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35回国会衆議院1960/08/10

地方行政委員会 第2号

発言数
169
登壇者
9
会派数
2
開催日
1960/08/10

会議録

西村英一自由民主党

○西村委員長 これより会議を開きます。  この際一言ごあいさつを申し上げます。今回はからずも私が地方行政委員長に就任することになりました。本委員会の使命にかんがみましてその職責はまことに重大でございますが、幸いにいたしまして練達堪能なる委員諸君の御協力を賜わりまして、本委員会運営に大過なきを期したいと念願しておる次第でございます。何とぞ各位の御指導と御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。  簡単ですが、就任のごあいさつといたします。(拍手)     —————————————

西村英一自由民主党

○西村委員長 それでは理事の補欠選任に関する件につきましてお諮りいたします。すなわち、委員異動に伴いまして理事が二名欠員となっております。これよりその補欠選挙を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして委員長において指名することといたしたいと存じます。これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村英一自由民主党

○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは理事に丹羽喬四郎君、高田富與君を指名いたします。     —————————————

西村英一自由民主党

○西村委員長 次に山崎国務大臣並びに吉田自治政務次官よりそれぞれ発言を求められております。順次これを許します。山崎国務大臣。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 過般の池田内閣の成立に際しまして、自治大臣と国家公安委員会委員長の二役をお引受けいたすことに相なったのであります。私は皆さんと御一緒に地方行政委員会の委員を長い間勤めておりまして、従来特別の御交誼をいただいておるのでございます。このたび役所の方に入りまして、御承知の通りに地方行政におきましても、また警察行政におきましても、当面する問題、あるいはまた今後の解決を要するようないろいろの問題が山積をいたしております。まことに微力でございますけれども、一生懸命勉強いたしまして、ぜひこれらの問題の解決に当たりたいと存じております。今後とも一そうの御鞭撻、御協力を心からお願いいたしまして、一言ごあいさつを申し上げさしていただきます。(拍手)

西村英一自由民主党

○西村委員長 次に吉田政務次官。

吉田重延自由民主党自治政務次官

○吉田説明員 昭和二十八年の五月から私も国会に御厄介になりまして、以来地方行政委員として皆様方の非常な御交友、御指導、御鞭撻を賜わっていたわけでございますが、今回、先月の二十二日に自治省の政務次官を拝命いたしました。身に余る光栄でございます。大臣の命令に従いまして、また皆様方の御要請に応じまして、微力ではございますが一生懸命お手伝いをさせていただきたいと思っております。どうか相変わらざる皆様方の御友情を御割愛下さいまして、さらに御指導、御鞭撻のほどを心からお願いを申し上げて、簡単でございますが私のごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)      ————◇—————

西村英一自由民主党

○西村委員長 警察に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告がありますので順次これを許します。阪上安太郎君。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 きょう私が御質問申し上げようと思いますのは、一つは新政府の治安対策について、これが第一点でございます。それから二番目には例の六、一五事件について、三番目には暴力団について、この三点について御質問申し上げたいと存じております。  そこで最初に国家公安委員長であられる山崎大臣に御質問申し上げたいと存じますが、新政府の治安対策、これは岸内閣が総辞職いたしまして池田内閣にかわり、池田内閣が出発いたしますと同時に、正式には首相としての見解はまだ述べておられないようでありますけれども、報道その他の関係から総合いたしまして、あるいは総裁就任のときの御発言等を考えまして、治安対策について相当な関心を寄せられて、重要な当面の対策の一つとして取り上げておられるように私どもは承知いたしております。しかしながら、具体的な内容、構想等につきましてはいまだ十分にわれわれとしては承知をいたしておりません。時局柄治安対策ははなはだ重要な問題と思いますので、この際大臣から新政府の治安対策につきまして相なるべくんば具体的に一つ構想をお述べいただければ非常によいではないかと思います。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 ただいま阪上委員の御指摘の通りに治安対策は非常な重要な国策の一つであることは申すまでもないと存じます。新内閣におきましても、この問題は重要な政策として取り上げておることもただいまお述べの通りだと思います。  そこで、それでは具体的にどういうふうな考えを持っておるかという御質問でございますが、もとより国内の平和を十分確保していき、国内の静ひつを期していくというふうなことは、国民生活の上から申し上げましても、治安当局の当然の責任だと思います。  そこで、それでは具体的に治安対策としてどういうことを新内閣は考えておるかという問題になると思いますが、私は新聞の報道等でもごらんいただいたと思いますが、治安対策の何と申しましても一番大事なことは、政治の筋目を正す、政治が民主政治の真髄に徹するということが治安対策の根本でなければならぬと思っております。従いまして、すべての新内三関の施策は、その方面に集中していくということが一番私は大事なことではないかと思います。もとよりそれと同時にあわせまして治安当局として考えなければならぬことは、現在の治安勢力といいますか、警備勢力といいますか、そういうもので十分であるかどうかというような点は、事務的には私は十分検討を要すると思います。御承知のように、すでに警察官の増員につきましても、たびたび当委員会でも御審議をいただきまして、一万名三カ年計画が漸次進行いたしておりますが、これらはぜひ今後も計画通りに進めて参りたいと思いまするし、また装備等につきましても、衆参両院の地方行政委員会その他におきましてもいろいろと御批判もいただいております。こういう点についても、もとより今後十分検討して実現を期していきたいと考えております。  ただ、それではよく世上問題になる治安立法をどうするか、治安立法の改正をやるのかやらぬのか、こういう点が非常な御関心が深い点であるかと思いますが、私は、治安立法の問題はこの際ここで取り上げることは適当でない、むしろ政策のすべてを先ほど申し上げました通りに民生の安定あるいは人心の安定といいますか、そういう方面に集中していって、そうして国内の平和を保持していくということであれば、今取り上げてすぐに治安立法をどうするという問題は第二段の問題であって、今そういうことは考えておりません。  大体私の考えておりますことを申し上げたわけでございますが、さらに御質問に応じましてお答え申し上げたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ありがとうございました。ただいま大臣から承りますると、まず治安対策の基本的な方向としては民主政治に徹することだ、こういう抱負を承ったのであります。同時にまたそれだけではいけないので、警察力の増強というものを員数あるいは装備等の点について考える、こういうふうにおっしゃっておられます。なおまた巷間問題になっておる治安立法、これについてはむしろ治安立法よりも民生安定だ、こういうような御意見であったように思うのであります。私、この警察力の増強という問題については多少違った意見を持っておりますけれども、おおむね今述べられたような方針で治安対策が進められるということについては、決して相反する考え方を持っているわけではないのであります。  そこで一つざっくばらんに伺っておきたいと思うのでありますけれども、岸内閣の末期におきまして、いわゆる岸・石原構想というような形における治安対策というものの中には、相当強い権力的な治安対策というものがうかがえる節が多々あったわけです。ところが今回の池田・山崎というこの線におきましては、ただいま仰せになったような点でありまして、きわめて低い姿勢のもとに治安対策というものがなおかつ根本的に考えられる。こういうことになっておるわけでありますが、巷間承るところによりますと、これは一時の姿であって、岸内閣から池田内閣へ政権が渡された段階におきまして、なお岸・石原というような線における治安対策というものが底流に深く残っておって、そうして何か機会があれば再びその姿に返らざるを得ないような自民党内部のそういう空気がある。しかしながら、当面総選挙等もありますので、きわめて低姿勢で出発しておる、こういうようなことをわれわれ耳にするのです。もしそうだとすれば、これは大へんな問題でございまして、そういうことでもって現在の段階においてただいま仰せられたような行き方で一時を糊塗されておるということならば、これは非常に大きな問題だと思います。われわれは今言われたような表面の問題でありますならば、これは問題はないと思います。そのために山崎大臣がそういった面を特に配慮されて現在の大臣の地位に就任された、こういうようなことも承っております。はなはだ失礼ですけれども、そこらのことについてさらに一つ御見解を伺いたいと思います。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 岸内閣の末期におきまして、ただいま御指摘のような岸・石原治安構想というものがあったことは、私どもは新聞を通じて承知しておったわけでありますが、この内閣の成立しましてからは、総理ともこの問題については十分御連絡をいたしておりまして、全然従来の構想は白紙に返すと申しまするか、これには関係をしない、拘泥しない、こういう建前で先ほど申し上げましたような基本構想を打ち立てておるような次第でございます。従いまして、総選挙後はこれがすぐに高姿勢に変わるのじゃないか、こういう御心配でございまするが、私は、現在の段階におきましてそういうことは絶対に考えておりません。またそういうことの必要のない政治が行なわれることが、先ほども申し上げましたように非常に重要なことでありまして、そういう方面に私どもは微力でございますが今後も渾身の努力を続けて参りたい、かように考えております次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 それではためすわけではございませんが、さらに一つ率直に伺ってみたいと思います。現在非常に問題になっております議会政治の問題であります。一般には過般の五月二十日の未明におけるああいった国会の強行採決の安保の問題のあのやり方について、議会政治が失われたものであるという考え方が非常に出ております。同時にああいった安保の反対運動を通じて多くの大衆動員が行なわれた。そして国会周辺においてデモ、集団行進が行なわれておる。そこでああいった大衆行動に対して、あれ自体が議会政治を曲げるものであるという一つの説があるわけなんであります。この場合特に伺っておきたいのは、ただいま大臣がおっしゃいましたような基本的な治安の考え方、そこから出てくる問題として、議会政治と憲法二十一条の言論、結社、集会、表現等の自由、この関係について、これは特に治安対策の重大なポイントではなかろうかと思いますので、これに対してどういうふうな認識を持っておられますか、またお考えを持っておられますか、この点をさらに伺っておきたい。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 憲法二十一条の表現、結社その他の自由につきましては、これは民十政治の基本でございますから、あくまで堅持して参らなければならぬと思います。大衆運動といいますか、あるいは安保の問題あるいは三池争議の問題、今日まで考えますと、遺憾な点は絶無ではなかったと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、できるだけああいう事態が避けられるように政治の方向を向けていくということが大事でありまして、むしろああいう事態が起こってからこれを措置するということでは、私は非常な後手々々に相なると思うのであります。従いまして、ああいう事態をできるだけ避けていくような政治を今後遂行していくというところに重点を置いていきたい、かように考える次第でございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ああいう事態が起こうないように、後手に回らないように、やはり政治の正しいあり方というものでもって事前に手を打っていきたいとおっしゃいますが、非常にけっこうだと思います。ついては、この際多少私の意見も申し述べてみたいと思うのであります。最近議会政治というものに対する考え方が、とかく議会政治とは、あるいは議会主義とは多数決主義で運営されるものである、議会政治は多数決だという考え方に左右される政党があるわけであります。率直に言いますと自民党、現在の与党の考え方というものは、どうも議会政治は多数決でいいのだというように単純に帰納をされておる。私はここに問題点があるんじゃなかろうかと思うのであります。なるほど最終の段階におきまして、議会運営は多数決で決せられます。これは事実です。またそうなければならぬと思います。しかしながら、多数決が直ちに議会政治になり、議会主義の真の姿である、こういうように考えられるところに過般のいろいろな新安保をめぐる問題が起こったのではなかろうか、こういうふうに思うのであります。私などの考え方、あるいは議会政治の始祖であります英国あたりの考え方等を考えてみましても、これはすでに釈迦に説法だと思いますけれども、少数党は最終段階においては多数に服する。しかしながら、それはそれだけでなくして、同時に多数党は反対党である少数党に対して、その場合必ず言論、結社、集会の自由というものを認めなければならぬ。ともすれば多数決で一党独裁になり、議会政治が破壊されていくというような危機をそのことによって防止する。もっと極端に言いますと、そういった多数決主義によって行なわれる議会政治の運営というものの危機に対しては、国民は立ち上がる、そして場合によっては暴力革命的な方向にこれが向かっていく。そういった暴力革命を防止するためにも、ぜひとも言論、結社、集会の自由というものを大胆率直に認めていかなければならない。その行為がなければ、議会政治というものは決して守れるものではない。そういった意味において、憲法二十一条の言論、結社、集会、表現の自由というものは大幅にやはり認めていくことが、先ほどおっしゃいました基本的な政治の姿である。そのことが行なわれない限り、ただ単に一方において言論、結社、集会の自由にのっとって、国民大衆行動が行なわれる場合、その方にばかり取り締まりをやり、その方にばかり抵抗をするというような単純なものの考え方ではとてもじゃないが私は議会政治は守れないと思うのであります。今日の治安問題の大きな点はやはりそこにあるんじゃなかろうか。私ども社会党では、少数党であるがゆえに、この場合院内からすでに失われようとする議会政治——多数決によってしゃにむに押し切られようとする議会政治、これを守るためにわれわれはこの議会政治、民主主義の原則にのっとって、あの場合大衆行動をしなければならぬという立場に置かれておった。私ども弁解するわけじゃございませんが、そういう考えを持っておる。そこらのところにほんとうに治安大臣として、治安当局としては、これは警察庁も同様一つ真剣に考えておいていただかぬと、ただ単に警察力を漫然と員数をふやす——警察が科学的な方向へぐんぐん伸びていくということについては、われわれも大賛成である。また警察官の待遇改善等につきましても思い切った措置を講ずることもわれわれは必要だと思っております。今申し上げましたこの基本的な問題、民主制議会の基本的な問題を忘れておったのでは、これこそほんとうに国民から愛され、いかなる国民の階層からも支持されるところの警察というものにならずして、警察はいたずらに政権の具に供せられてしまって、そして心ならずも行動しなければならぬ。そして国民の一部は味方にするけれども、一部からは支持を受けないというような哀れな状態に警察が入ってしまう、こういうことになろうと私は思うのであります。でありますので、ぜひともこの言論、結社、集会の自由というものを強く大幅に認めていくという態度こそが、ほんとうに現在の当面の治安対策の重点になろうかと思うのであります。こういった点についてさらに一つ大臣の御所見、それから引き続いて警察庁長官の御意見を承りたいと思います。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 ただいま阪上委員の仰せの点は、私大体において同感でございます。議会政治の運営につきましても、憲法ではむろん多数決原理というものは認められておりますけれども、多数決原理が認められておるから何でも多数決で押し切っていい、こういうものではないと私は思います。与党でありましても、野党でありましても、お互いに謙虚な、そして寛容の精神で今後は議会政治を守り抜くということでなければ、決して民主政治の発展はあり得ない、期し得ない、かように考えるわけであります。  また、ただいま重ねて御指摘の言論、結社、集会その他の自由につきましては、御承知の通り現在の憲法では大幅にこれを認めております。この憲法の精神を私どもはあくまで順守していく、これが政治の建前でなければならぬ。かように考えておりまして、御所見には同感でございます。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 阪上委員の御質問に対しましては、ただいま大臣からお答えになりましたのと根本的に全く同意見でございます。ただこの際一言だけ申し上げておきたいのは、憲法に保障されております言論、集会、結社等の自由というものは、これはあくまで尊重しなければなりませんし、またこれが政治の基本に相なるものと確信いたしておりますけれども、どんなに政治が注意深く行なわれ、民生の安定ということがこの国力の及ぶ限りにおいてはかられるにいたしましても、なおかつ秩序を乱すものが全くないということは言えないわけでございまして、警察といたしましては、政治ができるだけそういう方向にあることを、これは政治をわれわれは云々すべき立場ではございませんが、そういうことを心から念願いたしますと同時に、そういう中においてなおかつ不法越軌な行動に出て社会の秩序を乱し、国民の福利を害するというような邪悪に対しては、これはやはり徹底的に取り締まりを励行して参らなければならぬというふうに考えておりますので、基本的には阪上さんのお話とも、また大臣の御所見とも私何ら変わるところございませんが、この際警察の基本的な立場という点だけは、はっきり申し上げておきたいと存じます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 ただいま御答弁いただいた中で、警察庁長官の御答弁、これは警察の任務として当然のことだと私は思います。一切の悪が社会からなくなるということにはなかなかならない、これはもう仕方がありません。従って、そういう態度で行動されることは私は必要だと思いますが、ただ一つ伺っておきたいと思いますのは、憲法に保障されておりますこの基本的な人権、しかもそれが公共の福祉に反しない限りという一つのワクがあるわけなのであります。この場合よく間違えられることは、公共の福祉のために個人の自由を束縛するとか、制限するとかいう考え方は憲法の精神ではないのじゃないか、やはり個人の自由というものを守るためにこそ公共の福祉というものは守られていかなければならぬ、公共の利益というものは守られていかなければならぬ、こういうことじゃないかと思うのです。当然これは議論の余地があることなのですが、さしづめ今長官がおっしゃった考え方は、この点についてこういった考えであるかどうかということを一つ伺っておきたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 個人の自由ということが基本に考えられなければならぬということは、これは当然だと思います。しかし社会生活というものが複雑になって参りますと、個々の個人の自由あるいは個々の集団の自由ということが尊重されるあまり、より高い、より広い社会公衆というものの福祉が阻害されるということも起こり得るわけでありまして、そういう意味において、その調和点をどこに求めるかということが非常に重要な問題になるのではないかと考えております。基本において個人の自由を尊重するということに異議はございませんけれども、個人の自由がされば優先するんだということで、これを機械的に考えることによっていろいろな誤まりが起こるのじゃないかというふうに私は考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 さらに具体的な問題でお伺いいたしたいと思います。当面治安対策の問題点として議会政治の問題がございますが、同時にいま一つ全学連の問題があろうかと思います。全学連に対する治安大臣の御認識、警察庁長官の認識、一体あれをどういうふうに見ていられるか、こういうことについて一つ所見を承りたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 これは非常にむずかしい問題てございますが、全学連と一がいに申しましても、各大学の自治会の連合体でございまして、おそらくこの全学連に参加しているいわゆる全学連傘下の学生というものは三十万くらいに達するのではないかというふうに思います。ところが全連学の指導層というものは、少なくともそのほとんど全部が共産主義者によって占められておるわけであります。最近非常に問題になっておりますのは、全学連の中が、その中枢になっているものが、さらに考え方に相違を来たしまして、これが分裂をしておるということでございます。ここでちょっと申し上げておきますが、その三十万近い学生のうち、おそらく共産主義者は二、三千名ではないかと私どもは考えておるわけでございます。これが要所要所におって学生運動を指導するということになりますので、外に現われる学生運動というものは非常に過激な形に相なりまするけれども、学生全体が非常に思想的に過激である、あるいは行動的に不法越軌を狂す性格のものだというふうにはわれわれ考えておりません。現にこの前の安保闘争の際におきましても、最高で三万足らずだったと思います。全学連の主流派、反主流派合わせて動員された者は三万足らずであったと思いますが、おそらく都内の学生大衆というものは二十五、六万あるということになりますれば、大学生の一割程度がこれに参加した。しかもその参加した者がすべて過激な行動をとったというわけではないのでありまして、そういう点について学生に対する理解というものは別途持っていただかなければならぬと思いますが、少なくとも全学連の中枢の指揮下において動く場合においては相当過激なことをする。そこで全学連の現在の主流派を構成しております者は共産主義者同盟というものを作っておる連中でありまして、これは現在のソ連、いわゆるモスクワの政権についても批判的であり、日本の共産党についてももちろん批判的であります。ところが、これに対する反主流派というのが、おおむね日本共産党代々木の系統に属するものでありまして、これが頭におって抗争をし、学生をできるだけ自分の方に引き入れようという活動をしておるという状況でございます。ただいま御質問の全学連をどう考えておるかという点についてのお答えにはならないかと思いますが、なお具体的に御質問がありますればお答え申し上げます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 今長官からお答えいただいたように、大体全学連というのは学生の自治組織である、これはもう事実であります。そして非常に多くの員数を持っておるのでありますが、過般のああいった行動に対しまして、動員されたものは三万人程度である。しかも指導者の中には、共産党員とおっしゃったか、共産主義者とおっしゃったかがおって指導している。しかも多くの全学連というものはああいった行動には参加していない。ここまでははっきりとつかんでおられるのでありまして、われわれが見ておる姿も同じような姿であると感じます。そこで私が先ほど御質問申し上げたのは、全学連に対する考え方ということなんでありますけれども、何か世間あるいは警察あたりでも見ておられる全学連のああいった行動をする者に対して、それがトロツキストであり、極左冒険主義者であるというふうに太鼓判を押しておられるような印象をわれわれ受けるのであります。私は、このことは非常に学生青少年に対する見方としては酷な見方である。もしそういうものの見方で将来とも全学連の一部に対する治安対策というものが立てられるということになれば、とんでもない大きな間違いを犯してしまうのじゃなかろうか、こういうふうに私はおそれております。私の承知しておる範囲では、ああいった行動をやっておる全学連の諸君というものは八割五分近いものは文科系統の子供さんである、こういうふうに私は承知しております。これらの学生諸君に対して今一番大きな問題は生活上の問題でありまして、ほとんど就職の見通しがないという状態に置かれておる。しかも各地方から相当な家庭の子供が出てきてああいう行動に出ておる。おそらく家を出るときは赤飯をたいて、非常にりっぱな学校にはいれた、将来りっぱな人間になってくれるであろうというようなことでもって、あるいはその家だけでなく、部落をあげて、町内会をあげて歓送されて出てきた子供たちばかりのように私は思います。大学当局が言っておりますごとく、知能的にはきわめて優秀な学生であるというふうにも言われております。それらの子供たちがどうしてああいう行動に出るか、しかも中には反代々木のような線まで出してやっておる主流派もある。こういうようなことを考えてくるときに、おそらく彼らは上京してきて、ほかの一般学生と同じようにパチンコをやったり、あるいはその他の安易な遊びに集中することができないような立場に置かれておる子供でなかろうか。しかも一方において就職等においてはもう極端にシャット・アウトされておる。こういったところから起こってくるところの政治の欠陥に対する憤りというか、そういったものがああいった行動を起こす一つの大きな原因になっておるのじゃなかろうかと私は思うのであります。こういった点についてよほどの御理解を得ておきませんと、世間一般に言われておるように、全学連のああいった行動というものは断じて許すことのできないところの暴力行為である。たとえば昨年の十一月の二十七日の正門から入ってきたところの行動、あるいは六・一五のときの南門から入ってきたところの行動、もし彼らが何か暴力革命を起こすようなものの考え方で行動しておったならば、ああいったような状態ではとてもじゃないがおさまらなかったのじゃないか。一歩またげばどこからでも入れる国会のさくであります。彼らはやはり門から赤旗を立てて入ってくるというようなことなんであります。しかも別に武器というようなものは全然持っていない。ああいったものを見て、直ちにこれが極左冒険主義に浸透したところの学生の暴力行為である、革命の予行演習である、こういうような見方を治安当局が持っておられるということになるならば、今後とも絶対にああいったものを根絶することはできないのではないか、よりよき方向、すなおな方向へ向けることはできないじゃないか、こういうふうに思うのであります。とかく世間のこれら学生に対して見る目は非常に愛情に欠けておって冷たい。もっともっと問題を掘り下げて考えてやるということによって、全学連の一部に対する治安対策というものができてくるんじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、大臣並びに警察庁長官のこれに対する御所見を承りたい。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 全学連の現状の分析につきましては、先ほど柏村長官から御説明申し上げた通りだと思います。そこで、ただいま阪上委員からいろいろ御意見がございましたが、共産主義を狂信しているような一部の全学連の指導についてはなかなかむずかしい問題だと実は思います。しかしながらそれ以外の、彼らに何といいますか、追随して参りまする学生の中には、きわめて善良な学生も多数あるかと思います。これは単に警察の取り締まりの対象という問題じゃなくて、むしろ学内におきまするところの彼らの補導でありますとか、あるいはまた御指摘のありましたような学生の学費の問題でありますとか、あるいは住宅の問題でありますとか、いわゆる厚生施設といいますか、あるいは奨学制度といいますか、こういうものをあわせて国が考える、そうして彼らを善導していくというところに基本がなければいかぬじゃないか。警察としては十分そういう点も、全学連の中の情勢の分析については平素から注意をいたしまして、ただ追随していく連中を一緒くたにしてこれらを取り締まりの対象にするということは今後避けて参りたい、かように考えます。  なお、柏村長官から詳細御説明を申し上げます。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ただいま大臣からお話がございましたのと基本には変わった考えは持っておりませんが、先ほど私が全学連のことについて御説明申し上げましたように、大方の学生というものを全部一括してこれを思想的にどうだとか、あるいは行動的にどうだと見ることは間違っておる。先ほども申し上げましたように、その指導層においては共産主義者がこれを占めており、しかも代々木すら手に負えないというものがその主流をなしておるということによって、これらに指導されることによって大衆運動が過激化し、不法越軌に陥りやすいということは、これは認めざるを得ないわけでありまして、これらに対してはやはりそのつど必要な措置をとっていくことは考えて参らなければならぬと思いますが、問題の基本は、ただいま大臣からもお話がありましたように、大学教育、大学ばかりじゃございませんが、教育の基本の問題がありはしないか。また先ほど阪上さんのお話のように、社会の目がいたずらに冷ややかであるという点についても、何らか考えなければならぬ問題があろうと思いまするし、さらに私は学生自体について、ああいう行動についての批判的な能力を涵養するということがやはり大事ではないか。これは社会の目、あるいは教育のあり方という問題もありますが、これはあるいは言葉が過ぎるかもしれませんが、また警察に対する非難を私避けようというわけではございませんが、何かああいうことがあると、政治が悪いからああいうことはやむを得ないのだ、そして警察は行き過ぎである、純真な学生をどうしてああいうふうにするのだということだけが非常に強い声になって出てくるわけであります。そういうことは、私は警察自体の行動について反省すべき点は大いに反省して参らなければならぬと思いますけれども、そういうことによって一度ああいう行動に出たものが英雄視されてくる。これは指導層については思うつぼでありまするし、また指導されて手きびしい批判を受ければ、あるいはみずから反省するような学生におきましても、おれらがやっていることは結局大きい目で見れば政治に対する批判であり、反抗なんだから、政治の戦いなんだというようなとんでもない自負心を起こさせるということにもなるのではないか。そういうことで大衆運動の指導という立場にあるような方々についても、またマス・コミのあり方等についても、われわれはもっとこうあってほしいというような希望を多く持っておるような状況でございまして、やはり社会一度、また教育者自体、それから大衆運動の指導というものを正しく導かれるというような方々についても、われわれとして、特に学生運動が一部の尖鋭分子によってその意のごとくに指導されるような情勢でないような情勢をかもし出すように御指導を願いたいというふうに考えておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 全学連につきましては、ただいまの説明でよくわかるのであります。一部の全学連の行動をもって全体を律することのないような治安対策、このことが非常に必要だと思います。どうぞ一つそういう方向へ今後とも進んでいただきたいと思います。  そこでさらにこの治安立法について大臣に伺いたいと思いますが、先ほどの御答弁によりますると、治安立法よりはむしろ民生安定の基本的な政治のあり方だということをおっしゃいました。従って、当面問題になっているような治安立法についてはあまりさわらないというような考え方のように私承ったのです。具体的に伺いますが、今継続審議になっております、これは議員提案でございますけれども、例の国会周辺のデモ禁止法といわれておりますデモ禁法の取り扱いについて、政府は現在の段階でどういうふうにお考えになっておりますか。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 いわゆるデモ禁止の法案は、国会から提案された法律案だと心得ております。従いまして、国会で十分に御審議をいただきまして、その結論に従いたい、政府としてはかように考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 次に、これは前のときから非常に治安がごたごたして参りますと必ず出てくる問題であり、また治安当局も必ずこれに一言触れられるところの問題でありますけれども、例の警察官職務執行法の改正、この問題がいつも浮かび上がってくるのであります。新政府におかれては、この警職法改正について企図されているのですかいないのですか。この点伺っておきたい。

山崎巖自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○山崎国務大臣 警職法の改正については、ただいまのところ何も考えておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 長官としては何かお考えになっておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警職法改正は、一昨年ああいう状況で不成立に終わったわけでありますが、私といたしましては、あの改正の方向というものは今でも正しかったと思っておりますけれども、ただいま大臣のお話しのように、次の国会で出すとか、次の通常国会に出すとかという計画はいたしておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 さらにお伺いいたしますが、私はこういうことを承っておるのであります。去る六月十八日に何かデマが飛んで、議員会館とかその他国会の建物を襲撃するというようなうわさが出て、それに伴ってでありましょうかどうでありましょうか、当時の岸首相から自衛隊の出動を要請された。これに対して自衛隊の方では善処方に非常に苦心したようでありますが、結局隊員の下部からの反対にあって遂にそれはできなかった、こういうことを聞いておるのであります。そこで警察のあり方の問題なんですけれども、これはあとでも触れてみたいと思うのでありますが、どうも私、現在の警察の組織運営、この中にはきわめて非民主的な運営があるやに感ずるわけなんです。非民主的という言い方は一般的な、ごく通常の考え方による言い方なのでありまして、結局下の意見というものがあまり尊重されない。そして上のいわゆる命令組織というものが非常に強いのはあたりまえでありますが、そのことの強いあまりに下部の意見というものがなかなか上達しない。上意は下達されるが下意は上達されない。そのために相当な不平不満というものが下部にあって、それが遂に何か事あるときに命令に、あるいは指揮に服さない、あるいは上からの命令が無視されてくるというような状態があるやに承っておるのでありますが、この点どうでありましようか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 さきの六月十八日にいろいろデマが乱れ飛んで、相当に御心配になった。たとえば議員さんが議員会館から出られるというような向きもあったやに聞いたことは事実でございますが、私どもとしては十八日にそんな事態になるとは考えておりませんでしたし、また自衛隊の出動を要請されたということも私は聞いておりません。  ただいま警察のあり方につきまして、下部の意見を聞かずに上からの命令で強制していくというようなお話でございましたが、もちろん警察は相当の部隊を動かす場合におきましては、これは上の命令一本できちっとした統制をとって参らなければならぬことは申すまでもございません。しかしながら、警察といたしましては平素から警察官の心持、警察官のいろいろ意見のあるところというようなことにつきましては、できるだけこれを尊重して取り入れるということに努力をいたしておるわけでございます。たまたまいろいろな事件があって、これに対して部隊をもって臨むというような段階に相なりますれば、当然指揮者として命令を下してこれに従わせていくということが、部隊行動としての原則正でございまして、そういうふうに一たん事が始まった場合におきましては、警察の性格上また能率上そういうふうにせざるを得ない、またすることが当然であろう。ただ平素において、何ら下のことを考えないというようなことがあってはならないと思いまするし、警視庁を初め各県の警察においても、そういう点については十分に配慮して善処いたしておると考えておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで今おっしゃった平素下意上達の問題なんであります。警察には今警察官の職員組合というのができておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警察は組合を作ってはならないということに相なっておりますので、いわゆる組合はございません。ただ相互扶助的な意味において、共済組合というようなものはできておりまして、これが相互扶助的な活動をいたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 非常に迂遠な質問ですが、警察が職員組合を作ってはいけないという根拠はどこにあるのですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 これは、警察、消防は組合を作ってはならないということが、法律に規定されておるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 条文を一つ読んで下さい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 国家公務員法九十八条の四項と、それから地方公務員法五十二条の四項です。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 法律がそういう解釈になるというふうに考えておられるように思いますが、私は必ずしもそういうふうに思わないのですけれども、これはあとで研究することにいたします。そこでどうなんですか、職員組合みたいなものを作らした方がいいと思うのですが、従って法律改正というようなものが出てくると思いますが、それはどうなんです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 やはり警察とか消防とかは、いざという場合に部隊活動をいたすわけでありまして、これがわが国の現状におきまして、団体交渉を持って組合員と、たとえば警視庁においては警視庁の警察官の代表者と警視総監とが、団体交渉で待遇改善であるとか、いろいろな問題を論じ合うというようなことをすることは適当でないし、またそういう必要のないように、私ども警察庁の者または警視総監、各府県の本部長という者が、それだけの十分な思いやりを持った措置をとるようにいたして、おるわけでございまして、対立関係にある使用者と従業員、あるいは使用者と労働者というような立場にあるものとは本質的に異なる。警視庁について申しますならば、警視総監を中核として一糸乱れない体制下にあるというのが警察の本来のあり方でありまして、警視総監に雇われている労働者とかいうような関係とは、根本的に異なるものというふうに考えるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 一般の国家公務員、地方公務員だって、決して省庁に雇われているのじゃない。その点私はちょっと論理がおかしいと思うのです。それから、十分に思いやりのある態度でやっていると言われるけれども、警察官の給与なんかどうですか、十分な思いやりのもとにあれで満足されておるのですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 給与についても、極力そういうことで努力をいたしておりますが、現状は必ずしも満足すべき状況とは考えません。来たるべき改正の際には、当然そういうことを織り込んで考えていただくように、政府並びに人事院当局等についても、実情を十分に理解されるように努力をしているわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私がこういうことを伺うのは、六・一五事件等の警察官の行動については、全学連のとった行動も非常に批判さるべきであるが、同時に警察官のとった行動も批判されなければならぬという結論を私は持っているものであります。その原因が、やはりそういった生活上の警察官に対する不満というものが根深くあるのじゃないかというような考え方を持っておりますがゆえに、私はこういう質問をいたしておるわけであります。  その問題については次に譲ることにいたしまして、次に六・一五の事件について一つ伺いたいと思います。六、一五事件の発生の原因、これはおそらく根本的な原因と、直接の導火線というものが考えられると思うのです。あるいはそういう考え方を持っておられないかもしれませんけれども、これについて一つ警察庁長官の警察庁としての考え方を承りたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 六・一五事件と申しますと、例の南通用門における侵入事件、死傷事件というようなことを中心とした問題と理解してよろしいかと思いますが、当日は、すでに全学連の主流派におきましては、どうしても国会構内に入って、そして集会を開くという決意を持っていたようでありまして、午後一時ごろから国会正門前に集結を開始いたしまして、午後三時半ごろには約七千五百名となって正門前で集会を開いておるわけでありますが、その後四時ごろから国会周辺を一周いたしまして気勢を上げ、約三十分後には再び正門前に集まりまして、ここで横のどこかの門から国会内に突入することをきめた模様であります。そこで午後五時二十五分ごろ、衆議院の南通用門に到着をいたしまして、ああいう事件を起こしておるわけでありますが、南通用門に到着した学生たちは、国会内に突入しなければ、きょうここに来たかいがないというようなことを言っておりまして、さらにその目的を達成するために、あらかじめ用意してきたと思われまするペンチとか、なた等をもって有刺鉄線を切断し、門扉や門柱に綱をかけて引き倒し、また石がき、敷石の破片などを投げながら、構内に置かれておりまする警察車両の引き出しにがかったのであります。午後六時過ぎには、この車に放火をするというような状況に立ち至っております。従いまして、この事の起こりというのは、ああいふううに安保闘争が激化して参る過程において、特に全学連主流派においては、不法にあえて国会に突入しようという企図を持って行なわれたものというふうに考えられるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 六・一五の事件というと、例の南門、これが大体主たる事件でありますが、その原因が、今の長官の御説明によると、やはり安保闘争とからんで計画的に国会の構内へ入って来よう、こういうことであった。こういう見方をしておられるわけであります。一部にそういうものがあったということも私考えられると思うのです。しかし私は、直接の原因、こういったものをやはり考えなければいけないのじゃないかと思います。あれだけの三万に近い部隊がああいった行動に出るその導火線となったものの中には、それ以前に、第一議員会館の前付近において発生したところの暴力団のデモ隊に対する襲撃、この場合学生は、ジグザグ行進をやったあと、疲れて第一議員会館寄りの道路上に停止をしておった。そして例の一般の労組、それから声なき声の都民の団体、あるいはまた新劇その他の文化人の団体、こういったものが道一ぱいに行進をやっておった。その中に暴力団が突入してきた。そして六十数名の重軽傷者を出した。その事件を目のあたりに見て、学生諸君は非常に激怒した。それがああいった熾烈な南門突破の行動となって現われてきた直接の導火線だ、こういうふうに世間ではすなおに見ておると私は思います。この点について長官はどういうようにお考えになっておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ただいまお話しのようなことは、あの直後において、たとえば、はなはだしきに至っては警察と右翼の結託であるとか、ことさらに警察が右翼の行動に対して手を出さなかったというような、私どもから申しますれば、悪意に満ちた言動がなされておったように思います。  しかし当日の状況を申し上げますと、午後の五時十五分ごろに、参議院の第二通用門前でデモ隊にぶつかって行ったのは、維新行動隊という団体でございます。この維新行動隊約百二十名が、宣伝カーとか、トラック、バス各一台、合計三台に分乗いたしまして、午後五時ごろ平河町の旧自民党本部前に到着し、現場に配置しておりました警察官の警告によりまして、ここで下車をしております。そうして四列縦隊となって徒歩で国会に向かい、五時十五分ごろ参議院の通用門前に差しかかったわけでございます。ところが、当時その門の前には労組、学生のデモ隊が通行中であったのでありますが、警察といたしましては、これらデモ隊との接触を避けさせるために、現場配置の警察官が——これは麹町署の交通課長以下でございますが、これをとどめまして、他の道路を進行するように説得をしたのでありますが、これに応じません。そのうちに、この行動隊長の石井一昌が、静かに通るから道をあけてくれ、ここは天下の大道ではないかというふうな呼びかけを行なっておる。これに対してデモ隊の方から、暴力団帰れと言うような者があって、そこでデモ隊の中から、行動隊に対して投石が行なわれたというような事実があったようであります。そういうことで午後五時十五分ごろ、行動隊員数名が、警察官の制止を振り切ってデモ隊の中に突入していった。そこにおりました警察官は直ちにこれを取り押え、一たんもとの場所に引き戻したのでありをすが、突入いたしました行動隊員のうち二、三名が、反対にデモ隊に取り囲まれるというような状況でありましたので、残つた数十名が再びデモ隊の中に乱入して、デモ隊からもこれに対する反撃があった。そうして乱闘状態になったわけであります。この際に、警察としては、現場におった警察官は非常に少なかったわけでありますが、これが制止に当たりますると同時に、国会構内からも、機動隊一個中隊と方面隊一個分隊を出動させて、さらに人事院の付近で待機中の一個中隊も現場に急行いたすというようなことで、事件発生後それほど時間を経ずに、右翼の七名を現行犯逮捕をいたし、さらに現場におりました八十二名を麹町署に連行して取り調べた者のうちから、約二十名の者を緊急逮捕いたしておるわけでございます。  こういうようなことでございまして、警察としては、あの事態において、できるだけの措置をとることに努力をいたしておったことはお認め願いたいと思うのでありまして、また、そういうことがある程度学生を激高させる一因にならなかったということは申しませんけれども、ともかくも門をこじあけて入るという用意をしてきたのは、何も右翼とぶつかってから初めてペンチとか、はさみとか持ってきたわけではないのでありまして、綱や何かはあらかじめ用意してきておるということは、そういうことがあろうとなかろうと、少なくとも指導者の間におきましては、大衆を指揮、指導して、門をこわして突入するという計画があったということは歴然たるように思うのでありまして、それが全然気勢をかる役に立たなかったとは申しませんけれども、しかしそういうことは全く派生的な問題であって、むしろ基本的には、全学連主流派によって計画された国会侵入事件であるというふうに見ざるを得ないわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこでその場合に、警察官の態度が、あの事件のなぐり込みのあった時点において、非常に傍観的態度であったということが世上言われております。そういう点について今柏村長官から弁明があったわけなんでありますが、私もあの当時現場におったわけなんです。伺いたいのは、あの場合あそこのテラスのところに、警察官が一メートル置きぐらいにずっと配置されておったわけです。私はあのときの隊長がだれであったかよく存じておりますが、隊長に会いまして、あの警察官は、目の前に明らかに犯罪が行なわれておる、この事実に対して、一またぎまたげば直ちにその現場に到達することができる、非常に簡単な行動であるが、なぜそれをやらないのかという質問をしてみたところが、私たちは国会議事堂を守るためにここに配置されておるのであって、そういった行動に出ることは許されないのだということを、あの当時下の面会所の横の本部の中におった麹町署の者が言っておりましたが、そういうことでいいんですか、どうですか、これを一つ伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 私も今お話の点は詳しく存じませんが、あれだけの広い区域の配置についておるわけでありまして、実際に右翼については、先ほど申し上げましたように適切な措置がとられておるわけです。それは心理的にまだるっこしく思われた方がないとは私申しませんけれども、警察の活動としては、現場におった者が直ちに制止に向かい、また部隊も相当数出動させて、そして取り静めて全員を連行しておるというようなことをやっておるわけであります。従いまして、部分的に見ますると、見えるところであそこにおもむかなかった部隊があったことは事実でありましょう。しかし、それぞれの任務に応じ、そこに出動する者、それから別に守りにつく者というものは、これは全体を見ていただければやむを得ない事情というものがおわかりじゃないかと思うのでありまして、私も、御指摘の事実について詳細を承知しておりませんが、ああいう何千名という部隊を配置しておったのが、目に見え、耳に聞こえるからといって、そこにみんながむぞうさに殺到するということでは、これは部隊としての統制がとれないわけでありまして、相当直近した時間において措置をとっておるということで御了承を願いたいと思うのであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連して長官にお尋ねいたしますが、先ほど長官から御説明いただいた経過は、今の参議院の裏門における事態、これはおそらくあなたの方の関係者から聴取された経過だろうと思います。長官として見ておられたわけじゃないでしょう。その経過には、われわれじきじきにその現場におって見た者と少し飛んでいるところがある。それともう一つは、あなたは先ほど全学連の南門からの突入は、あくまでも計画されたもので、ペンチやその他のいろんなものが用意されておった。参議院の裏門における暴力団のあの事件は、一つの因はなしておるかもしらぬけれども、それは派生的なものである。こういうお考えを持っておられるようでありますが、これは長官よく分析、検討していただかなければ大きな誤りがあるのじゃないかと私は見ているのです。あのとき私はちょうど国会図書館敷地と向こうの荒れ地の間の、狭い道路が三宅坂に抜けるあの側寄りに信号灯ががある、その信号灯の根元で見ておりました。私の数歩前に、今の維新行動隊が隊列をなして立っておった。私はあの事態が起こったときに、学生なりあるいは警官の人たちにとやかく言う時間がしばらく持てなかったというのは、あの事態を歩道で見ておった人たち、それからくずれかかった塀の中から見ておった人たちが非常に憤りまして、警官に対して、一体何をしておるか、どうしてそういう始末をするのだ、なぜあれをつかまえてこういう事態を防がないか、暴力行為はやめろ、こう一般の人が呼びかけております。それに対して、待機しておる行動隊の諸君が、これは黒シャツを着ております。その諸君が襲いかかっていくんですね。私は、参観をしておる——参観というとおかしいですが、見ておる人たちに、しばらく黙っておってもらいたい、あなたたちはもう何にも言わぬでもらいたいといって、これをとめるのに私は一生懸命でして、実は警官の諸君にもいろいろとそのときに言いたいことがありましたけれども、そちらの方に全力を尽くしておったわけです。あなたは先ほど経過の中で、一つの行動のような形でお話しになりましたが、実はあのなぐり込みというのは二つに分かれるわけです。初め高等学校の生徒がたくさん列をなして、旧自民党本部から出てくるあの道路に実はおったわけです。それが国会正門の方に、たくさんのデモ隊とすれ違いに行進していったあとに、今の右翼といわれる行動隊の諸君が、大ざっぱに見て百名内外でありましょうか、隊列をなして出てきた。手に手にこれくらいの真新しい棒を持っておる。その棒の先は四角になっておる。それに小さいプラカードをくっつけて、いつでも何かしらなぐられるような体裁をしておる。それを見たときに、やはりだれでもこれはというような気が起こるのは当然なんです。ちょうどそのころ法政大学の諸君が、三宅坂の方からあの四つかどの信号灯のところに顔を出して際列を作って停止しておりました。参議院の裏門側は、ちょうどそのときは婦人の人たちの際列がたくさん通っておりました。そしてしばらくマイクで何か呼んでおったのは事実であります。ところが数名の者がいきなり、まことにそれはいきなりその隊列に向かってなぐり込みをかけてきた。隊列はずっと押されて、どうも手の施しようがない。向こうにはたくさんの人たちが倒れておる。相当の負傷者が出たようであります。そしてその数名の者はなぐり込みをかけて、思う存分なぐってあばれて、そして引き掲げて隊列に帰った。これが第一段です。そのときに制服の警官の人が十名内外でしょうか、そこにおりました。私は、おそらくあれは交通整理等のおもなる任務を持ってそこにおる警官の諸君だ、こう考えておった。そのときに、なぐり込んだ諸君をそのまま見過ごしちゃいかぬ、こう一言叫んでみたものの、先ほど申し上げますように、歩道で、あるいはへいの上から見ておった一般の人たちが、その行動隊の諸君に向かって、警官の諸君に向かって、いろいろと発言をしております。そうすると行動隊の諸君がその人たちになぐり込んでいく。だから私は、あなたたちはしばらく黙っておってもらいたい、一切の挑発するようなことは言わぬでもらいたい、これを取り静めるのに全力を尽くしたわけです。ところが、その第一段に数名の者がなぐり込んでいったときに、この棒でもってたくさんの負傷者が出ておる。これを私の見るところでは、いかに交通整理の任務があった警官であろうとも、あれをそのまま黙って見ている法はないと思う。やはりあれはそのままつかまえて自由を束縛するところの権限は警官にあると思います。それが一段落して、しばらくおいて今度はほうっておいた負傷者を運ぶ人たちもあります。それからデモ隊の中から小石が二、三飛んだことは私も認めます。だから小石が先に飛んだから行動隊の諸君がなぐり込んだのじゃないですよ。小石が飛んできたのはこれは私も認めます。ところが、その小石はほとんどものになっておりません。そして何分かそこで時間が経過しました。一々時計を見ておったわけではありません。ところが、その後にトラックが、乗ってきた宣伝カーがいきなり全速力をもって参議院の面会所前の通路に向ってぐうっと突入してきたのです。一台はものすごい勢いでデモ隊を押し倒し、け散らし、そしてこちらに抜けたと聞いておりますが、一台は途中でついにストップされて、あそこで転覆しておりました。そのトラック、宣伝カーのものすごい突入と同時に、たくさんの行動隊の諸君がほとんど軌を一にして今度は二度目のなぐり込みをかけた。これはものすごい様相でありまして、私、新聞記者のように描写がうまいなら、あなたにもっと十分説明ができるかと思いますが、相当の数がこれになぐり込みをかけた。そのときに初めてそこにおりました制服の警官の諸君が飛んで行って取り押えようとしましたけれども、わずか十名内外の諸君では十分でない。ところがあちこちでたくさんの負傷者が出ておる。あるいは女の人が参議院の垣根で倒れている姿も見えた。ところがデモ隊の中に、暴力団の棒を負傷しながらねじ上げてつかまえて放さない。それはその中の一つでありますが、全部が目に入ったわけであります。それを警官がどう言って受け継いだかわりませんが、警官に渡した。私は、暴力をふるって渡された男は警官が当然手錠をかけるなどして自由を拘束し、そこで逮捕するだろうと思っておりました。受け取った警官はそのまま放した。そしてもとの隊列の方へ帰れ帰れと帰しているのです。そして何名かの者はもとの隊列へ帰ってきた。それからやがて武装警官が一個小隊といいましょうか、それが参りまして、その帰った隊列をずっと包囲したような形であばれ出るのを防いでおったようであります。その間、行動隊の中からデモ隊に向かって激しい言葉が飛ぶ、デモ隊の中からも激しい言葉が飛ぶという時間を過ごしております。そうこうするうちに写真班の人たちもたくさん来ました。また私どもの議員の諸君もたくさん参りました。そこで私も参議院の同僚諸君と、警官の人たちに話しかけた。こういうひどいことをしたのだから即刻逮捕したらどうだ、こう言いましたけれども、なかなからちがあかない。相当時間数包囲をした。これはやがて自民党本部、永田町小学校の道路の方へ包囲をしたまま押し返して向こうへ行ったのであります。この辺のところはあなたのおっしゃる通り報告と合っております。そのときに、そういう事態をそのまま見過ごすということは許されないと思いましたので、係の警官に、なぜ逮捕しないんですか、こう言いましたところ、一応は逮捕しましょうということで、何名でしょうか、五人か六人は警察のトラックに乗せたんです。ちょうどそのときに全学連の方から、私たちが警察の係の人に交渉をしておるときに連絡がありました。逮捕をして車に乗せて、デモの全学連の前を通って警察の方に連行してもらいたい。そうすればわれわれはこの事態について警察が公正なる取り扱いをしたんだと認識する、こういう連絡がありました。当然のことだとわれわれは思った。実はあの際全学連をこういうことで刺激をするということは、せっかくの計画された、予定された請願行動が不穏の事態を起こしてはならないという考えがわれわれにあるから、そこで先ほど申し上げましたように、数名の者は一応トラックに乗せた。ところが、やがてみんなおろしてしまった。なぜやらないかと言ったら、係の人の言うのに、われわれはどうも現場を認識していないから、逮捕するといってもちょっとわかりません。こういうように何か逃げるような行為で、ついにその場で逮捕することなく、みんな取り囲んだまま向こうの方に押していった。それでお聞きになったと思いますけれども、その押していく間に麹町警察の方に連れていったわけでありますが、その間自由にたばこを買いにいく者もあり、電話をかけにいく者もある。二、三名は自民党本部の中に入ってしまって、出てきたような姿も見えない。私はそこで一応引き返したわけであります。それはまたあとで私は警察権の行使という問題についてお聞きしたいと思っておりましたが、この関連質問で経過を話し、御意見を聞くつもりで申し上げておりますが、あのとき私たちの見るところでは、あの棒をふるって目の前でなぐって大けがをさせているのですから、当然逮捕してしかるべきじゃないかと思うのです。そこに一つの疑点がある。それと同時に、先ほど申し上げましたように、全学連の方からそういう連絡があったときに、その現場で逮捕することなく、麹町警察署まで実は連行していった。私の方の参議院の諸君が実は麹町警察署まで行きました。これは御存じだと思います。そして二十名余りの者を麹町警察署に留置する、こういう処置をとられた。このことを実は全学連に報告したんですね。というのは、ここであなたが先ほど全学連の南門の行動を計画的であるとおっしゃったので、この点について私は解明いたします。  実はその日あなたがおっしゃるように、全学連の主流派の本部では、本日は国会構内に入って抗議集会を開くべきだという意見と、本日そういうことをやってはいけないという意見が対立しておった。そうして執行部としてはその結論が出ていないんです。ところが、このままでは今日までいわゆる大衆の請願行動が割合スムーズに行なわれてきたのに、今日全学連が国会構内に入るなどということをやってもらっては大変な事態が起こるかもしれないので、国民会議の幹部の諸君が全学連の指導者によく話をして、実はその日は国会構内には入らないということに話は落ちついていた。だから国民会議の幹部諸君は、きょうはそういうことは絶対ないのだと言い切っておりました。ところが、先ほど申し上げますように、全学連の執行部では両論があったのも事実であります。ところがその後入らないのだという決定になっております。だからして、そのままこちらの方に夕方にかけての行動が行なわれた。ところがお話しの通りに何か綱やペンチやそういうものが用意されたというのですから、あるいは中にはこっそりとそういうものを持ってきておったんじゃなかろうかと、私はあなたの話を聞いて思うわけでありますが、そのときに、先ほど申し上げましたように、参議院の裏門の行動で即時逮捕して、こういう暴力を働いた者はこの通りにわれわれの警察権力を行使して処分したんだということがはっきりするならば、あの全学連は私は刺激していないと思うところがそういうことはなかったがために、御承知の通り、南門の近くで、実はこういうことがあったんだ、われわれはこれをこのまま見過ごすわけにはいかない、入れ入れという意見が非常に強くなって、国会構内に入って集会を開けという意見が多数を制したと聞くのであります。そこで長官のお話の、派生的だとごらんになっております見解というものは、これは私はちょっとどうかと思うんです。当を得ていないと思います。これはその翌日の二、三の新聞にも、そういう経過をよく書いておりました。あの新聞記者の諸君がとらえた見方は、やはり大事に考えていただく必要があると思います。  それと、今の警察官の行動ということについて、われわれとしては今日まで非常に大きな疑問を持っておる。これは過ぎ去ったことでありますし、私が申し上げておることをどのようにあなたは受け取っておられるかわかりませんが、この後の警察行政の上で、あるいは警察官の教養指導の面にかんがみまして、重要なる一つのポイントを残しておるのじゃないかと思っているわけです。その点、私が知る経過を申し上げましたが、あなたのお考えをもう一度お聞かせいただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 現実に現場をごらんになって、私の承知しないとこまで詳細御説明いただいてありがたいことに存じますが、私は全学連主流派の本質からいきまして——と申しますのは、全学連の主流派は、元来国民会議とは別行動をとっておるのであります。むしろ反主流派はおおむね国民会議の——これは代々木共産党が国民会議の一翼をになっておるという点から当然のことでありましょうが、国民会議のあり方と同調できる範囲においては同調するけれども、そうでないものについては自分らは別個の行動をとるという考え方に立っておるのであります。従いまして、先ほど申し上げましたように、右翼の暴力団の行動が刺激しなかったとは申しませんけれども、それが直接の原因で、あれなかりせば門内に侵入しないはずであったというふうには私はどうしても考えないのでありまして、やはり全学連主流派としては、われわれのキャッチしている限りにおいて、明らかに計画的に門をこわし、自動車を引き出して、石を投げ、警察をひるまして、突入する計画であったというふうに、私はただいまお話を承りましても、そう感ぜざるを得ないのであります。  それから、現実にあそこで逮捕しなかった——手錠をかけることが逮捕ではないのでありまして、逮捕したのは、たしか七名現場において逮捕をいたし、それから八十名ほどを連行いたしまして、その中から約二十名の者を署において緊急逮捕をいたしておるわけでございまして、これは個々に警察官の行動が勇敢の度合いにおいて、あるいは速度の度合いにおいて常に完璧であったということを申すわけではございませんけれども、全体として、あのときの警視庁の警察官のとった行動は、私の知る限りにおいては、おおむね正しかったと考えまするし、また全学連の要求によって学生の前を引きずる必要は私は毛頭ないものと考えるわけでございます。刺激しないとは申しませんけれども、それが原因であの事態を起こしたというふうには、私にはどうしても考えられません。

川村継義日本社会党

○川村委員 関連してもう一問、今の点についてお尋ねします。私は長官の見方と違うのですがね。私はあの日は、参議院裏門のあの事態が起こらないならば、全学連といえども平穏に請願行動を終了していると見ているのです。先ほど長官は、阪上委員が全学連についての見方を質問いたしましたときに、お考えを述べられた。これは非常にその通りだと思います。あのときの全学連の行動というものは、やはりあなたが見ておられるように、国民会議とは別行動をとっておる。こうおっしゃるのですけれども、あのころには必ずしもそうじゃなくて、よく国民会議と打ち合わせして、それに従って行動しているわけです。これは御存じだと思います。その日も実は私服の方が相当隊列の中におられたはずですし、南門付近にもおられたはずですから、よくそれを知っておられると私は思いますが、私服の人が非常に入れ入れと挑発したという声もあります。私はそうだとは思いませんがね。しかし一般の諸君の中には、入れ入れというのは私服の人の声が多かったという見方もある。私はそうは思いませんが、しかし、その日初めて参加した学生の中に、おい、中に入って一つやれというような声があったことも事実だと聞いております。おれたちは来たばかりじゃないか、初めて来たのに何か一つやれというような非常に子供じみた声を上げておった初めての参加者の学生もおったというのです。そこで、そういうような状況と内部の空気を総合してみますと、参議院の裏門におけるあの事態がなかったならば、入れ入れというような刺激的な行動には出なかったじゃないか。それがあったためにそういう空気を盛り上げて、結局入ることもあるかもしれぬと、あなたのおっしゃるペンチや綱を用意した諸君が勢いづいて、そういう行動に移ったのじゃないか、こう推測されるのであって、初めから入るという計画で来たとは、当時の国民会議の幹部諸君の意見や、全学連の執行部の諸君の会議の模様を聞いて、私はそう信じない。そこで私は、あなたの分析見解はどうも納得のいかないものを持ちます。  それから警察官の行動につきましては、これは長官ですから、大きな間違いがあったとはとてもおっしゃるはずはないと思いますが、私の申し上げました経過からずっと考えてみると、警察官としての職分あるいはその権限、権力を当然こういうときにこそ発揮しなければならないものを、どういうわけであったか、非常にそれを怠ったということは言えると思うのです。あなたは麹町警察署にどれだけ連れて行った、あるいは何名逮捕したようだ、こうおっしゃるのですけれども、私は、もちろん手錠をかけるそのことが逮捕とは思いませんし、全学連の前を連れて通る必要はないということはわかります。わかりますけれども、トラックの中に一応逮捕するといって乗せた者をおろしてしまう、こういうことを一体どう見たらよいのですか。しかもおかしいじゃないか、当然そうしなさい、連れていきなさいと言っても、いや、われわれはどうも現場の認識がはっきりしてないし、まだその証拠がどうだというようなことで、わざわざ乗せた者をおろして、また隊列に加えて歩かせていくような処置は、一体妥当なものであるかどうか、この辺については非常に疑問が残っておる。こういう点について、もう一ぺん一つお考えをお聞かせいただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 トラックに一たん乗せた者をおろしたのはどういう事情であったかは存じませんが、居なくともこれらが自由に逃亡することのできない状態において警察に連行いたしておるわけであります。そのうち七名は、どういう形式によってやっておったかはわかりませんが、現行犯で逮捕した。これは確認をしておる者七名ということであります。それから八十名ほどのうち、取り調べによって、あるいはその後の捜査によって二十名ほどを緊急逮捕したということでありますので、必ずしもトラックによって連れていく必要があったのかなかったのか、また結果的に見れば、そういう必要は必ずしもなかったのじゃないかというふうに私は考えます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこで、私は先ほども申し上げますように、私どもの見るところでは、目の前で人を負傷させ、なぐり、乱暴を働いた。これは私たちから言っても言い間違いはないと思う。これは現行犯である。そこで自由を拘束する、いわゆる逮捕するという状態の処置をとってもらえば、学生を中心とするあの請願運動の諸君が、警察は不当だ、暴力団にくみしておる、こういう誤解を生まず、しかも学生諸君を刺激しないで、あの南門の事態というものは起こり得なかったのじゃないか、こう見ているのです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 それではちょっと、今の御質問に答えることにはならぬかもしれませんが、全学連の考え方、これはあるいは指導者全部の考えではないかもしれませんが、あるラジオの座談会、あの事件のあとの座談会において学生がこういうことを言っております。われわれは警察官個々に恨みがあるわけではない、しかし岸内閣を倒さなければいけない、岸は権力の頂点におる、その頂点の岸を支持しているのは警察権力である、従ってこの警察権力に向かってわれわれは戦いをいどまなければいかぬ、これをやっつけるということがわれわれの仕事なんだという趣旨のことを、あの十五日のあとの座談会で言っておるわけです。だから、われわれはあのとき非常に感情を激して、右翼などのあれを警察がほったらかしておいたので、あそこまでいくべきでなかったけれども、われわれは激情にかられてやったのだという片りんも出ていないのであります。警察をやっつける、権力機構の支柱である警察官と戦うということがわれわれの崇高なる使命なんだという趣旨のことを言っておるのであります。これが本質的に全学連の持っている考え方の一部にあるわけでありまして、そういう点からいうと、それは彼らによって指導される連中の一刺激剤にはなったかもしれませんけれども、全学連の指導者の企図というものがそれによって左右されたというふうには私は考えないのであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 あなたの全学連の指導者に対する見方、分析、それはそれでいいと思うのですけれども、当時南門から入ったというその事態について、それがあったから指導者の言うなりに全部が入った、こういう見方は早計ではないでしょう私さきに申し上げましたように、執行部としては入るという決定をしてない。国民会議としては入ってくれるな、入らないという一応の拘束ができておる。もしも指導者の一部の中にあなたがおっしゃるような考え方を持つ者があったとしても、私はあの日、ああいう裏門におけるような事態が起こうなかったならば、指導者といえども、それを引っぱって、あるいは先頭に立って南門から入るような行動にはよう出られなかった。それが一般の学生がいきり立つような事態があったということが、指導者が先に立って入るというような事態を引き起こしてしまったのじゃないか、こういう見方をせざるを得ないと思う。これも成り立つわけでしょうそこでそういう点は、やはりいろいろな事態が起こった場合によほど公平に、慎重に分析検討していただかなければ、本質というものが曲げられるのじゃないか、こう私は考えておるわけです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで先ほどの質問なんですが、私が問題としておるのは、いろいろな問題がありますけれども、あの場合、麹町署が担当しておりまして、その指揮官なんですが、これが、われわれは院内を守るために警察官を配置しておるんだ。私はあの事件を目のあたり見ておって、警察官職務執行法の五条に基づいて警察官は個々に行動できるのじゃないかと思います。あるいはまた警察法に基づいてもこれは当然行動ができるんじゃないかと思うのですが、この点の見解はどうなんでしょう。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 その現実の状況、阪上さんがごらんになった動かなかった警察官の状態ということを私はつまびらかにしませんので、はっきり申し上げるわけには参りませんけれども、少なくとも警察は部隊行動をやっておりますから、この部隊を離れて、指揮官の指揮を無視して勝手にやるというような場合は、まず大方の場合は考えられない。特殊な例として、水におぼれる者を救うとかいう問題はあり得ないとは申しませんけれども、部隊行動をやっておる場合においては、やはり指揮官の指揮に従ってやるというのが原則であり、そうなければならぬというふうに考えるわけです。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 その問題について、その指揮官が私にそういうことをはっきりと言っておるのです。これはどうなんでしょうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 指揮官も、どの程度の指揮官であるか存じませんが、その上の指揮官もあるのでありますから、自分にまかされた範囲内の行動として判断するか、あくまでも自分が与えられた任務を守り抜くべきかというような判断の問題になるのではないかと思うわけであります。現実にどういう状況下において、またほかの部隊の行動が全然起こり得ない状態においてまでそこを動かないというようなことではなかったのではないか。当然こういう状態においては他の待機部隊等の行動が予想されるという前提のもとに、あえて行動に移らなかったのではないかというふうに私は考えるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、警察法の六十五条とか、あるいは警職法の五条、こういった法に基づいて、警察官は眼前に犯罪が行なわれておる場合に行動できることになっておるのでありますけれども、ただいまの説によれば、部隊行動しておるから——これもわからぬことはありません。しかし、そういたしますと、私は指揮官の判断の問題であると思います。この点について私は、あの場合、あの指揮官の判断は決して適当な判断じゃなかったろう、こう思いますが、これは一つ現状をよく調べていただいて、さらに欠陥があるならば大へん重大な問題と思うのです。目の前に明らかに危険が発生し、かつ犯罪行為が行なわれておる。考えてみると、その場合の行動は、あれだけの大衆の中にああいったトラックが四十キロくらいのスピードで入ってきておる。それから手に持っておったものは、凶器でない、あるいは凶器であるということについては、いろいろ問題があろうかもしれませんけれども、少なくともああいったカシの棒で、プラカードの形をしておっても、それでなぐり込みをかけ、六十五名近くの重軽傷者が出ておることは事実であります。中には目をとられた者もおるというようなことになっておりますけれども、そういう場合に、考え方によれば殺人未遂といってもいいくらいな考え方を持つけれども、そういうことが目の前で行なわれておっても、部隊行動をやっておったから動けなかった、しかもその指揮官に聞いてみると、われわれは院内を守るために配置されておる、任務はそこにあるから……。これではちょっとおさまりがつかぬと思いますから、この点は厳重に取り調べてもらいたいと思います。  田中さんが何か関連質問があるようですから……。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 ただいま阪上委員から、院内の警察官の行動についていろいろ質問があったのでありますが、私からも一言警察庁長官に感づいた点を質問したいと思います。  当日の警察官はもちろん議長の要請によって出動したものと思うのでありますが、その点いかがでございますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 当日は、構内に対しまして衆参両院とも当初は二千名ずつ合計四千名、それから事態が非常に緊迫いたしましてからさらに三千名の追加の要請があったわけであります。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 そこで私は、議長が警察官の出動を要請いたしました以上は、構内に入った警察官の行動は、一切議長が責任を負うべきものであって、議長の指揮下に置かれた警察官というものが、たといどういうことがあっても、指揮者の命令なくして勝手に飛び出していって行動するということは許されないものじゃないかと私は考える。法理上から申し上げるのでありますが、一応議長の指揮下に置かれた警察官であるからして、その指揮者が議長に要請をして、そうして議長から直ちにその応援をして差しつかえないというような承認を得るとかなんとか、そういうような手続をとらないと、構内における警察官が直ちに他の警察官と協力をしてやるということは、法律上からいうとできない建前になっておるのではないかと私は考えるのでありますが、その辺はいかに解釈しておられましょうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 構内に要請に基づいて入りました警察官が活動をすることにつきましては、議長の指揮を受けるわけでございまして、その限りにおいてただいま田中さんのお話しの通りと思いまするが、しかし緊急な状態が外に起こっておるという場合におきまして、これは院内外非常に関連も持つわけでございまするし、これを一々議長の指揮を受けないで外に出るということも、必ずしも越権と申しますか、議長からその程度のことは暗黙の承認を得たものとして考えて行動をすべきときはしてもいいのじゃないかというふうに私は考えておるわけでございます。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 私も実は六・一五の日にあの不祥事件の起こりました現場付近にずっとおりまして、デモ隊の行動につきまして終始監視をいたしておりました。そこで第三議員会館の前からあの南門と申しますか、あの間に全学連の連中が非常に疲労いたしまして、路傍にみんな腰打ちかけて三々五々休んでおりました。私もワイシャツ一枚で出ておりまして、その全学連の連中に、私議員である身分はもちろん隠してございますが、君たちはどうしてこういうふうに毎日出るのかと言いましたところが、われわれは岸政権を打倒するんだ、こういう話でございました。それじゃあなた方は本日は必ず中に入るのでございますかと聞いたところが、もちろんわれわれは国会を占拠して、そうして国会の権威をなくして、岸政権の退陣を要求するんだ、こういうことを口々に言っておりました。先ほどもいろいろ議論があったのでございますが、警察庁長官からペンチを持ってきたとか、綱を持ってきたとか、いろいろお話がございましたけれども、私が個々の全学連の人々に聞いてみますると、やはりその日は必ず中に入って国会を占拠するんだ、こういうことを私は私のこの耳でもってはっきり聞いておりますので、私は、無謀なことをすると、非常に国会の権威を失墜するだろうし、また諸君もいろいろと社会的に批判をされるのであるからして、やるならばデモとしての合法的な措置をとられることを希望すると言いましたところが、あなたはだれですかという質問をされましたけれども、私は通行人だ、ただ国民の一人として諸君に僕は希望するんだ、こう言って帰ったのでありますが、私の聞いた範囲におきましては、当日のデモというものは最初から計画され、最初から侵入するというような計画を持ったデモであったということを、私は自分自身として大観いたしましてさような心証を得ましたので、参考に申し上げておきたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そこで伺いたいのは、当日の南門付近の警察官の行動なんです。私の承知しておる範囲においては、あの警察官の出動要請は、たしか十三日になされました。そうしてそれが十四日、十五日分を一括してなされておる。それからその場合の出動要請は、両院議長からそれぞれ二千名ずつ、十五日になってからさらに千五百名ずつの追加があって合計七千名、こういうことになっておったと私は思うのであります。この場合の部隊編成なんですけれども、時間もありませんので端的に御質問申し上げますが、装備等につきましても問題点があろうかと思うのですけれども、部隊編成中に私服の警察官が相当数おったというふうにわれわれは聞いております。いろいろな情報から約五百名の私服警察官がおった。そこでこの問題について衆議院の警務部長に問いただしてみたのでありますけれども、これらの私服の警察官の国会の構内に入ってくる手続は一体どうなっておるのかということを聞いたのでありますが、これは一般警察官と同じような行動をしておるので、七千名の中に含まれたものとしてわれわれは扱っておる、こういうことになっておるのです。そこでこの私服の警察官がどのくらいおったかということについて長官の方ではっきり知っておられるかどうか。警視総監に聞かなければわからぬかもしれませんが、いずれにしてもああいった事態の中で、ああいったことが予想される事態の中で、私服の警察官が五百名もまぎれ込んでおるというか、中に入っておるということは、それ自体混乱を惹起するところの大きな原因を作っておるのではないか。これはその他の場合においても見られることであります。かつてこの地方行政委員会において和歌山の事件を取り上げたときにも、その問題を私は指摘しておったのであります。なぜああいう場合に私服の警察官が必要であるのか。しかも夕やみ迫るあのころにおいて、私服の警察官が入っておるということについては、これは非常に混乱を起こす大きな原因を作っておる。われわれの方から見れば、一部では、あれは自民党が雇ってきたところの暴力団だ、こういうふうなことも一時は言っておった。なぜああいう措置が必要であったかということについて、これは長官が、おれは知らぬと言われれば、それは知らぬかもしれませんが、これは今後のああいった事態に処するための部隊編成としては大へんよろしくないというか、適当な行為じゃないんじゃないかと私は思うのですが、この点について一つ伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 たしか当日私服は四百三十三名配置いたしておったように聞いております。これは私服の任務は、不法行為が行なわれる場合におきまして、これの証拠固め、それから必要に応じて逮捕というような行動をとるわけでございます。部隊行動の間において私服をこれに適当数配置するということは、警備措置のむしろ常道でございます。私は、ただいま阪上さんのお話の中で、非常に事態を混乱させる、まぎらわしいことになりはしないかというお話でございましたが、もちろんああいう事態を何か暴徒と警察官の試合をするような格好においてながめるならば、混乱するということも考えられるかもしれませんが一方は法秩序を守る立場において厳正な取り締まりをするという任務を持った警察官でございます。片方は、不法に国会内に侵入して秩序を乱そうとするやからでありますので、もちろんそういう中に私服を交え、あるいは制服の中にも私服を入れて、そうして十分に証拠を固め、必要に応じて逮捕行動に出るということは、警察活動として当然とるべきことであろうと思うのでありまして、私服なるがゆえに、入っておることが非常に混乱を起こすというただいまの御所見については、私はどうも納得しかねると同時に、警察の警備活動としては、状況によっては人数の多少はございますけれども、多かれ少なかれ私服をまぜることがほとんど大部分の場合において必要であるというふうに考えておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 警察庁長官は、私服がああいった部隊編成の中に入るということはむしろ当然のことだ、こういうふうに言われますが、私はそれはちょっと納得できかねる。一体私服警察官というものを国会構内という明らかな場所に配置すること自体が私は私服などというものは、やはり未然に犯罪を防止するというような場合における必要性というものは感ずるけれども、ああいった部隊行動の中に私服警官が入っておって、行動して逮捕する場合に私服でなければいけないということは、必要ないと思う。制服の方が明らかだから、むしろ逮捕される方も納得するのじゃないかと思う。そこで一々警察手帳を見せてくれという必要もなくなってくると思う。柏村さん、あなたはそう言われるけれども、これは真剣に考えてもらわなければいけない問題じゃないかと思うのです。ああいった乱闘の中で逮捕された者が、お前警察官でないといって抵抗する場合には、一体どうしますか。そんなときは世間に通用するようなバッジなんかついているのですか。どうしてそういうことを認識できるかということになると思うが、この点どうですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 もちろん私服が活動する場合におきまして、もし取り締まられる方において疑義があれば、警察官たることを証明する警察手帳も持っておりますし、それに必要な措置は当然とらなければいかぬのであります。また私服でなければ逮捕してならないというようなことはないのでありまして、あの場合でも、多くの者は制服によって逮捕いたしておるわけでございます。ただ、あのときにそういう事態があったかどうかはわかりませんが、非常に巧妙なものになりますれば、制服の手をのがれて悪質な行動をするということもあり得るわけでありまして、やはりそういうものにはっきり警察官とわからない態勢をとって、しかも取り締まりに任ずるという警察の職責も十分考えていかなければならぬと思います。それは配置や何かについて、われわれとしてもさらに検討すべき問題はすなおに私も検討いたしたいと思いますけれども、全部制服で、はっきりとおれは警察官だという態度を示して常に行動を顕現しておらなければならぬということは、特にああいう事態の警備については、私はその説には承服しかねる。どうしても私服警察というものが活動せざるを得ないというふうに考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 これは依然として水かけ論になろうと思いますけれども、やはりああいう大部隊で行動する場合において、私服警察官がおるということは必要最小限度でいいんじゃないか。あの場合七千名のうち、五百名近い者が私服で入っておるということによって、相当の混乱を起こした原因を作っておるものと私は考える。この点についてはさらに今後の検討をしてもらいたいと私は思います。  そこでああいった部隊編成の中に、さらに救急班というものが平素から編成されておるのかどうか、これをちょっと伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 救急班は事態によってこれを出動させるということに相なるわけでありまして、たしかあの日は投石等によって警察官のけが人が非常に多かったわけであります。また一般にもけが人、負傷者が出るという状況でありましたので、警視庁としましては車を五台、これはいわゆる消防自動車のような救急車ではございませんが、警察で救護のために専用する車二台、それから輸送車二台、もう一台何か、五台を使って、医者五名とそれに必要な看護婦、看護員等を用意して現地に振り向けておったように聞いております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 大体私の見た目では、その程度の救急車が来ておったようであります。ただあの場合、私は自分で事態の容易ならざることを認めたので、消防本部に連絡をして救急車の出動を要請したら、都下全部からおそらく出動してくれたと思う。あの場合、警察隊の方ではそういった配慮が少し欠けておったように思うあなたは現場の事情をつぶさにごらんになっておらなかったと思うのです。従って警察自体が非常に批判を受けるような結果になった。負傷者をそのまま野ざらしにしておかなければならぬというような場面も出た。逮捕した者の直ちに救急車によるところの保護というようなことも欠けておったように私は思います。第一の理由としては、ああいった事態に対する救急ということも、やはり警察に課せられた任務ではなかろうかと私は思う。緊急保護といいますか、そういったものを全然考えていないということではないけれども、事態が予想以上に発生したためにそういうことになったと思うが、あの場合、警視庁から消防本部その他に連絡をとったというような事例がございますか。

倉井潔警察庁警備局警備第三課長

○倉井説明員 当日の救急車で取り扱いましたのは学生で二百七十九、警察官で三百二十九であります。また先生のお話のように救急車として輸送任務についておりません。ただし、消防の救急車に対しまして連絡その他はできるだけやっております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 その点については別にどうと言っておるわけではないのですが、そういうことによって急場の処置ができないという格好で、しかも、その責任が全部警察に負わされておるという関係が起こりがちである。私は、救急車に対する出動の要請等について当然消防本部その他になされておると思いますが、なされておるとしても非常におそかったのではないか、こういうふうに考える。ただ逮捕等に夢中になっておって、そちらの方は考えられなかったというような現象があのときに間々見受けられる。それからもう一つ、あの議面の下のところで逮捕された負傷者がおったわけだ。これに対して消防の救急車についてきた医者が、これはやはり精密な検査をしなければ非常に危険であると思うということでもって、これを早く病院に送るようにという要請をやっておったのでございますが、なかなか現場の刑事諸君はこれに応じない。私も中へ入っていって要請と善意の忠告をしたのでありますけれども、われわれは適当な者がおってちゃんと診断もしておるから大丈夫だ、こういうことでなかなかこれを救急車に運ばそうとするような行動に出なかった。私はあの現場を見ておって、これは非常に大きな問題が一つ出ておるなという感じがしたのであります。それでは一つ診断書を見せて下さいと私が言ったら、そんなものはありません。こういう場面が出てきたのでありますが、この点についてはどうでしょうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 とにかく非常にとっさの場合に多数の負傷者が出たので、先ほど申し上げましたように、警視庁からも救急用の車を出動させ、また消防にも連絡をとって、できるだけ救護に当たるような態勢はとったわけでございますが、少なくとも重傷者、病院に運ばなければならぬような者については、もちろん当然救急車によって移送することに警察としても努めたわけでございます。ただその間にけが人に手錠をかけたとか、いろいろの非難もあったようでございますが、逮捕者の逃亡を防ぐために手錠をかけるということをした、それがたまたまけがをしておったという事情はあるわけでして、ああいう非常な混乱の際に逮捕して、そのけがの状況によっては病院に運び、あるいは軽い者は警察の医療によってカバーするというようなことをとったので、故意に不当な取り扱いをしたということはもちろんございませんし、あの非常な緊急な状態下において、警察としてはあらゆる努力を講じたというふうに私は聞いておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 こういうことを拾いあげていけばほんとうに数限りなく、警察官のとるべき行動として相当な批判を受ける面があったと私は思っております。たとえば第一次の襲撃の場合において——私たちはあえて襲撃と言うのですが、あの南門を突破して全学連が入ってきておる。これに対して警察隊はずっと後退しておる。全学連の入ってくる速度はきわめて遅々たる速度で入ってきておる。この場合、事前に放水その他によって構内乱入を阻止するという行動はもちろんとられておったのですが、しかし三十メートルくらい間隔を置いてずっと下がってきた。そしてあまりにも拍子抜けしたので全学連の動きはきわめて警戒的で、わずかに一秒間に一メートルも歩くか歩かないというようなスピードで入ってきておる。それに対して三十メートルも間隔を置きながら、指揮官であるかだれかわかりませんが、かかれというような声でもって、警棒を振り上げて襲いかかっておる。あの場合、家屋侵入罪とかなんとかいう法的な見解でもってこれを処理されていったものと私は思うのですけれども、ああいった機動隊の行動というものが、警察法に基づいて許されるべきものであったかどうか、この点についての見解を一つ承りたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 当日の警察の任務は、門内に入れないということが第一であります。また門内に入った者はこれを門外へ排除する、または逮捕するということが警察の任務でございます。従いまして、あの際テレビ等でも、また現場においでになればよくおわかりだと思いますが、前の敷石等をこまかくくだいて——こまかくといっても相当大きいのでありますが、そういうとがった石等をどんどん投げてくる。車を引き出してこれを焼くというような非常な凶暴な行動に出て、警察としても、多勢に無勢と申しますか、その全学連の方の投石等による攻撃力によって一時後退せざるを得なかったという事実は、これは認めざるを得ないわけでありますが、しかし任務としては、これを入れない、また入った者についてはこれを排除し、逮捕するという任務を持っている警察官としては、当日の行動は、全体的に見て私は当然の警察行動であるというふうに確信をいたしております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 あの取り巻いて襲撃をかけた、そうして逮捕された者は、取り巻いた隊列のうしろに引き出されて逮捕されておる。その場合に、抵抗も何もしていない者に対してなぐる、ける、こういった行為が現実に行なわれておったのでありますが、長官はそれを承知していますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 無抵抗の者をうしろに集めて、なぐる、けるということをしたということは、私は聞いておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 これは私はいつでも証人に立ってもいいのですが、現実にあった。私はそれに対してとめに行った。そうしたら機動隊の人たちは、私を二十名くらいで取り巻いた。そうして暗やみの方に私を押し出して行った。そうして私自身にすら、何のために国会を守りに来ているかわからないのですが、私をけ飛ばした。そうしてその機動隊の中には非常に良心的な人もおって、先生、危ないぞ、そっちに行っては危ないといって、私を救出してくれたのもいる。長官は、あの場合背後でそういうことが行なわれておったことを知らないとおっしゃるけれども、これはもう衆目の一致するところです。だから逮捕するのもよろしい、押し出していくのもよかろう。しかし、あそこまでいっては、警察官としては逸脱しているのではないか、こう私は思うのですが、そういった事実について、もっと綿密に調査されることが必要ではないかと私は思うのです。一体ああいう乱闘事件が起こったときに、警察官に対してはどういう調査をされておりますか。ただ単にああいう乱闘事件の中で、入って来た者同士でなぐり合いをしたというようなことはおそらくなかろうと私は思ひますが、そうすれば捜査の方向としては、当然そういった者に対して、警察官もとにかくなぐっておる。あのときに負傷を受けた全学連の諸君の負傷というものは、大部分が首から上あるいは胸から上というふうに病院では診療されておるのです。これに関して警察官に対する取り調べを警視庁はおやりになっておるかどうか、お聞きになっていたらお聞かせ願いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 もちろん、警察といたしましては、あらゆる警察活動について責務は十分に果たさなければならないが、行き過ぎのないようにということは常時戒めているところでございまして、当日の行動につきましても、行き過ぎその他については、十分に警視庁として調査を進めているものと私は考えているわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 その結果はわかっておりませんか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 現在までのところ、私はそうした行き過ぎ行為についてはっきりしたものを聞いていないわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そういった行動の中に、報道人に対するところの暴力行為があったというようなことが、現場からなまなましくラジオ関東の記者によって報ぜられておった。あるいはまた国会議員でそういった警察官によるところの暴力行為にあったというような例も証言されておる。しかし、それらのことにつきましては、時間の関係上私は割愛いたしますが、あのときの乱闘の中で、その直後において、学生のその後の行動等について非常に心配して、教授団が南門付近におった者に対して、きわめて無警告で——明白に教授団だということがわかっておる、これに対して警察隊が攻撃を加えたという事実があるわけです。そして負傷者も出しておるのです。これはわれわれの方で今告発いたしておりますけれども、何もしないであそこでもって高張りちょうちん等を掲げて、明らかに教授団ということを表現しておる。それから襲いかかってきたところの警察隊に対しても、われわれは教授団だ、決して何もしていないじゃないかということでもって、大いに教授団であるという認識を叫んでおる。それに対して、教授団もくそもあるものかという暴言をはきつつ、これらの教授団に対してなぐり込みをかけて、そして多くの負傷者を出しておる。こういう事実があるわけなんです。これはいかに警察当局で弁明されても、その弁明は成り立たぬと私は思うのですが、この点について何か承知しておることがあればお聞きしたいし、承知しておられないならば、これに対して今どう善処されておるかということについても伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 お尋ねの点にぴたりと合うのかどうか存じませんが、十六日の午前一時二十分ごろに発生した事案があるわけであります。これは正門前におきまして催涙ガスを使用したあとで、学生の排除を警察官が実施いたしておる間のできごとであります。当時南通用門方向に規制されました約四百名の学生たちは、さらに投石をいたしまして警察官に抵抗し、また道路上に竹ざおを横にかまえた組織不明の一団がありまして、これも石やプラカード、たき火の残り火などを警察官に投げつけ、規制活動を妨害しておったときのことであります。そのときに一人のたすきをかけた男の人が現われて、行動をやめろ、話し合おうということで、警察部隊の指揮官に申し出があったわけであります。指揮官は、学生排除の任務を遂行中でありまするし、学生たちからはなお激しい投石が行なわれ、負傷者が続出している最中でもありますので、穏健な教授団たちが暴徒集団の中に含まれていたとはとても考えられなかった状況でありますので、話し合いは行なう段階でないというふうに答えて、そのまま規制を続けたという事実がございます。従って深夜の混乱のさ中におきまして、群衆の中にまじっていたと思われまする大学教授団たちの中にも負傷された方があるということも推定されるのでありますが、こういうものを事前に暴徒と教授団とを分離することが警察としてでき得なかったという状況でございまして、教授団を故意に目標として暴行傷害を加えたというような事実は考えられないわけであります。  またもう一つ、事件の終了したあとでございますが、十六日の午前二時十分ごろ発生した事件があるわけであります。これは国会正門から規制されました約二百名の学生たちが、三宅坂と半蔵門の両巡査派出所に次々と襲撃をかけております。そうして投石を行なうなどの暴行を続けておりましたので、機動隊が出動いたしましてこれを解散させた直後におきまして、機動隊員が三宅坂交差点付近を通行中に、国会の方向からやってきましためがねをかけた男の人が、近づいてきまして、いきなり特殊なアクセントで「人殺し」というような悪罵を浴びせてきた。そこで隊員中の数名が飛び出して、早く帰れと言って、その機動隊員の一名がこれを押した。ところが本人はその場に倒れて、それでこれを警察官が助け起こしたところが、何も言わずに立ち去ったという事案がございます。非常に長時間警備に従事いたしまして、同僚が多数けがをする。その上に悪罵を浴びせられるという状況で、若干勢い強くこずいたという点があるかと思いますが、これもあるいは教授団の一人であったかもしれないわけであります。そういうようなことで、教授団というものに対して故意に警察官の方で暴行を加えていったというようなことはとうてい私としては考えられません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 長官は今さように言われますが、六月十六日午前一時二十分の、南通用門付近の警察官が教授団約三百名に対してなぐり込みをかけたこの状態は、今言われたように、教授団であるかないかの判断がつかなかったというような状態では私はなかったと思うこれは教授団でありますということをはっきりと何回も言っておる。それから研究所等の記名入りの高張りちょうちんもはっきりと明示してあるし、プラカードやたすきを見てもはっきりとわかる。警察官のそのときの一つの言動でありましょうけれども、かまわないからやっつけてしまえ、あるいはぶっ殺せというようなことまで言ってぶっつかっておる。そこで相当な負傷者を出して、さらにこれらの教授団が南通用門付近から特許庁の前までずっと退避した。これに対してもさらに追い打ちをかけて暴行を加えておる。その中に今言ったような問題もあったのじゃないか、こういうように思うのでありますけれども、これはわからなかったからというようなことでおさまるべき性質のものじゃないと私は思います。この問題について、おそらく検察庁も調べておるでありましょうけれども、警察としては全然これは手をつけずにそのままにほうってあるわけなんですか、どうなんでしょう。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ただいままで私どもの方にその調査の結果として報告されたのに、ただいま申し上げたようなことでございます。なお、検察庁の方に告発をせっかくしておいでになるわけでありますから、そちらの方でさらに詳細明らかにしてもらいたいと思います。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 次に長官にお伺いしたいのですが、機動隊というのですね、あれはどういう目的でああいう編成が行なわれておるのでしょうか、この点一つ伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 機動隊はその名のごとく、緊急の事態に応じまして、集団的にある警察の規制活動あるいは大量の逮捕活動というような警察活動を敏速に行なうというために、若干の要員をもって平素から隊を組織し、訓練もいたしておるわけであります。他の日常務に必ずしもとらわれず、いざという場合に出動できる態勢をとっておるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 そうしますと、臨時に編成されるものでありますか、常設されて編成されておるものでありますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 機動隊そのものは常設のものが、たとえば警視庁については常設のものがございます。そのほかに事態によって相当数の動員を部隊活動として行なわなければならぬという場合におきましては、臨時に編成する分もございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 過般の六・一五のときに、私はじっと警察官の行動を見ておったのでありますけれども、私の主観からいうと、ああいうふうに訓練されておるためにああいう行動になったのであるかどうかよくわからないのでありますけれども、他の一般警察官に比べては相当狂暴性を帯びておったように私は思うのですが、かといって一般の警察官の行動などは、実に警察官職務執行法に忠実で、負傷者等に対しましても、機動隊の中にも、むしろみずからその救護に任じておったような者もおったように思うのであります。ああいう状態を見ておって、機動隊が特殊な集団示威行為等から発生する不法行為に対して、特にそういった取り締まりとか防遏とかいう任務が与えられておるためにそういうことになるのかもしれないけれども、何か警察官としての心構えというものに欠けておるところがあるような感じを受けておるわけであります。私は、ああいった機動隊というものをどうしても置かなければならぬということであるならば、もう少し機動隊に対するところの教育というものを根本的にやり直して、再編成の必要があるのじゃないかという感じがするわけなのであります。これはまあ長官の直接の指揮下にあるところの部隊でも何でもありませんから、長官も一つ公平に考えていただいて、警察の権威と、それから警察の国民に対する信頼というものを持続するためにも、ぜひともこの点を考えていただかなければならぬという感想を私は持っておるのです。私は今はこまかにいろいろと申し上げませんけれども、何か教育上の大きな欠陥があるのじゃないか。まだああいう行動ばかりに終始させられている結果、人間の本能として、とにかくもうぶつかっていくのだということしか考えられない立場に置かれているというような思い過ごしもあるわけなんであります。この点についてどういうふうにお考えになっておるか。  それからこれと関連して、ああいった常設の機動隊に対する給与なり、それから休養なり、そういったものについて、何かもっと潤いのあることが行なわれておるのかどうか、こういった点についてもこの際一つ伺っておきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 機動隊について何か非常に狂暴な性格のもののようなお話でございましたが、元来機動隊員と申すのも、当初から機動隊に入れて、そのことだけを訓練しておるわけではございません。一般の警察官としての教養を積み、一般の警察務に携わっている者の中から適宜人選をいたしまして、機動隊員として部隊を編成しておるわけでございます。従って集団不法行為等の取り締まりにも任じまするし、また両国の花火等の雑踏警備にも必要によって出るわけでございます。しかし、総数としては、警視庁管内におきましても大した数じゃないのでございまして、おそらくあれは二万五千のうち千数百名でございまして、あの安保闘争当時のように、毎日六、七千名も出動を必要とするような状況下におきましては、当然機動隊以外の機動的部隊を配置しておったわけでございます。決してぶつかるだけが能ではないのでございまして、また見方によっては、よくぞこらえたというおほめもいただいているような面もあるわけでございまして、非常に隠忍に隠忍を重ねておった状況は、私もつぶさに承知をいたしております。また私は警視庁の機動隊、その他の警視庁の第一線の警察官については、非常に感謝をしておるような次第でございます。  ただ、ただいまお話しのような教養の問題であるとか、あるいは体養をどうとらせる、それから給与をいかにするかという問題については、常々私どもも非常に苦心をいたしておる問題でございまして、この点はさらに今後とも十分に研究をいたし、強力ではあるが適切な国民に信頼される機動隊、あるいは警視庁の、全国の警察官であるように、十分にそういう面についても今後意を用いて参りたいと考えておるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 機動隊の諸君に対して、税金どろぼうであるというような罵倒が再三行なわれておったという事実も、私は知っております。決してそれはいいことじゃありません。これはむしろ慎むべきことでなければならぬというふうに考えておりますが、これは私どもほんとうの具体例を一々あげていくと時間がかかりますから申し上げませんけれども、忍耐をしたとおっしゃるが、やはり公務員である以上、いま一歩忍耐すべき点もなきにしもあらずであったと私は考えております。給与その他につきましても、もう少し潤いのある——とかく部隊生活をやっておりますと潤いがなくなってくるのであります。何日も警備についておると、ますます殺伐になってくることは事実であります。そういった配慮は、ただ単に機動隊の諸君だけの問題で解決されるべきものでないと思います。七の点は今後とも一つ特段の御配慮を順いたい、かように思うのであります。  六・一五につきましてはこの程度にとどめまして、次に暴力団について一つお伺いしたいと思います。暴力団の暴力事件というものは非常に数多くございます。しかし、政治犯的な内容を持ったもの、たとえば三池の久保氏殺害事件のようなもの、これは政治的であるかどうかということについてはなかなか問題でありましょうそれからまた例の毎日新聞の襲撃事件、それから鈴木委員長ほか数名の国会議員に対して請願受付の場所におけるところのあの事件、それから先刻来質問いたしております六・一五のあの暴力事件、それから河上丈太郎氏の傷害事件、それから最近では岸前首相の傷害事件、こういったものについて今どの程度の捜査の段階に入っておるか、これについて現在どういうような措置をされておるかというようなことについて、ざっと一通り承りたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 どうも私もあまり記憶のいい方でございませんで、ただいまお話しの第一の四山事件、これは逮捕いたしまして、起訴になって、十五年の判決になっております。これはケリがついております。それから毎日新聞の事件は、逮捕し起訴されているが、公判中。それから六・一五事件は、先ほど申し上げましたように逮捕をいたしまして、起訴の状況はどうでしたか、あとで申し上げます。それから河上丈太郎氏の事件は、現場において逮捕いたしまして、殺人未遂現行犯として逮捕いたしまして、東京地検に送致をいたしております。それから岸前首相の事件につきましては、やはり現場におきまして警護係員が逮捕いたしまして、殺人未遂事件として取調べをいたし、七月二十六日に東京地検に送致いたしまして、引き続き勾留取り調べを行ったのでありますが、八月五日に傷害事件として起訴されておるわけであります。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 大体わかりましたが、そこで問題は、その傷害事件そのものももちろん重大でありますけれども、そのこと自体よりもこの場合特に各般の情勢から考えなければならぬことは、いわゆるそれらの暴力団の背後関係の問題なんです。これらについて現在までに背後関係が判明しておるものがありましたら、一つ知らせていただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 お話しのように、こうした政治にからんだ事犯につきましては警察といたしましても、本人の犯行のみならず、背後関係について十分これを追及する態度を堅持いたしておるわけでございますが、河上丈太郎氏並びに岸前首相については、どうもこれの糸を引いておる背後関係というものが確認されるに至っておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 それでは岸前首相の問題についての背後関係はどうですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ただいま申し上げましたように、これも個人的な犯行というふうに考えられるのでありまして、背後関係については確認をいたしておりません。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 最近、私もある右翼団体の人に会ったのでありますが、これが直ちに暴力団だと断定するわけにはいきませんが、しかし院内の政府職員に準ずる例の茶色のバッジ、ああいったようなものをつけて堂々と出入りしておる。それから新聞の報道によると、岸前首相の刺傷事件について、これは荒牧というのがやったのでありますけれども、あのときの総理官邸への入場に際して、同志会というようなものがあって、それからもらったというようなことをやはり自白しているようであります。これで背後関係というものは洗えませんですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 荒牧退助が、あそこに入るリボンと申しますか、そういうものをもらって堂々と入っておったということは事実でございますし、これを渡した者も判明いたしたわけでございますけれども、渡すことについて、あの犯行との関連性はないというふうに考えられておるわけでございます。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 私、いつも不安に思っておるのでありますけれども、こういった暴力事件を直ちに右翼暴力事件と断定することもどうかと思います。その背後関係というものが非常に私は問題になると思うのであります。こういった背後というものを洗っていかないと、私はこういう暴力事件は絶えないのじゃないか、こういうふうに考えるのであります。そこでこの前の委員会においても門司委員その他からも問題になっておりましたが、暴力団のブラック・リストといいますか、そういったものはでき上がっておるのでありますか。背後関係が十二分に洗われていないと、そういったものが出てこないのじゃないかとも思いますけれども、これはどうなっておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 河上丈太郎氏並びに岸前首相の刺傷事件につきましては、背後関係についても特に注意をして調べておったわけでございますけれども、どうもありそうだけれどもわからないというようなことよりも、むしろ個人的な犯行と考えることが合理的であるような材料のようでございます。私も直接詳細にそれを検討いたしておりませんけれども、どうもあるらしいがそこまでつけないというようなことではなしに、少なくとも捜査の状況から見ますと、個人的な行動であったように見受けられるようでございます。なお、この二件のみならず、常時こうした事犯については背後関係の追及ということは特に私もやかましく申しておりますし、警視庁としても十分にそういう着意のもとに捜査を進めておるわけでございます。  なお暴力団等についてのファイル化の問題は着々と進めておるわけでありまして、まだ十分とは申せませんが、そういう方向にできるだけ科学的に合理的に運営できるように持っていきたい、こう考えております。

阪上安太郎日本社会党

○阪上委員 まだいろいろ質問がありますけれども、次の質問者が見えておりますので、私はこの辺で終わりたいと思います。

西村英一自由民主党

○西村委員長 川村君。

川村継義日本社会党

○川村委員 それではお聞きしたいことがたくさんありますけれども、私、問題をしぼりましてこの際お聞きしておきたいと思います。樺さんのああいうような気の毒な事件を中心として、安保問題を中心として幾つかの残念な事件が起こっております。これらについては、さきに大臣のごあいさつにもありましたように、やはり政治の正しさというか、あるいは社会の不安、社会悪というものが除去されて参らなければ、われわれが二度と再びこういう不祥事件が起こらぬよう念願しても及ばないことでありますから、われわれは極力そういう面に同かって努力していかなければならぬと個人的にも思っておるわけであります。これらの最近起こりました幾つかの事犯の中で、特に警察当局とされましてはその警察権の行使等については、よほど慎重におやりになっているに違いありません。それはわれわれも認めるのにやぶさかではありません。しかし、先ほども私、参議院の裏側における事態を一つの例といたしまして、警察官のとった行動というものがはたして妥当であったかどうかということについて、大きな疑問を持つということを申し述べたわけでありますけれども、あるいは長官とされましても、幾つかの一連の事案に対して、警察権の行使について、必ずしも正当でなかったと見ておられる点があるのではなかろうかと私も推測しておるわけであります。非常に率直にものをお聞きするわけでありますが、安保問題を中心とするいろいろの警備その他の面から考えて、あるいは三池等の問題から考えて、何かそういうようなお考えでもありましたらお聞かせいただけませんか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 安保改定阻止闘争とか、また最近まで尾を引いております三池争議に伴う不法事犯であるとかいうことに関しまして、何か警察として反省すべき点はないのかというような御質問に承ってわけでありますけれども、警察といたしまして、私は平素から、警察はすべての活動にあたって適正に、厳正にこれを行なうべきであるけれども、同時にやはり十分思いやりある、国民の理解を受け得るような態度をとるべきであるというふうに考えておるわけでございまして、そういう点からいたしますれば、長期にわたってあらゆるばりざんぼうの中にあり、また非常な疲労の中にあって、私は警察の活動の個々の問題においてこれで百点だったということを申す気持はございません。三池等につきましても、これは事前に相当の措置をとって、むしろもっと強力にやっていい面があったかというようなことも考え得るわけでございますが、ともかくも、いずれにいたしましても、起こって来たるところ、よって来たるところが非常に深く深刻なものがございます。そういう間に処して警視庁並びに福岡、熊本、その他応援の各部隊等もきわめて真剣に取っ組んでやってくれておったわけでございまして、及ばずながら、われわれとしてもまたできるだけのアドバイスをしてきたつもりでございます。むしろ、こういう点についてこう反省すべきではないかというような御教示でもありますれば、私、また承って十分に今後に備えたいと考えるわけでございます。個々具体的にちょっとここで御披露申し上げるわけには参りませんので、御了承願います。

川村継義日本社会党

○川村委員 私たち、最近起こりました幾つかの事案について見ても、警察官個々の諸君の立場を見ると、ほんとうにお気の毒であると、そういう気持がしたことがたくさんあります。従って、やはり警察権の行使などにあたっては指揮者となる人たち、あるいはその上部の人たちが、よほど慎重にしてやっていたがかなければ、思わない事態が起こるんじゃないかと考えられたことがたくさんあります。そこで私は、きょうはもう時間もたくさんありませんので、一つ、二つお聞きするわけでありますが、前にも問題になったのでありますが、警棒の使用ということについて実はまた再び私は非常に疑問を持っております。これは警棒の使用規程等にあるようでありますが、警棒を武器として使用する場合はどういう場合であるか、ここで一つ長官の口から明らかにしていただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警棒を武器として使用する場合は、警職法第七条に該当する場合でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうしますと、六月十五日夜、いわゆる第二回の衝突とでもいいましょうか、十時過ぎ、樺さんがすでになくなったあとの場合、全学連の人たちがそこで集会を開いて、大体一時間くらいで終わると一応の約束ができた。ところが樺さんがなくなったということが伝わって、あそこで集会をして黙祷をささげた。次に全学連の中から、もう一度国会の正面で集会を開けという声が起こって、ついに指揮者もそのまま南門から退去することができなくなって、国会の正面に向かおうとした。そこで待機しておりました第三機動隊ですか、四機ですか、それとあの車待ちの正面で接触した。そして両方から押し合いをした。そのときにいきなり警察官の方が警棒を引き抜いて、そして学生の諸君をまっこう上段からたたき伏せて、次から次にたくさんの学生諸君が倒れていた。あの場合は、指揮者がそうやれと指示したのですか、警官が個人々々であの行動に移ったのですか、その点はどうでございましょう。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警棒は、原則として、これを使用する際におきましては、指揮官の指揮に従ってやるということに相なっておりますし、そのときの場合は、おそらく指揮官の指揮によったものと考えます。

川村継義日本社会党

○川村委員 その場合の警棒は、武器として使用されたのでございますか、どうですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 その具体的の場合は、武器として使用したか、規制の用具として使ったか、私詳細は存じませんが、おそらく投石その他によって傷害を与え、あるいは公務執行妨害を行なっておる者に対する逮捕等の措置として、武器として使用したのではないかと思いまするが、その詳細は私承知いたしておりません。

川村継義日本社会党

○川村委員 それは長官おかしくありませんか。警職法七条による武器としての使用という目的、やり方ははっきりしておりますね。ところがそういう点は、やはり第一線からあなたにははっきり情報が申達されていなければならぬと私は思う。警視総監は、武器として使用したといつか言明した。ところが、何百人かの学生と、また何百人の警官とが、入れまいとする、入ろうとする、スクラムを組んで接触しておる。その接触している学生に対して、いきなり警棒を抜いてまっこう上段から前線の学生をたたき伏せていくということは、はたして警棒使用の方法として許されるものでしょうか。これはたたき伏せていくというようなことになると、警棒使用としての逸脱ではないかと私は思う。そのときに、それを武器として使用するという状態にはない。あなたは今、投石やらいろいろおっしゃいますけれども、そのところに相当の厚い層がこう接触しているときに、投石もヘチマもないじゃありませんか。それを上官がそういうような指揮、そういう指図をしたということになると、私は大きな逸脱ではないかと、こう見ているのです。われわれが、それはひどいぞ、そうやるべきじゃないと、こう言ったら、何を言うかといって、われわれまで手向かいを受ける、こういうような状態です。今私は、そのときの状況を申し上げましたが、長官はその点について、それは警視総監が言ったように、武器として使用させた、また武器として使用すべきものであった、こういうようにお考えになっておられるかどうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ちょっと聞き漏らしたのですが、南通用門における状況ですか。

川村継義日本社会党

○川村委員 私が申し上げておるのは、南通用門における第一回の七時ごろ入ってくるのに放水をして、そうして一応出して、そのあと集会を持ってそれから一時間余りで集会を終って、十時過ぎにその学生団と警察との接触したときの、そうしてものすごい負傷者を出したときのその状態を言っているのです。十時過ぎの第二回目の衝突のときを言っておる。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 これは構内へ侵入した者についての措置であろうと思います。従って、警視総監の申しました武器として使用するに該当する状況であったと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 それはどうしたわけで武器として使用しなければならないのですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 おそらくそのときにおきましては、公務執行妨害なり、傷害なりという状況があったために行なわれたものと考えます。

川村継義日本社会党

○川村委員 ちょっとお話がはっきりしないようですから、もう一回申し上げます。  集会を終わった学生の団体が、スクラムを組んで正面の方に回ろうという態勢を示した。それを予備隊の諸君が阻止しようとして、そこで衝突をした。そして学生は一応ずっとそのまま厚い層が押し返された。さらに学生もまた少し警官を押しっ返した。そこには何ら両方から手でもってなぐり合う、あるいは俸でなぐり合う、そういうことは全然行なわれていないわけなんですね。その警官がやや押し返されぎみになったときに、いきなりこちらの警官の諸君がそれぞれ棒を抜いて、一番先頭におる学生諸君を、もう頭からたたいていって、次から次に負傷者が出ていった。そういうときに警棒をそうして使用すべきものであったかどうかと私は聞いているのです。御見解はいかがですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 おそらくそれは警察官の公務に対する公務執行妨害の事実があった場合において、これを制止し、あるいは逮捕するために警棒を使用した。そういう使用の仕方は私は必ずしも不当だと申すわけには参らぬと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 ちょっと長官のお答えはしゃくし定木的じゃないかと私は思うのです。学生諸君が、あるいはその場合に俸なら棒で警官に何か手向かいをしておる、そういうようなことがあったら、それは警官も自分の身を守らなければならぬ、あるいは公務執行妨害というような大上段的なかまえでやり得ることもあるかもしれません。しかし、あのときにはそうしなくても、警官の方がはっきり厚い層でありますから、進んでくる一団を警官の方がぐっとこれを押し返していけば、あれは十分防げる態勢にあったわけです。それを警棒を引き抜いて頭の上からたたき伏せてやったということ、そのことが私は妥当であったかどうか、こう聞いているのです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 そのときに投石があったかどうかはわかりませんが、とにかく数によって——ただいま川村さんのお話では、警察官の方が圧倒的に強いから、押していけば公務執行に支障なかったようにお話しでございますが、おそらく現地の部隊長の判断としては、そういう状況ではなかったのではないか。従って、たといこん棒を持たないにしても、スクラムを組んで、多衆の暴力によって警察が後退せざるを得ないということになれば、これは公務の執行は不可能でございます。従って、公務執行を完璧ならしめるために警棒を使ったというふうに判断されるのではないかというふうに考えられるわけであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 そのときに、やはりその状況の中におった人、あるいは見ておった国会の職員の人たちがおりましたけれども、異口同音に、警官の行動を非常に苦々しくいろいろな発言をしながら見ておったわけでありますが、あなたのような解釈をすれば、それは解釈は成り立つと思いますけれども、私は、ああいうときにあのような警棒の使用というのが、どうしても行き過ぎになっているんじゃないか、ものすごい負傷者を続出させたということも、やはりそういうところに原因があるのじゃないかと思う。写真等であなた方もごらんになったと思いますけれども、幾つかの報道写真がみなそういう現実をとらえておるわけであります。同じそのときに、逃げて、取り巻かれて車の上にはい上がる学生を、引きずりおろして、そして数名の警官が車の上から落ちてきた学生をたたいておる。これもやはり同じような見解で処置できますか、どうでございますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 車の上から落ちてくる無抵抗な人間をたたきのめすということは、適当な行為とは思いません。しかし、そういう事実があったということは、私承知いたしておりません。

川村継義日本社会党

○川村委員 それは長官が、おそらくそういう現場の一時的なことはごらんになっておらぬと思いますけれども、車の上に逃げて、いわば退避したと見られる学生を引きずりおろして、落ちてきた者を数名でたたくというようなやり方は、これはやはり逸脱しておると言わざるを得ない。同じような空気が警官に——私、その心情はわかりますよ。おそらくその晩は石も飛んだかもしれませんし、何か棒切れのようなものも飛んだと思います。警官も人間的に腹が立つといいましょうか、無礼きわまると怒りに燃えておったことは察しがつくのでありますけれども、いやしくも警官が警棒を使うという場合には、よほど慎重に考えていかなければ、あのような不祥な事態が出てくる。こういうように私たちは言わざるを得ない。私が初め長官にお聞きしましたのも、そういうような個々の問題について何か検討しておられるかどうかということをお聞きしたがったわけですが、長官が具体的にお話がありませんでしたから、私は一例をあげたのであります。  先ほど私が関連質問で、参議院の裏門における暴力団のあの事態のことについても触れましたが、あのときでも長官は、さっきいろいろあなたの見解を言われましたけれども、あなたがいつも言っておられるように、公正にえこひいきのないような形において善処すると言われますけれども、あのときの暴力団のなぐり込みに対して指揮者が警察官にとらせた処置というものが、どうも公正を欠いておったのではないか、こういうことが言われるわけであります。久保さんが刺殺されたあの三池の争議の労使紛争のときにも、私ここで質問をしたと思いますが、あの暴力団の取り締まり等についても、いろいろ疑惑が持たれている。私は、やはり民主警察の立場というものが国民に理解されて、国民からほんとうに全幅的な信頼を受けるような警察、あるいは警察行政であってもらいたいと思うからこそ、こういう点を申しておるわけであります。長官が六・一五の夜のそういう状況等をつまびらかに分析なされないで、ただ投石があっただろうとか、公務執行妨害があっただろうということで、警棒使用をしゃくし定木的に是認なさるということは、私は非常に残念に思うのです。何かお考えがありましたら聞かせていただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 何か右翼と、いわゆる左翼的な越軌行動について不公平な取り扱いをしているようなお話でございますが、そういう考えは毛頭持っておりません。むしろ、先ほどお話しの全学連が警察官に向かって投石をする、攻撃するということでありますので、警察官が隠忍自重している。不法行為はすでに早くから行なわれておるわけであります。不法行為についての取り締まりを公正にやるということでありますならば、門に綱をかける前からすでにもう取り締まりを実施すべきものであろうと思うのであります。ただいろいろ客観的な情勢等を勘案し、隠忍に隠忍して警察官はその取り締まり行動に出なかった。これに対してむしろ警察のあり方について手ぬるいとかいう批判こそ非常に多い。われわれのところにも非常な非難があるわけであります。しかし、われわれとしては、当日あれだけ隠忍してくれたということについて、むしろ私は警視庁の警察官に感謝しているような状況でありまして、非常に取り締まりが酷であったということではないのではないか。決して右と左を区別して、右にはゆるく、左にはきついというような考え方で警察は行動していないということをはっきり申し上げておきます。

川村継義日本社会党

○川村委員 長官のお言葉ですが、私もそういうような気持で申し上げているつもりはございません。ただ私がお聞きしている重点は、警察官としては、当然国会構内に入っておる学生の諸君を出さなければならない。それが公務執行だと考えてやられたのでありましょうけれども、その公務を執行する方法において、あれだけの機動隊の諸君がおるのですから、これまたちゃんと隊列を作ってぐんぐん押していけは、構内に入っております学生の勢力というものは、必ず出せたのじゃないか。それなのに、接触したからといって、警棒を振り上げて次から次になぐりつけて退去させようとした、あるいはそれを追い出そうとした。そういうような警棒の使用方法において、いかに公務執行をやるといっても、少し酷じゃなかったか、これらを私は聞きたいのです。だから私は、先ほどから警俸の使用方法について大きな疑問がある、こう申しているわけです。われわれも長官の警察行政に対する信念あるいはお考えはよく了解しております。こういう事態が今後もちろん決して起こってはなりませんけれどもやはりそういうような点につきましては、十分一つこれから指導していただく問題じゃなかろうか、こう思っているわけです。  そこでもう一つの例としてお聞きしておきますが、先月の二十二日でございましたか、三池でああいう事態が繰り返されておりましたが、石田労相の非常な奔走によりまして、一応これが落着を見る形になって、二十二日は三池労組を中心とする解散大会というものが開かれた。御承知の通りに、解散大会のあとでデモ行進をした。そのデモ行進の最後尾についておったといわれる全学連の百五、六十名の諸君が警察官と衝突した。これまたものすごい事態になって負傷者を続出させた。あれをどういうように把握しておられるか、お聞きしたいのでありますけれども、何かこうわれわれがあのときの状況を聞いてみますと、あるいはいろいろ新聞報道等を分析して参りますと、全学連の行動にもやはりいろいろ問題があったと思いますけれども、私が考えるのは、ああまでしなくてもよかったのじゃないか、こう思われて仕方がないのです。この点について何かお考えを聞かしていただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 三池におきまして激突寸前に、新政府によって中労委のあっせんという問題が提起されまして、現在に至っておるわけでございますが、その間にただいまお話しの二十二日の解散大会のあとのデモにおきまして、各所において若干のトラブルはあったわけでございますが、それほど大して問題も大きくならずに済みまして、最後に警察署前で、全学連が警察官に対して突き当たってくる、そして足でけるというような暴行をする者がありましたので、これを逮捕しようということで逮捕に向かったところが、これについての妨害が激しく行なわれたということから、ただいま御指摘のような非常に多くの負傷者を出す事案になったことは、私は非常に遺憾に思うわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、私は、それだからいつでもぴしっとなぐりつけるのがいいということを考えておるわけではございませんけれども、全学連の彼らの中心的な考え方としては、先ほど申し上げましたように、何ら恨みのない警察官であっても、警察に対して攻撃するということに非常な誇りというか、使命感というものを沸かせている手合いであります。従って、その中の不法行為者を一名あるいは二名逮捕するというようなことで行動が起こされる場合においては、間々ああいう事態になることも、彼らとしては、その行動方針と申しますかにおいて、ある意味において宿命的なものを持っていると私は思うのであります。警察として、これに対するいろいろ警備措置というものも今後研究して参らなければなりません。ただ、ああいう者が不法行為を犯したというようなことについて、彼らを取り締まることになれば、また大きい問題になるということで、常にこれを回避するということが警察にありますならば、ますますその積み重ねを大きくいたしまして、大事を惹起するという契機にも相なろうかと思いますので、警備のやり方等については、私はさらに研究すべき問題があると思いますけれども、当日の警察の態度というものは、私はやむを得ない措置であったというふうに考えておるわけであります。決して警官が感情に激して無用な取り締まりに出たものではないように私は考えておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 長官の立場ではその通りだと思うのでありますけれども、われわれがあのときの状況を聴取し、あるいは新聞等の報道を検討してみると、こういう印象が出て参ります。江戸のかたきは長崎でということではないけれども、今度何かあったらやっつけてやれ、そういうようなやはり考え方というものが警備に当たっている警察官の中にあったのではないでしょうか。一般労組のデモ行進は、これは平穏に大牟田の警察署の前は過ぎたようであります。そのあとでもう一つのデモ隊がどこかに方向を転換したので、百メートル余り道が開いた。そのあとで全学連の百五、六十名がジグザグのデモ行進をやってきた。その道路の周囲には二千名以上の警察官がおるわけです。ところが、その間隔を開いたときに、大牟田警察署の前におった警察官の一隊が、デモ行進を阻止するという態勢で右側に移っておる。これは何か意図があったとは私は思いませんけれども、なぜおれたちのデモの前を警察官が阻止態勢で向こうへ移ったのだというような疑惑が持たれております。それから結局発端になったのはお聞きの通りでありまして、ジグザグ行進をしている全学連のうちの三分の一くらいは通り過ぎているわけですが、三分の二あたりの先頭におった、しかも旗ざおを持っておる者がジグザグをやっておる関係で、旗ざおが警察官に触れたということですね。それを全学連が旗ざおを持って警官に突っ込んだ、こういう解釈がなされておりますが、これは私は第三者の立場から見ると、やはり旗を持ってジグザクしておりましたので、旗ざおが倒れて警察官に触れた、こういうのがやはり公正な見方じゃないかと思っております。それで旗ざおを警察官が取り上げようとする。そこでちょっといざこざが起こった。それを阻止しようというようなきっかけで、あのごたごたになった。それからその道路の前後左右、周囲におりました二千名の警官が、いきなりこれまたそれこそほんとうに警棒を振り上げて、そして百四、五十人の学生たちを周囲から包囲をして、ものすごくたたき、ものすごい負傷者が出た。まあこういうことでありますし、写真班等も相当けがをした。事こまかにお話しすると時間がたちますけれども、あの状況について、皆さん方の方では確かにいろいろ見解はあると思いますが、しかし新聞の書いております記事やら、その状況を静かに第三者的に見て参りますと、百四、五十名の学生を二千人以上の警官がわあっと取り巻いて、たたくというこのことは、私はあまりにもおとなげないというか、行き過ぎじゃないか、ちょっと手ひどくはないか。全学連というものに対する今までのいろいろなあれもありましょうから、この際全学連をたたいてやれという指揮者の意図がそうさせたのじゃないか、こういうふうにも見ているわけです。そういう状況等考えると、警棒の使用等のことや、警官を使う場合の指揮者の心がまえというものは、非常に、注意してもらわなければならぬ。全学連はああいう思想を持っている団体である。警官はいつも敵なんだと考えている。だからやっつけろというお気持はわかりますけれども、かといって、そういう方法で対処するということとは、また警察の職務上別でなければならぬ。私はこう思うのですが、長官のお考えを一つ聞かせ願いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 当日の状況は、ただいまお話しございましたが、二千名の者が取り囲んで、みんなで寄ってたかって全学連の学生をやっつけたというのではなくて、ああいう警備措置の際は、混乱が起こると、先に進んでいた他の部隊が混乱にまき込まれないために、これを遮断するのが常道であります。従いまして、私どもの聞いておりますのは実際に逮捕にあたって規制をした警察官等は約二百名、二百対二百五十名くらいの逮捕に関連して乱闘があったわけでございまして、その他は、大ぜい先に行った者が舞い戻ってくるというようなことについての分断の措置に当たっておったというふうに開いておるわけでございます。また全学連の一部の性格といたしまして、私、先ほど来申し上げましたが、私どもは、そういうことであるから、これを実力でたたきつけろというような指示をいたしたことはもちろんございませんし、今回の事件におきましても、江戸のかたきを長崎でとるというような感覚で指揮官が動いたとは毛頭考えません。要は阪上さんの先ほどのお話の間にもありましたように、ああいう非常に過激な指導者というものに学生大衆がついていけない、もっと冷静になって、これが孤立されていくというような情勢になってくることを、むしろ期待をいたしておるわけでありまして、これは政治、経済、教育各般の分野において、そういう方向に導かれることを望んでおるわけであります。先ほど来私、性格を申し上げましたが、その性格に応じて警察の態度というものは常にそうした強硬手段に出るべきだというふうに考えておるわけではないのでありまして、また実際に警察が強力な措置をとる場合におきましても、その警備戦術と申しますか、警備の仕方等については、十分に配慮を要する問題があるというふうに考えておる次第でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 時間が相当たっておりますので、これで終わりたいと思います。  私は、今日は治安対策あるいは警察の警備態勢等の具体的な問題を一つ、二つ、もっと縮めて言うならば、警棒というものをあんな形で使用していいかどうか、そういう気持で聞いております。こういう点につきましては、あなたたちの方は、ああいう場合にはやむを得ないという見解もありましょうけれども、第三者の立場から見るときには、警察官個人々々はいろいろつらいこともありましょう、苦しいこともありましょうけれども、警棒使用等につきましては、そこのところを十分注意をしてやらなければ、思わない不祥事件が起こる。それが結局悪循環を生んで、治安というものはかえって確定されないような状態にもなるんじゃないか、こういう懸念がしてなりません。あくまでも民主警察として、国民の警察として、りっぱな警察行政が行なわれることを念願する立場から、そういう点を一つ十分御検討おき願いたい。またおりに触れてこういう問題については御所見を聞くことになろうと思いますが、今日はほんとうに具体的な一つ二つについてお聞きをしておくにとどめます。委員長、これで終わります。

西村英一自由民主党

○西村委員長 猪俣浩三君。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 私は主として警視総監にお尋ねをしたいと思いましたが、行先不明で御出席がない。そこで警察庁長官に二つ三つお尋ねいたしまして、ごく簡単に切り上げたい。  これは具体的の事実にあらずして、法制的にお答えいただきたいのです。今ここに警察官の職権の乱用があったという場合の間接または直接の責任関係についてであります。国家公安委員長、それから警察庁長官、それから東京都の公安委員長、警視総監、こういうふうな系列のうちに、警視庁におきまする職権乱用があったという場合の責任関係、どこまでこれが及ぶのであるか。もちろんその濃淡は違いましょうけれども、それから直接、間接の違いはありましょうけれども、どうも昔のように責任関係が明らかでない。昔は内務大臣というものがあって、警察の全責任を背負っておったのでありますが、今はいろいろと警察機構が複雑になっておりまして、責任関係が明らかでない。これも国家地方警察が統合されました結果、相当責任関係が系列化してきましたけれども、まだはっきりしない点があるのであります。そういう具体的事実があったという意味にあらずして、その点についての責任関係の系列を御説明いただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 まずかりに例を警視庁にとるといたしましょうか。警視庁の警察官にかりに職権乱用の行為があったという場合においては、国家公務員——国家公務員と申しますのは警視正以上のものになるわけであります。国家公務員につきましては私が補佐をいたしまして、事実上事務的に私が責任をとりますが、国家公安委員会がこれを任命することについて、都の公安委員会の同意を得て国家公安委員会が任命をするということになっております。従いまして、国家公務員のいわゆる上級のものについての責任問題というものは、私まで及んでくる問題があり得る。しかし、実際にそういう国家公務員でも、現実には警視総監の指揮下に入っておるわけでありまして、個個具体的な事案等について私の指揮を受ける立場にはございません。従いまして、警視庁の職員に起こった問題の最終責任というものは総監ということに相なろうかと思います。もちろんこれを高めて、都の公安委員会であるとか、あるいは国家公安委員会の責任問題ということも全然考えられないということはなかろうと思いまするけれども、これは民間の有識の方が出ておられまして、きわめて常識的な高所からの管理をしておられる。その管理に従って、国の警察事務については私、また都の警察については警視総監が全責任を負って処置をいたしておるわけでございますので、事案の大小によって総監に及ぶものと、あるいは所属長でとどまるものと、本人だけでとどまるものといろいろございましょう。性格によっても違うと思いますし、事の大小によっても違うかと思いまするが、系統としては、ただいま申し上げたようなことが原則として申し上げ得ると思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それからこれも仮定のことではなはだ失礼ですけれども、警察庁長官、つまりあなたの責任については、国家公安委員長というのは何らの責任関係はないのでしょうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 私の任免権は国家公安委員会にございます。国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て任命するということになっております。国家公安委員会の委員長は国務大臣をもって充てまするけれども、この委員長は表決には加わらない、いわゆる国家公安委員会の表決には加わらないわけであります。たまたま五人が定員でございますけれども、四人で可否同数になった場合において裁決する場合は、委員長が裁決するということになって、そのときにだけ実質的な内容を持つわけでございますが、その他は政府との連絡、また政府の状況について国家公安委員会が連絡を受ける、また警察の仕事について政府に連絡するというような橋渡しと申しますか、そういう役割をするのが国家公安委員会委員長の仕事でございまして、私の任免に関しては委員長は法律的に関係を持ちません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そこで任免に関係がないから、あなたの責任については国家公安委員長というものは結局責任系統にはないということになるわけですね。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 法律的にはそういうことに相なるわけでございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから警察庁と各都道府県の警察本部長の関係は、これはどういうことになっておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 都道府県の本部長、警視総監が都の本部長に相当するわけでございますが、警視総監だけはほかの府県の本部長と違いまして、任免について内閣総理大臣の承認を待てというのが警察庁長官と同様にあるわけでございます。従いまして警視総監につきましては、国家公安委員会が都公安委員会の同意を得、内閣総理大臣の承認を得てということになるわけでございます。その他の府県本部長は、国家公安委員会が当該府県公安委員会の同意を待て任免するということに相なるわけでございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、警視総監の任免はつまり総理大臣の承認が要るわけですね。そうすると、そこに警視総監の責任問題については総理大臣の責任があるわけじゃないですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 任免行為について慎重を期するという意味においてとられたことでありますが、内閣総理大臣の指揮は全く受けないわけでございます。警視総監は都公安委員会の管理のもとに警察の事務を行なうわけでありまして、一たん任命された上は、ああいうやつを任命したのに承認を与えてけしからぬというような問題からの政治的責任という問題は別といたしまして、先ほどお話しのような部下の職員の行動というものについては、総理大臣とは指揮系統としては関係がございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 官制上責任問題というものは、任免権があるかどうか及び指揮命令監督権があるかどうかというようなことから責任問題が考えられておるのですが、この国家公安委員会なるものと警察庁長官、あるいは東京都公安委員会なるものと警視総監、この関係はどうも私どもはっきりいたさぬのですがね。公安委員会なるものは警察に対しまして相当の運営にあずかっているわけですか、しかし警察庁長官その他の警察官のやり方については、委員会としては何ら責任がないということになりますな。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 これもどうも先生に法律的なことを申し上げては恐縮なんですが、公安委員会の管理ということになっております。管理という観念は、一体どの程度のものかということについては、非常にふんわりとただおれのところに属しているのだという所轄という問題と、それから指揮監督という問題との中間的なものであるというふうに観念されておるわけでございまして、従いまして警察の運営についての大綱的な問題を方向づける。それに従って国でいえば警察庁長官が部下を指揮監督してやる。都については警視総監がやるということでありまして、個々についていろいろ御質問等がございますし、個々の御意見というものは公安委員会等で出ることももちろんございますけれども、これをああしろ、あれをどうしろというような具体的に個々の問題まで指揮を受けるということはいたしておりません。非常に大きい問題については御報告をして御了承を得る。これは大綱に属するような問題についてはそういうふうにいたしておりますけれども、個々の事案というようなものについては、一々指揮を受けるということではございません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それから六・一五事件のような場合、衆議院の議長の要請によりまして、内閣が一応要請をして警察官の派遣があった。議長の指揮下にあるわけですね。こういう警察官と——これは構内でしよう。それと、しからざる構内外の麹町あるいは丸ノ内の警察署、これは指揮命令系統について何らかの差異があるわけですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 要請によりまして構内に派遣されました以上は議長の指揮下に入るわけでございまして、その限りにおいては、具体的な警察活動について総監の指揮からはずれるわけでございます。派遣されたものの最高の責任者が議長の意図を受けて行動するということになるものと考えます。ただし、平素から国会警備について警視総監としていろいろ考えを部下に徹底しておくというような教養の問題とか訓練の問題という点については、警視総監として関係を持ちますけれども、当日個々具体的に行動するという問題、議長の指揮下において当該派遣の最高責任者によって行なわれるということに相なろうかと思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、これは六、一五事件のごとき具体的にあったことですが、道路上におきまして暴力団の乱暴があった。そこでなぐられました婦女子が、構内でこれを見ておりました警察官に助けてくれと急訴したわけです。そういう際に、そこはこっちの管轄でないから助けることができないといって、また暴力団の方に突きやった。これは証人が非常にたくさんあるわけです。こういうことは、今言ったように、構内は議長の指揮下にあるのであるから別なんだということで、それはいいことなのかどうか、その辺はどうなんですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 ただいまの事案は私存じませんが、かりに構内において警察官に不当な行動があったというような場合において、これが平素の教養上の欠陥によるものであるというような場合においては、もちろん平素の系統において責任を持つべきものであろうと思います。先ほどお尋ねの構外については、これは全然議長との関係はございませんが、構内について、個々の警察活動というものについては議長の指揮下にあるわけでございますけれども、その警察官の活動というものが、具体的な指揮に基づかない平素の教養訓練からくる結果そうなっておるということになれば、当然警視庁全体としての責任の問題に相なろうかというふうに考えます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そういうことをあなたにお尋ねしておるのではないのです。私の質問の要点がおわかりにならなかったか、私の説明の仕方が悪かったか知らないが、具体的に言いますと、参議院の南門外に暴力団になぐられた婦女子が、その構内のさくのすぐ近くのところに並んでおった警察官に助けてくれと言ったところ、ここは管轄が違うので出られないといって突き放したという事案がある。あったかないかをあなたに尋ねるのじゃない。こういう議長の要請によって出動した警察官は、議長に指揮権がある。そうすると、議長の指揮がなければ個々に出血できないという建前からそういう行動をとったのかどうか、私はそれを聞きたかったのです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 原則的に申しますると、議長の指揮下にあるわけでありまするから、議長の命令なしに勝手な行動をとるべきものでないということは、当然かと思いますが、事案の状況によって非常に緊急を要するし、またその場合に一々議長の承認、指揮を求めるいとまがない、しかも警察として当然に行動しなければならないというような事態であった場合には、その現場における指揮官というようなものの判断によって、構外においても行動するということは差しつかえないものではないかというふうに、先ほど実は田中委員からも御質問がございまして、特殊な事態においてはそういうこともあり得る問題ではないかというふうに考えておったわけであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 今あなたははなはだ消極的ですが、差しつかえないというふうに言っておられますけれども、警視庁の警察職員服務規定第十三条を見ますると、急訴に対する措置として「急訴に接したときは、勤務の当否、管轄の内外にかかわらず、迅速、機宜の措置をとらなければならない。」と書いてあるわけです。とらなければならないという。とってもいいんじゃないのだ。とらなければならないと書いてあるのに、とらない場合においては、それはこの服務規定違反と申さなければならぬ。私は、それをあなたに聞いておるのです。警視庁の警察職員服務規定の十三条にちゃんと書いてある。しかるに六月十五日のこの構内における警察官は、かような訓練を受けておらなかったので、そんなものは管轄外だといって突き放したということです。そうすると、それは服務規定十三条を知らざる警察官である。義務違反と申さなければならぬと思う。これは、あなたはどうお考えになりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 私は、そのときの具体的な事案を承知いたしておりませんので、あるいはお答えが当を欠くかと思いますが、構内に要請をされて配置されておる警察官は、特別な任務を持って入っておるわけでございますので、原則的にはやはり構内の警備ということに主眼を置いて行動すべきものであろうと思います。しかし、ただいま警視庁の規定に基づくごとき客観的にその急訴に相当するような場合において行動するということは、私はあり得る問題であろうと考えております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 先ほど私が前提として申し上げました責任系統には、指揮命令系統、任命系統、そういうものから法律上の責任問題が発生する。もし構内におきます警察官の指揮命令が議長にあるといたしますならば、その警察官から発生いたしました職権乱用等は、責任問題として議長が負うわけですが、指揮命令は議長であるということになれば、責任が発生する一つの要件が備わっておるわけです。そうすると、この構内における、あるいは構内に出動を要請せられました警察官の行為によって生じましたいろいろな人権じゅうりん的な事実があるとするならば、第一次の責任は議長だということに相なりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 構内におります警察官は、議長の指揮下にあるわけでございますけれども、具体的に議長からこうこうこうこうという指揮を受けない限り、やはり包括的に警察の良識ある活動の範囲内において活動するように要請されていると見るべきであって、その活動が常軌を逸し、あるいは法に触れるということでありますならば、これはやはり警察側の指揮者、監督者の責任ということに相なろうかと考えております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 御答弁はなはだ明確ではない。六・一五の当日、催涙弾あるいは放水が行なわれましたが、これは議長の許可があったのかどうか、私は質問書を内閣に出したわけでありますが、その答弁がどうも明確でない。これはどういうことになっておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 これは議長からまかされた範囲内において、警察として独自の見解で行なったというふうに考えます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 議長は、放水、催涙弾ということを許可した覚えがないと言っておるのだが、それは文書でまかされたのですか、口頭でまかされたのですか、あるいは慣例上まかされたということに相なりますか。慣例上であるか、口頭であるか、文書であるか、そのいずれですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 慣例上と考えます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、議長に全体の指揮権があるということになっておるのですが、慣例ということになると、催涙弾でも、放水でも、何でもみな慣例上議長が一々個別に指揮しないでも全部それは警察独自の判断でやれるということに相なるわけですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警察として議長から与えられております任務は、門内に入れない。入った者はこれを排除する、あるいは逮捕するという任務を与えられておるわけでありまして、それに必要な合理的と考えられる範囲内において活動することは当然慣例的に認められているものと考えます。もし議長においてそういうことは好まれないということであるならば、たとえば警棒は使用しないこととか、放水はしないこととか、ガスは使用しないことという、むしろそういう命令があれば、それに違反してこれを使用するということはいけないと思いますけれども、そういうことがない限り、警察活動を合理的に行なうという範囲内において慣例的に認められたもの、私はこういうふうに判断をいたします。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 これは今の警察庁だけに質問を集中しましてもせんないことでありますが、議長が指揮権があると称しながら、国会の構内における警察官活動は自由過ぎると思うのです。放水はやる、催涙弾はやる、警棒でもって死傷者を出す。国会を神聖な議場と称しながら、ただここに入るというだけの問題に対して、頭を断ち割って防がなければならぬことはないと僕ら思うただの建物にすぎない。昔のまるで皇居みたいな形、建物を偶像視するということは、これは私どもは感心できない。しかし、とにかく入るということはいいことではないかもしれないが、昔はみんな入ったのです。私ども若いころは、今の副議長の中村高一君なんというのは、旗を立てて先頭に立って入った。だけれども、頭を断ち割るというようなことはなかった。絶対にこの中に入れないならば、鉄の門か何かにしなければならない。国民が入ってただすわり込むというだけで、命をかけてもこれを入れないということは考えものだと思う。それはここであなたと論争してもしようがないが、いやしくも国会の構内が神聖だとあるならば、そして議長に指揮権があるとするならば、さようなばくとした、全くどういう指揮権があるかわからない。議長は警官何名を入れてくれと要請したにすぎない、入った以上は何でもできる、そういうばかげたことはないと思うのです。しかし、そういう慣例だとおっしゃるならば、そんな悪い慣例は改めなければならないと思う大体国会の構内において、警棒でもって警察官が頭を断ち割って血を流すということは、一体神聖な国会だとするならばなおさら矛盾した話ですよ。放水はやる、催涙弾はあれすると、勝手ほうだいのことをやっておる。それが全部排除する中に含まれるかどうか、私どもは多大の疑問がある。しかし今あなたと論争しても、あなた方としては答弁できないだろうと思うので、論争はいたしません。これは政治の根幹の問題だが、そういう問題があるということを御考慮をいただきたいと思う。  そうして議長に指揮権があると称しながら、具体的には警察がいかなることでもやる。しかも議長に指揮権があると称しながら、責任系統は明らかじゃない。これは国会構内を警察官の警棒その他のものによってじゅうりんさせるものだと思うのです。いかなることを警察官がやっても、指揮権のある議長は何の責任も負わない。こういうばかな話はないと思うこれはきわめて矛盾しております。それはいろいろの点から起こってくるわけでありますが、今あなたに申し上げても仕方がないと思います。国会構内の取り締まりというものも、ただ中にすわり込みに入るという者に、まるで凶悪犯人に対するような乱暴な態度をとる必要が一体あるのだろうか。まあそれはあるという議論はあるでしょうしかし私どもは、少し度が過ぎると思うのです。慣例によって一切のことをしていいというふうにとれるのです。さようなばかな慣例というものを一体存在せしめていいかどうか、私どもは疑問だと思うのです。国会の構内に、議長は指揮権がありながら、入った警察官は何でもやっていいということになっている。催涙弾だろうが、放水だろうが、頭を断ち割ろうが、何でもやっていい。しかもそれは国会の構内です。そういう理屈というものは私は成り立たぬと思うそれで何ら議長は責任を負わない。これはお互い全体として考えなければならぬことで、警察官だけを責めても始まらぬことだと思うのであります。  それからいま一点お尋ねしたいことは、この六月二十三日に警察庁では、ある広報活動とされて文書を出されておる。これについても私質問しておくのでありますが、「六・一五国会突入事件を中心にして」として、警察庁で文書を出されております。これは広く九千枚も印刷せられて、各官庁へ配布せられたというふうに答弁になっております。そうしてその中にはいわゆる学者グループに対する人権じゅうりん問題等に対しては何らの言及もされておらない。そこでその質問をいたしておりますが、これは六月二十三日で事実が判明しなかったからだ、こう答弁をされておるのです。そこで今日はもう相当期間がたっておりますから、この学者グループに対する人権じゅうりん問題、ことに松山教授に対する人権じゅうりん問題、こういうものに対しては調査がお済みになっておると思いますが、それに対して警察庁でやはり何かそれに対する説明をされて、こういうふうな文書をお出しなされたのかどうか。この文書にはその点が書いてない。それを指摘いたしましたところが、それはまだ調査中であるからという御答弁であります。これは七月十一日の御答弁で、もうそれから今日まですでに一カ月たっておる。それで十分調査されたと思いますから、それについてこの「六・一五国会突入事件を中心にして」というようなこういうパンフレットの、まだそのときは調査が未了であってしなかったのだという弁解をなさっておる。その調査はお済みになったと思うから、それに対する報告をされたかどうか、それをお尋ねします。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 この六・一五事件についての警察庁のパンフレットは、要点は、世上いろいろ誤解がありまするので、そういうものを正しく理解していただくという趣旨で出されたことが中心でございます。従いまして、知っていることを全部これに書くというのでなくて、誤解のないようにというためのものが趣旨になっておりますので、わかったことは全部パンフレットにして出そうという趣旨ではなかったわけでございます。ただ、ただいまお尋ねの学者グループについての点に関してでございますが、先ほども御質問に応じまして二、三お答えいたしたわけでございますが、ただいま御指摘の松山教授事件ということ、その松山教授ということについては、私どの事件であるのか承知いたしておりませんので、ちょっとお答えいたしかねるわけでございます。またそれに関連いたしまして、パンフレットで文化人や学者に配るということはいたしておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 警察としてはそういう態度をとるのも無理からぬと思います。警察が一私的の機関でなく、やはり公的の機関でありますならば、反省するとか、誤解を解く、そういうことをなさらずに、自分の都合のいいことだけは九千枚も国家の費用を使ってこれを郵送されておる。私は先般新潟県下の高田市の郵便局に参りましたところが、警察庁から来ている文書、しかも課長だけに回覧させ、労働組合に見せない。課長だけが見ておる。それは警察庁から来た文書らしい。そういう指示をあなた方がなさったわけではないかもしれませんが、課長だけが見ているのです。そういう自分たちに都合のいいことだけを書いて、都合の悪いことは一切不問に付しているというところに疑いが出てくるのです。しかもあなたが松山教授のことについては知らぬとおっしゃるのははなはだ遺憾に思う。これは警察官のミスといえば最大のミスであります。何としても言い開きのできぬところです。それをあなたが知らぬということは僕はないと思う。これはしかし警視総監に聞いてみなければならぬが、さっきのあなたの責任問題からすればあなたにも責任がある。これは青山短期大学の松山正男という教授が、あまりにラジオ、テレビでひどい報道があるので心配でならず、夜国会に自分の数え子の安否を気づかって出てきた。一人の生徒を見つけて、それを連れて三宅坂の方に行ったところが、四、五十人固まっていた警察官がいきなり襲いかかって、ぶったたくして、重傷を負わしたのです。松山教授が病気が多少なおってから病院でペンをとって当時の目撃記を書いたのです。驚くべきことです。全く暴力団です、テロ団です。三宅坂に何もしない教授と学生が二人行くのを、いきなりぶんなぐって大へんな重傷を負わせた。しかも頭から血を吹き出しておる。それを見て、こうやっておけば死んでしまう、死んでしまえ、こういう放言をして引き揚げたというのです。この人は熱心なクリスチャンです。そうしてあるキリスト教の宣教師に頼まれて翻訳をやっておった途中で、ラジオ、テレビを見てたえかねて出てきたのです。何もデモに参加したのでも何でもないのです。それで自分の教え子を連れてうちへ帰ろうとした三宅坂です。そこに警察官の集団が四、五十人おったのです。答弁は五、六人になっておるのですが、四、五十人おった。そのうちの五、六人がなぐって、死んでしまえ、こういう捨てぜりふを残して引き揚げていってしまった。こういう事犯をあなたが知らないということは不可解です。かようなことに対して一言半句も警察は触れておらぬ。そういう不公平なことがありますか。いかに彼らが不当であるかは、この人が病院に入院中、警視庁では再三見舞物を持ってあやまりに行っているじゃありませんか。しからば何のためにあやまりに行ったのか。こういうことについてやはり否は否、是は是、しかもこれは警察官の反省録として、あなた方の各都道府県の警察にも戒めの文句を添えて流すべきだ。そういうことを一切やらずして、ただ自分の弁解ばかりやっておる。これでは警察は向上しないじゃないですか。いまだに責任者が一人も現われない、あなた自身知らぬという、そんな無責任な話はないと思うこれは松山正男というりっぱな学者です。この人間が東京独立新聞というキリスト教の新聞に詳しく体験記を書いております。これは警視庁は持っておるはずです。あなたもお読みになっていただきたい。これじゃ話にならぬ。なお私は警視総監に詳しく聞いてみたかったのですが、赤木広報課長が二回もお見舞に行っております。そうしてどうかこれは問題にしないでくれ、そういう自分の非はなるべく世間に出さぬようにしておくということでは、結局民衆の信頼を得られないのです。非は非として明らかにして——私はデモ隊が必ずしもいいとは言いません。警察官がある程度逆上したことも、これもまた理解できます。しかし非は非として、やはり国家公務員なり地方公務員が民衆と同列に責任を感じておったのではいけないと思うのです。非は非としてお悟りになって、そうしてこういうことがないようにという、そういう広報活動もなさらずに、警察だけがよいので、ほかの人が悪いのだという意味のPRばかりなさる。これでは民主警察は成長いたしません。ですから私は今回質問したのであります。警察の言い分もありましょう。それはいいでしょう。言い分もあるが、整然と並んで、大学教授団であることが明らかになっておる。しかも構内でない構外におった各大学の教授団に、何がゆえに突撃して当たるを幸いなぎ倒すということをやったのですか。なお三宅坂に行く教授を何ゆえに半殺しの目に合わしたのですか。理解できない。ですから樺美智子が殺されたという状況証拠も出てこない。まるで凶暴化しておる。なお機会があることはありますし、これは警視総監に聞きたいと思いますからきょうはやめますけれども、あなたは警察関係の最高の責任者であらせられる。昔は内務大臣であった。今は国家公安委員長もあまり責任がない。総理大臣は任命的な責任はあるけれども、実際的な運営の責任がないということになると、警察庁長官ということになる。そうなるなら、私は相当の責任がおありだと思う。もちろんあなた方もあまりこういうことをやりたくなかったということはよく聞いております。職務上やむを得ずおやりになったと思いますけれども、やはり反省は必要であります。そのPRには反省をしたことも出していただかぬと——あなた方の言い分もお出しになっていいが反省したことも出していただかねばならぬ。しかるに長文のこのあなた方の各官庁その他に回しました説明文には、一言もこの学者グループその他の者に対する人権じゅうりんについては触れてない。私の質問したのに対しても、まだ調査中であるというような答弁であり、また松山教授事件に対する答弁も実に不誠意きわまるものです。かような答弁は警視庁からお聞きになってお書きになったと思うのですけれども、全く不誠意きわまる答弁をやっておる。これでは警察の反省というものは何もないのです。頭を断ち割ったら割った方の割り得になってしまう。なおあなたに聞きますが、おびただしい学生その他がけがをしたのですが、このけがの傷のあり方、私どもの調査によれば、後頭部裂傷というようなものが相当調査報告がきていますが、負傷というのはどこを一体負傷したのか、頭部なら前部が多いか後部が多いか、そういう統計がありますか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警察におきましても、救急措置をとりまして、警察官のみならず、学生も多数治療をいたしておりますが、学生の負傷者の全貌につきましては、警察への届け出もないような状況でございまして、十分にはっきりしておらないわけでございます。ただいまお話しのように、どういう傷がどの程度あったかということは、詳細わかっておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 これで私はやめますが、警視庁あるいは警察庁では、六・一五その他における警察官の職権乱用の事実ありとして調査なさっているかどうか。たとえば産経新聞を見ますると、警視庁の相当の、たとえば伊林長松という機動隊長、あるいは警備課の荒沢という警視、こういう人たちが出席されて、警察官に行き過ぎありということをみずから認めているわけです。うしろから追いかけてうしろをなぐったというのは行き過ぎだ、こういうように指揮官の方は認めていられるわけです。そうするならば、この責任を明らかにする必要がある。調査なさっておるのか、なさっておらぬのか、それを一つお尋ねします。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 あれだけの大きな問題でございますので、警視庁としてもただいまお話しのような調査は進めておるわけでございます。なお、先ほど来お話のありましたように、警察といたしましても、反省すべき問題は十分に反省し、民主警察の実をあげるように今後とも努力をして参りたい、こう考えておる次第でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 一点要望します。負傷さした以上は、そういう詳細な報告はなされるはずです。法規上書いてありますから、負傷さした場合に直ちにその現況を報告するようになっておりまして、警察官職務執行法にも、警視庁の規定にもあるわけだから、あなたの方からそういう報告があるはずだと思います。そこで先ほど私が言いましたように、傷の場合、各病院にみな収容されたはずでありますから、どういうところに傷が負わされたのであるか、この問題は後頭部にと裂傷というものがどうして起こったのであるか、これは正当防衛になりません。これは詳しく私はあなたと警棒の使用についても論議したかったのですが、とにかく時間がない。委員長もやめてほしいという御希望のようでありますからして、やめますけれども、警視庁の警備規程を見ましても明確に書いてある。武器の使用は、正当防衛または緊急避難のときにやれと書いてある。警視庁のこの警備規程第百九条によると、「(武器の使用)」として、「武器の使用は、原則として警備本部長又は部隊長の命によることとし、やむを得ずこれによらない場合は、それが明らかに正当防衛又は緊急避難に該当することを確認の上使用しなければならない。」、しかるにきょう私の質問に対する答弁によっても、部隊長の指示なしにやったのが相当あるし、部隊長が警棒おさめという指令を出しておるのにやったのが相当ある。そういう場合もあり得るけれども、しかし、そういう場合は緊急避難、正当防衛であることがはっきり確認をされなければならないと、警備規程第百九条にある。どういう弁解をされてもこれに違反しております。そういうことを違反ならざるがごとく強調せられるにおいては、デモ隊が公安条例を無視するのと同じ結果です。自分たちに都合の悪い法律は無視して、そして片方の法律無視だけ責められてもだめです。これは悪かったら改正されればいい。警備規程というものがあり、服務規定というものがある以上は、この法規典礼に従った行動を、いやしくも国家機関で国家権力を持っている警察がやらなければ、無法の警察官と言わざるを得ない。ですから警棒の使用については、警察官職務執行法第七条、私が法務委員をやっているときに作ったのです。今日のごとき使用を許す意味で作ったわけではない、非常にしぼったものである。その精神をくんで、この警視庁の警備規程はできているわけです。百九条に明確に書いてある。それにもかかわらず、全くこういう法規を無視された警棒の使用については、非常に問題があろうかと思いますが、この問題に入りますと非常に長くなりますので、これはお預けにいたしますが、私はこの責任をもう少し警察からはっきり聞かなければならぬ。きょうはこれで終わります。

西村英一自由民主党

○西村委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時十六分散会

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