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35回国会衆議院1960/08/12

農林水産委員会 第3号

発言数
256
登壇者
23
会派数
3
開催日
1960/08/12

会議録

小山長規自由民主党

○小山委員長 これより会議を開きます。  田口農林政府次官より発言を求められておりますので、この際これを許します。

田口長治郎自由民主党農林政務次官

○田口説明員 この委員会を通じまして、また個人的にも、今日まで皆様方に大へん御指導御厄介になったのでございますが、今度また農林省に行くことになったのでございます。農政が曲がりかどに来ておる、こういうこともいわれますし、おそらくこの一年間に、農村あるいは漁村山村の方向を決定するような重要な時期でございます。そういう関係からいたしましても、皆さん方に非常に御厄介になると思いますが、どうぞ一つ従来通り御指導御鞭撻をお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————

小山長規自由民主党

○小山委員長 次に参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。  本日当委員会に、ビール麦問題について森川武門君、岩下豊水君及び山内正治君の三君を、参考人として出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小山長規自由民主党

○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。      ————◇—————

小山長規自由民主党

○小山委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  まず肥料問題について質疑の通告がありますので、これを許します。永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 八月一日から新しい肥料年度が始まっておるわけであります。肥料審議会等においては新年度あの肥料価格を決定するに至らないで、現在野放しの状態に置かれておるのであります。これは法律に違反するものでないかと思うのでありますが、なぜ肥料価格を決定するに至らないのか。それから今後これに対してどう対処するのか。新しい価格は大体いつごろ決定を見るのか。決定を見るための手続方法等、どういう準備をしておるのか。またどういうことが整わないで決定を見るに至っていないのか、その間の経過を答弁願いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 ただいま御質疑のように、肥料の年度は、八月一日から新しい年度に入りましたわけでございまするが、一般、七月二十日の肥料審議会におきまして、新しい三十五肥料年度の需給計画は決定を見たわけでございまするが、価格はその審議会において決定を見ないというような状況になっておるのでございます。今まで御承知のように肥料二法に基きまして、需給計画と同時に価格も、新しい年度につきましてはその年度に入る前に大体きめておるという慣例になっておるのでございまするが、この点今年この価格を決定しないでそのままに今なっておりますという事情を申し上げますると、実は御承知のように硫安工業の合理化というものを政府はいろいろ進めておるのでございまするが、その合理化に伴いまして、全体の肥料の価格が毎年下がってきております。しかしながら一面におきまして、なお相当大きな部分を占めますところの輸出部門におきましては、外国との輸出競争が非常に激化をして参りまして、輸出の価格がこれもまた相当下がってきておるというような状況でございます。今の建前からいたしまして、輸出価格の赤字を国内価格には転嫁しない、これを遮断をいたしまして、硫安輸出会社の赤字という形で残っておるのでございます。それが最近非常にふえて参りまして、従いまして一昨肥料年度の末、昨年の七月末におきましては赤字が六十五億でございましたが、今年の七月末、いわゆる三十四肥料年度の末におきましては百十五億というような大きな赤字になってきておるという状況でございます。従いまして硫安工業につきましても何らかの根本対策を講じませんと、このままの状態では硫安工業自体の存立にも非常に影響してくるのじゃないか、こういう点も考えなければならぬというような状態に相なってきておるのでございまして、そういう意味におきまして、硫安工業の方の要請も非常に強いことでございますので、これは政府といたしましてもできるだけ早い機会に硫安工業の将来の合理化対策と、それから根本対策をやはり考えていかなければならぬと考えておるのでございます。そういう情勢でございまして、七月二十日の肥料審議会におきましても、価格をきめる場合には今後のそういう赤字問題あるいは硫安工業の合理化問題、そういう問題につきまして政府として根本対策を至急に立てて、それを一応考えながら将来の問題を考えていく必要があるのではないか、こういう御意見が非常に強かったのであります。従いましてそういうことで審議会の御意見としては、価格決定をする前に政府の根本対策を示してくれ、こういう御要望が満場一致できめられましたので、その御要望に沿いまして政府としては至急に硫安価格の根本対策を考えよう、こういうことで、一時硫安のマル公をきめないで、とにかくできるだけ早く根本対策を立てて、政府の考え方の方向がきまりましたら、そのあとで肥料審議会を招集いたしまして、そしてそこで普通の計算によって、従来通りの計算によって肥料のマル公を決定するように運びたい、こういう工合に考えているわけでございます。  この問題が法律に反するのではないかという御質問もございますが、法律論といたしましては、法律におきましては需給計画はきめなければならない、こういうことになっておりますが、価格はきめることができる、こういうことになっておるのでございまして、その点は純然たる法律論といたしましては、法律違反という問題はないと思っております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 今局長が答弁をしたように輸出価格と国内価格とは、これを遮断して、そうして国内の価格にはこれを転嫁しない。国内価格の計算は一定の方式によって計算してバルク・ライン方式によってきめるということがきまっておる。そうすると今赤字が百十何億できたから、それで国内価格もきめられないんだ、こういうことになると、輸出価格を国内価格に転嫁しない、影響させない、そうして輸出の関係における赤字というものは、これは前から、この法律ができた当初からの経過から見て、赤字があるとすれば合理化によって消していけるだろう、もし消していけないとするならば、その赤字補てんというものは、あるいは硫安工業の振興という事柄については別途な政策でやるべきものであって、輸出価格と国内価格と関連させて、その中において全体がきまらなければ国内価格はきまらない、建前からいってそういう性質のものではない。それはどういうわけですか、そういうものがきまらなければ国内価格を決定できないということは。関連させているのですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 仰せの通り、輸出価格と国内価格は遮断されておる現在の法制の建前でございますので、仰せの通りでございます。しかしこれは理屈ではございませんけれども、いろいろ輸出価格と国内価格を関連させて考えているということは毛頭ございませんが、価格を決定いたします場合には、もちろん今の法律に基づいてバルク・ライン方式で決定する、こういう考え方ではございますけれども、硫安工業自体の実態から申し上げますると、今後この工業はどういう形になるのか、そういう点も非常に心配であるから、そういう点を、肥料審議会としては何とか考えてくれという御要望が非常に強かったわけであります。そういう点が審議会の委員の皆さん方にも反映をいたしまして、従いまして、今後の硫安工業に対する政府の対策というものを政府を追い込んで至急に立てさせる、そういう趣旨もあったのではないかと思うのであります。そういうことで、とにかく政府としては至急に硫安工業の根本対策を立てる、それまで価格は一応きめないでおいてもいいのじゃないか、その際荷の動きとか、実際の取引とかいう問題はお互いの取引者同士で相談して暫定的にしておきまして、できるだけ早く政府が根本対策をきめて、そのときに価格も従来の方式によって考えていく、こういう考え方でございまして、決して輸出価格と国内価格を関連させて、そういう趣旨のことをしておるというわけではございません。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 それならば直ちにできるわけじゃないですか。たとえば輸出会社に蓄積されておる赤字はきのうきょうできたものではない。何年かの赤字が累積して、一応三十四肥料年度の末で百十五億もあるという大体の計算でしょう。これはしかし国内価格と輸出価格との格差をただ算術計算的に出した数字であって、ほんとうの赤字はどのくらいあったかということはさらに検討しなければならぬが、肥料工業をどうしなければならないかということは赤字累積の過程において、肥料行政として、あるいは日本の化学工業の国際的な競争力増強という角度からずっと長年にわたって何らかの対策を立てなければならぬ問題だ。きのうきょうの問題じゃない。しかもこの赤字の問題については昨年からずいぶん論議になっておる問題であるし、八月一日からは新しい年度の価格をきめなければならないという問題も含んでおるわけであります。でありますから赤字の問題は赤字の問題で、さっき経済局長が言うように、別個のものであるとすれば、それはそれとして長期計画なりあるいは当面の対策なりをそれぞれの角度で御検討なされることは御自由でありましょう。それはまたそれの角度で国会に諮るべきものは諮ったらよろしい。しかし新しい価格は八月一日から始まって野放しでいいというわけのものではないのであります。関連させないということならば、計算は従来の方式によってちゃんと出るわけです。計算をすることができないというのですか。国内価格の計算が現在の方式で出ない、こうおっしゃるのですか。関連させないというならば——そういう考え方で進んでおるというならば、当然出なければならぬ。それは関連させるから出ない、私はこう思いますが、その点はどうです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 仰せの通り、関連させないということでありますので、計算をいたしますと、計算によっては肥料価格はいつでも作れるわけでございます。しかし先ほどから申し上げましたように、今まで赤字の問題も長い間論議をされて参っておるのでございますが、これが非常にむずかしいものでございまして、この対策等につきましても、政府としても、それじゃ具体的に解決の方法をどうするかという問題が、なかなか完全にでき上がっていなかったようなわけでございます。これは非常に遺憾でございますけれども、そういう情勢で参りまして、三十五肥料年度になりますと、相当深刻な問題になってくる、こういう事態でもございまするので、そういう意味からいたしまして、これは至急に今度こそ具体的な対策を考えよう、通産省におきましても、いろいろその気になって取っ組む、こういう態度をとって参っておるのでございます。そういう意味で、できるだけ今後は硫安工業につきましても、こういう形で徹底さしていくんだ、こういうことが一方においてありました方が、硫安工業としても安心がいくだろう、こういう点もございまするので、価格をきめるということは、それは理論的には別個に切り離していつでもできまするけれども、それから計算その他につきましても、別個に関連をさせる問題ではございませんけれども、一応その決定の時期については政府の根本対策ができるまで一つ待とうか、こういう配慮でございまするので、その点は一つあまり理屈ではございませんけれども、御了承いただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 理屈なら理屈でいいんですよ、通る話ならいいんですよ。筋の通らない話です。関連させないというのに、それがきまらなければきまらない。それはどういうことですか。理屈なら理屈ではっきり筋の通る理屈を述べてもらいたい。それから価格が決定できない、先ほど来局長はメーカーの側に立って非常に陳弁されておるのですが、これは消費者もあるのですよ。消費者の方はどうするのですか。消費者である農民の立場は野放しで、幾らの価格になるのかわけのわからない状態で、今新らしい肥料年度のなにを入手しながらやっているわけですが、これはどうするのですか。それならば経過的な措置として、今こういう関係できまらないというならば、新しい価格が決定に至るまでの経過的な措置としては、こういうふうにするのだというつなぎがなくちゃいけない。野放しで、きまらないからきまらないんだといってほったらかしておく、そういう無責任な態度というものはないですよ。それから、それじゃ今度そういういろいろな総合的な一つの対策というものを立てなければ、価格が出てこないというならば、新しい価格というものはどういうファクターできめるのですか。新しい国内価格を決定する因子について、従来と変わる点、大体当局が考えておる構想を明確に示してもらいたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 あとの方からお答え申し上げたいと思いまするが、根本対策がきまらなければ価格が計算できないとか、価格がきまらないとかいう問題ではございませんので、根本対策を至急立てる、そのときに同時に価格も決定しよう、こういうことを考えておるのでございまして、計算方式その他について、従来の法律上の方式を変えようという考え方は一つもございません。従いまして、今までと同じ方式で今後のマル公というものはきめていく、こういう考え方をとっております。  そこで消費者側の方の問題がもちろんあるのでございますが、今私もメーカーの立場に立って御答弁をしておるわけじゃございませんで、そういう価格決定に至らなかった経過が、メーカー側の問題が非常に大きなウエートを持っておりましたので、そういう御説明を申し上げたわけでございます。もちろん消費者の問題も当然考えなければならぬわけでございまして、消費者側におきましても、全購連とそれから商人系統と、両方でこれは取引をしておるわけでございますけれども、いずれの場合におきましても、大体実際上、メーカーとの話し合いによって暫定的に取引を進めていったらどうか、こういうことで両方の、消費者側等にもお話をいたしまして、もしかりに話し合いがつかないで、非常に混乱するというような事態が起こりました場合には、これは農林省といたしましても、十分消費者に迷惑をかけないように、暫定的な間におきましてもいろいろ指導をする、こういう考え方でおったのでございまするが、実際は大部分を占めまするところの全購連とメーカー側とにおきましても、大体の話し合いがつきまして、荷物についても全然消費者に迷惑をかけるということはございませんし、それから価格についても取引の価格はきめておりませんけれども、とりあえず一部をメーカー側に融資をするというような形で価格の一部を払うというようなことで話はついておりまして、大体肥料の流通はこのために影響を受けるというような実情はございませんので、その点はできるだけ早くあとのことを進めれば消費者面における迷惑はないのではないかというふうに考えております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 消費者を代表して肥料全体の総合施策を確立させていく上における農林省の発言というものは相当大きなウエートを持つ。その消費者代表であるべき農林省が今のようにお手上げだから、おれの方では方法がないからメーカーと全購連と話し合ってくれ、話がつかないなら、そこで何とか口を聞こう、これが政府の経過的な措置の対策だというのでは無責任もはなはだしいし、無能もはなはだしいと私は言わざるを得ない。経過的な措置というけれども、大体何もやってはいないじゃないですか。それからもしそういうふうな価格がきまらないでも、消費者の方において何ら影響がないというならば、価格なんかきめなくったって実勢で取引したって影響はないといえばない。そういう無責任なことを二つの法律が要求しているものではないと思う。  それから現在価格の計算方式を改める考えはないという答弁でありましたが、そういうことははっきり言えるのですか。計算方式が変わってくるのではないかと思うのですが、これは変わらないのですか。重ねてお伺いします。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 先ほどから申し上げましたように、従来の法律による価格の計算を変えるという考え方は持っておりません。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 もし変わらないとするならば、従来やってきている計算方式が非常に不合理で矛盾を多く含んでいるということをあなたは計算の結果について検討されたことがあるのですか。たとえば三十四肥料年度におけるバルク・ラインは十社がこの中に入っている。そうして御承知のように国内需要をコストの安い方からとっている。百六十何万トンかこれをとっているが、これの中に十社入っておる。その十社の平均価格をその年の価格計算の基準にするということになっている。そうすると去年の計算から見ますと、きめられた価格よりもコストの安いのは三社です。バルク・ラインの中においてそれより安い価格のコストのところは三社です。バルク・ラインの中の七社はそういう価格をきめられても、それだけで赤字が出るという計算です。さらにバルク・ライン外のものはどうかというと、去年のやつは、ちょっとここに資料を持っておりませんが、一トン一万九千七百三十何円だったと思います。そうしますと、ライン外の最高のコストの会社は四万三千幾らという計算が出てくる。バルク・ラインの中でも三社だけがこの価格で若干の黒字が出るが、七社は赤字が出る。さらにライン外では一万九千幾らの価格がきまったときにコストは四万三千幾らという計算が出ている。これがつぶれないでついてきている。こういう計算の方式からいって、計算すればこうなるが、これは必ずしも適正なものではない。これを是正する方向に持っていかなければならぬということが数字の上からもう出てこなければならぬ。もしそれが間違いない計算であるとするならば、トン一万九千の肥料価格に原価四万三千という工場がつぶれないで累年続いていく、ついてきている、生産を続けているということ自体がこっけいであるし、これは国内価格においてだけ見ましてもそうでありますが、さらに輸出価格の関係からいえば百十五億もここに赤字が出てきている。ほんとうにそれだけの赤字が出るなら、これはつぶれざるを得ない。そういう矛盾したものをたくさん含みながら現在肥料産業というものが続いているし、それから肥料二法というものが現状のままでついておる。これを改善の方向へどんどん持っていって、ほんとうにこれがメーカーの原価計算なのか、原価計算、生産コストというものを確実に把握しているのかどうか。把握してないとするならば計算方式をもっと改めなきゃならぬし、現在のバルク・ライン方式だってはたして妥当なのかどうかという問題がある。また輸出価格が、これを遮断するということを口の上で言いましても、経済的には遮断し切れるものではありません。そういたしますと、どうしたって国内の価格に影響をもってくるし、これは転嫁が行なわれる。現在予定よりもコストが下がっていないということは、これはやはり実質において相当国内価格に転嫁がなされておると思う。輸出価格の赤字の幾分かは国内価格に転嫁をしておる、こう思うのです。たとえば利子の関係を負担しているか、その程度の差はあるけれども、この輸出赤字というものは国内の農民が負担しておる。ことに貿易の自由化というようなことになって、競争を外国の農民と一緒にやるということになると、国内の農民は一かます八百幾らの高い肥料を使わされる。それからその国内農民の犠牲において日本の農民と競争すべき外国の農民は一かます六百円以下の安い肥料を使って、そして競争をする。こういう貿易自由化という面から見たって、こんなばかげたことを農林行政としてやるばかはないと思う。農林行政をあずかる、消費者の立場に立つ経済局長が、肥料の面からこういう矛盾をどうする。この面をどうする。一度にこれはなかなかできないといたしましても、総合的な見地に立って貿易の自由化に即応すべき国内対策として肥料の分野から、あるいはコストの計算から、あるいは外国に対する出血輸出のこの関係からいって、これはもう少し消費者の立場における発言、それから施策、それから今後における具体的な対策というものがほんとうになされなければ、農民に対する愛情のある立場においてこういうものが検討されなければならぬ。そういうメーカーの側からさっきからずっと言って、消費者のことを一言も言わないと言われてから、初めて消費者のことを言うなんて、そんなとぼけた話はない。一体現在のこういうやり方に対して矛盾を感じておらないのかどうか、これを一つ経済局長に伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 仰せの通り政府がマル公をきめる、こういう制度をとっておりますると、それは機械的といいますか、自然に動いてくる価格でございませんので、いろいろこまかいところについては無理があろうと思うのでございます。ですからほんとうに各工場の全部のコストがみんなきちんと正確に把握できて、工場別にマル公でもきめるということになりますれば、それは非常に各工場についての合理的な価格がきめられる、こういうようなことも言えるんじゃなかろうかと思うのでございますが、何といたしましても肥料は農民の消費物資、生産資材の大宗でございますので、そういう点で肥料の価格はできるだけ下げて、そうして農民の所得の向上に資するようにしなければならぬ、こういうこともございますので、できるだけ全体として下げていく、こういう方向で考えました場合には、できるだけコストの低いところから積み上げて、そうして全国一本で簡明に動くようにいたしますためには、価格もやはり一本の方が簡明でいいというような趣旨からいたしまして、コストの低いところをとって平均の価格をきめていく、こういうようなきめ方をしておるのであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 四万三千円のコストは、それはけっこうだというのですか。ついていけるはずがないじゃないですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 そこで価格をきめる場合は、御承知のように低い方からとって、それで国内消費をまかなう数量までのものをとりまして、それによって価格をきめていく。といいますことは、できるだけ全体として下げていこう、こういう気持で考えておるわけでございます。もちろんそういうようなことでやってきておりますので、計算のいろいろ技術的なこまかい問題については、今後改善しなければならないような問題もあろうと思います。しかし全体として原則的な考え方といたしまして、現在の法律の建前で安いものをとって価格をきめていく、こういう原則的な考え方については、これは変えていくという必要はないんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。実際の計算をいたします場合に、いろいろこまかい問題で矛盾があります場合には、これはできるだけ事務的な問題といたしましてもその矛盾を直して改善していくという、こういう努力は今後とも続けていきたいと思います。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 関連して伺いたいのですが、政務次官でもけっこうです。今までの局長のお話を聞いておりますと、非常に苦しい答弁だと思うのです。肥料施策の基調が合理化を徹底的にやるということにならねばならぬと思うのですが、最近新聞紙その他一般に流布されておる、政府の三十五年度肥料価格対策をめぐっての考え方、またこれに関連して昭和三十六年から三十八年までの間において八十億の肥料補給金をメーカー側に流して、採算価格とバルク・ライン価格との差を補給しようという考え方が流れておる。そうしますと、今も永井委員から御質問がありましたように、バルク・ライン方式で現在やっておるものに対して業界は不満なんだ。その圧力が相当かかってきて、三十五年肥料価格がいまだに難航しておるのである。そうして一般的には今私が述べたような考え方が政府の中にあり、それが相当実現性のある話として私どもは聞いております。そうしますと、事実上において合理化とは違った方向にいく。現実の政策は、むしろ高いコストの会社の利益を補給金その他によって擁護していこうという考え方であり、このことは合理化に逆行する施策を政府はとろうとしておるのである。それでは私はこの三十五年度の肥料価格というものは、結局値下げを当然やらなければならないものを現在の価格を維持していこうということに落ちつかざるを得ないと思うのです。そういうことでは、これは済まされた問題ではないと思うのでありまして、これは局長にしろ次官にしろ、特に田口次官はわれわれと一緒にこの委員会で長いこと農民の立場で物事を考えられてきた方とわれわれは敬意を表しておりますが、今言ったような動きに対していかような所信を持っておられるか、そうして今後対処しようとしておられるか、政務次官なり局長から、この間の事情なり農林省の考え方を一つ明らかにしていただきたいと思います。

田口長治郎自由民主党農林政務次官

○田口説明員 今足鹿委員からいろいろな御意見がございましたが、肥料問題は農家の立場からきわめて重大でございますから、先般肥料審議会の方もわざわざヨーロッパに行っておりまして、いろいろ研究して参られたのでございますが、それらの結論をも考慮いたしまして、どうしても根本的にすっきりした肥料政策を立てなければならぬ、こういうことで今通産省あるいは農林省が極力その案について研究しておるのでございます。今足鹿委員が言われましたように、この合理化にならない金の出し方というものは、これは肥料行政から申しまして私らもナンセンスと考えておるのでございまして、そういうような方向にいかないようにどうしても努力をし、方向を誤らさないような、そういうことに気をつけなければならない、かように考えておるのでございます。幸い通産省からもきょう出席のようでございますから、通産省の方の考え方も一つこの際述べさしていただきたいと思います。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 大体赤字を積み上げておけばあとは何とかしりぬぐいをしてくれるだろう、こういう考え方がやはりこの経過の中にはあると思う。そういう一つの過去の赤字の実態というものを象徴的に百十五億と出しておいて、今後三十八年度までには八十五億前後の赤字が出るんだ、これを何とかしてくれという。それに対して政府は補助金政策というような考え方をとっておる。私はやはり企業である以上、利益がなければ、これは成り立っていかないと思う。そのためにはまず現在の肥料の硫安の実際のコストがどうなんだということをはっきり把握しなければいけない。それが把握できない。ただ計算ではこうなりますという数字は示されるけれども、実際に、これだけのコストですと各社別の実態を、われわれに納得できるような、そういう有権的な調査に基づいて示されない。その点を追及していきますと、調査費はこれだけよりないんで、有権的にやれるということがあっても実際的にはやれないんだということで、現在のところではこれが精一ぱいだという、こういう算術計算的な数字だけを出して、真実はまだ究明されておらない。また化学工業でありますからいろいろなものが総合的にその中へ入ってくる。大体硫安のキャパシティというものがどのくらいあって、その経費というものがどういうふうに区分され、そして広告費であるとか、そういった関係の区分をどういうふうにしたら合理的であるかというような、こういう基本的問題については、これはまだちっとも追及されておらない。でありますら、はなはだしいのは肥料の硫安の価格なんか、現在硫安の広告をしなければ買ってくれないという実情でありませんから、広告の関係からいえば一銭もなくて済むのだろうと思う。ところがある社においてはもう百円近くの広告費をかける、ある社においては五円か十円よりかけてない、こういうふうに、その点を一つとってみても、非常なでこぼこな状態なんです。でたらめな計算の実態調査であります。真実が究明されておらない。ほんとうに真実が究明されるならば、その上に立って、一割なり一割五分の適正利潤というものが加算されなければいけない。そうしてそれをするためには、合理化のためにはこれだけの資金とこういう一つの技術革新が要るし、その過程においてはこれだけのことをしなければいけないという、少なくとも合理化に対してこれを強く要請し、それを促進するための一つの呼び水としてのいろいろな国の施策は、これは必要でありますけれども、合理化はこれ以上はできないのだという一つの現在の状態というものを固定して、そうして外国で、西ドイツなりあるいはイタリアなりベルギーなりが、国際市場で安く売るのは政府の補助によって安く売るのだ、だからおれの方でも補助しなければ国際競争に勝てない、こういう単純なメーカーの利益になるような側において問題を固定して考えておる。補助の問題だって、ことし調査されて帰ってきたようでありますが、私も去年行って調べたのでありますけれども、その補助の関係というものはだいぶ違うと思う。ドイツあたりにおけるなには、ちゃんと農業基本法によって、グリーン・レポートで、補助金は何件出した、こういうふうな選別補助であって、全般的に出しておるものではないと現在でも私は考えておる。そういう関係を明確にしないで、補助金を出すための資料整えに回ったような、こういう結果に対しましては、これは承服できないのでありますが、とにかくいずれにいたしましても、そういう根本問題は根本問題として、国内の消費者価格は、現在の法律では、これはいろいろなもの、輸出の赤字というものとは遮断してきめることになっておるし、それはもう計算からいって、ことしはこれくらい下がるということは予定されるわけでありますから、これは早急に審議会を開いて、暫定価格でも何でもいいから、二カ月なら二カ月という暫定価格をきめるべきです。それからまた、もっと長くかかるなら、その経過措置として、消費者が納得できるような経過的な措置をはっきり立てて、長期の、これからの対策というものは、政府の怠慢を消費者におわびして、これからやるならやったらよろしい、そういうものをあいまいにしておいて、全購連とメーカーと話し合いしなさい、うまくいかなかったなら口を出しましょう、こういう無責任なやり方で済まされるものではない。だから当面の経過的な措置として、国内価格を早急にきめよ、きめるべきである、こういう要求をわれわれは持つのでありますが、どういうふうにこれはお考えでありますか。  それから今後の合理化構想というものに対して幾つかの方法がある。ただ補助金を下手に出すとガットでたたかれるから技術的にうまくやろうということであって、これだけの金額は何らかの方法でやろうという補助金の出し方の技術的な一つの検討が行なわれておるということであって、補助金を出すという基本態度においては変わっておらないと思いますが、通産省関係から、今後の合理化促進及び肥料行政、肥料政策に対する基本的な態度をあわせてこの場合伺っておきたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 仰せのようにできるだけ早く法律に基づいて価格をきめる、こういうことが消費者のために必要であろうと思うのでありまして、今通産省を中心にいたしまして、硫安工業の根本対策をいろいろ立案しておりまして、その方向がきまるのもそう長い時日はかからないだろうと思うのでありまして、私どもといたしましては、至急にそういう根本対策の方向がきまり次第審議会を開いて、そうして三十五肥料年度の価格を正式にきめたい、こういう工合に考えております。(永井委員「経過措置は考えないか」と呼ぶ)現在のところ、もう経過措置を考えないでも、一応先ほど申し上げましたように、全購連等とも大体話し合いがついて、荷物は動いておりますし、経過措置を考えなくても済む程度に早く審議会を開いて、正式の価格をきめるというふうに持っていった方が早道ではないだろうかというふうに考えておるわけであります。

足鹿覺日本社会党

○足鹿委員 今政務次官なり、経済局長から御答弁があったのですが、通産省からあとで伺いたいと思いますが、時間がありませんから申し上げますが、私が先ほど触れた補給金問題にからんで成案があるというのですが、一般的には農林、通産の両省の意見がこの補給金をめぐって見解は一致したと伝えられておるのです。そういう構想のもとに成算ありと経済局長は言っておられるが、農林大臣がおいでになっておるようですし、次の問題に入る前に、農林大臣の基本的な御見解もあわせてこの際承っておきたいと思います。もう年度に入っているのですよ。それを、メーカーと全購連側と意見の交換もあったし、話はしておるから、荷物は動いておるからというが、値段もつけないで動いておる。しかも先般海外へ行かれたということは私どもも聞きました。三人か四人の人々が行かれたということについては聞きましたが、それは各党間の適当な人選でおいでになったのでしょうから、それはそれです。当委員会は消費者の立場に立って問題を検討する必要があると思うのです。大臣は先ほどおいでになる前のことはお聞きにならなかったのですが、今の補給金構想というものは合理化政策を停頓させる以外の何ものでもないと思うのです。高価格をそのまま現状維持しよう、こういうことにあろうと思うのです。一方には共販体制の動きが活発に出ております。国外価格の据え置き的な考え方も非常に強い。その考え方の上に立って補給金対策というようなものがなされるということになりますと、これは合理化にも役立たない。従って消費者価格を引き下げることにも役立たない。そうすると、これは結局めぐりめぐって百十五億の輸出赤字の穴埋めに使われる以外の何ものでもないではないか。そこには消費者的立場もないし、公正な肥料価格決定の要素もない。メーカー側をとにかくこの際救おう——意図はどうあろうとも、結論的には救っていこう、そういうふうに考えられても、私は弁明の余地はないのではないかと思うのですよ。私はその点はもう少し明朗にやってもらいたいと思うのです。ほんとうに補給金そのものが今後どういう形で流されるか。一部には農民にやれという声もある。メーカーを通じて農民に流した形式をやれという意見もあるようでありますし、この問題は肥料政策の今後の問題として私は非常に大きな問題だと思います。きょうは時間がありませんから、これは日をあらためて一ぺん大臣にも当初からおいでを願い、通産大臣にもおいでを願って、しっかり検討しなければならぬと思いますが、農林大臣、おいでになったようですが、いかがでしょう、今私が述べました点について御所見があれば一つ承りたいし、この際通産省の考え方も、現時点に立って今私が言ったことはうそなのか、どういうことを考えておるのか、農林省と話し合った、見解の一致があったと言うが、補給金問題について、いつどういう形で意見の一致を見たのか、そしてそういう立場から来年度の予算にすでに要求をしたと伝えられておるが、それは事実なのか、そうしたことを所管課長として明確にしていただきたいと思います。

富谷彰介通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○富谷説明員 通産省の化学肥料部長でございます。  先ほど来お話のございました合理化計画の点につきまして、若干御説明を申し上げます。肥料二法が当初二十九年からスタートしまして、五年の年月が経過いたしまして、昨年さらに五カ年間延長されましたことはよく御承知の通りでございますが、そのときには、今後三十八年までの間に価格をトン当たり四十七ドルまで下げようという目標でスタートしたわけでございます。ところが残念ながら輸出競争が非常に激烈でございまして、とうてい四十七ドル程度の目標では国際競争に勝つことができないというので、本年初めからこの計画の改訂を作業いたしまして、現在では四十二ドルという目標を考えました。四十二ドルということになりますと、これは三十八年でございますけれども、大体西欧諸国の安売り競争にも十分対処できるのではないか、かような考えを持っておるような次第でございます。先ほど永井先生のおっしゃいました、昨年のマル公決定の際に非常に高い工場があったということ、これは非常に遺憾でございますが、確かに御説の通りございました。これは会社の名前を出しまして恐縮でございますが、実は東洋高圧の彦島工場で、これは昨年半年だけしか操業いたしません。半年たちますとこれを撤去するということになっておりましたために、非常にコストが高くなりまして、非常識な額でございました。さらにもう一社ばかり、同じように高いものがございましたけれども、これは実は本年に入りまして生産をやめました。従いまして現在ではバルク・ラインと総平均、これをとりましても、その差というものはトン当たりで二ドル程度までに落ちついております。先ほど申し上げました四十二ドルという三十八年度の目標は、これは総平均でございます。大体合理化関係の説明はこの程度にさしていただきます。  現在われわれが考えております硫安の輸出赤字に対します根本対策、これは結局肥料二法の建前で、輸出赤字を農民に転嫁することは絶対にできない。なお内需バルク・ライン加重方式というのが現在のバルクのきめ方でございますが、これは安い方からだんだん内需に達するまで積んでいきまして、その加重平均をとってマル公をきめる方式でございます。これは政令できまっておりますものの、実際問題としまして、さらに値の高くなるような方向、つまり農民の不利益になるような方向にきめるということは、これは農民にとっては既得権を侵されるような気持をおそらく持つであろう。従って政令の算定方式を変えることはできない。われわれとしましては従来通りの算定方式を今後もあくまで厳守して参りたい、かように考えております。さらに一方、三十八年の四十二ドルに達します間に、今後ネットの赤字が約八十億円ばかり生ずる見込みでございます。四十二ドルになりますればこれはいいのでありますが、あと二年ないし三年これにかかりますので、その間の赤字というものを何とか考えてやらぬとメーカーとして立ち行かないし、先ほど御指摘のございましたように、合理化そのものもそのために阻害される結果に陥りかねない。従って合理化を促進するためにも、この輸出赤字というものを何とか見てやろう。それはくどいようでありますが、農民に転嫁するような方向でなしに、農民には従来通りの利益をそのまま保護する。結局そのときにしわ寄せが来ますのは政府だけになりますので、政府が財政措置で何とかこの赤字を見て、合理化もさらに徹底できるような方向で考えたい。これもまだ予算要求の具体的な話し合いまで参っておりませんが、農林当局とはそういう方向で現在作業を進めておるような次第でございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 従来のように、やはり輸出は出血輸出が予定されるわけですが、貿易自由化という一つの当面の課題を持ちながら、国内の農民には八百何十円という肥料を使わせ、競争相手である外国の農民には五百何十円というような安い肥料を使わせる。そうしてこれで競争せい、こういうようなことがさらに続いていく。その出血分はやはり日本の農民を含んだ国民の負担において、補給金等をやっていく。こういう二重負担のような形になってくるわけでありますが、貿易自由化を控えて国際競争力を増進するという農業政策の立場から、この肥料の問題について大臣の答弁と、あわせて御答弁を願いたい。

富谷彰介通商産業事務官(軽工業局化学肥料部長)

○富谷説明員 四十二ドルの最終目標が達せられます間は、残念ながら経過的には、今申し上げたようなわけで、値がなかなか下がりませんので、外国の農民の方が必ずしも安いとは思いませんけれども、そういうような結果的な事態ができる可能性があるかと思います。ただ、貿易自由化も、今申し上げました四十二ドルの目標が達成し得れば、十分自由化しても対処できるというふうに考えておるわけであります。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 私は閣議でおくれまして、今の肥料問題についてはただいま伺ったわけでございますが、大体において申し上げますと、今まで肥料対策につきまして御質疑のあったように、何か補給金その他で予算措置を要求してあるかとか、あるいはどういうふうにきめたかというような御説でございますが、実際に通産省なり農林省なりではさような具体的なことになっておりません。かようなことについていろいろ検討中であることが新聞その他に漏れているだけであって)最終的なことになっておりません。このことを足鹿委員に申し上げておきます。  それから先般肥料審議会がありまして、審議会の委員に十分審議を願っておるのでございますが、この際にも日本の肥料需給関係というものが今後どういかねばならぬか、過去の成績から見てようやく今年は操短をせずに済むような情勢になったけれども、今後貿易の自由化に伴って日本の肥料価格というものが出血輸出をしなくてもいいような方向にまで企業の合理化を進めるべきじゃないかということが政府としての考え方であります。また農林省としては消費者である農民に負担をかけない、むしろもっともっと安い肥料を供給する方向としても、生産を合理化することによって安く生産できるならば、そういう方向に通産省、大蔵省などとも話し合って、これの予算措置等もしてもらったらどうか。つまり農林省といたしましては、どこまでも消費者である農民の味方となって将来の肥料価格を安くする、いわゆるバルク・ラインの精神を生かしてそれを合理化させたい、こういう立場に立って目下各省との間に調整をしておるのでありまして、その精神は全く皆さんの御意見と同様でございます。どうかさような意味においてもうしばらくこの点を時をかしていただいて、そして最後まで持っていきたい。(「ことしの価格はまだ話がついていないのにどうする」と呼ぶ者あり)ですから、さような立場に立ちまして、ことしの価格もできるだけ早くこの審議会を開きましてやっていきたい、こういう方向でございます。

小山長規自由民主党

○小山委員長 小松君。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 先ほど来いろいろ問題が論議されておりましたが、過般の六月二十日の肥料審議会におきまして、ほんとうならば当然その審議会には硫安工業の合理化に対する基本計画が出されておらなければならなかったはずなんです。ところが、それが出ておりませんばかりに、需給計画だけを審議いたしまして、価格の問題についてはこの次の審議会において行なう、しかも、この次の審議会というものは基本計画を出すことを前提にされておったわけでございますが、八月に入りますれば当然新年度になるのでございますから、たとい基本計画を立てて審議会を持つということであっても、八月に入ってそういつまでも便々として待っている、こういうことではないであろうと私は考えておったわけであります。ところが聞くところによりますと、ちょっくらそっと次の審議会を開くお考えがないようです。その理由としましては、基本計画が立て得られないからだ、こういうことで、基本計画が立つまでは開かれなくても仕方がない、こういうふうなことを聞いたのでございまするが、はたしてどのようにお考えになっておられるか、次の審議会はいつごろ開かれるか、その点を一つお聞きしたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 小松委員には肥料審議会でもいろいろ御努力をいただいて御協力をいただいておるのでございますが、お話しのようにこの次の審議会において価格を決定する、その際には硫安工業の根本対策を政府は立てろ、こういう御要望でございまして、その線に沿いまして通産省におきまして硫安工業の根本対策についていろいろ検討を進めてきたのでございまするが、八月に入りまして新しい肥料年度に入りまして、できるだけ肥料年度の初めに価格をきめたいということで私たちもいろいろ通産省方面とも連絡をとりまして努力をして参ったのでございますが、非常に残念なことでございますが、いまだその根本対策といいますような具体的な方向がついてないわけでございます。しかし少なくとも八月中くらいには何とかそういうような方向に持っていきたい、こういうことで、一日も早く根本対策についての方向もきめていただいて、そうして新しい年度の価格も一日も早くきめたい、こういうことで努力しておるわけでございます。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 八月中ですか八月半ばですか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 私ども農林省の事務当局の考え方といたしましては非常にあれかもしれませんけれども、八月末までにはなるべくそういう方向へ持っていきたい、こういうことで努力をいたしております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 先ほどあなたは、値段がきまらないけれども、メーカーと消費者側代表と全購連と話し合いの上で、何ら心配はないのだ、こういうふうな御答弁であったのですが、実は私きのういなかから出て参りましたが、全購連とメーカーの間には、どういう話し合いで安心ができたかどうかわかりませんけれども、実は農民は非常に心配している。心配しましても、もちろん農協の話からかどうかわかりませんが、そのうちには、大して遠くないうちにきまるであろうということで今おりますけれども、もうそろそろそういうことだけでは心配がおさまらなくなってき始めておる。そこで、今のお話では八月中には出したいと思う、こういうお話でございますけれども、そういう差し迫った農民の気持がまだ現われておらないから差し迫っておらないのだ、こういうふうにお考えになってのんびりかまえられますると、私はこれは大きな問題になってくると思う。そこで、八月末日、こういうことでございますが、それは間違いなくできますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 価格がきめらるべきものがきめられないでおるということは、農民にとりましても非常に不安であろうと思うのでございまして、そういう点を私どもは十分考えまして、あるいはそういう趣旨が今まで末端までよく徹底していなかったんじゃないかと思いますので、消費者団体等を通じましても、できるだけ趣旨も話をしまして、一日も早く正式の価格がきめられるように努力したいと思います。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 趣旨の説明だけでは納得しないのですよ。ですから納得するような何か具体的な方法をあわせて考えて下さらなければ、私は意味がないと思います。そういう点について大丈夫やっていただけますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 農民の不安を一日も早く解消しますように努力をいたしたいと思っております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 私は八月末日までにはやりたいと思う、そういうようなお話であったのですが、その気持はわかるのです。しかし、その気持だけでは農家は安心しませんから、かりにどうしてもできなかったら、その末日に至るまでに、こういうことでできないならできないということ、しかし、こういうわけだから安心して下さいという具体的な何か方法があってしかるべきだと思うのです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 あるいは暫定的な価格でもきめたらどうかというような御趣旨のようにも伺うのでございますが、ほんとうの価格をきめるのをできるだけ急ぐ、こういうことで最善の努力を尽しまして、そうして、そういう意味におきまして、消費者側におきましても、そういたずらな不安も起こさないように、これはいろいろ全購連等とも連絡をとりまして、そうして安心をして買えるように、こういうことで最善の努力をいたしたいと思っております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 同じようなことなんですが、あなたのおっしゃっていることは、八月中に必ず出るというなら通るのです。しかし、今のお話の中から考えますと、必ず出るかどうかわからないという気もいたしまするので、同じようなことだが重ねてお伺いするのです。そこで、八月中に必ずできそうもないというようなことがもしもあるならば、末日に至らなくとも農民が安心するような何らかの方法をとっていただかなければならない、こういうふうに考えます。これは大臣にお伺いいたします。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 御趣旨に沿うように、農民の不安を解消いたしまするように、できるだけそのときどきに応じまして最善の措置をとりたいと思っております。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 今の御質問については、当該局長からも再々御答弁申したように、農林省としては、消費者団体の農民の諸君のためにできるだけ早くこの価格をきめる方向に今進んでおるわけです。しかし、今全体の合理化というようなことと関連しまして、各省との連絡会議を、先ほど申したようにしておるのでございますから、これができない場合にはできないように別に切り離してでも早急にきめるということについて農林省としては考えております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 このことがはっきりしませんから、さっき永井委員からも御質問がございましたように、バルク・ライン方式と、それから輸出による赤字との関連みたいなことまでも出てくるのじゃないかと私は考えているのです。これがはっきりしさえすれば、そういう心配は持てといっても持てるわけはないでしょう。だから、大臣も局長も、あなた方の心がまえだけをおっしゃって、ちっとも形をはっきり示してくれないのです。私がお聞きしておるのは、あなた方の気持ではなくて、形なんです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 輸出の価格あるいは合理化という問題と三十五肥料年度の価格を関連させるということはございませんけれども、肥料審議会の経過から見まして、この次の審議会において価格をきめる際には硫安工業の合理化の根本対策を政府としては立ててそれを具体的に示せ、こういう御要望もございますので、その線に沿いまして、硫安工業の合理化というような根本対策を今通産省を中心にいたしまして検討中でございますので、一日も早く成案を得て、そうして一日も早く肥料審議会を開いて正式な価格をきめたい、こういうことで努力をしております。(「切り離せるものなら……。八月一日から新年度が始まっておるのです」と呼ぶ者あり)肥料審議会におきましても、先ほどから御答弁申し上げましたように、そういう根本対策を同時に政府として示せ、こういう要望が非常に強いものですから、次の審議会にはそういう根本対策も同時に出して、価格は価格で本来の姿においてきめたい、こういうことで考えているわけであります。どうぞ御了承をいただきたいと思います。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 同じことになるのですが、そういうふうに考えているというあなた方の努力目標はわかるのです。しかし、それだけでは意味がない。六月二十日の場合はあれでよかった。しかし、あれからすでに二月近い日にちがたっているわけです。そこで、今日に至りますと、あのとき考えたような考え方だけをもってしては農家は安心していられない、こういうのです。そこで、どうしても八月末日までに、たとえばできそうもないということがわかりましたならば、それ以前に安心するような方向をはっきり示すべきではないか、こういうように考える。だから、繰り返して言うようですが、心がまえを示してくれろというのではなくして、形でもって示して下さいと申し上げているのです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 先ほどから申し上げましたように、私どもといたしましては、少なくとも八月一ぱいくらいまでには根本対策についても政府の具体的な方向をきめていただく、こういうつもりでやっておるのでございまして、そうすれば当然審議会も開いて、そうしてそこで正式な価格をきめたい、こういうことで努力をいたしておりますが、もしそういうことであるいは思うように努力が実を結びませんで、ずれるというようなことでもございまして農民の側で非常な心配がつのるというような状況でもございますれば、そういうときにはそのときに応じまして農林省といたしましても消費者の不安を解消するようにできるだけ具体的な措置をとっていくようにしたいと思っております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 できないとき、そういうときはとおっしゃったのですが、そうしますと、こういうことで了解してよろしゅうございますか。八月末日までには必ず基本対策を作り上げて、そうして肥料審議会を開く、もし基本対策はできなかったとしても、何らかの形において肥料審議会を開いて、そうして価格について農家が心配しないような方策を講ずる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 政府の根本対策決定の進行の状況と、それから消費者の方の将来に対しての不安の状況、そういうふうなものをいろいろ見まして、そのときどきに応じた具体的な処置をとるということで努力をしていきたいと思っております。

神田大作民主社会党

○神田委員 関連。どうも大臣の答弁も局長の答弁もさっぱり要領を得ないようですが、硫安の価格はもう八月にきめることになっているのだから、ちゃんとそれをきめる。合理化の問題は、各新聞に大々的に政府は価格差補給金を出すとかなんとかいうことが出ておりますが、ああいうように各新聞に合理化に対する具体的な問題が報道されておるにもかかわらず、農林省当局あるいは通産省当局等がいまだ検討中であるなどと言っておりますけれども、これは非常に重大な問題であるから、この硫安工業の合理化についてもはっきりとした考え方を大臣としても——それの影響するところが非常に大きいのでありますから、この問題はこの委員会においてやはり慎重に審議すべきであると私は考える。と同時に、価格の問題は、合理化がうまくいかなければ高くきめるのか安くきめるのか、どうもそういうところで業者の圧力に屈して農民に大きな迷惑をかけながら価格を決定しない態度は、断じてわれわれは許すことができないからして、この点ははっきりと八月なら八月にきめます、審議会を開いて価格の決定をやるということをはっきりときょうここで言明してもらいたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 先ほどから申し上げましたように、輸出の価格あるいは合理化と三十五年度の価格との関連というものはございませんけれども、ただ肥料審議会の強い御要望で、今度価格を決定する審議会を開く場合には、政府としての合理化対策をきちんと出せ、こういう御要望が非常に強いのでございます。そういう関係からその合理化対策の方の根本対策を今急いでおるというような状況でございますので、それらの問題をできるだけ早く決定して、そうしてその際には三十五年度の価格についても下げるものは下げるというふうなことで、きちんと従来の方式によって価格をきめていきたいというふうに考えておるわけであります。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 繰り返すようになるのですが、どうも御答弁が繰り返されるとこちらも繰り返すようになってしまうのです。六月二十日の際にはあめなたのおっしゃる通りです。しかしあれから相当時日がたっているわけです。従ってあのときの考え方をきょうまた再びここで蒸し返されても、それはちょっとおかしいのじゃないか。とにかくあれから今日に至るまでに相当の時日があったのでございますし、あの審議会におきましてもすみやかにということが入っているのですから、なるほど基本対策ができてから審議会を開くということになっておりますけれども、だからといって基本対策ができなければ審議会はいつまででも開く必要はないのだ、こういうことには決してならない。そこでまた繰り返すのですが、八月末日までには必ず対策を立て、肥料審議会を開く、どうしてもそれができないという見通しがついた際には、そのついたときに農民が安心し得るような形を示してもらいたい。それは確約できますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 事務当局といたしましては十分そういう線で努力をいたしたいと思っております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 努力だけではしょうがない。だから基本対策がどうしてもできないという見通しになった際には、これはやむを得ませんから、別な方法で農民が安心し得るようなことをお示し願いたい、こういうことです。それはできるでしょう。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 基本的な対策の方にできるだけ今通産省を中心にして努力をいたしておりますけれども、もし万一基本的な対策がずるずるになってなかなかできない、こういう状況でございますれば、それはそのときに応じまして、農民が安心のいくような措置をとりたいと思っております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 どうもはっきりしないのですが、まさか肥料二法を改正するお考えはお持ちになっておらないのでしょうね。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 先ほどからお話し申し上げておりますように、ございません。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 それがなかったならば、現に法律があるのですから、今月中にできないということはないわけです。それも一歩譲りまして、どうしても基本対策ができないならば、安心するような方法とまで私どもは申しております。だから単に努力しますということでなしに、そのときには必ずやるというようなことを一つお答え願いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 万一早い機会に基本対策というものがどうしてもできないというような事態になりましたら、その際にはやはり現在の法律がございますし、その法律の精神に沿いまして、農民の安心をするような措置をとりたいというふうに考えております。

小松信太郎民主社会党

○小松(信)委員 そうしますと、八月中には基本対策を立てまして正式に審議会を開くことに努力はする、しかしどうしてもやむを得ない場合には、それにかわってとにもかくにも農民が安心し得るような方法は講ずる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 その通りでございます。     —————————————

小山長規自由民主党

○小山委員長 次に甘味資源問題及び大豆の価格問題について質疑の通告がありますのでこれを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣に申し上げますが、本来は内閣がかわって新しい農林大臣ができたような場合には、当委員会としてはまず農林大臣から農林施策に対する基本的な考え方を承るのが慣例になっております。     〔委員長退席、吉川委員長代理着席〕 われわれの判断では、今度の内閣は解散までの内閣で、おそらく固まった政策もなく、農林大臣も就任はされたけれども、責任を持って法律を通すとか、制度を改正するということはできない。従って国会解散までの間に農林大臣として、たとえば行政上の問題等については農林大臣の責任で処理できる事項もあるし、今まで政府が未解決のまま放置しておいた問題等についても、この際なるたけ早く責任のある解決をはかってもらいたいという考え方の上に立ってきょうは質疑をしたいと思うわけです。従って今委員長が示された通り、甘味資源の問題と貿易自由化の問題について、特にそれは当面している大豆の自由化の問題に限定してお尋ねしたいと思うわけです。  第一の甘味資源の問題については、十カ年計画が昨年の春決定されたのですが、その後の経緯を見ると、政府当局は一体この十カ年でこの計画を実行していくのか、あるいは自信がないから十五カ年でこの計画を消化する考えであるのかということが今まで明確になっていないわけです。南條さんになってから、先般北海道のビート工場の問題についても案が示されたようにわれわれは聞いているので、その根本をなすところの甘味資源十カ年計画を、三十四年度に立てられた通りの方向に向かって十カ年で達成させるということで今後進めるのかどうか、その点はいかがですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ただいまの甘味資源、特に北海道のテンサイ糖の計画についての御質問でございますが、これは芳賀委員の仰せの通り、過去に立てております十カ年計画、この増産計画に基づいて今計画を進めております。北海道庁においても、その生産計画を本省に提出して、それに基づいて先般来具体的な施策を進めているのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あなたは北海道出身だからすぐ北海道と言うが、一国の農林大臣です。私の聞いているのは国の甘味資源十カ年計画を政府が昨年お立てになったが、あなたがそれを十カ年間でやるのか十五年間でやるのか、内容がはっきりしない。だから新大臣が就任と同時にこの十カ年計画を具体的に達成させる考えの上に立って、昭和三十四年度から始まって四十三年度に目標を達成する、十年後には国の甘味の需給計画はおよそ百五十二万トンということにして、そのうち七十五万トンは国産に依存する、七十五万トンのうち、ビート糖については四十万トン、カンショ糖については二十万トン、澱粉の精製ブドウ糖については十五万トンということで進めるというのが、十カ年計画の構想です。ですからその十カ年計画の達成目標に向かって必ず進めるということでおやりになるのかどうかということを、まず明らかにしてもらいたいと思うのです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 先ほど私は北海道テンサイ糖だけの計画を申し上げましたが、内地の暖地ビートあるいは澱粉等の甘味資源その他の計画についても従来農林省が立てております十カ年計画で進めていきたい、かように考えております。ただこれは十カ年もの長い間でございますから、実施計画のうちにいろいろな変更があります。あるいは国の財政上の問題もあり、あるいはこの十カ年間に案外増産ができればもっと早く繰り上げることもあるでしょうが、一応この計画について変更はないということだけは申し上げておきます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、北海道から提出された計画は、国の十カ年計画に沿って出された長期計画なのか、あるいは北海道独自の長期計画なのか、その辺はどういうふうに考えておられますか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これは国の計画にマッチしたものを農林省と打ち合せの上で北海道が生産計画を立てたものと信じております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 国の計画は三十四年に始まって四十三年に達成されるわけですね。ところが北海道からおくれて出た計画というものは、三十五年に始まって四十二年に終わるという八カ年計画ですね。われわれは国の十カ年計画もなかなか容易でないというふうに考えておるのだが、特に北海道の分については八カ年の短期間で計画達成ができるということになれば、むしろ国全体の計画というものもその八カ年の線に沿って短期なものにして達成させるか、あるいは十カ年計画というものをさらに当初より変えて、もう少し国内自給度を高めるような計画に改定する必要があると思います。この国の計画と北海道の八カ年計画の関連に立って、北海道の計画に自信が持てるなら国の計画もこの際改善したらいいと思いますか、どうでしょうか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この点はいろいろ見解も違うと思いますが、北海道のビートの生産につきましては、過去の長い間の経験がありまして、これについては相当北海道庁においても自信が持てると思うのです。私どももこの点は計画通りいくと思うのです。内地におきまする暖地ビートあるいは澱粉のブドウ糖化ということにつきましては、これは私のようなしろうとよりあなたの方がよく御承知だと思いますが、暖地ビートというものは最近日本に計画された仕事でございますから、今各所で非常に生産が進んでおります。また研究も進んでおります。従って、農林省としても試験場を最近予算をとって作って今後この点を大いに奨励いたしておるのでございます。  また澱粉の処理についても最近いろいろな方法がありまして、今までのカンショ澱粉のブドウ糖化というようなことよりも、もう一歩進んだ酵素法澱粉のブドウ糖化をやっておる時代でありまして、今日の科学技術の進歩はなかなか一日も油断ができない状態だと思うのです。さようなことでございますから、二、三年前に農林省が十カ年計画を立てましても、あるいはもっと早まるかもしれないし、また情勢の変化によっては、これはもっとおくれるかもしれませんが、一応今立てた案を基礎にして進めていったらどうか、こういうふうに思っておるのでございます。まず議論よりも実行だ、このように考えて農林省としては進めていきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 実行はいいのですが、北海道で八年間に三十万トンになるとすれば、これは国の計画というものもやはり改善できる一つの自信がつくのじゃないですか。たとえば今あなたが言った結晶ブドウ糖の問題にしても、政府の今年度の買い上げ決定分を入れて一体幾らカンショ澱粉とバレイショ澱粉を手持ちしておるわけですか。合計すると七千四百万貫というものが政府の手持ちになってストックされている。しかも、昨年の当委員会においても政府手持ちのカンショ澱粉については、一般の用途には放出しない。この用途というものは結晶ブドウ糖の原料にこれを限定して処理する方針であるということが昨年の委員会においても言明されておるわけです。ところが、この十カ年計画というものはわずかに十カ年後に結晶ブドウ糖は十五万トン製造ということになっておるわけです。そういうことになると、これはテンサイ糖よりも大事である。しかし三十四年度が豊作であった関係で、結局カンショ澱粉については千八百万貫、バレイショ澱粉については六百万貫の買い上げが決定しておるわけです。それを従前の分に入れると七千四百万貫ということになるのですよ。方向はこれは結晶ブドウ糖にするということになれば、北海道を中心としたカンショ等の生産が十カ年計画を待たないで八カ年計画でできるとするならば、この結晶ブドウ糖の問題についても、毎年政府が十数億の保管料とかそういう経費をまかなうという現状に立った場合には、もう少し澱粉の砂糖化問題についても真剣に取り組む必要があると思われるわけです。だから、この十カ年計画というものをこの時限で再検討する必要があるのではないかというのが私の質問であったわけです。特に、今度の総理大臣は砂糖については相当の権威者でしょう。糖業政策には権威者ではないかもしらぬけれども、砂糖会社には一番大きなつながりを持って、政治献金はおもにそこから吸い上げておるということが言われておるわけだ。だから、この際やはり輸入糖依存ではなくて、国内糖の生産増強ということに対しては、担当の農林大臣としてももう少し真剣に考えていく必要があると思うのです。どうですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 お説の通りでございまして、できるだけこの外糖の輸入を制限する方向に、国産の甘味資源を増産する方向に進みたいと思うわけであります。従いまして、ただいま御質疑の澱粉糖化問題、結晶ブドウ糖ということについての今後の生産量ににらみ合わせまして、この処理をどうするかということは非常に大きな問題でございまして、実はかような点について、先ほども申したように酵素法澱粉のブドウ糖化ということが最近技術的に非常に進歩しておるということを承っているので、この実施を実際にしておる工場等も見学してみたい。そうして今後の実績等も考えまして、今年中にはこの予算措置あるいは金融措置等についても政府、農林省としては十分考えて、この態勢の上に生産向上に尽くしたい、こういうふうに考えておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうは時間の関係があるので、結晶ブドウ糖を十分論ずるいとまがありませんが、あなたの女房役の田口次官は当委員会においても結晶ブドウ糖問題に対しては非常に熱意と見識を持っておるわけです。ですから、女房役の意見も十分聞いて、早急にこの結晶ブドウ糖の問題についても、宣伝だけではなくて——選挙宣伝だけに使われては大へんですから、具体的にどうやるということを明らかにして、政府手持ち澱粉の処理対策というものを十分進めてもらいたいと思うわけであります。  それで、次にお尋ねしたいのは、北海道の八カ年計画ですが、私たちが見てもこれは容易なものではないと思うのです。北海道のビート糖の今までの生産の歴史は三十年の歴史を持っているわけです。三十年にしてようやく作付面積が三十四年度までには約三万九千三百ヘクタールです。それで反当収量は一ヘクタール当たり二六・八トンということになっている。そして、これが砂糖に生産された数量というものは十三万九千五百トンということになっている。これに要した原料の数量は大よそ百五万五千トンです。ですから、これは八カ年計画で三十万トンにするということになれば、現在の産糖量の約十四万トンを倍以上にしなければ三十万トンの達成はできないわけです。面積においても大体あと三万二千ヘクタール、これは反収をふやすということを目標にしておるので、倍までの面積にしてもいいが、とにかくあと三万二千町歩程度ビートの面積がふえなければならない。それをやるにはヘクタール当たりの収穫を三トンふやしていかなければならない。一割二分くらい反収をふやさなければならない。あるいはまた砂糖の歩どまり等についても、従来の歩どまりよりも、さらに今後企業努力をしてもらって歩どまりを高めて、これを三十四年の実績の一三・五%から今度は一四・五%程度に引き上げてやるという、そういうことが全部整わなければこの三十万トン達成ということはできないのです。ですから、三十年かかってようやく十四万トンの砂糖ができたという歴史を振り返った場合、ことし三十五年度から始まって八カ年間でこれを倍以上の三十万トンにするということは容易ならぬことだと思うわけです。しかも今後ふやす三万数千町歩という畑地は決してビート栽培の最適地であるということは言えぬのです。現在まで作っておる四万町歩に比べて、三万数千町歩の、それと同等あるいはそれ以上の適地があるかというと、南條さんも御存じの通りそういう適地は今すぐないわけです。ですから、この土地の生産力を一方において既存のビート適地以上に高めるという努力というものが背景にならなければ、この八カ年計画は絵にかいたぼたもちだけで、実行に移されないということになることを私は懸念しておるわけです。それで結局ただ申請会社に工場を建てさせるということだけでこの目的が達成されるかどうかという点をまずあなたにお伺いしたいと思うわけです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この生産計画のことについての不安がないかという御質問はごもっともなことだと思います。この点については詳細はまた当該局長からも説明してもらいますが、北海道庁がともかくも生産計画を立て、そうして農林本省へ持ってきました。一応私どもはこの計画を信用すべきだという考えに立っておるのですが、しかし客観的に見ましても、私も北海道に生まれたものであるから、北海道のビート産業というものが三、四十年の間非常な難航を続けておったことは、これはもう十分承知しておる。しかしながらその後過去三、四年の間に四工場が新設されております。この新しくできた四工場は非常なよい成績であるために、そこで内地における新会社はみな北海道のビートを増産したいという意欲に燃えたと思うのです。そこで三十年の間そんなにイバラの道であったテンサイ工業が一般に三、四年の間になぜよくなったかというようなことを考えますと、これはいろいろと科学技術の進歩、品種の改良、その他土地改良についての機械化等、あらゆる点で三十年前、四十年前におけるテンサイ工業とはよほど異なった面が出てきておると思う。従ってこの過去の三、四年間におきます新設工場というものが成績を上げました経過を見ますと、農民の協力ももちろんでございますが、生産意欲においてそれぞれの会社がめいめい特殊な技術、工夫をこらした結果だと思うのでありまして、たとえば反収四千斤、三千斤であったものが、今日反収六千斤にも八千斤にもなっておるという工夫がされているのでありますから、面積においても、今後もちろん三万二千町歩を開墾しなければならぬのでございますが、面積が少なくても反収が多ければそれだけ工場能率が上がるということもございましょう。ですから、過去三、四十年の間にこのテンサイ工業が悪かったから今後も悪いのじゃなかろうかという悲観論も一応ごもっともでございますが、私は過去三、四年の間における北海道のテンサイ工業の経過から見て、そう悲観したものじゃないと思う。従って将来の十カ年計画というものは、そんなに甘い計画ではないという観点に立って進めてみたい、こういうふうに考えているのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いたのは、この新設工場の申請が八つも九つもあるわけですね。だから、それだけを承認して建てさせればこの八カ年計画は達成できるというふうな新大臣の考え方は、全くしろうと考えでもあるし、甘過ぎるということを指摘して質問したわけです。工場を建てればそれでいいわけですか。それだけ答弁して下さい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ゆっくりやるから、あとで答弁さして下さい。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時三十六分休憩      ————◇—————     午後一時五十九分開議

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  甘味資源問題及び大豆価格問題について質疑を続行いたします。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 先ほど農林大臣が答弁を保留されたわけですが、その答弁から先にお願いします。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 芳賀委員からの休憩前の御質問の要点は、今までの北海道のテンサイ糖計画について非常に長い間難航したのが、今度の十カ年計画によれば八工場ができるというのでは、見通しとしては非常に甘いのではないかというような御意見でありましたので、一応その点についてもお答えしたのでありますが、引き続いて、さような北海道のテンサイの事業というものは、こんなところに内地の新会社がついてきたからといって、これが最も適当であるという考え方はどうかという御質疑に聞いておりましたが、その点についてはいろいろ見解もございましょうけれども、北海道の総合開発ということは、芳賀委員も十分御承知の通り、北海道の総合開発の計画を立てて、今第二次計画に入っておるのでございますが、あらゆる角度から北海道の地下資源あるいは地上資源、また寒冷地の畑作振興の面からビートの増産というようなことをしなければならぬ、さような観点からいえば北海道はきわめて事業家も不足でございますので、何としても内地の資本なり事業家に北海道の総合開発の一部を買ってもらいたいというのが北海道民の全体の考えであり、道庁としてもその方向におることは当然でございます。さような観点からいたしまして、このビート産業というものが数十年の間困難であった事情に対しまして、ここ三、四年の間によほど情勢も変化したのでございましょうけれども、北海道の寒地作物の転換ということには、このビートの生産が最もふさわしいというような実績を上げられましたについて、御承知の通り過去四年間において四工場ができました。これは内地から三工場、三会社が進出しまして成績を上げておるわけであります。従いまして、内地のりっぱな糖業に経験のある会社が進出してこられることは、資本の面においても、技術の面においても、北海道の開発という点からいえばまことに歓迎すべきだという考え方で道庁が生産計画を立て、そしてこの内地の資本を誘致することに努力することは、私どもは当然ではないかと思うのでございます。従いまして、芳賀委員の御質問のような、内地の新会社が来てもはたしてこのテンサイ糖の生産がうまくいくかどうかという御疑念については、私は決してさような心配はないという考えのもとに、農林省といたしましては北海道の計画を遂行できるという前提のもとに進めておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の質問は、八カ年計画を達成する場合、本年度から八カ年の間にとにかく現在までの砂糖の生産量を倍以上にするわけですね。ですから、その具体的な方策というものがなければ、道庁の計画だけ認めてもなかなかこれは実現困難だと思います。ですから、これを達成させるための、たとえば政府としての具体的な施策とか、あるいは北海道庁が行なうべき諸般の施策とか、あるいは会社のこれに対する努力、また生産者農民の生産努力というものが総合一体にならなければこの達成はできないわけです。ですから、政府としては、今までは工場だけ誘致すれば会社の競争が激化することによってこの計画の達成はできるというような、非常に偏狭な考え方の上に立っておったわけですから、これだけでは達成は困難だ、だからこの機会に八カ年計画が妥当な計画であるとすれば、それを達成させるための政府のとるべき施策の内容というものを示してもらいたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 そのことにつきましは、ごもっともな点でございます。そこで、北海道庁がこの八カ年の生産計画を立てました耕作面積は、将来八カ年の間には約三万二千町歩、現在三万九千町歩でありますが、七万一千町歩がお尋ねのように必要であるということに対しましては、先ほど芳賀委員が御指摘のように、今までの土地はある程度優良な土地であったけれども、今後耕作する土地については、相当土地改良あるいは土壌の改善をしなければならぬということを考慮いたしまして、従って、この生産計画についてのこれらに対する予算の裏づけというものを政府は考えておる。そこでこれに対しましては、ただいま計画いたしておる面は、約二百七十億のこれに対する投融資を必要とするという考え方のもとに立っており、そのうち約半分を政府の負担にいたしまして、半分は地元の負担、その中には今後作業すべき会社等の犠牲も考えまして、約二百七十億以上の、耕作可能なる面積に対する政府の助成をしよう、こういう考えのもとに、できれば明年度の予算のうちにこの計画を織り込んでいきたいというのが政府の方針でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 財政措置ですが、大臣の言われた二百七十四億というのを、この内容を分析すると、必ずしも国の責任でこれだけの財政負担を八カ年にやるというのではないのですね。従来も北海道に対して国が支弁しておった。特に畑地関係の土地改良費等はこの中に取り入れて、従来の実績と合わせて二百七十四億という計画が作られておるとすれば、純増加分というものはわずかしかないと思う。これは全くインチキなんですね。新しいビート対策として二百七十四億の財政投融資計画を立てるというなら話がわかるが、過去ずっと何カ年間土地改良事業の中にも畑地に対する土地改良事業費というものが国から出ている。そういうものを全部この中に包括してやるということになれば、純増加ではないということになる。それでは、差し引いてどのくらいふやすということになると、これは僅少な額になると思うのですね。そういう消極的なやり方で、いかにも国が八カ年計画の裏づけとしての財政投融資をやるから心配ないというようなことは、もう一度検討の必要がある。これだけ純増加するのか、そうでないのか、いかん。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これは今までも、北海道の畑作振興のための財政的措置といいますか、このたびのビートの増産計画を立てますについては、いわゆる純増加という立場におきまして別ワクでこの計画を立てるという方向で予算を計上いたしておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではもう一度確認しますが、この八カ年計画を政府は是なりとして認めたわけですね。達成させるためには、それに必要な経費が必要なわけだから、当然切り離して別ワクとしてやるのが当然だと思う。われわれの承知しておる限りでは、たとえば土地改良事業費の中においても、畑地改良振興を重点にして、水田関係の土地改良費もこれも削減して、それをこちらの方へ転用するというようなことになれば、ビート振興とか畑作振興といっても、土地改良全体の大きな成果を上げるということはできないと思うのです。だから八カ年計画を認めた場合、別ワクとしてこれこれの財政投融資を行なうならば行なうということが、同時的に承認決定されなければ意味がないのです。その点はどうなんですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ごもっともでございますから、もちろんさような方向で予算の要求をしたい、ただいまこう考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 では、大臣の言われた二百七十四億というのは、従来の土地改良事業費等々と切り離して、別ワクで必ずやるということですから、その点は、今後やるかやらぬかは別問題として、本日は了解しておきます。  そこでこの内容ですが、私の知っている範囲では、国の負担分は百四十七億、北海道、道庁ですね、これの負担分が十億円、ですから国と道の支出分というのは百五十七億ですね。それ以外は融資と自己負担ということになっておるわけです。融資計画は農林漁業金融公庫の融資が五十一億四千万円、農業改良資金から八億二千万円で、この二つの融資分を合わすと五十九億六千万円、それ以外は自己負担が五十七億二千万円ですね。一体農民が自分の努力で土地の生産力を高めるというような、そういうことをこの財政投融資の中に入れて、いかにも多額な投融資が行なわれるというようなことを宣伝するのは間違いじゃないですか。自己負担が五十七億円もこの中に含まれておる、この点はどうなんです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この点については、地元負担の五十数億というものは、今後新設されるべき八会社の一会社がかりに八億ずつ負担すれば六十四億、七億ずっとすれば五十六億、五、六億も負担すれば、各会社の負担において土地改良その他の増産計画ができるということも頭に置きまして、直接農民が負担しなくても、大いに北海道のためにこのビートの増産に寄与しようとする各会社の熱意に私どもは期待をした次第であります。そういうふうな考えを持っておるのでございます。さして困難なことはないと考えてかような計画を立てたのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではこの八カ年計画に必要な政府の立案されておる生産基盤の整備事業、テンサイ栽培改善経営合理化事業、これをあわせて二百七十四億の財政投融資ですが、受益者負担ということになると、今までは土地改良事業の受益者負担というのは、これは農家自身が自分の所有する土地が改良されて、そうして土地の価格も上がるし、生産力も高まるという意味において、受益者というのは耕作農民自身をさすというように私は考えたのですが、大臣の答弁によると、この場合の受益者というのはビート会社が受益者という立場になるわけですね。間違いないですか、御答弁願います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 私どもはそういう方向に今後の施策を持っていきたい。農民の直接の負担にはさせないで——会社自体も受益者になるわけでございます。土地改良されて、そうして収穫が多くなり、生産力が増大をされるということは、すなわち受益者である会社の利益だという考えのもとに、その程度の犠牲は払っても差しつかえないのではないか、こういうふうな考えのもとに今後進めたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは事務当局もはっきり聞いておいてもらいたい。私たちはこれは土地改良事業ですから、農家自身の土地改良に要する経費の負担分も含めておると思っておったのですが、これは新しい政策がとられて、とにかくビート振興は会社が一番もうかるのだから、利益を得ておるのだから、自己負担ということで、会社に五十七億二千万円というものを負担させて、生産農民自身にはこの計画の中では一銭も負担させる計画にはなっておらぬということを、これはここで確認しておいてもらわなければならぬ。しろうとだからあとで間違っておったということになると、これは大へんなことです。これは局長は案を作って大臣に示したのだから何も答弁する必要はない。ただ聞いておきなさいと言っておるだけです。これは間違いないでしょう。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 その方向に間違いございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしますが、農林大臣は就任早々、特に畑作振興へ重点を置く、従ってビートの増産あるいは酪農の振興等は畑作振興の大きな柱であるということを言われておる。これはわれわれも了承するわけであります。しかしその場合において問題になるのは、北海道に一例をとった場合においても、水田農家と畑作農家の今日置かれた経済的な事情というものは一体どちらが安定して優位であるかということは御判断になっておると思うわけです。そのことがわからなければこの畑作振興をした方が農家のためには有利であるという答えはできないと思うのです。この判断をどのようにされておるか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 どちらが得策かどうかということについては、今までの業績から見れば水田農家の方が畑作農家よりもよろしいということだと思う。しかし北海道のような、水田地帯がきわめて少なく、しかも畑作地帯というものは非常に広漠たる地面を持っておるというこの北海道、しかも寒冷地であります北海道において、水田のみに依存するということは、北海道の開発の上において多く考えなければならぬ。そこで北海道の将来において農政を考える場合に、寒冷地であっても凶作にあわない何か寒冷地作物として適当なものがあれば、これに向けるような方向というので研究した結果、機械化開墾また品種改良によってこのビートの生産が最もふさわしいという結論を得たので、そこで専門家はかような寒冷地畑作振興というような方向に向かって今日いっておるのでございます。将来はもちろん、今はまだ水田農家ほどにはいかないかもしれませんけれども、北海道の将来の畑作の開発、そして北海道の開発ということを考えますときに、このビートの増産ということに方向を向けることは北海道の開発の上に必要なことではないだろうか。また北海道の農家の救済、安定ということからいってもけっこうなことだという立場に立って進んでおると思うのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もし今の時点で判断した場合に、たとえば寒冷地帯の北海道等においても、畑作農家と水田農家のどちらが経済的に安定し、内容が高いかということを聞いているわけです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これはいろいろデータがございましょうから私の発言が間違っておるかもしれませんけれども、私どもの聞いておるところでは、まだ水田農家の方がいいように聞いております。しかし先ほど申したごとく、北海道の畑作、ことに畜力による酪農を主体とした北海道の畑作振興ということを考えれば、酪農とビートというものは絶対不可分のものであります。かような点から申しますれば、北海道の畑作振興の上においては、酪農とビートをかみ合わせるということが最も適当だという考えのもとにこれは進めるべきものだ。従って最近はだんだんと収穫もふえて参りますし、品質も改良しまして、ビートと酪農とがからんだ場合においては畑作農家の収入も水田農家とさして変わらないような方向に今だんだんと上昇しておるということは見のがせないと思う。たとえば根釧原野におけるパイロット・ファームも、ここ三、三年の経験でありますけれども、非常な成績を上げておるという結果から見ましても、私どもは北海道の畑作振興ということについては、ビートの生産ということが最も適当だと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 北海道だけに畑作があるわけはないのですよ。さっきも言ったように、全国の農民を考えた農林大臣としての御答弁を願っておる。その中に特に北海道においてはどういう特殊事情があるという考えでやっておるのか。皆さんも、北海道の農林大臣じゃないかということを言われておるのです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 それでは芳賀さん、申し上げます。先ほど来芳賀委員の御質問は、もっぱら北海道のビートの生産についての計画十カ年がどうのこうのというから、北海道のビートということで申し上げたのです。北海道の米作と畑作の比較はどうだというからその比較を申し上げた。全国の畑作に対する方針がどうということになればこれはまた別です。もちろん内地の米作地帯と畑作地帯と比べれば、これもほかのデータはございましょうけれども、私ども考えれば、まだまだ内地においても米作地帯の方が畑作よりいいだろう。しかしながら今日の農政として農林漁業基本問題調査会の答申にもありますように、今日の日本の農家六百万戸の世帯をまかなうのに、はたして米作だけでもって今後の農家の生活が安定できるか。この答申にもあるように、規模を拡大しなければならない、あるいは多角経営をしなければならない、それには今後畑作振興に持っていかなければならない、酪農を加味しなければならぬという答申もあるのでございます。ところが反面において、麦が非常に増産になって、御承知のように下落しておる。大豆についてもさような問題がある。澱粉についてもさような問題がある。そこでこれらの畑作をどう転換するかということが今後の農政でございまして、それについてはいろいろ農林省においても研究いたしておるので、これはまた別個に御回答申し上げたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 御説の通り歴代の農林大臣が畑作振興は唱えたが、何もやらぬで終わっておるわけです。特に重大な点はあなたもまだ勉強してないかしらぬが、農林漁業基本問題調査会の中間答申が五月十日に出されたわけです。これには畑作農業に対して非常に重大なことが示唆されておるわけです。第一に麦類については国内生産というものをできるだけ圧縮して、麦の生産の主要な地帯だけにこれを局限して、あとの分はこれは外国からの輸入に依存すべきであるという点が一つです。それからまたたとえば食糧増産の関係についても、米の生産については昭和三十三年度を一〇〇として、それから十カ年の間にあと一割の増産をすれば米はもう要らないとか、そういうようなことがいろいろ述べられておるわけです。しかし簡単に麦を作らぬとかあるいは大豆が自由化になって暴落したから百姓は自然大豆を作らぬとか、あるいは澱粉もやらぬ、生産過剰になって政府の手持ちが毎年累増する、そういうようなすべてが行き詰まった畑作の実情の中において、ただビートだけ作ればいいとか、酪農に転換すればいいというような、そういう子供じみたことでは国全体の畑作振興ということはなかなか進まないと思うのです。ですから基本的な考えというものははっきり固めてもらわないと、思いつきだけで北海道へ行けばそのような宣伝をするとか、内地へ行けばそれに合ったような宣伝だけするということでは、これは非常に農家が迷惑を感ずるので、その点の腹がまえというものを一応明らかにしてもらって、そうしてビートの長期計画の問題にも具体的に取り組んでいただきたいと思うわけです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ごもっともなことでございますから、そういう方針のもとに全体の農政を、今後米作のみにたよらない、畑作の振興についてはどうすればよいか、ことに麦の問題についても大豆の問題についても、澱粉の処理の問題についても、これらの耕作面積であった畑地をどういう方向に転換するかということについて、いろいろ具体案を立てておるのでありまして、三十六年度予算の要求その他についても、新政策の中にこういうものを盛り込みたい、こう考えておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に政府は八月の一日にビート工場建設を申請しておる北連ほか八社を呼んで、そうしてきょう配付になりました「北海道におけるてん菜振興計画及びてん菜糖工場の新設について」というこういう案をお示しになって——これはいわゆる合同会社案というようにわれわれは聞いておるわけですが、これを農林大臣が出されたということなのですが、このビート工場の問題についても、三浦農林大臣はやめぎわに三工場をきめることにしたが、当委員会において中沢委員を中心とした追及にあってとうとうこれは挫折した。福田君も在任中に何とか筋の通った納得のできる結論を得たいということでありましたが、御承知の日ソ漁業交渉の問題とかあるいは国会内におけるいろいろな重要な問題があって、とうとうきめないでやめたわけです。そのあとをあなたが受けて、急に今度は合同会社案という飛躍したものができたので、われわれとしては非常にこの内容に興味を持っておるわけですが、この構想について大臣から直接御説明を願います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これはもうすでに芳賀委員御承知でもございましょうが、三年くらい前、北海道のテンサイ工業の成績がよろしいということから、あるいは為替関係のこと等もございまして、内地の業者が北海道で新設工場を申請するものが非常に多くなりました。結局九会社ばかり本年までにあることは御承知の通りでございます。先ほど来申し上げましたように今年の北海道の耕作面積からいいまして、適地というものは、そう九会社が一ぺんにやられるほどもないのです。約七万一千町歩要るのでありますから、そこでこれらの土地が十分に耕作可能というめどがつかなければ、つまり生産計画が立たなければ、これらの九会社全部が満足するわけにはいかない。ところが最もよい場所には何会社も申請をしておるというようなことで、非常に競合しておるわけです。そこでしからばこれをどの会社に先に許可するかということになりますと、どの会社もみな内容もよく、技術もあり、りっぱな資本的な会社である。そのものさしは容易ではございません。そこで各会社同士がお互いに話し合いをして、そうして八カ年の間にお互いに譲り合って、北海道のテンサイ糖生産計画に協力していただくということが、北海道の開発の立場から最も好ましいことである。さようなことから申しますと、何とか一つこの申請会社がお互いに話し合いをする意味において、八カ年の間に譲り合って会社を建設してもらいたい、それには一つ合同会社のようなものをこしらえて、そうしてお互いに共同の経営において土地改良もし、土壌も改良する、そうして一日も早く、国も財政的な措置もいたすのでございますから、さようなことにして工場も建てよう、その順位等は各会社が話し合いをしてきめたらどうか、こういうようなことで、一応先般この九会社の首脳部を呼んでその方針を述べまして、決して一会社自体の利益のためにビート生産をやるのではない、北海道の開発、畑作振興のためにやることなんだから、主客転倒しないで一つ協力してほしいという意味でこの合同案を出したようなわけでございます。他意はございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこでこの会社の性格はどのようにお考えになっておりますか。合同会社ですから、おそらく国の甘味資源長期計画に協力して事業を進めるためには、どうしても個々の営利会社だけの利潤追求の方式ではうまくないから、もう少し高度の国の政策に沿った、古い言葉でいえば公益というか、社会性を持った国策会社的な、そういう性格を与えて、国の方針に向かって、内地の輸入糖が膨大な利益を上げているうちから、北海道あるいは内地の暖地ビートに対して国の政策に協力する会社を作らせる、そういう方針でこれを立案されたわけですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 さような構想ではないのでございます。ということは、本来ならば北海道の道庁の立場からいえば、一日も早く新設工場が設置されて、そうしてビートが増産されることは望ましいことだと思っておる。しかしながら今申し上げたようなことで各会社とも非常に競争が激しいものですから、さようなことができないので、一応各会社が自分らめいめいがやるつもりになって、そうしてお互いが一つ譲り合って協力してやってもらいたいという建前ですから、今度できる合同会社というものも一種の民営の会社でございます。従って各会社がある程度の出資をしてできたものが将来はだんだんと分割していくわけですから、昔の電発の会社のような公的なものでございませんけれども、電発会社ができて、あとで九電会社に分割したようなことになるわけでございますが、これは全く民営の会社でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは国の長期計画に協力してもらうために社会性を持たせた合同会社というのではなくて、とにかく申請が大ぜい出ているし、競争が激しくて、どれを先にきめても、政府としても自民党としてもさばきに困るから、申請会社に責任を持たして君らで適当にやってもらいたい、そして八つとか、九つでき上がった場合には、それをお互いにくじ引きでもして分けたらどうか、そういう単純な意味の合同会社ですね。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 くじ引きをしてやるとかどうとかは別として合同会社ができてお互いに資本を出して協力してやる以上は、どこの場所はどの会社がやるということはお互いに話し合ったらよかろうと思います。今の公営的な会社云々ということでございますけれども、公団制はむだが多いということは世間でいわれていることでございまして、できるならばこういう営利会社ですから、個人会社のやはり創意工夫に待つことが私どもは北海道の開発にけっこうだと思います。その意味からいって、公益性のあるような会社ができますと、とかくまたこれが官僚式に流れて、間接費が多くなって、ほんとうの目的が達せられないということがありますので、一時こういう合同会社案を作っているわけでございます。趣旨はそういうことでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ちょっとおかしいですね。昨年テンサイ糖の振興計画を立てて、国内糖の生産を高め、その事業を保護するために、国内措置としては砂糖消費税の引き下げを行なって、そして一方輸入糖については関税の引き上げを行なう、そういうことで相当強力な施策を行なっているわけです。その結果が、今の段階では国民生活にはまだ何ら利益を与えていないのです。こういう政策が進んだから国民に安い砂糖を提供するというところまでいってないのです。しかしこの計画が進んだ暁には、どうしても廉価な砂糖を一般国民にも提供するということでなければ、国が特別の制度を設けた国の財政投下を行なうといっても、それは意味をなさないことになるわけなのです。ですから、この際国の政策に即応して北海道の寒地ビートあるいは内地の暖地ビート等を速急に振興させるためには民営個々の事業よりもさらに高度の性格を持ったそういう合同会社的なものが生まれて、これが時代に即応するというような斬新な、確信のある政策に根拠を置いて南條農林大臣が打ち出したとすれば、これはわれわれとしても非常に見直すわけなのです。今まではそういう意味があるのでないかとわれわれは期待を持っておったが、今話を聞くとこれは全くだらしのないことで、何もあなたでなければやれぬようなことではないと私は考えておるわけです。もう少し社会性を持たした、一歩進んだ考えは持てないのですか。やはり政府の内部にも現在においては、砂糖は将来専売制に持っていく方がいいというような説も、一部には真剣に議論されておる。そういうことを思い合わした場合においては、この会社構想についても、もう少し発展性があってしかるべきだと思いますが、どうなのですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ただいまの公益性のある会社、公団式のものがよかろう、専売方式がどうだという御意見がございますけれども、いろいろ御意見はございましょうが、私どもの考えはさようなことは考えておりません。できるだけ創意工夫を生かす意味においては、やはりこういう営利会社の方式が一番よろしい。ことに内地の暖地ビートのごときは、今後大いに発展させなければならぬ面もございましょうし、創意工夫を必要とするものでありますから、これを公団のようなところでやるならばかえって逆に政府資金ばかりマイナスになって効果が上がらぬというようなことも考えられまして、せっかく今各会社が暖地ビートについて熱心に工夫しているのですから、ある程度の助成をいたすことによって、大いに創意工夫を生かすことがよかろう、かような考えでございますから、今の公団方式、専売方式のようなことが、増産の意味あるいはほかの意味において決して有効な方法とは考えておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは見解の相違で、あなたのように戦時中の公団のようなことを考えた場合には時代に合わぬが、時代に即応した新しい企業体系というものは、やはり財界の中でも進歩的な連中は考えておる点だけを指摘しておきます。  次に、お尋ねしたいのは、そういう純然たる営利会社の集団方式をとって、数年後にはそれをまた一工場ずつ分配する、そうして完全に一会社一工場ということになるとすれば、この際問題になるのは、北連という農業協同組合方式による資本形態の事業体を民間の他の八社と同一視して、そうしてこの合同会社を作らせるというようなことは、最初から非常に誤まりがあると思うのです。ですからこの点は北連とそれ以外の八社というものをやはり別なものと考えて、一方においては合同会社を考えるということであれば、これはまた話が別ですが、今の大臣の構想はみそもくそも全部ごっちゃにしてやれということになると問題があると思うのですが、その点はどう考えておるか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ただいまの御意見は北連の性格、方向についての御説であります。この点は私はここで議論はしたくない。これについてはいろいろな観点から議論があると思うのであります。北海道のビートのようなものは、何十年の歴史を持った、過去の戦前の大会社が相当の資本を入れて犠牲を払っても容易じゃなかった、そういう時代があった。ようようこのごろ為替その他の関係で脚光を浴びてきたからといって、これは相当の危険負担がある仕事だと思っておる。今後の貿易の自由化等にからんだ将来のことを考えますと、相当危険負担がある事業だと思う。さような場合におきまして、私は北連のような農民団体がそういう危険負担が多いような仕事を何でもしなければならぬということはどうか。利益のあるときはけっこうですが、もし大きな損害があったときには農民の負担になる。営利会社でございますれば、自分の危険負担においてやるのですから、決して農民にはしわ寄せばこない。今までもさような点から、北連がやりたいということについては、すでにもう斜里の工場をやって、一年成績をあげて、けっこうですけれども、あの場合にも農業団体の中には議論があったが、押し切ってやった。しかしこういうことをどこまでもほかの営利会社と別個に、北連というものが優先的にある、どうしてもそうしなければならぬというお考えについては見解の相違でありましょうけれども、必ずしもそういうものとは考えておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私はあなたと議論をする考えはないのです。ただかりそめにも一国の農林大臣ですから、農林大臣の立場で農業協同組合を一体どう考えておるかということは責任のある点ですよ。しろうとだから農協のことはわからぬじゃ済みません。ですからビート工業が今後危険があるというようなおどし文句は軽々に述べるべきじゃないのです。これは昨年われわれがビート二法を審議した場合においても国内糖の長期計画に基づく増産をやる場合には、長期的な安定というものを目途にしなければこのような政策というものは無価値なものになるということで、結局先ほど言った通りこの保護政策の現われとして、消費税の引き下げを行なう。関税の障壁というものはくずさないという立場に立って引き上げを行なって、そうして糖価全体の面については消費者価格を一斤七十三円、そういうことに押えて、そうしてビート糖についてはこれは工場の生産者価格を一斤五十三円十四銭というところに安定度を置いて、そうして国の政策というものを進めていく。ですから一斤五十三円十四銭というものを基準にして新工場ができた場合においては、当初の一年ないし二年間この五十三円十四銭よりも実際に生産した糖価が高い場合においては国が全量買い上げを行なう、あるいは経済事情の激変によってこの安定糖価帯を維持することができない場合においては、随時買い上げ等を行なって、糖価の安定をはかって、そうして国内糖全体の安定と一方においては原料生産者であるところの農民に対する原料価格の安定制度というものを必ず守るという原則の上に立っておるわけです。それがこの北連が事業をやれば危険だとか、民間会社がやればそういう心配はないというのは、そういう無謀な意見というものは農林大臣としては述べるべきでないと思うのです。全くこれは営利会社の走狗になっているような発言じゃないですか。ですから合同会社をやる場合には、資本構成をやる場合に、農業協同組合という資本の性格と、それ以外の民間会社の場合の資本の性格というものは質的にも違うからして、水と油を一緒にするような形で合同会社を作らせるということには問題がある。しかもこれが公益的な合同会社を作るという場合には、それはやはり北連を入れるということについても否定するものではないが、全くの営利会社の集団体であるということになれば、これはやはり農協の資本の性格と他会社の性格というものを無理に混同させるようなやり方というものは責任のない態度だと思う。ですからそういうことをやろうとすれば、農協の場合どうするとか、それ以外の申請会社の場合には、合同会社なら合同会社で紛争を起こさないように当分やらせるとか、これははっきりした方針が最初からきまっていなければいけないと思う。その点はもう少し責任のある答弁を願いたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 私はこの農業協同組合の性格及び事業内容等については、決してあなたのおっしゃることを否定するのではないのです。ただ今政府としてもいろいろな基本政策の上から全国の農協というものに対する性格その他をどういうふうに直さなければならぬかということが議論になっておる最中です。さような観点から申しまして、私はこういうような北海道の、もちろん生産軌道に乗りましてそうして赤字の出ないような、政府の保護政策のもとに立つ北海道の経済事業でございますから、危険負担ということは軽率には言えないでしょうけれども、しかし実際問題として、たとえば麦にしても澱粉にしても、政府があれだけの保護政策をしているのですが、実際にこの国際情勢、貿易の自由化等に関連しますと、なかなかこれは、ややともすると農民に大きなしわ寄せが来ることがあるかもしれぬということは御承知の通りです。ですから、北海道のような寒冷地におけるテンサイ事業のごときは、過去何十年間の間で悪い面における事業であるということは御承知の通り、これをせっかく計画を立てて、今後十カ年間は絶対赤字にならぬような方向のもとに、保護政策をやるのだと言われますけれども、なかなかその間において国際情勢の変化その他によって容易ならぬことがあると申し上げておるのでありまして、さような際に農業協同組合のような農民を主体とした団体が、一営利会社がやるような仕事にまで絶えず競争してやらなければならぬかということはどうかという議論でございまして、今度の北海道のテンサイについても北連がやりたいと申すならばけっこうでしょう、おやりになることはけっこうだから申請なさったのでしょうが、これがほかの営利会社がやるのに対して、北連だけが優先的な立場だから、これを認めろというようなお考えについては私どもはいろいろ異論があるのではないか、ことに北海道の場合においては、ほかの会社は二、三年前に申請してやるときに北連は何ら関心を持たなかった。ようやく昨年の暮れになってやりたいと申し出ているほどです。さような観点から申しまして、私どもはこれを会社よりもっと優先的に扱えという議論については——もちろん私は北海道の農民、協同組合の人々の協力を得なければ、北海道の農業というものは立ち行かないことはわかっております。しかしだからといって全部これを優先的にしなければならぬという点について疑義があるということを申しておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は優先とかむせんとか言っておるのではない。合同会社を作る場合の原則的な考え方をまず整理しないと言っているのです。水と油を一緒にするような、農協資本と民間会社資本と一緒にして、そうして八年間に八つとか九つ工場を作る。できた暁には場所がきまらぬければくじ引きで工場を一つ分けろ、そういうような仲間に一体農協を入れることが正しいかどうかということを考えてもらいたい。しかもそういう案を農林大臣一人が考えついたのなら別ですが、優秀な農林官僚の諸君がうしろに控えておって、こういうでたらめなことを農林大臣の責任においてこの委員会において言わせるということは、いろいろの関係もあるかもしれませんけれども、おかしいと思うのです。農協をどう考えているかということをこの際はっきりしてもらいたいと思う。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 事務当局からもう少し内容について説明させます。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀説明員 今回、今後のテンサイ糖工場の新設につきまして、工場の新設を計画いたしておりまする農協を含む関係企業の合同会社案というものを私どもが提案をいたしておるわけであります。ただいま御指摘がありましたように、農協資本と申しますか、農協関係の資金源、会社の資本とはある程度性格に違いのあることは私どもも十分承知をいたしております。しかしながら今回この構想を考えましたのは私ども今後工場の新設を認めていくにつきましていろいろ検討をいたしました結果、この構想によります以外にいろいろな混乱を防ぎ、一定の、一つの秩序の中で新しい工場を作っていく方法として適当な方法はないという考え方に立ってこの構想をとっておる次第であります。従いまして今回の会社案に対しましては、農協を含めまして一つの会社にまとまるように話し合いが整うことを私どもといたしましても希望いたしておるわけであります。現在私から申し上げるまでもなく、農協法によりましても会社に出資することは法的に十分可能でございまするし、特に農協を含めまして今回の会社の構想を進めて参りますことは、これらの北海道におけるテンサイ糖工場の設置を一つの秩序の中で進めていきますためには、決して目的からはずれてはいないというふうに考えているわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大臣にお尋ねしますが、この合同会社を作る場合、大臣も有力会社の重役等を幾多やっているわけでありますが、一体会社が利益を上げた場合、その利益の配分というものはどっちへいくかという点です。私は利益配分は株主の方へその株の持ち株に応じて配当がいくというふうに考えておりますが、その点いかがですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 御質問の趣旨がわかりませんが、株式会社、営利会社は株式を配当するんですから、利益があれば配当するし、利益がなければ無配当です。どういうことをお聞きになっておるのか——それは当然のことじゃないですか。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それが株式会社ですね。利益が出れば利益配当は株主に対して行なう、ところが農協の場合は利益があった場合どこにいくのですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 それは農協の場合は農民が出資者の形であるから、出資者の農民に還元するということです。株式会社、営利会社の場合は株主の方にいく。それは同じ形であって、ただ農協の場合は農民保護という立場で皆さんそうおっしゃるけれども、営利会社の場合は当然じゃないかと思います。そこで先ほど申したように、土地改良その他地元負担、国費の負担等がありますが、農民に負担させないで、会社に利益があった場合には会社にも犠牲を払わせるという意味で、私はそういうことも考えてやったらどうだろうかというわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 民間会社の農協の場合は同じ利益の配分の場合でも違うんですよ。ですから北海道で幾多の工場を建てても、その会社の株主というのは北海道で株を持っている人は少ないし、特に北海道のビートを作る農民で今申請している会社の株主というのは、私はあまりないと思うのです。だから北海道でビートで大きな利潤を会社が上げてそれを配当する場合には、北海道のビート耕作農民以外の株主の方へ全部流れてしまう。それからあなたは北連は力がないと言うが、とにかく力のない零細な農民の出資によって協同組合というものができて、またその資本によってビート工場とかあるいは澱粉の合理化工場が運営される。たまたま利益が出た場合においては、その利益というものは全部出資者であるところの農民に還元されるわけです。農民が自分の手でビート工場を建て、ビートの原料を生産し、自分の工場の企業努力によって利益が上がった場合においては、すべてそれが循環して生産農民にその利益というものが還元される。そうなればビートの原料価格が適正に行なわれて、そこで相当の所得があれば、それにプラス自分の経営しておる会社の利益配当というものが加算されて、一そう生産者に対してはその利益の増大ということが行なわれるわけです。だから好ましいいき方としては、協同組合にそういう資本力、事業の経営能力があって、原料を自分で作ってやれるという場合においては、農林省としては当然その道を推奨するのが基本的な態度であると思う。今までの農林大臣もこれを否定してはおりませんし、それから当委員会においても関係の局長はその方が適切であるということを正式に答弁しておる。それにもかかわらずあなたが農林大臣になって、今度はまた逆な方向にいこうとするからして、官僚の場合はやっぱり大臣の言うことを聞かぬければならぬから、節を曲げてでも今度は民間会社と協同組合を一緒にやった方がいいというような、全く変節的な行政というものが今日行なわれようとしておることは、これは非常に危険だと思うのです。ですから公益的な企業会社であるならばとにかく、そうでないとするならば、一般の民間会社と農協資本というものは明らかに分離して、おのおのの目的があるのだからして、その線に沿って建設計画というものを進めて、それぞれの経済的な思想的な根拠、目的に従った企業というものが競争の形で行なわれていくという方が、これはビート工業の発展のためにも、私は公正な競争というものが質的に違う資本や企業体によって行なわれるということは非常に大事だと思うのです。ですからぜひそういう方向に進むということに対して検討する必要がある、いかがですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ですから、決して農協の主体である北連が申請することに対して、農林省も道庁も別段これは反対していない、異存はない。ただ先ほど申し上げたように、ほかの会社が三年も前から申請しておる当時には何ら話がなくて、去年の暮れ、ことしになって急に出してきた。しかもほかの会社が申請しておる場所に、人の目の中に指を突っ込むようなことをやっておるから、要するに紛争を起こしておる。非常に狭い場所にあとから来て申請をして、そうしてこれは農協がやっておるのだからこっちを優先にやるべきじゃないかというような議論をするために、非常に混乱しておるのです。そこで農林省としては、かような混乱のときにどの会社に許可するというのは容易じゃないから、そこで今のような合同案を作って、農協も一緒になって話し合ってくれということなんです。決して農協に対していけないというような方針はとっておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは、あなたが自民党の北海道の連合会長の時代にはそういうことを言っても通ったんですよ。しかしあなたが言うように農林大臣になって資本会社を擁護して、北連が工場を建てたいというのは資本家のなわ張りに割り込むようなことでけしからぬと言うようなことは、これはちょっと困るんですね。しかも昭和何年何月何日までに申請しなければ受け付けないというような通達でも出ていれば、これは別なんですよ。何もそういうものはないじゃないですか。そういう乱暴な農林大臣は今後長期的には続かぬですよ、そういうことをやれば。(笑声)全国の農民が信用しないですよ。かりそめにも解散までのあと二月か三月の間農林大臣という座にすわって、そういう無謀なやり方をするということになると、これはとんでもないことになるので、こういうことを無理にやろうとすれば——これは選挙でも終わってもう少し正常な安定した場合の農林大臣がまじめに扱ってもらわなければ私はいけないと思うのですが、どうお考えですか。(笑声)

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 御静粛に願います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 芳賀委員にお答えいたしますが、私は決して北連をどうのこうの——斜里の工場もりっぱにやっているのですから、今後もおやりになることはけっこうです、賛成です。ことに北海道の農民の製造意欲を燃やすことはけっこうですから、同じ立場においておやりになったらどうか。そこで同じ立場においてやるならば、今言う通り同じ立場でお互いに譲らぬから、どこという線を引くのは容易じゃないので、今一応合同会社を作ったらどうか、それを性格が違うから別々にしたらどうかとおっしゃるが、食糧庁長官の言う通り、北連といえども他の会社に出資して差しつかえないのですから、一応合同という立場に立っておやりになったらどうだ、こういうことなんであって、それを何か農協というものは一般営利会社と全然別個な優先的な立場のものであるから、これを別にして先に許可したらどうかというふうに聞こえるから、そうじゃなく、同じ立場でやったらどうかということを申し上げているんです。決して無視しているのではないのです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その次にお尋ねいたしますが、従来の既存の七工場に対しては、今後の経営方針は、各工場に対して原料の配分計画は、一日千五百トンずつ原料を切断することにして、従来の百二十日が操業の一応の限度である。だから千五百トンの百二十日、そうすると既存の七工場は、季節間に十八万トンの原料を消化できることになるわけです。これが大よそ百二十六万トン要るわけですね。そういう適正な経営をやる場合においては、これでいくと、私は、十八万トンの原料消費をやれば、現在の五十三円十四銭の糖価というものはまだ三円くらいは引き下げが可能だと思うわけです、一工場の企業能力、操業能力を高めていけば。  それからもう一つの点は、この五十三円十四銭の基準糖価を作った場合の基準は、一日千二百トンの百二十日操業、これで十四万四千トンの原料が要るわけです。これに対して一三%の歩どまりで砂糖の生産を上げれば大体五十三円十四銭の線で落ちつくということで今始めておるわけですね。だから、昨年までの原料配分計画は大体その線で行なわれておるわけです。最近の新工場は、北連にしても芝浦にしても台糖にしても、それから日甜の帯広工場にしても、全部企業能力は千五百トンないし千七百トンくらいの処理能力を持っておるわけです。昨年の実績等においても、芝浦並びに北連は千五百トンないし千六百トンの切断をやっておるわけです。それだけの施設が行なわれておる。だから、今後の企業を通じて砂糖を安くすることが非常に大事だから、それにはやはり千五百トンの百二十日というのは、私は妥当だと思う。その線でいけば結局二百十万トンの原料を一四・五%で歩どまりを上げれば、ちょうど三十万トンの砂糖が生産されるわけです。ですから、一工場十八万トンの規模でいけば、大体全部の工場の数が十一工場ないし十二工場あればこの理想的な企業が行なわれるということは必至であります。そうなると、現在七工場あるから、あと四工場ないし五工場を適切な地帯に選定してこれを建設するという案を固めることが一番妥当であるというふうに考えるわけですが、今度の政府が示した案は、従来の七工場については千五百トンの百二十日で十八万トンを確保させるが、残余の新工場については一日千トンの百二十日でいくということになっています。これは全く国の長期政策の精神に逆行する形というふうにわれわれは考えておるわけです。必ずしも民間会社が申請したからといって、全部を国が保護を加えて乱立せなければならぬという理由はないと思うのです。しかもその結果というものは、千二百トン処理の場合と千五百トン処理の場合と一千トン処理の場合においては、それぞれその生産コストに大きな相違が生ずるわけです。ですから、この基本糖価を維持することのできないような一千トン工場というものを乱立させることは、これは必然的にテンサイ糖のコストの引き上げが行なわれるということになるわけです。それをあえて五十三円十四銭の標準糖価で維持しようとすれば、長期的に政府が全量買い上げを行なうという措置をとるか、あるいは今日てん菜振興法に基づいて、原料価格については政府が適正な原料価格を四月に告示して、そうして現在は農民が安心して原料栽倍をするわけでありますが、こういうような高コストの小規模の工場を乱立させて政府が無制限に長期的買い上げをやるか、あるいはそれをやらないとすれば、結局は生産者に対して原料価格の引き下げという形でしわ寄せがくることは必然になるわけです。われわれはそれをおそれるわけです。どの会社に作らせてはいけないというような感情の上に立っているわけではないのですが、少なくとも国の長期的な糖業振興の大目的に立つ場合においては、こういう間違ったやり方というものは断じて採用すべきではないとわれわれは考えているわけであります。合同会社でいくとすれば、やはり適正基準というものを示して、北連以外の申請会社が全部参加するとすれば、その共同の出資によって今後四ないし五工場というものを適当に経営することの方が、やはりそれに参加した会社自身としても経営上有利になるとわれわれは考えているわけです。そういう基本的な考えというものをどうするかということで、今日まで二年も三年も、この議論は委員会を通じて政策を中心として議論されてきているわけであります。今回の案というものは、合同会社の構想といい、今後新設工場を八カ年問に毎年一つずつ建てる、しかもそれは一千トン規模の工場でやるというようなことについては、われわれとしては、絶対にこれは理論的にも承服することができないわけであります。一体どうして一千トンに規模を縮めて、そうしてコストの高い砂糖を生産させて、国が財政負担をやったり、また生産者に対してビートの原料の値段を引き下げるような原因を作るかということについては、われわれとしては、十分なる説明を聞かなければ納得することができませんので、この諸点について、大臣から明快な御答弁を願いたいわけです。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ただいまの御質疑については相当事務的な計数上のこともございますから、食糧庁長官から一応……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 大筋の答弁だけあなたが先にやって下さい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 そのあとでまたいたします。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀説明員 今回の新設工場につきまして、八工場は収容可能であろうという判断をいたしましたのは、ただいまも御指摘がありましたように、既設の工場につきましては、一日処理量を千五百トン、操業日数は百十日と押えました。千五百トン、百十日と押えましたのは、最近できました新営工場につきまして、操業第二年目の操業実績をとっているわけでございます。新営工場の正常操業に入りました状態における実際の操業実績を押えまして、千五百トン、百十日というふうに押えているわけであります。この従来稼働いたしております既設工場の能力をどういうふうに見るかという点につきましては、当委員会におきましても再三にわたりまして御質疑のあった点でございます。当初標準糖価を考えました当時の操業規準量と最近の実績とが非常に変わってきておりますので、この事態に対します私どもの態度なり考え方はいずれ明瞭にしなければならない段階にあったわけでございますが、今回既設工場に対します考え方は、ただいま申しましたような事情によりまして、新営工場の正常操業の実績ということで基準をとったわけであります。従いまして、現在あります既設七工場の中には、まだ現在の時点においては、設備の改良等は完成をいたしておりません。これまでのものでは、ただいま申し上げまするほどの能力を上げる状態になっておらないものもございます。これらもいずれ新営工場と同等の能力になるという前提のもとに、七工場につきましてはただいま申しましたような基準でこれを査定いたしたわけでございます。残りのこれから新設されまする工場につきまして、能力をどのように見るかということは、これはいろいろな見方が当然あり得るわけであります。できるだけ大きく見まして、工場の数を少なく見る、その方が経済性が高いという見方ももちろんあるわけでございます。一面におきまして、相当数の工場を設けまして、それぞれの拠点に立ってテンサイ糖の振興をはかるという考え方もあるわけであります。いろいろ検討いたしました結果、私どもといたしましては、新設工場については千トン百二十日という計算をいたしたわけでございます。千トン百二十日ということになりますと、従前のいわゆる標準糖価の計算の基礎になっておりましたものよりは若干処理数量が少ないわけでございますが、五十三円十四銭の標準糖価の計算等をいろいろその後最近の原料ロスまたテンサイの歩どまりというようなものを精査して検討いたしました結果、千トン百二十日を最低の原料供給量として計算をいたしますれば、操業第二年目以降は十分標準糖価の中におさまるという見通しがついておるわけでございます。従いまして標準糖価の範囲内におきまして原料処理数量は最低千トン百二十日の供給をする。それ以上のものを処理したいという場合におきましては——もちろん工場といたしましては工場稼働後は当然そういう意欲と希望を持つと思うのであります。それはそれぞれの原料集荷区域内において増産の努力を極力やってもらうということによって、全体のテンサイの供給量をふやしていくという方向に努力をしてもらうということにしたらいかがかと考えておるわけであります。全体の方向といたしましては、もちろん先ほどもいろいろ議論が出ておりますように、国並びに北海道、またそれぞれの関係のところにおきましてそれぞれの財政処置等もいたしまして増産努力をいたしたわけでございます。やはり長期的に考えました場合、工場設備数は適当な数の配置されておりますことがテンサイの長期的振興に役立つという考え方をもちまして、今回八工場の収容は可能であるという計算で計画をいたしておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこであわせて資料もお願いしたいのですが、千五百トン百二十日操業をした場合十八万トン、これに対して歩どまり一三%、一五%、一三%、その次に一三・五%、一四%、一四・五%というこの現在の段階から五%ずつ高くなった場合のコスト計算というものは糖価の上にどう反映するかという資料、それからこの基準になっておる従来の千二百トン百二十日操業、この一三%の歩どまりが標準糖価ですが、その千二百トンの百二十日操業が今度は歩どまりの面において一三・五%、一四%、一四・五%というように上昇した場合の糖価というものはどうなるのか、それから今長官が言われた一千トン百二十日十二万トン操業、その規模の場合の同じように一三%、一三・五%、一四%、一四・五%、この三者のそういう経営を行なった場合において当然これはそれぞれコストに影響があるということはわれわれ断定できるわけですから、その資料を出してもらいたい。われわれとしては今の高能率の工場が三年くらいたってもう安定経営ができるという場合になれば、この基準糖価より相当低いコストで生産が行なわれて、さっきも言った通り、少なくとも一斤三円くらいの引き下げが行なわれる。ですから今後のビートの積極的な生産増強を助長するためには、今の一千斤三千百五十円というのは所得均衡からいっても安過ぎるわけであります。ですから今度はそれらの企業上の標準糖価に比へての余剰利潤というものを当然生産者の原料価格の面においても配分して、そうして土地改良とあわせて生産意欲を高めることの方が妥当であるというふうに考えておるので、その点を指摘して主張しておるわけです。  それからもう一つの問題は、大臣にお尋ねしますが、たとえば合同会社というような交渉がもし持たれる場合は、これは場合によっては今度はこれがカルテルを結成するような場合も出てくるわけです。あなたは将来は自由化するという前提の上に立ってビート工場も危険だとかやれ何も危険だといっておるが、そういう場合には一体生産者の利益を守るということになると、やはり集荷態勢をどうするかということが非常に大切な問題になる、工場側が作付した面積を自由に支配するような考え方はこれは間違っておると思う。ですから今後その場合には集荷態勢というものを一体どうするか、たとえば農協によるところの一元集荷の問題であるとかそういう集荷態勢をどうするかということもこの八月一日案の中には示しておくべきだったと思いますが、これが示されてないわけであります。従ってその点を今後どうされるか、あるいは原料耕作の生産者が原料を自分の工場に委託したいというような意欲が生じた場合においては、北連の場合も今一工場しかないが、そういう加工委託の希望が生産者から殺到する場合は、その要請にこたえるためには工場の増設というものは必然的にやる場合も出てくるわけです。それを農林省が押えるということはできないと思うのです。ですからそういうふうな形が将来発展した場合も予想してこの案というものは作る必要があったと考えるわけであります。  さらにその次の問題はやはり制度的に前福田農林大臣は今後砂糖とか乳製品等については日本農業に重大なる影響があるからして自由化というものは国の政策から考えても断じてそういうことはやらないということを言ったが、あなたはやるようなことを今言っておるわけです。現在においては昭和二十七年にてん菜生産振興臨時措置法というものができて、これは三十七年度まで期限を持っておるわけです。その期限内はいいですけれども、これがあなたのような考え方で国内のそうした法律ももう廃止というようなことになれば生産者に対する保護政策というのは完全に足がかりがなくなる、あるいは会社が生産した砂糖の買い上げ措置もそれによってやることができないという事態も生ずるわけですから、甘味資源の恒久的な政策を進める場合においては現在あるところのビート振興法のごときも十分この機会に再検討して内容をさらに強靱なものにして生産者に対しても安心してビート振興上の原料の栽培が行なわれ、そうして畑作振興のそれが一助になる、あるいは今後ビート生産の企業者に対しても、やはりこれに協力するということで安定経営ができるという安心感を与える必要は当然であると思う。解散前には国会が開かれませんから法律の審議等はできないが、しかし長期的な展望の上に立った場合にはそういう基本政策についてもどうするとかどうしたいということくらいはこの際一つ原則論として述べておく必要があるのじゃないかと思いますが、今お尋ねした諸点について農林大臣の明らかな見解をお尋ねします。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この自由化に伴って甘味資源であるとかあるいは酪農製品、ことに麦、米というものについては、特にかような農産物価格についての支持をしなければならぬ点から見まして、将来この自由化にはなかなか踏み切れないということはたびたび政府が声明した通りでございまして、私といたしましてもこの方針は踏襲するつもりでおります。従ってこのテンサイ糖の将来の生産計画につきましては、生産者の生産意欲を高める上で安心のつくような方向に保護政策を与えていくという立場において今度の案を進めておるわけでございまして、御指摘の三十七年が期限でありまするてん菜振興法についても期限がきますればこれを継続する方向に農林省としては持っていきたい、こう考えているわけでございます。その他の事務的なことにつきましては長官から……。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀説明員 先ほど御要求のありました各種の組み合わせによりまするテンサイ糖の年次計算につきましてはこまかく検討いたしまして、次会までに用意をすることにいたします。  それから集荷の問題はいろいろ問題があるわけございますが、昨年の三地区問題の場合等にも非常に掘り下げて議論をされたわけであります。私どもとしましては、今回八工場を新設するに伴いまして、やはり将来昭和四十二年、いわゆる北海道の原料テンサイ振興の計画が達成されまする時点における一つの構図と申しまするか、それをいろいろ描きながら検討いたしておるわけであります。こういうなまの原料を対象として、それを最も能率よく集荷し、また処理をしていくという問題でございますから、必ずしも農民が作ったものは農林省の工場で処理するというわけにも参らぬ場合もあるだろう、最も経済的に能率の高い方法で処理するということで処理さるべきものではないかと思っております。  それから委託加工につきましては、そういうことも一つの観念的な問題としては考えられるわけでございます。やはり今申し上げましたと同じ性質のものでございまして、最も現実的に能率の高い方法で処理していくということが考えられるわけであります。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長代理 松浦定義君。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 この甘味資源問題につきましては、先ほどから相当突っ込んだ質問を芳賀委員が行なったのでありますが、私としてはどうしても納得できない点があるわけであります。大体基本的な問題から申し上げますと、この問題は、昨年の六月にもと三浦農林大臣が三社を一応きめようとしたとたんに問題になりまして、これがきめられなかった。そうして六月に前福田農林大臣がこれは重大な問題だというので、道庁当局に調査を命じて約一年間去る五月八日まで道庁がこれを検討した。農林省はそれから今日まで約三カ月間かかっておる。私はこの問題が重要であるということは、約十五カ月以上かかって調査をされておるが、新大臣にお聞きしたいことは、福田農林大臣が約十二カ月間道庁でもって審議をさせ、さらに二カ月間農林省で検討した結果において何ら公表されていない。しかし事務引き継ぎということになれば、相当突っ込んだあれがあったと思うのですが、今度お出しになった合同会社案なるものは、これは福田大臣からお引き継ぎになったものかどうか、この点をお聞きしたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 正式に引き継ぎになったものではございません。しかしながら在来農林当局においていろいろ検討されておったことだけは聞いておりますけれども、正式な引き継ぎということではございません。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そこで私が先ほど申し上げましたように、同じ自由民主党の政府で大臣がかわるたびに変わってくるんです。率直に申し上げますならば、昨年の六月に元三浦農林大臣があのまま今の南條大臣がやるように強引にきめておけば決して今のような問題は起こらぬと思うのです。大臣がかわったら、今大臣が言ったように正式には聞いていないけれども、いろいろ検討したとおっしゃるんだが、十五カ月もかかったら何らか公表すべきであると思う。私どもはこの生産計画に対して審議する権利しかない。工場の設置については御当局がやることになっておりますけれども、生産計画については納得するまで討議をしなければならない。生産計画をちっともやらないうちに工場設置問題だけが進んでしまったら、生産計画というものは何ら審議する必要はないと思う。なぜ十二カ月もかかったか。そういうことで福田前農林大臣から少なくとも現在までは一つも変わっていない。それにもかかわらず何も出さなかったということは出せなかったのであろう、私はこういうふうに思う。  そこで率直に申し上げますが、今度お出しになった合同案というものは、いろいろ内容を聞いてみますと、先ほども大臣がお話しになったように、いずれをとろうとしても同じような力であるから合同案でもって最後に適正な工場を、できた場合には配分するんだ、こういうふうにおっしゃっている。それからこの八カ年計画というものはあとで申し上げますが、これは八カ年計画で今の会社、たとえば九社とおっしゃる、これは問題がありますが、九社ができてずっとやりまして、そうして来年その会社の一つか二つが何が失敗しても、それでもなおかつほかの有力なものがやらしてほしいといったときには変更することができないのではないか。そういう場合にはそういうものをオミットして、ほんとうに農民のためになるような会社と入れかえる。そうでなく八社なら八社で最後までおやりになるか。そういう計画を私はお聞きしておかないと、八カ年計画というものはただ審議しても何にもならぬということになる。そういう点はいかがですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 先刻もこの点について御答弁したように、この会社はどこまでも民営会社でございまして、この九社がお互いに出資をして話をするということでございますから、話し合いで脱落いたしますれば、あとはどういうふうな方法でいくかということはこの合同会社の人たちに自主的にまかしていきたいと考えておりますということでございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういたしますと、これは先ほど言ったように、相当長期にわたって検討して甘味資源十カ年計画を実現しなければならぬ。場合によっては政府も相当出血してでも農民のため、消費者のために努力しなければならぬというけれども、今のお話ですと、もし失敗したものがなくなっていくならば、それは残ったものだけでおやりになるというのでしょう。国策のためにやろうというものをこれから八年間この計画には全然入れないということになる。そういうことまで規制されても差しつかえないのですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 たといこれが民営会社でさようなことを創立さすといたしましても、もちろん農林省といたしましては、監督権を持っているわけでありますから、その認可については十分適不適を検討して、その場合において残った会社だけではどうしてもやりきれぬという場合には他の方法も考える場合があるかもしれませんが、今から仮定のことはお答えいたしかねます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 私は時間がありませんから、率直に問題点だけ申し上げまして、審議はあとからしようと思います。今私がお尋ねしたら、それはそういうふうにやる。さらに私が質問しますると、そういうことはそのときには適当に何とかしてと、こう言われます。それじゃ私は一貫性がないと思う。われわれは、農民のためにこういうふうだから、もしそういうことがあった場合には農民の負担にならないように、あるいは特殊な会社だけの利益にならないようにするんだということを最初におっしゃれば、それで足りると思った。そういう点でこれはまたあとに質問を保留しておきたいと思います。  それからもう一つ、先ほどもちょっと芳賀委員の質問に対する答弁の中で私が非常に遺憾に思いましたのは、北連に対する問題についてはいろいろお話がありました。特にこれに締め切りがないということは、当局もずいぶん言っておる。われわれも指摘しておるのでありますが、北連が相当ほかのものが申請したあとへ、目の中へ指を入れるような形で入ってきたということを言っておられる。私どもことしの春からいろいろ農林当局に行きますと、口をそろえて、北連は落下傘のようにいいところへおりてきたんだ、こういうことを言っておられる。だから農林省は、そういう意味で感情的だかどうかわからぬけれども、反対だという意見がずいぶんあった。私どもはここらに出席できない技官等に会っても、頭から、北連なんかあんないいところへ来てと、その会社に対してなんとかかんとか言われる。そういうことであるけれども、九社というのは——その東洋というのはいつ申請したのか、私どもは全然それがわからぬのです。東洋が網走へ申請したということは、あそこは遊んだ土地が幾らでもあるから入ったのかどうか。私は目の中へ指を入れるよりも、口の中へ何か大きなものを押し込んで、ものを入れないようにするくらいの、あそこは重大なところだと思うのです。あの管内に今三工場建ちまして、日甜工場は半分しか原料がない。そして道のこの計画を見ましても、あの管内ではとうてい四工場建つだけのことはないわけなんです。これを見ても三工場やっとだけなんです。それにもかかわらず四工場として、あの網走にもう一工場あとから——あとからといったって、私はあそこの支庁が農地転用の許可を与えたかどうか、支庁行政としても大へんだというので、相当慎重を期しておるということを聞いておる。そういう手続もとったかどうかまだわからぬにかかわらず、九社、九社といって当然のように参加をして、そうして北連があとから来た。それもまだ、私はつい先月か先先月くらいの動きでなかろうかと思う。そういうことで、依然として同じ形でおやりになるには何か理由があるのですか、その点をお伺いしたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 何らの理由はないのです。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 理由がないのにそれをやるということは、どういう理由があるのですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 理由がないという意味は、これを加えたということに対して、何ら意図はないということなんです。理由がないということは、この北連も、あとから来ても、申請の期限がないから、みんながよろしいということならば、今の東洋の方の申請も、別段期限がないから処理したということで、事務当局としてはみんな申請してあるんだから、この際合同をするならば一応加えたらどうかということでここに加えたということであると思うのでございます。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 北連の申請にはずいぶんこの委員会でも問題になりまして、農林省が心配しながら指導しながら、それでもなおかつ事務的にもいろいろ無理だからということで、ずいぶん指摘された。東洋については、今お話のように事務当局は全く賛成のような形で進められたということになりますと、われわれ農民としては非常に不明な点が多くあるのではないかという疑いすら持つわけなんです。それで私はそういう形でおやりになるなら、これからこの合同会社がいつ結末がつきますか、それまでにでももし申請してきたら入れなければならぬと思うのですが、そういう点はいかがですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 今のところはさようなことは考えておりません。ということは、この契約にもあります通り、大体の耕作面積、八年間の生産金額から申しましても、将来は別として、今日はさようなことは考えられないと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 今考えておらないと言われるけれども、これは九社になって——この案では八社なんです。だから合同でやれば、十五社申請しても八社で共同でやれるわけなんです。そこで、幾らでもそこに一方的に問題が行われるというところに、私どもは心配があるわけなんです。そういう点は一つ十分考慮をしていただかなければならぬと思いますし、それからもう一つ、今の南條大臣としては、今そういう案を出されて、この結末をいつごろ、どういう形でつけようと考えておられるか、その点をお聞きしたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これは別段期限を付して各申請会社に申したわけでございませんが、できるだけ早くお互いに協議をしてくれということを言ってあります。ただそのときには、三十六年度はむずかしい、三十七年度から操業するようにしたいからということでございますから、三十七年度から操業ということになりますと、明年の春になって工場を建設にかかっても間に合うということになりますから、さような意味で期限は付しておりません。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 いかに努力されましても、十五カ月も前、元両大臣が努力をして、そうして今芳賀委員が指摘するように、おそらく十一月は解散だと思うのです。そういうような情勢の中でそれまでに結論を出すとかなんとかということは、私はよほどそういうところに通ででもなければ結論は出せないと思う。今のような形でおやりになるとしても……。そこで私は委員長に——私どもはきょうこれは相当突っ込んで質問しようと思っておったが、先ほど委員長から、ビール麦の問題で、農民に対して非常に重要な問題があるということでありますので、私は時間を遠慮して、次の三十、三十一日の委員会で検討する、こういうことなんですが、そうしますと、それまでには現段階以上にはむろん進まないと思うのですが、大臣、その点どうなんですか。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 これは今申し上げておる通り、申請会社の方で話し合いをしておるようでございます。私は新聞等でその会合の模様など見ておりますが、どうするのか私にはわかりませんけれども、いずれこの結論を得ればこちらに回答があると思いますので、そのときにまた御報告したいと思います。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 重大な問題ですから、そんなに督促までしておやりになることはないと思うので、十分意見を広く聞き、農林委員会の意見もお聞きになると思いますから、それでいいのであります。  そこで私は、先ほどいろいろありましたけれども、かりに九社としましても、大体私どもの見たところでは、三社は絶対反対、三社は賛成、三社は態度保留といったように、ちょうどうまく三つずつ、力の比重は別としても、分れているわけです。これを調整するのは容易ではありませんが、あとに禍根を残さぬように、あるいは私ども農林委員会で御質問する場合にも、あまりいやなことは言わぬでもいいように、十分御考慮願いたいと思うのです。  それから先ほど、こういうことを申し上げるのもどうかと思うのですが、九社目に申請をした現地の市では、大臣が相当協力してくれるから実現は間違いないということで、市長が帰って放談をしておるわけです。私どもはその新聞を見ては非常にびっくりしておりますが、最近ちょっと聞きますと——何ら意図はない、そういうことは何もないとおっしゃいますけれども、いろいろな形をやったということを聞いておるわけなんです。私どもの方としては、いろいろ二カ年間に及ぶメモを持っておりますから、そういうようなものがさらにまた問題にならないようにだけ一つ御考慮を願いたい、こういうふうに考えます。  それから生産計画なんですが、これはほんとうは振興局長に私どもは一日でも二日でも聞かなければならぬ。先ほど、道の生産計画をそのまま承認されたと言われておりますが、単に数字だけ見ればその通りであります。そこで大臣にお聞きしますが、生産計画の基礎になるものは私は土地だと思う。この土地の見方を誤ったら大へんだと思うのだが、道の出して参りましたこの計画は、大臣としては何ら異議なく御承認されたのかどうか、この点を伺っておきます。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 道庁としましては、相当長期に、また真剣に検討した結果提出したと思いますので、これを信用することにいたしました。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 北海道の畑地面積は、大臣御存じだと思うのですが、農林省の統計のどれをめくってみましても、七十四万四千町歩なんです。ところが、道が今度出してきましたものは六十四万四千町歩なんです。十万町歩違うわけなんです。今のお話ですと、十万町歩低い反別で出してきておって、それを国の方でもお認めになるということは、統計の調査というものはどういう考えでおやりになっておるか。これはたとえば農家で見れば、七十四万四千町歩はいろいろな形で税負担やら何かの基礎になっている数字なんです。ところがビートのことになりますれば——ビートにはこんな数字は使っておらぬと思いますが、十万町歩引いた六十四万四千町歩ということになるのですが、ここが、私は、やはり八年間に無理してどこにどういう工場を建てようといって十三回も道庁がいろいろな形で直して、そうして積み上げたその反別なり要土地改良の反別だということになるんじゃないかと思うのです。これについては私はあとの三十日、三十一日の委員会でお聞きしますから、これだけは大臣は間違いないと言っているけれども、この十万町歩に対して、道庁が出した数字——道はいいですよ、いろいろな含みがあるから出すでしょうけれども、農林省が黙ってそのままのむところに、私は何をどこでやられるかわからぬという心配がありますので、このビート工場を早くここに作ろうというところに——ずっと調べてみると、随所に六千斤あるいは八千斤というような数字が出て参ったりしている点もあるわけなんです。こういう点は私は後日に質問いたしたいと思うわけなんです。  それから、八万五千五百ヘクタールということになっております。既墾地、開墾地それから開畑ということになっているのですが、これらを私はずっと見ましても、今申し上げましたように御承知の通り私は三十二年間ビートを作っているのです。現在でも約八反作っているのです。そういう点からいきますと、これで農家にやれといったってやれない点がたくさんあるのです。そういう点、末端の農家の意見を聞いてやったということをここに書いてありますけれども、全然聞いていない点があるのです。そういう点では私はほんとうに遺憾だと思うわけなんです。わけても開墾地だとかいう、開墾者にやるような土地は十分見てやらなければいかぬ。さらに根釧、天北というような牧草地を改良して作るようなところについても、相当量の経費を投入しなければ、これはできないわけなんです。ところがこれがすぐやれる、八年やればできるようなあれが随所に出ておりますから、こういう点については後刻の委員会で私はお聞きしたい。要はこういう八年計画をお出しになっておいて、そうして九社も十社もきたから、どうにもならぬから合同案でやるというような農林省の考え方では、これは十年間の甘味資源の需給というような方針を出しても途中で必ず変更する。そういうところを私はおそれるのでありますから、あまり事務当局とか一部の人だけの意見を聞かないで、もう少し最終決定はガラス張りで、三浦さんも福田さんもおきめになれなかったのだから、いかに南條さんが北海道でよく知っておられましても、このことだけはそう簡単には、将来のためにきめるべきでない。極端に言えば、三十六年操業をやらなければならぬ道の責任があるので、そういうふうに出してきたから、農家は来年度作るでしょう。ところが作ったビートは工場がないということになる。たまたま七工場が工場能力があるからよろしいけれども、もし千トンしかやれないということになって原料がオーバーしたら、それを受け入れるためには歩引きでもって農家がしわ寄せを受けるということが現在まであって、問題が起こっておるわけなんです。そういう点で、ここまでさましたら来年の四月か五月きまればけっこう。三十七年操業は必要であれば二工場建ててもいいでしょうし、合同会社案も、ほんとうに納得するならこれはまた方法もあろうと思いますから、こういう点には十分一つ御考慮を願わないと、われわれは何のためにこういう問題を検討しておるかわからなくなります。こういう点について、時間がございませんから最後に大臣の御決意だけ伺っておいて、私の質問は後刻に譲りたいと思います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 御指摘の生産計画についていろいろな御疑念がある、こういう点についても十分一つ今後の委員会等で御質疑を願いまして、また農林省といたしましてこれに対する十分な研究をし、御答弁をいたしまして御満足を得たいと思います。なお、ここまできたらそう急ぐ必要はないじゃないかという御意見に対しましては、先ほど申した通り、この合同案を出すときにも、大体三十七年度から二工場にさしたいからということも十分言うてありますし、工場の建設ということから見れば明年の春で済むことであります。さような意味で別段急ぐという考えも持っておらないので、十分御意見を尊重しまして、無理のない点で決定をいたしたい、こう思っております。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 大臣の御回答ですからまあ間違いないと思いますから、そういうことで一つ十分次の委員会で審議のできるようにお願いいたしたいと思います。  それから、あとから大豆の問題で神田委員から質問があると思いますが、私はただ一言だけお聞きしたいと思う。前の福田農林大臣が私の質問に対しまして、貿易の自由化については何ら心配はない、そういう場合には農家の生産が償うような価格で全量買い上げる。ただしその価格は三千二百円庭先渡しである、これは検査料が入らない、そういうことをはっきりおっしゃっておるのです。これは少なくとも農林省の全体のお考えだ、こう思って、私どもは当時の三千二百円は了承したわけではありませんけれども、それを下げるようなことを現在の政府あるいは農林省がするということは非常に不思議に思うわけなんです。そういう点については農林大臣は、前の福田農林大臣が三千二百円で全量買い上げると言ったことについて、何ら引き継ぎなり、引き継ぎというと語弊がありますけれども、そういうことを参考としてお聞きもしないで、農林当局から言われて、あなたは通産、大蔵とのお話し合いで三千二十円だといったようなことをお考えになっているのかどうか、その点だけお聞きしたいと思います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この点は事務当局から詳細に答弁いたさせます。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 大豆の自由化に伴いまして、前々からいろいろ問題になっていたわけでありますが、自由化をいたさなければならないというような事態になりましても、大豆の国内の生産者に対する保護というか、今までの手取りをできるだけ維持してやる、こういう基本的な考え方のもとに方策を講じた上で大豆の自由化はやる、こういう方針で農林省におきましては前々から検討して参ったわけであります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういうことを私は聞いておるのではないのです。前の福田農林大臣が三千二百円で買うということを言明したということは農林当局も認めておったが、大臣がかわったら三千二十円になった、どういうことだと聞いておるのです。そのことを聞いておるのであって、その問題は三千二百円ではがまんできぬ、三千八百円になるか四千円になるか、これは納得していないですけれども、あまりに一方的に下げるばかりで、その点はどうかということを聞いているのです。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 その点、今までも大豆につきましては政府が価格支持をやっておるわけでございますので、その価格支持を続けていくという考え方が基本になっておったわけでございますが、急に三十五年産から急いで大豆を自由化するということになりますれば、今までの平均価格が大体三千二百円、こういうような状況でございます。従来の平均価格に対して急な値下がり等が起こりますと、これは農家の損失になるという意味もございますので、三十五年産の大豆から自由化するということになりますれば、この場合はやはり三千二百円という過去の価格の線を維持してやらなければいかぬ、こういうことで考えておったわけでありまして、基本的にはやはり大豆の現在の支持価格を中心に考えていたわけであります。ことしの十月からやる、こういう方針で参っておったのでありますが、法制的な措置とか、あるいは財政上の措置とか、そういうものが具体的に講じられない限りは自由化するわけにはいかないという状況で、もしこういう措置が講じられた場合には自由化してもいいんじゃないかということで、現在いろいろ案を検討しておるのでございます。その際もしそういう措置が講じられないで三十六年から大豆の自由化を行なうというような場合には、原則に戻りまして、大体三千二十円という今までの政府の支持価格を基礎にしていいんじゃあるまいか。それから三十五年産のものについては、そういう今までの経過もございまするし、これは従来のものを基礎にして三千二百円というようなもので、来年になった場合にも、三十五年産のものが持ち越された場合には、そういう考え方を基礎にしたらどうかというようなことで、今いろいろ案を検討しておるわけであります。

小山長規自由民主党

○小山委員長 大臣があと十分くらいで。ほかの方に呼ばれているそうですから、局長の方はあと回しに願って……。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 極端にいえば、三千二百円と福田農林大臣が言ったのは、あれは私どもを、農民をだますために言ったことであって、そんなものは何も問題でないんだ。今の説明ですと、三千二十円がほんとうだということなんでしょう。それを私は聞いているのです。三千二百円で全部買いますと言ったんです。それをどうして今買えないのですか。そのときなぜその説明をしないのです。大臣はそう言ったが、そうでありませんとはっきり言わないでおるが、農家はみんなそう思っているのです。だから南條農林大臣が非常に苦境に立つわけでしょう。そういうことになってしまうわけじゃないですか。福田さんの言う通りだと言っていればそれでいいのです。事務当局がそういう考え方で前の福田さんに協力しないで、今になったら本音を吐くということはいけないというのです。福田さんが言ったことがほんとうだということを大臣が言ってくれれば、三千二百円がどうしてもやむを得なということならいいけれども、三千二百円を切るということは、日本の農林省の責任においてどうして言えるのですか。これは社会党とか別なものが政権をとったら別ですが、どんな派閥であろうと、同じ自由民主党の政権であったら、それが変われば、迷惑するのは農民だけじゃないですか。ほかの業者ならそういうことはない。ところが、農民だけは、ここでこう言われたら、ああそうかなといって泣き寝入りしなければならぬ。こういうことくらいは事務引き継ぎではっきりしたことを言ってもらわぬと、この審議はいつまでたっても進まない。大豆の問題は、私は神田君に譲りたいが、そういう説明をされるのですから、やはりどうしても大臣の意見だけは聞いておきたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 仰せのように、前の福田農林大臣は、大臣を自由化する場合には三千二百円という過去の価格水準を維持する、こういうことで政府が買い上げをいたします、こういうことを言ったのですけれども、事務当局といたしましても当然その三千二百円の価格水準で考える、こういうことで検討しておったわけでございます、その場合におきましては。大体急に自由化という問題が起こりまして、三十五年産について、去年の暮れごろからそういう話が起こりまして、そうして三十五年産を十月から自由化するとか、あるいは九月から自由化する、こういう事態でございましたので、これについては三千二百円という今までの価格に対してあまり影響を与えないことでなければいかぬのじゃないか、こういうようなことで考えておったわけであります。その後いろいろの措置につきましても時間がかかりまして、とうていことし中には自由化できないんじゃないか、こういうような情勢でございまするし、三十六年産からもしかりにこれを行なうとすれば、その間におきましてもいろいろその他の対策等も当然考えていく、こういう点もございますので、三十五年産が、もしかりに三十六年まで持ち越されまして、そうしていった場合には、三千二百円というベースで買ったらいいじゃないか、しかし、来年度のものについて新しくまた自由化ということを考えた場合には、それは従来の基本的な支持価格でいっても、農家に対する影響というものはそう大きな影響はないんじゃないかということを、いろいろ現在まだ検討している段階であります。

松浦定義日本社会党

○松浦(定)委員 そういうわけにはいかないです。あのときの速記録を見て下さい。大豆が自由化になった場合にはと言っているのです。三十五年とか三十六年とか言ってないのです。農林省の見解として、農林大臣の責任において三千二百円の庭先価格で全量買いますと言っている。それ以上の説明は何にもない。だから、少くともその方針で大蔵省、通産省に交渉ができないような南條農林大臣でないと思いますから、私はこの問題はあまり時間をとっても大へん恐縮だと思いますが、それだけは私どもは絶対に譲れない。同じ政党の農林大臣でそういうことを言うことは私はどうかと思いますから、この点だけは十分御検討を願いたいと思います。     —————————————

小山長規自由民主党

○小山委員長 神田大作君。

神田大作民主社会党

○神田委員 時間もだいぶたったから、僕は簡単に、しかも率直に質問しますから、大臣も簡明にお答え願いたいと思います。  大豆の問題でありますが、今同僚が質問されましたが、局長は何かわけのわからぬことを言っておるのでございますが、現実に貿易が自由化になって一番打撃をこうむる大豆生産者が、今日農林省のそのようなあいまいな答弁のために、三千二百円の価格を下回って非常に不利益な取引をされようとしている。こういうことは、前に福田農林大臣が三千二百円でもって処理するということをはっきり言ったのでありますから、南條農林大臣も同じ自民党の農林大臣であるならば、この席上ではっきりとこの点を言明してもらいたい。そうすればそういうような不安というものはなくなると思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この点については、ただいま経済局長からも御答弁申し上げたように、三十五年産については三千二百円ということは了承いたしておるわけであります。福田大臣もそういう趣旨であったと思います。ただ、今年中に自由化ということを促進するような方針になりましたので、今各省でこの問題についての対策を研究いたしております。相当一般財源の負担になるものですから、そこで、この点について農林省としては、どこまでも農民に負担をかけない、しわ寄せをさせないという方針で今大蔵省、通産省とも交渉しているのであります。さような現状でございますので、どうかこの趣旨を御了承下さいまして、しばらくおまかせ願いたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田委員 これはしばらくおまかせするわけにはいかない。というのは、貿易の自由化において一番先に実施されようとする大豆のAA制に対して、前の大臣が、そういう場合には三千二百円を維持する、生産者に迷惑をかけ  ないということを言っておるのでありますからして、その間に農林当局がいろいろと雑音を入れているので不安を来たしておるのでありますから、やはりこの際大臣が、AA制になってもこれらの生産農民に対して万全の措置をとって、三カ年平均三千二百円の価格を維持するということをここで前の大臣が言った通りに答弁してもらわないと、不安がだんだんつのって、そうして大豆価格はAA制におびえて下がってくるので、この点非常に大事なことなんです。しばらく待っているうちに大豆がどんどん下がってくるというようなことでは困るわけでありまして、この点はっきり大臣からお答えを願いたいと思います。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 ただいまも御答弁申し上げた通りでございまして、御期待に沿うように検討いたしたいと思います。

神田大作民主社会党

○神田委員 このことは、時間もないからきょうここでそれ以上追及しませんが、次の委員会でわれわれは詳しく御質問申し上げますから、前の速記録もよくごらん願って、もっと的確な答弁を願いたい、こういうように考えます。

小山長規自由民主党

○小山委員長 永井君。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 今二人から大豆の価格の問題についてお話がありました。これは大豆の価格がどう動くというのではなくて、やはり政治の上における信用の問題ですから、郷土の先輩としての南條大臣が政治の信用を失墜しないという政治家のモラルだけは守るように強く要望しておきます。  第二点は、無為替輸入の大豆に対して国産大豆二万トンを発券と同時に抱き合わせ処理した。しかし滞貨は三万トンあるわけですから、一万トンは手持ちとして残るわけです。この手持滞貨一万トンの処理について政府は全量を三千二百円でお買い上げいただけるのかどうか。価格の問題は別とするならば、一万トンの政府買い上げは即刻にやっていただかなければならないと思うのですが、その点について伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 昨年年間の集荷をいたしました大豆につきましては、その過程におきまして非常に無理はあったわけでございますが、大体処理をして参った。別に無為替輸入に抱き合わせしておらない。これは外割のものに抱き合わせをいたしました。残り約九千八百トンばかりの処理につきましては、私どもの方ではできるだけ政府では買わない方法で処理をしたいということで目下慎重に検討をしておるわけでございます。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 慎重に考慮するというのですが、輸入すべきものは輸入して、輸入を優先して、国産大豆を滞貨のまま放置するということは、貿易の自由化の上からいってもあるいは現在の日本農業の立場からいきましても、農林当局として許さるべきことではないと思う。慎重に考慮すると言うが、何かこれの処理について障害になるような問題があるのでしょうか。あるとすればそれは何なのか。それから政府買い上げの方法以外といったら、政府がどこかにあっせんして、口の先でいいかげんにするということなんですか。その点をはっきりしておいていただきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀説明員 逐次御承知のような方法によって処理をして参ったわけでございます。残りが九千八百トンになっておるわけでございます。今まで口先だけでやってきたわけではないのでございまして、数万トンのものは現実に処理をいたしておるのであります。従いまして残りのものにつきましても、これは適当な方法によって処理するように目下極力工夫をいたしておるわけであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 先ほど経済局長は、大豆の自由化についてはこれこれの前提条件がある、その前提条件が整備されなければこれは自由化しないということを言っているのですが、そういうような条件があるのかどうか。大豆の自由化については日米安保条約のときに岸さんが閣議を開いて、特に十月から自由化する、そのときに自主的に発言しましたことは、アメリカの強い要請があって、そうしてそのアメリカの手みやげとしてこれは持っていったんだろう、時期の問題は少しずれるにいたしましても、これは現在の政府とアメリカとの関係においては、もう農民の要望を聞くよりはアメリカの方を向いて政治をやっているようなものですから、至上命令みたいなものじゃないか。ですから前提条件がある程度そろわなければ国内の農民にしわ寄せする。これは若干時期はずれたって自由化は必至の情勢である、それに対して瞬間タッチであるとかあるいは関税の引き上げであるとかいろいろなことを言っているが、瞬間タッチにしろ関税の引き上げにしろ、やはり本質的なものにおいては何ら変わりはない。そういったことが一体アメリカに対してできるのかどうか。大豆を上げなければほかのものを何か下げなければいけないでしょう。そういう関係を、そのときだけの場当たりではなしに、もっとほんとうにそういう条件がそろわなければ自由化は絶対しないのだ、来年になっても再来年になってもしないのだ、こういうことがここで言明できるのか。責任のある答弁を煩わしたいと思います。また自由化について国内の農民には迷惑をかけない、こういうことを言っている。現在それじゃ具体的に国産大豆を振興するために何をやっているかというと、白目大豆の品種改良、これだけだ。予算は幾らかといったら七百万円、七百万円を全国にばらまいて、これが唯一の大豆自由化に対する対策だ。あきれてものが言えない。そんな状態です。これについて農林当局は少しも反省がない。これで十分でございます、これが段階的に進めていく唯一の十分にしてかつ完全なやり方なんだ、こういうことが答弁できるのかどうか、一つ伺いたい。

坂村吉正農林事務官(農林経済局長)

○坂村説明員 大豆に限らず農産物を自由化いたしますためには、日本の農業が非常に零細であるということと今農民の所得向上ということで、いろいろ各方面の施策をやっておりますので、そういう意味からいたしましても、農産物の自由化の場合には、よほど慎重にそういう施策に影響のないようにやらなければいかぬというはっきりした考え方で農林省は進んでいるわけでございます。従いまして一番最初に非常に大きな大豆が問題になってきたのでございますが、これらのアメリ  カとの関係その他については、いろいろ事情があるかどうか、そういう点は別といたしまして、農産物を自由化する場合に、大豆が一番皮切りの大きなものとして問題になったのでありまして、農民保護というものがどういう形で講じられるかということが最初の非常に大きな問題だろうと思うのです。従いまして農林省といたしましては、これについては十分な対策が講ぜられない限りは何も積極的に農林省が大豆を自由化するという考え方を持つことはないと思うのでございます。そういう点は事務当局は非常に強い考え方を持ってこれの対策についての交渉をやっているわけであります。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 それじゃ十分とかなんとか抽象的なことでなしに、大豆を自由化するための前提条件として、これこれの条件が整備されなければ自由化しないのだ、こういう農林省の最後の限界線をここで具体的に言って下さい。瞬間タッチをどうするのか、関税をどうするのか、国内増産の研究費をどうするのか、将来これだけのものができなくてもいいかげんに腰折れしてしまってぐたぐたになってしまわないように、ここで具体的に言って速記録にとどめておいてもらいたい。具体的に何と何と何をやるかはっきりして下さい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 この問題は農林省としてはどこまでも農民の保護という立場におきまして、十四品目の中に大豆が加わっていることについて非常に関心を持って、大蔵省、通産省と検討中で、その検討中のことがいろいろ漏れているのでございます。従いましてどんな方法によりましても、農民に対する大豆のしわ寄せをしないという形で私どもは進んでおります。もしこれができない場合においてはAA制の支持をやらないという方向をもって進んでおります。なお大豆の将来の品種改良その他の問題については、今お説のこと以外に十分畑作振興という建前からこれらの点についての予算上の措置もこの国会に出したいというふうに検討いたしております。

永井勝次郎日本社会党

○永井委員 畑作振興とかそういうふうに問題を拡大しますと、またいいかげんになってしまうから大豆についてはどういう限界において、はっきりした、首をかけても農民にしわ寄せをしない、そういうことの言明をしてもらいたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 その点は先ほどはっきり申し上げた。そこで大豆に対してじゃ将来の奨励対策はどうだとおっしゃるから、それは全体の畑作振興とからんで、大豆についても十分方法を考えておる、予算措置もそういうふうにしたいということで申し上げておる。     —————————————

小山長規自由民主党

○小山委員長 次に北関東の旱魃問題について質疑の通告がありますのでこれを許します。茜ケ久保君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 農林大臣に簡単に御質問しますが、聞きますと農林大臣は非常に米の豊作を言われておるのですが、北関東に限ってかなりな旱魃がありまして、非常な苦しいところが出ておるのです。これについても農林大臣何か閣議では特別な考慮をしたいという発言でありますが、しかし農林省の事務当局はやはりいろんな法律関係で、大臣の政治的な考慮もややもすると実際的な効果を上げないという実情です。おそらく各関係府県から数字をあげて陳情は出ておりますし、また続続陳情が出てくる。全国的な豊作はけっこうですが、その豊作だけに、旱魃を受けた農民は非常な苦しみを受けておりますので、一つぜひこの際きょうの閣議における農林大臣の発言の通り、いろいろな法律やいろいろな今までの問題もありましょうけれども、思い切った施策を講じていただいて、全国的な豊作の陰に、ほとんど田植えもできないし、植えたたんぼが五寸も六寸も割れてもうどうにもならぬ、全く悲惨な状態にかんがみまして、就任早々でありますが、私どもは南條大臣のその政治性には期待していますから、どうぞ一つここではっきり一言、いろいろな関係もありましょうけれども、それに対しては思い切った施策を講じるという御言明でけっこうですが、御決意を聞かしていただきたい。

南條徳男自由民主党農林大臣

○南條国務大臣 今年の豊作に反面干害のために非常に不作の場所が関東及び九州の長崎県、福岡県あるいは南鹿児島県にもございます。関東一帯として群馬県、埼玉県、茨城県等がまことにお気の毒な天候で、昨日知事会においてもこれらに対する要望もございましたので、きょう閣議の席上で特にこのことを取り上げて報告申し上げ、そして大蔵当局にも対策を要望したわけでございます。三十三年度にも非常に大きな干害の被害がございまして、そのときから比べると被害面積も小さいのですが、対策としてはそのときの対策の方法を取り上げて、十分に一つ被害民に対する恩情を加えるようにということを申しております。農林省といたしましては十分この点を考慮して皆さんの御不安のないようにしたい、こう考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 大臣の決意、けっこうなんですが、実際は今までの例を見ますと、本委員会における大臣の答弁はまことにけっこうなんですが、実際事務当局が衝に当たりますと、いろいろな例や慣例を引き出してなかなか実行しない。一つぜひその点は、事務当局も大臣の意を体して十分の処置を要望しまして、私は終わります。     —————————————

小山長規自由民主党

○小山委員長 次にビール麦問題について次の参考人の御出席をいただいております。すなわち、全販連麦類雑穀部長岩下豊水君、全国農協中央会森川武門君、ビール酒造組合理事山内正治君の三君であります。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところ本委員会の調査のためわざわざ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。ビール麦問題は、昨年八月茨城県下で表面化して約一カ年を経過しておりますが、まだ根本的な解決を見るに至っておらない現状であります。つきましては当委員会調査の参考に資するため、参考人各位におかされましてはそれぞれのお立場より忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。なお参考人の御意見は初め十分程度お述べいただきまして、あとは質疑によりお答えをお願いいたします。  それではまず参考人の森川武門君よりお願いいたします。

森川武門全国農業協同組合中央会参事

○森川参考人 全国中央会の森川でございます。ビール麦の取り扱いの問題につきましては、昨年夏以来、従来の取り扱いである単協麦購連を通ずる、こういうことではなくして、単協経済連、全販連を通ずるいわゆる系統共販に乗せてこれをやる、こういうような考え方のもとに農協大会では決議もいたしまして農協内部の意見の取りまとめをやると同時に、相手方であるところのビール会社にも話をする、こういうようなことで進んできたのでありますが、その間難航をいたしまして、本年の四月一日に公国中央会の荷見会長と、ビール会社を代表いたしまして朝・日麦酒の山本社長の間に、三十五年のビール麦取り扱いについての協定ができたのであります。この協定は四カ条になっておりますが、要は三十五年度のビール麦の取り扱いの具体的な現実的な処理といたしまして、従来通り単協麦耕連を通じて会社に売る、それと、そうではなくして単協経済連、全販連を通じて会社に売る、こういう二本立でいく。これは当然生産者なりあるいは単協の希望によりまして、こういう二つの取り扱いをするということになったのでございます。そうして麦の取り入れがだんだんと進んで具体的な受け渡しの段階に入ってきたのであります。ところがこの荷見・山本協定は基本的な大筋をきめたのでありまして、受け渡し段階に入る個々の具体的な細部については、なお農協とビール会社の間で十分話をして円滑にそれを進めるというような趣旨であったのであります。私の方の農協といたしましては、この仕事を担当するのは全販連でございまして、全販連はそれに基づいて準備をいたしてきたのであります。従いまして、具体的な受け渡しをする第一歩といたしましては、どの程度会社が買うか、協約に基づきまして農協を通じて単協、経済連、全販連、系統共販の数字は、何県でどこの組合が何ぼであるというのを、売り渡す会社別の明細を作って準備をするということであります。そういうようなこともやりまして、会社の方とも話し合いまして、それをお互いに確認をして受け渡しをしていく、こういうような段階になってきておるのでございます。ところが、その協定は大筋でありますけれども、少なくとも協定の精神を守って相互に誠意を持って——この問題はここまでくれば三十五年度の問題に関しましてはスムーズに受け渡しができる、こういうふうに考えておったのでありますけれども、事態がだんだんと推移するに従って、その様子を見ますると、全国各地においての情勢は必ずしもそうではない。会社の方では協約通りやる、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、具体的に受け渡しをするところの現地の事情、すなわちその取り扱いをやる現地の会社側の工場になりますか、そういうところに参りますと、まだ本社の方から何らの指令もないからというようなことで、なかなか事が運ばぬというような事態もあったのであります。しかし、だんだんと話をいたしまして、会社の方も時間がたつに従って話し合いがだんだんと進んできまして、ようやく三十五年のビール麦の受け渡しについては、系統共販のものも曲りなりにも会社の方に売れる、現在こういうようなことになっております。しかしこの間昨年度の実態と比べてみますると、生産者、農民の方、ことに系統共販に通ずるところの組合の方においてはいろいろな不安が実はあったのであり、また現在もあるのであります。それはどうも系統共販を通ずる取り扱いについては、会社側の方針としては他の従来通りの扱いのものと多少差がある。たとえば従来は非常に念を入れて下見買いをやっておられるけれども、系統共販を通ずるものについては下見をやらない。これについては下見はやる必要はない、農林省の検査が終われば、その検査品について買うんだからというようなお話であります。われわれもその点は事情が十分つまびらかでありませんけれども、何もやらなくてもいい下見買いならやる必要はないのでありまして、そういうことで合理化されていく、国が検査を厳正にやって、なおそれだけじゃ不十分だから下見買いもやるとか、またいろいろな受け渡しについて予備的なことをやるという必要は何もないということを実はわれわれも思っておるわけです。単純に系統共販に対してはそういうことはやらないんだということでありますから、そういうものの手数を省いていくということは非常にけっこうじゃないかというように思いますけれども、現地の受け取り方はそうではないのであって、昨年度はそういうふうに緊密にやっておった。ことしはそうじゃない。しかも麦耕連を通ずるものについては昨年通りやっておるというところに何か差別取り扱いがあるんじゃないかというような不安が実はあるわけであります。  それからもう一つは、受け渡しの時期について系統を通ずるものについては、昨年に比べてどうもおそいということであります。これは大体どこもここも昨年はスムーズに会社の方に受け渡しができて、代金等もスムーズにいって、少なくとも盆には金が間に合うというようなことであったにもかかわらず、本年度は必ずしも全部が全部そういうふうにはいっていない。では全体的にそういうふうになっておるかというと、そうではないのでありまして、従来通り麦耕連を通ずるものについては昨年通り早くこれを検収もして、受け渡しもし、代金決済も全部やっておるというようなことから、われわれの系統の現地においてはこれに対して非常な不安がある。そう言いながら差別待遇があるんじゃないかというような不安が実はある現実であります。ことに、われわれの系統共販を実施しているところの組織におきましても、県をまとめて一本で系統共販というようなところは、他と比較対象するようなことがありませんから、ただいま申し上げましたような不安は不安としてありますけれども、まだおさまりがいいのであります。しかしながら、同じ県内におきまして麦耕運関係と系統共販に分かれて二本立の取り扱いのあるところにおきましては、その比較対象が現実の目の前の問題として一つありますから、非常に問題が実はあるのでありまして、これは私が事実この目で現地を調べて申し上げるわけではありませんで、そういう点でただ単なる私に対する報告ということで私は申し上げるのでありますけれども、それ以外に、そういう地区におきましては、これはだれというわけではありません。われわれとしましてはこれは非常に今恥かしい話でありまして、麦耕連といっても、もとをただせば同じわれわれの組織であります。全部単位協同組合を基盤としている組織であります。その組織でありながら、たまたま麦耕連というものを作って、それを通じてビール会社にビールを出しているというような関係上、系統共販という形のものとの間に対抗があるわけであります。そういうような立場からとは思いますけれども、ことしはもうこれで終わるけれども、今後は系統共販を通じたものに対してはもう金も渡さぬ、あなたはこれでわかったでしょう、同じビール麦を作っても、こういうふうに取り扱いもおそくなるし、金の受け渡しもおそくなります、不利ではありませんか、こういうようなことを言っておると、そういう県におきましては一そう不必要な問題が出ているのであります。これは何回も申し上げますけれども、われわれ組織内の問題でありまして、われわれとしても非常に恥かしく、かつ遺憾に存じまして、何とかこのことは一つわれわれの中で十分話し合いをし、調整していきたい、こう思っておりますけれども、現実はこういうふうになっております。従いまして、現在のところ各地におきましては三十五年度の麦の受け渡しについては、大体会社との話し合いの線に基づいての売り渡しができると思いますけれども、なお具体的な細部の点につきましては、以上申し上げましたような問題がありましたし、また現にある。そうしてところによりましては、そういう両者の抗争のために深刻になってきている、こういうことでございます。われわれといたしましては、一日も早くこういう状態を解消いたしまして、あの山本、荷見協定の精神にのっとって、われわれの内部はもちろんのこと、その売り渡しの相手先である会社とも円満に話し合いをつけて、この問題の解決をはかっていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  以上簡単でございますけれども、若干経過等を含めまして現状を申し上げた次第でございます。

小山長規自由民主党

○小山委員長 次に、岩下豊水君。

岩下豊水全国販売農業協同組合連合会麦類雑穀部長

○岩下参考人 全販連の岩下でございます。  経過と現状につきましては、ただいま全中の森川参事からお話がございました通りでございまして、会社との交渉が相当長引きまして、現品の収穫調製に入って参りますと、農家の不安は相当深刻なものがございまして、毎日のごとくこの話し合いの確定版を求めて各地から強い突き上げを私ども受けまして、それぞれ私どもの方の関係者も、酒造組合の関係者とお話し合いを進めて参ったわけでございまして、三月終わりの蓮見・山本協定に基づきまして、私どもの方から系統共販に委託を申し込みました。組合別明細書を添えた売り渡し申込書を五月三十日に山本社長にお渡しいたしまして、それに対する買い受けの受け書を七月一日にいただきました。その中には多少二重契約の問題、それから数量のつき合いの問題等ございましたが、その後直ちに私どもの方でも単協の調査を至急取り進めまして、それぞれの御回答を申し上げて参ったわけでございますが、茨城県の数量問題につきまして、つい最近まで未確定の状態で入って参って、つい最近に至りまして数量も御確認いただいたような経過になっております。従いまして国営検査の日程に基づきまして現品受け渡し日程の打ち合わせを取り進めるように会社側とのお話をいたして参ったわけです。基本的には打ち合わせができるように中央では御了解をいただいたわけでございますが、先ほど森川参事からの御報告にもございましたように、現地においては中央の趣旨が徹底いたさぬ関係もありまして、なかなか円滑なお話し合いが進まないということを繰り返して参りましたが、つい最近におきましては関西におきます麒麟工場の関係、並びに関東における茨城並びに栃木、埼玉の単協の関係につきましては、いまだ受け渡しの日程の取りきめといいますか、お話し合いが進まないままに今日に至っておる、こういう状況でございます。これも近くお話し合い並びに日程の取りきめが行なわれるであろうということに私どもも考えておるわけでございますが、さらにその間発生いたして参っております問題といたしましては、従来の会社直接の契約の関係では栽培作付当初の契約数量から、生産物でございます関係から天候の状態によっては豊凶が出て参りますので、契約数量は受け渡し時において一割の増減ということが従来行なわれて参ったわけでございまして、この点につきましても、七月の受け書をいただきましたあと、一割の増減の問題についてもお認めいただくようにという要請を申し上げて参っておりまして、この点については原則的には酒造組合の方との御了解はいただいておりますけれども、現地における実際の取り進め  はなかなかぎくしゃくしておりまして、必ずしも中央におけるお話し合いの通りに進まないで行き来が繰り返されておる、こういうような状態でございます。  なおビール麦規格の三等までが契約対象となっておるわけでございますが、それ以外のもので麦芽に適するものの買い入れが系統共販以外の地区において現に収買が行なわれつつある。ことに県が二つに分かれて、会社直接と系統共販とに分かれております茨城県のようなところにおいて特に深刻に、この会社直接契約が三等以外の普通材料大麦の収買が行なわれておるのに系統の分は一体どうなるのかという不安で、私どもの方に照会が参りまして、その点につきましても酒造組合の方と私どもの方の担当理事との間にお話し合いをいたしまして、基本的には麦芽になる麦であるならば現物を見て買い入れることについての話し合いをいたしましょうという基本的な御了解をいただいておりますので、現地に対してはその向きをお伝えし、政府に直ちに買却することなく、そういうものは留保する、こういうことを現地にも指示をいたしておりますので、いよいよ検査結果の明細がわかって参りますれば、またそれぞれの会社ともこれらのもののお買い上げについて具体的な話を取り進めて参りたいというように考えております。  なお、地方におきましては、系統共販地帯に対して三十六年産麦の種子の交付を会社側はしないという風説が伝わっておりまして、耕作農家といたしましては非常に不安動揺の上、私どもの方に執拗にその点の照会が参っておりますが、この点についても酒造組合の方と私の方の担当理事との間において、そういう風説があるが一体いかがなものですというお話し合いの結果として、そんなことはできないし、そういう考えも持っておらないというようなお話を承っておる、こういうことを私どもは聞いておりますので、この点も現地に向かってそういう心配をする必要はありませんぞ、こういうように伝えておるわけでございまして、この点も酒造組合の方のお話を信頼いたして、私どもも今後の仕事を進めて参ろう、こういうように考えておるわけでございます。  以上実務に関連いたします問題につきまして概略御報告申し上げました。

小山長規自由民主党

○小山委員長 次に山内正治君。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 ただいま全中並びに全販の方から詳しい御説明がありましたので、私がこれ以上繰り返す必要はないと存じますけれども、二、三の点についてちょっと申し上げたいと思います。  大体今度の全販のルートに乗ったものとそれから会社の契約のものとどう違うかということについては、私は明らかに違うと思っております。会社の従来の契約栽培に比しまして、今度の蓮見・山本協定によるものはこれは売買契約であります。できたものを売り買いするという契約でありまして、栽培まで関係しておるわけではありません。この点がすべてにいろいろと問題を起したのじゃないかと思っております。とにかく全販の方で売り渡し明細書——売り渡し明細書ということは、ただぼんやりした数量ではないのであります。これは一等、二等、三等というように等級別の明細書を記載したものであるとわれわれは解釈しております。こういうものをいただいたならば、それによって会社は受け渡しをする、こういう考え方で参ったわけでありまして、そのために幾分受け渡しがおくれたというようなことで、現在全販のルートに乗っておるものにつきましても、売買のいわゆる国営検査によって数量のはっきりしたものを報告してくれということになっていますけれども、まだ十分に出そろっておらないのであります。そういう事由と、もう一つは、とにかく全販系統のものが全販に対して早く早くと突き上げると同様に、会社も会社の契約の農協から突き上げられているわけです。とにかく早くやってくれ、とにかくお盆までにやってくれとか、いろいろと突き上げられているわけでございます。しかし従来の慣行から申し上げましても、一年に使う麦をそう短日月に受け渡しができるものではございません。従来七月から八月末、二カ月かかって受け渡しをしているような状態でありまして、会社と契約したものといえども、とにかくいわゆるお盆以後に受け渡しをするのが相当量あるわけでございまして、何も全販のものをお盆以後に受け渡しするように意識的に、作為的にそういう差別をしたものでは決してございません。ただ酒造組合といたしましては、なるべく従来の慣行に沿うて受け渡しをするようにということを言っておりましたけれども、やはりお互いに突き上げられているという関係上、もう一つは会社と契約しておるものを一応先へやるというのは人情じゃないかと思うわけでございます。しかしその点については、差別といえば差別でございますけれども、これは許さるべき差別じゃないかと私は考えておりますけれども、しかしお互いに早く受け渡しをしてもらいたいということは、これは同じなのですから、極力従来の慣行に従って受け渡しするようにということを各会社に対して希望しておいたわけでございます。実際現在全販のものにおきましても、ことに東海地方とか鹿児島、福岡、ああいう方面はすでに八月の初めから受け渡しを開始しておりまして、大部分はお盆までに済んでしまうだろうと思っております。  それから、もう一つは下見でございますけれども、なるほど下見には参加いたしませんでしたが、これは実は先生方の前で言うとちょっとこわいという感じかいたしますけれども、この下見につきましては、前の農林水産委員会でわれわれは非常に責められたわけでございます。つまり下見買いとか、あるいは国営検査とか、あるいは最後にまた検収とかいって、三回も厳重なる検査をしているのはけしからぬじゃないか、特にそのときに見本を提示さして、その見本を売り飛ばして飲んでいるとか、いろいろなことを言われたことは、会社としてもどうも心外に思ったわけです。この下見検査というものはほんとうは農家のためによかれと思ってやってきたわけでございまして、国営検査に備えた準備行動と解釈しておったのですが、どういうことからそういうふうになりましたか存じませんが、そういうようなこともあるし、忙しいことでもあるから、ことしは全販とは遠慮しようじゃないか。しかし地方で自主的にこれはやってほしいものだ、自主的にやっていただきたい、会社としては行かないけれども、しかし行かないことによって、今度の受け渡しに差別するということは絶対にない、またそれによって国営検査の結果を云々するということは絶対にないのだということは、私ははっきり中央会並びに全販の常務理事には申し上げてあることでございます。  それから種の問題でございますが、今両氏は、全販のルートに乗ったものは種を配付されないのじゃないかというようなことを心配している。大体今まで非常に騒がしいのは一局部で、麦耕連側と経連側が、中央の意思に反して、お互いに勝手なことをいって騒いでいるような傾向があると思うのです。茨城県なんかはその例だろうと思いますが、とにかく種もみを渡さぬのじゃないか、われわれはそんなことを考えたことはないのであります。ことに私どもはこういう争いができたにしても、農民自体に迷惑をかけるということは決して望んでおりません。農民自体に迷惑をかけるということは望んでいない以上、今まで何十年来と栽培してきた農民に対して、お前の方は今度は全販にいったのだから種を渡さぬ、そういうことはわれわれも考えていないのであります。ただあるいは麦耕連側がそういうことをいって、お互いに勢力争いというような、そんなことをやっておるのじゃないかと思います。少なくともビール酒造組合としては、生産会社のうちにはそういう考えを持っておるものもあるかもしれませんが、そういうことは絶対にないように今後とも努力するつもりでおります。  それから一割増減の問題もあるようでありますが、これは全販ルートに乗ったものについては、昨年から全く交渉が途絶しておるわけです。その関係で実際麦がどういうふうになっておるか、どういう結果になっておるかということは全然わからないわけです。それにもかかわらず今一割増減なんていうことはちょっと早いのではないか。もう少し受け渡しをやってからでもいいじゃないか、しばらく待ってくれ、この点は自分の方でよく考えるからと一楽常務にも申し上げましたが、最近の麦作状況を見ますと、どうもことしは非常に不作の状態のようであります。一割増減という問題よりもむしろ規格外品をどうするかという問題の方が大きいわけでありまして、この問題はあまり問題にする必要はないと思います。いいものがあれば一割は十分買う予定であります。むしろ規格外品をどうするかということが、今も全販の方が言われましたけれども、重要な問題でありまして、われわれビール会社といたしましても一定の数量を得られなかったらビールはできないのでありますから、もし醸造に適するものがれば、それは買いたいと思っております。今後とも全販の方で各単協ごとにお調べになって、どういう品質のものが幾らくらいあるかということをお調べ願いまして、各会社に申し出ていただけば、おそらく交渉に応ずるものと考えております。とにかくわれわれ会社といたしましては、単協と契約するということにつきましては何十年来と続いてきたことでございまして、これを簡単に系統理念によってぶちこわされることはまことに遺憾だ。ただわれわれは系統理念を決して否認するものじゃない。しかし系統理念、共販理念は農協における問題であって、何ら関係のない第三者の会社に押しつけるべきものじゃない。やはりそれをやるにはとにかく買い手にも納得のいくようにしていただきたかったと思うのであります。ことに茨城県なんかはああいう問題を起こしましたけれども、この間も岩上知事がおいでになりまして申し上げましたが、ああいう問題が起こる前に、なぜ会社に一言言っていただけなかったか、それが自分の方では一番遺憾な点であったということを申し上げたわけです。しかしこういう問題が起きた以上は、今後ともとにかく円満にいくように、農民にいたずらに不安を与えるということはわれわれの好むところではありませんから、極力円満に解決していきたいと思います。

小山長規自由民主党

○小山委員長 本問題について質疑の通告があります。これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 まず第一に、きょう委員会に配付になりました昭和三五年産ビール大麦の取扱いについてという資料でありますが、これはどこの資料でございますか。

岩隈博専門員

○岩隈専門員 ただいまの資料でございますが、私の方から農林省の振興局へお願いしまして、ビール麦の取り扱いの経過について委員会の配付資料にしたいということを明らかにして、報告していただきまして、御配付申し上げたものであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 今三人の参考人の方々からそれぞれ経過等の御報告がございまました。大体農林省自体はこういう資料で、今の話とだいぶ違う点が多いと思いますが、こういうことに対して農林省はまず第一にどう考えているか。当面この資料を出した担当局長は振興局長さんですか。

増田盛農林事務官(振興局長)

○増田説明員 この資料に関しまして、実は昨日でございますが、御審議の必要に供するために至急取りまとめて出せというお話があっただけでございまして、実は、担当者の方にそういう連絡があって、それで取りまとめたもののようでございます。この最後の内容に関しましては、実は私局長として詳細に承知いたしておりませんし、それから団体側からもこの問題に対しては詳しい報告は何もないわけでございまして、大体紆余曲折はあったけれども、協定の精神に従っていろいろ努力しているというようなお話があって実は安心をしておったのであります。内容に関しましてただいま伺いますと、この中に書いておるいろいろな記事等に関しましては、きわめて楽観的な部面が多くて、実際と違っているような面があると思うわけであります。この点に関しましては、私どもこれを作成した担当官その他の事情も聞きまして、所要の訂正を加えたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 たしか四月だったと思うのですが、局長はこの問題でお話しまして、大へん関心を持たれておられるようであったのです。ところがこういう資料でもわかるように、その後野放しにしておって、農協とビール会社が大体うまくやっていくだろう、やっているんだろうということで、非常に安易に考えておられた。ところが今ビール酒造組合の山内理事さんからのお話では、大体ものの考え方が少し違うように思うのです。そういう点から言っても、これはもう少ししさいにあなたの方でも御検討いただきたい、こういうふうに思います。これが一つ。  時間がありませんので、簡単にそれぞれ御質問申し上げたいと思うのですが、まず第一に全中の森川さんにお聞きしますが、先ほど酒造組合の方では、大体あなたの方と荷見会長との協定は、中味は売買契約であって、いわゆる従来の契約ではない、こういう御言明をなさっておるのでありますが、それはそういうふうに了解をいたしておりますか。

森川武門全国農業協同組合中央会参事

○森川参考人 私どもの方はそこまで掘り下げてこまかく考えていないのであって、あの協定はいわば紳士的なものであるということで、受け渡しについては従来通りのことでやっていただける、こういうように思っております。あれは今具体的にどうこうということを申しませんけれども、すでに御承知と思いますけれども、すらっと見ていただきましても、大体こうなったら従来の実績というものをお互いに尊重してやろうじゃないか、こういうことを言っておるのですからして、当然売買契約にすぎないとか、私どもはそういう理屈的に考えておらないのであって、もっとすらりと紳士的に考えておったということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それで酒造組合の山内さんにお尋ねしますが、四月七日の荷見、山本協定によりますと、この場合いわゆる売り渡し申込書を提出するということでありますが、「この場合、契約は単協と会社との間に成立し、その後の受渡等は全販連に委任されたるものとする。」というのがこの協定の一番最後の文章でございます。これをこのままに読みますと、従来の契約栽培には何ら変わりはない。受け渡しのルートが変わったというふうに見るのが常識的でもあるし、今森川さんからのお話によると、そういうふうに見るのが当然ではなかろうかとわれわれも言ったのでありますが、お話によりますれば、契約栽培とは違って売買契約である、こういうお話でありますが、それはそういうふうに煮詰めてお話ができているのですか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 これは大体協定書を見ていただきましても、この協定書というものの文章が、第三者が見たら非常に難解なんです。これにつきましては荷見会長に私はちょうど三月三十一日に会いまして、書き直そうじゃないか。だれが見ても、これは初め第四項の「その際の具体的取引条件」云々の「公正を期する。」この言葉と最後の「この場合、契約は単協と会社との間に成立し、その後の受渡」云々、この言葉は契約するまぎわまでなかったのです。そこでこの文章は契約の当事者は一体だれか、わからないじゃないかと私は質問したのです。これは全面的に書き直そうじゃないかと質問をしたのですけれども、今になってそんなことを言っては困ると実はしかられたわけです。とにかくそれじゃその関係ではっきりしてもらわなければいかぬということから、よく突っ込んでお聞きしましたところ、これは実は契約は単協との間に成立するのだ、代金も単協に払ってよろしいということでしたから、この契約書を書いてもらったということであります。これは「その際の具体的取引条件については従来の実績を尊重し」云々とあって、これも第三者から見られると、われわれの解釈とおそらく非常に違うと思う。これはどういうわけでやったかと申しますと、実を言うと、これは私の意見で入れたのですが、とにかく農民自身に損害を与えてはいけないから、価格は同じだ、ところが価格を同じにした場合に、麦耕連は多少耕作者から手数料を取っておる。ところが全販にいったものには手数料をもし取らないということになれば、耕作農民のいわゆる手取りに相違を来たして非常にまずいから、その点一つ御注意を願いたい。そういう点でこの条項を加えた。しかしながら今先生のおっしゃるように、契約は単協と会社の間に成立するから契約栽倍と同じではないか、ところがわれわれはそうは解釈しない。これは単協との間にできたものの売買契約をするのだ、つまり全販と売買契約をするのではない、こういうふうにわれわれは解釈しているのです。

久保三郎日本社会党

○久保委員 まあ第三者が読めば私が申し上げた通りになる。あなたの解釈と言うが、当事者であるあなた方の解釈はそういうふうになっているかもしれませんが、契約書は大体第三者が読んでも大筋ははずさないようなものがほんとうではなかろうかと思います。いずれにしましても、この契約書そのものについても全中からもそれぞれお話がありましたが、ざっくばらんに言って、全中というか、農協側は今までの会社と単協との契約というか、麦耕連を介しての契約、こういうものに対して相当疑問を持ってきたというのは事実であります。これは七十年の歴史の中において持ってきたのでありまして、——これはよけいなことでありますが、今幾らか申し上げておきたいのでありますが、七十年の歴史というものは、つまりのれんが古いから尊いのではなくて、むしろその七十年の歴史から進歩発展するのが正しいと思うのです。そういう意味でビール会社も今日のビール酒造の発展という七十年の歴史は否定できません。ところが七十年以前とでは、今日いわゆる数量高が非常に発展してきている。国民の嗜好も変わってきている。こういうものも一つの要素であります。と同時にこの原料であるところのビール麦の生産あるいは生産する農民、こういうものを度外視して七十年の歴史を説くことはできないと思うのです。そういう観点に立って問題を解決すべきだと私どもは考えているのです。ビール会社がやっていることは決して全部悪いとは考えておりませんが、そういう立場に立たぬでおいて、事前に岩上知事が来たときに、お話があればいいものをどうも突然やられて、早くいえば腹に据えかねるから差別待遇をするのだというふうに話が受け取れるのです。それでは先ほどのあなたのお話のように、耕作農民に迷惑はかけないという精神が一つも通らないのではないだろうか、実はわれわれは八月の初めに現地に調査に参りまして、事実極端な差別待遇がありました。そうしますと、あなたは最高幹部の一人でおられますが、実際は耕作農民は差別待遇を受けておる。この事実を事実として認めていただけないか、また同時にこの事実を解消するために本日御足労を願った次第であります。  そこで一つお聞きしたいのですが、下見検査は、先ほどのあなたの御説明によれば、国会の方でも何か変な話をされたし、極端にいえば気持が悪いし、どうもやりたくない。また忙しいしするから自主的にやってほしいというので、ことしは系統のものについては立会いをしませんでした、こういうお話のようでありますが、麦耕連あっせんのものについてはお立ち会いをなさっている。これは従来通りであるからやっているということであります。そうしますと、もう少し前進しますというと、われわれが当初考えたように、下見検査というのはビール会社の立場からいっても必要性がないものと解釈してよろしゅうございますか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 それはとにかく農民のために下見をやって、たとえばこの麦はまだ乾燥が不十分である、このままでは国営検査のときにひょっとすると不合格になるかもしれぬからもう少し乾燥をしたらいいでしょう、こういうように、つまりなるべく不合格品を出さないように下見検査をするという建前になっていると思っております。ところがそれがどう誤解されたか、残念ながらそういうふうにされてしまった。しかし全販のルートのものについては、ああいうふうに一応——そういうことを非難するということは、全販のルートに立っているものだとわれわれは解釈しちゃったわけなんです。それで、それなら全販のものについては一応遠慮をしようじゃないか。しかしそれで私は言ったのです。もしそれについてあとで差別するということになっては困る、いやそれはもうことしだけは国営検査によって全部やるからそんなことは心配ないんだ、とにかく農民に現実に損害を与えなければそれでいいんだからということだった。しかし下見検査というものは、会社の人が行かなくても各地の食糧事務所の係官がずっと見本を見て回っておるわけです。そのあとに、会社の人もついて回っておるわけです。それだけのことでして、大体指示を与えるのは食糧事務所の方だと自分の方では聞いております。そういう関係ですから、何も会社の人が顔を出さなくても、自主的に食糧事務所の係官を呼んでやっていただけばそれでいいからというふうにわれわれは申し上げておいたわけでして、やはり下見買いというものは会社としては今後とも望ましいことだと思っております。それじゃ、麦耕連のものをやったというのはどういうわけか。これは麦耕連の方はそういうことをやるということにお互いの了解ができておるからやったわけなんでして、今度麦耕連の傘下を辞して全販連にいかれたために、別に差別するというわけじゃない、ただ遠慮を申し上げたいきさつがそういういきさつでございますから、遠慮を申し上げたというに過ぎないわけです。決して差別とかそういう意図でやったわけではございません。

久保三郎日本社会党

○久保委員 下見検査のお話を聞くと、結局会社自体としては必要性を認める、実際いうとそうだろうと思いますね。とにかく検査にはずれようがはずれまいが、ビール会社としてはもっといい麦をほしいというのは私は当然だろうと思う。そうだとすれば、せっかく作ってくれるものなら手数はかかるが、実際行って指導できるものなら指導するというのが建前だろうと思う。ところがお話を聞くと、批判されるのは全販連系統だ、こういう批判をされるところに行く必要はないというふうにとられているようでありますが、それではお話にならぬと思います。遠慮をしたと言われるが、遠慮すること自体がおかしい。全販連の方では希望がないというか、歓迎しないというんだから、そういうところは行かぬでもいいだろうというお話でありますが、それでは先ほどお話のように、耕作農民に対してやはり差別をつけるということになるんじゃないかと思います。いずれにしても下見検査が要るか要らぬかは別にして、そういう必要があるというならば、もう少し誠意を持っておやりになるのが当然ではなかろうか、こういうふうにわれわれは考えます。  それからもう一つは、先ほどの契約栽培と売買契約だというお話でありますが、これは全販なり全中はどう理解していますか。契約栽培だと思って今まで交渉に臨んでおられたのか、売買契約だと思って踏み切ってやったのか、この点はどうなんですか。

森川武門全国農業協同組合中央会参事

○森川参考人 御承知のようにビール麦なんというものは、ビール会社以外には大体が買わぬ。だから大体ビール会社の方で、来年度はどの程度要るということで、今お話がありましたようにそれに対して一〇%の増減というものを見込んで作るものなんですよ。大体ビール会社に買ってもらうということを当てにして作るものなんですからして、そういう意味においては完全な契約栽培です。ビール会社に売る当てもなくてビール麦を作るということはおそらくない。ビール会社は日本でどれだけビールを作るかということはわかっておるわけですから、そういう計画を持っておるわけですから、われわれとしては当然契約栽培だ、会社がそうおっしゃるなら契約栽培だと思っておりますし、しかし今までの実績を尊重して従来の慣行に沿って取り扱いをするという、ああいうさらっとした紳士協定の精神なんですよ。だからここでむずかしい法律論をほじくり回すという気持はわれわれは全然ないのであって、さらっとした誠意をもってやろうというお互いの紳士協定だとわれわれは考えておったわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 山内さんにお尋ねします。契約栽培と売買契約というのですが、これはやはりはっきりその当時区別をつけておやりになっておりますか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 契約栽培と申しますと種を配付して、それから今度栽培のいろいろの過程において会社が指導するわけです。ところが全販の方のルートに乗ったものにつきましては契約をしないということになったから、会社は全然指導に行ってないわけですね。そこに契約栽培と全販のものとは——会社の者が全然行ってないのです。交渉が途絶してしまったわけです。その関係で指導ということがないわけです。そういう点で違ってくるんじゃないか、こう考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは事実としてお尋ねしますが、ことしは当初からというか、問題がありまして、こういう格好になり、そこで今お話のように契約がないから指導しに会社でおいでにならなかった。ところが先ほどの御報告では、関西の方ではすでに系統協販のものの受け渡しが済んだとおっしゃいましたから、その結果は指導に行かなかったということとどう違うことになりますか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 収穫の点については私もまだわかりません。受け渡しが済んでおりません、現在進行中でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これはそれじゃ途中で指導に行かなかったためにいわゆる契約栽培とは認めない、こういう御論法でございましょうか。途中から指導その他一切、もうビール会社の手から離れたというので契約栽培ではない。ところが昨年にもうすでにことしのビール麦は、種子の方は会社を通して農家は配付を受けて買ってまいたわけですね。この事実は、これは否認できないでしょうな。お認めになるでしょうね。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 それは認めます。とにかくそれはわかりますよ。それならば会社から種を入れて栽培しておいて、会社と契約しないという理屈はどういうことになるでしょうか。そういうことは、会社から金をもらって、会社と契約しようと思って会社の種を栽培した。それから今度、会社とはもう契約しないということになったんですね。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私に対する御質問のようでありますが、これはまあいいでしょう、国会にも例外というものはございますから、私からお答えいたしましょう。(笑声)それは理屈にはいろいろありまして、へ理屈というのもありますね。それで申し上げますが、契約しないとは言ってないんですね。これはいわゆる系統を通して契約すると言っているんですね。だからあなたのおっしゃるのは単協自体、これは単独では契約しないが系統で契約はする、その代表者は全中なり全販である、こう言っているのでありまして、契約しない意思ははっきり言うとどこにも生じておりません。だからそういう点からいうならば、全く従来の契約栽培と同じじゃないか、いわゆる受け渡しのルートが違っているというだけではなかろうかと私は思うのです。途中でこの指導その他がうまくいかなかったというお話でありますが、これは両者において円満な話し合いが遂げられなかったための結果であって、農民の責任ではない、こういうふうに私は思うのです。いや僕の方は単協とだけ今日まで契約をやってきたのであって、今さらどうも全国段階の全中なり全販と話し合いをする必要はないのだということだけでは済まされない事実はやはり考えてもらわなければいかぬ。だから私はそういう意味からいって契約栽培だと思うのです。いかがでしょう。私がお答え申し上げます。(笑声)

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 とにかく全販ルートのものにつきましては、栽培契約書というものを締結しておりませんから、栽培契約とは言えないと私は考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 契約書を取りかわしておらないから契約栽培ではないというのは、そうすると契約書が証拠というか問題になるのですね。これは実際いうとそうじゃないでしょう。それは一つの事実の裏づけとしての問題であって、さっきの書面や何かと同じように扱われたらかなわないじゃないですか。いかがでしょう。契約栽培の契約書というものはそれほどの効果があるものですか。どうなんですか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 私はあると思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 関連して。山内さんにお尋ねします。実は昨年当委員会でこの問題が取り上げられたときに、独禁法違反の疑いがあるということで、公取の見解をただしたことがあります。そのとき今あなたが言っておる契約栽培の実態というものは、これが完全な契約栽培じゃないのではないか。生産者との間における数量契約に基づくそういう契約内容であって、これは本来の契約栽培とは質的に違うじゃないかという点をわれわれは取り上げたのですが、きょう私資料を持ってきておりませんが、会社と生産者の間における契約栽培の内容というものは、主たる項目はどういうことが列挙されているかお尋ねします。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 理事者に答えさせてよろしゅうございますか。

小山長規自由民主党

○小山委員長 この際、参考人追加の件についてお諮りいたします。美馬勲君を本問題の参考人として、意見を聴取するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小山長規自由民主党

○小山委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。美馬勲君。

美馬勲ビール酒造組合技術員

○美馬参考人 先ほどお話に出ました数量と価格、国営検査を受けて合格したものということが重点であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 われわれの言う契約栽培は、たとえば原料を必要とする会社と生産者との間において作付契約をやるということが建前になっております。あなたの会社のヒール麦を責任を持って何反歩耕作します、これがいわゆる栽培契約ですね。耕作しなければ栽培が行なわれないですからね。もう一つはそういう作付に対する基本的な契約でなければ、この麦類等についても農産物ですから、毎年の豊凶の差によって、凶作になって減収する場合もあるわけです。目標は反収五俵とか六俵と考えても、これは契約当時わからないのです。ですから自然現象に左右されて減収する場合もある。あるいはまた天候に恵まれて平年作よりも相当増収をする場合もある。ですから基本的には何反歩耕作とか、その契約反別から生産された全数量というものはこれは会社に売り渡します、会社の方はお買いしましょうという、ここまでこなければ契約栽培ということにはならないわけですが、あなたの今示された内容によると、何反歩作って生産された全数量を買い取るということが何ら契約の中にうたわれていない、数量だけ何俵買いますということでは、これは大きな手違いだと思う。それは事前に何反歩作ればどれだけ生産が上がるかということがわからないのです。ですからもしも先ほど強調されるように、共販系統の場合には数量契約であるが、会社と生産者の契約の場合には栽培契約であるとするならば、作付反別というものをお互いに認めあって、その耕作反別から生産された全数量を買い取るということにいかなければいかぬと思うのですが、この点はどう考えておりますか。

美馬勲ビール酒造組合技術員

○美馬参考人 戦後は反収であったことがあります。生産農家から耕作台帳を作りまして、反収を明記したのです。ところが各組合からの要望によって数量で明記してくる、こういうことです。従いまして数量で契約しますが、それに対して一割の増減を認めるということがはっきり明記してあります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それは豊凶ですよ。

美馬勲ビール酒造組合技術員

○美馬参考人 豊凶によって、凶のときにはしょうがないですから……。いつも豊凶のときになっております。  それから補足的に申し上げますが、先ほどこちらで御説明になりまして、一割増減の問題はまだ付議して決定してないということを言われましたが、先ほどから言われた通り、中央の指令が地方に行ってないというようなことと同じことだろうと思います。もうすでに一割買付をやっております。森川参事さんの発言はおかしいと思う。福岡県あたりでやっております、茨城県あたりもそれはやっております。それは訂正しておきます。  それから規格外のことについてだいぶいろいろお話がありましたが、会社で契約しておるものは、規格以外のものを会社へ陳情してきたものは買っております。しかし陳情してこないものはまだそのままに置いてあります。現に関東地区において規格外を買ったのは群馬、茨城、栃木、埼玉も話がつきました、神奈川も話がつきました。ところが全販系統のものは、規格外のものはみな何も私の方に話がありません。ですから山内理事が先ほど意思表示はされましたけれども、話がないのにこちらから好んで買うということはないのであって、これはちょっとおかしい。全然話がない。それから種々その問題もやられましたが……。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今の答弁によりますと、作付契約ではないわけです。結局あなたから何俵買います、売りますということで、これは数量契約ということですが、その数量に基づく売買の契約ということに当然なるわけです。それと先ほど言われた共販関係のいわゆる全販連との関係というものは、そうじゃないということになるわけであります。全販連との関係も大体同じじゃないですか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 とにかく栽培というものについては今も何十年来の歴史がございますので、そういう栽培上のこまかいことにつきましてはもうお互いに一々取り上げなくても双方に了解ができておるわけです。それですからあの契約文書にそうこまいことは言っておらないものですから、先生のおっしゃるように——なるほど先生からごらんになればあるいはそういうことは言えるかもしれませんけれども、とにかく何十年来と継続しておるものでありますから、こまかいことはみなきらうとか、今も理事者が言いましたように昔は反別でやったものだけれども、会社といたしましては本酒造年度は幾らビールを作るというふうに計画を立てますと、それに対しては何表要る、結局何石の麦が要る、とにかく数量の確保ということが非常に大切な問題であります。ただ反別でやっては数量の確保ということが十分つかめないから、とにかくどこの農協に対しても何俵、何石ということの数量を確保していただきたい、こういうわけであれを強く表わしているというだけでございまして、こまかいことはあまり載っていないものですから、文書で表面から見ますと先生おっしゃるようなことになるかもしれません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは一番大きい問題ですよ。生産者の立場から見ると、自分の作った反別の全部の数量を必ず会社が引き受けるということでなければ、やはり不安があるわけですね。会社の方は生産計画から見て要るだけのものを買えればいいのだ。ところが農家の方はその年々の天候によって豊凶の差がある。一割以上違う場合もありますし、栽培契約という場合には、契約して耕作されたその反別から生じた全数量は必ず買い取るということが原則になって契約栽培というものは行なわれるわけですから、こまかい問題ではないと思うのです。何十年たっても会社側の主張だけが通った契約書の取りかわしになっておるのでありますから、生産に対する解釈に温情味があれば、やはり何十年あとでも十分反省して世間へ通りのいいような栽培契約ということにされた方がいいと思います。  それからその次に全販連にお伺いしたいのですが、一体会社側で単なる売買契約だという根拠は、あなたはどう考えておりますか。農林省が示した資料によると、これは当然共販の形でやっている県の経済連とかあるいは末端は単位農協、それから最終的には全販連が会社側と契約するということは、これは生産者が会社と契約するのと何も変わらないのです。生産者を代表して農協が契約を結ぶのです、経済連が契約をする、全販連が契約をする、これが建前になっているのですから、最終の販売責任者である全販と会社間において契約が結ばれたということは、すなわち生産者と会社側において契約が締結されたことと何らかわりがないことですから、契約の性質については、これは会社と生産者の契約も、会社と全販の契約も内容は全く同一であるというふうにわれわれは常識的に判断しておるのですが、岩下さんの方はどう考えておりますか。

岩下豊水全国販売農業協同組合連合会麦類雑穀部長

○岩下参考人 お尋ねの点は、先ほど森川参事もお答えしたように、私どもは内部の取りきめといたしまして、会社から栽培契約数量としておろされたその数量、その契約条件、それをそっくり単協から経済連へ、経済連から全販連へ委託を上げて、そのものを会社に明細書を添えて売り渡しの申込書を荷見・山本協定に基づいて提出し、そのお返しとして請書をいただいた、こういうふうに理解して契約は成立しておるものと、こういう理解に立っておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 山内さん、それじゃちゃんとしているんじゃないですか。しかも会社と生産者との間における特約契約もだんだん掘り下げていけば、これは全販連と会社が締結された契約と、内容の表現においては差があるかもしれませんが、質的には私は同じだと思う。そういうことがはっきりしないと、幾ら山本さんと荷見さんが証文を取りかわしても、これは平行線でどこまでも進まぬと思う。ですからちょうどいい機会ですから、せめてこの取りかわされた一つの約束というものを共通の場で確認するということはどうしてもやる必要があると思うわけですが、いかがですか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 最初七月の一日でございましたか、日付はとにかく、七月になってからは事実でございますが、そのとき全販の石井会長から山本為三郎氏あてに売り渡しの明細書のようなものが確かに参りました。参りましたけれども、これは全販から買うのではない、単協から買うんだからということで、これを書き直していただいて、そうして全中の荷見会長の名前でこれこれだけを全販でとりまとめているからよろしくという報告をいただきました。それによりましてわれわれはいろ一いろと調べておりましたところが、中央会の方から請書がほしい。実はその袋の中に請書の用紙が全中から入れてあったそうであります。ところがその封筒に一枚あったのが忘れられてしまって、われわれの手に渡らないで一カ月ばかり宙ぶらりんになってむだに過ごしたのでありますが、とにかくそういうわけで全中の会長から山本為三郎氏あてに取りまとめ書というものを出してきて、それに対して請書という。何の請書か。なぜつけるのか。それは農民がああいう協定ができてもほんとうに会社が買ってくれるかどうか心配だ、不安がっているから、それで請書がほしい。そういうことでしたら一つ買い受けのお約束だけはいたしましょう。しかしあの協定によってほんとうに契約が成立するのは売り渡し明細書ができてからですよということで念を押してあった。その売り渡し明細書は国営検査が終わらないとほんとうの明細書というものはできない。売り渡し明細書というものは一等、二等、三等という等級別の数量が確定して初めてできるのであって、ぼんやり一千石なら一千石ということでは売買の契約にはならない。それをどうしてもいただきたいということで、これだけは一応おまとめになっておるのだからこれだけは買いますから、農民に不安のないようにしていただきたいということで請書を出した次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 会社と生産者の契約というものは一等規格何ぼ、二等何ぼということがわかって出てきているんですか。(山内参考人「わかっておりません」と呼ぶ)その場合において規格品の総数量は何百トンであって、その内訳は国営検査後に分類されるとわれわれは考えております。そうなれば全販が集荷計画を立てる場合には、もちろん検査が終わらなければ何等品が何俵という内訳はできない。しかし生産物については国の規則で強制検査をするんだから、当然検査という段階は通る。あなたの方は規格外は買わないという建前に原則はなっておるわけです。ですから全敗と取りきめをした数量も生産者との間において取りきめをした数量も、等級別というものがつかないで契約をしておるのでありますから、結局全販の方に検査前に等級別を明らかにして出せといっても無理だと思う。もう一つは、全販連と会社が契約した場合においても、現物の引き渡しとか代金決済の場合においては、やはり会社と全販連の取りきめ内容に基づいて一番便利のいい、たとえば何県はどこの単協でやるとか、あるいは県の経済連で実際の清算とか引き渡しをやるということであっても、全販連と契約して履行したと同じで、何も変わりはない。だからもう少しあなたの方で冷静に考えて、全販の場合も会社と生産者の場合も、耕作しておるものは同じ耕作農民でありますから、ほんとうに何十年来の会社と生産者というつき合いの上に立った場合においては、どちらに契約しても生産者であることには変わりはないのでありますから、対象を生産者に置く場合には、その形は麦耕連を通ずる場合があっても全販を通ずる場合があっても、農民の自主的な意思によって選択された方法によって気持よくこういう問題は処理されるということが、今後の会社の発展のためにも非常にいいのではないかというふうに考えておりますが、いかがですか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 今先生のおっしゃったのはまことにごもっともだと私も考えております。ただ問題は、初めはお互いがお互いを了解してなかったものですから、とにかく会社は全販に行けば——こういうと失礼ですが、今まで実を言うと、全販というのはどういうことをしているのか、私自身は実際知らなかったのです。ただ全販というものは、とにかくできたものを売るところだ、こういうふうにわれわれは思っておった。だから全販というところは生産を指導しないんだ、生産にはタッチしないんだ、そういうところにおまかせしては、ビールの麦の品質の維持向上ということはできないんじゃないか、これが争いの根幹だったのです。今はわれわれとしても多少農協のことも知識を得てきましたし、そういう考えは持っておりませんし、最近また中央会の御意見を聞いてみましても、われわれが最初考えたようなふうではなさそうでございまして、今後、来年以降につきましては、とにかくお互いにうまくいくようにやりたい、こう考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 神田さんもおりますので、私は簡単にそのあとの問題についてお話をお伺いしたいのですが、今まで酒造組合の方では、全中なり全販というのはよくおわかりにならなかった、この話の中でだいぶわかってきた、こうおっしゃるのですが、この間の現地調査から帰って参りまして、静かに考えてみて、先ほどのお話によりましても、まだ十分御理解がいただいていないんじゃなかろうかと思うので、さらに全中、全販は御努力が必要だろう、こういうふうに私は思います。というのは、現地調査の結果について、これは公取からも来ておりますし、農林省もおられますから、一つ私から現地調査の結果について、要点だけ申し上げ、必要があれば皆さんに御質問申し上げたいと思います。  まず第一に、下見検査については先ほどもお話の通りであります。下見検査については、いわゆる農協というか、この系統共販の方から御要請を申し上げたのだが、お立ち会いがなかった。この請書かなにか知りませんが、ありますが、その中にも、どうぞ自主的におやり下さいということで書いてあるようでございます。ところが会社自体はその必要性は認めるという矛盾があります。この点の解決はどうするのか、一つこれは話を煮詰めてほしい、こういうふうに思います。  もう一つは受け渡しの場合、これは請書にもありますが、大体の受け渡しは先ほどもお話のように、どうも自分の子飼いの方からつっつかれるので、他人の方に行ったのはあと回しにして、子飼いの方から先に買ってやるんだというようなお話ですが、これは請書にも——そうは書いてありませんが、中身は大体同じです。八月下旬までには系統共販のものは売り渡しをするということでありますが、麦耕連系統のものは、茨城県の実態ではもうきょうあたりでも現金決済ができただろう、こういうふうに思います。こういうことを考えるときに、極端な差別待遇ではなかろうかということなんです。ところが、いや向こうとこっち、分かれているからできないんだ、そういう人手もないし、日にちも間に合わないんだ、こういう理由があるかもしれませんが、実際はそうではなくて、どうも差別する傾向がある、こういうふうに私どもは見てきた。というのは、どういうことかというと、実際の数量からいっても、そういうふうに去年とことしで、麦耕連に分かれたものがやっていればその他のものはやれないというような、そんな大幅な数量にはふえておりません。だからほんとうに担当の会社がやるつもりなら、これは組合が指導するならば、麦耕連扱いものも系統共販のものも、同一に同一場所でやれるはずなんです。それがやっておらぬ、こういうことです。それでことさらに受け渡しは今月末になるだろうということは、いつ何月何日にどこどこをやるのか——今度は末端では一つもきまっておらないというのが実態であります。それからもう一つは受け渡しの場所でありますが、会社とこの販売人である全販連、この場所についても、今は倉庫はもよりの倉庫ということに限定していて、従来のような倉庫を使わせないというようなところに一つ問題がある。そこまでのいわゆる運搬賃といいますか、そういう運送料という問題も出てくる。さらにもう一つは、長期保管に対してのいわゆる倉置料というような問題についても、これは御考慮がない、いわゆる系統共販にはないというような不合理が出てきておる、こういうような問題。  それからもう一つ、先ほどお話もありましたが、三十六年度の種子、これは麦耕連の言うことと酒造組合の言うこととでは違うんだ、勝手なことを言っているんだ、特に茨城県はそうだというようなことを言っておられます。事実麦耕連の参事からの言明によりますれば、来年度の種子については、ことしよりはさらに上回ったものをビール会社との間に契約した、ビール会社はそれぞれの種子に対して契約しておるから万全である、こういうようなこと。それから話は戻りますが、売り渡しの方であります。いわゆる規格外、等外の残麦でありますが、等外ビール麦についてもこれを相当に買っている。麦耕連については大体ほとんどが買っておられるのではなかろうか、これは事実であります。  そこでもう一つ、契約数量といいますか、これは鉾田地区というところがあります。鉾田地区はたしか麒麟かと思いますが、山内さんの方かもしれませんが、鉾田地区の実態を見ますと、最初の鉾田地区の内示数量、いわゆる契約当初の内示数量は三万五百俵ということであります。ところがその中で四つの単協がございまして、四つの単協が総計して内示数量は一万六百五十俵、こういうことであります。ところが、その後問題が起きてから、四単協の分をさらに残った単協に全部分けて、トータルとしては三万五百俵を確保する、こういうことになります。ところが今度の受け渡しになりますと、さらにこれを上回りまして、これは相当な、いわゆる残麦と称されるものを買っておられます。そうしますと、これは全体としては相当な数になりまして、実際の買い上げはそれより相当上回って、三万五百俵以上になっておる。これは農民にとれば大へん幸いなことであります。ことしは、先ほどのお話にもあった通り、細身のものが多いということで、これは麦耕連の説によれば、会社に対して交渉の結果、この等外のものも大半買ってもらうことになった。逐次——逐次というか、茨城県においては大体等外についてもほとんどが買ってもらえる保障ができた、こういうことになるのですね。そこでそういう差別がある。差別というか、これは差別になりませんでしょう、まだ売り渡しになりませんから。今後どうするかという問題でありますが、先ほどお話のように、一割も上回ったいわゆる合格品、これは買うというお話がそちらの方からございました。それじゃ等外麦については麦耕連扱いのものと同様な額で買うのかどうか、これをあとからお答えをいただきたいのであります。いずれにしてもそういう差別が顕著に現れておるということは、これは御理解がなかったからそういうことになったと思うのでありますが、これはややもすれば独禁法違反の形も出てきやしないか、こういうふうにもわれわれはとるのであります。でありますから、これについても一つ御所見のほどを承りたい、こういうふうに思います。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 今一番重要な問題は、規格外の麦のことだと存じておりますが、これは一昨日でございましたか、全販連の勝賀瀬常務理事が初めてそういうことを言ってこられました。それは一つ各単協ごとに、あるいは各県ごとにこういうものがあるからということで申し出てもらいたい、こういうことは言っております。大体、先ほど先生もおっしゃいましたように、非常に細身でございまして、合格品として契約数量に達するものが割合に少ないのでございます。合格品がないからといって、会社としてはそれで買わないでおくわけにいきません。どうしても契約数量だけは何とかして、醸造に間に合う程度のものはしんぼうしてでも買って、契約数量を間に合わしたいんですから、もし契約数量に達しない場合には、規格外のものであっても、醸造に、適するものであればこれを買いたい、こういうふうに考えております。今後全販連においてそういうものがありますれば、申し出ていただけばそれで交渉に応じてやっていくつもりであります。決してそういうものを差別しておりません。ただここで申し上げたいことは、全販連としても初めてのことでございましてなれていらっしゃらないわけでございます。そういう関係で事務的にも今まで麦耕連と同様にスムーズにいかなかった点があるのです。それでおくれたということも御了承願いたいと思います。われわれは決して差別していいこと幸いに来るのを待とうと考えておるわけではございません。

小山長規自由民主党

○小山委員長 ちょっと御相談しますが、まだ神田君もだいぶ長いらしいですし、参考人もお疲れですから、簡単に……。

久保三郎日本社会党

○久保委員 あと二点だけ。今山内さんからのお話で、これから残麦というか、等外麦についても同じように扱っていきたいということでありますので、これは当然そういうことになれば幸いだとわれわれは思います。ただここで言いたいのは、全中、全販は少しとろいのではないか。茨城県の言葉でとろいというのはおそいということです。もう少し親身になって真剣に——山内さんを前にして恐縮ですが、全中、全販というのは株式会社でございません。全国組織ではあるが、柄は大きいが中身はあまり大きくないのであります。とうてい独占資本というか、ビール酒造組合の各組合に実際対抗できるようなものではないのであります。そういう意味からいけば全中、全販はもう少しふんどしを締めて、ビール酒造組合に強硬なる交渉をして耕作農民の立場を守るべきだと私は考えております。幸い今までおわかりにならなかったものが、酒造組合の方でもおわかりになったと思いますので、これはきっかけでありますから、どうぞ一つ精を出して話を煮詰めていただきたい、こういうように思います。  そこで細身の問題でありますが、これもやはり山内さんに一言御返答いただきたいのです。整粒規格の問題でありますが、二・二ミリから二・五ミリに上げた。そのために麦耕連の方からも、規格引き上げについては価格も引き上げてほしいという強い要請があったのでありますが、当時はそのことが実現できないで今日に至っておる。それで、あとで神田さんからもお話があると思いますが、栃木県の水橋農協のことしの実態を見ますと、大体検査を受けたものが六千百九十俵ほどあります。そのほか等外が千六百五十六俵、そのうち二・二ミリと二・五ミリの間のものが驚くなかれ大半、千四百俵。これはことし特に細身であるからという理由に、あるいは一つなるかもしれませんが、いずれにしても二・二ミリから二・五ミリに上げたということ自体については、ビール会社にとってはやはりそれだけ一つには生産にもプラスになるのだろうとわれわれは考えておる。よって、これは規格を上げたについては価格を相当考慮すべきではないか、こういうふうにわれわれは思っておるのですが、その点はどうでしょう。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 その点につきましては、私もその当時はあまり詳しいことは、酒造組合に参りましたのも去年でございまして、はっきりわかりませんけれども、とにかく普通常識で考えますれば、二・二ミリのものを二・五ミリに規格を上げたならば値段も上げてやるのが常識だと思います。ところが担当者に聞いてみますと、やはりそのときはそのときなりにいろいろの事情もあったようで、麦耕連と農協側と交渉した結果が据え置きになったと聞いております。しかし今度につきましてはああいう問題もありましたし、また去年の生産の麦の精麦の結果もおそらく判明すると思いますから、それによってできるだけそれについては善処したいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 公正取引委員会はおいでになっておりますか。——この問題は農青連、全農連の方から、ビール会社の独禁法違反の疑いということで提訴があって、以来手がけておられると思いますが、その後の進捗状況というものを簡単にお話し願いたい。と同時に、ただいま簡単に私から現地調査の結果を申し上げましたが、いろいろな問題が起きておりますので、さらに再調査をやるべきではなかろうか、こういうように思うのです。これはビール会社を前に置いて変な話でありますが、取引というのはあくまでも公正にやるべきであって、罰するか罰しないかという問題は二の次であります。どこまでもそういう意味で私はもう一ぺん問題のある地区について詳細な再調査をすべきであろう、第三者としてこう思うのですが、いかがでしょう。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 公正取引委員会に提訴された事柄につきまして、これは昨年の十一月の末の日付でございましたが、さっそく十二月の半ばごろから審査を開始いたしました。その間この委員会にも実はお呼び出しを受けまして、経過の報告をいたしましたのですが、できるだけ早く審査を済ませて委員に報告ができる、こういうふうにお答え申し上げておったのであります。まあ集まりました資料が意外に膨大であったということと、担当の審査官としましても報告いたします以上自信のあるものというような欲目もございまして、延び延びになってまことに申しわけございませんが、もうほとんどすべて終わっておりますので、あとほんのわずか整理をいたしまして公取委員会の方に報告ができるという状態に進んでおります。  それからもう一つ、ただいま現地を御調査になりました件について公取で調べたらどうかというようなお話でございましたが、公取のこの委員会への報告がもうほとんど間近に迫っておりますので、次々とこの資料が追加されましてだんだん延び延びになるというようなことになってもどうか、こういうふうに思っておりますので、ただいまお話を受けました点については、委員会の方に私どもの審査の報告に添えてお答えいたす、こういうことにいたしたいと存じております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは、公取は現地調査をおやりになる御意向がないようでありますから、たとえばの話で一つだけ申し上げておきます。これは、八月三日茨城県の美野里農協に麒麟麦酒の鶴田さんという方と麦耕連の職員が出向きまして、どういうことを言ったかというと、経済連系の販売、いわゆる系統共販は代金がおくれる。これがおくれることはその通りなんでありますから一応その通りとして、それから三十六年度の系統共販は契約がどうなるかわからぬ、これも実際その通りなんです。わからぬのです。全中といわゆる酒造組合との間の契約では、これは実際まだ話になっていませんから。それから先ほどの残麦です。系統共販の残麦処理ができないだろう、その通り。ところが聞く方は中共の話や何かはわかっていませんから、これだけ聞くとどうもやっぱり麦耕連系の会社契約の方がいいのだということで持っていかれる、こういう心配が出ているようであります。これはつかみどころのないような話でありますが、事実受ける側に立てば重大な問題である。われわれ自身が実際その通りだと思うのです。なるほど言い回しようによってはその通りなんです。これは一つの例でありますが、その他二、三持っておりますからあとで御連絡申し上げます。  いずれにしてもこういう差別待遇的なものが現実にはできている。これは、農協の全中も全販もビール酒造組合の方からもおいでになっているが、どっちかどうというわけじゃありませんけれども、耕作農民を尊重しなければいいビールはできないし、最近は農民もそのために酒からビールにかわりつつあるのですから、せいぜいPRのつもりで、いいビールを作るためには耕作農民をかわいがる。そのためにはやはり公正な取引が必要だということであります。  そこで、最後に山内さんにお尋ねしたいのは、ことしの問題はもう少し早目に解決する必要があるとわれわれは現地調査の結果考えてきた。それで、末端に通らぬというだけで済まされる事態ではないのである。これはこの機会に一日も早く解決してほしいと思うのですが、その御意向があるかどうか。もう一つは、先ほどの、当初のお話では、従来のルートはもうこわしたくない、これを保障していきたいというふうにとったのでありますが、時代が変わってきているという現実を認めれば、系統共販というものを認めざるを得ないとわれわれは考えているのだが、やはり麦耕連経由の契約栽培だけで押し通すつもりがどうしても強固なのか、その点を参考にお聞かせ願いたい。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 今先生のおっしゃいました通り、即刻一日も早く解決したいと存じております。ですから、ここにおいでになりますけれども、全販の方で早く数量を、国営検査の結果を早くまとめて、現在は一部分はきておりますけれども、きのうから始めたということを聞いておりますけれども、とにかく早くまとめていただければ、私の方で各生産会社を督励いたしまして、すぐ受け渡しに参るようにいたしたいと思っております。それから、今の問題は重要な問題でございまして、私としてはここではっきりと先生にお答えするということはちょっとはばかりたいと思いますが、私個人の意見としてはまた一つの意見を持っておりますけれども、これもはたして生産会社に受け入れられるかどうか、契約の当事者は生産会社でございまして、ビールの酒造組合ではございませんので、ここではっきり申し上げられませんけれども、酒造組合としても、双方に顔の立つような何かいい方法はないかと目下鋭意研究中でありますから、それまでお待ち下さい。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 関連して。山内さんにお尋ねしますが、去年委員会で調査した結果、ビール四社が生産者と結んだ契約の内容が価格の面等について全く同じだったそうですね。それからもう一つは、四社の契約区域がいささかもダブっていないということが発見されたので、価格の問題とか契約区域等の問題については四社間において十分御相談をされて、そういう重複を避けたり繁雑を避ける努力をされているように見受けられるのですが、その点はどうかということ。  それから、一緒にお尋ねしておきますが、次に、麦芽輸入の問題なんです。これも昨年相当量麦芽を輸入するという計画を聞いて、国産でもう原料が余っておる時代に大量の輸入を行なうということになると、やはり国内のビール麦にいろんな悪影響があるということで、所管の振興局長に私たちただしたところが、昨年は、正確に覚えていませんが、何かルーマニアと日本側においてバーター貿易の約束が整っており、こちらから出す品物もきまっておる。そういう関係で、これを全面的に削減することはできないが、そういう国内に対する影響を考慮して、最小限度にこれを圧縮するということで昨年の輸入許可がきまったというふうにわれわれは考えている。従って、これは今後の問題ですが、最近ビール業界は非常な好況でまことにおめでたいことですが、やはりこの際麦芽製造の施設を思い切ってやっていただいて、外国に原料を依存しなくても国内でやれるという態勢をすみやかにお立てになる時期ではないかというふうに考えておるわけです。この点は毎年のことで関係方面でも相当関心を深めておりますので、特に指導官庁である農村省当局の今年度並びに今後の考え方と、また山内さんの方に、会社のこれに対する考え方等について明らかにしていただきたい。

増田盛農林事務官(振興局長)

○増田説明員 麦芽の輸入の問題でございますが、これは、私どもといたしましては、根本的に言って、普通大麦の需要は先行き押し麦等を中心にして、減退の傾向がきわめて顕著でありまして、全般的にこの耕作を維持するということはなかなかむずかしい段階に来ておるように見受けられるのであります。こういう際に特に特殊用途のビール麦あるいは酒造大麦の作付が年年ふえていくということは私ども大いに歓迎しておるわけであります。ただ、この場合、はなはだ残念なのは、本来このビール麦を材料にいたします麦芽の国内自給がまだできないという点は困るわけであります。しかし、あるいは言う人があって、現在の施設はいろいろ努力しているけれども足りないのだ、どうも会社あるいはビール醸造業者の予想以上急速にビールの醸造石数がふえていく、従って、どうしてもそれに追いつかない、こういう意見をお持ちの人もあるわけであります。それだけではわれわれどうも納得できないので、この際、資金量も十分ありますから、思い切って、三年かかるものなら二年で完成してしまう、二年かかるものなら一年で完成してしまう。  それから、もう一つは技術的な問題でありますが、どうも国税庁の年度当初のビール醸造石数に対する見通しが甘い。甘いというのは悪い意味で甘いのではないのでありますけれども、予算でこうだからということで持ってこられる。ところが、予算というものは、いろいろな事情があって数量が下目に押えられる。ところが、近年の醸造石数の伸びからいきますと、予算で見積った石数を上回って伸びていく。これは逆に言えば、原麦を供給する立場からいけばはなはだけっこうなんであります。一にかかって問題は麦芽の国内製造施設の早急な完成にあるわけであります。私どもはそういう条件がすみやかに完成されることを期待するわけであります。気持といたしましては、そういう点に関しまして会社側、生産者側の積極的な誠意、努力が認められない限りにおきましては、どうも麦芽の輸入というものは簡単に認められない、こういう気持を持っているわけでありまして、この点に関しましては、醸造組合の方にも伝えまして、現在先を見通した上に立って早急な麦芽施設  の完成という点を要求いたしておるわけであります。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 ただいま振興局長から麦芽のお話がございましたが、実はこの件につきましては、振興局、経済局並びに食糧庁の業務第一部といろいろと御相談申し上げまして、ビール会社といたしましても、やはりこの際国策に沿ってどこまでも自給態勢を整えなくてはならない。大体ビール会社は麦芽を輸入するということは本来は考えていなかったのであります。三十一年までは全然輸入しておりません。ところが、三十二年以降につきまして、ビールの需要の伸びが著しいために、その醸造設備の拡張ということに非常に資金が要りまして、消費者にビールが足らぬということではいけないから、とにかく醸造設備を優先的にということでやって参りましたがために、麦芽製造設備というものがちょっとおくれた、こういうわけでございます。当局から、なにお前の方はいつでも輸入ができるからおくらしたんだろうとしかられましたけれども、事実資金関係から、そう両方はいかなかったわけであります。これを今自給態勢を整えようとすれば、現在麦芽製造設備というものは三割不足しております。つまり、全ビール工場の麦芽必要量の三割というものは、まだ設備が足らないために製造ができない、こういうような状態であります。これをどうしても早急に実現しよう、自給自足の態勢に持っていこうとすれば、二年先には現在の麦芽製造設備の倍以上の設備をしなければならぬ。現在全ビール工場の麦芽製造設備は、一日の大麦の処理力が三百二十三トン。これを七百五十トン——二年先に七百五十トンくらいに持ってこないと自給ができないわけであります。なぜかというと現在三割不足しているところへ、今後一割五分とか二割のビールの消費が増加すると考えなければいけませんから、不足分とこれからの増加分を合わせますと、二年先には現在の倍以上の設備をしなければ完全な自給態勢が整わぬ。そうすると現在精麦工場といっておりますが、麦芽の製造工場というものが十四ございますけれども、約十五、それ以上に作っていかないといけないわけであります。これに対しても全部で百五十億くらいの資金が要るわけでございます。そういう関係で当局に対してはことし以外に来年、再来年の輸入許可を一つ認めていただきたい。それまでには完全に自給態勢を整えるからもう二年だけ認めてほしいということを陳情いたしましたけれども、いろいろとまた事情がございまして、今のところは来年一年だけは延ばさせよう、再来年からは自給態勢を整えよというような言明がございまして、とにかく極力期待に沿うようにしてやろう。とにかくことしと来年だけはこれだけのものは輸入させていただきたい。またそうしないことには農民の利益にはならない。今この麦芽の輸入をとめてしまって、ビールの製造を押えるならば、それだけ二年先になって農民がやはり損をする。今伸びるだけは伸ばしていただけば二年先には栽培面積がぐんとふえるのである、こう申し上げまして、ことしと来年は極力輸入をさせていただきたい、こういう話になっております。また今後ビール工場を作る場合には、酒造組合としては、必ず麦芽製造設備を併設しないことには新設を許可しないというような方針に、当局といろいろ打ち合わせまして、そういう方向に持っていきたい。とにかく麦芽の原料の製造設備がないビール工場は建てさせない、こういう方針でいくつもりでおります。  契約につきましては、これは公取の方もおられまして、なかなか微妙な問題でありますけれども、まず地域の問題であります。重複していないけれども、各県において各社が錯綜して地域を持っているということは、事実でございます。これはビール麦というのは特殊の麦でございまして、やはり特殊の風土を好むものでございますから、どうしても同じところをねらうわけです。これは五十年来の歴史の積み重なりで今日になっているのでございます。お互いに昔はビール麦などというむずかしいものは作りたがらなかった。だから種を持って歩いて、この種で何とか一つ作ってくれとたのんで歩いて、そうしてできたものが現在の地域になっているわけであります。決してこれはお互いに協定をしたとか何とかいうものではなく、自然の成果じゃないか、こう私は考えております。別にそれについて協定をしたとかなんとかいうことはございません。たとえばある社の作っているところへもってきてこちらで侵食するということは、道義的にはおそらく各社ともつつしんでいることと思います。そういう点では何か協定がありはしないかということが疑われるかもしれませんが、協定でそういうふうになったのではございません。自然にそういうふうになったのです。  それから価格の内容につきましては、私ども酒造組合としては酒団法によりまして組合員会社の必要な原料の購入あっせんができることになっております。会社が同じ条件でやるなら勝手に農協と契約してやったらいいじゃないか、自由競争の立場で言えばそうあるべきだとこう言う。ところがもしそれがあったら独禁法違反になると思います。しかし実際栽培地域が錯綜しているということになると、それじゃ違った値段で契約することが一体できるかどうか。会社というものはおそらく他社よりも安く契約しようとするでしょう。しかしもしそれが甲の会社の地域のものが他の隣より安い値段で契約されてしまったということになれば、必ず問題を起こすと思う。おれのところは隣より安いじゃないかと必ず問題になる。高いのはだまっているでしょうが、安いところは必ず不足を言うだろうと思います。それから会社としてはそういうことになると問題になってきますから、むしろそんなよその会社より安くやるというよりも、なるべく他社と同じ価格でやろうと傾向になる。ですから酒造組合であっせんするということになれば、違った条件であっせんすることはできない。やはり同じ条件でなければいかぬ。また農協の方でもそれを希望しているのでございます。違ったものでやれば指導はしにくいということから、何十年来偶然同じことになってきたので、決してわれわれが取引の優越性を利用してそういう圧力を加えたものではなかったと思います。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 私はあなたに教えておくことが一つある。これは答弁は要りません。かつて繭取引で製糸というものが今のビールの麦耕連の形と同じだったのです。特約組合というものがあった。これは片倉なら片倉製糸会社何々特約組合というので、今の麦耕連と同じ性格だった。ところがだんだん農民が自覚をしてきて、自分たちの利益を団結して守ろうという自覚が高まると、これはだめになってくる。そういう歴史が製糸の場合にあった。私の承知しているところでは茨城県の麦耕連がやっているが、全くそれと同じ性質です。お宅の言うように手数料でうまくいっているところが、農民が自覚してくるとだんだん通らなくなる。あなたも全販、全中というものを初めて御了解になったということで、早く気付いてよかったです。早く気付いたのが善なんですから、あなたのお義理はあるかもしれませんが、しかし歴史の流れはもうそうではなく、農民が自覚してくればそうはいかないのですから、むしろ一挙に切りかえた方があなたとしては将来非常にお得策だということを御忠告申し上げておきます。  それから委員長に一つ御要望しておきますが、もし現状のままなお差別待遇が続き、紛糾が続くならば、来たる一日、二日の委員会に荷見会長と山本為三郎氏を呼んで、本問題を、参考人では御意見が勝手でもいかぬから、証人として喚問して徹底的に追及すべきであると考える。これ以上差別待遇と紛糾があるならば、当委員会は徹底的にこの問題を追及するということで理事会に諮っていただくよう御要望して終わります。

小山長規自由民主党

○小山委員長 神田大作君。

神田大作民主社会党

○神田委員 きょうの委員会に参考人に忙しいところおいでを願ったのは、いわゆる系統共販がやったけれども、この系統共販のが安くなるような、いわゆる麦耕連が取り扱うのはうまくいく、系統共販のやつはなるべく不利益になるような取り扱いをわれわれ現地に行って現実に見てきたので、それではせっかく自分たちの利益を守ろうとして立ち上がった農民に対して大きな不利益を与えると思って、実はこういうことはしたくなかったのですが、会社並びに全中、全販の方に来ていただいたわけであります。  それで酒造組合の方にお尋ねするのでございますが、先ほど久保君が質問された答弁の中で、麦耕連の場合は契約栽培である、系統共販の場合は売買契約であるというようなことですね。自分の会社の方のはまあ便宜を計らうが、売買契約である全販連のはめんどうを見ることができないというようなお答えがございましたけれども、これはまことに、荷見会長並びに山本為三郎さんとの協約にも、はっきりとそのような差別はしない、今までの行きがかり、今までの何といいますか、ビール麦が多年会社との協約栽培を実行している点を尊重し、その趣旨にもとらないように取り扱うということもちゃんと書いてあるわけです。こういうふうに協約においては何ら差別をするということは書いてないのでありますけれども、現地において実際に等外麦の買い入れをおくらす、あるいは検収がおくれておる、あるいは種の問題等においても不安を来たしておるというように、実際は系統共販なんかやったのではどうにもならぬというような考えを耕作者に与えておるのは事実であります。こういうことを故意にやっておるならば、われわれはやはり麦購連に契約した農民であろうと、系統共販をした農民であろうと、これは農民には変わりはなしにわれわれとしてはこれは守ってやらなくちゃならぬのでありますからして、今同僚議員から委員長に要望があった通り、われわれは同じ農民の利益を守ってやるというような立場に立ってあくまでも責任を持って責務を果たさなければならぬから、何回も来てもらわなくちゃならぬと考えておるのでありますけれども、山内さんはこの点についてどうお考えでありますか。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 結局先生のおっしゃるのは、どこまでも系統共販でやれ、こういう意味でありますか。

神田大作民主社会党

○神田委員 そういうわけじゃない。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 とにかく今おっしゃいましたように、この種麦の問題とかあるいは等外、規格外の麦というようなことは、特にこれは茨城県じゃないかと思いますけれども、麦耕連のものと経済連のものとが勝手に、お互いに自分の勢力争いのような関係からやっておることであって、何ら中央からそういうことを言えと宣伝したわけでも何でもございません。要するに種麦の問題ということは、来年以降どうするかという問題で、これは荷見会長と山本為三郎氏との間で今後慎重に協議をせられるはずになっておることであって、何も種麦を全販のルートには頒布しないとか、そういうことはだれもきめておらないわけでございます。だからその点について、われわれ酒造組合としましては、農民にそういうような不利を与えるということは考えておりません。またそういうことのないようにわれわれとしても今後最善を尽くしたいと考えております。また等外麦の問題につきましても、これもことにことしのように非常に不作であったような場合は、やはり救済をしなくちゃなりません。われわれとしてはそれは全販のルートであろうとどこであろうが、とにかく公平に取り扱って、今後全販からそういうあれがありますれば、われわれの方でそれについて交渉に応じたいと考えております。

神田大作民主社会党

○神田委員 山内さんは何ら差別的なことをやっておらないと言う。それはもちろんトップ・レベルにおける話し合いはそういうことでしょう。しかし現実に現場に行ってみますと、さっき久保君が指摘した通り、会社が行って、来年の契約はどうなるんだかわからぬとか、あるいは等外麦についてはまだ契約はしていないとか、いろいろそういうことを現実に言っているのですよ。これは山内さんもよくわかっておるわけだ。専売ならばかまわないですよ。たとえばタバコの場合には専売事業でもって、葉タバコの専売ですが、しかしこの専売事業における葉タバコの場合は、この鑑定の問題とかあるいは価格の問題等については、やはり第三者的なものがそこに入っていろいろと審議をしておる。あるいは農民が鑑定に対して不服があれば、これに対して異議の申し立てができる。僕らは今のタバコ専売が今の状態でいいとは思っておりませんけれども、あの専売公社がやっておる専売事業でさえも、そういうふうに農民の不服を聞き届ける機関というものがあるのです。ところがビール麦の場合はどうですか。私は長い間ビール麦に関係しておりましたけれども、今芳賀君から質問があった通り、価格も四社みな同じ、契約地も、偶然にそうなったと言っておりますけれども、栃木県のどこそこにはどのくらいとか、そんなにうまくいくわけはない。これは話し合っているにきまっている。そういうようにしてやっておる。そうすると、農民は、作ったものを、どうもビール会社の横暴だ、これは捨ててしまうというわけにはいかない。普通麦にすればうんと安い。結局、ビール会社にどんなことを言われても泣き泣き売らなくてはならぬ。売り手と買い手だからしようがないだろうといえばそれまでだろうけれども、何かやはり農民の意思を尊重してもらう立場になってもらいたい。その場合には、やはり自分たちにも全販連とかあるいは経済連というような組織があるから、そこを通じて一つもっとよくビール会社と話し合ってもらおうじゃないかというような気持に農民がなるのは当然であると思う。また現在の合理的な、科学的な取引というのは、十七円の指導費をやって麦耕連が生産者や何かにやっておるような御用機関的な組合ではなしに、もっと合理的な、科学的な販売機関というものを求めるのは当然であると思う。そういうようにして、このビール麦問題は、突然こういう問題ができたのではない。長い間の農民の一つの不平、不満というものが、あるいは近代的取引をやっていこうというような考えのもとに、ビール麦問題というものは出てきた。だから、そういうふうなこと  を考えてみますと、これは近代的取引を成功させるためにも、やはりビール会社にも協力してもらって、そして全販、全中もそれに対して協力をして、近代的取引の形成というものは成り立たしていかなければならぬと思う。ところがどうも、麦耕連はおれらの会社の直接のものだ、系統共販の方は勝手にお前らやったんだから勝手にした方がいいだろう。買わないと言うと文句を言うから、買うだけは買うだろうけれども、あとから持ってこい、等外なんか全部集めてみないとわからないから、外国から麦芽を入れて等外なんか買うか買わないかわからないというような態度では、やがて目ざめた農民は必ず反発してくると同時に、今日の四社協定によるところの酒造組合の巧みみな独占的なやり方に対して、多くの世論が反発してくると私は思う。公正取引委員会を今日農民がたよりとするのは、独占禁止法違反の疑いのあるところを取り調べてもらって、公正取引委員会のすみやかなる裁断を農民がただ一つの望みとしておる。ところが一年かかってもできないようなことをいって、どうもちゃんとやらない、現実においてこのような差別的な取り扱いをしておるにもかかわらず、これも調査をしようとしないような、そういう機関であるならば、これは農民の信頼を裏切るのではなかろうかと私は考えておる。一時はそういうようにして何とか糊塗できても、燎原の火のごとく立ち上がった農民の新しい思想、新しい考え方というものは、そういうことでは糊塗されないと私は思います。だから、私はこの際ぜひ会社も新しい考えに立って、麦耕連のやっと系統販売のやつは別々だというようなそういう考えを払拭して、やはり公正な取引をしていくというような観点に立って私はやってもらいたいと思う。そういう点において一々、久保君も言ったように、この点、この点、この点というように、全く系統販売と麦耕連販売のいわゆる不平等の取り扱い等は、私は重複しますから指摘しません。しかしそういうことを実例を示せと言えば幾らでも示します。そういう意味合いにおいて、この際そういうような新しい科学的な合理的な近代的な取引形態を作り出すというような観点に立って、山内常務さんがやはり英断を持って、そういうような不平不満の起こらぬように一つぜひ解決してもらいたい、こういうことをお願い申し上げるのでありますが、山内さんの御意見を伺いたいと思います。

山内正治ビール酒造組合理事

○山内参考人 今先生のおっしゃられることはまことにごもっともなんでございますけれども、とにかく一応各生産会社を集めましてきょうの模様もよく話しまして、とにかくできるだけ双方が円満に、今後ことしのような紛争が二度と起らないような何かいい方法を見出していきたい、またそれが農民に安定心を与える唯一の方法だと思いますので、今後一つ十分双方で話し合ってやっていきたい、こう考えております。

神田大作民主社会党

○神田委員 いま一、二だけで終わりますが、山内さんのそういう御答弁が真実に行なわれるならば、私も非常に本日の委員会は有意義であったと考えるのであります。もしそれが山内さんのきょうの答弁だけに終わるとするならば、今後われわれもそういうような不利益をいたしておる農民の立場に立たなければならぬのでありまして、また皆さんに御迷惑をかけるようなことがあってはいかぬと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  同時に、先ほども芳賀君から話がありました二・二ミリから二・五ミリの企画の変更、これがやはり今度のビール麦問題が起きた大きな原因である。この間私も栃木県のある方面を実際に見て歩いたのですが、検査員の方が二・五ミリのふるいを持ってふるって歩くと六十俵のうちあるところは四十俵ふるいから落ちている。今までは二・二ミリで合格したものが、四十俵合格しないで四十俵だけ合格したという例もあるわけです。このときに農民は、実際この企画できまったのだから二・五ミリにするのが当然であろうけれども、なぜ今までちゃんと買ってくれたものを等外にするんだ、しかも価格は一つも上がっていない、こんなでたらめがあるかというような不満は当然起こります。私は、前の委員会でも言った通り、これは食糧庁あるいは振興局等においてもまことにうっかりした話だろうと思うのであります。企画は変更した、価格は据え置きだ、こんな話はとうていだれに聞かせても納得のいかないことであります。そういうふうなことをなぜやられるのだろうというところが、今度の問題が起こった直接の原因じゃなかろうかと思うのであります。検査員は職務上やります。そうすると農民から、このやろう、月夜ばかりじゃないぞ、やみ夜もあるんだぞとおどかされるからふるいを持ちながらふるって歩いていた。こういうような不公平なやり方を行政官庁としても黙って見ているという話はない。あなたの報告書を見てごらんなさい。何ですかこの報告書は。これは会社から何か頼まれて書いたんじゃないのか。これだけ紛糾している問題を、解決しましたとか、問題はありませんとか、そういうことで監督官庁として勤まりますか。そういうなま湯に入ったようなことをやっているからこの問題は解決しない。あなたたちがやはりきぜんたる態度をとって、この問題については会社側にも言うべきことをどしどし言い、全中に対しましてなすべきことはどんどんなし、そうして一日も早く解決の方向へ持っていくというのがあなたたちの責務だ。それを解決したとか、問題はないとか、これは農民にとっては大問題ですよ。きょううしろに傍聴に来ている農民も朝から晩までここへ来ているのですが、忙しいのに遠くからわざわざバス賃を払って来ているのです。事と次第によってはこれは重大な問題が発生しないとも限らない。こういうことを現実に認識しないで監督官庁がやっているからこの問題は解決しない。あなたたちは、どっちが悪いかはっきり腹をきめてかかってもらいたい。そうでなければこの問題は解決しないと私は思います。  時間もだいぶたったようでありますし、山内さんも誠意ある答弁をして下さいましたから、これ以上私は追及はしませんが、そういう意味におきまして、今後一刻も早く差別待遇のない正しい取引が行なわれるようにどうか御努力されることを切に私はお願いいたします。  なお、振興局長は、この問題について訂正すべきところがあったら訂正しますと言うが、国会のこの委員会に提出した書類の訂正をする、そういうばかなことがどこにありますか。このことについてあなたの考えをもう一度ただします。

増田盛農林事務官(振興局長)

○増田説明員 先ほど申し上げました通り、倉卒の間でありまして、故意にこれを事実に相違して作るというようなことを私の方の担当官がやったわけではないのでありまして、この問題に関する詳細な報告等が団体等からも絶えて久しくなかったわけでありまして、私の思い違いの点もありますし、楽観し過ぎた点もあります。今お言葉がありましたので、そういう点に関しましては今後も十分注意してこの問題の解決に当りたい、かように考えております。

神田大作民主社会党

○神田委員 政務次官に一言、この問題についてのあなたの考え方と、今後当局としてどういう考えで処理していくかということをお尋ねいたします。

田口長治郎自由民主党農林政務次官

○田口説明員 ビール麦問題につきましては、今まで参考人及び委員各位からいろいろ質疑応答がありまして、大体全貌がはっきりしたと思うのでありますが、まず会社側としては、契約、約束をされたことは守ってもらわなければいかぬ、こういう感じがするのでございます。しかしだんだん話を聞いていますと、約束が実行できていないということは、必ずしも会社の悪意で実行しないということでもないようで、事務の進捗状況だとか、あるいは認識不足だとか、いろいろこういうようなことが錯綜して実行ができていない、こういうようなふうにも考えられるのでございます。ただここではっきりいたしましたことは、会社側といえども農民には絶対に迷惑をかけてはいけないというようなお気持であるようでございますし、また私らの立場からも、会社と農民というものは必ずしも利害が相反するものでなしに、共存共栄の立場にある、こういうような気持もあるのでございまして、いろいろ質疑応答の結果、非常に接近したところまできているようでございます。新しい組織を作るとか、あるいは新しく何かをやるときはなかなか予定通りスムーズにいかないことが非常に多いのでございまして、本問題につきましても、多少そういう点もあって行き違いができていると思います。ただ、非常に接近した話でございますから、会社側もあるいは系統の方も必ず誠意をもって話される、こういうことになりますと円満に解決する問題と思うのでございます。農林省といたしましては職権はございませんけれども、かような問題を長く放置しておくわけにもいかないのでございますから、両方の話をなおせんじ詰めまして、一日も早く解決するように努力するつもりでございます。

神田大作民主社会党

○神田委員 公正取引委員会も今までずいぶん長い間取り調べをしておるようでございますから、この問題に対して公正取引委員会としてはどういう運びを今後つけるつもりなのか、お伺いをいたします。

八尋昇総理府事務官(公正取引委員会事務局審査部第一審査長)

○八尋説明員 先ほど申し上げましたように、事務当局としてはもうほとんどすべてを終わっておりまして、あと委員会に報告する、そういう段階になっておりますので、今月の末ないし来月の初め、これは委員会が一日二日ということをお伺いしましたので、できれば今月内に委員会に御報告したい、実はそう考えております。

神田大作民主社会党

○神田委員 それではわれわれは本日のところはこの程度にして、会社側並びに全販が円満に解決することを期待して、それを見守って、これがどうしてもまだ紛糾して多くの耕作農民に迷惑がかかるというようなことでありますならば、次の委員会において適当な措置をするということにいたしまして、私は本日の質問をこの程度にしておきます。

小山長規自由民主党

○小山委員長 参考人各位には長時間にわたり、本委員会の調査に御協力いただきましてまことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。どうぞお引き取りを願います。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十五分散会

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