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34回国会参議院1960/04/28

建設委員会 第26号

発言数
107
登壇者
4
会派数
2
開催日
1960/04/28

会議録

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回において説明を聴取いたしておりますのでこれより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 最初に、三保証会社の実績と申しますかを報告願いたいと思います。それは口頭でなく、資料があれば資料を出してもらいたいと思います。その方がいいと思いますから。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 承知いたしました。ただいますぐ取り寄せまして、資料として差し上げたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 会社の考課状的な報告というもののほかに伺っておきたいのは、現在三会社とも保有している支払準備金というものがどのくらいあるかという点であります。それは決算がいつであったか、一番近い決算時期の支払準備金というものがどのくらいあるか、このことは口頭で願いたいと思います。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 支払準備金、これは責任準備金あるいは異常危険準備金といたしておりますが、これはあわせて資料を提出させていただきます。

田中一日本社会党

○田中一君 それはすぐ出せるのですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) はあ。

田中一日本社会党

○田中一君 お出し願いたいと思います。  それから保証金が、保証金というか、保証金だな、金利だ、これが保証分と保有利子というかな、利子じゃない、何というのかなあ、保証積立金といったかな……

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 保証料と……。

田中一日本社会党

○田中一君 保証料と、それからちょっと説明が不十分だけれども、大体において法律制定のときには日歩一銭というものが保証料であると、そしてその後に一銭というものが将来還付する預かり金であるというような立て方をしておったと思うのです。それが後改正して五厘になったというように記憶しておるのですが、それらの保証料並びに積立金的な償還しようという金というものが、その率といいますかな、現在幾らになっておるか。それがたとえば法制定のときには保証料が一銭なら一銭、それから預かり金が一銭なら一銭、それがいつごろどう変革されて現在ではどうなっておるのかということを御説明願いたい。そしてそれらが三社共通であるか、あるいは三社とも自分の会社の業態によって多少の相違が出てきておるのかどうか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) ただいまお尋ねがございました保証料並びに保証基金の料金でございますが、保証料は当初から日歩一銭で出発いたしております。今日も同じでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 当初からと言わないで、何年に幾らであってそれが何年まで続いて……、

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 昭和二十七年以来日歩一銭でございます。なお九十日を越えますときは三厘五毛に減じております。なお基金の方でございますが、昭和二十七年以来当初は一銭でございましたが、二十八年の六月から五厘に変更いたしております。今日はそのまま五厘でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 三会社とも同じでございますか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 三社とも同じでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 三会社が現在持っている基金、これをちょっと知らせて下さい。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) ただいまお尋ねの保証基金、預かり金の預かり高の現状を申し上げますと、北海道が、これは今決算をいたしまして明らかになっておりますのは昭和三十四年度でございます。このときの様子を申し上げますと、北海道が一億三千十二万二千三百七十七円でございます。東日本保証会社が四億九千三百四十三万四千九百二十九円でございます。西日本保証会社が三億一千八百八十七万二千七百四十三円となっております。

田中一日本社会党

○田中一君 法制定以来、今日までに基金の払い戻しというか、行なったときはいつであって、どのくらいの金額を払い戻したか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 払い戻しをいたしました各社の状況を申し上げますと、北海道から申し上げますと、北海道におきましては昭和三十三年におきまして二千七百三十九万八千九十三円、それから三十四年度におきまして三千三百四万円払い戻しいたしております。それから次に東日本でございますが、東日本保証会社におきましては、昭和三十一年以来払い戻しを行なっておりますが、その額を申し上げますと、三十一年が八百六十六万三千円でございます。三十二年が二千三百七十一万三千円、昭和三十三年におきましては六千六十二万六千円、昭和三十四年におきましては二億五千三百八十七万七千円でございます。次に、西日本について出し上げますと、昭和三十年におきまして百七十六万五千四百円、昭和三十一年におきましては四千二十一万九千円、昭和三十二年におきまして六千二百五十九万三千円、昭和三十三年におきまして四千五百八十二万一千円、昭和三十四年度におきましては八千三百十二万二千円となっております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは基金の払い戻しですね。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) その通りでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 このほかに事故があった場合の保証金というものは支払われておるわけですね、それは資料でお出し願えるわけですね。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 承知いたしました。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで三十四年度に東日本が払い戻した二億五千三百八十七万円というものと、三十四年度決算で基金として保有しておるところの四億九千三百四十三万の比較、並びに関西が三十四年度に払い戻した八千三百十二万というものと、現在保有しておるところの三億一千八百八十七万円といわれるものの比較が妥当でないような感じがするのですが、そこでそれらの扱いについては監督官庁として建設省ば会社の決議によってそれをそのままのんでおるのか、あるいは何らかの指示をして行なっておるのか、それからもしここに比較して妥当性を発見するのは事故がどれくらいあったかということですね、その資料が出ないとちょっと比較にならぬのですがね。事故がどのくらいの件数あって、どれくらいの金額が保証金として払い戻したかということで比較してみて、関東の場合は二億五千三百八十七万円払い戻しするのが、健全な会社の運営に支障がないという見方をしておるのか、その点はどうなんです。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 預かり金といたしまして先ほど申し上げました数字、お示しの東日本につきまして申し上げますと、四億九千三百四十三万四千円現在残つておりますが、先ほど出し上げました数字、念のために出し上げますと、同年度中に払いましたものが、二億五千三百八十七万七千円払いましたわけでありますが、昭和三十四年度の決算について申し上げますと、全体といたしまして、年度の初めにおきましてはこの両方の数字が、合わした大体の数字があったわけでございます。それを二億五千三百八十七万七千円の分を払いました関係で、残りましたものが四億九千という格好に相なりまするので、それで、お話のございました払いました二億五千三百八十七万七千円と申しますのは、過去の基金として積み立てしましたもののうち、三年間、これを保有いたしましてそして、事故のなかったものについてこれをそのまま返すことにいたしております。従いまして、三年間たちましたらば、特に連帯として特別の事情のない限り、むしろ普通事故のないものにつきましては、そのまま払い戻している状況でございます。この程度基金を払い戻ししましても、会社の経理の運用上は全然支障がないものというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 現在の、今のその事故支払いというものが、数字がわかっておらぬから言えないと言っておるのですが、早く数字を出してもらいたいのですよ。  それで、比較して見て、現在保有しているところの三億一千八百八十七万と三十四年度に払い戻しました八千三百十二万とは、東日本と同じように、妥当な率でいっているのかどうかということを伺っているのです。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 手元にありますのでちょっと申し上げますが、東の方の昭和……

田中一日本社会党

○田中一君 妥当であるかどうかを伺っているのです。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 妥当でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、国または公共団体でこの会社の保証を受けて前払いをしてない団体ですねございますか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) まあ府県によりまして、若干まだございますが、たとえば大どころでは東京都がこの前払い保証事業の保証契約を受けておりません。  なお、これは国有鉄道が同様に前払い制度を利用いたしておりません。その他、一々申し上げるとなんですが、若干の府県、市等におきまして保証制度を利用してないというところがございます。

田中一日本社会党

○田中一君 数が多いから説明を省略するなんということはいかぬです。資料を出しなさい、すぐ。そして、該当すべき公共団体その他のもののうち、なぜ、それらのものが前払い保証の適用をしないという考え方の根拠になっておるか。そもそもこの法律を作ったということは、御承知のように、ちょうどこの法律を作らなければならぬという社会の客観情勢が、請負契約を結んだ企業者の税金、それもいわゆる戦後の混乱時代にむちゃくちゃにもうけた金の、税金等をも二年分、三年分をも一緒に徴税されたという格好から金融梗塞を来たした。またインフレを押えようという政府の経済政策、金融政策によって、かかる法律を提案しなければならなくなったという経緯であったはずでありますけれども、少なくともこのような法律ができ、お互いに仕事の安全性というか、契約の完全履行ということを促進して来たという法律を適用をしないという根拠。それからむろんこれはめいめいが法律が強制できるものじゃなくて、自主的にそれの取りきめをすることになっておりますけれども、私としては、一体それらのものに対してはどういう態度をもって臨んで来たか、その点一つ明らかにしておいていただきたいと思います。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 政府といたしましては、この法律の施行以来、公共工事の事業主体に対しまして、この法律の制定の趣旨を徹底すると同時に、この前払い保証事業制度を活用されるように指導いたして参って来ておりますけれども、その結果最近は非常にこの前払いを行なう事業主体がふえてきておりますけれども、先ほど申し上げましたたとえば国有鉄道について申しますと、国有鉄道にも再三お願いをしておりますが、これは請負業者の連帯保証制度をとることによって、工事の完全な履行を確保できるということから、この保証制度を利用しないというふうに申しております。  それから東京都も大体同様な趣旨でございまして、都が前払いをする必要はないという見解に立っているのでございます。前払いをしなくても工事がちゃんと履行される。これも連帯保証制度をとつている関係でそういう主張をいたしております。  それから農林省農地局におきましては、予決令の関係で別の予決例の第二条の規定によりまして前払い金を出しておりますので、いわゆる前払い制度を適用することができない、そういうことになっておりますので、これはちょっと事情が違うわけでございます。  それからその他の公共工事の事業主体で市町村、若干の県等におきましては、私どもが承知いたしておりますところでは、やはりこの事業全体の財政上の都合で前払いがしにくいということからこの制度を利用していない、こういう実情でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 国鉄、東京都等がやっておりますところの連帯保証制度の資料をお出し願いたいと思います。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 承知いたしました。

田中一日本社会党

○田中一君 さつそく出してくれるという資料によって質問が出てくるのですが、すぐ出てもらえますか。こういうものを一体用意しないで出て来るなんておかしいよ。委員会を何だと思っている。  そこで農林省は予決令第二条の規定によってできないというのは、茂林省所管の仕事全部ですか。農地局だけですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) お説の通り農地局関係の事業だけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 農地局を呼んでほしいのです。これを利用していないという財政上の困窮している市町村というものがどの県で一つの事例としてこういう財政なんだという説明をしていただきたいと思うのです。それは一市町村でけっこうですから例示していただきたい。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) さっそく資料を整えましてまたお答え申し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 予決令の第二条というのは、特に農地局だけがこれらの会社を利用できないという理由を、この条文について説明していただきたいと思います。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 第二条の第三号に規定がございまして、「重要資源開発のために必要な物品及び土木建築その他の工事並びにその材料の代価」という規定が載つております。農地局とされては、農地局の関係の仕事につきましては、今申し上げました第三号の規定でも前払いができるのではないか、こういう見解をとつておられますので、それで必ずしも第四号の方を発動しなくてもよろしい、こういうような御見解等もありまして、その点また第四号によって前金払いをするという言葉をなされていないという状況でございます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記を始めて。

田中一日本社会党

○田中一君 その臨時特例でこれを利用しないでも前払いができるという規定ということですが、実際に前払いをやっておるのですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 一部前払いを行なわれておるように承知いたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 一万のうち一つやっても一部になるのです。千のうち十やっても一部なんですよ。一部というのはどういうことですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 数字的には今これを持っておりませんが、すぐ調べましてお答えいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 それはまあ今農地局長を呼んでいますからそれで聞きましょう。  国鉄との連帯保証制度の資料はきょう出ますか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) さっそく国有鉄道に連絡いたしまして……、

田中一日本社会党

○田中一君 都の方も。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 都の方も。

田中一日本社会党

○田中一君 きょう十二時までに出ますか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) なるべくそのようにいたしたいと思いますが、あるいは相手がございますので問に合いかねるかとも思いますが。

田中一日本社会党

○田中一君 基金の払い戻しについてもう一ぺん戻りますけれども、健全性ということから見ると、やはり基金はどこまでも保証料を支払っている人たちの財産のはずなんです。かりに会社がそれを預かっているに過ぎないものであって、もしも事故が、現在保有しているところの基金以上に上った場合には、どういう措置をとるように法文にはなっておりますか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 基金に関する規定は今お話の前払金保証事業に関する法律の第十七条に規定がございます。規定の上では今お話のような場合の詳細の規定は書いておりませんわけでございます。ただ、ただいまお話がございましたように、ものはやはりこの保証契約を締結いたしました請負者のものでございまして、一種の担保的な性質を持っているわけでございますから、万が一事故が起こりました場合には、その保証基金が押えられ得るという可能性があるだけでございます。それ以外は全くいわゆる預かり金という性格を持っているのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 法第十四条で一応保試料の払い戻しができることになっておりますけれども、この程度の金、今のこの法律ができた時分の一億、二億という金は大きなものであるけれども、今は一億や二億の基金で運営をすることすら非常に危険ではないかと思うのです。まあいわゆる建設ブームで非常に各請負人ともに波に乗っておりますけれども、だからといって事故がないわけでもないわけです。だから、たとえば北海道保証会社のように一億三千万程度の金を持っていて、払い戻しを三千万もするということは、これは指導としてはいいという考えに立っておるか。私はこれは非常に疑問だと思うのですが、もう少し保有金を、責任準備金と申しますか、それらを持つような指導をしたらどうであろうかと思うのですが、その点どう考えておりますか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 現在の経理状況三会社とも共通しておりますところは、お話の北海道もその意味で同じでございますが、会社の経理状況から見ますと、過去の実績等から判断いたしますと、保証基金まで手をつけると申しますか、保証基金にまで依存する、従来の実績から見ますと、全然必要がない状況でございます。と申しますのは、保証基金のほかに、本来の事故が起こりました場合に充てますところの準備金、あるいは過去の利益剰余金等から積み立てをいたしましたものとか、あるいは異常基金準備金等全部これを合わせますと相当の——これはいずれ資料で御説明申し上げますが、余裕がございますので、現在の運用からいたしますと、保証基金というものはほとんど手をつける必要がないような状況、過去の実績上そうなっております。しかしながら、将来なおお話のようにいろいろのことを考えまして、保証基金が三年間だけは預かっております状況でございますが、過去の実績からいたしますと、保証基金というのはそういうような性質上ほとんど安心して返還し得る、こういう状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 利用している業者の、何といいますか、分野は、この法を制定するときには、政府は口をきわめて、中小業者のためにこの法を成立さすんだというような意思が見えておったけれども、むろん経営体といいますか、この事業の健全性を保つためには、中小業者を忌避するような形の運営が多いわけです。ですから三会社とも、どういう程度——たとえばあなたの方でわかるでしょう、大体今でも指名をする場合には、六段階かに区分けして、大工事からずっと比べてみますから、利用の程度はどの階層が一番多いか、それを資料で出していただきたいと思うのです。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 承知いたしました。資料でお出しいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 法律で示してあるように、拒否はできるわけです。それから場合によると保証人まで拒否するようなことが往々にあるわけなんですね、従来ともに。それはそういう指導をしておるんですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 監督官庁といたしましては、特別にそのような指導はいたしておりません。後ほど資料でお示し申し上げますが、過去におきまして拒否いたしました例も、そう多くはないようでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 高田君はそういう答弁をするけれども、冒険ですよ。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 資料でお示し申し上げることにいたしておりますが……。

田中一日本社会党

○田中一君 拒否したことなどは表へ出てこないのです。初めからもう書類も何も受理できないで頭から拒否している。だれもかれも、書類を出してしまってからこれはいかぬというような却下はしておらないのです。会社へ行って、口頭で何々組に保証してもらいたいがどうであろうかと聞いて、これはだめだといわれれば書類も出さないのですよ。そういう例は少ないなんということを言っちやいかぬです。実態をほんとうにお調べになっているんですか。書類を出して、それが拒否されたということよりも、口頭でそれは困る、あれは困るというのが失態なんですよ。そういうものは少ないなんということを高田さん言うけれども、ほんとうに少ないんですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 保証人につきましては、特に私どもの調査もまだ十分いたしておりません。いわゆる保証人の関係は、特別には法律の関係といたしまして出て参りませんものですから、先ほど申し上げましたのは、保証人でない関係の数字でございます。請負者自身が、せっかく注文をとったが、そのために拒否されたということは割合に少ないということを申し上げたのであります。数字はあとで資料で提出いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 工事完成保証人と、それから会社に対する前払保証の保証人との性格の相違を一つ説明して下さい。そうして、工事完成保証人というものは、この法律を適用する事業団体のどことどこが、工事完成保証人を持って、どことどこが持ってない、そういうものを要求してない、あるいはその要求する法的な根拠はどこにあるかという点を一つ説明して下さい。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 第一にお尋ねの点は、前払保証というものと連帯保証との相違ということのお尋ねかと存じますが、連帯保証をいたしております実情は、請負者が注文をとりました際に、請負契約書を調印いたしますわけでございますが、その請負の調印の際に連帯保証という趣旨で、大ていの場合多くはそのままで調印をいたしておるわけです。同じ契約書に判を押しております。前払金の方の保証と申しますのは、注文主から前払金を先にもらいますわけでございます。先にもらいましたものでございますから、契約を解除しましたときには、これは返さなければならぬ義務を負うておるわけでございます。注文者から借ります際の条件といたしまして、つまり請負者があとで返さなければならぬことになっておりますわけでございます。この返さなければならないという義務を保証いたしておりますのが、前払い保証でございます。そういう相違がございます。従いまして、こういう普通の完成保証人は、工事そのものを完成いたしますことがその内容になっておりますが、前払保証の方は、前払金を返さなければならないというときに、前払金そのものだけを保証する、こういうことになっておるわけでございます。  第二の場合におきましては、工事完成保証人の要求をいたしたり、あるいはいたさなかったという、そういう団体でございますが、これも相当な数になるのでございますが、口頭で申し上げますと、工事完成保証人を要らないと申しておりますところから申し上げますと、農林省の農地事務・局、それから運輸省、それから地方公共団体におきましては、若手県、宮城県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県等でございます。そのほかこれを必要といたしております役所は、法務省、大蔵省、文部省、農林省の林野庁、それから防衛庁、最高裁判所、衆議院等がございます。建設省におきましても、一部やはり保証人を要求しているところがございます。工事の性質によりましてやっております。それから郵政省並びに開発庁あるいは専売公社、電信電話公社等は、仕事の性質によりまして保証人を要求いたしております。公団関係におきましては日本住宅公団、道路公団、愛知用水公団、森林開発公団等も保証人をつけておる状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 完成保証人が要らないという理由は……。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 理由は、詳細のことは私のところではまだ調べがついておりませんが、いろいろな事情、必ずしも一つというようなわけではないようでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律を利用していない役所、団体で、工事完成保証人のないところはありますか。あるいは今の農地運輸、岩手その他の府県は、前払保証の制度を利用しておるから工事完成保証人はつけないのだという理由なのか、またものによっては、ものによってというのは建設省並びに開発とか専売等が、一部の契約に対しては完成保証をつけないという理由も、同じく前払保証の保証人がおって、実害がないからつけないというのか、その点はどうなっているのか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 前払保証と保証人、工事完成保証人との関係が今、お話の点でございますが、直接の関係はないようでございます。と申しますのは、前払保証をやりましても、やはり先ほど申し上げましたように、前払い部分だけの保証の関係上、やはり工事そのものを保証して完全に遂行したいという発注者の希望は、必ずしも前払金だけでは達成されない関係になっております関係で、従って前払いがありましても、やはりある程度完成保証人を要求せざるを得ないという事情が発注者の側にはある場合があるようでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それはある場合があるのであって、あるいは要らないというかわかりませんよ。けつ割ったやつは、解約して金だけもらってまた新しくやるということも考えられるのですよ。だから高田君、きみの主観は要らないですよ、実態の報告をしてくれればいいのだ、主観が入るからこっちも間違ってしまう。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 工事完成保証人があります場合には、今お話がございましたような引き続きそのまま、かりに請負業者が仕事を投げましても、そのまますぐに継続して工事をやり得るという利益がございますので、そういうことから、おそらくこれも主観的では必ずしもございませんが、発注者としましては、そういう合往々にあえて保証人を要求する、こういうように承知いたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 工事完成保証人と前払いを受ける人の保証人とは、同一の場合はこれはあり得ますね。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 現行制度からまずちょっと申し上げますと、前払保証契約は請負業者と会社が契約をいたしまして、つまり発注者のためにする保証契約ということになっております。そこで工事完成保証人が立てられておる場合に、現行法上は工事完成保証人は、前払保証契約とは何ら関係がないという状態になっております。そこで発注者は、請負業者が仕事を投げ出した場合に、発注者の方は契約を解除することによって前払金を取得する、保証金をもらう、こういうことになるのであります。金銭的には発注者は損はいたしませんけれども、そういたしますると、従来の完成保証人をつけておったその保証人との縁が切れてしまうその関係で、工期が遅延しましたり、あるいは新しく業者の選定をするという事務的な手続きも要りますし、特に国が工事する場合には、一般の歳入に前払いの保証金が入ってしまいますから、支出の面でも経理の適正を期しがたい、こういうような事情がございまして、今回の制度は、前払保証会社と工事完成保証人の関係を法的に結びつけまして、解除のかわりに従来通り保証人に仕事をさせてもらう、そのかわり保証事業会社から金を払わせよう、こういうことになるのであります。

田中一日本社会党

○田中一君 その通りです。そこで工事完成保証人が、前払保証金を受けるための、請負人の、契約相手力の保証人を兼ねていることの方が多いのか、あるいは全然別個の者がやることの方が多いのか、どっちですか、あるいは場合によれば、工事完成保証人というものは、すなわち前払保証をつける保証会社に対する保証ですね、保証会社は保証人を要求していますかね。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) ただいまのお尋ねの御趣旨でございますが、保証会社が請負業者と保証契約を結ぶ場合に、何らか別の保証人を要求しておるかどうかということが根本だと思います。この要求はいたしておりません。これは法律上はそういう保証人を要求すべき筋のものでないと私は考えておりますので、要求させないようにいたしております。ただ一部若干今まで保証事業会社として、業務運営の完璧を期するために、さらに保証人を立てさしておったことがあるようでございますが、これはやめるように指導いたしたいと、こう考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 現在行なわれているところの実態というものは、第一、まあ指名入札によって落札される業者が、その契約を結ぶときには、むろん工事完成保証人というものを要請されるわけです。その際に必ず事前に保証会社の方を打診するのです。保証会社の方を打診して、役所がいいと言えば、それでいいのだというものではないのですね。ことに工事完成保証人は、少なくとも契約をしようとする相手方より以上の力を持っている、物心ともに力を持っている者を要求されるのです。しかしながら場合によれば、それもそうでなくてもいいという場合も、例外的にはある。その場合には必ず前払保証会社に対して打診するのです。従って事業主体と、事業を行なおうとする団体と、それから業者との契約、これに基づく工事完成保証人を要求する場合に、今のような条件としては、保証会社がこれ、あれということを言っているのが現状なんですよ。その場合が一つですね。  それからもう一つ、今言った工事完成保証人は要らないという、農地、運輸、岩手、宮城、茨城、埼玉、千葉、神奈川等々、これらのものは、工事完成保証人がおらないでも、工事契約さえ締結されれば、前払保証会社の保証も何もとらないで、そのままそれをのむというのが実態ですか。その二つの問題について、一つ伺っておきます。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 工事完成保紙人を、発注者が請負契約の際に立てさせる場合におき存して、前払保証事業会社に打診をするというお話でございますが、保証事業会社といたしましては、請負業者については相当審査をいたします。これはその経営状態なり、あるいは工事施行能力というものを考査いたしますけれども、工事完成保証人たる業者につきましては直接審査をいたしません。ただ発注者が前払保証事業会社から保証金を受けたい、将来受けたいという場合に、一応保証人の信用状態を照会する。発注者としても、保証人が信用のできる業者であることが望ましいのは当然でありますから、そういう意味で、むしろ信用状態の照会ということでやっておると思います。私どもは、従来もそうですが、保証人につきましては、これは発注者の任意でございますから立てようと立てまいと、そのことについて保証事業会社が関与すると申しますか、制肘するようなことはやらないようにむしろ指導いたしておるわけでございます。今後たとえばこの新しい制度ができましても、保証人がそのために非常に厳重に審査されるというようなことはないように、十分戒めて参りたいかように存じております。

田中一日本社会党

○田中一君 要求した資料はどう。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 先ほどお述べになりました資料をただいまお配り申し上げましたが、概略ちょっと御説明さしていただきたいと思います。  一枚は収支計算書の一覧表をそこに差し上げてございます。これは昭和二十七年から三十三年までの七年間の計算でございます。昭和三十四年度につきましては目下決算手続中でございまして、いまだ数字が出ておりませんが、三十三年度までの七年間を累計をいたしまして差し上げてございます。東、西並びに北海道別に書いております。左側の科目からごらんの通り、収入と支出と分けまして差し引き、東でございますと差引欄は五億三千三百二十三万九千円、単位は千円でございます。西日本が三億五千四百十六万二千円、北海道が一億六百四十万円でございます。それから税金を引きましたものが利益となっております。利益の数字はここに掲げてございますように、東が二億八千五百万円、西が二億、北海道が五千九百万でございます。その処分の状況はその下にございますように、積立金あるいは配当金となっております。なお支出の欄をごらんなりますと、過去におきまして事故が発生いたしまして、保証金を弁済いたしました額が過去の統計上出ております。そしてごらんになります際の参考になろうかと思います。なお、この収支計算書の一番最後の欄に準事故、今回の改正によりましておそらく発生いたします場合の支払金の推定でございます。過去の統計もございますので七年間の統計を基にしまして、その場合かりに新しい改正案通りで払うとするならばどうであろうかという数字を書いたわけでございます。過去の事故の件数から推定いたしましたものでございます。そういたしますと、そこにございますように、税金等若干減ります関係で若干の利益の部の支払金の割に、利益の方はあまり減らないという格好に相なっております。  なお、別な表でございますが、これは前払金の保証の件数並びに保証の高を各社別にまた発注者別にそれぞれ分けておりましてございます。とりあえず提出いたしました資料は大体そういう状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 五厘の基金はこの収支計算から除外されておるのですね。それは幾らですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 基金は収支計算の外でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 現在の手持高、報告して下さい。せっかくこういうものを作るなら、基金を計いておけばいい。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 現在の基金の現在高を申し上げますと、北海道が現在一億三千十二万二千円でございます。東日本が四億九千三百四十三万四千円でございます。西日本の保証会社が三億一千八百八十七万三千円。これは昭和三十五年一月三十一日現在でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 まあこの程度に準備金も、準備金というか、保証料による利益もあるんだから、これはもう少し払ってもいいというような見解になるわけですか。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) ただ先ほどお手元に差し上げました収支計算書だけから見ますと、お説の通り保証金を全部払い戻しましても、まだ若干の余裕があるという過去の運用状態でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それからこの配当金は、これはやはり建設省並びに大蔵省に相談があって額をきめておるのですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 配当率につきましては、事実上建設省に承認を受けさせておりまして、ここに八分ないし一割二分とか、八分ないし一割という書き方をしておりますが、最近の配当率は東日本は一割二分、西日本は一割、北海道は一割でございます。創立当初は業績も見通しがつきませんし、内部充実をはからせる必要がありますので、東日本が八分、西日本が八分、北海道が五分ということで、創立当初年度からはしばらく続いておったのですが、最近非常に経営もよくなってきて、業績も上がっておりますので、配当率を若干上げることを認めております。

田中一日本社会党

○田中一君 役員は、ここに事業主義になってはっきりしておりますけれども、給料なんか三つの会社とも自由になってやっておるのですか、それとも建設大臣が何か指示をしておるのですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 役員の、取締役、監査役の数、また実際にどういう人を任命するかということにつきましてもそうでありますが、さらに東京の場合、東日本の場合は取締役会長その他の二会社は社長ということになっておりますが、社長以下の給与につきましても行政指導によりまして建設省が承認をいたす建前で、事前に相談にあずかっております。

田中一日本社会党

○田中一君 東日本の会社の社長の給料は幾らですか。西日本も同じように……。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) ただいまちょっとここに資料がございませんので、すぐ取り寄せまして後ほどお答えいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 保証会社は大体において過当競争によって、予算額よりも低い契約を行なった場合には、拒否することが多いんです。たとえばわれわれは五、六年前から政府にも改正を要求しておる会計法の問題、これはなぜかと申しますと、こうしたやはり制度をだれもかれも十分に利用し得るような機会を持たなければならぬ、という立場からも言っておるのですけれども、いまだに政府はそれを出しません。そこで、一体発注者が持っておりますところの予定価格というものは、発注者から保証会社の方に、これがむろん関札をしたあとでございますよ、これが予定価格であるという通知をするような義務づけがあるんですか。むろんこれはないと思いますね。しかしながら現在三会社とも行なっておるところの実態というものは、予定価格より相当低いもの、いわゆるダンピングした契約に対しては拒否をしているのが実情なんです。保証会社はむろん営利企業です、公共性を多少含んでいる営利企業です。従って予定価格は一億のものを六千万程度で落札した場合には、これを拒否しております。私はさっき高田君に聞いたのはそこまで言わなかったのですが、そういうような事例というものは、この法律の条文からは拒否してよろしいというものには、読み取れないわけです。そうしてそれがダンピングであるかないかという問題も、発注者が予定価格というものを発表しない限り、それはそういうことは言えないわけです。過当競争、ダンピングというようなことを保証会社が口で言っているけれども、それは発注者が正式な機関の決定によって発表しない限り、それが予定価格はどの金額であるということがわかろうはずがないわけですよ。精神的には、危険な受注をした場合、発注者も法律に基ずく限度の金額で契約をした場合には、前段高田君も鬼丸官房長も言っているように、自動的にそれはこの前払保証を受ける対象となるのだという説明をしておりますけれども、実態はそうじゃないんです。その点はどういうような運営をしておるか。これはもうへたなことを言うと、問題が起きますよ。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 請負業者の落札価格が、今の予定価格より非常に安く落ちたという場合、保証事業会社としては、それが予定価格よりはっきりどの程度に安いかということを、確認するような努力はいたしますけれども、確認するにいたしましても、ただいま先生のお説のように、予定価格を開札後通知しなければはっきりしたものはつかめないわけです。私どもといたしましては、発注者に、予定価格を開札後保証証事業会社に知らせるような指導はいたしておりません。従いまして保証事業会社としては予定価格を正式に、また正確につかむということはまずないと考えております。しかしながら保証事業会社にも審査の専門家がおりまして、いろいろ公共工事の契約を見ているうちには大体の見当はつくと、そこでまあ非常なダンピングで落としたというような場合には、これは金額そのものははっきりわかりませんでも、公正妥当な価格ではないという判断をすることが実際上相当あるようでございます。これが保証拒否という事例になって現われておるのでございまして、御承知かと思いますが、会社の事業方法書で、今の抽象的な基準といたしまして、たとえば当該請負工事を完全かつ誠実に施工する見込みが確実にないということとあわせて、当該工事を公正適当な価格で請け負わなかったものということが基準になっておりますので、そこは審査担当者の能力と申しますか、ということによって実際は違ってくると思いますが、まあそういう実情でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 中小企業に特に多いのですが、たとえば三割の前払金をもらえるならば、一割やそこらのダンピングをしても、円滑に仕事が完成されるという業態もあるわけですよ。むろんいろいろな平素の仕事のしっぷりとか保有機械とか人員とか、あるいは金融上の問題等も勘案しながら査定するでありましようけれども、まあ大体主として金融の問題なんです。銀行では金は貸さぬけれども、保証会社から三割の前払いをもらえば、これは一割や一割五分のものは完全にやれるというものもあり得るんです。これはそういうものはしょせん金貸し会社です、金融機関に過ぎないんです。保証事業とは言いながら金融的な要素が多分に多いんです。法の立案当時は、あなた方は立案当時というか提案されたときには、口をきわめて中小企業のための機関でございますと言いながら、現在では昨日も拝見した東宮御所のように、あれがまああのうちの主体工事だけだったと思いますけれども、八千万円程度のものを一万円で落札しても、これは間組は必ず完成いたします。一万円の契約ならば何も間が前払保証会社に持ち込んで三千円の前払金をもらわんでも済むでしょうけれども、そういう点は非常に自主性ある運営にまかしてあるけれども、実際中小企業に対する対策ということならば、各会社ともどの程度のものがダンピング、いわゆる過当競争の果ての落札価格であるということの認定をしているか伺いたいと思うのです。これらの問題はいずれまだ審議する期間もあるので、参考人を招致してそして実態を伺ってみたいと思うのですが、やはり建設省としては、相当そうした意味の運営上の、事業方法書の文字の上の問題じゃなくて、実態についての監査的な仕事はしておるのかどうか。そして住宅公団に対する監理官、道路公団に対する監理官程度の、これらの保証会社に対する主務の専従者を建設省に持っておるのかどうか伺っておきます。

高田賢造建設大臣官房参事官

○政府委員(高田賢造君) 現在保証会社の監督につきましては、毎年定期検査を行なっております。なお先ほどの落札価格が非常に低い場合の保証会社の措置でございますが、これらについては結局具体的な審査の基準が実際どう運用されているか、ということに相なろうかと思いますが、資料といたしまして後ほど差し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 今月の会計法の原則というものは、最低価格というつものに対しての落札であり、契約を結ぶようになっております。ところがこの法律によって幅を持たせた運営をしておって、最低価格の限度というものは、会計法から見る場合にはこれは無限です。ましてや会計法にあるところの公入札という原則からくるならば、これはゼロでは契約の対象にならぬが、ゼロ以上ならばこれは対象になるはずなんです。除外例はないわけです。これは世界共通だと思います。ことにこういう国または公共企業体というものが、何も自分で営利事業を営んでおるのじゃないから、国民の税金でやっている仕事ですから、これはいいと思うのですが、指名競争入札と申しますか、いわゆる公入札外の契約工事によって行なわれるもの、それからこの会計法の精神にのっとって、どうしても請負人がこれでは二割損をいたしますというにかかわらず、発注者が予定価格というものが低いために押しつける傾向があるのです。これはむろん住宅公団なんかその最たるものです。これは予定価格という標準によって、最低か、過当な低い値段かということのきめ手というものが、さっき鬼丸官房長が言っているように、常識とか練達な士とか経験者とかいう言葉を言っておりますけれども、予算そのものが低いという現実から見た場合には、いわゆるこれは危険な工事なんですよ。どこに根拠をおいてその工事が完成し得るかしないかというような判定を下すか、はなはだ疑問に思うんです。政府の予算というものは、いわゆる予定価格というものは通常社会で行なわれておるような価格でないということは、これはもう労働者も建設業者も営繕局の諸君も自分で心得ております。発注者自身が一つの制約によって常識で考えられない予算を計上して、それで芸者に押しつけるという傾向がある工事が多々最近は日立ってきておるんですよ。おおむね民間の仕事が割合にこの二、三年来伸びておるから、不景気のときには役所の仕事をしなければ自分の業態にもひびがゆくから、まあ民間でもうけたものは役所で奉仕しておこうというような、イージー・ゴーイングな悪い習慣ができつつある。どっちみちうんともうけても税金で持っていかれるから、役所に奉仕をしておけば、また不景気のときには仕事がくるだろうという考えを持っておる。ことにあなた方、あなた方というか、発注者側は、これを受けなければこの次指名しないぞと、業者は弱いもんです、あなた方のきめ手はそれなんです。会計法というものが、公入札という原則がもうくずれ去ってしまって、かつて大蔵省の主計官だったかに聞いたこともございますけれども、一つもございませんと言うんです。公入札という制度をもって、会計法のほんとうの精神、会計法のほんとうの、国民の公僕として国民の働いた税金を使おうという人たちが、公入札という前提に立つところの請負契約というものがない、皆無であると言っているんですね。そういう現状から見て、低い予定価格というものを持つた場合、この三つの会社の審査機関というものはどういう判定をするか、その場合におそらく拒否をしないだろうと思うんですよ、低くても。請負人が安い札を入れて取ると、これは拒否する。発注者側が安い単価のものを押しつける場合には、おそらく拒否しないだろうと思う。これも参考人によく聞いてみたいと思う。あなた方はその点の割り切り方を監督官庁としてどういうように見ておるかですね。そうしてまたあなた方が指導する場合に、発注者が私算するところの設計図、内訳、単価等を十分検討して、場合によれば建設省の営繕局の仕事が非常に安い。国鉄の方は単価がいいじゃないですか、三公社五現業から出るものは非常にいい民間から比較したら非常に悪いというくらいな権威ある判断をするようなことにならなければ、やはり中小企業は追い込められるのです。大企業者はそんな安い単価のものはそっぽを向きます、そっぽを向いているのが現状なんです。最近も一億円程度の仕事はどうだろうと言うと、とてもそんな程度のものじゃといって逃げている。これは一番保証会社があれならば、少し低くても保証しようという信用ある業者の場合です。おおむね役所がいためつけて抑えつけてこれでもってやれと言って、契約を強制されるのは中小業者なんです。これはもう三十五年度の予算の面から見ても、労働者の賃金に対しては平均二十八円程度のものが値上げになっておる、労働者の賃金が。ところが建設省の予算というものは、建築関係の労働者の賃金というものは何ら値上げになっておらない。特別失対で行なう仕事は二十八円の賃金増、ところが建設省が行なうところの事業の労働者の賃金というものは前年通り、そういうような全く矛盾したところの行政範囲の権限、会計法という法律の中から、もはや機会均等、公入札という制度を全然持しておらぬという現状から見ても、当然ここで前払保証制度というものを生かすためにも、もう一切の問題を検討しなければならぬ時期にきているのじゃないかと思います。そして前払保証会社が安い単価のものは拒否するという事実がたくさんあるのですよ。その点はどうお考えになりますか。これは官房長に聞くよりも大臣に聞くのが妥当かしらぬけれども、聞いておきます。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) いろいろ御懇懇切な御教示を賜わりまして、お話のうちにはまことにごもっともな点もございます。まあ全体として公共工事の予算単価が十分でないというお説でございますが、私どもといたしましても、たとえば住宅公団の予算の場合につきましても単価の問題、公営住宅等も同様でございますが、毎年これは大蔵省とも折衝いたしまして単価の改定について努力いたしておりまするが、予算の上では必ずしも十分その努力が実らないという場合もございます。しかしながら予算上の単価の問題と、さらに実施上の単価は、これは別になるようにいろいろ苦労いたしておりまして、そこでお話のように全面的に予定価格が業者泣かせのようなものしなっておるというお話には、ちょっと私うなずけない点があるのでございますけれども、確かに民間の建築費に比べますと安うございますが、その意味であるいはもうけは少ないということは言えると思いますけれども、そう業者の方に出血させて請負わせている、無理に請負わしているというふうな実情は私承知しておらぬのでございまして、十分なもうけが保証されている予定価格ではないかもしれませんが、実際問題は公団にしろ公共団体にしろ非常にやりくりいたしまして、特に公共団体等の場合は用地費等においてみずからの負担で相当まかなっておるというようなことにいたしまして、工事の方はそう無理な価格で請負わせておるということはあまり聞いておらぬのでございます。  そこで次の第二の問題として、まあかりに予定価格が不当に安くきめられておる場合に保証会社はどういう態度に出るだろうかと、これはまあかりの話になりますけれども、保証会社といたしましては先ほど申し上げましたように、予定価格を正確には把握いたしておらないのが当然でございますから、まあ業者の落札状況を見まして、またその業者の経営能力、信用状態等を審査いたしまして、普通予定価格に近い線で落札した場合には、当然保証会社はこれを拒否するようなことはいたさないというふうに私も考えております。これはまあ非常にむずかしい問題でございますが、その結果、中小業者が特に不利な扱いを受けるようなことになっておるのではないか、という御懸念でございますが、御参考にちょっと、今までの利用状況から中小業者がどの程度実際に保証契約をいたしておるか、件数で申し上げますと、まあ三社全部の総数を申し上げますが、これは三十四年度一年間で三社全部保証契約を結んだ件数が二万三千六百十六ございます。そのうち、中小業者というものを資本金一千万円末満の法人、または個人というふうに一応限定して考えてみますと、個人が五千二百四十二件でございます。それから資本金二百万円未満の法人が五千九十二件、資本金五百万円未満の法人は五千三百九十六件、資本金一千万円未満の法人が二千三百六十七件ということになりまして、これを全部合わせますと一万八千九十八件になりまして、今日体の約八〇%近くのものが件数におきまして中小業者が利用いたしておると、こういうふうに判断されるのでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 金額を言って下さい。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま申し上げました件数に伴う金額につきましては、全体の額はちょっと資料として今まとまっておりませんので、ただその内訳のうちたとえば百万円以下のやつがどのくらいあるかとか、二百万円以下の契約がどのくらいあるかと、こういうようなのはございますが、これもこの程度でようございましたら、あとで資料として差し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも君は自分の方に有利な答弁の資料だけを準備してくる、おかしいじゃないか、こんなものは資料といわないよ。何も君が保証会社の人間でないし、また請負人じゃないのだから率直に出せばいい。おかしいじゃないですか、件数だけ並べて二万三千件のうち、一万八千件ぐらいあれば半分以上だからいいじゃないかというけれども、金額の面ですよ。金額の面。これはやっぱり調べて出して下さい。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) そこで金額につきましては、全体の全額の集計はちょっと会社の方でもすぐには出ないようでございますから、ただ金の点であとで資料として差し上げたいと思いますことは、さっき申し上げました件数のうち、保証金の額の規模別の内訳はございます。百万円、二百万円、五百万円、一千万円という保証金額の規模別の内訳、これを差し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 まあ時間がありますから、お休みが続くだろうけれども、時間があるから全部のそうした保証の現況というものを報告して下さいよ。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) それでは数字的にできるだけ精細な資料を整えまして提出さしていただきます。

田中一日本社会党

○田中一君 もう三十四年度の決算は済んでいるのでしょうから……大体決算期でしよう、わかるはずですよ、わからぬはずはないよ。そこで今自分の都合のいいような資料だけの数字を並べて答弁をしておるけれども、やはり予定価格、予定価格と、予定価格にこだわっておるのですね。予定価格というものは安いとか高いとか言っているんじゃない、予定価格は。だから、高くても予定価格だ、低くても予定価格だ。私は低い分の予定価格を言っているんです。低い分の予定価格の場合にはどうするかということです。それは官房長がさっきも言っているように、練達な経験者が審査して推定する、主観的なものから出る判断なんですよ。それが予定価格そのものに対してどういう考えを持っておるかということを伺っているんですね。そいつはあなた方知りやせんじゃないか。一方においては会計法で押さえながらですね、そこに保証契約を結ぶ場合には、一つの逃げ道を持ちながら運営しているのが実態なんです。あなたは、その仕事ができないでけつを割ったということはあまり聞かないと言っておるけれども、けつを割る割らないの問題は、頭金、契約金の問題ばかりじゃないですよ、それは。でき上がった工事そのものの実態というものかどうであるかということなんですよ。安かろう悪かろうというのは、これはもう経済の原則ですよ、これは。安い単価で契約したけれども、損がないじゃないか、損というものは出てこないじゃないかということは、練達な経験者が判断する場合は、仕事にしわ寄せになって、どこかに、われわれの、監督官なり何なりの目に見えないところにですよ、不十分な仕事が、施工が行なわれたのじゃなかろうかということの疑問を持つのが、これは常識ですよ。だから、低い予定価格のものでも仕事がりっぱにできますという言葉は、それは金の面の損失があるとかないとかということの結論であって、その結論を見出すまでの過程において、十分なものを作る契約を結んでいながら、でき上がったものが八分目のものならば、これは二割の欠損なんですよ、事実において。その欠損は、契約の相手力じゃなくて、契約した片方の発注者側が負うということなんです。もうこれは、住宅公団の仕事とか、公営住宅とかというものは、こんな味もそっけもない、まるで壁作りの、形だけの——何ら、建築技術屋にしても、施工者にしても、そんなに違いのあるものじゃないんですよ。また苦労するものでもないのです。さっき言っているように、今は建築ブームで、皆民間の仕事その他で税金を払うよりも、まあ奉仕だと思っているというような気持でいるけれども、苦しくなった場合には——これはもう今までにもたくさん数々の例を知っております。最近はまあ公団住宅でもあまり事故はないけれども、たくさん事故がありましたよ。私はそういう点で発注者側の方の価格の安いことによってそれは認める、しかしながら、ある程度の競争をして契約したものに対しては認めないなんという軍用は、これはよくないと思うのですよ。そうすると、今度は契約行為そのものに対する保証というものでなくして、人間、あるいは法人の信用というものに対する契約、このウエートが十分占められるということにならざるを得ないのですよ。これはやはり法の実際の運用の面から見れば、これは僕はそういうことがあっちゃならんと思うのですがね。これはもう官房長に聞いてもしようがないから、参考人に聞きますがね。  私は最近は、もうこんな——今何べんも言うように、建築ブームだとか何とか言って、景気がいいからいいけれども、その反面、地方のもう中小業者はあえいでおるのですよ。しいて申しますならば災害待ちの心境です。もう一ぺん去年のような伊勢湾台風がおれの近くにこないだろうか、そうすればおれたちの仕事は少しふえるのだというような気持がなきにしもあらずなんですよ。私の郷里の青森なんてものは、災害がないものだから土建業者は皆疲弊しちゃっている。災害があればいい。(笑声)従ってそうした弱小のものに対しては、これらの保証の手が伸びておらないのですよ。件数が一万八千あるからといって、それは救われたということにはならないのです。これにもっと多いくらいな拒否されたものがあるのです。それを一ぺん調べて下さい、十分ね。  まあ私はこの程度できようは時間が時間だからやめますが、今度の日に—今委員長にもお願いして、参考人を呼んでいただいて、今度の——まあ私個人としてはこうすべきだと思いますが、なお関係する業者の方々、発注者の方々の御意見も聞いて判断したいと思いますので、きょうはこの程度にしておきます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) それでは本日はこれをもって散会いたします。次回は五月十日の午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十六分散会

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