内閣委員会 第9号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/03/08
会議録
○委員長(中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。 去る三月一日予備審査のため本委員会に付託されました国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(益谷秀次君) 今回私が給与関係の担当国務大臣を仰せつかったのであります。 御承知の通りきわめて不なれであります。一生懸命勉強いたしますから、よろしくお願いをいたします。(拍手) ただいま議題となりました国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由並びに内容の概要を御説明申し上げます。 この改正案は、北海道に在勤する一般職の国家公務員に対して支給する石炭手当について、支給地域に区分を設けるとともに、その支給額の限度を改訂し、あわせて人事院が、この法律に定める給与に関し調査研究して、国会及び内閣に同時に勧告することができるようにするものであります。すなわち 第一に、現行の石炭手当の支給地域は、北海道一円一率でありますが、今回これを寒冷の度合、採暖の状況等により、甲乙丙の三地域に区分し、それぞれの地域の範囲を別表で定めることといたしました。 第二に、石炭手当の支給額算定の基礎となる石炭の数量の最高限を、世帯主たる職員については現行の三トンから、甲地において三・六トン、乙地において三・三トンに、その他の職員については現行の一トンから甲地において一・二トン、乙地において一・一トンに、それぞれ引き上げることといたしました。 なお、世帯主たる職員のうち、たとえば独身者などに対する支給額は、採暖の実情を考慮して、その他の世帯主たる職員に対する支給額の最高限の三分の二を限度とすることとし、それに該当する職員の範囲は、人事院の勧告に基づいて内閣総理大臣が定めることといたしました。 第三に、石炭手当等この法律に定める給与は、一般職国家公務員の給与体系全般と密接な関係があり、その改正については人事院における調査研究の結果を待ち、その勧告に基づいて処理するのが至当と考えられますので、この際人事院において、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは国会及び内閣に同時に勧告することができることといたしました。 この法律案は、以上の趣旨に基づきまして、国家公務員に対する寒冷地手当、石炭手当及び薪炭手当の支給に関する法律の改正を行ない、本年四月一日から施行しようとするものであります。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○委員長(中野文門君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(中野文門君) 次に、本委員会所管の今期国会提出予定法律案に関する件を議題とし、椎名内閣官房長官より提出予定中米提出の法律案について説明を聴取いたします。 〔委員長退席、理事増原恵吉君着席〕
○政府委員(椎名悦三郎君) 法律案の内容につきましては、いずれも関係各省庁等において検討中であり、まだ詳細に申し上げる段階に至っておりませんが、その要旨を申し上げます。未提出法律案中内閣委員会に付託されると予想される法律案といたしまして、まず第一に栄典法案がございます。現在、衆議院内閣委員会において与野党が超党派的にその成案の作成に努力されておりますので、ただいまのところは、その内容を申し上げる段階に至っておりません。 その次に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案でございますが、昭和三十五年度事業予定計画に伴う増員等に関するもの約七千名及び法制局の事務増に伴いまして、増員するものでございます。 第三に、自治庁設置法の一部を改正する法律案、自治庁に国家消防本部を統合して自治省を設置する案でございます。 それから第四、外務省設置法の一部を改正する法律案、これは新たに重要な外交事項について企画、立案及び事務の総括整理をする者一人を置くことを目的とするものでありますが、その名称につきましては、ただいま検討中であります。 その次は、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案であります。国家公務員等から引き続いて公事、公団等の職員になりまして、さらにまた引き続いて国家公務員等に戻る者が退職をした場合の退職手当の基礎となる在職期間の計算については、ただいま不合理な点がございますので、特例を設けて、不合理を是正しようとするものであります。 以上五件でございます。
○矢嶋三義君 ただいまの報告について、一応関連して伺っておきますが、公務員法の改正案は出ないと了承してよろしゅうございますね。
○政府委員(椎名悦三郎君) 出ないときまっているわけではございません。ただいま研究中でございます。
○矢嶋三義君 予定の中に入っていないわけですね。入っているんですか、どうなんですか。
○政府委員(椎名悦三郎君) まだ予定の中に明確にしておりません。
○矢嶋三義君 きょうは予想される法律案件名を承ったと思うのですが、これよりまだ予想される法律案件があるというわけですか。何の説明かわからぬじゃないですか、それでは。
○政府委員(椎名悦三郎君) 大体明確に予想されるもので、本委員会に提出予定のものを申し上げたのでございます。
○矢嶋三義君 それで、行管長官に要求しておきますが、石井行管長官以来、公務員法の改正というものを考慮しているから、それと関連づけて常勤職員等の定員化をはかりたいというので、常勤職員の定員化というのを、長き期間にわたる問題であるにかかわらずやらないできたわけなんですよ。そうして非常に緊急な面についてのみ若干定員法の中に繰り入れる措置をやって参ったわけです。だからそういう綿からの公務員法がこの国会にもし出ないとすれば、この行政機関職員定員法の一部改正法律案の中には、今までの石井行管長官以来の経緯にかんがみて、常勤職員を大幅に定員に繰り入れる内容の法律案を出す義務が政府にはあると思うのです。その検討をしていただかなくちゃならぬ、よろしゅうございますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 常勤職員の定員繰り入れの問題は、熱心に研究をいたして、検討をいたしております。これは前長官なども国会にはっきり言明いたしてまりまするから、その責任は私も痛感をいたしております。ただ、各省間の問題もございますし、また、国会との関係もあるので、どれだけの常勤を繰り入れることは最終的には決定いたしておりません。が、繰り入れたいという考えを持っております。
○矢嶋三義君 最後に官房長官に一つだけ伺っておきます。官房長官、本委員会においでになって答弁をし、約束されたことを一向尽くされない、これはまことに遺憾だと思うのです。だからこれは最後の質問ですがね。次の点、お答えおき願っておきます。それは資料の提出ですがね。この前岸さんがアメリカ旅行のときにハワイで外務省の報償費から一万ドルハワイで寄付をした、そういうような報償費でそういう寄付をした前例があるならば資料として出すようにということでしたが、今まで資料として出されないのですが、どうして出されないのか、いつ出すのか、その点。 それからもう一つは、この前のあなたとの質疑応答では一月二十日、皇太子・アイクの交換訪問を内容とするところの岸、アイク共同声明の起草については、内閣官房並びに総理府はだれもタッチしていない、それから外務省は、アメリカ局長は自分並びに自分の部下も一切タッチしておらないということだから、書面をもって、この共同声明の起草になったのはどなたか、資料として出すように言ったが、それも出てこない。 もう一点、岸・アイク共同交換訪問は、経過から見て相当不用意な点がある。さらに政治的に利用した面があるから、岸内閣に警告と反省を促し、それを岸さんに伝えて、何らかの回答をするようにということを要請しておいたのですが、文書をもっても、口頭をもっても何らの御返事がない。委員会でやられたことを、そのまま無責任に流してしまうことは、私非常に遺憾だと思う。おいでになった機会に、その三つだけ、どうなったかお答えおきを願いたい。
○政府委員(椎名悦三郎君) 第一の、ハワイ一万ドルに関連する資料の提出は、ただいま至急手配しております。 第二は、この前申し上げたように、十九日の、岸総理・アイゼンハワー大統領の共同声明の草案は、当初から皇太子殿下及び同妃殿下の訪米に関する事項を含んでおらなかったのでございますが、一月二十日の共同声明の草案は、在米大使館とアメリカ国務省との間で作成されたものであります。 第三は、岸総理にお伝えいたしました。別段書面ということでなしに、適当な機会に、直接総理からお答えをすることになっております。
○横川正市君 国家公務員の退職手当の一部改正法律案と関係あるわけですが、公共企業体職員等共済組合法の一部改正法律案が予定法律案に載っているというふうに聞いているわけでして、この点もあとから出さない出すという問題になると、ちょっときょうの審議と関連してめんどうが起こりますから、その点を官房長官からぜひ説明しておいていただきたいと思うのです。
○政府委員(椎名悦三郎君) 公共企業体職員等共済組合法の一部改正法律案は予定の中に入っております。
○理事(増原恵吉君) 以上で説明は終了をいたしました。本件は、この程度にとどめます。
○理事(増原恵吉君) 次に、国家公務員制度及び恩給に関する調査を議題とし、公務員の給与に関する件の調査を進めます。政府側の出席の方々は、益谷国務大臣のほか、浅井人事院総裁、滝本人事院給与局長、佐藤総理府総務副長官、山下労働省労働経済課長の方方でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○伊藤顕道君 私は、公務員の給与について、主として給与担当大臣並びに政府に、また必要に応じて人事院総裁、その他政府委員にお伺いしたいと思いますが、まず最初に、給与担当大臣の件について、一点益谷副総理に特にお伺いしておきたいと思うのです。御承知のように、過去においては、政府も、労働大臣をして給与担当大臣として公務員給与の改正をみてきたところが、その後、数年の間、総理府総務長官が、現在の総務長官はまことにりっぱな方だとは思いますけれども、結局、閣僚としての資格のない総理府総務長官をして給与を担当せしめた。こういうことではとうてい公務員の利益と福祉を守るなどということは至難であろうと思う。また、公務員給与軽視のそしりも免れない、こういう点で、この問題について、このたび担当大臣になられた副総理としてはどういうふうにこの問題をお考えになるか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 政府におきましても重要な給与等に関する件等については、法制上は御承知の通り総理大臣、その下に総務長官がおる、総務長官が総理を助けて所管するということになっておるのであります。しかしただいまお尋ねの通り、きわめて重要なる事項でありますから、この問題は国務大臣が担当するのが当然だという結論に達して私が給与を担当することになったのであります。従って、この職責の重大さにかんがみて一生懸命できるだけ努力をいたしたいと存じております。
○伊藤顕道君 ただいま申し上げましたように、政府はかねてから公務員の給与については、その職責に見合う給与を支給すると、そういう態度でやってきたわけですが、今申し上げたようにここ数年の間、担当大臣を欠いておったわけです。そこで最近かねがねから社会党としては給与担当大臣をきめてほしいということを強調してきたわけですが、特に最近事態の重大さにかんがみて、再三給与担当大臣をきめるようにと要請したわけですが、なかなかこれに応じられなかった、ようやく最近決定を見たわけです。ふたをあけてみますと、幸い公務員の給与については非常に熱意もあり、御理解の深い益谷副総理が給与担当大臣となられたことは、まことに喜ばしいわけです。そこで、一つ念を押しておきたいと思うのですが、あなたは公務員の利益と福祉を守るためにはあらゆる困難を、万難を排してこれを守ろうとする御決意をお持ちだろうと思いますが、この際その決意について一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 先ほど私就任いたしましたその感じと申しますか、心持ち申し上げたのであります。きわめて重要な事務でありますから、重要さにかんがみてできるだけのことを尽くしたい、かように思っております。ただしかし、それにはやはり一定のワクがあるので、法規とか、そういうことを尊重していくところは尊重していきたい、かように考えております。
○伊藤顕道君 それでは以下順を追うてお伺いしたいと思います。が、まず現在までの公務員のベース・アップの実態についてお伺いしたいと思います。御承知のように二十三年十一月人事院が創設されました。これは言うまでもなく公務員から基本権を奪った。しかしそのかわりに公務員の利益と福祉を守る、そういう立場から人事院が創設されたわけです。ところが、今日まで二十三年から昨年の三十四年の十二年間にべース・アップが実施されたのは六回にすぎないわけです。こういうことではなかなか口ではりっぱに公務員の利益と福祉を守るということを覆われておりますけれども、十二年間に六回のべース・アップしかなされなかったという、こういう事態、こういうことではとうてい公務員の利益も福祉も守ることは至難であろうと思う。この点についてどういうふうにお考えになるか、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 私は何回ベース・アップがあったかということは実は存じません。存じませんが、御承知の通り、人事院は常に科学的にいろいろの方面の調査をいたして、政府並びに国会に勧告するのでありますから、政府としては一応人事院の勧告を採用すると申しますか、尊重して参るのが建前だろうと思っておりをす。
○伊藤顕道君 十二年間に六回のべース・アップしかなさらなかったと申し上げました。ところが、この六回のベース・アップの中で、一応完全に実施されたと考えられるのは六千三百七円べースただ一回です。そのほかのものについては、時の政府によって、あるいは切り下げられ、あるいは無視されて今日に至っておる。こういうことが繰り返されるようでは、とうてい公務員の利益、福祉は守られないと思うわけであります。この点について、担当大臣としてどういうふうにお考えになっているか。
○国務大臣(益谷秀次君) 先ほどお答えいたしました通り、私はほんとうに何回上がった、どういう順序で上がったかを今調べておりません。おりませんが、人事院の職責にかんがみまして、人事院は常にいろいろのことを調査して、それに基づいて政府並びに国会へ勧告するのでありまするから、政府はこれを採用して、その勧告を尊重して今まで参ったことと記憶いたしております。従って政府の立場から申しますると、尊重していくのが至当だろうと考えております。
○伊藤顕道君 政府は口を開けば、人事院の勧告は尊重する、みなそういうふうにおっしゃってきたわけです。ところが、現実は決して尊重していないわけです。たとえばここに表がございますが、二十三年十二月十日に人事院は六千三百七円べース、先ほど申し上げたこれを勧告しております。このとき初めて政府はこの六千三百七円これを完全に実施しておる。その以後一回も完全には実施していないわけです。ただ、こう申し上げただけではおわかりいただけないので、二十四年十二月四日には七千八百七十七円べースを勧告しておる。これに対して政府は全然これを無視しております。これを削ったということでなく、切り下げでなく、全然無視して実施していない、こういう態度で人事院の勧告を尊重するということが言えるかどうか、はなはだ疑わざるを得ない。なお二十五年八月九日に八千五十八円、このべースの勧告しておる。これも若干削られておる。それから二十六年八月二十日、一万一千二百六十三円べースを勧告しておる。これも二百円ばかりの額を削っておる。二十七年八月一日についても一万三千五百十五円べースを勧告しておりますが、それに対して一万二千八口三十円、二十八年七月十八日の一万九千四百八十円についても一万五千四百八十三円で、これはよろしいじゃないかと言われるかも存じませんけれども、これは勤務地のいわゆる暫定手当五%本旅繰り入れのためであって、すでにもうそういうものが繰り入れられてその差額だけしか上がっていないということでは、公務員としてはなはだ不利益である。当然この五%の暫定手当本俸繰り入れば別途にやるべきものを、これをこの中に入れておる。たとえば数字をあげてみても、こういうふうに政府は人事院の勧告をなんら尊重していない。無視あるいは引り下げてきたことが大部分です。こういう態度では、人事院の存否が必要かどうかということは別途申し上げたいと思いますが、一応人事院の存在をはっきりしたとしても、こういうことでは、なかなかもって公務員の利益も福祉も守られないと思うわけです。品だけじゃどうにもならないと思うのです。現実に尊重しなければならない、こういうことが蓄えるわけです。この点についていかがお考えになりますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 人事院の御告を無視したり、あるいは非常に勧告の金額を切り下げるということは、まことに遺憾なことだと思います。当時の政府では、やはり資金その他の関係でさようにいたす以外になかったことと想像いたします。今後は努めて勧告に従っていきたいという考えを持っております。
○伊藤顕道君 しかも、ここで特に指摘申し上げておかなければならない点は、人事院が物価とか、あるいは生計費、そして民間給与の実態を調査して、そういうものを総合した最近の数年の例では、三月、この三月という月は後ほども申し上げたいと思いますが、民間給与の年間を通じて一番低いこの三月というのを特に選んで、そして物価、生計費、こういうものとにらみ合わせて、差があれば政府に勧告すると、こういうことになっておるわけです。この三月を押えて調査したのであるから、おそくもその年の四月には実施にならなければならぬはずです。ところが、人事院がなるべくすみやかにとか、できるだけ早くというようなあいまい模糊たる言葉を使っておる関係もございますけれども、政府はこの毒薬をいいことにして、さて実施ということになると、一年先にならないと実施にならない。今回出ております給与法の一部改正案も、人事院は、昨年三月の実態調査であって、それを七月十六日に勧告している。本年になって、ようやくかりにこれが実施になったとしても、一年はすでにたっておる。こういうことが年々歳々繰り返されておる。その月だけを考えてみても、その月に相当不利益があるわけです。これを一年見積もると、その十二倍の不利益になる。これが年々歳々ということになると、莫大な不利益を公務員が受けるということになるわけです。こういうことについても、政府の態度としては、人事院がなるべくすみやかにということであるならば、これをすなおに受けとめて、そして民間給の実態調査の月である三月を目途にして、おそくもその年の、翌月四月に実施にならなければならぬはずです。これが人事院の言うなるべくすみやかに、できるだけ早くということを受けて立った政府が、誠意も持っていわゆる人事院の勧告を尊重すると、そういう態度に通ずると思うのですが、この点いかがですか。
○国務大臣(益谷秀次君) 私が先ほど申し上げました通り、人事院の勧告にすなおに従って、これを法律化するということは、きわめて当然なことだと思います。御指摘になりました昨年の勧告でありますが、実態は三月中の実態だそうでありますが、勧告は七月になって行なわれております。なかなかこの年度の中途に、補正予算になりますか、いろいろのことでやるというのは、なかなか実際困難だそうであります。特に昨年は災害もあったので、災害のために言い逃れするのじゃないのですが、予算その他の関係上、四月一日から行なうことはできないことになっておると承っております。むろん、私も閣僚の一人として、その方に賛成する以外にはないのでございます。今後は努めてこの勧告にすなおに従っていきたいという考えを持っております。
○伊藤顕道君 で、公務員の利益福祉がいかに無視されているかという一つの事例を申し上げて、政府の反省を促したいと思うわけですが、ここに表がございまして、これは三十四年の分として上級職員の採用の資格を取った新大卒の初任給、これが基本給が一万二千百二十円である、そうしてこの手取りが、問題は手取りですが、これは三十四年、昨年の九月三十日、いわゆる共済法の退職年金の実施になる前の日です。これで抑えますと、この手取り額が一万一千四百十円であったわけです。ところが、今回の人事院勧告が、政府によってそのまま実施されたと仮定しても、結論はかえって手取りが減ってしまうということ、人事院の勧告を政府が実施しても、結局共済退職年金の掛金が、恩給の場合が千分の二十が千分の四十四というばかげた飛躍をしている関係で、結局公務員の手取りは減っている。こういう事例がここに明白に出ているわけです。結局これは人事院の勧告が通ったとして、今の場合は百八十二円の減給になる、現実に減給です。それから本省の係長級の場合を一つだけまたつけ加えますと、これは五等級の五号で基本給は二万四千三百四十円、昨年九月三十日までの手取りは二万三千五十六円、人事院の勧告が忠実に実施されたと推定して、そうしてそのときの手取りは二万三千四百三十円、若干ふえているからいいじゃないか、ところが、この係長級は、今回の人事院勧告の中心であって、中だるみ是正ということで、ここに重点を置いて、約千円ばかりの増にならなければならないわけで、ここに中心があるのであります。千円ばかり上がらなければならないはずです。ところがわずかに三百七十四円程度しか上がっていない。これは例をあげると、ここに一ぱい入っておりますけれども、一々あげる必要はなかろうと思う。要は政府の施策の一つである共済退職年金の掛金の不当なはね上がりによって、実際公務員の受ける給与は、人事院勧告が実施されたとしても、下回るか、あるいは相当引き下げられるという事態、こういうことについて、相当大臣としては相当お考えいただかないと、公務員の利益も福祉も、とうてい守ることはできない、そういうふうに考えられるわけです。この点について明確に態度を表明していただきたい。
○国務大臣(益谷秀次君) 共済組合の掛金はただいま仰せになりましたような率等は、きょうただいまは存ぜなかったのであります。御指摘のようなことも十分調査をして対処したいと思います。しかし、これは制度の起こりとか、その他のことも十分検討しなければならぬと思います。きょうのところは、その程度にしかお答えすることができぬのを遺憾と思います。
○伊藤顕道君 ここに国家公務員法の第二十八条第一項を見ますと、御承知のように情勢適応の原則が明確に出ております。御承知のように、給与とか勤務時間、その他勤務条件に関する項については、国会により、社会一般の情勢に適応するように随時これを変更することができる、従って以上幾つか申し上げたような公務員のやはり不当な不利益については、随時これを情勢に応じて、政府にもし誠意があるならば変更することができると、法文にも明確に出ているわけであります。こういうこともありますので、一つ幸い先ほども申し上げたように、給与について深い熱意と御理解のある益谷さんのことでございますので、一つ今後こういう点については格段の努力をしていただきたい。そうしてこの項については、今お尋ねしているこのべース・アップの実体、この項については、一応質問をとめておきたいと思います。
○矢嶋三義君 さっきの伊藤委員の質疑に関連して一つ、伺っておきますが、人事院勧告が行なわれて、それを受ける内閣の基本的な態度をさっき御答弁ございましたが、従来尊重するという基本態度はきまっているわけです。どういう形で尊重するかという点の質疑が行なわれたわけです。それで、昨年七月の勧告は三月のデータで勧告が行なわれたのだから、それを尊重するとするならば、三十四年の四月からこれが行なわるべきである。これは筋だ、そこで、伺っておきたいんですが、人事院の勧告そのものが適正であるかどうかということは他に論があります。しかし、非常にささやかな人事院の勧告、それをすなおに受けるとしたならば、当然私は補正予算で措置すべきだ、三十四年度災害があったの何の言っても、給与について冷淡でなくて、ほんとうに思いやりがあるならば、第二次補正、第三次補正まで行なわれているんです。税の自然増収だって細工千百億もあるわけだから、あのささやかな人事院の勧告をほんとうにすなおに尊重するなら、二次あるいは三次の補正で三十四年度の実施ということが行なえないことはないわけです。それを行なえなかった。それで今追及したのに対して担当国務相は、これからすなおに受けたいということは、昭和三十五年の七月にもし人事院の勧告が行なわれたならば、その勧告というものは、今後筋として補正予算が組まれる場合に、さかのぼって会計年度の当初からこれが施行されるように、すなおに人事院勧告を政府は受け入れて尊重してやる方針だ、こういうふうに国務相の答弁を承ったわけですが、そういうふうに承っておいて差しつかえございませんですね、念のため。当然の筋です、はっきりしておいて下さい。
○国務大臣(益谷秀次君) 昨年の三月のデータで七月に勧告があったんです。私は昨年の場合は災害等の関係で資金のためにできなかったこととは存じておりますが、きわめて遺憾なことでありますが、今後は勧告はすなおに受けるべきであるということを考えております。去年のは実際の何を申しますると、補正予算で組むと地方公務員の給与の関係もございますので、なかなか多額の費用が出るそうであります。従って去年はやむを得ず財政その他の関係で見送ったことと存じております。今後は努めてすなおに人事院の側告を受けて参りたいと存じております。
○鶴園哲夫君 人事院の勧告を尊重するということについて、今国務大臣がおっしゃいましたが、再度念を押し要望したいと思います。先ほど伊藤委員か質問を申し上げました中にありましたように、人事院は毎年大体七月の十八日非常にささやかなものでありますが勧告いたしております。それに対して三十一年度までは、大体七月の十六日に勧告したものを、その年の十二月一日から実施している。三十一年度以降は七月の十六日に勧告したものを、翌年の四月一日から実施しているということで四年を経過いたしております。ですから、そこら辺のことを十分一つお考えいただかないと、長い間勧告を尊重する尊重すると言いながらそうなっていない。さらに昨年の七月十八日に勧告をいたしたわけでありますが、これについては人事院としては四月一日から実施すべきものである、それを実施しないのは、はなはだ遺憾であるという答弁を、この委員会におき出しても、さらに参議院の本会議においても答弁しておられるわけです。ですからこれは国務大臣おっしゃるように、昨年の七月十六日の勧告というのは、その年の四月一日から実行すべきあだというふうに、十分一つ御配慮いただきたいと思います。
○山本伊三郎君 これから去る二月の十八日に提案された一般職の給与法に関する総括的な一つ質問をしたいと思うのですが、まずその前提に、本日担当国務大臣が出ていただきまして、まず最初に国務大臣に一つ確認していただきたいのですが、実は国家公務員法から見ましても、また一般職の給与法から見ましても、第二条、第二十四条もございますが、人事院の勧告は国会並びに政府に出す。しかし今までの慣例は、その勧告は政府が具体化して法律案として提出される、こういうふうになっております。従ってわれわれ国会に籍を置く者といたしましては、人事院勧告に対して独自のわれわれは見解を持って、これは審議すべきだというふに考えております。そこで、政府は今度いわゆるこの法律案が提案されたのでございますが、人事院が勧告されて、今日提案されるまでに、政府は人事院の勧告について詳細に検討されて法律案を出されたかどうか。この点をまず国務大臣に聞いておきます。
○国務大臣(益谷秀次君) 政府としては十分に研究をいたし、検討して提案をいたしました。
○山本伊三郎君 それで先ほど申しましたように、国会独自にこれを検討する権能があると思いますので、先ほど大臣がいわゆるこの答弁の中で、伊藤君なりあるいは矢嶋君なりの答弁の中に、これが修正されて云々という問題を言っておりましたが、この法律案が修正された場合に、すでに衆議院は予算が通っておりまするが、いわゆるこのわれわれ国会において独自にこれが修正された場合に、予算が当然変えられなければならぬのですが、それだけの準備があるかどうか、この点一つまず聞いておきたい。
○国務大臣(益谷秀次君) 率直に申し上げます。その準備はいたしておりません。むろん、国会においては国会に対する勧告でありまするから、国会独自のお考えで決定せられることも、かつては私も記憶があります。国会において人事院の勧告を取り上げて、質疑をいたしたことも承知いたしております。従って実例もありまするし、むろん、当然の国会の権限であろうと私は思っております。ただ、ただいま修正せられる前提で、予算その他の措置をしているか、とっているかどうかというお尋ねについては、率直に申し上げますると、予算その他の措置はとっておりません。
○山本伊三郎君 私の聞いているのは、若干受け取り方が違うと思うのですが、政府は予算を提出するときには、これが修正されるという建前で作っておらないけれども、いわゆる国会独自において修正された場合には、当然これは予算の組みかえの必要があるということを聞いているのであって、それは是認されますね。
○国務大臣(益谷秀次君) それは国会に勧告をして、国会が審議せられるのは当然の権限でございますから、法律として成立した以上、政府はこれを尊重すべきだろうと思っております。この点だけはちょっとさっき私は法律の常識から申し上げましたが、まだ多分にそれを妨げる法律等がありますれば、その際には取り消しをいたします。ただ、ただいまのお尋ねに対しては、私は国会に権限があるのですから、それを法律となって参りますれば、それは尊重しなければならないことは当然だろうと信じております。
○山本伊三郎君 それでは一つ数字について具体的に質問いたしますが、益谷国務大臣は、担当大臣は、数字については失礼でございますが、詳しくないと思いますので、今後私の質問については、総理府並びに政府委員の、われと思わん者はだれでも答弁してけっこうです。総務長官おられますか。――それでは質問続けます。私は、これから質問する大体の基本的な考え方として、公務員の給与についての前提となっておる一般民間の労働者の給与について一つ質問しておきたいと思うのです。というのは、勧告の今までのずっと慣例を見ますると、人事院は、民間給与と生計費を基礎として公務員の給与を勧告されております。最もその重要な基礎となるのは、民間のいわゆる労働者の賃金ということがここに現われておるのです。それの第一に人事院が重要にとっておるのは、いわゆる民間給与の指数でございます。これは労働省の毎月勤労統計調査、それから生計費については総理府の統計局の家計調査によってやっておりますが、この点につきまして政府に聞きます。人事院はすでに半年ほどやっておりましたので、政府は先ほど人事院勧告をしさいに検討したという国務大臣の答弁でございますので、やっておると思いますので、その点について政府に聞きたいと思います。人事院勧告の参考表の第一の労働経済指標という表がございます。第一表です。労働経済指標という見出しで出ておりますが、それの上の方の項に、民間給与、それから労働省の毎月勤労統計調査によっておるようでございますが、そのうちの全産業におけるきまって支給する給与、これの金額が、三十三年の三月から三十四年の四月まで載っておりますが、人事院が、この給与の基礎となるデータをとる月が昨年の三月であったので、三月を基準に質問いたします。その場合に人事院は、これは数字をとっておりますけれども、一般民間の給与を一万七千八百九円という数字をとっております。三十四年の三月です。これを基礎として人事院は勧告しております。私が今聞こうと思うのは、その一般労働者の民間給与の一万七千八百九円が平均賃金としてもらっておる額でございます。それに対して、今度は総理府の統計局の家計調査による生計費を見ますと、同じその月です。その月に二万八千二百三十二円というのが消費支出の総領として出されておるのです。具体的にいろいろあとから聞きますけれども、給与の収入が一万七千八百九円、総理府の出しておる生計費が二万八千二百三十二円、約一万四百円の食い違いがあるのですが、労働省の方々おられると思いますけれども、労働者の主たる収入が一万七千八百円で、同じ政府が調べた生計費が二万八千二百三十二円、一万四百円というものの差をどういう形で政府はこれを理解しておるか。一万七千八百九円もらって、二万八千二百三十二円生計費が要るのだということをここに現わしておるのですか、どういうことでこの数字が出されてきたかということを、政府が受け取っておるかということを一つ聞いてみたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) ただいま仰せになった通り、私は数字のことは詳しくございません。私の責仕において事務当局から答弁いたさせます。よろしくお願いいたします。
○政府委員(増子正宏君) ただいま御質問のうち、お尋ねのありました点を申し上げますと、毎月きまって支給される給与、毎月勤労統計によります給与は、これはいわゆる職員といいますか、労働者といいますか、それがどれだけもらうかという意味の指数あるいは金額を対象としたものでありますけれども、生計費の調査につきましては、これは世帯を単位といたしましての計数でございますので、この統計のとり方が両者全然異なるものであるわけでございます。われわれとしましては、そのように理解いたしておるわけであります。
○山本伊三郎君 全く理解いけぬ答弁ですが、いわゆる世帯構成によって違ってくると言われるが、しからば、総理府の統計局の家計調査による二万八千二百三十二円という、三月現在これだけ要るんだぞというのは、何人の家族の構成であるか、それをお聞きしたい。
○政府委員(増子正宏君) 平均四・五七ぐらいと承知しております。
○山本伊三郎君 しからば今度は、労働省の毎月勤労調査による一万七千八日九円でございますが、この賃金の平均家族はどれだけという算定で考えられておるのですか。
○説明員(山下不二男君) 毎月勤労統計調査では、事業所を調べておりますので、世帯について何人の世帯ということはわかりませんけれども、前に調べました個人別賃金調査によりますと、世帯人員は平均一七・八人ぐらいという数字であります。
○山本伊三郎君 労働省の人に聞きますが、一・八というような基礎はどういう方法で調査されたか。私自身も調査して持っておるのですが、一万7千八百九円の平均的な賃金は、一・八ということは夫婦ではないですね。一人子供がまだできていない、嫁さんは半分ぐらいもらったという程度の人数にしかなっておらない。どういうことでそうなるのか、それを一ぺん解説していただきたい。
○説明員(山下不二男君) 個人別賃金調査によりまして、各事業所にいる労働者に個人票を配りまして、その扶養家族が何人おるかということを調べて、それを平均したものであります。
○山本伊三郎君 それなら労働省に聞きますけれども、今総理府から答弁があった四・五の家族構成でどれだけの賃金になっておるか、この点を一つお聞きしたい。
○説明員(山下不二男君) 世帯人員別の平均賃金は集計しておりませんので、私の方ではわかっておりません。
○山本伊三郎君 労働省はそれでいいですよ。この資料を出された人事院が勧告に使った基礎的な資料なんです。労働省は、そういうことまではわかりませんと、こういう答弁なんです。これが公務員の給与の勧告の基礎をなしておる。そこに私は、労働省の方に来ていただいたのは、なかなかそういう調査はできないです、やってみると。そういう基礎をもって、これは正しいものだということで人事院が出された。人事院は主観で出されたことはこれはよろしい。これは、政府がまた、それが正しいのだと検討して、ここでわれわれ国会に提案されてきた。冒頭に申しましたように、しさいに検討しておりますかといったらしております……していないです。出てきた数字を見ると、均衡のとれた数字が出ております、人事院の勧告は逆に合わせた数字なんだから、合わせた数字をもってきて、基礎の数字から検討するときわめて不合理なものがあるんです。同じ政府が出しておるいわゆる生計費と労働者の賃金とははなはだしく較差があるのです。私は国務大臣に申し上げたいのですが、国の財政とかそういうことで今の公務員の給与はここまで上げられないという、そういう財政上から考えられるというなら別といたしまして、これが正しい給与であるということをいつも言われるのです。労働者の賃金もそうなんです。十分これでいけるのだということを押しつけるところに私は無理があるということを追及しておる。これが正しいけれども、今の経済の事情なり財政事情からこれ以上出せないというなら、そういう政府の態度ならこれは別問題です。それに努力するように、お互いに政府並びに国会が努力すればいいんですが、これを正しいという前提で出されるから私は追及するのです。私はこの点は責任ある提案された政府に対して、実際は一般の民間の給与ですらこういう低い給与なんです。生計費と合致しない給与なんです。その給与よりも下回るものを公務員に押しつけてこれでいいんだという政府の考え方に対して反駁せざるを得ないんです。従って、この点を人事院が出してくれば出してもらっていいんですが、この点について、もし人事院がこれに異議があるならば、人事院に説明してもらってもいいんですが、もしこういうものをこのままにするなら今度提案された一般職の職員の給与の改正法律案に対しては、全くの最初から不満というよりも審議に臨めないということになりますので、その点御答弁を願いたい。
○政府委員(滝本忠男君) ただいまの問題につきまして人事院の考えておりますことを申し上げます。御指摘になりました毎月勤労統計のきまって支給する給与、このきまって支給する給与につきまして、人事院では昨年の報告の中においてこれを問題にいたしております。しかし、それはすでにわれわれ本委員会におきまして御説明申し上げておりまするように、公務員の給与と民間の給与が大体どういうふうな推移をしておるかということを大観いたしまするために、そういう数字を使っておるのでございまして、人事院では人事院の勧告の基礎といたしましてはいわゆる職種別民間給与調査、これは人事院みずから行なう調査でございますが、その調査によりましてその俸給表また全体の俸給表をまとめました場合の賃金較差というものを出しまして、それを基礎にいたしておるということでございますので、その点をちょっと申しそえておきます。 それから先ほど御指摘の毎月勤労統計の数字とそれから生計費の調査、総理府統計局でやっております生計費の調査の両者が会わないのではないかというお話でございますがこれは生計費調査というのは非常にむずかしい調査でございまするので、その対象も毎月勤労統計の対象ほど広くやるわけにいきませんので、従いましてこれは極限された世帯数になっておると思います。また、この生計費調査をやります場合には、世帯に病気の者でありますとか、あるいはいろいろないわゆる扶養薫るものが非常に多くあるというような、正常でない世帯は調査の範囲から除けておるように承知いたしておるのであります。この記帳をいたすということにつきましても、相当これは能力がないとできない、そういうことを総合して考えてみますると、生計費調査というものは一般的な生計費というよりも、むしろある程度一般の消費事情よりも少し高めのところが出てくるのではなかろうかというふうに考えております。それから毎月勤労統計の方は、これは三十人以上の全事業所につきましてやる調査でございまするので、全事業所と申しましても、これは事業所をサンプリングいたしておりますので、そういうものでございますので、非常に調査対象も違う。従いまして両者が完全にその数字が合うというふうには参らないのではないかというふうに考えております。
○山本伊三郎君 きょうは人事院を追及する気はなかったのですが、給与局長がたまたま助け舟に出られましたから、それなら聞きますけれども、勧告の場合ですね、この総理府のやっている世帯別標準生計費、これを人事院がとらえておりますけれども、いわける独身男子の生計費の七千九百三十円というものを基礎に勧告されておるのですよ。今あなたの言われるように正確なものは取り得ないという前提で出されているのかどうか。この前も私人事院に追及いたしましたけれども、そういう正確なものでないということを前提に、その基礎をとって勧告されたならば、その勧告は私は正しいとは思えない、そういう数字が正しいという前提に出された、これを政府が検討したと、こういうのです。従ってわれわれはこれを追及する。正しくない数字である。むずかしいことはわかります。私も東京都の組合に頼んで二年ばかりずっと対象人員は少ないけれども、続けて生計費調査をやっております、政府は東京都の生計費を基礎にされますから、やっているけれども数字が合わない。どうしても、この数字を何回合わそうと思っても、残念ながら政府のこの数字と合わない。そこで私はきょう追及しているのだけれども、これは基礎の問題です。この給与法の改正法律案の基礎が間違っておれば、その出てくる上に積まれたところの結果というものは大きく間違ってくるのは当然ですから、その基礎をきょうは追及している。まだまだこれから本質論に入りますけれども、その基礎においてそういう答弁では今後のわれわれの質問はやったところでむだだというので私は非常に遺憾だと思う。もう何と申しますか、こじつけでもいいから説明ができればいいんですけれどもそれもできない。私はこういう答弁が、私は助け舟ではないのですが、質問者からこういうことを答弁するわけじゃないのですが、この生計費指数の中には収入として本人だけじゃなくして家族の収入もあるのだ、こういう答弁があればまた追及しようと思って待っておったのですが、これも言わない。ただその数字が、生計費の数字はなかなかむずかしい調査であるからちょっと普通より高目になっている。しからば聞きますけれども、高月になっているめどは、どこにあるかを給与局長に聞きます。
○政府委員(滝本忠男君) 先ほ私がお答え申しましたのは、毎月勤労統計の調査対象というものはこれは非常に数も多いわけでありまするし、そこで出て参りまする平均賃金に対応するような生計費調査というものは、これはなかなかやりにくいということを今申し上げたので、その両者が基礎が合わないという御説明を申し上げたわけではございません。それで生計費調査をやっておりますその対象から出てくる数字はあのようなものであるということはこれはもうあたりまえの話でございます。なおつけ加えて申しますが、先ほど御指摘になりました生計費調査の数字は総理府統計局で出しております生計費調査の数字でございます。それからもう一つ勧告の場合に、われわれが独身成年男子というものの標準生計費というものを基礎に用いるわけでございまするが、それはこの総理府統計局の数字並びに国民栄養調査等各種の資料から人事院で計算いたすものでございますから、そのことを申し上げておきます。
○山本伊三郎君 弁解だけで一つも審議が進まないのですが、反駁すれば幾らでもあるのです。今は時間がかかりますから、反駁は人事院にもうきょうはしたくないのですが、あなたが今言われた総理府統計局と人事院で特に調べたものの数字は大体一致しているのです。どういうことか、これはしさいに追及すればおわかりと思いますが、大体一緒なんです。大体合っているのです、あなたの力でやられたのと総理府のは。私の方でやったのは違う。そういうことから追及しておるのですが、これはもう、人事院を相手にするなら人事院とやります。だけれども、きょうは政府とやっておるのですから、まあ助け舟はいいのですが、その程度によっては、こっちはほこ先を変えますから、そのつもりで答弁していただきたいと思います。どうですか、政府の方で検討されたと思いますが、この矛盾についてどう考えておられますか。生計費と労働費の収入、これは民間の。国家公務員の給与に入っていないのですよ。基礎の、民間の給与が低いということを前提に今私は追及しておるのですが、その民間の給与が低いというのです。給与が低いということを確認されますか。それなら次の質問に入りますが。
○政府委員(増子正宏君) 勤労者のいわゆる賃金とそれから生計費がただいま御指摘になりましたように違うということは、先ほど来人海院当局等からの御説明の通りでありますし、私どももさように考えておるわけでございます。
○山本伊三郎君 どうもぴんとこないのですがね。これで生計費と数字は合わないということは認められますね。これは出ておるのですから、統計の基礎が違うのだから、これは当然こうなるのだと言われるのですか。その点どうですか。数字が合わないでしょう。ここに出ておるやつ、これは持っておられるでしょう。人事院出されたのですから、政府もあるでしょう。
○政府委員(増子正宏君) 先ほどから申し上げておりますように、出て参りました数字が違うということは御指摘の通りでありますし、その理由は、調査の方法、調査のやり力が違うということから出てきておると私ども考えておるわけでございます。
○山本伊三郎君 と考えておるじゃ納得できない。自信がない。そうだ、という断定がない。で、その統計のおのおのの仕方が違うからということですが、しかしそこで、われわれは最も基本的に追及したいのですが、そういう基礎が違う数字をここに並べられて、それを参考としてわれわれ国会にこの法律案を審議しようということ。しからば、これに合う、生計費に合うところの、労働者の、これは一般風聞ですよ、労働者の調査というものがなければ、この議案を審議するには、われわれは自分自身でそういうものを調査せよといったって、なかなかできないのです。従って、そういう調査も、ずさんな調査とは言いませんけれども、おのおの立場の違う調査である。それを並べてわれわれに提示されて、それで、この法律案が適当であるという提案説明をされておる。従って、今増子室長が言われましたようなことで、この審議を進めるといっても、基礎がわれわれ合わないのです。従って、総理府の生計費指数に合う民間の労働者の賃金はどうなっておるか、労働省の方もおられると思いますけれども、そういうものがなければ、今いろいろと岸政府は労働者の賃金について云々されます、非常に戦前よりも上回った産業もあるということをいわれますけれども、実際われわれはそう思っておらない。戦前から比較してはるかにまだ低いのです、そういうものを今追及しておるのでございますが、はたして、この生計費と労働者の平均賃金と見ましただけでも、これは単純に、基礎は違うけれども数字から見ると一万四百、約八割ですよ、八割の要するに消費が上回っておるのですよ。賃金の八割も消費が上回った数字が政府から特に出されておる。その説明がはっきりできないというその前提で、国家公務員の給与をこれで一つ審議してもらいたいといっても、なかなかそうはいかない。冒頭に私が言ったように、国会の方でこういう矛盾があって、この法律案としてはこうすべきであるということがなければ、政府は責任をもってこの法律案の修正について努力しなくちゃいけない。もう少しこの点について納得をする答弁を、私が前提に言ったように、今ここに出席する政府委員だけでは答弁できなければ、全政府を探し回って、そうして答弁する人をここに連れてきて一つ答弁をしていただきたい。
○政府委員(増子正宏君) ただいま御指摘がありましたように、毎月勤労統計の調査の結果及び生計費の調査の結果というものはごらんのような資料でございますけれども、人事院の勧告はそれらの数字をそのままとったということではなくして、人事院が前から実施いたしております民間給与の実態調査というものがむしろ中心になっておると私ども考えておるわけでございます。これを基礎にいたしまして、世評曲の調査やあるいは毎月勤労統計の結果、それらのものをいろいろ勘案いたしまして、妥当な線を結論として出したというふうに承知しておるわけでございます。
○山本伊三郎君 その人事院が勧告に独自で生計費の調査をされた表はどこにありますか。ちょっと知らしていただきたい。
○政府委員(滝本忠男君) お手元に、との月報お持ちでございましょうか。
○山本伊三郎君 月報じゃない、資料の方。あなたのくれた資料の方から……。
○政府委員(滝本忠男君) お手元にお持ちの資料と同じものでございまするが……。
○山本伊三郎君 何ページですか。内容言って下さい。
○政府委員(滝本忠男君) 六番の生計費関係資料というのがございます。その中に、第十七表の独身成年男子標準生計費というのがございまして、そこでその結果を示しております。なお、その結果に用いました栄養、カロリーあるいはマーケット・バスケットというものは第十八表並びに第十九表に示しております。
○山本伊三郎君 これはこの前すでに追求したやつなんです。この基礎ですね、この基礎でやられて、いわゆる独身男子として七千九百三十というのが出ておるのでしょう。そうでしょう。これを基礎に私は今質問しておるのですよ。これは独身男子一人が七千九百三十円、二人が一万五千五百四十円、三人は二万一千百十円、四人は二万五千二百円、五人が二万八千九十円、これが総理府の生計費の五人家族と合うのです。二万八千九十円と合うのです。独身者のやつから比較して同じことになっておるのですよ。人事院は独自に調査したことになっておらない、数字から言うと。同じことになっておるのですよ。
○政府委員(滝本忠男君) 私が先ほど御答弁申し上げましたのは、人事院が出しておりまする労働経済指標の中で、生計費の、全都市の全世帯の消費支出というもので、昭和三十四年三月の数字が二万八千二百三十二円になっておる。この数字を御指摘になったように承知いたしましたので、人事院調査とこの数字とは違うということを申し上げたわけでございます。
○山本伊三郎君 その数字、先ほど申しましたように、若干違うということを私は冒頭に言ったのです。ところが、違うけれども、わずか千円か二千円ほどしか違わない、上の方へいって。一番下が劣るのです。基礎は七千九百三十一円劣るのです、総理府のこの第一表に出ておる表と、人事院が独自に調べた表とは。独自に調べたということを表現するだけであって、数字において、内容においてはほとんど変わらないのです。この総理府の第一表、あなたが作られた参考書の第一表の全世帯の消費支出の金額が、先ほど申しましたように、昨年の三月で二万八千二百三十三円、これは労働省ですか、四・五人の家族だと、こう言われた。それが五人に相当するだけの数字と違わないのです。従って、私が言うように、労働者の平均賃金を比較して千四百円の差のあるという、これに対する証明にはならないのです、独自に調べたということは。数字が若干違うのだからわかると思うのですが、あまりにも大きい数字が開けておるのです。労働者の毎月の生計費ともらい得る賃金との間の差が非常に大きい。これを政府は認めるかどうか、私は賃金の低いということを政府が認めるかどうかということを言っておるのですよ。それを認めないということになれば、これはもう、われわれとしては政府の統計数字そのものがわれわれとし信用できないということになるのです。この点お答えどうですか。
○政府委員(増子正宏君) 御質問の趣旨が私どうもよくのみ込めないのですが、民間の賃金が生計費と比べて安いということを認めるかどうかという御質問でございましたか。その点になりますと、私ども、その認めるというのがどういうことになるか疑問なんでありますけれども、統計上統計数値として出て参りましたものは、一応その通りと考えなければならぬのじゃないかというふうに思っております。一応そういう意味で数字を出したものでございますから、これを認める、認めないということもまあできないのではないかというふうに考えておるのでございます。
○山本伊三郎君 どうも室長は、やはり先ほど国務大臣はだれが答弁しても私が責任をもって答弁したことになる、こういう意味においてやられておるのです。室長の答弁じゃないのです。これは国務大臣の答弁として受けるべきであります。従って、私は、国務大臣はあまりお年寄りで、これはいじめると気の毒だと思って言わないのですが、とにかくよう聞いて下さいよ、こういう指標をつけてそうして勧告を出され、その勧告を政府は審議をして法律案として本院に提案されてきた。ところが今言われるように、統計の数字から見ると安いということを認めざるを得ないかなんか変なことを言われますが、はっきりと数字から見たら、一般の生計費よりも一般の労働者の給与は低いのだ、足らないのだ、こういうことを政府自身が認めてもらいたい、認めなければ、この数字についての説明をしてもらいたい、こういう趣旨でございます。国務大臣一つ答弁をお願いします。
○国務大臣(益谷秀次君) 私のできることは、年がいってもなかなか元気ですから、遠慮なくお尋ねを願います。しかし知らないことをごまかそうということはいけませんから、私の責任において、ほんとう、実際はわかりません。今の統計のことよく慎重に承ったのですが、私ただいま即答するということはできませんから、政府委員に、私の責仕において十分に追及をしていただきたいと思います。
○山本伊三郎君 大臣の言うことはよくわかります。だれか一つはっきりと、大臣があなたにまかしているから……。
○政府委員(増子正宏君) 御質問が、この毎月勤労統計に出ております数字と、それから生計費調査に出ております調査世帯を単位にしました数字との御比較から出ておると思うのでありますけれども、先ほどから何べんも申し上げておりますように、それぞれ調査の基礎が違っておりますので、これを同じべースに置きまして高いとか安いとかいう比較は、はっきり申しますとできないのではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。
○山本伊三郎君 またさっきの答弁にちょっと逆戻りしたようでございますが、統計の基礎が違うということ、これはもうわれわれわかりますが、しかし、われわれはこの統計数字を見た場合に、労働者の民間の全産業の賃金の統計というもの、これも調べた平均の数字だと思う。この生計指数におきましても、消費指数におきましても、これも平均の数字だと思う。統計上からいって何万何千何百万というものの調査をする場合にやはり平均値において比較しなければ、個々の場合を比較するということはこれはできない。そこに統計というもののある一つの理由なんだ。従って、われわれはすべて統計字数に依存して論議をしなければならない。もし政府がそういうことを言われるならば、この法律案を提出するときに、おのおのそういうものを比較した基礎というものを検討して、それでこれで正しいのだというのを出さなければできないと思う。われわれはやはりこの統計数字を基礎としてやっているのだから、基礎が違うのだからこういう数字はやむを得ないのだというのならば、その基礎の違う理由を、基礎も違うけれどもこういうことになるのだという説明があれば、私は納得するというのです。あまりにもこの数字の較差が大きいからこれを追及しておるのであって、基礎が違うならこういうところが違うのだ、こういう点をはっきりしてもらいたいと思う。
○説明員(山下不二男君) 毎月勤労統計の平均値と全都市家計調査の平均値の間の違いのおもな原因は全都市家計調査の対象になりますのは、全国の関係二十八都市の世帯人員二人以上の世帯を調べる。ところが毎月勤労統計は、全国の全労働者の平均賃金であるということであります。従いまして、都市と全国とを比較いたしますと、一つの違いは、都市の労働者の方が職員層に片寄っておるという点であります。毎月勤労統計の労職別をたとえば製造業について見ますと八対二の比率でありますが、つまり労務者が八で職員が二でありますが、家計調査の方は職員が六で労務者が四という比率になっております。 それから第二の違いは、男女別の構成におきましても、都市の家計調査の場合には、当然男子、世帯主になりますが、男子に多いわけでありますから、圧倒的なものが男子でありますが、毎勤の全労働者の場合には女子が二割ないし三割を占めておる。 第三点は、年令別に見ましても、家計の世帯主になるような、世帯主層の平均年令は高い。それに対して全労働者の平均年令はかなり低い。先ほど申しました当然のことでありますが、世帯人員の構成にいたしましても、四・個人という数字と一・何人という数字でありますから、平均の対象になります労働者の層が違うということから、当然違いが起こってくるわけでありまして、この二つを単純に比較して、生計費に平均賃金が満たないという比較はできないのではないかというふうに考えております。
○山本伊三郎君 そこでだ、もちろんそういう要素のあるということは出てくると思うのです。そこでもしそういうことであれば、基礎の違う、いわゆる同じ尺度で比較できないような数字にここに並べるというところに私は問題があると思う。もちろん今労働省が言われたような問題も、私は社労で追及してもらいたいと思いますが、そういうことについての資料はあるが、きょうは委員会が違うから追及いたしませんが、それはなるほど若干は違うけれども、そんなに大きい差があるとはわれわれ見ておらないのですが、それは別といたしまして、人事院勧告が低く出てくる、この全産業のきまって支給する給与というものを一万七千八百九円にとってきておるというところに私は問題が出てくると思うのです。これは、こういう給与というものは、われわれ常識上考えられないのです、実際問題……。何人構成か知らないけれども、平均値として一万七千八百九円というのは、これは低い給与です。低い給与を基礎として、また生計費もこの前人事院を追及したように、きわめて低い生計費をとってきて、そうしていわゆるこの公務員の給与と比較して、五・七%違う、しかもこの一年間に昇給を〇・三%やったから、その差額を今度は見るのだ、こういうことで勧告案をとって政府が出してきた。従ってわれわれとして追及したいのは、あの勧告案は浅井人事院総裁が勝手に私の質問に対して、政府の財政事情なんか聞いてやったのではございません、独自の妥当な勧告をしたのだという答弁であったが、政府はそれを受け取って妥当であるかどうか検討されたのですか。今申しましたように、統計の取り方の問題はあるといたしましても、生計費とは非常に大きく違いのある民間給与を基礎として、そして公務員の給与を勧告された、この点について政府はどう考えるか、この点を一つ、国務大臣御答弁を願いたい。
○国務大臣(益谷秀次君) 人事院の調査を信頼して、人事院は常に各般の調査をいたしておりますから、一応それを尊重しておるのであります。
○山本伊三郎君 そうすると、政府は人事院勧告を尊重するということで、全くもう検討せずに、そのまま、ずばり出されたものを法律案に書き直して出したということでございますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 先ほど申し上げました通り、政府においてもそれぞれ調査検討いたした結果でございます。
○山本伊三郎君 その点どうも答弁の矛盾があると思うのですが、今申しましたように、先ほどから私の質問に対して政府の議員が答弁されておりますが、大体国務大臣は一応了解されたと思う。統計が非常にむずかしいのでございます。しかし、常識的な数字から考えても、実際生計費とそれから賃金との比較は、現在どの統計の各学者の著わしておる本を見ましても、研究所で出しておるやつを見ましても、非常に差がある。一々ここで立証いたしませんが、次に必要あれば出しますけれどもあるんです。私が言いたいのは、政府は政府の立場があるから、なかなか答弁はむずかしいと思うけれども、今直ちにこうすべきであるという、われわれ要求はしないといたしましても、政府は一応こういう給与、賃金というものは妥当であるというものを是認した立場として今後考えなければ、岸政府の労働政策も経済政策もへんぱなものになっていくということを、私は基本的に思って質問しておる。従って答弁を、これでいいんだということでごまかそうということでなくして、実際問題で低いんだと、しかし、上げるにはこういう事情があって上げられないけれども、このたびはこれでしんぼうしてもらいたいという説明があれば、また個々に入っていって無理なところは直さなければいけない基本的な、これが正しいものであるという主張を通されるならば、今申しましたようなものを根本的に一つ鮮明にしてもらわなければ、われわれとしては納得できない。何か時間が来たようでございますので、午後に私は質問を続行いたしますが、その点について検討したならば、この検討したことについて、私の言ったこのいろいろな問題について政府はどう考えられるか、なおかつ、こういうものでも妥当であるといって検討されたかどうかということを一つ答弁をしていただきたい。総務副長官でいいです。
○政府委員(佐藤朝生君) 人事院から出ました勧告を、総理府におきまして、先ほど国務大臣からも御答弁がありました通り、尊重して検討いたしまして、その線に沿ってこのたびの法案を提出したわけでございます。先ほどからこの労働経済指標のことにつきましていろいろお尋ねがございましたが、この問題につきましても、先ほど室長から御答弁いたしました通り、この労働経済指標を一つの資料といたしまして、人事院のやりましたいろいろの調査を基礎といたしましてこの勧告ができておりますで、この勧告を検討いたしましてこの法案を提出した次第でございます。
○山本伊三郎君 休憩に入る前にもう一つだけ、体感町間中に答弁を考えられてもけっこうでございますから。とにかく統計の基礎が違うといたしましても、一つの参考資料として一表に比較するように出してきておられる。従って、下の消費支出の金額が、これが総理府の統計で出されておるので、間違いであるとは言えないと思う、責任上基礎が違うならば下の生計費に見合うところの労働者の賃金がどうなっておるかという、この点を一つ、こじつけでは困りますけれども、説明のできるように準備をしてもらいたい。今川町に答弁を求めません。再開のときに、この点について一つはっきりと政府の責任において答弁していただきたいと思う。
○理事(増原恵吉君) これにて暫時休憩をいたします。 午後零時十九分休憩 ―――――・――――― 午後一時五十三分開会
○理事(増原恵吉君) これより内閣委員会を再開いたします。 午前に引き続き、公務員の給与に関する件の調査を進めます。政府側出席の方々は、益谷国務大臣、浅井人事院総裁、滝本人事院給与局長、佐藤総理府総務剛長官、増子公務員制度調査室長の方々でございます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○山本伊三郎君 午前の休憩前に私が質問をした数字の御答弁を願います。
○政府委員(増子正宏君) 先ほどの御質問は、統計局の調査によります生計費と見合う民間給与はどのくらいになるかを示せという御趣旨であったと思うのでありますが、大体、賃金をきめますのには、いろいろな方法があるわけでございますけれども、すなわち、たとえば世帯を単位といたしました生計費というものにできるだけ一致させるというような給与の立て方もあるわけであり、また、職務内容に応じてきめるいわゆる職務給の考え方があるわけでございますが、公務員の場合におきましては、今さら申し上げるまでもなく、給与法に明示してございますように、主として職務の内容を基礎にいたしまして給与を定めるいわゆる職務給の考え方が大体中心になっているのでございまして、生計費等につきましてもこれを考慮いたしておりますけれども、生計費そのものを基礎にいたしてすべてをきめるということでは必ずしもないわけでございます。この点は民間でも大体同様の関係にあろうかと存ずるわけ百でございます。従いまして、御指摘になりました統計局の調査によります生計費は、あくまで世帯を単位といたしました生計費の内容でございまして、しかも、特定の条件のもとに調査されましたものでございますから、これと全く対応する民間給与というもの、特に毎月勤労統計の給与と比較できるような意味の数字を具体的に把握するということは、困難であろうというふうに考えるわけでございます。現実にまたそういうものを端的に計数的に表わした統計も現在ないのでございます。そういう意味におきまして、お求めになられました数字を、金額的に申し上げることはここで困難だということをお答えいたしたいと思います。
○山本伊三郎君 その答弁では一歩も前進していないのです。ただ午前中の質疑を繰り返した程度であって、非常に困難である、困難であるという、そういう見合った数字の統計すらないというままに、政府が人気院勧告をそのままうのみをした形でとっておられるところを私は追及しているのです。もちろん、民間給与の問題について論争すれば、相当いろいろあります。そういうものをとっておらないと言われますけれども、私が力ない範囲において、東京都に勤めておる人々の調査資料、これは百人ほどのものを二年ばかり続けてやっております。私がその家庭を知った方々のも出ているのです。これくらいの努力をして初めて権威あるものというものが出て、それをまた政府がうのみにするのならよろしいけれども、それをとって公務員の給与を決定するとすれば別問題として、今の増子室長の答弁が政府の正式な答弁とすると、そういう統計は現在ない、非常にむずかしい、こういうままに出されているところに、この給与法案の根本的なあやまちが私はあるということを指摘せざるを得ないのです。しかも、検討された後に人事院勧告そのままをとられておるのですから、人事院勧告そのものを見て質問いたしますけれども、勧告の第二の民間の給与の場合にはっきりと、昨年三月、これはおととしになりますけれども、昨年三月の民間給与の平均が一万七千百五円であったのが、本年三月一万七千八百九円に上がった云々として、これにいろいろな要素を入れて、五、七%上がっているから、人事院は民間給与をスライドする増高のパーセンテージ、度合いを見て、そうして、こうしたらいいという勧告なんです。今までの勧告はみなそうなんです。われわれはそれでは不満なんです。実際この給与でいいかどうかということを検討した後に民間の給与とのスライドも考えなくてはいけません。しかも、民間の給与の話を聞きますと、人事院がとっている一万七千八百九円をとった基礎というのは、家族構成に見合いをするものがないというままにこれがこの法案として国民の前に公務員給与はこうであるということ、給与の問題についてはあまり新聞に載りませんから、国民の関心は、公務員は高い、高いという観念がけで見ておりますけれども、きわめて低いものが押しつけられている、こういう実態を私は十分政府の国務大臣は認識してもらいたいと思う。ですからそういうことで、はたしてこの数字が見合う数字でなければ、何を基礎として民間の給与が妥当であるかということがわれわれ見られない。人事院の申した数字はこれが正しい毎月勤労統計調査によって出された数字だからこれをとるのだということでは、きわめて権威がないと思う。最近昭和三十四年の私の調べた十一月分のこれの実態調査、これは百人を対象としたものでございますけれども、この一般物件費、これは東京都に住んでおる人です。住所もちゃんと調べておりますけれども、大体平均して一般物品費だけで一万五千五百八十七円、総理府のこれけ四・五、これは五人世帯になっておりますけれども、総理府の生計費の調査から見ると、先ほど申しましたように、総理府の方は二万八千二百三十二円、この一般の物品費だけ見ると大体見合った数字が出ておる。これは、今申しましたのは一般の物品費だけであって、いわゆる税金とかあるいはその他保険、そういうものは入っておらない。住宅費も入っておらない。それを入れますと、東京都では三万七千五百五十四円平均になければいかないという数字がずっと出てきておる。従ってこういうものを基礎に私はやはり政府も考えてもらわなけれどいかないと思う。そういうものを考えた後にこういう給与が妥当であるということを考え、そうして財政上の問題で一度にそこまでいかないからこの程度でしんぼう願いたい、こういう私は出方が妥当であると思う。それを人事院勧告が出たんだからそれを尊重する、こういうことだけでこの法案の審議をせよと言っても、われわれは基本的に納得できない。この点につきまして国務大臣は一体どういう考えでおられるか。今増子室長が言われましたが、そういう数字は出しにくいと、こういうことですが、それが公然とこの勧告の基礎に出ておるんです。そのままにこの法案が政府の責任において提案されておるのですが、国務大臣としてどういう所見であるか、それを聞きたい。
○国務大臣(益谷秀次君) いろいろ問題を承りましたが、現在の政府のやり方といたしましては、人事院の勧告に基づく以外にはないと思っております。人中院は科学的に常にいろいろ検討いたして勧告するものでありますから、法の建前からそれを尊重していくのは当然であろうと思っております。
○山本伊三郎君 人事院はまあ科学的に検討した後に勧告をされる、従ってそれを尊重するんだ。しかし冒頭には、尊重をされるのはいいけれども、これは検討されたということを大臣みずからお述べになったと思うんです。しからば、そういう科学的に検討された人事院の勧告自体において、こういう問題を含んでおるということが、政府部内で問題になったかどうか。そういうものは一切もう問題にせずに、うのみにして、人事院の勧告を法律案として、改正法律案として出されるのかどうか、もし検討されたならば、そういう問題が出て、この数字については矛盾はあるけれどもやむを得ぬじゃないかということになったかどうか。この点一つ聞きたいと思う。
○国務大臣(益谷秀次君) この給与法の提出の際には、そういう問題は承知いたしません。
○山本伊三郎君 承知されたまま出されたということになったら、政府の態度は私はきわめて図太いと思う。おそらくこの問題が提案される場合にはこういう問題がいろいろ出てくるということ、これはまあ想像できると思うんです。実際問題として、今までにこれは単に公務員ばかりではないのです。一般の賃金労にいたしましても、非常に問題になっております。ことに今日いろいろ労働組合においても賃金の問題が社会一般に問題になっているときなんです。そういう際に提案されるんだから、こういう点は刻明にわれわれ委員に対して一つ納得できるような資料なり、そういうものを整えて出されるのが当然だと思う。また、人事院にいたしましても、すでに半年ほど追及いたしましたが、この点についても私は納得しておらない、生計費に関しては。そのまま政府がやられたから、一応人事院が国会並びに政府の方に勧告いたしました、どうぞ政府なり国会でこれを審議してもらいたい、どうあろうとも、勧告は勧告だからやってもらいたいということで出されたということなんです。出された政府は政府でうのみをした。検討をしたけれども、結局現実にはうのみになっておる。国会においてもこれがだまっておればそのまま通ってしまう。それでは私は法律案の権威がないと思う。従って、私は執拗に食い下がる意味じゃないですけれども、少なくともわれわれがこれを審議し、これを法律案として審議してこれをやるからには、やはり納得した資料に基づいて検討しなければこれはいかないと思う。いかないというのは、われわれの議員としての職責上、これは問題であると思いますので、政府としては合直ちにそういうものがないという室長の答弁でありますが、私はまあいろいろの質問をするわけです。しかし、その答弁をしないというようなことを予期しないからたくさん持っているんですけれども、時間だけ経過してしまったので、きょうの私の質問の時間はすでに切れていると思いますけれども、しかし、この点で私は納得をさせないで今後給与法の問題を審議することは不可能だと思うんです。人事院の勧告の基礎になっている民間給与と生計費のこれの比較、つり合いというものが基礎になっていると思うんです。それを無視して、たとえ国家公務員といえども、給与をここで確定するということは、非常に私は無理というよりもこれは大きな矛盾があると思うんです。従って私はこの生計費やそれに見合うところの賃金がどういう比較で出るかという確かな数字を一つ私は再度求めます。そうでなければ私はこの審議というものは、基礎が固まらずに出てきた法律案の給与表とか、そういうものを見ておったって、そんなものを論議しておっても何にもならない。基本的には一般の民間の給与というものが現在どうなっているか、その上に立って民間の給与と国公の給与とを比較して人事院の勧告が出されている。それが基礎があやふやで、審議することは、私自身にいたしましても、職責上内心じくじたるものがありますので、この点はきょうとは言いませんから、次回に給与の審議のときにわれわれを納得さすだけの資料を政府側から整えていただきたい。こういうことを要望いたしまして、時間の関係で私の質問はこれで一応打ち切ります。しかし、私の予定した質問はほとんど序の口で終わっておりますので、この点一つ申し添えまして、一応打ち切ります。
○政府委員(増子正宏君) ただいま山本先生からいろいろ御意見がございましたが、ただここで申し上げておきたいと思いますのは、人事院の勧告の基礎ということについての考え方といいますか、理解の仕方が、私とちょっと違っているように思うのでございます。すなわち、毎月勤労統計調査の調査結果、及び生計費調査の調査結果、もちろん資料として出されているわけでございますけれども、人事院の給与改訂の勧告の直接の基礎になっておりますものは、人事院の実施いたしました民間給与の実態調査でございます。それをもとにして勧告ができているというように私考えているわけでございます。従いまして、一万七千幾らという毎月勤労統計の数字とそれから生計費の数字もこれは一つの資料ではございまするけれども、先ほど申し上げましたような意味において、それはそれぞれの条件のもとにそれぞれの方式をもって調査されたもので、ございまして、その出た結果は私どもはその結果として認めざるを得ないと思うのでありますが、それを公務員の給与の立て方のなまの資料にするには適していないというふうに考えているわけでございます。人事院もさような見地から、これは一つの資料として掲げてあるわけでございますが、それをそっくりそのまま基礎として人事院の勧告を作ったのではないというふうに私どもは了解いたしているわけでございます。従いまして、仰せの数字はいろいろと御説明があったのでございますけれども、私どもは人事院勧告の基礎になっている数字というふうには、かりにそれが出ましても考えられないわけでございまして、特に人事院の勧告を私ども検討いたします際には、人事院の調査の結果というものとの関連において理解をいたしたわけでございます。
○山本伊三郎君 質問を打ち切ったのですが、そういうことを言われると、われわれは一応やはり追及しておかなくちゃならぬと思います。私の言っているのは、今室長か言われた問題は、事後の問題で検討したいと思っている。人事院は独自に調査しております。相当な広範囲で三十五、六万の対象でやっておる。それは今その前提の、政府がいわゆる勤労者の賃金の統計と生計費と合わない政府の賃金に対する考え方を実はきょうただしたのです。先ほどから言っているのは、その前提の質問なんです。従って生計費の方で総理府の統計では、二万八千円要るということを出しておる。それに対して労働者は一体幾らもらっておるのかということがはっきりしなければ、やはり公務員の勧告に大きな影響を与えるのではないか、それを私は追及しておる。従って、しからばこの表は何も関係ないのだ、これは体裁につけておるのだ、こういうことでは初めからこれを出さなくてもいいのです。しかも、第一表にこれを出して、そして一般の民間の給与はこれほど低いのだという印象を与えるような出し方をしておるんじゃないかということも、一つわれわれの質問の要旨の中にある。従って私は公務員の給与の問題については、まだこれから本論は残っておる。今、言われたことは、十分われわれは承知の上で、その前提として今質問戦を展開しておる。従って政府は、まだここで皆さん方それを答弁しないけれども、政府は今の労働者の賃金で生計費をまかなえるかどうかということの認識を今ただしておるのです。益谷担当国務大臣が初めての席であるから、政府は単に公務員の問題でなくして日本の全国の労働者の賃金が生計費と見合っておるかどうか、この点を実は質問しておるのです。それに先ほど室長がその問題は人事院の勧告、これとは別だと……、それはよくわかっておる。しかし別だと言われるけれども、それで大きく変わった数字は出ておりませんぞ。それは今後また追及しますけれども、人事院は独自に検討しておるけれども、何らかの基礎はそこに持ってきておるから、これはまたいずれ追及いたしますけれども、そういう意味であることを国務大臣十分御承知おき願いたいと思います。
○伊藤顕道君 今まで山本委員から、低い民間給与の実態について総理府と労働省の毎勤統計調査の比較によってお尋ねしてきたわけです。ところが、政府側の答弁としては基礎が違うのだから、そのまますぐ比較にならぬ。しかしながら、それぞれの立場で調査したものであるから、それはそれとして大体の動向はわかると思うのです。いかに民間給与が一般国民のそれに比較して相当下回っておるか、そういうことは百パーセントそのまま受け取れないにしても、ある程度の根拠は十分考えられると思う。そういう意味合いから私は方向を変えて、生活水準の上昇状況、そういうものを比較してみたいと思います。ここに総理府の統計によりますと、昭和三十一年度の家計支出金額は二万四千百八十六円になっております。一年飛ばして三十三年度については二万七千五百九十一円で、その差額は三千四百五円支出増、こういう結果を明確に出しておるわけです。そこで、今度は労働省の毎勤の資料によりますと、三十一年度の現金給与総額の平均は一万九千九百八十七円で、一年置いた三十三年度の平均は二万一千百六十一円となっておるわけで、その差額は千百七十四円ということになるわけです。ここでもう十分考えられますように、都市生活者の生活水準が年々はね上がっておるのに対して、民間給与のそれがなかなか追いつけない状況で、わずかに一般のそれに比較して三分の一程度しか民間のそれは改善されていないということが、この数字において明確に出ておるわけです。この点についてどういうふうにお考えであるか、まずお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(増子正宏君) 伊藤委員のただいまの御質問も、先ほどと同じような形の御質問のように私、承ったのでありますが、家計調査の方の数字をとって参りますと、御指摘のような関係になるわけでございます。それからなお毎月勤労統計におきましても、さような関係だと思うのでありますれども、この関係を先ほどから申し上げておりますように、直ちに同じ平面で比較するというわけには参らぬというふうに考えておるわけでございます。勤労統計の方は、先ほどからも話がありましたように、勤労者の給与としてもらってくる金額でございますが、家計調査の方はそれぞれその勤労者の属しております、あるいは勤労者の営んでおります世帯としての生計費、それにおける収入なり支出という関係でございますから、従いましてその世帯の収入支出という点になりますと、勤労者が世帯主であります場合には、それが主要ないわゆる家計の財源になると思いますけれども、その他に勤労者が世帯中にございますれば、その者の収入もやはり家計費の収入の力に入ってきておるわけでございます。そのような意味で世帯というものを単位にしました場合には、それぞれの構成要素が煙っておるわけでございます。なお家計調査におきましては、午前中にも説明がありましたように、一定の条件に該当する世帯につきまして調査をいたしておるものであり、特に地域が都市ということでございますので、その点でそういう要素の影響もここに現われてきておると思うのでございます。勤労統計の方は、それとは全く条件を異にして調べられた数字でございますから、調査の結果出て参りました数字は、私どもその通りであろうと思いますけれども、これの両者をいわば内容的に比較する、それで何らかの結論を出すということは非常に困難であろうというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤顕道君 今のお答えに対してまたこちらの言わんとするところは、山本委員と同じようなことをここで繰り返すということになるので、かくては他に大事なこともありますので、これは了承しませんけれども、一応この程度にとどめて、次は公務員と民間給与との較差つにいていろいろな面からお伺いしたいと思いますが、まず私どもはこう考えておるわけです。一般国民のそれよりは民間給与は低い、その低い民間給与より公務員の給与はさらに低い、そういうふうに私どもは理解しておるわけです。そういう点については、いろいろな資料等によって検討した結果は、そう結論づけざるを得ないわけです。そこで、ここに人事院勧告の資料がございますので、そのごく必要な面だけを申し上げると、こういうことになっております。昭和二十九年三月の人事院の調査です。で、以下申し上げるのは民間給与に比較しての低いパーセンテージ、これを申し上げますと、三級以下が四・七%、それから四級から七級までが九%低い、八級以上については実に一三・四%低い。それから三十年三月の人事院の調査によりますと、三級以下が四・七%低い。四級から七級までは八・九%低い。それから八級以上についてはこれも大きく一二・四%公務員の給与は低い。それから三十一年三月の調査によりますと、一般体給表では二%低いことになっております。しかしながら、全公務員との比については四・二%ということになっております。なお、三十二年三月、三十三年三月、三十四年三月、昨年の現状まで、それぞれ三%、四%、五・七%というふうに人事院が報告しておるわけです。この比較に間違いはないと思いますが、念のため大事なことでございますので、この点、人事院総裁に、以上申し上げた点については間違いはないと思いますが、間違っていると大へんですから、この点人事院総裁に復唱していただきたいと思います。間違いがあるとすればどこが間違いか。
○政府委員(浅井清君) 人事院といたしましては、正しいと思って、そのときそのときに勧告をしておりますから、御説の通りであると思います。
○伊藤顕道君 そこで、益谷給与担当大臣にお伺いをいたしますが、今お聞きのように、二十九年三月から昨年の三月までの過程において、人事院総裁は責任をもって一般給与よりは公務員の給与が低い。内容については今私が読み上げた通りです。そういうことを人事院総裁としては確認されておるわけです。ところが前々から政府当局では、人事院の勧告は尊重する。これは信頼するから尊重すると言われておるのだと思います。従って、ここで担当大臣に、はっきりと確めておきたい点は、政府としても責任を持って現在の公務員の給与が民間のそれに比較して相当低い、下回っておるということを、ここで当然確認されると思いますけれども、念のために大臣から一つ確信のあるお考えを述べていただきたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 民間給与よりは公務員の給与が安いという、ただいま浅井総裁のおっしゃった点に間違いはないと思います。別に私は根拠はないわけですが、ただいま御指摘の通り、それを人事院総裁が承認せられたものでありまするから、間違いはないと思っております。安いのは事実だろうと思っております。
○伊藤顕道君 少なくも公務員の給与は、民間給与並みという立場から考えますならば、以上私が申し上げたように、毎月人事院の発表のようにそういう較差があるわけですね。較差すなわち公務員側にとっては大きな不当な不利益であろうと思います。毎月々々かくかくの不利益がある。そうしますと一年間ではそれに十二掛けなければならないわけです。年間の不利益は月の分の十二倍、これは小学校の一年生でもわかるわけですが、そこでこの数字を扱ってみますと、たとえば昭和三十四年度において、繰り返し申し上げますように、人事院では、民間給与より公務員の方が五・七%低い。これは月について申し上げたわけですから、五・七%に十二を掛けると、年間の較差が出てくるわけですね。こころみに五・七%に十二を掛けると、実に六八・四%の不利益を毎年公務員は受けておる。毎年というよりは、少なくとも三十四年度においては、こういう膨大な不当な不利益を公務員が受けておるということ、これは当然そういう数字が出てくるわけです。そこで、そのことを担当大臣としては確認せざるを得ないと思いますが、念のために伺っておきたい。
○国務大臣(益谷秀次君) 低いということを申し上げたことは間違いないと申し上げたのです。民間給与よりは一般職の公務員の給与は安くなっておるということをおっしゃいますから、それは間違いないということは、私もさように思います。
○伊藤顕道君 以上申し上げたような方式で昭和二十九年分からの民間給与の較差、こういうものを歴年累計してみますと、一般公務員についてはこういう結果になると思う。毎月先ほど申し上げたようにこれを合計すると四九・五%になって、それは年間では五九四%の不当不利益を受けておるということになっておる。もちろん、このことについてはこう申し上げなければならないので、給与平均月額の約六倍で六カ月分の不利益となりますけれども、いわゆる俸給の調整によって六・二%初任給の手直しがあるわけです。それが二%の改訂が行なわれておるわけですから、これも差し引かなければならぬ、それからさらに当然差し引かなければならない給与改訂によって公務員の利益する分をすべて差し引かなければならぬと思う。この合計が八・三%になると思う。これは月にしてそれを十二倍すると年が出る、これを十二倍すると九八・四%ということになって、この分を差し引いても四九五・六%というふうに、大体月にして五カ月分、こういうような不利益となるということが一応数字で出てくるわけです。これはこういう数字が出てくる。その反面には公務員の利益が不当に弾圧されておる、制圧を受けておるということ、こういうことがはっきり言えると思う。これは急いで計算したので、もっと精細にやれば差し引く面があろうと思いますけれども、一応私はこういうふうに申し上げた点は数字にとらわれていることでなくして、相当とにかく公務員の給与が民間のそれに比較して、低い民間のそれに比較してすらさらに低いということをここで確認していただければ了解ができることなんですが、それをぜひ了解、確認していただきたいということで、こういうことを申し上げるわけです。この点、大臣いかがですか。
○国務大臣(益谷秀次君) それは先ほど申しました通り確認しておりますから、ただ人事院勧告の実施が本年度も昨年の七月の勧告を四月一日から実施しようといたしております。従来もただいま御指摘のようにほとんど実施は十二月一日というようになっておるそうであります。それはそれぞれ理由があることと思いますが、本年の場合は、先ほども申し上げました通り年度の四月の勧告でありまするから、脇町に議会を開くというようなこともなかなか困難であるし、さらに昨年度は御承知の通り非常な全国名地に大きい災害に見舞われたので、予算上非常に困難で本年の四月一日から法律を、給料の改訂をお願いしておる次第であります。
○伊藤顕道君 今まで二十九年以降の分について申し上げたのですが、人事院が二十三年にできて、それ以来今日まで十二年、昨年まで十二回の勧告をしておるわけです。その間に二十九年以前、二十三年以降についても相当額民間給与より低いということを、数字ははっきりしておりませんけれども、それぞれそういう根拠に基づいて勧告しておるわけです。従って二十三年にさかのぼると、以上申し上げましたことがさらに膨大な額になろうと思うのです、これはどなたが計算しても。これは数字にとらわれておるわけではございませんので、今こまかいことを申し上げませんが、そこでお伺いしたい点は、こういうふうに、以上申し上げましたように、現在の公務員の給与は、低い民間給与よりさらに下回って低いということ、そういう実情から、最近大学あるいは高校等の卒業生のうちで自信のある優秀な本業生は公務員になろうとしないで民間企業体の方に走っておる傾向が相当強い、こういうことが確認されると思うのです。これはこのままでよろしいかどうか。これは政府の責任者の一人として、政府に優秀な方々が入ってこないとやはり政府の方針は十分透徹できないということは言うまでもない。能率も上がらない。そういうようなことから政府にそういう傾向が出てくることはそれだけ考えても非常に重大問題であろうと思うわけです。ましてやその反面は公務員の利益と福祉は当然不当にじゅうりんされるということになるわけで、いずれの面から見てもこのままでは放置できないことだと思いますけれども、何とかこれは考えなければならぬ。考えただけではなくて、これを何とか措置しなければならぬ。しかし熱意と誠意があるならば措置できるわけです。先ほど申し上げました国家公務員法の第三十八条一項をとらえても、そこに一般社会実態との較差があるならばこれを是正することができる、こういうふうな明文があるわけです。こういう点からいって、何とかここで具体的にお考えを述べていただきたいと思うわけです。
○国務大臣(益谷秀次君) 伊藤委員のおっしゃった通り、政府方面には優秀な青年があまり一般職を希望しないという傾向があるということは承知いたしております。まことに遺憾な事柄と私どもは存じております。しかしながら、給与が民間よりは安いから来ないとは、一がいに申し上げることはできないのじゃないかと思っております。すなわち今度の公務員制度は御承知の通り階級制も何もなくいたしております。そういう関係もあり、公務員全体の制度の上からも原因があるのじゃなかろうかと思っております。いずれにいたしましても、私どもは優秀な青年の公務員として入ってくることに考えをいたし、または努力しなければならぬと考えております。
○伊藤顕道君 時間がございませんので不十分ですが、次に生計費と物価を中心にした公務員の給与はどうなっておるか、そういうようなことに関連して、ごく簡単に一、二お伺いしたいと思います。 これは私から申し上げるまでもなく、給与というものは大体雇用主と被雇用者との間で決定されるのがほんとうの自然の姿ではなかろうかと思うわけです。もちろん、その過程においては物価とかあるいは生計費を科学的に調査、分析、統計にして、十分科学的な資料に基づいてそれを中心に雇用主と被雇用者の話し合いによって決定さるべきものではないかと考えますが、こういう考え方について担当大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(益谷秀次君) いまだ最終的に私の考えは決定いたしておりません。いたしておりませんが、一般職の公務員としての給与については、人事院の勧告に基づくというのが現在の制度であります。従っていわゆる団体交渉というようなことは本来の法規の上からは、あり得ないとは申しませんが、話し合いするのはけっこうでありますが、それによって給与を決定するというようなことは法規を逸脱するものであると考えております。
○伊藤顕道君 たとえば物価について申し上げてみたいと思うのですが、戦前小学校の教師の初仕給は大体四十五円、五十円くらいのところもありましたが、大体四十五円のところが多かった。ところが戦前郵便ハガキは一銭五厘であったわけですね。それが現在五円になっておる。この倍率は三百三十三倍になっておる。これはだれがきめたかというと、政府が一銭五厘のハガキを五円にかえたわけです。政府がかえたわけですから、これは腰だめでも何でもなくして、それ相当の根拠があって一銭五厘のハガキを五円にしたと思うのです。そういうことで、もちりん物によってはそれよりも高い倍率もございますし、低いのもございます。大体いろいろ見ますと、大体三百三十三倍、これらが大よその平均であろうと思う。そういうことからいたしますと、小学校教師の四十五円の初任給を三百三十三倍するというと、一万四千なにがしになる。ところが人事院の勧告によると、小学校教師の現在の初任給は大体九千百円、五千なにがしり較差があるわけです。これは一つの例ですが、時間がないので、多くは申しませんが、こういうことから見て、さて戦前の最高はどのくらいであったかと申しますと、四十五円に対して百二十円くらいです。戦前の最高と最低の比率は一に対して三倍くらいであったが、現在は一に対して五、六倍くらいになっている。相当較差がひどいわけです。といいますことは、言葉をかえて言えば、上に厚く下に薄いということです。こういうことが確認されるわけです。これはこのままではいかぬと思うわけです。何とかこの較差は是正しなければならぬと思うのですが、物価の面から見ても、そういうふうな数字が出てくるわけです。こういう点は何とか一つ将来これを早急に是正していただきたいと思います。その点どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(益谷秀次君) 物価の水難の引き上げに伴って給与を上げなければならないということは、必ずしもきまったことでも何んでもない。他のいろいろの要素が給与決定の材料になると思います。しかしながら、ただいま指摘せられたことは、私もよく存じておりますが、私一人でここでそれに従って給与を改善いたしますということも申し上げかねますが、十分に御趣旨のあるところを承っておきたいと思います。
○理事(増原恵吉君) ただいま政府側から村上建設大臣及び鬼丸官房長が出席されました。ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(増原恵吉君) 速記を起こして。
○矢嶋三義君 建設大臣にお伺いします。わが国の大事な国策の一つとして治山治水計画に踏み切られたことは、非常にけっこうなことで、敬意を表しますが、建設省関係の治山治水五カ年計画等を推進していくにあたってその技術職員の現在における充足状況、それから将来にわたっての見通し、それとあなた方は地方自治体を助言、指導していると思うのですが、地方自治体におけるこれらの諸事業を受け入れるにあってのやはり技術職員、こういう者の充足状況をどういうふうに把握されておられるか、若干数字を入れて御説明願いたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 技術職員の充足状態につきましては、ただいまのととろでは大体建設省は土木の技術職員か主でありますが、約三倍程度の希望石がありますので、ただいまのところまだこれらの採用についての心配はございません。それから建築はもっと多くて約九名採用に対して三十七名面接いたしております。砂防、電気、機械、大体みなその程度の充足になっておりますので、治水の五カ年計画を実施するにあたりましても、今現在の状態では別に支障はないものと思っております。
○矢嶋三義君 地方の方は。
○国務大臣(村上勇君) 地方につきましては、大体かりに採用希望数が八十二としますと、推薦数が十四名、決定数が四名、これは土木の職員であります。建築は決定数が二名で採用希望が十五名、推薦数が十四名こういうようになっておりまして、地方も現在のところでは別に支障はないようであります。
○矢嶋三義君 本名に関する限りわかりましたが、私は決算審査で地方に出張してみますと非常にアンバランスがあるのです。それで検査の監督等が十分にいっていない。見ますと技術者が手に入らない。たとえば石川県、福井県あたりは幾ら建設省にお願いしてもできないし、みずから採用しようとしても来る人がない。これはもう現に私は土木部長あたりに直接聞いているのですが、東京都あたりとか、愛知であるとか、そういうものは一部のところなんでしょうが、都道府県によりますと非常にアンバランスになって確保ができない。建設省にお世話願っても確保することができない。それが事業の進捗に支障を来たしているということを責仕のある人から直接聞いているのですが、それで承ったわけなんですが、今の大臣の答弁からそういう点が出ていない。一面だけ言われている。それでもう一問お答え願いたい点は、官房長がおいでになっているのですが、官房長の見るところでは、大学の新本が都道府県の技術職に入るとか、あるいは建設省の本省の技術職に入る、そういう人の待遇と民間の一流どころですね、そこらあたりに入る場合との待遇差というものはどのくらいあると、建設省はつかんでおられるか。末端の人は相当の悩みを持っておるはずですよ。大臣の言われるような調子ではないはずです。それだけお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(村上勇君) 大学卒業の者、技術職員の初任給は、大体特別にいいところは、かりに名前をあげれば満水組というのが比較的いいのですが、あとの業者、事業会社は大体初任給においては建設省と大同小異でありまして、ほとんど違いはありませんということになっておるようでございます。
○矢嶋三義君 もう一問。それはだれの調査ですか。私は相当調査しているのですよ、官房長、そんなことを大臣に答弁させていいのですか。私は相当調査しているのですよ、そんな一流のところなんかは……。それでは建設省の大臣にお伺いしましょう。一体大学を卒業して建設省に就職したら初任給は幾らですか。
○国務大臣(村上勇君) 建設省の初任給は、基本給は一万二千百二十円、それから大林組が一万二千五百七十円、間組が一万三千八百、大成が一万二千八百三十円、今あなたのお話になるのは家族手当とかいろいろなものがついたものだろうと思います。しかし、表のべースは、これは基本ベースというものは大して変わっていない、これはそういうことを私はこれは隠しようのないものですから、どこの会社にしても税金に直ちにあれしてくるので隠せない、ただ手当とか社宅を支給するとかなんとかいう他の面で違ってくる点があるかもしれませんが、こういう表通りは絶対間違いないと思います。
○矢嶋三義君 あなた方はですね、都合のいいところだけ聞いて来ているのですよ。私はそれは土建の五大会社なんかつぶさに調べている。同じだということは、大体同じだということは全然ないのです。相当金額……。官房長は何千円ぐらいの差があるとあなたは踏んでおりますか。実質賃金はどのくらいの違いがあるか。
○政府委員(鬼丸勝之君) 実は、実質賃金の点は正確に調査ができませんので、ぼつぼつ聞いたことはございますけれども、責任を持ってお答えすることはできませんが、ただベースの平均は役所に比べますと相当差がございます。ベースの平均賃金はこれはやはり昇給なりあるいは年令の関係もありますし、昇給の進度、こういうものが相当違ってきやせぬか。それからもう一つは実質面で大きな差は、現場手当がかなり民間では多く支給されているということは承知いたしております。
○矢嶋三義君 これで終わりますが、今のお二人の答弁がその通りだとしますと、建設省関係のベースを少し下げてほかに回さなければならない、民間とえらい差があって困っているところがあるのに、建設省に限り同じぐらいで差しつかえないというなら、アンバランスを埋める点から総合調整しなければならぬと思いますが、きょうはその程度にしておきます。
○国務大臣(村上勇君) どうもありがとうでございます。
○伊藤顕道君 時間もあまりありませんので、最後に勤勉手当と期末手当に関係してお伺いしたいと思いますが、この前の三十三国会で勤勉手当期末手当この区別はありますけれども、実際には区別する必要はないのではないか。だから結論としては勤勉手当を、その名称を廃止して期末手当一本にしてはどうかということに対して、人事院総裁は十分検討しておきますということでございましたので、まず人事院総裁に検討された結果はどうなったかをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(滝本忠男君) この前人事院総裁がそういう御答弁を申し上げたのであります。いろいろ人事院といたしましてはいわゆる特別給というものがどういう形であるのがいいか、またその支給時期等につきましてもいろいろ検討いたしております。ただいま直ちに結論を持っておらないのでございますけれども、現在の勤勉手当というものが、事実上期末手当と同様に支給されている向きもあるのでございます。やはりその目的のために使っておられる省庁も現にあるわけであります。今直ちに勤勉手当と期末手当を一緒にするという踏み切りと申しますか、それはいたしておらない次第でございまして、研究はいたしておりますけれども、そのような状況になっております。
○伊藤顕道君 それでは要点だけをまとめてさらにお伺いいたしますが、給与法の十九条の五項を見ますと、「勤務成積に応じて、支給する。」というこの勤勉手当の規定は、実際にはほとんど適用になっていない。今給与局長からの御答弁ではございましたけれども、これは実際にはどちらもその期間の期間率を主として見ておって、給与法の十九条五項はあまり適用されていない。もう絶対にないということは申しませんけれども、私の知る限りにおいては、ほとんど期間率のみによって調整されているということ、期末手当も勤勉手当についても……、そういうことが一つ。それと、この勤勉手当の支給は、勤務期間率によって実際は支給されているということは今申し上げたわけですが、さらにこれは期末手当についても、また同じように当然これは期間率によって算定しているわけです。同一期間のいわゆる勤務期間率、両者ともこれによって出している、これをややこしく区別する必要はないではないか、こういう点が一つ。それとこの期末、勤勉手当も合わせて、現在では三・八カ月出ているわけですが、勤勉手当の率は、そのうちの約四分の一にすぎないわけです。夏に〇・二五、十二月に〇・五、計〇・七五、これは成績保証的な意味を持って出していると思うのです、最初の作られた趣旨は。ところが、実際にはほとんどそういう面には使われていないで、ほとんど期間率によって両者とも計算されているとこういう実態、それとさらに公務員制度調査会でも、これはこの前も申し上げましたが、諸手当については整理簡素化するということは、行政管理庁の一貫した主義、方針であろうと思うのです。こういうような点からその答申を見ても、公務員制度調査会の答申を見ても、はっきりと簡素化ということがうたわれているんですね。こういうような点を総合して考えた場合、まだ一部には、先ほど給与局長も指摘されたように、保証的な両にも使われている、これはほんの一部であろうと思うのです。そういうような各般の実情から見て、この際公務員制度調査会の答申の趣旨にも沿うべく、一つこの区別をなくして、勤勉手当、期末手当合わせて一本として期末手当とする、そういうふうにさらに人事院としては考えられないか、さらに御検討いただきたい。先ほど給与局長から大体答弁がありましたので、さらに総裁の責任ある今後のお考えについてお伺いしたいとともに、担当大臣としても、今後に処するお考えをお伺いして、時間もございませんので、質問をこれで終わりたいと思います。
○政府委員(浅井清君) ごもっともであると存じております。ただ、私、勤勉手当というのが、全然悪いものだとは思っておらぬのです。これは民間におきましても、一律に支給せられるものと、それからそのものの個人的な勤務成績によって支給されるものはあるように思っております。ただ、御指摘のごとく、公務員の方は、勤務評定の使い方もあると思うのでありますけれども、ただいま御指摘のように、この勤勉手当で個人差をつけるという部分が非常に少ない、これは御質問の通りであります。でございまするから、これをどうしたらいいかということは、ただいま給与局長からも申し上げましたかと思いますが、十分御趣旨を承って、将来研究してみたいと思います。そこで、最近人事院が、あの年末その他の手当を増額します場合は、勤勉手当の分で増額している勧告は一度もいたしていないのでございます。全部期末手当の分で増額をいたしておりますから、そこで勤勉手当の占める割合は非常に少なくなっておる、こういうことでございます。
○国務大臣(益谷秀次君) 期末手当と勤勉手当、おのずから性質が違うように思っております。ただいま人事院総裁の御答弁のごとく、人事院の御検討を待って善処したいと思います。
○鶴園哲夫君 ただいままでいろいろ質疑がなされたわけでございますが、これは国務大臣も御承知の通りに、一昨年の話をいたしておるのであります。一昨年の話を今いろいろ質疑をいたしたわけでありますが、公務員としましてはほんとうに耐え切れない気持だと思うのです。一昨年の話をして、じゃこの四月から給与を実施しようというのですから、はなはだ二年おくれぐらいになっているのですから……。そこで、もっとこの公務員の給与について機動性のある、あるいはもう少し社会情勢に合ったような形の処理ができないものかどうか、こういう観点から、私は昨年のことについて若干伺いたいと思います。 人事院の昨年の七月の勧告でございますが、この勧告は、大体に申し上げまして一昨年の三月、三十三年の三月から昨年の三月、三十四年の三月、この一年の間に大体民間の給与というものは四・一%ほど上がった、金額にいたしますと七百四円であります。四・一%上がった、こういう考え方が基礎になって勧告が出されておる、こういうふうに思うのでありますが、しかるに昨年の四月以降でございますね、このつい昨年の十二月までの間に、非常瀞変わり方があるわけであります。それは昨年の三月と、それから昨年の十月から十二月の間の給与ですね、これを平均をいたしまして、その差を見ますと、千二百六十七円民間は上がっております。この約六カ月の間に、昨年の四月から六カ月の間に民間の場合においては千二百六十七円上がっております。先ほど私が申し上げましたように、一昨年の場合は一年間で七百四円、パーセントとしますと四・一%上っている。ところが勧告をいたしましたあと、六カ月の間に実に千二百六十七円、そのパーセントは七・一%上がっている。こういう事柄について政府はどういうふうに考えておられるのか、あるいは人事院としてはどういうふうに考えておられるのか。公務員は二年おくれの、民間より二年おくれて給料が上がっている、しかも、それは民間よりうんと低目に上がっている、こういう事態の中で、今申し上げたような六ヶ月の間にこういう大きな変化があった。こういうことについて公務員制度調査室としては検討を加えられているのかどうか、その点を伺いたい。
○政府委員(増子正宏君) 人事院が調査をいたしまして、勧告を行なった前後の時期におけるいわゆる民間給与の変化といいます点につきましては、統計的には、先ほどからいろいろお話がありました毎月勤労統計というような形におきましては、これを把握することができるわけでございますけれども、いわゆる公務員の給与の比較の対象になっております民間の実態が、どのように変化したかということにつきましては、私どもとしましては、これを調査をいたす方法がないのでございます。
○鶴園哲夫君 労働省は、毎勤統計という形で毎月給与の関係の調査を発表いたしておるわけですが、人事院は一年に一回の調査をやられる。そのために、公務員にとっては非常なマイナスを来たしている。先ほども私申し上げましたが、民間よりも二年おくれに賃金が上がっていくというようなことにも相なるわけでありますし、しかも、今ここで労働省が発表しておる毎勤統計から見ましても、この六カ月の間に七・一%上がっている。人事院の勧告は、その前の年の四・一%というものに基づいてやっておられる。そういう時代の大きな変化に適応できない。これはもう、いても立ってもおれない気持だと思う。天戸景気だ、岩戸景気だと盛んに言われる。それは公務員にとっては、どこ吹く風。民間の場合は、そういう岩戸景気、大戸景気、こういうものに相応しまして賃金も上がるということになるわけでありますけれども、公務員の場合は、二年おくれ。しかも、今こういう大へんな事態が起きているのに、政府としては、検討を加える方法がないと言っている。こういうことでは、公務員はこれは何といっても承知できがたいと思う。もっと何か、そこを政府としても、人事院としても、とくとお考えになるべきじゃないかと思う。私はこれからも、いろいいろ今この点について申し上げたいのでありますが、おそらく、人事院はまたこの七月の十六日ぐらいに勧告をするでありましょう。これだけ大きな差が出ているのでありますから、勧告をするでありましょう。しかし、その七月も十六日ごろになりますと、さあ景気がどうなるか、行き悩むんじゃないか、停滞するんじゃないか。こういうような形で、またもや公務員の給与は、はなはだお粗末な勧告しかできないというふうに、まあ考えられるわけです。そうなりますと、これは全く、公務員というのは、これはもうほんとうに情けない。給与の面においてはまことに情けない状態に置かれるんじゃないかと思うんです。政府としては、そういうきわめて、非常に時代おくれな、二年おくれ、三年おくれというような形の、社会情勢に即応しないような形で公務員の給与を考えていいというふうにお考えになっておられるのかどうか、その点を聞きたいと思う。
○国務大臣(益谷秀次君) 人事院の調査の結果によって、善処したいと思います。
○鶴園哲夫君 その問題につきましては、これはもう、そういうような形では、公務員というのは、これはもう耐え切れないです。大戸景気、岩戸景気どこ吹く風です。今申し上げましたように、この人事院が勧告いたしましてから六カ月の間に、七・一%上がっている。さらに、消費者物価ですね、これを見ますと、これも大へんなことのように思うんですが、消費者物価、これは内閣統計局の発表でありますけれども、三十年を一〇〇といたしまして、そして昨年の三月までに、ちょうど三年間ですね、三年間かかって、前年の場合は、消費者物価は三上%ほど上がっているんです、三・一%。ところがですね、昨年の四月からことしの十二月、この九カ月の間に、三・二%ほど上がっている。ですから、三年ほどかかって三・一%ほど消費者物価は上がっている。ところが、勧告があってから後、この十二月までの間、わずか九カ月の間に、二・二%ほど消費者物価は上がっている。これは政府としても大きく考えなきゃならんことじゃないかと思う。これだけ消費者物価が上がるということは、物価を次々にお上げになっていらっしゃいますが、足元からどんどん物価が上がってくる。それが一部はね返って、こういう形になってくる。三年かかって三・一%物価が上がった。ところがこの人事院勧告したあと、わずかに九カ月の間に、実に二・二%ほど上がった。東京都で言いますと、三丁四%上がっている。人事院の勧告後、これだけの物価が、消費者物価が上がっておるのですがね。そういう問題について政府がお考えにならないというのは、どうも私は理解がつかないのです。この九カ月の間に、三年前のやつに近いくらい上がっているのでしょう。にもかかわらず、公務員の給与は据え置きのまま、これはどういうふうにお考えですか、伺いたい。人事院は年一回ですから、これはもうやむを得ない、今の段階では。やむを得ないということは、承知できるという意味じゃありませんが、政府としては公務員の給与を扱っておられるのですから、これは担当大臣として、こういう問題についてはぜひお考えいただかなきやならんと思うのです。いかがです。
○国務大臣(益谷秀次君) たびたびお答え申し上げている通り、現在の法規の上からは、人事院の勧告を待って善処するのが当然だと思っております。ただ、今のお話は十分に承っておきたいと思います。
○鶴園哲夫君 人事院勧告を待って、というようなお話しでありますが、なかなかそれは私どもとしては承知できない点があるわけであります。それはやれるのですから、政府並びに国会でも。やれないことはないわけですよ。なお、政府は人事院の勧告を相当お変えになって出されたこともある。たとえば三十一年の勧告のごときは、相当お変えになって、国会に出された。あるいは今度の一般職の公務員の給与法をごらんになりましても、一部改正をごらんになりましても、勧告のほかに二つもっけ加わっている。石炭手当を入れますと、三つ加わっておる。やろうとすれば、政府はやれんことはない。先ほど私申し上げましたように、あの人事院勧告いたしましてからあと、大へんな民間給与の変化がある。さらに消費者の物価におきましても、このわずか九カ月の間に、大へんな差が出ている、変化が出ている。そういう問題についてお考えがないということは、これは給与の問題について、人事院にあまりにも政府は寄りかかり過ぎている。無難な態度をとっておりますから、もっと政府としては、公務員の給与を扱っているのですから、責任をもってこういう問題は処理されてしかるべきだろうと思う。大臣の御答弁を伺います。
○国務大臣(益谷秀次君) 政府の方針として、人事院の勧告を待ってやることになっておるのであります。従って、政府は、進んでやるということは現在申し上げることはできません。ただ、御趣旨の点は十分承っておきたいと思います。
○鶴園哲夫君 今、私、人事院が勧告いたしましたあと、民間の給与が非常に上がっているということを申し上げ、また人事院が勧告しましたあと、消費者物価というのが大へんな上がり方をしているというふうに申し上げたわけでありますが、昨年の結果に基づいて、政府としては、この四月一日から実施される、一年おくれて実施されるわけでありますが、ところが、御承知の通りに、昨年の十月一日に、国家公務員共済組合法が改正になりまして、これで掛金が従来の千分の二十から千分の四十四、二・二倍に上がるわけであります。そうしますと、この勧告を実施されましても、公務員の受け取る手取りというのはほとんどふえないのであります。手取りはほとんどふえない。これは戦後初めてのことです。手取りがうんと減ってしまった。勧告を実施してみてもそんなにふえない。にかかわらず物価はうんと上がっておる。消費者物価は驚くべき上がり方、そういう中で公務員働け、これは無理な点があると思いますよ。ですから、今申し上げました手取り額が、昨年の十月一日に平均で五百円ほど減りました。各公務員全部平均して五百円ほど減っておる。勧告を実施いたしましても、手取りはそうふえないのです。ちょっぴりしかふえない。それにかかわらず、こういうふうに消費者物価が三年分の変化をこの六カ月分で変えるくらい上がっておるということでは、これはまあどうにもならぬと思うのですがね。これは政府いかがですか、国務大臣困りますよ。こういうことでは公務員は承知できないですよ、こういうことじゃ。御答弁を願います。
○国務大臣(益谷秀次君) 共済組合の率が千分の四十に上がったそうでありまするが、従って相当の金額が差っ引かれるのは、これは当然なことでありますが、共済組合の率を上げたのは、内容を非常に改善をいたしたためだそうであります。従って一般職といたしましての直接受けておる金が、幾らか、非常に減少しますが、内容が改善せられたので、またその点において幾らかなおされることができるかとも思っております。とにかく、私はもうきわめて重要な問題でありまするから、私一存ででたらめなことを申し上げては申しわけございません。十分に皆様方の御趣旨のあるところを承って、自分の職責を果たして参りたいと存じております。
○鶴園哲夫君 展後に、この期末手当のことについて、これは人事院が勧告したあとの点をというのは、ことしから実行されるというわけですから、ぜひ新しいものを入れて政府としては御努力願いたいという気持で一ぱいであるわけであります。そこで、この点について申し上げますが、これは私は人事院の勧告について、期末手当の勧告について人事院のやり方とは全く意見を異にするものであります。しかし、一応ここでは一つ人事院の立場に立ちまして、人事院は民間の期末手当は二・一月分だ、こういうお話であります。公務員よりも〇二月分多いという勧告でありまするが、これは人事院が勧告いたしましてからですから、昨年の四月からことしの十二月ですね。昨年度、三十四年度は期末手当は民間の場合は二二%増加しておるのですね。これはまあ戦後最高だとこう言われておる。一三%増加しておる。これは月に画しますと〇・三八月分です。人事院は今〇・一足りないとこう言っておる。それからさらに〇・三八上がっておる、民間の場合ですね。プラスしますと〇・四八月分民間が高いということになるのですね。で、今この〇・三八というのは、三十人以上の企業体です。人事院の民間給与の調査の場合は五十人以上をとっておられるのです。ですからこの〇・三八というのは三十人以上の企業の場合でありますから、人事院のいうように、五十人以上の企業ということになりますと、〇・四は優にこすというふうに見られる。そうしますと、人事院は〇・一不足しているという、足りぬという、なおそれより大体〇・四上がっておるということになりますと、これは〇・五不足しておるという実情だと思うのです。これはどうなさるおつもりですか。来年に実施されるというお考えですか。あまりにもこういうことを無視されたようなことを、公務員というのは人間でありますから、これは公務員の精神上よくないと思います。こういうことはいかがでありますか。
○国務大臣(益谷秀次君) 適正な給与を一般職の職員に与えるということは、これは当然でございます。しかし、ただいま逃げ言葉を申し上げるわけではないのですが、岩戸景気とかいろいろなことで、一般民間企業界は相当利潤を上げておるそうであります。従ってそれに対する期末手当というものは非常に上がっておることも、私ども承知いたしております。しかしながら、一般職の給与とか期末手当というのは、全部国民のいわゆる血税でありまするから、岩戸景気だから、民間が上がったから、必ずしもそれに沿わなければならぬということはいかがと思っております。すべてが民間の国民の血税によってまかなわなければなりません。民間の企業体は、労務者の協力によってそれだけ利潤を上げておるのでありますから、それに対する期末手当も上がるのは、これは当然だろうと思います。そこに一般職の公務員と申しますか、公務員の立場が違うと思っております。しかしながら、民間がいかに上げようが、血税だからというので上げないということを主張いたしておるのではございません。現在のところは人事院の勧告を待って、これに対して善処いたしたいと考えております。
○鶴園哲夫君 今の国務大臣のお考えはぜひ一つ訂正をしていただきたいと思うのですよ。民間の期末手当との関連において、人事院は考えておるわけです。ですから、期末手当が上がりますと、人事院は一年おくれて勧告をする、政府がそれをさらに一年おくれて実施をすると、こういうことになっているわけですね。ですから、少なくとも民間の期末手当との関連において、その高さとそう違わない形で従来政府はやってきておる。それと違うということであれば、これは別です。今まではそうです。民間の期末手当との関連で、それとの比較において公務員の期末手当が勧告されておる。何か違うようにお話しになりましたが……。
○国務大臣(益谷秀次君) 人事院の勧告は、民間の期末手当と関連はいたして勧告せられるのであります。それはよく承知いたしております。しかし、聞き違いかどうか、わかりませんが、民間は非常に期末手当の率が多い、それに一般職の期末手当は低いというお考えでありましたので、私の感じたところは、民間はいわゆる岩戸景気によって相当に利潤を上げておる、従ってその協力者の労務者に報いるのは当然だろう、現在はそういう利潤を配分すると申しまするか、それを期末手当として支給しておるものであり、いかに岩戸無気でありましても、国家の場合は国民の血税によってまかなわなければならぬものだから、そう十分に参るというようなことは想像できないという趣旨を申し上げたので、民間の期末手当と関連して勧告があることは、これは承知いたしております。
○鶴園哲夫君 もう一つだけ。期末手七について関連してというふうに私も申し上げまして恐縮でごさいましたが、これは期末手当のとり力は相当幅があるとり方ができるわけでありまして、人事院の場合は五十人以上の企業をとつてやっておられますから、政府が御心配になるような、そういう膨大なものは出ないのです。ですから、人事院の五十人以上の企業に従事する者の期末手当と寸分違わない形で人事院は勧告しているわけです。ですから、いうならば、これは関連してでなくて民間の期末手当と関連してではなくて、民間の期末手当と密着して勧告が出されているわけですから、その点お考え違いないようにお願いしたいと思います。
○矢嶋三義君 国務大臣お疲れでしょうが、しばらく質問させていただきます。わかりやすい点から一つ伺いたいと思います。私はまじめに伺っているのですから、お答え願いたいと思うのです。大臣が体験されたことから、わかりやすいところから少し入って伺いたいと思います。大臣、大学卒業されたころ、就職されたころ、やっぱりときどき一ぱいやられる余裕ございましたかどうですか。なお、その当時の下宿代とか、洋服代というのは、さぞ初めてのときだから御記憶であろうと思いますが、それを思い起こしてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 国会で百分の私生活を申し上げるのは、まことに遺憾でありますが、先般、大体日本経済新聞に書きましたから申し上げます。私が大学を出ましたのは、そのころ官立の法律学科を出ると判検出、弁覆土と無試験でありました。従って、卒業すると同時に、八月、東京の裁判所へ司法官試補を、拝命して参りました。その当時は三十五円であります。月給ではありません。年俸であります。年俸でありますが、月割り三十五円であります。従って、これは大正三年でありますが、古いことではありますが、そう酒を飲むというような、またぜいたくをするというような給料ではございません。しかし、まじめにやっていけば十分に生活ができる。足りないところはまた友人、親戚等にも厄介になりましたが、さして生活には困難いたしませんでした。
○矢嶋三義君 これはまじめに伺っているのですがね、今の公務員の給与の問題、根本的に非常に大きな問題があると思います。今の若い司法修習生とあなたの場合比べてみますと、今あなた御答弁なさったように、大正三年八月には年俸四百二十円で就職されておる。そして五年の十月十三日には判事になられて年俸六百円と上がっている。ところが今の学生は司法試験に合格して修習生としての二カ年間、月一万四千五十円を支給され、判事補を十年やらなければ判事になれない、そういうふうになってきている。それで私は大蔵省に問い合わせて大臣の大正三年の俸給をちょっと換算してみましたところが、今のにしますと約一万七千円になっている。だから下宿とか、洋服にそう困りはなさりませんし、そう遊ばなければ、ときどき一ぱいもやられたと思うのです。こういう数字が出て参りました。この数字はちょっとここでふせておいて、次にもう一つ例。今度は勧告側滝本さんに伺います。滝本給与局長は、あなたは初任給幾らであったか御記憶でございますか。その当時を二度振り返っていただきたいと思います。
○政府委員(滝本忠男君) 私は学校事業しまして民間の会社に入ったのです。最初入りますときには七十五円でございます。
○矢嶋三義君 あなたは昭和十年の三月に大学を卒業されて民間の会社に入って七十五円、これ大蔵省の方で調査してみますと、大体二万五千円ぐらいですね、今の貨幣価値からいって。二万五千円、こういう金額が出て参るわけですね。それで問題は、この今の公務員の給与が、人事院はちびちび国家財政を心配して勧告をしている。しかも、長い間いわゆる一律べース・アップをやられない。ここに私は大きな問題があると思うのですよ。その結果、さっき国務大臣あんなことを言われたけれども、あれは違っている。今度の改正案で大学卒業者は一般行政職で月一万八百円、研究職で月俸一万一千百円ですよ。それから教員の場合ですね、特別に考慮をして工業学校に大学を出て就職して一万一千五百円。民間と非常に差がある。それで就職しないわけです。たとえば教員の場合、今科学技術の振興等言っておるのですが、全国に、七つの国立大学で年間百三十人ずつ工業課程の教員を養成しておる。ところが、三十三年に教員を志望した者はたった一人しかいない。だから科学技術振興といっても、工業学校で教員が確保できないで困っておる。公私立で年間千三百人ぐらいに工業課程の免許状出しておるといっておりますが、ほとんど工業学校に就職しない。ところが、二万一千五百円、約千円ばかり優遇してあるのにかかわらずそれでもこない。なぜ役人の場合いくかというと、これはおそろしいのですよ。役人にくるのは、若い者にちょっと聞いてみますと、きわめてドライな考え方を持っておりますね。行政権を持っておる、予算執行権を持つ。若干低くても行政権力に魅力がある、予算の執行権を持っておる。そうするうちに民間とのコネがつく、そうして相当年輩になって年金をもらうようになる。――昔でいえば恩給ですね、それがつくようになってそのコネを利用して民間に天下りすればけっこういける道だと、きわめてドライナな考え方を持っておりますね。ところが、一般の公務員に対して約七百円ばかり高く優遇している教員の場合は、教育愛というものがあれば別ですが、それでなかったらコネというものは出てこないから就職しない。これは文部大臣往生している。一年に百三十人養成しても、憲法で職業の選択の自由があるために一人しか就職しない。皆逃げてしまう。先ほど国務大臣が述べた数字なんか、これは家族手出やら地域給を入れたでたらめな数字を言われておるわけです。だから非常に民間と差があるのですね。民間が高いかというと決して聞くない。ここに、国民生活白書経済企画庁編に書いてありますが、ちょっとこの要点を申してみますが、昭和九年から十一年、それをべースにとって、生産労務者は大体三百九十一倍になった、非常に伸びましたね。三百九十一倍、けっこうなことです。ところが、大学出たのは大体百七十倍ぐらい、商工業及びサービス業方面は五百六十六倍と、こういうふうに伸びておるのですね。農家の方は約四百五倍と伸びています。これは経済企画庁の詳細な資料ですが、これによりますと、職員層のは百七十倍くらいの伸びで一番低いということになっておるわけで、すね。だから職員総の所得水準は実質的に戦前の三分の二以下である、大学教授の現在の俸給が一十数年前の助教授当時と実質的に変わらない、こういう結論を出しておる。大学教授の現在の俸給が自分が就職した二十数年前の助教授当寺と、実質的にかわらない。戦後大学が多くなりまして、インテリ層の価値の総体的低下など指摘する人もあるわけなんですが、しかし、昔も今も修業年限はいずれも十六年です。で、それから見た場合、生産労務者とか、農家とか、商工業、サービス部門の所得がずっと上がてきたということはけっこうでしょう、戦前はかなりアンバランスがあったから。しかし、それに比して職員層の伸びというものは半分以下、あるいは三分の一くらいになっておるわけですね、だからサラリーマンの給与というものは、不当に抑えられているということははっきり出てきているわけです。民間においてもそういうことが言えると思います。その民商とこの公務員の差といえば、さっきからずっと示されたように、その差もあるわけなんですね。だから、私は冒頭に、政府側の益谷国務大臣、それから勧告する人事院側の滝本さんの大学を事業された当時のサラリー、その実質賃金という立場から伺ったわけです。だから、初任給を上げて、それから給与体系を一律に上げると、これをやらなければ、私はサラリーマンの生活は保障されないと思う。だからまた公務員の場合は国家、国民のサーバントとして十分使命を果たすことができないと思う。汚職の温床になると思うのですよ。たとえば、建設省とかああいう技術で入るところは、中に入ってやってコネを作っておいて、そうして相当年限勤めた後に天下っていこう、こういうドライな考え方で入る人が相当いる、これは間違いない。これば汚職の温床になるわけですね。だから、私はやはり一般労働者もそうですが、公務員が十分自分の能力を発揮できる、間違いを起こさない、そうして国家、国民にサーバントとして十分その使命を果たし得るところの給与というものを、国が保障するということが大事だと思うのですよ。その立場からの、大所高所からの検討が私は不十分だと思う。そして人事院は当面のことばかり考えて、あまり政府を刺激しないようにというので、初任給をちょっと上げてみたり、中だるみ是正をちょっとやってみたりして当面を糊塗している、こういう見方が私は成り立つと思う。一応ここで益谷さんの御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 私どもが初めていわゆる官界に入ったときと、現在の給与の購買力と申しまするか、それは概して悪いことは、私自身も承知いたしております。しかし、当時も特に私は記憶に新しいのでありまするが、大正三年の米騒動のころは、私、浦和に判事を奉職しておりました。その当時の裁判所の書記諸君だとか、あるいは刑務所の人たちの給料というのは非常に低かったんです。従って、米騒動のころのときは、米が暴騰いたしましたので、皆じゃがいもを食べておりました。そういうので、一がいにすべての公務員が全部豊かな、つまり購買力のある報酬をもらっておったかどうかということも、実際は疑問であります。ただ、その当時の官吏は、階級があったので、すなわち高等官とか勅任官とか、そういう者に比較的厚かったことは認めます。しかし、冒頭に申しました通り、一般に申し上げますると、購買力の低い給料であるということは認めます。認めて、これをどうして改善するのが一般公務員のためによろしいかというこは、これは慎重に考えなければなりません。現在の政府の態度といたしましては、人事院の勧告を受けて、そして私はすなおにそれを実行していくのが、今日の場合当然政府のとるべき態度であると思います。そういたしますると、直ちに抵触しますのは、昨年の勧告を本年の四月一日から法律化するのはどういうわけかという御質問がありましょうが、これはたびたび申し上げております通り、財政上の関係から直ちに実行することができなかったように思っております。従って、私も本年の閣議において承認をいたした次第であります。ただ、矢嶋議員の指摘せられる、一般的に申しますると、古いころとは、今の給与というものは購買力が非常に薄い、低いということだけはこれは認めなければならぬ事実だろうと思っております。これにどうして対処していくかということは、十分に検討いたして参らなければならぬと思っております。
○矢嶋三義君 総裁に承りたいのですかね、岸内閣で所得倍増計画とかいうようなことが言われているのですがね、経済規模を二倍にするとか。国の経済規模というものが幾ら太っても、国民の各層のそれぞれの所得というものがそれにつり合っていかなければ、伏して生活は楽にならぬわけですね。貨幣価値が変わって、所得は上がらない国民の階層があれば、それは実質的には賃金が下がってきて、生活水準が落ちていくわけです。そして、この国民の生活水準の較差というものは、世界の趨勢に反して日本は開いていく、現にその傾向が出ているわけなんですね。それで、この経済企画庁の国民生活白書を見ましても、そういう点が出ています。国民総生産というものは、これは数字のはじき方はいろいろあると思うのですが相当伸びておる。ところが、国民所得はその総生産の伸びについていっていない。しかも、どういう層が一番伸びがついていっていないかというと職員層です。いわゆるサラリーマン、大学とか、あるいは高等学校とか、そういうところを終えて就職しているサラリーマン階層がついていっていない。一時落ちていく、あるいはそれを追い越していっているのは第三次産業に携わっているサービス業、そういう方面に従事している諸君の所得の伸びが、国の経済規模の伸びよりはるかに高い。だから、サラリーマンの給与というものは初任給とか中だるみあたりでは是正できない、これでは。初任給を上げ、一律に幾らかアップしなければならぬ。それでは何千円アップしたらいいか、それは私は自信を持っておりません。あなた方も言えないと思う。これは政治的なものだと思うのですよ。私は統計学を若干専門的に勉強した者ですが、こんなものはどんなものでも作れると思う。給与が高いとか安いとかいうのは、集める素材によってどんな結果でも出ますよ。どんなと言っては語弊がありますけれども、相当なものができますよ。それを見る角度によって違って参ります。だから、数字を出したら、あとでどういう説明でも私はできる。そのどういうと言えば語弊があるかもしれませんが、相当の幅をもってできますよ。もちろん、大正とか昭和の初期に比べれば、不十分ながらもわが国には社会保障政策が若干今しかれてきた。あるいは保険とか、あるいは年金とか、きわめて不十分ながらも、ともかそういう政策が若干出てきている。そういう面は昔に比べていい面でプラスされるでしょう。そういうものも考慮に入れて、さあ何千何行何十何円と、こういう数字を出せといえば、それはむずかしいでしょう。しかし、そういう点を考慮に入れて、じゃあ無責任と言われるかもしれませんが、私の直感で言うならば、突貫賃金から言うならば、公務員の給与は大体用五千旧くらい上げてしかるべきじゃないか。私はそれは直感です。案外直感というもりは当たりますよ。ここに各年代の、仏は自分でも計算し、自分でできないこころはしかるべき人に計算してもらったのですがね。大体この給与が、今の初任給をもととする体系ですがね、全般的に初任給が二五%から三〇%、それから職種によって違いますけれどもね、多いところでは六、七〇%上げないと、実質賃金がつり合わない。大体三〇%から六〇%程度、職種によっても違いますが、それだけの実質賃金の低下を来たしておる。だから今の若い人が希望が持てないのですよ。入学試験、入学試験、勉強々々といって痛められて、十六カ年間の勉強を終えて出てきて、洋服一ちょう買えぬですよ。今度あなた方改正したからといって、何でしょう、一般職の場合、一万八百円、七等級の一号で一万八百円、洋服一ちょう買えやせんですよ。デパートにぶら下がっているのだって二万円くらいかかるです。スプリング・コートを買うと、やはり八千円くらいかかる。下宿といったら最低五千円くらいかかりますよ、下宿代に。で、滝本給与局長が卒業したころは、調べてみたら、三つぞろいの洋服が大体二十五円から三十円で注文できた。あなたが卒業したころは、月給が七十五円で、三つぞろいの洋服が二十五円から三十円で注文できているのですよ。だから、今の若い人が非常に気の毒だ。だから結婚もなかなかできないのですよ。そこに希望を失うところがあると思うのですよ。だから全学連の諸君も、いろいろ問題はありますけれども、彼らに希望がないということも、私はやはり一つは、ああいう年寄りから見ると逸脱したような行動が出てくると思うのですよ。彼らの学園の環境から、それから試験、就職試験、就職した後どうするという、ほのぼのとした光明を前途に見ることができないというところに、ああいう若い世代の人々の言動というものが出てきている。何といったって、これは初任給というものを大幅に上げて、それで給与体系を是正する、いわゆる一律べ・アですね。少なくとも三千円から五千円のベ・アはやらなければ、実質的にはつり合いかとれないのですよ。国家財政大へんだとお考えかもしれませんが、そうすることによって汚職を防ぎ、そうして国家、国民のサーバントとして十分その能力を発揮してもらう、そういうことになれば、国家的に考えた場合に、非常に私はそれはプラスするだろうと思うのですよ。そういう点で、私は今の人事院は、人事院発足当時のあの国家公務員法の立法趣旨からいって少しあり方が、少しといっても相当にあり方が実はゆがめられてきているのじゃないか。私は、きょう質問するにあたって、この人事院関係を読んでみたのですがね、当時を想起しましたよ。人事宜は同じ政党に属してはいけないとか、ずいぶん制約しているのです。人事院のできた当時を回顧して、そうだったなあと僕は思うのですがね、これは、ごらんになればわかるように、相当の権威を持たしているわけです。ところが、最近の初任給は一昨年の若干引き上げ、それから昨年の中だるみ、期末の勧告、これは僕は十分使命を果たしたと思えない。従って私が伺いたい点は、広範な立場から私は今、若干意見を加えて伺っていますが、それらを参考にして抜本的な給与に関しての勧告を一つやってもらいたい。あなた方が研究した後にそういう結論が出なければ仕方がない。しかし、私は真剣に取り組んだら必ずその結論が出てくると思うのです。これは経済企画庁の国民生活白書を見ましても、うなずけるところはたくさんありますよ。当然そういうものが私は出てくると思うのです。だからそういう作業をさっそく始めてもらいたい、こういう念願を含めて御所見を承りたいと思います。
○政府委員(浅井清君) 矢嶋さんにお答えいたしますが、所得倍増計画のお話から出たのでありますけれども、これは人事院の勧告制度以前の問題だろうと思うのです。人事院といたしましては、やはり少なくとも民間給与にそれが反映して出て参りませんと、これは研究の対象にはならぬと思っております。まあ、非常に世間の好暑気云々も間接的には考慮はいたしましょうけれども、何といいましても民間給与にそれが出てこなければいかぬ。私は、さいぜん鶴園さんも御指摘になりましたが、民間給与は上がっておるだろうと思っております。それで今年度につきましては、また最近に調査を始めまして、その結論を得て善処いたしたいと思います。さて、今年度どういう勧告をするだろうかということは、これはまだ何もきめていない、むしろそういうことは初めにきめない方がよろしいのです。これは白紙で臨んでみた結果に従ってどうするということをきめたいと思って、何もきめておりませんが、御意見はよく承っております。
○矢嶋三義君 事は非常に大事なんですよ、所得倍増計画云々というものが民間に現われてきて、しかる後に云々ということを、それはもちろんそうでしょう。しかしもうすでに民間に現われてきている。われわれはここで民間に比べて公務員が安い、安いというと、今度は民間側は、国会でも論じているじゃないか、民間は高いのだから、その民間の組合が賃上げを要求すると、国会も論じているように、公務員より高いのだから受けつけられないといって抑えているのですね。事実民間は公務品より若干高い、しかし、その民間の諸君の給与水準というものはさっき私がるる申し上げているように、決して高くないのです。これは貿易自由化という政策がしかれて参りますと、日本には労働資源があり余っている、低賃金制が必ず出て参りますよ、国会でも論じられているからというので、だから民間では自由化に対処するために合理化をやって、低賃金で抑えていく、そして日本の労働者を低賃金に釘付ける、それとあなた方が比べていくと、日本の経済規模はずっと太っていくかもしれない。あるいは岸さんの言う所得倍増計画は進んでいくかもしれない。しかし、国民の大衆の生活はますます押えられて、そして生活水準の較差というものは、先進国に逆行して非常に開いていく結果が必ず出てくると思う。それで私は今の民間の給与が、まあ憲法にうたってあるほどの完璧なものを今主張しようとは思いませんが、決して高いものではない。民間のでさえ安いと思っております。われわれが育てられた時代を回顧すれば、明らかにそうです。下がっています。それよりもさらに公務員がなになんですね、だからあなた方は勧告する場合に、今度三千円ぐらいのべ・アを勧告しようと思ったらそれで作業できますよ、ことしはもうべ・アは勧告すまいという覚悟から作業していけは、そういう資料が出てくる。普通の統計はそうではないかもしれないけれども、給与関係の統一なんか、みなそうですよ、民間の会社なんかの抽出のし工合によって変わって参りますし、だから、私はそういう点で、人事院が非常に努力をされていることは認めるのだけれども、抜本的な理解と努力が私は足りないということを指摘したい。少なくとも僕は数百の公務員を使ってやれば三千円か五千円のペアをしなければならぬということは出てくると思う、直観で……。案外直観というものは当たるものですよ、若干勉強したら、その証拠には現に大学を卒業した連中がみな逃げるところではっきりしていますよ。教員の場合を一つ例とをってみますと、昭和初年は、高等師範を卒業した人は初任給百円だった。百円。このころは下宿料は二十円です。この高等師範を本業するためには、六、五、四で、修業年限十五カ年。今の貨幣価値に面して約三万五千円ですよ。三百五十倍です、指数は。二万五千円。ところが、今先生になる人は、六、三、三、四で、修業年限十八年、一年延びています。一年延びて、しかもその俸給というものは一万一千五百円ですからね。一方は今の価値に直したら三万五千円ですよ。大体の実質賃金というのは、米とそれから衣食住ですね、要するに衣食住。この価格ではじけば、エンゲル係数からいってもそれが、残念ながら日本ではエンゲル係数が高いから、大部分を占めるんですから、だから衣食住でこの地質賃金を比べれば大体はずれないんとす。だから非常に不当に安いということですよ。初任給が安い。すなわち公務員の給与体系そのものが――若干今度中だるみが是正されたというのだけれども、非常に低いと、低賃金政策というものが根底にあるということですね。そして国会で民間の方が高いといえば、民間では得たりかしことばかりに、だから安くしなければならない、貿易自由化のあらしが襲ってくる、だから合理化、低賃金に抑えていけ。そして国際場裏において、幸いにして労働資源はたくさんあるからということで進んでいくおそれが多分にあると思うんですね。こういう点から考えると、日本の公務員を含むところの労働者の生活というものは、まあ岸内閣のあれで何年か後には二倍ぐらいになるというような錯覚を大衆に与えておると思うけれども、決して私はそうはならないと思う。そういうところを人院がかばってもらわにやならぬと思う。そうでなければ人事院というものは要らぬわけですよ。今まで人事院はずいぶん功績を残しております。しかし、公務員の不満を買った点もたくさんありますが、この国家公務員法の第二章に人事院のことがずっと書いてある。これはりっぱな条文ですよ。これは民主国家の行政機構、人事行政の建前としてはりっぱな条文ですよ。もう人事なんかやる人は、数多く日本にいないというようなりっぱな人を選ぶようになっている。私はゆうべもう一ぺん読んでみたんですよ。あなたもし上っちゅう読まれていると思うんですが、それをしっかりしてもらいたいと思うんだな。その使命を来たさなかったら、人事院無用という声が出てくると思うんです。自由民主党、与党の中にも人事院無用という意見があるようだが、これは僕らと全く角度が違うんだ。同じ無用といっても、これはとんでもない考え方で無用と言っている。ああいう無用論には絶対私どもくみしません。しかし、私が今言うような点は、相当公務員の諸君はそういう考えを持っていますよ。と同時に、総裁初の人事官、あるいは直接の担当エキスパートである滝本給与局長あたりに非常に期待を持っているわけです。入江人事官、きょうおいでになっていないが、入江人事官の初任給、これは大正十五年に卒業しているから、現在の大蔵省の数字で直すというと大体一万七千四百円です。入江さんが卒業したころは物価のちょうど動く境目のころですよね。一万七千幾ら。いろいろな角度からいって三千円から五千円のべ・アを必要とする、こういうように、私は自分の勉強した範囲で直観で結論づけざるを得ないのです。もちろん、ここでささやかながら幾らかよくなることが出てきたことを多といたしますがね。そういうようなことでは、今後公務員に期待することはできないと思うのです。繰り返して言いますが、公務員の能力百パーセント発揮して十分国家国民のために働いてもらおう、そうしてわれわれの福祉国家の建設というものの一翼をになわせるという立場からは、やはり適正にして妥当な給与を保障するということですよ。その立場からいうならば、勇断をふるって、人事院はきわめて広範な角度からデータを集められて、そうして勇気をもって給与改善に臨むべきですよ。臨んでもらいたい。その勧告がなされたならば、行政府においては万難を排してこれをやるべきで、事前に人事院の行動を制約するようなことはやめてもらいたいと思うのです。益谷国務大臣、先生は達観された方だから、そういうことをされないと思うのですが、今まで勧告前になると人事院に電話がよくかかってくるのです。内閣官房、総理府からよく電話がかかってくる。それで目に見えないところの影響を人事院当局に与えようとする傾向が、最近行政府にたくさんあまりす。こういう点は私は断じてやめてもらいたい。そうして人事院から出たものを、何べんも御答弁なさるように、誠意をもって尊重実施してもらいたい。それで、まず人事院側から、続いて大臣から御答弁願いたい。
○政府委員(浅井清君) 御意見はよく尊重してやりたいと思いますが、ただ今年度どのような態度でやるかということはまだきまっていないから、私としては今日ここで何もその点について具体的には申し上げられないのであります。
○国務大臣(益谷秀次君) 人事院に対しては、人事院の権限を尊重して、政府からは人事院の権限を抑圧するようなことはいたしません。そうして人事院から勧告が出ますると、たびたび申し上げております通り、すなおに尊重して参りたいと思っております。
○矢嶋三義君 純粋に公務員の給与改善という立場から給与政策をやるのではなくて、一党一派の党利党略の角度から国の給与政策を左右する傾向が一、二出てきつつあるということは私は非常に遺憾である。きょうはあまりそれを論じませんが、たとえば、教頭とか、校長の管理職手当なんというのは、大蔵省の主計官あたりに承ってみますと、ことしの時点においても、去年の時点においても個人的にはみんな反対ですよ。ところが、非常に猛烈な復活折衝が自由民主党側からなされて教頭まで管理職手当が出る。ところが、都道府県の教育委員会の課長なんかは管理職手当はもらっていない。私は公務員によけい出すことが悪いというのじゃない。純粋な立場から給与改善ということを考えなければいけないと思うのですよ。都道府県の教育委員会は学校長、平教員の人事管理権を持っているのです、任命権を持っているのです。その学校教育課長とか、指導課長とか、体育課長というものは管理職手当をもらわない。そうして末端の小さな学校の校長さん、教頭さんまで七%までの管理職手当を受けるなんというのはおかしいじゃないですか、国の給与制度として。ところが産業教育はどうでしたか。産業教育は大切だ、そうして――これは益谷国務大臣聞いておいてもらいたい。当時全国の農業学校の先生方が、自由民主党の前にひれ伏してお願いしますと忠誠を誓った。そうしたところが、農学校と水産学校の実習の先生だけが七%。ところが工業学校の実習の先生には出さない。そこで全国の工業学校の先生が非常にむくれた。産業教育といって工業学校も産業教育の一端をになっているのに、そういう人にどうして手当を出さぬかと言ったら、これは直接私聞いたのじゃないが、ある幹部から間接聞いたのですよ。そうしたところが、自民党の人が何と言ったかというと、君たち頼みにこないから、ちゃんと僕のところに頼みにきたら工業学校も出してやる。そうして工業の先生方は今度自由民主党に運動したら、翌年から工業の先生方に産業教育手当が出るようになった。歴然たるそれは事実なんです。そういう点はこれは私はどんな責任を負ってもいい。そういう事実がある。そうしてその特殊勤務手当は整理する、整理するといいながら、こういうえたいの知れないような、すっきりしない手当というものが次々と出てきておる。で、これらに対する反省も聞きたいのですが、具体的にこれからの問題として一つ聞きたいのは、研究職手当というのがありますね、大学の研究陣は、人をなかなか確保することができない。これは人事院の勧告によって研究職俸給表が若干よくなりましたけれども、しかしそれにしても、研究職俸給表は大学新卒が六等級の一号で一万一千百円。とてもこれでは優秀なる教え子を、大学の教授の力は自分の指揮下にとどめておくことはできない。だから科学技術の振興ということを学者にいうならば、技術を残すことか一番大事だと言っているのだ。これは、道路とか橋、堤防、それを残すことも国の経済の規模の拡大に非常に役立つが、それもそうであるが、しかし、この科学の進歩の時代には、技術と、それを持った人、こういうものを残すということを考えなければならぬ。これは中京大学の茅学長なんか非常に力説している。ところが、今のこの日本の研究学徒の陣営では後継者を養うということは非常に困っていますよ。それで研究職を若干上げようということで、全く弥縫策として改善されたのが一万一千百円、この程度です。だからそれを何か補うべ・アをしなければならぬが、それもできないということで研究職手当こういう手当を出してちょっと作ろうというような行き方なんです。そういう、しかも研究職手当はこれは給与局長、人事院総裁の見解を開きたいが、やや具体的になりますか、大学院を担当している教授だけが七%の研究職手当を昭和三十五年から組むべく予算化した。ところが、大学には附置研究所というのがある。これはわが国の科学技術の研究の現場であり、最先端です。そういう大学の附置研究所に勤めている研究者ですね。この人には研究職手当は出ないじゃないですか。こういうむちゃな何ですか、手当なんかというものをどうしてやるのですか。たとえば私が今、東京大学に籍をおいて、で、東大は大学院があるから、今私は研究職で七%もらう。ところが今私が東京大学のワクをはずれて附置のある研究所に、そこに教授で行って、大学院に授業に行かない。そうするともらえなくなる。そういう研究職手当というものを三十五年の四月からやるということを私は現場の先生から承っている。それがかりにほんとうだとすれば、何のための研究職手当かというのです。そもそもは私さっき言ったように、三千なり五千のべ・アをしなければそういう人材を確保できない。ところが、全般の人件費とか何とかをおもんぱかって研究職手当なんかで弥縫策を講じている。しかもそれをやるにあたって、こういうふうに大学の附置研究所、研究の現場であり、第一線におられる人には出ない。それから先ほど言ったように、教育委員会の人事異動等の原案を作り、教育長を助けて任免の発令をする学校教育課長とか、あるいは教職員課長、体育保健課長そういう人々は管理職と認められないで管理職手当をもらえないのに、三億一千万円の国の予算を使って小さな小学校の教頭さんまで七%の管理職手当を出す、こういう給与政策というものがありますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(滝本忠男君) ただいまのお話しの中の大学院の先生に手当が出ておるという部分に限ってお答えを申し上げますが、これは研究職手当ということでお話しがございましたが、われわれが理解いたしておりますところでは、普通の新制大学よりもなお程度の高い大学院の授業をあわせ持っておるような先生方に対しまして、その労苦たるや、これは普通の大学だけで教授いたします場合に比べて非常に重いのでございます。こういう点に着目いたしまして、大学院の授業を担当しておられます先生方に手当が現在出ておるわけでございます。御指摘のようにこれは不十分なものでございます。たとえば助教授にはまだ出ておりません。いろいろ予算の関係等もございまして、われわれの現在考えておりますところに比べると不十分でございますが、これは将来を追って漸次拡充したい、このように考えております。
○矢嶋三義君 益谷さんにお伺いいたしますが、岸内閣の給与担当の大臣ですからね。おかしいとはお考えになりませんか。一方は大学院に授業に行けば七%出る、しかし大学の附置研究所というのがある、そこへ行けば七%出ないということだったら、だれが喜んでいきますか。研究の第一線で一生懸命研究しておるそういう人には出さない。同じ大学院で授業をしても、助教授が同じ授業をしても出さない。ところが一方は三億一千万円も、さっき言ったように小学校の教頭さんまで七%の管理職手当を出す。これは管理職かどうかということも問題がありましょう。これは勤評あたりとの関係が出ておりますが、あまりふざけ過ぎておるでしょう。一体そういう心がけで公務員を国民のサーバントとして全能力を発揮してお働きいただきたいと、使う立場から私は蓄えないと思うのですよ。また人事院としても、その特殊勤務手当を整理する整理すると言いながら、こういうおかしな給与が出てきた場合には、やはり国の給与はどうあるべきだ、初任給は低いからべ・アをやれということも一つ、それからこういう手当はバランスがとれていないというような研究をして、そして公式にできなければ私的でもいいです。国の給与体系というものがすっきりとするように、給与制度がすっきりとするように努力していただかなければならぬ。たとえば、今の産業教育手当にしても他の職種もそういう類似のものがありますがね。同じ学校におっても数学の教員はもらえない。ところが、実習関係の先生だけはそういう給与をもらえる。全く教育的配慮というものは全然ないのですね。一つの学校というものは、あらゆる教科の先生が力を合せて人間教育をしてその効果があるんじゃないですか。何人も私は否定できないと思う。こういう給与というものは全逓にもある、こういう性格のものはあるいは全電通にもある。どこからくるか。法務省にも出てきた。どこがねらいか。一つの労働政策として、労務の管理政策として、その組織にくさびを打ち込むという角度からこういう給与制度が出てきておる。法務省にも最近出ている。これは厳に反省してもらわんならぬ。そういう点は私は人事院はべ・アの勧告をやらなければならぬ。無関心であってはならないと思う。そのために人事院というものがあり、優秀なスタッフを持っておるわけですから、常に研究していただかんならぬ。そして助言というものをしてもらわんならぬ。それ以前に行政府においてはそういう角度から給与行政をやり、給与政策を立てるということは厳に慎しんでもらいたいと思う。そういう類似の例が幾らでもありますよ。益谷国務大臣に伺いたい点は、そういう点をすっきりしたものに再検討する。それから、今の給与体系が、はたして適当なものかどうかという点の一律べ・ア、金額は、私、私見と申し述べましたけれども御研究を待ちましょう。その検討、それから諸手当等の再検討、すっきりしたものにするということを、私は行政府を代表する益谷国務大臣に要望をいたします。それで、答弁を承る前に、くどいようですが、もう一ぺん言っておきますが、非常に国民にえたいのしれない夢を抱かして、十年後には今より生活水準が倍になるのだというような、こういうようなまぼろしを抱かせて、なればけっこうですが、とても今の政策で簡単にいかないと思う。昨年厚生省から出た厚生白書をごらんになったと思うのです。あの厚生白書は、他国の生活水準はだんだんと較差は近づいておるが、日本のこれは逆になっておる。こういう白書を出したのに、川島幹事長憤慨して、そんな政府与党に不利な白書を出すのは何事かといって、厚生省の官房長に川島幹事長が小言を言ったということを聞いているのです。反対に開いていきよるのですね。だからこの日本のサラリー・マンの給与というものは、私は根本的に検討せにゃならぬ時期に来ている。このたび岸内閣の給与担当大臣となられた機会に、部下職員を適切に指導督励して、その点に御善処いただきたいと要望をこめてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(益谷秀次君) 御指摘の点はよくわかりました。善処をいたします。
○理事(増原恵吉君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(増原恵吉君) 速記起こして。 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会 ―――――・―――――