逓信委員会 第5号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/02/17
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告があります。順次これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案の内容についての説明はお聞きいたしましたが、大体においてその制定の理由が公正妥当であることは了解できるのでありまするが、今回提案されましたこの法律案と、この法律案が通過することによって廃止せられる現行の電話設備費負担臨時措置法の制定の基本的な考え方についての相違を御説明願いたい。
○松田政府委員 お答え申し上げます。従来の負担法も大もとの考え方からいたしますれば、やはり加入者となるべき方々に対して資金の御協力を願って、電話の拡充を進めていくという点においては同じでございますけれども、ただ従来の負担法の考え方には、何と申しますか、加入者の方々は受益をされるわけだから、ある程度負担というものをしてもらっていいのではないかという考え方が、どちらかといえば強かったというふうにも考えられるわけであります。と申しますのは、そもそもこの負担法の成立の当初のときには負担金といういわば公社に納めっぱなしの金額だけで成立しておりました。それが途中から、たしか二十八年からと思いましたが、債券を持っていただくということがつけ加わりましてできておったわけでございますけれども、今回の法律につきましては、負担金ということは全部やめまして、もっぱら債券を持っていただくことによって協力していただくということにしたわけでございます。従いまして今度の法律の場合には、今後電電公社が現実に非常に電話の需要の熾烈な状況にかんがみまして、どうしても相当大きな計画でもって進めていかなければ、とても電話の申し込みをしている者に対して、電話がつけられない、つまり積滞数というものが増加していく一方ですから、それでは日本のこれからの経済社会の進展に即応できない。そこで幾らかでもその積滞数を減らしていって、遠いといえば遠いわけでございますけれども、とにかく十三年後、つまり第二次五カ年計画が終わりまして、あと三年いたしまして、それからあとの十年間というものでもって大体需給のバランスをとるというということにつきましての計画を作りまして、それをやっていく間というものは、どうしても加入者の方の協力を得なければ、その計画がやっていけないということで、そういう点から加入者の方の協力をいただくということで今度の法案ができたわけでございます。 それからもう一つは、そういうわけでこれは省令できめてはおるのでございますが、加入者の方に持っていただく債券につきましても、利息としては六分五厘ということで、どちらかといえば低い利息できめておったわけでございますけれども、今回はいわゆる政府保証債とおおむね均衡を失しないようなことを旨として、発行条件もきめていくというようなことにいたしまして、極力経済的にはバランスのとれた形でいく、ただ資金的に協力をしていただくために、債券を持っていただくということを基本的な趣旨として法律案ができておる点、これが前の法律とは法律的な観念としては基本的に違っておるというふうに申し上げていいかと思います。
○橋本(登)委員 後段の方はそれでよろしいのですが、前段の方をもう少し掘り下げてお聞きしたいのです。前の法律は御承知のように、電話設備費負担臨時措置法というふうに、負担という言葉が使われておる。今度新しく制定されようとしておる法律は、拡充のための暫定措置に関する法律案、表面からいうと大体性格が異なっておるわけであります。もちろんその最大の、実際上の必要の理由は、電話の需要の増大にかんがみて、現在の措置では間に合わないということはわかるのですが、その点は一応おきまして、設備費を負担させるという臨時措置法という法律論は――一応法律は万能で、通ったのですから、これによって今日までやってきたことはよろしいのですが、その設備費の一部を負担させるという考え方と、今度の法律案というものは、設備費の一部をも負担させない、全部電電公社においてこれを措置する、こういう法律案で、性格的には法律上の性格に相違があると思うのです。その点をお聞きしたがったのです。ことにこういう法律が通っておるのですから、これが今後においてどうこうという問題は起きはしませんけれども、従来設備費の一部を負担せられたその特定の人たちというものはどういう立場に置かれるかということですね。これらの人及びこの法律のできる前の人はそうした設備費の負担をしょわなかったのですが、これができた、いわゆる設備費負担臨時措置法ができて、今度廃止せられるまでの特定の加入者というものは設備費の一部を負担させられる、こういうものに対してどういうような考え方で――法律的には別問題として、考え方としてはどういう考え方をすべきか、こういうことが一つの質問の要点なんです。
○松田政府委員 実はその点につきましては、電話の拡充とその加入者の方に対する関係というものをどういうふうに考えていくかということになるわけでございますが、私どもといたしましては、電話というものは範囲が広まれば広まるほど、あるいはサービスがよくなればよくなるほど、それだけ加入者は非常に便利になるわけでございまして、昔の、それほど加入者もなかった、また市外電話をかけるにしても非常に高い特急通話をしなければならなかったりあるいは即時でもなかなか出なかったりというような状況であったものが、最近においてはだんだんとよくなってきつつある。そういう点において、ある昔の時期において非常に不利な条件に置かれて、そのときに入ったということは、確かにそのときの状態としてはある意味で言えばお気の毒であったわけでございますけれども、それがよくなる状況というものに従って本人の利用し得る状態は非常によくなってきている。それからその便宜というものも時々刻々に改善されるに従って享受できるということがございますし、今度の負担法の場合にいたしましても、前に負担金として一応持っていただいてはおりましたものの、それによって電話の状況というものは、その初めのときよりはそのおかげによりまして相当範囲も広まっておりますし、それだけの便益というものは、従来の状態においても得ておられるということにも考えられるのであります。それから今度の新しい法律によりまして加入される方々は、経済的には前のように負担がございませんけれども、ある意味からすれば債券の引き受け金額というものは前よりもふえておるわけでございますが、そういうことがありましても、とにかくそのときに参加された加入者の方々というものは、範囲が広まれば広まるほど、またその資金によって電電公社のサービス状況がよくなればよくなるに従って全体として利益を増していかれる、そういう性格のものだということで、加入者の方々に若干そこに条件の変化がございましても、状況の進歩に従って利益が増していくということで一つ御了解をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○橋本(登)委員 どうも答弁がつぼに入っておらぬようですが、この問題は突然に僕から質問したので、かえって混乱さして申しわけないと思います。もう少しこれはあとで監理官並びに公社幹部当局で打ち合わせてもらいたい。要するに、今までは設備費の一部を負担させておったものを、今度は設備費の一部を負担させないのですから、そこに性格上の相違がある、観念上の相違が出てくる、それだけでは不十分でかえって誤解を招きますから、これはこれ以上ここでやるとかえって迷惑をかけますから、これ以上は追及しませんが、一応この問題についてどう考えるべきかという考え方ですね。法律的にはこういう臨時措置法が通ってそれが施行されたのですし、法律は万能ですから、その間においての行為が無効だとかあるいは損害賠償の対象になるとかいうような議論は出てきませんけれども、しかし、ものの考え方としては、ある一定期間は設備費の負担を利用者がさせられた、その前後においてはさせられない、こういうことはやはり観念上の考え方の相違が出てこないと、そういうものの解釈、法律上の解釈なりあるいは政治的な解釈なり社会的な解釈というものが成り立たない。今までの説明では不十分ですから、この点はあらためて一つ郵政省幹部当局とよく打ち合わせの上、今回の拡充のための暫定措置法に変わった基本的な考え方、これをもう少し御研究願いたい。 第二の問題は、この法律案が一応最高十五万円――最低もきまっておりますが、最高十五万円という限度で利用者の引き受けるべき債券の額を法律案できめるわけですが、最高十五万円という金額をきめた根拠――一応内容にすぐ入ってお聞きしますが、その最高十五万円を限度として――あるいは前の質問者からこういう点についての質問があったと思いますが、ちょうど私からだが悪くて休んでおったものですから、恐縮ですが、この根拠になるべき考え方を一つ御説明願いたい。
○松田政府委員 細部の点につきましてはあるいは電電公社の方から御答弁申し上げた方がいいかとも思いますが、大体の考え方だけを私から御説明申し上げますと、今回の拡充計画を実施していくにつきまして、大体今のところ一加入者当たりどれくらいの経費がかかるかということを全体として考えて参りますと、これから新設をするについてでございますが、一人当たり三十数万円というものがかかる勘定になるわけでございます。そのうち特殊なものを除きまして、通常の加入者ということで考えて参りましても大体三十万円見当はかかる勘定になります。さらにもっと詰めまして、ほんとうに全体のものが改善されていくというような点を除いて新しく加入者の増として考えていかなければならない設備、施設、その他のものを考えましても大体一人当たり二十一、二万見当の金はかかってくるというようなことが電電公社の現在の状況でございます。そこで私ども考えましたのは、これは電電公社の資金の見当からもくるわけでございますけれども、大体その半分の十万円くらいを加入者の方に持っていただければ、ほかの公社の自己資金あるいはその他から参ります資金等から考えまして、これくらいの金額として全体集めたものを合わせればほぼ拡充が間に合っていくということにもなりますので、両方考え合わせまして、大体一人平均十万円というような程度で考えて参りました場合に――これは平均としての数字でございますので、これには当然多数の加入者のある大きな局と小さい局、これは経済的にあるいは社会的に考えました場合に、どうしても電話というものの利用価値というのは、大きな局の方がそれだけ大きいわけでございます。小さい局は少ないというふうに考えられます。また一方、電話の料金を決定いたします場合にも、そういった考えでもって基本料等はやはり差別がついておるわけでございます。そういう考え方で、十万円を中心にいたしまして、大体最高十五万円、最低二万円といたしまして、それをほぼ比重をとりました平均をとってみますと、大体十万円ということになるわけでございまして、同様の考え方は、前の負担法でもとっておりますので、その負担法の例も参酌いたしまして、大体最高十五万円、最低二万円以内ということで法律案を定めたわけでございます。
○橋本(登)委員 説明が不十分ですが、これはまあ、かえって公社当局にお聞きした方がいいんでしょうが、この最高十五万、まあ平均どれくらいになるか知りませんが、この公債額を決定した根拠は、今監理官からお話があった点もその一つだろうと思うのですが、もう少し合理的にといいますか、数字的に御説明願いたいのです。要するに、今度の案の説明によりますと、昭和四十七年度において電話の需給バランスが、平均といいますか、バランスがとれる。その根拠は、三十三年もしくは三十四年、過去二年ないし三年間の新しき需要増の状態にかんがみて、なお最近における施設等あわせて考えて、これらが将来伸びるべき需要増をなおそれにプラスして、そうして昭和四十七年度になると大体需給のバランスがとれる。これはまあ、しかしながら、表からの見方と裏からの見方と両方ありますから、現在の国民所得といいますか、国民の電話に入り得る能力、経済能力、こういう点を勘案して――もちろん電電公社として、これを五カ年間に需給のバランスがとれれば、一番いい案だろうと思うのです。あるいは五カ年間にできないにしても、次の五カ年間、合計して十カ年間、その間にそういう需給のバランスがとれるという数字が出てくれば、なお次善の策としてはいいだろうと思うのです。しかしながら、現在の日本の資金面の上から考え、公社の面から考えて、そういうところから逆算をして、そうして四十七年度という数字が出てきたのではなかろうか、こう私は考えるのですが、そうでなくして、一応電信電話の需給のバランスを、目標として十二年後に置く、あるいは十五年後に置く、こういう目標のもとに、現在の財政面の収支のバランスを考えて、そうしてこういう数字が出てきたのか。もちろんこれは、そうは言っても、一方的に考えられぬから、その両方の面ももちろん加わってくると思うのですが、今の監理官の説明では、その点が少し不十分でありまして、もちろん原案は、公社当局が相談にあずかって作ったものだろうと思いますからして、公社当局から、どっちに重点を置いて、この最高十五万、最低二万、平均して何万になりますか、そういう公債額をきめたのか。それとも重点が、現在の国民所得というものから考えて、大都市、いわゆる東京、大阪等においても十五万円以上は無理である。であるからして、いろいろ社会的条件から考えて、この程度が最高であるという点をまず抑えて、及び公社の収入等の面とを合わせて、そこで結果が、その数字を合わせていくと昭和四十七年になったのか。その点を、やはりこの法律案としてはもう少し明確にしておいてもらいたいと思いますから、その点の説明をお願いいたしたいと思います。
○大橋説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、元来これは橋本先生、私よりかえって前からの関係はよく御存じだと思いますが、第二次五カ年計画を初めて作りましたときの関係から見ますると、当時の考え方としては、四つの目標が理想として掲げられたと承っておるのであります。 第一の目標は、当時積滞数というものが非常に多い。このままどうも漫然と計画を立てておるということは、将来に対する計画としては不十分だという見地から、第一の目標として、将来は、年々新規の申し込みよりも架設の数を、相当上回った数を架設いたしまして、十五年後、つまり第二次、第三次、第四次の五カ年計画というものを遂行して、その後の十五年先をまず大体の目標といたしまして、この積滞数を一掃しよう。むろん当時の考え方としては、十五年先なんというのはずいぶん気の長い話でありまして、おそらく理想としては、ただいまお話のあったように、五年もしくはいかにおそくとも十年ぐらいの間には解消したいという気持があっただろうと思いますけれども、何分にも非常に金のかかる話であります。財政状態その他から考えまして、不十分であるけれども、まず十五年先というところに目標を置かれたのだろうと思います。それが一つの目標であります。 それから第二は、同じく十五年先の四十七年度の終わりまでに、市外通話を全部即時に改める、これも一つの目標であったと聞いております。 それからさらに第三の目標は、全国の電話を九五%まで自動化する、これもやはりその目標を十五年先の四十七年度の終わりまでに置いておったようであります。 そのほかにさらにつけ加えて、第四の目標としては、従来農村に対して非常に電話の普及がおくれている。これに対しては、一般の計画のほかに、政策的に考えて、できるだけ早くそれをもう少し進めなければいかぬということで、特に町村合併の場合の電話、これは統一町村内で非常に少ない、あるいは無電話部落の解消ということ、これは十五年なんということではいかぬわけでありますから、少なくとも第三次五カ年計画の五カ年内にこの方は完成しよう、かような理想のもとに、当時の第二次五カ年計画というものを組み立てられたように私ども承ったのであります。 ところで、いよいよこれを実行してみますと、これまた御承知の通り、当時の五カ年計画の考え方としては、年々新規の申し込みが二十四万多分あるだろう。それに対して、平均して二十七万ずつかけていきますと、まあ三万ずつではありますけれども、多少少しずつ減っていく。そうして十五年後には、まず予定の通り積滞を解消できる、こういう考え方で出発しておったのでありますが、いよいよ実行してみますと、二十四万、二十七万はおろか、三十万をこえて二十六、七万という新規の申し込みがどんどん出た、申し込みがあった。それに対しまして、このままこれを実行しておったのでは、ますます年々積滞がふえる一方でありまして、十万以上の積滞がふえる。これではいわゆる百年河清を待つというものでありまして、せっかく五カ年計画を作ったということが意味をなさなくなるのじゃなかろうか、かような考え方で、第二次五カ年計画の体系をということで、五カ年間の計画の当初でありましたけれども、残った三年間について体系を改めた、こういうことになったことも御承知の通りであります。 それで、当時の目標といいますか、発達調査の当時の考え方が、第二次五カ年計画を策定したときには少し甘かったかと、今日から見て考えられるのであります。当時は、大体経済の発達と並行して電話の加入申し込みがあるだろう、こういう目途のもとに計画を立てたのでありますが、その後のいろいろの調査によりますと、どうも電話の申し込みというのは、経済発達よりも、並行するのじゃなくて、もう少しプラス・アルファが加わった状態である。いろいろ外国の例を調べてみましても、大体そのようになっておりますので、今度の改訂の際には、それに最近の実情を加味しまして、相当上回った加入があるもの、かように考えまして、とりあえず、加入申し込みの増加がありますので、平均四十三万の新規の電話を増設する、こういうことに改めたわけであります。ただし、せっかく立てられた十五カ年の目標は依然として掲げまして、それまでの間に、あと残った十三年間に所期の目的を達成したいというような考え方で計画を進めたわけであります。そういたしますと、従来の負担法、これはむしろ両院でできるだけ早くやめろという決議までいただいたのでありますけれども、この情勢ではこのままやめたのではとうてい計画は実行できない。そこでいろいろ工夫をこらしたのでありますが、むろん自己資金のほかには財政投融資をまず考える、また一般公募ということも考える、こういうことが理想としては正しいのであります。しかし実際の問題として考えてみますと、財政投融資にしましても、公募にしましても、国のいろいろな事業――公共事業その他官営のいろいろな事業に金が配分されるのでありまして、電話事業だけのためにそう十分なことはとうてい期待することは困難であろうということで、何か別のことを考えてみなければならない。さりとて加入者に設備費の一部を負担していただくことは変則的でありまして、できるだけ避けなければならない。ことに電話事業においては、御承知の通り、始まって以来ほとんど負担という観念で貫いて参ったのでありますが、しかし今日の時勢から考えてみますと、加入者に設備費の一部を負担していただくということは何としても避けなければならない。そこで今度は負担という観念はやめまして、しかし資金の調達には一般国民と同じ立場に立って協力していただきたい。それには負担金というものをやめるかわり社債の引き受けを少しよけい引き受けていただきたい。それについても、従来の負担法ではやはり引き受けの観念はありましたけれども、これはやはり負担という観念が基礎になっているものですから、一般の公募の場合よりも利率も悪くて、一般公募は七分の利率に対して引き受けの場合は六分五厘の利率で払うという不利益な状態でありました。これはやはり根本に負担という観念が横たわっておった関係だと思いますので、今度の法案におきましては、先ほども説明がありましたように、もし一般公募が七分であるならば、今度の引き受けの場合も七分ということで資金調達に協力していただくという建前でこの法案ができたわけであります。その点から言いますと、大体負担という観念をやめて資金調達に協力していただくという観念で一貫したつもりであります。 そこでただいまの十万円の問題ですが、これは先ほど監理官から御説明がありましたように、根拠はやはり直接架設に要する二十万円というものの半分を資金調達の意味で協力していただく。そこでこれをすべて平均して十万円ずつ引き受けていただくかどうかということになりますと、従来の負担法の時代にも、たとえば東京は負担金三万円、債券の引き受け六万円、合計九万円ということになっておりました。当時は負担金並びに引受金を合わせまして六万円というのが全国平均であったのでありますが、その場合に、一級地というものに対しては、平均の五割増しのものを負担していただくという建前でありました。この五割増しということはどういう根拠か実は私よく存じませんが、大体腰だめといいますか、一般常識として、大体大都会の方は電話の効用も大きいのだから、いなかの効用の少ないところよりもよけい負担していただけばいいのじゃないか。それではなぜ平均五割にとどめたかということになりますと、これは私は特に理論的根拠があるとは考えません。およそ常識できめられたことだと思いますが、今度割り振る場合も、大体そのときの観念に準じて、一級地は平均の五割増しというところにきめたのでありまして、理論的根拠をお尋ねいただきますと、実は申し上げる根拠はありません。大体においてこれはやはり建設費の半分の費用調達を援助していただくということが根拠になっておりますので、十万円ということは今申した以外に特別の理論的根拠はないと思っております。さようなわけでありますから、ごく常識というか、従来の例にならってこの級別に割り振った、こういうことに御了承願いたいのであります。
○橋本(登)委員 総裁の説明でだいぶ了解するところが多いのでありますが、松田監理官からも詳細な補足説明がありました。おっしゃる通りに、現行の負担法というものは好ましくない法律であったということを当局でもお認めになっているようですが、われわれも好ましくない法律であったと思う。あとで理屈を言えば、おれは公社に対して一部の権利を持っているのじゃないかという考え方を通念的に起こさせるという意味でも不適当な法律であったのですが、当時のやむを得ざる情勢上どうしてもそうしなければある程度の資金が調達できなかったというので、ああいう法律案を提出せられて本院の議決を経たわけであります。 そこで私が聞きたいことは、今お話があった改訂計画案については、総裁からお話があった通り、われわれも当初からこれに関連しておって、そういうような十五カ年計画を基礎にしておるということで拡充計画案というものが今日まで進められておったのですが、ただ今回の法案と前の負担法とは性格において非常に根本的な相違がある。それたけに、これを別な意味から言えば、この法律を施行することによって、実際問題としてあらためて新計画が発足したと考えていいのじゃないか。提出された予算案の作り方なり従来の説明は、やはり基本的な考え方をかつての十五カ年計画に基礎を置いているけれども、実際は、この法案が提出されることによって、あらためて拡充政策に対する具体的な考え方が発足したのであるから、これからものを考えていっていいのではないか。というのは、前の措置法というものは不適当な法律であったが、当時やむを得なかったということで両院の了承を得ておるのですが、今日その措置法を廃止をしてこれにかわるということは、法律的に見て非常な大英断であり、公社並びに郵政当局の一大進歩であろうと思う。それと同時に、それだけの英断と新しい考え方で発足したのですから、三十五年度をもって新計画の第一年度と考えていいのじゃないか。そういう考え方からいくと、昭和四十七年度をもってというのは、結局これを通算すると十二万年計画ということになるのですが、かつての十五カ年の計画というものを一応頭の中に置いて、暫定期間をそういうように解釈をしていくというところに十二年という考え方が出てきたのだろうと思う。その基礎となるべき拡充暫定措置法――拡充という言葉が法律の上に使われたのは今回が初めてでありますが、こういう新しい立場で発足する以上は、十二カ年という数字を切らずにこの三十五年度をもって第一年度と考えて、そこでもちろん第一次五カ年計画といいますか、今後の五カ年間でこれを完成することは不可能であるが、十年なら十年という考え方でいわゆる予算案の内容というものを考えてもよかったのじゃなかろうか。そうすると、もちろんこれは財政投融資の面においても相違が出てくるし、十五万円の問題についてももちろん考え方が変わってくる。それと予備資金といいますか、かなり重要な面としては海外に社債を求めるという考え方も含まれてくるわけですが、もちろんそれらの内容に多少の変更はありますが、いわゆる三十五年度をもって第一年度と考える。もちろん五カ年間ではこれが実現は困難でありますからして、これを十カ年、いわゆる昭和四十五年度に完成をするというような考え方があってもよかったのではなかろうか、こういう点を考えるわけであります。暫定措置法として十二年は長いという意見が一部ではあるようですが、必ずしも十二年がいかぬとか十五年がいかぬということを私は言っておるのではなくして、もう少しものの考え方を基本的に考えていく。三十五年度をもって第一年度として十カ年間にこれだけの仕事をやる、需給のバランスをきめるという一つのめどがあってもよかったのではなかろうか。こういうような意味で先ほど来からの十五万円の問題を中心にしての説明を聞いておるわけてありますが、その点一つお考え方を説明願いたい。
○大橋説明員 ただいまのお話きわめてごもっともであります。実は現実の考え方としては、今お話の通り昭和三十五年が新発足でむろんいいのであります。従いまして、前の五カ年計画というものを考え直して三十五年からの新しい五カ年計画を立てるということの方がもう少しあるいは正しい考えであったかもしれません。しかし私どもといたしましては、すでに一応当時から両院等で大体御了承を願っております五カ年計画というものが認められておるのですから、なるべくならこれをもとにした考え方で進んだ方がよかろうというので、残った三年について改訂する、こういうことでいったのです。この考え方はあるいはこそくであったかもしれませんが、一応私どもの考え方としてはさようなことで出発をいたしたのであります。それにいたしましても、あと十三年でありますか、十二年でありますか、昭和四十七年まででこの積滞を一掃するという当時の考え方、あるいは最近の情勢からいえば、もう少しこれを短くした方が、考え直した方がいいんじゃないかということもむろん当時私どもの頭にあったのです。現に、ことしの正月私大阪に参りまして皆さんに今度の予算案等の関係を説明をいたしたのでありますが、そのときにやはり四十七年度末に積滞を解消するんだ、そのことが根底になってこの予算が組まれているということを申し上げましたところが、あとでだいぶいろいろ批判をこうむりまして、最近は月の世界への旅行も近いうちにできるという世の中に、十三年もかかってずいぶん気の長い話じゃないか、そんなことではだめだというおしかりをだいぶ受けたのであります。しかし現実に即して予算を組む立場となりますと、理想案としては十三年をあるいは八年にする、五年にするということは一そう好ましいのであります。しかし現実の問題に当面しますと、そこまで踏み切るだけの勇気を持ち合わせていなかったのでありまして、その点皆様のおしかりを受けるかもしれませんが、一応大体着実な計画のつもりで十二年の間に完成しようという従来の考え方に立脚してやったようなわけであります。しかしながら、今後のいろいろ経済発達の状況等にかんがみ、あるいは先ほど御指摘のありましたように、外資等の導入も、もし今までよりも非常に楽にできるということになりますれば、残った十三年という計画をさらに八年に縮めるとか、せめて十年くらいにこれを縮めるということは考えられぬわけでもなかろうと思います。しかし、これらのことはこの一、二年の様子を見まして次の五カ年計画の策定の際あたりに、もう少し根本的に考え直したらどうだろうかというのが、現在私どもの考えておる考え方であります。
○佐藤委員長 橋本さん、NHKが見えておりますから、あとの質問者にお譲りを願いたいと思います。
○橋本(登)委員 あとは次の機会にお伺いしますが、最後にちょっとこれだけ締めくくりをしておきたいと思うのです。 お答えによりまして、大体のお話はわかりましたが、ただこの機会に、もちろんこれはわれわれ自民党としては郵政省からのこの案について審議してこれを通しておるのでありますから、これが一応最善の案とは考えておるのですが、しかし、これからの審議の途上においてそういう問題が出てくるだろうと思う。十三年間というような考え方でいいか、あるいは私の今言ったような、三十五年度を第一年度として十カ年間でこれを完成するのがいいか、こういうことが今後の審議の問題の重要な点になろうと思います。従って、恐縮ですが、三十五年度の予算はこれを変えようがない、三十六年度以降に変化が出てくるわけですが、それらの資料、もしそういう場合にはどうなるかという資料を一つ整えておいていただきたいと思うわけです。 そのほかの質問もまだありますが、小澤君との協定がありまして、あとは小澤君に譲ることになっておりますから、私はこれでもって終わります。 ――――◇―――――
○佐藤委員長 次に、郵政行政及び日本電信電話公社の事業概況に関する件について質疑を行ないます。 ―――――――――――――
○佐藤委員長 この際、参考人招致の件についてお諮りいたします。右件について日本放送協会副会長溝上銈君、専務理事小野吉郎君、経理局長春日由三君を参考人として意見を聴取したいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認め、さよう決します。 ―――――――――――――
○佐藤委員長 質疑の通告があります。これを許します。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 有線放送電話施設について昨日いろいろ御質問を申し上げて、大臣からも答弁があったわけです。というのは、電電公社との有線放送等の接続の問題、あるいはまた有線放送相互間の接続の問題、あるいはまた自治庁で補助を出したものと農林省で補助を出したものとの間の接続の問題、あるいは維持修繕の問題等々、有線放送施設は最近非常に伸びておりますので、これについては、きのうの大臣の答弁で、審議会または調査会というようなものを速急に設けて善処する、それも各省庁関係者を集めて審議会なり調査会を作って善処するという御答弁があったので、至急これを善処していただきたいと思いますが、きょうは引き続いて、実は去る三十三年の三十国会以来私が質問して参りました、有線放送施設を持っておって、ラジオを持っていない家庭、こういうものからラジオの聴取料を取るということは不当ではないか、何らか減免措置はできないかということを六回だか七回にわたって質問して参ったわけでありますが、いまだにその見通し等が明確になっておりませんので、その件につきまして若干質問いたしたいと思います。 最初に事務的な関係からお尋ねをいたしたいと思いますが、NHKもお見えになっておりますので、まずNHKの方からお答え願いたいのは、ごく最近のデータによると、有線放送施設があって、ラジオを持っていない家庭、そういうものはどのくらいの数になるか、その辺の数を聞きたいと思います。
○春日参考人 お答え申し上げます。最近のデータはとれてないものでございますから、三十四年一月というときのデータで申し上げますが、全国で有線放送施設といわれますものが約二千三百カ所ございます。それにぶら下がっております、いわゆる世帯数全体が九十六万六千二百三十二軒でございます。約百万軒。そのうち七〇%程度がラジオ、ホーム・セットを持っておるという考え方に立ちまして、また事実調査もいたしましたが、そういたしますと、今、先生のおっしゃったスピーカーだけの世帯というのが二十八万五千軒。これは三十四年一月のデータでございます。
○小沢(貞)委員 監督官庁の郵政省の方は見えておりますか。監理官見えておりますか。――郵政省の御調査はどうなっておりますか。
○松田政府委員 その関係は電波監理局の方でやっておられますので、そちらからお答え願うことにさせていただきます。
○甘利政府委員 有線放送電話施設の数その他につきましては、今NHKの方から報告されました数を根拠にしております。ただし私どもの方としては、どれだけの世帯が受信機を持っていないかということについては、正確な数字を調査いたしておりません。
○小沢(貞)委員 けさも局の方に電話をして、農林省が農山漁村建設何とかというので補助を出したその施設数、その事業総額、それから自治庁の新農村建設促進法に基づく施設数、補助額、それから自前で施設したものの施設数、その事業額、これを一つ調べてくれというふうに私お願いをしておきましたが、わかっておりませんでしょうか。
○甘利政府委員 その問題につきまして御連絡がございまして、私どもの方から監理官の方にその資料を整えるように頼んでありまして、きょうはまだ間に合わなかったと思いますが、さっそく調製をいたしましてお届けしたいと思っております。
○松田政府委員 実は私、朝からちょっと外へ回っておりましたものですから、その連絡を今ここで聞いたような次第でございまして、できておりませんですが、ちょっと念のために申し上げておきますと、そういった有線放送電話としての施設の方は私どもの方で調べてもおりますし、また調査することもできるわけでございますが、ラジオとの関係ということになりますと、私どもの方ではラジオの問題は扱っておりませんで、これは電波監理局の方になりますので、その点だけをちょっとお答え申し上げます。
○小沢(貞)委員 この有線放送電話に関する法律をもってどこに許可するということをやっておるわけです。だからその対象戸数が何戸というのはちょっと電話をかけてみただけですぐわかりはしないですか。許可か何かをするのはみんな局の方でやっておるでしょうから、そんなむずかしいことじゃないのです。それだから、一分か二分かあれば、今全国で、新聞によれば、百十万戸の有線放送電話のスピーカーがぶら下がっておりますし、今NKHの言うのは、三十四年一月現在で、九十六万六千というような数字が出ておるというように聞いておりますから、ごく最近の実態だけ知りたいと思って聞いたわけですが、わからないでしょうか。
○松田政府委員 総数では、私、資料を持っておりますが、今の内訳はちょっと申し上げようがないと思いますが、三十四年三月現在では、有線放送電話の設置数といたしましては千六百十七でございます。それに対しまして、その末端のスピーカーの数は九十二万一千七百七十五になっております。それからそのうち通話装置を持っておるものは七十六万一千六百九十四、こういう数字になっております。
○小沢(貞)委員 一年も前の数字しかわからないものですか。今は三十五年の二月の半ばです。NHKの方も三十四年で、NHKの方が二千三百施設、今お聞きしたのは千六百十七施設、それからスピーカーは、NHKの方は九十六万六千、監理官の方は九十二万一千、だいぶ違うのですが、もっと最近の数字はわかりませんか。新聞には百十万と出ておるのですが、これはどこから出てきたか知りませんが、このくらいの数字はわかりませんか。わからなければ、あとでちょっと電話で聞いておいていただきたいと思うのです。わかりますか、わかりませんか。
○松田政府委員 実は私、今手元に持っております資料では、はなはだ恐縮でございますが、それ以外に、実は施設の数だけのものは三十四年八月末の数字を持っておるわけであります。これは千七百十五でございますが、今のスピーカーの数とか、それから有線放送電話の数とかいう問題になりますと、先ほど申し上げました三十四年三月の数字しか今手元に持っておりませんので、また調べればわかると思います。ちょっとここで念のためにお話し申し上げておきますが、これも昭和三十四年三月の数字でございますけれども、私が今申し上げましたのは有線放送電話として扱っておるものについての数字でございまして、それ以外に有線放送だけやっておるものもあるわけでございます。そういうものを入れますと、そのスピーカーの数は百十三万八千という数字になります。しかしそれは有線放送だけのものは許可ではございません、届出になっております。その辺が少し材料としてはごっちゃになっておる点があるのじゃないかと思っております。
○小沢(貞)委員 わかりました。それでは郵政大臣にお尋ねいたしますが、こういうような工合に有線放送がだいぶはやってきて――と言ってはおかしいかもしれませんが、自治庁及び農林省の中で補助を出して一生懸命進めたという事実。それから農山漁村で、スピーカーがあってもホーム・セット、ラジオのないような家は非常な貧しい家で、生活保護またはそれに準ずるような要保護世帯のような家はラジオを持っておらない。こういう社会政策的な意味。それからもう一つは、スピーカーだと自由選択権がない。自分で聞きたいと思う放送を聞くことができない。この三点の理由をあげて二年ばかりそういうところからラジオの聴取料は取るべきではないという主張をして参ったわけであります。それで国会における前大臣の答弁、廣瀬前政務次官の答弁は、まことによくわかったから検討をいたしましょうという御答弁だったわけです。会議録を一々読み上げることは大へんわずらわしいので私はやめますが、そういう御答弁であったわけです。これはラジオ聴取料の基本問題にも触れる大きな問題であるので、非常に慎重を期して実は一つの提案をいたしたわけです。それに基づいて政府としては研究をいたしましょう、こういうことになっておったわけです。その提案というのは何かというと、NHKとしては百四十億前後のラジオ聴取料のうち、十五、六億というものが聴取料の経費で、税金でいえば徴税費みたいなものです。つまり一一%前後を聴取料の経費に充てておったようです。ところが実際それを郵政省に委託してやるというような場合には、当時三カ月二百円の聴取料に対して一軒十八円の補助金を出しておった。ところがその十八円が末端にいくと十一円の聴取料補助金でやっておる、こういうことになっておるそうです。つまり二百円で十八円ということになると九%です。NHKの予算では一一%取ってやる。郵政省に委託するときには九%であり、末端にくるならばさらに七%、六%ということになる、こういう段階になっておったようです。それはさておきましても、施設者にそういうものを一括くれてやったならば、たとえば施設者は、有線放送を自治庁の補助でやる場合には大がい市町村が事業主体、新市町村で農林省の補助の場合には農協が事業主体というのが大部分です。そのほか放送協会というようなものを作ってやっておるところもあるようですが、いずれにしても、事業主体はその三種類だと思いますが、その三種類の事業主体に持っていって、十八円なら十八円、五百戸あればその五百倍になるわけですが、その聴取料を一括与えてやりさえすれば、その村で貧困家庭とか特に免除しなければならないようなところは、もう自主的に農協なり村がやるのだから、こういう問題は起こってこなくて済むから、そういうように具体的に検討してはどうかというのが私の具体的な提案です。それについて廣瀬前政務次官は、よい提案がありましたので善処いたしましょう、こういう御答弁であったわけですが、政府はそういう問題についていかに具体的に検討されたか。これは実行不可能なことであるという結論に到達したのか、あるいはまたそういうことは全然検討しなかったのか、その辺を一つ御答弁いただきたいと思うわけです。
○植竹国務大臣 聴取料免除あるいは軽減の問題につきましては、これはあるいは天災にあった場合とかその他特殊の家庭事情、聴取者事情によりましてすでに規定していることは御理解いただいているところと存じますが、なおただいまの問題につきましては、今回は各方面との折衝の結果、またNHKの方の予算案その他の方面からも検討いたしまして、結局有線放送につきましては、今回はもうすでに御案内だろうと存じますが、半額徴収という大体の方針をとらんとしつつあるわけでございます。これは御審議に待つわけであります。そこでその他につきましては、この際ただいまの小澤委員の御発言を尊重し、また各方面の御意向を尊重して、料金問題につきましてこれも可及的迅速に根本問題、料金問題を検討して答えを出す、さような段階になっておりますが、まだ、はなはだ遺憾でございますが、小澤委員の御希望通りの完全な答えまでにはなっておらないのでございます。
○小沢(貞)委員 結論が先に出てしまっているようですが、私の、段階的な途中のことは検討していただいたかいただかないかということを先に一つ、事務当局でけっこうです。
○小野参考人 お答え申し上げます。小澤先生から前にそういった非常に示唆に富んだ御提案がありましたことは私どもよく承知いたしておりまして、その当時の大臣、政務次官の御答弁もよく承知をいたしておるわけであります。ただ、今の有線放送のスピーカー聴取をして参ります、問題の示唆のあります対象につきましては、多くは郵政省に集金を委託いたしております地域でありまして、ほとんどその大部分といっていいものが郵政省に委託して集金をしていただいておるわけであります。これは郵政省職員に対しましては非常な御労苦をわずらわしておるわけでございますが、そういった面もありまして、郵政省の委託の範囲におきましては、今のような地域もあれば、個々にやはり集金をしなければならない地域もあります。と申しますのは、有線放送がまだそこまで普及をいたしておりません地域におきましては一軒々々徴収をしていただいておるわけでございます。そういう両方の地帯が非常に混合存在しておりますような関係もありますし、一面には小澤先生のようなお説の通りにいたしますと、いろいろな手数も省け、また各農山漁村のスピーカー聴取者の方につきましても、施設者がこれを一括して集金をして下さる、そこから何がしかその集金に所要の手数料を差し上げましてこれをいただくということは非常に便宜には違いないのでございます。この点につきましてはお教えをいただきましたその点につきまして、私どもとして非常にありがたいことなんでございますが、問題は、あるいは本質的な問題ではないかもわかりませんが、この地域が、先ほど申し上げましたように郵政省職員に委託をして、職員の手で集金をしていただいておる、こういうような関係もあります。かたがた郵政省職員の労務体制その他の方の面からもいろいろな問題があるわけでございます。それ今この問題を離れまして、受信料の徴収自体につきましても、根本的に全逓といたしましてはいろいろ問題があるようでございまして、そういう問題の具体的な解決方法がなかなか早急には参らない。むしろ現在の段階で申しますと、きわめて有効適切な措置ではございますが、実現は不可能だというような状況に見受けられるのでありまして、現在のところは大体そのようなことで御意に沿っておらないような実情でございます。
○小沢(貞)委員 御検討いただいたようです。せっかくうまく手数料の入るやつをなくしてしまってはいけないから、そういう御趣旨のようです。これはしかし郵政省としても一考え考えなければいけないと思うのです。そのしわ寄せが、今郵政大臣が御答弁になったように半分免除という方向へ行ってしまったのではないかと私は考えるのですが、本年度から半額免除という方針のようですから、私はこれ以上質問をする必要もないかと思いますが、NHKとしてはそういう方針で予算を組んでおられるわけですか。溝上副会長さんに一つ……。
○溝上参考人 この問題は、お話のありましたように一年あるいは二年前からいろいろ検討を続けておりまして、どうしても何らかの方法をNHKとしてもとらなければならないという点から、実は予算の面におきましては、料金でなく実際において施設に助成する、あるいは御援助をするというような形で予算は組んでございます。ただ御審議の途中でいろいろ御意見等も伺いまして、その範囲の中で一番いい方法があれば実行の上でそのようにしたいというふうに考えております。
○小沢(貞)委員 具体的なこまかい話は私よくわかりませんが、予算の面では施設に助成するという方法の御答弁のようですし、大臣の方は半額減免するというような御答のようですが、その辺はまだ話がすっかりついておらないわけですか。
○植竹国務大臣 お話の通りでございまして、まだ話がそこまでついておるわけではございませんが、半分にしたらどうかというような案もあるような次第で、私たちは御意向をできるだけ尊重して、その問題に取り進んでいきたいというこういう意味にどうぞ御理解いただきたいと思います。
○小沢(貞)委員 溝上副会長にお尋ねします。実際に施設に助成するという金額は、具体的に予算を国会で承認を得ようとする額はどのくらいですか。
○溝上参考人 ラウンド・ナンバーで申し上げますと約一億五千万円計上してございます。
○小沢(貞)委員 その一億五千万円という額だと一年当たりか一月当たり、一戸当たりどれくらいの額になりますか。たとえばスピーカーがあってラジオのないうちが二十八万何がしというと約三十万戸になるわけです。昭和三十五年度において三十万戸想定されると思うのです。それで一億五千万円というものを実際に助成するというような意味にNHKの方は言われておりますが、一軒当たりについては幾らになりますか。
○春日参考人 お答え申し上げます。三十四年一月の調査で二十八万五千戸でございますが、その後ふえていると考えられますので、三十万と考えますと、まるまる受信料をいただければざっと三億でございます。そうすると一億五千万という金はその半分という程度でございます。実際に技術助成を一億五千万いたすためには、施設の古さとか年代に応じていろいろ考えるという原案は作ってございますが、アベレージを申し上げますれば、八十五円の半分という程度でございます。
○小沢(貞)委員 それで、格好はどうであろうと月に八十五円ですか、八十五円の半分の四十二円五十銭に相当するものを補助する、大臣は免除したい、こういうことですが、まあその辺を予算に組んで提案をしたいという格好に今きておるわけでございますか。
○春日参考人 さようでございます。
○小沢(貞)委員 それでは続いてお尋ねしますが、これはやはり聴取料を免除していただく方が私は合理的じゃないかと思いますが、どうですか。
○植竹国務大臣 その点につきましては免除がよろしいか、あるいは補助がよろしいか、よく検討いたしまして、結論を出したいと思います。
○小沢(貞)委員 それでは免除がいいか補助がいいかということは事務的なことですから、私はこれ以上それはお尋ねしないことにいたします。なるべく私は免除ということで、一つ具体的にやっていただきたいと思います。 そこで免除をするということになりますと、放送法第三十二条の関係は法的にはどういうようになりますか。
○淺野説明員 お答えいたします。三十二条によりまして、免除ということになりますが、認可基準によりまして一部を免除する、こういう建前になるのではないかと考えております。
○小沢(貞)委員 放送法第三十二条によれば、法律をいろいろ変えなくも免除はできるわけですね。郵政省で答えて下さい。
○淺野説明員 先年、昭和二十九年に、戦傷病者戦没者遺族等援護法に規定する傷害年金を受けている者で、恩給法による不具廃疾者に対しましても、やはり当委員会、それから衆議院の御決議によりまして、受信料半額免除の措置をいたしておる前例はございます。
○小沢(貞)委員 前例とか何とかではなくて、法律改正をしなくても済むということを私は言っているのです。それはできるのです。だからこういうように答弁して下さればいいのです。廣瀬次官か何かが前々国会だかに私の質問に答えて言っていますから、そういうことを確認していただけばよろしいのです。放送法を改正しなくても、半額免除できるかということを、イエスと答えていただけばいいのであります。
○淺野説明員 おっしゃる通りでございます。
○小沢(貞)委員 それではこれは郵政省にお尋ねしますが、その方法としては免除基準か何かをNHKで作って大臣に申請をして、大臣がそれを許可すればいい、こういうことになると思います。その免除基準は、有線放送施設でスピーカーは持っているがラジオは持っていないうちは半額免除する、こういう申請をしていただいて、その免除の基準を大臣が許可すればいい、こういうような事務的な手続になると思いますが、それでいいのですか。
○淺野説明員 さようでございます。
○小沢(貞)委員 それでは今の免除基準は、昭和三十四年四月一日から施行するということになっておって、先はいつまでになっておるのですか。これは永久に、という免除基準ですか。これはもうことしやろうということになれば、三十五年四月一日から施行するということでずっとやるということができるわけですか。この前の免除基準というのはいつできたか知りませんが、三十四年の四月から施行する、こういうことになっておるのです。
○淺野説明員 現在も有効であります。
○小沢(貞)委員 これは有効ですが、免除するということの方針になっていれば、三月一日なり四月一日なり、事務的にはことしからでもすぐできるかということです。予算を国会で承認を得た後に、もちろんなると思いますが、そういう手続が済んだならば、直ちに実施できるか、こういうことを言っているのです。
○淺野説明員 承認いたしますと、できることになります。
○小沢(貞)委員 そうすると、予算は三月三十一日までに議決をする、それから今計上してある一億五千万というものを係数的に計算をしてみると、一年間三十万世帯に半額免除する予算になっておるようですから、三十五年四月一日から実施することができる、こういうわけなのですね。
○淺野説明員 さようでございます。
○小沢(貞)委員 それでは大臣にお尋ねします。免除するようにするか補助するようにするかということでいろいろ悩まれておるし、それが放送法の改正にまで及びやしないかということもいろいろ悩まれておるようですが、そういうこともなくて、みんな済むわけです。しかも大臣とNHKとの間が、こういう免除基準でやりたい、それでよろしい、こういうことになればできるわけですね。そういう予算はわれわれは大いに通したい、こういうように考えておりますから、おそらく問題はなかろうと思いますので、一つ免除してやっていく、こういう工合に進めていただきたいと思うわけです。
○植竹国務大臣 ただいまのように、免除ということに結論が出まして、申請がございますれば、法規をよく調べまして、またお話の趣旨もよくわかりましたので、そのお話の趣旨に従って処理いたして参ります。
○小沢(貞)委員 それでは一応その免除の問題はやめたいと思いますが、なおまた私はこれに関連して、前からの宿題、つまり寺尾郵政大臣時分からの宿題があるわけであります。これはラジオの普及率というものが、テレビが入ってきたためにだんだん減っていってしまうという傾向にあるのではないかと思いますが、三十三、三十四、三十五年度の傾向を一つ、これはNHKの方でもいいですから、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
○小野参考人 テレビの普及につれまして、ラジオの聴取者が減ってくる、これはもちろん現実にラジオを聞いておるかどうかという問題についてはまた別でございます。聴取料、受信料を徴収し得る対象のラジオが減っているというような傾向は、世界各国に見られるわけでありまして、日本もその例外でなく、そのような現象が一昨年の秋ごろから出て参っております。前年度の末におきましては、そういった状況がやはり秋ごろから出ておりまして、予算上見込みましたラジオ受信者の増も非常に期待を裏切られまして、ほとんど増がない、ごくわずか三万ばかりの増にとどまったわけであります。今年度に入りまして、こういった傾向は特に顕著に現われておりまして、テレビが特に今年度非常な普及を見ております。年度当初承認をいただきました予算におきましては、テレビの本年度の増加数は八十万見込んでおったわけでありますが、実際には非常にすばらしい増加を見せておりまして、年度内一ぱいでは百八十万から百九十万見当の増加を見るのではないかと思います。こういったことと関連いたしまして、テレビがあるのでラジオはもう要らない、聞かないのだというような理由による廃止も多いようであります。もとよりいろいろ実態を調査いたしてみますと、全然聞いていないところもありますが、その八割見当はやはり何がしか聞いておられるわけでありますので、いろいろそういう廃止を防止いたしますための努力はいたしておりますが、現在の法の建前による、そういった受信機をつければ契約をしなければならない、契約すればその対価である料金を払わなければならない、こうなっておりますが、その辺に非常な限界があります。防止の限界、努力の限界がありまして、今年度すでに十二月末におきまして九十六万の減少を来たしておるようなわけであります。二十四年度の承認予算におきましては、ラジオにおきましては、聴取料の値上げを御承認いただき、その他いろいろ当面をいたしますラジオ受信の全国の質的な聴取状況の向上等をも期待いたしまして、いろいろと事業計画に盛った作業を進めて参らなければなりませんので、そういう前提になります、収入の基礎であります受信者の数におきましては、三十三年度末よりも十万ぐらいふえるであろう、こういうような見込みになっておったわけでありますが、先ほど申し上げましたように、逆に九十六万の減を来たしております。おそらく年度内では百万を少しこえるような減になろうかと思います。本年度の趨勢につきましては、やはりここ特にテレビの普及の上昇カーブは引き続き高いものと思われますので、そういったような現象は来年度にも尾を引こうかとも考えております。そういうことでいずれ予算が提案になりましたら御審議をいただき、御承認をいただくわけでありますが、来年度予算におきましては、一昨年の秋ごろから三十四年度予算の施行の過程に現われました現象をさらに推測をいたしまして、来年度におきましては百六十万のラジオが減を来たすであろうというような前提に立っておるわけでございます。
○小沢(貞)委員 私はこれから若干質問をして、あとは予算が提案されたときにやりたいと思いますから、念を押しておきたいと思うわけです。ラジオが減っていくその階層性というものを考えたことがありますか。これはおそらく、テレビを入れたからやめましょう、こういうことが大部分じゃないでしょうか。
○小野参考人 お説の通りテレビがつきましたためにもうラジオは要らないというものがほとんど大部分を占めております。やはり今の、われわれの俗語で申しますとテラ廃と申しておりますが、テレビの普及につれましてラジオの受信者の契約廃止の申し出が出ておるということでございますが、これは一つの特殊な例といたしましては、テレビのそういった普及は非常に急速であり、かつ集団的にも起こっております。特にこの廃止の傾向がいわゆる団地のアパートとかいうようなところで集団的に起きておるというようなこともありまして、そういう意味から申しますと、そういった廃止を防止するためには、まとまっておるのでかえって努力の目安が立ちやすいということもありますが、しかしこれは集団の偉力で、一軒やめれば、いや隣もそうだからおれのところもそういう継続の要望には沿えないということで、なかなか骨を折っておるのが実情でございます。
○小沢(貞)委員 おそらくテレビが入ったからラジオをやめようという、それはテラ廃だかテレ廃だか何か知りませんが、うまい言葉を使っておると思います。片方では、昨年私が質問した通り、一三、四%の階層というものはラジオすら入らない階層があるわけです。そういう階層にラジオを入れさせてやるということは、放送法の七条に「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」これは受信機をつけさせることが目的か、電波が行き届くことが目的かわかりませんが、とにかくいずれにしてもどこまでもラジオを入れさせてやらなければいけない階層がまだ一三、四%あるわけです。これの対策を私は去年の国会ですかなんかでさんざ申し上げたわけです。その具体的な方法として、電気料金が莫大な額になって、この電気料金を払えないがためにラジオを入れられない、こういう事実があるわけです。この電気料金は東京電力管内だと、二十ボルト・アンペアから三十ボルト・アンペアまでは七十四円ばかりで、三十ボルト・アンペアから五十ボルト・アンペアになると百十九円、ラジオをつけるためにこれだけ取られるというのですから、ラジオの聴取料より高いわけです。これを減免する方法を考えなければならないということをさんざ申し上げた。政府もこれは善処いたします、通産省からここまで来てもらってそういう確約をしておるようなわけです。それはその後具体的には進展していないと思います。思いますけれども、これは新しい大臣によってやっていただかなければならないわけです。生活保護法にはたしか、最近基準が改定になったらしいからどうなっているかわかりませんが、百五十二円の電気料金というものを認めてあるわけです。百五十二円だと、四十ワットか五十ワットつければそれで終わってしまう電気料金だけを生活保護法の中で認めてあって、ラジオを聞く電気料金というものは認められていないわけなんです。ところが一方NHKの方は非常な勇断をもって生活保護世帯の聴取料はもうとうに減免をしてあるわけです。NHKの方は減免してあるけれども、政府の方で認可、許可、監督をしているところの電力会社の方はまだその減免措置を講じていないわけなんです。これをどうしてもやっていただかなければならないわけです。こういう声というものは国会やそういうところには出てきませんけれども、私たち地方を歩きますと、そういう声を一ぱい耳にするわけです。これは政府は確約をしてあるわけですから、一つNHKの予算を提案になったときに、通産省その他と、あるいは電力会社の方で減免しなければ厚生省の方で生活保護費をふやしていただけばいいわけです。水道、水を飲んで、四十ワットをつけるだけしか保護費というのは出ていないそうです。ラジオを聞けないそうです。だから厚生省の方から生活保護費をふやさせてもらってけっこうです。あるいはまた電力会社へ注文をつけて、それを減免さしていただいてもけっこうです。そのいずれかをやっていただきたいことを特に希望しておきます。これは前々国会の議事録を読んでいただいて、その実現方に新大臣が一つ挺身をしていただくことをお願いいたしたいと思います。
○佐藤委員長 原茂君。
○原(茂)委員 二つお伺いしたいと思います。一つは今の紀尾井町のNHKのテレビ塔なんですが、これはいずれ東京タワーに集約して持っていく、そのあとを一体どういうふうにお使いになるおつもりか。予算がまだ出ていませんから、予算措置等を通じないとはっきりしたことはわかりませんが、取りこわすのかあるいは何かに転用するのか。たとえばFMに使うとかいうようなお考えがあってやるのか。いずれにしても、まず第一は東京タワーに契約をするものかどうか。それからもしそうだとするならばあとを一体どういうふうにしていこうとするか。この二つをお尋ねいたします。
○溝上参考人 東京タワーができましたときに、十分検討いたしまして、総合テレビと教育テレビ両方あそこを利用する。両方のバランスをとって、しかも高いところから電波を出すという前提のもとに、まず総合テレビの方はあそこへ移ったわけでございまして、教育テレビの方もおそらく五月ころには向こうの方へ移転するつもりで、現在工事を進めております。あとの鉄塔につきましてはまだ完全に方針を確定しておりませんし、同時にまたFM放送の今後の問題もありますので、研究は続けておりますが、FM放送に利用したいというふうに考えております。
○原(茂)委員 そうすると、五月を目途に東京タワーに移行という予算措置は、すでに承認を得た後に工事に着手されている、こう理解していいのですか。
○溝上参考人 この計画は昨年から進めておりまして、二カ年にわたる継続工事として進行しておるわけであります。
○原(茂)委員 そうするとあとを何に使うかということは、FMを考慮に入れながら、これから検討し決定をする、年内に決定しますか。
○溝上参考人 お答えいたします。御承知のように、FM放送の問題はいろいろ複雑な問題がありまして、政府御当局の方でもいろいろ検討されておりまして、われわれの方も、われわれ自身のいろいろ希望もありますし、また将来のことを考えて、FM放送をどう持っていくかということも、基本的にまだ確定しておりませんので、そういう問題とあわせて考えたいというふうに考えております。
○原(茂)委員 二つ目をお伺いしますが、まず郵政大臣に……。大臣の説明をきょう読んだのですが、カラーテレビに関して両立式が好ましい、そういう答申があったので、大臣としてはこの結論を尊重する意思がここにも大体表明されておる。従っておそらくこの間答申のありましたNTSC方式によるカラーテレビの実施ということに大臣が決意されておるのだと思います。そこでこのカラーテレビをそのようにしようという大臣の決定がございますと、やがて近い将来にこの方式によるカラーテレビの実施が見られると思うのです。一体いつごろを目途にこのカラーテレビを実施するという方針をお持ちなのか、ただこの方式がいいというだけなんで、実際にいつこれを実施するという目安はないのか、大体の目安を持ってこのカラーテレビに対して臨んでいこうとせられるのか、まずお伺いしたい。
○植竹国務大臣 前々回の当委員会においてお答え申し上げましたように、この問題は時期的には未定でございます。その未定の理由は、この問題につきましては各方面の御意見を承り、また御理解を得るために説明に伺わなければならない方面もあるわけでございます。たとえば各党にはそれぞれの政務調査につきましての機関をお持ちでいらっしゃるので、そういう各党の機関にも伺うことにもなろうかと存じます。それらの点を考えまして、かつまたこれが事務的に運びましたといたしましても、聴聞会その他審議会等において御審議願わなくちゃならないために日にちの点については未定でございます。
○原(茂)委員 実施の時期についてはまだはっきり言えない。であるのにカラーテレビというものが一般大衆の受ける感じから言うと、すぐもう見られるような、実施されるような印象を今実は受けているわけです。そこでそういったものを中心にしてお伺いしたいのですが、たとえばカラーテレビがいつ実行されるかは別にしましても、一つの必須条件といいますか、大事な条件としては、現在行なわれている白黒のテレビがあまねく鮮明に受像できるということ、もしカラーというものが時期は別にして、もうすでに正式な話題になり進行しているというこの事実があればあるほどに、最も早く白黒を手に持ちながらも現在のこのテレビが非常に不鮮明な、受像困難なままで放置されている地域に対する手当というものを急速にやって、この白黒のテレビというものがあまねく普及したそのときに、たとえばカラーというふうな話が出ることが一番望ましかったのですが、そうでなくて現在カラーがいかにももうすぐできそうな印象を大衆に与えている。しかも片方では白黒を中心にテレビの受像機が売り出されている。これを非常に困難な収入の中から月賦その他で買い込んで、ようよう今これをつけてみた。ところが実に不鮮明で何とも言えない、目が疲れて困るという地域が非常にある。たとえば岡山にしてもあるいは新見ですか、あそこら辺なんかはほとんどもういまだに見えない。長野県においても私の生まれた諏訪なんかも、岡谷にしても非常に不鮮明で、横から縦から雨が降りっぱなしで、全然これも話にならない。その他県下にもたくさんこういうところがあるわけですが、白黒の現在のテレビに対して責任を持って、まず鮮明に見られるような、受像困難な場所をまずなくすというようなことを強く急速に実施した後にカラーテレビというものに移行するのが、本来ここまで白黒をやってきた以上は当局の責任だと私は思う。そのような建前から言うと、予算がまだ出ておりませんけれども、一体白黒テレビの今日受像困難な場所に対して本年度どのような手当をし、カラーテレビがあとから追いかけてくる短い期間に一体どのくらいの目途で全然受像困難な場所に対する手当を終わるという計画をお持ちなのか、簡単でいいですからずばりと一つ答えていただきたい。
○植竹国務大臣 ただいまおっしゃることは確かに全国的にあちらこちらに不完全聴視区域があるわけでございますが、それらはできるだけ迅速にチャンネルの調整をいたしまして、また施設の調整をいたしまして、これを直していかなければならないものと考えております。ただ、しかし、そういう課題があるからといって、この文明の産物と申しますか、新しい発明品ができて、それが七年も八年も長年月実験に実験を重ねて、そうしてまたわが国一流の人たちが、権威者が集まってできた調査会の答申もでき、しかも実物を私たちが見ましてまことにすばらしい。カラーテレビのスクリーンを見ますときに、こんなにりっぱになって映るものならば、白黒の問題は白黒の問題として、これをすみやかに完全なものにするという一つの課題と同時に、また白黒の問題が全部完成するまで待たないでも、カラーテレビはこのように発達いたしますれば、この文化の所産物を一日もすみやかに皆さんに見ていただきたいものだ。これが文化のためにもしかるべき措置であろう、さように考えております。
○原(茂)委員 大臣のおっしゃることもわかりますし、そうおっしゃるのも当然だと思います。たとえばカラーテレビという新しいりっぱなものができ上がりました以上は、一日も早くこれをまた大衆に供与することは反対じゃないです。進めていただいてけっこうだと思います。だけれども、現実には非常に困難な収入の中から今の白黒テレビをまだまだ月賦だ年賦なんというので非常に多くの大衆がようやく備えつけたところです。支払いつつある。そこヘニュアンスの問題ですが、カラーテレビはすぐできそうな印象を大衆は与えられてしまっている。現実にはどうかというと、せっかく買ったテレビを見たのだけれども、全然不鮮明で困るということがある以上は、少なくともカラーテレビを大臣が先ほどはっきり言明されましたように、この十月までにはやるとか、あるいは来年一月からやるというようなことではないのですから、これはもう大衆にはすぐできそうな印象を、大衆のあやまちにしても与えられてしまっていながら、現実にはいつやるということすら言えない状態にあるのですね。にもかかわらず、今までとにかくテレビ、テレビと言ってのどから手が出るように考えてきたから、白黒テレビをようやく手に入れた、困難な支払いを今しつつあるという大衆が非常に多い。いわゆる中間層といわれるものがその大部分なんです。その人々が現在白黒テレビにとにかく非常に大きな期待を持って入手して、このまわりに集まっていくのだが、それが不鮮明で受像困難だという場所が非常に多いということになれば、これを監督し指導する立場にある当局としては一日も早くカラーテレビを実施させようということもさりながら、これはやってけっこうですが、やらなければならない文化の仕事でしょうからやる。と同時に大衆の現実の中には、片方にはまたすぐカラーに変るのじゃないかという不安を与えながら、現実には白黒ですら十分に見えない。その十分に見えない白黒を見るために困難な収入の中から今支払いつつある大ぜいの大衆があるという現実の前には、やはりそこで一日も早く、現在とにかくせっかく手に入れた白黒のテレビが鮮明に見えるように一つやってやろうという責任を痛感すべきだと私は言っているわけです。であるならば、その責任を感ずる立場をとるなら、一体これからお出しになる予算の中にそのような十分な――全国的な受像困難な場所の調査が終わって、予算のできるだけ多くのものを、その責任を実施するために受像困難な場所を鮮明にするための、たとえばサテライト局の設置をするというような予算というものが一体どのくらい、何カ所が組まれているのかということが当然これから出る予算の中に含まれてこなければいけないのじゃないかという立場から、今申し上げたようにその責任を果たす意味の、これから出てくる予算を見ないとこまかい数字はわかりませんが、どの程度それを考慮し調査した上で、何カ所幾らくらいのものをそういう手当に向けて、大体これから、困難な場所が何十カ所かあるとすると、その何%が本年度の予算で大体よくなるだろう、またやるつもりだというようなことをお答えいただきたい。
○植竹国務大臣 大体のことは私からお答えいたしまして、詳細のことは事務当局からお答えいたさせます。 この問題が許可事項でございますために予算面に現われておりませんので御質疑がおありになっているのだと存じますけれども、こういったような難視地区は、すみやかに解消するように今後とも監督いたして参ります。また業者の方でも、日本放送協会を初めといたしまして、民放におきましても、見にくい個所にはたくさんの申請書が来ておる実情でございますので、これらの地区につきましては、すみやかに解消するように処置をいたして参りたいと存じます。
○溝上参考人 カラーテレビが政府の御決定によってもし始まるようになりましても、われわれの方といたしましては、それによって白黒テレビに影響するところがほとんどないように、限度を守っていきたいと考えております。同時に白黒テレビの方の計画は当初の計画を三カ年に縮めて促進いたしまして、来年度の九局を終わりますと一応最初にきめました第一期のチャンネル・プランによる開局は、全部完了いたします。そのほかに、今お話のございましたサテライト、ブースター方式のものも、できるだけたくさんやるように予算にして組んでおりますので、そういうふうにわれわれの方でも進めておるということを御了承願いたいと思います。
○原(茂)委員 そうすると、サテライト、ブースター局というようなものを、今度の予算措置の中では相当数織り込んでいるというふうに理解していいわけですね。
○溝上参考人 そうでございます。
○原(茂)委員 そこでお伺いしたいのは、現在までに、受像困難な場所で、どうしてもブースター局が必要だというので設置されている場所が相当あると思うのですが、何カ所くらいありますか。それが一つ。 それから受像困難といっても、テレビが実際に普及されている率が、数で言いますと、たとえば五百戸だ千戸だというようなものでは、そこに、幾ら困難であるからといってもちょっと局を作ることはできないというような事情も出てくるのじゃないかと思いますし、その意味で、現在実施されているサテライト、ブースター局の中で一番小さな普及率しかないところが一体どこにあるのか。その場合の普及率の数の一番少ないのは、何戸くらい普及しているところに一番小さなものとして設置されているか。それを一つ……。
○溝上参考人 実はここにこまかく個々の世帯数を調べた調査書を持っておりませんので、後ほど資料としてお届けいたします。
○原(茂)委員 そこでもう一つ関連してお伺いしたいのは、民放が、非常に困難な地域に、それでは一つサテライト局を作ろうじゃないかということを考えている、その場合民放の方だけ先にできてNHKがあとになるといったような例が今まであったか。それから一体許可基準というものを考えたときに、NHKと民放というものを常に一緒に許可をしようとするのか、あるいはどちらでも先に、実情に応じて許可がされてきたのか、これからもするのか。
○甘利政府委員 先ほどお尋ねの、NHKがあとで、民放が先につくというようなところはないと思います。NHKがつきましてから、そこの受信世帯数その他で、民放としてはそれがいわゆる商業ベースに乗るかどうかということを判定してから、開局するのが普通でございます。
○原(茂)委員 それですから今まではないということはわかりましたけれども、これからの許可の方針としてはどうなるのですか。民放が採算がとれるといったら民放オーケーで、どんどんやらしてけっこうだ、こういうことになるのか。
○甘利政府委員 郵政省としては、やはり公共放送であるNHKがまずあまねく普及する、これはもう全然ペイしないようなところに対しても、そういう義務がNHKにございますので、その方を先に免許しまして、それから民放がもし申請してくれば、そのときの実情に応じて免許するということになるわけでございます。
○原(茂)委員 そうすると原則としては、NHKが先にやろうというふうに腰を上げないと民放ができないということになるわけですね。そうなりますとどんな予算で、どの程度組んだか知りませんが、今の現実の事態の中では、NHKがやるかやらないか別にして、民放としてとにかくこの受像困難、しかも商業べースにも乗ると思うから、サテライト局を作りたいというものが出てきた場合に、局長は一番最後に、原則はそうなんだけれども、やはり申請があったときには実情に応じて許可をするのだ、こういうお言葉があったわけですが、そうすると現実の問題としては民放が採算がとれます、ぜひやりたいと申請があったら、NHKの腰の上がらないうちはNHKをあと回しにして、民放を先に許可することもあり得ると解釈してよろしいのか。
○甘利政府委員 大体局を、ある一つの都市、町村等について免許します場合に、まずNHKの総合テレビ、その次にチャンネルに余裕があれば民放、そのあとその都市の実情に応じて民放を併立するか、あるいはその他教育等の局を設けるか、そういった順位で設置して参りますので、商業ベースでペイするから、NHKがまだやっていないところに民放が申請してきましても、その前にやはりそういう場所についてはNHKに設置するようにお願いしまして、これが完成してから、あるいは完成と同時に民放を許可する、こういうような順序でございます。
○原(茂)委員 少しくどくて申しわけないのですが、そうすると今の民放がべースに乗るからやりたい、なるほどやれそうだと思ったが、まだ協会の方はやっていないというときには、あなたの方で協会に要望もしたり、お願いもしたりしながら、急速に協会として局の設置をさせるように指導もする、こういうことになりますか。
○甘利政府委員 特に勧奨するとか指導するとかいうことに至る前に、今までの例では大体NHKが先に申請して参ります。実情はそういうことになっております。
○原(茂)委員 実情は必ずNHKが先に申請してきてますか。必ずそうなっていますか。
○甘利政府委員 単なる申請としては民放が非常にたくさん申請して参りますが、実際にチャンネル・プランを作りまして免許するという段階においては、必ずNHKが先になりますので、結局NHKとしてはそれに応ずるような形で申請をして参ります。ですから、申請書自体の提出年月日というものを比べたら、あるいは民放の申請が先にあるかもしれません。しかし、審査して免許する段階においては、必ずそこにNHKの申請というものが出て参っております。
○原(茂)委員 それでは、さっきの質問で、今は資料がないからちょっとむずかしいというお答えだったのですが、大体の見当としては、サテライト局をせっかく設けようというならば、皆さんの常識として、戸数として少くとも何千戸くらいがなければまずいというような常識がありますか。
○溝上参考人 微電力局の問題は、御承知のような共同聴視等の関係もありまして、なかなかむずかしい点があるのです。今ここで何千戸以上は置くというような基準をちょっと申し上げかねますけれども、ただわれわれの方といたしましては、どこまでやればケリがつくか、なかなかむずかしい問題でありますけれども、できるだけたくさんの微電力局を、周波数で許していただける限りは置いていきたいという考えでおるわけでありまして、今調べましたので現在申し上げられる数は、三十四年度に五局、三十五年度には十五局一応考えております。さらに三十六、三十七年度には三十五局ずつ、しかしながらこれはNHKだけの希望でありまして、周波数その他で必ずしもその通りにならぬかと思いますが、そういうふうに熱意としては微電力局によって穴埋めをどんどんしていきたい考えでおりますので、先ほどもお話しになりました現在見えにくいところは、できるだけ早く解決したい考えでおります。
○原(茂)委員 それでは、先ほどのメモをまたあとで出していただきましたときに、もっとこまかいことをお願いしたりお聞きしてみたいと思います。次の委員会といわずに、なるべく早くお見せいただくように、できたらお願いしたいと思います。
○佐藤委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会