公職選挙法改正に関する調査特別委員会公職選挙法改正調査小委員会 第1号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/08/25
会議録
○古川小委員長代理 これより小委員会を開会いたします。 本日、鹿野小委員長が御病気のためこの小委員会には出席になりませんので、私がかわって小委員長の職務を行ないます。 前回の委員会では、近く行なわれることが予想されます衆議院議員の総選挙を目標として、来たるべき臨時国会にはぜひとも選挙法の改正を行ない、最近行なわれた各種選挙の実態にかんがみ、その不備を是正して参りたい。ついては、閉会中にその改正点について協議を行ない、できればこれを取りまとめたいとのことでこの小委員会が設けられたのでありますが、本日は最初の小委員会でありますので、概括的に問題点を摘出いたし、次いでこれらの問題点を整理して、この小委員会の意見を取りまとめて参りたいと思います。 御承知の通り、各党におかれましても公職選挙法の改正についていろいろと御研究になっており、すでに改正案一を提出されたところもあり、また改正試案を御発表になっておるようでもありますし、また、先般の本委員会の理事会におきまして、これら各党の案の中で共通の改正意見を集約整理してもらうように自治省当局にも御依頼いたしておったわけでありますので、本日は、まずこの各党共通の改正意見というものを便宜自治省当局から御説明願い、また、できれば、これらのほかに自治省で御検討になっておる点があれば、参考までにこれもこの機会に御説明を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川小委員長代理 それでは皆川選挙課長にお願いをいたします。
○皆川説明員 お手元に公職選挙法改正要目というのをお配りしてあると思いますが、これは先ほどの委員長の御説明にありましたように、理事会の御趣旨に基づきまして、私の方で各党御提案あるいは御内定になりました改正の案のうちから大体共通と思われるような項目を拾ってみたのであります。内容において若干違うところもございますが、その点は個々に御説明を申し上げます。 第一は立候補に関する事項でございますが、そのうちの一、「郵送による立候補の届出を認めないものとすること。」これは各党共通でございます。 その次の「立候補届出期間経過後における立候補の辞退を認めないものとすること。」これは社会党の案には入っておりませんけれども、自民党と民社党の案にはそれぞれ入っておりまして、そう大きな問題ではないのじゃないかと思いまして、一応あげたわけでございます。 その次の三でございますが、「重複立候補を全面的に禁止すること。」これは三党共通でございます。 そのほか、この立候補に関する事項のうち、社会党と民社党の共通項目で自民党の案には入っておりませんものに、被選挙権のない者の立候補を禁止することという項目がございますが、これは実は非常に勝手な話でございますけれども、選挙が非常に差し迫っているというふうにいわれておりますので、選挙事務の上から、今急にこの問題を取り上げるのも非常に困難を起こすと困るというような観点で若干問題があるのじゃないか、こう思いまして、二党共通ではございましたけれども、これをあげなかったわけでございます。 それから、第二は選挙運動に関する事項でございます。 そのうちの一、「衆議院議員、参議院議員及び都道府県知事の選挙においては、午前八時から午後七時までの間に限り、選挙運動のために使用する自動車において連呼行為をすることができるものとすること。」これは各党共通でございます。ただ、社会党の案は午後六時となっております。ほかの案は午後七時であります。 二番目の「選挙運動のために使用することができる自動車は、有蓋(二輪車の場合を除く。)の乗用自動車に限るものとすること。」この案は、自民党と民社党が共通でございます。社会党には人っておりません。 三は「選挙運動のために使用することができる通常葉書の枚数を、おおよそ二倍程度に増加すること。」これは社会党の案では一・五情ないし二倍という案でございます。それから民社党の方は若干観点を変えまして、たとえば衆議院の場合を例にとりますと、六千枚という基準枚数をきめまして、それに各選挙区ごとの議員定数をかけた枚数、ほかの選挙もそのように新しい基準枚数というものを作りまして、それに当該選挙区における定数をかけた枚数というふうに、算出の基礎を変えておるわけでございます。結果的にはあまり変わらないかと思いますが、そういうように具体方策になりますと若干変わっております。 四は「選挙事務所において使用することができるポスター、立札及び看板の類を制限すること。」ということでありまして、内容は、社会党の案は二個、自民党、民社党の案は三個になっております。 それから第三、選挙運動費用に関する事項、この一は「候補者又は候補者になろうとする者が、その後援会の総会その他の集会又はその後援会の主催する行事における参加者に、金銭、物品、飲食物及び余興を提供することを禁止すること。」これは自民党の案にははっきりこのような表現にはなっておらなかったと思いますが、趣旨は同じであろうと思うのであげたわけでございますが、ほかの社会党と民社党はこういう内容になっておるわけでございます。 それから二番目は「候補者又は候補者になろうとする者の後援会が、右の行為をすることについても制限を設けるものとすること。」つまり、一は候補者が後援会において寄付をする行為を禁止する、二の方は後援会自体が参加者に対して寄付あるいは余興を提供するというような問題、これは二番目の方が三党共通でございます。 それから、第四は政治活動に関する事項でございます。 その一は「確認団体が開催することのできる政談演説会の回数を増加すること。」これは各党共通でございますが、内容はそれぞれ若干違っております。 それから二番目は「確認団体が宣伝告知のために使用することのできる自動車の台数を増加すること。」これは社会党の案には入っておりません。自民党と民社党の案も、内容においては若干違っております。 それから三番目は「確認団体が掲示することのできる政治活動用ポスターの枚数を増加すること。」これも社会党の案にはございません。自民党と民社党だけでございます。 それから四番目は「確認団体が行なう街頭政談演説においては、政策の普及宣伝の外、選挙運動のための演説をもすることができるものとすること。」これも同じように社会党の案には入っておりません。 なお、ここにはあげてございませんが、そのほかにいわゆる政治活動の公営としまして、いわゆる確認政治団体であるところの政党が、ラジオまたはテレビを使って政策放送をできるようにする、こういう案が三党共通に載っておるわけでございます。ただ、その前提としまして、自民党の場合は、政治団体を、立候補の届出に基づいて所属党員の確認を行なうという前提があるのでございますが、その前提は、先般の国会に提案されまして非常にもめたところでございますので、結論は同じでございますが、この案からは落としておるわけでございます。 なお、申しおくれましたけれども、同じように選挙運動の公営の中で、ポスターは、張ることは各人に張ってもらうものとそうでないものと違いますが、ポスターの掲示場を公営で設けるという案が各党共通になっておるわけでございます。これは実は身勝手な話でございましたけれども、政府の方としましては、この法律案が成立する時期にもよると思いますけれども、選挙をあまり控えてそういう法案ができますと実施上困難があるのじゃないかということで、一応ここからはずしておるわけでございます。 それから、第五は罰則及びその他の制裁に関する事項として、その一は「連座制を強化する」、これは内容も大体各党同じでございます。 それから、その二は「悪質な選挙違反については、裁判所は、選挙権及び被選挙権を停止する期間を短縮する旨の宣言をすることができるに止める」、すなわち、適用しないという宣言はできないようにしようという趣旨でございまして、ただその悪質な罪の認定の仕方に若干の違いがございますけれども、趣旨は各党共通でございます。 それから、三番目は「悪質な選挙違反については、時効期間を延長するものとする」、これは民社党の案には入っておらなかったわけであります。自民党と社会党だけでございます。 以上のほか、ただいま委員長からお話しのございました、政府としまして今度の改正の中にできれば追加していただきたいと申す事項をこの際申し上げておきたいと思います。 基本的にはいろいろ問題があるわけでございますけれども、選挙を控えておるというような一般の状況でございますので、管理執行上、あるいはいろいろな点であまり改正をすると困る点がございますので、最小限度にしぼりまして、従来、選挙の結果をすみやかに国民に知らせるという建前で、事実上報道機関と一緒になりましてそういう方策をやってきたわけでございますが、この際、これは一般のことにあまり関係がございませんので、そういう趣旨の規定を設けていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 以上、簡単でございますが……。
○古川小委員長代理 ただいまの御説明に対して御意見なり、御質疑があればこれを許します。山下榮二君。
○山下(榮)小委員 今の報道機関に対するというのは、ちょっと内容がわからなかったのですが、報道機関に、何か迅速に開票の結果を国民に知らしめるために、補助金とか何かの便宜を与えるような方法を考えるというわけですか、その意味を説明願いたいと思います。
○皆川説明員 現在の法律では、法律上、選挙の結果というのは、選挙会で確定しましてからそのあとで告示という形式で発表することになっておるのでありまして、それをすれば法律的には十分であるということになっております。ところが、実際は、少なくとも各開票所ごとにその結果がまとまれば発表する。その場合に、それを各開票管理者の責任にしないで、なるべく広い範囲で統一をして、その結果をまとめて発表する、その方が、受けた方が便利なものですからそのようにいたしておるわけでございまして、新聞社の方に対して発表の義務を与えて、それに補助金を出すということは考えておりません。
○山下(榮)小委員 それじゃ順番に申し上げます。 第一の立候補に関することは、すでに皆さんお聞き及びで、そう大して重要なこともないと思うのですが、第二番目の選挙運動に関する事項で、われわれがかつていろいろ党で審議を進めて参りましたもので、非常に重要だと思われるもので、ここに漏れている点があるのです。たとえば、はがきの増加についてはここに出ておりますが、と同時に、実はポスターの増加も、わが党の案にはちゃんとあったのです。これはひとりわが党だけではなく、おそらく三党ともに、ポスターの増加等は相当こいねがっておる問題ではなかろうか、こう思うのであります。まして、現議員はそう大したことはないにいたしましても、新人の進出等を考えます と、ポスター等の増加はぜひともやはり必要な問題じゃないか、こういうことも考えて、われわれはそれもわれわれの改正の中に織り込んでおったのですが、これは脱漏でしょうか、その必要がないと自治省の方ではお考えになっておるのでしょうか、これもあわせて伺っておきたいと思うのであります。
○皆川説明員 これは非常に恐縮でございましたが、むしろここにあげておくべきであったかもしれないと思います。社会党と民社党の案にそれぞれ入っておると思います。自民党の案にも入っておりますが、ただ、自民党の場合は、議論の過程において演説会の回数をもっとふやす、その告知のためにという、こういうようないきさつかございましたので載せておかなかったのですけれども、実はそういういきさつがあったにいたしましても、一応載せておくのが筋ではなかったかと思います。おわび申し上げます。
○古川小委員長代理 中井一夫君
○中井(一)小委員 この機会に、自治省当局の御意見を伺っておきたい点は数点ございますが、そのうちの根本的な問題をまず伺いたいと思うのであります。 すなわち、本日ここに御提示になった要目は、各党の意見を参酌しこの項目でございまして、すべて大切なものであるということは相違ありません。しかしながら、私どもの信ずるところによれば、選挙法の根本精神とするものは、国民の意思を公平に代表し得る議員を選ぶということなのでありますから、もし現行の選挙法にこの点についての欠陥があるならば、この際、何よりもこの点を改革してこそ、選挙法の改正を国会がなし得たりと国民に言い得ることができるものと思うのであります。しかるに、この要目にその点が除かれておりますることは、まことに残念なことであります。これでは、国民は断じて各党に対して、深き不満の念を持つに相違ないと信ずるのであります。 そこで、私は、各党のこの問題に対する態度がどうありましょうとも、少なくとも政府当局におかれては第一にこの点を取り上げて、そしてむしろこれを各党に示されるべきであると思うのでありますが、最後に課長がおっしゃったように、選挙の結果の報道に関する問題をもって政府の規定をせんとする希望の一つだと言われたが、何ゆえに人口と定員のアンバランスの問題につき触れられないのであるか、この点をまず承っておきたいと思うのであります。
○皆川説明員 ここに公職選挙法改正要目とあげました印刷物を作りました経過が、この前の理事会におきまして、各党共通の項目を一応当たってみてくれ、こういう御趣旨であったので、それを中心にしてまとめたわけでございます。 なお、その際に、ここにございます選挙の手続あるいは選挙運動あるいは政治活動といったようなことのほかに、当然に議員定数の問題というのはこの委員会で御審議になるという前提に承っておりましたので、政府当局としましてさらにこれに改正の希望があればつけ加えて申してみろ、先ほど委員長がおっしゃいましたのは、そういった問題でなくて、いわば事務的一に、委員会であるいはお気づきにならぬかもしれぬと思うような点を、政府として、あるいは政府の立場から、そういう事務的な観点から改正をするのがあれば申してみろ、こういうふうに言われたものと思ったものですから、そう申し上げたわけであります。
○中井(一)小委員 それではその問題につきまして、引き続き納得のいかない点数点をあげまして、政府の御所見をただしたいと思います。 すなわち、現行の衆議院議員の総定数は、実に三十六年の昔、大正十四年の普通選挙法制定の際四百六十六名と定められまして以来、戦後奄美大島の復帰によりまして一名増加しただけであります。従って、議員が国民を代表すべきものたる以上、昔のわが国人口六千万、現在の人口九千万に比しますならば、その定数を、二分の一、すなわち二百三十三名増となすも必ずしも悪くはないはずであります。いわんや僅々二十名や三十名をふやしたとて、何ら不都合だとは言えないと信ずる。現に数年前に、小選挙区制度が政府及び各党派間において取り上げられて、それぞれ政府においても、各党派におきましても、その制度をお作りになりました。その案によりますと、立場によって多少の遅いはありますけれども、少なくとも三十名内外は現在の定員より増加すべきものであるということに定められておったのであります。内閣における選挙制度調査会案も同じことである。社会党御関係の案も同じことであります。この点において、今日この定員を増加するという問題をどうお考えになっておるか。絶対的な立場での御答弁を要求したいと思います。少なくともふやすということ自体は不都合ではないんだ、そうお考えになっておるか、いや、ふやすこと自体が悪いんだ、そういうふうにお考えなのか、それを伺いたい。
○皆川説明員 議員定数、特に選挙区別の定数との関連でございますが、これにつきましては、政府といたしましては昨年の暮れに選挙制度調査会に諮りまして、この問題をどう考えたらよいかということを諮問いたしたわけであります。調査会では、なるべくすみやかにこの人口と議員定数のアンバランスを是正する措置を講ずべきだとしまして、その場合に、総定数についてはおおむね現定数を基準とすること、こういう答申をいたしておるわけであります。調査会では、その具体的な改正の方法といたしまして、選挙区画定委員会というような委員会を作りまして、それで審議をしたらよいのではないか、こういう答申を受けましたので、政府といたしましても実はその線で考えておったわけでありますが、政府自体が今定数をどういうふうにしたらよいかということは、実は今まで内部的に考えを固めるということには至ってないわけであります。調査会の答申に基づいて選挙区画制定委員会というものを、そういう方向の是非について今検討している、こういう状態でございまして、はっきりした考えを申し上げろという御質問でございましたけれども、まだそういう段階でないことを御了承いただきたいと思います。
○中井(一)小委員 ただいま御説明の中にあった選挙制度調査会の答申のうちに、定員はおおむね現行定数を基準とするという言葉があったと言われております。その通りでありますが、その趣旨は、定員は増加してはならないのであるという趣旨でなくて、幅のある考え方で、場合によれば増加するもまた可なり、すなわち、そこにおおむね基準とするという言葉が使われているゆえんだと承知しておるのでありますが、さように了解してよいのでございますか。号
○皆川説明員 これは調査会の答申でございますので、私たちがその経過等をそばで拝聴しておりまして、なるべくふやしたくはない、こういう御意見が強かったと思うのです。ただしかし、実際の過程において絶対にふやすなということも、これは言いかねるのであるということで、このような表現を使われたことと思いますので、絶対にふやしてはいかぬという趣旨ではないのであります。
○中井(一)小委員 現行衆議院議員の各選挙区における定数は、昭和二十年十一月の人口調査の結果に基づいて、昭和二十二年の改正法によりまして、公職選挙別表第一によって定められますとともに、同別表には、「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」と明らかに規定されておるのであります。しかるに、自来今日に至る間、国勢調査の実施せられた際、すなわち昭和二十五年と昭和三十年、二回の国勢調査の実施せられたことがあるにもかかわらず、一回の改正すらなされずに今日まできておるのであります。これは、私は政府も怠慢、国会もまた怠慢であると思うのでありますが、この点について政府当局はどうお考えになりますか。
○皆川説明員 御指摘の通りに、今の別表は昭和二十一年の人口調査に基づいて作ったのでございますが、昭和二十五年に公職選挙法を制定します際に、この別表を改正すべきかどうかということが議論になったわけでございます。公職選挙法は昭和二十五年の春に制定になりました。ところが、二十五年の秋、その年の秋には国勢調査があるというので、その国勢調査の結果を待ってやるのもいいんじゃないかというような議論がございまして、そのときの改正は見送ったわけでございますが、その場合に、御案内の通りに、別表に今おっしゃいました規定が入ったわけでございます。その趣旨は、当然国勢調査ごとに別表を更正しろという趣旨であろうと思いますが、ただ二十五年の国勢調査に基づいてやるということにはなっておらなかったのでありまして、ここにございますように、この法律施行後五年を経過した後に行なわれる国勢調査から別表を更正する。すなわち、昭和三十年の国勢調査の後から別表を更正する、こういう規定を入れたわけであります。そこで、昭和三十年の国勢調査の後にこの規定に基づいて別表を更正するという事態になったわけでございますが、その際は、御承知のように、小選挙区制という別な問題とあわせて提案になりました関係で、とうとうあの案が成立を見なかったのであります。その後、国会でもしばしばこの別表を改正すべきじゃないかという議論があったわけでございますが、いろいろな事情で今日まで実現できなかったということは、これは政府としましてもきわめて遺憾なことだと思っております。
○中井(一)小委員 御趣旨はわかるのでありますが、今日の現状というものは、現行選挙法のできました後、大へんな激動を来たしておる。小選挙区制の問題が出て参って、小選挙区制をぜひしかねばならぬという有力な議論が、政府部内並びに民間にもあるということは当然のことでありますが、しかし、今日の政治上の現実は、全く社会党と自由民主党の対立の形をとっておるのであります。しかも、この両党間においては、政治に対する、あるいは世界観に対するイデオロギーが全く相いれざるものを持っているということは、いなむことのできない事実だと思うのであります。ことに、これを政治上の具体的な問題に見ますと、まずわが国の占領政策の結果作られた憲法を改正するかどうかという問題がありますのに、憲法改正のためにはどうしても国会の三分の二以上の賛成を得なければならぬ。従って、今日の国会の議員定数のこの状態というものは、直ちにこの問題に関係をしてくる。それゆえに、憲法を改正せんとするものは三分の二以上の議員を得ることを目的としなければならず、反対せんとするものはその三分の一以上の同志を得なければならぬ、こういうようなのっぴきならぬ事態よりいたしましては、今日この小選挙区制というものを、国会において決定するということは事実上不可能であると信ずるのであります。それこそ、野党の皆さんの命がけの反対を予想することができる。従ってわが国の選考制度において、小選挙区制を作り上げるということを目途としてその改正の口を待つならば、これはもう永久にできないということを思わざるを得ぬのであります。従いまして、そういうような根本的な選挙区制の改革をもととするようなやり方は事実上できないのだから、さればとて、今日のこの人口の変動と、また、急に大都市を中心として人口のふえてきた実情から、どうしてもここに現行選挙法の改正を必要とする、これは当然のことだと思うのであります。現に、郡部においては十三万五千人くらいの人口で一人の代議士を選び出すことができるのに、大都市におきましては三十万、四十万の人口がなければ一人の代議士を選び出すことはできない。この事実を裏返して言うならば、すなわち、大都市におけるところの国民の選挙権の値打は、郡部におけるところの国民の選挙権の値打の三分の一にすぎない、こういうような現実の現われを見ておるのである。これは何としても選挙法の精神をじゅうりんするものだし、これほどのひどい選挙法の精神の無視はないと思うのであります。従いまして、ここに、少なくとも人口が非常に急増したことによって、言いかえれば、その選挙民の選挙権の行使が、あるいはその値打が、他の方面に比べて半分になった、三分の一になったというようなところだけは、せめてはこれを改正して、そうして、いわばなかなか永久に改正のできないようなそれまでの間に、臨時暫定的にこのひどい不公平を是正するだけのことをするのは、当然、私は政府の国民に対する大きな責任だと思うのであります。同時に、これは国会が、また各党派が国民に対してなすべき大きな権利でもあるし、義務でもあると信ずるのでありますが、この点につきまして政府当局の御意見はいかがでありましょう。
○皆川説明員 先ほどお答え申し上げましたように、政府としましては正式には調査会の答申の線で検討しておりましたので、実はそれ以外の方法についてどういうふうに考えるかということになりますと、私ではちょっと答弁申し上げられないと思いますが、ただ、今仰せになりました御趣旨については、政府としてもそう別に異論はないだろうと思います。ただ、それを具体的にどうすべきであるかというような点については、ちょっと申し上げることはできないかと思います。なお、もちろんこの問題は、過去の立法のいきさつを見ましても、また事柄の性質からしましても、政府だけでどうこう考えるべき事柄でもないと思いますので、政府としましては国会の御意見等の動くところも十分見て、いろいろこれから態度をきめたいというところではないかと思います。
○山下(榮)小委員 きわめて重大な問題でありまして、自治省の課長にこれを責め立ててみたって、これはなかなか容易なことじゃないと私は存じます。少なくもこの問題を取り上げてお互いが議論をするのであれば、総理大臣ないしは自治大臣がお見えになって、内閣としての方針あるいは内閣の与党たる自民党としての方針、これが明らかにならない限り、ここで事務的な方々と押し問答をやってみたって、私は解決つく問題じゃないんじゃなかろうか、こう存じます。できますならば、私は総理大臣、自治大臣の御出席を求め、政府の所信を伺い、われわれの考え方も申し上げて、できることならば早急に一致点を見出すように取り計らっていただきたい、かように存じます。私もいろいろこの問題についてはお伺いもいたし、また、自分の意見を申し上げたい点も多々持っておるのでありまするが、委員長に伺いますが、総理大臣ないしは自治大臣をお呼び願えるかどうか。できますればそういう政治的な方針を伺って、意見も述べたいと思いますが、その機会をお与えいただけるかどうか、ちょっと伺ってみたいと思います。
○古川小委員長代理 ただいまの山下委員の御意見につきましては、そういうような御趣旨に沿い得るかどうか、交渉してみます。交渉して、できるだけ出席していただくように取り計らいたいと存じます。
○中井(一)小委員 山下委員の御意見は、まことにごもっともなのであります。私どもは、それゆえに、それらの大臣または総理大臣の意見などの開陳を求める以前に、いわゆる事務当局の御意見を伺っておきたい。その御意見によって一応政府の今日までの考え方を知っておき、そしてこれらの政治担当の最高幹部にお聞きする、かように考えておりますから、今事務当局のところに伺っておる次第なのであります。 最後に聞いておきたいことがございますが、会日の各選挙区の議員定数は、三人ないし五人になっております。それは、法律上さようでなければならぬという規定があるわけでありましょうが、そうでなく、いわゆる中選挙区は三人ないし五人だというので、実際上の定めの上だけでそうなっておるのであろうか、その点をちょっと伺っておきたいと思います。
○皆川説明員 現行の中選挙区を作ります場合に、従前の小選挙区あるいは府県単位の大選挙区を改めて、府県を二、三の選挙区に割る、こういう原則を立てたわけでございます。その場合に、三ないし五という数字にどれだけの根拠があったのかよく存じませんけれども、中選挙区にする以上、最低が三人であれば、その倍以上のものは作りたくないという程度のことで、このような数字になったのじゃないだろうか、こういうふうに考えております。ことに終戦後、現在の選挙区は、昭和二十二年に国会で議員修正でできましたので、政府としてその点をどういうふうに考えておるかというようにお尋ねになりますと、あまり突っ込んだ理屈を立てたことはないのでございますけれども、最低の倍は作るまいというような思想から、こういう現況になったのではなかろうか、こういうふうに思っております。
○中井(一)小委員 最後に一点、今の問題に関連して、昭和二十八年奄美大島が日本に復帰いたしました。そのときに、一選挙区で一人制をとる暫定措置法ができたのであります。従って、かりに今日非常に人口過多になり、言いかえれば、定員が過小になっておるところを是正するというような場合においては、すでにできておる奄美大島の例にならって、これを行なうということも法律上不可能ではないであろうかと思うのでありますが、その点についての御意見を承っておきたいと思います。
○皆川説明員 法律上の問題ではなくて、法律上不可能ということはないと思います。
○古川小委員長代理 ちょっと今の山下委員の御意見に対して申し上げておきますが、議員定数の問題は、今おっしゃった通り非常に重要な問題でもありまするし、総理大臣ないし総理大臣の意向を代表して自治大臣が御出席願うのは、むしろ正式の委員会の方がいいと思います。それを目途に交渉いたしますから、御承知を願いたいと思います。 中井徳次郎君。
○中井(徳)小委員 自民党の中井先生から、非常に重要なことを小委員会の冒頭お尋ねになったわけであります。しかし、私ども社会党としまして、総選挙は必至である、この情勢のもとにおいて、今の池田内閣は、選挙法の改正あるいは定員の改正等については、そういう必至の情勢の中で、政府からは三党間で話のまとまった以外は出さないというふうな決定をいたしておるやに私は聞いておる。ところが、先ほどからの話を伺うと、どうもその質問の中で、必ずしもそのことが確定しておらぬやに私まちょっと承るのですが、そういうことならば、山下三の御意見の通り自治省の事務の人だけでは問題になりませんから、基本的に大臣か、それもさっそく委員会を開いて——実はこの前の小委員会の話し合いでは、大体委員会は九月十三日ごろと、こういう予定でございましたが、その辺のところ非常に重要でありますから、これはどういうことでありますか。私どもはそういうふうな了解のもとに、従ってきょうの公職選挙法改正要目も三党で話し合って、まとまったことだけを出してもらっておる、こういう形なんでありまして、それでないということになればこれは非常に話がもとに戻る、そうして私どもも現内閣の怠慢を大いに鼓をたたいて責めなければいかぬと私は考えておるのであります。しかし、逃げ腰でそういうことよりも選挙が先だ、選挙についてはわれわれは大賛成なんだから、一刻も早くやれという建前においてしんぼうしておる、こういうことなんですが、その辺のところどうなんですか、委員長、あなたは……。
○古川小委員長代理 中井徳治郎君の御意見がございましたが、それでは、きょうは一応取りまとめてもらって、説明は聞きましたから、正式の小委員会はこれで閉じまして、今中井徳次郎君のようなお話の問題は、これから懇談をしてきめたらどうかと思いますが、いかがですか。
○中井(徳)小委員 ちょっとそれはあとにして下さい。まずこの要目の中で、これは順番に質疑をやらなければなりません。これは第一項目から、立候補に関する事項、選挙運動に関する事項、問題はたくさんあります。ただ単にこれは個条書きにしておるが、法案になったときにはどういう形であるかというようなことも、大体質疑をしておかなければなりません。それが済んでから、あなたの御意見のような懇談はお願いしたい、そう思いますが、いかがですか。懇談を先にやって、それが済んでからこれにかかっても、どちらでもよいのですが、これをそのまま認めるというようなことでは困るので……。
○中井(一)小委員 中井徳次郎小委員のお説に私は全然同感なんであります。どうぞ、ただいま中井さん仰せのような進行の方法をおとりいただきたいと思います。 ただ、そのお話のうちに、三党共通の問題に触れるところがございましたが、ちょっと誤解を受けましてはまずうございますから、釈明をいたしておきたいと思います。もとより、今度開かれる臨時国会においては、何も論議するひまもなく解散をされるのではないかと予想をされておる通りであります。これはもとより政府のいたすことで、われわれの関知するところではございませんけれでも、そうであるならば、この選挙法改正のごときも、三党が共同一致したものでなければできないことでありますし、三党さえ共同一致いたしますならば、解散の宣告前にこれが法律として現われて、次の総選挙に問に合うというわけなのであります。それゆえに、他のいろいろな選挙法の改正もけっこうでありますが、何分ただいま申し上げた定員の改正問題こそ根本問題だと思いますので、各党いろいろ御意見もございましょうけれども、願わくは一つ国民の世論を聞いて、これを各党一致した案にまとめて、そうしてこの委員会の異議のない法案として提出して、委員長報告、直ちに採決、こういうようなところへ持っていっていただきたいと思うのであります。どうぞそういう趣旨でございますから、社会党、民社党におかれましても、そういうような御了解のもとに、すべて寛大に御考慮願いたいということを、心からお願いをいたしておく次第であります。
○押谷小委員長代理 自治大臣あるいは総理に出席を願うという問題ですが、私は前会欠席をいたしましたので、その間の消息に通じてないところがありますから、間違ったらお許しを願いたい。大体小委員会においては、やがて開かれる公職選挙法改正の委員会に提出する一つの成案をここに見出そうという目的の小委員会だと思われるのであります。そこで、ここに出されておるもの、今中井委員からお話しの定員改正等の問題も、やがては本委員会に出すべきその下の調査がここに行なわれ、討議が行なわれるわけでありますから、本委員会に出てもらうという段階よりも、この小委員会に自治大臣の出席を願って、政府の所信を聞くとか、われわれの疑義をただすという機会を与えられることが一番筋道である、かように考えますので、委員長から先ほどお話しになりました、この委員会は出ないで次の本委員会にという言葉は、私は賛成をいたしませんから、一つそういうお計らいを願いたいと思います。
○古川小委員長代理 ただいま押谷委員の御意見でございますが、おそらく小委員会に総理が出たというようなことはあまりないだろうと思うのです。もし小委員会でもっと話をこなして議論をしたいという御趣旨ならば、自治大臣でいいと私は思うのです。それから今の御意見につきましては、おそらく総理に出てもらうにいたしましても、時期はいつが適当であるかということももう少しこの委員会でよく吟味してもらって、そうして適当な時期の方がいい、かように私は考えております。どうでしょうか、今中井徳次郎さんの御意見もあったし、この質疑応答もしなければなりませんが、こういうことも、今お話しのように、三党でほんとうにきっちりと意見を調整してやることが必要なんで、こういう委員会で形式的な議論をするよりも、むしろ懇談会の形にした方がいい結果を生むんじゃないかと思うのですか、いかがですか。
○中井(徳)小委員 だけれども、これをせっかくやったのだから、この説明に対する質問を…。
○古川小委員長代理 その質疑応答を、懇談会で一々選挙課長に説明を聞かれてけっこうなんです。
○中井(徳)小委員 簡単に済みますから……。 第一の二、「立候補届出期間経過後における立候補の辞退を認めないものとすること。」これは実は、社会党がなかったというあなたのお話だった。その通りだが、これは僕らも大いに議論したのだ、立候補の辞退を認めないようにできぬだろうかと言って……。ところが、これは重病人になって、おれはやめた、あるいはどうしても勝てない、今やめた方が供託金やなんかも助かるとか、そういういろいろな事情があって、これをやめることはできないというのは憲法違反じゃないか、個人の自由意思だ、ただ事務手続の上で、たとえば半日前とか一日前ではそれを告知する方法がない、あるいは三日前ではないということならば、これは事務の手続としてはやむを得ない、しかし、法の建前としてはどうか、そういうことになりまして、それならばこれは研究議題にしておこう、こういうことで社会党は入れなかったのですが、それについてのあなた方の見解を聞きたい。
○皆川説明員 これは各党の案でございますから、私の方から申し上げるのはどうかと思いますが、政府としても同じ問題を検討いたしましたので、私どもの考えを申し上げますと、確かに御指摘のような問題があると思うのでございます。ただ、今日最後にお話しありましたように、たとえば投票所ですね、投票所の中に候補者の名前を書くわけでございます。それは大体普通のやり方では、投票記載所に印刷した氏名をずっと張ってあるわけでございます。それを消しますと、隣のものを消すというような事態が起きます。あるいは氏名掲示というものがございます。こういう掲示を町の中に張ってあるわけでございます。それを全部追いかけて直して歩くというような事態がありまして、もちろん、選挙管理委員会としては非常に一生懸命やるわけでございますけれども、一生懸命やった結果間違いを起こしますと、単に選挙管理委員会の責任というふうなことでなくて、選挙全体について非常に御迷惑をかける。そこでこういうことを政府としても考えたことがあるわけでございます。ただ病気というような場合になると、確かにちょっと事情に合わないのじゃないかという御意見もございますけれども、しかし、それは実際上の、何といいますか、運動からやめるという方法もあるかと思います。 なお、最後におっしゃいました供託金の方は、やめても返らないわけでございます。あとは、法律上はぴしっとやめるか、ただ事実上やめるかということになるのだろうと思います。
○中井(徳)小委員 それから第二の一で、時間は七時にするか六時にするか、これは皆さんと御相談してきめるにしても、二の表現ですがね、トラックをやめるということだろうと思うのだが、有蓋の乗用自動車というのは、これはどうかね。オープン・カーでもいいのじゃないか。乗用車であればいいと私は思うのだが、どうですかね。これは選挙が夏あるときもあるし、夏はかなわぬで、有蓋だと暑くてしょうがない。こういうことの表現は、あなた方もそこまではお考えにならなかったのじゃなかったかと思うが、要するに、人間様の乗る車にしようではないか、 〔古川小委員長代理退席、押谷小委員長代理着席〕 荷物を載せるものでは困る、こういう程度で、場合によってはジープも私はいいと思うんです。これについてはどうですか。私は一つの説を聞いたのですが、トラックのうしろに立っていると排気ガスが出てきまして、これが肺に非常に悪くて、肺ガンの一つの原因になる、こういう医学的な——実は最近、国会議員の死亡率が非常に高いのです。その一つに——それから、大都市では道路の問題が少しずつは片づいているが、地方では全く砂塵もうもうの中を行かなければならぬので、これは非常な労働だと思うのです。ただ単に、そういう疲れるとかなんとかいうことでなくて、そういう意味の研究を政府ではなさっておられるかどうか。候補者の健康上の問題ですが、どうです、そういう話を聞きませんか。
○皆川説明員 実はこの点は、政府の案ではないのでございますから、どうも私の方は、あまり趣旨等をはっきり申し上げるのは困難だと思います。
○中井(徳)小委員 それではずっとあとの方で、三党が一致しているにもかかわらず、政府が消したというやつがある。これはどうもあなた方の不勉強じゃないかと思うのだが、第四の政治活動に関する件のポスターの掲示場を設けるのをやめたというのがあるが、これはどうしてやめたのか、経費の関係ですか。
○皆川説明員 これは、先ほど簡単に御説明申し上げましたけれども、もちろん経費という問題もあるわけであります。現在の法律に基づいて、総選挙の事由が生ずれば予算上の措置をするわけであります。ところが、このポスターの掲示場というものは、相当前から準備しなければならぬものなのです。そのために、やかましく言うと、若干予算上の措置でやりにくい点がある。それが決定的なものであるかどうか、なお検討の余地があると思いますが、そういう問題が一つ。それから設置する個所を選定する、どういう場所に実際置いたらより適当か、これは簡単なように見えまして、実はなかなかむずかしい問題だと思っております。そういうことがありまして、法律ができましてから選挙の事由が発生する、つまり解散なり選挙の事由が発生するまでの間に相当の期間がないと実際やりにくい点があるだろう、そういう観点から、一応希望としまして落としてみた、こういうことを申し上げたわけであります。
○中井(徳)小委員 それは大へんな誤解だ。この公の掲示場を設けようというのは、具体的に設ける場所はむずかしいと言うが、これは選管にまかしたらいいし、各党が言うているのは、一つの村では五つ、ほかの村では五十というような不公平があってはならぬ、そういうこともあろうけれども、これの最もねらいは、これははなはだけしからぬ話だけれども、最近どの選挙においてもポスターがほとんどはがされる。選挙の前日のごときは、AならA候補のきわめて強い地区に行くと、他の候補のポスターは一枚もない。これはけしからぬことだと私は思う。各党ともこれはお互いに迷惑している。私は前回の選挙に、一つの経験として交番の前に半分ばかり張ってみた。その交番の前のポスターがなくなるんだ。それでおまわりさんに怒りながら聞いたのだけれども、おまわりさんも二十四時間見ているわけではありませんし、これはそういう意味が非常にあるのです。従って、非常に激しい地区に行きますと、投票日に投票所の前にずっと順序になってありますね、あれだけしか残っておらない。それはもちろん選挙違反の問題も起こしますし、それをめくっているところを取つつかまえてなぐったとか、なぐられたとかいうふうなこともありますので、一般にポスターを張るのはもとより従来通りですが、特に最小限度といいますか、公平に立候補した人のポスターが最後まで残るようにする必要がある。そういう意味でこれは設けたんです。従いまして、特に札を立てたり、板を使ってそういう高札のようなものを作ったり、そういう意味でなくて、この町かどのここは公の掲示場だ、この神社の裏のここはそうだ、こういうことにむしろ選管がいい場所を指定をしてやれば、そのなにだけが張られる。これは都市と農村でまるで状況が違うと思います。都市においてはあるいは必要ないかもしれませんが、しかし、農村においては絶対私は——都市でも必要だと思いますが、絶対必要だ。もう投票日の前日ごろになるとほとんどないのです。それで候補者によりましては、たとえばポスターを張るときには二回にも三回にも分けて、そうして温存をしておいて、三日前に残りの三分の一を全部張る。こういう非常なその辺の技術を要するので、そういうことは実にばかばかしいことだと思うので、これは各党とも私は御賛成ではなかろうかと思う。政府の方で、その辺のところの御認識が逆に非常に浅いのではないかと思う。
○山下(榮)小委員 自治省の方に申し上げたいと思うのですけれども、われわれがこれを作ったのは、今中井議員がおっしゃった通りですが、さらにやはり今の選挙法では、それぞれ市町村選管が、候補者の名前、党派所属名を板か紙にちゃんと書いて張らなければ実際だめです、指定されて何カ所かに……。あれよりもむしろ私らの党の案というのは、一投票所区内に二カ所以上と書いてあるんですが、少なくも二カ所以上公営のポスター掲示場というものを作れば、これはああいう小さい虫めがねか何かで見なければわからぬような字を書いて、くだらぬと言うと失礼なことですけれども、やるよりも、はるかに選挙運動の上には効果的だ、こう考えて、これはぜひ一つ、地方選管では迷惑であろうけれども、やはりこれはそうするようにこの法律を作ってもらいたい、こういうのがわれわれの考え方です。
○皆川説明員 今の問題は、私の方もその事情は若干存じておるわけでありまして、さっきも言いましたように、執行に支障のないような時期を置いて立法化されるならば、これは不可能、困難ということもないだろうと思います。もちろん、法律が実際にでき上がるのにそんな早くでき上がるということは、今日の場合困難であろうと思いますが、相当前からそういう準備に取りかかれるという確信の持てるような審議の状況であれば、これは必ずしも、事務的にできないということは申し上げていないつもりであります。
○押谷小委員長代理 ちょっと私一点だけ聞きますが、この第三は、これは非常にいいことなんですがね。第三に一、二とありまして、これでざるになるのは、第三者が後援会に寄付をして、そしていろいろ供応したり、サービスをしたりする場合ですね。その後援会の寄り合いに第三者が寄付をする。それによって金品、飲食物、余興等を提供するという場合においてはこれは該当しませんね。そうすると漏れてしまうのではないですか。
○皆川説明員 これはこういう趣旨を書いたのでございまして、実際に法律を作ります場合には、主体をこれほどはっきり限定するかどうかですね。後援会の席において、これは一の方にありますように、総会その他の集会でございますから、そういったみんなの集まりの場合において提供することを禁止すれば、だれが提供するというような、そういうことをやかましく言わないことによって技術的には可能であろうかとも思います。
○押谷小委員長代理 これは、第一は、候補者あるいは候補者になろうとする者の行為を禁止しておりますね。第二は、後援会の名においてなすことを禁止していますね。そうすると、候補者あるいは候補者になろうとする者と後援会の名においてなすものはいかぬ。ところが、第三者の場合には、ちょうどこれからはずれてしまうのです。中井後援会に友だちの押谷が一つサービスしようということになったら、それは抜けてしまいますね。そういうものも入れるという趣旨ですか。
○皆川説明員 これはいずれ具体の案にします場合には、もっとこまかい議論があるだろうと思いますが、私たちが見ましても、たとえばこの時期でございますね。後援会ということになるとずっと年じゅう活動しておるわけですから、その活動の全期間を通じて一切の金銭、物品、飲食物、余興を提供しないということになると非常にむずかしい。実際上は湯茶を除くというような規定が入るのかもしれませんけれども、そういう時期の問題と提供の内容とをもう少し吟味する余地はあるだろう。それから、御指摘のような主体についても、脱法行為のないように検討して参らなければならぬであろうと思います。
○押谷小委員長代理 赤松勇君。
○赤松小委員 自治省の方に言っておくけれども、今のポスター掲示の問題、これは今中井さんが言ったことのほかに大事なことは、戸別訪問がある。これはむしろポスターを張るというよりも、戸別訪問に多く使われておる。特に悪質なのは裏張りして持っていく。それからこれを転々と変えていく。それは現実に行なわれておるわけです。だから、これは事務上の手続はそう煩瑣ではない。これは農村の場合、都市の場合においても煩項でない。板一枚持っていけばいいし、選管にまかせればやりますよ。この程度のことができないようだったら、選管は全く頼むに足らぬ。これはやはり戸別訪問を禁止する。実は検察庁の方もこの解釈に弱っている、個々面接と戸別訪問とは一体どう違うかということです。たとえば、こういう解釈をとっているのがある。一足敷居をまたいで踏み入れる、その場合これは個々面接か戸別訪問か。たとえば、二センチ右足が多く入っているか入っていないか、実際の解釈はそこまでいかなければあれなんだ。そういうむずかしいことができるから、だから合法的な戸別訪問をやっている。それを禁止する意味でも、やはりこれは一定の場所に掲示する。都市の美観からいっても、べたべた張りまくる——こっけいなのは、電力会社が一枚二円かで張らしてやるというようなばかげたことはないと思う。やはり公明選挙の建前を貫こうとすれば、掲示場所を公共施設としてちゃんと設けるということが僕は必要だと思う。これは自治省に注文しておきます。 それから、今の後援会の話だけれども、一定期日というと時間を区切ってやるというけれども、そんなことをすれば意味はなくなる。やるならば候補者もしくは候補者たらんとする者、候補者たらんとする者でないと後援会を作れませんよ。そうでしょう。立候補しないのが後援会を作るわけはない。だから少なくもその後援会というものは、やるならば、もう現行の選挙法は、選挙期間中に選挙事務所においてお茶菓子以外に提供してはならぬというように、やはりぴしっと全期間を通じてやるべきだと思う。そういうふうに貫いていかないと、半年前ならいい、解散がいつかもわからない、およそそんなことを言うのはこっけいな話なんで、むしろこれは全期間を通じて禁止する、これはやはりぴしっと出した方がいいと思う。 それから、有蓋自動車の問題だけれども、僕はジープ程度のものは認めていくべきじゃないかと思う。有蓋乗用車というのはどこから出てきたのかというと、おそらくこれは年をとった候補者で、トラックの上へ乗るのはとてもかなわぬということから出てきたと思う。実際僕らそう思います。僕ら乗ってみて、選挙を終わるとがっくりくるからね。ああいうことはよした方がいいと思うけれども、そんなら有蓋自動車でやる。ところが、すでに有蓋自動車を準備しておるのは、有蓋のふたをあけて、そこから半身出すわけだ。そうするとトラックと同じことなんだ。だから、有蓋というようなあいまいな表現ではだめなんだ。有蓋であっても、要するに一尺四方切って、そこに突っ立ってこのくらい出せば同じことなんだ、マイクを持ってやれば……。それならむしろ有蓋にするなら有蓋にするで、そういうことをやっちゃいけないということをきちんと書く。あまりきびしくすると、外に出て演説できないということになって、憲法違反ということになる。この点は、もう選挙になると、きっと自治省に選管から問い合わせがくる。だから、これはやっぱりきちっと解釈をきめた方がいいと思う。
○山下(榮)小委員 ちょっと赤松さん、私のところの特別委員会の審議の最中にいろいろ意見が出たのは、乗用車にするということは、これはどうもトラックの上から、花をつけて、たすきをかけて、ぺこぺこ頭を下げて歩いて、人がおらなんだら電柱にまで頭を下げて歩くということは、いかにしても、国会で審議しなければならぬという国政に参与する議員としては、あまりにも品位を失墜するのじゃないか、もう少しやっぱり自分自身にプライドを持つと同時に、えらそうにするわけではないけれども、やはりあまりみっともないやり方は考慮すべきじゃないか、こういう意見が出た。そこでトラックは廃止すべきじゃないか。こういう意見になって、それじゃオープン・カー、こうなったのです。オープン・カーなら乗用車でいいじゃないか、こういう意見が出た。ところが、オープン・カーも結局は同じことになるのじゃないか。外に顔を出しておったら、やっぱり人が見えれば、たまにはあいさつや会釈をするのもある、それには応答しなければならぬことになる。そうすると、トラックと同じようにぺこぺこ頭を下げて歩くということに、結論的にはなってしまうじゃないか、こういう議論が出て、もう少し検討する必要があろうけれども、トラックは一応いずれにしたって廃止してもらう、そうしてできることなら有蓋車というか、そういうものはあった方がいいのじゃないかという意見があった。とりあえず私どもとしては、トラックは廃止しようじゃないか、オープン・カーがいかぬとか、ジープがいかぬとか、そういうことまではしていないが、これは一つ三党で話し合いをしてもらって、トラックは廃止する、しかし、オープン・カー、ないしジープならジープはいいという話し合いをきちんと一ぺんつけてもらえばいいと思う。
○赤松小委員 これはあとできめておかなければならぬ大事なことだけれども、有蓋乗用車、車上において演説してはならない、そうすれば、頭を下げるやつもなくなる、下におりてやるということになる。そういうようにきちんときめる。ただその場合、連呼行為と演説というものとの区別を一応つけなくちゃならぬ。
○山下(榮)小委員 何かそこに規制ができるようなものを考えなければならぬと思いますね。
○中井(一)小委員 本日自治省から出されたこの公職選挙法改正要目、第一より第五に至る各事項、もとより異議はございません。しかしながら、先ほど来質疑によって明らかにしました現行議員定数の改正問題というのは、何よりも大切な問題であります。これが抜けておるということは、まことに遺憾な次第であります。従いまして、従来の三党間の関係は別として、本日ここに三党代表の方々の御同意を得て、第六として、現行議員定数改正に関する事項、これをつけ加えて本委員会の審議の一項目といたしたい、このことを提議する次第であります。 なお、それにつけ加えて、第七として、報道の迅速化に関する事項、これも入れていただきたい。そうして共同の研究題目といたしたい、こういうことにしていただきたいのであります。
○押谷小委員長代理 ただいま中井一夫君からの御発言のごとくに決して御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○押谷小委員長代理 それでは、この二項目を要目に加えることに決定いたします。 他に御発言もなければ、これで懇談会に切りかえまして御協議を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井(一)小委員 ちょっとこの機会に資料の請求をしておきます。 世にいわゆる青木試案というものがいわれておるのでありますが、その試案というものは、確かにいろいろ改正案がありますうちの一試案であります。参考のために、その趣旨はどういうものであるか、その試案はすなわち八人増員ということになっておるようでありますが、そういう場合においてはどこどこがふえるのであるか、こういうことについての説明書のようなものを出していただきたいのであります。どこがふえるのですか。
○押谷小委員長代理 これは特別委員長の方だから、政府がお持ちかどうかわからぬから、あとで提出してもらうことにして、本日の小委員会はこれで散会いたします。 午後零時三分散会