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34回国会衆議院1960/02/10

農林水産委員会 第1号

発言数
53
登壇者
10
会派数
2
開催日
1960/02/10

会議録

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。  本委員会は毎会期議長の承認を得て国政に関する調査をいたして参りましたが、本会期におきましても、一、農林水産業の振興に閲する事項、二、農林水産物に関する事項、三、農林水産団体に関する事項、四、農林水産金融に関する事項、五、農林漁業災害に関する事項の各事項について国政に関する調査をいたしたいと存じますので、議長に対し承認方を申請いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本承認要求の件作成並びに提出等の手続につきましては委員長に御一任願いたいと思います。      ————◇—————

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、昭和三十五年度農林関係予算について説明を聴取することといたします。小枝農林政務次官。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 昭和三十五年度農林関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。農林省所管合計といたしましては千百六十五億二千七百万円となっております。これに総理府所管の北海道関係公共事業費百七億七千一百万円、離島振興関係経費十八億四千六百万円、原子力平和利用関係経費九千七百万円及び農林漁業基本問題調査会に要する経費二百万円、労働省所管の農林関係公共事業費一億八千五百万円、建設省所管の農林関係営繕費六千八百万円、大蔵省所管の農林漁業金融公庫出資金七億円並びに文部省所管の麦製品学校給食費十七億一千二百万円を加えました農林関係予算合計は、千三百十九億八百万円となり、これを昭和三十四年度当初予算に比較すると二百五十五億五千七百万円の増加となります。  なお、この増加額のほか、前年度の経費で減となるものが糸価安定特別会計繰入、日本蚕繭事業団出資金等で約三十七億円あるので、これを加えた約二百九十三億円が三十五年度予算の新規事業または既定事業の増額の財源に充当されております。新規または増額のおもなるものは、食糧管理特別会計繰入が麦製品学校給食費分を含めて百三億四千二百万円、一般公共事業費七十九億四千八百万円、各種災害対策費七十九億三千一百万円のほか、農産振興費、畜産振興費、試験研究費、農業保険費、開拓者助成費、漁業協同組合振興基金貸付金、人件費等であります。  次に、本予算案編成の重点について申し上げます。  第一に、農業基盤の整備強化に関する経費についてであります。土地改良、開墾、干拓事業につきましては、農業の基盤である土地条件の整備強化をはかる事業としての性格を明確にするため、従来の食糧増産対策費の名称を「農業基盤整備費」と改め、総額三百八十九億一千万円を計上したのであります。なお、従来食糧増産対策費中に含まれていた海岸保全事業につきましては、治山治水事業の一環である海岸事業費として、農業基盤整備費からは区分してその充実をはかることといたしております。  一、まず、土地改良事業の拡充に、要する経費として百九十九億九千六百万円を計上し事業の計画的推進をはかることといたしましたが、  (一) このうち、重要九水系における土地改良事業については、水系開発事業として、国営灌排、県営灌排を通ずる事業効果の発現を期するため総額三十三億九千五百万円を計上し、事業の計画的実施を行なうこととしたのであります。  (二) 水系以外の一般土地改良事業につきましても、国労、県営、団体営を含め百三十九億六千七百万円を計上し、事業の計画的推進をはかることといたしておりますが、このうち、特定土地改良工事特別会計に含まれる国営土地改良事業につきましては、前記の水系開発を除く継続十地区に対し十一億九千二百万円を計上して七カ年完成を期することとし、一般会計の国営地区につきましては、四十八億四千一百万円を計上して継続事業の進度の引き上げをはかるとともに、新たに国営灌排二地区、直轄明渠二地区の事業に着工するほか、全体設計実施地区として国営灌排一地区、直轄明渠五地区を採択することといたしました。また、県営土地改良事業につきましても、他事業との関連地区、完了予定地区等に重点を置いて事業の促進をはかることといたしたほか、新たに着工、内地二十地区、北海道六地区、全体設計、内地二十一地区、北海道五地区を採択することとしたのであります。  団体営事業につきましては、積寒法等の特殊立法による振興計画に基づく目標を達成し得ようと努めるとともに、畑作振興に必要な畑地土地改良事業の拡充をはかったのであります。また、非補助小団地等土地改良事業助成基金による非補助低利融資についても、融資ワクを九十億円に増額することといたしたのであります。  (三) 土地改良に関する調査計画につきましては二億七千五百万円を計上いたし、事業計画の樹立、基礎資料の整備に努めることといたしておりますが、本年度は大規模計画内地四地区、北海道七地区の計画に着手するほか、新たに農地開発可能地調査を始めることといたしております。  二、干拓事業につきましては総額六十六億二千二百万円を計上いたしております。特定土地改良工事特別会計に含まれる国営、代行干拓につきましては、八郎潟の三十八年度完成を初め計画期間内の事業完成を期して事業の促進をはかるため国費六十億三千七百万円を計上しておりますが、新たに工事着工一地区、全体設計二地区を採択することといたしております。補助干拓についても三億五千五百万円を計上し事業の促進をはかることといたしておりますが、本年度におきましては、伊勢湾高潮の悲惨な経験にかんがみて、国営、代行、補助干拓を通じ、干拓地の保全と住民の安全をはかるため、堤防の補強、宅地のかさ上げ、退避場の設置等の措置を講ずることといたしております。  干拓計画につきましては二地区の新規採択を含め七千九百万円となっております。  三、開拓事業につきましては総額八十億一千六百万円を計上しております。まず、開墾事業につきましては、開墾建設事業四十七億四千七百万円、補助開墾八億一千四百万円、開墾計画二億二千二百万円、合計五十七億八千三百万円を計上し、事業の促進をはかることといたしておりますが、事業の重点を既入植地の経営安定に置くとともに、新規着工、国営三地区、代行十地区、全体設計三地区の採択を行ない、事業の拡大をはかっております。また、これとともに、開墾事業の調査計画の整備をはかることに努め、新たに特定農地開発事業地域三地区を採択することといたしたのであります。  また、開拓者に対する開墾作業、入植施設等の助成としては、入植施設災害復旧を含め十七億八千二百万円を計上いたしておりますが、本年度は新規入植者を一千戸にとどめ、開拓営農振興臨時措置法に基づく振興の達成等、既入植者の経営安定に重点を置くことといたしたのであります。  なお、開拓事業については、このほか、機械開墾地区の事業促進のため四億五千一百万円を計上いたしておりますが、これらの事業は、後に申し述べる開拓者資金融通特別会計における融資ワクの拡大、償還条件の緩和措置、過剰入植地区移転対策、中央開拓融資保証協会に対する増額出資等の開拓関係諸施策と相待ってその成果を発揮するよう努める所存であります。  四、愛知用水事業と篠津開発事業との外資導入による特定地域開発事業につきましては、それぞれ二十五億円、十三億五千一百万円の国費を計上いたして事業の促進をはかることといたしておりますが、特に愛知用水事業につきましては、所要の国費のほか、資金運用部資金六十億円、余剰農産物資金四十五億円等の事業資金を確保することとし、三十五年度内完成を期しております。  五、なお、本年度からの新規事業として、国営事業によって造成されたダム、頭首工事の施設について、その維持管理を適正に行ない、事業の効果を発掘せしめるため、事業の規模と施設の公共性に応じて国が面接維持管理する道を開いたのでありますが、本年度においてはさしあたって二地区の維持管理に必要な経費として四千二百万円を計上いたしております。  第二に、畑作及び果樹振興対策に要する経費についてであります。従来に引き続き水稲生産力の安定向上をはかるとともに、農業経営の近代化とその企業的育成をはかるため、畑作の改善及び果樹の振興のための経費を充実することといたしております。  一、まず、畑作営農の後進性の原因となっている低位な畑地土壌生産力を向上するため、前年度新たに開始した畑地地力保全事業と、畑地土壌病害虫防除事業を大幅に強化してこれを推進することといたしました。すなわち、地力保全事業については地力保全基本調査面積と地力変動観測点の増加をはかり、また土壌病害虫防除事業についても検診調査面積及び被害激甚地における実験防除面積を増加することといたし、これらに必要な経費二億五千九百万円を計上いたしました。  二、次に、土層改良及び深耕事業につきましては、過去三カ年間の大型トラクターの寒冷地国有貸付等の実験的導入事業の成果にかんがみ、暖地を含め全国的な事業化に一歩を進めるため、導入方式を県有補助に改めて導入数の増加をはかることといたしております。なお、今後畑作営農の機械化の主体になると期待される中型ホイール・トラクターの利用方式について現地において各種タイプの比較実験を行ない、機械化の基本方策について調査検討を加えることといたし、これらに要する経費として二億七千二百万円を計上いたしました。  三、次に、畑作物の生産対策につきましては、普通作物、園芸作物及び工芸作物について種子確保対策等を継続するほか、三十五年度においては特にテンサイ、麦、大豆を重点として取り上げることといたしております。  テンサイにつきましては、甘味資源自給総合対策の一環として、北海道における生産の拡大をはかるため、種子確保、機械導入を引き続き推進するとともに、東北及び暖地における新規導入を促進するため県農業試験場の試験を強化することといたしております。さらに、テンサイ振興の技術的基礎を充実するため、前年に設立した日本甜菜振興会に対して三億四千万円の増額出資を行ない、計画的にその研究活動を促進することといたしております。  次に、麦につきましては、国内需要構造の推移、及び輸入麦との価格開差等にかんがみ、その生産合理化を推進するため、多条まき栽培を中心とする省力多収栽培の普及をはかることとして、全国主産地に麦作改善推進部落を設ける等のため六千万円を計上いたしました。  なお、大豆、菜種についても貿易自由化の趨勢に対処して、能率的栽培技術の普及の拠点として特別指導地を置くことといたしております。  四、果樹農業の振興につきましては、国民所得の成長に伴う果実需要の増加傾向に対処して、生産の安定的増大をはかるため、予算の大幅な充実をはかることとし、果樹園経営計画の促進、発生予察事業の実験的実施、果樹統計の整備等について、五千二百万円を計上いたしましたほか、別に果樹園造成資金について農林漁業金融公庫から新たに五億円の貸付を行なうことといたしました。  五、以上の経費のほか、畑作改善の関連施策といたしましては、畑地土地改良事業、畑作物流通改善対策並びに畜産の振興に意を用いますとともに、試験研究については、前年に引き続く国の試験研究機関における畑作試験研究の整備、地方農業試験場の畑作試験施設の整備に対する新規助成に必要な経費を、また、農業改良普及事業につきましては、園芸、畜産、機械化関係の特技普及員の増員、畑作農家総合指導施設の増設、畑灌漑地指導施設の新設等に必要な経費を計上いたしました。  第三に、畜産振興対策に要する経費についてであります。  まず、畜産の生産基盤を強化するため草地造成改良事業を拡充することとし、高度集約牧野、湿地牧野、特に改良牧野の改良造成事業量の大幅増加、草地放牧利用模範施設の増設、草地管理用機械の導入等を行なうとともに、大規模草地改良基本調査の実施と相待って、草地制度協議会を開いて今後における草地改良造成事業の制度確立の方途について根本的な検討を加えることとし、これらに要する経費として二億八千二百万円を計上いたしました。  二、酪農対策につきましては、三十五年度は、千百地区の酪農経営改善地区を追加指定して、事業の計画的推進をはかり、国有貸付、有畜農家創設事業等による乳牛の制度導入を引き続き実施するほか、生乳品質改善指導事業及び産乳能力検定事業を拡充実施することといたしております。さらに、乳牛飼料給与改善施設を新たに設置して乳牛飼養の経済性を高めることとし、これらに必要な経費として三億七千八百万円を計上いたしました。  三、次に、肉畜増産対策については、最近における食肉消費の著しい増加傾向にかんがみ、肉畜増産のため肉資源の確保に特に重点を置き所要経費の確保をはかっております。種畜対策としては、新たに和牛のための種畜牧場の支場を設置するとともに、都道府県における種雄豚の設置に対する助成を行ない、また肉畜の導入対策としては、有畜農家創設、中小農家畜預託、国有貸付等の既存制度による導入頭数を増加するほか、肉用素畜の導入促進のため新たに利子補給の道を開くことといたしました。また、乳牛の場合と同様、肉牛、肉豚についても飼料給与改善施設を設置することとし、これらに必要な経費として二億六千六百万円を計上いたしました。  四、家畜及び畜産物の流通対策については、公正取引の確保と適正価格の形式に資するため、家畜市場及び中小都市食肉市場の施設整備を促進するとともに、生産者の共販体制を強化するため、生乳共販施設及び産地技肉共同出荷施設の設置の助成を行なうことといたしました。  また、畜産物の需給調整及び価格安定のため、牛乳の消費拡大事業、牛乳、乳製品の学校給食、乳製品の調整保管を拡充するほか、価格変動の著しい豚技肉についても新たに調整保管を行なうこととして生産の安定的拡大に資することといたしました。以上に必要な経費として、十六億六千三百万円を計上いたしております。  五、流通飼料対策としては、一千六百万円を計上し、その品質保全のため飼料検査所を新設する等のほか、政府の需給操作力の強化により需給の調整及び価格の安定をはかるため一般会計から食糧管理特別会計に六億三千三百万円を繰り入れて同会計の輸入飼料の売買損の補てんを行なうことといたしております。  六、以上のほか、畜産技術経営診断事業の強化、家畜伝染病予防対策の実施、家畜保健衛生施設の整備、種畜牧場整備等の諸施策を引き続き継続しその充実を期するとともに、畜産の試験研究及び改良普及事業についても重点的に強化をはかることといたしております。なお、畑作、開拓等における畜産関係予算についても、その確保に留意をいたしました。  第四に、蚕糸業の安定に要する経費についてであります。  一、まず、養蚕経営の合理化対策につきましては、生産の合理化により繭生産費の低減を推進するため、前年度開始した年間条桑育の普及をはかるため計画に従って指導地の増加を行なうほか、新たに桑園の集団化により桑園の共同管理、全齢共同飼育を奨励するため壮蚕共同飼育所の設置等に対して助成を行なうことといたしました。また、蚕業普及員に対する国庫補助の増額を行ない、技術普及活動の強化に資することといたしております。これらに必要な経費として三億二千九百万円を計上いたしました。  二、生糸の需要増進につきましては、一億五百万円を計上し、日本絹業協会をして従来の米国のほかに欧州事務所を新設せしめ、消費宣伝及び調査活動を強化拡充して参ることといたしております。  三、次に、蚕糸関係の検査事業の充実及び能率化をはかるため、新たに国用生糸検査所の施設の改善に対して助成を行なうとともに、繭検定所の統合整備によって検定の効率化を促進することとして、これらを含め総額三億四千一百万円を計上いたしております。  第五に、農家経済の安定に関する経費についてであります。  一、既入植地区の営農不振の現状にかんがみ、不振開拓地の営農安定対策の刷新強化をはかることとし、これがため、すでに申し述べました開墾建設工事、開拓地改良、開拓実施等の公共事業の拡充と相待って、各般にわたり措置を講ずることといたしました。すなわち、過剰入植地区の経営規模の適正化をはかるため計画的に一部入植者の移転を奨励するとともに、開拓農家の債務負担の軽減をはかるため償還困難な入植者に対し償還条件緩和の措置を講ずることとし、さらに、被災開拓者に対して開拓者資金融通特別会計から災害対策資金を貸し付ける道を新たに開くこととしたほか、中央開拓融資保証協会への政府出資の増加を行なって営農資金の融通の円滑化をはかる等、諸般の措置を講ずることといたしました。これらに必要な経費として八億七千五百万円を計上いたしております。  二、次に、農地調整関係経費の確保と相待って自作農の維持安定並びに経営の拡大をはかるため、自作農維持創設資金ワクを増大して百三十億円といたしました。  三、農業災害補償制度については、最近の農業経営及び農業災害の実態にかんがみ、農業災害補償制度協議会により本制度の改正を検討するとともに各種調査を実施し、すみやかに抜本的改正の成案を得たい所存であります。また、当面の制度運営の円滑を期し、本年度は、農作物、蚕繭及び家畜共済について最近の引き受け実績に基づいて国庫負担金の増額を行なうほか、家畜診療所の整備及び農業共済組合、同連合会の職員人件費の増、共済連絡員手当の新規計上等事務費の充実をはかることとし、これらに必要な経費として百十四億九千六百万円を計上いたしました。  第六に、林業関係の経費についてであります。  一、まず、林野公共事業につきましては、治山事業費に五十七億九千六百万円、造林事業費に三十八億四千一百万円、林道事業費に森林開発公団補助金も含めて二十九億四百万円等、合計百二十五億四千一百万円を計上いたしております。  これらのうち、治山事業につきましては、本年度より新たに樹立する総事業費千三百億円の十カ年計画に基づき事業を計画的に推進することといたしたのでありますが、これがため、国有林野事業特別会計に治山勘定を設け、民有林治山の直轄事業及び補助事業を一元的に処理するとともに、事業規模の拡大をはかったのであります。  また、造林事業につきましては、林種転換を主とした拡大造林に重点を置き事業を推進するとともに、前年度に引き継ぎ農林漁業金融公庫に対する一般会計よりの七億円の出資に基づいて融資造林を促進することといたしております。  林道事業につきましては、奥地林開発に重点を置いて林道網の整備をはかることにいたしておりますが、新たに既設林道のうち老朽化した木橋を永久橋にかけかえするための林道改良事業を実施することといたしております。  二、次に、保安林の整備につきましては、保安林の公共性の大なることにかんがみ、これが整備と維持管理に重点を置くこととし、新たに保安林改良事業を実施するため、八千六百万円を計上しましたほか、前年度に引き続き保安林の指定に伴う補償を実施することといたしております。  三、その他の林業関係の主要経費につきましては、まず、森林計画の策定に一億六千七百万円を計上し、既定計画に基づき森林計画の樹立及び実行を行なうほか、木炭関係につきましては、五千八百万円を計上し、前年度に引き続き木炭の生産指導及び調整保管事業を実施いたしますほか、新たに奥地製炭促進のため木炭簡易搬送施設の助成を行なうことといたしました。  また、後にも述べますが、林業技術普及の強化をはかるため、四億三百万円を計上し、林業改良指導員の増員、機動力の強化等を行なうほか、新たに林業技術の指導、研修、展示等に利用するための普及設備を都道府県の林業試験場等に設けることといたしております。  第七に、水産業の振興に要する経費についてであります。  一、まず、漁業基盤である漁港の整備につきましては、漁港整備計画に基づき事業を計画的に進めるため四十五億八千七百万円を計上いたし、継続四百港、新規四十九港について事業を実施することにいたしたのであります。  二、資源及び漁場調査につきましては、国際協調のもとに公海漁場を確保し、既存漁業の合理的利用及び新漁場の開発を積極的に推進するため、特に問題の多い北洋サケ・マス資源等の調査を初め、以西トロール底びき漁業資源、北太平洋鯨資源、東カムチャッカ海域の底びき漁場、大西洋マグロ漁場開発等の調査を実施することといたし、これらに必要な経費として一億一千八百万円を計上いたしました。  三、次に、沿岸漁業の振興につきましては、三億四千一百万円を計上し、沿岸漁業依存度が高く、かつ漁業所得水準の低い地域に対し、昭和三十三年度より実施中の沿岸漁業振興対策事業を計画的に推進いたしますほか、漁場生産力の維持増強をはかるための漁場改良造成事業を継続実施することといたしております。また、後に述べますように、水産業改良普及体制の整備充実をはかるため、二千四百万円を計上し、沿岸漁業改良普及員の増員、機動力の強化等を行なうことといたしました。  四、次に、漁家経済の安定をはかるため、漁業共済事業の試験実施に三千五百万円を計上してその内容の充実を期しますほか、大衆多獲魚の調整保管事業を継続実施いたしますとともに、特に、漁船保険制度につきまして、保険料率の改定、保険料国庫負担の改善による被保険者負担の引き下げ、集団加入制の採用等を行なうことによりその改善をはかることとし、これらに要する経費として四億八千三百万円を計上いたしました。  第八に、農林潜水産物等の価格安定その他流通改善及び輸出振興対策に要する経費についてであります。  一、まず、食糧管理特別会計における米麦の管理をこれまで通り維持して参ることはもちろんでありますが、百億円を一般会計から特別会計の調整資金として繰り入れることとし、また、その他の主要農産物、飼料等につきましてもその価格安定を引き続きはかることとし、農産物等安定勘定の損失見込みを補てんするため十二億円の繰り入れを行なうことといたしております。  二、次に、農林蓄水産物の流通改善対策につきましては、青果物の市況速報、産地出荷実情調査等を引き続き行なうほか、中央卸売市場の施設整備に対して新たに助成を行ない、公正取引の確保と適正価格の形成に資することとし、これらに必要な経費として四千三百万円を計上いたしました。このほか、すでに申し述べました通り、家畜及び畜産物の流通対策について各般にわたって大幅に強化の措置を講じたほか、水産物、木炭の流通調整につきましても前年に引き続いて事業を行なうことといたしております。  三、農林水産物の輸出振興につきましては、生糸についてはすでに申し述べた通りでありますが、その他につきましては、輸出品検査所の業務の充実をはかるほか、別に九千一百万円を通商産業省に計上し、輸出農林水産物の海外市場調査及び宣伝事業を強化することといたしております。  四、以上のほか、農林水産業に必要な各種生産資材対策につきましては、さきに述べました飼料検査所の独立のほか一億二千六百万円を言上し、肥料、農薬、農業機械、種苗等の検査を引き続き実施し、その品質の保全及び改善に努めて参る所存であります。  第九に、農山漁村の振興に要する経費についてであります。 一、まず、都市に比し立ちおくれている農山漁村の社会及び生活環境の急速な整備に資するため、一億七千二百万円を計上し、全国の代表的市町村につきまして基本的調査を行ないますほか、特別の後進地域の環境整備事業として僻地及び離島における電気導入事業を拡大することといたしました。  二、次に、不安定な就業状態で農漁村に滞留する農漁村子弟に対する各省にわたる総合的対策の一環といたしまして、新たに農業委員会が行なう農漁村子弟の就業動向に関する調査に対して助成を行ないますほか、前年度に引き続き海外移住の促進及び農山漁村青年活動の強化をはかることとし、これらに要する経費として四億八千一百万円を計上いたしました。なお、他省関係におきましても、一般職業訓練所の増設、職業安定協力員の新設等、農漁村子弟の就業機会の増大をはかるための施策を一段と強化することといたしております。  三、また、新農村建設総合対策の推進をはかるため、三十四億七千六百万円を計上し、特別助成事業及び小団地開発整備事業を継続実施いたしますほか、新たに、同和モデル地区におきまして土地整備、共同利用施設設置等の振興対策を実施することといたしております。  第十に、農林水産業諸団体の活動促進に要する経費についてであります。  一、まず、農業委員会関係におきましては、その組織及び活動を維持するに必要な経費十一億四千五百万円を計上いたしましたが、このうち、さきに述べました農家労働力就業動向調査に要する経費を新たに助成することといたしておりますほか、職員給与の増額及び前年度に引き続き農家台帳の作成費を計上いたしております。  二、次に、農業協同組合関係につきましては、四億四千七百万円を計上し、連合会の整備促進対策及び不振単協の整備強化措置を既定計画に基づき推進いたしますほか、新たに組合振興対策の策定に資するため組織上の問題点につき調査及び検討を行なうことといたしました。  三、また、森林組合関係につきましては、四千万円を計上し、連合会の整備促進対策を継続実施いたしますほか、単位組合の強化をまかるため、引き続き不振組合の指導を行ないますとともに、新たに合併促進のための奨励金を交付することといたしました。  四、次に、漁業協同組合関係につきましては、一億五千三百万円を計上し、連合会の整備促進を引き続き行ないますほか、漁業協同組合の整備強化をはかるため、規模過小組合に対する合併奨励金の交付に対し助成いたしますとともに、不振組合を対象として欠損金に見合う借入金に対する利子補給等を行なうことを目的とする漁業協同組合振興基金を設置し、これに対し一億円の貸付を行なうことといたしました。  五、また、農業共済団体関係につきましては、すでに述べましたが、職員給与の改善と、共済連絡員手当の計上に重点を置き、二十五億円を計上いたしております。  第十一に、試験研究、統計調査及び技術普及の強化に要する経費についてであります。  一、まず、試験研究につきましては、四十四億二百万円を計上し、農林水産試験研究の拡充強化をはかることといたしております。  二、次に、農林水産関係統計調査につきましては、五十五億九千六百万円を計上し、一九六〇年世界農業センサスの結果の集計公表、米生産費調査農家戸数の増加、果樹基本資料の整備等を重点として統計調査を拡充いたしますとともに、これに伴い機動力を整備して統計調査の能率化をはかることといたしております。  三、また、農林水産関係技術普及事業につきましては、農業関係特技普及員五百三十八人、生活改良普及員百三十一人、林業改良指導員七十八人、沿岸漁業改良普及員四十八人の増員により技術指導の充実向上をはかることといたしましたほか、機動力の強化等を行なうこととし、これらに必要な経費として三十億七千五百万円を計上いたしております。  第十二に、防火事業及び災害復旧対策についてであります。三十四年度は伊勢湾台風を初めとする災害によって農林漁業についても激甚な被害を受けたのでありますが、本年度においては、これら災害地の復旧に努めるとともに、防災事業の充実をはかることとしたのであります。  一、防災対策としては、治山事業において、すでに述べたごとく国有林野事業特別会計に治山勘定を設け長期計画に基づく事業を推進することとした点も特記すべきことでありますが、このほか、本年度より、農地、漁港関係の海岸保全事業を農業基盤整備事業または漁港事業から区分し治山治水事業の一環としてその拡充をはかることといたしまして、農地関係三億四千九百万円、漁港関係二億五千万円を計上いたしたのであります。また、伊勢湾台風による被害を受けた伊勢湾地域の干拓地、農地及び漁港の区域の海岸等の復旧改良事業につきましても、伊勢湾高潮対策として、本年度は、台風期までに原形の復旧をはかることを目途として、農地関係二十億四千二百万円、漁港関係五億五千一百万円、計上いたしたのであります。一方、従来より実施して参りました防災ため池、農地保全、地盤変動対策等の農地関係防災事業につきましても、本年度は事業の拡充をはかっております。  二、災害復旧事業につきましては、農地、林野、漁港等公共専業関係災害復旧費一百十八億二千五百万円、災害関連事業費四億九千四百万円を計上いたしたのでありますが、これによって、三十二年災は一〇〇%、三十三年は八五%、三十四年災は六五%の復旧をはかることといたし、特に、三十四年災につきましては、激甚地に対する高率補助、災害関連事業の拡大等の特別措置によりその復旧に努めるつもりであります。また、三十四年災害につきましては、これ以外の災害対策といたしまして、入植施設災害復旧、救農土木事業、農林漁業共同利用施設災害復旧、共同利用小型漁船建造、水産養殖施設災害復旧、災害経営資金利子補給、米予約概算金返納資金利子補給等に必要な経費として十四億二千七百万円を計上し、災害対策の万全を期する所存であります。  次に、昭和三十五年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米麦の買い入れにつきましては、三十五年産米はその集荷数量を五百十万トン、麦は買い入れ数量一百三十一万トンと予定いたしており、また、国内米の政府買い入れ価格は百五十キロ当り一方三百三十三円とし、消費者価格は現行価格といたしましたほか、これら米麦の管理につきましてはすべて従来の方針を継続して参ることといたしております。  外国食糧は、国内米麦の生産量及び持ち越し量を考慮し、需給上必要な数量の輸入を予定いたしております。  農産物等安定勘定につきましても、前年度に引き続きその買い入れ費を計上いたし、輸入飼料につきましても、別途申し上げましたように、畜産政策の進展に応ずる方針をとることといたしました。  なお、この会計の損益見込みにつきましては、国内米、国内麦、輸入食糧の各勘定を通じまして、三十四年度九十三億円、三十五年度約一百八億円の損失を見込んでおりますが、三十四年度当初の調整資金は一百六億円でありますので、三十四年度の損失分をこの調整資金の取りくずしによって処理しますと、三十四年度末には十三億円しか残らないことになります。そこで、一三十五年度においては、当年度の赤字見込み額をも勘案して、一般会計から百億円の繰り入れを行なうことといたしております。また、農産物等安定勘定についても、当年度に生ずる損失見込みをあらかじめ補てんするため一般会計から十二億円を繰り入れることといたしております。  以上によりまして、名勘定区分に従い歳入歳出の規模を申し上げますと、国内米管理勘定六千八百二十七億四千五百万円、国内麦管理勘定九百三十二億一千八百万円、輸入食糧管理勘定一千一百七十七億五千二百万円、農産物等安定勘定六百四十四億九千八百万円、業務勘定一百七十八億二千万円、調整勘定七千四十九億八千八百万円となっております。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。  このうち、支払い基金勘定につきましては、その歳入、歳出はともに三十一億九百万円を計上しております。  次に、農業勘定は、歳入、歳出とも一百十六億一千九百万円と前年度予算に比べまして五億七千九百万円の増加となっております。これは、水稲、陸稲、夏秋蚕繭につきましては三十三年産、麦及び春蚕繭につきましては三十四年産の引き受け実績を基礎に置いて算定いたしたためでありまして、これにより一般会計からの受け入れ額は四億五千三百万円増加し七十九億二千八百万円となっております。  家畜勘定につきましては、歳入、歳出ともに三十四億八千八百万円でありまして、前年に比し二億四千五百万円の増加となっております。これは加入頭数の増加によるものであります。これにより一般会計繰り入れは二千万円を増加し八億九千四百万円となっております。  第三に、漁船再保険特別会計について申し上げます。  この会計の三十五年度は、義務加入制度を改善し、特に小型加入者の負担の軽減並びに異常災害に対する保険料の全額国庫負担を行ない、また集団加入制の採用など、保険体系の合理化をはかるほか、本会計の準備金の運用益により事故防止のため技術面の積極的指導を行なうことといたしたのであります。  これにより、普通勘定におきましては歳入、歳出ともに二十三億一千一百万円を計上し、一般会計よりの繰り入れを四億三千一百万円といたしております。また、業務勘定といたしましては、一般会計の繰り入れ三千五百万円によりまして業務の運営に当てることといたしております。その他、特殊、給与保険の二勘定につきましては、ほぼ前年同様の方針で計上いたしております。  第四に、国有林野事業特別会計について申し上げます。  この会計は三十五年度より二勘定に区分いたし、従来の国有林野事業は国有林野事業勘定において経理することとするとともに、新たに治山勘定を設置いたし、従来一般会計で実施しておりました民有林の治山事業を一元的にこの勘定で実施することといたしました。  まず、国有林野事業勘定におきましては、三十四年度より林力の増強を経営計画に従って強力に実施してへりましたが、三十五年度におきましても生産基盤の拡充を行ない、なおその資金と組織を活用して民有林林政への協力をいたすこととした次第であります。  三十五年度の歳入は五百六十一億四千四百万円を計上いたしておりますが、歳出面におきましては、奥地未利用林開発のための林道新設、生産面における機械化造林、国有林における本来の治山事業及び官行造林等にその主力を注ぐ一方、本会計の積み立て金を減額し、林政協力のため十一億円を一般会計に繰り入れることとし、前年通り七億円を農林漁業金融公庫の出資に充て、長期、低利による融資造林の促進を行なうことといたしております。  治山勘定におきましては、治山事業十カ年計画に基づき、前期五カ年を五百五十億円とし、三十五年度は初年度として歳入、歳出ともに六十一億一千三百万円を計上し、民有林における直轄治山事業八億三千一百万円、補助事業四十九億二千二百万円の事業を行なうこととし、これによる一般会計からの繰入額は五十七億九千六百万円とし、前年度の事業に比し大幅の拡大をはかることといたしました。  第五に、糸価安定特別会計について申し上げます。この会計の歳入、歳出は百十五億一百万円であります。三十四年度におきまして生糸価格の著しい持ち直しにより需要の増加を来たし、政府保有生糸の大幅な整理が行なわれ、先行き明るい見通しとなりましたので、三十五年度はさしあたり現行安定法による生糸の買い入れ一万五千俵と百万貫の繭の保管を予定し、万一不足の場合は予備費をもって買い入れ等の措置を行なうことといたし、管理費等を含めまして前述の歳出を要するのでありますが、これらの財源といたしましては、証券発行及び借入金百十五億円を予定いたしております。これにより、三十四年度設置されました日本蚕繭事業団の事業と相待って本会計を通じ繭糸価格の安定をはかりたい所存であります。  以上の各特別会計のほか、特定土地改良工事特別会計、開拓者資金融通特別会計につきましては別途御説明申し上げておりますが、森林火災保険、自作農創設特別措置、中小漁業融資保証の名特別会計につきましては、前年に引き続きほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に、昭和三十五年度の農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和三十五年度における農林関係財政投融資計画は四百六十六億円でありまして、そのおもなるものは次の通りであります。  一、まず、農林漁業金融公庫につきましては、三十五年度の貸付計画として五百十七億円を予定いたしておりまして、前年度に比し八十五億円の増額となっております。この原資計画といたしましては、産業投資特別会計からの出資七十億円、一般会計からの出資七億円、資金運用部等からの借入金二百五十八億円、回収金等百五十四億円であります。なお、融資造林事業促進のための一般会計からの出資は前年同様七億円、非補助土地改良事業低利融資の拡大等につきましてはさきに述べた通りでありますが、このほか、三十五年度は自作農維持創設資金を百三十億日と大幅に増額いたしておりますほか、新たに果樹園造成資金の貸付を行なうため五億円を計上いたしております。  二、次に、開拓者資金融通特別会計につきましては、三十五年度の貸付計画は、基本営農資金六億八千六百万円、振興対策資金二十五億五千三百万円、農地開発機械公団地区営農資金二億七千一百万円、災害対策資金一億円となっておりますが、これらの事業を行なうため、資金運用部等からの借り入れ金三十五億円、一般会計よりの繰り入れ四億七百万円、その他回収金等の歳入を計上いたしております。  三、特定土地改良工事特別会計の総事業費百四十億円に見合う資金計画は、資金運用部からの借り入れ金三十五億円、一般会計からの繰り入れ金八十八億円、その他、他用途転売収入等であります。  四、愛知用水公団事業の三十五年度総事業費百三十四億円に見合う資金計画は、国費二十五億円、資金運用部資金六十億円、余剰農産物資金四十五億円等であります。  五、農地開発機械公団事業におきましては、公団保有の土木機械を整備する設備を拡充するための資金一億円を資金運用部から借り入れすることといたしております。  以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。      ————◇—————

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  大豆価格の問題について質疑の通告があります。これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣が病気で欠席でありますので、小枝政務次官にお尋ねしますが、最近において国産大豆の市況が非常に暴落しておることは御承知の通りであります。たとえば、二月初旬におきましても、昨年の同期と比較すると、六十キロ一俵について約四百円の暴落を示しておるわけなんです。これには当然原因があるわけでありますが、その一番大きな原因としては、当然大豆のドル地域に対する完全AA制の実施が一つの見通しとして市況に悪い影響を与えておるということは言うまでもないのでありますが、この大豆のAA制の問題等については、昨年の臨時国会等においても当委員会においてしばしばその影響の甚大な点を指摘して、政府といたしましても、国内における農業保護の見地から、将来AA制に移行される場合においても国内の大豆を初めとする競合する農産物の価格についてはあくまでもこれを維持するというような見解が表明されておったわけです。しかし、そういうような見解の表明はあっても、現実の問題としてこのように大幅な価格の低落が現われてきておるわけでありますが、これに対して政府としてはどのような対策を講じておるか、その点をまずお尋ねします。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 大豆を初めといたしまして一部農作物がAA制に移行いたしますのは御承知の通りでございまして、ことに、私どもが最も重大に考えておりますのは、ただいま芳賀委員御質疑の大豆の価格の問題でございます。最近大豆が大幅な値下がりを示しておるということは、私どもはなはだ遺憾に存ずるところでございます。従いまして、この問題は、芳賀委員御説のごとく、要するに、近い将来において大豆のAA制が実施せられるということになると政府がどういう処置をするかということが、一般の生産者、消費者の視聴を集めておるところであろうかと考えるのであります。従いまして、われわれ農林当局といたしましては、ただいまお話しになりましたように、将来大豆が十月ごろにAA制が実施されるといたしましても、国内生産の大豆に対しましては政府がその価格を必ず維持するような方法をとる、あるいは政府が買い上げいたしますか、あるいは支持価格といたしますか、いろいろな方法はありますが、要するに、政府といたしましてはどこまでも生産者に対して従来の価格を保障するという方針だけは明らかにいたしておるところでありますが、まだその具体的方法を発表する段階に至っておりませんので、政府といたしましては急いでその対策を講じて大豆の価格の安定をはかりたいと考えておる次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私は、具体的に現われておる大豆の暴落の事態をどのようにして是正して従来の価格維持をやっていくかということを聞いておるのです。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 食糧庁業務第二部長から答弁いたさせます。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 具体的な対策の御質問がございましたので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。  ただいま御指摘の通り、最近急激に国産大豆が値下がり傾向を示しておるのでございます。この大豆の値下がり傾向の原因は、ただいま御指摘のございましたような、近い将来貿易自由化が実現するであろうという、そういう将来を予測しての心理的な影響というものも確かにあることかと存じますけれども、しかし、それではそれが具体的に価格にどのように、あるいは何%反映しておるかということになりますると、これは非常にまたむずかしい問題かと存じます。当面、特にこの一月ないし二月になりまして急速なる価格の値下がり現象を示しております理由といたしましては、これまた芳賀委員御承知の通り、本年は特に北海道産の大豆の増産を見ております。そういう国産大豆の増産傾向があるということ、それから、御承知のように、近時国内の油の消費の増加に即応いたしまして年々外国大豆の輸入が大幅に増加をしておるのでございます。本年も食用だけでも九十万トンという、これもまた前年度に比べますと相当の大幅の増加であるのでございまするが、特にその輸入が、ことしの一月ないし三月の時期に、船腹の都合等もございまして、輸入大豆の日本への到着が殺倒しているという傾向があるのでございます。これらはまさに国内大豆に対する圧迫材料になるのでございまして、そうした思わざる供給の片寄りというふうなものも当面のこの一月ないし二月の間におきまする急激になる大豆の値下りに影響を及ぼしておるのではないかというように私どもは判断しておるような次第であります。  従いまして、ただいま御指摘のように、国産大豆が農産物価格安定法で支持いたしております支持価格の線にだんだん接近をしてきつつあるわけでございまして、これは、理屈の上から申しまするならば、どうせ農産物価格安定法の支持価格制度があるのであるから、そこへ来てしまえば政府が買えばいいじゃないかというふうな意見もあるいはあるかもしれませんが、さような措置はとらない方がいいのでありまして、また、過去においても、大豆の国家管理というものが非常に厄介なものでございまするので、そういう措置は農産物価格安定法はございますけれどもとっておらない。従って、当面、これらの措置に対しましては、ただいま生産者団体が自主調整をいたしております大豆につきまして、大豆を国内で消費しております国内大豆並びに外国大豆全体を含めた大豆の需要者が、国産大豆につきましても一定の価格でそれを引き取るという保証がありまするならば、これはあえて農産物価格安定法を発動する必要もないのではなかろうか、また、こういう事実上の価格安定措置につきましては、過去においてもそういう取り扱いをした経験もございますので、ただいま当面の措置といたしましては、それら関係者業界の関係者にお集まりをいただきまして、過去においてやりましたようないわゆる自主的な協力措置と申しますか、そういう措置につきまして寄り寄り協議をいたしておるような段階でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今第二部長から述べられた諸点については、特に貿易・為替の自由化の問題等については適当の機会に具体的な論議をする重大な問題でありますが、ただ、この中で、ことしの一月五日に政府は閣議を開きまして、その席上で、内閣に貿易・為替の自由化促進閣僚会議というものを設けることにして、ここで今後の貿易・為替の自由化の問題を促進するという方針を出されたということは、われわれも承知しておるわけであります。その一環として、特に当面している事項としては、ドル地域に対する輸入制限の六品目を完全AA制に移す問題の中に、たとえば農業関係といたしましては、今問題にしました大豆あるいは牛脂、ラード等が含まれているわけであります。大豆の問題については、閣議の了解事項としましては、おおむね三十五年の十月から完全AA制を実施するというようなことでありますが、これは単に政府部内の一方的な方針でありまして、われわれがこれを了解しておるのではない。ただ、問題は、AA制を行なう場合においても、そのことが日本の農業に対してどのような影響を与えるかという明確な判断を行わないで、特に日本の農業の特質といたしまして、たとえば、農林白書にもうたってありますが、農業の生産性が非常に低い、あるいは日本の農業は国際競争力が非常に脆弱であるとか、あるいは日本の農家所得は非常に低過ぎるとか、こういうような特質が解決されないままで、外国から農産物が非常に低廉な価格でしかも自由に侵入してくるということになりますと、一体日本の農政というものは今後何を拠点にして行なうかということに当然なるわけであります。ですから、手放しで、ただアメリカの要求が強いからAA制にしなければならぬというような、そういう抽象論だけでこれを取り上げることは、特に農林省としてはできないと思うのですよ。従って、今第二部長も言われましたが、国内における大豆の生産の傾向を見ても、昨年の農林省の発表によっても、作付の面積においては前年度に比べて約八千町歩の減反を示しておるわけであります。北海道においては一万一千町歩の増反が行なわれておるが、本州の地域においては実に一万九千町歩の減反になっておるのであります。反別はそのように減りましたが、幸いに作況がよくて、前年度に比べると約一二%の増産になっている。従って、三十三年度に比べると約四万五千トン近い収量面においては増収になっておるのであります。しかし、その場合においても、全国の平均反収はわずかに百二十五キロということです。六十キロ一俵にして二俵の大豆しか全国平均においてはとれていない。従って、現在のように一俵三千四百円の場合においては、一反歩の収入が六千八百円しかないというような非常に低い収益に大豆が押えられておるわけです。ですから、これを根本的に是正するということになりますと、やはり、生産を増強するとか、あるいは価格の支持であるとか、品種改良等を速急に行わなければならぬ。その点については全く政府としては今までは無為無策であったということを否定することはできないと思う。生産の増加にいたしましても一朝一夕で可能ではないのです。従って、現在におけるこのような暴落状態をどうして是正するかということになると、やはり根源はAA制の完全実施というところに諸原因があるわけですから、やはり十分検討を要する問題だと思うのです。この点は後日に譲るとして、当面した問題は、今四百円も去年に比べると値段が安い。その点については第二部長からいろいろ説明がありましたが、この際、政務次官として、一体どの程度の価格にこれを是正して上昇させて、そうして国内産大豆の価格を維持して三十五年度における大豆対策に対処するかというその基本的な具体的な方針をもう少し明確にしておいてもらいたい。

須賀賢二食糧庁長官

○須賀政府委員 私から便宜まずお答え申し上げたいと思いますが、当面の国内大豆の価格下落に対する対策といたしましては、ただいま二部長からその概略を申し上げました通りでございますが、極力われわれといたしましても国内大豆を適正な価格に維持いたしますようにそれぞれの手配をいたしておるわけであります。ことしはいろいろな原因が重なりまして、輸入大豆、国内大豆ともに非常に軟調に推移をいたしておるわけであります。おそらく、輸入大豆の量等につきましても、われわれが当初考えましたいわゆるたっぷり予算をつけるという考えでありましたのが実際にそういうような姿になっておるのではないかと考えておるわけであります。  それで、ただいま生産者団体の方で相当大量のものを無条件委託販売の形において持っておるわけでございまして、この処理をどのようにいたすかということによりまして、国内価格の支持の目的を達するわけでございます。それで、先般輸入団体、また消費者の団体が集まりまして、役所もその間にあっせんの労をとりまして、目下具体的に話し合いを進めておるわけでございます。どの程度の量をどの程度の価格で処理して参るかということにつきましては、まだ具体的に計数を申し上げる段階にまで立ち至っておりませんが、われわれといたしましては、支持価格に見合いまする線以上のもので国内大豆の価格が維持されまするように極力努力いたしたい、かように考えている次第であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ここで問題になるのは、今年度の需給計画の内容についても問題があると思うのです。これは、政府にお尋ねしますが、三十四年の需給計画については、前年度からの年度初めの在庫を十一万トンと抑えて、国産大豆については生産見込みが四十三万七千トンで、そのうちのいわゆる商品化する分、出回りが十九万トン、輸入大豆が九十八万八千トンで、合わせて出回り総量は百二十八万八千トンで、年度末在庫を九万九千トンというふうに策定しているようにわれわれは承知しておるわけなんですが、ここで問題になるのは、昨年の計画に比べた場合において、昨年の国内の生産見込みは三十九万一千トンに対して、国内産の出回り予想が十八万七千トン、ことしは去年に比べて約四万六千トンの生産の増加になっておるのにもかかわらず、出回りの面についてはわずかに三千トンしかこれを増加しておらない。おそらく、常識的に考えても、増収分の四万六千トンというものは、その大部分が商品化されるものであると判断さるべきであると思うんですね。それが、わずかに三千トンしか昨年に比べて出回りがふえておらない。こういうところに大きな矛盾があると思うんですよ。誤まりがあると思うんですよ。ですから、もう少しこれを適正に、三十三年に比べて今年度の国内産の出回り数量というものを適正に把握するということを行なう必要がある。まずそれを行なった場合において、不足分は当然輸入でまかなうものでありますからして、この輸入計画の九十八万八千トンというものがはたして多過ぎるか少な過ぎるかという再検討の余地が十分あると思うのですが、この需給計画というものは当初立てられた通りこれをこのまま最終的なものとして実施していく考えであるか、その点はどうなんですか。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 ただいま前年度の大豆の需給計画と本年度の大豆の需給計画につきまして数字の御指摘がございましたけれども、御指摘の通りの数字に相なっております。  私どもが年間の需給計画を策定いたします際に、ただいま御指摘のありましたように、それぞれ国内産大豆の生産見込み数量並びにそれの出回りの推定をいたしまして、また、その出回りにつきましても、芳賀委員よく御承知の通り、内地の国内産大豆の出回りと北海道における道産大豆の出回り率と申しますか商品化率とには非常な隔たりがございまして、道産の大豆はほとんどその大部分が商品化をして出回ってくる過去の事例があるわけでございます。従いまして、特に道産大豆の生産見込みをどう見るかということにつきましては、私どもも慎重な配慮はいたして参っておったのでございます。たまたま、御承知のように、最近の大豆の需要の増加傾向を振り返ってみますると、特に油脂の消費増加傾向にからみまして製油用の大豆の需要増加が非常に強くなって参っておるのであります。この製油用は、御承知のように、ほとんど大部分が外国産大豆で処理されておるというふうな実情もございまして、そういう過去の消費の伸び率あるいは需要の増加傾向等を参酌をいたしまして一応私どもの立てました需給計画には国産大豆と輸入大豆とのそういう需要の度合いの相違等がございましたために、特に国産大豆の増産傾向を示す年におきましては、ややそういう消費の面からの需要の構成度というものが変わって参るということは率直に認めなければならないと存じております。従いまして、ただいま御指摘になりました計画の場合にも、そういう思わざる需給の変動というものは当然考慮に入れて参らなければならないというふうにわれわれは考えておりまして、本年度の輸入計画におきましても約三万トンというものを文字通り輸入についての保留のワクとして計上をいたしております。これらの扱いにつきましては弾力的な措置をして参る必要があろうと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は非常に大事だと思うのです。その生産の見込みについては、これは去年の十二月二十三日の農林省の統計調査部の実収推定高によっても約四十三万トンということになっておるので、この点はあまり食い違いがないのです。従って、問題は、出回り数量が、繰り返して言うようですが、三十三年度に比べてわずか三千トンの増加ということにしかなっていないわけで、十八万七千トンに対して十九万トンの出回り、これでは非常に少な過ぎるわけです。しかも、内容は、北海道において前年よりも一万一千町歩の増反が行なわれておるというようなことを判断した場合においても、この増収分というものは、おそらくもう六〇%程度くらいは商品化されるものと見ても差しつかえないと思うのです。従って、やはり、大豆の需給計画を立てる場合には、まず順序としては、国内産の大豆の生産とか出回りというものを完全に把握して、それに対して国内の消費に対する不足分というものを輸入計画によって補充していくということが順序だと思う。だから、適宜に計画というものを検討していかぬと、一回立てた計画だからあくまでも輸入数量百万トンは入れなければならないということでいけば、これがやはりひいては国内産の大豆価格に対する圧迫の原因を非常にかもすということは言うまでもないわけです。従って、これは当然本年度の下期の輸入割当と非常に甚大な関係がある。もうすでに下期の第一次割当は発券が行なわれておるのですが、ちょうど現在第二次分の発券の時期に当面しておるのです。私は、その点との関連で、今後の輸入計画と、それから割当等については、どのような具体的な最善の措置を講じようとしておるか、その点をお尋ねするわけです。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 御指摘の通り、本年度の下期の発券の時期が非常に切迫をいたしておるのでございまして、例年の事務ベースの判断で参りますればもう当然発券をしておらなければならない段階であったのでございます。本年未発券で残っておりまする食糧用関係の大豆が十数万トンございまするけれども、これを今直ちに全量発券いたしまするとなると、ただいま御指摘のように国産大豆への影響も非常に大きいものであるという判断のもとに、ただいま、この下期発券をめぐりまして、先ほども食糧庁長官からも述べましたように、関係業界にどういう協力態勢がとってもらえるかということで寄り寄り協議をいたしております。また、その際に、ただいま御指摘のありました保留分をどうするか、——当面下期の発券でただいま問題にいたしておりますのは、三万トン近い保留分については先ほども申しましたようにこれを発券の対象にいたしておらないのでございまするけれども、その保留分とあわせて今後の国産大豆の価格の推移をにらみ合わせながら慎重に検討を続けて参りたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点については、幸い通商局の次長も来ておられるので、通商局次長の方から、もう少し具体的に説明を願うと同時に、農林省との間において常に完全なる意見の一致が行なわれないとこれはとんでもないことになるので、その点も考慮に入れて説明を願います。

倉八正通商産業事務官(通商局次長)

○倉八説明員 私の方は通商全般を担当しておりますが、今御指摘のありましたような農林所管の物資につきましては、常時連絡をとっておりまして、たとえば、大豆をAAにする場合のいろいろな措置だとか、あるいは今御指摘になりました発券の措置についても、私の方で単独に独断的にやるということは絶対ございません。それで、今御質問の下半期の残っておる十六万トン前後の発券をどうするかということにつきましても、大豆の国内の値段が非常に下がっており、それで、先般来食糧庁ともずっと連絡を続けておりまして、われわれの方は今までの発券をずっと抑えておったわけでございますが、農林省の方でもいろいろ考慮していただきまして、今、半分だけは一応輸入しようということで、きょう七万トン前後の受付をいたしました。発券につきましては、いろいろ御要望もおありと思いますから、ある時期を待っても差しつかえないと考えております。農林物資につきましては、今申し上げましたように、絶えず農林省とやり方なり対策について打ち合わせております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 もう少し詳しくお尋ねしておきたいと思います。この下期の第二次分というのは、われわれの承知しておるところでは、十八万九千トンで、そのうち飼料用の分が三万七千トン、それを差し引くと十五万二千トンが第二次に予定されたもので、そのほか保留分が二万九千トン、こういうように承知しておりますが、内容はその通りですか。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 御指摘の通りであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、この飼料を除いた十五万二千トンの約二分の一を今回発券するという計画なんですか、今次長から言われた点は。

倉八正通商産業事務官(通商局次長)

○倉八説明員 おっしゃる通りでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これについては、先ほど第二部長が言われた国内産の価格調整もこれに含めてそうして配慮していくというような点については、それは間違いないですか。それとも、この分は別であって、あとの残った第二次の二分の一についてそのような配慮をするということなのか、現在発券しようとする分についても、先ほど村田さんから説明のあったようなことで十分その方針を進めていくのか、この点は非常に大事な点だと思うのですが……。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 今回取りあえず半分発券いたしますものも含めて、従って、十五万何千トン全体につきまして価格対策をこの際考慮中でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は見通しはどうなんですか。政府部内だけでそういう方針を立てても、これは流通面において実行に移されないと効果はないということになるのですが。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 確かに御指摘の通りでございまして、ただいま通産省の倉八次長からもお答え申し上げましたように、ある程度のこれについての具体的な見通しがつかなければ、ただいま取りあえず半分発券しようといたしておりまするその分についても発券を再検討いたさなければならぬ、かように考えております。もちろん、先ほど来御指摘のように、それでは関係業界で国産大豆を幾ら幾らで引き取るというふうに最終的な具体的な決定を見るまでにはまだ多少時間がかかりましょうけれども、大体の考え方の基本だけでも関係業界の方で協力態勢が一致するまでは慎重に検討をして参りたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は大体了解しましたが、もう一つ、先ほど第二部長から言われた通り、一—三月の期間中に相当輸入物が殺到しておる。そこで、お尋ねしたいのは、その中で、まだ輸入割当を受けておらぬもの、まだ発券されておらぬものを見越しで輸入が行なわれておるというような説も相当伝わっておるわけなんですが、そういう見越しで入ってくる数量というものは、たとえばこの二月中にどのくらいの数量が入ってくる予定になっておるか、大まかな数字でいいのですが、伺いたい。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 これは私どもの推定でございまするけれども、御承知のように、輸入商社の方では大体いつごろには発券があるであろうということを見越しまして見越し輸入をいたすわけでございまするが、その数量が大体二月末日までには十一万トン程度にはなるのではなかろうかと見込みを立てております。ただいま二月十日現在ではまださほど大きな数量ではございません。せいぜい二万トン足らずのものであると存じております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう傾向は、政府の指導的立場から見た場合一体どうなんですか。発券されないものを、見越して十万トンも十五万トンもどんどん入れて、それが通関しないで保税倉庫でねむっておるわけなんです。そうして無理に輸入をやっているということは、国際価格から見ても最近はもう九十ドルそこそこになっていて、保税倉庫で相当長期間保管料や何かかけてもそれでもまだ十分膨大な利益があるからやった方がいいということでおそらくメーカーの方ではやっておると思うのですが、そういうものを放置しておいた場合において、それが今後たとえばAA制に移行するというような場合においても非常にその影響は甚大だとわれわれは考えておるわけなんです。こういう事象というものは今までは通産当局等においても全く放置してあるのですか。

倉八正通商産業事務官(通商局次長)

○倉八説明員 お答えいたします。貿易管理法からの法律上の面から申し上げますと、保税倉庫は法律上の輸入ではございませんので、極端に言えば、業者の見越しとか採算によって入れることは自由でございます。ただし、われわれとしましては、いろいろ国内の需給の面あるいはまた消費者の便宜の面という点から見ましてそれをある場合には入れるとしましても、その持ってきたのを救うという意味で入れるのじゃなくて、普通のインポート・ライセンス、割当証明書を出しまして、そこで初めて有効な輸入とするという意味で入れるわけであります。そういう慣習というのは国際的なものでありまして、特に今度の大豆がどういういきさつでいったかは私は存じませんが、たとえば昨年の十月に行なわれた米国のストのために日本の大豆が当時は何か窮迫したということを聞いておりまして、そういうことから、近く発券されるであろうという意味で業者が見越し輸入をしたのだろうと思いますが、われわれとしましては、持ってきたからそれを入れるというようなことではなくて、あくまで、さっき村田第二部長も申し上げておりますように、日本の需給の面、それから需要者の面ということをいろいろ考慮しましてそれを正規の輸入にするということでありまして、決してわれわれとしましては見越し輸入をそのまま理論づけるということは考えもしません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただ、こういうような現象は当然自由化の一つの前駆的な症状だと思うのです。ですから、こういう点に対して、特に小枝さんにも言っておきますが、これは油断のならぬ兆候なんです。瞬間タッチをやるとかやらぬとか、ぐずぐず言っておりますが、その点についても毎日のように関係業者から国会に対する請願、陳情が行なわれているということは小枝さんも御承知と思うのです。請願、陳情は国民の一つの権利だからいいですが、けさの衆議院公報なんかにも、九十人ぐらいの衆議院の同僚の議員諸君の紹介でもって、農林省が今考えておる大豆のAA制移行に伴うたとえば調整金を賦課するような法案を作ることに対しては全面反対であるという請願が出ており、こういう圧力が至るところからかかっておるということは御承知だと思うのです。ですから、今から、安易なる考えをやめて、この際、政府の力で国内産の暴落した価格をどの程度にまた是正されて、正当な価格の状態に復元するかということに対して、自信のあるような仕事を一つやってもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 先ほどから芳賀委員の御質問の点を拝聴しておったのでありますが、何と申しましても、畑作地帯でことに大豆作地帯の大豆価格というものは農民生活に非常な影響を及ぼしますので、われわれといたしましても非常にこれは重大な問題だと考えております。ことに、お説のように、AA制の実施がはや年内に行なわれるというときにあたっては、一そうこれに対して関心を持ち、それらの適正な運営に一そうの努力を必要と考えておるところでございます。現在の価格が下がっておるという点につきましても、先ほど部長からもお答えいたしましたように、これは自主調整をやっておりまする関係団体その他各方面とも十分協議を進めたいと思いますが、芳賀委員がお話しになりました、出回りが非常におそい、少ないというような点も、やはり価格の点から出てきておる面だろうと想像いたします。その原因が滞貨にあるとすれば、その滞貨をいかにしてすみやかにこれをはくかというようなことも重大な問題だと思いますので、それらの点総合的に一つ十分検討いたしまして、善処いたしたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 消流については、自主調整分の消化があまり順調にいってない。たとえば、昨年は一月末には大体販売成績が六十キロにいたしまして二十四万五千俵ぐらい行なわれたのですが、今年度の一月末ではわずかに十二万七千俵ぐらいしか販売実績が出てきていないわけです。昨年よりも出回りが国内においても増加しておる中において、販売面における傾向というものは非常に思わしくないわけです。これは、やはり、AA制に対する一つの見越しとかそういうものが非常に市況に作用して、国内産の大豆の消化が鈍化しておるということは否定することができない現象なんであります。この点についても、先ほど第二部長が相当詳しく言われましたが、その方針というものが具体的に実行に移されていって、しかも実需者団体等においても単に営利追求だけでなくてやはり日本の農業の将来とか生産者に対する協力というようなことも考えた場合においては情勢が相当好転するとわれわれも思っておりますが、こういう自主調整分に対する今後の活発な販売の促進等についても具体的なお考えがあるのですか。

村田豊三農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○村田説明員 目下生産者団体で昨年の例等にもかんがみまして本年の自主調整そのものとしては非常に順調にやられていると私ども見ておるのでございますが、たまたま、先ほど来御指摘のようないろいろな要因が重なり合いまして最近値段がさえない、従って、全販連がいい値段で売ろうとしてもそれが売れていかない、従って、全販の自主調整、保管数量というものがさばけていかない、こういう一種の悪循環現象を示しておると思うのであります。従って、これらの問題につきましても、先ほど来申し上げまするような関係諸団体の協力が得られまするならば、計画的に月別の販売計画等をも継続的に処理ができるであろうと思いまして、私どもといたしましては、関係諸団体の協力というものに非常な期待を実は持っておる次第でございます。また、当然、農林省といたしましても、関係諸団体の協力を単に期待するだけでなく、積極的にそういう協力態勢ができますようこ努力して参る所存でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 きょうはこの程度にしておきますが、今後の推移によって、芳しくないようであればいつ何どきでも当委員会でこの問題をさらに追及することもあるということをお考えおきいただきたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 本件に関し本名武君からの質疑の通告がありますが、本日は時間の関係等もございますので、次回にお譲りを願いたいと思います。御了解を願います。      ————◇—————

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次に、農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 休会明けの国会におきましては、御承知のように、農林省関係からそれぞれ大臣の農政に対する方針あるいは予算関係法案等の説明が行なわれたあと、それぞれ総括質問が行なわれ、さらに具体的な討議に入る運びになるわけでございますが、本日は、委員各位のお許しを得まして、緊急の事態でございますので、伊勢湾等高潮対策に関連する問題について御質問を申し上げたいと存じます。  御承知のように、昨年の秋の台風十五号を中心にいたしました災害は史上空前の大災害と言われ、従って、新しい年度の予算編成におきましても、治山治水、国土保全ということが一つの大きな重点項目になっておることは御承知の通りでございます。私どもも、このことは当然のことであると思いますし、また、再度災害防止という点からも、充実した施策を期待しておるわけでございますが、ただ、いろいろ関係県の現地の実情等を伺って参りますと、必ずしも予算的な面において十分とは言えない。そういうことからいろいろ問題をはらんでおる点があるのでございます。  本日お尋ねしますのはそういう問題に関連してでございますけれども、昨年の予算を決定する段階においては、まだ農林省等の予算の査定が必ずしも完了しておらないという段階でございましたから、ある程度過去の実績等から判断をいたしまして、いわば、つかみ金と言いますか、そういうことで決定せざるを得なかった、こういう経緯等も了承できるわけでございますけれども、しかし、決定を見ました予算そのものが、実際に査定を終わった現地の予算総額から見るときわめて僅少である、こういうことから、最近、新年度予算計画との関連の中で、伊勢湾等高潮対策の問題についても、二月の中ごろには再び農林あるいは大蔵省の関係査定官が現地におもむく、こういうことが報道されておるわけでございまして、現地側では、新しい年度の予算の額等ともにらみ合わして、いわゆる無理な予算削減、こういうことに査定の大きなねらいがあるのじゃないか、こういう心配を実はいたしておるわけでございます。  伊勢湾等災害対策の問題については、御承知のように、昨年度災害地対策特別委員会等も設けられまして、私どももその委員会で十分災害対策の万全を期するように努力をし、特に伊勢湾等高潮対策につきましては、政府におかれましても、農林、建設、運輸等を組合いたしまして、伊勢湾等高潮対策協議会、こいうものを作りまして、再度災害防止のための海岸等の基準設計をどうすべきか、あるいは防潮堤その他いろいろな問題についてどこにどういうふうな配置をすべきものであるかということについても寄り寄り協議が行なわれまして、すでに昨年の十二月の十九日には伊勢湾等高潮対策協議会において幹事会案というものが決定をされ、数日前にこれがいわば確認をされたというふうにも聞いておるわけでございます。  そこで、具体的な数字で指摘をしながらお尋ねをしたいのでございますが、昭和三十五年度の新年度の予算におきまして、伊勢湾等高潮対策事業の政府の補助事業関係の総国費というものを見て参りますと、私どもの聞いておるところでは二十七億二千三百万円というふうに承っております。ところが、例を三重県にとりまして、三重県の場合にこの伊勢湾等高潮対策関係の査定の結果を見て参りますと、これは、御承知の、農林省、さらに大蔵省から関係査定官が来て、実地に査定をして確認をした総額というものが三十億七千四百万円に達しておる。そうしますと、現実に政府の総事業量というものと三重県だけの総事業量というものを対比いたしましても、三重県の総事業量がオーバーしておるという現状になるわけであります。これにさらに愛知県を含めましたならば、これははるかに懸隔ができて参るわけであります。  そういうような数字の経緯から見まして、今度参られますというふうに言われております第二次査定といいますか、あるいは予算の査定のいわゆる再査定といいますか、そういうもののねらいというものは、冒頭に申し上げましたように、やはり新しい年度の予算に合わして削るということに主目的があるじゃないか、こういうふうに心配するのも、これは当然のことかと思う。  そこで宮崎主計官もおいでになっておりますので、大蔵省の今度の査定の再査定ということの目的がどこにあるかということにつきまして、予算の編成決定経過とにらみ合わしてこの際明らかにしていただきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 ただいまの御質問を私ども伺っておりましても、地元で御心配になっておる点はまことに無理からぬ点があると思うのでありますが、御承知の通り、今回の伊勢湾台風の災害は非常に大きくございましたために、これの査定といいましてもなかなか大へんな手数があったわけであります。特に、伊勢湾高潮対策事業として実施いたします分につきましては、御承知のように、災害復旧事業というような形でいわば機械的な査定が行なえればそれによって工事が進められるというようなものと違いまして、これに非常に大きな改良事業を付加いたしまして、再度災害防止の見地から大きな事業をやらなければならぬ、こういうことになっておるわけであります。従いまして、その全体計画といいますものも、災害復旧のみではなくて、改良事業も含めた全体のものになりますために、これが非常に大きな事業費になるということになります。そういったこともございますので、ただいま御質問の中にも出ましたように、関係各省集まりまして、この全体計画の基本になる堤防の高さあるいは構造その他の問題につきまして、協議会を作りまして寄り寄り協議をして参ったわけでございますが、何分にも時間的に非常に切迫しておった事態でございますので、この協議会において一応の方針が出るのがすでに予算編成期に当たってしまったわけでございます。そういった点もございまして、関係省におきましていろいろ現地調査を進めておられたことと思いますが、その調査の基礎となるいわば基本方針といったようなものの決定が今言いましたように遅れたということで、この調査というものを現地に当てはめてみますと、相当再検討しなければならぬ問題もあるし、また、ものによってはそこまで調査が進んでいないというようなものもあるように聞いております。そういうこともございましたので、三十五年度予算の編成は一応全体の姿も予定して組まなければなりませんので、これは各省といろいろ御相談いたしまして、大体査定が終わっておったような地区につきましては、そういう数字をもとにいたしまして、堤防の構造あるいは高さ等につきまして、今の協議会できまった線に修正をして予算を組んでいくというようなやり方をいたしておりますし、また一部の補助事業等につきましては、そこまで査定が進んでおらないというものもだいぶございましたので、こういったものによりましては、ただいま御指摘のように、過去の実績の査定率等を使いまして、推定を加えて全体の額を一応把握しまして、それに基づいて三十五年度予算を組む、こういうことをいたしたわけでございます。しかしながら、こういった推定に基づく査定といいますのは、これはそのままで全体の計画額をきめてしまうということにはできないわけでございまして、この点については、もう一ぺん現地調査をして、そうして全体計画の確定もしようではないか、こういうことでお話し合いができたわけでございます。  特に、大蔵省といたしまして非常に心配もし、今回再調査をしていただかなければならぬというふうに考えました点は、この伊勢湾高潮対策事業が、御承知のように、関係省が建設、運輸、農林の三省にわたりまして、しかも農林省の中におきましても農地局と水産庁に関係があるということで、四つの部局に関係いたしております。実際に作ります堤防等につきましては、これは、どこの省がやりましても、同じ地区について、同じような高さ同じような強さというものを持たなければ、これは海岸堤防の性質として困るわけでございます。そういった点につきましても、何分にも予算を編成いたします時期におきましては時間的な余裕がございませんものでしたから、十分に調整をとってあるというふうには実は言えない点もございます。そういう点は、今回協議会において大体の基本方針もきまったわけでございますから、これに基づいて各省それぞれ御調査を願いまして、そして統一した基準でこの仕事を進めていただく、こういうふうにしていただかなければならぬ。そういった問題もいろいろございまして、時期的にも非常に今いろいろ忙しいときではあるわけでございますか、特に御無理をお願いしまして、二月に調査をするということに大体予定しておる次第でございます。これは調査でございますので、いわゆる災害査定のように、非常にこまかく現地で技術的な検討をいたすことになるかどうか、これはそこまでいけないかと思いますが、ともかく、二週間ぐらいの時期において、できるだけ早く全体の計画を確定したい、こういうふうに考えて、大体御了解を得ておるような次第でございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 ただいま宮崎主計官の方からお話がございましたけれども、現地側としては、昭和二十八年度災害の経験にかんがみましても、当初、再度災害防止という災害の惨状のあとの雰囲気の中で査定が行なわれたのが、その後予算その他いろいろな関係から予算が削られてくるということで、せっかく堤防の構築にこの程度の設計基準でやらなければならぬと思っていてもその高さが低くされてしまう、あるいは堤防の裏側はコンクリートで化粧をするという方針であったのが土羽に改められるということが今回の災害においても非常に大きな災害の要因になっておるということは、これは皆さんも御承知のように災害の教訓としても出てきておるわけでございます。今指摘しておりますところの伊勢湾等高潮対策の問題についても、三重県だけでも三十億をこえるという予算査定がなされて、再度災害防止の熱意からそれが認められた、こういう形になっておるけれども、愛知県を含んだ全体の予算総額を見てみると、三重県の査定額を割るところの二十七億をちょっとこえる程度の額におさまっておる。こういうことでは、実際に今度二週間の予定でもって再調査が行なわれるというねらいは、結局、二十八災の数訓が示したような、すでに愛知県や三重県で認めておる査定というものを減額する方向にいかざるを得ないということを予想して心配しておるわけであります。その辺のところで、現地側では、再調査というものはやめてもらいたい、すでに査定を終わっておるのだから、それを基本にして、予算が少ないのであるならばその予算補正等を考えてもらいたいということで、これは、すでに予算がきまりました以降においても、予算査定が完了した結果、その差額というものは非常に大きなものになるということが明らかになったわけですから、これは予算の補正というものを当然考えてもらう方向で調査してもらわなければならぬのじゃないか、かように現地側では強く要望しておるわけであります。宮崎主計官にいろいろお伺いしておりますと、現実に愛知県や三重県の予算査定の行なわれた結果と対比してみると、大蔵省の一定の過去の基準で計算をした結果というものは非常にシビアなものになったというふうな感じがするということを言っておられるわけでございますし、農地局長の方からは、これはやはり、再度災害防止という関係から見て、どうしても政府で予定しておる額というものについては増額をしてもらわなければならぬ、こういうふうな御意向等も承っておるわけでございます。それらこれらを勘案いたしまして、今度の再調査に行かれるねらいというものについては、これは現地側の心配というものを払拭をして、やはり必要なものについては必要な措置を講ずる、こういう前提で行ってもらわなければならぬ、かように思うわけでございますが、この問題について、関係の農地局長、さらに宮崎さんのお考えも再度お伺いしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 再調査の問題でございますが、御質問がございましたように、この前査定をやりましたときには、まだ確定しておりませんところもございましたので、そういう前提に立ちまして今の予算が組まれたわけでございます。被害額に対して六割程度の国費ということが前提になって、今先生がおっしゃった数字になっております。われわれとしましては、現実はもう少しそれがよけいになるのじゃないかという考えを実は持っておりますので、今度大蔵省と再調査します場合には、どうしても今のもので足りぬ場合には、これより大きなものにしてもらうということでめんどうを見てもらうという態度で調査をしていこうというような考え方でございます。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 ただいま農地局長からお話がございましたが、私の方といたしましても、今回三十五年度の予算を組みますのにあたりまして、一応大蔵省としての全体計画の推定額を出したわけでございますが、これは、ただいま農地局長のお話もございましたように、ただいま、農地の補助事業などにつきましては、これは全体の被害報告を対象にして推定をいたしたような関係もございまして、これは今後ふえるかもしれません。あるいは建設省その他いろいろございまして、私どもといたしましては、三十五年度全体といたしますと、これは伊勢湾高潮対策事業費として百五十五億円の事業費を計上いたしております。三十四年度が第三次補正まで入れまして百四億、合計しまして二百五十九億という数字を計上しておるわけであります。前回の愛知、三重の海岸堤防の全体の事業費が約百八十億程度であったことを考えますと、これは相当大きな事業費がつけてあるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、この対象といたしました全体計画といいますものは、一部推定もございますわけです。それが今回の調査によりまして確実になりますれば、別にこの予算に予定した数字よりも増加するからといってそれを押えるというようなことは決して考えておりません。もちろん、私どもの全体計画の推定といいますのも、対策協議会の方の方針に沿って一応やったものでございますので、この数字が大きく変わるというふうには私ども考えておりませんけれども、個々には増減があるものと、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 昨年の災害対策特別委員会でいろいろ論議をしておる際にも、御承知のように、伊勢湾等高潮対策の範囲というものについて、当初これを限定することを政府側で考えられておったわけであります。それが愛知県、三重県の海岸全域に及ぶというふうに範囲が拡大をされて参ったわけでございますが、現実に査定の結果と大蔵省の予定をしております予算との関連の中で今度の再調査が行なわれる場合においては、私どもがせっかく努力をして愛知県、三重県の全地域に及ぶという考え方をついに決定をいたしましたけれども、再調査の段階では、再びもとの考え方に基づいて、たとえば三重県で申しますならば、北勢方面については災害地の惨状等から見て査定をそのまま尊重するという立場をとるという考え方にいたしましても、南勢方面の熊野灘まで含んだ地域についてはいわゆる減額の方法でいくのじゃないか、つまり、再度災害防止という観点から私どもがとりました方針を、現実には再調査の中で経済効果その他ということを理由にして北よりも南に大きなしわ寄せをするという危険性が出てくるのじゃないか、こういうことが現実に心配もされておりますし、愛知県で申しますならば、三河湾その他についてもおそらくそういう心配をしておるだろうと思うのです。こういうふうな点については、そういうことでなくて、全体的な調査において、やはり伊勢湾等高潮対策の範囲というものが愛知県、三重県の海岸全域に及ぶという公平な立場であくまでも進められるのかどうか、この際お伺いしておきたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 ただいま御心配の点につきましては、すでに各省連絡協議会において十分に議論しておるところでございまして、これは、各省全体を通じ、愛知、三宝両県を通じ、いかなる地域にも当てはまるような統一した基準を設けよう、こういうことでございます。従いまして、具体的な堤防の計画というようなものにつきましては、それぞれの地区ごとにきめられることになると思いますが、その地区について堤防の高さをきめる大きな要素は、今回の高潮による水理条件と、この堤防が守ります地域の経済的な条件、この二つでございます。それをそれぞれ勘案いたしましてきめられるように全体としての統一基準が出ておりますので、これは別に三重県に行けば北勢部の方だけを多くして南勢部を少なくするといったような考え方ではなく、各地区ごとの条件によって判断される、こういうふうに考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 伊勢湾等高潮対策の範囲の拡大の問題は、これは宮崎さんも御承知のように、災害の実相というものが、当初愛知県の海岸地帯から三重県の北勢にかけて長期湛水地というようなことで非常にクローズ・アップされましたけれども、現実に災害の実態というものを調査して参りますと、三重県で申しましても、熊野灘を中心にした海岸地帯でも実に惨たんたる状況になってきておる。こういう実情から範囲が拡大されたことは御承知の通りなのです。しかし、やはり当初考えた範囲の頭というものが今度のときに出て参って、いわゆる北主南従的な査定といいますか、そういうことが結果として出てくるのじゃないか、このことについては非常に心配しておりますので、あくまでそういうことのないようにやってもらいたい。特に、率直に申して、今度の台風の場合は、満潮のときと台風の襲来の時期との時間関係から北部に集中したということになりますけれども、しかし、台風の風方向、風速あるいは満潮時との時間の関係というものが合致すると、南勢方面においてはもっと極端な被害が出ただろうということも当然考えなければならない。そういうことから、再度災害防止という点については北と同様に南も真剣に考えておるわけなのです。先ほど宮崎さんの方から、大蔵省の一応予定しております予算については、これは必要があるならばさらにプラスをすることも考えなければならないというお考えの方針を示されたわけですけれども、それは中央の方針でありましても、現実に再調査に行きます場合には、あくまでも予定をしております予算にこだわって、やはりそこにしゃくしを合わせようという結果になったのでは大へんなことだと思うのです。私どもは、でき得べくんば再調査などやめて、そうして、すでに農林省と大蔵省が立ち会いでやっておる査定の結果というものを基本にして予算の再検討をやってもらいたいというのが基本的な考えでございますけれども、やはり、必要な予算については必ず組んで、再度災害はあくまで防止するのだということでやってもらいたい。政府が予算編成方針で強調している治山治水、国土保全に万全を期するという大前提にのっとってこの調査の結果を出してもらいたいということを強く要望するわけでございますし、この町調査に行かれたその結果と関連をして、再び必要な場合にはこの問題を取り上げて現地の実相に基づいてこの問題についてさらに追及をしなければならぬ、こういうことにも相なろうかと思うわけでありますが、今の問題について、この問題は非常に去年の災害の実相から顧みての真剣な現地側の要請とも関連する問題でありますので、最後に政務次官からお考えを承っておきたいと思います。

小枝一雄自由民主党農林政務次官

○小枝政府委員 ただいま御質問になりました、伊勢湾その他高潮対策等に関する災害復旧について無理のない予算措置をやれ、これらの査定については公正に行なって、予算を査定するための査定をするなというような御意見、これは当然なことでございまして、私どもも、今回の災害につきましては、現地もしばしば拝見もし、その実情につきましてもよく承知いたしておるところであります。一日も早く災害の復旧をいたしますとともに、個人といわず、地方公共団体といわず、これらの罹災者に対して無理をしている、そうして将来災害を受けた者に一そうの困難を生じさせるということは厳に慎むべきことだと考えております。従いまして、今回の災害につきましては、ただいま宮崎主計官、なお農林省の農地局長からもお答えいたしましたように、災害の査定の残っておるというようなものに対しては、これはもう再調査をしなければならぬかと考えますけれども、要するに、予算が不足して、その予算を削るための査定をやるというようことは、根本的にはやってはならぬことだと考えます。また、公正な正義の立場からも、そういうようなことは許されるべきことではないのであります。お示しの点につきましては、十分警戒いたしまして、完全な災害復旧を行なうように配慮を加えて参りたい、かように考える次第であります。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 関連して……。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 一問だけ許します。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 角屋君からいろいろお尋ねがありまして、よく了解もできましたが、実は、私も、このことについて、県の方から大へん心配して参りましたので、宮崎主計官にお目にかかってお尋ねしたのですが、そのときの御説明とただいまの御説明と全然一致しておるのでありまして、何ら疑いを抱くものではありませんが、しかし、ただいま御説明のような趣旨で、再査定といいますか、再調査というか、とにかくお出かけになるのでありますが、ただいま角屋君の言いましたように、もうすでに、各県では、また関係方面では、査定を終わっていただいて工事にかからなければならぬ、特に寒いうちに工事を進めようということをみな願っておるのです。また、県なんかは、負担の額の予算をこれからも地方で作らなければならぬので、大へんあなたの方の親心と申しますか——先回の国会で社会党の諸君からお話があったように、今度の予算が土建屋予算である、大へん災害の復旧に要する金が多いなどという意見が出た。それに対して大蔵大臣は、そうじゃない、再び災害の起きるようなことをやってはいかないし、国土の保全ということは社会党の人でも了解できるだろうというきびしい御答弁が逆にあったわけです。私どもは決して土建屋予算などとは思いませんし、特に、角屋君ですら認められておりますように、災害を受けたところでは、社会党はそういう考え方かもしれませんが、自由民主党としては、どんと一つ金をかけて、再び災害のないようにしていただかなくちゃならぬ。聞くところによりますと、ただいま宮崎さんはそういうことで今言っておいでになりますが、あなた自身が今度の調査にお出かけにならないように聞いておる。そうだとすると不都合だと思う。あなたが言い出されて各省間が打ち合わせ協議になって出かけるものならば、あなたも、国会で御答弁なさった、この委員会でこういう意味で出かけるのだと言われたその気持で行って査定していただかないと、相談に乗っていただかないと、ほかの人じゃこの気持が十分くんでいただけないのです。だから、あなた自身が言い出して、あなた自身の考えでここまで来たのですから、今度の伊勢湾関係の調査には、もちろん再査定なんて言葉は使われないが、ほんとうに再び災害のないように、大蔵大臣の言われましたように、社会党が何と言おうと国土の保全のためにやるのだと言っておられ、その精神をあなたがくんでおられるのだから、必ずあなたがみずから出かけて、国会に答弁なさったような御趣旨で予算をふやすように。近ごろどういうことを言われておるかというと、この間の国会で社会党さんがそう言われて、そして、三十五年度の予算の中に追い込もう、この予算の中で一つ思い切ったなたを振ろう、こういうように聞いておるのですから、災害地では承知いたしません。また、あなは、逆に、そうではなくして、心配をするなと言う。予算のふえることは覚悟の上だ、必要があればうんとふやすというお話だ。だから、あなたが行かなくてはほんとうの査定ができない。あなたが行けないような査定なら、私は拒否をしなくちゃならぬと思うのです。国会ではうまいこと答弁をして、自分の部下を出して、そして予算の中に追い込もうというような査定では、災害地はほんとうに承知いたしませんから、その点、ぜひとも一つあなたがお出かけいただくように。もしお出かけいただかなければ、われわれは拒否しなくちゃならぬと思う。どうかその点明らかに御答弁願いたいと思います。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 大へんきびしいお話で、恐縮する次第でございますが、何分にも二週間の期間でございますので、私もいろいろ国会答弁で委員会に出席を命ぜられることが多いわけでありまして、主計官は国会開会中は一切出張まかりならぬということになっておるわけでございます。従いまして、そういった点もございますが、もとより、この調査そのものが、これは大蔵省がやるというわけじゃございませんので、御承知のように、こういった技術的な問題でございますので、これは農林省なり建設省の査定官が本来の主務の仕事としてやっていただくわけでございます。大蔵省はこれに対して立ち会いをして確認をするという立場でございますので、例を申しますれば、今回再調査においてある地区ならある地区に参りまして、そこはすでに十分な調査が終わっておるというようなことで、額その他も確定して問題が少ないということになれば、これは確認をするというだけでもって終わるという場合もあり得るわけであります。そういう点でございますので、私が向こうに参っていろいろ御説明をするということもこれはもちろん時間的に余裕があれば参りたいと思いますが、ただいまのところとしましては、私の方の主査をやっております者を現地に出す、それから、私の方の災害査定の方の取りまとめをやっております予算実地監査官というものが本省におりますが、そういった責任のある者を現地に出しまして、十分な権限を与えて、裁量の余地は十分持たしてやる、こういうつもりでございますので、その辺のところで御了解を願いたいと思います。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 大へん委員長に申しわけありませんが、あと一分だけ……。  主計官が国会中は現地に省を離れて出向くわけにいかないという話なんです。そういうことは法律できまっておるのかどういう規則できまっておるのか私は存じません。また、お話があったことについて、ほんとうにそれは出かけられないものか、手続をとればお出かけいただけるものか、それはそれといたしまして、あなたのおっしゃいましたように、なるほど、大蔵省がこの査定をなさるものではない、運輸省なり建設省なり農林省で技術的に査定するには違いありませんが、そういうことは表面であって、結局は大蔵省の行かれる人がどうしても押えつける。これは、ないとおっしゃるけれども、あるのです。だから、もしあなたが法律によって出かけられないというならば、今の御答弁のように、建設省あるいは農林省あるいは運輸省がこうでなくてはならぬと意見の統一をせられてきた今後の災害対策の設計と申しますか、予算と申しますか、計画は、大蔵省は必ずのむのですね。今の御答弁ではそれをのまなくてはならぬですよ。あなたの方は何も一々文句を言うことはない。大臣の精神、国土保全と、再び災害のないように全体的にながめてやってほしいという意見が協議会に諮って出たのだからそれでいくのだというお話、そしてまた、そのために予算が必要ならば考えなくてはならぬというわけです。そうして、今のお話によると、何も大蔵省がワクをもってはめるのじゃない、各省においてばらばらではいけないから全体的に協議してきめるのだ、それは決して大蔵省の意見をはさむものではない、各省がやることであって、ただまとめることだけだということですから、そうすると、各省が今度現地に行ってこうしなくてはならぬというように全体にきまったときには、どのようなものであろうとも、当然それは、大臣の御意思なり、あなたが今度再査定をやろうというその精神から言っても認めらるべきものだと私は今の御答弁で考える。それは、あなたばかりじゃなく、建設省の人だって農林省、運輸省の方々だってみんな国家の役人なのですから、むちゃに、十を要するものに二十をやるということはないと思う。その十なら十のものにおやりになってその意見調整をせられるだろうと思う。その点、大蔵省が金を握っているのだからというので押えつけて、これだけのワクの中で、あるいはこの程度の増額でおさめておかぬかなんということを言われたとするならば、それこそ今角屋さんの言われたように国会で問題にしなくてはならない。また、あなたの御答弁とは違う。だから、あなたが今ここで御答弁なさったような精神で再査定をやってほしいということなのです。もう一ぺんお答えを願いたいと思います。答弁はどうなさっても、きょうは再び質問いたしません。違うと言うならば、きょうは委員長の御注意があるからおきましても、またあしたにもやります。その点はさきの言葉と違わぬようにしっかりお答えいただきたい。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 まず最初の問題でございますが、この計画を作ります堤防の基準の高さあるいは構造、そういったものに関する基本方針は、すでに大蔵省も入りました各省で意見が一致しております。それに基づいて三十五年度予算も計上されております。従いまして、私は、今回の再調査において主たる問題は、各省間のいろいろの考え方の相違と申しますか、たとえば堤防の構造につきましても、それぞれ各省において独自の技術的な好みがございます。そういったようなものをどういうふうにうまく合わしていただくかというような問題とか、あるいは、今きまりました各省統一した計画・方針というものを現地にきっちり当てはめて不公平のないようにする、こういうふうにすることが主体であろうと思います。もちろん、こういった災害復旧の工事でありますので、予算がこれしかないからこれだけでやめておこうというようなことは、やろうといってもできるものでもございませんし、また、関係省の査定官といえども、りっぱな技術屋の方がやっておるわけでございまして、大蔵省が金がないからだめですよと言ったからといって、それで、はいそうですかといっておりてしまうというような権威のないものではございません。私も長いこと災害関係の予算にタッチしてやっておりますが、各省の査定というものは私どもも十分尊重してやっておるというのが従来の運営の方法でございます。今回のものは、何分にも従来例のないような非常に大きな計画であるし、それにいろいろ新しい技術的な問題も入っておりますので、当初の査定あるいは調査できめた姿というものが今回再調査した結果動かさなければならぬというようなものもあるかと思いますけれども、しかし、その額をきめるなりその計画をきめるやり方においては各査定官とも十分努力してやっておられると私ども考えております。ただ、その基礎になる水理条件あるいは構造方針というようなものは、先ほども何べんも申しましたように、きまりましたのがつい最近でありますので、それに基づいてやるというふうに考えております。そういうことで、現地で大部分のものがきまりますが、これが確定いたしますれば、私どもはそれに従って今後三十六年度以降なりにそういう予算措置を考えていくつもりでございまして、それをまた予算的に切ってしまうとかなんとかということは別に考えておりません。

吉川久衛自由民主党

○吉川委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時三分散会

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