法務委員会 第16号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/04/26
会議録
○委員長(大川光三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日付、平井太郎君、植竹春彦君辞任、佐野廣君、最上英子君選任。 以上であります。 —————————————
○委員長(大川光三君) まず、刑法の一部を改正する法律案を議題に供します。 御質疑のある方は御発言を願います。
○高田なほ子君 この間から質問を続けておやりいただいているわけですが、なかなか専門的な問題なので、伺っていてもよくわからない点が非常に多いわけです。お答えになる方も非常に専門的なお答えをして下さるのですが、どうも私にはよくわからない。法律は一たんできてしまうと、法律専門家ばかりこれやるのでなくて、一般の人も、すべての人がこの法律によって縛られることになるわけですから、きょうはそういう意味でいろいろわからない点をお尋ねしていきたいと思っております。御答弁の方も、そういう意味で、一般国民があなたの速記録を見てわかるように答えていただきたいと思うのです。やたらに刑法何条々々なんということを言われても、私どもにはよくわかりませんから、その点お願いしたいと思います。 まず第一にお尋ねをしたいことは、終戦後続いた社会混乱期の中で、不法占拠が非常に多かったのです。まあこの不法占拠に一応終止符を与えるという意味で本法を制定したと、こういう説明をいただいたわけです。そしてまた、社会混乱期の中でどういう不法占拠が行なわれたかということについて、それぞれ詳しい資料もちょうだいして拝見いたしております。しかし残念なことには、本法が制定されても、終戦以来続いたこの不法占拠そのものについてこの本法を適用することができないのでございますために、まあやり得というような考え方を植えつけるおそれもなきにしもあらず。終止符を打つという意味であるならば、本法を制定するにあたって、従来から引き続いて行なわれた不法占拠そのものについても、それ相当の裁判の促進方と、いろいろの手が打たれなければならないのではないかという疑問が非常に私大きいわけであります。この点についてどういうふうに、この本法制定と並行して今日までの不法占拠に対して積極的な手を打つ方法はないのか、こういう点についてまずお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) 御指摘の通り、この法律が成立をいたしましたといたしましても、終戦後からこの法律施行までの間に行なわれました不法占拠に対して、この法律の適用を受ける場合はないわけでございまするが、この関係は、民事訴訟によって問題の解決をはかる、この民事訴訟による救済というものは、本法施行とは何の関係もなく存在するわけでございます。この過去の事例につきましては、この民事訴訟を適正に遂行して解決をはからなければならぬわけでございます。ただ、この民事訴訟は、御承知のように当事者が申し立てをしてやるわけでございまして、中には、とても民事訴訟に訴えてみても目的を果たすのには非常に時間がかかるとか、あるいは金がかかるとか、その他いろいろな理由で、やってもむだじゃないだろうかというような意味で、ちゅうちょをしておる方も国民の中には多数存すると思います。で、そういうことにつきましては、法律関係が、この法律によって不法侵奪という犯罪にもなるような行為であるということがはっきりいたしますれば、民事訴訟、いわゆる権利の上に眠っておるというようなことをせずに、民事訴訟の救済を求めるという機運も国民の間に出てくると思いますし、裁判所も、裁判を進めて参ります上において、やはりこの刑法にこういう規定が設けられたということのまあ心理的影響といいますか、事実関係がはっきりしてくるという意味において、民事訴訟も促進されると思います。他面、このような権利の上に眠っておるというような機運に対しましては、やはり法律関係者といたしましては、国民一般に蒙を開いて権利を確保するるために適当な措置をとるように、関係機関とも話し合いましてそういう方面の宣伝もいたして参りたいというふうに思っております。従いまして、過去の事例はこの法律で処罰することはできませんけれども、民事救済という線におきましては、一そう促進をされ、かつ明確になって参りますので、その方面の救済は正そう促進されるというふうに考えております。 それからなお民事の事件は、先般の資料でも差し上げてありますように、相当長期間かかっておるわけでございまして、この関係は、私どもとしましては、裁判所に介入するわけには参らないのでございますが、何とかこういう方面の道ももっと早く進行するようにいたしたいものでございまして、今回の法律の二百六十二条の二というような、境界を不明にする罪を罰するというようなことは、境界争いの民事訴訟の面におきましてもいい結果をもたらすというふうに私ども考えております。最もこの法律施行後いい影響を生ずるであろうと思いますことは、こういうことが罪になるのだということを国民の前に宣言いたしますことによりまして、法秩序を守っていかなければならぬという考え方を一面において出す、そういう機運というものが過去の事件の解決にも大きく役立っていくのじゃないかというふうに考えておるのでございまして、一見なまぬるいようなことでございますけれども、やはり法秩序というものを維持して参りますには、通すべき筋は通し、そしてその反射的な効果というものにつきましても高く評価して参りたい、こういうふりに考えております。
○高田なほ子君 民事救済が促進され、また国民に法秩序の意識を植えつけていくというような法律的な効果を私どもも一応認めておるわけです。しかし、やはりそれにはそれとした裏づけというものがやはり積極的に打たれなければならないのではないか。たとえば、この民事救済の場合に、民事訴訟を起こし得る人と起こそうとしても起こし得ない人とがあるのではないかと思うのです、経済的な関係で。その場合に、民事救済を促進されると言っても、訴訟を起こしたくても起こし得ないという者に対しては、何か起こし得るような具体的な方法というものは何か見つからないのでしょうか。その場合はどうでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) その点につきましては、一昨年でございましたか、当委員会でも御審議をいただきましたが、法律扶助制度という、リーガル・エイドという制度でございますが、これは弁護士会の中に、そういう貧困のために、訴訟を起こせば勝つであろうというような場合にも訴訟費用その他の関係で泣く泣く起こし得ないというような人たちも広く救済していこうという考えで、国から相当な補助金を出しまして、弁護士会の先生方にお願いしてそういう貧困者のための訴訟救助ということをやる制度を、実は法務省の人権擁護局が主管になりましていたしております。それより前に弁護士会にそういう制度はあったわけでございますが、やはり回転資金が要るわけでございます。その資金を国から補助することによりまして一そうその活動を活発化してきております。本年も予算もその実績に見合うだけのものは人っておるように私聞いておりますが、そういう制度を、人権擁護局の考え方としましては、単に東京だけではなくて全国にそういう制度を広げて参りまして貧困者のための訴訟を扶助していくという制度を拡充強化して参りたい。これなどは、今先生の御指摘のような点に相当貢献していることと思います。
○高田なほ子君 法律扶助制度というものは、実際に役立たせるためには回低資金というものが必要だというような今お話があったわけですが、実績に見合うだけの予算を今年も組んであると、こういうお話ですが、この不法占拠をされたような場合は、社会の混乱の中で、不法占拠された。自分の土地でも、どんどんふやしてきて不法占拠されてしまっている。自分の財産も焼かれてしまってないというような場合が非常に多いので、こういうような場合に、この法律扶助制度というものが大へん役立つように今お話を承ったわけですが、実績に見合うというと、不法占拠された場合に、法律扶助制度で恩沢を受けて民事救済に解決を求めたというような例、それからこの場合の実績はどういうふうになっておりましょうか。
○政府委員(竹内壽平君) 境界争いに関する法律扶助を受けたケースというのは、私ここでちょっと御説明申し上げかねるのです。今資料を持っておりませんので、後日調査いたしましてお答え申し上げることにいたしたいと思います。実績に見合うと申し上げましたのは、これは補助金等の適正化法律という御承知の法律がございましてこれは補助金の行方を追及していくような組織になっておりまして、なかなかめんどうないろいろな規定がございます。そういうものともにらみ合わせまして訴訟をやりましても、弁護士さんに報酬を出すとかあるいは調査費用をやるとかいうようなことがあるわけでございます。そういうようなのは補助金の方で立てかえていくわけでございます。勝って利益が戻ってきた、たとえば不法占拠のような場合ですと利益が戻ってくるということはあまりありませんで、貸し金のような場合でございますと、その貸し金が返ってくる。こういうことになりますと、今のような実費弁償のようなことで、資金の中へ金が戻ってくる。それが民事訴訟が長引きますので、だんだん枯渇して参るわけでございます。そこを国から補助金を入れていく。そうしてある程度の回転率を考えて事件を審査してどの事件に補助金を与えるかということをきめる仕組みになっております。そういうことで、今まではあまり不法占拠の事件に法律扶助を与えたという実例は私ちょっとここで記憶しておらないのでございますけれども、貧乏というものの範囲も、絶対的貧乏を言うのか、こういう法律扶助を求めるという限度におきまして相対的な貧乏を言うのかというような問題もありましてかなかな弁護士先生の方で御認定になるのに、あるいはきびしい面もあるかもしれません。この運用などは、もちろん私は土地を持っておるということは一つの財産でありますけれども、その土地を回復することについて、現在金がないということであるならば、この法律扶助の中へ入れて考えていただいていいのじゃないかという考えを持っておるわけであります。従いまして、過去の事例の救済ということにつきましては、不動産侵奪ということだけではなくて、一般的にそういう問題について法律扶助の制度を拡充していきたいという考えで、私どももそれにつきましては人権擁護局に御協力申し上げておるような次第であります。
○高田なほ子君 大へんけっこうなことを伺うわけですが、政府の扶助制度というようなものは、厚生省関係あたりではいろいろむずかしい条件をつけて出し惜しんで、せっかくの制度も、調べてみると全く空文みたいなものなんです。看板倒れというようなわけですか、岸内閣のこの扶助制度というのは、全く私どもいつも不思議に思うわけです。それで民事訴訟の場合には、いろいろ資料をちょうだいすると、やはり平均三年以上くらいもかかっているようですね、むずかしくて。その間お金もかかるしということで、泣き寝入りをしておるというような場合がかなりある。私はこういうような場合が多いと思うのですね。そういうような人たちを救済するための法律扶助制度であろうと思いますので、本法の制定にあたっては、一面、従前から引き続き行なわれて、不当に権利を侵害されている者の民事救済の具体的な方策として一つ御研究いただいて、今のよい制度が実際に生きられるような一つ方法をはかっていただきたいということを強く私は希望するわけです。今の御答弁の中には、私の意見に対する御答弁も含まれておったようですから、この点については別にあらためてお考えをいただくということは必要ございません。 次にお尋ねをしておきたいことは、不法に権利を侵害されている場合の解決の方法について、資料をいただいたわけですけれども、立ちのき料というものを支払って解決をした場合が、大阪、名古屋、京都、神戸の資料をちょうだいしているわけですけれども、立ちのき料支払いというのが一番数が多いようですね。私はずいぶんこれはおかしいと思うのですよね。不法に占拠しておいて、立ちのいてくれと言うと、立ちのき料をよこさなければ行かないということで、強引に粘って、それで立ちのき料を一応提示しても、これじゃ少ないとか何だとか言いまして、なかなか示談解決の方法をおくらしているような場合が多いのじゃないかと思うのですね。立ちのき料をこういうような場合に支払うというようなことについては、どうも私は納得いかないのですが、こんなものは、不法に占拠しているのですから、立ちのき料をへいへいして出さなくたっていいと思うのですがね。こういうのは法的にどういうことになりますかね。
○政府委員(竹内壽平君) 仰せのように私どもも、不法占拠されて、その上、出てもらうために立ちのき料を払うということは、どろぼうに追い銭ということわざもありますが、そういう形のものでありまして、合理性というものはすこぶる乏しいわけでございます。筋を通すという意味からいうと、筋は通っていないわけでございます。しかしながら、民事の解決ということになりますと、そろばんといいますか、打算がその背後にありまして、いつまでもいつまでも、さらに引き続いて何年先まで居すわられることよりも、今明け渡してもらえば、すぐその土地が利用できると、あるいは売買ができると、あるいはもっといい有利な方法で処分できるというようなことを見て、その利害得失をいろいろ解決に当たる人は考えて、まあ少しぐらいの立ちのき料は出しても、早く解決した方がいいというようなことから、話し合いの上で、そういうことになると思うのでございます。資料の八ページのところに、解決の条件として、今、高田委員も仰せのように、掲げてあります。この立ちのき料の支払いというのが非常に多いのですが、それに続いて売買それから賃貸借契約というようなことがありますが、この「三つ」を見ますると、私どもは非常に圧力がかかっていると思うのです。もし売る場合でも、何も不法占拠者に売りたくはないと思う人はたくさんあると思うのですが、少しでも金をもらわなければ、ただでもっていつまでもいられる、やむなく解決方法として、それじゃあなたに売ってあげるというようなことで解決しておるものもあります。これも立ちのき料を支払うと同じように、合理性には乏しいのでございますけれども、やむなくそういう形になる。 それから賃貸借契約というようなものも、勝手に占拠しておって、ほかの人ならいざしらず、その占拠をしている本人に、あらためて貸してやるというような契約を結ぶということは、これまた、貸し主にしてみますと、不本意である場合が多いと思います。これとても、放っておいてただでいつまでも使われてはかなわぬということで、やむなく賃貸借契約をして、賃料をもらうということで解決した、しかし賃料をその後払ったか払わぬかということは、この表ではわかりませんが、要するに、一応の解決を見たということでございまして、解決の条件のところをずっとよく見ますと、かなり無理がかかっておって、占拠されました人が、全く腹の底から満足だというような解決は必ずしも見えないのが現状のように思われるのでございます。
○高田なほ子君 この解決の条件の中で、今いろいろ御説明いただいたわけですが、売買が高いなり安いなりでも、とにかく双方示談で解決を——圧力がかかっている場合もあるかもしれませんが——するわけですが、賃貸契約の場合も同様だと思いますが、この立ちのき料というのは、私はこの中で一番悪質な場合が多いのじゃないかと思う。この法律が制定されましたら、この立ちのき料支払いというものを、法律的になくさせるような方法というものはないものでしょうか、そうでないと、不法占拠したものが、いつでもやり得なんですね、強引に粘り得だというようなこと、そういうものに対する法的な制裁というものは、私は必要だと思う。そういうふうにお考えになりませんか。
○政府委員(竹内壽平君) これは非常にむずかしい問題でございまして、民事の解決と申しますのは、どうも当事者がそれでいいと言えば、いいということになるわけでございまして、この点、事罰をもって立ちのき料の支払いを禁じて、それを支払ったら罰にかけるというようなところまで入りますと、民事の紛争解決の手段の中に、刑事罰が介入してくるというようなことになりまして、これも法律制度としては適当でないように私ども考えております。しかし、こういう解決の条件というものが、やはりいやしくも裁判所が関与してきめられることでございますので、それが合理性を持ったものでなければなりませんし、やはりある意味で正義に合致するものでなければならぬと思うのでございまして、まあ無償立ちのきという項目もございますが、これらはだんだんこういう事態がはっきりして参りますれば、立ちのき料支払いということじゃなくて、無償立ちのき、それでも今まで占拠しておった者に対して損害賠償というような問題もあると思いますけれども、無償立ちのき、こういう方向にだんだん進んでいくのじゃないかというように、期待はいたしておりますが、これを制裁を科するとか、法的に規制するとかというようなことになりますと、とくと慎重に検討していかないと、直ちにお答えを申し上げかねる点もあると思います。
○高田なほ子君 本法が成立いたしましても、そうすると、その当該国民に法的秩序の意識を植えつけて、筋の通るような方法にはいかないわけですよ。なぜならば、今の御説明で、刑事罰の介入は望ましくないとおっしゃることは、これはわかるわけです。しかしあれじゃないでしょうか、不法に占拠していても、立ちのき料をくれなければ引き下がらないというような場合には、粘れば粘るほど、立ちのき料をもらう公算が多くなりますから、よけい粘るわけでしょう。それを何とかできないというのは、私おかしなことだと思うのですね。それで立ちのき料の場合はあれでしょう、訴訟にかけると時間がかかるし金がかかるし、仕方がないから立ちのき料を話し合いできめて解決しようという人もむろん多いわけですから、立ちのき料そのものはこの裁判の中にはあまり入らないのじゃないかと思う。示談の場合は、個々の立ちのき料という問題が出てくるのじゃないかと思うのです。ですから、本法が施行されましたら、立ちのき料の問題についても従来の観念を払拭させるような措置というものは、何らかの方法で行なわれてもいいのじゃないかと思うのです。こういう点について何かうまい方法はありませんか。
○政府委員(竹内壽平君) 純粋に民事の問題として先ほど御答弁申し上げたわけでございましたが、立ちのき料をくれなければ出ないというような言いがかりでございますが、これも場合によりましては恐喝罪になるわけでございまして、恐喝罪の成立します場合は、もちろん刑事罰で処分できます。従って、恐喝というような罪は、いわゆる暴力犯罪として私ども考えておるわけでございますが、恐喝というものについての実態をもう少し検討いたしまして、恐喝になります場合には恐喝罪をもってどしどし処理していくということも、これは検察あるいは警察の立場から当然考えるべきことだと思います。そういう点につきましても、本法の運用に関連する事項として、私どもとしては十分注意して参りたいと思います。
○高田なほ子君 恐喝罪を適用するということについて、私やはり疑問があるのです。立ちのき料を支払ってくれという場合は、恐喝にならないと思うのです。穏やかな交渉で粘って、やんわりと粘り込むというのが実態じゃないですか。そういうものに恐喝罪というものは適用しないのじゃないですか。その疑問が一つと、もう一つは、集団的に、もう少しがんばればもっと立ちのき料が出るだろう、もうちょっとがんばろうというような、穏やかなる集団の威力といいますか、集団によって穏やかにそこに居すわっている者には、恐喝罪は適用されないと思いますが、こういう場合はどういうふうになるでしょう。やはり、やればやり得だという考え方を依然として植えつけていくのではないでしょうか、かまわないでおけば。
○政府委員(竹内壽平君) 恐喝罪にすべて当たるというふうにももちろんならないわけでございまして、脅迫を加えるということでなければなりませんが、今の、ただ穏やかに粘っておるというのが脅迫に当たるかどうかということは、事件によって判断していかなければなりませんので、すべての事件が恐喝罪になるとは私も思いませんが、なる場合もあり得るのじゃないかという意味で御了解を願いたいと思います。 そこで、やはりやり得だという気分が、過去の不法占拠の事件が民事的にも解決しない限りは、残っておるのじゃないかという感じこれは全面的に私否定できないような気もいたすのでございますけれども、ただ、将来に向かってこういうものが犯罪になるのだということになりますと、これはだいぶ法秩序という点から申しますと、違った雰囲気に変わってくるのじゃないかというふうに思うわけでございまして、決してやり得がそのまま是認されるのだというものでないということたけは、少なくとも本法の制定によってはっきりしてくるのじゃないかというふうに思うのでございまして、たまっておる未済事件の処理というような形で過去のものについては処理されていくのじゃないかというふうに考えるのでございます。
○高田なほ子君 刑事局長は大へんやり得の方に味方していらっしゃるような答弁をしていらっしゃる。あなたの方からいただいた資料でも、正当な権利者でありながら、当然の権利として比較的スムーズな解決方法、すなわち和解、仲裁、調停、裁判、こういうようなスムーズな解決法を得たものはわずかに全体の一五%、あとの八五%というのは、やっぱりやり得はやり得のままに放任されている形ではないか。私は、法治国家というものは、やり得をやり得でないようにしていくというようなやり方をしていただかなければ、幾ら法律をお作りになっても、あまり効果ないじゃないか。残りの八五%というのは、私は、どういうふうにしているのかわかりませんが、この表ではちょっとわからない。また刑事局長にもいろいろ資料をちょうだいいたしたかったのですが、なかなかお調べにくいということでございます。ただしかし、どうも資料をちょうだいしてあとの八五%は野放しになっちゃって、この法律ができたらだんだんと意識を植えつけていくんだというふうにおっしゃるけれども、どうも終戦後十四年たちながら、八五%が解決できない。そしてそのまま継続して、このやり得が大きな顔をしているというこの社会雰囲気に対して、私はどうも釈然としない。釈然とするような御答弁はいただけないですか。 —————————————
○委員長(大川光三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日付、江田三郎君辞任、亀田得治君選任。 以上であります。 —————————————
○政府委員(竹内壽平君) ただいま御指摘のように、解決がすこぶる困難だという資料といたしまして、ここに各地からの報告を取りまとめたものでございますが、あとスムーズな解決を得ていないものが多数を占めておりますことは、実情がそうなっておるのでございます。しかし、これは不法占拠の実態がなかなか民事で解決するということがすこぶる困難だというまた反面の証拠でもあるわけでございまして、私どもこの実態をもっと掘り下げて御説明をしなければならぬと思うのでございますが、なにさまこれは民事の裁判所の分野に入っておりまして、私どもの立場からは調べがしにくいのでございます。わずかに協力を得て、各地から比較的多いところから報告をされたのを、いろいろな角度から検討してまとめたものでございます。その点は遺憾でございますけれども、なお、不動産侵奪あるいは土地の境界を不明にする罪といったようなものを、刑事制裁によることによりまして今後におきましては、少なくとも筋目は立っていくというふうには考えておるのでございます。もちろん、高田委員の仰せのような、なおなまぬるいという感じは世間に払拭し得ないかとは思いますけれども、刑事罰を設けます場合の考え方といたしまして、やむを得ないことではないかというふうに考えております。
○高田なほ子君 そうすると、どうもしつこいようでありますけれども、正当な権利者でありながら、当然の権利としてその権利が回復し得ない八五%の方々、それと逆に、不当にその権利を侵奪している八五%の人は、あなたの御答弁を、もし速記録でかりに読んだとすれば、非常に安心をするわけですね。もう民事でも困難、他の解決方法でもこれはちょっとにわかには解決できないということになれば、大へん安心をして居すわるわけになりますね。そうじゃありませんか。あなたは解決できないとおっしゃっているでしょう。
○政府委員(竹内壽平君) 私が解決できないと申し上げておりますのは、本法が制定された暁において、刑事罰として過去の事例を処理、解決することはできないということを申し上げておるのでありまして、本法のあるなしにかかわらず、民事救済というものは過去のものについてもあるわけでございます。ただ、民事救済がすこぶる困難だということを先ほど来申し上げておるのでございますが、全然不可能であって、大いに安心していいというような事柄ではないと私は考えておるわけでございます。もちろん刑事制裁としましては、過去にさかのぼって刑事罰を適用することはできません。従いまして、過去のものについては適用がないわけでございます。
○高田なほ子君 それはわかっておるわけです、もう御答弁をいただいたのだから。要するに、私が言っておるのは、正当な権利を持っておるものであっても和解とか仲裁、調停、裁判、そういうもので解決したというのは全事件のうちで一五%上か解決しない、あとの八五%というのは、これは非常に解決が困難なために従来のまま放置されてきたと思います。この本法が制定されても、従前のものについては遡及しないのだ、だからこの八五%の解決のために、できるならば立ちのき料の支払いというものについては一定の制肘を設ける必要がないのかとか、あるいはまた法律扶助制度というものが円滑に適用されるような方法がないのか、こういうような方法の中で一番悪質だと思う立ちのき料の支払いというものについては、何らかの方法で立ちのき料はもう今までのように支払わないで、それで人の所に居すわって大いばりでいる者の鼻をあかしてやるような工夫はないものか、こう言うのです。ところがあなたは、鼻をあかすには民事訴訟以外にない、こう言われるわけですが、どうも納得できないんですね。だから納得できるような御答弁を願いたい、こう言っておるわけです。
○政府委員(竹内壽平君) 高田委員の御満足のいくような答弁が実はできないわけでございまするけれども、過去の八五%の未解決に現在なっております民事訴訟、これがこの本法によって、刑事罰によっては何ら影響を受けるものではございませんけれども、心理的影響、そういうものは確かに、先ほど来申し上げておりますように、あると思うのでございます。まあ安心していいというよりも、不安な状態に占拠した者がなっておるのじゃないか、こういうことが私は予想できるのであります。従って、それは今までの状態でございますと、なかなか長引いた訴訟も、この本法ができるということの一つの心理的な影響の効果として、訴訟が促進していくのではあるまいか、そうして訴訟の内容も立ちのき料というようなものから無償明け渡しというような方向にだんだん変わっていくのじゃあるまいか、こういうふうに考えるのでありまして、この実態を見ましても、高田委員にむしろ御了解願いたいのは、こういう状態でございますので、非常にひどい侵奪罪のようなものをやはり作って、刑事罰をもこの悪質の者につきましては科することによって民事救済と両々相待ってこのような権利者の不法に侵害されておる権利を救済する、こういうところに持っていかなければならないだろう、この統計はそういう方の意味もあるということを御了解願えれば大へんしあわせだと思うわけです。
○高田なほ子君 これ以上繰り返してもあまり……。心理的影響に大いに期待するわけでありますけれども、ほんとうは私は釈然としないのです。社会正義というもの、そういうものから考えて釈然としないので、いろいろな質問を繰り返していったのですが、それと今度は裏になる場合が……
○委員長(大川光三君) ちょっと、ただいまの立ちのき料に関連して伺いますが、なるほど心理的影響というものはあるでしょうけれども、およそ立ちのき料というものを出す人の気持から言えば、これはみんな泣き泣き出しているのです。非常に無念な思いで出している。そこで、裁判所や調停で解決した場合は別ですが、当事者間で立ちのき料を実際不法に取ったという場合には、一つ恐喝罪で起訴していく。そうして無理に立ちのき料を取れば恐喝になるのだということが広く天下にわかってくれば、ここに非常に心理的な効果が上がるのですが、どうですか。そういう英断をもって試みにそういう事件を起訴するというようなお考えはないでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) 恐喝罪の実態をよく一つ検討いたしまして、恐喝でいき得るものはやってみようということも一つのやはり刑事政策としては考えるべきことだと思います。決してその点について勇気を欠いているわけではございません。本法施行の以前のものの取り扱いにつきましては、これは検察部内で可能な刑事政策的な考慮からやり得ることはいろいろ手を尽くして、漏れております過去の事例につきまして対処して参りたいというふうに考えております。
○高田なほ子君 大川委員長はさすがに専門家で、私が釈然とするような質問をしていただいた、またあなたもそういう答弁をして下さったので、少し釈然といたしました。 今度はそれと裏の関係になるわけですが、たとえば土地の値上がりを待って野っ原にしておいて、それで何とかここを借りたいと思っても貸さないで、そうして値上がりを待ってがんばっている。いわゆる所有権の乱用者がずいぶんいると思います。これは制裁が加えられていいんじゃないかという気もするのですが、こういう問題については、何かお考えになったことがございますか。
○政府委員(竹内壽平君) 今お尋ねの点はまことにごもっともでございまして、ことに土地の値上がり、また、利用土地面積が非常に狭くなって参っておりますので、ただ単に個人の利益のために土地を遊休にしておいて値上がりを待っておるというようなことは、よくないと私も思いますが、さしあたって私有地につきまして取り締まる方法というのは、ちょっとないように私は考えます。まあ農地のようなものですと、農地の規制法があります。それからこれは申し上げるとかえってごたごたと法律上の複雑な関係になるかとも思いますけれども、都会地の空き地の利用の点につきまして、所有者がかりに承知していないようなものでありましても、建築基準法の関係からは許可する、ある申し立てがありますと建築することを許可するというようなこともありまして、現実の問題では、所有者が知らぬでおる間に大きなビルディングが建ってしまったというようなことがあって、行政上紛淆を来たしている所があるようでございますが、これは地方事務所の方では、建築されるものが危険でないか、衛生的であるかないかというような観点から許すのでございましょうが、いわゆる民事の土地所有者との関係については、中へ入りませんために、所有者が承知をしないその土地の上にまあ家が建ってしまうというような事例も実際にはあるわけなんであります。そこら辺が、今の遊休土地を、所有者が権利を乱用して、今仰せのように値上がりを待って、町のどまん中に草ぼうぼうとしたような土地を置くというようなことがあったとしました場合に、それが権利の乱用になるかどうかということで、所有者と建物を建てた人との間の紛争問題が、民事的に、権利の乱用の法理で妥当な解決に持っていくというような事例も、民事の解決の面ではあるようでございますが、さしあたってこの草ぼうぼうとして置いたから何らかの罰に触れるというような法律は、現在のところでは、私見当たらないように思うのでございます。もちろん道義的に見まして適当でないことは、もう申すまでもないことだと思います。
○高田なほ子君 私は第一番の質問では、不法占拠者が立ちのき料をずうずうしくも要求して不法占拠を続けようとする者に対して、制肘を加えようということを申し上げたわけです。第二番目の質問は、今度はそれとは全く逆で、土地がうんと広くあって、そこを占拠しておる場合でございます。その占拠している者に対しても、わずかばかりの立ちのき料を出して、それで出ていけ出ていけとやたらに催促をして立ちのかして、そのくせ自分はそこへ何にも建てないで、土地の値上がりを待っているような、いわゆる所有権を乱用して人を困らせるような悪質な地主だっておるわけですね。そういうような悪質な地主に対しても、当然やはりある制裁を加えるということが政治的に公平なんじゃないかという見方から、私は今質問をしたわけです。ところが、今そういうことは別に考えておらないという御答弁でありますけれども、はなはだ私は政治的に不公平であるというふうに思いますが、これも解決の方法がないとすれば、これまたやむを得ないと思いますが、この点はどういうものですか。
○政府委員(竹内壽平君) 一般的に草ぼうぼうとはやして放置しておくような行為を罰するような規定はもちろんないわけでございますが、民事裁判等で権利の乱用の法理が、一つの権利関係をきめていく上においてやはり大きな意義を持っておると同じように、私のまあ解釈論としまして、たとえば非常に困っておる人が、まあ焼け出されてあるいは風水害で罹災者になったというような人が、かりにですね、草ぼうぼうとはやして値上がりを待っているというような、権利を乱用しておるような人の敷地へ入って掘立小屋を建てて住んでいる、こういう事実関係がここにあったといたしますと、これに対して不動産侵奪罪というのがあるのだから、お前のやっているのは侵奪だというようなことを言った場合に、文字通りこの二百三十五条の二がそういう場合に適用できるかどうかということにつきましては、これはまあいろいろな法理を考えてみますと、権利の乱用という一面の行為もあり、他面、緊急状態で入ったというようなことになりますと、おそらく実際上の解決といたしましては、一種の緊急避難行為であるということになるのじゃないか。それで、入った人の、つまり掘立小屋を建てました人の緊急状態も一つもちろん考慮がされますが、同時に、まあ片一方に権利を乱用しておるというようなことも考慮の中に加えられまして、おそらくそういう場合には一種の緊急避難行為として違法性を阻却するというようなまあ解釈が成り立つのじゃなかろうかというふうに思いまして、今の権利の乱用ということも、全然この法律運用の上において無視されておるというのじゃないと思います。罰則は先ほど来申し上げますようにございませんけれども、解釈論としましては十分そういう点は考慮されて運用されると思います。
○高田なほ子君 大へんよくわかりました。 その次にお尋ねしたいことは、集団占拠に対する法的な措置というものは、どういうふうな手続でもって権利を回復することができるのだろうかという問題。資料にいただいたのを見ますと、集団的に占拠したという場合は、神戸の場合、これは資料の四十二ページ、神戸の場合は不法占拠の坪数は五千二百七十坪、それから世帯は七百七十六世帯、人数は三千人というような、実に大きな集団によって不法占拠されている例が載っております。こういうような集団的な不法占拠、特に大規模なものに対しても、本法が制定された暁においても本法でこれに制肘を加えることはできないわけですね。ですが、これをこのままにしておいていいということは、これは成り立たないと思います。そういうことはむしろいけないと思いますから、何か法的に、このような大規模な集団によってがっしりとそこを固めてしまうというようなやり方について、解決の方法がなければならないと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) 神戸の事例は、おもに道路、道路敷へ家を建てておる。私も映画で実際の状況を映したのを見ました。これはまあまことに不体裁でもありますし、事柄自体まあ困るわけでございます。市としましても、都市計画を遂行していきます上に、そういうものが現存しておることは困るわけでございますが、ただ、まあ先ほど来申し上げますように、本法が施行されたからといって、これに本法を適用するわけには参らない。そこで、これらの解決策でございますが、まあ法律上のやり方としましては、いわゆる行政代執行法という法律がありまして、それによって道路敷等の行政財産の上にあります不法占拠者を執行して外へ出すという法律はあるわけでございますし、また、そういうものを執行しておる面もあるようでございます。ただ、ここで考えなきゃなりませんのは、じゃあ執行してほっぽり出したらそれでいいのかということになるわけでございますが、これは国におきましても地方自治体におきましても同じことでございますけれども、やはりそういう人たちを一方において収容するような施設を作ってまあ出てもらう、出させる、これが私は一つの政治だと思うのでございます。で、われわれがそういうところへかれこれくちばしを入れる筋合いではもちろんございませんが、最近住宅地区改良法というような法案も現に本国会で審議されておるようでございましてまあ面接そういうものに貢献するかどうかわかりませんが、やはりこれも一つの福祉行政の一環として、二面においてそういう道路数等のようなものを明け渡させるとともに、集団住宅を改善する。そしてまた新たに建ててそういう者を収容するというようなことをやるのに貢献する法律だと私も思いますが、現に神戸あたりでは着々そういう線で行政的な手当を加えつつ問題の解決をはかっておるのでございまして、私はそれは相当な処置だと考えております。
○高田なほ子君 私がこの問題で質問した趣旨は、資料の神戸市の四項を見ると、「本件の処理としては、行政代執行法によりその妨害排除を行なうことができるのではあるが、三国人が多く、三国人の居留地という通称が流布されておるような状態であって代執行を実施することは、その暴力等により望み得ない。現在これらの地帯に対して執られている措置は」この不法占拠した者の建物の全取崩しを行い撤去処分をするという消極的な防止を行なっている。」きわめてこれは消極的な処理方法が書いてあるわけです。今の御答弁によると、新たに家を建てるなり、入れかえをするような場所を政治的に与えて解決するよりほかに方法はないということになって参りますと、これは地方行政の、地方財政の面もかなり大きく組まなければならないために、なかなかむずかしい問題だと思いますけれども、三国人のいわゆる居留地というようなものに対して「暴力等」だからといってこれをそのまま放置しておくということは、暴力を擁護する政策のように考えられるのですけれども、もう少し県外的にこの方法はないものでしょうか。どんなものでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) 今御指摘の点は、大阪からの報告にもあったように思いますが、大阪では、あまり放任しておったせいかとも思いますが、今言うように、居留地化したようなものがあるのでございまして、映画の名前からきたのかもしれませんが、アパッチ部落というような名前のついたような不法占拠の集団があるようでございます。こういうものに対しまして、不法占拠ということでは取り締まり得ないといたしましても、そういう集団の中からはえてして集団的な窃盗が行なわれているので、一部落ほとんど全員窃盗犯人だというような集団窃盗の事件なども起こっております。あるいはまあ放火事件といったような刑事事件の伴います場合には、もちろんこれは強力に処置をいたして分散をはからなければならぬと思います。ために、先ほど申しましたような強硬手段のときには行政代執行法でやらなければならない。しかし、それでいじめ倒すだけで問題は解決するのじゃないという意味で、やはり地方の政治力を発揮していただくという点が望ましいと思うわけでございます。
○高田なほ子君 御答弁は全く私もその通りだと思います。ただ、しかし今度は二十七ページのこの例をちょっと見ていただきたい。これは京都市の不法占拠の対策の一つの事例としてここに掲げられたのですが、これは不法占拠しているというのはわずか五坪であります。バラック建の小屋で、なかなかかわいそうな状態なんですね。引揚者で子供と二人で間借りをしていた日雇い大工である。しかし仕事もなくてその日暮らしもなかなかできないというような非常に気の毒な人であるように資料には書いてあるわけであります。こういう人に対して、当局は強硬に明け渡しを要求し、最後には建物取りこわし等の強硬な方針でこれに臨むのだというような解決方法が一つの例示として示されております。前に私が質問いたしました神戸市の例と京都市の例を見ますと、非常に対照的なものを私感じさせられるわけです。いずれこういう問題はケース・バイ・ケースで、この資料を一々質問しておれば際限もないわけでありますが、こういうものに対する建物取りこわしというような行政措置については、私はとるべきものではないのじゃないかというような気がする。当局はこの事例をどういう意味でここにあげられたのでしょうか。こういうような解決方法が正しいと考えておられるのでしょうか。この点をお尋ねしておきたい。
○政府委員(竹内壽平君) この事例は、京都の市管財局から報告がありましたので、こういう事例も京都にあるという意味でここに掲げてあるのでございますが、私も仰せの通り、わずか五坪ばかりの河川敷の問題でありまして、こういうやり方がいいかどうか若干私も疑問を持っております。事務当局としましては、一応この事情を今照会を出しておる状態でございます。ただ、ここへ書いてありますことは一ページ足らずの文字でございますが、もっとその背後に、こういう強硬手段を市がとらなければならぬようになったあるいは事情もあるかもしれませんが、しかし、ここに書いてありますだけを見ますと、やはりもう少し別の方法、手段がありそうに私も考えております。これはこういうのがいいのだという意味で出したのではございませんで、各地からの報告がありましたのを、一応ここへ掲げてあるわけでございます。
○高田なほ子君 京都に御照会下さるということで安心したわけですが、バラック内にまた居住させないために有刺鉄線を張りめぐらして強硬措置をとって子供と二人の引揚者の日雇い大工を行く先もないようなことにしておくことが私は政治ではないと思う。一方、五千二百七十坪、七百七十六世帯にわたるような集団的不法占拠するものに対しては、次々と立ちのき先を作ってやって、いわゆる政治的な解決をしておるのに、一方はこういうような強硬手段をとるというようなことは、これこそ政治の不公平で、ぜひ当局は——私は不法を擁護する意味で申し上げておるのではない、行政的にはなはだしく不平等な点もこの例から考えられますので——一つ十分にこの例示については、あたたかく解決のできるように、当局としても御配慮を賜わりたいと思います。 それから次にお尋ねをしたいことでありますが、これは私は一つの、この例示ではございませんけれども、こういう場合は一体本法が適用されるかされないかという問題をお尋ねするわけです。国有財産の管理は非常に人手も少ないというような理由で、ある意味においてはルーズになっておる部面がしばしば国会でも指摘されておることであります。そこで、当局は国有財産の管理を正確にするために、最近だいぶ拍車をかけてきておるようであります。明治十年ごろに三尺ぐらいの通路か国有地であった。たまたまその国有地が何が何だかわからなくなってしまって、私有地のごとくに考えてこの土地を第三者に譲渡したわけです。善悪の第三者は、金を払って買った土地ありますから、ここに家を建てた。ところがこのごろになって管財局が調べにきて、ここは明治十年ごろに公道であったのだ。ここを占拠しているのははなはだしく不当であるというようなことで、大へん善意の今の所有者がお困りになっておるという例があります。こういうようなのは、むしろ国の手落ちであって、明治十年ごろに、わずか幅三尺ばかりの公道を、今ごろになって、善意に基づいて買い受けた第三者に対して、これを何とか処理しろと要求するということは、どうも解せないのであります。特にこの土地に、今度新しく家を増築をしたいという計画をお持ちになっておるとすると、この増築した部分について、不法占拠のものとして本法が適用される可能性も出てくるのではないかということを考えるわけですけれども、この場合、不法侵奪というような条件が成立するかどうかという問題。いかがでしょう。
○政府委員(竹内壽平君) お尋ねのような事例につきましては、もとより二百三十五条の二の不動産侵奪罪は成立いたさないと消極に解釈いたします。なお、明治十年ごろに国有地であったものを、だれからその現在の所有者が買われたのであるか、もし市当局、あるいは町当局、村当局がその土地を現在の所有者に売ったのであるか、売った人はもとより国ではないと思いますが、その売った時期がいつでございますか、その売り方、売った人が、これは国有地だということを知りながら、相手にはそういうことを言わずに売ったということになりますと、あるいはその人につきまして、詐欺ということも考えられるのでございますけれども、もしそれが非常に古い時代のことでございますれば、現在においては、もとより時効は完成しておると思います。いずれにいたしましても、現所有者が不動産侵奪罪にならないことは明白でございます。それは仰せのように、明治十年ごろのことを今ごろになって難くせをつけるというやり方が国有財産の管理として適当でないことは申すまでもないことでございます。実際に道路敷として必要であるかどうかというような行政上の理由も一つ考えなければならぬと思いますが、それは別途に解決すべき問題だと思います。本法には全然関係ないと考えるべきだと思います。
○高田なほ子君 次にお尋ねしたい点は、二百六十二条の二の問題でありますが、前委員会で井川委員が御質問になった点でありますが、本条を適出するためには、条件として、何も不法領得の意思があるとかないとかいうようなことは条件にならないという御説明があったわけですが、その通りでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) その通りでございます。
○高田なほ子君 参考資料をちょうだいいたしましたフランス刑法あるいはスイス、ギリシャ刑法、ドイツ刑法、これいずれも資料としてちょうだいいたしておりますが、スイス刑法の二百五十六条、ギリシャ刑法の二百三十三条、ドイツ刑法の二百七十四条、これはいずれも不法の意図をもって破壊しまたは境界の器物を毀棄したというようなことが立法例として示されておるわけでございます。二百六十二条の二は、不法領得の意思を必要としない。ところが外国の境界線をこわした罪に該当するものは、いずれも不法の意図をもって云々というふうに明示されているわけです。これが本法とそれから諸外国の境界線をこわしたという罪と、大へん違うところだと思います。なぜ諸外国の例と今度出された例と、基本的にこういう違いを持ってきたのか、私に納得できない点であります。この点について説明をいただきたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) スイス刑法等をお引きになりましたが、これは資料として差し上げました「窃盗罪及び境界毀損罪に関する立法例」についての斎藤教授の意見書という資料の八ページのスイス刑法の二百五十六条に書いてございます。これは仰せのように「財産またはその他の権利を害し、または不法な利益を入手しまたはこれを他人に供与するため、」という目的罪になっておりまして、ただいま御審議を願っております二百六十二条の二の条文とは、その条文の置かれております位置も異なりますし、保護法益も異なっております。これは根本的には、各国それぞれの法体系がございますので、スイスの方が正しくて、日本の方が間違っているとも言えないと同時に、スイスの方がまた体系的にも間違っているというふうにも言いかねるのでございます。両者の違いといたしましては、スイス刑法を例にとりますと、これは文書偽造罪の中にこういう条文があるわけであります。行為は、境界石またはその他の境界標識を毀損する、変造する、あるには不明にするという行為を罰しているのである、一種の器物毀損でございます、器物毀損に目的がくっついているという罪でございます。ところが日本の方で申しますと、日本刑法の二百六十一条を見ますと、いわゆる器物損壊という罪がございます。日本の刑法の二百六十一条は目的罪になっておりませんので、器物の損壊をいたしますると、二百六十一条で処罰されるわけでございますが、二百六十二条の二はこの器物損壊とも、やや趣を異にしておって、境界を不明にするということが行為の内容になっている。その境界を不明にする手段、方法といたしまして、あるいは境界標識を毀損する、除去するといった行為、その他の行為を指しているのであって、内容は境界標そのものを毀損することじゃなくて、境界標を毀損することによって境界そのものを不明にするというのが、処罰の行為内容でございます。そこでスイスの方は器物損壊罪の規定を文書偽造罪の方の章の中に掲げており、日本の方で申しますれば、二百六十一条のある一つの特例をなしているのでございます。ある意味では二百六十二条のもう一段階器物損壊に近い形で行為を取り上げておるということになっておるのでございます。その辺、先ほど申しましたように、どういう体系でやるかということは、その国の刑法全体の構成を見まして判断をしなければならぬのでございますが、ここには、この種の類型的な処罰規定が各国でどういうふうになっているかという意味におきまして、外国の立法例を掲げたのでございます。この二百六十二条の規定は、改正刑法仮案にもそっくりそのままの規定として掲げられておりまして、昭和十五年にこのものが発表されておりますが、それ以前に十分検討をされた規定でございます。 その当時のいきさつを簡単に申しますと、境界を不明にするという行為は器物を損壊する、器物そのものの効用を失わせるという行為とは少し趣が違うのでありまして、自分の器物でありましても、自分の境界標でありましても、それを毀損することによって境界に不明にするという場合には適用を見るべきであるというようなことも、そり当時の改正刑法仮案の議事録の中にも見えておるのでございます。 なお私どもが今回刑法を一部改正する場合に、不動産侵奪罪とあわせて、この二百六十二条の二を仮案から借りて参りまして、ここへ設けましたのは、先ほど来申しますように、民事訴訟には直接刑法は介入いたしませんけれども、民事訴訟の境界争いの問題で一番基礎になりますのは、いい悪いは別として、境界がどこにあったかということが大事なことでございまして、そういうような、どこにあったかという境界を保護していこうということは、不動産侵害奪罪の規定を設けます場合には、当然考えるべき筋合いじゃないかということからして、二百六十二条の二として持ち来たってここに掲げたわけでございます。諸外国の立法例は参考にはいたしましたが、それはそれぞれの国の体系がありますので、必ずしも模範とはならないというふうに考えております。
○委員長(大川光三君) ちょっと関連して専門的なことを伺いますが、土地の境界ということを知らずして、認識することができないような状態に至らしめたいわゆる善意無過失の場合においても、この条文の適用はあるでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) その場合には適用はございません。これは犯意がないわけでございます。
○高田なほ子君 スイス刑法の話が出たわけですが、この場合は境界を移動するのにやっぱり目的をもって移動しておりますね。「人の財産又はその他の権利に損害を加え又は自己若しくは他人に不法の利益を致すの意図に於て」、こういうふうに目的をもってこの境界を移動するわけですが、今度の改正案には、全然目的を持たないで、境界そのものを不明にする、これをまあ罰するわけでありますけれども、今の大川委員長の御質問によると、これが境界であるとかないとかいうことを判断しないで、判断できないでですか、どちらでもいいんですが、判断しないで、くいを引き抜いてしまったというような場合には、本法は適用しないんだというふうに言っておられますが、これは罪なきは罰せずの原則で、その通りだろうと思いますけれども、しかし、親告罪じゃないわけでありますから、取り扱う者の考え方で、知らないわけはなかったのではないかというように問い詰められて、罪を作られるという危険性もなきにしもあらずと考えられるのですが、この点どうでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) これは目的罪になっておりません。なぜ目的罪にしなかったかということを御説明申し上げますと、目的罪ということになりますと、そういう目的があったかどうかということを、やはり証拠によって立証するということになりますことは当然でございますが、ドイツ刑法は、スイス刑法もドイツの流れをくむ刑法でございますが、このドイツ系統の法律は、非常に主観的な条件を犯罪の構成要件にいたしておりまして、日本にも目的罪——日本の刑法もドイツ流の刑法だといわれておりまして、目的罪にした規定がないわけではありませんが、戦後イギリス法系統の法律がだいぶ導入されて参りまして、刑事訴訟法においては、全く英米方式の刑事訴訟法になって参りました。そういたしますと、被疑者とか被告人とかいう嫌疑を受けた者から、その主観的条件と、その内心の意図というようなものを立証しますことは、英米法の刑事訴訟法の手続におきましては、すこぶる困難でございまして、内心にどういう意図を持っておったかということを、客観的な証拠で証明をするということはなかなかむずかしいのでございます。もし客観的な証拠で言い表わし得ないということになりますれば、本人に聞くということになります。本人に聞くということになりますと、いつもこの議場で御質疑がありますように、ややもすると被疑者の調べが、その点が無理な調べに向くというようなおそれもありますので、新しい刑事訴訟法にふさわしい実体法ということになりますと、なるべく主観的な内心の意図というようなものを、条文の中に書き込むようなことでしぼりをかけますことは、立法技術として適当でないというふうに私どもは考えるわけでございます。しかし、それならば非常に広く構成要件をきめてしまってあらゆる場合がひっかかるというようなことになっては、これまた困るのでございます。そこで目的罪はやめましたかわりに、境界を不明にするという、不明にしなければだめなんだ、たとえこの境界標であるということを認識して、それを取りこわしたといたしましても、その結果不明にするというそういう結果をも予見して、そういう行為に出た場合でなければ犯罪にならない。要するに、不明にする行為を罰するのであるということを構成要件上明らかにいたしました。目的罪は削りましたけれども、単に境界標であるということを知って、境界標を取り除いたというのでは本法は成立しない。それによって境界を不明にしたということまで認識して、結局不明にしたという行為をした場合にのみ適用を受けるということで、目的ではしぼらないで、行為でしぼりまして、適用範囲に無制限にならないように配慮いたしたのでございます。そういうことから、多少スイス刑法とは建前が違ってきていることになると思います。
○高田なほ子君 先般やはり井川委員の御質問で、重ねた御質問がこれであったわけですが、これについて局長の御答弁は、器物損壊ではなくて、境界そのものを不明にするので、個人的なものでもなく、毀棄罪というようなそんな軽いものではない。だから親告罪からはずして重刑にしたのだと、こういうふうな意味の御答弁があったわけなんです。個人的なものでもなく、というのがちょっと私にはわからない。これはどういうわけで個人的なものでもなく、と、こういうふうに御答弁になったのですか。
○政府委員(竹内壽平君) ただいま御指摘のように私答弁をいたしました記憶でございます。個人的でなく、というふうに申しましたのは、器物でございますと、その器物の所有者なり権利者なりが直接の利害関係を持っておるわけでございます。で、器物が滅失してしまったということになりますと、その所有者である人が被害者であるわけでございますが、この本条は器物そのものの滅失ということじゃなくて、その器物そのものの滅失という点から申しますならば、所有者が滅失をしてもこの罪になるわけでございますから、器物の効用の点が重要ではなくてそれを滅失することによって、権利者間にあります土地の間の境界というものがわからなくなってしまうということが非常に大事なことなんだと、そこでそういう行為を罰しようとするのでありますので、単に隣り合わせの土地所有者あるいは地上権者等の権利者だけの利害関係ではなくて、一般にその部落なりあるいはその地方なり、あるいは大きく申せば区画を管理しております市町村なりも、ある意味においては利害関係を持つわけでございまして、その利害関係というものは、全く個人の処分にまかしておいていいというほど個性の強いものではなくして、やはり一般公衆にも利害関係を持った利益であるというふうに考えるわけで、そういう意味で申し上げた次第でございます。
○高田なほ子君 そうしますと、権利者関係の利害関係で、境界線の立木を抜いたとか。針金を切ったとかというのは、第二百六十二条の二には該当しないということになるわけですか。
○政府委員(竹内壽平君) 権利者間で、土地の権利者の間で針金を張りめぐらしてあったのを話し合いの上でそれを取り除いたというような場合には、これはもちろん問題にならないわけでございます。犯罪にならないわけでございます。それからこれはあくまで境界を不明にしなければいけませんので、針金を取ったというだけで不明にならなければ、かりに話し合いの結果そういうふうにしたのでない場合でありましても、二百六十二条の二には該当しないわけでございます。
○高田なほ子君 そうするとあれですか、砂川の問題がございましたね。あれは調達庁がしゃにむに警官を連れてきて、みんなが納得しないのに、あの滑走路を広げるのにあそこにくいを打っていったわけですね。そうすると、それを、かりに私があそこへ行って、知らないで、全然知らないでですよ、そのくいを引き抜いたというような場合には、この二百六十二条の二は適用されるのですか。
○政府委員(竹内壽平君) その場合には適用されません。ただし、そのくいを、くいとしての効用を滅失してしまったわけでございますので、そういう場合には二百六十一条の単純な器物損壊という場合があるかもしれません。しかしそのくいを一本抜いたからといって、境界が不明になるわけではないと思います。境界が不明にならないような行為は、二百六十三条の二では処罰をいたさないわけでございます。
○高田なほ子君 あの場合、私ども反対しましたですね、あのやり方について。で、それはまことにけしからぬというようなことで、みんなで二本も三本もあれ扱いちゃったら、その場合にこの二百六十二条が適用されるわけですか。
○政府委員(竹内壽平君) 二本、三本抜きましたために境界が不明になるかならぬかということがまず第一に考えなければなりませんが、かりに三本、三本でも不明になるのだという場合だといたしますと、一見、一百六十二条の二に該当するように見えますが、この二百六十二条はそういう不明にしてやろうという欲望まではなくてもいいのでありますが、不明になるかもしれぬという認識をもってその行為をしなければ、いわゆる罪を犯す犯意があるとは言えないわけであります。そこで、砂川の事例が適当かどうかわかりませんが、不明にする考えでおやりになったものであるかどうかということが犯罪成立の第二段目に考えなければならぬ問題だと思います。
○高田なほ子君 しかし、先ほどの御答弁では内心の意図でしぼりをかけるということじゃなしに、行為そのものでもってこの二百六十二条の二は効力を発生するのだ、こう言っておられるわけです。意図は全然問題にならないわけです。ですから、引き抜いたという行為そのものが国の行政措置に対して妨害を加える行為であると認定された場合には、二百六十二条の二というものはやっぱり適用されるように思いますが、この点はどうですか。
○政府委員(竹内壽平君) 今、高田委員のおっしゃっておりますのは、この動機でございますね。どういう動機でやるようになったか、それから目的——これはその動機とか目的ということと犯意ということとは違うわけでございまして私が今不明にする意図ということを申しましたが、これは犯意として、犯罪を犯す意思として不明にするという認識がなければ、これは目的罪になっておりませんでも、これは犯罪にはならないわけでございます。その犯罪になるかならぬかという点で、単に器物を——くいを抜くということだけでなくて、抜いた結果その人たちの行為が、不明にしてしまうのだという考えが、そういう犯意でその行為に出たかどうかということによってきまるわけでございまして、もし政治的な動機というか、理由によってそういうことをやった場合に、そういうことを目的にはなって——目的というか、そういう犯意で行なうということはないのじゃないかと私は思いますが、いかがなものでございましょうか。
○高田なほ子君 亀田先生が、専門家がおいでになりましたから、もう一つ聞かしていただきたいのですが、最近登山の場合の遭難事故が非常に多いわけであります。その遭難事故にいろいろ原因があるかと思いますけれども、右に行けばどこえこの道、左に行けばどこそこへ行く、こういうようなのはこれは境界標ではないかもしれませんが、標識というのでしょうか、境界標というのでしょうか、これはなかなか微妙な点であります。いたずらをしてこれを抜いてしまって境界標を不明にならしめるというような事態があるわけです。そのことのために多数の人に迷惑をかけ、事故発生の原因をここで作っていくというようなことが、結果論としてでございますけれども、ある場合が最近多いように見受けますが、この法律に言う「境界標」というのは、今私が申し上げたようなものも境界標の範疇に入るものであるのか、もし境界標であるとするならば、これはもうたった一本でありますから、これを不明にならしめたということで二百六十二条の二が、その行為に該当するものかどうかということになるわけですが、この点はどうなんですか。
○政府委員(竹内壽平君) 道しるべの表札のようなものは、本条に言うところの境界標には当たらないと思います。本条にいう境界標と申しますのは、土地の境界を表示するための物権でありまして今の、この道を行けばどちらへ行くというような表示札は、これはその土地の境界を表わすための表示ではない、従ってその表札を取り除き、あるいは毀損をいたしました場合には、先ほど来申し上げます二百六十一条の器物損壊の問題になるわけでございます。
○高田なほ子君 道しるべと土地の境界標が今はっきりしたわけですが、ここに一本くいが立ちましてね、埼玉県と群馬県の境の境界標というものがあるわけですね、道しるべとは違ったもの、それはこの境界標の中に入りますか。
○政府委員(竹内壽平君) 一応積極に解して参りたいと思います。県境は土地の所有権とか地上権とかいう問題ではございませんけれども、行政上の区画を定める境の標識でございまして、やはり二百六十二条の二のいわゆる境界標に当たるというふうに考える次第でございます。
○委員長(大川光三君) ちょっと関連して一つだけ伺いますが、本条が他人の土地を不法領得する、いわゆる侵奪するというような目的は必要としないということはわかりましたが、そうすると、単に境界を不明にすることの利益というのは、どういう場合を予想されておるのでしょうか。具体的にその事例をあげて一ぺん御説明いただきたい。
○政府委員(竹内壽平君) 不法領得の意思のある場合には、この侵奪の予備になるわけでございますね。それで、そういう予備的な行為、侵奪罪につきましては、予備的な行為が場合によっては入るかもしれません。それからそういう侵奪の不法領得の意思のない場合でこの境界標を不明にする行為は、一体どういう動機でする場合があるだろうかということを考えてみますと、あるいはいやがらせとかいろいろあると思います。本人は、内心の意思は不法領得の意思があるかもしれませんけれども、先ほど来申しますように、今被疑者につきまして不法領得の意思があったと見るかどうかという点について、まあ本人の意見を聞けば、私はそういう意思はありませんというふうに否認されてしまう場合が多いと思います。そういうことになりますと、不法領得の意思が、特に未遂である場合には、これを知る方法がないわけでございます。そういったような動機であって、外部にそれと内心の意思を客観的な証拠で認めることができないような事情のもとに侵されたものは、不法領得の意思は認めることはできないということになります。そうなりますと、この二百六十二条の二で処断する場合が相当あるというふうに考えます。
○委員長(大川光三君) いま一つ。もし他人の土地を侵奪しようという目的で境界を不明にしたという場合には、その境界を不明にするという行為は予備的なものである、ところが、事実境界を不明にして他人の土地を侵奪した場合には、いわゆる侵奪第一罪をもって処断されることになるのでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) その点は、罪数論としてなかなかむずかしい点でございますが、不法侵奪の意思をもって土地の境界を不明にして——そこまではしたのでございますが、まだ侵奪に至らない場合は、これは侵奪罪の方は未遂でございます。しかし同時に、境界を不明にしたという罪があるわけで、その場合には、この間も議論いたしましたように、一個の行為で二つの罪名に当たると思いますが、私この前答弁を間違えておったというふうに思いますけれども、きょうは井川先生おいでになりませんが、前の日に不明にしておいて、それから翌日入って行ったという場合には、これはおそらく併合罪でもって処断すべきだと思います。それからまず境界を不明にしておいて、それから侵奪をやる、要するに侵奪の罪証隠滅というような場合になる、こういうときには牽連犯というふうに見た方がいいんじゃないかというふうに思うのであります。
○亀田得治君 各条の内容については、相当こまかい質問があったのじゃないかと思いますから、なるべく重複するようなことは避けるようにしたいと思いますが、まず最初に、非常に私疑問に思うのは、不動産窃盗についての立法の要求、これはいろいろな方面からずいぶん聞いていたわけです。しかし、この境界をこわすことについての立法ですね、こういう法案が出てくるまでは、私たち実はいろいろ視察をして回ったりしても、そこまでは聞いておらない、で、どういういきさつでこういうものが入ってきたのか非常に疑問に思っておるわけです。その点まず説明して下さい。
○政府委員(竹内壽平君) 二百六十二条の二を不動産侵奪に並べまして立案をいたしました理由は、二百六十二条の二に、不動産侵奪を補充して、不動産の保護に遺憾なきを期するということに尽きるわけでございますが、先ほども高田先生の御質問にお答えを申し上げておったわけでございますが、この規定を設けましても、これは将来に向かってのみ適用を見るわけでございまして、現在不法占拠の状態は各地に存在するわけでございます。これらの不法占拠は、民事訴訟によって解決をはかっていくことになるわけでございまして、刑事罰としては、これを適用する余地がないのでございますが、そこで、これらの民事事件がなかなか長引きまして、権利者の保護に十分とは言えない面もないではないのでございますが、おもに境界紛争にからむものの民事事件が相当多数あるようでございましてその民事事件で一番大事なことは、正しい境界として裁判所の認定を受けるにいたしましても、もし前に境界標というようなものがあったとすれば、それはそのままにしておいて、まず証拠としてそこに境界があったのだということを明らかにしていくことによって、裁判を誤まらしめないことにも役に立ちますし、また解決も早くなるわけでございまして、境界を不明にしないということは、利害関係が非常に大きいと思うのでございます。で、この点の処罰規定を設くべきであるということは、改正刑法仮案の時代から論議をされておりまして、仮案にもその規定があるわけでございますが、諸外国の立法例等を見ましても、この境界に関する標識は国によっていろいろ事情は違いますが、境界標を保護していこうという考え方は、不動産侵奪についての規定のない国はたくさんあるわけでございますが、境界標に関しましてもほとんど例外なく、いろいろな形でこれを処罰するということにいたしております。そこで、不動産侵奪罪を設ける機会に、これをさらに補充する意味におきまして、二百六十二条の二を設ける方が一そう効果的であるという考えから、この規定を挿入することを考えたわけでございます。
○亀田得治君 法制審議会等では、専門家の意見というものは、簡単にこれはまとまったのです。中身を多少、そのできる範囲で説明してほしいと思うのですがね。
○政府委員(竹内壽平君) 二百六十二条の二につきましては、法制審議会で相当論議をされまして、率直に申し上げますと、本罪の新設について、外部からの要望等もあったのか等の御質疑等もありまして、また今急いで立法する必要はな、ではないかというような消極意見もあったのでございます。また立法する必要はあると思うが、規定の体系的な地位が諸外国の立法例と比べておかしくはないか、その点はよく検討したかというような御質疑もございまして、そういうことで、まあその消極意見を述べられる方の御意見がかなり出ておりまして、またこの不法侵奪の規定も並べて規定した方がいいのではないか、これは体系的地位に関する意見でございますが、そういう御意見もありました。またイタリア刑法六百三十一条などと比較されて御意見もあったのでございますが、大多数の方は、これを必要とするという意見でございまして、最後にこの点について決をとったのでございますが、この点につきましては、決をとるときにはだれも反対する人はありませんで、全員賛成でこれは通過いたしました。
○亀田得治君 法制審議会の議事録は配付できませんか。もう結論が出てしまったやつだから、参考に配付してもらいたいと思いますが、どうでしょう。
○政府委員(竹内壽平君) 法制審議会の議事録は、別段これは秘密のものではないと私は考えておりますが、従来法務省では個人々々の意見がむき出しに出ておりますので、秘密と言いますか、部内だけにとどめておく方が妥当だというような考え方で、これは一般には配らないという建前をとっておるようでございます。しかし私は、今申しましたように、ガラス張りの中で御審議をいただいております法案でございますので、各人の意見が出ているからといって、別に支障を生ずる問題ではないと思っております。ただ、所管が別の所管でそれをやっておりまして、非常に部数が少ないということでございますので、私見ていただくのはけっこうだと思いますが、委員長のもしお計らいで、回覧とか何とかというようなことでござらんをいただきますならば……。全部の委員の方々に差し上げるだけの用意がないようでございます。いかがでございましょう。
○委員長(大川光三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大川光三君) 速記を始めて。
○亀田得治君 そこで、まあ今の御説明からいきましても、不動産侵奪罪を補うといいますか、補完するものだ、その意味のことはわかります、証拠関係をなるべく残しておくといったような意味はよくわかるのですが、そうしますと、たとえば不動産侵奪罪の場合には、これは未遂を罰することはやはり今回でもなっておりますね。そうすると、大がい予備は入っておりませんが、未遂まではちゃんと入っているわけなんです。だから不動産侵奪という、それを最終的にねらっているのだと、そういうことをとめることをねらっているのだということなら、もう少し考え方があるように思うのですがね。予備から相当進んで、不動産侵奪に着手していると見られるような形態まで進んだ境界標の破壊であればですよ、今度の不動産侵奪罪そのものでいけるわけですからね。そういう場合も考えられるわけですね、境界をこわした行為というものについては。で、少なくとも私は被疑者として取り締まりの対象にはでき得ると思うのです。だからその辺で、そういう未遂だけではまだ手の届かぬところがあるというのであれば、不動産侵奪罪そのものの予備というものを加えることによって処理できるんじゃないかと思いますね。その辺の検討があってしかるべきじゃないかと私は思うのですがね。境界標をこわすことそれ自体が目的ではないということであれば——それ自体も多小は目的はあるのでしょうが、主たることは不動産侵奪罪を補完していくと、こういうふうにさっき説明されたので、私どももそうだと思うのです。そうでなければ、境界標をこわすことそれ自体がいかぬと言うなら、むしろ毀棄罪的な性格になりますからね。だから刑事局長もさっきおっしゃったように、これは実際は毀棄罪のところじゃなしに、不動産侵奪罪にさせられるのが、目的からいうと合致しているように思うという説明からみても、それは言えるわけなんです。その点はどうなんでしょうかね。そういうふうにやってもらえば、簡単にこの法律案はわれわれも了承できるのですけれども、何か要らぬものが一つくっついたような印象を受けているのです。そういう点の議論等はなかったわけでしょうかね。未遂があり、なお足らぬというなら、予備も対象にしてしまえば、一挙にここまでいかなくてもいいんじゃないかというような検討ですね、どうでしょうかな。
○委員長(大川光三君) ちょっと今の亀田君の御質問に関連して、二百六十二条の二に入れたという理由もまた合わせて……。どういう理由でやったかも御説明願いたい。この二百六十二条の二として入れたことにも疑問がある。
○政府委員(竹内壽平君) 亀田先生の御質問からお答え申し上げます。私どもの考えを申し上げますと、まず窃盗の予備ということでございますが、これは強盗には予備の規定がありますが、窃盗罪——動産の窃盗と同じように扱っていくということが解釈、運用上も間違いを起こさないことであろうということを考えましたので、不動産の不法占拠の認定を、侵奪という形で、つまり窃盗的な行為だけに限定いたしましてきめたのですが、それは御了承願えると思いますけれども、その窃盗にも未遂がありますので、不動産侵奪にもやはり未遂ということが観念上にも考えられますし、実際問題としてもあると思います。従ってこの未遂も適用を見るように処置をいたしました。そこで、境界を不明にする行為と侵奪との関係でございますが、侵奪の目的を果たしますために境界標を不明にするという場合があることは確かでございます。しかし現在発生しております不法占拠の実態というものは、境界標を不明にするという行為を通じて行なう不法占拠というのは非常に少なくて大部分は広い土地に入っていって家を建ててしまうというような形で不法占拠を行なっておるわけでございます。他人の境界をかすめ取って侵略をしてやるという不法占拠の侵奪の仕方もむろんあるわけで、これは非常に古くから、不動産窃盗を論じます学者がいつもあげておる例でございます。その他人の土地を占領して侵奪するというやり方の中のまた一つの場合が、この境界標を不明にすることによってやるという、学者がかねてあげております形態の、不動産侵奪、この類型の中の行為のまた一部、境界標がたまたまある場合に、そういう問題が起こってくるわけでございまして、もし未遂を罰するならば、境界標を不明にするという処罰類型をあえて作らなくてもいいではないかという御議論、私わからぬことはありませんが、これはもう、ただいまわれわれが見ております犯罪現象としては、ほんの一部分の行為であって、境界標そのものを不明にしてしまったのに——侵奪の範囲というようなものを認定できない場合には相当悪質な行為だと私どもは思うのでございますが——方法もないということではまずいので、やはり侵奪とは別個の犯罪として考える方が相当ではないかというふうに、この点は水かけ論みたいな議論になるかもしれませんが、そういうふうに感じている。予備を設けてというお言葉がございましたが、窃盗について予備がございませんので、一部改正で最小限度にとどめるということでございましたらば、事後強盗なども割愛したくらいでございまして、その点は予備を設けるということは適当でない、むしろその予備も含めて境界を不明にする行為を、独立の罪として設けた方が相当ではないかというふうに、ただいまも私考えているのでございます。 それから二百六十二条の二として、その条文の位置でございますが、これは委員長の御質疑の点でございます。私ども部内でも、二百六十二条の二という考えはないかということも、実は検討いたしたのでございますが、この不明にする罪は、先ほども御説明をいたしたのでございますが、自分が作った境界標でありましても、それを取り除く、毀損する、その結果境界がわからなくなってしまうというような場合には、その行為をも罰しようという趣旨でございます。この考え方は、改正刑法仮案の審議の際にも議論されている点でございまして、そういう点を考えますと、二百六十条を避けまして、後へ書いた方が、その趣旨がはっきりするのじゃないかということで、二百六十三条の二といたしたのでございます。ただし器物損壊罪とは、やや罪質が違っているわけでございます。器物損壊罪は、器物そのものの効用を滅失することでございますが、二百六十二条の二は、器物そのものの効用ではなくて、その滅失を通じて境界を不明にする行為を罰するということでございますから、ほんとを申しますと、毀棄罪の章の中に入れますことは、罪質から申しますと、やや妥当を欠くのでございますが、さればといってドイツ刑法のように文書偽造罪の中に書くということも、これまた日本の刑法としては、体系的にもっと不明になります。そこで現刑法体系の中で置くとすれば、どこが一番いいかということになりますと、やはりこの器物損壊非の章の中に置くのがいい。しかも自分のものであっても、処罰をするのだという趣旨を明らかにしますために、二百六十条を避けてその後へ置くのが一番適当ではないかということで、二百六十二条の二として掲げることにいたしたわけでございます。
○亀田得治君 まあ私の意見としては、普通の動産の窃盗に予備がないので、不動産の侵奪について、直ちに予備まで設けていいと非常に積極的に言うているわけでもないんです。ただ、こういう境界標の毀損というような新しい罪を、大して要望も出ておらないので、作るくらいならば、むしろそういうことをお考えになった方がいいんじゃないかというふうなことでありまして、一挙に予備までいかないでいいと思うんです。また、境界標の毀損の処罰という規定がなくても、未遂罪というものを処罰するところでつかまえれるんじゃないか、把握できるというふうに私は思うんですよ。今の御説明にもあったように、実際の不動産侵奪の場合に、まず境界をこわしてそれからと——そんなゆっくりしたものじゃない、ことに最近問題になっておるのはそうじゃないわけですね。ばたばたと、もう不法領得の意思をむき出しにやっちゃうわけですからね。そんな中間の段階なんかこっちで扱っているひまもないわけです。だから実際の現象から見ても、何かそれで間に合うように思うんですね。不法領得の意思が大体の場合ははっきりしています、行動自体から。最近の問題になっておる事例というものは……。だからそう思うんですがね。これはあなたの方で取り扱われた考え方は一応わかりましたから、この点はこの程度にとどめておきます。
○委員長(大川光三君) 私自身の考え方を申し上げて御意見を伺いたい。先ほど私が不法領得の目的なくして、ただ単に境界を不明にするというのにはどんな利益があるのかというお尋ねをした。一応の御答弁は得ましたけれども、ただいまの御説明によれば、不動産侵奪の証拠隠滅というような一つの目的で、ないしはその手段として境界を不明にするという場合もあれ、得るんですね。これはそういう点から見ると、私はいわゆる不動産侵奪罪のあるいは二百三十五条の三として成立すべきではないかと、こう考えるんですがいかがでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) その点は体系的地位をどこに与えるかということで、法制審議会でも実はいろいろ議論があったのでございますが、これは盗罪という罪の本質から言いまして、盗罪とは直接関係ないわけでございまして、二百三十五条の三というような立場を与えますと、この罪は二百三十六条の強盗罪でございまして、どうしてもこれは盗罪という考えになりますし、ここでは不法領得の意思を必要としないという解釈をしておりますが、二百三十五条の三ということになりますれば、当然不法領得の意思を必要とすることになる、もしそういうことになりますと、非常にこれは狭いものになってしまって、未遂を認める限りは、おそらくは不要な規定になってしまうんじゃないかというふうに考えるわけでございます。やはり毀損罪の章に、すわりは悪いですけれども、そこへすわらせておくことの方が、その罪の成立が体系的はもはっきりいたしまして、私はやはりこれはこれなりに置く価値がある規定ではないかというふうに考えております。
○亀田得治君 私が境界毀損の処罰まで一挙にやる必要はないという理由は、そういう先ほどから申し上げたようなことのほかに、現在の不動産のいろんな紛争に対する警察、検察、裁判所、ここら辺の頭の切りかえ、これがもう少しされたら、相当変わってくるという感じを実は一方で持っているのです。実際法律があって、それを執行する立場の人が、十分に国民の気持に沿うようにそれを運用しておらないでいて、そうして何か新たにまた法律を作る、こういうことに私は非常な不満を持っているのです。これはこれだけじゃありませんけれども、ともかくこんな法律がだんだんふえていくということは、あまりいいことじゃない。あまりふえるものですから、あっちとこっちが矛盾したり、わけがまたわからぬようになつちまうわけですね。そういうことでは、それは実際作られた法律自体がむしろ権威を落としていくのですよ。この頭の切りかえがその辺でしゃんとできませんと、国民の正当な権利は早く守ってやるのだという考え方がありませんと、せっかくこういうようなものを作ったって、やはり同じようなことが繰り返されていくのじゃないかという感じがしますがね。具体的にそういう問題を想定してみて言えば幾らでもできます。 そこで、一つそういう立場から、そういうこともまあ抽象的に言っておっても始まりませんからお聞きするわけですが、この一月に法務委員会で関西の方の不動産の不法占拠の事例、これを調査に行ったわけです。そのときいろんなものを聞かされ、また現場等も見たわけですが、その中の一つですが、神戸市の事件です。これは被害者は白石工業株式会社というのですが、事件の概要は白石工業が、昭和二十二年の七月に問題になっている土地、約四百坪くらいの程度の土地ですが、それを某製粉会社から買いまして、そうして倉庫を建てたいということで、鉄さくでちゃんと囲んで、そうして保管しておったものなんです。それに対して昭和三十三年の十二月二十七日、突然明石市の丁組といっておりますが、そこの土建業者がやってきて、その鉄さくをこわして、ブルトーザーで整地を始めたわけなんです。で、連絡がありまして、白石工業の方ではびっくりして直ちにその日のうちに警察の方に連絡した。ところが、はあそうか、というような程度なんですね。調査も何もしやせぬ。そのうちにどんどん整地されて家が建っていく。で、これなんか、直接被害者の会社の、この事件を初めから担当しておる人が来て話したことですから、非常に詳しく直接聞いたわけなんです。これなんか鉄さくで囲んであるやつですからね。警察がそういう申し出を受けたら、本気に、そういうともかく、れっきとした会社が言うてくるのに、根も葉もないことを言うてくるわけがないんだ。そうでしょう。やっぱり飛んで行って、そこで処理しようと思えばできるわけでしょう。言うてきているということは一種の告訴でしょうから……。告訴ととっていいわけでしょう。これは現行法に当てはめるとすれば、たとえば器物投棄とか、監視はおらぬようですから住居侵入にはならぬでしょう。しかし幸い鉄さくがめぐらしてあるんだから、これはどうにでも本気になってそこをやってやろうという気になりさえすりゃ即刻手をつけられるのですよ、警察が。どうもこういう問題になると腰が重いですな。これは非常に憤慨しておりましたよ。みんな問いとった人もこれは憤慨しておりました。こういうことはこれだけじゃないんですがね。大体こういう傾向があるのです、不動産の事件というものは。いや、何か民事だとか何だとか言うてね。それはまあ民事問題にあまり明るくない警察官にむやみやたらに入ってもらっては困るということはわれわれも専門家として考えております。だからそういう考えもあるから、境界をこわしたことに対する処罰ということも実はわれわれ懸念しているわけです。なかなか境界争いなんてややこしいですからね。で、そういうものに今でもれっきとした暴力的にさくなんかこわして入ってきている者に対してすら、何か先方が、いやこれは実はこういうことでだれから頼まれてやってるんだというようなことを言うと、それだけでふらふらとして、もう手をつけぬ。そういう調子の者にこんな境界の毀損に関する犯罪なんかに、積極的に入ってこられたらまた困ると私は思う。で、そういう点もあるので、ともかくこういう明らかな犯罪行為が行なわれているのに、そして本人からは非常な強い訴え、希望を出しておるのに、ろくに調べもしない。ともかく現場へ飛んで行って、そして一応事情でも聞いてやったりするなら、これはまだ本人は多少は気が済む、おさまる。こういう調子なんですが、これは一体刑事局長どういうふうにお考えなんですかね。こういう状態で、はたして次から次へと私は処罰規定をふやしていいものかどうか、非常な疑問を持っております。これは警察の方もちょっと呼んでもらった方がいいのですが……。
○委員長(大川光三君) そうですね。次回に呼びましょう。
○政府委員(竹内壽平君) 刑事立法は必要の最小限度にとどめなければならぬということは、私は固い信念として考えております。そういう意味から申しまして、亀田先生のお考えと私は違わないつもりでございます。ただ警察官の出方が非常に手ぬるい。従って不必要に事態を悪化さしてしまう結果が往々にしてあるのじゃないかという議論は、私もしばしば関係者から聞いております。で、この点につきましては民事と刑事との交錯し合う法域におきまして、これを民事は民事、刑事は刑事として手ぎわよく事件を処理していくということは、なかなかむずかしいことでございまして、検察官といえども往々にして民事に暗い検察官もあるわけでございます。いわんや一線の刑事諸君になりますと、刑法関係のものは手なれておるわけでございますが、少し民事がかったものがございますと、しりごみする傾向もないではございません。従って、こういう事件につきましては、本法を制定するせぬにかかわらず、もう少し高度の法律知識、素養を与えるような指導、訓練をしていかなければならぬと考えておりますし、検事に関しましては、民刑交錯する事件の取り扱いについてというような題目で、法務総合研究所では、しょっ中若い検事の方に指導を与えております。警察官についてもそれ以上の必要性を私ども感じておるのであります。ただ実情としまして、なぜそういうときにしりごみをするかという点でございます。今御指摘のような事例は、おそらくなかにも同種の事件が多々あると存じますが、結局行ってみて警察官が何をするのかというと、器物損壊——有刺鉄線を破壊した点が器物損壊罪になるということでございまして、事件としては親告罪になっておるような軽い罪でございます。そういう罪はやらぬでいいというわけではないと思いますけれども、やはり警察官がすぐ飛び出して行って捜査に当たるというようなことになりますと——重大な事件があればその方へ重点的に行くというような傾向もありまして、もしこれが侵奪罪になるのだということになりますれば、また警察官のそのような事態に対する見方なり考え方なりというもの、それからまた執行します場合の心がまえというようなものも違ってくるのだということも、実は本法立案の当時警察当局の方からも聞いておるような事情でございます。もちろん警察のしりをたたいてこういう事件に飛び出して行くようにというようなことを指示しますことは、手放しでは危険なことでございまして、不当にまた民事事件、民事くずれの事件に介入して不当な結果になる場合もこれまた少なくないので、その辺の押えどころ、扱い方というものは非常に微妙でもありますし、大事なことでございます。しかし、要はやはりそのこと自体が侵奪罪という罪にも当たるほどの事態であるということは、警察がそこへ出ますれば、言わなくてもわかることでございまして、その意味においても、警察官は今後そのような事態に、もし本法が制定されました暁においては、思いを新たにすることと私は考えます。まずそういう検察官の実際の取り扱い方というものに遺憾の点があるといたしましても、このことからして法律を整備し、欠陥を除去し、合理的な立法をするということは、検察官の教養、訓練の問題とは別個に、私どもとしては考えていかなければならぬ。そういう現状であるから、これはまあそのままにしておいてはいけませんが、だからといって二百六十二条の二のような規定が不要であるというふうな議論には、私どもとしては賛成いたしかねるわけでございまして、こいねがわくは時代に即した立法として御理解願いたいと考えます。
○亀田得治君 まあともかく器物毀棄罪でありましても、それを放置することによって、単に鉄さくがこわれるだけじゃなしに、不動産そのものについて非常に現状変更なり起こるわけですからね。だから、そういうことですから、ほかの場合でもやはり犯罪という立場から見たら軽微なものであっても、それがずっと影響するところが非常に大きいのだという場合は、ちょっとしたことでも逮捕までしているんでしょう、やっておりますよ、実際。だから不動産侵奪罪が処罰対象になっていないから軽う見るんだというふうなことでは、ちょっと常識に反するでしょうな。だからさっき申し上げた例の場合でも、器物毀棄としてそんなことをやっておるのは全部これをあなた現行犯で逮捕したらいいでしょう。そうしたらとまってしまうんです。それはあなた道路交通違反とかそんなことで、もっともっと軽いやつでも現行犯でやっておるでしょう。だからさっきの例のような場合にこそ、断固としてこれはやればいいんですよ。そんなことはもう不動産侵奪罪があるかないかの問題では私はないと思うんです。で、それをやっておれば何も……。この白石さんの方でも今度の改正の強硬な要求者の一人ですよ。ちゃんとやっておればこんな苦情は出てこぬです。だから相当意見があるのですからして、そういう事情があるから不動産侵奪罪はやむを得ないとしても、境界まではということだから、こちらもまたその気になるんです。これが警察だけではないんです。そのときに詳しく説明を聞いたんですが、検察庁もやっぱりすっきりしないんですな。結局検察がぐずぐずしているためにいろいろな家が建った、それから裁判所もごたごたしているんですよ。そうして仮処分がその後に出た、ゆっくり。ところが仮処分の公示板をこわして、こんなものを無視してさらに工事をやっているのですね。これはけしからぬというので、さらに刑法九十六条の封印破毀罪の告発を、今度は警察に持っていってもあかんからのいうので、神戸の地検に持って行っている。これは単なる封印破毀じゃなしに、現場がそういうふうに進行しているのですから、すぐ飛んで行くかと思ったら、これがああでもない、こうでもないと言って、やはり行っておらぬのです。これは警察じゃなしに、もうあなた方の管轄ですから、この検事の名前を一つ調べてほしいですね、なぜそういう事件の処理をしているのかね。これは法務委員会の調査の場合でも非常に僕ら憤慨したやつで、あるいはお知りになっているかと思うのですが、お知りになっておれば、当然こちらから言わなくても調べてあるはずだと思うのですが、その辺どうなっているのですか。
○政府委員(竹内壽平君) その主任検事の名前は私の方はまだわかっておりませんし、事件の処理状況もまた実は調べておりませんが、お話を伺いましたので、さっそく調査してみたいと思います。
○委員長(大川光三君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大川光三君) 速記を始めて。
○亀田得治君 もっとも、検事は最終的にはこれは取り上げてくれたのですよ。だけれども、私ちょっとメモがないんで書いてありませんが、三カ月ぐらいたってからだったように思うのですよ。しかも再三日石工業の方で行きまして、それで相手が検事だからやっぱりきわめて丁重に言うて行っているんです。それでもたまりかねて、やっぱり相当強硬に最後には言うたらしいのです。その検事の名前は何というのですかとこちらが聞いても、いや、その名前だけは一つかんべんしてくれと言うぐらい遠慮しておるわけだ。その遠慮しているのをいいことにしているのかどうか知らぬけれども、実際こういうことじゃ非常に不信を買いますね。だから一つこれは御調査願って、検事が最後にはこれは起訴したはずですが、告訴を受けてから起訴に至るまでの経過、こいつを一つきちっと報告さしてほしいのです。あんまり言いわけなんかしないで、なぜこういう取り扱いをしたのか、率直に一つ。
○政府委員(竹内壽平君) ただいまの事件につきましては、十分調査をいたしまして、なぜそうなったかのいきさつを明らかにいたしたいと思います。
○亀田得治君 そこで今委員長からも御注意があったように、この中身自体もお調べを願いたいと思うのですが、これは中身をお聞きになると、ほんとうにこれはあきれますが、そんなものをよう警察や検事がほうっておいたものだなと。それで、委員長から概略おっしゃったから、その点も具体的に一つ調べてほしい。あるいは検事としてはそういう中身について軽う考えているのかもしれぬし、軽う考えているとしたら、そもそもそれが間違いになるわけです、それからもう一つ私の言いたいのは裁判所なんです。これがまた白石工業から仮処分の申請しましても、てきぱきやっぱりやらぬわけですね。仮処分申請したのが十二月の二十八日、二十七日にさっき申し上げたように、警察へ行ったけれども警察は相手にせぬものだから、結局裁判所へ仮処分を求めた、そうしたら裁判所の言い分というのは、御用納めだという、そんなことをやっているひまはない、ここの考えですよ。実際のところ、そんなことをしだしたら、これはあなた御用納めねろうていろいろなことをやりますよ。それは刑務所でも検察庁でも裁判所でも、幾ら休みであろうが何であろうが、最小限度やはり危急な問題については扱える体制というものはできているはずなんです。そういう立場でやられているはずです。ところが実際の場面に当たると、そうなっていないわけですね。こんなことは実際はなはだ残念だと思うのです。仮処分が出たのは一月の八日です。だから、暮れから年の初めにかけての間にもうずっと現場は変わってしまっている。で、裁判所の人の言い分はまだ聞いておりませんが、これも一ぺん、判事を直接呼ぶわけにいかぬ、弾該裁判所にでも持ち出せばいいわけですが、そういうことも簡単にいかぬでしょうから、最高裁等からでも来てもらえばいいわけでしょうが、こういう考え方が一般にある。これは仮処分事件である、だから、ちょっと現場に飛んで行く場合に、制度上非常に困難があるのだとかといったようなことをあちこちで言うておるのです。しかし、これは何も民事訴訟法にそんなことまで規定していない。だから、疎明だから、できるだけ即座に、何とかいいましたね、即時に取り調べることのできる証拠によってこれをなす、なるほどこう書いてありますけれども、そこなんだな、ほんとうに国民の困っておる人を助けてやろう、それを助けるのは裁判所だ、こういう意識に燃えておれば、こんなことはあなた、どうにでも解釈できるのです。自分の職務怠慢、サボル口実に使うというような、そういう印象を与えますよ、外部に対して。即時といったって、これはいろいろ解釈のしょうがあるわけですからね、実際のところ。疎明資料を申請人が判事の前へ出した、それをすぐ見てすぐわかる、それも即時かもしれぬね。それは、何ですよ、三十分か一時間車で走って行けば現場はすぐわかるのですから、ともかく一緒に行きましょう、こういうことくらい即時と解釈していいわけでしょうがね。そういうふうにやってくれれば、何も調べができぬわけでもないし、従って決定がすぐできぬわけでも何でもないのです。まあその疎明方法については、いろいろこれはまあ専門家の間に意見もありますけれども、それじゃ、ほんとうの意味の即時じゃなければいかぬのだというような窮屈な解釈をする立場をとるとしても、そういう解釈なら、なんですよ、この民事訴訟法の規定変えたらいいじゃないですか。変えてね、急を要する場合にはすぐ、何といいますか、一種の検証的な方法をとれるとか、変えたら何でもないのです。ところがそんな努力もしやせぬ。はなはだ残念なんですが、そういう点、だから三者とも非常な批判をされているのです、この事件は。それから民訴のその疎明方法というのは二百六十七条の一項にまあ書いてあるわけでしょうが、たとえばこの二項などを見ましても、疎明にかわるやり方というものを書いてあるわけでしょう、民事訴訟法に。すぐ疎明できない場合の、これに間違いないか、じゃ申請人は宣誓せい、あるいは保証金をたくさん積めとか、ほんとうに救ってやろうと思えば、疎明に関する二百六十七条の規定、あるいは民事訴訟法の仮処分に関する規定には仮差押えの規定が準用されている。これは十分あるのですよ、あるのに、あたかも裁判所は簡単に動けぬような説明を、しろうとにはしている。実際けしからぬですよ。だから、二十七日に警察が動いておれば問題ない、あるいは二十八日に裁判所が動いておれば、これは問題ないのです。さらに引き続いて、検察庁は封印破毀の告訴を受けたときに、すぐ動いておれば、これはもう被害はまあ途中で相当とまるわけです。みんなだめです。そこで仕方がないですから、白石工業では、最後にどうしたかといったら、ある組にこの土地の管理を頼んだ、そして月五万円の管理料を払い出したら、相手の組がごちやごちゃ言いやるのがふっととまってしまったという。どうですか、こういうことをお聞きになって暴力追放だとか何とか言っておりますけれども、それは裏ではちゃんと、結局、そういうやつに対しては、その筋のやつを使った方がいいんだ、こういうことですよ、これは。だからこういうことになっているんですがね。こういうことを三者ともしっかりやらぬから、私は意地にでもこの法律案には、そういう点じゃどうも納得いかない。だから、せめて境界の方くらいは、これはちょっと遠慮してもらわぬと……。実際のところ、この事件をどうお考えですか、この組が、五万円管理料を取って、そうしてようやく警察も裁判所も検察庁もできないことをやっている。どうお考えですか。
○委員長(大川光三君) ちょっと関連して私からも伺いたい。ただいま亀田委員の御質問の要旨に付加して申し上げたいことは、人に管理を頼むということは、他に地続きの空地があるのです。白石工業が、そこへ建てようという形勢になってきたので、そこで管理を頼んだら、それが一つとまった関係で、月五万円払う——この一年半ですね、それが一つと、これで最初に不法占拠した土地に平屋の家を建てた、そこで現状変更すべからずという仮処分が出たのですね。ところがその係争中に今度は二階建になってしまったのです。そういう場合に、いわゆる現状変更すべからずという仮処分された平屋建の家が、今度は二階建になつちゃつた、はたして封印破毀罪というものの適用があるのかないのかという問題が一つと、そういうときに、なぜ裁判所が二階の分については、断行命令で取り壊しを命じないかというところに、非常に心外な感じを受けるのですが、その点もあわせて一つ御意見を述べていただきたい。
○政府委員(竹内壽平君) ただいまお示しいただいたこの事例を伺っておりますと、遺憾な点が非常に多い、申しわけないという感じを持つわけでございます。ことに裁判所、警察につきましてはともかくも、検察庁で、私どもの方でもずいぶんこの問題については検察庁を通じていろいろ調査もしておったわけでございますが、そういったような実情を私どものところへ報告もしてきてくれていないような状況から見ましても、検察官のそういう問題に対する感覚と申しますか、そういうものが——向こうには向こうなりの弁明もありましょうけれども——私どもにはちょっと納得いたしかねる点もございます。私も調査をいたしまして、この具体的事件はもちろんのこと、一般にこの種の事件についての感覚も持っていただくように処置したいと思っております。梅田村事件なども休みを利用しての侵奪でございまして、これに対して私どもが、まああの事件処理は正当防衛、緊急避難として無罪になりましたのに結果においては不賛成でございません、賛成でございますが、ただ亀田委員も御指摘のように、あれを自力救済的にやりましたのには、やはり暴力団を使っておるわけでございます。で今の白石工業の事件におきましても、何々組というような、暴力団であるかどうかは別として実力をもって阻止する力を持った者に依頼して多額の監理料を払って監理せざるを得ないという一種の自力救済的な行為に出ておるということで、こういう点が非常に法治国としてはうまくない。そういうことが不動産侵奪という行為に、直接ではありませんけれども、背景にあるいはちらほらするところに、私はまあ暴力立法的な感じさえも持っておるわけで、暴力という言葉を使いましたら、強盗罪はなぜ作らぬかという御質疑に変わってしまったのでございましたけれども、私も、最後にそういうものが出没して、結局そういうものの力によって秩序が維持されておるような格好になる、こういうことは非常に遺憾なことでございます。で、全くその点、亀田委員のおっしゃる通り、私も同感でございます。何とかこれを阻止しなきゃならぬというふうに考えるわけでございます。 委員長の御指摘の、差し押えの表示を無効にしたということ、これはもちろん犯罪になると思います。まあ断行の処分等を適宜やるべきでございます。まあ裁判所の仮処分のやり方等につきましては、長いのは三月もかかって出しておるという、全然これはもう仮処分の意味をなしていないような事例も少なくないように思います。まあこれはこの事案に関係しております役人全体が、事態をもっと真剣に反省しなきゃならぬことだと思います。まあそういう点で、立法的な措置ばかりで問題が解決するのじゃない。むしろその運用の面において解決を見るべきものが非常に多いというふうに思います。その点はひとりこの問題だけに限りませんが、その点は、私どもとしてできるだけ注意も喚起し、措置の誤った点は是正して参りたい所存でございます。
○亀田得治君 ちょっと、時間どうですか。
○委員長(大川光三君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大川光三君) 速記を始めて。
○亀田得治君 それじゃまあこの白石関係の問題については、検察庁でも一つ至急お調べ願って、できれば文書で御報告を願いたいと思います。 それから裁判所並びに警察関係を一つお呼び願って、この点では本法案と微妙なこれは運用上の関係を持ちますので、委員長しかるべく一つ審議をしてもらいたい。これはまあ一つ要望いたしておきます。
○委員長(大川光三君) ほかに御発言もなければ、本件に対する本日の質疑は、この程度にとどめたいと存じます。 なお、先ほど亀田委員から請求のありました資料については、当局よりしかるべく御提出をお願いいたします。
○政府委員(竹内壽平君) 承知いたしました。
○委員長(大川光三君) 以上をもって本日の審議は終了いたしました。 次回の委員会は四月二十八日午前十時開会いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後一時五十七分散会 —————・—————