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34回国会参議院1960/03/31

文教委員会 第9号

発言数
53
登壇者
8
会派数
4
開催日
1960/03/31

会議録

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  本日は委員長が急病のため、私、かわりまして本委員会を主宰いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  三月三十日、吉江勝保君が委員を辞任され、その補欠として津島壽一君が委員に選任されました。また、三月二十一日、津島壽一君が委員を辞任され、吉江勝保君が補欠として選任されました。以上であります。   —————————————

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 次に、理事の補欠互選についてお諮りいたします。  現在、当委員会に理事が一名欠員となっております。互選は、慣例により成規の手続を省略いたしまして、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御異議ないと認め、委員長より、吉江勝保君を理事に指名いたします。   —————————————

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 次に、委員長及び理事打合会の経過について御報告いたします。  昨日及び本日の理事会で協議を重ねました結果、本日は、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題とし、本法案を議了することに決定いたしました。  また、公立学校の事務職員の待遇改善に関しまして、当委員会として決議を行ならことに決定いたしました。  以上報告の通り審議を進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。   —————————————

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) それでは、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法案に対して御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 後ほど決議案が出るわけでございましょうけれども、この決議案の内容の審議はまた別にいたしますか。伺いますけど、取り扱いについて。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) そうなることと存じます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それでは、本法案に対しまして、事務職員の方々が、やはりこの中に事務職員をどうしても加えていただきたいという、そういう要望があったわけです。しかしながら、それが取り入れられないで、決議の形になるということを今伺いしましたのですが、特に事務職員の方々の中で、教育関係の中に、どうしても自分たちが仕事をしている内容について、十分に文部省としても理解をいただいていないのじゃないかという不安がある。具体的には、夜間の場合でも学校給食とか、あるいは金銭の収受とか、あるいは授業料の徴収とか、それから子供たちの相談相手になるとか、全日制と異なって非常に勤労者が多い、だからお金が払えなくて授業料が払えないので退学しなければならないという相談を普通の先生方になさると一緒に、直接、事務職員の方に親兄弟のような気持でなさっておられる方も多いとか、こう聞いているわけです。それから物品の購入なんかにいたしましても、定時制の通信教育振興法なんかに基づいて購入するとか、あるいは理科教育振興法とか、学校図書館法に基づいて、いろいろな関連事項の中で事務職員としてたくさんの仕事を受け持っている。急病のあった場合には自分たちがかわって看護したり、家庭に送り届けたりする、あるいは就職指導とか、職場の開拓とか、あっせん、それから生活指導等々にも教員と協力して一緒に仕事を遂行している、その中で、特に夜間なんか暴力団から守るとか、女の子ですと痴漢から守るというように、そういうふうに、人に知られないような苦労を重ねて事務職員の方が仕事をしている、だからこれはやはり正式に改正法の中に盛り込んでもらいたいという、こういう強い要望があったのです。御承知のように、二十六国会で、事務職員の給与の改善などの件で衆議院で取り上げた、そのときに社会党の方から、事務職員を教員並みに取り扱ってほしいという提案がされましたのですが、文部省はこれに反対してだめになった。そのときに通った法案の中で、事務職員の結核給与については教員並みに取り扱ら、こういうふうなきめをなされておったし、それと同時に、市町村立学校職員給与負担法の一部改正の中で、時間外勤務手当を支給することになって、全国的に六%支給するというふうになっておりますが、現在、調査してみますというと、これは実態調査を見せていただきましたけれども、大体六%支給しているのは、北海道とか、神奈川の二件だけで、あとは平均して三%、四%、それならばいい方だけれども、なかなか思う通りにいっていない、そういう状態について文部省で調査したことがあるかどうか、そういう点を少し明らかにしていただきたい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 公立学校の事務職員について待遇の適正がはかられていない、こういうような御趣旨の御質問のように承ったのですが、私どもも、できるだけ公立学校の事務職員が他の公務員と差等のないようにいたしたい、で、衆議院でも実はこの問題が論議されましたときにも、たとえば格づけをよくするとか、あるいは俸給の運用の面においてできるだけ優遇するとか、あるいは先ほどお話の、結核休職をできるだけ教員並みにしていくとか、教員にはないけれども、超過勤務手当というものが一般の公務員には支給されておりますので、事務職員にも同様な待遇をするように、こういう点で地方にも通達をいたしまして公立学校に勤める事務職員の待遇の適正化をはかる、特に県庁職員との交流の問題もございまして、だんだんと改善しつつあるわけでございましてただ根本的に事務職員が教員と同じだと、こういうふうに規定をしていくことは、私どもとしては賛成をいたしかねているのでございます。今後とも事務職員の待遇の適正改善につきましては努力して参りたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今、人事交流に関連してですけれども、県庁職員等の交流などは行なうとおっしゃいましたけれども、部分的にはあるかもしれませんけれども、やはり教育委員会の方に属しておったりしますものですから、なかなか交流がしにくいという実情にあります。それだから、そのために給与についても非常な待遇の格差といいますか、それが非常にひどい。具体的には四十才前後の男の方で、大学を卒業しても二万二、三千円というような方がある。そうすると、ほんとうに意欲を持って、学校教育の中の一環として自分たちも希望を持って意欲を盛り立ててやろうと思っても、給与の格差と申しますか、非常にバランスがとれていないために、なかなか思うようにいっていない、こういうふうな訴えも出ているわけなんです。人事交流について今おっしゃったのですが、これは部分的でなかなか思うようにいっていないという実情なんですけれども、そういう点について。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 小中学校の場合には事務職員が非常に数が少ないのでございますが、全県的にはある程度の数がございますけれども、各学校にせいぜい一名か、二名程度しか配当がなかろうと思うのであります。しかし、高等学校の場合は相当数の事務職員を擁しておりますので、高等学校の事務職員と県庁の教育委員会の職員との交流は今までも行なわれておったし、また十分には行なわれていない点はあろうかと思いますけれども、各県とも、ある程度の交流は行なわれているのが実情でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そういう実情を御調査なさったことはございましょうか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 今資料をここに持ち合わせておりませんけれども、この前、衆議院で問題になりましたので、一心調査をいたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 もう一つは、給与に関連してでもございますが、超過勤務とか、結休等についてある処置をなさったと、そうおっしゃっておりますが、実際的に行なわれていない実情の中で、特に給与の面でも、一般職、それから教員の場合には給与法がございますね、ところが事務職員の方々ですというと、一般職と同じ扱いをしているけれども、やはり職務の内容が不明確にされている面が多いために、なかなか現実では低いところに格づけされてしまう、こういう現状なんですけれども、その点について文部省としてはどういう処置をしていらっしゃるおつもりですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 係長ですと、一般職の方ですと五等級、課長補佐が四等級ということになっておるわけであります。学校の場合には事務職員の数が少ないので、一人で係長というのも実はおかしいのでございますけれども、かりに一人でも一人でも、そういうのは係長の扱いをしてもよろしいということを指示しておりまして、今お話のように、低い段階において格づけされないように、適正な格づけを考慮するようにという指導をいたしておるわけでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは定通法の改正の部分だけでもこの問題を取り上げていますが、範囲が狭くなるわけですけれども、事務職員の方々は、やはり教育公務員特例法の中に明確に職務内容をきちっとしていただいて、身分的にも位置づけをしていただきたい、こういう要望があるわけです。それと関連しまして考えます場合には、やはり全国の調査というものを少し徹底していただいて、そして現在、事務職員をなさっている方々が、教育公務員特例法の中にしっかりと身分を、その他の方々と同じように格づけしていただきたい、こういう要望がございますが、その点について文部省はお考えになったことがございますか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) そういうお尋ねはたびたびございますし、またそういう陳精もございます。ただ、教員と事務職員は本質的に違うと思うのでございまして、教育公務員の場合にほ免許状が要るわけでございます。事務職員の場合には資格の制限がございませんですから、どういうところからもとり得るわけでございます。かりにそういう資格を制限いたしますと、かえって公立学校において事務職員を得られないという事態が起きやせぬかと思いますし、実際、子供に直接接して教育する場合と、事務に従事する場合には、そこにおのずから限界がありますので、私どもとしては、事務職員に資格を要求する必要がないと考えておるのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 確かに教員の職務の内容と事務職員の方々の内容とは違うわけですけれども、やはり学校教育の中の一環として、事務職員の方々が陰に陽に仕事を分担していくことは事実なんです。そういう面におきまして待遇の上によりよい改善をしていかなければならない。そういう点でやはり全国的な状況をお調べになってそして資質が向上されて待遇を改善していくように、こういう要望を特に付しておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) ただいまの千葉委員の御発言でございますが、先ほどから千葉委員のお触れになりましたように、私どもも仄聞いたしますと、この委員会として、この問題について後ほど意思表示があるようにも承知いたしておりますので、事務職員の勤務の実態その他につきまして、ただいまお触れになりましたような総合的な調査なり、資料の整備というものをいたしていく必要があると思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 提案理由の中で、定時制と通信教育については、その勤務の特殊性その他で優良なる教員を確保するためこういうふうな措置をしたと書いてありますが、実際に定時制の昼間部と全日制の高等学校において行なっている勤務の内容等について、私は実際的には差等はない、こういうふうに見ているが、その点はどらですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 昼間制の場合と定時制の昼間部とは本質的に異なっておると思っております。もちろん教育の内容自体は高等学校教育でございますから個々に差等はございません。しかしながら、子供の取扱いといたしましては、やはり職業を持っておりますので、農家でございますと、家庭においても農業における栽培とか、あるいは飼育とか、いろいろな問題があるわけであります。その家庭と学校との連係、それから工場の場合には工場における——工場の場合には昼間生が比較的少ないのでございますけれども、職場と家庭、職場と学校との連係、こういうものがございまして、当初スタートするときから巡回指導の旅費を出したりして、子供たちの家庭における生活学習、この二つを一体的な関連のもとに運営して参りたいということでございますから、非常に全日制に比べますと、生徒の指導、学習の方法等に異なった面がございますので、この点に着眼いたしまして手当を支給することにいたしたわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 今いろいろと初中局長が申しておりますが、実際の家庭の指導とか、栽培とか、いろんなことを言っておりますが、全日制としてやはり子弟の指導においては、これはまた別な異なった観点で重要性を一ぱい持っておる。そういうふうな点において、全日制と定時制の昼間部において、私は差等は、それぞれの特徴点はあるけれども、勤めている教師そのものに対して負担がどうだこうだということは、これは対照して違いは述べられるけれども、勤めている内容その他について差等があるべきものでないと私は考えておる。もう一ぺんその点をお答え願います。特徴はありますよ。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 差等があるから手当を出す必要があると私ども判断したのでございまして、特に全日制の場合に、子供の家庭の、あるいは経営について、いろいろと直接、先生が出向いていって指導することはほとんどないと思うのでございます。特に高等学校の場合には学校中心の教育が行なわれているわけでございます。ところが定時制の場合になりますと、何と申しましても、働いているところの職場と学校における教育が一体的な関連のもとに行なわれなくちゃならぬ、こういう観点から、生徒の個別指導もございますが、特に今申しました職場と学校と、この連係の点について特別な考慮が払われ、また教育上非常に困難性が伴う、こういう点に着眼したわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 幾ら聞いても私にはようわからぬが、問題は定時制とか、通信教育に携わる先生方、みんな人情として、同じ資格ならば全日制の学校に勤めたい、こういう希望者が普通です。しかし、いろいろな環境、条件の上に立って、定時制の教育なり、それから通信教育という方面に従事している勤労学徒の面についても、十分そういうふうな意欲をもってやっている方も多いと思うのだが、しかし現実問題として、同じにしておいたならば、みんな全日制の方に優秀な教師は希望をしていくだろう。そこで放っておけば、いわゆる全日制というのは言葉の表現はあんまりおもしろくないか知らぬが、これは大企業と同じで、定時制とか、通信教育というものは中小企業のようなもんだと考えてみれば、いわば放っておけば同一資格のものは全日制の方へいきたいという、そういうふうな傾向にならぬとも限らぬ。そこで、こういうふうな角度から、これらの教育に特段の意を用いて、優秀な人材を確保するという必要性が出てくる。それでなくては勤労学徒の教育機会均等、向上を意欲的に盛り上げていく教師は確保できない。私はこういうふうな角度でやられたのじゃないかと考えるのですが、その点はどうですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) たしかに私どもは、定時制なり、通信教育の教授方法にしても、指導にいたしましても、大へん困難であり、複雑だ、これは全日制に比べればその比でないということで、今お話のように、どっちを選ぶかといったらみんな全日制の方を希望されることだろうと思う。それだけ定時制なり、通信教育の形態が厄介であることは事実でございます。この点に着目して、手当を支給して、優秀な教員をその職場に確保いたしたい、こういうことでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 どうも回りくどいようなことを言っておられるが、まあ私は本質的に考えて見て、どうしたならば定時制及び通信教育に優秀なる教師を確保できるかという点について、放置すれば水の低きに流れるがごとくに全日制の方へ移っていく、これは人情の現状においてはむべからざるところだと思う。そういうふうな観点から見た場合に、定時制なり、通信教育を振興するために、教師だけではなくて、事務職員自体も、やはりこれに従事して誠心やっている。それで同じ昼間部についても、定時制の方と全日制の方からいえば、事務職員についても定時制の方が希望が少ない。全日制の方が相当事務職員もおって、職場の環境自体、将来性からいってもそちらの方が有利である、こういうふうなこと、これは常識だと思うのですよ。そういう中に考えてみたときに、通信教育なり定時制教育を振興するというならば、やはりそれに従事しているものも全部含めて、やはり優遇措置を講ずるということが首尾一貫していると思うのですが、その点どうですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 多少私どもはその事務職員とは異なっていると思うのでございます。教育の実態なり方法が非常に複雑であり、困難である、こういうことでこの手当を出しているわけですが、事務職員はお話のように、多少の私は差はあろうと思うけれども、勤めておる職務の内容それ自一体は、全日制であろうと定時制であろうと、本質的には異なるものではないと思うのであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 だからその論法でいえば、定時制と全日制について、教師のいわゆる任務のどっちがどうだという論になれば、それぞれの特徴点があるということは認めるが、同じで、しかし優良なる教師というものは放置すれば全日制の方に行ってしまうという観点から、それは教育の、いわゆる教師の均衡を失するから、こちらに優遇措置を講じていけば、要するにその平均が保たれるというように私は考える。そうでなければ、だれだって優秀な教師は何かチャンスがあれば、定時制の昼間部に行っている者は全日制に行くということは私は当然だと思うのですよ。そういうふうな角度でものを見ていかなければ……。これは全日制昼間部という角度からいけば、全日制でもピンからキリまであります。山間僻地にあるところの全日制の高等学校というものは、同じように周辺との関連というものを深めていかなければならない。ただ、学校で教育しているだけでは間に合わぬところは一ぱいあると思う。そういうふうなことを考えていった場合に、私はこの法律が出て定時制とそれから通信教育の振興をしていくのだということであるならば、この定時制と通信教育に従事している者に分け隔てなくやるんだということでなければ、教師はいいんだが、そこに携わっている事務職員は、数も少ないし、相当に繁忙な日を過ごしている。それじゃそういうふうな形で、そういう人たちが優位になればどうかということになると、事務職員だってできるならば全日制の方に行きたいわけですよ、実際問題として。これは私たちが常識的に考えてみてもそうだし、調査してみれば、個々に当たってみればそうですよ。定時制の昼間部というものは、ともすれば、文部省の方針だか何だか知らぬが、地方財政の圧迫を受けて減りがちです。山形とか秋田とかいう所においては、定時制の昼間部は減ってきましたよ、縮小されてきた。そういうふうな点については身分の不安定さも相当あったと思うのです。全日制の方を廃止するといったら大へんですが、定時制の方の学校は縮小して相当規模にしようとか、いろいろの方面でそういうことをやってこられたと私は思っておる。そういうことからいえば、やはり通信教育とか、定時制のこういう教育に従事している人々は何らかの措置を講じてそれを確保する。そうすれば経験も生かされるし、長期にわたっての、十数年の発足以来のこういうふうな教育についての熟練さも生かされてくるというようなことを考えていって、私はやはり定時制なり、通信教育振興法のこれを振興する。振興するということを考えるならば含めるべきだと思うのですよ。それを下だけは切り離して、教師だけはよくするのだと、これでは片手落ちじゃないかと私は思うのですよ、体系からいっても。だから全日制の事務職員と定時制のあるいは通信教育の事務職員との少々の差等があって初めて水準が同一になるのではないか。ある程度こういうふうな定時制の教育参に携わっている事務職員も、身分の不安定はあるけれども、政府は認めてくれたのだという角度で、安心感を持って仕事が進められる、ここに定時制なり通信教育の振興という一貫した意味が私は通ってくると思うがどうですか、大した金じゃないじゃありませんか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 私ども金の問題じゃありませんので、一つの本質的な問題に入っておると思うのであります。と申しますのは、定時制、通信教育の教師と全日制の教師の職務の内容を調べてみますと、これは相当本質的に違う面があるからこういう手当を支給したい。事務職員の場合には一般の事務職員と職務の内容が変わっているわけじゃございませんで、ただ場所が違うし、時期が違う、これはあり得ると思いますけれども、本質的に一般の事務職員と異なっているとは考えていないわけであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そういうふうな理屈をつけて、いつでも事務職員という弱い者を助けない傾向が文部省は強い。だから理屈はつけようによって、今までの産業教育の振興についても、手当についても、産業教育を振興する一番初めに出てきたのは何か、農水手当でしょう。ところが産業手当というふうになれば、工業を抜いて農水手当を先にやるという理屈は立たない。これは当時からいえば、農水の方が予算が少なくて済むから——これは議員立法でもあったけれども、付帯決議で、今度工業の方にこれが拡大していった。そのときなんかも理屈のつけようがない。農水は特に生きものを扱っているとか、あるいは実習になって特別に出ていかなければならぬとか、いろいろな理屈をつけたが、そのときはそういう理屈をつけた。工業はどうしていけないかと言ったら、困るからと、そういうへ理屈を並べてやって、次は工業の方に発展していく。だから、私はそういうつどつどの理由づけというものの苦心はわかりますよ、わかるが、苦心はわかるとしても、定時制教育とか、通信教育を振興すると言うなら、それに関係している者に、ともに喜びを分かってやらなければならない。現実にやっている人を切り離して……、これは全日制の事務職員と変わりはないのだ。そういうことではなくして、特にこういうものを振興するのだから、喜びを与えてやる。特に、そういうふうな煩瑣な仕事をやっているということになれば、定時制の昼間部なんかの事務職員なんというのはごく数が少ないですね、だから、そういうふうな点についてぜひそういうふうなことをしてもらいたいと思うが、今そういうことをしようというと、また突っ込まれそうだからなかなか言えないだろうけれども、私はいつでもそうだが、どうして教育の振興という問題から、これに従事している事務職員だけは省くのか。少なくとも定時制と通信教育に従事して、その下働きをしている事務職員の方々がやはり意欲を持つということが、この教育全体の一面のささえになっているわけです。それを振興するということののろしを上げておいて、それだけをカットするということになれば、今までの状態よりもなお意欲を失いますよ、片一方だけをよくして、片一方は全然お前たちは同じだ、それならやらない方がいいということになり、事務のごく少ない人の意欲を失なっていくということになる、私は結果としてなると思う。だから私はどうしてもやってもらいたいと思う。宮澤さん、どうですか、今の内藤局長の答えは。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) 岡委員の御指摘は、要するに、定時制と全日制に勤めます者の給与に格差をつけることによって……。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 手当の……、給与はいかぬ。

宮澤喜一自由民主党文部政務次官

○政府委員(宮澤喜一君) 手当に格差をつけることによって定時制に優秀な人材を少しでも確保しよう、この目的でこの法案はあるだろうから、従って事務職員についても同じじゃないかという論理でお話があったと思います。私はその論理はその通りだと思います。かりに事務職員に同じような手当を出しますならば、それによって少しでも事務職員の足を定時制の方にとどめておくことができる、そういう目的を達し得るということは私はそれは間違いないと思います。そのことについての一理あることは十分にわかりますけれども、他方で、私ども文部省としては、従来から教育公務員という形、それからそうでない者との間に、二つのものを切り離して考えておりましたし、また、先ほどから初中局長が申しますように、定時制の場合と全日制の場合の教員の勘務の実態の違い方、これを比較いたしました場合に、事務職員の勤務の実態の違い方、それが片方においては相当実態が違うけれども、事務職員の勤務の実態については、さして異なってはいないと、こういう御説明を初中局長が申しておりました。その点も、いってみれば、非常に違う違わないと、相対論になるかとも思います。しかしながら、それは同じだということもまた言えないでありましょう。他方で事務職員についてお示しのようなことを考えるといたしますならば、これは従来からやっておりましたところの超過勤務手当、それがたとい、先ほど千葉委員から御指摘のように、不十分なものでありましても、ともかくも超勤の手当というものが支給されておるのでありますから、それとの調整の問題もございましょうし、御指摘の点は一理があると思いますけれども、私どもが考えておりましたことにも理がないわけではないように思います。いずれにいたしましても、これは将来とも研究いたさなければならない問題かと考えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 長いことは言わないのですが、今のお話を聞いていて、なお感ずることなんですが、結局一つの職場ですと、そこではやはり意思統一をしてやっていかなくちゃならない、仕事を。そのときに、一方だけはこれは手当がついて一方につかない、こういうときに職場でどういう感情が起こるか、この点をあなたたちはっかんでいない。これはまずい。これはかえって逆効果になる。私がさっき言ったように逆効果になる面があります。事務職員もこれはおもしろくない、これはだれだって人間ですからね。そういうところをつかまなければ政治にならないと思うのですね。どうもその点で、今、次官のお話がありましたが、教員と職員と二本立にやってきた、そういう体系がある。しかしこれはよくないのだ。文部省のこの体系はやめなくちゃ。一つの学校なら学校の中で、ほんとうに教員も職員も意思統一して一つの目標に向かっていくというのは、これはやはり望ましい。だから給与のそういう問題についても私はメスを入れなくてはならないときにきたのだ。今のようなことが、もとからそういうことがあったから、そこまでどうしてもいかなくちゃならないのだという立論の仕方というのは、もっと現実について、そしてもっと教育の運営のために効果が上がるというふうに認識すべきだ。その根拠はなかなかむずかしい。とにかく定時制の先生たちが勤務において非常に困難な面、いろいろなそういうような煩瑣な面があるということを、これを認めていれば、これは具体的に事務の面においても私は起こってくるであろうと思うのですよ。それはないのだというけれども、こんなのは測定したわけでもないでしょう。測定も何もしていないのだ。大体そう言わないと、どうもこの法案はうまくないというようなことで、ほんとうにそれはへ理屈になっておるのだ。だから私は、これはこれについての決議案も出ているようだが、その点は明白にしてもらわなければいけませんよ。どこに一体目標を置くのか。もっともあなた方の腹が別のところにあって、職場を分裂させて各個に支配しようという、こういう考えでやっておったのだったら、私はこれと戦わなければならない。しかし、そうでなければ、私の今言ったように、職場をあくまで統一して、ほんとうに教育の目標、目的を達成したいのだという点に立てば、それはやはり差別してはいけな。従って、これは他日の問題になりましょうが、この点については十分、次官も検討していただきたい、こういうふうに思うのです。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 今の点についてちょっと。今の問題については、決議案のことですよ、今言われていること。だから二時半に行ければいいんでしょう。実際けしからぬよ、劔木さんあたり、教育をやってきた人が。アデナウアーのために、実際の日本人の教師の問題をほったらかすわけにいかぬけれども、これをつめてもらって二時半にやめるというのだけれども、だから私は他の公務員と差等のないようにという衆議院の三十二年のあの話し合い、他の公務員と教育公務員は差等があり過ぎますよ、現実に。あなたは教育委員会との交流は行なわれておるといっておりますけれども、現場の事務職員は、教育に従事している事務職員は一級格が下だというふうな実情におかれていますよ、実際問題として。あなた県庁に出入りになった者がどのくらいありますか、ほんとうにこれはあとで資料として出してもらいたいと思うがね。他の公務員との差等のないようにという趣旨に基づいてやってこられたというならば、これはやつぱり他の公務員と同様にほんとうにやる意思があるのかどうかということになってくれば、先ほど千葉委員がいったように、六%を初中局長の通達によって確保するようにというそれが、現状においては二%弱じゃないですか、この資料も文部省にあると思う。東京都においては二%程度、神奈川とその他の府県においては少々、その程度になっておるけれども、ほとんどがそうなっていない、こういうふうなことの実態を放置しておいて、何とか他の公務員と同じにするのだと、せっかく向うで決議が上がっておるけれども、初中局長の威令が行なわれずして、金の面においては空文化しておるという実態があれば、これは何としても、一日も早くこういうふうな地味な仕事に従事しておる人を救済していくという温情あふるる文部省の態度というものが、教育の土台を培かっていくものだと私は考えるわけですよ。他の公務員との差等なきょうにほんとうにしますか、これは内藤さん  一つはっきりして下さい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 他の公務員と同様な取り扱いができますように最善の努力をいたします。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 できますように……、今さらできますようにとは何ですか、三十二年にその趣旨にのっとってあなたの方では通達を出しているのですよ。それから三年有半もたって現状は少しも改善されておらぬ、微々たるものだ、これならば事務職員だって怒りますよ、実際に。だから今からすることじゃなくて、今まで不十分であった点はお詫びいたしまして今後改めて、改心するというと語弊があるから、改めて大いに努力をいたしますと、そう言いなさい。そうでなかったらとても問題にならぬじゃないですか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 私は大いに努力すると申し上げたわけであります。今日までも努力をしてきたし、これからも努力するつもりでございます。    〔剱木亨弘君「教育委員会のことじゃないか」と述ぶ〕

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 劔木さん、あなたおかしいことを言うね。(「通達をして努力しているんだ」と呼ぶ者あり)何を、それでは問題にはならぬ。だから私はまあいろいろな問題がありますが、これでやめますが、しかし真剣に同じ教育を振興するものに、そういう一番下の者を切り離して、そうして意欲を欠くようなことをして、名目だけそうなるということでは情けないというふうな気持を私は一応下部の人が持つことは当然だと思うのですよ。だからやはり上の者が、校長はまだいいとして、校長の手当を下に回してみんなで気持よくやろうじゃないかと、こういうふうに校長は考えておると思う。私はこれ以上触れませんですが、ぜひとも文部当局においては、事務職員というふうな地味な仕事に従事しておる人たちに、ほんとうに最大限度一つ何とか改善をするような方法をお願いしたい、これだけ申し上げて終ります。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 他に御発言ございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御発言もないようでございますので、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 今回のこの定時制教育並びに通信教育について、文部省が特段の配慮をもって手当をつけられたということについては、多くの現場の職員が喜んでいると思うのです。その点については賛成です。しかし喜びの陰に悲哀をかこっておる、いつまでたっても日の当たるところに出ていかない、こういうふうな人が、同じ職場の中で仕事をしておる、ここにやっぱり思いやりを持っていってもらうことが、名実ともにこういうふうな特殊教育といいますか、特別の環境における教育をしておる人々にとっては、やはりもらう人も喜ぶと思うのです。だからそういうふうな点について、今後とも一部分を切り離して、喜びの陰に悲しみを持つような方策ではなくして、何とか全般にこういう恩恵といいますか、待遇の改善がいきわたるように措置してもらうことを、条件というと変ですが、そういうことをここにつけ加えて本法案に賛成するとともに、事務職員全般についていろいろと考究してもらう点が多くありまするので、これは決議案がただいま出ておりまするので、そちらへ譲りまするが、一つ御努力を要請して、再び申し上げることになりまするが、賛成をいたします。

吉江勝保自由民主党

○吉江勝保君 私は自由民主党を代表いたしまして、本法案に賛成の意を表するものであります。

相馬助治民主社会党

○相馬助治君 私は民主社会党を代表して、本法案に賛成いたします。しかし、事務職員がその職責上、給与体系上、また諸手当等の格差の問題、他の同じ事務職員の学校外の人事交流というような点、そういうものについてはきわめて恵まれざる立場にあることは実態であるし、そこに不合理な現実のあることも政府当局は認めていられると思いまするから、それらについては別途早急に改善の方途を研究し、実施すべきであるということを要請し、かつ期待して、本法案に賛成します。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は日本共産党を代表してこの法案に賛成します。しかしこの法案は、百パーセント賛成したい、こういうような法案であってほしかったのでありますが、そういうことになっていない。その理由は、先ほど私は質問の中で申し上げましたから繰り返しません。こういう点について、できるだけすみやかにこの問題を解決する、こういう努力をわれわれは今後の努力として求め、そうして当委員会もそういう方向に、また文部当局も進まれんことを希望して賛成します。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容と、第七十二条による議長へ提出する報告書の作成その他の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 御異議ないと認めます。よってさように決定をいたしました。  速記をちょっととめて。    〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 速記をつけて。  暫時休憩をいたします。    午後二時二十八分休憩    —————・—————    午後四時五十二分開会

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 休憩前に引き続き再開いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会

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