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34回国会参議院1960/05/17

文教委員会 第15号

発言数
84
登壇者
7
会派数
3
開催日
1960/05/17

会議録

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。  本日の理事会におきまして協議いたしました結果、本日は、まず、教科書に関する諸問題について調査を進め、次いで、前回の委員会におきまして、すでに御報告、御承認をいただきました通り、去る三月三十一日以来持ち越しになっております公立学校事務職員の待遇に関する決議を取扱うこととし、その後、幼稚園問題に関する件につき懇談いたすことと決定いたしました。なお、次回は来週火曜日に開会いたすことにいたします。  以上、理事会決定の通り進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 御異議ないものと認め、さように進めて参ります。  それでは教科書問題に関する件を議題といたします。質疑の通告がございますので、この際、発言を許します。加瀬君。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 先般来の私の教科書関係の質問につきましては、まだ十分な解明が行なわれておりませんし、また、岡君から指摘されました審議会議事録の提出等にも多くの問題が残っておりますけれども、間もなく中学校の教科書の検定も行なわれるときでもありますし、さしあたっての検定におきまして、今までの疑惑の持たれております点だけでも、すっきりとさせていただくことが急務と思いますので、一応、本日は次の四点だけについて文部省の態度を明らかにしていただきたいと存ずるわけであります。その内容は、教科書検定の技術的な問題でありますが、私の質問、あるいは文部省のお答えの中にも、誤解に基づくものであると文部省自身はお答えになるし、私どもの質問からは、こういう機会に、私どもとしては疑わしい問題点が生じたと指摘されております点について、文部省の今後の御態度を明らかにしていただきたいと思うわけであります。  その一点は、文部省が検定に関するいろいろ通知をなさいます際に、検定結果と申しますか、その結果を伝達する基礎になっておりますのはメモだ、そのメモをわれわれが朗読する程度において責任者に伝達をしているんだ、こういう御説明がありましたので、それならば、責任者の要請がありまするならば、そのメモを交付をしていただきたい、これが一点であります。第二点は、メモの伝達に際して詳細に注意が行なわれ、あるいはまた質疑応答という形で問答が取りかわされるわけでありますが、それが言った言わないの後日の問題となるわけでございますので、この文部省の指示された内容、あるいはこちらの疑問点として出しました点、あるいはそれに対する回答といったものが明確に把捉される方法といたしまして、筆記用具の携帯、あるいはテープ・レコーダー等の使用、こういったような、完全にお互いの意思の疎通がはかられるような方法をとることを文部省において許可をしていただきたいという点。第三点は、検定の伝達は、責任者ということになりますと、会社側が出て必ずしもその文部省の意図が会社側に伝わり、それが編集者あるいは著者に伝おるときには、その間にいろいろの問題が生ずる経緯もございますので、今後の検定伝達については著者と編集担当者を招致して通告をしてもらいたい。第四は、編著者側が検定についての異議を申し入れた場合は、展示会の教科書目録の登載の締め切り期日に間に合うように、この申し立ての結末をつけていただきたい。  この四点を文部省において御確認をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) ただいまお尋ねの件のうちで、まあ、いろいろと誤解があった一番大きな原因は、発行者が参りましていろいろと調査官から指示を受ける、その際に、十分教科書の内容を御存じないために、誤り伝えられる部分が相当多いと思うのでございます。そこで、お尋ねの第三点の問題から入りますが、そういう誤解のないように、発行者がもちろん責任者でございますけれども、必ず責任ある編著者を帯同していただきたい。で、編著者の中には一部は名前だけの方もございますが、教科書の内容について実際にタッチした方で、内容のよくわかる人ならどなたでもけっこうでございますが、そういう責任ある編著者を帯同していただいて、誤解のないように伝達をいたしたいと思います。それから、その際に筆記をとることもけっこうでございます。あるいはメモをされることもけっこうでございます。ただ、テープ・レコーダーのお話もございますが、テープ・レコーダーについては、原則的には私どもも異議はございませんが、今の文部省の狭い部屋の中で、今日指示しております様は、大体、五、六社の方が一室に入って指示を受けておると、こういうよらな点で大へんやかましいような点がございますし、その電源がございませんので——最近、文部省では全部螢光灯にいたしましたので、電気がとれないというような事情もございますので、こういうような技術的な問題もできるだけ解決するようにいたしまして、発行者からそういうテープ・レコーダー使用のお申し出がありますれば、これは十分考慮いたしたいと考えています。それから、先ほど、その際に、会社側から要請があればメモを提出してほしいというお話でございますが、実は、メモと申しましても、相当詳しいものを出さなければ意味がないと思うのでございます。また簡単なものでございますと誤解を受けるもとにもなりますので、この点は相当詳細なものを作るとなりますと、一年間に二回の検定を行なっている現段階におきましては大へん困難ではなかろうか。一回に五百点ぐらいが申請されるわけでございまして、これを二回検定いたしますには、不合格の通知をいたしましてから三カ月間は置かなければならない、それから二回の検定が始まるわけでございますので、こういう技術的な点を考えますと、文書で詳細に理由を明記いたしますと、非常に手数がふえますので、将来の検討の問題とさしていただきたい。特に今後一回しか検定をしないというような事態が起きますれば、これは私どもも可能であると思いますが、今日のように、小中学校の教科書が全面的に変わるような状況でございますと、現在発行しておる会社にも不合格のために大へん迷惑をかけることもあり得るわけでございます。普通の場合ですと、現在使用しておる教科書がそのまま使えるのでございますけれども、今回のように小中学校の教科書が全面的に古い本は使用禁止になり、新しい本が採択されるというような状況下におきましては、私どもは一年に二回の検定はどうしても必要である、かように考えますので、この点につきましては現在のところ困難であると申し上げて、将来一回の検定制度とあわせまして検討さしていただきたいと思います。それから最後にお申し入れになりました異議の申し立てにつきましては、目録に登載する前に処理をするということは妥当でもあるし、またそうしなければ意味もないと思っておりますので、御趣旨に沿いたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 内藤さんの一番初めに御説明になりました責任ある編著者ということでございますが、これは監修の責任者あるいは編集の代表者として名前を出された方というようにしていただきたいと思います。と申しますのは、その後、私の調査によりますと、監修責任者や編集代表者が全然知らないうちに教科書の内容が書き改められておる、会社側の思惑と申しますか、考え方によって書き改められておる、こういう事実もございますので、これはあくまでもその教科書の監修責任者あるいは編集代表者として名前を出されたものをお呼びいただきたい。この点はどうでしょう。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 文部省としてはそれでもけっこうでございますけれども、実は監修責任者あるいは代表責任者という方の中には、十分内容を御存じのない方も相当多いのでございますので、実際に編集の内容のわかる人であれば私どもはけっこうでございますが、ただ、この点は発行者の方の意向も聞かなければわかりませんので、文部省側としては、御指摘のように監修者及び発行責任者でけっこうでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは、発行者といいますか、会社側からすれば、自分の商売上に適当に左右できるものを連れてくる方が都合がいいということも、勘ぐれば行なわれ得るわけであります。ですから、今、内藤さんの指摘するように、監修責任者が本の内容を知らない、編集責任者が本の内容を知らないということ自体おかしいのです。その方がほかの方を連れてきて、説明の補助をさせる、あるいは聞き取りの補助をさせるということはお認めいただいて、とにかく責任者として著書に名前を出しておるものをお呼びいただきたいという点を一つお認めいただきたい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) その点は御趣旨ごもっともでございますので、監修責任者はぜひ来ていただく。しかし内容のわかる人も来ていただかないと、これは誤解を招くもとになりますから、教科書の終始一貫、全体の内容のわかる人も来ていただきたいと思うのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それから次の点は、メモは詳細にわたって非常に膨大なものですから、これを文書にして、現在のようにたくさんの種類、たくさんの数が検定に回されておるときに、文部省として、一回の検定ならとにかく、二回ということは、これはそういう方法は将来研究するとしても、現在はちょっと行ない得ない、こういうことでございますが、それならば編著者あるいは会社側からそのメモの詳細について写し取りたいという申し出がありましたら、これはその会社に対しまして公開いたしますか、筆記を御許可なさいますか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) こちらから申し上げたことは全部筆記されてけっこうでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 申し上げたのではなくて、そのメモをお見せ下さって、それを全部写し取ることは差しつかえない、こういう点はお許しいただけますね。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) メモと申しましても、実は教科書の中にそれぞれ調査をいたしました者がこまかく指定して、そして審議会で通ったものを申し上げるので、メモの内容を詳細に説明いたしませんと、また私誤解のもとになろうかと思うのであります。こういう点で、要するに相手側に文部省の意図が正確に伝わればいいわけですから、その正確に伝わるという点において、先ほど申しましたように内容のわかる編著者に来ていただき、しかも筆記をされ、メモをとられるわけですから、誤解は私どもはないと思いますので、この点につきましては、お言葉を返すようですが、文部省側の手間も非常にふえますので、将来の問題として検討いたしますけれども、今のような一年に二回の検定をやっている現状では調査官の数に制限がございますので、この点は技術的な問題として不可能に近いのではなかろうかと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の言うのは、メモを最初に申し上げましたように文部省で全部写し取って、それを交付してくれということから一歩後退しているわけです。そうではなくて、ある一定の場所でメモをお見せしていただきたいと言ったときには、そのメモをその申し出のあった会社に提供してもらって、そしてそこで全部メモを写し取ることをお認めいただきたい。と申しますのは、いわゆるメモ形式になっている完全なものと、教科書の中に具体的にメモされたものと二種類を調査官はお持ちになっている。全部、いわゆるメモ様式でメモされたものを一点々々指摘してお話を下さる調査官もあれば、そうでなくて、そのメモはメモとして具体的な教科書に示された点をいろいろとお話の材料になさる調査官もある。少なくとも審議会の議決を経るわけですからメモはあるわけです。教科書に書いた、原稿に書いたメモではなくて、メモがあるわけです。ですから、そんなものを見たってわからぬから、ずばり原稿そのものに対して修正した点を写させてくれればそれでいいという方はそれでいい。しかし、審議会の決定されたメモというものを参考のために十分に私どもは写していきたいという申し出があったならば、これは持ち出すわけでもございませんし、文部省に筆記してこちらに渡してくれというわけでもなくて、行って筆記するわけですから、これをお認めいただいてもいいのじゃないですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) そのメモというのはあくまでもメモでございまして、内容の全部にわたっているわけではございませんし、おそらく調査官が一つの会社に指示する場合に、A意見だけでも百カ所、二百カ所以上にも及んでいるわけです。それを正確に伝える場合に、今申しましたように編著者がおいでになって、そして内容について不思議な点はお互いに問いただす。大体一社朝から晩までかかっているような状況でございますし、内容もそう簡単なものではございません。従って、メモによっては不必要な誤解を招くこともあり得るわけであります。非常に精密に詳細に書いたものなら、これは私どもとしてはけっこうでございますけれども、現段階ではそこまでいくことは技術的に困難であろうかと思いますので、筆記していただくなり、必要があれば、お話のようにテープ・レコーダーを持ち込むことについては私どもも考慮してもいい、こういうふうに考えております。メモをめいめいが筆記されるということになりますと、メモの書き方によっては、また問題になってくると思います。詳細に書く人もあるし、ただ事項だけ書く場合、事項だけ書きますと、それがどういう意味なのかわからない。たとえば消防車の赤旗の問題について、消防車の赤旗ということだけ書いた場合に、どういうふうにとられるかわからないと思います。ですからメモについては、これは一つ信用していただいて、筆記するなり、あるいはテープ・レコーダーなり、別の方法で文部省の意図を正確におくみ取りいただきたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これはこんなにこだわって言う考えはなかったのですが、御説明が前後の関係でちょっと矛盾いたしておりますので、くどいようですが、伺うのです。この前の説明では、調査官の個人の意見というものでなく、審議会の結論の出たものをメモをして、そのメモを読み上げる程度がわれわれの指示であり助言で、それ以外のものでない、こういう話であった。それを内藤さんはお認めになっている。またそうでなければおかしいと思う。審議会で議決されたものが、調査官の個人のノートがわりの形で原稿に書きしるされたのだけが唯一の審議会の決定の証拠物件だというのでは、これはおかしい。どうしたってメモというものが、詳しかろうと、簡略であろうと、一応、話の基礎のメモというものがなければ筋が通らない。だから、そんなものは大筋のものでわからぬから、自分はテープ・レコーダーを持っていって文部省との一問一答をみな聞くという人にはそれでいい。しかし、審議会の決定のメモというものはどういうものであるか、写しとりたいという申し出があったら、文部省はこの求めに応じていただかなければ困ると思う。そうでないと、審議会というものは何をやっているかという、さらにまた疑惑を深めることになる。ですから、もしも今までそういう簡略で疑いを持たれるようなメモであるなら、そうでないメモにして、それを見せるのが、政務次官、その方が筋ではないですか、そんなに隠しているから勘ぐられるのです。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) ちょっと速記をとめて懇談にして下さい。

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止]

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 速記をつけて。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) 加瀬委員がおっしゃっておられます御趣旨は私ども全面的に賛成でございます。つまり、審議会できまりましたことができるだけ間違いなく、私意をまじえずに相手方に伝わるような万全のいろいろ方法を講ずるということは賛成でございまして、先ほど具体的には初中局長から幾つかの方法についてお答えを申し上げました。そこで審議会から取って参りましたメモをもとにしてお話をするわけでございますが、メモの取り方には、ただいまのところと申すよりは、そもそもメモというものそのものが、やはり取り方の詳しい、詳しくないについては個人差があるものと考えます。で、理想的には省略されていない、いわばフルのメモを取っておりさえすれば、これをお写し願っても差しつかえないわけでございますが、ただいまの事務の実態から申しますと、少数の人間が非常に大きな事務量を抱えておりますから、文章としても首尾一貫した完全なメモを全部に取らせるということは、事実上現在の段階ではむずかしいのではないか。しかしながら、将来事務の方法——事務に携わります者の人数その他改善ができました暁には、誤解を生じないような伝達の仕方をするというのが加瀬委員の御指摘の御趣旨であり、私ども全面的にそういたしたいと考えておるのでありますから、将来の問題としては研究をいたしてみたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 今の政務次官のお答え、現状においてそれ以上のものは出ないと言うならば、まあやむを得ないと思いますが、これはわれわれがここで問題にするだけでなくて、それぞれの教科書の著者でありますとか、関係の学者でありますとか、意見もあるようでありますから、広く文部省におかれましてはそれらの関係者の意見も聞き合わせて検定の万全を期するといいますか、そういう方法を講じていただきたい。一応私の質問を終わります。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) そういうようにいたしたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 速記をして。   —————————————

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) それでは、ただいまの教科書問題につきましては一時質疑を中止しまして、公立学校事務職員の待遇に関する調査を議題といたします。  本問題に関しまして吉江君より発言を求められておりますので、この際これを許します。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 私はこの際、自民党を代表いたしまして決議案を提案いたしたいと思います。  決議案の大体内容は、公立学校の事務職員に関する決議案でございます。先に案の内容を朗読いたします。    公立学校の事務職員に関する決議案  公立学校の事務職員がその職責を十分に遂行し得るようにするため、その待遇について検討し、不合理なものがあればその改善の方途を講究すべきである。  右決議する   昭和三十五年五月十七日  この趣旨を簡単に説明いたしますと、三月の三十一日の本委員会におきまして、定時制並びに通信制教育に従事いたしまする教員の待遇につきましての法案が可決に相なったのでありまするが、定時制並びに通信制の教育に従事いたしまする教員の待遇につきまして改善が行なわれたのでありまして、また過去におきましても、教育に従事いたしておりまする教員の待遇につきましては、数次にわたりまして待遇が改善されて参っておるのでありまするが、公立学校の事務職員につきましては、この事務職員がその職責を十分に遂行いたしまするために必要な待遇その他につきましての検討につきましては、いささか今日まで不十分な点があるのではないかと考えられまするので、この際、定時制並びに通信制の教育に従事いたしまする事務職員のみならず、広く公立学校の事務職員全般に通じまして、ただいま申しましたように、その職責を十分に遂行できまするように、その待遇等について検討を加えまして、そして不合理なものがありましたならば、その改善の方途を考究すべきである、こういう趣旨で提案をいたしたものであります。  何とぞ全委員の御賛成をお願い申し上げまして、趣旨説明を終わります。

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) ただいま吉江君より各派共同提案にかかる公立学校の事務職員に関する決議案の趣旨説明がございましたが、本決議案に対して加瀬君より意見の開陳を求められております。発言を許します。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ただいま吉江委員より御説明のございましたように、公立学校の事務職員につきましては、給与、待遇その他の点につきまして不十分な点があるのではないか、こういう疑念も持たれますので、その点も十分検討されまして、改善の方途を考究するということでございますので、私どもは全面的に賛成をいたしたいと思います。先般問題になりましたのは、せっかく吉江理事のお骨折りにもかかわらず今日まで延ばしてしまいまして恐縮に存じておるわけでございますが、その一点は、「不合理なものがあれば」という文言を変えてもらいたいという意見からでございました。しかし、今の趣旨の御説明からいたしましても、「不合理なものがあれば」ということは、不合理な点についてはと同じように解釈をしてもよろしいのではないかというように私ども伺ったのでございます。特に先般の折、文部省当局と質疑者の間に取りかわされた点は、事務職員の給与、待遇等については不合理な点がある。たとえば事務職員の格づけ、あるいは将来の栄進の見通し、こういう点については、たとえば県庁の職員、教育委員会の職員、高等学校、中学校、小学校の事務職員の人事交流はほとんど行なわれておらない。あるいは格づけにつきましても、これは文部省ではいろいろ配慮をしているようでございますが、相当現状においては困難だ。こういう問題も指摘されました。また今、吉江委員の御説明の中にございましたように、通信制、夜間定時制等の教職員に対しましては法律が制定されたわけでございますが、同じような条件の勤務に服しております事務職員につきましては、その不合理はいまだ是正されておりません。次の点といたしましては、教職員自身と事務職員の待遇を比べてみますと非常に格差がございます。平均ベースそのものに相当な隔たりがございます。こういう点も解明をしていただかなければならぬのじゃないか。こういったような点が、決議案から、当局におきましても十分善処されるものだという大きい期待をもちまして、私は全面的に賛成をいたします。

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 他に御発言はございませんか。——御発言がなければ、ただいま吉江君より提案されました各派共同決議案を本委員会の決議といたすことに賛成の方の挙手を求めます。    〔賛成者挙手〕

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 全会一致でございます。よって本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに、決定いたしました。  なお、本決議に関し政府当局より発言を求められております。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) ただいま御決議いただいた決議の御趣意に対しては、これを十分尊重いたしまして、十分に研究、考究いたしたいと考えます。   —————————————

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) 次に、先ほど中断しておりました教科書に関する件を議題といたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 先ほどの加瀬君の質問に関連いたしまして二、三点最初にお伺いいたしたいと思います。  メモの問題ですが、これは先ほどの次官の答弁では、原則としては当然徹底したものを出すべきだ、しかし、そういうような事務体制になっていないから、そこで当分はこのような個人差の多いものを認めざるを得ないのだというような答弁だったと思います。しかし今後は研究したい、こういうことなんです。これは当然、研究したいなどという段階ではまずいのじゃないか。というのは、今度の問題の起こりはやはりここにあると思うのです。いろいろ問題がありましょうが、このやり方は個人差がある——先ほど支部当局も個人差があるということを認めておられるのでありますが、しかし、検定の行政そのものはこれは一つの機関がやっている、国家機関がやっている、しかもこれは統一された意思が表明されなければならないのに、ある人は非常に簡単だ、ある人は審議会できめられたものをほとんどそのままで簡単にやっている、ある人は非常に複雑だ。そこで、どうしても個人的な考え方というものが忍び込む余地がある。それが今日問題になっている。従って、事務体制ができていないからそれでできないのだ。しかし、原則はやはり当然これは統一されたものを出したいのだということをいわれているところに、現在の問題があると思うのでありますから、少なくとも、この次の検定の段階においてははっきりその態度を確立しておく、こういうことがここで言明されなければ、ただいまの御答弁というものは非常に意味のないものだ、こういうことになる。従って、人員を強化するなり、メモの内容について統一的な事前にもう一回検討会を開くなりして調べる、そういうような措置をとられなければ、ただいまのお話はその場逃れになるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけでありますから、私はできるだけ詳細なメモを、そうして疑点を残さないようなものを作るために努力をする、そうしてそれを文書で渡す、渡すということがなぜ必要かというと、少なくとも政府機関がそのような重大な教科書の検定、教科書についていろいろな指示をする、それに対する責任を持たなければならない。ところがその責任というものは、今言ったように、あとに残らないような形でやられるということでは、ほんとうに責任を負うということはできない。やはり明確な責任を残すという立場から、文書でその形を明らかにしておくということが大切だと思うのです。第一に個人差がなくなり、そうしてこれは統一された見解として表明されるという原則を尊重する。第二は、あくまでその言動に対しては責任を持つ。この二点から考えて当然今の事務体制を改めて、少なくともこの次の段階においては、この要請にこたえるというようなはっきりした態度を私は表明されることが、今の問題に対する具体的な答弁になると思います。この点はいかがですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 文部省の意図が誤解されないような方法を考えなければならぬという点は全く同感でございます。ですから、従来、発行者が来ておった場合に、とかく内容が十分に御理解ないという方のために、誤伝され、誤解されるおそれがありますから、先ほど来申しましたように、編著者に御一緒に来ていただいて、そこで内容について十分御説明を申し上げ、また御意見があればそれを伺う、また御質問があればそれにもお答えすると、こういうふうにして、相互に十分に理解し合うということが必要であろうと思います。この場合に、先ほど加瀬委員にも申し上げましたように、メモをとられてけっこうだし、必要があればテープ・レコーダーのお持ち込みも十分研究したい、こう申し上げているのです。ただ、今お話しのように、完成したメモを文書にして渡せと、こういうことでございますが、これは現在の段階で、一年間に二回の検定をやる場合には事務的に大へん困難であると、こう申し上げたのでございまして、一年間に一回の検定ならこれは可能でございます。メモを作るのに、詳細なメモを文書にしてお渡しするには大体三カ月間くらいの余裕をみなければならぬ。ところが今日の段階では、一次検定が不合格になって、二次検定に出す間に三カ月間の猶予をおいているわけです。そこで五百点のものを文書にして詳細にまとめますと三カ月かかるのです。そうすると半年たちますので、どうしても一回しか検定の機会がない。一回しか検定の機会がないということになりますと、業者に対して大へん不測の事態が起きやせぬかということを懸念しているわけであります。将来まあこの教科書の指導要領の改訂が一段落いたしますれば、今後、改訂の段階になりますれば、かりに不合格になっても、現在の教科書が使えるという事態でございますので、この場合には私どもは一回でも差しつかえないのではなかろうか、この場合に文書にすることは十分考えてみたいと、こう思っておるのでございますが、現在の段階において文書にいたしますと、どうしても一年間に二回の検定ができない、こういうまあ技術的に困難な問題があることを申し上げたい。それから個人差があるというのは、これは内容について個人差があるわけじゃない。審議会で決定されたこと、そこで十分論議されたことの内容については個人差はございません。ただ、メモのとり方が簡単なものか、あるいは相当詳細にとるかという問題点はあろうかと思います。加瀬委員から、簡単なメモでもいいじゃないかというお話が出たけれども、簡単なメモですと誤解を招くおそれがあるから、できるだけ詳細な文書にしてお渡しすることが親切であるし、また当然であろうと思う。何か岩間委員がおっしゃった中に個人差があるというのは、各人の審議会のメモのとり方の、内容はきまっておるのですけれども、表現の仕方で、多少簡略にメモをとって説明する人もある、それから詳しくとって説明する人もある。その内容自体には文部省は責任を持つし、統一見解を申し上げているのです。この点は一点の疑義もないわけであります。ですから、できますれば文書にしたものをやりたいというのが私どもの考えでございますが、先ほど来申し上げましたような理由で、今日の段階では困難ではなかろうかと、こう申し上げたのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私のお聞きしているのは、少なくともこの次の段階でそれを解決するために努力されるべきたと、こういう点について質問しているのですが、だいぶまあいろいろそれにつけ加えて御説明があったので、その点がはぐらかされては困ると思う。それで内容的には一致しているのだが、それをどう表現するかという、メモのとり方に違いがあると、こう言っているのですが、そこが問題ですよ。具体的な問題なんですよ。内容というのはそんなにきまって、そうしてそれの内容をどう表現するかという、その表現を含んでいるのだから、だからある人が非常に詳しい説明をして、やはりどうしてもそういう説明をやっている間に主観が入る。そこのところに一つの統一された私は意図というものが明確にされなければ困るというのです。ある人は非常に簡単だ、ある人は非常に詳細だ、その詳細なやり方の中に内容そのものがやはりだんだん変わる、変わるというのは、これは具体的な問題です。実際やってみればわかる、例をあげなくても。一つの問題を説明するとき、ある非常に基本的な、ほんとうに本質的な筋だけを説明する。それを詳細にこうやっている間にどうしてもこれは主観が入る。それが内容になるのです。だから、内容と、それから何か分けるようなやり方と言っておられますが、内容に関係があるから私は言っておるのです。あなたの御説明だと、これについて努力をされるということは言っておられますけれども、しかし事務的な困難が現状ではある、こう言われる。だから私はそれを解決するために努力をしなければならないと言うんです。そのためには、メモの大体の形式というようなものを一応これは統一されていいんじゃないか。ある人は非常に詳しい、ある人は非常に簡単だということで不統一になる、ばらばらになるということは免れない、これを統一してもらいたい。それから、それを今度は書類にして渡すという努力は、これは私は当然さるべきだ。やはり問題になるべきは、なぜそういうことをされないか、ただいまの御説明で、この問題を何らかあとの方に引っ張っていって、先で解決されるということの中には、やはり最後の場合に責任をとりたくないという意図を含んでいるかいないかはわからないが、どうも含んでいると言われても仕方がないような感じがする。だから今の段階では、こんなに今問題になった段階ですから、当然この次には事務体制を確立して努力する、こうやはりはっきり答弁されなければならな。そうならなければ私は保証がないと言わざるを得ない。先でこの問題について研究するのだ、検討するのだ、そうして御期待に沿いたいなどという、いわゆる議会答弁だけではこの問題は解決しない。従って、少なくともこの次の段階では、それまでに努力をして、そういう問題を解決する方向にはっきり道を開くと、こういうことに了解していいですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 現在の一年間に二回の検定をやるという体制のもとでは私は困難ではなかろうかと思う。しかし、指導要領の改訂が一段落いたしますと、一回の検定で済むものではなかろうか、その際には十分御趣旨に沿うように検討をいたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この問題は、まだやはり私は不十分だと思いますが、まあ事務体制などというのは、必要があればこれは文部大臣に努力を願って、われわれも援助するのにやぶさかでないですから、定員を事務的に増すなり何なりして、そして、それはたとえば速記者も入れるということでメモなんかは相当簡単にできますよ。もっとオートメーション化しなさい。これはしてない。そして、それに何か伏魔殿を残すというようなやり方が、行政が文部省にあるかどうかわからぬけれども、あるとしたら、これはことに問題の焦点になっておるし、これは今一つのスポットライトを当てられているでしょう、教科書で。ああいうところでやはり努力をするのは文部行政の民主化のために重要だと思う。これは文部大臣いかがですか、これは行政の分野になりますから。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 教科書の検定の過程において、著作者なり、あるいは調査官なりの間において、いろいろ意見あるいはいろいろのやりとりがある、それらの事柄についてこれを明確にしていく努力をしていきたいと、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 先ほどの加瀬委員の質問に関連して、調査官が第一次検定のときに注意をいたしますね。その注意をしっぱなしということになるんじゃないか。その後、今度持ち帰って、教科書会社の内部でいろいろ討論し、検討する、そして、それを調査官にいろいろ話し合いをして、お互いにこの問題について善処するという努力をするような、こういう機構になっておればいいのだが、これもやはり事務態勢で困難ということになりますか、これはどうですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 御質問の趣旨がちょっと理解しかねるのでございますが、もう一度おっしゃっていただきたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今だったら、注意を与えて、そうしてここのところが悪い、こういうことで注意の与えっばなしになるんじゃないですか。そうして第二次検定に行くまでに、向こうで、向こうだけの考えで変えてくる、こういうことになるんじゃないですか。そういう問題についていろいろ聞くこともあるだろうし、それから話し合いをすれば、私は相当解決される問題があると思うんです。こういう点で、現状ではそういうことをやっておるんですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) ですから、一日、朝から晩まで一つの会社の指示にかかるのは、十分著者の方も意見を述べられるわけです。それで、なるほどといって大部分の人はお帰りになっておるし、若干、発行会社の方が来て、編著者がお見えにならない。こういうふうな場合には、さらに持ち帰って、また相談されるというようなことになりますから、私どもとしては、従来から責任ある編著者に来ていただいて、それで調査官と十分話し合いをしていただく、こういうふうにいたしているわけでございます。今までのところ、大体は満足にいっているわけなんです。今申しましたように、編著者の来ていらっしゃらないところに誤解があった、こういうふうに思うのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それは、会社側の出席者については今度編著者、責任者、そういう人も入れる、こういうことが先ほどの質問で確認されたようですから、この点は一つの前進になると思う。しかし問題は、文部省に呼ばれて、そこで話し合ってまだ問題をお互いに理解できなかったりして、そのままいくものもあるだろうし、いかぬものもあるだろう。そういう点について、今度持ち帰って、編集者とか、著者が寄って社内で討論されるでしょう。そういう過程でやはりいろいろ調査官と話し合う、そういうことじゃ今はないでしょう。とにかく注意しっぱなしになるんでしょう。あと第二次検定までほったらかしになっている。しかし、そういうときにはいろいろ話し合いに応ずる、そういうようなことは今とれないのかどうか。これも事務的に非常に繁雑だから、そういうことまで一々やっておったら困る。そういうことでバンと切られればそれまでの話なんですが、どうなんですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) できるだけ親切に話し合いに応ずるようにいたしておるのであります。御疑問の点がありますれば、解明するように努力しているわけでありまして、決して注意しっぱなしというような不親切な態度はとっていないのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全部そういっておりますか。これは内藤局長はそういう報告は受けているかもしらぬけれども、われわれは別な事情も聞いておる。だから、そういう点もいろいろ民主的な運営の仕方があるだろうと思います。これについてはやはり注意してほしい。大体、加瀬委員の質問事項についての関連した質問はそれだけであります。  それで、さらに次にお伺いしたいのは、これはまあ小学校教科書問題が問題になっておる。しかし、これは中等教科書については、すでに検定が始まって締め切りをやっておるでしょう、三月の終わりですかに。そうすると、これが調査が始まっておりますね。これはどういうことになりますか。小学校ではいろいろ問題を起こしたのですが、中学校の場合に、新たに同じような問題が起こるということは私は非常にまずいと思う。従って、この中学校の教科書検定に対しては、どういう方針を確立し、そうして今までにいろいろな世論がありましたそういうものを汲み入れて、いろいろなそういうような問題を起こさぬように努力されていると思うんですが、これについての当面する方針ですね、そういうものを承っておきたい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) これは先ほど加瀬委員にお答え申し上げましたように、まず誤解のないように、編著者なり責任者なり、内容のわかる方にぜひ来ていただいて、文部省の意図を十分に理解していただく。そのために会社側でメモをお取りになるなら、これは御自由ですし、また必要があれば、技術的に許すならばテープ・レコーダーの持ち込みも私ども十分考えていい、こういうふうに思っておるのでございます。要するに、双方で誤解あるいは曲解に基づいて仕事が進められることは大へん遺憾に思いますので、双方の理解を深めて、そうしてよりよい教科書の検定をいたすように努力いたしたいと考えておるのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とにかくこれは民主的に公開する。現在の秘密主義というものは非常に大きな問題になったのですから、そういうやはり十分の努力をするようにしなくちゃならぬと思うんですが、その点は新たにこの調査官の会議なんかを持たれて討論され、さらにまたそれについて趣旨の徹底をはかっておられますか、どうですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 十分私が注意をいたしまして、少なくともそういう世間に誤解がありますれば、進んでこの誤解を解くように努力するつもりでおりますし、調査官の諸君にも私の意図は伝える考えでおりますし、すでに今日までもこの問題についていろいろと相談もいたしておりますから、誤解のないように努力をさらに続けたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この中学校教科書検定の基準、それから検定調査の内容ですね、これは小学校の場合と違うんですか、同じですか。違うとすれば、どういうところが違うんですか、その点をお聞きしたい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) これは中学校の学習指導要領がございますので、小学校の学習指導要領とは質的にも、また内容的にも異なっておるわけでございます。中学校の教科書の検定にあたりましては、中学校の学習指導要領を基礎にいたしまして、小学校の際にいろいろ申し上げましたように、内容の程度とか、あるいは組織、配列、分量、教材の選択、そういう検定基準に十項目ほどございますが、この十項目を十分考慮いたしまして、適切な検定を進めて参りたいと考えておるのでございます。ですから主として違う点は、中学校と小学校の学習指導要領の異なっておる点でございます。その他につきましては小学校と同じでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 両、三回にわたる当委員会の質疑応答を通じて、小学校教科書の場合です。ことに社会科の歴史の問題については、発展段階に応じてと、こういういわば教育技術の問題が一つの理由になって、教育内容の問題にまで及んでいるんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。ところが、中学校の場合は、やはり程度はあるでしょう、これはやはりまだ少年ですから。しかし、この点は小学校とはだいぶ違ってこなくちゃならないと思うんですが、こういう点についてはどういうふうに考えておるのか。この内容を、そういうような技術面によってゆがめるというような事態が起これば、これはまたゆゆしい問題である。小学校の場合でも、これは原則的に言えば、私は子供だといってばかにしてはならないと思う。発展段階においては、子供はこれはわからぬだろうというので、どうもいろいろ削られたり何かしたようですが、これが問題になっているわけです。しかし、どうも今おとなの考えているほど小学校の子供がばかじゃない。子供の方が早くピンとわかるかもしれない。それをおとながよこしまな考えをもって、おとなの主観でもって子供に押しつけるということが起こってきた。そういうことが問題になっている。中学校の場合は、もっと私は一つの思想内容なり、教育の内容なりの自由という点について、私は自由化さるべきである、こういうふうに考えるんですが、この点どうですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 小学校の場合は、社会科で申しますと、地理的なもの、歴史的なもの、公民的なものが一つになってあんばいされておるわけですが、中学校の社会科になりますと、地理と歴史と公民、こういうふうに三つの分野がはっきりされておりまして、教科書も、地理と歴史と公民、こういうふうになっておりますので、内容につきましても、さらに豊富なものになると思います。ただお話のように、中学校の生徒の発展段階というものも、これも考慮されなければならぬと思うのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いろいろこれらの問題につきまして、私は実はまとまった質問をしたいと思って、たくさんの問題、材料を持っているのです。しかし、きょうは加瀬委員の質問に関連した問題ということになっていますから、時間も少ないから、私はあと一、二点でやめる予定ですけれども、いずれ、もっともっとこれはわれわれはこの問題を明らかにしなければならぬ問題があると思います。  一つその次にお聞きしておきたいのは、この前、九つの史学会の代表が文部省に参りましたね、あのとき内藤さん会われたと思うのです。そのとき文部大臣は、教育内容まで立ち入ることができると、こういうことが教育基本法並びに学校教育法ですか、こういうことによって可能だと、こういうふうに答弁されたと聞いているのですが、これは新聞の報道によるのですが、これは事実ですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 教育基本法の中に、教育行政というものは教育諸条件の整備だと、この諸条件の整備は単に建物とか、予算というだけでなくて、内容の基準も当然含まれる、従って学校教育法には教育のどういう教科を設けるか、また教科の内容については監督庁である文部大臣の権限にゆだねられておる、こういうことを申し上げたわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは内容といっても概要を明確にしなければ論議にならぬと思うのですが、私は少なくとも史学会の人たちが行ってあのような申し入れをしたとき、やはり問題になるのは学務内容、そしてそれをどういうふうに教育行政化するか。だから従ってその内容になるのだと思うのです。あなたのお話では、一体どういう教科を設けるか、建物だけの問題、これは話、次元が違うのですよ、次元が。どうもそこが混同されておる。私は文部省設置法の精神から考えて、これは重大なやはり発言だと思うのです。内容まで入れるということ、端的に、非常に簡単に、これをいわば戦前に言われたような形で理解されたとしたら重大な問題を私ははらんでいると思う。これは問題になっている。実際問題として、あなたに会われた代表たちがこの問題を問題にされている。これは教育内容に対する政府の行政指導がどこまでタッチできるか、この限界点については、しばしばこれはもう戦後の教育の中における一つの論争になっているわけです。そして、しかも戦前の反省からしまして、内容にはこれはもうタッチすべきではない、そして教育行政面、内容というのは今言ったような予算を取るとか、先生をふやすとか、それからほんとうにいい教科書を作ることも、このごろでは含まれているようでありますけれども、そういうような教育行政面の内容のことであって、教育そのものの内容を私はささないのじゃないか、さすということになれば非常にいろいろの面で、第一に教育の中立ということを最も根幹としてうたっているところの教育基本法の精神にまっこうから私はこれは対立してくると思う。あなたは教育基本法をあげているけれども、しかし教育基本法の精神は、中立ということがこれは非常に大きな一つの中心の柱になっています。そういうことになっていくと教育内容まで入る、そして一政党によって作られたところの行政指導官、文部大臣がそういう権限を持つどいうことになったら、これは根本的に大きな論争を巻き起こすことになると思う。もう一つは、やっぱり文部省設置法のこの精神に対して、これは非常に今までと解釈を異にする意見が出てきたと思う。この点明確にしておきたいのです。文部大臣にも伺っておきたいのでありますが、この点もっと明確にされる必要ありませんか。今混乱していますよ。これに対する反対意見が出ているようです。御意見はどうなんですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 内容と申しますのは、学習指導要領は文部大臣がきめる権限があるわけです。その学習指導要領は各教科の目標、内容、その取扱いを規定している、この限度において文部省がタッチしている。そこで学習指導要領に合っているかどうかということを見て教科書の検定を行なっている。この前、歴史学会の方々がお見えになったときに、歴史事象についての誤りはけっこうだけれども、歴史事象の解釈にまで文部省が立ち入ることはこれはいかぬというお話がございましたから、それは私どもはできるだけ尊重はいたしますけれども、指導要領に合っているかどうか、この点は文部省が十分検討しなければならぬ、また教科書検定の上から当然しなければならぬ立場でございますから、この点を申し上げたのでありまして、一々教育のこまかい内容を文部省が教えるわけじゃなしに、その基準をきめる権限を、設けているその基準をどう適用するかということが文部省の役目である、こういうことを申し上げているのであります。教育の中立性は私どもはあくまでも守って参りたい、かように考えているわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文部大臣いかがですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 内藤局長が言ったことと大体同じように私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 形式的には、ただいまの答弁はそういうことになりますけれども、その内容、指導要領の内容そのものは一体何を基準にして、そしてどの範囲までこれができるかという、こういう問題になってくるというと、この内容という言葉は非常に問題を残すのですよ。しかし、これは時間の関係もあって、この問題はいろいろな根拠を明確にして、いずれこれは私質問しますよ。  最後にもう一つお聞きしたい。これは文部大臣にお聞きしたい。この前の予算委員会で問題になった、無所属の辻政信君が択捉、国後を日本の地図に入れろ、こういうことを言っておる。そしてだいぶこれは問題になった。文部省では日本の地図の編さんに対して、大きな問題ですから当然この問題は検討されたと思うのですが、どういうふうになっておりますか、御存じですか、この論点は。これは二回も三回もやられた問題ですから、これは文部大臣にお聞きしたい、どうなっておるか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 日本の国民は、一応やっぱり国後、択捉は日本の領土であるという観念を持っておるという考えのもとに検討はしておりますけれども、従って、今日はそういう国後、択捉は日本の領土であるという観念をもって、それは教科書の地図にも入っておると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文部大臣はサンフランシスコ平和条約を御存じだと思う。サンフランシスコ平和条約にそんなことは——文部大臣を前にして釈迦に説法はやりたくないのですが、はっきり放棄しておるわけですね。御存じのように、「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」、その中に千島列島ははっきり含まれておるわけです。こういう点がいろいろ予算委員会で問題になった。私は、このとき時間の関係で、関連質問を要求したのだが、なかなか委員長許さなかったので、予算委員会でやることができなかった。しかし、これは重大問題だ、教育問題として。一ぺん日本が放棄したことを声明したこの領土を、日本の地図に再び入れるというようなことをもし文部当局がとるとするなら、私は基本的なその態度がくずれるだろうと思う。辻委員のああいう質問というものは彼自身の信念ではあるでしょうけれども、日本の方針だなどと言われるに至っては、明らかにこれは平和条約に違反する。少なくとも未確定の問題だ。しかも国際的に明らかにされた問題だ。日本は放棄した。これを日本の地図に入れるなどということは、これは許されるかどうか。かつて八年前に中外に声明した。国際的にもはっきりさした。アメリカも賛成しておる。最も主要な調印国として参加しておる。そういう中できめられたそういう問題を、今になって、八年後の今日、どうも日本は台頭してきた軍国主義復活の動きが強い。安全保障条約がこういう形で日本にまたおっかぶされようとしておる。こういう空気の中で、もしも態度を変えるというような教育をされるとするなら、これは教育の根本的な問題になる。従って、中立を守るという、少なくとも教育基本法の精神に反する。こういう点を明確にしなければならぬ。これは地図を変えられますか。国後、択捉を入れる、こういうことをされますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) あなたが今お読みになったように、択捉、国後を放棄するとは書いてない。択捉、国後は日本の領土であるという観念は依然として日本国民は持っておるわけであります。従って、ソ連との話し合いの際にも、それを日本として主張して参っておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 南千島と書いてありますよ。北千島というふうには言っていない、千島といったら千島全体です。そんな解釈は国際的に通用するものですか。そういうことを一国の政府の、ことに文教の府にある責任者が言われるに至っては、私は驚ろいているのです、実際問題として。千島というのはどこです。千島列島というのを言って下さい。南千島が千島列島に入らないなどということは、事後に、この問題をごまかすために使っている解釈にすぎない。従って、今までの教科書の中に、こういうものは省いているのは当然だと思う。今後において努力する、そうしてソビエトとの間に話し合いができて、平和条約が結ばれて、そうしてこの問題が、アジアにおける集団的な平和で安全な態勢ができる、そういう態勢の中で、もう戦争の危機はない、そういう形の中でこの問題を解決されて、それから日本の、これはかつて領土であったという点もあるから、はっきりそういうような日ソ間並びに国際的な処置をして、その上に地図を書きかえるというなら私は話はわかると思う。ところが、現状で紛争のもとになるような形で勝手に地図を書きかえるとすれば私は重大な問題だと思う。それで、少なくとも文部省はどういう腹をきめておられるか。来年の日本地図の、これは政策がもう今から用意されておるでしょう。すでにこれに対して文部省は動き出されなくむゃならないと思いますが、どういう態度をとっておりますか、お伺いいたします。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 鳩山総理とフルシチョフ、ブルガーニン氏と会ったときの話し合いにも、日本は放棄するということを言っておりません。従って、その観念については何ら変わっておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはきわめて奇怪なことです。これはちゃんと、平和条約ができたあとにおいては歯舞、色丹はこれは日本に返す、こういうことは言われたのです。しかし、択捉、国後について、そういうことを鳩山首相がきめた、それについては話し合いなり話はあったでしょう。しかし、話し合いということと、こういうものがちゃんと法的な、世界的にもう明らかにされた平和条約の上に千島を放棄する、権利、権原、こういうものを放棄した、こう言っていながら、地図に、それが何ら解決されないそういう中でその問題をやる、しかも、何かそれを一つの反共の宣伝に使うというような事態が起こったら、私はこれは日本の平和のために非常に望ましくない状態ができて、少なくとも国際信義に反しますよ。そう考えませんか、どうですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) あなたの御意見と全く違います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 違うといっても、日本の平和憲法のもとにできたあなたは政府の責任者ですよ。とんでもないことを言ってはいけませんよ。そういうようなことをおっしゃったら、自民党の諸君がそういう主張として言われるのはいいでしょう。しかし、あなたは政府の今代表者ですよ。閣僚の一人ですよ。国務大臣ですよ。国務大臣が、しかも、文部省を代表して文教の府にあって、最も道義を通さなくちゃならない、あなたの言葉で言えば、あくまでこれは筋を通さなくちゃいけないと、ああいうような、道義を通すということを言ったでしょう。そういう人がこういうことを言うことは私は納得できない。これはやはり反省してほしいと思う。  そこでちょっとお聞きしたいのですが、教科用図書検定規則、昭和二十三年文部省令第四号、これによりますというと、検定の権限は、文部省設置法第五条の権限条項の中にあって、その中の十二の二に、「教科用図書の検定を行う」、第一条にはっきりこう書いてある、「教科用図書の検定は、その図書が教育基本法及び学校教育法の趣旨に合し、教科用に適することを認めるものとする。」、はっきりこのような限定があるのですが、これは中立の問題と関連して、地図を、今のような段階であのようなことを、日本の領土に編入するということは正しいとお考えですか、どうですか。これは基本法違反になりませんか、教育基本法によるというのですから。文部大臣にお伺いします。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 択捉、国後につきましては、従来から日本の固有の領土として主張されております。また、外務省とも十分協議いたしまして、地図につきましては日本の領土というふうにいたしたわけでございますが、決してこのことは教育基本法及び学校教育法に何ら矛盾しているとは考えておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはあなたは何ですか、局長として言ったんでしょうね。だから、あなたにこれを聞いても困るのだ、政府に政治的に聞かないと。あなたは事務をやればいいんだ、このことでは。このことで今のような見解をやつちゃいかぬのだ、局長は、ほんとうは。こんなことべらぼうだよ。もしこんなことをやるとすれば重大問題だよ。あなた八年前、言動で出しているかどうか、文書に残っているかどうかわからないが、おそらくそんなこと言われてなかった。少くとも昔の内閣はそんなことは言わなかった。今日こんなことを言っておるけれども、これは基本法にあなた違反しないと言ったね。このことはいいですか。中立のこれは精神を全く侵犯しているじゃないですか。中立をあくまで重んじなければならない、こういう精神から考えて、今論点がある。態度をはっきり日本としては表明している。こういうものに違反するようなことを、情勢が非常に右がかったというような空気の中で、巧みにそれに迎合するような格好でこういうものを作っても、少しも差しつかえないのだということは、とんでもない話だ。私はあなたのこういう答弁、こういうものは撤回された方がいいと思う。文部大臣に言っておるので、あなたが横から口を出したから。——それから教科用図書検定基準、三十三年の十二月十二日、第二に社会科地図というのがあるのですね。その2の(4)に、一面的な見解だけを十分な配慮なく取り上げてはならないと、こう書いてある。あなた知っておりますか。これは事務的に聞いてみます。文部大臣も御存じですか。少なくとも局長、これを知っているでしょうね。知っておりますか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) よく存じております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文部大臣はこれは御存じないでしょうね。御存じですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 私も一方的な考えで処理してはいかぬという考え方は同じであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはどういうことになります。一面的な見解だけを十分な配慮なしに取り上げてはならない。十分の配慮もないですよ。それから一面的な見解だ。全く国論なんかこれで統一って、少なくとも今までの政府の方針というものはこれなんだ、平和条約なんだ。放棄している、千島列島ははっきり。それをあなた火事場どろぼうみたいに、今ごろいつの間にか、地図を知らない間に択捉、国後を赤くしていくというのはできますか、国際信義の上でできますか、文部大臣、どうてす。文部大臣、あなたは私は正義の人だと思っているのです。そして筋が通るならどこまでも通そうとするその叛骨をわれわれは買っている。何です、その文部大臣が、今日に至ってこういうような途方もないことを文教の府におる責任者が言うとは思われない。失礼に当たる言があったかもしれないけれども、どうですか。私はこれは日本の進路を誤ると思う。こういうばかなことをやっておったら国際的に信義を失う。子供にどういう教育をしますか。日本の領土が変わった、平和条約がソビエトとの間に結ばれた、ソビエトは了解した、南千島は日本に返すと、そういうことがきまったらこれはいいでしょう。それは堂々と赤に染めなさい。しかし、どうです、七年、八年前、少なくともここ八年の間教えられた子供たちはそうでなく教わっている。条件は変わらない、同じだ。そしておって今度赤く染めた、こういうことは統一した教育の方針として確立すると考えられますか、どうですか、ちょっとお答え願いたい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) あなたのおっしゃることはもう一つよくわかりませんが、そんたくして申し上げれば、国後、択捉は放棄したとは日本は言っておりません。これは日本の固有の領土であるということは、日本政府全体としての意見がきまっております。また、日本の国民もその趣旨に基づいてそうであると考えておると私は信じております。あなたのお話はソ連政府の代弁者としてのあなたのお話ならわかるのでありますが、日本の国民の一人としてのお話としては私には了解いたしかねます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とんでもないことをあなたはおっしゃったね。あなたたちのそれは言う説で、そんなばかげた話は通用しない。私の言っているのは、文教の府の最高責任者としてきのう教えたことをきょう変えるようじゃ困る。情勢の変化があれば、それはいいでしょう。そんな情勢の変化は全くない、何らない、国際的にない、こういう体制の中で今まで八年間も子供をだましたということなんですが、八年間の子供はそういうふうに教わっている。南千島は日本領土であると教わった。これはどうします。あなたの責任どうします。少なくともあなた文部大臣になってから一年になるでしょう。その間あなたはだました。どうします。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 間違ったことを教えているとは感じておりません。国後、択捉はこの日本の領土であるということに変わりはないということを申し上げておるのであって、その点から考えまするならば、何も間違ったことを子供に教えておるというふうには思いません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この地図にはきのうは入ってないんです。きょうは入った。きのうまで教えた子供に対してどういう責任をとるかということを私は聞いておる。間違ったことを教えておりませんというが、きのう入ってないことを教えてどっちも正しいと、これはどうなんです。情勢の変化があって、合理的に国際的に認められ、そうしてちゃんと日本の筋が通ってそういう立場になったときなら、それはそれでいい。何ら変更もないのに勝手に自分でそういうことをやる、こういうことをやったんじゃないですか。これは今までずっと過去の帝国主義者のやった同じ道を歩く気ですか。私はそのことを聞いているのです。きのうの子供にはどういうふうに説明します。あなたが文部大臣になられてからも大体一年近い。そうしてその一年の間に古い地図で教わってた。そうすると、何の変化もなしに今度はいつの間にか地図が赤く染まっている。南千島、これはどうですか、どういう言いわけをします。ちょっと言いわけを聞かして下さい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) それは地図が変わったとおっしゃるが、変わったんじゃない、もとからそうあるべきはずなんです。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連。その政治的動向によって取られる教材や捨てられる教材がきまったら、今の地図のような場合でも、文部大臣の意見とは言いませんが、政府の見解で、赤く塗ってなかったところを今度は赤く塗り直して日本の領土として認識をさせるというようなことが私は軽々に行なわれるということは、これはまずいと思うんです。国後、択捉という問題に限って見ればいろいろ見解もありましょう。しかし、もっと一部の理の通らないところも、政治的な方向をきわめるためには教材選択が政府において自由だということは、これは私は許せないと思う。現状においては岩間委員の指摘したような形になっておるのだから、それを文部省が変えようとするならば、文部省が行政的な措置で変えるのじゃなくて、国際法の学者なり、あるいは地図学者にそれぞれ十分な諮問をして、学界や一般の世論というものが、これは修正すべきだという高まりを待って、そういう何といいますか、一つの有力な学界の証言というものを待って変えるという方法をとらなければ、私はいけないと思います。文部省設置法によっても明らかなように、文部省はサービス機関です。かつてのように文部省は監督機関じゃない。文部省の事務的な裁量によって取るべきものと取るべからざるものを自由勝手にきめていいという方法が現在の機構においてとられても、そういう方法はとらないで、十二分にこれが中立的なといいますか、第三者の意見といいますか、こういうものによって文部省自身が事務的に特に教材の取捨選択などについては従っていくという方法を私はとっていただきたいと思う。この方法でなければ、まあ今、文部大臣が質問につられて個人的見解を出し過ぎましたけれども、また、文部大臣が、何でも思うように教材を変えるのだという考えはない。ここでこの原則を特に文部省ははっきりさしていただかなければならないと思いますけれども、どうでしょう。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 国後、択捉につきましては、従来から日本の固有の領土だというふうに私どもも理解しておりますし、またその問題につきましては十分外務省とも御相談し、教科書の検定審議会でも協議の結果きまったことであります。ただ、それでは従来なぜそうなったかと申しますと、従来その辺のところが明確でなかった、特に占領当時でごたごたしておりまして十分な論議を尽くさなかったという点でございまして、決して私どもは択捉、国後が日本の領土でないということは考えてないのでありまして、その点は明確にしたということに過ぎないのであります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連ですから、これで終わりますが、私どもがという見解だけで教材の取捨選択をされたり、検定の方向をきめられては困る。私どもの意見の陰にはやはり学界での定説とか、通説、そういうものや、特に政府の機能としてやるわけですから、働かせるわけですから、従って今までの政府の、特にこれは国際問題もからむことでもありますから、十分条約とか、そういったようなものを検討の上で結論というものを十二分に練って私は出されなければならないと思う。去年まではそうでなかったが、ことしからはそうだという解釈等は私は軽々にやるべきではない。それは指導者によっても今のような説は、こういう説が非常に強くなった、あるいはこういうようなことを、やがて地図が変わるということもあわせて説明に加えろということは、指導者においてもできるわけでありますから、そういう点で補っていって、地図を変えるということはもっと慎重に私は検討すべきでなかったかと思うのです。私どものということを、私どもの意見の背景に置いて固まってもらっては困る。いつも私どもの意見の方が先に出ますので非常に心配なんです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたはソ連の代弁者と言ってくれたが、とんでもない話で、そんなばかなことはない。日本のことを考えれば、日本がこういう態度をとって勝手にやっていけば、樺太も日本の元領土じゃないか、台湾だってそうじゃないか。そうして地図の上でだんだん赤く塗っていけば、ヒトラーと同じだ。こういうことでは世界からたたかれて破滅が明らかです。何を見ているんですか。あなたは恥を知れと言われたが、私はあの言葉は名言だと思っておりますが、これはぜひあなた自身の胸に当てて考えていただきたいと思う。この問題、何も感情的な形で論議する必要はないと思う。日本は冷静に国際情勢の中で日本の行く道というものをほんとうに考えなければならぬ。ただ安保だけむやみに何でもかんでも通すんだという、そうして何か一方の審議に入っていって、そうして戦争の体制の中に自分を処するのだという考え方で、そういうものがどんどん復活されて、帝国主義という雰囲気が出た中でそういうことをやりやすいから、一局長がそういうところに立って、さようでございますと、しり馬に乗って答弁するようなこういう時勢がなげかわしい。どうしてこれで日本の教育ができるか、言語道断もはなはだしい。だから私はこの問題は放棄しませんから、これはまた徹底的に質問を申し上げるつもりでございます。むろん私言葉が強いのは性格ですから、この点は了解いただきたい。言葉の使い方で私の趣意が曲げられては困るので、もっと冷静に穏やかにこの次は質問します。しかし、理屈のあるところはやっぱり理屈を出してもらわなければならない。日本の文教はくずれますよ。この点は文部省は何よりもおわかりだと思います。釈迦に説法と思いますからやめますが、私きょうの段階ではこのくらいの質問にしておきます。この次にお聞きしたいのは、どういう段階を通って教科書の会社にああいうような指示を出して地図の改訂をやっているか、これを具体的に資料として出してもらいたい。そうして、この上に立って私ども質問いたします。どうですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 質問は御自由でけっこうですけれども、幾らやってもやはり見解の相違で……。

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) それでは本問題はこれで中止いたします。  なお、理事会で出ました幼稚園の問題について、懇談会のことについてお諮りいたしますが、時間もだいぶ経過しておりますので、懇談会の代表は、一つあとで各党の御意見を聞き、委員長に指名をさしていただくよう御一任を願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

清澤俊英日本社会党

○委員長(清澤俊英君) それでは本日はこれをもって散会いたします。    午後零時二十二分散会

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