内閣委員会 第3号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/08/31
会議録
○高橋(禎)委員長代理 池田委員長は所用のため、委員長の指名によりまして理事の私が委員長の職務を行ないます。 防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし質疑を許します。飛鳥田一雄君。
○飛鳥田委員 それでは調達庁の長官に一つこまかいもので恐縮ですが、横浜にあります田奈の弾薬庫の問題について見通しを伺いたい、こう思います。先日と申しますか、三十日の日にたしか横浜市の市長さんが江崎さんのところに伺ってそのことを陳情したと思いますが、土地としても非常に大きな関心を持っておりまして、これを中心にしてあそこの長津田というところが非常に開けていくのじゃないかということで楽しみにいたしておりますし、あまり解除になりそうだなりそうだという形でじんぜん日を送っておりますと、その間に土地の登記が行なわれたり、いろいろなおもしろくない策動がたくさん出てくるわけです。従ってできるだけ早くしていただきたい、こう思いますので、現に米軍とあなたの方との折衝の中で、接収解除の内示のようなものがあったのかどうか、また正式解除というものを促進していただく御努力をどういうふうにやっていただいておるのかどうか、さらには大体のお見通しでけっこうですが、あとで別にそれにたがっていたから責任を追及するというけちな根性を持っておりませんので、大体いつごろ解除ができるだろう、こういうような順序で一つお知らせをいただければ幸いだと思います。
○丸山説明員 田奈の弾薬庫は、この春より弾薬の格納に不適当なところがあるので直したいということで、あそこの貯蔵物を池子の弾薬庫の方に移しました。従ってそのあとが今でもたしか私はあいておると聞いております。今までこれに対しまして連絡の模様では、軍側ではなおこれを継続利用するかいなかを検討中であるということでありますので、これは継続利用をしなくて済むようなことになる見込みもある。そのようにも見ております。一方厚生省あるいは県の方からもこのあとの利用に関しましていろいろ承っております。従いましてこれらの自後につきましても政府部内の関係方面と協議いたしまして、そのような用途に充てるべくこれから正式に返還交渉をいたそう、かように考えております。
○飛鳥田委員 多分そういうお話だろうと思っておったのですが、そこでわれわれは防衛庁の長官の方にお願いがあるわけです。田奈の弾薬庫はもう弾薬の格納には不十分だ、これはもうアメリカ側から見ても日本の側から見ても、ほとんど間違いのない事実だろうと思うのです。と同時に、田奈の弾薬庫から池子に貯蔵の六千箱ですが、これを移動させました。そして今はからになっております。こういう点について、ただ調達庁の方で、事務的な折衝をなさるだけではなしに、日本における米軍の基地、こういうものの配置をやはり日本の側からも考えて、まあ私たちと違ってあなた方のお立場ですから、あなた方のお立場からでけっこうですが、こちらから積極的に十分議論をする、こういう形を出して促進をしていただけないものかどうか。考えてみますと私は池子の弾薬庫さえ返してもらえるのじゃないか、こう思っておるわけです。 かつて横須賀や佐世保が非常に重要な米軍第七艦隊の根拠地であった。こういうような時代は、池子の弾薬庫もその貯蔵庫としては、一つの使命を持っていた、こう言えるかもしれません。だがしかし、御存じのように現在のようなミサイル戦を想定した段階において、今米軍は修理能力を持った施設その他をフィリピンのスービック港に移しておるはずです。そしてまた東京湾の入口の狭い観音崎を通って、横須賀の港に入ってくるまでに一時間くらいかかるような、そんなところに艦隊をためておったら、ミサイル一発でもってパール・ハーバーができ上がってしまう。それから金門、馬祖のようなところを考えてその価値をはかってみても、フィリピンのスービック港の方がはるかに近い。横須賀から金門、馬祖に至る距離の半分にしかならないわけです。 そういう点を考えてみますと、冷戦、対立化における平時—変な平時ですが、そういう平和なとき、ちょっと寄ってレクリエーションをしたり、修理をしたりする程度の港としては、横須賀はいまだに価値を持っておるでしょうが、ほんとうの戦闘作戦の根拠地として、それだけの価値を持っておるか、こういうことも考えてみなければなりません。もしそうだとすると、そういう港のうしろに池子のような大きな弾薬庫を置いておくことはつゆさらないはずです。こう考えてみますと池子の弾薬庫すら返してくれ、こういうことをあなたのお立場から交渉なさっていいはずです。特にしばしば何か安保条約に基づいて、御懇談の機会があるはずですから、そういう強い態度で、要らなくなったら返してくれませんか、こういう態度でなしに、返す返さぬかは向こう側において検討中などという、そういうものを待っている態度ではなしに、もうお前さんの方で要らないはずだ、返して下さい、こういう交渉をしてもらえるはずなんです。またそういうふうに日本における米軍の基地の評価を、防衛庁のお立場から堂々となさって、あなたたちは私たちのようなしろうとではない。そこであなた方のはもっと詳しいデータに基づいてできておるはずです。だから返せとおっしゃることは、防衛庁の評価を高めこそすれ、決して落とすものではない。そういう態度で交渉してもらえないものだろうか。問題は田奈という弾薬庫、これは横浜の一地区にすぎませんが、しかし全般の問題としてそういう態度で一つ強引に交渉していただいて、どしどし取り戻してほしい、こう私は思うのです。そういう意味で質問というよりは、調達庁長官と防衛庁長官、お二方にお願いをしたい、こう思います。厚生省の方からあれを児童天国にする、こういうようなお話があるのですが、あの付近にはやみブローカーが入り込んだり、何かが一ぱい入り込んで、それはまあてんやわんや、こういう状態を長く放置しておきますと、結局あの付近の土地を持っておるお百姓さんたちは、まただまされて裸になってしまう。じゃまがたくさん出てきますから、これは早く処理をする必要があるだろう、こういうふうに思いますので、特にお願いをしたわけです。
○江崎国務大臣 お説の存するところはよくわかります。たださっきも調達庁長官から申し上げましたように、池子の弾薬庫に逐次現在の弾薬を移しておるわけでございます。それは今のを改造する、こういう連絡がこっちにきておるわけです。従って、それが予算的に見て、技術的に見てどういう結論を出すか、それはまだ未定だ、こういうふうにアメリカ側では見解を表明しておるわけでございます。今御意見の存するところはよくわかりまするので、十分一つわれわれの方としては折衝をいたしたい、かように考えております。
○飛鳥田委員 ぜひ一つ強い態度でお願いしたいと思います。 それから続いて横浜で同じく岸根というところに基地ができ、基地というよりは宿舎があって、これは横浜市民が過去三年間くらいにわたって反対運動をかなり熾烈にやったところです。とうとう負けて作られてしまったわけです。ところが現実に見ておりますと、あまり利用の傾きがないのじゃないか、そしてこの宿舎はもう場合によれば返してもらっても米軍自身としてはそう困らないのじゃないか、こう思います。そういう点で、都心地にあり、しかもかなり重要な地点にありますので、これも返還の交渉というようなものをしていただけるものかどうか、これを伺いたい。ですから、分けて、現在の利用の状況、さらに返還の交渉をして下さることが可能かどうか、これを一つ伺わしていただきたい。
○丸山説明員 岸根のバラックは御承知の通り三年ほど前に、横浜市内にありますところの多数の兵舎、施設等を全部あけさせるために、あそこにわざわざ作ったものでございます。従いましてそこに米軍の部隊が駐屯いたしたわけでございますが、この一、二年は御承知の通り陸軍関係では戦闘部隊が引き揚げた、このような状況で確かにあそこに常時駐留しておるものは少ないと存じております。しかしながらあの施設に関しましては昨年の二月に、国連軍施設としても使用できるという旨の合意ができておりまして、今日に至りましても朝鮮における国連軍のものの中継施設として、相当に利用されておるという事情に私は承知しております。従って常時の兵員がどのくらいで、どの程度の利用状況ということを明確にただいま申し上げるデータを持ちませんが、そのような意味合いでありますので、私はちょっと返還はむずかしいものである、このようにただいまのところ考えております。
○飛鳥田委員 そこに問題があると思うのです。あの土地の人間からあの土地を取り上げて、たしかあれは横浜市有地だったと思いますが、横浜市から買い入れます場合には、米軍の使用、しかも横浜市内にある、なかんづく横浜市の中区といいます一番繁華な商業中心地にある基地を解除するのだから、そしてそれをこの岸根に移すのだから、ぜひ何とかしてくれということで、土地の人間からも田畑を取り上げ、横浜市会に対してもそういう申し出で、土地を手に入れられたはずなんです。ところが米軍の人でなく国連軍の人が今度は使う、これでは全然目的が違ってしまっているのではないでしょうか。やはり私たちとしては米軍が使うのだ、そしてその米軍は、お前さんたちの言い分を尽くさせてあげるのだから、こっちへ移すのだからがまんしなさいと言って、やむなく承知させたものでしょう。もしそうだとすれば、問題の米軍が使わなくなれば、当然それは横浜市に返還をしていただいて——横浜市だって困っているのですよ。たとえば横浜市に行ってごらんなさい。金沢というところに市立大学がありますが、非常に貧弱な校舎で苦しんでいるわけです。そのときに、別に責任のある言葉ではないと思いますが、市の助役さんなどは、反対する私たちに対して、あそこは今に、もうじき米軍はいなくなる、いなくなれば、国費があれに十三億とかかかっているそうですね、それをそっくり市にもらうことになって、もらえれば、あれは市立大学の校舎に使ったっていいのだし病院に使ったっていいのだしということで、みんなだまされたのですよ。ところがその米軍が帰ってしまって、知らない間に政府は国連軍に使わしているでは、何となく相済まぬのじゃないか。法律的にどうか私は知りませんよ。ですが、何か詐欺にかかったような印象を抜け切れないのじゃないか。だから国連軍などに使わせないで、国連軍は国連軍で別に何か考えてあげて、あなた方のお知恵を働かして考えてあげて、一応米軍はいなくなったのですからお返ししましょう、その上で、横浜市が、かりにそれを持ち扱いかねてしまったら、済まないけれども国連軍が使いたいと言っているからもう一度貸してくれぬか、こうおっしゃるのが、私は少なくとも政治だろうと思うのです。そういう意味で、国連軍が今使っている、おそらく横浜市の人はほとんどそれを知りませんよ。あなた方だけですよ、それを知っておるのは。僕は何かそういうところに釈然としないものがあるような気がするのです。ですから国連軍に対しても何らかの手当をなすっていただいて、早急にこれの返還方を交渉していただきたい。私はこう思うのですが、交渉していただけるでしょうか、いただけないでしょうか。その成否は私は問いません。
○丸山説明員 岸根のバラックが建設されました事情、またその後において駐留米軍の変動の状況、これに伴うことは先ほど私若干申し上げましたが、ただいま先生からもお話のありました通り、そのような変動事情であることは事実でございます。従って米軍自体の利用度も減じておることは事実でございますが、完全に米軍の利用がなくなって、国連軍のものになってしまっておるというものではありません。しかしながらそのような変動推移のものでありますから、ただいまのところこの状況において直ちに返還の見通しのあるものとは私は考えておりませんけれども、そのような変更、変動の状況にかんがみまして、よく事情を調査いたしまして、これの返還あるいはそれに関連する問題に対して善処いたしたい、このように考えております。
○飛鳥田委員 できるだけ早いところ一つやっていただきとうございますし、その間の事情は許す限り私たちにも教えていただきたいと思います。 そこで同じ岸根の問題ですが、ここで防衛庁の長官に伺いたいと思いますのは今からちょうど三年くらい前だったと思います。横浜の岸根、それから私の住んでおる磯子、生麦、こういう大体五カ所について自衛隊の高射砲隊が進出をしてきたわけです。これに対しても私たちは非常に反対をしました。たしか一千人くらいの反対をする人々が横浜市会を取り囲んで、夜十二時ごろまで警察官ともみ合ったという経験さえあります。そのときの話では、港を防衛するために高射砲隊が必要なんだ、そうしてその五カ所には米軍が駐留しておったけれども、今度米軍が帰るので自衛隊が入る、こういう説明であったように思います。そのときにも私かなり露骨に申し上げたのですが、一体横浜の港を攻めてくる爆撃機なりジェット飛行機なりに向かって高射砲など撃って追っつくかどうか、そうしてまたかりに高射砲を撃つとしても、第二次世界大戦、しかもそのうちの程度の低い、性能の低い高射砲を予定した展開の仕方——横浜の港がありますと、それを囲んで扇状形にこの高射砲陳地が展開しておるわけです。その高射砲のたまの届き工合、たまのスピード、そういうものを考えてみますと、この展開の仕方では時代おくれで役に立たないのではないか、一体高射砲隊ということはつけ足しではないか、こういうふうに再々言ったのですが、いや、高射砲隊だ高射砲隊だということで押し切られてしまいました。今でも私たちはそういう疑問を持っております。横浜の港からわずかに直線距離にして十町か十五町——私は旧時代人ですからメートル法で言えないのですが、十町か十五町しか離れていないところに高射砲隊を置いてみたところで、高射砲によって港の防衛をすることには何の役にも立たない、何か防衛庁は違ったことを考えていらっしゃるのではないか、こう私たちは今でも思うわけです。ところが最近のいろいろな情報——情報というとおかしいのですが、町のうわさによりますと、私の住んでいる磯子の高射砲隊では実弾を一発も持っていない、こう言っております。確かにそうでしょう。実弾なんか必要ないのです。たまを持っていない高射砲隊が横浜の港を中心にして扇形に五カ所に展開している、こういうのが今の実情です。ますますもってこれは港を防衛するためのものだとは思えない、こういうことになります。もしミサイルのようなもので撃つということを考えれば、横浜の港を中心にして半径二里なり三里なり後方にもっと大きな扇状形をとらなければならぬはずです。そこで疑問に思っておりましたところ、今度防衛庁では、治安行動何とか教範というのをお作りになった。さてはやはりこういうことで京浜重工業地帯に自衛隊を駐屯させる、あるいは阪神重工業地帯というところに自衛隊を駐屯させる、そうして福岡を中心としたところに自衛隊を駐屯させて、高まってこようとする労働運動に対して背後から威圧を加えるということ、これがこの高射砲隊の実際の任務ではないか、こういうふうに思い至らざるを得ないわけです。この前新聞なんか拝見しますと、江崎さんは、社会党があんなことを言うのは世間騒がせだというようなことを言っていらっしゃるのですが、しかしそう思わざるを得ないのじゃないでしょうか。一体横浜の港を中心にして何で高射砲隊が必要なのか、しかも何でたまを持たない高射砲隊が必要なのか、こういうことを私は教えてほしい。そうしてやはりこれは治安対策何とか教範につながるものじゃないだろうか、こう思わざるを得ないのです。そういう疑いをこうむるのがおいやなら、あんな役にも立たない高射砲隊は直ちに取っ払って、そうして児童公園にでもしていただければ非常にありがたい。横浜市民はきっと防衛庁に感謝するでしょう。それが最大の治安確保の道じゃないだろうか、こう私たちは思います。一つその点について教えていただきたいと思います。
○江崎国務大臣 御質問の治安教範云云に関係があるかというお話は、これは全然関係はございません。横浜の高射砲大隊があそこに配置せられたそもそもの理由は、これは飛鳥田委員も十分御存じだと思います。御承知の通り、朝鮮事変時代に横浜港湾の重要性にかんがみまして、米軍が対空防備のために高射砲部隊をあそこに配置したわけです。その事変が終りまして施設、火砲等をそのままわれわれ陸上自衛隊が引き継いだわけでございます。いろいろな御議論がございましたが、あの施設の九十ミリ高射砲は非常に優秀な、レーダーとの運動によりまして、従来の目視射撃に比較しますと大へん高度な性能を持っております。おおむね一万メートル以下を飛行する音速程度のジェット機に対しては十分射撃効果を発揮し得る、その発射速度は毎分二十発程度であるというふうにいわれておるのであります。従いましてこういった高射砲部隊を重要港湾、しかも大都会の周辺に持って絶えざる訓練をすることは、自衛隊本来の任務から申しまして当然であると申さなければなりません。なおまた弾丸がないではないかという御質問でございますが、これはどういう点からそういう御質問が出たか存じませんが、九十ミリ高射砲の砲弾というものは、自衛隊としては十分保有をいたしております。十分持っておるわけでございます。従いまして同部隊がああいう都心にありまするので、そこには持っておらないというだけであって、保有は十分いたしておるということを御承知願います。
○飛鳥田委員 別に僕は希望ですから議論をしようとは思いませんが、今の江崎さんのお話では、音速程度という飛行機には十分たえ得るというお話でしたが、今一音速程度で飛んでくる爆撃機なんというものはないのです。少なくとも、ソビエトの飛行機なり何なりを一応考えてみれば二マッハ程度くらいのスピードであることは常識なので、わずか一音速程度のものを対象にしてなんということをお考えになっているよりは、お引き払いになった方が早いのじゃないか、こう私は思います。しかしここで私は議論をしようとは思いません。とにかく市民がそういう疑惑を持ち、不便を感じておるものを、わざわざあそこにがんばっている必要はないだろう、だから至急御検討願って、引き払えるものなら引き払ってほしい、こういう御希望を申し上げておきます。 それでは続いて、ばらばらいろいろなことをこまごま伺って恐縮ですが、新島の問題について一つ伺いたいと思います。この問題についてはすでに私たちの同僚であります山中日露史さん、それから石川次夫さんが前長官であります赤城防衛庁長官に伺っておりますが、その後いろいろそのときの問答以上に問題が発展をしておるように思いますので、さらに続いて伺うことにいたします。 まず、防衛庁では本年の六月上旬から八月上旬にかけて、ミサイル試射場設置の交換条件として村当局と約束した都道の工事とか、若郷部落の渡浮根工事並びに式根島小浜港の浚渫工事、こういうことをやるために派遣をしておった六十名の部隊を引き揚げられた、こういうことを私たちは知っておりますし、その引き揚げた根拠は、何といっても式根島の漁民あるいは新島の村民の方々の反対にあって目的を達せられない、こういうことでお引き揚げになった、こう私たちは承知しております。こういう問題をふんまえて山中さんや石川さんが伺いましたときに、前長官は、十分に地元の納得を得た上で円満解決をはかりたい、こういうふうにお述べになりました。これは速記録を拝見しますと出ております。この態度は今後も防衛庁の態度と伺っておいてよいものかどうか、これを一つ最初にお聞かせをいただきます。
○江崎国務大臣 新島の問題につきましては、私も赴任以来いろいろと関係者から事情を聴取いたしております。もちろんこういった試射場等の建設につきましては、地元の十分の理解がない限り、円滑な将来の運営ができるものではございません。従いまして地元とは今後とも誠意をもって調整をいたして参りたいということを考えております。
○飛鳥田委員 そこで、地元との調整を十分にやっていきたい、こういうお話ですが、ところが瀬戸山地区と申しますか、ここに約五千坪の隊舎建設予定地がある。そして、当局が整地工事をして、ここに対してバラ線を張りめぐらして守衛所の建設を行なっている。こういう事実を私たちは承知しておるわけです。これに対して村民は入会権確認の妨害排除、予防請求の訴訟を起こしている。これも防衛庁は御存じなはずです。こういうところへ、何か情報を伺いますと、防衛庁はこの土地に隊舎を建てるために、今度は自分でおやりにならずに、九月二十日に一般の民間会社に入札を行なう予定だ、こういわれておりますが、九月二十日に、この日にちはあるいは前後にずれているかもしれませんが、会社にその工事の入札をさせる、こういう事実はありますか。
○門叶説明員 今ちょっと手元に資料を持ち合わしておりませんので、入札関係につきましてはっきりした御答弁を申し上げにくいわけでございます。ただ先ほどお話がありました本島の渡浮根と都道の工事及び式根島の小浜港の堀さく工事につきましては、本島については何ら障害がなく、式根の方に若干反対がございました。あまり無理をして工事をすることは適当ではないという判断のもとに、八月の中旬本島の工事が完成したのを機会に、全部引き揚げを完了いたしておるような次第でございます。
○飛鳥田委員 その入札をするという計画は、今のところ全然ないわけですか。ただ日にちや詳細が述べられないから今答えにくい、しかしやる気はあるのだ、こういうことですか。
○門叶説明員 今お尋ねの自衛隊の隊舎の建設の入札関係の事情を、私ちょっと今ここで承知いたしておりません。調べまして御答弁申し上げたいと思います。
○飛鳥田委員 そうすると、まあ入札をする気持はない、こう了解しておいていいのですか。
○門叶説明員 その辺の事情がどうなっておりますか、今私はっきりしたことを承知しておらないわけであります。
○飛鳥田委員 わかりました。はっきり御存じでないとすればしようがありませんが、今申し上げたように十分地元との了解を得た上で事を行ないたいというお考え方と、現実には村民が妨害排除の訴訟を起している、こういう段階で、かりに自衛隊の方が行かないでも、一般民間会社に入札をして工事を現実に行なっていくとすれば、非常にそれは矛盾するのじゃないだろうか。だからぜひ一つ訴訟の白黒、こういうものがある程度明白になるまで、地元の人を刺激しないような方法をとれないものだろうか、こう私は思うわけです。防衛庁の長官の方としてもなおそういう地元の人々の——訴訟を起こすということは、少なくとも納得できないから訴訟を起すわけでしょう。納得できれば訴訟を起こす必要はないのですからね。だからそういう訴訟という強い形式に訴えなければならぬほど、なおかつ不満の現存をしているこの土地に対して、工事を強引にお進めになる、こういうお気持なのかどうか、入札の問題にからんで伺っておきたいと思います。
○江崎国務大臣 これは御承知の通り非常に地元自身が賛否両論が対立しておるわけで、賛成の勢力というものがまた非常に多い部分を占めておるということも御存じだと思います。従いまして、こういった隊舎建設等の問題についても、ぜひ一つ促進してくれという地元側の強い要望もあるわけでございます。従いまして先ほど私は——むろん本来のあそこの試射場の任務を遂行していく上からいきましても、当然納得を得なければなりませんが、世の中には例外的ないろいろな御議論もあるわけでございます。むろんわれわれとしては最大の努力をいたしまして、御質問の線に沿うような努力はいたしまするが、同時に多数の理解ある人人はぜひ早くやってくれ、隊舎も早く作ってくれ、こういった強い要望もあるわけでございまして、その辺を一つ適当に調整をして参りたい、こう考えております。
○飛鳥田委員 今の江崎さんのお話を伺っていきますと、岸さんの声なき声という議論に通ずるものを私は感ずるわけです。あそこは式根島の千人をまぜて四千人ぐらいしかいないはずです。もしそうだとすれば、四千人の中で実際どの程度の人が積極的に賛成をし、どの程度の人が積極的に反対をしているのか。そして意見は出さないけれどもこう思っているという人もあるでしょう。そういうものについて、防衛庁自身がお調べになるということなどはとんでもないことですが、他の機関なり他の人々を通じてそういうものをお調べになるというようなことも当然なすっていいはずだと思うのですが、実際はやられていない、そしておのおのが自分の都合のいい声を聞いている、こういうのが現状だろう、私たちをも含めてそう言っていいかもしれません。従って、そういう点で正確な調査ぐらいはおやりになるべきだろう、こう思いますが、おやりになった形跡もありません。そこで議論はどうしたって抽象的になりますが、しかし四千人のうちに反対している人がかりに千五百人、二千人いるとすれば、これはただ単に片一方で有能な人がこういうふうにお願いしているということで割り切れるものではない、こう私は思うわけです。かりに四千人のうちに千人積極的反対論があったとしても、これは重大なことですよ。三千対千だということでは片づかないはずです。従って、その千の人々に対して十分な納得を得べき工作をなさらなければならぬはずです。それを私たちは言っているのです。訴訟を起こす、こういう形になっている以上、訴訟が取り下げになるか、あるいは訴松の白黒がつくまでぐらいは、防衛庁としては当然隠忍自重して、自分たちの態度を理解してもらう努力を繰り返すべきだろう、こう私たちは思うわけです。ですから、今の江崎さんのお話では岸さんの声なき声を聞くような感じが私たちにはするわけです。もっと慎重に、訴訟が終わる、あるいは訴訟を終わるまで待てないものならば、もっともっと話し合っていく、同時にどうしてもあそこを試射場にするのだという固定的な感念でおっしゃらずに、場合によったら他の候補地を探してみるくらいな努力をなされれば、最終的に他の候補地を決定できないにしても、そういう努力をしたということがやはり村の人々をある程度納得させる、こういうことにもなるはずです。もう、私はごく簡単にいえばマーカス島あたりでおやりになったらいいじゃないか、こう思うのです。あそこは無人島ですから、無人島ならおやりになったって差しつかえない、あれはたしか日本の方にもう戻ってきたはずです、南鳥島ですね。そういう点で、くどいようでありますが、訴訟なり何なりが片づくまで強行措置をおとりにならぬ、こういうことを一つここでできればお答えいただきたい、こう思うのであります。
○江崎国務大臣 これはさっき申し上げましたように、地元との話し合いは一つ誠意を持って続けたいと思います。従いまして訴訟事件等の取り下げというようなことも決して不可能なわけではないわけでございまして、十分話し合って、できるだけの努力をこれに払う、こういうことで一つ御了解おき願いたいと思います。
○飛鳥田委員 同じようなことは新島の村道ですね、こういう問題についてもやはり訴訟が起こりあるいは起こりかかっているわけです。と申しますのは、問題点は個人の所有地が第二次世界大戦の最中に、軍によって勝手に道路をつけられてしまった、道路にされてしまった。しかもその道路は村道としての議会の認定あるいは正式な法律上の措置が行なわれていない。にもかかわらず実際は便利な道ですから、だれもかれもが通るし、所有者も別に反対はしていなかった。こういう道路について反対派の村の人々がそこにいろいろな資材を持ち込んで、所有者の承諾を得てバリケードのようなものを作った。すると防衛庁と村当局はこれは村道であるというので、妨害排除の仮処分を東京地裁に申し立てられて、先日仮処分の決定があったそうです。だが、しかしこういう問題をなぜもっと正確に、しかも法律通りにやっていけないのか。村の議会の記録なり村のいろいろなものを調べてみて、しかも村民の意見を十分に聞いてみれば、それが村道であるかどうかなんということはすぐわかるはずなのですよ。ところがこういう問題まで村当局の方から妨害排除の仮処分を村民に向かってさせなければならぬというような、そんな対立感をますます醸成していくようなやり方が、一体地元民の納得を得るシショート・ウェイであるかどうか、はなはだ疑問だといわなければならぬと思うのです。一体こういう問題について防衛庁の方ではどう考えていらっしゃるのですか。
○江崎国務大臣 決してどうもいい状況とは考えておりませんが、御承知の通り非常に地元ではエキサイトしておりまして、反対派の諸君もあらゆる反対の理由を見つけて実行に移してくるといったような、多少行き過ぎもあるようでございます。従いまして先ほどから申し上げておるように、なおなお継続して話し合いのできる範囲は、何としても話し合いをつけるという努力をわれわれの方としては払っていく、こういうことでだんだん解決をしていきたいと思っております。
○飛鳥田委員 別に僕は言葉じりをとらえるつもりはありませんが、あなた方は権力を持っているわけです。村の人々は権力の端くれも持っていないわけです。権力の端くれも持っていない村の人々が、権力を持っておるあなた方と対決をするためには、ありとあらゆる可能なる手段を講ずるのは当然じゃないでしょうか。それを行き過ぎだとおっしゃるところに、やはり権力中心のそういう観念の切れ端が頭の中に残っているのじゃないか、こう僕は思うわけです。むしろみずからを抑制しなければならないのは権力の側だ、こう私は思います。そういう意味でこの村道の問題なんかについても十分検討していただきませんと、やがて百里原のような実力的な対立、こういう問題をきっと作ってしまうだろう、こう私たちは思うわけです。そういう点で北冨士の問題などであなたが非常に活躍されたということを新聞で伺いました。必ずしもおやりになったやり方に僕は賛成はしないのですが、しかし御努力はりっぱなものでしょう。そういうことをここでも十分やっていただかないと、必ず乱闘ざたが出てきますよ。そして権力の側からはまた不逞のやからどもがあばれた、こう考えられて事を処していったら、日本じゅうすべて乱闘になるはずです。権力を持たない個人は、やはりありとあらゆる手段を講じて、自分の正しいと思うことは権力に向かって主張する、これは当然の権利だ、こう私は思っているわけです。そう言うと、お前まで行き過ぎの仲間かと言われそうですが、しかし、とにかくそういう形での御努力と十分な忍耐をもってこれをおやりいただくことをお願いします。 と同時に、試射場をよそへ移せないですか。私はどうして新島が選ばれるのか、その辺がよくわからないのです。先ほど冗談に申し上げたようにマーカス島だっていいでしょう。なるほどマーカス島は水面から高さが三メートルか五メートルしか出ていないから、暴風雨でもくれば水をかぶってしまうという危険もあるでしょう。しかし何かの設備をなさってやるなら、無人島ですからやれるはずです。こういうところをお考えになる余地はないのか。もうおれたちのきめたことだから、どんなことがあっても実行するのだといろ権力意識がそのまま底を貫いていくものなのか、こういう点についてもう一度御考慮をいただきたい、私はこう思います。しかしこの問題はすぐここで考慮しますとあなたに言っていただいてもナンセンスですから、希望として申し上げておきます。 さらに、あまり長くなると皆さんに御迷惑ですからごく簡単に伺いますが、この間RB47の問題について伺いましたところ、イギリスの方でブライズ・ノートン基地を再度使うことについてアメリカと交渉をしているらしいというお話でした。新聞にもそれは出ておりました。ところがきのう、きょうの新聞を見ますと、イギリス政府とアメリカ政府とは話し合いがついた、こういうふうに使ってほしい、こういうふうに使いましょうという形で協定がついた、こういう話です。その詳細については、これはやはりおのおのの軍の秘密でしょうから、防衛庁にすっかりわかっているとは私は思いませんが、しかし少なくともここで学び得る態度が一つある。やはり日本の政府もアメリカ軍と交渉をして、この問題についてはきちっとしたきめを作っておくということが重要じゃないか、こう私は思うわけです。そういうことについて、イギリスは交渉をしていたけれども、おれたちは何もしなかったとおっしゃるのか、そういう点について話し合いがありましたか、なかったですか。
○加藤説明員 私どもの承知しております範囲内では、緊急状態における英国内の米軍基地の使用につきまして、英米両国政府が共同の決定事項であるとの了解を持ったということでございます。これは英国の米国との行政協定なり条約に類するものが、どういうふうになっておるか存じませんけれども、こういうことを私ども承知いたしておるのであります。現在の安保条約及び地位協定のもとにおきまして、こういうことに直接該当するような規定はないように思いますけれども、しかしこれは条約や協定そのものと離れても考えられることではないかとは考えられるのであります。しかし具体的にこういうふうな交渉をしたということは今まで聞いておりません。
○飛鳥田委員 今の加藤さんのお話は非常にごもっともでよくわかります。交渉しなければならぬとお考えになっていらっしゃる。それでは長官、これから一つ交渉をなさいますか、なさいませんか。
○江崎国務大臣 その問題につきましては、十分部内で調整していきたいと思っております。
○飛鳥田委員 部内ではなく、向こうに対してです。
○江崎国務大臣 こちらとしてどうするかということについては、よく相談をいたしまして態度をきめます。
○飛鳥田委員 これは部内で調整もへったくれもない。ともかく当然交渉なさるべき筋合いのものではないのでしょうか。だって現に横田の基地をRB47H型が使っておるということは否定できないことですよ。この前私が伺いましたときには、常駐していない、こういう言葉を述べられて逃げてしまった。常駐していないといったってグァムから飛んできて横田でバウンドして飛んでおることは否定できない。そしてしろうとの方がとられた写真でも何でも証拠はたくさんあるわけです。そしてこのRB47を受け入れて整備、給油してやる専門の整備部隊が横田に駐屯しておることも、米第五空軍の発表で明らかになっておる。従ってこれを使っておることは否定できないでしょう。しかもそのRB47というものは国際的に非常にデリケートなものを含んでおる。これも否定できない。あなたと私たちの間に、領空に侵入するかしないかということについての議論はありましょう。だがしかし国際的にデリケートなものを持っておるということは否定できない。もしそうだとすれば、これは交渉なさるのが当然じゃないでしょうか。そしてこれは一刻を争う、僕はこう思います。というのは、部内でよく意見を調整されておる間に、またU2のような問題が起きてしまっては、悔いを千載に残すことになる。どうでしょう、そんな慎重居士にならずにずばり一ちょうやる、こうおっしゃっていただく方が国民は安心するのじゃないでしょうか。くどいようですが、もう一度伺います。
○江崎国務大臣 これはやはり米側の出方等についても、十分われわれの方としても内々に打診等もいたしたいと思いまするし、それを私は部内を調整してという言葉で表現をしたつもりでごいまするが、どうぞ御了承願います。
○飛鳥田委員 そういたしますと、そういう交渉をする意欲はお持ちだ、そして現にその下準備はしていらっしゃる、こういうふうに私は受け取りたいと思います。それでよろしいでしょうね。
○江崎国務大臣 これは先般飛鳥田委員の御所懐もあり御質問もございましたので、われわれの方から米大使館にもこのことについて照会したわけです。米大使館の方からははっきりとした正式の文書をもって、RB47は日本には配備しておらない、ただし正常な任務を遂行するために横田基地に立ち寄ることもある、正常な任務というところを特に強調しておりますのでお含み願います。
○飛鳥田委員 そういうお話になりますと、つい言わいでものことも言わなければなりませんが、RB47の正常な任務というのは何でしょう。これは電子偵察機です、と同時に写真撮影機です。この前加藤さんにもお教えをいただいたのですが、H型、K型、E型とあります。そうしてこのH型が搭乗員六人で、この横田に飛んでくるのがH型であるというのは、これも否定できません。目撃者はたくさんある。そうすればこれは電子偵察機であることは明らかである。しかもこの電子偵察機であって、一般の飛行機が積んでいないようなごく精密なものを持っている。かてて加えて、これはU2が一応NASA所属、宇宙局所属という、軍以外の公の機関に所属しているのに反し、これはたしかSAC、戦略空軍に所属しているはずです。軍用機ですよ。しかもこれは逆の地上から出てくるレーダーに対して、その地上のレーダー電波を撹乱し、妨害する装置を持っているはずです。僕はその専門の用語は頭が悪くて覚え切れませんが、持っているはずです。従って、この飛行機から妨害電波を出して、ソビエトなり中国なりのレーダー基地から出すところの電波を撹乱してしまう。撹乱されて彼らが一時目を奪われた瞬間には、このRB47のあとから戦略爆撃隊が続いて突入してこないとも言えなかろうと思うのですよ。これが正常な使用なんですよ。正常な使用だからこそ、そういう機械を積んでいるのです。そういう相手方のレーダー電波の撹乱機を積んでいる。これは正常でしょう。正常でなければそんなものは積んでいることはないのです。そういう正常な使用をするということをアメリカ大使館から突きつけられて、のめのめと黙っているばかはないじゃないですか、正直言って。 それからまたこの飛行機は軍用機で、戦略空軍に所属しますと同時に、武器を持っていますよ。U2は武器を持っていませんでした。今度はうしろの方にやはり機関砲のようなものを持っておって、これが電子計算機でもって計算をされて、それでうしろから追尾してくる飛行機その他を自動的に撃ち落とすようになっているそうです。操縦している飛行士はスイッチを入れておきさえすれば、飛行機が近づいてくると赤ランプがつく。その飛行機が逃げ去ってしまうか、そうでなければ撃ち落とされてしまうと青ランプがつく。それきりしかやることがない。自動的にやるように、一切が機械でやれるような武器を積んでいるわけです。これが正常な使用の方法なんですよ。なるほど宇宙局に所属しているU2という場合には、一応軍以外の公の機関に属しているのですから、正常な使用という場合に、だまされても一応は仕方がないかもしれない。だがしかし軍に所属しておるのだから、これは軍用機だ、戦略空軍に所属している飛行機の正常な使用、こういうことは当然考えていただかなければならないのじゃないでしょうか。そういう危険、だからこそフルシチョフは、このU2に対してはあき巣ねらいみたいなものだ、だがRB47というのはこん棒を持った海賊だと言っているのです。確かにこん棒があるのです。ずっとその程度が高い。正常な使用によって、国際的にいろいろな問題を引き起こす可能性のある飛行機です。そういう点で、当然この問題は軍との交渉を即刻やっていただく必要がある、こう私は思っています。 と同時に、ここでもう一度あなた方に米軍が日本の基地を使う場合の価値、利用方法という問題を考え直していただく必要があるのじゃないかと思います。なぜU2事件が起き、続いてRB47の事件が起きておるか、これは偶然今になって出たのじゃない、こう思うわけです。かつて朝鮮動乱まで陸軍を置いて、陸軍の前進基地としてこの基地を使った場合、それから戦略空軍が使って原水爆攻撃をいつでもやれるように使っておった場合、さらに第三段階として、現段階のように非常にミサイルの発達してきた時期、こういう時期になって参りますと、日本は新しく中ソ偵察の、ことにレーダーやその他の電子機械の偵察の基地として最大限度に使われる可能性が出てきたのじゃないか。だからこそU2がここから飛び、だからこそRB47がここから飛んでいるのです。そういうことは僕があなたにしちくどく言う必要はないと思いますが、そうだとすれば、U2はかりに去った、しかしRB47がある。RB47は去った、だがその次のものがある。次から次、新手々々とここを偵察基地に使っていくだろうということは、ばかでない限りわかるはずです。そういうものに対して、なぜ根本的な基地使用についての話し合いをしようとしないのか。依然として向こうに御無理ごもっともで、がまんしておるという手はないはずだ。僕らは少なくとも基地撤廃、こう考えております。これが最終的な問題です。だがしかし、まさかわれわれの考えていることをあなた方にぶっつけて、さあどうださあどうだと言ってみたところでなかなかむずかしかろうと思いますから、あなた方のお立場でできる範囲、あなた方のお立場から考えても当然国民のためにやらなければならぬことを私がお願いしてもいいじゃないか、こう思うわけです。そういう意味で一つこの問題は早急に向こうと交渉を開始していただきたい。ぜひするとこうおっしゃっていただきたいと思います。
○江崎国務大臣 この正式な任務を遂行しておるという意味は、いろいろな御意見は御意見として承ったわけでございますが、かりにどんな性能を持っておるとしましても、たとえば他国の領空は侵犯しない、正式な姿で任務を行なうのだ、われわれはこういう受け取り方をいたしておるわけでございまして、アメリカとの間においては十分信義を持って交渉をして参っておりまするので、あくまで正式な任務の遂行という意味はそういう意味だ、決して日本に迷惑や危険などを与える憂いのないものである、こういうふうの考え方をいたしておる次第でございます。
○飛鳥田委員 何べんこりたらわかる、こうつい言いたくなるのです。現にU2がそういう使い方をされたじゃありませんか。それからRB47がなるほどイギリスのブライズ・ノートン基地から飛び立ったには違いないけれども、そういう使い方をされたじゃありませんか。イギリスの場合は別として、日本に対してだけ信義を守る、こんなばかな論理はないでしょう。少なくともすでに前例がある以上、これを疑ってかかる、そういうことのないように努力をなさるということは、これは当然だ、こう思います。しかしそんなことであれやこれや議論をしておると、皆さんに御迷惑ですからもうやめますが、ぜひ一つ先ほどのお話のように、加藤さんのお話のように、それを裏づけて下さったあなたのお話のように至急、いつやるということを言えないにしても、やってほしい、こう思います。 同じような問題は横須賀に現われたグレーバックの問題についても私は言えるのではないか、こう思うのです。グレーバックの問題はレギュラス1型を積んでいるか、2型を積んでいるかということが、あなた方と私たちの意見の違いのように思います。そうしてそれはさかのぼって安保審議の委員会の中で加藤さんが、1型は核弾頭と普通爆弾の両用兵器である、2型は核弾頭専用兵器である。従って1型が入ってくる場合には事前協議の対象にならぬが、2型の場合は事前協議の対象になる、こう御説明になったことに端を発するわけなんです。こう私は思うのです。いろいろ私たちも考えてみました。ところがこういう1型か2型かという論争はおよそナンセンスじゃなかったか、こう私は思うわけです。なるほど調べてみますと、1型、2型、これを議論することはしろうととしてはたやすいわけですが、しかし1型も2型もその発射装置を考えてみると、全然変わらない。しかもグレーバックについておるランチャーといいますか、発射台、この発射台は、発射台自身の力で発射するわけではない。カタペルトのように撃ち出してやる必要はない。レギュラス1型、2型ともみずからの噴射装置といいますか、推進装置によって自分で飛び上がっていく、こういうものです。従って1型を積む、2型を積むということは、潜永艦の構造に決定的な変化を必要としないわけです。まあ私もよくわかりませんので、ある専門家に聞いてみましたところ、1型も2型もどんと撃ち出すのでなく、自分の力でふわっと飛び出す、そういう形だそうです。従って、発射台というのは、台があってそれを一定の角度に傾けてやりさえすればそれでいいのだ、そういうことですから、1型、2型は発射台の構造には関係がない。もしそうだとすれば、1型を積む、2型を積むというのはそのときの自由であって、1型を積みたければ1型を積む、2型を積みたければ2型を積む、ハンガーの中に、格納庫の中にそれをしまっておきます場合に、このレギュラスをフィックスしておく装置が幾らか違っているという程度だそうです。従って1型を積んでいるか、2型を積んでいるかという固定的な考え方、そういう議論ではなくして、むしろ1型を積んでいようと、2型を積んでいようと、それはいつでも原子兵器を使い得る艦としての可能性を持っている。こういうことを私たちは考えるべきであろうし、それがまた日本国民の安全ということに最も強くつながっているのじゃないか、最近こう私は考え出したわけです。従ってこのグレーバックなど、あるいはレキシントンとか、その他の航空母艦等が核兵器をかかえて、あるいは核兵器を積載する能力を持って、さらに言えばいつでも核兵器を使用し得る状況をもって横須賀の港に出入する。こういうことは日本にとって危険ではないだろうか。もし問題が起こった場合に、現にレギュラス1型を積んでいるか、2型を積んでいるかということをよく調査した上で、横須賀の港に攻撃を加えてくるなどということを考えることは愚かでしょう。そういう艦がここにいる限り、当然いきなり横須賀の港をぶつつぶすためのミサイルの一発や二発は撃ち込まれるということになるはずです。そういう意味で私は事前協議の問題をもっと押し広めて、あなた方が当然横須賀の市民の安全を守り、また日本国の安全を守るための何らかの御努力を、このグレーバックの問題を契機にしてやっていただく必要があるのじゃないか、こう私は考え出したわけですが、いかがでしょうか。これは加藤さんが火つけ役者ですから、一つ加藤さんに伺いましょう。
○加藤説明員 政治的な判断の問題が多いので、私にはお答えが全部はできません。今おっしゃる通り、この前安保委員会で装備の重要な変更の問題が審議された際におきまして、私どもは政府の方針に従いまして、核兵器の持ち込みは当然事前協議の対象になるのだということを申したわけでございます。核兵器というものの定義につきましていろいろ御質問がございまして、藤山前外務大臣は核弾頭、長中距離のミサイル、それからその基地とおっしゃいました。長中距離のミサイルということは、換言いたしますれば、やはり核専用に使えるような兵器ではないかというふうなことを申したわけでございます。それを事前協議の対象にする。今御質問になりましたような両用の兵器であっても、それがそういう核を発射でき得るようなものが日本の国内に入ることによって、相手国といっては悪いかもしれませんが、他国がやはり同じような攻撃方法を加えてくるだろうかどうだろうかということにつきましては、これはその当時の状況その他によって私はいろいろ考えられると思うのであります。ただ両用の兵器であっても全部事前協議の対象にするということになりますと、最近の兵器の発達、これはミサイルの発達と、核の弾頭が水爆その他によりまして非常に大きくなったものもありますし、また非常に小さくなったものもあるということ等の事情を考えますと、いやしくも核兵器を搭載できる、また核を発射できるようなものは全部事前協議の対象になるということになりますと、その面からいいますと、非常にむずかしい問題が起こってくるであろうということを私は考える次第でございます。
○飛鳥田委員 あまり長くなって恐縮ですが、一体両用兵器であるか専用兵器であるかという区別を、物理的な機能あるいは構造の問題として議論をすべきでしょうか、あるいは現実の使用という点からすべきでしょうか。僕はその点について加藤さんのいままでのお話についてかなり疑問を持っているわけです。と申しますのは、かりにレギュラス1型が両用兵器だとあなたのおっしゃるようにしましても、それは構造上の物理的な両用兵器にすぎない。だって考えてみましょう。1型は五百マイル飛ぶのです。言ってみれば、直線距離にすると多分東京から下関くらいまで届くはずです。しかもタニーなどという潜水艦は、たしかレギュラス1型を二発しか積んでいないでしょう。東京から下関くらいまで飛ぶでっかい兵器を——これは当然大砲や何かよりも高価なものです。こんな高価なものを、普通爆弾を詰めて飛ばすなんという不経済なことはするでしょうか。しかも大砲のたまのように何百発、何千発と持っておって、どんどん次から次へと発射できる、一分間に何発発射できるというたまでありますならば別として、たった二発しか一つの潜水艦が持っていないでしょう。かりに東京から下関を撃ってみて、下関の千戸か五百戸くらいの町をぶっつぶすだけのことを、たった二発しか持っていない潜水艦を運用してやるというばかな話はないです。潜水艦は、戦争の過程においてもっと大きな役割を果たす責任があるわけでしょう。もし防衛庁がそんなばかばかしい潜水艦の使い方をなされば、僕らだって反対しますよ。そうでしょう。あなた自身そんなばかばかしい使い方をなさるはずはない。そういう点から考えてみますと、物理的に両用兵器、構造的に両用兵器であったとしても、現実には核弾頭専用ですよ。そして、たまたま何かのことがあって核弾頭を持っていない。だが戦争がおっ始まってしまった。何かやらなければいけないというような、核弾頭が来るまでというような、ごくわずかの場合だけしか、普通爆弾で撃つということは考えられないわけです。しかもこれはたしか誘導弾だったはずです。誘導弾ではないと思います。もし誘導弾だとすれば、発射してやったものを誘導するわけでしょう。普通爆弾なんか詰めて、ちっぽけなビルディングの二つや三つをぶっつぶす程度のことで、わざわざこれを誘導してやるというばかばかしいむだなことをやりますか。まさか防衛庁でもそういうむだなことはおやりにならないだろうと思います。もしそうだとすれば、これは物理的な構造上の両用兵器であるということは、一つの言葉のあやであって、日本国民をごまかしていく魔術であって、現実には核兵器だ、こう断定するのが私たちは常識じゃないか、これはイデオロギーの問題ではないはずです。常識だと思います。おうちにお帰りになって、防衛庁の専門家に聞いてごらんなさい。きっと僕の説を肯定なさるだろうと思います。それを両用兵器という名のもとに実は事前協議の対象からはずしてしまう、こういうことは一体どういうことでしょうか。私は言葉の魔術によって問題を片づけていく時代ではないような気がする。そういう点で私は、レギュラス1型を積んでいようと、2型を積んでいようと、そのグレーバックという潜水艦は非常に危険なものだ、こう考えないわけにはいかないわけです。2型はたしか千マイルか千二百マイルくらい飛ぶはずです。そうなればますますもって危険じゃないでしょうか。しかもそうなりますと、誘導しなければなりませんから、グレーバック一隻で行動しているとは思えないわけです。グレーバックがぶっぱなすそのはるか向こう、前の方の前線にもう一隻か二隻の潜水艦がいるなり、ほかの種類の艦がいて、飛んでくるたまを下からさらに受け取って誘導していくということも、あるいは考えているだろう。そういたしますと、グレーバックが入ってきたということは、今度は修理だそうですが、しかしもし修理でなく入ってくるとすれば、これはグレーバックを中心とした、あるいはグレーバックのつけ加わった一つのグループとして行動している。いろいろな軍艦のグループとして行動している、こう考えられるわけです。現に第七艦隊のいろいろな編成別を見ますと、ハンター・キラー・グループとか何とかグループというものが一ぱいあります。そういうグループとして行動している、こう思わざるを得ないでしょう。危険じゃないですか。そういうものが日本の横須賀という港に入っているとすれば、相手国がこれを撃ってくるかこないかなんということは、政治的な判断でお答えになれないとおっしゃったが、政治じゃないでしょう。これは、当然行動に対するリアクションで、政治でない、現実のあり得る戦争の問題として考えていただいていいのではないか。防衛庁としてもその程度の判断は当然、なすっていらっしゃる、こう私は思うわけです。こういう危険性は何か言葉の魔術ですらりすらりとかわしていって、そうして国民を納得させたような——なるほど今戦争はしていないのですから戦争の場合のことをお話ししたって、何かぴんとこないというのは当然ですが、しかしそういうムードを利用して、何となしに将来の危険を一つ一つ作っていくこういうやり方について、私たちは非常に疑問に思うわけです。ですからグレーバックの問題は事前協議の実態を国民に示すものとして私は非常に貴重であり、同時に何かそういう言葉でごまかしていく態度と、原爆や水爆やそういう核兵器の切れ端でもわれわれのこの国土に入れたくないという国民の感情とは、全然次元が違うでしょう。そういう次元のズレをそのままに放置しておいていいはずはない、こう思うのです。そこで私たちもずいぶんおせっかいですが、何か社会問題を起こしていたずらに騒ぎ立てると江崎さん言われましたけれども、私たちはあなた方のそういう態度と国民のほんとうの願いとをちゃんと接着させていきたい、こういう意味で接着剤になりたいと思っていろいろなことを言っているのです。それを何か突き離して、うまく通ればいいという考え方でなしに、これはあなた方も私たちも、日本国民の一人としてもっと真剣にこの問題を考えて、そうしてあなた方も防衛庁という立場を捨てて、捨てなくてもいいけれども、それにしがみつかないで、もっと国民と同じ感情のところ、同じ地面上におりて考えていただく、こういう方向をとってもらえないだろうか。幸いにしていつも私たちの尊敬している江崎さんが長官になられたのですから、私はこういうことをお願いしていいのじゃないか、こう私は思っているわけです。うんとお年寄りのもうガリガリのおじいちゃんにこんなことを言ってみたってしょうがないのですが、江崎さんならそれは言えるだろう、こう私は思っておるわけです。一つぜひこの問題について、今すぐ結論を出して答えろなんということは私は言いませんが、こういういろいろな問題を含んだ一つの問題としてこのグレーバックを反省し、考えて、そうして次の態度を出してもらいたい、こういうのが私の希望なんです。この問題についてあれやこれやこまかい議論をしておりますと、きっと水かけ論に終わるでしょう。ですからお答えは別に求めませんが、その私たちの気持だけははっきり申し上げて御了解をいただいておく、こういうことをしたい、こう考えます。時間を非常にとりまして他の質問者に御迷惑をかけましたので、私は一応これでやめます。
○江崎国務大臣 だんだんの御議論でございますが、誤解があってはいけませんので念のために一言だけ申し上げておきたいと思いますが、このグレーバックの積んで参りましたレギュラス1型や、今非常な御心配の2型の問題でございますが、これはわれわれが仄聞しておるところでは、金がかかり過ぎる、その割に効果が上がらないということによって、一九五八年にすでに生産は中止しておるわけでございます。それからさっきの御質問の中にありましたランチャーの問題は、1型と2型とは一緒でないというふうにわれわれは承知をいたしておるわけであります。先般いろいろな御疑問も強くまた国民的な心配もむろん一部にはあったわけでございますので、われわれの方としてもあとう限りの調査ないし照会をしたわけでございまするが、先般のグレーバックにはランチャーもレギュラス1型しか持っておらないのだ、積んでおらないのだ、こういうわけでございますので、どうぞその点一つ御了解おきを願います。
○飛鳥田委員 いわでものことですが、なるほど生産を中止したのは2型のはずです。これはポラリスが新しくできてきたので、ポラリスに代替できる。むしろポラリスの方がいい、こういうことで生産を中止したわけです。しかし生産は中止しましたが、中止までに少なくとも百発や二百発はできているはずです。しかもこの百発や二百発をむだに使ってしまったという話は聞きません。うわさによりますと、これがちょうどマッハ一・九ぐらいのスピードで飛ぶというので、ちょうどソビエトの爆撃機と同じぐらいのスピードだというので標的機に使っている、こういう話も聞きます。ですがこれは聞いてみますと、一ぺん標的機には使うけれども、ほんとうに撃ち落としてしまうのではなく、また回収できるという形で使っている、こう言っています。そうだとすればすでに生産を完了した二百発なり百発なりというものはまだまだあるわけです。生産を中止したからといって、われわれが安心できる筋合いのものじゃないはずです。さらには金がかかり過ぎるというお話、金がかかり過ぎる。それほど高価なものだから、普通爆弾なんかでは撃ちませんよと、さっきから僕は言っているわけです。これは当然原爆弾頭をつけて撃つにきまっているわけです。レギュラス1型だってそういう意味では、機能的な物理的な両用兵器という言い方は今後やめていただいて、現実に使用する面の専用兵器かどうかということを決定してもらう、こういうことが重要だろうとさっきから僕は申し上げているわけです。そういう点でまたここでレギュラス1型や2型のいろいろな構造上の議論をしても始まりません。そうしてそんなに僕だってよく知っているのじゃありません。しかし一つそういう態度でやってほしい、こういうことです。
○高橋(禎)委員長代理 石山權作君。
○石山委員 四月五日の安保特別委員会で赤城さんが、軍をこうしたいと言っております。たとえば陸上十八万、海上十八万トン、航空機千三百機、これに要する費用は国民所得の約二%、この骨子は今日においても変わっておりませんか。
○江崎国務大臣 大体そういう線で今調整をいたしております。
○石山委員 そうしますと三十六年度の想定としまして、自民党政調会の国防部会と防衛庁は打ち合わせをしたということが新聞に出ておりますね。それが今年度の防衛庁の予算は百二十五億の増でした。それが来年度になりますと四百億増になります。千九百億、防衛庁がかねがね念願している二千億にいま一足というところに来ているわけなんですが、これは部内としてはほとんど固まった形の費用でございますか。
○江崎国務大臣 目下調整を急いでおりまして、まだコンクリートなものにはなっておりません。
○石山委員 コンクリートになっておるかなっていないか知らぬけれども、防衛庁としての——長官、私の言っているのは、コンクリートというのは、大蔵省との関係を考えた場合のコンクリートもあるわけでしょう。ですから私の言うのは、部内としてこういう建前で臨もうとしているのかどうか、それをお聞しているわけです。
○江崎国務大臣 赤城前長官がどういう意図で申しましたか、その説明の場面がちょっと私よくわからないのでございますが、大体二%程度というものが一つの目標である、こういうことならば了解するわけでございますが、それでは三十六年度予算は国民所得の二%になるのか、こう言われますと、これは数字の調整をしませんと断言できぬわけでございます。あるいは二%を割るという場合も考えられるわけでございまして、これはやはり大蔵省その他との調整ができませんと、はっきりお答えできぬわけでございます。
○石山委員 私は、あした人事院勧告による公務員の給与等の問題を質問するわけですが、これが平年度所要額一千億ですね。それからもう内閣をとらない前から池田構想として、一千億減税を発表しているわけです。社会党のまねをして福祉国家と言って、これも今厚生省に見積らせたら一千億増、そのほかに地方公共事業の港湾も道路も作らなければ産業の躍進にならぬというわけで、そこへも金を取られる。結局あなたの方で四百億増なれば、財源がちょっと見積って四千億こえてしまうのですね。そうしますと、われわれが聞いている今年度の増の分から、大幅に千億くらい足が出るというわけです。そうした場合にあまり喜ばれない防衛予算というものの額が当然中心課題になってきて、当委員会などは非常に任務が重くなるのじゃないかというふうに私は考えておるのです。 これは私金額のことだけを聞いているのですが、今公務員は約十二万ぐらい、権利を持ちながらというとあるいは変かもしれませんけれども、長い間使われていて公務員になりたい、なってもいいじゃないかという方が十万近くある。それがこの前のときのあれだと八千人そこそこですね。防衛二法案は通らなかったけれども、この防衛二法の中には八千四百五人が要求されておった。軍人さんが七千四百十六人、事務官入れて八千四百というわけですが、この人員増はどういうふうな工合になって予算の中に見積られるのですか。これは加藤さんでもけっこうです。
○加藤説明員 三十五年度の人員の増は今お示しになりましたようなことでございます。三十六年度はどうするかということは、今長官のおっしゃいました通り目下検討中でございます。
○石山委員 これはあなたの方では自民党の政調会の中の国防部会にいろいろ話をしているのですよ。内容にはそういう話を出さないで話しているのですか。
○加藤説明員 自民党の国防部会に話をしましたときにも、そこまでこまかくは説明いたしておりません。来年度の業務計画といたしましてこういうふうなことを重点的に取り上げたいという程度の説明でございます。
○石山委員 その中の重点的なもので目新しいのは、一万トン級のヘリコプターの航空母艦を作るといっているのです。これは用兵作戦からすれば大へんいい思いつきかどうか知らぬけれども、われわれの感覚からすればずいぶん珍しいことを始めるものだなと思うのですが、これはやはりお作りになるわけですか。
○加藤説明員 来年度の業務計画として今考えておりますることは、これは国防部会に説明いたしましたことでございますが、大体におきまして陸上自衛隊につきましては管区隊及び混成団を改編いたしまして、もう少し統一的な日本の地形その他を考えまして運用上便利な単位の部隊にしたいということが一つ、それから陸上自衛隊につきましては装備品がだんだんと古くなって参りますので、これを計画的に更新をしていきたいということでございます。海上自衛隊につきましては、昭和四十二年までに約五万トンほど、米国から貸与または供与を受けました艦艇が耐年に達しまするので、この代艦を計画的に作っていきたい。しかしこれを作るといたしましても、前と同じように作るというわけではないのでありまして、やはり新しい時代に即応するような性能のいいものを作りたいということを考えておるわけでございます。その中の一つといたしまして、ヘリコプター空母という構想が今防衛庁内で論議をされておるわけでございます。
○石山委員 ヘリコプターを何ぼ積むのですか。
○加藤説明員 まだ正確に詰めた数字でございませんので、その趣旨でお聞き取り願いたいのでございますが、大体ヘリコプターを二十機近く搭載するという計画でございます。
○石山委員 私がなぜこのヘリコプターに執着しておるかというと、今度防衛庁では陸上自衛隊に治安部隊というものを作ると言っておるのです。この治安部隊は、今度の安保問題等について非常に世間が騒がしかった、これを求めがあれば——求めがなければもちろん出てこないのでしょうが、求めがあれば出していつでも御加勢できるようにしよう、その場合このヘリコプターなるものを使うと言っているのです。ヘリコプターの名前までついている。この新聞は必ずしもでたらめではないと思うのです。H—13、H—19などのヘリコプター部隊をやる、催涙弾などを投げて……。これは治安部隊というふうな構想をあなたの方が持っていて、これをどこかに書類か何かスクープされたようなところはないですか。そういう構想を一体持っているのですか。
○江崎国務大臣 これはちょっと重要な問題ですから、私からお答えいたしておきますが、そういうことはありません。今の海上のヘリコプター空母のヘリコプターを持ってきて、治安出動の援助をするというようなことは考えておりません。これは陸と海と御承知の通り全然任務も違うわけでございます。それから治安問題につきましては、これは安保問題があったからどうというようなことで考えておるのではございません。自衛隊の任務として、国内の治安にも任ずる、その訓練をしていくということは考えておりまするが、その訓練と出動をさせるということとは、むろんこれは全然別問題でありまして、兵はみだりに用いるものではないということは私も十分知っておりまするから、どうぞ誤解のないように願います。
○石山委員 治安部隊というものを作るという構想があるかどうかということを、再度お聞きしましょう。
○江崎国務大臣 現在特殊な治安部隊を作るという構想は持っておりません。
○石山委員 それは加藤さん、あなたのところまで来ていなくても、いわゆる用兵作戦上の下の方のところでそういう案を持っているのじゃないですか。かなり詳しくこれは出ているのですよ。設置される個所までも、たとえば北部方面としましては第二管区北海道旭川市というふうに、きちんきちんとついている。そうして一部隊は約五百人にするとか、これでいきますと、全く警察なんか要らなくなるような感じです。何をおせっかいして警察の上前——警察だって職務分限というものがあるのだから、あなた方何もそれを侵す必要はない。こういうことを考えている人が防衛庁の中におるのじゃないですか、こういう詳しい資料が出ているところを見ると。これは厳重に皆さんの方から特にこの際、こういう問題を出すような動きはほんとうに慎まなければならぬのではないかと思います。ほんとうにないのですか。加藤さん、もう一ぺんあなた答えて下さい。
○加藤説明員 今お話を承っておりますと、ヘリコプター問題でございますが、こういう構想はあるのでございます。それは陸上自衛隊の方におきまして装備を近代化していきたい、陸上自衛隊の機動性を増強したいということは考えておるわけでございます。そこでヘリコプターの部隊を強化したいという考え方はございます。これと結びつけてお考えになったのではないかと思います。 それから治安のことは、これは今長官がおっしゃいました通り、防衛庁といたしましては自衛隊は直接侵略及び間接侵略に当たりますと同時に、公共の秩序の維持に当たるということでありますので、法律上当然の任務でございます。そこでこの出動ということは、これは今長官のおっしゃいました通り、容易にすべきことではないし、また私どもとしては出動するような事態のないことを衷心希望するわけでございますが、しかし法律上の任務でございまするから、これに対する訓練なりはこれはやはりやらなければいけないと思うのでございます。治安部隊というふうなお話でございますが、治安部隊というふうなものはございません。いずれの部隊も今申し上げましたような任務を遂行するものでございます。ただ新聞に出ましたのは、東部方面におきまして一個大隊ほど治安訓練の標準的な研究をやる部隊を作ろうじゃないかということで、一大部隊作っておるわけでございます。これを治安部隊と俗に新聞で書かれたのだろうと思います。今のところそれを旭川に置くとかなんとかいうようなことは全然考えておりません。
○石山委員 治安部隊というのは、作っていないというからよろしいのですが、これができれば、憂あるとか、憂いないとかいっても、自衛隊にとっては非常に悲しむべきものだと思う。今でさえあまりよく思われないで変な目つきで見られると言って、若い兵隊さんはいやがっている。こんなものを作ったら、だれが見たって、あなた一体何を取り締まるか。警官がいるのですからね。警官を上回るようなものですから、それこそわれわれは通常ならば考えられないような騒乱が起きない限りは、これはないですね。ですから兵隊さんは、ほんとうの意味の有事の際のものだというふうにきちんときめておいていただいて、それ以外のことは警察におまかせする、こういうふうにしておかないと、私のようにあまり夜眠れないものはあれこれいろいろなことを考えたりして、ヘリコプターというと、なるほどそのヘリコプターで治安部隊をおろして、そしてばかばかやってしまう。地上だけでは足りないから、十八機も載せる一万トンの空母をそこに派遣する。こんなやり方をやるのではとてもじゃないが、何のためにお金をかけているかわからぬような感じがしたわけです。たまたまここの中に、あなたの方で三十六年度の新しいやり方として特に目のつくようなのがヘリコプターの航空母艦ですから、私は前に切り抜きを持っていたのでぴんときた。とんでもないことを考える、こう考えたのです。 それから飛行場のことについて一つお伺いしたいことは、これはいつもそうだと思うのですが、あなたの方では割合にいいお話をしてもらえるのですが、下へいくとどうもそうでないような傾向があるのです。この問題は私の方の能代の昔の東雲飛行場というのがございます。この東雲飛行場が開放されて今開拓地になっておるわけです。そこの地元の開拓の人々は、何か飛行場を作ってくれということをあなたの方に陳情しておると言っておるのです。計画としてはないはずなんだが、今まではみんな反対々々ばかり叫ばれておる自衛隊でしょう。一つ飛行場を作ってくれという陳情を受けたものだから、かなり色よい返事を係官はしておるらしいです。ですけれども、ほんとうに戦闘機か何か飛ばす飛行場がくるとなれば、これは実際からいえば地元としては利害関係がこんなに違ってくるでしょう。あなたの方でそういう計画がありますか。三沢にあるほかに、裏日本の方の秋田にも一つ置かなければならぬというふうな、陸上部隊みたいな考え方の飛行場を設けるという、そういう構想はございますか。
○加藤説明員 飛行機の増加と相待ちまして、飛行場は今より若干ふやさなければならないと思います。しかしそれは米軍の使っておりまする飛行場の使用の関係等も考えなければいけませんし、現実に具体的にどうするかというところまではまだ問題を詰めておりません。
○石山委員 少しはふやすだろうというような見解、ふやすだろうという構想の中に東雲飛行場が入っているかどうか。
○加藤説明員 東雲飛行場という名前は今初めて聞きました。私は存じておりません。
○石山委員 秋田県能代市ですよ。ありませんか。
○加藤説明員 ありません。
○石山委員 それはこういうことだと思うのです。たとえば開拓地というものは、特に秋田のような開拓地の場合は畑作ではだめなんです。水を揚げて稲作にしないと農家経営としては安定しないのが通例です。東雲飛行場というのは水揚げがまずいということになっておる。それで開拓した人たちは飛行場にでもしてもらって、高く売りつけたいという気持が多分にあると思う。そういう底意のある中に上京して陳情したら、構想がなければないというふうに言ってあげなければ、地元民には気の毒ですよ。防衛庁はいつも反対されるのに、今度はお願いしますと言われて、それをいい気になって、要望にこたえますなんということになれば、開拓者は精魂込めて開拓をやらないということになるでしょう。そうして地価を上げることをやるということになるのです。防衛庁がはっきりしないと、惰農を作ったり、地価つり上げの詐欺師を作ったり、いろいろなことになります。作るなら作ると言えばいいし、作らないという構想のこの段階では作らないと言っておかないといかぬのじゃないかと思う。私は地元にいる利害関係者として、そういうことを自衛隊の方々にはっきり要望申し上げておきます。今度陳情においでになったら、構想がないならないと言いなさいよ。要望にこたえましょうなんて言われるのではまことに困るのです。最近の自衛隊はそう言いたいところなんでしょう。だけれどもそれを言っては困る。いかぬということです。さっきも申し上げましたように、惰農を作ることになります、地価をつり上げる詐欺師を作るということになるのです。今度も来るものと思いますから、そのときはないならないとはっきり言っていただいた方が、双方のためになるだろうと思います。 まだたくさん聞きたいのですけれども、構想中で、コンクリートでない、まだ半練りのところでしょうから、いずれまた日を改めてお聞きしたいと思います。きょうはこれで終わります。
○高橋(禎)委員長代理 次回は明九月一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会