公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1960/10/14
会議録
○鹿野委員長 これより委員会を開会いたします。 公職選挙法改正に関する件について議事を進めることにいたします。 先般の小委員会において、小委員各位の御熱心な論議の結果、ここにようやく公職選挙法改正に関する小委員会案がまとまりました。その案につきましては、各位のお手元にお配りしてある九月二十六日付の要綱及び法律の案がありますから、これをごらんを願い、この印刷物に本日の小委員会で変更を加えた連呼及び自動車に関する部分については、三浦法制次長から説明をお願いいたしたいと思いますから、これによって御承知を願いたいと思います。三浦法制次長。
○三浦法制局参事 ただいま委員長からお話のございました二点につきまして、概略御説明を申し上げます。 まず第一は、連呼行為の問題でございます。それから第二は、選挙運動用自動車についての問題でございます。 連呼行為の問題につきましては、先般の小委員会におきましては、選挙運動の始まりました最初の五日間と終わりの五日間、一定の限られた時間内でこれを許すということになっておりましたが、その後いろいろ検討されました結果、連呼行為は、現行法通り原則として禁止する、こういうことにいたしまして、ただし、個人演説会及び街頭演説——それ以外の演説も含むことにいたしまするが、そういう場合の告知のために選挙運動用自動車の上でいたします場合におきましては、午前八時から午後八時までの間に限りましてこれを認める、こういうことにさきの小委員会において決定になったわけでございます。それからなお、連呼行為につきましては、自動車の上において今の個人演説会及び街頭演説、これには演説を含むことになりまするが、その告知のために連呼行為をすることもいい、こういうことになるわけでございます。その関係条文といたしましては、百四十条の二のただし書きを修正いたしますることと、百四十一条の三のただし書きを修正いたしますることでございまして、その点は、九月二十六日の委員会で決定になりました法律案を今の範囲において訂正していただく、かようになっております。 それから第二は、選挙運動用自動車の問題でございまして、これも小委員会におきましていろいろ慎重議論が尽くされたわけでございますが、いろいろ検討されました結果、原則といたしまして貨物自動車を廃止することにいたしまして、乗用自動車に限ることになりますが、しかし、雪積、交通ひんぱん等の事情その他やむを得ない事情があります場合におきましては、乗用自動車のほかに貨物自動車の使用も認める、こういうことに小委員会で決定になりましたわけでございます。しかし、乗用車、貨物自動車いずれを使用いたします場合におきましても、それを選挙運動のために使用する際におきましては、その自動車は屋根もしくは側壁を開放したり、またはトラックにつきましては、荷物を載っけますところの荷台の上部及び側部におおいをしないで選挙運動のために使用してはならない、ただし、自動車を停止した場合においてはこの限りでない、こういうようにしたらどうかということで、先ほどの小委員会においてさように決定になったわけでございます。この関係の条文といたしましては、百四十一条の第三項の本文を改正いたしますことと、さらに新たに百四十一条に第四項として条文をつけ加える、こういうことになるわけでございますが、その内容は、私がただいま申し上げましたような内容にするということで小委員会で御決定になったわけでございます。 以上二点が、先般の九月二十六日の小委員会決定案としてお手元に上げてございます要綱及び法律案につきまして、訂正をしていただかなければならぬ事項でございます。 大体以上が先ほどの小委員会において決定になりました点でございます。
○鹿野委員長 この際、この小委員会案について質疑もしくは御意見があれば発言を許します。長谷川君。
○長谷川(峻)委員 第一は、今の三浦法制局次長の御説明によりますと、連呼行為の場合に、個人演説会、街頭演説会の告知をする午前八時から午後の八時まで、その場合、実際活動として、従来ならば何々党の公認候補何の何がしということを流したわけです。従来は連呼しないでとまってそれだけやっていたわけですが、そういうこともやれるかどうかということが一つ、もう一つは、選挙運動のトラックの廃止が原則でありますが、側壁並びに荷台の上に乗らないこと、それにおおいをかぶせておくこと、そしてとまった場合にはそれをはずしてやってもよろしいということでありますが、そうすると、現実的な選挙運動といたしまして、そのトラックはそのまま走りながら選挙用の演説会を告知させるマイクを使う、そしていよいよ演説する場合に、ほかに一台候補者が自動車を持って乗っていて、その車にずっとついて歩いて街頭でそのトラックのマイクを使ってやってよろしいかどうか、こういう具体的な質問を申し上げます。
○三浦法制局参事 私から、わかっておる範囲においてお答えいたしまして、なお実際の取り扱いにつきましては、自治省の選挙当局から説明をしていただくといいかと思っております。 第一の連呼行為の問題につきましては、ただ単に候補者の名前だけを呼ぶということは、今度の改正の趣旨からいいましてこれに違反する、こういうことになります。と申しますのは、どこまでも個人演説会及び街頭演説の告知のためにする場合に限られるわけでございますので、どこどこの場所で演説がある、そしてそれがいつ何時からある、そしてその演説会はだれの演説会である、少なくともこの三要件が具備されておる場合におきまして個人演説会の告知のためにする連呼行為、こういうように私は解しておるわけであります。 それから今の自動車の件でございますが、これは本来選挙運動用自動車ということになりますと、たとえばトラックなり乗用自動車なり、いずれを使用いたされるにいたしましても、それ一台以外にさらにほかの自動車を使用してくるということは、実は法律上は許されていないわけでございますが、ただ、自家用車として本来選挙運動のために使用しない範囲におきましてたまたまそれを使ったという場合だけが、ほかの自動車をあわせて使えるという例外的な場合だろうと思います。その場合におきましてかりにその他の車に乗ってきまして、トラックの上なりその他選挙運動用自動車に乗り移りましてそこで演説をするということ自体は禁止されていないわけであります。いずれにいたしましても、それは停止した場合においてそれに乗り移ってやれるわけでございまして、ただし、進行中は先ほど私が読み上げましたように、トラックにつきましては荷台の上部、側部におおいをかけないでは選挙運動のために使用してはならないという限制がございますし、それから乗用車につきましては、屋根もしくは側壁を開放して使用してはならないという制限がございますので、事実上運行中は、そういうふうに開放したりして使用することはできないという制約を受けることになると思います。
○長谷川(峻)委員 前々からトラックを廃止すべきだということ、また、してもらいたいという署名が私の手元に二百七十三ありまして、これはほとんど各党に及んでおります。というのは、終戦以来もう十六年になりますが、候補者が一々警察から許可をもらってトラックに乗らなければならないということであったが、この際一歩前進して、トラックに候補者が乗らないで済むようになったということは、一つの進歩だと思います。そこで、今のようなことになった場合に、従来ですと、そのトラックに政党の名前なり、あるいは自分の候補者の名前を書いております。ところが、今度の場合には側壁をあけちゃいかぬ、そうした場合に、やはり今までのようにそうした標識を書いてよろしいかどうかというふうなことなどは、現実的に運動をする者にとっては一つの疑問だろうと思いますが、その点、法制局当局から御説明を願っておきます。
○三浦法制局参事 その点につきましては、現行法の百四十三条第一項第二号に規定がございまして、その点を改正しておりませんので、トラックから乗用自動車に原則として変更になりましても、それがポスターとか立札等をつけ得る範囲であればそれを従来通りに使用しても差しつかえない、こういうことにこの案ではなっております。
○長谷川(峻)委員 わかりました。
○鹿野委員長 次に、この際、本案の予算関係について政府において御意見があれば発言を許します。松村選挙局長。
○松村説明員 今回御審議願っております公選法の改正案を執行いたしますためには経費が必要になるわけでございます。その経費につきましては、私ども大蔵省当局と打ち合わせ済みで、この案に関する限りは異存はないわけでございますが、ただ、このためには、先般小委員会でも申し上げましたように、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律を改正いたさなければならないのでございます。この法律の改正案は、この公職選挙法案が国会に提案されます際は政府提案として提出いたすべく現在準備されております。
○鹿野委員長 島上善五郎君。
○島上委員 今度の改正は、私は非常に不満な点がありますが、一歩前進の点もありますので、不満のところはがまんしますが、原則として乗用車を使う、それから、ただし書きでこの限りにあらずといって、要するにトラックが使えるわけですね。ところでトラックを使う際に、私はそんなことは多分なかろう、今までもなかったろうと思いますが、選管で選挙運動用の自動車の標識を発行する際、何か選管でちゅうちょしたり、その車では発行できない、こう言ったりした例があるということを実はきょう聞いたのです。それがほんとうであったか、うそであったかということを聞かんとするのではないのでありますが、今後は、この改正によって、ただし書きによって、やむを得ざる事情でトラックを使用する場合に、今言ったようなおおいをすればいいわけです。その場合には、選管で選挙運動用の自動車の標識を発行する際に、何かちゅうちょしたり、注文をつけたりというようなことがあると、選挙運動自体のスタートに障害を与えますから、そういうことのないようにということを要求し、かつ御答弁を伺っておきたいのです。
○松村説明員 ただいま御発言がございましたように、支障のないように地方の選管等へ注意をいたします。
○島上委員 それから警察の方に一つ伺っておきたいのです。道路交通取締法の施行令の四十二条にございますが、これはトラックの乗車制限の特例です。今説明がありましたように、改正されました場合に、ただし書きによってトラックを使用する場合が私は往々にしてあると思うのです。長谷川君が心配しておりますが、だんだんなくなると思います。しかし、今回は往々にしてあると思う。その場合に、乗車制限のこの四十二条に関して、出発地の署長の許可を要するということになりますが、今までは、選挙のトラックに関する限りはほとんど自動的に出しておったのです。自動的という言葉は適当かどうか知りませんが、この特例は、選挙の場合は特にいざこざ言わずに認めておった。これは私は当然だと思いますが、今度の場合も、そういう点に対して警察では従来と同様に認める、こういうお考えをこの際はっきり、伺っておきたい。
○新井説明員 もちろん従来通り許可させるように手続をいたします。
○島上委員 ぜひその点は徹底さしていただきたい。これも私、きょう聞いた話ですが、乗車制限の許可を与える際に渋っておった例があった。それも私は、その事実があった、ないということをここで別に伺おうというわけではありませんが、万一にも不徹底のためにそういうことがありましては、選挙のスタートに影響を与えることになりますから、これは十分一つ徹底さしていただきたい。 それから、今度の改正案が通りますれば大へんよくなる点がありますが、若干不安なきにしもあらずで、私は、その通らぬ場合のことも不安があるのでちょっと伺っておくのです。というのは、ちょっと参照願いたいと思いますが、現行法の百四十二条の四号に、これは文書図画のことですが、「文書図画は、左の各号の一に該当するものの外は、掲示することができない。」こうなっておりまして、一二、三、四号とありますが、四号は「演説会場(第百五十二条《義務制公営立会演説会》及び百六十条の二《任意制公営立会演説会》の立会演説会における演説会場を除く。)においてその演説会の開催中及び街頭演説の場所においてその演説中使用するポスター、立礼、ちょうちん及び看板の類」、こうなっております。つまり現行法でも、街頭演説の場所においてその演説中使用するポスター、立て看板はよろしい、こうなっておる。ところが、この点が今まで非常にルーズでありまして非常に大きな弊害を生じておる。御承知だと思いますが、何々演説会場と称する看板を、あらかじめ数時間前にずっと全市に何十本、何百本と立てておいて、演説が終わっても撤去しない。あるいは都合によって、立てた場所に演説に行かないというようなことが行なわれておった。私の聞き及んでおるところでは、警察でも大体一時間ないし二時間前に準備のために立てるのはよろしいという解釈をしておったようです。ところが、それを巧みに利用して、一時間ないし二時間前に準備と称して立てておいて、たとえば自動車の故障とか、その他候補者の病気とか、いろいろな都合によってその立てた場所に演説に行かない。あるいは終わっても撤去しないというようなことが行なわれておったのです。私は、現行法でもこの精神を生かしますならば、そういうような脱法行為はできないように十分に取り締まりができるはずだと思うのです。今度の改正は特にその点に注意して、演説をやっておる期間中二本に限る、こういうふうにしたわけですが、現行法によりますと、二本とか三本とかいう制限がありませんから、そうして準備のために一時間ないし二時間前に立ててよろしいということになれば、極端に言えば、百カ所に十本ずつ千本立ててもいいわけです。ところが、現行法はその場所において演説中使用する、こうなっておりますから、私は、その場所において演説中使用するというこの法律を厳格に適用しますれば、今までやったようなああいうルーズな脱法行為的なことはできないと思います。今までやったようなことを許しますならば、ポスターを八千枚に制限することは全く意味のないことになる。ポスターの十倍も二十倍も効果のある立て看板——一尺四寸、九尺の立て看板ですから、それを許すということになれば、これはポスターの制限は意味ないことになる。私は現行法について質問しますから、現行法について、今後そういうような数時間前に立てて体のよい脱法行為をすることを私は許すべきではないと思いますが、それに対するお考えを承りたい。
○新井説明員 ただいまの御質問の中に、一時間くらい前は許すという解釈をしておる、こうおつしゃいましたが、そういう解釈はいたしておりません。私自身も、最近の選挙運動の実際において、御指摘のような事態が発見されましたので取り締まりさせた経験もございますし、われわれの方針も、そういうことは今後も取り締まる方針でございます。
○島上委員 そういう考えならばけっこうだと思いますが、これは残念ながら枚数の制限はありませんから——今度の改正案が通れば二枚に制限になりますが、制限はありませんし、時間については演説中、こうなっておりますから、それこそ常識的に考えて、演説をする直前数分前とか五分前とか、これはやむを得ないと思いますけれども、「演説中」というこの条文を一つ厳格に適用してもらいたい。これは各下部に十分徹底してもらいたい。そうでありませんと、非常な弊害を今まで生んでおったということを私は重ねて申し上げておきます。 それからもう一つ、これに関連する事項ですが、伺っておきます。第百四十六条に、「何人も、選挙運動の期間中は、著述、演芸等の広告その他いかなる名義をもってするを問わず、」云々として、候補者の氏名の文書図画を頒布しまたは掲示することができな い、こういう言葉がございますね。「免れる行為」云々という言葉がついております。ところが、現実には候補者の後援会の連絡事務所と称する看板がこれまた無数に立てられておるという状態です。これは、私どもはこの百四十六条にいう「免れる行為」というものに該当する、こう解釈するのです。しかも巧みに「免れる行為」と解釈しますが、これはたとえば一つの選挙区に後援会というものがあって、後援会の事務所の看板が一本立っておるというならば「免れる行為」に該当しないと思いますが、ポスターを代行し、あるいは立て看板を代行するような効果を上げる程度に無数に立てるということは、明らかに「免れる行為」に該当すると思うのです。これに対する解釈と取り締まりのお考えを一つ明らかにしてもらいたい。
○新井説明員 お説のように、そういう後援会事務所とか、あるいは連絡事務所という看板を日常ふだんに立てているもの、こういうもりにつきましては、「免れる行為」として見るという認定は非常にむずかしいと思うのですけれども、例示にあげられましたように必要以上によけいに出すとか、あるいは遠くの方から矢印をして、そういうものを表示してやっておるというものは、われわれの方で認定せられる限り取り締まるつもりでございます。
○山下(榮)委員 今の島上委員の質問に関連して一言伺っておきたいと思うのですが、所と名前を申し上げることは少しはばかりますから御遠慮申し上げたいと思います。今までは、候補者になろうとする人の何々後援会というのがあって、それを選挙を直前に控えて解散をして、何々同志会というのを結成して、盛んにその同志会の結成式を行ない、同志の勧誘にその会員が狂奔して歩いている、こういう話を聞くのでありますが、先ほどの島上君の読み上げました条文からいきまして、かようなことは断じて許さるべきではない、こう考えておるのですが、まだ選挙の告示の前ではありますけれども、こういうようなもの等に対しての警察当局の取り締まり、その方針等をちょっと伺っておきたいと思います。
○新井説明員 一般的に申しまして、後援会を作ったり、同志会を作ったりすることが公選法違反になるということを申し上げるわけには参りませんけれども、おっしゃる通り、選挙の期日が事実上迫っておると予想せられるときに、事前運動というふうに認められるそういう行為につきましては、われわれの立証し得る限りにおいて取り締まるという方針でおります。
○山下(榮)委員 ただ取り締まるだけだ、こうおっしゃってみたって、もう一つつかみどころのない話なのです。先般の小委員会におきましても、当時の山崎大臣にいろいろ伺ったりいたしたのでありますが、もう少しやはり、自治省あるいは検察庁に申し上げればいいのですが、そういう関係から、これらに対しまして厳重な取り締まりの指令、ないしはこれらに対する方針を定めて地方に指示されなければ、ただやる方針でございますだけでは、ものは解決していかぬのじゃないか、こう思うのであります。従いまして、一体警察庁の方では、今日まで各地方警察本部等にそれらの指示をされたか、またそういうことをやる意思があるのか、一体どういうふうにやるとおっしゃるのか、その具体的なことを一つ答えていただきたいと思います。
○新井説明員 言葉が足りませんでしたが、先般本部長会議を開きまして最近の事前運動の実態にかんがみまして、もしそういうことで目に余る行為で、しかも証拠の明白なものについては検挙措置をとるように、また、軽微のものについては警告措置をひんぱんに行なうようにということを具体的に指示いたしました。
○門司委員 私がこの際聞いておきたいのは、警察の取り締まりの方針ですが、巷間伝えられておりますように、選挙の費用が一千万円落選、二千円万当選というようなことがいわれておるが、法定の選挙費用は全国平均八十万そこそこで、高いところでも二百円万ということはないと思う。せいぜい百五十万円程度。ところが、巷間そういうふうに伝えておる、それに対して警察はどういう考えを持っておるか。私は不思議でならないが、今お話しのような事前運動として出てくる問題はきわめて枝葉末節の問題で、ポスターの張り方が曲っているとか、多いとか少ないとか、候補者の名前が大きいとか小さいとか、ところが、そういうことが巷間伝えられておるのが現実だとすれば、その方面の取り締まりを一体どうするつもりなのか。きわめて悪質なものが全部のがれておって、単なる目に見える形式犯だけがそれの対象になる、しかもその区別は非常に困難だ、政治活動であるのか選挙運動であるのかということも、私は事実上の認定としてわからぬと思う。だから適当な処置をとるとかとらぬということで、いつでも問題になる。それで悪質なものはどんどんのがれる、その辺の所信を一つ伺っておきたいのですが、ほんとうにやる気なら、もっと思い切ってやることがあると私は思うのです。現実に金が使われておるというなら、その金の使われている実態を警察は知らぬのか知っておるのか、その辺を御存じになっているというなら、どういうところに金が使われておるか、はっきり一つこの際言っておいてもらいたい、そういうことをやはり公にしてもらいたい。そうしないと、幾らやったところで選挙の粛正ということはできはしない。
○新井説明員 選挙費用の問題につきましては、先般ある落選候補者が、自分の経験としてある雑誌に二千万円使ったというようなことが出ておりますけれども、これで警察が取り調べをいたしましてはっきりいたしましたのは、二百万円でございます。そういうことで、われわれとしては非常に捜査上困難がありまして、残念ながら十分にこれを追及し得ないという現状でございます。しかし、おっしゃる通り——私は個人的な意見を申し上げて恐縮でございますけれども、もう少しそういう形式犯等はある程度自由にいたしまして、そういう方向に重点を指向すべきではないかということを、前に牧野さんが選管の委員長をしておられたときにも、個人的な意見として申し上げたことはございますけれども、現状では、そういうことで必ずしも技術的に捜査が十分できないという現状でございます。
○門司委員 私も捜査は非常に困難だと思います。しかし、選挙民の啓蒙には警察当局が、これこれこういうものについて選挙違反の疑いがある、あるいは事実上の選挙違反になるということを、もう少し大胆率直に発表すべきではないですかね。たとえば後援会の名義による旅行、はっきりいえば二百円くらいの会費で一泊してくるということは、その費用はどこから出てくるか、こういうものが繰り返し繰り返し行なわれておる、そういうものがきわめて悪質な選挙違反だということをあなた方自身から発表ができないのか。そうして、やっておる本人も自粛するし、それからそれに連れられて行っている選挙民の諸君も、この行為については脱法行為だ、いけない行為だということをやはり考えさせるということでなければ、とうてい今日の選挙粛正ということはできない。ほとんど慢性化しておって、当然のように考えておる。私のところは二百円でどこそこの温泉に行ける、私のところは三百円でどこそこに行ける、私のところは五百円の会費でこうやれる、公然と話をされておる。だからこういうものはこういう疑いがあるということを、幸いに今度の改正で、後援会の寄付等は候補者になるような人には禁止しようということになっておりますけれども、そういうものはもう少し大胆率直にやれないかということです。 それと、もう一つあわせて聞いておきますが、この選挙法の改正等についても、そういう面であなた方の意見というものを私は率直に出してもらわなければいかぬと思うのです。ただ、できた法律をおれたちは守っていればいいということだったら、いつまでたっても粛正はできないと思うのです。やはり取り締まり当局から見た選挙費用の使い方というものはどうあるべきかということですね。今選挙費用の規定はありましても、届出の指示価格ですから、届出にこのくらいで届けておきなさいよという指示価格です。選挙費用ではないのです。だからどんなに選挙費用を少なく届けても、選管ではこれをどうすることもできない。それを承認する以外にないとおっしゃるでしょう。そうすると、この選挙の法律の中で候補者が最もおそれるのは、選挙費用の超過なんです。選挙費用が超過すれば、それで候補者は事実上失格するのです。この選挙法で一番こわいのはそこだけなんです。ところが、一番こわい選挙費用の届出というものは指示価格であって、これから下に届けておきなさいという指示価格ですから、それ以上届けるばかはいはしません。そうして選管に届ければ、選管はそれを承認する以外に方法はございません、こういうことでしょう。だからそういうものについて、もう少し警察当局は大胆率直に意見を発表された方が私はよろしいと思う。今のところは、ほとんど枝葉末節といって差しつかえないような——ポスターなんか、幾ら張ったからといって、みんなが張れば条件は同じです。ちっともプラスにならぬ。一人だけよけい張れば自分だけ有利になるということになるかもしれないけれども、五人の者が五百枚ずつ張れば、みんな同じです。大して問題にならない。しかし実弾の方は、これは持っている人と持っていない人との格差がかなりありますから、やはり大きな問題だと思うのです。だからそういう点については、あなた方の立場をもう少し率直に話をされることはできませんか。
○新井説明員 啓蒙の義務は私どもにはございませんで、選管が主としておやりになることでありますし、私どもが言うことは、私どもの方で、公職選挙法のどこそこの条文にこういう証拠があって違反するということだけしかはっきりしたことはないわけでございます。そのほかの事実については、一般人と同じ程度の知識でございます。それを警察という権威のもとに発表するのは、かえって誤解があると思っております。ただ、一般的に警告を出すか、あるいは具体的に個人的に警告を出すという程度が、私は限度であろうと思っております。
○長谷川(峻)委員 関連して。せんだって何省でしたか、刑事課長から話を聞きましたら、今門司君も話しましたが、たとえば東京の候補者が、このまま十一月二十日に選挙があるとしますと、その間六カ月事前運動をします。その六カ月以内に、箱根にバスでじゃんじゃん人を連れていって二百円、その足りない分は全部出している、こういうものは明らかに事前運動としてひっかかる。しかしながら、選挙にならなければどうにもならない、こういう話であります。ですけれども、ほとんど世間常識的に十一月には選挙があるということになっておる。大量に今のようにバス旅行をして、それが、後援会なり本人の代議士の名前で表に堂々と張り出したバスが無数に箱根まで行く。それて見ているところの有権者、あるいはまたいろいろな人、これはお互いに選挙に対して非常な不信感を持つわけです。しかも、それが十一月に選挙があるとすれば、直ちに事前運動としてひっかかるということになれば、私は、こういう例はやはり事前運動にひっかかりもし、非常にまずいものだということぐらいの警告などは必要なんじゃないか。これは人間ですから、やはり選挙に勝つためにいろいろなことをやるのです。それを事前に御警告をいただくことはいいことじゃないか。これはどうですか、刑事局長、事前運動としてひっかかるというふうに認めますか。そういう例がひっかかるということを言われただけでも、それは無知なるところの選挙民として、ある場合は自粛もします。それがひいては候補者になる人に多額な金も出させないで済む、選挙界も腐敗しないで済むということになれば、あなた方の手数も省けるようになるのです。どうですか。
○新井説明員 選挙にならなければ事前運動は取り締まらないという方針ではございませんで、事前運動の期間中においても、事前運動と認められるものについては、さっき申し上げましたように取り締まる方針であり、本部長会議を開いてその点を打ち出したのでございます。ただ、今例示にあげられました事項につきましては、非常に立証の問題がございまして、一度選挙法の改正案として伝えられましたように、そういうものを一つの犯罪の類型として打ち出していただくと、われわれとしては非常にやりやすいのでございますけれども、御承知のように、選挙の犯罪というものはみな目的罪と称する。目的を立証しなければならない。金を出して人を連れて行くというのは、慈善事業でやっておると私どもは思いませんけれども、ほかの目的であるということが必ずしもはっきり立証できない。ことに百人、二百人といるうちに、五十人、百人は確かに選挙のことを言ったという、あとの五十人、百人は言わないという、こういうことになりますと、立証が現実に不可能になってしまうわけでございます。だから、今申されましたような事例につきましては、犯罪の違反の類型としてはっきり書いていただければ、非常にわれわれもはっきりできるのでございます。私どもの方でそんなことをやっちゃいけないと警告しておりながら、じゃんじゃんやっておるというような実情がもしあったとすれば、これは紙上の宣告にすぎない。非常に権威のない話でございますから、そういうことは、やはり取り締まりの当局としては、もしそれに警告をしても違反を繰り返すのならばつかまえるということを前提といたしませんと、警告しても無意味だと私は思っておるわけでございます。
○長谷川(峻)委員 そこで、今のような大事な話が、目的罪という解釈のためになかなか活動できないという事情もわかりました。しかし、今度は、翻って手を返して考えますと、今、東京都内にたくさんビラが張ってあるわけです。そういうものなどは片っ端から始末書をとって、しかしこれは国会活動となりますと、目的はこの次の選挙であるかもしれぬけれども、ある問題については自分で報告することもあるわけです。たとえば社会保障に今度これだけ金がふえるということになるものを、片っ端から始末書をとられたのじゃ、これもまた政治の——もっと大きなやつは目的罪だ、どうのこうのといって警告もしないで、片方でつまらないもの、軽いもの、目につきやすいもの、そうしておいて、ある場合には認定によって、国会報告であるか、売名であるかというふうな認定をあやふやにして、何でもないものをみなひっぱって始末書をとるということになると、これは政治活動がさらにできない。こうしたことがあるのですよ。これはどうですか。
○新井説明員 私どもといたしましては、この数年来の選挙で、ポスターを張る枚数を制限しておるわけでありますが、これを免れるために、本の広告と称して張ってしまうとか、あるいは講演会ということで張ってしまうということは不公平ではないかという声が非常に強かったので、数年来スタートだけは一諸にして下さいという意味で、今おっしゃったようなポスターの掲示について自粛をお願いしておるわけであります。御指摘のように、私も個人の意見を申し上げますれば、先ほど門司さんもおっしゃいましたけれども、ポスターの制限をするということがどれだけ実質的な意味があるか。私個人には必ずしも理解しがたい点があるのですけれども、きめてそういうことで出発しよう。前から張ってあるものは、選挙と書いてないからいいのだということでは公平ではない。それからまた、一般の選挙民も街頭に出て一番目につくのはこれだ、こういう簡単なことも取り締まれないじゃだめじゃないかという声も案外強いのでございます。そういう見地から、スタートを均斉にするように、選挙の公示が近づいたときに、そういうことを前からやっておるのでございます。そういう方針でございますから、できるだけ御協力願うようにお願いいたしたいわけでございます。
○門司委員 私はもう一つ最後に聞いておきますが、問題の焦点は、先ほどから申し上げておりますようなことである。ところが、警察当局犯罪を構成をしなければ取り締まれないというなら、警察自身について非常に大きな問題が提起されておると思います。警察のあり方というものは、何のためにあるかということです。犯罪が出てくれば縛るというのでは、昔のおかっぴきとちっとも変わらない。近代警察というものはそういうものじゃないでしょう。近代警察は、いかに犯罪をなくするか、いかに犯罪の予防をするかということが警察の最大の使命でなければならぬ。つかまえるのが仕事とお考えになっているところに誤りがあるのじゃないですか。だれが見ても、だれが考えても、費用が非常にかかる最近のようなばかばかしい選挙はない、ということをだれもが言っている。そういうことについて、何らの取り締まりといいますか、警告というようなことがほとんどない。だから今長谷川委員からも言われましたようなことが現実にある。なければいいけれども、あるのである。そういうものは犯罪を構成する危険があるというようなことぐらいは、あなたの方では話ができるはずだと思うのです。何もそれを犯罪としてつかまえろというわけじゃな。そうして常時選挙の正常化のために努力していくのが犯罪の予防じゃないですか。選挙自身を考えればあるいは考え方が違うかもしれない。しかし、それに伴う犯罪をどう少なくしていくか、今は選挙に関する限りほとんど無警察ですよ。何千万円も金が使われているということは公然と伝えられている。また、はたから見てそういうことじゃないかと想像できることがたくさんある。ほとんど無警察ですよ。つかまってくるのは、ポスターの張り方が悪かったとか悪くなかったとか、あるいは文書を流したとか流さなかったとかいうことで、単なる表面に現われた形式である。実質的に最も悪い、人間の良心を買収しようとする最も悪い犯罪というものが全然検挙されておらない、全然のがれておる。だから私は、この際おわかりになるならば言ってもらいたいと思う。わからなければ言わぬでもいいが、冒頭に申しましたように、一千万円、二千万円の金を使わないと当選しないという内訳を御存じですか。こういうふうなもの、こういうふうなものに金が使われるのだから犯罪になるという調べが、私はあると思う。なければ取り締まりができない。そういうものを、一つこの際、あるならはっきりここで出して置いてもらいたい。
○新井説明員 先ほど私が申し上げたことについて、言葉が足りませんでしたために再度お尋ねがございましたが、私ども警察全般としても、公職選挙法というものがきめられた以上、守られて、全然違反のないということを望んでおるわけでありまして、防犯的な措置をすることに決してやぶさかではございません。しかし、買収をするなとか、わかり切ったことを言ってみることでは、おそらく御満足がいくことではない。もっと具体的にこういうことをするな、こう言えとおっしゃるのだと思いますが、今申し上げましたように、われわれが追及して知り得るものは、そういう最近の発表されたものを見ても九牛の一毛でありまして、全般については、一般人が知り得る以上のことは私どもは知らない。もちろんただいま申し上げました警告というのは、一般的な警告を十分に行なっております。この間も、東京について言えば、選挙管理委員会と警視庁で合同で声明を出しておるというのは、これも警告でございます。そういうものは、今後といえどもできるだけやって参りたいと思っております。
○島上委員 現在の法律は、法律自体に不備があるので今度も若干改正しようとしておるわけですが、現行法でも、今やっておる目に余る後援会の旅行やごちそうは取り締まりできると思う。御承知のように、現行法にちゃんとあるのです。百九十九条の四に、候補者及び候補者になろうとする者の名前を表示しもしくは類推できるような団体が、当該選挙に関して選挙区内選挙民にいかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない、こうなっておる。ですから、百円の会費をとって一泊したり、あるいは一泊しないまでもごちそうしたりということは、後援会がこれに該当すると思う。しかも、その人はある党の公認候補者として発表されている。公認候補者として一方では発表されて、一方では、その人の後援会はバスを連ねて歩いていることは公然たる事実であって、これは長谷川君が申した通り、目に余るものがある。少なくともこれは内偵すべきだと思う。大ぜいの人を連れていくのですから、内偵しようと思えば簡単ですよ。あなたが言ったように、五人の人は選挙の話をした、他の人は話をしなかったというようなこともあるかもしれませんが、現実に私は内偵してないと思う。これは怠慢ですよ。私は積極的に内偵することをあなたに求めると同時に、現在どのくらい内偵しておるか、内偵してないとすれば、怠慢も怠慢いいところですが、しかし、私はそれほどのひどい怠慢でなかろうと思う。若干は内偵しておるだろうと思うので、ここで、内偵しておる、びしっとやりますということを声明しただけでも幾らか薬になりますよ。それを一つ。
○新井説明員 私の先ほどのお答えが少し足りなかったのかもしれませんが、そういう条文がないと申し上げているのではないので、取り締まりするには違反の類型をはっきり打ち出していただく方が楽だ、こう申し上げたのでありますから、その点補足しておきます。 なお、内偵しておるかどうかという御質問でございますが、内偵をさせております。
○鹿野委員長 それではお諮りいたします。 公職選挙法の改正に関しては、小委員会の案をこの委員会の成案と決定することに御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、この案の字句及び条文の整理などは委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議なしと認めます。
○鹿野委員長 この際、中井一夫君より発言を求められております。これを許します。中井一夫君。
○中井(一)委員 本日ここに、先般来委員長初め各委員諸君の非常な御努力によって審議を尽くされました改正案が議決されるにあたりまして私はさらに一つの重要なる決議をいたしたいと思うのであります。社会党、民主社会党並びに自由民主党共同の意思でこの決議が可決せられまするならば、まことに幸いだと存じます。 まず、決議の案文を朗読いたします。 衆議院議員の選挙区別人口と議員定数との間には、地区により甚だしい不均衡が認められる。 よつて政府はこれが是正をはかるため、すみやかに適当なる措置を講ずべきである。 というのでございます。 今その理由を簡単に説明をいたします。 第一に、選挙権の公平は選挙法の基本問題であります。公職選挙法本来の目的は、その第一条に明らかであるごとく、主権者たる国民の選挙権の公正な行使をするにあります。従って、現行選挙法にその不公正があるならば、すみやかにこれを是正することは当然のことであります。 第二に、現行議員定数は人口の大増加に相応しないということであります。現行衆議院議員の総定数は、実に三十六年の昔、大正十四年普通選挙法制定の際四百六十六名と定められまして以来、戦後奄美大島復帰によって一名を増加したにとどまり、従って議員が国民を代表すべき者たる以上、往時のわが国人口六千万、現在の人口九千万に比すれば、その定数を相当増加せられるも当然とせねばなりません。 第三は、区割定数の不改正は法意に背反することであります。現行衆議院議員の各選挙区における定数は、昭和二十一年四月の人口調査の結果に基づき、昭和二十一年の改正法により、公職選挙法別表第一によって定められるとともに、同別表には「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって更正するのを例とする。」と明記しあるのであります。しかるに、その後昭和三十年に国勢調査の実施せられたのにかかわらず、これが改正のなされなかったことは、まさに法意に背反するものでありましてこれが是正を怠った政府はもとより、国会もまた、その責任を痛感すべきものであると信じます。 第四は、不改正による不合理は今や看過するを許されません。前述の結果、現行区割の定数は、昭和二十二年当時、すなわち終戦直後の混乱せる人口分布の状態のままに固定することとなり、その現状に対し著しい不合理を来たしている。すなわち、その後十三年間の人口増加は約一千七百万、しかも、その地域的移動と偏在のため、選挙区によっては人口の激増により、議員定数は現在人口に比してあるいは過大となり、あるいは過小となり、たとえば一地方においては十三万五千人をもって一人の代議士を選出し得るのに対し、他地方においては四十万人をもって一人の代議士を選出し得るにすぎない。この不合理は、今や当該選挙民が忍ぶことができないのはもちろんである。世論また強くこれが是正を求めてやまないのであります。その不合理が特に著しく、かつ事態重大なる様相を呈しているのは、自治庁の調査の結果によりましても、その増員を必要とする左記地方とされております。すなわち、東京都第一区ないし第六区、大阪市第一区及び第二区、横浜市、名古屋市、神戸市並びに北海道第四区等であります。しこうして、この点に関しては、現に内閣に設置せられた選挙制度調査会は、政府の諮問に対し、冒頭に申し述べました決議案文と同様の趣旨を答申しておるのでありまして、しかも、すでに本年度の国勢調査は施行せられ、わが国現在人口の状態も近く明瞭となるのでありますから、政府はこれに基づいて定員と人口とのアンバランス是正のため、すみやかに、いな直ちに適当なる措置をとるべきことは当然の責務であると信ずるのであります。すなわち、ここに選挙法の改正にあたりまして、本決議をされんことを提案するものでございます。
○鹿野委員長 ただいまの中井委員の御発言に関連して御意見があれば、これを許します。
○島上委員 私は中井君の附帯決議にもちろん賛成です。賛成も賛成、大賛成です。そのためにこそ、社会党は過ぐる国会に区画審査会設置法というのを提案してあります。しかるに何ぞや、安保問題で国会が多少混乱したことが一つの理由となっておりまするけれども、これを審議しない。私はこの審議しない不誠意に対しては、ほんとうに糾弾せざるを得ないのです。審議すれば、これは反対すべき理由は、手前みそのようですけれども、ないと思うのです。きわめて公正な、政府が本来出すべきものを出したような格好の案ですから……。こういういきさつがありますので、私はこの案に心から賛成すると同時に、政府及び与党に対してほんとうにまじめになってこの問題と取っ組んで、この附帯決議の精神を生かしてもらいたいということを要望せざるを得ないわけです。賛成と同時にこれを強く要望しておく次第であります。
○山下(榮)委員 私も一言、中井委員の提案に対しまして賛意を表しておきたいと思うのであります。 民主社会党でも過般来特別委員会を持ちましてこのアンバランスの是正のために国会議員区画委員会設置法という法律の用意をいたしておったのであります。御承知のごとく、前岸内閣は、ことしの通常国会の冒頭にもいわゆる選挙法改正の用意のあることを説明され、おそらく与党たる自民党もこれらの問題に着手されるものと私は予想をいたしておったのであります。しかるところ、ただいま島上委員の申し上げまするように、安保問題その他の関係からこれらに何らの手のつかなかったことは、まことに残念に存ずる次第でございます。今中井委員の決議の趣旨に基づきまして、一刻も早く政府はこのアンバランスの是正に着手されるべきである、かように考えましてこの動議に賛意を表する次第でございます。
○長谷川(峻)委員 両党が賛成しているのに、提案者を持っている中井君の自由民主党は、賛成の意思を三の際明らかにしなければならぬと思うのです。 私たちもそういう趣旨では賛成であります。政府が提案したのでありますが、島上委員がおっしゃる通り、さきの国会においては、安保条約改定に関しまして社会党が全部審議権を放棄したためにこれができなかった、非常に残念なことだと私は思っております。やはり何でも法案提出をしたのを審議することが国会議員の任務だということで、今から先は、一つそういうことで、あなたの方が私の方に御協力してもらって、法案の通るようにお願いいたします。そういう意味で賛成しておきます。
○鹿野委員長 それではお諮りいたします。ただいまの中井君の御提案を本委員会の決議とするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議ないと認め、さように決定いたします。 なお、ただいまの決議案の関係当局への参考送付方につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。 なおまた、お諮りいたしたいことがございます。公職選挙法の改正に関しましては、ここに本委員会の成案を得るに至ったわけでありますので、この際本委員会の閉会中審査案件の一つである公職選挙法改正に関する件について、閉会中審査報告書を提出いたしたいと思います。つきましては、本件に関する報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいのでありますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鹿野委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後四時十九分散会