P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
34回国会参議院1960/02/11

議院運営委員会 第7号

発言数
110
登壇者
12
会派数
5
開催日
1960/02/11

会議録

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) これより議院運営委員会を開会いたします。  国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案を議題といたします。  これより本案の質疑に入ります。理事会におきましては、本日は主として発議者に対し総括的な質問を行なうことに申し合わせをいたしております。本日は、発議者の衆議院議員佐々木盛雄君並びに説明員として衆議院法制局次長の三浦義男君が出席しております。  それでは、御質疑のある方は順次御発言をお願いいたしたいと存じます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 まず議事進行についてなんですが、佐々木さん一人で答弁できないときは困るし、また一人でできたとしても、提案者が佐々木盛雄さん、長谷川峻さん、松澤雄藏さん、三和精一さん、山村新治郎さんと五人、こういう連名で提案されておられるが、少なくとも三人ぐらいお見えにならなければ私どもは真剣にお尋ねするというわけにはいきません。従って、委員長は提案者少なくとも三人ぐらい出席を求めるようにお願いいたします。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) これはまあ佐々木盛雄衆議院議員が出席しておりまして、佐々木盛雄さんが主として本法案の代表提案者になっております。その代表の方が全責任を持って出席しているわけですから、一つ質疑をしていただきたいと、こう思いますがね。そうしてなお質問の内容で、どうしても佐々木さんのほかに他の発議者が必要だというような状況に立ち至った場合においては、それはそのときに御協議申し上げるということにしていただきたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 代表提案者ということに佐々木さんがなっているそうですが、ここは平等にお名前を列記しているだけで、何で佐々木盛雄さんが代表して全責任を負うというか、私、わかりません。五名が全部で平等に責任があると思う。特に本会議で佐々木盛雄さんから提案説明を願った提案趣旨の中に、一万幾らの一があった、こういう云々が中にあって、わが党が院内で交渉した結果、議長がその点を取り消された、こういうようなことも本会議では起きておりますので、私どもは、佐々木さんの精神がどこにあるかということを、これは五人の方全部に承ってみたい。従って佐々木盛雄さん一人ということについては、これはとてもわが党としてはお尋ねするわけにいかぬ。午前中はたまたま社会党の時間ですから、さっそく長谷川さん外五名の方に連絡されてここに出席を願いたい。本日ばかりでなく、この法案が最終的にこの委員会で決定するまで、少くとも三名以上は常時出席願わなければ、一人ということについては賛成できない。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 阿部さんにお答えしますが、今まで衆議院から、衆議院議員の提案にかかる法案で提案者が四名あるいは多いときには十何名というのがございましたけれども、その際に提案者が全部とかあるいは数名出なければいかぬという前例等もございません。従って、質疑をしていただいて、今の御質問の云々ということにつきまして、その他の提案者に聞く必要があるならば、これはその質疑の内容において次同等において今の御趣旨に沿うように提案者を呼ぶことにして、きょうは提案者が来ておられますから、そういう意味合いで一つ質疑に入っていただきたいと、こう思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は第一番に、今与えられた時間が社会党の時間だし、社会党の私どもの打ち合わせでは私が一番先にお尋ねするということになっている。その私が佐々木盛雄さん以外の人にお尋ねしたい、どうも、佐々木さんの本会議の趣旨説明は、五人の一致した見解でございましょう。しかし私は、ああいうお話ではなかなか了解しかねる点がある。いろいろ委員会ですから本会議と違って詳細な点まで触れる。従って佐々木さん以外の方にお尋ねしたい。委員長は今まで一人ということもおっしゃるけれども、議運に衆議院の方が来られたのは、私の知る限りでは四、五年の間初めてでありますが、私、たまたま商工委員会に所属しておりますが、商工委員会において、衆議院で修正した案とかあるいは衆議院の議員立法等において少くともお一人ということは私どもの参加している委員会ではございませんでした。従って、少くとも議員立法でございますし、これはわれわれ七百名の議員の身分を規制するという法案ですから、もう少し責任を持った態度で、一人も五人も一緒だというような軽い気持でなく、おいでを願いたいということを、重ねて御要請申し上げます。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 ただいまの阿部君の御意見は一応ごもっともだと思います。実は昨日来提案者の方には十分連絡をとっておった。で、今後何名出ていただくかというような問題につきましては、理事会あたりで十分一つ御協議を願うことにいたしまして、まあ従来の慣例からいいますと、法案提案者の一応責任者が答弁に当たるということにもなっておりまするし、また委員長が今言われます通りに、佐々木さんが提案者の代表ということに連絡にもございまするので、きょうのところは一応これで審議を進めていただきまして、昼食時間等に阿部さんの御意見を主にして話し合いをいたして、今後の運び方についての筋を定めたら、まあかように考えておりますから、一つ委員長の御意見の通りお運び願いたいというふうに重ねてお願いを申し上げたいと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 理事会ではたしかに話が出ましたが、逆に私の方から、提案者が衆議院の方であるから、十分連絡をとっておかないと衆議院の提案者もお因りでしょう、従って十分連絡できてございますかということを、私、両三度申し上げた。そうしましたところ、自民党の田中理事から、それはその通りでございますと、連絡とっておりますよという御答弁がなされた。もちろん、あなたのおっしゃる通り、人数何名ということは話をしませんでしたが、しかし常識的にみて正名の提案者がおるのに一人ぽつんとお出でになるということは、僕ら全然考慮しませんでした。そういう非常識なことをやられると思いませんでした。きわめて熱心に、ともかくこれを早くきめなければならないという態度なんですから、少くとも五名、四名の方がおいでになって、十分われわれに理解のいくように話をなさって、そして賛成願いたいというように僕は理解しておった。ところが今日は全然そういうことがない。従って、まあ衆議院の本会議が午後一時からあるそうですから、午後一時からおそらくどなたもおいでにならぬと思うのです。私どもが午後やることにきまっておっても、審議権を放棄して来るとは私どもは考えません。しかし、午前中は少くともこれは本会議がないのですから、当然私は、五名全部とは言いませんけれども、三名ぐらいここに並べるのは両院の関係においても礼儀だろうと僕は考えるのです。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 実はあなた御自身御質問なさるかどうかということはわからなかったのですが、理事会において、必ず三人なら三人、四人なら四人そろえなければ御質問できないのだというふうにお聞きいただけば、その手配をしたのですが、逆に考えれば、佐々木議員がお一人で出てこられる。しかも本会議での提案理由の説明者であり、そういう意味で代表者になっておられるので、それだけお一人で出られるということは、全責任をもってこの法案に対する提案者であるということのはっきりした態度で出てこられたのですから、むしろお一人で出てこられたということについて、これは十分一つそういう意味合いにおいて質問をしていただいたらどうでしょうか。これは人数をむしろぞろぞろ連れてこなければ答弁できないということは、かえって不見識であるというふうにも考えられるので、これはやはり両方とれるのですから、どうですか、阿部さん、理事会等においてそういう御発言があれば、私の方もそれは必ずどうだということで聞くんですが、一人ではどうも質問できないのだというふうな……

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 阿部委員がそういうお話をしたのは、この法律案の内容が重大であるということからお話をしたわけです。今、委員長は、佐々木さんが全責任を負っておるんだ、従って一人でも責任を負っておる以上十分にやれるんだという、こういうようなお話だったわけですが、そうなると、答弁は佐々木さんが当たって下さるわけですね。何かそこに、私はよく知らないのですが、事務局の方が来ておられるという話ですが、この方は質問に対して答弁をするわけではないわけですな。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) それは説明員ですからね。もし御了解を得れば……。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 というのは、われわれは案の内容が重大であるので、佐々木さ、ん一人でやはり答えられないような問題があるだろう、そこで二人ないし三人の人が来て答弁をしてもらうことが望ましいわけです。こういうことを含めて阿部理事は言ったわけです。そういうようなときに、何か隣りの方がちょっと補足説明とか何とかいうことでは、われわれはとうてい納得できませんから、それは全責任を持たれる以上は佐々木さんが一人で全部答弁していただく、こういう気組みでなければとうていこれは了承できないわけです。そういう点はどうですか。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) それはそれでいいんです。従って法制局次長の三浦義男君が列席しておりますが、三浦義男君がかりにかわって発言し答弁するというときは、皆さんの御了承を得てからその発言を許可しようと、こう思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それなら、その方が佐々木さんのそばに並ぶことが参議院の慣例からしておかしいじゃないですか。大体僕はどなたかと思っておったのですが、そこに並んでおって、御本人を前に置いてちょっと工合が悪いんですが、衆議院はそういう慣例かもしれませんが、少なくとも参議院においては、委員長から了解を求めて、それから前へ出て来てぽつりぽつり答弁するわけです。そこへ並んでいる方が参議院を何と心得ているかということは申し上げませんけれども、しかし、それはおかしいですよ。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 ちょっと速記をとめて下さい。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 速記をとめて。    午後零時一分速記中止    午後零時二十一分速記開始

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。一時より再開いたします。    午後零時二十二分休憩    午後二時十一分開会

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案を議題といたします。  休憩後におきまして提案者側の出席を求めましたところ、佐々木盛雄君のほか松澤雄藏君が出席いたしました。それではこれより本案の質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 午前中、提案者の佐々木議員だけしかお見えにならなかったものですから、他の提案者の方にも御出席をお願いをしたわけでありますが、それはどういうことでお願いをしたかと申しますと、前国会に本法案が提案されました際、提案者である佐々木さんの御説明の中に、十一月二十七日国会構内の多数の請願者が押し寄せましたことに関連して——云々という言葉がございました。私どもそういう考えで見ていないものですから、その取り消しを要求いたしたのであります。その結果、本院議長からも穏当を欠くということでその取り消しを命ぜられたのであります。ところが、その後に提案者を代表しての佐々木さんからは、さらに、議長からそういう取り消しの命令があればこれを取り消すことにはやぶさかでない、という意味の御発言がございました。気持よく取り消しておられないのであります。伺いますと、衆議院の方の議事録を拝見しますと、同様の文言が提案理由の中にある。そういうことで、五名の提案者のお考えが、一万数千のというようなことでこの法案が立案されておるということになりますと、私どもの考え方と根本的に違うものですから、お取り消しになった、やぶさかではないという発言はありましたけれども、今回の提案を見ますと、そういう文言はございません。そこで、松澤さんも他の提案者も、本院議長が命ぜられたように、一万数千の云々というような考えでこの法案を提案されておるものではない、当初はそうであっても、今日では、現在ではそのように修正されておるというふうに考えてよろしいかどうか。

松澤雄藏自由民主党

○衆議院議員(松澤雄藏君) お答えいたします。結論におきましては、佐々木君のとりました見解と私も同一であります。従いまして——云々という言葉があった、これに対しまして取り消すにやぶさかでないというふうな回答をしたという話でありますが、私も取り消すに何らやぶさかではありません。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 取り消して、新たにここに説明されておるような意味で、この法案の審議を本院に求めておられる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

松澤雄藏自由民主党

○衆議院議員(松澤雄藏君) 提案理由に書いてあります通りの意味でけっこうだと思います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは同様に、他院のことでありますから申し上げる必要はないかと思いますが、そういう意味で——扱い——が乱入をしたというような意味でこの法案を今国会に提案されておるのではないというふうに理解をいたしたいと思いますが、よろしゅうございますね。

松澤雄藏自由民主党

○衆議院議員(松澤雄藏君) とにかく佐々木君がすでに数回答弁しておるというふうな御報告を承っております。従いまして、佐々木君の答弁のある面と私たちの見解は同様でございまして、提案者がなるほど五名になっておりますけれども、五名の意見をすべて代表いたしまして、佐々木君をして答弁に当たらしめておるような次第であります。従いまして、現段階におけるわれわれの考え方は、提案の理由と何ら変わりありませんし、また議長の取り消しの要望に対しましても、佐々木君もきれいに取り消しをいたしておりますので、同一見解のもとに進めていきたい、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 それではお尋ねをいたしますが、集団的な示威運動が国会の構内に入ってきたことは、昭和二十五年、昭和二十六年と、昨年の十一月までの間に二回ございました。これで三回目だと私どもは承知いたしております。この前の二回の場合にはいずれも問題にならなかった。議長の責任を追及するというようなこともなかったし、さらに議長に警察権を拡大するというような話も出なかった。さらにいわんや、新しい法律をもってこれを抑制するというふうな話は今回が初めてであります。前二回に不問に付されておったものが、今回特にこのような立法措置を講ずることによってこういうものを抑制しようという考え方を、まず承わりたいと思います。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいまお尋ねの点につきましては、三回目というのは私は正確には承知をいたしておりませんが、確かに、前回と言っていいと思いまするが、警職法の問題が起こりましたときに、国会が非常に混乱をいたしたことがございます。その直後に、かような事態を繰り返すことは国会の権威の上からいってまことになげかわしいことである、従って、当時の自民党と社会党、両党の間で国会正常化をはかるようなことを考えようではないか、こういうことが一昨年の十二月両党の申し合わせとなり、四者会談の申し合わせ事項というのが双方によって確認をされておるのであります。その中に明らかに、特別委員会を設けて集団的な要請行動の規制をしようではないか、こういうことに申し合わせができております。その申し合わせに基づいて、わが党の代表と社会党の代表の方との間に何回か、相当しばしばでありまするが、話し合いが行なわれたわけでありまするが、ついにこれがそのままの状態に放置されておったわけであります。たまたまそこへもってきて、昨年の十一月二十七日のあの不祥事件が起こったわけでありまするから、まあ、この事件が一つの契機となったことは事実でございまするが、何も二十七日の事件が起こったから初めて国会周辺の秩序保持のための立法措置をしようと、突如として考えたというわけではないのでありましてかねがねこれは、わが自民党のみならず、両党の間に懸案になっていたことを、今度の事件を契機として、かくのごときことを繰り返さないために何らかの立法措置が必要ではなかろうか、かように考えて提案をすることに至った次第であります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 一昨年の十一月何日でありましたか、例の警職法の問題が議会の混乱を招きまして、それに関連して両党間の申し合わせが行なわれたことに端を発し、今回の立法措置云々という御説明でありますが、佐々木さんも御存じでありましょうが、参議院は、例の両党首会談の申し合わせということにつきましては、国会周辺の秩序維持ということだけが申し合わせではなかったのであります。申し合わせにつきましては、議長、副議長の選出の方法、あるいは党籍離脱の問題など、それぞれ四項目にわたってございまして、その中の一つを今あなたはおっしゃっておる。ですから、この種の国会の秩序保持に関する法律案を立案しようとする場合には、衆参両院が合意の上、それこそ意見の一致をみて、その上で提案することを私どもよしといたしまするし、今後はそういうふうにすべきものである。これこそ国会正常化の何よりも先に考えなければならぬことであると思っておるのであります。ところが正副議長の党籍離脱の問題も、両党間の申し合わせではありますけれども、こちらでは実現するに至っていない、今日なおそうであります。その中の一つだけをとって、今回、前二回も問題にならなかった、しかも、違憲の疑いふんぷんとしておりますような法律案を、両党会談のときの申し合わせの趣旨に沿うてこれを提案するというふうなただいまのお答えでは、ちょっと納得できません。二十五年と二十六年にも——二十五年のときは、たしか予算案の成立に反対をする示威運動でございました。二十六年の十一月のは、吉田内閣の打倒を叫ぶ国民の憤激が構内に入ってきたと記憶いたしておるのでありますが、こういう政治的な要求を持った多数の集団が構内に入ったのは三回あるのに、なぜ今回これが特に問題になったか。両党首の国会正常化に関する申し合わせに発するものであるという御説明は、衆議院ではどうか知りませんけれども、参議院の委員会ではちょっと筋が通らない。重ねて答弁を求めます。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 御指摘の四者会談の申し合わせ、ないし両党間の申し合わせの事項につきましては、私たちはこの申し合わせ事項全部が全面的に忠実に実行されることを心からこいねがっておるわけでありまするが、不幸にして、中には、守られるものや、守られぬものがあって、今日まで至っているわけであります。私は先刻お話を申し上げましたが、この四者会談の申し合わせそのものだけを根底として今度の立法措置を考え出したわけでありません。たまたま私は、経緯を述べろということでありますから、いきさつを述べたにすぎないのであります。私たちは、国会議員の良識と責任に訴えて、今日のごとき事態は非常に不幸な事態である、こういう前提に立っておりますから、従って、そういう事態改善のために、かねがね何とかしなければならぬということを考えておったわけであります。たまたまそこへ四者会談の申し合わせの事項の中にも、国会周辺の正常化ということは双方が積極的に進んでやろうということの申し合わせもあるわけなんであります。そこへ持ってきて、十一月二十七日のあの空前の不祥事態が発生し、しかも、その事態の善後措置に当たられましたわが衆議院の加藤前議長はみずから試案をお作りになって、そうして国会運営を担当しておりますわが衆議院の議院運営委員会の理事会に、A案、B案の二つの試案まで御提示になったのであります。ここにおいてわれわれはぜひともこれは政党政派を越えて与党も野党も一緒になってやろうではないかと考えて、いろいろ努力をし、折衝を重ねたのであります。できまするならば、われわれも衆議院の運営委員長の提案ということで、議長の諮問にこたえた委員会全体の発議としてこれを取り扱いたいと考えたわけでありまするが、不幸にして両党間の話し合いができなかったので、やむを得ずわが自民党所属の議院運営委員会理事提案の形式をとらざるを得なかったような次第でありまして、従いまして、今、椿委員の御指摘になりまするように、何もこの四者会談だけを金科玉条としてやったというわけのものではない。ただいきさつを今まで御説明申し上げたにすぎない。私たちの議員の良識と議員の責任においてこうすることが最も必要である、こういう観念に基づいて起草いたした次第であります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 それでだいぶはっきりしてきましたが、両党間の申し合わせば両党に所属しておる者が尊重しなければならぬことは言うまでもありません。ところが、参議院におきましては、これはその後の事情の変化もございますけれども、両党会談だけで縛ることのできない会派もいられることは御存じの通りであります。そこで私が聞いておりますのは、憲法上保障されておる表現の自由といいますか、こういうものを規制するような重大な内容を持った法律などを作る場合には、何か、議員の登院とか、あるいは審議権の公正なる行使が阻害されておるという具体的な事実がやはり先行しなければならぬ。どういうことをそういうものとしてお考えになって、審議がかくのごとく妨害された、かくのごとく登院が妨げられたというようなことがあって、このような法律を立案しなければならぬのだという、その説明を、それじゃ伺うことにいたしましょう。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいま具体的に議員の登院が不能になったというような実例があるなれば、それを例示しろということでありますから申し上げます。先刻申し上げました昨年十一月二十七日の国会乱入事件とわれわれの呼んでおりまするその当時の事態は、議員の登院が全く不能になって、従って、国会を構成する議員が登院できないわけでありまするから、国会の正常な審議が妨害されたことは当然なことであります。かくのごとき事態を繰り返してはならないという考え方に立っております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 そんな抽象的なことをお聞きしておるのではありません。十一月二十七日には衆議院も参議院も本会議はございません。あったとしても、午前六時過ぎにベトナム賠償に関する決議を衆議院はちゃんとやられて、当日は午前、午後を通じて本会議はなかった。委員会も、参議院におきまして外務委員会があった程度と伺っておりますが、そのほかに私の存じないものがありましょう。ところが、そういう委員会があの事件があったためにどのように妨害されておったかという具体的な事実を一つお聞かせを願いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) その十一月二十七日の当日の事態につきましても、私たちは調査をいたしました。その結果、国会議事堂周辺の道路の状態というものが議員の登院を著しく妨げておった事態であったということを、われわれは確認をいたしました。従って、議員が登院できないのでありまするから、公正な審議に妨害のあることは当然のことであります。従って、あの事態というものはきわめて好ましくない事態であるから、ああいうことを繰り返したくない、こう考えるのと、それからもう一つには、何も、こういう事件が起こったから、従って今度はそういうことを繰り返さないような法律を作らなければならぬというのではないのであって、あらかじめ予想されるいかなることをも想定していかなる法律を作ろうとも、それは自由だと思うのであります。私たちの今日の議員の良識に訴えまして、また、現実の事態の認識に訴えまして、皆さんとわれわれとの間に認識の相違はあるかもわかりませんが、私たちは、最近の状態を見ましてああいう事態は好ましくないから、ああいうことを繰り返さないような何か立法措置が必要であろう、こう考えておるわけであります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これはまことに重大なお話を聞くのでありまして、当日は本会議もなかった。委員会は先ほど申し上げましたように、私の承知しておりますところでは、両院を通じて三つあったかと思うのであります。しかも、あの国会の構内に多数の人が入って来たというのは、参議院におきましては外務委員会あるいは風水害対策特別委員会、衆議院では熊本の水俣病の何とかの委員会、いずれも出席しておった人たちに事情を伺っておりますが、そういう事件が起こったことは、委員会が済んだあとで外へ出て承知をしたという人こそあれ、あのために審議が中絶をしたとか、できなかったとかというようなことは、不幸にして私は聞いていないのであります。そこで、そういう事実があればお示しを願いたいと、こう聞いておるのでありますが、ただいま佐々木さんのお話によりますと、いや、あれにこだわっておるわけじゃない、ああいうことが起こらぬようにあらかじめ予想をしてこの法案を立案したのだということでありますが、私は、今この法律は、後ほど詳しく審議の際に申し述べたいと思うのでありますが、東京都公安条例を前提としてこの法律案というものは提案されておるように思うのであります。ところが、東京都の公安条例は、これまで地裁におきまして四件判決がございますが、そのうちの三つはいずれも違憲判決であります。まだ最高裁で最終結論が出ていないではないかという議論もありましょうけれども、かくのごとく違憲の疑いの濃い条例を前提としてこの法律案を作っておるのです。しかるに、こういう法律を作る場合に、具体的な事実も何もなしで、あらかじめこういうことが起こるだろうということを予想して立法を急ぐというようなことは、これは立法技術の上から言ってもだめですよ、そういうような議論が中心になっているようでは。私の乏しい法律知識から言いましても、そういう考え方自体が憲法違反の疑いをますます濃厚にするものである。具体的な事実、急迫したこのような法律の必要な危険の事実というものが示されることが立法の前提にならなければならぬという考えを私は持っておるのであります。重ねて佐々木さんの答弁を求めます。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 見解の相違、あるいは事態に対する認識の相違というのはあるかもわかりませんが、少なくとも提案者としての私たちは、十一月二十七日のごとき事態というものがきわめて好ましくない事態であって、何らかこれに対して立法的な措置を加えるべき事態である、あのこと自体が一番具体的な例である、ああいうふうなことを繰り返してはならないという考え方に立ってこれを提案いたしたようなわけでありまするから、あのこと自体が、具体的な例を示せと言われれば、これはその通りであります、こう答えざるを得ないと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 どうも佐々木さんの答弁は、さっきあなたが椿委員に対して答弁された内容と非常にかけ離れて違ってきておるように思う。先ほど椿委員の質問に対してお答えになったときには、十一月二十七日の問題が問題ではなくて、これはもうそれだけが問題ではなくて、あらかじめそういうような同じような類似な問題が起こらぬようにするためにこの法律を出したんだと、こういうふうにあなたは言われておる。ところが、今は、具体的に言えば、そういう問題がそうだと、こう言う。ところが、椿委員の質問は、具体的にはどうかということを聞いた。その質問に対しては、あなたは、その具体的な事実、それは重大ではなくて、われわれはむしろこういうようなことが再び起こらないことを念願して作るんだと言われておる。どうも言い方が非常にあいまいで、はっきりしていないんです。第一、あなたの提案の趣旨の説明を見ても、十一月二十七日の事件を契機として、その事件を具体的な事実としてこの法律案が出されたということは、あなたの提案の趣旨の説明によっても明らかだ。なぜならば、「集団陳情に名をかりた一万数千名の」これは直りましたが、「デモ隊が国会構内に乱入したわが国憲政空前の不祥事件の発生を契機として、再びかかる不祥事件を繰り返さないために、加藤前衆議院議長は、」こうこうこういうことを「提示された」。それを「議長諮問にこたえた議院運営委員会全員一致の立案」ができなかったから、議長諮問にこたえて、われわれが議員立法のこの法案を出したんだと、明らかに書かれておるじゃないですか。議長諮問の内容にこたえたということは、十一月二十七日に行なわれたそのデモ事件、こういう事件を契機として、こういう事件を具体的な事実として、こういうことが、再び繰り返されないようにと、そういう内容を含んでおるじゃありませんか。その点は、はっきりして下さい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私の論理はちっとも矛盾はないと思います。私たちは、国会議員の登院が妨害されたり、従って、国会の公正な審議が阻害されるという場合において、そういうことのないような立法的な措置をとる必要があると、かねがねこのことは考えておった。そのことの経緯につきましては、四者会談の申し合わせの事項や、あるいはこの間の十一月二十七日のデモ事件の発生等の問題を申し上げましたが、そういう事態を繰り返してはならない、かような考え方に立ってこの立案をいたしたわけでありまするが、先刻椿委員は、しからば具体的にどういう事実があったのかというお話でありまするから、従ってその好ましくない事態というものは、早い話がこの間の十一月二十七日のあの乱入事件のごときはきわめて好ましくない事態であって、ああいうことをぜひとも防止したいという考え方に立ってこの立案をいたしたものであるということを言っておるわけでありまするから、私は、決して論理の矛盾はなかろうと考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これはどうも私は了解ができないんですがね。ああいう多数の人が国会の周辺に集まったために、当然開かれるべき場本会議なり委員会というものを開くに至らなかったとか、開くことはできたけれども、静穏でなかったために審議を続行することができなかったとかいうような具体的な事実があるのであれば、それをお示し願いたいと、こう言っている。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私は、当日具体的に何々の委員会が開かれておったとか、何々の本会議が開かれておって、どういう状態であったかということについては、詳しくただいまのところ資料を持っておりません。しかし、私は、いずれにいたしましても、あの事態そのものというものが、当然国会の公正なる審議を確保するような事態でなかったという認識に立っているのであります。あのような事態は好ましくない、あのようなことは国会の公正なる審議を妨害する行為であるから、ああいう場合に何らかのこれを取り締まるような措置を講ずる必要がある、こういう考え方を持っていることには何の矛盾もなかろうと私は思っております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 しつこいようでありますが、違憲の疑いがまことに濃いそういう公安条例を前提にして、国民の基本的な権利というものを抑制する立法なんですよ、これは。そういう法律を作る際に、ああいう状態が好ましくないというだけでこういう法律を作るということは、これはちょっと法律常識では通りませんよ。ですから、資料をお持ちでなければ、提案者なんですから、どの委員会が開かれるべくして何時に開く予定であったのが、登院不能に陥ったために開かれなかったか、開くことは開いたんだけれども、静穏を確保することができないために審議が妨げられた、こういう事実があるということ、具体的な実績というものがまずないと、こういう違憲の疑いの濃い条例を前提としての立法ということは、これは考えられないという立場を私は堅持している。あなた方もそうでなければならぬと思う。それで県体的な事実がお示しいただけるなら、私どもも、これは進んで、なるほどそういうことなら、国会議員が登院することが不能に陥ったり、あるいは審議が妨げられるというふうなことは、これは絶対にあってはならぬことでありますから、賛成することもそれこそやぶさかではない。そういう具体的な事実を一つお聞かせ願いたいというのです、不幸にして私ども承知しておりませんの  で。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいまの御要求の何々委員会が開かれておったとか、何々委員会は開いておっても審議ができなかったというこまごまとした母体的な事実について、今ここに私はデータを持っていないということは申し上げた通りです。しかし、そのことは御必要ならば後刻調査の上で差し上げてけっこうだと思います。しかしながら私の提案は、別に、個々にその当時起こった行為、たとえば犯罪行為のようなものを取り上げてそれを罰するというようなことの趣旨ではございませんわけでございますから、この国会周辺の静穏を保つということがわれわれのねらいなんでありますから、そういう立場に立って、そういう事実の有無にかかわらず、私どもはこの間の十一月二十七日のような事件はきわめて好ましくない事態であって、ああいう事態をこの法律によって規制すべきである、こう考えているようなわけであります。なお、あなた方は、しきりに最初から違憲だ違憲だということをおっしゃっておりますが、私どもはこの立法が違憲であるとは考えておりません。またそれらにつきましては、後ほどいずれ御質問もあろうかと思いますので、その席を拝借して私たちの所見を申し上げたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 今の問題について、あとで同僚委員から御質問がございますが、その前に、今佐々木さんが触れた違憲問題について、大ワク的に一言お聞きしておきたいことがある。提案者は違憲ではないというふうな立場からこれを出しているということを言われているのでありますが、われわれは、今度のこの法律案については、明らかに立法すること自体が第一に違憲であり、それから第二には、法律案の内容に示されたその条項が違憲の疑いのある条項がたくさんある、こういうふうに考えているわけであります。そこで、第二の法律案の内容についての違憲問題については、これはあとでゆっくりとお伺いをすることにいたしまして、その前に、こういう立法をすること自体が違憲ではないか、こういう点について一言お聞きをしたいと思うのであります。それは、先ほど同僚の椿委員からの質問の中にもありましたように、今度のこの法案の内容を見ると、東京地裁で違憲の判決の下っておる東京都の公安条例、この公安条例を前提として法律案の内容が作用されるように作られておるわけであります。私は、すでに違憲の判決の下っておるこういうような条例を前提的な内容としておるそういうあり方自体が違憲ではあるまいかというように考えておるのでありますが、この点について見解を一つ述べていただきたいと思うのです。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) なるほど東京都の公安条例につきましては、下級裁判所において違憲の判決も出ておることは承知いたしております。また同様に合憲の判決の出ておることもございます。また、新潟県における公安条例につきましては、これはすでに合憲の判決も出ておるようなわけであります。従ってこれは東京都の公安条例につきましては、いまだ下級裁判所の段階を低迷いたしておるわけでありまするが、最高裁判所の最終的判決はまだ出ていないわけでありまして、その最高裁判所の最終的確定を見るまでの間、われわれがこの現に合憲として認められておりますところの東京都の公安条例を、それを対象としての法律を作るということは、決して違憲の措置ではなかろうと、かように考えておるようなわけでございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 佐々木さんにお断わりをしておきたい点は、この法律案は、これは国会周辺をやっておる問題でありまして、新潟県の条例とは何ら関係がございませんから、その点一つ念のため申し上げておきます。よけいなことはなるべく言わないようにしていただきたいと思います。私の聞いておるのは東京都の公安条例の問題であります。そこで佐々木さんは今、東京都の公安条例については、下級裁判所で判決がおりている、しかし最高裁でこれが確定していないのだから、これを前提としても何ら違憲ではない、かように仰せになったわけであります。私もまた最高裁判所の最終確定がなされていないということは知っております。知っておりますけれども、私が言うのは、東京都の公安条例の効力の問題を申し上げておるのではないのであります。効力は現実にあるということは、これはだれしも認めておるところであって、われわれも、現に生きておる法律、それが効力のないというようなことを言っておるのではないのであります。ただしかし、東京地裁で三回にわたって憲法違反であるという判決がおりておる。そのこと自体が、その法律の効力の問題でなくて、その法律自体は不安定な位置に置かれておる。こういうところから私は違憲の問題を佐々木さんにお伺いをしておるのであります。そこで佐々木さんにお伺いをしますが、三回にわたる違憲のこの判決によって、東京都公安条例は、そのものとしての法律的効力は持っておるとしても、法律そのものの地位は不安定な状態に置かれておる、こういう点はお認めになると思うのでありますが、いかがでありますか。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私は決して不安定な状態であるとは思いません。まだ最終的法の確定を見るまでの岡、現にこの法律は生きておるわけでありまするから、従って、生きた法律を根拠として各種の立法措置を講ずることは当然のことであると思います。決してさほど不安定な状態にあるとは私は考えておりません。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 あなたは考えてなくても、客観的な姿は不安定な状態にある。なぜならば、違憲の判決がおりたのが、最初の判決がおりたのが三十三年五月六日でありますが、その後三十王年八月二十九日及び翌年十月十三日、二回にわたって同じように違憲の判決がおりておる。その間に合憲の判決のおりておるのは一回もないのであります。すべて違憲の判決がおりておるのであります。なぜ違憲の判決がおりておるかというと、違憲の判決理由をこえるほどの、合憲の方に持っていくだけの根拠がない。そこでいまだ違憲の判決がおりたままに、ここ足かけ三年間今日までなっておる。この法律が少なくとも法の効力はあるとしても不安定な状態に置かれておる。これはたれしも認めざるを得ないと私は考えるのでありますが、この点はいかがでございますか。あくまであなた個人としては、百万人といえどもわれ行かんと言って、がんとしてがんばると、こうおっしゃるのか、どっちか一つ……。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 安定とか不安定とかいうことは、表現の仕方によってどうとでも考えられますが、確かにそれは、合憲の判決が一方に出ておって、一方に違憲の判決が出ておるのだから、言葉の使い方によっては不安定ではないかと、こういうふうに言われるならば、そのこと自体はその通りであります。しかしながら、私たちといたしましては、現にこの公安条例というものは生きた法律であるのだから、その生きた法律というものを根拠にして、そうして今度の立法措置を考えたということには、何ら違憲であるという批判を受けるべき筋合いではなかろうと、こういうふうに考えておるわけであります。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 そこが私は大事であると思うのであります。違憲の判決が最終的に確定してない。しかし、その法自体は不安定な位置に少なくともある。こういうような法律を、国民の基本的な人権を制約するその法案を立法する前提として取り入れること自体が、これは国民の人権の侵害になりはしないか、少なくとも国民の基本的な人権を侵害するおそれを生ずるのではないか、こういう点をはっきりと言い得るのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 先ほども申し上げましたように、判決につきましては合憲と違憲との二つがあるわけでございます。しかし、かりに今、占部さんの御指摘になりまするように、東京都の都条例というものが違憲であるということによって法律的効力を失うというような場合になりましても、私たちは国会の周辺の静穏を保つというような立法措置は必要であろう、むしろ逆に、都条例によって取り締まることができなければ、なおさらのこと、われわれは国会の周辺の静穏を保ち、議員の登院と国会の正常な審議権を確保しなければならぬ、その必要性を逆にわれわれは痛感する立場に立っているわけであります。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 東京都の公安条例が将来違憲の確定をされるか合憲の確定をされるかということは、あとの問題であるとしても、かりに違憲になったとしても、こういうような立法をすることは必要であると、かようにまあ佐々木さんはおっしゃるのでありますが、それは佐々木さんがそういうふうに考えたことで、私の質問はそうではないのであります。立法をあなた方が必要としょうと必要としまいと、これはあなた方の立場から言っておられる。私の言っておるのは、東京都の公安条例そのものが、初め合憲の判決もおりたことはあるけれども、昭和三十三年以降三回にわたって違憲の判決がおりている。この違憲の判決のおりているこの実態、しかも、その中において合憲の判決は一つもない、こういうような三カ年にわたる実態から、条例そのものが不安定な状態に置かれている。かような不安定な状態に置かれている条例を前提として、それを内容として、国民の基本的な人権であるところの集団示威運動その他の問題に対して制約を加えるということは、このこと自体が国民の基本的な人権を侵すおそれがあるじゃないか。少なくとも立法者としては、立法する者の立場に立っては、かような不安定な、将来どうなるかわからぬような不安定なそうした条例とか、そういうような法的なものを内容としないようにしていくことが、立法者としての措置であるし、そのこと自体、国民の基本的人権を守るゆえんなんだ、逆に言えば。こういうような立場から私はあなたにお尋ねをしているわけであります。つまり不安定なそうした条例を前提とすること自体が基本的人権を侵すおそれがあるのではないか、こういう点を私は言っているのであります。この点についてお答えを願いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 先刻私がこの法律の基礎が不安定だと申し上げましたのは、あなたのそういう御説に対しまして、あなたのそういう立場からおっしゃいますなれば、合憲と違憲と両方が出ているから、従って不安定ではないかとおっしゃるなれば、不安定でありますということを言っているわけでありまして私自身がきわめて不安定な立場に立っているものである、従って、これは違憲の疑いのあるものを無理やりに、しゃにむにやろうという、そういう考えは持っておりません。私自身の立場から言うなれば、先ほど要らぬことだとおっしゃいましたけれども、新潟県の公安条例の際におきましても、これは最高裁判所の合憲判決が最終的に確定いたしている。こういう立場から考えましても、私は東京都の条例につきましても必ず最終判決は合憲であるというものの考え方に立っているわけであります。  それからまた、今のお話で私たちが、この法律が人民の権利を非常に侵害するものであるという立場からおっしゃっておりますが、われわれは、いずれ御質問はあるかと思いますから、各論にわたってお話申し上げたいと思いますが、決して憲法によって保障された国民の基本的な権利に重圧を加えたり、それに不当な圧迫を加えるものではないという立場に立って、合憲であるという前提に立って立法措置に臨んだわけであります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 ただいま新潟の公安条例が最高裁において大法廷で合憲判決を受けておりますのは昭和二十九年の十一月二十四日なんです。それから後に下級裁判所である東京地裁は、東京都の公安条例について、三十三年五月六日、いいですか、東京都の公安条例を違憲であるときめつけております。そればかりじゃない、同じく三十三年の八月二十九日にも同様のの違憲判決を行なっております。三十四年八月八日同様に東京の地裁は公安条例に違憲判決を行ない、同じく昭和三十四年十月十三日にも、最高裁の大法廷で新潟条例について合憲判決があった後に、東京都の公安条例については違憲であるということの判決をちゃんと行なっているのであります。下級裁判所が上級裁判所と対立した判決を下すのには、よほどの確信と自信がなければ、こういう判決が行なわれるものじゃありません。下級裁判所の判決を上級裁判所がくつがえすということはあり得ることでありますけれども、上級裁判所の、特に最高裁の大法廷で合憲判決をしたものと同じような種類の東京都公安条例に対して、その後四つも違憲判決が行なわれておるというこの事実、ただいま占部君が指摘されますように、今あなたが御提案になっております、この国会の秩序維持、審議権確保というこの法律は、そういうまことにあいまい不安定な東京都公安条例であることを前提にして、それにたよってこの立法ができておるのですよ。ですから、これはもうきわめて根拠はあいまいであるし、もう少し最終結論を見た上でこれは立法してもおそらくないじゃないか。いわば砂上の楼閣というのはこういうのを言う。いつさらわれるかわからぬようなものを対象にして、そうしてこの法律を作られておるというところに、私どもの納得のできない点があるということを、占部委員は今指摘している。これは重ねて一つ私からも提案者の意見を聞きたい。先ほどちょっと関連の御発言がありましたので、結びを結ばなかったのですが、私はどこまでも、国会の議員の登院、審議権がこのようにして妨げられ、妨害を受けた、だからこのようにして国民の基本的権利を抑制する立法が必要だということについては、具体的な事実がどうしても必要だと私は思う。あなたは、今手元にはないけれども、そのうち調査をしてお示しいたしましょうということですが、そのうち調査をするというようなことは大体けしからんですよ。調査が十分できた上でこのような法律案ができて審議を求めるというのでないといかんのですが、聞かれてから調査をする、まあおそくてもよろしい、十分お調べの上に、この次には一つ具体的な事実というものをお示しいただきたいと思っているが、できますね。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 椿委員の御見解に私は反駁をするわけじゃございませんけれども、私は必ずしも何月何日のいかなる委員会がいかなる影響を受けたかというような具体的な事実がなければこの立法ができないという、あなたの見解に賛成することはできません。私は、かりに百歩を譲って、そのような具体的な事実が今ここになくても、この十一月二十七日に起こったようなああいう不祥事態はぜひともこれを回避したい、ああいう事態を再現してはならない。そのためにかような立法措置が必要であるということを考えたことには、さほど私は非難を受けるべき筋合いではなかろう。これは私の見解でありますが、しかしながら、せっかくの御要求でありますから、先刻申し上げております通り、私はもっと詳しいデータを調べた上で御回答申し上げることをお辞しを願いたいと思う。  さらに、前段におっしゃいましたこの東京都の下級裁においては皆違憲の判決が出ているじゃないか、しかるにこういう違憲の基盤の上に立ってかくのごとき立法をすることはけしからぬではないか、というお説に対しまして申し上げたいと思いますが、なるほど今まで出ました大体四つの違憲判決がございます。東京都の公安条例に関するところの集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例につきまして東京地方裁判所におきまして四つの違憲判決が出たことは御指摘の通り事実でございます。しかし、それが東京高裁に参りました場合におきましては、いずれも合憲の判決が出ております。従って、第一審においては違憲であって、第二審においては合憲であるということになっておる。この事実はうそではございませんから、この事実も正確に御認識を願いたいと存じます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 ちょっとこれは時間がございませんが、今の先ほどの資料の問題ですが、ちゃんと具体的な事実についての調査があるんだが、今手元にないという意味ですか。これから作って出すという意味ですか。それが一つ。ないということでありますから、これから作って出されるだろうと思う。  で、地裁では違憲の判決を受けておるが、高裁に回るといずれも合憲の判決を受けておりますということでありますが、寡聞にして私は、その一つだけ高裁に回って、半分は違憲、半分は合憲という判決のあったことは承知しておりますが、いずれもというのはどこにありますか。教えて下さい。私は知りません。聞き違いじゃないかと思う。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私の申し上げたことで不適当な言葉がございましたら、私は取り消します。私の申し上げたい趣旨は、地裁においては四つの判決についていずれも違憲の判決が出ておる。しかし、同じように四つの問題につきまして高裁において合憲の判決が出ておるものがある。このことを申し上げたわけであります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 いずれもというのは……。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 従って、前段に私が申し上げましたことの中に不的確な言葉がございましたならば、今申し上げました言葉に置きかえていただきとたいと思います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 資料について……。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) なお、先刻椿委員のおっしゃいました具体的にいかなる委員会がいかなる影響を受けたかというようなことについての資料提出の御要求がございましたので、ただいま私の手元に用意をいたしておりませんということを申し上げました。しかし、私たちはせっかくの御要求でありまするから、御要求にこたえて整備をして提出をいたしたい。このことをお約束申し上げておる次第でありまするが、私たちは先刻申し上げましたように、必ずしもそれがなければ絶対にならないものであるという考え方には立っていなかったということを申し上げた次第であります。しかし、委員としてのあなたの御要求に対しましては、さらに調査をした上で御提出をしたい、こういうことでありますから、御了承を願いたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 佐々木さんは初めの答弁とあとの答弁はだんだん違ってきておるのです。あなたはさっき椿委員の質問に違っていないとおっしゃるのですけれども、われわれ冷静な立場で聞いておると、だんだん違ってきている。まず第一点は、二十七日の事件でこの法案を出したと、こうおっしゃっている。しかし、二十七日に議員が登院できないような状態じゃなかったじゃないかと、こう重ねて追及をしている。委員会もその日は開かれているが、議員が登院のじゃまになるようなことはなかった。こういうことを追及されて、そうすると、今度はあなたの方はそういうことを予想して法律を作るのは自由じゃないか、こういうことをおっしゃったんです。松澤さんと私は顔を見合わせて笑った。法律を作るなんということは自由だというが、あなたの家の近所にくりからもんもんを入れた者がおる、精神病患者がおったりしたら、家に帰れないからといってこれをむやみやたらに警察に拘禁してくれということが言えますか。具体的な事実がなければ法律を作って人を取り締まるということはこれは違憲だということを私は言っておるのです。家の近所に酔っぱらいがいてどうしても帰れぬから、これを警察に引っぱってくれ、こういうことが言えますか。あなた、法律を作ることは自由と言いますが、どうですか。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいまの御議論はずいぶん論理的に飛躍した御議論であって、私は答弁にかえって困るわけであります。くりからもんもんやライ病患者とこれと同じように取り扱われては困りますが、私たちもそれでは具体的な例を示せとおっしゃいますならば、十一月二十七日のあの事件は、あの事態というものは、この法律によって何らかの規制を加えるべき事態である、そのことをわれわれは認識して、その必要を痛感して提案した次第でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 私は奇想天外なことを言っておるわけではないのです。あなたは初めは、今言ったように二十七日の事件をもとにしてこの法律案を出したとおっしゃるのですよ。しかし、椿委員の質問で、二十五年と三十六年もあった、十一月二十七百にもあった、この二十七品の事件でも、議員が登院するのにそう大してじゃまになったか、審議のじゃまにならなかったのじゃないかと、こういうことを言って追及したんです。それだけではこういう違憲のおそれのある法案を出すというのはおかしいじゃないかと、こういう追及をやったわけなんです。ところが、あなたはあとでは、具体的事実はなくても、予想して法律を作るのは自由だとおっしゃるんです。議員が登院するのにじゃまになったり、審議をするのにじゃまになったりする具体的事実がないのに、法律を作るのは自由だとおっしゃるんですが、この根拠を、そういう具体的事実がなくても法律を作る自由があるのか、そして、その違憲のおそれのある法律を作る自由がだれにでもあるのかということなんです。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) あなたは、何か立法の原則論というものと、具体的なこの事実というものとを混同されているのでありますが、私たちは、国会議員が、憲法やあるいは国会法等に保障された権利に基づきまして、いかなる法律も立法する自由はあろうと思います。それは原則論であります。ただし、そんな突拍子もないものは事実問題としてあるのではありませんので、しからば、具体的にはいかなる事実かとおっしゃいますから、十一月三十七日のごとき事件は、提案者といたしましては、ぜひとも何らかの立法措置によって取り締まるべきものである、こういう考え方に立って提出をいたしておる、そういう次第であります。  なお、十一月二十七日の事件をもとにして、とおっしゃいまするが、私は、もとにしてとは言っていない。今までもいろんないきさつがあったが、これを契機として、なおさらこの際必要であるということをお互いが痛感したというわけでありまして、従ってただいまの事件だけをもとにして作ったということではないことを御了承願いたいと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 委員長、重大な問題なんです。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) なるべく簡単に。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 今佐々木議員は、国会議員であるからいかなる法律も作れるなんということをあなたはおっしゃるけれども、国会議員だからといったって、いかなる法律も作れるというものじゃ私はないと思う。憲法というものがあって、お互いに法律を作る場合には憲法の範囲で作らなくちゃならない。また、いろいろな基準というものがあって、(笑声)いや、笑いごとじゃないです、真剣にやっているんだから。それはあなたの方は、何でも自分が、あめか何かをひねって作れるような、そういう言い方をされたんじゃ、真剣な討議ができませんよ、ほんとうに。それだから私は、そんなことはわかっていると思うけれども、念を入れて言っている。老婆心で言っている。そういう点をはっきりして下さい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) もとより日本は立憲政治国でありまするから、憲法の範囲内において法律を作らなきゃならぬことは、もとより当然なことであります。まあそういう何と申しまするか、ことさらの、いわばあげ足というか、そういうことからおっしゃいますと、いろんなことを悪意や故為に考えますと、いろんなことが言えると思いますが、われわれは大体良識に訴えましてそして国会議員には提案の権利が認められているんだから、従って、提案をして、そこでみながよろしいということになったならば、それはいかなる法律も作れるのじゃないかということを申し上げるだけでありまして、それが憲法の範囲内であることは当然のことであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 理事会でお約束しました社会党の時間がきましたので、これで私どもの委員の発言はきょうは終わりますが、最後に佐々木さんに一つだけ、この次の委員会でお尋ねする参考までにお聞きしておきたいのですがね。私どもの方の議長の松野さんは、あなたのおっしゃるように、その十一月二十七日の問題については、参議院は全然そういうことはございません、まことにりっぱでしたということを明確におっしゃっている。私の言うことにもしお疑いを持たれるのであれば、速記録をごらんになってみればわかる。あなたの十一月二十七日説をここに来て言われても、僕らには通用しない言葉なんですよ。従って、あなたがそういうことで十一月の二十七日論を、衆議院でやられておるならばけっこうであるけれども、私どもの方へ持ってきては困る。従ってその点を申し上げると同時に、もう一つ、これを読んでみると、参議院の区域までこれは規制しなければならぬという内容を持っているのです。従って、参議院の議長に十分相談して、松野議長は、こういう条文の内容について、あなた方に了解を与えておるかどうか。あなた方が衆議院だけで一方的にやったものかどうか。その二点をお尋ねしておきます。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) この実際のところを申しますると、先刻も、私の提案に至る経緯の説明の中で申し上げましたように、わが衆議院の加藤前議長がA、B二つの試案をお作りになったのであります。従って、そのお作りになりまする前の段階におきまして、参議院の議長さんとの間に交渉が行なわれておったものか、あるいは行なわれていなかったものか、私はただいまのところ、これは、つまびらかにしておりません。しかし、私たちは、かりに、なぜそういう措置をとらなかったかということでございまするならば、もしそういう連絡がなかったということが妥当を欠いておったというなれば、それはまことに申しわけないことだと思います。しかし、私たちは、その連絡のあるなしにかかわらず、この程度のものは、国会議員として当然共同の責任において善処すべきものである、こういうような考え方に立って提案をいたしたわけでありますから、この点は一つ御了承願いたいと存じます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 了承する、しないという問題については、次回に論争しますがね。あなたのその提案の根本精神は、加藤前議長さんの声明に出発しておるというお話でした。もちろん条文については加藤さんは全部知っておられるかどうかわかりません。しかし、少なくとも今まで、あらゆる両院に関する問題については、一院が一方的にやったことはございません。従って本件を松野議長さんが御了解しているのか、御了解しておらぬのか、あるいは全然あなた方が一方的にやったのかということを、簡単にお尋ねしておるわけです。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいまのところは、私はその間の経緯につきましては、つまびらかにしておりません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私は、いよいよ本日から本法案を参議院で審査に当たるわけでございますが、特に提案者に冒頭にお尋ねしておきたいことは、衆議院におきましては、いわゆる自由民主党単独で審議せられてこちらに回されたのでございますが、参議院におきましては、少なくともわれわれがしばしば述べているように、議会制の民主主義を貫くことが良識の府として当然のわれわれの責務である、こういう立場から、議運の理事会におきましても、相当これは慎重に審議しようということを申し合わせております。こういう立場で、特に昨秋の十一月二十七日の国会デモ乱入事件につきまして、衆議院におきましては、議長あるいは副議長が責任をとって辞任いたしております。これは本人がいかなる主観的な意見を述べようと、当然これは、十一月二十七日のあの事件が契機となり、またこれに対する責任がかかるというような事態をとっております。またわれわれはこれを主張して参りました。特に衆議院によってわが党はそれを主張して参ったのでございますが、それが主張通りになったものと私たちは考えております。しかしながら参議院におきまして、わが党、特に永末委員なりあるいはまたその他の委員から、しばしばこの問題につきまして、参議院議長の責任を追及して参りました。しかしながら、議長はたびたび、これにつきましては責任はないということを明言いたしております。従って、先般の十一月二十七日のこのデモ事件に対しては、参議院の議長は責任はないと言っている。私たちは、この不祥事を起こしたことについては、少なくとも国会の最高責任者である議長は、これに対する責任もあると考えると同時に、またあれを指導したいわゆる責任者も、当然これまた責任があると思います。まあこういう立場から、少なくともこの法案を出す前に、当然これは、この両者の責任、いわゆる謙虚な気持においての反省と、そして責任を自覚することが、この法案を今後審議する上におきましても、一般国民の理解を深めるものである、こういう見地に立っておるわけでございます。そういう立場から、提案者は、もちろん参議院の問題ではございますけれども、こういうこと、われわれのこの主張に対しましてどういう考え方を持っておられるか、まず冒頭にお聞きしたい、こう思うわけでございます。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) これは、事参議院の議長の責任問題等の問題に  つきましては、私たちの立場からとやかく言うべきことではないと思いまして、参議院議長の雷門をわれわれは信じたいと存じます。また懲罰問題についての言明もありましたが、これは衆議院におきましては、加藤前衆議院議長が懲罰すべきものであるとお考えになりまして、議長職権をもって懲罰委員会に付託されました。今委員会に付託されておるわけでありまするから、この結論は委員会としていかような結論が出るかわかりませんが、委員会の結論を待って御判断を願いたいと、こう考えます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 提案者に再びこの問題でお聞きいたしますが、いわゆる百の規制法律よりも、群びかかる不祥事をなからしめんということが目的であると思います。従って、そういう立場から、特にかかる問題については、今後再びこういう問題が起こらないように、やはり今回の不祥事について責任のありかを明確にする必要がある。これによって衆議院においてはおそらく責任をとられたと思うのです。いくら加藤議長がどういう抗弁をしようと、世論は少なくともあの事件を契機とし、あれに対する責任をとったということも信じております。そういう立場でこの法案の提起をする前に、われわれは少なくとも先ほど申しますように、責任の問題を明確にしておく必要があるとしばしば主張をして参りましたけれども、松野議長はこれに対してほおかむりをしておる。こういう状態が現われております。従って、百の法律を作るよりも、再び起こらしめないようにみずからがやはり責任を痛感し、反省し、そして今後かかる不祥事がないようにしなければならぬ、こういう立場にわれわれは立つわけですが、この点について重ねて質問いたします。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 先刻も申しましたように、国権の最高機関である院の議長の責任の問題につきまして、私たちがこれを軽々に批判すべきではなかろうと考えます。で、私たちは、議長の責任の問題いかんにかかわらず、国会議員として、国会の公正な審議を行ない、もって国民の委託にこたえまするために、かくの、ごとき立法措置をとることは、議長の責任とまた別個の観点に立って必要であろう、こういう考え方から提案をいたしたような次第であります。

永末英一民主社会党

○永末英一君 ただいまの佐々木さんの御答弁がございましたが、あなたが提案されましたこの法律案には、国会における審議権確保につきましても、あるいは秩序保持についても、両院議長一致してその事に当たるという字句が盛り込まれておる。従って、あなたは衆議院かもしれませんが、あなたの御提案の中に、両院議長に対する一つの秩序保持のための最高の発動機関として一応この法案の中にあなたは位置づけておる。とすれば、しかも先ほどのこの法案の論議の中で、この法案の提出に至る契機が昨年の十一月二十七日のあの事件であるとすれば、あなたの頭の中に、やはりあの事件に対する一つの考え方、判断が、やはり両院の議長の一致したある行動というものがあったのじゃないか。そうでなければ、この法案を成立して発動するとしましても、両院議長に対してある位置づけを、あなたが、提案者がはっきり考えていなければできないということになる。ところが、残念ながらあの事件に関して現時点に至るまで一致した行動がとられていない。従って、あなたは衆議院議員であって参議院のことは知らぬということではなくて、法律の提案者だから、両院議長というものはこの審議権の確保並びに秩序保持についてどういうような立場をもって臨むべきかということの考えがないはずはないと思う。そのことをわれわれはお聞きしておる。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) この法案に書いてありまするように、国会の議員の登院が妨げられたり、国会の公正な審議が阻害されました場合に、議長は連名で東京都の公安委員会や警視総監に対して必要な措置をとるべきことを要請することができるようにいたしましたから、従って今後かくのごとき事態の発生が予想される場合に、衆参両院議長のとられるべき措置につきましては、われわれはこういうふうにしてほしいということを考えておるわけでありまするが、すでに起こった事件につきまして衆議院におきましても、われわれが加藤議長に十一月二十七日の事件の責任をとらせたとはわれわれは考えておりません。また、この参議院におきましては、参議院とは別個の問題でありまするから、参議院の議長さんの責任問題を衆議院から出て来てとやかく言うというがごときことはもってのほかであると考えまして、そのようなことは全然考えてはおりません。

永末英一民主社会党

○永末英一君 今あなたが言われたように、衆議院から参議院のことを云々していただきたいとはわれわれも露ほども思っておりません。ただあなたは、今おっしゃった通りに、両院議長が一致してある行動をするということをこの法案の中で考えられておる。従って、両院議長が一致して行動するということが、国会の審議権の確保並びに秩序保持のためには必要だと考えておられる限りは、今われわれがいよいよこの法案を審議しようとするにあたって、両院議長が一致した一つの姿をとっておらぬと、われわれは判断しておる。その点についてあなたはどう思っておるかということを承らなければ、もしこの法案が成立したとしても、両院議長がある行動を発動した場合、いろいろ責任を問われることはこの法律から出ております。従ってまず第一に、あなたは両院議長というものは一致した行動をとられるべきものだと考えておられると思いますので、最初にあたって、そのことに対して最高の責任者だとわれわれは思うので、一致した行動をとるべきだとあなたは思っておられると思いますが、そのことをはっきりとわれわれにまずもっておっしゃっていただきたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 御承知だと思いますが、この法律は議長の政治的責任に何ら関係のないことでございます。両院議長には連名で要請する権限はございますけれども、その要請に基づいていかなる措置を公安委員会ないし警視総監がとるかは、もっぱら関係の議長の権限の外のことでありまするから、従って、かりに不祥事件が起こりましても、それによって少なくとも法律上両院の議長の責任問題が生じるとはわれわれは考えておりません。しかりとするならば、政治的な責任の問題につきましては、私はこの場でとやかく論及すべきものではなかろうと、かように考えております。

永末英一民主社会党

○永末英一君 今佐々木さんのお話の中で、別段政治的責任ということを申し上げておるのではなくて、この法案ができましても議長には一切の責任がないなんという、そんなことはございません。議長がやはりある認定をして要請をするのですから、法律行為をやっていくわけです、法律ができれば。従って、その責任をとるのは当然の話です。しかし、それはまた逐条審議になりましたときに触れるとして、あなたの今の答弁には満足していないということを申し上げておきます。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ただいまの提案者の意見につきましては了解しかねます。従って、いずれまたこの問題についてわれわれも質問もし、なお意見もただしていきたいと思います。  次に、この趣旨説明の中で、立憲政治擁護のための与野党全会一致の立案をいたしたいと、しかも忍耐強く努力してきたが、それができなかった。まあこういうことを言われておりますが、野党あるいは与党がこの審議の中で、特にこれが野党が加わらなかったという、この理由を具体的に説明を願いたいと思います。  なお、もう一つこれにあわせて、関連いたしますが、衆議院において自民党が最終的には単独審議をいたしましたが、これは先国会でございました。いわゆる臨時国会の末であろうと思いますが、こういう法案を、しかも先ほどからも言われておりますように、基本的人権あるいはまた憲法に保障された結社の自由、あるいはまた集会の自由、こういう問題に大きくかかる問題を、もっと慎重に時間をかけてやる余裕がなかったのか。こういう点もあわせてお伺いいたしたいと思います。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 実は、先ほど四者会談申し合わせ事項にも言及いたしましたように、国会周辺のデモ行為等の場合の法律的規制につきましては、当時、社会党とわが自民党との間で、何か委員会を作って研究しようではないかということになっておったわけでありまして、それ以来、引き続いてこれが話し合いをしておったわけであります。しかしながら、わが方といたしましては、ぜひともこれを積極的に立法措置をとりたいと考えまするのに対しまして、不幸にして社会党の方におきましては、あまり積極的な誠意を示されません。そこで、その後、加藤議長からの試案が提示されるに及んで、われわれといたしましては、ぜひともこれは一つ党派をこえて、議院運営委員会が議長の諮問にこたえる立場にあるんだから、議長から試案を出されたんだから、議院運営委員会が全会一致で発議したという形式をとって本会議に上程をしようではないか、こういうことを主張いたしたわけでありまするが、社会党におきましては、これは全面的に反対である、一切のかかる立法措置には強く反対をされたわけであります。そこで、議院運営委員会の委員長の提案という形では、自分たちはあらゆる行為をもってこれを阻害をする、阻止をする。しかし、議員が提案をするということなれば、これは国会法によって認められた規則であるから、これを阻害することはできないから、従って君たちの方で、自民党の議運の議員が提案するということなら、これはやむを得ない。しかし、審議には応じないというわけで、全然審議に参加しなかったわけであります。あるいはまた、当時社会クラブの方におきましては退場されたのではなかろうかと思いまするが、そういうことで、やむを得ず、われわれは決して強引に押し切ったという意思ではございませんが、国会の会期もあることでありまするし、また、頭から全面的にこれに応じようという意思がないことがきわめて明々白々でございましたので、従いましてついにやむを得ず、好ましい事態ではございませんでしたが、わが党だけの単独投票の結果、衆議院を通過した、こういう次第であります。

向井長年民主社会党

○向井長年君 これは簡単にお話になったと思いますが、そうじゃなくて、やはりこういうことを立法しようという一つの提案に対して、やはり具体的な意見が各党かなあったと思うんですよ。それを全面的に反対だといって、もう入らぬ、そういう格好じゃないと思うんです。われわれも聞いておりますが、そういうような状態の中でいろいろな問題が起きたと思います。議長問題ももちろん。そういうことで、そういうような具体的な各党の意見もあって、しかも、それが会期末の短時間にこれを法律化しなければならぬ、こういう理由はどこにあったか。もっと慎重に、これを時間をかけて各党に了解を求め、そうして、また法案の内容についても検討する、こういうような一つの方策がなぜとれなかったか。おそらくそういう状態がやはり各党の意見の中にあったとわれわれは聞いておる。しかしながら、今の説明では、もう初めから反対だから全然応じない、こういう格好のように聞こえるんですが、そういう点について明快に御答弁を願いたいことと、なぜ急いだかということ、なぜ急がなければならなかったかということ、こういうことです。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私が先刻申し上げました内容をさらにもう少し詳細に申し上げまするなれば、今野党と申しましたが、実は社会党の方では、先刻来みなさんが御主張なさっておりまするように、これは違憲立法である。そういう立場に立って全面的に反対でございます。頭からこれに応じようという意思は全然ございません。当時の社会クラブにつきましては、そのこともあるが、それにも増して必要なことは、ただいま向井委員の御指摘になっておりまするように、議長の責任問題、並びにかくのごとき不祥事態を起こしたことの責任の糾明、つまり責任者の懲罰の問題、このことの方が優先すべき問題である。大ざっぱに言ってそういう御見解にお立ちになりまして、最後までいろいろと話し合いをいたしたわけですが、最後の瞬間において民社党はついに退場された、こういう形でございます。で、私たちといたしましては、できるだけこういうことのないようにいたしたいと考えまして、委員会の開会中にも、何回となく、とにかく出席をして、反対は反対でけっこうだから、審議にだけは応じていただきたい、そうして反対の意見があるなれ、は、その場で堂々と国民の前に明らかにしていただきたいということを、委員会におきましても本会議におきましても、繰り返し申し上げました。しかしながら、結局それに応じていただくことができないで、ついに単独審議となったわけでありまする。無理やりに押し切ったのではないか、こういうお話でございまするが、一方的にお考えになれば無理やりということになるかもわかりませんが、御承知のように、国会というものには会期もあることでありまするし、従って、いたずらにこれはいわゆる見込みのないものを引き延ばされていくということには、われわれは同調いたしかねるという立場でございましたし、私自身は、提案者でございまするから提案をしただけでありまするけれども、当委員会や本会議におきましては、あのような単独のいわゆる採決になったような次第であります。提案する私といたしましては、この法律案の内容、趣旨から申しまして、これは政党政派をこえた満場一致のものでありたいということを念願しておりまする立場から申しますると、単独の採決となったことは非常に遺憾であったと申し上げるほかはございません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 私は、三十三臨時国会の末に、なぜ急いでやったかということです。従って通常国会においても必要であるならば立法化をされてもいいのであって、そういう緊急性をどういうわけでそこで認められたか、この点がわからないわけです。そういう点について明確にお答え願いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 私たちは、この法律の性質から申しまして、一刻もすみやかにかくのごとき法律のできることをこいねがっておるわけでありまするから、そういう立場からいうなれば、もう提案して、即座にでも御採決を願いたいのであります。従って、なるたけ早く御採決を願いたいことを希望いたしたわけでありまするが、それは委員会と本会議の責任においておやりになったことでありまして、提案者の私からこれはとやかく言うべきではないんじゃないかと思います。

向井長年民主社会党

○向井長年君 ただいまの御回答は了解しかねます。これもあわせて申し上げておきます。  次に、先ほど椿君からも言われましたが、私たちも先ほど聞いておりまして、国会議員の登院の妨害とか、あるいはまた審議権の妨害とか、こういう問題について具体的にこれは再びお聞きいたしたいと思います。  次にもう一つは、今出されました法案に対しましてこれはわれわれいろいろ考えますと、現行法規で取り締まりができ得るという状態も多々あると思う。従って現行法規あるいはまた東京都の公安条例、こういう一つの法令と現在の法案との関連性というか、これを明快に一つ御答弁を願います。道路で妨害すれば交通妨害になる。あるいは院内へ無断でそういう形で入って来るならば、これまた取締法があるわけです。従ってそういう法規があるにもかかわらず、この法案をあえて出そう、こういう一つの関連性ですね。できないということは、どういうことでできないか。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 御指摘のように、道路交通取締規則というものもございます。しかし、たとえば道路交通取締法というものは、交通の安全、危険の防止ということが、これは主たる目的でございます。今度の国会周辺の秩序保持に関する法律のねらいはそうではないのでありまして、直接集団示威運動等を対象としたものであります。従いまして、お説のように、道路交通取締規則によって取り締まり得るものもあるかとも思います。しかし、それだけによって全部をカバーすることができない、そういう立場からぜひともこれが必要である、かように考えたわけであります。

北條雋八無所属クラブ

○北條雋八君 私が伺いたいことは、前の椿委員その他の委員から言われまして、かかる重要な法案の審議、特に衆議院では単独審議をされたようなわけでありまして、それだけに参議院といたしましては、一そうこの法案につきましては慎重に慎重を重ねてやらなければならないと思います。特に先ほど来のお話のありましたように、この違憲の問題、憲法第二十一条の問題が特に大事なことであります。またこのような法案は、憲法の第九十五条による住民投票が必要ではないかというようなこともございますし、いずれにいたしましても、よほどこれは慎重審議の上で立法しなければならないと思います。なおヨーロッパその他アメリカあたりでこういう規制法があるというのでありますけれども、今までこういうものを作らないで済んできたということは、むしろ日本の誇りでありまして、この際、こういう法律を作るということは、まことに醜態であるように考えております。今も向井さんからお話がありましたように、こういう立法をしないでも、刑法その他の諸法規で十分取り締まりができるんじゃないかというふうに考えます。そういう点につきまして、どうしても現在の法規では取り締まりができない理由を伺いたいと思います。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) なるほど御指摘のように、もしほんとうにすべての国民というものが、公共の福祉や公の秩序保持のために協力をしていただけまするならば、法律がなくてもいいという議論も成り立つかもわかりません。しかしながら、悲しいかな現状におきましては、かなり法律があって、それによって規制をいたしておりましても、それを乱上、あるいはその裏をかくというようなことで、現実にいろいろな秩序が乱されていることは御承知の通りであります。さような立場から考えまして先刻も向井さんでありましたか御指摘のように、道路交通取締法でもある程度のことは取り締まれるではないか、こういうふうなお話でございまするが、これにつきましても、先刻申し上げましたように、これは交通の安全やあるいは危険の防止ということが主たるねらいでありまして、従ってこのデモ行為等からくるところのいろいろな事態というものを防止することには不適当でございます。また刑法等の規定もございましてその刑法のたとえば住居侵入の罪等によって処罰をしたり、あるいは暴行や脅迫等の取締規則によってこれを十分取り締まれるではないか、こういう御意見もありますけれども、私たちは、今度の立法というものが、申すまでもないように、国会議員の登院と、従ってその国会の公正な審議権、これを確保したいということが主たるねらいでありましてだいぶ立法の趣旨が違うわけであります。また従って今の刑法やあるいはまた道路交通取締法等によって取り締まることが不十分である点がたくさんございますので、今度の立法をいたしましたような次第であります。大体われわれとして、目的やねらいが、刑法の場合、道路交通取締法の場合と違っているようなわけでございます。

北條雋八無所属クラブ

○北條雋八君 議員の登院あるいは審議権の確保というようなことにつきましては、私ども今まであまりそういうことに出会ったことがありません。この説明のところで、「従来国会の周辺に集団示威運動等が行なわれました場合におきましては、国会としては、なるべく摩擦を避けるために、審議を中止するなどの措置をとって参りましたが」、と、たびたびあったようなふうにこれは書いてありますけれども、先ほども椿委員が質問されたように、そういう事例を私はもっと詳しく知りたいと思うのです。で、私はむしろ登院を阻止されたとかいうようなことでなしに、この間の事件みたいに、構内に大衆が乱入して来ましてそうして神聖なる議事堂を冒涜したという、ああいうことがむしろ徹底的に取り締まる必要があると思うのでありまして、この意味からいたしますれば、今こういうような非常に違憲の疑いのあるような法律を作るよりも、むしろわれわれ国会議員が自戒自粛しましてそうして先般あったような事件を未然に防ぐということができるのじゃないかというふうに思うのであります。そういうような意味から、私は立案者に、一応こういうことまで考えられた上で、どうしてもこの法律を作らなければ、再びこの間のような醜態を阻止することができないというふうに考えられたのかどうか、その点を一応伺いたいと思います。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 御主張に非常に私も同感するところが多いわけでありますし、特に北條さんは宗教家の立場であられまするから、お説は全く何ら反発するところなく、非常に御同感であります。非常に私も教えられるところがたくさんあるわけでありまするが、しかしながら、この国会議員の自粛自戒だけでは、前回のこの国会乱入の事件を未然に防止するということはできないのであります。申すまでもなく国会議員につきましては、これは国会法やその他の院議でいろいろな措置をとることもできまするけれども、国会外に対しましては、何ら有効な措置ができないわけであります。今回の立法措置というものは、国会の構外において、つまり国会の周辺において行なわれまするデモ行為等を対象として立法いたしているわけでありますから、従って、単なる議員の自粛自戒だけでは不十分である、外部に対しては不十分である。従って、今回の立法措置は、最近の動向等から見てぜひとも必要である、こういうふうに考えたわけであります。

北條雋八無所属クラブ

○北條雋八君 なおまた各条項につきましての質問は、あとに譲りますけれども、先ほども申しました通り、結局、登院と審議権の確保ということがおもな法案でありまするならば、今までいかにそれを阻害されたかという事例を次回にお調べ願って伺いたいと思います。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 時間がございませんから、簡単に一、二点お尋ねしておきたいと思いますが、この提案者の趣旨説明の中におきまして、「十一月二十七日に日米安全保障条約改定の交渉打ち切り」云々と、こうはっきり書いてあるのでありますけれども、私も全くこの二十七日の問題によって本案が提出をせられたのだとのみ考えていたのでありますが、先ほど提案者のお話によりますと、そうじゃないんだ、かつての警職法の問題の四者会談の申し合わせに糸を引いて、そうしてこれが動機になったというように実は承っておるのでありますが、私も当時の警職法の問題のときには、無所属クラブを代表いたしまして、緑風会の代表と調停の役をやっていたので、国会の正常化という問題につきましては多少なりとも微力を傾注した一人なんでありますが、もし、そのときに、この四者会談で国会の正常化ということが申し合わされていて、そうしてこの種法案についての話し合いがなされたとするならば、昨年の十一月二十七日のこの不祥事件を見るまでに、どういう工合に具体的な話が、この四者の間、あるいは自民、社会両党の間において交わされたか、この点を伺いたいのであります。二十七日以後についての、加藤議長あるいは正木副議長の辞任を伴うようなこういう問題につきましてはほど向井委員から質問があって、そのことについてはあなたから御答弁がありましたから、その後のことはよろしいのでありますが、いわゆるこの四者会談の申し合わせを契機として行なわれたということについて、どれだけの努力を払われて、どれだけ具体的な案が両者の間に示されていたかということを一つ伺いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 一昨年十二月のいわゆる四者会談の申し合わせによりまして両党から特別委員会を設けようということになって、私の方の自由民主党からは、現在衆議院の議長をされておりまする清瀬一郎さんが出られ、社会党の方からは加藤勘十さんが出られまして、話をしようということになったそうでありまするが、清瀬さんに私は概略を承りましたが、二人は任命されたけれども、しかし何ら、話をしようじゃないかと言うても、さっぱり応じてこないというようなことで、とうとう名目だけで終わってしまって、その後何回呼びかけても、全然不調に終わってしまったんだ、こういうふうな御説明でございました。何月何日にどういうことをしたかということの詳細については、私はただいまのところ資料を持っておりませんが、そういう大体の雲行きだけは清瀬一郎さんから承っている次第であります。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 そうすると、具体的にはあなたは何も聞いておらなかった、こういうことでございますね。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) ただいま申し上げたこと以外には、私は詳細にわたっては承知しておりません。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 ではその問題は次にいたしまして、その次に伺いたいのは、これはいずれ各条審議の上で相当こまかく各委員から質問があると思いますが、しかし、これは法案の非常な重要な点ですから伺いたいと思うのでありますが、議長の院内警察権と都の公安委員会あるいは警視総監との間の権限の調整という問題ですね、これは私はこの法案の幾つかある大きな骨子のうちの一つであろうと思うのでありますが、これは、議長の権限においてこれが調整し得るとお考えになって、こういうようなことをやられたのであるか、その点を一つ伺いたい。調整という問題が、これは非常に本案の大きな骨子であります。これを伺いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) この案文に書いてありまするように両院の議長は、東京都の公安委員会または警視総監に対して要請することができることを規定したのみでありまして、従って、議長の権限が、東京都公安委員会の持つ独自の権限やあるいは警察官の持つ独自の権限の中に及んでいくものではございません。東京都の公安委員会あるいは警視総監は、議長からの要請を受けたならば、いかなる措置をとるかについては、自主的に判断をされて御決定になる、こういうのが趣旨でございます。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 この問題は論議の余地が十分ありますので、次回にいたします。  その次に伺いたいのは、これも一、二委員から出たのでありますが、現行法によってなぜ取り締まりができないかということであります。これを具体的に申しまするならば、いわゆる警察法第五条とか、あるいは道路交通取締法第六条三項とか、あるいは刑法、軽犯罪法、それからまた、問題の都の公安条例、まあこういうふうにこまかに取締法案というものは現にあるのでありますが、これにつきましては、十二分に御検討をせられたと思うのでありますが、御検討をせられて、この法律というものを出さなければならなかったという上につきましては、何か今のいわゆる公安条例というようなものでは弱い、法律でなければ力が出ないというような御解釈のもとにおいて、現行法というものを多少無視をしたといっては言い過ぎかもしれませんが、軽んじてこの法案というものをお作りになったのか、この点の御検討の具体的状況はどうなんでありますか。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 公安条例によって与えられた権限だけでは非常に弱いから議長に特別の権限を与えようという趣旨では全然ございません。先刻申し上げまするように、現在、公安委員会や、あるいは警察官の持っておりまするその権限の行使を議長から要請することができるだけであります。単なるこれは要請権であって、それに対する指揮や命令の権限は全然ないわけでございます。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 この問題も重大でありますから後日にいたしたいと思います。  それからいま一つ伺いたいのでありますが、本案のこれも重要な骨子になっておりまする「集団示威運動等」とこういう点がある。「集団示威運動等」ということは、必ずしも脅威的な圧力をかける具体的に申しますならば、プラカードを持ち、あるいは赤旗を林立させる、あるいは棒ちぎれを持つというようなことは、一種のそういう意味においての脅威的な示威運動かもしれませんが、そうでない場合もあると思うのです。提案者自身がごらんになったかどうかしれませんが、私は見たのでありますが、イギリスの映画で「オールダーマストヘの行進」という有名な映画がある。これはロンドンから約八十キロ離れました核兵器の工場なんです。これに対しまして、一九五八年の春に、二人の青年がプラカードを立てましてロンドンを出た。そしてその出発にあたって、広島と長崎の原爆犠牲者に対して黙祷を行なった。そして行進が進んで行った。そうすると、乳母車に子供を乗せた中年のおかみさんも加わるし、あるいは老夫婦も奥さんをいたわりながらこの行進に入った。そうして、途中、教会に寄り、あるいは学校に寝泊まりして、二泊三日にして目的地に着いた。そのときの数が大体説明を見ておりますると約八千人、こういうことになる。そのときは、ほんとうのプラカードをただ一本先頭に立てて、そうしてこの行進は粛々として八十キロの道を行った、こういうのであります。これは示威運動と見られるものか。あるいは、これについては警官はほとんど取り締まりはしておらぬが、そういう点で示威運動等に関するところの解釈ということを伺いたい。たとえば日本でも、最近、安保問題について反対をする文化人が、喪章をつけて、粛々として、ある集合地からある目的地へ歩いておる。そうして、人はただこれについて、あまり静かな行進なので、静かにこれを見送っている、これも実例があるのでありますが、そういうことについての御研究はなされたのか。これが八千人であるならばよろしいが、十万人という場合には、たとえ静かであってもいけないのか。この行進についてはどういう工合に御解釈をされるか、こういう点を一つ伺いたい。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) 御承知だと思いますが、この法律案は、国民に与えられた請願や陳情を弾圧したり、あるいはまた集会や示威行進等の自由を、それが平常な姿において平穏に行なわれまする限りにおいて、何ら規制を加えようというものではございません。平穏に行なわれる限りにおいては、いかなるデモ行進も、いかなる陳情請願も、それは自由自在なのでございます。ただ、その示威運動等が議員の登院を妨げたり、あるいは国会の公正な審議を阻害する場合のみを対象としたものでございます。その点は誤解のないように、あらかじめ御了承を願いたいと思うのでありますが、そこで、この法案で申しますところの、集団示威運動等の威力を用いて云々ということがございまするが、この場合の威力というのは、御承知のように刑法の中にも、「威力ヲ用ヒ人ノ業務ヲ妨害シタル者」という、業務妨害の罪がございます。それと大体同じようにわれわれは解釈をいたしておるわけでありまするが、単に暴行や脅迫を加える、これは当然刑法上の犯罪を構成するわけでありまするが、そうでなくても、その地位や勢力等を利用して、そうして人の意思を威圧するというような行為は、その手段方法のいかんにかかわらず、本法に該当する、こういう点に対しては、たとえば現実に暴行をして、肉体的な暴行を議員に加えたり、あるいは脅迫をしなくても、あるいはスクラムを組んで、そして登院を妨害するという場合におきましても、本法においてはこの適用を受ける、こういうふうにいたしておるわけでありますから、ロンドンにおきますところのデモ行進、それのごとき場合が、かりに行なわれたとしましても、これが国会の周辺でありましても、それがきわめて平静な姿で行なわれます限りは、本法の適用を受けるものではないと考えております。

大竹平八郎参議院同志会

○大竹平八郎君 いま一つ最後にお尋ねいたしたい。これはお尋ねということよりも、一つこの次の質問に対する御用意を願いたいと思うのであります。この罰則の問題、これは非常にアンバランスなんであります。これは大へんなことであります。たとえば五年以下の懲役とか五万円以下の罰金という点、非常にアンバランスと思うのでありますが、刑法九十五条の公務執行妨害が三年以下、同法百六条の騒擾罪が首魁が十年以下というのがあるのでありますが、これはいずれこの次にお尋ねをいたしますが、一つこれに対して答弁を御用意願いたいと思うのであります。

佐々木盛雄自由民主党

○衆議院議員(佐々木盛雄君) いずれまたその節に御議論も承ったり私たちの昇、解も申し上げたいのでありまするが、ただ、私どもの考え方は、御承知のように、今の国民主権の新憲法下におきまする国会というものが国権の最高機関であるという立場から考えまして、その国民の意思を正しく反映することのできないような行為をとられた場合に、ほかの一般刑法の規定よりも罪を重くしたからといって、決してこれは不当なことではないのじゃなかろうか、こういう考え方に基づいていたしたようなわけであります。いずれまた後刻の各論におきまして所見も申し上げたいと思います。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 先ほど向井君の御発言の中で、議長の心境について向井君からお話がありました中で、十一月の二十七日のデモ隊乱入事件については、議長としては全然責任がないということを議長が言われたというふうに、たしか先ほど向井君が言われたというふうに私はお聞きいたしたのであります。これはいずれあとで速記録を見れば向井君の言われたことがはっきりするのでございますが、私があの当時の議運で議長の心境をお聞きしたときの議長のお気持は、向井君が言われた全然責任がないというふうには私は受け取っていないのであります。でありまするから、これは今後のこの法案の審議の進行につれまして、もし誤った前提の上に立って議長の問題が論議されますと、やはり大きな誤りのもとに審議がなされると思いますので、この機会に、あの当時の議長が言明されたほんとうの心境、また議長の決意、そういった点について、この際、事務総長から一応お聞き取り願っておいた方がいいと思いますので、委員長にこのことをお許し方をお願い申し上げたいと思います。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 田中さんどうですか。ただ引用しているのだから、事務総長が言うということは……。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 重ねて申しますが、委員長は私が申し上げたことについてお取り上げにならないといたしますれば、(「必要ない」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)私が聞いた範囲内において、この際、議長の心境について申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) これはどうですか、一つ……。

田中茂穂自由民主党

○田中茂穂君 これは今後のこの法案の審議の過程におきまして、(「一人で張り切るな」と呼ぶ者あり)発言中だ、いろいろと議長の問題が誤った前提の上に立って論議されると、これはいけないと思います。でありまするから、私はこの問題について御発言をお許しいただきたいと思います。

高橋進太郎自由民主党

○委員長(高橋進太郎君) 田中君の発言につきましては、いずれその取り扱い方については理事会で御相談します。  本日の審査はこの程度にとどめまして、本日はこれで散会いたします。    午後四時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗