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34回国会衆議院1960/02/09

逓信委員会 第2号

発言数
65
登壇者
9
会派数
2
開催日
1960/02/09

会議録

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤委員長 これより会議を開きます。  郵政行政及び日本電信電話公社の事業概況に関する件について質疑を行ないます。  質疑の通告があります。これを許します。上林山榮吉君。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 私は郵政事業一般について二、三お伺いいたしたいと思います。  まず第一に電気通信関係についてお尋ねをいたしたいと思いますが、先般来問題になっております太平洋ケーブルの設置について伺ってみたいと思います。  「新型のケーブルの利用による世界的な通信網の急速な発展の状況に即応し、わが国としましてもその設置の必要を認め、」云々と郵政当局がその方針を明示せられておることは、私もきわめて適当な言明である、こういうように考えますが、しかしわれわれは国政に参与しながら、この方面の知識は常識の程度を出ない。若干研究していることもありますけれども、そういうような状態であります。そこで今回この問題をひっさげて国際電電会社の幹部諸君が渡米をしておる。一体何の用件で渡米したのだろう。多分太平洋ケーブルの設置についての研究なり打ち合わせだろう。こういうように想像はいたしますが、われわれ当該逓信委員として何らその輪郭なり概要なりを知らないということはどうかと思うのであります。しかし郵政当局は間接的に国際電電会社に対してはいろいろ折衝があるわけでありますので、この際郵政大臣として、何の目的でただいま申し上げました国際電信電話株式会社の幹部諸君が渡米をしたか、打ち合わせがあったか、その内容を承りたい。打ち合わせがあったならば、どういう内容を打ち合わせてこようというのか、こういう具体的なものがあれば、それを示していただきたい、こういうわけであります。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 お答え申し上げます。最近におきます世界電気通信界の急激な動向、特に海洋横断の通信幹線の設置につきましては、世界的にも異常な関心を持っており、わが国といたしましても当然この問題に対処していかなければならないと考えておったのでございますが、先ごろ国際電電、KDDとアメリカ側の電話電信会社、ATTとの間に瀬踏み交渉を行ないました結果、大体におきまして一九六六年代、昭和四十年ごろには太平洋の方面におきましてもケーブルを設置することができようといったような見込みが立ったわけでございますが、まだ詳細の打ち合わせ等はいたしておらなかったのでございます。私も昨年十月にジュネーブに使いをいたしました際に、アメリカ側の代表者ともこの問題につきまして意見の交換はいたして、たとえばターミナルにいたしましても、アメリカは一体どこに置くか。こちらはどこに置くのであろうか、日本の本土であろうか、それとももっと南方に置くのであろうか、フィリピンの方に置くのであろうかといったような話も、私的の会談ではいたしたのでございますが、しかしまだアメリカの公の真意をつかんでおらなかったのであります。一方技術面におきましては、研究の試作が向こうで行なわれておりましたが、このほど完成いたしました旨の通知がございまして、ただいま上林山先生のお話の通りに、わが国からもKDDから役員が向こうへ招請を受けまして、すでに出発いたしており、またケーブルのおもなメーカーの代表といたしましても、すでにアメリカに到着いたしまして、ただいま向こうのATTと、日本のそのケーブルの用務を帯びて参りました者との間に、試作状態の見学が行なわれておるような最中でございます。従いましてまだ具体的に日本がどこからどこまでを、どういうふうに請け負っていく、仕事をしていくといったような詳細な取りきめまではいっていない実情でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいま大臣から現況を承ったわけでありますが、それによると、まだ具体的な構想はないのだ、ただアメリカ側からの招請を受けたから、国際電電会社の諸君、並びにメーカーの人たちが向こうに行っただけだ、今後にならなければ具体的な構想はわからない、こういうように承ったのですが、それで差しつかえありませんか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 その通りでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 そういうような状態であるとするならば、私の質問にはお答えできないと思いますので、また機会をあらためますけれども、きょうはしかしそういう段階であることをお互いに認識しながら、そこから出発して一つ大臣に伺っておきたい。  ただいまの話によると、国際電電の諸君だけではなくて、メーカーも招請を受けて行った、こういうことですが、それはこういうことを含んでおるのじゃありませんか。たとえばアメリカの会社と日本のメーカー側とタイアップして、あるいは資本なり技術なりを何かの比例に応じて供出し合って、そしてこの膨大なる太平洋ケーブルの事業を完成しよう、こうしたような意図も含まれておるものかどうか。これはあなたも想像——想像どころじゃなくて、ある程度の具体的な話がなければ、ただ向こうの会社の招請を受けたから、見にいくのだというだけでは、少しどうも意味がないじゃないかと思うのでございますが、いかがでございますか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 全くただいまの御説の通りでございます。それにつきまして最初申し上げましたように、日本としても、郵政省といたしましても、この問題に絶対に無関心でいるわけにはいかない重要な問題と考えまして、今のような進捗状態になっておるのでございます。さりとてまたこれをどういうふうにケーブルを使用していくかということにつきましては、日本のただいまのところございます法制上の研究をさらに検討を進めていかなくてはならない。たとえば公衆電気通信法にいたしましても、この問題を解決いたしますのにどういうふうにそれに当てはめていくか、法制上の検討もございます。また技術上の問題につきましては、ただいま研究、見学のために渡米している人たちが帰って参りましてから打ち合わせるようなことになろうと思います。設備の問題、法制の問題、技術の問題、この三つの問題すべてにわたりましてただいまのところはまだ具体的な御報告は申し上げるまでの段階にはなっていないのが実情でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 大臣も御承知かと思いますが、この問題は単なる技術や、単なる法制や、単なる手続の問題じゃないのです。これは日本の将来をあらゆる意味で考えてやらなければならないきわめて重要な案件だと私は考える。だから技術が簡単にできるとか、高いとか安いとか、あるいは法制を整備して国会の通過をはからなければならぬとか、こういう問題も確かに大事なことでありますけれども、それよりも、問題は太平洋のケーブルの設置が、設置しただけの利益を日本が受け得るかどうかということが第一の目標でなければならぬ。第二は、今あなたがある程度わかっているという立場からは、日本とアメリカとの技術提携、資本提携によってこの事業をやるんだということは大体言える、こういうことですから、そうなりますと、これは私も勉強が足りないのでよくわからぬのですが、大体ケーブルの回線は、日本としては現在の国勢あるいは将来の国勢の発展を加味して、どの程度まで持てばいいか、何本くらい回線を持てばいいかというような問題、ことにこの回線を持つのに、今あなたがおっしゃるように日本のメーカーが特殊なケーブルのようなものをたくさんの費用を投じてやることがはたして有利なのか、それともアメリカ側の会社が作ったものを、所有権を日本が獲得するというようなものも含んで、それを二十本なり三十本なり、日本の将来の国勢を考えて不便でないようにするためにやった方が利益なのか、そういう方面も検討された上で、今言うように資本も技術も提携してやった方がいいというので向こうの招請に応じたのか、この問題は私は委員会でおざなりの答弁では済まされない大事な問題だと思うので、一つ大臣の説明を願います。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 全くお話の通りこれは日本の将来に対しての重大な問題であり、さてこの重要なケーブルを布設いたすといたしますれば、これをどこの手で製造して布設するかということは、日本といたしましては製造工業の上に非常な関係があるのでございます。たとえばこれを、一つの会社を起こしてこの何十億という膨大な製品を作り上げていくか、あるいは現在の主要メーカーが各自工場を拡張いたしましてこれを作っていくかどうか、そういったような日本の製造工業につきましても重大な案件もあるわけでございまして、それを今後私たちは国策の上から、どうやっていったらば一番国策に合い、日本の産業にも、また国際的通信の管制の上から見ても、どういう方針でいったらいいかといったような問題は、ただいま御指摘の通り重大問題として慎重に取り扱って参りたいと存じます。すべては旅行から帰って参りまする者の報告を十分重要な参考といたしまして今後の折衝に待っていきたいと存じますが、なおこのことにつきましてさらに詳細は電気通信監理官がただいま参っておりますので、その者から御説明させていただきますればしあわせと存じます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 現況を要点だけでいいから……。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 ただいまの問題につきまして大臣の御説明を少し補足させていただきます。  ちょっと上林山先生のお言葉の中で、あるいは誤解されたのではないかというふうな点がございましたのでこの点も申し上げたいと思いますが、実はケーブル・メーカーが向こうへ参りましたのは、これはあくまでも製作の技術ということの勉強に参りましたので、ケーブル・メーカーが直接アメリカ側と一緒に話し合ってケーブルを引くということは私どもも考えておりませんし、またそういうことは大体考えられないケースだと思っております。もちろんこのことはアメリカ側と話し合ってきめたわけではございませんけれども、アメリカとヨーロッパの関係その他の関係からいたしまして、大体日本とアメリカの間でケーブルを引くといたしますれば、これは国際電電とアメリカ電話電信会社との間でもって話し合いがございまして、その間で資本を出し合ってケーブルを引くということになりまして、ケーブル・メーカーはただそれに使用するケーブルを発注を受けて製造するという意味で参画するだけでございまして、その意味では日本のケーブル業者がそういった注文を受けて大いに参加していくと申しますか、国際のケーブル界に日本のケーブル業者も乗り出していくということは望ましいことだと思いますけれども、直接ケーブル業者がケーブルを引く、つまりケーブルを布設するという関係でのことにはならないということを、ちょっとつけ加えて申し上げておきたいと思います。  それから回線数の問題でございますが、実はこれもアメリカ側と国際電電の側との話し合いによるのでございまして、おそらく今度向こうへ行っておりますKDDの役員の方と向こうとの間にある程度の話があって帰ってこられるのではないかと思いますが、大体今度太平洋ケーブルで考えられております新型のケーブルは百回線あるいはそれ以上もとれるというふうな程度でございますので、そのうちどれだけの部分を日本が使うかということは向こうとの話し合いできまるわけでございます。ただ、今までの国際電電での将来の検討によりますれば、少なくともそれについてあるいは三十回線あるいは場合によったらそれよりもっとというふうなことは、将来の通信予想といたしまして必要ともなるし、不必要とも考えられるということでございますが、問題は、これもやはりアメリカとヨーロッパとの間のケーブルの布設についての一つの行き方で、これが世界的な行き方になっておりますが、新しいケーブルを引くときにはその使用する回線数によって建設費も分担し、また保守運用費も分担するということが慣例になっておりますので、今度の場合もその点では世界的な傾向の外に出るというわけには参らないというふうに思います。従って、幾ら回線を使うかということが、同時に建設費の分担額にも、また保守費の分担額にも影響するということでございますので、その辺をにらみ合わせて、アメリカ側の意向と、それから国際電電側の意向とできめなければならないということになると思います。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 この問題について、先ほど大臣は、メーカーを向こうが日本から招請したのは、結局技術提携、あるいは技術を提供する、あるいは資本を提供するためにそういう招請に応じたのだ、いわゆる資本も技術もお互いに出し合って、このケーブルを引くのだ、こういうふうにお答えになったのですが、今の監理官の話を聞くと、そのメーカーが招待を受けたのは、そういうものじゃなしに、あくまでもただ参考に見に行ったのだ、こういうように聞こえますが、その間を調整した答弁を、結論的に、簡単でいいから一言おっしゃって下さい。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 松田監理官の申しました通りでありまして、かつまた私との間に、表現の私がまずい点はあったかもしれませんが、答弁の内容は違わないつもりでおります。換言いたしますれば、私の申し上げようといたしておりますことも、つまり契約はKDDとATTとの間に行なわれるのだ、そしてメーカーはその技術を見学に行ったのだ、その点は松田監理官の言う通りであります。そしてまた、私の申し上げることもそれにほかならぬのでございますが、間接的に申し上げますれば、やはりメーカーとしては、それを作るためには、工場も新設あるいは増設しなければなりませんので、結局日本のメーカーもそれだけ資本を使うという意味におきまして御説明申し上げたのでございますから、結局監理官と同じことを申し上げたつもりでおります。何とぞ御了承を願います。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 今の段階においては、具体的に結論的な答弁はできないだろうと私も思いますが、ただ、一言注意を喚起する意味で質問申し上げたいことは、第一には、今あなたは、技術提携、資本提携によって、この二つの会社同士で太平洋のケーブルが引かれるのだ、こういうふうになるわけでありますが、これについては、朝鮮海峡で、御承知の通り、海底電線でいろいろなトラブルもあるわけですね。日本電信電話公社も非常に保守等には困っておるわけなんですが、そういう意味から考えまして、この問題の将来の管理権を、ただ会社と会社だけの契約にまかしておいていいものかどうか。外交交渉による必要は何らないのか。私はこの辺は、この問題の将来のキー・ポイントだと思うのですがね。会社と会社で契約をして都合のいいようにすればそれでいいのだというのではなしに、少なくとも外交交渉も要るはずだと思うのですが、外交交渉は要らぬものかどうかという問題が一点。  それから第二点は、将来のこの管理権は、ハワイから日本までというふうになるのか、あるいはどういうふうになるのかは知りませんが、その管理権というものは、部分的な管理権があるのか、全体を合同して管理権があるのかという問題、これはあなたが郵政大臣のときにこれが問題になって、注意を受けながら、これに対して何らの将来への計画もなかったとすると、これは私は歴史的な失敗になると思うのですよ。だから、この辺でよほどこの問題を慎重にお考えになっておかないといけないのじゃないか、こういうことなんです。いわゆる組織はどういうふうになるのか、特に管理権はどういうふうになるか。外交交渉は要らぬのか。私は今の答弁を聞いていると、ただもう会社と会社が話し合って、技術と資本の提携をしていけばそれでいいの、だ、まだ将来のことはよくわからないというのじゃ、もうこの段階ではいけぬのじゃないか、こういうふうに思うのですが、一つ、これ以上この問題についてはお尋ねしないという含みでお尋ねしたいと思います。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 これも全く上林山先生のお考えと同じでございまして、政府としても無関心でいるどころではなく、重大な関心を持っておりますので、実は私的な会談ではございましたけれども、私が昨年の秋に欧米へ参りましたときに、この問題についての意見の交換もし、むろん日本としては、太平洋ケーブルが日本の本土、しかもできれば東京からできるだけ近い距離のところにターミナルが来ることは、日米関係の非常な平和的な目的で使用されます通信施設として必要なことと存じましたので、さように考えまして会談をしてきたような次第でございます。  なお、外交交渉、管理権につきましては、松田監理官から詳細にお答えをいたしたいと思います。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 実はただいまの問題につきまして、これも数年来行なわれております大西洋横断の同じような海底同軸ケーブルの問題についての、実際扱われている様式でございますが、それによりますと、大体アメリカ側は、常にアメリカ電話電信会社、ATTが表へ出ておりまして、もちろん相手方はイギリスあるいはドイツ、フランス、これはもう直営でやっておりますので、外務省というような関係ではなくて、電信電話の事業者の方がその一方の当事者になるということで、両方の取りきめでケーブルの建設あるいは保守等の事柄がきめられております。そしてその中身といたしましては、大体先ほど申し上げましたように、それぞれの間で使用する回線数によりまして費用を分担する、同時にその建設費を分担する、その分担の程度に従ってそのケーブルを共有するということになっておりまして、結局この大西洋なり太平洋なり広い海洋を横断するケーブルというのは、各国が協同してやるので、協同してその管理をやっていくのだ、お互いの協力によってうまく動かしていくのだというふうな形にできておりまして、もちろんそれを具体的に、だれが保守し、あるいはだれがそれを見ていくかということは、これはこまかい技術協定によりまして、それの能力のある者が適当な技術基準に従って見ていくということになりますけれども、全体の形は常にそういうような形で解決されておりますので、今度の日本の場合におきましても、それとは全然違った行き方ということは、世界の動きというものから見ましてなかなかできにくいのではないかというふうに考えておる次第でございます。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 関連して、ちょっと二、三簡単にお聞きしたいのです。実はこの問題非常に重要問題で、上林山君から伺った機会にお聞きしたいのですが、実はできれば今まで二、三年来の経過を説明してもらうとほんとうは話し合いがよくわかると思うのです。そいつがないものですから、突然で、われわれにもわかりにくいし、お互いにわかりにくい点があるのですが、しかし話に入りましたから、二、三、私としてわからぬ点がありますから伺います。この太平洋ケーブルは、各国が資本を合同してケーブルを作るのか、あるいはまた、その国が使う線に対してその分だけ負担をする、たとえば日本が三十本使うとすれば、三十本の線が日本の国際電信電話会社の所有になるような形式になるのか、そういう点考え方はどうなっていますか。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 この点につきましては、実は昔の電信に使っておりますケーブルの場合には、あるどこかの国が、あるいはどこかの会社がケーブルを引っぱる、従ってそのケーブルがたとえば日本のところまで延びてきたといたしますと、領海内は日本のものになっても、それ以外は向こうの所属になるとかいうふうな問題が常に起こっておりまして、しかもその分担と比例して、実際の通信料金の取り分が大部分向こうの手に入ってしまうというふうな問題も起こりまして、永久にその問題が禍根を残すようになったのでございますが、最近のアメリカとヨーロッパとの間における海底同軸ケーブルの行き方は、結局そういう昔の行き方ではなくて、通信料金はあくまでもお互いの間で半々に取っていこう、そのかわりそのときにその間における必要な回線数というものをあらかじめ相談し合って、必要な回線数に従ってお互いに分担して金も出し合い、経費も分担し合おうではないか、たとえて申し上げますと、アメリカとヨーロッパの場合におきましては、アメリカ側は一方のサイドですから、いずれにしても半分は持つ、それから相手方のフランス、ドイツ、それから将来またそのほかの国も入るわけでございますが、この点は結局アメリカとフランスそれからそのほかの国の分はアメリカが一応立てかえて出しておくけれども、将来ほかの国が入ってくればそれに持ち分を譲り渡して、その国が持ち分を持つようになるのだということで、将来の姿を考えました場合には、アメリカが半分出し、相手方はヨーロッパの国がそれぞれ分担しておる。その分担の割合はアメリカとの間における回線の使用の率によって、経費そのものも分担して、従ってその分担額に従ってこのケーブルはお互いに共有しているという状態になっているわけでございます。従いまして今度の太平洋ケーブルの場合におきましても、国際電電とアメリカとの間に、どれくらいの回線の使用を予定するかという話がきまりましたら、その比率によりまして、国際電電はたとえば半分なら半分を、日米間で使うということにかりになったといたしますれば、国際電電の出す分は四分の一、アメリカ側は二分の一と、将来どこか南方の国あたりが参加して参りました場合に、それに譲り渡し分の四分の一なら四分の一というものを一応立てかえて出しておく、そういう出し分の形において建設費を持ち合い、保守費も分担する、こういう形になってくるわけでございますが、具体的な数字というものは交渉でその点がきまりませんとはっきりきまってこないわけであります。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 ケーブルの経路がよくわからぬからちょっとめんどうですが、たとえば太平洋のアメリカと日本の場合はそれでもいいのですが、もし日本と南方方面、つまり台湾だとか、あるいはフィリピン、あるいは中国、南洋各国、こういう方面との場合は、それに対して日本は所有権の分担を持つことができるような話し合いになっているのですか。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 日本から南方の諸国の方ヘケーブルをもし引っぱるといたしました場合には、これはまた日本と南方諸国との間における相談で、やはり同じような形式がとられなければならぬとは思いますけれども、これは日本と南方諸国との間の話し合いできまっていく問題だと思います。私が今ちょっと申し上げましたのは、今度のケーブルが百回線以上も場合によってはとれるような、相当多量の通信路を持つケーブルでございますので、これを全部日米間で使い切るということはなかなかむずかしい。従って、たとえば将来日本から南方の方にケーブルが引けました場合に、このケーブルと太平洋ケーブルとがつながりました場合には、この日本とアメリカとの間のケーブルの部分を通って南方の国からもアメリカヘの通信路ができていく。従ってそういう場合には南方の諸国がこの日米間のケーブルの中に、やはり持ち分として将来譲り受ければ入ってくるという形になるわけでございます。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 上林山君の心配しているのは、これは単なる国際電信電話会社の問題だけではないのだ、政治問題の上からも日本の将来に大きく影響するというのはそういう点に関連があると思うのです。今までの答弁はアメリカと日本との間の太平洋ケーブルだけのことを言っておる。それが緊急焦眉のことで、先になりましょう。なりましょうが、今度のは百回線以上の大きなケーブルが来るのですね。われわれが知っている範囲では、日本で使うケーブルはそのうちの三十本ないし三十五本だろうと思う。そうすると大体七十本、八十本、九十本というものは余裕がある。ということは、これからまた南方にそのケーブルが回っていくのじゃなかろうか。回っていくときには、今度はITTと南方の国だけが所有権があって、日本の所有権がないということになると、将来日本の南方貿易に対するところの通信路線というものはシャット・アウトされてしまう。であるから、単にアメリカと日本との話し合いで——今度の場合はそうだろうけれども、そういうことまで当然必要があるだろうから、そういうことを含みに置いて相談になっているだろうか、こういうことなんです。そこが非常に重要なんです。  もう一つ非常に重要なことは、先ほどメーカーの話が出てきましたというのは、メーカーが行ったのは単に視察に行ったのではないのです。もう少し国会の方に詳しく事情を言わぬと、すっかりつんぼさじきに置かれると思うのですが、メーカーが行ったのはこういうことだろうと思う。これは、太平洋ケーブル、もちろん将来は南方まで行くだろうが、そのケーブル線に日本のメーカーの作ったものをとってくれ——これは大体において、工場設備からやって二十億ないし三十億かかるだろう。ところが太平洋ケーブルに使うだけ、日本とアメリカが使うだけ、それだけを日本の国が分担するとすれば、おそらく日本のケーブルの費用は全体で五十億に足らない。そうすると二十億ないし三十億の金をかけてやるということは、単にアメリカ—日本のケーブルの線を提供するということではなく、そういう分までを将来やれる、こういう前提でないとメーカーの諸君がそういうものをやっていこうということにもならぬだろうと思う。きょうは最初ですからそういう点が詳しく御説明を願えぬだろうが、もう少し国際電信電話会社並びにメーカーの諸君と、ことに監理官としては詳しく連絡をとって、そうして日本全体の不利益にならぬように一つ処理してもらいたい、こういう注文をつけておきたいと思います。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 今の問題につきまして、南方への通信路の問題につきましては、これはもちろんまだ具体的になっているわけではございませんが、昨年東京でありました電気通信国際会議のときにプラン委員会というのがございまして、そこで、実は日本側からは、南方に将来ケーブルも引っぱる必要があるだろうというふうなことで、これはずっと将来の計画のことを話し合うものですから、そういう話も出しまして、そうしてアメリカ側と話をしておりましたときにも、日本はそういう考えもあるのだというふうなことを話しておりまして、もちろんこれは一応話の程度でございますから、そうきまったとかなんとかいう問題ではございませんけれども、日本が、そういう南方の国の間において相談してケーブルを持ちたいということは、向こうにもわかっておることでございますし、これをアメリカが日本をふつ飛ばしていきなりやっていくということはまあないだろうというふうに考えておる次第であります。  それからメーカーの問題につきましても、これはもちろん、メーカーといたしましては今回技術を勉強して参りまして、それによって将来世界の海底ケーブルの発注を受ける生産界に投じていくということのためにいろいろ努力はされていると思いますが、また今度の海底ケーブルの問題につきましても、なるべく日本にたくさん注文をつけるということは、私どもも希望しているわけでございますが、ただ今度参りましたのは、あくまでもその意味で、将来の生産界に乗り出すための準備のために技術の勉強をしに行くということでございまして、直接これが発注につながるとか、あるいは南方のケーブルの問題とも関連してというふうなことは全然表には出ていないわけであります。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 私は大臣が就任直後の最初の逓信委員会において、カラーテレビジョンの問題について注意を喚起申し上げたことがございます。これは就任早々でありながら重大な関心を持っておられるという意味から、各地においてカラーテレビジョンの認可を急ぐようなお話でありましたので、具体案があるかということをお聞きしたのがそれであったわけであります。しかしながら、その後大臣もこの問題について相当に御研究にもなったし、またわれわれとしてもカラーテレビをいつ開始できるかということは、これは関係者はもちろん、国民としてもあなたの宣伝が非常に徹底したために期待しておるわけです。だからこれについて私は伺ってみたいと思うわけです。  まず、カラーテレビジョン調査会におきまして、これはわが国のカラーテレビジョンの権威者、専門家の人たちが集まった御承知の調査会でございますが、これによると、昭和三十三年十一月第一次の中間報告として、日本では白黒テレビの発達の状況から考えて、VHF帯では両立式が望ましい、こういうふうに述べておるわけです。それから第二次の中間報告が昭和三十四年の十二月にあったわけです。それによりますと、現段階においては、カラーテレビジョンを実施するとすればNTSC方式以外に見当たらぬ、こういう結論を出しておりますが、大臣はこの二つの結論に対してどういうスケジュールをもってこれが実施に踏み切るか、どういうスケジュールを立てているかという点であります。ことにこれを国会の問題として考えておられる問題もあるようだし、あるいは省みずからの問題として考えておられるような問題もありますが、それは後刻承ってみたいと思います。まず劈頭に、ただいまの問題にお答えを願いたい。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 カラーテレビにつきましては、慎重に慎重を期して今日まで参ったのでございます。私、就任以来、いろいろな案件につきましてはきわめて迅速に処置する建前で努力して参りましたところ、皆様の御協力によりまして今日まで諸案件を処理することができましたが、カラーテレビにつきましては、これは急がずに慎重に慎重を期しまして、就任後もう半年以上たってしまったのでございますが、ただいま上林山委員御指摘になりましたように、昭和三十三年にはカラーテレビジョン調査会からの第一回の報告があり、昨年の十二月には第二回の報告がございましたことはただいまお述べになった通りでございます。私といたしましては、七カ月以上、約八カ月になりそうになって参りましたが、長い間各方面の御意見を承り、また自分といたしましても昨年の秋欧米に参りました際に、かたがたカラーテレビの見学、勉強もして参ったわけでございました。短期間ではございましたが、実地にも見て参ったわけでございます。そしてこのくらいきれいに、明瞭に、りっぱに見えるものならば、すみやかに全国民に見てもらいたいといったような気持にはなっておりましたけれども、しかしこれはしょせん私の主観だけであってはならない、さように考えておりましたところ、日本のカラーテレビに関します一流の権威者たちが各方面から集まって組織されておりますカラーテレビジョン調査会の御答申が、ただいまお述べになりましたような、また私も申し上げましたような結末になりました以上は、この客観的事実に基づきまして、私はこのカラーテレビジョン調査会の御意見も尊重して、もうこれならばカラーテレビの標準方式を日本としてきめていくべき段階、そういうふうな事務をとって参るべき段階になったかと思いまして、省議を開き、事務当局に、事務的にNTSC方式に基づきます標準方式決定までの事務処理を命じたような段階でございます。そして、ただいまのスケジュールにつきましては、事務当局といたしましては、まずこれを電波監理審議会で審議する段階と存じますが、電波監理審議会におかれましては聴聞会を開き、各界の意見を十分参照し、また審議されまして結論をお出しになることと存じますが、私たち郵政当局といたしましては、ことに担当の責任者の私といたしましては、その御意見を尊重し、また各方面の御意見をさらに尊重いたしまして結論を出したい。実はNTSC方式につきましては、私としては欧米に参ります前は、大へんきれいに見える日本のカラーテレビだと思いましたけれども、さらに世間にはヨーロッパ式というものがあるのだということを聞かされておりました以上、実際自分の目でヨーロッパ式を見まして、アメリカ式の、現に日本で実験放送しておりますものよりもさらにヨーロッパ式がいい場合には、ヨーロッパ式の標準方式にすべきものだろう、さように考えて、向こうのアメリカ式並びにヨーロッパ式両方とも見学、視察をして参りましたところが、ヨーロッパ式もアメリカ式もともにまことに画面も鮮明であるし、操作の点におきましてもほぼ同様である、これならばどっちに優劣があるともいえない、同じようだ、すでに同じようならば、やはり白黒でも受像できますアメリカ式の方が今日の日本の実情としてよろしいか、さように考えまして、右申し上げましたような段階で処理して参りたい、さように考えております。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいまの大臣の答弁によりますと、日本においては、郵政当局としては、白黒テレビが発達状況から見て適当だと思うから、いわゆるアメリカ方式に標準方式を確定したのだ、簡単に言えば、標準方式はアメリカ方式をとるのだ、こういうふうに受け取っていいのでございますか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 事務当局といたしましては、ただいま申し上げましたように、電波監理審議会の諮問その他各界の意見を徴してからでないと決定までにはいかないので、事務当局といたしましてはまだ未定でございますが、事務処理といたしましてはNTSC方式を標準方式とする方向で、事務処理を命じておるような段階でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 大臣、そんなにこだわらぬでいいのですよ。事務当局というのはあなたを含む事務当局でしょう。あなたは政治家なんです。だからそういうふうにこだわらぬでいいと思う。私の言うのは、いわゆるカラーテレビジョンの調査会が二回ほど中間報告をした、これを大臣としては了承して、欧米を回った結果から見てもそれがいいと考えられて、事務当局としての標準方式を決定したのだ。これからは、手続としてはもちろん電波監理審議会等にかけて、それぞれの御意見も拝聴するが、その御意見を拝聴した上で最後の結論はとるけれども、いずれにいたしましても、大臣の案としてはアメリカ方式を、いわゆる白黒式を採用するということにして、それぞれの手続を進めておる、こういうことなんでしょう。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 その通りでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 何もそういうことにこだわらぬでいいと思うので、そういうふうにきまったということですが、私の聞きたいスケジュールは、そういうものをもちろん含んでおりますけれども、もっとはっきりとしたスケジュールといいましょうか、それを承りたい、こういうわけであります。その標準方式を決定されたことはけっこうであると私どもも考えておる。日本ではそうでなければならぬのじゃないかと考えておるわけで、決して反対しておるわけではないのです。そこで問題は、今おっしゃる手続を経て電波監理審議会にかける、あるいは省令の改正をする、こういう段階を経てこれが具体的に時間的にきまるのは一体いつごろか。めどはあと半年もかかるのか、あるいは一年もかかるのかという、その辺のことは何も機密でもないし、またそういうことを言ったからといって、悪影響のある方面というものは私ども考えて何もないと思う。心配した問題は何もないので、大体のスケジュールの結論的な見通しというのは、これは多少の——それは二カ月や三カ月違うこともありましょう。ありましょうが、大体半年くらい、あるいは一年くらいのうちにはぜひそうしたいものだというはっきりとした目的を持っていって、その努力の結果多少ずれたってこれはやむを得ないので、大体いつごろをめどにして、これをいわゆる商業用、公共用としていつごろ正式に認可できるだろうか、大体この辺じゃないだろうかと自分は思っているがという、それくらいのことをおっしゃったって——関係者はそれぞれの準備があるわけなんです。心がまえがあると思うんですよ。その辺を一つ遠慮なくお示しを願いたい。

甘利省吾郵政事務官(電波監理局長)

○甘利政府委員 ただいま大臣から申し上げましたように、審議会にかかり、それから当然これは聴聞にかかる。聴聞にかかりました場合に、各界からどういう御意見が出るかということの予想が的確につきませんと、聴聞がはたしてどのくらいの期間で済むかということがわからないのであります。かつて、白黒テレビの六メガ、七メガ、いずれにするかという聴聞をやりましたときには、一たん決定しましたが、これに対して異議申し立てがありましたりして、結局半年くらいは相当もみにもんだということがございます。今回の方式は、大体カラーテレビジョン調査会で、各界の専門家が集まって決定をしておるわけで、内容的には、あるいは技術的には、そう大きい異論はないのじゃないかとわれわれ考えておりますが、やはり単に技術の点だけでなくて、メーカー、施設者、視聴者、それぞれそういう置かれた社会的の立場から、あらためてこれに対していろいろと御意見も出るのじゃないかと考えますと、はたしてこの聴聞にかかりました場合に、どのくらいのスピードで決定するか、これは全くわれわれに予想できないところであります。また、それに対して聴聞を主宰します審理官がどういう意見をつけるか、また、その答申を審議会がどういうふうに判断して答申されるか、この辺に時間的に正確——ばく然ともなかなか予想のつかない点がございます。もちろんこういう方式を省として原案をきめました以上は、施設者、メーカー、それぞれのためにきめかけた以上は、なるべく早くきめたい、こういうものを長くたなざらしにしておきましても、いたずらに世間を騒がすだけで、何の効果もございませんので、われわれとしてはできるだけ早期に、スムーズにこれを決定していきたい、こういうふうに考えております。しかしその間において、さらに研究を要する、実験を要するというような意見が出て、これを審理官が取り上げました場合においては、それに対してかなりの日時をかけて試験、研究をするというような事態も起こり得るわけでございます。われわれとしてはできるだけ早期にきめたいと思いますが、われわれ自体のコントロール以外のところで、世論によってこれが決定される、こういうこともございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいまの話を聞いていますと、われわれとしては急ぎたいのだけれども、それぞれのところでいろいろな異議を申し出るものであるから、はっきりと結論は出せない、しかしできるだけ急ぎたいのだ、こういうような、まことに慎重といえば慎重でけっこうであります。これはわが国のそれこそ報道上の一種の革命でございますから、当局が慎重であられるのは、これは私はけっこうなことだと思うのです。思うのですが、しかし、今の話を聞いて、早く一つ天然色のテレビを見たいものだと思っておる国民はどう考えるであろうか、あるいは施設をしようとしている人はどう考えるであろうか、メーカー側は戸惑いを一体いつまでしていなければならないのであろうか、あるいはせっかくこういう調査会、カラーテレビジョンの専門の権威者たちがきめた立場から、この人たちは歯がゆく思っているだろう、いろいろそういう答弁を聞いて、私は副作用が起こるような気がしてならない。私は、そこで客観的情勢はそれならば、今あなた方が考えておる標準方式でいいというふうになっておるのかどうかという点、今あなたの言う世論、いわゆる関係者及び一般の国民を含むいわゆる世論というものはどうなっておるか、客観情勢は熟しているのか熟していないのか、あなた方の考え方を伺いたい。その含みとして、前提として申し上げますが、大体メーカー側はこの方式でけっこうでございます、われわれは技術上において、あるいは設備において、あるいは生産状態において十分符節を合わせて準備ができますぞ、その間に、郵政当局との間に何らの食い違いはございませんよ、あるいは施設をするたとえばNHKあるいは民間テレビ、そうしたような方面の人たちも、施設上においてはもう準備はある程度でき上がっておりますというもの、あるいはまだ準備ができ上がっておりませんので、しばらく延ばして下さいというもの、そういう状態であるのかどうか。あるいはまた専門家たちは一つ早くお進めなさいよ、この方がいいですよと、こういうように勧奨しているのかどうか。これは客観情勢が熟しているか、熟していないか。今、甘利局長の話を聞くと、私は慎重さは尊敬するが、一体どっちなんだろう。そういうことを郵政当局ときめながら、何だかまだ不安があるような、奥歯にもののはさまったような表現のようだ。大臣、あなたがかねて就任当時からおっしゃっていて、あしたでもあさってでも許可するようなあの状態の答弁を僕は聞いて、それからあなたに具体的に追及したところが、結局訂正されたわけだったけれども、また今になってそれを繰り返すというような質疑応答をいつまでも繰り返す必要はないのだと思っているのですが、いかがですか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 このように私たちの答弁が慎重になりましたわけは、まだ電波監理審議会という公の機関がございまするし、それを尊重しなくちゃならない。また各党には政務調査会もあるわけでございまして、それらの御意見等をまたよく承ることも郵政当局として当然のことでもございますし、いろいろなそういったような面がございますので、各種の機関の御意見を尊重いたしまして、実はどうもてきぱきした答弁が申し上げられませんで、はなはだどうも先生のお気持にも沿わないのみならず、私の方でも何だかどうもはっきりしたことを申し上げかねて恐縮なんでありますけれども、そう長いことないと存じますので、いましばらくこの辺の答弁で一つ御了承いただきたいと存じます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 私は、個人としてはあなたの御要望に沿いたいと思いますけれども、少なくとも国会議員という立場で、国民の代表でございますから、最後に一言だけ、それならば一歩譲歩してお尋ねをいたしますが、先ほど、いろいろ困難な事情もあるし、慎重にやらなければならぬ事情も私はよくわかりました。しかし、私の今お尋ねした具体的な客観情勢の問題なども、これは甘利局長にあとでお答え願いますけれども、お答えがないわけですが、それはそれとして、一応の見通し、いわゆる審議会にかける、大体いつごろかけられるか。そしていろいろな問題もある、時間的なズレは多少あるかもしらぬが、しかし大体の目算は昭和三十五年の何月ごろに置いておるのですか。そこを目途として、それぞれの協力を願ってわれわれはやっていくつもりだ。それぐらいの答弁はできるでしょう。これは最後の結論としてお聞きしておきたいと思います。そうして甘利局長、客観情勢はどうか、メーカー側はどうか、施設者側はどうか、一般国民はどうか、専門家はどうか、これはあなたとしては行政家としてつかんでいなければならぬ。非常に反対されるものを出しても、これは時間がかかるわけですから、それをきめた以上はその辺の認識がなければならぬでしょう。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 まず客観情勢から、甘利局長より御報告させていただきます。

甘利省吾郵政事務官(電波監理局長)

○甘利政府委員 客観情勢の把握ということでございますが、まず何事によらず、こういうことをやります場合にいろいろ意見がございまして、大体多数意見というのはあまり表面に出てきません。ブレーキをかける、あるいは反対意見というものは非常に強く浮かび上がって参っておるわけでございます。従って、メーカー側を例にとりますと、これは各メーカーの宣伝もございまして、こういう決定を見る前にはもうあしたからでもできるのだというような宣伝もございました。しかしこういう決定を見ると少し早過ぎたというようなことを申します。また施設者の方もあすからでもカラー放送ができるのだという態勢を整えておるところもありますし、まだ全然われわれは、カラーは様子を見てからやるのだというので宣伝しておらないところもございます。また研究面でいいますと、NTSC以外の日本独自の新方式というものを研究したいという方々は、こういうものを決定するのは研究を阻害するから早い、こういうように言われますが、一面製造技術を考え、また受像機の技術をやっておられる方はとにかく方式がまずきまらないことには研究する目標がはっきりしない、そう研究範囲を広めてばかりいてもどうにもならないじゃないか、世界の情勢が大体NTSCに固まりつつある、これはヨーロッパ、アメリカにおいてもNTSCあるいはこれに準ずるものであるということには大体違いはない、そういう世界情勢であれば、日本としても一日も早くこういう方式をきめて、そのきまった方式の中でいろいろな研究をするということの方が能率的ではないか、こういう意見もたくさんございました。そういうようなわけで、われわれとしましてはカラーテレビジョン調査会の意見が大体専門家の意見としてはNTSCでよかろう、また一般視聴者の立場から見ますならば、NTSC方式をきめることによって受像機の国産化、低廉化というものが促進されるならば、カラーテレビを見る機会がそれだけ早まるわけで、一般国民としてもこれを歓迎するのではないか、こういった考え方で、大よそ一般世論のカラーに対する機運が熟しておる、こういうように考えております。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 ただいま監理局長から申し上げました通りでございますが、さらに答弁を申し上げますと、あらかたの情報また御意見を直接間接に承っておりますところでは、カラーテレビが日本で行なわれるようになるということについてはどなたも御異存がないようであります。ただ、それをいつ標準方式を決定するか、どういう標準方式に決定するかということについてそれぞれ御意見がおありであるというのが客観情勢だと存じます。どうも私の申し上げますことは、客観情勢と申しながら主観に陥ることを慎しむために、とかく答弁がよどみがちで恐縮なんでございますが、あのくらいきれいに見えますのでしたら、もうあんなにきれいに見えるものは、どなたに見ていただいてもいいのじゃなかろうか。それで、たくさん製造いたしますれば、コストも非常に安くなりますし、ちょうど今アメリカへ日本のミシンがどんどん逆輸出されていると同じように、またワン・ダラー・ブラウスの前例もございますようなわけで、日本は非常にコストも安く、しかもいい技術でよい製品を出すのが、日本の製造工業界の世界的特徴であるので、これが早く許可になりますと、どんどん輸出されまして、今日アメリカで五十万台ぐらいのカラーテレビが、日本の輸出工業の力によりまして、どんどん発達していくであろう。ことにまたヨーロッパ方式を採用する国におきましても、日本からどんどん輸入されるだろう。というのは、ヨーロッパ方式もアメリカ方式も部品におきましてはそれほどの違いはないので、ごく小部分の部品が違うだけであると承知いたしております。そういうふうなわけで、これをすみやかに許可することによりまして、日本のテレビに関しまする製造工業、また貿易もどんどん盛んになっていくというふうな抱負を持って差しつかえないのじゃないか。そういうふうに考えておりますけれども、それはしょせん客観的観察のようでございますが、よく考えてみると、それには私の主観もまじっておってはならぬ、やはりこれには政務調査会等の御意向をよく尊重いたした上でなければ、担当大臣としての答弁は慎重を期さなくてはいけないのじゃないかというふうに考えまして、腹の中にありますことも、やはり各機関を尊重いたしまして、それらの御高見を拝聴してから実は御答弁申し上げたい。こういうふうなわけで、今日の段階では右の程度の答弁をもちまして、何とぞ御了承賜わりたいと存じます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 どうも大臣は、郵政省として標準方式をきめながら、きめる前に、あるいは政党内閣でございますから、政務調査会の意見をよく聞いて立案され決定されるということもいいでしょうけれども、ここに標準方式を決定して、そして省令を改正して、電波監理審議会にかける方針であると言ってあなたが施政方針で明らかにされておるわけなんです。それをこれからも慎重を期するのはけっこうであるけれども、大体の目安というものがないということは、これはおかしいじゃありませんか。ことにこれは、あなたも一言触れられましたが、電波産業というものに非常なる影響を及ぼすわけですよ。同時に聴視者の方々にも非常な影響があるわけです。客観情勢はだれもこれをやることに反対ではない。ただ問題は時期の問題なんだ、時期が半年違うとか、あるいは一年違うとかいうだけの問題だということになるならば、郵政省としては大体の目標はここに置いておるのでございますが、この目標通り、はたしてなるかは知りませんが、努力してみたい、このくらいの発言はあったって、何らあなたが大臣としてお苦しみになることはないんですよ。私はこう思います。そこで、甘利局長も聞いて下さい。客観情勢はある意味においては熟し、ある部分においては熟していないというなら、その客観情勢をよくつかむために、一つこれは正式の法によらざる会合、懇談会でけっこうだから、いわゆるメーカー側、施設者側、専門家側、個別的にでもいい、一緒にでもいいから、こういう方式をきめたが、あらゆる角度から検討して、一つ隔意なき御意見を承りたいということで、いわゆる懇談会を作られて、客観情勢をもっと正確に把握する方途を講ぜられたらいかがですか。そういうふうにして、できるだけスケジュールのポイント、ポイントを押えて、最後の結論は大体ことしの何月ごろを目標にしているが、多少の時間のずれはありましょう、しかしここにピントを合わせてわれわれは努力しておるから、協力願いたい、こういうふうに行くのがほんとうですよ。私は真剣にそう思います。これは決して何も派手にお互いに質疑応答しているのじゃないので、私は真剣にそういうふうに考えるのですが、一言私のその要望を含んだ質問に対してお答え願いたい。それで結論をつけたいと思います。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 ただいまのお話の通り、御質問の要点は、どういう目標で努力してみたいというふうに明らかに答弁せよという御趣旨と考えまして、その努力目標を申し上げますと、遠くは本年の九月に国際会議があり、列国から国会議員が大ぜいお見えになります。そのときには、もう日本にカラーテレビがあり、しかも日本のカラーテレビはこんなにいいのだ、ある点においてはアメリカよりもっと鮮明な色彩で、こんなりっぱなカラーテレビがあるのか。ヨーロッパでもってヨーロッパ方式がまだ決定いたしませんが、あれはヨーロッパだけの特殊の事情だと観察しておりますが、それにいたしましても、ヨーロッパに先がけて日本ではこんなりっぱなものができているのだということを世界に向かって吹聴し、すみやかにカラーテレビ実施を世界に慫慂するような格好になりますれば、これは日本の文化の進展、製造工業の進展も、テレビ放送の非常なすばらしい進境も世界に理解されることであろう。さように考えて、かつまたこの国際会議を契機といたしまして、日本の教育、文化、産業等がカラーテレビによって見てもらえることになるのじゃないか。そういうふうな考えも持っておりますが、そのためには、それが八月ごろになりまして標準方式が決定いたしましたというのでは、なかなかそういう目的も達せられません。どうしてもこれはできるだけすみやかに、欲を申し上げまするならば、電波監理審議会を開きまして、聴聞会も割合にすらすらと通していただきますれば、それは三月の末とか四月とかになるのであろうと存じますけれども、また先ほどから電波監理局長の申し上げます通りに、どういうふうに審議会の御審議が展開して参りますことやら、また各党の御意見等も参酌してみなければならないので、努力といたしましては、これはほんとにすみやかに努力したい。そうすると物理的には、電波監理審議会の招集の期間、審議期間、審議後の結論を出しますまでの期間等を物理的に計算いたしますと、これは新聞にございますように、二月一ぱいとか三月の初めにはさっそく許可できるような新聞記事でございますが、そういうようなことは計算的にもむずかしいかと存じます。大体、できるだけすみやかに標準方式の決定まであらゆる努力をして参りたい、さような決意でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 やっと大臣が私の質問の要点に触れられたようでございますが、努力目標として、三十五年度日本で開かれるいわゆる国会議員の国際会議に間に合うようにしたいものだ、そして、そういうふうになるには、三十五年のせめて三、四月ごろまでには、各方面の御協力を得て許可をしたいものだ、こういうふうにはっきりと答弁せられたので、この問題についてはこれ以上申し上げません。決して私もあなたの言質をとってどうこうというのじゃございませんから、気を楽にお考えいただいて、最後の努力を願いたいと思います。この点だけを申し上げまして、カラーテレビに関する質問を終わります。  その次にお尋ねいたしたいのは、簡易郵便局の問題についてでございます。これは御承知のように、三十四年度も、三十五年度と同じように、党の政務調査会を通って政府に連絡したところ、五百局設置の予算を認めた。しかしながら昨年は、簡易郵便局法の組織に関する法律が改正せられなかったので、いわゆる個人委託というものが認められなかったので、結局その予算は使わずに済んだ。こういうことになったのは、これは郵政事業を国民のためにできるだけ便利にしようとする意図というものがこわれた、こういうことになると思います。ことに五百局のうち設置されたものはわずかに三十局、しかも、反対に廃止されたものか、十五のいわゆる特定郵便局への昇格を含めて、結局三十あった。とんとんになったというので、五百局の予算をとりながら、予算は国会の承認を受けたが、結局これを使わずに済んだ。これは、それぞれの事情もありましょうが、簡易郵便局法を改正して、そして国民にサービスをよくしよう、それは個人の委託も認めて、せめて手数料を大幅に引き上げて、山間僻地の国民が利益を受けるように、こういう意味で、私は、この点は当委員会にはよく話をすれば御了解願えるものじゃないか、こういうように考えておるのですか、大臣、一つこれに対する考え方、あるいはこれは野党の御了解も得なければなりませんが、いわゆる簡易郵便同法のこうした趣旨の改正くらいはもうできなければならぬのじゃないか、こういうように私は考えるのです。今度の国会に簡易郵便局法の改正、これを提案する御決意があるかないのか、やはりまた三十四年度と同じ結果にこれも終わらして、無難に委員会を過ごして、多少問題のあるのはやらずに、ほかの問題だけを無難にやっていこうというお考えなのか。これを私ははっきり伺っておきたいと思います。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 全くただいまの御意見の通り、郵便局の置局要望が各地にございまするし、山間僻地等におきまして、今のような特定郵便局だけでは財政上も困難を来たしますし、大へんな問題であると思います。この際、定員法の問題から考えまして、なかなか容易ではない。そこで、簡易郵便局設置の必要性は重々痛感しておるのでございますが、ただいまその問題につきましては、将来において法案提出につきましての文書その他の問題を検討中でございます。できればぜひとも——できればぜひともという言葉は変な言葉ですから取り消しますが、今国会中に何とかして出したいと今のところでは考えております。作業といたしましては、まだ最終段階までには至っておらない実情であります。なお、郵務局長から御答弁申し上げます。

板野學郵政事務官(郵務局長)

○板野政府委員 ただいまの大臣のお答えに対しまして、私から補足的に御説明申し上げます。  問題点は、現在の簡易郵便局法の一部を改正いたしまして、従来の公共団体あるいは農協というような団体以外の個人にこれを請け負わせるというような制度にいたしたい、こういうわけで、ただいま作業を進めておる状況でございますが、そのような団体が、ただいま先生のおっしゃいましたように、昭和三十年以来毎年百ないし最上は五百くらい認められておるのでありますが、わずかに三十程度くらいしか新設がない。しかも、むしろ廃止する方が多いというような実情から考えまして、このような欠陥を除きまして、そして、山間の必要なところにはどしどしこういう機関を置いていく、こういうような考え方で進めておるわけでございます。これらの対象になります団体なりあるいは個人の資格要件を一体どういうように考えるか、こういう問題、また、これは簡易郵便局の扱います事務の範囲あるいは事務の量というものがはたして個人の能力で耐え得るかどうか、耐え得る範囲は一体どういう点であろうか、こういう点、あるいは簡易郵便局設置の基準をどの程度に置いたらよいかというような問題、それからまた、事故等のございます場合には、団体を除きまして、個人につきましては、それらのサービスの保証と申しますか、そういうような問題につきまして、ただいませっかく検討をいたしておる次第でございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 ただいま郵務局長から答弁があった通り、大臣、先ほどあなたの答弁されたように、これは定員法その他の関係もあって無集配の郵便局を作ることができない。山間僻地、特に不便な国民に郵政事業のサービスをできるだけよいふうに及ぼそう、こういうわけでできたのです。それが、最近では、自治団体とか農協方面ではもう経費が持てないというので、あまりに過酷であるというのでこれを廃止しようとする空気があるのです。それにもかかわらず、ここに五百局の同種の簡易郵便局の予算をとりながら、三十四年度もこれができなかった。申請したのはわずか三十局だが、やめたのなんかがありますから、結局プラス・マイナス・ゼロであった、こういうことなんです。だからこれは、第一に、個人でまじめな人がいれば、個人の範囲を拡大するということからいって、第二点は、手数料を、私をして言わしめれば、今の二倍半くらいせめて上げてやっていく。あるいは取り扱う範囲を、よほどむずかしい危険のあるものは別として、大ていのものはこれの坂り扱いができるようにする。こういうようなふうにして、いわゆる定員に縛られて郵政事業が末端まで浸透していない日本の現状から、これに活を入れて、そしてこれを生かして国民に奉仕する、こういう行き方をされるのが私は適当だと思いますので、一つ、ただいま私が申し上げたことを御検討いただきまして、できるだけ——予算をせっかくみんなが協力して、大臣の御努力でとりながら、これがまた三十五年度も三十四年度と同じ結果だったということは、これはもうまことに遺憾であると考えますので、それこそこの趣旨を話せば、各方面とも御了解が願えるものと信頼をいたしておりますから、どうぞ今度の国会に成案を得て、一つお出しになるように私は要望いたします。

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤委員長 森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 私は今の簡易郵便局の問題について、ちょっと大臣に質問をしておきたいと思います。  今、上林山委員が言っておられましたように、この手数料を引き上げるということについては私も賛成でありますし、また手数料は少なくとも今の二倍半程度に引き上げるということについては、これは大いにやらなければならぬことであろうと思いますが、ただその場合に、手数料を二倍半に引き上げるということになった場合には、これは率直に申し上げまして、個人に請け負わすということをやらなくとも、今の手数料を二倍半に引き上げるならば、当然今の地方公共団体、農業協同組合あるいは漁業協同組合において十分採算がとれ得るわけであって、十分やれる、こういうことになるわけなんです。もともとこの簡易郵便局法というものを設定する際に、個人に請け負わすか請け負わさぬかということについては非常に論議せられたわけです。論議をせられておりまするが、その際には、通信の秘密、そういう観点からいたしまして、少なくともこういう問題については個人にこれを請け負わすということはいけない、最小限度地方公共団体あるいはまた協同組合という程度の責任が持てる程度にやらすのが至当であるというのが、大体この法律をこしらえるときにあった意見であります。そういう観点からいたしまして、今日まで参ったわけでありますが、先ほど郵務局長が答弁をいたしておりましたように、二十なりあるいは三十やめたところもあるというのは、地方公共団体にまかすわけでありまするから、当然その手数料というものは月四千円か四千五百円程度ということになる。そういうことになりますと、地方公共団体は当然人一人雇ってやっておりまするから、地方公共団体の市町村がその簡易郵便局に対して月額四千円なり五千円なり出してやらなければならぬ。ところが地方公共団体というものはそれを出すのは当然いやだということになる。そうするとその地方公共団体に簡易郵便局をやるということで雇われた人は、簡易郵便局の四千円なり四千五百円なりの手数料だけしかもらっておらぬわけであります。あとの三千円なり四千円というものは自分で負担をするわけであります。そうして今日、その個人の犠牲において行なっておりまするのが今の簡易郵便局の実態のあり方であります。そこで全国の簡易郵便局の経営者の諸君——これは経営者ではありません。要するに市町村から雇われておる簡易郵便局の当事者の人たちが今回手数料を引き上げてもらいたい、手数料が引き上げられるということが困難であるならば、少なくとも個人に引き受けさせてもらいたいという陳情を始めたわけです。そういう観点からいくと、郵政省としての通信の秘密、公共性という立場からいくと、これをやはり従来のように地方公共団体が最小限度であるということで手数料を二倍半程度あるいは二倍に引き上げるということになるならば、これを個人に請け負わしてもらいたいという全国の簡易郵便局の声というものはたちまち消えてしまうわけであります。その辺のことをよく認識をして、一つ御検討願いたい。そうでなしに、頭から個人に請け負わすということを念頭に置いて考えていくと、やはり間違った方向になりがちである。私が今申し上げた、かりに簡易郵便局の実態というものがもし違うところがあるというなら、実際に運営をしておる監督者である郵務局長が、森本委員が言っておることは違うということがもしあるとするならば、その違う点を指摘を願いたい、こう思うわけです。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 この問題は、先ほど申し上げましたようにまだ作業が完成いたしておりませんので、各方面の御意見を十分参酌しながら作業を進めておるようなわけでございまして、いずれ法案提出の運びになりましたならば十分に御審議願いたいと存じますが、その際にまた皆さんの御意向につきましても、それが成案にどういうふうに現われて参りますか、それによりましてまた御質問をちょうだいいたしまして御答弁申し上げたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が言っておるのは、そういう法案を提出する必要はない、要するに手数料を引き上げさえすればその問題は立ちどころに解消する、こういうことを私は言っておるわけであります。今全国の簡易郵便局の実際に当たっておる当事者の諸君が個人にもやらしてもらいたいということを言っておるのは、毎月々々四千円なり五千円なり自分たちが負担してまでやってはかなわない、だから市町村ということを切り離してもらって、自分が四千円なり五千円で請け負って、ひまなときには仕事をしておっていいのだから、こういう意味です。それでは通信の公共性、秘密性が保たれぬということを言っておるわけです。あなたが言うように法案が提出されてきてからここで審議しよったら始まらぬ。その法案が出るまでに私が今言ったような考え方で手数料の問題に予算的な措置を講じていくならば一番望ましい方向になる。また郵務当局それ自体も、おそらく課長クラス以下の諸君はこの問題について私が今言ったような考え方で同調しておると思うのです。そういう点十分考えて法案を提出したら審議してくれと言うけれども、私が言っておるのは、今私が言ったような考え方で実際やるならばその混乱を招くような法案は提出する必要はないと言っておるわけであります。そういう点は上林山先生が言われた点についても十分慎重に討議をする必要がありましょう。しかし私が今言ったような点については実態論から言っておるわけです。そういう点も十分加味して、法案を提出するとかなんとかいうことでなしに、一体この簡易郵便局の問題についてはどういうふうにしていったらいいかということを具体的によく省内で練ってもらいたい、こういうことです。あらゆる意見、また実際の簡易郵便局の実態をよくつかんで、そうしてその上に立っての省内における討論を行なってもらいたい。あなたは何が何でも法案を提出したらというようなことを言っておるけれども、今私が言ったようなことを全国の人々が了承すれば提案する必要がないかもわからぬ。そういうところに問題があるから、一つこの問題についてはあなたの方はまだせっかく準備中ということだから、その準備の段階において一体どうやれば一番国民のためになるか、しかも通信の秘密性、公共性を保ちながら、しかも全国の簡易郵便局の当事者が満足をするかどうか、そういう方向に結論をつけられるように討議を願いたい、こう思うわけですが、どうですか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 できるだけ各方面の意見を参酌いたしまして、この問題を提案するかしないかを決定いたしたいと存じますが、万が一出しました際には十分御討議を願いたいものと存じておりまして、森本委員の御意向も省内での作業の途上におきまして十分論議を尽くしてから、慎重な態度でこの問題に臨みたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは簡易郵便局法が成立のときからの情勢を考えても、それ以来の客観情勢を考えても、今これを個人に引き受けさすという法律案を提出する必要は何らない。それよりか手数料の引き上げを考えて、やはり公共性、秘密性を保った方がいいということは、おそらく私は省内の諸君はほとんど賛成だろうと思うのですが、たまたま大臣がカラーテレビみたいに、政治的に押されて事務当局がどう言おうがこう言おうが一ぺん押し切ろうというふうなことはなかったと思いますが、かりにそういうようなことがございましたら大事でありますから、そういう点については、事務当局といえども、これはやはり末端の方の実態というものをよく知っておるわけでありますから、その点は大臣がなかなか政治家であって、このごろよう押し切るようなこともあるようでありますから、そういう点がないようにとくと希望しておきたいと思うわけであります。  それで、ついでに今のカラーテレビの問題でちょっと聞いておきたいと思います。  昨年の十二月にカラーテレビジョン調査会から一応の中間報告が出たわけでありますが、この中間報告が出たら、得たり賢しと、大臣は、もうきめた、すぐ今にも免許になるというふうな発表をして、私の仄聞するところによると、いろいろ各方面からも、ちょっと大臣出過ぎたというようなことで怒られたようなことも聞いておりますし、きょうはまた盛んに答弁の中で、政党内閣でありますから、政党の調査会あたりにも十分御意向を聞いてと、なかなかきょうは低姿勢になっておるわけでありますが、初めからそういう低姿勢でやれば、そう問題がなかろうと私も考えるわけであります。  そこで、ちょっとお聞きしておきたいのは、その得たり賢しと考えたこの中間報告というのは、カラーテレビジョンを早急に実用段階に移せという報告ですか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 二つの点についてお答え申し上げます。  まず、私がカラーテレビで政治的圧迫を受けたという御発言でございましたが、これだけは絶対にございません。それだけはもう声を大きくして御答弁申し上げます。  それからその次に、第二回の答申は、ただいまの段階において標準方式を決定するとすれば、ああいうNTSC方式以外にないんだ、そういう趣旨の答申と心得ております。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が先ほどの発言をしたのは、大臣がそれで取り消されたらけっこうでありますが、しかし、先ほどの大臣の答弁と甘利局長の答弁とを聞いておって、大臣たる政治家と技術屋の事務当局との間に、何かちょっとしたものがあるんじゃないかという気を起こすのは、これは私だけじゃない。ここでさっきから聞いておった委員がみな、横で話をしてみると、妙に違うぞ、だいぶ電波局長と大臣との答弁は違うぞ、やはりこれは技術屋の若干の抵抗じゃないか、大臣もえろうなったわいということを、今答弁を聞きながらやはり考えざるを得ないような答弁だったと思うのです。だから、そういうことがないということではっきりしたわけでありますから、けっこうであります。  そこで、この中間報告というのは、大臣が鬼の首でもとったように発表したことと違って、今カラーテレビジョンを実施するとするならば、この方式より以外にはない、こういうことであって、今このカラーテレビジョンを実用段階として早急に日本に普及すべきかどうかということについての結論は、この調査会は出してないでしょう。どうですか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 それは科学者として、また一流の調査会のメンバーとしては、答申の方式は大へんみごとな答申の仕方だと存じておりますのは、日進月歩の電波界の電気科学の今日にありましては、今日こういうカラーテレビがあって、私たち見まして、まことに美しいカラーテレビだ、これを普及しないというのは、むしろおかしいんじゃないかとさえ思うわけでございますが、しかし目まぐるしい飛躍的な発明がございまして、現在のNTSCよりもずっといいものが、明日にも明後日にも発明されるかもしれない。そうすると、科学者もまた調査会のメンバーには入っておられますが、やはり学問的立場から考えまして、万が一、思いもよらない非常な発明が突如としてあったような場合には、やはりそっちの方がいいということになるのでございましょうが、かくては、そういったような予想もしないような——予想と申しますか、思いがけないような事態が起こりますことを予想して、行政をストップさせておくのはいかがか、今日の段階におきまして、あの通りりっぱなカラーテレビであるならば、NTSC以外に今日ではほかに方法がないという御結論を率直に解釈いたしまして、NTSCに踏み切って差しつかえない、さような結論を出したわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が言っておるのは、標準方式を決定するということと、実際の実用段階としてこれを民間放送なり公共放送なりで放送していくということとは、現在の段階において考え方がおのずから別ではないか、それを聞いておるのです。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 私の考え方、理念といたしましては標準方式を決定するその作業をどんどん進めさして、それには省令の改正が必要でございますので、その作業を一方におきまして進めておるわけでございます。さて、それでは作業ができ上がりましたときに、これをすぐ即座に省令改正というふうになるか、それとも作業は作業としてやるところまでやっておきまして、世の中の趨勢を見まして、それをどういうふうに実施していくかということは、またそこに多少の時間的ズレが生ずる場合もあり得ると御了解いただきたいのでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この調査会の答申においてもいろいろな問題を提起しただけであって、それに対する調査会としての結論というものをそこにつけておるわけじゃない。だから、こういう問題について、こういう問題について、こういう問題についてと、あらゆる問題を出しておるわけです。だから、そういう問題がすべて解決がついて、そして各方面も見て、国内情勢から見てもあるいはまた経済状態から見ても、実際にこれを実用段階としての商業放送なり公共放送なりにやってもよろしいという結論がついて、初めて免許の段階になる。それを、さっきからあなたの答弁を聞いておると、はやもう四月にも五月にもすぐ免許をして、すぐ商業放送もできるというような答弁だから、あまりにもそれは先走った考え方ではないか、少なくともこれからまた電波監理審議会あたりでも、調査会が出した答申案の内容においてすら、かなり討議しまた審議しなければならぬ問題があるので、今の段階においてそう簡単にいくものじゃない。しかもこの調査会の結論というものは、現段階においてカラーテレビジョンを早急に実施をするとするならばこれよりほかにないということであって、早急にこれを今商業放送なり公共放送に乗せるということがいいか悪いかという問題については、おそらく話は出ておらぬと思う。だから、そういう問題についてよく検討するのが郵政大臣だ、また郵政当局なんだ、そこが行政家でありますから、その行政的立場から見た場合に、あなたが十二月に発表した声明をまだそう詳しく読んでおらぬからわからぬけれども、十二月の声明の発表では、おそらくもう来年の四月か五月には免許もできるというような意味の発表だったろうと思うが、そういうことはなかなか時期尚早であり、また先走った考え方ではないか、こう考えるわけです。その点についてはどうですか。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 この点は御意見と私の意見とがちょっと違っておるのでございますが、私の担当者としての意見では、あんなに美しく見えるものならとうに許可してもよかったのではないか、ただ自分が担当の責任者としては、ヨーロッパ方式というものがあるのだから、さらにアメリカ方式よりいいかもしれない、それを見ずして電波監理審議会に諮問するということは、これは軽率ではなかろうか、担当者の主観だけであってはいけないということで、客観的事実の調査の発表を待っておったのでございますが、幸いにして、その調査も私たちの考えておると同じような調査結果になったものでありますから、もう踏み切っても決して尚早ではない。もう七年も八年も実験を続けてきておりますのですから、一つのことを決定いたしますのに、こんなに長い年月の間実験いたしましたら、もう結論が出ても軽率だとか早過ぎるということもなし、私が就任いたしましてからも半年以上もたって、まだ行政的に結論を出さないというのでは、これは行政の担当者としてもはなはだ世間に申しわけないというふうに考えますので、尚早とはどうも私としては考えられないのでございます。これは意見の相違でございますので、これ以上いかんともなしがたい点でございますが、何分ともこういったような時間の経過等も一つ御参酌いただきまして御了解賜われば大へんけっこうなので、ぜひ森本委員にお願い申し上げます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が時期尚早と言ったのは——大体、大臣はしろうとのくせに、はっきり言ってですよ、外国へ行ってテレビを見て、ヨーロッパ方式の画面を見て、それが見た面がいい、なかなかこういう見たものはいいんだったらこれはすぐ許可しなければならぬというような答弁を今しておる。そういう答弁の仕方はないと私は思う。それは画面がよくても、それをこしらえる受像機はコストがどれだけで、どう発展をしていって、そしてその調整がどうであってというところまで具体的によく検討して、それから技術的な問題もよく検討してそういう問題については考えていかなければならぬと私は思う。ただ画面が見えたからやるというなら、赤ん坊だって画面が見えて、これはすぐやる、こういうことになる。私の言っているのはそういう意味じゃない。私の言ったのは、画面がきれいに見える、それだったらそれをこしらえて一体どうなる、それからそれについてのコストがどうなる、それからあなたが言った対外的な輸出の問題はどうなる、送信状態はどうなる、それについての波の問題はどうなるというような具体的な問題を十分慎重に討議をして、そうしてその上において、こういう問題について時期尚早とかなんとかということじゃなしに、慎重討議をした上において大臣がああいう発表をしてしかるべきだと私は思う。今度の調査会の答申というものは、そういう問題についての結論を出してないでしょうが。具体的な問題として。だからその問題でああいう調査会の答申が出て、そういう内容を逐一郵政当局が全部討議をして、そうしてこれは十分に大丈夫だから一つこういうふうにやるという大臣の発表なら、私はまだ納得がいくと思う。しかし大臣の発表はこの中間報告がなされてそれからあと幾ばくもなくして発表され、しかも今私が言ったようなことについての討議をした形跡が全然ない。それを今日までやっておったというならそれでいいですよ。それでいいけれども、今日までやっておるなら何も調査会の答申がなくったって、これはすでにやられておるはずなんです。調査会から一つの答申案が出ていろいろの問題を提起する、そういう問題も全部あなたの方で検討してみて、これは大丈夫だということになって大臣が発表される、私の言うのは、そういう内容についてそれぞれの各党にもいろいろの専門家もおるわけだから、そういう方面にも話を聞く、それから各界にも聞いて、そうしてあなたが慎重審議の結果、これは一つ早急にこういう方式でやらなければならぬ、こういうことで発表するなら、私は何も時期尚早とか上すべりとか言いたくない。ところがこの間の年末の発表は、この報告が出てすぐ間髪を入れずあなたは発表しておる。その意味で私は非常にふに落ちない点がある、こういうことを言っておる。あなたと私の間には見解の相違があるというような、木で鼻をくくったようなことを言われますが、それほど見解の相違はない。今私の言っておるのはそういうことを言っておるわけであって、その点について大臣はどう考えるか、こういうことを言っておるわけです。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 考え方につきましては、森本委員と私とおっしゃる通りそう違いはないと思うのです。というのは、私が向うへ行ってみまして、ああ、きれいに見えるからいいのだ、そう簡単に割り切ったのではないので、先ほどから反復答弁申し上げましたようにヨーロッパ方式がいい、きれいに見える、それからアメリカ方式もいい。どうせどっちも同じようにきれいに見えるならアメリカ方式の方がいいと踏み切ったと申しまして、それは私の視覚、この目で見たところだけからの結論ばかりではないのでございまして、この六カ月の間十分に検討いたして参った結果でございますが、しかしこれは見て美しい、これならいいというのは、しょせんは私だけの主観にすぎない、主観だけで決定してはいけない。ところが各界で一流の人を網羅したカラーテレビジョン調査会で客観的に結論が出た。この調査会の答申を客観的事実と見まして、それでその調査会の答申ができてから十日ほどたちましてから、私ちょっと漏らしましたことが、大へんどうもその点国会方面と連絡不十分で私としてはまことに遺憾に存じておりますが、こういったような連絡不十分という点はございましたのですが、ただいまの御指摘もございました通り不十分でございましたのですが、しかし結論をつけますまでの間にはただいまの価格の問題についても考えました。それから価格に従って普及の度合ということについても考えて参ったのでございますが、私は白黒テレビの許可のときもそうであった、それから他の新発明品についても同じことであろうと存じますが、たとえば蓄音機にいたしましても、ラジオにいたしましてもさようだと存じますが、最初から各家庭あるいは個人のポケットの中にその発明品が普及いたしませんでも、たとえばまだ価格の高い当時におきましては、一つの場所に集合いたしましてみんなが共同してそれを味わっていく、享受していくというような段階から、それがマスプロになりまして、やがては家庭に入る、あるいはさらに新しい発明もできて、今日のトランジスター・ラジオのごときは集合場所から家庭に入り、さらに個人のポケットにまで今日は入ってきている状態でございます。白黒テレビにつきましても、今日は個人のポータブルのテレビさえもできてきているような実情でございますので、カラーテレビにつきましても、最初値段の高いうちは集合場所で見る程度におきましてもこれを許可まで持っていっても決して時期尚早ではない。かくて、許可によってますます製造工業も刺激されて発達して参りまするし、またコストも下がって、一般大衆がこれを見ることができる。そうすれば民間放送においてもスポンサーがどんどんついて参る。今日のような価格が高く台数が少ないにかかわらずスポンサーもついているような状態でございますので、マスプロになりますれば、ますますこの目的が実現されるのである、さように考えまして許可にいくべきものだというふうに考えておりますので、決してこれはただテレビ調査会がああいう答申を出したからすぐ飛びついたわけではございません。十分慎重に今日まで検討して参ったのでございます。なお、またカラーテレビジョン調査会の答申なるものが、今日の段階ではということにつきましては、先ほどから申し上げますように、慎重なる答申書の発表の方式といたしましては、思いがけざる、思いもよらない正画期的な大発明がいつ何どきないとも限りません、そのためにああいうふうな今日の段階ではといったような字句が挿入されているものだ、さように私は解釈いたしまして、今日までこういったような経過をたどって参った次第でございますので、何とぞ御了承をお願いいたしたいと存じます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これで最後ですが、私はまた日を改めてゆっくり大臣にやりたいと思います。というのは、先ほど上林山委員が質問をしたときに、甘利電波監理局長が、こういう意見も出てきはせぬだろうか、こういう意見も出てきはせぬだろうか、こういう意見も出てきて、また調査、いわゆる諮問委員会においても意見が出てきてむずかしくなりはせぬだろうかというようないろいろなことを言われた。私は静かに聞いておって、そういうことについても大臣があの発表をするまでに十分に討議をした形跡がない。事務当局の局長が、こういう意見が将来諮問委員会において、電波監理審議会において出てこぬだろうか、そういう意見が出てきたら、こういうことについてはこういうふうに言わなければいかぬということで、困ったりする場合があるから、今のところはなかなかはっきりした見通しは言えませんということを上林山委員に答弁した。そういう心配事が技術当局にあるということについて、大臣は全然それを念頭に置かずにあの発表をしたと、私は解釈している。もし技術当局にもちゃんとそういうことを聞いて、それも大丈夫だということであなたが発表したというなら、今電波監理局長が上林山委員にああいう答弁をする必要はない。だからその辺に非常に大臣がきれいごとの答弁をしておって非常に楽観的な答弁をしておるけれども、しかし実際には技術当局としてはかなり心配した面を持っておるということは、あなたの答弁と局長の答弁を聞いておるとやはり想像がつくわけです。しかし、きょうここでそういうことを追及しようにももう時間がありませんから、きょうはこの程度でおいておきますが、もう一日目を改めて、この内容について今度は局長でなしに、大臣からゆっくり、直接あなたが技術的に検討した問題について一つ一つ聞いてみたいと思う。あなたがもしそれについて一つ一つ知っておって、これが確実に間違いがないということになれば、あなたのこの間発表したことは間違いがない。しかしそれを一々事務当局の答弁を変えなければならぬということになると、あなたはやはり絵を見たらあの絵が正しかったので許可したらよかろう、こういうことの考えしがなかったということになる。だからその点はあなたもよく勉強しておいてもらいたい。私もそういう点についてあなたにもう一ぺんゆっくり聞いてみようと思う。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 関連して。ただいまのカラーテレビの問題につきましては、もう一度機会があるようでありまするから、私もそのときに譲ってよろしいのでありますが、ただ大臣の先ほどからのお答えを承っておりますと、実は私はどうひいき目に聞いても大臣がアメリカ、欧州を旅行なさってきれいなやつを見てきて、これはいいぞというようなことで決意なさったように受け取れるのです。そうじゃないのだ、こうあとでいろいろ説明なさっておられますが、何かそのような気がしてならない。それから、非常に急げというような上林山委員の御要望に対して、九月ですか、国際議員会議が行なわれるので、そのときをめどとしてというようなお答えもあったのですけれども、この問題については、先ほど森本委員からしきりと言われたように、きれいだからというようなことだけできめられない問題だ、このことはあとで大臣も御説明なさった通りである。また幾ら急ぐからといって、国際議員会議というようなことで、それを目標にされてはたまらぬと思うのです。これは放送界の革命になるとまで先ほどから言われておることですから、そういう本質から離れたようなことでもって期日を急がれたり、方式をきめられたりしてはいけないのではないかと思う。実はこの問題が再々当委員会において取り上げられて以来、私どもの受けた感じでは、いわば技術的にまだ研究過程にあるのだ、前の大臣もそういうことで非常に慎重を期しておられた。前の濱田局長などは、そういう純技術的な立場からいって容易に決しがたいという意味で欧州の例、アメリカの技術界の研究状態というものもあげて詳しくわれわれに説明されて、非常に慎重な態度をとらなければいけないのではないかということを言われておりました。  そこで私は大臣にお伺いするのですが、先ほどいいやつを見てきた——子供がいいおもちゃに飛びついて買ってくれというような気持でないことはわかりますが、大臣はせっかくアメリカを御旅行なさって、欧州のテレビ界の実情を見てこられて、技術的にこの辺がもう最終なんだ、これから半年や一年待ってみたところで、これ以上のものはないのだというような確信をお持ちになっての上で今の決意になったのか、もしまたそういう確信をお持ちになったとすれば、その確信をお持ちになった事情、条件というようなものをここで御説明願えれば、今の、決してきれいな絵を見たからそれで飛びついたのではないということが私どもにもよく納得できると思うのです。技術的にどういう確信を持ち、どういう状況を研究の上で決意なさったか、一つ御説明をいただきたいと思うのです。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 ただいまのお話のうちの九月の議会同盟の会議を目安にすべきでないというお説は全く同感でございまして、それは本質的なものではございません、おっしゃる通りでございます。これは本質的に時期をきめるべき問題であって、決してそういうような偶発的な一つの現象をとっつかまえてそれを目標にそれまでに許可すべきものであるとは考えておりません。たまたま国際会議もございまするので、そのときに見てもらうことはなおさら日本の技術水準の紹介にもなるというような程度で申し上げたことで、百メートルのレースをやろうか、自分は五百メートルの競走に出場しようかというふうな意味のことでございまして、決して本質的なものではないということを御了承いただきたいと思います。  それから、その次に技術的な問題でございますが、私たち政治的に事をきめて参りますときには、むろん技術のことを土台にいたしましてそれが政策面に現われて参りますことは、科学技術の発達いたしました今日の社会といたしましては当然のことでございますが、そうかと申しまして徹底的にどこまでも最後の最後まで全部技術的に事を決定していくまでの必要は、今日の社会情勢でないのではなかろうか。技術的に見ましてある程度の、これならばというところであとは事業段階あるいは製造工業段階あるいは政治段階に取り上げまして、それで許可、不許可を決定していって差しつかえないのではないか。従いまして、これは金丸委員の御質問に対して森本委員の御発言を引用いたしましてはなはだ恐縮でございますが、先ほど森本委員の御指摘になりましたように、技術的に徹底的に追及なさったのでは私はとても答弁できませんから、あらかじめこれはもう退却、敗北を表明いたしておきますが、技術的には徹底的には私はわかりませんが、ただ政治担当者として、この程度ならばもう技術を離れて今度は政治段階として許可して差しつかえない、そういう判断で私は許可すべきものだと考えておりますことを御了承いただきたいと思います。本日はこの程度の答弁で一つよろしくお願いいたします。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 本日はこの程度というのでありますが、あまり問題が大きくなってきたものですから、この程度できようとどめておいていいのかどうか。問題は、大臣が去年の暮れに御決意なさって、非常に急テンポで取り上げられてきた。ところがそれまでの私どもの受けた印象では、よほど技術上の確信がない限りは踏み切れないということであった。前大臣、前局長の時分からそうであった。ところが去年旅行から帰ってこられてから急にそういうものが促進されたかのような印象を受ける。また、きょうの質疑応答の中でもそれらしく受け取れるものですから、それではきっと大臣があちらの方でもって相当研究に研究を重ね、技術的にも検討なさっての上のことであろう、今までのところでは技術的に何か決定打が打たれない限りは容易に踏み切れなかった状態がここで踏み切るということになったのは、それが議員会議や何かでないとするならば何かあるだろう。その決定打をちょっとでも見せていただきませんと、私どもにはどうもわかりかねる。何か一つの飛躍があったのではないか。飛躍をつかんでこられたのではないか。つかんだものを見せていただけば、あるいは百パーセント確信を持つのではなくとも、なるほどこれならば大臣が非常に急がれるのは無理もなかろうという感じも持たないとも限らない。そいつを一つお示し願いたい、こういうのであります。きょうそれを見せていただきますれば、私は次の機会にさらにまた技術的にいろいろ甘利局長にもお伺いすることになろうかと思いますが、大臣が非常に急がれた何かを見せていただきたい、こういうのであります。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 金丸委員におかれましては私が非常に急いだという御意見でありますが、私から見ますと、こんなにゆっくりやったのは、急がなかった行政は、私自身にとっては初めてでございます。就任以来何事も迅速に今まで長い間の懸案を一つ一つ処置いたして参ったつもりでございます。それにもかかわらずこの問題だけ初めてこんなに根回しをして、ゆっくり長いことかかりましたので、急いだという形跡は一つもございませんことを御了承いただきたいと思います。  それから技術的にとおっしゃいますが、やはり何を申しましてもテレビは目で見て同時に耳で聞く、聴視いたすものでございますから、聞き、また見るという点から考えまして、あれくらいきれいに見えますればもういいんだと存じましたが、さて幾らきれいに見えても、それが、国の財産をむだに消費するようなことであってはならない、人類の文化の進展に貢献しないようなものであつてはならない、そういうふうなことから教育、文化、産業、経済、あらゆる面から考えまして、もうこの段階になったら許可してこそ、人類の文化向上のためによい段階が来た、さように判断いたしたのでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 もう時間がありませんが、お伺いしたい点はそれからそれへと出てくるのでございますが、どうも決定打というものを見せていただけませんので、せめてこれだけはと思うのでありますが、大臣あちらの方に行かれまして、——私どもが去年ここで承ったところではなかなか受信機のコストが下がりかねておる。そのためにせっかく日本で出しても受信の受け入れ態勢が整いかねるのではないか、こういうことであったのです。これは全く大事な生命線なんですから、それが突き破れない限りは踏み切れないと私どもは思っておりました。ところが先ほどの大臣のお答えの中には、一応きめて、そのきめた方向で研究していけばだんだん下がるだろう、こういうことのようでありますが、それでは今までの条件とちっとも変らない。去年、おととしもそういうことであった。きめて、きめた方向で進めばそうなるであろうということであって、決してそうなるという確信は持ち得ないんです、それについてだけはどういうお見込みなんですか。何か非常に安くなる、庶民大衆も白黒でなくてカラーに踏み切るんだというはっきりしためどを持って、材料を持っての、今のような御決意でありますか。こんなに手間取ったことはないんだ、だからこれだけおくれては困るから急ぐんだということではなくて、私は、ものによっては、ほかのものはどんなに急いでやっても、うんと慎重に、うんと手間取る場合もあろうと思う。まあカラーテレビなんかの問題はそうでありたいと思うのです。おくれることが希望ではありませんけれども、それほどに今まで技術陣営においては慎重に慎重を重ねてきた、これがおれの政治の方針としてはこんな手間取れたものはないのだ、これはこれ以上手間取るのはおかしいからというような考え方で急がれたのでは、たまったものではないような気もするのです。言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、何かしら派生的なものでこの問題を決定なさるような気がしてなりませんものですから、一応念のために伺うのですが、何か一番の生命線を切り開くところの受信態勢の整備、コストの低下、庶民に喜ばれるような受け入れの条件が整うということの何かをつかんでお帰りになってのことであるか、どうか。それを一つお聞きしたい。

植竹春彦自由民主党郵政大臣

○植竹国務大臣 これはお話の通りでありまして、つまり聴視者の立場になって、カラーテレビが白黒以上に放送効果を現わすか現わさないかということが、許可の本質的なポイント、つかみどころであろうと思います。お説の通りであります。従って製造工業、コストというような問題は、むしろ派生的な問題である。本質はどこまでも放送効果でありましょう。しかし同時にまたこれのコストとか、カラーテレビに伴った生産工業の発達とか、あるいは生産工業の推進ということが、派生的ではあるけれども重要な、日本のカラーテレビ許可にあたってのポイントの一つであると考える次第であります。そこから考えますと、先ほどワン・ダラー・ブラウスの実例とか、ミシンの実例等をもって申し上げましたように、また白黒テレビの価格の問題について申し上げましたように、初めはこんなに高くては問題にならぬじゃないかと思うのが、マスプロによりますとぐっと安くなる。しかもシンガー・ミシンを追い越して国産ミシンが、今日アメリカなどにも、レッテルなどはどうなっておるか知りませんが、世界に向かって安く進出している。コストを安くマスプロをする、非常な製造工業が、日本はたくさんあります。それによって日本の輸出工業が非常に盛んになる。これによってアメリカのテレビ界もますます普及が促進される。世界のカラーテレビ界に非常に貢献するところが大きい、こういう見通しであります。これははっきりした見通しと考えております。

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤委員長 次会は明十日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十六分散会

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