逓信委員会有線放送に関する小委員会 第2号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1960/05/12
会議録
○淺香小委員長 これより会議を聞きます。 有線放送に関する問題につきまして調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)小委員 現在の農村地区における電話の普及状況及び積滞数についてお聞きしたいのですが、八級以下の電話の加入者の総数と今日までの積滞数並びにそのパーセンテージはどういう程度になっておりますか。——今わからなければ、あとで資料を出していただけばけっこうです。 私は、勘で申し上げては恐縮ですが、この八級以下の加入者は全体に比較して非常に低いパーセンテージになっているだろうと思うのです。しかしこれは電話加入を希望する人が少ないということじゃなくして、従来ともに現在の農村経済の状態から見て相当金額を要する、電電公社の公衆電話に加入することが困難であるということが一つの原因、それからもう一つは、公社側にいたしましても中都市以上の都市における加入者が、いわゆる積滞数がかなり激増しておる状況からして、この方面に対するサービスの普及に迫られておる。こういうことからして農村の電話の加入状況を増加せしめることが非常に困難になってきておる。こういうことが、一面においては農林省の補助金の問題もありますけれども、比較的個人負担の少ない有線放送電話が急に増大してきた大きな原因であろうと思うのです。最近かなり有線放送電話の機械等が進歩いたしまして、精密度を加えて、電話として使用しておる場合においても相当成績を上げておる。こういうことと、もう一つは、それが一地域内にとどまっておるために、せっかく遠隔の地に有線放送電話がありながら、他町村なりあるいは多少離れたところでも連絡通話ができないという状況は、農村にとっては非常に不便を感じておるということからして、最近これらの要望が強くなって参ったと思うのです。しかしながらこの問題を解決する前には、公衆電気通信法あるいは公社法その他の関係法において他人の使用に供する業務はこれを行なわしむることができないという電電公社独占規定からして、従って法律の改正を必要とすることになると思うのですが、この点についての当局の御説明を一つ伺いたいと思います。
○松田政府委員 ただいま橋本先生のお言葉のように、確かに現状におきましてはただいま先生がおっしゃったような状況になっておる次第でございます。また私どももそういう要望もいろいろと耳にしておるわけでございます。しかし現在の有線放送電話に関する法律を作りましたときには、この有線放送電話は公社の電話にはつながないという建前で作りましたものでございますから、その限りにおいてもしこれをただいま言われましたような状況に適合させるためには、どうしてもこの有線放送電話に関する法律自身の改正はもちろんのこと、公衆電気通信法、あるいは一番基本になっております有線電気通信法、そういうものにも所要の改正を加えないと、そういった事情に即応するような態勢はとっていけないという情勢になっておる次第でございます。
○橋本(登)小委員 これに関連して考えなくちゃならぬことは、かつてこの委員会でも問題になったのですが、マイクロウエーブを第三者が施設会社を作って、その会社自身が他人の業務に供するような仕事をしたいという、これは正式に当委員会で上程された問題でありませんが、公社当局にそういうような請願もあって、この委員会で論議をされたことがあります。従ってこの問題をもし——これは今結論を出すわけじゃありませんが、将来法律改正等によって第三者の業務を認めるということになればそれらの問題も関連してぐると考えなければならぬ。公衆通信というものをこれだけに認めていくならば他の問題には認めないかということになると、一応原則がはずれればそれらの問題も考慮の中に入ってこなければならぬと思うのですが、将来マイクロウエーブなり、あるいは特殊の会社ができて同軸ケーブルなり、あるいは市外線通話は一つおれの方で商売にやってみよう、自分の用に供すると同時に第三者の用にも供する、こういうことが端緒を開くことにあるのですが、それらの問題との関連において、もしこの有線放送電話に関する例外規定と申しますか、関係法案の改正を行なった場合には、それらの問題に対しても考慮を払わなければならないような結果に陥る危険性がある、その点についてはどうお考えになりますか。
○松田政府委員 ただいまの問題は確かに一つの問題として起こり得ることは考えられる次第でございますけれども、現在の有線電気通信法の第十条でございますが、これが先ほど申し上げました他人の通信の用に供することの制限を書いておるわけでございまして、基本的にある個人あるいは会社等が作りましたものを自由に第三者に使えるという基本原則を立てますれば、ただいまの問題はその中に含まれて起こってくる問題でございますけれども、そういうことは現在の電気通信の日本における運営態勢から考えまして私どもは考えていないのでございます。ただ特殊な必要上どうしてもそれをやっていかなければ日本全体の電話の普及に支障があるというふうな特別な場合、それとまた特別な事情があるというふうな場合ということを考えまして、十条に列記いたしまして除外をしているわけでございますので、従いまして今回ただいまのような方針で有線放送電話について考えていくといたしましても、やはりそういった基本的な考え方は変わらないで、ただ特別な必要という場合に今までのような事情を考慮いたしまして改正していくという見地をとりたいと思っておりますので、直ちにその部分を具体的にこれにつけ加えるからといって基本的な原則まで変える考えではないというふうなことから、ただいまの橋本先生の言われましたようなことには私どもは持っていきたくはないというふうに考えておる次第でございます。
○橋本(登)小委員 それは一つはこういう問題があるのです。たとえばマイクロウエーブをテレビ関係の会社、ラジオ関係の会社で共同出資して自分の用に供するものとしてこれを施設をする。しかしながらそのうちの三割なり五割というものが余裕がある、こういうものを今度は他人の業務に提供するようなことをしたいということによって初めて経済的ななにが成り立つ。こういうことからして、大部分は自分の用に供するのですが、ほんの一部、二割なり、三割なり、あるいは四割なりといったような一部を他人の用に供して、そこで収益をもらうというような考え方の案が出た場合は、今の右線放送電話に関するものと同じような傾向になりはしないか。その場合に、こういうような範囲を緩和すれば、当然それらの問題に対しては、これをも認めざるを得ない結果になりはしないか、こう思うのですが、これに対する見解を一つ……。
○松田政府委員 ただいまの問題は、大体マイクロウエーブとかあるいは同軸ケーブルとかいうようなことについて起こっておる問題だと思いますが、マイクロウエーブとか同軸ケーブルとかいうふうな問題は、これは非常に大きな通信幹線として、非常に長距離にわたって利用されるような場合でございまして、有線放送電話について起こって参ります問題は、そういった幹線の問題ではなくて、どっちかといえば、端末あるいは地方の電話の非常に不自由な地域における問題の対策という方になって参りますので、そういった幹線の問題につきましては、私どもは、公社は電気通信というものの日本全体における責任を持っているものとして、公社がその責任において考えていかなければならないというふうに考えておる次第であります。なおマイクロウエーブの問題につきましては、これは今の有線電気通信法のみならず、電波法とも関係して参りまして、同じようなことは電波法も改正しなければできないということにもなりまして、事柄は非常に通信政策としての基本問題に関係してくるというふうに私どもは考えておる次第であります。従いまして、そういった基本問題についてのことは、まだ今の情勢といたしまして、根本的改正を加えなければならないというふうには私どもは考えていないのであります。
○橋本(登)小委員 そこで私の今心配しておるようなことが、公衆電気通信法なり電気通信法なりを改正することによって起きてくる危険があるので、そこで有線放送電話に関する法律の範囲内においてこの法律を施行するためには、いわゆる公衆電気通信法なりあるいは電気通信法なりというものの除外例を認めるんだ、こういう考え方で行ない得ないものかどうか。そうすれば、有線放送電話に関する例外規定としてこれは設けられたのだ、こういう建前が明確になる。これを公衆電気通信法なり公社法なりあるいは電気通信法なりを改正して、これに及ぶということになれば、そういう問題も準用して、将来やはり問題を提起する危険がありはしないか、こういうことで今のような質問になったのですが、いわゆる有線放送電話に関する法律の範囲内で、他の法律をある程度規制をする、こういうことが実際上可能かどうか、その点をお聞きしたい。
○松田政府委員 その問題は、実は法律を作るときのいわば法律技術と申しますか、そういう問題にもなってくるわけでございますが、私どもといたしましては、できるなれば、ただいま橋本先生のおっしゃいましたような線でおさめていければ、そういった努力はしたいというふうに考える次第でございます。ただ法律の体系上、どうしてもその法律の中に盛り込めないで、それと関連して基本法の方も若干直さなければならない。たとえば先ほど申し上げましたように、有線放送電話に関する法律を作りましたときでも、それに関連いたしまして、有線電気通信法の第十条というところの規定を改正いたしまして、それが可能になるような——たとえば第十条の第五号の二というものをつけ加えて可能にしたわけでございますが、そういった程度の関連規定の改正というものは、あるいは法律技術上やむを得ずしなければならないのではないかというふうに考えておりますが、それは決して基本部分の修正ではなくて、基本的な観念はそのままにしておきながら、それの例外的になるところを改正していく、こういう形になると思うわけであります。
○橋本(登)小委員 考え方はそれでけっこうでありますが、今申しましたような非常な危険性をはらんでおりますからして、なお当局においては公社等とも打ち合わせをして、次の場合においていわゆる有線放送電話に関する法律を直すことによって、他の法律を準用せしめる、こういう形ができれば、これだけは特に農村の電話の状況等にかんがみての特例である、こういう点が明確になりますので、この点を一つ御研究おきを願いたい。 第二は、有線放送電話をやっておられる方々からの強い陳情として、一応現在の有線放送電話に関する法律の中には、業務区域というものが限定をせられておる。ところが、数軒もしくは数十軒、あるいは一町程度離れたところに緊急やむを得ざる施設があり得る。たとえば医者、獣医あるいは学校等がある。そういうような特殊な施設に対しては、いわゆる業務区域を逸脱をしておるが、その加入者だけを例外的に認めてもらいたい、こういうような陳情があるわけでございます。私はこの点は、必ずしも有線放送電話の法律の精神に反するのじゃなくして、ただ有線放送電話の法律の中には業務区域を限定をしておる、こういうことのためにそれらの加入者を認めることができないのでありますから、特にその有線放送電話の業務を運営する必要上、及び地元の住民の利益のために、そうした例外、加入者の特例を認めるという措置ができてもいいと思うのですが、現行の法律では困難なように思いますが、この点については当局ではどうお考えになっておられるか。
○松田政府委員 お答え申し上げます。橋本先生がおっしゃいましたように現在の法律ではできておりまして、これはもう御承知のことでございますが、有線放送電話に関する法律の第六条に、「有線放送電話業者は、その業務区域外の場所にその業務の用に供する設備を設置し、これにより有線放送電話役務を提供してはならない。」という制限規定がございまして、従って業務区域の中でしか有線放送電話業務というものは行なわれないという建前に、はっきりとしておるわけであります。それで業務区域そのものにつきましては、第四条のところに、業務区域設定の許可基準がいろいろと並べられておりまして、その中に、地域といたしましては、これも少し冗長になりますが申し上げますと、第一号に、「その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有し、かつ、その相互間における電話による連絡が不便となっている地域を業務区域とするものであること。」第二号としまして、「その業務区域が同一の市町村内にあること。」ということで、業務区域の制限を作っておるわけでございますが、私どもも実際、今までこの法律を運用して参りまして、いろいろな場合にぶつかって参りますと、ただいま先生の言われましたような事例がときどき起こってくるわけでございます。そうして私どもも、常識的に考えまして、そういった必要性ということはわかるわけでございますけれども、しかし、そうかといって、そのためにそういうところまで含めて業務区域とするということは、どうもただいまの一号あるいは二号との関係上、私どももいささか踏み切りかねる。そうかといって、具体的に問題になっております加入者と申しますか、つまり有線放送電話を引ける人について考えればもっともな気もするというふうな場合が起こりまして、実は法律の運用上、いささか考えさせられる場合もときどきあるわけでございます。従いまして、そういった事情を十分考慮いたしまして、この法律につきましても、しかるべき機会に、場合によっては改正を考えなければならないというふうに考えておりますので、その点につきましてはなおよく慎重に検討さしていただきたいと考える次第でございます。
○橋本(登)小委員 私も松田監理官の言われたように、今の有線放送電話に則する法律の範囲においては業務区域が限定されておりますから、その区域を拡張するということはちょっと法律上できない、こう考えております。第六条でいうところの二項の「有線放送電話業者は、その業務区域を拡張しようとするときは、郵政大臣の許可を受けなければならない。」その二項は要するに同一市町村内にある業務区域の拡張、こういうふうに解釈すべきであって、当然これはその市町村から他の市町村の場合にはこの適用は受けられない、こういうことになるものでありますからして、私たちも他町村にまたがるような業務区域の設定は従来とも反対の態度をとっておりましたからして、従ってこの点は論外でありますが、今申したような点については、これは一つ十分の研究をしていただきたいと思います。 なお、こういうような問題に関連をして、第八条に、「有線放送電話業者は、もっぱら通話の用に供するための線路を設置してはならない。」こういうような規定がありますが、もしこれが公衆電話とつなぐことができる、あるいはこの法律の改正によってそういうことができた場合は第八条の規定というものは必ずしも必要がないのじゃないか、もっぱら通話の用に供するための線路を設置する場合は、これは団体加入電話の方式という法律がありますけれども、しかしながら必ずしもこの法律がなければいかぬという性質のものでもないのであって、従って有名無実の法律になる危険があるし、あるいはまた有線放送電話業者というものが、通話をいわゆるもっぱらにするところの仕事をしても必ずしも、前項によるところの業務の利益を目的として行なってはいけないとか、あるいは公益上必要であるというような制限規定がありますからして、いわゆる通話をもっぱらの用に供するような線路を設置しても差しつかえないことに精神的にはなる可能性がある。そういうことになれば、この第八条という規定はかえって有害無益である、こういうような解釈もできるのですが、この点に対してはどうお考えになっておられるか。
○松田政府委員 実はこの第八条の規定は一番この有線放送電話というものの性格を表わすための規定でございまして、ただいま先生のおっしゃいました事情は私どももまことによくわかるわけでございますが、ただこれを全部取っ払っていいかどうかという点につきましては最も慎重に考慮をいたさなければならないところではないかというふうに考える次第でございます。と申しますのは、この有線放送電話に関する法律というもの、つまり有線放送電話というものの特質というものは、有線放送もやっておる、それを利用してごく簡易な通話もやっているというような、そういう状況をどういうふうに表わせばいいかということにつきまして、私どももいろいろこの法律を作りますに際しましても苦労をいたしたわけでございますが、なかなかうまい工合にそれが法律的に表現できませんで、結局最後に落ちつくところはこの八条というところの規定で、もっぱら通話の用に供するものは含んでおってはいかぬ、そこで有線放送と同時に通話が行なわれるという状態を表わす基本的な規定としてこの規定を置いたわけでございます。しかしこれが公社の電話とつながるというふうな事態になって参りました場合に、これほど厳重にそのことをいわなければならないかということにつきましては、私どもも相当考慮はいたさなければならない。しかしそうかといって全然、全部通話の電話のためだけのものだというふうな形になっては有線放送電話というものの基本的な観念からもはずれてしまうというふうな点がございまして、この点は私ども、もし今後この問題を法律改正の問題として考えていきました場合には最も工夫をこらして考えなければならないところだと思いますので、一つその問題は慎重に考慮をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○橋本(登)小委員 私がこの条文を削除した方が有害無益にならないで済むのじゃないかと言うことは、しかし現在そうなれば当然今の団体加入電話という方式があるのだから、それでやればよろしいのではないかという議論も一つには成り立つのです。けれども、あの団体加入電話の法律を作ってみまして、あの法律の中には各人の必要に応じて各人が組合を作ってこれをやっていかなければならぬ。ああいうような有機的な仕事をする上においては非常に不便な点がある。従って必ずしも組合でなくとも、いわゆる一種のこういう電話業者といいますか——しかしながらこの電話業者は業務を営利の目的としてはいかぬという制限の加えられた有線放送電話業者でありますから、こういうものが、たとえば有線放送と、それから電話と、いわゆる多数共同の一種の電話ですが、こういうものを二つ同じような業者がこれを経営するということも、あるいは将来可能になってきはしないか。要するに有線放送の施設、たとえば電柱等はそれを利用すればできるのであって、従って線路の問題だけが残ってくる。そうなれば有線放送ということ自体も非常に必要なのであるから、これに相当の力も入れなければならぬ。けれどもまた将来農村における電話というものがかなり重要な地位を占めるに従って、有線放送と電話を兼務することが非常に非能率的であり、便宜が十分にはかられない、こういう事態が農村文化の発達と同時に起きてきますと、電柱を利用して有線放送の線路といわゆる専門の電話に関する線路と、こういうものを引く可能性が出てきはしないか。そうすれば電柱代が助かるのですから、費用としては三分の一なりあるいは四分の一なりの費用で専用の電話を引くこともできる可能性がある。こういう点からして、そういう事態ができた場合においてはこの第八条というものがかえって障害になる危険がある。であるからいっそのこと、もし将来この種の全体的な関係において行なう場合は第八条の規定を緩和するなり、あるいは削除するなりすることによって農村の簡易電話というものを普及せしめるという建前をとることの方が政治的にも有利でなかろうか、こういうふうな考え方から今の質問をしておるわけでありますが、今の私の考え方を基礎に置いての当局の御意見を一つお聞きいたしたい。
○松田政府委員 実はお言葉ではございますが、この問題につきましては、ある限られた地域におきまして純粋に電話だけのもの、そういうものを公社の手ではな別に認めてもいいかどうかという問題になってくると思いますので、ただいままで私どもが考えておりましたのは、有線放送とこれを利用して行なわれる通話、従って有線放送電話、そういうものについてはまあいいだろう、しかしほんとうに純粋に電話だけ行なわれるというふうなものは、これはやはり公社がやっていくべきであって、その場合に対してごく例外的にできますのは、たとえばいわゆるPBXと申しますか、そういうふうな程度の例外はございますけれども、ある範囲、ある地域に広がって、そういった公衆用の通信というものを専用に、その電話のためだけにやるという建前というものは現在の公衆電気通信法では考えていないわけでございます。そこでそういった普通電話だけのためのものを、たとい限られた地域であるにしろ認めていいかどうかということは、この点は確かに議論のある点だと思いまして、そういうものは一がいに排除すべきであるかどうかという点については、いろいろと考えなければならない面もありますけれども、少なくとも従来公衆電気通信法あるいは有線電気通信法としてとって参りました建前からいたしますと、やや原則論に触れてくる点が考えられる。しかし有線放送電話として全体として有線放送電話がある中に、若干、もっぱら通話のため、つまり電話のためだけに使われる線が、ある部分でできているというふうな程度のことなれば、あるいは状況によってはやむを得ない事態であるかもしれない。そしてそのことは、それだけでは、先ほど申し上げました電話についての根本観念、根本的な考え方というものを変えていることにはならないだろうというふうに考えられる次第でございまして、電話についての運営の基本的な観念に触れてくるというふうな問題につきましては、私どもは、いかにそれが限られた地域でありましても、やはり相当慎重な考慮をしなければならないというふうに考えておりますので、その問題につきましては、この有線放送電話に関する問題を扱って参ります場合に、一つこの委員会の先生方ともよく御相談を申し上げて、慎重に検討して参りたいというふうに考えております。
○橋本(登)小委員 まあこれは重要な問題でありますから、十分一つ御研究願いたいのですが、ただ、最近における有線放送電話の使用状況を見ましても、当初は有線放送が主であって、電話は必要なる範囲内においてこれを扱っておるというのが、発生当時の状況ですが、最近の状況を聞きますと、ニュースの時間及び放送の時間というものを限定して、そしてその他の大部分の時間を通話時間としておるのが、最近の有線放送電話の実情のようであります。従って、有線放送を通じてラジオを流すとかいうことは、ほとんどニュース以外は考えておらないようであって、ラジオを通じて流すのはニュースの時間だけであって、あとは農業協同組合なり市町村の公示事項の有線放送並びに緊急事態に関する有線放送、こういうだけであって、普通は、原則的には、時間をきめて、その有線放送時間というものを使っておる。その他の大部分の時間というものは、いわゆる通話に使っておるのが、最近にできた有線放送電話の実態だろうと思う。そういうような実態から見ても、将来の発展過程から考えても、やはり今申しましたような、もう少し緩和の状況を作っていくことの方が、将来これらの運用上必要ではなかろうか、こう考えますので、この点も御研究おきを願いたい。ただ、御承知のように、私設交換、いわゆるPBXの問題は、八幡製鉄とか、大きな工場になりますと、二つや三つの町村が入るくらいの地域が、PBXの範囲になっておる。従って、地域的に見ても、必ずしもこれは現在の農村放送、いわゆる有線放送電話が地域的に広いということにはならない。あるいは、業種が多少違っておる、こう申しましても、今のいわゆる大きな総合工場においては、あらゆるものを、たとえば鉄鋼をやっておるところにおいて、一方においては硫安をやっておる、あるいは化学をやっておる、こういう工合に、業種自体も、会社の経営は同じであるけれども、幾つかの業態を兼ねたものを、現在のPBXは扱っておる。こういう状況から見て、いわゆる電電公社のやる公衆電気通信というものと、そうしたものがやるものとは、どこか別な面で区別をすべきであって、たとえば、全国的にこれをつなぐことができないとかいうような基本的な点でこれは区別をすべきであって、枝葉末節の点であまりに異を立てれば、かえって電話文化の普及を妨げる結果になる。こういう点を一つ御研究おきを願いたいのであります。 もう一つお聞きしたいことは、従来、今の有線放送電話の中で、有線放送電話業者が二つもしくは三つあった場合に、これらの相互の連絡をすることができないことになっている。これはいろいろな事情からして、第三者から見れば、改組をしてこれをいわゆる一つのものにすればもちろんこの問題は解決をすると思いますけれども、現状では、農業協同組合というものが旧市町村単位、あるいはところによっては大きな部落も別に持っておる。あるいは酪農等は同一区域内に別の酪農協同組合というものを作っている。こういう形で、必ずしも現在の新しい市町村の単位というものと農業協同組合の単位というものは一致しておらない。ほとんど大部分は、旧市町村単位に農業協同組合というものが設立されておる。そういうことからして、われわれ第三者から見れば、有線放送に関する限りはそれらを超越をして改組をすればよろしい、こう簡単に考えられるのですが、そういう発生的な原因及び有線放送施設に関するところの負担金の負担の問題、あるいは損益もありましょう、そういう事情からして、簡単に甲の施設をしておる農業協同組合の有線放送電話と、同一町村内の乙の有線放送電話というものが一緒になりにくい事情があるだろうと思うのです。であるからして、この問題は、いわゆる大原則である同一市町村区域から出るのではないのでありますからして、必ずしも施設者が同一の形態でなくともこれらをつなぐことができるような措置を講ずることが、この法律の根本に触れるとは考えておらない。従ってこの有線放送電話に関する法律の一部を改正すれば、これが相互連絡をすることが可能になるのでありまして、この点、私は当然、同一市町村区域内ということが原則であるから、その主体者が、あるいは甲と乙とに分かれておっても、それらが何らかの行政指導によって、形式上の一本化をすればこれの連絡を認める、こういう方法も可能であろうし、あるいは積極的に法律を改正することによって、同一市町村内における幾つかの有線放送電話はこれをつなぐことができる、こう積極的に直しても、法律及び現状には大きな影響は与えない、こう考えておるのですが、この点に対する当局の考え方をお聞きしたい。
○松田政府委員 ただいまの御質問でございますが、この問題につきましては、実はここで申し上げるのもはなはだおこがましい次第であると存ずるのでございますが、この法律を作りましたときの根本的な観念から、ちょっと申し上げた方がいいのじゃないかと思いますので申し上げさしていただきますが、実は、この有線放送電話と申しますのは、何と申しましても、公社が日本全体の電話をやるという大原則からは例外的な考え方でございますので、そこでこの法律を作ります場合に、結局私どもが考えましたのは、ある特別な必要というものを持っている一つの地域、その住民を含めまして、一つの団体と申しますか、そういったものの中の通信というものであれば、これは現在の有線電気通信法の建前あるいは公衆電気通信ということの考え方からいきますれば、少なくとも人格が違っている間の通信というものは公衆電気通信と考えまして、それは大体原則として公社がやる。従ってそういったものがお互いに話し合うというようなものは、他人の通信の用に供するというような規定にひっかかる、そういうような押え方になってきめられておりますが、要するに人格の違うものの間の通信というものは大体公衆通信と考えて、従って公社がやるという原則であったわけでありますが、それに対するこういった地域的な、特別な必要ということから考えまして、その地域で一つのまとまった団体が自分らの団体の中——団体の中というと少し語弊があるかと思うのですが、ある地域の中で一つのまとまった団体が運営をしていくというような形であれば、その中の個人間の通話も、これは公衆通信ではあるけれども、これは例外として認めていいのではなかろうか、それだけの必要性があるのではなかろうか、従って一つのまとまりを持っている団体と申しますか、地域的な社会と申しますか、その限度においてなればいいだろうという原則でこの法律ができたわけでございます。従いまして、そのまとまっている団体として許可を受けているものが、他のまとまっている団体として許可を受けているものとの間に通話をするということは、たとえ同一市町村内でございましても、必要性から見ればそれは乏しいものである、あるいはそういったものの間の通信というものはやはり公社がやるべき公衆通信と考えていかなければならないというふうな観念をもちまして、従ってその違った有線放送電話事業の間の通話というものは認められない。たといそれが同一市町村内でありましても認められないという観念をとっているわけでございます。ただ、その事情がいろいろと変わりまして、もともと二つになっておりましても、これがそのときその状況によりましてやはり一本として考えるべきであるということで一つのまとまった団体になり、一つのものとして有線放送電話の許可を受けるということになりました場合には、これはまとまったそのものが一つの団体、一つの地域社会というふうに考えたわけでございますから、その場合には、その中の通信というものはもちろん差しつかえないということになるわけでございます。ただ、それが他市町村にまたがる場合には、市町村ということを単位としていっておりますからだめでございますけれども、同一市町村の中であればこれは法律上差しつかえないという考え方になるわけでございます。またそういった基本観念をとっているわけでございます。従いまして、現在の事情としていろいろとそういった問題も起こってはおりますけれども、やはり違った有線放送電話事業として存在している限りは、それだけの必要性あるいはそれだけの事情というものがあってできているわけでございますから、そういった事情のもとでつながしてくれという要望に対しては、私どもは基本的な観念としてやはり許すことはできない。しかし、それがまとまって一本であるということで有線放送事業としての一本の形になったという場合には可能でございますから、もしほんとうにその地方の事情がそうなっているのであれば、それは一本化してもらいたい、一本化されれば私たちはその中での通話というものは法律上可能であるからということで、大体ほんとうに必要で、その地域の状況がそうなっている場合に、ただいま申しましたような工合に形が変わって、事実上満足されている場合もございます。しかし、いろいろの事情がありまして、そうならないで、ただつながせろというような要望もございますが、それはやはりそれだけの機運が熟していないというふうに考えて、私どもは認められないということでやってきている次第でございます。そういった事情にございますので、ほんとうに必要性のある場合には、お互いに有線放送電話を運営されておられる地方の方と話し合うことによって、まあ大体原則とも矛盾しない、具体的な状況にも妥当な結果ということで解決し得られるのではない、だろうかと考えております。
○橋本(登)小委員 松田監理官のただいまのお答えは、現行法におけるところの措置ですが、当然現行法によればそういうような指導をせざるを得ないのです。ただ、先ほど来最初に質問しました有線放送電話と公社の電話とをつなぐことが将来法律改正によって可能である、こういうことが出てきた場合は、この経営主体が別であっても、当然この問題にひっかかってくると思うのです。一方は公社であって一方は有線放送業者ですが、この有線放送業者の電話を第三者の電電公社の電話につなぐということがもし改正上行なえるということになれば、当然この問題にもひっかかってくるのではないか。であるからして、最初質問しましたその問題がもし将来解決せられるならば、当然これに関連してこの問題が解決をせられる根拠が出てくるのではないか、こういうことなんです。もちろん現行法でやるということになれば、監理官が言われたように、行政指導によって一つの経営主体に直さなければいけませんけれども、そうでなくして、先ほど来質問しているように、公衆電話とこれをつなぐことが将来法律上可能ということになれば、同じ二つの主体がつなげるのであるから、当然同一市町村内の電話をつなげてやることにしなければ筋が合わないのではないか、こういうことで質問をしているわけであります。
○松田政府委員 ただいまの御趣旨は私どもよく考えていかなければならないと存ずる次第でございますが、この法律でできておりますいわゆる事業体の中の通信という観念だけで割り切っていくか、あるいはそれをもう少しゆるめた場合、従って、ただ今度は地域的な制限、たとえば市町村の中というだけの制限で考えていくかというふうな問題になりまして、前の原則をゆるめますということは、ある意味では一つの基本観念と関連してくる問題も生じて参りますので、その点はちょうど先ほど第八条の問題についても申し上げましたように、相当基本観念とかかわりがあるという点を私どもも十分頭に置きまして、よく検討して参りたいと思います。
○淺香小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会