎にいたしまして、標本調査によりましてその差異を修正し、拡大した数字でございます。そのためにそこに十万町歩の大きな開きがあるわけでございます。私どもは、正確を期する場合におきましては、農林省統計調査部の数字を使うのが当然でございますが、ただ、これを使用する場合に、使用できない理由があるわけでございます。というのは、統計調査部の数字は全道一本の数字として出て参るわけであります。われわれが作業する場合にぜひとも必要な市町村別のいろいろな条件別の詳細な統計というものが実は得られないわけでございます。市町村別に非常にこまかくいろいろわれわれの必要とする資料を提供いたしておりますのは、その道統計でございます。従って、私どもは作業をやります場合に、道一本でしぼらずにこの作業を市町村段階におろしたわけでございます。したがって、市町村段階におろしてこれを積み上げて、道全体に反映させるというような方針をとりました。そしてそれは前々国会以来しばしば私どもの言明した通りでありまして、そういう点におきまして道統計を使用せざるを得なかったわけであります。ただここで問題になりますのは、この場合に過大な見積もりを避けるということであります。そういう点におきましては、道統計は数字が小さいわけでございますから、過大な見積もりをする、計画がそういう原因によって過大になるという要因が排除できるわけでありまして、そういう点に関しましても、私どもがいろいろ北海道庁より聴取いたしました計画の立て方は、この際適切な方法ではなかったかと考えるわけであります。ただ今後そういう問題が、ただいまいろいろお話しになりましたように、現地におきます反当収量の今後の見通しあるいは土地改良等の事業費の見通しに対しまして、何らか誤まった要因を与えておるといたしますと、実は困るわけでございますが、そういう点におきましても、現実に道統計によります市町村別統計によって理解されておりますところの町村別の調査数字に基づきまして、土地改良の費用あるいは反当収量というものを組み立てて参ったわけでございますから、そうよいう点は過大な見積もりはないものと私どもは北海道庁より説明を受けております。そのように了解しておる次第でございます。
○松浦(定)委員 理由はいろいろあるからそういうふうになったと思いますが、そういたしますと、たとえば税対策にでもしようとすると、これは隠し反別だ、こういうことで、一部にはそういうときにものさしを当てるようになるわけですね。今度はビートを作るということだけですから、いかにもあるところだけやっておるのだということになりますけれども、土地改良と日いえばそうはいかぬ。やはり十万町歩含めて土地改良をやっていかなければならぬ。そうでしょう。これは輪作係数でやるのですから、たとえば八万町歩なら八万町歩だけでない。ですから五年輪作なら四十万町歩、六年輪作なら四十八万町歩ということになる。ですから、十万町歩はお預けして、それを引いて土地改良も予算をやらぬということになる。極端に言えば、都合のいいところだけ、今まですでにある程度土地改良ができたり何かしておるようなところだけにやってビートを作らして、そうしてもうかるとかもうからぬとかいうことになるわけです。ですから、今度ビートのことだけでこういう数字をもしお使いになるならば——全体の農家はやはり六十四万四千町歩という畑の生産が上がらなければ困る。これはビートだけではないわけです。そういうことで、なぜこのビートのあれによってこれを出されたかという心配があるから、私は申し上げておる。ところが、最後になってきますと、何か税金対策にするときには隠し反別——これは水田だったら大へんです。水田だってもしやる場合にはこういう調査をやる。そうして何かの補助金を出すとかなんとかいうときには、現在の水田調査から五万町歩も落としたものをやっておるけれども、税金対策のときには、こういうことではない。われわれの調査ではこういうことがある。たとえば共済の問題で出す反別は、おそらく畑作には共済は全部ありませんからいいけれども、もし畑作全般が、南條農林大臣がおっしゃるように、農業基本問題を中心にして、これから北海道あるいは全国の畑作を振興するという対象になった場合に、都合のいいときには落とし、予算をやるときにはもう十万町歩を引いたものでやる、こういうことになる。そういうものがここの中にある。調べてみますと、町村によっては、この八年計画の調査はあまりにもずさんではないかということを申し上げておる。たとえば特に営農地帯五千町歩をひっくり返してやろうと言うけれども、そんなことは私はおそらくできないと思う。そういうところは、反別がふえないから工場が建たぬということになる、あるいはビートを作りたいけれども、土地が購入できないから作れないということになるので、先ほどもちょっと申し上げましたように、八工場建てるといっても五工場くらいで、千トン、千五百トンつぶすということになれば、そういう恵まれない地帯だったら、私はそう上がってこないことになると思う。極端に言えば、土地改良をしなくてもいつでも増産のできるような地帯にふやしてある。だから、この前いった八千も反当で上がるようなところを作っておく。そういうところには四千以内でも工場が立つ。だからここは一年でやってもいいということが今度の調査でもわかっておるでしょう。そういうことが原因しておるわけです。もしこれが私が言ったように水田にこういう問題をやったら、統制撤廃をやらぬからいいけれども、統制撤廃をやったら必ずこういう問題が起きてきて、道の調査と国の調査は違うけれども、そのときにはそうでないのだと言って、必ず今の中央のものさしを当てると思う。水田の場合でも今のように寛大な処置をとっておやりになる決意があるならいいけれども、このビートの問題に限っては顕著な例が現われている。だから、工場をどこに建てるとか、どの会社がやるということではなく、こういう問題までやるならば、やはり実際の反別が上がってきて、そうしてこのことが北海道の寒地農業あるいは暖地農業の振興だとか、そういうワクの中に入らないでできるところだけやってやるということになるから、それを私は質問している。それはわかりました。十万町歩やられたことについてはわかりましたからよろしいですけれども、このことについては、いずれまたずっと時間があるときに振興局長にその八カ年計画の内容について申し上げますから、大臣はそのことだけ一つお考えになっておいていただければいいと思うのです。あと芳賀委員からいろいろ御質問がありますし、ビート問題については先ほどのように共同会社からの回答がない限りそんなにあわてないというような見解でありますので、このことについては以上で質問を打ち切りまして、大豆問題についてちょっとだけ御質問をいたします。 今度大臣が北海道に参られまして、農業団体から非常に強い要望があり、大臣も何とかして三千二百円で全部買いたいというお考えのようでありますけれども、この間からの質疑応答のように、三十五年度は三千二百円で買えるにしても、三十六年度以降は三千二十円だ。それではあまりにも酷だ。三十五年度から貿易の自由化をやめるわけでもないし、極端に農業基盤が確保されて反収が五割も増すという効果が三十六年度に現われるということもないが、こういう点については、やはり大臣は前会のあれと同じように三十六年度から三千二十円でしか買えないのだというお考えか、福田農林大臣がおっしゃったように、将来そういう考え方で農家の基盤を確保するためには三千二百円で全量買う、こういう言明と同じ見解であられるかどうか、お聞きしたいと思います。
○南條国務大臣 この点につきましては前会もいろいろ御議論がございましたが、前の福田農林大臣でも、速記録をごらんになったかしれませんが、必ず長く三千二百円で買うという言明でないようにも聞いておる。とにかく三十五年度産については三千二百円で全部買うということには変わりございません。
○松浦(定)委員 私はさっきも申し上げましたのですが、農産物の価格安定法というものは最低価格を支持するわけです。ですから、大豆なんかは一俵も政府が買わなくても、あっせん程度で終わったわけです。ところが今度は最低価格でなくて最高価格になるわけです。なぜかといえば、今度は市場の方では何も高く買わなくても外国の安いものが買えるということでありますから、政府の価格よりも以上に高くは農家の物を買ってこないわけです。でありますから、今までは最低価格であるけれども、これからの価格は最高価格になるわけです。そこのところで、今まであれは最低価格として三千二百円の数字をはじいておられますけれども、最高価格の数字をおはじきになったことはないのです。今度はやはり責任ある最高価格ですから、先ほども陳情があったように、三千二百円に現実に三年間の平均数字が出ておるのですが、この平均数字をどうしてお認めにならないか。おそらく、今まで農林省では、何でも出されるときに、好凶の両端を抜いて平時を合わせた三年間の云々ということをずいぶん言っていらっしゃるのですから、今度の場合だけ全然それを認めないで、今まで一ぺんも買ったことのないものを一方的にきめた三千二十円でしか買えないというような、特にことしだけは仕方がないけれども来年度からはそうだということでは、大臣がこれから農村を振興しようという考え方からは、全然現実が食い違ってくると思うのです。この点については、今おっしゃった通りであるならば、これは大いに私は考えを直していただきたい。 それからもう一つお聞きいたしますが、実は先般この問題について、私は、前に農林政務次官をやり、そうして農林委員会の理事もやっていらっしゃった同じところから出ております本名代議士と農業団体の合同会議に招かれて、いろいろ意見を聞かれた。そのときに、本名大臣は(笑声)——地元では大臣になっておるのです。大臣格ですね。本名さんがどう言って説明をしたかと申しますと、実は私は今度は外務委員長になったから農林委員会には関係ないけれども、党の中では絶対に今までの立場を変えないのだ、実は委員会では質問しないけれども、先般もこの問題について、農林省のだれとは申しませんが、関係部課長というのですからえらい人ばかりでしょうが、そういう人を呼んで、もう三十六年も三十七年も、貿易が自由化になることを前提として三千二百円で全部買うようにきめましたと言うのですよ。だから心配ないと言う。事実ですか。これは大臣でなくても、ほかの人からでもけっこうです。(南條国務大臣「だれも答えようがない」と呼ぶ)答えようがないと大臣はおっしゃいますけれども、少なくとも党内においては、そういうふうに野党と同じように一生懸命で農民のためにやってやろうという人があるのですから、こういう点では、先ほど大臣のおっしゃったように、三十六年度もやはり福田さんの言ったように買わねばならぬという考え方に立って、この問題の解決をする努力をしてもらわないといけないと思う。党内からそういう人が出ておるのですからね。それについてはどういうお考えでしょうか、御見解を聞かしていただきたいと思います。
○南條国務大臣 私は先ほど答弁した通りでございまして、農民のためにはできるだけ高く買ってやりたい気持は個人としては十分ございますけれども、今のところさようなことは言明する立場でございません。
○松浦(定)委員 高く買ってやりたいけれども、今のところ言明できないと言っておるうちに、選挙になってしまって、選挙が終わったら追及しようがないということになると思うので、この点は、私どもは臨時国会でも開いてもらって、そのときに農林省あるいは大臣の見解を十分明らかにして、選挙に入らなければならぬと思っているわけです。この点は選挙前に明らかにしてほしい。選挙前には野党の言うのと同じようなことをただ選挙民にだけ言っておるのでは、これは私はどうかと思いますので、選挙前にこの点が明らかになりますかどうか、この点だけお聞きしておきます。三千二百円で買うか買わぬかということだけ明らかにしていただきたい。
○南條国務大臣 ただいままで答弁申し上げた通りでございますから、仮定的なことはちょっと申し上げられません。
○松浦(定)委員 それでは、時間の関係がございますので、以下は他の委員に譲りまして、一応私の質問を打ち切ります。
○小山委員長 田邊道國男君。
○田邉委員 北海道のテンサイ振興計画及びテンサイ糖工場新設について若干の質問をいたしたいと思います。 農林大臣に伺いますが、すでに新聞紙上で伝えられております農林省の案という合同会社、これに対しまして、会社側は、われわれとしてはこれを受け入れることは非常に困難である、こういうことを決議した。しかしまだその意思表示を農林省にははっきりしておらない。先ほどの大臣のお話でも、まだ自分は承知しておらないというお話ではございますが、現実に業界においてこの合同会社案なるものが非常に不評であることだけは間違いない。そこで、一体この合同会社案に対して農林省は今後いかような考え方をお持ちになってこれに対処なさるか、その点をお伺いしておきます。
○南條国務大臣 この点については、先ほども松浦委員に申し上げた通りでありまして、正式にはまだ会社から回答が来ておらぬのであります。しかし、今お聞きのようにいろいろなうわさは流れてはおります。従いまして、さような拒否をしてきた場合やいろいろな場合を想定しまして、農林省はどうするかというような御質問のようでございますが、かりに拒否をしてくる場合でも、どういう形で拒否してくるか、どういう内容であるかということを検討しなければわからぬのでありまして、まだその段階にならぬのに農林省はこうだとかああだとか御回答をする時期ではない、こういうふうに考えております。
○田邉委員 ただいまのお話によると、具体的に各会社側がその案を出すことによって、これに対してまた検討を加え、意思表示をなさるという。私どもの推測するところでは、いろいろの原因があって、そしてこれに対して答えをしておると思うのでございますが、まず第一に、この合同会社案なるものが出たということは、いろいろの会社が申請をした、これに対してどれを一つとってどれを一つ捨てるということは非常にいろいろの問題をかもすので、まあ一括してまとめて新設会社を、合同会社を作る、そうすることが一番安易な方法だというお考えであると思うのでございますけれども、農林省の今出しておる長期生産計画の四十二年度の生産計画の達成目標を見ておりますと——ちょっとその前に伺いますが、農林省で出しておる三十五年八月一日の、その中に、テンサイの総生産量、ヘクタール当たり二九・七八トンとありますが、その数字と、それから北海道庁で出しておる生産計画のトン数とは多少開きがあるのですが、これはどちらが正しいのですか。
○増田説明員 北海道庁で出しております同資料は、二九・八七という数字で、北海道庁でテンサイの長期計画を出して、それを差し上げておるわけでございまして、これは、厚いこの印刷した中に入っておるのが北海道庁から出された正式のものであります。これの数字とは見合っておると思います。
○田邉委員 そうすると、これは先般の委員会で配付になったものですが、ヘクタール当たり二九・七八トンというのは、八七トンの間違いだということですか。これはミスプリントですか。
○増田説明員 どうもこれは恐縮いたしますが、二九・八七で、・七八になっておりますれば、それはミスプリントでございます。
○田邉委員 わかりました。それでは質問を続けます。 そこで、この目的達成の四十二年度の計画を見ますと、面積が七万一千八百八十ヘクタール、それからヘクタール当たりの収量が二十九トン八百七十、生産量が二百十四万六千七百三十トン、処理量が二百九万三千六十トン、製糖歩どまりが一四・五%、産糖高が三十万三千四百九十トンとなっておる。これを三十四年度の実績と比較してみますと、今後の面積の増加分が三万二千五百五十九ヘクタールということになる。そうしますと、これを八工場で分割すれば、一工場当たりの栽培面積というものは四千六十九ヘクタールになる。そうしますと、現在の一工場の平均五千六百十七ヘクタールに対しまして、千五百四十八ヘクタール縮小することになります。率において二七・五%工場規模が減少するということになるわけでございますが、こういうように非常に新しく分割して建てようという一工場の生産規模というものを非常に低く計算して割り当てた、これから長期増産計画をしようというときに、一工場の生産計画を非常に低く出しておるということは、これは、裏を返せば、もっと工場の数が減少すべきものを、少数の工場を振り当てるべきところを、八工場の意向を十分満足させるために、その収量を、非常に生産力を低下した能力において八工場をふやすという矛盾があるわけでございます。ですから、これをもう一つ別の面から検討しますと、八工場の生産能力は一工場日産千トンとなっておるわけであります。既設の工場は千五百トン、そうしますと、一日約五百トンの差が出るわけであります。私どもが常識的に考えても経済単位というものがあるわけで、経済単位から考えたら、千二百トンから千三百トン、これが経済単位だと思うのですが、どうも農林省の考えておる案というものは、小規模の工場を建てようとしておられる。ですから、申請工場を総花的に認めよう、こういう無理があるのだと思う。そこで、これからの国民経済的な視野に立って、国民の税金というものを犠牲にして建てる会社というものは、非常に能率的な優秀な工場を建てるということが私どもは当然なあり方だと思う。そこで、この理想的な工場を建てるならば、やはり千三百トン、千四百トン、そういうような工場を建てるべきだと思うのでありますが、どうして千トンを一つの能力としてそういう工場を建てようとなさっておるか、その考え方を伺いたい。
○須賀説明員 今回の新設工場を認めて参りまする考え方につきましては、前回にもある程度御説明申し上げましたわけでございますが、新設工場を八工場見込むにつきまして、既設工場の能力と新設工場の能力とを差をつけて考えておるわけでございます。新設工場を認めます当時の能力基準等はおおむね千二百トン百二十日、そういう基準で工場が計画されたのでございます。その後の実際の操業の結果等を見ますると、逐年成績が向上いたしておりまして、予定以上の原料の処理をいたしておるわけでございます。従いまして、既設工場につきましては、その基準といたしまして、新鋭工場の正常操業に入りました年の処理数量を基準にいたしておるわけでございます。大体初年度はどの工場も成績が悪いわけでございます。第二年度以降正常操業に入りました後の実績をとってみますと、千五百トン百十日というものが出ておりますが、それを既設工場の基準にいたしておるわけでございます。 これから新設を認めます工場につきまして、その能力をどういうふうに見るかという点でございますが、これは、ただいま御指摘がございますように、見方はいろいろございます。なるべく処理数量の大きいものを少数作るという考え方、ある程度の数を幅広く認めるという考え方、いろいろ考え方はあるわけでございますが、私どもが今回とりましたのは、一応今後のテンサイの生産見込み量、それに対しまして既設工場で処理いたしますものを除きまして、残余の数量を処理いたします場合、新設工場としましては、最小経営単位と申しますか、一つの工場といたしまして成り立ち得ます最小必要限度の原料、これは原料配分計画におきまして責任をもって供給いたします。それが千トン百二十日という数字になるわけでございます。これ以上の数量はいずれ原料集荷区域がそれぞれの工場についてきまって参るわけでございます。その原料集荷区域につきましては、今後当該工場、会社の企業努力によりまして、なお増産の余地も十分あるわけでございます。企業努力によって増産をしてもらうことも十分期待をいたしておるわけでございます。従いまして、千トン百二十日の操業前提で工場を作る場合には、その新設を認めていくという考え方でおるわけでございます。工場を多数作るか少数作るかということは、いろいろ優劣、長短の問題はあるわけでございます。私どもといたしましては、相当の数の企業が具体的に現実に進出を希望いたしてもおりますし、また長期的に見ましてやはり工場ができるということが、原料テンサイの生産並びに北海道のテンサイの振興に役に立つという考え方をとっておりますので、こういう考え方で新たに八工場を作ることを認めるという計画を持っておるわけであります。
○田邉委員 今の工場の千トン百二十日、そしてその原料の集荷量が順次増加すればそれをまた考慮をする、こういうようなお話でございますが、私どもの見ておるところでは、数の少ない既設工場というものは、やはり今までの立地条件というものがいいわけですから、原料の伸びというものはやはり順調な伸びを示すと思いますけれども、今度は新設の工場の原料の伸びというものは私は非常に疑問だと思います。先ほど松浦委員からも御指摘があったのですが、たとえば原料地域図の問題でございますが、私どもが農林省の出したあの地域図を見ましても、何か非常に不公平といいますか、現実を無視した感じがする。それは、現地の実情、また受け入れ態勢というものを十分考慮しておらない工場建設計画のように考えられます。私が約三回北海道というものを視察いたしまして現状を見ると、たとえば鉄道というものが北海道にはあるのですが、私どもの見ているところでは、鉄道を一つの重大な輸送計画の中に入れて区域図というものが出ておる。私どもの北海道を歩いた感じでは、鉄道ということよりも、あのぼうばくたる平野を見たときに、これはどうしても道路が非常に発達して——みんな輸送というものはトラック輸送が大部分であるが、そういうものを無視した区域図というものができておるように思う。それを見て、私どもは、一体農林省の人たちが現地を見て、そうしてコンパスを引いたのか、見ずに図面の上でこれを引いたのか、こういう疑いを持たざるを得ない。そこで食糧庁長官に伺いますが、あの原料区域図というものを作るときに、一体現地を十分調査された上でああいう区域図を作られたのか。農林省の方たちが現場を見たというなら、どなたがごらんになったか。その点ちょっと伺いたい。
○須賀説明員 もちろん、私どもの方でも、この図面を引きますにつきまして、それぞれの地区、境界状況までしさいに個々に当たって調査をいたしたものではございません。主として一つの考え方の基準と申しますか、どういう考え方に基づいてこの十五の地域を分割するかということにつきましては、一つの考え方を通して参ったわけでございます。実際にこの区割りを作るにつきましては、道庁当局と共同作業をいたしたわけでございます。そういう現地的な事情なり、いろいろ考慮すべき点につきましては、道庁の考え方を十分に聞きながら、共同作業してこの図面は作成いたしたのでございます。
○小山委員長 田邊君、なるべく大臣に対する質問にして下さい、まだ大臣への質問者が残っておりますから。
○田邉委員 そうしますと、今の御答弁によると、十分連絡をして、そうして北海道庁の意向を十分参酌してやったんだ。そうすると、責任の所在というものはどちらになるのですか。区域図をきめたということは、これは北海道庁を十分信頼をしておやりになったということですか。それとも、自分たちがこれは間違いないという決定版をここへ引かれるということにおいて、食糧庁長官が自分の責任でこれは正しいんだということでおやりになったのか。
○須賀説明員 先ほど松浦委員の御質問にもお答えしましたが、これは一つの試案として出してあるわけでございます。四十二年における姿がこれと寸分変わらないものになるというような意味合いのものではもちろんございません。実際にこれからテンサイが伸びていきます状況等によりましても、変わって参ります要素も十分あるわけでございます。現在昭和四十二年の姿として一つの試案を描いてみるといたしますれば、こういうようになるという意味で、これはお示しをしておるわけでございます。 なお、この資料は道庁と共同作業をいたしたものでございますが、国会にお出しいたしておりますのは私の方でお出しをいたしておりますので、私の方で御説明申し上げる立場にあるわけでございます。
○田邉委員 それじゃ農林大臣に伺いますが、ただいま食糧庁長官のお話がございましたが、一体この原料区域図というものは決定版でございますか。それとも、決定版でない、いろいろの欠点があれば改良するというお考えですか。その点伺いたい。
○南條国務大臣 この点は、先ほど来政府委員からも御説明したように、一つの試案でございますから、将来八年間に、増産等の関係でどういう変化があるか——私はもちろん変化があると思います。大いに品種改良その他で逐年増産しておりますから、そういったような関係で相当変わると思っておりますが、一応試案であるということは、政府委員のお答えした通りであります。
○田邉委員 先ほどちょっと伺いましたけれども、この八工場を新設するということで、大体農林大臣のお考えはおありになる。私どもは、先ほどから申しましたように、この八工場を建てるということは非常に能率の低い工場を建てる。それはやはり今の日本の事情からいって、国家の保護を受けたその産業に十分思いをいたしてやる場合、非常に収率の低い工場を建てるということは考えるべき問題である。そこで、私どもの考えておるところでは、これを日産千トンというような一つの標準を置くから、八つの工場ができるのでございますが、これを千三百トンとか千五百トン、現在の既存の工場と同じようなもののスケールの工場を建てるということになれば、せいぜい五つかそこいらの工場に限定されると思います。またそれをやることがほんとうの行き方ではないかというような感じがするわけです。そうすれば、今の新設の会社、それから既設の工場を持った会社、こういうものに対して、私は機会均等の立場に立って、そうして収率のある工場が新設できるならば、新しい会社にその機会を与える。これがほんとうの行き方ではないかと思います。その点について農林大臣の御所見を伺いたい。
○南條国務大臣 五工場が適当か八工場が適当かということは、いろいろこれは問題でございましょうが、北海道の道庁の従来の立場からいきますと、北海道で畑作振興ということから、ことに寒冷地の畑作振興ということではビートというものが一番生産目標に合う。そこで、ビートを国策上増産したいという意欲がここ二、三年非常にある。そうしますと、最近非常に内地から一流の会社が北海道でビートを生産したいというので申請が多かったのが、たまたま八工場になったわけでございます。そこで、北海道としては、できるだけ他の資本をたくさん入れて北海道開発に資してもらいたいという考え方から、できるならば全部これを収容したいということから、こういうことができたのじゃないかと思います。そうしますと、従来の千五百トンであったものが千トンになるということは、他の工場と不均衡だというようにお考えでございましょうが、これは政府委員からも答弁がありました通り、当初契約でございます。今のどの既設の会社でも、当初二、三年前にやった当時は千トンぐらいで始めたのが、千五百トンぐらいになっておるわけです。現に台湾製糖のごときは昨年操業しましたけれども、初め千トンが千二百トン、今年は増産されて千五百トンできるというわけでございます。この北海道の事情を申しますと、一カ所に工場ができると、その附近の農家が非常に増産意欲が多くなってきているのは事実であります。従って、初年度は千トンであっても、二年、三年となりますと、その工場が千トンが千三百トン、やがては千五百トンくらいになるということは、今までの経過から見てあり得ることであり、また最近は非常に技術が進歩して参りまして、今まで北海道ではビートというものは大体三千斤か四千斤の反収というものがあったそうでございますが、最近においては六千斤、八千斤、部分的には八千斤がたくさんあるという状況でございまして、これは将来非常に技術的進歩、品種改良が早いと思います。従いまして、世界的水準にまでもいけるというようなことから申しますと、今大体五千斤平均ですが、これが将来七千斤、八千斤ぐらいになるということから考えますれば、今かりに千トンでありましても、そう不公平な処置ではないように考えられますから、そこに非常に北海道の畑作振興に対する妙味があると申しますか、私どもはこういう点で妥当でないかと思っております。
○田邉委員 ただいまの農林大臣のお話によれば、最初の一年は約千トンぐらいでも、二年、三年目には千二百トン、千五百トンの能力を持つ工場になるというお話であってみれば、私どもの考え方は、やはり製糖技術というものは日進月歩でございますし、そして既存の会社が千五百トンできるときには、新設会社も同じだけの能力を持つ工場をやるだけの技術というものは十分備えておると思います。もちろん、初年度においては、あるいは大臣のおっしゃるように、立地条件の問題、また輸送の問題、いろいろの問題がありまして、十分の生産を上げ得られないとしても、千トンは上げられる。二年度からは千三百トン、千五百トンになるというお話の通り、もう二年度にそういうめどがあるわけでございますから、またここで千五百トンという一つの目標を置かずに千トンへ置くということになれば、八社なら八社を許可した場合に、一体それだけの収量をとり得る栽培がそれに伴うかどうか、これも一つの問題になると思う。そこで、私どもの考えておることでは、一度に八工場を建てるということよりも、二年目から千五百トンの収率が上がるような工場を建てられるということであれば、やはり数を制限して、そして機会均等の意味において、新しい会社にそういう機会を与えてやる、われわれは常識的に考えてそうすべきだと考えるわけですが、重ねて一つ……。
○南條国務大臣 田邊委員にちょっと誤解があるんじゃないかと思いますことは、今八工場許可しますが、三万ヘクタールのところに一ぺんに八工場を許可するのではなくて、三十七年度に操業するのは一工場、それから毎年一工場ぐらいずつ、土地改良その他土壌の条件がよくなったときにそうしようというわけですから、今の御説の御心配は要らないと思います。だから、今のところは、三十七年度ですと——三十六年度でも無理すれば一工場できないことはないのですが、今の御説のように少し責任数が少ないと思うから、そこでこれは既設の工場へ原料その他を割り当てておいて——三十七年度からならば二工場は十分できるだけのものがあるということでありまして、そうすると三十八年度、九年度、順次に一工場ぐらいずつはできるだろう、そうして八年間に八工場ということですから、御心配は要らないと思います。
○田邉委員 今のお話だと、千五百トンの能力が十分ある工場が順次建っていって、最後に、あとの三工場、四工場というものはもう出ていく余地がない。今の集荷区域に非常な矛盾があると思う。そのときに、もうそこへ建ったら、能力はあるのだけれども、一体集められるかどうかわからない。そういうような問題が出たときに、初めの計画はそうであっても、途中へいって、あとの三つや四つは実際問題としてもう設立不可能だというような場合が起きはせぬかという感じがするのでございますが、その点、現在長期の生産計画の見通しを持って、千五百トンの生産工場を建てても、八つぐらいは将来八年間に十分建つんだ、こういう点においていささかの不安もないかどうか、その点大臣から……。
○南條国務大臣 私はそういう点については絶対心配はないと思うし、むしろ将来については、十年後ならば、八工場でなく、もっとふえるという事態が来るんじゃないかと思うくらいで、将来このビートに対する生産もふえるんじゃないかと思う。ことに北海道などは、たとえば根釧平野のパイロット・ファームなどを田邊委員もごらんになったかと思うのでありますが、あれなどは、北海道では全然不毛の地として、今日までだれも開墾しなかったところです。それが二、三年前から機械開墾で、そして寒冷も全然心配ないということになりまして、ビートについては非常に生産率が多いということであります。こういう面が、あそこら辺だけでも五十万町歩あるということであります。この根釧平野の未開墾地は、今ようやく二万町歩足らずですけれども、さらにこれを推進して明年もやりたいと思うくらいですから、あの辺が一番悪いところと思っておっても、そういうことなんです。ですから、今考えておる計画の中にはそういうものはないと思いますが、今考えておる試案の中で、将来八年間に五工場できて、あとの三工場はできなくなるだろうという御心配は絶対ないという考えであります。
○田邉委員 それでは最後にお伺いいたしますが、先般、この委員会で、農林大臣は、社会党の芳賀さんの御質問に答えて、ホクレンの工場認可ということは別扱いにしない、こういうようなお話のように承ったのでありますが、その点間違いございませんか。
○南條国務大臣 全くその通りでございます。
○田邉委員 私は、大臣のお答えはいろいろの面において考慮なさった御発言だと思います。今北海道でホクレンの持っている工場が一つある。しかしながら、ホクレンの一つの性格として、こういう工場を経営することによって、北海道の農家の生活安定に資し、農家の不安なからしめる、こういう意味であるならば、私どもは喜んでホクレンの工場新設というものを望むわけでありますが、現在のテンサイの原料というものは、やはり国家的な補助のもとに成立しておる産業でありますから、この価格の最低基礎というものがはっきりいたしております。こういう場合に、一つの会社、またホクレンのような協同組合の形の工場、これを比較いたしましたときに、ホクレンの工場の場合にはテンサイの生産原価が特に安い、そして普通の個人の会社の方が非常に安い原価でこれを買う、こういう差がないという現実においては、私どもはあえてこの際ホクレンが新しい工場を求めるということは非常に考えものであると思います。 私どもが心配する一つの問題は、今、時代は、なるほどテンサイ長期計画というものが進められておるわけでありますが、一面において酵素糖化の時代に順次なりつつある。そうした場合に、日本の甘味資源というものは、必ずしもすべてがテンサイにたよらなくてはならぬというだけのものではなくて、あるいはバレイショ、それからカンショ、こういうものに向く時代が早急に来るのではないか。そのときにホクレンがテンサイ糖の工場を順次建てていく。そうして酵素糖化の時代になったときに工場不振になる。そうすれば、そのしわ寄せというものはすべて農民に来る。しかし、営利会社がやった場合には、営利会社がその欠損を全部背負うわけであります。私ども農村に生を受けておる者が非常に心配することは、この農家の不安というものをなからしめるために、ホクレンが製糖会社を作るということは、この際不要の摩擦を起こすわけでありまして、農家の安定した経済を保つという意味においては、むしろ民間会社に大いに経営の合理化をさせ、生産増強をさせて、原料を一括集荷して工場に提供するというような役目をするのがホクレンの真のあり方ではないか、こういう感じがするわけであります。私どもは何もホクレンに反対するわけではありませんが、農家の一人として、将来そういう不安がある酵素糖化の時代が必ず来るのだ、そのときにはホクレンが建てたたくさんの製糖会社や工場の転換はなかなかむずかしい、そのときのしわ寄せというのはすべて農民にかぶってくる、そんな不安をこの際持たせることよりも、むしろ危険を負担させるならば会社経営にまかした方がいいのではないか、こういう感じがするわけであります。結論においては、私、農林大臣と大体同一の見解であります。 最後に、私が先ほどから申しましたように、いろいろの面でこの合同会社案というものはまだ検討の余地がある。そうして各社とも非常に不満の意思を表明しておる。しかし、農林大臣にはその意見が達せられないというお話でございますので、私もじきじきに大臣にその実情を申し上げたいと考えておりますが、とにかくまだ考慮さるべき問題が多々あるわけでございますから、一つ十分考慮なさって、早急に結論を出さないように切にお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○小山委員長 芳賀君。
○芳賀委員 最初に資料の問題についてお尋ねいたします。先般十二日の委員会で、私は、ビート工場の規模別あるいは歩どまり別のコストの対照表について、全部百二十日操業として、千トン、千二百トン、千五百トンのそれぞれの規模の中において、歩どまりが違った場合にどうなるか、そういう要求をしたのですが、これによると、千五百トンの分は百十日となっております。これはどういうことであるのかということと、それから歩どまりの点についても、委員部を通じまして一五%までのものを出してもらいたいという要求をしておったのですが、それが落ちておる。その点について事務当局から一応の御説明を願いたい。
○須賀説明員 これは、あるいは芳賀委員御要求のものと、私どもで作成いたしました考え方が食い違ったことになるかと思いますが、千五百トンの場合に百十日ということにいたしたのは、今回の工場新設を考えますもとになっておる考え方が、既設工場については一日当たりの処理量が千五百トン、操業日数が百十日とわれわれは考えております。新設工場につきましては、一日当たりの処理量が千トン、操業日数が百二十日というふうに考えましたので、それを持って参りまして計算をしておるわけであります。従いましてロスの見方等も、当初の標準糖価の場合は三・五と見たわけでありますが、この場合は二・五をここへ持ってきておるわけであります。 それから一五%の御要求がありましたのは、これはあとで調べてみますと、確かにそういうことになっておるようであります。私どもの方でこのテンサイ振興計画の内容に持っておりますのは、最終年次におきましても歩どまりは一四・五になっております。一四・五で計算しております。ただ一五%の方の資料を要求されておりますので、一五%の分は追加して計算しておるわけであります。
○芳賀委員 これは大臣もおられるので委員長から注意してもらいたいのですが、私たちが委員会を通じて資料要求をするのは、国会法あるいは衆議院規則に基づいて、委員として内閣に対して成規の要求をして出しておるわけなんです。だからわれわれの要求に基づいて忠実に資料というものは出されるべきものなんです。それを政府当局が勝手に歪曲して、委員の希望に沿わぬような資料を出して、それに理由をつけるなどということは許されないと思います。農林大臣も議員を長くやっておられるからおわかりでしょう。この点は委員長から厳重に注意してもらいたい。
○小山委員長 芳賀君にお答えいたします。これは芳賀君要求資料と書いてございません。これは農林省が勝手に作った資料ではありませんか。だから芳賀君の要求資料としてもう一ぺん出させましょう。
○芳賀委員 あなたはちょっとぼけているのじゃありませんか。これは、十二日の当委員会において、私が第一表、第二表は正式に資料要求をやっておるのです。
○小山委員長 農林省に申し上げますが、委員会の要求通り作ってくるときは、だれだれ君の要求による資料として出してもらいたいのです。そうしなしと……。
○須賀説明員 芳賀委員御要求の資料の作成につきましては、私ども省内連絡の手違いがあったようでありますから、御要求通りの資料に改めまして出し直します。
○小山委員長 同時に、何々委員の要求による資料と書いて出して下さい。いろいろ行き違いが出て参りますから。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、この表を大臣もごらんになればわかる通りに、先ほど田邉君からも意見がありましたが、工場を作る場合、たとえば千トン工場とか、千二百トンとか、千五百トンの工場の規模によって、糖価はコストの上で非常に違ってくるわけです。ですから、政府が国の糖業政策を進めて、そのことが国民経済に寄与するということを前提にして考えていくとすれば、営利会社の擁護ということに重点を置くよりも、むしろ国民のためということで政策を進めてもらわぬといけないと思うのです。この資料をごらんになってもわかりますが、非常な差がある。千トン工場の百二十日操業の場合と、千五百トン、百十日の操業の場合においても、大体一ピクル当たりで五百円以上のコストの差がある。一ピクルというのは百斤です。そうすると一斤で糖価が五円違うのです。これは非常に大切な点だと思うのです。なぜ政府が五円高い砂糖を無理に会社に作らす必要があるかどうかという点について、大臣から国民の前に明らかにしてもらいたい。
○須賀説明員 これは御指摘のございますように、それぞれの操業規模、能力によりまして、それぞれ糖価に原価計算上差が出て参りますことははっきりいたしておるわけであります。ただ先ほど来委員の皆様からの御質疑によりましてお答えいたしておりますように、今後北海道のテンサイ糖業振興を進めていきます上については、総合的に考えまして、八工場の新設を認めて参ることは、テンサイ糖業振興に積極的に寄与するという考え方でこの工場新設方針を進めておるわけであります。しかしながら、それが著しく不経済と申しますか、あるいは著しく非能率ということでありますれば、もちろん非常に問題になるわけであります。しかし今回考えております千トン、百二十日操業規模をもって見ましても、最近の原料歩どまり等が向上しておる、また製糖技術も向上いたしまして順次製品歩どまり等も上がってきておるというようなことを考えますと、操業第二年目あたりからは採算に入ってきておるわけでございます。そういう点から見まして、著しく非能率的な工場の多数乱立ということにはならない、さように考えております。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、政策を進める場合、究極的にはやはり国民に利益を与えるということでなければいかぬと思うのです。七つか八つの会社に大きな利益さえ与えれば、あとのものは犠牲になってもかまわぬ、こういう考え方は改めてもらわぬといかぬと思うのです。資料を一つ見て下さい。これは千五百トン、百二十日にすればまだコストが安くなるのです。十日間縮めてあるが、二と三を比較してもらえばわかる。千五百トン、百十日、一三%の歩どまりの場合、ピクル当たり五千五十円、その下の三は千トンで百二十日操業の場合は一三%の歩どまりにしてピクル当たり五千五百八十五円、ピクル当たりについて五百三十五円のコストの差があるわけです。ですから一斤五円三十五銭違うのです。ここを言っておる。今までの芝浦にしてもホクレンにしても、あるいは日甜の美幌工場にしても、農林省が許可を与えた表面は千二百トン規模の百二十日操業ということでやっておるが、実際の能率は、芝浦等の実績をとってみても、平均して千六百トン毎日切断して、百十何日で操業を終わっておるわけです。ですから、既存の工場が、農林省が許可した千二百トンの規模の工場を建てさせて、そうしてこれらの工場に対しては、北海道東北開発公庫から二カ年にわたって十六億円の有利な融資をしておる。ですから、そういうものが現実に操業されて、しかも運搬距離等にしても、大体これらの地域の工場というものは、煙突の煙の見える半径の中から集めてやれるということになっている。ですから、これが今後三万ヘクタールも耕作反別がふえて、工場が四つあるいは五つふえていけば、全道どこに工場を建てても、現在よりも輸送距離は短縮され、運搬の面においてもコストは当然下がるわけです。ですから、そういうように時代が新しい方向に進んでおるという場合に、政府としては砂糖についても将来は自由化というものを考えておる。自由化ということは、国内におけるそれらの保護政策を漸次やめて、そうして国際競争をやらせるというところに自由化の目的があるわけです。自由化を唱えながら、コストがどんどん高くなるような政策をとって、一体自由化をどうやってやるか。そういうことになれば、当然国民の負担を重くして、砂糖の値段を高くしてやっていくよりしようがないということになると思う。だから、明らかに一斤五円三十五銭高くなるような小規模工場の案というものは、これは国民に対しては申しわけない案だと思うのです。それを、あなたの着想で当局にやってみろと言ってできた案ならいいが、食糧庁長官ともあろう者が、のめのめとこの方が大した実害がないというような説明をするということについては、われわれとしては絶対に納得できないわけです。ですから、一体国民の負担によって高い砂糖を作るつもりでおるか、その点は大臣からはっきりしてもらいたい。
○南條国務大臣 決して高い砂糖を作らすために小さい工場をたくさん作るというようなことは思っておらぬ。しかしお説のように、そういうことになるのじゃないかとおっしゃられれば、一応そういう考え方もございましょうが、しかし先ほど述べた通り、これはどこまでも、一応八工場をあてはめるとああいうことになるという試案でありまして、私どもは三十七年度にもし二工場をやるということになりますれば、この点は変更して、それらの御意見を十分入れてやるような方法もあると思いますから、何もそういうことにこだわらないで建設的な御意見を聞かしていただきたいと思います。
○芳賀委員 大臣、私どもはこだわっていない。しかしあなたは詭弁なんです。この八工場案というのは、一千トン規模の案というのは、農林大臣が会社を集めて、会社八つとホクレンとで九つでしょう。それを八月一日にあなたが正式に呼んで、そして合同会社案なるものを示した。その付表に、今後新設工場を八工場作るんだ、そしてその地域というものは大体これとこれの地域の中に作るということをちゃんと添付して会社側に示したわけです。だから、試案とか素案であるとすれば、一生懸命会社を呼んで農林大臣案なるものを公に示すということは、早過ぎたということも言えるわけですが、試案じゃない、会社に示した案がこれなんですから……。これを会社の方では検討して、こういう農林省案というものは、甘味資源の十カ年計画の精神にももとる、こういう小さい工場を建てたのではもうからないのです。やはりもうかるということになれば、自分自分で一つずつの工場がほしいが、しかし千トンでやって一斤五円もコストが高くなるようなことでは、五十三円十四銭という標準糖化がきめられておるから、やはりそろばん勘定からいってものめないということになる。だからその点は単なる農林省の思いつきとか確信のない大臣の単なる思いつきであるとすれば、それは今大臣が言われた通り、ここでこれはほんとうの試案である、粗案である、そういうふうに言明してもらえれば、またわれわれとしても今後委員会等を通じてもう少し合理的なものをお互いに協力して検討する余地もあると思うのですが、その点はいかがですか。
○南條国務大臣 ただいま芳賀委員から、こういうことなら各会社は損をするからどこもやらぬだろうというような御意見です。ところが千トン工場でもいいから急いでやらしてくれということを各会社が非常に希望しておるわけであります。そこで会社側というものは、今の砂糖の需給事情から見て、北海道のテンサイ糖というものは相当魅力があるものだ。そうすれば、最初は千トンで始めても、大いに生産意欲を燃やし、土地改良その他も、技術を動員して、一そう利益を上げるような創意工夫をするものだと私どもは考える。そういうことからいっても、内地の一流の会社というものはそういう点において創意工夫をし、技術の面においても安心ができるし、資本もまた国民に負担をかけぬで済むから、こういうものを移すということはよかろう、北海道開発の面からいっても、そういう有力な資本を持ったものが出てくるのはよかろうということで、道庁もああいう政策を立てたと思います。ですから芳賀委員は御心配になって、こんな採算がとれぬものはだれもやれぬだろうと言いますけれども、やりたいというものが多いから、結局仕方がないからああいう案を作った、こういうことになったわけです。
○芳賀委員 それは千トンでも何とかやれるということをあなたは説明しただけですね。もう一つ大事な点は、それでは千五百トンと千トンでやった場合、いわゆる所得倍増の方向に行く場合には、やはり農家に対しても、反収を上げるだけでなくて、価格面においてもやはり所得増加の方向に政府は考えてやらなければならぬ。その場合の可能性というものを一つ考えてもらいたい。千トンの場合には、これは一四%の歩どまりになった場合に、やっと今の原料については千斤当たり三千百五十円の値段でなければできないわけです。ところが千五百トンの場合は、一四%になると今度は四千六百八十九円ですから、大体六百円くらいの差が出てくるわけですね。その分は、糖価を今の状態で置くということになれば、当然会社が不当に近いような利益を上げることになるから、そういう場合には、やはりビート振興に協力した生産者に対して原料価格の引き上げとか、そういう利益配分をやる余地も十分ここに出てくるわけです。これは前回も指摘した通り、適正規模でやって一四%程度に上がれば、糖価を同じにして、今の原料価格を一割程度は十分上げることができる。これは可能なんです。ところが千トンだと農家に対しては原料を上げてやる余地がないのですよ。こういう点だけを考えてみても、ビートの振興というものは国策の上から見ても、あるいは畑作振興の上からも、これは利点があるということであれば、やはり適正な工場というものを建設して、その利益というものは会社も生産者もあるいは国民もひとしく均霑できるような案を作って進める必要があるし、そういうものを作るのがすぐれた農林大臣の仕事だとわれわれは考えておるのですが、いかがですか。
○南條国務大臣 十分御意見のほどは尊重して今後進みたいと思います。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい。これは資料で出してもらってもいいのですが、今後新設八工場という場合には非常に無理がある。ただ一点だけ指摘しておきますと、この政府案によると、これは道の北部ですか、士別日甜の工場があるこの地域においては、現在の耕作実績よりも三倍ぐらいの耕地にこれをふやさなければ、この士別の日甜工場というものは経営できないという仕組みになっているわけです。全体を通じると耕作反別というのは、実績は三万九千ヘクタールで、今後八年間に三万二千ヘクタールをふやすのだから、倍にする必要はないのですが、今度の表に示されたいわゆる士別日甜の工場区域というものについては、現在の三倍程度に耕作面積がふえなければ原料確保ができないという内容になっている。この地域は南條さんよりも私の方がよく知っている。田邊委員よりも私の方が詳しいわけですが、ああいう北限地帯の非常に寒冷多湿の地帯で、相当思い切った土地改良等をやっても、根釧原野よりもこの地域、特に天北原野というところはビートの作付に適さないのです。そういうところで一体どういうような具体的な施策を進めて八年間に三倍の耕作反別を確保できるかという点について、大臣も自信があるようですが、御自信のほどを示してもらいたい。今御答弁ができなければ、あす資料でお出し願ってもいいです。
○南條国務大臣 それは見解の相違ではないかと思うのです。芳賀委員のおっしゃるように、いろいろな悪い条件ばかり考えればそういう見解もあるでしょうけれども、道庁の今の生産計画は、この程度ならば、過去の今までの北海道におけるビートの生産計画の伸び、またその後三工場もできましたが、これらのビート工場の操業状態から見て非常に生産が伸びている、こういうことを基礎にして作った案だと私は思う。また私どもしろうと目で見ましても、最近の北海道におけるビート生産というものは非常に将来性があるという希望が持てると私は言える。それは反収におきまして、水田の単作地帯が北海道でかりに一反歩三万円とする。内地の畑作は一反歩一万円から一万五千円、二万円程度だ。ビートの根釧あたりの農家に行って聞きますと、もう二万円以上はとれる。その他家畜やら牛乳やら、そういう副産物を加えると、十分一反歩三万円以上になる。自分らは水田をやるよりもこの方がよろしいのだ、こういうふうに割り切っているぐらいで、従って五百万からの負債を背負っても十五カ年の償還は十分できるのだと非常に張り切って、希望を持ってやっているのです。ですから私どもはこういうことを見ますと、北海道は寒冷地で、水田農家が、水田が一番価格が安定しているからやむを得ず米を作っているけれども、ビートを作ることがそれ以上いいということになれば、農家はその方にどんどん行くのではないか。今の北海道の大豆などは、自由化によって非常に不利益だというのでことしあたり大豆の畑作は現に減っておりますけれども、そういうものはビートにかわると思うのです。そういうふうに私は非常に希望を持っている。いろいろな点で芳賀委員は、君だけが北海道の農家、農作物について非常なエキスパートみたいなことを言われるけれども、私はそうでない、別な角度から北海道の畑作というものは考えなければならぬという考えを持っている。それには酪農とビートの畑作というものは非常に振興する。あれこれこういう観点から見れば、道庁のこの計画は決してずさんなものではない。私はもっと伸びる可能性があるものだというくらいに考えている。そこは見解の相違ですから申し上げませんが、そういうようなことで一つお考えを願いたい。
○芳賀委員 この点は政策の相違とかなんとかいうことじゃない。実際の土地からものを生産する場合ということになれば、見解の相違も何もないのです。ですから大臣が適切な説明ができなければ、これは事務当局から具体的な資料を出してもらえばいい。士別日甜の地域において作付されておる各作物が他管内に比べどういうような収量を上げておるかという点、これが今後ビートに大きく転換する場合の可能性というものは、どういうところから出てくるかという点、それから土地条件が一体どうなっているかということ、それからさらに、ここは昨年の実績に比べて伸びていないのです。三倍伸ばさなければいかぬのに伸びていないというのは、やはり大きな理由があると思う。ですからその理由はこういう点であるという、大まかに四点くらいでいいわけです。そういう点は見解の相違でも何でもない。ただ北海道の土地条件とか気象条件とか、そういう立地条件をできるだけわきまえておるものの立場からいえば、南條さんの御意見より私の方がいささかまさっておるということで、私は言っておるのですが、これはもう試験場からもどこからも、道庁からも資料を整えて、そうして政府の方から出してもらえば、何も議論をここでしようとは私は考えておりませんから、資料として出していただきたい。
○増田説明員 ただいまお話のありましたいわゆる道北、士別から以北、ないし西部海岸地帯におきます今後の増産計画を実際に実現するという方途に関しましては、確かに種々の困難があろうかと思います。従いましてこの点に関しましては北海道庁におきましても、特に意を用いた点でございまして、差し上げてありますところの北海道庁の長期生産計画におきましても、今後の増産計画の遂行というものは、いわゆる後進地域の開発に重点を置かなければならぬということを強調いたしておるわけであります。こういう後進地域におきます方法といたしましては、一般的に大臣から御説明がありましたように、やはり一つは土地条件あるいは土壌条件の根本的な改善であり、そしてまた片っ方は長期輪作計画の確立、従ってこれと結び合った酪農計画の樹立、合理的な作付体系の確立、それから機械化の推進、こういう手段、方法があろうかと思うわけであります。こういう方法がいろいろ考えられます場合に、やはりこの地帯におきまして予算と指導を重点的に志向するという着意が必要だと思うわけでありまして、予算面に関しましては、道庁も後進地域の開発に重点を志向するという方向でございます。特に営農指導面に関しましては、北海道庁におきましては大略一千名近い農業改良普及員がおるわけでありまして、こういうものの重点的な配置等に関しましても、現在検討をわずらわしている段階でございます。なおあるいは農協の指導員あるいは会社側の指導員、こういう人たちも現在相当おるわけであります。今後運営に関して、やはりこういう地帯に相当大きな力をさいていくという着意が必要だと思うわけであります。こういう点に関しまして、これが具体的に施策を実施する場合におきまして、基礎となるような資料に関しましてただいまお求めがあったわけでございます。できるだけ早く具体的な資料を作成して当委員会に提出いたしたいと考えております。
○芳賀委員 今の点は資料要求として正式に申し上げておきます。 次にお尋ねしたい点は、だいぶ時間もおそくなったようですから、できるだけ簡略に申し上げますが、大臣はしばしばホクレンにはやらせたくないようにとれる発言を至るところでやっておるわけです。たとえば先般北海道に行かれましたときにも、八月の二十八日にあなたの選挙区の岩見沢で記者会見を行なったとき、合同会社案にも触れられましたが、合同会社案がだめになってもホクレンに優先的に認めてやらすという気持はいささかもない、そういうことを言っておられますし、また先般私の質問に答えても、ホクレンのやり方は、人の目に指を突っ込むようなやり方だとか、それからまたビート工業というのは非常に危険な産業で、危険が伴ってなかなか安定性がないので、こういう危険な損をするような仕事は、これはやはりホクレンにはやらせたくない。そういうような発言をしばしばやられておりますが、ホクレンにやらせたくないという考えの根拠というものは、一体農林大臣としてどこに置かれておるかお聞きしたいと思う。
○南條国務大臣 いろいろ芳賀委員の誤解もあるようです。私は決してホクレンに北海道のビート工場をさせたくないなんて言ったことはない。ホクレンがさらに二工場をやりたいならば、けっこうなことだからやったらいいじゃないか、ただこの申請の経過から見て、ほかの会社が二、三年前から出しておるのに、その当時はホクレンは何も言わないでおいて、ことしの春になって急にほかの会社から出ている場所に出したから、それでは混乱させるために出したようなことになるから、別な場所を選んだらどうかということを言っておるわけです。北海道は、あんな広いところで幾らもあるのだから、将来むしろ農民とともに北海道の土地改良をして、北海道の農村振興、畑作振興をしようというようなホクレンこそ、もう少し別な場所を選んで模範を示すくらいの工作をしたらどうか、こういうことなんです。ホクレンが絶対やってはいかぬというようなことは毛頭いいません。やれる能力があれば大いにやったらけっこう。ただほかの会社がみな早くから二、三年前から出しておる場所に、今までも何も言わずにおいて、急に人の申請している場所に来て出していたずらに混乱させることは、ホクレンとしてはおとなげないじゃないかという主張なんです。いいですか、その点は芳賀さん間違っちゃいけませんよ。だから私はホクレンにやらせたくないということを言ったことはないけれども、芳賀さんやほかの社会党の諸君が、ホクレンだけを優先的にやれやれという御議論は私は納得いかぬということを言っておるのです。そういうことなんです。だからその点は誤解のないように一つ……。
○芳賀委員 農民が自分の資本で工場を建設してビート工業をやるということが、それが生産者である組合員にも利益になるし、また他の営利会社に比べてもコストの安い優質な砂糖を生産するということになれば、これはどこにもここがうまくないという点はないのです。ですから、そういうことを言って、現在のたとえばてん菜生産振興臨時措置法あるいは昨年政府がきめて当委員会においても確認しました甘味資源の自給力強加総合対策についてという閣議決定に基づいた要綱等もはっきりしておるわけです。そういう万般整った制度、法律に保護されておる場合に、危険な点はないのです。これを全部やめてしまうということになれば別だが、てん菜臨時措置法によれば原料価格を四月に告示する、それから会社からは——これは思想としては全量買い上げの思想を臨時措置法は持っておるわけです。それから政府がきめた甘味資源の要綱からいえば、最初の一年あるいは場合によっては二カ年間は買い上げる。しかしその後においても経済事情が変化してどうしても砂糖の企業というものが不安定であるということが認められた場合においては、政府はいつ何どきでも全面的な買い上げをやるということがきちんときまっておるわけです。ですから経営面からいっても、今の制度が続けば何も不安がない。全部これはそろっておるわけです。それにもかかわらず、これはやらしたくないとか、目の玉にどうとか、こういう言葉は、軽々と言うべきことでないと思うのです。 それからもう一つ、何もホクレンが急に思いついてやったわけじゃない。これは三十一年、河野さんが農林大臣のときに、芝浦と同じようにわれわれがこれを議論して、結局芝浦、ホクレンを認めるということになって、順序は芝浦が一年先、その次はホクレン、三年目にやる場合には日甜の美幌をやらす、こういうことで時の農林大臣の河野一郎氏がきめたわけです。ですからホクレンの今の資本力からいって、毎年一つずつ建てるなんということはできない。去年とおととしと操業を行なった結果、幸いにして順調にいって、これでいけば他の会社に比較しても、経営上からいっても決して遜色はない。将来自由化になっても、たとえば十八万トン以上の原料処理をするような状態さえ続けば、自由化になってもやれるというような点は、ことしの四月、糖業会あるいはビート協会、ホクレン等の代表を、数人ここに参考人として来てもらいまして、各代表の意見を聞いた結果、われわれもやはりそのような判断を下したわけです。ですから二年操業をやって、今度もう一つ作りたいといって申請を出しても、何もおそきに失するということではないのです。やはり長期計画の上に立った場合は、何ぼ急いでやったって三年に一つくらいずつ作る以上の能力はないと思うのです。だから順次計画的に出しておるのに対して、いやホクレンはおそいじゃないか、そういう乱暴な態度で農民や農協に臨むというのは、これは農林大臣としても、特に政府の事務当局としても私は良心的でないと思うのです。農林大臣が変わったたびに局長にしても部長にしても、農林省の幹部の皆さんは、農林大臣の意図を体して糖業政策についても、自由化政策にしても時々刻々に態度が変わっている。もっともそれは時の権力に従うということが鉄則としても、筋の通らない問題についてはやはり面を冒して、これはいけませんとか、こうしなければならぬくらいのこと、場合によっては辞表をふところに入れるくらいの気魄を——あなた方の先輩の中にはそういう人はかってはあったのですよ。実際この千トン工場の構想にしても、ホクレンがおそく出してけしからぬとか、そういう言動というものは、今後は十分慎しんでもらいたいと思うわけです。しかも何も同一町村の中に競合した申請というのは出ておらぬでしょう。もしも大臣が言うように、ホクレンだけが十勝清水から立ちのいて、適当なところに個所を選定するということになれば、あとの全部は今の申請地域でうまくいくというのですか。その点についても御答弁を願いたいと思います。
○南條国務大臣 芳賀さんの御議論は少し感情的だと私は思うのです。そういう話でなく、もう少し建設的に——私もホクレンの北海道における農業協同組合としての力も認めているし、よく知っている、理解を持っているつもりだ。従ってホクレンが第一工場ができて、今度第二工場をやりたいということについては、おやりになることはけっこうだと言うのです。先ほど申したのは、ほかの会社が二、三年前から出しておる——かりに十勝の東と西といたしますか、集荷区域は大体今言った通りで、一工場に五千町歩が要るとなれば、あそこの清水と芽室ですか、それから日甜の現在ある場所と、十勝だけでも三工場つながることになると、集荷地域というものはどうなるか。それはよくおわかりになると思う。そういうような混乱するような場所へあとから来て出すということが非常に平和を乱すことじゃないか。あとから出して不都合だというのはそういう意味であって、あとでも先でもホクレンが出したら不都合だと言っているのじゃないのです。やりたければもう少しほかのじゃまにならぬような場所へ出して、そうしてホクレンが先にやりたいというたらどうですか、こう言っておるわけです。それを誤解されては困りますよ。 それからホクレンが事業体としてああいうことを経営することが不可能とか不可能でないという議論については、これは意見の相違ですから申し上げませんが、先ほど田邊委員からも話があったような御議論もあるくらいでありまして、これは農民の資本が出資されているかといえば、決して個人の出資じゃない。今北海道の農民が負債整理でもって、五百億も六百億も整理しなければならぬ、われわれも一生懸命になってやっておる。そういう農民を抱えている農協が、農民から出資をさせてあんな会社ができるものじゃない。二十億も三十億も、全部公庫並びに中央金庫からの借り入れでしょう。そういうふうに全部借り入れをしてやっている。今後やる場合でもその通り。他の会社の方は内地でもって大いに利益をあげて、北海道に進出して、そうして北海道の農民の出資でやるわけじゃないのだから、そこで危険負担があっても会社の負担であって、農民の負担じゃない。先ほど田邊委員の言った通りなのです。今後酵素糖化というようなことで甘味資源の非常な革命があったというような場合を仮定すると、これはまた非常に大きな問題が起こる。ことに砂糖の自由化ということになりますと、そういう大きな危険負担をするということになった場合に、だれが一番犠牲を払うかという問題も考えなければならぬでしょう。ですからこれは何でも全部国が負担して補償するのだから、農協なんか何にも損はないのだ、ホクレンは損がなくて、国が全部しりを持ってくれるという御議論だろうけれども、産業というものはそういうものじゃない。それは意見の相違だだけれども、ホクレンの事業というものが、農協団体というものがすべての事業体に進出するだけの資本的な力があれば別ですけれども、政府としても今後農村に対して他の資本による他産業との共同会社というのを考えるくらいでありまして、農協自体がそれだけの力があれば、決してよその会社が入る必要もないですよ。ですから決してホクレンだけを憎んでこれをやらせないということを言ったことは絶対ない。ホクレン自体の農協というものの性格から考えても、安全な道を踏んだ方がいいじゃないかということから、私どもは親切に申し上げているつもりなんだ。あとは意見の相違になるから言いません。別の機会に申し上げます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、ホクレンは資本が何もないというが、系統組織というものがありまして、一番下は町村にある農協です。これは組合員個人が直接入って農協を作っている。——南條さんよく聞いておきなさい。町村にあるのが農業協同組合で、これは耕作農民が直接入って組織しておる。その上部にあるのが北海道の各連合会とか県にある県の連合会です。これについては生産者は直接加入でなくて、その町村にある単位農協がこの会員になって入っておるわけなのです。さらにもう一つ上の全国段階に連合会があって、これは都道府県の連合会がおおむね会員となって入っておる。それですから農民の貯金の場合も、自分の組合だけにこれを縛りつけておくわけじゃないのです。貯金が入ってくれば、それを上の信連に預ける、信連はまた余裕のある分は全部農林中金に預ける。ですから協同組合がやる事業は系統の資金、自分が持っておる自己資金を活用してやるということになっておって、幸いにして最近は中金の資金もだんだんふえてきて、系統内部だけでは使い切れなくなって、一千億も一千八百億円も系統外に融資して、そうして有利に運用しなければできないというところまで来ておるわけです。しかし問題は、中金の金利と農林漁業金融公庫の金利においては若干の差があるわけです。ですからそういう場合には、やはり国が制度を作って農民や農業団体に対して融資をする機関があるから、そういうものを活用してホクレンのビート工場にしても、あるいは澱粉の合理化工場にしても、あるいは共同利用設備にしても、国が法律できめたその金融措置を講じてやらすというのが当然なことじゃないですか。それを何も北海道の農民が凶作で貧乏だからそういうものを作る必要はないなんというのは、これはよくお考えを願いたい点です。 もう一つは、それでは民間会社の方は全部自己資金だけで今日までのビート工場を建設しておるかどうかということは、これは私が聞くまでもないことです。北海道東北の開発公庫というものがありまして、ここから建設を許可されたビート工場に対しては二カ年間にわたって一工場十六億円ずつの公庫の融資を行なうということになっておるわけです。もしもこの十六億円の融資を公庫からしないということになれば、自分の力だけでやるということになれば、今のように八つの会社があのような泥試合をするような事態は起きないと思う。国の金を借りて、人の金で、人のふんどしで相撲をとれるような仕組みを作ってやるから、十六億借りられるということで、それで会社の方でもその資金に依存して、そうして二十億とか二十五億の工場を建てることができるわけであって、そういう点はやはり国の制度というものはビート振興のためにどういうふうにやっていくかということを十分考えてもらう必要がある。ですから、むしろわれわれの主張したい点は、ホクレンの場合にはまず原料を自分で作っておる、それから自分の資金で工場を建設する力はすでに整っておる。そうして自分が経営すれば、生産者自身に対しても民間会社がやった場合よりも利点が多い。一石三鳥ということは、利益が十分上がって、これが結局畑地振興にもなるし、また国民経済の面にも寄与できるということになれば、これは理論の上からいって明白になると思う。われわれは何も農業出身だから、農協に関係があるから、ただひいき目だけで議論しておるのではない。理論的にも何でも、あなた方が反論する余地があれば、今後いろいろな機会を見て精密な資料をお出しになってもいいし、あるいはひまのあるときにこの委員会で長時間にわたってあなたと議論するということも決して私たちは避けようとは思っていないのです。これは答弁は要りません。 もう一つお伺いしたい点は、仄聞するところによりますと、これは仄聞ですから直接聞いたわけではないが、ホクレンに許可できがたいという大きな理由は、一つはホクレンに許可しても他の会社のように政治献金をしないからこれはうまくないという点と、もう一つは、農協というものは必ずしも自民党に全面的に協力する団体でないから、これらの団体に許可してもそれほど党勢の面においても有利にならぬ、こういう二点があるので、現在の自民党内閣、その担当の大臣等からなかなかそういうことは端的に言えないから、いろいろな理屈をつけて許可しないんだということが巷間伝わっておるわけであります。もしそれが真実であり、南條農林大臣の真意から発したものであるとするなら、これは重大な点であります。この点について明らかにしてもらいたい。
○南條国務大臣 芳賀委員は全く派生的なことを言われる。さようなことは、これは人格に関する問題だから気をつけてもらいたいと思います。今の発言はどこの話か知らぬけれども、さようなことをかような委員会で軽率に言われては困ります。これは御注意を願います。取り消してもらいたい。 それから、私は先ほど来何べんも言う通り、北海道のホクレンが力がついて、第二工場をやりたいということに絶対に反対しているのではないと言っている。道庁でもそう言っているのです。先ほどホクレンがやりたいならば別な場所で、他に土地改良でもして、将来伸びるような場所を選んで、そうしてほかの会社とあまり混乱しないところを選ぶ方が、ホクレンとしてはかえって形がよくはないか、こういうことを勧めておるのであって、それをほかの会社と一緒になって混乱するところにきて、先にやりたい先にやりたいというから問題が起こる、その点を十分冷静に考えられたらどうですか。決してホクレンはやってはいかぬと言ったことはない。その点は誤解がないようにして下さい。
○芳賀委員 ただいまの私の質問は、こういう事柄が伝えられておる、ですから、あるならある、ないならばないとはっきり言ってもらえばいいのですよ。ホクレンは政治献金をしないから許可しないという、そういう事実があるかないか、あるいは農業協同組合関係は必ずしも自民党一辺倒でないから、そういうものには許可してもそれほど党勢の上からは有利でないからというような理由があって、許可が渋滞しておるということであるかないかということを私は聞いておるのだからして、あなたは農林大臣として、そういうことはありませんならばありませんと言えば、それでいいわけなんですよ。
○南條国務大臣 さようなことはないから、僕はそれを取り消してくれと言っているじゃないか。そんなことで答弁する必要はないでしょう。ないから君、取り消せと言っておる。あるかないか疑問があれば、そんなことを言いやしませんよ。
○芳賀委員 これは委員の言うことですから、政府はそれに対して答弁すればいいわけです。国会議員は、院内においての発言というものは院外においていろいろなことを言われる責任がない。院内における発言というものは追及されないということになっているんですよ。ですから私の発言というものは、これが何かあなたの個人的な身分の上に暴言であるとかなんとかいう場合においては、当然成規の手続で私を懲罰委員会に付するなら付するとか、そういうことをやればいいわけだ。委員の質問に答えて、そういう事実が巷間伝わっておるが事実であるかどうかということを私は政府に対して質問しておるのだからして、取り消せとかなんとかいうことを、政府が国家の最高機関であるわれわれに対して言うのは不遜じゃないですか。もう少し注意をして、事実ありやなきやだけを答弁なさればいいわけです。これは委員長から注意して下さい。
○南條国務大臣 それは先ほど来たびたび申し上げる通り、さような事実はないから、私は芳賀委員に対して、さようなことは人格に関することだから、だからそれを言っているんですよ。しかも私は自民党の道連会長をしておるわけだ。そういう立場からいたしましても、さようなただ仄聞するような無責任なことをこの委員会で言われることは、私に対する名誉にも関することだから、それは取り消していただきたい、こういうことなんだ。そんなことがあるかないか、ないから私はそう申し上げておる。
○芳賀委員 国民はやはりそういう疑惑を持っておるわけだ。だから私はむしろ好意的にこういう説が伝わっておるが、この国会を通じて、国民に対して、そういう点がなければ、ありませんということを責任と自信を持ってはっきり言われたらどうですかと言っておる。そうすれば疑惑が氷解するでしょう。
○南條国務大臣 どうもわかりませんが、責任も自信も持っておるから申し上げておる。絶対にないから、さようなことは不謹慎なものの言い方ではありませんかということを言っておる。あればそんなことは言いませんよ。ないから私は申し上げておる。絶対にございません。
○松浦(定)委員 関連して。私は先ほど南條農林大臣にいろいろ質問をしたり、あるいは……。 〔発言する者多し〕
○小山委員長 静粛に願います。静粛に願います。
○松浦(定)委員 先ほど私は相当な質問をしたいと思ったけれども、いろいろ大臣も今度調査をされた結果について新聞が言ったことについては云々というお話がありましたから、私は非常に低姿勢でやった。ところがあまり低姿勢過ぎると、実はいろいろな人から言われたのです。しかし今大臣の芳賀委員に対する態度は、全く大臣として少し慎んでもらいたいと思うのですよ。たとえばホクレンが二年も三年もあとから入ってきて混乱をしたから、よその方に行って土地改良をやったらいいじゃないかというお話ですが、一番最初入ってきたのは池田です。池田に明治が一番最初に申請したのです。そのときには浦幌から池田、豊頃、幕別、足寄までずっと町村長が判をついて、何とかして東部に一工場やりたい、こういうことだったのです。ところが本別へ大日本が入ってきて、そのときに大日本がどうかというと、浦幌あるいは池田、そして士幌、上士幌というふうに探してくる。今度大阪が浦幌へ来るというと、今度は浦幌はここで、池田から豊頃から、あるいは本別まで、こうして申請してくる。幕別の日新はこれまた全部東の関係町村を、あるいはまた南の関係町村を、全部判をついている。今西の方だけ言われるけれども、東の方だって一番最初来たところは、そういうふうにやってきて、あたかも五輪マークのように、自分の町村でやれるところは一カ所もないのです。そうすると四カ町村も五カ町村もありますから、かりに西の場合は、なるほど一番最初は芽室へ名古屋が参りました。ところが東の場合は、今ですら四つ。残った町村は幾つかありますが、残った町村の方が少ないじゃありませんか。そういうふうに東ですからあとから入ってきたものは、前から申請してきておるところへどんどん二重にも三重にも申請してくる。それを全部引き受けておる。そうして今ホクレンだけがあとから入ってきたから云々ということは、ちょっとおかしいじゃありませんか。東の四つの地帯が最初申請したときと二重になるような申請をしていられるかどうかということが問題になるのです。その点私ははっきりしている。何もあとから入ってきたホクレンだけが、目の中へ指を突っ込むようなと言われるけれども、そういうことは絶対にない。最近の東洋の問題についても、この間私は質問したのです。東洋の問題についても、私はおそらく今の農林大臣の考え方なら、それは採用するということはできないと思う。ところがあの東洋に対しては、そうして今日九社々々と言っているけれども、あれがどこへ申請しているか。おそらく今きちっと道の八カ年計画でやって、そうして美幌、さらにまた芝浦、ホクレン、この三つに対してまだ今日半分以上は十勝から仰いでいる現状ではありませんか。そういうところへ入ってくるまで、それが八社として認めている。ホクレンよりあとからきたものを認めているのじゃありませんか。そのことは私は大臣にだっておわかりになると思う。今の芳賀委員の質問に対しても、そんなにむきになっておやりになるなら、通産大臣ならそれは少しやってもいいけれども、農林大臣として、あまりにも不謹慎だ。福田農林大臣は、今まで一回もそういうことをこの委員会で言っておりません。ところがあなたは、ホクレンというとすぐがあっときて、それでこられるから仕方なしにやるのですが、私はそれでは何もならないと言っている。私は去る通常国会の会期末に、あの五十日間の会期延長問題でわれわれは委員会を開くことができないので、委員会においてこの問題を質疑することはできないから、私は国会法に基づいて質問をしたわけです。そのときにその問題に触れましたら、そういうことはいたしません、こう言っている。今も大臣は、そういうことはないと言っている。私は当時三年も前から、このビート工場の問題についてはずいぶん苦労して、いろいろ現地とも連絡しながら、こういうものを作ったのです。そのときから、ずっと各会社に関係しておる人を、全部私は私なりに調査した。ここにこれがある。今そういうふうにお話しになるなら、私は前の質問に対して、それではどうだと言ってこれを出せるのです。これには相当の人が入っているのですが、今どうしてもお話しにならぬというなら、私どもはこれを明らかにするにやぶさかではないのです。だからこのことの裏づけのために、あまりにもひもがついておるから決定ができないから、共同会社だと言って逃げておるのではありませんか。どうしても今のように言われるなら、私どもは所定の手続によってこれを明らかにして、一々この人々を全部ここへ来てもらってやろうじゃありませんか。私は何もホクレンでやってもらわなくていいですよ。ホクレンがそういうふうに農林大臣が認めぬと言って認めぬならいいですよ。そのかわり原料を作っておるのはだれですか。この原料を作っておるものが三十年も四十年も原料を作っておって、そしてもう一つほしいと言ってそこでやっておるときに、何にもしないで金さえあればどこへでも行けるということであれば、そういう考え方では農業政策なんて振興できないのです。どうですか。この委員会にきてもらって、そうして追及いたしますか。それとも今のことについては、やはりあくまで大臣は、全然そういうことはないとおっしゃるのですか。
○南條国務大臣 先ほど来私が申し上げているように、ホクレンに対していかぬというようなことを言ったことはないと言っている。そうして先ほど言った通り、十勝に他の会社が早くから申請しておるところに、ホクレンがことしの春に来たから、そこで混乱をしておるのではないか。そこでホクレンがやりたければ、もっと混乱しないやり方がいいじゃないか。しかしどうしてもやりたければ、ほかの会社との関係があってなかなかやりかねるから、そこで農林省としては今の合同案を一応出しておるわけです。それならばホクレンも合同案に対して中に入って、お互いに協議してみたらどうか。そのくらいにみんなと一緒にやるのがいやならば、別な、みんな摩擦のないところへ行ってやるのも一つの案じゃないか。どうせ八年間にやらなければならぬ仕事ですから、これはホクレンだけ先にやらせろということになりますと、それはどうかということになるのであって、八年間にやるということは、どこでもやることはやれるから、それをホクレンだけを優先的にやれという御議論だと、ほかの会社との摩擦が多くならぬか、こういうことです。しかもあとからいってきてそういうようなことですけれども、決してホクレンがやってはいかぬということは一度も言ったことはありません。誤解のないように……。
○中澤委員 議事進行について。大臣、私も農林大臣とずいぶんおつき合いしたが、あなたのように委員会でけんかを売ってくる大臣は初めてです。それでけんかを売ってくるなら、われわれとことんまでやります。これは巷間でいろいろ取りざたされておる。現にこれは三浦一雄氏が食い逃げしようとした。それは最後のやめるという三日前の閣議でこれをきめて食い逃げしようとした、この間に問題がある。しかし三浦氏に傷をつけたくないから、あなたも将来政治をやるならそれはおやめなさいということで三浦氏は指定をやめた。そういうふうにこのビート問題というものは、これはもう相当スキャンダルの問題が出ておる、つながっておるので、だから芳賀君が、巷間でそういったということを、あなたが良心的に、私はそんなばかなことはやりませんといって答弁が済むのですよ。それをそんなこと言って何だといってけんか売るなら、われわれは調査しておるのですから、どの関係がどうなっていて、たとえばこれも巷間のうわさにもあるし、あなたが事実を何すれば、社会党をあげてこれからこの問題を追及しますよ。農林大臣、そういうことは絶対に私自体ありませんと言えばそれで済むことを、大臣がけんか売るならばどこまでも——あなたのさっきの発言というものは、私は少なくとも当委員会の権威において取り消してもらいたいと思います。ああいう発言をして、あなたがどこまでも今後けんかを売るなら、買います。
○大野(市)委員 議事進行について。ただいまの芳賀委員の御発言のうちで、政党献金のあるなしによってその許可を左右するのだという巷間の説がある、ホクレンは政党献金せぬのでこれを許可しない方針である、こういう巷間伝わる説を大臣に質問があったわけであります。大臣としては、さようなことはないとはっきり言われた。ただ政治献金ということになると、社会党の対立政党でありますから、共産党あるいは自由民主党が爼上に上るわけであります。常識的に名指しされた政党の名前、われわれは多分そうだろうと思う名前が出るわけであります。こういう形で巷間伝わるところ云々で、天下の政党に対して疑惑を持たせるようなことを委員会で言われることは、やはり速記録をお調べになって、不穏当であるというならば、これは取り消すのが委員会の円満な運営だろうと思うのだ。農民のために、農政のためにやるのだから、是は是、非は非でけっこうですけれども、そういう形で紙をちらつかされて、一人々々の名前を出されてやられたら、われわれ政党人は耐えられません。そういうような裏取引が現実にあるものなら、きれいにしていただけばけっこうだと思います。私どもはそういうようなことは、南條大臣が否定をせられた通り、ないことを確信しております。どうか不穏当な部分を、芳賀委員の御議論の中でもしありますならば善処されるように望みます。
○芳賀委員 議論はしたくないが、ただ明らかな根拠を一点申し上げると、政治資金規制法等をごらんになればわかりますが、政党が一年間に政治献金を受けた内容というものは政治資金規制法によって報告されているわけです。ですからその中をごらんになれば、おそらくホクレンという団体は自民党には献金していないと思う。献金がよいかどうかということは、政治資金規制法という法律があって、毎年国民とか団体から政党に対して献金があるものを報告する義務があって、社会党もこれは報告していますよ。われわれは全然事実無根なことをでっち上げているわけでもない。国民の中にはそういう疑惑を持って心配している人もあるが、農林大臣、この点に対してははっきり答えたらどうですかという質問を私がやっただけで、何も南條さんがこういうことをやったとか、政党がどうやったということを断定したわけではない。やはり国民の疑惑というのは国会を通じて明らかにするのが私は一番正しいと思って、そういう質問をやった。むしろ私の発言を取り消せなんていうことこそ、これは速記録を調べて厳重なる処置をすべきだと考えております。 時間がないから質問を続けますが、次にお尋ねしたい点は、八月二十八日に農林大臣は、岩見沢において由仁町については昭和三十七年度には工場建設の決定を行なうということを発表されておるわけです。これの真偽のほどをここで答弁してもらえばいいわけですが、それにあわせてお尋ねしたい点は、政府が工場に対して許可を与える根拠というものは一体どのような法律のどの点に準拠してその許可をするとかしないとかと言っておるのか、あるいは申請者以外についても個々にやらすというようなこともあなたは述べておるが、申請者以外の土地の転用許可というものははたしてできるものであるかどうかという点もあわせてこの際明らかにしてもらいたい。
○南條国務大臣 今の芳賀委員の、北海道における私の発言は、何を根拠にしているかわかりませんが、絶対にさようなことはございません。
○小山委員長 先ほど来の南條農林大臣、芳賀委員、松浦委員及び中澤委員の発言中、速記録を調べまして、不穏当な表現がもしありましたら、委員長において適当に処置いたします。
○芳賀委員 大臣、今の答弁、もう一度。
○南條国務大臣 さようなことは誤伝だろうと思います。絶対にございません。
○芳賀委員 新聞の誤伝ということを言われたので、それを認めます。 もう一点、これは大臣にお尋ねしたいのですが、政府が許可権を持っておるやに言っておる根拠は、農地法の第四条の規定に基づいておるにすぎないわけです。ですから、国民は農地の転用を行おうと欲すれば、面積によって当該都道府県の知事の権限でやれるし、それ以上の場合には、大臣の許可ということになっておるわけです。だれが申請してはいけないとか、だれがいつまでに転用の申請を出さなければいけないということは、国民に対しては何ら制限を加えていないのです。ですからいつ何どきでも自分の欲する個所に工場を建てたいとか、これを宅地にしたいとか、そういう申請は随時随所において行なえるということをまず大前提として確認してかからないと、いや、お前はおそいからうまくないとか、お前はどういう毛並みだからいけないということになると、政府としても選択に誤るので、適正な行政的な処置ができないと思うが、一体許可基準をどこにおいて今までもまた今後とも運営されるお考えか、その点を明らかにしてもらいたい。
○須賀説明員 便宜私からお答え申し上げます。別に私のところの権限のことではございませんが、しかし、現在扱っておりますのは、農地法によりまする農地転用の許可として扱っております。
○芳賀委員 時間ですから、明日委員会がありますので、明日続行することにして、残余の質問は保留しておきます。
○小山委員長 次会は明二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十六分散会