P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
34回国会参議院1960/03/10

文教委員会 第4号

発言数
62
登壇者
7
会派数
3
開催日
1960/03/10

会議録

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告をいたします。  三月八日、鹿島守之助君が委員を辞任され、その補欠として剱木亨弘君が委員に選任されました。   —————————————

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 本日は、先日の委員会で御報告の通り、ILO第八十七号条約批准に関連いたしまして、現職教員の専従問題を議題として、調査を進めて参りたいと存じます。  なお、本件の調査に関しまして、政府側より松田文部大臣、内藤初等中等教育局長、矢倉職員局長が出席をいたしております。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 文部大臣にお尋ねいたしますけれども、岐阜県の専従制限の問題でございますが、私どもは先般衆議院の文教委員の方、それからあるいは労働委員の方と御一緒に調査に参ったわけです。その調査に基づいて二、三質問したいと思いますけれども、昨年の十一月二十八日に岐阜県会は抜き打ち的に専従制限の条例を出したわけですが、これは当時大へん問題になりまして、本委員会でも再三質問したのでございますが、御承知のように、この県議会は全然討論もなく抜き打ち的に非常な混乱の中で採決され。で、この問題はILO条約の批准と関連しまして慎重に対処しなければならない。それにもかかわらず、岐阜県会のこのような強引なやり方に対しましてはきびしい批判と反対が起こっているのは当然と思うのでございますが、当文教委員会におきましても、再三の質問に対して、文部大臣は次のごとく答えられております。それはちょうど昨年の七月三十一日と九月の一日に文部大臣は、各省にまたがる諸種の立法措置が全面的に調整、整備されて、合理的にこの問題に対処することができるようにならなければ明確にならないと私は思う。今ここで専従を何人に対してどうするというようなことは、私はお答えできない。立法や条例を総合的に整備したあとでなければ解決はつかぬと考えられます。それからなお、国家公務員、地方公務員その他の方面にも関係がございますので、関係各省ともよく協議を重ね、各省との調整を待って実施したいと言われております。  以上の通り、文部省としては単独にはやらない、関係各省と十分打ち合わせた上に法律を整備した後に考えたいと言明していらっしゃる。これが職員全体に対する国の方針のように私は考えておったわけでございますが、けれども、岐阜県におきましては、三十五年度の専従役員選挙において、またまた不当な干渉が行なわれている、こういう情報がございましたので、私どもは先般調査に参ったわけでございますが、今回の三十五年度の岐阜県の専従役員立候補についてかなりな干渉が行なわれておりますが、文部大臣はその点、御存じでございましょうか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 私の聞いている範囲では、別にさような干渉がましいことをやっているようには聞いておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 大臣は、そのような干渉がましいことをやっているとは考えておらないとおっしゃいましたが、事実はそうでないわけでございます。具体的には、岐阜県で現在、本部十名、支部十五名、合わせて二十五名の専従を持っているわけでございます。高等学校では四名。こういう中で、松野知事は、三十五年度は十五名しか許可しない、それ以上許可願いを出した者については全員免職する、こういうことを言われているわけなんですが、その点についても御存じないですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 十五名にするということは、岐阜県条例でさようにきまっているからそうなっているのだと思うのであります。従って条例でそういうことにきまっているとするならば、おそらくそれ以上の数が出てきた場合には、岐阜県当局として教育委員会の方で、それは困るという主張のもとに適当な処置に出ることと考えられます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 十五名以上困る、それ以上のものについては適当な処置というのは、岐阜県が現在知事を通して十五名以上は懲戒免職にすることをさすのでしょうか。適当な処置の内容ですけれども……。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) それがやはり違法の行為として出て参った場合には、そういうことになる場合もあろうかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そのことはあとに譲りますが、十五名以上は許可しないといったとかりにいたしましても、立候補するのは何ら制限がないと思うのですが、たとえば十五名なら十五名の専従役員なら役員を選ぶ、こう仮定します、その場合に、役員の立候補に際しては組合員はだれでも立候補する権利を持っているわけですから極端にいえば、岐阜県が一万五千いるなら一万五千の人が立候補しても、十五名なら十五名こういう中でたくさん人が出て、お互いに批判し合って民主的に討論して立候補する、こういう権利はあるわけであります。しかし、常識的に考えてもそんなに、十五人出すのに千人も二千人も立候補するとは考えられませんけれども、二倍の三十名立候補する、この点について何ら制限がないのですか。その辺について文部大臣、どうお考えになりますか。立候補が何人あっても差しつかえないと思うのですが、その点についてはどうお考えになりますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) それは別にそれを差しとめるというようなことはできないと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ところが、岐阜県ではかなりそういう立候補の段階で圧力がかかっている点が多いわけなんです。具体的には、多治見市というところに参ったわけですが、多治見市から一人の、坂井という方が立候補して、そして全県下で、皆さんの信任を問うてそしてきまった、こういう中ですから、立候補は自由だということで立ったわけです。そうしましたら、御本人に対し、それからその家族に対して、立候補を辞退しなさいと、こういうふうに陰に陽に圧力がかかっているわけなんですが、そういう点に対しては、文部大臣はどうお思いになりますか、不当だとお思いにならないですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) そういう圧力をもって立候補を阻止したようなことがあったかどうか、私は事例をもって聞いてはおりませんけれども、まああまり多数立候補されては困るという人は、やはりそうしてもらわぬように勧奨するというようなことが、それはありそうなことではあろうと思いますけれども、事実において私はこれをきわめておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そういうことがありそうだと、たとえば学校を運営しておって、人数が足りないからどうとか、こういうふうな教育当事者がそういう問題について話し合うということなら別ですけれども、多治見の市長なり、その方が直接立候補に対して干渉する、こういうような面で、その面で、教育を思うからやったのだということでいつも逃げているわけなんです。しかし、市長というものが教育の内容に対して、組合の専従役員を選ぶに対して、そういう権限を持っているとは考えられないわけですけれども、それでもよろしいとお思いになりますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 私の聞くところでは、市長はそういうことはやっていないというふうに聞いておるのですけれども、ただ私は先ほど申し上げたのは、そういうふうに両側が全面的に異なった考え方を持って、そして対立しているような場合には、双方がやはり双方の主張を貫くためにそれぞれの勧奨とかそういったような、説得というようなことは、それはありそうなことだと思う、ということを申し上げたわけでありまして、この辺のことについてまだ詳しく事情を承知いたしておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 市長はそういうことはないように聞いたと大臣がおっしゃいますが、そうすれば、その件に関して何らかの報告があったのでしょうか。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもは市長が、議長が何かこれに干渉したというようなことを、この前お話がありましたので調べた結果、そういう事実はございませんと、こう報告を受けたのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもが行きまして調べましたところが、現に市長さんにお会いしますときもそういうことはございませんと、こうおっしゃった。ところが、当事者並びに校長から伺ったわけなんです。そうすると、多治見市の教育次長と校長さんが市長さんのお家へ伺って、本人の辞退届けを見せて、そうして何分にと、こういう事実があるわけです。市長さんにその点聞きましたところが、二十日の夜十一時ごろは、私の家で何かほかの用件があって、人が来ておりまして一杯飲んでおった、そうして何も来たあれはないというのです。ところが、校長さんに伺いますと、教育次長と一緒に確かに市長の家へ行って、そうして本人に辞退届けを書かせたからといって、辞退届けの複写したのを見せて、そうしてまあ了解を得たと、こういうことがあるわけです。そうしますと、そこで写真をとったわけでもないし、録音したわけでもございませんから、私どもとしては裁判官でもございませんし、そこでまあぎゅうぎゅう言うわけには参りませんけれども、しかし、校長さんが中に入って、わしはもう、一九六〇年代の佐倉宗五郎がいる、その佐倉宗五郎は自分の役目で大へん苦しいということおっしゃって、職員の前で涙を流しておられた。そういうふうな事実を聞きまして、校長さんに伺いますというと、校長さんは行きましたと、それからあとはどうなりましたかと聞くと、やはり大へんいろいろな情勢をおもんぱかって、どうも記憶喪失症にかかったようでして、という非常に苦しい立場を見受けたわけです。そうすると、現場の先生方とそれから校長先生方もいろいろ苦労なすっていらっしゃると、立候補について、それじゃ校長先生はその人物がいいと思うのか、悪いと思うか、こう聞きますと、何とも答えられないで、逆にそこで私は非常に暗いものを感じられる。これが多治見市だけではなくて美濃というところにもやはりあるわけです。ずっとそこを伺っていきますというと、教育委員会当事者そのものよりも、市会の議長さんとか、県会の議長さんとか、あるいは県議とか、そういう方が全面的に出ていらっしゃっておる。それでほんとうに指図していらっしゃる方が見えないような現状なんです。ではどういうふうにして引っ込めるかというと、その中で言われていることは、ここから組合の執行委員を出すというと、今建築中の学校ができなくなるとか、橋が落ちたのがかからなくなるとか、全然本末転倒したことでもって、だから善処したらいいのじゃないか、組合は知らない仲じゃないのだから、わざわざそういうふうに県の方に出さぬでもいいじゃないかというような、大へんおためごかしのようなことを言われているわけです。それで先ほどの話に戻りますが、多治見市の坂井という人に対しましても、本人に対しては校長さん初め、みんなからそう言われるし、非常に憤慨して、いまだに腹が立ってしょうがないのは、本人の奥さんが多治見の市役所に勤めていらっしゃる、厚生課にいらっしゃる、厚生課長さんが今度市長さんの命を受けて、その奥さんがかぜでもって実家に寝ていたわけです、その寝ているところに尋ねていって、そうしてあなたの御主人は大へんりっぱないい人だと、だけれども、市の反対側に立つというと、本人にも不利になるし、あなたにも不利になるのだから、あなたからやめさせるようにと、こういうことを言いおいていっているわけです。私は今の時代にそういうことがあり得べきとは考えられませんから、それはほんとうでしょうかと言ったら、ほんとうだと言うから、せっかくここまできて第三者の言い分で、かえって今ここで発言しても不見識だと思いまして、御本人に市長さんを通して会わしてもらった。伺ったら、そうだと、こうおっしゃった。そうすると、一人の働く者として奥さんはそこの市役所で働く人だし、こちらの方は学校の教師として働いておる。そうすると、家庭ではなるほど一緒であるかもしれないけれども、職場においてはやはり独立した個々の勤労人であるわけです。そうすると、家庭と勤労者の職場の一人一人の、何といいますか、確立した権利というか、そういうものをごっちゃにして、せめていったという点、しかも奥さんがかぜで寝て休んでいるのを知っていながら、実家まで尋ねていったということについては非常に問題があるんじゃないか。民主教育をみんなで行なうというのに、逆に当事者がくずしていくという現状を見ていまだに胸の中がおさまらないわけですが、そういう点に対して、先ほど文部大臣がおっしゃったように、それぞれ教育に関係ある者が心配して適当な処置をすることがあり得るということをおっしゃったけれども、その点についていかがでしょうか、お考えを一……、それでも適当な処置とお考えになりますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 千葉委員の御調査になってのいろいろ先ほど来のお話は、そのままありのままのお話であろうということを拝承いたしますが、しかし、立場を異にする者のまた調査がありまするならば、やはりまたおのずから変わった面の報告本出てくるんではないかというふうに考えられますので、私どもの方といたしましては、できる限り双方側の報告を受けた上でないと、はっきりしたことをそれに対して別に意見を申し上げるわけには参りません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 立場を異にしたとおっしゃいますが、私どもは何ら他意あって調査したわけでもないし、何ら含むところもございません。私どもも長いこと組合運動に関係しておったわけで、もしせっかくみんなが営々としてこういうふうに一生懸命にお互いの悪いときに反省し、そうしてこうしたらよかろうということで進んでいる段階で、教育をお互いに考え合っていくという点については、私は別に立場をどうと考えていないわけです。しかし、まあかりに社会党で調査しただけで一方的だというお考えがあるならば、当文教委員会において一つ調査団を出していただくようなお話し合いも、これは委員同士の権限ですけれども、そういう点については文部大臣は進んで御同意されますか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) それは委員会で……。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうすれば一番公平です。みんな全部で行って、各党で行けばほんとうに私はいいと思います。それはこちらの権限だけれども、文部大臣に希望しているんだから、私どもの方としてもそれは大いにやりたいと思っておったのだから、たまたま意見が一致したと、こういうふうに解釈して……。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) だから、千葉さんの御報告は、あなたはやはり公平な見地から、広い視野から正しくものを見て御報告いただいておることと私はありのまま拝承いたしましたと、こう申し上げたのでございます。ですけれども、なおこうしたことについては御意見のように、そういういろいろの方面から、私伺うところによると、ほかにも調査のために行っている人があるようにちょっと聞きましたけれども、まだ行ったのか、行って帰ってきたのか承知いたしておりません。なおこの点につきましては、私の方といたしましても実情を正確に把握するためにあらゆる種類の報告を受けて、そして調査いたしたいと、かように考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 早いうちに調査の機会をもう少し進めていった方がお互いにいいわけじゃないか、こういうわけで徹底的にこの点は調査したいと思っております。  なおまた付加しまして、先ほど奥さんに、渡辺という厚生課長さんが自宅に行っていらっしゃるのですが、それと関連しまして、奥さんのお父さんに対して、やはり前教育長をなさったというような肩書きの方がたまたま御懇意にしていらっしゃったと、こういうことからその方は好意的という意味で、やあやあなるべく出さない方がいいから、お父さんからよろしくやるようというふうな肩たたきを受けておるわけであります。そうすると、表面を見ますと、非常に好意的のように見えますし、それを受けたお父さんは、やはりみんなが心配しておるのだから、お前からも夫に下がるように言ったらいいじゃないか、こう言って、グルになってからめ手からくるわけなんです。そうすると、その御家族は、みんながこんなに心配をしておるからお前下がれと、束になって本人にかかってくるわけであります。心配しておるからということの内容をよく探ってみますと、大へん自分たちのことをほんとうに心配しているのか、まあ多治見市なら多治見市の立場を保とうために議員さん方がずっと活躍しているので、そうしてそれで手を伸ばしていっているのか、教育長さんに会って伺ったわけです。教育長さんは、非常にみんなの意見もよく聞くし、それから財政面の問題についても、学校運営の問題についても、岐阜県下の中でもまれに見る教育長さんだそうです。これはどちらも言っておるから間違いないと思うし、私も見ておるので、非常にそういう感じを受けたわけです。その教育長さんに伺いますと、教育長さんも、陰で動いておるものに対しては、うわさは聞いておるけれども、自分は知らないと、こうおっしゃるわけです。どんなうわさを聞いていらっしゃるかと聞きましても、あまりおっしゃらないわけなんです。そうすると、ほかの方から、私ども伺いました方々からも、実はこれこれこういうわけだ、で、初めは教育長さんも、私もそういうことを知らないとおっしゃったところが、だんだんお話し合いしておるうちに、その本人の辞退届けを、前に教育次長さんと校長さんと立ち会いで、そうして事務官に辞退届けを正副二通複写させた、その一通はほかの人が持って、一通は教育次長さんが持っていって市長さんに報告したと、こういうことが言われましたから、それから教育長さんに、あなたは何も御存じないとおっしゃるのですけれども本人の辞退届けの複写はごらんになったそうじゃありませんかと言ったら、見ましたと、そういう報告はお受けになりましたかと聞いたらば、わざわざではないけれども、駅伝競走があったから、そこに行く途中でちょっとお会いして聞いたと、そうすると暗にそれを裏づけていらっしゃるわけです。初めは知らない知らないと言いながら、だんだん中を割っていくと相当関連を保っておる。で、先ほど申し上げたように、組合の役員に立候補するということは、これは組合員である以上、組合費を払っておる以上、みんな自分の権限があるわけですから、立候補の段階でそういうふうに寄ってたかって沈めていく、結論的にはそうして何かそれにプラスになったか、その人が出なければプラスになるのか、ということは、どんなに多治見の教育のためにプラスになっているかというと、あそこはやかましいところから、知事さんの選挙にからんでいろいろな問題があるところだから、まずだれも出さぬでおれば補助金もたくさんくるし、知事さんが立候補するときにも現に多治見は特別にたくさんやるという約束もあるのだ、それだから橋もかからなければいかぬし、学校の増築もできなければいかぬというふうになってくると、何か組合員自体の問題を離れて、これが何かの具に供されているのじゃないかということが、私非常に自分の気持が間違っておるのかと思って、ずいぶん冷静に考えてみたのですが、お一人お一人から受ける印象からものを考えるときに、何か割り切れない問題を残しておると思うのです。私この点をくどく申し上げるのは、岐阜県を初め、各県に専従条例というものが用意されておって、そうして今度はその選挙に関しては当選してその許可願いを出す以前ですね、まだ立候補の、どこを出そうか、ここを出そうかという、そういう段階のときに、そういう圧力を加えられていくということは、やはりみんなの生き生きとした芽をつぶしていくのじゃないかと、こういう心配があるわけなんです。なお、それに関連して美濃というところでもやはりそういう点が行なわれて、これはここに名前を差し控えますが、県会議員の方ですが、その方がやはり行きまして、これは育友会のみんなと話し合って、今度ずっと圧力をかけてきた。美濃では平田という人が立候補いたしましたが、その前後に育友会長さん、それから議員の方々が校長さんに対して非常な圧力を加えてきた。それで特にまあ市会議員の方も一緒になっておりますが、その地区の巡査の方も育友会に来て、やはり話し合っているわけですけれども、巡査の名前もここにございますが、きょうは巡査が相手じゃないのですね。そういうふうに言われているわけなんです。その中に育友会としても、今度美濃から出してもらったのでは困るからやめてもらいたい、こういうことになってきております。そうして育友会でそれを聞かなければ考えがあると、こういうことです。ところが先生方が、組合員が話し合って、そのことは組合自体の問題だから、自分たちが話し合うから政争の問題にこれを巻き込まないようにしてもらいたい、こう言っているわけです。そうしたらこの育友会の方々が、これは名前がございますが、省略いたしますが、その方がそれなら手を引く、手を引けば一区民だから区民大会を開いて、その問題を討議するからというわけです。それで区民大会を開いてその問題を討議して、そうして自分たちは対決していく、そうして組合の方では、それは自分たちの問題だから、目分たちがいろいろ考えて、その人物についても、あらゆる点から考えて善処するから、ほうっておいてもらいたいと、こう言って、やはり組織というものをお互いに守り合っていって、いいものに育てていかなければならないと言ったら、組織というのは日教組か、日教組を守るならば徹底的にやるからこいというようなことになって、やはりその後育友会で懇談会を開いたところが、それは区民大会を開いてまで教組の専従を一人きめることに対してはやはり問題があるから、世間の批判もあるから、三月四日の会合では区民大会を開かないということにきまったわけです。そうしていきますというと非常な問題があるのです。で、その点と、それからやはり分会会議を開いていると、ちらちら県会議員その他が廊下からのぞいて、人を呼び出したりして何かちょっといろいろなふうに言われているわけです。しかし、こまかいことは私ども一々これを取り上げたら切りがございませんが、要は立候補の段階で制約するようなことは、私はまずいと思うのです。文部大臣は先ほどそれぞれの立場で善処するとおっしゃったのですが、大臣のおっしゃる善処という言葉は、やはり大いに民主的に討論して、いい悪いをきめるのは組合員ですから、出た者がいけなかったら、それは半年のうちでもいいし、一年のうちでも、どんどんボイコットしたらいいと思うのです。いい者を出せばいいのですから、組合自体でやる問題であって、だからそういう中で先生方も非常に心配してあの人がよかろうかとか、この人がよかろうかとか、最もいい者を出そうとして苦慮して、西に東に走っている。そんなにして本気にやると、この町が不利になるから出さぬように、陰に陽に朝晩会って、育友会長さんだとか、市会議員からやはり、おれとお前の仲じゃないか、何でおれに言わぬで立候補したかというようなことも出てくるわけです。これは酒の席でしたら、そういうことも冗談であり得ると思いますけれども、しかし現われてくるところはやはり組合員が何かしら、そんならまあまあということになってしまうと、やはりこの意欲というものをそぐようになってしまうのじゃないかと、こういう点を心配しまして、これは美濃と多治見が顕著な例ですが、その点はやはりかなりあるわけです。高等学校の問題に対してもありますが、きょうはまあ高等学校で三名か四名か、何か公示の手続云々で四名か、承認をされましたから、きょうはこれを抜いておきますけれども、手続上云々だから抜いておくとか抜いておかないとか、機械的に問題の本質を全然離れて、そうして考えていくというような点については、まあ十分に私お互いにこれは考えていかなければならない問題じゃないかと思います。  それからもう一つは、横道にそれて恐縮でございますが、週刊文春の三月七日の特六号というのがございます。これを岐阜県が、部数は千五百か二千か、存じませんけれども、千五百までは確実だと聞いたわけでして、これを、大きな封筒がございますね、その裏に岐阜県という判が押してある、その脇の方に岐阜県総務部云々ということがあるわけです。県下の青年団、婦人団にこれをまいているわけです。それで、まいてもらった人から私これを頂戴したのです。その名前もわかっております。何でまいたかといいまして、調べていったところが、これはまあ非常なもので、この中に、ごらんになると、「日教組を骨抜きにする゛ヒトラー″」ということで、松野知事の写真が奥さんと一緒に載っておるわけです。これがものすごく売れてしまい、なぜ県庁がそんなに買ったのだと。岐阜県では「文春」が売り切れているわけです。これを読んでみたのです。これは「文春」のことですから、私も責任持ちませんが、非常に興味本位ですけれども、松野知事と大野伴睦と先生の親分、子分で、濃尾地震以来の変革を行なうということがある。とにかくそういう中で、県の判定勝だと、まるで端馬か何かのようなことが書いてあるのですね。教育というものがこんなにおもしろ半分に扱われるということは━━これは雑誌自身ですから、これを追及するわけではありませんが、やはりもとを提供していることは、専従問題と関連して、相当根があると思うのです。これはだれがまいたか、岐阜県庁がこういうお金を何でまいたか。きのう私が社会教育の問題でその点を詳しく質問したのは、いろいろな庁費という名によって、それが現にばらまがれたりなんかして、使い道がはっきりしないような点を心配したのです。岐阜県会で、この出所と予算の問題を追及するということで、これが一つの問題としてありますけれども、これはこの場所で言うのは恐縮ですが、これをめくっていきますと、青年団の幹部に配っておるのです。ここには大へんなことがこういうふうに書いてあって、また淡谷のり子と今東光の対談のように、とにかくすごいわけですね。青年がここをうまく読んで、松野というのはそんなにフアッショか、そういう義理でもって組合をいじめるのかという気持になるならけっこうですが、おそらくそういうことではなくて、もっとこっちの方を読んでいくと、これよりおもしろいことがたくさんあるわけなんです。そして、この社会教育、青年教育という問題に関連して、私は非常に問題があるのじゃないか。この点は、また社会教育の面で、青少年対策等でまたございましょうけれども、やっぱり県自体が、そういう点で、教育的だという名によってこれをばらまくというところに、すでに少しおかしいところがあるのじゃないか。もし調べるときには、文部省もこういう点を一ぺん調べて、どの費用で買ってだれに配ったかという控えがあると思うのです。ちゃんと岐阜県庁という判をペたんと押してあって、岐阜県総務部ということが書いてある。とにかく、これをすみからすみまで読んでみたのですが、社会教育の面ではは、この問題だけでもだいぶやらなければならぬ問題であってそういう点を一つ申し上げておきます。  それから、もう一ぺん念を押して、恐縮ですが、文部大臣に伺いますけれども、役員の立候補の段階で、事のよしあしは別として、制限を加えるということは、世界の国のどの常識から考えてもまずいし、これは役員の選挙ばかりでなくて、一般の公民の選挙につ  いてもそうでございまして、まして自分たちの権利を守っていくという役員の選挙でございますから、当然これは組合自体にまかして、外からの干渉というものは厳に慎しんでいただきたいし、それが当然だと思うのですが、その点大臣もう一ぺん御所見を伺わしていただきたいと思います。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 立候補の段階で制限するということは、私もよくないと思うのです。これは千葉委員のお考えに同感でございますけれども、岐阜県の場合にはちょっと話が違うのじゃなかろうかというのが根本問題なのです。要するに、岐阜県条例では、一応十五人ということにきまったわけです。ですから、十五人の範囲内で専従休暇を許可するということが、岐阜県当局としては、これは当然のことだろうと思うのです。そうなってきますと、一方組合側は、実力でもって二十五人どうしても立てるのだ、こういうことを宣言していらっしゃる。そうなりますと、十五人をどうして選ぶかという問題があるし、十五人以上はみ出た者の処置をどうするか、かえって教育界は混乱するのではなかろうかという点を教育界の人々はいろいろ心配しておられる。そこで組合も、もし十五人で専従を押える、だから立候補は自由にしてくれと、こういうことだったら、私は非常に問題は少ないと思うのです。そこに根本の問題がありますので、こういう点が非常におっしゃるように大へんいやな事態も起きているのではなかろうかと、こう思うのでございます。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 千葉君に申し上げます。ただいま自治庁今枝公務員課長が出席いたしております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 内藤局長さんの今おっしゃった点、十五人以上出ないようにということで配慮して、そういう問題が起きているかもしれないとおっしゃったのですが、このことがちょっと行き過ぎなんです。ちょっとよりも、大きに行き過ぎじゃないかと思うわけです。というのは、十五名以上出た者については全部懲戒免官にするという話が出たわけであります。その点についての法律的な根拠とか、条例については、他の機会に譲りますが、組合が選んでみて、たとえば十五人なら十五人選んだとしても、この人数に対しては、組合自体としても慎重な問題になってくると思うのです。だけれども、選ぶ場合に、現に岐阜県教組は十五名以内です。今調べて参りますと、ちょうど信任投票が行なわれておったわけですが、そしてまだ結果も出ないし、いろいろな段階のうちにそういうふうにやってくると、そうすると、私もっと詳しく申し上げるのを遠慮したのですが、たとえば美濃なんかの平田という人に対して、ある市会議員が、「平田は日教組から三百万円もらっているのじゃないか」と、こう言うのですね。一体何を根拠に三百万円なんというお金を━━三百万と一口に言うけれども、われわれは五万円の金も満足に握っていないから、驚いたわけです。それを、「平田さんは日教組から三百万円もらっているから、だから幾ら言っても聞かぬのだ」と。そんなお金をもらって何に使うのだということで、とんでもないことに発展してしまうということになってくるのです。あるいは、その兄さんという方が農業していらっしゃる。そして、「お前はやめた方がいいのじゃないか、弟の就職に差しつかえるじゃないか、弟がせっかく県関係のところにきまりかかっているのに、お前が出ると弟の就職がだめになってしまう」ということで、圧力がかかっておる。そうすると、やはり、立候補の段階で圧力を加えるそのこと自体が間違っていると同時に、間違っているからこそ、こういうふうに圧力を加えてくるのではないかと思いますが、そういう点を考えておるわけなのですけれども、内藤局長さんは、十五名以内にしようと思って苦慮しているその現われだというけれども、私はそう受け取れないわけです。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 確かに私も、立候補の段階でいろいろ制限を加えたりすることは行き過ぎだと思いますけれども、私は、一番いい方法は、とにかく岐阜県の教組が実力で二十五名を確保するのだということを声明していらっしゃる、ここに問題があると思うのです。ですから、岐阜県の教組は、条例は不満だけれども、きまったのだから十五名でやるのだと、そのために立候補してほしいというように岐阜県教組の態度が変わったら、私はこういう事態は起きてこないだろうと思うわけです。お互いに、十五名以上出た場合には、その処置に非常に困って、かえって教育界が混乱しやせぬかと、こういう不安がありますので、できるだけ一つ御辞退願おうということで、関係者がいろいろ心配しているのじゃないかと思うのです。だから、決して私は、悪意じゃなくて、善意で心配しているのだと。多少行き過ぎがあったかもしれませんけれども、さっきの多治見市の場合には、教員坂井先生みずから、別に圧力に屈して辞退をしたのではないということを新聞にも声明しておったのを見たのでございます。ですから、この根本問題を解決していただくには、とにかく岐阜県の教組は、十五名以内で専従を認めると、こういう態度をきめていただいて、そのかわり立候補は自由にしていただきたい、こういうことでしたら、この問題は非常にスムーズに解決するのではなかろうかこ思うのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。今、内藤初等中等教育局長の言葉としては、私は非常に不穏当じゃないかと思うわけです。この問題は、教組がこの前の県条例の問題を承認しているかというと、手続上いろいろ問題があって、この問題については争点になっておるわけです。まだきまっていないわけです。この問題はここでもしばしば論議されたけれども、実際はこれは労働組合の内政干渉なんだな。この疑いが十分あるわけです。文部省の立場は、当然それを守るということで、そういうことには私は介入すべきではないと思う。正しい労働行為は、ほんとうにもう守ってやるという立場が当然これは今の憲法下にある政府の立場ですよ、これは。それなのに、今のように、とにかく不満だか知らないけれども、一応きまったのだ、それだから十五人以内で日教組がこれを守ればいいのだというような言い方を、これはほかの人が言うならいざしらず、大臣のかわりの政府委員として初等中等局長が言う段階においては私は非常に問題があると思うのです。これは、やはり今の言葉は、そういう言い方で、それがまた向こうへ伝わっていけばどういうことになるかというと、文部省の意向はそうなんだ、とにかく内容のいかんにかかわらずこれは従えばいいのだ。内容のいかんにかかわらず従えばいいのだということは、私は非常にいけないと思う。戦争前の思想だと思う。内容について今論議されて、非常にそれについては問題がある。労働組合の自主性の立場からいっても問題がある。そういう問題があるときに、そういう問題を明らかにすることなしに、単に日教組がそれを守ればいいのだというような発言をされることは穏当でないと私は思う。この点は取り消してもらいたい。これはけしからぬと思うのです。そういうばかなことはない。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 条例を、私どもは適法に制定された条例だと心得ておるわけですから、その条例で十五人にきまりますれば、これは専従休暇も、法律または条例の範囲内で認められているのですから、そこは守っていただきたいと思うのです。この態度を、条例を無視して実力専従をやろうという岐阜県の教組の考え方に私は疑問を持っている。むしろ、いろいろ問題があるなら、これはしかるべき、裁判なりその他の方法で解決の道があるわけですから、それはそれで別にやっていただきたい。しかし、われわれとしては、やはり現行の法律なり条例を守らざるを得ないと思うのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、ここで論議する気はないのですけれども、やはり適法にやられたかどうかということについては非常に問題がある。それから文部大臣の当時の方針、そういうものが岐阜県で貫ぬかれたかどうか、ここに非常に矛盾がある。この問題が明らかに追及されていくと、文部大臣がこの前に当委員会で声明されたそういうものと矛盾があるはずです。そういう形できめられたこのことについては問題があるわけです。文部省の一貫した政策であるか、方針であるかというと、そうもなっていない。そういう形できめられたことについて、とにかく岐阜県でこれはきめたものがどうだろうが、とにかくああいうようなやり方で、ほんとうにまぎわにわっと持っていくような形できめられようがどうしようが、これは適法だ、だからそれについてどこまでも従えという格好では、やはり労働組合の自主性というのは破壊されると思うのです。これは議論してもあなたはおそらくそういう主張されると思うし、私は私の主張をこれは変えるわけじゃない。しかし、そういう形の言葉があなたの言葉として発表されて、それが文部省の全体の方針であるかのように下におろされると非常に問題があるから、その点については慎重を期してほしいというのが私のこれに対する要望です。これを伝えておきます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 関連して。今、初中局長が、実力で専従を確保するということになれば混乱する、こういうことだから、こういうふうな干渉の仕方はまあ是認されなくちゃならぬというふうな答弁に聞こえたわけですが、そうなるというとおかしいので、これは文部大臣に質問したいのだが、まあ、県条例が適法に制定されて、十五人という制限をした、それはそれでいいでしょう。われわれは反対するが、そういうふうなことを制定したということは事実だから。しかし、組合員が団結権を持っている中で従前ですね、二十五人なら二十五人選ばれてきた、これに対して文部省等の指導によって専従を制限すると、こういう形の中で十五人、こうきたわけですが、組合が二十五人選ぶということは、それが実力で選ぶとかなんとかということ、麗々しく言葉を言わなくてもそれを選ぼうということについて、きめることが混乱を起こすということになるのかどうか、問題は。組合が二十五人に何して、県の方は十五人だということを、県は県でやればいい。その中で、二十五人の人を選ぶのはけしからぬと、これは条例に違反だということを言ったが、二十五人の人が選ばれる前に選んで、二十五人の専従について許可をもらいたいと、こういうふうに専従の休暇の許可を願い出るでしょう、そこで初めてこれは二十五人というものは、県庁側に言わせればこれは困るんだ。そこで初めて条例が生きてくるので、その前に幾人も選んじゃいかぬとか、それから立候補の制限を何人にしなくてはいかぬということは、これは実態が現われるまでは干渉ということに私はなるのじゃないかと思うのです。だから、県の方が専従を許可するという権限を持っているわけですから、内藤さんが言ったように、あらかじめそういうふうなことの混乱が予想されると言ったって、混乱ではなくて、そのときはこうだというふうなあれが要請機関として持っておれば、立候補についてとやかく言うということは、どう考えたってこれは行き過ぎであるし、だからそういう点について文部大臣は、これはそういうことは組合干渉的になることになるからいけないんだということを私ははっきり言えると思うのです。これはただし、二十五人を選んで今度組合が、これを確保するために実力行使をするとかなんとかいって、そこに法に触れるようなことがあれば、そのときに組合に対してやったことが、それを組合側が弾圧だと言えば、県庁側はそうでないというふうに言えば、それはおのずからその中で一つの問題としてはっきりしてくると思うが、そうでなくて選んで出す、そこまでは組合の私は自由だと思うのですが、これは大臣どうですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 私はそれはそれでいいと思いますが、内藤局長がさっき言われたことは、県条例はだしぬけにやったとかなんとか言われますけれども、とにもかくにも合法的に成立して今日は県条例として出ておるのでありまするから、いたずらに紛争を招かないように県条例に沿うて十五名を出してもらうことが望ましいという意見を述べられたのであると私は思うのであります。あなたのおっしゃるように、もしそれに頭から県条例を無視して無理に二十五名なりなんなりを選挙するということは、はっきりわかっておることを無視してやることになるのであるから、これまた行き過ぎでなかろうかと思うのでありまするけれども、それはしかし、おれの方は自由であるというので県条例を無視して出すというのでありまするから、そういう場合には、出してきた場合にはその休暇の許可を県は認めないというようなことになるのではなかろうかと私は思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 また文部大臣は回りくどいようなことを言って、いつもに似合わない不明瞭なことを言っているが、問題はちょっと岐阜の問題でもそうですが、これは各県にいろいろな似たようなことが行なわれてきているが、結局必要以上にてんやわんやのことをやって、冷静にものを処すならば、県の方が、二十五人選ぶということになっても、専従のこの十五人というのは、これだけは認めるということの条例だと思うのです。だから私は、今大臣が言ったように、条例についてこれは違法だとか適法だとかいうことを言ってないのですよ。そうじゃなくて、組合の方は十五人と言っているけれども、それは組合としては承服ならぬということを言うことは自由だと思うのですよ。かりに今の法律があっても、こういう法律は悪法なんだと、それで二十五人の専従許可願を出して認められない場合にも勝手におれは専従なんだというふうになるときに問題が生ずるのであって、それまでは、候補者になってかりに当選したって、それはそれだけの組合の内部問題だけで、公的にそれが専従を組合が自由に確保できるというならば問題だけれども、制限できるのでしょう、県庁は。もしも十人の者が勝手にそういうふうなことをやったということならば、初めてこの専従の許可という問題に関連して、これは合法的でないというふうに県庁が言う段階がくるかもわからぬ。だから、それを飛び越えて立候補するときにどうだこうだと。これは善意だとか何だとか言ったって、それはごまかしですよ。これは必要以上に組合を規制して、そうして人権に対して非常な干渉をして、そうしていろいろな条件を出してきてさせないようにする。これは明らかに行き過ぎなんだから、それは行き過ぎなんで、県としてはとるべき態度はこうだ━━あなたの方が指導するならば指導してもよろしいけれども、こういった事態は、今、千葉さんが言った事態にしても、岩間君が言った事態にしても、これは明らかに組合に対する干渉ですよ。だから、それはいけないんだということを言うと、何か松田さん、あそこは大野伴睦さんがいて、その子分の松野知事だからめんどうくさいことになる。この前もちょっと大臣の言ったことを松野知事が頭にきて、飛んで来て何だかんだと言ったと言ったけれども、かりに大野伴睦さんがどういう人だか知らぬが、偉くたって、それはそれとして、これはこれなんだと、文部省としてはこういうふうに指導しておるんだというところでいけば、事態は冷静にいくし、あるいは、一時は混乱するかもわからぬが、それは、おのずから条例を県の方が制定したからには、守っていればいいのでしょう。こっちは反対ですがね。そういうことで、必要以上な組合干渉とか、人権に対する干渉ということまで行なわれておるということになった場合━━これはなっておるのですが、これはやっぱり行き過ぎだということになる。大臣が言いにくければ、内藤さん言いなさい。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 今お話しのように、二十五人候補者が出てくる、県は条例だから十五人しか許可できないと、こうなった場合に、一体県側としては十五人をどうしてしぼるかという問題が一つあるわけであります。そこで、組合にこれを十五人にしぼってほしいと言った場合に、今、岐阜県の教組本部は、どうしても二十五人出すと言ってきかないわけでございます。そこで、まあこれは根本的には条例の効果を疑問にしていらっしゃるのかもしれませんけれども、こういうようなことでは私は事態は解決しないと思うのです。かりに二十五人出てきた場合に、教育委員会としては、条例  で十五人ときめてあるから十五人にしぼっていただくまでは許可できない。そこで組合側はこれに譲歩しないというふうな事態がありますと、その間非常に教育界が空白になる。で、抽せんというような方法もあり得ると思いますけれども、これは私はよくないと思うのです。ですから、こういう事態を起こしますと、今言いましたように、はみ出た者に対してどうしても不許可の処分をしなければならないでしょうし、不許可の処分をした場合には職場放棄というふうな問題が起き、懲戒処分の問題も起きてくるだろう、こういうことを当事者は非常に心配していらっしゃるわけです。ですから、私は一番いい方法は、組合は条例については不満だろうけれども、この際専従許可をもらう者は十五人であるという態度を明確にしていただければ、私は非常に今おっしゃったような立候補の段階におけるトラブルはなくなるだろう、こう思いますので、一つそういうふうにごあっせん願いたいと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 だから、その内藤さんの考えている点を私はとやかく言っているわけじゃない。そういう行き方もたしかあるでしょう。十五人だから、十五人という定員をきめて、候補者は幾人立ってもいいんだということになっていけば、おだやかにいく。それを、組合が、それは反対なんだ、困るということでかりに二十五人選んだ場合に、抽せんとか何とか言っているが、それは県教育委員会が権能をもって十五人の専従を許可する、それ以外しないということを県が言っている。ところが、そういう段階において、よけい出てくりやみんな首だ、こんなような、まるで殿様みたいなことをすぐ言い始めるから、事態はますます紛糾するわけだ。要らざることの中から紛糾しているんです、事の事態というものは。だから、今、内藤さんが言うふうに、十五名の者を選ぶためにやってくれということも、これはあなたの立場から言えば当然です。そういうことの方法がいいかもわからぬ。しかし、そうではなくて、そこにいろいろと従来の話し合いがあって、過去においては二十五人やってきたんだと。今にわかに教組の弾圧をするために、弾圧という言葉がいやならば、教組を何とかちんまりとさせたいと、こういうことで人数を縮小してきたということを、すなおにいいことだなと思う人もあるかしらないが、組合員としては、従来これをずっとやってきて、今にわかにこれをぴたりと条例とか何かでやるということについては、これは納得できないと、こういう気持も、これは了としにやならぬ。いいですか。だから、それはそれぞれの考え方というものがあってやるんだから、終局的において県の方は十五名の専従をこの条例によって許可するという権能があるんですから、だから、それをどういうふうにしてやるかは、くじっ引きとか、くだらんことを言わないでも、やればやれるわけだ。それを、全部ひっくるめてどうするんだ、こうするんだと、持って回ったようなよけいなことを言っていくから、ますます混乱してしまう。だから、われわれの方としては二十五名と言いたいけれども、県の方はそうはいかぬというなら、おのずから組合員としてのやることと県教育委員会のやることとあるわけだ。だから、その場合に、いろいろな問題が出てきたときには、出てきたときで双方が冷静に対処すればいいんで、そういうふうなことを考えていった場合に、あまりに何か頭に来て、何か文部大臣が言えばかみついてきたり、いろいろなことを岐阜県がやっているけれども、岐阜県の一貫した考え方もあるかわからんが、このこと自体は行き過ぎだ、これは組合干渉になるからね。好ましくない。どうしてそういうことを言わない、内藤さんは。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 私は、組合が基本的にやはり条例を守るという態度はきめていただきたいと思う。そうすれば私はこういう━━確かに私は立候補の段階においてとやかく言うのはよくないと思います。思いますけれども、基本的に条例を守らないという方と条例を守らせようという側が対立しているわけでこういうことになると思う。私はこの際、岐阜県の教員組合の諸君も、例条を不満だけれども守るという基本線を立てていただければ、この問題は一ぺんに解消すると思っておるのでございます。(「どうかしている」と呼ぶ者あり)

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 まあ内藤さんも一つ束にして……(「どうかしているぞ」「どっちがどうかしているか」と呼ぶ者あり)いや、だから━━吉江さんまあ……。条例を守るということについてやられることを私は否定しているのじゃない。だから、条例を守ってもらいたいという県のやり方は、県はこれは県としてもっともなことだと私は思う。県の立場から言えばですよ。しかし、そういうことによって県は言うだけじゃなくして、実行力を持っているわけだ。いいですか。だから、いろいろのいきさつの中で条例というものについて反駁する気持、そういうものが強くて、にわかにそういうことについては同意できない。これは組合というものはそういう性格のものですよ。そのときに、二十五人出てきたときにどうするかという点は、県教育委員会が固持するということになるのです。だからあなたの願望だからやったことは善意にこれはいいんだと、仕方がないのだということでなくて、おのずからそのけじめをつけて、組合のやっていることについては文部省としても好ましくないけれども、しかし組合は組合の立場もあるだろう、だから県は県なりにやっていってもらいたいということで、その他一切の立候補とか、そういった問題についての問題は、必要以上に混乱を起こす必要はないのだ。すなおに見守ってやりなさい。今までのような干渉的なことは今後やらないようにという指導をすべきだと思う。私はこういうことで……私の言うことわかるでしょう。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 基本的には私も岡先生のおっしゃることはよくわかるのですけれども、問題は、先ほど来申しますように、私は二十五名の専従の許可願がきた場合に、県は十五名なんだから十五名しか許可できない。こうなりますと、組合が十五人にしぼっていただかなければならぬ限りは事態は改善しないと思う。(「問題はそこに移る」と呼ぶ者あり)そこに移ってきまして、ところが現在の段階において組合はそれを十五人にしぼるという意思がないわけです。そこに問題がある。ですから、私はそこのところが、基本線を守っていただけば立候補の段階でいろいろごたごたということはなくなるだろうと、こう申し上げているのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連して。まり長くやらない。やはり私は内藤局長と文相の間に意思の統一がこれは十分じゃないんじゃないかと思う。これは文相にお聞きしたいのです。今までの経過を知っていますから、これはずっと関係して。大体、岐阜の条例ですね、これは非常によかったとお考えになっていらっしゃいますか、それとも、これはできたからまあ仕方がないと、こういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。この点まずお聞きしたい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 文部省としては、県がそれぞれその自主性に基づいて条例を出し、その制限をやることに対しては、やつちゃいかぬ、あるいはやりなさいというようには何ら指導して参っておらぬ。ところが、今回の場合は私どももそういうことを事前に知っておったわけでないのですが、とっさの間に、まあおっしゃるところによると、ああいう条例ができた。しかしいろいろお話しが従来ありましたけれども、とにかくにも適正にこれが行なわれて条例というものは今日出ておる。そのときに、専従の選挙をめぐって、県当局はどうしても条例に基づいて十五名にしぼりなさいというし、県教組の方では二十五名なり何なりを出してくれということを主張されておるのでありまするから、これまででもいろいろ騒ぎのあったときに、そういうことが実現してくる場合、なお今後紛糾が予想されますので、その予想される紛糾をできるだけ事前に防ぎたいという気持をわれわれとしては持っておるわけであります。ですからできるだけそういう条例以上の数を選挙してこないようにしてもらうことが望ましい、そうしてもらいたいものであるという気持を持っているということを申し上げておきたい。むろん干渉がましいことをやるというようなことは申しておるのではありません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私はあとの方はまた別にお聞きしたいと思います。ただ、県条例そのものについて、こういうことを制定された、これは文部省の大臣としては、望ましかった、非常によかったのだ、あるいはまた、どうもできたんで仕方がないと、こういうことについてお聞きしたのですけれども、このことについてはまあはっきりした御答弁はなかった。あくまで県の自主性は尊重する、これは当然だと思います。文部大臣の立場としては。しかし今までの経過からいけば、これは非常に文部大臣言いづらいのだろうと思う。はっきりそのものずばりで答弁できないところがあるのはよくわかります、今までの経過から。つまりどっちかといえば、これがよかったなんということはどこからも出てこない、できたからこれは仕方がない。しかし方針としては、文部大臣が常々、文部委員会で去年の夏から何回かにわたってわれわれに説明してきたったものと非常に違うことは事実、私は推測したのではなくてこれは事実なんです。その結論としてできてしまったものは仕方がない、これはつまらないことをやってくれたと腹の中では思っていらっしゃるでしょう、しかしそれが言えないのです。だから私は今までの文部省の主張からいえば、ずっとこの専従問題についての方針があったわけですからね。そうすると、この県条例ができたんだから仕方がないという形で、それにどこまでも従えというような形の指導だね。これは現実的にはそういうふうになるし、それから非常に形式的にだけそれを押していけば、何の責任もなしに、その間に今までやってき言動に対する政治的な責任というものは少しも考えないで、できてしまったものは仕方がないんだ、それにどこまでも従っていけばいいんだと、こういうような形の議論の進め方では私は文部省の指導にはならぬと思う。ところが、内藤初等中等局長のさっきからのお話によりますと、これはどうもそうなんだ、県条例ができて、これはまことに合法的で正しいのだ、これはあなた方は最もよかったんだというふうにお考えになっておるかもしれない。どうもしかし今までの経過からいうと、あなた自身も相当あの黒幕であったようなことも大へん問題であったようだ。あなたは天地神明に誓ってそんなことはありませんと私に言ったけれども、これはまだ証明されていないわけです。そういう立場であなたはいって、そしてどこまでもこれを守るんだというような、いわゆる県側の立場に立って、そして文部省の方針とは違うような立場で、初等中等局長のやはり私見というものがまじっては私はまずいと思う。その点から私は申し上げているのです。この問題はやはり文部大臣が言われてきたような大臣の方針は私は正しかったと思う。そして、これにはやはり岐阜の県条例というものは反しておる、できたから仕方がないという事態はあります。現状に立たければならないという問題はありましょうが、しかしそこのところは違うんだから、この問題については、やはり私は十分に考慮すべき問題だし、しかも今、岡君から言われましたように、これは選挙の問題ですからね。選挙の干渉を通じて実は組合に対するこれは相当大幅な、まあ何といいますかな、組合の骨技きとか、組合の無力化とか、こういうことが起こり得る可能性もあり得るような重大な問題です。だから私はこれは労働不当行為になっておる。こういう問題は、労働大臣にここへ来てもらって、あとで聞けばいいと思うのですが、私はそういうことは例がないと思うのです。世界にも例がないと思う。専従の組合員の人数、これは民間団体ですからね。公の団体ではありません、公的な団体ではありませんので、こういう団体の一体、選挙に対して、その立候補に対して干渉する、しかもこれはいろいろな公職にある者が、陰に陽にあらゆる面からこれに対して威圧を加え、あるいは非常に切りくずしをやり、言葉巧みにうまいことを、先ほど千葉さんがるるとして述べられたようなやり方でくることについて、これをこのままに放置するというようなことになれば私は非常にまずい。だから文部省のこの行政の面からいっても通らないし、労働組合に対するこれは国の政策としても私は通らないと思う。そういう上に立って、内藤局長のさっきのような言葉だけで、いかにも昔の訓令を思い出すような、古い字引でも引っ張れば出てくるような、文部省訓令の再現みたいな言い方は慎しんでもらいたい。この点やはりはっきり確認されるべきだと思う。文相の今までずっと言われたのは、ことに松田文部大臣は、あくまでも恥を知るということを、これは最もモットーにされている。この前、本会議でそういうことを言われた。文教の根本精神は何だ、恥を知る、恥を知るというのは何かというと、自分の政治行動の中で、いやしくも大臣として言われたことは、これはやはり一貫される、そこにやはり松田文相の男らしい本領があると思う。そういうようなものに反するような方向を局長がとってはまずい。この点は私はっきり申し上げる。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 何か私が大臣の御方針に反したようなことを言われましたが、これは全然ございません。御承知の通り、専従制限につきましては、教育長会議あるいは全国の教育委員長会議で、こうすることが適当であるという一つの要望は出ておって、その要望について関係各省で協議中であったわけでございます。ですから、このこと自体、岐阜県は悪いというふうにお考えにならなかったと思う。そこで、岐阜県は岐阜県の責任において自主的におきめになったわけです。確かに組合の役員選挙についていろいろ干渉がましいことをすることは私よくないと思う。しかしながら、今お話のように、日本のような専従休暇制度をとっておる国は諸外国にないわけなんですから、こういう諸外国にないような専従休暇制度というところにも、私、問題があると思うのです。組合役員専従休暇を当局側が許可するというところに現在の法令の建前はなっておるので、そのところにどの程度の人数なり、どの程度の年限で許可するかという問題点があるわけなんです。そこでこういう事態も起きたことだろうと思うのでございまして何か文部省の方針が一貫してないというお話につきましては、私ども実は承服いたしかねるのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こういうことだけはわかった。とにかく選挙に対する干渉はいかぬ、これは確認していいですね。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 選挙に対する干渉は慎しまなければならぬと思います。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 委員長の方より。今議事が、だいぶ質問が混乱しましたので、確認をしていただきたいのですが、岡君の質問は、条例を守らないという点は、これは別にこれに対する方法はあるんじゃないか、条例を守らないということと人権侵害に類するようなこと、あるいは不当労働行為に対して対処することとは別じゃないかと、こういう質問であったと思うのです。これに対しては明確に答えが出ておりませんので、これを一つ確実にお答えをいただきます。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 人権侵害に当たるようなことは、いかなる場合でも慎しまなければならぬと思います。組合干渉も慎しまなければならぬと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それでは私これで終わります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 今の点については、必要以上に地方において混乱が起こるときには、やはりその内容を分析して、そうして必要以上の混乱を防がなければならぬ。大体最近においては文部省の指導が強力だか知らないが、なかなか頭にきておる状態が地方に多いから、これはよく考えておいてもらわなければならぬと思うのですが、私はここで━━自治庁の方、どなたかきていますか。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 今枝公務員課長が参っております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ILO批准に伴って国内法の整備がしばしば政府の内部においても討議されておるということは承知しておるわけですが、最近、石原自治庁長官が、労働省あるいは文部省等のいろいろの専従問題について、特にILOの批准に関しての規制という問題について、まあ専従者を休職にして、休職期間中昇給は見合わせるようにしたらどうか、こういう内容において中間をとって立法を急がなければ、もう時日も相当たっておるので、何とかまとめにやならぬというようなことの言明が新聞に載っておりましたが、これがどの程度確かかどうか私はわかりませんが、自治庁の方としての現状ですね。これは先生だけじゃなくて、地方の自治体の専従というものも含めてどう考えておるか、現状についてお答え願いたいと思います。

今枝信雄自治庁行政局公務員課長

○説明員(今枝信雄君) ただいま御質問のILO条約八十七号の批准と関連いたしまして、いわゆる在籍専従制度をどういうふうに取り扱うかという点につきましては、御指摘の通り、政府部内でいろいろと検討が進められておるのは事実でございます。御案内の通り、ILO条約八十七号を批准いたしますと、現行の国家公務員法並びに地方公務員法で規定されております職員団体の役員等につきまして、現行の取り扱いを変更する必要があるかと思います。そういうことと関連いたしまして、在籍専従の制度についての現行制度では、構成員を現職の公務員に限るということと裏腹の関係で在籍専従を承認すべきである、こういうことを基本の立場にとっておるのでございます。かりに現職公務員にその構成員を限らないという立場になりますと、理論的には在籍専従制度というものを法律上認めなければならないという筋合いのものではないと思うのでございます。そういうふうな見解に立ちまして在籍専従制度を廃止すべきである、こういう見解が一方にあることは御承知の通りでございます。また法律上、理論的に在籍専従制度を認めなければならない根拠はないにいたしましても、公務員の職員団体に対して便宜を供与することが、すぐこれを組合に対する不当介入である、あるいは不当支配である、こういうふうにも受け取りがたい面もあるわけでございます。たとえば組合に庁舎の一部を貸与する、そういうことも現に行なわれているわけでございます。それをもってすぐすべてが組合に対する不当介入あるいは不当支配である、こういうふうなこととも思われません。そういう意味におきまして、便宜供与として在籍専従制度というものがあってもいいのじゃないか、こういう意見も一方にあるわけでございます。もし在籍専従制度をそういう便宜供与として、法律上の制度として残す場合に、いろいろな形があるのじゃないか。従いまして、そういうふうな形として一定期間を限って休職の制度をとる、あるいは休職に類似した行為をとる、あるいは現行のように休暇制度をとる、いろいろな形が考えられるわけでございます。そういう点につきまして、関係各省の間でいろいろと協議を進めている段階でございまして、自治庁といたしましても、これでなければならないという案がまとまっておるものでもございませんし、政府全体といたしましても、こうであるという方針がきまっておらないのでございます。御案内の通り、公務員の制度は、地方公務員、国家公務員を通じまして、やはり均衡のとれた制度でなければならないという立場に立っておりまして、国、地方を通じて、目下その点について鋭意検討を進めておるという事情でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 今、見解はよくわかったし、検討していることもわかったのですが、現状においてやはり地公法改正ということになれば、担当は自治庁になるわけでしょう。それはどういうふうになるのですか。

今枝信雄自治庁行政局公務員課長

○説明員(今枝信雄君) 法律の所管は自治庁でございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうすると、私は政府部内自体が八十七号批准ということは、これは倉石氏がジュネーブへ行った経緯から考えてもやる責任が政府にある、特に全逓問題が一段落した段階において、政府の主張というものはこれを行なう。ところがこれにからんで専従問題にひっかけていろいろと問題が複雑になってきておる。こういうことの中から、最近、まあ新聞紙上ですから的確には把握できませんが、八十七号批准がおくれて、あるいはこれが間に合わないのではないかというふうなことになりつつあるのだという、そういう情報もありますが、自治庁自体としても、地方公務員に関する問題として、これは労働省なり、あるいは文部省なり、まあ政府部内の意見の統一、こういったものをどういうふうに考えておるか、あなた方の方でも参与して、これに間に合うようにしなければならないということになれば、これは国家公務員法との関連で、これはやはり調整されなければならぬ問題を十分含んでいるということで、自治庁の見通しですね、これをちょっと伺いたいと思うのです。

今枝信雄自治庁行政局公務員課長

○説明員(今枝信雄君) ただいま御質問のございました通り、ILO八十七号条約を批准することを基本方針といたしまして、関係の諸法律の整備をただいま急いでおるわけでございます。もちろん地方公務員法は自治庁所管ではございますが、現実に地方公務員法のもとで職員団体に関して申し上げますと、それぞれの関係の役所が現実に運営について関心を持っておられることも事実でございます。基本的には地方公務員の制度も国家公務員の制度も、その基本理念はやはり同じ立場に立つべきものだという見解に基づきまして、ただいま国家公務員法の整備の状況と歩調を合わせながら検討をいたしておるのでございます。そう長い時間がかかるものだとは考えておりません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そこで文部省に伺いますが、松田文相の在籍専従についての見解はしばしば言われているので、われわれも知っていることなんですが、今言われたように、自治庁自体においても、国家公務員との関係から考えてみると、まあ在籍専従の問題を全部始末してしまうというふうなことについては、なかなか多くの論がある。私は文部大臣に伺うわけですが、イギリスにおいても、どこにおいても、そういう在籍専従はないのだと、こういうことを言っておりますがね。組合自体について、たとえばアメリカにおいても組合があります、職員団体もありますが、しかし地方公務員法とか、国家公務員法とかいうことの中でこれが規定されている日本の職員団体、こういうものはわれわれ労働組合になくてはならぬと言っておるが、政府はそうではないのだと、こういうふうに言っているわけです。ところが私は純粋なる労働組合運動という立場に立っていくならば、文部大臣の見解も私は正しいのではないかというふうに思うわけです。しかし現実にある職員団体、これはわれわれとしては好ましくないけれども、この中で片っ方だけは押えつけておいて、片っ方だけはもぎ取ってしまうということは、これは強欲ではないか。また、従来の経緯にかんがみて、政府も文部省もできるだけ専従は早く交代することが望ましいと、こういうことを言ってきたことは事実でしょう。それで、教育長あるいは教育委員長会議等においても、あなた方の意向というものが出されてきたというわけです。そうすると、専従は早く交代した方がよろしい、今度は一転してILO批准にからんで全部取り上げて、何ぼでも御随意に。これは指導ということではなくして、文部当局としてこの点は一貫しておらぬじゃないですか。これは文部大臣に。━━初中局長でもけっこうです。

内藤譽三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤譽三郎君) 私から先にお答えいたします。実は現行法の場合に、教育長協議会や委員長協議会が考えた案は、定数の中で組合が組合の専従職員をとる場合には、なるべく定数を食わないように、特にすし詰め学級を早く解消しようというような御要望が強いから、なるべく人数は少なくしたい、もちろん組合業務に支障があっては困る、その辺の調整が一つ。それからもう一つは、在籍専従者というものは現行法では認めざるを得ない。これは、認めなかったら職員以外の者が組合の役職員になりますから、現行法は職員でなければ役職員になれないという建前をとっておりますから、専従休暇制度というものは、これは認めなければならないということになっております。認めなければならないとすれば、これは今申しましたように、人数は組合業務に支障のない限り、できるだけ少なくし、また年限もあまり長期にわたりますと、教育の内容や方法がしばしば変わりますので、できるだけ短い期間であってほしい、こういうことを主張しておったわけであります。ですから、千人に一人とか、あるいは三人を限度にするとか、あるいは休職にするという考え方は、これは現行法のもとにおいても私どもは可能であると考え、また適切であると考えておった。しかし、ILO条約八十七号を批准しますと、一つの原則は結社の自由、ですから職員でなくても、だれでもが組合の役職員になれるという事態ができたわけです。先ほど今枝課長が申しましたように、法律的に専従休暇を認めなければならぬという根拠がなくなる、これが一点です。それからいま一つは、労使間の相互不介入の原則━━組合の自主運営の原則が今度の八十七号条約の基本でございます。そこで専従休暇を許可するという場合には、公務員は職務に専念する義務があるので、どうしても専従休暇は公務に支障があるかないかということを判断して、職務専念義務を免除して専従休暇を許可するという行為が出てくるわけです。この許可行為を通じて私どもは組合に対する不当な介入になりがちだと思うのです。ですから、この点は私どもとして、先ほど来から御議論がありましたように、組合の役職員の選出については自主的にしなければならぬし、相互不介入の原則は貫いていきたい、こういうことを考えますと、私は在籍専従を許可するという行き方は、これはILO条約八十七号に反するのじゃないか、少なくとも私どもは精神に反する、かように解釈しておるわけでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そういうふうな論をやっていけば、いつまでやったって論は尽きないですよ、現実の論として。だから私は、現実問題として八十七号、これを批准していかなければならぬ段階に至って、文部省は以上のように思っておる、公務員関係の組合の担当大臣は現状でよいと思っているし、公務員に関するところの人事院は、そういうことを一挙にやるということは無理だ、現状でもいいのじゃないか、だから、そういうふうなことを考えていった場合に、八十七号条約が批准されないで、だんだん延びていってしまって、結局この国会ではできなかったということになっては、これはまた国際信義にも反するかと思うのです。だからそういうふうな点については、文部省自体も今のような、こればかりはあなたなりの完全解釈をして、これだけは非常に厳密にやろうと、こういう精神で、ときには先ほどのような問題があるというと、要望が願望か知らぬけれども、いろいろなことをこね回しておうて、まことにこの問題になると、すっきりばっさり、こういくのだ。こういうやり方では大臣、下の方が納得しないですよ。だからそういうふうな点で、私は現実論として、やはり文部省もこの段階に対する必要がある。これはいろいろに、かたくなな人が多いでしょうけれども、やはり教育研究集会に行ったときにおいても、全国の五十万の先生の、あなたの言によれば大部分は善良なる教師である、こういうことを言っておる。そういうことになると、従来の文部省のぼかし方というと変だが、いろんなことの関連の中であなた方ががんばっておる。そのためにILOの批准がおくれて国際信義に反するということになれば、これもまた工合が悪いと思う。だから、そういうところは文部大臣の言わんとするところもわかる。これについては、堂々と論理的にいかぬということをわれわれはここで言う必要もないし、まあそういうことは大臣の主張がそれなりに正しいと私は思う。現実の問題として、何とかこの場合批准ができるように、文部当局自体も自治庁とよく相談して、自分の論は論だが、全体的に見て早くまとめよう、こういう考え方でないというと、あなた方だけが浮いちゃうのではないかと、私はまた逆に思うわけだ。だから、その点は文部省としても全体的な立場でものを判断していくように、大臣の所見は所見として、ILO批准に対して何とか間に合うような調整ということを考えておらぬかどうか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○国務大臣(松田竹千代君) 私は当初からILO条約は批准したらよかろうという考えを持っているわけです。先刻、今枝課長から、現在の政府部内の各省関係の調整を極力やって、昨晩もおそくまで各省間で話し合いをした。やがてまた次官会議も行なわれることであり、私は不日成案を得るのではないかと考えております、しかし私どもの最も強く考えておりますることは、今日のわが国の教育界の、何と申しますか、紛争、これだけは一つやめるようにしなければいかぬ。その正常化をこいねがうということが第一義である文部省といたしましては、そこでILO条約の批准もこれをむろん考える、そうしてその成立を希望するものであります。また、そうなるであろうという見通しを持っているものでございます。その間になおわれわれと各省間の意見の大きな相違のあることは、今の段階においてはまだ現存しておるわけであります。これが調整もなおせっかくやらなくちゃならぬと思っております。いずれにいたしましても、教育界のみぞの詰まっておるのを、これを通して水が流れるようにしたい、正常化したい、こういうことが念願であるのであります。その方向に沿うて私はこのILO条約の問題も考えていかなければならぬ。文教施策全般にわたってもそういうふうに考えておるのでありまして、これがやがて不日成案を得ましたならば、来月早々提案するということは総理も言明されたことでありますから、その上でこの問題を十分に審議されることと思うのでありますが、だから現在の段階において、今この問題について多く論議いたしましても、よしなしとは申しませんが、もう不日成案を得て提案する運びになると思いますから、その上で十分御審議願うことにいたしたい、かような考えを持っております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうすると、今の言動からいえば、内容に触れるのではなくて、文部省が足を引っぱってILO八十七号がなかなか進展しなかったということにはならぬというふうに了解しますが、結局、今のところは文部省はずいぶん強く言っている。それで国家公務員の官庁等は、そういうことをにわかにやっては、かえってそれの方の弊害が大きいのではないかとか、いろいろの意見が出ていることを事実の問題として聞いているわけです。まあこの程度にするが、今の大臣の答弁で言うと、ここで論議しても仕方がない、こういうのですが、はっきりしないと、いよいよ学年末であるし、新しい学年に出発して、いつまでも宙ぶらりんの形で置くこと自体は、これは正常じゃないと私は思う。こういう問題は帰一するところの方向をきめて置けば、やはり安定するといいますか、落ちついていく、いつまでもどうなることだかわからないような状態の中にこれを放置することはできぬと私は思っている。だから、こういう点は政府自体として明確なる態度を持して、第一段階としては八十七号の批准をし、そして第二段階としては次の問題を考えるというように、いろいろの方法はあると思うのだが、そういう点については、私は自治庁も文部省も、やはり健全な正常なる労働運動を推進するためにどうしたらいいのか考えてもらいたい。今、大臣が言っているように、在籍専従を除くことによって詰まっているみぞを掃除することになるのかならぬのか、私はそれに対する見解もある。要するに、政治的な大臣の判断の中で、やはり教育を正常化していく方法というものが、政策のために文教が打ち立てられるのでなくて、あくまでも国の文教を推進するための政策であってほしいと私は思う。これ以上は申し上げません。ちょうど時間が来ましたので、これでやめます。

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○理事(加瀬完君) 速記を起こして。  他に御質問もなければ、本日はこの程度とし、次回は三月十五日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗