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35回国会衆議院1960/09/10

地方行政委員会 第3号

発言数
112
登壇者
17
会派数
3
開催日
1960/09/10

会議録

西村英一自由民主党

○西村委員長 これより会議を開きます。  地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。順次これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 まず委員長にお願いをしておきたいのですが、きょうの委員会は、九日と十日の両日開会ということは一月前から決定をいたしておったことです。それにもかかわらず、主管大臣である自治大臣は、ことに自治行政についての全般的な施政方針等もまだ明らかにしていない段階におきまして、きょう大臣並びに政務次官どちらも御出席がないわけです。あるいはまた政府当局も、委員の方はすっかりそろいまして待っているにもかかわらず、非常に出席がおくれております。こういう点からいいまして、政府側の特に地方行財政の問題についての誠意を疑うわけであります。委員長として、こういう問題についてどうお考えになり、どう処置されるか、それを一つ明らかにしていただきたい。

西村英一自由民主党

○西村委員長 安井先生の御質問でございますが、なるべく御趣旨に沿うようにこれから取り計らいたいと思います。この委員会におきましても、八月の二十九日に政府の方に連絡はいたしておるのでございますが、何かの都合で出席できなかったことはまことに遺憾でございますが、今後は御趣旨に沿うて運営をいたしたいと思いますから、どうか御了承をお願い申し上げたいのでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 きょうは私、地方財政についての今問題になっておりますいろいろなことにつきましてお尋ねをいたしたいわけでありますが、ちょうど政府の高橋給与担当国務大臣も御出席でございますので、初めに給与問題からお尋ねをいたしたいと思います。  地方公務員の給与ベースの問題は、今日までもいろいろな角度から論ぜられてきたわけでありますが、今回の国家公務員に対する人事院勧告によりまして、その影響が当然地方公務員にも及ぶものだと思うわけでございますが、今新しい段階に入ってきていると思うわけです。従いまして、地方公務員の給与問題を考えるに先だちまして、国家公務員に対する政府の給与対策がどう進むかということに私ども強い関心を持つわけであります。八月八日に提示されました人事院の報告並びに勧告に対して、現在政府においてどういうふうな検討を進められておりますか、どういう態度でこれに臨むかということについて一つお尋ねをいたしたいわけであります。  まず、あの文書は報告の部分と勧告の部分の二つに分かれているように思うわけでありますが、国家公務員の給与に関する人事院の現状分析とでもいいますか、その報告の部分につきまして政府はどういうふうにお考えになっておりますか、それからお聞かせいただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 ただいま安井議員から公務員に対する人事院の報告並びに勧告の点のお話がございました。政府といたしましては、あの報告並びに勧告をとくと審議いたしまして、その間、各省関係官会議並びに次官会議等でこれを議題にいたしまして、そうしてこれの持つ意味あるいはその考え方、そういったようなことにつきまして十分現在検討を加え、かつまた国家公務員とその職務内容もほとんど同一である地方公務員及び地方財政等に及ぼす影響等も考慮いたしまして、せっかく検討中でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 全体的なお考えとしてはそういう段階にあるということかもしれませんが、私ども、もう少しそのような方向からの突っ込んだ検討が政府の中においてすでに進んでいなければならないと思うわけです。八月八日から一カ月以上たっておるのですから、そういうことでなければならぬと思うわけでありますが、その報告の中で、たとえば民間の給与ベースと公務員の給与ベースとの格差の問題でありますとか、あるいはまた生計費調査の資料が、人事院において適切にそれを考慮した報告の内容になっておるかというふうなことについても、これはすでに検討が相当程度行なわれていなければならない段階だと思うのですが、どうなんですか。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 ただいま安井委員から御指摘になりました民間給与との格差の問題あるいは生計調査の資料の問題、特に格差の問題等につきましても若干その間、人事院の報告にもあります通り、格差がある部分も事実でございます。これらをどういう判断をすべきか、またそれらに対してどういったような工合にして勧告との関係においてこれを調整していくか、そこらは今事務的になお検討中、こういう事情でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 さっぱり内容が明らかにならないわけでありますが、あるいはまた給料なんかが提示されておるわけでありますが、それについても上の方に厚く下の方に薄いとか、そういう批判も世間の声としてずいぶんすでにお聞きになっておると思うわけです。今人事院が提示しておりますような給料表をそのまま政府は採用になるようなお気持でおられるのですかどうですか、そういった点はどうでしょう。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 ただいま安井委員御指摘になりましたように、今回の勧告自体だけを見ますると、お話しのように上に厚く下に薄いという表現と申しますか、そういう感じもございましょうが、これを従来の勧告の経緯並びに公務員給与全体の体系から判断いたしました場合に、これが文字通り上に厚く下に薄いということになるかどうか、そこらはなお検討中でございまして、われわれの今までの観点では、今回の給与だけから見ますればそういう表現もできますが、これを体系的に見ますると、必ずしもそれだけではないのじゃないかという観点がございます。しかし、いずれにしてもその内容につきましては御指摘のような点もございますので、給与体系といたしまして政府がこれをきめます場合にも、十分そこらのことも考えなければならないのではないかという点もございまして、今なお検討中、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 今の御答弁からさらにお尋ねいたしたいことは、それでは人事院から出ております資料をさらに検討して、その中の矛盾点があれば、そういうものを政府がはっきり決定される場合には検討した上で、人事院の勧告の矛盾点を是正したような形で決定されるということもお考えになっておるのか、あるいはそっくりそのまま採用されるのか、その点一つ明らかにしていただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 政府といたしましては、人事院勧告はできるだけこれを尊重いたしますけれども、給与体系上の矛盾点、あるいはまた今各省がそれぞれいろいろな点においてこれを是正してほしいというような意見を逐次言って参っております。従って政府が総合的にこれを決定いたします場合には、そういうような給与に関する各方面の意見等も十分考慮いたしまして最終的な決定をいたしたい、こういうことでございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 ちょっと関連してお尋ねいたしますが、人事院勧告が行なわれてからもう一カ月になるわけです。大体人事院勧告は従来政府としては相当尊重して実施する、こういう形で、政府として特に考慮しなければならぬのは、予算的な裏づけが可能であるかどうかというのが重点的に検討しなければならぬ問題だと思います。法的にもそうだと思います。従って指摘された通り、検討中の中では予算の問題が中心なのか、あるいはこれは給与法の改正という形で、表面的には二千六百三十円ですかのベース・アップという形になっておりますけれども、それは平均であって、実際は給与法という法改正という形で勧告されておるわけでありますから、従ってそういう勧告の内容を検討されているのか、その点明確にしていただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 ただいま加賀田委員から御指摘がございましたが、もちろん今回の人事院の勧告は、予算額から申しますと、地方関係も入れまして約一千億以上の金額になりますので、財政に及ぼす影響等もございまして、これは大蔵当局及び自治省等におきましても十分その辺の予算的な配慮と申しますか、予算的な考慮というものについて考えておる。またわれわれが結論を出す場合におきましても、そこいらの予算的な国の施策とのあんばい、そういうものについて十分考慮を払いたい、こう考えておる次第でございます。従って、今予算的な問題だけに限るか、こう仰せられれば、先ほど安井委員からも御指摘がありました通り、人事院の勧告は尊重する建前ではございますけれども、やはりその間において著しく矛盾があり、あるいはいろいろ技術的な、いろいろな報告その他から見ましてもいろいろな問題がございますれば、これは当然国民の納得するような形において是正すべきものは是正する、こういうことでございます。しかし、ものの考え方やその他の違いにつきましては、あくまでも人事院の勧告を尊重する建前ではございますけれども、今両方とも検討しておる、こういうのが実情でございます。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 その点がどうも僕は不明確な点があるのじゃないかと思うのです。二つとも検討されておる、こう言いますけれども、しかし予算の面につきましては、政府はすでに一千億以上の減税とかその他の諸般の施策等について発表しているでしょう。そうすると、総合的な予算の規模その他は大体きまっているのじゃないかと思うのです。そういたしますと、当然その中には給与に対する問題等は予算上処置ができているか、できていないか、あるいはある程度できているのかというようなことは、政府の大体の腹がまえはほとんどできているのじゃないか。もしそれができていないで、地方公務員、国家公務員合わせて一千億前後の多くの予算処置を必要とするものをまだきまっていない、きまっていないにもかかわらず、その他の施策は新聞等で政府は堂々と発表しておるということになると、三十六年度の予算に対する政府の考え方というのはまだ固まっていないにもかかわらず、国民に対して発表したという形になってくる。だから予算上の問題は、大体政府としては腹はきまっておるのであって、今給与号俸の改正に基づく下に薄く上に厚いという批判の中で、これをどう人事院勧告に手を染めていくかということが検討されておるのではないかと思うのですが、そうではないのですか。その点明らかにしていただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 一部の方は、今回の新施策は要するに品目を並べて定価をつけないというような批評をしておるようですが、これを財政的にどうあんばいするか、言いかえるならば、それらの費目にどういうような金額をつけ、どういうことをするかということはまだきまっておりません。従って今の給与の問題につきましても、われわれは人事院勧告は尊重いたしますけれども、これをどの程度の財政規模にして、どういうふうにしてそれを入れるかということは、全体との、また政策の財政的な裏づけとのあんばいによって、その一環においてきまる。こういうことでございまして、今の御指摘の問題でございますれば、まだ政府としてはきまっておりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 先ほどの大臣の御説明によりますと、現状の理解の仕方の中から給料表等を内部矛盾のある点は是正をも政府は考えておるということですが、そこで一番問題は内部の矛盾はいいんですが、その是正の仕方だと思うのです。その是正の仕方によりまして、性格というものががらりと変わってくるわけでございますので、この問題だけは一つ慎重に御考慮をいただかなければいけないし、われわれとしても、単なる是正という名前において、たとえば人事院が一応勧告したものを値切ろうとするのではないか、政府はそういうようなことで支出額を押えようとし、せっかくの人事院勧告が別の意味におきまして、あの勧告自体においてすら金額的にいろいろ問題があるところへ持ってきて、さらにそれを値切ろうとするような措置が内部是正の名において行なわれるのではないかということも心配しておるわけです。ですから、その点につきましては十分に御考慮も必要だし、その考慮ができない場合には、われわれとしても重大な決意を持ってその政府案に対して向かっていかなければならない、かように考えるわけであります。そこで大体金額は、人事院勧告そのままで行なわれた場合に、国家公務員の場合はどれくらいになる目安を持っておられるのであるか、三十五年度の場合と平年度の場合。また地方公務員にこれがそのまま適用された場合にどれくらいの金額になるのか、そのお見込みを一つお聞かせ願いたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 私の承知しておりますのでは、今年度国家公務員の場合に大体四百二、三十億、地方公務員が大体六百億、こう承知いたしております。それは今申し上げた通り、人事院の勧告通り五月から実施する、こういうことで計算いたしますればさようでございまして、従ってこれは十一カ月でございますから、平年度はそれから約一割増、一カ月分だけ増、こういう数字に相なるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 人事院勧告の場合の五月実施の問題でありますが、これは何としても一番重大な点だと思うわけであります。必ずこの通りにおやりになるという御決意を政府は持っておられますね。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 先ほど申しました通り、実施の時期も含めまして政府といたしましては人事院の勧告を尊重するという建前になっておりまするが、先ほど加賀田さんからも御指摘がありましたように、なおそれらの財政的な問題、あるいは裏づけの問題を他の政策費とどうあんばいするかというようなことがからんで、最終的にはなお政府としてはきまっていない。こういうことで検討中であるという状況であります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういたしますと、人事院は報告書でいろんな問題点をあげて、その中から引き出した結論として、少なくも五月からということをっておるのではないかと思います。私どもは、五月という半端な月よりも年度当初にさかのぼるくらいのつもりで一つやるべきではないかと考えておるわけですけれども、しかし人事院の勧告が五月ということになっております。それをそのまま考えたにいたしましても、この五月という開始時期の問題についての合理性を、人事院はいろいろ検討した上で持っているのだと思います。これが合理的であるかどうかということ、その点はどうでしょう。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 先ほども申し上げました通り、人事院は四月のデータによって五月としておるのでございまして、その限りにおいては人事院の勧告は正しいと考えております。従って私といたしましては、できるだけこの人事院の勧告の線に沿うて努力いたしたいと存じますが、先ほども申し上げました通り、相当の財政的な裏づけを必要といたします。従って公務員の給料だけを今取り出して先に決定することができないものでございまして、それらとの関連において今なお政府といたしましては検討中と、こういうことに相なっております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それはおかしいと思うのです。人事院は純粋に一般職の職員の給与の問題についての検討を行ないまして、そういうような形の中から五月からあくまで実行しなければいけない、そういうことで特に民間給与とのバランスというようなものも正しい姿に持ってくることができるのだ、そういう結論から今のようなことが出ているのではないかと思うわけです。人事院勧告を尊重するという言葉を前提として政府がまず言われておるわけでありますが、そういうことになりますと、政府の今のようなことでは、ほかのこととにらみ合わせてまあ適当にということであっては、尊重をしたということに決してならぬだろうと思います。どうなんです。どれくらい尊重されるおつもりなんでしょう。ほんの少し尊重されるのか、重大な決意をもって尊重されるのか、その点一つお聞かせ願いたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 私といたしましては、重大なる決意を持ってこれを尊重する考えでございます。しかしながら、先ほど申し上げました通り、特に地方公務員とあわせてこの問題を考えざるを得ないと思いますので、従って地方財政に及ぼす影響等、そこらの財政的な実態を把握いたしまして政府としては最終的な決定をしたい、こうして今検討中だ、こういうのが実情でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その実施時期の問題は、いつ政府は考え方をまとめて国会に提案されるかという、その提案の時期の問題にずいぶんこれは関係があると思うわけでありますが、次の臨時国会で必ず実現させるというお気持をお持ちでしょうか、どうでしょう。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 われわれといたしましては、公務員の生活の実態等から見まして、なるべく早くこれを実現させることが私の職責と心得ております。ただ今度の臨時国会に出せるかどうかということは、一つには臨時国会の性格等にも関係することで、にわかに今私限りにおいて、これは臨時国会に出すとか出さないとかいう結論を得ておりませんが、できるだけ早い機会にこれの実現の方途を講じたい、こういうのが私の考えであります。

加賀田進日本社会党

○加賀田委員 ちょっと関連して。大臣、給与を担当されたのですが、実施の問題に対していろいろ意見がありましたけれども、実際はこれは御存じのように、人事院が毎年三月現在の民間給与、そして生計費等を調査して、ようやくそれらの水準にまで持っていこうというのが人事院の勧告なんです。そうなって参りますと、今まで国家公務員、地方公務員等はいつも民間給与とか生計費等より一年ないし二年おくれて歩んでいかなくちゃならぬという状態があるのです。従って戦後人事院というものが生まれた経過等を考えると、これは相当政府が腹をきめて財政的裏づけをして、行政府であるみずからが使っているいわゆる職員に対しては、みずから努力をしなくちゃならぬ義務があるわけです。だからいつでも政府は人事院勧告が大体七月——ことしは八月ですけれども、七月行なわれて、そして次の通常国会に出して、翌年の四月から実施するというような形を全部とっておるのです。だから一年ないし一年半おくれるのですから、これはやはり臨時国会で——選挙がもう控えておりますが、おそくとも特別国会等にこれを出して必ず解決するという腹を給与担当の大臣としては固めていただきたいと思うのですが、この点はどうですか。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 今の加賀田委員の御指摘の通りだと私らも考えておりますので、その線に沿うて献身の努力を払いたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 検討はいいことです。これは慎重に検討していただかなければならぬことではあるのですが、検討、検討ということで肝心の見当の方が狂ってしまいまして、ぐずぐずのうちにこれが次の通常国会に延ばされ、あとに延ばされ、五月実施がいつになるかわからぬという形になってしまうのではないかということを、今の御答弁の中から私ども心配をするわけです。今のお話の中からうかがえることは、どうもそういうような心配な節があるように思うわけでありますが、臨時国会に提案できるかできないかということは、結局政府の心がまえ一つでないかと私は思うのです。まだだいぶ日があるのです。ほんとうにやる気があるのかないのかということだと思うのです。どうでしょう。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 私の答弁が不十分でございまして、何か人事院の勧告を幾らかでもつくろうとか、そういうような考えの節がございましたら、それは私の本旨でないことを御了承願いたいと思います。私は誠心誠意この勧告案を尊重いたして一日も早く実施いたしたい、こう考えておる次第であります。  なお、ただいま申し上げました通り、臨時国会に出せるかどうかということは、これはやはり党の関係もありましょうし、国会対策上の問題もあり、従って政府といたしましては、なおこれに対して臨時国会に出せるあるいは出せない、こういうような結論にまだ達していない、こういう実情でございますので、御了承いただきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 現在選挙が近いものですから、自民党の方もいろいろけっこうずくめの政策を発表されておりまして、税金は安くなるだの、所得が倍増できるだの、ここにも新政策の内容という新聞記事の切り抜きがありますけれども、非常にりっぱな政策がどんどん掲げられているわけでありますが、実際この政策を政府がおやりになるのは、やはり国家公務員であり、これを末端で実現に移すのは地方公務員であるはずです。そういうような人たちの問題をまず解決しておいて、それからこれをやるのだというふうに言われるなら、これはあるいは国民は納得するかもしれません。しかし、そちらの方はがまんしろ、この仕事だけはやるのだというのでは本末転倒じゃないかと思う。そういうような意味からも、これは当面問題になっており、人事院が真剣な討議のあとに出した、すでに出ている公的な結論であるわけです。自民党のこれは今新しく出たのだし、人事院勧告は八月八日に出されているわけです。そういうような意味からも、これはすみやかに実現に移す態勢を作るように、特に給与担当大臣におなりになった高橋国務大臣にお願いを一つしておかなければいかぬことだと思うのです。それから機構改革だとか、人員の削限だとか、行政整理だとか、そういうようなものも今度の給与ベースの引き上げに伴ってやるお考えが政府にあるのじゃないかという憶測もあるようでありますが、これはどうでしょう。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 先ほどのお話のように、新政策を実施いたしますについても、これの実際の実施官庁は国家公務員であり、地方公務員でございます。従って、これらにつきましては生活上の不安を取り除き、かつまた勇気をつけて働くことが最も大切であろうと思うのであります。従って何か給与を上げて、その反面人を整理する、こういうような状況では、いわゆる朝三暮四の感がないでもなく、かつまた政府といたしましてもそういう考えは毛頭ございません。従ってこれとの関係において行政整理をやる、あるいはいたずらに機構改革をするということは考えておらないのであります。ただ行政管理庁といたしましては、こういう問題とは離れて、かねてから公務員の国民に対する公僕としての能率を高め、かつまた事務を簡素化して、真に国民の公僕たる責めを果たす。こういう形において一つ行政運営がなされるという点に着眼いたしまして、そういう観点につきましては、今各省とも十分話し合い、あるいは適当な機関においていろいろこれが対策に当たりたいと思っておりますけれども、今給与べースの引き上げに伴っての行政整理、あるいは各省の整理、こういうことは考えておらない次第であります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それが杞憂で終わるように御配慮を願いたいわけでありますが、しかし別な面から人員整理の問題が出てきても、結局結論的には同じことになるということにもなるわけであります。これは重大な問題ですから慎重に御検討順いたいと思うわけであります。  いずれにいたしましても、今度の人事院勧告の問題については、五月からの実施の問題、それから給料表の内容につきましても、公務員の内部から不平が起きないような、そういう矛盾点の是正が行なわるべきであるということ、さらに臨時国会で必ず政府の考え方を明らかにすべきだということ、こういったような点を一つ強く要望いたしておきたいわけであります。  地方公務員の関係について今度は自治省の方に一つお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、国家公務員に対する措置がまだ今明確にされていない段階でありますけれども、それに伴って地方公務員についても必ず実施するという方向にお進みになると思うわけでありますが、その点一つはっきり伺っておきたい。さらにまた地方財政において、それをどう措置されるお気持なのか、この点を一つお尋ねいたしたいと思います。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 地方公務員の給与につきましては、法律の建前もそうなっております。従来もまた国家公務員に準じて取り扱う方針で参っておるのであります。今回の人事院勧告が、国家公務員にどのように適用されるかという点については今まだ未決定でございますが、国家公務員に適用されることになりましたと同じ形におきまして、これに準じて地方公務員についても措置を講じていくということは従前と同様変わりはございません。ただ、それに伴いまして、先刻行政管理庁長官からもお話がございましたように、本年度勧告通り実施するといたしますれば約五百五十億、六百億近い金がかかります。平年度にいたしますると六百二十億という多額の経費を要することにも相なる。地方公務員自体といたしましては、それらの点もあわせ考え今検討中でございますけれども、建前はあくまでも従前と同じように、国家公務員と同様の措置をこれに準じて講じていく、財政的にも、また行政指導の面においてもそういう線で進んで参るということは変わりはございません。

西村英一自由民主党

○西村委員長 門司君。

門司亮民主社会党

○門司委員 ちょっと私、こまかいことですが、基本的な問題について聞いておきたいと思います。  御承知のように給与の中に当然含まるべきものである超過勤務手当であります。これについての基本的な概念はどういうお考えですか。実情を見てみますと、どこの役所でも大体超過勤務手当というのは、予算面で時間を割り当てて、そうしてやろうとやるまいとそれだけしか支給しない、こういう建前をとっておるようです。特に地方公務員の場合などはそういう超過勤務をする時間が割合に多い。はなはだしいのは警察です。警察などは、職務の関係でどうしても超過勤務をしなければ、結局犯人を追っかけていく場合に、時間がきたからこれでやめようというわけにはいかぬのです。そうすると超過勤務をしなければならない。ところが、手当の方は一カ月百三十時間なら百三十時間ときめられておる。それ以上は支払わぬという方法をとっておる。これは給与を支払う基準に対する一つの大きな矛盾ですが、これを解消するというようなことを、給与の担当大臣として概念的にお考えになっておるかどうかということ、それからそういう給与の支給の仕方というものは、私は正しい給与の支給方法ではないと考えるのですが、この点を一つ明確にしておいていただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 今御指摘になりましたように、超過勤務手当につきましては、そういう矛盾があり、あるいはまた実情に沿わない点が多々あることは私もよく承知しております。先般も、これらの勧告ともからんで人事院当局と話をした際にも、その他の手当等もひっくるめてこの超過勤務手当がもう少し実態に即するように、かつまた大蔵当局におきましても、予算措置をするときにはこれらを実態に合うような形においてやはりそれぞれの役所に配分し、そしてそれぞれの役所がその実態に応じてこれを行使できるようにして、初めてこの手当を置いた目的が達するわけでございまして、今の実情についてはとくと承知しておりますので、必ずこれが是正に努めたい、こう考えておる次第であります。

門司亮民主社会党

○門司委員 念を押すようでありますが、必ず実施すると言われておりますから、実施するだろうと思いますが、役所の関係からくるこうした矛盾を解消しませんと、実際上の事務の能率が上がってこないのです。だから今のことをもう一度私は念を押しておきますが、それでは必ずこのことを今年度の予算措置の中に是正するように国、地方を通じてやられますね。こう私ども解釈しておいてよろしゅうございますね。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 われわれとしては、今の御指摘のような方針で、これは人事院その他大蔵省関係と速急に話をつけて、解決に努力したい、こう考えております。

門司亮民主社会党

○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますことは、次の臨時国会で給与改定の法案は大体出せないであろうということを官房長官の大平君が新聞に書いております。私も、大体内閣の方針はそうじゃないかと考えておりますが、出しても出さなくても、問題は予算ですが、予算措置は五月にさかのぼってできるという御確信がございますか。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 先ほど申し上げました通り、政府といたしましては、人事院の実績をくんで人事院の勧告は尊重する建前でございますが、先ほど申し上げました通り、これの予算的措置等もございますので、いまだそれをはっきり最終的には決定してない。なおその点については財政その他のあんばいから見て検討中だ、こういうような実情でございます。

門司亮民主社会党

○門司委員 そういたしますと、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。私の聞いておりますのは、たといその支給の時期というか、決定の時期が多少おくれても、人事院の勧告通りに大体やれるという見通しがついておれば、法律の手続上の時期が少しおくれたからといって実質的には被害——被害という言葉はどうかと思いますが、大して被害はないということにもなろうかと思います。しかし、時期はおくらす、さらに人事院勧告は予算がどうだこうだということでできないということになると、公務員に対する心理的影響というものはなかなかよろしくない影響を与えると私は思うのです。その点で政府はこの際、臨時国会に法案を出すことは困難だが、しかし勧告の実施は行なえるのだという言質さえ与えられることができれば、そういう気持の問題は私はなくなると思うのです。それはできませんか。やはり今の御答弁のようなことでお過ごしになるおつもりですか。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 今の御指摘のような線に沿うてわれわれは努力いたしますけれども、今なおこの時点におきまして、それなら人事院の勧告通り実施する、こう申し上げる段階にはございません。

門司亮民主社会党

○門司委員 あなたのこういうお考えをお聞きすることはどうかと思いますが、大蔵当局が来ておりませんから……。予算の状況から見て参りますと、大体これは新聞の切り抜きその他を調べてみましても、千三百億くらいの増収が最初あると考えておったのが、二千七、八百億くらいになるのだということが大体考えられておる。同時に、そのこと自身は大して私は数字上には間違いがないと思う。それから池田さんのものの考え方として、予算はあるものでなくて作るのだとおっしゃっております。作れば私は作れると思うのです。だから政府が誠意さえあればこれはやれると思われる。やるかやらないかということは政府の誠意いかんだ、こう考えておりますが、そういうわかり切ったことを押し問答するようですけれども、予算は作るものだという、あるいは見つけるものだ、財政は見つけさえすればあるのだという池田さんの考え方からすれば、政府に誠意さえあれば、私はここで当然あなたの方から、法的の手続その他はおくれても実施ができるのだというふうに言えると思いますが、いやに追及するようですけれども、どうしてもだめですか。

高橋進太郎自由民主党行政管理庁長官

○高橋国務大臣 御指摘のように、国だけの財政を見ますると、本年度も自然増による剰余金が予想されておるのですが、われわれとしては、やはり地方公務員を離して実施するということは不適当だ、こう思うので、どこまでもこれは国と地方公務員とを一括して実施する形でいかなくちゃいかぬと思うのです。そうしますと、地方財政——まあ門司さんよく御承知の通り、地方では、自然増があるたびに県会を開いて、大体当てはめていって、ある程度財源というものを使い果たしているというのが実情だと思うのです。従って、地方財政が相当程度の負担がかかり、しかも地方財政の方ははね返りがないわけですから、そうすると、そこいらの地方財政の負担の状況等を考え、それに対して国がどういうふうな財政的な裏打ちをするのか、そこいらのところをきめて決定いたしたいという腹でございます。そこいらを見きわめてからきめたい、こういうことでございますので、私といたしましては、先ほど申し上げました通り、この時点でどうも五月から実施する、こう言い切って政府の見解を申し上げることは、はなはだできない、こういう実情でございますので、一つ御了察願いたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それでは地方財政と地方公務員との関係につきましてさらにお尋ねを続けて参りたいと思いますが、本年度で五百五十億、平年度で六百二十億と一応見積もられるといわれるこのべース・アップについて、これは当然地方財政に新規財源を付与するという形でなければまかなうことはできないと思うわけでございますが、その点自治省の当局はどういうようにお考えでしょう。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 今年度の問題といたしましては、やはり相当地方交付税の追加交付を行なわなければ実現はできない、かように考えておる次第でございます。来年度以降の問題につきましては、来年度以降の自然増収がどれくらいに上がるか、もし自然増収が相当の額に上ぼって参りますれば、特別新税を設けるとか、交付税率を上げるとかは、それだけでは必ず必要になってくるとはいえない、かように考えておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 三十四年度の決算の見込みが出たと思います。それの概況と資料をいただけるといいのですが、その概況と、三十五年度の現況について、少し今の質問に関連して話していただけませんか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 三十四年度の決算については、都道府県のものがまとまっておりますので、この次の機会に資料を提出いたしたいと思いますが、大体のことを申し上げますと、こういう計算が必ずしもよいわけではございませんが、全都道府県を一つに計算いたしまして、実質収支で二百七十三億円の黒字ということでございますが、三十三年度が百六十七億円の黒字であったわけでございますので、百六億円だけ黒字がふえた、こういう計算になっております。赤字団体が三十三年度の八団体から四団体に減っておるわけであります。しかし二十九年、三十年、赤字にあえいでおりました当時に、赤字額をたな上げをいたしまして長期債に振りかえたわけでございます。これは年次計画を作りまして償還に努めてきておりますが、このたな上げ赤字額を加えますと、四十六都道府県の中の半数に当たる二十三団体がなお赤字だ、こういうことになっておるわけでございます。市町村の決算の大体のところでございますが、三十四年の実施収支におきまして百億円余りの黒字でございます。三十三年度は七十二億円の黒字であったわけでございますので、二十八億円程度黒字がふえた、こういうことになっております。赤字団体が三十三年度で六百八ございましたが、それが五百四十八に減って参ってきております。このように都道府県も市町村も、若干ずつではございますが、漸次好転してきておる、こういうことが言えると思います。好転して参っておりますが、ただいま申し上げました黒字というものは、歳出規模に対しまして二%内外にとどまっておるわけでございます。戦前の地方財政あるいは戦後の国家財政は黒字額を歳出規模に対しまして一〇%内外保有しておった、あるいは保有しておるということから考えますと、まだまだゆとりのある財政運用はできない、こういう状況だと言わざるを得ないと思います。いずれにしましても、漸次好転して参っておりますので、このような姿において数年推移いたしますならば、地方財政は健全な姿に立ち直ることができるのではないか、こういうような見通しを持っておるわけでございます。三十五年度の地方財政につきましては、さきに地方財政計画の御審議をいただきましたように、従来と比べまして、あるいは税外負担の解消に一歩前進しますとか、あるいは地方財政の健全化のための措置費を計上いたしますとかいうような措置をとって参ったわけでございます。その後さらに経済界の好況もございまして数百億円の自然増収が期待できる、こういうような見通しになってきておるわけでございます。いずれにいたしましても都道府県、市町村が果たしていかなければなりません公共施設の維持、下水道の施設にいたしましても、あるいは道路、橋梁にいたしましても、非常な貧弱な状態にあるわけでございまして、そういうものを漸次高めていかなければならないわけでございます。若干の自然増収ができて参っておりますので、そういう問題についてもある程度手をつけていけるところにきておるのではないか、こういうような期待を持っておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 給与費に対する新規財源の問題での先ほどのお答えに続けてお尋ねをしたいわけでございますが、本年五百五十億の増加ということなりますと、当初財政計画の重大な変更になってくるわけだろうと思います。そこで奥野財政局長の御答弁では、地方交付税の追加交付も考えられるということのお話もございましたが、今の段階で昭和三十五年度の財政計画の結末というのはまだわからないだろうと思うのですが、しかし前年度の国税収入の自然増だとか、そういうふうなものが地方交付税の中にもはね返ってくるということも予想されるし、そういうようなものを含めまして大体自然増が今の段階で当初計画よりもオーバーしてどれくらい見込まれているかということ、その点だけ先に一つ伺います。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田説明員 三十五年度の当初計画と決算見込み、つまり本年度の自然増収がどれくらいあるかというお尋ねでございますが、御承知の通り地方税の関係は、府県の方はやや早いのですが、市町村の関係は徴収の状況が私の方にわかるのは非常におそいというような関係もございまして、非常に大胆な推定でお答えいたす以外に方法がないわけでございますが、その点御了承をあらかじめ賜わりたいと思います。そこで私の方の税は、国税に非常にリンクしているものが多いわけであります。国税の方は三十五年度の当初見込みに対して、大体従来発表せられておりますのが千三百億でございます。それを基礎にいたしまして計算をいたしますと、私どもの今の推計では、大体四百五十億見当が自然増収になるのではなかろうか、こういう推計をいたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 地方交付税についてはどうですか。国税のはね返りの地方交付税には見通しはありませんか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 御承知のように所得税、法人税、酒税の増収があります場合には、潜在的には地方交付税が増加しておるわけでございます。しかし、いずれにしましても、今年度のものにつきましては、国の補正予算で増収が計上されませんと、地方団体に追加交付するという段階には至らないわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういたしますと、先ほど奥野財政局長から地方交付税の追加交付ということで財源付与をする考え方もあるというお話がありましたが、それはたとえば交付税率の引き上げとか、そういうような形で措置されるわけですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 三十五年度内に三十五年度の国の補正予算がかりに国会に提出されるということになりました場合に、おそらく三税の増収を見込むことになるのだろうと思います。そうしますと、その二八・八%、正確には地方交付税だけですと二八一五%ですが、この分が歳出予算に計上されるわけでございます。これを本年度地方団体に配分する。こういうことになるわけでございまして、こういうような地方交付税の追加交付がない限り給与改訂ができない、また給与改訂をする限りはそれをぜひやっていただきたい、かように考えておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 先ほど高橋国務大臣は地方財政についてのはね返りをずいぶん心配されておったわけでありますが、何とかかんとかこのことだけを考えれば財源はあるということですか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 追加交付を期待いたしましても限りがあるわけでございます。大体交付税の増収の見通しがつけられておるわけでございますので、最大限度の増収を見込みましても、それだけ全部まかなえるという数字にはとうていならないだろうと思います。だからどうこうということを私は申し上げるわけではありませんが、今言われている数字から地方交付税の追加交付だけで給与改定の財源全部をまかなうのだ、それは不可能だと考えておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 自然増収が四百五十億ありますね、これをプラスすれば何とかまかなえるというような、ただそれだけでもそういうふうな気がするわけでありますし、さらにまた地方財政の中でも膨張部分が必ずあるだろうと思うわけでありますが、そのようなものを含めて、政府が国家公務員に対するベース・アップを考える場合には、それに見合わして地方財政への措置というものはなさるべきが当然なんですが、今お話がありました地方税の自然増収、それから地方交付税の追加交付をでき得る限り国の一般会計の中から回してもらう分をふやしていくという考え方の中で、何とかこれはまかなうことができるような気がするわけであります。ですから、現在の段階では、地方公務員の給与べースは、国家公務員に比べると、さらに劣悪な状態にあるわけですし、しかも地方公務員内部においても、県と市町村、特に町村の職員等の低給与水準は実に明らかであります。それだけに今回のべース・アップの問題を、地方共団体の立場からも、一つ国家公務員の問題を促進するというふうな方向に御努力を願うのが建前ではないかと思うわけであります。行政局長どうでしょう。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 府県と市町村の場合、御指摘になりましたように実態が違っておるのであります。府県の場合は、国家公務員と比べて劣悪であるということは一般的には言えません。若干低いところもありますが、それに対して相当高いところもあるわけです。市町村の面につきましては、なかんずく新しい市並びに町村等につきましては、これは国家公務員に比較して、一般的に低いところもございます。ただそれらに対しましては、国会等においてもいろいろ御要望もあり御論議もありまして、私たちとしましては、それらの点について機会あるごとに是正の措置を講ずるように今までも指導して参っておるのであります。給与問題は、国家公務員と地方公務員についてその取り扱い、建前というものを異にすべき理由はごうもないわけであります。そういう意味から、国家公務員について措置が新しく行なわれる場合には、それに準じた措置をとるように指導をして参っておるわけであります。今度の場合も人事院勧告が出たわけであります。政府当局といたしましては、この趣旨というものはできるだけ尊重するという建前で今後の施策の決定が行なわれていくということになると思いますし、われわれ地方公務員の給与問題について関心を持っております者といたしましては、その方向において決定せられるということを期待もいたしておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連して。奥野局長にちょっとお聞きしたいと思いますが、ことし人事院勧告が実施されるとなると、これは本年度で五百五十億ですか、そういう財源措置が当然必要になって参ります。これは三十五年度の財政計画外の財源の措置だと考えねばなりません。そのほかに三十五年度の財政計画のほかに考慮しなければならない、手当しなければならぬというような何か事態が考えられますか。たとえば台風等の災害問題等も当然あるかもしれません。こういう点について予想される財源措置の必要な面がありましたら一つ聞かせておいていただきたい。  それから行政局長にお尋ねしますが、今あなたの方の地方公務員、特に市町村関係の職員の給与の問題について非常に指導していただいているというお話がありましたが、実際はやはり各市町村の末端に入ってみると、ほとんど徹底していないのじゃないかと思われます。というのは、どういう具体的な指導あるいは助言等がなされておるかわかりませんが、市町村の職員の給与体系というものが一つのちゃんとしたものが条例化されていない。たとえば職員の学歴であるとか、あるいは勤務年数であるとか、そういうようなものは全然無視して、ただ町村長あたりの勘で給与を出しておるというようなことで、めちゃめちゃになっておるというのが実態のようですね。そこで一番住民に接する町村末端の公務員、いわゆるサービスをモットーとしなければならない公務員が、そういう給与が低いために結局やらぬでもいい超過勤務をぼんぼんやって、そこに一つの財政的な乱れを来たしておるという町村も見受けられるようです。そういう点をやはりきれいにすっきりしたものにするためには、根本は町村職員の給与を適正なものにしてやるということが先決であろうと思われる。それについて先ほど申し上げましたように、どうも相当数の町村においては給与体系というものがめちゃめちゃになっておる。これをやはり是正してやる必要があると思うのですが、それらについて何か具体的に適切な指導がなされておるのかどうか、その点を今の安井さんの質問に関連してお聞かせをいただきたいと思う。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 災害の点につきまして、今後の推移も検討しなければならぬわけでありますけれども、御指摘のように特別な措置を講ずる必要が起こり得るというような心配を持っておるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 ほかにありませんか。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 現在給与問題と災害に対しての問題、これが一番の問題でして、特にそのほかに大きな問題は現在のところ予想いたしておりません。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 今お述べになりました点の問題点があることはその通りでございまして、そういう点から、われわれといたしましては、町村職員等の給与ベース自体を適正に持って参るということもむろん根本的に重要な問題でありますけれども、それに関連をいたしまして、制度といたしまして、たとえば初任給の制度が全然きまっておらない、あるいは昇給制度というようなものも確立されておらぬというところがあるわけであります。任用制度自体をやはり確立をしていくということが必要だろうというふうに感じておるのでございます。そういう意味合いから、本年度に入りまして相当細目にわたりまする注意事項を通達いたしまして、それに基づいて地方課長もブロック会議を招集して、一々こまかいことを協議をいたしました。その点に基づいて市町村の指導を行なわせるような態勢を実はことしから確立をいたしたのであります。この結果がどのように現われて参りますか、今のところはまだはっきり申し上げるわけに参りませんけれども、この態勢はやはり一挙には参りませんが、徐々に積み重ねて持っていくということが必要ではないかというふうに考えまして、今御指摘の線に沿ってせっかく努力をいたしておる段階でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 今川村さんから町村職員の低給与水準の是正の問題のお話がございましたが、今の自治省の御答弁でも、実は非常になまぬるいような気がするわけであります。これらの人々には人事院もないわけです。国家公務員には人事院もありますし、勧告してくれる人があるわけでありますけれども、市町村の公務員についてはそれもないわけです。ですから人事院になったつもりで積極的な勧告措置等を自治省でおやりになるということでお進めをいただかなければならないと思うわけです。そういったことで地方公務員のべース・アップの問題は国家公務員に対する措置というものが先行するわけでありましょうが、それをむしろうしろの方からあと押しをするというようなつもりで自治省御当局はお進めをいただかなければならぬわけで、単に財源がないから地方公務員の方はできませんよという態度で自治省が出られると、得たり賢しと国家公務員の方もおくれるということがあるわけであります。特に御注意をお願いいたしたいと思います。  そこで中だるみ是正の前回の措置でありますけれども、県や市町村によりましては、その措置がまだ十分にできないうちに今度の八月八日の勧告が出たものですから、九月の県会に上程するような手はずをしておったのが、次のやつがくるなら一汽車待って次のやつと一緒に乗ろうというようなことで、上程を取りやめておるという措置をしておるような地方団体があるようにも聞くわけでありますけれども、どうなんでしょう。この中だるみ是正の措置だけは完全にいっておるのかどうか、お見通しをお持ちですか。

藤井貞夫自治事務官(行政局長)

○藤井説明員 中だるみ是正と勧告の実施とは、これは別建てでありまして、中だるみ是正につきましては、すでに法律の趣旨にのっとってこれに準じて措置をするように通達を出し指導をやっておるわけであります。今私自身といたしましては、この勧告が出たから中だるみ是正を一つ見送ろうというような点はまだ聞いておりません。すでに実施をしたところもありますし、大体のところは九月、十月の県会、地方議会において措置をするというところが多いのではないかと私は思っております。まだ全体的に済んだ方が多いというわけではございませんが、九月、十月の候にその措置が行なわれるのではないかというふうに思っております。私といたしましては、勧告があったんだから勧告と一緒にやったらいいじゃないかという考え方は毛頭持っておりませんので、法律がすでに制定をせられ、それに準ずる措置が講ぜられるべきであるというように方針が決定いたしております以上、その線に沿って措置が行なわれることを期待いたしておるわけであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 中だるみ是正の足踏みというようなことにも、地方財政の苦しさということは目に見えるような気もするわけでありますけれども、しかし、給与の問題はそれとは一応別の問題でございますし、別の問題という言い方にもいろいろ考え方はあるわけでありますけれども、私はそう思うわけです。ですから、むしろあとのものがくるからそれまで待つというようなことであっては、さらに苦しさの上に拍車をかけることになりますし、いずれにしても従来の措置は従来の措置で正確にやるということ、さらに新しい段階においては、国家公務員の措置に対応する措置を積極的にお進めになるということで御指導を進めていただきたいと思うわけであります。  時間がだいぶ回って参りましたので、質問の第二の方の税制の問題についてちょっとお尋ねをして終わりたいと思うわけであります。地方税の減税の問題につきましては、社会党はことしの春の通常国会において党の案を提案いたしまして、衆参両院の審議の対象にしたわけでありますけれども、自民党側はついに積極的に審議に応ずるという態度をお見せにならないで審議未了、廃案という形になってしまったわけであります。ところが、今度新政策という中で、われわれの方の党の案を、盗んだとは言いませんけれども、相当程度そのままの姿でお取り入れになっておるような面もあるようでございますが、現在の段階におきまして、政府は明年度の地方税制の改正についてどういうふうなお考えを持っておられるか、それを一つお聞きしたいと思います。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田説明員 すでに新聞等で御承知の通りに、八月の二十二日に政府の税制調査会から、さしあたり明年度において実施をすべき減税の基本方針について中間的な答申がなされたわけでございます。その中では、まず一つは減税の規模を千億以上、これが第一点でございます。それから国税につきましては、中小所得者の負担を軽減するということで所得税、及び経営の基盤を強化するという意味合いから法人税、この二つの直接税をさしあたり主として減税をする。なお若干の間接税を加えて減税をする。いま一点は、特別措置につきましては、これはあくまでも特別措置は特別な措置であると理解をして、努めて整理、合理化をはかる、こういう諸点を報告をしておるのでございます。  その際、地方税につきましては、国税の改正に対応して所要の改正措置を行なうということ、これが第一点。いま一つは、負担の均衡化をはかる、これが第二点でございます。なおその際には、地方税につきましては、地方財政の実態にかんがみて、国税改正の影響が自動的に地方税制に及ぶようなことのないように、住民税その他の税について課税標準なりあるいは課税方式等について所要の改正を行なうべきだ、こういうことをうたっております。なお地方財政の状況から見て、国税の減税等によって自動的影響で回避しがたいもの、あるいは回避すべからざるものというようなものもございますので、それらを考慮し、さらに交付税の減収等も考えまして、減税によって生ずる地方財源の減収については地方財政の運営に支障を生じないように所要の措置を検討することが適当だ、こういう御答申をいただいておるのでございます。従いまして、地方税につきましては、この基本方針を尊重いたしまして、私どもといたしましては現在検討をいたしておる段階でございます。昨日税制調査会において、この基本方針に沿って減税の細目をどうするかということで審議がございました。昨日は、国税の所得税と法人税について審議があったわけでございますが、妻控除の問題であるとか、あるいは扶養控除の問題、こういうものについてはそう大した議論もなかったのでございますけれども、それ以外の問題についていろいろな意見が出て、まだ全然まとまってない、こういう段階でございます。従いまして、国税のやり方が一応きまりませんと地方税のやり方もきまりません。従って、それらの状況をにらみ合わせまして、私どもとしては、基本的には、先ほど申しました税制調査会の大方針に沿って個々の税について減税措置を講じていく、こういう考え方でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 減税の問題につきましては、もう少し各税目ごとの考え方等について実はただしたいのでありますけれども、きょうは時間がございませんので、税制調査会の審議の方も中途段階にあるということでもありましょうし、きょうはやめますが、今若干お触れになったように、地方税については、住民の負担均衡の問題と同時に、やはり補てんの問題、これが両面から十分考え合わされた線できめられなければならないと思います。そういうような点について一つ慎重な御検討を要望しておきたいと思います。  次に固定資産評価の問題でありますが、これも評価制度調査会での作業がだいぶ進んでいるということも聞くわけで、先般この委員会におきまして報告を受けております。それ以後の動き等についても知りたいのでありますが、ことに農地の評価の問題であります。先般の報告によりますと、農地の評価については、収益資本還元の方式と売買実例方式、この二つの方式についての意見が対立して、まだまとまっていないというような御説明をさきに受けたような記憶があるわけであります。これのきまり方によりましては、現在の農地評価というものが相当大きく狂ってくるということになるわけで、農業問題としても非常に重大な問題だと思うわけです。今どんなような方向に審議が行なわれ、どんなふうなお見通しを持っておられるか、これを一つ伺いたい。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田説明員 固定資産税の評価の審議状況でございますが、現在、土地につきましては、先般の国会でもお答え申し上げましたように、売買実例価格、つまりあるべき市場価格ということで評価をするか、それとも収益還元の方法でやるか、この両意見の対立があるわけでございます。その後評価制度調査会においても、この問題について数回論議を重ねておるのでございますが、農林省の方で、何かこういった検討の調査会みたいなものがあるやに聞いているのですが、それの方の結果が八月一ぱいかかるということで、この土地問題の評価は九月以降にしようということになっておりまして、この十三日から土地の評価問題をどうするかということを審議する手はずになっております。従って、この結果がどういうようになるかということは、今から予測することはちょっと困難な実情にあるわけでございます。ただ私どもといたしましては、いずれにいたしましても評価の問題と税率の問題とからみ合っているわけであります。従いまして、私どもとしては、やはり最終的には理屈に合った評価でなくてはならぬ、つまり時価ということになっておりますので、理屈に合った評価の仕方でなければなるまい、こういうようには考えておるのでございますが、最終的には、これは税負担の問題として私どもは考えていきたい、こういうつもりでおります。従って、いずれの結論になるか、私どもとして今予測することは困難でございますけれども、考え方としてはさような考え方で臨んでいきたい、こういうつもりでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 現在の収益還元方式でいきますと、常識的に言いまして、比較的土地の価格というものが安く出てくる計算になると思います。と言いますのは、一反の水田からとれる米の価格というのは、米価が統制されておりますから、それから逆算されてくる価格で、そこで落ちついていくわけであります。ところが、現在農地の価格は、土地そのものが少な過ぎるのか、あるいは農民が多過ぎるのか、いずれにいたしましても、本来ある価値よりもつり上げられた価格で取引がされているのが実情ではないかと思います。ですから、本来は反当たり三万円くらいしか値打はないわけでありますけれども、つまり収益還元方式からいいまして計算いたしますと三万円くらいにしかならない。それらの土地が現実の売買では十五、六万で売り買いされている、こういったような姿があるのではないかと思います。それが現在の方式から単に売買実例方式へと移行するということになりますと、相当大幅なつり上げになっていくわけです。一方農地以外の建物なんかは債権価格ですか、それから償却資産等はこれこそ売買価格で評価されるのでしょうから、そういうようなものと現在今バランスをとるというようなことでみんな一そろいにそろえてしまいましたら、土地の価格そのものはぐっと上がってくる。ほかのものは一応ストップだとしますと、たとい税率は同率であっても、農地の方に対する相対的な負担増ということに結局なってくるのではないかと思います。その点農村の内部におきましても、今度の固定資産評価制度調査会の結論の出され方に対して関心が非常に高まってきているというふうな状態のようであります。ですから負担そのものを上げないのだというお考え方を今お漏らしになったわけでありますけれども、絶対的な負担増にしないという意味と、それから相対的な負担増という意味と、その二つの面を一つこれは十分にお考えを願わなければならないと思うわけです。そこで売買実例方式よりも収益還元方式の方がどれだけ合理的なのかという証明がここでなされなくてはならないのだと思うわけであります。その点農林省等が専門的な調査が進んでいるということでありますので、そういうようなものにも期待しなければならないと思うわけでありますが、あくまで現在の農地というものは本来持つ価値以上に売り買いされているのだというその点実際の姿を一つ念頭に置いて問題に当たってもらわなければならぬと思うわけです。これらの考え方についてどういうふうにお考えでしょうか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田説明員 土地の現在の売買価格が本来あるべき価格よりは高く出ているのであるという御意見でございますが、これはそういう御意見ございます。要するに現在の土地の価格は限界生産価格といいますか、そういったものだ、こういうような観点から言われておりますが、そういう面もございましょう。しかし、また同時に収益還元方式の欠点はどういうところにあるかといいますと、このきめ方がいわば言葉は非常に悪いんですが、あめ細工式なものになりやすい、こういうことでございます。つまり資本還元率をどうきめるかということによって値段はどのようにでも動く、こういう面があるわけでございます。なおそのほかにも企業者利潤をどうするのだとか、あるいは労賃をどうはじくかといういろいろな問題があるわけでございます。ただ大きく値段が変わるのは資本還元率だろうと思います。こういうような意味合いから値段のきめ方が非常に上下をするという点があるわけでございます。従って、売買実例価格の方がいいのだという議論をおっしゃる方の根底にはそういう考え方もあるように私は見ておるのでございます。そこで次に負担を絶対的なのか相対的なのか、こういう御意見でしたが、まさにその点が一番問題になるわけでございます。税率は、これは固定資産税として動かすわけにはいくまい、こう思います。資産間で別に作るというわけにいくまい、一本にせざるを得ない。そういうことになれば税収総額としては変わらぬにしても、資産間での負担の変動というものが出てくるわけであります。そういう面からおっしゃるような心配があるわけでありまして、まさにこの収益還元でいくのかあるいは売買実例でいくのかというような点も、そういう点に関連して、この固定資産評価の問題の一番むずかしい問題にぶつかっておるわけでございます。従って私どもとしては、九月以降の審議では、かりに売買実例の価格でやるのだということになれば、実態はこのようになりますよという資料も添えて委員さん方の審議の参考にした上で結論を出していただくようにしたい、こういうように考えておるのであります。

安井吉典日本社会党

○安井委員 今のお答えの中から大体わからないわけでもないのでありますが、現実の税の徴収という段階になって参りますと、農地が主体であります。農村地帯と、それから償却資産なんかを相当持っておる都市の場合とで、今度の上げ下げによってずいぶん大きなアンバランスが生まれてくるでありましょうし、単に今度のこの調査会は評価制度そのものだけをいじればいいという考え方でこれは発足したのだろうと思います。そういうふうな御説明であったのでありますけれども、だんだんそれが結論段階に近づいて参りますと、評価制度だけじゃなしに、固定資産の税制度、地方財政の最も重要なポイントにまで突き当ってくるということに今なってきておるのじゃないかと思います。しかるに農村の場合では、所得税が減ってきておるものですから、勢い住民税に対する地方財政の依存度が減って参りまして、その半面固定資産税の占める要素が非常に高まってきております。それだけに固定資産の評価も、そして固定資産税そのものがどう動くかということについて、地方公共団体あるいはまたそれらの納税者たちの関心が今高まってきておる現在でございますので、それだけに一つ慎重に検討が進められなくてはならないと思います。所得倍増計画だとか、農民の数を六〇%減らすとかなんとかいうふうな打ち上げ花火があるように私ども聞くわけでありますけれども、いずれにしても、農地の地価を政策的にも抑制をしなければならない段階に今あるのではないかと思います。そういうことによって農家の経営採算を少しでも改善できるわけでありますから、地価抑制の政策的配慮をも含めまして、現在の農地に対する固定資産税評価が上がるということは、これは望ましくないことだと思うわけです。そういうような意味で評価の方式の合理性、いろいろな二つの方式が出ておるわけでありますけれども、それがどちらが合理的かという問題も、これももちろん重大だと思います。しかしながら、結論として出てくるその数字が農家の経済に、さらにまたこれは農地でありますから、農村地帯の問題に勢いなってくるわけでありますけれども、それらが地方財政に非常に大きな影響があるのだということを一つ十分に頭において調査会においても御審議を進めてもらいたいし、政府もそういうような態度で臨んでいただきたいと思います。その点もう少しお聞きしたい点もありますけれども、一つ要望ということで最後にとどめておきます。

川村継義日本社会党

○川村委員 ちょっと一言。きょうはいろいろ論議はいたしませんが、税務局長にちょっとお聞きしておきたい。自治庁は近ごろ鉱産税について増徴の条例改正とでもいうのですか、そういうような指示あるいは勧告みたいなもの、通牒みたいなものを出しましたか。

後藤田正晴自治事務官(税務局長)

○後藤田説明員 鉱産税につきましては、もう数年来、事業税の軽減に合わせて軽減してくれ、こういう要望が非常に強いわけでございます。また自民党の政調の方からもそういう御意見が従来あるわけでございますが、御承知の通りに、鉱産税は所在市町村が非常に偏在しておる。市町村によりますと、税収の五〇%以上をこの税でまかなっておる。こういうようなこともございまして、この税についてはそういう財政面、さらにまた鉱産税の性格から見まして、私はこれはいじるべきものじゃないのじゃないかという気がいたしております。従いまして、所在の市町村に下げろとか上げろとかいったようなことを申し上げるようなことは全然いたしておりません。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうですか、よくわかりました。ところがいわゆる百人とか百五十人とか三百人とかを使っておる中小炭鉱が今非常にあわを食っているんです。というのは、自治省から税金を上げろというような指導がきて、きょうでもう一週間も役場に呼ばれてやっておる。その通牒を見せてくれと言ったが、私は原文を見るわけにはいきませんでした。一体それは自治省から出てきたのか、町村独自で条例改正をやろうとしておるのか。しかし制限税率等は法律できまっておるのだから、そう勝手にやるわけにはいかぬだろう、県の方からどういう指導をしておるかわからんけれども、ということを言っておったわけです。しかし、あなたの方から何かそういう通牒が出ていなければあんなに強硬にやるとは思わぬし、これは何かの形でよけい取れというようなあれが出たのじゃないかと驚いたわけです。それが出ていないとなると、私も大へん安心するわけですが、そういうようなことをよくやりますから、出ていなければ、そういう点が起こっているということを念頭に置かれて、よく適切な指導をしていただきたい。これは私がいろいろ申し上げるまでもなく、御承知の通り中小炭鉱は今日四苦八苦で、まさにつぶれたり、あるいは経営者を移管させたり、大へんな状態です。まあどれくらい税金を納めておるかわかりませんけれども、中小業者を救済するということは国の当然の国策でもなければならないし、鉱産税などいじめなくてもよかろうと思われますので、ここでいろいろ論議しませんけれども、出しておられなければ安心するわけですから、一つそういうことが地方の中小炭鉱に行なわれているという事実を申し上げておきますので、よく適切な指導をしていただきたいと思います。

西村英一自由民主党

○西村委員長 三田村武夫君。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 災害に対する措置について二、三点お尋ねいたしたいと思います。  御承知のように昨年の大災害に引き続いてことしも各地に相当の災害が発生しておるのでございます。私は岐阜県でありますが、岐阜県は昨年の伊勢湾台風でひどい目にあいました。ことしも十一号、十二号台風あるいは集中豪雨で相当深刻な災害を受けたのでございます。岐阜県だけでなく京都府、兵庫県あるいは静岡県その他災害のひどかった県は相当あります。  そこでまず最初にお尋ねいたしますが、地方財政の健全化と申しますか、その保護の立場から自治省さらに大蔵省で、今度の災害について何か特別の措置をすでにお考えになりましたか、あるいは今後何かお考えになっておりますか、最初に伺いたいのであります。実は党の方でも災害対策特別委員会を作って検討中でございますが、党として成案を得ましたならば、政府側とも折衝したいと思っております。まあ今申しました今度の災害について特別に地方財政保護の立場から自治省としてすでに何か措置されましたか、今後どういうことをされるお考えか、大蔵省と両方からまずお伺いいたしたいと思います。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 災害がありました場合には、地方交付税の繰り上げ交付でありますとか、あるいは特別立法で、一カ所当たりの補助基本額あるいは補助率を引き上げたりするわけでありますが、そういう関係の話し合いは、現在のところ最近の災害についてはまだいたしておりません。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 私は昨年の災害に際して衆議院の災害対策特別委員会の委員をいたしておりました。これは委員会の始まる前にも政府側と相当強い折衝をいたしたのでございますが、たしか十一月七日だったと思うが、総理大臣、大蔵大臣同席の上、特に災害対策に対する地方自治体の負担の問題を取り上げて強く御要望しております。御承知の通り、公共災害については特別措置にいたしましたし、従来の例から考えましてもそれぞれ相当の措置をいたすのでありますが、現場の市町村にいきますと、なかなか法律、制度上の措置だけでは済まないものがたくさんあるのであります。これがすべて地方自治体、市町村の負担になる。これは私が申し上げるまでもなく御承知のはずでございます。従って災害の措置に対する地方財政、地方自治体の負担は相当に重い。特に昨年深刻な災害を受けて、ことしも同じ地域同じ地点で同一以上の災害を受けたという地方自治体の苦しみは実に深刻であります。こういう点に対してはどこにも救いを求める道がないのでありますから、昨年の委員会で申し上げたように、何としても地方自治体——県も含めてでありますが、政府共同の責任で措置いたしませんと、被災者の立場は救われません。法律上、制度上根拠がないというだけでは済まされない深刻な問題であります。そこに政治の基本的な条件、基礎があるということは申すまでもない点であります。今奥野財政局長お話しの通りだと思いますが、先ほど奥野局長の言われましたように、地方財政全体の傾向から見ると黒字であるかもしれません。しかし、御承知の通り実際災害現地の市町村というものは深刻な立場にあるのです。これはぜひともまともにお考えを願いたいということを最初に申し上げます。大蔵省の主計官も来ておられますが、どうでしょう、ことしは全体の災害の量と質から見て大したことはないから、今のところ別段考える必要はないのだというお考えか、それとも、国全体としてはそう大したことはないが、直接災害の現場府県、市町村の立場から考えた場合は特別に考慮しなければならぬ必要があるとお考えですか、御意見を伺っておきたいのであります。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 ただいま三田村先生の御意見の点は、昨年度も私どもいろいろ伺った問題でございます。本年度の災害の状況は、ただいま先生のお言葉にもございましたように、全体の被害報告額といたしますと、ただいままでのところでは例年に比べまして相当低い額でございます。しかしながらその内容について、各省あるいは直接地元の方がおいでになった際などにいろいろ伺ってみますと、集中豪雨による災害が多かったために、特定の地域に深度の深い災害を受けたという点が非常に多いようであります。こういった問題に対しまして、現在の災害復旧の法規につきましては、大体御承知でございましょうが、公共土木施設国庫負担法というものでは、それぞれ団体の財政力に応じて負担率を上げるほかに、さらに連年災害については、特別にまた負担率を上げるような規定がございます。そういったものがどの程度に働くかということになりますと、被害の状況というものが相当詳細にわかりませんと、こういった問題は判断ができないわけでございます。現在問題になっております災害としましては、八月に来ました十六号、その前の十一号、十二号あるいは七月の豪雨といろいろございますが、比較的早い災害につきましては、すでに建設省や農林省において緊急査定も済んでおりますので、ある程度実情がわかっておりますが、大部分のものにつきましては、現在緊急査定を実施中あるいはこれからやるというような段階でございます。従いまして、こういったものにつきましては現在までのところ状況が明確になっておりませんので、全体としてはこういうような状況であるらしいということはわかっておりますが、地方負担とかあるいはそれに対する何らかの措置を考えるべきかどうかという問題になりますと、具体的な数字について判断を下さなければなりません大蔵省といたしましては、いろいろ勉強はいたしておりますが、そういった段階でございますので、現在のところ、個々の問題についてどういうふうな措置をいたすべきかということについては、結論を得ておりません。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 今宮崎主計官の御説明、その通りだと思いますが、この緊急査定についても、今言われました連年災害の特別加重状況といいますか、ただ平面的な見方で小さな災害の経費を見るということだけでは、私は不十分だと思うのです。去年やられてまたことしやられた。これは連年災害の規定はありますが、それだけよりももっと深い。特に現場の市町村の立場からすると、どうにもならないということが現実だと思います。私も、去年の災害、ことしの災害と、つぶさにその事情を承知しておるのでありますが、全くどうにもならない。特に自治省はお考えであると思うが、これはただ一般に黒字になるということだけでは片づかぬ。はっきり申し上げますが、そういう静かな気持というか、態度で見てもらうことは困る。特に限られた町村においては、私はこれを強く申し上げます。私は他の県の統計数字はまだ申し上げておりませんが、岐阜県の立場から見ましても、まさに連年災害、三十二、三十三、三十四、三十五年と四年連続しております。これは家屋、家財とか、そういうものの災害関係を除いて——これは県庁の方に私は調べさせたのでありますが、三十二年が三十七億八千百二十六万、三十三年が五十二億八千七十九万、三十四年が五百五十三億六千七百万、ことしの災害は今わかっているだけで、これは一週間ぐらい前の数字でございますが、五十九億四十五万。県の県税収入の三十五年度、今年度の大体の予定が三十四億九千万円、これで県が災害対策をやっていかなければならないのですが、苦しい立場でつじつまを合わせていきます。財政局長が言われたように、そう赤字を出しておりませんが、赤字を出さない県の経理をやっていくためには、非常に苦しむのであります。これはぜひともお考え願いたい。昨年の災害で特別措置、つまり高率補助の適用を受けた町村が、岐阜県下で五十四ヵ町村あります。その五十四ヵ町村の中で、今度また同等あるいは同等以上の災害を受けた町村が二十八ヵ町村あります。しかも昨年度は特例法をやりましたから、補助率も高率であります。ことしは、自治省、大蔵省も御承知の通り特例法はございまん。そういたしますと、昨年ひどい目にあった。昨年は、ともかく特例法の適用を受け、高率補助を受けたが、ことしは、今宮崎主計官が言われましたように、公共土木災害復旧の国庫負担法、こういう一般法の適用を受け、深度のいかんによっては連年災害の適用を受けますが、いずれにいたしましてもその補助率は少ない。昨年ひどい目にあって非常に苦しんで、財政的に困難を来たした上に、ことしまた災害を受けて、しかもその措置が昨年よりも薄いということは、どうしても自治体としては納得がいかない。自治体の住民、被災者の立場からいっても、納得がいかぬ。納得のいかない政治は、私は政治じゃないと思う。行政としても、納得のいかぬ行政は行政の範囲じゃない。こういう点はあくまでもお考え願いたい。これは主計官御説明の通り、まだ全部査定は済んでおりません。しかし、九月五日付で私の手元に持って参りました岐阜県の町村長会で調べた数字によりますと——これはもちろん査定が済んでおりませんから正確だとは申し上げませんが、土木、農林、文教、厚生等の公共災害の総額が二十四億円、関係町村四十五ヵ町村でありますが、このうちで県負担を除いた、つまり町村費負担額が標準税収の二分の一をこえるもの三ヵ町村、同額以上のものが四ヵ町村、一倍半以上のものが一ヵ町村、二倍以上のものが七ヵ町村、こう書いてあります。これは査定が済んでおりませんから、正確かどうかはここで言明はいたしませんが、とにかく深刻なものがある。部分的に、地域は狭い。国全体の立場からすると、災害は大したことはない。従って政府においても、大蔵当局においても、自治省においても、私ははっきり申し上げますが、関心は薄いかもしれない。けれども、実際災害を受けた県の立場からすると、薄いどころではない。去年もやられ、ことしもやられた。家も土地も流された。しかも手当は薄い。これではなかなか承服いたしません。こういう点は一つしっかりお考え願いたいと思います。私はここで理屈を言うつもりではありませんが、たとえば岐阜県の奥の方の山間部の一つの村に例をとってみましても、これは坂内という小さな村であります。昨年の災害復旧事業は、国と県で支出したものが八百七十二万円、支出の全部が千四百七十四万円、これは公共災害だけであります。この間町長が来て言うておりました。この村の基準財政需要額は九百一万六千円、一千万円足らず。そこで昨年の災害で使った災害対策の費用が、全部加えて町村の立場から計算するとざっと四千五百万円だという。しかし、昨年は特例債を認めてもらって五百二十万円もらっている。ことしはこの通り適用になるかどうかわかりません。しかも、私たちが心配することは、これは岐阜県だけですから、なかなか特例法を作ることはむずかしい。のみならず、結局今度臨時国会をやったところで、こういう問題を取り上げる余地があるかどうかわからぬ。通常国会にいってしまう。私は、自治省にも大蔵省にもはっきり申し上げておきますが、これはほんとうに考えてもらわないと困るのです。政治に対する不信の声が高まってくることが心配です。私たちは与党であります。政治に対する責任を負うておる。政府も御同様であります。全体の災害額が少ないからというので軽く扱ってもらっては困る。こういう被害の激甚な地域には、土木、農林、文教、こういう公共災害については、少なくとも昨年と同率の補助をやってもらわなければ納得しませんよ。それから小災害に対する特別措置もやってもらいませんと、どうにもならない。もし特例法がむずかしければ、特別に自治省の方で大蔵省と談判して、特別措置をやってもらいたい。こういうことを考えてもらいませんと、ほんとうに責任をとれませんよ。私たちも考えますが、地方債、交付税等の特別措置、こういった問題についても、私はこの際どういう見解を持っておられるか伺っておきたいと思います。  正直に申しますと、私たち災害の現地に行って、おる場所がないのです。しかも私たちは与党です。所得倍増とか月給二倍論とかいうこともありますが、ほんとうにことしもやられ、去年もやられ、その前もやられた。こういう人々の立場からしますと、天を仰いで長大息、所得倍増、月給二倍論というのは一体どこの国のことかというささやきなんです。これは、何も私は与党だから、社会党だからという立場で申し上げるのではない。少なくとも憲法に書かれておる国権の最高機関としての国会、その国会を構成する国会議員の一員として私は申し上げる。これはぜひ自治省も大蔵省も真剣に考えていただきたい。現在どういうふうなお考えであるか、まず基本的な態度について伺っておきたいと思います。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 御指摘のように、岐阜県は昨年に続く今回の災害で、全国でも一番被害額の激甚な団体の一つであります。そういう意味におきまして、私たちも話を伺いまして特に同情いたしておるわけであります。従いまして、地方債の問題でありますとか、あるいはまた地方交付税の問題でありますとか、そういう点につきまして自治省が所管しております事項につきましては最善の措置をいたしたい。特にその点につきましてはいろいろな点を考慮して最大限度の援助をしていきたい、かように考えておるわけであります。  先ほど申し上げましたのは、たとえば小災害について国庫負担の対象にする農林省や建設省の問題でありますとか、あるいはまた土木災害等につきまして、現行法以上の特別例法を作って高率負担をする、こういうような関係の話し合いは、現在のところはいたしていないということを申し上げたわけであります。そのことは将来も必要がないのだということを申し上げたわけではございませんで、現在農林省や建設省からそういう話を受けておりませんので、そういう話はしていない、こうお答えをしたわけであります。  もちろん災害復旧の際におきまして、地方団体が独自でさしあたりは融資を受けてでも、必要な措置をとっていかなければならぬ場合がたくさんあると思います。そういうものにつきましては、私たちは利子負担額を特別交付税で補てんできるようにしていきたい、かように考えておるのであります。また小災害が特に多いというような事情もわかっておりますので、ただ一律な地方債の許可をいたしませんで、特にそういう地域につきましては、地方債の発行額を多額に認めていき、またその元利償還額につきましては、少なくとも従来通りの方針は当然とっていくつもりであります。なおまた、税の減免とかあるいは国庫補助を受けて行ないます災害諸対策の地方負担額とか、こういうものにつきましては、従来特例法を出しまして特に地方債を発行できる、またその地方債額の元利償還の道につきましては特別交付税で補てんをしていく、こういう行き方をいたしておるわけであります。この種の特例法は自治省として国会に提案をいたしたい、こういう考え方を持っておるわけであります。その考え方は大蔵省の方にも申し上げております。ただ農林省なり建設省が所管される問題について、補助金額を下げるとか、あるいは高率補助の特例を出すとか、こういう問題につきまして話し合いを受けておりませんので、現在話し合いはしておりませんということを端的に申し上げただけであります。今後なお被害額が一そう明確になるにつれまして、必要な措置につきましては、それに応じて自治省としても努力はいたして参りたい、かように考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 ただいまの奥野局長の御答弁で大体了解いたしました。現在、言われました通りまだ査定等も実施中でありまして、災害の全貌がわかっていないし、所管が農林省なり建設省なりでありますので、ただいま言われた通りのことであろうと思いますが、これを実施いたしますのは県であり、市町村なんです。その市町村、県が一番おそれておりますのは、結局財政負担が伴わないためにどうすることもできないというのが、むしろ市町村の悩みなんであります。一日も早く実施するために、つなぎ融資やその他であたたかい手を差しのべてもらうとともに、私は、むしろ進んで、農林省、建設省から連絡を受けてやるというのでなくて、市町村を守っていただくのは根本は自治省である、それが自治省の姿であるという考えで、こういうような措置をやっていただかなければ市町村は復旧できませんという立場から、積極的に自治省が町村の苦しい立場を御理解下さいまして、災害復旧に努力していただきたいということを特に今の答弁に関連いたしまして要望だけさせていただきます。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 今渡海君の発言にもありました通り、私が特に自治省に望みたいことは、建設省や農林省の立場については、それぞれ建設省、農林省に強く要望いたしますし、党としても必要な措置は考えていきたいと思います。ただ私がここできょう特に大蔵省にも出ていただいて申し上げたいことは、地方自治の見地から、災害のたびごとにいためつけられる地方自治体をどうして守るかということをお考え願いたい。健全な自治がありませんと健全な民主社会は成立しない、存在しないのです。私は昨年も強く大蔵大臣にも総理大臣にも言った。国の財政だけ健全であって、自治体の財政が不健全であれば何の意味も価値もない。特に今度は自治庁が自治省になった。その意味で強い立場から強い発言をしてもらいたい。あくまでも地方自治体は自治省が守るのだという、それだけの権威、識見を持ってもらいたい、私はそう思うのであります。今奥野局長は、必要なものはその措置を考える、こう言っておられました。また借入金その他の処置したものについては、負債の利息負担についても考えておると言っておられましたが、これはぜひやってもらわなければならぬと思う。  私二、三日前に災害現地の関市に行きましたが、市長はほんとうに悩んでいる。これは大蔵省にも一つ監督の立場があると思います。主管は厚生省だと思いますが、たとえば災害救助法を発動いたします。そういたしますと、たき出しをやったりいろいろなことをやるのです。現場で家を流され、水につかってどうにもならぬものがある。食わさなければならぬ。これは救助法の発動によりやりますが、住所、氏名、年令を全部書き出せという。それだけでなくて、堤防が切れてまだ水が入ってくるのだから、水防団や消防団その他よその人が応援に来る。そういう人に飯を食ってもらわなければならぬ。そういうときに災害救助法でたき出しをし、食事を与えることができない。だから、わずか三日か五日の間にどうにも処置がつかない金を六百万円出したと言っておりました。それは一体どこでだれがしりぬぐいをするのだということになる。災害で深刻な被害を受けたその住民がまたそれをしょい込まなければならぬということになる。今の法体系でいうと、政府はそういったものについてくれやしませんよ。それでますます深刻な負担を重ねていく。そうして手当が足りないと、これは今度の揖斐川水系にしても長良川水系にしても大へんな水量です。去年は七十年ぶりの災害である。八十年ぶりの災害だからやむを得ないという一種のあきらめがあったのですが、またことしやられた、来年やられないという保証はありません。そういう原因をだんだん探求していくと、山が荒れている、山の中の手当が薄いということです。砂防施設が不完全だということです。しかもその上に、先ほど申しましたように、山の中の木は、金の出場がないから町村長が公有林とか村有村を切ってしまって、さらに災害の原因を作っている。それ以外に金の出場がないのです。そういう無理の上に無理算段を重ねていくということは、私はほんとうに自治体を守る立場ではないと思う。これは一つ自治省は大いにしっかり腹帯を締め直して大蔵省と交渉をしていただき、主計官もこれは十分御承知のはずでありますから、考えていただきたいと思います。  さらに査定の問題ですが、濁流があふれ出る現場ではない。こわされておる現場ではございません。水が引いて、とにかくボロボロになっても一応自分の家に帰ったあとにきて査定される。これは冷静な査定でけっこうでありますが、これはやはり災害の現地に立った者の立場からいたしますと、いかにも冷静過ぎる。ものさしではかったような査定で、これは特に私は大蔵省に申し上げますが、昨年災害を受けてことしまたやられた。原因を見ますと、これは改良復旧をやった分だけ残っております。だからせっかく昨年の災害で大あわてでやってもらったところだけ残っていて、その前後がぐしゃっといっている。元も子もなくなってしまった。これこそ国費、県費、市町村費のむだづかいです。こういうことにならないためには、一体どういう条件を整えたら一番災害対策としていいかということを、これは私は真剣に考えてもらいたいと思います。  私は災害だけをここで問題にするのではございません。政治の基本問題といたしまして、結局は一般の国民が安んじて生業に励み得るようにすることが政治の基本的な目標でなければならぬ。毎年々々びくびくして、そうして安住の地を求められないようなそういう行政であるならば、これは政治ではない。そこに災害対策の根本方針を置いてもらいませんと、私は大いなる見当違いになると思います。具体的にきょうここでどういうことをやるという——私自身も自治省、大蔵省が今具的体にどういうことをやるという態度をおきめになっておらぬことは承知しておりますから、これ以上答弁は求めませんが、それだけを強く申し上げておきます。  私は、ただここで被災者、災害県の立場からPRをやっておるのじゃない。先ほども申しましたが私たちも災害に対する責任を負わなければならぬ国会議員としての発言でありますから、この発言については相当責任を持って私は申し上げております。どうぞ一つそういう立場から真剣にお考えを願いたい。党においては、党としての立場で今検討しております。自治省、大蔵省あるいは建設省、農林省、部分的には折衝を始めておるはずでございます。そういう今私が申し上げた問題について、自治省は自治省としての決意、大蔵省は大蔵省としての心がまえをこの際はっきり伺っておきたい。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 三田村先生のお話もっともでございまして、災害を受けた団体の財政的な措置につきましては、従来のやり方だけで十分だとは思っていないわけでございます。将来立ち直れるように、また災害復旧も中途半端な災害復旧でなくて、本格的に、それで将来安心できるような姿に持っていかなければならないと存じておるのであります。財源的な面において、地方財政のワク内で措置すべきものもございますし、また大蔵省なり、建設省なり、その他にお願いをしなければならない、たとえば原形復旧でなくて、改良復旧を建前にしていただきたいというようなことも申し上げておるわけでございます。そういうような諸般の問題につきまして、今後とも各省との間に十分連絡をしながら、今お話しなりますような方向が達成されるように努力をして参りたいと思っております。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 お答え申し上げます。ただいま御指摘の問題は、制度の問題、さらにまたその運用の問題全般にわたりまして非常に重大な問題を御指摘になったことと私も感じます。もちろん大蔵省といたしましても、災害復旧事業に対して、かくのごとく毎年相当莫大な金を出しておるわけでございますから、これが効率的に、しかも実際に適用して最も円滑に、しかも地元の人がそれによって喜ぶように行なわれなければならぬということは、私ども基本的にその通りだと思います。現在の制度といいますのは、やはり過去のいろいろの実績を積み上げて逐次変更しながら参っておるような状況でありますので、特に運用面などになりますと、いろいろ御指摘のようにまずい点もあるだろうと思います。私どもが感じておる点も若干はございます。基本的には、ただいまのようなお考えに対して、私ども全くその通りだと考えておりますので、ただいま今年起こった災害に対してどうのこうのというような問題とはまた離れまして十分研究して参りたい、こういうふうに考えております。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 農地農業施設の災害が非常に多い今日、集中豪雨、決壊場所も含めて、暫定措置法がありますね。暫定措置法の中に高率補助の条件がちゃんと書いてあります。一戸当たり八万円以上、あるいは施設については十五万円以上がこの計算の基礎なんです。これをざっくばらんに申しますと、去年もやられた、ことしもやられたといいますと、あの計算の基礎は単独災害についての計算の基礎なんです。去年もやられた、ことしもやられた、その前年もやられたといいますと、その被災農民の立場からいうと、一戸当たり八万円や十万円じゃないのですよ。八万円という計算になれば九割五分、十五万円という計算になれば十割補助にあの暫定法を見るとなるのです。しかし計算の基礎が単年災害だけに置かれておりますからそうなるのですが、私は大蔵省も農林省も研究してもらって、実際に災害の深度からいうと、去年やられて、ことしまだ継続中なんです。深度からいうと、あの計算の仕方を、八万円、十五万円という計算の中に入れてさしつかえないと思う。どうしてもその計算ができなければ、私はその暫定措置を一項どこかへ書き入れてそういう計算ができるようにしたい。あれは実情に合わないのです。実情に合わないものは納得しないのだから、この点は自治省の方も大蔵省の方も、あるいは農林当局とも相談してもらって、そういう解釈ができるものかできないものか、どうしてもできないというなら、大蔵省に一ぺん研究しておいてもらいたい。私の方も研究いたします。これは何かそういうことを今まで研究されたことはございませんか。大蔵省と自治省、両方から伺います。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 現在の農林水産業施設暫定措置法におきましては、ただいま御指摘のような連年災規定といいますか、過去の災害を合算して補助率の調整をするという規定はございません。この問題につきましては、農林省の方からも何かそういうような考え方を取り入るべきでないかという御提案があったこともあります。つい最近ではございませんけれども、公共土木施設についてこういう問題が行なわれました一年くらいあとに、そういう問題がありました。当時議論になった点を私記憶にある点で考えてみますと、要するに非常に問題になりましたのは、農業農地用施設につきましては御承知のように施工者がいろいろな形になっております。公共土木施設のように地方公共団体という一つのものでありますと、連年災規定の問題なども非常に明確に適用基準が出てくるわけでございますが、御承知のように個人あり、組合あり、あるいは市町村もあるというようなものでございますので、非常に技術的に困難な面がございます。それから具体的にそういった連年災をこうむった実例はどの程度かということがわかりませんと、何万円がどうだというような計算が出てこないという問題がございます。そういうことがいろいろございまして、当時は見送りということに相なっておる経緯があるわけであります。御指摘のような点は、私どもも確かに現行制度上見ていけば若干抜けておるということはその通りだと思いますので、今後の問題としては十分研究はいたしたいと思います。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員 もう一点。これは大蔵省、自治省、それから他の省の関係がありますが、災害の場合に融資の道がいつでもあるのです。ところが、これは窓口が幾つもありまして、利率も違いますし、期限も違います。六分五厘で三年とか、あるいは条件のいいのは三分五厘で五年とか、役所の関係は何本もあるのです。ところが被災者の立場からすると一本なのです。これは町村財政も経理上もいろいろな点もありますが、町村の役場の立場の人も非常にめんどうで煩雑で、たくさん資料ばかりつけられてもかなわぬですよ。こういう点、大蔵省、農林省、厚生省、災害関係の関係各省に協議してもらって、災害関係の助成、資金の貸付といったものについての系統を何か一本にするようなことを一つ考えてもらいたいと思うのです。実際当面の自治体の経理も困りますし、それから受ける者も非常に困るのです。補助率が違ったり、利率が違ったり、非常にややこしい。実態は同じなのですから、そういう点をぜひ一つ御研究願いたいと思います。これは今ここで御答弁を要求いたしません。非常に重要な課題だと思いますから、御研究願うよう要望いたします。一応私の質問を終わります。

西村英一自由民主党

○西村委員長 纐纈彌三君。

纐纈彌三自由民主党

○纐纈委員 時間もあれですから簡単に申し上げたいのですが、実は今三田村先生、渡海先生等から災害に対する質問がいろいろありましたが、最近はいわゆる集中豪雨というので、きわめて部分的な災害が非常に多い。ところが災害の対策に対しましては、全国的な災害の対策に対しては国としてもいろいろ特別立法等を作りまして、二十八災とか、この前の伊勢湾台風等はそういうことでございましたが、集中豪雨は非常に部分的であり、全国的に見て被害額というのは少ないのでございます。しかし、実は被害者の苦痛というものは、むしろ私は全般的であるよりも、一部分であるものの方が非常にひどい、同じあるいはそれ以上であるというふうに考えているのです。ところが小災害等につきまして——伊勢湾台風あるいは二十八災のときには特別の措置が行なわれておりまするが、先般のチリ地震津波等においても、そういう特別立法というものは持たれていなかったのであります。今度もそういう線までいくかいかぬかわかりませんが、とにかくそういうことでございまして、全国的という問題でなく、やはり被害者の立場から見て、どうしても同じような方法を講じてやらないと、ことに昨年ああいう特別の措置をとっておる。ことしまたそれ以上あるいはそれと同等程度の被害を受けても、昨年のような救済の方法がとられぬということになりますと、これは被害者としては非常に心配であって、この点も今三田村さんからも切々とお話があったのでありますが、そういう点において、今回の災害に対しまする救済方法につきましても、そういう立場から少なくとも二十八災あるいは伊勢湾台風等でとられたような措置をとって、ぜひ災害地の救済に当たってもらいたい、これが私の希望でございます。  またもう一つは、先般もちょっと愛知、三重、和歌山の方へ伊勢湾台風の復旧の進捗程度等について視察に参ったわけでありますが、その方でだんだん順調に進んでおるということは言っておりまして、また政府の処置に対しましても相当感謝の意を表しておったのでありますが、とかく年度があれいたしますと、三、五、二というような予算の配分に対しましても忘れがちになってしまって、だんだん薄くなってしまうのじゃないか、途中で消えてしまうということが非常に多いのであります。そういう点につきましても、年々災害は起こるのでありますし、そういう措置をやられたら、せっかく希望を持って災害の復旧に当たっておる者に対しても非常な不安でありますし、また災害は年々参るわけでございますから、こういう問題についても途中で消えるというようなことのないように、ぜひそれに対する費用というものを間違いなく、そしてしかも早急に地元の方に回してもらいたいということを考えておるわけでございます。この二つの問題に対しまして、自治省と大蔵省の関係の御答弁を願いたい。  もう一つは、先ほど来あっちからもこっちからも声が出ておるのでありますが、年々災害が起こって参りますので、ことに今私が指摘いたしましたような小災害地に対する救済というようなものもある程度法律としては欠けておるわけでございますから、災害に対します基本の法律を作って、それによって、災害があっても、地元の者がどれだけ補助をもらえるか、どれだけ救済されるかという不安のないように、災害に対します救済の基本法というものをぜひ私は作ってもらいたい。これはもちろん各省に関係がありますが、先ほども渡海先生がおっしゃったように、結局自治省が地方自治団体のめんどうを見るわけでございますから、ぜひとも自治省の方で中心になってそうした基本法を作ることに努力をしていただきたいと考えておるわけでございますが、これに対します御答弁を承りたいと思います。

奧野誠亮自治事務官(財政局長)

○奧野説明員 第一は特例法の問題でございますが、先ほどちょっと申しましたように、少なくとも歳入欠陥債は出せるような特例を出したいということで関係省の意見を今伺っているところでございます。さらにそれ以上の問題につきましては、今後の実情が数字的に正確につかめますと同時に検討して参りたい、かように考えておるわけでございます。  第二の災害復旧を迅速に行なっていくという問題、これは私たち全く同感でございます。従来からも関係の省に対しましてそういう希望を強く申して参っておるわけでございますけれども、今後一そう私たちの方でもそういう方向に向かって努力をしていきたい、また関係省にもお願いをしていきたい、かように考えておるわけでございます。  第三の災害基本法の問題につきましては、自治省内においても検討をしている最中でございます。なおまた県や市町村が、災害が起こった場合にどういうような措置がとらるべきであるか、全体一望してわかるようなものをあらかじめ府県や町村の方に渡しておきたい、こういうようなことで、そういう内容を今私の方で作っている最中でございます。これは災害基本法の問題とは直接の関係はございませんけれども、どういう対策がとられるものか、あらかじめ地方団体がわかっておりますように、総括的に把握できるようなものを用意しておきたい、かような考え方を持っておるわけでございます。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 第一の特例法の問題につきましては、ただいま財政局長のおっしゃいましたような考え方と私ども同感でございます。従来のいろいろ特例法などに比較して議論いたしますると、現在の程度でそう大きなことができるというふうには考えられないこともございますけれども、いずれにしましても、実態を明確にいたしませんではどうという結論も出ないわけでございます。その調査等の問題は、すでに党の方で御指摘もございまして、各省でいろいろ急いでおりますから、そういったものを見まして十分検討して参りたいと思います。  災害復旧の進捗率につきましては、いわゆる三・五・二方式というものが数年前に確立されまして、これによってやっておるわけでございます。昨年の災害にあたりましても、この方式を一応踏襲しまして、相当巨額の予算でありますが、これをやっておるわけでございます。もちろんこれが途中でしり切れトンボになってしまうというようなことは絶対にないわけでございまして、その点につきましては十分にやって参りたいと思います。今おそらく現地をお回りになって御議論になったかと思いますけれども、三十四年災につきましては、何といいましてもああいった時期に予算を組みましたために、その後の確定額において増加をしている点もございます。そういったものにつきまして、予定しました計算上の進捗率との相違があるという問題もございますが、こういう問題につきましては、年度内にでも処理できるものは処理するというようなことをあわせて考えております。  災害基本法の問題は、何分にも大問題でございますので、私どもの個人的な見解を申し上げるのはどうかと思いますが、十分に当局としても検討をして参りたいと思います。

西村英一自由民主党

○西村委員長 門司亮君。

門司亮民主社会党

○門司委員 ちょうど約束の時間が過ぎておりますので、私はごく簡単に要望だけを申し上げて、次の機会に自治省の大臣はもとより、大蔵大臣もついでに出てもらうということで、来年度の地方財政計画についての概要を一つ十分聞いておきたいと思います。そのことは、御承知のように、最近発表した政府の考え方の中に来年度はかなり大幅な公共投資が行なわれるということになっております。この公共投資は、ほんとうに国が公共投資をするというかけ声だけでなくて、実際に行なおうとする、これに伴う地方予算というものがかなり大幅なものが出てくると思う。こういうことを地方の財政を考えないで——考えたとしても、いいかげんにものを考えてやっていると、せっかく立ち直りかけた地方財政にまた危機を招くような結果が私はくると思う。従って、この点については、特に自治省関係としては一つ大蔵当局との間に十分の折衝を当局自身もされるであろうが、われわれもやはりこれをそのまま——政府の大ぶろしきと言うと怒られるかもしれませんが、何かいやに人気取りのようなことで大きく出られている。しかし、その反面地方の自治体の行政が非常に大きな犠牲になるようなことがあってはならないと思いますので、次の委員会にぜひ委員長から両大臣の出席を要求していただきたいと思います。  それからもう一つお願いをしておきたいと思いますことは、最近非常に問題になって参りました率直に言えば百万都市の構想であります。この百万都市の構想がどういう形で発足し、どういう形で考えられておるかということは、ちょうどきょう配付を受けました「都市」という雑誌の中にも次官の小林君が何か書いておるようでございます。それから一週間ばかり前の自治日報にもやはり同じようなことがちょっと書いてあります。従って、具体的にどういう問題をどうするということはおそらくまだ考えられてはいないと思いますが、問題になっておることは事実であります。この構想について特に私ども関心を持っておるのは、資本主義社会の現在の段階における都市構成というものが不自然なうちに発展していることはわかります。従って不自然な膨張——資本主義社会からいえば自然だというかもしれませんが、われわれからいうと、不自然な膨張をしている。その不自然な膨張が都市と町村との財政不均衡というものを大きくかりたててきている。従って最近の地方の行政の状態を見ていると、人口のふえておる県と人口の減っておる都道府県との財政上の問題を比較いたして参りますと、非常に大きな差ができてきておる。貧乏県はどんどんと人間が減ってきて、だんだん貧乏になっていく、富裕県はだんだん人間がふえてきて、そうしてそこに一切の経済施設が集中されてきてだんだん大きくなっていく。この日本の都市行政の不自然な姿をどうして自然な形、われわれのいう自然、いわゆる住みよい日本をこしらえていこうとする形の上で計画をしていくかということの一環として、こういう問題は私はあろうかと思います。しかし、この問題を下手に手をつけていると、将来大きな問題を起こすことになろうかと思います。都市の形はもとより自然——従来の関係は自然増の形をずっととっておりますが、自然増で自然に都市ができるのと、人工的に都市をこしらえようと思えばできないことはないのであります。都市が人工的にできないはずは決してない、こしらえれば幾らでもできる。従って、百万都市をこしらえようとすれば、人工的に私はできると思う。しかし、そういうことが議論になっております今日の段階において、これを地方の自治行政の方面から見てそしておのおのの地域社会における経済の均衡、あるいは文化向上の均衡、すべてのそういうものをどういうふうに調和せしめていくかということについては、非常に大きな問題があろうと思う。従っていろいろ議論になっておりますこの百万都市の構想について、人口の面はどちらでも私はいいと思います。百万都市というよりも、大都市といった方がいいかもしれません。あるいは経済の中心地をこしらえるというようなことが具体的にはよろしいかもしれない。しかしそういう構想が一面にある。これに対して政府は無関心ではいないと思う。ことに市長会等で取り上げて議論が盛んにされております。この点に対する私どもの将来の考え方もありますが、政府はこういうものについてどういうふうに考えているかということ。やはりこういう公共投資が非常にたくさん行なわれようとしている裏には、都市行政についての非常に大きな問題が出て参ります。たとえば道路の整備をどうするか、港湾の整備をどうするか、下水道をどうしていくか。公共投資というからには、やはりそういう方面にかなり大きな力が入れられると思う。従って日本の都市構造の上に、あるいは日本全体の、町村までを含めた行政の中に大きな影響を持つ施策だと思う。こういう施策が一方が進められるといたしますならば、一方に百万都市をこしらえるだけの構想があるならば、やはりこれにマッチした行政というものが行なわれる必要がありはしないか。現状のままの姿で、もしそういうことを考えないで計画を進めていけば、これは何といっても大都市のところがまたいやが上にも大都市になる。そして疲弊するところはいやが上にも疲弊せざるを得ないような形が当然出てくる。従って公共投資を非常に大きく打ち出しておる政府といたしましては、私は当然そういうことを考えていなければいけないと思う。もしそういうことを考えないで現状のままで公共投資をして、そして現状のままの姿で港湾あるいは道路その他の問題の整備をはかろうとすれば、この日本の行政というものはますますびっこになる。貧乏県はますます貧乏になり、そして恵まれない地域におる住民はますます恵まれない形が出てくる。私はこういうことになりはしないかと思う。従って日本の全体的の地方の行財政の面から考えてみますと、非常に大きな問題にぶつかってくる。こういうことを考えますので、一つ両大臣に出てきてもらって、その辺の関係をどういうふうにお考えになっているかということを、この次の機会に聞かせていただきたいと思う。従って、本日は答弁も必要といたしませんから、一つ委員長からも当局からも大臣に伝えていただいて、この次の会議にはぜひ大臣に出てもらうことを要求をいたしておきます。  約束の時間が来ておりますので、私の質問というよりも、注文だけを申し上げておきたいと思います。

西村英一自由民主党

○西村委員長 委員長といたしましても、ただいまの門司君の御提案の問題は、自治問題としては非常に重要な問題だと思いますので、御趣旨の線に沿うて次会はやりたいと思っております。  以上をもちまして地方自治及び地方財政に関する質疑を終わります。      ————◇—————

西村英一自由民主党

○西村委員長 次に警察に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告がありますので、この際これを許します。田中織之進君。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は警察行政に関連をいたしまして、きわめて緊急な問題について質問をいたしたいと思うのでありますが、時間もだいぶ経過いたしておりまするので、できるだけ簡潔に御質問申し上げますから、答弁される側においても、それに対して率直にお答えを願いたいと思うのであります。  私がお伺いを申し上げたい問題は、都内文京区茗荷谷五十四番地にございます清華寮という中国留学生の寮に起こりましたきわめてさまつな問題に端を発しまして、去る九月一日以降数回にわたりまして、警視庁からきわめて大がかりな捜査と逮捕問題が起こりました。この問題が、日本の国民がひとしく待望しておる日本と中華人民共和国との国交回復につきまして、新しい打開の道が開けようとする矢先に、これに暗影を投ずるような政治的な問題にすでに発展しつつあるのではないかと思われるような心配がございますので、私はあえて本日の委員会でこの点について警察行政の担当者に、この問題を中心として所見を伺いたいと思うのであります。ただ、この問題につきましては、警視総監並びに警視庁の外事課長には昨日、日中友好協会の代表といたしまして抗議に参りました節、相当詳しく事件の経過その他のことについて突っ込んでお話しを申し上げました。ところが、特に外事課長が事件の経過について申されたことを、その会見が終わりましてから関係者について調べましたところ、だいぶ事実と相違をいたしておる点が判明をいたしておるのであります。その点については、これから具体的に伺いたいと思うのでありますが、幸い警察庁の警備局長並びに法務省刑事局の公安課長が見えられておりますが、これらの警察行政と密接な関係を持たれておる上級機関と申しますか、そういうような関係においてこの事件を——清華寮の学生の罪名は住居侵入、暴力行為等取締法違反被疑事件ということになっており、関係者のうち三名は検事勾留をされておるものでありますから、あなた方の手元にも報告が上がっておると思いますが、あなた方はこの事件をどういうように見ておられるのか、まず最初に警察庁の警備局長並びに法務省の公安課長から、この問題をどうつかまえておられるかということについての見解を伺いたいと思います。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 お尋ねの事件につきましては警視庁から報告を得ておりますが、どういうふうにとおっしゃる意味がちょっと理解いたしかねますけれども、清華寮は御承知のように中国の学生諸君が今居住いたしておりまして、その中におります一学生の居住が、一方の主張によれば不法であるということで退去を要求をする、片方は退去をしないというような事柄から発しまして、その学生の部屋に入り、その家財道具を表に投げ出した、あるいはその関係の学生に暴行を加えたということで、これは刑事事件といたしまして警視庁大塚警察署で検挙いたした事件であるというように承知をいたしておるのであります。これは、事柄の発端はそれ以上に深いことは私どもは聞いておりませんけれども、事件といたしましては純粋に刑事事件として大塚署は検挙したと承知をいたしております。

川井英良検事(刑事局公安課長)

○川井説明員 法務省が東京地方検察庁から報告を受けております要点は、九月一日に六名を逮捕いたしまして、三日に六名の送致を警察の方から受けましたので、そのうち三名を釈放し、残り三名について勾留請求をいたしまして、勾留状が発付されましたので、今日引き続き三名につきましては勾留のまま取り調べをいたしておるということでございます。この勾留満期は十二日、月曜日に満了することになっておりますので、それまでにこの事件の今まで検挙されました人たちにつきましての地方検察庁における一応の処理が行なわれるものと見ております。  この事件をどういうふうに見ておるかという御質問でございますけれども、私どもといたしましては、ただいま警察庁の方からも申されましたように、純然たる一つの刑事事件として地検において処理をいたしておるものと考えております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 事件は警備局長並びに法務省の公安課長の申されるように、私きわめて簡単な問題だと思うんです。ところが警視庁のこの事件に対する捜査——しかも問題は、現在すでに三人の者を検察庁において検事勾留をしているというような事件であるかどうかというところに私は問題があると思うんです。しかも警備局長の答弁はきわめて簡単でありますから、その点についてもあるいは警視庁からの報告があったことだと思うのでありますけれども、この清華寮というものは、現在その帰属がいずれのものであるかということが不明確な問題なんです。しかもこれが日本人と中国の留学生との間の傷害事件だというような問題ではなくて、中国といいましても、台湾政府の関係の学生と中華人民共和国関係の学生、いわゆる日本に在住いたしまする中国人の学生相互間の問題なんです。事件の経過については、時間も経過いたしておりますから、他の委員の皆さん方には、私の立場でのこの事件の概要についての印刷物を差し上げておりますし、あなた方は職掌柄内容を存じておると思いますから、私も申し上げませんけれども、この清華寮は、もともと震災のときに、当時日本の領土であった台湾におられるもとの中国の方、その当時は日本人だった、そういう人たちが、震災の救援のために集められた金が残ったので、それを台湾出身の学生のためにということで寮を作った。ところが、その後いろいろな変遷がありまして、大東亜戦争の終結と同時に台湾人は中国に帰属をいたしました。ここに国民党政府が現におり、片一方大陸に中華人民共和国ができて、現在この中国の統一の問題が起こっておるという経過なんです。従いまして、土地は大蔵省の国有財産、上に建っている建物は学租財団という一つの財団のものでありますけれども、そういう形で、いわば中国側の台湾政府と中華人民共和国との関係があるものでありますから、これがいずれの帰属とも明確でないままに、現在この寮には両方の関係の留学生が入居いたしまして、そして両方が一緒になって寮委員会を作って、入寮だとか退寮だとか、その他の運営をやっておるというのが実態なんです。これは所轄の大塚署としては、多数の学生もおることでありますから、一番よく事情を知っておる問題なんですが、そこで起こった問題なんです。  事件の起こったのは、警備局長が言われるように五月の二十五日で、この寮の医務室を不法占拠した学生の退去の問題をめぐって起こった問題なんです。これは昨日も警視庁に参りますと、この寮の自治委員会というものが、端的にいえば中華人民共和国系と台湾政府側と二つに割れているように外事課長は言われたんですけれども、そんな事実はありません。二つに割ろうという努力はしておりますけれども、現在はまだ一つなんです。その一つの寮委員会で、この袁愛郎兄妹の医務室の占拠は不法占拠であるということで寮生の総会なりあるいは寮委員会の決定に基づいて、五月の二十五日に退去してもらいたい、そういう問題に際して起こった事件なんです。そのときには双方の学生が出ております。それから袁愛郎の妹が、そういうことで立ちのいてもらいたいということで寮の委員の諸君が参りましたときに、さっそく警察へ連絡をいたしましたために、ほぼ事件が起こる当初から大塚署の遠藤進公安刑事外十四、五名の大塚署の警察官がおる面前で行なわれた事件なんです、この傷害事件というものは。むしろこの傷害事件の被害者は、現に検事勾留をされている文啓南君というのがおりますが、この文啓南君が、五月二十五日の当夜、現在傷害を受けたとして告訴している袁愛郎という国民政府の特務機関に——九月四日に帰るといっていたのだから現在もう帰っているのかどうか知りませんが、国民政府の特務機関なんです。それが出刃ぼうちょうを持って、そのときにこの文君のワイシャツを引き裂いたやつなんです。このほうちょうは現在大塚署が保管しているのです。従って、いわばこの事件は、私らの報告を受けているところによりますると、五月二十五日の被害者が加害者から告訴されているというあべこべの事件なんです。しかも、そういう出刃ぼうちょうを取り上げて現に大塚署に保管されているということは、きのう警視総監も外事課長も認められておる。それから袁愛郎の問題については、なぜ傷害事件を告訴しないか。まあその晩には、現場が医務室でありますから、原状回復ができたし、留学生同士のことであるからということで、そのうちの三人、もちろん大した傷ではなかったのでありますが、黄禹生君と、先ほど申しました文啓南君と何水玉君という三名がその出刃ぼうちょうで傷を受けている。もうすでに三カ月もたっておるのでありますから、痕跡はありますけれども傷はほとんど治癒していますという。黄君は今ここに来ております。そういう事件を、三カ月も経過した八月二十日から、どういう根拠でありまするか、今申し上げました住居侵入、傷害暴力行為等の取締法だということで任意出頭が求められた。しかし、地方から来ている学生もいるし、まだ旅行している者もありますから、九月の初旬に帰って参りましたら出頭させますからということで、この寮の委員の、頼君ということで名前もはっきりいたしておりますが、連絡いたしまして、大塚署の大場という公安係長が了解をしておったにもかかわらず、二十日以後、形式的にはあるいは通達を出しあるいは交番の巡査を通じて出頭を求めるという形で、四回、五回通知を出したことは事実です。その通知にもかかわらず出ないからということで、八月二十七日に逮捕状を取って、九月一日の午前六時三十分に、武装警官七十名を動員いたしましてこの学生の逮捕に参りまして、そのうち六名を逮捕しておる。ところが、寮の委員諸君が逮捕状の呈示なり、あるいは家宅捜索についての立ち会いを求めましたけれども、大塚署は、文京区役所の神戸なにがしという者を同行しておるということで、区役所の人間に立ち会いをさして、寮の自治委員会の諸君であるとかいうような寮の関係者を家宅捜索にも立ち会わせずに、全然関係のないところをひっかき回したまま、どういうものが家宅捜索の結果押収されたかということも、当人たちがわからないような状態のもとに捜査をやっておるというのが九月一日の問題なんです。その後九月七日になりまして、現在中華人民共和国の外交機関がありませんから、いわば民間のこれらの関係を扱っておる華僑総会の代表が参られまして、特に陳副会長が参られまして、警視庁の外事課長並びに鳥越係長と連絡をとり、七日の日にあと三名の者が大塚署に、陳副会長なりあるいは警視庁の鳥越外事係長も同行いたしまして任意出頭をいたしました。ところがその日の四時になりまして、調べが済めばということであったけれども、一人だけはどうしても逮捕しなければならぬ、しかしあとの二人は帰しますということで、今調書をとっておるから六時ごろに来て下さいということで参りましたところ、まだ済んでいない。そしてあと四十分もたったころに、いきなり捜査課長から電話がかかって、三人とも逮捕したからあしからず、こういう形で現在大塚署に三名の者が留置されておるというのが事件のあらましなんです。  そこで、私がまずお伺いをいたしたいのは、警視庁並びに警察庁、検察庁関係におきましては、今私が申し上げました五月二十五日のことで逮捕されておる諸君はむしろ被害者であるという、袁愛郎の出刃ぼうちょうによる傷害事件についての捜査をどういうようにやられておるかということが第一点。それから、その後三カ月も放置したままで八月二十日になりまして、先ほど申し上げました罪名による取り調べのために任意出頭を求められたのは、傷害罪が入っておりますから親告罪ではないかと思うのでありますけれども、はたして告訴に基づいてやったものであるか。住居侵入なり、あるいは暴力行為は検挙罪でもありまするから、強制捜査の意味であなた方はやられたのかという点が第二点。それから第三点として、その告訴状には、傷害を受けたということでありまするから、おそらく医師の診断書がついておりますが、どこの何という医者の診断書で、どういう程度の傷を負うておるということに基づいて告訴状が出されたのか、まずこの三点を明らかにしていただきたいと思います。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 具体的な問題でありますから、私がお答えするのが適当かどうかわかりませんが、私からまずお答えをいたします。  御説明の中で私が受けております報告と違う点がございますので、ごく要点だけ申しますけれども、まず医務室を不法占拠したというお言葉でございますが、私ども受けておりますのは、元医務室に使っておったようでございますけれども、今医務室ではなくて、現にその前に、だれかそこに住んでいた学生があったということでございます。従いまして、今医務室として使っているところに入ったというふうには聞いておらないのでございます。  また、自治会が二本であるというようなことだが、一本だということでございます。これも、私が受けております話では、一方の側の清華寮自治会というものと、お言葉の国府系の中華民国留日学生高砂寮自治委員会というものと二つございまして、おのおのその実績によりまして、この部屋は自分の系統のものだということで、あいたときに、そのあとを入れるというようなことについては、それぞれの自治会がめんどうを見ているのだというふうに聞いておるのでございます。問題の部屋のかぎは、その国府系の責任であるという人が持っておったということでございます。  お尋ねの第一点の出刃ぼうちょうでございますが、当時電話の知らせによりましてかけつけましたのは、お話では十数名ということでございましたが、私聞いておりますところでは、制服二名、私服二名が一一〇番によってかけつけたということを聞いております。そして現場に行きましたときには、お話とは違いまして、袁という学生をなぐったりけったりしているというようなところを分けている状態でありまして、出刃ぼうちょうを振り回しているという状態は、現認をいたしておりません。その後食堂で取り調べをいたしましたときに、学生の一人が、出刃ぼうちょうを振り回しておったということを申し出、あるいはシャツを切られたということを言われた方があるようでございます。これについてはその後一、二度、要するに参考人と申しますか、お話によれば被害者というわけでありますが、その調べをとりますために出頭を求めても、自来出てもらっていないということを承っておるのでございます。  第二点の、三カ月もたってから強制捜査をやったじゃないかということで、これを分けますと、第一点は、五月の事件を九月の初めにやった、その間何をしておったという点もあろうかと思いますが、ちょうど大塚署が、六月の初めから通り魔による殺人事件、引き続きまして同時日、ごろの社長夫人殺しというような、署としては非常に大きなむずかしい事件が続発いたしまして、全署をあげてこれの捜査に当  たっておったというようなことのためにおくれたと聞いておるのでございます。  告訴の内容、それから診断書の医者がだれであるかということは私承知いたしませんので、これは警視庁の方からお答えを願ったがいいかと思います。

小倉謙警視総監

○小倉説明員 告訴は、五月三十一日に袁愛郎から出ておるのであります。内容は、私ここで承知しておりません。それから負傷の程度として聞いておりますのは、袁愛郎という者が全治一週間それから尤石頭という人が全治五日間、こういう内容でございます。診断書をどこでもらっているかということは、ここで私承知いたしません。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 最初に警備局長がお答えになった点で、元医務室であったので、前にも人が住んでいたことがあるということについては、それはあなた方が一方的な事情を調べたので、事実と相違をいたしております。現に医務室兼共通の関係で特殊な人の、いわゆる応接室ということでかぎをかけている。それから袁愛郎兄妹がこれへ入ったときには、かぎをもってあけたということではなしに、ガラスを打ち破って彼が入って荷物を入れている。きのうも外事課長にお目にかかりましたときに、前にもその部屋に人がおって、荷物を置いていたことはあるそうです。それは退寮する人がたくさんの荷物があるので、部屋をあけるのだけれども、この荷物を一部置かせてもらいたいということで、寮の委員会が了解して置いたことはあるけれども、医務室は両方の関係で共通に扱っておる問題でありますから、そういうものではないということです。警備局長は、それは警視庁からの報告に基づいてやられておることでありますけれども、あまりにも私の聞いておる事実とはうらはらな関係だ。それが一点。  それから三カ月経過しているものであるということでありますけれども、通り魔事件であるとか、あるいはその他の殺人事件等で手が回らなかったから八月の末になってやったのだということ、これはやはり警察の都合なんです。しかし関係者にしてみれば、その間にしょっちゅう公安の者がその寮には出入りしているようでありますから、それは何らかの何があったかもしれませんけれども、いわゆるこれが事件だという形で理解をしておらなかった。しかも八月といえば現実におったじゃないかと、きのう警視総監が言われましたけれども、八月というのはやはり夏休みで、特に大学生だとかその他の諸君は郷里なり旅行なりへ出る期間なんです。従って取り調べにあたっては任意出頭という形式をとられたことは私はきわめて穏当な措置だと思うのでありますけれども、その間において寮の委員会で、九月になれば責任を持って出させるということについての連絡で、大塚署の公安係長が了解をしておったという事実は、現在になれば係長はそんな了解を与えたことはないということを言っているようですし、現にそのときに了解を得て、検察庁が不起訴なりあるいは処分保留のままで釈放すれば、あるいは事件にはならないかもしれませんけれども、これは裁判の過程で明らかになってくる問題だと思うのであります。八月の二十三日とかには、ことに最近は郵便が届かないことがあるからということでわざわざ交番を通じて念を押したということもわれわれも聞いております。その意味から見れば、形式的には二十日から二十七日ごろまでの間に数回連絡をしておるけれども、それだから積み重ねをやったからということで—三カ月前の問題でしょう。きわめて重大な問題だという関係から見れば、その他の事件で凶悪犯罪があるからということで、警察の都合だけでその問題の取り調べをあと回しにするということは、警察としては片手落ちだと思うのです。そういう形で一日に家宅捜索に来られたことはいいです。しかしその家宅捜索に来るときに、なぜ寮生なりあるいは寮の委員がおるのに、それに立ち会わせずに最初から計画的に文京区役所から神戸某を連れてきて、その学生をシャット・アウトするような形で捜索をするような行動を警察がとったかということについては、われわれ了解がでないのです。その点についてはなぜ関係者の立ち会いをやらさないか、きのう総監も、それは寮の関係者に立ち会わせるのが家宅捜索のときの本筋だ、そういう者がない場合に関係の行政の代表者を立ち会わせる、その事情を調べましょうということでありますけれども、調べられたのならそのことの経過を聞いておきたい。  それから五月二十五日に袁愛郎なる者は、私の調べているところでは、また現に本日傍聴に来ておる学生諸君、当夜その席に居合せた諸君が、袁君は傷を受けた事実はないという。従って私は全治一週間の治療を要するという診断書をだれが書いたか、その医師の氏名を明確にしてもらいたいというのがそれなんです。特に告訴人になっておる尤石頭というのは寮にはおります。しかしその事件の起こったときには、彼はいわゆる医務室なりそういうところにはおらなかった。問題は済んでからあとで因緑をつけてこようとして、その他の学生で、騒ぎがおさまってから何を言うてくるかというような形で追い出された。この尤石頭君なる者が五日間の傷を負ったということも、その現場におられた被害者の一人がおるのです。そのおった被害者の言うところによると、そういうことは考えられないということから、私はその医師の診断なるものについても了解することができないから、その医師は何人であるかということを明らかにしてもらいたい、こういうわけなんです。私が今指摘したような点についてはいかがですか。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 お話の中で、いろいろ他の事件があっておくれたということは警察の都合ではないか、その間にいろいろ手続が進まないので、関係者がそういうことは事件となるとは思わなかったのではないかという御指摘は、確かにその通りだと思います。これは私どもとして実際に仕事をしております大塚署がその間にできなかったということは、責められないやむを得ないことだと思いますけれども、関係者の方から見ますと、そのためにおくれたということは御迷惑をかけたことになるのだと思いまして、今後そういう事件につきましては、できるだけ本部の応援等をやりましてもすみやかに手をつけるということにすべきものと私は考えます。  それから立ち会いの問題は、私ども聞いておりますのは、おりました学生は立ち会わせ、おりませんときにそこに同室の者に立ち会いを求めたところがこれを拒否したので、あらかじめそういうこともあろうかと思って用意した人に立ち会わしたというふうに聞いておりますけれども、これは総監の方で昨日お約束をしたということでございますならば、そのお答えをしていただいた方が適当ではなかろうかと思います。

小倉謙警視総監

○小倉説明員 捜索をいたしましたときのことを調べさせたのでありますが、その報告によりますと、当日捜索いたしました部屋といいますか、場所は九カ所でございます。そのうち不在の部屋が二つございます。不在の部屋につきましては、その学生に立ち会いを求めましたところ、それを拒否したというような事情がありましたので、先ほどお話がございました文京区の吏員を立ち会わせて執行いたしたのでありますが、その他の捜索場所につきましては、その被疑者あるいは同室の学生を立ち会わせまして捜索を執行いたしたのであります。ただ、その際多数の者が押しかけてきて、自分たちにも立ち会わせろと要求してきたので、それはこちらの方で断わったのでございます。なお、区役所の吏員などを初めから連れてくるということにつきましては、普通の捜索の場合にもやはりそういうふうな立ち会いをする人のない場合のことを考えて、あらかじめ用意といいますか、それだけの準備は一応して出かけるということは同じようでございます。  それから被害者袁愛郎、尤石頭の傷でございますが、ここでわかっておりますことは、袁愛郎につきましては頭頂部打撲傷、右胸骨部右側胸部打撲傷、右ひざ蓋上部打撲傷というような内容でございます。また尤石頭につきましては、右第二肋骨中央部打撲傷、左ひざ外部打撲傷、左足関節内側打撲擦過傷、左上搏点状皮下出血というような内容であります。  それから逆に袁愛郎によって傷を受けたということにつきましては、私も実は昨日初めて聞いたのでございますが、ワイシャツを破られたといいますか、切られたといいますか、このことは前に聞いておりました。これについては捜査をいたしておりますが、その他の傷を受けた人がありますならば、当然親告していただきまして十分な捜査をいたしたい、かように考えております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 袁愛郎が出刃ぼうちょうであばれたときに破られたワイシャツというのはこれなんです。いずれきのうの何もありますから告訴をします。告訴をいたしますけれども、現に出刃ぼうちょうは大塚署に保管しているのです。しかも大塚署の島田次長は、現在袁が台湾に帰っているから航空便を出しているのであとから調べる、こういうことを九月の二日に言っているのです。それであるから、そういうことを九月の二日に言うくらいであれば、現に問題の出刃ぼうちょうすらあるし、その出刃ぼうちょうは袁が持っているのを取り上げたことは、遠藤進刑事が現場で確認している問題なんです。そういうことであれば、なぜ出刃ぼうちょうを持ってあばれるのを警察がとめないかということを、現にその場に居合わせて、きょう傍聴にきている学生諸君が口々にそう言っていますよ。従って、これを調べられるのについてなぜ両方の学生の言い分をあなたたちは調べないか。しかも現に逮捕されて検事勾留をされておるのは中華人民共和国系統の学生、留日学生団の前の団長であったり、現の団長であったり、役職についている人なんです。そしてその場には何十人もおるのです。ところが俗に中共系といっておる学生団の親玉のところをねらって、平生からいろいろ内偵をやっているのだろうと思うのですけれども、みんなのうちからだれだれという形で、これは外事警察の当然の立場かもしれませんけれども、そういう形でねらって中華人民共和国系統の学生だけをやっておる。これはあなたも一番最初に言ったように、単なる傷害事件だとしても、学生たちの仲間で日本人同士なら間々ある事件じゃないですか。その事件について九月の一日には七十名の武装警官、さらに九月の六日でありますか、三十名かりの警官を入れて犯人を出せ、現に二日には華僑総会の代表が参りまして大塚署で、なぜ逮捕したかを聞いたら、任意出頭に応じないから逮捕した、寮委員の頼英樹君からの出頭延期の申し入れについては報告を受けていない、こう言っているそうですけれども、これはきのう警視総監、外事課長にお会いになったときには、被疑者というか、そういう人からの連絡であれば何ですけれども、関係のない人からの連絡だから信用が置けなかったということを外事課長は言われているのです。現にこの頼君と大塚署公安係長との間で、九月下旬みなそろったら任意出頭させますからということで了解がついておったということは、われわれとしてはやはり信じたい。私が不都合だと思うのは、九月一日に島田次長が華僑総会の代表に、任意出頭するなら逮捕するようなことはしないと明言しておる。ところがそのあとで任意出頭しないから逮捕した、任意出頭すれば逮捕しない、こういうことを言っている。ところが二日になって、六名は地検に身柄を送検すると言っている。寮生にほうちょうで傷害を負わせた袁愛郎は台湾に帰っている。これは特務機関ですから、台湾から軍艦をもって留日学生のうち百何十名の者を訓練のために連れていって戻ってくるのです。それだから普通の学生じゃないのです。そういうところに華僑総会の関係の諸君にしてみれば、日本の警察が国民党政府の関係の大使館なりそういうようなものの圧力から、おれたちの関係の、出先に外交機関もないという学生だけを理屈をつけて引っぱっているというふうに受け取るのは私は無理からぬことだと思う。警察はそういう意図はないかもしれませんが、そういう結果になって現われてきておると思う。だから冒頭にも申し上げたように、この間の日中貿易促進会の鈴木一雄君と周恩来中華人民共和国首相との会見で、いわゆる貿易三原則というものが出され、政府間協定ができなくても民間貿易が再開できるのではないかということで、国をあげて期待していると思う。この問題はきょうほんとうは国会では取り上げたくなかった。善処してもらいたかった。しかし華僑総会の代表にあなたたちが約束して、警視庁の外事課第二係長の鳥越警視が、大塚署に任意出頭させた寮生は調べが済んだら夕方には帰しますと二回までも言っておったものを、最後になって調書に判を押さなかった—そこへ傍聴に見えておりますけれども、華僑総会の陳君にも電話で連絡して、自分たちの言ったことが書いてあるなら署名をするようにというような形で、任意出頭するくらいですから、身柄は隠しも何もしません。事件は五月二十五日で、すでに三カ月前の事件じゃありませんか。何の証拠隠滅の問題があるのですか。全くぺテンにかけているようなものじゃないですか。それは何か政治的な意図を警察が持っておるものだと華僑総会の諸君が判断をされて、もしそれが中華人民共和国の側に知れた場合には、せっかく今貿易が民間貿易のベースで再開されようというのに——ちょうどこの前の第四次貿易協定が長崎における右翼のばか者のいわゆる国旗を引き破いた事件で、そのあとで愛知官房長官が政府の声明と違う談話を出したというような問題もありますけれども、ついに国交回復というものが遠のくような今日の不幸の事態が出てきた。今度の問題は、いわゆる二つの政府の系統が裏に介在しておって問題があるということは大塚署は最初から承知の上であるにもかかわらず、この事件の取調べ方は一方的だと思う。私だけが言うのではなくて、聞いている者はみんなそういうように感ずると思うのです。そういう点でこの取り扱いの問題は、好転のきざしが見える日中関係に非常にデリケートな影響を持つから、委員の皆さん方も非常に御苦労だと思うのです。ことに国会の職員の方、委員長にも私、大へん恐縮しております。この問題を取り上げて私は警察当局の善処を要望したいのです。いかがです。

三輪良雄警視監(警察庁警備局長)

○三輪説明員 いろいろ具体的な問題を取り上げてのお話でありましたが、要は警察がそういう意図はないのかもしらぬが、一方的な取り調べをしたではないか、そういうことが国交に影響を与えるではないかというお言葉のようでございます。国交に悪い影響を与えるということであれば、これはもう重大なことでありますけれども、しかしながら、私どもは国内におられますいかなる国の諸君でございましても、国内におります限り日本の国法を守ってやっていただくことがきわめて大切なことでございまして、いかなる国の方であっても、国法に照らしまして違法行為があるならば、これは警察として公平に取り締まりをいたすわけでございます。ただお話しの点は、私どもの聞いております限りは、袁愛郎という者に対して十数人の者がそこで暴行を加えたというふうに聞いておるし、また私の聞く限りでは、大塚署の警察もそう確認いたして捜査をいたしたわけでございます。従いまして、さっき総監も言われましたように、反対側にも被害者があったということであるなら、これはまたそれとして捜査をいたすべきものと思うのでございます。政治的なきわめて大事なことを考慮に入れなければいけないと思いますけれども、警察当局が実際に取り調べ、そういう犯罪捜査をいたします際に、あまりに政治的なことを考えまして扱いを異にするということは、これは第一線警察としていかがかと存ずるわけでございます。しかし、お話しのございました点は十分私どもも考えていくべき問題を含んでおりますので、今後そういう点でも考えて参りたいとは思っておりますけれども、この問題で何か国府から圧力があったり、特別に幹部級をねらってやったというふうなことは、これは全くございませんので、この点は御了解をいただきたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私は清華寮の所有権をめぐる国民党政府の関係と—たとえば拓大の矢部学長が先般台湾を訪問されたときに、これは拓大へ寄付してくれないかということで台湾政府側と話し合ったのです。ところが戻って参りましたところ、そういうことに話をしたけれども、外務省は、この問題がもしそういう形で台湾政府の関係のものだということになれば、いわゆる台湾政府との間にある日華条約に基づいて、日華両国のいわゆる財産委員会というようなものを設けて処理しなければならぬ問題だから、向こうでそんな話をされたからといって処分できるものではないということでお断わりをされたという事実を私は聞いておるのです。それから現にこの土地は国有財産なのです。ところが、やはりこの問題は中華民国の、いわゆる国民党政府の大使館の関係から——先ほど私もちょっと申し上げましたけれども、第一これはもう台湾政府の関係を大陸関係の者とをとにかくせつ然と区別をして、大陸関係の諸君を追い出そうとして、幾たびか計画をされているということは、これは外事課長よく承知のはずなんです。その間のためにいろいろ暴力団が入ったり、たびたびトラブルが起こったりというたびに大塚署が出ていっておるのです。そこでたまたま五月二十五日にこの事件が起こったのです。五月二十五日に起こった事件だけをとらえれば警備局長の言われる通りかもしれないけれども、問題はこの建物の帰属をめぐり、またそれに日本人が関係をして複雑な事情にあるところに起こった問題なんです。だから私は善意に解釈して、警察はそこまで考え及ばずに、あなたたちはこの事件を事件として技術的に扱おうとされているのかもしれませんけれども、問題はその裏にある問題がからんでくるということになれば、この問題が、今好転しようという国交問題に対して、日本政府は中華民国の大使館と連絡をとつて——現にこの袁愛郎なる者は大塚署も認めておるように特務機関ではないですか。台湾へ帰っておるのじゃないですか。普通の帰り方じゃないじゃないですか。特務員の訓練のために軍艦でもって台湾へ帰っているのです。そういう事情も大塚署は知っているじゃないですか。そういう中で、私が先ほど申し上げたような経過で、私の申し上げることと警察側が言うこととは平行線ですよ。あなたたちは一方的な言い分だけしか取り上げてないとしか、だれが聞いても判断できませんよ。僕の言うことも、あるいは大陸系の学生の言い分けそのままと言うかもしれない。しかし、そこに開きがあるとすれば、公正な警察の立場から見るならば、現にあなた方がつかまれていることと、僕の言うこととの間にお聞きのような開きがあるとすれば、どこにその開きがあるかということをあなた方は追及する、捜査の過程において調べる責任がないとは言えないでしょう。しかも大塚署が九月三日に三名の者を釈放しまして、三名の身柄を検察庁に送った。二時ごろ黒田弁護士事務所の坂本弁護士が、身分をあかして大塚署に連絡したら、正午に身柄を検察庁に送ったと言う。それで華僑総会の関係の諸君と坂本弁護士が—検察庁は塚本検事ですが、そこへ行ったら、まだ逮捕状がきのう執行されたばかりで、身柄がきょうの昼に検察庁に送られてくることは、坂本さん、あなたは本職であってなんていうことを言うのですか、こう塚本検事にひやかされるようなことで、そんなら塚本さん、あなた一ぺん大塚署に電話をかけてごらんなさい、おれが電話をかけたときにはそう言った。そこで塚本検事が大塚署に問い合わせたら、送致した事実はないと言う。あとで聞けば、電話がかかってきたけれども、電話だから弁護士やら何やらわからなかったということを大塚署は言っているようですけれども、こういうようなことは、やはり被疑者に与えられたる弁護権に対して、警察は侵害していることになります。この事実は、きのう警視総監がお調べになると言われたのですけれども、調べられた結果はどうなんですか。

小倉謙警視総監

○小倉説明員 いろいろなお話がございましたが、私の方で聞いておりますことと若干食い違う点も相当あるのであります。ただ、ただいま最後に御指摘の坂本弁護士に対しまして大塚署の刑事課長が申しましたことでございますが、当時坂本弁護士が、何と申しますか、被疑者と会いたいというようなことで言ってこられたときの応待の話ですか、その際に大塚署の刑事課長が申しましたことは、これは間違っている。といいますのは、この刑事課長が大場係長から聞きました報告の内容を勘違いしておりまして、正午ごろ地検に送るというようなふうに聞いておったために間違って坂本弁護士にお話しした、こういうことがはっきりいたしました。その点は刑事課長の方のミスであるというふうに私は思います。  それからその他の点でございますが、これはいろいろ田中さんの方でお聞きになっていることと、私の方で報告を受けておりますことと食い違うのでございますが、要するに法に違反した者の取り締まりをしていく、また必要な捜査をしていくということでございまして、今回の場合は、できる限り任意捜査でもっていきたいということで努力いたしましたが、いろいろな経緯の末、強制捜査になりましたが、いずれにいたしましても、そういうような法に違反した者に対する必要な取り調べ、捜査をいたすということでございますので、この袁愛郎及び尤石頭の方を被害者とする十数人によって、あらかじめ相談の上で実力でこれを追い出すというようなことで実行された暴力行為、これに対する捜査をいたしておるのでありますが、逆に袁愛郎によって傷害を与えられたというようなことがありますならば、これは当然それに基づいて警察といたしましては必要な捜査をするということでございます。ただ御参考までに申し上げておきますが、出刃ぼうちょうですか、これを当時出されたのが、何水玉という人から遠藤巡査が受け取っておりますが、この何水玉という人につきまして当日また翌日、再三にわたって署の方に出頭をして事情を申し述べるようにということで呼び出したのでございますが、その出頭に応じていないために必要な事情を聴取することができなかった、かように申しております。なお被疑者の中で先ほどお話がありましたようなシャツを破られたという訴えをする者がありましたので、その者につきましては、さらに事情を聞きまして捜査を進めておる。いずれの側にいたしましても、要するに法に反した行為がありました場合に警察としては必要な捜査をやっておるのでございまして、それ以外に何らの他意はございませんので御了承願いたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 警視総監もそう言われますけれども、私が申し上げていることもあなた方は全面的に否定する根拠はないでしょう。その意味において、あなたたちの調べられていることも一方的じゃないですか。いわゆる今被疑者として拘禁をされ、逮捕されている関係の学生諸君は、あなたたちは被疑者扱いをして事情を聞こうとしているのじゃないですか。そこにも差別待遇がなされているじゃないですか。ことに住居侵入という問題が出てきておりますが、何が住居侵入なんです。常識的に考えてみなさい。元医務室であったと警備局長は言われましたけれども、医務室は通常人の入るところじゃないですか。そこに入っている者を寮の大ぜいの諸君が医務室だからあけてもらいたいという形で交渉することが何がいけないんですか。厳密な意味における住居侵入の問題で、それはいわゆる住居侵入という問題が成り立ちますか。その共同の部屋であって、不法占拠している。不法占拠であるかないかということは別問題として、医務室に入るということが何が住居侵入なんです。第一、法を犯したというが、あなたたちは罪名は住居侵入とつけておるけれども、この事件でその寮におる者が医務室に入ったからといって、どこに住居侵入罪ができるんですか。しかもその間において、全く警察の都合で三カ月間というものはあなた方は手をつけないでいて、公平な立場で、任意出頭の立場で出てくるならば事情を聞いてこそ、またそういう関係者の両方を呼んで事情を聞いてこそ警察の公正な何はできるかもしれません。この経過を、これはみな国民に報道されるでしょう、記録にも残っておりますよ。それは、あるいは僕の言うことは全面的に一方的な言い方だというかもしれません。同様に警察の言うことだって一方的な、いわゆる国民党政府側の学生の言い分だけしか政府側は取り上げていないと、だれだってそう見ますよ。そのことが意識するといなとにかかわらず、今デリケートな関係にある国交関係に響くことの配慮をあなたたちはしないで、それでこの事件を今までの態度であなたたちはやっていくのですか。長崎の国旗事件のときでもそうですよ。国会でも問題になって、国交いわゆる貿易が断絶するというような事態になって、初めてあなたたちは検挙した。しかし、問題を摘発した私ども日中友好協会の支部長荒木君を、結局事件にならないところの選挙違反だという形で何十日もとにかく拘禁をしてやっておることとちょうど同じ形です。こういう関係が国民の待望するようなものが動き出すということになると、町ではもっと深刻な問題があるじゃないですか。そういう問題について警察が公正な態度をとるというのではなくて、この事件だけをあなたたちは重点を置いてやるというところに——僕はだから一番最初に警視庁の所管ではあるけれども、警察庁なりあるいは法務省の刑事局が、この事件をどういうように受け取るだろうか、単なる傷害事件なら何で私がこれだけ問題にしなければならぬようなことになるのですか。単なる傷害事件、かりに暴力行為があったとしても、そこまでやらなければならぬ——ほかの事件、そういうような事件にあなたたちは同じような峻厳な態度をもって臨んでおりますか。どう考えてみても、私はその点について釈然としない。しかしこの問題は、私は実はきょうの委員会で取り上げたくなかった。大きな影響を持つことを私は非常に心配した。残念でたまりません。だからこの問題がどういうように発展するかということについて警察当局としてもやはり慎重な考慮をせられながらこの事件に対して対処していただきたいということだけを申し上げまして、私の質問を終わります。

西村英一自由民主党

○西村委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十七分散会

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