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34回国会衆議院1960/04/27

文教委員会 第14号

発言数
70
登壇者
11
会派数
3
開催日
1960/04/27

会議録

大平正芳自由民主党

○大平委員長 これより会議を開きます。学校教育法等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨説明を聴取いたします。     ―――――――――――――

大平正芳自由民主党

○大平委員長 松田文部大臣。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 このたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、学校教育法につきまして、高等学校の通信制の課程の整備並びに高等学校の定時制の課程及び通信制の課程と技能教育施設との連係のため所要の規定を設けるとともに、特殊教育関係の規定等を整備し、また私立学校法につきまして、通信制の課程の整備に伴う学校法人にかかる認可等について所要の規定を段けることとしたものであります。  まず、学校教育法の改正といたしましては、第一に高等学校の通信による教育を行なう課程を通信制の課程として整備したことであります。  高等学校の通信による教育は、その発足当初の諸事情のため、全日制の課程または定時制の課程における教育方法として考えられ、現在まで運営されてきたのでありますが、最近に至り年々これを利用する主従数も増加し、関係者の努力によりその内容も充実し、定時制の課程と並んで勤労青年を対象とする教育の上に相当の役割を果たすに至ったのであります。そこで、このたび、これを全日制の課程、定時制の課程と並ぶ独立の通信制の課程として明確に位置づけるようにするとともに、通信制の課程のみを置く高等学校の設置をも認めることといたしたのであります。また、通信による教育は、これまで都道府県を単位として実施されていたのであり、将来もその発達を促進するとともに、最近におけるラジオ、テレビの普及に伴い、通信教育にこれらの新しい教育千段をも考慮し、全国または数府県を実施単位とする広域の通信制の課程をも設置し得る道を開くことといたしました。なお、広域の通旧制の課程の設置、廃止等にかかる都道府県の教育委員会または知事の認可を行なうに際し、全国的見地からの調整、教育水準の維持の必要等の見地から、あらかじめ文部大臣の承認を受けて行なわせることとして、その適切な実施を確保しようとしたのであります。これらの法的整備をはかるとともに、さらに各般の行政施策を講じ、勤労青年の教育の機会の普及拡充に今後格段の努力をいたしたいと存ずるのであります。第二は、高等学校の定時制の課程及び通信制の課程と技能教育施設との連係をはかったことであります。高等学校の定時制の課程よたは通信制の課程に在学する生徒が、同時にまた職業訓練法に基づく企業内訓練施設その他の技能教育施設において相当組織的な教育を受け、その成果をあげている場合がありますが、これらの機関の施設、設備、教員組織、指導内容等において、高等学校と同等以上と認められるときには、これらの技能教育施設における学習を高等学校における教科の一部の履修とみなすことといたしました。このことにより学校と産業界との相互の連係を密にし、技能教育についての能率を高め、もって科学技術教育の振興に資することといたしたのであります。第三は、特殊教育に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち現在盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部は、単独には設置できないこととなっておりますが、関係者の要望もあり、また特殊教育振興の見地からいたしまして、特別の必要がある場合には、これらの部をそれぞれ単独に設置し得る道を開いたのであります。次に、私立学校法の改正につきましては、主として学校教育法の改正による高等学校の通信教育制度の改正に伴い、規定の整備をはかったものであります。すなわち広域の通信制の課程の定置、廃止等にかかる認可につきましては、文部大臣の承認を経ることといたしましたことに伴い、これを設ける学校法人についても同様の措置を定めるなど所要の規定を設けることといたしました。以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さらんことをお願い申し上げます。

大平正芳自由民主党

○大平委員長 本案に対する質疑は次会より行なうことといたします。      ――――◇―――――

大平正芳自由民主党

○大平委員長 次に、学校教育に関する件につき調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川保君。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 前会教科書の検定並びに採択の問題についていろいろお伺いをいたし、また警告を申し上げたのでありますが、これらにつきまして社会に大きな反響がございました。御承知のようにあらゆる新聞がこれを取り上げて、そして教育の非常に重要な教材であります教科書の採択について、あるいは検定について、あくまでも公正な採択をするように、検定をするようにというようなことが、連日取り上げていかれたのでありまして、このことは国民が教育に対していかに大きな関心を持っているかということの証左でありまして、私どもとしましてはまことに喜びにたえないところでございます。ずいぶんと各紙が書いて世論を高めて下さったのでありますが、これらのことについて文教当局はどういうようにお考えになっておられるか、まず文部大臣の御意見から承りたい。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 むろん御指摘の通り事は教科書の問題であり、教育上の問題でありまするので、文部省としては厳然としてこれらの教科書がほんとうに公正に厳正に採択せられ、また一般業者におきましても常にここに心して、事は教育の問題でございまするので特に注意をして、忌まわしいことの起らぬようにということを常に注意をして参っておる次第でございます。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 先般長谷川委員からお尋ねのあった三件について、文部省で調査した結果を申し上げてみたいと思うのでございます。第一に愛知県の場合、第二に富山県の場合、第三に大阪の場合であります。第一の愛知県における場合に、A社の理科は県下で八五%とか九〇%というお話がございましたけれども、私どもで調べた結果、小学校では二八%、中学校では二〇%でございました。お話のように八〇とか九〇とかいうような事実はございません。それからちなみに第一位をとっている会社は五五%以上占めているものがございました。この傾向は二、三年来動いていないのでございます。この会社に関係をしておった元愛知学芸大学の学長が何か邸宅を贈られた、こういうような話がございましたが、これも調べた結果事実無根でございまして、そんな事実はない。それから夫人が重役を兼ねておるという事実もないというようなことが判明いたしたのでございます。大体この前に御指摘になったのはさようなことかと思うのですが、なお同窓会を動員して特に採択をしたというような一笑もないということが、愛知県の教育委員会からも報告がございました。次に、富山県の場合でございますが、十二月六日にB社が北陸、信越の各県から集めた、こういうお話がございましたが、これも調査した結果、二十六人集まって国語科の指導者を中心に研究会を開いた、こういう事実がございます。場所は御指摘の通り、富山県の小川温泉、この小川温泉の宿泊所は元陸軍の保健所を改装したあとでありまして、たんぼの中の一軒家。それから芸者をめいめいに一人ずつつけたというような御指摘がございましたけれども、こういう事実もございませんし、芸者はこの席にはべっていない。この近くには芸者がいないのだそうです。それから謝礼については遠方から夜行できた人には数千円、近県の者には千円、こういうことでございました。それから最後に大阪の場合C社の例があげられましたが、三月六日に、これは小学校の教科書じゃなくて、中学校の数学の編集会議を大阪の御指摘の飛田の「にほん」というところでやったそうでございます。しかし、これも一万円やったというようなお話がございましたが、費用もここに出ておりまして、昼食、茶菓、夕食として全部で六万程度でございまして、約三、四十人集まっているようでございますが、一人当たり宿泊費、旅費を含めて三千五、六百円、こういうことでございまして、別にそういう御指摘のような事実がなかったということを報告しておきたいと思います。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 今お話しの文部省のお調べは少し甘くないかと私は思う。日時その他相当詳細な資料が私の手元にあります。私は犯罪者を出すのが目的ではありませんからこれ以上この問題について争おうとは思いませんけれども、内藤さんがこの前の小牧委員の質問に対して非常に甘いことをおっしゃるし、私の質問に対してもそういうような忌まわしいことはあまりないようにおっしゃるから、たくさんある中から三つばかり例を申し上げたのでございまして、今のお調べは相当に甘いということだけを申し上げておきたいと思います。この間申し上げましたように、私どもは検察当局でもありませんし、行政監査特別委員会でもありませんけれども、私の調査にも誤りがあるかと思いますが、しかし現実はあなたの考えておるような甘いものでは絶対にないのでありまして、従って、私はきょう伺いたいことは一体文部当局は、今までのいわば通達的なものではなくて、それ以上今後どうやって具体的にこういう忌まわしい事件の起こらないようになさるか、その方針を承っておきたいのであります。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 もちろん、教科書は編集者が一生懸命作られたものでございますから、これについて十分なPRをすることは必要だろうと思います。私どもは、あくまでも不公正な取引のないように、こういう点に重点を置いて今日まで指導して参ったわけでありまして、このことは昨年来教育委員長会議あるいは教育長会議におきましても、十分傘下の教育委員会あるいは学校に徹底するように指導して参ったのでございます。先般一月十二日にはこれに伴う通達も出しておるわけであります。また業界の方に対しましても、不公正な取引のないように指導して参ったわけでありまして、特に今日までの措置といたしまして駐在員の制限とか、あるいは採択時期における教科書会社主催の講習会を開催させないようにする、これは従来通りでございます。なおこのほかに不公正な採択につきましては、文部省から都道府県に若干の委託費を流しておりますので、不公正な採択の監視に当たらせると同時に、教科書の研究も活発にしていただきたい。要するに各教科書会社それぞれ特色があろうと思う、その支所短所を明らかにして、現場の先生方が指導上肢も適切な教科書が採択されるように望んでおるわけでありまして、万一そういう不公正な事態がございますれば、厳重に関係の教科書会社の注意を促すと同時に、これに関与した方々に対して適切な措置を講じて参りたいと考えておるのでございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それらにつきましては、時間がありましたら後ほど私の思っておるところを申し上げてみたいと思うのですが、もう一度前に戻りまして、これらの不公正な採択というものがあまり出てくると、この間新聞を見ておりますと、教科書の国定化ということにならないとも限らない、これは非常に警戒しなければならないという言葉がしばしば論説にございます。これは私もほんとうにそう思う。と申しますのは、この間もその点は少しくぼやかして触れておいたのでございますが、教科書会社あるいは教育職員、関係者等のせいばかりでなしに、文部省自身もよほど自粛しなければならぬ、気をつけてもらわなければ困る。どうも私はこの間も申し上げたように、文部省の中にも少し不明朗なものがあるのではないかという感じがする。これは採択だけでなしに、検定にもそういう感じがする。そういう点で常に文部省自身もきれいにやっていただきたい。今きれいだとおっしゃられればそれまででありますけれども、この間も愛知県の例に関係いたしまする文部当局の方々との問題も、非常に言葉をぼやかして私は例として申し上げたのですが、どうも私は検定関係を見ましてもそういう感じがするのであります。検定の根本問題につきましては、参議院でもいろいろ論議せられ、私もこの間少しく論議いたしました。これについても、きょうは時間があまりありませんから、また適当な機会にさらに突っ込んで実例をあげていろいろ討議をしてみたいと思いますし、また御質問を申し上げたいと思うのでありますけれども、少し今なお気になりますことがございますので、この点について申し上げておきたいのであります。もし文教の当局がこういう問題について不明朗なことがありますれば、全くどうにもならないという形になるのでありまして、この点はあくまで自粛していただきたいと思うのであります。ちょっと私伺っておきたいのは教科書協会というものが社団法人でありますが、教科書協会は一体どういう仕事をする団体であるか伺いたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 いろいろ業界に問題がございます。そういう問題を自主的に調整しあわせで会員相互の親睦をはかる、これが目的だと思っております。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 私の手元にあります教科耳協会の定款を見ますと、第四条に「この法人は、検定教科書の質的向上と教科書発行事業の合理化に関する調査研究を行い、教科書出版倫理の実践を促進し、もって学校教育の充実発展に寄与し、あわせて出版文化の向上を期することを目的とする。」第五条に「この法人は、前条の目的を達成するため次の事業を行う。一、検定教科書の質的向上に関する調査研究二、検定教科書の発行および供給事業の合理化に関する調査研究三、検定教科書出版倫理の高揚四、関係官庁並びに関係業界との連絡五、検定教科書制度の運営と改善に対する協力六、検定教科書に関する知識の普及七、会員相互の親睦と協力八、その他この法人の目的を達成するために必要な事実」こうなっておりますが、今私がこの教科書協会において求めたい一つの重点は、「検定教科量書出版倫理の高揚」という三に位するものでありますけれども、この点については教科書協会はどうもほとんど何もやらないように思えるのです。こういう点でどういう仕事をしておられるか、実情を承りたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 これは協会でございますので、協会といたしましていろいろと定期的に集まりがございますし、またそれぞれの部会がございましていろいろと研究をされ、また必要な出版物あるいは情報を流しておる、こういうのが現在の実情でございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 最近やっている仕事をずっと伺ってみますと、四の「関係官庁並びに関係業界との連絡」ということはむしろよくやっていらっしゃる。けれども、今申しましたような「検定教科書出版倫理の高揚」ということはほとんどやっていらっしゃらない。最近の業績を調べてみますと、私はそういうように思うのであります。そこからいろいろな問題が私には考えられるのであります。この間も申し上げましたが、集中採択の問題――今愛知県の例がちょっと出ましたけれども、あなたの方で資料をお出しになりませんでしたから、私は、別に手に入りました資料と先の方の資料と、この二つを大体合わせてみました。そうすると、きちっと数が合っておりましたから、私の資料は大体正しいと思って申し上げます。本来ならば、この間も申し上げたように、国会代員が法律に従って当局に資料を要求したら、あなたの万ではその資料を出さなければならぬ。けれども、あなたの方はそれをお出しにならなかった。そこで、私は苦心して別にまた資料を自分で集めました。そうして、それを合わせますとぴたっと合っておりましたから、その資料は多分間違いないだろうと私は思うのであります。そこで、この集中して出ております教科書の部数について、この数年間の小学校関係のを調べてみました。この間申し上げましたように、非常に成績を上げているもの、またある特定地域に非常に集中しているものの陰にはどうも暗いものがあるのではないか、こういうことを思っていろいろと調べてみたのでありますが、各県について、三十五年度の小学校の教科書を四〇%以上採択しております各社の例をずっと調べていってみますと、十一の例があります。そのうちの六、宮城、福島、茨城、福井、長崎、熊本というようなところはTという会社が非常にたくさんのものを採択されている。たとえば、宮城では総需要冊数に対するパーセンテージを見ると四六%、福島では四〇%、茨城では四五%、福井では四二%、長崎では四三%、熊本では四七%という数字であります。あとの県を調べてみますと、北海道ではKという会社が五八%で五百二十八万冊、長野ではSという会社が百二万冊で四三%、奈良ではDという会社が四三%で五十万冊、佐賀ではFという会社が四六%で七十四万冊、それから広島ではGという会社が四二%で百二十八万冊、こういうふうに集中しておる。今申しました四〇%以上扱っております十一の中の六つの県をやっておりまする会社を試みに突っ込んで調べていってみました。そうしますと、私のところに集まったいろいろなきたない例も、私のところに集まった限りにおいてはこの会社が多いのでありますが、同時に、あなたの万で作りませんから、私は自分で資料を作ってみました。そうすると、その会社はこの五年間こういう数字である。昨年は各社とも少しずつ下がりぎみです。これはまあ教科書が変わるという意味だろうと私は見ているのですが、あるいはその他の理由もあるかもしれません。三十五年度を見ますと、中くらいの会社の中に三つ、四つ比較的上がっておるのがあります。けれども大したことはありません。大体今あげました大きな会社は下がっておる。大体三十五年度において下がっておるのが多いのでございますが、一つ、二つそうでない例外のもございます。こういう関係を見て参りますと、先ほど申しました教科書協会の問題が私の頭に浮かんできた。そうするとこのTという会社の社長は教科書協会の理事長ですか会長ですかしていらっしゃる。それが同時にこの間申しましたもう一つ大きな印刷会社の社長をしております。そしてさらに調べていってみますと、書籍会社の方の、教科書会社の方の経理担当の常務の人が元大蔵官僚であるということまでわかってきた。そしてそれに対してやはりこの間申し上げましたような私の疑点とします点は、いよいよどうも濃くなってくる。それは印刷会社が金を出して、そしてそういうような不正な運動をする資金としている。そして表面は教科書会社が出しておらぬ、経理上は……。そして教科書会社の方は印刷会社に割合高い印刷代を払っておるのではないかという疑いが出てくるのであります。でありますから、先ほどあなた方の調べは甘いと申し上げましたけれども、そういう業界の内側によほど突っ込んでみないと、これは公正取引委員会の方でもよほど突っ込んでお考えいただかないと、その点がつかめないのではないかというように思われるのであります。私はどの会社にも恩も恨みもないのでありまして、ただあくまでも公正妥当な行き万をしてほしいということだけでありますから、あまり突っ込みませんけれども、どうもその教科書協会の専務理事が、この間申し上げたように、文部省の前々教書書課長だ。その教科書課長のパイプを通してそのTという会社の社長、そのうしろの印刷会社の社長――その人と教科書会社と文部省との関係がそこに全く類推されてくるのであります。これが私の単なる推察であればよいと思う。それではこの教科書協会の専務理事、元文都官僚の人は幾らの月給をもらっておるかというて調べてみますと、これは間違っていないつもりでありますけれども、十万円の俸給をとっておるわけであります。違っておるかもしれませんが、違っていないと思うのです。十万円の俸給をとっておるといわれておるのであります。そこに私は文部省と、検定関係についてもあるいは採択の問題等についても、一連の何かを感ぜられる。私の調べが間違っておればごめんなさいと言わなければならぬのでありますけれども、この門出しました愛知県の例を見ましても、どうもこの会社の理科、算数の関係の教科書が第一次検定でパスしているように思われる。で私はこの際資料として一つ要求したいのでありますけれども、後ほど委員長が処理されると思うのでありますが、第一次検定でパスした教科書の名前、教科点会社の名前、それを資料にして出してもらいたい。そこから私どもまた問題を突っ込んでいける道が出るのじゃないかと私には思える。どうもその点が考えられるのであります。それでまあずっと調べていきますと、ただに文部省の関係の者だけでなしに、政治家も関係をしておるという事情もあります。けれども私の調べた中で非常にうれしく思いましたのは、同僚議員の中で一人関係しておるが、非常に良心的な人がおるということを私は非常に喜んでおるのでありますが、しかしなかなかその政治家まで何人か抱き込んできておるというところに、この教科点会社の売んかなの営利主義が容易ならざるものであるということは言える。でありますから、こういう点も公正取引委員会におかれては遠慮なくやってもらいたいと思う。私ども関係したってかまわぬ。遠慮なくやって公正を期してもらいたい。今言ったように非常に良心的な人もおられるように思いますが、もし不公正がありましたら遠慮なくやっていただきたい。これはやはりわれわれの個人の問題ということではなくて、あくまでも日本の教育をいかにして広めまた高めていくかという問題でございますから、遠慮なくやっていただきたいと思うのであります。さように思われるのであります。教科書協会と教科書公正取引協議会というのがある。この関係はどうなっているか。またこれがどれだけの活動をしておるのか、実情を伺いたいのであります。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 ただいま谷川委員の御発言には相当重大な点があると私は思うのであります。前段にお話しになりました特定の会社が特に非常な分社のものをとっておるということでありますが、この点につきましては、出版会社、教科書会社にはさまざま大中小、それぞれ資本においても、その陣容においても、経験においても、またその仕事の上の熱意、努力、実力、そういったようないろいろの差異のあることであり、従ってまあピンからキリまであるわけでありますから、あるものはきわめて小量の仕事しかとれぬ、あるものは大量のものをとるということはやむを得ぬことであると私は思う。しかしその教科書の採択なりあるいは販売上のことについて、かりそめにも文部省の一課長がそういうことに関係があり、十万円の金をもらっておるというような御指摘を受けまするならば、これは容易ならぬことでありまして、文部大臣としては即座に十分調査いたしまして、そういう事実がありまするならば、直ちに適当な処置をとるつもりでございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 文部大臣ちょっと勘違いしておるようです。それは今は退官しておる前々課長が教科書協会の専務理事になって、そして十万円の高給をはんでおるということなので、問題点をちょっとお考え違いしているようです。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 それじゃ私の聞き違いであります。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 ただいま谷川委員から、何か文部省とT社とが特別の関係があるかのごときお話がございましたが、これは全然ございませんから、その点はこの際はっきりしておきます。特に今おあげになった専務理事が、文部省の主席視学官から参りましたことは事実でございます。それは前々の課長でございまして、現在役所でも大体八万円程度の給与はもらっておるわけです。向こうに移りましても八万円程度と私は聞いておりますので、そう特別に優遇されているとは思っていないのであります。これは業界の方から非常な懇望がございましたので、文部省が割愛したわけでございまして、文部省がそのために何か特別に便宜をはかっているような事実はございませんし、また教科書検定について、教科書協会から何らの申し出もございません。特に検定について容喙するような事実はございませんし、またそういうような意思もございません。それからいわんやT社と何か特別の関係があるかのごときお話がありましたが、これも全然ございません。私どもはいかなる教科書についても公正に検定をいたしますし、また取引につきましても、公正な取引が行なわれるように、いかなる会社でも不公正な事実がありますれば、これは厳重に勧告を今日までしてきましたし、今後もするつもりでございます。それから先ほどの三十五年度の検定に一次検定で通ったもの、これは多分平均八割ぐらいと私は思っております。某社が一次検定にパスしたからといって、何もそれだけをもっておかしいとおっしゃるのは、私どもとしては理解しがたいのです。ですから八割程度がパスしているということを申し上げておきます。この場合に、資料の要求がございましたけれども、これを出すことは今私どもは差し控えたいと思います。というのはこれがまた宣伝に使われる。わが社は一次でパスした、ほかの社は二次検定までいった、わが社が優秀なんだと言って宣伝されると、あなたが心配していらっしゃる不公正取引になると思いますので、私どもはこの点は差し控えさせていただきたいと思います。

坂根哲夫総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○坂根政府委員 ただいまお尋ねの教科書協会と教科書公正取引協議会との関係でございますが、教科書協会は教科書会社の団体であります。教科書公正取引協議会は発行業者、大取次、特約供給者、この三者をもって構成されておる団体でございます。現在約二百二十四社加盟しております。そしてこれの目的は、私の方で特殊指定しておりまする公正取引方法を業界で守っていくということで、自粛と相互監視をやっておられる。私見ておりますと、なかなかよく私どものところにいろいろ意見を持ってこられまして、ある程度そこでチェックされているように私は受け取っております。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 また資料をお断わりになったのでありますが、各教科書会社は、販売売り込みに参りますときに、そんなことはみな言っているわけです。そんなことを一々お隠しにならぬでも、各会社はみな私のところは第一次検定で通っておりますということを言うのはあたりまえのことです。何もそういうことをお隠しになる必要はないと私は思う。そういうものをお隠しにならないで、資料をお出しになって、われわれに調べさせる。そうしてあらゆるところに不正のないように当然われわれも協力をし、文教当局もそういう道を踏んでいくということをすべきだと思うのです。何もそんなことを教科書会社が言わないでおく理由がございません。当然うちの会社の本は第一次検定で通っておりますと言って売り込んでおるにきまっております。あなたの言うのは変です。私はこの間も申し上げたのだけれども、最近の日本の政治全体を見てそういう感じがします。何とかしてわれわれに全部を明らかにして、国民の代表としましても正しい審議をさせようとするのではなくて、その場その場をのがれていけばいいというような傾向が政府にもまた各行政省庁にもあるというように考えると非常に不快に思うのです。たとえば安保委員会におきまするああいう紛糾というものも、もっと率直に答えていいと思うが、それがそうでない、一時のがれをするというようなことになっておる。私どもの態度もいけないかもしれません。意地悪く追及していって何とかどこかにはめようというような傾向が、どうも質問しておったり聞いておったりして、ないとは言えませんけれども、しかし同時に率直に行政当局はわれわれに資料を出してわれわれの審議すべきものは十分審議させる、また率直に御答弁になって、突っ込まれるなら突っ込まれてもいい、お互いに善意を持って日本の政治をよくしよう、その点文部大臣はときどき失言をなさる、こういう点は私は非常にいいと思うのです、そういうところがなければほんとうの政治になりませんよ。何でも自分のことだけをその場のがれでいけばいい、ごまかしていけばいい、議会が始まっておるうちはうるさいから、議会が終わるまで何とかのがれていって、議会が終わってしまえばこっちのものだというような考え方はよろしくないと思う。だから資料をどんどんお出しにならなければいけないと思う、お互いに人間のやることだから失敗があっていい、その失敗が国の政治を毒するようなものでなければ、お互いに許し合っていかなければいかぬと思う、お互いにかばい合っていかなければいかぬ。われわれの方の態度も悪いかもしれぬけれども、もっと率直に資料を出してやればいい、あなたの方で出さぬから、私はこの間の資料を集めましたよ、全部出ております。だから出さなければ私の方でまた要らぬ手を打って作りますけれども、そんなことをなさらぬで、行政当局は、法律できめられておるのだから、われわれに資料をお出しになるべきだと思う。これは後にまた委員長に申し上げます。  私今少し突っ込んだことを申し上げましたのは、これにもありますように、この五年間のこの会社の売り上げを見ていきますと、こういうように上がっておるのです。もちろん今大臣がおっしゃったように、いい本がたくさん売れるのはけっこうです、少しも問題はない、どうかいい本をたくさん売ってもらいたい、その点は少しも差しつかえない。しかし同時に教科書協会に加わっておりまする諸君の中にどうもTという会社の社長、専務理事とお宅の方との間に何らかの不公正な関係があるやに考えて、相当不満がある、ほとんど全部に不満があるという事実を私は知ったから、このことを申し上げている。だから全く公正なものであれば、そういう不満があるはずがない。そうではなくて、不満があるんです。あなたの耳には入らぬかもしれぬ。しかしそれは知らぬは亭主ばかりなりということなんです。私聞いてみると不満があるのです。あっちこっちでただしてみると相当不満がある。しかもこういうように一つの社がしゅうっと上がっていくというようなことを見ますと、私の今のような線というものを考え、これは日本の官僚機構の非常に悪い点だと思うのでありますけれども、退職した諸君が次々にそういうようなものに入っていって何らかのルートを作っていく。そういう形がどうもあると私には思える。しかしこれはどうか、あくまでも当局がそういう点について、私の言うことはよけいなことかもしれませんけれども、十分自粛をしていただきたい。私も目を光らしておりますから、もし不正なことがあるとすれば、いつ私が材料をつかむかもしれないということはお考えになっておいていただきたい。あくまで公正な立場で、どの会社、小さな会社でも大きな会社でもどこでもいい、いいものがあったら、どんどんそれを十分に学校の先生たちが採択できるようにしておかなければならぬということを申し上げておきます。  そういう意味で私はむしろ、統一採択ということを当局ではいろいろなさる、また国民の中に一部非常に教育に対する無理解と申しますか、それは日本の社会の国民の貧乏という悲劇を象徴しているのでもありますけれども、教科書が変わっては困るというようないろいろ話がある、そういう点から統一採択ということを府県でおやりになるようでありますけれども、むしろ私がずっと見てきたところでは、東京都のように自由採択の方が弊害が少ないように思う。こういうきたない線が少ないように思われます。だから統一採択、まして国定なんということは絶対考えるべきでないと私は思います。  公取委といたしましては、今後どういうふうな方針で取り扱いをしていかれるか。この間もいろいろ申し上げましたから、お考えができていると思います。今後どういうふうに今までの方針を変えていかれるか。より積極的にいかれると思いますが、方針を承りたいと思います。

坂根哲夫総理府事務官(公正取引委員会事務局長)

○坂根政府委員 先般来この委員会でいろいろ私どもに対して御注意がございましたが、私どもといたしましても三十一年の哀れに不公正取引方法を特殊指定をいたしまして業界に厳重に守ってほしいということを再三再四申し入れておりますが、特に本年のように非常に教科書の制度も変わる、何と申しますか教科書会社としては天王山みたいな売り込み競争のときでありますから、公正取引委員会としては最近のうちに業界全体に対して厳重な警告を出して、それから各都道府県の教育委員会にもこの公取の趣旨をよく御了解いただいて、御協力願うような措置に出たい、こう考えております。  なお細別的ケースがございますれば、私どもといたしましてはこれを行政指導なりあるいは独禁法の固有の審判の手続によるなり、個別ケースについては別途また措置したい、こう考えております。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 こんなことを私が申し上げないでも、おたくの方では十分御承知だと思います。文部省でも御承知だと思いますけれども、大体私が調べたところを類型別にしてみました。御参考までに申し上げて今後の取り締まりの方針のあれにしていただきたいと思うのであります。私が調べました昨年来の採択等に関しまする潜航的に行なわれたいわば裏面運動と申しますかの具体的のものを類別しまして申し上げますと、まず第一は編集関係に名を借りた金銭の提供であります。それには白表紙の教科書の見本につけた校閲料、御意見料、研究依頼というような名目で金が出されている。これは大体昨年の六、七月ごろから始まっている。そうして八月から十一月ごろにかけて各社とも非常に多かった。それから教科用の指導書の執筆に籍口した編集参加料、あるいは原稿料、資料収集費等々という名目、さらに教師用の指導書の地方版作成のための編集依頼、あるいは原稿料、印税の前渡しという冬日で出されておる。あるいは地方教授資料と申しますか、特に社会科や理科につきましては、バンドブック等の編集の依頼費あるいは原稿料という名目、あるいは児童用の副読本、ワークブック等の編集依頼、原稿料という名目で出されている。こういうものが編集関係に名を借りた金銭の提供であります。  第二は、研究会、説明会、これは白表紙見本本によるのでありますけれども、そういうもの、また地方編集会議の名言による、こういうような名義で本社、支社、出張所、温泉地等への招待による金銭の供応、ひどいのは校長先生を本社にたくさん招いていろいろやっているのがあります。  第三の類別としましては、いわゆる採択ボスが広く採択関係者を特定発行会社に紹介して結びつけるための紹介及び度会並びに紹介謝礼、これは昨年の八月以降九、十、十一、一、二月にわたって非常に多く行なわれたようであります。  こういうことを申すときりがないのでありますが、その他県教育委員会や市の教育委員会の内部に特定者と結びついた行動が行なわれておる、こういうことがいろいろあるようであります。  また第五のものとしましては、採択ボスに対しまして手付金が渡されておる、この五、六月になりますと、広範な猛烈な買収が行なわれる。私もどはずっと調べて類別しましたので、ぜひこういうような点、あるいはその他にもたくさんあるだろうと思いますが、一つ十分気をつけてやっていただきたいと思うのであります。  今後どうやって是正していくかということについてもおのずからそこにいろいろな考え方が出てくると思うのでありますが、しかしこの間申し上げたように、まず調査員あるいは採択委員というものをはっきりさせる必要がある。調査員の覆面をとるというようなことが、これは検定、採択ともに関係した問題として非常に大事である。そういうことになっていけばずいぶんよくなるのではないかと思います。その他説明会、研究会、これは初等中等局長からもお話がありましたように、またたしか五、六月、七月ごろになされるものは禁止されておるようでありますが、そういう研究会及び直接に特定の教科書に関連して発行会社が行なう一切の小会合の全面的な禁止をすべきではないか、もし説明会を許すならば、教委への届け出制として参加者の氏名をはっきりさせる、少なくとも事後報告をさせる、それから説明会後の会食を禁止する、またむしろ各社合同の立ち合いの説明会をさせるというふうにしたら防げるのじゃないかとも思われます。それから自宅訪問の禁止はさせなければならない、これはやはり裏から相当に行なわれますから、そこにまた相当な疑惑が出て参ります。採択関係者は業者から物品や金銭の提供を一切受けないように周知徹底させる必要がある。これは文部省、教委、公取委、教科書業界、公正取引協議会が協力して十分にやる必要があると思われます。  それから各社の採択方式や手続でありますが、これを再検討して、各地域に即して合理的なものをすみやかに決定して公表することが必要である。これは五月の上旬までにしなければだめですというふうに思われるのであります。それから不公正採択の事実が判明したときには、採択のやり直しをさせるくらいのことをしなければ改まらないだろうと思う。これは文部省当局に特にお願いしておきます。また、そういうような不公正な採択をしたものには、先ほどお話がありましたが、相当な処分をするというくらいのことを警告する必要がある。こういうようなことを私は気づくのでありますが、一つぜひこういう点について十分な配慮をしていただきたい。それから今中学用の教科書の検定が始まっておるわけですが、その点はどの程度に進んでおるか、事情を承りたい。

内藤譽三郎文部事務官(初等中等教育局長)

○内藤(譽)政府委員 中学校のはまだ受け付けたばかりでございますから、これから検討を始めたい、かように考えます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 どうかいろいろ世上言われておりますから、それらの点について十分公正な検定をしていただくように、またこの間も伺ったのでありますが、この中心になります調査官、調査員、審議会等々につきましては、どうかこの時代の進展ということを考えて、あまり古い考え方を持った人だけを選ぶということでなしに、次の十年後あるいは二十年後の時代ということも考えて、進歩的な人を取り入れてもらいたい。また一説によりますと、私の方も資料を集めておりますけれども、やはり日教組の講師団というような人々の検定、その著者の本の検定については、非常に落とす傾向があるということを言われておりますが、日教組の講師団の人たちも非常にりっぱな人たちが多いと思うのであります。日教組のことについては、文部省もいろいろ御意見がありましょうけれども、しかし、実際に私たちその人たちの著書を読んでみて非常なりっぱな識見を持った人たちが実に多いと思う。ことに民主教育という点になりますと、相当りっぱな人たちが多い。こういう点について、調査官あるいは調査員というものの選定、審議会のメンバーの選定等について、今後これがやはり教科書検定の、りっぱな教科書ができるかどうかという境になると思いますから、これについても十分な再配慮をしていただきたい、こう思うのでありますが、文部大臣、そういう点ではいかがでしょうか。これらについて十分な再配慮をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 どういう方面の著者にいたしましても、文部省といたしましては、公平に調査員、調査官、審議会委員を通じて厳正、公正に検定いたしたものをとっていくという方針でやって参ります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 検定については、今、私資料をいろいろ集めておりますから、いずれ適当な機会にさらに申し上げます。  一応本日の検定、採択に関する問題についての私の質問を終わります。

大平正芳自由民主党

○大平委員長 この際、臼井非二君より発言を求められております。これを許します。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員 この際教科書採択等の公正に関する決議案を動議として提出いたしたいと思います。案文を朗読いたします。     教科書採択等の公正に関する決議案   本年は学習指導要領改訂に伴う、小学校新教科書の採択の時期に際会し、関係業者の宣伝売込活動も一段と活溌化しつつあり、その行きすぎについては憂慮に堪えない。   すでに政府においては、採択の公正について、しばしば関係者に対し注意を喚起してきたと聞くが、この際、ことの重要性にかんがみ、今後とも不正な採択勧誘等によって、万一にも採択の公正が害されることがないよう、文部省並びに公正取引委員会は、更に一層関係者の注意を喚起し、遺憾なき措置を講ずべきである。   なお、教科書の検定に当っても、一層公正妥当を期するよう、特に善処せられたい。  右決議する。 以上でございます。  提案の趣旨につきましては、すでにこの案文に盛られてございますが、この委員会において数次にわたって教科書の検定並びに採択につきまして種々の問題を取り上げてきたのでありますが、事は文教に関することでございますし、学校教育に関することでもございますので、ちょうど時期が時期でもあり、本委員会としては案文に盛られておるような、特に採択に関しまして世間から指弾を受けることのないようにということをおもんぱかりまして、本案を提出する次第でありますので、どうぞ皆様方の御賛成を得たいと存じます。

大平正芳自由民主党

○大平委員長 お諮りいたします。ただいま臼井莊一君の御提案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕 ○大平委員長起立総員。よって臼井莊一君提案の通り教科書採択等の公正に関する件は、委員会決議とすることに決しました。なお、本決議につき議長に報告し、文部大臣及び政府関係機関に参考送付することとし、その手続を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大平正芳自由民主党

○大平委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――

大平正芳自由民主党

○大平委員 長引き続き学校教育に関し質疑を許します。長谷川保君。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 昨日御承知のように日米安保条約の阻止の請願及びデモ等が行なわれたのでございますが、私ども全学連の皆さんにも静かな合法的な表現の自由、請願等をなさるようにということを社会党といたしましても申し上げたのでございますが、一部の方々にはそういう道をとらない方々がありました。御承知のように国会の周辺で約六千人以上の方々がすわり込みをなさったようでございます。そのことのいかんは別といたしまして、私は、そのすわり込みについて、御承知のように非常に多数の警官隊が動員をされ、これを包囲した。そうしてバリケードを乗り越えようといたしました学生清君等に対しまして、非常に乱暴ろうぜきを働いたということを見、また新聞等でも拝見いたしまして、非常に遺憾に思うのであります。この学生諸君はやはり私どもの大事なむすこ、娘である。日本の大事な国民である。この諸君に非常に乱暴ろうぜきを働き、双方に負傷者が出たようでありますが、私どもの党の方から負傷者を昨晩見舞に参りますと、その負傷の仕方がいかにも痛ましい、むざんなものであります。これらのことについて文部当局はどういうような報告を受けておられるか伺いたいのであります。

小林行雄文部事務官(大学学術局長)

○小林(行)政府委員 実は従来いろいろのこうした学生の事件につきましては公安関係当局からいろいろと情報をちょうだいして対策を講じておるわけでございますが、昨晩の件につきましては、昨晩の今日でございますので、まだそれらに関する情報をいただいておりませんので、実は私どもの関係者が見たりあるいは新聞、ラジオ等で報道されておる程度の情報でございまして、こういった関係の負傷の状況につきましては、私どももまだ正確な情報を把握いたしておりません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それでは警察庁の方ではどういうような報告を受けておられるか、伺いたい。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 警察側におきまする負傷は、これは自分の部内でございまするから詳しいことはわかっておりまするけれども、学生側にどの程度の負傷があったかということは、われわれも新聞、ラジオ等を通じて見る以外には現在のところ人数、程度等につきましては報告を受けておりません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 まだ今までにその報告を受けておらないということは少し怠慢ではないかと思うのでありますが、それでは私の方で、直接党の方でお見舞に参りまして知り得たことの中で申し上げてみましょう。いずれこの問題は詳しくは法務委員会あるいは地方行政等の委員会でせられると思うし、本日は文教委員会でございますから、文教委員といたしましての関係に関する限りをお尋ねをし、また申し上げなければならないと思うのであります。私の方で病院にお見舞に行って調べてみますと、まずこの負傷者の多くの者が目と鼻のところ、目と目の間、そこを警棒で突かれておるのであります。たたかれておるのであります。また陰嚢打撲と医者がいいますところの、きんたまをけられたという諸君がたくさんあるのであります。さらにまた警棒でみぞおちを突かれて、みぞおちの内部の内臓に故障が起こっているのではないかと医者が言っている者が多数あるのであります。また口をけり上げておりましてくちびるが切れ、歯が折れているという学生諸君がおるのであります。さらに女子学生の髪を引っ張って、髪が東になって抜き取られているというような事態があるのであります。大よそこれらの負傷の事態から見まして、この日の警察官というものはさながら韓国における警察官のごとくであると私は思うのです。  私はかつて砂川の闘争に参ったことがあります。私の目の前で大学生諸君が無抵抗でありますのに、いかにあの警棒によってめった打ちにされ、額が割れ、皮膚が破れて血がはなはだしく出ておったという事実を私は目で見ております。私どもの同僚もまたたたかれました。今日たとえいかなることをなさるにいたしましても、日本の国民である、ことに大学生諸君である人たちに対しまして、このような暴行が許されるかどうか。私は昨日夕薄れになってこの事態を見、また聞いて憤然としてあの中におどり込んで行こうかと思った。このようなことが警察官に許されるとするならば、われわれはもはや何をか言わん、一体こういうような事実があるのであるか。警察庁当局は何と考えているか、こういうことを話しているのであるかどうか承りたいのであります。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 負傷の度合いについてはただいまお話を聞きまして、そういうけがもあったということを知るわけでございまするが、ただ当時の自称を聞きますと、ただいまお話にありましたように、無抵抗な状態において警察官が乱暴をしたというふうには私たち考えていないのであります。現に負傷者が彼我双方に一番多く出たというチャペルセンター前の午後四時三十分ごろの衝突の場合等におきましても、これは一線に張っております警察の車を乗り越えて、そして第一線、第二線と配備いたしておりました警察部隊を突破して正門のところに迫ったその間のもみ合いでございまして、これはどちらの方にも七十数人のけが人がそのときに出ておるのでございます。そういう状態でありまするから、とにかく最小限度の警備としてどうしても国会の構内に乱入さしてはいけないという方針を警視庁としては立てておりましたために、最後の努力を正門前のところでやりまして、そこで辛うじてこれを食いとめたという状況でございます。警棒を使わざるを得なかった状況はこちらが張っておった第一線、第二線を学生部隊に突破されたという時期においてでございまして、この場合におきましても指揮管は警棒の使用を許すと同時に、しかしながらこれを振り上げて使用してはいけないという注意を与えておったようであります。従いまして、ただいまのお話では目と鼻の間の傷が多いということは、私理解に苦しみますけれども、これは姿勢が低い状態でそういう激突が行なわれたのかと私は想像するわけであります。なお、けがの全部とは申しませんけれども、一部はやはり車両によじ登る、あるいは車両から飛びおりる、あるいはチャペルセンターのへいによじ登る、あるいはそれから飛びおりるという場合にも相当数のけがが、これはひどいけがであったか軽い方のけがであるかということは一々わかりませんけれども、そういう際にけがが出たのではないかという報告を昨日逐次、現場々々の断片的な報告ではございますけれども、受けた際にもわれわれ聞いているわけでございます。  学生の運動にしましても、ただいま長谷川委員のおっしゃいますようにチャペルセンターに集まりましたああいう行動のほかに、やはり粛然といいまするか、整然とした行動に出て何なくその請願の目的を達しておる部分も多いのでございまして、数からいたしますと、むしろその方が一倍半とまさっているというような現状でございます。従いまして警察官が乱暴いたしました具体の事例につきましては、もちろん調べ上げましてそれ相当の処置をしなければならぬと思いまするけれども、いわゆる韓国の警察官というものがどういうつもりでやっているか私つまびらかにいたしませんが、何も乱暴しない者に向かって手荒なことをこちらからやるというようなことは絶対考えられないことでございまするから、もしもそういう事例がございましたら、しかるべき筋を通して糾明をするということにやぶさかではないわけでございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 一体この学生たちは武器を持っておったのではないのです。もちろん彼らは若さにまかせましてあのバリケードをおどり越えてくるということはあります。また相当力強く抵抗することもありましょう。しかし武器を持っておったのではないのです。この武器を持っておらない学生に対してただいま旧しましたようなはなはだしい負傷をさせておる。ことに陰のう打撲というような急所をねらっておるわけでありますが、いかなる意味にしろ武器を持たない国民を負傷させるというようなことを警察当局で許しているのかいないのか、これは国民の非常な人権の問題だと思う。ことに学生諸君の頭を警棒でぶんなぐり、そうしてこのような悪質な負傷をさせるというようなことはいかなる事情があっても許されないと思うのです。一体こういうような武器を持たない国民をこれほど負傷させるということを警察当局は許しているのかどうか、これを承りたい。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 そういうふうに抽象的に負傷させることを許しているかどうかというお尋ねであれば、負傷させることは許しておりません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 これは当然なことです。武器を持たない国民を負傷させることを許さないことは当然です。しかし病院へ行ってみますと、こういうような傷を受けておる。このことは私ども今まで何回かこういう場面にあっておりますけれども、あなたは見ているかどうか知りませんけれども、もう実にむざん、残酷なやり方です。私はこういうことは許されないと思う。こういう問題について警察当局は今後どうなさるのですか。叫びこういうことのないように――おおよそ陰のう打撲とか目と鼻の間を突くとか、みぞおちを警棒ではなはだしく突いて内臓に故障を起こすというようなこと、また女子学生の汝を握って引きずり起こす、髪が束になって抜けるというようなことは、およそこのような残酷、むざんなことは文明国では考えられません。こんなことは韓国の軍隊すら、デモをする自国民に対して射撃する、発砲する者に対しましては銃殺をもってするということを戒厳司令官が布告を出しているというようなことがあります。およそ文明国にはあり得ないと思います。私どもはこういう場面にしばしば立ち会っていつも目をおおうような警察官の乱暴ろうせき、全くこれは無頼漢というより仕方がない。組織ある、統制ある警察のやることではありません。こういう問題は今後二度とあってはならない。警備局長の覚悟のほどを聞きたい。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 そのけがの原因等をよく究明しまして、ただいまおっしゃったように、警察が一方的に不必要な行動に出たために起こったといたしますれば、責任も十分ございまするし、また将来に対する予防も十分考えなければならぬ、こう考えまするが、とにかくああいう形の行動を起こす者があれば、これに対して最小限度の警備をしなければならぬということでありますれば、こちらの方にもそれに相応した備えがなければならぬのでございます。この点は攻撃する側も十分お考えいただいて、そしてこちらの警備の力もただいまのような御趣旨を十分体して、再びこういうことのないようになることを私は希望いたしているわけであります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それから私は強く伺いたいことは、武器を持たない学生に対してこういうような負傷をさしていいのか悪いのか。あなたの言い分はいかにも言いわけがましい。こんなことは相済まぬことですよ。武器を持たない学生に対してこのようなはなはだしい負傷をさせるというようなことは、これは国民ですよ、われわれの大事なむすこ、娘ですよ、これに対して相済まぬとは思わぬですか。あなたの言うことは明らかに言いわけですよ。言いわけなんか許せませんよ。こんなひどいことをさせておいて言いわけは許すわけにはいきません。こういうような武器を打たない学生諸君、国民諸君に対してこういうはなはだしい負傷をさせるということは絶対あってはならぬと私は思う。それをあなたは言い切れませんか。これは明らかに警察官君は正当防衛でもなければ何でもない。なるほどバリケードは乗り越えてきたでしょう。乗り越えてきても、相手は武器を持っていない。これに対してところもあろうに陰のう打撲というような全くはしにも棒にもかからぬような危険なことをする。こんなことが許されるはずがないじゃないですか。あなたはこういうことは絶対二度とさせないことをここで言わなければならぬ。それでなければ、あなたは警察庁の役人ではありません。無頼漢の親方でしかありません。たといどんなことがあっても、相手は武器を持っていない。こういうことは当然言い切るべきじゃないですか。言い切れませんか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 そういうことは絶対あってはならぬと思う。しかし絶対あってはならぬということは、警察官片側だけについて言うわけにはいかぬ、こう考えます。ただ警察官に行き過ぎあり、また足らぬ点があれば、その点については十分糾明しなければならぬ、こう考えます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 ともかく警察官はこういうことをすべきでないと思う。警察官は国民をこのようなむざん、残酷な方法で負傷させることがあってはならぬ。たといそれが犯罪人であってもこういうことはならぬと私は思う。そう思いませんか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 故意とか過失とか、そういうものがまじって、そういう結果が出てはいけない。ただ警察官には最小限の職務というのがありますので、その職務を放擲するわけにはいかぬので、やはりやり方を考えるなり、あるいは相手の方がそういう行動に出ないよう何らかのほかの方法を確保されるなり、とにかく両者あわせてああいう事態が繰り返されないことを私は念願するわけでございます。けが人が出ましたことについては私は深甚に気の毒だという気持を表示するのにやぶさかではございません。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 警察官の職務の中には国民を負傷させていいということはないですよ。あなたのそういう態度がああいうふうな事件が起こってくるもとなんです。だから警察官は国民を負傷させてはならぬ、ことにこのような悪質な負傷をさせてはいけませんよ。こんなことは断じて許しません。まるで、こんなことが許されるなら李承晩みたいなものです。これは法務委員会等において十分尽されましょうが、どうかこういうことが二度とないようにしてもらいたい。あなたがもし現場におったことがあるならば、いかにこういう場合に日本の警察官が乱暴であるか、全く暴徒のごときものであるという事実をお認めになったでしょう。そういうことは二度とあってはなりません。われわれはこういうことを許すことはできない。しかし、当然法務委員会その他でおやりになるでしょうから、このことにつきましてはあなたをこれ以上追及しません。文部大臣に私は申し上げておきたいのでありますが、どうかこういうような国民にむざんな負傷をさせることのないように、閣議においてあなたは関係の法務大臣その他当局に私は注意を喚起してもらいたいと思う。あなたの大臣をしておられる下にある国立学校その他の大学の学生諸君が大部分でありますから、大事なあなたの子供たちです。どうかこういうようなむざんな負傷のないように、もちろん全学連の行動につきましては、私どもすでに申し上げておるように、いろいろ警告をいたしております。けれども、こういうようなあなたの大事な子供たちがむざんな負傷をさせられることのないように、法務当局に対しましても、あなたの方から法務大臣に対しましてどうか注意を喚起してもらいたいということをお願いいたします。  私の質問は終わります。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 私は学生諸君が今度のデモについて多数のけが人を出したということに対してはむろん遺憾に思っております。しかしけが人は警察側にも多数出ておるように聞いております。こういうことが国会周辺のデモにおいて起こるという、こうした事態に対してはまことに嘆かわしいことであると考えております。私としては、昨年来特に全学連の――少数の者でありますが、全学連の名において多数いわゆるデモをやり、しかもそれはしばしばいな常に非合法そうしてきわめて暴力的な行動に出てきておることに対して、すでに学生の団体のとるべき行動ではない、行き過ぎた行動であるということで、私はしばしば大学当局に、これら学生の補導についてもっとしっかりやってもらうように注意を喚起して参っておるし、また大学長を寄せて特に注意もしたというようなこともあります。しかし今回の行動にあたりましても、事前に計画的に幾多の暴力行為をやっておる。また私もここに拙っておりますが、ジャパン・タイムスの記事にも、アイゼンハワーが来れば、われわれは、ベネズエラでニクソンをやったように、石を投げつけなければならぬというようなことさえ言うておるようなことが新聞に出ておるのであります。これらのことを見て参りますと、どうも全学連の一部の行動は評しておけない感じがいたすわけであります。しかし文部省としては、これらの学生に対しては、単にその大学当局に指導助言するだけの処置よりとれない。ただできる限りあらゆる血を通じてこれらの学生の反省を促すようにして参りたい、かように考えておる次第でございます。なお、全学連の一部の行動が一般世間からも指弾の的になっておるという事実から考えてみまして、実に私は憂慮にたえないこれらの学生の状態である、かように考えておりまして、今後も何とか学校当局と話し合いあるいは特に指導をいたして参って、その反省を促していくようにいたしたい、かように考えます。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 私は、きのうは安保委員会の打ち合せがありまして、よそに出ておりましたが、七町のテレビ・ニュースを見まして、それに現われてくる学生諸君の血みどろの姿を見まして、それを見ておった多くの人々は、何というむごいことだ、こういうため息まじりの非難をしておりました。それを見まして、これは大へんだと思いまして、直ちに現場に行ってみましたところ、少数の学生を警察賞が多数で包囲しておりましたが、学生諸君は、幹部と思われる人が、後日にエネルギーを残すために本日は引き揚げるというようなことを言ったように聞こえたのですが、引き揚げ始めました。そうしますと、警察官はそのあとを、このやろう、やあやあという喊声を上げて追撃しておる。そのときに近路のまん中にあった愛国党の車が、退去する学生諸君に対していろいろ乱暴を働いたように遠目に見えました。学生諸君が全部帰ったあと、警察の自動車の放送を聞きますると、こちらにおる学生は愛国党員であるから間違えないように、こういう放送をいたしました。この状態をずっと見ますると、当初の状況は私はわかりませんが、ごく少数の百名そこそこの学生を千名をこすような警察官で包囲しておる。ああいう状態において、彼らが自主的に退避をしようというときに、このやろうと言って喊声を上げて追撃するなんということは、警察官の教養の度合い、あるいは昨日の警備の心がまえが明らかにそれに現われておる。あなたの方でどんなうまいことを言っても、現場の警察官はそういうあなた方上司の意思を体してやっておるからこそ、本日は孤立したやつらは徹底的にやっつけてしまえ、こういう気持が上から下に通じておったのだとわれわれそう見ざるを符ない。しかもまず最初に、うしろから追い打ちをかけておる愛国党員の車を退避させるということが大事であるにかかわらず、それは全学連が退避するまでそのままにされておる。もっとも一人の警察官が愛国党員の車に乗って、何か言ったりなんかして引きずりおろすような格好はしておりましたが、その前にあすこの愛国党員の車に対しても、やはり危険排除のためには十分な手を尽くしていかなければならぬことであると思う。そういう工合にして、私はずっと各病院を回りまして、そうして入院しておる患者の状況を調べて参りました。彼らは、新聞には名前は出ておりましたが、私は名前を聞こうと思いません。今まで多くの例にあっておりまするが、ああいうときに名前を出すことが将来の就職にどれほど影響するか、残念ながら日本の現状というものはそういう工合になっておる。自分の主義、信条なんというものは、憲法にいかに保障されていようと、自分の就職の場合には自分の主義、信条というようなことは、絶対に表面になまのまま出せない、こういうのが日本の実情です。憲法なんか、まさに空文である。だから名前なんかは言わない。私も聞こうとも思わない。ただ純医学的な立場から、病院の主任に対して病状の経過の状況、そういうものを聞いて参った。その件については、長谷川委員から先ほどずっと報告があったように思いまするが、そういう状況を見まして、警備部長が今いろいろ説明されておりますけれども、どうしてもあなた方の上から下への気持が、今回は思い切ってやつちまえ、孤立した彼らはもう徹底的にやれ、あるいはこの後における問題を今回思い知らせてやれ、こういうような気持があったように思うのですが、私のこういう観測に対しては、そんなことはございませんと言うでしょうが、そう言わぬで、そういう私が報告した実情から、あなたは今後どういう工合に部下の出動の心がまえ、あるいは日常の教養、そういうものをやろうとするか、そういう点について私はあなたの見解を聞きたい。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 私が報告を受けておりました明日の連絡によりますと、西村先生いかなる場面をごらんになったか存じませんけれども、おそらく突入後――突入というか、車を乗り越えて参りましたのを正門の前で一応せきとめて、そうしてその一部分が人事院ビルに流れる方の道のところ、その半分がさらにもとのところにおったわけです。この人事院ビルに流れる道のところにすわり込んだ者を排除いたしましたら、これが警視庁の方に流れていきました。それからチャペル・センター前に残っておりました二千人というものも警視庁の方に、時を同じくして自発的に行ったようであります。そこで合流しまして、警視庁前で相当デモリ、一部分は日比谷公園の方に警察部隊が規整をしていく。あと残った千五百名ないし二千名近くのものが、またもとのところに引き返して、残っておった警察部隊に突入した。突入ということが、きのうの現場からの刻々の電話連絡といいますか、パト・カーからの連絡を断片的に集録したものを聞いておりますと、何回も警察も破られたり、阻止したりやっております。それで最後に、ただいまおっしゃったような時間に千五百名くらいのものを警視庁方面に規制をいたしたのでありますが、その一番最後のところをごらんになると、警察官が押していっているような形になると思います。しかしながらただいまおあげになったような喚声を上げて、うしろから追い打ちをかけるというようなことでありましたならば、そういうことはその時期におきましては、客観的に見てそういうことまでしなくてもいいじゃないかというような光景になったかもわかりませんけれども、全体の行動の一番最後の一部分というふうに御了解願えれば、それはやり過ぎた事柄については個々に御批判をいただかなければなりませんけれども、全体の警備という事柄については、国会はどうしても守らなきゃならぬという使命を達成するという観点からすれば、私は全部をそういう形で非難をして、そうしてこの次からは、相手がどういうふうに乱暴であっても、それは自民であるから傷を負わしてはいけない、これはあたりまえのことでありますが、そういうことによってそれじゃ十一月二十七日のような状態、中まで入ってきて放尿するというようなことになってはならぬのでありますから、そのかね合いが問題であって、しかも間違いなくやるというのが私たちの任務でありますから、いろいろ将来にわたって研究すべき点は研究しまして、御趣旨に沿うようにいたしたい、こういうふうに考えております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 最初申し上げました通り、私が現場を見たのはあとだということははっきり申し上げているんですが、その状況からしまして、警察官のきのうの警備に対する心がまえというものはどうであったかということ、そういう点を私は私なりに今申し上げたのです。警備会議をもちろんやられたと思うのですが、どの程度にその警備会議で対処策を立てられたか、これは明確に言っていただきたい。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 御承知のように現在の警察機構におきまして、私たちは警備会議をやったり、それに参画したりはいたしておりませんので、その内容については私行じません。しかしながら警視庁からの連絡を受けた限りにおきましては、とにかく前からの事例もあり、しかもまた全学連三万名の動員、しかもどういうことをやるという情報、こういうものを勘案して、とにかく警備の最終線を、少なくとも国会の構内にはこの前のような形で乱入させないということを一応の目標に、警備の目標としてはそういうふうになっております。しかしながら警備会議で言ったかどうかは、私聞いておりませんからここで確言できませんが、ただいま警視庁の責任者に聞きますと、出動に際しましては、そういう目的はあるけれども、やはり乱暴にわたらないように、くれぐれも相手にけがをさせたり何かすることのないように注意をして出しておるということであります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 警棒を使用してもよろしいというのは、これは現場の指揮官の判断によるものか。一般的にいいまして、ああいう事前に打ち合わせをしてやる場合には、その点まで話し合いがきめられるのかどうか、きのうはどうであったか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 警棒使用については、これは事実問題をさらに確かめる方がいいと思いますが、現場の指揮官がもちろんその状態を見て判断して命令する、こう考えますけれども、きのうは現場と本部との間はパト・カーで刻々電話連絡がとられておるわけですから、おそらく現場の指揮官は本部の指揮右の指揮を仰いでそういう命令をしたんだろう、こう私は想像をしますが、これはさらに事実を確かめないと礎石的なことは申し上げられないと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 警察官職務執行法の場合の警棒使用の使用事項、限度、こういうことははっきりしているはずでございますが、きのうは適法であると思うかどうか。上からなぐる、腹を突く、目を突く、みぞおちを突く、陰のうをけ上げる、こういうことは適法であるかどうか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 警棒使用規則によっても、相手を警棒でなぐってはいけないということになっておりますから、故意にあるいは過失でそれをなぐっているということであれば、それは使用規定に反すると思います。しかし傷が陰のうにできている、あるいはみぞおちのところにある、あるいは口と鼻の間にあると言われましても、それは実情をつまびらかにしないと、これはなぐってそうなったかどうかということは直ちには言えない。だから、これは先ほどからおっしゃるように、きのうのきょうでありまして、私も絶対間違いがないということを申し上げるのもどうかと思いまするが、警棒使用について行き過ぎた使用の方法があったかどうかということをわれわれもよく調べてみたいと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 これは警察のいつでも言うことでありまして、砂川事件のときにも警棒でのどを締め上げているのは、足がすべったから自然にこうなったのだ、それから写真でこう振り上げているところは、これは手を押されたから上げたんだ、こういう説明をする。それからこの間新島では一人の青年を倒して踏みつけた、そして五針の裂傷を受けた。こういう場合に、彼はそこの電話器のひもに足がからまってみずから倒れて、かもいかどこかにぶつけた、こういう解釈をする。こういう解釈は常識に合致していないということはだれでもが言うことなんです。ところが、警察はそれを押し切るのですよ。こういうところにあなた方特別公務員の職務執行に対する非常な国民の不安というものがあるわけです。今の答弁によりますと、実情をよく調べてと言いますが、頭を打たれたり、鼻や耳をやられたりするのは何でできるかということははっきりしているじゃないですか。そういうところを一切ごまかさずに、身内のもの、警察という一つのワク内におる、そういうところにおるから、その空気があなた万の身にしみついてくる、そうして自分たちの立場を権力者として有利にする。罪を否定し、警察官の権力を発揮できるあなた方は、自分たちの場合にはその権力を運用して、そうしてすべてを言いのがれようとする、こういうのが今までの通例なんです。ですから、そういう点ははっきり割り切って、正当な形の上においてやっていただきたいと思うのです。ぜひそれは客観的に正しく調査をしてもらわなければならない。それから、私はおくれて参りましたからほとんど見ませんでしたが、警察官でけがをなさった方が相当あったように新聞に見えておりますし、今もおっしゃっておりますが、その方々で入院なさった方はおられますか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 おります。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 何名でございますか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 昨日は私が帰りますまでに三名入院しております。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 どこの病院に入院しておりますか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 病院の名前は聞いて参りませんでしたけれども、おそらく警察病院じゃないかと思います。

西村力弥日本社会党

○西村(力)委員 そのことについては何も隠すことはないと思うのです。ところが、ああいう最後に負傷者が出た場合には、警察側の発表は、関係のお医者さんに診断させて、ひどい例になりますと、野原を歩きながらカヤのススキに触れて傷を受けた、これが全治三日間、こういう診断になって偶傷者の中に全部入ってくる。これは警察病院に入れたって、医者は医者として厳然たる立場をとられると思うのですが、ことさらにそういう工合にして対外的な常づけをして自分たちの立場を守ろうとする危険性が非常に多い、こういうことを常に感じておるのです。そういう点も、自分たちの立場だけを守るというような意識が先行せずに、ぜひ注意してもらわなければならぬじゃないか、こう思うのです。いずれにし旅しても、私たちは現場から言うて、警察官はあの程度やらなければならなかったという正当性の主張は相当慎重にやってもらわなければならぬじゃないか。私たちはきのうの状態を見まして、私はあとから行ったんですから詳しくわかりませんけれども、あとから見たあの状況からいいまして、決して正しいやり方ではなかったと判断せざるを得ない。しかし、これは私の判断でありますからとやかく言いませんが、今申し上げましたような点を十分に考えられまして、警察庁としては、ほんとうに公正な立場で、身内を守るとか、あるいは自分たちの立場を対外的によくするためにことさらに意識的な処置をとるとかいうようなことがないように、御配慮を願わなければならぬじゃないかということをお願いしまして、私の関連を終わります。

濱野清吾自由民主党

○濱野委員 簡単に一言お尋ねをします。同僚の長谷川さんのお話を先ほどから承っており、さらにまた西村さんのお話を承っておりまして、日本の警察官が李承晩政権のあの警察官のやり方によく似ておるというような発言がありましたけれども、これはわが国の警察のために、たとい国会といえどもそういう言葉は、聞いているわれわれといたしましてはまことに残念に思います。私は昨日のあのデモをよく見ておりますし、さらにまた取り締まり状況も私の目で拝見しております。全学連の多数の猛者を相手にして警察当局が法に定められた一つの方法で、しかも自分の目的をとにかく守り通すというようなことはなかなか大へんなことだと実は考えておった次第でございます。私どもも青年時代には大衆運動もやりましたし、あなた方の先輩は、警察に何回もぶち込まれておりますからよく承知しております。しかし、いずれにしましても、全学連のああした行動、その行動に対処した警察の実力というようなものが昨日のように、激突しますと、いずれは負傷者が出、さらにまたとんでもない事故が起きてくることは普通の常識で判断ができると思うのです。しかし、先ほど同僚の長谷川君のお話を聞きましても、何か警察だけがひとり責任のあるようなお話でありますが、そういう舌を聞くと、これは日本の警察のために警察庁は事案を鮮明したがよろしいと思います。ただいま陰のうをけ上げたとか、あるいは特に口のまわりにけがをさせたとか、みぞおちを突いたとか、まるで暴力を加える意思をもって警察権を行使したという響きが非常に強く私どもにも響いてくるわけであります。日本の警察にはそんなことはないはずであります。ですから、これはできるだけそういう事情を鮮明にして下さることが警察のためにもよろしいし、また将来全学連のああした行動等もありましょうけれども、そういう行動に対処する警察の立場もはっきりさしておくことがいいことだと思いますから、できるだけ警察当局は早く事情を鮮明にしてもらいたい。同時にまた警察官が、七十数名というあなたの御報告でありますが、どんな負傷をしているのか、どの程度なのか、そしてその七十数名は、あのチャペル・センター、ことにバリケードを張ってあるあの上を全学連のかわいい勇ましい子供たちが盛んに乗り越えて、そうして激しい行動をしておりました、そういうときに阻止するための負傷であったかどうかというようなことは大体判断がつくと思います。そういうこともあわせて詳細に天下に声明したがよろしいと思います。私は実際、自分たちが青年時代に団体行動、しかも闘争をやった経験からして、えてけが人はできるものだということを体験しておりますから、ことに世の中が困ったものだと認めている全学連の勇壮なる少数分子については――私どもは羽田のあの事件もよく承知しております。松川事件のみを持ち出しておりますが、羽田の事件などというものは、どうも常識では考えられぬ勇敢な破壊をやったことでございますから、これは全く西村君の最後の言葉の通り、公正に見てお互いの立場からその物事を判断していくということがどうしても私は必要だと思います。そのために警察庁は、両方の被害者やその前後の状態を明瞭に文教委員会に報告してもらいたい。これが一つ。さらにもう一つ、文部大臣にお尋ねするのでありますが、現在の法制で文部大臣が効果的な行政措置をとることのできないことは、お互いよいよ承知しております。しかしこれをこのまま、全学連というような少数の勇敢な団体行動を許しておいてよろしいのか。それは世界観の相違があるある人たちのためにはあるいは必要かもしらぬが、ほんとうに教育を受けようとする学生諸君が、ときたまああした行動を起こすというようなことが一体学生として許されるのかどうか。もはや、全学連の少数分子の行動は社会的にも判断づけられていることでございますから、文部大臣は何か新たなお考えがありそうだと思いますが、文部大臣の御意見を一つ承りたい。東条内閣時代に、東条総理大臣を殺しても国を守らなければならぬという、あなたのほんとうに国を愛する国士的な姿を、現実に私は知っているのであります。今の法制がどらであるとか、あるいは教育法がどうであるとかということは別として、あなたが東条内閣を倒すときのあの国にささげる愛情の持ち主として、今日ただいまの日本の教育をどう見るのだ。ことに時間の批判の中心となっている全学連、ことに少数分子、この将来ある子供らをあのままあなたは放っておいていいのか。あれを利用して日本の社会革命に役立たせようなどという、そんなチンピラの考え方は別として、一体松田竹千代代議士、今日の大臣は、昔のあの東条内閣を引き倒すときのあの国士的な態度をとれないのか。私はこの場で申し上げることはまことにどうかと思いますが、再三あの実際の姿を見て痛切にその感を深くするものでございますが、一言何か、あなた個人としてでもよろしい、大臣としてならなおよろしい、その点の御意見を承れれば御開陳を願いたいと思います。

松田竹千代自由民主党文部大臣

○松田国務大臣 私は文教行政の基本的な方針といたしましては、一面きわめて非合法かつ暴力的な、民主主義的な事柄を破壊するような行為に対しては、きわめて峻厳な態度でもって当たらなければならぬ、かように考えます。またそれと同時に一面においては、民主主義のきわめて大切な要素の一つであると考える寛容の気持も必要である。この二つをもって文教行政、また特に全学連の過激分子に対してはやらなければならぬ。それはどういうことであるかというと、これらの人々の中には純情な気持で、そうしてある一定のこり固まった考えを持って、ああした行動に出ておる者もあるのであります。私は、だいぶ以前に全学連の先鋭分子であった者を知っているが、今日はりっぱな、健全な好個の青年紳士として立っておる。こういうことを考えますと、若気の至りで行き過ぎるというような単純な者もあると思うのであります。これらに対してはできる限り寛容な気持を持って、彼らの自己反省を促し、そのためには私は機会があればこれらの若き青年とも会って、みずから説得の任に当たりたいというような気持も持っておる。しかし御承知のように文部省、文部大臣として、特に大学自治をはばむような行動はとれない。従って大学学長に個人的に会って、もっと彼らの反省を促すために真剣な説得をしてもらいたいということを常に訴えておるのであります。そこで昨日も直ちに次官を呼んで、こうした事実は再び起こされるべきものではなく、またこれを放っておくということもできぬ、どういう方法、どういう措置をこの際文部省としてはとるべきが至当であるかということを検討して、できる限り早く大学当局に通達するようにということを申しつけたわけでありまして、何と申しましてもこのままでこの先鋭分子をほうっておくということもできない。さればといって大学自治の今の姿、全学連の全体の学生の名においてやっておる少数の人々の行為をほうっておくということもできぬ。さればといって大学という特殊の地域に向かって現在の文部省としてはこれに対してあまり行き過ぎたこともできないが、このままほうっておくこともできないから、何とかこれに対して適切な方法を講じなければならぬ。このままほうっておきますれば、おそらく大学自治のあり方あるいは学生自治のあり方ということもこれでよいのかという問題は必ず出てくると思う。そういうことが私は憂えられるので、十分にこれらの点を研究いたしまして、そうして学年の反省を促し、また大学当局に強い指導、助言を与えて参りたい、かように考えておる次第であります。

小牧次生民主社会党

○小牧委員 ちょっと関連して……。ちょっと警察局長にお伺いしたいのですが、先ほど来いろいろと炎谷川委員その他からお話がありましたが、これは警察側の今回のやり方には非常に行き過ぎがあるのじゃないかと私は思う。私自身は現場を見たわけではありませんが、とにかく聞いてみると、こん棒その他で頭をたたき割って、これはまことに悲惨な状況を呈したと聞いておるわけですが、こういう、秩序を守るためには何をやってもよろしいというような印象を受けることでは、私は人道上断じて許されないと思います。長谷川委員も言われた通り、相手は何も持っていないのだから、これについてしかるべき対処する方法があるのではないか。たとえば催涙弾なりあるいはまたホースなり、こういったものをもってこれを防ぐというような方法も別にあるのではないかと思うのでありますが、それを乗り越えて、直ちに武器のない者に攻撃を加え、暴力を加える、これは明らかに私は人道上非常な行き過ぎであると思うのだが、局長はこの事件についてどう考えておられますか。最後にお伺いしたいと思います。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 小牧委員は現場は見ておられないで、報道あるいは人の話ということからそういうふうにお考えになっておるということでございまするから、私もその一々を争う必要はないと考えまするけれども、ただいま御指摘になりましたホースを用いて水を使う、あるいは催涙ガスを使うということは、きのう行なわれました警備実施以上に出た場合としてわれわれは考えております。それはホースを使いました例が、過去におきまして、大阪市警と称したころ大阪で使われたことがあるそうであります。非常に危険でございまして、ホースの水が直接、まあ距離にもよりましょうけれども、当たったという場合におきましてはほとんど生命に影響するということを考えなければならない。それから催涙ガスというお話がありましたが、催涙ガスを使いました事例が二、三ございます。これは宇都宮の競輪のときに群衆を退散させるために使いましたのと、私は詳しく存じませんけれども、いわゆる宮城前のメーデー事件のときに使った。それから山梨県で水争いが起こりましたときに、中に割って入る、こういう意味で、そこを散らせばいいという限りにおいて使った例がございまするが、この先訓からしますと、やはり相手の意思が強固でありまする際においては、これは韓国の例も近くあるようでございますが、催涙ガスは一時的にとどめになりまするけれども、それを乗り越えてやはり全体を刺激し、より活発にさせるという役目をするのでありまして、これは警棒使用とかあるいは警杖使用とか、いろんな場合に使うわけでありまするが、それ以上の事態、それでどうにもならぬというときに、使うか使わぬかという問題があるのでありまして、現在それを使うというところには踏み切ってなかったのであります。

小牧次生民主社会党

○小牧委員 私はそっちの方のことはあまり知らないので、これは大へんやぶへびみたいなことですから、これははっきり取り消しておきますが、要するに私が言わんとするところは、今長谷川委員や西村委員からいろいろ質問がありました中に、警棒をもって無抵抗の――無抵抗とまでは言えないかもしれませんが、何も持っていない学生諸君の面を割り、あるいは目と鼻の間を突いて負傷さしたり、さらには警棒をもってみぞおちを突くとか、こういう、直接身体に危害を加え、場合によっては生命を失うかもしれないというようなところまで、警察官の方で武器を持たない相手に危害を加えていいかどうか。これは明らかに人道上大きな問題である、こう考えましたがゆえに、そういう方法をとらないで、できるだけ被害を少なくするような方法で、これに対処するという方法はないかどうかという意味で、今の二、三の例をあげたわけでありましたが、これは明らかに私の認識の間違いでありましたので、これは取り消しをいたしますけれども、何らかそういう方法をもって、警察側としては、与えられた任務としての秩序を守るという最小限度の措置に出て、それ以上のさらに積極的な、暴徒に近いようなふるまいに出るということは、警備局長としても今後戒めて善処しなければならないのではないか、こういうことで私は御質問申し上げたのですが、いかがですか。

江口俊男警視監(警察庁警備局長)

○江口政府委員 全く仰せの通り、そういう目的を達するために種々研究をして、警備をする側でも、できるだけ効果を上げるのに犠牲が少ないというような方法を考えねばならぬと思いまするけれども、ただいま小牧委員もお考えになるように、いろいろなことを考えてみても、なかなか名案がないというのが現状でございます。ただ私たちこいねがっておるのは、ああいう種類のものを、最後はやむを得ないから警察力でああいうことになるわけでございまするけれども、警察力行使以前の段階における、やはり攻撃側の中に秩序を持たせあるいは順序を踏ませれば、ああいうことをしないで済むのでありますから、われわれの方もそういう検討研究をいたしますと同時に、やはりそれと相待って、そういうことをせぬで済む状態というものをわれわれは希望しております。ただ目的を達するためにはどういうことをやってもいいのだというようなことは毛頭考えておりません。

大平正芳自由民主党

○大平委員長 本日はこの程度とし、次会は五月六日午前十時より理事会、十町三十分より委員会を開会いたします。  これにて散会します。    午後一時三十九分散会

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