法務委員会 第25号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/05/12
会議録
○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事大野幸一君の委員辞任に伴い、現在理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。これは先例によりまして委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは田中幾三郎君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○瀬戸山委員長 次に、法務行政及び検察行政に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。志賀義雄君。
○志賀(義)委員 三井三池の争議に関して、これまで法務行政上、特に人権擁護上重要な問題がいろいろ出ておるのであります。ほとんど枚挙にいとまないくらいの事件が起こっておるのであります。事の発端は、会社が生産阻害者として組合活動家を千数百名首を切るということから出たのであります。私どもの調べによると、もともとこれは三井鉱山株式会社が大手の石炭業者の中でも最も経営が拙劣であり、無能である。これは石炭業界でも有名なことなのであります。ことにあの会社では戦前からの伝統がありまして、三池鉱業所の所長を勤めた者が三井財閥の主要な人事の、一番目の当たるところに置かれるというところから、会社の内部で非常に派閥争いが多い。こういうところから会社の経営が極端に無能、紊乱になったことが原因でありまして、それを労働者側に生産阻害者という名前をつけて無体な首切りをやってくる、こういうところから原因が起っておるのであります。また、いわゆる石炭産業が斜陽産業であるというようなことを申しますけれども、これはヨーロッパの最良の炭鉱地帯に比べても、三池の炭層の状態はむしろその最も優秀な部門と比べることができるくらいでありまして、これは外国からきた観察者のひとしく言うところであります。そういう会社の無体な首切りから端を発しておるにもかかわらず、これに対して警察側が不当な干渉をした事実が続々と出ております。きょうは柏村警察庁長官が来られないので、その点はあと回しにいたします。 そこで、いろいろと警官による暴行が行なわれておるのでありますが、それについてはすでに告訴状が出ております。威力業務妨害、強盗未遂罪による告訴事件であります。告訴人は東京都文京区小日向水道町五月荘内、香山鹿一郎君であります。被告訴人は、昭和三十五年五月三日午後一時三十分ごろ、大牟田市内延命公園方面に出動した警察官のうち、伊藤分隊長の指揮下にあった後記記載の三名ないし四名ということであります。この告訴人は、東京の出版業者光文社に勤務する記者でありまして、雑誌「女性自身」その他会社の発行する雑誌、書籍等の取材の業務に従事しておるものであります。この告訴人は光文社の社命によって昨年の暮れから大牟田市に滞在し、時おり帰京して同社との連絡をとりつつ取材に当たっていたものでありますが、カメラを携帯して、当日たまたま石原国家公安委員長一行が来たときに、右の警官たちは急に公園入口に立っていた労働組合員二、三名に飛びかかり、さらに入口右側の土手にかけ上がって、土手上にいた組合員を引きずりおろし、警官隊の中に取り込もうとしたので、公園内の組合員も外に出て、警官隊に対する抗議を始めたのであります。このときに、告訴人は取材のためこの模様を写真におさめるべく、公園入口右側の門柱の上に上って、カメラで組合員と警察官の入りまじった状況を二枚写したところ、突然うしろからシャツを引っぱられて、地上に引きずりおろされた。告訴人はすぐうしろを向いたところ、引きずりおろしたのは警官であることが判明した。この警察官は告訴人に対し「何で写真をとったのか」と言うので、告訴人も憤然として「あなた方もいつも写真とってるじゃないか」と言うと、さらに二、三名の警察官が寄ってきて、口口に、「カメラをよこせ」、「フィルムを渡せ」と要求した。告訴人は「いやだ」と答えると、これらの警察官はカメラを奪取しようと企て、告訴人の胸ぐらをとり、カメラを引っぱって、暴行を加え始めたので、告訴人は、あわてて、道路の反対側に後退した。この状況を見てとった組合員が、警官隊と告訴人との間に割り入ってスクラムを組んだので、警官も告訴人からのカメラ奪取をあきらめて、その企てをあきらめた。こういうことがあったのでありますが、報道取材の自由に対して警察官がこういうことをするのはどういうわけでありますか。こういうふうに告訴状が出てくるからには、あなた方のすでに報告があったと思います。日本テレビに対する妨害という重大な問題はこの次にいたしますが、まずこれからお伺いいたします。
○江口政府委員 ただいまお読み上げになりましたような事実があったという報告はございません。私の方にもそういう抗議があった事情については連絡がございますけれども、ただいまお読みになったような内容とは違います。しかしながら、これは私の方から申し上げること、及び本人がこういうふうに告訴をされたこと等を両方勘案されまして、告訴の出ていることでありますから、事実について順次明らかになる、こう考えます。
○志賀(義)委員 検察官も出、法廷においてやられることは、これは裁判であります。ここは法務委員会であります。行政審査の場所であります。裁判をやっておるからその方にまかせておって、それで明らかになるから警察は知りません、こういうわけにはいかない。今までの法務委員会のいろいろの審査の模様でも、もうすでにあなたもおわかりになっていると思う。そんなつまらない答弁を繰り返さないで、あなた方に入った報告はどういうことなのか、ここは行政審査の場所ですよ。きょうは特に法務委員会でそのことをやることになっておるのです。その点についてもう少しはっきり言って下さい。
○江口政府委員 そういう御質問でございますれば、私の方に入っております事実を申し上げます。 事案の起こりましたのは、五月三日の午後一時三十分から三十三分までの間、これはただいまお読みになったのと大体合致するかと思います。場所はやはり延命公園入口、体育館広場入口付近、関係者はこちらの方は福岡警備第一大隊第二中隊第一隊、相手方は、これはわれわれの方では名前ははっきりしておりませんけれども、みずから称するところによれば、光文社のカメラマン云々でございました。状況を申し上げますと、第一大隊の第二中隊が午後一時半ごろ大牟田署の警備の任務を終えまして、その宿舎であります市の体育館付近の入口に差しかかりました際、同所付近におりました第一組合員七十名ないし百名くらいが罵声を浴びせましたけれども、先発の第二小隊はそれを聞き流して通過をいたしました。しかし後続の第一小隊が同所に立ちかかりまするや、ポリ公帰れ、あるいは税金泥棒、犬というような調子ではやし立てられまして、あるいは中には小石を投げるというような者もありましたので、一部の警察官が第一組合員に対して挑発をするな、投石をするなという警告をしましたところ、組合員はこれに反発をいたしまして、部隊に突きかかって参りましたので、部隊は一時そこに停止しまして、その妨害に対処しておったのであります。しかるに小隊長の——これは第一小隊長でありましょうが、小隊長の警告によりまして、組合員が間もなく妨害をやめましたので、部隊は体育館に引き揚げたのであります。この間警察官は一見学生風の男が体育館の門柱に上がって写真をとっておるのを見まして、もしこの紛争に巻き込まれると危険であるという判断のもとに、おりろという注意をしましたところ、同人は間もなく門柱から飛びおりて、部隊の後方に回り、両手にカメラをさげて立っておったのであります。この状況を見ました別の警察官が、同人にあぶないからほかの場所に行くよう注意をし、さらに同人の手を握って待避をするよう促しておったところ、自分たちの部隊はすでにそこからその警察官を残して引き揚げを開始いたしておりましたので、同警察官のうしろ、でまた組合員の喚声が上がるという状況であり、さらに組合員が同警察官を追ってくるような状況もございましたので、そこで握っておった男の手を放して本隊に復帰した、こういう状況であります。このとき、同警察官がうしろを振り返ったとき、その男は組合側から手招きをされまして、そっちの方に去っていったというところまでをこちらの方では承知をいたしておるのでありまして、それ以上のことはやっておらぬわけであります。もっともこの光文社のカメラマンという人は、一見したところ学生風でございまして、こちらの方が配付しておる腕章等ももちろんはめていなかったのであります。 大体以上のような報告が参っております。
○志賀(義)委員 そうすると、学生風の格好をしておったら、カメラを渡せフィルムを渡せ、こういうことになるのですか。
○江口政府委員 私が申し上げるのは、いわゆる報道班員に対しましては、紛争が起こらないように、前もって警備本部の方から腕章等を渡して、識別をしておる。それをつけていないということであれば、学生風でありましても百姓風でありましても同じでありましょうが、とにかく第三者がこの紛争の中に巻き込まれちゃあぶないと感じたことと、これは報道のための撮影をしておるというふうに認められなかったという二つのことを申し上げておるわけであります。
○志賀(義)委員 本人が、あなたは自称すると言われたけれども、光文社の社員であるという身分を明らかにしていっておる。紛争に巻き込まれたら困るからということと、カメラでとることやフィルムなどで写すことが、紛争に巻き込まれることになりますか。あなたの言われることはてんでつじつまが合わないじゃありませんか。
○江口政府委員 カメラを渡せと言ったり、取り上げたりした事実はございません。とにかく一般の人がその紛争の中にあって写真をとっておる、これはあぶない、こういう判断のもとに注意をしたのであって、その写真をよこせと言うた事実もございませんし、またそれを取り上げた事実はなおさらございません。
○志賀(義)委員 初めに読み上げました通り、威力業務妨害、強盗未遂罪による告訴事件の話をごまかしちゃいけません。カメラをよこせ、フィルムを渡せ、こう言ったので、こういう告訴事件が起こったわけであります。どうしてそういうフィルムを渡せ、カメラを渡せ、こういうことを警官が言ったのか。あなた方の報告の方には、警官隊の都合の悪いことは言わないでしょう。言われた当人の方から、こういう告訴状が出ているのですから、この告訴状の事実の通りだとすれば、これは警察官として正しい行為をやったことかどうか、それを伺います。
○江口政府委員 そういう仮定……
○志賀(義)委員 仮定ではないのですよ。ここに告訴状が出ているんだ。
○江口政府委員 だから私は一番初めに申し上げたように、あなたのおっしゃることが正しくて、私の方が正しくないということならば、それは告訴状も出ていることだし、そのいきさつは裁判ではっきりするだろう、こういうことを一番初めに申し上げたのはそのことでございます。それは私が私の方に参っている事柄で申し上げていることでございますから、それが事実でありますならば、もちろん裁判が正しい決定をするであろう、こう申し上げる以外はないと思います。
○志賀(義)委員 昨年のことですが、警視庁の前で学生が示威運動をやっておったときに、警視庁の機動部隊の人が報道陣に対して暴行を加えたことがありますね。このことはあなたも御存じでしょう。それに対してどういう処置をしたかも御存じでしょう。そういうことがこれまで再々起こっているのですし、こういう告訴状も現に出ているのです。それをあなたはまるきりそういうことがなかったような、一方的な行動をやられても、警察のすることは切り捨てごめんだということになるのです。 あなたが逃げられるならば、次に日本テレビの問題を出しましょう。告発状が出ております。告発人は日本炭鉱労働組合三池炭鉱労働組合の代表者の組合長宮川睦男君であり、被告発人は長崎派遣独立大隊第一中隊長、冨田警部、同じく長崎派遣独立大隊第一中隊員全員であります。昭和三十五年五月二日午後九時ごろ、被告発人ら三十名は、富田中隊長の指揮により第二組合員十名くらいを隊列の中に入れて四山社宅の第二組合員の社宅へ順次送り届ける勤務に従事していたのであるが、その社宅——荒尾市大島社宅に入るとき、右中川組合員らが社宅より三十メートルくらい離れた地点を歩行中、富田中隊長の指揮により、この第一中隊が三井鉱山労働組合主婦会員十五、六名及び労働組合員四、五名計二十名に対して、何らの警告をも発することなく、口々に逮捕しろと叫びながら襲いかかり、警棒で突き飛ばし、押し倒した。同所において即時に組合員らは警官隊の暴行を抗議したのであります。ところがさらに大牟田市四山住宅六十棟、三井鉱山労働組合員梅沢君、日高君に対し被告訴人である富田警部は逮捕しろとどなって逮捕連行し、さらにその逮捕した理由と逮捕者の氏名を明らかにするように要望した組合員二百名くらいに対して、この要望にこたえる必要はないと言い、組合代表木村四山支部長らに対して組合員を説得する猶予を与えないで、逮捕する、実力行使に入る、こういう宣言と同時に直ちに中隊を指揮して酒井熊本県会議員らをも押し倒し、数人で護送車の下に引きずり込んで、なぐる、けるの暴行を加え、全治二週間の傷害を与えた。これは傷害を与えたから事実それに対する診断書もあります。こういう事件があります。この逮捕の際に、被告訴人らが暴行を働いて、現場で撮影しようとした日本テレビ広島駐在員山本登君に対して、この第一中隊の数名は同人を取りかこみ、警棒でつつき、けり、かつうしろから強く羽がい締めにするなどの暴行を加え、同人に対し全治五日間を要する右腕つけ根内出血の傷害を負わせ、同人の取材活動を妨害しております。このことについてはどうですか。
○江口政府委員 そのことにつきましても、私の方に参っておる報告をそのまま御説明申し上げます。 事案の概要は、ただいまお読みになったように、五月二日の午後九時十五分から十七分の間のできごとであります。場所は荒尾市四山大島社宅中川某方の前でございます。関係者は大牟田警備本部派遣長崎の独立大隊第一中隊の者でございます。報道関係者はただいまお話しのように——西日本テレビとなっております。森部というカメラマンと山本というカメラマンの御両名でございます。まず事前の状況から申し上げますと、長崎県から派遣されておりまする独立大隊は、その日第二人工島から出て参りまして、自分のうちに帰ろうとする所労員を保護して帰宅せしめたのでございますが、五月二日の午後六時五十分から午後十一時の間にわたりまして、四山社宅福岡地区六名、熊本地区七名、計十三名を社宅に送り込んだのであります。そのうちの中川何がしという者が自分のうちに帰りましたところ、中川が帰ってきたぞというような声が中川某方の前に起こりまして、それと同時に四囲が騒然となって帰ったので、中川何がしという者が取りかこまれまして何かやられておるのではないかというような懸念がございましたので、中川方の方に部隊が再び引っ返していったのであります。その際、中川方のところには約二十名くらいの第一組合員がおりまして、それぞれ罵声をあげておるというような状況でございました。それが事前の状況であります。以上の状況から、同中隊は、中川方の屋内で何事か事案が発生しておるのじゃなかろうかというふうに判断しまして、約四十名の者が警棒を横にかまえまして同家の前のピケを押しのけまして中に入ろうといたしましたところ、組合員は警察官の胸ぐらをとったり、あるいはけるというような暴行に出ましたので、この間旧労員二名を現行犯による逮捕をいたしたのであります。このときに被疑者と並んでカメラマンがいたのでありますが、当時は警察官はその方がカメラマンであるというふうには認識をいたしておりません。というのは、同カメラマンも組合員と同じようなジャンパーを着ておりましたし、現場が混乱したときでもございましたので、そのときは組合員だというふうに考えておったのであります。そういう事情のもとに警察官が被疑者を逮捕しようとしていたときに、同カメラマンが被疑者のすぐ近くまで参りましたので、これは警察官に対する攻撃だというふうに誤認をいたしまして、警察官のうちの一名が同人の左腕をとり、他の一名が右腕をとって組合員のピケの中からそれを取り出そう、こういう行為に出たのであります。そのときに同カメラマンは、おれは写真班だというふうに叫びましたので、警察官はつかんでおりました両腕を放した、こういう事実がございます。この両警察官が腕を放しましたところ、森部カメラマンは、おれはカメラマンだぞということで非常に立腹した声でそのときに腕章を示しましたので、確認いたしましたところ、カメラマンに間違いないということがわかりましたので、この旨を両警察官は分隊長に報告をいたしました。同分隊はカメラマンに事情を説明、またこういう事情で腕をとって済まなかったという意味のことを話しましたけれども、相手は立腹するばかりで、その座で納得はできなかったようであります。しかしまだ現場は混乱をいたしておりましたし、第一組合員もそういう事故がございましたので続々と集まってくるというような状況でありましたから、逮捕しておりまする被疑者二名を奪還されるというようなおそれもあったし、とりあえずそこにおりました他の新聞記者の方に、今こういうことがあったが、一つよろしくというような意味の事情を話しまして、その警備部隊は同所を引き揚げたというのが、ただいまお述べになりましたことに対する私の方で調べておりまする事実であります。
○志賀(義)委員 全治五日間を要する、こういうことも言っておりますが、あなたの報告では、これは医師の診断書もあることでありますが、腕をただつかんだだけだと言われるのですか。よっぽど大男でちょっとさわったくらいで全治五日間というようなことになったのでしょうか、どうでしょうか。
○江口政府委員 全治五日間というのは、その腕をつかまれた森部カメラマンではなしに、山本カメラマンが全治五日の内出血ということを言っておられるそうでありまするが、これは警察では確認をいたしていない、こういうことであります。
○志賀(義)委員 そうすると、私はテレビの山本登駐在員のこと、このことを伺っているのです。全然別のことをあなたは答えておられたわけです。この山本登君に対する警察官の暴行については報告はないのですか。告発状には「日本テレビ広島駐在員山本登に対し、被告発人ら数名は共謀の上同人を取囲み、警棒でつつき蹴り猶且つ後ろから強くはがいじめにする等の暴行を加え、同人に対して全治五日間を要する右腕付け根内出血の傷害を負わせ、同人の取材、活動を妨害したものである。」こういうふうになっております。これに対する御答弁を願います。
○江口政府委員 ただいま腕をとり云云というのは、この告発状にございまする山本氏じゃなしに、森部カメラマンのことでありまするが、山本カメラマンに対してどういうふうなことをやったかということは、新聞記事にはございまするけれども、こちらの調べは参っておりません。
○志賀(義)委員 ここに告発状の写しを私は持っておるのですがね。告発の趣旨は、最初組合員に対し、また酒井熊本県会議員に対して全治二週間の傷害を与えたことも含めてこれが第一項。第二の告発の趣旨は、ただいま申し上げた日本テレビ広島駐在員山本登君に対するものでありますが、こういう告発状までが出るようなことに対して、現地の警察からは何ら報告が出ていないのですか。
○江口政府委員 昨日福岡から告発状が出たということと、告発状の内容というものは参っておりまするけれども、その事実については調査中ということであって、その内容は参っておりません。
○志賀(義)委員 告発状が出るまでもなく、山本君もこれほどの傷害を受けたのでありますが、このことについては現地では直ちに警察に対しても抗議してあるのであります。弁護士を通じて抗議をしております。そういうことを全然現地の警察からは何にも報告もしなかったのですか。昨日告発状が出たということを知って、このことに対してあなた方はどういう処置をとられましたか。
○江口政府委員 告訴状が出される前に抗議も受けておりますから、こういう抗議があったというようなことや、こういう新聞記事が出たというようなこと、あるいはただいま申し上げたように、告発状が出たというようなことについては逐一報告がございますが、なおそれが実態に合っておるかどうかということについては、当方としても調査中、こういう報告でありますから、これが事実であったとかなかったとかいうような結論的なものはまだ参っておらぬということだけであります。ただ、その中で警察官が警棒を振り上げたということがあるようでありまするが、そういうことは絶対にないということだけは参っております。
○志賀(義)委員 そうすると、警棒を振り上げたことはないという報告は来ておるのですか。
○江口政府委員 さようでございます。
○志賀(義)委員 どうもおかしいな。さっきあなたは、この山木登君に対しては、まだ何にも来ておりません、昨日告発状が出たということは聞きましたと言っておる。今また今度は警棒を振り上げたことはないということだけは報告を受けたと言われる。どっちがほんとうなんですか。まだ来てないのじゃないですか。また調査を命じたのでもないでしょう。
○江口政府委員 いろいろおっしゃいますけれども、ともかく私の方にもいろいろ報告は来ております。来ておりますが、ただいま私が説明しましたように、森部カメラマンに対する行動については、腕を両方からとった、そうしてカメラマンだと言われて、これを放した。それから非常に立腹しておるので、これに対しては遺憾の意を表してそこを引き揚げたという事実までは来ております。しかし、山本カメラマンに対して暴行をやったということは調査中であって、今言ったような詳しいことはわからない。ただ両方合わして警察官が警棒を振り上げたとか、あるいは羽がい締めをしたとか、あるいは女を突き飛ばしたというようなことを記事なりあるいは告訴状なりにいろいろ書かれておるのだけれども、そういう事実はないということは来ておりますが、それ以外のその傷がどうであるとか、あるいは警察官がどういう接触をしたかというような、先ほど森部氏について申し上げたような具体的な事案については、報告がきていない、なお調査する、こういうことになっておることを私は聞いております。
○志賀(義)委員 おかしいな。山本君についてはまだ報告が来ていないと言われる。調査中だと向かうから言ってきたという。しかし警棒を使ったことはないとさっき言われた。今の答弁ではけったこともなければ、うしろから強く羽がい締めをしたこともないという報告は来ておる。その他の報告は来てないと言う。しかしこの山本君に対して警棒は使わない、け飛ばしたこともない、羽がい締めをしたこともないという報告は、そうすると来ているのですね。何らの報告がないと言うが、こういう報告だけは来るのですか。そうすると、この山本カメラマンというのはうそをついているのですか。
○江口政府委員 山本カメラマンについてどうこうしたということはさらに調査しているけれども、その山本カメラマンに限らず、だれに対してでも警棒を振り上げてなぐるとか、あるいはうしろから羽がい締めをするとか、あるいは女を突き飛ばしたというようなことは、全体を通じてないということであって、山本カメラマンとはどういう接触であったかということは来ていない、こういうことを言っているのです。
○志賀(義)委員 一般に警棒を使ったこともない、け飛ばしたこともない、それからうしろから羽がい締めをしたこともない、こういうふうに言われると、酒井熊本県会議員が二週間の傷を受けたというのは、これはどういう状況で起こったのでしょうか。一人でころんで全治二週間の傷でも起こしたのですか。
○江口政府委員 警棒を使ったことはないと私は申し上げたことはありません。振り上げたことはない。警棒を横にかまえてピケを排除していったということは、私は前にもいきさつのところで申し上げた通りでありまして、これは使用したといえば使用したことであります。要するに振り上げてなぐるというような使い方をしたことはないということで、これは誤解のないように申し上げます。 それから酒井という県会議員の方が二週間の傷ですか、されたということについては、そういうことを言っておられるという報告はありまするが、これがどういう原因でできたか、あるいは二週間の傷であるかということについて、確認している連絡はございません。
○志賀(義)委員 あなたの言われる趣旨はだいぶわかりました。警棒使用規程に触れないようなことをやったということが言いたいのでしょう。これは昨年でしたか、一昨年でしたか、ここにおられる柏村警察庁長官が、和歌山市における警棒の使用のことで問い詰められていったときに、首から上、肩から上は振り上げたことはないのだ、しかし向こうが暴行しかかったのでそれを受けとめるために頭の上に上げた、それがおりたときに当たったのだろうというようなきわめて珍妙な答弁をされたことがありますが、しかし肩から上げないにもせよ、振りかぶってやらないにもせよ、警棒を使用するというようなことで、さらになぐる、けるの暴行でこういうことが起った、ここには明らかになぐる、けるの暴行によって、酒井、熊本県会議員が警察の車のところに引きずり込まれて、暴行を受けて二週間の傷を受けているのです。この告発状の写しにはっきり出ているのでありますが、私の伺うのは警棒を上げたか上げなかったかという問題でなくて、この酒井県会議員のこういう全治二週間の傷、あるいは日本テレビの山本君の全治五日間の傷、こういうものはどういうふうにして起こったとお考えになるのかその点を伺いたいですね。自分でころんだか何かしたのでしょうか。
○江口政府委員 どういうふうにして起こったかということについて調査中でございまして、確言できません。従って自分でころんだということも思いませんし、しかしそうでなければ、警察官がたたいた、あるいはけったというふうにも確言できない。とにかくそのどちらであるかということを今調べているのであります。
○志賀(義)委員 ところがあなたは警棒を肩から上げてぶんなぐったこともない、それからけりつけたこともない、強く羽がい締めしたこともない、これは特定の場合ではなくて、一般にそういうことを今度の三池の争議では全然やっていないという報告があったということを言われましたね。これだけは事実でしょう、あなたが言われたから。そうすると私の伺いたいのは、この酒井熊本県会議員と日本テレビの山本君はどうしてこういう負傷が起こったのか、警察官の暴行によって起こったのではないとあなたは明言なさるつもりで、警棒の使用、ける、なぐる、羽がい締め、こういうことは全然しなかったと言われるのかどうですか。
○江口政府委員 私が先ほど来待えておりますのは、五月二日ないしは五月三日の事態における両カメラマンに関する接触した場面においての一般的なことを言うているのであって、おそらく私はその以外の場合でも同様であろうと思いますけれども、その以外の場所において、あるいはその以外の日時において警棒を振り上げたことがあるかないとか、あるいは羽がい締め云々というようなことを申し上げているのではありません。一般的にと申し上げましたけれども、その場における一般的な事柄だと御了承願いたいと思います。
○志賀(義)委員 問題がしぼられてきましたが、西日本テレビの方と日本テレビの方と、この二人に対しては警棒で突っつき、けり、強く羽がい締めにした、こういうようなことは絶対にないと言われるんですね。そうすると今のような山本君の負傷はどうして起こったのですか。全然警察官によってやられなければ、何か本人がひっくり返ったか、それとも労働組合員がなぐったか、あるいは暴力団のようなものが来てやったか、警察官でないとすれば——あなたは警察官はそういうことをしないと、この二人に対して言われるのだが、はっきりそう言われますか。どうもあなたの言われるのは、警察官ではないということを主張すると同時に、また調査するということを言われる。そうすると調査するということを言われるからには、警察官以外がやったらしいから、その方を調査すると言われるのか、現地の警察から報告は来ているが、もう一度警察官がやったかどうかということを調べられるのか、どちらなんですか。
○江口政府委員 私が申し上げていることは、何らの含みもございません。とにかく言うてきた通りを申し上げているのであって、それに警棒を振り上げてなぐったことはない、羽がい締めしたことはない、その場所で女を突き飛ばしたことはないという事実だけでございまして、その余のことを申し上げているのではありません。従いましてただいまのようなけががどういう形でできてきたかということは、さらに調査する必要があるということを言うておるのでありまして、私が申し上げた、こういうことをやってないということ以外の行為によってけがするということもこれはあり得ないことではないから、それはだれがけがさせたか、あるいは自分でけがをしたか、あるいは自分とか相手とかいうことではなしに、両方のもみ合いの中に入ってけがしたというような、いろいろの場合もあろうと思いますから、警察官は絶対にその方の原因は作っていないということを言うておるのではございません。だから調査の結果、これはどうなりますか。とにかくあらゆる場合に警察官は絶対間違いがなし、けがをしたら自分のせいか、あるいは相手の組合のせいかというようなことを言おうという考えはございません。それはさらに調査をしなければならない、こういう意味であります。
○志賀(義)委員 だいぶ苦しそうですが、もう少しはっきりと、いやしくも報道員に対してこういうことが起こったら、前にもあったことだし、涜職の罪というような特別の規定もあるのです。重大な事件です。全国の警察のことに責任を持たれる局長、長官が、こういう問題に対して、法務委員会において行政審査をやるときに、そういう言いのがればかりしては困ります。ただいまお聞きの通りですが、長官、どうなさるつもりですか。
○柏村政府委員 局長が申し上げたのは、現地からの報告をありのままに申し上げ、さらにただいまのカメラマンらの行為というものが、こういう行為があったが、その行為の内容について、ここここは違うというような報告のあったことを申し上げたのでございますけれども、やはり報道関係者に対して慎重な態度をとらなければいかぬということは申すまでもないことでございます。従いまして十分にさらに調査を遂げてみたい、こう思います。
○志賀(義)委員 長官がおいでになる前に、東京の光文社のカメラマンのカメラとフィルムを渡せと言って、その方は威力業務妨害並びに強盗未遂の告訴状も出ております。この件と両方あわせて至急調べて、当法務委員会に御報告願いたいと思います。 人権擁護局から課長がおいでになっておられますね。局長はゼミナールでおいでになられないそうでありますが、課長の方から局長の方に至急、この三池の問題について、こういう事件が頻発しておりますからお調べ願いたい。その点をちょっと御答弁願います。
○金井説明員 人権擁護局といたしましては、先般現地の福岡法務局に対して、人権の侵害事件についてはできる範囲から調査をするようにという指示をしてございます。
○志賀(義)委員 できる範囲からというと、労働組合の方からというようなことにどうもしぼられがちなんですね。だから、そういうことのないように、今特に要望しておきますから、この二つについて、あなたもお聞きの通り、江口局長の答弁が、法務委員会としてはどうも工合が悪いのですよ。だからこの件もさっそくお調べ願いたい。お調べになりますか。可能なところからというのでなくて、今の御答弁でははっきりしませんし、肝心のことがあと回しになるおそれがありますから、このことをやって下さるかどうか、その点をはっきり御答弁願いたいのです。
○金井説明員 私も現地に参りまして、五日ほど滞在をいたしまして、福岡の法務局それから熊本の地方法務局、いずれも人件擁護関係の職員と全部打ち合わせをいたしました。できる範囲と先ほど申し上げましたのは、人件擁護関係の職員をどのくらい動員できるか、それからいろいろ予算の面もございますので、そういう点と、現在刑事事件でいろいろ取り調べを受けておりますものについてはちょっとできかねる点もございます。そこで、そういう点をいろいろ検討いたしまして、調査をできる範囲から調査するように、こういう指示をしてあるのでございます。従って、今先生のおっしゃったような件についても、調査することになると考えております。これは私から一々具体的に指示をしたわけではございません。以上でございます。
○志賀(義)委員 予算の少ないことも人員の少ないことも私どもよく知っております。局長に対してももう少ししっかり予算を要求しなさいということはかねて言っておるのですよ。法務大臣にもそれは常に言い続けております。この日本テレビの山本駐在員に対しては、特に私の方から要望し、熊本県会議員の場合とこの点を特にお調べ願いたいのですよ。予算が少なければ、あれもこれも総花的にやれば何もできませんから、特に人権擁護局と法務委員会は関係が深いのですから、人権擁護上の問題としてここで取り上げられることが多いのだから、あなたが特に指示をしないというようなことを言わずに、私の方から要望しますから、ただいま問題になったことを先んじて局長と相談しておやりになるかどうか、そのことを御答弁願いたい、こう言っておるわけであります。いかがですか。
○金井説明員 三池の争議に関連いたしまして、人権侵害として取り上げられておる数は非常に多いわけでございます。今先生のおっしゃった事件も、報道の自由に対する侵害あるいは人身自由に対する重大な侵害と考えますけれども、繰り返して申し上げるように、調査の人員、能力、いろいろございますので、これはできる範囲で早くやれという指示をしてございます。今おっしゃったようなことも、これは私の方の鈴木人権擁護局長と相談をいたしまして、現地の方に指示をすることになると考えております。
○志賀(義)委員 いろいろ事件が多いからということで言葉を濁されずに、衆議院法務委員会としては、三池の争議については、人権擁護局に対してこういうことをという要望はこれが初めてでございますから、ほかの方の要求ばかりいれずに、法務委員会の要求も一つくらいいれていいでしょう。どうです。予算が少なければ、ほかの方は少し端折ってもやられてはどうですか。
○金井説明員 御指摘のように、これは人権擁護局といたしましても非常に関心を持っております。従って今おっしゃるようにほかの予算を削ってもというふうに考えております。場合によっては、東京から現地まで応援に出るということも事実考えております。
○志賀(義)委員 あなたでは、局長にかわって責任あることを言われないかもしれません。今のことでは答弁にならないじゃありませんか。局長の方にもかけ合いますが、そういうことではいけませんよ。だから人権擁護局がなめられるのだ。そこで警察庁長官に伺いますが、三池の争議のことについて最初に私申しましたことは、生産阻害者がいるからああいうことが起こったのじゃないのです。三井鉱山の経営者は、石炭業界では定評のあることです、非常に無能で、派閥争いをやる、それから経営面の改革でも思いつきみたいなことをやって、内容はきわめて前近代的な封建的な労使関係をやっているところから、こういう問題が起こったのです。それでこういう重大な事態になったということを最初に申し上げたんですが、警察官は、今三池にどれくらい、熊本県と福岡県の両方の鉱山地帯にどれくらい入っておりますか。
○柏村政府委員 現在大牟田、荒尾地区に動員されておりまする者は、元来おる春を合わせて約五千であります。
○志賀(義)委員 これは福岡県から何名、ほかの九州から何名、あるいは中国、近畿地方から何名ということは、おわかりでございましょうか、応援隊は。新聞ではいろいろ伝えられております。
○柏村政府委員 一々の報告がございまして、そのつど若干の相違はございますけれども、主として福岡が一番多いわけです。それから熊本県も、自分の県のことでございますから、これも相当の動員をしております。その他九州の各県、長崎、佐賀、鹿児島、宮崎、大分、こういう県からは、大体百五十名から二百五十名程度のものを派遣している。これは福岡県並びに熊本県の応援要請に基づいて応援をいたしております。中国、近畿等からは応援はいたしておりません。
○志賀(義)委員 それは宿舎はどういうふうになっておりますか。その五千名の警察官は、どこに泊まっておりますか。
○柏村政府委員 それだけの大ぜいの数でございますので、宿舎はいろいろな施設を使っております。
○志賀(義)委員 会社側の建物ですね、こういうものから便宜を供与されておりませんか。
○柏村政府委員 会社の施設も借用いたしております。
○志賀(義)委員 この借用というのは、借用の費用を払うのですか、それとも会社が好意的にただで出しているのかどうか。その点……。
○柏村政府委員 借用したための経費は支払っております。
○志賀(義)委員 その三井鉱山株式会社に対する支払いは、毎月、五千名でどれくらいでしょう。
○柏村政府委員 ちょっと資料が今ございませんが、私の今の記憶では、大体現在まで、福岡地区において十数万払っております。それから熊本地区において六、七万ではなかったかと思います。
○志賀(義)委員 五千名のうち、何人ぐらいその会社の建築物に入っておりますか。
○江口政府委員 先ほど長官からお答えいたしました五千名というのは、一番最高時でございまして、現在におきましては四千名、そのうち自署員というものがございますから、他から参ったのを大体三千四、五百名、こういうふうに押えることができると思います。そのうちの大部分というか、大半の者が警察の道場あるいは市の体育館というような外部の施設を借りておりますので、私も現実に見て参りましたが、どこに何人というのがちょっと私の書類にございませんけれども、やはり千名から千五百名ぐらいの者が、会社の施設を借用したものに入っております。
○志賀(義)委員 不動産侵奪罪というものが、きょうあたり参議院で採決というようなことになるときですよ。それで、家賃の問題なんかは、これは借用の場合は、正当な価格を官庁といえども払うものだが、千五百名も入って、これまであの長い争議で、合わせて二十万円というのはべらぼうに安いですな。どうもそこでは、会社側から警察側に特別の便宜を供与し、特別の便宜を供与されると、警察というものはやはりその方にひいきをしますな。だから、第一組合員に対して、逮捕連行する場合には手錠をはめる。そのほかの場合にはそういうことをしない。久保君を殺した連中はそこに居合わせた者の中に必ずいたのですが、それもその晩に即時釈放して、あとからまたやり直しをやる。これではまるで、だれが男になるか早いところ相談してこいということを、警察側が暗に示唆するということにひとしいのであります。そういう結果も生まれてくるのです。この際、そういう不明朗な、会社の建物を借りる、非常に安い価格で借りるということはおやめになったらどうですか。警察がよけいな疑惑を受けます。その点どうでしょう。
○柏村政府委員 会社の施設を借りておることによって、警察の活動の中立性ということが侵されるということは私は考えておりません。現に、現在まで警察の行なっておりますことは、不法行為の未然防止または事後摘発ということに重点を置いておるわけでございまして、警察はあくまでも不偏不党の活動をすべきものであり、そうしておると考えております。ただし、ただいまお話しのように、あるいは誤解をする人もないとは言えません。従いまして、なるべくそういうことのないようにした方がよいということは、私も気持として持っております。ただ、ただいまも申し上げたように、相当数のもので、なかなかほかに適当な場所がないということでありますと、やむを得ず会社の施設を借用しておるということも、時期的にはいたし方ない問題である場合もあるわけでございますので、なるべくそういうことがない方が好ましいということは申し上げられますが、直ちにこれを引き払うということを現地にわれわれとして指示するというようなことは、いたす気持はございません。現地でよくわれわれの気持もくんで善処してもらいたい、こう考えております。
○志賀(義)委員 まあ会社に払うのが、福岡県側の方で十二、三万円、それから熊本県側で五、六万ですか、六、七万ですか、それぐらいということは、きょう初めてその計数が当法務委員会で出たわけであります。これが出ますと、世間一般、千五百名の警官が連日泊まっている、どう考えたってこれはおかしい、これは名目だけのことで、会社側が警察に便宜を供与する、そうすると、どうしても警察側はまた会社側に種々の便宜を供与しなければならない、これは、中には疑う人もあるかもしれないとあなたは言われたけれども、世間の常識というものは必ずそういうふうに思いますよ。だから、これは即刻おやめになった方がいいんじゃないですか。それに、福岡県の他の地帯では、三池に警察官を動員するために、犯罪常習者によって善良な市民が迷惑をこうむっているような事件が多いのです。現に、何か事故が起こったときに、交番に行ってみると、警官がいないというようなことが、福岡市内でもあるのですよ。市民の方からの私の方への報告にあります。こういう事態まで起こっているのですよ。それでなくとも、警察側が第一労働組合側に対して過酷の扱いをしておるときに、その現場を写そうとする日本テレビや西日本テレビの社員あるいは光文社の社員が、取材を妨害される。時にはカメラまでも奪われそうになる。フィルムまでも取られそうになるという事態が起こるのです。何も会社に対して、こんな無能な、紊乱した会社の肩を持って、警察が得をすることはありませんよ。むしろこの際警察が引き揚げた方が、争議という憲法上にも認められた権利に基づく行為によって、早く解決します。合理的な解決をします。どうです、痛くない腹を探られないうちに、早々お引き揚げになってはどうですか。会社側から安い家賃でと疑われるよりも、どうですかその点……。
○柏村政府委員 警察といたしましても、何も好きこのんで多数の者を現地に動員をいたしておるわけではございません。現実にあの地帯の治安が乱れ、不法行為が行なわれておるという事態に対処するために、やむを得ず応援を求めて動員をいたしておるわけでございまして、できるだけ早い機会に平常な状態に戻り、そうしてむしろ平常の勤務状態になるということが、警察自体としても私は望ましいことだと思うのであります。しかし警察は損得ずくでとかく仕事をしておるわけじゃなくて、やはり法の厳正な執行、法秩序の維持ということが警察の責務でありますので、やむを得ず相当の人間をあそこに出しておるわけでございます。決して警察があそこにおるために、また会社の施設を借りているということによって公正を欠くような警察活動はいたしておりません。その点は御安心を願いたいと思います。
○志賀(義)委員 公正な活動がないからこそこの法務委員会でも、昨日の社会労働委員会でも、またこれまでもたびたび衆参両院でもって委員会で問題が起こっておるし、本会議でも緊急質問が行なわれるようなことになるわけであります。あなたは公正々々と言われるけれども、事態がどうして起こったかといえば、会社側のやり方によって、暴力団も入ってくるし、組合も分裂させられるし、そして第一組合と第二組合が争っているのがおもな三井の争議の困難な、あのいろいろな、血で血を洗うようなことになる現状だというふうにお考えになりませんか。それは原因と結果とを取り違えておることであります。先ほどの江口局長のお話を聞きましても、どうも西日本テレビの社員にしてみても、警察官側の行為に対して了解しなかったという。それは誤認をしたという。そんなところに長い間いると、警官もやはり人間ですから、ついいろいろとからだの条件とか、精神状態のなにからして、よけいに興奮して物議をかもすようなことになりますよ。いまに警官隊の方から拳銃を発射するとか、あるいは重傷を負わせるとか、こういう事態が起こってきたときになったら、あなた、困るじゃありませんか。それに官長御存じですか、あそこは蚊が名物のところですよ。もうそろそろブンブン出ておりますが、これから先になって、夜も寝られないわ、昼は勤務に引き出されるわ、ろくなことは起こりませんよ。そうすると、かやが要るやら、何か施設が要るということになると、また警察費が増額をする。あなたは警察は損得ずくでないと言うけれども、そういうのもやはり国民が税金を払わされるのです。困ります。そういうことも考えて、私は警察が、会社側と縁を切って、宿舎を初め引き揚げられた方がいいと思います。会社は警察のつっかい棒があるからそれでふんばっているのですよ。無理を押し通そうとしている。警察が引き揚げてごらんなさい、会社側はあの紊乱した経営ではやっていけない。あの会社の中での派閥争い、非近代的な経営、こういうものを全部改めなければならなくなりますよ。そうなればあの争議も解決するのです。問題の根本はそこにあります。警察が早々にあそこからよけいな人員を引き揚げられる、これが重要であります。その点はどうお考えですか。
○柏村政府委員 三井三池の争議の原因がどうであるかということを一々私ここで私の気持を申し上げる必要はないと思います。しかし、要因としては、非常に深刻なものが私はあると思います。さればこそこういうふうに大きな事件としてなかなか解決を見ないのだろうと思うのでありますが、警察といたしましては、争議の原因がどうであるということによって活動をどうしようということを考えておるわけでございません。経営がどうであるとか、あるいは争議の成り行きがどうであるとかいうようなことは、警察としてはこういう問題にまで介入していくべき筋のものではなくて、警察はやはり治安の維持、不法の是正ということに重点を置いておるわけでございます。ただいま警察について非常に御好意な御意見を承って、私どももおっしゃるようにできるだけ早くあの事態が平静に戻り、警察としても平常の勤務態勢につける日を願っておるわけでございます。そのためには、警察としてもただいまお話しのような点、確かに心理的な無理や何かもあると思います。できるだけ冷静に慎重に事に処していかなければなりませんが、また世の指導的な立場の方々も、単に激発するようなと申しますか、争いのための争いというような指導ではないのでありましょうけれども、とかくそう見られるような事態もまるっきりないわけではございません。できるだけお互に法の秩序の範囲内において正当な争議、闘争というものをするということに相なりますれば、警察としても、お話しのように動員数もぐっと減らし得るのではないかというふうに考えるわけでございます。
○志賀(義)委員 先ほどの江口局長の、私の告発状並びに告訴状に基づく質問は何ら明確な御答弁がなかったわけであります。ことに日本テレビの山本君に対する場合などは全くほったらかしになっている。これは長官、責任を持って至急あなたの方から、法務委員会でも問題になったから至急はっきりとした態度を表明するということを通達して下さいますか。ことに西日本テレビの場合にはいろいろ了解を得るようにしたが、相手が立腹してなかなか納得しなかったということまでも言われましたが、山本君の場合には現地の警察が自分の暴行に対してあやまったとか、了解を求めたとか、また他の社員を通じて納得してもらうように工作をしたとか、あるいは日本テレビに対して正式に了解を求めるようなことをしたとか、こういうことは一切ないのですよ。至急調査の上、そういう点で誠意ある態度をとられますかどうか、そのことを御確言願いたいと思います。
○柏村政府委員 どうも江口局長のがあいまいだとおっしゃいますが、私は江口局長が今まで受けた報告に基づいて正確に御説明をしたというふうに考えております。これは何も局長を弁護する意味で申し上げるわけじゃなくて、私もさっきから聞いておりまして、現在までの報告に基づいて正確に御説明を申し上げております。しかし、中央においてはその程度しか今わかっていないということは事実でございますので、ただいまお話しのように、こういう問題は十分に正確を期して調査を遂げたいと考えております。
○志賀(義)委員 もう一つ、山本君に対しても警察側から申し入れをするとかなんとかいうこともされますか。西日本テレビの場合には、したというようなことを江口局長は言われましたが、日本テレビの山本君に対してもそういうことをやられますか。また日本テレビに対してもどういうことであろうかとか、その方からも真相を明らかにする方針をとられますかどうか、現地の警察がそういうことをするか、あなた方がそういうことをするかは別として、そういうふうにやられますかどうか、そこのところを最後に私に納得のいくようにはっきりおっしゃっていただきたい。
○柏村政府委員 私申し上げておりますのは、山本君も含め、詳細正確に調査を遂げたいということを申し上げたわけであります。
○志賀(義)委員 委員長、ただいまのような質疑応答の経過であります。この結果を警察庁の方から、長官の方から、ここで問題になりましたから、法務委員会にそのはっきりとした調査の結果を報告するように、委員長の方からも促進していただきたいと思います。
○瀬戸山委員長 志賀委員の御希望もありますので、できるだけすみやかに真相を明らかにしていただきたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会