農林水産委員会 第32号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1960/05/19
会議録
○委員長(堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 臨海地域開発と農漁業に関する件を議題といたします。 第三十一国会に衆議院議員川島正次郎君外三名から提出、第三十一国会、第三十二回及び第三十三回国会において衆議院で継続審査となっておりました臨海地域開発促進法案が、去る五月十三日、衆議院本会議において全会一銭修正議決され、即日衆議院から本院に提出、建設委員会に付託されておりますので、本日、同法案について、経済企画庁、建設省及び農林省当局から、法案の要旨及び政府の見解等を聞くことにいたします。 経済企画庁総合開発局長藤巻吉生君並びに漁政部漁業調整課長木戸四夫君か出席されております。 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記つけて。
○政府委員(藤巻吉生君) 臨海地域開発促進法案という法律案は、実は政府提案ではございませんで、議員提案でございますので、私どもから提案の理由等を御説明いたすのは筋が違うと思いますので、法案の内容で私どもが御説明でき得ます点につきまして、概略御説明いたしたいと存じます。ただ資料といたしましては、提案の理由を書きましたものがお配りいたしてございますようなので、これに基づいて御説明いたした方が便宜かと存じますので、そうさしていただきます。 そこに書いてございますように、最近のわが国経済の伸長発展と人口の増加の勢いは大へん急激なものがございます。そこで工業用地、公共用地その他、いろいろ土地に対する利用が急にふえてきております。そこで、その結果といたしまして、適地がだんだんと減ってきておる。土地の価格はだんだんと上がってきております。土地を取得することも非常に困難になってきておる、こういうような状態でございますので、臨海地域における公有水面の埋め立て等によりまして新たに土地を造成いたしまして、そこに大いに産業を興し、その他土地を利用して参るということが必要ではないかというふうに考えられておるわけでございます。数字で申し上げますと、今後およそ十年間の土地の利用といたしましては、工業用地として約一億坪、住宅用地といたしまして約一億二千万坪、それから公共用地その他といたしまして一億四千万坪ばかりが必要になるものというふうに推定されるわけでございまして、合計いたしまして三億六千万坪程度の土地の需要が今後十年間に新たに起こって参るというふうに推定いたしております。で、そのうち臨海部に対しまして土地の需要があると思われますのが、工業用地として八千万坪、それからそれに伴いまして住宅、公共用地その他として三千五百万坪、合計いたしまして一億一千五百万坪程度が、海に面しました地域におきまして土地を造成いたさなければならないような関係になっておるわけでございます。で、この法案は、そういうような臨海部における土地の造成を計画的に行ないまして、現在行なわれているようにばらばらに、小刻みに埋め立てが行なわれ、せっかく埋立地ができましても、これに伴って必要な関連諸施設が整備されないで、せっかくの埋立地がなかなかうまく利用されないというような状態にならないように、しっかりした調査と計画のもとに臨海地域の土地造成を促進して参ろうと、こういうのがこの法案の趣旨でございます。 それから法案の内容に入りますが、お配りしてございます資料の二枚目の紙に書いてございますように、第一に、政府は、臨海開発区域の指定及び基本計画の策定の円滑な実施をはかるため、必要な基礎調査を行なわなければならないものといたしまして、その結果については、これを尊重しなければならないということにいたしておるわけでございます。従来、いろいろな土地造成の事業が行なわれておりますが、どういうような土地の利用をはかるかというような問題やら、そのほかこれに関連いたしまして、どういうような施設が必要であるかというようなこと、あるいは、その他実際の埋め立てを行なう場合に地質の調査等も必要でございますが、そういうような基礎的な調査が行なわれておらないために、せっかく造成いたしました土地もうまく使われないというようなこともございますので、この法案では、臨海開発区域の指定あるいは基本計画の策定のために必要な基礎調査をしっかり行なうということを規定しておるわけでございます。 それから第二に、この法案では臨海開発区域というものを指定いたしまして、その区域に土地を造成するということになっております。この区域の指定については、内閣総理大臣が臨海地域開発審議会の審議を経てこれを行なうこととなっておりまして、その審議会の審議の際には、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聞き、これを尊重するとともに、最終的には閣議の決定を経るようになっておるわけでございます。 それから第三に、さような手続によりまして、内閣総理大臣が臨海開発区域の指定をいたしました場合には、関係各大臣と協議いたしまして、臨海開発基本計画というものを作るわけでございます。で、この計画を立案いたしましたならば、臨海地域開発審議会の審議を経て、閣議の決定を求めることにいたしております。その審議会の審議にあたりましては、区域の指定の場合と同様に、関係都道府県知事の意見を聞き、これを尊重するということにいたしております。そこで、この基本計画はどういうものかということを法律にうたってございますが、土地の造成、利用及び関連諸施設の整備に関する総合的な計画の基本事項について定める、こういうことになっております。なお、これらの関連諸施設と密接不可分の関係にある、臨海開発区域以外の諸施設につきましても、必要に応じて基本計画にこれを含めることができるということにしておるわけでございます。 それから第四に、基本計画の円滑な実施をはかるため、この法律と現行の関係法規との調整につきまして規定をいたしております。特に都道府県知事が行なっております公有水面の埋め立て免許につきましては、現在小面積の埋め立ては都道府県知事が独自で免許を行なっておりますが、これを所管大臣の認可を得て免許をいたす、こういうようなふうに規定をいたしておるわけでございます。そのほか国土総合開発計画、首都圏整備計画その他各種の法律に基づきます特定地域の計画と、この法律に基づく臨海開発基本計画との調整につきましては、内閣総理大臣がそれぞれ関係審議会等の意見を聞いて調整をいたすということにしておるわけでございます。 それから第五に、損失補償等について規定いたしておりますが、埋め立て等の事業の実施によりまして損失を受けるものがあります場合においては、事業を実施をいたして損失を受ける者に対して公正な補償をしなければならないということにいたしております。なお、その補償と相待って行なうことを必要とする生活再建等の措置を講じなければならないということにしておるわけでございます。 それから第六に、この法律の実施にあたって、関係行政機関の長等の方面におきましては、この法律の実施に協力しなければならないということを規定いたしておるとともに、政府は基本計画の実施に要する資金の確保をはかり、かつ、国の財政の許す範囲内において実施を促進することに努めなければならないという規定を置いてございます。 それから第七に、総理府に臨海地域開発審議会を設置し、その所掌事務、組織その他所要の事項について規定をいたしております。特に組織につきましては、臨海地域開発審議会の重要性にかんがみまして、関係大臣、国会議員、都道府県知事、学識経験者等の方々をもって委員とすることにいたしております。 その他附則におきまして、内閣総理大臣が都道府県知事の意見を聞く場合の経過措置の規定を設け、あるいは総理府設置法、経済企画庁設置法及び北海道開発法等につきまして必要な改正を行なうことといたしておるわけでございます。 概略を申し上げますとさような内容になっておるものでございます。なお詳細は御質問に応じましてお答えいたしたいと存じます。
○委員長(堀本宜実君) ただいまの説明に対し、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○櫻井志郎君 法案がないので質問に多少困るのでありますが、今の御説明で、臨海地域の開発、土地の造成をやろうという地域については、すべて臨海開発区域の指定ということをやるのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) この法律案では、臨海地域の開発を行ないますのに、臨海開発区域というものを指定することになっておりますが、埋め立てをやる所全部を指定するわけではございませんので、この法律案が成立いたしました暁に、私どもその法律の実施をしなければならない立場にあるわけでございますが、ただいまのところ考ておりますことは、全国的に見まして、非常に大きな規模で土地の造成をやっていかなければならないというような必要のある所、あるいは関連した諸施設が非常にたくさんございまして、何か基本的な計画を立ててやらなければうまく土地の利用が行なわれないというような所を選びまして、区域に指定して参りたいというふうに考えておるわけでございます。
○櫻井志郎君 大きな規模というのは、大体考えておられる程度はどの程度ですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 実は、この臨海開発区域の指定につきましては、一切審議会の審議を経てきめることになっておりますので、私どもまだ具体的にどれだけの規模のものを指定して参るとかいうような案がないわけでございましてこれは審議会の審議の結果を待ってきまって参るものというふうに考えております。
○櫻井志郎君 そうすると、先ほど御説明のあった、今後十年間に新しく開発しようという土地の需要は約三億六千万坪だ、工業用地が一億、住宅用地が一億二千、公共用地が一億四千だと、こういう説明があって、うち臨海地域で一億一千五百万坪の造成をしたい、こういうお話であったと思うのですが、その一億一千五百万坪というのは、指定地域になるであろう中で考えておられるのか、あるいは全体の新しい土地造成計画を言っておられるのか。
○政府委員(藤巻吉生君) 先ほど私が申し上げました数字は、今後十年間にこのくらいの土地の需要があるであろうという推定をいたした数字でございまして、そのうちどれだけがこの法律による臨海開発区域に指定されるかわからないわけでございまして、その一部であることは確かでございますが、どの程度が区域に指定された面積になるかわからないわけでございます。
○櫻井志郎君 そうしますと、あなたの御説明の一億一千五百万というのは、いわゆる十年間に新しく造成せられるであろう土地だ、そのうちでこの法律案による指定地域というものはその内輪になる、こういう解釈でよろしいのですね。そういたしますと、十年間に約一億一千五百万坪—四万町歩足らずですか、それだけ作るのだ、それは工業用地、住宅地、それから公共用地という言葉でお話しになっておりますが、農地等はこの中に包含しておるのかどうか、新しく作ろうとする農地ですね。
○政府委員(藤巻吉生君) 臨海部に作りますと申しますか、臨海部に需要がございます一億一千五百万坪の中には、農地の造成の面積はまだ入れてございません。
○櫻井志郎君 農地を入れていないということになると、どうなんですか、この法律案では、新しく臨海地に農地を作ろうという、そういう計画は、この法律案では含まない、こういう意味になるのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 特に農地だけの造成を目的とする土地造成は、この法律案では考えておりませんが、この法律案では、臨海開発区域を指定して、そこの土地造成を行なって参りますと、その中には農地に供せられる土地も入ってくる場合があると考えております。それから、ただいま申しました数字は、工業関係だけではじいてみたものでございますので、農地の関係の、今後の土地需要はまだ私ども手にしておらないわけでございます。
○櫻井志郎君 ここの最初の説明に、ページの終わりから五、六行目からありますが、「工業、農業その他の用に供する土地の造成、」云々、こうありますね。私はそういう説明からいたしましても、当然これは新しい農地の造成というものをこれに含むものではなかろうかという解釈で聞いておったのです。今の御説明だと、農地だけを作ろうとするものはこれには包含しないのだ、こういうお話のようでした。だとすると、新しく農地を主体にして干拓をやろうという計画と、公共用地、その他の工業用地を作ろうとするこの法案に基づく計画とが、所管官庁で競合したという場合にはどうするのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 臨海開発区域が指定されまして、そこに開発の基本計画を作ることになっておりますが、その基本計画でさような点は調整がついて参るわけでございます。この基本計画は、審議会で御審議を願ってから閣議で決定になるわけでございますので、その間に、その辺の調整は十分ついて参るものというふうに考えております。
○櫻井志郎君 今のお話だと、結局、主として農地をやるものは含まないのだという話ではないのじゃないですか。主として農地をやるかやらぬかということ自体もが指定区域に指定され、そうしてそこに基本計画を策定して、どの部分は農地にするとか、これは主として農地にする、これを主として農地にするかわりに、現在ある陸地に工業地帯を設定していこうということもありましょう、現実の問題としては。そういうことが私は非常に多いのじゃないか。私は、むしろそういう場合もあり得る。だから、主として農地を造成する臨海地帯の土地造成であっても、この法律の網をかぶせるのだ、こういう考え方の方が妥当じゃないでしょうか。あなたの御説明とは違うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(藤巻吉生君) 実は、これは議員提案でございまして、提案者の御説明を私代弁いたしているわけでございます。この法案は、主として、工業、公共、農業その他の用に供する土地の造成をはかることを目的とするということで、農業だけに供せられる土地を造成することをもっぱら目的とする土地造成はこの法律案でやるという趣旨ではないように伺っておるわけでございます。
○櫻井志郎君 そこに私は非常に、これは局長にあまり突っ込むと、おれの提案じゃないからということになるかもしらぬのだが、そこに非常に何か合理的でない点がありはしないだろうか。具体的な例をとって申し上げると、新しく海面を埋め立てるなりして、土地造成をやる、それを住宅地帯なり工業地帯にするためには、最高潮位であるとか、あるいは波の高さ等を勘案して相当高い地盛りをしなければならない。少なくとも埋め立てをしなければならない。それよりは、場合によっては現在ある陸地に住宅地を設定する、それでつぶれる農地を補てんする意味で新しく臨海地帯の土地造成はある程度やってもいい、農地にしていくんだというような具体的なやり方の方が資源開発、国土開発という点から見て有利な場合が私は、幾らでもある。そういうような場合には、この法律は適用されないのだということであると、何かこう仏作って魂入れずという感を深くするのですが、いかがでしょう。
○政府委員(藤巻吉生君) まあ農地だけを作ると申しましても、できました土地が農地だけになるということもない場合が多いかと思います。大体これからの臨海開発地域の土地造成は、必ずしも工業だけ、あるいは農業だけというふうには分けられないで、いろいろな場合に使う場合が多いかと存じます。で、農業用に供する土地を造成するために計画を立て、そこに工業用地、住宅用地その他のいろいろな用に供せられる土地もできるという場合がかなりあるかと存じますが、まあ私ども伺っているところによりますと、この法案の立案の趣旨は、主として工業に供する土地を造成することにある、その場合、造成した土地が一部農地に使われる場合もある、こういうように伺っておりますので、そういうようにお答えしておるわけでございます。
○櫻井志郎君 あまり私だけで質問をしているのもどうかと思いますが、農地局の庄野参事官、それについてどういう見解を持っておられるか。
○説明員(庄野五一郎君) この法案ができます過程におきまして、原案は工業その他の用に供する土地の造成、利用及び関連諸施設の整備に関する計画を策定すると第一条にはなっておりまして、その際、農林省の第一条につきまする意見といたしましては、「その他の用に供する土地の造成」、「その他の用」の中には、工業を主体にする開発と関連して、やはり農地造成の必要がその地区内にある場合には農業も含む、こういうような解釈でよろしいかと、こういう意見を提出いたしましたところ、「その他の用に供する」というのは、もちろん農業その他住宅用地あるいは公共用地等も含むのだと、こういうような解釈で、それならば感じといたしまして、この臨海地域開発促進法案は工業用地造成ということが主体で、その地区の中における立地条件その他からやはり農業も当然含まざるを得ないという場合には、あわせて農地の造成も含むと、こういうように開発していったらいいんじゃないか、そういうことで私了解しておったわけでありまして、大体この法律でいく場合には、工業が主である場合というふうに解釈いたしております。それが修正ではっきりと工業、農業並列のような形になってきたわけでありまして、多少その感触は違って参っておりますが、農業プロパーで干拓をやっていくといった場合には、この法律でやらないで土地改良法によってわれわれは施行する、その間の調整は、地域指定の調整の場合、あるいは基本計画の策定の場合の調整において十分調整していく、そういうふうな考えであります。
○櫻井志郎君 まだ多少私は基本的な問題で疑問を残しておりますが、提案者でないからという局長のお話でありましたので、私の質問はこれで終わります。
○秋山俊一郎君 まず、これも提案者でございませんのでどういうお答えがあるかわかりませんが、この法案は、ただいまの御説明によりまして、工業用地及びこれに加えて農業用地も造成するのだということでございますが、土地の造成が臨海地域、すなわち海面に及んでくるわけでございまして、従いまして、海面においてやっておりまする漁業、これらについて重大な影響があることはこれは申すまでもない。すなわち漁場が失われるわけであります。海が陸になるのでありますから、魚もあるいは水族も住む所がなくなる。特にこれは浅い海、いわゆる浅海が埋め立てをせられることになるのでありまして、非常な重大な関係があると思うのでございますが、それとともにまた、工場その他によって利益するところも非常に多い。これらの点を総合しまして、政府としては一体どういう見解をとっておるか。一方においては非常な損失を受ける面があり、一方においてはまた利益するところがあるのでありますが、これらの点について政府はどういう見解を持っておられるかお伺いしたいのであります。
○政府委員(藤巻吉生君) 臨海地域におきまして土地を造成して参りますと、当然そこに漁業がございまして、その漁業の実施が困難になる場合が予想されるわけであります。そこで、この法案におきましても、それらの点を十分気をつけておりまして、まず基本計画におきまして、どういう地域の造成をするとどういう被害がある、これに対してはどうするということを事業の実施に関する事項として規定することにいたしております。従いまして、基本計画の内容になりますので、審議会におきまして十分そういう点の審議が行なわれることに相なるかと思います。 それから基本計画においてさような点を調整いたしますほか、損失補償の基準につきましても、審議会で十分御審議を願うことにいたしておりますし、また、いよいよどうしても漁業に対してある程度の被害を及ぼさなければならないという場合におきましては、損失補償の必要が出て参るわけでございますが、これに対しましては、十一条に「基本計画に基く事業の実施により損失を受ける者がある場合においては、当該事業を行う者は、その者に対し、公正な補償をするものとする。」、こういう条文と、それからその同じ条文の二項に「基本計画に基く事業の実施により生活の基礎を失う者がある場合においては、その者に対し、政令で定めるところにより、その受ける補償と相まって行うことを必要と認める生活再建又は環境整備のための措置を講ずるものとする。」というような規定も置いておりまして、その方面の被害者の救済につきましては、遺憾なきを期するようになっているのであります。
○秋山俊一郎君 ただいまの御説明によりますと、この法案が実施されていきます場合に、主としてこうむる被害者は漁業者であると思う。しかしながら、今のような被害者に対する救済措置が、補償であるとか、あるいは生活再建の道を講じてやらなければならぬというような法律があるから、これはそういう被害者が出てもやむを得ないと、それよりもこれはどこまでも漁業者の被害というものは大きく見ないで、遂行せにゃならぬ、こういう見解でございますか。
○政府委員(藤巻吉生君) この法律は、ほかにどんな被害があってもぜがひでも臨海地域における土地造成をやらなければならぬというようなものではございませんで、そこにございます漁業その他の産業と、今後造成されます土地の上にできる産業との権衡ということを十分考えた上で、ここはある程度漁業の方にがまんをしていただいて、土地造成をやらなければならぬというような場合にのみ計画を立て、事業を実施し、しかも、その補償は公正に行なうということにいたしておるわけでございまして、私どもそういうふうにこの法律が運営されて参るものというふうに考えておるわけでございます。
○秋山俊一郎君 この開発区域を指定することになっておるようでありますが、この指定というのは、この法案が通りますと、開発しようと考えております地域を一斉に指定し、公布することになるのでありますか。また順次調査のできた所からぼつぼつ何年かの間にやっていくという趣旨でありますか、その点を伺います。
○政府委員(藤巻吉生君) おそらくあとの方になると存じますが、基本計画を立てる場合にも、あるいはその前の区域を指定する場合にも、しっかりした基礎調査を行なってからやるようになっておりますので、調査の結果必要と認められた地域から順次指定して参るということに相なろうかと存ずるわけでございます。
○秋山俊一郎君 先ほどから申しますように、この地域の開発というのは、要するに埋め立てをやっていくことになるのですが、それによって今、水産庁といたしましては、一番困っておる沿岸の零細漁業者を救済するために、浅海においていろいろな措置を講じまして、沿岸漁業者の生活を安定せしめるような施策を講じておるわけであります。水産政策といたしましては、現在この問題が一番大きな問題である。まあ遠洋に出ていって漁業をする者等、これは第二の問題といたしまして沿岸によって生活を維持しておるものは最も零細で、最も今窮乏をしておる漁業者に辛うじて浅海利用の道によって生活ができるように措置をしておるのでありますが、この際、この臨海地域の開発法によりまして、それらの漁場が片っ端からつぶされていくということは、これは漁業者としては実に耐えられない問題である。金の補償があったり、あるいはその他の措置が講ぜられるとしましても、一体、後刻伺いますが、どういう措置を講ずるつもりであるかということについて、われわれとしても非常な疑念があるわけでありますが、漁業者はこれによって非常な脅威を受けると思うのです。今八千万坪という臨海地域を埋め立てるということになりますと、先ほども申しましたように、これらの埋め立てをする場所は、荒海じゃなくて湾内、少なくとも波の比較的静かな湾内の、しかも、浅海であるに違いない。たとえば東京湾であるとか、あるいはまた伊勢湾であるとか、あるいはまた、ここに書いてありますように博多湾であるというような湾である。そこいらについては、それぞれ浅海の漁業が奨励され、また、それによって生活をしておる。それらのものが大部分つぶれていくということになりますと、これは一体政府はこれに対して基本計画を立てるときにどういう方針をもって立ててやっていくか。補償する、だからいいのだということでは私は済むまいと思うのです。政府はこの法案ができて、これを運用していく上において、一体この犠牲をどうしていくのか。補償するから事足れりというのでは、とてもそれは一生を保障してくれるわけじゃありますまいし、農家から土地を取り上げるのとちっとも変わらないのです。そういうことに対する犠牲に対して最小限度どういう施策を講じていくのか。この点を提案者も考えておったでしょうが、これを運用していくのは政府でありますから、政府当局としてそれをどういうふうに考えておりますか。
○政府委員(藤巻吉生君) お話のように、この臨海地域の土地造成、すなわち埋め立てによりまして漁業が一番大きな被害を受けることになる場合が多いわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、区域の指定、基本計画の策定、こういうものはすべて審議会の議を経ることになっておりまして、審議会には農林大臣も入っておりますし、また、地元の関係の都道府県知事も入っておりますし、そのほか学識経験者に漁業関係の方を加えることに、これは衆議院の方の附帯決議もございますので、相なろうかと存じます。さような方々の慎重な御審議によって、なるべくそういうような心配のないように区域の指定なり、基本計画の策定なりが行なわれていくものというふうに私ども考えているわけであります。
○秋山俊一郎君 水産庁にお伺いしますが、この法案の第十一条によりましてそれぞれ補償を行ない、あるいは大事業の実施によって、生活の基礎を伴う者に対しては、政令で定めるところによって、その受ける補償と相まって行なうことを必要と認める生活再建、環境整備のための措置を講ずるものということでございます。これは当然のことでございますが、今も申しましたように、農家から農地を取り上げるといったような事態になって参ります。ので、これを救済していくためには、やはり漁場をさらに作ってやって更生せしめるというような方法を講ずるなり、あるいは新しく漁場を開発していくなりというような施策をさらに講じなければならぬと思うのですが、それらに対しまして、水産当局としては、この法案と関連してどういうふうにお考えになっておりますか。
○説明員(木戸四夫君) 水産庁といたしましては、この法案が通りました場合におきましても、従来からやっております沿岸振興対策等をさらに強化いたしまして、漁場の開発、改良に努力していきたい、かように考えております。
○秋山俊一郎君 それは課長の説明じゃ私は納得いかぬのですが、この問題については、私はかねて農林大臣にも質問しているのですが、農林大臣は大ざっぱに、いや、それは漁業者にそういう迷惑のかからないように十分に考慮するというお答えであります。それは当然で、考慮せぬとは言えないので、それは当然のことでありますけれども、いよいよここにこの法案が成立しようとする場合になりますと、非常な心配を持つわけでありまして、今のお話のように、従来の方式を、政策をさらに強化していくというが、そういう政策あるいは施策を講ずるが、片っ端からつぶしていくのです。何ぼ講じたってつぶしていくのに、そんなことは抽象的に言ったって実際具体化できるかどうか。私はこれを政務次官にお尋ねしますが、そういったようなことでいいのでしょうか。この法律ができますと、そういう業者が非常に職場を失ってくるのですが、それは今のように現在の施策を強化していくのだというくらいなことでいいんでしょうか。
○政府委員(大野市郎君) これは衆議院の方のこの通過をいたしました法律案の内容に触れますけれども、汚水の防止措置を講ぜよというような要求事項とか、いろいろございまして、御心配の漁場そのものがなくなってしまうという前提で考えておらぬのでございまして、それらの関係においてもそういう形で出ましても、漁場の調整の問題に対しましては十二分に考慮していわゆるそこに調整が入るはずでございます。ただ土地の造成がどうしても先ほどの説明の通りに必要でございますので、こういう案が議員から出ておるのでございますから、政府といたしましては、万全の措置をもって、ただいま申されました生活の保護とか、あるいは補償の問題とかいう問題のほかに、秋山議員の御質疑は、積極的な漁場の転換その他のものまで考えねばならぬという御主張でございますので、私はその意味で議員提案が衆議院を通過して、こちらでまた御審議を願うわけでございますので、それらの問題を御納得のいくまで御主張願い、また政府としても、当然漁場がつぶれていいなどということを言える筋でございませんので、これらの点につきまして、大臣が万全の措置を講ずる、こういうふうに申し上げておるのでございます。確かに積極的な施策が必要であるということと、それから具体的にどうするかということで御疑問をお持ちのことと思いますが、この点は審議会、あるいはその審議会委員の中に農林大臣も参加をいたすことに相なっておりますので、十二分にそれらの点についても、政治責任をとりながら進むはずでございますから、この点につきましては、私どもとしまして、万全の措置を講ずるものである、かように申し述べたいと思う次第でございます。
○千田正君 関連して。今、秋山委員の質問に対しての政務次官のお答えは、これは重大な問題であります。ということは、あなた方は、政務次官の任期は何年いるかしらぬけれども、また大臣も何年いるかわからぬけれども、せいぜい一年か二年ですよ。ところが、こういう問題は、従来何回となく起きておる。当農林水産委員会におきましては、この間の横浜の沖合いの埋め立てについても、どうにもならなくなって、あなたのおっしゃるような学識経験者だとか、知事だとか、市長だとか、そういう者が入ってやっても、実害を受ける零細漁民は承知できない。この国会に訴えられて、そうして当委員会が中に入って調整して、ようやく埋め立ての効果が徐々に出てきておるというような現状があるのです。川崎の沖合いにおいても、千葉の沖合いにおいても、そういう問題は至るところに起きておる。政務次官や大臣が、任期の一年や二年でようやりますというようなことで、簡単に片づける問題じゃありませんよ。これはやるからには真剣に、農林省の立場としましては、簡単にこういうものを承知してもらっては困る。しかも、これは予算を伴う問題ですよ。これあらためてお伺いしますが、一体何人の提案なんです、この議員提案は何人でやっておるのですか。三人か四人でしょう。そんなことでこういう重大な問題を簡単にやられてはたまったものではない。何人の提案です。
○政府委員(藤巻吉生君) 四名の提案になっておるようでございます。
○千田正君 そんなことでこういう重大な問題を片づけてはいけませんよ。
○秋山俊一郎君 ただいまの政務次官のお答えは、政務次官は丘の方で、海の方はあまりおわかりにならないから、そういうようなお答えがあったと思うが、先ほどから私が申し上げますように、海を埋め立てていくこの法案というものは、これは浅海のものと私は承知する。その浅海は今一番大事な沿岸漁業の転換をしておる漁場の造成をやっておるわけなんです。これがつぶれないで造成がやれるはずないと思う、この土地は。これはだから前提として漁場をつぶすんだという前提で考えていただかなければ、われわれの質問も御納得がいかないと思います。この点は一つ十分認識しておいていただいて、その上に立ってのお答えをいただきたいと思うが、いずれにしましても、この問題はきわめて重大である。従いましてこれらに対する万全の処置が講ぜられなければ、いいかげん困って、今あえいで辛うじて水産施策として浅海漁場を造成して、政府も相当の金をつぎ込んでやっている。これは相当な金といっても大した金じゃないですけれど、従来の漁業の面からいうと、かなりの金を毎年追加してやっているが、それを片っ端からつぶしていくというこれは法案なんですよ、具体的にいえば。これをただ万全の措置を講ずるといったところで、一体どういう措置を講ずるかということが、私どもには非常に懸念される。今、千田委員も言われますように、人はどんどんかわっていくので、あとから追及しても、いや、もうこの法律ができているから仕方がないのだということで片づけられては、この零細漁業者は立つ瀬がないわけでありますから、特にこの点は今後われわれとしても、この法案の成立に対しては、十分意見を述べる機会を得たいと思いますが、政府としても、ただいま水産当局が答えたようなことでなしに、もっと積極的な施策を立案していただきたいと思います。きょうは時間が少ないようでありますから、端折って質問いたしますが、この基本計画、第十一条第二項の中に「基本計画に基く事業の実施により生活の基礎を失う者がある場合においては、その者に対し、政令で定めるところにより、その受ける補償と相まって行うことを必要と認める生活再建又は環境整備のための措置を講ずるものとする。」となっておりますが、この措置を講ずるのはだれが講ずるのですか。この国土開発縦貫自動車道建設法ですか、この第九条の規定によりますというと、政府が講ずると、こういうふうなことになっているが、ここではだれが講ずるのか、主体がはっきりしてない。これはだれが講ずることになるのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 第一項との関係から、その事業を実施するものがそういう処置を講ずることになろうかと存じますが、具体的にはだれがどうするということを政令で書くということに解釈をいたしているわけであります。
○秋山俊一郎君 この事業を実施するというのは、何か特殊機関でも作ってやるのでありますか。政府がやるのでありますか。どこがやるのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 従来からの例で申しますと、地方公共団体がやっております場合が多いわけでございますが、そのほかにも、民間の業者のやる場合もございましょうし、あるいはまた政府のやる場合もないことはないとは存じますが、主としてまあそういうような地方公共団体あるいは民間の事業者、こういうふうに相なろうかと存じます。
○秋山俊一郎君 そういう点はまだはっきりしてないのでございますか。
○政府委員(藤巻吉生君) はっきりいたしておりません。地域によりましてそれぞれ適当な事業者が事業を行なっていくということになろうかと思います。
○秋山俊一郎君 じゃもう一点。この審議会でありますが、審議会については、各大臣大ぜい並んでおりますが、最後に、都道府県知事及び学識経験のある者のうちから総理大臣が任命するとあります。これに対しては、われわれはぜひとも漁業関係者を数人加えておいていただかなければ、漁業者はそっちのけにして学識経験者だけでもって、こんなもの取り扱われては成功期しがたいと思いますが、この審議会委員については、どういう考えを持っていますか。
○政府委員(藤巻吉生君) 審議会の委員の学識経験者の中に、漁業関係者等、本法に基づく事業の実施によって影響を受ける者の意見が十分反映されるように政府は考慮しなければならないという附帯決議が衆議院の方でついておりますので、政府はこの決議の趣旨を尊重して措置することになるわけでございます。
○秋山俊一郎君 念を押しておきますが、漁業者のうちから選ぶということに承知してよろしゅうございますか。
○政府委員(藤巻吉生君) 「漁業関係者等本法に基づく事業の実施により影響を受ける者」というふうに書いてございます。
○千田正君 私第一に、これは憲法上の問題として、憲法上のいわゆる個人の財産権及び共同の財産権と、この立法の措置の関係について十分研究したかどうか。これは、ある意味において土地收用法のような行き方をもって漁業権の回収を考えているのかどうか、この点はどうですか。立案者でないからそういうことはお答えできないとすればそれでもいいわけですが、どういうことを考えているのか。
○政府委員(藤巻吉生君) 衆議院の国土総合開発特別委員会におきます審議の際にも、いろいろ御質疑がございましたが、憲法との関係につきましては御質疑がなかったように存じておりますし、私どももそこまでまだ研究いたしておるわけではございません。
○千田正君 これは、実際の実害を受ける人たちは、かりに漁業権の権利保有のための協同組合であり、あるいは地先専用権を持っておる者が、あくまで自分たちの生活設計上における権利として主張した場合、かりにそれが憲法との間にどういう関係があるか、あるいは今度作られる法律との間にどういう関係があるか、この点をまず考えないと、あとから問題が起きてきます。必ずこれは問題が起きてきます。こういう場合に、はっきりした明快な判断を下すものは何かということを考えた場合に、一体どういう明快な判断をするのですか。
○説明員(木戸四夫君) 私たちの理解しておるところでは、これは土地收用法の規定を適用することはできないと考えております。従いまして、公有水面埋立法の規定によりまして処理する、こういう工合に考えております。
○千田正君 そういう場合はあれですか、たとえば漁民の方で承知できなかった場合は、これは実行できないという、こう考えていいですか。
○説明員(木戸四夫君) 公有水面埋立法によりますと、埋め立ての免許できる場合はいろいろな場合がありまして、第一点はその土地を造成することによって、漁業を営む場合よりも非常に利用価値が高いという場合が一つ、免許することができることになっておるわけでございます。 それからもう一つは、その漁業者の同意を得た場合、こういうことになっておるわけでございます。 それで補償の問題につきましては、当事者間で話し合いをいたしましてそうして話し合いがととのわなかった場合には知事が裁定する、それでその補償の問題が片づかないうちは工事が着工できない、こういうふうな規定になっておるようでございます。
○千田正君 憲法上の規定はどうです。個人の財産権及び共同の財産権に対する憲法上の規定はどうですか。
○説明員(木戸四夫君) 憲法上の問題は、正式に法制局に相談したわけでございませんけれども、公有水面埋立法が現行法規として現存しておりますので、憲法には抵触しないじゃないかと私たちは考えておるわけであります。
○千田正君 これは非常に憲法上疑義がある。土地收用法の問題につきましては、参議院及び衆議院とも内灘の問題を中心としました時期におきましても、収用法の問題を中心としていろいろな論議をかわされた問題でございますので、勝手に土地收用法と同じような状況のもとに行なわれることがあったとするならば、憲法上の疑義が相当生じてくると思う。法理的な問題があると思いますから、これは研究していただきたい。 それからもう一つ、これは議員立法であるから、予算は伴わないというのが建前ですが、今おっしゃる通り、三億坪以上のものがかりに埋め立てられたり、あるいは拡張されたりする場合において予算を全然伴わないというわけにはいかない。たとえば臨海の埋め立てにしましても、一億数千坪埋め立てに対して将来一体どれだけの金が要るのかということは予想がつくと思いますが、どうですか。この法律が、通過した場合にどれくらいの金が要るのか、それくらいのことは検討できているでしょう。
○政府委員(藤巻吉生君) この法律が成立いたしました暁におきましては、埋め立ての事業の実施に関する予算は、それぞれ各省についてございますので、そちらの方で参るわけでございますから、特にこの法律に基づく予算として考えなくてもいいと思います。審議会の予算、これはどうしても要ると存じますが、ただいまのところ、三十五年度予算にはこのための予算はまだ載っておりませんので、もしこの法律が成立いたしましたら、それに必要な措置を講じなければならぬというふうに考えておるわけであります。
○千田正君 それはおかしい。この法律が通過すれば、当然予算がつくでしょう。予算が伴うでしょう。あなたの方はつけなくても、かりにこれを実行するのは建設省であるとするならば、建設省は当然この法律に基づいて予算を作らなければならぬ。そうでしょう。予算は何も出さなくて埋め立てができるはずはないでしょう。
○政府委員(藤巻吉生君) 埋め立て事業の関係の予算は、運輸省なり建設省なりにございます。この法律に基づく直接の経費としては、審議会の経費その他若干の事務費が要るかと思いますが、これはまだ今のところ予算にございません。
○千田正君 もう一つお伺いしますが、こういう重大な問題は、あなたの方では国土総合開発審議会というのがありますね。あれは一体どういう仕事をやっておりますか。
○政府委員(藤巻吉生君) 国土総合開発法という法律がございまして、それによりまして国土総合開発審議会が置かれているわけでございます。審議会の所掌事務は法律に規定してございますが、おそらく先生の御質問は、あまりこのごろ仕事をしておらぬじゃないかということではないかと存じます。初めからあやまった方が早いと存じますので、一応事情を申し上げますと、国土総合開発法ができましてから十年になるわけでございますが、まだ実は全国開発計画ができておりません。それから特定地域の計画は、これは二十二地域が指定されまして、できておりますが、国土総合開発審議会は、これまで大体におきまして特定地域の関係の仕事の御審議を願っておりましたが、特定地域が一応指定が一段落いたしましたので、最近審議会の運営が活発でないわけでございます。この点私どもまことに申しわけないと存じまして、先般久方ぶりで開いたわけでございますが、今後は活発に審議会をお開き願いまして、国土総合開発法の運営に少し活を入れていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○千田正君 あなたは久方ぶりに開かれたと言うけれども、私は二年間にわたって国土総合開発審議委員という、名前だけはアクセサリーのごとくちょうだいしておるけれども、いまだかつて招集を受けたことがない。はなはだ失礼千万だと私は思っておる。一体、国土総合開発なんて名前ばかり大きくて実質を伴わないような審議会をなぜ置くのか。この問題にしても、これだけ重大な問題であるならば、国土総合開発の一環として、当然これは審議会にかけて十分に案を練るべきじゃありませんか。最近勝手なことを……。特定のいろいろな審議会を作って、審議会が山のごとくできておる。その計画というものは、理論的においても、実際的においても、国土総合計画がなっておらない。われわれはアクセサリーのためにあなた方の相談に乗るものではないのです。よく考えてごらんなさい。ことにこういう問題は、少なくとも一方においては近代産業の工業用敷地として使われる、一方においては原始産業におけるところの最もみじめな零細漁民の死活に関する問題である。こういう重大な問題を国土総合開発審議会にもかけないで、勝手な審議会を作って、それで通そうなんていうことは、絶対私は承知できませんよ。もう少し真剣に考えなさい。
○藤田進君 これはどうなんですか。衆議院の方はずいぶん唐突に先国会以来追い詰められてきましてね、公団をくっつけたりして……聞くところによると、特定地域をかなり広範にしておいて法律案を通す技術としてやっておく、この実際は特定中の特定がねらい、そしてそのあとの利用というのは、附帯決議にも衆議院であるように、およそ国家の自衛隊とか、その他使っちゃならぬのだということになる、私企業を誘致するということになるかもしれない。第一条の目的で、農業耕地が含まれていないと言われるけれども、目的の中に、あとから説明があったように工業、農業と入った、けれども事実問題として、しからば法律を作る以上見通しがなきゃならぬが、どこに農業用地が開発されていくかということは、これはむしろ局長の答弁の方が正直だと思う、実際問題として。しかしね、しかも科学技術庁は科学技術会議、防衛庁は国防会議というように若干の例を見る、しかもこれは政府提案ですからね。総理大臣を含む十人の国務大臣が審議会に入っている。一体どこが責任主務官庁というものか、およそ法律案を読んだところじゃないというようなことから、私がお伺いしてみたいのは、今までの通りではやっていけないから、ここに議員提出にしろ法律を必要としたというふうに考えざるを得ないけれども、政府当局とされては、企画庁の局長さん、これがなきゃやっていけないものかどうか、やっていけないとすれば、なぜ政府提出にしなかったのか、総理大臣以下十人も国務大臣が入って、こんなものが議員提出という例がありますかね。第十条で資金の関係ははっきりしておるのです。これは政府に義務を負わして、覚悟しなきゃならぬということで、問題をあとに残しているでしょう。問いたいところは、なぜ政府提出にしなかったのか、それほどの必要性を感じなかったのか、どうなのか。
○政府委員(藤巻吉生君) 臨海地域を開発するということは、これは政府としても必要なことと考えておったわけでございますが、それをどういう形で参るかということにつきまして、まだ政府の方で案がまとまらないうちにこの法案が議員提案になったというふうに承知いたしておるわけでございます。政府の方といたしましては、まあこれがなければ絶対できないかと言われますと、絶対できないことではないと思いますが、しかし、この法案がそういう開発を促進するものであることを趣旨といたしておる関係上、その趣旨には別に政府としても異存がないわけでございます。その後は議員提案の法律案として審議されて参りましたので、私ども国会の御審議におまかせしておるということでございます。
○藤田進君 これが、どの点が促進される、従来よりも。おそらくあなたは資金の関係、これにはないと言われるけれども、各省に従来通りやっていくという趣旨の説明があったわけでありますけれども、これはまあ提案者じゃないですから、あなたの推定を、政府自身としても賛否をきめられなきゃならぬでしょう、関連して質疑もありますし、総理大臣以下含めることによって利害関係の調整も必要だろうけれども、ねらいとしては資金をとろうというところに、科学技術会議がそうだったように、そこにねらいが一本あろうと思う。もう一本は、こういうものを作っていくことによって漁業補償その他の調整を円滑ならしめよう、法支配を強めていこうというところが、やっぱりねらいだろうと思う。しかも野党議員が与党でないがゆえに議員立法で出すことはしばしばあるし、あるいは各党調整の上で出すこともあるけれども、今度はまれに見る与党少数の議員提案で、こういう総理大臣以下の膨大な審議会を作り、権限としてはあまりないように思われますが、この点は政令にゆだねられておるが、審議会運営は採決をしてきめるかどうか、これは利害関係の対立するものとなり、運営もむずかしいものと思われるし、予算は第十条に明らかなごとく拘束力を持ち、三十五年度も若干計上されている。いずれにしても、そういうもののねらいというものは、やっぱり漁業補償等なかなか円滑にいかぬところにこの法律を必要としているように思われるのです。この二つしかないのじゃないでしょうか。現行法より以上促進することができるだろうというみそはそこにあるのじゃないですか、あなたの方ではどうですか。
○政府委員(藤巻吉生君) どういうところにこの法案のねらいがあるかということは、これは提案者に聞いていただいた方がいいかと思いますが、いろいろな方面に重大な関係のあるものだから非常に重くしておるということじゃないかと私どもは解釈しておるわけであります。
○藤田進君 なぜ政府提出しないかという御答弁がないわけです。
○政府委員(藤巻吉生君) これは衆議院におきます審議の過程でも、そういう御質問があったわけでございますが、実は政府の方ではいろいろとこういう臨海地域の開発についてこれを進めて参るという意図はあったわけでございますが、こういう形にまとまるまでにはかなりむずかしい点がいろいろとございまして手間どっておったわけでございます。そこへ議員提案でこういう提案がされたものですから、その方の御審議を国会の方でやっていただく、こういうことになったわけでございます。
○藤田進君 そうすれば各省間の調整がうまくいかないというようなこともあってそれはあったようですが、だからここらあたりで与党の有力者の提出にしてくれということを暗にまあ慫慂されたのかというふうに私は思うのですがね。その政府提出の意図があったと言われれば、この通りだったか、多少てにをはが違っておったかもしれないが、政府提出とすればどこの省庁が責任をもって提出される予定だったのですか。
○政府委員(藤巻吉生君) 私は実は個人的にはそれを感じないのでありまして、まあ関係の各省それぞれ臨海地域の開発の必要なことについては考えておられたので、まあその後関係各省のお話し合いがなかなかうまくつかないと聞いておるわけでございます。もし政府提案になればどこの省でということは私としても存じないわけであります。
○藤田進君 これ以上聞きましても、少し無理だと思いますので、皆さんの御賛成を得て、この案件については、建設委員会との連合審査の運びを、その時期、方法については理事会でお話し合い願えればいいと思うのですが、ぜひ連合審査の手続をとっていただきたい。
○委員長(堀本宜実君) あとで懇談をいたしたいと思います。
○東隆君 私はこの法律が出された基本的なものに、非常に何か利権につながるようなものがあるのじゃないか、そんなような感じがしてならないのです。なるほど大ていのところは農地を造成するというような場合には、この問題は問題にならぬわけです。大てい工場敷地とか、あるいは住宅その他……従って水を売ってそうしてそれでもって十分に埋め立てができるというようなことだけしかやらないで、それで、そういうような地帯というのはこれはもう京浜関係を含んだところとか、そういうような大きな大工場の中心地帯、そういうようなところに臨んだところだろうと思うのです。それでこの問題が出てきたときに、おそらく東京湾を中心にしての問題だったと思う。そのような関係で、どうも出発が非常に一もうけ一つこれでやろうというような、そういうようなきらいがあったのじゃないか、こういうように思うのです。そうとすると、この埋め立てをやるところの地帯を非常に厳選をしなければならない問題が起きてくる。それで、先ほどお話があったときに個人にもやらせるとか、そのようなやり方もありましたけれども、私はそういうような意味ではなくて、もっと広範な計画のもとに自治体であるとかあるいは国であるとか、そういうようなものがやるという場合に限ってこれを認める、こんなような形をとらないとなかなか問題がむずかしくなってくる。自治体なんかの場合でも、今までの例を見ますと、少し小さ過ぎたために非常にむずかしくなってきた。たとえば横浜の関係なんかを見ましても、港湾関係といろいろの関係で、港を持っておる管理者としての、港湾管理者としての権利とそれから漁業権の関係と農林省との間の関係、そういうような関係で非常にむずかしくなるわけです。それでちょっとしたことでもって漁業権の期間が切れておりますと、それの追認を許さないようなことをして非常に漁民に対する力をなくしてしまって、そうして無理やりに押しつけていく、このような場合が出てくるわけです。だから問題は、補償の額を非常に減らすことが事業としてはもうかるのですから、そういうような問題がすぐ関連をするのだから、私はもしやることしても非常に地帯を厳選しなければいかぬじゃ、ないか、そんな利益を上げるようなものにまかせるような、そういうような態勢はこれは断じてとってはならない、だから個人にやらせるというような、そのような説明もありましたけれども、しかし、もしこういうようなことが行なわれていくとするならば、これはもう明らかに国あるいは地方自治体、こういうようなところでもってやるというような、そういうはっきりした形をとってやっていかなければ、これはもういろいろの問題が派生してくるし、法律そのものがそういうようなエンタープライズでもってやろうなんというそういうような考え方を許したらこれは大へんな問題になる。そういう点も一つ考えていただきたいと思う。 それから、もちろんこれは藤田君も言われたのですけれども、これはきょう限りの問題ではございませんから、一つもう少しわれわれに資料を、この関係の資料ですね、法案だけの資料じゃなくて、一体どういうような方面についての問題を取り扱うのか、そういう方面の資料とか、相当関連したところの資料がたくさんあると思う。そういうようなものを一つちょうだいいたしたいと、こう思うわけです。
○千田正君 もう一点だけ、農林政務次官にお願いしておきますが、今、東委員も言ったように、また藤田委員も言ったように、これは非常にいろいろな問題がかもされております。そこでたとえば干拓のように埋め立てることによって今度は漁民が農民にかわり生活がそれによって保障され、それによって永遠に生きられるのだというようなことであれは、これはスムーズに進むわけです。それと同じような問題として、今ここに問題になっておるような問題は非常にわれわれ危惧を感ずるのは、川崎の沖合いを埋め立てるときに、川崎市があそこを埋め立てて工場敷地をやろう、そのときに零細漁民、ノリ業者、カキ業者にはこの埋め立てに賛成したならば土地も与えるし、それから工場に採用して、職工として工務員としてお前たちの家族を使うのだから賛成しろ、こうして調印して埋め立てたところが、ほとんど採用していない。たとえばダムの湖底に沈む農家のように、それでも行く先がちゃんとわかればいいけれども、川崎の場合は行き先もない。転落に転落を続けて、そうして自由労働者になってそのままどうにもならないという情勢です。その姿を見て横浜屏風ケ浦の漁業協同組合が、あそこに鉄道を通ずるに際して横浜が埋め立てを要求したときに断固として反対した、農林省も手がつけられない。最後には当委員会において横浜との間に入って調整したような問題が過去にある。そういう問題が過去に幾多残っておる。そういうのを十分御調査なされて、農林省は農林省としての立場を十分主張されて、決してやっちゃいけないと言うのじゃありませんよ、やっちゃいけないと言うのじゃないのですが、そうした漁民が方向を失って転落するような姿であってはならない。これをどういうふうにこの法案なりあるいは将来の行き方に守っていくかということを貫くだけの信念を持って当たっていただきたい。簡単な問題でありませんから、どうかその点を慎重に考えていただきたい、この点お願いいたします。
○委員長(堀本宜実君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(堀本宜実君) 速記をつけて。 本件につきましては、ただいま御協議をいたしましたところにより、臨海地域開発促進法案について建設委員会に連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堀本宜実君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会を建設委員会に申し入れることといたします。なお、連合審査会に関しましては委員長に御一任を願います。 本日はこれをもって散会をいたします。 午後零時三十一分散会