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34回国会衆議院1960/05/13

内閣委員会 第39号

発言数
54
登壇者
8
会派数
2
開催日
1960/05/13

会議録

福田一自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案を一括議題とし、前会に引き続き質疑を許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城さん、お久しぶりに見るわけですが、全く御苦労様です。安保問題は日本の国の安危にかかわる大問題であるとともに、保守党の政権維持にも大へん関係あるといわれていますし、その次には、あまり芳しくはないけれども、岸三選につながるともいわれています。しかし保守党政権の安定とか、岸三選ということとは別に、日本の国の安危にかかわる問題なものですから、ひまがある限り毎日安保を傍聴に行っております。全く御苦労様ですが、岸さんはだんだん人相が悪くなってきたようでございます。藤山外相はあの白髪の、銀色ですか、光が薄れて、童顔がおばあちゃんに変わってきた。わが赤城大臣は笑顔を忘れてきて、しわがずっと多くなった。非常に御苦労様です。しかし皆さんが一生懸命御努力なされているようですが、聞いていると、了解する点よりも、ますます不安が増すような傾向があると思うのです。一月の十九日に安保が調印されたわけですが、そのとき、外電のうちでも常に公平な判断をするというロンドン・タイムズがこういうことを当時報じておりました。「安保条約の改定で日米関係の新時代が始まったと見るのは誤りだろう」こういうふうにまず第一に言っております。「新条約は内容と適用範囲をいっそう詳しく規定し、期限を十年にした点を除いて日本の外交、軍事路線に真の変更を加えていない」二番目にそう言っているのです。三番目には「日本は中立主義をとるアジア諸国との関係を気にしているが、中ソとの筋の通った貿易、平和的関係の樹立にはいっそう気がかりなのだ」こう国民の言い分も言っているわけです。「多くの日本人は安保改定にみられる米国の譲歩と引き替えに、日本が決定的な義務を負って割りの合うものか疑問に思っているだろう。」これは米国の譲歩と引きかえに日本が決定的な義務を負うた、このことが割が合うか、どうも胸勘定すると割が合わないだろうということを言っているわけです。そのほかに中共とかあるいはソ連の言い分もありますが、これは当然自分たちを敵対視されたような感じを受けているわけですから、中共の場合は、日本の軍国主義の復活だ、アメリカ帝国主義の侵略ブロックの中に入っていると言っております。ソ連の場合は、この条約ができた以上は私たち隣接の諸国としては何か特別な予防措置を講じなければならぬ、こういうふうな言い方をしております。一月十九日から五月の今日まで、だいぶ長くたったのですが、この疑惑というものは解かれていないと思う。隣接の二大国家の意見、それから遠く離れて比較的冷静な判断力を持っていると思われる、長い歴史を持っているイギリス人の判断、この判断は今日になって毎日々々安保問題をやっても、これは解明されないで今日まできているのではないか。たとえばきのうなんかもそうでした。事前協議の問題、あるいは国会の承認を得るという問題、ああいう問題などもだんだん疑問が残っているように思うのです。安保条約は十カ条あるわけで、中身はそんなにないのですが、そのどれが一体解決されているか。たとえば事前協議でもいいし、日米共同防衛でもいいし、共同作業でもいいし、あるいは極東の範囲でもいいだろうし、いろいろあったようですが、そのうちあなたが自信を持って、これなら解明されて決定済みじゃないか。——最近採決するなんという話も出てきているけれども、大体そういう問題点で解明されたと思われる節を当委員会に一つ御説明願いたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 安保条約の各条について、解明されたと思う点があったら述べてみろ、こういうことでありますが、解明されたと見るか見ないかというのは、これは立場の相違もあると思います。しかし私どもは、安保条約そのものが従来の安保条約から見まして、日本の立場上相当日本のためによくなっている。よく言われておりますようなアメリカのためにやっているということでなくて、日本のためによくなっている、こういうように私は考えておるものであります。そこで安保条約を改正しなければならぬという基本的ないろいろな問題があろうかと思います。しかし昨日も帆足委員に安保委員会で御答弁申し上げたのでありますが、質問する方、追究する側から見ますれば、この安保条約は戦争に巻き込まれるための、戦争を挑発するためのものではないか、こういう根本的な議論が多いのでございます。私はむしろ第二次大戦後における世界の情勢から見まして、国連におきましても、侵略戦争の禁止、あるいは武力不行使ということをきめておりますように、そしてまた兵器の発達の情勢から見ましても、二大陣営が戦争をしてはならぬ、こういうような傾向に来ている。こういう点から見ましても、国連の基本的な考え方、あるいはまた現実に兵器の発達による戦争の抑制をしよう、世界大戦に導いてはいかぬ、こういうような関係から、安保条約の改正というものもその線に沿うているもので、戦争をしかけるとか、戦争をしたいというようなことよりも、もっと根本的にそういう戦争が起こらないように、また起きるような可能性があるならば、それを未然に防ぐ。もしも小さい紛争ならば、それを小さい紛争のうちに、これの拡大を防いで平和と安全を守っていこう、こういう考え方が実は安保条約の改正の基本的な問題であるということを一つ考えております。  それからもう一つは、疑問の中に、これはアメリカの前線基地としてアメリカに奉仕するだけだ。日本の独立と民族の平和、安全のためにならぬのではないか、こういう考え方があるようでございます。でありますが、私どもの立場からいたしますならば、やはり局地的な紛争というものの根本がまだ芟除されていると申しますか、除かれておりません。そういうときにおきまして、やはり平和を保っていくというためには、平和を侵すようなことがあるならば、これを除去していくという体制は整えておかなければならぬ。こういう体制が、国防的に見れば自衛隊の任務だ、こういうふうに考えます。その自衛隊の任務も、今お話がありましたように何も自民党内閣のためとか、岸内閣のためとかではなくて、日本の国土、国民を自衛隊として守っていく、こういう体制は、やはり国民に対する崇高な義務である、こういうふうに考えております。しかし残念ながら日本の自衛隊の能力からいたしまして、発足以来十年でありますけれども、まだ十分にはいっていません。しかしアメリカやソ連のような、あるいはそういう大国のような国防力というものを持とうなんということは、夢にも考えられません。もちろん侵略とか海外派兵とかいうことは、厳に禁止せられておることでありますから、そういう点も考えておりませんが、それにいたしましても、大国並みの防衛力を持とうということではなくて、やはり戦争抑制力に世界が協力する。これは共産圏におきましても、ワルシャワ条約とかあるいは中ソ同盟条約とか、いろいろいわれていますけれども、やはり現在の段階においては、それぞれの集団安全保障体制というものは戦争の抑制をする、こういう役割を演じておる。ですから、たとえば金門、馬祖、あるいはレバノン等にいろいろな問題が起きました。しかしその扱いにおいて、いろいろ問題はありますが、やはり一つの国連という機構のもとに世界が入っており、あるいは安全保障体制という形の中で、これの拡大をお互いに防いでいかなければいかぬのではないかというふうに考えております。そういう点で、日本も抑制力の一部門を受け持って、日本自体も平和であり、世界も平和である、こういうことでありますけれども、日本のそういう抑制力に協力する能力、自衛隊の能力というものは、やはり小さいながら小さい部分を受け持つということですけれども、まだ足らぬ、こういうふうに考えております。そういう点から見ると、一朝事があって。その抑制力によって事件の拡大を防ぐという場合に、日本の自衛隊の能力では足らぬ分は、アメリカの協力を求める。従来の安保条約におきましては、これはおしきせというか、勝手に占領後おれが日本を守ってやるのだぞ、お前の基地を貸せ、こういうような一方的な形で今までの安保条約というものはあったと思うのであります。ところが今度の安全保障条約の、たとえば第五条におきましては、この日本の領域内におきまして、武力行使がどこからか行なわれた場合には、これは日本とアメリカが共同して、共同の措置をとってこれを排除する。このことはアメリカがやはり日本の防衛義務を負った。今までは義務でなくて、おれが守ってやるということでありますから、守らなくても守っても、どっちでもこれはアメリカの恣意といいますか、アメリカの考え方一つであったのであります。もしも事がありますならば、日本を守る義務を持つ。そういう義務を持つという格好をつけておくことが、やはり戦争の抑制力になるのだ。だから第五条につきましても、私は非常によくなってきている、こういうふうに考えるのであります。  それから第六条につきましても、そういう点で、ほんとうは第三条にバンデンバーグの趣旨が出ております。バンデンバーグの趣旨を十分に生かすということならば、これはほんとうの相互防衛でありますから、アメリカが攻撃されたときには、アメリカの本土まで行って日本は守る、こういうのが相互防衛のほんとうのあり方であります。でありますから、ほかの国の防衛的な安全保障条約ではお互いに、日本がやられたときには日本を守るが、アメリカの方がやられたときにはアメリカまで行って守るというように相互的になっておると思います。しかし御承知のように日本は海外派兵もいたしません。それから外まで行ってこれを助けるというようなことは、絶対にできないような立場になっております。そういう点から見ますならば、今お話がありましたが、アメリカの方がむしろ義務が多くて、日本の方が外まで行ってやるという義務を持っていないという点では、この条約におきましてはアメリカの意思を相当押えて、日本の方がこれでは有利になっておる、こういうふうに私は考えます。そういう点から考えましても、この点は非常によくなっている。特に第六条におきまして、今もお話がありましたが、これは日本の防衛、日本の安全ということが主であります、そういうことでありますので、日本の安全を害するようなことがあっては困る。そういうことから事前協議の対象として三つの項目を交換公文できめておることも御承知であります。  一つは配置についての重要な変更、日本の中へ——これはなるたけ基地は少ない方がいいのですし、あるいは日本に在留しておる米軍も少なくて、日本自体が何とか守れるような方法をとった方が筋であります。ところが残念ながらそこまでいきませんので、第六条におきまして、施設及び区域をアメリカが使うことを許される、日本からいえば許す、こういうことになっております。しかしそれにつきましても、いろいろ紛争に巻き込まれて、日本自体が思わざる災害をこうむっては困りますので、今の事前協議の対象の第一には、むやみやたらに日本に米軍が入ってくるということにつきましては、これは困る。こういう点で、配置の点におきましても十分な配置があるときには、事前協議をして了解の上で入ってもらいたい。しかし日本の立場といたしましては、基本的には米軍がたくさん入ってくるということは拒否したい、こういう立場であります。あるいはまた第二の核装備の重大な変更、これにつきましても核装備はしない、あるいは核の持ち込みは日本としては絶対にこれは拒否する、こういう立場でありますので、事前協議の第二にあげておるわけであります。また第三には、日本の施設、区域を使って、日本の安全に関係ないような立場で、米軍が日本の施設、区域から出動する場合もあり得ないとは考えられません。そういうことがあっては困るということから、戦闘作戦行動に日本の施設、区域を使うということは、これはぜひ避けてもらわなければいかぬということで、これをチェックするというようなことが規定されておる。こういう点も解明されてきたと私は思うのです。ただ事前協議をして戦闘作戦行動に出る場合のたくさんの例がありますが、その例を、この場合はどうだ、あの場合はどうだというように、一々事前協議の中に規定することも非常に困難であります。でありますから、個々的なものは規定はしておりませんが、そういう考え方で、具体的の場合にできるだけ日本が巻き込まれないという立場から、これを拒否するという考え方を持っています。その拒否の方法につきましても、別に条約上これは拒否権というわけではありませんが、岸・アイク共同声明におきましても、日本がノーと言った場合においてはこれを強行しない、こういう約束になっておるわけであります。約束が信じられないではないかと言いますけれども、国と国との約束であります以上、やはり信ずるというのが建前だと思います。初めから信じられないということでありますれば、これは約束ができないわけであります。そういう点から考えましても、解明されたかされないかは別といたしまして、私は非常によくなっておると思うのであります。  それから期限の問題で、十年が長過ぎるのではないかという議論もあります。しかし条文にもありますように、十年の範囲内におきまして、国際連合が世界の平和あるいは極東の平和というものに対しまして措置がとれる場合にはいつでもやめると、こういうのが原則であります。その原則のもとに例外として、そういうことのない場合には十年間を期限として、この約束をお互いに履行しようではないかということに相なっておるわけであります。期限の点におきましても、中ソ同盟あるいはNATO、その他無期限というところもあります。無期限の場合には、いつでもこれを一方的にやめることができる、こういう規定もありますけれども、ほかの条約等から見ましても、あるいは日本の現状から見ましても、十年というのは期限としても適当な期限である。しかし期限の前に世界の情勢がよくなれば、これはいつでもやめるということでありますので、目的は戦争をしようということでなくて、戦争をしないことをこいねがい、そのための配慮を両陣営におきましてもしておりますし、私どももそういう考え方を持っております。  その他一々各条につきまして申し上げると非常に長くなりますので、考え方として、私はこれは御心配になるのも、これは岸内閣のためとか、保守党のためとかということでなくて、国民の一人として御心配するその熱意、これは私も敬服いたします。私どももその気持のもとに、あえて保守党の内閣とか、岸内閣ということでなくて、やはり日本の平和と安全、日本民族の平和のために私どもも適当である、こういう考え方から御質問にも答え、また説明もいたしておるわけであります。残念ながら私どもの考え方が十分に御了解できないという立場にあられるので、私ども非常に残念に思っておりますが、私どももその気持においては石山さんあたりが心配しておられるのと同じ気持で、日本のためにこの安保条約というものを通しておいた方がいい、こういう気持で進んでおるわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城長官のおっしゃるような気持でものを考え、あなたが今説明されたような態度で物事を徐々に動かしていくというならば、それはそんなに心配もしないでいいだろうと思う。しかし私が先ほどちょっと読み上げたように、イギリスでさえも、今度の条文はただ詳しく書いたのだ、十カ年という期限を新しくつけたにすぎないのであって、「真の」という言葉を使っておるが、その軍事路線、外交路線は変わらないのである、こう言っているのです。あなたのおっしゃるようなことであれば、何も中共やソ連がかどを立てて、日本を軍国主義の復活とか、アメリカ帝国主義の一ブロックに入ったとか言う必要がないわけだ。四十何年も共産国としてやってきてもう大国となっているソ連が、何も予防措置を講じなければならないという必要はないのですね。しかしそうでないのです。ここにもう一つ私がさきに読んだイギリスのタイムズの言葉を引いておきたい点は、この真の意味は、やはり日本は政治的願望としてアメリカの軍事援助、経済援助、この二つから離れたいと思っているのだが、賢明な利己的な保守主義者はこれを押えていると言っている。だからあなたたちの今言っていることは、イギリス人に言わせれば賢明な利己的な保守主義者の立場だということなのですね。あなたたちは、内心では一日も早くアメリカの軍事援助、あるいは経済的覊絆から脱したいのだ。しかし現実においてはやむを得ないのだ。社会悪ですか、現実悪ですか、何だか知らぬが、現実に置かれた者が生きなければならぬからこれはやむを得ないのだ、こういう利己的な考え方が支配して、この問題を進めているのではないかというような批評をしているわけなのです。そういうふうな批評に対して、簡単でいいから赤城さんの御答弁を一つ承りたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 この条約につきまして、軍事同盟だという点を非常に強くこの条約に反対する側からは強調されいてます。今のイギリスの評論も、軍事路線というふうに言っておるようですから、そういう面を考えられていると思います。しかし私は再々申し上げておるのでありますが、軍事同盟ということはいろいろ定義の仕方があると思いますが、通俗的に言えばこれは攻守同盟で、攻めるときにも守るときにも一緒になってやる。さっき言いましたバンデンバーグ決議——バンデンバーグ決議も何も攻守同盟ではありません、国連のもとにあるわけですから。それと同じように、向うが攻められたときにはこっちから行って攻める、こっちが攻められたときには向うから来て攻めるということを、攻守的な軍事同盟というと思います。しかしそういう意味におきましては、安保条約というものは全然そういう性格を持たない。それから軍事同盟につきましては、もう一つは仮想敵国を持ってそれと常に戦うような体制にある。いろいろ定義の仕方があります。しかし根本的に軍事同盟と言われておったのは、結局戦争するということが国策の一つだ、戦争もしなければならぬのだ、そのための国策として考えているということで同盟を結ぶというのが、軍事同盟というものの性格だと思います。そういう意味におきましては、日本は御承知のように国策として戦争するということを考えておりません。世界も第二次大戦からそういうことを考えている国はまあないというふうな形だと思います。日本の場合は、戦争を国策遂行の手段といいますか、そういうものにしないというようなことから、これは軍事同盟だ、こう断定するのは早計である、私たちとしましてはこういうふうに考えます。  第二の軍事援助、これはお話のように、私どもも軍事援助というような形で援助を受けるというようなことはしないで、できるならば日本の力で自衛隊の維持、発展、拡充もしたいというのが強い念願であります。しかし残念ながら、そういうことでいきますと、日本の防衛力を充実するにいたしましても、国民の国力、国情に応じた限度を越えていくということにも相なろうかと思います。そういう無理はしたくない。一方においては、やはり自衛隊の維持、発展がまだ足りませんからやりたい、大体こういうジレンマに陥っているわけであります。そういう点から考えまして、私どもは自主的に日本の防衛庁の予算、自衛隊の予算というものもきめていきます。これはもちろん国力に応じてきめていきます。しかし援助があればあった方がこれは充実いたしますので、できるだけ援助を、現段階においては必要とするといいますか、ほしいという考え方で、軍事援助等についても折衝いたしておるのであります。根本の考え方におきましては、今石山さんがお話のように、これは援助などなしにやっていける体制が整えばいいのでありますが、そういうことはちょっと今の日本としては望めません。そういうことになりますと、国民の負担というものが非常に増すおそれもないわけではございません。そういう点から、援助というのも条約を結んでおるわけであります。しかしこれはこじき根性としてもらっているという気持は私の方は絶対にありません。やはり戦争抑制力に協力している一半をになっておる。協力費といいますか、そういう点におきまして援助というものも、こじき根性のように頭を下げてもらっているのではなくて、これは当然私どもも要求してしかるべきで、そう卑下した考えをもって援助を受けておるという気持はないということを申し上げておきます。

石山權作日本社会党

○石山委員 そうしますと、海のかなたのイギリスで批評していることは当たっているということなんですね。あなたの御答弁を聞いて、かなりに当たっているということ、だからこそ私たちは危険を感じているわけです。あなたは協力費というような言葉を使ったと思うのですが、命をかけた共同作業をするのだから、協力費なんという言葉でなくて、当然要求してもいいくらいなものですよ、質から言えば。ほんとうに戦争なんかしてお手伝いをするのですから、そこら辺の引っ越しのお手伝いをして協力費をもらうのと違うのです。毎日、政府も野党委員も真剣になって討論している安保条約には、きょうはあまり触れない方がいいと私は思っていますけれども、ただ安保問題というものは、われわれが担当している自衛隊の諸君に直接響く問題がたくさんあるものですから、ちょっとダブったような形になっておそれ入りますが、ちょくちょく出るようでおそれ入りますが、聞いていただきたいと思うのです。どの前四月の十二日の当委員会で、先輩の久保田委員が質問された速記の中に、長官は局地戦争のことをかなり詳しく答弁しております。局地紛争から局地戦争に移行していくということですね。そうした場合におけるいわゆる自衛力の役目というものは、必然的に必要だということを説いている。自衛力がなければ局地紛争も局地戦争も防ぎ得ないというテーマを出している。これはかなり自信のあるテーマのように思っておるのですが、私がいつか質問した場合にもこれに似たような御答弁をなさっております。安保の中でもこういう答弁です。簡単に縮めて言えば、今世間では各国で軍縮をやっておるが、日本の場合は国防力を充実して、そうして軍縮ということを考えなくちゃならない、こういうふうな表現でございます。自衛力というものは現実では力が弱いのだ、だからどうしてももっと充実しなければならない、そのあとでなければ軍縮という世間様で騒いでおるような問題は、われわれとしてはあまり関心がないのだというような表現でございました。そうしますとこの前のときにはあなたからいろいろ数字をあげていただいたのですが、例の自衛隊費と国民所得の割合、各国の比例などの資料をあなたから出していただいたわけですが、その数字の突き合わせはさておいて、あなたのおっしゃっておることが三条ですか、いわゆるバンデンバークの決議によるところの自衛力の維持、発展のことに通じて言っているのではないか。どうも自分の国を守るだけならば——これは防衛局長でもいいし、どこからか御答弁をいただきたいと思うのだが、昔の軍隊からすればかなりに能率的な精鋭な軍隊になっておるわけです。日本という単独の国、アメリカの駐留しない単独の国を考えた場合におけるわれわれの周辺を見回した場合に、この軍備力、自衛力を持った日本国に対して、どの国が一体対立的な行動をとれるだけの軍備力があるか、こういういわゆる将棋のこまの差し合いみたようなことをわれわれ考えてみると、これは皆さんよりは私の方が資料は少ないでしょう。新聞、雑誌あるいは年鑑等にありますのを突き合わせて見るのですから、いささか違うでございましょう。違うでございましょうけれども、日本単独の自衛力というものを考えて局地紛争、局地戦争を考えた場合においては、どうもあなたのおっしゃる自衛力の増強ということは、三条に通ずるものがあるのではないか、こういう懸念を担当委員として私は持たれてならないのです。それはどういうことですか、一つ御説明していただきたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 なお防衛局長からも御答弁を申し上げますが、私の考え方としては先ほどから、基本的に戦争の抑制力に協力する、こういうことが私どもの考えておる自衛力の増強、維持であります。しかしその維持、増強の現段階においては、戦争抑制力に協力するのだと言って大手を振ってやるだけのものになっておらない、こういうふうに考えます。ですからこの間も例をとりましたように、たとえば中立国のスイスにおきましても国民所得の三%以上を防衛費に投じてこの中立を守って、これも自分の国のためでもありますし、また戦争抑制力に協力しておると私は思います。中立主義をとるかとらないかという問題も派生的にあります。それは日本としては非常にむずかしい。もう一つは中立を守っていくというのには防衛力が、スイスのように自分の国で相当の防衛力を持って、それを侵したものがありますならば必ずそれに反撃を加える。第二次大戦の例によりましても反撃を加えております。イギリスの飛行機などを落としております。そういうような体制と、もう一つはそれを取り巻く大きな国々がその中立を必ず保障する、こういうような体制になっていなければ、中立というものはなかなか守り得ない。世界におきましても第一次大戦におきましても中立が守れなかった国々がたくさんあります。第二次大戦におきましても中立が守れた国はごく少数であります。ところが日本の立場からいたしますれば、東西両陣営が対立しておる現段階から見まするならば、そういう二つの保障というものが日本国内から見ても、国際的に見てもあり得ない。こういうことから考えまするならば、やはり日本は自衛力を維持、発展して、そうして戦争抑制力の一半をになっていく、こういうことがやはり日本の立場として考えていくべきことだと思います。しかしそれがどこの国と比較してどうこうということになりますると、これは今の日本自体における自衛力というものは、そういう点から見まするならば、先ほど申し上げましたように、世界的に見ましても非常に少ない自衛力であります。しかし日本の戦前から見たら、今の御指摘のように相当よくなっておるのではないか、こういうふうな御質問もこれは当然だと思います。しかしこの防衛力、国防力というものは相対的のものであります。そういう点におきまして、世界の国防あるいは兵器の発達というものも相当進んできております。でありまするから、抑制力の一半をになうという考え方からいたしましても、戦前のような形でになう、戦争抑制力の一半をになっていくということは、これは何といいますか、抑制力の一半をになう資格が非常に薄い、こういうふうに考えます。そういう点から考えますならば、やはり近代化のもとにある程度のものを持って、そうして抑制力の一半をになう。その抑制力が日本だけで果たし得ないということで、ある点から考えまして、やはり考え方あるいは国の成り立ち方と同じような国と協力してそれをになっていく、こういうことが私は建前だ、こういうふうに考えて、安保の問題も私といたしましてはそういう点から考えて、ぜひこの改定を通したいという気持を持っておるわけでございます。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 今の質問でございますが、これは石山委員も御存じだと思いますが、終戦の当時におきましては、ソ連が千百十万、アメリカが千二百万の軍隊を持っておったわけであります。日本でも当時は数百万の軍隊を持っておったのであります。それを各国とも漸次減らしてきておるわけです。減らすと同時に、兵器の進歩によりまして、兵員は減らしましてもその火力と申しますか、火力、機動力というものは非常に改善されてきておる。お尋ねにもございましたが、現在の陸上自衛隊について申しますると、一管区隊の火力というものは、昔の旧陸軍の四倍から五倍だろうと私は思います。機動力にいたしましても、二倍以上三倍近くまでなっておるのではないかと私は思います。しかしこれは申し上げるまでもないのでございますが、防衛力というものは相対的なものでございまして、日本の昔の軍隊と比べて今がどうだということでは、これはあまり意味がないと思うのでありまして、各国とも、日本の旧軍と今の自衛隊の火力、機動力の比率以上に、おそらくは火力、機動力というものは改善されておるであろうというふうに思うのでございます。現在の日本の自衛隊は、陸上が十七万一千五百人、航空機が千百機、海上が十一万トンでございまするから、私はまだまだ日本の防衛を自分で担当できるというところまでは、とうていいかないというふうに考えるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 これは言いにくいことだけれども、自衛力の増強あるいは自衛力の満足感と申しますか、これはどうしても相対的だ。相対的という言葉は一体どこからくるかというと、これはあぶない国がそばにあるということだと思うのです。仮想敵国をいわゆる極東の範囲に広げるところに問題があると思うのです。何を好んで範囲を広げていくのだろうという疑問を持っておるのです。これは、さっきあなたはいい男だけれども、考え方が雑だと言っておる。雑かもしれませんけれども、これは一番まじめな純真な考え方です。何を好んで向こうまで、日本海を越えて、オホーツク海を越えて、バイカル湖を越えて、何をそんなに広げていく必要がある。  それから防衛局長に聞きますが、あなたは不満足だ不満足だと言っておるけれども、南北朝鮮くらいで、あとどこに対立する国がありますか。みなはだしで歩いておる連中が多いじゃありませんか。ごらんのように、やはり兵隊さんはみな機動力を持っているのですね。それらと比較してみた場合、仮想敵国を無理しておるのではないか。皆さんどうも無理して恐怖症にかかっておるのではないか。これは考えてみれば、五条ですか、アメリカとの共同防衛をするための、われわれはそういう幻想を現実として押しつけられておる一つの証左になるのではないか、そう思われてしょうがない。私らみたいにただ日本の国だけ考える者からすれば。皆さんの方はそうでないかもしれませんが。自由世界のため、いわゆる極東の平和と安全のため、日本の国はどこかに行ってしまっておる。そういう見方から見れば、日本の自衛力というものは足りないと思います。アメリカから援助してもらわなければならぬと思う。しかし日本自身がまじめに貿易をしてまじめに生計を営んでいくとすれば、何でそんな恐怖心を持つ必要があるかということが、私は国民の一般の率直な気持だろうと思う。それをあなたたちが解明をする場合に、いろいろな言葉を持ってくるから、安保なんか何べんやっても同じことになる。うそでまるめ上げようというのですから。私はそういうふうに思うのですが、長官はいかがに思っておりますか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 決して雑だなんということを言うわけではありません。非常に問題の中心をとらえておられるということを、その前提としてあったのでありますが、そういうことは私の失言で、言ったとすれば失言でありますから取り消します。  それからどうもあなた方の話を聞いてみると、裸になっておってやればいいのだ、平和に暮らしていく。私どももそう思います。これは理想だと思います。しかしお話の中に、いつもやられたらどうするのだ、やられたらどうするのだ、戦争になったらどうするのだ、いつもそれを前提として御質問があるということは、私は語るに落ちるのではないかと思う。そういう点について、いつも社会党の質問は、やられたらどうだ、やられたらどうだ、これはやられるということがやはり頭の中にあってのことでありますから、そういう点から考えましても、私は戦争抑制力の立場で考えておるのですけれども、あなた方の考え方の中にも、やられはしないか、戦争が起きはしないかという心配がないわけではないと思います。そういう点で、そういうものをなくするという方法論であります。その方法論としまして、今の石山さんが言われるように中立的なことで自衛力なんか持たぬでやった方がいいのではないかという考え方と、私どもの考え方は、抑制力の一半をになって、来るものがあったならば、自衛力をもって反撃を加えるぞという体制を整えておくというのが、現在の世界情勢から見たら、これは戦争を起こさない抑制力としての働きをしていくのだ、こういう重大な使命を持っておるのが日本の自衛隊である。でありますから、自衛隊といたしましても適当な維持、増強、発展というものは考えなければならぬというのが私どもの立場であります。  それから仮想敵国の問題でありますが、これにつきましても第二次大戦前の仮想敵国ということでありますが、日本の立場からいたしますれば、たとえば陸軍はソ連を仮想敵国として、これと戦争した場合にはどういうふうにやるか。海の方はこれはアメリカを仮想敵国として、海軍の方ではこれと戦争した場合にどうなるか。そうして戦争した場合にはソ満国境まで越えて、あるいはシンガポールの方まで行ったり、ハワイを攻撃する、こういう考え方でいたのが仮想敵国に対する考え方だと思います。すなわち戦争があったならばそれを攻撃して、満州からあるいはハワイからシンガポールまで攻めていく、こういう考え方が仮想敵国を設けての考え方だと思います。しかし第二次大戦後におきましては、国連の機能というものが十分に発揮いたしておりませんけれども、先ほど申し上げましたように侵略戦争の禁止、武力の行使の禁止というものを原則としております。そういう点から見まして、仮想敵を設けてそれを侵略していく、その領土やその国民に圧迫を加える、こういうことは世界的にもやらないということが国連の約束になっておると思います。しかしまた国連が十二分に活動をしていませんから、御承知の国連憲章五十一条におきまして、個別的、集団的自衛権を例外的に認めて、そして集団安全保障体制をとっていくことが戦争の抑制力になる。でありますから、安保条約を結ぶというのは日本だけではございません。世界でアメリカとの関係において、自由国家群として安全保障条約を結んでおるのは四十四カ国あると私は思います。共産圏におきましても十数カ国が安全保障条約を結んで、そうして今の段階におきましては、戦争をお互いにしないようにしようではないか。もしあったならば、小さいうちに消しとめようではないか、こういうのが世界の情勢であり、日本といたしましても日本の置かれている地位、こういうものから考えまして何かあったら日本を守らなければならぬし、また同時に世界の戦争あるいは局地的な紛争を拡大しないように、巻き込まれないように考えていくのが、国民に対する私どもの義務だというふうに考えておるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 自衛力によって起こる紛争を抑制する。一種の真空論だと思います。自衛力がなければ抑制がきかない、紛争がしのび込んでくる、戦争が起きる、こういうようなことは受け身の考え方ですが、自衛力の充実ということは、逆に言えば近隣諸国に対してはどうかつにもなるわけです。それはなぜかと申しますと、たとえばわれわれが自衛力の充実ということを考えた場合、今よりも充実させるという心の底には、一体どこを対象にしているかとなりますと、日本に援助するアメリカではないとすれば、われわれの見渡す範囲の大国といえば中共でしょう、ソ連でしょう、あるいはカナダかもしれません。この国々とでは日本はもちろん対抗できないでしょう。おそらく日本の自衛力プラス、アメリカの戦力ということになって、自衛力の満足感が——満足感と言わないにしても充足した、こういう観点に立つと思うのですが、その場合他の国々はどうだろうか。そういう場合になって、日本のいわゆる強大なる自衛力というものを見た場合の東南アジアの諸国はどうなるのだろう。そういう点がうまくいくかというふうな心配を持ってもいいのではないか。これは戦争をするという不安よりも、もっと考えていい不安なことではないかと私は思うのです。それは先ほど赤城さんのおっしゃったあなたたちの腹の底にも、戦争したら、爆撃されたらという不安を持ってお話をなさっている。ですから自衛力とか戦力というものを一応仮定しているのじゃないかと思う御意見ですが、私どもの言わんとする今の安保条約に関する限りは、そうじゃないと思うのです。今ならば荒波が立たないということなんだ。それを今度の条約を結べば荒波が立つということなんです。利害関係が露骨になるということです。愛憎関係にけじめをつけるということです。だからわれわれは言うのであって、何も最初からわれわれは黙っていても戦争をしかけられるものだなどとは考えておりません。あなたたちはアメリカの善意を信じておると言っておるのですが、私どもは第二次大戦以後の世界の人類の善意を信じているのです。戦争すれば全滅だという良識を信じておるのです。だからあなたのおっしゃることは、われわれ社会党員に対しては少なからざる解明の不足です。まず私の申し上げた点、いわゆる自衛力というものが充足された場合のわが国の地位というもの、他国に与えるいわゆる圧迫感というものが、外交や経済にどういう形になって現われるだろうということを、あなたは想定したことがあるか。仮想敵国を想定するのですから、そういうことを想定したことがあるかということをお聞きしたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 私は現在の日本の自衛隊といいますか、その力、これが他国に脅威を与えるとかあるいはどうかつするとか、こういうものではないと思います。しかし他国においてそういう批判をしておるということは私も承知しておりますが、私どもは御承知のように日本の憲法におきましても、あるいは自衛隊の現状から申し上げましても、他国に脅威を与える、あるいはどうかつする、これが少しく維持、増強がされるといたしましても、そういうふうには私は考えておらないわけであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 それはあなたの一つの欲望の想定ですよ。そういうふうに動いていくわけはないじゃないですか。だって昔第二次大戦のときに、われわれは東南アジアを全部荒らしたという一つの証拠を持っておる。その証拠を持っておる国が、何増倍の軍備を持ってきぜんとしてそびえたときに、これは経済協力だの、奥地開発だなんと言っても、これはなかなか受け取ってくれないと思う。今日日本は、経済的にはアメリカと結んで、まずまず何とか二、三年は過ごせるでしょう。しかしアメリカの来年度の予算等を見ますれば、かなり無理した予算を組み立てておる。いわゆる貿易の繁栄というものに力を注いでいっておる。そうしたことを見てみますと、日本との貿易は、日本は低賃金でコストが安いというこの建前で、あるいはアメリカに自然の形で流れていくかもしれないが、日本よりももっと大切な西洋諸国は黙って見ておりませんよ。アメリカが日本を中心にして貿易を盛んにすることを黙って見ておりませんから、必ず強いてこ入れがされると思う。ですから低賃金だとか低コストだけでアメリカとの経済関係がうまくいくなどと考えれば、これは甘いことだと思う。特に欧州共同市場等のあの考え方、それから七カ国の経済連合等を考えてみれば、二、三年たてば、低賃金でコストは安いと言いながらも、関税その他によって押えられてくる部門が出るのではないか、こういうことを考えてみますと、アメリカの経済だけを考えておるのでは大へん危険だということは、われわれしろうとでもわかるわけです。そうした場合に、やはり東南アジアとか近接の諸国との貿易を考えざるを得ない。そうした場合に、片一方はどうかつするような高い地位に自衛力がある。片一方はお前は敵だ敵だという考え方で自衛力を拡充しておるとすれば、これは商売にならぬのじゃないか。商売するのにはやはりもみ手をして、下手から出るという言葉がよくあるでしょう。その点ちょっとあなたのお考えは違うのじゃないですか。自衛力そのものを見ていくならば、そういう考え方があるいは出るかもしれませんが、あなたのおっしゃる自衛力というものは、国全般の総合的なものだと言っておるでしょう。そうすると総合的なものの中には、国民生活というものと経済というものが大きなウエートを占めておるということを考えれば、もう少し方向を変えていただく必要があるのではないかというふうに要望しておるのですが、あなたはそれは並行線だというふうに考えて、安保でも奮戦してきておるわけです。ですからこの短い今の三十分や四十分の話し合いで、ああそうですかと言わないことはわかっておりますが、先ほど私が読み上げたイギリスの評論等を考えてみても、われわれはやはりこの際そういう考え方をしながら自衛力を考えなければならぬだろうし、あるいは安保の問題の処理というものも考えなければならぬのではないか。よくわれわれは年度が変わると、日本の経済は曲がりかどに立っておるということを言うけれども、その意味では安保問題を考えた日本の自衛隊というものは、いわゆる曲がりかどに立っていると思うのです。日本の国をほんとうに安全な立場で自衛するか、あるいは日本の国を危険な方向に向けながらそれでも自衛だという言葉を使うわけだから、同じ言葉を使うのだが、やはり曲がりかどに立っているのだから、よい方へいくか、あるいは悪い方へいくかというのは当然言えると思う。私たちの見方としては、非常に危険性のある方向へ行っているのじゃないかという心配を申し上げているわけですが、これに対してはまだ長官からはあまりいい説明を承っておりませんので、戦略論みたいな話になっておそれ入れますが、これ一つでいいですから御見解を承りたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 日本の自衛力の増強が東南アジア等に非常にどうかつ的になり、あるいはまた脅威を与えるのではないか、こういうことでございますが、再三申し上げていますように、日本といたしまして海外派兵するとか、そこを侵略するとかいうことは全然考えていません。でありますので、初め自衛隊の発足当時におきましては、御承知のようにフィリピンあるいはオーストラリア等におきましても危惧の念を持っていたようです。しかし現在におきましては、日本の自衛力増強というものが侵略的なものではないのだ、圧迫、脅威を与えるものではないのだというふうには了解をしているようです。  そこで自衛力というものは、ただ自衛隊の国防力ということでなくて、国民の生活の安定といいますか、こういう経済力がバックにならなければだめではないか、それが第一ではないか。これは決して並行線でも何でもなくて、同じです。私もそう考えています。やはり日本の国民の生活が向上してくること、これが日本のみずから守る力ができたことであります。またそういうことになりますならば、やはりこのりっぱな日本の国土、民族が侵されたくない。侵される場合には、何も侵略はしないが、これは反撃するという自衛力、自衛隊に協力するという気持もなお強くなると思いますので、この国民生活の安定あるいは向上ということは、自衛力からいっても、あるいは政治というものからいいましても、私は根本的な問題だと思います。そこでアメリカとの関係におきましても、東南アジアとの関係におきましても、経済的な提携ということからいきますならば、低賃金でもって日本がやっていくということでなくて、やはり日本の国民生活の水準を上げるということだと思います。基本的な経済提携からいいますならば、日本の生活水準が上がる、購買力がふえるということでありますならば、日本に対するアメリカの輸出というものもふえるわけです。日本からいえば輸入であります。同時に日本の工業力ということから考えまして、工業力を大きくしていくということが、日本の輸出もふえるということである。そういう形から提携というものは経済的に進めていくのが至当だと思います。東南アジアにつきましても、日本の立場とやはり同じで、日本が自衛隊によって侵略するとかなんとかいうことを心配しておりますならば、これは一日も早く払拭しなければなりません。幸いそういう点では払拭されてきていると思います。しかし経済的な連携を保っていくというのには、やはり東南アジアの国民生活がよくなってくる、生活水準が上がってくる。その生活水準が上がることによって、やはり東南アジア諸国の国民の購買力もふえてくると思います。その購買力のふえたものを、日本がこれを吐き出してその購買力の方にマッチするような形でいくことが、東南アジアにとっても、また日本にとっても必要である。そういうことがなされなくちゃならぬ、こういうふうに考えています。でありますから、今のお話のように自衛隊だけが自衛力だということでなくて、やはり日本の国民生活の向上発展ということが基礎であるという点につきましては、決して並行線でも何でもなくて、私はその考え方には全く同感でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 日本の自衛力ということについて、きのうの古井さんの質問に首相など答えておるわけですが、日本が主体だ、こういうふうに言っておるわけです。日本の平和と安全のためが主体だ。ほんとうにそうならば、アメリカの軍隊も要らないような気がする。ほんとうに日本の自衛力というものの目からながめれば、たとえば海に魚をとりにいく。そうした場合に不法に拿捕されないというふうなこと。公海に飛行機が飛ぶ、そうした場合に射落されない程度、いわゆる公海を取り巻く程度でいいと思う。それがアメリカがああいうふうに日本に駐留し、そうして新安保条約を結べば、それは向こうの基地に行ってしまうわけですね。基地から今度何マイル奥というふうな陸地に入っていくのではありませんか。これはもう日本の目から見た自衛力ではない。だれが何と言おうとも、日本の自衛力は、日本の安全を守るために何も大陸まで入っていく必要はないでしょうし、広い太平洋を越えてカナダの森林地帯に入っていく必要はないのだ。私はこれは水かけ論といえば水かけ論と思うが、日本が自主的に考える自衛力を、アメリカが協力して駐留して考えるいわゆる共同作戦、特に新安保条約を結んだ後の共同作戦となると、これはどうしても範囲が広くなって、大へんにお金のかかる自衛力に重大な変化をせざるを得ない。ですから、三条の自衛力の維持、発展という言葉も、そのままずばりと当たるということになる。私は今の自衛隊を容認しておるものではないのですよ。容認しておるものではないのですが、これで十分間に合うじゃありませんか。十分間に合う。いわゆる大陸の基地を考え、大陸の奥地を考えるから、間に合わないという言葉が出るじゃありませんか。一体対抗する国々はどこがあるか。では言ってごらんなさい。私がさっき申し上げた三つの国以外に、日本の自衛力に対抗できる国々はどこにあるか。まあ早いところ、ないでしょう。ですから皆さんのおっしゃることは、どう考えてみましても、日本人の目から見た日本の国の安定ではないのです。平和ではないのです。自衛力ではないのです。ぼくらはそこを言っておるのですよ。降りかかった火の粉を払うというような、真にそういうふうなものが現実にあるとするならば、これはわれわれはなるほどと思っていますが、そうじゃない。万が一の場合ということを予想して外国軍隊がおる。万が一の場合を予想してより以上の軍備を拡充する、こういうことは、きのうの質問に岸さんが答えていても、どうも日本の目から見た、日本を中心にした、日本を前提に押し出したようなものではないような気がしてなりません。どうもうしろにもう一つ補助してくれる目があり、日本にある種の考え方を吹き込んでくれる何かがあるような気がしてならぬのです。そこで局長に聞きますが、今の日本の自衛力をもって、さっき私三つの対抗馬をあげたのですけれども、それ以外に日本の国に攻め寄せて、日本の国をちょこっとたたけるような国がありますか。あったら、示して下さい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 今お言葉がありましたが、アメリカ軍が日本に駐屯というか、在留しておるならば、これは中共の奥地までもどこまでも行くのではないかということでありますが、そういうことは国連からいいましても禁止せられておることですし、そういう侵略はしないということは——私はそういうことではなくて、やはりアメリカも極東の平和が害せられることが、局地的な紛擾にもなるということになれば、これはやはり世界的に戦争というような様相に入って、アメリカとしても容易なことではない、こういう考え方であると思います。もう一つは日本の安保条約に関連しますが、日本の自衛力に対してアメリカが協力するのは、もちろん日本の施政下において武力行使が行なわれた場合に、共同の措置をとるということでありますから、日本の自衛隊が何もそこまで出るということがないし、日本の国を守っていくということが中心であることには、これは間違いないと思います。でありますので、その中心、日本の安全を守るということとかけ離れたことで出る場合には、これは日本の基地を使うことにつきましてはチェックする、こういうような建前になっていますので、日本の自衛力を増強したから、ほかの国まで攻めていくというような考え方は全然持っていませんし、アメリカ自体もそういう侵略的な考え方で国防を維持していく、こういうふうには私どもは考えられないのであります。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 自衛隊の整備の目標は、たびたび大臣もこの席でおっしゃっておりますが、戦争を抑制する、わが国が侵略を受けることを抑制するということがねらいでございまして、たとえば海上自衛隊について申しますると、その持っております艦船及び航空機をもちまして、周辺海域の警備をする、また港湾、海峡等を守る、それから機雷を敷設された場合には、これを掃海する、外航及び内航の護衛をする、その能力を一つ一つ考えて整備をしていっておるわけでございます。航空自衛隊につきましても同様でございまして、レーダー・サイトその他をもちまして、外国からもし侵入するものがあれば、それを早くキャッチをして、そうしてわが国の航空機をもってこれを要撃して入らさないようにする。陸上自衛隊につきましても同様でございまして、あくまでも、もし上陸というようなことがかりにあれば、これに対して当たろう、国内における間接侵略その他に対して、警察等と当たろうというのが、われわれの整備の目標でございまして、直接どこの国がどうだ、具体的にこれを仮想として考えているわけではございません。

石山權作日本社会党

○石山委員 やはり赤城さんの御答弁は、賢明な利己主義の、保守主義の代弁でしょう。それは私も憲法にもあるから、派兵などはできないと思っております。相対的なものが軍備だというから、いわゆる大国の有力な国々に攻めて行かなくても、それに対応しただけのものがなければ、自衛力に満足感が得られないじゃありませんか。それがなぜそういうことに危惧を感ずるかというと、駐留軍がいることと、新安保を結ぶことにより以上の危惧を受けるわけでしょう。これは安保委員会で十分やるのであって、私とあなたと二人きりであまり長々とやるのもこれはいけないと思うのですが、私の言うことは御理解していただけると思う。あなたのことは、何べんも言う通り、最も賢明な利己主義者の一人だというふうに言っているわけなのですが、確かに保守主義は今そういうことを採用していると思う。しかし私はそういうことには同情できません、残念ですが。なぜかと申しますと、この前防衛局長からも、それから赤城さんからも御答弁いただいたのですが、防衛費が国民所得の一・四%、これは前年より下がってきているのだ。これは防衛庁の調査ですが、そういう見方もあると同時に、こういう見方もあるということを御承知願いたい。たとえば再軍備を強化していくために、軍人恩給がふえた。これは一千億という金が出ているわけですね。そういうふうなこと。それから今までが防衛力に金をかけるだけ日本が繁栄したという印象を与えているために、賠償金額もウナギ登りに上がってきたという傾向がある、これは二百五十億。これは完全に準軍事費というふうに見れば、たしかそういうふうなことが言えると思うのですが、軍備を充実さすということのために内部に与えた、あるいは外部に与えた影響等を総計しますと、これはものの考え方が違うといえばそれまでですが、そうじゃない。実際からいえば二千八百億をこえているということになる。総予算の一八%を取っているのですよ。ですからただそのものの考え方に相違があるということだけを力点にして、赤城さんに私はたてをついているわけではないのです。私は先ほど言ったように、日本人の目からだけでなく、別の目から見ているのだ。そのために大陸を見なければならないのだ、大陸の奥地も見なければならないのだ、原子兵器も見なければならないし、ミサイルも見なければならぬかもしれぬ、何百万の陸軍というものを見なければならぬかもしれませんですね。あるいは原子砲を積んだ潜水艦をわれわれが見なければならぬかもしれぬ。黙っていればそんなのを見なくて済むというのが、私たちの素朴な考え方です。自衛力があるとすれば、李ラインにひっかかる船を助けるくらいのところでいいじゃないか。そうだと思うのだが、皆さんの方ではそうではないようだ。私はこれからの努力目標は、仮想敵国をば小範囲にとどめるということが第一だと思う。そのためには駐留軍を早くなくする、行ってもらうということも、これは便法上出ると思う。そうでなければこれは軍事費ばかりどんどんかかっていくということになりかねないでしょう。第一次計画が終わって、第二計画をお立てに——まだできていないでしょう。できていないようですが、いずれにしてもなるわけだ。その一つの現われとして例のロッキードの国庫債務の負担がもう約七百五十億ぐらいこれはあるわけです。こういうのが全然重なっていくわけでしょう。ですから普通いわれている四十年の二千九百五十億という数字は架空でなくなるわけですね。関係予算四千億と流布されている新聞、雑誌等の数字も架空でなくなる。これはもちろん不景気な場合には不景気に応じて予算を組むというふうにもおっしゃると思うのですが、この国庫債務になっているロッキードの年次割当はもうおきめになりましたか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 装備局長から申し上げるのが適当と思いますが、ただ賠償費あるいは軍人恩給費が軍事費だという見方は、これは立場と違うと言うだろうという今お話もありましたが、私もそれは違うと思います。これは御承知のように第二次戦争の跡始末といいますか、戦争の跡始末の問題でありまして、これを軍事費といいますか、防衛費に入れるのは適当でないと思います。あるいはまた衆議院の予算公聴会だかもしれませんが、だれか公述人が言いました軍事費というか、国防費は、今の予算だけではないのだ、今お話が出ましたが、ロッキードの問題などの国庫債務負担の費用まで入れて、結局昭和三十五年度の防衛費だ、こういうのもこれはこじつけだと思います。やはり年次的にこれは出てくる、予算化する問題でありますから、そういうこじつけをすれば、来年度はその分だけは減らしても計算ができることになるわけであります。でありますから、こういうのもこじつけであると思います。そういう話をだんだん長くしていきますと、先ほどからお話がありましたように、国民生活の向上というものは——これは全部自衛費なんですから、そうすると予算全部が自衛費だという議論にも飛躍するわけであります。そういう点から考えましても、やはりこの防衛費というものはすなおに見ていった方が適当だろう、こういうふうに私は考えるのであります。  もう一つは、賢明なる保守主義者のエゴイズムだというお話でありますが、これは私は違っていると思います。日本はただ何もしないで、自衛の方法も講じないで、そうして何かあったときにはだれかが守ってくれるだろう、賢明だか賢明でないかわかりませんが、これこそ私は非常なエゴイズムだと思います。毎々申し上げておりますように、私どもはこの自衛力を持っているということが、戦争に協力するということではなくて、戦争を抑制しよう、戦争が起こらないように——さっき火の粉が落ちてきたらどうするのだというお話がありましたが、火の粉の落ちないようにこういう体制を整えておくのに、日本の自衛力というものがまだ足らぬからアメリカの協力を求めるというのは、これは日本の現状でとるべき方法だと思う。ところが日本だけで、何もしないでやるのだ、また今の安保条約のように、改定前のように、アメリカが守ってくれると言っているのだから勝手にしたらいいではないか。しかし何か事があったら、日本の領域を侵害された場合においては、やはりアメリカ人も血を流すということでありますから、日本は何もやらないで向こうが守ってくれればいいのだということこそ、国際的な非常なエゴイズムではないか。戦争をしようということではなくて、戦争を抑制しようという立場からの協力、それがあって初めて火の粉も落ちてこないのだ。これについては、火の粉の落ちないような対策を講ずる方法論において、私どもと考えが違うようでありますが、私は火の粉を落とさないような考え方から安保の改定というものも考えておるわけであります。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本(敏)政府委員 ロッキード全体国庫債務といたしまして六百九十八億でありますが、われわれといたしましては三十六年の当初の歳出を大体五十七億程度希望いたしております。その他年度割等はきまっておりません。

石山權作日本社会党

○石山委員 うんと世間を騒がして、そして無理押しをして作るロッキードの一号機は、一体いつ現場へ飛びますか。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本(敏)政府委員 初号機ができますのは三十七年の三月であります。現場で実際に飛びますのはこれよりもう少し先、こういうふうに考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城さん、あなたがあんなにがんばった飛行機の一号機ができるのは、三十七年の三月だというのですよ。世の中は変わりませんか。あなたことしは何年です。三十五年でしょう。来年、再来年、もう飛行機なんか要らなくなるかもしれませんよ。百八十機、練習機が二十機、百八十機のラストが出るときは、くず箱へ入るというような格好になりませんか。今私新聞を見ましたら、F86という飛行機がありますね。これに二分間よけい飛ぶために補助ロケットをつけるといいましたか、補助タンクですか、このために五千万円もかけなければ、それだけ効果が上がらぬというわけです。そうすると今度あなたがいう最新式の飛行機なら、これは倍くらいかけなければ使いものにならぬというようなものになりませんか。そんなことはあり得ないのですか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 F1O4Jがスクラップになるとか不要になるというのは、これはもう近年次におきましては絶対にないと言ってもいいと思います。どうも社会党の方の軍事専門家は、だいぶ気が早いようなんです。この間も、こういうところで申し上げるのは失礼かと思って私は答弁しなかったのですが、安保委員会で滝井君がポラリス潜航艇ができているような質問をやっておりました。何か新聞で新しいものができるということを、もうすでにできたように、先々と心配されたり研究されるのはけっこうでありますが、非常に気が早いというか、そういう見方が多いようであります。有人機としての104、これは非常に性能もいいのであります。ことに日本といたしましては、これは防衛の目的から考えましても、何もミサイルができるからといって不要になるというようなことは、私はないと思います。ミサイルというものも導入していかなくてはならぬと思いますけれども、これが近い年次において不要になるということは、私はその方面のほんとうの専門家ではありませんが、私の政治的な見方その他いろいろな調査によっては、そういうことはないということを申し上げて差しつかえないと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 F86というのはどのくらいの——世間並みにいえば何流のものですか。これはヨーロッパと比べたら問題にならぬだろうから、極東に飛んでいる飛行機で、F86はどのくらいの場所に立っておるか。それからあなたが最新式と誇っておるF104J、これはでき上がればどんな姿です。やはり一流機ですか。これは知らないから聞くのですから、親切に教えなさいよ。まだ見たことがないのですから、見たことがないのを買ったり予算を通したりしているのだから……。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 Fの86にはFとDとございます。F86のDはまだアメリカでも使っております。これは速度といたしましては、一マッハ以下であります。〇・九七、八マッハくらいでございましょうか。それからアメリカで使っております現用機と申しましても、これは攻撃機もあれば爆撃機もあれば偵察機もあれば哨戒機もあり、いろいろございますから、なかなか簡単に申し上げにくいのでありますが、要撃機として使っておりますのでは、これは北米大陸の防衛軍、ノラッドというところではやはりF105ですか、それから102、106というふうなものを使っております。これらのものはいずれも一マッハ以上のスピードの飛行機でございます。上昇性能もよくなっておるということが言えると思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城さんは政治的判断力と言うのだけれども、保守党の政治的判断力はおくれておりますからね。私はエンジニアが言うのは信用してもいいと思う。良識派だと思っておるけれども、保守党の人たちの言う判断はもうおくれております。ですからこれはあなたが絶対にくずにならぬと言っても、くずになるかもしらぬということを私が言っても失言じゃないと思うのです。というのは、あなたは政治的判断でしょう。私も政治的判断です。あなたの考え方は私は古いと思っておりますし、私の方は新しいと思っております。その点からプラス、マイナスすれば、私の方の判断がむしろ優位だと思う。それは別としまして、私の言いたいのは、非常にお金をかけている飛行機ですね。これをろくに飛ばさないで、すぐに練習機に落としてしまったり何かになるような場面が、ある意味では想定されるわけだ。それではいかぬということなんです。  それから最近ターター、これも名前だけしかわかりませんけれども、買い入れの契約をなさった。これは事実ですか。その経緯を一つ御説明願いたい。

山下武利防衛庁参事官(経理局長)

○山下政府委員 ターターにつきましては先般も委員会で御説明を申し上げたことがございますが、三十四年度の予算におきまして、警備艦の主砲の換装あるいはレーダーの換装として計上されておりました予算、歳出におきまして七億四千五百万円、国庫債務におきまして十四億九千二百万円、この二つを三十五年度の警備艦につけますターターの購入費に充当するということにいたしましたことを御説明申し上げたのでございます。この歳出予算と国庫債務の合計二十二億三千七百万円という財源を充当いたす予定でございましたが、実際の経緯におきましては多少それよりも安価に契約をすることができたのでございます。本年の三月三十一日におきまして総額二十億六百万円でもって契約をいたすことができました。そして三十四年度中の支払いといたしましては、その一割、つまり二億六十万円を頭金として支払うということで現在のところは進んでおるわけでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 武器の購入について防衛庁と通産省の関係、たとえばこの前の飛行機の場合の会社の指名は通産省でやっておりましたね。こういう場合、ターターの契約をする場合の事前の事務と申しますか、そういうのはどうなっておりますか。というのは、ミサイル開発を防衛庁がおやりになる。それの調査団として三菱電機の社長等が一団体となってアメリカ等に行くということが新聞などにも出ているわけですね。こういうふうな関係はどういうふうになっているかということ、武器購入契約に関して通産省との関係はどういう格好になっているかということを御説明願いたい。

塚本敏夫防衛庁参事官(装備局長)

○塚本(敏)政府委員 ターターの問題につきましては、この購入方法は防衛庁が直接アメリカ軍と契約をするわけでありまして、通産省とは別に直接の関係はありません。ただミサイル等につきまして、業界から調査団が参りましたのは通産省もこれについて行っておるということは、これは御存じのように通産省は防衛産業育成といった面から、防衛産業についていろいろ行政指導なり行政監督をやっておる、そういう面で今後ミサイルがどういうふうになるかということを業界から調査に行きますので、そういう観点から通産省もついて行った、こういうように考えております。これが帰ってきてからどういうようになるかということは、また通産省内部でいろいろ検討されるかと思います。直接防衛庁では現在関係ございません。

石山權作日本社会党

○石山委員 これは防衛庁にも考えていただきたいと思うのですが、アメリカの中小企業対策と軍需費の関係ですが、これはかなり上手にやっているようでございます。この権限は通産省にあるのか、発注する側の防衛庁にあるのか私よくわかりません。わかりませんけれども、こういうところはアメリカのまねをしてもいいと思うので、委員長、通産省関係を一つ月曜日に呼んでいただきまして、恵まれない中小企業に対して軍需品をばどういうふうにしてよけいに扱わしてみるか、こういうことはやはり必要だろうと思う。特に御説明を聞いていますと、われわれ農林委員会へ行きますと、万単位だ。お宅の軍需費のお話を聞いていますと、何ぼまるをつければいいのです。すぐ億単位です。それだけたくさんのお金を使っているから、このお金の使い方は十分注意して、特定の会社、少数の会社に独占させないように、やはり中小企業等にもその仕事を与えるような工夫は、庁の中にあっても当然必要だろうし、通産行政としても当然そういったことは考えられるのではないかと思うのですが、これは月曜日に御意見を聞かしていただきたいし、私の方も要望を申し上げたいと思います。  せっかくですから、統幕強化について、あした私の方の久保田先生からもそれぞれ質問があるだろうと思うけれども、私は問題点を出しておいて、お互いが討論できるようにしたいと思うのです。簡単でございますが御質問申し上げたいと思います。  第一、今回気になる点を申し上げますと、統幕——統幕というのは略語でしょう。統合幕僚会議の権限強化ということでしょうが、この立法によって私たちは、職業軍人の考え方をなるべく押えていきたいという考え方、内局の力が弱まるのではないか、シビリアン・コントロールの考え方がくずれていくのではないか、こういうことがまず第一に頭へぴんときました。統幕の強化という気持はわかるわけですけれども、そのことによって、軍を動かすのを効率的にするという、そのことだけに目が行ってしまって、われわれが一番先に大原則としたところの職業軍人が横暴をなさないという、その点がくずれていくのではないかという心配を持っているわけですが、これは長官及び官房長から御答弁をいただきたい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 今の防衛庁の機構から見まして、統合幕僚会議の権限を強化するということによって、いわゆる政治優先とか、シビリアン・コントロールというものがくずれるというふうには、私どもは考えておらないわけであります。今の制度から申しまして、アメリカもそうでありますが、防衛庁長官の分限というものを補佐しているのが内局であります。そこで具体的に今度の改正案を申し上げますならば、従来は統合幕僚会議というものがありまして、出動時における指揮命令の統合調整を行なう、こういうことになっております。それに今度の改正案で加えられたのは、出動時において統合調整を行なうことになっている上に、さらに指揮命令の基本についても長官を補佐する。これは集団補佐です。統合幕僚会議というのは、御承知のように陸幕長、海幕長、空幕長に統合幕僚会議議長、こういうもので構成しております。それが現在におきましては、出動時における指揮命令について統合幕僚会議が統合調整を行なっていたのを、それに加えるに基本のことについても統合調整を行なう。御承知のように戦前の軍のように陸軍、海軍というふうに分かれておるわけではございませんで、陸海空幕三つが防衛庁長官のもとにあるわけでございます。でありますので、それで陸海空の三自衛隊の出動時における指揮命令の統合調整を行なっておる。その統合調整のなお基本について、これはやはり一致していなければまずいのであります。でありますので、その基本についても長官の補佐をするということが一つ加わったのであります。それからもう一つは、出動時等におきまして統合部隊を設ける。その他の場合もありましょうが、設ける場合もあります。そのときにおける防衛庁長官の指揮命令についての補佐であります。その補佐は、従来は陸幕長は陸幕長として、海幕長は海幕長としてどこかそのいずれかをきめて、その補佐をするわけであったのでありますが、今度はそういうことではなくて、統合幕僚会議そのもの、だから統合幕僚会議議長ではなくて、統合幕僚会議が統合部隊を設けた場合の行動についての指揮命令について補佐をする。ただこれが伝達及び執行については統合幕僚会議の議長が行なうことが法理的に自然であるというので、伝達及び執行については統合幕僚会議の議長がやりますけれども、長官を補佐するのは統合幕僚会議が、集団補佐という言葉が当たっておるかどうか知りませんが、この統合幕僚会議が長官の集団的な補佐をするということになっておるのであります。これは従来内局が長官のいろいろなことにつきまして補佐をするという権限を侵しておるというようなことは絶対にないのであります。変更を加えることはない。でありますから、これは統合幕僚会議の運営上の問題で、御指摘のように政治優先、日本もアメリカもそうでありますが、この制度をとっています。ことに国会というものを通じて洗いざらい御質疑を受けたりいたしておるというようなくらいに、この政治優位の原則を持っております。また長官の職務執行につきましても、内局及び統合幕僚会議の補佐を受けて、職務の執行にあやまちないようにするということで、政治優先というような原則を少なくするというか、それを制限するというふうな意図はないというふうに考えております。なお官房長から御説明いたさせます。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 ただいま長官から御答弁申し上げましたので、特に私から補足することはございませんが、要約して申し上げますと、今度の改正は統合幕僚会議と各幕相互間の権限の調整でございます。統幕と内局とを律しております防衛庁設置法について、第二十条の規定はそのまま残っておるわけでございます。その点から考えてみましても、いわゆる長官を補佐する内部部局の権限についてはごうも変更がないというふうに考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 長官、官房長の言うことはさもさも安心したようなことを言っているのですが、これはわれわれとしては非常に安心できない方向だと思っております。特に今回は統幕学校をお作りになるというのです。これは下から順々に教育してきて、今度統幕学校に入る。内局はどうかというと、この方々を前に置いて非常に残念ですけれども、みんなよそからおいでになった寄せ集め、寄木細工です。ごつんとやればみんながたがたいってしまう。片一方は順々に上がってくる。何十人の有能な方々が統幕に入ってこられる。ですから長官が政治的判断で非常に有能とおっしゃっても、実戦とか有事の際になりますとこれは押し巻くられてしまいます。あなたの方でこういう案を出すからには、そういうことは絶対にあり得ないのだ、今までの均衡はくずれません、むしろ文官優位の立場が平和の道に通ずるのだから、絶対にくずれませんというような保証がありますか、チェックする方法論がありますか、それをまず聞かして下さい。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 方法論といいますならば、やはり防衛庁設置法、自衛隊法の法律に定めていることを励行して、紛淆を来たさないようにするということだろうと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城さん、あなたのいるうちはいいかもしれませんよ。もっと武将がかった長官が出てきたらどうします。戦争をしたいなんというむずむずする人もいるのだから、そういう人が長官にいて、統幕から上がってきた。これはどうしても黙っていられない。やられてしまうのだ。そして昔から参謀本部にいた連中は頭がいいから、大きな地図を出してピンで張って、こういうふうに攻められてきておるのだ、にっちもさっちもいかぬということになれば、装備局長なんかさか立ちしてもおさまりつかぬと思うのですよ。このことはあした久保田先生からやってもらうが、懸案として私も質問を保留しております。これは十分考えて皆さんの方から御答弁をいただかなければ、今までのような自衛隊法とは違いまして、われわれだって笑い顔ではあなたと話しません。これはくずれてしまうのです。今まで均衡をとってきた。そして文官優位の立場、どうしても大切だと私どもが考えてきたことがくずれてしまう。これはよほど研究していただいて、省令なら省令でこういうふうにするとか、会議の場合はこういうふうにして内局を生かすのだというようなことをちゃんと通していただかなければならぬと思います。  当面の問題でどうしても早急に解決をつけていただかなければならぬ問題が三つばかりあるのです。一つは、例の全日空機と名古屋で衝突した事件、その後責任問題はいかんともあるけれども、その後の処置をどうしているか、この問題が一つ。それから鹿児島で女生徒に実弾射撃をさせたという問題、もう一つはこれは私NHKのラジオで聞いたのですが、浦和と言っておりましたが、ジェット機が非常にひんぱんに飛ぶために、保育所の子供が虫を起こしたような格好で寝つけない。今の法律からすれば、学校と幼稚園には防音装置の補助金があるそうでございます。しかし肝心かなめの保育所、保育所というのは御承知のように親が働かなければならなくて、小さい子供を預けていくわけです。その保育所には何らの法律的な援助がないということだそうです。ジェット機がうんと飛ぶとすれば、これは当然自衛隊のジェット機が関係しているのではないかというふうに思うのです。この三つでございますが、順々に解決をつけるような御答弁をいただきたいわけです。名古屋に起きた全日空との衝突した問題はどういうふうに皆さんの方ではお考えになって処置なされたか。特に民間の航空機と併用なさっているような考え方、そういうようなことを一つ答弁していただきたい。

小幡久男防衛庁参事官(教育局長)

○小幡(久)政府委員 小牧の衝突事故につきましては、いろいろ原因その他を調査して参ったのでございます。すでに新聞等でも明らかになっております通り管制官の指示のあやまちのあったことは、これは事実でございます。パイロットにつきましてもいろいろ現地で調査いたしました結果、前方注視の責任がございますが、当時の状況としましては自衛隊操縦士は尽くすべきことを尽くしたと判定せざるを得ない状況でございまして、この結論につきましては現在権限ある官庁が取り調べに当たっておりますので、その方面に解決をまかせたいと思います。  なお、それに対しましてとりました処置につきましては、事件が起こりまして約一週間近く後に航空自衛隊の部隊長会同を催しまして、その席上長官から事故のいかんを問わず、今度の事件は結果において民間の犠牲者を出したことははなはだいかんであるという訓示がございました。管制官の適切な指導と相待って、今後ともいろいろ飛行場の管制規則を守って、さらに訓練の正当を期するようにという訓示がございました。つきまして航空幕僚長からは事故の概要を詳細に説明をいたしまして、さらに安全に努力するようにという指示を与えております。なおその後私の方から運輸省に対しまして、いろいろ根本的な問題はございますが、さしむき民間機が誘導路に入ったかどうかということを確かめるということは、一つの方法ではなかろうかという提案をしましたところ、運輸省としてはすでにその措置はやっておるそうでありまして、まず当面でき得る措置としましては、民間機が誘導路に入ったかどうかということを、実際有視界飛行状態におきましても一応確かめるという措置を講じております。その後のいろいろな問題につきましては、あるいは夜間方式をさらに徹底してやるというふうなこと、さらにパイロットの前方注意の能力を確かめるというようなことは当然やっておりますが、根本の問題は、管制の問題につきましてはなお今後両省で協議してやっていくことになっておりますが、さしむきそういうふうにやっております。

石山權作日本社会党

○石山委員 これはものの考え方が違うといえば違うと思いますが、自衛隊は、戦争があればというふうな考え方で練習をなさるわけでしょう。これは全く想定された一つの訓練事項です。片一方民間機のお客さんは、所用があったりいろいろな問題があって、生活に直結している問題です。ですからこれは考え方によっては、つまり問題に対しておれの方では何も責任なかったというだけでは済まされない何かがありそうなのです。これはやはり操作上のいわゆる要綱のようなもの、民間機と併用の場合は必ず民間機に優位な立場をとらすということは、全部の隊員の頭にしみ込んでいなければならない事項ではないか、私はそういうふうに思う。  それから、これは長官たちの責任だと思うのですが、軍用飛行基地というものの併用は努めて避けるような工夫は——こういう事例があるのですから、この際とるような方法も必要だろうと思う。しかし予算的になかなか今すぐやれないとするならば、民間機が優位という立場をどうしてもとるように、そして練習機はなるべく片方のすみっこの方で飛ぶというつつましやかな態度は、この際やはり採用される必要があると思うのですが、長官の御意見はどうですか。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 なるたけ民間飛行場と、自衛隊で使う飛行場とを区別したい、これは私どもも御意見の通りでございます。しかし今もお話が出ましたように、予算面がそう直ちにというわけには参らぬと思います。飛行場の設置につきましては土地買収その他いろいろ問題があります。自衛隊としては、国の飛行場ですからこっちで使って、民間の方は民間の企業会社ですから、ほんとうは飛行場を見つけてくればいいのですけれども、そういう無理を言うことは私はまずいと思います。でありますので、分けることは全くごもっともで、分けたいと思いますけれども、予算等の関係で十分にいきませんが、なおそういう方向については研究を進めていきたいと思います。  それから民間の方を先にしたらいいではないかということでありますが、飛行計画というものがありまして、民間でも自衛隊の飛行機でもちゃんと計画通りやっておればああいう事故もなかった。計画に従ってやったのですけれども事故が起きて残念でございましたが、その計画を厳重にやれば非常によくいくのではないか。外国の事情等もいろいろ聞いてみました。アメリカ等の発着などは、日本のようなものではないそうです。しかし計画を非常によくやっていますので、事故もない形でおるということでありまするから、計画をよくしていきたい。それから横暴的に使うということでありませんで、やはり計画に従ってやっていますので、むしろ場所によっては非常につつましやかにすみっこの方でやっているのもあります。ただ機能が、自衛隊の飛行機は速力その他で速度等も非常に早いし、次々と発着する関係もあります。でありますので、飛行計画その他につきまして万全を期していくという考えで進みたいと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 この問題で新聞の囲みに、あなた、運輸大臣とこうやり合ったなんというのが、ちょっとおもしろおかしく出ておったですよ。やはり自分のことだとかわいいでしょうね。無理な弁護をなさってはいけません。これはおれの方は間違いではないのだからいいのだ、こううそぶくことは私は考えものだと思います。人を殺しているのですから。そういうことはこれからもお互い注意していく。運輸省等とも仲よくやっていく。そういうことのないようにうまく連絡をとる、こういうことだと思うのですが、高いお金をかけた飛行機をこわして、民間人の人命を危うくするようなことは、やはりお互い慎みたいものです。まあこれは大体解決がつくようでよろしゅうございます。  次の問題、これは私実際のことは調べておりませんけれども、東京の一流新聞に、女生徒に実弾射撃をさせる。これは鹿児島で行なわれまして、見物人の人数が五十人というふうな大きな見出しで書かれております。昔だと武器というものは大へん大切にしたのでしょう。たとえば帯剣一つなくなっても、それが出るまでその中隊全部で探したものだ。それはまあ当時の風習としては、兵隊よりも武器を大切にしたという一つの現われかとも思うのですが、それにしても現在は非常に民主主義になって、人命がとうといとかといわれるにしても、実弾射撃を御婦人に、しかも女生徒だったというのじゃないですか。何でこんな思いつきみたいなことを——女生徒だからやはり甘くなったかな。隊員が若いからそういうことも考えられますよ。理由はどういう理由だったのですか、お聞きになって調査ができているわけですか、その報告を一つ伺いたい。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 ただいまお尋ねの体験射撃の件について、事実関係をちょっと申し上げてみたいと思います。四月の十四日と十五日の二日間にわたって、九州の八混主催の射撃大会が、鹿児島県下の市野野射撃場で実施されました。第二日目に当たります四月十五日に、大戸の編物専門学校の院長大戸という方が五十名の女生徒を案内して、朝九時から三時まで見学しておったわけであります。射撃大会が済みましたあとで、非常に長い間熱心に見学しておるということで、そのうち希望があれば一ぺん射撃させてもいいという申し出がこちらからなされまして、それに基づきまして十二名の女生徒に、実弾二発ずつの体験射撃をやらしたのが本件でございます。これの管理と申しますか、射撃の指導、こういうものにつきまして、あるいは跳弾の防止というような点につきましては、もとより十分考慮した事案でございます。ただ私どもから考えまして、今御指摘の点もございましたし、若干行き過ぎではないか、こういうふうに考えております。将来この種の問題の取り扱いにつきましては十分気をつけて参りたい、こういうふうに考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は自衛隊の士気なんという言葉はあまり使いたくないのです。なるべく温顔であってもらいたいと思うし、隊員には晴れやかな顔でいてもらいたいと思うのです。しかし限度があると思うのです。特に鉄砲というのは持ちなれないとたまがどこへ飛んでいくかわからぬわけでしょう。環境はどうなんです。どこへたまを撃っても絶対大丈夫、人は死なないというふうないい場所でしたか。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 今御指摘のように、何しろ危険なものでありますので、これが操作につきましては十分注意を要する問題でありますが、具体的な場所につきましては、そういう跳弾の心配あるいは暴発というような点、そういう要するに安全管理につきましては十分な考慮を払ってやっておるようでございます。ただ今後こういう問題がどう取り扱うかということについては、やはり相当慎重に考えて参りたいと思っております。

石山權作日本社会党

○石山委員 暴発その他をだいぶ注意されたというのですが、これは経験者と経験者でないものとは大へん取り扱いが違うのですね。だから、この十二名に二発ずつ持たしたというのだが、この女生徒たちは経験があったのでしょうか。今の若い人たちの間では鉄砲を撃つのがはやっていますが、この十二名はそういう経験があった者を選んだわけでしょうか。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 そこまで調査は行き届いておりませんが、おそらく初めての方々だと思います。ただ撃つにあたっては十分指導をしまして、誤りなきを期しておったようでございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 こういう場合の暴発、それから撃ったときの衝激はかなりで、まあ死ぬということはないでしょうが、そういうことも想定される。そういう場合の責任ということが出てくるわけでしょう。そういう場合の賠償というふうな問題も出てくるわけですね。ですから、ちょっとやらしてくれ、よしよしというふうな態度は、考え方によれば非常にそこつだったと思うのです。だからここにたとえば教官みたいな方がいたとすれば、この教官は非常に注意が足りなかったということになりませんか。そういう点はどうなんです。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 今御指摘の問題も全く心配がないというわけでもございません。当時の事情としては指導官が十分注意してやったというふうに報告されておりますが、今後におきましては十分一つそれらの点もあわせて誤りなきを期したいと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 これはいいことにけが人も何もないでしまったから不幸中の幸いだと思うのですが、門叶さんは何か部下をかばい過ぎて、これからはそういうことはしません、これからは十分注意しますと言いますが、起きた問題をちゃんと厳重に検討しないと、次にとられる手段というものもルーズになるのじゃございませんか。これを私はなぜ申し上げるかというと、この前私の方の兒玉委員から、宮崎県の実弾射撃と山の焼けたことについて当委員会で質問しております。これがいまだに片がつかないということは、どうも門叶さんみたいに部下をかばうあまりに、問題を小さく小さくということでやるから、そういう賠償の問題もきまらないのです。もしそのときそばにいた女の子がけがをした。そうすると門叶さんのような意見ですと、賠償金額なんか出さないということになりかねないですね。だから、かばうということと、問題のあり方というものを厳重に調査をして、このあとそういうことをなからしめるということとは違うと思うのです。これからはそういうことをしないしないとおっしゃっていますけれども、新聞によれば保安上刑事問題になるというようなことを言っておるわけです。こういう場合は、自衛隊法ではどうなるのです。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 本件が直ちに銃砲、火薬類等取締法ですか、の違反になるかどうかという点につきましては、なおわれわれのところで結論を得るに至っておりません。なお関係方面とも打ち合わせをいたしております。いずれそれらについての結論も得られることと思いますが、要はPRの行き過ぎと申しますか、少し行き過ぎな点が問題を起こしたことだと思いますので、これらの点につきして十分一つ将来とも注意して参りたいと考えております。

石山權作日本社会党

○石山委員 次に保育所のことについて御答弁いただきたいと思います。先ほども申しましたように、浦和の近所に自衛隊の飛行場あるいは定期に飛ぶコースがございますか。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 その点につきましてはわれわれのところでまだ承知いたしておりませんので、あるいは調達庁関係のことかと思います。なおよく調べまして次会に御答弁申し上げたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 先ほども申し上げましたように、防音装置の補助金は小中学校、幼稚園まであるそうでございます。保育所にないと言っているのですが、むしろその性格からして保育所こそ防音装置でもやっていいものではないか、補助金をやる性質のものではないかというふうに考えられるわけです。今は保育所も幼稚園もあまり区別がないようですが、それにしても幼稚園に行く子供よりも保育所に行く子供の方が、家庭的に経済的に恵まれない子供が多いということは事実でございましょう。そうして幼稚園に行く場合には、年令がたしか学校へ行く前二年が限度だと思っておりましたが、保育所の場合は、極端にいえば生まれてすぐにでも預けて母親が仕事に行くのが通例でございます。ですから軍であろうが民間機であろうが、特に軍だと思いますが、しょっちゅう飛んでジェット機の騒音で悩まされるとすれば、これは神経衰弱な子供ができ上がる可能性がある、こういうふうな座談会があったわけです。私はそれを聞いて、そういう法律があるかどうか知りませんけれども、やはり自衛隊としてはそういう点を一つ調べていただいて、そういう事情があるとすれば、関係庁と相談をなさって、幼稚園まであるのでございますから、それをもう一つ下げて、保育所までその恩典を及ぼすように努力願いたい、こういうのがこの問題の趣旨でございます。

赤城宗徳自由民主党防衛庁長官

○赤城国務大臣 御趣旨に沿うてよく検討いたしてみたいと思います。

福田一自由民主党

○福田委員長 次会は明十四日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十三分散会

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