逓信委員会 第3号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/08/10
会議録
○飯塚委員長 これより会議を開きます。 大臣がただいま出席いたしますが、質疑等の都合によって大臣の出席するまで暫時休憩をいたします。 午後三時三十分休憩 ————◇————— 午後三時三十八分開議
○飯塚委員長 再開いたします。 郵政事業、郵政監察、電気通信、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。森本靖君。
○森本委員 この間、人事委員から数年ぶりにベース・アップの勧告が政府にあったわけであります。これは国家公務員に対するベース・アップの勧告でありますが、同じ国家公務員でありましても、この委員会の所管事項でありまする郵政省の従業員、それからむろん公社の職員でありまして公務員でありませんが、電電公社の職員というふうな諸君については、この人事院の勧告には直接関係はないわけでありますけれども、ただ郵政省におきましても、電波監理関係の従業員については、これが直接の勧告になるわけであります。そういう点からいたしまして、郵政省としても、この同じ郵政省内の従業員の中におきましても、公労法関係の適用者と、そうでない今回の人事院の勧告を受ける従業員と二通りあるわけでありますが、今回の人事院勧告については、おそらく政府は、今の池田内閣が非常に低姿勢で、なかなか選挙前のことを考えておりますので、おそらく私の想像では、この人事院勧告より以上のものを池田内閣は考えるんじゃないかというふうに想像いたしておりますが、その際に公労法関係が適用されておりまする郵政関係の従業員、それから電電公社の職員等に対する給与のアンバランスその他については、郵政大臣としてはどう考えておるか、この点について一つこの際明らかにお答えをしていただきたいと思います。
○鈴木国務大臣 今回人事院から一般公務員の給与改定につきまして勧告がございましたわけですが、政府といたしましては、勧告の御趣旨に沿うように努力をいたしたいということで、目下藤枝総務長官が中心になりまして、具体的な内容につきまして検討を進めておる段階でございます。いずれにいたしましても、今回の勧告によりまして、政府は一般公務員の給与改善をいたすことになるわけでありますが、従来郵政省関係におきまして電波関係の職員の待遇に隔たりがございまして、何とかこれを改善したいという事情にございましたわけでありますが、今回の勧告によりましてこの点が改善されますことを喜んでおり、かつその実現に努力をいたしたい、かように考えております。 なお公労法適用の職員あるいは電電公社等の職員につきましては、今回の改定の趣旨が、民間の給与また三公社五現業の職員の現在の待遇と一般公務員との間のこの不均衡を是正するという趣旨が勧告に盛られておるわけでありますけれども、しかしながらやはり三公社五現業の諸君も、今回の一般公務員の給与の改定に伴いまして、その処遇の改善を当然要望してくるのではなかろうか、こう考えておりまして、郵政省におきましても人事院と十分連絡をとりまして、一般公務員の給与を勧告の線に沿うて改善をいたしました場合に、どういう工合にこの扱いをすべきかということを目下検討を加えておる段階でございます。
○森本委員 今の大臣の御回答によりますと、要約いたしますと、大体一般公務員の場合と公労法関係との差もあった。今回それが直される。しかし公労法関係の三公社五現業についても今回若干は考えなければならぬ、こういうような話でありますが、もともと現在の公務員関係と、それから三公社五現業との間の若干の差というものについては、この給与法そのものが、一般公務員とそれから今の公労法関係のものとが一緒であったときにおいてすら特別調整号俸を現業公務員にはつけた。というのは、勤務時間の問題、それから現業としての実際の職務の内容、そういう考え方から、すべての国家公務員法が適用されておるときにおいてすら調整号俸がつけられたという因縁もあるわけでありまして、その後逐次改定をするに従って若干差が出てきたというふうなことでありまするから、かりに人事院の勧告というものが全公務員に行なわれようとするならば、それと同じようなものをさらに現在の三公社五現業のベースに上積みをするというのが、これは一応妥当な線でありまして、そういう点については具体的にそれぞれのベースについての数字をあげて言わなければ、実際の論争にはなりませんけれども、これは人事部長もおられませんので、そういう数字をあげて云々することはここでは避けますけれども、少なくとも三公社五現業に対しましても、人事院勧告と同じような形のものが、公務員に行なわれるとするならば、その金額はやはり三公社五現業に対しても適用すべきであるというのが私の趣旨でありまして、今後はそういう考え方を持って、一つ閣議等その他においても御努力を願いたい、こういうことなのでありまするから、一つその点を十分に了解をせられてお願いをしたい、こう思うわけであります。その点どうでしょう。
○鈴木国務大臣 ただいま森本さんからお話がございましたように、二十九年当時でございましたか、あの時点におきまして、今お話のように、一般公務員と全逓職員との間には若干の開きがございましたのは事実でございます。さような点をも考慮いたしまして、今回の一般公務員の給与改善がなされました際には、十分その点を考慮に入れた待遇改善というものを考えなければいけないのじゃないか、かように考えております。
○森本委員 それから、この際でありまするからちょっとお聞きしておきたいと思いまするが、郵政省として次の国会に、たとえば次の臨時国会はおそらく解散国会になろうと思いますが、——まあ本格的な審議はその次の通常国会ということになろうと思いますけれども、現在の段階において次の臨時国会に郵政省として提案をしようと考えているような法案がございますか。
○鈴木国務大臣 御承知のように、新しい内閣といたしまして二十日ごろを目途に新政策を発表することにいたしておるわけでありますが、現在、党と政府との間にこの新政策でいろいろ検討をいたしておる段階でございます。この新政策がきまり次第、通常国会に提案をいたします法案並びに予算要求もいたしたい、このように考えております。
○森本委員 具体的な問題については触れてなかったわけでありますが、たとえば保険金の最高額の引き上げについては、これは前大臣が当委員会において、必ずこの間の通常国会には提案をいたします、こういう約束をいたしておったわけでありますが、しかしそれが安保のああいうふうな国会の混乱におきましてそのまま日の目を見なかったわけであります。この法案についてももうはっきりと大体三十万円にするということまで政府、与党の中においてもきまっておったわけでありますが、それがああいう格好で出なかったということであります。そういうふうなもうすでに提案をするというふうにきまっておったものにおいてすらもう一ぺん全部再検討する、こういう意味でありますか。
○鈴木国務大臣 ただいまお触れになりました三十万円に引き上げる問題等につきましては、党としても大体その方向で意見がまとまっておりますので、新内閣におきましてもその方針で臨むことになろうかと思うわけであります。その他の案件につきましては新内閣の立場から党とも御相談申し上げまして、あらためて提案すべき諸案内を決定いたしたいと考えております。
○森本委員 郵政省としても問題が非常に多いわけでありますが、私は大臣にこの次の委員会なりあるいは適当な機会に御答弁を願うということにいたしまして、きょうは問題だけ大臣に提起をしておきたいと思うのであります。ただここで一つだけ大臣の見解を聞いておきたいと思いますることは、現在電電公社におきまして電信電話料金の合理化問題についてすでに電電公社独自の電信電話事業の料金の合理化対策委員会というようなものを設置をいたしまして、この問題に取り組んで研究をいたしておるわけであります。結局これを許可するということになって、実際に立法化して出すということになりますると、これは郵政大臣の権限になるわけでありますけれども、そういう際にこの電信電話料金と非常に密接不可分な関係を持っておりまする現在の郵便料金の問題でありまするが、そういう点について単に電信電話料金のみを、今日郵政大臣の権限下にありまする電電公社で合理化対策においてすでに民間の識者を網羅して委員会が発足をして、もはや二回か三回か委員会を開会をして具体的な問題を今その委員会において審議をしておる、こういうふうな状態になっておるわけであります。かりにこれが電電公社から郵政省に出されてきた場合において、郵政省としてはこの電信電話料金のみをとらえて審議するということでなくして、少なくとも通信料金として関係の非常に深い現在の郵政料金の問題についてもこれを同一視して、そして郵政大臣という高い立場から電信電話の料金問題、郵便料金の問題というものを検討しなければならぬというふうに私は考えるわけでありますが、現在はただ電信電話料金のみをやっておるという状況でありまするが、これについてどうお考えですか。
○鈴木国務大臣 電信電話料金につきましては、値上げということよりも不合理な点を調整したい、こういう考え方で委員会の答申を待ちまして、政府の考えもそういう方向で結論を出して国会にお諮りをしたいと考えております。なお郵便料金につきましては、一種、二種の料金を改定するということはこれは非常に困難な問題であると考えておりますが、三種以下の郵便物、小包郵便物等につきましては、現在の状況から考えまして再検討をすべき段階にきておると考えております。特に最近デパートあるいは商店、証券会社等々の営利会社等のPRの文書が相当物数が激増いたしてきておりまして、また形も大きくなっておる、こういうような状況でございまして、この不合理な点を是正をするということの必要を私も痛感をいたしておるような次第でございまして、電信電話料金の調整問題と並行いたしまして、この郵便料金についても不合理な点を是正するという方向で考えて参りたい、かように考えております。
○上林山委員 今、森本委員と大臣との質疑応答を聞いておりまして関連して一言だけ聞いておきたいと思いますが、電信電話料金の調整はあくまでもでこぼこの調整であって、値上げではない。総対的に見て何億円か収入が減になるかもしれない、こういう話も聞くのでありますが、それはどうか。さらに今全体的に調整であろうと値上げであろうと検討する場合は並行してやった方がいいという意見は、私は確かに一つの見方だろうと思うのですが、あなたもそれに符節を合わせるがごとき答弁をしておられるのでありますけれども、その郵便料金の値上げというものは当分やらない、ただし調整はやる、そのでこぼこの調整は場合によっては収入は何がしかマイナスになっても調整という目的のためにはやむを得ないのである、こういう御見解であるのかどうか。これは非常に大事な問題でございますので、私はこの点だけを伺っておきたいと思います。
○鈴木国務大臣 電信電話料金の問題につきましては、上林山委員がおっしゃったようにでこぼこを調整をして合理的な料金体系にいたしたい、こういうのが趣旨でございます。郵便料金の面につきましては、先ほどもお答えいたしましたように三種以下の郵便物、小包郵便物につきましては、最近営利団体等のPRの文書が激増もし、物数が非常に大きくなってきており、かつ形も大きくなっておりまして、郵便の集配のコスト等から考えましても不合理な点が出てきておるわけであります。そういう点につきましては、政府としても十分研究をし、また党の方とも御相談をして適正な改定をやって参りたい。ただこの公共料金の問題は一般の物価政策にも関連する問題でございますから、政府全体の物価政策ということも十分にらみ合わせまして慎重に取り扱って参りたい、かように考えております。
○上林山委員 一説には、これは相当有力な意見だと思うのですが、郵便料金は相対的に安い、他の物価体系から考えてみて安い、だから郵政事業を充実するために相当の値上げをしてもいいんじゃないかという説も、一方にはあるのですね。一方にはあまりそう上げてもらっては困るんだ、ただでこぼこの是正、調整という部分的なものにとどめるべきである、こういう意見があるわけですが、大臣の御意見は後段の意見に当分終始するんだ、こういう御方針ですか。それとも三十六年度の予算編成を前にして相当突っ込んだ研究をして、もちろん他の物価体系ともにらみ合わせなければならないが、この際そうしたような抜本的な考えは全然持っておらぬ、こういうふうに解釈して差しつかえないわけなんですね。
○鈴木国務大臣 先ほども申し上げましたように三種以下の郵便物、小包郵便物につきましては、実情がああいうような郵便のコスト等から考えまして不合理なこともございますから、そういう点につきましては政府の物価政策ともにらみ合わせながらできることなら改良いたしたい、かように考えております。
○森本委員 これは選挙前の政策でありまするから、おそらく郵便料金を値上げをするなんということは、とうてい今自民党政府としてははっきりとよう言わない、こう思いますけれども、おそらく大臣が今言われている通り三種以下の郵便料金についてはこれを値上げをするか、あるいは特別に一般会計から郵政事業特別会計に対して補てん金を出して、そして郵政事業の今の膨張を事業的な面から考えていくか、この郵政事業の昭和三十六年度の予算を編成するについては、選挙とかなんとか政党的なものを考えずに、具体的に郵政事業の発展と維持向上を願うならば、実際問題としてその二つの道しかないと思う。そこでこの点については、大臣も就任早々でありますし、また選挙を控えての党の政策その他もあろうと思います。だからそういう点でなかなか言いにくいところもあろうと思いますが、はっきり申し上げまして、郵政事業というものを根本的に発展をさせ、また今の欠陥を克服していこうとするならば、一般会計から郵政事業特別会計に金を受け入れるという方策をとるのか、あるいはまた郵便料金も合理化という名のもとに増収をはかるということしか、これは自民党であっても社会党であっても共産党であっても、その二つの道しかないわけであります。だからその点については、われわれは虚心たんかいに、長年この逓信委員会に携わっておる一人として、昭和三十六年度の予算編成の際には、そういう問題も含めて大きな観点から、大臣が一つ十分に検討を願って、その二者のうちにおいていずれをとるかということは、これはそれぞれの、政党政治でありますから、党の方とも十分に御相談を願ってやられてけっこうであります。ただ選挙の目当てということだけに限定を置いて、あとで抜き差しならぬようなことを今回発表なさらぬように、今申し上げました二つの道しか郵政事業にはないわけでありまして、その点を十分に大臣が考えてやっていただきたいということでありまするから、あえてこの問題についても、私はきょうはここで深入りをしようとは考えておりません。 それから次の委員会でも回答願いたいと思いますし、私はちょっとここで題目だけを申し上げておきます。特に今郵政大臣として非常に重要なことは、電電公社がこの間の法律が通ったことによりまして、相当長期にわたって電通の合理化について対策を立てておるわけであります。これに対しまして、郵政省は郵政省なりにいわゆる委託業務の問題についての計画を立てておるわけであります。ところが、この計画がややもいたしますと、電電公社と郵政省の計画が、電電公社は電電公社に都合のいい計画を立てて、郵政省は郵政省としての都合のいい計画を立てて、その末端におりますところの従業員というものは一体どっちがほんとうであろうか、将来一体どういう格好になるであろうかというふうなことで、全国的に電通の合理化問題については従業員も不安、動揺を来たしておるというのが今の現状であるわけであります。いずれにいたしましても、技術革新ということは避けがたい今日の運命でありますけれども、それに応じてそれぞれの従業員が安んじて働けるという方向を考えてやらなければこの合理化計画というものはなかなかスムーズに進まない。そこで具体的な問題になりますと、たとえば勤務時間の短縮とかあるいはまた特定局、あるいは電通の直轄化に応じてそれぞれまた新しい観点から事業の拡大発展を願うというようなことを考えていかないと、おそらくこれは行き詰まりがきますし、また電通あるいは郵政省の従業員の労働組合とも摩擦が非常に生じてくるんじゃないかという心配があるわけでありまして、早急にこの問題についての郵政大臣としての確固たる方針が必要ではないかと私は考えるわけであります。この問題についても特に次の委員会あたりで御回答を願いたいと思うわけであります。 それからこの前の委員会で私が甘利電波監理局長にちょっと忠告をしてありました例の福島の放送局の問題、それから名古屋等の放送局の開設をめぐる今日の問題、そういう問題等についても新大臣が新しい観点から何ものにも束縛せられずに電波行政という観点からやってもらいたいということをこの門電波監理局長に要望してあったわけでありますが、そういう問題を含めて有線放送の法律改正の問題、それからFM放送等の問題というようなことについてと同時に、放送法の改正問題、さらにまた現在のNHKの受信料金の問題というふうな一連の電波に関係する問題についても、もうここらあたりで大臣も次の委員会あたりになりますと、約二カ月になりますから、そろそろそういうふうな問題についても明らかにしていただきたいというふうに考えておりますし、またこの前の大臣にも相当要望いたしまして、大臣も当委員会でそういう方向に努力いたします。そういう方向にやりますと言ったことがたくさんあるわけでありますが、大臣が更迭してからそういう問題についてはどういう引き継ぎを受けておるのか、具体的にどういう方向に新大臣がやろうとしておられるか、そういう点についても十分研究をせられて、次の委員会あたりで御回答を願いたい、こう思うわけであります。そういう点は本日は省略をいたしますが、ただ一点だけ、その二十日ごろに発表になるという党の政策の中に電波放送関係について、自民党としてそういうふうな問題についての一項を加えるつもりがあるのかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○鈴木国務大臣 この電波の関係は日進月歩と申しますか、最近非常に新しい分野も開発されておりますし、利用の範囲も非常に拡大をいたしておるわけであります。そういう観点からいたしまして、電波研究の施設、機関を拡充整備いたしたい、このことを実は新政策の一つに党とも相談をいたしまして加えたい、かように考えております。
○飯塚委員長 松前委員。
○松前委員 簡単にいたしますから一つ簡単にお答えを願いたい。私は新しく就任されました大臣にいつも質問をいたしておりますが、その質問のたびごとに私の質問の課題については考慮すると口約をされまして、一度も実行されてない問題であります。これを御質問したいと思います。 大体郵政にしても電気通信にいたしましても、ことに電気通信に関しまする問題につきましては、非常に国家政策というものが大事なんです。国としてはどのような政策をもって臨むかという基本的な目標がなければならないのであります。たとえば短波による世界放送、これにいたしましても、日本の存在というものを世界に知らしめ、日本を世界に理解せしめるためにはこの国際放送というものは非常に重要であります。また日米間の海底通信ケーブル、この布設が課題になっておるのでありますが、これは前々からわれわれも主張しておったのでありますけれども、アメリカからの攻勢にあって、受け身になって、現在立ち上がっておるのかどうしておるのかはっきりわかりませんが、とにもかくにもそれが問題となっておるのであります。しかしこのケーブルというのは、ただ引っぱってアメリカと通話ができるというだけでいわゆる通信政策は実行されたとは、私どもは考えておりません。日本はやはりアジアにおける非常な技術的産業的な優位を保っておる国であるとともに、日本がやはりこのような発達した通信の力を持ちまして、南方諸邦にあるいはその他の地域に対しまして、この通信網の中心になる、そうしてアジア全体に対して日本の文化的な潤いを均霑せしめる、こういうような意味におきましても、日本というものは使命があると私は思うのであります。ところがアメリカとの間の通信網というものは、日本というものだけを切り離して、アメリカの通信網にぶら下げよう、またフィリピンもアメリカの通信網にぶら下げる。日本とフィリピンはアメリカの通信網を通じなければ連絡がとれない。日本とフィリピンとの間の共同の施設によってお互いの通信連絡をやるというような方向でなくいたしまして、アメリカを仲介としなければできない、シンガポールとの間、その他インドネシア等とも同じようなことでありまして、そうなりますと単にアメリカの世界通信政策のワン・ブランチ、ブランチでもありません、一つの単位としてぶら下がるにすぎない。このようなのが多少安保条約にもひっかかって参っておりますので、こういうふうな重要な問題が通信政策にあるのであります。 もう一つ申し上げますと、放送の問題であります。私は選挙区が九州でありますが、ときどき選挙区に帰って放送を聞いております。そうすると非常にパワーの大きな明瞭な放送は中国と朝鮮とそしてソ連の放送でありまして、わが国の放送は遺憾ながら近くにありながらも電波を比較するとこれが非常に弱い場合があります。こういうふうなほんの近くの放送局のは強いのでありますが、福岡あたりに大電力を——この逓信委員会で論議いたしました結果一応電力を増しましたけれども、それにもかかわらずなお弱い。しかも中波の放送というものによってソ連や中共やその他の諸国は対日宣伝というものに対して相当な力を注いでおるのであります。私はそれはけしからぬと言うのではありません。日本が日本の文化並びに日本の放送というものを通じまして、しかも日本語というものがアジアに厳存しておる。また中国に行きましても、中国の要人に会ってもみんな日本語を話します。朝鮮にもたくさん日本語を話す人が残っておる。台湾にも残っておる。義務教育を受けた諸君がまだまだ青年以上に残っておる。日本語というものをアジアにおいて維持する、そうしてこれを生きた言葉として将来ともあらしめるというようなふうに向かっていく政策というものを私は国として実行しなければならないと思います。従ってこれは決して帝国主義的な政策では私はないと思う。文化政策の大きな課題だと思う。将来日本がいろいろ経済的に伸びていくといたしましても、その下地であると私は思う。であるならばなぜ大電力構想をもっと思い切ってやらないのか、このことを痛切に私は感じておるのであります。そういうような基本的な通信政策を決定するところの現在の郵政省には場所がございません。一体どの局がそういう政策を総合的に立案されるのであるか。国内に対する料金問題その他もございますけれども、それとともに対外通信に対する問題とあわせて、このような諸問題を国全体としていかなる政府であろうとも、自民党内閣であろうと、社会党内閣であろうとも、この問題はやはり日本の存立の将来から考えてみるときには必要な問題であります。だからそういう意味におきまして、私はいつも郵政大臣就任のときには、あなたはこのような政策を——民間の知能を総動員する意味におきましていわゆる電気通信政策委員会のごときものを郵政省に作って、そうしてここに政策の諮問をやって、一党一派のちょこちょこした瞬間的な政策でなくして、国家永遠の、党派はいかに変わろうとも、この政策は変わらない、そういうものを党に探求し、そうしてそいつを着々と実行に移すような諮問機関でもよろしいのでありますが、そのような政策立案の委員会をお作りになるところのかまえはお持ちになっていらっしゃいますかどうかということを私は常に質問をいたしておったのでありまするが、歴代の大臣はお説ごもっとでございます、十分考慮いたしますの御返事はしばしば承りながら、一度も実現を見ないのであります。私どもはこういう意味におきまして日本の新しい現代の姿というもの、この科学の進歩する現代の姿というものを正しく認識した政治の方途をいかなる政党を代表する内閣といえども私は誤ってはならぬと思う。民族の将来のために非常に私は現在は大事なときだと思うのでありまして、ことに郵政大臣はその職にある方でありまするから、その使命を当然お感じになっていらっしゃるだろうと思うのでありまするが、どうかこういう意味におきましていわゆる通信政策を超党派的に、しかも挙国的な体制において将来とも変わらない、どこから見ても間違いのない、そうして世界の大勢を見てこいつを実行しなければならない。これらの諸問題を指摘し、そうしてこれをいかにすれば解決できるか、これらの問題を調査する機関、すなわち政策委員会のごときものをお作りになるお気持があるかどうか、そうしてこれを御実行になるかどうか。近く立案されたものを発表されるというお話でありまするが、それは郵政大臣として私は非常に大事な問題になると思うし、また一党一派の代表者でなく日本国民として大事な問題であると思うのでありますから、お気持を伺いたいと思うのであります。
○鈴木国務大臣 ただいま御意見ございましたところの国際通信あるいは国際放送の重要性というものは政府におきましても十分その重要性を痛感いたしておりまして、具体的なお話がございました日本—アメリカ間の海底ケーブルの問題等につきましても具体的に今検討いたしておるわけであります。さらに国際放送の面につきましては、だんだん波の関係等から実績を積み重ねて参らなければ、国際的に日本の放送の地位というものが確保できない。特にオリンピック等を控えましてその点が非常に重要になって参っておると考えております。従いまして、この国際通信放送の分野を今後積極的に開発をする。またその体制を整備するという点につきましては従来よりも一そう力をいたして参りたい、このように考えておるわけでございます。またそれに関連いたしまして宇宙通信等の新しい分野の研究開発ということも非常に大事な面だと考えておりますけれども、これにつきましても、今後予算の要求その他所要の措置を講じて参りたい、このように考えております。また御提案の官民の権威を網羅した審議会、委員会というようなものを設置するかどうかという点につきましては、現在具体的に考えておりませんが、今お述べになりました御意見等も参考にいたしまして研究を進めたいと考えております。
○松前委員 一言申し上げたいと思いますが、私は個々の問題について、あなたの御所見を承ろうと思っておりません。何となれば、まだ御就任早々でありますから、まだ無理だと実は思っております。けれども、先ほど最後の問題である、やはりこの調査委員会は必要なんです。何となれば、郵政省の機構を見てごらんになるとわかります。どこが一体総合的にこれを立案してあなたの手元に持ってきますか。今ないのです。政治的にこれらを考えて、ほんとうに調査立案しなければならないときでありながら、それの立案をするところはないんですね。政策の立案はありません。事務はあります、事務当局は。けれども政策の立案の場所はありません。その大きな指導的な立場をどこかに求めなければならない。それを自民党に求めるとおっしゃれば、まあそれでいいでしょう。けれども、それは党人の政策であって、むしろそれよりももう少し民間のいわゆる学識経験者その他を総動員して、外国の事情その他も詳しく調べて、一時的なそういう党の政策のような、あした消えていくようなものでなくて、それを私はやるべきである、そういうことを前々から主張して、とくと考えますばかり承っておるのですが、その点はどうでしょうね。私は何も野党としてあなたに詰め寄っておる意味ではなくして、必要だとほんとうに私は思うのですが、いかがでしょう。
○鈴木国務大臣 松前委員の御意見は、これはほんとうに党派を越えての高い見地からの御意見と拝聴いたしておるわけであります。従いまして私も御意見を十分参考にいたしまして、今後のそれに対する考え方をまとめていきたい、かように考えております。
○松前委員 もう一つちょっと簡単に。ただいまの問題については、一つ慎重と同時に早急にお考えになって——決して悪い案ではないと私は思うのですが、お考えいただきたいと思います。そこで問題は国内の問題でありますが、先ほど森本委員が質問しておりました中に、今行なわれておる重要な問題がございます。それは郵政省と電電公社に関連した事業の伸展に関するトラブルであります。何事も前進する場合にはトラブルが起こりますから、あたりまえではないかといえばそれきりでありましょうが、しかし事従業員の生活に関する問題でありますから、そう簡単に片づけるべきものじゃないと私は思うのであります。たとえば町村合併が行なわれて、従来の特定局内にあった電話がどんどん大都市の電話に吸収されていく。そうすると、町村にあった電話施設というものが合併いたしますので、その従来の従業員の身分の問題と首切りの問題、定員の問題にひっかかって参るのであります。しかも合併というものはすべてオートメーションによる合併でありまして、自動化というものでありますから、そう交換なんかに携わるところの娘さんは要らない、こういうことになるのでありまして、それが非常な大きな一つの都市の周辺におけるたくさんの局に同時に起こるのであります。それをやってはいかぬというわけではありませんが、とにもかくにもその問題がいわゆるトラブルの原因として、今日は非常な、地方における摩擦を生じておるのであります。ところが一番やはりしわ寄せを受けるのは、毎日謙虚に交換の仕事をやっておったその娘さんたちでありまして、この人たちが黙々とその犠牲にならなければならない。お役所の諸君は机の上でこれだけ定員が減ったといえばそれで片づいたとぐらい思ってござる。私はそれじゃどうもそこに一つの政治的な要素が不足してはいないだろうか、事務的にのみ進んでおるところの両者のこの事業の運営というものの中に、やはり政治的な考慮というものがなされてないということを私は痛切に最近感じております。あらゆるところにそのトラブルが今起こりつつあります。これは一つ御調査になりまして——これは電電公社だけでもどうにもなりません。郵政省だけでもどうにもなりません。郵務局としてはどうにもならない。けれども大臣としては、これは当然両者の間に対する政治的な配慮をしていただかなければならぬ問題だと思うのであります。この点はぜひ一つ早急に手をつけられまして、現在の日本の状況、そしてそういうふうなしわ寄せが、かわいそうな娘さんたちにされつつある。わずかの給与を取って家計を助けておったものが、配置転換等で遠いところに、汽車賃の方が給与よりも高いようなとろに配置転換される。また一人でもって赴任しなくちゃならぬ。娘一人なかなかそう簡単にいかない。こういうふうな、こまごました現象が方々に起こって、それが真剣な問題として現在各地方に起こっておる。このことを一つ御調査になって、そうして早急に政治的な考慮と解決を見て、いろいろ労働組合その他の中にあまりトラブルが起らないように一つしていただきたい、こういうふうに思うのでございますが、いかがなものでしょうか。
○鈴木国務大臣 独立した電信電話局の設置等に伴いまして、郵便局からその方に配置転換をするというようなことで、電電公社と郵政省の間でいろいろ、円滑に配置転換が参りますように話し合いを進め、また地方郵政局等におきましても具体的に大きな摩擦が起こらないように配慮いたしておるわけでありますが、今のところ大体そういう場合には七〇%程度を公社の方でお引き受け願い、三〇%を郵政省の方で職場を与えて、そうして円滑に配置転換がなされるようにいたしたいということで、基本的にはそうゆうような協定をいたしまして進めておるわけでありますが、松前委員のおっしゃるように、ところによりましてそれが必ずしも円満に参っていないところもあるようであります。そういう点につきましても先般の地方局長会議の際に、私からも特にその点に十分の配慮をいたしますように指示をいたしておるわけであります。今後もその面につきましては特に十分な配慮をいたして参りたいと考えております。
○飯塚委員長 これにて質疑は終りました。 次回は九月十日土曜日午前十時より委員打合会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会