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34回国会衆議院1960/05/17

大蔵委員会 第24号

発言数
44
登壇者
6
会派数
2
開催日
1960/05/17

会議録

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより会議を開きます。  日本開発銀行法の一部を改正する法律案及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案の両法律案を一括して議題といたします。  質疑の通告があります。これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 もうこの両法案については、いろいろな角度で大臣にもお伺いをしておりますから、総括的なお伺いをするよりも、少し具体的に二、三の点をお伺いしたいと思います。  外債なりあるいは外資なり、これから言うならば、どんどんと入ってきそうなものは入れる、こういう政府側の方針であるように承知し、そのために必要な法律は変えていくということに理解をしておるわけですが、私ども社会党としてその方針に対して危惧の念を禁じ得ないのは、いつも言う通りでありますけれども、いかにして産業の保護をはかるかということと、今はいいけれども、将来国際収支が逆転する場合にどういうふうに措置をするのかという点であります。先般も私安全保障条約の特別委員会で質問したのですが、少し場所が違うという御判断もあって、適切な御答弁をいただくわけには参りませんでした。そういう根本的な問題について、大蔵大臣と通産大臣の間に所管の関係もあってその意見が違うように拝聴しておりまして、一体政府側の根本方針というものはどういうものなのか、私どもとしては判断に苦しんでおるわけです。なぜならば、この点についてまだ外資導入の緩和の方針が当面政府から明らかにされておりません。それから、第二番目には、日米通商航海条約を将来どういうふうに変えていくかについても明らかにされておりません。当面の外資導入の緩和の方針は何か、将来日米通商航海条約をどういうふうに変えていくかという点について、大蔵大臣と申し上げるよりも、一つ政府の御方針を明らかにしていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 過日来安保の委員会でもお尋ねがございまして、要点だけはお答えしたつもりでございます。ところで、ただいま御意見にもありましたように、日本の産業とすれば長期にわたって資金が不足している。こういう意味では、国内資金の運用調達にも十分留意するだろうが、そういう意味ではやはり外資の導入ということも積極的じゃない。そういう場合における国内産業の保護あるいは今後国際収支の変更等に対してはどう処理するか、こういうお話でございます。あるいは大蔵、通産、農林各省で幾分か考え方が違うじゃないか、あるいは根本的な違いがあるとは私は思いませんが、ニュアンスと発表の仕方等がだいぶ違っておりますから、そういう意味で御懸念があるのではないかと思います。  ところで、基本的な考え方は先だっても申し上げたのですが、優良なる外資の導入については大いに歓迎する。これは多々ますます弁ずるというか、大いに歓迎します。こういうことを実は申し上げております。抽象的には優良なる外資という表現はしておりますが、優良なる外資とは一体何なのか、これは申すまでもなくわが国産業経済の発展に役立つ外資ということでございます。そういう意味で、当方の希望は、外資は入ってきても、わが国産業を拡大したり、あるいは国内産業に悪影響を及ぼすようなもの、これはとにかくお断わりです。こういう基本的態度を実は持っておるわけであります。ところで、優良なる外資と一がいに申し、またわが国産業を育成する、かように実は申しましても、事柄の性質上当然既存の産業に影響がある。おそらくこれから議論がさらに発展するのだろうと思いますが、たとえば新しい技術を導入する。その技術導入について参ります外資というものは一体どう考えられるか、こうなりますと、新しい技術が入ってくれば、これは既存の事業に必ず影響があるということでございますが、これも、しかし、大きな国内産業全般の建前から見れば、技術導入によって今日の繁栄もあったという結論も出るように、やはり国内産業もそれぞれ合理化なりあるいは生産性向上なりに努力して参りますが、そういう方向で技術導入が役立つ、あるいはまた、技術導入は役立たないが、国内産業も近代化されなければならない、そういう方向である程度の刺激を与えるということはあり得る。  そういう場合に、それでは外資導入をして国内産業に刺激を与える程度ならいい、育成強化するのはいい、かように申しても、国内産業もやはり段階があるから、非常にプリミティブな国内産業に非常に進んだ近代的な技術を導入すれば、これはなかなか消化ができないで非常に困るだろうという場合があるわけであります。そういう場合の保護の方法としては、いわゆる関税政策によってある程度まかない得るのではないか。在来は為替管理の方法でやって参りましたが、今後為替の自由化という方向へ踏み切れば、当然何らか変わってこなければならない。そこでいわゆる関税政策というものが具体化するわけであります。ただいま関税政策の方で取り上げておりますのは、関税品目の分類、そういうような事柄をまず手がける。これはもちろん最も一般的に採用の基礎になっておりますものがブラッセル方式でございますから、やはりそのブラッセル方式による関税品目の追加ということが問題になる。  つい最近私ども関税率審議会に部会を設けて、その方で検討をお願いするものとして、大体関税品目を二千二、三百くらいにしたらいいのではないかということで、すでにその検討は始めております。同時に、品目と関税率というもの、これはもうもちろんうらはらをなすものでございますから、関税率の適正化をはかっていく。この関税率の適正化をはかる場合に、もちろん、ガットに加入しておる国においては、ガットの面からいろいろ制約があり、あるいは事前協議その他の相手国の了承を得るとかいう問題はございますが、とにかく新しく自由化をはかっていくという場合において、これはやはり関税品目並びに関税率を全面的に改正していく必要があり、もうすでにその作業にとりかかっております。これが一般的な方法でありますが、関税率あるいは関税品目にいたしましても、時期的に、また特別な品種についての暫定的な措置等をあわせて考慮していくということでなければならないということであります。しかしながら、わが国が採用しております在来の関税品目並びに関税率から見ますと、基本的には、ただいま自由化に備えるという意味では、大幅に関税品目並びに関税率を中心にしての審議を進めていくということであります。その場合においては、大蔵、通産、農林、その他関係各省の事務当局で構成しております幹事会、ここで十分案を練ってもらって、そうしてただいま委嘱しております関税率審議会で十分審議していただくということを実は考えておるわけであります。  この産業の保護ということは、一応の方向はただいま申し上げるようなことで大まかには済んでおると思いますが、この産業に対する影響はなかなか複雑多岐でありますので、この関税品目を定めたり関税率をきめるという場合にも、個々の品目をいきなり取り扱いましても、なかなか困難ではないか。やはり主要品目といいますか、柱になる品目を取り上げ、それに関連する各種のものを考えていく。しばしば言われることでありますが、原綿、原毛を考える、こういう場合に、これが自由化されるということになれば、同時に国内産業の化学繊維、こういう面にも思いをいたさなければならない。そうすると、やはりソーダはどうなるんだ、あるいはパルプはどうなるんだ、あるいは硫黄はどうだというような問題に発展して参りますから、原綿、原毛をあわせて考えていかなければならない。あるいは銑鉄なら銑鉄の問題を取り上げた場合に、銑鉄に対しての適正なる関税率というものを考えれば、あるいは原料炭はいかにするかとか、あるいはさらに棒鋼だとかあるいは形鋼、板はどうするかというように、やはり鋼の部門にもそれは関連してくる。しかし、それは原鉱の問題というよりも、やはり銑鉄なら銑鉄を取り上げて、結局銑鉄を中心に進むのだろうと思いますが、なお関連のものについての複雑なものをそれぞれ整理していくというようなことで、産業に対する保護育成をねらうべきではないか、実はかように思っております。また、今の関税により保護するということで、外資そのものについても、将来は外資の為替の自由化ということに大幅に踏み切った後においては、そこにいろいろ基本的な問題に当面するわけであります。  ところで、ただいままで政府が方針をきめておりますのは、貿易・為替の自由化という方向はきめております。しかしながら、ただいまの経済状態から見まして、貿易にいたしましても相当の準備期間を必要とする。また、ものによりましては、まず自由化の考えられないものがあるだろう。今までしばしば言われておりますことは、たとえば主食は一体どうするか。こういうようなものはまず考えられない。あるいは、今さしあたりの問題として、ここ二、三年で自由化のできないものには、酪農製品というものがある。あるいはまた油だとか石炭だとかいうようなものになりますと、これは自由化などそう簡単に考えられない、こういうことでございますので、そういうようなものもあわせてみまして、貿易の自由化の方向も進めて参りますが、資本いわゆる為替の自由化にも同じような面が当分続くのじゃないか、私ども為替の自由化を大幅に進めたい、かように考えておりますが、ただいままで取り上げました自由化方向への第一段階のものといいますか、これはまことに初期の段階のものでございます。たとえば海外送金を少し緩和するとか、あるいは外国渡航の場合の持ち出しのドルの制限の緩和をする、あるいは沖縄のような特殊地域については特別のものをやるというようなことを実は申し上げておりますが、この程度では十分ではない。最近は非居住者の自由円勘定設定という問題をすでに検討いたしておりますが、これもまだ大幅の踏み切りの段階になっておらない。ただ単に、過去において凍結したものを、ケース・バイ・ケースで、ただいまそれを解除するというような段階であります。あるいは為替集中制と申しましたが、これの緩和であるとか、あるいは交互計算の会社の範囲の拡大をするというような程度のもので、その方向だけは示しておりますが、まだ程度も非常に低いといいますか、金額の幅も非常に小さいものである。これはどういうわけでさようなことを考えるのか、国内産業に及ぼす影響も非常に甚大であるという意味において、やはり自由化にはできない。あるいはまた、国際収支の面から見ましても、思い切った為替の自由化はまだその時期ではない。まずその準備を進めていくべきだ。  最近アメリカの投資団がついこの八日以後数十名参っておりますが、それらの連中にも国内産業をいろいろ視察してもらっておる最中であります。これらにいたしましても、私ども一番心配しますのは、やはりホット・マネーが日本に入ってくる。これは非常に心配だ。これはもうしばしば指摘されていることでございますが、金利の相違、あるいはまた皆さんから言われるように賃金が安い、あるいは生産コストが非常に安い、こういうような意味で、今日本に投資することは非常に楽だということで、簡単に外資が入ってくるということがありましては、私どもが関税で障壁を設けるとか、関税で保護するとか申しましても、手は及ばないのであります。そういう意味で今投資団にいろいろ視察してもらっておりましても、まだまだ為替の自由化の方向には踏み切れないというのが実情であります。しかし、これは為替の自由化の方向へちゃんと方針をきめまして、円に対してもやはりその交換性を付与していくということにしなければなりませんし、そういうような事態になってきたときに、初めて国際収支の面にどういうような影響があるかということで、まだ準備期間中と申しますか、あるいは思想の統一期間とでも申します段階である、実は私どもかように考えているわけであります。  ところで、一部では、もう貿易の自由化も非常にやるのだから、為替の方も大幅にやらないと貿易の自由化も十分実を結ばない、こういう心配をする向きがございます。しかし、貿易の自由化についても、五月末時分に政府が具体的な方法でそれぞれのスケジュールをきめていこうという段階でありまするし、また関税そのものにいたしましても、いずれ国会の御審議をいただかなければならないのですが、これはこの国会に提案することは間に合いません。そこで、考えますことは、次の通常国会ということになれば、まだしばらくの時間を必要とするわけであります。それらのことを勘案いたしまして、為替の自由化の方向には踏み切る。しかしながら、その速度はただいまのところまだゆるやかな状態でスタートいたしております。諸準備が進んで参りまして、危険がなくなれば、それはもちろん急いで進めてよろしい、かように考えております。また、国際収支の面で非常な変調を来たす、こういうような事態は、ただいまのような考え方からは、容易にその危険はないように私ども考えておりますが、なおかつ今のような状況でも、わが国経済あるいは貿易の出入りの面で非常な変化を来たせば、これは国際収支には非常な影響を来たすわけであります。そういうような一時的な現象のものについては、もちろんIMF等の援助を受けることもあろうかと思います。しかして、それがさらに一時しのぎではなしに、建前の問題として考えれば、やはり自由化自身が失敗だということで、また為替管理の方向へいかざるを得ない、かように実は私ども考えているわけであります。ところで、私どもの心配し、また非常に時間をかけて漸を追うていくという考え方は、一たん自由化に踏み切ったならば、その自由化の方向で必ず成功したい、間違いを引き起こしたくない、引き起こすようなことがあってはならない、こういう意味で、その点では十分な準備を整えていくということでございます。そういう意味で相当の期間がかかるというのが現在の状況でございます。  しばしば通商航海条約との問題が引き合いに出されたのであります。あるいは国内における外資法なりあるいは為替法なり、これらは為替管理の法律ですが、そういうものをいかにするかというような問題がしばしばいわれておりますが、ただいまの外資法で一番問題になりますものは、送金保証の規定のあることであります。だから、送金保証がありますので、外資はそういう意味では非常な保証付ですから、外資法で入ってくることは安心のできることでありますが、同時に、日本側から見ますと、外資法で外資を入れることには、やはり国際収支の面に非常な影響があるししますので、これは十分注意をするのが今日までの状況であった、かように考えます。しかし、最近は外貨準備も相当ふえて参りましたので、むしろ投資側の気持で、これは外資法によらないで、送金保証を受けなくても、日本の為替管理の状況から見れば、決済上支障がないならばそれは自由だという、その本来の原則に返るべきじゃないかということで、今外資法と為替管理法と併用して外資法を扱おう、かように実は申しておりますが、入ってくる外資といたしましては相当の保証を必要としているというのが実情のように思いますから、非常に優秀な産業で、必ずそれが相当の利益が上がり、しかも長期に見れば必ず送金も可能だというようなものではないと、なかなか一般には入ってきにくいように思います。今の通商航海条約はすでに御承知のことだと思いますが、この自由を、拘束するのは国際収支という観点に立ってのみ制限することができるというのでございますから、この通商航海条約そのものから見まして、外貨準備が十分できて国際収支の決済上支障がない、こういうことになれば、これは今の通商航海条約の原則に返る、かように見てもいいのじゃないかと私ども考えておりますので、特にただいま非常な矛盾撞着というものがあるというように考えるのは少し行き過ぎじゃないだろうか、かように思っております。いずれにいたしましても、この自由化がさらに進んだ場合において、と申しますのは、為替と貿易とはうらはらをなすものでありますから、自由化は平行的に進めていかなければなりませんが、その自由化が進んだ場合に、しかる上で国際収支にどういう影響を及ぼすか、そうしてそれが一時的な現象であって、IMF等の協力だけで済むことならいいが、それが済まない場合にいかなる方法に切りかえるかという問題だろう、かように私思うのでございます。  景気並びに考え方について、大へんこまかい点や大きい点や、それぞれ申しましたので、大へん申しわけございませんが、まとまりのないお話でございましたが、以上のように私どもは考えます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 大へん広範にしかも懇切に御答弁いただきまして恐縮をいたしますが、今大臣のお話の中で二、三私の注意をひくことがございます。一つは、御質問をしました日米通商航海条約は国際収支の面だけでチェックされておって、そして産業保護とかあるいは他の事情については、チェックをしないことになっておるという御理解と、それから、当面の問題について、関税やその他をもって産業の保護育成ということをしなければならぬという御意見の開陳があったことは、将来日米通商航海条約を改定する必要がもちろんあるのですけれども、改定をする場合は、今お話がございましたように、国際収支の面からと、それから国内産業を守る面からと、一つの立場から、外資については、日米通商航海条約を改定するとすれば、それを原則とするというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 日米通商航海条約は私詳しく存じ上げておりませんので、あるいは誤解があると困りますが、ただいま御指摘になりました点は、一番私どもが注意しなければならぬ点だ、かように考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 同じく日米の投資に関して、私の承知しておりますところによりますと、MSA協定を締結いたしました際に、日米投資の保証に関する協定というものを結んでいるはずであります。日米投資に関する保証というものは、その後実際に具体的な効果があったものかどうかということを、どなたか担当の方に伺いたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 日米投資の保証に関する協定というものについては、今ちょっと関係がおりませんので、あとでお調べしてお答えいたします。ただ、先ほど申しますように、外資法の特徴は、外資法で入ってきた技術導入あるいは外資そのものについて送金保証の規定がある、あるいは三年あるいは五年の後に向こうにドルにして返すのだ、こういう規定があるわけです。これがうんと日本に投資されて、そういうものの金額がうんと年賦償還にしろ返っていくということになると、これは国際収支に影響があるということで、先ほどちょっと触れたわけでありますが、最近は、外資法の問題についてもややこれを緩和してみようか、というのは、据え置きの期間が経過した後、分割送金という制度があるが、それをその期間が経過したら一本にまとめて送金しても可能ではないかという程度を研究してみようかというようなことをやっておりますが、外資法に関係する問題でありますから、おそらくこの日米投資の保証に関するものも外資法の範囲を出ていないだろう、かように思います。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の承知しておりますところでは、これはMSA協定を締結する際に締結されたものでありますが、要するに、その当時アメリカの外資を日本に導入するときに、もしものことがあっては投資家に迷惑をかけるからというわけで、国内事情で、国内の政策上の問題で元金利子の送金ができないという場合には、そのアメリカの投資者はこれを政府に肩がわりしてもらう、そうして日本政府とアメリカ政府との間の問題に移すというふうに理解をいたしておるわけですが、この点は、私も、どうもその後実効が上がらなかったのではないかという気がするわけですけれども、今あらためて外資の導入に際して、この種の協定についての考え方を明らかにすべきではなかろうか。また、私は、こういう特にここまで保護する必要はないのではないか。また、元本の今日までありました送金保証にしても、いわゆる優良外資だから導入を積極的にする、そのかわりに元金利子の送金を保証するという変則的な制度はやめたらどうだろうか。その意味でお話をいたしまして、日米投資の保証に関する協定云々についても、これをおやめになるべき段階ではないか、こう考えるのでありますが、いかがですか、

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 どうも今関係の者がおりませんので、日米投資の保証に関する協定というものが要領を得ませんが、今までそういうような事例はなかったように記憶いたしております。この外資導入の場合に、外資法は先ほど来申し上げておるような送金保証の規定がある。これは非常な保護であるように一面考えられますが、そのために非常に入ってくることが困難でもあったということでございまして、保護に厚いことは御指摘の通り必ずしも望ましいことではない、かように思います。また、ものによりまして、多くの場合に政府保証を必要とするという場合が過去の例であるわけです。たとえば電力会社が金を借りるとき、やはり政府保証を必要とするというような問題があるわけですが、最近来ているアメリカ投資団の連中の話を聞きますと、優良な事業について政府保証をわれわれは必ずしも要望しない、しかし政府の保証がある場合と、ない場合とでは、少し金利が高いということだけは覚悟をしてくれ、こういう言い方をしております。やはりそこらにこれから具体的の問題として取り扱う点があるのではないか。たとえば国会で今御審議いただいております電電の社債というようなことになりますと、政府保証の有無ということ、これがやはり金利にも影響してくると一応見ていいことではないか、かように私ども考えております。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の今開陳しようとした意見は、外資導入の根本論についてはまた別の見解を持っておりますが、導入する外資に対する保護の点については、今月までの保護規定については、これはもうやめていくという方向に立つべきではないかという観点からお伺いしているわけです。  その意味で、もう一つお伺いをしたいのです。具体的な例でありますが、最近入手いたしました「金融財政事情」を見ますと、住友金属、川崎製鉄の外債発行にからんで、日米租税協定を将来改定するという考え方が一部にあるとの話であります。この点も、私は、そんな民間外債の発行にからんで日米租税協定を改定して、そして、それじゃそういうようなところのものは税金をただにしてやろうかというふうにまで発展をするというのは、いささか行き過ぎではなかろうか。これは政府がどういう態度になっておるか知りませんけれども、この本の取り上げている情報によりますと、そういう意見も大蔵省の中に一部あるというわけであります。最近はここしばらくどうなったか知りませんが、これによりますと、住友金属と川崎製鉄の外債発行は、大体民間外債の利回り実質八%をこすであろう、けれども、住友金属の場合は、世銀借款との抱き合わせだから、多少利息が高まっても世銀借款を実現しなければならぬから、乗りかかった船だからやる、大蔵省としても、乗せた船だから実現をさせなければならないというふうになりますと、実際、私どもが言うんですが、外資導入が第二の黒船だ、東洋の魅力は日本の金利だ、さあいらっしゃい、いらっしゃいというふうな考え方の中に非常な弊害が潜在していやしないか。この間も申し上げたんですけれども、とにかく積極的に導入するという考え方が日本じゅうに横隘をいたしておりますから、過去にあった日本軽合金だとか、おもちゃだとか、石油だとか、テレビだとか、ミシンだとか、国会で議論をし政府もその当時考えたことを忘れてしまって、とにかく外資を導入するということが先行をしておるのではないか、そういうことを考えるわけであります。  ついては、お伺いしたいのは、この住友金属、川崎製鉄の金利が八%を上回るから、この際何とか格好がつくように、政府としても肩がわりや、肩を入れてやろうとか、将来日米租税協定の第六条改定して、今利子所得の一五%ですかの税金について、ある企業については免税所得にするとかなんとかというお話が伝えられておるのでありますが、政府としてはどういうお考えでこの問題に対処しておられるか、お伺いしたいのであります。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 住友金属、川崎製鉄の話をいたします前に、基本的な考え方で外資の保護規定というものは不必要じゃないかというお話でございます。これは、外資が入ってきます場合には、外資を供給する側においてやはり採算をとるわけでございますし、当方で幾ら希望いたしましてもなかなか入ってこない。やはり基本的には信用の問題だ、かように思います。従いまして、敗戦後、外資が入ってくる、あるいは技術導入というような場合にはいろいろの問題があった、かように思いますが、最近は順次日本経済も改善されたし、同時に信用も非常に高まっておりますので、もうそろそろただいま言われるような方向で検討する必要が生じてくるんじゃないか、かようにも実は思います。  ところで、租税の課税の問題でありますが、課税の問題については、日米租税協定、これがもちろんその基本をなして、これによるわけでございますが、過去におきましては、アメリカ自身も積極的に日本への資金的援助ということを考えてくれておりますので、日本向けの投資については、アメリカ国内自身においても税を免税あるいは軽減する措置をとってきている。従いまして、そういう措置をアメリカ国内自身でもとりますので、わが国もこれに対してある程度の措置をとってきたという状態にあります。けれども、これは同時に国内金融との関係の問題もございますから、やはりただいま御指摘になりますような問題として将来考えていかなければならぬのじゃないか、かようにも思いますし、今後は新しい日米租税協定で処理していくということが一番望ましい方法ではないか、かように思います。  また、住友、川鉄の場合の問題でございますが、政府側で適正金利ということを申しましても、やはり、先ほど冒頭に申しましたように、わが国の非常な欠点は資金量に恵まれないということなんでありまして、そういう意味で国内金利は相当高い。政府自身が国際金利にさや寄せするという基本方針をとりましても、なかなか金利を下げるわけにはいかない、こういう状態でありますから、資金を外国で調達する、こういうような場合には、その事業経営者自身が十分採算点を考えていくということでありまして、これはアメリカ国内における金利そのものが日本に移ってくる、こう考えることは少し甘い。やはりアメリカはアメリカとして、日本に対しての金利——信用はよほど回復しているが、いろいろ保護規定があっても、幾らが適正だという一つのコマーシャル・ベースを考えていく。その場合に、当方でその金利で借りることがその産業に対してどうなるかを事業者自身が考える。しかも、私どもは、そういう場合に、一応事業者の側で納得がいくならば、そういうものは承認してもいいんじゃないか。今御指摘になりますように、政府自身が非常な高金利につくものを勧奨してぜひ借りろ、こういうことを申し上げるつもりは毛頭ございません。国内で調達可能ならば国内で調達するということであります。  ただいま住友、川鉄の問題が出ておりますが、これは世銀と向こうの金融機関との抱き合わせ金融になっております。その意味で向こうの金融機関からのみ借りるよりか、世銀が提供してくれる部分については六分という世銀金利でございますから、その点では幾分か安くなっておるということであります。ただいま八%というお話が出ておりましたが、はたして八分になりますかどうですか、その辺は、事務的なもので、今材料を持っておられれば一つ説明してもらいます。

渡辺誠大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○渡辺説明員 ただいま金利の点でお尋ねがございましたが、まだ現在交渉か進行中でございまして、向こうは条件は最終的にきめるということで、はっきりしておりません。  それから、今御指摘のありましたように、世銀につきまして先方負担あるいは当方負担というような点についてもまだはっきり話がついておりませんから、八%であるというふうな具体的な数字は出てきておらないわけであります。私どもといたしましては、できるだけ安い金を借りるように、常時報告は聞いて、そのアドヴァイスはしておるわけでございますが、現在のところ、八%になるか、あるいはそれより若干、下回るかあるいは場合によればこすかという点になりますと、はっきりした御報告は申し上げられない段階でございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 これは、ここでも指摘がしてありますように、単に住友や川崎の外資の導入だけということでなくして、政府としてそれに対してどういう態度をとるかという一つの試金石だと私は思うのであります。そんなものは、住友や川崎が税金分を負担をするのは御自由ですと、必ずしも言ってしまえないものがあるようですし、それからまた、大臣が今ちょっと触れられたように、将来租税協定に待つとするならば、結局、大臣の示唆しておられるのは、租税協定の、今一五%ですか、一五%をもっと負けるつもりだ、あるいは免税するつもりだ、そういうようなことをおっしゃっておられるのか知りませんけれども、政府としては何でもいいというわけにはいかぬのじゃないか。従って、そんな税金分をこちらが負担をするというばかなことはしてはいけないとか、あるいはあるパーセント以上は将来の外資導入に非常に影響するからやめた方がいいとか、何かリミットが私はありそうなものだと思うのでありますが、公に政府として態度を明らかにできないかどうか知りませんけれども、何か最近の、ネコもしゃくしもアメリカへ、成立はしないにしても、気持の上から外資導入、外資導入と言っていることに対して、あなたの言う健全な外資導入についての条件を政府としては明示なさるお気持はありませんか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今横山さんの御心配の通りでございます。私も同じ考え方でございます。今回の住友あるいは川崎製鉄の金利が幾らになるか。これは同時に今後引き続いてくるものに対して非常な影響を持つだろうということが言えますので、やはり新しい問題として十分検討を要するのじゃないだろうか、かように実は考えております。大まかに申しますと、ただいま申し上げますように、一部は民間、その半分は世銀ということになりますと、これは、向こうの金利というものが、国内通りのものでないにしても、日本の金利と比べまして非常に高い、あまり差がない、こういうようなことなら、私ども外資を受ける必要はないだろう、実はかように思います。だから、開発銀行の金利というものが特殊産業についての金融を処置する、ただこれが資金量の面で制限を受けるということになりますが、それにいたしましても、これは政府自身が外国から資金を集めてくる場合に、特別な技術を伴うのは別でございますが、資金そのものから見れば、国内で同等に処理できるものなら国内で処理するということは当然だと思います。ことに世銀から借りるということは、住友あるいは川崎の場合に、その半額は世銀自身がやるわけですが、かつて申し上げましたように、世銀は大体一年に一億ドル程度のものをしばらく融資しようといっておるのでありますが、そういうものの中まで食って、そうして高い金利のものを借りるというつもりは毛頭ございません。そういう意味で、ただいま事務当局からの説明が非常に確信のない話をし、場合によれば八分以上にもなるのではないかというような説明をしておりますので、誤解が非常にあるのじゃないかと思います。私は半額が世銀の六分であるならば、おそらく七分から七分五厘ぐらいまでの間でとまるのではないかというような気がしますが、これはもっと事務的な問題としまして十分見ていかなければならぬ、かように思います。問題は、こういう意味のインパクト・ローンの場合などは、明らかに国内金利と相当の開きがあるということ、利益があるということでなければ、これは大体まずいものだと思います。  また、租税協定の問題について、あるいは誤解があったのではないかと思いますが、アメリカ側で免税あるいは軽減措置をとっておるという場合に、日本国内で税を取るという問題でなしに、やはりそういう外資を優遇するという意味でも、日本でも免税あるいは軽減の措置をとるということで、これは日本に入ってくるアメリカ側の資金は二重に利益を受けておるということが実は今までいわれておるわけであります。これは将来の問題としてそういうことのないようにあるべきじゃないか。と申しますのは、日本側の金融機関が国内で金融する場合と、外国の金融機関が日本で金融する場合とが、非常に差別待遇を受けることは望ましくないから、そういう点で今後工夫していくということで実は申し上げておるのでありまして、向こうで減税になったからその範囲でこちらも課税する、その課税をどこかで負担するという意味ではないのでありますから、誤解のないようにお願いいたします。

横山利秋日本社会党

○横山委員 この問題は非常にいろいろな問題に発展をしてお伺いしたいことがたくさんありますが、昼からのことでありますから、端折って一、二関連してお伺いしたいと思います。  まず、外資導入が進んでいくと二つの影響を受けるだろう。一つは金利が低下するということを期待する。期待すると言った方が適切だと思うのですけれども、期待する。もう一つは金融統制が困難になってくる。この二つがいわれておるのであります。それから、金利が下がってくれば、またぞろ、矛盾するようでありますけれども、自己資本の蓄積という点について、政府の思っておられるような方向にはなかなか進まないという問題が出てくると思います。大臣に低金利政策をどういうふうに推進するかということについて、二回も三回も聞いてもなかなか言ってくれませんから、きょう言うてもらえなければ、この前の答弁でいいのですが、ただ皮肉を言いたいのは、本委員会で金融の正常化がかつて一年前に議論になり、あるいは学識経験者から金融正常化について提案があり、政府としてもそれにこたえて訓示あるいは演説でもおっしゃったのですが、一向金融正常化が進んでおらぬのではないか。それは一、二はありますけれども、全体として、いうところの金融正常化は進んでおらずに、またこの外資導入によってそれが困難になったという感じがいたしますが、これはどうでしょうかということが一つ。それから、自己資本の蓄積という面で大きく分けて二つ伺いたいのですが、一つは、最近非常にやかましく論争の焦点になっております株式の時価発行を、政府としてはどういうふうにお考えでありましょうかということが一つ。それから、もう一つ大論争になっております増資免税の問題であります。増資免税については最近答申が出まして、増資促進に関する答申案が出ましたが、そのことは左右の迎撃にあって、うやむやになってしまった。私はその方には賛成でありますけれども、今の自己資本の蓄積の論争の焦点になっています株式の時価発行と増資免税、これについてどうお考えでしょうか。もし二つとも大臣として否定的なお考えでありますならば、別に自己資本の蓄積という政府のスローガンは、どういう方法で推進をなさるおつもりでありますか。これも承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 具体的な問題にお答えいたすのでございますが、基本的な問題として金利と自己資本の蓄積との関係、これは一体どう考えるかというお尋ねでございます。この金利の問題は、申し上げておるように、国際金利にさや寄せするという低金利政策を基本的に堅持しておりますが、しばしば申し上げますように、景気調節等の作用等があるために、時に上がることがありますということを申し上げておりますが、この金利自身は、今の自己資本の蓄積あるいは一般の株式の配当、その他国債あるいは各種証券等との利回り等々、全部関連を持つのでございます。そこで、金利のあり方というものは、一部だけ取り上げましても、なかなかそう簡単に実は結論は出て参りません。ただいま御指摘になりましたように、金利が非常に安くなれば企業者は金を借りた方が得で、配当の伴う増資よりもその方が利口ではないかということがございます。  ところで、私ども、いろいろ金利のあり方について、今各方面から検討をさしておる最中でございますが、一番わかりいいのは、預金と融資金利を一体どう考えるかという問題にも当面するわけでございます。ただいままでのところは、この金融の正常化という観点に立ちまして、預金の金利は据え置き、そうして融資金利を下げるような、経営の面においてのコスト引き下げをあらゆる面において工夫さしてきておる。最近は金融自体の成績もよくなってきておりますので、そういう意味である程度いい状態も考えられるのではないか。しかし、昨年の金利引き上げが今のような業績をもたらしておるといたしますれば、これはさらに預金と融資との金利について再検討を必要とするのではないか、かように思います。また、金融の問題で、正常化を口にしながらなかなかできないじゃないか、こういうことを言われておりますが、始めました日銀の支払い準備預金制度、これはなかなかなかろうとではできない。むしろ私どもしろうとであるから、しろうとのけがの功名じゃないかと、実はかようにうぬぼれております。法律ができましてからなかなか実施できなかった。これは幸いにして皆様方の御協力でこれを発動したということ、これは顧みるとある程度自慢のできることじゃないかと思います。ただ金利そのものについては、公定歩合の弾力的運用その他等、時期的にそれを発動するというこの考え方でなければならない。今までしばしば言われておることでございますが、わが国においてはなかなか公定歩合を上下することが大問題でありまして、あらゆる機会に非常な論争を呼んでおりますが、欧米等におきましては、比較的公定歩合を上下することは気が楽に行なわれておる。経済の調節あるいは金融市場の状況等によりまして、これを上下しておるということでございます。今後の金融機関のあり方として考えると、もう少し弾力的な運用が活発であってもいいんじゃないかということを考えます。そういうことを考えますと、政府が公定歩合について関与する面よりも、地方銀行自身にそういう点ではよほど積極性を持った処置が望ましいのではないか。地方銀行がやらない場合には、政府自身が中央銀行にこれを勧奨する道がなければならないと思いますが、公海歩合の弾力的運用はそういう意味でけっこうな方法じゃないかと思います。預貸率の改善等業績を上げる、そうして信用を強化するというようなことは、内面指導の問題だと思います。  ところで、自己資本の充実というような観点から、増資免税あるいは株式の時価発行というような問題があるわけでございますが、この時価発行の問題については、すでに御承知のように、ある程度のパーセンテージでは現実に行なわれております。ただ問題は、理論よりも、今日までの国内の株主自身の考え方がまだそこまでなかなか進んでおらない。こういうことがありまして、非常に大幅に時価発行ということが行なわれておるという段階ではございません。しかし、おそらく今後この株式の時価発行という問題が随時に考えられてくるのじゃないか。一面でけっこうな点もありますが、一面でやはり弊害もあるということでありますから、パーセンテージを非常に低くしてそういうような処置がとれるかどうか、そういう点が検討の問題じゃないかと思います。  増資免税の問題につきましては、ただいま企業面から申せばぜひやれと強い要望が出ております。しかし、税の問題でございますので、やはり公平の原則と申しますか、こういう事柄は十分慎重に考うべきことだ、かように私ども考えますので、ただいま税制調査会等においても、増資免税あるいは企業課税のあり方というような観点からいろいろ検討はされておる。しかしまだ結論が出ておるという状況ではございません。

横山利秋日本社会党

○横山委員 私の質問は終わります。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 開発銀行の融資の問題について伺いたいのであります。最近の米国の金利の状態と、今後の見通し、これはアメリカでもわからないのでありますが、政府としては大体どういうふうに見ておられるか。政府の財務証券を中心として何か基準になるところを具体的に御説明願いたいと思います。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 最初に抽象的にお答えいたしますが、最近において米国における金利も一般的に上昇の過程をとってきたわけであります。ただ最近に至りまして、短期証券の金利等は、二月あたりに一時引きゆるみと申しますか、低下というような状況を呈しましたが、全般としてはまだそう金利が下がるというような傾向にはございません。一応これは経済全体がどうなるかという問題で、アメリカにおいても、景気がこれから上がるのか、あるいは一応頭打ちがくるのかということで、議論が分かれておるようでございます。それに関連いたしまして、金利の方もどういうふうにいくか、はっきりわかりませんが、しかし、どちらかというと、今までのような調子で経済全体が世界的にも伸びていくというようなことではないのじゃないか、そういうような意味においては、金利は若干とも下がる方向にいくのじゃないかというふうに、これは私の個人的な意見が入っておるかもしませんが、そういうふうに考えておるのでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 短期証券の方は最近三ポイントくらいずつ下がってきておるというふうに伝えられておりますが、長期債で見れば私は必ずしもそうでないのじゃないかというふうに感じております。それから、アメリカ経済の見方については、おのおのの主観的な問題もありますから、論議する必要はないと思いますけれども、アメリカのことしの予算なりいろいろな状態から見まして、今の傾向が急激によくなる、非常に資金が余ってくるというふうには考えられないのじゃないか。金利の下がり方を見ても少しは下がっていますが、そう大した下がり方ではないということ、引きゆるみの程度はわれわれが外債を発行するについての望ましい条件に至るかどうかという点に、多少私は疑問があると思います。その点について長期債は一体どういう経過を今たどっているか。イギリスの外債か、どこか基準になるものでけっこうですから、御説明いただきたい。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 アメリカの国債の金利で見て参りますと、昨年十二月末ごろ四分三厘二毛、それが一月九日が四分四厘二毛、それから一月三十日に四分三厘五毛になりました。二月に入りまして六日に四分二厘九毛、二月の末が四分二厘二毛、この辺やはり短期証券の金利の下がりましたのと関連いたしまして、若干そういう傾向を示してはおります。これはどういうふうになりますか、先ほども申しましたように経済全体がどうなるかということでございますけれども、やはり金融市場の情勢というものは相当急激に変わって参りますので、今から絶対にそういうふうに金利がゆるむことがないというふうには言い切れない。やはり外債を発行できるように準備だけはしておきませんと、下がってきて、いよいよ発行するという場合には法律がないというようなことになってはいけない。そういう意味において御審議を願っておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、特に問題になっておりますのは、電力債を予定しての三千万ドルでありますけれども、今度は電力の設備投資の方でちょっと伺っておきたいと思いますのは、本年度の電気事業に対する設備投資は、政府調整案で九電力に対して二千六百九十四億円、こういうことになっておるようですけれども、この中で実は予定されておる中に世銀借款が大体七十四億くらい計上されておる。これはおそらく九州電力の例の一ツ瀬水力開発に伴うものだと思いますけれども、これがどうも、私は最近新聞紙上で拝見した程度でありますけれども、必ずしも期待に沿うような動きではないように感じておりますし、さらにそこへ持ってきて、この百八億円というものも必ずしも今の時点で見てできるるかどうかわからない。こうなると、ことしの予定の中で外部資金が千五百六十三億円なんですが、その一割以上のものについて非常に不確実な要素が見込まれておるということになるのですが、これは、大蔵省としては、もしこういうものがうまくいかなかったときは、一体資金計画をどうするのかということについて、お答えを願いたいと思います。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 何と申しましても二千数百億の資金計画でございますので、これについては、いろいろ資金計画を外債や世銀あるいは国内の社債その他借り入れ等々の予定をいたしております。従いまして、そのうちのどの部分がだめになったか、これに対してどの部分をどうするというふうに、今具体的に話がついておるわけではもちろんございませんけれども、今おっしゃるような意味で外資関係がだめだというようなことになりましたら、やはり国内市場でできる限りの調達を考えるということしかいたしようはないかと思います。従いまして、外資もできる限り入るように、世銀の方も外債の方もいろいろと今後なおそこに努力の余地があると思います。そういう意味で努力して、資金の需要にこたえて参りたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと大臣にお伺いしたいのですが、大臣は、世銀のブラック総裁とは、電力借款の今の問題は、かつてお話しになったことがあるのじゃないですか、現状について。すでにその一ツ瀬水力はだめだということで、どこか小倉の火力か何かならば考えてもいいというような話があるとかないとかということらしいのですが、そういうようなことで、ここでは予定計画としてはちゃんと出ているのです。七十四億出している。しかし、それは二千二百万ドルはだめだというようなことがもうはっきりしておるというような場合に、今局長は何だか世銀の方もいけそうな話をしているのですが、私はだめだと思うのです。少なくとも一ツ瀬はだめだ。小倉の方に来ればたかだかで七、八百万ドルくらいしか出ないのじゃないかというのが、現実の姿じゃないかと思うのです。そこで、さっそくここで穴があいてきて、資金需給計画というものはいろいろなものが考えられなければならない。すでに考えられていいはずじゃないか。この問題については——外債の問題はこれからでありますけれども、世銀借款については相当はっきりしていると思いますけれども、その点大臣はどういうふうにお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 ただいまの九州電力の一ツ瀬の水力発電、これは、堀委員が御指摘のように、世銀としては水力発電としては非常に詳細なデータを必要とするということで、今日までの交渉ではむずかしい結果になっているということであります。ところで、大体その金額に見合うものを他の場所で資金を提供してもよろしいということで、近く調査団が来るやの話も聞いております。そういうことになれば、今の金額の相違そのものは少数でございましょうから、非常に大きな開きがあるものとは実は考えられないということでございます。ただいま一ツ瀬ができなかったから、計画自身を直ちに落としてしまうというわけでなくて、他の方向でもこれを使い得るということでございますれば、これはそのまま続けていった方がいいのじゃないか、かように思っておるわけです。ところで、今大体考えております三千万ドル自身にいたしましても、その中には、計画的に見まして十分まだ具体化しないものもあるだろうと思いますが、最近の設備投資の増強等から見ますと、やはりこの際は資金を確保することが先だ、そういう意味で協力を願いたいというので一応の計画を立てておる、かように私ども理解しております。いずれにいたしましても、ただいまは御審議をいただいている段階でございますから、これを実現していくという上には、何と申しましてもまず御審議を終了していただいて、御賛成を願いますれば、一そう私の方も元気が出る、こういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ここで審議をして通ればあしたから金が入るというのなら、これはわけはないことで問題はございませんけれども、私はやはりそれほど簡単には参らないと思っております。大体現実の問題として、はたして今年融資が得られる、外債が発行できるかどうかということについては、最近のアメリカの金融市場の状態からして必ずしも楽観を許さないのじゃないか、こういうのが一般的な見方じゃないかと私は考えております。最近新聞紙上を非常ににぎわしておりますのは、要するに電力の需給関係というものは相当逼迫した状態にきているということでございます。昨年の経過を見ても、三十四年度は計画としては七百二十九億キロワット・アワーぐらいだったのが、予定より六億キロワット・アワーもふえている。要するに、このごろは、大体需給計画で見ると、予定した需要よりも常に需要の方が先へふえておるというのが——これは経済のテンポが伸びておるので、その面からいえばけっこうかもしれない。それは余力のある範囲においてはけっこうであるけれども、頭を突いてくればこれはひっくり返って、他の生産計画に非常な影響を来たすおそれがあるということになる。  そこで、私含めて伺いたいのは、電力関係の設備投資に対して政府は少し考えが甘過ぎたのじゃないかという感じがしておりますのは、要するに財政投融資の方で、開発銀行の融資は五十億昨年度よりは減っているわけですね。そうして、どっちかというと、資金計画を見ると、民間の方に非常なしわを寄せておるというか、民間資金を多額に使うように第一義に考える。第二義には、今の外債なり世銀借款というようなものにもおんぶしていく。これは私はそれほど確定的な要素ではないような感じが実はしておる。そうすると、さっき銀行局長は、これがだめだったらどこかで資金繰りしてくるのだという話ですが、計画全体を見ると、必ずしもそんなに楽なところはないように思うのです。本年度は非常に民間の借り入れなんというのはふえておりまして、大体会社案に比べて、政府の調整案というものは、著しく民間の方に比重をかけるような調整案を大蔵省や通産省の方でお作りになっておる。そういうことになると、外債がうまくいかなかったら、ことしの設備投資というものは相当困難な状態になってくるのではないかという点で、今の日本の経済の発達のテンポにはたして合い得るかどうか、ここに一つの隘路が一番先に出てくるのじゃないかということが、非常にはっきり出てきているわけです。  そこで、金額がわずかならともかく、少なくとも二千万ドル、百八億円を予想しておる。例の一ツ瀬ですか、これなんか去年もすでに大体入るかと思って、政府の方では保証に対する予算を組んでおられたと思う。ことしも組んでおられると思うけれども、一向に入ってこないというような、非常にあいまいなものが相当な金額でこの中に頭を出しておるとすると、これがもしだめだったら一体どこで調達をするのか。社債だって一月に六十億からの社債を消化しなければならぬというようなことは、電力債の内部的な社債市場でも、必ずしもそんなに楽なことじゃないのじゃないか。そこへも相当比重がかかっておるというところで、世銀の方は別としても、外債三千万ドル、これだけでも一体右から左へ調達できる見通しがあるのかどうか。やはり政治というものは、相手があって仕事をする場合には、最悪の場合に対する処置が講じられておりない限り、重要なる基礎産業の需給計画が狂うようなことがあれば、他の産業に影響する点は非常に大きなものになる、私はこういうふうに思うのですが、それに対しての裏づけというのは一体どこから持ってきますか、もし百八億がだめだった場合に。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 百八億の外債がだめだった場合に、どういう方法でこれを穴埋めするかというお尋ねのポイントだと思うのですが、これにつきましては先ほどもお答えいたしましたが、全体として二千五、六百億の資金計画の問題でございまして、まだ年度の初めでもございます。従いまして、全体としての資金繰り、工事の進捗状況あるいは産業政策として今後資金の需要がどうなっていくかによって、計画そのものもどういうふうになって参りますか、いろいろ経過があるかと思いますので、そういう状況に合わせまして、資金繰りについてはできるだけ資金を確保するという考え方で参るべきものでございます。その場合に、必ず社債でと申しましても、社債市場の状態にもよりましょうし、今からきめておくわけには参りませんが、社債がだめなら市中の借り入れによるとかいうことで、何分電力は重要な産業で、御指摘の通り、これが不足いたしますと産業の発展のネックになりますので、そういう意味において、また今の金融の大勢といたしましても、電力に対してそう金を貸すということが危険であるとかいうような状態にもございませんので、そういう意味において、電力に対する資金の確保というものは、比較的容易になし得るというふうに私どもは考えておるのでございますが、具体的にどうなりますか。絶対的に足りないときに財政投融資をどうするとかいうような問題は、まだ先の問題でもございますし、そういったところまで今お答えするのはいささか早過ぎるのじゃないか、こういうふうに思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、もう少し伺いたいのは、さっき横山さんも触れましたけれども、住金なり川鉄の向こうでの社債は非常に高金利になっておりますね。全部計算して大体九%くらいだろうということらしいのですが、諸経費を全部計算して幾らですか。

渡辺誠大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○渡辺説明員 先ほど横山先生に御答弁申し上げましたように、実はまだ条件が確定していないわけでございます。最終的な条件は最後の段階でなければ確定しない。それから、現在その申し込みを受け付け中でございまして、必ずしも予定の半額に達していないわけでございます。そういうわけで、表面利率は七分とかあるいは七分五厘とかいっておりますけれども、今お尋ねのありました実効金利の点につきましては、まだはっきりきまっておらないわけであります。ただあと半額につきましては世銀の方で引き受けるという話し合いになっておるのでございまして、世銀の方は現在六分の金利でございますから、合わせますと決して九分とか八分とかいうふうな高金利にはならないと存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今のお話は私は実はちょっとおかしいと思うのです。世銀は別の口なんです。半分は世銀なんです。そして半分は外債、要するに社債で発行するのですから、平均したら幾らになるなんていうのは議論にならないのであって、これは住金の社債が最終的な利回りとして幾らだという議論にならなければ、そんなものは、それは大蔵省は平均したつもりでやっておっても、アメリカで見ておる状態なり、いわゆる第三者的に見れば、そんなことは私は通用しないと思う。だから、最終利回りというものはおそらく——新聞の伝えるところで私もあまり詳しく知りませんけれども、大体九分くらいになるだろうということなんです。そうすると、国内の一流社債だって九分なんていうのはないんだという現状で、一体アメリカくんだりまで行ってそんな高い金利のものを借りなければならぬのかどうか。それも非常な金額——今のように三千万ドルだの五千万ドルだの借りるというならこれまた別ですが、今住金なり川鉄の借りようといっているのは、そう大した金額じゃない。いずれも一千万ドルを割るのです。五百万ドルか七百万ドルでしょう、ちょっと私詳しく覚えておりませんが。そんなものを九分も出して、何かプール計算したら六分くらいになるというようなことでやったところで、それ自体はやはり九分近いものになるということになると、一体何のために外債、外国市場でそれをやらなければならないか。そういうものができた場合に、やはり問題になると思うのは、今の日本の多債発行についても私はやはり関連が出てくると思う。だから、そこでちょっと伺っておきたいのは、一体この外債はどのくらいの利回りで公募を希望するのか。要するにここからここまでならいいけれども、ここから以上だったらやめるんだというそこのところは一体どこになるのか、ちょっと伺っておきたい。

石野信一大蔵事務官(銀行局長)

○石野政府委員 開銀債につきましては、これは先ほどもお尋ねの中にありましたように、電力資金は非常に必要なもので、そういう意味においてこれはぜひ確保していかなければいけない。そういう資金需要の強さと申しますか、必要性というものと、そのときの国内の金利の情勢、それからあちらでの金利の情勢、金融情勢というようなものが関連いたしまして、こちらもこれだけ金利が高いんだからしようがないじゃないかとか、また資金需要がこれだけ電力に対して必要性があるんだからやむを得ないじゃないかということが関連して参りますので、今から何分なら発行するが何分なら発行しないというふうに限界をきめてお答えするのはいかがかと思いますので、御容赦願いたいと思います。ただ開銀が取り扱うものでありますし、政府保証のものであります。そういう意味において、信用程度からもプライベートな社債を発行するよりは有利になるでしょうし、それから開銀の貸し付ける金利もそう高い金利では意味もありません。そういう意味において、今出ているようなお話よりはできるだけ低く発行したいというふうには考えておりますけれども、幾ら以上はもうだめだ、幾ら以下なら発行するというふうな限界を示せというお話としては、今お答えするのは御容赦願いたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうなると、もう一つ伺っておきたいのですが、そうすると、さっきのお話で、住金の方ですが、川鉄ですか、かなり公募が進んでおるというお話のあった分は、それだけで一体最終利回りは幾らになっておるのか、一つ財務官の方で——今それは売っているのでしょうから、向こうが買ってくれているのなら、はっきりした売り出し価額なり何かあるのじゃないか。それは最終で全部がしまいにならなければわからないということですか。現在の取引の状態というものが、相場というか、そういう格好であるはずですが、最近のものはどうなっておりますか。

渡辺誠大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○渡辺説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、これは公募ではございません。向こうの証券業者に頼みまして、証券業者が投資者と特別に相談をしていろいろ話をしておるということでございます。従いまして、条件等については、ごく限られた応募者あるいは募集者の範囲内で、できるだけ日本に有利な条件で、しかも発行可能な条件ということが引き受けた会社が努力しておるわけでございまして、ある程度募集の方が進んでおるということでございますけれども、最終的な条件につきましてはまだわれわれも話を聞いておりませんし、そこでこの条件で出すのだというところまではいっておらない状況でございます。ただわれわれいろいろ聞いておりますところによりますと、大体八分は上回ることはないだろうということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今のお話、私ちょっと納得できないのは、発行条件もきまらないものをコマーシャル・ベースでやっている中で受け付けるはずはない。金利は幾らになるか、売り出し価額が幾らになるか、最終利回りが幾らになるかわからないものを、じゃ買いましょうと申し出る者が、公募であろうとなかろうと、私はあるはずはないと思う。やはり投資者なり、住金と向こうの証券投資会社の中では、一応これだけの幅についてはわれわれの方はよろしいとか、そのビートと合わすとか、どこかにきまってないことには、そんな全然白紙でおまかせしますなんということはあろうはずがないし、あなたの方は八分くらい以上上回ることはないだろうと言うが、これは率直にいうと、そんなことは答弁としては信用できない。  そこで、これはいいですが、これと開銀債とはやはり無関係じゃないように私は思っています。この問題がどういう形できまるかということと、現在の日本の国債が、ある金利なり価額の問題との、やはり開銀債というものはよくても中間でしょうが、中間でもどっちかといったら上の民間社債に近い方に寄ってくるのじゃないか、現実にはそういうふうになります。そうすると、非常に高い金利でも、さっきの銀行局長の話じゃないが、優先度は高いのだから、ともかく金利は高くてもいいのだから出すということをここでやるとなれば、今後の外債をわれわれがアメリカの市場でやる場合には大きな禍根を残すことになる。もっと長い将来に対して、日本の経済を、アメリカ市場で日本のそういう起債を起こす場合の長期的な見通しを考えるならば、百八億円国内で消化して、ともかく不当に高い金利などでこれをアメリカで引き受けてもらうようなことはやめないと、今後のこういう問題について非常にマイナスの点が起きてくるのじゃないかと私は感ずるのですが、これは大臣いかがですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 これは一つは資金計画自身に非常に誤解がありはしないか。たとえば、この資金計画二千六百九十六億びた一文でも欠けたら困るじゃないか、百億欠けたらどうするか、こういうお話からスタートして、三千万ドルを出すというなら、もうその資金計画は動かせないのだから、非常に悪い条件でも出すのかという意味だと、これは少し考え方を変えていただきたいと思うのです。先ほど来申しておりますように、設備投資の資金計画は一応立っておりますが、これはやはり工事の進捗状況なりその他でまた支出の時期等にも狂いがあったりいたしますから、この金自身が一切動かないと考えることは、まず一つ問題があるわけです。またそのうちで外債に予定しておりましても、ただいま御指摘になりますように、今回の外債の出し方が将来続いてやるかやらないかは別としても、やるとしたら一つの基準になるであろう、これは御指摘の通りでございます。そういうことを考えますと、その扱い方はわれわれよほど慎重に考えなければならないということでありまして、そういう場合に外債を出さないとしからば一体どうなるか、これは結局資金状況を十分勘案してやらなければならないということであります。それでは、最初から国内で何とかなるのなら、外資をやめたらいいじゃないかという議論が残るわけですが、私どもが一般的に常識的に考えますと、国内の資金状況等から見ますと、外資の方が金利なり利回りは大体安くいくだろうということを一応考える。そういう意味で私ども今回外資導入を計画しておるということであります。だから、これは国内で必ずまかなう、また何としてでもまかなえるのだから、もう外債をやめてしまえと言うのは、ちょっと論理の飛躍があるだろうと私は思います。  問題は、外資を出します場合に、一体どういう条件でそれがきまるかということであります。この前国債を発行いたします場合も、金額だけはきめましたが、その条件を決定するまでに非常な折衝をいたしました。ことに最初の国でございますだけに、これが将来続いて発行される外債の一つの基準になるだろうという意味で、私ども非常な努力をいたしました。そういうような経験から見まして、たとえば今の住友あるいは川崎製鉄の場合に、金額半分は世銀が引き受ける、残り半分を民間が引き受けて、いわゆる民間と世銀との協調融資で住友や川崎が調達するということになるわけです。先ほど、民間から借りるものだけは一体幾らか、それはこちら側から見れば住友の社債で入手させるのじゃないかというような御議論、これは一部その通りを採用してもいいと思いますが、私はやはり住友の場合は世銀との抱き合わせで全額がきまるということでございますから、これはいわゆる住友の社債の格づけということには必ずしもならぬのじゃないか、かように思います。ただ開銀債の場合であれば、これは政府の公債と民間とのちょうど中間をいき、それから御指摘になりますようにむしろ上の方の民間に近いものになるのじゃないか、それはもう御指摘の通りであります。そのような点がどういうような状態に結んでいくか、これは今後の問題になるわけであります。  先ほど、住友や川崎の場合に政府の答弁は不十分じゃないか、かように御指摘になりましたが、総体の金額自身を世銀が五百万ドルなら五百万ドル引き受ける、残りをファースト・ボストンあるいはその他のものに引き受けさすとして、これはやはり条件次第で、非常にいい条件なら直ちに引き受ける、かように思いますが、それでは当方が困りますから、そういう意味の折衝が残っておる、かように実は思っております。従いまして、ただいまそれがどうなっておるかと言われても、それを答えるわけにいかぬし、また、開銀債を今後発行する場合に、その条件は一体どれがマキシマムで、それ以下ならいいのかということを言われますと、これはやはり将来の交渉の問題でございますから、この際それを明確にすることは当方にとりましても非常に不利だ、かように思うので、その点はしばらく預からしていただきたい、かように申しておるわけであります。  もう一つは、アメリカの金利そのものが一体どうなるのか。最近の金融状態についてはどういう見通しをしておるか。先ほど銀行局長が一通りのお話はいたしましたが、今後の金融状態というものはなかなかわからないものであります。最近参っております証券引受協会の諸君、あるいはベルギーのもと中央銀行の総裁をしておりました人などもただいま参っておりますが、それらの連中の話を聞きましても、非常な希望的観測もあるのでしょう。少なくともただいまの好景気は続くようだ、まあ来年の一月くらいまでは大丈夫です、それから先はどうなるか、だいぶん先のことですから、ただいま見通しをつけるわけに参りません、こういう言い方をしております。それでは、アメリカ自身が非常に金融がゆるんでいるのか。そういう状態ではございません、依然として設備投資その他在庫投資等非常に強いものがある、かように申しております。また、欧州のドイツは、ずいぶん外貨準備もふえているから、相当余裕があるのじゃないかと聞いてみますと、ドイツを中心にしての自由市場のまかない等も、ドイツはある程度短期のものについてやっているようですが、それらの金利も相当高いようであります。欧州ではスイスがどの程度になりますか。これはコモン・マーケットの部類ではございませんので、私は冗談を言いながらベルギーの総裁のフレールさんにそう言ったのですが、君の方もやはりスイスの方をコモン・マーケットに引っぱり込んでおいた方が楽じゃないかと言って笑ったのですが、今の経済自身が、日本の景気ばかりではなく、欧米ともに相当高水準、そして生産も非常に伸びて高い水準にあるという状況でございますので、金融の面では楽観といいますか、そう安い金利というのはなかなか望めないのじゃないか、かように実は思います。ただ、私どもの考えるのは、こういう機会に授権をしていただきますれば、時期を見まして適当な状況のもとにおいてこれを取り扱っていく。そのためにはやはりある程度の期間を与えていただくことが必要だし、それには授権の権能を政府に与えていただきたい、これが必要だ、かように実は考えておる次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今世界の大勢からいろいろお教えをいただいて大へんありがたいと思いますけれども、しかし、私はここで率直に申し上げておきたいことは、かねがね私よく申しますけれども、日本の国際収支の状態から見て、日本の国際収支は必ずしもそう楽観を許さない。特に特需に大いに依存しておりまして、もし特需がなくなったら、あしたからでも別院収支は逆調になるというような事態の中で、そう高い金利まで払って、国内と大して変わらないのなら、外債を無理に受け入れる必要はないじゃないかということが、今後の見通しの中で私は重要であると思いますので、いろいろ伺ったのと、特に電力債については、現在すでに需給関係は非常に暗い見通しがあるという実情に立って、あまり外債その他を楽観して入るかのような幻想に基づいて、出しておいてもらったら、いつか入るなどというような態度では、私はいささか心細いということを特に注意を喚起しておかなければならぬと思います。だから、基本的にはそういうことで、そういう不安定な要素でないもので基礎産業についての計画を組むということが、今のように異常に経済が動いておるときには特に重要ではないかという、経済全体に対する構え方の問題をあわせて私の所感として述べて、質疑を終わることにいたします。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて両法律案に対する質疑は終了いたします。     —————————————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これより討論に入ります。  通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ただいまの開発銀行の外債発行に関する問題にいたしましても、第二世界銀行の問題にいたしましても、私は一つの問題の流れの中の問題だというふうに理解しております。ということは、先ほど大蔵大臣も答弁で答えられておりますけれども、世界的に見て必ずしも金融のだぶついておるところはないというのが現実の姿であります。そうして、特にわれわれが対照的に考えるのはドイツ、いろいろな状態で日本に似通っておるドイツを見ましても、第一世銀の借り入れが現在欧州市場では非常にドイツに依存しておりますけれども、そのドイツですらも、この第二世界銀行の発足にあたっては、自分たちはそれほど資金の余裕はないのだということを当初に申しておるというふうに私どもは伝え聞いておるわけでありまして、そのドイツは一体どういうふうにやっておるかというと、中南米に対しては相当な投資を現在やり、将来の自分たちの貿易に対する備えというものを常に考えながら、現在経済政策を進行しておるわけです。ところが、日本の実情はどうかと見てみますと、さっきちょっと触れましたように、国際収支必ずしも楽観を許さない。特需に依存して、ようやく黒字であるというこの程度で、非常に何か余裕のあるような気持になって、ともかくアメリカから資金がないから出せと言われれば、何でもまず出しましょうということで、国際開発協会の問題も取り上げられておる。そうして、この間も質疑の中で議論いたしましたように、われわれが一番当面問題にしているところの東南アジアに対して、よりもっと将来の問題を考えていかなければならないという地点に立っておりながら、実はこれまでの経過から見ると必ずしも満足できていない。そういうコースの中へ相当巨額の資金を入れる。片面ではそういうことをして、それがあるいは無利子であるか、二分五厘であるか、あるいは二分であるか、貸し付けられるような金をわれわれの方ではそっちへ出しておいて、今度はアメリカから高い金利で金を借り入れる。一体これが日本の現状の政策として適正であるかどうかということを考えてみますと、これは一連の関係としてまことに矛盾に満ちたものであると言わざるを得ない。やはり日本の国力相応の形でこういう問題に取り組んでいただかないと、つき合いによってということだけで、こういう安易な道をとるということについては、これはかねて横山委員も言われておりますが、国内の金利市場の問題から見ても、国民としては納得のしにくい問題が多分にあるかと思います。今のような全体的な問題から見ましても、何か矛盾しておるということを感ずるのは私だけではないと思うのでございます。  以上のような観点に立ちまして、この両法案というものは、当面する日本の経済情勢の中ではきわめて不適当なものであるということを申し上げて、私の反対討論にかつえる次第であります。

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 続いて採決に入ります。  採決いたします。両法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 起立多数。よって、両法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。  ただいま可決いたしました二法律案に対する本委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木庚子郎自由民主党

○植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次会は公報をもってお知らせすることにして、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十七分散会

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