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34回国会衆議院1960/03/15

法務委員会 第11号

発言数
27
登壇者
4
会派数
2
開催日
1960/03/15

会議録

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が所用のため、その指名によりまして、私がその職務を代行いたします。  裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますから、これを許します。田中幾三郎君。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 私は本案に関連いたしまして、判事、判事補の欠員、それから増員などについてお伺いいたしたいと存ずるのであります。  まず第一に、昨年の第三十一国会におきまして判事補の二十名の増員の改正が行なわれました。その際に判事、判事補の欠員が百三十六名あったと伺っておるのであります。これらは、弁護士、司法修習生などから登用することによって補充するのだという御説明がありましたが、その後の状況はどういうふうになっておりましょうか。この点をお伺いいたしたいと思います。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 ただいまお尋ねの判事、判事補の欠員補充の問題でございますが、三十四年度におきましては、私ども当時予想いたしましたよりも修習生から判事補になります希望者の数が多くございません。七十名ばかりであったのであります。それからさらに退官者も相当ございまして、補充がその意にまかせずに今日に至ったわけでございます。本年二月一日現在におきまして、判事の欠員が四十四人、それから判事補の欠員が二十五人、さらに簡易裁判所の判事の欠員が四十六人で、合計百十五人の欠員をかかえておるわけでございます。この補充の見通しでございますが、本年度におきましては、判事補あるいは簡易裁判所判事で判事の任用資格を得ます者がこの四月の十七日には九十名あるのでございます。そこで判事の欠員四十四人、それに今回定員法の改正によりまして増員されます五十名、合計九十名ばかりが、この判事補または簡易裁判所判事で判事の任命資格を得た者によって充員されることになるわけでございます。  それから判事補の方は、ただいま申しました判事に任命されるためにこれだけの欠員を生じるわけでございまして、今日の欠員と合わせて相当の欠員数になるわけでございますが、それは司法修習生が本年四月八日に修習を終わりまして、判事補の任命資格を得るわけでございます。その司法修習生の中から、本年は約九十名の判事補志望が現在ございますので、それによりまして判事補の欠員がその際に充足されるというふうに考えているわけでございます。  それから簡易裁判所判事の方は、今回定員三十名を判事の方に振りかえました関係上、欠員数はそのために減るわけでございますが、ただいま申し上げました簡易裁判所判事の中から今度は判事に任命される者が出ますので、やはりその分が欠員になるわけでございます。その欠員数が約四、五十名予想されるのでございまして、これは本年中に、あるいは特別の選考等によりましてこの充員をいたしたいというふうに考えております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 それで大体の見通しというものがわかりましたが、裁判官の定年による退官あるいは任意にやめるような人、あるいは死亡する等によってやはり年間に相当の欠員が出てくるのじゃないかと思いますが、その状況がおわかりでしたら……。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 裁判官の退官とか死亡等によりますものは年間大体七、八十名を数えるようでございます。任意の退官が大体二十人見当、それから死亡が十人見当、あと定年とか任期終了によってやめる者等でございまして、大体七、八十人は毎年やめていくようであります。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 司法修習生の司法官、いわゆる裁判官への登用の状況ですが、出た者はすぐに全部そのままスライドで任官していくのではないと思うのですが、大体標準をどんな点に置いて行なっておりますか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 司法修習生を終了いたしました者の中の判事補志望の者につきまして、修習期間中の成績ということを第一に考えるわけでございます。これは研修所における修習におきまして、あるいは裁判所、検察庁、弁護士会に委託されまする研修におきまして、それぞれ担当の教官なり指導される方が一種の採点をされているわけであります。さらに修習が終わりましたときにいわゆる考試というのがございまして、ここでさらにその成績が検討されるわけでございます。これらを資料といたしまして、さらに最高裁判所におきまして判事補志望の人に一々面接をいたしまして、それによりまして判事補の採否を決定しているわけでございます。昨年あたりのことを申し上げますと、志望者が八十六名ございまして、そのうち六十九名採用しているわけであります。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 八十六名の希望者に対して六十九名といいますと、十七名くらい不合格になったわけですね。大体この不適格者というのは、これは非常に発表しにくいかもしらぬけれども、特殊な条件で不合格にしたのか、たとえば非常に病気で体が悪いとか、あるいはその他の状況、特にこれといって説明のできる事情のものがあればそれを伺いたいのと、それから採用した後に、司法官としてどうもこれは適格者でないというようなことが起こったようなことはないか、その点をちょっとお伺いします。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 判事補に採用いたしますのは、大体修習生を二年終わっておりますので、その際に特に特別な条件ということは別に考えておりませんが、不採用になりますおもな理由は、やはり一つは修習中の成績でございます。もう一つは、ただいまお話のございましたような健康でございまして、やはり裁判官になりますのには、肉体的な条件がある程度そろいませんと無理でございますので、健康はやはり採用の方の基準になるわけでございます。それから採用後に裁判官として不適格であってやめさせなければならないというようなことは、現在までその例を見ておりません。採用いたしました者は、それぞれ適当な裁判官として各地で勤務いたしておる状況でございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 それから、判事の有資格者で、直接には裁判事務に携わらない、たとえば調査官であるとか教官であるとか、あるいは事務局長というような人々はどれくらいでございましょうか。すなわち、これを配置転換すればすぐに裁判官、判事もしくは判事補になれる、こういう人数はどれくらい現在ありますか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 判事、判事補はやはりなるべく裁判の仕事に従うように私ども努めておるわけでございますけれども、全くやむを得ない仕事でどうしてもやはり判事、判事補でなければならないという職には、判事、判事補を充てているわけでございます。その数を申し上げますと、現在の裁判所調査官あるいは研修所の教官としておる判事の数は大体十六名、判事補は十名ということになっております。それからさらに最高裁判所の事務総局であるとか、そういうような行政的な職務に携わっておる者もございます。判事の数が二十九名、判事補の数が二十一名、大体五十名というふうになっております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 今の欠員、それから自然の退官による欠員、こういうものは相当に多いわけでありますが、これを補充するということは、普通の官庁から横すべりの配置転換はできぬわけでありますから、特殊の養成をしていかなければならない。裁判事務の渋滞ということ、あるいは過度に仕事の量がふえるということはなかなか問題でありますから、私はこの試験制度というものは、一つの答案によって点数をつけるのですから、できる者であっても、ただそのときの答案がちょっとうまく書けぬ、それで点数が足りないというのもあろうかと思うのです。やはりこういう特殊な人員を養成するのでありますから、司法試験のごときも、ただ単に問題を出して答案を書いた、ただそれだけについて採点をして採否を決するということはどうかと思います。採用するときに司法の修習の制度があるのですから、司法官試験のときにその人をよけいにとって、修習を二年間やって、その中で二年もやってきてできない者はしようがないですが、むしろ司法修習生のプールといいますか、そこにはなるべく多量にとって、そうして修習をした段階において選定をしていくということにでもしなければ、この補充はなかなか永久にできないと思います。そういう点についての御感想はどうですか。

津田實検事(大臣官房司法法制調査部長)

○津田政府委員 司法試験についてでございますが、昭和三十四年以降昭和三十二年までは、毎年大体二百人ないし二百五十人程度を合格者といたしております。ところが、ただいま仰せになりましたようないろいろの要請がございまして、なるべく多く合格者を出して、それによって司法修習生に多くなる。従って、裁判官、検察官あるいは弁護士の給源を多くするという意味におきまして、その合格数が増すようにいろいろ試験考査委員の方と話し合いをいたしました結果、昭和三十三年におきましては三百四十六人、昨年三十四年におきましては三百十九人合格いたしておりまして、大体百人程度従来よりはふえたわけであります。ただし、もう少しふやすという意見もございますし、これは主として考査委員会がきめるわけでございますが、考査委員会の方にあまり学力の低下をさせたくないというような意向も相当強くありますので、大体この程度が妥当ではないかという結論のようでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 これはまた司法官に対するいわゆる唯一の登竜門ですから、学校で相当の勉強をして、さらに司法科を受けるために準備をしなければならぬ、これは大学生でただ経済その他政治科などというものの卒業生と司法科を志す者との心がまえといい、研究といい、私は後者の程度がだいぶ高いと思います。ですから、この司法科の合格者だけはなるべくよけいに修習の段階で仕込んでもらって、優秀な司法官を最終的にとるという方向に進んでいっていただきたい、かように考えておるわけでございます。  それから判事の増員に伴いまして、書記官、事務官の問題が生じて参ります。判事の増員に伴って、やはり書記官もしくは書記官補の増員も必要になってくるのじゃないですか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 ごもっともでございまして、裁判官の増員に伴いまして、裁判所のそういった補助職員の増員も当然必要になるわけでございます。しかしながら、今回の判事の増員でございますが、今回の判事の増員は、それによりまして合議体あるいは単独体の裁判単位と申しますか、その増加が期待されませんので、いわゆる一審の充実強化ということで、合議部をふやすということになるわけでございまして、裁判単位の増加というふうにはにわかに参りませんものでございます。従いまして、今回の判事の増員に対しましては、書記官、書記官補の増員はなかったわけでございます。しかし、書記官、書記官補の増員が絶対に必要がないのかということになりますと、私ども必ずしもそうは考えておりません。書記官、書記官補の実務の実態をさらに十分に調査いたしまして、合理的な数字を出して、今後の対策といたしたいというふうに考えておるわけでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 書記官、書記官補は現在やはり十九名ぐらいの欠員があるように伺っておりますが、もしありましたならば、この補充はどんなふうにお考えになっておりますか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 書記官、書記官補合計五千名余りになっております。そのうちの欠員が約十九名ということでございますが、実はこの程度の欠員はやはり常時いろいろなことから生じておるわけでございます。裁判官以外の職員の欠員率というのが、裁判所はいつも〇・六ぐらいの欠員率を持っております。これは一般省庁の平均の欠員率が約一・二でございますので、それと比較いたしますと、約半分になるわけでございます。この程度の欠員率はやはり実際の事務の運営上やむを得ないことだというふうに存じております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 事務官についてですが、これはずいぶん定員超過で仕事をまかなっておるように伺っております。現在大体千八百名の定員超過というふうに伺っております。これはもしそうだとしますならば、定員のワクがあまり小さくないのですか。千八百人からの定員超過ということになりますと、定員のワクがいかにも小さいと思う。この数は私ほかから聞いたのでありますから、確実かどうかわかりませんが、その点はいかがでしょうか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 ごもっともな御質問でございまして、現在事務官に相当の定員超過があるわけでございます。この事務官の定員超過は、実を申し上げますと、雇の定員を事務官に振りかえて使っているわけでございます。雇となって予算に含まれているものを事務官に使っているわけでございます。そのために定員超過となりまして、雇の方は実際にはそれだけ減員されておる関係になっているわけでございます。しからば、雇を事務官に当然予算上組みかえるべきではないかということになるわけでございますし、またそれが当然のこととは存ぜられますが、裁判所の雇の制度が従来事務官の補助の制度として設けられまして、今回の予算におきましても、予算上にわかにその組みかえが実は実現できなかったのでございます。この点も、私どもといたしましては、ぜひ事務官への予算上の組みかえをしたいということで、大蔵省とも折衝いたしたのでありますけれども、今回の予算におきましては、まだ客観的な資料が十分に整うことができませんので、こういった予算になったのでありまして、こういった流用は今実際の運営上許されているわけでございますので、しばらくこの流用で参ることにいたしております。少なくとも本年中にはそういった事務官、雇の事務量を、客観的な資料に基づきまして十分に検討いたしまして、その是正をいたしたいというふうに存じております。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 これは現実に雇を事務官として使っておるという既定の事実がここにできてしまって、そうしなければならないから、こうなったのだろうと思いますから、これは新しく別に予算を要求するというわけではないし、事実がもうここにできておるわけですから、その事実の上に立って大蔵省と御折衝を願いたい。事務官と雇とは地位も違いますし、地位の保障、あるいは従って仕事の能率安定化ということにもひいて響くわけでありますから、すでに既定の事実がここに定員超過で、しかも実質は雇いの人が働いておる、こういうのですから、これを法制化すればいいだけのことですから、どうぞこの点は十分に御留意を願いたいと存じます。  それから裁判官以外の裁判所の職員は、昨年の改正で定員外のものを三十名でしたか、定員化したことがありました。これはどんな職種のものが裁判官以外の定員外のものございましたですか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 昨年三十三名の定員の組み入れがございましたが、その三十三名は、内訳を申しますと、統計の集計員が八名、看護婦六名、交通事件関係の職員が十五名、法廷警備員四名、以上三十三名の定員化をしたわけでございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 今回も用人の定員を増員しようという御計画はあるのじゃないですか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 今回の用人の増員は六十三人でございますが、これは自動車運転手、それから電話交換手の二職種でございます。

田中幾三郎民主社会党

○田中(幾)委員 現在でも用人はだいぶん定員超過になっておるように伺っております。三百八十名以上のように伺っておるのですが、これも先ほどの問題と同じですね。これは別に裁判の事務ではないけれども、やはり必要があるので、現実としてはこれは定員超過でそれだけの者が従事しておるわけですが、これは一体どういうふうなことにするお考えでございますか。

内藤頼博判事(最高裁判所事務総局事務次長)

○内藤最高裁判所長官代理者 用人の定員超過でありますが、これはたとえば第一審の適正、迅速、強化というようなことから、自動車台数がふえましたり、あるいは老朽庁舎が新しくできましたのに伴いまして電話交換台が拡張されまして、交換手が必要であったり、あるいは庁舎の面積がそのためにふえまして所要の用人が必要になるというようなことから、用人の定員が超過するわけでございます。この処置につきましては、用人は行政職二表の職員でございますが、行政職一表の方の欠員をこちらに流用することが許されておりますので、その流用によって予算上は処理するわけでございます。

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 他に御質疑はございませんか。——ないようですから、本件に関する質疑は終了したものといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小島徹三自由民主党

○小島委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本案に関する質疑はこれにて終了いたしました。  本案に対する討論、採決は次会にいたすこととして、本日は、この程度で散会いたします。     午前十一時三十四分散会

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