文教委員会 第15号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1960/05/11
会議録
○大平委員長 これより会議を開きます。 この際、去る四月二十七日の当委員会におきまして決議いたしました教科書採沢等の公正に関する件につき、経過を御報告申し上げます。 本委員会の決議は、即日文部省及び公正取引委員会あてにそれぞれ委員長名をもって参考送付いたしました。これに対し公正取引委員会より関係方面に警告を発した旨、委員長に通知がありました。また文部省におきましても、お手元に配付の資料の通り通知を関係方面に発しておられます。 以上、御報告申し上げます。 なお文部省及び公正取引委員会より関係方面に出されました文書は、参考のため委員会議事録に掲載いたしたいと思いますので、御了承願います。 ————◇—————
○大平委員長 次に公立有事学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題とし、まず松田文部大臣より趣旨説明を聴取いたします。横田文部大臣。
○松田国務大臣 今回政府から提出いたしました公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 高等学校は、戦後の学制改革におきまして新しく設けられ、義務教育に続く学校として今日まで十数年を経過しておりますが、現在におきましては中学校卒業者の約五七%を収容するに至り、わが国の学校教育において果たす役割はきわめて大きいのであります。しかしながら高等学校の設置、規模、教職員定数等につきましては、従来学校教育法、文部省令である高等学校設置基準等に基づいて実施して参ったのでありますが、何分にもその後高等学校教育の実態が大きく変化して参り、現行の規定が必ずしもこれに即応しないこと、また高等学校の教育課程の改定に伴い、これを運用するために必要な教職員定数を確保しなければならないこと、さらに、最近の地方財政の実情にかんがみ、高等学校の設置等について国が一定の基準を示す必要があること、また今後における中学校卒業者数の急増に伴い、高等学校進学者数の増加に対処する必要があることなどの理由により、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準について、国の方針を策定することが緊要となって参つたのであります。 政府におきましてはこれらの実情にかんがみまして、この際これが解決をはかるべく、本法律案を提出いたしたのでありますが、この法律案は公立高等学校の設置について所要の規定を設けるとともに、その適正な配置及び規模についても必要な規定を設け、また公立の高等学校に置くべき学校ごとの教職員定数の標準を定めることとしたものであります。 まず、公立の高等学校の設置につきましては、現在都道府県及び市町村がこれを設置する場合には別段の制限がないのでありますが、一方地方自治法におきましては、高等学校に関する事務は主として都道府県が処理するものとすると規定されております。この法律案におきましては、この考え方を進めて、公立の高等学校の設置は原則として都道府県が行なうものとし、政令で定める一定基準に該当する市町村は高等学校を設置することができることといたしました。 第二は、公立の高等学校の配偶及び規模の適正化をはかったことであります。すなわち、都道府県はその区域内の公立高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならないこととするとともに、公立高等学校の学校規模の最低標準を定め、高等学校の教育水準の向上をはかったのであります。 第三は、公立の高等学校ごとの教職員の定数につきまして、その標準を定めたことであります。すなわち、本法律案におきましては、現行基準の不備を是正し、実際的かつ合理的な定数を確保することを目途とし、各学校ごとに、教諭、助教諭、講師、養護教諭、養護助教諭、実習助手及び事務職員についての合計数に、校長の数一人を加えた数を標準として教職員定数を定めることとし、各種ごとの数は、高等学校の課程ごとの生徒の数を基準として、これに課程の特色、置かれる学科の数、学校規模等の条件を加味して算定することとしております。これによって、学校ごとの教職員配置の適正化をはかることとしたのであります。 第四は、経過措置であります。 その一は、この法律施行の際現に市町村が設置している高等学校につきましては、当該市町村が政令で定める一定の基準に該当しない場合であっても、その高等学校の存続を保障することといたしました。 その二は、この法律案によって算定した教職員定数の標準を実施することに伴う急激な財政負担を緩和するための規定でありまして、昭和三十七年度までの間は、各学校に現に置かれている教職員数をもって、この法律案による定数とみなし得るものとし、その間に漸次教職員数を充実していくことを期待することといたしました。 その三は、昭和三十八年度以降四十三年度までの間における生徒数の急増に対処するための措置でありまして、この間におきましては、約一割までの生徒増につきましては教職員定数を増加させることなく、生徒を収容できるようにいたしたのであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
○大平委員長 次に補足説明を聴取いたします。内藤政府委員。
○内藤(譽)政府委員 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案の提案理由につきまして、ただいま文部大臣より説明がありましたが、なお私からこれを補足して御説明申し上げます。 まず、第一条はこの目的でありまして、公立の高等学校に関し、学校の設置、学校の適正な配置及び規模並びに教職員定数の標準について必要な事項を定め、高等学校の教育水準の維持向上に資する趣旨を明らかにいたしております。 第二条は、この法律における「教職員」及び高等学校の「課程」について定義いたしたものであります。 第三条は、公立高等学校の設置に関する規定でありまして、まず公立の高等学校は、原則として都道府県が設置するものとして、高等学校に対する都道府県の責任を明確にいたしました。次に政令で定める基準に該当する市町村も高等学校を設置することができることといたしました。このように、高等学校を設置する市町村を制限いたします趣旨は、現在の市町村の財政能力等の点から見て、すべての市町村が自由に高等学校を設置するということは、不経済であるばかりでなく、学校規模、施設、設備の充実、優秀教員の確保等の見地からいたしましても、とかく、十分に教育効果を発揮することができない現状であるからであります。また市町村におきましては、小学校及び中学校を設置し、これを維持管理しなければならないという重要な義務があり、まずこの面に全力を注ぐことが必要であります。なお、政令におきましては、市町村の財政的能力等を考慮して高等学校を設置する市町村の基準を定める予定であります。 第四条及び第五条は、公立の高等学校の適正な配置及び規模についての規定でありまして、都道府県は、高等学校の教育の普及及び機会均等をはかるために、その区域内の公立高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならないこととするとともに、学校規模につきましては、生徒の収容定員が、少なくとも本校は三百人、分校は百人を下らないものとし、高等学校の教育水準の向上をはかろうとするものであります。 第六条から第十一条までは、公立高等学校の教職員定数の標準に関する規定であります。 第六条は、公立の高等学校に置くべき学校ごとの教職員定数は、それぞれの高等学校について、第七条から第十一条までに規定する数を合計した数に、校長一人を加えた数を標準として定めるものとすることとしました。この学校ごとの教職員定数を定めるにあたりまして、各職種ごとの数は、当該高等学校の課程ごとの生徒の数を基礎とし、これに課程の特色、置かれる学科の数、学校規模等の条件を加味して算定することとし、第七条は全日制の課程または定時制の課程を置く学校における教諭、助教諭及び講師の数について、第八条は通信制の課程を置く学校における教諭、助教諭及び講師の数について、第九条は全日制の課程または定時制の課程を置く学校における養護教諭または養護助教諭の数について、第十条は全日制の課程または定時制の課程を置く学校における実習助手の数について、第十一条は全日制の課程、定時制の課程または通信制の課程を置く学校における事務職員の数について、それぞれその弊定方法を定めたものであります。 これを要するに、この法律案によって算定される教職員定数は、わが国の高等学校の実態に即しつつ、現行基準の不備を是正し、実際的かつ合理的な標準を定めることを意図したものであります。 第十二条は、公立高等学校の教職員定数には、休職者の数及び女子教育職員の産前産後の休暇中における学校教育の正常な実施の確保に関する法律第四条の規定によって、臨時的に任用される者の数は含まないことと規定したのでありますが、これは、実動教職員の数を確保しようとする趣旨によるものであります。 第十三条は、非常勤の講師を置く場合における当該学校の教諭等の数の一部を減ずることができる規定でありますが、その換算基準については政令で定めることといたしました。これは高等学校における非常勤講師の勤務時間等の実態を考慮して定めたいと考えております。 最後に、附則におきましては、この法律は公布の日から施行することといたしておりますほか、経過措置を規定しております。すなわち、附則第二項におきましては、この法律の一施行の際、政令で定める基準に該当しない市町村が現に設置している高等学校につきましては、今後もその存続を認めることといたしました。 附則第三項は、この法律案によって算定した教職員定数の標準を一挙に実施することといたしますと、国及び地方の財政に急激な負担を伴うこととなりますので、これを緩和するための規定であります。すなわち、昭和三十七年度までの間は、漸次、教職員数を充実していくことを期待いたし、各学校に現に置かれている教職員数をもってこの法律案による教職員定数とすることができるものといたしました。 附則第四項から第六項までの規定は、今後の中学校卒業者数の激増に伴い、高等学校進学者数の増加が予想されますので、これが対策として、教職員定数の定め方の特例を設けようとするものであります。すなわち、附則第四項におきましては、昭和三十八年四月一日から四十四年三月三十一日までの急増期間中は、養護教諭もしくは養護助教諭、実習助手または事務職員にかえて、養護助教諭に準ずる者、実習助手に準ずる者または事務職員に準ずる者を置くことができることといたしました。次に、附則第五項におきましては、昭和三十八年度から昭和四十三年度までの間は生徒数の急増が予想されますので、約一割までの生徒増につきましては、教職員数を増加させることなく生徒を収容できるようにいたしたのであります。附則第六項は、昭和四十四年三月三十一日までの間における実習助手の数の算定にかかる特例でございます。 以上がこの法律案の内容の要点であります。何とぞ、十分御審議の上、御賛成下さいますようお願い申し上げます。
○大平委員長 本案に対する質疑は、すでに提案がありました学校教育法等の一部を改正する法律案とともに次会より行ないます。 次会は来たる十八日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時八分散会 ————◇—————