予算委員会 第3号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/02/09
会議録
○委員長(小林英三君) これより予算委員会を開会いたします。 当委員会は、先般最近におきまする一般経済事情公共事業の進捗状況並びに地方財政の状況等を調査のため委員派遣を行ないましたが、本日は、その調査の報告を願うことになっております。 まず、第一班から御報告をお願いいたします。吉江勝保君。
○吉江勝保君 第一班の視察報告を申し上げます。 第一班は、鈴木強委員と私とで、去る一月十六日から五日間の日程で、山梨、長野両県を視察して参りました。その間、両県当局並びに関係政府出先機関から、それぞれ管内の一般経済情勢、財政状況及び公共事業の進捗状況等につき説明を聴取したほか、昨年八月九月と二回にわたり、両県下を襲った台風第七号及び第十五号による災害の復旧状況につき、特に被害のひどかった地区の現地調査を行なうとともに、これが被害の当該市町村財政に及ぼした影響等について詳細な調査もいたしたのであります。 以下、右調査の結果を御報告申し上げるのでありますが、何分調査は各般にわたり、かっこまかい数字等も伴いますので、ここでは簡単にその概要と並びに重要と思われる二、三の点について申し上げるにとどめ、詳細は別に報告書をもって委員長のもとに提出いたしたいと存じますから、御了承願います。 まず、山梨県下における一般経済概況でありますが、同県は、両度の台風により、きわめて大きな被害を受けたにかかわらず、一般に景気はすこぶる上々で、生産実績も全企業にわたり急速な伸びを見せておりました。中でも、地元産業の活況がめざましく、同県の主要産業であります郡内機業等におきましては、滞貨に苦しみ、多数の倒産者を出しました一昨年の不況とは打って変わり、品目によっては生産が間に合わぬというほどの繁忙ぶりでありました。もっとも農業関係におきましては、やはり台風による稲作、果樹等の災害で、相当の減収があったわけでありますが、これとて、果実、繭等の価格が比較的高水準に維持されたため、全般的には収入面にさほどの減少はなかったようであります。ただ問題は、耕地の流失、農林道の決壊、水路の埋没等による損害が三十八億円にも上っており、これが復旧には多額の経費と相当の歳月を要することでありますので、今後この負担が、県の農業にどう響くかという点が、一つの問題だと見て参りました。 次に、長野県の一般経済概況でありますが、かつて戦前全国第一の生糸生産高を誇り、また果樹、酪農、農産加工等の多角的農業経営をもって知られた同県も、戦後は製糸業の衰退と共に、近代工業への転換を求めて除々にその産業構造を変えようとしていることが、まず指摘されます。すなわち、生糸にかわる岡谷、諏訪地区を中心とする精密機械、伊那地区の電子工業及び上田、長野地区の金属機械工業などは、今やその生産高において、カメラ、レンズの光学機械では全国第二位、オルゴールは全国生産高の七割を占めて第一位、時計は第三位という躍進ぶりを示し、昭和二十五年当時ほぼ均衡状態にあった農業対工業の生産額も、三十三年には工業の方が六〇%方、上回わる状況となっております。しかし、こうした工業化への進展も、企業内容から見ますと、なおまだ脆弱な点がございまして、たとえば県内総事業所数の九九・六%が中小企業であって、しかも、その総数の五二%が従業員三人以下の零細企業であったり、また、これら工場のほとんどが、いわゆる下請企業を主体とする中央大企業の分工場であること、さらには、管内金融機関の預金貸出状況から見た場合、銀行の占める割合が他県にくらべて低く、零細企業や農業関係を、おもな相手とする信用組合、農業協同組合などの金融機関の地位が比較的高い比率を示しておりますことなど、これらを考え合わせますと、ある程度の工業化は進んでいるにせよ、工業的にはまだまだ後進県であり、むしろ農業に優位性があるというふうにも感じたことであります。 次に、山梨、長野両県の財政状況のあらましを申し上げます。 山梨県の財政は、昭和三十一年度までは赤字財政でありましたが、三十三年度の決算では一億五千万円の黒字を出しております。すなわち、昭和三十三年度普通会計の決算額は、歳入総額八十九億六千万円に対し、歳出総額八十八億一千万円でありまして、他方、長野県の場合は、同じ昭和三十三年度普通会計決算額において、歳入二百二十一億四千万円、歳出二百十八億二千万円、差し引き三億二千万円と相なっております。つまり、予算規模においても、当年度黒字額にしても、長野県は山梨県のほぼ三倍ということに相なるわけでありますが、実質収支で見ますると、山梨が一億六千万、長野は一億三千万と、逆に山梨県の方が優位に立っております。 今、両県の昭和三十三年度普通会計決算額調によってその財政内容を概観してみますると、まず、県税収入の構成比でありますが、山梨は一一%、長野は一五・五%で、山梨県の低率が目立ちます。これに対し、地方交付税は山梨一二%、長野二三%、国庫支出金は山梨三五%、長野三四%となっておりまして、両県とも依存財源の占める割合がきわめて大きいことを示しております。 さらに、歳出面の構成について見ますと、まず、人件費でありますが、長野の四一・九%に対し山梨は四四%となっており、山梨県のこの面での経費高が気になります。また、人件費を主とする消費的経費では、長野五九・五%、山梨六一%となっておりますが、これはいずれも全国平均の六〇・三%にほぼ近い数字であります。 問題は、行政水準の向上に必要な投資的経費が、山梨は二九%、長野が三一・五%となっておりまして、特に山梨県のそれが全国平均の二九・一%に対し、やや低いという点であります。このことは、公債費における山梨の九%、長野の七%が、ともに全国平均の六%を相当上回っている事実と合わせ、今後ともこれが改善に一段の努力を払うべきものと存じた次第であります。 引き続き第七号及び第十五号台風によってもたらされた災害の復旧状況について申し上げます。 山梨県の受けた被害は、一口に、第七号で三百億、第十五号で百億、合わせて四百億に上がっております。もちろん同県の歴史始まって以来の大災害でありまして、一時は、どうなることやら、かいもく見当もつかなかったが、今日では被害地の査定もほとんど全部終わり、公共災害については、国庫の高率補助と特別交付税の追加で復旧工事のめどもついたし、小災害その他、一般民間被害や営農資金等についても、つなぎ融資で、なんとか見通しがつき、県費の持ち出しにしても、やりくりのできる程度でおさまる予定で、県財政への影響等も、あまり大したことはないはずだと、これは県当局が私どもに語ったところであります。 事実公共土木災害では、被害総額百二十二億に対し、すでに緊急を要する約六割については、いち早く緊急査定を受け、直ちに一部着工するとともに、十一月本査定を受けた結果、申請額の九一%という好成績で百十億九千万円の国庫負担を受けることに決定しております。うち二十二億が本年度分で、これに予算外義務負担二十三億を合わせ、計四十五億をもって目下復旧工事の促進に当たっておりまして、五、六月ごろまでには所定の工事を完了する見込みとのことでありました。さらに農地、農業施設の災害復旧でありますが、この方は総額三十一億六千万の査定を受け、うち本年度実施額は十二億二千万と決定しておりまして、本年一月十日現在、その大部分が着工中という状況でありましたが、部分的には本年度植付期に間に合わないところが出てくるのではないかと憂慮される面もありました。 そのほか、いろいろと各般の説明も聞いたのでありますが、要するに、災害復旧に関する限り、大体うまくいっているということでありました。しかし、私どもが実際に被害地の市町村を訪れて、現地の実情を調査いたしましたところでは、必ずしも万事うまくいっているとは申せない点もあったわけでありますが、詳しいことは報告書に譲りたいと存じます。 ついで長野県に参り、つぶさに災害復旧状況を調査いたしたのでありますが、ここでも事情は山梨県の場合とほぼ同じでありまして、問題点にも共通なものがございました。簡単に概略だけを申し上げます。 長野県では、昨年の十二月三日をもって、公共土木関係の災害復旧事業は現地の査定を完了しておりまして、その査定総額は九十八億九千万でありました。これは山梨県と同様、申請額の九一%に当たっておりまして、うち八十八億が県工事分、十億が町村工事分となっており、昭和三十四年度実施要望額は、事務費を含め、査定額の約三〇%の三十一億九千万でありました。 なお長野県では、災害予算措置といたしまして、すでに昨年十二月までに二十五億三千万の追加計上と、五億七千万の予算外義務負担を議決して、来たる三月までには本年度復旧計画の完遂を期しておりましたが、しかし、現在までのところ、国からの負担金、補助金がまだ二割程度しか来ていないために、これが早期交付と、さらに着工額を下回る国庫負担金が交付されることのないよう、強く私どもに要望するとともに、なお今国会における第三次補正予算で、さらにどのくらい見てもらえるかという点について、深い関心を寄せておりましたことを申し添えておきます。 なお、中央道の問題でありますが、この件につきましては、両県の当局はもとより、自治団体代表の一致した意見として、この際、政府において、ぜひとも既定方針通り今国会に法案を提出し、すみやかに予定路線の決定をしていただきたいとの強い要望がございましたので、この点も特に申し上げておきたいと存じます。 最後に、今回の調査を通じて特に感じたことの若干を申し上げます。 その一つは、昨年のような大災害の場合に、現に山梨県でも長野県でもそうでありましたが、災害査定事務等の処理のために、五十名からの県外職員の応援を求めたわけです。おかげで両県とも大いに助かったということですが、この際この経験を生かして、こうした非常の際に、地方公務員を機動的に動員できるような恒久的制度を考えてみたらどうかという問題であります。台風等による被害は毎年必ずどこかに起こるわけですし、災害が起こればたちまち今申したような必要が生ずることになります。ただ今度の場合、土木関係と農業関係の職員の間に、滞在手当等で待遇上のアンバランスがあり、県当局もその処置には困ったようですから、こうした点の調整も各省間で十分考慮していただきたいと存じます。 その二は、自衛隊の目的、任務といった点にも関連することですが、災害が起こると同時に、間もなく自衛隊が出動してきて、何かと働いていただくのは大へんありがたかったが、欲を言えば、自衛隊員にいま少し土木関係の知識があって、かつ、つるはしとか、シャベルといった工事に必要な資材を携行してきてくれたなら、さらによかったという現地民の声を聞いたのであります。これもぜひ一考をわずらわしたいものと存じます。 その三は、災害国庫補助の際の、いわゆる三・五・二の年次別支給原則の問題でありますが、実際には、査定額の三・五・二にならないきらいがあるから、ぜひ規定通りの率で支給されたいということと、さらに地方起債の充当率について、当年度七五%が、次年度から五〇%に落ちるのは困るということ、これは至るところで強い要望がありましたので、特に申し上げておきます。 次に、これは警察関係の予算を調査してわかったことですが、オートバイ一つ買う予算がないために、相変わらず自転車で飛び回る非能率をあえてしておるという事実であります。しかも、現在使われておりまするのは、オートバイにしろ、モーターバイクにしろ、ジープにしろ、ほとんどすべて自治団体が乏しい予算を割いて買ったものを警察が借用して使っておるという実情を聞いて、このままでは、町村財政への圧迫にもなりかねないと痛感したことであります。 さらにいま一つ、これは国の出先機関の問題でありますが、いずれも少ない人員のもとに、年ごとに多くなる事業量を抱えて苦労しておるようであります。要するに、仕事の割には職員、特に技術職員が足りないということでありますが、この場合、たまたま定員の増が認められても、実際問題としては、一人当たりの担当事業量が飛躍的に加重されるため、せっかくの人員増が、かえってお互いの迷惑になっておるという実例を見て参りました。ここに一々データをもって申し上げることは省略いたしますが、これらはいずれも単に山梨、長野だけに限られた問題ではないと存じますので、この点、政府も国会もすみやかに十分な検討を加えていただきたいと存ずる次第であります。なお、詳細の報告は、別に文書をもって提出いたしますから、委員長におかれましては、よろしく会議録に掲載の措置をとられるようお願いをいたしまして、口頭報告を終わります。
○委員長(小林英三君) 次は、第二班村山道雄君。
○村山道雄君 第二班は、平林剛先生と私との二委員をもって組織されました。一月十五日から六日間の日程によりまして、高知、徳島両県の、一般経済事情、地方財政の現況並びに公共事業の進捗状況などにつきまして調査をいたして参りました。この間、高知県庁、徳島県庁、四国財務局、高知財務部及び徳島財務部、四国地方建設局、渡川工事事務所、日本専売公社徳島地方局などから、資料に基づきまして詳細な説明を受け、公共事業の進捗状況につきましては、直接現地におもむきまして調査をいたしました。調査の結果につきましては、別紙報告書にとりまとめてございますので、以下概括的に要点だけを申し上げることにとどめたいと存じます。 まず最初に、一般経済事情から申し上げます。高知、徳島両県における経済は、全国的な景気の上昇と、米の豊作を反映いたしまして、順調な発展を続けております。昭和三十四年産米は、高知、徳島両県ともに記録的な収穫をあげました。政府買い上げも順調に進んでおります。果樹、野菜なども需要の増大に伴いまして活況を見せております。また木材も、伊勢湾台風後の市況の高騰から堅調となっております。また鉱工業の生産につきましても、生産の上昇が著しく、月ごとに生産指数を更新いたしております。しかしながら、反面におきまして、一般的な景気上昇の恩恵に浴しておらない産業もございます。消費構造の変化に伴いまして、大規模生産と競合関係が生じて参りました地場産業、及び慢性的不漁が続いておりまする水産業は、地域経済として見のがすことのできない暗い面が現われておるのでございます。しかし、このような好況の波は、商店街や百貨店にも波及いたしまして、いずれも好調な売り上げを示しておるのであります。 一方、物価は、昭和三十四年十二月におきまして、前年同月に比べまして二%程度の上昇を見せ、ジリ高傾向を示しております。銀行預金などの伸びも好調でありまして、手形交換も枚数、金額ともに大きく増加をいたし、取引量の拡大と経済の成長性を物語っておるのであります。また、金融機関の貸し出しもきわめて堅実な増加を示しまして、貸出金利につきましては、昨年末の公定歩合の引き上げに伴って上昇気運が見られましたが、地場銀行では、積極的には引き上げは行なわない意向でありまして、中小金融機関も、高金利是正の気運に進んでおるときでもあり、引き上げの意図は見られなかったのであります。 次に、県財政について申し上げます。高知、徳島両県が経済的に後進性を脱し得ない根本的な原因は、農林水産業など、第一次産業の構成比が非常に高く、商工業などの第二次、第三次産業の構成比がきわめて低いという産業構造によると思われるのであります。すなわち、昭和三十一年度におきまして、第一次産業の所得の総生産所得に対する割合は、全国平均が一九%であるのに対しまして、高知県が三五・五%、徳島県が二八・二%を占めておる実情であります。また、昭和三十一年度における一人当たりの県民所得総額は、高知県が六万四千五百七十四円、徳島県が六万一千九百四十九円でありまして、全国国民所得一人当たり平均の八万一千九百九十九円に対しまして、高知県が七八・七%、徳島県が七五・五%という状況であります。このように両県はともに典型的な未開発後進県でありまして、その財政は、これを反映いたしまして、貧弱な財政収入のもとにおきまして、絶えず増大していく財政需要をまかなうべく苦闘を続けていかなければならない状態にあるのであります。昭和三十三年度の普通会計の決算を見ましても、よくその特徴が現われておるのであります。高知県は、昭和三十三年度決算におきましても、県独自の施策によりまして二億八千四百万円の実質的黒字額を計上いたしまして健全財政を堅持して参っておるのでありまするが、これに反しまして徳島県は、全国でも屈指の赤字県であり、財政再建団体でございまして、昭和三十年度には実質的な赤字が十二億二千五百万円の多額に上っていたのでありまするが、徹底した赤字建て直し政策によりまして、昭和三十三年度におきましては、実質的な赤字額を三億三千百万円にとどめることができまして、財政再建もようやく明るい曙光が見えて参った状態でございます。 次に、歳入の構成を見ますと、高知、徳島両県とも、自主財源でありまする県税収入はきわめて少なく、わずか一〇%程度でありまして、収入の大部分を地方交付税など、国からの援助に依存している現状であります。 昭和三十四年度の両県の基準財政需要額に対する基準財政収入額の割合を調べますと、高知県は二二・二%、徳島県は二一・八%でありまして、都道府県平均の五四・九%に比較いたしまして、はなはだしく低位にあり、未開発後進性を端的に現わしておるのであります。 次に、歳出の構成を見ますと、人件費は両県ともに三九%程度でありまして、給与水準が全国水準よりも低い関係などで、全国平均の四四・八%よりも低率となっております。 投資的な経費は、両県ともに三二%程度でありまして、全国平均の二九・一%を上回っているのでありまして、行政水準の引き上げに対する熱意のほどが看取されるのであります。 公債費は、高知県が八・六%、徳島県が一二%でありまして、ともに全国平均の六%をはるかに上回っております。高知県の場合は、県税収入が十一億九百万円のところ、公債費の支出が九億円でありまするから、県税収入はほとんど公債費に食われているような状況であります。徳島県の場合も県税収入に非常な力を入れておるのでありまするが、しかし金額が十億一千五百万円でございます。ところが公債費の支出が十二億五千七百万でございまするので、県税収入だけでは公債貨の支出をまかなうことができないような状況でありまして、両県ともに財政運営上の困難さが如実に現われておるのでございます。県当局といたしましても、自主財源の増大をはかりますために、電源の開発、道路港湾施設整備、工場誘致奨励条例の制定など、受け入れ体制の整備をはかりまして、工場誘致に非常な力を入れておるのでございます。しかし、今後、給与の改訂、国の長期計画による公共事業への協力、県の総合開発の促進、行政全般の近代化充実など、財政需要が大きく、県税収入が財政規模の一割程度の財政構成のもとでは、その財源を捻出することは、現行制度を建前とする限り、とうてい不可能であります。従いまして、県当局も、地方交付税につきましては特別態容補正の強化をはかるか、または、面積を測定単位とする需要の算定において財政力の補正を用いるなど、後進県に対する財源措置の強化を強く要望していたのであります。しかしながら究極におきましては、現行制度の根本的な改善合理化に期待せざるを得ないのでありまして、地方団体といたしましては安定性、普遍性のある制度が一日も早く実現することを望んでいるのでございます。 次に、国庫補助金について申し上げます。国庫補助金につきましては、その効果の確認しがたい補助金、零細化している補助金、補助率が不均衡となっている補助金など、整理合理化を行なわなければならないものが多く見られるのであります。県及び市町村も未開発後進県に対しては国庫補助率を引き上げ、零細補助金など、補助金全般について整理合理化を行ない、補助単価、補助基本額については実態に即するように改訂をいたし、もって地方負担額を軽減をするように強く要望しておりまするので、補助金行政につきましては全面的に再検討を行なうべき時期ではないかと思われるのであります。 次に、公共事業の進捗状況について申し上げます。徳島県が施工いたしておりまする今津坂野海岸助成工事は、昭和二十九年度着工以来、工事は順調に進捗いたし、昭和三十五年度には八千五百五十六メートルの堤防護岸が完成する見込みであります。この堤防護岸は海岸浸蝕を防止するだけではなく、徳島県の穀倉地帯を守る生命線でありまして、完成の暁には経済上、民生安定上、その効果は非常に大きなものがございます。 これに反しまして、建設省四国地方建設局渡川工費事務所が施行いたしておりまする渡川改修工事は、昭和四年度着工以来三十年になりますが、工事は遅々として進まず、昭和三十五年度以降なお十三億八百万円の工事費を必要といたしまするにもかかわりませず、年間六千万円程度の予算の配賦を受けているような現状から見まして、完成までには二十年余りの年月を要することとなりまして、せっかくの改修工事も効果が失われるおそれがあるのであります。地元中村市からも、渡川水系治水工事の早期完成促進につきまして強い要望がございまして、重点的な予算配賦が望まれておるのでございます。なお、本川につきましては、第八回の電源開発調整審議会におきまして電源開発株式会社の調査河川に指定されました。白来会社において開発計画を検討いたし、昭和三十四年の十一月に、最大出力十八万キロワット、総事業費三百二十五億円の開発計画案が作成され、通商産業省及び経済企画庁に報告されたのでございます。ところでこの計画によりますると、現在工事中の国鉄窪江線は、開発計画の湛水区域内に入るごととなりまして、つけかえの問題などで国鉄との調整が必要となっております。そのほか渡川水系治水計画との調整など、工事着工までには解決すべき問題が山積をいたしておるのであります。 最後に、専売事業について申し上げます。徳島地方局における製造たばこの売り渡し高は三十七億七千二百万円でありまして、全国的に見ますと一・五%に過ぎないのでありまするが、それでも地方公共団体に納付しておりまするたばこ消費税は七億六千八百万円でありまして、財源難に悩んでおりまする地方財政に対して大きな貢献をなしております。現在までのたばこ販売状況を見ますと、人口の増加率の低調と喫煙傾向が上級品へ移行したことなどによりまして、数量面は横ばい状態を続けておりますが、代金面では上昇の一途をたどっております。従いまして、きざみ及び両切り下級品は漸減をいたし、これにかわりましてピースの伸長は目ざましく、十本当たりの単価も昭和三十年度には十七円六十八銭でありましたのが、昭和三十三年度には二十一円二十七銭と著しく上昇を示しておるのであります。 以上をもちまして私の報告は終わらせていただきまするが、調査結果の詳細につきましては、報告書に取りまとめてございまするので、先例によりまして報告書を会議録に掲載していただきまするように、委員長にお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(小林英三君) 次は、第三班大谷藤之助君。
○大谷藤之助君 第三班の視察報告について申し上げます。 第三班は、米田正文君、永岡光治君と私の三名で、一月十二日から同月十七日までの六日間にわたり、大分、山口の両県の一般経済事情、地方財政事情及び公共事業等についておもに視察して参りました。以下、これらのうち、特に重要と認められる点について御報告申し上げます。 まず、両県の経済概況は、前回の不況回復のときに比べ、いずれもその立ち直りは目ざましく、生産は活況を呈し、商取引も活発であり、雇用面では離職者数の漸減と新規雇用もふえつつありまして、雇用状態は改善されてきております。 他方、農村経済も四年続きの豊作を反映して好況で、このような経済の上昇を背景に預貯金の伸びは前年同期を上回り、また、消費面も堅調を示し、百貨店の売り上げの状況は、耐久消費財を中心に相当の伸びが認められました。 山口県では石炭産業の不振による離職者と、塩田整理、閉鎖による失業者が漸次表面化する傾向にあって、今年の当県の経済に一まつの不安がございます。以上のように、経済の概況はおおむね一部産業の不振を除き、大勢は好ましい拡大基調で進んでいるものと思われます。 次に、両県の地方財政につき申し上げますと、大分県は三十年度に三億六千万円の赤字財政に転落しましたが、その後財政当局は赤字解消になみなみならぬ努力を払い、他方台風被害の少なかったという自然条件にも恵まれ、三十三年度決算では赤字を三千万円にまで縮小し得て、三十四年度は経済の好況も手伝って、ほぼ赤字財政から脱却し得る見通しであります。 山口県は、財政再建団体として三十六年度を目標にその赤字解消に努力しております。本朱は西日本の工業朱であり、そのため法人事業税の収入に多く依存しておりますが、景気変動の影響と、法人税法改正の影響が大きく響き、財政操作がしにくいので、県当局はこれらの影響を最小限に食いとめるため約二十六億円の基金を保有し、基金条例を作成して、基金から生ずる利益金で、利子で、投資的経費をまかなうという特色ある財政運営を行なっております。 終りに、調査に参りました地方団体等より多くの要望がございますので御報告申し上げます。 一、九州横断道路の早期実現 二、九州・四国連絡道路開設促進 三、二級国道熊本・大分線の一級国道昇格促進 四、伊呂波川を中小河川改修工事として新規編入 五、別府観光都市計画の整備促進 六、大分県は特に国体開催前につき、補助の道を考慮されたい等でございました。 以上をもちまして視察の概略を御報告いたしましたが、ほかに詳細の報告書を委員長の手元に提出しておりますから、委員会会議録に掲載いたされますようお取り計らい願いたいと思います。
○委員長(小林英三君) 以上をもちまして報告は終了いたしましたが、主君からいずれも詳細な報告書を会議録に掲載されたいとの御発言がございましたので、さよう取り計らいまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林英三君) 御異議がないと認めます。
○鈴木強君 今、視察の報告を伺ったのでありますが、きょうはたまたま衆議院の予算委員会がございまして、政府関係者は一人も見えておらないわけです。本来なら政府関係者の御出席をいただいて報告をし、視察の結果、政府当局に要望をされる点もたくさんあるわけですから、そういう点も聞いていただきたかったのでありますが、それもできませんので、一つこれらの詳細な報告もあとから出ると思いますので、問題点として政府に要望されている点等につきましては、一つ機会を改めて政府当局の御見解等も承りたいと思うのです。そういう点を一つ委員長の方で時期を見て善処していただくようにお願いしておきます。
○委員長(小林英三君) いかがですか。今、鈴木君から、きょうの各班の報告につきまして、機会を改めて政府に……。そういう問題は後刻理事会でよく打ち合せわたいと思いますが……。
○鈴木強君 理事会でもけっこうです。そういうことをしませんと、せっかくわれわれが視察をしましても、言いっぱなしになると思うのです。これは前例からしましても、そういうことをやっておりますので、後刻理事会で打ち合わせをしていただいてけっこうですから、意見として申し上げておきます。
○委員長(小林英三君) よく理事会で打ち合わせをいたしましょう。 これにて本日は散会いたします。 午前十一時二十六分散会