P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
34回国会参議院1960/05/28

農林水産委員会 第33号

発言数
51
登壇者
9
会派数
1
開催日
1960/05/28

会議録

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日秋山俊一郎君、青田源太郎君、田中茂穂君、藤野繁雄君、高橋衛君及び仲原善一君が辞任し、その補欠として梶原茂嘉君、笹森順造君、後藤義隆君、増原恵吉君、小柳牧衞君、鍋島直紹君が選任されました。  委員の異動につき理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事補欠互選を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 異議ないと認めます。つきましては、互選の方法は、成規の手続を省略し、便宜、その指名を委員長に御一任願うことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。それでは理事に田中啓一君を指名いたします。   —————————————

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) チリ津波災害の件を議題といたします。  去る五月二十四日未明、東北及び北海道その他かなり広範な地域にわたって激甚なる津波の災害が起こり、まことに遺憾なことでありまして、被害者各位に対しましては実にお気の毒にたえない次第であります。本日は、特にこの問題を議題にして、被害の状況を明らかにし、その対策に遺憾なきを期することといたした次第であります。まず農林当局から被害、特に農林水産関係の被害の状況及びその対策等について説明を求めます。農林大臣官房総務課長東辻正夫君。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) 今回の被害の概況につきまして、ただいままでにわかっております状況の概括を御説明申し上げます。  お手元にお配りいたしてございます資料でとじてございますが、五月二十六日、十七時、農林省と書いたとじた資料がございますが、これがその後の状況によりまして変わって参りましたりで、一枚刷りにいたしましてその表のそれぞれの訂正個所を印刷したのをお配りいたしてございますので、御了承願いたいと思います。  それで農林水産関係被害総括表、五月二十七日、十七時、という一枚刷りかございますが、これによって御説明いたしますと、今回の被害は、北海道から太平洋沿岸ずっと南まで及んでおりまして、相当被害を受けていると思いますが、今、関係係官を現地に派遣して被害の状況の調査並びに現地におきまする対策の指導等に当たらせておるわけでありますが、また一方、県からの速報等の取りまとめといったようなことによりましてまとめたものでございますので、この災害の結果が確定するまでには相当変動があるものと思われます。その表によって御説明いたしますと、まず農地関係では、農地の被害が一億八千八百万円、農業用施設が三億八百万円、海岸施設関係が十億九千万円、農地関係といたしまして約十五億八千六百万円となっております。それから林野関係は、治山関係が一億一千万円、林産施設で一億四千三百万円、それから木材の流失その他林産物関係が六億七千万円、合計いたしまして林野関係で九億二千三百万円。それから最も被害の大きかったのは水産関係でございまして、これが被害総額の大半を占めているわけでございますが、水産施設関係で七十一億七千七百万円、漁港関係で十億三千万円、水産物関係で六十八億九千万円、水産関係を合計いたしますと百五十億九千七百万円で、農林水産関係で今まで金額でわかっております分といたしまして、百七十六億六百万円と相なっておるわけでございます。なお、この金額は県の速報でとりあえずまとめたものでございますので、今後相当変動があるものと思われます。  なお、農作物につきましても、目下統計調査事務所におきまして調査をいたしておりますが、田植の終わったところでは本田、そうでないところでは苗しろ等の被害がございまして、被害のはなはだしい地区におきましては相当の被害があるのではないかと思われますが、今、関係の調査事務所におきまして調査中でございます。特に農作物がひどかったと思われるところは、やはり青森、岩手、宮城、三軍、徳島、高知といったようなところが多いんじゃなかろうか、こう考えておるわけでございます。  なお、今回の災害が起こりまして、農林省といたしましては、急速、先ほど申し上げましたように現地に係官を派遣いたしまして、実情を的確に調査をするということといたしたわけでございますが、また一方、現地におきまする食糧関係といたしましては、被災地に対しまして、応急食糧の急送の手配あるいはまた現に発送済みのところもだいぶございますが、そういう食糧の急送、それからまた災害の著しい市町村におきまする消費者に対しましては、内地米の臨時特配を行なうことといたしております。また、各おもな関係金融機関に対しましては、できるだけ農林漁業関係の所要資金が円滑に融資されますように適切な措置をとるよう要望をいたすなどの応急対策を講じたわけでございますが、今後の対策といたしましては、現地の模様がわかり次第、その災害の実情によりまして、十分な対策を期しまして今般の災害対策に万全を期したい、かように存じておる次第でございます。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対しまして御質疑の向きは御質疑を願います。  なお農林省から農地局総務課長吉岡茂君、林野庁林産課長森田進君、水産庁漁政課長尾中悟君、農地局災害復旧課長中村武夫君が出席されております。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 今回は非常に水産関係の災害が多いのが特徴でございますが、まあ当然のことでございましょうが、もう少し詳細に水産関係の被害状況を御説明を願いたいと思います。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 御説明申し上げます。水産関係につきましては、ただいまお配りいたしました五月二十七日、正午現在、水産庁というのがございますので、この資料をごらんいただきたいと思います。  二ページに数字が出ておりますが、これを昨年の伊勢湾台風の被害と比較しながら申し上げてみたいと思います。昨年の伊勢湾台風の際の被害総額は二百十億であったわけでございますが、今回は百五十億九千六百万、こういうことに相なっております。総計額におきましては昨年の総額をやや下回っておるということになっておるわけでございますが、内容的には相当変わっております。  漁港につきましては、昨年は約七十四億五千四百万の被害があったわけでございますが、今回は十億二千九百万ということに相なっております。特に漁港関係で被害をこうむっておりますのは、青森、岩手、宮城等の諸県でございます。  それから共同利用施設でございますが、これは昨年の伊勢湾台風の際は総計四億五千万円ということになっておりますが、これに対しまして、今回は十四億四千九百万円ということで、相当多額に上っております。そのうち特に被害がひどいと思われますのは青森県でございまして、金額にいたしまして十三億千百万円、こういうことに相なっております。これは八戸港に相当、五メートルくらいの津波が参りまして、そのために市場の施設あるいは無線施設、製氷あるいは倉庫施設、こういう港湾の共同利用施設関係が大きな被害をこうむったのでございます。その他、岩手、宮城等がやはり共同利用施設関係としても相当大きな被害をこうむっております。  それから非共同利用施設関係、これは個人の、たとえば三陸は御承知のように加工場等も相当ございますし、そういう個人施設の関係でございますが、これが六億三千九百万、これは伊勢湾台風のときは十三億七千七百万ということになっておりまして、金額といたしましては半分以下ということに相なっております。ただ、まだ宮城等はブランクになっておりまして、なお、この点相当移動があるのではないかというように考えております。  その次の漁船関係でございますが、これは昨年の伊勢湾台風のときは八億二千七百万円、これは小計のところでございますが、全体で八億二千七百万の被害があったわけでございます。それに対しまして今回は十三億九千六百万ということで、相当大きな被害に相なっておりますが、まだトン数別あるいは動力船、無動力船別の被害金額等につきましては、今調査中でありまして、確定したものではございませんが、県といたしましては、隻数で申し上げますと、岩手県の千九百六十隻、それから宮城県の千六百二十七隻、この二県が飛び離れて被害が大きい、こういうふうに見ております。  その次の漁具関係でございますが、これは、昨年の伊勢湾台風のときは、十億六千二百万という被害額になっておりますが、今回は十三億七千二百万円ということで、これも前回を上回っております。内容的には、御承知のように、夏綱が敷設されておりまして、定置等の漁具が流失した、それによる損害が大部分でございまして、県では青森県、岩手県、宮城県それから三重県等が被害が大きいのでございます。  それから養殖関係でございますが、これが非常に今回の被害の中では大きくなっております。養殖施設と、いわゆる真珠のたま等の養殖物を合わせまして八十五億三千五百万ということになっております。これは、昨年の伊勢湾台風のときは七十七億二千万円ということでございまして、相当額上回った被害である。ただ、昨年と異なりますのは、昨年は真珠、それからカキのほかにノリの被害が相当あったわけでございます。ところが、今回はノリはまだやっておりませんので、真珠が大半を占めておりましてそれにカキが加わっておるということでございます。府県別に見て参りますと、岩手、宮城の両県におきましては、カキが被害を受けております。それから真珠の関係では、何と申しましても三重県が飛び離れて大きな被害でございまして、施設と養殖物を含めまして六十一億、そのほか静岡の三億三千八百万円、それから和歌山の六億八千三百万円、あと、徳島、高知等にも相当な被害が出ております。  その次の増殖関係でございますが、これは、昨年は二十一億三千四百万の被害があったわけでございますが、今回は、ただいまのところ、千三百万程度の比較的小さな被害にとどまっております。  「その他」と申しますのは、これはおもに三陸の魚かすとか、あるいは魚等の水産物、それから資材関係等でございますが、これはやはり相当な被害を受けております。特に、青森、岩手、これは宮城も当然あると思いますが、まだ数字が載っておりませんが、そういうところにおきまして相当額の被害があったわけでございます。金額といたしまして、昨年は一億五千六百万程度であったのでございますが、今回は六億六千万というような膨大な数字になっております。  以上通観いたしまして、今回の被害の内容は、真珠、カキ等のいわゆる養殖関係の施設あるいは養殖物、それから魚船関係、それから漁具関係、それから三陸等のいろいろな加工施設あるいはその製品、こういうふうなものが中心になっておるわけでございます。以上簡単でございますが、被害の状況を申し上げました。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 今私がこれから質問しようとしていることは、あるいは時間的に多少無理かというようにも考えられますが、この災害に対する国の助成というようなものをこれから審議をいたしていくことになるのですが、伊勢湾台風という近い例があるので、それをかりに例にとってみることにいたしまして……。農林省関係において、もちろんこの数字も、これはただ地方庁から報告を受けた数字にとどまるのでありまして、これからこれを確認していくことになるのでありますが、直珠みたように、これは伊勢湾台風の例によると、国の直接の支出の措置はなかったように私は考える。そういうことで、今のこの数字で、かりに伊勢湾台風の例をとってみるとして、特に水産の被害が一番大きいこともあるし、また、いろいろのものが被害を受けておるので、伊勢湾台風ではどういうものに助成を出したか。それからこの数字でおよそどのくらいな国庫支出が現在のところ要るか。この数字はまだそういうところまで試算をしておらぬと言われればやむを得ませんが、一つその点を中間的に御報告をお願いいたします。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) それでは伊勢湾台風のときに特にとりました措置の概要を申し上げてみたいと思います。融資関係につきましては、それぞれ限度の引き上げなり、あるいは利率の引き下げなり、こういうことをやったわけでございますが、特別な措置といたしまして、特に法律の改正等を行ないましてやりました関係といたしましては、まず第一に、養殖施設の復旧事業に対しまして補助金をそのときは出したわけでございます。この場合の考え方といたしましては、いわゆる個人施設を含めまして、一経営体当たり大体十台以下の比較的小規模の養殖業者に対しまして、おおむね一台分程度の補助金を出しております。その金額は真珠ほかカキ等も全部含めまして全体で三億一千三百万円、こういうことに相なっております。このうち真珠が一億二千九百万、それからノリが一億二千七百万、こういうことに相なっております。で、これに対しまして、八割はもう三十四年度で支出しておりまして、現在残りの二割につきまして支出をやっておる最中であるということでございます。それから小型漁船の建造費につきまして、これも立法措置による補助血を支出したわけでございますが、この考え方は、被害を受けました漁船のうち五トン未満の動力船で修理が不可能である、こういうものに限定いたしまして、三隻のそういった被害船に対しまして一隻分だけ八割の補助を行なう、こういうことでございます。で、この金額は総計で三億四千九百万円、こういうことになっておりましてそのうち七割の二億四千四百万円は三十四年度中で支出済みでございます。現在残りの三割の一億五百万につきまして事業を実施中である、こういうことでございます。その他漁場にいろんな障害物が、伊勢湾台風のときには入ったわけでございまして、そういった沈木の除去、こういうこともやっておりますが、この点につきましては、実態の把握なりあるいは復旧計画の査定等が……。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 その点はそう詳しくなくても、どういうふうに助成出した、こういうふうに助成出したということでいいわけですわ。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 沈木関係についても、現在まだ額は確定しておりませんが、千四百万の事業を三十四年度について実施したわけでございます。  以上が大体昨年の災害に伴う施設の対策の概要でございます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 今私が知ろうとする要点は、今のこの五月二十七日の数字で、伊勢湾の例にならって支出するとすれば、幾らの国庫支出が要るかと、こういうことが……、概数でいいですよ、概数で。大体わかると思うんだ、この数字が出ておる以上は。それが知りたいのです。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) これは、たとえば漁船の例をとりますと、伊勢湾の例によりますと、いわゆる小型漁船に対しまして三隻に一ぱいの割で出したわけでございます。ところが、現在なおトン数別の被害金額なり被害状況が明確に……。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 それは、その比率でいいんですよ。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) つかまれていないわけでございまして、その点まだただいまのところ概算をしておりません。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 これはそう大事を踏まれぬでも、伊勢湾のときの船の全体が幾らで、この中で助成すべきものが何割あったと、こういうことでちょっと知らしてもらえはいいんだがね。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) ただいまちょっとその概算をやっておりませんので、至急やりたいと思います。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 農地局はどうですか。

吉岡茂農林省農地局総務課長

○説明員(吉岡茂君) 私は農地局の総務課長でございます。農地関係の被害は、この表を見ていただきますと、十五億八千六百万円でございます。それで、大体伊勢湾台風の例でとってみますと、大体査定のあれでも額がもとの額に対して約七割となっております。そして国庫の補助率は大体八割三分くらいになっておるということであります。と申しますと、大体十五億に対して約七割のさらに八割三分ということになりますと、五六%約六割、約六割と見まして十五億に対してそういうふうに勘定いたしますと大体九億くらいになります。それから今度の災害の特徴と申し上げると冠水の地域が若干ありますので、除塩の事業があるのじゃないかと思います。それはまだ冠水地域がこの表で見ますと五千五百六十一町歩でございます。それで、これはどのくらいの除塩の事業をやるかということは、これはまあ問題でございましょうが、伊勢湾台風の例をとりますと反当たり三千円でございます。それで、一応一町歩三万円として勘定しまして五千町歩のうち約二千町歩が冠水するとしますと約六千万円になります。それで補助率九割といたしまして約五千四百万円、大体ですから、まあその十億内外じゃないかと、こういうように一応大ざっぱの勘定ですが……。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 そのくらいの程度でいいのですよ。林地はどうですか。

森田進林野庁林政部林産課長

○説明員(森田進君) 林野庁の林産課長であります。今回の災害は津波による災害が主体でございます。伊勢湾当時と違いまして林地の奥に起こりました災害はございません。従いまして、この前の災害におきまして、林地、林野関係の対策の主体になりましたものは何と申しましても、林道あるいは治山事業と申しますものが主体になったわけでございますが、今度はそういった林道関係はございません。  それから保安林関係につきましても、若干の海岸の防潮林がやられ、この被害額は、先ほど申し上げましたように一億三千万円程度でございましてこの復旧につきましてはただいま検討中でございます。  それから林産関係の被害でございますが、海岸地帯におきます製材工場を主体に被害があったわけでございますが、この中でいわゆる共同利用施設として対象となるものがどれくらいあるのか、今のところまだ調査十分でございませんので、今後調査した上で明らかにいたしたいと思います。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 養殖施設と養殖物というその関係なんですが、三重県で養殖施設の被害六億四千百万円、養殖物ですからまあ真珠のできかかっておるやつじゃないかと思うのです、それが五十四億七千六百万円、この養殖施設と養殖物との関係は一体どういうことになるのですか。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 三重県の例で申しますと、養殖施設が六億四千万でございますが、その内容は、真珠のいかだ、それからカキ等のいわゆる施設関係でございます。養殖物と申しますのは母貝の関係、それから中に入っております真珠の価額を評価いたしまして、施設といわゆる養殖しておるものと、この二つに分けたわけでございます。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 三重県の真珠の産額というのは一年どのくらいあるのですか。私が問わんとするところは、一年の産額よりも多い養殖物の被害を出しておりはせんかなという心配から言うわけです。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 額はちょっと今持ってませんが、台数から申しますと、全体で約六万台程度のいかだがあるそうでございます。それに対しまして、今回被害を受けておりますのは約四万五千台、こういう報告でございます。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 それはそうなんでしょうけれども、四万五千台だけではなくて、貝の方はひどくやられた、こういうことはむろんあり得ることだと思いますが、それから真珠そのものは一年でできるとも限らぬ、大きいやつは二年か三年かけて作るのじゃないかと私は思うのですが、それにしても、どうも五十四億という数字はどういうものであろうかという、いささかどうもふに落ちない。それと同時に、もし、はたしてこのような大きいものを失ったとすれば、これはただいま漁政課長のおっしゃったように、伊勢湾台風のときの型通りの施設災害に対して若干の補助金をやるとか融資をするとかいうだけではとうてい済まないんじゃないか、つぶれてしまう。だから日本の真珠というのはこれはつぶしてはいかぬだろうと思いますから、農産物に対する天災融資のように大きく考えないとこれはいかぬのではないかというような私は感じを持ちますので、やはりこの点は詳細にもう少し早くお調べになり、対策を講ずる必要があるということを申し上げたいと思います。これで終わります。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 私、新聞、ラジオで見たり聞いたりしたところによると、今度の津波災害というものについては、多少遺憾な点があったのではないかと思うのであります。これは農林省に対して聞いてもしようがないことでありますが、新聞の報ずるところによりますと、すでに日本の気象庁に対してですか、日本政府に対してですか、津波の予報があった。ところが、こちら側ではそれを受けながら津波警報を出すことが事実上は津波が襲来したあとになった。その警報を受けたときに適切な措置がとられておれば、津波が襲来する何時間か前に警報は出せたのだ、こういうようなふうにある新聞には書いておりますが、水産庁あたりはそれをどういうふうにおとりになっておりますか。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) この点につきましては、気象庁の方で津波関係の警報を出すことになっております。その間の経緯につきましてはわれわれも新聞等で見たわけでございますが、こういった非常に遠隔地からの地震の影響による津波でこういうような大きい被害が出る、こういう点については過去において一度も経験したことのないような事態である、こういうことも聞いております。従いまして、確かに警報関係等につきまして現地の方の状況を聞きますと、第一波がきたころに警報の出た所もあるというようなことで、いろいろな関係、これは国際間の関係もあろうかと思いますが、事実問題としまして警報が非常におそかったということが事実のようでございます。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 私はその問題については、あらためてこれは別の担当の機関に伺いたいと思いますが、多少その点遺憾な点があったのではなかろうかと思っております。  そこで、先ほど水産庁からお話がありましたが、たとえば漁船について、保険に加入していない漁船に対してはどういう措置がとられるであろうかということが一点。それから、言うまでもなく漁網とか漁船とかいう、こういう生産資材、それがなければ漁業者として生計のかてを奪われるというものの手当については、あるいは水産庁なり、あるいはそれぞれの地方自治体なりが努力をしておられるかと思いますが、事実上喪失した漁船の建造というようなものはどの程度の期間の間にできるものであるか、伊勢湾台風の際等はどうでありましたか、あるいは今度はそれはどういうふうにいくであろうかという考え方を、水産庁からお伺いいたしたい。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 漁船の関係につきまして、保険に入っているものにつきましては、これは現地におきまして査定して至急支払いをするということにしておるわけでございますが、入ってないものの処置につきましては、この前の伊勢湾台風のときには、小型漁船の三ばいに一ぱいの割合で補助を計算したわけでございます。今回の実情が、実はまだトン数別によくわかつていないわけでございますが、被害の程度なりその内容によりましては、前回の例に準じた措置についても検討して参りたい、こういうふうに考えております。  それから昨年やりました補助の実績を申しますと、三十四年度中に八割の進捗率を示しておりまして、大部分のものが三十四年度中に建造を完了しまして、補助金も出したということになっております。  それから漁具等の流失が相当あるわけでございますが、これもできる限り、今外洋等でそれを拾い上げるというような作業も続けておりますし、また今後の、実際に流失したものにつきましては、これは融資になって参るわけでございますが、系統金融なり、あるいは公庫等を督励いたしまして、すみやかに資金の手当をして、物自体はございますから、その金融の方の手当に万全を期する必要があるのではないかというように考えております。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 それから農地が五千五百町歩ですか冠水したということでありますが、相当冠水したということであるならば、先ほど総務課長からお話があったように、当然除塩ということも考えなければならぬと思いますが、一方において苗等の植えかえの手当というようなことについては心配がないかどうか、お答えいただきたい。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) お話のような、冠水あるいは浸水等によりまして、苗、あるいは稲の被害が相当あったのじゃないかということで、先ほど申し上げましたように、調査事務所で調査いたしておりますが、相当大がかりな程度でないような場合等におきまして、今お話のございました苗の植えかえなり何なりということを現地で直接にやるようにいたしております。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 ことしの予備金がたしか八十億でしたか組んであると思いますが、年度に入って間もないことでもありますし、あまり予備金は食われておらないとは思いますが、予備金の現状はどうなっておるか、東辻課長でも御承知でしたら。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) 正確な数字につきましては、資料ございませんのでわかりませんが、一億余り使用したのじゃなかろうかという程度でございまして、正確な数字をまだ私存じ上げておりません。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 まだ災害全体について調査はできておらないようでありますし、各省関係を総計してみなければどうだというようなことは言えないと思いますが、現在までにわかっておる状態からの想定で、今の予備金だけで対処していけるであろうかどうであろうかということについての、東辻課長からでもいいが、推定を一つお答え願いたい。推定とその根拠ですよ。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) 今回の被害の中で、農林省といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、水産関係が非常に多いのでございまするので、ほかの農地及び林野関係と合わせまして、この水産関係の今後の被害の状況がどの程度に確定をするかということをもちまして、先ほどお話がございましたようないろいろな対策を立てたいというところで個々の検討をいたしておるわけでございまして、今の段階で特別な予算措置をどのくらいやったらいいかということにつきましては、これはちょっとまだ実情調査の段階でございますので、はっきりした見通しまだつかんでいないような次第であります。今取りまとめました被害の状況そのものがまだ変動するということがございますので、はっきりしたことは申し上げられないような実情でございます。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 東辻課長はえらく慎重な策えをするのだけれども、災害が起こってからもうある程度日数がたっておるし、私ども政府におったときの経験から言ってもこのくらい日数がたち、その間に集計された被害額から想定すれば大体落ちつくところはどの程度であろうという見当が私は出るんじゃないかと思うのですが、どうも出ないとなればこれはやむを得ぬのだけれども、あなたの個人的な想定でもいいから出れば答えていただきたい。  それからもう一つは、それと関連することでもありますが、特別立法措置が必要であるかないかということについては、農林省の官房としては現在どういうふうに考えておるか。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) 前段の予算的な、どのくらい要るかということにつきましては先ほどお答えを申し上げましたように、現在のところ実情調査がまだ進展の段階でございますので、できるだけ早く私どもといたしまして、これが見通しを立てるように努力したい、かように考えるわけでございます。  なお、特別立法につきましては、先般の伊勢湾台風の際におきまして、それぞれ所要の対策に必要な立法措置を講じたわけでございまして、目下各施設あるいは対象ごとにはたして要るか要らないかということを状況の調査の進展とあわせまして検討している段階でございますが、もし先般の例のようなことがございまして、どうしても必要だというようなことになりますれば特別立法をしなければならないのじゃないか、こう考えるわけでございますが、現在までのところ、個々の施設なり対象についてどれが入るか入れないかということについて検討中でございます。

櫻井志郎自由民主党

○櫻井志郎君 質問を終わります。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 これは、私どもは予備金でまかなえるかどうかという判断をするのだが、率直に言うと、大体のそういう考え方を得たいと思って私ども質問したのです。それであなた方の責任でも何でもないので、現在の数字で、伊勢湾台風の例により試算したら大体のものがどれくらいという何していただけば、ほかの省は簡単なんですよ、ほかの省はみな出ておる。ほかの省はそういう質問をせぬでも頭の中で自分にはすぐわかる。だけど、今度は水産被害が一番大きいものだから、水産被害の大体の概数を聞けばすぐ頭の中で推計できるというので質問したのだが、それも時間的に無理といえばやむを得ない。そういうことになると、もうこの本日はもちろんですが、委員会はこれで一つ終了させていただかねば、これから何をやってもちっとも、質疑応答をやったって意味がないことになると思う。それからなお、これを引き続いてやるということにおいても、やはりそれくらいの概算は持ってきて、頭を持ってきてもらって回答してもらわねば、ちょっとやることがないと思うので、本日の数字でもいいですから、水産庁は一つどのくらいの試算、伊勢湾の例によるとこうなる、これこれの助成をしておる、こうなるというようなぐらいのことは一つ知らせていただくようにお願いしたい。

尾中悟水産庁漁政部漁政課長

○説明員(尾中悟君) 今の点でございますが、伊勢湾台風の際に、いわゆる小型漁船なり養殖関係の補助金で出しましたのが総額で約六億四千六百万円でございます。従って、被害額なりその内容が苦干まだ未調査でございますし、前回の場合と実態が変わりますので、結論的にはかりに同じ措置をとりましても、この六億四千六百万前後の数字になるのではないか、これはまあ、今この段階の私だけの見通しでございますが、その前後の数字ではないだろうかというふうな気がいたします。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 それくらいの数字でいいんですよ、大体こっちが何しているのは。だから、初めからそう言ってもらうと時間をとらずに済むのです。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 官房総務課長にお聞きしたいと思うのですが、漁船や漁具、養殖はよくわかるのですが、一番大事な漁民、農民の住宅なのですが、何ぼぐらい倒壊して、はたして建て直さなければならぬものが今のところどれくらいあるのかわかりますか。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) 倒壊戸数のうち、漁民あるいは農家の関係がどのくらいになっているかというお話でございますが、まだはっきり実は調査が参っておりませんので、至急調べたいと思っております。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 伊勢湾台風の例もございますが、全壊になっております家屋を建てるに十分な、きのうかの新聞に書いておったが三十万とか五十六万とか、あれは貸し出した金額だと思うのですが、補助金はないのですか、どうですか。

東辻正夫農林大臣官房総務課長

○説明員(東辻正夫君) それについても建設省との関係もございますので、ちょっと私の方、はっきりしたあれは……。

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 速記をつけて。  ただいま御協議を願いましたところにより、この際、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りをいたします。  チリ地震津波によります農林水産関係の被害状況を調査し、今後の委員会の審査に資するため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。  つきましては、本院規則第百八十条の二により、委員派遣承認要求書を議長に提出しなければならないことになっておりますので、その内容及び手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀本宜実自由民主党

○委員長(堀本宜実君) 異議ないと認めます。よってさように決定をいたします。  本件につきましては、本日はこの程度にいたします。  散会をいたします。    午前十一時五十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗