内閣委員会 第26号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/04/08
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。飛鳥田一雄君。
○飛鳥田委員 大臣もお見えになりませんので、いろいろな点について総合的に伺いたいと思いますから、きょうは資料を御提出をいただきたい意味で、資料の要求をさせていただきます。 まず第一に、本案件の一番重点になっております統合幕僚会議、この幕僚会議は今までどのような実績を上げてこられたかの一つの標準として、毎年お作りになります統合情勢見積もりを一つお出しをいただきたい。 第二には、この統合幕僚会議の権限の問題でありますが、外国の事例を見ましても、今度の場合とかなり違っております。唯一の似ている場合をあげますと、何かキー・ウエスト協定というので、アメリカの統合幕僚会議が今回の改正のような権限を一時持ったことがおありだそうです。従って、私たちなかなか手に入りませんので、このキー・ウエスト協定というのを参考資料としてお出しをいただきたい。 その次には、この統合幕僚会議がどの程度の大臣に対する援助と助言をなすっていらっしゃるのか、そういうことを見せていただく実例として、先年行なわれました北海道演習に対する総合的な自己批判書なり反省書なりがおありのはずですから、これを出していただきたい。もしそういう文書がないとおっしゃるのならば、北海道演習のできるだけ詳細な実施の模様、そしてその実施について、あなた方がこれは改めなければならぬと検討せられた点をあげて、出していただきたいと思います。 最後に、今までいろいろ本委員会で討論をして参りましたが、いまだに結論の出ておりませんロッキードの値段、すなわちこれは原価計算からきちっと積算した正確な価格表を出していただきたい。これはできるだけ詳細であることをお願いいたします。 この四つをお出しをいただいて、その上に立っていろいろの御質問をしていきたいと思います。繰り返しますが、統合情勢見積もり、ロッキードの原価計算からする積算表、価格表、それからアメリカのキー・ウエスト協定、それから最後に北海道演習に対する実施の状況及びその自己批判書、以上をお願いいたします。統合情勢見積もりは省略なしで全文お願いしたいと思います。
○門叶政府委員 ただいまの資料要求についてお答え申し上げます。便宜うしろの方から申し上げますが。ロッキードの価格につきましては、できるだけ詳細な資料を整えて御提出申し上げたいと思います。北海道演習に対する統幕の批判書というようなものはおそらく作ってはなかろうと思いますが、ございましたら、実施の状況及び検討点につきましては調査して提出いたしたいと思います。キー・ウエスト協定につきましては、私もよく存じておりません。そういう資料が手に入るようでしたら、お示しいたしたいと思います。なお、最初の統合情勢見積もりにつきましては、かつても当委員会その他で話が出た問題でございます。これは防衛庁内部の研究資料として検討を続けておるものでございまして、当委員会に提出し得る状況になっておりますかどうですか、一つ検討した上で、提出し得るものであれば提出いたしたいと思います。
○飛鳥田委員 実質的に統幕会議の権限強化を提案なすっておいて、そして統幕会議の一番大きな仕事、すなわち統合情勢見積もりについては出せるか出せないかわからぬというようなことでは、私たちとしてはちょっとうなずけないものがあります。そういう点で必ずこれはお出しをいただきたい。これが秘密だとか何とかいう根拠がありましたら、それを見せていただきたい、こういうふうに思います。以上四つお願いしておきます。
○福田委員長 前田正男君。
○前田(正)委員 今回の防衛二法案の内容において、おもに統幕を強化して、そして統幕の学校を設けよう、こういう趣旨のようでありますけれども、これは現在の日本の自衛的な立場における情勢から、その必要性というものについて、提案理由でも多少述べておられますけれども、もう少しく日本の現在の防衛情勢から見てのその必要性について説明していただきたいと思うわけであります。
○赤城国務大臣 統幕の権限の強化の問題でありますが、この法案を提案するに至ります前に相当検討を加えておったのであります。御承知のように二、三年来の問題であったわけでございます。今統合幕僚会議が設けられておりますが、統合幕僚会議におきまして、各幕と申しますか、各幕僚長から出動時における命令等を長官に直接補佐をするという形になっておることは御承知の通りであります。あるいはまた指揮統率という点におきましても、各幕が、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、それぞれ指揮統率をするわけでありまして、統合幕僚会議はそれに対して調整するというような機能だけを持っておったわけであります。出動時におけるこういう命令等を考えますと、出動時ということになりますならば相当大がかりな行動に移らざるを得ない、そういう場合に、やはり陸海空の三自衛隊の行動が総合的に行なわれるということは、これは期待すべきであり必要である、こういうような考えから統合幕僚会議そのものが調整的な機能ばかりでなく、基本の問題につきましては作戦の命令等を出すにつきまして、統合幕僚会議自体として直接長官を補佐する、こういう形が必要であるという考え方から法案を提出して、御審議をいただいておるわけでございます。
○前田(正)委員 ただいまの情勢を聞きまして、自衛力というものを総合的に運用されていこうというわけでありますが、そういうような情勢を見、また現在安保条約によりまして、双務的な立場による日本の安全保障というものを新しい条約によってはかろう、こういうことでありますと、国際情勢においても、また今の防衛機構の改革に伴うところの総合的な運用というようなものから見ましても、防衛庁自身がいまだに総理府の外局であって、そうしてその専任大臣でおられますけれども、一省の大臣としてのいろいろな職務権限について独立した権限を行使しにくくて、場合によれば総理府の長官の承認を得なければならぬというふうなことでは、安保条約により新しい総合的な保障体制を整える、また今防衛庁内部においても、そういうような総合的な統幕強化という線でやっていかれようとしておられる。どうも今の防衛庁の立場では十分に機能というものは発揮されないし、また相互安全保障条約自身の実効も上がり得ないのじゃないかと思うのでありますが、そういう点において、すみやかに防衛庁を省に昇格すべきものである、こういうふうに私は考えるのでありますが、長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○赤城国務大臣 今御指摘のようにこの統幕の権限を強化するということは、安保条約を締結するためにこういうことになったということではございません。二、三年前から考えておったことではございますが、この強化がなされれば、日米間の防衛専門家間の意思の疎通が、従来よりも密接になるということも考えられます。でありますので、この場合の協議等によりまして、日本政府の自主性を確保する、こういうことから三自衛隊を統合的に掌握し得る体制を整備しておくことが便利である、こういうふうに一面において考えます。同時に、その御質問の点でございますが、国防省ということにした方がよろしいのではないかというお尋ねでありますが、私も同感であります。この予算の面から見ましても、あるいは人員の面から見ましても、今の三幕の調整という面から見ましても、総理府の一部としての防衛庁ということでは、実際責任体制が非常に薄いと思います。やはり国防省として責任体制を整える。しかし実際にその最高の監督、指揮権限は、内閣を代表して内閣総理大臣が文民としてする。その基礎は当然確保しておかなければなりませんが、防衛庁自身としては、総理府の中のものとは、国防省としての責任体制を確立する、これは必要であろうと思います。ただその時期等につきましては、よく検討した上でお諮りする必要があると思いますけれども、考え方といたしましては、私はお尋ねの点に同感でございます。
○福田委員長 保科委員。
○保科委員 それでは関連して防衛庁長官にお尋ねいたします。防衛庁長官は、しばしば言われておるようでありますから、そういう方向に向かっておるものと思いますが、防衛力の整備において特に重要な点は、私は何と申しましても長期防衛計画、あるいは第二次防衛計画、名前はどうでもいいですが、これの確立が最も大事であると思います。日本の防衛力はすでに国防会議できまっておる通り、戦争抑制力、戦争するのではなくて、戦争にならないような体制を整えるということにあるわけです。そうなると、そういうような実体を備えるには、どうしても防衛生産力の増強がなければ、ほんとうの戦争抑制力にはならぬと思う。これを確立するには、どうしても計画が立たぬと、生産の再建の計画が立たぬ。こういう点から見て、これが喫緊の重要事であると思うのでありますが、これについてどういうふうに進んでおるのであるか。あるいは総理も本会議で答弁をされておるのですが、必ずおやりになると思いますが、そういう点に対する長官の御所信をお伺いいたします。
○赤城国務大臣 非常な御経験のある保科委員でありますから、私が特に申し上げる必要はないかと思いますが、防衛というものは、思いつきや一年々々でよくできるものではなくして、やはりある程度の時間的継続をもって、計画性をもってどういうふうに防衛計画を立てていくかということが、どうしても必要であります。これは防衛費の関係から見ましても、国庫債務負担行為とか継続費というようなものをせざるを得ないような状況で、特にその年度内に、あるいは艦船におきましても、飛行機等におきましても、あるいは誘導兵器等にいたしましてもできるものではありません。でありますので、どうしても一つの計画性を持っておらなければなりませんし、その計画というものも、民主主義の時代でありますから、内容を国会あるいは国防会議等において相当検討された計画を持たなければならぬと思います。そこで第一次計画は、御承知のように三十五年で終わるわけでありますが、第二次計画を六カ年計画として、三十五年度から始まる予定でいろいろ検討を続けておったのでありますが、三十五年度の予算が今審議をされておりますので、新たに三十六年度を始期として四十年度を終期とする第二次計画を今検討、策定中であります。でありますので、私どもといたしまして、これはできるだけ早い機会に、私は五月か六月ごろにはぜひ国防会議の議を経ていきたい、こう考えて目下検討いたしておるわけであります。この点につきましては、国防会議の議長も同意見でありますので、ぜひ早い機会に第二次計画を決定したいと考えております。 第二次計画の中で、やはりいろいろ防衛計画を立てる上におきましては、日本の防衛産業との関連において、こういうことも考究検討する必要があるのではないか、こういうことでありますが、私もそう考えます。ことに国防会議の機能といいますか、防衛庁設置法の四十二条の国防会議にかけなければならない事項の中に、第二には「防衛計画の大綱」とありますが、第三に「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」、こういうことも国防会議に諮る議題に法律上なっております。でありますので、こういう関連産業との関係におきましても、計画の中に検討を加えていくというふうに考え、これがまた必要である、こう考えております。
○保科委員 ただいま長官の御所信を伺いまして、非常に意を強くするわけでありますが、私どもが昨年の秋に実は自由諸国のいわゆるプラン・メーカーという人たちにずいぶん会って参りました。それで本日私は安保委員会における議論を聞いてみますと、大へんに世界の事態と逆行しているような言説が行なわれておる。私はそういう意味合いからいっても、日本が世界の戦争抑制にどういうようにして協力するかという土台が立っておりませんと、日米安保条約というものも紙上の空文になってしまうわけであると思います。従ってこういうような日本の国力に応じてこういう程度のものをやはりやる。そうして極東において、世界のいわゆる戦争抑制をし、世界の平和に貢献をするのだ。それ以上のことは、これは日本でできないから、アメリカとかそういう国々の協力によって、極東の方面に戦争の起こらぬ事態を作り上げることが、日米安保条約を改定する一つのねらいであると私は思うのであります。こういう点から見まして、現在の世界のプランを立てておる人々は、世界に戦争をなくそうということが彼らの最大の関心事である。どうして戦争を抑制するか。ソビエトは依然として世界赤化の理想を捨てていないというのが、現実の事態について観察しておる彼らの結論である。ソビエト圏と共存同栄の実を上ぐるためには、やはり尊敬される立場をとって、そうしてお互いにそういう事態に持っていかなくちゃいかぬというのが、従来の結論のように彼らは考えておるのであります。従って日米安保条約の改定ということは、何か知らぬけれども、えらく政治的に扱われておりますけれども、これは実質的に日本が自分を守る力を、そうしてそれに足らぬところを与国に仰いで、そうして極東の事態を安全にするということ、そのことが非常に重要な点であるということを、長官より十分に一つ国民に納得さしていただくということが、非常に必要であるということを特に私は痛感をいたしたのでございます。そういう点から見て、ただいまの長官の御所信は、非常に私は意を強くしたわけでありますが、どうぞ一つ積極的に御遠慮なしに、日本の平和と安全と繁栄とのために実際に即した施策をするのだということを、国民に十分にわからせるように一つ御努力をお願いいたしたいと思います。
○赤城国務大臣 安保条約の改定につきましては、今のお話と私は全く同感でございます。何か戦争をするために安保条約を改定して、その努力をしているのではないかというような考え方もあるようでありますけれども、私は、これは世界各国とも戦争をしたくない、戦争を抑制するという形でこの集団安全保障体制というものができておると思います。自由国家群ばかりでなく、共産国家群においても、ワルシャワ条約を初めとして集団安全保障体制というのはできています。これはやはり戦争を抑制しようというようなことに最近は特に強くなってきておる体制だと思います。そこにおいて、日本だけが手をこまぬいていても、だれか戦争を抑制してくれるだろう、日本の安全と平和を守ってくれるのだろうというような形で国際社会におるということは、これは間違った考え方だと思います。そういうことでは、世界のだれも日本の国を信用するものはないと思います。やはり世界の戦争の抑制に、日本の国力、国情に応じて、分に応じて協力するという体制で初めて極東の、世界の平和の安全も保たれ、また日本の立場というものも世界において認められることだと思います。そういう意味におきまして、抑制力の一半をになう。それにはやはり国力、国情に応じて、外から見ましても内から見ましても日本が誠意をもって、日本でできるだけ抑制するように協力しているということが現われていなくてはならない、こういうふうに考えているわけでございます。その立場に立って、お話のように国民の理解を一そう求めていきたい、こう考えております。
○保科委員 質問を終わります。
○福田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会