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34回国会衆議院1960/06/14

建設委員会 第23号

発言数
21
登壇者
5
会派数
1
開催日
1960/06/14

会議録

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 これより会議を開きます。  昨日付託となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案及び昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法の特例に関する法律案を一括議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。  村上建設大臣。     —————————————

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  本年五月チリ沖に発生した地震に伴う大津波が、わが国の太平洋沿岸の各地に来襲し、幾多のとうとい人命を失うとともに、巨額の物的損害を惹起しましたことは周知の通りであります。特に三陸沿岸地域等は、過去におきましても幾たびか津波による災害を受けているところでありまして、政府といたしましては、国土保全と民生安定の見地から、この際津波による災害を防止する対策を樹立し、計画的にこれを実施することといたした次第であります。  これが、この法律案を提出する理由でありますが、次にその要旨について御説明申し上げます。  まず、この法律の目的は、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域において、津波対策事業の計画的な実施をはかり、もって国土の保全と民生の安定に資することであります。  第二に、津波対策事業の内容となるべき事業は、チリ地震津波により災害を受けた地域におきまして、災害を受けた海岸または海岸付近の河川及びこれらに接続する海岸または海岸付近の河川について施行する事業で、津波による災害を防止するために必要な海岸堤防、河川堤防等の新設または改良に関する事業等であります。  第三に、主務大臣は、関係地方公共団体の意見を聞いて、津波対策事業計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしました。  第四に、津波対策事業計画その他津波対策事業に関する重要な事項を審議するために、総理府にチリ地震津波対策審議会を置くことといたしました。  第五に、政府は、津波対策事業計画を実施するために必要な措置を講ずることとし、国の財政の許す範囲内においてその実施を促進すべきことといたしました。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、本年五月のチリ地震津波による住宅の被害の状況にかんがみ、その災害による被災者を入居させるための公営住宅の建設を促進するため、公営住宅の建設に要する費用についての国の補助率の引き上げ等について公営住宅法の特例を設けようとするものであります。  次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  すなわち、本年五月のチリ地震津波による災害であって政令で定める地域に発生したものに関して、事業主体が災害により住宅を失った者に賃貸するため第二種公営住宅を建設するときは、国は、予算の範囲内でその費用の四分の三を補助することができることとし、現行法に定める国の補助率より高率の補助を行なう措置を講ずるとともに、国の補助の対象とする住宅の戸数を増加し、災害により滅失した住宅の戸数の五割に相当する戸数を国の補助の対象とすることといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 これより両案の質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。  木村守江君。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 今回わが国の太平洋岸を襲った津波が、今までに例を見なかった非常な大規模のものであったことは御承知の通りでありますが、津波常襲地帯と申してもいいように、三陸地帯は貞観年間から二十回にわたって非常に大きな津波が襲来しておりまして、そのつど沿岸民の損害はまことに大きいものがあったのであります。大臣も行って見られましたが、今回の津波の被害の状態を見まして、今回の津波においていま少し手を加えておったならば、いま少し国土保全の積極性をもって仕事をやっておったならば、この被害を減少せしめて、もって罹災民の数を少なくして、とうとい人命を失うようなことも少なかったのではないかというような感じを持つのであります。大臣はどういうお考えを持っておられますか、一つお伺いいたします。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 御指摘のように、人間一代の間に、すでに三回も大災害を津波によって受けるというような悲惨な状態は、われわれは繰り返してはいけないと思います。前回の災害当時、多浪海岸等に施設を施した部分につきましては、非常にこれを防止することができたようであります。  従いまして、私どもといたしましては、今回この津波対策事業に関する特別措置法案を提出いたしまして、これが御審議を願い、この成立によって内閣に津波対策審議会を設けまして、それぞれその各地区について背後地等を勘案しながら、そこに防浪事業とでも申しますか、そういうような施設を施しまして、今後抜本的な防止対策を講じたいと痛切に考えておる次第であります。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 今回の津波に際しまして、この法律案を提出されましたことはまことに時宜を得た処置であると考えられますが、今までの建設省の仕事を見ておりますと、建設省と申しながら、きわめて消極的な、いわゆる災害対策——国土建設ではなく、国土防護といいますか、災害の穴埋めだけをしておるような状態であったのではないかと考えるのであります。こういう点から考えまして、ほんとうに建設省の名にふさわしいような積極的な津波対策というものを立てて参らなければいけない。  それと同時に、日本の周辺を削るところの海岸の侵食につきましては、これは抜本的な対策を考えて参らなければならないと考えるのでありますが、この法案と相関連いたしまして、海岸の侵食に対する抜本的な対策を立てていかれるお考えを持っておるかどうか、お伺いしてみたいと思います。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 この法案によりまして津波の常襲地帯とでもいうところは十分検討いたしまして、これが適切な措置を講じたいと思っておりますが、なお、全国海岸地域におきまして、かような類似の地点があります場合には、われわれといたしましては、できる限りこれらの地点についても、このいわゆる特別措置によって民生の安定、国土の保全というものを考えなければならないと思っております。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 次に住宅問題でお伺いします。この住宅の建築に対しまして、第二種公営住宅に対する特別な処置を講ぜられますことはまことにけっこうでありまするが、住宅の罹災された状態を見ましても、いわゆる第二種住宅のような住宅を作っても、これは津波で全部やられてしまうというような状態を、まのあたり私ども見せつけられたのであります。こういうような点から、公営住宅の補助率を引き上げるというようなことで津波対策を終わったんだというような消極的な考え方では、私はだめじゃないかと考えます。私ども見て参りました範囲におきましては、あの海岸の五メートル程度の津波によりまして、あるいは大きな百トン級の船またはラワン材等によりましても何らの損害を受けていないというのは、いわゆる鉄筋コンクリート作りの堅牢な建物は何らの損害を受けないというようなところから、ほんとうに津波対策のために住宅を作るということでありましたならば、ちょうど防火地帯に不燃化の建物を建てるというようなことと同様に、津波常襲地帯にはいわゆる鉄筋コンクリートのような建物を建てさせるというような特殊な方法を考えていくべきではないか。いつまでも災害が起こってから、それをそのときそのときでもって埋め合わせていくというような消極的な政策をとっておったのでは、これは間に合わないのじゃないか。この辺で積極的な方策を考えるべきじゃないかと考えるのでありますが、大臣、いかがですか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 御指摘のように、住宅によるいわゆる防浪対策、被害を受けないような対策も、これは最も肝要だろうと思っております。従いまして、公営住宅あるいはそういう一般住宅等におきましても、かような点も考慮に入れて、階下はいわゆる恒久建築にする必要があろうと思います。それらの地域につきましては、これは特定な場所で、たとえば私の視察した結果から申しますと、大船渡市あたりの海岸はこれに最も適している地域だろうと思います。すべてがそれが適当であるかということについては、その公共団体等の力あるいは個人の力等に待たなければならないのでありますが、少なくとも、ただいま御指摘のような点については私どもは十分検討して、そういうことに進めて参りたいと思っております。  なお、漁港あるいは港湾の背後地にこれらの施設ができない場合には、背後地に防浪堤等を構築いたしまして、今後再びかようなことを繰り返さないような措置を講じて参りたい、かように思っておる次第でございます。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 今回の津波による災害が、公共土木災害は少なかった。そういうような点から、公共土木事業に対しては特別立法の必要がないというような御説明があったのでありますが、私は今回のいわゆる公共土木事業というものは、その災害が少なかったのだけれども、また個人被害が多い、非常に深刻な被害が多いというようなところから、普通の水害等で公共被害が少ないから、公共土木に対する特別立法は要らないのだというのとは違うのではないか。これはやはり公共土木事業の被害が少ないからといって、これに対するいわゆる特別立法を作らないということは、個人の被害が多い、その上にいわゆる県並びに町村の負担が多いということに相なります。これは県並びに町村の負担並びに個人の負担が多いということに相なりますから、ほかのいわゆる水害等の公共土木災害が少ないのとはおのずから違うものがあるのではないか。そういうような点から、これは聞くところによりますれば、このくらいの公共土木災害に特別立法を作るというと、台風季を控えて次から次へと出てきて困るというような考え方がありますが、その考え方とこの津波のいわゆる被害の状態とは違うんじゃないかと私は考えられます。これに対しまして、大臣は、被害の額が少ないからだというような話でありましたが、これは考慮すべきではないかと考えるのですが、いかがでありますか。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 御指摘の点は、ごもっともでありますが、御承知のように、今回の被害総額、報告によりますと二十七億円程度でありまして、この地帯は大体例年災害の特例を受ける地帯が多いのでありますから、これを例年災害の特例によって計算してみますと、特別立法、たとえば昨年の伊勢湾等に適用した特別立法をかりに制定いたしたといたしましても、わずかに八百万程度、しかも本年度かりに五〇%の施設の復旧をやるとしましても四百万円程度であります。これを先ほど申しましたように、たとえば伊勢湾等の例にとってみますと、伊勢湾では五十三億円という補助率が増額されておりますので、そういう点からこれを考えてみますと、特別立法をこの程度ではやたらに作るべきものではないのではないか。比較的公益性に乏しいので、こういうような今回措置をいたしております。  しかし、災害に関連して、施設の災害、ただ単に原形復旧はその程度でありますけれども、災害の関連復旧、あるいはまたこれに伴う今回の津波対策審議会で立案されるはずでありますところの施設、いわゆる改良復旧施設等につきましては、私どもはその地方の公共団体の財政事情等を考慮いたしまして、別途な高率補助によってこれらの事業を遂行していくということを考えなければならないと思っております。ただ、今回の原形復旧にとどまる程度のものは、この程度で私はお許しをいただきたいと思っておる次第であります。

木村守江自由民主党

○木村(守)委員 ただいま大臣は、私が聞こうと思ったことをお話しなさったのですが、御承知のように、今回の公共土木災害そのものは少なかったのですが、公共土木事業の災害に関連してやらなければならない仕事が数倍に及んでいると思うのです。そういうような点から、公共土木災害そのものが少ないから、原形復旧の姿が少ないからといって補助率に関する特例法を作らないというようなことは、これはまた災害に見舞われるというような状態に相なりますので、その点十分考慮の上で、この法律が可決されましたあとは、予算の措置を考えてもらいたい。そうして、一刻もすみやかに罹災民に対して安堵感を与えてやることがわれわれの責任だと考えますので、お願い申しておきます。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 ちょっと簡単に大臣に一、二点お尋ねしておきます。三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案、この第三条の主務大臣というのは建設大臣と解していいか。それとも、あるいは建設大臣、それから農林大臣、こういうふうな意味にとっているのかどうか。  それから、第五条で必要な措置を講ずると書いてありますが、これは、従来この津波対策について必要な措置が講ぜられていなかったがゆえに今回のような災害が起きてきたことは、木村委員の御指摘のあった通りなのですが、第五条で必要な措置というのは、これは計画は審議会でお立てになる。今日までいろいろな事業についても、審議会の議を経て立てられた計画が、計画通りいったことはないと思うのです。今回も審議会で計画を立てて、そうして必要な措置を講じなければならぬと書いてあるが、そのあとにはきまり文句の、国の財政の許す範囲内においてと書いてある。一方には積極的に、政府は防浪堤を築くなり、海岸堤防を強化するなりして、未然に災害を防ぐ施策を講ずるということは、今お述べになった通りです。ところが一方においては、必要な措置を講ずるが、国の財政の許す範囲、こういうことでは、私は積極的な津波の災害対策というものはできないと思う。相当な広範囲にわたる海岸堤防なり、あるいは漁港の設備なり、あるいは防浪堤なりを築かなければ、また同じような災害が繰り返されることは火を見るよりも明らかであります。でありますから、私はこの必要な措置を講ずるという中には、やはり高率の補助等も当然考えていかなければ政、府が言われるような積極的な対策にならぬと思っておりますが、こういうようなことは一体どういうふうにお考えになっておりますか。この二点をまず聞いておきたい。

村上勇自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長・北海道開発庁長官

○村上国務大臣 まず、第一点の関係主務大臣ということは、農林、運輸、建設、この三大臣になっておる次第であります。  それから第二点の、必要な措置を講ずることということは、二階堂委員の御指摘のように、いわゆる高率補助等を抜本的に講じなければ、たといどういう内容の防浪堤等の計画ができましても、ただ単に計画倒れになるおそれがありますので、必要な措置というのは、どうしても補助率を上げるというような措置を講じていかなければならぬと私は解しております。

二階堂進自由民主党

○二階堂委員 そういうような具体的なことをおきめにならなければ、こういうものをきめたって、はなはだ失礼だけれども、これはごまかしの法律だと言われても仕方がない。実際は、内容を見ると、通り一ぺんの計画を審議会がきめて、その計画も主務大臣が関係大臣になっていますから、それぞれ責任を持って、農林省は農林大臣が責任を持ってきめ、建設省は建設大臣が責任を持ってきめる。しかし、その最終的な責任者というものは、これは審議会か何か。一体だれが最終的な責任者となって総合的な計画を立てるのか。そういうことも明らかになっていないように私は考える。これは伊勢湾台風のときもそうなんです。各省にまたがっていて、しかも、なかなかその設計、実施がおくれておる。そこで最終的な実施計画を立てるような審議会というものをお立てになったが、そういうものがこの中にはちゃんと出ていないようですから、そういう今後の施行、実施の予算措置等については、一つ十分勘案されまして、努力をされるようにお願い申し上げておきます。  もう一点、住宅対策について。私は先般も住宅対策についてお尋ねをいたしておきましたが、こういうような構想はどうか。それは、津波で漁民のうちが一ぺんになくなっている。しかも、個々の貧弱な、経済力の弱い漁民は、同じようなバラックの住宅を建てたって、また三、四年に一ぺんは流される。でありますから、私はモデル地域でも設けて、そして下は作業場にして、とにかくコンクリートの住宅を建てるように指導されるべきではないか。そういうことが、私は積極的な災害防除の住宅対策になるのではないか、こういうことをお尋ねいたしておる。大臣もそれには御同意されたと思いますが、そういう考えを持って今後指導される用意があるかどうか。またそういうようなものを建てる場合には、補助率等を一体どういうように考えておりますか。この点、もう一ぺん念を押してお尋ねしておきたいと思います。これは局長でもいいです。

鬼丸勝之建設事務官(大臣官房長)

○鬼丸政府委員 ただいまお話の点は、私ども全く同感でございます。ただ現実に、お話のような趣旨のものを建てます場合には、地元の市町村当局を初め、地元の住民の方々の御意向を十分伺った上で、なお私どもとしましては積極的に御指導いたしまして、しっかりしたものを作りたい。  そこで、これには二通りございまして、公営住宅のいわゆる併存の施設、げたばきの公営住宅、こういう行き方。それから中高層耐火建築物、さらにできれば防火建築帯を予定いたしまして、それに乗っかるような中高層建築物の融資、防火帯の補助。これを考えておりまして、そういう方向で今具体的に検討を進めております。

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 この際お諮りいたします。この両案に対する質疑はこれにて終局するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。     —————————————

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 これより両案の討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、討論を行なわず直ちに採決を行ないます。  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた地域における津波対策事業に関する特別措置法案、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害に伴う公営住宅法の特例に関する法律案の両案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 起立総員。よって両案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、ただいまの議決に伴う報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

羽田武嗣郎自由民主党

○羽田委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時八分散会

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