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34回国会参議院1960/03/03

建設委員会 第9号

発言数
148
登壇者
13
会派数
4
開催日
1960/03/03

会議録

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  初めに、参考人の出席要求についてお諮りいたします。  先刻の委員長及び理事打合会におきまして、下筌、松原町ダム建設工事紛糾問題に関しまして、当時者並びに関係者を参考人として招致の上、調査するを適当とするとの申し合せをみたのでありますが、本件の調査について、熊本県知事寺本広作君、福岡県知事鵜崎多一君、大分県知事木下郁君、九州地方建設局長上ノ土実君、地元代表として室原知幸君同じく穴井隆雄君、同じく中津江町村長、以上七名の方を参考人として三月八日午前十博松原関係、午後一時下筌関係として、当委員会に出席要求することにいたしたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。   —————————————

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) それから当面の委員会の日程につきましては、お手元に配付いたしました通りでございますので御承知を願います。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) それでは次に、住宅地区改良法案、公営住宅法の一部を改正する法律案、以上二案いずれも予備審査を一括して議題といたします。  まず提案理由の説明を求めます。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○国務大臣(村上勇君) ただいま議題となりました住宅地区改良法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  御承知の通り、不良住宅地区改良法が、昭和二年に制定され、以来、昭和十七年までこの法律に基づいて改良事業が施行されていたのでありますが、昭和二十七年度以降は、公営住宅法に基づく第二種公営住宅を建設することにより不良住宅の建てかえをはかって参ったのであります。  現在、密集して存在する不良住宅の戸数は、全国で二十万戸をこえるものと推定されますが、不良住宅が密集する地区は、保安上、衛生上その他危険かつ有害な状況にあるのであります。  政府といたしましては、かかる状況にかんがみ、昭和三十五年度から不良住宅地区改良事業を本格的に実施することとし、所要の経費を明年度予算に計上するとともに、現行法を廃止して、新たに、住宅地区改良法を制定することといたした次第であります。  すなわち、現行法は、事業施行方法等につきまして法的に整備されていない点が少なくなく、最近の実情に適合していない状況にありますので、この際、新たな構想のもとに住宅地区の改良事業を実施し、地区の環境の整備改善をはかるとともに、住宅の集団的建設を促進することといたしたのであります。  以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次にその内容の要旨について御説明申し上げます。  第一に、住宅地区改良事業は、不良住宅が密集し、保安、衛生等に関して危険または有害な状況にある相当規模の一団地で建設大臣が指定するものにつき、原則として市町村がこれを施行することとした点であります。  第二に、施行者は、事業計画を定めて建設大臣の認可を受けなければならないものとし、事業計画においては、住宅地区改良事業の実施計画のほか、改良地区を健全な住宅地区に形成するため、改良地区内の土地の利用に関する基本計画を定め、この基本計画に住宅、公共施設、地区施設等の用に供する土地の配置、規模等を定めることとし、事業計画の策定にあたっては、関係のある公共施設の管理者や住宅経営を行なう地方公共団体等とあらかじめ協議することとした点であります。  第三に、施行者は、改良地区内にある不良住宅をすべて除却した後、健康で文化的な生活を営むに足りる、耐火性能を有する構造の改良住宅を建設することとし、改良地区の居住者で改良住宅への入居を希望し、かつ、住宅に困窮すると認められるものを改良作毛に入居させなければならないこととした点であります。  第四に、国は改良住宅の建設については、その費用の三分の二以内を、不良住宅の除却に要する費用については、その二分の一以内を補助することとし、改良住宅の入居者が低廉な家賃で居住することができることとした点であります。  以上のほか、住宅地区改良事業の施行のため必要がある場合の土地等の収用または使用、建築行為等の制限、一時収容施設の設置等について所要の規定を設け、住宅地区改良事業の円滑な施行を確保することといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。   —————————————  ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  公営住宅法第八条の規定によれば、国は、地震、暴風雨等の異常な天然現象により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸するため事業主体が第二種公営住宅の建設をするときは、災害により滅失した住宅の戸数の三割に相当する戸数の範囲内で、その建設に要する費用の三分の三を補助しなければならないことになっておりますが、この場合の国の補助は、災害により滅失した住宅の戸数が被災地全域で五百戸以上または一市町村の区域内の住宅戸数の一割以上であるときに限られております。  しかしながら、この基準によるときは、滅失した住宅の戸数が被災地全域で五百戸以上に達する場合は別として、たとえば集中豪雨が発生し、その被害が一市町村の区域内の住宅戸数の一割には満たないけれども、その滅失戸数が相当の戸数に達する場合が予想されるのであります。一方、災害のうちでも、火災の場合には、滅失した住宅の戸数が被災地全域で二百戸以上あるときは、国の補助の対象としているのでありまして、これとの均衡をも考慮し、地震、暴風雨等の異常な天然現象により滅失した住宅の戸数が一市町村の区域内で三百戸以上である場合を新たに災害の基準に加え、この基準に該当するときは国の補助の対象とすることとした次第であります。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 両案についての質疑は次回に譲ります。   ━━━━━━━━━━━━━

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 次に海岸法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。

田中一日本社会党

○田中一君 第一に伺いたいのは、海岸堤防の築造基準が一応海岸法には示されておりますが、海岸法施行令の第三条できめておりますところのたとえば鉱山保安法とか、その他関係の法律案がここに出ておりますけれども、築造基準はどの行政官庁も、中央の行政部門と地方の管理者であるところの都知事等が行なう工事は、この築造基準に全部合致したものが今日まで施行されておるかどうか、それを伺いたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 築造基準を海岸法に基づきまして各省間で制定いたしたわけでございますが、現在行なわれておりまする海岸の工事につきましては、その基準によって行なわれております。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば高さのようなものにしても、現に、昨年の伊勢湾台風においては、農林漁港としての海岸、それから港湾としての海岸部分、それから一般の河川の河口等の堤防とは違っておるという現実があって、それが大きな災害を呼んだという、まあ、しいていえば破堤の理由になったというような話も聞いておりますけれども、それらのものは全部海岸法が成立以前のものであって、その後はそういうことはないというように理解してよろしゅうございますか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 最近の被害を受けておりまするのは、現在まだ工事をやってない部分が多いわけでございまして、中にはやりつつある所も災害を受けておりますが、基準によりまして築造された部分につきましてはほとんど被害はございません次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 たとえば建設省関係のものはかさ上げしてある、運輸省関係のものはかさ上げしてない、しかし将来かさ上げするんだという前提のもとで構造基準に合っているんだという説明なのか。河川の部分の堤防はかさ上げしてあって、それに接続する港湾部分のものはかさ上げしておらなかったというようなこと、あるいは背面にコンクリート被覆というものがなかったというのが予算上の問題であって、構造上の問題ではないと、こういうふうに見ておるわけですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 一連のずっと長い堤防、たとえば江東地区等は、海岸堤防と河川の堤防とがいずれも同じ基準と申しますか、所によりまして強さを変え——波等の関係で強さを変えて参りますけれども、それができ上がりますれば一応の強さになるわけでございますが、まだ工事中でそこの所ができなかったというような所がやられておる例が非常に多いわけでございまして、これができ上がりまするならば、築造基準までの対象の高潮等につきましては安全になるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 しかし、伊勢湾台風の場合に、現実に段差があったような堤防が決壊の、原因になったというように聞いておるのですが、その点はありませんですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) これは、前の海岸堤防はできておったけれども、中の入江等の取りつけの川の部分がやってなかったということでございまして、これは先ほど申し上げました、やるべき所をまだ手が伸びなかったという部分でございまして、そういう点からの事件を起こしたのはございますけれども、やってしまえばそういう所の被害はなかったわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 一応安全性が保たれる、いわゆる構造上安全性があるという堤防を計画されながら、予算の関係でそれができなかったということになると、これは問題が別になるけれども、しかし国民が受ける被害というものは同じなんです、かえって悪いくらいなんです。決壊を呼ぶというような現象にならざるを得ないと思うんですよ。これは今回の事例にかんがみて、今後については港湾、建設、あるいは農林省の方面とどういうような話し合いをしているか。そして、三十五年度の予算の中にはそれらのものは完全に、同じような期同に同じような構造の堤防ができ上がるような措置がしてあるかどうか。これはむろん建設省の分ばかりじゃございません。農林漁港関係、港湾関係の方も完成が約束されるような予算が組んであるかどうか、御存じなら伺っておきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 海岸の問題につきましては、お説のように各省にまたがっておりますので、これらの築造にあたりましての基準が違うともちろんいけないという点が一つございます。それから施行の速度におきまして違いますと、せっかく一つの省のものができましても、ほかの省の所から入ってしまうという二つの問題があるわけでございまして、第一の計画を統一してやろうという問題につきましては、一昨年築造基準を作りましてそれによってやっておるわけでございますし、また伊勢湾等の特別の問題につきましては、伊勢湾等高潮対策協議会というものを作りまして、昨年の十一月発足いたしまして二月に結論に到達しております。従いまして計画の面におきましては、今後東京湾、大阪湾等の問題につきましても、そういうふうにして計画を定めて参りたいというふうに考えております。従いまして計画面におきましてはそうすることができると私は考えております。それから、施行速度が一致しないとだめなわけでございます。それらの点につきましても、港湾の受け持つ工事費がどれだけか、それから河川局の受け持つ工事費がどれだけかということについて、目安を置きまして並行して持っていくようにいたしたい。たとえば東京湾におきましても前面の海岸堤防は運輸省がやっております。それから中の隅田川等の高潮対策工事は建設省がやっております。従いましてこれはいずれも都でやるわけでございますが、建設省が予算をつける場合と、運輸省が予算をつける場合におきまして並行して進むように打ち合わせてやっております。

田中一日本社会党

○田中一君 打ち合わせすることは当然でしょうけれども、実際に三十五年度の予算に、その辺が具体的に予算的に表われておりますか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) そういうことにいたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 次に、なぜ直轄工事として国が施行しなければならないかという具体的な例ですね、お示し願いたい。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 今回の法律の改正は、国で直轄で災害復旧ができるような改正をお願いしておるわけでございまして、その点につきましては、昨年の伊勢湾の台風によりまして、伊勢湾等の沿岸に大被害を受けたわけでございますが、これをどういうふうに復旧するかということが当時の大きな問題になったわけでございます。県等におきましては、これを初めのうちはぜひ直轄でやってくれ、こういう声もありました。しかしそれが法律的にできないものでございますので、途中では県が全部やるということに相なりまして、またその後ぜひ委託で頼みたいという話も途中で出ました。しかしスタートしたものは、やはり委託ということを初めからやるのはおかしいからというので、県がやったわけでございますが、その場合におきましては建設省が全般的にこれを応援いたしまして、機械を集めるにいたしましても、人間を応援するにいたしましても、応援態勢を整えて復旧工事にあたったわけでございますが、もしあの場合に国が直轄でできるという規定がございましたならば、重要な部分につきましては、しかも工事の大きな部分につきましては、国が直ちに乗り出しまして直轄で災害復旧をやる。それから県は、それじゃこういうふうな部分をやれということで、十分、分界を定めまして、国でやる分につきましては全国的に機械を集め、人を集め、また業者等も選択をいたしまして事業の遂行ができるわけでございまして、その点ができますれば以前よりもずっとスムースに運べるではないかということでございます。最近の大きな海岸の災害につきましては、国が直接乗り出してやった方がいい大きな事件が起きますので、こういう処置をとりたい。しかも来年度からは伊勢湾の重要な部分につきましては、災害復旧並びに災害関連事業を、あわせて国が直轄でやるということに県の要望もございまして、そういう処置をいたしたいというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 二十八年度災のときには、伊勢湾の堤防を主として委託工事として国がそれを施行したのでありますけれども、今回の法律改正のねらい方といいますか、これは建設の予算内におきましても一項目別になりまして、伊勢湾台風に対する復旧ということになっております。これだけを対象として法律改正というものを提案されたものですか、あるいは今後ともそういうものがあるならやってもらおうということなのか。  もう一つはその場合にむろん国土保全の義務に関するものは建設大臣が主管しなければならない問題でありますけれども、それらの工事をだれの発議によって国がそれを行なおうとするのか。たとえば管理者であるところの都道府県知事がこれを国にやってくれと言った場合には、これに書いてあるように、法文はこれは簡単でございますから、要綱にあるように、高度の技術、高度の機械力、規模が著しく大きい等々の条件が、どちらから発動されてそういうことになるのか伺っておきたい。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) まず最初のこの法律の対象は、とりあえずは伊勢湾の復旧の直轄工事だけであるというお話でございますが、それはおもなる目的はそれでございますが、御承知のように三十五年度からはそれ以外の地区につきまして、三カ所まず直轄で海岸工事をお願いしょうということになっております。それの具体的な内容は、富山県の下新川の海山が、鳥取県の皆生の海岸、この二つはいずれも侵食がひどい所でございます。それから有明海の佐賀県、福岡県にまたがる海岸を直轄で改良工事をお願いしておるわけでございます。これらの改良を行なう地区につきまして災害が発生いたした場合には、国がこれを行なうということになるわけでございます。  それから、では直轄にするかどうかということをだれがきめるかということは、県等におきましても要望が強いわけでございますが、最終の決定は建設大臣がいたすわけでございまして、その基準といたしましては、大体工事費の点におきましては、一連のずっとつながった区間の工事費が五億程度以上になるものというふうな内規をいたしております。それから機械力等におきましては、やはり相当の、全国的にポンプ船を集めてこなければならないとか、常時備わっておるだけでは間に合わないというようなものを考えております。それから一つの海岸の二府県以上にまたがっおるような区域で、しかも相当大きな被害を及ぼすおそれのあるものというふうな観点から、今後採用して参りたいというふうに考えております。  来年度お願いいたしておりまする新規の三カ所は、海岸の侵食対策というのは非常に技術的にむずかしい、しかも金も相当よけいにかかるということでございますし、また有明海の沿岸の海岸堤防はやはり二府県にまたがることでありますし、工事費も相当大きくなるという観点から、来年辰三カ所を新規にお願いをいたしておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 補助率、負担率というものは同率ですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 災害につきましては国庫負担法によりまして処置いたしますので、これは普通の県でやった場合にも直轄でやった場合にも同率でございます。国の負担の割合は改良工事等におきましては、二分の一ずつ地方公共団体と国が持つということに相なります。

田中一日本社会党

○田中一君 従って直轄にする場合、でも補助工事の場合でも二分の一ずつだと、こういうわけですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 改良工事につきましてはそうございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで建設大臣はよろしいのです。しかし農林大臣、運輸大臣が建設大臣と同じような思想を持ってやはり直轄工事を行なうのですか、それともあるいはそれは府県にまかせるというのですか。もう一つ、あるいは運輸大臣、農林大臣が建設大臣にそれを委託して、直轄工事をするという場合があるのかどうか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 直轄に採択する場合におきましては、農林大臣も運輸大臣も同様でございまして、これはすでに運輸省におきましても、直轄工事を来年からお願いいたしているのがあると聞いております。従いましてこの海岸法は共管でございますので、各省とも歩調を合わせているわけでございます。  それから委託の問題等におきましては、これは場所々々によりまして違うわけでございまして、その附近に非常に建設省がたとえば施行能力を持っているというような場合でありますならば、委託というような問題も起こってくると思いますけれども、これは各省間の話し合いでございますので、別に法律には上いてはございませんけれども、そういう場合もあるいは起こるかとも想定されております。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 今直轄工事をやる場合に、改良工事に対しては災害復旧国庫負担法によって云々ということを説明したけれども、この第二十六条の「第六条第一項の規定により主務大臣が施行する海岸保全施設の新設又は改良に要する費用は、国及び当該海岸管理者の属する地方公共団体がそれぞれその二分の一を負担するものとする。」、災害復旧のやつも二分の一、こう読めるのですが、どうです。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点私どもも法律の専門家でございませんので、非常に不思議に思ったのでございますが、災害復旧工事の国庫負担法の第五条に、災害復旧の直轄工事の場合の負担率が定めてございます。これを読んでみますと、「第三条各号に掲げる施設について国が施行する災害復旧事業費で、地方公共団体がその費用の一部を負担するものについての当該地方公共団体の負担の割合は、」と書いてあって、その負担の割合は県の災害復旧と同じ割合だということでございまして、他の法律にも、災害復旧工事について地方公共団体がその費用の一部を負担するものについてと書いてございますが、直轄の災害復旧について地方が負担するということはどこの法律にもないわけであります。従いまして海岸法の中に、泉本法の中に直轄の災害復旧の費用は国と地方公共団体と持ち合いするのだということを入れていただかぬと、この災、復旧の国庫負担法が働かないということで、ここに持ち合いという規定を入れていただくということでございまして、これは河川法におきましても、砂防法におきましても、河川に関する工事は、やはり河川法は河川に関する工事となっております。改良も新設も災害復旧も河川に関する工事ということで一本になっております。海岸法の方は新設、改良、災害復旧と分かれておりますので、災害復旧について国と地方公共団体が持ち合いでやるのだ、ということを海岸法の中に入れないと、この公共土木施設の災害復旧の負担法が出て来ないわけでありまして、しかもこの国庫負担法の中に「他の法令の規定にかかわらず」と書いてございますので、負担率につきましては海岸法に二分の一と書いてあっても、災害負担法によって計算した事によるということになるわけでありまして、災害復旧につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法で計算した国の負担率、地方の負担率によるということに相なるわけでございます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) それから海岸法で直轄工事をやる場合と、直轄河川に災害が起きたときに直轄で災害復旧をやる、その場合における国旗の負担というものは同じような形でやっておるでしょう、それだから法の三十六条の災害復旧というものをのけたらどうですか。そういう国庫負担法の他の法令云々ということで縛られるということなら、直轄工事でやるという場合には、災害復旧というものを、こういう二十六条で負担金の二分の一ということを限定せずにおいて、やった方がいいのではないですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきまして、海岸法の方に直轄の工事をやるという規定がございませんものでしたから、災害復旧について国と地方が持ち合いするのだという規定がどこにもないわけであります。その持ち合いするという規定がないと、国庫負担法の方にあります条項が働いてこないわけであります。そういう意味から入れたということでございます。

米田正文自由民主党

○米田正文君 今の委員長の質問に関連するのですが、今の説明は一部負担する基本をこの法律の中に置きたいという趣旨で説明しておるようで、その趣旨はいいのだが、現在の災害復旧事業費国庫負担法によっても最低が三分の二というのが国の負担になっておる。そういう現実に三分の三の負担をしておる今日、わざわざそれを三分の一に変えて、そしてそれを根拠だということは、実際の常識論としてちょっとおかしいと思う。それは河川の方の分は直轄工事は三分の二とうたってあるが、その災害復旧事業費の最低は三分の二になっておるから、その辺は合うと思うのですよ、最低のところは。そこでまあいいと思うのだが、ここで、海岸法で災害復旧を今わざわざ二分の一まで下げてうたうということは、現実に合わぬ、実際問題に合わぬ、どうしてもそこに根拠法として入れるという建前からいえば、それならむしろ現実に合うように三分の二と書いたらどうかというのが僕の意見なんです。今の委員長の意見に関連してですが。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、純粋の法律論的にいいますと、国庫負担法には、他の法令の規定にかかわらずというのがあるので、ほかの法律に負担率が何と書いてありましても、この国庫負担法に従いまして計算した率に従うのだということでございますので、支障はないわけでございます。

米田正文自由民主党

○米田正文君 支障はないけれども、実際に行なわれておる負担率をわざわざ下回って二分の一と書くことが、実際問題と合わぬ法律になってきて、それで現実の問題、常識論に合わぬから、わざわざ下げるということは必要ないと言っているのですよ。

曽田忠建設省河川局次長

○政府委員(曽田忠君) ちょっと補足して御説明申し上げますと、立法技術の問題でございますが、たとえば道路法で道路の災害についてちょっと申し上げますと、道路法の第五十条でございますが、五十条の第一項は、新設と改築に関します費用につきまして国の負担割合をきめておるわけであります。原則は三分の二ということを第五十条の一項できめてございます。それから三項におきまして、ちょっと読みますると「一級国道の維持、修繕その他の管理に要する費用は、」あとの方で三分の一を負担をするということが書いてございまして、この一級国道維持修繕のほかに管理の中に災害復旧が入っておるわけであります。従いまして道路の場合におきましても、一般的な根拠規定といたしましては、災害復旧につきましても一応二分の一を負担するのだという建前になっておりまして、そういう立法の前提もございますし、立法技術的に申しましても差しつかえないという意味におきまして、今回の改正をお願いしておるわけであります。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 さっきの田中さんの言われた御発言に関連するわけですが、第一に、国土の保全上特に重要なものであると認められるこれこれ、この認定はだれがやるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 建設大臣が認めるということでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 ところでこれも実際に事業をやろうとする場合には、あらかじめ当該海岸管理者の意見を聞かなければならないというふうになっておるわけですが、これは意見の聞きっぱなしですか、合意を要するというような筋合いのものなんですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) この海岸管理者というのは、建設省が所管するものは主として地方公共団体の長でございますので、その方の意見を形式的に聞くわけでございまして、実際問題といたしましては、直轄でやつてもらいたいという陳情がことに非常に盛んでございますので、そういう意見からいいまして、その中から具体的に選んで参るというようなことが実情でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 さっきいろいろお聞きしておったのですが、当面これを対象としていきますものは、伊勢湾及びその他数県、またお話がありましたような、むしろ陳情のあるようなものを対象に考えられるようですが、しかし、とにかく工事として出した場合には、やはりこれを全般に行なわなければならない場合が多いだろうと思う。その場合においてたとえばこの当該海岸管理者の意見と大臣の意見とが食い違った場合には、どういう工合になればいいのですか。もっとこまかに言いますならば、国土保全上一方はこれこれであるから重要だと考える、片一方はそうでもないと、認定に相違ができたり、あるいは内容に入っていって規模の大小、あるいは高度の技術の面、あるいは機械力の点等についていろいろ意見が衝突した場合には一体どうなりますか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 建前上は、知事さんと意見が違っておってもできるわけでございますが、実際問題といたしましては、意見を一致させましてやるということを考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 特に考えられる点は、交付県の境界にかかる工事は、いわゆる二県以上にまたがる場合もあるでしょう。この場合それぞれの両者の知事の意見がまた違っておるという場合に、一方は建設大臣と同じような考えをもって同意をする、片一方はそうではないというような事情が発生する場合が往々あるだろうと思いますが、その場合にはどうなるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その場合には、形式上から言いますと、もし意見の食い違いがありましても、建設大臣がやろうと思えばできるわけでございますが、意見の食い違いがあるということは、やはり工法等の問題とかあるいは地方が負担をしなければならぬという問題、負担がかさんで困るという問題がございますので、それらの意見の調整をはかりまして施行する、実際上はそうしなければならぬというふうに考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 すでに当該海岸管理者が事業に手をつけてしまっておるというものも、必要によってはこれを取り上げてやるというようなことがあり得るわけですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その通りでございまして、手をつけておりましても非常に大きな被害が発生したというような場合には、その復旧に非常に大きな金がかかる、あるいはこの地方は特に重要な地域になってきたからもっと手を貸さなければならない、という事態が発生いたしましたら、途中まで県でやっておりましたものを直轄で取り上げるということもあり得るわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 話は具体的になって参りますけれども、すでに手をつけておるということは、事実上請負業者等がきまっておるわけです。もう費用の点についてもでき上がってしまっておる。こういうものを直轄の場合に全部そのまま引き受けていくということになるのですか、あるいはその内容についてまた相当いろいろ改訂を加えていくというようなことになるわけですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その問題につきましては、業者に出しておるというような問題は、年度限り、年度の中の工事を大体請負に出しておりますので、途中から直轄で新設、改良等を取り上げるという場合はないわけでございまして、年度のかわりにおきまして直轄の海岸工事は取り入れるのが原則でございますので、そういうふうな場合はそういうときには起こらないと思いますけれども、災害復旧等の場合におきまして、災害復旧工事をやっておるところ、あるいは改良工事を県がやっておるところに大災害が参りまして、直轄に切りかえていかなければならないというような場合がありますので、それらの点につきましては、十分県やあるいは業者等の意見を聞きまして、途中で無理にその分を直轄に移してそごが来たすことのないようにしなければならぬ。ただ、途中でもっと強いものに、大きなものにしなければならないというような設計変更等を伴う場合もありますので、それらの点につきましても十分打ち合わせまして、施行者が変わったために施工業者に混乱を起こさせるというようなことはないようにしなければならぬと思います。現に伊勢湾におきましても、工事中の個所に災害が発生いたしまして、直轄でやるということに相なる場合におきましては、前年度の分は十分清算をいたしまして、その清算ができた上で直轄に引き継ぐというふうにしたいというふうに考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 今局長のお話のように、話し合いの上でお互いにスムーズにいけばそれはけっこうですけれども、お聞きしている要点は、これがなかなかうまくいかない場合がある。都府県知事と建設大臣とがいろいろな点において、さっき申し上げたような平信等で、意見が衝突して話し合いができないというような場合において、なおかつ、それでも聞かなくても実際的には最終的にやれるのだというふうなことになりますと、そこに地方自治に対して何か不当な、何といいますか、圧迫を加えるような心配はないのかどうか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、予想されることは、県が今まで工事を入札に出してやらしておったというのを、じゃ直轄になったからその業者はかえてしまうのだ、あるいは設計を建設省がやり直すのだというようなことになりますると、やはり非常に混乱が起きる場合も考えられますので、それらの点につきましては、建設省が直轄で引き継ぐ場合におきましても、それらの清算を十分につけまして、できるならば業者などは同じ業者に引き続いてやってもらうというふうな措置をとりまして、スムーズに運ぶように努力いたしたいというふうに考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 逆に聞いておきたいと思うのですが、もっと根本の問題にさかのぼりまして。さっきの御説明は、規模の点が大体五億、あるいは高度の機械力、これは常時施工ができるようなものを持つというようなことのようでしたが、そういうような条件を、相当地方の自治体が国よりかもっと大きく責任を感じて、そういうものは都府県でできるということを進めておる場合ですね。よけいなお世話だという態度をとった場合ですね。それでもなおかつやろうとすることになるのか。そういう場合は協議ができなければしなくてもいい、希望するものに対してのみやる、こういうことになるのですか。その点をもっと明確にしておいていただきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、建設大臣の判断もございますわけでございますが、ものと状況によりまして非常に違うわけでございますが、県が非常にそれまで準備を整えておって、人間もそろえてある、あるいは機械も自分が持っておる、そういうような状況にありまして、県にやらしても十分目的を達することができるというようなことがはっきりいたしますならば、あえてこれは直轄に移管する必要もないというような場合も出て参りますので、そういう場合には、むりやり直轄に取り上げるというようなことはいたしたくないというふうに考えております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 先ほどの直轄工事の費用の問題だけれども、先ほど次長の説明があったのだが、それによると、道路法の五十条を引用しての説明だったけれども、その五十条の場合には、一般管理という建前からそういう条文がある。ことでは、はっきりと直轄工事の費用と書いてある。一般管理概念の中から、特定の直轄工事の問題を取り上げてここに書いてある問題だから、負担率を二分の一にわざわざ下げて書くということは、やはりどうもおかしいと思う。これは大蔵省についても、三分の二にすることはそう異存はないと私は思うのだが、この際三分の二にしておいて、将来はどうせこの改良工事は私は三分の二になる時期が来ると思う。また、来なきゃならないと思うのだが、そういう意味からいっても、第一段階として三分の二にしておく必要があるのじゃないかと思う。それについての建設省の意見がさらに聞きたいんですがね。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) これにつきましては、三分の二にそこに書く根拠もちょっと見つからないわけでございます。まあ一般の改良工事は全部二分の一でございますので、三分の二という数字が出てこないわけでございまして、そういう書き方はなかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 今の田上さんの質問に関連しているわけですが、海岸法を見ますというと、今河川局長の御説明では、「当該海岸管理者の意見をきかなければならない。」ということは、結局、話し合いによるんだ、こういうように受け取れたわけです。しかし、話し合いをするにいたしましても、何かそこの一つの基準がないと、話し合いがまとまらないと思うわけなんです。そこで、この法文の第一号に書いてありますように「工事の規模が著しく大であるとき。」というときに、一体その「規模が著しく大」ということはどういうことをさしているのか、そういうような点が明らかになっていないと話し合いが進まないのじゃないかと思いますが。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 数字につきましては、法令等におきましては規定がございませんで、主務大臣の判断ということでございますが、内規といたしましては、改良、新設あるいは災害復旧等の工事費を加えまして、一連の海岸工手が五億以上になるというようなものを直轄に考えたいというふうに考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 先日配付された直轄河川には、はっきりした数字が出て内訳が出ておるわけなんです。そうしますと、やつぱし海岸にも何か、たとえば、区域ならば千メートル以上に及ぶとか、あるいはまた、工事費ならば一億円になるとかというような、そういうある程度標準にしたものがないと、話し合いというものが、結局は地方公共団体の力関係いかんと建設省の判定いかんというようなことで取り扱われる面がありますというと、政治というものが何かしら力によって行なわれるというような問題の方向に走るのではないかということが考えられるのです。従って、もっとやつぱり何か直轄河川のように基準を設ける必要がこの際あるのではないかというふうに感じられるのですが、その点はどうですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) お説の通りでございまして、来年度から直轄の新規も入ることに相なっているわけでございますので、先ほど申し上げましたような工事費の基準は、直轄河川と同じように内規として定めておるわけでございまして、その線によって今後も進めて参りたいというふうに考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 こういうような場合ですね、今の同じ問題ですけれども、災害があって海岸堤防が切れた。それを復旧工事をするというのに、市の方でそのうちに埋め立て工事をするかもしれないから堤防復旧はちょっと待ってくれと、そうすると一致しないわけですね。要するにそういう場合にまた災害が起きてその市が全滅するような被害を受けた場合、どちらの責任になるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) これは海岸の管理者が一般の場合は府県知事がやっております。従いまして府県知事の責任でございます。私どもといたしましては、原形の復旧まではどうしてもやっていかなければならぬということを建前といたしておるわけでございまして、建設大臣が直轄でやる場合におきましても、原形の高さまでは絶対に復旧をいたしたいというふうに考えております。ただその復旧までの間にそれにかわるような施設がほかにできると、あるいは埋め立てができるとか、あるいは前面に防波堤ができて、そういうふうな施設が要らなくなるというようなことがはっきりいたしますならば、何も金をよけいかけて二重に施設をする必要はないわけでありますから、そういう特殊の場合には、いろいろな災害復旧の金をよそへ持っていって使うというふうなこともいたしますけれども、そういうふうなことがない場合におきましては、少なくとも原形復旧まではいかなければならぬというようなことが国庫負担法の建前でもございますので、管理者の責任といたしましては、そういう線で処置して参りたいというふうに考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そうしますと、先ほどのお話では、ずいぶん陳情とかたくさんくるから、その陳情の中から選んでいくというふうな意味のことをおっしゃったのですが、やはり陳情ももちろん聞きますでしょうが、建設大臣としての責任で相当動かれるわけですね。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほど陳情云々を申し上げましたけれども、県の意見を聞くときに反対があるかということでそういうことを申し上げたわけでございますが、別に陳情があったからそれを直ちに取り上げるということではございませんで、建設大臣といたしましては、基準を作りまして、それによりまして判断をいたしまして、法律に定められておるような基準に適合する場合におきましては直轄で施行する、こういうことでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それから一番最初の田中委員の発言に対して、ずいぶん河川局長から大丈夫だというふうにお答えになっていらっしゃったようでしたけれども、木曽川の堤防の高さは五メートルであったが、長良川は四メートルであったとか、あるいは木曽川の改修工事は七〇%も進んでいたのに、長良川の方は一向進んでいない。そういうことのためにまたたく間に水がつかってしまったと、これは長島町の場合ですね。それからあるいは半田の場合ですか、これは先ほどおっしゃったですが、途中で県へ移したために、全くしろうとにもわかるほどの常識はずれの堤防の状態だったために、またたく間に決壊してしまったということが、昨年の災害対策特別委員会でずいぶん論議されたわけですが、今度はそういう心配はないというわけですね。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 海岸の事業につきましては、全国相当の長い延長にわたってやらなければならぬわけでございますが、建設省で考えておりまする、当面やらなければならぬような事業費は約四百億あるわけでございまして、そのうちどれくらい今までやっておるかということでございますが、海岸の修築事業といたしましては、七、八十億を現在までやっております。その他、伊勢湾等の災害関連事業を合わせますと、その方は約百五十億くらいになりますけれども、従いましてまだやらなければならぬ所が相当あるわけでございまして、やるに際しましては、先ほど申し上げましたように、たとえ上を波が越しましてもこわれないようなものを作ろうという方針でやっておりますので、でき上がったところにつきましては——非常に思わざるような条件が悪いところは特別でございますけれども、普通の場合におきましては、やられるという心配はないと思います。ただ、まだ完全に全般的にわたってできておりませんので、そういう弱点が方々にあるわけでございますが、これらにつきましては、極力早く進めなければいかぬと考えておる次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そういうことと、それから建設省、農林省、運輸省と管轄が違う部分があるわけですね。そこへまた市町村が入る、県が入る。そういうズレが三十五年度予算においては心配ないかどうかという点です。また今後の計画において心配がないかどうかという点です。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 海岸法の規定におきまして、一つの区域を守る一連の施設は一つの省でやるように申し合わせでやろうということになっておりまして、一つの省で工事中でありまするところは、たとえそれが港湾区域でありましても、建設大臣がそれを所管するという延前になっておりますので、そういう点におきましてはよく調整はとれておるわけでございます。ただ個所別別の個所を見ますと、ほかの省が強くてほかの省のところは弱かったというようなところもございます。従いまして、そういう点もなるべくなくさなければ工事の施行上まずいわけでございますので、それらの点につきましては、一連の区域はもちろんのことでございますが、隣接の区域等の問題につきましても十分打ち合わせをやって進めて参りたいというふうに考えておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで山本君の答弁を信用しないわけじゃないのですが、三十五年度に施行しようとする下新川と皆生海岸、有明湾、伊勢湾、この四カ所のうち、有明湾は、これは長林省所管のものもあるでしょう。そこでこれは建設省でやろうというもの、それから農林省がやろうというもの、運輸省がやろうというもの、それを一つ出していただきたい、計画全体を出して下さい。これはもう私の方じゃございませんというならば、おっしゃる通りあなたの方に聞く必要はないわけです。そうすると農林省をだれか呼んで一日ゆっくりやって、それから運輸省を呼んで一日ゆっくりやらないと、なかなかこの法律案はそのままじゃ済みませんから、あなたの方でもしできるならば、三十五年度の予算で建設省外の行政庁が仕事をしようという、直轄工事をやろうという区域、予算計画、構造基準等をあなたの方で、建設省が出してくれれば出していただきたい。しかし、おれの所管じゃないから因るというなら、それでけっこうです。そうするとあと二日ばかり両省のこの法律のための審議をしなければならないから、それをお含みおき願いたい。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、関係各省と連絡いたしまして、できるだけ御趣旨に沿いたいというように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 次の委員会までに出していただきたい。

米田正文自由民主党

○米田正文君 せんだって愛知県と三重県の海岸堤防の進捗を兄に行ったときに感じた点ですけれども、三重県の知事が特に言っておったのは、海岸堤防の計画の調整をする必要があるということを言っておった。それは、先ほどから各委員からも、高さが違ったりいろいろなことでちぐはぐになっておるというような意見が出ておった。そういう現実を見て、三重の知事が言っておるのは、調整をする必要があるということを言っておる。  で、今の海岸法を制定したときには、県で施設の基本計画を作らせるように、この法律はなっておるわけでありますが、施設の基本計画を作るというのは、各省関係の分も全部調整をして、基本計画をするという趣旨で、実は、この法律は作ったんだけれども、そこまで詳しくは法律にうたってない。いわゆる基本計画とだけうたってある。そこに少し足りない点があるように思うということを私は感じてきたのです。それで施設の基本計画を作るときには、各省、まあ管理者いろいろ違うけれども、その管理者の違うものも全部見て、その上で一部の計画についても全体の計画を見て、それで調整をしてきめるというように、この法律を改正しておけば、その点が解決できるんじゃないか、一部解決できるんじゃないかという感じをして帰ってきたんです。そこで、その辺の検討を一つしてもらいたいと思うのです。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 三重県知半さんは何を言っておられるか、ちょっと私もわかりませんが、知事さんのおやりになるべきことを、自分がやるべきことを言っておられると私は思います。  まあしかし、具体的な問題といたしましては、やはり伊勢湾の今回の復旧の問題の、高さの問題だと思います。これにつきましては、二月に各省の協議会の結論が出ましたので、それに基づきまして、現在現地に大蔵省も行っおりますし、三省全部行っております。  従いまして、今回の伊勢湾の災害復旧並びに災害関連事業についての計画は、全部現地におきまして決定いたされるというふうに考えております。十月ごろまでには、それをまとめて帰ってくるということになっております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 今、僕の言っているのは、もちろん伊勢湾の問題もあるけれども、今後の海岸保全、全体の保全計画、全体としての問題を言っているわけです。知事として基本計画を立てるのに、各省ばらばらで、今、各省関係の計画をばらばらに見ておるというのが現実なんで、これを各省関係の調整をするというところまでは、この法律にうたってないから、知事としての、そういう権限がないからやりにくいという趣旨だと僕は解釈をして、そう言っているんだ。そこで、基本計画を作るときの調整の方法を法律にうたうべきじゃないかと、こう一言っておるんです。  今、僕が言っているのは、伊勢湾は、それは特別の協議会でやっておるというから、それはそれでいいとして、全体の、全国の問題として考えるべきではないかという趣旨なんです。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、まず第一に各省間で意見が分かれてはいけないわけでございますので、築造基準というのを作ったわけであります。  これは具体的に申し上げますと、堤防の高さ等につきましては、従来の起こった高潮に対して安全になるように考えるというようなふうの具体的、あまり高さ等につきましては、そういうふうなことで定めてありますので、今知事さんのおっしゃるように、それでは非常に古い時代に、記録のはっきりしないようなところのものも出てくるというようなことで、高さをきめるときに問題になると思いますので、それらの点につきましては、法律に定めるかどうかということは、私どもも研究してみたいと思いますけれども、もしそういうふうなところで、非常に食い違いがあるというようなことがありますならば、各省間でよく打ち合わせをいたしまして、おのおの納得する線で計画を定めて、仕事をやって参りたいというふうに考えております。

米田正文自由民主党

○米田正文君 僕の言っている趣旨が、まだちょっとよくわかっておらぬようだがね。築造基準は、これは一つの基準であって、それは、それがすぐ計画に、そのままなるのではなくて、築造基準を標準にして計画というものは、またでき上がっていく。それであるからして、築造基準を言っているのじゃないのですよ。僕は計画全体として、まあ具体的に言うと、建設省関係の海岸、農林省関係の海岸、運輸省関係の海岸と、それぞれの一定の施設の基本計画があると、その一定の施設の基本千画の調整を、総合的にするという趣旨のことを僕は言っている。  そこで、それがまだ足りないところがある、条文の書き方が。そこを知事として調整がとれるような措置ができるような条文に、改正する研究をしたらどうかという趣旨で、私は言っている。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) その点につきましては、知事が、自分だけでやれない分であるから、ほかの管理者の分もあるから、基本計画を作る際に非常に困るという趣旨は、よくわかります。  その点につきましては、今後よく研究をいたしてみたいと思います。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 本案につきましての質疑は、本日は、この程度にいたします。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 次に、建設業法の一部を改正する法律案に移りたいと思います。御質疑の方は、順次御発言倣います。

田中一日本社会党

○田中一君 この法律案、どうも陰で促進してきたものだからね、あまり質問もないのだけれども、ただこの建設業の実態として、第五条に規定する資格者がですよ、一人いればいいなんていうものは、もはや時代おくれではないかという気がするわけなんです。  御承知のように、今日日本では、約七万人程度建設業者がおります。そうしてそれらのものが、一人のものが二つの業者に名前を貸しておっても、それをチェックするものを持っておらないのです。たとえば埼玉県で知事登録の業を申請をする、田中一が、その主任技術者でございますと言って出す、千葉県へ来て、また千葉県へ出す。そうすると、これは田中一を主任技術者でございますと言って出す。これはどこにも、それを発見する道がないわけです。なるほど大臣登録の場合には、二つの業者の主任技術者として、同一人がいった場合には、これは発見することも、まれにはあるかもしれないけれども、これだって、なかなか発見できるものじゃないです。そういう点が、発見しようという、それをそうあっちゃならないというようなことはわからないわけですね。従って建設業法の資格という問題は、主任資格者というものは、非常に弱いものなんですね。条件としては非常に低いものなんです。  そこで、これにはむろん建設未というものは、御承知のように、仕事を受託して完成するのが役目であって、自分が何ら自分の考えでもって、ものを生産するべきものじゃないわけです。建設業自体を、ほんとうにたとえば、ここにある今度の改正の第四章の「主任技術者の設置」を「施工技術の確保」に改めるという考え方が、所管の建設省にあるならば、もう少しこの機会に、業全体に対する国民への奉仕という観点から、あってもなくてもいいようなものでなくて、もう少し前進した考え方を持たれないものかどうか、それは受託する仕事が均霑されて、ある一定の条件を持つならば、仕事がくるんだ、今日では、会計法上の公入札制度というものは、実態においてはとっておりません。指名競争入札制度になっているから、その運用の範囲内で業の地位なり技術を向上さすには、そうした盲点をなくして、機会を均等に与えるということにならなければ、ほんとうの業態というものは向上するものでもないと思うのですよ。今度出そうというものも、施工技術というものに重点をおいて、施工技術の向上、あるいは建設大臣の検定による技術の確認ということによって、少しでもそれらのものを高めようという考え方は是といたしますけれども、やはり受けるものがなければ、何にもならない。これはむろん都道府県に委任するのだと思いますが、この検定という仕事は、検定料とか、あるいは登録料とかいう、金をとる算段ばかりしているのが、今までのこういう資格法なんですよ。そんなに国民から手数料を巻き上げぬでもいいのではないか、もしかりに手数料を巻き上げるならば、それに見合うような実質的の反対給付というのもがなくちゃならないと思うのですよ。実に考えてみると、今回提案されているところのこの改正というものは、話にならぬもんなんです。もしこういう思想が、かつてあって、二年前にあったとするならば、われわれは職業訓練法なんていう法律を作らなかったですよ。  この点は、十分に政府でも反省していると思うけれども、一体この程度のもので施工技術の確保とか向上とかいうことが考えられるかどうか、その態度について、一つ答弁願いたい。これは一番いいのは、建設大臣がいれば、建設大臣が自分で、かつて身をもって体験したことが多いのだから、伺いたいと思うのですけれどもね。一体、どういう考え方で立っているか、そうして実際に建設業そのものに対するあなた方の今後改正によってねらおうとするものが何かという点を説明して下さいよ。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 今回提案されました建設業法の一部を改正する法律案のねらいといたしておりますのは、すでに提案理由の説明にもございましたように、施工技術の向上をはかるということが、現在の建設業界にとって非常に重要な課題の一つになっている。これは御承知のように、建設技術、特に機械関係等が非常に進歩いたしておりますが、一面実際の施工に当たる現場の技術者、技能者等が、数も少ないのでございますけれども、比較的経験の浅い者が多い。そのために、建設工事の施工におきまして、能率が上がらなかったり、あるいは工事の質が十分確保されない、こういうような現状になっております。  一例を申し上げますと、建設機械のオペレーターは、現在業界に働いておる者が一万三千七百八十四人おります。最近の調査でございますが。その中で約半分は、六千数百名の者は、三年未満の経験者でございまして、オペレーターとして十分の能力をもっておらぬ、こういうような実情でございまして、業界からも、こういう者を一つしかるべき機関において再教育をしてもらって、同時にまた、これらの人たちの能力の十分ある者につきましては、一種の検定をやってもらいたい、こういう希望もございまして、私どもといたしましては、今回のこの法律改正では、技術検定の事項を規定いたしましたけれども、行政措置といたしましては、別にオペレーターの訓練を、民間からの委託によってもやろうということで、これは設置法の改正の内容として提案をいたしておるような次第でございます。  そこで、田中先生のお話のように、実は、建設業法の改正の問題といたしましては、いろいろもっと根本的に重要な問題がございます。特に一つは、登録の要件、これを今回のこの改正は、まあ非常に軽い微々たる内容でございますが、これは登録の要件自体におきましても、根本的に重要な問題もございまするが、先生が御指摘のように、中小業者が健全にやっていくように、仕事が適正に確保されるというようなことも考えてみますると、この要件を単に厳しくするということでは、中小業者の健全な発展ということと逆行するおそれもございますし、また、しかし二面、これをどういうふうに、要件を甘くするということは、ちょっと問題にならぬと思いまするが、どういうふうな要件の中身を規定を変えていくかという問題、これはいろいろ議論がございまして、実は、この二、三年前から、登録の要件の改正ということが問題になっておりまするけれども、なお今日、中央建設業審議会において、これを検討いたしておる段階でございます。まだ結論を得ておらぬような状況でございます。  それから、今の施工技術の確保の問題に関連いたしまして、主任技術者の設置、これにつきましても、御指摘のように、工事現場におきまして、主任技術者を置かなければならぬということになっておりますが、その現場に、ほんとうに的確に主任技術者がきちんと配属されておるかどうか。この問題につきましては、御指摘のようなケースも間々あることを聞いておりまするが、私どもといたしましては、今後この主任技術者が、ますます重要な役割りをもってくるということも考えられますので、監督の面におきまして、十分注意して参りたいと思います。  そのほか、いろいろな問題がございまするが、今後先生の御意見等も十分体しまて、改正の問題は、今後も一つ、検討を続けて参りたい、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 今オペレーターの話が出ましたけれども、オペレーターの実態というものは、これはまあオペレーターの作業というものは建設上の重機械を運転するという運転技術者ですね。そこでこれは各種自動車、車両等の運転外にその作業そのものがあるのか。それからその資格というものが、たとえば道路交通取締法のように、街路に出た場合にはその資格というものはなくちゃならぬということになるのか。実はオペレーターの作業実態と、それが作業する場所によっていろいろ問題があるのだと思うのですよ。というのは今現在の自動車の運転手は、一種から四種くらいまであるそうです、僕は詳しく知らぬけれども、そのくらいあるそうですよ。オペレーターの検定を受けてその資格をもらったということが、どういうプラス・マイナスがあるか。今あなた言っているように半数は三年未満の経験者だ、経験があればやったっていいじゃないか。しかし経験者であっても、重機械を非常に交通のひんぱんな街路でぶるぶるやられたんじゃこれはたまらない。しかし一定の工事現場の場合ならば、それは資格があろうがなかろうが一向差しつかえないじゃないかということも言えるのですよ。まず最初にオペレーターの作業並びに今日の各法律ですね、各法律においてこうならなければならないというようなものがあると思うのですよ。それは一体実態はどうなっているのでしょうか、詳しく知らないのですから……。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 今回のこの技術検定の対象としてさしあたり考えておるものがオペレーターであるということを申し上げたのでございますが、オペレーターの実態につきましては、実は建設省の直轄工事に従事しておるオペレーターにつきましては、一種の試験を、テストをやっておりまして、能力検定を実施いたしております。そこで一般自動車の運転手等と違いまして、私どものねらっておりまするところは、施工技術を高めてやってもらいたい、こういうことでございますから、検定をいたしました効果といたしましては、その検定に合格いたしましたオペレーターが建設大臣が認める施工技術の能力を持っておる、これは単なる運転技術を修得しておるというだけでなく、この法律の条文にもございますように、この設計図書に従って適正な工事をやるに必要な知識と応用能力を持っておると、こういうふうに考えておりますが、つまり現場におきまして、単に運転ができるということじゃなく、現場においてはこの機械の使い方をどういうふうにやればうまくいくというような一つの応用的な能力、これを期待いたしておりますから、養成をやったり、あるいは検定をいたしました結果は、その合格者が相当な能力を持っておると認められることによりまして、誇りを持つことでありましょうし、またひいては将来待遇も改善されていく、その結果、工事の能率化あるいは工事の事故を防止する、こういう効果が十分期待される、私どもはそういうふうに考えております。法律上の効果としては特別に恩典はございませんけれども、実質的にそういう効果を期待しておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 現在各地建の中でやっておるという検定は、どういうことをやっておりますか。それで、またそれが検定を受けると、検定に合格して何らかの称号をもらうと、月給が上がるのですか、手当でも出るのですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 現在建設省でテストをいたしておりますが、これは各モーター・プールにおきまして養成訓練をいたしまして、この訓練の結果、テストをいたしておりますが、三十四年度の実績では延べ五千二百人いたしております。それから三十五年度は二千五百人くらいの見込みに考えております。これはまあ建設省直轄の職員だけですから、今までだいぶやりまして、来年度少し減ってくるわけでございます。  そこで合格者はそのうち約六〇%、三十四年度につきまして申しますと、五千二百人の六割、約三千人がテストに合格いたしております。そこで実際の処遇につきましては、これは合格したら月給を一号上げるというふうな制度はとっておりません。とっておりませんが、それぞれの現場事務所におきまして、他の勤務成績等も勘案して相当処遇はよくなるという可能性はあるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは御承知のように、建設省の地方建設局は労働組合を全部結成しております。それでこういう養成、訓練はいいと思いますけれども、格づけというものが、労働組合に対する、今あなたが暗々裏に言っておるように、将来の賃金格差というものを目ざすようなことになると、これは問題になる。国家公務員の給与というものはさまっている。新しい内規でもあって、かくかくの者に対してはこうするのだというものがなくて、管理職にある国家公務員が、下給職員の将来に対する格づけの基準にするという思想は絶対に排除しなければならない。国鉄の中を見ますと、国鉄は国家試験的な検定を受けたあとの資格に対してははっきりと手当を支給しておる。これはやはりこれを修得するだけの努力、それから金銭的な負担というものを考慮されながら、先ほど官房長が言っておるように、「設計図書に従って建設工事を適正に実施するために必要な専門の知識及びその応用能力」ということになっておる。それが得られるという格づけから手当制度をとると、労働組合の攻勢というものが相当強い中で、こういうようなことを部内でやっておるとなると、やはり国鉄がやっておるような方法をとらない限り、これは私は危険であると思う。いわゆる労働組合の分裂といいますか、というものをねらった一つのなにというふうにも誤解されるおそれがある。そこで結局金銭的な負担と自分の努力、これはむろん人間個々の能力の限界がありますから、適性、不適性もあると思いますし、だからといって、不適性なものの配置をして、そうしてその能力がないといって将来の賃金あるいは身分上の格差というものが考えられるということになると、大へんな問題になりますよ、これは。そういうような思想を、今ちょっと官房長はちらっと見せたけれども、そういうことになると容易ならない問題が起きてくる。不適格な職場にその人間を置いて、あれはだめだといって、それをスポイルするということがあり得る。あなたの方の末端の工事事務所長には往々にしてそういうケースが発見できます。民間の場合にはこれは別です。また民間がどういう受け方をするか、それに対するどういう待遇をするかは、これはまあ私企業の場合でありますから、おのおのその業内の労働組合と、それから企業者が話し合えばいいのでありますが、しかしあなた方の地建の部内においてそういうことが、官房長がちらっとにおいをかがしたような思想的背景があってこれをやるとするならば、これは容易ならぬ問題です。その点をこれははっきりと、この点は一つ大臣に答弁を願いたい。次回に今の点をあなたがお伝えになって、大臣にはっきりと答弁をさして下さい。官房長の答弁から私はそういうようににおいをかいだのですが、そういう点がもしあると、これまた問題がございますから、この点は一つ大臣から答弁願います。  そこで、あなたの方で今使っている、地建の仕事に従事している職員の中で、いろいろな国家が検定なり試験をして、それに合格したというような方々が多いと思いますが、それらに対する格づけ、処遇というのはどういう工合になっているか。たとえば持っていない者は三年たって一級上がるとか、あるいは何等になるとかいうような格差が現在行なっているところではどのくらいまで進んでいるか、それが能力というものは、勤務評定の面の生産能力というものはそれが基準になっているのか、あるいは資格というものがあるから、そこでそれも一つの基準のうちの一点なら一点になって標準になっているのか、どういう行き方をしているのですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 現在おりまする地建の職員の中には、こまかいことはデータがございませんので申し上げかねますが、他の法令による資格免許証を持っておる者が相当ございます。たとえば建築士あるいは技術士、あるいはその他労働安全衛生規則等に基づく発破士とか溶接上等も職員の中にあると思います。しかしこの点は先ほど先生の御意見にもございましたように、公務員としての処遇上は何も影響ございません。これらの特別の資格を持っておるからといって特に優遇するということは全然ございませんので、これが公務員法上の問題としては全然別個に取り扱っております。本人が個人的にそういう資格を取っておるというし大があると、ただ公務員として別に勤務成績が、いろいろなそういう資格を持っておると同時に成績がいいということは、これは勤務評定の上で判定されますが、その場合も建築士とか、技術士、あるいはいろいろな免許を持っておるから評定上有利になるというような扱いは全然とっておりません。従いまして、先ほどの御懸念のような、労働組合を分裂させるとかというような、そういう思想的なものは私ども何も持っておりませんので、これはまあ大臣からもまた後にお答えがあるかと思いますが、一つ念のために申し上げておきます。

田中一日本社会党

○田中一君 自動車の運転手は軌条じゃない、自由に車を動かす運転手ですが、建設用の重機械も軌条の上に乗っていないわけですね。自由に動かせるわけですね。一定の、たとえば私の土地の中でもって私が自動車を運転してやる場合にはこれは運転手の免状は要らないと思うんですよ。そういう運転手などの職分なんかよくわからぬもんですから、そういう点も一つ資料として出してほしいんですよ。どういう範囲でもってどうなっているのか、今答弁を伺いますが、オペレーターが建設用重機械を国道とか、少なくとも別に管理者がある地上の上を走らす場合には何らかの制約があるのかないのか。それから、そういうものが今日の電車の運転手とか軌条を走る運転手とか無軌条の運転手とかいろいろありましょう。そういうものに対する権限、義務等わかったらお知らせ下さい。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 建設機械のオペレーターと申しましても、先生も御承知のようにいろいろ多種多様でございまするが、たとえばトラックとか、あるいはダンプカーとかトラクターの運転手にいたしましても、単に工事現場の中だけで車を操作しております場合には、一般の自動車の免許というものは要りませんけれども、たとえば道路を走るという場合には道路交通取締法の施行令の五十条に規定されておりまする特殊作業用自動車の免許を受けた者でなければならぬということでございますから、道路上を走るようなものにつきましてはそういう免許を取った者に扱わしております。今後もそういうことで、建設業法上の施工技術の検定とはその趣旨目的が違っておりますので、両方それぞれ必要なものは両方受けさせる、こういうことにいたしております。

田中一日本社会党

○田中一君 私はきょうあとの質疑は保留しておきます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 相当時間が詰まっていますから、きわめて簡単にお伺いいたしますから、お答えも要点だけにしていただきたいと思います。政令で定めるところの合格者のいわゆる称号ですが、これは具体的にどういう名前になるんですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) この称号つきましてはまだ検討中でございますけれども、たとえて申しますると、来年度実施する建設機械の技術検定につきましては、合格者を建設機械施工士というような名前を一応考えておりますが、もう少し検討をいたしたいと思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 それから政令の定めるところによって技術検定を行なうというわけですが、その検定の種類は大よそどんなものなんです、対象になる……。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) こと施工技術の検定の対象といたしまして考えておりますのは、来年度は建設機械の技術と施工技術を取り上げたいと思っております。なお将来考えられますのは、建築の関係の衛生工事、それから冷暖房工事、鉄筋工事、これも建築関係がおもでございますが、それから道路の舗装工事あるいは防水工事——防水もまあ建築関係でございます。こういうものを取り上げてみたいというふうに考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 結局この法案のねらいは、あくまで施工技術の確保をはかろうというところにあるだろうと思うわけなんですが、ところが建設業者に対しての態度ですか、これはいわゆる仮称を施工士、これを必ず置かなければならないという規定はないわけでありまして、ただ、あくまでこれは単なる訓示規定の程度だということに受け取れるのですが、その通りで間違いないですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 今回の改正におきましては、技術検定に合格した者を必ず建設業者が雇わねばならぬというふうには考えておりません。まあ訓示規定——趣旨がちょっと違いますけれども、私どもといたしましては、検定に合格した者をなるべく雇うように行政上指導いたしたい。また現在業者が雇っておる技術者のうちから検定を受ける者が多数出ることが望ましいので、そういうふうに一つ指導して参りたいと考えております。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 結局、これは強制するのでもなし、今のところでは、もっぱらそういう工合に指導していこうということだけだと承るわけですが、一体その程度であって、当初の目的の施工技術の確保というものが期待できるだろうかという大きな疑念を持つのですが、それについてはどうお考えになりますか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) なお建設業者の施工技術の確保の問題につきましては、この建設業法による指導監督の面だけでなく、実は発注者の立場におきまして、実際の工事を請け負わせる段階において、十分発注者の方で業者を監督する。まずその請け負わせる場合の、指名をいたします場合の業者の選定におきまして発注者が十分注意をしてやる。それから入札しましたあとの業者の施工につきまして、発注者側の職員が現場の監督をいたしまして、設計図書に従って工事が進んでおるかどうかということを監督いたしますので、そういう監督の面がございますし、この業法の規定の運用と両々相待って施工技術の確保をはかって参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 そういう配慮の上になされるとしまするならば、やはり究極するところ、これも必ず建設業者に施工士を置かなければならないというようなことに到達しない限りはいけないのじゃないかと考えるし、また半面、技術検定合格者の立場から考えてみましても、すでにそれぞれ一応は技術者たることの試験を受けて資格は持っておるわけでありますから、さらにこれをやるというと、これは二重負担になるわけであります。二重負担になるにもかかわらず、これが今のような状態であって、さっき公務員についての場合はこれは説明でよくわかりましたけれども、公務員以外の場合、一般業者のことを考えてみますと、これだけのことをやらせるならば、やはりこの合格者に対して何かの特典を与えるべきだと思うしそこまでいって初めてこの法のねらいが達成できるのじゃないか、こう考えるわけなんであります。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) 実は、総合的な意味での施工技術の確保ということにつきましては、今回の改正におきまして、第二十五条の二十五として、精神的な規定を規定しておりますが、本来建設業法の現行規定におきまして主任技術者の設置というのがございます。そこで私どもといたしましては、建設工事の施工の全般的な技術上の管理を適正にやらせるということが一番根本的に重要でございますので、これにつきましては主任技術者を必ず工事現場ごとに置かなければならぬ、これによりまして全体的な施工の管理が適正に行なわれるということを期待しておるわけでございます。  それからなお、特に公共性のある工作物で重要な工事に関するものにつきましては、専任の主任技術者を置くと、こういう規定もございまして、今回の技術検定の対象になっておりますのは、先ほどから申し上げておりますように現場の、どっちかと申しますと分業化された、一つの分業的な技術、それを担当する者を検定しようと、こういうわけでございます。さっき申しましたように防水工事であるとか、あるいは舗装工事であるとか、そういうことでございますから、これらの人につき面して必ずこれを雇えということはちょっとこの際法律改正の問題としては穏当を欠くのではないか。そこで実際に工事をやります場合に、たとえばこういうオペレーターが必要であるという工事をやる場合には、そういうオペレーターを使わせるようにすることが望ましいわけでありますが、それは発注舌の立場からむしろ注文する、こういうことになるわけでございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 どうもちょっとまたそこで逆に疑念を深くしてしまったわけなんです。お話の通りに主任技術者を必ず置くということは、これは旧法そのままで、何の変りもないわけです。今、当面やっていこうとするのは、部分的な場所における、何といいますか、小隊長というか、分隊長というか、そういう程度のものはしたいということなんですね。そうであるならば、むしろそれをやはり必ず世かなければならぬことにしないと意味はないのじゃないか、私これをお聞きしておるわけなんですよ。ところがそれは望ましいのだけれども、業者の立場から応じなかったらこれは何にもならぬのじゃないかということなんですが、もっとそれを明確にしていただきたい。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) この技術検定の対象になる技術者は、必ずしも常時その建設業者が雇っておかなければならぬとは考えておらぬのでございます。と申しますのは、たとえば建築を主としてやっておる建設業者でありますと、これも相当な大きな工事をやれば鉄骨工事の技術者がおるというのが普通でございましょうが、たとえば冷暖房では冷暖房の工事を専門にやっておる業者ならば常時置くこういうことになりまして、建設業者も、御承知のように総合業者と申しましても、いろいろ特徴がある。また職別の業者も多数おるわけでございますから、これらの施工技術の技術者が、あらゆるいろいろな種類のものが常時雇われておらなければならぬというふうには考えておりません。その業者の必要に応じまして、またその担当する工事の種類によって、これらの技術者を雇えば足りるのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。

武藤常介自由民主党

○武藤常介君 ちょっとただいまの質疑応答でいろいろ感じたことは、非常にいいことと私は考えます。建築業、建設業の発展のためにいいと思うのですが、これの利用方法、また官庁のしむけ方によりましては、中小企業者を圧迫するような傾向になりますから、将来ともよほどこれは注意しないと私はうまくないと思います。これに対してどうですか。

鬼丸勝之建設大臣官房長

○政府委員(鬼丸勝之君) まず施工技術の検定の関係から申し面すると、先ほど田上委員からも御意見もございましたが、私どもといたしましては、こういう検定合格者を建設業者に必ず雇わせるということにつきましては、ただいまのところも、また将来も実は考えておりません。そういう義務づけをするということは、中小業者を圧迫するというおそれがございますので、そういう点からあるいは微温的だという御批判があるかと思いますが、希望者の技術検定をやるというふうにとどめたわけでございます。  それから第五条の一項二号の改正は、形の上では登録の要件を強化いたしておりまするが、実はこれは登録の要件として認めるのにはふさわしくない、単純な作業の発破士であるとか、あるいは溶接士とかいうものが一人いるだけで登録を認めることは適当でないという考え方から、「建設大臣か指定したものを」というふうに今回改正しようとするものでございまするが、実はこの改正によりまして、現在の建設業者で脱落するというものは、調査いたしました結果はございません。ですから現在の既存業者にも影響は、ございませんし、将来この程度の登録の要件としては、常識的に見ましても、建設工事を一人前やる以上は単純な発破士とか溶接士が一人あれば認めるということは避けるべきだと、こういうふうに考えた次第でございます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 本案については、本日の審議はこの程度にとどめまして、午後は下筌、松原両ダム建設工事紛糾問題につきまして、建設省当局から説明を聴取することにいたしたいと存じます。  それでは午後二時三十分まで休憩をいたします。    午後零時五十二分休憩    —————・—————    午後二時四十四分開会

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) これより建設委員会を再開いたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査として、下筌、松原ダム建設工事に関する問題につきまして調査を行ないます。  まず、河川局長から、筑後川水系治水計画の経過、下筌、松原ダム補償交渉の経緯、紛争問題等について御説明を願います。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) お手元に差し上げてございます二つの資料がございますが、第一番目の、「筑後川水系治水計画の経過ならびに概要」につきまして、まず最初に御説明申し上げたいと思います。これを沈みながら御説明申し上げます。  一番目は、筑後川治水計画立案の経過でございまして、ここには今日までの改修評画の経過並びに今日の計画を立案するまでの経過がまず載っております。  筑後川全川にわたる計画的な改修工平は明治三十年に始まりまして三十六年に一応完了いたしました。それを第一期、第二期の治水工事といっておりますが、それが一番初めでございます。改修工事の計画洪水流量につきましては、昭和二十八年の洪水の前は、昭和三十四年に利根川に大洪水がありました後に、治水調査会というのを設けましたが、二十四年の治水調査会による改定計画により改修起点におきまして七千立方メートル、これは朝倉郡の志波村というところでございまして、これは一番あとに図面がついておりますが、筑後川流域図というのがございまして、その中の一番右側が大分県、下が熊本県でございまして、大体山十央が福岡県になっておりますが、その夜明の発電所の左のところに志波というところがございますが、これが改修の上流端になっております。この志波というところにおきまして七千立方メートル毎秒という計画にいたしております。そのうちの一千立方メートル毎秒を上流のダムによりまして洪水調節を行なうものといたしまして、巨瀬川合百流点より上流においては六千立方メートル——巨瀬川という川がやはり今の図面でございます、左側の今の志波というところの下に巨瀬川という川がございます。その合流点から上流において六千立方メートル、それからこの合流点より河口に至る区間においては五千五百立方メートルと決定したものであるが、昭和二十八年の六月の大洪水によりまして、昭和三十二年の二月にいろいろと計画を検討いたして、雨の状況だとか流れの状況等をいろいろと資料を調べまして、確率計算をもいたしまして、考慮をいたしまして、百年洪水として長谷地点、長谷というのは、先ほどの図面の志波というところの上に長谷という、ちょうど大分県と福岡県の境のところに長谷というのがございます。この地点におきまして八千五百立方メートルと改定されたものである。これは昭和二十八年の大洪水の流量に該当するものでございまして、これに該当するだけのものはやっておかなければいけないということになりまして、これだけの流量を対象にいたしまして、筑後川の流量計画、河川治水対策は立てなければいけないということで改定されたのでございます。しかるに上述のごとく長期にわたる改修工事の結果、下流部はすでに河道が概成されていたので、このような洪水流量の増加に対処するに、河道改修のみによる方法によれば、全面的な引堤及びかさ上げをもってすることになり、技術的並びに土地利用上等の見地から不適当と考えられたので、この改定計画においては、河道改修によれない部分をダムによる洪水調節によるものとし、長谷地点の洪水量八千五百立方メートル毎秒を六千立方メートル毎秒に低下せしめるものとし、河道改修は宝満川合流点より下流は六千五百立方メートル毎秒とし、従来より千立方メートル毎秒増加することにした。——八千五百立方メートルになりますと、非常に流量が多くなりますので、下流の改修計画だけでこれを処置しようという案も作ったわけでございますが、非常にたくさんな土地もつぶれるし、人家も移転しなければならぬ、工事費も三百億以上、当時かかるというようなことになりまして、上流でぜひ一つ洪水調節をしなければいかぬ。下流でこれを全部やるとなると、非常に大きなものになるということで、いろいろ検討いたした結果、上流のダムと下流の一部の堤防の引堤等を行ないましてやろうということに相なったわけでございまして、下流の流量が一千立方メートルふえたために、それだけの分の堤防を広げるだけでも千七百戸の人家を移さなければならぬということにすでになっておる。これを全部川幅を広げるということになりますと、それの三倍も人家を移転したりしなければならぬということに相なりましたために、上流で何とかしなければいかんということで、いろいろと検討いたしたわけであります。  第二番目に、上流のダム計画の検討の経過がございます。上流ダムについては、上述のごとく昭和二十四年の治水調査会の方針決定以来、大山川——大山川というのは、これが筑後川の本川で、ここが日田でございますけれども、日田の上流で東の方から流れてくる玖珠川という川と、南東から流れてくる大山川というのが合流しております。この二本が日田のところで合わさって、これから下のところが筑後川になるわけであります。大山川、玖珠川筋について調査検討がなされてきたが、昭和二十八年の出水による改定計画では、洪水調節に必要な貯水容量も著しく増大してきたので、これに応ずる各ダム地点の洪水調節上の機能、地質等の検討が行なわれた。調査地点のおもなもの及びこれに要した調査費は次表の通りである。——その次の表に書いてございまして、調査費として金がつきましたのは昭和二十七年からでございますが、昭和三十三年までにわたりまして、合わせますと、二千二百十二万二千円の金がついておるわけでございますが、この中には久世畑が一千万円以上使っております。そのほか「松原ほか」と書いてありますが、これには——これが松原ダムの今の候補地点、これが下筌ダムでございます、その他これが築瀬ダム、これが川畑、ダム、それからこれが久世則ダムでございまして、大山川につきましては久世畑、松原、下筌、二俣、簗瀬、この上に二俣というのがございます、これが川畑——六カ所調べてございます。それから玖珠川の筋は、これが下榎釣と申します、この地点。それから上がりましてこれが猪牟田という地点、それからこれが地蔵原、これが千町無田、ここに鋳物師釣、それから竜門、結局玖珠川につきましては六カ地点、合計いたしますと、十二カ地点ぐらい調べたわけでございまして、「松原ほか」と書いてありますのは、久世畑以外に使った調査費でございます。註のところに書いてありますように、昭和二十八年度においては、西日本災害調査費より久世畑ダムに対して別途四百七十四万七千円が支出されております。  それから各ダム地点について行なわれた調査結果の大略を述べると次の通りである。まず、久世畑ダム地点については数次の溶岩流の堆積によりまして形成された地質であり、さらに河床部には横断並びに流心方向に大規模な断居が介在し、かつ耶馬渓溶岩下部の泥灰岩層及び河床下の恵良溶岩上の赤色凝灰岩層は脆弱であり、これに接する基盤も破砕が著しく、透水のおそれが大である。これらの不良岩処理は技術的にはなはだしく困難であり、多大の工費をもって処理しても、なおかつ十分な安全を期することが困難であると判定された。——久世畑ダムというのはここでございまして、この一カ所がもしできまするならば、八十数メートルのダムを作りまするならば、今考えておりまする松原、了察の二つのダムを作るくらいの貯水容量は得られるわけでございます。ですからこれができますれば、一カ所で非常によかったわけでございますが、これをいろいろ調べてみたんですが、この久世畑が一番問題になっておるようでございますから、詳しく地質図を——詳しい話しは開発課長にあとでやってもらいますが、久世畑ダムがこの地点でございまして、今いう断層というのは、この地点にあるわけです。それからこの下にもう一つ大きな断層がございまして、この断層と下の断層が続いておるわけです。ここに二メートルくらいの非常にやわらかい層をかんでおりまして、これが非常に透水が心配だ。それからここに弱い層がかんでおります。一番心配なのはやはりダムの川に沿いまして断層があるわけでございまして、これが下の断層と続いておりますから、その断層ができたと同時に、ここに割れ目ができたということでございまして、非常にこれがさらに増大する危険がある。それからこれがなかなか処理が、これは絶対できないということじゃありませんけれども、だんだん深くなってゆきますので、これを全面的に処理するためには非常に膨大な金がかかるというようなこともございます。従いましてこれは非常にわれわれといたしましても、この地点に作るならば非常に有効であるし、一カ所で済むのでございますので、先ほども申し上げましたように、非常にたくさんの金をかけてやったんでございますけれども、放棄せざるを得なかったというのが実情でございます。  それから次にその他のおもなる地点についての説明が書いてございますが、まず第一番目に、玖珠川筋の竜門、それから鋳物師釣、それから猪牟田の各地点については、流域面積が非常に狭いわけでございます。非常に上流地点でございますので、たとえばここヘダムを作りましても、雨をキャッチする両校が非常に少ないものですから効果が非常に少ないという。洪水流量が小さいので本川下流に対する洪水調節効果の点で不適当だ。非常に筑後川の流域面積が大きいのに、これぐらいの面積をダムでとめましても、下流に対してはほとんど大した洪水調節になり得ないという点で問題にならないということになったわけでございます。それから玖珠川、下榎釣、これはこの地点でございますので、先ほどの流域面積の点からいいますと、非常に流域面積は大であるが、ダム地点の両岸の地形が割と低いのでございます。それから地質に抑えられてダム高は五十メートル程度が限度であり、結局洪水調節に必要な貯水容量を得ることができないということになったわけでございます。  それから次は、大山川筋の方でございますが、まず簗瀬地点について崖錐が深く川幅が広く、地質的に阿蘇溶岩下部の凝灰山事居は試験の結果透水性——非常に水の漏る性質が大きくて、ダムの高さは六十メートル程度が限度であり、必要なる貯水容量を得ることができないというふうになったわけでございます。  次は、松原、下筌の両地点の問題でございますが、それは、噴出溶岩から形成され、松原ダムについては右岸松原層の節理及び左岸下流沢の小規模断層のほかは堅硬な溶岩が露出し、また下筌ダムについては均質強固な下筌溶岩を主体とする地質であり、ダム築造に支障を及ぼすほどの断層は見当たらない。以上のような検討結果に基づき昭和三十二年八月最終的に松原、下筌両ダムの組み合わせにより洪水調節を行うことが最も適当であると判定された。——松原、下筌は、今書いてございましたように久世畑の方は、溶岩が流れていきまして堆積したものであります。これは下から噴出した溶岩でございますので、岩質が非常に均一でございます。これは九州大学の地質の先生にもよく見ていただきましたけれども、松原が一番いいという人もありますし、下筌が一番いいという人もありますけれども、いずれにいたしましても、この地点は筑後川の筋におきましては一番良好の地点であると、こういうふうに地質学者も言っておるわけでございます。  次は、下流改修計画の概要と現状を御参考までに申し上げておきたいと思います。前述のごとく長谷地点の計画洪水流量を六千立方メートル毎秒として現在河道改修工事を実施中であるが、改修区域については従来の改修上流端より上流の把木、原鶴地区——これは把木、原鶴はその上流にありますが——並びに日田市地区を施工区域に編入し、かっ本川に流入する巨瀬川、宝満川等の各支川の百取りつけ区域を延長して改修することにいたしました。本川の改修工事は浚渫、掘削並びに堤防かさ上げによる河積の増大がおもであるが、久留米市周辺の二カ所では引堤を行ない、また現状が霞堤の部分は霞堤として残すようにしておる。これらに伴う工事量は昭和三十年以降掘削六百九十万立方メートル、浚渫五百万立方メートル、築堤一千万立方メートル、護岸四十二・五キロメートルに及び、工事費は合計百六億円に達する。昭和三十四年度末までにおけるでき高は約十七・七億円にすぎない。——こういうふうな事業量を持っておりまして、筑後川の下流におきましても、先ほど申し上げましたように、千七百戸ぐらいの移転を行なわなきゃならぬと、今、松原、下筌の移転の家屋は約三百五十戸程度でございますが、下流におきましては千七百戸程度の人家の移転をやらなきゃならぬということになっているわけでございます。  次は、不筌、松原の概要と現況を申し上げます。この両ダムによりまして松原における計画洪水流量三千八百立方メートル毎秒のうち、二千七日立方メートル毎秒の貯留を行ない、下流の長谷における計画洪水流丘八千五百立方メートル毎秒を二千五百減らしまして六千立方メートルに低減するとともに、洪水期以外の貯水池の利用を考慮して二つの発電所を設置し、合計最大出力三万九千七百キロワットの発地を行なうものである。貯水池の規模及び工々及び工期は次の通りである。——この三つのダムによりまして洪水流量を二千七百立方メートル減らして、下流の流量は従来の計画よりもふえますけれども、六千下立方メートルに減らしていこうということでございます。このダムを作りますると、洪水期以外にはこれを利用いたしまして発電ができるわけでございますから、洪水調節に支障のない範囲におきまして発電をいたすわけでございまして、その計が三万九千七百キロワットの発電ということに相なっております。  貯水池の規模は、下筌、松原ダムの二つについて書いてございますが、下筌ダムの方が上流で松原が下流になっておりますが、流域面積は下筌が百八十五平方キロ、松原が四百九十一。それから湛水面積、これは水没になる面積でございますが、下筌が二平方キロ、松原が一・九平方キロ、それから満水位の高さはおのおの三百三十六メートルと二百七十三メートルでございます。それから総貯水量は下筌が五千九百三十万立方メートル、松原ダムが五千四百六十万立方メートル、有効に使える量が五千百八十万と四千六百四十五万立方メートルでございます。そのうち洪水期にあげておきまして治水に使う量が下筌が五千八十万、松原が四千五百十万立方メートルでございます。発電に使う容量は五千百八十万、四千六百四十五万、これは治水容量として貯水いたしておりますので、洪水期以外にはこれだけの容量が発電に使われるということでございます。堆砂の容量といたしまして七百万立方メートルと七百五十万立方メートルとっております。  それから工費及び工期でございますが、下筌ダムと松原ダムは並行いたしまして、まあ下筌の方を先に作るわけでございますが、全部の費用といたしまして百十七億八千万円かかるということになっておりまして、着工は下筌が三十三年四月竣工が三十九年三月、松原が着工三十四年四月でございましたが、竣工は昭和四十三年の三月ということに見込んでおる次第でございます。なお、下筌ダムはコンクリートのアーチ・ダムでございまして、松原ダムはコンクリートの重力のダムでございます。  それから次に、もう一つの資料でございますが、「下筌松原ダムの補償交渉の概要及び水没地区実態調査表」というのがございます。  その前に、今の松原ダムがここで、下筌ダムがここでございますが、県の関係を御説明申し上げておきますと、この太い線が県界になっております。ここが熊本県でございます。従いまして松原ダムの貯水池も、この分岐点から上流の区間は両県にまたがるわけでございます。それから下筌の方も大体貯水池の下流半分ぐらいは両県にまたがるということに相なっております。ここが熊本県こちらが取り巻いて大分県ということになっております。それから町村は熊本県は小国町一町でございます。それから大分県の方は、一番上が上津江という、上津江がこの貯水池の一番上流端が少しかかるわけでございます。それからこれから下、ここまでが——松原の地点のところからずっときましてここが中津江村になるわけでございます。それから松原ダムの右岸の部分が栄村でございます。それからこれから下の松原ダムの区間が大山村になっております。従いまして、熊本県が小国町一町、それから大分県側が上津江、中津江、栄、大山村の四カ所になっております。そういう関係になっております。  まず、下筌松原ダム補償の交渉の概要を申し上げます。昭和三十二年夏ごろまでの予備調査をやっている時代には、地元関係者は比較的協力的であった。すなわち昭和三十一年の一月の測量は関係者の了解を得てこれを行ない、その補償金も支払い済みでございました。しかし昭和三十二年秋ごろより熊本県側関係者の態度が硬化して、建設省当局との面会を一切拒絶するようになり、昭和三十三年四月以降の実施計画調査を実施するにあたっても、大分県側関係者は建設省の説明会にもよく出席し、比較的協力的であったが、熊本県側関係者はますます反対の意向を強くし、面会を拒絶するとともに、大分県側関係者にも積極的に反対の働きかけを行なうに至った。——初めのうち、調査をやっておる間は非常に協力をいただきまして、関係者も了解をしていただいておったわけでございますが、昭和三十二年の秋ごろに急に、熊本県小国町方面でございますが、態度が非常に硬化して参ったというのが実情でございます。  このため当局は、と申しまするのは地方建設局でございまするが、熊本県側の関係者の説得を続けるほか、昭和三十四年に入りまして、面会もできませんので、土地収用法の規定による立ち入り調査及び試掘等の手続をとりまして、立ち入り調査については三十四年の一月八日、九州地方建設局長より熊本県知半あてに、土地収用法の十一条の手続でございますが、熊本県知半あてに通知をいたしたのでございます。それから試掘の許可の問題でございますが、これは土地収用法の十四条の関係でございますが、試掘等については同年の四月の九日に熊本県知事から許可を受けております。  それから一方、熊本県側のダム地点の土地所有者に試掘等の申し入れを行なったが、面会を拒絶された。そこで文書により法に定める手続に従って試掘を行なうことを通知した後に、昭和三十四年の五月十三日に現地に立ち入りまして試掘等の障害となる立木の伐採を開始いたしたのでございます。これは試掘等の許可を得たわけでございまして、その後地元の所有者の方々にその了解を得ようということで申し入れをいたしたのでございますが、面会を拒絶されたので、やむなく現地に立ち入りまして試掘等をするために妨害となる障害物を除去したのでございます。ところが五月の十九口になりまして、地元民の方々約三十名が現地にすわり込みまして試掘等の妨害をしたので、紛争を避けるために作業を中止いたしたのでございます。  そういう状況でございましたので、一時中止の上いろいろ方法を考えまして、その後、ダムサイトの土地の所有者でありまする小国町の志雄部落の関係者は話し合いをしようと思っておりますのに、現地に、さく、小屋等を建設し、気勢を上げるとともに、建設省当局との面会を拒絶し、さらに熊本県知事の説得、それから下流受益者代表久留米市長等の——これは筑後川の改修の既成同盟会長でございますが、久留米市長さん等の協力要請にわざわざ出向いたのを拒否して今日に至っておるのが実情でございます。  それから、次に水没地区の実態の調査表がございます。  まず、松原ダムの関係の村別、部落別の関係戸数、世帯数、人員等がまず書いてございます。松原ダムにおきましてはまず大分県の大山村、それから栄村、中津江村、この三カ村が関係いたすわけでございまして、それから熊本県の小国町がそのほかに関係ございます。このうちで非常に強硬な反対をいたしておられるのが志屋部落、浅瀬、芋生野と申しますか、こういう地区でございます。  それから下筌ダムの関係でございますが、これは中津江村が一番たくさんでございまして、これは大力県でございます。それから上津江村も大分県でございます。それから最後の小国町が熊本県でございます。熊本県の非常に反対の強いのは四戸でございます。  それから次のもう一つの表でございますが、松原、下筌ダムの水没地区の調査表でございまして、これは詳しい調査をいたしませんとはっきりはいたしませんわけでございますが、現在このダムを作ったたために水没される予定の地区の中にありまするいろいろの物件でございます。まず、下筌ダムにおきましてはたんぼが約三十四町歩、畑が二十二町歩、山林が八十三町歩、原野が五町歩、宅地が六町歩余り、墓地が一反五畝でございます。合計いたしまして面積が亘五十一町歩ということに相なっております。それから戸数は百七十三戸でございます。世帯数が百八十五、人員が千九人、非住家が二百五十五でございます。その他公の建物といたしましては法務局、その他学校等がございまして、これらの公的の施設につきましては、各官庁にみな了解を得ておるわけでございます。  それから松原ダムでございますが、これは先ほど申し上げましたように大山村、栄村、中津江村、小国町に関係いたすわけでございますが、たんぼ、畑、山林、原野、宅地等はここに書いてある通りでございまして、合計いたしますと百四十町歩かかるわけでございます。それから戸数が百三十八戸、世帯数が百四十一でございます。人員が八百八十八人、非住家が二百十六でございます。その他学校、発電所、社寺等がございます。合計いたしますと、この二つのダムで土地が二百九十一町歩、戸数が三百十一戸、世帯数が三百二十六、人員が千八百九十七人、非住家が四百七十一ということでございます。  それらの内訳はその次に町村別に書いてございますが、一番大きいのはやはり中津江と小国でございまして、中津江村が九十四町歩、小国町が九十七町歩、それから戸数にいたしますと中津江が百七十戸で、次が小国町と大山村の五十三戸ずつでございます。世一数におきましてもやはり中津江村が一番たくさんございまして百八十二世帯、それから人員も九百八十八人、非住家が二百二十八ということに相なっております。このうちで大分県の部内の各町村におきましては、従来とも説明もよく聞いていただきますし、また比較的協力的だったわけでございますが、先ほど午前中にお話しを申し上げましたように、最近熊本県側の反対がなかなかおさまらぬということと、それからもう少し早くやらなければいかぬ、建設省は何をしているのだというような話から、約束は白紙に返すというようなことを決議をされまして、きょう地方建設局の方へその文書を持って参られたということを聞いております。この内容は、新聞でございますので、はっきりは申し上げられませんが、「水没者は建設省の出先機関との過去における協議あるいは了承の一さいを白紙にかえす」、「現況に基づき河川予定地制限令の即時撤廃を要求する。過去の物的、精神的損害に対する補償を要求する。」というような項目を地方建設局にきょう持ってこられたというふうな情報が入っております。従いまして大分県側は非常に協力的でございましたが、ちょっとこういうふうな点で、向うが片づかないなら、われわれだけ黙っておるわけにはいかぬというような空気が出て参っておるというのが現地の状況でございます。  以上、簡単でございますが、もう少し地質等、あるいはダム地点等につきまして詳しい御説明がお入り用でございましたら、開発課長も参っておりますので、申し上げたいと思います。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 本件調査について御質疑の方は、順次御発言を願いたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これ両方の水没の田は現在幾らあって幾らなくなるのだというように説明してくれぬかね。場合によったら比率を説明してくれぬかね。たとえば中津江村が田が十九町歩減るということになるならば、現在田は幾らあるのだ、そのうちの十九町歩が減るのだというふうに説明してくれぬかね、全部について。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 今ここに資料ございませんが、それは調べて申し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 水没地域の図面を、宅地や何か、割合に大きなものとして、着色をしてよごしてくれませんか。この部落々々の水没地域はわかるね。どの村はどれだと一口瞭然理解されるから、それを一つ出して下さい。  それからごの週刊新潮に出ている記事は、全面的にこのままこの記録は記録として認めていいのか。あるいはこの内容は非常に違っているものがあるならば、違ったものがあるということ、できるならば、みなが持っておられぬから、こいつを委員会でも委員長買って下さって、そうして配って下さい。そうしてこの記事の内容について、この点はこうだ、これはこうだというところを一つ説明してほしいのだ。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) それは私も読みましたけれども、今はっきりそれに対して御回答を申し上げられませんが、もう一ぺん読みまして申し上げたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 君らで買うか、そういう予算がなければ、委員長、調査室でこれを買って下さい。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記をつけて。

田中一日本社会党

○田中一君 われわれがこれしか——君らの報告を信用するとか、しないとかいう出題ではないのです。少なくとも第三者がそのものを——印象記だ、一種の印象記を書いているというように受け取っているわけですよ。だから河川局長が、こんな本を内容を一ぺん読んでわからぬようなことではいかぬ。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 読んだときはわかりましたけれども、今はっきり申し上げられないのです。もう一ぺんよく読み直しまして申し上げたいと思います。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記をつけて。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) 事業認定の申請書に対します反対者側の意見が出ております。この意見について、こちらの考え方を申し上げればよろしいのでございますか、どういうふうに……。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 向こうがどういうことを反対したかということを一応調べなければ、一方的に説明したのじゃわからない。君の方のペースに巻き込まれることになる。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) それでは向こうの質問について解説いたしまして、御説明申し上げます。  事業認定の計画内容の中に、筑後川総合開発事業の一環として、この松原、下筌ダムを建設するのだということが書いてございますが、意見では、筑後川総合開発事業の内容が一つもこの計画書の中にうたわれておらないが、どういうことかという点でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 ちょっと待ってくれ、どれ言っているのか、これか……。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) それでございます。

内村清次日本社会党

○内村清次君 今の一の反対意見は一応はこうだというのに対して、あなたの方はどういう、兄を持っておるのかということを説明するというので、あなたは説明しかかったのでしょう。これはあなた、その通りでしょう。だからそれをあなたの方で説明してくれなければ、それでは何もならない。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) それでは一の質問につきまして私どもの考えを申し上げます。  「筑後川総合開発事業」とここに書いてございますが、国土総合開発法にいうような広い意味の総合開発は、この地域にはないわけでございます。それは特定地域の指定もございません関係でそうなっているわれでございますが、建設省におきましては、河川計画を立案いたします際には、上流の砂防から、ダム、河川改修計画及びダムに関連した利水事業を含めまして、総合的な河川計画の検討をいたしておるわけでございます。従いまして、これを筑後川総合開発事業とここで呼称したわけでございまして、もちろん広い意味の総合開発事業の根幹となる事業と考えておるわけでございます。それから申請書には、この総合的な河川計画の内容のうち、実は砂防計画についての記述が漏れております。それでその点について補足説明をする必要があるかと存じておるわけでございます。  それから、第二の質問でございますが、これは多目的ダム法が存するから、ダムは全部多目的ダムでなければならないという理由はない。建設省は治水に専念すべきであるという意見でありますが、これにつきましては、お説の通り多目的ダムでなければならないという理由はないわけでございますが、治水もまた建設省の最も重要な任務の一つでございまして、建設省は、先ほど申し上げましたように、水系一環の河川の総合的な治水計画を立てておるわけでございます。それで筑後川の洪水といたしましては、昭和二十八年の出水にかんがみまして、先ほど局長からお話ございましたような上流のダム群及び下流の築堤工率に関する改定計画が決定されたわけでございまして、従来の計画に対しまして、下流では千立方メートルを増大し、上流では毎秒千五百の洪水調整の能力を増大しというほか、水源における砂防工事を整備するということが計画として定められております。ダムにつきましては、治水の目的のみで計画する方法も考えられますが、わが国におきましては非常にこのダムの地点というものが少ないわけでございます。この少ない地点について単独の目的のみで貯水池を、設けるということは、国の経済から申しましても非常に適当でない。将来増大するような工業用水あるいは電力エネルギー面等の問題からいいましても、ダムは必要でございますので、それらを多目的化してやっていく考え方が、国土開発の根本的な考え方であるべきだ、こういうふうに考えておるわけであります。  それから第三の質問は、電力に関しては九州電力株式会社の業務であり、自分たちは同社の利益をはかるまでの責任はないのだという御意見でございますが、この下筌、松原両ダムにつきましては、先ほど申し上げましたような理由から、多目的ダムとすることによって利水上の副次的な効果をあげるように計画しておるわけでございまして、電源開発も国の重要な施策でございますので御協力を得たいと考えておるわけでございます。  それから第四の問題は、申請書に、九州の電力界は火力より水力の方が安価につき、水力電源開発が急務であるというふうに書いてあるけれども、全国の電力界は火主水従であって、特に石炭豊富な九州地方においては火力がむしろ安いのではないかという御意見でありますが、これにつきましては、主務省である通産省の意見について申し上げますと、電力の伸びとともに火力発電施設が増大するわけでございますが、火力は毎日あるいは季節的のピーク変動に応ずることは非常に困難でございまして、こういうピーク・ロードに応ずるような施設をする場合には、電力のコストが非常に高くなるということでございます。それでこの変動に対しての電源としては、ダム式による水力開発が最も経済的であるというような考え方でございまして、これが火主水従の意義のあるところであるということを申しております。  それから電力の総合的経済的な供給をいたしますには、必ず火力の開発と合わせてこのようなダム方式の水力が並行して建設されなければならない。特に九州地方の事情におきましては、最近の急激な需用の増大に伴いまして、火力を中国、四国方面に送電いたしまして、逆に、こういう負荷の変動に応ずるような水力は、四国地方等から逆に融通するというような計画についても、主務省において検討されておるような実情でございますので、九州における水力の拡充というものは、そういう状態から見ましても、非常に緊急性の高いものであるという意見を述べておるわけであります。  それから第五の意見は、申請書には、両ダム計画につき、あらゆる機会を利用して利害関係人に説明したそうであるけれども、「建設省の出先機関は、最初より土地収用法を語り、書信は八円切手で済まし、まことに事務的であり、利害関係人の要望は避け、セメントのくいは勝手に打ち」込んで、それからダムの建設計画の概要というようなものについては、申請書が来て初めて明らかになったというような状態であるから、一体、どういう努力をしたのだというような御意見でございますが、この計画につきましては、地建といたしましても、あらゆる機会を利用して、説明会を催すように地元に働きかけて参っておるわけでございまして、大分県側では、十数回にわたって、補償の方法あるいは計画の内容、それから測量の方法等についての説明会を開催いたしております。  熊本県側の小国町につきましては、これは地元の町村も、関係人が絶対反対であるから、説明会を開く必要がないというような態度をとっておられまして、数回にわたって、説明会の開催要請をいたしましたが、拒否されて、その説明をいたす機会を失って参っておったわけでございます。大分県知事が中津江村に行かれまして、昭和三十三年八月でございますが、その際までに、大分県側ではすでに五回の説明会を開催いたしておりました。熊本県側では、それと並行して、七月三十一日と八月十六日に、説明会開催の申し入れをいたしておりましたが、結局、その開催を拒否されておったわけでございます。それ以後も、十分な努力をいたして参ったわけでございますが、拒否にあって、その機会を得ず、やむを得ず昭和三十四年一月八日に、土地収用法第十一条による測量の立ち入りについて通知をいたしたものでございます。  それから書信について、八円切手で送付したということが指摘されておりますが、実は、これは昭和三十四年の五月の二十六日に、ダム建設反対の皆さまへ、というパンフレットを作成いたしまして、これを送付いたします際に、八円切手で一回送ったことがあるということでございます。  それからセメントくいの件でございますが、これにつきましては、無断で打ち込んだということはございませんので、打ち込みにあたりましては、土地所有者の同意を得て行なっておりまして、境界の不明や土地所有者の変更によって、打ち込みについて抗議の出たものにつきましては、抜き取り等の措置を取っておるわけでございます。  それから次の意見は、「下筌ダムサイトの試掘試錐につきては、法律上幾多の疑問あり。建設省が実力行使をなさんか、我等迎へ撃ちて流血の惨となるは火を見るよりも明らかなり」という御意見でございますが、この法律的な問題の疑義については、具体的にどういうような点が疑義があるかという点が明らかになっておりませんので、当方としても、ちょっとお答えしかねておるわけでございます。ただ、従来建設省のとって参りました措置については、違法はないものと考えておるわけでございます。  それから次の質問につきましては、「本年一月十八日の中津江村対策委員会は、事業認定申請書の説明を主とせしに」と書いてありますが、「調査事務所長野島すら出席せず、地建局長上ノ土実に至りては、最大の被害地中津江村にすら只の一度も来村せしことを聞かず」ということでございます。これは、昭和三十四年の一月十八日の中津江村の水没者大会には、現地の事務所長が出席できませんでしたことは事実でございます。しかしながら事前に、中津江村の対策委員会にその旨を述べまして、了承を待ておりましたわけでございます。それで、所長の代わりに事務所の用地官が一切を委任されて出席いたしておりまして、大会では、一応目的を達しておるわけでございます。それからまた地建局長は、昭和三十四年六月下旬に中津江村におもむいておりまして、村長、村会議長等の対策委員会の幹部の方々とお会いいたしておりまして、水没関係者の生活基盤の確立等について、関係者の意向を伺いまして、最大の努力を払いたい旨を付け加えて協議いたしておるわけでございます。  それから次は、「申請書には熊本、大分両県五カ町村にわたり、何分にも関係人が多数に達すると記しあり、まことにその通り、建設省は大いに熟考せよ」という意見が出ております。松原、下筌ダムによる水没者は、きわめて多数でございますが、筑後川治水のためには、建設省の対策を信頼されて御協力瀬いたいということでございますが、なおこのほかに下流におきましては、やはり相当大きな犠牲者も築堤工平等によって出ることもお考えいただきたいと思っておるわけでございます。  それから次の質問は、「申請書に、久世畑はこれのみで所要の洪水調節が可能であるが、地質的には断層が介在し、処理がきわめて困難であると、これは技術上絶対不可能の意か、なお困難を立証する調査書類を示せ」という御意見でございます。  これは、まことにごもっともな御意見でございますので、私どもといたしましても、資料を整備して十分な説明をいたしたいと考えておるわけでございます。その内容につきましては、先ほど河川局長から概略御説明いたしましたような通りでございますが、さらに詳細なものについても、必要とあれば提示して、よく御納得いただきたいと思っているわけでございます。  第十は、「久世畑は松原、下筌に比し水没予定家屋が多きため補償に難点あり」というようなことが申請書に書いてあるけれども、これは「恣意もほどほどに」しろという御意見でございますが、久世畑ダムは、松原ダムに対しまして、水没家岳が多くて、地質の処理等とも合わせますと、非常な工費がかかるという点も、事実ではございますが、この久世畑ダムをやめた理由といたしましては、先ほど河川局長から御説明申し上げましたように、問題は技術的な点にあるわけでございまして、相当の工費をかけてやっても、なおかつ基礎の処理において、安全が保障しにくいという判定から、主として、これが放棄になったわけであります。  それから次の質問は、申請書には、「下筌ダムサイトは地質が良好で標高三百二十五メートルまでは全然問題なく、標高三百四十メートル程度も地質上大丈夫と推定されており、ダム建設には絶好の地点である」と書いてあるが、すでに試掘試錐等を済ませたのかという意見であります。  下筌の地質調査につきましては、昭和三十年末から三十一年にかけて、九州大学地質学教室の教官に現地調査を依頼いたしまして、その後また通産省並びに建設省土木研究所等の地質専門家が現地調査をいたしまして、ダムの地質については、その踏査においても、すでに明らかであるように、良好であるという判定がされておるわけであります。それからなお、小国町地内の右岸側の方については、ボーリングはやっておりませんが、左岸側の中津江地内においては、試掘試錐の作業も一部済ましたわけであります。まあそのような地質の専門家による判定によりまして、良好であるという判定ではございますが、土木技術的には問題が全然ないとは、もちろん考えられないわけであります。つまり基礎の処理をどの程度にやらなければならぬか、あるいはダムの規模を、掘さく面を、どの辺までおろさなければならないかというような細部の実施計画については、やはり地質構造を、さらに詳細に知る必要があると存じておるわけでございます。  それから次の、「申請書に、筑後川は水源を阿蘇外輪山に発し、高峻な山岳地帯を流下し、幾多の渓流支流を入れ云々とされ、砂防工事が喫緊である」という御意見でございますが、砂防工事については、先ほど第一において、補足説明する予定でおりました内容の通りでございますが、これはお説の通り、砂防工事は喫緊でございます。それで昭和三十五年度以降における治山治水五カ年計画におきましても、この水域における砂防施設の拡充について、重点が向けられておるわけでございます。  それから次の十三の質問は、地建は「筑後川下流の引堤、堤防かさ上げ、放水路、いずれも技術的に困難で、それに伴う用地買収費、工事幾等は多額であり」よって上流の一、二のダムにしわ寄せしたんだろうという意見でございます。  この改修計画の内容については、先ほど申し上げましたように、上下流とも拡大せざるを得ない内容になっておるわけでございます。  それからこの計画において、下流の河川の改定、つまり増補工事によりまして、移転を要する家屋は、杷木以下で千七百戸、それから買収を要する農地が約二百九十町歩、宅地において四十町歩という、非常に膨大な犠牲が下流においてもあるのであって、決して上流だけのしわ寄せによって解決するという考えではございませんで、上下流に、いかに流量配分をすればいいかという点について、いろいろ慎重な検討をいたしました結果、現在の計画になっておるわけでございます。  それから、次は「松原ダム計画と、九州縦貫道路計画との関連いかん」という御意見でございますが、これは昭和三十四年閣議決定によります九州地方開発計画において、九州地方を縦断する道路の調査並びに実施が促進されることになっておるわけでございますが、この路線につきましては、その企画あるいは路線の通過地点等については、今後の詳細な調査によらなければならないわけでございますが、下等、松原ダム付近について見ますと、現在のところでは北熊本線、北阿蘇線等を利用して、つまり日田から杖立、内牧を経由する路線が予定されておるのであります。従いましてこのダム建設によるつけかえ道路については、この縦貫道路の路線と別路をはかりまして、極力効率的な実施をはかっていく考えでございます。  それから十五の御意見は、「一月四日付官報資料に、新しい治水五カ年計画と題して建設省が掲載したもののうちから二、三抜粋し、逆に建設省に高覧に供します」と、それは第一として山間部、「上流の河川改修や砂防はきわめておくれている。」二、「河川工作物に対する戦後の補修が十分でなく、施設が老朽化していたために水害を激化した。」三は、「特に小規模河川の治水対策を強化するとともに、豪雨による土砂害を受けるおそれのある渓流について、砂防ダムの整備をはかる。」四は、「小規模河川改修、小規模な事業費をもって一定計画のもとに改修することにより比較的著しい効果を期待できる」という、つまりこれは官報資料の抜粋の一部を掲記されて、建設省は、むしろ上流水源工事、あるいは小規模な工事に重点を置くべきであるという御意見のように伺えるのでありますが、これは、建設省の新治水五カ年計画の構想として掲載いたしましたもののうち、抜粋された項目でございまして、それぞれの項目については、まことに建設省の方針と一致しておるわけでございますが、昭和三十五年度以降の治水対策については、特別な措置がとられまして、促進されることになりつつあるわけでございますが、これらの措置によって治水事業の拡充がはかられるわけでございますが、ここに掲記されてないような、その他の治水対策についても、強力に推進されなければならないというのが建設省の考え方でございますので、そういうふうにお答えいたしたいと考えておるわけでございます。十六は、別にお答え申し上げる必要がないと思います。  以上でございます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 何か御発言ありませんか。

内村清次日本社会党

○内村清次君 山本さん、あなたに尋ねたいが、やはり大山川の方は、松原ダム方面のものだけをやる、玖珠川の方には、何も治水対策というものがされておらない。  そこで、この間現地の調査団の、特に大分県側の方あたりから聞いてみると、これまた、現地の人たちも強く言っておるのですが、玖珠川は、先ほどあなたの説明によると、六カ所やったんだけれども、適当な場所がないのだ、こういっておられるけれども、現地の方は、玖珠川が非常に流血も多くて、そうしてもちろんこれは、土砂の流れは相当多いらしいが流量も多いというようなことで、ここには、何も治水対策というものがとられておらないのはなぜかというところに、非常なまた私たちも疑問を抱く点があるのですが、たとえばこの二つをやっても、下の下流の洪水というものの調節は、玖珠川を放っておいてもいいかどうか、こういう問題が残るのですけれども、これに対しましては、まず、どういうあなた方のお考えがあるわけですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 先ほども御説明申し上げましたが、玖珠川と大山川は、ほとんど同じような大きさの川でございまして、両方におきまして調節ができるならば、非常に有効でございます。  従いまして、いろいろと調査をいたしたわけでございますが、格好な地点が見つからないために、こういうことになったわけでございます。ただ土砂の流出の点からいいますと、玖珠川の方がたしかに多いわけでございまして、先ほど開発深長からも申し上げました砂防計画等におきましては、むしろ玖珠川の方が重点的にやらなければならぬというふうに考えておるわけでございます。もちろん両方の支流に、ダムが大きいのができますならば、どちらに強い雨が降りましても押えられるわけでございますが、まあしかし、片方の方にできておりますれば、玖珠川の川の水の出方に応じて、このダムを操作して参るというやり方をやりますならば、今までの資料から見ますと、二千七百立方メートルの一節は、この二つができますならば可能であるという結論に到達しておるわけでございまして、両方ができますれば、非常にいいわけでございまするが、不幸にも、そういう地点がございませんので、こういう結果になったわけでございます。

内村清次日本社会党

○内村清次君 今のあなたの考え方では、玖珠川の地点は、どこにもないと断定されておるのですけれども、これはただ砂防だけで、玖珠川のはんらんというものを、相当なキロ数があるのですが、そのはんらんを、下流の筑後川にいくまでの間でも、下に入るまででも、そのはんらんをとめることができるかどうかという問題が残っておる、今からの五カ年計画には、あるいは砂防計画も立てていらっしゃるかもしれないが、まだ詳細に私たちは検討していませんけれども、とにかく今日まで二十三年の最初から、特に二十八年災の筑後川の大はんらんのときの今日まで、砂防計画というものは、両方とも全く放置されておる。砂防計画は、ただそのダムの、ダムサイトの位置だけを、今日まで調査されておるのだけれども、治水としての形態の治水対策というものは、ほとんどとられておらない。  ここにやはり住民が、どうしても納得できない点があるのです。将来の玖珠川を押えるという対策についても、まだまだ、問題点がありはしないかと私は考えております。その点は、どうですか。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) この図面について、ちょっと御説明申し上げますと、仰せの通りこの日田に至るまでの中川に森付近に盆地がございまして、相当広大な農地がございまして、従いまして、この付近において築堤、護山序等の工事が進められております。昭和二十八年の水害の場合には、この水害の地方が非常に荒れまして、特に土砂の害が多かったわけでございます。築堤も、そういう土砂の害に支障のないような強固な築堤を現在実施中でございます。  また、特にこの上流部において崩壊地が、むしろこの大山川の水系よりも、こちらの方が多いわけでございまして、五カ年計画におきましても、また従来も砂防は、こちらの方にむしろ重点が、大分県におかれても置いておりまして、五カ年計画の予定といたしましては、この上流に七十カ所あまりの堰堤工、及び四十カ所余りの床固め工を実施することになっておりますが、そのうち堰堤工の、堰堤工は、玖珠川の上流におきまして四十四カ所、床固め工におきましては、三十二カ所というような計画になっておりまして、ダムの建設ができますとよろしいのでありますが、この川が、非常に急流になっておりまして、相当高いダムを作っても、貯水量があまりとれないというような実情でございますので、主として、そういう砂防対策による治水によって、特に中流部の森の盆地の冷水対策を完備していきたいという考えでございます。

内村清次日本社会党

○内村清次君 そこで、実は日田から出ています代議士がおられるのですが、これが、玖珠川のちょうど北の上流のところに、あなたの方でもダムの建設をしたいというような、一応の計画はあったらしいのですけれども、その代議士が、非常に強く要望して、そのダムの建設をとりやめさせたというようなうわさを調査団の方に現地の人たちから聞かされておる。こういう点の納得がいかないことが一つ。それから、先ほど問題になりました、あすこは、どこですか、重点的な、あそこは久世畑ですね、ここは、前に森盆地、地元の人も、相当この地点には執着しておるというようなお話があったのですが、この地点に、なぜダムができないかという、この二つの問題が刺激しておる一番大きな原因です。  私の方は、あなたの方の説明を一応聞きましたから、この久世畑の問題は、八日の日にも十分聞きたいと思うのですが、ただ問題は、下に入りがけの玖珠川のダム、こういう計画があったかどうか、この点を一つまず聞いておきたい。

小林泰建設省河川局開発課長

○説明員(小林泰君) 先ほど、河川局長から御説明をちょっといただきましたが、玖珠川の下榎釣という地点が、初めここに予定されました。  この地点は流域面積におきましては五百四十八平方キロでございまして、ここで、相当大きな貯水量が得られますと、非常に効果的な地点でございます。しかしながら、先ほどもちょっとお話上ありましたように、この地点は、両岸の高さが割に低い問題が一つと、それから主として基盤となっております耶馬渓溶岩と、それからその上にあります阿蘇溶岩との問に、やはり火山灰のはさまれた層が相当分布しておりまして、この層が非常に水に溶けやすい性質を持っております。そういう関係から、ダムの高さもあまり高くできないということで、大体五十メートルくらいが限度だというような地質学者の判定もございまして、それでは、せいぜい二千万トンぐらいの貯水量しかとれないということから、この地点は、あきらめざるを得なかったということでございます。

内村清次日本社会党

○内村清次君 あとの点は、またあとで詳細にお聞きすることといたしますが、この認定申請書の中に、あなたの方から、これは地建を通じて出しておるところの、水没地帯の九州電力会社に対しての土地収用法第十八条の二項三号で通知を出しております。その通知に対しまして、九州の電力会社の方では、確かにこれだけの電力の犠牲があるから、今後二つのダムができたときにおいては、この電力は一つ九州電力の方に全部その権利を譲ってもらいたいという理由書が書いてあるのです。これに対して建設大臣や、また特にあなた方の意見というものが重要でしょうが、どういうような態度をきめておるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) これにつきましては、正式には水利権の許可が、知事から出たときに確定するわけでございます。今お話のように、九州電力の垂直所もつぶれるので、それのかわりの施設にもなるのだから、発電所ができるならば、九州電力にやらしてもらいたいというような、こういう意見はございますけれども、これにつきましては、水利権の許可を出しまする知事の意見が、まず第一番でございまして、今後検討いたしまして、それらの点はきめなければならぬというふうに考えております。

内村清次日本社会党

○内村清次君 それから、この認定書の終わりごろに、熊本県知事が六月二十日に、地建局長に出しているところの返信、それからまたさらに五月に一回出しているのですが、この内容を見てみますと、条件が少し書いてあるようです。この条件さえかなったならば、この十八条一、項三号の規定に基づく照会に対してはよろしいというような意見書を書いているのですけれども、この熊本県知事が、この間の委員会では、建設大臣の意向を汲んで、現地に行ったけれども、十分面会の機会がなかった。こういうようなお話もあったのですが、熊本県知事は建設省に対して、この問題に対して、何回くらい意向を聞いたり、あるいはその現地の状態を報告したり、そういうようなことをやっておりますか、どういうような意見を述べておりますか、書面以外のことでも、書面の条件でもよろしいのですが。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 今のお話の事業認定の問題につきましては、各官庁等から、いろいろの意見がございまして、これをつけて建設省の方に、事業認定の一つの手続といたしまして報告になっているわけでございまして、これを、どういうふうに取り上げるかという問題あるいはこれについてどういうような処置をするかという問題は、今後の問題、でございます。  それから熊本県知事さんは、従来これにつきまして、御協力的の態度をとっていただいているわけでありまして、地方建設局からは、しばしば知事さんのところに訪れまして、こちらから御協力をお願いをいたしまして、知事さんといたしましても、この事業の必要性を認めまして、土地収用法による立ち入りの試掘の許可等を出していただいているわけでございますので、その点につきましては、御協力を私どもといたしましても感謝いたしている次第でございます。ただいまお話のありました事業認定に対する意見書につきましては、これは一つの手続的の問題でございますので、これについて、どうするかという問題は、今後の問題であると考えている次第でございます。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) 速記を始めて下さい。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 今、内村先生の御質問に関連して、玖珠川と大山川の流量は、先生の質問では、玖珠川の方が流量が多いのだ、御答弁の中では大体同じ流量だと、こう言いますが、下流の合流点がありますが、この地点でもって、大体、両河川の流量は、どれくらいになっているか、数字を示していただきたいと思います。  それから、その合流点の近くに女子畑発電所というのがあるが、これは、九州電力の発電所と思いますが、さらに下流に行って、有明発電所というのがございますけれども、この両発電所におけるところの常時出力、認可水量、こういうようなものを一応お示し願いたいと思うわけです。というのは、今度の、この二つのダムのところに予定される発電所が、やはり九州電力の所管になるように思われるわけでございますから、そういう点のための参考資料として一つお示し願いたいと思うわけでございます。なお、説明書の中では、この両ダムによって発電所を三カ所設置して合計最大出力が二万九千キロワットと、こういうように出ておりますが、それぞれたとえば松原発電所は何キロワットである、これに対するところの最大と常時、それから予定する使用水量、同じ下筌ダムの同様なものを一つ資料として御提出願いたい、こういうように思います。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 小林開発課長のさっきのお話は、相当長い時間を費やしたわけでありますけれども、このことは先刻田中さんからも言われたように、九州地建の方から土地収用法の第十六条の規定に基づいて、いわゆる事業認定の申請書を出した。これに基づいてこの室原知幸ほか四百七名が連名をもって十六項目にわたる意見を出してきたわけです。そしてこの意見に対しては、ないしは質問にわたる分もあるでしょうけれども、かくかくに答えたいと思っておるというようなことが言われておったわけです。ところが考えてみますると、われわれがきょう勉強したいということは、一体建設省がどういう工合にこれに決意されておるかという要点がつかみたいということ、及び先方が結論的にどういうところにどういう考えを持っておるかという要点を察したかったわけです。きょうの御説明は、ただ繰り返して申し上げますると、事業認定害に対する、これについて一つ一つをつかまえて言っておることだけなんです。私はほんとうの向こうの気持は結論的は申し上げますると、むしろ向こうさんの意向というものは、まず下筌ダム計画には絶対反対であるという立場をとって、そのあとに追記として書いてあるところの三つの歌がありますね、これがほんとうは偽りない気持を要約しているだろうと思うんですよ。そのことは前の質問ないし意見等を含めて、向こうはここに重点があるのだろう、こう考えるわけです。  そこで一応こういうまあ向こうさんの代弁する気持で申し上げるのですが、こういうことの三つの歌に対して、この場合は建設大臣から聞きたいんですけれども、おいでにならないから山本河川月長からお聞きしたいのですが、一体これをどういう工合に感じ取っておられるか。そこで大よその決意というものが伺えるかと、こう考えるからあえて申し上げるわけです。まあくどいようですけれども、小林さんのさっきの説明は、以下は言うまでもないと非常に軽くとって、ただここの言葉の行き方についてああだ、こうだというようなことだけのことしかないわけですからほんとうのこの気持は追記の三首の中に出ておるのじゃないか。どうこれをお取り扱いになって考えておられるか、一応お伺いしておきます。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 最後に歌が書いてございますが、第一番目は「玖珠川や杖立川を放置して筑後川に洪水なしやこれ建設省」ということでございます。これのおっしゃっていることは私もよくわかるような気がいたします。玖珠川と大山川が二大水源でございまして、筑後川は両方の水が流れて、合わさって下流に被害を及ぼしているので、玖珠川を何にもやらないでおって筑後川が安全かと、こういうことと、もう一つは玖珠川にもダムを作る地点があるのに、何かの原因でそれをやめて、自分の所だけにダムを持ってきたんじゃないか、というふうな懸念も持っておられるのじゃないかというふうに思っております。  もう一つはこれには書いてございませんけれども、久世畑という最初に申し上げました大きなダムの一つの計画がございますが、これも一つやりたいつもりで調査しておったけれども、政治的の問題でこれはやめたんじゃないかというようなこともここには直接には書いてございませんが、ほかのダムの候補地点があったのにそれをほかの理由でやめて、うちだけに持ってきたんじゃないか、ということが言外に含まれておるんじゃないかというふうに考えております。これにつきましては先ほど来、るる御説明申し上げましたが、私どもも玖珠川に良好なダム地点がありますならば、ここで洪水調節を大山川と同時にやりますならば、これはもう万全の策でございますけれども、それが先ほど来申し上げておりますように地質上絶好の地点が得られないし、しかもできたといたしましても非常に小さな貯水量しか得られないということでやむを得ずこういうことになったわけでございます。それから久世畑ダムにつきましてもわれわれといたしましては、非常にこの地点は貯水量も得られるので良好な地点であるということで、もう先ほども御説明申し上げましたように、相当の年月にわたりまして調査をいたしたのでございますけれども、断層等の問題のためにこれを放棄せざるを得なかったということでございまして、建設省といたしましては、そのほかの地点にはかえることができないという立場であるわけでございます。  それから「佐賀筑後無数のクリークあん儘で良かんべーか悪かんべーか」と、この点はちょっと私どももどういう意味でおっしゃっておるのかわかりませんが、一つの見方といたしましては、下流地帯にはたくさんクリークみたいな不毛の土地があるんだから、それを使って川を広げてやればいいじゃないかというような、意味にもとれるし、あるいは下流の方はクリークみたいな土地だから、そうわれわれだけが犠牲になってそれらの地点を守る必要はないじゃないかというようなことかもしれない。どっちの意味かはっきり私も判断しかねておりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、筑後川の洪水というものは非常に大きな被害を及ぼすのでございまして、昭和三十八年の大出水におきましては四万町歩以上の浸水を来たしておりますし、死者も相当に出ておるというようなことでございまして、これを災害復旧するだけでも数十億の金を要しておるというのが美甘でございますので、この点は別して上流だけに御迷惑をかけるという意味で計画を立てたわけではございませんで、下流におきましてもできるだけ不自然の所は広げまして洪水の疎通ができるようにという観点からやっておりまして、六上流は三百戸余りの戸数の移転でございますけれども、下流におきましてはこの計画でも千七百戸の人家の移転をしなければならぬという計画でございますが、決して上流だけ——まあ上流は利益はございませんけれども、上流の個人的に申し上げますと、上流の方だけに御迷惑をかけているということでもございませんので、何とかこの点は大局的立場から御協力をいただきたいというのが私どもの念願でございます。  それから「国鉄の公共補償(久大線)に怖れなしダムサイトの組合せ外せるか下榎釣を」ということでございますが、これがケほど内村先生からす話がございましたが、日田市のこの地点でございまして、この地点はずうっと川に沿いまして久大線が通っております。このダムを作った場合の補償がどのくらいかかるかということも同時に検討をいたしたわけでございますが、もちろん鉄道を移転してやるといたしますと相当の金もかかるわけでございまして、それも工事費に入って参りますので相当の金もかかって参ります。そういう点もございますけれども、主として先ほど来申し上げましたように、絶好な場所ではございますけれども、地形上大きなダムが作れない、地質の点等から考えましても相当大きなダムができないというような点から、この点を諦めたわけでございまして、久大線の補償に対しましても、相当の金はかかるということも考えられますけれども、それよりもむしろ地質の問題、地形の問題が大きな要素であったということでございまして、この点につきましては岩手県の湯田ダムという所では、鉄道の付けかえを十数キロにわたりましてお願いをいたしまして、ダムを築造しておるわけでございまして、鉄道がある程度付けかえを要しなければならないということになりましても、そこの地点がダムとして好適の地点であるなら、私どもはそういう点恐れをなすというようなことは決して考えておらぬわけでございまして、それらも総合的に勘案いたしまして、工費が非常に大きくなったり、あるいは鉄道が付けかえできないというような決定的のことが出て来ますれば、それも一つのやめる原因になるとは考えられますけれども、ここの地点ならば久大線の付けかえというようなものが不可能ではございませんし、金額的にもやはりある程度線路の付けかえというものは限度があるわけでございますので、地形、地質等が許しますならば、もちろんここにダムを作ることに踏み切ったわけでございますが、先ほど来御説明申し上げますように地形、地質が許さなかったので、まことに残念でございますけれども、これを放棄せざるを得なかったということでございまして、るる御説明を申し上げましたけれども、いろいろ調査の結果、どうしてもこの二個地点以外には計画にマッチできるようなダムが築造できないということで何とかこの点につきましては大局的見地から御賛成をいただきまして、築造に着手したいというふうに考えておる次第でございます。

田上松衞民主社会党

○田上松衞君 今の説明で十分わかったのですが、念を押しておきますけれども、位置を変更する等の意思は目下のところ全然ない、ということに理解しておいていいわけですね。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) この点につきましては私はもちろんのこと、建設省といたしましてはそういう決心でおります。

田中一日本社会党

○田中一君 資料を要求します。この専業認定申請書に対する意見書の中で解明しなければならない点です。  第1に対する通産省の見解、これを書類でお出し願いたい。  それから5のうち、中津江村対策委員会の議事録をお出し願いたい。  それから同じく5の中の内容ですが、反対者に対して配付した書類一切をお出し願いたい。何か反対書類を出したというから、お出し願いたい。  それから9、久世畑の実質的に不可能を立証する技術的に権威ある調査書を、できるなら建設省ばかりでなくして第三者側の、学校の先生にもやってもらったというから、お出し願いたい。  それから10に対して、下筌ダムの現在までの調査した書類、立証する、調査したといっていますから、それに対する書類をお出し願いたい。これも同じく学者がもし関与しているなら、その学者の報告書をお出し願いたい。  それから12に対して、現地における砂防工事の計画と実施の現状に対する資料をお出し願いたい。  13の意見に対しては下筌、松原ダムの建設費の比較表をお出し願いたい。  14に対しては、図面を提出せよ。  15に対しては、一月四日付官報の五カ年計画を提出していただきたい。  以上。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 今の資料のうち中津江村の速記録というものがあれば、こちらでは出すつもりではおりますが、議事録でございますが、議事録というものは私どもも取り寄せるつもりでありますけれども、あるいは間に合わぬというようなことが出てくるかもしれませんが、努力はいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 これには、ここに書いてある通り、さっき小林君も言っているように、係官が出席しているというのです。出席しておれば、少なくともその人間が局長の代理で行っている以上、もしも正式な議事録というものが持たれなければ、メモ程度のものでもあるはずです。このことが提出できない理由はございません。出して下さい。

山本三郎建設省河川局長

○政府委員(山本三郎君) 今のようなお話なら私ども調べまして提出いたします。

岩沢忠恭自由民主党

○委員長(岩沢忠恭君) ほかにどなたか資料の要求はありませんか。……なければ本日はこれで散会いたしまして、あとまだ懇談をしていただきたいと思いますが、一応委員会は散会します。    午後四時四十七分散会

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