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34回国会参議院1960/02/25

運輸委員会 第4号

発言数
61
登壇者
11
会派数
3
開催日
1960/02/25

会議録

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) これより委員会を開会いたします。  まず、道路運送法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  これより両案の提案理由の説明を求めます。

前田郁自由民主党運輸政務次官

○政府委員(前田郁君) ただいま議題となりました道路運送法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  道路運送の現状にかんがみ、政府といたしましては、自動車運送事業による輸送の安全度の向上、道路運送に関する秩序の維持、適確かつ強力な輸送実情の把握を行なう体制の確立等、さしあたり緊急に措置を要する問題につきまして鋭意検討を進めて参りましたところ、ようやく成案を得るに至った次第であります。  この法律案は、第一に、自動車運送事業者の運行管理者選任義務、運行管理者に職務違反があった場合の解任命令等、運行管理者制度を確立するとともに、輸送の安全が確保されないおそれがある場合において自動車運送事業者に対して是正命令を行ない得るものとする等の措置により、自動車運送事業による輸送の安全の確保をはかることといたしております。  第二に、道路運送法違反による使用停止処分を受けた自動車につきまして、その使用停止処分の実効性を確保するための登録上の措置について定めるとともに、これら違反者に対する罰則を強化いたしまして、間接強制による違反の防止をはかり、他方、自家用自動車の使用を健全化することにより道路運送の総合的な発達をはかるため特に必要な場合には、自家用自動車の使用者の事業場に立ち入ることもできるようにして、自家用自動車の使用の適正化のための行政指導を行ない得ることといたしております。  第三に、道路運送の実態調査について定め、輸送需要、その他道路における輸送実情を適確に把握するための体制の確立をはかることといたしております。  最近の道路運送の実情にかんがみ、特に緊急に立法化を要するものとして、以上の三項目を骨子としてこの法律案を提案した次第であります。  以上がこの法律案を提案する理由であります何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  日本国有鉄道は、東海道本線の輸送の行き詰まりを打開して、将来のわが国経済の発展に伴う鉄道輸送需要の増大に対処するため、工期おおむね五カ年の予定で、昭和三十四年から広軌・電気運転方式による東京—大阪間の幹線増設工事を実施いたしております。政府といたしましても、東海道線の輸送力のわが国産業、経済に占める重要性にかんがみ、この幹線増設の早期実現に財政資金の確保をはかる等、特段の努力をいたしております。  この工事に要する資金の一部といたしまして、国際復興開発銀行から外貨資金の借り入れをいたしたいと存じますが、そのために借入契約に基づいて発行する鉄道債券に関する事項を立法化する等の必要があります。  さて、今回改正の要点は、まず第一点といたしましては、日本国有鉄道は、国際復興開発銀行と締結する外貨資金の借り入れ契約に基づいて同銀行に鉄道債券を引き渡す必要があるときは、その発行事務を外国の銀行または信託会社に委託することができることといたしたことであります。  次に、日本国有鉄道が国際復興開発銀行に引き渡した鉄道債券を外国投資家が譲り受けた場合における外国向けの元利金の支払い及びその受領について、外資に関する法律の特例措置を定めることといたしたことであります。  第三点といたしましては、日本国有鉄道が国際復興開発銀行からの外貨資金の借り入れ契約に基づいて発行した鉄道債券について、外国人が支払いを受ける利子についての所得税を免除するため、関係法律を改正することといたしたことであります。  このほか、第四点といたしまして、日本国有鉄道に東海道幹線増設工事を円滑に行なわせるため、理事の定数の増加を行なうことといたしたことであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 両案に対する質疑は後日行なうことといたします。   —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 次に、南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律案、国内旅客船公団法の一部を改正する法律案及び捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題にいたします。  これより各案について補足説明を願います。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 南大東島における高層気象観測に必要な物品の譲与に関する法律案に対して補足の説明をさせていただきます。  南大東島は、御承知のように、沖縄の東三百キロにある孤島でございます。この位置は日本及び琉球列島に来襲する台風の表玄関に当たっております。しかも日本に来る台風の多くはこの付近で方向を変えて日本の方に参るのでありますから、台風の予報の上からいって、日本の側にとって非常に重要な資料を提供するものであります。さらにそのほかの季節におきましても、日本の天気変化の大きな原因をする低気圧の発生等に関しまして、この南大東島における高層気象観測の価値は非常にわが国にとって大きな役割を果たすものであります。  なお、高層気象観測というのは、日本では一般に天気予報あるいは航空のための気象上欠くことのできない観測になっておりますが、そのために世界の気象機関ではその技術規則の中で、観測網としては三百キロを越えない範囲に一カ所が必要であるといたしております。現在、沖縄におきましてはアメリカ空軍が嘉手納において高層観測を実施いたしております。また奄美大島においては日本が名瀬において高層観測をいたしております。いずれも南大東島はそれらから三百キロ以上離れております。こういう意味におきましても、世界の気象機関から、この地点におきまして高層気象観測をすることは、世界気象会議において勧告されておる場所でございます。  次に、この気象観測をいたしますにあたって、なぜこういうような法律が必要であるかということは、説明においても申し上げてあります通りでありまして、もはやそれ以上詳しい御説明を申し上げる必要もないと思いますけれども、財政法によりますと、物品を無償で貸し付けもしくは譲渡することができないことになっております。譲渡の方はできないことになっておりますが——前に申しましたのはちょっと正確でございませんでしたが、貸付の方は特別の規定がありまして、それはできるようになっております。ですから、この南大東島におきまして高層気象観測を行なうにあたって、日本が援助を行なうにあたりましては、貸付の方はよろしいのでありますが、譲与について新しい法律が要るというわけであります。  これにつきまして、どういうふうに援助を行なうかという詳しいことはここで申し上げることは差し控えまして、大体を申し上げますと、この観測に必要な建物というようなものは琉球側が建てるのであります。またここで観測する人、観測員についても琉球側が負担する、日本側の負担は、それに使う機械を貸します。またこの観測の消耗器材を譲与する、これは消耗品でありますから譲与する。大体そういうようなやり方でこれを行なうことに予定いたしておりまして、その経費といたしましては、昭和三十五年度に約千九百六十万円が計上されております。  以上をもって補足説明を終わります。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 国内旅客船公団法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。  御承知のように国内旅客船公団は、資金調達困難な海上旅客運送事業者に協力いたしまして、民生の安定に必要な航路の旅客船を建造、改造いたしますために、昨年六月、公団法に基づきまして、設立委員会を開催いたしました後に、六月十六日に設立の登記を完了して正式に成立いたしたのであります。その後、公団の財務、会計等に関する運輸省令、三十四年度の予算、事業計画あるいは資金計画、あるいはまた業務方法書等の作成を準備いたします一方、公団は直ちに共同で建造あるいは改造をする相手方の運航業者の公募を行ないまして、各方面の意見を参酌いたしまして、国内旅客船公団といたしましては、買い取り分を含めまして三十四隻、三千二百総トンというものの建造、改造、買い取り分を決定いたしたのでございます。この工費総額は約七億円でございまして、そのうち公団が負担いたしまする分は四億八千万円でございます。こういうことで今日まで、公団の設立当初以来基礎を固めて参りまして、やっと軌道に乗ったわけでございます。すでに買い取り分は、北海道離島航路整備会社の分の買い取りを法律に基づきましてやりまして、これらの三隻はすでに就航をいたしておるような状況でございます。  このような進捗状況でございますが、公団の業務運営費につきましては、御承知の通り共有船舶の使用料をもって、使用料をできるだけ低額に押えまして、政府出資の全額出資によります資本金の運用によってまかなうということにいたしておるのでございますが、明年度は発足二年目となりますので、業務量も増加いたして参りまするし、若干の人員増加が必要でもございます。また、事務費もかさんで参りますとともに、事務所の借料なども増加いたしますために、これらに要しまする費用を使用料の引き上げに反映させないという方針を堅持いたしますためには、現在の資本金の二億を、さらに二億円増額いたしまして、合計四億円の資本金とする必要があるのでございます。四億円の資本金を六分五厘で運用いたしますというと、年間二千六百万円という収入が予想されるのであります。大体この程度をもっていたしますならば、公団の業務は円滑に運営できると、こういうふうに考えておりますので、この「第五条中「二億円」を「四億円」に改める。」という、国内旅客船公団法の一部を改正する法律案として御審議を願うことになったのでございます。  つけ加えて申し上げますが、この点につきましては、衆参両院の御決議の趣旨もございまするので、私どもも予算獲得にその趣旨を体しまして種々努力をいたしました結果、資本金の二億の増額を政府部内で認められたのでございます。かつまた、その際の付帯決議にもございましたように、借入金の財政融資の増大もはかるべきであるという点につきましても、昨年よりは相当の増額になっておるのでございます。  以上が大体の補足説明でございます。

今井田研二郎捕獲審検再審査委員会事務局長

○政府委員(今井田研二郎君) 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部改正につきまして補足説明を申し上げます。  この法律の一部改正は毎年のことでございますので、もうすでに十分御承知のことだろうと思うのでございますが、捕獲審検再審査委員会が設置されまして以来、イギリス、オランダ、フランス及びギリシャの各国の政府からの提出されました再審査の要求につきまして、ずっと審査を続けておったのでございまして、このうちイギリス、オランダ、フランスにつきましてはすでに審査を完了いたしました。現存ギリシャから提出されております二件の案件につきまして審査を継続しておるような状況でございます。今後の見通しといたしましては、先般来アメリカ等一、二の国から、戦争中に捕獲されました船舶につきましての補償請求が現在懸案となっておるような次第であります。その模様のいかんによりましては再審査の要請も出る懸念があるのでございます。また再審査につきまして二、三外国から照会等もあるようでございまして、近くこれらの状況にかんがみまして再審査要請が出るおそれもあるのであります。  ところで、平和条約におきましては、連合国側からの再審査の要請につきましては、その期限が限定されておらないのでございます。しかるにこの法律におきましては、毎年の改正によりまして、今日この存続期間を八年と定められているわけでございまして、本年度一ぱいで一応完了ということになっておるのでありますが、ただいま申し上げましたような事情にかんがみまして、なおもう一年この法律を延長していただきまして、その間に連合国側の模様を見たい、かように考えまして、この法律を提出した次第でございます。  次に、従前の改正と変わりまして、今次の改正におきまして新しくつけ加えましたものは、この法律の十七条では、連合国財産補償法第十五条第一項の補償請求期限に関する規定の読みかえを行なっておるのであります。ところが補償法の十五条第一項の規定はすでに改められておるのでありますが、この法律におきましては、まだその改正に伴いますところの読みかえ規定の整備が行なわれておらないのでございまして、万全を期するためにこの改正を行なっておく必要があると思われますので、この点も今次の改正におきましてはあわせて御審議をお願いしたいと、かように考えましてこの法案を提出した次第でございます。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。   —————————————

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) それでは連合審査会についてお諮りいたします。  本院規則第三十六条により、道路交通法案等について地方行政委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  ただいまの決議により、委員長は地方行政委員長にその旨を申し入れます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 和達長官にお伺いしたいのですけれども、飛行機観測について説明をお願いしたいと思います。というのは、観測用の飛行機を日本みずから持つということの必要性を岸総理も御認識になっておるようでありますが、これに基づいて大体十二機の米軍飛行機の譲渡について交渉されておったと思うのです。先般の風水害特別対策委員会の席上においても和達長官から、交渉しておりますというお話があったのですが、その後それがどうなっておるかということについてお伺いいたしたいと思います。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 飛行機観測について申し上げます。飛行機観測は、台風に対して、特にわが国の気象事業の上から必要なものでありますが、ただいま米軍の観測資料は不便なくわれわれの方に参っておりますけれども、いずれはわが国でも行なう必要がありますので、目下防衛庁とこの実行方について協議いたしておる段階でございまするただいまお話しの件は、申しわけありませんが、私つまびらかにいたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この飛行機の譲渡についてアメリカとの交渉が不調に終わったということを聞いておるのですが、不調に終わったものとすれば、岸総理初め、日本みずからが飛行機観測をしなければならぬ、こういう必要性を強調されておったのですが、アメリカ軍の飛行機が不調に終わったというなら、その後のそれに対する手当てはどういう工合にお考えになっておるのか、こういうことを知りたいわけなんです。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 先ほど申し上げましたように、わが国の手において行なう場合には、まず防衛庁がその可能性ありゃ、またどういうふうにしてこれを行なうかということを目下協議いたしております。そういう段階に現在ある次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そうすると、やはり日本みずから観測用の飛行機を持って、そうして気象庁と防衛庁と協議、協力して、みずからの観測をやる、こういう計画がおありになるということですか。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 仰せの通りであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 その飛行機はどうする計画なんですか、観測用の飛行機ですね。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) そういうこまかい点については、目下協議中の段階です。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そこで私のお尋ねしたいことは、長官も、それから閣僚の諸君も、観測用の飛行機をみずから持たなければならぬ、伊勢湾台風の体験からいってもそうしなければならぬ、こういうことなんですが、それがためにアメリカから十二機の観測用の飛行機の譲渡について交渉を始めた。これが不調に終わったが、不調に終わった現在においても、気象庁と防衛庁が協力をして、何らかの方法によってみずから観測をしたい、こうなれば、それに要する飛行機の手当てをしなければならぬ。その飛行機がなくて、みずから自主的な観測はできないということになるのですけれども、今度の予算を見ましても、そういうような計上はないように思うのですけれども、そういう点についてはどうなんですか。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 私どもの方は、防衛庁の方が飛行機の運営をされ、場合によっては観測というようなことで協力することでありますから、私どもの方の予算にはそういうものはまだ計上されておりません。なお、防衛庁の方でも、そういうことの可能性について種々検討されておることは聞いておりますけれども、それ以上詳しいことは私まだつまびらかにいたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは、あるいはあなたの所管と違うという工合におっしゃるかもしれませんけれども、それは形式上の所管の違いであって、実際の問題としては、やはり気象観測の飛行機なんですから、あなたの方と密着した関係があると私は思うのです。そこで、そういうことについて、あなたまかせでやっておったのでは、やはり日本の気象観測に不都合があるのじゃないか。特に防衛庁にまかせきりということになれば、もっぱら軍事的な目的のために気象観測をするという、そういう傾向がなきにしもあらず、こう思うのですね。たとえば、この前黒い飛行機というものが問題になったのですけれども、これなんかも、私はおそらく秘密裏にソ連、中共の奥深くの高層気象観測をやったんじゃないかと思うのですね。そういうようなことから、やはりあなたの方としても、飛行機の方の関係はどうなっておるのか、あるいは予算がどう計上されているか、あるいは考慮されているのか、いないのか、こういう点の関心を持っていかなければいけないと思うのですよ。今の御答弁によると、たぶん向こうの方でこうだろう、そういうことではやっぱり工合が悪いと思うのですけれども、どうでしょう。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) まことに仰せの通りでありまするから、そのように努力したいと思います。  なお、現在のアメリカ空軍から参っておる資料は、非常に日本の役に立っておりますものですし、空軍もできるだけ日本の役に立つように、こちらからの意見を始終聞いて、アメリカ内部としては、できるだけそれを充足するように、非常に好意をもってやってくれております。その資料が突然なくなることがないように、その方面に対してはよく連絡しまして、そうしてその欠陥が生じないように努力しております。これは外国にたよっておるものでありますから、ただいま仰せのように、積極的に努力したいと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 運輸次官にお尋ねしたいのですけれども、今の防衛庁とアメリカとの飛行機の譲渡の交渉経過は、その後はどうなっておるか、御存じでありますか。

前田郁自由民主党運輸政務次官

○政府委員(前田郁君) 防衛庁の方からの話はまだ承っておりませんので、ちょっとここで答弁はできません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 突然の質問で恐縮なんですけれども、こういうことはやっぱり承知をしておられて、具体的に一つよく努力を願いたいのですね。特に、今度の新らしい安保条約の改定によって、日米対等ということを盛んに強調をされて、しかもロッキードというような飛行機をお買いになる。日米対等になるというこの観念からいって、天災国であるところの日本の台風観測の飛行機もアメリカにたよらなければならぬ。そんなばかげた対等はないと思う。ですから、これはもう法律論あるいは所管論、そういうものを無視して、政治的にやっぱりされなければならぬと思うのですね。きょう大臣おいでにならぬから、私はこれで質問を終わりますけれども、参考のために、今現在アメリカ軍の飛行機の台風観測と、日本の気象庁との関係ですね、どんなような格好でもって台風観測、気象観測をやっておるか、それと気象庁との関係といいますかね、どういう工合になっておるか、これは一つ参考のために長官からお伺いしたいと思います。

和達清夫気象庁長官

○政府委員(和達清夫君) 台風が南洋に発生しまして、こちらに近ずく道程におきまして、米国空軍はできるだけの回数をもって偵察飛行機を出し、その資料は刻々と気象庁に入っております。その点におきましては、気象庁は非常にありがたく思っておるのであります。なお、気象庁の方でまあ注文といいますか、希望を申し述べれば、でき得るときには、その希望によって観測のやり方などを考えてくれておるようでありますが、格別のその間にしっかりした文書の交換で行なっておるものではございません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは大臣がおいでになったら具体的にお尋ねしてみたいと思いますから、大臣の方にもあらかじめ一つ連絡をとっておいていただきたいと思います。きょうはこれで質問を終わることにいたします。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) 速記をつけて下さい。   —————————————

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 それじゃ運輸大臣に御質問申し上げようと思う点だけ保留をして、少し専門的なことを船舶局長、海運局長にお伺いしたいと思いますが、海運の全体の問題については運輸大臣御出席の際にお伺いをするとして、きょうお伺いをしたいのは、板谷商船の弥彦丸の問題ですが、この船が昨年の七月から十一月の下旬まで相生の播磨造船に係船をしておって、修理の上、十二月五日に定期検査を終わって、そしてすぐにニュー・カレドニアに向けて出帆をして、二月九日に東京に帰ってきた。その航海中に、定期検査を受けて一カ月になるかならないにかかわらず、船体数カ所に非常に大きな欠陥があって、いろいろの問題が起こったのですが、その経過を一つ詳しく船舶局長から御報告を願いたいと思います。御報告を願いましても、歯に衣をきせないで、率直に船舶局長、技術的な専門家たる立場において、事態の現象だけの報告でなしに、あなたの感じをまじえながら詳細に一つ御報告を願いたい。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 弥彦丸の事件の経過でございますが、先ほどお話がありましたように七月以来相生市に係船をしておりまして、十一月の下旬に工事にかかり、あわせて日本海事協会並びに政府の定期検査を受けまして、その検査を十二月五日に終了いたしまして、直ちにニュー・カレドニアに向かい、二月九日に東京に帰ってきておりますが、その間に十三カ所ほどの船体設備上の欠陥を発見いたしまして、それについて船舶から船主にも報告をし、また入港をした直後に、九日の日に船員から再検査の申請を関東海運局東京支局に行なっております。東京支局におきましては、十一日、十二日と二日間にわたって申し出につきまして詳細な検査を実施いたしましたところ、おおむね船員の申し立て通りであるということが判明いたしましたので、直ちに関東海運局東京支局から日本海事協会の東京支部に対しまして臨時検査の執行を明示いたしますとともに、本省の船舶局といたしましては、日本海事協会に対しまして、本船を含めて戦時標準船全般についての状況の調査と、そしてそれに対する対策の検討を直ちに指示いたしました。  同協会におきましては、かねてから戦時標準船の状況の調査をいたしておりましたので、現在全般について概要の報告を受けております。またこの対策について、現在すでに当局においても検討を進めておるのでございます。それが大ざっぱな経過報告でございますが、実はこの報告を受けましたときに、こうした事故が起こったということを報告を受けましたときに、私ども責任者といたしましては非常にびっくりしたのでございます。定期検査を受けて、そして出帆した船が、その航海で十三カ所もの損傷が起こったということは、ちょっと常識では考えにくい、また今まであまり経験のないことでございますので、私ども最初に考えましたのは、どうも検査がずさんであったのではないかという感じが最初率直にしましてそして検査につきましてはあらゆる調査をいたしたわけであります。検査担当者につきまして東京に呼び出しまして、非常に詳細にわたってその検査の実情を聴取いたしますとともに、それの申し立てがはたして正しいかどうかにつきまして、本船のチーフ・オフィサーにもおいで願いまして、さらに同じようなことをいたしました。その結果は全く検査員の申し立て通りであるということを確認しております。そのほかに、この会社の工務監督に当たられた方にもおいで願いまして、同じようなことをやっております。  そこで私ども、非常にこういう不幸な事故が起こった原因を、最初に検査のずさんというようなことで考えてみましたが、詳細調書も持っておりますけれども、それをまとめて申し上げますと、検査員は非常に従来もまじめな人であり、この検査についても非常にまじめに当たっているということが具体的に立証されるのでございます。そして、決して普通の定期検査において、私どもが検査員に要請し、あるいは規定に定められているような点についていささかも間違ったことをやっておるというふうな点は発見できませんでした。これを一、二具体的に申し上げますと、船体全部につきまして衰耗個所に二百カ所以上の当て金の指令をいたしております。あれだけの大きな船でございますので、衰耗個所も非常に多かったのでございますが、こういう当て金を発見いたしますためには、御承知のようにテスト・ハンマーをもちまして詳細に船をたたき回らないと、なかなか二百カ所もの発見ということは普通の検査ではあり得ないことでございまして、こういう一例を見ましても感ずるのでございますが、そのほかピラーの部分的な取りかえ十四カ所、それからパイプの取りかえ七十カ所というもの、これはいずれも検査官の命令工事でやらせております。そのほかに外板八枚を取りかえておりますし、それから上甲板でデッキ一枚取りかえております。これらの工事の内容及び検査員の命令工事等を見ますと、非常にまじめな検査を行なったということが具体的に立証されるのでございます。さらに定期検査でございますので、水艙に対して水圧試験をやるわけでございますが、これも御存じのように検査員としては非常なこれは労働でございますけれども、夜の十二時ごろまで時には残って、補助員の検査員を従えてまことによくやってくれたということをチーフ・オフィサーは申し立てております。  そういう点から、私どもも検査がずさんであり、検査員としてやるべきことをやらぬために起こった現象だとは、実は現在考えられないのでございまして、しからばどうしてこんなことになったのかという点につきまして、御質問の趣旨をちょっと逸脱するかもしれませんけれども、現在の所感を申し述べますと、さっきも申しましたように、戦時標準船につきましては、戦時中相当低い規格で船が作られたわけでございます。これは材料につきましても、構造、寸法等につきましても言、えるのでございますが、そこで終戦後、戦時標準船を外航船として使用するために、国際的な水準にまで強度を高めるという計画を運輸省でいたしまして、昭和二十五年だと思いますが、間違っていたら後刻訂正いたします。運輸省から通牒を出しまして、相当広範に、また相当シビアな補強工事をやらせております。従って現在では船の全体の強度といたしましては問題がないと私ども考えておるのでございますが、材質等の関係で部分的に相当腐食が進んでおるということは考えられますので、これに対する対策を考えなければならぬというわけで、前々から——現在でも急いで戦標船全般の問題をやっておるわけでございますが、本船の場合は、実は私ども戦時標準船の部分的腐食について従来から考えておるものよりもはなはだしく悪かった、こんな状態というものを、私ども実は本件が起こるまで想像をいたさなかったのでございますが、特別に何かメインテナンスが悪かったかどうか、特別な事情で特に状況が悪かったと、そういう状況で、実は外貌検査——目で見、あるいはテスト・ハンマーでたたき回りましても、なかなか手の届かないような個所につきましては、発見しにくいというのが実情でございまして、こういう予想外のできごとに発展したと考えておるのでございます。私どももこれについては至急対策を講じなければならぬと思っておる次第でございます。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 検査をした人が非常にまじめに熱心に検査をせられて、その方面のことを当局がお調べになった結果、落度がなかった、こういうことなんですが、にもかかわらず、これだけの大きな損傷個所ができたということは、どこに欠陥があるのでしょう。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 私ども現在考えておりますことは、戦時標準船の使用材料の材質が戦時規格として作られて非常に悪いものでございますので、一般の腐食といたしましては、製造後二十年程度でございますので、腐食が相当進んでいるが、それほどひどいとは考えておりませんし、またほかの船の例を見ましても、こんなひどい例は実は現在までの調査には乗ってこないのでありますが、本船の場合は、明瞭には申し上げられませんけれども、あるいは手入れが不十分であったのじゃないかということをちょっと感じておるのであります。そのほかは、もう一つの点は、戦時の材料は均一性が乏しいのでございまして、戦時材料だといって同じ材質と考えられませんので、特に材質の悪いものがあるいはこれに使われておったのじゃないかと思われるのでございますが、そういうような点を現在考えておる次第でございます。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 船舶局長と海運局長の御両所から伺いたいのでございますが、大体この種の船舶の耐用年数というものはどれくらいをお考えでしょうか。われわれの判断では、戦時標準型でなくても、最近の計画造船によって作られている船でも、大体商業ベースから判断をしても、船の性能、耐用年数から判断しても、二十年くらいが一ぱいではないかと思う。二十年を過ぎれば若干危険な状態になるのじゃないかと思う。いわんや戦時標準型、この船など十五年たっている。そういう船が、この船のみならず、まだ大しけがあるかもしれぬ、その太洋を航海しているという危険な状態にあるわけですね。まずあなた方の、戦時標準型のこの辺までは危険でないという、安全性のある耐用年数はどういうふうにお考えになっておりますか。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 税法上その他の関係から考えましても、私どもは一般にこういった船舶は二十年と普通考えておるのでございますけれども、安全性の場合と経済性の場合から、一体何年までが使えるのか、安全であるのか、こういうことになりますと、非常にお答えするのにむずかしい問題であろうかと思うのでございます。二十年の耐用年数を過ぎても、ケース・バイ・ケースにものを考えますというと、船舶安全法で規定をいたしております基準に合格をいたしますならば、一応法制的には安全性が担保されるというようなことにもなるのでございますが、また戦時標準船といいましても、その年々によってできました船が鋼材の質その他によって違いましょうから、一がいに何年ということを申し上げるのはなかなか困難であろうと思います。概して今御指摘になりましたような二十年ということが、一応のわれわれの標準として考えていることは、その通りでございます。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 船舶局長、今海運局長は二十年と言われたのですけれども、二十年というのは、これはわれわれの仲間で判断をしておる戦後の船ですよ。戦時標準型は二十年はちょっと無理なんじゃないかと思うのですよ。現に弥彦丸は十五年たっているわけですね。そこで、あなた方が信頼できる検査官が熱心に検査されて、損傷なしという太鼓判を押したにかかわらず、これだけの損傷があったわけだ。だから、それだけ優秀な技術者が発見し得ないほど船は老朽しておるわけだ。だから、結論から先に言うと、僕が問いたいのは、そういう船に人間を乗せて使っていいかどうかということを判断していくことを勉強したいので、それをあなたに聞いている。これはあなたが信頼されておられる人が裁断して、この船の検査をしたけれども、それ以下の人がおるかもしれない。これの、検査官は優秀な人だ、それ以下の人も魅るかもしれない。もしもそれ以下の人が検査をしたとすれば、もっと大きな損傷が起き得べき個所が発見できないかもしれない。そういう危険な状態にあるということだ。だから同種の船が多い。十五年たってもこの船よりも優秀な船があるかもしれない。あるかもしれないが、大体戦時中作ったものは使えないものと判断しなければならない。まだまだ使えるという論拠は私は実体的に起こってこないと思います。十五年たってこれだけのことが起こっているけれども、まだ使えると判断しておられるかどうか、そこをちょっと聞かしていただきたい。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 非常にむずかしい問題でございますが、私は経済性という点で今お答えする準備がございません。実はその点では海運局長お答えした通りに考えておりますので、もっぱら安全性の観点からこの船を御説明いたしたいと思います。  先ほども申し上げましたように、戦時標準船をもし何も手を入れないでいたとすれば、現在すでに強度的な欠陥から使えなくなっておったろうと思うのでありますが、これも相当多額の経費を入れまして、徹底的に全体強度を高めるという工事を全部の船に行なっておりますので、私、本船の場合でも言えることでございますが、船の全体強度の点では、まだ、直ちに十五年でとめなければならぬという状況ではなくて、まる二十年くらいは全体強度の点では心配なかろうというふうな見解を持っております。ただ、局部強度と申しますか、今度の事故のように、部分的に、外板に穴があくとか、バルク・ヘッドに穴があくとか、そういう事態ではもう相当な手を入れなければ使えない船が、現実に本船の場合のように出ているわけであります。そういうものがあると思うので、その点は非常に重大だと思いますが、これに対して修繕をいたしますれば、全体強度の使える限度までには使えるようになるというふうに考えられます。そこで、これは大ざっぱなあれでございますけれども、弥彦丸等の工事をずっと見まして、印象的に申しますというと、一億以上の金を入れないと、あるいは完全な船にならないかもしれないというふうな気がいたすので、戦標船全部について相当の金を入れることによって、それが経済上成り立つならば、今すぐ使えないという刻印を押すことはむずかしいのではないかというふうに考えております。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 経済上の問題でなしに——経済性を無視することはできないでしょうけれども、経済よりはやっぱり人命の尊重ということが優先するわけですね、われわれものを考える場合には。一億円かけたら完全になるとか、二億円かけたら完全になるといっても、このようにりっぱな検査官が十分に検査をしてさえ発見し得ないほど老朽している個所があるわけだ。そういうものをだれがどうして発見するかということなんだ、このように発見し得ない個所に損傷個所の起こることがあり得るのだから。だから一億も二億もかけて大修繕をやっても、なおかつその保証ができないというほど今の戦漂船というのは老朽化している、私はこう判断するのです。これを何とか考える方法はないかということが、いろいろ尋ねている私の本心なんだ。これから先もこれはあり得ることですよ。先ほど申し上げたけれども、りっぱな検査官が検査して発見できずにこういうことが起こってきたのでありますから、もう少し技術的に低位な未熟な人が検査をしたら、なお大きな損傷があったかもしれない。これは大しけにあわなかったから帰るだけはよたよた帰れたが、これは大しけにあったら、これだけの損傷があって沈没したかもしれない。乗組員は全滅だ。だから経済とか船が惜しいとか、そういうことでなしに、人命尊重の見地から、こういう船は使うことができないと思いますが、なおかつ、あなた方はこの船を使っていいと考えておりますか。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 先ほども申しましたように、この戦標船の場合の現在の一番の欠陥は、外板等の腐食ということになるわけでございます。全体強度はもうすでに措置を施していると思います。それでりっぱな検査官が発見できなかったということは、まことにこれ申しわけないことでございまして、御承知のように、私ども、どうしてもこういう状況を発見する検査を強制しなければならぬと考えて、すでに実は部内の検査官にも、海事協会に、もそういう指令を出しておりますが、普通の鉄板の腐食の状況等は、テスト・ハンマーによって、経験上ほとんどわかるのでございますが、本船の場合のようにひどいところが非常に多い場合には、とても検査官あるいは検査員のテスト・ハンマーだけにたよることはできませんので、全部のさび打ちを——衰耗しやすい個所というのは、経験上相当はっきりわかりますので、そういうところは全部のさび打ちをやらせまして、その上で計測するという今指令を出しております。そうすると、その欠陥についての想像でございますが、本船のような特殊のものについては、もうほんとうに安全上ぎりぎりの線、修繕いたしますとしても、安全上ぎりぎりの線だと思うのでございますけれども、一般の戦標船といたしましては、それだけのことをやり、そうして衰耗鉄板等の取りかえをやることによって、直ちにこれが使えないという線は出てこないのじゃないかというふうに現在考えております。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 それは外板だけなら、全部さび打ちしてしまえば……。穴があいているところはわかるでしょうが、船全体が老朽化しておりまして、十五年というふうな戦標船は新しい方で、古いやつは十七年も十八年もたっている。一番新しい船ですらこういう状態だから、これが古い船は、そのときの資材のめぐり合わせで良質な船もあるかもしれぬけれども、大体これ以下の船と見なければならないですね、戦漂船は。そうすると、そういうことをやってもなおかつ発見し得なかった個所というのができてきますよ。なんぼ破れかかったズボンにパテを当ててみましても、地が弱いんだから、平常な状態において大丈夫だと思っても、やはり大しけとか積荷の関係でどういう狂いが出てくるかわからない、そういう状態だと私は思うのです。だから、これはほんとうにいい機会だから、結論を急ぐようだけれども、この際に一つ戦標船の考え方を——あなた方できめるわけにはいかぬでしょうが、一大方向転換をして、この前私どもが主張しておりましたように、これを解体してしまって、そうして新しい船に作りかえる。その作りかえるためには、中小船主等はおそらく造船資金の手当てに困るだろうから、それに対して財政資金の融資をやるとか、何とかそういうことを考えて、外航船舶ばかりでなしに、A型でもD型でも、その船をつぶしてその船を作りたいものは、作れるような態勢を作ってやるという政治的な措置を講じないと解消されないと思う。あなた方事務官僚としてなかなかそういう政治的な発言はできなくて、そうして今の法規のワク内で、どうにか検査官の目の前を通り得ればどうもしょうがないという立場をとられるかもしれないけれども、そういうことでは戦標船を救っていく道ではないと思う。どうでしょう。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 先ほども申し上げましたが、実は戦標船全部にわたって詳細な調査をいたしまして、私ども船舶安全という観点からの一応の結論を早急に出すべく準備をいたしておりますが、そういう結果に基づいてまたいろいろ検討し、関係のほかの局ともいずれ御相談申し上げたいと思います。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 検査を丁寧にされることはいいのですけれども、この船は検査をしないで出ていったんじゃないでしょう。あなたがさっきからたびたび言われるように、優秀な検査官が、あなたの信頼される検査官が十分に検査をして、落度がないと思われるほど念入りに検査をされたにもかかわらずこういう事故が起こっている。これを今やってみたところでこれと同じような結果であると思うから、係船をしておる船をこれから使おうということで定期検査を受けてすらこういう状態だから、一応全部やり直してみても、優秀な検査官にしてなお発見し得ないような腐食個所があるかもわからぬですね。ということは、この船はまだ戦標船にしては新しい方で、これより、今の戦漂船というのは大体古いのだから、これよりも五、六年多いと見なければならない。二百五十隻あるというのは大体正確な数字ですか、戦漂船。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 二百五十一隻というのは船舶登録の面から見た数字でございまして、これは実際、船主協会等の所管その他がわかりますと、これと違ってきますけれども、実際に登録されている船はこれだけでございます。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 この中でも廃船になった船などはあるのですか。廃船になれば登録を取り消されますから、全部使用している船ですね。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 全部使用している船と見ていいと思いますが、ただ係船等でやっている船がもしありとすれば、全部私どもにはわかっておりません。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 海運局長に伺いますけれども、この前の予算要求の際に、古い船を解撤して新船を建造するという船質改善のことを考えられて、なんぼか予算の要求をされておりますが、あれは削られたですね、どうして削られたのですか。

水品政雄運輸省船舶局長

○政府委員(水品政雄君) 私どもは、今お話しがありましたように、海運政策としてまあ三つの柱のうちの一つとして船質改善ということをやかましく言ったわけでございますが、その予算の折衝の際にも、今お話がありましたように、二十万トン解体して、それに対して政府が解撤助成金を交付する。平均簿価とスクラップ代金との差額の二分の一を政府が解撤助成金として補給をいたしまして、船質改善を促推したいという要求を出したのであります。予算要求額は十六億円であったのでありますが、まあ大蔵省その他の考えでは、こういった設備の更新といいますか、代替というものは企業みずからがやるべきだ。どの産業においてもそういうことが原則であって、政府がそういうものを見るべきでないという意見もあったのでありますが、私どもは日本海運の全体の構成その他から見て、経済はもちろんでありますが、人命問題も織り込んで、この際船質改善をすることが必要である。また、国際競争力の上から見ても、最も弱点になっているという主張をいたしたのでありますが、まことに私どもの努力が足りませんで実現をしなかったのであります。そこで、来年三十五年度の財政資金によります新造船の計画を実施いたして参ります際に、予算がつかなかったからといって、今申し上げましたスクラップ・アンド・ビルドを実施しないということでは、今われわれが考えておりますことが実現できませんので、財政資金によります新造船計画十七万五千トンのうち、現在は不定期船等タンカーについてスクラップ・アンド・ビルドというものの方式で義務づけていこう。少なくともそのうちの、二十万トンとわれわれが主張しておったうちの八、九万トンというものは、少ない量ではありますけれども、そういった実施面においてスクラップ・アンド・ビルドを少しでも推進する、こういう考えで当面おるわけであります。これで船質改善が大幅に促進されるというようなことではありませんけれども、やり得る範囲において今のような目的を達成していこうという気持で進んでいるわけであります。定期船にもスクラップ・アンド・ビルドを義務づけるべきだと、こういう考え方がございますが、これはなおよく検討いたしまして、建造補助あるいは超高速船の問題もありますので、そういうものとかね合わせてもう一度検討してみたいというふうに考えておるわけであります。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 これは船舶局長にも海運局長にもお願いを申し上げておきますけれどもね。これは戦標船を解体して新造船を、代替建造をやっていくという方針を強硬に主張するいいチャンスではないかと思うのですよ、この弥彦丸はね。弥彦丸の乗組員の諸君はこういう目にあわれて非常に気の毒であるけれども、これを契機として、そして古いボロ船を解体をしていくという一つの方向づけのチャンスにされて、積極的な努力を払われることの必要があるんじゃないかと思う。そういうことを、ただあなた方が技術上の立場から、戦標船に対してまた検査をやり直せとか、さび打ちをやらせるとか、そういうちょっとしたことぐらいでは、もう今の戦標船をこれから先何年を使うというわけにはいかない。ところが戦標船だけしか持っていない船主は、これを使ってはだめだということになればつぶれてしまうから、代替建造の方針を財政的にも政治的にも考える必要が起こってきたんじゃないか。その方面に対して一つ努力をしてもらいたい。これは大臣が御出席の際にまた私はこれを蒸し返して、そして大臣の政治的努力をお願いするつもりでおりますけれども、ほんとうの腹を割ってあなた方がものを言えばそう考えておるんじゃないかと思うのですよ。この戦標船かなわぬと思っておるに違いないと思う。ただしかし、現在の局長たる立場において、そういう政治的な責任を負わなければならぬような発言がちょっとしにくいから、その気持をおもんぱかって言うて上げるとそうであろうと思う。これは一つやりましょう。  船員局長にちょっと伺いますがね。あなたもごらんになっているでしょうけれども、船の方から会社に対していろいろな電報を打っておりますね。ここに電報の趣旨が載っておりますけれども、それに対して、会社の方から、実につまらぬ、そんなに船に乗っておるのがいやなら退職したいんだろうから、船からおりる者の名前を知らせろということを言っておりますね。ああいう労務管理をやることは、はなはだけしからぬと思う。これは船の労務管理をやることに限定をするでなしに、全体の会社側の労務管理をする者の考え方として、そういうけしからぬことを言うということは、はなはだどうも遺憾だと思う。ただこの電報を打った当人は退職をしたそうだから、この人はまあそれでよろしい。しかし、こういう機会に船会社全体に対して労務管理のあり方について、かかることの起こらないように、一つ役所から会社に出す通達というか何というのか知らないけれども、それを一つやってもらいたいと思う。あなたの御見解をちょっと述べておいて下さい。

土井智喜運輸省船員局長

○政府委員(土井智喜君) このたびの弥彦丸の事件はまことに遺憾でございます。実はこういうような船の乗り組みの立場もございまするので、大体船の堪航性ということは、船の航行上最も必要なことでありますので、法制的な立場からしますれば、船長は発航にあたって、発航前に、船が安全上十分かどうかという義務があるわけでございます。そこでその船の物的ないろいろな施設についてはもちろん、これは船舶の検査制度、そういったようなもので、安全法によって見るわけでありますが、同時に船員の面からいいますれば船員法がありまして、御承知のように船長のいろいろな義務として規定されておる。そこへたまたま海上労働関係におきましては、船員法の実施に労務官制度がございますので、これは随時労務官がそういったような船に参りまして、その法律の実施状況がどうか、あるいは船長として十分職責を尽くし、適格かどうかというようなことで注意をしているのが今まで現状でありまして、その点につきましては、今までも数次にわたって労務官には訓令を出しております。  そこでただいま御指摘になりましたように、弥彦丸につきまして、たまたまああいった船の航行の障害から乗組員が打った電信に対して、会社側の責任者が、まあこれは行き違い上とかくの感情的なもつれがあったというような経緯がございまするけれども、これはああいうような船の運航で、しかも水が漏ってくる、そういう立場の船員の気持から見て無理からぬことであろうと思われるわけで、その点につきまして、先般労使双方で、責任者の問題、その他については一応解決を見た次第であります。ただ今後もこういうような遺憾のことのないようなことにつきましては、われわれ船員労務官その他の監督上善処をしたいと思っております。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 最後に海運局長にお願いしておきますけれども、そういう政治的な御回答をすることは、私は苦しかろうと思って、お気持をおもんばかりながら言っておったのですけれども、戦標船というやつを全部やりかえるという方向について、この前も予算折衝されてだめだったけれども、これも今の船員の労務管理と同じように、非常にいいチャンスだから、この機会に省内で方針を固らめられて、船質改善の方向に一つ推進していただくようにお願いしたいと思うのです。間違いなければ、やるということをおっしゃっておいていただきたいのですが、あなたの責任をあとで追及するようなことはしませんから、これはまあ公式の会議でそういうことにならぬと、会議の結末がつきませんから、所信を一つ述べておいていただきたい。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) ただいまの御質問を率直に私は受け取りまして、そういう方向に向かって努力をするつもりでございます。ただ、先ほど申し上げておりますように、具体的に本年度においてどういうふうな範囲においてどういう方法においてやるかということにつきましては、部内とよく相談をいたしまして、そういう方法に向かって努力をしたいと思います。

江藤智自由民主党

○江藤智君 今松浦委員の御指摘になった問題は、われわれも非常に関心を持った問題なんです。で、今度の予算編成にあたりましても、船質を改善したり——はっきりした数字は覚えておりませんが、まだ百万トン以上も非常に悪い船がある。この際、船腹を拡張するよりも、むしろ船質を改善して、まあこの造船のコストの安いときに一つ質のいいものにしようじゃないか。それについては先ほどお話もあったようにある程度の国家助成もやろうということが、非常な大きな一つの柱として、政府も、何といいますか、運輸省も要求しましたし、われわれとしても強硬にその予算をもらうことについて努力をした。しかし、これについて残念ながら予算を獲得することができなかった。しかし私らとしては、どうしてもやはりそういう船質改善という方に力を注がなければいかぬ。  そこで一つ運輸省の方にお願いしたいことは、助成金というものはなくなったけれども、しかし計画造船あるいは利子補給ということも多少認められておるのですからして、今の、とにかく、まあ今というのは予算審議中であって、まだ決定はしておらないが、一応提出されているような予算の範囲内において、まあできるだけの努力をこういう方法でやったならば多少でもよくなる。今五、六万トンというお話でございましたけれども、少しでも一つそういう悪い船は捨てて、いい船にするという方法を真剣に考えて、一つ結果をわれわれに示してもらいたいと思うのです。今すぐということは私無理と思います。今までは、さっきお話しになったような方法で船質改善をする、そのかわりはこれだけの助成をいたしたいという方向でやっておられたのが、急に予算がなくなったものですから、通らなかったからして、その場合にはどういうふうにしてやるかという案を一つ早急に、しかも真剣に一つ立てていただきたい。そうして次の、それができたならば、われわれにも一つ示していただきたい。そうして、ことしはこれでがまんする、しかし来年はさらに、ことしの要望して通らなかったものを実現するというために、運輸委員会としても応援をせなければいかぬ、こういう気持がいたしますので、その点を要望いたします。まあそれについて御意見があるならば一つお話しを願いたいと思います。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 先ほどちょっと触れて御答弁申し上げたのでありますが、昨年やりましたいわゆる開発銀行資金によりまするところの造船につきましては、開発銀行の資金を一〇%よけいにつけるから、スクラップ・アンド・ビルドをなるべくそういう線で促進できるのじゃないかというふうに考えておったのでありますが、本年、三十五年度の新造船計画においては、私どもとして、そういうことでなしに、先ほど申し上げましたように義務づける。必ず相当トン数をつぶしてからでなければ、いわゆる計画造船でいいますところの船主の選考には問題にしない。従って必ず一トン作るものは一トンと、こうきめたわけではありませんが、相当トン数をつぶすということでなければ認めないというふうに持って参りたい、こういう考えを先ほど申し上げたんでありますが、トン数といたしまして、私ども現在でも申し上げられますことは、五万トンというようなことでなしに、八万六千トンという不定期タンカーの計画をそのまま全部適用したいというふうに考えております。

江藤智自由民主党

○江藤智君 要するにことしのいわゆる計画造船といいますか、そういうものについて、今度はスクラップ・アンド・ビルドの方がむしろ大きな柱で、大きな方針で、ことしはスタートしたと思うのです。そのスクラップ・アンド・ビルドの方に移されたわけなので、その対策を一つ作っていただきたい。こういう要望なんですからして、一つその対策を運輸省として立てて、できたら一つお示しを願いたい、こういうことです。

松浦清一民主社会党

○松浦清一君 与党の代表理事からも支援の御発言があったし、朝田局長非常にいいわけだ。一つ来年のぼつぼつ計画造船を引き続いてやるとすれば、ということも考えていかなければならぬ。その際にスクラップ・アンド・ビルドの方針に一つ転換をして、それだけに限定するのではなしに、それに非常に重点を置いて、今から一つ策を考えて下さい。なんぼ船舶局長が気張ってみても、船長だって、りっぱな検査官だって発見し得ないような損傷個所が戦標船にはあると推定しなければならない。それに乗っていく人間の身になってみれば、これは命がけだから、なかなかそう——私はかわいらしい言葉でものを言っているけれども、深刻な問題ですよ。一つよく考えていただきたいと思います。  それからそのほか、今非常に問題になっている専用船の問題とか、利子補給なんて、世間ではただくれたようなことをいうておるけれども、いずれ払わぬならぬからね、あれは。そんな問題についての発言をしたいと思ったけれども、運輸大臣がおいでにならぬので、運輸大臣御出席の際、この委員会においてか、あるいは予算委員会で、別の機会に発言をします。

小酒井義男日本社会党

○小酒井義男君 ただいままでの質問に関連して、私資料を一つ出していただきたいと思います。  戦後船舶の改良、増強に関係をする法律案が出されて、いろいろ出されているはずです、低性能船舶の当時から。それからどういうものが出されてきて、そのつどどれだけの実績があがってきておるか、そういうわかりいい資料を一つお出し願いたいと思います。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) ただいまの資料……。

朝田静夫運輸省海運局長

○政府委員(朝田静夫君) 承知しました。

平島敏夫自由民主党

○委員長(平島敏夫君) ほかにございませんか。——ほかに御質疑もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十五分散会

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