地方行政委員会 第14号
- 発言数
- 18 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1960/03/18
会議録
○飯塚委員長代理 これより会議を開きます。 濱地委員長はお差しつかえがありますので、その指名によりまして私が委員長の職を行ないます。 市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。渡海元三郎君。
○渡海委員 昨年の国会で、国家公務員に対するところの退職年金制度が共済方式によって新しく設けられ、五現業並びに非現業の雇用人にあっては昨年一月一日から、また非現業の恩給公務員につきましては、国家公務員に関する限り昨年の十月一日から、すでにこの制度によって法が実施されております。当然地方公務員におきましても、退職年金制度をこの国家公務員に準じて定めらるべきものと、かように考えておったのであります。地方制度調査会におきましても、昨年そのような答申もあったと聞いておるのでございますが、ただいま議題となっておりますこの市町村職員共済組合法の一部改正も、この法案が提出されないために、なお一年このような特例を延期するということになっておるのです。提案理由の説明の中にも、目下研究中であるということを大臣も述べておられますが、どのような検討が進められ、いかなる理由で本国会にこれが提案されなかったか、ただいまの検討の過程を一応御報告賜わりたいと思います。
○石原国務大臣 ただいま渡海委員からお話しになりました通り、国家公務員の恩給が年金に切りかえられまして、それと歩調を合わせて、地方公務員もできれば三十五年度中に切りかえを行ないたいと考えまして、そのためにはまず事務費は全額補助をしてもらいたい、それから給付費に対しましても、国庫から一割くらいの補助を願えるという予算要求をしておったのでありまするが、残念でございまするが、その予算要求が認められなかった。同時にまた、地方公務員の給付内容、給付制度自体等についても、さらに検討を加えまして、一年くらい研究期間を置いて、もっと内容の充実したものにしたい。こういう気持で一年間見送ったわけでございますが、私も、三十六年度中にはこれが実施できまするように、今後も努力を続けて参りたいと考えております。
○渡海委員 年金制度について、ただいまのような国庫予算の面の政府間の統一ができなかったために見送られた。やむを得ないと思うのでございますが、法案の検討の中において、年金の統一ということももちろん必要でございますが、その際には、当然現在ばらばらに行なわれておりますところの退職手当という問題に対しましても、一応の統一的な方式がとられるように指導すべきが当然ではないかと思うのでありますが、この点についていかなるようにお考えであるか。
○藤井(貞)政府委員 お説のように、年金に並行いたしまして一時金としての退職手当、これも含めまして、いわゆる公務員の退職給与制度というふうに観念をいたしておるのであります。従いまして、国の場合におきましても、年金制度としての共済年金制度というものを整備をいたしますと同時に、退職手当制度についても、いわゆる恒久的な制度として確立をされた経緯もございます。従いまして、給与制度全般につきましても、地方公務員の場合についても、国家公務員に準じて措置をすべきが建前上当然でございますので、年金制度が整備をせられまする際には、一時金としての退職手当等についても同時に整備をいたして参りたい、かように考えております。御承知のように府県段階におきましては、退職手当についても、ほぼこれは国と同じように運営をして今日まで参っておりますが、市町村段階におきましては、なお非常に不斉一なものも中にはあるわけであります。そういうような点につきましても、年金制度の整備と並行いたしまして、たとえば現在地方においてだいぶでき上がっておりまする退職手当組合というような制度を活用する等の方法によりまして、並行して一つ整備をはかりたい、かように考えております。
○渡海委員 年金制度とあわせて退職手当も統一されるという方向で考案されておるということでございますが、特に市町村立の学校の教育職員は異動か非常にはなはだしい。このために昨年の国会で、年金につきましては、一定の条件のもとに異動した場合の通算措置を講ずるという自治法の改正によって、今日解決をせられたのであります。退職手当についても同じようなことが必要であるということがえるのでございますが、たまたま国家公務員の共済方式によるところの年金制度ができるということで、これによってこの要望が実現されるんじゃないか、かように考えておりましたのですが、今申された事情でこの法案の提出が延期になったということになりましたら、この教育職員に対するところの不当な、手当の通算措置というものができないという場合が非常に大きく響いてくるんじゃないかと思います。本問題につきましては、臨時国会におきましても請願が出され、これを採択する際に、自治庁当局は、法ができるまでは行政指導をもって強力に指導していくというふうな答弁をされたと思っておりますのですが、その後どのような指導をされ、なお一年法案の提出がおくれるようでございましたら、この行政指導を相当実効あるものとして行なって、その間の欠陥を補っていただかねばならぬ、かように考えるのでありますが、これに対する今までとられた措置並びに今後の行政指導をいかにされるかという点につきまして、具体的な的確なお答えを賜わりたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 退職手当の通算措置につきましては、若干年金制度とは異なった建前に相なっておるのでございますが、現在国家公務員と都道府県の間並びに都道府県相互間につきましては、強力な行政指導また従来のいきさつもありまして、その点は割と容易でございまするので、通算措置を認めることにいたしておるのであります。これと並行いたしまして、府県と市町村並びに市町村相互間につきましても、われわれといたしましては、通算措置は必要であるという建前で行政指導を従来も講じて参っております。退職手当の国家公務員に関する法律が制定をせられましたときには、その趣旨をはっきりいたしまするとともに、通算措置についても行政指導を強く、要請をいたして今日まできておるのであります。ただ、市町村の場合におきましては、従来の沿革等もございまして、退職手当についてはなお区々なものがかなり残っております。やはり一応の均一的な、内容の類似したものになりませんと、通算措置というものを強制をいたすということもいかがかと存じまするし、また行政指導にもおのずから限界があるわけでございまして、なお今の点、県と市町村、市町村相互間においては、相互の期間の通算措置が講ぜられているものが、全般的には行き渡っておらないというのが実情でございます。これらの点につきましては、先刻も申しておりまするような退職年金制度が確立をいたしまする暁においては、それと総合して、退職給与制度の整備をはかるという必要もございまするので、退職手当の整備と、なお相互の通算措置というものにつきましては、年金制度確立の際にあわせて一つはっきりいたしまするために、種々の有効適切な措置を講じて参りたい、かように考えております。
○渡海委員 退職年金制度が確立する際にやられることは当然でありまして、この法案が延びるということになりましたら、たとい一年間にしましても、このような矛盾のために職員自身の不利益はもとより、人事異動に対しましても相当な支障があるのではないかと思います。昨年の自治法の改正も、おそらく本国会に統一的な年金制度が出されるということを予想しながらも、特にその必要性を認めて自治法の改正をやっていただいて、年金の通算ができるように処置していただいたのでありますが、そういった趣旨にもかんがみまして、一方新しい法において統一をはかってもらうとともに、その間の矛盾、欠陥を少しでも少なくする意味におきまして、強力な行政指導をやっていただきたい、かように考えますので、この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○加賀田委員 関連して質問いたします。これは市町村間あるいは府県と市町村間の人事交流が非常に困難だ、そういうような趣旨からいろいろ論議されておりますが、今問題になっておるのは、既存の組織と、条件の低下を非常に来たすのではないかということで、各地方公務員等におきましても、反対の意見も相当あるわけです。統一されるのはけっこうですが、そのために地方公務員の負担が増加するとか、条件が低下するという憂いがないかどうか。もしあった場合に、既得権を保障するというような条件も何とか考慮してもらいたいという意見がありますが、その点についても自治庁としてはどうお考えになっておるか、その二点について説明していただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 新退職年金制度の内容につきましては、また機会のあります際に詳細に御説明を申し上げたい。かように考えておりますが、今度新しく国家公務員について実施をせられました退職金制度の内容は、総じて見ますと、従来のいわゆる恩給制度の給付内容よりも、給付内容が向上するという建前に相なっておるのであります。年限こそ十七年から二十年に延びましたけれども、給付内容が従来の百五十分の五十というのが百分の四十ということになりますしさらに加算率もそれぞれ向上をいたします。全般的に見まして、給付内容は向上をいたすというふうに考えております。ただそれと見合いまして、掛金というものも従来より上がります。そういう建前で、現在保険数理の形式で計算をいたしまして、国家公務員についてはすでに実施をいたしておるのでありますが、ただこれを当てはめます際に、現在の特に市でございますが、大都市その他の特殊の市において、かなり給付条件がいいものがございます。これらにつきましては、統一年金に移行いたしました際には、さしあたりやはり不利になるという結論の出てくるものもあるかと思います。それらにつきましては、基本的な線は、やはり統一年金でございますので、それらの内容に合わせますと同時に、従来の職員等について不当に不利にならないように、あるいは当該市の職員について、将来も不当な取り扱いにならないように、その市限りの特別の制度を付加的な制度として並行して行なっていくという道を開きますことによって、その間のアンバランス、あるいは急激な給付内容の低下というようなものを防止する措置もあわせて講じて参りたい。原則は、いわゆる既得権というものはあくまでこれを擁護していくという建前で立案作業を進めたい、かように考えております。
○飯塚委員長代理 ほかに質疑はございませんか。——別に質疑はないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。 —————————————
○飯塚委員長代理 これより討論に入ります。討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○飯塚委員長 代理起立総員。よって、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。 次にお諮りいたします。すなわち、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任を願いたいと任じます。これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○飯塚委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 幸 ————◇—————
○飯塚委員長代理 昨日本委員会に付託されました内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。石原国務大臣。 —————————————
○石原国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。 明年度以降に、国の直轄事業にかかる地方団体の負担金の納付方法としての交付公債制度を廃止することとしておりますので、この負担金にかかる所要財源を関係地方団体に付与する必要があり、また、地方公務員についても国家公務員に準じて給与改訂が行なわれることが期待されていること等により、増加する給与費に対応する財源の付与もはからなければならないのであります。また、別途地方財政法の一部を改正する法律案中に規定しております通り、住民の税外負担を整理し、道府県と市町村との間における負担関係の明確化を期するための財源の付与そり他制度の改正等に伴う所要財源の付与をはかるため、関係基準財政需要額を増額することが必要とされるのであります。さらに、最近において軽油引取税、法人事業税等の増収が相当の額にしってきている関係上、地方団体間の財源帰属の適正化をはかるためには、基準財政需要額及び基準財政収入額の算定方法を合理化するととも、地方道路譲与税法を改正して地方交付税上の不交付団体に対する地方道路譲与税の譲与額の一部を制限し、これを交付団体に再譲与することとする必要があります。以上がこの法律案の提案の理由であります。次にこの法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。第一は、地方交付税法の改正に関する事項であります。その一は、単位費用を引き上げて、基準財政需要額を増額することであります。道府県分につきましては、国の直轄事業にかかる地方負担金の納付方法としての交付公債制度の廃止及び公共事業費の増加に伴う所要の財源を付与するため、道路費、河川費、港湾費、林野行政費及びその他の土木費の単位費用を引き上げ、かつ、投資的経費等を合理的に算入するため、その他の諸費の人口及び面積を測定単位とするものにかかる単位費用を大幅に引き上げるほか、農業行政費にかかる所要財源の充実をはかるため、農業行政費のうち耕地面積を測定単位とするものにかかる単位費用を引き上げることとするとともに、道府県が市町村に課している負担金の整理をはかるため、道路費及び河川費の下位費用を引き上げることとしたのであります。市町村分につきましては、合併により地方交付税上の特例措置として行なわれる合併補正等による基準財政需要額の割り増しが合併後一定期間を経過した後は漸次減少することを考慮し、市町村の財源の総体的な充実をはかるため、その他の諸費の人口及び面積を測定単位とするものにかかる単位費用を引き上げるとともに、都市における環境衛生施設の整備に要する経費及び農山漁村における投資的経費の充実をはかるため、衛生費、農業行政費及びその他の産業経済費の単位費用を引き上げるほか、住民に対する税外負担の整理に資するため、消防費、小学校費、中学校費等の単位費用を引き上げることとしたのであります。 さらに、道府県分、市町村分を通じて、給与改訂及び昇給に伴う給与関係経費の増加額並びに制度の改正等に伴う所要経費を基準財政需要額に算入するため、関係行政項目の単位費用を引き上げることといたしました。 その二は、測定単位の内容を合理化することであります。すなわち、公債費負担の軽減をはかるため、国の直轄事業の地方負担金にかかる交付公債のうち昭和三十四年度までに発行を許可されたものの元利償還金並びに緊急砂防及び緊急治山事業にかかる地方債の元利償還金の一部を新たに測定単位の数値に加え、これらの経費を基準財政需要額に算入することといたしました。なお、基準財政需要額の算定方法を一そう合理化するため、今後補正係数を定めるにあたっても、道府県分については、まず僻地における財政需要の増加額を基準財政需要額に算入するためその他の諸費の人口を測定単位とするものにかかる態容補正を改めること。次に公共事業費等の財源に充てるため発行を許可された地方債の元利償還金の一部を基準財政需要額に算入するにあたり財政力の弱い団体について適用されている割増率をさらに引き上げること。また、納税義務者一人当たりの税額が少ない県の徴税費が割高となる事情を的確に反映させるため、その種別補正係数及び密度補正係数を合理化すること等の措置を講じ、市町村分については、弱少市町村における一般行政費に要する財源の増加をはかるため、その他の諸費のうち人口を測定単位とするものについて、都市的形態の度合いに応じて定めている態容補正係数の格差を縮める等の措置を講ずる所存であります。 その三は、基準財政収入額の算定方法に関する改正であります。基準財政収入額の算定方法につきましては、地方団体間の財源の均衡化を前進させるため、新たに、軽油引取税及び地方道路譲与税の収入額を基準財政収入額に算入することといたしました。 第二は、地方道路譲与税法の改正に関する事項であります。今回、地方団体間の財源の均衡化を前進させるため、軽油引取税及び地方道路譲与税を基準財政収入額に算入することといたしましたことに伴い、地方交付税上の不交付団体に対して譲与する地方道路譲与税の額につきましては、算定額から、交付税上の収入超過額の十分の二に相当する額を控除し、これを不交付団体以外の地方団体に再譲与することといたしたのであります。もっとも、地方道路譲与税が道路に関する費用の目的財源とされていることにもかんがみ、譲与額が算定額の三分の一に相当する額を下回ることとなるときは、当該三分の一に相当する額をもって譲与額とすることといたしました。また、このような改正を行なう機会に、その譲与基準を簡明化するため、道路の延長及び面積に按分して算定することといたしました。 以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○飯塚委員長代理 以上をもちまして提案理由の説明は終わりました。 この際お諮りいたします。理事会の申し合わせによりまして、本案につきましては後日本委員会において総括的な質問を行なうことといたします。が、さきに設置いたしました地方税法の一部を改正する法律案等審査小委員会の審査に付することといたしたいと存じますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○飯塚委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十四分散会