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34回国会参議院1960/03/25

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
170
登壇者
16
会派数
4
開催日
1960/03/25

会議録

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) ただいまから予算委員会第三分科会を開きます。  本日は、昭和三十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算のうち、農林省所管を議題といたします。  まず、政府側の説明を聴取することにいたします。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 昭和三十五年度農林関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。まず、一般会計における農林省関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、千百六十五億二千七百万円となっております。これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管の農林関係経費を加えました農林関係予算合計は千三百十九億八百万円となり、これを昭和三十四年度当初予算に比較すると二百五十五億五千七百万円の増加となります。  なお、この増加額のほか、前年度の経費で減となるものが糸価安定特別会計繰り入れ、日本蚕繭事業団出資金等で約三十七億円あるので、これを加えた約二百九十三億円が三十五年度予算の新規事業または既定事業の増額の財源に充当されております。新規または増額のおもなるものは、食糧管理特別会計繰り入れが麦製品学校給食費分を含めて百三億四千二百万円、一般公共事業費七十九億四千八百万円、各種災害対策費七十九億三千一百万円のほか、農産振興費、畜産振興費、試験研究費農業保険費、開拓者助成費漁業協同組合振興基金貸付金、人件費等であります。  次に、本予算案編成の重点について申し上げます。第一に農業基盤の整備強化に関する経費についてであります。  土地改良、開拓、干拓業につきましては、農業の基盤である土地条件の整備強化をはかる事業としての性格を明確にするため、従来の食糧増産対策費の名称を農業基盤整備費と改め、総額三百八十九億一千万円を計上したのであります。なお、従来食糧増産対策費中に含まれていた海岸保全事業につきましては治山治水事業の一環である海岸事業費として農業基盤整備費からは区分してその充実をはかることといたしております。1 まず土地改良事業の拡充に要する  経費として百九十九億九千六百万円  を計上し事業の計画的推進をはかる  ことといたしましたが、  (一) このうち重要九水系における土   地改良事業については水系開発事   業として、国営灌排、県営灌排を   通ずる事業効果の発現を期するた   め、総額三十三億九千五百万円を   計上し、事業の計画的実施を行な   うこととしたのであります。  (二) 水系以外の一般土地改良事業に   つきましても、国営、県営、団体   営を含め百三十九億六千七百万円   を計上し、事業の計画的推進をは   かることといたしておりますが、   このうち特定土地改良工事特別会   計に含まれる国営土地改良事業に   つきましては、十一億九千二百万   円を計上して計画期間内完成を   期することとし、一般会計の国営   地区につきましては、四十八億四   千百万円を計上して継続事業の進   度の引き上げをはかるとともに、   新規事業の採択を行なうこととい   たしました。また県営土地改良事   業につきましては、他事業との関   連、完了予定等を考慮して事業の   促進をはかることといたし、団体   営事業につきましては、積寒法等   の特殊立法による振興計画を目標   として非補助小団地等土地改良事   業助成基金による低利融資ワクを   九十億円に増額することと相待っ   て事業の推進に努めることといた   したのであります。  (三) 土地改良に関する調査計画につ   きましては二億七千五百万円を計   上いたし、事業計画の樹立、基礎   資料の整備に努めることといたし   ております。2 干拓事業につきましては総額六十  六億二千二百万円を計上いたしてお  ります。特定土地改良工事特別会計  に含まれる国営、代行干拓につきま  しては八郎潟の三十八年度完成を初め、計画期間内の事業完成を期し  て事業の促進をはかるため、新規事業も含め国費六十億三千七百万円を計上しており、補助干拓についても三億五千五百万円を計上し、事業の促進をはかることといたしておりますが、本年度におきましては、伊勢湾高潮の悲惨な経験にかんがみて、干拓地の保全と住民の安全をはかるため堤防の補強、宅地のかさ上げ、退避場の設置等の措置を講ずるこ  とといたしております。なお、干拓  計画につきましては七千九百万円と  なっております。3 開拓事業につきましては総額八十億一千六百万円を計上しておりま  す。   まず開墾事業につきましては、開墾建設事業四十七億四千七百万円、補助開墾八億一千四百万円、開墾計画二億二千二百万円、合計五十七億  八千三百万円を計上し、事業の促進  をはかることといたしております  が、事業の重点を既入植地の経営安定に置くとともに、新規地区の採択も行ない事業の拡大をはかっており  ます。また、これとともに開墾事業  の調査計画の整備をはかることに努  めることとしたのであります。また  開拓者に対する開墾作業、入植施設  等の助成としては入植施設災害復旧  を含め十七億八千二百万円を計上い  たしておりますが、本年度は新規入  植者を一千戸にとどめ、開拓営農振  興臨時措置法に基づく振興計画の達  成等既入植者の経営安定に重点を置  くことといたしたのであります。このほか、機会開墾地区の事業促進のため四億五千一百万円を計上いたしております。  4 愛知用水事業と篠津開発事業との外資導入による特定地域開発事業につきましては、それぞれ二十五億円、十三億五千一百万円の国費を計上いたして事業の促進をはかることといたしておりますが、特に愛知用水事業につきましては所要の国費のほか、資金運用部資金六十億円、余剰農産物資金四十五億円等の事業資金を確保することとし、三十五年度内完成を期しております。  5 なお、本年度からの新規事業として、国営事業によって造成されたダム、頭首工等の施設について、その維持管理を適正に行ない、事業の効果を発揮せしめるため、事業の規模と施設の公共性に応じて国が直接維持管理する道を開いたのでありますが、本年度においてはさしあたって二地区の維持管理に必要な経費として四千二百万円を計上いたしております。  第二に、畑作及び果樹振興対策に要する経費についてであります。従来に引き続き水稲生産力の安定向上をはかるとともに、農業経営の近代化とその企業的育成をはかるため、畑作の改善及び果樹の振興のための経費を充実することといたしております。  1 まず、畑作農家の後進性の要因となっている低位な畑地土壌生産力を向上するため、前年度新たに開始した畑地地力保全事業と、畑地土壌病害虫防除事業を大幅に強化してこれを推進するため、二億五千九百万円を計上いたしました。  2 次に、土層改良及び深耕事業につきましては、暖地を含め全国的な事業化に一歩を進めるため、導入方式を県有補助に改めて導入数の増加をはかるとともに、今後畑作営農の機械化の主体になると期待される中型トラクターの利用方式について現地実験を行なうこととし、これらに要する経費として、二億七千三百万円を計上いたしました。  3 次に、畑作物の生産対策につきましては、従来の種子確保対策等を継続するほか、三十五年度においては、特にテンサイ、麦、大豆を重点として取り上げることといたしております。テンサイにつきましては甘味資源自給総合対策の一環としては北海道における生産の拡大を引き続き推進するとともに、東北及び暖地における導入試験を強化することといたしております。またテンサイ振興の技術的基礎を充実するため日本甜菜振興会に対して三億四千万円の増額出資を行ない、その研究活動を促進することといたしております。  次に、麦につきましては国内需要構造の推移及び輸入麦との価格開差等にかんがみその生産合理化を推進するため、多条播栽培を中心とする省力多収栽培の普及をはかるため六千万円を計上いたしました。なお、大豆、菜種についても、能率的技術の普及をはかることといたしております。  4 果樹農業の振興につきましては、国民所得の成長に伴う果実需要の増加傾向に対処して、生産の安定的増大をはかるため、予算の大幅な充実をはかることとし、果樹園経営計画の促進、発生予察事業の実験的実施、果樹統計の整備等について、五千二百万円を計上いたしましたほか、別に果樹園造成資金について農林漁業金融公庫から新たに五億円の貸付を行なうことといたしました。  5 以上の経費のほか、畑作改善の関連施策といたしましては、畑地土地改良事業、畑作物流通改善対策並びに畜産の振興に意を用いますとともに、畑作関係の試験研究及び農業改良普及事業の充実に必要な経費を計上いたしました。第三に、畜産振興対策に要する経費についてであります。  1 まず、畜産の生産基盤を強化するため草地造成改良事業を拡充するとともに、大規模草地改良基本調査の実施と相待って、草地制度確立の方途について根本的な検討を加えることとし、これらに要する経費として、二億八千二百万円を計上いたしました。  2 酪農対策につきましては、酪農経営改善地区を追加指定し、国有貸付、有畜農家創設事業による乳牛の制度導入を引き続き実施するほか、生乳品質改善指導事業及び産乳能力検定事業を拡充実施することといたしております。さらに乳牛飼料給与改善施設を新たに設置して乳牛飼養の経済性を高めることとし、これらに必要な経費として三億七千八百万円を計上いたしました。  3 次に、肉畜増産対策については、最近における食肉消費の著しい増加傾向にかんがみ、肉畜増産のため肉資源の確保に特に重点を置き所要経費の確保をはかっております。種畜対策としては、新たに和牛のための種畜牧場の支場を設置するとともに都道府県における種雄豚の設置に対する助成を行ない、また肉畜の導入対策としては、有畜農家創設、中小農家畜預託、国有貸付等の既存制度による導入頭数を増加するほか、肉用素畜の導入促進のため新たに利子補給の道を開くことといたしました。また乳牛の場合と同様肉牛、肉豚についても飼料給与改善施設を設置することとし、これらに必要な経費として二億六千六百万円を計上いたしました。  4 家畜及び畜産物の流通対策については、家畜市場及び中小都市食肉市場の施設整備を促進するとともに、生産者の共販体制を強化するため、生乳共販施設及び産地枝肉共同出荷施設の設置の助成を行なうことといたしました。  また、畜産物の需給調整及び価格安定のため、牛乳の消費拡大事業、牛乳々製品の学校給食、乳製品の調整、保管を拡充するほか、価格変動の著しい豚枝肉についても新たに調整保管を行なうととといたしました。以上に必要な経費として十六億六千三百万円を計上いたしております。  5 流通飼料対策としては、一千六百万円を計上し、その品質保全のため飼料検査所を新設する等のほか、政府の需給操作力の強化により需給の調整及び価格の安定をはかるため一般会計から食糧管理特別会計に六億三千三百万円を繰り入れて同会計の輸入飼料の売買損の補てんを行なうことといたしております。  6 以上のほか、畜産技術経営診断事業の強化、家畜伝染病予防対策の実施、家畜保健衛生施設の整備、種畜牧場整備等の諸施策を引き続き継続しその充実を期するとともに、畜産の試験研究及び改良普及事業についても重点的に強化をはかることといたしております。第四に、蚕糸業の安定に要する経費についてであります。  1 まず、養蚕経営の合理化対策につきましては、生産の合理化により繭生産費の低減を推進するため、年間条桑育指導施設を増加するほか、新たに桑園の集団化により桑園の共同管理、全齢共同飼育を奨励するため壮蚕共同飼育所の設置等に対して助成を行なうことといたしました。また、蚕業普及員に対する国庫補助の増額を行なうこととし、以上に必要な経費として三億二千九百万円を計上いたしました。2 生糸の需要増進につきましては一億五百万円を計上し、日本絹業協会をして従来の米国のほかに欧州事務所を新設せしめ、消費宣伝及び調査活動を強化拡充して参ることといたしております。3 以上のほか、蚕糸関係の検査事業の充実及び能率化をはかるため、新たに国用生糸検査所の施設の改善に対して助成を行うとともに、繭検定所の統合整備によって検定の効率化を促進することとして、これらを含め総額三億四千一百万円を計上いたしております。第五に、農家経済の安定に関する経費についてであります。  1 既入植地区の営農不振の現状にかんがみ、不振開拓地の営農安定対策の刷新強化をはかることとし、これがため開墾建設事業等の公共事業の拡充と相待って、各般にわたり措置を講ずることといたしました。すなわち、過剰入植地区の経営規模の適正化をはかるため、計画的に一部入植者の移転を奨励するとともに、開拓農家の債務負担の軽減をはかるため、償還困難な入植者に対し償還条件緩和の措置を講ずることとし、さらに被災開拓者に対して開拓者資金融通特別会計から災害対策資金を貸し付ける道を新たに開くこととしたほか、中央開拓融資保証協会への政府出資の増加を行なって営農資金の融通の円滑化をはかることといたしました。これらに必要な経費として八億七千五百万円を計上いたしております。  2 次に、農地調整関係経費の確保と相待って自作農の維持安定並びに経営の拡大をはかるため、自作農維持創設資金ワクを百三十億円に増額いたしました。  3 農業災害補償制度については、最近の農業経営及び農業災害の実態にかんがみ、本制度の改正を検討するとともに各種調査を実施し、すみやかに抜本的改正の成案を得たい所存でありますが、当面の制度運営の円滑を期し、最近の引き受け実績に基いて国庫負担金の増額を行なうほか、家畜診療所の整備及び農業共済組合、同連合会の職員人件費及び事務費の充実をはかることとし、これらに必要な経費として百十四億九千六百万円を計上いたしました。第六に、林業関係の経費についてであります。  1 まず、林野公共事業につきましては治山事業費に五十七億九千六百万円、造林事業費に三十八億四千一百万円、林道事業費に森林開発公団補助金も含めて二十九億四百万円等合計百二十五億四千一百万円を計上いたしております。これらのうち治山事業につきましては、本年度より新たに樹立する、総事業費千三百億円の十カ年計画に基づき事業を計画的に推進することといたしたのでありますが、これがため、国有林野事業特別会計に治山勘定を設け、民有林治山の直轄事業及び補助事業を一元的に処理するとともに事業規模の拡大をはかったのであります。また、造林事業につきましては林種転換を主とした拡大造林に重点を置き事業を推進するとともに、前年度に引き継ぎ農林漁業金融公庫に対する一般会計よりの七億円の出資に基づいて融資造林を促進することといたしております。  林道事業につきましては奥地林開発に重点を置いて林道網の整備をはかることにいたしておりますが、新たに既設林道の改良事業を実施することといたしております。  2 次に、保安林の整備につきましては、これが整備と維持管理に重点を置くこととし、新たに保安林改良事業を実施するため八千六百万円を計上しましたほか、前年度に引き続き保安林の指定に伴う補償を実施することといたしております。  3 その他の林業関係の主要経費につきましては、まず、森林計画の樹立及び実行のために三億六千七百万円を計上するとともに、木炭関係については、五千八百万円を計上し、前年度に引き続き木炭の生産指導及び調整保管事業を実施いたしますほか、新たに奥地製炭促進のため木炭間易搬送施設の助成を行なうことといたしました。また、林業技術普及の強化をはかるため、四億三百万円を計上し、林業改良指導員の増員、機動力の強化、林業普及設備の新設等を行なうことといたしております。第七に、水産業の振興に要する経費についてであります。  1 まず、漁業基盤である漁港の整備につきましては、漁港整備計画に基づき事業を計画的に進めるため四十五億八千七百万円を計上いたし、継続四百港、新規四十九港について事業を実施することといたしたのであります。  2 資源及び漁場調査につきましては、国際協調のもとに公海漁場を確保し、既存漁業の合理的利用及び新漁場の開発を積極的に推進するため、北洋サケ、マス資源等を初め各種の調査を実施することといたし、これらに必要な経費として一億一千八百万円を計上いたしました。  3 次に、沿岸漁業の振興につきましては、三億四千一百万円を計上し、沿岸漁業依存度が高く、かつ、漁業所得水準の低い地域に対し昭和三十三年度より実施中の沿岸漁業振興対策事業を計画的に推進いたしますほか、漁場改良造成事業を充実することといたしております。また、水産業改良普及体制の整備充実をはかるため、二千四百万円を計上し、沿岸漁業改良普及員の増員、機動力の強化等を行なうことといたしました。  4 次に、漁家経済の安定をはかるため、漁業共済事業の試験実施を継続して行なうとともに、特に、漁船保険制度につきまして、改善をはかることとし、四億八千三百万円を計七いたしました。また、大衆多獲魚の調整保管事業についてはこれを継続実施することといたしております。第八に、農林畜水産物等の価格安定その他流通改善及び輸出振興対策に要する経費についてであります。  1 まず、食糧管理特別会計における米麦の管理をこれまで通り維持して参ることはもちろんでありますが、このため百億円を一般会計から特別会計の調整資金として繰り入れることとし、また、その他の主要農産物、飼料等につきましても、その価格安定を引き続きはかることとし、農産物等安定勘定の損失見込みを補てんするため十二億円の繰り入れを行なうことといたしております。  2 次に、農林畜水産物の流通改善対策につきましては、すでに申し述べましたもののほか、青果物関係については市況速報、産地出荷実情調査等を引き続き行なうとともに、中央卸売市場の施設整備に対して新たに助成を行ない、公正取引の確保と適正価格の形成に資することとし、これらに必要な経費として四千三百万円を計上いたしました。  3 農林水産物の輸出振興につきましては、生糸以外につきましても輸出品検査所の業務の充実をはかるほか、別に九千一百万円を適商産業省に計上し、輸出農林水産物の海外市場調査及び宣伝事業を強化することといたしております。  4 以上のほか、農林水産業に必要な各種生産資材対策につきましては、飼料検査所の独立のほか、一億二千六百万円を計上し、肥料、農薬、農業機械、種苗等の検査を引き続き実施し、その品質の保全及び改善に努めて参る所存であります。第九に、農山漁村の振興に要する経費についてであります。  1 まず、都市に比し、立ちおくれている農山漁村の社会及び生活環境の急速な整備に資するため、全国の代表的市町村につきまして、基本的調査を行ないますほか、特別の後進地域の環境整備事業として僻地及び離島における電気導入事業を拡大することとし一億七千二百万円を計上いたしました。  2 次に、不安定な就業状態で農漁村に滞溜する農漁村子弟に対する対策として新たに農業委員会が行なう農漁村子弟の就業動向に関する調査に対して助成を行なうほか前年度に引き続き、海外移住の促進及び農山漁村青年活動の強化をはかることとし、こうに要する経費として四億八千一百万円を計上いたしました。なお、他省関係におきましても一般職業訓練所の増設、職業安定協力員の新設等、農漁村子弟の就業機会の増大をはかるための施策を一段と強化することといたしております。  また、新農村建設総合対策の推進をはかるため、三十四億七千六百万円を計上し、特別助成事業及び小団地開発整備事業を実施いたしますほか、新たに、同和モデル地区におきまして土地整備、共同利用施設設置等の振興対策を実施することといたしております。第十に、農林水産業諸団体の活動促進に要する経費についてであります。  1 まず、農業委員会関係におきましては、その組織及び活動を維持するに必要な経費十一億四千五百万円を計上いたしましたが、このうち、農家労働力就業動向調査の助成のほか、職員給与の増額及び前年度に引き続き農家台帳の作成費を計上いたしております。  2 次に、農業協同組合関係につきましてはね四億四千七百万円を計上し連合会の整備促進対策及び不振単協の整備強化措置を既定計画に基づき推進するほか、新たに組合振興対策の策定に資するため組織上の問題点につき調査及び検討を行なうことといたしました。  3 また、森林組合関係につきましては、四千万円を計上し、連合会の整備促進対策を継続実施するほか、単位組合の強化をはかるため、引き続き不振組合の指導を行なうとともに、新たに合併促進のための奨励金を交付することといたしました。  4 次に、漁業協同組合関係につきましては、一億五千三百万円を計上し、連合会の整備促進を引き続き行なうほか、漁業協同組合の整備強化をはかるため、規模過少組合に対する合併奨励金の交付に対し助成するとともに、不振組合を対象として欠損金に見合う借入金に対する利子補給等を行なうことを目的とする漁業協同組合整備基金を設置し、これに対し一億円の貸付を行うことといたしました。  5 また、農業共済団体関係につきましては、職員給与の改善のほか、共済連絡員手当を新たに計上することとし、二十五億円を計上いたしております。  第十一に、試験研究、統計調査及び技術普及の強化に要する経費についてであります。  1 まず、試験研究につきましては四十四億二百万円を計上し、農林水産試験研究の拡充強化をはかることといたしております。  2 次に、農林水産関係統計調査につきましては五十五億九千六百万円を計上し、一九六○年世界農業センサスの結果の集計公表のほか、米生産費調査農家戸数の増加、果樹基本資料の整備等統計調査を拡充するとともに、統計調査の能率化をはかることといたしております。  3 また、農林水産関係技術普及事業につきましては、農業関係特技普及員五百三十八人、生活改良普及員百三十一人、林業改良指導員七十八人、沿岸漁業改良普及員四十八人の増員、機動力の強化等を行なうこととし、これらに必要な経費として二十億七千五百万円を計上いたしております。  第十二に、防災事業及び災害復旧対策についてであります。本年度においては伊勢湾台風等による災害地の復旧につとめるとともに防災事業の充実をはかることといたしております。  1 防災対策としては、すでに述べました治山事業のほか本年度より農地、漁港関係の海岸保全事業を農業基盤整備事業または漁港事業から区分し治山治水事業の一環として、その拡充をはかることといたしまして、農地関係三億四千九百万円、漁港関係二億五千万円を計上いたしたのであります。また、伊勢湾台風による被害を受けた伊勢湾地域の干拓地、農地及び漁港の区域の海岸等の復旧改良事業につきましても、伊勢湾高潮対策として、本年度は台風期までに原形の復旧をはかることを目途として農地関係三十億四千二百万円、漁港関係五億五千一百万円、計二十五億九千三百万円を計上いたしたのであります。一方、従来の防災ため池、農地保全、地盤変動対策等の農地関係防災事業につきましても、本年度は事業の拡充をはかっております。  2 災害復旧につきましては、農地、林野、漁港等公共事業関係災害復旧費百十八億二千五百万円、災害関連事業費四億九千四百万円を計上いたしたのでありますが、これによって過年災につき所定の進度による復旧をはかることとし、特に三十四年災につきましては激甚地に対する高率補助、災害関連事業の拡大等の特別措置によりその復旧につとめるつもりであります。また、三十四年災害につきましては、これ以外の災害対策といたしまして入植施設災害復旧、救農土木事業、農林漁業共同利用施設災害復旧、共同利用小型漁船建造、水産養殖施設災害復旧、災害経営資金利子補給、米予約概算金返納資金利子補給等に必要な経費として十四億二千七百万円を計上し災害対策の万全を期する所存であります。  次に、昭和三十五年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第十一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米麦の買い入れにつきましては、米はその集荷数量を五百万トン、麦は買入数量百三十一万トンと予定いたしており、また国内米の政府買入価格は百五十キロ当り一万三百三十三円とし消費者価格は現行価格といたしましたほか、これら米、麦の管理につきましては、すべて従来の方針を継続して参ることといたしております。外国食糧は、国内米麦の生産量及び持越量を考慮し、需給上必要な数量の輸入を予定いたしております。  なお、この会計の損益見込みにつきましては国内米、国内麦、輸入食糧の各勘定を通じまして二十四年度九十三億円、三十五年度約百八億円の損失を見込んでおりますが、三十四年度当初の調整資金は百六億円でありますので、三十四年度の損失分をこの調整資金の取りくずしによって処理しますと三十四年度末には十三億円しか残らないことになります。そこで、三十五年度においては当年度の損失見込額をも勘案して一般会計から百億円の繰り入れを行なうことといたしております。また農産物等安定勘定についても当年度に生ずる損失見込をあらかじめ補てんするため一般会計から十二億円を繰り入れることといたしております。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。この会計の農業勘定は、歳入歳出とも前年度予算に比べまして五億七千九百万円の増加となっておりますが、これは最近の引き受け実績を基礎において算定いたしたためでありまして、これにより一般会計からの受入額は七十九億二千八百万円となっております。また、家畜勘定につきましては歳入、歳出ともに前年に比し二億四千五百万円の増加となっておりますが、これは加入頭数の増加によるものでありまして、これにより一般会計よりの繰り入れば八億九千四百万円となっております。  第三に、漁船再保険特別会計について申し上げます。この会計は三十五年度においては義務加入制度を改善し、特に小型加入者の負担の軽減並びに異常災害に対する保険料の全額国庫負担を行ない、また集団加入制の採用など保険体系の合理化をはかるほか、本会計の積立金の運用益により事故防止のため技術面の積極的指導を行なうことといたしたのであります。  これにより一般会計よりの繰り入れば普通勘定において四億三千一百万円、業務勘定において二千五百万円となっております。  第四に、国有林野事業特別会計について申し上げます。この会計は三十五年度より二勘定に区分いたし従来の国有林野事業は国有林野事業勘定において経理するとともに、新たに治山勘定を設置いたし、従来一般会計で実施しておりました民有林の治山事業を一元的にこの勘定で実施することといたしました。まず、国有林野事業勘定におきましては三十四年度より林力の増強を経営計画に従って強力に実施して参りましたが、三十五年度におきましても生産基盤の拡充を行ない、なお、その資金と組織を活用して民有林林政への協力をいたすこととした次第であります。  この勘定の三十五年度の歳入は五百六十一億四千四百万円でありますが、歳出面におきましては、奥地未利用林開発のための林道新設、生産面における機械化、造林、国有林における本来の治山事業及び官行造林等にその主力を注ぐ一方、本会計の積立金を減額し林政協力のため十一億円を一般会計に繰り入れることとし、前年通り七億円を農林漁業金融公庫の出資に当て、長期、低利による融資造林の促進を行なうことといたしております。  治山勘定におきましては治山事業十カ年計画に基づき前期五カ年を五百五十億円とし、三十五年度は初年度として、歳入、歳出もとに六十一億一千三百万円を計上し、民有林における直轄治山事業八億三千一百万円、補助事業四十九億二千二百万円の事業を行なうこととし、これによる一般会計からの繰入額は五十七億九千六百万円とし前年度の事業に比し大幅の拡大をはかることといたしました。  第五に、糸価安定特別会計について申し上げます。この会計は三十四年度におきまして生糸価格の著しい持ち直しにより需要の増加を来たし政府保有生糸の大幅な整理が行なわれ、先行き明るい見通しとなりましたので三十五年度はさしあたり現行安定法による生糸の買い入れ一万五千俵と百万貫の繭の保管を予定し万一不足の場合は予備費をもって買い入れ等の措置を行なうことといたしておりますが、これらの財源といたしましては、証券発行及び借入金百十五億円を予定いたしております。これにより三十四年度設置されました日本蚕繭事業団の事業と相待って本会計を通じ繭糸価格の安定をはかりたい所存であります。  以上の各特別会計のほか特定土地改良工事特別会計、開拓者資金融通特別会計につきましては別途御説明しておりますが、森林火災保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証の各特別会計につきましては、前年に引き続きほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に、昭和三十五年度の農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。昭和三十五年度における農林関係財政投融資計画は四百六十六億円でありまして、そのおもなるものは次の通りであります。  1 まず、農林漁業金融公庫につきましては、三十五年度の貸付計画として五百十七億円を予定いたしておりまして、前年度に比し八十五億円の増額となっております。この原資計画といたしましては、産業投資特別会計からの出資七十億円、一般会計からの出資七億円、資金運用部等からの借入金二百五十八億円、回収金等百五十四億円であります。なお、融資造林事業促進のための一般会計からの出資七億円、非補助土地改良事業低利融資及び自作農維持創設資金の拡大、果樹園造成資金の新規貸付五億円等につきましてはさきに述べた通りであります。  2 次、開拓者資金融通特別会計につきましては、三十五年度の貸付計画は、基本営農資金、振興対策資金、農地開発機械公団地区営農資金、災害対策資金等で三十六億一千万円となっておりますが、これらの事業を行なうため、資金運用部等からの借入金三十五億円、一般会計よりの繰り入れ四億七百万円その他回収金等の歳入を計上いたしております。  3 特定土地改良工事特別会計につきましては、その総事業費百四十億円に見合う資金計画は、資金運用部からの借入金三十五億円、一般会計からの繰入金八十八億円、その他、他用途転売収入等であります。  4 愛知用水公団事業の三十五年度総事業費百三十四億円に見合う資金計画は、国費二十五億円、資金運用部資金六十億円、余剰農産物資金四十五億円等であります。  5 農地開発機械公団事業におきましては、公団保有の土木機械を整備する設備を拡充するための資金一億円を資金運用部から借り入れすることといたしております。  以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) ただいま大臣から御説明のありました農林省関係予算につきまして、御質問のあります方は順次御発言を願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 農林行政一般についてお尋ねしたいのでありますが、率直に申し上げて私ども質問をする立場の者でも、農林省の仕事が一番むずかしいんじゃないかと思うのであります。これは私たちが質問をしても、建設的なこうすれば決定的な日本の農業の変革、農民の生活安定、収入の増加等を期待することができるというような、これという構想はないわけです。これは率直な意見でありますが、これは体制が変わって、今の資本主義体制というものが変わって、別な体得のもとでそういうことが行なわれる、ことに農業政策が検討されるということになれば別でありますが、今の状況の中では非常にこれはめんどうなことだと思いますし、それから、やる仕事はかなりきめのこまかい総合的な成果を積み上げていかなければ、なかなか初期の目的を達成できないと思うのでありますが、そういう立場から二、三お尋ねをしたいのでありますけれども、根本的には、日本農業が諸外国に比べて、耕地面積が一戸当たりにすると非常に零細であるということ、この零細耕地を急速に何倍かにするというような可能性は今のところない。それから農産物価格は、これを何割とか、あるいは倍に引き上げる可能性もまずない。それから収穫も飛躍的に何倍にもなるわけではない。そうすると、今のように幾つかの要素をそれぞれの角度から検討をして、総合的に問題を積み上げていく以外にはないと思うのでありますが、特に当面、日本の零細農業をどうしていくかということが、一つの大きな課題になっておると思うのであります。そこで、これは一般質問でもこの前お尋ねをいたしたのでありますが、おそらく農林省としても、この零細農業の経営規模の拡大をして同時に、その共同化等を促進して生産力の発展をはかり、それから農家生活の安定をはかるということが基本方針であろうと思うんですが、この場合、どうして零細農を規制していくかということです。今一部にはそういう考え方は、結局、抵抗の弱いものを犠牲にするだけで、つまり零細農というものを悪い言葉でいえば見捨てるという形になるわけですから、零細農を犠牲にするだけで、結局、特に酪農等でいえば、大資本の収奪にたえ得る程度の農家しか残れない、こういうことで一部ではかなりきびしい批判もあるようですが、そういう批判は別として、実際問題として、はたして零細農を規制することができるかどうかということ、もちろん、これは農業外の、つまり日本経済の一般的な成長発展の条件の中で雇用の拡大をして、そこへ吸収発展していくということは、これは前々回以来の質疑応答の中で、政府側の見解も明らかになっておりますが、さて、そういう場合に二男三男はそれは確かに就職口はどっかに見つかると思うのです。問題はそうではなしに、二男とか三男対策ではなしに、一戸の経営の戸主がはたしてわずかな零細農地をどういう形で手放せるか。もちろん、兼業農家である場合、俸給生活だけで食っていける体制ができれば、あえて零細農地にしがみついていることを必要としないわけですから、それは問題の解決にはなりますが、しかし、今の日本の全体一の条件からいって、すぐこの零細農地を放棄しても生活がやれるほどに、農村における、たとえば役場や農協、あるいは近所の小さい町工場、そういうところへ通っている家族の労収入というものを除外するわけにはいかぬ、そういうようなことで零細農をどうして規制するかということは非常に大きな問題だろうと思うのです。先日も公聴会の際に、大内さんにこの問題をお尋ねしましたが、やはり大内さんとしても名案がなかったように私は聞きました。これは法的に規制をするわけにはいかないし、何らかのそういう 立法的なものでない形で、いろいろな指導が行なわれるのだろうと思いますけれども、しかし、それはとにかくとして、政府がどういう方向にしろ零細農をできるだけ整理をして、経営規模を拡大して、農家生活の安定と収入の増加をはかるという、この基本方針は間違いないと思うのでありますが、そういう立場に立って、零細農に対する何らかの対策をお持ちになっているかどうか、先ほど申し上げた一般的な農業外要因である他の経済活動が高まってきた場合に、そっちへ雇用として吸収されていくという、そういうこと以外に、それはもう当然な話ですからそれはそれとして、別に何らかの考慮を払われているかどうか、これは非常にむずかしい問題だと思いますけれども、今すぐでなくても、農林省としては、今一応こういう方向を考えているというようなことがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まあ農業対策というものはなかなかお話の通りむずかしい問題でございますね。しかし、私はこの農業のむずかしい問題というものは解決できる、克服できるという確信を持っております。またしかし、同時に、これはよほど今までとは違った考え方を政府全体としてとっていかなければならぬ、こういうふうにまあ考えるわけです。ともすれば、どうも農業政策というものが、まあ役所でいいますれば、農林省のワク内だけでこれを解決しようというような傾向が強かったのではあるまいか。それじゃどうしてもこれは解決できないと思うのです。これは日本経済全体の中において、しかも、政府の仕事としては、政府全体の機構を動員、活用して、初めて解決できる問題である、こういうふうに考えるわけです。ただいまお話の零細農問題につきましては、私は零細農だからこれを整理するというような考え方はこれはよろしくないと思うのです。日本経済を大いに拡大して、そうして農村の過剰労働力は、まあ自然的な筆算等によってもふえていくわけでございまするが、同時に、農村のこれからの方向である生産の向上であるとか、機械化とか、あるいは共同化、集団化というような過程を通じてもこれは出てくると思います。これが日本経済に吸収されていくという過程をどうしても踏まなければ、私は農村問題は解決できないと思うのです。それで、しからば、どういう階層が農村から他の産業部門に転出して活躍するかということになりますると、零細農だからそういう考え方の対象になるという考え方は私はとりたくないのです。農業の経営の力があり、また熱意があるというものは、零細農といえども、今後の農村を担当する一員として残していかなければならぬ、こういうふうに考える次第でございます。そういうことがよく秩序正しく行なわれるというためには、やはりそこに何らかの施策が必要である。そこで、三十五年度の予算なんかにおきましても、そういう大きな考え方の一環といたしまして、労働省におきましては、職業安定所の協力員制度というものを新設することにいたしたわけでございます。その協力員には、農業協同組合の組合長さんなんか一番私は適当な方ではないか、また同時に、町村長さん、その他そういう方面に向いた人を安定所の協力員ということにお願いいたしまして、これらの方々は村のすみずみをよく承知される方でございまするから、さような考え方に従って、この方はほかの方へお世話した方がよかろう、この方ば残した方がいいじゃないかというような見当もつくわけでございまするが、そういうことをやってみたいというふうに考えまして、ただいま申し上げましたような制度を新設することにしたのです。それから同時に、そういうことを考えましても、他の職場に転出するという人がスムーズに出ていかなければならぬし、また有利に出ていかなければならぬというふうに考えるわけです。それを実行するためには、農村地帯に職業訓練所をもっと設ける必要があるのではないか。これも労働省に要請いたしまして、全国の農村地帯に新たに三十五年から十四カ所さような施設を設けるというふうにいたしたわけなんです。  そういうふうに、零細農という対象は持ちませんけれども、他に転出したい、また同時に、そういう希望を持ち、そういう適性を持っているという人は、これは国家においてもそういう指導をしようという方向の政策を進めなければならぬというふうに考えたわけなんです。それから文部省で所管いたしまする学校の問題にいたしましても、なるべく今度は一般課程の高等学校というなようなことでなくて、特殊な技術をなるべく農村の子弟に持ってもらうというようなことを頭に置きまして、そういう配置を考えますとか、文部省の分野におきましても非常に考えていただかなければならぬ面が多々あるというふうに思うわけでございます。それから同時に、反面におきましては、農村に残った子弟が、今度は今までの腕の農業というものから頭の農業というふうに転換を要請されるわけです。そういうためにば、残った子弟が高度の農業技術を身につけなければいかぬ、そういうふうな考え方から、これは前からもやっておりまするが、農村の子弟の青年研修会というようなものをさらに増設いたしまして、さような考え方を進めて参る。両々相待って、残る者、他に出る者相待って、残る者は大いに農業技術を普及させなければいかぬ。出る者はそういう出るにふさわしい技術を身につけて、しかも、それが順調に、スムーズにいくように、こういう施策を進めるわけなんです。しかし、これはそう申しましても、なかなか時間のかかる長いむずかしい問題でありますので、今後ともそういう方向の考え方をあの手この手と出していかなければならぬかと、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 もっと具体的にお伺いしたいと思うのですが、一般的には今、のお話は了解いたしますが、私のお尋ねしたい点のむしろ重点は、必ずしも私、零細農に限る必要はないと思うので、その点は大臣のお話と同様でありますが、問題は、零細耕地を持っておる所で生産性を高めようという場合です。普通まあ、かたわら兼業で農業をやっていくという場合には労働時間が幾らかかろうとかまわぬ、妻君も娘も、ありったけ労働力を投入して、骨が折れようが何であろうが、とにかくまあ一年にこれだけのものがとれればいいという形のものですから、そういう所へ、もし生産性を高めて農業の合理化をはかるために、たとえば共同化をやろうと思えば、すぐ、土地の交換分合というようなことをしましても、実際に今の隘路にぶつかるわけですね。この制約を除外する道はないわけです、実際問題としては。ところが、生産基盤を拡大していくにはある程度の共同化が必要なわけです。ところが私ども、この前われわれの間で何回か討論を重ねましたが、共同化ということが何を意味するか。共同化が絶対的に生産性の向上に役立つのかどうか。役立つ場合もあるし、それから共同化をやって失敗すれば、かえって個々の零細経営にまかしておいた場合の方がむしろ能率が上がることがないとも言えない。ですから、共同化の場合にもいろいろな形態がありますが、しかし、まあ、一応共同化をした方が、ある特殊な地理的な条件、それからある特殊な作物等においては、より合理的であるということが予定される場合に、さて、その共同化をしようと思うと、零細——零細にかかわらぬけれども、今の所有関係にぶつかるわけですね。この所有関係をどうするわけにもいかぬ。だから、憲法上の本人の所有権ということとは別として、もっと何らかの共同化を促進するような体制というものをどうして作っていくかということが非常に大きな問題になると思うのです。  そういうことで私はお尋ねしているわけですが、たまたまけさの新聞を見ますと、農林漁業基本問題調査会、会長、東畑精一さんです。この調査会が、昨年七月以来八カ月間にわたる長期の農業政策の検討の結果、一応の案を出しておりますが、これはまあ、農地改革を第一の革命といえば、第二の農業経営の革命と呼ぶ性質のものだというふうにいわれてここに報道されておりますが、これは政府案ではない。基本問題調査会の案でありますから、今後これを基礎にして政府も検討されると思いますけれども、この案でも、これは私はなかなか重要な問題を提起しておると思うわけです。たとえば、これは当然なことですけれども、「貿易自由化に対処するためにも、個々の農家を経済的に自立(兼業収入がなくてもやっていける)できる経営に引き上げる必要がある。」、こういうことを前提にして農家の経営規模の拡大をはかる。「一方農業収入だけでは生活できない兼業農家に対しては農業法人の制度化など協同組織の道を開いて農耕地の集団化を図り、経営規模三十アール未満の極端な零細農家などは離農を促進する施策も考慮している。」、こうなっているわけです。これはもちろん、今申し上げましたように政府案ではない。調査会の案ですが、これはある意味において、確かにこれが第二の農業革命と呼はれる性質のものだろうと思うのですが、たとえば、今申し上げた「極端な零細農家などは離農を促進するような施策も考慮している。」、私の一番最初お尋ねした点はこの点ですね。具体的にどうしてやるかという、そういうことをなかなか立法で規制するというわけにはいかぬ。政策で、と言ってみたところで、今、大臣の御説明のようなことでやってみても、これは十年、二十年の話です、いろいろな条件を積み上げていくのですから。ですから、何らか、たとえば農業協同組合等の強力な指導を通じ、政府も財政上政策上のいろいろな支援を行なって、方向としては、こういうものだということを、単に調査会のみならず、政府としてもお考えになっているんじゃないかと思うので、その場合の一体この具体的な施策というものは、いわゆる憲法上規定された所有権に触れないで、そういうことを促進していく方法はあるかと、先ほど来お話の具体的なこまかい説明はとにかくとして、もっと端的に、何か政策的に大きな柱で考慮されているような問題があるかどうか、これをお尋ねしたかったわけです。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは先ほどの御質問でありますので、私それにお答えしているつもりなんですよ。それは要するに、これをお話のように法的にというようなことはなかなかむずかしいことです。しかし、どうしても三反百姓というような言葉でいわれるような状態で、農家の収入だけで生計を立てていくというようなことは、これはとうていできないことです。そこで、お話にもありましたが、農地の集団化、共同化ですね、また法人問題というようなことも検討されなきゃならぬけれども、それとは別に、やはり単に今お話の問題と直結する問題は、だれか農村にそういうお世話をする人があって、身近な問題として一々取り上げて、きめこまかく、これじゃやっていけないじゃないか、どうだ、こういう方向に一つ、というような指導も必要ではあるまいかというふうに考えるわけであります。農地が小さくとも、どうも農業の知識は非常に多い、また農業をやっていきたいという人に対してそういうことを実行する必要は私はないと思うわけです。それに対しましては別の考慮を必要とすると思いまするが、他に転職したいというような者がありますれば、政府の方でも職業安定機構というものがあるのでありまするから、それと農家のそういう問題とを結びつけるというような趣旨におきまして、私は協同組合長あるいは市町村長というような人がそういう趣旨を体してその問題に力を入れていくということが、回りくどいようであるけれども、一番いいんではないか。それにはただいま申し上げましたように、職業の訓練機構というものが相待って整備されていかなきゃならぬ、そういうふうに考えまして、三十五年からそういう方向の具体的な施策に着手するということにいたしたわけなんであります。私はお尋ねの問題には、一番この方法が現実的であり、効果を上げていくのではあるまいかと、こういうふうに考えているわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 なお、今の調査会の案では、これは非常に重大な問題を次々と提起しているわけですが、たとえばその次には、「そのため現行法できびしく制限している農地所有の最高限度(内地平均三ヘクタール、北海道十二ヘクタール、農地法第三条)を引き上げ、また農地取得が許される最低所有面積は零細農家ができやすい理由から五十アール未満ないしそれ以上に引き上げる。」というように、非常に、それこそ第二の農業革命といわれるくらいな大きな変革要件を示しておるわけですが、これはもちろんまだ政府が検討されておらぬと思うのですけれども、一般的に農林省としてもこういう方向というものを大体一応指向しておるわけでしょうか。その辺はどうでございますか、まだ御検討前でしょうから。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ、今お読み上げ下さいました基本問題調査会の結論というのは出ていないわけなんです。これは政府の——政府というか農林省の機関じゃありませんけれども、常時緊密な連絡をとっております。大体七、八月ごろになりましょうか、結論が出るというふうに伺っておりますが、しかし、そういう今お話のようなテーマが議論をされているということは承っております。私の方でも、これはまあ一つの問題だというふうには考えておりまするが、農林省はまだ成案を得ておりません。しかし、十分慎重に考えてみたいというふうに存じておる次第であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこで、先ほど来大臣のお話のいろいろな指導要領ということも、ある程度わかりますが、私は率直に申し上げて、これは農林省としてももっと非常な決意と、かなり高度な政治力と政策を持たなければ、今私がお尋ねしたような意味の内容の実現をすることは私は困難だと思いまするそこで、私はやはり今の農協が従来の金融それから販売、購買等流通部面だけに片寄らないように生産部面にもっと農協が力を入れる仕組みにしなければいけないと思うのです。なぜそれができないかというと、金融にしろ購買、販売にしろ、これは普通一般の商業とは違いますけれども、ある程度のマージンがあるわけですが、それでやっていくわけです。だから、生産基盤拡大にもし農協が重点を置くということになると、実際問題としては、農協の経営——単位農協ですが、経営がなかなかむずかしい。マージンが入ってくる。まさか土地改良をやったり、いろいろしてそこから頭をピンはねするわけにいきませんから、なかなかむずかしい。だから、生産基盤の拡大というような形で農協が仕事をしていく場合に、おそらく私は経営の面で非常に制約があるのじゃないかと思うのです。だから、そういう意味で、農協についての経営指導、それについてもう少し政府が経済基盤——経済じゃない農業の基盤強化のために何らかの積極的な指導なり助成というものをやって、それでその農協が中心になって、できれば、私は昔の部落実行組合あたりを単位として積極的な経営の合理化、共同化に指向していかなければ、ただ一人や二人の指導員を置いて思いつきでやってみて達成されるというそんななまやさしいものではないと思う。また、今私が申し上げたような方向でやらなければ、これは実際問題として、日本の農業の高度化や合理化や、それから家庭の人たちの重労働からの解放ということは全然ない。これはどうしても方向としてはそういう方向をやらんならぬと思うのですが、それについてはどうしても、私は、農協というものは生産部面にもっと重点を置かなければならない。そのためには政府がある程度の保護助成指導をしてやる。そうしないとこれは農協の生産面への発展ということはなかなか困難だと思いますが、そういうことについて御用意があるかどうか、お考えがあれば承りたい。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農協をどうするかといことは、これ確かに問題点だろうと思うのです。今後農業の政策の大転換というか、大発展という際における農業協同組合のあり方ということにつきましては、今のお話の基本問題調査会の方でも、私ども十分一つ検討してもらいたいのだということをお願いしておるのです。しかし、まあそれを待つまでもなく、お話のような問題もありまして、特に私どもは今農業法人という問題を考えております。農業法人は大体において会社形態が今ずっと出てきておりますが、しかし同時に、農業協同組合の形でもこれができるようにという道を開く必要があるまいかというふうに考えまして、ただいま最終段階におきまする私どもの案といたしましては、協同組合形態の農業法人というものも考えておるわけなんです。根本的な問題につきましては、基本問題調査会の方で夏には意見をまとめてくれるということになっておりますので、それも参酌して根本的に考えていきたい、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それからこの共同化を促進していく場合に、今の農地の関係は別としまして、この間も一般質問でちょっと触れましたが、大家畜とか、それから農業用機械、そういうものの導入が、いわゆる固定投下資本、これが昭和二十七年から三十年ごろまでずっと伸びてきて、三十年ごろからまたずっと下り坂になっておる、統計上。これは政府の発表の統計に出ておりますが、一ころ相当盛んにそういう機械を入れ、大家畜等を入れて、非常に近代化、合理化をやってきたのですが、ある程度もうその収入も、豊作なんということを政府は言っておりますけれども、そういう一般的な豊作要因ということを別にすると、収入もある程度限界に来て、そういう固定資本投下というものは頭打ちになったことは御承知の通りです。むしろ年々低下しておることは、政府の統計が示しておる通りです。それで政府も今度中型トラクター等で畑地の耕転に何らかの予算を、試験ですか、二億数千万円ですか計上しておるようですが、これをもっと私は、先ほど申し上げたように、これは予算の点に制約されますが、この部落実行組合くらいを単位にして積極的にそういうものを入れるための費用、そういうものを少しお考えになったらどうか。それとともに、農業のサービス・センターということも一つの要件になると思いますが、そうしていかないと個々の農家で大機械や大家畜を導入するのはもう限界に来ており、これ以上の発展はない。それじゃ何戸かが集団化しようと思えば、今の耕地関係、所有関係にぶつかるからどうしても共同化する以外にない、そうなってしまいます。また、そういうことを共同化して初めて政府の指導である中型トラクターも生きてくるわけですが、そういうことについて具体的にどういう計画をお立てになっているか。単なる試験的なものなのか、そういう構想を持っての予算なのか、その辺を承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農業の共同化、集団化というのは、どうしても私は大勢として今後農業経営に大きく取り入れていかなければならないと考えておるわけです。そういう観点から考えますと、まず果樹園、これなんかは一番先にそういう考え方が適用できるし、また、その必要があるというふうに考えておりまして、それにつきましては共同化の実験集落を作るという制度を三十五年度から始めていくということにいたしております。それからもう一つのそういう適例は、これは養蚕です。桑につきましては、やはり集団桑園という形でよほど能率が改善できるのではないか。そうすると稚蚕からずっと一貫ということにはいきませんけれども、稚蚕から繭に至るまでの相当部分の経営というものが、そういうふうな共同的なものでもできるということが実験されるわけでございまして、私どもこれに非常に期待を持ち、そういう模範施設を新たに三十五年度から設けていきたい、こういう考え方を持っているわけです。  それからもう一つは、麦は外国に比べまして非常に生産性が悪いわけでございます。これはなかなかむずかしい問題でありまするが、しかし、努力をしなければならぬ問題だということで、これも麦作改善のための経営改善集落というものを全国に二百三十八カ所今度作りましてやっていくのでございますが、これも共同化ということが主体であり、それによって省力多収農法という形が打ち出されるように期待をいたしているわけです。  さらに、木炭の業界が非常に不振なわけでございます。これも御承知の通りでございまするが、それに対しましても木炭の搬送を一つ共同でやる、その際には政府としても補助していこうというような考え方を三十五年度から新たに打ち出す。それから飼料の問題につきましても、それから農業機械化を実現しようという問題につきましても、同じような考え方で、三十五年度の予算では新しい予算を導入しているわけです。また、これは昨年、三十四年度もやっているのでございまするが、農業の機械化というものに対する助成を大いにやっていくというようなことでございまして、全体といたしまして、いろいろな方式はありまするが、総合してみますと、これから機械化また集団化ということは大きなとるべき方向である、それを強力に推し進めていきたい、こういう考え方を持っているわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それからちょっと話は変わるのですが、今の食糧管理制度の問題ですが、先日地方へ講演に行ったら、聴衆の方が、前の農林大臣の河野さんが、貿易自由化で農村は革命的な変化が起こって、二・二六事件みたいなことが起こると演説しているがどうかというお話で、それは池田さんを目当ての話じゃないか、そんなことは実際政府もやるとは思わぬし、そういう条件はないという、まるで立場が変わったような話を私はしておったのですけれども、そこで私は、食糧管理制度というものが、一こう食糧が足りないから管理制度で、だんだん米麦がたくさんとれるようになってきたから自由だというのですが、もうそういう段階を過ぎて、今の新しい国の内外の条件から、この食糧管理制度というものは日本の農業を維持し、ひいては日本経済全体の関係上、この食糧管理制度というものは、食糧がどんどん増産の成果を上げているにもかかわらず、私は今後引き続き維持されなければならない制度だと思うのです。だから、昔のような立場で食糧の自由販売とか、管理制度の撤廃という、そういう考えで問題を考えることは全然間違いだ、だから、貿易自由化の農業に及ぼす影響というようなことについても、こんなことを政府がもちろんすぐやるはずはないと思いますが、だから、そういう意味からいってこの食管制度というもの、内容の技術的な点はいろいろ改革が必要であろうと思いますけれども、大勢としては、こういうものが今後当分存続されると見ていいのではないか。だから、食糧が豊富になってきたからどうということではない、条件がすっかり変わってきておる、そういう理解でいいかどうか。政府としてもそうお考えになっておるかということですね。これは農村へ行ってしばしば受ける質問の関係もありますから、この機会に一つ承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはもう羽生さんのお話の通りのことを私ども考えておるわけでございまして、ことに、今秋は、需給のバランスが非常に完全にとれているというふうに考えていないのです。なるほど、三十四年度は未曽有の大豊作で、大体において自給点まできておるというふうに思うのでございますが、しかし、あんなうまいことがずっと毎年続くということも保証されないし、過去数カ年のことを考えてみますと、どうも五百万石内外の不足である。現にそれだけのものは輸入している、これは捨てられたものではありません。これは適正な用途に使用されておるわけです。そういうようなことを考えても、第一に自給がもういいところへ来たのだから統制ははずしたらどうだというような議論は、その根底において誤まっておる。同時に、かりに需給のバランスがある程度までとれるというようなことになりましても、それは生産者あるいは消費者という国民全体のこの両面から見まして、この制度というものは決して微動だもあってはならぬというふうに考えておるわけです。社会安定の政府の施策といたしましては、これは非常に大きな柱をなしておる、こういうふうに考えておるわけなので、何か心配を持っている向きがありましたら、どうかさような向きをお伝え願いたい、かように思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 こまかいことに移りますが、一、二点。先ほど大臣の御説明にあった、特に蚕糸業関係のところで、桑園の共同管理、それから全齢共同飼育を奨励するとありますが、この稚蚕共同飼育は、各所でやって成果が上がっているのか、全齢共同飼育は、今実際にどの程度実行されておるところがあるのか、これは政府委員の方でよろしいのですが、成果を上げているかどうか。それから個所的ですね、たくさんの個所に設置されておるのか、設置されたところは相当の成果を上げたかどうか。

大沢融農林省蚕糸局長

○政府委員(大沢融君) 全齢の方は多少例がございますけれども、実際に共同飼育をしているものはそう多くはありません。ただ全齢を共同飼育する研究技術というようなもののおぜん立てば、試験所等である程度の技術は生まれております。特に岐阜県あたりでは、こういう息込みが非常に強くございまして、すでに昨年ある程度の実験をしております。今後いろいろの問題があろうと思います。品種ですとか、あるいは飼育の技術ですとかありますので、私ども集団化をし、全齢共同飼育をするという奨励を、ごらんのようにまあ初段階でありますので、そういう規模で始めまして、そうしたいろいろの問題を検討しながら、さらに広く推し進めるという態度をとっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それから、この御説明の二十六ページの1に「まず、都市に比し、立ちおくれている農山漁村の社会及び生活環境の急速な整備に資するため、」云々とあるわけですが、生活環境の急速な整備ということはどういうことをお考えになっておるのか、何をなさるのか、その点もちょっと承りたいのですが、実は私は、この農村、特に農業のうちの農村についてこういうことを考えておるのですが、これは金がなければできない話で問題になりませんけれども、今の日本の財政では問題にならぬが。農家の収入がたくさんふえてきまして台所の改善をやる、あるいは水道も入れるとか、それから新しい堆肥場も作るとか、農家個人の生活レベルが上がり、収入がふえてきて、そうして自分から、今申し上げたように、家庭生活の近代化、合理化をはかっていくという、それは普通のケースです。それとは別に、それだけの余裕のない農村地帯に、あるいは水道を政府が積極的に助成して入れてやるとか、あるいは新しい堆肥場を作るためにうんと助成をしてやるとか、あるいは台所の改善のためにうんと助成をしてやるとか——だから、自分の生活レベルが上がってそういうことにいくのでなしに、他の面から、政府の施策の面からそういう個人の生活環境のレベル・アップを行なっていく、こういうことも考えていいんじゃないかと思うのです。ここで要するに生活環境の整備ということ、そういうこともお考えになっておるのかどうか、どういうことを思考されているのか、その辺のところをちょっと。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、生活環境という問題は、非常に重要な問題だと、こう考えておるんですよ。先ほど申し上げましたように、要するに今後の農業対策としては、一つは、土地の効率を上げる問題であり、もう一つの問題は、農村の人口構造の調整というか、この問題であり、第三の問題は、環境の整備である。第一、第二の問題は、農家の所得を向上するという性格の問題ですから、同じ所得が都市と相並んで農村にも確保されるということになりましても、環境が違うのですね、生活環境というものが。私は、農村の生活環境というものは、これはまあ田園といわれるように、特殊な環境を持っておると思うのです。従って、都市と環境は同じ内容のものであれということを言うことは、むしろ農村のために不幸なことであるというふうに考えますが、しかし、内容は違っても、その重さにおきましては、都市と同じものをこれは農村にも与えなければならない、こういうふうにまあ考えるわけです。同じ所得を使って、同じ重さの楽しい生活ができるということを常に考えるべきである、こういうふうに考えるわけです。そういうような見地から、環境問題というのを、今、羽生さんがお読み上げ下さいましたような趣旨で重く考えておるわけなんです。具体的な考え方といたしましては、新農村建設というものは、これはそういう考え方もあり、また同時に、生産基盤を作ってやろうというような考え方もありまするが、環境を整備するのだ、そういう考え方をもって一つやっていこうという私は考えを持っております。三十五年度に、新農村の計画というものが一回りいたしまして、それに必要な予算なんか、三十億円ばかり今度はなくなるわけです。今度はそういうものも財源にいたしまして、農村の生活環境を整えてやるという施策をまあやり出していこうというので、三十五年度にはどういうことをしようかという調査をするわけなんですが、お話のような意味をも十分含めましてやっていく考えであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最初に、食糧増産対策費を農業基盤整備費ということで、新しい方向を出されました。経費としては、前年度と比べて約五十五億円くらいふえておるということでございますが、そこで、農業基盤整備の対象は、農業生産の基盤である農地の保全、改良、拡張ということをねらっておると私は理解しております。そこで、保全の問題と改良の問題は別にいたしまして、拡張の場合ですが、その拡張の内容としては、現存しておる国土を開発していくという面とそれから新たに造成するという二面がこの拡張のうちには企画されると思うのです。そこで一体その開発なり造成なりにです、行き当たりばったりでおやりになっておるのか。日本の国土全体のうちでどの程度の開発をやっていこうと、そのために三十五年度はどう計画する、造成にいたしましても、どういう構想の基礎があって、その基礎の上に立脚して三十五年度はどうするということでなければならぬと思うのです。まあこれを聞きますると、そういう問題は基本問題調査会でやっておるから、こっちの結論を聞いてと、こう逃げられると思いますが、しかし、それは基本問題は基本でけっこうです。けっこうですが、年々農林行政としては一番重点がここに指向されてきておるのですから、これは何か一つの構想があって、その中のものとして年々の財政の都合から具体化されてくる面があったと思うのです。その一体ねらいはどう置いておられるのか。国土全体の性質から、例にとれば、既耕地になっている面積は何%あるのですね。そういうような諸外国の例等から、あるいは日本は年々歳々台風の洗礼を受けるのですから、そういうことから治山治水の問題もありまするので、そういう面を織り込んで考えなければならぬと思うが、何か具体的にその構想があって推し進められたのか。その点をまず最初に聞きたいと思います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 御質問の点でございますが、今われわれよりどころにいたしておりますのは、経済企画庁でやりました新長期経済計画というものを一応のよりどころといたしております。これをやりますときに、御承知のように、三十三年から三十七年まで五年間でどうなるかというようなことで計画を作ったわけでございますが、そのときには、農地の関係につきましては行政投資を、二千三百億という行政投資が数字で明記されております。そのほかに農地の造成にっきまして、土地改良で幾ら、あるいは干拓で幾らというふうなことははっきりはいたしておりませんが、あの場合の考え方としまして、大体三十一年の耕地を五百七十五万と押えまして、三十七年度までにはさらに十九万四千作っていくのだ。開墾で十七万五千、干拓で一万九千、十九万四千作りまして、そのほかに毎年七万五千町ぐらいの減がある。七万五千の減というものを見まして、三十七年には差額の十一万九千町ぐらいがふえるのじゃないかというようなことに見合いました二千三百億というような行政投資をあのとき作ったわけでございます。今の数字でございますが、農林省としましては、大体その当時は、昭和五十年くらいになれば食糧の自給も可能になるのではないかというようなことで、たとえば土地改良面積でございますと、六百三十万町くらいの土地改良面積をやる。あるいは開拓は百五万町あるいは干拓が八万四千町というような数字を一応試算しまして、それを根拠にしまして実は長期経済計画を作ったわけでございます。それをよりどころにしまして実は今までやっておりまして、行政投資につきましては二千三百のうちで大体千百五十くらいの三十五年夏まで投資になるというような形になっております。  それから今申し上げました面積等の実績を見ますと、開墾と干拓で三年間で四三%ぐらい——五〇%にまあちょっと足りませんが——くらいの進捗率、土地改良で六割くらい、土地改良が非常に伸びておりますが、六割ぐらいの実績を示しております。そういうふうに、よりどころとしましては、先ほど申し上げました長期経済計画というものをよりどころにしてやっております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今お話の開墾をどうするとかいうことが、長期経済計画の国家財政の限度から逆算せられてそういう計画にきておるのか。国土全体についてまだどれだけの開発可能地があるから、それを年次別にどういうように開拓開墾をしていくということから出発しておるのか。財政面からきておるのか、理論的な開発の可能というものを考え、あるいは干拓の可能地点というものを考えて、そっちの方からきておるのか。そうしてそれができた結果として、農家の自作農として発展していくために可能な単位当たりの面積というものがどう確保されていくというようなことからもきておるかと思うのですがね。そういうようなことからきておるのか。一体その二千二百何億という金が長期経済計画のあれだから、それでやっておるという財政面だけからきておるのか。私は基本的には何年後に一戸当たりの耕作反別がどうでなきゃならぬ。そのためには開発し得る面がどうある、開拓し得る面がどうあるということで計画が立って、財政の制約がありますからその通りにはいきません、いきませんが、一応の計画が樹立されていくと、こういうふうに進まなきゃおかしいと思うのですが、どうも今までの経過を見ておると、そういうような基本構想というものが欠けておるのではないかという感じを持つのですが、その辺はどうなんですか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今先生のおっしゃいました中で、将来の、たとえば十年先、二十年先に農家を幾らぐらいにして、それに幾らぐらいの面積を持たしたらいいかということは、これは非常に問題でございまして、まあ適正規模の問題、もう一つは農家をどのくらいに維持するかということの問題でございますので、これは非常に問題でございます。先ほど申し上げました昭和五十年くらいに大体食糧の自給を確保するということで申し上げました開拓なり干拓なりの数字は、食糧自給という前提に立ちまして、それじゃどのくらい日本では今後開発すべきもの、干拓、開拓含めまして、あるいは土地改良してこれを上げていくのだということからはじき出した実は面積でございます。それで、この五カ年間は、そのうち、さっきの新長期経済計画につきましては、そういう前提に立って、それじゃ五カ年間にどのくらいできるかということを考えたわけでございますが、これにつきましては当然行政投資ということの方からの制約もございますし、われわれとしましては、二千三百億ということは一応国としてきまっておりますので、その前提に立ちまして先ほど申し上げました十九万四千町、大体二十万町の造成面積を作っていこうじゃないかというような観点に立っておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 僕伺っていますのはね、従来の食糧増産対策費というふれ出しのもとに進められていくとすれば、それは日本の人口増加を予定して、それの増加人口に見合う食糧の自給体制を確保するためには、何カ年間にどれだけの耕地をふやしてどうするということも一応僕は意義があったと思うのです。今度は新大臣の新構想で農業基盤整備費と、こういうことにする、非常に発展された。私はそのことは非常にいいと思うのです。こういう構想の変わった計画のもとに進んでいくものとしては、何年後に食糧の自給体制を確保するということでは、題目とぴったりしないのじゃないか。食糧増産対策費であれば、これはもうお話の通りで、五十年なら五十年に人口がどうなると、だからどれだけのものを作ればよい、それに見合う耕地はどれだけなければならぬ、こういうことで一応の計画は立つ。ところが、農業基盤整備費ということになれば、これはねらいが変わってきてしかるべきじゃないか。変わった構想のもとに進められるとすれば、三十五年度のこの新しい三百八十九億という予算を作られるときには、そういう新構想のもとに計画がなされなきゃならぬはずだ。とすればです、その構想はどうでございますかと、こう聞いているのです。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今御質問でございますが、先生おっしゃいますように、食糧増産対策費というものを、名前を変えまして、基盤整備費とやりました考えには、先生おっしゃいましたにように、食糧増産という単にそれだけの目的でなくして、たとえば食糧増産には直接役立たぬでもコストを下げていく、そういうようないろいろなもっと広い面から生産の基盤になります農地というものの造成なり、あるいは改良をはかっていくという、広い立場で実はものを考えていくということは当然でございます。で、われわれとしましては、実は三十五年度の予算を要求いたします際には、農林漁業基本問題調査会の方とも実は御相談しまして、十年先なりあるいは二十年先の大体日本のいろいろな食糧その他一般の需要構造がどういうふうになっていくのか、消費性向から見てどういうふうになっていくかということを前提にしてものをはじいていくことが一番いい。今先生もおっしゃいましたような十年先には農家が幾らになって、経営規模が幾らになって、それであるから耕地としてはどうだということが出れば一番よかったのでございますが、まだわれわれの間では十分準備ができません関係上、今先生のおっしゃいました計画そのものにつきましては、これは基本問題調査会の結論が間近に出ますので、これに基づきまして、新長期経済計画というものをもう一回見直していくということにいたしたいと思っております。それで基盤整備という面を打ち出しました実は内容は、三十五年度は今までの土地改良なり、開墾なり、干拓でございましたが、私どもの考えといたしましては、それだけでなくて、今後の日本の農業の重要な部面を占めます酪農なり、そういった問題を考えますと、草地の問題でございますとか、こういうものを将来は広く取り入れまして、これを作っていくべきじゃないかという考えを持っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうすると結局、昭和三十五年度に新構想として農業基盤整備という題目を取り上げられたが、この内容は今研究中であって、昭和三十五年度の予算としては、従来の食糧増産対策費当時の考えを一応そのまま踏襲したと、で、大臣の新構想に基づく新しい政策というものは三十六年度以降に期待されるのだと、ここで方向だけを示したという内容だと、こう了解していいかどうかということですが、新構想が出たんですから、その新構想に基づくふさわしい内容があるのかないのか、それは基本問題調査会等の関係もあるから、他日に、示した方針を具体化することが肉づけされるのだ、三十五年度は看板を変えたけれども、従来の食糧増産対策費の始末をするのだという程度のことなのかどうか、何か新構想があればそこを聞きたいのですがね、看板の変わった内容に何か新しいものを盛り込んでいらっしゃる、どうもそれを僕は期待しているのですけれども、どうなんですか、大臣。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 今農地局長からお話のように、農業基盤整備の内容は、今までの系統の土地改良事業、開墾、干拓、そういうものです。しかし、考え方は増産、これももとより私どもは大事だと考えておりますが、それ一点張りでなくて、能率の向上のための基盤を作ってやるんだという考え方でこれをやっていこう、こういう考え方の違いなんです。ですから、これは今局長からお話のように、昭和三十六年度は草地が入るとか、あるいはいろいろなものがどんどん入ってくるかもしれませんが、それは私は末節的なことであって、考え方として、この予算は農家の能率を上げるんだと、そのための施設を国がしてやるんだという考え方で、これを実施する者も計画する者もやっていかなければならぬ、こういうふうに考えるわけであります。この考え方は、これは農林省の予算全体に一貫しての考え方でございまして、これと相伴いまして新しい施策を必要とするという問題があるいは振興局の方面、あるいは蚕糸局だとか畜産局とか、随所に出てきておるわけでございます。この土地改良事業はやめちゃっていいということはないのです。これはやっていくけれども、その考え方において——従って大体実施をする場合におきまして、いろいろなニュアンスの違いというものが出てくる、そういうふうに御理解を願いたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私の聞きましたのは、保全とか改良の方はこれはまあ別にして、拡張の方だけにしぼって、一体具体的な内容、計画、目標というものがあるかということで、これは今ここで基本問題調査会の結論が出ておらぬということで、そこへ最後はいかれると思いますから、これ以上承りましてもどうもなさそうですから、ニュアンスという程度で了解しておきましょう。これはもう少しそういう点をはっきりしてもらわぬというと、看板の内容が明確になってこないと思うのでございます。  その次は、羽生委員からも相当御質問があったのですが、農業経営の共同化という問題は、取り組んでいかなければならぬ非常に重要な私は問題としてしばしば大臣にも御意見を聞き、大臣も同感であって、このことは強く推進していくのだということなんです。そこで、例の補正予算のときには、具体的に部落の共同化ということで予算が出ておりましたですね。ところが、三十五年度の予算を見ますると、先刻羽生委員の御質問にお答えになって、麦の省力栽培ですかというようなことをやるとか、あるいは中型トラクターの問題を取り入れるというようなことをおっしゃいますが、どうも行かなければならぬ方向である経営基盤の近代化、合理化のために求められる共同化の推進ということについて、具体的に三十五年度の予算を見るというと、私にははっきり出てこないのです。それは従来からやった畜産の共同飼育とか、これはもちろん継続されておりまするが、新しい農業経営の方向として求められておる経営の近代化、合理化のために共同化していくということが、三十五年度予算では、むしろ補正予算のときにははっきり出ておりますけれども、三十五年度予算では、機械の面で二億七千二百万円ですかという予算がございますが、それ以外にはそういうことが端的ににじみ出ておる予算というものがない。これは一体どこに、どういうように共同化のことが含まれておるのか、それは事務的な質問になりまするが、私には今御説明を聞きましても、どうもそういう点がはっきり出てこないのですが、どういうふうに構想されておるのか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは先ほども申し上げたのですが、共同化ということばかりじゃございませんけれども、農村のいろいろな環境を整備していこうというので、今年、三十五年度の予算では、その全国的な調査をやってみようと、こういうことで三十五年に新農村の建設が終わりますから、その後は引き続いてそういう方向の施策を出していこう、そういう際なんかは共同化という問題もこれは強く取り上げられると思うのでございます。しかし、具体的な問題として、果樹だとか、あるいは養蚕だとか、それから麦だとか、一般的には機械化だとか、そういう面におきましては、特別に共同化の方向に力を入れようというので、今年の予算にはありませんけれども、三十五年度からは果樹園経営改善実験集落、麦作経営改善集落、それから農業機械化実験集落、飼料給与改善施設、それから集団桑園模範施設、簡易木炭乾燥施設、これらの共同施設を新しい施策として出しておるわけでございます。それから昨年部落補助というお話がありましたが、これは部落補助で、共同化ばかりじゃありません、これはいろいろなことをやる補助でございまして、私が考えておりますのは、三十六年から環境を整備しようというものと相通ずるものがあるわけでございますが、これは災害の臨時的な措置として、一村、村くるみ押し流されたという場所に限ってこれを適用したわけでございまするが、今度はそういう考え方を全国的にやっていこう、これは非常に大きな私は考え方を三十五年度予算には出していくというつもりでその調査費の御審査をお願いしておる、こういうわけなんであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、結局、その要請されておる共同化ということについては、昭和三十五年度予算で具体的な現地調査をやって、その調査の結果に基づいて具体的には三十六年度から大体進んでいくんだ。今お話の木炭の関係だとか、果樹の関係だとか、これはもちろん共同化ということを意味しておることは間違いございませんけれども、私どもが始終申し上げておる農業経営の共同化ということとは、まあ栽培上の経営共同化ということには意味されるでありましょうけれども、もっと総合的な共同化というものをはかっていかなければ、資本投下の効率の面からいっても非常に不経済な面があるのではないかということをしょっちゅう申し上げておるのですが、そういう面については、昭和三十六年度以降にやはり期待されるということになるのでしょうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 森さんの頭に昨年の災害のことがあるようですが、あの際に、この共同化という考え方を出しておるわけです。特に部落補助というのは共同化ばかりじゃありません、これは部落全体としてこの際円滑に復興できるようにという包括補助を考えたわけです。そういうような考え方に基づくものは、これは新農村計画が一回りした後に、三十六年度からやろうと、こういう考え方で、三十五年度は、調査費を計上しているわけです、しかし、今要請される共同化というもの、これも生産面に直結した共同化という問題は、私は、これはひとり政府の予算措置ばかりでなく、農村自体の盛り上がる意思というようなものもありましょうし、また、制度的な面の問題もある。それに関連して農業法人問題というようなものも出てくるわけでございまするが、しかし、特にこの際必要であろうというものは、先ほど申し上げました六施設を今年からやっていこう、こういうわけなんです。三十六年度は共同化ということばかりを考えているわけじゃございませんけれども、農村全体として仕組みを近代化するにはどうするかというための施策を全国的に出していこうと、こういう考えでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そこで、今問題の共同化の機構の問題として農業法人の問題が出ましたし、羽生委員からも質問があった。その際に、会社組織も考えられるし、協同組合組織によっていくのも今考究中だということでしたが、今大臣が構想されておる農業法人というものは一体何をねらっているのか。農業法人は何をねらうかというと、やはり共同化をねらうのかどうかという問題なんですが、そういう目標がしっかりするというと、そこから機構の問題もおのずからこうにじみ出てくると思うのです。私も一般質問のときに、農業法人の出発したときには税対策としてこれが発足しておる、しかし、税対策として農業法人というものを考えるのはおかしい。これはむしろ税の体系が悪ければ、これは基本的に税体系を直すべきであって、共同化、法人化によって税が軽減されるという理論はおかしいということを申し上げたつもでございますが、農業経営の近代化、合理化ということがこの共同化の機構である農業法人だといたしますれば、おのずから、会社組織にいたしましても、共同組織にするにいたしましても、今世上論議されておる一戸一法人というものについては大した意味がないのじゃないかという感じを持つのですが、そういうことをどう整理されておるのか、その辺はどうですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは沿革的にいえば税のことから発足しておりますが、最近はそういう意味を持つ法人化の傾向もあるとともに、経営を合理化しよう、その手段として共同化しようというような意図が多分に見受けられるようなものができておるわけであります。そういうものを国の法制として押えておるということは好ましくない。これに合法的にこたえていく道を開こうというのが今度の農業法人の考え方でございます。自作農主義というものはどこまでもこれは続けていかなければならぬが、同時に、そういう要請にはこたえていこう、こたえる道を開こうというのが今度の法人問題を解決しようというねらいでございます。従いまして、一戸一法人というようなことは、私どもは必ずしもこの法制のねらいとするところでは私はない。あまり歓迎はしないわけです。しかし、そういうふうな経営にいたしたいというものを、これを法的に押えるということもいかがなものであろうかというふうな考えを持っておるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 経営の近代、合理化を指向する農業法人組織といたしますれば、お話のように、したいものがあるからそれを押えることはいかがかということの意味がわからぬわけではございませんけれども、そういう姿のもので経営の近代化、合理化ということが実際に具現されるかどうかという問題になると思うのですがね、経営規模がちっとも変わらない、それから労力関係もちっとも変わらない、投資資本の関係からも異動はない。そういう姿で一体合理化が求められるのか、近代化がはかられるのかというと、私の狭い見解では、それは同じことではないか。残る問題はまたその税対策だけになるではないか。それを法人問題で解決しようとすることは私は非常におかしい。これはやはり所得のあるところに税のかかるというのが税の本道だと思うのですね。だから法人化すれば税が軽くなり、法人化しないから税が高くなるというような話はおかしいので、そういうこと以外には残る問題はないような気がするのですが、何か具体的にそういう構想があるとすれば、近代化、合理化ということがはかられるというお考えがございます。かどうか、その辺はいかがでございますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、これは一戸一法人というのは大して私どもはそういうものができましても意味がないと、こういうふうに考えております。そういうものができるゆえんのものは、もうほとんど大部分が税の関係ではあるまいかと考えております。税の関係につきましては、これは今総合的に検討しておりまするが、私としては専従者控除問題というものが片づきますれば、大体法人と均衡のとれたものになる。従って、税のそういういろいろな対策ができますれば、一戸一法人という形の法人成りは、これはほとんどなくなっていく趨勢になるのではないかというように考えております。しかし、一つ帳面をしっかりやってみたいとか、経費を明らかにしていきたいのだということで、何が何でも法人になりたいという人がある際に、それは八百屋でも法人になれる。そういう際に農業だけを押えつけるのもいかがなものであろうか、こういうような感じを持っておるのですが、実際問題としては、税の問題が解決されればお話のような心配はなくなるのではないか。こういう見解でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そこで新しく法制化されるであろう農業法人は、農民の唯一の経済的なあるいは生産拡充を目途としておる農業協同組合との関係を一体どういうように調整されていくのか。ただ、すらっと考えてみますると、新しくできる法人というものは何戸以上であればできるということになりますると、極端な例としては、一村一法人も可能ではないかということになりますると、農村の中核機構として存在しておる協同組合との関係が一体どうなっていくのか。そういう関係は、今立法手続を進めていらっしゃる過程でどういうふうに整理されておるのか。これが変になりますると、二本立になってしまうような結果も考えられる危険が多少はあるような気がするのですけれども、その辺はどういうようなものでしょうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 新しく法人ができました場合には、その法人もたとえば一戸一法人といわず、その他のいろいろの法人につきましても、これ、は農村の一つの共同組織でありますところの協同組合の組織の中に一本に取り入れて、そうしてその協同組合活動に参画させるような形へ持っていくというような筋で一応検討中であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 協同組合組織は、申すまでもなく、加入、脱退自由の団体で、新しくできる法人組織というものの規模も別段制限はないと思うのです。そうすると、そういうようなただ指導方針だけでもお進みになるのか、何か法制的にその関係というものを有機的に連絡せしめるような構想を持つのかどうか、その辺どうでございましょう。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) もちろん協同組合は、お説のように、加入、脱退自由の組織でございまして、従いまして、法人が将来どういう姿のものができますか、それから協同組合との関係がどういう工合になりますか、そういうような点も、実際の今後の活動等もやはりある程度見ていく必要があろうかと思いますが、指導方針といたしまして、協同組合の組織に取り入れて、そうして協同組合活動にあわしていくというような形で考えていきたいと思うのでございまして、ただこれを法律上、協同組合に加入しなければいかぬとかいうようなことで強制していくような、法律上強制するようなそういう措置は考えておりませんけれども、協同組合のそういう運動に参画をさせるような形へ持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次にお伺いしたいのは、愛知用水の問題ですが、これはまあ非常に御努力を願いまして三十五年度、所定の計画年におおむね完了するということで非常に喜んでおりますが、この公団事業のために膨大な機構ができたわけですね。しかも、私もつい先日現地を見てきたのですが、かなりしろうとが見ましても、技術的には優秀な諸君が相当網羅されておると思うのです。これが完成とともに分散してしまうということになると、せっかくのものが、非常に端的に申しますれば、もったいない話だという感じを持つのですが、これは新しい構想として農業基盤の整備ということから拡張が当然企画される、そういう方面へ具体的に転用するといいますか、そっちの方へ持っていくというような構想をもうすでに立てて進めていかなければ、現に従業しておる諸君としては、非常に不安定な状況になりはしないかという感じを持つ。そのことが計画年中にりっぱに完成させようとしてやってきたことにひびが入るとは思いません——思いませんが、人間ですから、先がどうなるかわからぬという不安を持てばそこに心配が起きないわけでもないと思いますね。まあ今従業しておる諸君もそんなけちな考えでやっておるとは思いません——思いませんが、人間の通弊としてそういうことがともすると起こらないとはいえない、これはやっぱりそうなりませんように指導するといいますか、確保するといいますか、道を開いていかなければならぬと思いますが、もう時間的にも相当切迫してきておると思うのですが、それに対する処置の御計画が具体的にあれば一つ承りたい。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話しまことにごもっともで、そういうふうに考えております。具体的なことは、大体五月ころを目途にいたしまして最終的な結論を出しまして、そうして働いている公団の皆さんにも御安心願うようにいたしたい、こういうふうに存じております。お話のように、ワン・セットの技術団でございますから、これを活用いたしまして他の方面に御活躍願いたい、こういうふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 農業改良普及事業の問題ですが、本年度は、先刻御説明にありましたように、特技普及ですか、二百三十八名の増員、生活改善に百三十一名の増員ということで、総経費が前年度二十一億二千八百万円が二十二億七千二百万ということに増加されましたことは非常にけっこうですが、ただ、ここで一つ問題になりますのは、助長法の十三条によって規定され、十六条によってその補助の額というものが一応法律で規定されている、ところが、実際に運用されている実態を見ますと、十六条の規定の通りに国の負担がなっていない。端的に申しますと、三分の二補助してやるのだ、こういうことであるのに、実際は三分の二いっておらぬというのが現実なんですね。これは見方によれば、農林省が法律違反をやっているというふうにも、極端な議論としては出てくると思う。財政の関係からと思いますが、これは連年議論をしておってちっともこれは直っていかないが、これはどういうことですか。腕のある大臣が出られて、法律に規定してある通りの補助がとられないというのは、どうも私には納得ができない。これは何分の一以内ということになっておれば、あるいは国家財政の都合で適当につかみ金をやる、こういう規定であれば問題はありませんけれども、三分の二ということがもう明確になっているんですね。承りますと、何人という人数があって、その人数に対して何級何号とかいうふうに平均の俸給率を当てはめて、それでぴしんと割ってしまうから実人員との関係で食い違いが生じてきているというふうにも承りますが、実際の人員数については、これは農林省と地方庁との間に協議が整った人数でなければいかぬと思うんです、人数だけは……。協議の整った人数に対する実際に使用される経費というのは、法律の規定通りに国が地方庁にやらなければおかしいんじゃないかという感じをしているんですが、それはどういうふうに今整理されているのか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) ただいま御指摘のように、農業改良普及員に対する人件費等の補助に関しましては、いろいろ御批判がありまして、これに関しましては、そのつど私どもといたしましても努力してきているのでございますが、ただこの場合におきまして、助長法の規定でございますが、助長法の規定は、通常の補助の条文と全く逆でございまして、これを厳密に読みます場合には、私どもはやはり法律違反とは考えていないわけであります。ただ、しかし、現状におきまして、実際に実行いたしております補助職員の実際の人件費等の単価、これとやはり補助の単価というものがそこに相当の隔たりのある県が見られるわけでありまして、これにつきましては、やはり法律の解釈は解釈、実際問題は実際問題ということで区別して分離しなければならぬと考えているわけでありまして、この点に関しましては、根本的に実行段階で三分の二補助を実現するというところまではなかなかいけないのでありますが、逐年補助単価の率は上げておるわけでございまして、この補助単価等の面に関しましては、単に農業改良普及員だけじゃなしに、農林省の一般補助職員に通ずる問題でございますので、やはり農林省といたしましては、一定の補助職員に対する単価ベースがございまして、これが相当在職年数の長いものもあるし、それから短いものもある。絶えず職員が一つの標準的な形で更新していく姿を想定いたしまして、それによって単価を想定しておるのであります。現実の府県におきまする普及員その他の補助職員に関しましても同様でございますけれども、この更新、回転というものが、なかなか円滑に行なわれないで、年とともに在勤年数の長い者が累積していくということによって、そこに実行単価と補助単価との差異が出ておるわけでございます。私ども、これを抜本的に改めるということは、なかなか予算技術上におきましてむずかしいと思うのでありますが、できるだけ毎年々々補助単価を上げるという方向に私ども努めておるつもりでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 法律の解釈上、別に疑義はないというお話ですが、普通の補助規定等でございますると、予算の範囲内においてどうだとか、あるいは何分の一以内とかいうような、きわめて融通のきく規定が通例だと思うのですね。ところが、改良助長法については、予算の範囲内という文句が入っておりませんね。それから何分の一以内ということも入っておりませんね。だから、別に厳密に解釈するとか、ルーズに解釈するとかいうことでなくって、これはしろうと考えで、三分の二ということになるのじゃないですか。どこにそういう以内でよろしいということがあるのかどうか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) これは、農業改良助長法の第十六条の三項に、ちょっと通例と変わった、経費負担の補助あるいは県費の負担等の通常の場合とは非常に変わった書き方の規定がございまして、要するに、「協同農業普及事業に係るものについては、当該都道府県においてその事業を維持するためその年度に支出する都道府県費の倍額をこえるとき」云々とありまして、「それぞれ、そのこえる部分については、当該都道府県は、これを受領することができない。」という逆の規定がございまして、これは、通常の補助規定の場合には、こういう規定をしないわけでございます。従って、むしろ府県の方は、国の補助が主体でございまして、それの倍額をこえては受領できないと、こういう規定でございます。従いまして、この法律の条文からの解釈では、現在の補助体系がこれに違反しておると言うことは、実はできなないわけでございます。ただ、私が先ほどから言っておりますように、この規定にこだわっておるわけではないのでありまして、できるだけ現実の問題を何とかして処理していきたいというふうに考えておるわけでございます。それにはいろいろやはり予算の技術士の根本的な、補助職員体係に対する俸給ベースに関する問題がございまして、非常にむずかしいわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その倍額をこえて受領してはならないという規定と、倍額までは受ける権利があるという解釈と、そこはどうなんですか、実際が倍額には達しておらぬから、法律違反ということでは格好がつかぬので、そういう解釈を無理になさっておるような感じがするのですが、倍額をこえて受領してはならないということは、倍額以内は当然であるということなのか、倍額をこえてはならぬという規定は、倍額まではもらう権利があるというように私は解釈するのですが、また、この法律のできた当時のいきさつは、そういうことであったと私は記憶しておりますが、三分の二は出すのだという、立法当時の説明はそういう説明であった。だからその説明を受けて規定されている規定が、今お話のように、倍額をこえて受領してはならないという表現になっているのは私も承知しております——おりますが、今局長がおっしゃるように、倍額をこえて受領してはならぬという規定があるから、倍額以内であればしんぼうしているのが当然だというような法律解釈には私ならぬような気がするのですが、これはあまり煮詰めると最初に申し上げたように、法律違反だということになったのじゃ格好がつかぬから……これ以上は言いませんけれども、それはそういう解釈は私はおかしいと思うのです。倍額をこえて受領してはならないという規定は、逆に言えば、倍額まではもらう権利があるという解釈にならなければならぬし、そういうことで立法当初は国会でも論議もされましたし、その後における助長法の政正等の場合にも、そんな議論がしばしば繰り返されているということからみましても、これは局長、そう大蔵省に気がねして、御親切な御答弁をなさらぬでも、当然法律上要求されるものは、要求なさらなければいかぬと思うのです。これはどうも大蔵省で、農林省の要求がいつも内論になっているから、大蔵省の方でもそれをしかるべく査定しているのであって、この点はことしの三十五年度予算では、別段今ここでとやかく申しませんけれども、三十六年度予算の編成には、この点は一つ明確にしていただきたいと思います。もしそれができぬというなら、法律を改正なさる方が私は筋としては通る。それに関連して、先刻も養蚕普及員の補助金については、増額をしたいということでございますが、養蚕普及員と農業改良普及員と別建になっているのが、どうも農民諸君からはすっきりしない気持で迎えられているのですが、相当あると思うのです。と申しまするのは、農業改良普及員の方は、国からの助成と、県費の負担で仕事が遂行されておりますが、養蚕普及員の方は国庫の補助金を地方庁にやり、それが設置団体である養蚕組合連合会に交付される、交付された額だけでは養蚕普及員は設置されませんから、その穴埋めをどこからしているかというと、本来の姿でございますれば、養蚕農民からそれは賦課金として徴収すべき筋合いだと思いますが、それがなかなか困難だということで、実態は製糸家の方から、その不足分だけは受領している、それは出貫数に応じてしかるべく処理されている、そのことが農民からみまするというと、せっかくのりっぱな技術を持っておる普及員の諸君の親切な普及が、生産者の方に向いて一生懸命指導されているのじゃなくて、向こう向きに指導しているといったような、これは誤解だと思いますが、そういう感じを非常に強く持っているのでありますから、私は設置する場所によって、養蚕の普及している群馬、長野方面でございますれば、農業改良普及員として養蚕にたんのうの人をやればよろしいし、畜産の発展している地区には、畜産の技術を心得た人を普及員として設置するということで、農業改良普及員の中へ一括して処理することが、この仕事の本来の姿のように思いますが、そうはならぬのでしょうか、そういうふうに改めていただくことができますかどうか、農民心理からいっても、それが正しいと思うのですが、どうですか。

大沢融農林省蚕糸局長

○政府委員(大沢融君) 養蚕関係の技術員の補助の問題でございますが、御承知のように、ことしから、年の途中からではございますが、補助率が改定されまして、多年の要望でありました、補助率を高額にするということに一歩踏み出しておるのでありますが、この養蚕の技術員を県の身分を持っております改良普及員と一緒にしたらどうかということについては、この制度ができますときにもいろいろ問題がありまして、別個の組織がいいという結論できておりますけれども、養蚕というようなことが、農業の経営の一部門であるほかの農業としっくり一つの経営として行なわれなければならないということである場合には、養蚕だけの技術指導が農業経営全般の技術指導と別個になっていいかどうかということについては問題がございます。そこで私どもは、蚕糸業全般の根本的なあり方の問題とも関連して検討をしておりますけれども、現状では一応現状のこのような別個の組織でいくというのがよいのではないかというふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 蚕糸局長、立場上そういうお話ですけれども、養蚕だって畜産だってそれぞれそれを統括する団体はありますが、養蚕にしても畜産にしても、農業経営の一環として行なわれているんですから、今私が端的に申し上げましたように、養蚕普及員の場合も国庫の補助金と県費の負担金で処理をされておるという姿でございますれば、一向問題はありませんけれども、その県費の負担分に相当する額だけがどこからも捻出する道がないということで、結局実態が掛目に負わせて農民が負担はいたしておりますけれども、それを徴収する場所は源泉徴収のような格好で、製糸家のところでまとめてもらってそれをもらってくるという格好が、農民の諸君から見るというと、自分たちのために指導されておりながら、どうも気分的にしっくりしないものが出てくるんですね、実際問題として。そういうことが蚕糸業の発展のために、僕は必ずしも好ましい結果ではないというように思いますので、これは今すぐ改めろということをここで要求するわけではございませんけれども、そういう農村における実態というものをもう少し把握して、同じ国の金を使うなればその金が相手側にも喜ばれて業績が上がるような方向へ使われるという形において十分一つ御研究を願いたいと思います。

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) 速記を始めて下さい。  それでは午前中はこの程度にしまして、午後二時から再開いたしますことにいたしまして、一応休憩いたします。    午後一時十四分休憩    —————・—————    午後二時十三分開会

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) 休憩前に引き続き、分科会を再開いたします。  質疑のおありの方は順次御発言願います。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 時間の関係で、私、向こうへ行かなければならぬですが、農林大臣の農業政策に関しては、私十分承知いたしておりますので、そういうことでなしに、現実の問題を一つ、お尋ねよりも御意向を承りたいと思います。実は、一昨日の建設関係の本分科会でも、私は御意向を聞いたのですが、これは農林省の方にも申し上げておかなければならぬ問題であるので、重ねて申し上げますが、このたびの五カ年及び十カ年計画の特別会計に属する治山治水の計画に関連したことで、私が御質問したいのは治水と利水との関係で、利水は農林省が大体受け持って、治水は建設省と、こういう関係であるのでありますが、従来土地改良、用水の関係を考えてみまするに、積極的、消極的と、こう分けるのもどうかと思いますが、そう分けると、河川改修の跡始末をしておる土地改良が非常に多い。土砂が河川にたまってきますと、取水が計画通りにできないというので、それを上流に持っていくと、ところがそこへもってきて、また河川改修をやる、河川改修は治水ですから、河底を下げるのが目的です。これは当然河底が下がる。そうすると、また今度は入らぬから上流へ持っていくというような、こういう仕事を繰り返しておる部分が、全部とは申しませんが、土地改良に非常に多いと私は思う。それでこの際、こういう計画的に十カ年もの計画を立って、各河川を改修していくのですから、これはもう少し調査して科学的に考えれば、河川改修によって、何年後は何メートル河川の河床が下がるかということは、今の世の中だから、大体想定はつくと思うのです。だから、そういう河川の改修の結果によってそうした利水の主として取水口の変更ですが、そういうような性質のものに対しては、床どめを予想して、河川改修のときに付帯事業として河川費の中からやっておくとか、あるいはまた取り入れ口が非常にたくさんあれば、いい位置があれば上流にそれを移して、そうしてその付帯工事としてそれを施行せしめて いくとかという、私は計画的な考え方がなければ……、利水の方でも、河川改修の跡始末ばかりをやっている、全部とは申しませんがある部分やっているというような結果になって、いわゆる積極、消極と分ければ、消極的改修をやっておる。これは当然やらねばならぬけれどもが、土地改良の中である部分そういうものをやっている、こういう結果になる。それでそれが、今農林省がやっておられる土地改良のどのくらい、何%属しておるか、そういう性質のものが……というようなことは質問いたしません。おそらくそうはないでしょうけれどもが、その考慮は、私は利水方面からいうと、今から持っておかねばならぬ、予算面にもその調査というような費用も現われておりませんけれどもが、まだ五カ年、十カ年あるのですから、三十六年度から調査しても差しつかえないと思うのですが、私はこの河川改修を継続している間に、そういう考慮をもっていかねばならぬと思うのであります。ところが一つむずかしいのは、河川改修の改修年度の問に生ずるものは、当然これは河川の方で付帯事業として、国家が無償でこれはやっている場合もあるのです。ところが大体の場合においては、河川改修の予算がもう完了した後に生ずる、これを予想せにゃならぬというような問題があるので、これは建設省としても、付帯事業として施行すべきだということに、当然なってくるのですが、これは一つ、相当考えていただかなければならない。で、これを県にやらす、これは河川の災害の全般的な復旧というときにもこういう現象が生じてくるというので、これは一つ国で取り上げて、県で調査せいとか何とかいっても、おそらく県ではそんなところまで手が及ばぬだろうと思うので、一つこの点は現実の大事な問題だろうと私は思うので、お考えを一つ承りたいと思う。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話のように、利水の問題は、農林省としてきわめて重大視しているのです。三十五年度におきましても、利根川につきましては、利水事務所というようなものを作りまして、これを計画的に進めていきたいという考えを出しておるわけですが、これは利根川のみならず、各河川の水を有効に使うことを考えなくちゃいかぬし、同時に御指摘のように建設省との間の調整ですね、この問題もあると思うのです。これはしかし、どういうふうな分け方にした方が有効であるか、いろいろ議論のあるところじゃあるまいかと思うのですが、御指摘の点はごもっともでありますから、よく建設省との問で検討してみることにいたしたいと思います。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 これはあとから農林省が始末しても、同じ国の金だからということも言えるのですけれどもね。しかし、現実はそうではないので、大体土地改良のワクはこれだけというように見ておるのだから、その中で私は河川の跡始末をする、そういう方に持っていくのは非常に農業基盤の強化のゆえんではないので、これは別途に河川改修との関連事業として、別途に私はこれは考慮すべきだろうと思う。でなければ、予算的措置をいたしましても、また農民の負担にしても、利水蔵して、農業水利としても、当然国庫が河川改修の付帯事業としてやるべき仕事を、農民の負担がなければできないという結果にもなる。この点は一つ全国にちゃんと計画ができておるのですから、どれだけのそういう障害を及ぼす利水がある、取り入れ口がある、どれだけの費用が要るというようなことは、一つ三十六年度予算までにはそういうことを調査して、とるべき方法を私は講じていただきたい、講じていただけますね。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 十分検討いたします。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 それからもう一つですね、これも簡単に申し上げますが、農地の改良拡張は、いわゆる食糧増産費というものが農業基盤強化という費目になって、これはその通り時代の趨勢ですが、それで現実におかしい問題があるのです。食糧増産という時代に、これはきわめておかしいですよ。この名にとらわれて、たとえて言えば果樹の灌漑というようなものは、昔はやっておったのです。同じような、食糧増産費としても、そこに理屈をつけて果樹の灌漑施設に対しては、これは食糧増産ではないからというので、切られておる、こんな不合理なことはない。ところが、名前も変わって、今度は理論的にもそういうことは言えぬことになる。特に農民の収入を増すということ、収入の格差を縮めるという意味から言えば、そんなことは言えた義理じゃない。最近ようやく果樹の灌漑についても、まあ政府に助成せねばならないというようなことになりかけておる、なっておる、踏み切っておる、大と省が。私はそれは当然だろうと思うのですが、ところが果樹は利益が多いからあたりまえのものより補助率を下げるとか何とかいうようなことをごたごたやっておるということを耳に入れておるんですが、これはもってのほかのことだろうと私は思う。果樹の灌漑というものは非常に早越を受けて収支が償わぬというようなところでなければ、負担までしてですよ、農家というものはなかなかやりゃしない。もう生きる道がないから、負担は大きいけれども、灌漑設備をやって持っていこうというようなことから、果樹の栽培、灌漑という問題について果樹地帯の農家がようやくそういう施設をやるべく考えてきておる。この問題は私は一品に答弁してもらえばいいんだが、一つ早く解決していただきたいと思うんです。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今御質問の点は、従来果樹につきましては、灌漑をいたします場合に補助はございませんでした。先生おっしゃるような趣旨で、実は今そういう場合にもやはり国が補助した方がいいんじゃないかということで、大蔵省と新しい問題として交渉いたしております。その際、先生がおっしゃいましたように、従来の畑灌と、果樹につきましては収益が相当あるので若干補助率に差があっていいんじゃないかというのが大蔵当局の見解でございます。しかし、私どもの方としましては、これはできるだけ一本にしたいというような意味で今せっかく交渉いたしておるところでございますので、もう少し時間をかしていただきましてから御回答いたしたいというふうに思っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 農林省が大臣以不農業行政の万全を期するために平素格段の御協力をいただいておりますことについて私はこの機会に感謝をいたしますが、数点の問題について一つ御意見を承りたいと思います。  まず第一番にお尋ねしたいのは、この日ソの漁業交渉の見通しでございますが、現地でいろいろと分科会等持ちまして、検討を進めているようでございますが、なかなかこれも見通しはしかく簡単ではないようにも仄聞できるわけでございます。で、これは高碕前の通産大臣が政府代表で行かれるというような話も聞いておりますが、当該所管の農林大臣として現状の見通し、現状までの交渉の経過に立って、さらに今後を見通す場合どういう御判断を持っておられるか、そしてやはり所管大臣として、高碕さんは、これは別にしましても、あなたがもっと積極的に乗り込んで早期解決をはかる御意思がありますかどうか、その時期等、もし明言でさましたら一つこの機会に承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 御承知の通り漁業交渉は、いつも時間が大へんかかりまして、百日交渉と言われておるんです。ことしは二月二日から漁業委員会が始まっております。この委員会の性格は日ソ漁業条約におきまして毎年の漁獲量その他の漁獲条件をこの委員会できめていくというふうになっておりますので、きわめて事務的な会議になっておるわけです。私どもも、この日ソ漁業条約の精神上、この委員会は、条約が企図しておるそういう事務的の運営に終始するがいい、こういうふうに思っておるわけです。そこで、ことしは二月二日からその委員会が開かれまして、主として資源の論議をやっておるわけです。資源論議が大体終了いたしまして、きょうからまた新しい漁業の規制の問題というような問題に入るわけでございまするが、どうしてもこの会議の主たる議論の中心というものは資源論争になる。ところが、ソ連側の資料というのは、ソ連が沿岸で漁獲をやっておるという関係上、サケ、マスの川における動態につきましてはなかなか調査が行き届いておるような傾向が多いのでありまするが、日本の方はそれとはまた逆に、大洋漁業をやっておるものですから、大洋における資源状況、そっちの方から見た資源論というものにつきましては、日本側はなかなか豊富な材料も持っておるわけです。見方が、同じ魚族の資源を見ているのですが、川の近辺から見る、また海のまん中から見るというようなことで、多少そこに行き違いが出てくる。そこで、いつも資源論争というものが平行線をたどる面も出てきまして、なかなか決着がつかないというので、今回も資源につきましては小委員会を作りまして、ちょうど昨日までずっとそこで議論をやってきたのですが、一致する場面もありまするか、小委員会でも一致しないという面も出てきておるのです。そういう状態を前提といたしまして、漁獲規制の問題とか数量の問題か今後論議をされるわけでございまするが、大体四月一ぱいにはこの交渉は妥結を見なければならぬ、こういうふうに考えておるわけなんです。そして、いよいよ最終段階に入るわけでありまするから、政府としてもいろいろ方針を検討しなければならぬ。それには、最近の状況を、塩見顧問を呼び戻しまして聞いてみたいというふうに考えております。塩見顧問が今月の三十一日に東京に到着する予定になっておりますので、塩見顧問からの報告を待って今後の対策をきめたい。こういうふうに考えておりまするが、お話の高碕さんにつきましては、前々から日本の漁業界の代表という意味におきまして政府の代表をお願いしたい考えでございます。行ってもらいます。その時期につきましては、どういう時期が一体いいかということについて塩見顧問からも意見を聞いた上きめたい。なおまた私といたしましても、交渉のある段階でばみずからモスクワに行くということに相なる可能性が多いわけでございまして、私が行って解決が有利になるということでありますれば、進んで向こうへ参りまして解決に当たりたい。こういうふうに考えておるわけです。  それで、今度は安全保障条約の関係なんかありますから、ソ連の方でもなかなか、あの手この手で漁業交渉を通じて何か策略を用いるのではあるまいかという観測をする向きもありましたが、この交渉は、先ほど申し上げましたように、資源論の問題なんで、全く技術的の問題なんです。それが安保改定というような問題とからまるべき格のものでないのだということを私は信じておりましたが、今日までのソ連側の態度を見ますと、まことにその通りでございまして、この問題を政治問題とからめて考えるというような出方はいたしておりません。ちょうど先般行なわれました日ソ貿易協定、ああいうものも、ちょうどあの調印と並行して交渉が行なわれ、しかもきわめて円満なる解決を見ておるというようなことと相似通った状態で進められておるわけです。今後といえども、——ソ連も私ども大国と思っております。大国としての態度を堅持して、不当にこの問題を政治的にからませるというようなことは万考えられない。かような見方をいたしておるわけです。どこまでもわが国といたしましては、資源的に検討いたしました科学的合理的な根拠を説明いたしまして、向こうの納得を得る、こういう態度で臨んでいきたい。かような考えでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大体経過と今後の対策についてはわかりましたが、私は、千田委員も、また他の委員も予算委員会で質問をしておりますのに対して、今の安保条約との関連で、ソ連が大国であるので、絶対にからますことはないだろうということを岸総理も言われておったのですが、それはそうなくちゃ、ならぬと私も思うのです。しかし、現実の国際情勢の中で安保批准という、彼らが、まさに仮想敵国をソ連としてやるんだというような考え方はこれはもうあらゆるラジオや報道を通じてやっておるわけですから、そういった問題が全然関係がないとは考えられないですよ。これは政府と私たちの判断が違うかもしれませんか。ですから、それだけに何とか日本の正しい立場を理解させる意味において、従来のような事務的な折衝だけではなくて、やはりそういう政治的な条件がことしはさらに入ってきていると思わざるを得ないのですよ。それだけに、私はやはりタイミングをはずさないように、福田農林大臣がみずから乗り込んで、誤解があるならばそれを解いて、ほんとうに日本の漁民が心配なく、しかも早期に出漁できるように、こういう態勢を作ることこそ、私はあなたに課せられた重大使命だと思うのですよ。これは私の老婆心であるかどうかわかりませんが、少なくともソ連の態度は、決して私は日本政府のような甘いものではないという判断を持ちますから、そういう意味において、今の御所信わかりましたので、ぜひ一つ、塩見さんがお帰りになるそうですから、十分経緯もお聞きになった上で、タイミングをはずさないように、適当な御処置をいただきますように、この機会にお願いしておきます。  それから、その次に伺いたいのは、国土開発縦貫自動車道建設法というのがあります。逐次これは実行に移るわけですが、中央道の予定路線も来週の閣議できまるような話もちょっと聞いておるのですが、これはぜひ一つやってもらいたいと思うのですが、それに関連をして、国土開発という特殊な道路だと思うわけですね。ですから、奥地の開発等も当然これに付随して行なわれてくる。その道路の周辺の農地の開拓、こういったこともあわせてやはり考えるべきだと思うのですね。ですから、国土開発縦貫自動車道建設法に準拠して、農林省として今後逐次実行に移されていく段階において、いかなる対策をもってその道路周辺の奥地の開発を含めた農地の開拓をお考えになっておるのか。そういうプランをお持ちだと思いますから、この機会に一つ知らしてもらいたい。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この中央道ですね。これは、路線はきめますけれども、今実は東海道の方の交通が非常に輻湊いたしておりますので、その方の計画も同時に進められておるわけです。あるいはその方の道路に着手するというようなことがより緊急な問題であるというふうな判断が、まあきまる可能性というものが非常に高いわけであります。そういう計画との振り合いにおきまして、どういう時期にどういうふうに着手していくかということはまだきめかねるわけなんでございまして、いずれ路線がきまりますれば、それに基づいて調査を進める、調査といってもそう簡単にできるものでありませんので、これまた二、三年はどうしてもかかる問題であろうというふうに思うわけでございますが、その調査段階で具体的な設計なんかの問題が具体化していくということになるわけです。そういうことになりますると、その近傍の林地、農地等をどういうふうに新事態に応じてこれを活用していくかということが考えられるわけになるのでございまして、農林省といたしましてその調査は建設省がやりますもが、それと並行いたしまして、さような農林省所管の問題につきましては検討していく、もちろんこれは周密な調査が必要なわけでございまして、予算も手間もかなりかかるというふうに存じますが、そういうふうに考えておる次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあこの東海道をさらに作る作らぬの問題は一応ここではおきます。  で、私はその国土総合開発という立場に立っての高速自動車道路ですからら、将来、今大臣の言われたように、路線の決定が具体的にできないと、その周辺をどうするかということもきまらないわけですから、それはわかります。わかりますが、少なくとも、この法律は三十二年でしたですか、通過をしておるわけですね。ですからそれぞれ下調査も、これは運輸省もやっておるようですし、建設省もやっておるようですから、そういうものと並行して、総合的に今後日本のこの高速自動車道のこの沿道に対してどういう開拓をしていくか、こういうこともあわせてもうすでに調査がなされてなければ私はおかしいと思うのですね。そうしてある地域で多少カーブがどうなっても、こっちへいった方が、そこは将来の開拓に、開墾に非常にいいというようなところがあれば、多少のそこへいって、一キロやなんぼの迂回をしてもそこを通すとか、こういう方法もあるのじゃないかと思うのです。もちろん私は技術者じゃないですから、勾配かどうだとかいうことはわかりませんが、少なくとも、しろうと考えに考えてもそういう点が考えられてくると思いますから。だから、まだあれですか、全然農林省としてそういう法律が制定されて以来、基本的な構想もきまっていないという御答弁ですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだそういう段階にはなっていないのです。調査でも二、三年はかかるので、それと並行してこれをどういうふうに活用するかということを調べるということを考えておるわけなんです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連して。今の大臣の御答弁は、ちょっとこれはよく考えておいていただかぬと困ることなんです。それは、私は国土縦貫自動車道の審議会の委員です。それにずっと列席して、会長は岸総理で、そのつどやってきておるわけですが、これは国土縦貫自動車道と東海道と並べてどっちをとるかという考え方ではいけないと思うのです。国土開発縦貫自動車道建設法というものは、日本でただ一本のもので、幾つもあるわけはない。東海道は、ただ交通が輻湊した場合にはこれは別途また考慮することで、縦貫自動車道というものは、あの法の趣旨にあるように、国土の開発と、それから最近の自民党の青木一男さんのやっておるあの何とか委員会の発表によれば、所得倍増計画の一環として、地域較差をなくしたりというようなことをうたって、この産業構造の改革ということを基本的にうたって、そういう意味の国土縦貫自動車道です。これはこれとして、もうほとんど決定的なものと見ておったときに東海道が出てきた、ところが東海道については数日前もさんざん論議がありましたが、これは別途、交通の輻湊ということなら別に考える、しかし今申し上げたような、国土開発とか産業構造、地域較差の是正というような意味でいうなら、これ一本だということは、これは建設大臣の説明も、各関係者一致した意見です。それはそれとして、この案をいつ国会に出すかについては、政府は早く出したいと言っておるんです。ところが東海道が出てきたときに、むしろ着工の時期等が明らかになってきたときということを、若干おくれてもそれを明瞭にしてからきめてもらおうということになっておる。そういう性質のものでありまして、これは誤解のないようにしていただきたいということと、それからもうかなり詳細な調査ができまして、膨大なものです、これは私たちはかなり拝見いたしました。それで今の鈴木委員のお尋ねの農林関係に関連する調査は、今度は新たな問題として……、つまり建設省所管の調査は、もう完了したわけです。さらに今度は実施問題については、もう一度詳しい調査が要りますが、総合的な利用価値が、資源開発等でどういう価値があるかということは、これは新しく農林省等がこれからおやりになると思いますから、これは鈴木委員御指摘の通り、今後の問題になると思いますが、今の東海道とどっちかということでこの問題をやられると、問題の性質を取り違えることになりますので、これは質問ではなくて、問題の性格を明確にする意味で意見を述べておきます。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それはあなたのお考えの通りでございまして、私どももちっとも混淆いたしておりませんから……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは今、羽生委員からも言われたように、今後の農林省の、今私の申し上げましたような調査については、一つ予算措置も何かしているんですか、していないのですか、よくわからぬのですがね。早急に一つ調査に取りかかっていただくように要望しておきます。  その次に伺いたいのは、農業災害補償制度の問題でありますが、これは大臣の御説明の中にもありましたように、今抜本的な改正の成案を得たいと努力しているということでございますね。今日、農業災害の補償についてもいろいろな欠陥が出ておりまして、大臣御承知の通りであります。ですから一日もすみやかにこれを改正していただきたいという世論が出てきていると思うのです。これは今度の国会に間に合うのでございますかね、この改正法案は。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはお話のように、なかなか重大な問題と考えております。それで私も就任以来、この改正についてずっと検討してきておるのでありますが、まあ一方において、役所の方の、どういう実態になっておるかという調査を基礎にいたしまして、まあ各方面の権威の方にも御研究願っておったのです。その人たちの結論が、過日私どもの手元に届けられております。それで、それなんかを基礎にいたしまして、広く超党派的に各党の人にも入ってもらう、また各界の人もあわせて御参加願いまして、意見の調整の会を持っていきたいというふうに考えております。四月一日にそれを発足いたしたい。かような考えでございまするが、そこで意見の調整ができ、最大公約数というところの線が出てきますれば、それを参考といたしまして成案を固めてみたいというように考えておるわけです。そういう形をとりますので、かりに国会にこの提案がなされた場合には、論議はありましても、割合に審議は円滑に進むのではあるまいかというふうな見通しはしておるのでございます。とにかく、なるべく早く、その四月一日から発足する協議会で結論を得てもらいまして、そしてこの国会に提案をし、これが成立するようにと考えておる次第でございます。さような状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは複雑多岐の内容ですから、一々具体的な問題には触れませんが、今お話の四月一日から調査会ですか、設置するというのですが、その構成はどんなふうにお考えですか、調査会の。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 委員を大体四十名くらいの方にお願いしたいと思っておるのです。それで国会側から大体三分の一くらいの方、国会の方は各党、各派の方に御参加願いたい、まあ、あまり人数の少ないところなんかはなかなかそういうわけにもいきませんが、大体において、政党方面の広い意見が反映されるようなことを考えております。それから、さらにこの制度と関係のある各税の団体、それから学界、言論界の方面の識見のある方々、それから地方公共団体の代表者、こういうものをもちまして構成したいと、そう考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから次にお尋ねしたいのは、米の問題でございますが、特に国内産米の点は米麦ともふえませんが、現在、米麦とか大豆とか、農業関係の外国から輸入しているその品目と金額がわかったら、ちょっと知らせていただきたい。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 三十四会計年度で、主要なるものについて申しますと、米が二十七万トンでございまして、全額は概算、百三十億円でございます。それから小麦が二百十万トンございまして、これが金額で五百四十億円、それから大麦が三十三万トンございます。これが七十億円でございます。それから大豆が三十四年度は約百万トンでございまして、これが金額にいたしまして四百億円、合計いたしますと千百四十億円程度に相なっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 米の二十七万トンというのは、おもにどこから来るのですか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 三十四年度の米につきましては、二十七万トンのうち十六万五千トンが準内地米と称するものでございます。これは大部分台湾でございます。昨年は一部スペインが若干入ったのでございますが、ほとんど大部分が台湾でございます。それからあとは普通外米と称しておりますのが、いわゆる全粒の米と砕米とに分かれるわけでございますが、これの積み出し国はビルマ、タイ、それからベトナム、カンボジア等、東南アジアのそれらの諸国から入っておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私、委員会でちょっととっぴな質問を大臣にして大へんどうも恐縮しましたが、ネズミが食う一年間のトン数は百万トンと、私専門家から、十分研究しておる——名前を言ってもいいのですが、伺っているのですが、三億匹もネズミがいるのです。大体人口の三倍というのですね。ネズミ算式にふえていくのだけれども、ネズミというのは非常にとも食いなんかをやりまして、弱肉強食ではないけれども、けんかして食い殺されるものですから、ネズミ算式にふえていっても、そういうことでもって葛藤が激しくて……、大体三億というのが日本のネズミの数だそうです。これが百万トンの米を食うということになりますと、外米、二十七万トンくらいですかな、その程度の米等、輸入したってこれはみんなネズミに食われちゃうのですよ。これは重大問題です。だから私はかつて、古い時代でよく記憶しておりませんけれども、徹底的にネズ、退治をしたという内閣があるのです。これは農林大臣は、農政については神様のように言われて、非常に福田農政を高く評価しているようですが、こういうところに気がつかないということはちょっとどうかと思うのですよ。そのほかにウサギもいるのですよ。ウサギの数わかりますか。それからイノシシ、これはわかったら、一つそれがどれくらいの被害をするか、何匹いるか知らせていただきたいのです。そういうネズミ対策というものを僕は抜本的にやるべきだと思う。幸いにしてウサギの方はあなたの方で、予算を見るとウサギの対策費は幾らか組んでいるが、ネズミの方はちっとも組んでいない。これはどうしたことですか。その辺の関連を伺いたい。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ただいま鈴木委員の質問に関連しまして、林野庁どなたか見えておりますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 長官。

千田正無所属クラブ

○千田正君 最近、たとえばイタチ、テン、そういうのが盛んに捕獲されて、皮になって輸出されたりあるいは売られたりしておりますが、そういう乱獲がたたってネズミが相当ふえておる。そういう間接的な問題がやはり今の鈴木委員の質問に関連してあると思うのですが、ああしたものの保護対策とか、あるいは今まで保護対策をしていないとすれば、それを保護の中に入れるかどうかという問題も研究しておられると思いますが、その点はどうなんですか。

茅野一男林野庁指導部長

○説明員(茅野一男君) ただいまお話がありました野鼠を食べます獣類につきましては十分保護を加えて、しかも禁猟にいたしております。特に北海道のような非常にネズミの多いところでは、年を限りましてすでに捕獲を禁止しております。さらにそれをまだ延長しまして、捕獲禁止をしております。しかし、そうしましても、今先生のおっしゃったように非常に密猟が多いわけでございます。これにつきましても十分取り締まりをいたしまして、密猟の起こらないように注意はいたしております。それから、なお最近いろいろなネズミの被害がふえておりますので、逆に今度はイタチを飼育しましてネズミ退治に使うということを考えております。それから、なおまた今年は大臣の御指示によりまして、イノシシの対策としては補助金を出してもこれを撲滅するということを考えております。今後ともネズミ、ウサギ、その他の食害獣に対しましては十分な措置をしていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ウサギの数はわかりますか。何匹いるか。それとイノシシですね。

茅野一男林野庁指導部長

○説明員(茅野一男君) イノシシ、ウサギの生息数につきましては、どうも調査が非常にむずかしいものでございますから、確たる数字は持ち合わせておりませんので、また後刻調べまして御報告いたします。ウサギの数でございますが、これは御承知のように、私どもの扱っておりますのは野兎でございますが、主として農地に近いような森林を巣にしましているものと、それから、なおまた深山に住みまして、木の芽だとか木の皮を食べている種類と、いろいろ種類もございますけれども、大体において畑以外に森林、原野に住んでおるものが多うございます。そういう対策としまして、私どもは山でなるべくそれを捕獲して里へ出ないようにしたいということで、これも十分対策を立てて駆除をいたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣、ウサギの方は少し対策費は持っているのですがね、ネズミは見るべき施策がないのですね。ネズミ退治はむずかしいと思うのですけれども、徹底的にやったら、かなりやっつけられると思うのです。ですから、ためしにどうですか——一つの町村やったって……。ですから、一つの東北なら東北をテスト・ケースでもいいでしょう、やってみて、いろいろ方法があると思いますから、効果があったらそれを逐次拡大して専門的にやるとか何とか百万トンを食うネズミを早く処置しなければ、退治しなければ、私は一生懸命農民が働いて米を作ってみたって、外国から高い、一千百四十億ですか、金を出して買ってみたって、ネズミに食われてしまうということじゃちょっと困りますから、何か考えておられますか、これは。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま指導部長から申し上げてある通りに、消極的な対策というのならいろいろとっております。それから、なおかつ食糧倉庫をネズミの害から守ろうというような考え方もずいぶんやっておるわけです。また漁蒸するというようなことで倉庫中の物が食われないようにというようなことも考えておるわけでございますが、鈴木さん何か名案をお持ちのようでございますから、また別に鈴木さんから承りまして、名案がありますれば一つ承らしていただきたいし、また私どもも考えまして、いい考えができますれば、ぜひこれは実行してみたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 他力本願にならないで、私も大して持っておらないのですけれども、専門家がやっぱりいるのですよ、その人たちはネズミの種類とその生存の状況、彼らの生活を詳細につかんでおりますよ。そうしてこの幾つかの、こうやったらいいという方法もあるのですよ。ですから、そういう計画も一つ農林省が、関係部か課か知りませんが、一つ積極的に動員して意見も聞いたり、または大臣もいい知恵を出してもらって、私も小さい知恵だけれども場合によったら出します。一つほんとうにこれは真剣に考えてみたいと私は思うので、くどいようですけれども言うのですから、十分一つ御検討をいただきたいと思うのです。  それから、その次に貿易自由化に伴なう農業に対するしわ寄せというものが出てくると思いますね。そういう貿易の自由化事態に対する問題は起きますが、基本的な問題について具体的に、しかし、安保体制の中でどうしてもそういう方向にいかざるを得ないと思うのですが、ですから、特に農民の人たちが今心配をしておるのは、これがどういうふうに農業にはね返ってくるのか、非常に心配をしておるのです。私の国は山梨県ですけれども、現にあそこに日本国産の大多数のブドウ酒を作っておるわけですね。これらの人たちが、外国の安いブドウ酒が入ってくると非常に圧迫される。今、通産省へ行ってごらんなさい、もう山のごとく業者からも請願が出ておりますよ。陳情がたくさん来ておりますよ。そういう刺激を受けて、これは一つの具体的な例ですけれども、戦々きょうきょうという、言葉でいうならば、そういう気持にかられておるわけですが、大豆の問題もそうですが、農業全体としてこの貿易の自由化に伴なってこうなるのだ、こうなるのだけれども、日本の生産農家に対しては大丈夫だというようなやっぱり確信を持った施策を早く発表して、これらの不安を除去することが当面の課題ではないかと思うのですね。そういう意味で、農業全般に対して基本的な考え方としてはどういう方針をお持ちになっておるのか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 自由化、自由化と申しますが、これは大きくいいますれば、鉱工業の方の問題なんです。農林省の所管のものにつきましては、そう論議するほどのことは実は考えていないのです。それで大体のプログラムについては、あれは一月の十二日で大綱をきめ、なお、その大綱に従いまして、一月にはどうなるか、それから四月にはどうなるか、また十月にはどうなるか、その農林物資まで全部公表いたしております。この公表いたしました中で問題になりますのは、大豆と、それから精製ラードであろう。それからさらに若干心配されるのはマニラ麻ですね。これがミツマタと競合する、こういう関係があるんですね。ミツマタについては予算でも補助金を出して、生産性を上げるというような政策を進めると同時に、政府、すなわち印刷局におきましてミツマタを生産農家から約半量を買い上げるということで、これはもう全く不安はなかろう、こういうふうに考えております。それから精製ラードにつきましては関税を引き上げるということを考えておりまして、この引き上げの可能性がはっきりいたしますれば、そこでその自由化をいたしたいという考えです。それから大豆につきましては、これは生産農家に心配がないように、大体今までの手取価格ですね、それを保証する価格で政府が買い取るか、代行機関に買わせるか、そういう措置を必ず講じた上でこの自由化にいたしましょう、こういう留保づきにいたしているわけであります。あとはシイタケとかあるいはタケノコだとか、そういうようなシナ飯の材料になるものとか、ココア、バターとかあるいはコーヒー、コーヒーの豆ですね、そういうもので別に日本の農業には影響がございませんから、その他の発表しない品目についてどうするかということについては、米麦については一切これは手をつけない。それから酪農製品につきましても、これは自由化しない。さらに砂糖につきましては、いろいろ議論がありまするが、ただいまのところ自由化するということは考えていない。こういう基本方針を示しているわけです。それからなおいろいろありますが、それらの問題につきましても、そう多くの追加品目というものは私どもは考えておりませんので、考える場合には、ただいま申し上げましたように、何らかの安心できるような対策をとったものについてのみこれを行なうというのでありますから、これは鉱工業の方でほとんどの品目を自由化するのとまるきり意味が違うわけでございます。従って、農村の方で心配があるというならば、私どももさらにそういう考えであるということを積極的に解説いたしまして、この不安を除去するように努めていきたい、かように考えている次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大体その大臣の御趣旨はわかりました。今ちょっと具体的に例を出したブドウ酒のことですがね、これは生産品ですからね、その影響がどうなるかということを考えてみるときに、国民から見れば安いのが入ってくればいいという気持は持つでしょうね。しかし、一面果実で、特に山梨なんかの場合には、特にブドウが農家の重要農産物ですから、だからそれにかなり依存しているわけですね、甲府盆地の一帯は。従って、自由化に伴なって外国からどんどんブドウ酒が入ってくる、こういうことになりますと、どうも特に果実の、ブドウの生産をしている農家の人たちはかなり心配しているわけです。これはどうなんでございますかね。通産省の関係にもなると思いますけれども、直接にはやはり果樹農家の問題になるから、やはり農林省の関係にもなると思いますけれども、この具体的のことはどうなりますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ、ただいまブドウ酒につきましては、検討をいたしておりませんが、生産農家に非常に大きな影響があっては私どもとしては困るのです。しかし一面におきまして、外国からは運賃をかけて、しかも関税までかけて持ってくるという品物に、日本のブドウ酒が対抗できないというような、状態でも私は困ると思うのです。でありまするから、自由化とは別の問題といたしましても、安くうまいブドウ酒を一つ供給できるように甲州の方でも考えてもらいたい、こういうふうに考えるわけでございます。十分気をつけていきます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからちょっと前の問題と関連があるんですけれども、食生活の問題で、厚生省の所管になるかもしれませんですが、これはしかし農業全般にも影響あるわけでして、最近は米だけ食うのが能がないので、パン食ったり、めん類食ったり大体していますね。だから日本の米麦その他のそういった穀類ですね、どうしても輸入しなければ足らぬという時期ですから、何か工夫をこらして、国内で自給できるような方法を一つ食生活の面で改善をして、これは政府の言っておる何とか国民生活改善運動というのですかね、そういうものとからみ合わせて工夫したことありますかね。パンでも少し食うようなことを考えてみたらどうですか、そうすると小麦が足りないんですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはお話がありますが、ずいぶん研究工夫はこらしておるのです。農林省にも生活改善課というのがありまして、日本の農家に役に立つような嗜好で、しかも栄養が十分とれるといういろいろな提案なんかされておるわけです。それでたとえば、小麦の問題でございますが、今小麦はパン原料に使われるのが多いわけですね。これなんか国産の小麦はあまり使ってくれません。従って小麦はできるんだけれども、どうも外国の小麦でなければならぬというので、外国小麦の輸入が相当ございます。価格の問題ももとよりございますが、その問題を除きましても、そういう問題が起こってくるのです。生活改善課の方では、内地小麦でパンを作るというようなことも検討しておりますし、これはいろいろな形におきまして農林省として、国のものを使うということにつきましては、十分意を用いておるわけでございます。なお、今後とも気をつけます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからその次に伺いたいのは、農業協同組合のことなんですけれども、今全国の経営の状況を見ますと、運営が悪いのか、監督が悪いのかよくわかりませんですが、非常に農民から信頼されないような悲しい事態が起きていると思うのです。これは経営の衝に当たる人たちが、農民をごまかして、みんなの拠出している金の中から不正な支出をしたり、そういうふうな悪質の話もございますが、それとあわせてやはり何かしら農業協同組合というものにたよれないというような気持を強く持ってきておるんです。これなんかもう少し農林省の方でも、強力な指導と、助成をする必要があるんじゃないかと私思うのですけれども、この点はどういうふうに御判断をされていますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 協同組合は、私どもとしては非常に重要視をいたしておるわけなんです。ところがお話のように、いろいろ問題が起こっておる組合なんかもあるわけでございまして、ことに金融梗塞時代になりますると、その組合の金を横流しをする、それが焦げついちゃうというような事例がずいぶんありまして、農民の不信をかっているという向きもあるわけでございます。要するにいい人がおるというところの組合は、これはしっかりしておりまするが、どうも適当なる指導者がなかったというところがいろいろな問題を起こし、しかも不振状態に組合全体としてなっているという結果になっているようです。しかし、その原因論を言っておってもしようがないので、現実の問題としてはそれの立て直しをしなければならぬというので、不振農協に再建計画というものを立てまして、指定されました不振農協に対しましては、特別のこれを立ち直るための援助もしてきているわけでございまするが、なお市町村合併に伴いまして、その合併なんかの問題があるしわけです。合併に対しましては、農林省は積極的に助成金なんか出しましたりして、そして基礎が強化拡大されることを考えている。あるいは制度自体としても、三十五年度予算でも運営改善予算というのを設けまして、その運営を助成していこうというようなことをしておりますので、まあだいぶ一ころに比べまするとよくなってきております。なお努力をいたしていきたいという段階でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それと一緒に、農業委員会というのかございますね。その農業委員会の運営については、農林省はどういうふうにごらんになっているかわかりませんか、どうも運営が非常にうまくいかないという声を聞くわけです。せっかく事務費なんかも多少国から出してもらっているのですが、たしか三十三年からでしたか、地方交付金の方に入るようになっちゃったのですね。ですから農業委員会は、昔は農林省から直接きたものですから、幾らということがはっきりわかったのですね、今度、ところが地方財政の方に入っちゃったものですから、つかみようがないというのです。町長や村長などと交渉してもその額がわからない。こういうので非常に問題を起こしているのですね。これは私は、ああいうふうに財政上措置を変えたことが原因なのか。どこにそういう幾らきているのか町長へいっても、はっきりせぬといっても、弱ったものだ、お前らだめだからつつけというのですが、つついてもようわからぬ。向こうでも何ぼ補助金かきているのかちっともわかってないというのが現状ですよ。こういう困っている問題を農林省は早く解決するというのが、あなたの責任じゃないですか。これは所管外ですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 農業会議につきましては本院の、しかも委員長の堀本さんが中央会の会長ということになっておりますのでありまして、これは緊密にお話を承って連絡をとって参っております。しかし、そうむずかしい問題がある話は伺っておりませんものですから、その制度的な問題といたしまして、まあ一部直接補助になっているし、一部は市町村を通ずる補助になっているという形になっておりまするが、それが影響しているというふうな感じは持ちませんのでございます。なお、御指摘もありまするから、よく堀本さんにも伺ってみまして、改むべき点かありますれば改めていきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは支障がないということですが、あるのですよ。大体農業会議というものを作って運営させるのに対して、それは国なり地方自治体の責任もあるわけですから、一がいに国の政策が悪いとか、補助が少ないとかいうことは断じられませんけれども、私は地方財政の場合でも、地方をよく視察する場合でも、やはりあなた方が自力においてどうやるのだという決意と努力をして、そうしてその上に国の補助を仰ぐという思想を持たなければだめだというのです。いうのですけれども、そういう思想が私の思想だからおわかりと思いますけれども、そういう立場に立って考えてみましても、どだい農業会議の、私は山梨の方しか知りませんから、全国的な実情は把握はできませんから、具体的に山梨の事情を調べてみて下さい。現実に事務費が少なくて、どうにも運営がならぬというのが現実です。それは国のやつが少ないのか、地方のやつが少ないのかわかりませんが、いずれにしても農業会議の運営というものがうまくいかぬというのが——事務費だけでも非常に不便している、こういっているのです。おそらくあなたの方から補助しているものが数十億というものじゃないと思う。何億といういわゆる十以下の数字です、全国的に。だから現実に動きがとれないというのが会議の実情です。これは山梨の特性かどうかしりませんが、一つよく調査をしてみて下さいませんか。そうして今、国の補助、県の補助かどの程度この会議にいってどういうふうに運営されておるか、これはちょっと見ればすぐわかるのですから、二、三カ所見ても。調査して下さい。そうして具体的に農業会議の運営というものに対してもう少し御配慮をいただきたいというのが私の言いたいところなんです、その点どうですか。もう少し具体的に、今ここで論争してもしようがないが御調査なさって、運営上特にまずい点があるのかもしれませんが、会議自体そういっておるのです。なかなかうまくいかないので、もう少し補助費、事務費をふやしてもらいたい、こういう念願を持っておりますから。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 検討いたします。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それからもう一つ、全般的に農業問題ということを論じたいのですが、私は去年もこの委員会でかなりうるさく言った一人ですが、なかなか国の財政にも限度がある、しかし滅びゆく農村を何とかしなければならない、百姓ほど、こんなばかなことはない、これは合言葉です。だから、農村と、いっても広うござんすで、平坦地なんかのある程度機械力によってやれるところはいいけれども、長野とか、山梨とか、日本の特性に基づく、特に山間避地、漁村もそうでしょうけれども、そういうところのいわゆる零細農家といいますか、転落農家といいますか、自分が百姓をしていても、二反百姓で一年間食う米もとれなくて、三分の二くらいは配給米を受けておる、そうして山に行ってたきぎをとり、炭を焼いてとにかく生活を維持しておる。こういう、農家の中でも陥没しておる地域があると思うのです。ですから、一挙にこれをやるということも国家財政が許さないでしょうから、何とか農業政策の中で一つの重点を置いて、いわゆる日の当たらないそういうところに農道の開拓とか、あるいは架線を張って肥たごをかついでいくやつを何とか救ってやるとか、何とか工夫をこらして陥没しておる農村の貧困というものを救うところにもう少し力点を置いてもらいたい、そういうことを痛切に感じておるのです。それで福田農政を見るとかなり進歩があるようですけれども、総花的である。もう少し重点的に施策をしぼって、そこに思い切ってやってみるというふうなお考えを私は大臣にぜひ持っていただきたいと思うわけです。そうしませんと、ほんとうにこれは転落農家というものは悲惨なものです。働いても借金がふえる。今高等学校にやるということは普通の常識ですが、それもやれないで、親と一緒に山に行って仕事をしなければならない。現にこれは義務教育とかいっておるけれども、まだ中学にも行けないで、でっち奉公をしながら学んでおる人たちがたくさんいるのです、日本には。夜間の中学に通っておる。だからそういうようなことも、これは余談になりましたがありますので、何とかもう少しこの困窮した農村に対して何か妙味を、国の施策によって何か多少でも希望が持てる、二、三年たてばよくなるという心のよりどころを持たせないと、気力を失っておるのが現実ですよ、大臣。そういう点よく御承知だと思いますので、この機会に一つの御構想を承って、将来一つあなたがやめられても重要なる引き継ぎ事項にして大臣の施項にして大臣の施策の中に活かしてもらうように格段の御高配を賜わりたいと念願するわけですが、いかがでございますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) お話まことにごもっともと思います。農林省の所管でそういう日の当たらないというところは、一つは戦後の緊急開拓で入植された方々、もう一つはガスや電気ということに圧迫をされて非常に苦境に立っておる炭焼きですね。もう一つのグループは沿岸漁民であるというふうに観念をいたしているわけです。そういうふうなことから、この三つのものに対しましては、今年は御承知の通り特段の措置をいたしたわけでございますが、何といってもそういう考え方が農家の全部に行き渡っていくことが必要でございます。まあ、いろいろ僻地の電気導入でありますとか、施策を逐次出しておりまするが、なおさらに今後これを強力にいたしたい、御希望に沿うようにいたしたいと、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 この開拓農家なんかを含めて、まだ電灯のないようなところがかなりあると思うのです。この実態調査はできておりますか、何軒ぐらいあるのですかね、全国で電灯のないところは。ちょっと予算に入っておりますね。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) 無電灯農家の問題に関しましては、これは大体現在三つのグループに分かれているわけでございます。一つは開拓地無電灯農家、それから離島振興によります離島における無電灯農家、それからそれ以外のいわゆる僻地、このそれ以外の僻地といいますのは、今までの一般農村において無電灯部落であったものをさすわけでありますが、順序から申しますと、実は一般農村の従来からずっと、戦前から電灯のなかったところは融資でやってきたのですね。農林漁業金融公庫の融資でやった。開拓地、離島に関してはそれぞれ法律の裏づけがありまして、そうして予算的にもきわめて早く発足しまして、これはまず補助の対象にする、そうして自己負担と農林漁業金融公庫の融資で補うという仕組みでやってきたわけであります。  現況を申し上げますと、そういう開拓地で現在残されております戸数といたしましては大体四万三千戸ぐらいあるのじゃないか。それから離島が一万一千五百戸、僻地が大体七万五千戸、こういう数字があるわけであります。そこで、開拓地は現在農地局が中心になってこの無電灯の解消を計画的にずっと進めてきているわけであります。相当進捗度も高いように聞いているわけであります。三十五年度におきましても、五千戸を対象にいたしまして国費が一億二千三百万ついているわけであります。離島に関しましては、これはやはり同様に昭和三十五年度におきまして五千三百九十戸を解消することにいたしまして、これに対する国費がおおむね八千三百万円ということになっておるわけでございます。問題は一番補助的には出おくれておった僻地でございます、一般農村の分でございますが、これは従来の融資というものがやはり相当の効果は示してきたのでありますが、自己負担という点で限度がございますので、昭和三十四年度に初めてテスト・ケースといたしまして、千戸の戸数を対象にいたしまして補助をする、補助と申しますとこれは国も補助しますし、県も補助する、そうして残りの自己負担部分は農林漁業金融公庫で貸し出す、こういう方式を他にならってとったわけであります。昭和三十五年度におきましては前年度より飛躍的にこれを増大いたしまして、前年度の千戸に対しまして四千戸解消ということにいたしまして、これに要する国費を九千万円計上いたしておるわけであります。  以上申し上げました戸数は、特に僻地の場合におきまして七万五千と申し上げましたが、これは一戸々々分散した戸数まで実は含めまして概括調査を昨年度やったわけでございまして、漏れておるものも出てきているのじゃないかと思いますが、その七万五千戸のうちで五戸以上の集団、まず五戸以上の集団を解消しようということでして、第一次計画は五戸以上の集団部落ということでわれわれは考えておるわけでありますが、その戸数はおおむね四万七千戸という調査の結果の数字になっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ一億七千二百万円を計上して導入をやるということですから、漸進的にではあっても解消の方向に行くと思うのですが、今ちょっとお話を聞きましても、開拓地の場合、ことし五千戸、残されたのは四万三千戸ですから、これから九年かかりますね、この調子でいくと。離島の場合は大体半分くらいやるのですから、あと半分は三十六年度くらいには済むでしょう。それから僻地なんかに行くと十九年もかかるのですな、この割合でいくと。これはそんなに長くほっぽっておくつもりなんですか。もう少し具体的に救済するお考えはないですか。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) これは、私ども僻地の場合におきまして本年の予算の四千戸で満足しているわけじゃないのでありまして、去年がテスト・ケースで初めて千戸やりまして、三十五年度に四千戸つけまして、私どもはさきに申し上げました通り、七万五千戸の全体の戸数のうちでまず五戸以上の集団未点灯農家四万七千戸を対象にいたしましてこれを今後五カ年間に第一次計画を立てて解消していく、こういう目標を立てて今後努力していきたいと、こう考えておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 一つその点は御努力をいただきたいと思います。  それから最後に一つ伺いたいのは、この前委員会で大臣からもどなたの質問だったですかに御答弁がありました有線放送のことでございますが、農林省が新農村五カ年計画を立てられた当時から、補助金を出して有線放送施設をどんどん増設していく、これはまあ非常にけっこうなことなんです。しかし、その後有線放送が年を経るに従って拡大し、その数もふえて参りました。従って従来有線放送という性格の中でつけておったものが、今の放送法からいいますと、通話というものが各個人々々間においても加入者同士でもやれなかったのですね。それがまあ非常に不便だというわけで、法律を改正してこの各加入者の間というものはよろしいということになった。で、これは最近電電公社の市外につながしてくれと、こういう話があるわけです。私たちもこれはかなり関心を持って農村の振興のために協力をしてきているつもりでございますがね。ただ現実に設置される有線放送の品質、技術、基準、そういったものがなかなかまだまだうまくいかないのです。最近のものはかなりいいものが入っているようですけれども、当初設置したやつなんかはかなり品質が落ちておりましてね、ああいうもので電電公社の市外に通話するということは技術的に無理なんです、できないことなんです。そういった隘路もあるわけなんです。ですから、私もそのときあなたにちょっと関連質問でお考えを聞いたように、やはり農村に今、農村公衆電話というのをどんどんつけております。ところが予算の制限がある。約四億ぐらいの金ですから、全国にばらまくと微々たるものでして、しかも百戸程度の集団した部落につけるという基準もありまして、五戸とか十戸とかいうところは依然としてどんな山の中にあっても引けないということがあるわけですよ。ですから何とか、本来の電話事業というものはこれは電電公社の仕事なんですから、政府として力点のかけ方を、本来の電電公社の事業を拡大して農村地域にどんどん電話がつくようにやることが本筋なんですね。それを忘れてしまうと、何か有線放送というものが電話のごとき印象を最近は持ってきつつある。私は非常に心配しているのです、これは。こういう指導理念といいますか、放送事業に対する、有線放送というものに対する考え方が、多少、スタートした当時政府部内においても十分に御連絡がなかったと思う。これはあなたの大臣のときじゃなかったから、今あなたを責めようという意味じゃありませんが、そういう緊密な連絡協調というのがない中にスタートをしてきたところに今日の問題がこう出てきていると思うのですね。ですから、これらの点を大臣は一つ整理していただいて、もう少し本来の電話というものを、電電公社の拡充を促進していく。これはほんとういうならば、有線放送というのは電話じゃないですよ。こんなものは電話じゃない。ただ放送する、一ぺんに聴取するというのが趣旨ですからね。それを電話であるかのごとき印象を持っていくようになったというのは、電電公社の施策が悪いからです。もっと積極的にやればこんなことは出てきません。なかなか手が回らぬものですから、やむにやまれず、自然発生的に出てきちゃう。これは住民の気持から当然だと思うのですよ。そこを政治の中で、ああいった方向にやられたんじゃ私は困るということを強く考えておりますから、大臣の御所見大体この前わかりましたので了承はしておりますけれども、こういう段階ですから、大いにお互いに認識を深めてやるという意味において私は質問をしているわけです。ですからもう少し、今後の有線放送に対する農林省の考え方というものをちょっと承っておきたいと思います。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先般予算委員会で質問がありまして、郵政大臣もお答えいたしておりまするが、今後電話の普及につきましては、農村に対しまして特に努力をいたじたいと、こう言っております。有線放送は、鈴木さんのお話の通りに私も理解しております。放送であって電話じゃないのですから、電話と別の考え方をとるべきであめると、かように考える。その角度で努力をしておるつもりであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、これは現行法律が、有線放送法というものが多少不備があるのですよ。私はそれを発見したのは、北海道に行きましたときに、行政区画がこう二つにまたがっておりまして、農協というのが一つになっておるのですよ。で、もうすでに農協に入っている組合員というものは、行政が二つに分かれていますね、現在の有線放送法によると、行政区画を異にするものは引けなくなっているのですよ。これは特殊のケースだと思うのです、私は。だから、法律を制定するときにわれわれのミスであって、これは私はおわびをしてきたのですけれどもね。現実にそれで困っているところがあるのです。私は郵政省にも、これは法律を拡大解釈するのも、こういうふうに、こういうものをうまく解釈するのはこれはけっこうなんだから、特殊のケースとしてこれはやったらどうかと、こう言うのですね。なかなか法律の建前がもるものですから、現実には困っちゃっている問題か起きているのですね。こういう実態を農林省ではお聞きになったことありますかね、そういう事実を。

増田盛農林省振興局長

○政府委員(増田盛君) ただいまのように、行政区画を異にした場合の事例はおそらく非常に少ないといっていいと思いまして、あまり実はないのでありまして、私どもじかに聞く場合はないのでございますが、そういう話が折に触れて耳に入るのであります。むしろ同一区画内における地域が複数のために接続できない場合の方がまあめ主として私たちの耳に入るという状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私これで終わりますけれどもね。これは現実に北海道にあるのです。あとでまた私あなたのところに資料を持って行きますけれどもね。一つこれは、法律改正やっぱりやらなきゃいかぬと思いまして私らも考えているのですけれども、一つ農林省の方でも、現実に起こっているのです、陳情を受けたのです、現地で。これは自民党の方も一緒に行きましたから、これはわしらのミスだといっておわびをしてきたのですが、なおまだ改正されていないので申しわけないけれども、具体的な問題がありますから、あなたの方でもよく実情を調べていただいて適切な法改正をするようにしていただかぬと、非常に困っているところがある。あなたの前段に言ったことの中でもありますから、そういう点も一つ検討していただいて、早急に、これは政府立法でやった方がいいと思いますから、改正するようにやってみてくれませんか、郵政省と連絡をとって。これはいいですね。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は大臣にお伺いすると同時に、畜産局長と水産庁の方から伺いたいのですが、先ほど大臣は自由貿易が実施されても農林関係にはその影響がないように十分に方策を考えるというお答えでありましたが、現実の問題として、先般、畜産局の方としては、本年度の飼料対策として、ペルーのフィッシュ・ミールを輸入することにさせたようでありますが、これは一体内地におけるところのミール関係の手持ちが不足のためなのか、あるいはまたどういうためで入れるのか、はなはだわれわれは了解に苦しむのですが、それによって将来漁民の生産に影響しないかどうか、生産価格に。特に私心配するのは、三陸あるいは北海道のサンマの魚かすが沿岸漁民にとっては最大の関心事であるわけです。それで、この輸入に基づいて影響するところが非常に大きいのじゃないかと思うのですが、何ら影響がないというならわれわれ何も聞く必要もありませんのですが、その点はどういうように考えておられますか、大臣。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ペルーのフィッシュ・ミール、これを輸入することにいたしましたのは、これは時期的に逼迫をしておるという状態に対しまして、まあ備えをしようという趣旨でございまして、これは全体の、年間全体といたしますると検討の余地はありますが、どうも需要期を迎えまして不足がちである、そのために国内のフイッシュ・ミールの価格が相当高くなってしまうというようなこともあり、また数量的にも不足しておるというようなことから輸入をいたそうと、こういうことでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 フイッシュ・ミールの現在非常に足りないということを私聞いていないのですが、実際、むしろ抱きかかえておって困っているのが現状じゃないですか、水産庁どうです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまの御質問の需給の推算でございますが、それについて概略御説明いたします。本年度の需給の見通しがどうなるかということでございますが、沿岸産の魚かす類の生産が去年通り、ほぼ去年通りだとかりにいたしますと十六万二千トンであります。それから北洋で生産されますミールが約四万トンあるわけですが、これも全部かりに内地で売るものといたしますと、先ほど説明いたしました十六万二千トンと合わせて約二十万二千トンほどの魚かす量になるかと思います。ただしこれにつきましては、今年のサンマの生産がどうなるかという未確定な要素ももちろんございまするが、またそれによって北洋工船ミールの内地売りをどうするかという問題も起こるわけでございますが、一応去年通りのサンマの量と、北洋工船ミールを全部内地売りということにいたしますと二十万二千トンの供給になるかと思います。需要につきましては畜産局長から御説明があろうと思いますが、よくこれに見合うものというように推算されるわけでございます。従いまして、大臣がただいま御説明のように、年間の需給の均衡はそのような、先ほど説明した前提をとるとするとほぼ確保されるわけでございますが、この四月ないし五月の端境期におきましては、非常にミールの在庫が払底するということでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 大臣、今の御説明ですけれども、私は北洋のミールというのは、これは内地向きに売るのでなくして、外貨獲得のために、北洋のフィッシュ・ミールは外へ向けて売るように指導したはずなんですね。そうじゃないですか。それは、沿岸漁民が非常に影響を受けるというので、北洋で取ったものは外へ行って、外国へ行って売ってもらいたい、国内で売られると非常にそれは圧迫になるのだ、こういう私は当初の考えで、北洋のミールの政策に対しては指導しておると、私はそういうふうに考えておるが、それはうそですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 北洋のミールにつきましては、ただいまの御指摘のように、主として輸出するということを前提にしていろいろ計画されたことは事実でございます。ただし、本年度のように需給が逼迫したときには特に内地売りを認めるというような措置をとりました。ただし、このミールの生産費がかなりかさんでおりまするので、このぺール物が非常に出て参りました。現在では輸出がかなり実態としては困難ではなかろうかということを懸念いたしておりますが、しかしながら、この北洋工船ミールをそもそもやりました計画としては、主として市場を外国に求めるという計画のもとに操業されておるのが実情だと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 現在国内にあるミールの数量はどれくらいあるのですか、数量は。大体それの目安によってあれでしょう、輸入計画を立てられていると思うのですが。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、水産庁と打ち合わせまして、かつ実情を調査したところを申し上げます。  三月末におきまする在庫は把握しにくいのでありますが、一万九千トンくらい輸入措置をとることに決定いたしまして、その外貨割当はすでに終わりましたけれども、その当時は漁連系統も手持ちがないと言っておりました。私は相当あるとは思っておりました。輸入措置をとってから調査しましたことと、飼料業者の売りに出ておりますもので推定をいたしましたもので、水産庁で勘案をしてもらったのが一万九千トンくらい。あわせまして補足いたしますが、大臣に対する御質問と水産庁次長のお答えでありますが、水産庁次長の御説明がちょっと足りなかったので、間違いというのじゃございません、足りなかったかと思いますが、三十五生度のフィッシュ・ミール、魚かす量の需要供給でございますが、これはえさの需要期を中心にしました四月、五月及び冬にさしかかりますまでの秋、これはえさの需要期でございますが、それを見込みまして、かつ飼料に使いますものも従来通り見ますと同時に、工船ミールは、その生産はペルー等と差しつかえない範囲で、総生産三十五年度は四万トンと見ました。うち二万トンは輸出をする。ペールのものを入れる時期は四月、五月に限る。それで輸入もあれば輸出もある。去年の日本北洋工船ミールの生産は輸出に向けられても、在庫はないと認めまして、以上のようなふうに考えておるのであります。従いまして総量としては時期的にも不足でもあるし、えさが畜産振興に伴いましてこの飼料の計画増産の建前から不足であるし、三月上旬に至りましては飼料業者は入手ができなかった、そういうことであります。入手の原因は以上であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、畜産局長からそういうお話があったのですが、問題は、現在も私は在庫がある、そう思うのですよ。しかし、現実に価格を割って、たとえばペルーから入ってくるところのミールはある程度安いと思います。相当。そうして手持ちの価格というものはある程度高い。で、そこにまあ非常に悩みがあるのですが、そうした場合、本年度におけるところの今かかえておるかりに価格があるとするならば、あるいは本年度買い付けた価格があるとするならば、それを割ってペルーの輸入品が入ってくると、当然そこまである程度日本の生産品が安くならなければならない結果になってくる。私は、そういう意味で、畜産局長は飼料対策を立てておられるのじゃないかと思うのです。一方においては、魚価対策という面からいえば、今のペルーの輸入値段はどのくらいなんですか。それを割ってくるというと、逆算してくるというと、サンマの値段はおそらく一貫目三十円以下になってしまうだろう。一貫目三十円以下になってきたならば、これはもう日本の漁村のあれは破壊ですよ。サンマの漁期を控えて、大漁貧乏どころじゃなく、破産になる。だから、これはやはりある程度、蚕糸関係と同じように、魚価維持の面において、農林省としてある程度の手を打たなければならぬのじゃないかと私は思うのですが、水産庁次長としては、逆算していったならば、一体かりにどれだけの値段でペルーのものが入る、その値段に日本のものも見合った場合に、逆算した場合には一貫目どれくらいの一体買付値段になりますか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) えさ用の輸入として、ペルーの輸入の手続をとりましたので、そのことだけ先に御披露いたします。  過日通商局に要請しまして、通商公報に出しております通りでございますが、ペールもの、今回、四月、五月のえさ用に使うものでございますが、日本の港、倉庫渡し価格で約百二十ドルでございます。それ以下のものを入れる。以下というより、そのくらいということをねらっておるのじゃないか。これを日本円に換算いたしますと四万二千八百四十円でございまして、しかしながら、輸入の普通の飼料の業者並み、これは非常に切っておりますが、えさの輸入手数料を達観しまして一トン当たり四万三千円、こういうふうでございます。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまサンマのかすの値段、価格につきましての御質問でございますが、私どもがただいま予算その他を計上して考えておりまするのは、サンヤかすの価格の維持を通じまして、御指摘のサンマの値段が暴落することを抑制いたしたい、こういう趣旨での考え方でおるわけですが、この場合に考えておりまする暴落を防ぐための最低の想定いたしておりまする価格というものが一応あるわけでございます。これは一応予算だけの問題でございまするが、一俵五十キロ入りとして二千三百円でございますから、この場合は、トン四万六千円ほどになろうかと思います。従いまして、御指摘のように、ペールものと私どもの考えておりまするサンマかすの生産地におきまする価格との間に相当の開きがあるということは、御指摘の通りでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、高橋次長のおっしゃった値段は違いませんか。かりに流通対策要綱標準価格を標準としまして、おっしゃられた五十キロ当たり二千三百円で買いまして、それに運賃、保管料、手数料等を入れてくるというと、一俵当たり二千七百四十七円かそこらになって、トン当たりになるというと大体五万六千円前後になりませんか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 私がただいま説明いたしましたのは、生産地におきまするサンマのかすの生産時期におきまする生産者の価格でありまして、御指摘のように、これを何カ月間か保存いたしまして、現在もし売るとすれば幾らになるかということになりますと、この四万六千円ではありませんで、これに金利、倉敷、運賃、諸掛りを加算すべきだという御指摘はその通りというふうに考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そこで、大体それだけの開きがあるのですからね、約トン当たり一万円の差がある。それだけのものが入ってきますと、当然それが圧縮されていって、生産地の価格というものは相当圧迫を受けるのではないか。そういう場合、一方においては、畜産関係には安い飼料を買い入れなければ外国から入ってくるところの酪農製品やなんかに対抗できないという、そういう悩み、一方においては、そういう安いミールを作ったりしたのでは沿岸の漁民が参ってしまう。こういう二つの悩みの中に立っておる問題なんですが、大臣、この問題についてはどういうふうに考えられますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ペルーのフィッシュ・ミールは安うございまするから、それが日本に入ってくるというようなことになって参りますれば、わが国の飼料の値段に影響する。しかし、これは先ほどお話がありましたが、二十万トンの中で二万トン、一割ですからね、そうその値段が支配的な値段になるとは、こういうふうに私はいかないのではないか。やはりそこに一割というウエートだけの重みしか持たない、こういうふうに考えるわけでございます。それで、一方においてそういうようなしかし安いものが出てくるというようなことで、その安いものを入手した人は非常に有利な立場に立つわけでございまするから、そういうことが続くというような傾向がありますれば、私は、その差益というものにつきまして、どうしてもこれを何か公平に分配するということを考えなければならぬというように思います。しかし、水産庁次長がお話し申し上げましたように、これはごく臨時的なものでありまして、内地の生産で需結のとれる状況でございますから、今特にさしあたって考えておく必要はあるまい、こういうように考えておるわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 大臣が今おっしゃった二十万トン今日本でフィッシュ・ミールを生産するという考え方は、これは是正していただかぬといかぬと思う。なぜかというと、北洋のミールが入ってくる。北洋のミールは外貨を稼ぐためにやらせておるのであって、これを国内に持ち込んでやるということであれば、いつまでたっても北洋のミールによって外貨を稼ぐチャンスがなくなるわけです。だから北洋でとれたミールはあくまで外貨獲得の面に持っていって、そうして国内の生産は圧迫しないような方法を考えながら国内の価格を維持していかなかったならば、これは漁業生産者は参ってしまう。今差益の問題のお話がありましたが、これは差益問題なども生産者保護というような今の方向に政策を考えていかないというと、これは大へんなことになりますよ。それで、今の問題のように、逆算していった場合にどういう工合の値段になりますか。水産庁次長は、一貫目あたりサンマの値段はどのくらいになりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまの生産時期におきまする産地の値段といたしまして、五十キロ入り一俵二千三百円というようなサンマかすの値段を想定いたしますと、この場合のサンマの値段は約一貫四十円くらいに相なるかと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは、この二千三百円というのは最高じゃないですか。流通要綱の支持価格の最高の値段でしょう。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 最低の値段でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 最低の値段かな。けれども、実際はあれじゃないですか、二千円くらいで買っておるのじゃないですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 昨年以来の実績を見ますと、私どもの手元の資料では、二千円以下で買ったようなことはないように拝見しております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そこで、一貫目四十円というのは、沿岸漁民にとっては最低の価格ですよ。もう東京にも大阪にも送れない。大漁してきた、油代を稼ぐというような、辛うじて油の借金を返すくらいの値段が一貫目四十円です。おそらく、それでさえも倉敷や何かあって、実際売る値段になると、五万六千円くらいになるわけですよ。ペルーから入ってくるのは四万二、三千円でしょう。そうなるというと、そのペルーから入ってきたものと大差なく売るということになりまするというと、もう一貫目二十円くらいのサンマになってしまうわけです。そういうことを非常に漁民は今、おそれているわけなんです。だから、これに対する対策を十分考えていただきたい。  それから、今局長のおっしゃるように時期的には非常にまずくなったから入れざるを得なくなった結果だろうと思うのですが、同じ製品を国内の消費に使うならば、生産者も消費者も十分役立つような方法、かりに高い飼料であったならば、それをどういうふうに安く供給できるか。一面において生産者を保護しなければならない。差額、差益等に対しても、何らかの生産者を保護するというような意味に使うというような対策を考えていただかなければ、これはまああとに残る相当いろいろな問題が起きてくると思いますので、一応そういう点について、大臣に十分に御考慮願いたい。  もう一点だけ。それから、これは今年の予算の関係なんですが、きのうも建設省とだいぶここでやり合ったのですが、ほかの議員諸君も、いわゆる開墾建設等におけるところの建設の面ですが、農林は、開墾建設等における灌排の特別会計の面における事業費の中に人件費を繰り入れておるということですね。人件費が入っておる。従来は、まあ現地の所長さんだとか次長さんの分は、国で見てもらっておったのですが、それが今度からは事業費の中に繰り入れて人件費を見て、それを地方財政の一部負担に転嫁したような格好になっておる。あるいは、おそらく大臣もおっしゃるであろうと思いますが、これは会計法上一本にした方が出しやすいというお答えをなさるかもしれませんが、しかしながら、農村の開墾とかあるいは建設というものは、どっちかといえば、やはり低開発県なんですね。財政的には貧弱県が多いのですよ。そういうところへ持ってきて、せっかく事業をつけてやったが、その中における人件費もまるがかえにそっちの方へ、事業費の中に入れてかかるというと、事業量というものはプロパーの従来のあれとは多少違ってきておるのじゃないか。これは、その中において裏づけをしてやらぬというと、貧弱な地方財政というのは相当苦しいんじゃないかと思いますので、その裏づけ方法を何か考えておられるかどうか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今御質問の点でございますが、今度の予算で、たしか金額で四億二千万円くらいの金が、事業費の中に含まれた人件費になっております。負担の問題でございますが、実は国営でやっております開墾、これについては農民負担がなくて、全部国の負担でございます。負担の問題は生じて参りません。それから、土地改良でやっております特別会計の問題でございますが、これは特別会計を作りましたときに、国の負担率を六割から五割八分に下げたということがあり、また干拓におきましては、二割が農民負担になるというようなことをしました関係上、特別会計のものにつきましても、農民負担はさせないということになっております。  ただ、若干生じました問題は、一般会計でやっております国営の土地改良につきましては、事業費の中に人件費が入りましたから、若干の農民負担の増加になることは、これは免れないところでございます。この問題につきましては、実は予算の折衝をいたしますときに、建設、運輸等といろいろ歩調を合わせて財政当局にも交渉したのでございますが、統一的な査定ということで、結果がそういうことになったわけでございますが、国営の事業につきましては、実は完成後十年で払っていく。毎年々々払うわけではございませんが、将来の問題になることが多いので、われわれといたしましては、もう少し時間をかけまして、その間に今の負担分をどういうふうにしたらいいかということは、もう少し考えてみたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それで、今局長のお答えによりますというと、そういう問題になりますが、それは国家公務員の身分なんでしょう。そうなるというと土地改良にしても何にしても、農民の負担の面にしても、アロケーションという面の今までの考え方からいうと、農民負担の分はそこにある程度違ってきはしませんか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 農民負担に関係が出てきますのは、今申し上げましたように、一般会計でやっております国営の土地改良でございます。これにつきましては、若干そういう問題が出て参ります。この問題につきましては、実は農民から負担金をとっていきますのは、土地改良が完成しました後十年間にこれをとるということになるわけでございます。それで、さしあたり今年からどうという農民負担にすぐ影響することはないのでございますが、これにつきましては、直轄河川の問題、あるいは港湾、みな同一の問題がございますので、もう少し統一的な歩調をとりまして、これの対策をどうするかということは、将来の問題として考えてみたいというふうに思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 御議論はわかるんですがね。ただ、受ける農民の方の感じは、いわゆる国家のお役人さんの所長さんだとか次長さんだとかの分までわれわれが出さなければならぬのかということを考えやすい、素朴な農民から考えるというと。従来はそういうことはなかった。今年からは、そういう面においては、お前たちもある程度負担するのだぞ、こうなるというと、何か国のお役人を、われわれが税金を出したほかに、われわれの仕事をやってくれるからといって、またその分を負担しなければならぬのかというようなことを素朴な農民は考えるんですよ。そういうことになると、あまり疑義を残さないような方法でやる方法はないか。将来やるということですから、十分お考え願うとしまして、これは大臣としましても、予算の組みかえ等に関しては十分この点を考えていただきたいと思うんです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ただいまの御質問に関連してですが、数年前に、これは国立だと思いますが、農事試験場——何の試験場であったかちょっと記憶がありませんが、そこで同じような問題が起こりまして、人件費が事業の中へ入っているわけですね。そこで、そこの公務員の方々から、当時私は農林委員をしておりましたが、人間を事業費の中にぶち込むということは非常にわれわれとしても了承しがたいというお話があって、当時、私から政府にお尋ねをして、その際政府は、今後こういうこと、人間を事業費の中にぶち込むということのないようにするという、そういうお話が委員会で正式にあったわけです。これは数年前の話です。だから、今の千田さんのお話の、予算の負担上の問題は別として、人間をそういう扱いをすることもどうかと思うので、これは将来の予算編成上御注意をいただくべきじゃないかと、こう考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 だいぶ時間かたちましたから、簡潔にお伺いしますが、貿易の自由化が農漁村に一体的な関係がないというふうにしますということでございまして、そういうことできっぱり所信を承っておりますので、心配はないようではありますが、このことに関連いたしまして、輸出入取引法の改正が企図されておるということですが、これは閣議等でそういう問題が進行しておりますのかどうか。もし進行しておるといたしますれば、その構想の概要はどういうことでございますか。と申し上げますのは、もちろん貿易上の過当競争を防止して、輸出が振興され、正常な輸入ができるようにいたしますることは、何も問題はございませんが、その結果、国内の取引上にまでカルテルの結成等まで認められるというところまで発展をして参りますと、これは独占禁止法に相当反する結果が生まれまするし、それによって農漁民に相当私は影響があると思いますが、輸出入取引法の改正をめぐって国内取引のカルテルを認めるか認めぬかという問題について、どんな模様でございまするか。また農林大臣として、そういうようなことがもしありとすれば、それは断じて承服はせぬという態度でお臨みになるのか。ただ、貿易自由化が大事なんだ、そういう具体的な問題について、ないないとおっしゃいますが、そうじゃない。取引法の改正について相当の私は問題が起こると、こういうふうに心配しておるのですが、その辺どうなんですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さような取引法の改正ということを、通産当局は考えているわけです。それで、それを関係各省に対しまして意見の調整をなすべく協議中でございまして、まだ閣僚とか閣議とか、次官会議とか、そういう段階にまでは上がってきておりません。構想の大体は、アウトサイダーの規制ということを新たに取引法の中に拡張いたしていきたいと、こういうことが主でございます。それで、考え方自体といたしますれば、たとえば物を輸出すると、これが競争ということになりまして、どうもこれは、一致団結してやれば高く売れるものが、競争の結果値くずれということが起こってくるという場合におきまして、内地の生産業者までが共同いたしましてこれを防止する措置をとるということとか、あるいは輸入の場合におきまして、ほうって置けば、これまた競争の結果高いものを買うという結果になりますのを、これが相談いたしまして、一致結束して安いものを買うということにいたしたいとか、これは提案の御趣旨は、まことに険しい国際貿易下の状況といたしますと、もっともなことでございまして、日本経済全体といたしましては有利なことになると、こういうふうに考えるわけです。  ただ、それが、お話のように、影響がどういうふうになるかということを十分検討してかからなきゃならぬ問題でありますので、私ども農林省といたしましては、それが農林物資に、また農家等の立場に、どういうふうに影響するかということを慎重に検討しております。大体においてそういう趣旨のものでございますから、その影響は農産物につきましても、安いものがとにかく入ってきて、売るものは高くなるということでありますから、いい影響が原則的にはあるわけでございます。しかし、いろいろなケースを調べてみて、あらゆる場合にそういう原則が当てはまるかどうか、今よく検討しておりますが、検討の結果、農林省としては善処したい、かような考え方であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 あとで聞こうと思いましたが、アウトサイダーの問題に触れられましたが、前段の方の輸出入の過当競争を防止するということは、私もよくわかります。それによって国益をふやしていくのですから、わかりますが、これが国内取引にその形体がそのままずっと及んで参りまする結果として、零細な農漁民が非常に高いものを買わされるといったような、カルテルの結成が当然付随的に起きてくると思うのです。そういう場合については、あなたはそういう結果が起きないような措置をするということは、今の御趣旨から、安いものが買えるようにしてやるのだということからいけば当然と思いますが、そういうような零細農漁民に悪影響を及ぼすような国内取引のカルテル化というものは認めないという意思は貫いていただけると思いますが、どうでしょう。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは、輸出業者だけでそういうカルテルを作っても、意味をなさない場合があるようでございます。そこで、輸出入業者だけでなくて、背後に生産者というものがあって、生産者までが輸出の当該品目について協定をしなければ、そのカルテルの目的は有効に達せられない、そういう場合があるわけです。これは仮定の問題ですが、仮定ですよ、今ちょっと頭に何の品目ということが浮かびませんから、肥料というものをかりに仮定の問題としてつかまえてみて、肥料の輸出商社ですね、これがカルテルを作って、そうして値くずれを防ごうという努力をする。それは効果を生みますね。これは御了解願えると思うのですが、しかし、それだけでは不十分で、肥料のメーカーまでが一つ協力しようということになれば、さらにそれが強力になるという場合があり得るのです。その場合には、肥料が国外に高く売れるのですから、従ってその分だけは肥料というものは国内には安く供給できる、これはそういうふうにいかなる場合にもなってくるのです。ですから、森さん、何か危惧を持たれるというようなお話でございますが、もしそういう、具体的にこういう場合にこういう心配があるのだという事例があれば、お示し願えれば十分検討いたします。御心配ないと存じます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それで、国内における取引上のカルテルの問題から、心配のないようにするということでございますから、これは具体的に申しません。非常に広範でございますから、日をあらためて肥料の問題やいろいろの問題を具体的に申し上げます。ただ抽象的、包括的に、国内取引のカルテルを通して零細農漁民に悪影響を来たさないということを確保していただけるものというふうに了解いたします。  そのアウトサイダーの輸出の場合の規制ですが、これもお話のように、アウトサイダーを規制するということによって有利に貿易を伸展させるという必要もあろうと思うのです。思いますが、そういう場合に、そういう効果が現実にもたらされるかどうかということは、十分吟味しなければならぬと思うのです、現実問題として。その場合に、主管の官庁が通産省になると思いますから、通産大臣だけの一方的な認定によってアウトサイダー規制が発動されるということでは、必ずしも今大臣がさきに御説明になったような結果にはならぬ場合が起きる危険があるというようにも思われるのです。これは過去の幾多の例から、そういう、心配は当然だと思う。そこで、アウトサイダー規制というような場合も当然、それが農林物資に関連する場合には、農林大臣がお話しになったような趣旨を発揮する場合だけを限定して同意なさるというような措置がとられなければならぬと思いますが、アウトサイダー規制の発動の行なわれる場合も、実際上の措置は、申し上げまするような方法がとられるかどうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは今申し上げましたように、原則的にはどうも私どもは、農林物資並びに農民に不利を来たすことでなくて、むしろ有利になるというふうに考えておるのですが、いろいろのケースがありましょうから、その場合に零細な農民に負担をかけるということは、これはもちろん私どもとしては避けなければならぬというふうに考えております。そういういろいろなケースの場合にいかなる場合にも心配がないようにするためには、これは農林物資につきましては、通産省の所管ということでなくて、農林省との共管ということにし、またその他の問題につきましても万事協議をしてやるとか、そういうことを法的にきめていくということか適当であるというふうな考え方をとっております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その辺が非常にむずかしいところですね。協議するとかということは、一方的なんですから、法的措置に農林大臣の承認というような、相当強い文字で表わしてもらわぬと、協議したが、こっちは否だと言っても、向うは協議したからということでやっちまう、こういうことがあるのですね、実際は。ですから、その法的措置の場合には、当然それは承認という程度の規定がなされませんというと、これは問題の解決にはならぬと思いますが、その点は十分一つ、如才はないと思いますが、御注意を願いたいと思います。  その次に、災害関係についてお尋ねいたしますが、先刻農地局長にお伺いいたしまして、これは委員会でなくて了解をいたしておりまするが、今度の伊勢湾台風の関係で一番惨害をこうむりました鍋田干拓の地点は、投げてしまって、復旧してもらえぬのじゃないかというようなデマが飛びまして非常に混乱しておりました。今ではそういうことはございませんから、この点はけっこうですが、あの地点は、大臣もごらんになったと思いますけれども、とても昭和三十五年の作付にはこれは間に合わぬと思うのです、実際問題として。そうしますと、他府県内あるいは県内からそこへ移住しておった連中が、当面農業生産に従事することが実際問題としてはできないということになるんだと思う。その場合の措置をどうお考えになるのか。これは何らかの対策を考えてやりませんと……。明年の作付には間に合うようにやっていただける、これは私も疑義は持ちませんけれども、今年の迫っておる作付に、一番前線の地点は実際問題としては間に合わぬというふうに私は思っております。それが間に合わしていただけるなら非常にけっこうですけれども、ちょっとこれは有能な農地局長の腕でも間に合わぬと思いますが、それはどうなんでしょうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは私も現地を見ておりますが、鍋田干拓は、全体の水のはけは、これは今月一ばいかかると、こういうことでございます。しかし、すでにあの台風時に入植をいたしておりました地域ですね、これは六十町歩あるわけです。この地帯はもうすでに、私行って見たときも、もう水はちゃんとはけておりまして、いろいろと準備をしておりましたが、私どもとしては、ことしの作付には、もう迫っておる問題でございまするが、必ず間に合わせるということでやっておる次第でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それから、自作農資金の問題ですが、本年度——本年度というか、三十五年度予算では三十億増の百三十億ということになっておりまして、この点は一応よく了承はできますが、昨年の災害のときに配分せられた自作農資金では非常に困難をしておる。というのは、申し込みの半分ぐらい間に合わぬといったような事例が至るところにあります。これは伊勢湾台風だけでなくて、その他の災害の場合にもそういう事例がある。そこで、予算が成立いたしますれば、即刻配分をして、災害で難儀をしておる、申し込んでも原資がないために今県でも何とも手続がいたしかねるというものについては、例年の通例では六月、七月にならなければ配分かないということですが、この措置を急速にどうしてもやってもらわなければならぬと思うのですが、それはどうなんですか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 災害の三県につきましては、特に今お話しのような措置をとりたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それから、災害対策特別委員会のときにいろいろ問題にいたしまして、十分研究するということになっておりました、この災害のために不振な状態に陥った農業関係の協同組合等について、あるいはさきに制定されておった再建整備法を復活してその措置を講ずべきではないかという問題、これはその後よく実態をきわめた上で必要とあれば措置をするということでございましたが、今の開会中の国会にはその措置がございませんけれども、お調べの結果ば、そういう措置を要せずと御認定になったのか。私どもの見ておるところでは、ごく少数ではありますけれども、そういう必要を感じておる。特に開拓関係の農協等につきましては一部あるように思うんですが、御調査の結果どうなっておるのでございましょうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) ただいま御質問の、この前の災害のときに、その原因で不振になった農協に対する措置でございますが、その後いろいろ調査を進めてきております。しかし、まだ完全に十分調査ができたというような段階ではございません。と申しますのは、農協がはたして今後どういう手を講じなければいかぬかというようなものを判断いたしまする場合には、どうもやはり、その再建整備法をどうするかというような問題を考えます場合には、三月末の決算を見た上で、どういう影響を与えるか、こういうことを検討してみませんと、今後の対策等も具体的にどうしたらいいかというようなことは言えないんじゃないかというような状況でございます。しかし、全般的に見まして、特に従来のような再建整備法と同じような措置を講ずるということか、わずかではございまするが、非常に困っておる農協に対してこれを立ち直らせるためにそれほど大きな効果があるかどうかという点については疑問がございまして、これは御承知のように、農林中金等におきましても特別の援護措置というようなものも講じておりまするし、あるいはそういう措置の方が、従来のように、全部の赤字に対する二分ぐらいの金利を補てんしていくというようなことよりも、もっとほんとうに困るところに対しては効果のある方法を具体的に考えなければいかぬじゃないだろうかというような感じもいたしておるのでありまして、現在の状況はそういう状況でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 いずれにいたしましても、再建整備を適用して復興をはかってやらなければいかぬという程度の困難をしておる漁業協同組合なり農業協同組合というものが、ある程度存在しておるのは、これはもう間違いないと思う。そこで、再建整備法を復活してその措置を講ずる方がよろしいか、その他の措置が適当であるかという問題も、また判断しなければならぬと思いますが、いずれにいたしましても、そういう措置が急速に一つ講じられますように、一つ配慮をされたいということを希望しておきます。それは中金の援助等も一つの方法ですから、必ずしも再建整備法をやらなければならぬというものじゃありません。実態がそういう結果を導き出せばいいんですから、そういう具体的の一つ措置を講じてもらいたい。  それから、災害関係で、これは特別委員会で例の高潮対策の問題に関連して、法律は伊勢湾、熊野灘、知多湾、渥美湾に面する海岸と、この法律はなっております。そこで、これは建設大臣に主としてお伺いをしたいんですが、伊勢湾にも、渥美湾にも、知多湾にも、熊野灘にも面してはおらぬ、具体的に申しますれば、太平洋に面しておるという地点で、法律の適用を受ける両町村にはさまったまん中の一つの村だけが太平洋に面しておるために、高潮対策の施設をやってもらえぬという地点がある。というのは、法律には接続する云々という規定がございますので、当然その立法するときの趣旨としては、伊勢湾に面した甲という町があって、今度は渥美湾なら渥美湾に面する乙という町があって、そのまん中にある地点を想定されたから、接続をする地点も同じように扱うんだという規定があったものと了解した。ですから、そういう趣旨の質問をいたしますと、違うんだということで、まん中の町だけが抜けてしまう。ヘビがカエルをのんだような格好になっています。だんだんおかしいということで究明していきますと、具体的に例を出さなければということで、具体例を出して質問をいたしますと、それは高潮によって災害というものが発生する地点ではなくて、海岸侵食とかその他の理由によって相当の被害をこうむっておる地点であるから、当然、それは高潮対策ではなくて、その他の方法というか、侵食対策であるとか、災害関連事業とか、そういう手段によってその措置を講じますということを、建設大臣は答弁されたんです。そこで、先日建設関係の委員会がございましたので、正式にお伺いしようと思ったんですが、事前に局長に聞きますると、その地点は農林省の所管地点だからということだったんです。ところが、その特別委員会では、具体的な地名まで出して質問したのに対して、建設大臣は当然侵食対策でやりますと、こう答弁している。三十五年度予算ができて、いよいよ実施の段階に入りましたから、どうですかと局長に詰め寄ると、そこは農林省の所管ですからと、こういう話になっちゃったんです。  そこで、今局長に伺いますと、当然それは農林省担当の侵食対策として実施をするということでございますから、問題はないように思いますが、そういう地点に対する対策について、建設大臣が答弁はいたしておりまするけれども、政府としては当然措置をされるものと、こう了解いたしますが、それでよろしゅうございますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 現地に行きまして査定をしましたときに、先生の御質問のような問題は私は実は聞かなかったのでございますが、当然、そういう地点がありますれば、海岸保全というような事業をいたしておりますので、そういう面で考えていったらいいんじゃないかというふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 次に、蚕糸対策で、養蚕技術員の問題は午前中に申し上げましたが、どうも現地へ行っていろいろ蚕糸問題を考えますると、政府でも今やっていらしゃいますけれども、原料繭と製糸設備のアンバランス、これが非常に問題になっておるということなんですが、この問題をもっと根本的に究明いたしませんと、設備が多くて原料が少ないから、養蚕農民は高く売れていいんだというようなことにちょっと見えまするけれども、実際はそうはならぬと思うのです。ことに、大臣の郷里群馬県なんか値段が高いようではあるけれども、ほんとうに農民としては安定してはいないということのように思うのです。そこで、どうしても蚕糸の安定的な発展をはかって参りまするためには、原料繭と製糸設備の均衡を急速にとる必要があると思うのですが、そういう問題について一体どういう考慮を払っていらっしゃるのか。

大沢融農林省蚕糸局長

○政府委員(大沢融君) 御存じのように、製糸設備は従来の多条機から急速に能率のいい自動機に移りまして、数の上では製糸の繰糸能力としては、確かに今生産されます繭に対して製糸設備が過剰だということが現象として現われているわけでありますが、これはいわば技術革新と申しますか、技術が非常に急段階に進む段階では、いろんな産業で見られることでありまして、多条機で糸を繰糸する場合のコストに対しまして、自動機の繰糸のコストは飛躍的に進んでおります。そこで、生産される繭に対して過剰でありますけれども、売れる生糸の量に対しては必ずしも過剰ではないわけです。いわば陳腐化した設備と、技術革新で非常にコストの安い、能力を持っている設備と、両方がたまたま、いわば製糸業の再編成と申しますか、そういう段階で併存することからそうした現象が現われておりますけれども、当然古い設備は陳腐化して自動機にかわっていくものであって、この現象だけを見て必ずしも製糸設備が過剰である、過剰設備であるというふうには解釈できないのじゃないか、こういうふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今お話しのように、陳腐化した製糸設備が非常に性能のいい設備にかわっていった結果として、私の聞いているところでは、非常に能率が上がる、そこで原料繭とのバランスがとれない、原料繭の争奪が起きる、いろんな問題で難儀している、そのことがすく糸価の安定を乱すような、変なことにまでつながってしまうのだ。最後には非常に重要な輸出貿易に支障を及ぼしているということを、私は蚕糸のことはよく知りませんけれども、実際に携わっていらっしゃる諸君からは、現地へ行きますると、非常に強くそのことが指摘されるのです。今局長のお話しのように、必ずしも原料繭と製糸能力といいますか、そういうものとがアンバランスになっていないのだということで、現状でいいということになるのでしょうか。

大沢融農林省蚕糸局長

○政府委員(大沢融君) 私は、ただいま申し上げましたのは、現象としては多条機の繰糸能力、それから非常に優秀な自動機の繰糸能力、設備、そのあるいは免許をされた台数に対して生産される繭、確かにアンバランスになっているのでありますけれども、今申し上げましたように、自動機と多条機、まあ特殊の糸をひく場合は別でありますけれども、普通の糸をひく場合には競争にならないようなコストの大きな差があるわけであります。ですから、古い機械はまあいわば陳腐化したものであって、これ全体を繰糸能力として考えると、生産される繭に対してアンバランスなんだ、過剰設備なんだというふうに考えるのは、こうした今申し上げましたような製糸設備、製糸企業が再編成される、技術革新が行なわれるというような場合には、当然こうした現象があるものであって、この現象だけを見て、製糸設備と繭がアンバランスだ、過剰設備だというふうにはいえない、こういう意味でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 きょうの午前中の御説明で、外国食糧を輸入する場合には、国内の生産数量を基礎として、需給上必要な数量の輸入を考えるのだ、こういうことなんです。その通りでけっこうだと思いますが、そこで、例の朝鮮米とかビルマ米が、おそらくこれは大臣御説明のワク外の数量になるのではないかと思いますが、そういたしますると、食糧管理特別会計でこれを取り扱うということは、食糧管理特別会計の本質から考えていかがなものだろうか。外務省の費用で買うというのなら、これは問題ありませんけれども、食管会計でしますというと、大臣の御説明とは違った措置を食管会計でやる、こういうことにつながってくるように思うのですが、それはどうなんでしょうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはよって生ずる赤字を一般会計から繰り入れることにいたします。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 よって生ずる赤字を一般会計から繰り入れましても、この大臣の御説明の趣旨に沿う数量ではないということだけはお認めになりますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは、ことしは二十七万トン入れたわけです、先ほど申し上げました通り。また、三十三年に二十七万トン入れ、三十四年度にも二十七万トンを入れるということになるわけです。それで、二十七万トンというものの内訳につきましては、今まで貿易交渉なんかできまってきたものを内容としていることは、午前中申し上げた通りです。そこで、朝鮮だけが問題になるわけですが、朝鮮から今度三万トン買うということになる。そうすると、これだけがそのワク外に出るわけなんです。大体昨米穀年度から持ち越しになっておりますものが三十万トンくらいありまして、それに対しましてまた需要がそのくらいの数量があるのです。また三十万トン、朝鮮米を入れますと買うということになりますから、結局また三十万トンばかりが次の年に繰り越される。こういうことになりまして、私どもは何とか持ち越しを減らそうという努力をしておるのですが、いろいろな外交上の関係もありまして、持ち越しを減らすことにならぬということになりますのはまことに遺憾でありますけれども、これも私は、しかしなお別の見地から考えて、いたし方ないことであるというふうに考えておるわけです。しかし、内地の米とは区分いたしまして、そして特用米というような別の用途を考えておる。内地米の方は一般の配給ルートでやりますから、この内地の需給を圧迫するというようなことがないように気をつけながら輸入米は処置していきたい、こういう考えです。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今、鮮米だけが非常に問題になるという話があったのですが、米ではありませんが、韓国との関係は、長年農林水産委員会で問題になりましたノリの問題が一つあるのです。これは、通産省、農林省とも、委員会も関連して、意見が一致して、国内生産量との関連において年間最高一億枚を限度として輸入をするという、別に法律ではありませんが、協定があるのです。今後貿易が自由になり、米についてもそういうような問題があるというやさきですから、韓国ノリというものが日本の需要以上に入ってくるという問題から、今振興途上にある沿岸漁業としてのノリが非常に経済的に困るという事態に逢着するのではないかという心配を持つのですが、これに対する措置はどうお考えになっていますか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これは、今までのように、両国間で協定して、それに基づいてやっていくというほかないと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、両国間の協定と申しますけれども、日本側としては、国内生産量と国内の需要の実態を見まして、通常の年でありますれば、まず一億枚以内にとどむべしという主張というものは、今後も貫いていくべきものというふうに了解してようございましょうか。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 国内の漁業者の立場を考慮いたしましてやっていくことは、これは当然でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最後に一つ、笑い話になりますが、私は、三十一年ですか、北海道の冷害のときに向こうへ行ったときに、たまたま農林省の水産試験場に寄りました。そのときに、日ソの漁業交渉が、毎年々々非常に難儀をしておるということから、漁族と音楽の関係を、笑い話に聞いたんです。私がそんなことを聞きましたのは、例の童話の、龍宮の乙姫様を思い出して、タイやヒラメが音楽を聞いて踊るというのだから、日本海へ遡上してくる鮭鱒類に向かって音楽を流してやれば、こっちへばかり寄ってきてしまって、日ソの漁業交渉をやらぬでも、向こうへ行くまでにこっちでとれるじゃないか、どうだ、と言ったら、確かに音楽と魚という関連はあります、理論的にさらに研究しなければならぬことだということでしたから、それじゃ一つ研究してくれ、こういうことを頼んでおいたが、その研究の結果、何か本省側に連絡があったのかないのか。その後北海道に行きませんものですから、再出張するわけにもいきませんものですから。(笑声)これは笑いごとでなく、牛でも何でも、音楽と、確かに乳量をふやすとか、あるのです。魚にも耳はあるので、日本海へ音楽を流してやって、向こうへ行くやつを食いとめちまえば、問題は解決するということなんですが、一体水産庁でそういうことをお考えになったことがありますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 御質問の、音楽という話はあまり聞かなかったのですが、ただ、御承知のように、音響と魚の行動については深い関係がございます。これは、その原理を利用したいろいろな漁法も現に存在いたします。従いまして、音響と魚の行動に関しましては、もちろん研究所でその問題を研究いたしますほか、大学等においても応用研究室その他である程度流しまして、学問的な研究も依頼しているような状況でございます。ただ、御質問の、今具体的に北海道の水産試験場でどうやっておるかというようなお尋ねでございますが、これはちょっとお答えすることができないわけですが、ただ、水産研究所としては、音響と魚の行動の関係につきましては研究を続けておるというふうにお答えいたしたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 音響の少し精密なやつが音楽に私はなると思うのですがね。そこで、音響と魚というものが不可分なものであって、関連があるということならば、それの少し性能の高いやつを流すことによって、魚がそっちの方へずっと近寄ってくる、そういう研究をなさっておるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 現在、問題になっておりますのは、魚を誘引する、誘うというような研究よりも、ただいまかなり問題になっておりますいろいろな駐留軍の演習の場合の影響などの問題もございまして、むしろ逆に、誘うというよりも追うと申しますか、抑制する、そういう点に非常に問題がありますので、そういう観点で研究を進めておるわけでございます。しかし、考え方によっては、魚の行動を抑制することが、逆に魚をとる方にも応用され得ることは、これは当然でございます。そういう観点で研究しているのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 これは、ほんとうに一つ真剣に研究してもらいたいと思うのです。お話のように、砲弾を撃つとか何とかによって、魚がびっくりして逃げてしまう。これは結局、魚が音に対して鋭敏な反応があるということなんですね。だから、魚族によって、ジャズの好きなやつもあるでしょう、いろいろあるでしょうから、そういうことを一つ研究して、鮭鱒類にはどういう音楽が一番好まれるかということを一つ、もっと科学的に掘り下げて研究して、そうしてこれが実用の域に達すれば、これはもうえらくめんどうな、大臣なんか向こうに行くということはなくなってしまうわけです。ぜひとも、これは一つ研究をして、漁族と音楽ということはほんとうに真剣に取り組んでいくべき問題だと思いますから、そういうことを提起して、御研究を希望しておきます。

西田信一自由民主党

○西田信一君 時間もたちましたから、一点だけ、しごく簡潔にお聞きいたします。まあ、これは局長さんからでもけっこうですが、この酪振法が改正されて、そうして集約酪農地帯が指定されて、非常に酪農が伸びて参った。たしか、昭和二十五年度から見ると、牛乳の生産は、どのくらいになっておりますか、五倍以上になっておると思いますが、これから先、農林省でも計画を持っておられると思いますが、たしか昭和三十五年度では一千万石をこえるのじゃないかと思いますが、四十年度で二千万石という農林省の計画は、これは達成ができるお見通しかどうか、これをまず先にお聞きしておきたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 三十五会計年度の年間中には、牛乳の生産額としましては千百万石をちょっと切れるというように推定いたしております。いろいろの将来計画及び見通しにつきましては、目下研究中でございますけれども、現在時におきまする各種のデータから所得弾性値を活用いたしました日本の国民的牛乳の需要量から見まして、これを原則として自給するという立場からいいますと、昭和四十四年度におきましては現在の三倍半くらいを目標に、また生産消費可能なように持っていきたいと思います。

西田信一自由民主党

○西田信一君 私が承知しておったよりもはるかに増産が大きく期待されるというふうに、御答弁を伺ったわけです。そこで、この貿易の自由化等が各種産業に非常に関係を持ってくるわけですけれども、現在でも、この乳製品、これは非常に国内産と国外のものとでは価格に差がございます。そこで、これはことに、今のように相当増産が期待され、さらに貿易の自由化というものが進んで参るということになりますと、その影響もこれは相当考えなければならぬというふうに思うわけです。それと、今の御説明によると、三十五年度には千百万石になって、四十四年度には三倍半になるということから、四十年ごろには二倍をはるかにこえるということになると思いますが、そういたしますと、このふえる原料乳の増産に対処して、いろいろ処理、加工ということが問題になってくると思うのです。そこで、生産に並行してというか、むしろ生産に先行してそういう設備というものを考えていくべきだと、こう思うわけです。  そこで、私どもしろうとですけれども、専門家に聞くというと、大体こういうような牛乳の加工設備というものは、十万石あたり大体五億から六億要るということですね、常識的に。そういたしますと、かりに一千万石といたしましても、相当の設備資金が、六百億円くらいの設備資金がここ数年ぐらいのうちに要るということになると思います。そこで、この設備資金をどうして調達するか。今申し上げたようないろいろな貿易の自由化その他に対処しながら、これを処理していくための設備をやるための有利な資金をどういうふうに獲得するかということが問題になってくると思うのです。そこで、酪振法の改正のときにも、衆議院の方でもたしか附帯決議のようなものがあって、将来乳製品の製造設備の新設とかあるいは改良とかいうものには長期低利資金を供給するように、こういう道を開くように農林漁業金融公庫あるいは開銀等から貸し付けのできるような道を開く、こういうことであって、開銀の方はできておるかもしれませんが、農林漁業金融公庫の方にはまだその道が開かれていないと私は承知しておるわけです。そこで、専門家が計算したのを聞きますと、相当金利というものが価格に影響する。価格に影響するというよりは、それが結局場合によっては原料乳の生産者価格にもはね返っていくことになるのです。従って、相当そういうような立場から検討してやって、長期低利の融資の道を開いてやるということが非常に必要だと思うわけですが、そこで、大臣にお聞きしたいのですが、衆議院等の附帯決議にうたわれているような、農林漁業金融公庫等からこういうような乳製品工場の新設等の設備資金に貸付の道を開いてやることをお考えになっているかどうか、お考えになっているとすればいつごろからこれが実施されるかということ、こういう点を一つ率直に実はお伺いしたいのです。

福田赳夫自由民主党農林大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 私は、自由化という問題が起こってきた場合におきましても、農産物資には心配はかけないということを常々言っているわけです。しかし、一面において、その自由化とは別問題といたしまして、こういう問題が起こってきますると、日本の商品と外国の商品との価格差というか、生産の不合理性ということが非常にはっきりと世の中に映し出されてくるわけです。特に乳製品、酪農製品ですね、こういうものにつきましては、もう格段の差があるわけでございまして、自由化という問題はございませんが、しかし、別の角度から日本のそういうものにつきまして合理化をはかって、自由化なるものがあってもびくともしないような態勢を整えていく、これが農家の、また酪農業というものを健全に発達せしめるゆえんである、こういうふうに考えているわけであります。  そういう角度から考えますると、やはりいろいろ検討要目はありまするが、牛乳の製品化の段階ですね、これにおきまする企業の金利の負担という問題につきましても十分検討していかなければならぬ、新しい問題として私は考えなければならぬ一つの問題が出てきていると、こういうふうに思うわけですが、本年度の予算に関連いたしましての考え方といたしましては、まだそこまでは考えておりません。ですから、開発銀行から乳業会社なんかへの融資は円滑にすべきであるというためのいろいろな努力をいたしてきたわけなんでございまするが、そういう新しい角度からこの金利負担の軽減という問題を検討していかなければならぬだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。なおよくこの問題は十分に考えてみたい、かように考えております。

西田信一自由民主党

○西田信一君 この金利負担ということが、まあ相当コストに影響するということでございまして、かりに二千万石を処理するといたしまして、これからふえる一千万石の乳製品設備をやる、それをたとえば開銀と今の公庫との金利差だけを比較してみましても、これはまあ相当の額になる。百何十億かになるようです。それを牛乳の価格に引き直してみると、四円から五円くらいの負担になる。今の国内産と外国産との価格差等のこの点から考えましても、結局、それは生産者の原料乳価格にしわ寄せしていくという危険が非常にある。そういう点から、せっかく今局長が言われたような、将来の増産計画を持っておられましても、そういうことになっていっては、これがかりにそういう資金を別の道から獲得してやったといたしましても、結局、酪農振興計画というものが、これがその面からくずれるということにもなると思います。そういう点もございますし、実際にまたそれだけの資金を獲得するという点において、相当困難性があるという点から考えて、大臣はその必要を感じている、またそれについては検討を進めたいというお話でございましたので了承いたしますが、一つ、ことに北海道なんかにおきまして、農業の転換を考えておるという立場から、あるいはまたビート生産等と関連して、酪農振興ということを考えますときに、どうしてもこういう問題を一日も早く解決をしていただくということがきわめて切実な問題として浮かんできておるというふうに考えますので、希望を申し上げますが、一つ急速にそういう御検討を下さって、これができるなら、三十五年度からでも一つ実施に移されるように御検討を願うことを、きょうは希望を申し上げておきます。これで終わります。

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) 農林省関係予算の質疑は、これをもちまして終了しましたことにしまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

白井勇自由民主党

○主査(白井勇君) 御異議ないと認めます。  次回は、明二十六日午前十時から開会しまして、運輸省関係予算を審議いたします。  本日はこれで散会いたします。    午後五時二分散会

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