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34回国会衆議院1960/03/11

法務委員会 第10号

発言数
90
登壇者
4
会派数
2
開催日
1960/03/11

会議録

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。  法務行政及び検察行政に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。志賀義雄君。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 この前の法務委員会で刑事局長に若干の点について報告していただきたいということを求めておきました。そのうちの下山事件以外の質問事項に対して、お答えを願いたいと思います。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 前回の委員会で志賀委員から下山事件のほかにいわゆる五番町事件の村松証人の偽証事件について起訴猶予の裁定の可否の意見を求められております。それからメーデー事件の公判における渡辺警視の偽証事件の処理、戸高事件に関連して、戸高氏の復職の問題等についての報告を求められておると思っております。  まず下山事件は別の機会にということでございますので、五番町事件の方からお答えを申し上げて参りたいと思います。村松証人の法廷における証言を、後に発見された真犯人佐藤久夫の供述と対比いたしまして、村松証人が見たと称する人物の服装の点において、当時の佐藤真犯人の服装と一致するものがありますけれども、その他の点、たとえばその人物の行動等につきましては、著しく異なるのでありまして、村松証人が当時そのような人物を現実に見たとして、それがはたして何人を見たものか、現在でも実ははっきりしていない点であります。しかし、少なくとも真犯人佐藤久夫自身を見たのでないと判断されるのでございまして、村松証人自身、中田検事に対して、自分の認識した事実に意識して一部の粉飾を加えて証言した。それは佐藤和代証人の依頼によったものであることを明確に供述しておるのでありまして、村松証言中のこの部分につきましては、現在でも偽証の嫌疑が存するわけでございます。従いまして、京都地検が村松証人の偽証事件について、不起訴の内容、起訴猶予の処分をいたしましたことについて、当時志賀委員からの御質疑に対しまして、横井課長がこの委員会で、真犯人が出て参りました現在、この不起訴裁定の当否をあるいは再検討を要するかもしれないという答弁をいたしておりますので、その答弁に基づきまして慎重に当時刑事局の中で局議を開きまして検討いたしました結果、以上申し上げましたような、なお詳細な点もありますが、やはり起訴猶予を変更して嫌疑不十分というふうに裁定をし直すまでの必要はないという考えに落ちついたということを記録によってお答え申し上げる次第でございます。  次に、メーデー事件の証言における渡辺警視の偽証事件でございますが、昨年十二月二十三日同警視の偽証事件についての捜査を終了いたしましたので、同日付で東京地検におきまして渡辺警視を起訴猶予処分に付しております。その理由の要旨を申し上げますと、次の通りでございます。すなわち同人は公判継続中においてみずから偽証の事実を認め、証言を訂正して真実を述べるに至っておりますので、本件のいわゆる騒擾事件の裁判の公正には影響するところがなく、一方偽証罪における法益の侵害も軽微と見られ、刑法第百七十条にいう刑の減刑、免除の事由にも該当する場合であり、さらにその動機や昨年十二月十六日みずから警察官の職を辞し、改悛の情も顕著であることなどの事情を総合いたしまして、あえて訴追の要なきものと認めるというのが不起訴の趣旨になっております。この点につきまして、被疑者が現職の警察官であり、しかも幹部級の地位にあって、通常人に比し、刑事司法の公正維持については一そうの関心を持っており、かつ裁判の公正を期するためにもみずから積極的に協力すべき立場にあるにもかかわらず、かような偽証をしたことにつきましては、私どもまことに遺憾なことだと申すほかはないのでございますが、検察側におきましても、本件の重要性を十分認識いたしまして、渡辺警視に対する告発が出る以前から検察庁独自の捜査を実施して参ったところでございます。そうして慎重に捜査を行なって、事件の犯行の態様、動機、事後の状況等の各般にわたって、そのいきさつを明らかにすることに努めたのでありまして、その結果、先ほど不起訴裁定の要旨の中に申し述べましたような事情がわかって参りましたので、情状酌量すべきものという結論に達して、起訴猶予処分としたものと考えられるのでございます。  次に、戸高事件につきましては、御承知のように控訴審の判決が現在は確定いたしておるのでございます。この事件は、三十二年九月十七日爆発物取締罰則違反として大分地裁に起訴をいたしまして、三十三年八月四日、大分地裁におきましては、期待可能性がないとして無罪の判決をいたしております。これに対しまして検察官から控訴の申し立てをしたのでありまして、その後福岡高裁において慎重審理されました結果、昨年九月十二日、原判決を破棄いたしまして自判をしておるのでございますが、破棄の点は、期待可能性なしということで無罪にした点を破棄いたしまして、このたびは有罪と認めましたが、また一方爆発物取締罰則十一条の自首に当たるということで刑の免除の判決を言い渡したのでございます。この判決を検察側におきましては慎重に検討いたしたのでございますが、上告ということになりますると、幾多の上告理由の制限を受けております。従って、この有罪と認めながら罰則十一条の自主に当たるとした点につきましては、検察も納得いたしかねる点であったのでございますが、上告理由の発見が困難でありますので、やむなく本件を確定せしめるに至ったのでありまして、昨年九月二十六日をもって本件は鑑定いたしておるのでございます。その後戸高氏は警察部内に復職をしたやに伺っておりますが、いつどういう理由で、またどういうポストに現在いるかということにつきましては、私ども承知いたしておりません。  一応御報告申し上げることは以上の通りでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 まず五番町事件の報告についてでありますが、当時の記録でも明らかであります通り、真犯人の佐藤のほかに三人の少年が真犯人なりとして検挙されたわけでございます。警察でいろいろ行き過ぎた取り調べがあったことも問題になりましたが、そのとき村松泰子証人が偽証したというのでありますが、服装の点については一致するということはあなたも認められる通りであります。その他の証言について明らかに事実と相違する点がある、こういうことでありますけれども、少なくともその一点、服装が一致しているという点だけを取り上げてみても、村松証人が決してうそを言ったものでないことは明らかであります。いかに現場の目撃者の証言が後日になっていろいろと記憶の点からして若干の相違があるということは、現に去年の十一月二十七日、国会に請願者が入った問題のときのこの法務委員会でのいろいろな質疑応答その他を見ても明らかであります。たとえば私が赤いたすきをかけておったというようなことを、この法務委員会が開かれる前に自民党のある委員から私に言われたのです。私としてはたすきをかけて入るほど取り乱してはいない。たすきはちゃんと手に持って入って、それを平河町門の衛視に確認させて入っているくらい用意をして入っているのだけれども、一国の選良と言われる衆議院議員でさえ、ああいう場合にはいろいろ入り乱れた錯覚というものが起こるのです。だからあの当夜川島幹事長が発表した自民党声明の中にも、淺沼稻次郎君と私とが先導——先に導いて入ったという声明を出しておる。で、私はそのことについては川島幹事長のところに抗議に行ったところ、そこに居合わせた七役会議の一人の人が、あれは自民党の声明の失敗であった、「せんどう」という字を漢字で書いたために失敗したのだ、志賀君の「せんどう」は、先に導く「せんどう」ではなくて、もう一つのこの方の「せんどう」だ(笑声)かなで書いておけばよかったものを漢字で書いたために、こういうふうに突っ込まれることになった、あれは失敗したということを言っているくらいです。後日法務委員会の主催で、瀬戸山委員長初めNHKテレビを再映写してみましたところが、淺沼君は先導しなかったという証拠が現われた——先に導く方ですよ、あおる方の扇動ではないのですね。その証拠が現われましたし、私などは、自民党の諸君もみな目を皿のようにして見ておったのですが、ついぞ姿が出ないわけであります。それで私の方の懲罰問題というものは立ち消えになっているが、淺沼君の方は、これは自民党の政策もありましょうが、懲罰委員会で問題にすることになった。国民から選ばれた代議士諸君の証言でさえ、こういうふうに当てにならないことが多いのであります、とっさの現場の判断というものは。で、服装が一致しているという証言は——おまけに村松泰子君はそのとき十八才でありました。明らかに偽証するつもりがなくて、新犯人が別にあるということ、これが一番大切なことであります。事実の経過はまさにその通りでありました。それを警察官の取り調べを頭から信じて、京都地方検察庁は村松泰子君が偽証した、こういうふうに断定しているのであります。それで起訴猶予にした、こういうふうに言っておる。ところがメーデー事件の渡辺警部の方は、検察庁が偽証ありと認めて問題を出されたのでしょう。それで本人もそれを認めざるを得なくなってきた。それで渡辺警部と一緒に、渡辺警部の命令のもとに偽証した警官諸君もその偽証を認めた。あなたは犯罪の構成要素の主要部分に関係しないものだから、これを起訴猶予にもしないということでしょう。渡辺警部の場合は起訴猶予にもしなかったのでしょう。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 起訴猶予にしました。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 起訴猶予にした。ところが片一方の村松君の場合は、明らかに真犯人ありということが後日明らかになっている。しかるにこれを他の重要ならざる諸点が違っていると言って、偽証でもないものを、偽証はあったが起訴だけは猶予するということにする。渡辺君の場合は明らかに偽証があったのにこれを起訴猶予にする。おまけに、この方は現職の警官、しかも今あなたの報告される通り、相当重要な地位にある人です。こうなってきますと、検察官というものは、京都の警察の大失態、これをかばうために照れ隠しに村松君を起訴猶予にする。東京のメーデー事件の場合には、偽証は明らかにあるにかかわらず、また本人が認めており、検察庁がこの偽証を提起したにもかかわらず、これまた警察官のために起訴猶予にしてしまう。明らかに取り扱いがへんぱであります。あなたは、メーデー事件の渡辺警部らの偽証は、メーデー事件の犯罪を構成する上において主要な役割を演じないものだと言われるけれども、大体渡辺警部を証人に呼んだのはだれですか、検察庁でしょう。検察庁なるものは検察側の証人として呼んだのじゃありませんか。あれは弁護人側からですか、どちらでしたか。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 検察側から最初証人に呼んでいると思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 そうすると、検察側から呼ばれるからには、メーデー事件というものは犯罪を構成する、それを証明する上に重要な証人であるからというので呼んだのでしょう。犯罪の本筋に関係のない人を証人に呼び出す必要はあの段階ではないでしょう。自分の方でメーデー事件に関係ありと認めた者が重要な犯罪をしているから、それを証言させるために渡辺警部を呼んだ、こういうことになりますね。そういうことをしておいて、後日偽証があるというのに起訴猶予にしたというのでは筋が通らないではありませんか。私の言いたいことは、村松泰子君の起訴猶予処分というものを検察庁として取り消す義務があるということなのであります。もう一つ、戸高君の場合に至っては、今問題になっているのは、彼が爆発物を運搬することを手伝ったかどうかという問題ではないのです。福岡高裁における第二審の審理の結果、あの交番を爆破した者は被告人ではない、明らかに内部からしかけをした者だということが東京大学の山本教授の実験による証言によっても明らかになっている事件であります。その方の問題の追及はどうされているか。何も検察庁の方で戸高君を復職さしたのじゃない。これは警察庁の問題であります。警察庁長官はきょうかぜでここに来られないそうでありますから、これは別の機会にお尋ねすることにしましても、問題の本筋をはずして、こういうふうに爆発物を運搬することを手伝ったかどうかという、これこそ菅生事件では第二義的な意義しか持たないものについて一種の偽証の裁判をやっている。肝心の、あの駐在所を内部からしかけて爆破する、その方については検察庁は今日まで何ら調査もされなかったでしょう。調査されたことがありますか。これらの事件を総合してみると、警察側に不利な証言をした者は、その証言者の言う通り、その服装をした者が真犯人として現われたが、これは起訴すべきものであるが、しばらく起訴を猶予する、こういう処分を与えておる。片っ方の渡辺証人の方は、明白に偽証を本人が認めているにもかかわらず、警察官であるがゆえに起訴猶予処分をする。まして戸高君の場合に至っては、検察庁は交番爆破のことについては、何ら内部しかけについては取り上げもしないでしょう。そこの点に非常に取り扱いが矛盾している。十八の娘だから、これには起訴すべき理由はあるが、一応猶予してやる。この場合の起訴猶予というものは明らかに村松泰子君を傷つけるものであります。渡辺警部の場合の起訴猶予は、明らかに警官の非違を検察庁がかばっておるものであります。まして菅生事件の戸高君に至っては、今月号の「世界」にも明らかにこれは言語道断なこととして論じられているのでありますが、警察の内部からしかけをして爆破をした事件に、検察庁は指一本触れないじゃありませんか。そういうふうに民間の少女の場合は、いろいろ傷つけるような意味の起訴猶予をするが、警官の場合には、どうしてこれをかばうような起訴猶予をするか。ただいまの御報告ではその点が明らかになっておりません。本人が自首したからといって、渡辺証人が偽証を認めたからといって、渡辺証人がそれを認めるまでに、メーデー事件の被告というものがこういう偽証によってどれだけ苦しめられたか、長い間多数の人が職にもつけずに苦しんでおるのであります。ましてあのときには、警官の拳銃で殺された者が出ておるでしょう。そういう警官の拳銃で殺された者があるのに、こういう偽証が行なわれていることを、起訴猶予でほったらかしておく、筋が通らないじゃありませんか。あなたの御報告について、その点明らかに矛盾があると私は感じます。その点についてもう一度御答弁を願いたい。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 民間の少女の偽証事件については、嫌疑なしと処分すべきものを、あえて起訴猶予ということで、犯罪を認めるが許してやるという態度をとるというお言葉でございましたが、この事実関係は当時も詳細に議論になったようでございまして、御承知のことと思いますが、単に服装が偶然似ておるというのではなくて、述べておることが、自分が認識したこととは違った教唆によりまして、紛飾を加えた証言をしておるのでございます。その証言の結果がたまたま真犯人が出てきた場合の服装と似ておるというだけでございます。これは自分の認識に反して陳述をいたします場合には、かりに客観的事実に合致することを述べていたとしても、これが偽証罪になりますことは、判例上確立した解釈でございます。そういう意味におきまして、この事態を、真犯人が出たから偽証までも流し去ってしまうというような政治論でなくて、純粋に法律論として検討いたしました結果、これは起訴猶予という京都地検の判断を撤回して、嫌疑なしに変更すべきであるという結論にはわれわれとしても到達し得なかったということを御報告申し上げたのでございまして、その間に政治的な配慮を加えるとか、少女であまり大きな主張をしないから、そういうものは軽く扱って処理するといったような、そういう考慮のもとにいささかも考えておらないのでございます。その点を御了承を願いたいと思います。  それから渡辺警視についての偽証でございますが、偽証は、これは審判の公正を担保するということが保護法益になっておりますことは御承知の通りでございますが、この審判の公正を何ら害しないという、あらかじめ自首するとか、審判の判決前にその事理を明らかにするというようなことになりますと、自首減免の規定もある次第でございまして、事柄は、証拠裁判ということを基準にした司法制度をとっております限り、偽証が自由に行なわれるというような態勢のもとでは、公平な審判が得られないことは当然でございます。この罪の重大性は私どもよく認識いたしておりますが、偽証が審判の前におきましてすでにはっきりといたしてしまいますならば、何ら裁判所の審判の公正を害することには結果においてならないのでございまして、そういう場合には情状酌量の余地を法律も定めておる次第でございます。これは御承知の通りでございます。本件につきまして偽証にかかる部分は、部下の当時警備に当たっておった警察官の発砲した事情に関する報告書の記載方法を指示した点が実情に違う点を指示しておったということでございまして、メーデー事件の全体の犯罪事実のいわゆる罪体に関する部分に属する証書といたしましては、きわめて間接的な部分に当たるのでございます。こういう点も考えまして、要するに偽証を罰すべきか、起訴猶予すべきかというような問題につきましては、当該事件自体の犯罪の軽重、証拠隠滅のおそれとか、いろいろな理由から検挙もし、処理もするわけでございます。この渡辺警視に関しましてはそういう間接的な部分に関する証言であったし、みずから審判の以前において明らかにしておりますし、職を辞し、先ほど申したような事情がありまして、あえて起訴する必要がないということで、犯罪を認めて起訴猶予処分にした次第でございます。これをもってすぐ警察官であれば検事は必ずその味方をするというような御意見につきましては、私も、そのようになぜ私ども検察庁が警察の味方をしていかなければならぬのか、この点を明らかにしていただかなければならないわけで、私どもはさような考えは少しも持っておらないのでございます。法律の公正なる適正なる執行ということにほかならないのでありまして、前の五番町事件の事件の処理といい、渡辺警視事件の処理といい、その間に何ら考え方に隔たりがあるわけではございません。私はさように信じておりますが、この事件の処理を見ましても、双方に、今志賀委員が仰せのような意図とかあるいは偏見とかいったようなものが見られるとは私は考えられないのでございます。  なお、戸高事件につきましていろいろお話がございましたが、戸高氏を爆発物の運搬者として裁判にかけるということにいたしました結果といたしまして、今の爆破の真相その他につきまして検察庁としてできます限りの捜査をいたしておるのでございまして、あえてそれにほおかぶりをして、捜査の手も触れないというようなことは、私は事柄の性質上、事件の性質上、当然そこまで捜査を尽くしておるというふうに考えておるのでございます。特に志賀委員の仰せのように、警察の事件であるから検事がほおかぶりをするのだという考え方は、検察庁にはございません。この点ははっきり申し上げたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 法律に基づくのでなくて、政治論ということを言われましたけれども、ここは法務委員会でありますから、法律から離れて論議をすることは私どもも考えておりません。法の精神及びそれに基づく法の運用が適切でないから問題にしておるわけであります。そして、ただいまもメーデー事件のことについて、検察庁の方で警察官をかばうようなことをするという立場から論をされても困るということでございました。日本のいろはがるたには論より証拠ということがありまして、ここではそういう論をするのではなくて、現に起こった事件について言っているのですよ。大体審理の公正を期するために検察庁としてはみずから渡辺警部等を証人に申請したのでしょう。あれは審理の公正を期する以外の理由で渡辺警部を証人に呼んだのではないでしょう。ところが審理の途中において渡辺警部の偽証が明らかになったので、これを無理押ししても検察庁の立場がなくなるというので、急に検察庁の方で偽証の問題を出されたのでしょう。あなたのお話を伺っていると、審理の公正を期するという動機から渡辺警部を証人に申請をされたのであると言われる。それ以外の理由ではないでしょう。審理の公正を期するために呼んだ証人がとんでもない偽証をしておったということがわかった以上、それまでにメーデー事件の被告諸君がどれほどの苦しみをなめておるか、そういうことも当然考慮されるべきでしょう。審理の公正のために渡辺警部を証人に呼ぶ、そうしてこれはいつ終わるか見当がつかない、こういう事件ですね。そのために被告諸君はまるで地球の外につり出されたような不安定な状態に置かれているのであります。そのことを考えたならば、どうして警察官の場合に限ってこういうことをするのです。私が言うのは、村松証人の場合には、検察庁の面目を保つために、起訴すべき理由はあるが、ああいう不始末になったので、起訴猶予ということで事態をごまかす。メーデー事件の場合は、審理の公正を期するためにぜひとも呼ばなければならない証人だといって呼んでおいて、偽証の事実がはっきりしてくると、あれは審理の本質にはかかわりないのだということで起訴猶予にしてしまった。そこに明らかに意図があるじゃありませんか、このことを申し上げておきます。  それからもう一つは、戸高事件の場合ですね。今私はあなたに伺ったのでありますが、交番内部からしかけをして爆破したということがいわれております。その犯人がだれであるかということは、第二審の判決でも出ておりません。これをあなた方の方で取り調べておられるということを初めて伺いました。その検察庁側の調査が進んだならば、明らかに内部しかけで爆破したということがはっきりわかる、その犯人もわかったならば、それ相当のことはやられるおつもりですか、そのことを伺っておきます。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 お言葉を返すようでございますが、私どもは公判の審理を適正に公正に行なうことに期待を持っておりますが、証人を申請して証言を求めるのは公正のために証言を求めるのではなくて、公正々々とおっしゃるのは、偽証罪が何を保護しようとするかということを申し上げておったのでございまして、その点を証人申請と混同してただいま御質問がありましたので、公正な裁判を求めることは申すまでもございませんが、証人を申請するのは事実を明らかにするためだ、その明らかにする過程において偽証があったということで、その偽証罪は何を目的に偽証を処罪するのかということにつきましては、審理の公正を害するおそれがあるかないかということをめどにいたすという趣旨のことをお答えした次第でございます。  それから戸高事件に関しまして、爆破の関係を取り調べるということは初めて聞いたということでございますが、私はそれを目的の捜査をしておるというふうにはお答えしておらないのでありまして、戸高事件を爆発物運搬という罪で裁判を求める以上は、その事実の過程において、ただいま志賀委員の仰せのような事実に関しましても可能な限り明らかにするような調べをしておるということをやるのでありまして、その調べの結果を明らかにせよというようなことは、戸高事件の判決とそれから菅生事件の判決と両方ともすでに公判にかかっておる事件でもございますし、一つはすでに裁判を終わっておる、これらの事実によって私は申し上げておるのであって、志賀委員の仰せのように、別途に何か特別な捜査をその点についてやっておるというふうにお聞き取りになったとすれば、その点は御訂正願っておきたいと思います。この事件につきまして、調べの結果を明らかにするしないは別といたしまして、そういう事実の調べをしないというふうに仰せられては私の方も困るので、取り調べはしておるというふうにお答えした次第でございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 私が何だか問題を混同しておるというふうに言われますが、これは記録にも残ることですから、そこを黙っておるとあなたの言う混同のことも私が認めてしまうことになるので、そこをはっきりしておきます。  あなたの方で、メーデー事件の渡辺警部を、事件の公正な審理のために重要な人物と考えたから、証人に申請されたわけですね。ところが途中でとんでもないことに偽証があるということがわかった。初めあなた方が事件の公正な審理のためにこれはぜひとも必要な証人だから呼べと裁判所に申請して呼ばれた者が、実はとんでもない偽証者であったということになれば、これを私どもが混同して質問しておるというふうにお考えにならないで、検察庁がまことに見込み違いをした、不明の至りであったということにはなりませんか、どうです。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 渡辺警視の証言によって発砲の事実を明らかにしようと検察庁はしたわけでございまして、それが検事の主張するような形において明らかにしようとしてそれにこだわることは、公平な審理にならないわけでございます。ところがその点を明らかにしようとして証言を求めようとしておる過程において、それは間違った証言であるということが明らかになりましたので、真実発見のために明らかになったということは、検察庁としても喜ふべきことである。(志賀(義)委員「しまったと思ったんでしょう」と呼ぶ)審理というものはさようなものではないと私は考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 真実発見のために努力をする上に重要な証人だと思っておった。これが一つのきめ手になると思って考えてやった。ところがとんでもない見込み違いになったんだ。これは明らかにあなた方の計算違いだったんですよ。さっきも申しました通り、論より証拠ですからね。このことだけを申しまして、もう一つだけ伺っておきたいことは、今松川事件の差し戻しの公判が開かれますね。このことについて、私はかつて法務委員会で、昭和三十四年八月十日のことで、瀬戸山さんがもう委員長になっておられたときのことでありますが、まだ出されていない証拠がある。たとえば諏訪メモのことでも、ここで繰り返し、繰り返し私の方から要求して、あなたの方で諏訪本人に返された事件がありました。実はまだそのほかにも被告人にとって有利な証拠で出されていないものがだいぶあるようだ。第一、あのときの機関車がどっかにいっちゃったんですよ。あれはどこにありますか。あれはちょっとそこいらの戸だなに隠すとか検察庁の倉に隠すわけにいかないものです。あの機関車はどうなりましたか。どっかにいっちゃっているんです。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 機関車がどこにいったか私も存じませんのですが、なお今の証拠物あるいは証拠書類の問題につきましては、検察庁としてはあくまで公正な立場で真実発見のために最善を尽くすという基本方針のもとで差し戻し裁判に臨むという方針をきめておるわけでございまして、その線で検察庁としては処理していくはずでございます。機関車の点とか、あるいは個々の書類等につきましては、私ども局外の者でございますので、つまびらかにいたしておりません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 そのときの議事録に、竹内さん、あなたはこういうふうに説明されております。「被告人に有利な証拠は検察官が出さなくて、それは被告側が出すのだというような考え方を私は持っておりません。被告人に有利なものでありましても、出すべきものは出す、必要のあるものは出す、これが私の考えでございます。」こういうようにあなたは答弁され、そのあと、私が井野法務大臣にその点についてお伺いしたところ、井野法務大臣は、自分も被告人にされたことがあるから被告の心情はよくわかる、そういうふうに努力する、こういうふうに言われたのであります。ところが、松川事件の最高裁のときに井本検事は、諏訪メモにしても被告側の弁護人が努力を怠っておったのに、それが今まで出されなかったと言って、最高裁のあの裁判のあるちょっと前まで出されなかった、それを検察側の責任にすることは当たらない、弁護人側の怠慢だ、こういうことを言っておる。検察庁の倉に隠しておって、出してくれと二百四十三人の弁護人が正当な法律上の手続に基づいて請求しても、四の五の言って出さずにおいて、それが出なかったからといって、井本君のように、これは弁護人側の責任だということを言った。その実例があるんです。だから私はこういうことをあなたにお伺いした。そうすると、これは被告側にとって右利な証拠であるかどうかということは、証拠品を閲覧しなければわからない場合もありますね。そういう証拠はみんな弁護人に閲覧させますね。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 松川事件の証拠品につきましてのことでなく、一般的な問題としてお答えを申しげたいと思いますが、ただいま御指摘のように昨年八月十日の委員会で私述べましたことは、ただいまも心境において少しも変わりはございません。ただ問題は、この見せる時期ですね。起訴状を朗読する前に見せろというような議論も実は一部あるのでございますが、そこは法律の規定がありますように、問題があるわけでございまして、ただ被告人側に有利であるということで検事側が見せないというような態度は、現在の検察庁も私はとっていないと思うのです。問題は、その見せる時期等について争いがあるのだと私は考えております。  それから井本検事のお話が出ましたが、私どういう話の過程においてそういうお言葉が出たかはつまびらかにいたしません。おそらくは検察庁に持っておる書類を検事が進んで公開するという性質のものじゃないじゃないかということを前提としまして、弁護人側が請求をしてくるべきじゃないか。(志賀(義)委員「請求したのですよ、二百四十三人の連名で」と呼ぶ)そこのところは私はわかりませんが、請求してくるべきじゃないかという意味において、もしそういうお言葉があったとすれば、理解する以外にちょっと方法がないわけでございます。これは私の今伺いましたところでの感想的な発言でございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 その感想自体が、検察庁の態度をよく示しておりますね。帰ってテープレコーダーにとっておりますから聞いて下さいよ。私が言ったところからいっても、あなたのような感想が生まれるわけはないのだ。検察庁の倉にしまってある、これを証拠として出さないのは弁護人側の怠慢だと言ったのは、あのとき先生は上がっていたのですよ。もうよくわかるのだ。だからそういうとんでもないことを口走ったのですよ。それで起訴状を朗読するときに、その前にどの証拠もと言われますが、この松川事件というのは、起訴状の朗読どころではないのですよ。最高裁で原審差し戻しをやっておる。そうして仙台の高裁にもう一度やり直せという段階ですよ。そこでまだ幾多の疑わしい点があるというのです。検察庁のやり方を見ますと、菅生事件で警官の戸高君が市木春秋という偽名を使っておったときに、交番に自筆で書いたものを脅迫状として投げ込んだけれども、検察庁を代表する井本君は、当時刑事局長でありましたが、初めは、私から請求されて探してみたがない、ないと言われて、とうとう問い詰められて、あれは証拠として出されたものではないと言ったんです。ところが隣にいた当時の警察庁長官である石井君が、あれは確かに証拠として出しまして、その領置書までいただいておりますと言った。このときの井本君の表情といい、態度といい、まことに気の毒なものだったんです。そういう前例もありますから、どうもあなた方のおっしゃることは信用できないから、昨年松川の最高裁の判決があったその日の午後、ここでお伺いしたときに、あなたは、出すべきものは出すと、こういうふうに言われた。出すべきというところを検察庁の主観的判断で、これは出すと検察庁の黒星になるから、これは出したくない、これは出しても事件の本筋に大して関係はないし、こじつけもできるから、これは出してやろうというような判断でやられたら困る、こういうことでありました。とにかくもう原審差し戻しで仙台の高裁に返っているときであります。どの証拠物件が有力なものであるかどうか、重要なものであるかどうかということは、それを閲覧しなければわからないでしょう。だからとにかくこの際検察庁は、これほど公明正大にやっているということを示さないと、国民の疑惑はますます深くなります。証拠という証拠を出して、検察庁はこれを重要と認める、認めると言うなら、その判断を下されるがよろしい。また弁護人の側にも多くの証拠物件があるが、この中でこれが重要だということを自由に認めることのできるような場を与えていただきたい。そういう意味で昨年質問したのであります。これを保証して下さるかどうか、これを伺います。

竹内壽平検事(刑事局長)

○竹内政府委員 松川事件の今後の審理にあたりましては、先ほど申しましたように、あくまで公正な態度を堅持して、疑惑を残さないような審理の方式になりますように、検事も陣容を新たにして臨んでおる次第でございます。私がここでその具体的事件の取り扱いについて意見を述べることは適当でありませんので、先ほど申しましたように、抽象論としてお答えを申し上げたわけでございますが、志賀委員の御意思の存するところは、これは責任を持って検察当局にお伝えをいたしたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 実は差し戻し公判になりましてから、あすこに特捜班までも設けていろいろとまた策動しているのです。八海事件のとき以上に大規模な特捜班を作っておる。そういうこともありますから、なおさら今の点をあなたに念を押したのです。これはしかと伝えておいていただきたいし、私もきょうのあなたの御答弁を弁護人側にも伝えます。そうして証拠について十分これを閲覧して、どれが重要であるかどうかという権利は確保できたものとして、この事件の公正な審理をして、その結果国民に疑惑を残さないようにしたいと思います。  刑事局長にお伺いすることはこれで終わりますが、警備局長が来られましたので質問を続行いたします。きょうは柏村警察庁長官がかぜぎみで遺憾ながら出席できないということですので、あなたにお伺いいたしますが、横浜市鶴見警察署交通課外勤係原交番勤務の堀地忠道巡査、居住は鶴見区生麦町二千番地です、この人が労働組合の総評、これの全国金属労働組合神奈川地方本部執行委員国分正二君の次男平君、現在十八才であります、それからその妹の長女、十三才になる娘さんに対して、昨年からことしにかけて非常に不当な情報活動をやっておる事件があります。このことについては、あなた方の方に報告がありましたでしょうか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 報告が参っております。もっとも不当な情報活動をしたという報告は参っておりません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 どういう報告が来ておりましょうか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 それでは内容を申し上げます。堀地巡査が、ただいま申された国分平という少年に対しまして、少年補導の見地から接触をいたしておったのでありますが、その間に、昨年の十二月十日に一緒になった際に、二人で酒を飲んだという事実がございまして、これは未成年者に対して酒を飲ましたという点が警察官として不都合ではないかという問題に相なっておるのでございます。この点については、本人自身も不都合であったということを深く認めておるのでございまするが、ただ、今志賀委員のおっしゃったように、これを情報活動に利用したという抗議がございましたことに対しましては、所属の署長なりあるいは警備本部内においても調査をしてみた結果、そういう情報とは何ら関係がないという報告が参っておるわけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 堀地巡査が親の国分正二君の、それから労働組合十二団体の抗議の結果書いた謝罪文は入手しておられますか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 着いております

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 現職の警官が未成年者飲酒禁止法にそむいて酒を飲ませた、これはいいことか悪いことか、この点についてどうお考えですか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 現職の警官ならずともよくないことと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 事実はこういうことがあるのですよ。警官ならずとも悪いことは、未成年者飲酒禁止法の第一条には、親といえども、自分の子が未成年のくせに酒を飲んでおったらこれを禁止しなければならないということがありますね。一体警官というものは未成年者飲酒禁止法があるからには、そういうことをさせてはならない、またそういうことがあったら警官は一般にとめなければならないものでしょう。あなた方、一体警官に対してどういう教育をやっておられるのですか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 未成年者が飲酒いたしております場合に、それをとめよという教育を特別に具体的にやっているかどうか私存じませんけれども、いやしくもそういう違法、不当な状態であれば、普通時にもましてやはり注意を払ってとめるとか、あるいは勧告するということをすべきことは、教養の内容になると思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 あなたは、情報活動をやったことはないということを言いますけれども、十八才になる少年が、この堀地巡査から聞かれたことを——申しましょう。父親の国分正二君と長男——兄さんですね、これがどういう会議に——自宅でやることもあるのですが、どの会議にどういう発言をしたかを知らせてくれということを言っているのです。あなたは、かねてこの少年を補導することに当たっておった、たまたま酒を飲んだと言われるけれども、その少年の補導と、こういうことを堀地巡査が平君に聞くのと、どういう関係があるのですか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 少年補導の問題につきましては、本人の名誉のこともございますので、どういうことがあったからこの平君を堀地巡査が補導したかということは省略させてもらいたいと思いますが、そのことと、今志賀委員かおっしゃったような、おやじさんなり兄さんなりの会議に出たことなどを聞いたということでございますけれども、その部分についてはそういうことはないのであります。ということは、署の調べにおきましても、その巡査からそういう情報を全然入れておらない。それから警備係長自身もそういう情報活動を指示したことは一切ないということを言っておるのでありまして、その諸般の事情、どういう状態で平君と堀地巡査が会ったかというようなことや、その後どこに行ってどういう飲み方をしたか、どういう別れ方をしたかというような一連の関係を見ますと、私はそういう情報活動はあったものと考えられないということを申し上げたい。それから堀地巡査自身が国分正二さんに出しておりますいわゆる謝罪文という原文のままが参っておりますが、これにおきましても、そういうことはしたようになっていないようでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 警察側の調べの結果でしょう。この一月の上旬に、長女太恵子、十三才の少女ですが、学校からの帰り道、街頭で今の堀地巡査から尋問を受けているのです。その内容は、あなたのお兄さんは今どこに勤めているか、どんな仕事をやっているかということを聞いておる。交通係の交番勤務の巡査が一体何の用があってこんなことを聞くのですか。十三才の少女ですよ。それで帰ってきてぷうぷう怒っておる。学校からの帰り道に何の必要があってこういうことを聞くのですか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 平君の妹の太恵子さんに対しまして、やはり抗議の中にございますように制服で職務質問したということはございます。職務質問と言えるかどうか存じませんが、昭和三十四年の十一月二十六日に、このことを申し上げた方がいいかどうかわかりませんけれども、鶴見署の管内である事件が起こっております。暴行障害事件でございます。容疑の重いか軽いかは存じませんけれども、そのうちの一人として平君自身も浮かんでおったので、これは本署の指示のようでございますが、本署の指示によって十二月二日の午後八時ごろ平君を自宅から任意同行をしたのであります。その日の午後二時ごろ、原巡査派出所——これは堀地巡査の勤務しておる巡査派出所でございますが、その派出所に勤務中に、平君の妹の、先ほどおっしゃいました太恵子さんが、派出所前を通りかかったのであります。それに対しましてこの堀地巡査が、平滑が自分のうちに帰ったかどうか、どこに行っているかというような事柄を聞くために、軽い意味でそのことを聞いたという事実はあるのでありますが、友達と太恵子さんか一緒に連れ立っておったというようなときでもございますし、また巡査が制服でもございましたので、そういう聞き方をされた十三才の少女は、ショックを受けるというか、恥ずかしいというような気持を抱いたかも存じませんので、その点は必ずしも適当であったかどうかということは言えないと思いますけれども、やはりこれも情報活動という部分じゃない、こういうふうに考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 この国分君の宅で研究会がしばしば開かれておるのですが、その出席者は会社の上役の方からそのことについて警告を受けているのです。明らかにこの堀地巡査が情報活動をやって、どういう経路、筋でかは別として、警察が会社側にそういう情報を与えるからこういう結果も起こっている。それに基づいて私は言っているわけです。研究会をやろうと何をしようと、そういうことについて君のうちにだれが集まってどういうことをやっているか、こういうことを明らかに堀地巡査が平君に聞いているのですよ。問題はそこにある。一体、そういうことをやり、また街頭で学校の友達と一緒に帰ってくる十三才の少女に、あなたも適当でないと認められるようなことをやった、その法律的根拠をどこに求めて堀地巡査はそういうことをされたのでしょう。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 先ほどから国分正二氏のうちで会議があったとかなんとかいうことをよく言われますけれども、この堀地巡査との関係において、そういう会議かあったかなかったかというようなことは、警察の方には出ておりません。御参考のためでございますが、堀地巡査は、昭和三十四年の四月三十日といいますから、ごく最近に学校を出た警察官でございます。それと同時に、鶴見警察署に配置され、そしてただいま申し述べた原派出所勤務となった警察官でございますから、そういう若い——まあ若い、年寄りは別としても、巡査派出所勤務の者について一般的なそういう情報活動を命ずるというようなことは普通考えられない。またその結果においても、堀地巡査から国分正二氏の宅でしょっちゅう会議をやっている、研究会をやっているというような連絡、報告等を命ずるというようなことは、署には一切出ておりません。それで今度の事件が起こりましてから、堀地巡査がどれくらい国分正二氏に対して認識があったかということを聞いておるのでありますが、その人が、先ほどお述べになったような全金属の何ですか、そういう組合の有力な地位にある、あるいはどういう経歴があるのだというような事柄については、一切認識をしていない状況でございますから、もしも会社の方で注意をしたというような事実があるとすれば、これは堀地君の線ではなく、あるいは会社自身の調べかもわからぬのであります。そういうふうにすぐ結びつけるというわけにいかぬと思います。  それから、堀地巡査が妹の太恵子さんに対して、交番の前で、兄さん、何時ごろ帰るかというようなことを聞いたことは、先ほども申し上げた通りでありまするが、これは従前から面識もあったことで、普通の事実行為として軽く聞いた、こういうことであって、特別な法の何条何項によって尋問をした、質問をしたというような性質のものではございません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 父親の国分君がむすこの平君に、一体どういうことを警官が聞いたのか、そのことをちゃんとただしておるのです。その結果、そういうことが判明したのです。その報告をここに出すのは工合が悪いという意味で、あなたはそう言われるかもしれないけれども、平君の方で父親の国分正二君に対して、こういうことがあったということを言っているのです。そうなってくると、これは明らかに警官が情報活動をやっておったということになるでしょう。あなたの方に報告がある、ないということじゃないのです。そういうことが現にあるのです。そのことが一つ。そういうことを平君が言っているとして、それは一体どういう法律的な根拠に基づいてその警官にそういうことをやることができるのか、そこを伺っておるわけであります。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 まずそういうことがあったかどうかということが問題であるのでありまして……。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 だからその事実を伺っているのです。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私の方では、そういう事実はないということを言っているわけでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 ないと言ったって、未成年者飲酒禁止法をも破ってやるような警官です。これでは警官の方が悪いことは、あなたの方もわかっておりますね。そういうことをする警官の言うことと、おやじさんがむすこを調べて言ったことと、世間的にいってどちらが信用されますか。軽い気持で酒を飲んだと言うけれども、現職の警官が未成年者飲酒禁止法を破ってまで酒を飲ませる、何かあるということは、世間の人は当然推察しますよ。痛くない腹を警官が探られるのじゃないのです。こういう悪いことをする警官がある。そしておやじさんがむすこさんに聞いてみたら、そういうことがわかった。また研究会に集まる人について、会社側から法律上何らの根拠もないようなことで警告を受ける。こういう事実を並べてみたら、あなたがそういうことはない、警官はそういうことをしなかったと言われていても、警察が明らかにやっているというようにだれでも思いますよ。あなたは、あえてそういう世間の常識にそむいてまでも、そういうことを言われるのですか。そうすると、あなたの言われることを逆に言うと、酒を飲ませることだってやむを得ないのだという結論になりかねませんがね。そこの点はどうです。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 先ほど来申し上げますように、未成年者に対して酒を飲ましたことは、やむを得ないとは申しておりません。それは悪い。しかし、その悪さをする警察官であるから、それ以外の悪いことをやったのであろうというふうには結びつかぬ。同時に、ここで平君がどういう経歴であるかということは、一番初めに私が申し上げたように、その具体的な内容は申したくないけれども、駐在所の巡査としては、少年補導ということをやかましく言われており、また必要である今日において、努めて接触して、親しくしていかなければならぬ対象であることは間違いない。それで酒を飲ませました状況においても、詳しく申し上げると、十二月十日ごろの夕方、堀地巡査自身は非番日であったので、ふろに行く途中で偶然道で会っているのであります。それでいろいろ話をしまして、自分のうちへ遊びにこないかということで——自分のうちというか、鶴見の警察寮でありますが、そこに連れてきて、まずリンゴを食べておりますけれども、少しそれじゃ物足らぬということで町に出ております。そこで……

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 何が足らぬのです。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 食べ方、飲み方が物足らぬ。それで二カ所で九百円でありますか、飲んだ量もわかっておりますが——そして、そのまま別れておりまするから、その間にそういうことを目的としたやりとりがあったというふうには、その日の状況はちょっと思えないのです。だから、ただいまおっしゃったように、この堀地巡査自身が酒を飲ましたということについては後悔いたしておりますけれども、それから進んで、何でもやったろうというふうには私たちは考えていないのであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 その補導上の問題のことは、本人の名誉に関しますからあなたも言われまい、私もここではそのことについては申しますまい。しかしながら、それを利用して、つまり本人にとっての弱みを利用して、家庭の子供の弱みを利用して、父親国分君の動静を探る。そういうことが一体警官に許されますか。あなたはリンゴを食ったが物足らぬ、だから飲みに行った、こういうことを言われますがね。つまりそういう父親の動静、全国金属の横浜地方本部の執行委員をやっている国分君の動静を探るために、少年が補導を受けるという弱みを利用して、未成年者飲酒禁止法を現職の警官がみずから破って酒を飲ませる。褒賞の意味になるか、謝礼の意味になるか、あるいは誘惑の意味になるか、いろいろあるでしょう。これは常識上だれでも考えることですよ。補導ということをたてにとって、人の弱みにつけ込んで、あなたの言われた言葉をかりれば、物足りないということは、これはもう少しスパイ活動をやらせるのに、リンゴ一つでは少年も承知すまいから酒を飲ませてやらせよう、こういうことになるじゃありませんか。前後の事情を察してごらんなさい。上役として警官の非違をできるだけかばうという立場を離れて、常識から考えて——それでなければ、どうして十二もの民主団体がこれの抗議に立ちますか。近所の母親たちがみんな憤慨しております。そういう世間の良識にそむいてまであなたは強弁されようとするのか、その点をもう一度伺います。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私は、世間の良識に反して強弁をしようというのじゃございませんので、私が得ておりまする報告に基づいて答弁をしているわけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 その報告が一方的だから、私がさっきから聞いているのでしょう。だから世間の良識の線に引き直して答弁して下さいと言うのですよ。私の言うのは、補導の任に当たった警官が、その職権を利用して、少年に酒を飲ましたり、酒を飲ませて父親の動静を探らせたり、十三才の少女に街頭で職務尋問めいたことをやる、こういうことが警官としてやるべきことかどうか、そこを伺っておるのです。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 人の弱みにつけ込んで情報活動をやる、これはおっしゃることがそちらだけが正しくてこちらが間違っておるとすれば別でございますが、そういう仮定のことで答えればそれはよろしくないことだ、こう申し上げなければならぬと思いまするが、この十二月十日の事実自身については、リンゴ一個で物足りず、焼き鳥を食うて、その席でコップ酒を一ぱい飲んだというような事柄については、この酒の点が未成年者禁酒法に触れる、これを人もあろうに警察官が飲ましたということについては重々よろしくない、こういうことを言っているのでございます。それと情報活動とをすぐ結びつけておっしゃるものだからまことにけしからぬというわけになりまするが、私たちはそれで情報活動をやったというふうには考えてないわけであります。それから交番前で妹の太恵子さんに質問をしたというのは、先ほども私が申し上げましたように、本署から具体の事件について具体の人間について指示が参っておったので、聞いたということは私は必要な措置だと思いまするけれども、その聞く聞き方あるいは聞く周囲の状態というのが、まあ抗議をされてみるとやはり多少考えるべき点があったのじゃないか、こういうふうに私は申し上げているわけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 ますます奇怪なことです。あなたは警察官の報告に基づいてのみ言われる。現に父親がむすこに一体どういうことを聞かれたんだ、そして研究会の人々には会社からもいろいろと警告をする、こういうことがある。それらの内容を総合すると、堀地巡査がやっておったということは明らかである。そうするとあなたは警官の方の申し立てだけを真実として、父親が聞いたことはうそだと言われるのですか、父親がうそをついたとあなたは言われますか、それだけを言って下さい。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 うそであるか真実であるか、今のお話だけではわからない、こう考えます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 それからもう一つ、太恵子さんというのは十三才の少女ですね。これが殺人の現場があったとかいうようなときに、たまたまそこに十三才くらいの少女なり少年なりがいた場合には、これに聞くことができましょうけれども、そういう場合ではないでしょう。路上で、しかも友だちと一緒におるときにあえてそういうことを聞くという、こういうことを警官がしていいという法律的根拠がどこにありますか、言って下さい。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 これは純粋の刑事上の問題でありますから、私から答えるのはあるいは適当でないかと思いまするが、先ほども申し上げたように、十一月の二十六日に起こりました事件で何人かの容疑者が浮かんだわけであります。それで、本署の方ではその何人かについてそれぞれの指示をなしておるわけでございまするから、そのうちの一人である国分平君については、その受け持ち区域である派出所で取り調べる、あるいは本署に連れていくという指示がありますので、何時ごろ家に帰るかあるいはどこにおるかというようなことを聞くことは、いわゆる刑事上の事実上の聞き込みでございますが、私はその根拠になる法律が何という法律の何条にあるかということは、ただいまここで申し上げる材料を持ちません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 警官の活動というものは、法律にちゃんと規定されたところに基づいているわけですね。先ほど私が想定した場合にはやむを得ず、また十三才の少女が被害者であるというときに、状況を聞くとかいうことはあります。しかしながら、そういう場合でない、これは明らかに行き過ぎであります。それからまた父親が次男の平君に聞いたときにそういうことが判明している。あなたはどこまでもそれを一方的に想定だと言っている。公正にこのことをやろうとする前に、こういうことが一方にあるという場合に、あなたはなぜそれを考慮されないのです。先ほどあなたが来られる前に刑事局長にもいろいろ伺ったのです。民間の人の場合には、検察庁でも警察の肩を持って不公平な取り扱いをする。警察官の非違の場合はなるべくそれをかばう、こういうことがある。警察の上の方の責任者がそういうことをされる。そういうことだから下では少年に酒まで飲ませるということになるのです。  そこで伺いたいのは、先ほどあなたの御答弁で、派出所の巡査は情報活動はやらせない、やらせていない、これはあなた、確言できますか。この場合を含めて全国どこでもそういうことはございませんか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 原則としてやらしてないはずだと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 原則としてというと、原則以外にそういうことがあるのですか。あればその例もついでに言って下さい。共産党の参考になりますかう……。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 現実にどこ署、何派出所でやっているということは私申し上げられませんけれども、しいて考えれば、駐在所自体非常に不便なところにあるというようなところで、しかも情報をとらねばならぬような、あるいはとった方がいいと思われるような事象があるというような場合においては、軽いものであればあるいは駐在所、派出所の警官に命じてやるというようなこともあろうかと思いまするが、いわゆる警備情報というようなものについては、なるたけ派出所とかなんとかを使わないというようなことでやっておることと私は考えております。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 これは公安警備活動でございますね。公安警備活動は、予算もできておりますね。公安警備活動の予算。これが今あなたの言われたような場合には、警察の他の交通その他のことに当たる人のところに予算が回されておりますかどうか。今あなたは原則としてと言われるが、原則でない場合には、公安警備活動費というものはそちらに回されるのですか。これは後日私は別の機会に重大な問題として事実について申し上げたいことがある。あらかじめ伺っておきたいのであります。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 原則としてそういう仕事をやりませんから、渡されないのは言うまでもありませんが、例外といいますか、そういう特殊な場合に、現実に情報活動を依頼したりあるいは命じたりした場合におきましては、それは係のいかんを問わず渡す場合もあろう、こう考えます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 それは会計法上の流用にはなりませんか、公安警備以外の他の捜査とか、駐在所とか外勤などにそういうことをさせる場合……。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 それは流用にはならないと存じます。それを普通の強盗犯人を追っかける捜査の費用に充てるとか、あるいは交通取り締りの費用に充てるとかいうことになれば別でございますが、公安警備活動をどの係の警察官がやったかということは、便宜どの係でやっても、それは差しつかえないわけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 そこで、公安警備費というものが非常に膨大なものであることはあなた自身も御存じですね。そうすると、普通にどろ刑といわれる、窃盗犯とかなんとかを扱う刑事諸君その他の方の部門から不平が出る。だからこれを幾分分けてやって、公安警備のために全体を活用した方が、公安警備の方としては有利だ、こういう考え方は警察庁の中にはございませんか、どうでしょうか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 警察庁の中も広いので、そういう考え方を持っている人もあるかもわかりませんが、私は持っておりません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 これ以上のことは後日の問題に譲りますが、そういう訓示なんかがあったとしたら、これは問題ですね。公安警備が予算を分けてやって警察全体をまるがかえにした方が有利だというような訓示があったとしたら、これは困りますね。そこは答弁なさらなくてようございます。後日またいろいろとやりますから……。  そこで、この堀地巡査に対してどういう処置をとられますか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私もただいまここに参上するについてこの事件を聞いたのでございまして、処置をしたかどうかということは聞いておりません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 あなたはどういうふうにされるか、どうお考えかということを聞いているのです。警備局長として、警察庁のお考えを……。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 堀地巡査をどう処分するかという問題ですか。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 あなたはいろいろ逃げ回られるが、とにかく未成年者飲酒禁止法を現職の警官がみずから破って、そして今のように捜査をしているんですかね。捜査のことはあなたは逃げられるが、未成年者飲酒禁止法に現職の警官がそむいたということだけはあなたも認められましたな。これはどうされますか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私自身はどうもいたしません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 いや、警察庁として、こういう場合の事例を伺っている。どういう事例がありますか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 こういう場合におきましては、もちろん地元の本部長において判断をすることでございまして、これを懲戒処分の対象にするか、あるいは将来を戒める訓戒というようなことになりますか、その点は私としては何とも申し上げられない。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 この場合は明らかに法律を破っているんですね。それに対して、自分はどうとも思わないなんて、そういういわばてん然とした答弁をなさるようだから、こういう事件が起こるのですよ。また法務委員会で問題になった以上は、あなたの方としても、法務委員会でもこういうふうに問題になっているんだ、一体どうするんだということで指導なさらなければいかぬでしょう、上級機関として。あなた個人の意見を聞いているのじゃない。きょうは警察庁長官が来ないから、やむを得ず、あなたでもがまんしようかというんでおいでを願ったわけなんですよ。あなた個人の意見を伺っているわけじゃないのですから、そこのところをもう一度はっきりして下さい。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私たちには警察からの、志賀委員に言わせれば一方的だという報告が来ておりまするし、また志賀委員からはるるそれは違うという御発言がございましたから、こういう場合におきましては、もちろん現地に対して再度、こういう話があるがどうだということで確かめることは、私たちとしては当然の措置としていたすわけであります。  それから、ただいま私が誤解いたしたのかもしれませんが、堀地巡査自身について警備の立場からどうするかというお話かと思いましたけれども、そうじゃないということでございますれば、その事案がはっきりいたしますにつれて、現地においていかような処置をとるかということについては、またこの所管のところで十分なアドヴァイスをするものだ、こう考えるわけであります。私の方からこれをどうしてくれというような指示はいたさないということを言っただけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 未成年者飲酒禁止法には明らかに罰則がございますね。その罰則があるようなことをやっている。それについては、こういうことが法務委員会で問題になったら、このことについて当然あなたの方で事態の解決の促進をはかられるべきじゃないですか。解決を促進する意図があるかどうかということを伺っているのです。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 それぞれの所掌を分かっておりますので、その方に連絡をして、そちらの方から十分な指示を与えるように私の方から申しておくつもりでございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 なお、先ほど原則としてはやらないというふうに言われましたが、そういうことは、公安警備のことは公安警備の法律に基づく職権を持っている部門がやるべきものであるというふうにすべきじゃありませんか。そういたしませんと、私どものおそれるのは、原則としてはやらないが、ほかで必要があったら何でもやるということにをなったら、警察全体が公安警備のことに動かされるということになって、大へんなことになります。その点は厳格に法律に基づいてしませんと、あなたの方で、警察全体が、原則でない場合もありますからといって勝手なことをするというようなことを言われたのでは困るのでありますが、その点どうでしょう。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 多少誤解があるのじゃないかと思いまするが、警察が各係を分かって公安係とか刑事係とかしておりますのは、そのときどきの便宜、あるいは適性、不適性の関係でございまして、権限の上には差はない。従って、法律的に、公安係ができることは刑事係もできる、刑事係ができることは公安係もできるのですが、それではかねがねの教養とかあるいはなれ、ふなれというようなことで不経済でございますので、分けておるというだけでございます。だから原則としてその係でやるということを申し上げたわけでございまして、たとえば逆の場合、大きな刑事事件が起こった、あるいはお祭り等で、雑踏警備等がその警ら交通をする係だけではできないというような場合におきましては、駐在所を引き上げ、あるいは他の係をそれに回すとかいうことで署長なり本部長なりが適宜あんばいをするということは十分ございますので、ここではっきりと公安係以外ではやらせないというようなことを私申し上げるわけにいかぬと思うのでございます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 志賀委員に申し上げます。だいぶ時間も経過しておりますが、いかがですか。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 もうすぐ終わります。その点は、重大問題がありますから、今度警察庁長官が参りましたときに再度確かめたいと思います。  次に、最近の「別冊週刊サンケイ」一九六〇年四号に、「一齊検挙の準備完了」というので、羽田で検挙された学生のことを書いてありますが、その中に、「この全学連の大量パクリ(検挙)に示された成果は、警察庁が極秘で六年前からはじめている「F作業」の結実を物語っている。」こういうふうになっております。F作業というのは何ですか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 これは大した意味はないわけでございますが、外部に何であるかを言わないためにF作業ということを言っておりますので、その中身は言わない方がいいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 F作業というのは警察庁の秘中の秘であるといって、F作業の中身がずっと書いてあるのです。そうしますと、あなたは言わない方がいいと言われるが、こういうふうに週刊サンケイに出ておる。これをごらんになりましたか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 ええ。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 ここに書いてあることは、これはうそでしょうか、事実でしょうか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 うそといいますか事実といいますか、事実に近い面もあるし、うそのものもございます。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 なぜ発表できないのでしょうか。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 まあF作業というのは大した意味はないということを私申し上げた通りでございますけれども、大した意味がないならばきちっと従来から言っておけばいい問題でありますので、従来からF作業と言っている以上は、そういうことでやっていく方がいいということであろうと私は思いますので、ここで上司に打ち合わせなしに、私はその言葉自身は大したことはないと思いますけれども、私からここで答弁しない方がよかろう、こう申し上げておるわけであります。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 この週刊サンケイによりますと、こういうおもしろい取り扱いになっている。「その上に次のような厳重な取り扱い注意がついていた。」注意はこういうふうに書いてあります。「この要綱は担当課の備え付とし、必要に応じて個人に貸与されたい。従って必要のなくなった場合は必ず返納させること。担当係員の講習、教養等のさい、教材として使用することは差し支えないが、必らず一時貸与とすること。」こうなって引用してあります。そのあとで「つまり、絶対に部外に出してはならぬ、ということである。警視庁では公安部長の責任において十部の要綱が保管されている。ナンバー1からナンバー1〇の番号が記されて、貸与簿と常に照合されている。この要綱が警察庁から配付されて六年間、これを読んだ係員はごく限られている。これを読むには主任から係長、係長から課長の許しを得て、保管責任者の許へ出頭、印鑑をおして初めて借り出せる。」云々と、こういうふうになっているのです。こうなってみるとこれは公然たる秘密ですね。産経新聞の記者がちゃんと書いている。そういうことを書いてあるでしょう。あなたはうなずかれている。確かに書いてあるに違いない。そんなことなら今さら——ここは法務委員会ですよ。法務委員会で言えない、新聞記者にちゃんとわかっていることをなぜ法務委員会に言えませんか。そういう貸し出しについての厳重な注意書があることまでもここに出ているんだし、あなたもうなずかれた、新聞記者が見るのですからね。法務委員には一つ内容を見せて下さいよ。何か法務委員だけに見せられない理由があれば、それもあわせて弁明していただきたいと思います。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 私がうなずくのは、その雑誌にそういうことを書いてある、私もそれを読んだので、そういうことが書いてあるということでうなずいているのであります。それと同じものがわれわれの手元にあるといううなずきじゃございません。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 じゃあ、そこの信否を確かめるために、ナンバー1からナンバー1〇まであるそうですから、一つ参考のためにわれわれに見せて下さいませんか。できませんか。新聞社でもこういうふうにやっているのだから、当たっているところもあると言われるからには、あなたがさっき言われた、議事録にはちゃんと当たっているところもあるとあなたが言ったことを書かれているのだから、そうすると、これはまんざらうそじゃないということになる。それなら一つそれをわれわれに見せて下さいよ。——鍛冶君も見たらいいだろう。

江口俊男監視監(警備局長)

○江口政府委員 そういうFシステムというものがあることは認めます。しかし、それはこちらの方からその雑誌に書いた人に提供したものでも何でもないので、やはり極秘のうちにやっている仕事だ、こういうふうに御了承願いたいと思います。

志賀義雄無所属

○志賀(義)委員 しかし極秘にやられても隠すより現わるるはなしで、現にあなたも当たっているところもあると言うからには、これは漏れているに違いない。新聞社に漏れるくらいですから、週刊誌に漏れるくらいですから、一つ法務委員会に、帰って相談して見せるようにして下さい。なお、今あなたは自分の一存ではそのことについて言いかねると言われるから、その点については警察庁の長官にきょうこういうことがあったということを帰って報告なさって、そうして、次会に警察庁長官が出られるときにまたあらためて要点をお伺いしますけれども、その点を報告していただきたいと思います。とにかくこういうことが行なわれて、これが人権じゅうりんにまで立ち至ると非常に重大問題でありますから、法務委員会が国政審査をする必要上そのことを申し上げておきます。  なお、先ほども未成年者飲酒禁止法には罰則もある。現職の警官がそれに触れるようなこともした。なお私の方から申し上げたことは、その少年のいわば弱点につけ込んで、現職の警官がそういう法律まで犯して情報活動をやった、こういうことなんですから、その点について、堀地巡査について、またこの指導に当たった人々、責任についてぜひともはっきりしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 本日は、この程度で散会いたします。     午後零時四十七分散会

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