予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/02/25
会議録
○岡本主査 これより会議を開きます。 昭和三十五年度一般会計予算、同じく特別会計予算及び政府関係機関予算中、運輸省所管を議題といたします。 まず政府の説明を求めます。楢橋運輸大臣。
○楢橋国務大臣 昭和三十五年度の運輸省関係予算について御説明申し上げます。 初めに、今回の予算の規模につきまして申し上げたいと存じます。 まず一般会計予算について申し上げますと、歳入予算総額は十六億六千四百八十六万五千円、歳出予算総額は四百五十三億五千八百八十五万九千円であります。今三十五年度歳出予算総額を前年度に比較いたしますと八十四億三千百三十二万三千円の増額であり、二三%という顕著な増加率を示しております。さらに政府全体の歳出予算規模中における当省関係予算の比重を見ますと、三十五年度は二・九%を占め、前年度に比較して〇・四%の増加を示しており、わが国財政中における当省関係予算の占めます地位が漸次向上しつつあることを示すものと存じます。 歳出予算増加額の内訳を申しますと、行政部費系統におきまして、二十九億九千八百六十九万六千円の増額であり、公共事業費系統におきまして五十四億三千二百六十二万七千円の増額となっておりますが、このうちには両系統を通じ定員二百八十一人の純増が含まれております。なお今申し上げました歳出予算のうちには、北海道港湾事業費等他省所管の予算四十九億四千五百九十五万一千円が含まれております。 次に特別会計の予算について申し上げますと、木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は前年度より若干増額されて二億八千二百七万三千円となり、自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は、保険に付した自動車両数の増加と保険料率の改訂に対応し、定員十二人の増加分を含め前年度に対して約十億円が増額された結果、四十億三千四百五十九万二千円となり、また三十四年度より設置された特定港湾施設工事特別会計の歳入歳出予定額は、事業量の増大に伴い、定員七十四人の増加分を含め前年度に対して約十七億円が増額された結果、九十五億九百七十万一千円となっております。なおこのほか三十五年度財政融資計画中には、運輸省関係分として約二百二十五億円が予定されております。 以上をもちまして予算の規模についての御説明を終わり、次に三十五年度の運輸省関係予算の重点事項についての御説明に移りたいと存じます。 御承知の通り三十五年度における経済運営の基本的態度といたしましては、高水準に達した三十四年度経済のあとを受け、世界経済の動向に即しながら、さらに着実な安定成長の実現をはかりますことを目標とし、経済の体質改善に施策の重点を指向し、日本経済の長期的発展の基盤の充実に努めることにいたしております。当省におきましてもこの趣旨に従い、経済発展については輸送力がむしろ先駆となるべきものと判断し、港湾等交通基礎施設の整備を推進することによりまして、産業基盤を強化するとともに、国土保全対策の一環となし、また海運、航空及び観光による貿易外輸出の振興をはかることによりまして、国際収支の改善に資する所存であります。 以上の趣旨によりまして、今回の予算におきましては、経済発展に先行する輸送力の整備増強、国際収支の改善に寄与する貿易外輸出の振興、国民福祉向上のための交通安全の確保、災害の防除及び海上治安の確保並びに運輸関係科学技術の振興等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進することにいたしております。 以下、重点施策別に要旨を御説明したいと存じます。 まず輸送力の増強に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は二百十二億九千七百二十万一千円であり、このほかに財政融資として六十億円を予定しております。 このうちおもな事項といたしましては第一に特定港湾施設工事特別会計による港湾の整備に必要な経費として、一般会計よりの繰入金を四十二億二千百七十万円計上しておりますが、これを前年度に比較しますと、十二億二千七百九十万円の増額となっております。本特別会計の事業としましては、歳入歳出予定額九十五億九百七十万一千円の規模をもちまして、輸出港湾として横浜港外五港及び一航路、石油港湾として千葉港外一港、鉄鋼港湾として室蘭港外九港、石炭湾港として苫小牧港外八港について、港湾施設の緊急整備を行ないますとともに、伊勢湾台風の被害にかんがみ、名古屋港外一港について伊勢湾高潮対策事業を行なう予定であります。 第二に一般会計による港湾の整備に必要な経費として百六十三億一千七十七万三千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと、三十八億一千二百六十五万四千円の増額となっております。これによりまして、三十五年度は、前年度に引き続き特定重要港湾等主要港湾の整備を強力に推進いたしますが、これとともに今回は、特に国土保全対策の一環として海岸保全対策、伊勢湾高潮対策、地盤沈下対策、災害復旧対策等の諸事業を飛躍的に強化するために必要な経費として、六十億四千六十万円を予定しております。以上申し上げました通り、三十五年度における港湾関係予算は一般会計と特別会計とを通じ、国庫負担として前年度に比較して五十億四千五十五万四千円の純増を予定しておりますので、これによる事業量の急速な増加に対処するとともに、台風防災体制を整備しますため、本省に防災課と臨時港湾調査設計室とを新設することにいたしております。 第三に国内旅客船公団の強化に必要な経費として、大蔵省所管産業投資特別会計中に二億円を計上するとともに、資金運用部資金よりの融資五億円を予定しております。これにより三十四年度に新設された公団の業務運営の円滑化をはかり、三十五年度は約五十隻、四千六百総トン程度の建改造を進める予定であります。 第四に国内空港の整備に必要な経費として五億二千五百万円を計上しておりますが、これを前年度に比較すると八千三百六十七万五千円の増額となっております。これによりまして、既定空港としては広島空港外九空港の整備を続行しますとともに、新規空港としては名古屋外三空港の整備に着手し、また新潟外一空港の災害復旧を行なう予定であります。 次に貿易外輸出の振興に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は三十八億三千三百九十七万四千円であり、このほかに財政融資として約百六十五億円を予定しております。 このうち主な事項といたしましては第五に、外航船舶の建造及び主機換装に必要な資金として、開発銀行よりの融資百四十五億円を予定しております。これによりまして三十五年度においては特に海運企業基盤の強化に留意しつつ、拡大するわが国の貿易規模に即応した外航船腹の整備をはかる予定であります。 第六に外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として、九億五千四百二十七万円を計上しております。本制度は二十八年に制定された外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法に基づくものでありますが、三十二年度からは諸般の事情により、実施を停止して参ったものであります。本制度は外航船舶建造資金を融通する市中金融機関に対する利子補給を行なうことによりまして、海運企業の金利負担を軽減し、海運企業の基盤を強化しますとともに、これに国際競争力を賦与しようとするものでありますが、今回は企業の合理化を前提としてこれを支給する予定であります。なお契約限度額としては二十七億四千百四十八万五千円を計上しております。 第七に三国間輸送の拡充に必要な経費として、三国間輸送助成金に六億九千万円、船員海外厚生施設整備費補助金に一千万円、計七億円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと二億円の増額となっております。これによりまして前年度に引き続き三国間輸送を促進し、国際収支の改善をはかるとともに、近海における過当競争の排除にも資したいと存じます。 第八に移住船の運航費補助に必要な経費として七千七百八十一万六千円を計上しております。前年度においては外務省所管に計上したのでありますが、今回これを千五百二十五万六千円増額し、運輸省所管の運航補助に切りかえたものであります。 第九に国際航空事業に対する出資として、大蔵省所管産業投資特別会計中に五億円を計上しております。日本航空株式会社は三十五年度以降、新規路線の開拓及び既設路線のジッェト機化等の推進により国際競争力の強化を企図しておりますが、このためのジェット機の追加購入等に対し、三十五年度に必要な資金の一部に充当させるため、前年度と同額の政府出資を行なうものであります。なお、これとともに同社の発行する社債については、二十億円を限度として債務保証を行なうことにしております。 第十に国際空港の整備に必要な経費として十三億一千九百万円を計上しておりますが、これを前年度に比較すると二億九千八百二十万七千円の増額となっております。このうち東京国際空港につきましては、十一億一千九百万円を計上しており、三十五年度においては滑走路の新設等に着手し、航空交通量の増大と大型ジェット化への移行の趨勢に対処する予定であります。また大阪国際空港につきましては二億円を計上しており、三十五年度においては滑走路の新設に着手し、東南アジア方面への国際航空路線の空港として整備しようとするものであります。 第十一に日本観光協会の補助に必要な経費として二億一千三百四十万円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと千三百四十万円の増額となっております。これによりまして三十四年に特殊法人に切りかえられた日本観光協会の海外観光宣伝活動を整備充実いたし、三十五年度においてはシカゴに海外事務所を新設しますとともに、海外宣伝資料製作費を増額し、海外観光客の積極的誘致を推進する所存であります。 第十二にユースホステルの整備に必要な経費として、地方公共団体のユースホステル整備費補助金に四千七百五十万円、新規に国立ユースホステル・センター建設費に二千万円、計六千七百五十万円を計上しております。これによりまして地方公共団体の設置するユースホステルを前年度に引き続き整備しますとともに、国内及び国際ユースホステル大会の開催、内外青少年の交歓等の場とするため、新規に国立ユースホステル・センターを大津市に建設する予定であります。 次に交通安全の確保、災害防除及び海上治安の確保に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は二十六億三千七百六十三万二千円であります。なおこの金額には、さきに申し上げた国土保全対策の一環としての港湾における災害防除関係の経費は含まれておりません。 このうちおもな事項といたしましては第十三に、航路標識の整備に必要な経費として六億五千万円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと一億四千万円の増額となっております。これによりまして三十五年度は前年度に引き続き、航路標識の新営を改良改修との両面においてその整備を促進する予定であります。 第十四に海上警備救難体制の整備に必要な経費として四億九千八百三十七万七千円を計上しておりますが、これを前年度に比較すると一億六千二十四万五千円の増額となっております。これによりまして三十五年度は老朽巡視船艇を三隻代替建造しますとともに、警備救難用航空機を一機追加し、また老朽通信施設の改良改修を続行する予定であります。 第十五に自動車輸送秩序の確立及び事故防止に必要な経費として二億三千三百八十六万三千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと三千九百二十九万七千円の増額となっております。これによりまして激増の一途をたどる自動車両数に対応し、検査登録要員の確保をはかりますとともに、東京外一カ所に車両検査場を新設する等、車両検査場施設の増強によりまして検査登録機能の強化をはかる予定であります。またこれとともに街頭監査及び既存事業者の監査を強化することによりまして、違法行為の絶滅を期し、自動車輸送秩序の確立に努める所存であります。 第十六に航空交通管制業務及び航空保安施設の整備に必要な経費として二億八千七百五十一万八千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと一億三千四百二万二千円の増額となっております。これによりまして三十四年度に日本側に移管された航空交通管制業務について自主的運営体制を確立しますとともに、ジェット機時代への移行の趨勢に対処して高々度管制用無線施設を整備し、また航空保安施設の飛行検査を自主的に実施するため検査用航空機を一機購入する予定であります。 第十七に基礎的気象業務の整備に必要な経費として四億五千九百七万円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと一億二千五百四万二千円の増額となっております。これによりまして三十五年度は、前年度に引き続き無線模写放送を初めとする気象通信の整備拡充を行なうことによって予報精度の向上をはかりますとともに、名古屋の気象用レーダーの新設、気象庁本庁舎の新営続行等により、基礎的気象業務体制の整備を促進する予定であります。なおこれとともに気象業務の国際性にかんがみまして、東京—ホノルル間等の国際通信施設を整備し、気象資料の国際交換体制をも整備する予定であります。 第十八に防災気象業務の整備に必要な経費として三億五千四十五万一千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと三千九百六十二万円の増額となっております。これによりまして前年度に引き続き水理水害関係の気象業務を整備しますとともに、空港整備の進捗状況に対応して航空気象業務を整備し、また前年度より着手した農業気象業務につきましては、前年度に比較して二千九百三十二万九千円を増額し、福島県の残部及び山形県の一部に対し新規に実施する予定であります。なおこれとともに伊勢湾台風の経験にかんがみまして、新規に防災気象官制度を設置し、防災気象業務の指導を強化する予定であります。 最後に運輸関係科学技術の振興に必要な経費についてでありますが、その歳出予算総額は三億六千四百四十七万三千円であります。 このうちおもな事項といたしましては、第十九に、原子力船の開発及び原子力の平和利用に必要な経費として八千八百九十四万円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと二千四百三十五万二千円の増額となっております。本予算のほとんどは一応総理府所管となっておりますが、これにより三十五年度は、世界の動向に対応して原子力船の開発に関する研究、原子力の平和利用に関する研究並びに放射能汚染の実態調査を促進する予定であります。 第二十に運輸機関の高速化及び近代化に関する研究に必要経費として、科学技術試験研究補助金が四千五百七十八万九千円、運輸技術研究所その他直轄研究機関の経費が二億二千九百七十四万四千円、計二億七千五百五十三万三千円を計上しておりますが、これを前年度に比較しますと六千三百五十三万五千円の増額となっております。これによりまして三十五年度は運輸技術研究所、気象研究所及び海上保安庁水路部の研究業務を拡充強化しますとともに、研究補助金を適切に運用することによりまして、増大する事故防止をも考慮しつつ、運輸機関の高速化及び近代化の要請に対処する所存であります。なおこれとともに台風防災関係の研究体制を強化するため、気象研究所に台風研究部を新設する予定であります。 以上をもちまして昭和三十五年度の運輸省関係予算についての御説明を終りますが、何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。 ………………………………… 次に昭和三十五年度日本国有鉄道予算の概要につきまして御説明申し上げます。 三十五年度の予算の編成にあたりまして、三十五年度は三十四年度の経済情勢の好況が引き続き持続するものと考えて収入支出予算を組みました。また三十四年度に引き続き老朽施設取りかえ、輸送力増強及び近代化を主目標とする国鉄五カ年計画の第四年度として、この計画の達成に支障を来たさないように配慮したほか、東海道幹線増設工事の促進を考えて策定いたしました。 以下収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。 まず損益勘定について申し上げます。収入においては、鉄道旅客輸送人員は対前年度四・二%増で四十九億四千万人、輸送人キロは一千百五十五億人キロとして、旅客収入二千三十二億円を見込み、また鉄道貨物輸送トン数は対前年度六%増で一億八千六百万トン、輸送トンキロは五百十二億トンキロとして、貨物収入一千六百十九億円を見込んでおります。これらの旅客、貨物輸送に要します列車キロは四億六千百万キロで、対前年度三・五%増となっております。以上の旅客、貨物収入のほか、雑収入等を含めまして、収入合計は三千八百一億円となっております。 次に経常費について見ますと、人件費につきましては、三十四年三月の仲裁裁定実施による増額のほか、三十五年度の昇給と期末、奨励手当合計二・七五カ月分を見込みまして、給与の総額は一千三百九十四億円といたしております。また物件費につきましては、節約に特段の努力を払うことにいたしておりますが、おもなものといたしましては動力費四百十五億円、修繕費五百四十一億円を見込んでおります。これらを合わせまして経常費の総額は二千八百八十九億円となっております。 以上の経常費のほかに受託工事費四十億円、資本勘定への繰り入れ五百九十九億円、利子及び債務取扱諸費二百二十三億円、予備費五十億円を合わせまして、損益勘定の支出合計は三千八百一億円となっております。 次に資本勘定について申し上げます。収入といたしましては、先ほど申し上げました損益勘定から受け入れます五百九十九億円のほか、不用施設等の売却による八億円、鉄道債券五百二十五億円、資金運用部等からの借入金二百九十七億円、合計一千四百二十九億円を計上いたしております。他方、支出といたしましては、このうち一千二百五十二億円を工事勘定に繰り入れ、借入金等の償還百七十二億円、帝都高速度交通営団等への出資五億円を予定しております。 最後に工事勘定について申し上げます。三十五年度は五ヵ年計画の第四年度にわたりますので、五ヵ年計画中で工事のおくれております幹線輸送対策と車両増備に重点を置きました。また東海道幹線増設工事については、全線にわたっての着工を予定いたしました。 以下工事勘定の内容について御説明申し上げます。 まず新線建設につきましては、前年度と同じく九十五億円を計上いたしております。 東海道幹線増設費は、前年度より百七十七億円を増額いたしまして二百七億円を計上し、幹線増設工事の促進をはかり、東海道線の輸送の行き詰まりを早期に解消いたしたい考えであります。 通勤輸送対策といたしましては、前年度に引き続き東京付近三十四億円、大阪付近二十三億円、電車増備百両二十一億円、計七十八億円を計上いたしております。 幹線輸送対策といたしましては、北海道、東北—常磐線、裏縦貫、北陸線、東海道—山陽線、九州、その他で百七十七億円を計上いたしております。 幹線電化につきましては、現在工事中の東北本線、常磐線、山陽本線、宇野線、北陸本線及び鹿児島本線の電化のための工事費六十八億円のほか、これに伴う電気機関車十二両、電車四十三両、計十五億円を合わせまして合計八十三億円を計上いたしております。 以上のほか、貨車三千五百両等の車両増備、諸施設の取りかえ工事、総係費等を含めまして、支出合計は一千二百五十二億円となっておりまして、これらに要します財源といたしましては、資本勘定から受け入れます一千二百五十二億円を充てることにいたしております。 以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算は、今後の経済界の動向にもよりますが、これに予定されました収入を上げ、予定の工事計画を完遂するためには格段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体として今一そうの経営合理化をはかり、もって日本経済の発展に資するように指導監督して参りたい考えであります。 以上昭和三十五年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上御賛成下さるようにお願いいたします。
○岡本主査 これにて説明は終了いたしました。 —————————————
○岡本主査 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので順次これを許します。上林山榮吉君。
○上林山分科員 運輸大臣から、特に港湾関係の予算が五十億四千何がし純増されてという御説明がございました。特に純増というところに非常に力が入ったようでございますが、私どももこういう点については、大臣初め政府の非常なる努力を多とするものでありますが、私はそういうような大きな問題から、分科会でもございますので、かねて日陰になっておるような問題をできるだけ取り上げてみたい、こういうように考えます。 まず第一点は、私が当委員会で二年前に指摘した問題で、大臣は直接あるいは御存じないかもわかりませんが、国鉄の財産の管理あるいは整備というものがきわめてずさんである、こういうことで、帳じりがそのときにおいて評価増、評価減合わせますと約四百五十億、これはもう政府関係の公共企業体としての財産の管理としてはきわめてずさんである。膨大なる予算でありますから、幾らかの間違いはやむを得ないけれども、いかなる間違いにしろ四百五十億という間違いは、私は国民に実に大きな疑惑を与えるものだと思いまして、当時警告を発しておいたわけであります。第一線の作業をする者あるいはこれを監督する管理者、さらにこれを監督する運輸省、こういうものがもう少し一体的にこうしたものに私は誠実をもって力を入れていかなければならぬものだと考えます。はなはだしいのは、大臣、帳簿から落ちているのもあるのですよ。単位を間違うもの、まことにずさんな状態である。その後国鉄当局においても相当この問題の解決に努力をされたようでございます。しかし当委員会において発議したものを、当委員会においていまだに報告を受けておりませんので、その結末がどうなったかということを私はまず伺いたいと思います。
○楢橋国務大臣 上林山委員の御指摘の通り、私もその後いろいろ当局に調べさせまして、公共企業体としてそういうずさんな計算違いと申しますか、そういうことをやっておるのははなはだよろしくないということで、十分に警告を発しておいた次第であります。具体的なことについて鉄道監督局長から説明させます。
○山内(公)政府委員 ただいまお話のありましたように、昭和三十二年十一月に国鉄におきましてはそういう財産の整理につきまして、再評価の修正作業を各現場に厳達をいたしまして、実施をいたしまして、三十二年度の実態におきましてその修正を行ないました。そのときの状態につきまして御説明申し上げます。 この修正作業の結果、御指摘のように二百十億円をオーバーいたしまして、固定資産の過大評価が四百四十五億円という数字が出ました。ところが一方に過小評価が四百三十六億円、差引九億円の減少となったわけであります。この既往年度の誤りによりまして、減価償却引当金を十七億円過大に計上していたことが明らかになったわけであります。その結果十七億円から九億円引きました八億円というものが差となりまして、昭和三十二年度の決算におきまして再評価積立金で八億円増の修正を行ないまして、財産を明らかにいたしたわけでございます。 なお今申し上げましたように、昭和三十二年度において資産の再評価は一応完了したわけでございますが、これは台帳記録による作業が中心でございましたので、引き続き財産の実際に当たりまして、実態把握をいたしまして、三十三年の七月から実地調査を行ないまして、帳簿と台帳と一致をするように努めているわけでありまして、このような誤謬を生じましたことはまことに遺憾でございますが、今後このようなことのないように常に財産の管理に注意するよう、ただいま大臣が仰せのように国鉄にも話をしておりまして、われわれも十分指導をいたしたいと考えております。
○上林山分科員 私は、もう過去にあったことでありますから、これ以上とやかく申し上げませんが、ただいまの報告で、台帳と現物と照らし合わせて修正をした結果が、九億円のいまだなおわからないものがある、こういうふうに受け取っていいのでございますか。
○山内(公)政府委員 わからないものではなくて、帳簿上で調べましたところ、九億円従来間違えておった。それを三十二年度の決算面におきまして再評価積立金を八億円ふやしましてはっきりさせた。ただ帳簿上の検査でありますので、現物の実態把握をその後ずっと続けてやっております。何分にも膨大な財産でございますので、御指摘のように、物と帳簿と一致するように現在まだやっておるわけでございます。
○上林山分科員 ただいまの御答弁で、概略私も了承をいたしておりますけれども、まだただいまの報告では、帳簿上における調査によって作業を済ませただけだ、それによって再評価積立金でプラス、マイナスにしたのだ、こういうことでありますが、ここは予算委員会でありますから私はこれ以上言いませんけれども、これが決算委員会等でありますと、もっとこまかに質疑をしなければならぬわけなんです。でありますから、そういう点をよくお考えになって、一つ現物と帳簿と評価額と合うか合わぬかということを、監督者も管理者も第一線の方々も、もう少し国民にかわって、いや国民に疑惑を抱かせないように努力すべきである、それだけを申し上げてこの問題は打ち切りたいと思います。お答えがあれば聞きます。
○山内(公)政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、台帳記録による作業を中心にやっております。それで現在も財産の実態把握ということのために実地調査をやっておりまして、帳簿と台帳も一致するように管理者は努めておりますので、管理者側から現在の仕事の段階につきまして御説明をさせたいと思います。
○兼松説明員 ただいま御指摘の点ではまことに申しわけないのでございますが、その修正作業といたしまして、資産の再評価の方は帳簿でいたしたのでございます。それで帳簿の価格が、一定の率をそれぞれに詳しく——これは黒沢先生を初めとして権威者を入れた委員会で標準をいただきまして、その標準に基づいて現場の各個所で、一々帳簿を再評価価額に訂正する作業をさせたわけであります。それにつきましては、先ほど鉄監局長からも申し上げました通り、あとで調べました結果、計算の間違い、その他で全額として差引八億円の調整をしなければならないものが出てきた。これは帳簿の操作でございます。ところで大部分のものは帳簿と現状とは合っておるのでございますが、戦時中買収いたしました鉄道その他で、当時測量した部分がはっきりこちらで確認されてなかったものや、その他戦後の記録の喪失で、再調整の際、測量不十分というようなものが一部にあることが発見されましたので、一般財産につきましては約二年半、土地については五年の計画で、完全な再測量と再調査をやっておりまして、土地以外の建物等の財産は、明年度で完全に帳簿と照合できることになっております。土地につきましては、測量その他に多少手間取りますので、あと二年くらい完全に再調査をするのにはかかるような事情でございますが、全力を尽くしまして帳簿の整理をはかるように努力いたします。
○上林山分科員 ただいまのお話はすべてを赤裸々に答弁されていないと思いますけれども、かりに例を今御説明の土地にとると、もう二年間調査しなければこれが全貌はわからぬですよ、こういう答弁では、われわれはある程度了解できますが、国民が聞いたらどんなふうに思いましょう。あるいはただ評価額が違ったというのもこれはいけないのでありますけれども、台帳から落ちているのがあったというに至っては——一つ緊張しておやり下さるように私は切望いたしまして、これ以上申し上げるのもどうかと思いますから、私は大臣、最善の努力を一つ要望いたしておきたいと思います。この問題はまだほかにいろいろなことも聞いております。たとえば評価をあまりに安く見て、そしてこれを安く賃貸しているというような事例も聞いておりますが、そういうそしりを受けないように一つ適正な評価をして賃貸する、こういうようにしていただかなければならぬのではないかと思います。 次に申し上げたい点は、これも私は三年前に——これは運輸省だけの話ではありませんけれども、運輸大臣は特に交通関係の直接の監督指導者であられるので、ここで注意を喚起して、これからの対策を聞きたいと思います。それはどういう点かといいますと、交通事故防止の総合的な対策本部を政府に作れと私は進言したことがある。これを政府は取り上げてその対策をとってきた。ある程度努力もされている。しかしながら効果が一つも上がらないと言ってよろしい。統計を調べてみますと、昨年の統計では一万人以上の人が死んでいるのです。一万人以上の人が一年に死ぬということは、これは小さな戦争の犠牲と同じくらいの被害です。けれども継続してこういうものが起こるので、起こったときはみな何とかしなければならぬと思うのだけれども、どうもやると言いながら手を尽くしていない気がする。これは運輸大臣一人の責任ではありません。政府全体に対する言葉として一つお聞き願いたいと思う。そういうような意味で、どうもはなばなしい議論にはみな耳を傾けるが、こういうようなじみな、しかもまじめな対策をやらなければならぬ問題は、その問題が起こったときだけ考える、これが私は交通事故というものを最小限度に食いとめ得られない原因だと思っております。 そこで、これを前提として伺いたい点は、運輸省の所管と建設省の所管でお互い協力してやらなければならない問題、その第一点、現在交通事故の起こる原因はたくさんございます。今あなた方が対策として述べられている検査をやるとか、違法行為を取り締まるとか、これもやらなければならぬことですが、しかしそんなものではとても解決はできない。そこで運輸省と建設省と競合しているというような問題は、これは道路と車がシーソー・ゲームをやっている。車が大きくなったから、つまりバスやトラックが大きくなったから道路を広げなければいかぬといって、建設省や地方の県庁あたりがいろいろ努力をするわけです。この辺でよかろうと思ってやったところが、また自動車が大きくなってこれではいかぬというので、さらにまた道路を広げるというようなこと、これは政府全体の計画というものがそういう点に思いが至っていないのではなかろうかという気もしますが、たとえば都内でもそうです。ほかの地方都市でもそうですが、こんな大きなバスをこんな小さな道に通していいだろうか、車と車が行きずりもできない、人と車が行きずりもできないところまでバスの許可をやっている。実際大きなバスは人のうちの店の屋根にすれすれ、あるいは突き当たって通らなければならぬという状態なんです。こういうバスと道路との関係を将来の運輸行政から、大臣の所管の車の問題だけでもけっこうです。あるいは政府全体でこの二つの問題をお話しになっているなら、その構想も伺いたいのでありますが、車に対する規格、日本の現在から近い将来くらいまでの道路、これは十年後とか二十年後はわかりませんが、いわゆるここ三年や五年後くらいまでの道路と車との関係を、どういうふうに調整をとっておられるか。これは小さい問題のようですが、大きい問題ですよ。大臣、一つお考え願いたいと思う。
○楢橋国務大臣 非常に急速な人口の増加、在来計画的な道路等がないところに、交通の問題のためにバスを通すというようなことで、今御指摘のような非常にちぐはぐなことになっておるので、私もあっちこっち見まして、町の軒のひさしまで切ってバスを通しておるというような状態でありますので、根本的に交通事故を防止するという意味からいっても、その点についてやはり総合的な計画を立てなければならないということで、ちょうど立体交差の問題もありますし、やはり本来からいえば、自動車行政を握っておる運輸省が道路という問題を監督するといいますか、そういう立場に置く、一元化していいと思うのでありますけれども、道路は御存じのように建設省が持っておって、しかも道路の財源というのはガソリン税でほとんどやっておるという状態でありますから、この点は総合的に何らか打開しなければならぬのではないか、こういうように思います。今御指摘のように非常に交通事故が多いし、立体交差の問題にいたしましても、御存じのように建設省と運輸省との間に、経費の負担等の問題についてなかなか話し合いがつかないというような状態でありますが、現実に差し迫っておるこの膨大なふえておる自動車、また激増する自動車事故等から、急速にその問題についての対策を立てたい、こう思って事務当局とも進捗させていまして、けさもちょっと鉄監局長から報告を受けたのでありますが、今局長から経過等を報告させます。
○山内(公)政府委員 先生の御質問の趣旨は自動車の方でございますが、鉄道の事故の趨勢につきまして、私から御説明申し上げます。鉄道の運転事故の総件数は実は最近……。
○上林山分科員 そんなことは聞いていない。あとで聞くよ。聞いていることだけ答えてくれ。
○山内(公)政府委員 減っておるわけでございますが、その中で踏切事故が非常にふえておるわけでございます。これを昭和二十一年を一〇〇といたしますと、昭和三十三年が二、二二六、しかも踏切事故は人命を死傷いたしますので、自動車と鉄道というところの交差点であります。ただいま御質問の中にもあると思いますが、この踏み切りをどうするかということが鉄道の方といたしましては、非常に大きな問題になっておるわけでございます。それでこの踏み切りをいかにして整備するかということにつきましては、国鉄はもとより、私鉄におきましても、年々計画を出させまして、交通量にマッチした踏み切りのあり方というものを指導して参っております。ただ現在では行政指導の段階でございますので、これを何とか法的規制をいたしまして、はっきりとした基準で規制をして参りたいということで、現在法律を考えておりますし、建設省とも相談をいたしておるわけでございます。政府内の意見が一致すれば、今国会にも提出いたしたいということで現在仕事を進めておるわけでございます。
○國友政府委員 自動車が激増して参りまして、現在二百六十万両ほどになっております。事故もふえておりますが、これは車両がふえますにつれて、やはり事故が増加して参っております。このことはわれわれとしては事故防止に非常に努力しておるのでありますが、自動車の増加に伴いましてふえておる傾向はいなめないことでございます。交通事故防止対策につきましては、交通事故防止対策本部が総理府に設置されておりまして、この会合を本月、二月二十八日にも開きまして、格関係官庁が集まって、根本的な対策を立てることといたしまして、全部項目を拾い上げて、一つ一つの項目でただいま検討しているところでございます。バスが大型化して参りました問題についても御質問がございましたが、バスの型式につきましては、道路の保安基準という道路運送車両法に基づく省令がございまして、それに日本の自動車の輸出等の関係も考慮いたしまして、この程度の大きさとか、最高の基準はきめてございます。ですからそこまでは作れるわけでありますが、乗合バスを通します場合に免許をいたしております。その免許につきまして道路管理者であるところの建設省の系統であります都道府県とか、市町村とかに、この道路は通行可能であるかどうかということを聞き、さらに公安委員会に対しまして交通保安の面から、その道路にこういうバスを通すことは可能であるかどうかということの意見を聴取いたしまして、その意見によりましてバスの免許を決定いたしておるわけであります。今後免許をいたしていきます場合には、道路管理者及び公安委員会の意見を聞いて許していく、こういう方針のもとに措置をいたしておるわけでございます。
○上林山分科員 私の質問にお答えにならないので時間がかかるわけですが、私はそういうことを聞いておるのではないのです。手続をこういう径路でやっておるとか、これから何か考えるとか、研究しておるとか、そういう抽象的なことをわざわざ分科会で聞かぬでいいのですよ。私が聞かんとするところは、大体道路とトラックや大型バスなんかとがシーソー・ゲームしておる。それで交通事故が非常に起こってくる。大きくなる、また作りかえる、大きくなる、また作りかえるというあんばいで、どこに一つの政府全体の統一ある基準があるのか。このままでは交通事故の防止はできぬのだ。三年前に失礼ですが私が提案して、いわゆる総合対策本部ができたのだ。今年の二月十八日も個々の問題についてせっかく今検討中であるというあなたの答弁を私は聞いて、大体そんなものかなあと思って、実は非常に期待はずれがしておるわけでございます。大臣、私が伺いたいのは抽象論ではないのです。今ようやく公安委員会とか、あるいはその他のいわゆる答申を得てバスの許可をする、こう言っておりますが、家のひさしを切ってようやく大きな車が一台通れるか通れないかというところが、交通安全だということが言えますか。まずこの具体的な問題です。そんなのをどうしてお許しになるのかということです。あなた方一つ都内だけでも車に乗って見て回ってごらんなさい。そうすればこんなところにどうして大型バスを許したのだろう、あるいはなぜバス道路にしたのだろう、こういうことがわかるのですよ。だから私の言うのはまず交通事・故を防止するには、基本的な政府の対策がなければならぬ。その一つを私が今拾い上げて、道路とバスの比例、そういう基準をもっと正確にきめていかなければならぬ。交通事故だけをここ数年の間にあなた方が三分の一にでもすることができたら、これは国家的には大辛業です。小さな仕事ではありませんよ。一路線や二路線を許可する問題よりも、こういう問題の方がまず先ですよ、特別の場合は別でございますが。こういうようなことに、じみちな問題だけれども、もっと私は力を入れていかなければならぬという意味でこれを申し上げておるのです。これについて大臣あるいは局長、一つ具体的方針があるか、あるいは近いうちに具体的な方針をきめるつもりかどうか。これは私は真剣に考えているのですよ。
○國友政府委員 先生の御指摘のような実情のあるところは、私も方々で存じておりますが、最近、たとえば東京都の郊外の発展というものが非常に急速なものでありまして、国鉄線なら国鉄線の駅へ住民を連れて参りますのに、非常に多量のお客さんを運ばなければなりませんので、そのためには、車両もある程度大型化しなければなりませんし、運行回数もふやさなければなりませんので、実は非常に狭い道に、車両をあるいは小型にし、あるいは少なくする、あるいは非常に狭い道には通さなければいいのですが、しかし現在バスの通っているところを通さないわけにもいきませんので、十分通路管理者なり公安委員会なりとも連絡をとりまして、今措置いたしておりますのは、新宿とかその他のところにおいては、運行の系統を変えるとか、あるいは一方交通にするとか、そういうような措置を講じて、現在の輸送に対処しているわけですが、どうしてもバスを通さないわけにはいきませんので、何とか現状における改善策を考えてやつておるというのが現在でございます。
○上林山分科員 何とか現状における改善策を講じておる、これは議題答弁としてはそれでいいでしょう。しかし実際問題としてそうではないですよ。それではだめなんです。これは都心からだんだん郊外に人家がふえていくから、交通量が多くなるから、やむを得ず大型を使わなければならぬ、この考えがだめなんです。ここの道路は何メーターあるからこの程度のバスならよろしい、私鉄であろうと国鉄であろうと、この程度のバスならば許可していい。あるいは大型を一台運行するよりも、小型を二台運行した方がいい、こういうような考え方で条件付で許可をしないと、交通事故は絶えないのだということを言っておるのです。同時に、道路が狭いならば、道路をいついつまでに建設省なりあるいは都なり、あるいは区なりが、改修を条件として許可なら許可するというような態度をとっていかなければいかぬのではないかというのですよ。そうではないじゃありませんか。だからこういうようか事故が起こってくるのだということです。これは建設省に関係のあるものは建設省と相談をしておやりにならなければならない。あるいは都と関係があるものは、都にその計画の方針があるのかないのか、そういうことをあなた方が自分の機関を活用してお調べになって許可しなければいけない。こういう意味で私は道路と車とが追っかけ回している結果、交通事故も起こり、国民にも迷惑をかけているのだということなんです。だから行政の一貫した方針がないということですよ。私はこんなにやかましく言うつもりはなかったのだけれども、どうも質疑のやり取りをしている間にこう言わざるを得たくなったわけですが、これは一つ大臣、単なる問題ではなしに、真剣に取り組んで下さらぬか。
○楢橋国務大臣 ごもっともな御意見でありまして、やはりその道路にふさわしい規格の車を通して交通事故を防止する。一方には住民のつまり交通という問題を解決しなければいかぬという使命等もありますから、そういう使命を達しながらも、その道路にやはり規格に合うような、今おっしゃいましたようなたとえば小さい、事故の起こらないような車を、大きい車を通すよりも、二台なり三台なり通すというようなことは、非常に適宜な処置だと思うので、そういうように指導したいと思うのであります。一方、何か対策本部ができておるそうですけれども、いまだかつて一ぺんも私も呼ばれて聞かれたこともないというような状態でありますから、どうしても建設省及び運輸省、その他自治庁、関係庁の各大臣が内閣に寄って、特に都市を中心とする激増する自動車は、おそるべき段階に来ておるから、根本的な対策を立てて、一方にこの問題を解決するようにしないと、単に事務的なそういうことだけではいかないという段階に来ているのではないか、従って早急に私からも閣議等に発言をいたしまして、企画庁長官等も入れまして、そういう問題の根本的解決に向かいたいと思います。
○上林山分科員 私は大臣から、対策本部というのが三年前にできたそうだけれども、自分は大臣になってから一ぺんも招集を受けておらぬ、これを聞いて、さっきの局長の答弁と同様に実はびっくりしておる。昨日も私はこの問題だけを重点に置いて、官房長官あるいは総務長官を呼んでやっていたのです。私は交通事故というものを実に大きく見ているのです。伊勢湾台風で五千人の人が死んだときは、これも大事件なのですが、あんなに騒いだでしょう。それが一年間に一万人ですよ。十年間で十万人です。十万人といったら日清、日露の戦争に比較して考えてごらんなさい。その人命の被害と同じですよ。そういうふうになってくる大事件ですから、一年に一万人のものを五千人にし、あるいは三分の一の三千人にもしすることができたら、お互い力を合わせて国民のために何かいいことをしたような気になるのですがね。これは数年前から叫び続けておるのだけれども、残念ながら今の大臣の話を聞いて私はびっくりした。これは一つあなたが中心になって、せっかく政府に機関を作ってありますから、それを活用していただくように努力をしてもらいたいと思います。
○加藤(精)分科員 関連して。一昨日テレビで、官房長官が何か質問を受ける方の側になって話しておりましたが、日本の道路は、地方では徳川時代の道路で、かごやなんかで交通していたときの道路なんだけれども、そこへ中央から大型のバスとかトラックとか、大型のハイヤーとかがどんどん入ってくるので、道路交通があぶなくなるのはあたりまえだというようなことを言うておられたのでございますが、今のバスの路線の許可は運輸省でやっておるのですけれども、地方の町村道や小さな県道なんかに中央から大型のトラックなんか入ってくるのは、これも取り締まりは運輸省なのでございますか。はなはだうかつなことをお伺いしますが……。
○國友政府委員 乗合バスの免許に関しましては運輸省で免許いたしておりまして、このバスの免許につきまして先ほど上林山委員から御質問がございました。たとえば条件をつけておるかどうかというような点につきましては、先ほど申し上げましたように、道路管理者あるいは公安委員会に意見を聴取いたしまして、公安委員会なり道路管理者から、小型であるべしとか、この程度の小型であるべしとかいうような条件をつけて参りました場合には、現在も条件をつけて免許をいたしております。それから路線トラックにつきましても、やはりそのように意見を聴取した上で免許をいたしておりますが、大型の貸し切りバスが運行いたします場合には、運輸省といたしましては、道路それ自体については監督をいたしておりません。この点は道路交通の面あるいは道路管理者として、その道路が工事中であればその道路を管理するという面からの監督があるだけでございます。従いまして、運輸省としては、貸し切り等については、運行します場合には監督をしておらないという状況でございます。
○上林山分科員 先ほど私が質問しない先に御答弁があったのですが、それを質問しようと実は考えていたのであります。というのは、これも運輸省といわゆる国鉄と建設省とが競合しておる点なんですね。いわゆる行政の隘路ですよ。道路と鉄道の交差点、踏み切りですね、この問題も計画的に数年前からやってもらうことになっていたのですが、遅々として進まない。遅々として進まないのはどういうわけかと大臣の話を今聞いてみますと、それは負担分の話し合いがつかぬので、思ったように踏み切りの解消ができないんだという答弁です。これは楽屋裏ではいろいろ御苦心もありましょう。御苦心もありましょうが、そういう答弁を聞かなければならぬということは、これはもう長い間の問題であるがゆえに、去年起こった問題じゃないものでございますから、まことになわ張り争いというか、そういうものがそんなにまで根強いものかなと実は考えて、残念に思っておるところであります。だから最初何年か前に計画した個所が何カ所で、それが今までどれだけ消化されて、あと何カ所何年間で消化しなければならぬか、そういう計画は立てていますか、それが第一点。 それから第二点は、負担の区分が話し合いがうまくつかぬと言っておるのですが、これは事務当局だけの話し合いでなく、一つ運輸大臣は建設大臣等とお話し合いされて、大局的見地から、これが解消に、負担区分の基準をきめて、お互い歩み寄って基準をきめられて、一つ早急にこれが打開をはかってもらわぬと、まことに交通事故防止の上からも大きな問題だと思いますが、いかがでございましょう。
○山内(公)政府委員 昨年の秋でございましたが、全国にわたりまして踏み切りの調査をいたしました。この結果が三月か四月に集計されて出て参るわけでございます。そういたしますと、現在の踏み切りの状態というものが全部明らかになるというふうに思っております。実は昨年度は全国にわたりまして特別の調査を実施いたしました。また、国鉄につきましては、自分のところの踏み切りでございますから、現在どうなっておるかというものは十分調査いたしております。それから私鉄につきましても、私の方から改良計画その他を十分とっておりまして、数字を持っております。御説明申し上げますと、現在踏み切りの総数が、国鉄、私鉄を合わせまして七万三千八百九十五カ所でございます。このうち踏み切りが、現在のままでなくて、さらに整備をしなければならないという数字が、国鉄、私鉄合わせまして二千二百二十七カ所ということでございます。これらにつきましては、それぞれ五ヵ年計画の中に入れて整備をするように指導をいたしております。ただ大都市付近の鉄道は、たとえば本年度整備をしなければならぬというものに入っていないものも、来年になりまして、交通量がふえますと、また整備をしなければならないというふうになりますので、この踏み切りの現状につきましては、われわれとしては毎年々々調べていかなければいけないというふうに考えておりますが、最近の一応のこの数字によりますと、二千二百二十七カ所というものをさらに整備をしなければならないという数字になっております。 それから法律の問題でございますが、これは何も建設省と権限の争いをしておるわけではないわけでございまして、負担の区分をどうしたら一番合理的であるかということをいろい御相談申し上げておるわけでございます。権限の問題ではなくて実際上どういうふうに費用の分担をさせるのが合理的であろうかという点についてなかなか意見が合わないわけでございますが、できるだけ早く意見を合致させるように今話し合っておるわけでございます。
○上林山分科員 建設省とあなた方と負担の割合をきめられる可能性はいつごろですか。それは苦心されているのはわかりますが、いつごろをめどとしてやっておられますか。いつごろになったらそれのめどがつくということをここで一つはっきりと……。
○山内(公)政府委員 めどがつくということをはっきりさせることはなかなか困難なものでございますから、できるだけまとめまして早くきめたい。結局、何と申しますか……。
○上林山分科員 お互い分科会だから一つ一皮むいてやろうじゃないですか、何でも……。お互い協力しますよ。
○山内(公)政府委員 問題がいろいろあるわけでございます。われわれの方といたしましては、おしかりを受けておるわけですが、運輸省は何とかしてこういう法律を出したいという立場でございますので、建設省に何とかまとめてくれるようにという話をしておりますが、結局経費がどんどん交通量の増加によりまして膨張して参ります。そうすると、それを全部運輸側で持つべきであるという御意見、われわれの方から言いますと、これは自動車交通が非常に多くなりますので、一部はやはり自動車道路の方でも持ってもらいたいという意見、そのパーセンテージがどうであるかという問題でございますので、できるだけ早くまとめたいというふうに努力をいたしておるわけでございます。
○加藤(精)分科員 どうも自動車局長ですか、御答弁が、答弁される何かニュアンスというか態度というか、これはちょっと少ししろうとだからこれくらいの答弁でというような感じがいたしましたけれども、ちょっとそれならば申し上げます。バスの路線とかそれから路線トラックとかというものが運輸省所管であるということは、それくらいのことは、地方で行政をやっておりますし、そんなことは知っております。しかしながら、そのバスの路線とか路線トラックとかの許可にあたりまして、何か国鉄としては旅客を駅でさばく必要があるから、ある程度のことなら大型はしょうがない、大型というものについて危険が伴うということをはっきり先輩の上林山先生が言っておるのにかかわらず、そういう態度の答弁しかない。どうも私はそのときにぴんと来たのは、過日の新京浜国道のあの火薬の爆発事件であります。でああいうような許可を与えるのは運輸省であって、そうしてそれが地元の公安委員会に通知をして、地元の公安委員会から到着地の方の公安委員会の方へこれもまた通知するわけです。その通知が迅速に、そういう輸送が始まる前に到達しなければならぬということになる。それでなければ、この輸送というものと災害の発生というものとを調整する行政の目的を達せられないわけなのです。しかるにかかわらず、そういうことをやっているかというと、二合目も三日もおくれてから到着地の公安委員会なんかに着いていることがある。そういうことから勤務評定をしますと、輸送についての災害の防止というものが行政の重点になってないような気がする。まあそれは、そのバス会社が成立するか、トラック会社がそういう路線を動かして採算がとれていくかというようなことですね。それから国鉄の駅が輻湊しないかどうかという、そういうようなことは関心事であるかもしらぬけれども、輸送に関して、大衆の安全、個人の生命の尊重というような精神が、はたして運輸省にあるのかどうかということを、大きなことを言っても今までの実例から、私はよほど反省してもらわなければいかぬという感じがするのです。その点について私は心配しております。徳川時代の道路にどんどん大きな自動車やトラックが入ってくる。これは路面トラックとバスの許可以外は建設省だと言うが、建設省御当局はどういう政令を作ってやっておられるのか、それもあわせて聞きたいのでありますが、運輸大臣からただいまのことに関する運輸省の関心の程度を承って、しかる後に建設省の係官から、そういうことをどうやって取り締っているのか、どういう政令があるのかということを一つ承りたいと思っております。
○楢橋国務大臣 今御指摘のありましたように、交通事故というものが、今日非常に大きな社会問題になっております。それがやはり自動車、バスの許可の問題等にもからまっておるというので、今上林山さんが言われた点につきましてお答えいたしましたように、やはり道路にふさわしいと申しますか、規格に合うように、なるべく事故を防ぐようなバスその他の規格等をして許すようにしたらいいということについては私も賛成でありまして、そういうように指導したいと思うのでありますが、もっと掘り下げて根本的にやれば、どうしても建設省と運輸省とが一体となって交通問題の解決ということに努力しなければならぬということを痛切に感じております。そういう線に沿うて、一つ建設大臣等とも忌憚なく話し合いをつけてみたい、こう思うのであります。ことに今上林山さんがおっしゃいました立体交差等に基づく私電鉄あるいは国鉄等の踏み切りの問題でありますけれども、この問題は、御存じのように、東海道の急行だけでもしばしば貨物等と衝突する。バスあるいはトラック等の衝突もひんぴんとして起こるというような状態でありますから、どうしてもこの踏み切りというものは、総合的に相当力を入れてやらなければ、なかなか解決しない問題です。一つのかさ上げをしますについても何億というほど金がかかるのでありまして、そういう点で、できればやはり立法的にも踏み切り問題に対する一つの特別の立法をやって、財政措置も講ずるということを強く推進して、この問題を解決したい、こういうふうに実は思うのであります。
○上林山分科員 大臣が熱意を込められて御答弁になったと私は信頼しておりますから、できるならば、いつごろまでにはこうしたいという答弁も聞きたいのでありますけれども、時間の関係もございますので、積極的な善処を要望いたしまして、この問題はこれで打ち切りたいと思います。 そこで大臣、やはり交通関係の一環としてお尋ねしておきたいことは、地下鉄の運賃値上げの問題です。これはやはり社会的な問題でございますので、地下鉄は運賃値上げをしなければ経営は、非常なる困難にあるのか、やや困難にあるのか、そういう点をまず伺いたいと思います。
○楢橋国務大臣 地下鉄の運賃の値上げは、社会に及ぼす影響が大でありますが、地下鉄それ自体も、新しく要求によって新線を建設していきます場合において、財源の措置等について非常な苦しい立場に立っておりまして、現在、今まで開設しました線等についても非常な深刻な段階に追い込まれておるのであります。その内容につきましては、鉄道監督局長から詳細説明させたいと思います。
○山内(公)政府委員 地下鉄の運賃は、現在昭和三十一年の運賃制度でございまして、三十一年の二月に十五円均一から二十円均一になったわけでございます。御承知のように、地下鉄は現在東京都内の路線を着々と建設中でございます。現在線の中では渋谷—浅草間の地下鉄は建設が非常に古いのでございまして、この建設費は約九千万円くらいでできておりますので、割合に利益が上がっております。新線になりますと、現在キロ当たり二十億くらいかかっておるわけであります。キロ当たり二十億かかったとしてわれわれ計算いたしますと、二十円の運賃で経営いたしまして、大体年間の水揚げが利子程度になる。収入全部をつぎ込んで利子を払う程度になるわけでございます。これは最近の情勢でございますが、これをもう少し前の池袋線のような状態で計算をいたしますと、やはり平均十五、六億から二十億くらいかかっておりまして、そういう経営を続けて参ったわけであります。私、今何を言おうとしておるかと申しますと、結局古い線の利益によりまして新しい線の赤字を切り抜けてずっとやっておったわけであります。ところが御承知のように昨年新宿線と申しまして、池袋から国会を通り新宿まで行く線が開通いたしました。その際に赤坂見付で浅草線とくっついたわけであります。このときに運賃を別々にすればまだ経営が成り立ったわけなのではございますが、御承知のように、こういう地下鉄という都内の交通は、できるだけ均一制というものが、諸外国の情勢をごらん願いましてもわかりますように、非常に便利でございますので、当時地下鉄からはこれを一緒に運行します際に、運賃値上げをさせてくれということの打診がございましたが、われわれといたしましては、運賃改正をするのには、一体どのくらい赤字があって、どのくらい値上げをする必要があるのかということを算定するのに、まだ新宿まで開通していないで、実績もとれない、赤字の予想だけで運賃の改正はできない、それは公共企業としてやるべきことではないであろう、ある程度実績を調べた上で、確実にどのくらい収入があって、どのくらい赤字がある、だから三カ月なり半年なりやって大体年間どのくらいだという見通しがついてから運賃というものは論議すべきものであるということで押えまして——開通は昨年の三、四月ごろでございましたか、大体半年以上たちましたので、どうしてもやっていけないということで出てきておりまして、現在われわれの方で審査をいたしておるところでございます。 現在われわれの審査の段階を申し上げることはあまり適当ではないかもしれませんが、審査の段階といたしましてわれわれの方でわかっておりますことは、現在の収支の状況では、二十円でそのままやりますと、減価償却費がほとんどとれないという段階になります。減価償却費がとれないということはどういうことかといいますと、結局経営の実態といたしましては利子が大部分でございますから、利子が払えないという段階になるわけでございます。そうしますと、現在、御承知のように、さらに工事をやっておりますので、その工事がどうにも進行できないというような状態で、ある程度地下鉄の言うことはもっともであるというような心境でございますが、かたがた、またこういう市内交通でございますので、そう簡単な結論も出し得ないわけでございまして、現在慎重に検討中という段階でございます。
○上林山分科員 ただいま局長からも答弁があったのですが、大臣としても、慎重にはやるが、結局近いうちにこれを許可する方針だ、こういうことになりますか、どうですか。
○楢橋国務大臣 今運審等において審議していますから、その結果等を聞いて、諸般の情勢等を見てきめたいと思っております。
○上林山分科員 数字なり、現在から将来なりをよく精査されて、経営が成り立たないものであれば、これはある程度値上げもやむを得ませんけれども、今日、貿易の自由化その他を考えて、すべてを総合的に物価政策はやっていかなければならぬときでありますから、その一部面から見れば確かに赤字なり経営困難なりというものがあっても、これはやはり総体的に一応は検討されて、しかる上に、赤字であるからこの程度に値上げをするのもやむを得ないという結論にいくような大局的な見地から、物価政策、ことにこれに関連のある料金制度、運賃制度というものは一つ慎重の上にも慎重に考慮せられて結論をつけられるように私の意見を申し上げて、質疑者が続いておられるようでありますので、私はこれでやめたいと思います。
○岡本主査 井手以誠君。
○井手分科員 ただいま自民党の上林山分科員から交通安全についていろいろ質問がございました。私も同様にこの点について質問をいたしたいと思います。 私は、今、憲法で保障された人命の尊重とか自由とかいうものが、交通の安全ほど侵害されたものはないと思っております。私はこの際関係者にお集まりを願って、今上林山榮吉分科員から言われた点についてさらに堀り下げてお伺いをいたしたいと思っておりますが、まず警察庁にお伺いしたいのは、スピード違反の問題です。最近非常に交通事故がふえておりますが、その中でスピード違反による事故はどのくらいに上っておりますか。世論調査によりますと、このスピード違反の取り締まり強化という点が六三%にも上っておるのであります。この点をお伺いいたします。
○内海説明員 お答えいたします。交通事故の原因を分析してみますと、スピード違反が全体の三三%を占めております。
○井手分科員 今日スピードの制限時速を守っておる車がたくさんあると警察当局はお思いになっておりますか。私どもタクシーに乗っても、あるいはバスに乗っても、あるいは目撃しておる場合でも、制限スピードを守っておる車はほとんど見かけないのであります。この国会の構内は十五キロですが、これも守られていない。運輸大臣は別でしょうけれども、制限スピードを守っておられる大臣はおそらくないだろうと思います。これは運転手でないからやむを得ないかもしれませんが、その点についてのあなたの方の御見解はいかがですか。
○内海説明員 スピードを守る、守らないの問題につきましては、率直に申しまして、非常に守られておらない状態が多いと思います。同時に、道路の状況によりましては、制限スピードすらも出し得ない状態にある道路もあろうかと思います。そこのところはやむなくスピード違反をしておるような状態があるとともに、法令上は出していいスピードを出し得ない交通状態にあるところもあろうかと思っております。
○井手分科員 後段のスピードを出し得ない道路については別問題です。私は、最近、町の凶器といわれる交通事故というものは、制限時速さえ守るならばほとんど起きない、死傷者はほとんど出てこないと思います。岸内閣は法を守れと盛んにおっしゃいますが、これはほとんど守られていない。私はその根拠は道路交通法にあると存じておりますが、安全地帯におっても、あるいは横断道路を規定通りに歩行しても、いつ命がなくなるかわからない。どうかすると、水杯でもしないと街頭に出てこれぬような状態が間もなく出てくるかもしれません。このスピードを守らせるということに対するあなた方のお考えはございませんか。
○内海説明員 私ども交通事故の中でスピード違反が非常に多いことも認めております。また、これがなくなりますと交通事故がかなり減るということも、私ども認めるところであります。ただ、これをどういうふうにして減らしていくかという問題になりますと、結局、はなはだ責任のがれのようでありますが、一つは運転者自身のそういう点における自覚を強く要望いたしたいと思います。反面、私どもといたしましては、できるだけ街頭に警察官を出しまして、そういう違反のない措置をとらなければならないというふうに考えております。
○井手分科員 あなたの方で、スピード違反がなければ交通事故の大部分はなくなる、こういうお考えであるならば、もっと取り締まりを強化される必要があると私は思っております。四十二キロの制限の場合に六十キロ走っても、交通巡査はほとんどこれをとがめません。私は見たことがございません。それであなたにお聞きしますが、警察庁関係の自動車が制限キロ以内で走っておることがございますか。
○内海説明員 私が車に乗ります場合は、必ずそれ以内で、それ以外のものにつきましても私ども守るようにということは強く言っておりますけれども、はたして全部が守っておるかどうかということにつきましては、保証いたしかねます。
○井手分科員 この世の中に、少年法の問題はありますけれども、最近道路交通法くらいばかにされた法律は私はないと思う。その面ではほとんど取り締まりがやられていない。一歩出てごらんなさい。その辺でも守っておる車はほとんどないですりよ。警官が立っていてもスピードの三割、五割は増して走っておる。あなたの方で、制限時速を守らなければ交通違反はなくならないということであるならば、それを断固として守らせるあなたの方のきびしい態度はとれませんか。
○内海説明員 私どもは、決意といたしましては常にきびしい態度をもって臨んでおりますが、実際問題といたしましては、街頭に出ております警察官の限度があり、あるいは特にスピードの問題につきましては、立っておる警察官では、スピード違反をした瞬間にすでにはるかかなたに行っておるというふうな状態でありますので、実際問題といたしましては、白バイによる以外に真の取り締まりというものはほとんど可能でない状態でありますので、できるだけ白バイを増強いたしまして、そういう面からの取り締まりも強化いたしておりますし、今後におきましても、私どもとしましては、できる限りの取り締まりの強化はいたしたいと考えております。
○井手分科員 新聞によりますと、レスリングの選手であるとか芸能人であるとか、ブラック・リストに載っておる者がたくさんある。そういう違反の常習者をなぜ処罰しないのですか。わかっておってなぜしませんか。こういうのがよく事故をやっておる。特に最近事故が多いのは、無免許運転、あるいは免許をもらって間もなくの若い者が事故を起こしておる。こういう者からはきびしく免許状を取り上げるという方針を私はとるべきであると思う。今回道路交通法でございますか、その改正案と申しますか、新法と申しますか、それを提案される用意があるようでございますが、内容については私はこの際は触れませんけれども、歩行者優先、スピード厳守という点について、私は厳に法を守ってもらいたい。これは運輸大臣にも関係がありますから、この点についての所信を承りたい。
○楢橋国務大臣 井手分科員の御説ごもっともでありまして、道路法を強化いたしまして、違反者をできるだけやはり法の力によって処罰して、それを防ぐことに力を入れたいと思って、当局に命じておる次第であります。
○井手分科員 次には、上林山委員が申しました大型車の制限であります。幸い道路を担当される建設大臣もお見えになっております。先刻の質疑応答では、運輸当局だけでは話がまとまらぬようでありますので、おいでをいただいたわけでありますが、ただいままで党派を越えて、人命を尊重する意味で交通安全の問題を取り上げております。そこで最近問題になっております大型バス、あるいは大型トラックの問題、先刻もいろいろお話がございましたから省略はいたしますが、大型バスや大型トラックが参りますと、ちょうど空襲があったときのように、クモの子を散らすように、農村ではリヤカーがどんどん走っていく、たんぼに飛び込む、岩壁にへばりつくようなとてもひどい状態であることは、私が多く申すまでもございません。この問題について長い間、建設省と運輸省では道路と車両の制限について調整が行なわれなかったようであります。ところが幸い聞くところによりますと、建設省では道路法に基づいて通行道路を制限する政令を最近用意されているようでありますので、その内容をこの際お示しをいただきたい。
○村上国務大臣 御指摘のように、昭和二十八年に、建設省におきましては、道路法による制限によってこれらの制限取り締まりをしようということを一応立案いたしたのでございましたが、やはり関係方面との交渉がなかなかスムーズに運ばないので、毎年々々同じことを繰り返して今日に至っております。しかしながら、御指摘のように、今日非常に交通の危険度が高まってきておりますから、どうしてもこれを、話がまとまらないからといって、いつまでも放置しておくわけにはいかないと思います。従って、交通関係の閣僚懇談会がありますので、近くそれに諮って、十分善処して参りたい、かように思う次第でございます。
○井手分科員 ただいまお聞きしますと、二十八年に制定された道路法に基づいたもの、——その四十七条によりますと、道路の構造保全と交通の危険防止のため道路と車両の関係を制限する基準は政令で定めるということになっておりますが、この政令が今日まで全然出せなかったのですか。
○佐藤(寛)政府委員 御指摘のように、道路法におきまして、道路との関係において、車両の幅とかあるいは重量とかを制限することができるようになっております。私どもといたしましては、ただいま大臣からお話がございましたように、当時いち早くその政令案の立案に当たったわけでございます。関係方面ともいろいろ御連絡いたしたのでございますが、何分この問題は、一方におきましてはトラックとかバスとかがだんだん普及して参りますのに、道路の整備が十分追いついて参りませんために、利便を制約するという問題もまた一方にございますので、いろいろ関係方面と御相談いたしたのでございますが、なかなか話がまとまるに至らなかったのでございます。その後年々交通量がふえて参りまして、事故その他いろいろ深刻になって参りますので、私どもその後におきましてもほとんど毎年その案を持ち出しておったわけでございますが、今日までまとまるに至らなかった状態でございます。実は本年度ただいまにおきましては、これはもはや放置することができない状態にございますので、この点につきまして関係方面と、今後はこれを具現化するつもりで御相談をいたしているところでございます。
○井手分科員 警察庁にお伺いをいたしますが、こういう狭い道路に大型トラック、大型バスが通ることは、危険であることは申し上げるまでもございません。法律ができて、その眼目であるこの政令が今日まで出ていない、こういう危険な状態に対して、警察庁はどうお考えになっておりましたか。
○内海説明員 私ども交通の事故防止をやっております観点から、道路の幅と自動車の大きさとの関係におきまして、単に事故が発生するのみならず、その間における非常な交通の不安感というものが強うございますので、しばしば私どもは、現行道路交通取締法によります通行の禁止制限というような規定もありますけれども、これでいきましてもなかなか合理的に参りませんので、運輸省あるいは建設省にも意見を述べてきたのであります。私どもの最も強くと要望いたしますのは、道路法に基づく車両制限の政令が一刻も早くできることでございます。
○井手分科員 道路改修が自動車に追いついていない、こういうことですが、あなたの方でお考えになっている基準、この幅員の道路にはどのくらいの自動車は制限しなくてはならぬ、そういうような基準の腹案が大体おありだろうと思うのですが、その点をお示し願いたい。
○佐藤(寛)政府委員 道路にバス等を通します際には、申すまでもなく、安全に自動車のすれ違いができることを必要といたします。従いまして、幅員だけから申しますと、その道路の、何と申しますか、バスの幅の二台分の幅にある余裕があるようになっておらなければならないわけでございます。従いまして、その道路の幅員にある余裕を取ったもの、その残りの半分以上のバスは通ってもらっては困る、こういうような考え方でただいま政令案を用意しているわけでございます。
○井手分科員 そうしますと、最低幅員何メートルになりますか。
○佐藤(寛)政府委員 ただいまの道路では非常に狭い、四メートルあるいはそれ以下のようなものがございますから、こういう道路に対しましては自動車のすれ違いができて、なおかつ若干の余裕があるということはなかなか困難でございます。そういうような非常に狭いところに対しましては、その区間があまり長くない限りは、たとえば待避所のようなものを作るとか、曲がりかど、外角を上手にとりまして、屈曲がうまくいくというようなことになれば、ある場合はこれは通してもよかろうと思います。非常に狭い場合は、やはりバスは交通の安全からいうと禁止さしていただかなければならないのではないかと思っております。それらのこまかい規定をただいま御相談しております。
○井手分科員 バス、トラックの幅の二倍だ、これが最低基準だ、それで私は承っておきます。さらに最近自動車やバスの長さ、重量、乗用車でも長いしりっぽがはねたようなものでなくては具合が悪いというような重役さんもいらっしゃるそうで、あれが非常に支障を来たしている点もありますし、重量が非常にふえて参ったこの重量と長さの制限についての基準について伺いたい。
○佐藤(寛)政府委員 ただいま主として幅だけで申しましたが、御指摘のように長さ及び重さがあるわけでございます。長さにつきましては、屈曲部を曲がる場合に、そこが非常に関係して参ります。従いまして、路線の経過地が屈曲との関係においてどういうことになるかということで制限をいたす必要があろうかと存じます。それからまた重量でございますが、これは一般に道路舗装の問題もございますが、特に路線の中に橋などがございますときに、その橋が十分整備された永久橋であれば、おおむね重量の問題はなかろうと存じます。非常に古い橋以外にはなかろうかと存じますが、まだ全国に整備の行きわたらない木橋が大へん残っているような状態であります。それらを考えますと、やはりその橋梁に応じた重量の制限をいたす必要も起こってくる次第でございます。
○井手分科員 大体建設省の御意向はわかりました。 そこで、今度は運輸省もあわせてお伺いをいたしたいのであります。お見えになっております村上さんと楢橋さんは、あまり評判がよくない岸内閣の中でも一番の良識家として、自動車に乗るたびごとに、私は野党ですけれども、ほめられるのですが、そういう両大臣の良識に訴えてお聞きしたいわけです。そこまで話がいっておりますならば、一つ隣同士おすわりになっておりますので、そこで御相談になって、人命尊重、これほど大事な問題はございませんので、いつごろまでに両者話し合いができ、警察当局が希望されているような生命を守るこの大事な政令が公布できるのか、この点をお伺いしたいのであります。と同時に、今回国会に提案されております道路交通法案にはその点は触れてないのかどうか、これはあわせて運輸大臣にお伺いをいたしたいのであります。
○楢橋国務大臣 今いろいろ相談をしておって、政令ですからできるだけ早くまとめて、こういう事態ですから時宜に適するような処置をとりたい、こう思っております。
○村上国務大臣 運輸大臣のお答えした通りであります。
○井手分科員 何月何日までというわけには参りませんが、やはりものには切りがございます。盆とか暮れとかということもありますし、また役所には年度末ということもあります。建設省では、私が新聞で承知したところでは、ぜひとも二月中にはこうしたいという意気込みのようでありますが、二月一ぱいか三月、おそくとも三月一ぱい、そういうめどは大体立てられると思う。両省の最高責任者でございますから、その点は一つお話し合いの上、お答えをいただきたいつと思います。
○村上国務大臣 なるべく早くやりたいのですが、何しろ数字を扱うことでもありますので、そんなに二月一ぱいとか三月のいつごろというような、はっきりした日にちを今申し上げる段階ではないと思います。しかし、われわれはどこまでも熱意を持って各関係閣僚とも相談いたしまして、御指摘の通りに進めたいと思っております。
○楢橋国務大臣 建設大臣が申した通りであります。
○井手分科員 お二人は今の内閣では私一番信用している人で、おそらく二月一ぱい、あと二、三日うちというお答えがあろうと想像しておりましたが、案に相違いたしました。これほど上林山委員からも私からも申し上げていることでありますから、両大臣の腹の中には大体見当がついておろう思います。
○上林山委員 両大臣がおそろいになったので、これは私三年前からこの問題を提起した一人でございますので、聞きっぱなし、言いっぱなしじゃいかぬと思いまして、悪化しつつある現事態に備えて、私はもうほんとうに極論してこれを要望しておるのです。今井手分科員も言われているように、一つはバスと道路との規制をどうするかという、これを両省でせめて三月一ぱいくらいにはおきめ下さい。これが一つ、もう一つは、負担の問題で事務当局等で行き悩んでいるらしいですが、いわゆる立体交差の問題、これは負担の問題で、さっきから私も質問しておるのですが、彼も同様です。それで、この問題で事務当局に聞いてみると、件数が多いので、できるだけやりますけれどもという点が一点と、もう一点は、建設省とも負担の関係で話し合いがうまくいかぬので、いつまでにどの程度やるかということははっきりしませんというのが運輸省の答弁なんですよ、建設大臣。だから、この問題ももう一つ歩み寄っていただいて、お互いに理想通りはいかぬのだから、歩み寄って、一つ適当なところで、これも一つ三月一ぱいに大方針だけは打ち出せるように努力を願いたい。できるなら、今の答弁をもう一ぺん一皮むいて言っていただくと、なおわれわれは安心するわけだけれども、それができないならば、僣越な申し上げようですけれども、建設大臣、われわれのきょうの速記録を一つよく読んでいただいて、三月一ぱいころには一つめどをつける。——それはズレはありますよ。ズレもありますが、それぐらいの意気込みのある御答弁を私は期待しておるのですが、いかがですか。前言の通りなら前言の通りでもけっこうですが、何か一つこの二つの問題について……。
○村上国務大臣 三月一ぱいくらいまでにめどをつけるように努力いたします。
○井手分科員 私はここに新聞の切り抜きを持って参っております。「狭い道バスのお通りだ」と大きな見出しが書いてあるのです。「警察は制限望むが、運輸省、知らぬ顔」、川柳みたいな非常にいい見出しですが、これによりますと、今回提案されました道路交通法案には、このバスの路線問題には全然触れてない、こういう話でありますが、それは事実ですか。
○内海説明員 道路交通法案は国家公安委員会の方で提案いたしておりますので、私からお答えいたしますが、道路交通法は本来そういう営業の問題とかいうふうなものには触れておりませんので、おのずからそういうことについては何も書いておりません。
○井手分科員 これによりますると、バス路線の許可については公安委員会と協議するという条項を運輸省に申し出たけれども、どうしても運輸省は聞いてくれないから削除したということになっておりますが、その間の事情はいかがですか。
○内海説明員 そういう事実は全然ございません。申し入れもいたしておりません。
○井手分科員 間違いございませんね。
○内海説明員 はい。
○井手分科員 そこで問題をかえまして、先刻上林山分科員からも触れられましたが、踏み切りの問題です。これは国鉄でもけっこうです。立体交差については後刻お伺いしますが、そうでない場所の踏み切り、これは最近どういうふうになっておりますか。踏み切安全月間なんと盛んに唱えられておりますが、踏み切りの増設が行なわれているのか、撤去がふえているのか、その点を数字的にお伺いいたします。
○山内(公)政府委員 現在踏み切りで問題になっておりますのは、立体交差をするという問題と、現在一種から四種まであります踏み切りについて、交通量がふえたのでその規格を上げる、四種の無人踏切を、ちゃんちゃん鳴る三種にする、あるいはちゃんちゃんの三種を二種あるいは一種にするという問題があるわけでございます。それで三十四年度中に整備をしております予定のものは国鉄は百二十八カ所、私鉄は百三十五カ所の保安度を向上させるという予定になっております。踏み切りの総数その他は先ほど申し上げた通りであります。
○井手分科員 総数はようございますが、一種が減って三種、四種がふえているのではないですか。警手がおった踏み切りの安全施設が減って、ちゃんちゃんとかあるいはクロスのあれを標示したり、鏡をつけたりしているものがふえているのではないですか。
○山内(公)政府委員 一部は一種からそういう警報器にかえたものもございますが、また三種から一種に上げたものもございます。
○井手分科員 私は昨年数字をいただいておりますのでわかっております。一種から二種あるいは三種にずっと落ちておる。総計ではふえておりますけれども、人のいない、金のかからないものがふえて、人や設備のかかるものが、だんだん減らされておる。私はここで数字を争おうとは実は思っておりませんが、踏切安全月間などにそういうものがどんどん行なわれております。私の地元のことを言っては何ですが、佐賀県唐津線などにおいても、ほとんどそういうものが撤去されてしまっておる。私は先刻来ここで質問が出ておりますように、人命尊重という立場からは、警手のいる踏み切りの施設をふやしていくべきではないか、一種をふやすべきではないか、私の近所で勝手に今まで踏み切りの警手がおったのを撤去してしまった。いろいろ相談いたしましたところが、やっと鏡のものを取りつけてくれましたけれども、鏡を見るような者は事故は起こさないのであります。踏切安全月間というのは、これは国鉄はどういうお考えですか。
○吾孫子説明員 国鉄といたしましては、ただいまお話のございました第一種踏切をちゃんちゃんのついた第三種にかえるというようなことをやっておるところもございますが、同じ警報器をつけるにいたしましても、単純にただ警報器をつけるだけでなしに、それに合わせて自動遮断機というものを併設するというようなことを今までもある程度やっておりますが、そういうようなことを今後も増加していきたいと思っております。それから特に交通量が最近になって非常に激増しておるというようなところに対しては、今までの第三種あるいは第二種というのは最近あまりございませんが、開閉の多くなるところはこれを第一種にするというようなことも考えておりまして、国鉄としても、全体の運転事故の中で踏切事故だけがふえておりますので、これに対しては、今後とも力を入れて整備に努めていきたいと思っております。
○井手分科員 時間の点がありますから、その点についてもいろいろ聞きたいのですが、省略をいたしましょう。 すでに質問が出ました立体交差の点で、どの点が障害になっておりますか、その内容を一つ。
○佐藤(寛)政府委員 立体交差につきましては、年々おそらく百数十の踏み切りの改善を実施いたしております。ただこの事業は、道路の場合で実施するにあたりましては、当然鉄道との関係がいろいろあるわけでございます。線路、通信その他いろいろ関係があるわけでございます。従いまして、関係方面との連絡にいろいろむずかしい点がございまして、従来立体交差事業の計画にあたりましては、実施までに相当の日時を要したのでございますが、そのために進捗が非常におくれまして差しつかえがございましたので、一昨年だと思いますが、そのころから鉄道関係と道路関係の間におきまして、特に踏み切りの立体交差問題に対します特別協議会を作っております。その協議会におきまして、あらかじめ次年度に予定しておりますものを双方から持ち出し、予算計画等をよく打ち合わせまして、そうして実施の当該年度に入りましたならば遅滞なくその事業が進められるようにいたしております。本年度の実績を見ますと、その協議会、それからその分科会等でこまかく打ち合わせをいたしておりますが、その打ち合わせの結果によりまして、かなり進捗を見ておるようでございます。来年度の事業に対しましては、もう計画から十分打ち合わせができておりますから、その進捗はおそらくさらに進むものだと考えております。
○井手分科員 その打ち合わせで一番問題になっておるのは、負担区分ですか、どの点ですか。
○佐藤(寛)政府委員 やはり計画全般に対してそれぞれ個所々々の事情がございまして問題があるようでございますが、結局は、やはりその事業に対する経費をどういうふうに負担するかということにあるようでございます。しかし、この負担につきましては、各種踏み切りに共通する点がかなりございますので、そういうものにつきましては、一カ所一カ所相談するのではなくて、原則的にきめておこう。それからまた、その踏み切りの特異事項として考えなければならない点がございますから、それはそのつど相談するようにいたしておりますが、その負担の関係などは割合い話し合いとしては重要な問題になっております。
○井手分科員 先刻大臣は、三月一ぱいにはできるだけこの問題を解決したいとおっしゃいましたが、負担区分について見通しがございますか、今までの話し合いの模様では。
○村上国務大臣 この負担は役所と役所だけの負担でないので、かりに市町村等が負担することになれば、やはり自治庁等でいろいろな意見も出てくると思いますし、維持管理についてはなかなか簡単にはいかないと思います。しかし、いずれにいたしましても、いつかは何とかまとめなければならないことでありますから、できる限り努力をして、なるたけ早い機会にまとめて参りたいと思っております。
○井手分科員 この問題はいろいろ質疑もありましたし、目下せっかく両省で折衝中でございまして、今お答えになることはつらい点もあると思いますので、両大臣の良識に信頼して、私はこの程度でとどめておきたいと思います。 続いてお伺いしたいのは、最近、これは全国各地でありますが、国鉄の支線において、今まで駅員がおったのを無人駅にする。駅員がおって貨物を取り扱いしたのを、これを廃止したり、あるいは通運に委託をしたり、こういうケースが非常にふえて参っております。いわゆる国鉄の合理化とでも申しましょうか、最近非常にこの合理化が急激に襲って参りまして、各地で問題を激発いたしておりますが、私は、国鉄はサービス機関であり、赤字になってもやむを得ないと思う。私は、本日時間の点もございますから、いろいろ国鉄当局の立場を聞こうとは考えておりませんが、各地の関係住民が非常に騒いでおる。国鉄に聞けば、経営上幹線中心の今日のやり方から、地方の支線に勤務しておる鉄道職員をどんどん中央の幹線に引き上げる、そういうためには黒字線の幹線でもうけて、赤字線を補っていかねばならぬという、この経営の苦労は私もわかりますけれども、今の合理化が進んで参りますと、国鉄のサービスはどんどん落ちて参るのであります。私はこういう状態は放置してはならぬと考えておりますが、監督の立場におられる運輸大臣はどういうお考えでございますか。
○楢橋国務大臣 国鉄の合理化の問題のために、貨物取扱駅の整備を国鉄が今やりつつあるのでありますけれども、一面また御指摘のように、国鉄が公共機関として国民にサービスをするという面も、また性格上、になっておる点もありますし、一方には、国鉄はやはり経営の合理化で、独立採算で、なるべく赤字を克服せよという一つの命令もあるのでありますから、その辺の調節をどうするかということが非常な問題でありますけれども、私が国鉄当局に申しておりますことは、地方民の立場等をよく考えて、個々の実情等をよく調べて、あまり地方の者の意思に反し、かつまた不合理にならないように十分に配慮して、この問題を処理しろ、同時に、こういうものを処理する場合においては、できるだけ地方との間においてもやはり了解等を取りつけ、よく納得のいくようなことでこの問題を進めなければならぬという指導を与えておるような次第でありまして、そういう方針に基づいてこの問題を善処していきたい、こういうように思っております。
○井手分科員 国鉄当局にお伺いいたしますが、その合理化によるそういう計画、今までは有人駅であったのが無人駅になり、職員がいなくなる、あるいは従来貨物を取り扱った駅を民間に委託する、あるいは廃止する、そういう計画は全国的にどのようになっておりますか。
○吾孫子説明員 ただいま大臣からもお話がございましたのですが、国鉄としては、やはり一方では独立採算の建前でやっていかなければなりませんし、年々経営費の増加する度合いと収入がふえていく度合いとがただいまのところでは非常にかけ違っておりますので、このままでは国鉄というものは早晩経営が成り立たなくなる。それを何とか解決いたしますためにいろいろな方法を考えておるわけでございますが、特に私どもの方で申しておりますいわゆる営業係数の高い地方の支線区等につきまして、どうしたら収支状態を改善できるかということについて、全国の各支社またその下の監理局に対して、これの改善方策を求めておるわけでございます。その方法として、ただいまお話が出ましたような貨物駅の集約、あるいは旅客駅にいたしましても、無配置にいたしますとか、業務を外部に委託するとかいうような方法によって、少しでも経費を節減できるようなところはそういうような方法をとるようにということで今やらしておるわけでございます。しかし、それぞれの支社なり監理局がこれらの方策を実施いたします際には、国鉄のサービス機関としての使命ということはもちろん考えなければなりませんので、原則的には、一方で何か今までよりサービスが低下するところがあれば、他の面でまたよくなるところがあるようにするように指導をいたしております。たとえば、貨物駅を集約する場合には、その区間にディーゼル動車を今までよりもよけい入れて、旅客の利便を増すというような方法をとるとか、そのようないろいろな方法をとらせますと同時に、また大臣のお言葉にもありましたように、地元の利用者の方々との間に極力摩擦を起こさないように、よく御理解も得るように努力をさせるように指導はいたしておりますが、地方にいろいろ問題を起こすところがありますことは申しわけないと思っております。それらの点につきましては、なお今後示そうの努力をいたしまして、国鉄の経営の改善のために御理解を願いますように一そう努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○井手分科員 大臣お聞きのように、国鉄当局は合理化をどんどん進めております。ただいま、廃止する場合には、一方にサービスをするとおっしゃいますけれども、廃止する場合は勇敢におやりになるけれども、サービスする場合には、なかなかこれは少々要望したってできるものではないのであります。これは実績が明らかに示しておるのであります。黒字の幹線にだんだん経費と人員が集中されて、そのために地方の支線が犠牲を受ける、地方の住民が非常に犠牲になり不便になる、そういう国鉄の経営であっては私はならぬと思うのです。この点について、合理化は進めなければならぬとはおっしゃっておりますけれども、この国鉄の経営がやれて、公共機関としてのサービスを低下させない工夫を私はこの際打ち立てなくてはならぬと思う。国鉄が経営上どうしても困るというならば、監督の立場におられる大臣が、やはり一般会計から経費を持ってくるなり、何らかの方法を講じなくしては、このままで参りますと、地方の支線というものは私はますます悪くなってくると思う。列車の運行の回数を減らしますると、またそれに伴って乗客が減ってくるというイタチごっこになりまして、しまいに廃止というおそれも出て参るのでありますが、これに対する根本的な大臣のお考えはございませんか。
○楢橋国務大臣 御存じのように、これは鶏が先か卵が先かということですが、私に言わせますと、やはり赤字線になっておるところも、たとえばスピード化する、あるいはディーゼル化するというようなことをすることによって、乗客を自動車その他から吸収もでき、利用度も高まるのだから、やはり地方において、あまり中央中心でなくして、特に地方に国鉄の恩恵をあまねく与えるという立場からいっても、地方のそういう線を十分に研究してやったらどうだということを指導しておるのであります。たとえば、山陰においては、非常にトンネルが多くて利用度がない。昨年、私も参りまして、あすこへ「やくも」号というディーゼル・カーを通してやりましたら、北九州その他から山陰地方に、スピードが非常に出るものですから、続々行って、山陰地方が非常に明るくなり、お客もふえてきた。四国にもこの間参りまして、四国は二十四億近くの赤字を出しておりますが、赤字を克服するためには、むしろ強くあすこに対してスピード化する、つまり改良することが一番大事じゃないか、従って、資本を導入して、それでお客を吸収するようにする、こういうようにすべきではないかということで指導をしておるのでありまして、井手さんのおっしゃいましたように、やはり力を入れて資本を導入すれば、赤字も黒字になり得るというような地点が地方等にも多数あるのでありますから、そういう点を十分に研究せしめ、またそういう点に力を入れて地方の人々のためにも利便をはかる、こういうように指導したいと思います。
○井手分科員 では、この問題について最後に副総裁にお伺いをいたしますが、地元で非常に反対するような場合には、これはやらせないというお話でございます。地元住民の立場は、国鉄の使命から申しましても十分考えなければならぬと思う。地元の反対がひどい、地元の言い分をもっともだと思うときには、たとい計画があってもこれを取りやめ、一応中止するというお考えがあるかどうか。 いま一つは、あなたは、片一方はやめるけれども片一方は与えるというお考えか。まず与えてから片一方でやめなければならないならやめる、与える方を先にやるべきじゃないか、やめておいてあとで徐々に与えようということでは、とても納得ができない問題でありますが、その二点について、大臣からお話があった問題についてお答えをいただきたい。
○吾孫子説明員 先生のおっしゃること、まことにごもっともであると存じておる次第でございますが、地元のいろいろ御反対という中にも、やはり程度の問題もございますので、最後の一人まで皆さんの御納得を得なければできないということでも必ずしもないと思いまして、少なくとも大多数の方々の御納得を願いますように国鉄の実情等もよくお話をいたしまして、善処いたすつもりでおるわけでございます。
○井手分科員 それではこの一点で終わります。大臣のお話の通り、地元住民の立場は十分考慮してやっていただく、またこの点については別の機会にお伺いすることがあろうと思います。 最後に一つ運輸大臣に伺います。私は楢橋運輸大臣は近来の名大臣といわれておりますから、おそらく長く在任とは信じておりますが、岸内閣がいつまであるかわかりませんので、在任中にぜひやってもらいたいこと、先刻来申し上げたこともそうでありますが、もう一点やってもらいたいことは、戦時中の遺産として残っております通行税、これは二十八億か十八億か、はっきりしませんけれども、急行にも通行税がかかっておる。これは悪税だと思うのです。これを思い切って廃止なさる御勇気はございませんか、最後にお伺いいたします。
○楢橋国務大臣 通行税の問題は、井手委員がおっしゃいましたように、ずんぶん矛盾した税のかけ方等もしておることを私も認めておりますので、先般の予算の折衝のときも、この点について強く大蔵大臣と折衝いたしましたが、遺憾ながら大蔵当局の聞くところとはならなかったのであります。私、運輸大臣としては、通行税の不合理性をあくまで是正さしたいという考え方をもって努力いたしたいと思います。
○岡本主査 間もなく本会議が始まりますので、暫時休憩いたし、午後二時より再開いたします。 午後零時五十九分休憩 ————◇————— 午後二時十分開議
○岡本主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。久野忠治君。
○久野分科員 私は主として運輸省、特に港湾に関係のあります高潮対策事業についてお尋ねをいたしたいと思います。今回の伊勢湾台風の被害は、いまだかつてないほどの物的、人的の大損害を受けたわけでございますが、この大きな災害を受けた経験にかんがみまして、やはりこれと同じような状況下にある地域の高潮対策事業というものを急速に進めないと、いつまた災害が再来してくるかもしれないということが考えられると私は思うのであります。さような意味合いから、運輸省御当局のこの問題に対する計画あるいは将来の事業内容、こういうものについてお尋ねをいたしていきたいと思います。 まず第一に、今回の伊勢湾台風の高潮は、主として港湾の関係部分、特に港の最終部分に異常高潮を生じまして、そのことによって被害地に海水が流入し、大きな人的損害を受けたと思うのでございますが、そういう意味合いからいきますと、現在日本のこのような地域と申しますと、まず東京湾、あるいは伊勢湾、あるいは大阪湾の一帯、または有明海、こういう代表的な地域であろうと思うのでございますが、そういうような地域について、運輸省の御当局ではどういうふうな計画を立案されておいでになるか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○楢橋国務大臣 今回の伊勢湾台風の被害の状況を見ますと、今久野委員が御指摘になりましたように、名古屋港のようなああいう地形を持ったところは、波のエネルギーが非常に倍加されて、思わざる被害を受けたのでありまして、この被害があまりにも深刻であったことは、私たちも現地に行って実は驚いたのであります。従って今回運輸省におきまして、これらの高潮対策というものをどうしても確立する必要がある、そういうためにはやはり防波堤を作らねばならないということで、防波堤の計画の策定をいたしたのであります。それにつきましては、港湾局長からその内容について詳しく申し上げたいと思います。
○中道政府委員 ただいまお話がございました今回の伊勢湾の台風によります異常な大被害にかんがみまして、わが国といたしましては、単に伊勢湾だけでなく、かかる大被害が予想せられるでありましょう地区、特に東京湾でありますとか、大阪湾、周防灘、有明海等の地区につきましても、これらの高潮が襲来いたしました場合に、その被害を未然に防止するための対策を樹立をいたしておるわけでございますが、とりあえず今回の伊勢湾の高潮対策事業につきましては、三十五年度の予算といたしまして、特に名古屋、四日市、衣浦の三港を中心といたしまして、その他愛知、三重県内三十数港につきましての港湾施設、背後地の住宅、工場等を防御いたしますに必要な防波堤、防潮堤の保全施設の新設、改良並びに復旧計画を、昭和三十八年の七月までには完了いたしたいという目標で、一応の計画を立てておるわけでございます。なおこれらの事業規模、計画実行等につきましては、関係各省との間に十分な協議をいたしまして、早急に実施に移したいというふうに考えておるわけでございます。特に伊勢湾のような地形の場合におきましては、奥地に至るほど湾形が細くなっておりますようなところには、単に周辺に防潮堤を作りますだけでは十分ではない。またそれらが必ずしも効果的ではないのではないかと、いろいろ研究いたしまして、相当の沖合いに防波堤を築造いたしまして、波の勢力を削減するということが一番効果的である。またそれによって背後の地域がそれらの台風から守られますと同時に、平素のあらゆる機能、たとえば港湾でありますとか、河川、干拓地等につきましても、十分に安心してそれらの事業を発展させ、継続していけるというふうに考えられますので、今回の伊勢湾台風の状況にかんがみまして、名古屋地区におきましては防波堤を築造する計画を立案いたしたわけでございます。この計画につきましては、ただいまのところ、三十五年度におきましては五億の国費をもって、実施設計並びに準備調査ということで、これに着手することに相なっておるわけでございまして、できますれば本年を含めまして四カ年くらいの期間において、これを完成いたしたいというふうに考えております。防波堤の延長は大体約九千メートルでございまして、総工費約九十四億円に見積っておるわけでございます。なお詳細な技術的問題、経済的な問題につきましては、これらの予算でもって十分に検討をいたしまして、影響を及ぼします面についてはそれの対策を樹立いたしました上で、万全の体制を整えて工事を遂行いたしたいというように考えておる次第でございます。
○久野分科員 ただいま詳細にお話のありました伊勢湾の防波堤の築造の件につきましては、あとでもう少し詳しく御質問を申し上げたいと思いますが、全体の問題についてただいまお答えがございませんので再度お尋ねいたします。伊勢湾と同じような状況下にある地域は、東京湾とか、大阪湾とか、その他あるというお話でございました。特に今回の伊勢湾の災害をひどくした理由の一つに、地盤沈下がいわれておるのでございますが、大阪湾、東京湾におきましても有名な地盤沈下の地帯であります。でありますから、一たび台風の襲来によって高潮が起きまするならば、今次の伊勢湾台風の被害以上の大被害を生ずると思う。そういうような意味合いからいきまして、ただ伊勢湾において大きな被害をこうむったから、防波堤の築造計画をしたということだけでなしに、日本の代表的な大都市でありまする背後地の経済施設を守る意味からいっても、東京湾、大阪湾にも同様な考え方で防波堤を作るべきではないか、そういうような構想について現在検討なさっておられるのかどうか、かりに検討しておられるというならば、その内容はいかなるものであるか、そのことをもう少し詳細にお話をいただきたいと思います。
○中道政府委員 ただいまお話の東京湾並びに大阪湾地帯における地盤沈下でございますが、御承知のように大阪湾におきましては、大阪並びに尼崎地区におきましてここ数年来地盤沈下が相当激しく起こって参りまして、今回のような台風が参りますと非常に危険な状態になるわけでございます。また東京におきましても、江東地区の沈下は最近は特に著しいものがございますので、これらにつきましても根本的な対策を立てなければならないということで、日本全体を通じまして、先ほど申しましたような地区について基本計画を立てておるわけでございますが、東京湾につきましては、隅田川の河口地帯から羽田の沖合いにかけまして防潮堤を築造する。この中で特に江東地区は現在その危険性が非常に強く感ぜられておりますので、本年度は事業費といたしまして約十億をもちまして、江東地区の防潮堤を実施する予定をいたしておるわけでございます。また大阪につきましては、大阪の高潮対策事業といたしまして、大阪港一帯の地上げを取り上げ、またその周辺の防潮堤の築造を計画いたしております。また尼崎地区につきましては、同じく尼崎の防潮堤がすでに築造されておりますが、これが一部沈下をいたしておるところがございますので、これのかさ上げをし、沖合いに防波堤ができておる部分につきましてもかさ上げして、台風の波をそこで押えるという計画で、本年度から一部防波堤のかさ上げに着工いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○久野分科員 ただいま局長からお話のありました防潮堤というのは、俗にいう海岸堤防のような性質のものであろうと私は思うのでございますが、しかし港というところは、荷物の陸揚げに便利なように、やはり港に面するところは低くしておかないと非常に困るのじゃないかと思います。そういたしますと、そこからまた高潮が襲来をしてくる、海水が侵入をしてくるという結果になるわけでありまして、ただ海面に面するところの護岸を高くするということだけでは、十分な経済効果を発揮することは困難だと思うのであります。さような意味合いからこのたび伊勢湾に防波堤を築くというような計画に変わったと思うのでありますが、そのような立場からいいますならば、現在東京湾におきましては、千葉から東京、川崎、横浜の一帯において、相当大規模な臨海工業地帯の造成が行なわれておるわけでありまして、この臨海工業地帯には当然港湾施設というものが付随をする。この港湾施設を守り、さらに工業地帯を守るという意味合いからいきますならば、東京湾の入口であります三浦半島から房総半島にかけて大がかりな防波堤の築造をしなければ、伊勢湾に襲来したような異常高潮を食いとめることは不可能であろう。大阪湾についても私は同様なことが言えると思いますが、今回伊勢湾で考えておられるような防波堤を両地区においても考慮しておられるのかどうか。考慮しておられるというのであれば、それは技術的に可能であるかどうか、こういう点についてもう少し詳しくお話を伺いたい思います。
○中道政府委員 お話のございました東京湾の入口において一大防波堤を作って、東京湾の高潮を防ぐという構想は、いろいろ検討いたしておるわけでございますが、現在の段階におきまして高潮を防ぐという場合、ただいまお話の防波堤によって高潮を防ぐ場合、それから直接海岸に堤防をこしらえて防ぐ場合、それから埋立地を前面に作りまして、その埋立地によって背後地を防御する場合等、実はいろいろ考えられるわけでございます。大阪なり現在の東京地区につきましては、その地区の状況によりまして最も実際に適応した方法をとらざるを得ないわけでございますが、根本的には、ただいまお話のいござましたように、東京湾の入口において一大防波堤を作るという考えは、われわれも検討いたしておるわけでございますけれども、御承知のように東京湾の入口は、ただいまの伊勢湾の計画地点とはだいぶ考え方が違います。地形におきましても状況が違っております。と申しますのは、水深につきましても、名古屋地区におきましては大体七、八メートルから十メートルくらいのところでございまして、現在の技術的な能力と申しますか、あるいは経済、技術両方の面から考えまして、妥当な計画が立てられるわけでございますが、東京湾につきましては技術的に非常に困難な問題を含んでおると思います。と申しますのは、水深がおそらく三、四十メートル以上になるのではないかと思います。これは現在の港湾の防波堤築造技術をもっていたしますと、非常に困難な問題が介在いたしまして、これを解決するためには相当の研究調査を行なわなければません。もう一つは波の力でございますが、波の力は防波堤を作りまして、そこで一応外海からの勢力を押えますが、さらにその防波堤から最奥地の地点に至るまでの距離というものは、これも相当影響いたしまして、あまり長い距離をその間に置きますと、防波堤の中に起きます波の力によって、相当程度の波がまた海岸に打ち寄せるということになって参りまして、多額の経費を費したものに対する効果というものは、その方面からも十分検討されなければならないということも考えられますので、そういう方面をいろいろ研究いたしまして、将来のこの東京を守るという面から、はたしてどういうふうな方法が一番いいかというふうに考えておるので、実はこれは検討いたしておる最中でございます。ただいま申しましたようないろいろな困難な問題が、その中に包蔵されておるわけでございます。しかし東京湾は御承知のように順次開発されまして、京浜並びに千葉の海岸につきましてどんどんと工業地帯が造成されつつありますし、行く行くはさらに大規模な埋め立てが起こり、あるいは都市計画が行なわれるような事態になるかもわかりません。そういうふうな情勢も考えまして、東京湾の入口周辺、あるいはもっと技術的に可能な地点等を検討いたしまして、それらの地帯を総体的に防止するということを考えなければならないのではないかというように思っておるわけでございます。現在の段階におきましては以上のようでございますが、とりあえず江東地区につきましては防潮堤あるいは東京湾の埋め立てということではなくて、防波堤ということによって東京湾に襲来するであろう台風の災害を未然に防ごうというふうに考えておるわけでございます。
○久野分科員 ただいまのお説は、さしあたっての緊急防災事業としてはそれで役立つと思うのです。特に局長さん御存じのように、現在東京湾の土地開発事業というようなものは、非常な速度で進んでおるのであります。産業の開発あるいは経済の伸展に伴って、大埋め立て事業が着々として今進んでおるわけなんです。この臨海工業地帯の造成には、当然先ほど私が申し上げましたように、大規模な港湾施設が付随するのであります。そうだといたしまするならば、特に先般発表されました松永構想といいますか、松永構想によりますれば、東京湾の半分くらいを埋め立てて、そこに新しい大都市を建設しようというような構想まですでに発表されておるのであります。でありますから、やはりこうした日本の産業の開発の伸展に伴って東京湾の防災施設、あるいはまたそれらの港湾施設の大改造計画というものを、今日ただいま立てておく事態ではなかろうか、こういうふうに私は思うわけでありますが、もう一度その点についてお尋ねをいたしたい。
○中道政府委員 ただいまお話がございました東京湾の総合開発、いわゆる松永構想というようなものによりまして、将来東京湾が半分くらい埋め立てられるのではないか、またその際に第二の東京がそこに考えられる。それに付随して港湾施設あるいは交通施設、工業地帯というものが考えられるわけであります。これは松永構想と申しておられますが、われわれの方といたしましても、それらについては東京湾総合の埋め立て計画あるいは都市計画等考えまして検討いたしております。従いましてただいまお話がございましたように、このような計画の一環といたしまして、またこれをほんとうに守っていくという意味からいきまして、お話のような一大防波堤の構想というものは、この構想が進められます場合には絶対に必要になるのではないかと考えておりますが、この構想自体、現在いろいろな面から検討中でございますので、この構想と歩調を合わせまして、お説のような計画につきまして十分検討いたしたいというふうに考えておる次第であります。
○久野分科員 先ほどお話のありました東京湾、周防灘、有明海、大阪湾、伊勢湾等につきましては、一朝有事の際にはまた大災害をこうむることに相なるわけでございますから、いろいろ先ほど来質疑応答で繰り返されましたように、未然に災害を防止するという建前と、日本の産業開発のための施設拡充、いわゆる国土総合開発の建前からいって一大計画を立案していただくことを、特に私は要望しておく次第でございます。 最後にお尋ねをいたしたいことは、最初に具体的な案としてお示しになりました伊勢湾に防波堤を築造する計画で九十四億円の予算をもって、本年度五億円の準備金をもって事業に着工いたしたい、こういうふうに御説明になったのでございますが、この案の技術的な検討というものはもうすでに決定をいたしておるのでございましょうか。決定いたしておるというならば、その案の内容をもう少し詳細にお示しいただきたいと思います。
○中道政府委員 この防波堤の技術的な面につきましては、ただいま申し上げましたように本年度は国費約五億の予算で、この準備調査に充てることになっております。技術的なたとえば防波堤の位置でありますとか、あるいはその高さ、それから防波堤の断面、それから地質等につきまして、今実はいろいろ現地関係とも連絡をいたしまして、実施に対するいろいろな技術的検討を行なっておる最中でございます。先ほど申しましたように一般の災害復旧工事と歩調を合わせまして、少なくとも本年を合わせまして四ヵ年ぐらいのうちにはぜひ完成したいというふうに考えておりまので、それに十分間に合わせるようにやっておるわけでございます。なお工事を実は非常に急がれる関係もございますので、従来のような工法でなくて、さらに急速に施行ができるような工法も考えておるわけでございますが、それらにつきましていろいろな案が実はございまして、この三月ないし四月、この予算の実行期までには見通しを立てまして、実施に移したいというふうに考えておるわけであります。
○久野分科員 この防波堤の築造については、私はいろいろな意味があると思うのであります。当初立案をされたときには、異常高潮をここで防ぎたいという、いわゆる防潮的な意味が一番重要な意義であったと思うのであります。ところが最近においては多少事情が違ってきておると思うのです。御承知のように名古屋港の南部、西部の臨海工業地帯の造成計画が、着々としてただいま進められております。特に西部地区につきましては東海製鉄の建設が予定をされており、すでに事業の着工段階に入っております。かような意味合いからいきまして、四日市地区あるいは桑名地区にも伊勢の臨海工業地帯の造成の計画が立っております。かような意味合いからいきますと、知多半島と特に愛知県と三重県とを結ぶための道路としての役割も果たすことができるのではないか、こういうふうにも考えられるのであります。現に名四国道といいまして、名古屋と四日市の間に新しい国道が作られるようでありますが、これとは多少意味を異にいたしまして、伊勢湾の西部臨海工業地帯と、さらに三重県の臨海工業地帯を結ぶための主要な幹線道路をこの防波堤の上に作ってはどうか、こういう意見も出ておるやに私は聞くのであります。さらにこれを延長いたしまして近畿地区に延ばすとか、あるいはさらにこれを東に延ばしまして、東京—名古屋間の高速自動車道にこれをつなぐとか、いろいろこの防波堤そのものの経済的な意義というものが高まってきておると思うのでありまして、さような意味合いから、ただ波を防ぐとか、異常高潮を防ぐための堤防をそこに作るということだけでなしに、そうした経済的な意味を十分勘案して事業計画をお立てになる必要があるのではなかろうか、さように思うわけでありますが、こうした点についても御検討なされておるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○中道政府委員 お話の通りでございまして、この防波堤を作る第一次的な目的は、もちろん台風による波の勢力の削減でございますが、これによりまして最近とみに隆盛になっております伊勢湾の臨海工業地帯をさらに一そう発展させ、事業を進展させるという重要な意味合いがございまして、すでにその後この臨海工業地帯に相当の注目がなされておるように聞いておりますし、また名古屋地区だけでなくて、四日市、桑名地区一帯的に、伊勢湾の総合的臨海工業地帯の造成ということも考慮いたしまして、四日市の地区につきましても土地の造成あるいは防波堤の築造を考慮し、桑名地区につきましても港湾計画を現在立案いたしておるような実情でございます。そこで今お話のございました効果の一つといたしまして、これが愛知県の臨海工業地帯と三重県の臨海工業地帯を結ぶ一つの大きな動脈になるのではないかというお話でございますが、これは非常に有効な路線になると考えます。しかしこの防波堤につきましては、実は途中に入口が設けられておるわけでございます。その辺の連絡をどうするかということをいろいろ実は検討いたしておるわけでございまして、お話のような両者を結ぶ非常にいい路線になるわけでございますので、何とかその辺の連絡をうまくつけて両者を結びつけ、全体的な経済の振興に役立つようにいたしたいと考えておるわけであります。
○久野分科員 私はかつて二回ヨーロッパを回りましたときに、オランダのゾイデル・ゼーの干拓地へ調査に行ったのでありますが、干拓堤防が即自動車の専用道路になっておるのであります。やはりこの堤防を高度に経済的に利用するためには、これを有効適切に自動車専用道路にするということがこの際必要ではないか、こういうふうに思うのであります。私は技術者でありませんから、その港の入口をどう取りつけるかということについては意見はございませんけれども、しろうと考えで考えてみますならば、橋で越すという手もありましょうし、あるいは墜道で下をもぐるという手もあろうと思います。そんなことは日本の現在の土木技術をもってすれば簡単にできると私は思う。そういうような意味合いから、交通網の動脈としてこれを利用する技術的な検討をなされなければならぬと私は思います。そうした点についてさらにもう一度お尋ねいたします。
○中道政府委員 お話の点、十分その意義の大きいことを承知いたしておりますので、御趣旨に沿って十分検討して、そういうような目的に沿えるように持っていきたいと考えております。
○楢橋国務大臣 今おっしゃいました点でありますが、この点は建設省とも打ち合わせしまして、せっかくこういう膨大な金をかけて作るのであるし、一挙両得ということで、ぜひその点は検討したいと思っております。
○久野分科員 時間がありませんから要点だけお尋ねしますが、現在予定をされております総事業費の九十四億円の中には、そうした事業費は含まれていないと私は思うのでございます。そうした事業でかりに幅が広くなるとすると、この事業費を倍加するとか、三倍にするとかいうことになろうかと思いますが、そうした技術的な検討はなされたのでございましょうか。
○中道政府委員 道路に使います場合の検討も一応いたしたわけでございます。ただ三倍になるか二倍になるかは、そこを通過させる路線によってきまるわけでございます。防波堤自体としては相当の幅員を持っているわけですから、防波堤自体としても少なくとも役立つことができると思います。しかし相当交通量がふえまして三車線、四車線ということになりますと、これはまた別に拡幅しなければならぬと思います。
○久野分科員 現在予定されている幅は。
○中道政府委員 これは先ほど申しましたように、断面等については実は今いろいろ検討いたしているわけでございますが、いずれにいたしましても、十メートルから十五メートルぐらいの天端の幅になるだろうと思います。なおこまかいところは検討いたしているところでございます。
○久野分科員 本年度の準備調査費として五億円計上されているとおっしゃいましたが、一体そんなに準備調査費がかかるのですか。大体調査費というのは五百万円か一千万円というのが常識です。よほど大きな事業でも五千万円程度で、例の縦貫自動車道についても五千万円の調査費でしたが、これだけの防波堤を作る調査費に五億円も要るというのは私は納得いきません。これにはある程度事業費が含まれているのではないかと憶測いたしますが、どうでございますか。
○中道政府委員 これは先ほど申しましたように実地調査並びに着工準備というふうなことになっておりますので、先ほど申しましたように、いろいろボーリングあるいは現地調査、測量等をやりますと同時に、着工準備としてのいろいろな施設、工事上の施設あるいは石山でありますとか、あるいは船の準備でありますとか、そういうふうな準備工事を始める予定にしております。しかしまあそれに至りますまでには十分な調査をして、技術的検討を加えた上で行なうという建前になっておりますが、そういう段階になりますと、五億必ずしも十分でないと思っているわけでございます。そういう意味で使いますれば幾らでも要るわけでございます。
○久野分科員 そこで最後にお尋ねをいたしたいことは、この防波堤が築造をされますと、相当程度その中にあります海岸堤防の高さに影響が及ぶと思います。その点について、各所管庁との間で協議が進められておるやに伺うのでございますが、どういう検討がなされておりましょうか、お伺いしたいと思います。
○中道政府委員 この点につきましては、この前の台風直後、伊勢湾等高潮対策協議会が設けられまして、建設、農林、運輸、大蔵その他関係省でこれを構成いたしておりまして、これらの計画についてのアンバランスがないように、方針あるいは施行の実施計画等についての協議をいたしておる次第でございます。今回この防波堤を築造いたします場合には、その内部におきまする防潮堤においては、約一メートル五十の高さをこれによって節減することができるというふうな算定をいたしております。また埋立地を造成いたしました場合にも、それによって背後地には同様の期待を持つことができるというふうに考えられますので、そういった点について、三省において、この予算が一応政府の案として出て参りまして以来、三省並びに各関係省で連絡、協議を続けておるわけでございます。現在のところ、この三省協議会といたしましては、一応の協議会の結論としては出しておるわけでございますが、そのような点について遺漏のないように、この協議会を中心にして進めていっておるような状態でございます。
○久野分科員 いつごろまでにその結論が出ましょうか。
○中道政府委員 予算的には、ただいま申しましたように一メートル半の低下ということで進めておりますが、詳細な数字につきましては、現在運輸省並びに建設省におきまして——運輸省においてはわれわれの運輸技術研究所並びに気象庁において、詳細な実は技術的検討を加えておりまして、まあ三月末までには確定をいたしたいというふうに考えております。また建設省の方も、建設省の土木研究所においてこの問題を取り上げて検討いたしております。三月の末までにはそれらの問題の結論が出てくるという見通しでございます。
○久野分科員 そこで大蔵省当局にお尋ねをいたしたいのでございますが、大体一メートル五十程度防潮堤の高さが低くなるであろうということであります。さよういたしますと、臨海工業地帯の造成に伴う現在査定を受けました災害復旧工事並びに予算要求されておりまする建設省、農林省あるいは運輸省の高潮対策事業、こういうような諸事業についても、事業計画の変更がなされるわけでございます。この変更によって、どれくらいの予算の削減がなされるか、そういう点について、大蔵省当局で検討がなされておるとするならば、その検討の内容をお示しいただきたいと思います。
○宮崎説明員 ただいまお話の件につきましては、すでに運輸省の方からあるいは一部御説明があったかもしれませんが、問題になっております防波堤あるいは埋め立ての影響によりまして、背後地の防潮堤の高さを下げ得るということにつきましては問題がないわけでございます。その防波堤をやるべきかどうか、またその高さをどれだけにきめるかということにつきましては、今もるる御説明がありましたように、技術的な検討を待っている次第であります。そういった技術的な検討が終わりまして、一メートル五十ということでありまするが、たとえばその予定通り一メートル五十下げ得るということになりますれば、それに基づいて、現在建設省等が査定として行なった事業費が削減をされるという事態になって参るわけであります。その額がどれだけになるかという点につきましては、もちろん三十五年度の予算を編成するにあたりまして、一応の見通しをつけて予算を組んでおりますけれども、これは実際の問題としましては、その事態が確定をいたしまして、そうしてこれを現地について個所別にきめていくということになるわけであります。ただ私どもが一般的に考えておりますのは、今回の防波堤というものが、やはり第一目的としては高潮対策ということでやるわけでございますから、その防波堤に必要な経費のうち、高潮対策の負担となるもの、これは御承知のように防波堤は、港湾の事業の効果にも影響いたしまするし、また埋め立てにも影響いたしますと思いますので、事業費については経費のアロケーションを考えておりますが、そのうち高潮対策の持ち分というものと大体見合う程度の防潮堤の事業費の減少というのがあるということになれば望ましい、こういうふうに考えております。もちろん防波堤を作りまして、そして背後地を守るということになりますれば、これは現在であれば、海面としていろいろ危険性があるようなところが守られるわけでありますから、非常に積極性があるわけでありますので、これが一対一のとんとんでなければならぬというふうに必ずしも厳格に考えておるわけではありませんが、大体そういった考えでやって参りたい、こういうわけであります。
○久野分科員 大体同額程度の事業費が削減されるであろうというふうに私は聞き取ったわけでございます。 そこで、最後に希望を申し述べておきたいと思うのでございますが、臨海工業地帯の造成計画が進んで参りますと、現在の名古屋港の港外に新しい、大きな工業港を作らなければならぬと思うのであります。またそういう必要性は早晩起きてくるのであります。早晩というよりも、ここ二、三年の間に、その必要性は生じてくると思うのであります。その工業港を守るための防波堤にもなるわけでございますから、やはりこの事業計画は、立案した以上早期に完成させないと私は意味がない、かように考えるわけでございましても、そうした点等につきまして十分意を用いて、急速に、産業の開発に伴う一大開発事業として、この事業の進展に御努力を願いたいと思うのでございますが、運輸大臣の御所見を承りたいと思います。
○楢橋国務大臣 御説の通りに努力をいたしたいと思います。
○久野分科員 どうもありがとうございました。
○岡本主査 楯兼次郎君。
○楯分科員 国鉄の予算からお聞きして参りたいと思いますが、三十五年度の予算案作成の基礎でありますが、大体三十五年度の経済成長率の見込みに応じて積算をされたと思いますが、経済成長率に対する輸送生産指数並びにこれから生ずる運賃はどういう考え方によって出されたか。簡単でけっこうでありまするから、お答えを願いたいと思います。
○山内(公)政府委員 三十五年度の収入の見積もりにつきましては、まず三十四年度の十月までの実績をもとにいたしまして、これに過去三カ年の四月から十月までと、十一月から三月までの稼動比率を乗じまして、三十四年度の年間収入を推定いたしました。さらに三十四年度の年間推定収入をもとにいたしまして、別途輸送量の過去の傾向値から求めました三十四年度対三十五年度の旅客、貨物輸送量の伸長率を調べまして、三十五年度の算定をいたしたわけであります。その結果といたしましては、大体企画庁が別途算定いたしました三十五年度の国鉄輸送量の見通しと数字はほぼ符合いたしております。
○楯分科員 次にお聞きしたいのは、午前中の各委員の質問にもありましたが、国鉄は赤字経営である、私ども国鉄の非常に苦しい経理内容も部分的には聞いております。しかしあなたの方で出されました資料によりますると、そうなっておらない。これはあなたの方で出されました資料でありますが、過去の実績というものは収支償って、まあ黒字とはいきませんけれども、わずかの数字が収入増になっておるわけです。ところが三十五年、三十六年、これは毎年同じでありますが、将来の展望に対しては、これはもうやっていけない赤字である、こういう資料が出てくるわけです。ところが決算をしてみるととんとんでやっていける。これは私の資料の見方が間違っておるのかもしれませんけれども、あなたの方で出された資料によると、そうなっておるわけです。だからこういう資料を見ますと、どうしてもわからぬ。三十五年度の国鉄の予算の編成を見ましても、そういうことが言えると思います。なるほど苦しい。ここをああしたいといっても、できないところはあるかもしれません。しかし一応このつじつまというものが合っておる。昭和三十二年の運賃値上げ以前においては、老朽施設の取りかえをやらなくちゃいかぬ、これでは危険で乗れないじゃないか、三十二年運賃値上げの数年前は自己資産の食いつぶしをやって経営をしてきた、そういうあなた方の説明であり、受け取るわれわれの方も減価償却が非常に少ないので、一応納得できたわけです。ところが三十五年度は大体約百四十億の減価償却というものが見込まれておる。しかもこれは、五ヵ年計画についてはあとでお聞きしたいと思いますが、五ヵ年計画の完遂についても老朽の取りかえ諸改良は、来年度予算が実施をされると一〇〇%以上上回っております。そういうような点を考えてみますると、赤字経営である、苦しいと言いながら、先ほど申し上げました過去の実績、来年度の予算の組み方は、公共企業体として営利企業でない予算の組み方としては非常にうまくできておる、こういうふうにとれるのでありますが、私の見解に間違いがあるかどうか、お聞かせ願いたい。
○兼松説明員 お答えいたします。ただいま過去の計画を見るとつじつまが合っておるが、将来の見通しを述べるときにはいつも赤字であると言うではないかという点がございましたが、国鉄の予算は、予算をこえて支出することができませんので、従いまして国鉄の場合には収入が足りませんときには予算を不用に立てまして使わないでおります。ということは、かりに運賃収入が百五十億円減ったというような場合におきましては、その分だけ工事を削らざるを得ない、資本勘定の繰り入れを減らしております。従いましてそのために計画は遅延いたしますけれども、つじつまとしては常に収支合わざるを得ないということでございます。従いまして私どもの過去のものでは、予算でたとえば三十二年度には千七十二億いただきましたが、決算額は繰り延べその他の事情、工事の事務的な繰り延べも、技術的な繰り延べもありますが、予算的な繰り延べもございまして、実際の決算額は九八八になっております。これは主として経費増あるいは収入減のために、資本の方に入れられないというようなことからくるのでございまして、国鉄の経営としてはそれだけ縮小して行なってきたということが過去の実績でございます。従いまして将来の点を申し上げますと、今度提案されております三十五年の予算案においては、たまたま昨年と同額の五百九十九億円が収支差額として資本勘定に繰り入れられることになっておりますが、この五百九十九億円の内容が昨年とことしとは異なっておりまして、昨年の場合には償却が五百十一億程度でございますが、今度は財産が増大いたしますので、五百三十五億程度が償却になって、その他に除却が約六十億ございます。それで昨年は約二十数億の利益のある五百九十九億でございましたが、今度は益金に見合うものがほとんどない姿の五百九十九億ということで、たまたま金額は一致いたしましたけれども、そういうような事情でございます。今申し上げましたような収支の見通しでは、来年は収入としては二百十五億の増ということに予算の比較ではなっておりますけれども、ことしの実績はことしの予算よりも約六十億程度多くなる見込みでございますから、今年の実績に比べれば約百五十億円程度の増加であろうという推定になっておるのでございます。今年は実績としては予算よりも六十億ほど多い収入がございましたけれども、約五十四億円の仲裁裁定の実施であるとか、中部の水害のうちで経費として支弁されるもの、ことしにやるものは四十億ばかりございます。そういうものを足しまして、実は経費としては収入を上回るような増を来たしておるのが実際でございます。明年度につきましても今運輸省の鉄監局長から御説明申しました通りの伸びを一応計上いたしておりますが、経費増の方は中身がほとんど固定的な増でございまして、弾力性のない増、言いかえますと人件費の増と利子の増が大部分でございまして、役職員の給与に該当するものが百三十四億ございます。百七十八億のうちで百三十四億がそのような経費の増加、そのほかに修繕費の増も、工場の人件費の増が相当入っております。従いまして私どもは非常に窮屈であるという見通しでございます。
○楯分科員 そういたしますと、昭和三十二年度からの予算と比べると大差はない。今あなたは昭和三十二年の指数からいうと九八八ですか、そういうことを言われましたが、私は大差はないと思う。本年度も大体六十億増収が見込まれる。見込まれるのだが、それは仲裁裁定の実施並びに水害の費用に食われるから、その出費分だけ工事費で減少をする、こうせざるを得ないということなんですか。
○兼松説明員 結果としてはそうなりますが、今年度は当初に工事を一部留保いたしておきましたので、これから先の操作は必要ないと考えます。しかし予想して一部留保されておりますので、決算面では仰せの通りになります。
○楯分科員 時間の制約もありますから次へ進みたいと思いますが、そういたしますと先ほども副総裁が将来これでは困る、こういうことを繰り返し答弁されておったようでありますが、一体公共企業体としての国鉄のいわゆる企業性と公共性をどこで調和さしていくか、それからいつも国会のつど悲鳴を上げないためには、釈明をしないためには、将来どう対処していくか、私は大きな抽象論は聞きたくございませんから、簡単に、一体公共性と独立採算性をどこで調和していくか、あるいは将来それを打開するためには、いつも泣き言を言わないためには一体どうするのか、これは運輸大臣並びに副総裁にお聞きしたい。
○吾孫子説明員 ただいま兼松常務理事から申し上げましたように、国鉄の経営費の中で固定的な部分、すなわち人件費とか利子とかいうものがどんどんふえていく、片一方で収入がそれに伴っていかない、そのためにいずれこのままで行けば破局が来るであろう。つまり国鉄というものは公共企業体でございますから、公共的使命に対しては責任を果たさなければならぬことはもとよりでございますけれども、同時に企業体としてそれをあくまでも独立採算のワクの中でやらなければならない。そこで現在でも新線建設の問題とかいろいろなことがございますが、そのほかに公共的な負担というものを、いろいろな形で国鉄が公共企業体なるがゆえに負わされておるわけでございます。将来の収支を安定させるということが事業運営の基盤である以上は、この公共的負担というような問題をどう処置したらいいのかということを一つ考えなければなりませんし、なお経営費の面で一体どこまでぎりぎり合理化ができるのか、節減できるのかというようなことについても、もう少しせんじ詰めなければならない。どうしても他に方法がないという場合には、やはり収入の根源であります運賃の問題についても御検討を願わなければならない、こういうことになると思うのでございますが、ただいま、将来の収支の安定ということを見定めますために、国鉄としてはそう目の前のことばかり考えておられませんので、できるだけ長期的な視野のもとに将来の経営の安定ということをはかるのにどうしたらいいのかということで、今長期計画を検討いたしておるような次第でございます。
○楯分科員 長期計画を検討されておると言われますが、私は当局の長期計画をここでお聞きしたいというわけではない。そういうむずかしい議論ではないのです。大体問題点は三つか四つだと思います。たとえば過日の予算委員会において佐藤大蔵大臣は、国鉄は公共企業体だからもうけるところでどんどんもうけて、そしてもうかったのをいわゆる非採算性の、もうからないところへどんどんつぎ込むのだ、そういう方針でやっていくのだ、こういう答弁をしているわけです。国鉄自体の動きを見ましてもそういう感じが半分あると思うのです。そうかといって新線建設や赤字線もやめたいという感じも半分あると思う。けれども、そういう二またでは国民が許さないし、国会等においては特に私は納得されないと思う。だから目標をきめて、一つに向かってそれの実現をはからなければ、私もよく経理内容はわかりませんけれども、ほんとうに将来国鉄が立っていかないということになれば、今からそれを強力にやらなければ救われないと思います。そのときになって、突き当たって倒れてしまう、こう思います。だから簡単に具体的にお聞きしたいと思いますが、もうかったところでうんともうけて、そうして赤字線、新線建設、公共割引等を行なっていく方針で行かれるのかどうか、時間の制約がありますから抽象論でなく、一つ具体的にお答えしていただきたいのです。
○吾孫子説明員 お答えの仕方が少し乱暴な申し上げ方になるかもしれませんけれども、それはお許し願いたいと思いますが、もうけられるところでもうけて、もうからないところにつぎ込んでいく、そして国鉄の使命を果たしていくというのが、もちろん当然やるべきことだと考えておりますけれども、しかしそのもうかる方にも限度がございますし、それからもうからないところは幾ら工夫してみても穴埋めのしようがないくらい、赤字が多いというようなところがございますので、幹線の方で、もうかるところでもうけてみても、穴埋めがとてもきかぬというところは、思い切って外科手術をやっていただかなければならない。たとえばあるところは鉄道線路をひっぱがして自動車道路に置きかえるとか、あるいは全然営業をやめてしまうというようなことも、場合によっては考えなければならないのではないか。しかしもうかる方の手段が何かの方法で講じられれば、最も簡単なことを申し上げれば、たとえば運賃を値上げするというようなことが許されるような状況であれば、もうからない方につぎ込み得る限度もふくらんでくるわけでありますから、その辺はしかしいろいろ国家的にも社会的にも大きな影響のある問題でございますので、それらの点をいろいろ考えまして、先ほど長期的な収支の安定計画を目下検討していると申し上げましたが、これは何もそういう検討そのものを長期にわたってゆっくりやるという意味ではもちろんございませんので、できるだけ早い機会に、でき得れば私どもとしては三十六年度の予算をお願い申し上げる前に、そういうような検討を終わりたいというつもりで、目下勉強しているような次第でございます。
○楯分科員 これは私だけの意見ですが、赤字線のレールを取って自動車に振りかえる、あるいはやっていけなくなれば運賃の値上げをする、こういうことは国民感情として——一つの国鉄当局の何かに対するゼスチュアとしては言えるかもしれませんが、それは世論の反撃を受けてとても実現の可能性はない。だから私どもが考えるには、そう各所に色目を使わずに、五百三十一億円の公共割引の赤字を何とかして政府に補償をさせる、それは最初はそう多額はいけないでしょうけれども、その方向一本に進んで現在の運賃を据え置き、そして国鉄の公共性というものを十分に発揮した方が国民の支持が得られるし、また国民の鉄道として最も妥当な線だと私は考える。こういう点について運輸大臣に御答弁を願いたいと思いますが、過日の委員会で私は造船の利子補給をかれこれ言いました。われわれしろうとでわかりませんけれども、国鉄がほんとうにそういう苦境に立っているとするならば、やはり造船ばかりに力をお入れにならずに、国鉄の方も何とかこの窮境打開の方策を講ぜられるべきだと思うが、運輸大臣としてはどうお考えになるか。将来どの方向に進んでいったならば一番妥当であると思われるか、二点お伺いしたいと思います。
○楢橋国務大臣 御指摘のように、また副総裁が答えましたような点がありますので、やはりどこへ重点を置くかといえば、今おっしゃいましたように、実際上の問題として、運賃の値上げその他については、なかなかさようにならないことであると実は率直に私は思いまして、公共なるがゆえに、国鉄が損しても負担しなければならぬというものを、やはり国家がこれを見るということに対しては、そういう責任があると私は思いますので、予算のときも実はその問題につきまして、利子補給その他の問題について大蔵大臣といろいろと折衝をいたしましたが、率直に言って、大蔵省は国鉄の利子補給等についても相当かたい考えを持っておるし、なかなか承知しない段階でありますが、私の考えも大体楯さんと同じように、やはり国でもっとめんどうを見なければならぬ、それにはどうしても総合的にこの問題を取り上げなければならない。内閣自体で取り上げて——とても運輸大臣だけでは微力でありますから、各大臣等の協力も得て話をしなければ、とうていこれはつかないということで、経済企画庁長官等と相談いたしまして、ちょうど暫定割引等の問題もありますから、それを動機として、国鉄の根本的な問題を国でどうするかということに取り組みつつあるのでありまして、まだ効果を上げていない点は遺憾でありますが、そういう方向で努力することが、むしろこの場合は一番実現性があるのではないかということを考えております。
○楯分科員 それでは次にお聞きしたいと思いますが、新聞紙の報ずるところによりますると、鉄道運賃制度調査会が昨年運賃体系の整備ということで答申をいたしております。ところが新聞紙等では四月一日から実施をする、こういうことを言っておりますが、これはもし行なわれれば明らかに運賃値上げだと私は考えますが、どうですか。
○山内(公)政府委員 ただいま国鉄が望んでおりますのは、先刻来お話の出ておりますような財政的な見地からの運賃の値上げの問題ではないわけでございまして、運賃制度調査会で出しました答申は、現在の国鉄の運賃制度はどういう姿であるのが一番国家社会の状態と、それから国鉄の経営の状態から見ていいのかという制度の問題を取り上げておるわけでございます。それで今一体どういう点が問題になっておるかと申しますと、昨年の十二月に、これは国鉄総裁に対しまして答申が出たわけでございますが、それによりますと、旅客、貨物のおのおのについて漸進的に原価主義の確立をはかる、急激にやれという意味ではありません。漸進的に原価主義というものを確立させていくということを強調いたしておるわけでございまして、まず旅客運賃につきましては、遠距離逓減制というものが非常に大きいので、旅客運賃の制度のあり方といたしましては、距離比例制が正しいのだというのが交通理論でははっきりしていることでございますが、日本のような国ではそういう理論だけではいけませんが、現在の制度は遠距離逓減制がひど過ぎるから、ある程度これを是正していった方がいいのではないかという意見がまず第一点でございます。それから定期運賃の割引率は、戦前と比べましても、諸外国と比べましても、非常に低廉だ、これは説明することもないと思いますが、この定期運賃の割引率が高過ぎるという点を言っております。それから貨物運賃につきましては、輸送原価を中心に、貨物等級の上下の幅を縮めるということを言っております。それから先般来問題となっておりますいわゆる暫定割引の問題、その他の公共政策の割引は、漸減的に減らしていくということを言っておるわけでございます。以上の答申の方向は、おおむね運賃制度として将来あるべき姿といたしましては、われわれも妥当なものではないかと考えておるわけでございますが、実施の時期、方法等につきましては、一般に与える影響も非常に大きい点もありますので、十分考慮いたしまして、慎重を期したい、かように運輸省は考えておるわけでございます。
○楯分科員 そういたしますと、新聞紙等で伝えておりますように、四月一日からの実施ということはないわけですね。
○山内(公)政府委員 現在のところ、そういうふうにきめておる事実はございません。
○楯分科員 それでは次に五ヵ年計画のことで、これはあとで久保委員が質問になると思いますので、私はこれに関連して簡単にお聞きしたいと思いますが、今安保特別委員会あるいは予算委員会等におきまして、極東の範囲で政府の答弁が連日のように変わっておるというので、問題を起こしておりますが、昨年の予算委員会で、私は新東海道線の資金計画はどうするのか、こう言って、運輸大臣は楢橋さんではございませんでしたけれども、お聞きしたときには、五ヵ年計画の完成を待って新東海道線を建設する、その資金を回す、こう言って大蔵大臣、運輸大臣が答弁しておられるのです。ところが本年度の予算を見ますると、五ヵ年計画は年度内にはできません。これはおそらく二年くらい延びる割合が出ております。にもかかわらず、東海道新線だけは五ヵ年で完成するというふうになっておるわけです。これはだいぶ委員会のつど答弁が変わってくる。その場限りの、何も確定をした、統一した閣内に意見がなくて、委員の質問にその場限りの答弁をされておるようで、心外にたえないわけですが、どうですか。五ヵ年計画の資金を削って新東海道線の方に回した、従って五ヵ年計画が数年延びる、こういうことになってきておるのではないかと思うのですが、運輸大臣はどうお考えになりますか。
○兼松説明員 ただいまの点では、五ヵ年計画の資金は当初五千九百八十六億、約六千億円を予想いたしております。また年平均にいたしますと、約千二百億円でございます。しかし過去の実際におきましては、収入の不足と経費の増というようなことで、借入金の方は確保できましたけれども、実際としては平均約千億でございます。従いまして現在まで、ことしの予算の過程におきましても、何とかこの分についてもいろいろお願いはしたのでございますけれども、結果としては、例年の程度という格好でございます。一方新幹線と申しますものは、私どもの五ヵ年計画と実質的には一貫でございまして、東海道線は今百二十の列車がほぼ入っております。これ以上受けられないということで、これを増強するのには、いろいろ調査会でも十分専門の方の御意見あるいは社会の各方面の御意見を拝聴いたしました結果、新しく線路をふやさなければならない、そのふやす方法が今の現在線に並べては実質的に不経済であるということで、短い新線ができたわけでございますので、大きな目で見れば、私どもの大事な輸送力増強計画の東海道線に該当するものが、現在の新幹線計画とも申してもいい面が多々ございます。当初の希望としては、なるほどお説のような御意見が前に出て、五ヵ年計画の方に、鉄道の収入が予想より十分あり、また経費も十分低くできて、金が回らないならば余裕を作って新線の方へもということは、過去においての希望としてはあったようでございますが、現段階におきましては、ごらんのような財政事情でございまして、それだけの余裕もございませんので、ほぼ並行して国鉄の外部資金で借り入れてやっていかざるを得ないというのが実情でございます。
○楯分科員 この東海道新線について過日の委員会で運輸大臣が答弁をされておりましたが、私の言った意図と違うところがありますから、一言お聞きしたいのであります。あのときには時間がなかったので、私再度質問をいたしませんでしたが、あの新東海道線で十でありますか、駅ができるわけです。羽島駅が問題になっておりましたけれども、私は大野さんが言ったようなことを言ったのじゃないのです。私は名古屋から鈴鹿峠を越えて直線に大阪へ行くという当初の計画であったのを承知しております。ところが地質が悪いとかいうことで、旧東海道線沿いに変更せざるを得ない。しかも東京、名古屋、大阪と、ストップをしなければこれは問題が起こらないわけですが、浜松にとまり、静岡にとまり、その他の駅にとまるなら、旧東海道沿いということになれば、常識として岐阜の駅にとまるのが当然である。だから浜松にとまるなら、名古屋、岐阜というふうに停車駅を作れば、あんな政治的な問題は起こらなかったのではないか。それを羽島駅というようなたんぼのどまん中に作るから、問題が起きたのだ、こういうことを私はあなたに申し上げたのです。どうですか。この途中駅は世銀借款を入れて本年度二百七億の工事費なんですが、債務負担行為が五百四十億あるということを聞いておりますが、すでに工事は着々進んでおります。従って途中駅はもう確定をしておると思いますが、ことのついでに、一体どうなったのか、お聞きしたい。
○楢橋国務大臣 どうせ東海道線は鈴鹿峠で行くのだから、岐阜市についでに回ったらどうだとおっしゃっていますが、国鉄の説明によりますと、今国鉄が予定しています線から岐阜市に回りますと、百億よけいに金がかかって、時間から見れば十五分おくれる。従って当初大野伴睦氏から岐阜市に回してくれということの話が——大野さん個人ではない。それは岐阜県を代表して言われたと思うのですが、そういう要求がありましたが、それはできない。岐阜市に回れば、少なくとも十五分おくれて、百億かかるのだから、従って今の線を動かさずに大体行くというところで、岐阜県の中に一カ所だけ駅を作るということ、言いかえてみれば、特急が通ったあとにあいておる線に急行を走らせるのだ。神奈川県にも、あるいは愛知県にも、静岡県にも何カ所もとめるのだから、岐阜県に一カ所もとめないということは、これは人情上からいっても、常識からいってもいかぬのではないかという考え方を私たちは持っておる。羽島駅とかなんとかいうことは私はなにしてないが、国鉄の九つの駅と岐阜県に一カ所とめるということについては認可を与えたのでありまして、岐阜県のどこにとめるかということについての認可申請は、実はまだ来ておらないのであります。
○楯分科員 そうするとまだ確定をしておらないということですか。
○楢橋国務大臣 そうです。
○楯分科員 私はこの新東海道線というのは、大体今の「こだま」のように東京、横浜は別として、名古屋、大阪、こういうふうに建設されるものだと思っておったのです。ところが今岐阜へ回れば十五分、百億ということをおっしゃいますが、それなら中央にわれわれが予定しております線に、これは直線ですから、なぜそこへ引かなかったのか、初めから岐阜へ行ってから曲がる、十五分云々とおっしゃいますが、すでに東京出発から曲がりくねって名古屋まで行っておるじゃないですか。そこをわれわれは言うのです。だからこれを直線コースで、当初の目的をそのまま完遂するなら、これは東京、名古屋、大阪を結ぶ直線で行くべきだ。それをすでに当初の目的から変更されておるのです。すでに名古屋へ行き着くまでに曲がりくねって、十億なり百億なり、そういう金をかけておるのですから、たまたまあそこへ行って羽島駅というのおかしい。また私はこういう計数整理は頭が悪くてできませんが、たといそれだけの金がかかっても、将来においてはペイされるというふうに私は考えておるのですが、どうですか。
○山内(公)政府委員 現在の東海道線は三十七、八年ごろには輸送力が一ぱいになってくる、これは御承知の通りであります。それで新しい幹線は現在の東海道線の輸送力の行き詰まりを救済するためにまず考えられたものでございまして、そのためには東京、名古屋、大阪と初めから三駅になるものを考えておりません。できるだけ旧東海道線の急行、特急の客をこちらに吸収するようにということを考えておるわけでございます。また新しくそういう線を作りまして、東京、名古屋、大阪の客だけでは、はたしてそれだけの利用率があるかどうかはわかりません。初めから国鉄で考えておりましたのは、そういったいわゆる急行的なものと、ただいまお話にありました特急的なものとを考えて計画をいたしておったわけでございます。それではなぜ岐阜にとめないのかというお話でございますが、それはただいま大臣がお答えになりました通りでございまして、岐阜に参りますと非常に迂回になります。曲がりくねって引いておるとおっしゃいますが、実は現在の東海道線が曲がりくねっておるわけでございまして、新線はできるだけカーブもゆるく、直線を旨として引いておるわけでございます。鈴鹿がどうしても地質の関係上通れないので、あそこをずっと関ヵ原寄りに引いたわけでございますが、新しいあの駅がなぜ必要かといいますと、たとえば小田原にとまって熱海にとまります。これは必要ないではないかという御意見がありますが、熱海は土地が狭くてあそこで行き違い施設をするような十分な土地がとれません。どうしても小田原にとまらないと行き違い施設がとれないので——待避線ですね。小田原にもとめなければならぬ。そういう事情が名古屋にもございまして、御承知のように名古屋市の都市計画というものもきまっておりまして、相当前から新幹線の用地というものもきまっております。名古屋では待避施設がとれないので、岐阜県に一カ所作ってそこでとめよう。なぜかといいますと、急行と特急というものが走りますので、特急は急行を追い抜いていかなければなりませんので——これは楯さんのような専門家に御説明するまでもないことでございますが、そういった運行上の必要からそういうものがぜひ必要であるというふうに、技術的にも考えておるわけでございます。
○楯分科員 では次に移ります。午前中にも各分科員から指摘されておりましたように、交通事故で年間一万人の死傷者、それから海、空はまだ割合にいいのでありますが、今日の陸上交通というものは逼迫し切っております。だからほんとうは伊勢湾台風が起きたくらいに飛び上がって運輸省では対策を講じなければならぬわけですが、どうもやっていることが枝葉末節の糊塗策だけではないかというふうに考えるわけです。昨年も自動車局から自動車白書が出ておりますが、昭和十四年の自動車の最高時の今十一倍になっておる。終戦当時の十八倍になっておって、何とか激増する輸送を、大体鉄道はこのくらいをやる、あるいは陸上ではこのくらいを輸送するという——きのうも申し上げたのでありますが、何事をするにも金が要るのでありますから、そういう面では支障を来たします。しかし将来の姿としてはこのようにあるべきだという姿がなくてはならぬと思うのです。そういう姿がないのであります。先ほど来社会党ばかりではない、自民党の諸君からも、なぜ一体作らないのか、作らないのか、こういうことを言われたわけでありますが、これは焦眉の急でありますから、ほんとうに一元的、根本的な陸上交通に対する対策を考えていただかなくてはならぬと私は思います。この点各委員が質問をいたしておりましたが、私からも早急に青写真を作られたい、こういう点だけ強く要望申し上げたいと思います。 そこで運輸省の予算書を見ますと、自動車審議会というものを来年から作り、そうして自動車輸送に対する、あるいは自動車関係に対する根本的対策を立てられるだろうと思いますが、一体その目的は何か、これをお聞きしたい。しかもその予算を見ますと、一年間に十九万四千円ですが、十九万四千円の予算では、今日もうみんなが悲鳴をあげておる自動車輸送の秩序確立というようなことはできぬと思うのであります。何も金がなくてもやるのだ、こうおっしゃればそれまででありますけれども、十九万四千円では、せっかく自動車審議会を作っても、資料すら、あるいは調査すらなかなかできぬと思う。一体これは何をやろうとされているのか、まずその目的をお伺いしたい。
○楢橋国務大臣 前段の問題はごもっともでありまして、どうしても交通の総合的な問題を解決することを至急やる必要があると思うのでありまして、交通問題の調査会等になにしまして、急速に各省とも打ち合わせて、この問題に取り組みたいと思うのであります。 なお自動車審議会の点につきましては、國友局長から説明させます。
○國友政府委員 自動車審議会の点につきましては、自動車行政は今曲りかどに来ておる、大臣の言をもってしますれば沈没しかかっているというようなお話があったわけでありますが、何とか根本的な対策を立てたいと考えておりまして、予算要求をいたしまして、経費といたしましては非常に少額でございますが、目的といたしておりますところは、道路交通事業の近代化、合理化の方策、これには道路運送法の改正等につきましても考えなければならないと考えておりますが、いわば自動車関係におきます根本法規の道路運送法あるいは道路運送車両法等の改正等も、この審議会に諮って変えなければならないと思っておりますし、運賃制度あるいは自動車高速化対策の問題、事故防止対策の問題というようなことについて、学識経験者に集まっていただいて知恵を拝借したいと思っております。経費は非常に少ないのでございますが、その少ない経費でできるだけの効率を上げて根本方策を打ち出して参りたい、こう考えておるわけであります。
○楯分科員 今さら金額が少ないとかどうこう言っても、ないよりましだと思いますので、この点についてはわれわれも賛成をいたしますが、ここで一つ要望を申し上げておきたいと思いますのは、この委員が、政府の方では、実際人口割りからいくと労働者が非常に多い。こういう業界の労働者が非常に多いにもかかわらず、その委員に全く無縁の人ばかり集めている。この審議会ではございませんが、そういうきらいがあると思います。政府にもいろいろな審議会とかなんとかありますが、自分がわからぬと言っては語弊がありますが、あまり専門でないので、名前だけで出席もしない、必要ないじゃないかという声が起きている。また出て来ても、あまりよくわからぬと言っては語弊がありますが、わかりの悪いやつは眠たくなってしまうだけで、帰っていく。こういうことで、ほんとうに数人の委員でこれらの審議会なり諮問委員会というものが運用されておる。これであっては私はならぬと思う。従って政府の方ではおきらいになっておいでになると思いますが、とにかくこれに関連した働く人たちの代表者というものを、どうしても加えていただかなくてはならないと思うわけでありますが、そういう点の配慮について大臣から一つお伺いしたいと思います。
○楢橋国務大臣 自動車審議会の人選につきましては、自動車の輸送及び自動車保安に関する学識経験者を、学界、財界、言論界から選任するという方針で、この場合社会の公正の意見を求められるようにするために、委員が業界の特殊な利益代表とならないような人選を考慮するということにしておるのであります。そういうような方針でこれはなにしたいと思うのでありますが、今楯さんがおっしゃいました一般的な問題についての委員の選び方でありますけれども、私もその点については実は賛成でありまして、たとえば自動車の運送協議会のようなものも、業界の者が入れば、やはり労働者の方の代表も入るというふうにしたらいい。たとえば自動車の増車のような問題の場合でも、やはり業界の連中はいろいろな利害でもって反対する。これに対してまた働いておる者の利益の主張がその中に行なわれないというようなことは遺憾だということを私も感じておるのでありますから、私はそういう趣旨は大体賛成していきたいと思います。
○楯分科員 それから、これも増員になっておりまするから、私はけちはつけたくはないのでありますが、先ほど来申し上げておりましたような自動車の問題で、輸送秩序の確立、事故防止ということで七十八名増員になっております。私はこれは本庁の東京都区内が七十八名かと思ったのでありますが、これは陸運局の全機構で七十八名、全国で七十八名増員をして、事故防止であるとか秩序確立というようなことは、これはおこがましいと思うわけであります。しかしとにかくこれは増員になって、そういう意気込みがありまするから、将来これを拡大していっていただきたいと思いますが、伝えられるところによりますと、陸運事務所の機構を強化して直轄化をやる、こういうことを私は耳にしたことがあるわけでありますが、なぜこの増員と並行して自動車の秩序確立と事故防止に対して、機構確立の意味から陸運事務所の強化をはからないのか、これはどういうわけで立ち消えになったのか、一つお聞きしたいと思います。
○楢橋国務大臣 陸運事務所が地方庁の長官のもとになにされておるということは、本来自動車行政の一本の姿からいけば非常な障害になっておりますので、この問題は、私が運輸大臣になりましてから、各陸運事務所の組合その他の要望もあり、また自動車行政そのものの筋を立てる上からいっても、運輸省の管轄にしなければならぬというので、自治庁長官石原氏との間に折衝を始めておりますが、なお自治庁の方におきましては、これを運輸省に移管するということについていろいろと議論がある。端的にいえば権限の問題等があって、なかなかそう簡単にいかないので、総務長官並びに行政管理庁の者も入れまして、この問題を今折衝中であります。一方自動車行政は、御存じのように非常に人が少なくて自動車が急速にふえたために、どうしても人をふやさなければならぬというので、実は三百名要求したのですが、大蔵省は初め十七名くらいの人数しか許さないということで、すったもんだの末、結局九十名だけは取ったのです。これは楯さんからほめてもらわなければならぬのです。このくらい定員をふやしたということは今までかつてないのです。皆様方の御援助等も得て、まだ実は足らないので、この点は一つ来年度にはもっとこれをふやしたい、こう思っております。
○楯分科員 今社会党の立場で中央集権は反対ですが、この自動車の問題は、地方へ行けばあまり関係がないようです。ただほかの官庁に関連するのは名目だけである、こういうふうに考えておりますので、再度さらに運輸大臣の努力を要請したいと思います。 それから、私の時間がなくなりましたから、最後に一つお聞きしたいと思いますのは、きのうも建設大臣にいろいろお願いをしたわけですが、いつも私の言っておりまする中央自動車道です。これは過日の予算委員会でも、ただ一片の質問に終わったわけでありますが、私たちの主張を二、三分さらにこまかく申し上げますると、今政府が発行しておる文書を見ますと、日本経済の隘路は、二、三あげておりまするが、所得の地域的格差ということを非常に大きく取り上げておる。それから昨年の暮れ出ました生活白書を見ましても、いろいろ言っておりますが、国民の生活を向上するためには、やはり所得の地域格差をなくさなければならぬ、こういうことを言っておるわけです。だから、政府の将来に対する経済政策の根本では同じことを言っておりながら、そういう目的のためにわれわれが提唱しておる中央自動車道については、全く反対の行き方をしておる。まあ運輸大臣あたりの努力で相当好転をしてきておるようでありますが、この中央自動車道というのは東北から日本全国にわたる中心であります。しかも東海道に作って、日本海方面から入れないというような、そんな片寄ったものではいかない、こういうふうに私どもは考えて、日本経済の将来の最大の隘路を打開をして、所得の地域格差をなくし、国民生活の向上と日本経済の拡大をはかり、しかも自動車交通の背骨——バック・ボーンである、そういう観点に立ってやっておるのでありまするから、まだいろいろ支障があるようでありますが、まあ一ぺんに何千億円というような金は出せぬのでしょうけれども、とにかく将来のわれわれの夢ではないと思う。夢ではないと思うのですが、一つの望みを持たせる意味においても、せっかく運輸大臣の閣内取りまとめをここで要望して私の質問を終わりたいと思いますが、御意見があったら聞かしていただきたい。
○楢橋国務大臣 ただいまおっしゃいました中央自動車道の問題でありますけれども、これはすでにあれだけ予算委員会その他においても、総理大臣も建設大臣も答えておることであるし、私は先般閣議においても、後藤新平さんが生きておったら、いち早く作ったろう、国家百年の大計から目先の金のことよりも、やはりそういう大きな構想で後進性を打破し、未開発地域を開発することが必要だという発言をしておりまして、この問題は建設大臣も大体了承をしておりますから、ぜひ今国会にその路線を定める法律を提出したい、こういう意味で協力いたします。
○楯分科員 私、ちょっと落としたのでありますが、先ほど五ヵ年計画が、二年か三年か知らぬが延びますると、実は名古屋から今中央線の高架の工事をやっております。これは五ヵ年計画の予算の中には入っておらぬと思いまするけれども、とにかくこまかい点は私知りませんが、工事はやっておる。あれが途中で打ち切られるというようなことになっては、非常に輸送が輻湊しておりますので困ると思うのですが、中央線の名古屋から例の複線電化というものは一体どうするのか、この点を一つお聞きしておきたいと思うのです。
○兼松説明員 お答いたします。五ヵ年計画は御案内のように、三十二年からの五ヵ年間に一応約六千億円の目標で当面必要な緊急取りかえと輸送力増強を考えたものでございますが、もとよりこれでは決して十分ではございませんし、全体の緊急な交通整備の面、その後五ヵ年間に変更いたしました諸事情も考えまして、決して五ヵ年で打ち切るような性格のものではございませんので、たまたま先ほど申し上げましたような事情で約一年ずれざるを得ないような予算事情ではございますけれども、これらを勘案いたしまして、国鉄といたしましては、ただいま、さらに引き続いて、長期計画というのはそう長い話ではございませんので、いわゆる第二次五ヵ年計画に当たるものを含めていろいろ御審議いただきたいという考えのもとに準備いたしておりますので、そういったような緊急な整備はすべて引き続きそれらの中に盛って実施していきたいと考えております。 東京、名古屋、その他大阪、北九州等の都市付近の諸点につきましては、五ヵ年計画自体といたしましても一応のめどはございますけれども、具体的に計上されてない面もございますので、それらにつきましては引き続き私どもは計画いたしております。第二次計画の優先的な部分としてただいま検討いたしております。
○楯分科員 私の言うのは、工事の中断はあるのかないのか、引き続いてずっと奥へ行くのかどうか、将来の見通しとして……。
○吾孫子説明員 名古屋の市内の高架の工事は、今利用債全額負担でやらしていただいております。さらにその東の方へ続く部分でございますが、これはこの予算の中には入っておりませんのですけれども、途中で工事が中断するというようなことにはならないように、今後の実行計画を組む際に十分に考えていきたい、そういうように考えております。
○岡本主査 久保三郎君。
○久保分科員 時間がありませんので簡単に二、三お伺いいたします。 運輸大臣にお尋ねしますが、ただいままで陸上交通の問題でそれぞれ御質問がありましたが、結局総合的な対策というか、そういうものが欠けておることが一つだと思うのです。そこで、もちろんそのためには交通問題調査会というか、そういうところでいろいろ知恵をしぼっておられると思うのですが、いつになったらこれの結論が出るか私はわかりません。もちろん審議の内容は、それぞれの輸送機関の分野、適正配置、こういうことも考えておやりになっておると思うのですが、現実にこの問題を消化する場合には、総合的な対策を樹立すると同時に、総合的な法体系を確立する必要がありはしないか、こう思うのです。たとえば、今まで論議がありましたような道路交通一つとりましても、関係各省庁は多い。今回改正の法案が出ております道路交通法、あるいはこれに関連する道路運送法、道路運送車両法、道路法、こういうものだけでもたくさんある。ところが先ほどの踏切問題一つ出しても、これは負担区分の問題もありましょうが、おそらく建設省、運輸省の権限争いで一つは問題が進展しない、こういうことがあるわけです。それから交通取り締まりの問題にしてもそうです。これは警察の言い分と運輸省のいわゆる自動車行政という面から、これがなかなかうまくいかない。先ほどのバスの問題と道路問題、これが一つある。今日官僚組織を一挙に打破することは、なかなか言葉だけではできない。やはり権限を持った法律でもって縛るほかないと思う。そこで交通問題調査会等を中心にして早急に総合的な基本法を作るべきではないか。そのもとに各省庁において分散されたらいい。基本的なものがないから、てんでんばらばらにその一城一部を争ってやっておる。これではどういう法律を出しても、当然うまくいきっこはない。あるとすれば、そこは早くいえば変な妥協がつくわけです。たとえば、踏切法がどう出てくるかわかりませんが、おそらくこれは妥協で、根本的な交通問題を解決するものにはならぬと私は思う。後藤新平さんのお話が出ましたが、あなたは後藤新平さんを現代に移したような方と言われておるらしいが、一つ大きい将来の展望を考えて、運輸大臣、これは一つやってみたらどうか、また必要じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○楢橋国務大臣 久保さんからいい示唆を受けましたが、私も、交通問題の全般的な、総合的なものを確立するためには、法の体系をやはり立てて、根本的な基本法的なものにして、それでもって処理するということがいいと思いますので、そういう方針で、一方総合的な、——今交通問題の調査会等もありますが、そういう線に沿うて一つ工夫したいと思います。
○久保分科員 それでは次に、海運問題について、二、三お尋ねをしたい。これは大臣にお尋ねする方がいいかと思うのでありますが、海運強化の方向といいますか、これは従来船腹の増強ということでやって参っておるわけでありますが、現段階に至りましては、これは船腹量の絶対的不足を解消するという段階から、さらに段階を上がりまして、商船隊そのものの体質を改善するということと、言うまでもなく経営基盤の強化、この二つにしぼるべきだと思うのです。そこで、そうだとすれば、体質改善ということは、今日百万トン以上になります低性能船、いわゆるボロ船ですね、この間事故を起こしました弥彦丸などもその方へ入りましょう、そういうものを改善していかない限りは、国際競争力には今日耐え得ない。そこで、提案されている予算は、第十六次計画造船でも、主機換装、これを今度は入れたようであります。ところがこれだけではどうかと思うのであります。特に定期船のごときは、現在まではスクラップ・アンド・ビルド方式にはならなかった。ところが、今日ではそういう国際競争力を強めていく、船の体質改善からやっていくということになれば、この十六次計画造船からは、少なくともこの定期船についてもSアンドB方式をとるべきじゃないか、こういうふうに思うのだが、今回の十六次計画造船ではどうなっているか。時間がないから、私は続いてずっと申し上げます。 次に、専用船建造の問題がございます。最近の傾向として、荷主からの資本導入と積荷保証ということで、これは建造されていく傾向がある。その傾向の一つは、不定期船内部の結束を今日乱していはしないか。もし乱しているとするならば、これは今日の一つの弱点だ。これをどう規制していくか、あるいはどういうふうにいくか。 それから、去年に引き続いて、ことしも三国間輸送に対する助成をはかっておるが、去年の後半からことしにかけて、大体三国間輸送は三割くらい減っている。これは全部三国間輸送の船が近海航路に回ってきた。近海航路になぜ回ったかということを考えますと、これは特定荷主の要請に応じて、その三国間輸送の船を近海に引き上げてきた。こういうことで、荷主と不定期船という関係が、今日あるわけです。だから三国間輸送を増強することは、いわゆる航権拡張である、あるいは貿易外収入の増大だというが、そして補助金も出すような制度になっているけれども、その目的に反した形が今日出てきている。これはどういうふうに考えているのか。 それから次には、この企業の合理化と企業間の調整の問題であります。今回の海運利子補給復活、約九億幾らかありますが、この復活についても、これはてっぺんからわれわれはいけないとはあえて申し上げませんけれども、この企業間の協調の態勢が今日確立されてないのじゃないか。そうだとすれば、その基本になるものも確立されないのに、利子補給だけをやっても、これは焼け石に水ではないか、こういうふうにわれわれは思うのです。この点に対してはどう思うか。 それから最近の傾向は、大体一つの例を引きますれば、いわゆる鉄鋼会社、一つの鉄鋼会社につながる金融機関、それからもう一つは造船会社がみな同じ系列です。そのところに持ってきて、船の系列が入ってくるということで、早く言えば、金融、鉄鋼、その次には造船、海運、こういうもので同じ系列につながってきている。ところが、この中で一番しわ寄せを食わせておくのは、海運の方へしわ寄せを食わせておる。あとはしわ寄せを食わせることによって、独占資本と、それにつながるところの造船、それから鉄鋼業、これは痛手をこうむっていない。早い話が、安い船賃で鉄鉱石を持っていく、それで製鋼する、それでもって造船をやる、鉄鋼の価格は落とさない。それで造船利子の方も、金融資本はこれを目一ぱいとっていくということがあるわけです。こういうことがだんだん傾向が強くなってくる。不定期船においては、先ほど言ったようなことになってくる。系列会社にみな集中して逃げ込んでいる。こうなると、あなたの考えている事業計画その他だけでは、日本の海運は増強しません。基盤そのものがあなたの考えとちょっと違うのではないかと思うのです。これをどう考えていくか。 それから、聞くところによれば、今度の利子補給についても、管理体制を含めた法案を出そうとしたが、出さなかった。何がゆえに出さなかったか。野放しでこの利子補給をやるのか、この点をお尋ねします。
○楢橋国務大臣 各こまかいことにつきましては海運局長からお答えをさせますが、今おっしゃいました海運政策の根本的な進め方としては、量よりも質ではないかという御議論でありますが、これはもっともでありまして、今日は量よりも質、言いかえてみれば高速船というものをやはり尊重しなければならないという段階になっておりますから、従って、戦時型等のボロ船が百万トン近くある、これをやはりスクラップにして新しい船に切りかえる、そして性能のよい船をもって国際競争に勝てるような態勢にし、商船隊を作るということは同感でありまして、そういうような趣旨に沿うた方針のもとに海運政策をやっておるのであります。 ことに海運の問題について、今回利子補給等をめぐりまして、特に運輸省において力を入れましたことは、申し上げるまでもなく、海運は、ことに外航海運というものは、全部国際的な競争を建前としておるのでありまして、国際的な問題でありますから、相手方が一体どういう態勢にあるかということを中心として、日本の海運政策をとらなければなりません。アメリカは、御存じのような、新建造船については約半額の国庫補助を与えて、国がめんどうを見、残った半分については、四分の三はわずか三分の利子でもって補給しておる、こういうことをやっておりますし、英国その他ドイツ等にいたしましても、全部日本の商船隊の競争相手というものは、日本とは話にならない大きな補助を国家が与えておるのであります。日本は、御存じのように、国家目的のために、日本の商船を国が戦争目的に使ってこれを沈めて、その金額は約五千億といわれておりますけれども、これを一銭も国家は補償しない。これは当時のマッカーサー司令部等の、日本の集中排除なり、日本の弱体化等の政策もありまして、全然めんどうを見なくて、二千数百億の金をもって九分五厘の市中金利及び六分五厘の開銀の金利、こういうものを背負って、二百億近くの利子を払って国際競争に出ておるというときに、どんどん貨物でも外国船にとられるというような状態でありますから、どうしても日本の海運を国際競争に耐え得るようにしたいというのがわれわれの立てました海運政策でありまして、実は利子補給の問題もその保護政策の一環として今回認められたのであります。従いまして、そういう線に沿うて日本の海運を指導し、建前を立てなければいかぬという考え方をもって今日指導しております。今御指摘のありました諸点につきましては、具体的に海運局長から答弁させたいと思います。
○朝田政府委員 まず、最初に御指摘になりましたスクラップ・アンド・ビルドの問題からお答えをいたします。お話のありましたように、低性能船舶は百万トンからあるわけでございます。そこで、私どもは、海運政策として各方面の御意見を承って、今日の対策を樹立したのでありますが、ただいまも御指摘になりました通り、まず第一は企業の基盤の強化対策、第二番目には新造船のあり方、第三番目には船質改善、こういうことが一つの柱になっておるのでありまして、全く私どもも同意見であります。ただこの場合に、スクラップ・アンド・ビルドを、従来のようなやり方ではなまぬるい、船隊構成から考えても、国際競争からいっても、弱点になっておるのだから、一日も早く一トンつぶして一トン作れ、こういうことは当然であろうと思うのであります。そこで私どもも三十五年度予算要求におきまして二十万トンのボロ船、低性能船舶をつぶして新造を多くする。従ってその際に平均簿価とスクラップ代金の二分の一を政府が補助をして解撤助成金として交付する。そういうことによってこの問題を促進したいと考えたのでありますけれども、まことにわれわれの努力が足りなかったせいでもありますが、予算の実現を見なかったのであります。しかし、予算が実現しなかったからといってこれを放置するわけにもいきませんし、先ほどお示しになりました弥彦丸のようなケースもございますので、私どもは与えられた範囲においてできるだけの船質改善の方策を推進したいと考えておるのであります。問題は百三十五億の開発銀行資金によりますところの新造船計画の中で、定期船を除きますというと、不定期船とタンカーについては大体八万六千トンくらいになります。これに大体見合うだけの低性能船舶をつぶして新造をするということにいたしたいと思うのでありますが、定期船も含めてやるべきだという御意見につきましては、なお私どもももう一度考え直してみたいと思うのであります。といいますことは、定期船につきましては超高速船あるいは建造補助という将来の政策とのかね合いもございますし、この際にそれだけの差損を定期船において背負わせることがどうかというような問題もございますが、そういった大きな船質改善の方策に沿ってもう一度実施の面については検討したい、こういうふうに考えておるのであります。 第二番目の三国間の航海助成の問題でございますが、これは仰せの通り、三国間の輸送量は減少をしておるのでありますが、これは定期、不定期、タンカーをながめてみますと、どうしても不定期の面において減少の傾向が現われてきておる。その原因は、ただいま御指摘になりましたようなことは事実であります。といいますことは、三十三年度におきますところの日本の輸入量というものが非常に縮小されて、ちょうど経済が調整期に入っておった時期でありますので、前年度に比して輸入量が六百万トンも絶対量で減っておる。ところが最近に至りまして日本を中心にいたしますところの近海の海運市況が少し比較的に締まってきた、といいますことは、それだけ輸入が回復してきたということであったわけであります。しかしながら過去において最高を示しました三十二年度の月間輸送量は、定期、不定期、タンカーを合わせまして三十七万六千トンでありたわけでございますが、三十三年の十月から三十四年の九月までのこの時期は、ちょうど三国間の航海助成を適用する時期であります。これは月間におきまして四十三万八千トンという数字で、三十二年度の月間輸送量を凌駕いたしておるのであります。年間を通じてみますと、概して二国間輸送の活動は活発であったということが言い得ると思うのであります。もっとも三国間輸送助成金の趣旨から考えてみますと、こういった活動は日本周辺の船腹調整機能を果たすということも副次的にはわれわれが予想しておったところでもありまするし、昨年の予算の御審議にあたってもそういう御説明をしておるわけであります。日本海運がこういった三国間輸送に幅広くかつ根が深く成長いたしますためにも、持続的にこういったような実質的な基盤を養うためにも、国際収支あるいは航権の伸張の上から見てもなおこういった助成金を継続していく必要がある、こう考えておるのであります。 第三点の御指摘になりました専用船の問題でございます。最近鉄鋼会社の一部におきまして、日本に対して外国の商社から船舶の建造を発注して輸出船としてその船を注文する。そういたしますと、輸出入銀行の金利は御承知の通り四分であります。開発銀行の金利は六分五厘、市中の金利は御承知のように九分四厘九毛、こういう高率であります。従いまして、日本の造船所で作って外国船で輸出されたものはイニシアル・コストが安い償還期限は、現実を言えばございます。ございますが、そういったものから日本の造船所で作って外国船にして出して、しかも日本の鉄鋼会社がこれを長期にわたって用船をする。こうすれば日本船よりも国際競争力といいますか、そういった耐久力は強い。従って、ハンプトンローズの石炭の運賃も、日本船が計画造船でわれわれが財政資金を出して、しかも利子補給をしても金利の差だけはイニシアル・コストが安い。しかもその上においてILOその他から国際的に排撃をされておりますところのリベリア、パナマというような便宜置籍船にして船員費を安くし、あるいは固定資産税のようなものがかかって参りませんので、税金の上からいっても非常に有利であるというようなものと、運航経費が非常に助かるわけでありますから、そういうものと比べますと、日本船はどうしてもバンプトンローズの石炭の運賃は八ドルであるけれども、そういった船でいきますと六ドル九十、あるいは七ドル、こういうような矛盾が出てくるわけでありますが、この矛盾を突いてなおかつそういった手を打とうとしておるわけであります。これに対する処置をどうするかということについては相当問題もございますが、私どもといたしましては、それなればこそ金利負担の軽減ということをやかましく主張しておったわけであります。こういうことで参りますと、これは日本の商社なり、鉄鋼側が日本海運頼むに足らずというようなことで参りますと、先ほど申されましたような、鉄鋼、造船、海運という基幹産業の間において一体どういう問題が起ってくるだろうか。そうすると、非常に建設的な考え方でいけば、産業構造上もっと堅実な観点に立って、建設的な方法がないものだろうかというようなことで、産業界で寄り寄り話し合いを現在しておるわけであります。私ども行政的にこれをどう扱うかということについては、ただいま確定したことは申し上げられませんが、少なくとも国際的にはILOその他から、船員行政の上から見ても問題がありますので、これは臨時船舶建造調整法の運用その他についても相当慎重に考えなければならぬ問題ではないか、こういうふうに考えておるのであります。 それから第四番目の企業間の協調態勢の問題であります。これは利子補給をしてもそういった基盤が強化されていなければ何もならぬじゃないか、こういうお説であります。ごもっともだと私は思います。従いまして、一昨年以来われわれは運輸大臣あるいは運輸次官の名におきまして、各企業に対して経費の節減を徹底的に指示いたしたのであります。そういう経費の節減のみならず、企業間の協調態勢の方がもっと大事な問題であるということもその通りであります。そこで私どもは、不定期船につきましては、これは世界に類例を見ないカルテルという活動を行政指導いたしまして、今日、鉄鉱石、石炭、木材、塩あるいはは穀物、こういった五品目について不定期船のカルテルというものを結成して、できるだけ不当競争のないように指導をいたしておるのであります。同時にニュヨークの定期航路の問題につきましては、これが最も対米貿易の量からいいましても、規模からいいましても、海運についても非常に大きな重要性を持っておりますので、この点についてグループ化ということを過般強く要請いたしまして、ニュヨーク定期航路の担当業者九社のものを三つのグループに編成をいたしたのであります。従いまして、運賃の共同計算をやらせるとか、あるいは過当競争の防止をするというようなことを逐次推進をいたしておるようなわけであります。その他の航路につきましては、大体において二社あるいは一社、多くても三社というようなことで航路調整の実を上げておるつもりでおります。もう一つ、これは鉄鋼なり造船なりといったようなものが、安い運賃で海運にしわ寄せしているんじゃないかということであったわけでありますが、海運の運賃は、御承知のように世界的なマーケットによってきまって参るわけであります。国内の荷主の力というものは実質上非常に強いものがあることを否定いたしませんけれども、全般論として、世界海運の船腹の需給なり荷動きなりの問題によって自然に運賃というものが決定されてくるものでありますので、そういう実力の差ということは否定いたしませんけれども、一般的にいってしわ寄せをするという意図のもとにこういう結果になったのではない、こういうふうに考えます。 それから最後に、利子補給は手放しでやるということではないか、法律を出さないでそのままでやるのじゃないかという御質問でありますが、この点につきましては、現行法を一部改正する法律案を提出する予定であります。はなはだおくれておりますのは、いろいろ議論があるのでありますが、法律的にどう処置するかという点をできるだけ早く結論を出しまして、今国会に提出をいたしたい、また提出をいたさねば、過般予算委員会で大蔵大臣から答弁がありましたように、十三次以降の利子補給というものはできないわけでございますので、その点は必ず改正法案を提出するということを申し上げておきたい、こう思うのであります。
○久保分科員 ただいま運輸大臣からお話がありました国際競争の問題で、アメリカの例を端的にとられておるようであります。さらにはイギリスその他の国の例をとられております。そこで私は運輸大臣に一つ聞きたい。アメリカはいわゆる国力というか、総合的な戦力を含めた国力としての一環で商船隊の増強を考えておる、これは当然であります。イギリスは日本やその他と基盤が違う。いわゆる古くからの海運国としての基盤がある。日本そのものはどうなのか。この間の大戦で壊滅に瀕した。ところが旧憲法のもとでは戦力の一環として海運力の増強を考えてきたが、今日では戦力の増強としての商船隊の復活はないわけです。また否定されるのです。そうだとすれば、国家財政によるところの、こういう方向によるところのいわゆる助成には、国際的に比較して限界がある。よその国がそうだからこれでも足らないのだという理屈にはならないだろう。そうだとすると、それに対する一応のめどはどこに置いておるのか。どの辺までの助成と、どの辺までの増強が日本の海運の今日ただいまあるべき姿かということをまず考えているか。さらには今後経済の伸びがどの程度なのか。六・六%の成長率なら四十年にはどの程度にあるべきか。こういうことの展望の上に立ってやるべきだと思うのですが、そういう計画はあるのですか、どうですか。
○楢橋国務大臣 久保委員がおっしゃいましたように、アメリカ並びに英国、ドイツも千七、八百億の補助を国家が与えておる。それから利子補給をやっておる。従って海運というものが国際的に競争しておるだけに、今おっしゃいましたような、アメリカが戦力の一環として膨大なる補助を与えておる、あるいは英国もいろんな意味においてやっておりますが、そういうものを相手にやるだけに、日本側としてもやはりそこに日本の海運をある程度まで保護しなければならないという問題も起ってくるのであります。しかし、おのずから、やはりおっしゃいましたような限界等もありますので、今の目安といたしましては大体五ヵ年ぐらいを目安として、日本の海運の合理化及び国際競争に耐え得るような態勢を見きわめたい、こういうように実は思っておるのでありますけれども、相手方のあることでありますから、相手方の状況等によっては、なおこの問題は保護政策を考えなければならぬじゃないか、こう思うのでありますが、日本の海運業者に対しましては、できるだけ経営を合理化し、国際競争に自主的に耐え得るような態勢に持っていくように指導しておるような次第であります。なお、日本の国の経済成長率等とにらみ合わせ、これに及ぼす海運界の経営状態等も勘案して、なるべく国民の負担にかからないようにこの問題を処理していきたいと思うのでありますが、今申し上げましたような、海運の問題は相手方との間における一つの態勢というものがやはり重点になるという点に留意してこの問題を処理したい、こう思うのであります。
○久保分科員 時間がないから先にいきますが、先ほど運輸大臣のお話で、終戦時において壊滅に瀕してそれに対する国家補償が一文もないというように、やはりあなたも業界と同じことをおっしゃいますが、もうその点は言うべきではない。言う時期ではない。業界がそういうことを今日ただいま考えて国家助成を考えているとすれば、これは大きな誤りだと私は思うのです。運輸大臣も改めていただきたいと思うのです。というのは、国家補償によってなかったから云々ということは今日通用しない。それじゃ国家補償を全部与えるか、だれか与える人間があるか、おそらくない。できない相談を何かしら世迷言のように、繰り言のようにいつも言っているほど、今日の日本の海運界というのは、何というか、昔の亡霊に取りつかれておる。それでは立ち上がる気力はありません。だから、いわゆる企業間の調整などおそらくできない。昔の夢よもう一度とやっているのではだめだ、体質改善とはその精神から改善しなければだめだと思うが、どうですか。 時間がありませんから続けて申し上げます。もう一つは、解撤助成の方法を考えたんだができなかったというが、これも一つの方法だと思う。しかしながら、今日ただいま日本の計画造船の中で、定期船は、先ほどの答弁では何か消極的だ。そうだとすれば、船腹増強だけを考えて体質改善はあと回しということになる。命の続く限りはまだ働け、それでは国際競争力が成り立たぬばかりか、日本の全体が不幸です。今度の十六次造船から定期船もやりなさい。それをやらなくて利子補給はやるべきじゃない、はっきり言って。役に立たない古船をたくさん残しておいて、それで新しく船を作る、こんなばかな話はありませんよ。これは私強く要望しておきます。 それから、不定期船のカルテルを去年からおやりになった、けっこうです。ところが、うまくいっていますか。これはあとで一括答弁願います。荷主の介入があって、ある部門では破れているんじゃないか。だから日本の海運はここに問題がある。これをどらやって指導していくか、これが問題の一つです。これの御回答をいただきたい。 それから、ドル箱であるニューヨーク航路、これに対してグループ制をとったという、今日これはどうなっておるのですか。この航路はオープン・コンファレンスですでにどこかの国から問題が出て、何かあなたの考えておるようなことと違った方向にいきはしないか、それに対する対策はどう考えておるか。 それからもう一つ、三国間の輸送であります。三国間の輸送は活発であった、去年も説明したじゃないか、そういうのが集まったら機動性が大きくていいんだ、簡単に言えばこういうことでしょう。ところが航権というのは、そういうような機動性だけでいいのかどうか。景気がよければこっちへ集まれ、悪いときは——大体荷主の采配に従って海運は行ったり来たりする。お前の船、一つ近海へよこせというと、三国間の航権を放擲しても近海に回ってくるというのが現状じゃないですか。今日海運界はその方向でいいんですか。いいのだとすればそれでいいのですが、私はしろうとだからお聞きしているのです。それでいいのですか。 それからもう一つ。この問題に関連して、さっき言った系列化の問題。系列化はだんだん強くなってくるが、弱小船会社は系列化の外にある。外にあるこの弱小はどこかへつながらなければならぬということで、今日あわてふためいている。そうなれば、この弱小船会社は、この一つの企業、一つの系列の中に隷属化するほかない。だから弱小船会社と、いわゆる強固な系列のもとにある船会社の指導はどうするか、これをお尋ねします。 それから先ほどあなたの御説明にもあった輸出船の問題と日本の海運の問題。なるほどあなたのおっしゃる通りの現象が最近出てきている。便宜置籍船の問題が出てきている。ところが、先ほどの運輸大臣の所信表明の中で申し述べられたものの中には、ただいまある造船輸出と国内造船との差のほかに、さらに延べ払いの方式が、今まで七割・七カ年というのが八割・八カ年に、今度は優遇しておると言っておる。昨年でありましたか、フィリピンに高速船の十二はいかを輸出するときにも問題がありましたが、造船輸出と国内海運とをどういうところで調和しようとするのか。造船輸出は増強しなければならぬ。海運も伸ばさなければならぬ。ところが造船一つの中でこういう問題があるなら、この調和点がなければ、片方では利子補給をする、片方ではこういう延べ払いの方式もとっている、これではどこまでいったら切りがつくのかわからぬ。どういう観点から調和をとっていくか、この方策がおありでしょうか。以上。
○朝田政府委員 不定期船のカルテルについてはうまくいっておらぬじゃないか、こういう御質疑でございますが、これは定期船のような国際カルテルといいますか、コンファレンスといいますか、海運同盟のようには、参らないのであります。不定期船というものについては、その本質上、そういったものが日本のトランパーの業者だけでやるものでありますからして、なかなかうまくいかない。また日本船同士の中でそういった協定行為をやりましても、その中に外国船が流れ込んでくれば何にもならないという、なかなかむずかしい問題があります。そこで一体どうすればいいのか、もっと強化する方策いかんという御質問であります。これは私の個人的な意見にもなりますけれども、この強化の方法には非常にむずかしい問題がございますけれども、やはり不定期船業者が五つの品目なら品目でお互いに協調行為をいたしまして、あるいは船腹の需給調整のためにファンドを積み立て、それによって係船をする。そういうような船腹需給調整までいかないと、なかなか実効が上がらないというふうに考えております。 第二点のニューヨークの航路の問題であります。これは御指摘の通り、オープン・コンファレンス、だれでも入れろといえば入れる弱体な同盟であります。そこで三グループに編成したといえども弱体じゃないか、お前の言ったことと意図が反するじゃないか、こういうことであります。その現象は今的確に現われて参っております。マルチエシーニーというアウトサイダーが現われて参っておりますし、それに対して同盟自体が弱いからバーバーという北欧系の船主が脱退するという通告をいたしております。そこで私どもは、オープン・コンファレンスというような海運同盟の本質上、クローズド・コンファレンスと比べて弱い同盟であるから、何もしなくていいというようにはならないと考えるのであります。弱ければ弱いほど、日本の運航業者がそれだけのグループ制なりあるいはプーリング・アレンジメントをやるなりして、日本側だけでコントロールのきくことだけでもやるべきだと私は考えております。 それから三国間の輸送の問題について再び御質問がございましたが、この点につきましては、定期船はおいそれといってやめておるわけのものではございません。不定期船は、荷動きの関係で、荷主の言う通りになるんじゃないかということでありますが、その点はいたし方がない面もあると思います。従って系列的に、日本中心の輸出入物資について輸送に従事しなければならない、そういった面でサービスをいたします関係上、船腹が足りませんと、どうしてもその回航の予定等とにらみ合わせて、極東地域に配船せざるを得ないという面もあります。しかしながら、定期船なんかは一ぺん出したものはやめて、そういった極東地域に従事しているということはございません。従いまして、ある程度の波動というものによって、船腹が極東地域を中心にして出たり入ったりするということは、否定できない事実でございます。 それから系列化に入らない、それ以外の弱小船主が、一体どういうことかといって非常に戸惑っておるというようなお話がございましたが、この点につきましてもう少し具体的なお話を伺わないとわからない点もございますが、系列化が促進されるということが、やはり海運企業の合理化の促進だと思うのであります。従いまして、海運造船合理化審議会でも、合併、統合というような議論も活発に出ましたし、またオペレーターのものがオーナーに対して債務保証をいたしておるようなものにつきましては、財政資金の債権保全の面から見ても、あるいは企業自体の合理化の面から見ても、推進すべきものは推進していかなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。 それから一番最後にお尋ねのありました、輸出造船に対する対策と日本海運に対する助成策との調和を一体どこに求めるのか、こういう御質問でございましたが、これは私からお答えするのはどうかと思いますので、大臣から…。
○楢橋国務大臣 これは非常にむずかしい問題でありまして、輸出船の問題を解決するためには、どうしても金利を安くして輸出船のコストを下げて出さなければならないという問題が一方にありますと同時に、一方には、その作った船が日本の船との間に強力なる競争態勢に出てくる。たとえばフィリピンの作りました船も、やがてニューヨーク航路その他において日本の商船隊の大きな脅威になってくるという問題になってくるのであります。従って、その盲点を利用するというのか、たとえば鉄鋼会社が外国商社と組んで、日本に船を発注させる。日本の四分の安い金利の金でもって船を作らして、それを専用でやって、つまり日本の海運をそれによって圧迫する。言いかえれば、日本の海運より安い運賃で、長期契約をもってやる。こういう問題が出てきておるのであります。この問題は容易ならない問題でありまして、一体四分何厘の安い金利をもってやっておるという一つの政府の趣旨を活用して、日本の業者が日本海運を圧迫、衰微を来たすようなことを外国船と組んでやるということが、はたして法の目的に沿うかどうかという問題等も起こってきまして、これは関係省におきましても今大きな問題として取り上げられておるのであります。従って、逆に言えば、そういうように外国の船は安く作って出す。日本の船会社が船を注文する場合は、九分何厘あるいは六分五厘、こういう高い金利でなければ日本の政府は許さないという段階に追い込んでおるのがはたして妥当であるかどうか。私は船主補償の問題だけにとらわれません。現にアメリカは、船主補償の問題だけでなくて、三分の金利をもって船を作らせている。ドイツは約千三百億くらいの無利子の融資を与え、かつまた昨年から利子補給を始めておる。英国も三分五厘でやっておる。しかるに日本だけが九分何厘ですか、市中銀行は九分四厘何毛ですが、開発銀行は六分五厘。これらの国と競争をするということに持っていくことははたして国策上どうか。言いかえてみれば、そういう場合において、日本の船のコストが高いから、日本の貨物はどんどん外国にとられてしまって、日本の海運は衰微してしまう。四つの島に九千万おって、原料を仕入れて作ったものを出すのですから、やはり海運というものは日本の大動脈である。その大動脈に対して保護政策をとることは妥当であるという信念を私は持っております。しかし、海運業者が甘えて、経営の合理化もやらず、あるいは協調もしないのにそういうことをやるということは許すべきでないから、海運業者に対しては厳重に、経営の合理化をしろ、できるだけ経費を節減しろというので、あれは一昨年出して、私の記憶では約八十億くらい経費の節減をやっておる。最近においても、御承知のように、無線士及び医者というものは、外国は日本よりも少なくていいことになっている。日本は船員法その他によって船医並びに無線の者は外国よりもよけいに乗せなければならぬ。そこで、経営の合理化のために、船主側から外国並みに扱ってくれという陳情がございましたが、これには船員組合が非常に反対というような事態がありました。また今局長が言いましたように、ギリシャその他の船は、ああいう第三国のパナマその他に籍を移しまして、固定資産税及び船員法あるいはILO等の適用も受けないようなごく少数の船員を乗せて、日本に競争をいどんでくるというような状況でありますから、やはり海運に関する限りは、今久保さんのおっしゃるように、厳重に海運業者に自粛させ、合理化させますけれども、一方には、相手側が出ておる態勢に基づいて、これらの海運をどうするかということの国策的な考えをしなければならぬのじゃないか。これは、自由民主党といわず、社会党及び海員労働組合もあげてこの問題に賛成をしてもらって取り組んでおる状態であります。日本の海運政策というものは日本の国運の上に非常に大きな消長をもたらすということで、私はこれを心配して海運政策に取り組んでおるような次第でありまして、こういう点において一つ御協力をお願いしたいと思うのであります。
○久保分科員 大臣から今お話がありましたが、どうもよくわからぬのでございます。私がお尋ねしたのは、海運を弱くしろという話ではありません。海運と造船輸出の関係はどこで調和するのがいいのか、そういう点をお尋ねしたのです。別に海運を弱くする方向に私は積極的であるのではないのです。強くする方に賛成なんです。ただ強くするのには方法があるだろう。いろいろな方法があるが、その中でも今日起きている一つの問題は、輸出造船の方は非常に割安になっているが、国内造船は高い、この調和をどうするかということです。これは政府がやっておる仕事であって、同じ海の仕事である。しかも、国際場裏に出れば、どこの船であろうが、安い船に、高速船であればみな性能がいいところに寄っていく。寄ってくるものは安く作って、国内のは高く作る。これは話が違う。そういう点で同じ政府がやっている仕事にどうも矛盾もはなはだしいものがあるが、これはどこでどういうふうに調和すべきであろうか、こうお尋ねしているのです。
○楢橋国務大臣 よくわかりました。全くありがたい御質問で、私から申しますれば、輸出船と同じ国際金利の線に日本の造船業者を取り扱ってもらいたい、こういうことを考えておるのであります。第一に、今久保さんがおっしゃいましたように、輸出する船は四分何厘の金利でやって、日本の船は九分六厘あるいは六分五厘というようなもので競争するといっておることがすでに矛盾であるから、私が大蔵省その他に強く主張しておるのは、少なくとも国際金利にまで日本の造船についてのコストを切り下げてもらいたい、それで国際競争にたえるような体制に帰一してもらいたいということが運輸省の強い主張であります。今回その案がまだ十分達成されずに、また最近に至りまして、今問題になっております、日本の鉄鋼業者その他がその盲点をついて、四分何厘の、つまり輸銀の金を利用して外国の船主に船を注文させて、その船を自分が独占して使って競争しようというようなことが出てきておるので、この問題は深刻な問題になっておると思うのでありまして、そういう点においてぜひとも国際水準にいくような方法で競争の体制を作らせたい、こういうように思うのであります。
○久保分科員 思うだけでは困るのでありまして、今大臣がおっしゃる通り、現実に日本の鉄鋼会社が安い金で作ってやろうというのはどうかと思うのです。これは早く規制するなら規制する。 もう一つ、戦時補償のことをいつまでもやってはいかぬということは、こういうことなんです。実際をいうと、戦時補償の問題ではなくて、今日ただいま起きておる現象を押えないで、戦時補償をもらってどうなるかというのです。その根本を忘れて、天と地とひっくり返ったような、十五年前に逆戻りしたような話をしたのでは困る。船主協会はそういうような話をしていないと思う。少なくともそういう考えを是正するのが先だと思いますが、時間がないから次に移ります。 さっきの系列化で、局長はわからぬと言うけれども、三井とか三菱とか一つの金融資本がある。その下に製鉄がある。その下に造船もある。その次には船会社がある。そういう大きい系列に入ったものは伸びていく。ところが系列に入らないような小さなものはどこかへつかなければならぬ。どこかへつかなければならぬということになりますれば、これは隷属化です。そうなればこれは没落一途です。そうなった場合に、こうなる運命の弱小船会社はどうするのかということなんです。これは時間がありませんからあとでいいです。 そこで、最後に二つこの海運関係でお尋ねしたい。今度の利子補給復活によって、やはり何といっても外航船については優位に立った。内航船に比べればそれだけプラスになってきたということです。そうなった場合に内航への圧迫はないのか、圧迫は今後予想されないのか、そういう面から、これはすぐにはならぬと思いますが、あるときに来ればそういうことが現われはしないか。内航への圧迫がないか。その場合に内航をどう防護すべきか。それを考えておるかどうか。最近とうとうとして押し寄せてくる自由化の波に対して、日本の海運がどう対策を立てるべきか。これは時間がありませんから私は言いません。あなたの答弁を聞きたい。
○朝田政府委員 利子補給を受けて外航船舶を建造した対象会社が、内航に対して割り込んできて、内航船主を圧迫することがないかということであります。これは法律によって運航の範囲をきめるわけにも参りませんが、今言われるようなことで、大きな外航船が、配船の都合もありましょうけれども、その間隙を縫って一万トンも一万二千トンも内航の大量貨物を運んでいくということは、あまり好ましい状態とは思っておりません。従いまして、これを行政指導でどういうふうに自粛させるかということについては、私どもも考えなければならぬ問題であると思います。どういう具体的な方策をとるかは業界その他の協力を得なければならない問題でございますので、今後留意してやって参りたいと考えております。 それから自由化の問題でございますが、大体海運の線からいきますと、自由化ということが基本であるわけであります。海洋自由の原則で、ことに国際海運活動というものは、自由活動ということを基調にいたしておるわけでありますから、この点については、私は自由化に対しましては原則論的には好ましいことでなければならぬ、こう思います。ただしかし問題は非常に多うございまして、商品貿易の自由化のようなわけにはなかなか参らないのであります。各国が対外的に、ガットの総会以来、貿易の自由化というものがある程度やかましくなって、段階的に進められておるようでございますけれども、商品貿易についてはなかなかそういう問題は活発でございます。しかし、海運については、各国は一体どういう政策をとっておるかといいますると、先ほど来申し上げておりますように、各国それぞれ助成策をとっておるわけであります。従って完全なる自由化というものがない以上、日本の海運政策をどうするのかということをまずきめてかからなければいけないのではないか、こういうように私は考えております。そこで、先ほど鉄鋼側の問題を御説明申し上げましたが、この点につきましても自由化が進められると、鉄鋼の輸出の国際競争力の上からいって、コスト・ダウンをするのはあたりまえではないか、従って日本の海運頼むに足らずということであるならば、海運政策をまず是正してからその欠陥を補強せねばならぬ、私はこういうふうに考えます。
○久保分科員 時間がありませんから、少し疑問がありますが先に行きます。 次は、国鉄の予算について、主として運輸大臣にお尋ねをしたいと思うのです。三十五年度予算案は近来まれに見るふできだと私は思っております。まずこれが結論。なぜふできだかというと、第一には収入面が弱い。旅客収入、貨物収入合わせてこれが弱い。なぜ弱いかというと、——これはまとめてお尋ねしますからまとめて答弁願いたい。なぜ弱いかというと、この輸送量は、先ほど楯委員からお尋ねしたように、経済企画庁の伸びと大体同じになった。過去の計数をはじいて、最近の実績を入れて、最小自乗法によって策定してそうなった。これはそうであるかもしれません。しかし私は、これは違う、断じて違うということを一つ申し上げる。これは水増しである。というのは、この収入面からいけば、運輸収入全体は、対前年六・一%増になっている。そこで内訳は、旅客収入の方は対前年五・二%増、さらに貨物収入においては七・二%増、さらに今度は輸送量に参りますと、旅客輸送人員で四・二%増、貨物で六%増、この運輸収入と輸送量の間には、これは多少の差はあるが、おおよそこれは合っているだろうと思う。この点だけはこれは局部的に正しい。ただしその次の列車計画からいくと、これはどうも納得しない。やはり列車計画があって、輸送量があって、運輸収入がある、こういうのです。ところが運輸収入と輸送量は合っているが、これを運ぶ手段である列車キロは違う。ここに書いてある列車計画からいきますと、旅客列車の列車キロは三・九%増、それから電車キロは四・一%増、おおよそ旅客輸送では合っている。ところが次の貨物輸送の方の貨物列車キロは対前年二・六%です。私はよくわかりませんけれども、輸送量と輸送する手段、輸送力とはおおよそ同じでなくてはならぬ。二・六%増の貨物列車キロでこの六%増の貨物をどうして運ぶのか、これは教えていただきたいと思うのです。どんなふうにして運ぶか、これが第一。これを類推すればさっきの運賃改訂の問題が出てきやしないか。これは先ほどの答弁で運賃改訂をおやりになるという話だが。運賃改訂の中でも特に最近まで問題になっている農林水産物の運賃であります。その前に吾孫子副総裁にお尋ねしたいのは、先ほどの答弁では国鉄の独算制というのはいわゆる片方でもうかって片方で損する、これをプールして大体独算制がまかなえればいいという思想をお述べになったようであります。運賃制度調査会の答申からいけばそれはもちろんのことであるが、しかしその品目別のいわゆる独算制、いわゆる原価主義を貫くのが原則でなくてはならぬ、こうつけ足しがありますが、これはどうですか。 それからもう一つは公共負担の問題がある。公共負担というのはだれが負担するのが正しいのかということ。過去において国鉄が独占事業としての性格が強かった時代は、これは国鉄が負えばいい。また国鉄が公共企業体でなくて、政府の一つの機関として鉄道省が運営する時代はこれでよかった。そこに問題が私は出てきていると思う。そこで今日問題になっている公共割引その他のいわゆる是正というのは、その是正を直ちに荷主、旅客に転嫁することでは私はないと思う。今日公共負担約五百億年間あるのですが、そのどれをとってもこれが国の政策にあらざるものはない。しかも国鉄の運賃を改訂すればそれだけ全体の物価に響いてくる。これは大きい問題。ところがそれは当然——今までいろいろ幹線審議会からも答申があった、あるいは今度の運賃制度調査会からも答申になっているが、これは国が補償すべき筋合いのものだ。学生定期の割引の補償は、いわゆる原価の主体になっているものが今日の運賃だとすれば、原価とその原価を割ったものは、これは政策なのだ。文教政策——当然文教政策としてこれを埋め合わせなければならぬ。これは今日ただいま何もやっておらぬ。そこで聞くが、今日まで国鉄に、国家として、政府として投資してくれた額は幾らあるか、今日ただいま一銭も投資がない。特にことしの予算編成の前には、東海道新幹線で政府出資百億、それから新線建設の利子補給が約三億、こういう要求を出していたけれども、新幹線百億で足りるのか足りないのか私はわかりませんが、少なくとも新線の建設は、ほとんどがこれは不良資産です。毎年心々計画通りこれだけをやっていって、大体九〇%やっていく。これは国鉄や運輸大臣一人ではきめないで、与党の最高首脳部がきめるのだそうでありますが、少なくとも不良資産を残すことはこれはぴったりだ。去年と同じようにことしも九十五億これをつけている。これに対しては何らの手当はない。こういうことでは大体収入面からまずこれはくずれてくる。あたりまえです。この直そうとするのがここへ逃げ込んだ。特に貨物輸送の問題ではなかろうかと思う。これはわれわれは反対です。こういう形でもっていわゆる運賃是正という名のもとに大衆に負担をかけるということは反対です。まずもって利子補給をし、さらに政府出資をして、なおかつある程度大衆に負担させねばならぬと言うならば、これはいいと思うのです。こういう収入の立て方については、これはだめだ。だから先ほど言ったように、楯委員から質問があったように、少なくともこの予算は途中からくずれる。もちろん帳じりはとんとんになります。大体五ヵ年計画は総くずれである。予算そのものがくずれているが、なおかつこれは三年ほどおくれていく。先ほども五ヵ年計画で話がありましたが、少なくとも今までの実績でいって、ことしの予算を入れても、大体ノーマルにいっているのは、いわゆる新線建設の大体九割、九割だからこれは計画以上です。それからもう一つは、今度は取りかえ並びに諸改良、いわゆる改良工事です。これは大体土台が違っている。六千億で五ヵ年計画を立てるときの土台が違っておったと私は思うのです。隧道がこわれる、橋梁がこわれる、少しばかりの雨で線路が流れるということの見方が違ってきたのでありますから、当然一一一%になっても実態はもっと低い。レールにしましても、枕木にしても、全部低い。ほんとうに今再計算すれば、これは五〇%かあるいは六割だと思う。だから数字の上で見れば、なるほど老朽施設の取りかえば一〇〇%以上になったということになりますが、実際は六割あればいい方です。そうなるとここで残るのは何かというと、不良施設だけが計画以上にいっているということです。それで当面する通勤輸送の件は、これなどはことしの予算がその通り実行されても、六割しかならない。あと二年はどうしてもかかるということで、今日ただいま都市交通の問題は、先ほど質問がありましたが、何ら解決のめどがありません。それで運賃制度調査会が何を言ってきたかというと、通勤輸送の施設の増はどこからも金が出ようがないのだから、これは原価に見るべきだ。原価に見るべきだというのはいわゆる通学、通勤定期を値上げしようということです。結局この新幹線、新線建設というようなものに食われてきて、今日ただいま、毎朝毎晩乗らねば生活ができないというところに全部しわ寄せが来ている。 それからもう一つは、これは幹線輸送もそうです。幹線輸送と幹線電化は、四割四分、並びに四割二分、これはことしの計画をそのまま入れてもそうです。こういうのは結局、先ほど楯分科員がおっしゃったように、地域的な経済的な差が出てくる。なるほど東海道沿線はよろしいが、山奥の方はいわゆる幹線と称するのか、東北筋はどうなのか、あるいは北陸筋はどうなのかということになりますれば、そこに文化と経済の差が出てくるのはあたりまえです。今日国鉄に走っている汽車は、旅客列車一つ見ても、いわゆる東海道、東京口と上野口、あるいは新宿口を見れば、どこが一番豊かか。これは汽車の格好を見ればわかる。デラックス版が東京駅、上野駅からは、鈴をつけたところのいわゆる大正時代にできた車が走っている。これでは文化と産業を均霑させるところの公共的な意味は、この五ヵ年計画からは出てこない。ましてや今度の東海道新幹線建設などは、インチキきわまりない。はっきり言って、いろいろあります。なるほど昭和三十八年には東海道が行き詰まる、これも事実でしょう。だとすれば、もっとはっきりした——あと三年しかない。ことし三十五年を入れてあと四年。ところがことしの予算が二百七億、しかもそのうち四十七億は世銀借款、百六十億がいわゆる政府の財政投融資。来年はどうです。目当てがない。その次はまた目当てがない。こういうことで五ヵ年計画でもやってきたが、今日ただいまこうなってきた。これは運輸大臣に聞いてもらいたい。これは閣僚懇談会の了解事項として、新幹線をやる資金計画についても責任を持つはずなのだが、ちっとも五ヵ年計画の資金割りはできていない。国鉄自体にはできているようだが、先ほど言ったようないわゆる運輸省を頂点としたところの政府には何も策がない。来年は来年の風が吹くということであります。それではいわゆる東海道の行き詰まりを新幹線によって救うということはできない、完成するまでにすでに東海道線はあふれ出すということができはしないか、こういう予算の立て方がまず第一に問題であるということです。 それからもう一つは、この五ヵ年計画は、再修正するというが、これは去年より全体として四十億減っておるわけであります。それで先ほど楯分科員も言いましたが、去年の予算委員会で大蔵大臣と運輸大臣は、五ヵ年計画には支障を来たさないで並行して東海道新幹線は完成するのだとはっきり明言している。また去年の暮れ、十二月にも質問を運輸委員会でしましたが、そのときにも五ヵ年計画はおくれを取り戻し、なおかつ新幹線はやるのだ、こう明言した。ところが一カ月余を出ずして五ヵ年計画はこれはくずれた。去年より悪い。それで新幹線の方も政府出資は零、こういうことで、はたして約束通り国民大衆に五ヵ年計画ができるのか。輸送もやっていけるのかどうか。運輸大臣は所信表明の中で、いわゆるすべての産業に先行するものは輸送力であるとお述べになっておられるようだが、これは先行じゃなく後行だ。こういう問題について、これは日の当たらない場所、大体国鉄幹部というものは昔からのしきたりで、言いたいことをあまりえらい人には言えないということで、悪い面だけ押しつけられてきたのがこの結果だ。国鉄幹部はそれでもいいが、これを利用するところの大衆は実際困る。だからことしの予算を総括的にいえば、東海道新幹線は日本鉄道全体の犠牲の上においてこれはやられそうだということです。 意見をたくさん申し上げましたが、先ほど二、三質問をしましたから、その点を一つまず御答弁いただきたい。
○吾孫子説明員 それではただいまお尋ねのございましたまず最初の来年度予算の収入見通しに水増しがあるのではないか、特に貨物の列車キロの伸びに対応して貨物の収入の伸びの方が非常に多過ぎるのではないか、常識的に見ても少しおかしいようだというようなお尋ねだったと思うのであります。この点は、列車キロの計画はなるほどその通りなんでございますが、収入算定の基礎といたしましては、トンキロをもとにして計算いたしておるのであります。三十五年度予算で貨車も六千両ほど増備することになっております。従いまして、結局列車の一つ一つの内容が充実されるということになるわけでありまして、輸送トンキロをもとに収入を計算をしておりますので、その際に運賃の値上げというようなことをその中に見込んで計算はしておりません。なお必要がございますれば、後ほど数字については、さらに担当理事の方からお説明を申し上げたいと思います。 それから第二番目に、いろいろこまかい御質問がありましたが、先ほど国鉄の独算制の問題について、私が、国鉄としてやはり収支の採算をとっていくためには、もうかるという線区でもうけたものを、もうからないところにつぎ込んで、全体の収支のバランスをとっていかなければならないのですということを申し上げましたが、その際に、特に貨物の関係について、貨物の一つ一つの品目についても、品目別の原価主義、品目についての独算制と申しますか、そういうような点についてどう考えているのかというのが第一の御質問であったと思います。この点はこの前運賃制度調査会で答申がございました、それに基づいて今検討しております。その辺一挙に徹底した原価主義に近づけるということはできないであろうけれども、国鉄が陸上輸送機関の独占的な地位にあった当時にきめられた、いわゆる負担力主義に基づく現在の運賃制度というものは、国鉄の性格が独占性を失ってきた今日においては、考え直されなければならないものだ。そこで原価主義に近づけなければいけない、一歩近づけるという意味で、一挙に全部を原価主義に引き直すということは無理であるから、現在の負担力主義に基づいた品目別の運賃構成を見ると、一番低いものと高いものとは三倍くらいの開きになっておるわけです。貨物運賃の修正案の上限下限の数字につきまして、現行の貨物運賃は上が二百で、下が七十五という開きがある。それから下限は八十で上限が百六十、ちょうど倍ということになっております。そうすることによって品目別の原価主義というものに徹底することはできませんが、それに向かって数歩近づける、こういう考え方に立っておるわけでございます。 それからその次の国鉄の運賃部面における公共負担をだれが負担するのが正しいのかというお尋ねでございました。これは非常にむずかしい議論になると思うのでございますが、結局公共負担というものは、国鉄自身の収入でカバーできない限りは、何らかの形でどなたかに負担していただかなければならぬということになるわけでございます。それを一般の国民に一般会計で負担していただくか、あるいは鉄道を御利用になる荷主さんなりあるいはお客様に負担していただくか、いずれかということになると思うのでございまして、この点は同じ公共負担の中身につきましても、内容を分析すれば、利用者に負担していただく方が筋が通るんじゃないかというものもあるいはありはしないかと思いまするし、そうでなく、一般会計で、いわゆる税金を負担する国民全体に背負っていただくのがいいんだという議論と、両方に分かれるところではないかと思うのでございます。この前たしか予算委員会で大蔵大臣がお答えになっておったのを私承っておりましたが、その際に大蔵大臣は、そういう負担は現在の鉄道運賃の建前の上では、鉄道を利用する者に負担していただくのが妥当ではないか、そういうような建前で今の運賃制度はできておるんだ、こういう御趣旨の御答弁があったように記憶をいたしております。 それから新線建設の利子補給につきまして、約三億、三十五年度予算において、利子補給を当初国鉄としてはお願い申しておったのでございますが、これは従来の新線建設資本全部に対する利子補給をお願いしておったのではございませんで、今後の新線建設分に対しては、せめて利子補給をお願いいたしたい。そういたしますと、三十五年度の予算では九十五億でございますが、おおむね九十五億に対する利子補給が、ちょうど二億九千九百万ぐらいになりますので、約三億ということでお願いしておったわけでございまして、国鉄としてはでき得れば今後も引き続いて、今後建設される新線に対する利子は、一般会計において補給していただきたい、こういうことをお願いしておったような事情でございますが、種々の事情から、本年度三十五年度の予算に計上することは無理であるということで実現を見なかったのでございます。しかし、国鉄としましては、今後もこのことはぜひ御理解を得て、何らかの方法で実現していただくようにお願いいたしたいと考えておる次第でございます。 それからその次のお尋ねの中に、今度の運賃制度調査会の答申に基づく運賃改正案というものは、運賃是正の名による実際には値上げ案ではないのか、こういうふうなお考えに立ってのお尋ねがあったように思うのでございますが、今度の調査会の答申は、もっぱら現在の運賃体系の不合理な点を是正するのだ、収入としては不増不減でいく、こういう建前で今まで七十五対二百の開きであったものを八十対百六十につづめる、こういうことだけを基準に案をお立てになっておられますので、実際には、もしこの案の通りになりますと、貨物の収入は、輸送量が同じであれば、一億数千万円ぐらいの収入減になるような案でございまして、この運賃是正案と申しますものは、その内容として値上げを含んではおりませんので、その点は御了解願いたいと思います。 それからあと五ヵ年計画の進捗率の内容についていろいろ御指摘がございました。お手元にございますその進捗率と申しますのは、当初考えておりました五ヵ年計画遂行のための予算に対して、実際に決算した額の割合をただ金額の面でパーセンテージとして書いておるわけでございまして、実質的な内容から申しますと、その数字まではかどっておらないものもございまするし、また見ようによっては、この金額のパーセンテージ以上に進んでおるものもないとは言えないと思います。ただ、いずれにいたしましても、当初五ヵ年計画を立案しました当時、国鉄の施設等が著しく荒廃、老朽しておるものがあまたございましたので、まずそういうような取りかえ、改良は優先してやらなければならないということで当初の三年間に力を入れて参りましたので、その予算額に対する決算額の割合を見ますと、三十五年度の予算まで合わせますと、一一三%というような数字になるわけでございます。他の諸項目に比べますと、これは事柄の性質上、国鉄としても力を入れましたわけで、これは比較的よく進んでおる。それからやはり五ヵ年計画の一環でございますところの新線の建設は、これも比較的他の諸項目に比べますと、順調に進んで参りまして、予算に対する決算という面から見ますと、一〇〇%に近い額に三十五年度予算ではなる見込みであるわけでございます。そういうようなわけでございますが、他の通勤輸送でございますとか、幹線輸送でございますとか、あるいは幹線の電化でございますとか、そういうような事柄に対しては、だいぶ当初の予定よりおくれておることは事実でございます。実は前国会におきましても、私どもとしては、この五ヵ年計画のおくれを少しでも取り返しますために、三十五年度の予算において、その取り返しのための改良費を見込んでいただきたいということを考えておりましたので、そのことを御説明を申し上げておったのでございますけれども、諸般の事情から、今回の予算案のような額になった次第でございます。今日に至りましては、今までの三年間のおくれをあとの二年の間に取り返すというようなことは、遺憾ながらもう申し上げ得ない状況になっております。全体としてやはり一年、事柄によっては二年くらいおくれるものも、今の状態ではやむを得ないかと思っておりますが、しかし幸いにして、取りかえ、改良というような面は、御指摘もございました通り、割合はかどっておりますので、三十五年度の予算におきましては、取りかえ、改良の方は、今までよりも百億ばかり押えまして、幹線輸送の増強でございますとか、あるいは幹線の電化あるいは電車化とかディーゼル化とか、そういうような方面に力を入れまして、そういう面でのおくれを少しでも少なくするように努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、新幹線計画についてもお尋ねがございましたが、これはもうすでによく御承知の通り、このままで参りますれば、東海道線の輸送力の行き詰まりということは、もう目の前に見えております。これはもし東海道線が行き詰まるというようなことになりました場合には、国鉄全線の輸送が行き詰まることになるのみならず、国鉄としましては、国鉄の他の地方における赤字の大部分を東海道線の収入でまかなっておると言ってもよろしい程度の主要な、いわば収入源でありますので、国鉄の経営を安定させるためには、経営立て直しのためには、これはどうしても輸送力の行き詰まりを打開するということとあわせて、国鉄の収入改善のために、どうしてもやり遂げなければならないというふうに考えまして、三十五年度予算に二百七億を計上していただいたような次第でございます。なお、できるだけ、期間も限られておることでございますので、この新幹線の工事というものは、国鉄にとって起死回生の方策であるにとどまらず、一方では三十九年のオリンピックというようなこともありまするし、国鉄の面目にかけても、一日も早く実現いたしたいと考えました結果、二百七億の予算のほかに、債務負担行為のワクを五百四十億ほど認めていただきました——いや、まだこれから認めていただくわけでありますが、お願いいたしまして、ぜひすみやかに所期の目的を完成するようにいたしたい、そのように考えておる次第でございます。 申し落としたことがあったかもしれませんが、大体そのような考え方でございます。
○久保分科員 運輸大臣、ただいま副総裁からそれぞれお話がありましたが、先ほど申し上げたように、これはもう十分運輸大臣も御存じの通りでありますが、三十五年度の予算案は、政府からは一文も出資も利子補給もないということなんであります。あまりにも海運の方に重点が向き過ぎている。国鉄の方には少し力が及ばなかったのではなかろうか、こう思うのであります。海運も大事でありますが、陸運の方の国鉄も大事であります。今後これは一つお骨折りをいただかなければならぬと思うのであります。少なくとも運輸大臣が、利子補給の三億も出さない、新幹線はにしきの御旗でやろうとするのに、百億の出資はびた一文もこれは出資ができないということでは、それはまずいし、ましてやそのしわ寄せが、五ヵ年計画の最終線まできて、すでにおくれている、さらにもう一年おくれるということでは、どうもうまくない。もっとも運輸行政では、白タクの問題とか個人営業の問題等いろいろございまして、重点がそっちに行ったのかもしれませんが、もう少しこちらの方にもやるべきじゃなかったか、こう思うし、それから先ほどの運賃是正の問題でありますが、これは今後われわれもしさいに検討いたしますけれども、運輸大臣にお願いしておきたいのは、公益負担というのは少なくともある限界までは国家補償でいくべきだ、こう私は思うのです。ところが、今まで何回か期限を切りながら延ばしてきた農林水産物の運賃の特割の問題にしましても、せっかく大臣御努力いただいたのだが、また三月三十一日にこれは切れるわけです。先ほど副総裁の言うところの運賃是正の問題に直ちに引っかかってくるわけです。これはあなたの政治力を発揮して、大衆に負担がかからないような方法でぜひ解決してほしい。これは時間がありませんから、こういうことを要望しておきます。 そこで、最後にお尋ねしたいのは、世銀からの借款の問題であります。先般兼松常務理事が渡米されて交渉をされているようであります。世銀との交渉の経過はどの程度になっておるのか。どの程度まで交渉が進んでいるのか、これが一つ。それからもう一つは、今回も法案が提案されておりますが、この新幹線の経営の方針について何か世銀からの意見が出ているのかどうかということと、今度は常務理事を一名国鉄本社で増して、これは新幹線の総括ということらしいのでありますが、そうだとするならば、この新幹線の経営は全く国鉄から切り離してやるのか、それともただ単に別勘定を設けてやるのかということ、そういう点をまずお尋ねしたいのです。
○楢橋国務大臣 今の世銀の問題で、先般兼松理事があちらに参りまして交渉しました経過等について御答弁申し上げたいと思うのでありますが、世銀が何らか東海道新幹線について条件をつけておるのではないかというお話でございますけれども、あすこは特別の会計といいますか、そういう制度は、これはやはりあすこにおける利益を全部赤字の方に持っていってもらっては、世銀の担保その他保証等の問題の不安等もありますから、あすこはやはり特別の会計でやるというような話し合いは今進められつつありますけれども、特別の経理監督とかその他ひもつき的なことはこちらも承認しないし、そういう話し合いは起こっておらないと思うのであります。詳細なことは兼松理事から答弁させたいと思います。
○兼松説明員 世銀との関係では、まだ現在の段階では、昨年の秋に佐藤大蔵大臣から、日本政府として一億ドルを東海道の新幹線に融資してくれるようにというお申し入れがございまして、そのあと世銀側から、この問題は実は世銀としては非常に普通の場合と違う形だ、ということは、日本の新聞等によれば、夢の超特急を作るような話が出ておるが、そういうものについては、世銀としては対象でない。ほんとうにどんなのだということを調べたいということで、私どもといたしまして、そういうものではなくて、東海道の輸送を解決するということが日本の国鉄のみならず日本の国民経済上の大事なことなんで、また企画自体も非常に堅実な安定したものであるということを十分説明しました結果、世銀としては、世界数十ヵ国の金を運用するので、実験的なものにはできないけれども、当局がそこまで真剣にまた具体的な計画ができておるならば、十分調査して政府の申し入れした内容に立ち入って相談しようという段階でございます。そのための実際の内容の調査団がことしの五月に参る予定に一応なっております。詳しい金利とかあるいは期間とかいうようなものは、その調査が終わりました上でのいろいろな条件になると思います。なお世銀側は新幹線というものを別とは考えておりません。世銀としては、国鉄であろうがほかの重工業会社であろうが、金を貸すときはそれ自体がもうかるとかもうからぬとかいうのはあまり意味がないので、事業全体として成り立つかどうかということを見るのだということで、それを含めた国鉄全体の計画が健全なのかどうかということに関心を持っております。また新幹線につきましては、彼らの調査する内容は、その企画が技術的にあぶなげのない間違いないものであるかどうかということを彼らが見ることと、われわれが見ております輸送増、誘発というものが経済的に見て、客観的に彼らが納得するかどうかというような点が調査の対象だと思います。なお、大臣から先ほど、こちらの整理上別勘定にするという点のお話がございましたが、これは世銀との話ではございませんで、国鉄、大蔵省の間ではっきりいろいろ金利その他の整理がございますし、将来国民の大きな金を動かす意味において帳簿を別にしておこうということで別勘定にしているわけでございまして、世銀との関係で別勘定にしているわけではございません。また将来の運輸の方針といたしましては、新幹線はその性質上軌道も異なっておりますし、軌間も異なっておりますので、主として東京—大阪間におけるお客さんの輸送を行ない、またあわせて東京—大阪間の主要な地点における貨物輸送のうちで、新幹線に適するものだけを行なうわけでございます。従いまして車扱いのような各側線に入るような車というものは主として現在線が使われるわけであります。また通勤輸送も現在線で大いによくしていこうということでございまして、新幹線は東京—大阪を含む長距離旅客輸送に重点を置き、現在線の一部の長距離輸送は別といたしまして、特に現在よりも貨物輸送力を増強し、また区間の各地方の便宜を増進していくというような運営方針になっておりまして、その点については世銀の方も十分了承しておりますので、問題になるような点はございません。そのようなわけで、新幹線と現在線とはあくまで一体として運営していくということが御承認を得た方針になっておりまして、すべての計画はその線でやっております。 なお世銀が私どもに申しました条件といたしましては、政府保証が得られるかどうか、これはすでに一般会計の予算でお願いをいたしております。 なおまた国鉄の借入金に対して道路公団や愛知用水公団にあるような同じ扱いが国としてなされるかどうかという質問がございましたが、これも政府の方から法律案の改正として近く御提案になるように聞いておりますが、それ以外には計画の具体的な技術的並びに経済的な妥当性を調査するという以外には立ち入っておりませんし、またそれまでの技術的な点については、紙の上では相当詳しく聞いておりまして、今後そういう点が相当調査の対象になるだろうと思います。
○久保分科員 最後に要望しておきますが、世銀の問題は大へんな問題であります。愛知用水公団のような形の契約ではなかなか問題が出ると思うのです。これが一つ。それからひもつきにはという運輸大臣のお話ですが、ひもつきにもいろいろございまして、見えないひももあるし、見えるひももあります。特にもうかる線で主要な、しかも動脈でありまして、地方のローカル線と違いますから、そういう点からもやはり世銀の借款ということは考えるべきだと思います。ただ人がいいから、金を貸そうというから借りたらいいじゃないかということであってはならぬし、忘れてならぬことは、この幹線協議会から出た答申の中で、この千七百二十五億円ぐらいの金は国内調達可能であろうということが言われているのに、国内資金の調達にはあまり御奔走いただかないで、世銀にたよるのはわれわれはどうも納得がいかない面がある。これから何年かかるかわかりませんが、少なくともそういうことも考えてやってもらわなければ困ると思います。 それから兼松さんのおっしゃった現在線と一体というのは、現在線と一体で別勘定にするということに了解してよろしいのですか。
○兼松説明員 収支は全然一体でございまして、何ら別にすることを考えておりません。別勘定というのは、特別建設のための勘定を他の勘定と離しておくことであり、将来それだけが国会その他で、新幹線に対して千七百二十五億をかけ、さらに建設利子をかけたが、それ自体としてはどうだというような御質問があった場合に、私どもとしてお答えできるだけの筋を用意するという意味でございまして、運営としては国鉄一体でございます。
○岡本主査 加藤精三君。
○加藤(精)分科員 時間が大へんおそくなりましたので、運輸行政の理念というような関係でございますから、そういう面に非常に御造詣の深い官房長だけに御質問して、まとめて官房長から御答弁いただければと思っております。 運輸行政が国の産業を増進し、国民所得全体を非常に上に上げていく、この作用が単なる企業設備としての運輸機関よりも大きいのではないか、こう思っております。そういう意味では、日本は世界の工場という重要な立場にだんだんなって、それが日本の繁栄のためになるというような関係から、港湾のことが問題になると思うのでありますが、この港湾をだんだん施設をしていきますような場合に、しろうとから考えますと、河川の入口の港湾は、どんどん砂を運ばれて、その周囲が砂で埋まる、そういう港や地盤沈下のはなはだしい港にかける金があったら、これは年々歳々かけたら大へんでございますから、それよりも、国全体の工場立地というような点から、全然新しい地域に港湾を作り、世界の工場である日本にふさわしい、そして教育のある非常に豊富な人口を稼動し得るような立場にある、そういうものを考えられたらどうかというように考えるのでありますが、そういう点についての御見解をお聞かせいただきたいのでございます。 それから、港湾につきましては、いろいろな議論があるのでありましょうが、ことに地方の、中央から離れたようなところでも、重要港湾の指定というようなことが問題になっておりまして、まあ重要港湾の指定をお願いしたところが、他の港湾との関係で、これはちょっと待っておれというようなお話があると、間もなく今度は今のA、B以外の港湾の指定が問題になってくるというようなことで、いろいろそうした地方全体として港湾を営み出し、そして重要なる工業の使命を果たそうというような気持と、港湾の指定基準というようなものがそぐわないことがあります場合におきましては、同じ道路を作りましても、非常に地元の盛り上がる熱を持った場合の道路は非常にりっぱな道路になる例が、実際地方行政を見ると多いのでありますが、そういうような場合ですね、この指定基準の問題なんかは、どういうふうに考えておられるかという問題でございます。 第二番目には、国鉄というものは、富める地域をますますいんしん地帯にし、後進の地帯をますます後進地帯にする、住民所得の差、繁栄の差をますます大きくしていく、そういう一種の作用があるのじゃないかと思うのであります。たとえば僻陬地の、日本の中央から離れたごくへんぴな地帯——北海道といわなくても、相当離れたところで、しかも裏日本というような場合ですね、客車は破れほうだいであり、そうして時刻は非常にまばらであり、たまたまディーゼルを配置されますと、もう人道的に許しがたいようなすし詰めである。そういう地帯には、だれもこれは好んで交通もしないから、ますますさびれてくる。しかも東海道の三等とそういう地帯の三等とでは、もう客車の質の程度、管理の程度が非常に違う。そういう恵まれない地帯の者がたまたま東海道線に乗りますと、これくらいのいい汽車ならば三倍の運賃を出してもちょうどつり合うのじゃないかというような感じを与えることがありますが、国鉄の公共性と営業性の問題につきまして、どういうふうに考えておられるか。 また、国鉄利用債を十分利用し得るところは非常にりっぱな駅ができて、繁栄する。そうでなく、住民所得が少なくて、そうして個人も地方公共団体も会社も貧乏なところは、そういう利用債の制度を利用できない。そうしますと、ますます地域的な住民所得の差がつく。もとよりわれわれは、国家全体として、栄えるものをどんどん栄えさせることについては、これはまあ国民所得倍増論におきましても、繁栄するものはますます栄えさせて、そうしておくれたところを思い切って引き上げるというような考え方でおります。それから国全体としての国民所得が増さなければ、社会政策も何もできないのですから、分配のことだけ言うような気持はないのでございますが、ことに国鉄におきましては、監理局の誘致運動なんか非常に盛んでありますけれども、何といっても監理局なんかがあるところは、まあ労働組合のためだか何だか知らないけれども、実にもう運転回数が多くて、快適な汽車になっている。非常に離れた僻陬の地になりますと、どうも非常に虐待されている例が多い。そういうことは非常に悲しいことだと思います。夜十時ごろに夜間の高等学校の生徒が汽車に乗って帰る。それは非常に寒い晩等、窓が破れておる。そうして眠いのを押し切って、そうして今度は長いトンネルに入るのに窓を閉めなければならぬというような、実にかわいそうな現状が実際はあるのです。それから無人駅というのはどういうものかわかりませんけれども、そうした場合に、雪ですべってけがをするような可能性が非常に多い。無人駅を作ってもらったところが、めちゃくちゃに旅客が多い。意想外な利用であるような場合に、雪ですべって転覆の危険も非常に多いということは、それほどまで切り詰めなければならない国鉄でありますならば、何かこれは工夫が必要じゃないかという気持がするのです。 はなはだばく然たる質問でございますけれども、日本の運輸行政の根本に関係ある問題として、官房長の理念をお聞きしまして私の質問を終わります。
○細田政府委員 お答え申し上げますが、まず質問につきましては、私がお答えする方が当たっておるかどうか、問題もあろうかと存じますけれども、せっかくのお尋ねでございますので、私から一応お答え申し上げまして、なお足りないところにつきましてはそれぞれまた局長から……。
○加藤(精)分科員 私はこまかいことは要らぬのです。
○細田政府委員 最初に港湾の問題でございますが、これは、あとの鉄道につきましても同じような問題があると思います。私ども輸送を担当いたしております者から考えますと、これは、先ほどどなたかの御質問にもございましたが、輸送の先行性と追随性に非常に大きな関連を持っておると思うのでございます。と申しますことは、人口がすでに相当稠密であり、工場があり、あるいは産物があるというところへ道をつける、あるいは港を作る、これがまあ追随性と称しておるものであります。しかしこのほかに、新しく計画的に輸送の道を作り、あるいは港湾を作りまして、そこへ積極的に工場も集め、また人口もおのずからふえてくる、こういう輸送といたしましては二つの性格を持っておると思うのでございます。そこで先ほどお話がございましたたとえば地盤沈下をするようなところには港湾はいかがか、金を幾らかけてもむだではないかというふうに、あるいはそれほど極端でないかもしれませんが、そういった御意見のように拝聴いたしたのでございます。これはたとえば地盤沈下で非常に問題になっております新潟について考えてみますと、なるほど地盤沈下対策としましては、港湾に大きな金をかけております。また河川の予算としても大きな金がかかっておるのでございますが、しかし現在新潟の持っております——新潟を例に出しては悪うございますが、新潟の持っております経済的な重要度、あるいは人もたくさん集まっておるというような点から考えますと、どうしてもある程度の防御措置というものは講ぜざるを得ない。これが初めてそういうところへ作るとか、あるいはそれほどの重要性がないというようなところへ作ります場合には、これはよほど考えていかなければならぬじゃないかと思いますが、こういった既設のところにつきましては、ある程度追随して参るということを考えなければいかぬ。なお地盤沈下だけでなくて、河川の口に砂がどんどん流れてくる、こういうようなものにつきましては、単にそれに対応してあとから追っかけて港に金をかけるということでなくて、そのもとを作る地盤沈下の原因が何であるか、また河川が砂を運ぶのは自然現象でございますが、これを何らか人工的な方法を講じて、防ぐ方法があるかどうかということを根本的な問題としては考えなければならぬのではないか、かように考えるわけであります。しかし、だからと申しまして、新しい地域を開拓するということにつきましては、これはまた私どもの方でも、通産省あるいは建設省等と御一緒に新しい臨海地帯の開発ということも考えておりまして、予算の要求も実はいたし、法案の用意もいたしたのでございますが、今国会には遺憾ながら御提案をすることができなかったのでございます。これは新しい地域にそれこそ計画的に港を作り、工場地帯を作るというような考え方でございまして、あわせてこれを行なっていかなければならなぬと思うのでございます。先ほどど来総合的な交通政策というお話が出ましたが、これは海陸また港湾こういうものを合わせまして、日本の四つの島にどういった形で工場を配置し、どういった港を設けるかということで統一的な見解がわが省としてはなくてはならぬし、政府としてなくてはならぬと考えるわけでございまして、実はいろいろせっかく努力いたしておるのでございます。問題が非常に大きいものでございますから、少なくとも包括的なものでなくとも、そういった新しいものを作り上げていくという見地から、われわれとしましても計画はいたしているわけでございます。 少し飛びますが、国有鉄道の問題もややちょっとこれまた似た問題がございます。私も郷里は僻陬地の方でございまして、非常に同感な点も多いのでございますが、鶏が先か卵が先かというわけでございまして、へんぴなところはあまりいい汽車を作らぬというようなことでございますと、また人も動かない。人が動かないからあまりもうからぬから、またあまりいい汽車を入れられない、こういっておりますと、いつまでたってもよくならないわけでございます。こういう点から、もちろん全体としての資金の配分の問題はございますけれども、こういったおくれたところについて、先ほどの港と似たようなことでございますが、開発的ないい列車を動かす、旅客を誘発し、貨物を誘発し、港を呼ぶためのものを積極的にやっていくというようなことを考えていかなければならぬと思っておるのでございます。いわゆる後進性のある地域につきまして、戦前なかったような優秀な列車が非常に疑問を持たれながらできて、鉄道の専門家からいいますと、こういうりっぱな列車を作っても人は乗らぬと言われながら、多少危ぶみながら、列車ができ上がってみると、非常に利用がいい。その結果収入もある程度上がってくるというような事例も幾多見るのでございます。こういう点はよほど国有鉄道として資金の配分について考えていかなければならぬのじゃないか、かように考えるのでございます。そういう点があればこそ公共性ということが言われるわけでございます。公共企業体という名もそういうことをやるところに意味があると考えておるのでございます。幸いにいたしまして、五ヵ年計画の遂行は、先ほど来おくれておるというお話がございますが、ディーゼル化というものは、この支線区に対して非常に大きな明るい見通しを持っておるのでございます。ディーゼルのために非常によくなった線区というものはかなり多いかと思っておりますが、なおそのほかに客車の鋼体化、——これは日本が世界で初めてで、木製車を全廃して鋼体化する。これも地方のいわゆる支線区にとりまして非常に大きな国有鉄道の努力の跡が現われて参っておる、かように考えておるのでございます。 利用債の問題のお話がございましたが、私はもちろん現在でも、利用債さえ持てば何でもやるということでやっておるのではございません。やりたいところが非常にたくさんある。あるんだが、予算がどうしてもついていかないために、いわばやむを得ざる手段として利用債という制度があるわけでございます。ただ地元が出せば何でもかんでもやるのだということではなく、審査をしてやられておるのでございます。現実にはやりたいところは非常に多い、いろいろ金をかけたいところが多いために、利用債をお願いして、そのやりたいものの順序が、利用債を持たれるところが先になる、こういうことでございます。これは、私は何といいましても、国有鉄道の行き方といたしましては、利用債はいわゆる本道とは考えておりません。あるいは御意見の違う方もあるとは思いますけれども、やむを得ず、少しでも国有鉄道の立ちおくれを取り戻すためにやっておる手段でございますので、行き過ぎがあってはいけないのではないかというふうに考えておる次第でございます。 なお監理局の問題につきまして御意見がございました。私どもは監理局のあるなしによって非常に大きな差別がつくというふうには実は考えておらないのでございます。しかし、各方面の御意見も非常に多いのでございまして、監理局があるから貨車の回りがいいとか、あるいは旅客列車がひんぱんだということは私どもはないと思っておるのでございますけれども、しかし実際には、ほかの理由であっても、そういう御意見が出る場合もかなり多いと思います。ただいわゆる陳情といったようなこと、あるいはいろいろな折衝をされる場合に御不自由があるという点があることは率直に認めざるを得ないわけでございまして、そういった点につきましては、いろいろ国有鉄道の方でも考えておられるようでございますから、あるいはお話があろうかと思っております。 なお無人駅の問題につきましては、先ほど来合理化との関連でいろいろ具体的な問題としてお話が出ておりますが、国鉄の合理化というものが住民の皆さん方にどれだけしんぼう願えるだろうか、あるいはしんぼう願えないだろうかという問題でございまして、できるだけ国有鉄道の経費を切り詰めますために、無人駅と申しますか、駅員の配置のない駅を初めから作る場合もございます。また途中から無人駅にお願いして合理化をいたしておるところもございます。ただ、これは先ほどの一般論で、すでに副総裁からお答えになっておると思うのでございますが、納得のいく線でおきめを願うという以外にはなかろうと私は思うのでございます。 なお重要港湾の指定の基準の問題でございますが、この点につきましては私がお答え申し上げて間違いがあるといけませんので、港湾局長からお答えをお願いしたいと思います。
○加藤(精)分科員 官房長からでいいですよ。大体の理念だけ……。
○細田政府委員 港湾局長が申し上げることが妥当だと考えるのでございますが、重要港湾あるいは特定重要港湾の指定という問題は、一地方から見ましても重大問題であるばかりでなくて、一応日本の港湾政策の基準になるものでございますので、この指定は、私どもとしましては非常に重要な問題だと考えておるのでございます。日本の港湾にどれだけの金をかけたらいいか、またどういう配分をしたらいいかという場合に、これは最も重要な一つの基準になるわけでございますから、これをおろそかにいたしましたり、あるいは純粋に技術的あるいは経済的に見た形のものからゆがめては絶対にならない、一番もとになるところだと考えているのであります。重要港湾の指定につきましては、ただいろいろな点を考慮しなければならぬことは、もうすでに御承知の通りでございます。ただ形式的に尺度、ものさしがあって、これさえはめればとたんに合格になる、不合格になるという性格ではないと思うのでございますが、私どもとしましては、港湾審議会の御意見等もあります、あらゆる点を総合的に勘案した、そこに一つの基準ははっきり持っているということを申し上げて差しつかえないかと思いますし、また、そうしたことは当然のことと考えている次第でございます。非常に抽象的で申しわけございませんが……。
○岡本主査 他に質疑の通告がありませんので、これにて運輸省所管に対する質疑は終了いたしました。 明日は午前十時より開会し、郵政省所管の審査を行なうことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時一分散会