農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1960/02/17
会議録
○吉川委員長 これより会議を開きます。農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林大臣の所信表明に対し質疑の通告があります。この際これを許します。 質疑通告の各位に申し上げます。時間の関係もありますので、質疑は大臣から表明された農林水産行政の基本施策に限ってなさるようあらかじめ御注意申し上げます。倉成正君。
○倉成委員 私は、ただいま上程中の昭和三十五年度農林予算と関連して、所得倍増計画と農業、貿易の自由化と農業との関係、果樹、畜産、開拓政策等を中心として、福田農林大臣の所信を問うものでございます。まず、昭和三十五年度予算が総額千三百十九億円、総予算の八・四%を占めておりますが、そのさいは省略するとして、食管会計繰り入れ、災害費等を計算に入れますと、約八十億円の昨年に比しての増加であります。しかしながら、その中で、農業基盤の整備、畑作振興、果樹振興、開拓政策、二、三男対策、僻地の電気導入、農村の環境整備等につき新しい農政を打ち出そうという大臣の意欲が感ぜられまして、その御努力に対し深い敬意を表するものでございます。しかしながら、今日の農業が、四年続きの豊作にもかかわらず、依然として農業と他産業との間に所得の較差があり、ますますその較差は拡大する傾向を示しております。この経済の二軍構造が日本経済の安定的発展の阻害条件となっていることは明らかであります。このときにあたりましていかなる方策を講ずるかということは、日本経済の重要課題の一つであります。この点に関しまして、昨日の大臣の御説明にありましたごとく、農林漁業基本問題調査会において検討中と思いますが、すでに調査会発足以来相当の月日を経過した今日、いかなる方向が明らかにされておるか、その中間報告をいただきたいと思います。特に、所得倍増計画と農業、貿易の自由化と農業、農業基本法のごときものを作る御意思があるかどうか、この三点につきまして大臣のお考えを率直明確に伺いたいと思います。
○福田国務大臣 基本問題調査会の方では、まだ審議中でございまして、方向とかあるいはこういうふうな具体的な結論とかというような出し方をまだいたしておりません。 大体この際その経過を御説明申し上げておきますると、この調査会は昨年の七月に発足いたしております。第一回の総会におきまして、政府から、「農林漁業に関する基本的施策の確立に関する意見を求める」、そういう諮問を行なっております。調査会は、この諮問を受けまして、現在までに全部で七回の総会を開いて審議を行なっておりますが、その経過の概要を申し上げますと、まず、第二回及び第三回の総会におきましては、農業の現状認識に重点を置いて審議を行ない、続く第四回から第六回までの三回の総会におきまして、農業を中心に、構造問題、農産物需給ないし農業成長の見通しの問題及び農業所得政策の問題をそれぞれ中心といたしまして審議を重ね、最近の第七回総会におきましては漁業の問題を取り上げたのであります。一方、第四回総会におきまして、構造、需給及び所得の三つの小委員会が設けられ、それぞれ四回の会議を重ねて参りましたが、各小委員会の検討の方向に照らした論点の突き合わせと相互の調整を要する段階に立ち至っておりますので、本年二月から各小委員会の連絡小委員会が設けられ、現在までにこの小委員会は二回の会議を開いております。調査会は大体本年の六月中に実質的な審議を終えるということを目途としておりまするが、政府といたしましても、本調査会が設置されました際の国会の附帯決議の趣旨にもかんがみまして、なるべくすみやかに御答申を受けるようにお願いをいたしておる次第でございます。 そういうふうな段階でございまするが、私ども農林省といたしまして、この答申を待つまでもなく、農村の所得増加政策というものにつきましては意を用いなければならぬ、さように考えまして、今度の三十五年度予算におきましても、ほとんどそういう方向に努力が集約されておると申し上げても差しつかえない次第でございます。 なお、お尋ねの基本法の問題につきましては、この答申の結果を待ちまして善処いたしたい、かように考えております。
○倉成委員 農業の基本方策につきましては、ただいま大臣の御説明の通り、ただいま御検討中ということでありますけれども、そもそも基本問題調査会の設けられたゆえんのものは、農林漁業部門と他の産業部門との間の所得の均衡を得せしめること、ないし均衡的に経済を発展せしめることがその最終の目的である。これらの目標が見失われないことが何よりも必要と思います。すなわち、最終的な結論はおくといたしましても、一般経済は年率七・二%の成長率で、十年後に所得は倍増しますが、農業の成長率は、単純予測で二・二%、政策を入れた成長率で三・二%と聞いておるのでございますが、かりにこの中間をとって二・五%の割で農業を伸ばすといたしましても、その他の政策が並行しなければ、十年間に所得を倍増するということは、これはむずかしいわけでありまして、ますますその較差が広がると考えるのでございます。昭和三十三年の基準で農業と非農業との所得較差は、農林省の資料によりますと、一〇〇対二九・五という数字が出ておるのでありますけれども、大臣は、この農業の成長率を大体どの程度にお考えになっておるか、また、その場合に、財政投融資資金をどの程度の規模でお考えになっておるか、一つ伺いたいと思います。
○福田国務大臣 今後の農業政策の主力は、所得を増加すること、また、これをいかに増加するかという点に置かなければならぬことは、お話の通りなんです。そう考えております。 そこで、今政府の方では、お話のように、所得倍増十カ年長期計画というものを考えておるわけです。まだ、これは具体的な結論を得ておらないのでございまするが、しかし、大体の方向といたしましては、まあ十年後所得は二倍というところを目標にしようじゃないかというような意向でございます。その際における平均年率、成長率ですね、これは七・二になるのです。ところが、はっきりこれは分けて考えていただきたいのでございますが、所得倍増という際のその所得は、国民総所得なんですね。それで、倍になった場合のわれわれのふところ工合がはたして倍になるかというと、そうじゃないのですね。すなわち、人口がふえまするから、倍になった所得を分け合うことになりまする関係上、一人当たりの所得はもっと減るわけです。ですから、七・二%の年率でいけば倍になるわけでございまするが、その七・二%というのは総所得の倍率であって、これに対応する国民一人当たりの所得の増加率というのは五・三%です。でありますから、農家の場合を考えてみまして、一体農家はこの国民の平均所得率に到達し得るか、すなわち、五・三%の年率の成長を農家において期待し得るがということを検討する必要があるという筋合いになるわけです。まあそういうことが一体実現できるかどうかということを考えてみますると、昭和三十一年から三十四年までは比較的に農業が安定している時期でございます。この時期のことを考えてみますると、農業所得、すなわち総所得でございますが、総所得は年率四・三%ずつふえております。ところが、問題になるのは、その総所得じゃないのですね。農家一人当りの所得がどうなるかという問題、これが重大なんです。そういう角度で考えてみますると、農村から都市へというか、農村から非農業部門への人口の移動というものが非常に行なわれておるわけなんです。この人口の移動は、相当多数の、思ったより予想外に多くの人口が農業から吐き出されて鉱工業の力へ移動しておるわけです。それを考えてみます。ると、私は、これはまあ大体におきまして五・三%というぐらいの年率の個人所得の増加ということは決して実現されていないことではないというふうに考えておるわけなんです。それじゃ一体今後どうなるかということを考えてみますると、この数カ年間は、大へんどうも米のできなんかもよくて工合よかったのですが、こんな工合のいいことばかり続くまいというようなことで、今お話しのように、企画庁では二・何%とか三・二%とかという低い成長率を考えておりますが、しかし、私どもは努力をいたしまして、そうして財政の方からも大いに支出をする、あるいは財政投融資の方からも農村に対してこれを放出する、あらゆる努力を傾けていきますれば、私は、この総生産におきまして農業が年率三%以上の成長を実現できるということにつきましては、そうしなければならぬし、また、私は、期待できる、かように考えておるわけなんです。もし三%以上の年率の成長ができるということになりますれば、ただいま申し上げました過去の傾向——また、私は二、三男問題というようなことを言っておりまするが、これは、やはり、農家というものは能率を高くして、そうして少ない人数で大きな生産をあげるような努力が一方において続けられなければならぬというふうに考えるのですが、農村から都市への人口の移動ということが、なお私はさらに行なわれていくんではあるまいかというふうに考えておるのでございまして、私は曲がり角に来た農業という意味が、よくどうも農業の前途が暗いというような感じをもって言われておることが多いのでありますが、決してさようには考えません。私は、今後、政府におきましても大いに施策をこらす、農家におきましても大いに生産を向上するというために努力、工夫を重ねるにおきましては、必ず他の階層の所得と同じく肩を並べて農業も発展し得る、かように考えておる次第でございます。
○倉成委員 ただいま大臣は、就業人口一人当たりの増加が一五四%、農業についてもこの程度の増加についてはさほどむずかしいことではないということと、成長率三%以上をこれからやることも大して至難ではないというお話がございまして、非常に力強い感じがするわけでありますが、これをしさいに検討してみますと、相当問題があるのじゃないか。三%以上これから農業が成長して参るためには、相当の財政投融資、これは試算もございますが省略いたしますが、大臣がよく御承知の通り、過去十年間に投資した額の数倍の財政投融資をこれに投じなければならない。また、人口の減少にいたしましても、昭和三十年から三十三年までの四カ年を年平均しますと、年に約四十六万人が減少しておるわけであります。従って、十年後の農業の姿を描きましたときに、現在あります就業人口の約千六百万程度の人口を一体どの程度に抑えるか、あるいは年間どの程度の人口減少を見込んで計画を立てるか、またその具体的な方策はどうか、こういった問題がある程度——これは経済の予測でありますからそう厳密に机の上で計算するわけにいかないかもしれませんが、少なくとも財政金融方策のお答えとしては少し具体的にお答えいただかないと、大ざっぱに多分これはよかろうということではなかなか農民も不安じゃないかと思いますので、もう少し具体的に、また、責任のあるものでなくてもけっこうですけれども、その理想像を一つお示しいただきたいと思います。
○福田国務大臣 つまり、数字は仮定の数字ですが、筋は私はこういうことであろうと思うのです。すなわち、農業生産というものがだんだんふえていきます。これは、見方が非常に消極的な、二%くらいではあるまいかというような議論もありますが、しかし、三十一年から三十四年に実現された成長率から言いますれば四・三%も伸びておるわけでございまするから、そう消極的になる必要もありませんし、また、これを積極的に伸ばすための財政上、金融上の努力をしなければならぬ、そういうふうに私は考えております。その場合、かりにその成長率が三%であるというふうに仮定するわけです。その場合におきましては、これは農業総所得でございますから、これに人口的要素を考慮して初めて一戸当たりの所得というものが出てくるわけです。すなわち生産性というものが出てくるわけです。そこで、その生産性の角度から言いますると、これを大体五%前後まで農家の所得として実現するためにはどのくらいの人口の移動が必要であるかというと、大ざっぱに言って二%程度の移動が必要になるのではあるまいかというふうに考えております。ただいま農業人口が千五百万というふうに大ざっぱに言われておりまするが、その二%でありますから三十万。農村で二、三男がどんどんと生まれてきますが、そういう者は全部鉱工業の方へ進出をする、さらにその上に加えて二%、三十万人に相当する人間が農家から、出ていくということになりますれば、これは他の産業と同様に十年後には所得倍増が実現できる、こういうふうに考えております。私は、その構図のこまかい点はどうか知りませんけれども、大筋におきましては、努力をすればこれは必ず実現できる、かように考えておる次第であります。
○倉成委員 こまかい財政投融資の問題について多少議論がございますが、省略しまして、その人口の移動の問題について、今大臣の御答弁を大ざっぱに試算してみますと、三十万の現在あります就業人口が外に出ていき、そのほか新たに増加すべき生産年令人口が外に出ていくということになると、七十万から八十万出さなければいけない。これは容易なことではないわけです。これはやはり相当具体的な施策なり何なりがないと、そういうように希望するだけではなかなかむずかしい。しかも、御承知のように、四年続きの豊作で米の需要について相当安定性があった三十年から三十三年までで年に四十六万減っているというわけですから、これは非常に大胆な御意見のようですが、そのためにはどういう具体策をお考えになっておるか。これは農業だけの面ではいけない点もあるかもしれませんが、そういった点を一つお伺いしたい。
○福田国務大臣 そういう配属が必要になってくるからこそ、ここで所得倍増というか日本経済の規模を二倍に拡大するという経済全体の問題が出てくるわけなんです。政府の方で今一生懸命やっております所得倍増計画、それも、倍増すること自体、私はそう困難なくいけると思うのでございますが、その間において非常に問題になりますのは、いわゆる較差の問題がいかに調整されるかということであり、かつ、その間におきましても最も困難にして重大な問題は農工較差の問題である、こういうふうに考えております。正確な結論をまだ得ていないのでございますが、大体の方向といたしましては、経済を二倍に拡大した場合において、一方において農業人口は若干の減少を示し、また、他方においてこれを受け入れるところの鉱工業並びにこれを取り巻く中小企業等におきましてはその従事人口というものがふえてくる、こういう傾向を持ち、鉱工業の成長率は高い成長率でございますが、農村からそういうふうに人を受け入れて、分け合うところの分母がふえますものですから、そこで均衡点というものが農業との間に出てくる。こういう考え方でいろいろ具体的なデータの検討を進めておるわけなんです。 そこで、しかし、黙っていて農業人口あるいは農家の二、三男がうまく他の所得を獲得できるかというと、そううまいわけにもいきません。そこで、私は、三十五年度の予算におきましても、特に労働省にお願いをいたしまして、そして、職業訓練所を農村の子弟を主として対象にして全国にさしあたり十四個所設けるというようなこともいたしております。また、一方、職業安定所という制度がありまするが、この制度が求人本位の、すなわち工場、会社等本位の運営をされておりまするが、それではいかぬ、これは農村の子弟等を頭に置いて辰村の子弟なんかを積極的にお世話をするような機能に変えなければならぬというふうに、運営の変更をお願いしておるのです。と同時に、制度といたしましても、農業協同組合の方でございますとか、あるいは町村長でありますとか、あるいは村の農業関係の有力者等に職業安定所の協力員というようなものになっていただきまして、親身に、じかに、あの家のどの子はどういうふうにすべきだということまで立ち入って御相談を願える制度が必要ではあるまいかというので、職業安定所協力員制度というものを創設することにいたしたわけなんです。あるいは、なるべく農村の子供が実業課程の勉強ができるようにというので、学校の配置等につきましてもさような考えをお願いをいたしております。さらにまた、通産省等の関係になりますが、新しい工場が所得倍増計画に従いましてどんどんとできてくる、その配置につきまして、なるべくこれも農村の子弟が家から通えるというようなところを選定していただくように、これは通産省ばかりじゃありません、わが農林省におきましても、工場を作る場合には土地を転用するという問題があり、その許認可の問題なんかもあるわけでございますから、そういう筋を通じまして、さような工場が農村子弟の就業に都合のいいようにという状態の実況のためにやっていきたい、かように考えておる次第であります。 まあ、大体、私は、これの実現は、困難はありまするが、何も不可能な問題じゃないというふうに考えておる次第であります。
○倉成委員 ただいまの、農村から工場へあるいは都市へ人口が移動する問題について、大臣が非常に御努力になりまして、職業訓練所であるとか、その他工場設置の問題に関連しての御配慮は非常にけっこうと思いますし、私も同感でございますけれども、ただ、ちょっと事態の認識について甘いのじゃないか、こういう感じを私は深くするのでございます。たとえば、農業高等学校に一例をとりましても、農業の自営者を一応中心とすべき高等学校の卒業者が、農業についている人というのは比率はほとんどわずかしかないという実例がございます。また、工場に農村から通えるようにしようということも、土地の転用その他のようなことだけでだけで——とは申されませんでしたけれども、そういうものじゃなくて、もっと、ほんとうに農村人口を減らそうというならば、ちょうどイギリスで一九四七年に都市・農村計画法を作りまして工場分散を積極的に考えたように、新たな国土利用を考えて、東京というようなこういう奇形都市を解消せしめるというようないろいろなもっと抜本的な施策を考えない限り、とうてい農村の人口を都市に移動させるということはつけ焼刃のいろいろな施策ではできないと私は実感として思うわけです。この点について大臣と多少見解を異にいたしますけれども、大事なことですから、もう一度この点をお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 私は、過去の趨勢等から見まして、相当大規模の移動が行われておると思うのです。ですから、今後こういう趨勢等も考えまして、私が申し上げておるような方法、なおほかにも、いろいろお考えが皆さんにあれば伺って、これを実行するにやぶさかでございませんけれども、努力いたしますれば、その程度の他産業への転換ということは決して不可能じゃない、こういうふうに考えております。しかし、いずれにいたしましても、農業総生産を上げる、また、同時に、これと並行して、出てくる農村の過剰労働というものを他の産業に出て働いてもらうという方向につきましては、これは何が何でも実現していきたい、かように考えております。
○倉成委員 ただいまの点では、私多少議論がございますが、ただ一点だけそれじゃ念のためお尋ねしたいと思います。大臣のお考えで、十年後の農業の就業人口を大ざっぱに大体どの程度にお考えになっておりましょうか。
○福田国務大臣 私もこれは正確な見通しを持っておるわけではないのです。これは一に今度できる長期計画、また農業基本問題調査会の結論等に待たなければならぬわけです。しかし、先ほど私がかりにと言って申し上げました、二%の転換があれば農家所得の二倍拡大は可能であるというふうに申し上げましたが、それから言えば、おおむね三百万人、そういうことに相なる次第であります。
○倉成委員 三百万人が出るというわけですね。これらの問題はもう少し時間をかけてこまかく議論しなければいけないと思いますけれども、ちょっと恐縮でございますが、大臣の考え方は非常に甘いお見通しを待っておられる。私は、いろいろ楽観的な見通しをすることについては決して反対ではございませんけれども、それだけの見通しをするなら、それにふさわしい政策が、具体的な現実的な政策が裏づけされなければ、絵にかいたもちになる、こういうふうに考えますので、この点はさらに深い御検討をいただきたいと思います。 次に、貿易の自由化と農業の問題について、先般芳賀委員から大豆の問題についてございましたが、農業が劣勢産業である現実にかんがみまして、これは慎重にそのスケジュールとプログラムを考えていかなければならないと思いますが、その一例として、政府は甘味資源の自給計画を先般樹立しまして、砂糖に換算して百五十トンの需要中七十五万トンを国内産のブドウ糖とテンサイ糖等でまかなおう、こういう計画を立てられておるわけでありますけれども、この計画を将来も堅持されるおつもりであるかどうか、承りたいと思います。
○福田国務大臣 これは農政の非常に大きな問題として堅持していきたい、かように思っております。
○倉成委員 大臣の非常に力強い御言明でありますから、これを信ずるといたしましても、現在の自由化の風潮というものは非常に深刻な不安を農民に与えておりますし、単に大臣のそういう言明だけじゃなくして、これが具体的な現実的な施策に生きてくるためには、現在のブドウ糖工業というもの、また、テンサイ糖についても同様でありますけれども、これをもっと積極的に推進していく必要がある。それは具体的にどういうことにあるかと申しますと、これが技術の革新ができ、酵素糖化法等の新しい製法が発明されておる段階でありますけれども、まだまだブドウ糖工業が産業として大きく確立するには多少の時間がかかるので、その間について政府の手持ちの澱粉をある程度安く、三十七・五キロが千四百五十円で払い下げられたようでありますけれども、もう少しこれを値下げをしまして、そうして、これをいつまでもというわけじゃありませんが、ブドウ糖工業がほんとうに軌道に乗るまでは、思い切ってこれを値下げして民間に払い下げ、そうしてこのブドウ糖工業を確立いたして、かりにAA制に移行しましてもこれに十分対抗できるだけの態勢を整える、こういう配慮が私は積極的な施策として必要だと思いますが、これらの点についてどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたいと思います。
○福田国務大臣 砂糖につきましては、ただいまのところこれを自由化するという考えは持っていないのです。と申しますのは、今お話しのように、国内糖の育成の問題があるわけです。それから、もう一つの問題は、キューバ糖が世界市場においては非常に安いわけでありますから、自由化ということになりますと、おそらくキューバ糖が圧倒的に入ってくるのではあるまいか。さようなことを考えますと、日本の通商政策というか貿易構造から見てどういうことになるか、これがはなはだ不安な点なんです。さようなことを考えまして、砂糖はちょっと通俗的に考えますと自由化したらよさそうな感じもございますが、なかなかそういうふうな結論も出しにくいので、さしあたって当面私どもは砂糖について自由化ということは考えておりません。先になりましたら先の状況で検討してみたい、こういうくらいのところです。自由化に対しまして、農村の関係はよほど気をつけなければならぬというふうに考えております。自由化になって農産物資がどうなるかというようなことで心配する向きもありますが、私は、決して御心配をかけないようにいたしたいと思います。たとえば、ただいまの砂糖の問題につきましてもそういうふうに考えておるわけでございまするし、輸入品と競合した場合に内地品が勝ち抜くという態勢がちゃんと整った場合に初めてこれを自由化していくというふうに考えておる次第でございます。
○倉成委員 ただいま砂糖については大臣の明確な御答弁がございましたが、来年の四月からAA制に移行することを通産省として予定しています羊毛の問題があります。そのほか、飼料、酪農製品、肥料、それから最後に食糧、こういった品についてどういうお考えをお持ちになっておるか、簡単でけっこうですから、お伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 主食につきましては、ただいま管理制度をとっております関係もこれあり、自由化ということは毛頭考えておりません。それから、わが国農業の非常に重要な部門と今後なるべき酪農製品につきましても、これを自由化する考えは持っておりません。それから、重要な農産物でありまする大豆につきましては、ただいま自由化されておるのですが、特例といたしましてドル地域だけがまだ自由化されておりません。こういう風潮の中におきましてそういう特例を残しておくということはなかなか困難な事情もありますので、これはおおむね十月ごろを目途といたしましてその特例を撤廃をいたしたいというふうに考えておるわけでございまするが、撤廃をいたしまする際におきましては、現在国産大豆が売られておりまする相場をもちまして政府において国産大豆を買い上げいたす、また、それに伴いまして、国産菜種につきましても、必要がありますればそういう措置をとるというふうな対策を講じた上これを実施に移していきたいというふうに考えるわけでございます。その他いろいろお話がありましたが、大同小異でありますが、内地競合産業との関係におきまして、内地国産品が十分立ち行くという方途を講じた後において初めて自由化というものを実施していく、かような考えでございます。
○吉川委員長 倉成君に申し上げます。中途でまことに残念でございますが、参議院との話し合いもありまして、参議院の予算委員会へ大臣が呼ばれておりますので、ちょっと休憩をいたしますから、御了解を願います。 暫時休憩いたします。 午後四時二十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕